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特表2023-550790嗅覚の悪臭抑制を有するエアロゾル発生物品システム
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  • 特表-嗅覚の悪臭抑制を有するエアロゾル発生物品システム 図1
  • 特表-嗅覚の悪臭抑制を有するエアロゾル発生物品システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-05
(54)【発明の名称】嗅覚の悪臭抑制を有するエアロゾル発生物品システム
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/02 20060101AFI20231128BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20231128BHJP
【FI】
A24D1/02
A24D1/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531597
(86)(22)【出願日】2021-11-11
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2021081361
(87)【国際公開番号】W WO2022112013
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】20210779.3
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】アラメンディ フラヴィ
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
(72)【発明者】
【氏名】サルヴァドール トーマス フィリップ
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AA45
4B045AB14
(57)【要約】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体および臭気抑制基体を含む。臭気抑制基体は、少なくとも10種類の異なる臭気成分を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品であって、
エアロゾル形成基体と、
臭気抑制基体と、を備え、
前記臭気抑制基体が、少なくとも10種類の異なる臭気成分を含み、かつ
前記エアロゾル発生物品が、前記エアロゾル形成基体の少なくとも一部分を囲むラッパーをさらに備え、前記臭気抑制基体が前記ラッパー上に提供されている、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記少なくとも10種類の異なる臭気成分のうちの一つ以上が、アブヘキソン、アセトフェノン、オルト-アセチルピリジン、イチゴアルデヒド、ガンマ-ノナラクトン、酢酸イソアミル、酪酸アミル、イソ-ペンチルフェニルアセテート、吉草酸ペンチル、アニソール、ベンズアルデヒド、酢酸イソボルニル、ブタン酸、ブチルスルフィド、カリオフィレン、セレリアックス、クロロチモール、桂皮アルデヒド、クマリン、p-クレゾール、酢酸p-クレジル、イソ酪酸p-クレジル、4-メチルアニソール、クミンアルデヒド、シクロヘキサノール、2,4-トランス-トランス-デカジエナール、ジブチルアミン、ジエチルスルフィド、酪酸ジメチルベンジルカルビニル、ミュゲカルビノール、2,3-ジメチルピラジン、2,5-ジメチルピラジン、ジメチルトリスルフィド、ジフェニルオキシド、酪酸エチル、プロピオン酸エチル、2-エチルピラジン、ユーカリプトール、オイゲノール、フルフリルメルカプタン、グアイアコール、ヘプタナール、1-ヘプタノール、ヘキサナール、ヘキサン酸、1-ヘキサノール、3-ヘキサノール、トランス-1-ヘキサナール、2-フェニルプロピオンアルデヒドジメチルアセタール、ヒドロキシシトロネラール、インドール、リナロール、メロナール、l-メントール、2-メトキシナフタレン、アントラニル酸メチル、メチルアセトアルデヒドジメチルアセタール、パラメチルキノリン、サリチル酸メチル、S-(メチルチオ)ブチレート、ムスクガラクソリド、酢酸ノニル、1-オクタノール、1-オクテン-3-オール、ペンタン酸、4-ペンテン酸、フェニル酢酸、フェニルアセチレン、フェニルエタノール、イソホロン、アルファピネン、酪酸プロピル、プロピルスルフィド、スカトール、α-テルピネオール、チオグリコール酸、チオフェン、チモール、オルト-トルアルデヒド、トルエン、ガンマ-ウンデカラクトン、ウンデシレン酸、イソバレルアルデヒド、イソ-吉草酸、ガンマ-バレロラクトン、バニリン、酢酸、アセトアルデヒド、アセトイン、プロパン-2-オン、ブタナール、オクタナール、2-ヒドロキシプロパン酸、ブタン-2,3-ジオン、プロパン-1-オール、2-オキソプロパン酸、メチルスルファニルメタン、デカン酸、プロパン-2-オール、2-メチルプロパナール、ブタン-2-オン、酢酸メチル、2-メチルプロパン酸、安息香酸メチル、安息香酸エチル、2-ヒドロキシプロパン酸エチル、2-メチル-5-プロパン-2-イルシクロヘキサ-1,3-ジエン、1-メチル-4-プロパン-2-イルベンゼン、酢酸2-フェニルエチル、(3S)-3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール、オクタン酸エチル、プロパン-1-チオール、ギ酸エチル、デカン酸エチル、ヘプタン-2-オン、オクタン酸メチル、ウンデカナール、酢酸エチル、4-メチルペンタ-3-エン-2-オン、ブタン-2-チオール、ペンタン酸エチル、ヘプタン-2-オール、プロパン酸メチル、ヘキサン-3-オン、ペント-1-エン-3-オール、ブタン酸メチル、(メチルジスルファニル)メタン、酢酸ペンチル、ノナン-2-オール、デカン-2-オン、ビス(メチルスルファニル)メタン、ペンタン-2-オール、ヘキサン酸ヘキシル、4-メトキシベンズアルデヒド、ジエチルブタンジオエート、ヘキサン酸エチル、酢酸ブチル、4-エチルグアイアコール、(R)-(+)-ベータ-シトロネロール、リモネン、ラエボ-ベータ-ピネン、ゲラニオール、チオラン、トリメチルアミンから成るリストから選択される、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記少なくとも10種類の異なる臭気成分が、嗅覚の刺激空間に及ぶ、請求項1~2のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記少なくとも10種類の異なる臭気成分の各々が、実質的に等しい知覚強度で提供されている、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記臭気抑制基体が、少なくとも20種類、好ましくは少なくとも30種類の異なる臭気成分を含む、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記臭気抑制基体が、前記ラッパーの一部分を囲む帯として提供されている、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記臭気抑制基体が、臭気成分で含浸された固体支持材料を含む、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記固体支持材料が紙の細片を含む、請求項7に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記紙の細片の上流端が、前記エアロゾル発生物品の上流端から少なくとも10ミリメートルである、請求項8に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記紙の細片の下流端が、前記エアロゾル発生物品の下流端から少なくとも8ミリメートルである、請求項8または請求項9に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記紙の細片が、約0.5ミリメートル~約10ミリメートルの幅を有する、請求項8~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
臭気成分が吸着または吸収されたラッパーの一部分を前記臭気抑制基体が含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
前記エアロゾル形成基体の下流に位置する下流セグメントをさらに備え、前記臭気抑制基体が前記下流セグメントの上にある、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項14】
エアロゾル発生システムであって、
ヒーターを備えるエアロゾル発生装置と、
