IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソニー株式会社の特許一覧

<>
  • 特表-ポリマー色素 図1
  • 特表-ポリマー色素 図2A
  • 特表-ポリマー色素 図2B
  • 特表-ポリマー色素 図2C
  • 特表-ポリマー色素 図3A
  • 特表-ポリマー色素 図3B
  • 特表-ポリマー色素 図4
  • 特表-ポリマー色素 図5
  • 特表-ポリマー色素 図6
  • 特表-ポリマー色素 図7
  • 特表-ポリマー色素 図8A
  • 特表-ポリマー色素 図8B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-05
(54)【発明の名称】ポリマー色素
(51)【国際特許分類】
   C07H 21/04 20060101AFI20231128BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20231128BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
C07H21/04 B CSP
C07K16/00 ZNA
C09K11/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531606
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 US2021060378
(87)【国際公開番号】W WO2022115388
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】63/118,544
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100212509
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 知子
(72)【発明者】
【氏名】マトライ トレイシー
(72)【発明者】
【氏名】シン シャラット
【テーマコード(参考)】
4C057
4H045
【Fターム(参考)】
4C057MM01
4C057MM05
4H045AA10
4H045AA30
4H045DA76
(57)【要約】
各種診断及び分析状況において特定の標的配列又は他の分析物を検出するための、プローブとして有用な化合物が開示される。化合物は以下の構造(II)又はその立体異性体、互変異性体若しくは塩を有する化合物を有する(式中、M、L1a、L1b、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、-R1、R2、R3、R4、R5、m、n、q、及びwは、本明細書に定義される通りである)。さらに、組成物、キット、及び標的分析物を検出するのに有用な方法も記載される。
(II)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造(II)を有する化合物又はその立体異性体、塩若しくは互変異性体。
【化1】
(II)
(式中、
Mは、各出現において独立に、発色団であり、
1aは、各出現において独立に、ヘテロアリーレンリンカーであり、
2及びL8は独立に、任意のリンカーであり、
1b、L3、L5、L6及びL7は、各出現において独立に、任意のアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
4は、各出現において独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
9は、ポリヌクレオチドを含むリンカーであり、
1及びR2は、それぞれ独立に、H、OH、SH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、ヘテロアルキル又は-OP(=Ra)(Rb)Rcであり、
3は、各出現において独立に、H、アルキル又はアルコキシであり、
4は、各出現において独立に、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
5は、各出現において独立に、オキソ、チオキソ又は非存在であり、
aは、O又はSであり、
bは、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
cは、OH、SH、O-、S-、ORd、OL’、SRd、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルであり、
dは対イオンであり、
L’は、各出現において独立に、固形支持体への共有結合を含むリンカー、固形支持体残基への共有結合を含むリンカー、又はヌクレオシドへの共有結合を含むリンカーであり、
mは、各出現において独立に、ゼロ以上の整数であり、
nは1以上の整数であり、
q及びwは、q又はwのいずれかのうちの少なくとも1つの出現が1であれば、各出現において独立に、0又は1である)
【請求項2】
Mが、各出現において独立に、同じ又は異なるドナー発色団である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Mが各出現において同じドナー発色団である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
Mが、各出現において独立に、同じ又は異なるアクセプター発色団である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Mが各出現において同じアクセプター発色団である、請求項1又は4に記載の化合物。
【請求項6】
Mが、各出現において独立に、同じ又は異なるフルオロフォアである、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
Mが、各出現において独立に、同じ又は異なるドナーフルオロフォアである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Mが各出現において同じドナーフルオロフォアである、請求項7に記載の化合物又は組成物。
【請求項9】
Mが、各出現において独立に、同じ又は異なるアクセプターフルオロフォアである、請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
Mが各出現において同じアクセプターフルオロフォアである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
Mが、各出現において独立に、ジメチルアミノスチルベン、キナクリドン、フルオロフェニル-ジメチル-BODIPY、ヒス-フルオロフェニル-BODIPY、アクリジン、テリレン、セキシフェニル、ポルフィリン、ベンゾピレン、(フルオロフェニル-ジメチル-ジフルオロボラ-ジアザ-インダセン)フェニル、(ビス-フルオロフェニル-ジフルオロボラ-ジアザ-インダセン)フェニル、クアテルフェニル、ビ-ベンゾチアゾール、テル-ベンゾチアゾール、ビ-ナフチル、ビ-アントラシル、スクアライン、スクアリリウム、9,10-エチニルアントラセン又はテル-ナフチル部分である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
Mが、各出現において独立に、ピレン、ペリレン、ペリレンモノイミド、5-FAM若しくは6-FAM、又はこれらの誘導体である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
Mが、各出現において独立に、以下の構造のうちの1つを有する、請求項1に記載の化合物。
【化2】
【請求項14】
Mが、各出現において独立に、以下の構造のうちの1つを有する、請求項1に記載の化合物。
【化3】



【請求項15】
以下の構造(IIa)若しくは(IIb)を有する請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、塩若しくは互変異性体。
【化4】
(式中、
1は、各出現において独立に、同じ又は異なるドナー発色団であり、
2は、各出現において独立に、同じ又は異なるアクセプター発色団である)
【請求項16】
以下の構造(IIa)を有する、請求項15に記載の化合物。
【化5】
(IIa)
【請求項17】
以下の構造(IIb)を有する、請求項15に記載の化合物。
【化6】
(IIb)
【請求項18】
1が、各出現において独立に、同じ又は異なるドナーフルオロフォアである、請求項15~17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
2が、各出現において独立に、同じ又は異なるアクセプターフルオロフォアである、請求項15~18のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
1が各出現において同じドナーフルオロフォアである、請求項15~19のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
2が各出現において同じアクセプターフルオロフォアである、請求項15~20のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項22】
9のポリヌクレオチドが、10ヌクレオチド~40ヌクレオチドの範囲の長さを有する、請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
9のポリヌクレオチドが、10ヌクレオチド~30ヌクレオチドの範囲の長さを有する、請求項1~22のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項24】
9のポリヌクレオチドが、15ヌクレオチド~25ヌクレオチドの範囲の長さを有する、請求項1~23のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項25】
以下の構造(III)を有する化合物又はその立体異性体、塩若しくは互変異性体。
【化7】
(III)
(式中、
Mは、各出現において独立に、同じ又は異なる発色団であり、
1aは、各出現において独立に、ヘテロアリーレンリンカーであり、
2及びL8は独立に、任意のリンカーであり、
1b、L3、L5、L6及びL7は、各出現において独立に、任意のアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
4は、各出現において独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
10は、ポリヌクレオチドを含むリンカーであり、
1及びR2は、R1及びR2のうちの少なくとも1つがポリヌクレオチドを含む部分であれば、それぞれ独立に、H、OH、SH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、ヘテロアルキル、-OP(=Ra)(Rb)Rc、又はポリヌクレオチドを含む部分であり、
3は、各出現において独立に、H、アルキル又はアルコキシであり、
4は、各出現において独立に、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
5は、各出現において独立に、オキソ、チオキソ又は非存在であり、
aは、O又はSであり、
bは、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
cは、OH、SH、O-、S-、ORd、OL’、SRd、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルであり、
dは対イオンであり、
L’は、各出現において独立に、固形支持体への共有結合を含むリンカー、固形支持体残基への共有結合を含むリンカー、又はヌクレオシドへの共有結合を含むリンカーであり、
mは、各出現において独立に、ゼロ以上の整数であり、
nは2以上の整数であり、
q及びwは、q又はwのいずれかのうちの少なくとも1つの出現が1であれば、各出現において独立に、0又は1である)
【請求項26】
1がポリヌクレオチドを含む、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
2がポリヌクレオチドを含む、請求項25又は26に記載の化合物。
【請求項28】
1がポリヌクレオチドに結合した標的化部分を含む、請求項26又は27に記載の化合物。
【請求項29】
2がポリヌクレオチドに結合した標的化部分を含む、請求項27又は28に記載の化合物。
【請求項30】
Mが、各出現において独立に、同じ又は異なるドナー発色団である、請求項25~29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】
Mが各出現において同じドナー発色団である、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
Mが、各出現において独立に、同じ又は異なるアクセプター発色団である、請求項25~29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項33】
Mが各出現において同じアクセプター発色団である、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
Mが、各出現において独立に、同じ又は異なるフルオロフォアである、請求項25~29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項35】
Mが、各出現において独立に、同じ又は異なるドナーフルオロフォアである、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
Mが各出現において同じドナーフルオロフォアである、請求項34に記載の化合物。
【請求項37】
Mが、各出現において独立に、同じ又は異なるアクセプターフルオロフォアである、請求項34に記載の化合物。
【請求項38】
Mが各出現において同じアクセプターフルオロフォアである、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
Mが、各出現において独立に、ジメチルアミノスチルベン、キナクリドン、フルオロフェニル-ジメチル-BODIPY、ヒス-フルオロフェニル-BODIPY、アクリジン、テリレン、セキシフェニル、ポルフィリン、ベンゾピレン、(フルオロフェニル-ジメチル-ジフルオロボラ-ジアザ-インダセン)フェニル、(ビス-フルオロフェニル-ジフルオロボラ-ジアザ-インダセン)フェニル、クアテルフェニル、ビ-ベンゾチアゾール、テル-ベンゾチアゾール、ビ-ナフチル、ビ-アントラシル、スクアライン、スクアリリウム、9,10-エチニルアントラセン又はテル-ナフチル部分である、請求項25~29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項40】
Mが、各出現において独立に、ピレン、ペリレン、ペリレンモノイミド、5-FAM若しくは6-FAM、又はこれらの誘導体である、請求項25~29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項41】
Mが、各出現において独立に、以下の構造のうちの1つを有する、請求項25~29のいずれか1項に記載の化合物。
【化8】
【請求項42】
Mが、各出現において独立に、以下の構造のうちの1つを有する、請求項25~29のいずれか1項に記載の化合物。
【化9】



【請求項43】
請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物及び請求項25~42のいずれか1項に記載の化合物を含む組成物。
【請求項44】
9のポリヌクレオチドが、第1の配列を有し、L10のポリヌクレオチドが、第2の配列を有し、第1の配列が、第2の配列の少なくとも一部に対し少なくとも90%の相補性を有する、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物、及び捕捉プローブを含む組成物。
【請求項46】
以下の構造(I)を有する化合物又はその立体異性体、塩若しくは互変異性体をさらに含む、請求項43~45のいずれか1項に記載の組成物。
【化10】
(I)
(式中、
Mは、各出現において独立に、同じ又は異なる発色団であり、
1aは、各出現において独立に、ヘテロアリーレンリンカーであり、
2及びL3は独立に、任意のリンカーであり、
1b、L3、L5、L6及びL7は、各出現において独立に、任意のアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
4は、各出現において独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
1及びR2は、R1及びR2のうちの少なくとも1つがポリヌクレオチドを含む部分であれば、それぞれ独立に、H、OH、SH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、ヘテロアルキル、-OP(=Ra)(Rb)Rc、又はポリヌクレオチドを含む部分であり、
3は、各出現において独立に、H、アルキル又はアルコキシであり、
4は、各出現において独立に、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
5は、各出現において独立に、オキソ、チオキソ又は非存在であり、
aは、O又はSであり、
bは、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
cは、OH、SH、O-、S-、ORd、OL’、SRd、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルであり、
dは対イオンであり、
L’は、各出現において独立に、固形支持体への共有結合を含むリンカー、固形支持体残基への共有結合を含むリンカー、又はヌクレオシドへの共有結合を含むリンカーであり、
mは、各出現において独立に、ゼロ以上の整数であり、
nは1以上の整数であり、
q及びwは、q又はwのいずれかのうちの少なくとも1つの出現が1であれば、各出現において独立に、0又は1である)
【請求項47】
捕捉プローブ、及び以下の構造(I)を有する化合物又はその立体異性体、塩若しくは互変異性体を含む組成物。
【化11】
(I)
(式中、
Mは、各出現において独立に、同じ又は異なる発色団であり、
1aは、各出現において独立に、ヘテロアリーレンリンカーであり、
2及びL8は独立に、任意のリンカーであり、
1b、L3、L5、L6及びL7は、各出現において独立に、任意のアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
4は、各出現において独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
1及びR2は、R1及びR2のうちの少なくとも1つがポリヌクレオチドを含む部分であれば、それぞれ独立に、H、OH、SH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、ヘテロアルキル、-OP(=Ra)(Rb)Rc、又はポリヌクレオチドを含む部分であり、
3は、各出現において独立に、H、アルキル又はアルコキシであり、
4は、各出現において独立に、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
5は、各出現において独立に、オキソ、チオキソ又は非存在であり、
aは、O又はSであり、
bは、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
cは、OH、SH、O-、S-、ORd、OL’、SRd、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルであり、
dは対イオンであり、
L’は、各出現において独立に、固形支持体への共有結合を含むリンカー、固形支持体残基への共有結合を含むリンカー、又はヌクレオシドへの共有結合を含むリンカーであり、
mは、各出現において独立に、ゼロ以上の整数であり、
nは1以上の整数であり、
q及びwは、q又はwのいずれかのうちの少なくとも1つの出現が1であれば、各出現において独立に、0又は1である)
【請求項48】
1又はR2のポリヌクレオチドが、第1の配列を有し、捕捉プローブが、第2の配列を有し、第1の配列が、第2の配列の少なくとも第1の部分に対し少なくとも90%の相補性を有する、請求項45~47のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項49】
分岐リンカーをさらに含む、請求項45~47のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項50】
分岐リンカーが、第1のポリヌクレオチド、及び複数の第2のポリヌクレオチドを含む、請求項49に記載の組成物。
【請求項51】
分岐リンカーの第1のポリヌクレオチドが、第1の配列を有し、捕捉プローブが、第2の配列を有し、第1の配列が、第2の配列の少なくとも第1の部分に対し少なくとも90%の相補性を有する、請求項50に記載の組成物。
【請求項52】
分岐リンカーの第2のポリヌクレオチドのそれぞれが、第3の配列を有し、R1又はR2のポリヌクレオチドが、第4の配列を有し、第3の配列が、第4の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する、請求項50又は51に記載の組成物。
【請求項53】
第3の配列が、第4の配列に対し少なくとも92%の相補性を有する、請求項52に記載の組成物。
【請求項54】
第3の配列が、第4の配列に対し少なくとも95%の相補性を有する、請求項52又は53に記載の組成物。
【請求項55】
第3の配列が、第4の配列に対し少なくとも97%の相補性を有する、請求項52~54のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項56】
第3の配列が、第4の配列に対し少なくとも98%の相補性を有する、請求項52~55のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項57】
第3の配列が、第4の配列に対し少なくとも99%の相補性を有する、請求項52~56のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項58】
第3の配列、第4の配列、又は両方が、10ヌクレオチド~40ヌクレオチドの範囲の長さを有する、請求項52~57のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項59】
第3の配列、第4の配列、又は両方が、10ヌクレオチド~30ヌクレオチドの範囲の長さを有する、請求項52~58のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項60】
第3の配列、第4の配列、又は両方が、15ヌクレオチド~25ヌクレオチドの範囲の長さを有する、請求項52~59のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項61】
