(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-05
(54)【発明の名称】電子デバイスを試験するための大型プローブカードおよび関連する製造方法
(51)【国際特許分類】
G01R 1/073 20060101AFI20231128BHJP
G01R 1/067 20060101ALI20231128BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20231128BHJP
【FI】
G01R1/073 E
G01R1/067 G
G01R31/26 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532265
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 EP2021083115
(87)【国際公開番号】W WO2022112479
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】102020000028838
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519046085
【氏名又は名称】テクノプローベ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マジョーニ、フラビオ
【テーマコード(参考)】
2G003
2G011
【Fターム(参考)】
2G003AA10
2G003AG03
2G003AG04
2G003AH05
2G011AA17
2G011AB04
2G011AB07
2G011AB08
2G011AE03
2G011AF07
(57)【要約】
本明細書には、被試験デバイス(DUT)の機能性試験のためのプローブカード(20)を製造するための方法が開示され、当該方法は、プローブカード(20)をインターフェース接続するように構成されたインターフェースボード(22)を試験装置に提供する工程と、補強材(21)を提供する工程と、材料の少なくとも1つのモノブロックの形状であるインターポーザ(23)を補強材(21)に接続する工程と、インターポーザ(23)の少なくとも1つのモノブロックを補強材(21)に接続した後に所定のパターンに従って切断する工程であって、それによって、独立して互いに分離されている複数のモジュール(23m)を画定する工程と、インターフェースボード(22)を補強材(21)に連結する工程と、プローブヘッド(50)をインターポーザ(23)に連結する工程と、を含み、プローブヘッド(50)は、インターポーザ(23)を被試験デバイス(DUT)のコンタクトパッド(P)に電気的に接続するように構成された複数のコンタクト要素(51)を備える。上記方法によって得られたプローブカード(20)も本明細書に記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験デバイス(DUT)の機能性試験のためのプローブカード(20)を製造するための方法であって、前記方法が、
前記プローブカード(20)を試験装置にインターフェース接続するように構成されたインターフェースボード(22)を設ける工程と、
補強材(21)を設ける工程と、
材料の少なくとも1つのモノブロックの形状であるインターポーザ(23)を前記補強材(21)に接続する工程と、
前記インターポーザ(23)の前記少なくとも1つのモノブロックを、前記補強材(21)に接続した後に所定のパターンに従って切断する工程であって、それにより、前記少なくとも1つのモノブロックから開始して、独立して互いに分離されている複数のモジュール(23m)を画定する、工程と、
前記インターフェースボード(22)を前記補強材(21)に連結する工程と、
プローブヘッド(50)を前記インターポーザ(23)に連結する工程であって、前記プローブヘッド(50)が、前記インターポーザ(23)を前記被試験デバイス(DUT)のコンタクトパッド(P)に電気的に接続するように構成された複数のコンタクト要素(51)を備える、工程と、を含む方法。
【請求項2】
前記補強材(21)が、第1の補強材部分(21’)および第2の補強材部分(21”)を備え、前記方法が、
前記インターフェースボード(22)を前記第1の補強材部分(21’)と前記第2の補強材部分(21”)との間に配する工程、を含み、
前記インターポーザ(23)が前記第2の補強材部分(21”)に接続される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記インターポーザ(23)の切断が、レーザ切断、水切断、またはそれらの組み合わせによって実行される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記インターポーザ(23)の材料のモノブロックが、多層有機材料(MLO)によって形成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記インターポーザ(23)が、ネジ(26)または接着剤によって、好ましくはネジ(26)によって前記補強材(21)に固定される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が、クリアランス(22c)を有する接続要素によって前記インターフェースボード(22)を前記補強材(21)に連結する工程を含み、前記クリアランス(22c)を有する前記接続要素が、前記補強材(21)との前記インターフェースボード(22)のフローティング連結を作るように、前記インターフェースボード(22)に形成された複数のそれぞれの受座(22s)内にフローティングして収容されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、前記第2の補強材部分(21”)に複数の収容受座(24)を画定する予備工程を含み、前記収容受座(24)の数が、それぞれの収容受座(24)に配される、前記インターポーザ(23)の複数のモジュール(23