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特表2023-550803容器と、容器に取り付けられる閉栓装置とを含むアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-05
(54)【発明の名称】容器と、容器に取り付けられる閉栓装置とを含むアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B65D 55/16 20060101AFI20231128BHJP
   B65D 47/08 20060101ALI20231128BHJP
   B65D 41/34 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
B65D55/16
B65D47/08 110
B65D41/34 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532132
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(85)【翻訳文提出日】2023-06-29
(86)【国際出願番号】 EP2021083150
(87)【国際公開番号】W WO2022112495
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】20383031.0
(32)【優先日】2020-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522294660
【氏名又は名称】ベタパック、エス・エー・ユー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベロア・ガルシア、ザビアー
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084BA02
3E084DB03
3E084DB12
3E084FA02
3E084FB01
3E084GA01
3E084GA06
3E084GB06
3E084JA15
3E084JA16
3E084KA12
3E084KA20
3E084LA18
3E084LB02
3E084LD01
(57)【要約】
本発明は、-締付カラーが取り付けられた首部から成る容器と、-閉栓装置であって、下側リング(9)と、キャップ(1)と、キャップ(1)を下側リング(9)に接続する関節結合装置(10)と、キャップ(1)を傾斜した開放位置にロックするように構成されるロック装置であって、ストリップ(23)と、下端リング(9)から軸方向に突出する突出部(24)とから成り、キャップ(1)が傾斜した開放位置にあるときに突出部(24)がストリップ(23)とロックする締付カラーとの間に保持されるようにストリップ(23)及び突出部(24)が構成される、ロック装置と、を含む閉栓装置と、を含むアセンブリに関する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-首部(2)が取り付けられた容器であって、前記首部(2)が、分配孔(3)と、前記首部(2)に設けられ軸Xを中心に回転する螺旋ねじ山(6)と、締付カラー(5)とから成る、容器と、
-閉栓装置と、
から成り、前記閉栓装置は、
-前記首部(2)に軸方向で取り付けられ、前記軸Xを中心に前記首部(2)上で回転移動可能な下側リング(9)であって、前記下側リング(9)の内側に向けて径方向に突出するとともに前記下側リング(9)を前記容器の前記首部(2)上に軸方向で保持するために前記締付カラー(5)の下方に配置される係合要素(18)から成る第1のセクション(16)と、第2のセクション(17)とから成り、前記第2のセクション(17)が前記締付カラー(5)の下方に配置されるようになっている下降位置と、前記第2のセクション(17)が前記締付カラー(5)の上方に少なくとも部分的に配置される上昇位置との間で前記第2のセクション(17)が前記第1のセクション(16)に対して回転するように、前記下側リング(9)の前記第1のセクション(16)及び前記第2のセクション(17)が互いに関節結合される、下側リング(9)と、