捕捉プローブが標的化部分を含む、請求項45~60のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項62】
標的化部分が抗体である、請求項61に記載の組成物。
【請求項63】
請求項25~42のいずれか1項に記載の化合物、及び以下の構造(I)を有する化合物又はその立体異性体、塩若しくは互変異性体を含む組成物。
【化12】
(I)
(式中、
Mは、各出現において独立に、同じ又は異なる発色団であり、
1aは、各出現において独立に、ヘテロアリーレンリンカーであり、
2及びL8は独立に、任意のリンカーであり、
1b、L3、L5、L6及びL7は、各出現において独立に、任意のアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
4は、各出現において独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
1及びR2は、R1及びR2のうちの少なくとも1つがポリヌクレオチドを含む部分であれば、それぞれ独立に、H、OH、SH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、ヘテロアルキル、-OP(=Ra)(Rb)Rc、又はポリヌクレオチドを含む部分であり、
3は、各出現において独立に、H、アルキル又はアルコキシであり、
4は、各出現において独立に、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
5は、各出現において独立に、オキソ、チオキソ又は非存在であり、
aは、O又はSであり、
bは、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
cは、OH、SH、O-、S-、ORd、OL’、SRd、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルであり、
dは対イオンであり、
L’は、各出現において独立に、固形支持体への共有結合を含むリンカー、固形支持体残基への共有結合を含むリンカー、又はヌクレオシドへの共有結合を含むリンカーであり、
mは、各出現において独立に、ゼロ以上の整数であり、
nは1以上の整数であり、
q及びwは、q又はwのいずれかのうちの少なくとも1つの出現が1であれば、各出現において独立に、0又は1である)
【請求項64】
1又はR2のポリヌクレオチドが、第1の配列を有し、L10が、第2の配列を有し、第1の配列が、第2の配列の少なくとも第1の部分に対し少なくとも90%の相補性を有する、請求項63に記載の組成物。
【請求項65】
第1の配列が、第1の配列の部分に対し少なくとも92%の相補性を有する、請求項44、48、51又は64のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項66】
第1の配列が、第1の配列の部分に対し少なくとも95%の相補性を有する、請求項44、48、51、64又は65のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項67】
第1の配列が、第1の配列の部分に対し少なくとも97%の相補性を有する、請求項44、48、51又は64~66のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項68】
第1の配列が、第1の配列の部分に対し少なくとも98%の相補性を有する、請求項44、48、51又は64~67のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項69】
第1の配列が、第1の配列の部分に対し少なくとも99%の相補性を有する、請求項44、48、51又は64~68のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項70】
第1の配列、第2の配列の部分、又は両方が、10ヌクレオチド~40ヌクレオチドの範囲の長さを有する、請求項44、48、51又は64~69のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項71】
第1の配列、第2の配列の部分、又は両方が、10ヌクレオチド~30ヌクレオチドの範囲の長さを有する、請求項44、48、51又は64~70のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項72】
第1の配列、第2の配列の部分、又は両方が、15ヌクレオチド~25ヌクレオチドの範囲の長さを有する、請求項44、48、51又は64~71のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項73】
第2の配列が、第1の部分と同じである第2の部分を含む、請求項44、48、51又は64~72のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項74】
第2の配列の少なくとも第3の部分に対し少なくとも90%の相補性を有する第3の配列を有する連結ポリヌクレオチドに結合した標的化部分をさらに含む、請求項44、48、51又は64~73のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項75】
qの各出現が0である、請求項1~74のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項76】
qの少なくとも1つの出現が1である、請求項1~74のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項77】
wの各出現が0である、請求項1~74又は76のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項78】
wの少なくとも1つの出現が1である、請求項1~77のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項79】
4の少なくとも1つの出現がヘテロアルキレンであるか、又はL4の各出現がヘテロアルキレンである、請求項1~78のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項80】
ヘテロアルキレンが酸化アルキレンを含む、請求項79に記載の化合物又は組成物。
【請求項81】
ヘテロアルキレンが酸化エチレンを含む、請求項80に記載の化合物又は組成物。
【請求項82】
4が以下の構造を有する、請求項79~81のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【化13】
(式中、
zは1~100の整数であり、
*は隣接するリン原子への結合を示す)
【請求項83】
zが3~6の整数又は22~26の整数である、請求項82に記載の化合物又は組成物。
【請求項84】
4の少なくとも1つの出現がアルキレンであるか、又はL4の各出現がアルキレンである、請求項1~78のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項85】
少なくとも1つのアルキレンがエチレンであるか、又は各アルキレンがエチレンである、請求項84に記載の化合物又は組成物。
【請求項86】
3の少なくとも1つの出現がHであるか、又はR3の各出現がHである、請求項1~85のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項87】
1aが、各出現において独立に、置換されていてもよい5~7員環のヘテロアリーレンリンカーである、請求項1~86のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項88】
1aが以下の構造のうちの1つを有する、請求項1~86のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【化14】
【請求項89】
3の少なくとも1つの出現がアルキレンリンカーであるか、又はL3の各出現がアルキレンリンカーである、請求項1~88のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項90】
2及び/若しくはL8の少なくとも1つの出現が非存在であるか、又はL2及び/若しくはL8の各出現が非存在である、請求項1~89のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項91】
5及び/若しくはL6の少なくとも1つの出現がアルキレンであるか、又はL5及び/若しくはL6の各出現がアルキレンである、請求項1~90のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項92】
1bが、各出現において独立に、アミド官能基又はトリアゾリル官能基を含む、請求項1~91のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項93】
5が、各出現において独立に、OH、O-又はORdである、請求項1~92のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項94】
4が、各出現においてオキソである、請求項1~93のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項95】
7の少なくとも1つの出現が、置換されていてもよいヘテロアルキレンリンカーであるか、又はL7の各出現が、独立に、置換されていてもよいヘテロアルキレンリンカーである、請求項1~94のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項96】
7がアミド又はトリアゾリル官能基を含む、請求項1~95のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項97】
7の各出現が以下の構造のうちの1つを有する、請求項1~96のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【化15】
【請求項98】
nが1~100の整数であるか、又はnが1~10の整数である、請求項1~96のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項99】
mが3~6の整数であるか、又はmが3である、請求項1~98のいずれか1項に記載の化合物又は組成物。
【請求項100】
第1の配列を有する第1のポリヌクレオチドを含む第1のセグメント、及び
第1のセグメントにコンジュゲートした第2のセグメントであって、第2のセグメントが、複数の交互の第2のポリヌクレオチド及び第1のポリマーを含み、第1のポリマーのそれぞれが、第1の発色団を含み、第2のポリヌクレオチドのそれぞれが、第2の配列を含む、第2のセグメント
を含む捕捉プローブ、並びに
複数の検出可能なプローブであって、複数の検出可能なプローブのそれぞれが、第2の発色団を含む少なくとも1つの第2のポリマーに共有結合した第3のポリヌクレオチドを含み、第3のポリヌクレオチドが、第2の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第3の配列を有する、複数の検出可能なプローブ、
を含む、組成物。
【請求項101】
第1のポリマーのそれぞれが、複数の第1の発色団を含む、請求項100に記載の組成物。
【請求項102】
検出可能なプローブのそれぞれが、複数の第2の発色団を含む、請求項100又は101に記載の組成物。
【請求項103】
第1の発色団がアクセプター発色団である、請求項100~102のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項104】
第1の発色団がドナー発色団である、請求項100~102のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項105】
第2の発色団がアクセプター発色団である、請求項100~104のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項106】
第2の発色団がドナー発色団である、請求項100~104のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項107】
第1の発色団がフルオロフォアである、請求項100~106のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項108】
第2の発色団がフルオロフォアである、請求項100~107のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項109】
個々の第2のポリマーが、複数の検出可能なプローブのうちの検出可能なプローブの少なくとも1つの第3のポリヌクレオチドの各末端に共有結合している、請求項100~108のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項110】
第1の配列を有する第1のポリヌクレオチドを含む第1のセグメント、及び
第1のセグメントにコンジュゲートした第2のセグメントであって、第2のセグメントが、第2の配列をそれぞれ含む複数の第2のポリヌクレオチドを含む、第2のセグメント
を含む捕捉プローブ、並びに
複数の検出可能なプローブであって、複数の検出可能なプローブのそれぞれが、第1の末端及び第2の末端を有する第3のポリヌクレオチドを含み、第1の末端が、アクセプター発色団を含む第1のポリマーに共有結合しており、第2の末端が、ドナー発色団を含む第2のポリマーに共有結合しており、第3のポリヌクレオチドが、第2の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第3の配列を有する、複数の検出可能なプローブ、
を含む、組成物。
【請求項111】
捕捉プローブが、請求項25~42のいずれか1項に記載の構造を有する、請求項100~110のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項112】
検出可能なプローブの少なくとも1つが、独立に、請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物である、請求項100~111のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項113】
標的化部分に共有結合した第4のポリヌクレオチドをさらに含み、第4のポリヌクレオチドが、第1の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第4の配列を有する、請求項100~112のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項114】
第4の配列が、第1の配列に対し少なくとも92%の相補性を有する、請求項100~113のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項115】
第4の配列が、第1の配列に対し少なくとも95%の相補性を有する、請求項100~114のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項116】
第4の配列が、第1の配列に対し少なくとも96%の相補性を有する、請求項100~115のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項117】
第4の配列が、第1の配列に対し少なくとも97%の相補性を有する、請求項100~116のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項118】
第4の配列が、第1の配列に対し少なくとも98%の相補性を有する、請求項100~117のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項119】
第4の配列が、第1の配列に対し少なくとも99%の相補性を有する、請求項100~118のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項120】
第2の配列が、第3の配列に対し少なくとも92%の相補性を有する、請求項100~119のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項121】
第2の配列が、第3の配列に対し少なくとも95%の相補性を有する、請求項100~120のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項122】
第2の配列が、第3の配列に対し少なくとも96%の相補性を有する、請求項100~121のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項123】
第2の配列が、第3の配列に対し少なくとも97%の相補性を有する、請求項100~122のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項124】
第2の配列が、第3の配列に対し少なくとも98%の相補性を有する、請求項100~123のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項125】
第2の配列が、第3の配列に対し少なくとも99%の相補性を有する、請求項100~124のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項126】
アクセプター発色団がフルオロフォアである、請求項110~125のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項127】
ドナー発色団がフルオロフォアである、請求項110~126のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項128】
捕捉プローブが標的化部分を含む、請求項100~127のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項129】
標的化部分が抗体である、請求項128に記載の組成物。
【請求項130】
請求項1~129のいずれか1項に記載の化合物又は組成物、及び使用説明書を含むキット。
【請求項131】
標的分析物の存在を特定するための方法であって、
アッセイ条件下で、試料を、請求項43~130のいずれか1項に記載の組成物と接触させることにより、混合物を生成するステップ、及び
検出条件下で混合物をイメージングするステップ
を含む、方法。
【請求項132】
混合物をイメージングするステップが、
第1の波長でドナーフルオロフォアを励起するステップ、及び
第2の波長でアクセプターフルオロフォアの発光を検出するステップ
を含む、請求項131に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表に関する陳述
本出願に関連する配列表は、紙の写しの代わりにテキストフォーマットで提供され、ここに、参照により本明細書に組み込まれる。配列表を含むテキストファイルの名称は、870268_430WO_SEQUENCE_LISTING.txtである。テキストファイルは、4.1KBであり、2021年11月19日に作成され、EFS-Webを介して電子的に提出されている。
【0002】
本開示は一般に、少なくとも1つのポリヌクレオチドに共有結合したポリマー発色団を含む化合物(例えば、ヌクレオチドプローブに結合したポリマーフルオロフォア部分を含む化合物)、並びにそれを含む組成物及びキット、並びに各種分析方法におけるそれらの調製及び使用のための方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
プローブは、各種診断及び分析状況において、特定の標的配列又は他の分析物を検出するのに使用される。例えば、従来の、不均一の、ハイブリダイゼーションアッセイは、典型的には以下のステップを含む:標的核酸の固定化(例えば、紙、ビーズ、又はプラスチック表面への);標的の配列に対し相補的な標識されたプローブの添加;ハイブリダイゼーション;ハイブリダイズされなかったプローブの除去;及び固定化された標的に結合したままのプローブの検出。しかし、標的核酸を固定化するのに固形表面を使用することで、プローブによる標的の移動性、又は標的への接近が制限されることにより、ハイブリダイゼーションにかかる時間が長くなる。さらに、固形表面はプローブからのシグナルに干渉するか、又はシグナルにおけるノイズをもたらすおそれがある。プローブ-標的ハイブリッドが単離される条件によっても、in vivo検出及び合成反応中の核酸の同時検出(リアルタイム検出)が妨げられる。
ゆえに、当技術分野で、増大した明るさを有し且つより低下したシグナル-ノイズ比を生成する、改善されたプローブの必要性が存在する。本開示はこの必要性を満たし、さらなる関連の利点を提供する。
【発明の概要】
【0004】
1つの態様では、以下の構造(II)を有する化合物又はその立体異性体、塩若しくは互変異性体が本明細書に記載される。
【化1】
(II)
(式中、
Mは、各出現において独立に、発色団であり、
1aは、各出現において独立に、ヘテロアリーレンリンカーであり、
2及びL8は独立に、任意のリンカーであり、
1b、L3、L5、L6及びL7は、各出現において独立に、任意のアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
4は、各出現において独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
9は、ポリヌクレオチドを含むリンカーであり、
1及びR2は、それぞれ独立に、H、OH、SH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、ヘテロアルキル又は-OP(=Ra)(Rb)Rcであり、
3は、各出現において独立に、H、アルキル又はアルコキシであり、
4は、各出現において独立に、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
5は、各出現において独立に、オキソ、チオキソ又は非存在であり、
aは、O又はSであり、
bは、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
cは、OH、SH、O-、S-、ORd、OL’、SRd、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルであり、
dは対イオンであり、
L’は、各出現において独立に、固形支持体への共有結合を含むリンカー、固形支持体残基への共有結合を含むリンカー、又はヌクレオシドへの共有結合を含むリンカーであり、
mは、各出現において独立に、ゼロ以上の整数であり、
nは1以上の整数であり、
q及びwは、q又はwのいずれかのうちの少なくとも1つの出現が1であれば、各出現において独立に、0又は1である)
【0005】
別の態様では、本開示は、以下の構造(III)を有する化合物又はその立体異性体、塩若しくは互変異性体を提供する。
【化2】
(III)
(式中、
Mは、各出現において独立に、同じ又は異なる発色団であり、
1aは、各出現において独立に、ヘテロアリーレンリンカーであり、
2及びL8は独立に、任意のリンカーであり、