m)のモジュール数と同じである、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、前記インターポーザ(23)の材料のモノブロックを成形して、前記モノブロックに複数の突部(23p)を形成する、予備工程を含み、前記突部(23p)が、前記材料のモノブロックを切断する前に、前記第2の補強材部分(21”)の対応する収容受座(24)に収容される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法が、複数の電気接続要素(25)を前記収容受座(24)に挿入する工程を含み、前記電気接続要素(25)が、前記インターポーザ(23)の前記複数のモジュール(23)の各モジュールを前記インターフェースボード(22)に電気的に接続するように構成されている、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
インバー、コバール、合金42またはFeNi合金、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールの中から補強材(21)の材料を選択する工程を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記プローブヘッド(50)が、少なくとも、
前記コンタクト要素(51)を少なくとも部分的に収容するように構成された収容要素(55)を設ける工程と、
試験中に前記被試験デバイス(DUT)に面する前記収納要素(55)の下面(Fa’)に、下部ガイド(60)を配する工程と、
前記下面(Fa’)の反対側の前記収納要素(55)の上面(Fb’)に、上部ガイド(70)を配する工程と、
を介して製造され、
前記収納要素(55)は、前記下部ガイド(60)と前記上部ガイド(70)との間に介装され、前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)が、前記収納要素(55)に接続された少なくとも1つの単一のプレートの形状であり、
前記方法がさらに、
前記下部ガイド(60)または前記上部ガイド(70)の少なくとも1つを切断する工程であって、それにより、独立して互いに分離されている複数のガイド部分(60p、70p)を画定する、工程を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)を前記収納要素(55)に接着する予備工程を含み、前記方法がさらに、前記コンタクト要素(51)を収容するためのそれぞれのガイドホール(60h、70h)を前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)に形成する工程であって、接着および切断の工程の前に実施される、工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
被試験デバイス(DUT)の機能性試験のためのプローブカード(20)であって、前記プローブカード(20)が、
補強材(21)と、
前記補強材(21)に連結され、前記プローブカード(20)を試験装置にインターフェース接続するように構成された、インターフェースボード(22)と、
前記補強材(21)に接続されたインターポーザ(23)であって、独立して互いに分離されている複数のモジュール(23m)を備える、インターポーザ(23)と、を備え、
前記インターポーザ(23)の前記モジュール(23m)が、最初に前記補強材(21)に接続される、材料の少なくとも1つのモノブロックを切断することによって得られ、
前記プローブカード(20)がプローブヘッド(50)をさらに備え、前記プローブヘッド(50)が、前記インターポーザ(23)を前記被試験デバイス(DUT)のコンタクトパッド(P)に電気的に接続するように構成されている複数のコンタクト要素(51)を備える、プローブカード(20)。
【請求項14】
前記補強材(21)が、第1の補強材部分(21’)および第2の補強材部分(21”)を備え、前記インターフェースボード(22)が、前記第1の補強材部分(21’)と前記第2の補強材部分(21”)との間に配され、前記インターポーザ(23)が前記第2の補強材部分(21”)に接続される、請求項13に記載のプローブカード(20)。
【請求項15】
前記インターポーザ(23)が、多層有機材料(MLO)によって形成される、請求項13または14に記載のプローブカード(20)。
【請求項16】
前記コンタクト要素(51)が、第1の端部(51a)と、反対側の第2の端部(51b)との間で長手方向軸(H-H)に沿って延びる本体(51’)を備え、前記第1の端部(51a)が、前記被試験デバイス(DUT)の前記コンタクトパッド(P)に接触するように構成されており、前記第2の端部(51b)が、非固定的に前記インターポーザ(23)に接触するように構成されている、請求項13~15のいずれか1項に記載のプローブカード(20)。
【請求項17】
前記インターフェースボード(22)がプリント回路基板(PCB)である、請求項13~16のいずれか1項に記載のプローブカード(20)。
【請求項18】
前記インターポーザ(23)が、50~150個の範囲の多数のモジュールを備える、請求項13~17のいずれか1項に記載のプローブカード(20)。
【請求項19】
前記補強材(21)が、インバー、コバール、合金42またはFeNi合金、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールのうちの少なくとも1つで作られる、請求項13~18のいずれか1項に記載のプローブカード(20)。
【請求項20】
前記プローブカード(20)が、前記インターフェースボード(22)を前記補強材(21)に接続する傾向のあるクリアランス(22c)を有する接続要素を備え、前記クリアランス(22c)を有する前記接続要素が、前記インターフェースボード(22)に形成された複数のそれぞれの受座(22s)内にフローティングして収容されており、前記クリアランス(22c)を有する前記接続要素(22c)が、前記インターフェースボード(22)を前記補強材(21)にフローティング連結するように構成されている、請求項13~19のいずれか1項に記載のプローブカード(20)。