請求項1~13のいずれかに記載のエアロゾル発生物品と、を備えるエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生装置で使用するエアロゾル発生物品に関する。特に、本発明は、エアロゾル発生装置で使用するエアロゾル発生物品に関し、エアロゾル発生装置は臭気抑制基体を備える。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル形成基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、当業界で知られている。典型的に、こうしたエアロゾル発生物品において、エアロゾルは熱源からの熱を、物理的に分離されたエアロゾル形成基体または材料に伝達することによって発生され、このエアロゾル形成基体または材料は熱源と接触して、または熱源内に、または熱源の周囲に、または熱源の下流に位置してもよい。エアロゾル発生物品の使用中に、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、かつエアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に同伴される。放出された化合物は冷めるにつれて、凝縮してまたは核を成してエアロゾルを形成する。
【0003】
先行技術の一部のエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の上流の可燃性熱源を備える。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。使用時に、可燃性熱源からの熱は、エアロゾル形成基体を加熱して、化合物を揮発し、これは冷めて、凝縮または核形成されてエアロゾルを形成する。
【0004】
エアロゾル形成基体は、別個のエアロゾル発生装置によって加熱されてもよい。多くの先行技術文書は、エアロゾル発生物品とともに使用するエアロゾル発生装置を開示している。こうした装置としては、例えばエアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素から加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体への熱伝達によってエアロゾルが発生される、電気加熱式のエアロゾル発生装置が挙げられる。
【0005】
しかしながら、エアロゾル形成基体を加熱するプロセスはまた、望ましくない不快な臭気の発生につながる場合もあることが見いだされた。この問題は、エアロゾル形成基体がたばこを含む時に、特に顕著である場合がある。一部の場合において、エアロゾル発生装置によって発生したエアロゾルは、ユーザーがエアロゾル発生装置の使用を完了した後、空気中および周辺環境中に留まることが観察された。これは異臭として知られている。他の場合において、エアロゾル発生装置の不適切な使用またはメンテナンスは、独特で不快な臭気につながる可能性があることが観察された。これは、例えばエアロゾル発生装置の電気ヒーター要素が適切にクリーニングされていない時に生じる場合がある。これは悪臭として知られている。異臭と悪臭は両方とも、エアロゾル発生物品のユーザーと、エアロゾル発生物品にごく接近している他のユーザーとの両方によって体験される場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
その結果、エアロゾル形成基体の加熱によって引き起こされる、異臭および悪臭などの不快な臭気を低減または防止する、エアロゾル発生物品を提供することが望ましいことになる。
【0007】
非常に強い香料または心地よい香りを使用することなく不快な臭気を低減または防止するエアロゾル発生物品を提供することが望ましい場合がある。
【0008】
主流のエアロゾルの風味に影響を与えることなく不快な臭気を低減または防止するエアロゾル発生物品を提供することが望ましい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示はエアロゾル発生物品に関する。エアロゾル発生物品はエアロゾル形成基体を含む。エアロゾル発生物品は臭気抑制基体を含んでもよい。
【0010】
臭気抑制基体は、エアロゾル形成基体によって発生した不快な臭気を低減または防止するために、少なくとも一つの臭気抑制分子を放出してもよい。臭気抑制基体は、香料などの臭気マスキング分子を含む臭気抑制分子を放出してもよい。臭気抑制基体は、嗅覚の白を生成するように構成されている臭気抑制分子、または臭気抑制分子の特定の組み合わせを放出してもよい。臭気抑制基体は、臭気マスキング分子と、嗅覚の白を生成するように構成された分子との組み合わせを放出してもよい。
【0011】
臭気抑制基体の提供は有利なことに、エアロゾル発生物品中のエアロゾル形成基体の加熱によって引き起こされる、異臭および悪臭などの不快な臭気の知覚を低減または防止する場合がある。
【0012】
臭気抑制基体は、二つ以上の異なる臭気成分を含んでもよい。例えば、臭気抑制基体は、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも5種類、または少なくとも8種類の異なる臭気成分を含んでもよい。臭気抑制基体は、少なくとも10種類の異なる臭気成分を含んでもよい。
【0013】
下記に、より詳細に提示の通り、少なくとも10種類の異なる臭気成分を含む臭気抑制基体の提供は有利なことに、臭気抑制基体の有効性を改善して、嗅覚の白を生成してもよい。
【0014】
本発明によると、エアロゾル形成基体と臭気抑制基体とを含むエアロゾル発生物品が提供されている。臭気抑制基体は、少なくとも10種類の異なる臭気成分を含む。
【0015】
香料または心地よい香りを使用して不快な臭気を覆うまたは隠すことが知られている。しかしながら、発明者らは、例えば10種類の異なる臭気成分など、多数の異なる臭気成分の提供が、個々の臭気成分のうちのいずれかを識別する対象者の能力を低減することを明らかにした。このようにして、10種類の異なる臭気成分の組み合わせは、「嗅覚の白」を発生する場合がある。理論に拘束されることを望むものではないが、この効果は、異なる波長または色の混合が「白色」として知覚される場合がある視覚効果、または異なる音の周波数の混合が「ホワイトノイズ」と呼ばれる一般的な知覚のハム音として知覚される場合がある聴覚効果と類似する場合があると考えられる。
【0016】
「嗅覚の白」の概念は実証されている。二つの混合物が有する臭気成分が多いほど、二つの混合物が共通する個々の成分を有していない場合でさえも、より類似して匂うことが分かっている。さらに、約10種類以上の構成成分を有する臭気物質混合物は、どの個々の臭気成分が含まれるかにかかわらず、似たような匂いを確実に発生し始める。効果は、より多くの数の臭気成分、例えば20種類、30種類、または40種類の臭気成分が含まれる場合、より顕著になる。下記でより詳細に考察するように、効果はまた、臭気成分が臭覚の刺激空間に及ぶ時に、より顕著になる可能性がある。
【0017】
使用時に、臭気抑制基体の少なくとも10種類の異なる臭気成分は、エアロゾル形成基体の加熱によって引き起こされた、異臭および悪臭などの不快な臭気と組み合わせられて、嗅覚の白を形成する。嗅覚の白の形成とは、ユーザーとエアロゾル発生物品のすぐ近くにいる他者とが、臭気抑制基体の特定の臭気成分のうちのいずれも識別することができないことを意味する。より重要なことに、ユーザーとエアロゾル発生物品のすぐ近くにいる他者とは、エアロゾル形成基体の加熱によって引き起こされた異臭および悪臭を識別することができない。結果として、有利なことに、エアロゾル形成基体の加熱によって引き起こされたいかなる不快な臭気も知覚されない。
【0018】
本発明に関して本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は本明細書において、エアロゾル形成基体が加熱されて、吸入可能なエアロゾルを生成し、かつ消費者に送達する物品を意味するために使用される。本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、加熱に伴い揮発性化合物を放出してエアロゾルを発生する能力を有する基体を意味する。
【0019】
本発明に関して本明細書で使用される「臭気成分」という用語は、臭気を発生する物質である化学物質を指す。臭気成分は、単一の化学元素または化合物を含む場合がある。臭気成分は、臭気抑制分子を放出することによって臭気を発生する場合がある。
【0020】