1b、L3、L5、L6及びL7は、各出現において独立に、任意のアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
4は、各出現において独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
10は、ポリヌクレオチドを含むリンカーであり、
1及びR2は、R1及びR2のうちの少なくとも1つがポリヌクレオチドを含む部分であれば、それぞれ独立に、H、OH、SH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、ヘテロアルキル、-OP(=Ra)(Rb)Rc、又はポリヌクレオチドを含む部分であり、
3は、各出現において独立に、H、アルキル又はアルコキシであり、
4は、各出現において独立に、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
5は、各出現において独立に、オキソ、チオキソ又は非存在であり、
aは、O又はSであり、
bは、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
cは、OH、SH、O-、S-、ORd、OL’、SRd、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルであり、
dは対イオンであり、
L’は、各出現において独立に、固形支持体への共有結合を含むリンカー、固形支持体残基への共有結合を含むリンカー、又はヌクレオシドへの共有結合を含むリンカーであり、
mは、各出現において独立に、ゼロ以上の整数であり、
nは2以上の整数であり、
q及びwは、q又はwのいずれかのうちの少なくとも1つの出現が1であれば、各出現において独立に、0又は1である)
【0006】
さらなる態様では、構造(II)の化合物及び捕捉プローブを含む組成物が本明細書に記載される。
構造(II)の化合物及び構造(III)の化合物を含む組成物も本明細書に記載される。
【0007】
なおさらなる態様では、構造(III)の化合物、及び以下の構造(I)を有する化合物又はその立体異性体、塩若しくは互変異性体を含む組成物が本明細書に記載される。
【化3】
(I)
(式中、
Mは、各出現において独立に、同じ又は異なる発色団であり、
1aは、各出現において独立に、ヘテロアリーレンリンカーであり、
2及びL8は独立に、任意のリンカーであり、
1b、L3、L5、L6及びL7は、各出現において独立に、任意のアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
4は、各出現において独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
1及びR2は、R1及びR2のうちの少なくとも1つがポリヌクレオチドを含む部分であれば、それぞれ独立に、H、OH、SH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、ヘテロアルキル、-OP(=Ra)(Rb)Rc、又はポリヌクレオチドを含む部分であり、
3は、各出現において独立に、H、アルキル又はアルコキシであり、
4は、各出現において独立に、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
5は、各出現において独立に、オキソ、チオキソ又は非存在であり、
aは、O又はSであり、
bは、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
cは、OH、SH、O-、S-、ORd、OL’、SRd、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルであり、
dは対イオンであり、
L’は、各出現において独立に、固形支持体への共有結合を含むリンカー、固形支持体残基への共有結合を含むリンカー、又はヌクレオシドへの共有結合を含むリンカーであり、
mは、各出現において独立に、ゼロ以上の整数であり、
nは1以上の整数であり、
q及びwは、q又はwのいずれかのうちの少なくとも1つの出現が1であれば、各出現において独立に、0又は1である)
【0008】
(1)(i)第1の配列を有する第1のポリヌクレオチドを含む第1のセグメント、並びに(ii)第1のセグメントにコンジュゲートした第2のセグメントであって、第2のセグメントが、複数の交互の第2のポリヌクレオチド及び第1のポリマーを含み、第1のポリマーのそれぞれが、第1の発色団を含み、第2のポリヌクレオチドのそれぞれが、第2の配列を含む、第2のセグメントを含む捕捉プローブ、並びに(2)複数の検出可能なプローブであって、複数の検出可能なプローブのそれぞれが、第2の発色団を含む少なくとも1つの第2のポリマーに共有結合した第3のポリヌクレオチドを含み、第3のポリヌクレオチドが、第2の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第3の配列を有する、複数の検出可能なプローブを含む、組成物も本明細書に記載される。
【0009】
いっそう別の態様では、(1)(i)第1の配列を有する第1のポリヌクレオチドを含む第1のセグメント、及び(ii)第1のセグメントにコンジュゲートした第2のセグメントであって、第2のセグメントが、第2の配列をそれぞれ含む複数の第2のポリヌクレオチドを含む、第2のセグメントを含む捕捉プローブ、並びに(2)複数の検出可能なプローブであって、複数の検出可能なプローブのそれぞれが、第1の末端及び第2の末端を有する第3のポリヌクレオチドを含み、第1の末端が、アクセプター発色団を含む第1のポリマーに共有結合しており、第2の末端が、ドナー発色団を含む第2のポリマーに共有結合しており、第3のポリヌクレオチドが、第2の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第3の配列を有する、複数の検出可能なプローブを含む、組成物が本明細書に記載される。
【0010】
さらに、本明細書に記載されている組成物の化合物を含むキットが本明細書に記載される。
なおさらなる実施形態では、本開示は、標的分析物の存在を特定するための方法であって、アッセイ条件下で、試料を、本明細書に記載されている組成物と接触させることにより、混合物を生成するステップ、及び検出条件下で混合物をイメージングするステップを含む、方法を提供する。
【0011】
本特許又は本出願のファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラーの図面を伴う本特許又は本出願公開の写しは、要求及び必要な料金の支払いで特許庁によって提供される。
図において、同一の参照番号は同様のエレメントを特定する。図中のエレメントのサイズ及び相対位置は、必ずしも正確な縮尺ではなく、これらのエレメントのうちの一部のものは、図の読み取りやすさを改善するために拡大され、位置付けされる。さらに、描かれているエレメントの特定の形状は、特定のエレメントの実際の形状に関するいかなる情報も伝えることを意図せず、単に図の認識を容易にするために選択されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】プローブ複合体の実施形態の概略図を示す図である。
図2A】プローブ複合体の別の実施形態の概略図を示す図である。
図2B】プローブ複合体のさらなる実施形態の図を示す図である。
図2C】プローブ複合体のさらなる実施形態の図を示す図である。
図3A】プローブ複合体のさらなる実施形態の図を示す図である。
図3B】プローブ複合体のさらなる実施形態の図を示す図である。
図4】実施例3に記載された検査の結果を示す図である。
図5】実施例5に記載された検査の結果を示す図である。
図6】実施例6に記載された検査の結果を示す図である。
図7】実施例7に記載されたプローブのコンカテマー化の実施形態を図示する図である。
図8A】実施例8に記載された検査の結果を示す図である。
図8B】実施例8に記載された検査の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の記載では、ある特定の具体的な詳細が本発明の様々な実施形態の十分な理解を提供するために記述される。しかし、当業者には、これらの詳細がなくても発明が実施されうることが理解されよう。
文脈から必要とされない限り、本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、単語「含む(comprise)」、並びにその変形、例えば「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」は、開放的で包括的な意味であり、すなわち、「含むが、限定されない(including,but not limited to)」と解釈されるべきである。
本明細書の全体を通して「一実施形態(one embodiment)」、又は「ある実施形態(an embodiment)」への言及は、その実施形態に関して記載される特定の特色、構造又は特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。よって、本明細書の全体を通して様々な箇所における「一実施形態において」又は「ある実施形態において」の語句の出現は、必ずしも同じ実施形態をすべてが言及するものではない。さらに、特定の特色、構造又は特徴を、1つ又は複数の実施形態において任意の適切な方法によって組み合わせてもよい。
【0014】
「アミノ」は、-NH2基を指す。
「カルボキシ」は、-CO2H基を指す。
「シアノ」は、-CN基を指す。
「ホルミル」は、-C(=O)H基を指す。
「ヒドロキシ」又は「ヒドロキシル」は、-OH基を指す。
「イミノ」は、=NH基を指す。
「ニトロ」は、-NO2基を指す。
「オキソ」は、=O置換基を指す。
「スルフヒドリル」は、-SH基を指す。
「チオキソ」は、=S基を指す。
「アルキル」は、炭素原子及び水素原子のみからなり、不飽和を含有せず、1~12個の炭素原子(C1-C12アルキル)、1~8個の炭素原子(C1-C8アルキル)又は1~6個の炭素原子(C1-C6アルキル)を有し、単結合により分子の残りの部分に結合する、直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、1メチルエチル(イソ-プロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)、3-メチルヘキシル、2-メチルヘキシルなどを指す。本明細書に具体的に記述されない限り、アルキル基は置換されていてもよい。
【0015】
「アルキレン」又は「アルキレン鎖」は、炭素及び水素のみからなり、不飽和を含有せず、1~12個の炭素原子を有する、分子の残りの部分をラジカル基に連結させる直鎖又は分岐鎖の二価炭化水素鎖を指し、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、エテニレン、プロペニレン、n-ブテニレン、プロピニレン、n-ブチニレンなどである。アルキレン鎖は、単結合を介して分子の残りの部分、及び単結合を介してラジカル基に結合する。分子の残りの部分及びラジカル基へのアルキレン鎖の結合点は、1個の炭素又は鎖内の任意の2個の炭素を介するものでありうる。本明細書に具体的に記述されない限り、アルキレンは置換されていてもよい。
「アルケニレン」又は「アルケニレン鎖」は、炭素及び水素のみからなり、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含有し、2~12個の炭素原子を有する、分子の残りの部分をラジカル基に連結させる直鎖又は分岐鎖の二価炭化水素鎖を指し、例えば、エテニレン、プロペニレン、nブテニレンなどである。アルケニレン鎖は、単結合を介して分子の残りの部分、及び二重結合又は単結合を介してラジカル基に結合する。分子の残りの部分及びラジカル基へのアルケニレン鎖の結合点は、1個の炭素又は鎖内の任意の2個の炭素を介するものでありうる。本明細書に具体的に記述されない限り、アルケニレンは置換されていてもよい。
【0016】
「アルキニレン」又は「アルキニレン鎖」は、炭素及び水素のみからなり、少なくとも1個の炭素-炭素三結合を含有し、2~12個の炭素原子を有する、分子の残りの部分をラジカル基に連結させる直鎖又は分岐鎖の二価炭化水素鎖を指し、例えば、エテニレン、プロペニレン、nブテニレンなどである。アルキニレン鎖は、単結合を介して分子の残りの部分、及び二重結合又は単結合を介してラジカル基に結合する。分子の残りの部分及びラジカル基へのアルキニレン鎖の結合点は、1個の炭素又は鎖内の任意の2個の炭素を介するものでありうる。本明細書に具体的に記述されない限り、アルキニレンは置換されていてもよい。
「アルキルエーテル」は、少なくとも1個の炭素-炭素結合が炭素-酸素結合に置き換えられている、上記で定義される任意のアルキル基を指す。炭素-酸素結合は、末端(アルコキシ基と同様)であってもよく、又は炭素酸素結合は内部(すなわち、C-O-C)であってもよい。アルキルエーテルは、少なくとも1個の炭素酸素結合を含むが、1個より多く含んでもよい。例えば、ポリエチレングリコール(PEG)がアルキルエーテルの意味の範囲内に含まれる。本明細書に具体的に記述されない限り、アルキルエーテル基は置換されていてもよい。例えば、一部の実施形態において、アルキルエーテルは、アルコール又はOP(=Ra)(Rb)Rc(式中、Ra、Rb及びRcのそれぞれは、構造(I)の化合物について定義される通りである)で置換されている。
【0017】
「アルコキシ」は、式-ORa(式中、Raは1~12個の炭素原子を含有する上記で定義されるアルキル基である)の基を指す。本明細書に具体的に記述されない限り、アルコキシ基は置換されていてもよい。
「アルコキシアルキルエーテル」は、式-ORaRbの基(式中、Raは1~12個の炭素原子を含有する上記で定義されるアルキレン基であり、Rbは本明細書で定義されるアルキルエーテル基である)を指す。本明細書に具体的に記述されない限り、アルコキシアルキルエーテルは置換されていてもよく、例えば、アルコール又はOP(=Ra)(Rb)Rc(式中、Ra、Rb及びRcのそれぞれは、構造(I)の化合物について定義される通りである)で置換されていてもよい。
【0018】
「ヘテロアルキル」は、アルキル基内又はアルキル基の末端に少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、N、O、P又はS)を含む、上記で定義されるアルキル基を指す。一部の実施形態において、ヘテロ原子は、アルキル基内にある(すなわち、ヘテロアルキルは、少なくとも1個の炭素-[ヘテロ原子]x-炭素結合を含み、(xは、1、2又は3である)。他の実施形態において、ヘテロ原子はアルキル基の末端にあり、よってアルキル基を分子の残部に接合させる役目を果たす(例えば、M1-H-A(式中、M1は分子の一部分であり、Hはヘテロ原子であり、Aはアルキル基である))。本明細書に具体的に記述されない限り、ヘテロアルキル基は置換されていてもよい。例示的なヘテロアルキル基には、リン-酸素結合、例えばホスホジエステル結合を含んでもよい酸化エチレン(例えば、酸化ポリエチレン)が含まれる。
「ヘテロアルコキシ」は、式-ORa(式中、Raは1~12個の炭素原子を含有する上記で定義されるヘテロアルキル基である)の基を指す。本明細書に具体的に記述されない限り、ヘテロアルコキシ基は置換されていてもよい。
【0019】
「ヘテロアルキレン」は、アルキレン鎖内又はアルキレン鎖の末端に少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、N、O、P又はS)を含む、上記で定義されるアルキル基を指す。一部の実施形態において、ヘテロ原子は、アルキレン鎖内にある(すなわち、ヘテロアルキレンは、少なくとも1個の炭素-[ヘテロ原子]-炭素結合を含み、xは、1、2又は3である)。他の実施形態において、ヘテロ原子はアルキレンの末端にあり、よってアルキレンを分子の残部に接合させる役目を果たす(例えば、M1-H-A-M2、M1及びM2は分子の一部であり、Hはヘテロ原子であり、Aはアルキレン基である)。本明細書に具体的に記述されない限り、ヘテロアルキレン基は置換されていてもよい。例示的なヘテロアルキレン基には、酸化エチレン(例えば、酸化ポリエチレン)、並びに下記に例示される「C」、「HEG」、「TEG」、「PEG 1K」及びこれらの変形の連結基が含まれる。
【化4】
【0020】
上記のCリンカー、HEGリンカー及び/又はPEG 1Kリンカーの多量体が、ヘテロアルキレンリンカーの様々な実施形態に含まれる。
PEG 1Kリンカーの一部の実施形態において、nは25である。多量体は、例えば以下の構造を含んでもよい。
【化5】
(式中、xは0又は0超の整数であり、例えば、xは0~100の範囲(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10)である)
「ヘテロアルケニレン」は、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含む、上記で定義されるヘテロアルキレンである。本明細書に具体的に記述されない限り、ヘテロアルケニレン基は置換されていてもよい。
【0021】
「ヘテロアルキニレン」は、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を含むヘテロアルキレンである。本明細書に具体的に記述されない限り、ヘテロアルキニレン基は置換されていてもよい。
「ヘテロ原子リンカー」に関連して「ヘテロ原子」は、1個又は複数のヘテロ原子からなるリンカー基を指す。例示的なヘテロ原子リンカーは、O、N、P及びSからなる群から選択される単原子、並びに多重ヘテロ原子を含み、例えば、式-P(O-)(=O)O-又はOP(O-)(=O)O-、並びにこれらの多量体及び組合せを有するリンカーである。
「ホスフェート」は、-OP(=O)(Ra)Rb基(式中、RaはOH、O-又はORcであり、RbはOH、O-、ORc、チオホスフェート基又はさらなるホスフェート基であり、Rcは対イオン(例えば、Na+など)である)を指す。
【0022】
「ホスホアルキル」は、-OP(=O)(Ra)Rb基(式中、RaはOH、O-又はORcであり、Rbは-Oアルキルであり、Rcは対イオン(例えば、Na+など)である)を指す。本明細書に具体的に記述されない限り、ホスホアルキル基は置換されていてもよい。例えば、ある特定の実施形態において、ホスホアルキル基の-Oアルキル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルエーテル、又はOP(=Ra)(Rb)Rc(式中、Ra、Rb及びRcのそれぞれは、構造(I)の化合物について定義される通りである)のうちの1つ又は複数で置換されていてもよい。
「ホスホアルキルエーテル」は、-OP(=O)(Ra)Rb基(式中、RaはOH、O-又はORcであり、Rbは-Oアルキルエーテルであり、Rcは対イオン(例えば、Na+など)である)を指す。本明細書に具体的に記述されない限り、ホスホアルキルエーテル基は置換されていてもよい。例えば、ある特定の実施形態において、ホスホアルキルエーテル基の-Oアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルエーテル、又はOP(=Ra)(Rb)Rc(式中、Ra、Rb及びRcのそれぞれは、構造(I)の化合物について定義される通りである)のうちの1つ又は複数で置換されていてもよい。
【0023】
「チオホスフェート」は、-OP(=Ra)(Rb)Rc基(式中、RaはO又はSであり、RbはOH、O-、S-、ORd又はSRdであり、RcはOH、SH、O-、S-、ORd、SRd、ホスフェート基又はさらなるチオホスフェート基であり、Rdは対イオン(例えば、Na+など)であるが、ただし、i)RaがSであるか、ii)RbがS-若しくはSRdであるか、iii)RcがSH、S-若しくはSRdであるか、又はiv)i)、ii)及び/若しくはiii)の組合せである)を指す。
「チオホスホアルキル」は、-OP(=Ra)(Rb)Rc基(式中、RaはO又はSであり、RbはOH、O-、S-、ORd又はSRdであり、Rcは-Oアルキルであり、Rdは対イオン(例えば、Na+など)であるが、ただし、i)RaがSであるか、ii)RbがS-若しくはSRdであるか、又はiii)RaがSであり、RbがS-若しくはSRdである)を指す。本明細書に具体的に記述されない限り、チオホスホアルキル基は置換されていてもよい。例えば、ある特定の実施形態において、チオホスホアルキル基の-Oアルキル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルエーテル、又はOP(=Ra)(Rb)Rc(式中、Ra、Rb及びRcのそれぞれは、構造(I)の化合物について定義される通りである)のうちの1つ又は複数で置換されていてもよい。
【0024】
「チオホスホアルキエーテル」は、-OP(=Ra)(Rb)Rc基(式中、RaはO又はSであり、RbはOH、O-、S-、ORd又はSRdであり、Rcは-Oアルキルエーテルであり、Rdは対イオン(例えば、Na+など)であるが、ただし、i)RaがSであるか、ii)RbがS-若しくはSRdであるか、又はiii)RaがSであり、RbがS-若しくはSRdである)を指す。本明細書に具体的に記述されない限り、チオホスホアルキルエーテル基は置換されていてもよい。例えば、ある特定の実施形態において、チオホスホアルキル基の-Oアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルエーテル、又はOP(=Ra)(Rb)Rc(式中、Ra、Rb及びRcのそれぞれは、構造(I)の化合物について定義される通りである)のうちの1つ又は複数で置換されていてもよい。
【0025】
「炭素環式」は、3~18個の炭素原子を含む安定した3~18員芳香族又は非芳香族環を指す。本明細書に具体的に記述されない限り、炭素環式環は、単環式、二環式、三環式、又は四環式の環系であってもよく、これらには縮合又は架橋環系が含まれてもよく、部分的に又は完全に飽和されていてもよい。非芳香族カルボシクリルラジカルにはシクロアルキルが含まれ、一方、芳香族カルボシクリルラジカルにはアリールが含まれる。本明細書に具体的に記述されない限り、炭素環式基は置換されていてもよい。
「シクロアルキル」は、安定した非芳香族単環式又は多環式の炭素環式環を指し、これらには縮合又は架橋環系が含まれてもよく、3~15個の炭素原子を有し、好ましくは3~10個の炭素原子を有し、飽和又は不飽和であり、単結合により分子の残りの部分に結合する。単環式シクロアルキルには、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが含まれる。多環式シクロアルキルには、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、7,7ジメチル-ビシクロ-[2.2.1]ヘプタニルなどが含まれる。本明細書に具体的に記述されない限り、シクロアルキル基は置換されていてもよい。
【0026】