-上壁(13)と外周スカート(14)とを含むキャップ(1)であって、前記外周スカート(14)が螺旋ねじ山(7)を有し、該螺旋ねじ山(7)が、前記首部(2)の前記螺旋ねじ山(6)と協働して、閉鎖位置と前記キャップ(1)の前記螺旋ねじ山(7)がもはや前記首部(2)の前記螺旋ねじ山(6)と係合しない解放位置との間での前記キャップ(1)の移動を可能にするようになっている、キャップ(1)と、
-前記外周スカート(14)と前記第2のセクション(17)とを接続する2つのシート(11,12)から成るとともに、前記解放位置と前記キャップ(1)が前記首部(2)の前記オリフィス(3)から解放される傾斜した開放位置との間で前記キャップ(1)が回動できるようにするべく構成される関節結合装置(10)であって、前記キャップ(1)が前記傾斜した開放位置にあるときに前記下側リング(9)の前記第2のセクション(17)が前記下降位置に位置されるのに適している、関節結合装置(10)と、
を含み、
前記閉栓装置は、前記キャップ(1)を前記傾斜した開放位置にロックするように構成されるロック装置を更に備え、前記ロック装置は、
-前記関節結合装置(10)の前記2つのシート(11,12)間で前記外周スカート(14)から軸方向に突出するとともに、径方向外側に突出するストリップ(23)から成るヒール(22)と、
-前記関節結合装置(10)の前記2つのシート(11,12)間で、前記下側リング(9)の前記第2のセクション(17)から軸方向に突出する突出部(24)と、
を備え、
前記ストリップ(23)及び前記突出部(24)は、前記キャップ(1)がその傾斜した開放位置にあって前記下側リング(9)の前記第2のセクションが前記下降位置にあるときに前記突出部(24)が前記ストリップ(23)と前記締付カラー(5)との間に保持されるように構成される、
アセンブリ。
【請求項2】
1>L-e2であり、ここで、
L:前記キャップ(1)が前記閉鎖位置にある初期状態の前記シート(11,12)の長さ、
e1:前記キャップ(1)が前記傾斜した開放位置にあるときに前記突出部(24)と接触するようになっている前記ストリップ(23)の接触領域と、前記シート(11,12)の上端を通る直線と前記シート(11,12)の互いに対する対称面(P)との間の交差部との間の径方向距離、及び、
e2:前記キャップ(1)が前記傾斜した開放位置にあるときに前記ストリップ(23)と接触するようになっている前記突出部(24)の接触領域と、前記シート(11,12)の下端層を通過する直線と前記対称面(P)との間の交差部との間の径方向距離、
である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
e1>L-e2+e3+e4であり、ここで、
e3:軸Xに対して径方向で且つ前記対称面Pに内接する方向に沿う前記下側リング(9)と前記首部(2)との間の径方向隙間、及び、
e4:前記突出部24と前記締付カラー(5)との間の径方向隙間、
である、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
e1=L-e2+e3+e4+Δであり、Δは0.05から2mmの間に含まれる、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記突出部(24)が前記外周スカート(14)の下限を超えて突出する、請求項1から4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記下側リング(9)の前記第1のセクション(16)は、前記第2のセクション(17)とは正反対にある前方領域と、前記第1のセクション(16)の前記前方領域と前記第2のセクション(17)との間にそれぞれ配置される2つの締め付け領域とから成り、前記係合要素は、前記第2のセクション(17)が前記下降位置と前記解放位置との間で移動する間に前記締付カラー(5)の両側で前記第2のセクション(17)の一部の通過を容易にするべく前記下側リング(9)の適切な径方向移動を可能にするために、2つの係合領域内にのみ配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記シート(11,12)及び前記ロック装置は、前記閉鎖位置と前記傾斜した開放位置との間での前記キャップ(1)の回動動作中に、中間不安定位置まで増大した後に前記中間不安定位置から前記傾斜した開放位置に向かって減少する張力を弾性の前記シート(11,12)が受けるように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記閉栓装置が一体成形される、請求項1から7