【請求項21】
前記複数のモジュール(23m)のうちの各モジュールが、少なくとも2つのネジ(26)によって前記第2の補強材部分(21”)に固定される、請求項14に記載のプローブカード(20)。
【請求項22】
前記第2の補強材部分(21”)が複数の収容受座(24)を備え、前記収容受座(24)の各々に、前記インターポーザ(23)の前記複数のモジュール(23m)のうちの対応するモジュールが収容される、請求項14に記載のプローブカード(20)。
【請求項23】
前記収容受座(24)に収容され、前記インターポーザ(23)と前記インターフェースボード(22)とを互いに電気的に接続するように構成されている、複数の電気接続要素(25)を備える、請求項22に記載のプローブカード(20)。
【請求項24】
各モジュール(23m)が、前記第2の補強材部分(21”)の前記複数の収容受座(24)のそれぞれの収容受座に挿入される突部(23p)を備える、請求項22に記載のプローブカード(20)。
【請求項25】
前記プローブヘッド(50)が、
前記コンタクト要素(51)を少なくとも部分的に収容するように構成された収容要素(55)と、
試験中に前記被試験デバイス(DUT)に面する前記収納要素(55)の下面(Fa’)に配された下部ガイド(60)と、
前記下面(Fa’)の反対側の前記収納要素(55)の上面(Fb’)に配された上部ガイド(70)と、を備え、
前記収納要素(55)は、前記下部ガイド(60)と前記上部ガイド(70)との間に介装され、
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)の少なくとも1つが、互いに分離された複数のガイド部分(60p、70p)に分割され、前記ガイド部分(60p、70p)が、前記ガイド部分(60、70)に接続された少なくとも1つの単一のプレートを切断することによって得られる、請求項13~24のいずれか1項に記載のプローブカード(20)。
【請求項26】
前記収納要素(55)が、インバー、コバール、合金42またはFeNi合金、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールのうちの少なくとも1つで作られる、および/または前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)がセラミック材料で作られる、請求項25に記載のプローブカード(20)。
【請求項27】
前記収納要素(55)が、内部アーム(59)によって画定された複数の収容受座(57)を備える、請求項25または26に記載のプローブカード(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体ウェーハ上に集積された電子デバイスを試験するためのプローブカード、特にメモリデバイス(たとえばDRAMなど)を試験するための大型プローブカード、および関連する製造方法に関し、以下の記載は、それらの説明を単純化するという唯一の目的で、この応用分野を参照してなされている。
【背景技術】
【0002】
周知のように、プローブカードは、本質的に、微細構造、特に半導体ウェーハ上に集積された電子デバイスの複数のコンタクトパッドを、その機能性試験を実施する試験装置の対応するチャネルに電気的に接続するように構成された電子デバイスである。
【0003】
この試験は、生産段階の早い段階で欠陥のある回路を検出して分離するのに有用である。したがって、通常、プローブカードは、ウェーハ上に集積された回路を切断して収納パッケージ内に組み込む前に、回路の試験に使用される。
【0004】
概して、プローブカードは、プローブヘッドを備え、ひいては、実質的にプレート形状で互いに平行である少なくとも1つのガイドまたは少なくとも一対のガイド(または支持体)によって保持された複数のコンタクトプローブを備える。上記ガイドは、適切なガイドホールを備え、上記ガイドホール内に摺動可能に収容されているコンタクトプローブの移動および考えられ得る変形のための自由空間または空隙を残すために、互いに一定の距離を置いて配される。一対のガイドは、特に、上部ガイドおよび下部ガイドを備え、その両方にそれぞれのガイドホールが設けられ、その中でコンタクトプローブが軸方向にスライドし、上記プローブは通常、良好な電気的および機械的特性を有する特殊合金で作られている。
【0005】
コンタクトプローブと被試験デバイスのコンタクトパッドとの間の良好な接続は、デバイス自体に対するプローブヘッドの圧力によって確保され、ここで、コンタクトプローブは、上記圧接中に、2つのガイド間の空隙内で曲がり、相対するガイドホール内でスライドする。このタイプのプローブヘッドは、一般的に「垂直プローブヘッド」と呼ばれている。
【0006】
実質的に、垂直プローブヘッドは、コンタクトプローブの曲がりが生じる空隙を有し、ここで、上記曲がりは、プローブ自体またはそのガイドの適切な構成によって促進され得る。
【0007】
例として、
図1は、参照番号15で全体的に示され、ひいては、それぞれのガイドホール4および5を有し、それらの中で複数のコンタクトプローブ6がスライドする、通常「上部ダイ」として示される少なくとも1つの上部プレート状支持体またはガイド2および通常「下部ダイ」として示される下部プレート状支持体またはガイド3を備えるプローブヘッド1を含む、既知のタイプのプローブカードを概略的に示している。
【0008】
各コンタクトプローブ6は、端部に、ウェーハ9上に集積されている被試験デバイスのコンタクトパッド8に当接する傾向があるコンタクトチップ7を有し、したがって、被試験デバイスと試験装置(図示せず)との間の機械的および電気的接触を実施し、上記プローブカード15は試験装置の端部要素である。
【0009】
図1に例示されるように、上部ガイド2および下部ガイド3は、空隙10によって適切に離間され、これにより、コンタクトプローブ6が変形することを可能にする。
【0010】