「アリール」は、少なくとも1個の炭素環式芳香族環を含む環系を指す。一部の実施形態において、アリールは6~18個の炭素原子を含む。アリール環は、単環式、二環式、三環式、又は四環式の環系であってもよく、これらには縮合又は架橋環系が含まれてもよい。アリールには、例えば、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as-インダセン、sインダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレン及びトリフェニレンから誘導されるアリールが含まれる。本明細書に具体的に記述されない限り、アリール基は置換されていてもよい。
【0027】
「複素環式」は、1~12個の炭素原子、並びに窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1~6個のヘテロ原子を含む、安定した3~18員芳香族又は非芳香族環を指す。本明細書に具体的に記述されない限り、複素環は、単環式、二環式、三環式、又は四環式の環系であってもよく、これらには縮合又は架橋環系が含まれてもよく、複素環式環の窒素、炭素、又は硫黄原子は酸化されていてもよく、窒素原子は四級化されていてもよく、複素環式環は、部分的に又は完全に飽和されていてもよい。芳香族複素環式環の例は、ヘテロアリール(すなわち、複素環式のサブセットであるヘテロアリール)の定義において下記に列挙される。非芳香族複素環式環の例には、例えば、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2オキソピペラジニル、2オキソピペリジニル、2オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾロピリミジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリオキサニル、トリチアニル、トリアジナニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1オキソチオモルホリニル及び1,1ジオキソチオモルホリニルが含まれる。本明細書に具体的に記述されない限り、複素環式基は置換されていてもよい。
【0028】
「ヘテロアリール」は、1~13個の炭素原子、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1~6個のヘテロ原子、並びに少なくとも1個の芳香族環を含む、5~14員環系を指す。本発明のある特定の実施形態の目的のため、ヘテロアリールラジカルは、単環式、二環式、三環式、又は四環式の環系であってもよく、これらには縮合又は架橋環系が含まれてもよく、ヘテロアリールラジカルの窒素、炭素、又は硫黄原子は酸化されていてもよく、窒素原子は四級化されていてもよい。例には、例えば、アゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2a]ピリジニル、ベンゾオキサゾリノニル、ベンゾイミダゾールチオニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1オキシドピリジニル、1オキシドピリミジニル、1-オキシドピラジニル、1-オキシドピリダジニル、1フェニル1Hピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プテリジノニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリジノニル、ピラジニル、ピリミジニル、プリルイミジノニル、ピリダジニル、ピロリル、ピリド[2,3-d]ピリミジノニル、キナゾリニル、キナゾリノニル、キノキサリニル、キノキサリノニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-オニル、チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-オニル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、及びチオフェニル(すなわち、チエニル)が含まれる。本明細書に具体的に記述されない限り、ヘテロアリール基は置換されていてもよい。
「縮合」は、少なくとも2個の環を含む環系を指し、2個の環は少なくとも1個の共通環原子、例えば2個の共通環原子を共有する。縮合環がヘテロシクリル環又はヘテロアリール環である場合、共通環原子は炭素又は窒素であってもよい。縮合環には、二環式、三環式、四環式などが含まれる。
【0029】
本明細書で使用される用語「置換されている」は、少なくとも1個の水素原子(例えば、1個、2個、3個、又はすべての水素原子)が、例えば、ハロゲン原子、例えば、F、Cl、Br及びI;ヒドロキシル基、アルコキシ基及びエステル基などの基における酸素原子;チオール基、チオアルキル基、スルホン基、スルホニル基及びスルホキシド基などの基における硫黄原子;アミン、アミド、アルキルアミン、ジルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N-オキシド、イミド及びエナミンなどの基における窒素原子;トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基及びトリアリールシリル基などの基におけるケイ素;並びに様々な他の基における他のヘテロ原子などの、非水素原子への結合によって置き換えられている上記の基(例えば、アルキル、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、アルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、炭素環式、シクロアルキル、アリール、複素環式、及び/又はヘテロアリール)のいずれかを意味する。「置換されている」は、また、1個又は複数の水素原子がヘテロ原子、例えば、オキソ、カルボニル、カルボキシル及びエステル基における酸素、並びにイミン、オキシム、ヒドラゾン及びニトリルなどの基における窒素への高次結合(例えば、二重又は三重結合)によって置き換えられている上記の基のいずれかも意味する。例えば、「置換されている」には、1個又は複数の水素原子が、-NRgRh、-NRgC(=O)Rh、-NRgC(=O)NRgRh、-NRgC(=O)ORh、-NRgSO2Rh、-OC(=O)NRgRh、-ORg、-SRg、-SORg、-SO2Rg、-OSO2Rg、-SO2ORg、=NSO2Rg、及びSO2NRgRhに置き換えられている上記の基のいずれかが含まれる。「置換されている」は、また、1個又は複数の水素原子が、-C(=O)Rg、-C(=O)ORg、-C(=O)NRgRh、-CH2SO2Rg、-CH2SO2NRgRhに置き換えられている上記の基のいずれかも意味する。前述において、Rg及びRhは、同じ又は異なって、独立に水素、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N-ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N-ヘテロアリール及び/又はヘテロアリールアルキルである。「置換されている」は、1個又は複数の水素原子が、アミノ、シアノ、ヒドロキシル、イミノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N-ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N-ヘテロアリール及び/又はヘテロアリールアルキルへの結合によって置き換えられている上記の基のいずれかをさらに意味する。一部の実施形態において、任意の置換基は-OP(=Ra)(Rb)Rc(式中、Ra、Rb及びRcのそれぞれは、構造(I)の化合物について定義される通りである)である。加えて、前述の置換基のそれぞれはまた、1個又は複数の上記置換基で置換されていてもよい。
「共役」は、1つのp軌道が介在シグマ結合を横切って別のp軌道と重なっていることを指す。共役は、環式又は非環式化合物に発生しうる。「共役度(degree of conjugation)」は、少なくとも1つのp軌道が介在シグマ結合を横切って別のp軌道と重なっていることを指す。例えば、1,3-ブタジエンは、1の共役度を有し、一方、ベンゼン及び他の芳香族化合物は、典型的には複数の共役度を有する。蛍光及び着色化合物は、典型的には少なくとも1の共役度を含む。
「蛍光」は、特定の周波数の光を吸収し、異なる周波数の光を放射することができる分子を指す。蛍光は当業者に周知である。
「着色」は、着色スペクトル(すなわち、赤、黄、青など)内の光を吸収する分子を指す。
【0030】
Forster共鳴エネルギー移動を指す「FRET」は、ある部分(例えば、第1の発色団又は「ドナー」)の励起由来のエネルギーが、隣接する部分(例えば、第2の発色団又は「アクセプター」)に移動する物理的相互作用を指す。「FRET」はまた、時には、蛍光共鳴エネルギー移動と互換的に使用される(すなわち、各発色団が蛍光部分である場合)。一般に、FRETは、(1)アクセプター発色団の励起又は吸収スペクトルが、ドナー発色団の発光スペクトルと重なること、(2)アクセプター及びドナー発色団の遷移双極子モーメントが、実質的に平行である(すなわち、約0°又は180°)こと、並びに(3)アクセプター及びドナー発色団が、空間的近接を共有する(すなわち、互いに近い)ことを必要とする。ドナーからアクセプターへのエネルギーの移動は、非放射の双極子-双極子カップリングを通して起こり、一般に、ドナー発色団とアクセプター発色団との間の距離は、光の波長よりもずっと短い。
【0031】
「ドナー」又は「ドナー発色団」は、励起電子状態であるか、又はそれに誘導されうる発色団(例えば、フルオロフォア)を指し、その励起エネルギーは、長距離の双極子-双極子相互作用による非放射様式で、近傍のアクセプター発色団に移動しうる。理論に拘束されることを望むものではないが、個々の発色団の振動双極子が類似の共鳴周波数を有するので、エネルギー移動が起こると考えられる。「ドナー-アクセプター対」と称されるこれらの類似の共鳴周波数を有するドナー及びアクセプターは、「FRET部分」又は「FRET色素」と互換的に使用される。
「アクセプター」又は「アクセプター発色団」は、ドナー発色団由来の励起エネルギーが、長距離の双極子-双極子相互作用による非放射移動を介して移動する、発色団(例えば、フルオロフォア)を指す。
「ストークスシフト」は、電子遷移(例えば、励起状態から非励起状態へ、又はその逆)の吸収及び発光スペクトルのバンド極大の位置間の相違(例えば、波長)を指す。一部の実施形態では、本化合物は、25nm超、30nm超、35nm超、40nm超、45nm超、50nm超、55nm超、60nm超、65nm超、70nm超、75nm超、80nm超、85nm超、90nm超、95nm超、100nm超、110nm超、120nm超、130nm超、140nm超、150nm超、160nm超、170nm超、180nm超、190nm超、又は200nm超のストークスシフトを有する。
「リンカー」は、少なくとも1個の原子、例えば、炭素、酸素、窒素、硫黄、リン及びこれらの組合せの連続鎖を指し、これは、分子の一部分を同じ分子の別の部分に、又は異なる分子、部分若しくは固形支持体(例えば、微粒子)に接続させる。リンカーは、共有結合又は他の手段、例えば、イオン結合若しくは水素結合の相互作用を介して分子を接続してもよい。
本明細書で使用される場合、「核酸」又は「核酸分子」又は「ポリヌクレオチド」は、デオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)のいずれかを指し、オリゴヌクレオチドが含まれる。
【0032】
核酸は、コード鎖又はその補体を表すことができる。核酸は、天然に存在するヌクレオチド(例えば、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチド)、天然に存在するヌクレオチドのアナログ(例えば、天然に存在するヌクレオチドのα鏡像形態)、又は両方の組合せであるモノマーから構成されてもよい。核酸配列中のヌクレオチドは、標準IUPAC規約に準じて命名されている。具体的には、「A」はアデニンであり、「C」はシトシンであり、「G」はグアニンであり、「T」はチミンであり、「U」はウラシルであり、これらは以下の構造を指す。
【化6】
【0033】
ポリヌクレオチドの配列は、ヌクレオチドがポリヌクレオチドに配置されている順序を指す。
改変ヌクレオチドとも称される天然に存在するヌクレオチドのアナログは、糖部分、又はピリミジン若しくはプリン塩基部分における改変又は置換えを有することができる。核酸モノマーは、ホスホジエステル結合又はそのような結合のアナログにより連結されうる。ホスホジエステル結合のアナログには、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート、ホスホルアニリデート、ホスホルアミデートなどが含まれる。様々な実施形態では、改質されたヌクレオチド間結合が使用される。改質されたヌクレオチド間結合は、当技術分野において周知であり、メチルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオネート、ホスホロアミダイト及びホスフェートエステル結合が含まれる。核酸分子は、一本鎖又は二本鎖のいずれかでありうる。
【0034】
天然に存在するヌクレオチドのアナログは、架橋核酸(BNA)とも称されるロックド核酸(LNA)をさらに含む。LNAは、3’-エンドコンフォメーションを「ロック」し、それによって、リボフラノース環の柔軟性を制限する、2’-酸素,4'-炭素メチレン架橋を含有する。
用語「ハイブリダイゼーション」は、本明細書で使用される場合、核酸の第1の鎖が塩基対形成を介して核酸の第2の鎖に結合する任意の方法を指す。ハイブリダイゼーションは、完全に相補的な核酸鎖の間、又は微小のミスマッチ領域を含有する「実質的に相補的な」核酸鎖の間に発生しうる。ハイブリダイゼーションは、理解の容易さのために、一般に、二重鎖構造(すなわち、2つの核酸の構造)を参照して本明細書で議論するが、当業者であれば、下記の実施形態が、核酸が三重鎖構造(すなわち、3つの核酸の構造)から記載される配置も包含することを理解するであろう。例えば、2つのプローブは、単一の標的配列とハイブリダイズしてもよく、又は2つの検出可能なプローブは、捕捉プローブの同じ領域でハイブリダイズしてもよい。
本明細書で使用される場合、十分に厳密な条件下で使用されるとき、プローブが主に標的核酸のみにハイブリダイズするのであれば、プローブは、標的配列に対して「特異的」であるポリヌクレオチドである。典型的には、プローブ-標的二重鎖(又は三重鎖)安定性が、プローブと、試料中に見出された任意の他の配列との間に形成された二重鎖(又は三重鎖)の安定性より大きい場合、プローブは標的配列に対して特異的である。当業者は、様々な要因、例えば、塩の状態、並びにプローブの塩基組成及びミスマッチの位置がプローブの特異性に影響を与えること、及びプローブの特異性を確認する日常的な実験が大部分の場合に必要となることを認識するであろう。ハイブリダイゼーション条件は、プローブが標的配列のみと安定した二重鎖(又は三重鎖)を形成できるように選択することができる。よって、適切に厳密な条件下での標的特異的プローブの使用は、標的プローブ結合部位を含有する標的配列の特異的増幅を可能にする。配列特異的条件の使用は、正確に相補的なプローブ結合部位を含有する標的配列へのプローブの特異的結合を可能にする。
【0035】
完全に相補的な核酸鎖のみがハイブリダイズする条件は、「厳密なハイブリダイゼーション条件」又は「配列特異的ハイブリダイゼーション条件」と称される。用語「厳密な」は、本明細書で使用される場合、ハイブリダイゼーション処理の条件を定義することが当技術分野において一般的に理解されているハイブリダイゼーション条件を指す。厳密性の条件は、低度、高度、又は中程度であることができ、これらの用語は、当技術分野において一般的に公知であり、当業者によく認識されている。様々な実施形態において、厳密条件には、例えば、高度厳密条件及び/又は穏やかな厳密(すなわち、中程度厳密)条件が含まれうる。
実質的な相補配列の安定した二重鎖(又は三重鎖)は、厳密さの少ないハイブリダイゼーション条件下で達成することができ、許容されるミスマッチの程度は、ハイブリダイゼーション条件の適切な調整によって制御することができる。核酸技術の当業者は、例えば、オリゴヌクレオチドの長さ及び塩基対組成、イオン強度、並びにミスマッチ塩基対の発生率を含む数多くの変動要因を経験的に考慮することにより、当技術分野により提供される指針に従って二重鎖(又は三重鎖)安定性を決定することができる。
【0036】
本明細書で使用される場合、「相補的」は、相補的ヌクレオシド又はヌクレオチド間の伝統的なワトソン・クリック塩基対形成又は他の非伝統的なタイプの対形成(例えば、フーグスティーン又は逆フーグスティーン水素結合)のいずれかにより、別の核酸分子と水素結合を形成することができる核酸分子を指す。
核酸分子は、特異的にハイブリダイズされうる標的ヌクレオチド配列に100%相補的である必要のないことが、当技術分野において理解される。すなわち、2個以上の核酸分子は、完全に相補的でなくてもよく、第2の核酸分子と水素結合を形成することができる核酸分子における、連続残基のパーセンテージにより示される。例えば、第1の核酸分子が10個のヌクレオチドを有し、第2の核酸分子が10個のヌクレオチドを有する場合、第1と第2の核酸分子の間の5個、6個、7個、8個、9個、又は10個のヌクレオチドのうちの5個の塩基対形成は、50%、60%、70%、80%、90%及び100%の相補性をそれぞれ表す。「完璧に(perfectly)」又は「完全に(fully)」相補的な核酸分子は、第1の核酸分子のすべての連続残基が第2の核酸分子の同じ数の連続残基と水素結合することを意味し、ここで核酸分子は、両方とも同じ数のヌクレオチドを有する(すなわち、同じ長さを有する)か、又は2個の分子は異なる長さを有する。
【0037】
用語「ハイブリダイゼーション複合体」は、本明細書で使用される場合、相補的なGとCの塩基間、及び相補的なAとTの塩基間における水素結合の形成のおかげで2個のヌクレオチド配列間に形成された複合体を指し、これらの水素結合は塩基スタッキング相互作用によりさらに安定化されていてもよい。2個の相補的ヌクレオチド配列は、逆平行立体配置で水素結合する。ハイブリダイゼーション複合体は、溶液中で形成されてもよく(例えば、Cot若しくはRot分析)、又は溶液中に存在する1つのヌクレオチド配列はと固形支持体(例えば、紙、膜、フィルタ、チップ、ピン、若しくはガラススライド、又は細胞及び/若しくは核酸が固定されている任意の他の適切な基材)に固定化されている別のヌクレオチド配列との間で形成されてもよい。
「反応性基」は、第2の反応性基(例えば、「相補的反応性基」)と反応して、例えば、置換え、酸化還元、付加、又は環状付加反応によって1個又は複数の共有結合を形成することができる部分である。例示的な反応性基には、例えば、求核剤、求電子剤、ジエン、ジエノフィル、アルデヒド、オキシム、ヒドラゾン、アルキン、アミン、アジド、アシルアジド、ハロゲン化アシル、ニトリル、ニトロン、スルフヒドリル、ジスルフィド、ハロゲン化スルホニル、イソチオシアネート、イミドエステル、活性化エステル、ケトン、α,β-不飽和カルボニル、アルケン、マレイミド、α-ハロイミド、エポキシド、アジリジン、テトラジン、テトラゾール、ホスフィン、ビオチン、チイランなどが含まれる。
【0038】
用語「可視」及び「目視検出可能」は、事前に照明を当てることなく、又は化学的に若しくは酵素的に活性化することなく、目視検査により観察可能な物質を指すために本明細書で使用される。そのような目視検出可能な物質は、約300~約900nmの範囲のスペクトル領域で光を吸収及び放射する。好ましくは、そのような物質は、濃く着色されており、好ましくは少なくとも約40,000、より好ましくは少なくとも約50,000、さらにより好ましくは少なくとも約60,000、なおさらにより好ましくは少なくとも約70,000、最も好ましくは少なくとも約80,000M-1cm-1のモル吸光係数を有する。本発明の化合物は、裸眼により、又は吸収分光測光計、透過型光学顕微鏡(transmission light microscope)、デジタルカメラ及びスキャナーを含むが、これらに限定されない、光学ベース検出デバイスの助けを借りることにより観察して、検出することができる。目視検出可能な物質は、可視スペクトル内で光を放射及び/又は吸収するものに限定されない。紫外(UV)領域(約10nm~約400nm)、赤外(IR)領域(約700nm~約1mm)で光を放射及び/又は吸収する物質、並びに電磁スペクトルの他の範囲内で放射及び/又は吸収する物質も「目視検出可能」な物質の範囲内に含まれる。
【0039】
本発明の実施形態の目的において、用語「光安定性可視染料(photostable visible dye)」は、本明細書の上記で定義されるように目視検出可能であり、光に曝露されたときに有意に変更又は分解しない化学部分を指す。好ましくは、光安定性可視染料は、光に少なくとも1時間曝露された後に有意な退色又は分解を示さない。より好ましくは、可視染料は、少なくとも12時間、さらにより好ましくは少なくとも24時間、さらになおより好ましくは少なくとも1週間、最も好ましくは少なくとも1か月間曝露された後に安定している。本発明の化合物及び方法における使用のために適している光安定性可視染料の非限定例には、アゾ染料、チオインジゴ染料、キナクリドン顔料、ジオキサジン、フタロシアニン、ペリノン、ジケトピロロピロール、キノフタロン、及びトルアリーカルボニウム(truarycarbonium)が含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「ペリレン誘導体」は、目視検出可能である任意の置換ペリレンを含むことが意図される。しかし、この用語は、ペリレンそれ自体を含むことは意図していない。用語「アントラセン誘導体」、「ナフタレン誘導体」、及び「ピレン誘導体」は、類似的に使用される。一部の好ましい実施形態において、誘導体(例えば、ペリレン、ピレン、アントラセン又はナフタレン誘導体)は、ペリレン、アントラセン、ナフタレン又はピレンのイミド、ビスイミド又はヒドラザムイミド(hydrazamimide)誘導体である。
【0040】
本発明の様々な実施形態の目視検出可能な分子は、多種多様な分析用途、例えば、特定の被分析物(例えば、生体分子)の存在、位置又は量を決定する必要のある生化学的及び生物医学的用途に有用である。したがって別の態様において、本発明は、生体分子を目視検出する方法であって、(a)生体分子に連結している式(I)の化合物を含む目視検出可能な生体分子を有する生物システムを準備するステップ、及び(b)生体分子をその可視特性によって検出するステップを含む方法を提供する。本発明の目的において、語句「生体分子をその可視特性によって検出すること」は、生体分子が、照明を当てることなく、又は化学的若しくは酵素的に活性化することなく、裸眼により、又は吸収分光測光計、透過型光学顕微鏡、デジタルカメラ及びスキャナーを含むが、これらに限定されない、光学ベース検出デバイスの助けを借りることにより観察されることを意味する。濃度計を使用して、存在する目視検出可能な生体分子の量を定量化してもよい。例えば、2つの試料における生体分子の相対量は、相対的光学密度を測定して決定することができる。生体分子1個当たりの染料分子の理論量が分かり、染料分子の吸光係数が分かると、生体分子の絶対濃度を光学密度の測定から決定することもできる。本明細書で使用される場合、用語「生物システム」は、目視検出可能な生体分子に加えて1個又は複数の生体分子を含む、任意の溶液又は混合物を指すために使用される。そのような生物システムの例には、細胞、細胞抽出物、組織試料、電気泳動ゲル、アッセイ混合物、及びハイブリダイゼーション反応混合物が含まれる。