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記下側リング(9)は、脆弱なブリッジによって前記外周スカート(14)に接続される、請求項1から8のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記キャップ(1)がその傾斜した開放位置にあって前記下側リング(9)の前記第2のセクション(17)が前記下降位置にあるときに、前記キャップ(1)の開放角度が120°よりも大きい、請求項1から8のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器と閉栓装置とを含むアセンブリに関し、閉栓装置は、キャップを備えるとともに、前記キャップを容器の首部に取り付けたままにすることができるようにし、それにより、キャップを完全に紛失することを防止する。
【背景技術】
【0002】
最新技術では、容器の首部に取り付けられるキャップを保管できるようにする閉栓装置が知られている。そのような閉栓装置は、例えば、欧州特許第1406820号明細書又は米国特許出願公開第2018086510号明細書に記載されている。
【0003】
閉栓装置は、容器の首部に保持されるようになっている下側リングと、容器のオリフィスを覆ってそれをシールするようになっているキャップと、キャップを下側リングに連結する2つの弾性シートと、キャップを傾斜した開放位置にロックするように位置されるロック装置とから成る。
【0004】
そのような閉栓装置は十分に満足できるものではない。特に、このキャップは、容器の首部に掛止されるようになっており、他のタイプの首部に適合され得ない。更に、キャップの閉鎖位置と傾斜した開放位置との間での移動は、使用され得るキャップ及び/又は首部の高さを制限する単純な回動動作である。これは、前記閉栓装置の用途を制限する。特に、そのような閉栓装置は、炭酸飲料を受けるようになっている容器に適していない。これは、このタイプの容器内に広がる圧力がキャップの望ましくない開放をもたらすからである。
【0005】
更に、ロック装置は、全てのタイプのキャップに適合されるわけではなく、例えばねじ付きキャップの傾斜した開放位置を維持するのに十分な信頼性を保証しない。
【発明の概要】
【0006】
本発明に基づく着想は、容器と、容器の首部にねじ込むのに適した容器の首部に取り付けられたキャップを備える閉栓装置とを備えるアセンブリであって、
-容器の内容物の排出を妨げない傾斜した開放位置でキャップを確実にロックできるようにし、
-製造が簡単な、
アセンブリを提供することである。
【0007】
一実施形態によれば、本発明は、
-首部を備えた容器であって、首部が、分配オリフィスと、首部上に設けられる軸Xを中心に回転する螺旋ねじ山と、締付カラーとを備える、容器と、
-閉栓装置であって、
-首部に軸方向で取り付けられるとともに、前記軸Xを中心に首部上で回転移動可能な下側リングであって、下側リングの内側に向けて径方向に突出するとともに下側リングを容器の首部上に軸方向で保持するために締付カラーの下方に配置される係合要素から成る第1のセクションと、第2のセクションとを備え、第2のセクションが締付カラーの下方に配置される下降位置と、第2のセクションが締付カラーの上方に少なくとも部分的に配置される上昇位置との間で第2のセクションが第1のセクションに対して回転するように、下側リングの第1のセクション及び第2のセクションが互いにヒンジ結合される、下側リングと、
-上壁と外周スカートとを含むキャップであって、外周スカートが螺旋ねじ山を有し、該螺旋ねじ山が、首部の螺旋ねじ山と協働して、閉鎖位置とキャップの螺旋ねじ山がもはや首部の螺旋ねじ山と係合しない解放位置との間でのキャップの移動を可能にするようになっている、キャップと、
・外周スカートと第2のセクションとを接続する2つのシートから成るとともに、解放位置とキャップが首部のオリフィスから解放される傾斜した開放位置との間でキャップが回動できるようにするべく構成される関節結合装置であって、キャップが傾斜した開放位置にあるときに下側リングの第2のセクションが下降位置に位置されるのに適している、関節結合装置と、
とを含む、閉栓装置と、
を含み、
閉栓装置は、キャップが傾斜した開放位置にあるときにキャップをロックするように構成されるロック装置を更に備え、前記ロック装置は、
・関節結合装置の2つのシート間で外周スカートから軸方向に突出するとともに、径方向外側に突出するストリップから成るヒールと、