プローブヘッド1は垂直プローブヘッドであり、垂直プローブヘッドでは、前に見られたように、コンタクトプローブ6と被試験デバイスのコンタクトパッド8との間の良好な接続は、デバイス自体に対するプローブヘッドの圧力によって確保され、ここで、上部ガイド2および下部ガイド3に形成されたガイドホール4および5内で移動可能であるコンタクトプローブ6は、上記圧接中に、空隙10内で曲がり、上記ガイドホール内でスライドする。
【0011】
場合によっては、コンタクトプローブは、上部プレート状支持体でプローブヘッド自体にしっかりと固定され、このようなプローブヘッドは「ブロックされたプローブヘッド(blocked probe heads)」と呼ばれる。
【0012】
しかし、より頻繁に、ブロックされていない(すなわちしっかりと固定されていない)プローブを備えたプローブヘッドが使用され、プローブは、場合によってはマイクロコンタクトボードを介して、いわゆるボードにインターフェース接続されて保持されており、このようなプローブヘッドは、「ブロックされていないプローブヘッド(unblocked probe heads)」と呼ばれている。マイクロコンタクトボードは、プローブに接触するだけでなく、被試験デバイス上のコンタクトパッドに対してその上に作られるコンタクトパッドを空間的に再分布することも可能にし、特に、パッド自体の中心(ピッチ)間の距離の制約を緩和するため、通常、「スペーストランスフォーマ(space transformer)」と呼ばれる。
【0013】
この場合、依然として
図1を参照すると、各コンタクトプローブ6は、プローブヘッド1を備えるプローブカード15のスペーストランスフォーマ13の複数のコンタクトパッドのうちのコンタクトパッド12に向かっていわゆるコンタクトヘッド11で終端するさらなる端部エリアまたは領域を有する。コンタクトプローブ6とスペーストランスフォーマ13との間の良好な電気的接続は、ウェーハ9上に集積された被試験デバイスのコンタクトチップ7とコンタクトパッド8との間の接触と同様に、上記スペーストランスフォーマ13のコンタクトパッド12へのコンタクトプローブ6のコンタクトヘッド11の圧接によって確保される。
【0014】
さらに、プローブカード15は、スペーストランスフォーマ13に接続された支持プレート14、概してプリント回路基板(PCB)を備え、それを介してプローブカード15は試験装置(図示せず)とインターフェース接続する。
【0015】
プローブカードの適切な動作は、基本的に、コンタクトプローブの垂直移動、すなわちオーバートラベルと、コンタクトパッド上へのコンタクトプローブのコンタクトチップの水平移動、すなわちスクラブという、2つのパラメータにリンクしている。
【0016】
これらすべての特徴は、プローブカードの製造工程で評価および較正される必要があり、これは、コンタクトプローブと被試験デバイスとの間の適切な電気的接続が常に確保される必要があるためである。
【0017】
さらに、既知の解決策によれば、支持プレート14は、補強材16を介して所定の位置に保たれる。
【0018】
概して、スペーストランスフォーマ13は、厚さが非常に薄くなっており、したがって、平面性(平坦性)に重大な問題を抱えている。このため、概して、これは、アセンブリ全体をより剛性かつ耐性のあるものにするように構成されている、および平面性の欠陥を低減することを可能にする、補強材(
図1には示されず)にも連結され、これは多くの場合、前述の技術に従って作られたプローブカードの適切な動作に影響を与える。
【0019】
概して、試験方法では、プローブカードが極端な温度に耐えられること、およびさまざまな温度(非常に高い温度と非常に低い温度の両方)で正しく働くことが必要とされる。しかし、この場合、プローブカードのコンポーネントの熱膨張が、その正しい挙動に影響を与え得る。実際、既知のタイプのプローブカードのコンポーネント(補強材、PCB、およびインターポーザなど)は、通常、ネジで固定されており、さまざまな熱膨張係数を有する他に、さまざまな温度にさらされる。試験中に(たとえば高温または低温で)、上記コンポーネントが作られる材料のさまざまな熱膨張係数およびそれらの間の制約により、コンポーネント自体は反る傾向があって、プローブカード全体の誤動作を引き起こし、被試験デバイスのコンタクトパッドとの接触さえ失われる。
【0020】
この問題は、たとえば、DRAMなどのメモリデバイスを試験するためのプローブカードなどの、大型のプローブカードの場合に特に重要である。この種のプローブカードの場合、実際に、コンポーネントの熱膨張を制御することができないと、試験段階で重大な問題が発生する。
【0021】
本発明の技術的課題は、既知の解決策に依然として影響を及ぼしている制限および欠点を克服するような機能的および構造的特徴を有する電子デバイスを試験するためのプローブカード、特に、極端な温度でも試験の正確な実行を確保することを可能にする、および大きな温度変化に耐えると同時に、組み立てが簡単である、大型のプローブカードを提供することである。
【発明の概要】
【0022】
本発明の根底にある解決策は、インターポーザが、最初に、材料のモノブロックの形状で補強材に固定され、続いて、独立して互いに分離されている複数のモジュールに切断されるという方法論を介してプローブカードを提供することである。このようにして、インターポーザは、材料の単一ブロックとしてプローブカードに最初に連結されるため、複数の単一モジュールを位置合わせする必要なく、その後、試験中のプローブカードの熱膨張の制御を向上させることが可能である。
【0023】
この解決策に基づいて、上記の技術的課題は、被試験デバイスの機能性試験のためのプローブカードを製造するための方法によって解決され、当該方法は、プローブカードをインターフェース接続するように構成されたインターフェースボードを試験装置に提供する工程と、補強材を設ける工程と、材料の少なくとも1つのモノブロックの形状であるインターポーザを補強材に接続する工程と、インターポーザの少なくとも1つのモノブロックを補強材に接続した後に所定のパターンに従って切断する工程であって、それによって、上記少なくとも1つのモノブロックから開始して、独立して互いに分離されている複数のモジュールを画定する工程と、インターフェースボードを補強材に連結する工程と、プローブヘッドをインターポーザに連結する工程と、を含み、プローブヘッドは、インターポーザを被試験デバイスのコンタクトパッドに電気的に接続するように構成された複数のコンタクト要素を備える。