【0041】
「固形支持体」は、分子の固相支持体について当技術分野において公知の任意の固形基材を指し、例えば、「微粒子」は、本発明の化合物への結合に有用なあらゆる数の小粒子を指し、例えば、ガラスビーズ、磁気ビーズ、ポリマービーズ、非ポリマービーズなどが含まれる。ある特定の実施形態において、微粒子はポリスチレンビーズを含む。
「固形支持体残基(reside)」は、分子が固形支持体から切断されたときに分子に結合されたままである官能基を指す。固形支持体残基は、当技術分野において公知であり、固形支持体及びそれに分子を連結させている基の構造に基づいて容易に誘導されうる。
【0042】
単語「標的」は、本明細書で使用される場合、検出される目的の分析物を指す。「標的化部分」は、特定の標的、例えば、分析物分子に選択的に結合又は会合する部分である。「選択的に」結合する又は会合するとは、標的化部分が他の標的と比べて所望の標的に優先的に会合又は結合することを意味する。一部の実施形態において、本明細書に開示されている化合物は、目的の分析物(すなわち、標的化部分の標的)を有する化合物に選択的に結合又は会合し、よって分析物の検出を可能にする目的で標的化部分への結合を含む。例示的な標的化部分には、例えば、抗体、抗原、核酸配列、酵素、タンパク質、細胞表面受容体アンタゴニストなどが含まれる。一部の実施形態において、標的化部分は、細胞の標的特色、例えば、細胞膜又は他の細胞構造の標的特色に選択的に結合又は会合し、よって目的の細胞の検出を可能にする、部分、例えば抗体である。所望の分析物に選択的に結合又は会合する小分子も、ある特定の実施形態において標的化部分と考慮される。当業者は、他の分析物及び対応する標的化部分が様々な実施形態において有用であることを理解するであろう。
「塩基対形成部分」は、水素結合を介して相補的複素環式部分とハイブリダイズすることができる複素環式部分を指す(例えば、ワトソン・クリック塩基対形成)。塩基対形成部分には、天然及び非天然塩基が含まれる。塩基対形成部分の非限定例は、RNA及びDNA塩基、例えば、アデノシン、グアノシン、チミジン、シトシン及びウリジン、並びにこれらのアナログである。
【0043】
本明細書で使用される場合、「捕捉プローブ」は、固形支持体又は標的化部分に結合した(例えば、共有結合した又はハイブリダイズした)一本鎖DNA分子である。一般に、一本鎖DNA分子は、複数の検出可能なプローブ又は分岐リンカーが単一の捕捉プローブにハイブリダイズすることができるように、検出可能なプローブ又は分岐リンカーのヌクレオチド配列に対し相補的である反復ヌクレオチド配列を含む。
「検出可能なリンカー」は、少なくとも1つの発色団に結合したヌクレオチド配列を含む。
【0044】
本明細書で使用される場合、「分岐リンカー」は、ポリヌクレオチドがポリマー主鎖から離れて伸長するように、複数のポリヌクレオチドが結合しているポリマー主鎖を指す。例えば、分岐リンカーは、複数のDNA分子にコンジュゲートしたポリアルキレンでありうる。複数のポリヌクレオチドは、第1の配列を有する少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む。第1の配列は、捕捉プローブの反復ヌクレオチド配列に対し相補的である。さらに、複数のポリヌクレオチドは、第2の配列を有する複数のポリヌクレオチドを含み、これは、検出可能なプローブのヌクレオチド配列に対し相補的である。
【0045】
本明細書に開示されている実施形態は、1個又は複数の原子が異なる原子質量又は質量数を有する原子に置き換えられて同位体標識されている、構造(I)、(II)又は(III)のすべての化合物を包含することも意図する。開示されている化合物に組み込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位体、例えば、2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I及び125Iがそれぞれ含まれる。
構造(I)又は(II)の同位体標識化合物は、一般に、当業者に公知の従来技術により、又は以前に用いられた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して、下記及び以下の実施例に記載されている方法と類似の方法により調製することができる。
「安定した化合物」又は「安定した構造」は、反応混合物から有用な程度の純度での単離及び有効な治療剤への処方において残存するのに十分に剛性である化合物を示すことが意図される。
「任意の(optional)」又は「してもよい(optionally)」は、続いて記載される事象又は状況が発生しても、発生しなくてもよいこと、並びにその記載が、事象又は状況が発生する場合及び発生しない場合を含むことを意味する。例えば、「置換されていてもよいアルキル」は、アルキル基が置換されていても、置換されていなくてもよいこと、及びその記載が置換アルキル基と置換基を有さないアルキル基の両方を含むことを意味する。
【0046】
「塩」には、酸と塩基の両方の付加塩が含まれる。
「酸付加塩」は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などにより形成される塩など、及び有機酸、例えば、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ショウノウ酸、ショウノウ-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2-オキソ-グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸などにより形成される塩を指す。
【0047】
「塩基付加塩」は、無機塩基又は有機塩基を遊離酸に付加することにより調製される塩を指す。無機塩基から誘導される塩には、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムの塩などが含まれる。有機塩基から誘導される塩には、例えば、第一級、第二級及び第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミンの塩、並びに塩基性イオン交換樹脂、例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2ジメチルアミノエタノール、2ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、Nエチルピペリジン、ポリアミン樹脂などが含まれる。特に好ましい有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、及びカフェインである。
【0048】
結晶化は、本明細書に記載されている化合物の溶媒和物を生成することができる。本発明の実施形態は、記載されている化合物のすべての溶媒和物を含む。本明細書で使用される場合、用語「溶媒和物」は、1個又は複数の本発明の化合物の分子と1個又は複数の溶媒分子とを含む凝集体を指す。溶媒は水であってもよく、この場合、溶媒和物は水和物であってもよい。或いは、溶媒は有機溶媒であってもよい。よって、本発明の化合物は水和物として存在してもよく、一水和物、二水和物、半水和物、セスキ水和物、三水和物、四水和物など、並びに対応する溶媒和形態が含まれる。本発明の化合物は、真溶媒和物であってもよく、一方、他の場合では、本発明の化合物は、単に、外来性の水若しくは別の溶媒、又は水といくらかの外来性の溶媒の混合物を保持してもよい。
【0049】
本発明の化合物(例えば、構造I、II又はIIIの化合物)、又はこれらの塩、互変異性体の互変異性体若しくは溶媒和物の実施形態は、1個又は複数の不斉中心を含有してもよく、よって、絶対立体化学に関して(R)若しくは(S)として、又はアミノ酸では(D)若しくは(L)として定義されうる、鏡像異性体、ジアステレオマー及び他の立体異性体形態を生じることができる。本発明の実施形態は、すべてのそのような可能な異性体、並びにこれらのラセミ形態及び光学的に純粋な形態を含むことが意図される。光学的に活性な(+)及び(-)、(R)及び(S)、又は(D)及び(L)異性体は、キラルシントン若しくはキラル試薬を使用して調製されうる、又は従来技術、例えば、クロマトグラフィー及び分別結晶法を使用して分割されうる。個々の鏡像異性体を調製/単離する従来の技術には、光学的に純粋な適切な前駆体からのキラル合成、又は例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ化合物(又は、ラセミ化合物の塩若しくは誘導体)の分割が含まれる。本明細書に記載されている化合物がオレフィン性二重結合又は他の幾何学的非対称中心を含有し、特定されない限り、本化合物はEとZの両方の幾何異性体を含むことが意図される。同様にすべての互変異性形態が含まれることも意図される。
【0050】
「立体異性体」は、同じ結合により結合された同じ原子から構成されるが、交換可能ではない異なる三次元構造を有する化合物を指す。本発明は、様々な立体異性体及びその混合物を考慮し、分子が互いに重ね合わせ不能な(nonsuperimposeable)鏡像である2個の立体異性体を指す「鏡像異性体」を含む。
「互変異性体」は、分子の1つの原子から同じ分子の別の原子へのプロトン移動を指す。本発明は、任意の化合物の互変異性体を含む。化合物の各種互変異性形態は、当業者により容易に導き出せる。
本明細書で使用される化学命名プロトコール及び構造図は、ACD/Name Version 9.07ソフトウェアプログラム及び/又はChemDraw Ultra Version 11.0ソフトウェア命名プログラム(CambridgeSoft)を使用する、I.U.P.A.C.命名法の改変形態である。当業者によく知られた一般名も使用される。
【0051】
先に述べたように、本発明の一実施形態では、各種分析方法においてプローブとして有用な化合物が提供される。一般用語では、本出願の実施形態は、捕捉プローブ又は検出可能なプローブとして使用することができる化合物、及びそれを含む組成物を対象とする。
一部の実施形態では、本開示の化合物は、以下の構造(I)又はその立体異性体、塩若しくは互変異性体を有する。
【化7】
(I)
(式中、
Mは、各出現において独立に、同じ又は異なる発色団であり、
1aは、各出現において独立に、ヘテロアリーレンリンカーであり、
2及びL8は独立に、任意のリンカーであり、
1b、L3、L5、L6及びL7は、各出現において独立に、任意のアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
4は、各出現において独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
1及びR2は、R1及びR2のうちの少なくとも1つがポリヌクレオチドを含む部分であれば、それぞれ独立に、H、OH、SH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、ヘテロアルキル、-OP(=Ra)(Rb)Rc、又はポリヌクレオチドを含む部分であり、
3は、各出現において独立に、H、アルキル又はアルコキシであり、
4は、各出現において独立に、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
5は、各出現において独立に、オキソ、チオキソ又は非存在であり、
aは、O又はSであり、
bは、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
cは、OH、SH、O-、S-、ORd、OL’、SRd、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルであり、
dは対イオンであり、
L’は、各出現において独立に、固形支持体への共有結合を含むリンカー、固形支持体残基への共有結合を含むリンカー、又はヌクレオシドへの共有結合を含むリンカーであり、
mは、各出現において独立に、ゼロ以上の整数であり、
nは1以上の整数であり、
q及びwは、q又はwのいずれかのうちの少なくとも1つの出現が1であれば、各出現において独立に、0又は1である)
【0052】
一部の実施形態では、Mは、各出現において独立に、同じ又は異なるドナー発色団である。他の実施形態では、Mは、各出現において独立に、同じ又は異なるアクセプター発色団である。ある特定の実施形態では、Mは各出現において同じドナー発色団である。他の実施形態では、Mは各出現において同じアクセプター発色団である。
実施形態では、Mは、各出現において独立に、同じ又は異なるフルオロフォアである。一部の実施形態では、Mは、各出現において独立に、同じ又は異なるドナーフルオロフォアである。他の実施形態では、Mは、各出現において独立に、同じ又は異なるアクセプターフルオロフォアである。ある特定の実施形態では、Mは各出現において同じドナーフルオロフォアである。他の実施形態では、Mは各出現において同じアクセプターフルオロフォアである。
【0053】
一部の実施形態では、R1及びR2は、それぞれ、ポリヌクレオチドを含む部分である。一部のそのような実施形態では、R1のポリヌクレオチドは、第1の化合物のR1のポリヌクレオチドが第2の化合物のR2のポリヌクレオチドとハイブリダイズすることができるように、R2のポリヌクレオチドに対し相補的である。この例を図3Aに図示する。標的化部分301(この場合では、被覆ビーズ)は、第1のポリヌクレオチド320に結合している。プローブ305a、305b、305c、305dは、独立に式(I)の化合物である。プローブのそれぞれは、独立に、第2のポリヌクレオチド316a、316b、316c、316dと第3のポリヌクレオチド317a、317b、317c、317dとの間に配置されたポリマー314a、314b、314c、314dを含む。図3Aに示されるように、プローブ305bの第2のポリヌクレオチド316bは、プローブ305aの第3のポリヌクレオチド317aとハイブリダイズする。一部の実施形態では、三重鎖構造は、3つのプローブのポリヌクレオチドによって形成される。
【0054】
実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも92%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも95%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも96%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも97%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも98%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも99%の相補性を有する。
さらに、一部の実施形態では、複数のプローブは、交互又は反復のパターンの2つ以上のプローブ305、307を含む(図3Bに示される通り)。一部のそのような実施形態では、第1のプローブ305のそれぞれは、独立に、第2のポリヌクレオチド316と第3のポリヌクレオチド317との間に配置されたポリマー314を含み、第2のプローブ307のそれぞれは、第4のポリヌクレオチド319と第5のポリヌクレオチド321との間に配置されたポリマー314を含む。第3のポリヌクレオチド317は、第4のポリヌクレオチド319とハイブリダイズし、第5のポリヌクレオチド321は、第2のポリヌクレオチドとハイブリダイズする。一部の実施形態では、三重鎖構造は、3つのプローブのポリヌクレオチドによって形成される。
【0055】
一部の実施形態では、第1のポリマーのそれぞれは、複数の発色団を含む。実施形態では、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチド、又は両方は、10ヌクレオチド~40ヌクレオチドの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチド、又は両方は、10ヌクレオチド~30ヌクレオチドの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、第2のポリヌクレオチド、第3のポリヌクレオチド、又は両方は、15ヌクレオチド~25ヌクレオチドの範囲の長さを有する。
【0056】
第2のポリヌクレオチドのうちの1つは第1のポリヌクレオチドとハイブリダイズする。様々な実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、第2の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第1の配列を有する。一部の実施形態では、第1の配列は、第2の配列に対し少なくとも92%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第1の配列に対し少なくとも95%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第1の配列に対し少なくとも96%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第1の配列に対し少なくとも97%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第1の配列に対し少なくとも98%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第1の配列に対し少なくとも99%の相補性を有する。他の実施形態では、標的化部分は捕捉プローブに共有結合している。
【0057】
他の実施形態では、本開示の化合物は、以下の構造(II)又はその立体異性体、塩若しくは互変異性体を有する。
【化8】
(II)
(式中、
Mは、各出現において独立に、発色団であり、
1aは、各出現において独立に、ヘテロアリーレンリンカーであり、
2及びL8は独立に、任意のリンカーであり、
1b、L3、L5、L6及びL7は、各出現において独立に、任意のアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
4は、各出現において独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
9は、ポリヌクレオチドを含むリンカーであり、
1及びR2は、それぞれ独立に、H、OH、SH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、ヘテロアルキル又は-OP(=Ra)(Rb)Rcであり、
3は、各出現において独立に、H、アルキル又はアルコキシであり、
4は、各出現において独立に、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
5は、各出現において独立に、オキソ、チオキソ又は非存在であり、
aは、O又はSであり、
bは、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
cは、OH、SH、O-、S-、ORd、OL’、SRd、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルであり、
dは対イオンであり、
L’は、各出現において独立に、固形支持体への共有結合を含むリンカー、固形支持体残基への共有結合を含むリンカー、又はヌクレオシドへの共有結合を含むリンカーであり、
mは、各出現において独立に、ゼロ以上の整数であり、
nは1以上の整数であり、
q及びwは、q又はwのいずれかのうちの少なくとも1つの出現が1であれば、各出現において独立に、0又は1である)
【0058】
一部の実施形態では、Mは、各出現において独立に、同じ又は異なるドナー発色団である。他の実施形態では、Mは、各出現において独立に、同じ又は異なるアクセプター発色団である。ある特定の実施形態では、Mは各出現において同じドナー発色団である。他の実施形態では、Mは各出現において同じアクセプター発色団である。
実施形態では、Mは、各出現において独立に、同じ又は異なるフルオロフォアである。一部の実施形態では、Mは、各出現において独立に、同じ又は異なるドナーフルオロフォアである。他の実施形態では、Mは、各出現において独立に、同じ又は異なるアクセプターフルオロフォアである。ある特定の実施形態では、Mは各出現において同じドナーフルオロフォアである。他の実施形態では、Mは各出現において同じアクセプターフルオロフォアである。
【0059】
一部の実施形態では、本開示の化合物は、以下の構造(IIa)若しくは(IIb)又はその立体異性体、塩若しくは互変異性体を有する。
【化9】
(式中、
1は、各出現において独立に、同じ又は異なるドナー発色団であり、
2は、各出現において独立に、同じ又は異なるアクセプター発色団であり、
1aは、各出現において独立に、ヘテロアリーレンリンカーであり、
2及びL8は独立に、任意のリンカーであり、
1b、L3、L5、L6及びL7は、各出現において独立に、任意のアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
4は、各出現において独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
9は、ポリヌクレオチドを含むリンカーであり、
1及びR2は、それぞれ独立に、H、OH、SH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、ヘテロアルキル又は-OP(=Ra)(Rb)Rcであり、
3は、各出現において独立に、H、アルキル又はアルコキシであり、
4は、各出現において独立に、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
5は、各出現において独立に、オキソ、チオキソ又は非存在であり、
aは、O又はSであり、
bは、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
cは、OH、SH、O-、S-、ORd、OL’、SRd、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルであり、
dは対イオンであり、
L’は、各出現において独立に、固形支持体への共有結合を含むリンカー、固形支持体残基への共有結合を含むリンカー、又はヌクレオシドへの共有結合を含むリンカーであり、
mは、各出現において独立に、ゼロ以上の整数であり、
nは1以上の整数であり、
q及びwは、q又はwのいずれかのうちの少なくとも1つの出現が1であれば、各出現において独立に、0又は1である)
【0060】
一部の実施形態では、本開示の化合物は、構造(IIa)を有する。一部の実施形態では、本開示の化合物は、構造(IIb)を有する。
一部の実施形態では、M1は、各出現において独立に、同じ又は異なるドナーフルオロフォアである。他の実施形態では、M2は、各出現において独立に、同じ又は異なるアクセプターフルオロフォアである。ある特定の実施形態では、M1は各出現において同じドナーフルオロフォアである。他の実施形態では、M2は各出現において同じアクセプターフルオロフォアである。