・関節結合装置の2つのシート間で下側リングの第2のセクションから軸方向に突出する突出部と、
を備え、
・ストリップ及び突出部は、キャップが傾斜した開放位置にあって下側リングの第2のセクションが下降位置にあるときに、突出部がストリップと締付カラーとの間で締め付けられるように構成される、
キットを提供する。
【0008】
そのような構成のおかげで、ロック装置は、傾斜した開放位置にあるキャップの大きな角度を伴う強固なロックを保証する。更に、容器の首部に当接するように構成されるストリップから成るロック装置に関して、提案された構成は、ストリップの径方向寸法を制限できるようにする。これは、閉栓装置が容器上で作動される前にコンベヤ上で搬送される瓶詰作業の信頼性及び性能を径方向寸法が大きすぎるストリップが損なう可能性がある限り、特に有利である。
【0009】
他の有利な実施形態によれば、そのようなアセンブリは、以下の特徴のうちの1つ以上を有することができる。
【0010】
一実施形態によれば、ストリップ及び突出部は、キャップが傾斜した開放位置にあって下側リングの第2のセクションが下降位置にあるときにストリップ及び突出部が締付カラーの平面内に位置される領域において互いに接触するように構成される。
【0011】
一実施形態によれば、e1>L-e2であり、ここで、
L:キャップが閉鎖位置にある初期状態のシートの長さ、
e1:キャップが傾斜した開放位置にあるときに突出部と接触するようになっているストリップの接触領域と、シートの上端を通る直線とシートの互いに対する対称面との間の交差部との間の径方向距離、及び、
e2:キャップが傾斜した開放位置にあるときにストリップと接触するようになっている突出部の接触領域と、シートの下端を通過する直線と対称面Pとの間の交差部との間の径方向距離、
である。
【0012】
一実施形態によれば、e1>L-e2+e3+e4であり、ここで、
e3:軸Xに対して径方向で且つ対称面Pに内接する方向に沿う下側リングと首部との間の径方向隙間、及び、
e4:突出部と締付カラーとの間の径方向隙間、
である。
【0013】
一実施形態によれば、e1=L-e2+e3+e4+Δであり、Δは0.05から2mmの間に含まれる。
【0014】
一実施形態によれば、突出部は、外周スカートの下限を超えて突出する。
【0015】
一実施形態によれば、下側リングの第1のセクションは、第2のセクションとは正反対にある前方領域と、第1のセクションの前方領域と第2のセクションとの間にそれぞれ配置される2つの係合領域とを含み、係合要素は、第2のセクションが下降位置と解放位置との間で移動する間に締付カラーの両側で第2のセクションの一部の通過を容易にすることができる下側リングの径方向移動を可能にするために、2つの領域内にのみ配置される。このようにして、第2のセクションが下降位置と上昇位置との間で移動できるようにするために下側リングに及ぼされる張力がより小さくなり、これにより、閉栓装置の使用が容易になる。
【0016】
一実施形態によれば、第2のセクションが係合要素を有さない。
【0017】
一実施形態によれば、第1のセクションの前方領域が係合要素を欠く。
【0018】
一実施形態によれば、係合要素は、径方向内側に突出する突起である。
【0019】
一実施形態によれば、第2のセクションは、90°~180°の角度範囲にわたって延在する。
【0020】
一実施形態によれば、第2のセクションの前方領域は、40°~150°の角度範囲にわたって延在する。
【0021】
一実施形態によれば、2つの係合領域のそれぞれは、10°~90°の角度範囲にわたって延在する。
【0022】
一実施形態によれば、第1のセクション及び第2のセクションは、第2のセクションが第1のセクションに対して関節結合できるようにするために、下側リングが径方向の厚さの減少を局所的に呈する2つの薄くされた領域によって互いに分離される。
【0023】
他の実施形態によれば、下側リングは、第1のセクションに対する第2のセクションの回動を可能にするのに十分に薄い厚さを有し、それにより、第1のセクション及び第2のセクションは、2つの薄くされた領域によって互いに分離されない。
【0024】
一実施形態によれば、外周スカートが切り欠き部を含み、弾性シートは、前記切り欠き部において前記外周スカートに取り付けられる。そのような構成によれば、キャップと下側リングとの間に形成されて塵埃の通過を許容し易い隙間の寸法を制限しつつ、十分な長さの弾性シートを提供することができる。
【0025】