少なくとも10種類の異なる臭気成分は、任意の臭気成分であってもよい。少なくとも10種類の異なる臭気成分のうちの一つ以上は、アブヘキソン、アセトフェノン、オルト-アセチルピリジン、イチゴアルデヒド、ガンマ-ノナラクトン、酢酸イソアミル、酪酸アミル、イソ-ペンチルフェニルアセテート、吉草酸ペンチル、アニソール、ベンズアルデヒド、酢酸イソボルニル、ブタン酸、ブチルスルフィド、カリオフィレン、セレリアックス、クロロチモール、桂皮アルデヒド、クマリン、p-クレゾール、酢酸p-クレジル、イソ酪酸p-クレジル、4-メチルアニソール、クミンアルデヒド、シクロヘキサノール、2,4-トランス-トランス-デカジエナール、ジブチルアミン、ジエチルスルフィド、酪酸ジメチルベンジルカルビニル、ミュゲカルビノール、2,3-ジメチルピラジン、2,5-ジメチルピラジン、ジメチルトリスルフィド、ジフェニルオキシド、酪酸エチル、プロピオン酸エチル、2-エチルピラジン、ユーカリプトール、オイゲノール、フルフリルメルカプタン、グアイアコール、ヘプタナール、1-ヘプタノール、ヘキサナール、ヘキサン酸、1-ヘキサノール、3-ヘキサノール、トランス-1-ヘキサナール、2-フェニルプロピオンアルデヒドジメチルアセタール、ヒドロキシシトロネラール、インドール、リナロール、メロナール、l-メントール、2-メトキシナフタレン、アントラニル酸メチル、メチルアセトアルデヒドジメチルアセタール、パラメチルキノリン、サリチル酸メチル、S-(メチルチオ)ブチレート、ムスクガラクソリド、酢酸ノニル、1-オクタノール、1-オクテン-3-オール、ペンタン酸、4-ペンテン酸、フェニル酢酸、フェニルアセチレン、フェニルエタノール、イソホロン、アルファピネン、酪酸プロピル、プロピルスルフィド、スカトール、α-テルピネオール、チオグリコール酸、チオフェン、チモール、オルト-トルアルデヒド、トルエン、ガンマ-ウンデカラクトン、ウンデシレン酸、イソバレルアルデヒド、イソ-吉草酸、ガンマ-バレロラクトン、バニリン、酢酸、アセトアルデヒド、アセトイン、プロパン-2-オン、ブタナール、オクタナール、2-ヒドロキシプロパン酸、ブタン-2,3-ジオン、プロパン-1-オール、2-オキソプロパン酸、メチルスルファニルメタン、デカン酸、プロパン-2-オール、2-メチルプロパナール、ブタン-2-オン、酢酸メチル、2-メチルプロパン酸、安息香酸メチル、安息香酸エチル、2-ヒドロキシプロパン酸エチル、2-メチル-5-プロパン-2-イルシクロヘキサ-1,3-ジエン、1-メチル-4-プロパン-2-イルベンゼン、酢酸2-フェニルエチル、(3S)-3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール、オクタン酸エチル、プロパン-1-チオール、ギ酸エチル、デカン酸エチル、ヘプタン-2-オン、オクタン酸メチル、ウンデカナール、酢酸エチル、4-メチルペンタ-3-エン-2-オン、ブタン-2-チオール、ペンタン酸エチル、ヘプタン-2-オール、プロパン酸メチル、ヘキサン-3-オン、ペント-1-エン-3-オール、ブタン酸メチル、(メチルジスルファニル)メタン、酢酸ペンチル、ノナン-2-オール、デカン-2-オン、ビス(メチルスルファニル)メタン、ペンタン-2-オール、ヘキサン酸ヘキシル、4-メトキシベンズアルデヒド、ジエチルブタンジオエート、ヘキサン酸エチル、酢酸ブチル、4-エチルグアイアコール、(R)-(+)-ベータ-シトロネロール、リモネン、ラエボ-ベータ-ピネン、ゲラニオール、チオラン、トリメチルアミンから成るリストから選択されてもよい。
【0021】
少なくとも10種類の異なる臭気成分を、このリストから選択してもよい。少なくとも10種類の異なる臭気成分の各々を、このリストから選択してもよい。
【0022】
このリストから選択された少なくとも10種類の異なる臭気成分の提供は、有効な嗅覚の白を生成することが見いだされた。
【0023】
少なくとも10種類の異なる臭気成分は、嗅覚の刺激空間に及ぶ場合がある。
【0024】
嗅覚の刺激空間に及ぶ少なくとも10種類の異なる臭気成分の提供は、特に有効な嗅覚の白を生成する場合がある。
【0025】
本発明に関して本明細書で使用される「嗅覚の刺激空間」という用語は、臭気成分の多くのパラメータに基づいて臭気成分が配設されているデータベースを指す。嗅覚の刺激空間は、「臭気知覚空間」であってもよい。この場合、臭気成分には、臭気を特徴付ける複数の知覚記述子が割り当てられている。適切な「臭気知覚空間」の一例は、Andrew Dravnieksによる、「Atlas of Odor Character Profiles」であり、これは、114個の臭気成分の各々の146個の知覚記述子の各々に定量的な値を割り当てる。嗅覚の刺激空間は、「臭気生理化学空間」であってもよい。この場合、臭気成分には、その化学組成に基づいて物理化学的記述子または分子的記述子が割り当てられている。物理化学的記述子または分子的記述子は、ソフトウェアを使用して臭気成分に割り当てられてもよい。例えば、物理化学的記述子または分子的記述子は、Talete S.r.l.のDragonソフトウェアを使用して、臭気成分に割り当てられてもよい。このようにして、1492個の臭気成分の各々の1438個の物理化学的特性の各々に定性的な値が割り当てられている。
【0026】
知覚記述子と物理化学的特性の両方を組み合わせることによって、各臭気成分は、ベクトルによって表されてもよく、その座標は、任意の所与の臭気成分の146個の知覚特性または1438個の物理化学的特性を記述する。異なる臭気成分に対して複数の座標をプロットすることによって、「臭気生理化学空間」が構築されてもよい。
【0027】
この「臭気生理化学空間」を用いて、異なる臭気成分間のユークリッド距離を計算してもよい。さらに、多くの異なる臭気成分の混合物において、任意の所与の臭気成分と混合物中の最も近い他の臭気成分との間の最小ユークリッド距離を計算することも可能である。例えば、仮想上の臭気生理化学空間の混合物中の臭気成分の座標が([4,-6,8]、[3,-3,10]、[-4,0,3])である場合、その混合物への座標[-2,1,1]を有する臭気xの距離は、3であることになり、その理由は、この距離が最も近い点[-4,0,3]までの距離であるためである。
【0028】
このようにして、任意の所与の臭気成分と、臭気成分の混合物中の最も近い他の臭気成分との間の平均最小ユークリッド距離T(G)を計算してもよい。繰り返しプロセスを使用して、平均最小ユークリッド距離は最大化されてもよい。
【0029】
少なくとも10種類の異なる臭気成分の各々は、実質的に等しい知覚強度で提供されてもよい。
【0030】
実質的に等しい知覚強度で提供される少なくとも10種類の異なる臭気成分の提供は、特に有効な嗅覚の白を生成することが見いだされた。これは、いかなる単一の臭気成分も混合物から目立たず、そのため単一の臭気が識別可能でないためである。
【0031】
実質的に等しい知覚強度で臭気成分を提供するために、混合物中で使用されるすべての臭気成分は、鉱油、1,2-プロパンジオール、または脱イオン蒸留水のいずれかで、ほぼ等しく知覚される強度の点まで希釈される。この時点で、各希釈された臭気成分の強度は、未感作の対象群によって評価される。系列の平均強度から標準偏差が2以上の離れている任意の臭気成分は、さらに希釈される。このプロセスは、外れ値がなくなるまで繰り返される。
【0032】
臭気抑制基体は、少なくとも約10種類の異なる臭気成分を含んでもよい。例えば、臭気抑制基体は、少なくとも約15種類の異なる臭気成分、少なくとも約20種類の異なる臭気成分、少なくとも約25種類の異なる臭気成分、または少なくとも約30種類の異なる臭気成分を含んでもよい。臭気抑制基体は、少なくとも20種類の、好ましくは少なくとも30種類の異なる臭気成分を含んでもよい。
【0033】
臭気抑制基体は、30種類を超える異なる臭気成分を含んでもよい。例えば、臭気抑制基体は、少なくとも約35種類の異なる臭気成分、少なくとも約40種類の異なる臭気成分、少なくとも約45種類の異なる臭気成分、少なくとも約50種類の異なる臭気成分、少なくとも約55種類の異なる臭気成分、または少なくとも約60種類の異なる臭気成分を含んでもよい。
【0034】
より多くの数の臭気成分を含有する臭気抑制基体は、より効果的な嗅覚の白を提供する場合があることが見いだされた。
【0035】
臭気抑制基体は、固体の臭気抑制基体であってもよい。臭気抑制基体は、液体の臭気抑制基体であってもよい。
【0036】
臭気抑制基体は、エアロゾル発生物品の少なくとも一つの他の構成要素に施されてもよい。臭気抑制基体は、任意の方法によって、エアロゾル発生物品のうちの少なくとも一つの他の構成要素に施されてもよい。臭気抑制基体が液体である場合、臭気抑制基体は、溶液として、例えば水溶液として、のりまたは接着剤の一部としてスプレーによってエアロゾル発生物品の少なくとも一つの他の構成要素に塗布されてもよく、または少なくとも一つのカプセルもしくはビーズ内に含有されてもよい。
【0037】
例えば、臭気抑制基体は、エアロゾル発生物品の別の構成要素の中に埋め込まれる壊れやすいカプセルの中に封入されてもよい。例えば、カプセルは、フィルター要素の中またはマウスピース要素の中に埋め込まれてもよい。カプセルは、エアロゾル発生物品の別の構成要素の空洞の中に提供されてもよい。壊れやすいカプセルは、液体臭気抑制基体を放出するために、エアロゾル発生物品の使用中に壊れる、または破裂するように構成されてもよい。壊れやすいカプセルは、ユーザーからの圧力に応答して壊れる、または破裂するように構成されてもよい。
【0038】
下記に、より詳細に提示の通り、臭気抑制基体は、臭気成分で含浸された固体支持材料を含んでもよい。