【0024】
より具体的には、本発明は、単独で、または必要に応じて組み合わせて採用される、以下の追加および随意の特徴を含む。
【0025】
本発明の一態様によれば、補強材は、第1の補強材部分および第2の補強材部分を備え得、当該方法は、インターフェースボードを第1の補強材部分と第2の補強材部分との間に配する工程を含み、インターポーザは、第2の補強材部分、特にその下面に接続されている。
【0026】
本発明の一態様によれば、インターポーザの切断は、レーザ切断、水切断、またはそれらの組み合わせによって実行され得る。
【0027】
本発明の一態様によれば、インターポーザの材料のモノブロックは、多層有機材料によって形成され得る。
【0028】
本発明の一態様によれば、インターポーザは、ネジまたは接着剤によって、好ましくはネジによって補強材に固定され得る。
【0029】
本発明の一態様によれば、当該方法は、クリアランスを有する接続要素によってインターフェースボードを補強材に連結する工程を含み得、クリアランスを有する上記接続要素は、上記補強材との上記インターフェースボードのフローティング連結を作るように、上記インターフェースボードに形成された複数のそれぞれの受座内にフローティングして収容されている。
【0030】
本発明の一態様によれば、当該方法は、第2の補強材部分に複数の収容受座を画定する予備工程を含み得、上記収容受座の数は、それぞれの収容受座に配される、インターポーザの複数のモジュールのうちのモジュールの数と同じである。
【0031】
本発明の一態様によれば、当該方法は、インターポーザの材料のモノブロックを成形してモノブロックに複数の突部を形成する、予備工程を含み得、上記突部は、上記材料のモノブロックを切断する前に第2の補強材部分の対応する収容受座に収容される。
【0032】
本発明の一態様によれば、当該方法は、複数の電気接続要素を収容受座に挿入する工程を含み得、上記電気接続要素は、インターポーザの複数のモジュールのうちの各モジュールをインターフェースボードに電気的に接続するように構成されている。
【0033】
本発明の一態様によれば、当該方法は、インバー、コバール、合金42またはFeNi合金、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールの中から補強材の材料を選択する工程を含み得る。
【0034】
本発明の一態様によれば、プローブヘッドは、少なくとも、
コンタクト要素を少なくとも部分的に収容するためのハウジングまたは収納要素を設ける工程と、
試験中に被試験デバイスに面する収納要素の下面に、下部ガイドを配する工程と、
下面の反対側の収納要素の上面に上部ガイドを配する工程と、
を介して製造され得、収納要素が下部ガイドと上部ガイドとの間に介装され、上記ガイドが、収納要素に接続された少なくとも1つの単一のプレートの形状であり、当該方法は、下部ガイドまたは上部ガイドの少なくとも1つを切断する工程であって、それによって、独立して互いに分離されている複数のガイド部分を画定する、工程をさらに含む。
【0035】
本発明の一態様によれば、当該方法は、下部ガイドおよび上部ガイドを収納要素に接着する予備工程を含み得、当該方法は、コンタクト要素を収容するためのそれぞれのガイドホールをガイドに形成する工程であって、上記の接着および切断の工程の前に実施される、工程をさらに含む。代替的に、ガイドホールは、接着および切断の工程の後に形成されてもよい。
【0036】
本発明はまた、被試験デバイスの機能性試験のためのプローブカードに関し、当該プローブカードは、補強材と、補強材に連結された、およびプローブカードを試験装置にインターフェース接続するように構成された、インターフェースボードと、補強材に接続されたインターポーザと、を備え、上記インターポーザは、独立して互いに分離された複数のモジュールを備え、インターポーザのモジュールは、最初に補強材に接続された材料の少なくとも1つのモノブロックを切断することによって得られ、上記プローブカードは、インターポーザを被試験デバイスのコンタクトパッドに電気的に接続するように構成された複数のコンタクト要素を備えるプローブヘッドをさらに備える。
【0037】
本発明の一態様によれば、補強材は、第1の補強材部分および第2の補強材部分を備え得、インターフェースボードは、第1の補強材部分と第2の補強材部分との間に配され、インターポーザは、第2の補強材部分に接続されている。
【0038】
本発明の一態様によれば、インターポーザは多層有機材料によって形成され得る。
【0039】
本発明の一態様によれば、コンタクト要素は、第1の端部と、反対側の第2の端部との間で長手方向軸に沿って延びる本体を備え得、上記第1の端部は、被試験デバイスのコンタクトパッドに接触するように構成されており、上記第2の端部は、非固定的にインターポーザに接触するように構成されており、すなわち、コンタクト要素は、インターポーザに強固にしっかりと固定されていない(締め付けられていない)が、当接している。
【0040】
本発明の一態様によれば、インターフェースボードはプリント回路基板であり得る。
【0041】
本発明の一態様によれば、インターポーザは、50から150の範囲の多数のモジュールを備え得る。
【0042】
本発明の一態様によれば、補強材は、インバー、コバール、合金42またはFeNi合金、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールのうちの少なくとも1つから作られ得る。
【0043】