一実施形態によれば、下側リングは、脆弱なブリッジによって外周スカートに接続される。
【0026】
一実施形態によれば、閉栓装置は一体に成形される。
【0027】
一実施形態によれば、シート及びロック装置は、解放位置と傾斜した開放位置との間でのキャップの回動動作中に、中間不安定位置まで増大した後に前記中間不安定位置から傾斜した開放位置に向かって減少する張力を弾性シートが受けるように構成される。
【0028】
一実施形態によれば、キャップがその傾斜した開放位置にあって下側リングの第2のセクションが下降位置にあるときに、キャップの開放角度は、120°よりも大きく、好適には145°以上であり、例えば180°程度である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明は、添付図面を参照して、限定ではなく例示としてのみ提供される、本発明の様々な特定の実施形態の以下の説明の間に、より良く理解され、その他の目的、詳細、特徴及び利点がより明らかになる。
【0030】
図1】容器の首部に装着された閉栓装置の後方4分の3斜視図である。
図2図1の閉栓装置を受けるようになっている容器首部の断面図である。
図3】容器の首部に装着された閉栓装置の側面図であり、もはや容器の首部と係合していない解放位置にある閉栓装置のキャップを示す。
図4】閉栓装置の下端リングから径方向内側に突出する係合要素の詳細図である。
図5】容器の首部に装着された閉栓装置の斜視図であり、キャップが首部のオリフィスから解放される傾斜した開放位置にある閉栓装置のキャップを示す。
図6】容器の首部に装着された閉栓装置の断面図であり、キャップが首部オリフィスから解放される傾斜した開放位置にある閉栓装置のキャップを示す。
図7】ロック装置を詳細に示す図1の拡大図である。
図8】キャップ及びストリップの概略断面図である。
図9】下側リング及び突出部の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
説明及び図において、軸Xは、閉栓装置のキャップ1が容器の首部2にねじ込まれるときのキャップ1の回転軸に対応する。慣例により、「径方向」の向きは軸Xに直交して方向付けられ、軸方向の向きは軸Xと平行に方向付けられる。「外部」及び「内部」という用語は、例えば軸Xを基準にして、一方の要素の他方の要素に対する相対位置を規定するために使用され、したがって、軸Xに近い要素は、径方向外周に位置された外部要素とは対照的に内部と見なされる。
【0032】
「上側」及び「下側」という用語は、首部2のオリフィス3が上方に向けられ、キャップ1が容器の首部2上の閉鎖位置にあり、下側に配置されるようになっている要素が下側と称され、より高い位置に配置されるようになっている要素が上側と称されるような姿勢に関連して、一方の要素の他方の要素に対する相対位置を規定するために使用される。「前方」及び「後方」という用語は、軸Xに対して垂直な直径に沿った一方の要素の他方の要素に対する相対位置を規定するために使用される。
【0033】
図1図6を参照して、特に図1に示される閉栓装置と、特に図2に示される首部2を装備した容器とを備えるアセンブリが以下に説明される。
【0034】
図2に示されるように、容器の首部2は、容器の内容物を注ぎ出すことができるようにするオリフィス3が形成される上端を有する。容器の首部2は、径方向外側に突出する支持カラー4と、同じく径方向外側に突出して軸方向で支持カラー4とオリフィス3との間に配置される締付カラー5とを含む。一方、首部2は、軸方向で締付カラー5とオリフィス3との間に位置された螺旋ねじ山6を含み、この螺旋ねじ山6は、首部2の外面から径方向外側に突出する一連の螺旋リブによって形成される。螺旋ねじ山6は、閉栓装置のキャップ1に形成される一連の螺旋リブによって形成された、特に図5に示される相補的な螺旋ねじ山7と協働するようになっている。
【0035】
一実施形態によれば、首部2に形成された螺旋ねじ山6、並びにキャップ1に形成された螺旋ねじ山7は中断される。言い換えれば、隣接する螺旋リブは、通気口を形成して特にキャップ1が首部2に取り付けられたままで容器内のガスを排出できるようにする空間によって分離される。
【0036】