【0039】
臭気抑制基体が固体臭気抑制基体である場合、または臭気成分で含浸された固体支持材料である場合、固体基体または支持材料は、エアロゾル発生物品の別の構成要素の中に埋め込まれてもよい。例えば、固体基体または支持材料は、フィルター要素の中に、またはマウスピース要素の中に埋め込まれてもよい。固体基体または支持材料は、エアロゾル発生物品の別の構成要素内の空洞の中に提供されてもよい。
【0040】
臭気抑制基体は、エアロゾル発生物品内のどこにでも提供されてもよい。例えば、臭気抑制基体は、マウスピース要素、フィルター要素、またはエアロゾル形成基体のうちの一つ以上に提供されてもよい。
【0041】
エアロゾル発生物品は、ラッパーをさらに備えてもよい。ラッパーは、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分を囲んでもよい。ラッパーは、ラッピングペーパー、チッピングペーパー、またはプラグラップのうちの少なくとも一つであってもよい。臭気抑制基体は、ラッパー上に提供されてもよい。
【0042】
ラッパー上の臭気抑制基体の提供は、臭気抑制基体が、使用時にユーザーの鼻の近くに位置することを意味する場合がある。これは有利なことに、特にエアロゾル発生物品のユーザーによる不快な臭気の知覚を低減または防止するために、臭気抑制基体の有効性を最大化する場合がある。追加的に、例えばエアロゾル発生物品内に埋め込まれた構成要素上ではなく、ラッパー上の臭気抑制基体の提供は、エアロゾル形成基体によって発生した主流エアロゾルと分離して臭気抑制基体を保つ場合がある。これは有利なことに、臭気抑制基体が、エアロゾル形成基体によって発生したエアロゾルの風味と干渉するのを防止する場合がある。
【0043】
臭気抑制基体は、ラッパーの内表面上に提供されてもよい。臭気抑制基体は、ラッパーの外表面上に提供されていることが好ましい。
【0044】
臭気抑制基体は、エアロゾル発生物品の下流端から少なくとも約8ミリメートル、少なくとも約10ミリメートル、または少なくとも約12ミリメートルに提供されてもよい。これは有利なことに、使用時にユーザーの唇によって臭気抑制基体が覆われることを防止する場合がある。
【0045】
エアロゾル形成基体の少なくとも一部分を囲むラッパーは、紙ラッパーであってもよく、または紙ではないラッパーであってもよい。本発明の特定の実施形態で使用する適切な紙ラッパーは当業界で知られていて、これにはシガレットペーパーおよびフィルタープラグラップが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の特定の実施形態で使用する適切な、紙ではないラッパーは当業界で知られていて、これには均質化したたばこ材料のシートが挙げられるが、これらに限定されない。特定の好ましい実施形態において、ラッパーは、複数の層を含む積層材料から形成されてもよい。ラッパーは、アルミニウム共積層シートから形成されていることが好ましい。アルミニウムを含む共積層シートの使用は有利なことに、意図される様態でエアロゾル形成基体が加熱されるのではなく、点火されるべき場合に、エアロゾル形成基体の燃焼を防止する。
【0046】
ラッパーは熱伝導性の不燃性のラッパーであってもよい。
【0047】
熱伝導性で不燃性のラッパーの提供は有利なことに、ヒーターからの熱が伝導によってエアロゾル形成基体に伝達されることを可能にする場合がある。これは有利なことに、ヒーターからエアロゾル形成基体への十分に高い伝導熱伝達を達成して、許容可能なエアロゾルを生成するのに役立つ場合がある。
【0048】
適切な熱伝導性の不燃性ラッパーとしては、金属箔(例えば、アルミ箔ラッパー、鋼箔ラッパー、鉄箔ラッパー、銅箔ラッパーなど)、合金箔ラッパー、黒鉛箔ラッパー、ある特定のセラミックファイバーラッパーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
ラッパーは任意の厚さを有してもよい。ラッパーは約30マイクロメートル~約200マイクロメートルの厚さを有してもよい。ラッパーは、少なくとも約30マイクロメートル、少なくとも約50マイクロメートル、または少なくとも約75マイクロメートルの厚さを有してもよい。
【0050】
ラッパーは、約250マイクロメートル以下、約200マイクロメートル以下、または150マイクロメートル以下の厚さを有してもよい。
【0051】
例えば、ラッパーは、約50マイクロメートル~約200マイクロメートル、または約75マイクロメートル~約150マイクロメートルの厚さを有してもよい。ラッパーコーティングは、約150マイクロメートルの厚さを有してもよい。
【0052】
本発明に関して本明細書で使用される「上流」および「前方」、ならびに「下流」および「後方」という用語は、エアロゾル発生物品の使用中にエアロゾル発生物品を通して空気が流れる方向に関連して、エアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。本発明によるエアロゾル発生物品は、使用時にエアロゾルが通って抜け出る近位端を備える。エアロゾル発生物品の近位端はまた、口側端または下流端と呼ばれてもよい。口側端は遠位端の下流である。エアロゾル発生物品の遠位端はまた、上流端と呼ばれてもよい。エアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の部分は、エアロゾル発生物品の近位端とエアロゾル発生物品の遠位端との間のそれらの相対的な位置に基づいて、互いの上流または下流にあると記述されてもよい。エアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の一部分の前方は、エアロゾル発生物品の上流端に最も近い端にある部分である。エアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の一部分の後方は、エアロゾル発生物品の下流端に最も近い端にある部分である。
【0053】
臭気抑制基体は、ラッパーの一部分を囲む帯として提供されてもよい。
【0054】
ラッパーを囲む帯の提供は有利なことに、エアロゾル発生物品の製造を単純化する場合がある。
【0055】
臭気抑制基体は、臭気成分で含浸された固体支持材料を含んでもよい。
【0056】
固体支持材料を含む臭気抑制基体の提供は有利なことに、臭気成分をエアロゾル発生物品に添加する単純明快なやり方を提供する場合がある。
【0057】
臭気成分は、固体支持材料上に吸着または吸収されてもよい。
【0058】
固体支持材料は、多孔性固体支持材料を含んでもよい。これは有利なことに、より大きい量の臭気成分を固体支持材料の中に吸収させることを可能にする場合がある。
【0059】
固体支持材料は紙の細片を含んでもよい。
【0060】
紙の細片はラッパーの一部分を囲んでもよい。紙の細片は、接着剤によってラッパーに取り付けられてもよい。
【0061】
紙の細片は、約20gsm~約120gsmの坪量を有してもよい。例えば、紙の細片は、約40gsm~約100gsm、または約60gsm~約90gsmの坪量を有してもよい。
【0062】
紙の細片の上流端は、エアロゾル発生物品の上流端から少なくとも10ミリメートルであってもよい。
【0063】
紙の細片がエアロゾル発生物品の上流端から少なくとも10ミリメートルであることを確実にすることは有利なことに、物品が装置の中に挿入されている時に、紙の細片がエアロゾル発生装置の外側に配置されていることを確実にする場合がある。紙の細片が使用時にエアロゾル発生装置の内側に配置されていた場合、臭気成分は、ユーザーの鼻に効果的に拡散することができないことになる。
【0064】
紙の細片がエアロゾル発生物品の上流端から少なくとも10ミリメートルであることを確実にすることは有利なことに、臭気抑制基体がユーザーの鼻の近くに配置されていることを確実にする場合があり、これは臭気抑制基体が不快な臭気を低減または防止するのに役立つ場合がある。
【0065】
臭気抑制基体が帯を含むが、紙の細片を含まない実施形態において、帯の上流端は、エアロゾル発生物品の上流端から少なくとも10ミリメートルであってもよい。
【0066】
紙の細片の上流端は、エアロゾル発生物品の上流端から少なくとも15ミリメートル、または少なくとも17ミリメートルであってもよい。
【0067】
紙の細片の下流端は、エアロゾル発生物品の下流端から少なくとも8ミリメートルであってもよい。
【0068】
紙の細片がエアロゾル発生物品の下流端から少なくとも8ミリメートルであることを確実にすることは、エアロゾル発生物品が使用中である時に、紙の細片がユーザーの唇によって覆われないことを確実にする場合がある。これは、臭気抑制基体が経口的に消費されることを意図していないため、また紙の細片をユーザーの唇で覆うことが、臭気成分がユーザーの鼻に到達するのを妨げる場合があるため、有利である場合がある。
【0069】
臭気抑制基体が帯を含むが、紙の細片を含まない実施形態において、帯の下流端は、エアロゾル発生物品の下流端から少なくとも8ミリメートルであってもよい。