本発明の一態様によれば、プローブカードは、インターフェースボードを補強材に接続するように構成されたクリアランスを有する接続要素を備え得、上記クリアランスを有する接続要素は、上記インターフェースボードに形成された複数のそれぞれの受座内にフローティングして収容され、上記クリアランスを有する接続要素は、インターフェースボードを補強材にフローティング連結するように構成されている。
【0044】
本発明の一態様によれば、第2の補強材部分は、複数の収容受座を備え得、上記収容受座の各々には、インターポーザの複数のモジュールのうちの対応するモジュールが存在する。
【0045】
本発明の一態様によれば、プローブカードは、収容受座に収容され、インターポーザとインターフェースボードとを互いに電気的に接続するように構成されている、複数の電気接続要素を備え得る。
【0046】
本発明の一態様によれば、各モジュールは、第2の補強材部分の複数の収容受座のうちのそれぞれの収容受座に挿入された突部を備え得る。
【0047】
本発明の一態様によれば、複数のモジュールのうちの各モジュールは、少なくとも2つのネジによって第2の補強材部分に固定され(締め付けられ)得る。
【0048】
本発明の一態様によれば、プローブヘッドは、コンタクト要素を少なくとも部分的に収容するように構成されたハウジングまたは収納要素と、収納要素の下面に配された下部ガイドであって、試験中に、被試験デバイスに面している下部ガイドと、収納要素の上面に配された上部ガイドであって、下面に対向する上部ガイドと、を備え、上記収納要素は、下部ガイドと上部ガイドとの間に介装され、下部ガイドおよび上部ガイドの少なくとも1つは、独立して互いに分離されている複数のガイド部分に分割され、上記ガイド部分は、上記収納要素に接続された少なくとも1つの単一のプレートを切断することによって得られる。
【0049】
本発明の一態様によれば、収納要素は、インバー、コバール、合金42またはFeNi合金、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールのうちの少なくとも1つから作られ得る。本発明の一態様によれば、ガイドはセラミック材料で作られ得る。
【0050】
本発明の一態様によれば、収納要素は、内部アームによって画定された複数の収容受座を備え得る。
【0051】
本発明による方法およびプローブカードの特徴および利点は、添付の図面を参照して、例示的かつ非限定的な例として与えられる、その実施形態の以下でなされる説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】先行技術によるプローブカードを概略的に示す。
【
図2】本発明によるプローブカードを概略的に示す。
【
図3】本発明の方法の工程を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態による補強材の面の概略上面図を示す。
【
図5A】インターポーザを切断する前のインターポーザの面の一部の斜視図を示す。
【
図5B】インターポーザを切断した後のインターポーザの対向する面の一部の斜視図を示す。
【
図6】本発明の実施形態によるプローブカードを示す。
【
図7】
図6のプローブカードのプローブヘッドの収納要素の概略上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
これらの図面、特に
図2を参照すると、本発明による半導体ウェーハ上に集積された電子デバイスを試験するためのプローブカードは、全体的かつ概略的に20で示されている。
【0054】
図面が、概略図を表し、一定の縮尺で描かれていないが、代わりに、本発明の重要な特徴を強調するために描かれていることは留意するに値する。また、図面では、さまざまな要素が概略的に示されており、それらの形状は所望の用途に応じて変化し得る。図面では、同じ参照番号が、形状または機能で同一である要素を指すことにも留意される。最後に、図面に例示される実施形態に関連して説明される特定の特徴は、他の図面に例示される他の実施形態にも適用可能である。
【0055】
明示的に示さない限り、必要に応じて方法の工程を逆にしてもよいことも留意される。
【0056】
以下に例示されるように、本発明のプローブカード20は、そのサイズが大きいため、たとえばDRAMなどのメモリデバイスを試験するのに特に適している。実際、全体として、試験対象の領域も300mmに達し得(この場合、プローブカードは12インチのサイズのプローブカードと呼ばれる)、それにより、全体として、本発明のプローブカード20も520mmの寸法に達し得ることが迅速に観察されている。たとえば、プローブカード20全体が円形の形状を有する(したがって円形のガイドを備える)実施形態では、その最大直径は約520mmであり得る。
【0057】
明らかなことに、上に例示した用途は単に例示的なものであり、本発明のプローブカード20は、多くの他の電子デバイスを試験するために使用され得る。たとえば、多くの用途のうちの別の1つは自動車分野である。
【0058】
図2の実施形態に例示されるように、プローブカード20は、順に第1の補強材部分21’および第2の補強材部分21”を含む補強材21を備える。補強材21は、プローブカード20のコンポーネントを所定の位置に保ち、平面性(平坦性)の問題を解決する目的を有している。
【0059】
特に、本発明の実施形態では、第1の補強材部分21’および第2の補強材部分21”は、最初に、構造上互いに独立しており、すなわち、補強材21は、実質的に2つの分離した補強材で構成されている。第1の補強材部分21’は「上部補強材」とも呼ばれ、第2の補強材部分21”は「下部補強材」とも呼ばれる。第1の補強材部分21’は、試験中、試験装置(図面に例示されず)により近く、一方で、第2の補強材部分21”は、試験中、被試験デバイス(本明細書ではDUTと呼ばれる)を含むウェーハWにより近い。
【0060】
さらに、プローブカード20は、上記プローブカード20を試験装置とインターフェース接続するように構成されたインターフェースボード(または支持プレート)22を備える。より具体的には、インターフェースボード22はプリント回路基板(PCBとも呼ばれる)である。
【0061】