【0061】
実施形態では、L9のポリヌクレオチドは、10ヌクレオチド~40ヌクレオチドの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、L9のポリヌクレオチドは、10ヌクレオチド~30ヌクレオチドの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、L9のポリヌクレオチドは、15ヌクレオチド~25ヌクレオチドの範囲の長さを有する。
実施形態では、構造(I)、(II)、(IIa)、(IIb)又はこれらの組合せを有する本明細書に記載されている化合物は、検出可能なプローブである。一部の実施形態では、構造(I)を有する本明細書に記載されている化合物は、検出可能なプローブである。一部の実施形態では、構造(II)を有する本明細書に記載されている化合物は、検出可能なプローブである。一部の実施形態では、構造(IIa)を有する本明細書に記載されている化合物は、検出可能なプローブである。一部の実施形態では、構造(IIb)を有する本明細書に記載されている化合物は、検出可能なプローブである。
【0062】
したがって、一部の実施形態では、本開示の化合物は、以下の構造(III)又はその立体異性体、塩若しくは互変異性体を有する。
【化10】
(III)
(式中、
Mは、各出現において独立に、同じ又は異なる発色団であり、
1aは、各出現において独立に、ヘテロアリーレンリンカーであり、
2及びL8は独立に、任意のリンカーであり、
1b、L3、L5、L6及びL7は、各出現において独立に、任意のアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
4は、各出現において独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン又はヘテロアルキニレンリンカーであり、
10は、ポリヌクレオチドを含むリンカーであり、
1及びR2は、R1及びR2のうちの少なくとも1つがポリヌクレオチドを含む部分であれば、それぞれ独立に、H、OH、SH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、ヘテロアルキル、-OP(=Ra)(Rb)Rc、又はポリヌクレオチドを含む部分であり、
3は、各出現において独立に、H、アルキル又はアルコキシであり、
4は、各出現において独立に、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
5は、各出現において独立に、オキソ、チオキソ又は非存在であり、
aは、O又はSであり、
bは、OH、SH、O-、S-、ORd又はSRdであり、
cは、OH、SH、O-、S-、ORd、OL’、SRd、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルであり、
dは対イオンであり、
L’は、各出現において独立に、固形支持体への共有結合を含むリンカー、固形支持体残基への共有結合を含むリンカー、又はヌクレオシドへの共有結合を含むリンカーであり、
mは、各出現において独立に、ゼロ以上の整数であり、
nは2以上の整数であり、
q及びwは、q又はwのいずれかのうちの少なくとも1つの出現が1であれば、各出現において独立に、0又は1である)
【0063】
一部の実施形態では、Mは、各出現において独立に、同じ又は異なるドナー発色団である。他の実施形態では、Mは、各出現において独立に、同じ又は異なるアクセプター発色団である。ある特定の実施形態では、Mは各出現において同じドナー発色団である。他の実施形態では、Mは各出現において同じアクセプター発色団である。
実施形態では、Mは、各出現において独立に、同じ又は異なるフルオロフォアである。一部の実施形態では、Mは、各出現において独立に、同じ又は異なるドナーフルオロフォアである。他の実施形態では、Mは、各出現において独立に、同じ又は異なるアクセプターフルオロフォアである。ある特定の実施形態では、Mは各出現において同じドナーフルオロフォアである。他の実施形態では、Mは各出現において同じアクセプターフルオロフォアである。
実施形態では、R1はポリヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、R2はポリヌクレオチドを含む。具体的な実施形態では、R1はポリヌクレオチドに結合した標的化部分を含む。具体的な実施形態では、R2はポリヌクレオチドに結合した標的化部分を含む。
実施形態では、構造(III)の化合物は捕捉プローブである。
【0064】
構造(I)、(II)又は(III)のいずれかにおけるポリヌクレオチドは、化合物の末端部分にある場合、任意の許容可能な基で終わってよい。例えば、ある特定のポリヌクレオチドはヒドロキシル基又はホスフェート基のいずれかで終わる。他の各種実施形態では、ポリヌクレオチドは-OP(=Ra)(Rb)Rcで終わり、RcはOL’であり、Ra及びRbは上で定義された通りである。それらの実施形態の一部では、L’は、固形支持体、固形支持体残基又はヌクレオシドへのヘテロアルキレンリンカーである。一部の実施形態では、L’は、酸化アルキレン若しくはホスホジエステル部分、又はこれらの組合せを含む。ある特定の実施形態では、L’は以下の構造を有する。
【化11】
(式中、
m”及びn”は独立に1~10の整数であり、
eは、H、電子対又は対イオンであり、
L”は、Re、又は固形支持体、固形支持体残基若しくはヌクレオシド(例えば、デオキシチミジン)への直接結合若しくは連結である)
【0065】
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは以下の構造で終わる。
【化12】
(式中、dTはデオキシチミジンである)
【化13】
【0066】
実施形態では、qの各出現は0である。実施形態では、qの少なくとも1つの出現は1である。実施形態では、wの各出現は0である。実施形態では、wの少なくとも1つの出現は1である。実施形態では、qの各出現は0である。実施形態では、L4の少なくとも1つの出現がヘテロアルキレンであるか、又はL4の各出現がヘテロアルキレンである。実施形態では、ヘテロアルキレンは酸化アルキレンを含む。他の実施形態では、ヘテロアルキレンは酸化エチレンを含む。一部の実施形態では、L4は以下の構造を有する。
【化14】
(式中、
zは1~100の整数であり、
*は隣接するリン原子への結合を示す)
【0067】
実施形態では、zは3~6の整数又は22~26の整数である。実施形態では、L4の少なくとも1つの出現がアルキレンであるか、又はL4の各出現がアルキレンである。各種実施形態では、少なくとも1つのアルキレンがエチレンであるか、又は各アルキレンがエチレンである。さらなる実施形態では、R3の少なくとも1つの出現がHであるか、又はR3の各出現がHである。一部の実施形態では、L1aは、各出現において独立に、置換されていてもよい5~7員環のヘテロアリーレンリンカーである。実施形態では、L1aは以下の構造のうちの1つを有する。
【化15】
【0068】
実施形態では、L3の少なくとも1つの出現がアルキレンリンカーであるか、又はL3の各出現がアルキレンリンカーである。一部の実施形態では、L2及び/若しくはL8の少なくとも1つの出現が非存在であるか、又はL2及び/若しくはL8の各出現が非存在である。実施形態では、L5及び/若しくはL6の少なくとも1つの出現がアルキレンであるか、又はL5及び/若しくはL6の各出現がアルキレンである。各種実施形態では、L1bは、各出現において独立に、アミド官能基又はトリアゾリル官能基を含む。
実施形態では、R5は、各出現において独立に、OH、O-又はORdである。実施形態では、R4は、各出現においてオキソである。
【0069】
実施形態では、L7の少なくとも1つの出現が、置換されていてもよいヘテロアルキレンリンカーであるか、又はL7の各出現が、独立に、置換されていてもよいヘテロアルキレンリンカーである。実施形態では、L7はアミド官能基又はトリアゾリル官能基を含む。一部の実施形態では、L7の各出現は以下の構造のうちの1つを有する。
【化16】
実施形態では、nは1~100の整数であるか、又はnは1~10、若しくは2~10の整数である。例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10。実施形態では、mは3~6の整数であるか、又はmは3である。
【0070】
実施形態では、フルオロフォアは、各出現において独立に、ジメチルアミノスチルベン、キナクリドン、フルオロフェニル-ジメチル-BODIPY、ヒス-フルオロフェニル-BODIPY、アクリジン、テリレン、セキシフェニル、ポルフィリン、ベンゾピレン、(フルオロフェニル-ジメチル-ジフルオロボラ-ジアザ-インダセン)フェニル、(ビス-フルオロフェニル-ジフルオロボラ-ジアザ-インダセン)フェニル、クアテルフェニル、ビ-ベンゾチアゾール、テル-ベンゾチアゾール、ビ-ナフチル、ビ-アントラシル、スクアライン、スクアリリウム、9,10-エチニルアントラセン又はテル-ナフチル部分である。
実施形態では、フルオロフォアは、各出現において独立に、ピレン、ペリレン、ペリレンモノイミド、5-FAM若しくは6-FAM、又はこれらの誘導体である。
さらなる実施形態では、フルオロフォアは、各出現において独立に、表1から選択される。
【表1】




【0071】
特定の実施形態では、フルオロフォアは、各出現において独立に、以下の構造のうちの1つを有する。
【化17】
【0072】
実施形態では、フルオロフォアは、各出現において独立に、以下の構造のうちの1つを有する。
【化18】



【0073】
FRETプロセスの効率は、一部分において、発色団の特徴に依存する。具体的には、高効率のFRETは、ドナー発色団の吸光度スペクトルと、アクセプター発色団の発光スペクトルとの間に大きな重なりを必要とする。さらに、発色団の距離及び配向は、重要な役割を果たす。FRET効率は、発色団間の距離の6乗に反比例し、遷移双極子モーメントの角度は、実質的に並行に整列していなければならない(すなわち、0°又は180°に近い)。したがって、ある特定の実施形態では、第1の発色団及び第2の発色団のポリマー主鎖への共有結合は、第1の発色団と第2の発色団との間の距離が最小化され、遷移双極子モーメントが実質的に整列するように選択される。FRETの効率は、以下の式:
【0074】
【数1】
(式中、EFRETは、FRET効率であり、Rは、発色団間の距離であり、R0は、以下の式:
【数2】

(式中、Jは、アクセプターの吸光度スペクトル及びドナーの発光スペクトルのスペクトルの重なりであり、Q0は、ドナー量子効率であり、n-4は、ドナーとアクセプターとの間の媒体の指数(一定)であり、K2は、双極子配向マッチングである)により表される)により表すことができる。
したがって、1つの実施形態は、アクセプター遷移双極子モーメントを有し、ポリマー主鎖に共有結合的に連結されているアクセプター発色団、及びドナー遷移双極子モーメントを有し、ポリマー主鎖に共有結合的に連結されているドナー発色団を含むポリマー化合物であって、ここで、ポリマー化合物が、生理学的条件の溶液中で、アクセプター発色団とドナー発色団との間の有効距離が約50.0nm未満であり、アクセプター遷移双極子及びドナー遷移双極子が実質的に平行であるコンフォメーションをとる、ポリマー化合物を提供する。
【0075】
一部の実施形態では、アクセプター発色団とドナー発色団との間の有効距離は、約25.0nm未満である。一部の実施形態では、アクセプター発色団とドナー発色団との間の有効距離は、約10.0nm未満である。一部の実施形態では、アクセプター発色団とドナー発色団との間の有効距離は、約30.0nm未満、約27.0nm未満、約22.0nm未満、約20.0nm未満、約17.0nm未満、約15.0nm未満、約12.0nm未満、約11.0nm未満、約9.0nm未満、約8.0nm未満、約7.0nm未満、約6.0nm未満、約5.0nm未満、約4.0nm未満、約3.0nm未満、約2.0nm未満、又は約1.0nm未満である。
一部の実施形態では、アクセプター発色団は蛍光色素部分である。ある特定の実施形態では、ドナー発色団は蛍光色素部分である。ある特定の関連する実施形態では、アクセプター発色団及びドナー発色団は両方とも、蛍光色素部分である。
一部の実施形態では、アクセプター遷移双極子モーメントとドナー遷移双極子モーメントとの間の角度は、120°~180°の範囲である。例えば、一部の実施形態では、アクセプター遷移双極子モーメントとドナー遷移双極子モーメントとの間の角度は、125°~180°、130°~180°、140°~180°、150°~180°、160°~180°、170°~180°、172°~180°、175°~180°又は177°~180°の範囲である。
ある特定の実施形態では、アクセプター遷移双極子モーメントとドナー遷移双極子モーメントとの間の角度は、0°~60°の範囲である。例えば、一部の実施形態では、アクセプター遷移双極子モーメントとドナー遷移双極子モーメントとの間の角度は、0°~50°、0°~40°、0°~30°、0°~20°、0°~10°、0°~8°、0°~5°、0°~3°、又は0°~2°の範囲である。
【0076】
実施形態では、M1はドナー発色団であり、M2はアクセプター発色団である。そのような実施形態では、M1及びM2は、所望の光学特性に基づいて、例えば、所望のストークスシフト、吸光度/発光度の重なり、特定の色及び/又は蛍光発光波長に基づいて選択される。一部の実施形態では、M1(又は代替的にM2)は、各出現において同じであるが、しかしながら、M1又はM2の各出現は、それぞれ、同一のM1又はM2である必要がないことに留意することが重要である。ある特定の実施形態は、M1が各出現において同じではない化合物を含む。一部の実施形態は、M2が各出現において同じではない化合物を含む。
一部の実施形態では、M1及びM2は、FRET法における使用のための吸光度及び/又は発光特徴を有するように選択される。例えば、そのような実施形態では、FRET機構によって、異なる波長のM2による照射の発光を誘導する1つの波長においてM1が照射の吸光度を有するように、異なるM1及びM2部分が選択される。例示的なM1及びM2部分は、所望の最終使用に基づいて、当業者によって適切に選択することができる。
それぞれ個々のM1及びM2は、M1又はM2上の任意の位置(すなわち、原子)からの分子の残りに結合しうる。当業者は、M1又はM2が分子の残りに結合するための手段を認識しているであろう。例示的な方法としては、本明細書に記載されている「クリック」反応が挙げられる。
【0077】
一部の実施形態では、M1又はM2は、FRET、蛍光又は発色部分である。任意の蛍光及び/又は発色部分を使用して、FRETドナー-アクセプター対を形成してもよく、例えば、当技術分野において公知のもの、並びに典型的には、比色分析アッセイ、UVアッセイ及び/又は蛍光アッセイにおいて用いられるものが使用されてもよい。一部の実施形態では、M1若しくはM2、又は両方は、各出現において独立に、蛍光又は発色する。本発明の様々な実施形態に有用なM1又はM2部分の例としては、例えば、キサンテン誘導体(例えば、フルオレセイン、ローダミン、オレゴングリーン、エオシン又はテキサスレッド);シアニン誘導体(例えば、シアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン又はメロシアニン);Seta、SeTau及びSquare色素を含む、スクアライン誘導体及び環置換スクアライン;ナフタレン誘導体(例えば、ダンシル及びプロダン誘導体);クマリン誘導体;オキサジアゾール誘導体(例えば、ピリジルオキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾール又はベンゾオキサジアゾール);アントラセン誘導体(例えば、DRAQ5、DRAQ7及びCyTRAKオレンジを含むアントラキノン);カスケードブルーなどのピレン誘導体;オキサジン誘導体(例えば、ナイルレッド、ナイルブルー、クレシルバイオレット、オキサジン170);アクリジン誘導体(例えば、プロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー);アリールメチン誘導体:オーラミン、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン;並びにテトラピロール誘導体(例えば、ポルフィン、フタロシアニン又はビリルビン)が挙げられる。他の例示的なM部分としては、シアニン色素、キサンテート色素(例えば、Hex、Vic、Nedd、Joe又はTet);ヤキマイエロー;レッドモンドレッド;tamra;テキサスレッド及びalexa fluor(登録商標)色素が挙げられる。
【0078】
上述のいずれかのさらに他の実施形態では、M1若しくはM2、又は両方は、各出現において独立に、3つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はこれらの組合せ、例えば、4つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はこれらの組合せ、或いはさらに5つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環又はこれらの組合せを含む。一部の実施形態では、M1若しくはM2、又は両方は、各出現において独立に、6つのアリール若しくはヘテロアリール環、又はこれらの組合せを含む。さらなる実施形態では、環は縮合している。例えば、一部の実施形態では、M1若しくはM2、又は両方は、各出現において独立に、3つ以上の縮合環、4つ以上の縮合環、5つ以上の縮合環、又はさらに6つ以上の縮合環も含む。
一部の実施形態では、M1若しくはM2、又は両方は、環式である。例えば、一部の実施形態では、M1若しくはM2、又は両方は、炭素環式である。他の実施形態では、M1若しくはM2、又は両方は、複素環式である。上述のさらに他の実施形態では、M1若しくはM2、又は両方は、各出現において独立に、アリール部分を含む。これらの実施形態の一部では、アリール部分は多環式である。他のより具体的な例では、アリール部分は、縮合多環式アリール部分であり、例えば、これは、少なくとも3つ、少なくとも4つ、又はさらに4超のアリール環を含んでいてもよい。
構造(I)、(II)、(IA)、(IB)、(IC)、(ID)又は(IE)の上述の化合物のいずれかの他の実施形態では、M1若しくはM2、又は両方は、各出現において独立に、少なくとも1個のヘテロ原子を含む。例えば、一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素又は硫黄である。
上述のいずれかのさらにより多くの実施形態では、M1若しくはM2、又は両方は、各出現において独立に、少なくとも1つの置換基を含む。例えば、一部の実施形態では、置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヒドロキシ、スルフヒドリル、アルコキシ、アリールオキシ、フェニル、アリール、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、t-ブチル、カルボキシ、スルホネート、アミド又はホルミル基である。
【0079】
前述の一部のさらにより具体的な実施形態では、M1若しくはM2、又は両方は、各出現において独立に、ジメチルアミノスチルベン、キナクリドン、フルオロフェニル-ジメチル-BODIPY、ヒス-フルオロフェニル-BODIPY、アクリジン、テリレン、セキシフェニル、ポルフィリン、ベンゾピレン、(フルオロフェニル-ジメチル-ジフルオロボラ-ジアザ-インダセン)フェニル、(ビス-フルオロフェニル-ジフルオロボラ-ジアザ-インダセン)フェニル、クアテルフェニル、ビ-ベンゾチアゾール、テル-ベンゾチアゾール、ビ-ナフチル、ビ-アントラシル、スクアライン、スクアリリウム、9,10-エチニルアントラセン又はテル-ナフチル部分である。他の実施形態では、M1若しくはM2、又は両方は、各出現において独立に、p-ターフェニル、ペリレン、アゾベンゼン、フェナジン、フェナントロリン、アクリジン、チオキサントレン、クリセン、ルブレン、コロネン、シアニン、ペリレンイミド若しくはペリレンアミド、又はこれらの誘導体である。さらにより多くの実施形態では、M1若しくはM2、又は両方は、各出現において独立に、クマリン色素、レゾルフィン色素、ジピロメテンボロンジフルオリド色素、ルテニウムビピリジル色素、エネルギー移動色素、チアゾールオレンジ色素、ポリメチン又はN-アリール-1,8-ナフタルイミド色素である。ある特定の実施形態では、M1及びM2は、各出現において独立に、ホウ素-ジピロメテン、ローダミン、シアニン、ピレン、ペリレン、ペリレンモノイミド若しくは6-FAM、又はこれらの誘導体である。
【0080】
上述のいずれかのさらにより多くの実施形態では、M1は各出現において同じである。他の実施形態では、それぞれのM1は異なる。さらにより多くの実施形態では、1つ又は複数のM1は同じであり、1つ又は複数のM1は異なる。
上述のいずれかのさらにより多くの実施形態では、M2は各出現において同じである。他の実施形態では、それぞれのM2は異なる。さらにより多くの実施形態では、1つ又は複数のM2は同じであり、1つ又は複数のM2は異なる。
一部の実施形態では、M1若しくはM2、又は両方は、各出現において独立に、ホウ素-ジピロメテン、ローダミン、シアニン、ピレン、ペリレン、ペリレンモノイミド若しくは6-FAM、又はこれらの誘導体である。一部の他の実施形態では、M1及びM2は、各出現において独立に、以下の構造のうちの1つを有する。
【0081】
【化19】
【0082】
理解されるように、本明細書に記載される化合物は、そのような教示について、その全体が参照により組み込まれる米国特許公開第2017/0292957号、米国特許公開第2016/0208100号、米国特許公開第2016/0341736号、米国特許公開第2018/0065998号、米国特許公開第2018/0079909号、及び米国特許公開第2019/0016898号に記載される方法などの、任意の好適な方法を使用して形成されうる。
説明用の捕捉プローブ102及び説明用の検出可能なプローブ104、106の概略的な型が図1に示される。捕捉プローブ102は、(1)第1の配列を有する第1のポリヌクレオチド108を含む第1のセグメント、並びに(2)第1のセグメントにコンジュゲートした第2のセグメントであって、第2のセグメントが、複数の交互の第2のポリヌクレオチド110及び第1のポリマー112a、112bを含み、第1のポリマーのそれぞれが、第1の発色団114を含み、第2のポリヌクレオチドのそれぞれが、第2の配列を含む、第2のセグメントを含む。一部の実施形態では、捕捉プローブは、上記に記載されている構造(III)の化合物である。
【0083】
複数の検出可能なプローブ104、106も存在し、複数の検出可能なプローブのそれぞれは、第2の発色団118a、118bを含む少なくとも1つの第2のポリマーに共有結合した第3のポリヌクレオチド116を含む。実施形態では、第3のポリヌクレオチドは、第2の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第3の配列を有する。