【0070】
紙の細片の下流端は、エアロゾル発生物品の下流端から少なくとも10ミリメートル、または少なくとも12ミリメートルであってもよい。
【0071】
紙の細片は、約1ミリメートル~約10ミリメートルの幅を有してもよい。
【0072】
例えば、紙の細片は、約1ミリメートル~約5ミリメートルの幅を有してもよい。
【0073】
臭気抑制基体は、臭気成分が吸着または吸収されたラッパーの一部分を含む。
【0074】
臭気抑制基体が、臭気成分が吸着または吸収されたラッパーの一部分を含む場合、別個の紙の細片の必要性はない場合がある。これは有利なことに製造を単純化する場合があり、また物品がその長さに沿って一定の直径を維持することも可能にする場合がある。
【0075】
臭気成分が吸着または吸収されたラッパーの一部分は、印によって示されてもよい。これは、ユーザーが使用時に臭気抑制基体を覆うのを防止するのに役立つ場合がある。
【0076】
臭気抑制基体は、少なくとも0.01グラムの臭気成分を含んでもよい。
【0077】
言い換えれば、少なくとも10種類の異なる臭気成分の総質量は、少なくとも0.01グラムであってもよい。
【0078】
少なくとも0.01グラムの臭気成分の提供は有利なことに、エアロゾル形成基体によって発生した不快な臭気を低減または防止する場合がある。
【0079】
例えば、臭気抑制基体は、少なくとも0.05グラム、少なくとも0.1グラム、少なくとも0.15グラム、少なくとも0.25グラム、少なくとも0.5グラム、または少なくとも1.0グラムの臭気抑制基体を含んでもよい。
【0080】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流に位置する下流セグメントをさらに備えてもよく、臭気抑制基体は下流セグメントの上にある。
【0081】
臭気抑制基体をエアロゾル形成基体の周りではなく下流要素の周りに提供することは、臭気抑制基体をエアロゾル形成基体から分離して保つ場合がある。これは有利なことに、臭気成分が主流のエアロゾルと混合することを防止するのに役立つ場合がある。下流セグメントの周りに臭気抑制基体を提供することは、エアロゾル発生物品の使用中に臭気抑制基体が加熱されることも防止する場合がある。
【0082】
下流セグメントは任意の下流セグメントであってもよい。例えば、下流セグメントは単一の構成要素を備えてもよい。下流セグメントは複数の構成要素を備えてもよい。下流セグメントは冷却要素、フィルター要素、またはスペーサー要素のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0083】
下流セグメントはマウスピース要素を備えてもよい。マウスピース要素は、エアロゾル発生物品の口側端または下流端に位置してもよい。
【0084】
下流セグメントは、濾過材料のセグメントを備えてもよい。例えば、マウスピース要素は、濾過材料の一つ以上のセグメントを備えてもよい。
【0085】
例えば、マウスピース要素は、濾過材料の一つ以上のセグメントを備えてもよい。濾過材料は繊維質の濾過材料を含んでもよい。適切な繊維質の濾過材料は、当業者に周知であろう。少なくとも一つのマウスピースフィルターセグメントは、セルロースアセテートトウから形成されたセルロースアセテートフィルターセグメントを含むことが特に好ましい。
【0086】
マウスピース要素は単一のマウスピースフィルターセグメントを備えてもよい。マウスピース要素は、相互に端と端とを接する関係で当接して軸方向に整列した二つ以上のマウスピースフィルターセグメントを含んでもよい。
【0087】
下流セグメントは、上述の通りのマウスピース要素の下流の下流端に口側端空洞を備えてもよい。口側端空洞は、マウスピースの下流端に提供された中空の管状要素によって画定されてもよい。口側端空洞は、マウスピース要素の外側ラッパーによって画定されてもよく、外側ラッパーは、マウスピース要素から下流方向に延びる。
【0088】
マウスピース要素は、任意の適切な形態で提供されてもよい風味剤を随意に含んでもよい。例えば、マウスピース要素は、風味剤の一つ以上のカプセル、ビーズ、もしくは顆粒、または風味を装填した一つ以上のスレッドもしくはフィラメントを備えてもよい。
【0089】
エアロゾル発生物品の下流セグメントは、エアロゾル形成基体のすぐ下流に位置する支持要素を備えてもよい。マウスピースセグメントは支持要素の下流に位置してもよい。下流セグメントは、支持要素のすぐ下流に位置するエアロゾル冷却要素を備えてもよい。マウスピース要素は、支持要素とエアロゾル冷却要素の両方の下流に位置してもよい。マウスピース要素は、エアロゾル冷却要素のすぐ下流に位置してもよい。マウスピース要素は、エアロゾル冷却要素の下流端に当接してもよい。
【0090】
マウスピース要素は、低い微粒子濾過効率を有してもよい。
【0091】
マウスピース要素は、プラグラップによって囲まれてもよい。マウスピース要素は、空気がマウスピース要素に沿ってエアロゾル発生物品に入らないように、通気されない場合がある。
【0092】
本発明によるエアロゾル発生物品はエアロゾル形成基体を含む。エアロゾル形成基体は固体エアロゾル形成基体であってもよい。エアロゾル形成基体は液体エアロゾル形成基体であってもよい。エアロゾル形成基体は、固体構成成分と液体構成成分の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は一つ以上のエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。
【0093】
適切なエアロゾル形成体は例えば、多価アルコール(例えば、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、プロピレングリコール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(例えば、グリセロールモノ-、ジ-、またはトリアセテートなど)、モノ-、ジ-、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(例えば、ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)、およびそれらの組み合わせである。
【0094】
エアロゾル形成体は、グリセリンおよびプロピレングリコールのうちの一つ以上を含んでもよい。エアロゾル形成体は、グリセリン、またはプロピレングリコール、またはグリセリンとプロピレングリコールの組み合わせから成ってもよい。
【0095】
エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準で約5重量パーセント~約30重量パーセント(乾燥重量基準で約10重量パーセント~約25重量パーセント、または乾燥重量基準で約15重量パーセント~約20重量パーセントなど)のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。
【0096】
例えば、基体が、発熱体を有する電気的に作動するエアロゾル発生システム用のエアロゾル発生物品での使用が意図されている場合、好ましくは、乾燥重量基準で約5重量パーセント~約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を含んでもよい。基体が、発熱体を有する電気的に作動するエアロゾル発生システム用のエアロゾル発生物品での使用が意図されている場合、エアロゾル形成体はグリセロールであることが好ましい。
【0097】
他の実施形態において、エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準で約1重量パーセント~約5重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよい。
【0098】
他の実施形態において、エアロゾル形成基体は、約30重量パーセント~約45重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよい。この比較的に高いレベルのエアロゾル形成体は、摂氏275度未満の温度で加熱されることが意図されているエアロゾル発生基体にとって特に適切である。こうした実施形態において、エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で約2重量パーセント~約10重量パーセントのセルロースエーテルと、乾燥重量基準で約5重量パーセント~約50重量パーセントの追加的なセルロースとをさらに含むことが好ましい。セルロースエーテルおよび追加的なセルロースの組み合わせの使用は、30重量パーセント~45重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有するエアロゾル形成基体において使用される時、特に効果的なエアロゾル送達を提供することが見いだされた。
【0099】