インターフェースボード22は、試験中に、被試験デバイスDUTを含むウェーハWに面する少なくとも1つの下面Faと、下面Faに対向する1つの上面Fbとを備える。
【0062】
図2に例示されるように、インターフェースボード22は、第1の補強材部分21’と第2の補強材部分21”との間に配され、実質的にサンドイッチ構成を形成している。
【0063】
たとえば、インターフェースボード22は、約16ppm/℃(10-6/℃)の熱膨張係数(CTE)を有する。試験中のインターフェースボード22の熱膨張の効果を制限するために、本発明の実施形態では、上記インターフェースボード22は、補強材21にフローティングして連結される。
【0064】
より具体的には、インターフェースボード22を補強材21に(特に第1の補強材部分21’に)接続するために、クリアランス22cを有する接続要素が設けられ、上記クリアランス22cを有する接続要素(たとえば、適切なネジなど)は、補強材21とのインターフェースボード22のフローティング連結を作るように、上記インターフェースボード22に形成された複数のそれぞれの受座22(たとえば適切なスロット穴など)にフローティングして収容されている。
【0065】
また、第1の補強材部分21’と第2の補強材部分21”との間の接続は、少なくともx-y平面内で(すなわち、ウェーハWが存在する平面内で、場合によってはわずかに垂直軸zにも沿って)、それらの間に配されたインターフェースボード22の相対移動を可能にするようなものであり、それにより、上記支持プレート22をしっかりと締め付けることが回避される。
【0066】
図2に例示されるように、第1の補強材部分21’と第2の補強材部分21”とは、複数のネジ21cによって互いに固定されている(締め付けられている)。インターフェースボード22の上述のフローティングを促進するために、ブッシュ21bがさらに設けられ得る。明らかなことに、多くの他の接続方法も提供され得、図面は本発明の範囲の非限定的な例としてのみ提供されている。
【0067】
したがって、実施形態では、第1の補強材部分21’と第2の補強材部分21”は、たとえば上に例示したようなネジを介して、互いに強固に接続される。
【0068】
本発明の実施形態では、補強材21は、適切なFeNi合金(たとえば、インバー、コバール、合金42など)、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールから選択される材料で作られるが、これらの材料に限定されない。概して、補強材のCTEは、プローブカード20が動作する温度範囲に基づいて最適化され、これは、使用される材料が要因で制御することができる。
【0069】
本発明の実施形態では、第1の補強材部分21’および第2の補強材部分21”は、それぞれ、さまざまなCTEを有する材料で作られているが、これは、試験中に、温度勾配が生じ、(被試験デバイスから最も遠くにある)第1の補強材部分21’が、好ましくは、第2の補強材部分21”のCTEよりも大きいCTEを有するためである。上記補強材部分間の均衡は、上述したように、試験プラットフォームおよび動作温度範囲に従って実行される。明らかなことに、前述の勾配を補償するように異なって制御されたCTEを用いるが、上記コンポーネントに同じ材料(たとえばコバールのみ)を使用することが可能であり、異なる材料を使用することも可能である(たとえば上記で言及した材料から選択される材料を使用すること、または特定の合金を選択することも可能である)。
【0070】
明らかなことに、提供される例は、本発明の範囲を例示するものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、使用される材料によって限定されるものではない。
【0071】
プローブカード20は、補強材21に接続された、特に第2の補強材部分21”に接続されたインターポーザ23をさらに備える。
【0072】
当該技術分野で知られているように、インターポーザ23は、コンタクトパッド間のそれらの対向面上の距離(ピッチ)の空間変換を実施するように構成されており、そのため、上記コンポーネントは「スペーストランスフォーマ」とも呼ばれる。
【0073】
本発明による利点として、インターポーザ23は、第2の補強材部分21”に接続されるときに、材料のモノブロックの形状である。特に、インターポーザ23は、モノブロックの形態で、単一のコンポーネント(たとえば単一のボード)として補強材21に接続される。
【0074】
インターポーザ23は、補強材21に接続される(特に、被試験デバイスDUTに面する第2の補強材部分21”の下面に接続される)と、所定のパターンに従って切断され、それによって、独立して互いに分離されている複数のモジュール23mが画定される。特に、切断の終わりに、単一モジュール23mは、適切な間隙またはトレンチGによって互いに分離される。
【0075】
換言すれば、プローブカード20の製造の終わりに、インターポーザ23は、互いに分離された複数のモジュール23mを備え、上記モジュール23mは、最初に第2の補強材部分21”に接続される材料のモノブロックを切断することによって得られる。
【0076】
このようにして、材料の少なくとも1つの単一のモノブロック、すなわち、互いに完全に分離された要素がない単一の構造要素が最初に設けられ、これは、補強材21との最初の接続に続いてのみ切断される。
【0077】
これにより、単一モジュールを位置合わせする必要がなくなるため(これは、複数のモジュールが、既に単一化されているときに補強材に直接連結された場合に代わりに必要とされる)、プローブカード20の組み立ておよび設定のプロセスが大幅に簡素化される。後で詳述するように、モジュールの構造的独立性によって、試験中、特に極端な温度でのコンポーネントの熱膨張のより大きな制御が確保される。
【0078】
代替の実施形態では、2つ以上の材料のモノブロック(たとえば、限られた数での任意の場合に、2つまたは3つ)を使用することも可能であるが、上記モノブロックは常にその後、補強材への接続後に多くの独立したモジュールに分割される。
【0079】
依然として