したがって、(1)(i)第1の配列を有する第1のポリヌクレオチドを含む第1のセグメント、並びに(ii)第1のセグメントにコンジュゲートした第2のセグメントであって、第2のセグメントが、複数の交互の第2のポリヌクレオチド及び第1のポリマーを含み、第1のポリマーのそれぞれが、第1の発色団を含み、第2のポリヌクレオチドのそれぞれが、第2の配列を含む、第2のセグメントを含む捕捉プローブ、並びに(2)複数の検出可能なプローブであって、複数の検出可能なプローブのそれぞれが、第2の発色団を含む少なくとも1つの第2のポリマーに共有結合した第3のポリヌクレオチドを含み、第3のポリヌクレオチドが、第2の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第3の配列を有する、複数の検出可能なプローブを含む、組成物が本明細書に記載される。
【0084】
実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも92%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも95%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも96%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも97%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも98%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも99%の相補性を有する。一部の実施形態では、三重鎖構造は、2つの検出可能なプローブのポリヌクレオチド及び捕捉プローブのポリヌクレオチドによって形成される。
図1に示されるように、一部の実施形態では、第1のポリマーのそれぞれは、複数の第1の発色団を含む。同様に、一部の実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、複数の第2の発色団を含む。一部の実施形態では、第2のポリマー118a、118bは、検出可能なプローブの少なくとも1つの第3のポリヌクレオチド116の各末端に共有結合している。
図1に示される実施形態などの一部の実施形態では、第1の発色団はアクセプター発色団である。他の実施形態では、第1の発色団はドナー発色団である。図1に示されるように、一部の実施形態では、第2の発色団はドナー発色団である。他の実施形態では、第2の発色団はドナー発色団である。
【0085】
実施形態では、第3のポリヌクレオチドは、10ヌクレオチド~40ヌクレオチドの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、第3のポリヌクレオチドは、10ヌクレオチド~30ヌクレオチドの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、第3のポリヌクレオチドは、15ヌクレオチド~25ヌクレオチドの範囲の長さを有する。
実施形態では、第3のポリヌクレオチドは第1の部分、第1の部分に隣接した第2の部分、及び第2の部分によって第1の部分から離れている第3の部分を含む。一部のそのような実施形態では、第3のポリヌクレオチドは、第3の部分に対しての第1の部分の相補性の度合よりも高い度合の第2の配列の部分に対しての相補性を有する。よって、第3のポリヌクレオチドは、ヘアピン構造を形成するよりもむしろ第2の配列と優先的にハイブリダイズする。実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも一部は、上記に記載されている構造(I)、(II)、(IIa)、(IIb)又はこれらの組合せを有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも1つは、上記に記載されている構造(I)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも1つは、上記に記載されている構造(II)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも1つは、上記に記載されている構造(IIa)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも1つは、上記に記載されている構造(IIb)を有する。
【0086】
実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(I)、(II)、(IIa)、(IIb)又はこれらの組合せを有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(I)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(II)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(IIa)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(IIb)を有する。
【0087】
図1にも図示されるように、第4のポリヌクレオチド120は標的化部分122に共有結合していた。他の実施形態では、標的化部分は捕捉プローブに共有結合している。
実施形態では、組成物は、本明細書に記載されている捕捉プローブ及び検出可能なプローブを含む。したがって、(1)(i)第1の配列を有する第1のポリヌクレオチドを含む第1のセグメント、及び(ii)第1のセグメントにコンジュゲートした第2のセグメントであって、第2のセグメントが、第2の配列をそれぞれ含む複数の第2のポリヌクレオチドを含む、第2のセグメントを含む捕捉プローブ、並びに(2)複数の検出可能なプローブであって、複数の検出可能なプローブのそれぞれが、第1の末端及び第2の末端を有する第3のポリヌクレオチドを含み、第1の末端及び第2の末端の少なくとも1つが、発色団を含む第1のポリマーに共有結合しており、第3のポリヌクレオチドが、第2の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第3の配列を有する、複数の検出可能なプローブを含む、組成物が本明細書に記載される。
【0088】
実施形態では、第3のポリヌクレオチドは、10ヌクレオチド~40ヌクレオチドの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、第3のポリヌクレオチドは、10ヌクレオチド~30ヌクレオチドの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、第3のポリヌクレオチドは、15ヌクレオチド~25ヌクレオチドの範囲の長さを有する。
実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも92%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも95%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも96%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも97%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも98%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも99%の相補性を有する。
【0089】
一部の実施形態では、第1のポリマーのそれぞれは、複数の発色団を含む。同様に、一部の実施形態では、第2のポリマーのそれぞれは、複数の発色団を含む。一部の実施形態では、第2の種類の検出可能なプローブも存在する。一部のそのような実施形態では、検出可能なプローブは、第1のポリマー又は第2のポリマーに結合した第3のポリヌクレオチドを含む。
実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも一部は、上記に記載されている構造(I)、(II)、(IIa)、(IIb)又はこれらの組合せを有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも1つは、上記に記載されている構造(I)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも1つは、上記に記載されている構造(II)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも1つは、上記に記載されている構造(IIa)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも1つは、上記に記載されている構造(IIb)を有する。
実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(I)、(II)、(IIa)、(IIb)又はこれらの組合せを有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(I)を有する(図2Aに図示される通り)。一部の実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(II)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(IIa)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(IIb)を有する。
【0090】
実施形態では、第4のポリヌクレオチドは標的化部分に共有結合している。様々な実施形態では、第4のポリヌクレオチドは、第1の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第4の配列を有する。一部の実施形態では、第4の配列は、第1の配列に対し少なくとも92%の相補性を有する。一部の実施形態では、第4の配列は、第1の配列に対し少なくとも95%の相補性を有する。一部の実施形態では、第4の配列は、第1の配列に対し少なくとも96%の相補性を有する。一部の実施形態では、第4の配列は、第1の配列に対し少なくとも97%の相補性を有する。一部の実施形態では、第4の配列は、第1の配列に対し少なくとも98%の相補性を有する。一部の実施形態では、第4の配列は、第1の配列に対し少なくとも99%の相補性を有する。他の実施形態では、標的化部分は捕捉プローブに共有結合している。
【0091】
説明用の捕捉プローブ202及び説明用の検出可能なプローブ204a、204b、204cの別の実施形態の概略的な型が図2Aに示される。捕捉プローブ102は、(1)第1の配列を有する第1のポリヌクレオチドを含む第1のセグメント、及び(2)第1のセグメントにコンジュゲートした第2のセグメントであって、第2のセグメントが、第2の配列をそれぞれ含む複数の第2のポリヌクレオチド210a、210b、210cを含む。
複数の検出可能なプローブ204a、204b、204cも存在し、複数の検出可能なプローブのそれぞれは、第3のポリヌクレオチド216a、216b、216cを含む。第3のポリヌクレオチドは、発色団214を含む第1のポリマーに一方の末端で共有結合している。実施形態では、第3のポリヌクレオチドは、第2の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第3の配列を有する。
【0092】
したがって、(1)(i)第1の配列を有する第1のポリヌクレオチドを含む第1のセグメント、及び(ii)第1のセグメントにコンジュゲートした第2のセグメントであって、第2のセグメントが、第2の配列をそれぞれ含む複数の第2のポリヌクレオチドを含む、第2のセグメントを含む捕捉プローブ、並びに(2)複数の検出可能なプローブであって、複数の検出可能なプローブのそれぞれが、第1の末端及び第2の末端を有する第3のポリヌクレオチドを含み、第1の末端が、発色団を含む第1のポリマーに共有結合しており、第3のポリヌクレオチドが、第2の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第3の配列を有する、複数の検出可能なプローブを含む、組成物が本明細書に記載される。
実施形態では、第3のポリヌクレオチドは、10ヌクレオチド~40ヌクレオチドの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、第3のポリヌクレオチドは、10ヌクレオチド~30ヌクレオチドの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、第3のポリヌクレオチドは、15ヌクレオチド~25ヌクレオチドの範囲の長さを有する。
【0093】
実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも92%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも95%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも96%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも97%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも98%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも99%の相補性を有する。一部の実施形態では、三重鎖構造は、2つの検出可能なプローブのポリヌクレオチド及び捕捉プローブのポリヌクレオチドによって形成される。
図2Aに示されるように、一部の実施形態では、第1のポリマーのそれぞれは、複数の発色団を含む。一部の実施形態では、第2の種類の検出可能なプローブも存在する。一部のそのような実施形態では、検出可能なプローブは、第1のポリマー及び/又は第2のポリマーに結合した第3のポリヌクレオチドを含む。
【0094】
実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも一部は、上記に記載されている構造(I)、(II)、(IIa)、(IIb)又はこれらの組合せを有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも1つは、上記に記載されている構造(I)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも1つは、上記に記載されている構造(II)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも1つは、上記に記載されている構造(IIa)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも1つは、上記に記載されている構造(IIb)を有する。
実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(I)、(II)、(IIa)、(IIb)又はこれらの組合せを有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(I)を有する(図2Aに図示される通り)。他の実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(II)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(IIa)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(IIb)を有する。
【0095】
図2Aにも図示されるように、第4のポリヌクレオチド220は標的化部分222に共有結合していた。様々な実施形態では、第4のポリヌクレオチドは、第1の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第4の配列を有する。一部の実施形態では、第4の配列は、第1の配列に対し少なくとも92%の相補性を有する。一部の実施形態では、第4の配列は、第1の配列に対し少なくとも95%の相補性を有する。一部の実施形態では、第4の配列は、第1の配列に対し少なくとも96%の相補性を有する。一部の実施形態では、第4の配列は、第1の配列に対し少なくとも97%の相補性を有する。一部の実施形態では、第4の配列は、第1の配列に対し少なくとも98%の相補性を有する。一部の実施形態では、第4の配列は、第1の配列に対し少なくとも99%の相補性を有する。他の実施形態では、標的化部分は捕捉プローブに共有結合している。
説明用の捕捉プローブ202及び説明用の検出可能なプローブ204、206a、206bの別の実施形態の概略的な型が図2Bに示される。捕捉プローブ102は、(1)第1の配列を有する第1のポリヌクレオチドを含む第1のセグメント、及び(2)第1のセグメントにコンジュゲートした第2のセグメントであって、第2のセグメントが、第2の配列をそれぞれ含む複数の第2のポリヌクレオチド210a、210b、210cを含む。
【0096】
複数の検出可能なプローブ204、206a、206bも存在し、複数の検出可能なプローブのそれぞれは、第3のポリヌクレオチド216a、216b、216cを含む。第3のポリヌクレオチドは、アクセプター発色団214を含む第1のポリマーの一方の末端に共有結合しており、第2のポリマーの他の末端には、ドナー発色団218を含む。言い換えれば、複数の検出可能なプローブのそれぞれは、第1の末端及び第2の末端を有する第3のポリヌクレオチドを含み、第1の末端は、アクセプター発色団を含む第1のポリマーに共有結合しており、第2の末端は、ドナー発色団を含む第2のポリマーに共有結合している。実施形態では、第3のポリヌクレオチドは、第2の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第3の配列を有する。
したがって、(1)(i)第1の配列を有する第1のポリヌクレオチドを含む第1のセグメント、及び(ii)第1のセグメントにコンジュゲートした第2のセグメントであって、第2のセグメントが、第2の配列をそれぞれ含む複数の第2のポリヌクレオチドを含む、第2のセグメントを含む捕捉プローブ、並びに(2)複数の検出可能なプローブであって、複数の検出可能なプローブのそれぞれが、第1の末端及び第2の末端を有する第3のポリヌクレオチドを含み、第1の末端が、アクセプター発色団を含む第1のポリマーに共有結合しており、第2の末端が、ドナー発色団を含む第2のポリマーに共有結合しており、第3のポリヌクレオチドが、第2の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第3の配列を有する、複数の検出可能なプローブを含む、組成物が本明細書に記載される。
【0097】
実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも92%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも95%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも96%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも97%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも98%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第3の配列に対し少なくとも99%の相補性を有する。一部の実施形態では、三重鎖構造は、2つの検出可能なプローブのポリヌクレオチド及び捕捉プローブのポリヌクレオチドによって形成される。
【0098】
図2Bに示されるように、一部の実施形態では、第1のポリマーのそれぞれは、複数の発色団を含む。同様に、一部の実施形態では、第2のポリマーのそれぞれは、複数の発色団を含む。一部の実施形態では、第2の種類の検出可能なプローブ204も存在する。一部のそのような実施形態では、検出可能なプローブ204は、第1のポリマー又は第2のポリマーに結合した第3のポリヌクレオチドを含む。
実施形態では、第3のポリヌクレオチドは、10ヌクレオチド~40ヌクレオチドの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、第3のポリヌクレオチドは、10ヌクレオチド~30ヌクレオチドの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、第3のポリヌクレオチドは、15ヌクレオチド~25ヌクレオチドの範囲の長さを有する。
実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも一部は、上記に記載されている構造(I)、(II)、(IIa)、(IIb)又はこれらの組合せを有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも1つは、上記に記載されている構造(I)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも1つは、上記に記載されている構造(II)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも1つは、上記に記載されている構造(IIa)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも1つは、上記に記載されている構造(IIb)を有する。
【0099】
実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(I)、(II)、(IIa)、(IIb)又はこれらの組合せを有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(I)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(II)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(IIa)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(IIb)を有する。
図2Bにも図示されるように、第4のポリヌクレオチド220は標的化部分222に共有結合していた。様々な実施形態では、第4のポリヌクレオチドは、第1の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第4の配列を有する。一部の実施形態では、第4の配列は、第1の配列に対し少なくとも92%の相補性を有する。一部の実施形態では、第4の配列は、第1の配列に対し少なくとも95%の相補性を有する。一部の実施形態では、第4の配列は、第1の配列に対し少なくとも96%の相補性を有する。一部の実施形態では、第4の配列は、第1の配列に対し少なくとも97%の相補性を有する。一部の実施形態では、第4の配列は、第1の配列に対し少なくとも98%の相補性を有する。一部の実施形態では、第4の配列は、第1の配列に対し少なくとも99%の相補性を有する。他の実施形態では、標的化部分は捕捉プローブに共有結合している。