上記に提示の通り、エアロゾル形成基体を燃焼するのではなく加熱するプロセスは、望ましくない不快な臭気の発生につながる場合があることが見いだされた。理論に拘束されることを望むものではないが、不快な臭気の発生は、エアロゾルの発生を助けるエアロゾル形成体によって部分的に生じる場合があると考えられる。エアロゾル形成基体が燃焼ではなく加熱されるエアロゾル発生物品中のエアロゾル形成体の量は典型的に、従来の紙巻たばこ中の量よりも高い。結果として、この量のエアロゾル形成体を含むエアロゾル発生物品における臭気抑制基体の提供は、不快な臭気の知覚を低減または防止するために特に有利である場合がある。
【0100】
エアロゾル形成基体は、たばこ含有材料を含むロッドであってもよい。
【0101】
エアロゾル形成基体が固体エアロゾル形成基体である場合、固体エアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、膨化たばこのうちの一つ以上を含有する、例えば粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ状撚糸、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。固体エアロゾル形成基体は、ばらの形態であってもよく、または適切な容器またはカートリッジで提供されてもよい。例えば、固体エアロゾル形成基体のエアロゾル形成材料は、紙または他のラッパー内に包含され、かつプラグの形態を有してもよい。エアロゾル形成基体がプラグの形態である場合、任意のラッパーを含むプラグ全体がエアロゾル形成基体であると考えられる。
【0102】
固体エアロゾル形成基体は、その固体エアロゾル形成基体の加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含有してもよい。固体エアロゾル形成基体はまた、例えば追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含むカプセルも含有してもよく、こうしたカプセルは固体エアロゾル形成基体の加熱中に溶けてもよい。
【0103】
固体エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ状撚糸、細片、またはシートの形態を取ってもよい。固体エアロゾル形成基体は、例えばシート、発泡体、ゲル、またはスラリーの形態で担体の表面上に堆積されてもよい。固体エアロゾル形成基体は、担体の全表面上に堆積されてもよい。固体エアロゾル形成基体は、使用中に均一でない風味送達を提供するために、あるパターンで堆積されてもよい。
【0104】
エアロゾル形成基体は、紙または他のラッパーによって囲まれた加熱に反応して揮発性化合物を発する能力を有する材料を含むプラグまたはセグメントの形態であってもよい。エアロゾル形成基体がこうしたプラグまたはセグメントの形態である場合、任意のラッパーを含むプラグまたはセグメントの全体は、エアロゾル形成基体であると見なされる。
【0105】
エアロゾル形成基体は、約5ミリメートル~約20ミリメートルの長さを有することが好ましい。特定の実施形態において、エアロゾル形成基体は、約6ミリメートル~約15ミリメートルの長さ、または約7ミリメートル~約12ミリメートルの長さを有してもよい。
【0106】
エアロゾル形成基体はプラグラップに巻かれたばこベースの材料のプラグを備えてもよい。好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体はプラグラップに巻かれた均質化したたばこベースの材料のプラグを備える。
【0107】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体内にサセプタ要素をさらに備えてもよい。一部の実施形態において、サセプタ要素は、細長いサセプタ要素であってもよい。好ましい実施形態において、サセプタ要素は、エアロゾル形成基体内で長軸方向に延びる。
【0108】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流に移行要素またはスペーサー要素をさらに備えてもよい。こうした要素は、エアロゾル形成基体の下流に位置する中空管の形態を取ってもよい。
【0109】
中空管は、エアロゾル形成基体の下流端から、エアロゾル発生物品の下流端に延びてもよい。
【0110】
移行要素はエアロゾル形成基体とマウスピースのうちの一方または両方に当接してもよい。移行要素はエアロゾル形成基体とマウスピースのうちの一方または両方から離隔してもよい。
【0111】
移行要素の包含は有利なことに、エアロゾルが冷えることを可能にする。移行要素の包含はまた有利なことに、エアロゾル発生物品の全体的な長さを、移行要素の長さの適切な選択によって、所望の値(例えば従来の紙巻たばこの長さに類似した長さ)に調整することを可能にする。
【0112】
伝達要素は、約7ミリメートル~約50ミリメートルの長さを有してもよく、例えば約10ミリメートル~約45ミリメートル、または約15ミリメートル~約30ミリメートルの長さを有してもよい。移行要素は、エアロゾル発生物品の所望の全長、およびエアロゾル発生物品内の他の構成要素の存在および長さに応じて、他の長さを有してもよい。
【0113】
移行要素は少なくとも一つの端の開いた管状中空体を備えることが好ましい。こうした実施形態において、使用時に、エアロゾル発生物品の中に引き出された空気は、エアロゾル形成基体からエアロゾル発生物品の遠位端にエアロゾル発生物品を通って下流に通過する時に、端の開いた少なくとも一つの管状中空体を通過する。
【0114】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流にあるエアロゾル冷却要素または熱交換器を備えてもよい。エアロゾル冷却要素は、長軸方向に延びる複数のチャネルを備えてもよい。エアロゾル発生物品が、エアロゾル形成基体の下流にある移行要素を備える場合、エアロゾル冷却要素は、移行要素の下流にあることが好ましい。
【0115】
エアロゾル冷却要素は、金属箔、高分子材料、および実質的に非多孔性の紙または厚紙から成る群から選択される材料シートの集合体を含んでもよい。ある特定の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、セルロースアセテート(CA)およびアルミ箔から成る群から選択される材料シートの集合体を含んでもよい。
【0116】
ある特定の好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリ乳酸(PLA)またはMater-Bi(登録商標)の等級(デンプンベースのコポリエステルの市販のファミリー)などの生物分解性高分子材料のシートの集合体を含んでもよい。
【0117】
本発明によるエアロゾル発生物品は、ロッドの形態で組み立てられた複数の要素を備えてもよい。
【0118】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の上流に上流要素をさらに備えてもよい。上流要素の提供は有利なことに、エアロゾル形成基体を保護し、またユーザーがエアロゾル形成基体と直接接触することを防止する場合がある。上流要素は、繊維質の濾過材料を含む環状プラグを備えてもよい。
【0119】
エアロゾル発生物品は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成基体は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル形成基体は実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体の長さがエアロゾル発生物品中の気流の方向に実質的に平行であるように、エアロゾル発生物品の中に位置してもよい。
【0120】
移行セクションまたは移行要素は実質的に細長くてもよい。
【0121】
エアロゾル発生物品は任意の所望の長さを有してもよい。例えば、エアロゾル発生物品は、約25ミリメートル~約50ミリメートルの全長、または約30ミリメートル~約35ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、任意の所望の外径を有してもよい。例えば、エアロゾル発生物品は、約4ミリメートル~約15ミリメートルの外径、または約4.2ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有してもよい。
【0122】
本発明によると、ヒーターを備えるエアロゾル発生装置と、本発明によるエアロゾル発生物品とを備える、エアロゾル発生システムが提供されている。
【0123】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体を摂氏約100度~摂氏約500度の温度に加熱するように構成されてもよい。例えば、エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体を摂氏約150度~摂氏約450度、または摂氏約200度~摂氏約400度の温度に加熱するように構成されてもよい。