閉栓装置は、容器の首部2上に保持される下側リング9と、容器のオリフィス3を覆って容器をシールするようになっているキャップ1と、キャップ1を下側リング9に接続する関節結合装置10とを含む。キャップ1は、図1に示される閉鎖位置と、キャップ1がもはや首部2と係合していない図3に示される解放位置との間で移動可能である。また、キャップ1は、解放位置から図5及び図6に表される傾斜した開放位置に向かって傾斜するのに適しており、この場合、キャップ1は、容器の内容物の注ぎ出しを妨げないように首部2のオリフィス3から取り外される。また、閉栓装置は、キャップ1を傾斜した開放位置にロックするように構成されるロック装置も含む。
【0037】
特に図1に示されるように、キャップ1は、軸Xに実質的に直交して配置されるようになっている上壁13を含み、この上壁13は、前記キャップ1が閉鎖位置にあるときに首部2のオリフィス3に面する。キャップ1は、キャップ1が閉鎖位置にあるときに容器の首部2を取り囲むようになっている外周スカート14を更に含む。外周スカート14は、前記上壁13の外周から、上壁13に対して垂直下方に延在する。外周スカート14の内面には、螺旋ねじ山7が設けられる。
【0038】
特に図5及び図6に示されるように、キャップ1は、キャップ1の上壁13から垂直下方に延在して首部2のオリフィス3の内側に挿入されるように寸法付けられる内部スカート8も含む。また、キャップ1は、上壁13から、内部スカート8と外周スカート14との間で径方向に延在する環状リップ15も含む。内部スカート8及び環状リップ15は、キャップ1が閉鎖位置にあるときに、容器の首部2内で、内部スカート8が首部2の内面と接触する一方で環状リップ15が首部2の外面と接触するように寸法付けられる。したがって、内部スカート8及び環状リップ15は、閉鎖体の気密性を保証できるようにする。
【0039】
好適には、下側リング9は、容器の最初の開放前に、キャップ1の開放中に壊れるように意図された図示ない脆弱なブリッジによってキャップ1に接続される。したがって、これらの脆弱なブリッジは、不正開封防止シールを構成する。
【0040】
下側リング9は、軸Xを中心として容器の首部2に対して回転することができる限り、容器の首部2上に軸方向で保持される。図1図3及び図4に示されるように、下側リング9は、互いにヒンジ結合される2つの部分、すなわち、第1のセクション16及び第2のセクション17を含み、これらのセクションによって下側リング9が関節結合装置10を用いてキャップ1に接続される
一実施形態によれば、下側リング9が2つの幅狭領域を含み、すなわち、この幅狭領域の径方向厚さは、前記幅狭領域の外側の下側リング9の径方向厚さよりも小さい。2つの幅狭領域は、第1のセクション16と第2のセクション17とを画定する。したがって、幅狭領域は、第2のセクション17を第1のセクション16に対して関節結合できるようにする回動軸を形成する。他の実施形態によれば、下側リング9は、第1のセクション16及び第2のセクション17を画定する幅狭領域を有さない。
【0041】
図3に示されるように、第2のセクション17は、第2のセクション17が締付カラー5の下方に配置されるようになっている下降位置と、第2のセクション17が締付カラー5の上方に少なくとも部分的に配置される上昇位置との間で、第1のセクション16に対して上方に回動することができる。これにより、キャップ1の螺旋ねじ山7が容器の首部2に形成された螺旋ねじ山6から外れるまで、キャップ1が容器の首部2に対して上方に移動することができる。換言すれば、キャップ1のねじが緩められると、下側リング9は、下側リング9の第2のセクション17が第1のセクション16に対して上昇位置まで回転する間に軸Xを中心とした回転で引っ張られ、キャップ1の上方への、閉鎖位置から図3に示される解放位置への軸方向移動が可能となる。キャップ1が解放位置から傾斜した開放位置に向かって回転すると、下側リング9の第2のセクション17は、第1のセクション16に対して反対方向に回転した後、下降位置に戻る。一方、以下により詳細に説明するように、キャップ1が傾斜した開放位置から解放位置に回転すると、第2のセクション17も第1のセクション16に対して下降位置から上昇位置に回転する。
【0042】
下側リング9は、締付カラー5によって容器の首部2上に軸方向で保持される。図2に示されるように、締付カラー5は、上方に向けて、すなわち、容器のオリフィス3へ向かう方向で先細る円錐台形状の外面を有する。締付カラー5は、下方に向けて、すなわち、オリフィス3とは反対の方向で突起を画定する。
【0043】