【0100】
別の実施形態は図2Cに図示される。捕捉プローブ102は、(1)第1の配列を有する第1のポリヌクレオチドを含む第1のセグメント、及び(2)第1のセグメントにコンジュゲートした第2のセグメントであって、第2のセグメントが、第2の配列をそれぞれ含む複数の第2のポリヌクレオチド210を含む、第2のセグメントを含む。
複数の分岐リンカー226及び複数の検出可能なプローブ204も存在する。複数の検出可能なプローブのそれぞれは第3のポリヌクレオチド216(第3の配列を有する)を含み、複数の分岐リンカーのそれぞれは第4のポリヌクレオチド228(第4の配列を有する)及び第5のポリヌクレオチド224(第5の配列を有する)を含む。第3のポリヌクレオチドは、発色団214を含む第1のポリマーに一方の末端で共有結合している。
【0101】
実施形態では、第2の配列は、第4の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する。実施形態では、第2の配列は、第4の配列に対し少なくとも92%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第4の配列に対し少なくとも95%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第4の配列に対し少なくとも96%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第4の配列に対し少なくとも97%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第4の配列に対し少なくとも98%の相補性を有する。一部の実施形態では、第2の配列は、第4の配列に対し少なくとも99%の相補性を有する。
実施形態では、第3の配列は、第5の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する。実施形態では、第3の配列は、第5の配列に対し少なくとも92%の相補性を有する。一部の実施形態では、第3の配列は、第5の配列に対し少なくとも95%の相補性を有する。一部の実施形態では、第3の配列は、第5の配列に対し少なくとも96%の相補性を有する。一部の実施形態では、第3の配列は、第5の配列に対し少なくとも97%の相補性を有する。一部の実施形態では、第3の配列は、第5の配列に対し少なくとも98%の相補性を有する。一部の実施形態では、第3の配列は、第5の配列に対し少なくとも99%の相補性を有する。
【0102】
実施形態では、第2、第3、第4及び/又は第5のポリヌクレオチドは、10ヌクレオチド~40ヌクレオチドの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、第2、第3、第4及び/又は第5のポリヌクレオチドは、10ヌクレオチド~30ヌクレオチドの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、第2、第3、第4及び/又は第5のポリヌクレオチドは、15ヌクレオチド~25ヌクレオチドの範囲の長さを有する。一部の実施形態では、三重鎖構造は、2つの検出可能なプローブのポリヌクレオチド及び捕捉プローブのポリヌクレオチドによって形成される。
一部の実施形態では、第1のポリマーのそれぞれは、複数の発色団を含む。
実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも一部は構造(I)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブの少なくとも1つは、上記に記載されている構造(I)を有する。一部の実施形態では、検出可能なプローブのそれぞれは、上記に記載されている構造(I)を有する。
【0103】
一部の実施形態では、第6のポリヌクレオチド220は標的化部分222に共有結合している。様々な実施形態では、第6のポリヌクレオチドは、第1の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第6の配列を有する。一部の実施形態では、第6の配列は、第1の配列に対し少なくとも92%の相補性を有する。一部の実施形態では、第6の配列は、第1の配列に対し少なくとも95%の相補性を有する。一部の実施形態では、第6の配列は、第1の配列に対し少なくとも96%の相補性を有する。一部の実施形態では、第6の配列は、第1の配列に対し少なくとも97%の相補性を有する。一部の実施形態では、第6の配列は、第1の配列に対し少なくとも98%の相補性を有する。一部の実施形態では、第6の配列は、第1の配列に対し少なくとも99%の相補性を有する。他の実施形態では、標的化部分は捕捉プローブに共有結合している。
【0104】
したがって、(1)(i)第1の配列を有する第1のポリヌクレオチドを含む第1のセグメント、及び(ii)第1のセグメントにコンジュゲートした第2のセグメントであって、第2のセグメントが、第2の配列をそれぞれ含む複数の第2のポリヌクレオチドを含む、第2のセグメントを含む捕捉プローブ、並びに(2)複数の検出可能なプローブであって、複数の検出可能なプローブのそれぞれが、第1の末端及び第2の末端を有する第3のポリヌクレオチドを含み、第1の末端が、発色団を含む第1のポリマーに共有結合しており、第3のポリヌクレオチドが、第3の配列を有する、複数の検出可能なプローブ、(3)第4のポリヌクレオチドに結合したポリマー主鎖を含む複数の分岐リンカー、及び複数の第5のポリヌクレオチドであって、第4のポリヌクレオチドが、第2の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第4の配列を有し、第5のポリヌクレオチドのそれぞれが、第3の配列に対し少なくとも90%の相補性を有する第5の配列を含む、複数の分岐リンカー及び複数の第5のポリペプチドを含む組成物が本明細書に記載される。
【0105】
本明細書に記載されている捕捉プローブ、検出可能なプローブ、又は両方を含むキットも本明細書に記載される。一部のそのような実施形態では、本開示のキットは、標的ヌクレオチド配列の特定のための、化合物、組成物、又は検出可能なプローブの使用のための使用説明書をさらに含む。
標的分析物の存在を特定するための方法であって、アッセイ条件下で、試料を、本明細書に記載されている組成物と接触させることにより、混合物を生成するステップ、及び、検出条件下で混合物をイメージングするステップを含む、方法がさらに記載される。一部の実施形態では、混合物をイメージングするステップは、第1の波長でドナーフルオロフォアを励起するステップ、及び第2の波長でアクセプターフルオロフォアの発光を検出するステップを含む。
【実施例
【0106】
一般的方法
質量スペクトル分析を、MassLynx 4.1収集ソフトウェアを使用してWaters/Micromass QuattroマイクロMS/MSシステム(MSオンリーモード)で実施した。色素のLC/MSに使用した移動相は、100mMの1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP)、8.6mMのトリエチルアミン(TEA)、pH8であった。ホスホラミダイト及び前駆体分子も、アセトニトリル/水移動相勾配を用いる、45℃に保持した2.1mm×50mmのAcquity BEH-C18カラムを備えたWaters Acquity UHPLCシステムを使用して分析した。モノマー中間体の分子質量を、Waters/Micromass QuattroマイクロMS/MSシステム(MSオンリーモード)によりトロピリウムカチオン注入増強イオン化(tropylium cation infusion enhanced ionization)を使用して得た。励起及び放射プロファイル実験をCary Eclipseスペクトル光度計で記録した。
【0107】
すべての反応を、特に記述されない限り、窒素雰囲気下でオーブン乾燥ガラス器具により行った。市販のDNA合成試薬をGlen Research(Sterling,VA)から購入した。無水ピリジン、トルエン、ジクロロメタン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、酢酸、ピリジン、及びTHFをAldrichから購入した。すべての他の化学薬品をAldrich又はTCIから購入し、追加の精製をしないでそのまま使用した。
【0108】
(実施例1)
エチレングリコールスペーサーを有する色素の合成
酸化エチレンリンカーを有する化合物を以下のように調製した。
オリゴフルオロシド(oligofluoroside)構築物(例えば、構造(I)、(II)、又は(III)の化合物)を、1μmolスケールのApplied Biosystems 394 DNA/RNA合成機で合成し、3’ーホスフェート基若しくは3’-S2-(CH26-OH基、又は本明細書に記載されている他の基のいずれかを有した。合成は、標準的ホスホラミダイト(phopshoporamadite)化学を使用して、CPGビーズ又はポリスチレン固形支持体に直接実施した。オリゴフルオロシドを、標準的固相DNA法を使用し、標準的β-シアノエチルホスホラミダイト化学を用いたカップリングを使用して、3’から5’の方向に合成した。フルオロシドとヌクレオシドのホスホラミダイト、及びスペーサー(例えば、ヘキサエチルオキシ-グリコールホスホラミダイト、トリエチルオキシ-グリコールホスホラミダイト、ポリエチレングリコールホスホラミダイト)、及びリンカー(例えば、5’-アミノ-モディファイヤーホスホラミダイト、及びチオール-モディファイヤーS2ホスホラミダイト)をアセトニトリルに溶解して、0.1Mの溶液を作製し、以下の合成サイクル:1)ジクロロメタン中のジクロロ酢酸による5’-ジメトキシトリチル保護基の除去、2)次のホスホラミダイトと、アセトニトリル中の活性化試薬とのカップリング、3)ヨウ素/ピリジン/水でのP(III)の酸化による、安定したP(v)の形成、及び4)任意の未反応5’-ヒドロキシル基と、無水酢酸/1-メチルイミダゾール/アセトニトリルとのカップリングを使用して、順序どおりに添加した。合成サイクルを、完全長のオリゴフルオロシド構築物が組み立てられるまで繰り返した。連鎖組立ての終了時に、モノメトキシトリチル(MMT)基又はジメトキシトリチル(DMT)基を、ジクロロメタン中のジクロロ酢酸で除去した。
【0109】
化合物を、標識Eppendorf管中の制御細孔ガラス(controlled-pore glass)(GCP)支持体に0.2μmolスケールで提供した。400μLの20~30%のNH4OHを添加し、穏やかに混合した。開口管を55℃で約5分間、又は過剰なガスが遊離するまで設置し、次いで密閉し、2時間(+/-15分間)インキュベートした。管をヒートブロックから取り出し、室温に達するようにし、続いて13,400RPMで30秒間遠心分離して、上清及び固形物を固めた。上清を注意深く取り出し、標識管に入れ、次いで150μLのアセトニトリルを添加して、支持体を洗浄した。洗浄液を管に添加した後、管を、乾燥するまで40℃でCentriVap機器に設置した。
生成物をESI-MS、UV吸光度及び蛍光分光法により特徴付けた。
【0110】
(実施例2)
化合物のスペクトル検査
乾燥化合物を150μLの0.1M Na2CO3緩衝剤で再構成して、約1mMの貯蔵液を作製した。濃縮貯蔵液を0.1×PBSで50×に希釈し、NanoDrop UV分光計により分析して、吸光度読取り値を得た。吸光度読取り値を、吸光係数(各FAM単位で75,000M-1cm-1)及びベールの法則とともに使用して、貯蔵液の実際の濃度を決定した。
算出貯蔵液濃度から、約4mLの5μM溶液を0.1MのNa2CO3(pH9)で作製し、基に関して全体的な吸光度を測るために300nm~700nmのスペクトル範囲を使用するCary 60UV分光計により、1×1cmの石英キュベットで分析した。これらの5μM溶液から、第2の希釈を、Cary Eclipse Fluorimeterによる分光分析のために、50nM又は25nMで(また、0.1MのNa2CO3、pH9中でも)作製した。励起を494nmに設定し、放射スペクトルを499~700nmで収集した。
【0111】
(実施例3)
コンカテマー化によるシグナル増幅
単独の、並びに(1)第1のプローブ(5’-CGA CGC TTA CAG-heg-F-(heghegheg-F)3-heg-CCG ACT GTG CA-dT-3’)(配列番号2)及び複数の第2のプローブ(5’-CTGTAAGCGTCG-heg-F(heghegheg-F)9-heg-GACATTCGCAGC-dT-3’)(配列番号3)、(2)第1のプローブ(5’-CGA CGC TTA CAG-heg-F-(heghegheg-F)3-heg-CCG ACT GTG CA-dT-3’)(配列番号2)と混合したニュートラアビジンビーズに結合したビオチン化標的プローブ(5’-B-heg-ATGCACAGTCGG-dT-3’)(配列番号1)を、フローサイトメトリーを使用して分析した。
【0112】
ストックをサーマルサイクラーを使用して94℃に10分間加熱し、次いで冷却し、使用まで37℃で維持した。暗所で室温での30分間のインキュベーションによって、1試料当たり5ナノグラム(ng)の捕捉プローブを30ulのニュートラアビジン被覆ビーズに結合させた。ビーズを、ハイブリダイゼーション緩衝液(10mMのTris-HCL、4mMのmgCl、15mMのKCl、pH8.2)で洗浄し、400×gで5分間遠心分離した。上清を除去し、試料を細胞染色緩衝液に再懸濁させた。条件1及び2について、1ulの100uMの第1のプローブを添加し、試料を室温で10分間インキュベートし、続いてハイブリダイゼーション緩衝液で洗浄した。試料を400×gで5分間遠心分離し、上清を除去し、試料を細胞染色緩衝液に再懸濁させたか、又は第2のプローブで処理した。条件2について、1ulの100uMの第2のプローブを添加し、試料を室温で10分間インキュベートし、続いてハイブリダイゼーション緩衝液で洗浄した。試料を400×gで5分間遠心分離し、上清を除去した。試料を細胞染色緩衝液に再懸濁させ、SA3800フローサイトメーターより分析した。結果を図4に示す。
【0113】
(実施例4)
分岐増幅
ニュートラアビジンビーズに結合した5ngのビオチン化標的プローブ(5’-ビオチン-heg-TTT CTT TGA GGT TTA GGA TTC-dT-3’)(配列番号4)を、200pmolの標的増幅物(3’-dT-AAA GAA ACT CCA AAT CCT AAG-GGT TGG CCT TAG GGT TC AGA-GGT TGG CCT TAG GGT TC AGA-heg-F-5’)(配列番号5)、並びに(1)5’-CCA ACC GGA ATC CCA AG X-F-dT-3’(配列番号6)、5’-CCA ACC GGA ATC CCA AG-heg-F(heghegheg-F)3-heg-dT-3’(配列番号7);(2)5’-CCA ACC GGA ATC CCA AG X-F-dT-3’(配列番号6)、5’-CCA ACC GGA ATC CCA AG-heg-F(heghegheg-F)4-heg-dT-3’(配列番号8);及び(3)5’-CCA ACC GGA ATC CCA AG-heg-F(heghegheg-F)9-heg-dT-3’(配列番号9)から選択される複数の検出プローブと混合する。
【0114】
プローブストックをサーマルサイクラーを使用して94℃に10分間加熱し、次いで冷却し、使用まで37℃で維持した。暗所で室温での30分間のインキュベーションによって、1試料当たり5ngの捕捉プローブをニュートラアビジンビーズに結合させた。ビーズをハイブリダイゼーション緩衝液で洗浄し、400×gで5分間遠心分離し、上清を除去した。200pmolの標的増幅物を添加し、試料を37℃で10分間インキュベートし、続いて上記に記載されたようにしてハイブリダイゼーション緩衝液で洗浄した。400pmolの検出プローブを添加し、試料を37℃で10分間インキュベートした。試料を上記に記載されたようにしてハイブリダイゼーション緩衝液で洗浄し、SA3800フローサイトメーターによる分析のために、細胞染色緩衝液に再懸濁させた。
【0115】
(実施例5)
分岐増幅
捕捉プローブを、(1)200pmolの標的増幅物(3’-dT-AAA GAA ACT CCA AAT CCT AAG-GGT TGG CCT TAG GGT TC AGA-GGT TGG CCT TAG GGT TC AGA-heg-F-5’)(配列番号5)、並びに(2)複数の検出可能なプローブ、及び200pmolの標的増幅物(3’-dT-AAA GAA ACT CCA AAT CCT AAG-GGT TGG CCT TAG GGT TC AGA-GGT TGG CCT TAG GGT TC AGA-heg-F-5’)(配列番号5)、及び400pmolの複数の検出プローブ(5’-CCA ACC GGA ATC CCA AG-heg-F(heghegheg-F)3-heg-dT-3’)(配列番号7)と混合した。結果を図5に示す。4×増幅物(5’-CCA ACC GGA ATC CCA AG-heg-F(heghegheg-F)3-heg-dT-3’;A03)(配列番号7)のハイブリダイゼーション後、約9倍の蛍光の増加があった。
【0116】
(実施例6)
分岐増幅
試料を、捕捉プローブ(A01);捕捉プローブ+標的(3’-dT-AAA GAA ACT CCA AAT CCT AAG-GGT TGG CCT TAG GGT TC AGA-GGT TGG CCT TAG GGT TC AGA-heg-F-5’)(配列番号5)-(A02);捕捉プローブ+標的(3’-dT-AAA GAA ACT CCA AAT CCT AAG-GGT TGG CCT TAG GGT TC AGA-GGT TGG CCT TAG GGT TC AGA-heg-F-5’)(配列番号5)+5×増幅物(5’-CCA ACC GGA ATC CCA AG-heg-F(heghegheg-F)4-heg-dT-3’)(配列番号8)-(A03);捕捉プローブ+標的(3’-dT-AAA GAA ACT CCA AAT CCT AAG-GGT TGG CCT TAG GGT TC AGA-GGT TGG CCT TAG GGT TC AGA-heg-F-5’)(配列番号5)+10×増幅物(5’-CCA ACC GGA ATC CCA AG-heg-F(heghegheg-F)9-heg-dT-3’)(配列番号9)-(A04);標的(3’-dT-AAA GAA ACT CCA AAT CCT AAG-GGT TGG CCT TAG GGT TC AGA-GGT TGG CCT TAG GGT TC AGA-heg-F-5’)(配列番号5)+5×増幅物(5’-CCA ACC GGA ATC CCA AG-heg-F(heghegheg-F)4-heg-dT-3’)(配列番号8)-(A05);及び標的(3’-dT-AAA GAA ACT CCA AAT CCT AAG-GGT TGG CCT TAG GGT TC AGA-GGT TGG CCT TAG GGT TC AGA-heg-F-5’)(配列番号5)+10×増幅物(5’-CCA ACC GGA ATC CCA AG-heg-F(heghegheg-F)9-heg-dT-3’)(配列番号9)-(A06)とともに37℃で10分間インキュベートする。結果を図6に示す。5×増幅物(5’-CCA ACC GGA ATC CCA AG-heg-F(heghegheg-F)4-heg-dT-3’)(配列番号8)のハイブリダイゼーション後、約11倍の蛍光の増加、及び10×増幅物(5’-CCA ACC GGA ATC CCA AG-heg-F(heghegheg-F)9-heg-dT-3’)(配列番号9)のハイブリダイゼーション後、約16倍の蛍光の増加があった。
【0117】
(実施例7)
コンカテマー増幅
(3’-d-TACGTGTCAGCC-heg-F(heghegheg-F)3-heg-GACATTCGCAGC-5’)(配列番号10)に結合したビオチン化標的プローブ(5’-B-heg-ATGCACAGTCGG-dT-3’)(配列番号1)を第2のプローブ(5’-CTGTAAGCGTCG-heg-F(heghegheg-F)4-heg-CGACGCTTACAG-dT-3’)(配列番号11)と混合し、これをジグザグ様式でコンカテマー化する(図7に図示される通り)。次いで得られた構造を検査する。
【0118】
(実施例8)
溶液中での段階的線状プローブハイブリダイゼーション
第1のプローブ(3’-dT-AAA GAA ACT CCA ATC CTA AG-heg-F(heghegheg-F)-heg-GGT TGG CCT TAG GGT TC-5’)(配列番号12)を第2のプローブ(5’-CCA ACC GGA ATC CCA AG-heg-F(heghegheg-F)-heg-CTT TGA GGT TTA GGA T-dT-3’)(配列番号13)と、ハイブリダイゼーションのための様々な条件(各プローブの200uMのストックを94℃に5分間加熱し、それぞれ100uMの最終濃度のために1:1で混ぜ合わせる)下で混合した。結果を図8に示す。個々のプローブは、約7.6mで見出され、ハイブリダイズしたプローブは、約6.8mで開始し(推定上、単一ハイブリダイゼーション)、より長い多量体は、4.2~5.5mで見られ、これらは、完全に溶解しない。37℃でのインキュベーションはより長い鎖をもたらした。
【0119】
さらに、図8Bに示されるように、第1のプローブの第2のプローブへのハイブリダイゼーションは、約1.6倍の蛍光の増加をもたらした。しかしながら、第1のプローブ、続く第2のプローブとのさらなるインキュベーションは、蛍光を増加させなかった。溶液の分析からの多量体を含有するハイブリダイズ前の材料とのインキュベーションは、蛍光のさらなる増加を示さなかった。
上記に記載された様々な実施形態を組み合わせて、さらなる実施形態を提供することができる。本出願で参照されている、及び/又は2020年11月25日に出願された米国仮特許出願第63/118,544号を含む出願データシートに列挙されている、すべての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国の特許、外国の特許出願、及び非特許出版物は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。実施形態の態様は、様々な特許、出願、公開の概念を用いてなおさらに実施形態を提供することが必要である場合には、修正することができる。
これら、及び他の変更を、上記に詳述された記載を踏まえて実施形態に行うことができる。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を、本明細書及び特許請求の範囲に開示されている具体的な実施形態に限定するものと解釈されるべきではなく、そのような特許請求の権利が付与された均等物の包括的範囲とともに、すべての可能な実施形態を含むものと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は本開示によって制限されない。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
【配列表】
2023550791000001.app
【国際調査報告】