【0124】
上記に提示の通り、エアロゾル形成基体を燃焼するのではなく加熱するプロセスは、望ましくない不快な臭気の発生につながる場合があることが見いだされた。エアロゾル形成基体が燃焼ではなく加熱されてエアロゾルを発生するエアロゾル発生物品において、エアロゾル形成基体は典型的に、エアロゾル形成基体の燃焼温度よりもかなり低い温度に加熱される。結果として、エアロゾル発生物品を摂氏約100度~摂氏約500度の温度に加熱するように構成されたシステムで使用するエアロゾル発生物品中の臭気抑制基体の提供は、不快な臭気の知覚を低減または防止するために特に有利である場合がある。
【0125】
エアロゾル発生装置は、電気加熱式エアロゾル発生装置であってもよい。この場合、エアロゾル発生装置は、電池などの電力源、制御電子機器、電気ヒーターを備えてもよい。電気ヒーターは抵抗ヒーターであってもよく、またブレードまたはピンの形態を取ってもよい。電気ヒーターは、本発明のエアロゾル発生物品の陥凹部によって受容されるように構成された細長いサセプタと、サセプタを誘導加熱するように構成された少なくとも一つの誘導コイルとを備える誘導ヒーターであってもよい。ユーザーは、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と協働するエアロゾル発生装置を使用してもよい。エアロゾル発生装置のヒーターは、ユーザーによって吸入されてもよいエアロゾルを発生するために、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱する。
【0126】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を摂氏約100度~摂氏約500度の温度に加熱するように構成されてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を摂氏約150度~摂氏約450度、または摂氏約200度~摂氏約400度の温度に加熱するように構成されてもよい。
【0127】
エアロゾル発生装置は、液体エアロゾル形成基体からエアロゾルを生成するように構成されてもよい。この場合、ヒーターは、コイル・ウィック配設を備えてもよい。
【0128】
エアロゾル発生装置は、臭気抑制組立品をさらに備えてもよい。臭気抑制組立品は、少なくとも一つの臭気抑制基体を受容するための少なくとも一つのチャンバを備えてもよい。臭気抑制基体は、エアロゾル発生物品上の臭気抑制基体と実質的に同じであってもよい。エアロゾル形成基体によって発生した不快な臭気の低減または防止の提供。
【0129】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0130】
実施例1:エアロゾル形成基体および臭気抑制基体を含み、臭気抑制基体が少なくとも10種類の異なる臭気成分を含む、エアロゾル発生物品。
実施例2:少なくとも10種類の異なる臭気成分のうちの一つ以上が、アブヘキソン、アセトフェノン、オルト-アセチルピリジン、イチゴアルデヒド、ガンマ-ノナラクトン、酢酸イソアミル、酪酸アミル、イソ-ペンチルフェニルアセテート、吉草酸ペンチル、アニソール、ベンズアルデヒド、酢酸イソボルニル、ブタン酸、ブチルスルフィド、カリオフィレン、セレリアックス、クロロチモール、桂皮アルデヒド、クマリン、p-クレゾール、酢酸p-クレジル、イソ酪酸p-クレジル、4-メチルアニソール、クミンアルデヒド、シクロヘキサノール、2,4-トランス-トランス-デカジエナール、ジブチルアミン、ジエチルスルフィド、酪酸ジメチルベンジルカルビニル、ミュゲカルビノール、2,3-ジメチルピラジン、2,5-ジメチルピラジン、ジメチルトリスルフィド、ジフェニルオキシド、酪酸エチル、プロピオン酸エチル、2-エチルピラジン、ユーカリプトール、オイゲノール、フルフリルメルカプタン、グアイアコール、ヘプタナール、1-ヘプタノール、ヘキサナール、ヘキサン酸、1-ヘキサノール、3-ヘキサノール、トランス-1-ヘキサナール、2-フェニルプロピオンアルデヒドジメチルアセタール、ヒドロキシシトロネラール、インドール、リナロール、メロナール、l-メントール、2-メトキシナフタレン、アントラニル酸メチル、メチルアセトアルデヒドジメチルアセタール、パラメチルキノリン、サリチル酸メチル、S-(メチルチオ)ブチレート、ムスクガラクソリド、酢酸ノニル、1-オクタノール、1-オクテン-3-オール、ペンタン酸、4-ペンテン酸、フェニル酢酸、フェニルアセチレン、フェニルエタノール、イソホロン、アルファピネン、酪酸プロピル、プロピルスルフィド、スカトール、α-テルピネオール、チオグリコール酸、チオフェン、チモール、オルト-トルアルデヒド、トルエン、ガンマ-ウンデカラクトン、ウンデシレン酸、イソバレルアルデヒド、イソ-吉草酸、ガンマ-バレロラクトン、バニリン、酢酸、アセトアルデヒド、アセトイン、プロパン-2-オン、ブタナール、オクタナール、2-ヒドロキシプロパン酸、ブタン-2,3-ジオン、プロパン-1-オール、2-オキソプロパン酸、メチルスルファニルメタン、デカン酸、プロパン-2-オール、2-メチルプロパナール、ブタン-2-オン、酢酸メチル、2-メチルプロパン酸、安息香酸メチル、安息香酸エチル、2-ヒドロキシプロパン酸エチル、2-メチル-5-プロパン-2-イルシクロヘキサ-1,3-ジエン、1-メチル-4-プロパン-2-イルベンゼン、酢酸2-フェニルエチル、(3S)-3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール、オクタン酸エチル、プロパン-1-チオール、ギ酸エチル、デカン酸エチル、ヘプタン-2-オン、オクタン酸メチル、ウンデカナール、酢酸エチル、4-メチルペンタ-3-エン-2-オン、ブタン-2-チオール、ペンタン酸エチル、ヘプタン-2-オール、プロパン酸メチル、ヘキサン-3-オン、ペント-1-エン-3-オール、ブタン酸メチル、(メチルジスルファニル)メタン、酢酸ペンチル、ノナン-2-オール、デカン-2-オン、ビス(メチルスルファニル)メタン、ペンタン-2-オール、ヘキサン酸ヘキシル、4-メトキシベンズアルデヒド、ジエチルブタンジオエート、ヘキサン酸エチル、酢酸ブチル、4-エチルグアイアコール、(R)-(+)-ベータ-シトロネロール、リモネン、ラエボ-ベータ-ピネン、ゲラニオール、チオラン、トリメチルアミンから成るリストから選択される、実施例1に記載のエアロゾル発生物品。
実施例3:少なくとも10種類の異なる臭気成分が、嗅覚の刺激空間に及ぶ、実施例1~2のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例4:少なくとも10種類の異なる臭気成分の各々が、実質的に等しい知覚強度で提供されている、実施例1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例5:臭気抑制基体が、少なくとも20種類、好ましくは少なくとも30種類の異なる臭気成分を含む、実施例1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例6:エアロゾル形成基体の少なくとも一部分を囲むラッパーをさらに備え、臭気抑制基体がラッパー上に提供されている、実施例1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例7:臭気抑制基体が、ラッパーの一部分を囲む帯として提供されている、実施例6に記載のエアロゾル発生物品。
実施例8:臭気抑制基体が、臭気成分で含浸された固体支持材料を含む、実施例6または実施例7に記載のエアロゾル発生物品。
実施例9:固体支持材料が紙の細片を含む、実施例6~8のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例10:紙の細片の上流端が、エアロゾル発生物品の上流端から少なくとも10ミリメートルである、実施例9に記載のエアロゾル発生物品。
実施例11:紙の細片の下流端が、エアロゾル発生物品の下流端から少なくとも8ミリメートルである、実施例9または実施例10に記載のエアロゾル発生物品。
実施例12:紙の細片が、約0.5ミリメートル~約10ミリメートルの幅を有する、実施例9~11のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例13:臭気成分が吸着または吸収されたラッパーの一部分を前記臭気抑制基体が含む、実施例6に記載のエアロゾル発生物品。
実施例14:臭気抑制基体が、少なくとも0.01グラムの臭気成分を含む、実施例1~13のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例15:エアロゾル形成基体の下流に位置する下流セグメントをさらに備え、臭気抑制基体が下流セグメントの上にある、実施例1~14のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例16:下流セグメントが、濾過材料のセグメントを含む、実施例15に記載のエアロゾル発生物品。