図4に示されるように、下側リング9の第1のセクション16は、下側リング9を容器の首部2に軸方向で保持するために、容器に形成された締付カラー5と協働する係合要素18を含む。係合要素18は、下側リング9の第1のセクション16から径方向内側に突出する突起である。係合要素18は、下から上に向かって、すなわち、下側リング9の上縁の方向で増大する径方向寸法を有する。容器の首部2上への閉栓装置の組み付け中、係合要素18は、締付カラー5の円錐台表面に当て付いて摺動した後に締付カラー5の背後のばね戻り部によってロックされる。
【0044】
下側リング9の第1のセクション16は、下側リング9の第2のセクション17とは正反対の側にある前方領域19と、そのうちの一方が図4に示される2つの係合領域20とから成り、これらの係合領域は、前方領域19の両側に配置され、それぞれが下側リング9の前方領域19と第2のセクション17との間に配置される。一実施形態によれば、係合要素18は、2つの係合領域20、21にのみ配置される。このようにして、第1のセクション16の前方領域に係合要素18が存在しないため、下側リング9と首部2との間には、下側リング9が前方から後方に及びその逆に移動できるようにする径方向隙間(以下、e4と呼ぶ)がある。前後方向に応じた下側リング9と首部2との間の径方向隙間e4は、例えば0.5mm~1mmである。これは、下降位置と上昇位置との間の第2のセクション17の移動中に、締付カラー5の両側で第2のセクション17の一部の通過を容易にする。言い換えれば、第2のセクション17が締付カラー5の各側を通過できるようにするために下側リング9に及ぼされる張力はより小さい。
【0045】
図示の実施形態において、関節結合装置10は、キャップ1、より詳細にはキャップ1の外周スカート14を、下側リング9、より詳細には下側リング9の第2のセクション17と接合する、特に図4に見られる2つのシート11、12を含む。シート11、12は、垂直であり且つ軸Xを通過する図8及び図9に表される対称面Pに関して互いに対称である。
【0046】
図1に戻ると、シート11、12が歯付き部分で外周スカート14に取り付けられるのが分かる。同様に、シート11、12は、好適には、歯付き部分において下側リング2の第2のセクション17に取り付けられる。言い換えると、シート11、12は、外周スカート9の下限のほぼ上方で延在し、下側リング3の上限のほぼ下方で延在する。
【0047】
ロック装置は、特に図1図5及び図6に見られるように、キャップ1の外周スカート14上に形成されるヒール22を含む。ヒール22は、キャップ1の外周スカート14から、軸方向下方に、すなわち、下側リング9の方向に突出する。両シート11,12間にはヒール22が突出する。ヒール22は、2つのシート11、12間に周方向で延在してヒール22から径方向外側に突出するストリップ23から成る。
【0048】
ロック装置は、下側リング9の第2のセクション17から、軸方向上方に、すなわち、キャップ1の外周スカート14に向かって突出する突出部24から成る。突出部24は、2つのシート11,12間にも突出する。
【0049】
図5及び図6に示されるように、ストリップ23及び突出部24は、キャップ1が傾斜した開放位置にあるときに突出部24がストリップ23と締付カラー5との間に挿入されて設けられるように配置される。言い換えれば、キャップが傾斜した開放位置にあるときに、ストリップ23及び突出部24は、締付カラー5の平面内に位置される領域で互いに接触し、突出部24も締付カラー5に対して接触する。
【0050】
図8及び図9にそれぞれ示されるように、突出部24とのストリップ23の接触領域は、シート11、12の上端を通る直線と対称面Pとの間の交差部から径方向距離e1を隔てて配置され、ストリップ23との突出部24の接触領域は、シート11、12の下端を通る直線と対称面Pとの間の交差部から径方向距離e2を隔てて配置される。
【0051】
寸法e1は、e1>L-e2のようになっており、Lは、キャップが閉鎖位置にあるときの初期状態におけるシート11、12の長さである。これにより、キャップ1が傾斜した開放位置にあるときに、ストリップ23が突出部24に接触し、シート11、12が張力を受けるようになる。
【0052】
更に、e1>L-e2+e3+e4であり、この場合、e3:突出部24と締付カラー5との間の径方向隙間、及びe4:順方向/逆方向、すなわち、軸Xに対して径方向で且つ対称面Pに内接する方向に沿う下側リング9と首部2との間の径方向隙間である。好ましくは、e1=L-e2+e3+e4+Δであり、Δは、0.05~2mmであり、キャップ1が傾斜した開放位置にあるときに突出部24が締付カラー5に接触するように決定される。