実施例17:ヒーターを備えるとエアロゾル発生装置、実施例1~16のいずれかに記載のエアロゾル発生物品とを備える、エアロゾル発生システム。
【0131】
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0132】
図1図1は、本発明によるエアロゾル発生物品の概略的な長軸方向の断面図を示す。
図2図2は、エアロゾル発生装置と協働する、本発明によるエアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システムの概略的な長軸方向の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0133】
図1に示すエアロゾル発生物品10は、エアロゾル形成基体12と、エアロゾル形成基体12の下流の場所にある下流セクション14とを備える。エアロゾル発生物品10は、エアロゾル形成基体12の上流の場所にある上流要素16をさらに備える。それ故に、エアロゾル発生物品10は、上流端または遠位端18から下流端または口側端20に延びる。
【0134】
エアロゾル発生物品10は、約30ミリメートルの全体的な長さを有する。
【0135】
下流セクション14は、エアロゾル形成基体12のすぐ下流に位置する支持要素22を備え、支持要素22は、エアロゾル形成基体12と長軸方向の整列の状態にある。図1の実施形態において、支持要素18の上流端は、エアロゾル形成基体12の下流端に当接している。加えて、下流セクション14は、支持要素22のすぐ下流に位置するエアロゾル冷却要素24を備え、エアロゾル冷却要素24は、ロッド12および支持要素22と長軸方向の整列の状態にある。図1の実施形態において、エアロゾル冷却要素24の上流端は、支持要素22の下流端に当接している。
【0136】
以下の記述から明らかになる通り、支持要素22およびエアロゾル冷却要素24は、エアロゾル発生物品10の中間中空セクション50を一緒に画定する。全体として、中間中空セクション50は、エアロゾル発生物品の全体的なRTDに実質的に寄与しない。
【0137】
支持要素22は、第一の中空管状セグメント26を備える。第一の中空管状セグメント26は、セルロースアセテートで作製された中空円筒状管の形態で提供されている。第一の中空管状セグメント26は、第一の中空管状セグメントの上流端30から第一の中空管状セグメント26の下流端32にずっと延びる内部空洞28を画定する。内部空洞28は実質的に空であり、そのため内部空洞28に沿って、実質的に制限のない気流が可能である。
【0138】
エアロゾル冷却要素24は第二の中空管状セグメント34を備える。第二の中空管状セグメント34は、セルロースアセテートで作製された中空円筒状管の形態で提供されている。第二の中空管状セグメント34は、第二の中空管状セグメントの上流端38から第二の中空管状セグメント34の下流端40にずっと延びる内部空洞36を画定する。内部空洞36は実質的に空であり、そのため内部空洞36に沿って、実質的に制限のない気流が可能である。第二の中空管状セグメント28、および結果として、エアロゾル冷却要素24は、エアロゾル発生物品10の全体的なRTDに実質的に寄与しない。
【0139】
エアロゾル発生物品10は、第二の中空管状セグメント34に沿った場所に提供された通気ゾーン60を備える。より詳細に、通気ゾーンは、第二の中空管状セグメント34の上流端から約2ミリメートルにて提供されている。エアロゾル発生物品10の通気レベルは、約25パーセントである。
【0140】
図1の実施形態において、下流セクション14は、中間中空セクション50の下流の場所にて随意のマウスピース要素42をさらに備える。より詳細に、マウスピース要素42は、エアロゾル冷却要素24のすぐ下流に位置付けられている。図1の図面に示す通り、マウスピース要素42の上流端は、エアロゾル冷却要素18の下流端40に当接する。
【0141】
マウスピース要素42は、低密度セルロースアセテートの円筒状プラグの形態で提供されている。
【0142】
エアロゾル発生物品10は、エアロゾル形成基体12内に細長いサセプタ要素44をさらに備える。より詳細に、サセプタ要素44は、ロッド12の長軸方向に対してほぼ平行になるようになど、エアロゾル形成基体12内で実質的に長軸方向に配設されている。図1の図面に示す通り、サセプタ要素44は、エアロゾル形成基体12内の半径方向で中央の位置に位置付けられていて、またエアロゾル形成基体12の長軸方向軸に沿って効果的に延びる。
【0143】
サセプタ要素44は、エアロゾル形成基体12の上流端から下流端にずっと延びる。実際に、サセプタ要素44は、エアロゾル形成基体のエアロゾル形成基体12と実質的に同じ長さを有する。
【0144】
上流要素46は、堅いラッパーによって囲まれたセルロースアセテートの円筒状プラグの形態で提供されている。
【0145】
エアロゾル発生物品10は、臭気抑制基体60をさらに備える。臭気抑制基体10は、マウスピース要素42を囲む紙材料の細片によって形成された帯の形態である。紙の細片は、接着剤を使用してラッパーに取り付けられている。紙の細片は、エアロゾル発生物品10の下流端20の約12ミリメートル下流に配置されている。紙の細片は、少なくとも10種類の異なる臭気成分で含浸されている。臭気成分の適切な組み合わせの詳細を下記に提示する。
【0146】
図2に示す通り、使用時にエアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生装置65の中に挿入されている。エアロゾル発生装置中の誘導コイルは、エアロゾル発生物品10中のサセプタ44を誘導加熱する。加熱サセプタ44は、エアロゾル形成基体12を加熱する。エアロゾル形成基体12は蒸気を発生し、これは中空セクション50の中で冷めて、エアロゾルへと核形成する。エアロゾル発生物品10の下流端20での圧力降下は、空気吸込み口60を通してエアロゾル発生物品10の中に空気を引き出す。空気吸込み口60を通して引き出された空気は、エアロゾル形成基体12からの蒸気を同伴する。次いで、蒸気を同伴したこの空気は、マウスピース42を通過し、エアロゾル発生物品10の下流端から出る。
【0147】
同時に、エアロゾル発生物品10の外側に配置されている臭気抑制基体60は、少なくとも10種類の異なる臭気成分から臭気抑制分子を放出する。少なくとも10種類の異なる臭気抑制から放出されたこれらの分子は、エアロゾル形成基体によって発生した不快な臭気をユーザーが識別することを妨げる嗅覚の白を生成する。
【0148】
嗅覚の白を生成することが見いだされた臭気成分の適切な組み合わせの例を下記に提示する。臭気成分の具体的な組み合わせは、「Ex-1」~「Ex-34」としてリストされていて、表1~表4に提示されている。各例の臭気成分は、化学物質のPubMed CID番号によって識別されている。各CID番号に対応する各臭気成分の名称は、下記の表5に提示されている。
【0149】
表1は、三つの実施例、Ex-1、Ex-2、Ex-3を示す。Ex-1およびEx-2は各々、60種類の異なる臭気成分を含む。Ex-1とEx-2の間には、いかなる重複も存在しない。実施例Ex-3は、30種類の異なる臭気成分を含む。
【0150】
表2は、Ex-4~Ex-8の5個の実施例を示す。Ex-4~Ex-8の各々は、30種類の異なる臭気成分を含み、物理化学的空間に及ぶ。
【0151】
表3は、Ex-9~Ex-20の12個の実施例を示す。Ex-9、Ex-10、Ex-15、Ex-16は各々、10種類の異なる臭気成分を含む。Ex-11、Ex-12、Ex-17、Ex-18は各々、20種類の異なる臭気成分を含む。Ex-13、Ex-14、Ex-19、Ex-20は各々、30種類の異なる臭気成分を含む。実施例Ex-9~Ex-20の臭気成分の具体的な選択は、臭気知覚空間に基づいて選択された。
【0152】
表4は、Ex-21~Ex-34の14個の実施例を示す。Ex-21、Ex-22、Ex-27、Ex-28は各々、10種類の異なる臭気成分を含む。Ex-29およびEx-30は各々、15種類の異なる臭気成分を含む。Ex-23、Ex-24、Ex-31、Ex-32は各々、20種類の異なる臭気成分を含む。Ex-25、Ex-26、Ex-33、Ex-34は各々、30種類の異なる臭気成分を含む。実施例Ex-21~Ex-34の臭気成分の具体的な選択は、臭気物理化学的空間に基づいて選択された。
【0153】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±5%として理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用される通りの一部の場合において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
【表1】


【表2】

【表3】



【表4】



【表5】

図1
図2
【国際調査報告】