【0053】
一方、図7に示されるように、キャップ1が傾斜した開放位置にあるとき、ストリップ23の接触面の上縁は、シート11、12の上端よりも軸方向下方で距離d1を隔てて延在し、突出部24の上縁は、シート11、12の下端よりも軸方向上方で距離d2を隔てて延在し、締付カラー5の上縁は、シート11、12の下端よりも軸方向上方で距離d3を隔てて延在する。好適には、距離d1はd2及びd3未満である。
【0054】
キャップ1の運動学は以下の通りである。最初のねじを緩める間、キャップ1は、閉鎖位置を離れ、図3に示される解放位置まで下側リング9から離れる。脆弱なブリッジは、この移動中に破損する。更に、キャップ1のこのねじを緩める動きの間、下側リング9は軸Xを中心とした回転で引っ張られ、下側リング9の第2のセクション17は、キャップ1が締付カラー5から離れるにつれて上昇位置に向かって回転する。
【0055】
続いて、キャップ1は、外周スカート14が上壁13から上方に延在する傾斜した開放位置の方向で後方に回転することができる。キャップ1がその傾斜した開放位置の方向で後方に移動する間、ストリップ23は、突出部24と当接し、したがって、上昇位置から下降位置に回動する下側リング9の第2のセクション17の回動を引き起こす。
【0056】
阻止装置の前述の特徴と共にシート11、10を伸張させる可能性は、図3に表される解放位置と、図4及び図5に表される傾斜した開放位置との間のキャップ1の傾斜中に硬質点を形成できるようにする。言い換えれば、シート11、12並びにロック装置は、キャップ4が解放位置から傾斜した開放位置に向かって移動する最初の部分の間に、2つの弾性シート28、29が、突出部24上のストリップ23の支持により、中間不安定位置まで増大した後に前記中間不安定位置から傾斜した開放位置に向かって減少する張力を受けるように構成される。これにより、キャップ1を傾斜した開放位置でロックすることができる。
【0057】
図5及び図6に示されるように、下側リング9の第2のセクション17が下降位置にあってキャップ1がその傾斜した開放位置にあるとき、ストリップ23は、このようにして前記ストリップ23と締付カラー5との間に挿入される突出部24と当接する。
【0058】
このようにして、前述の構成のために、キャップ1が分配オリフィス3に面する解放位置に向かってキャップ1が回転することができず、一方、下側リング9の第2のセクション17が下降位置に留まるので、キャップ1はその傾斜した開放位置に留まる。
【0059】
好適には、キャップ1がその傾斜した開放位置にあって下側リング9の第2のセクション17が下降位置にあるとき、キャップ1の開放角度は、120°よりも大きく、好適には145°以上であり、例えば180°程度である。開放角度は、キャップ1の上壁13と平行な平面と水平面との間の交差部に形成される突出角度セクションに相当する。
【0060】
キャップ1を再び閉じるには、ユーザはキャップ1を解放位置まで前方に傾ける。この傾斜の間、ストリップ23と突出部24との間の接触がなくなり、これにより、下側リング9の第2のセクション17が上昇位置に向かって移動することが可能になる。
【0061】
第2のセクション17が上昇位置にあってキャップ1が解放位置にあるとき、前記キャップ1を元の容器の首部2にねじ込むことができる。ねじ込み中、下側リング9はX軸を中心に回転駆動され、下側リング9の第2のセクション17は、キャップ1が締付カラー5に近づくにつれて下降位置に向かって回転する。
【0062】
好適には、閉栓装置アセンブリは、ポリエチレン及び好適には高密度ポリエチレンなどの合成材料で作られた単一部品に成形される。好適には、閉栓装置は、図1の構成で、すなわち閉鎖位置で成形され、この位置で容器の首部2に直接に装着され得る。
【0063】
本発明を幾つかの特定の実施形態に関連して説明してきたが、本発明は決してそれらの実施形態によって限定されず、記載された手段の全ての技術的等価物、並びにそれらが特許請求の範囲によって規定される発明の範囲内にある場合にはそれらの組み合わせを含むことはこの上なく明らかである。
【0064】
動詞「から成る」、「備える」又は「含む」及びその活用形の使用は、請求項で確立されたもの以外の他の要素又は段階の存在を排除しない。
【0065】
特許請求の範囲において、括弧の中のいかなる参照符号も、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】