図2を参照すると、プローブカード20は、インターポーザ23を半導体ウェーハWに集積された被試験デバイスDUTのコンタクトパッドPに電気的に接続するように構成された複数のコンタクト要素51(たとえばコンタクトプローブ)を含む、プローブヘッド50をさらに備える。
【0080】
要約すると、本開示は、実質的に上記のプローブカード20の製造方法に関し、当該方法は、少なくとも、
第1の補強材部分21’および第2の補強材部分21”を備える補強材21を設ける工程と、
材料のモノブロックの形態であるインターポーザ23を第2の補強材部分21”に接続する工程と、
インターポーザ23を第2の補強材部分21”に接続した後に所定のパターンに従って切断する工程であって、それにより、互いに分離された複数のモジュール23mを画定する(このようにして、切断後、インターポーザ23は、構造化され、複数の独立したモジュール23mに分割される)、工程と、
インターフェースボード22を設ける工程と、
インターフェースボード22を第1の補強材部分21’と第2の補強材部分21”との間に配する工程と、
第1の補強材部分21’と第2の補強材部分21”とを互いに固定する(締め付ける)工程と、
プローブヘッド50をインターポーザ23に連結する工程であって、上記プローブヘッド50が、インターポーザ23を被試験デバイスDUTのコンタクトパッドPに電気的に接続するように構成された複数のコンタクト要素51を備える、工程と、を含む。
【0081】
明らかなことに、最初に補強材21へのインターポーザ23の接続をもたらし、その後上記インターポーザ23の切断をもたらすシーケンスは別として、他のすべての工程は、必ずしも特定の固定シーケンスに従う必要はない。たとえば、上に例示したように、たとえ他の適切なシーケンスが除外されないとしても、最初にインターポーザ23を補強材21に(特に第2の補強材部分21”に)接続し、上記インターポーザ23を切断し、その後、第2の補強材部分21”を第1の補強材部分21’に接続することが可能である。
【0082】
概して、
図3に概略されるように、本開示の方法は、その最も一般的な形態で、少なくとも、
プローブカード20を試験装置にインターフェース接続するように構成されているインターフェースボード22を設ける工程と、
補強材21を設ける工程と、
材料の少なくとも1つのモノブロックの形状であるインターポーザ23を補強材21に接続する工程と、
インターポーザ23の少なくとも1つのモノブロックを補強材21に接続した後に所定のパターンに従って切断する工程であって、それにより、独立して互いに分離されている複数のモジュール23mを画定する、工程と、
インターフェースボード22を補強材21に連結する工程と、
プローブヘッド50をインターポーザ23に連結する工程であって、上記プローブヘッド50が、インターポーザ23を被試験デバイスDUTのコンタクトパッドPに電気的に接続するように構成された複数のコンタクト要素51を備える、工程と、を提供する。
【0083】
本明細書において、「連結する」という用語が、必ずしも強固な方法である必要はないが、要素を別の要素に直接的および間接的に接続することを意味していることが留意される。
【0084】
さらに、本発明の好ましい実施形態では、インターポーザ23の切断は、切断用レーザによって実行される。代替的に、水切断(ウォータージェット)、または上記の技術の組み合わせを使用することも可能である。いずれの場合でも、モジュール間の完全な分離(すなわち相対的な独立性)を判定するインターポーザの切断は、常に補強材上でのその組み立て後に行われる。
【0085】
上述したように、インターポーザ23は、コンタクト要素51によって伝送された信号をルーティングし、PCB上のコンタクトパッドの再分布を可能にするように構成されている。先行技術の解決策によれば、スペーストランスフォーマは多層セラミック(MLC)により形成されている。本発明の実施形態による利点として、インターポーザ23は、代わりに、多層有機材料(MLO)により形成される。MLOの使用によって、セラミック材料に対する可撓性がより高まることが確保されるだけでなく、加工がより容易になることが確保される(たとえば、レーザ切断が容易になり、結果として生産コストが削減される)。
【0086】
依然として
図2を参照すると、コンタクト要素51は、第1の端部51aと反対側の第2の端部51bとの間で長手方向軸H-Hに沿って延びる本体51’を備える。第1の端部51aが、被試験デバイスDUTのコンタクトパッドPに接触するように構成されている一方で、第2の端部51bは、非固定的にインターポーザ23に接触するように構成されている。このように、コンタクト要素51は、インターポーザ23にしっかりと固定されておらず、締め付けられていない。
【0087】
適切なように、好ましい実施形態では、コンタクト要素51は垂直コンタクトプローブであるため、この垂直技術の利点をすべて活用することが可能である。
【0088】
本発明の実施形態によれば、第2の補強材部分21”は複数の収容受座24を備え、上記収容受座24の各々に、インターポーザ23の複数のモジュール23mのうちの対応するモジュールが配される。収容受座24は、第2の補強材部分21”に形成された貫通孔であり得、その数は、それぞれの収容受座24に配されている、インターポーザ23のモジュール23mと数と同じである。
【0089】
図4は、上から見た第2の補強材部分21”の非限定的な例を示しており、さまざまな収容受座24が見える。
図4では、収容受座24は、(インターポーザの縁部に適合するように異なる形状を有する外周収容受座は別として)すべて同じ形状を有しているが、異なる形状を有してもよく、モジュール23mも互いに異なる形状を有してもよい。
【0090】
換言すれば、いくつかの実施形態では、本開示は、第2の補強材部分21”に複数の収容受座24を予備的に画定することを提供し、それにより、インターポーザ23の複数のモジュール23mのうちの対応するモジュールが、上記収容受座24の箇所で切断され、各モジュールはそれぞれの収容受座の箇所で切断される。
【0091】
したがって、補強材21の設計、たとえばその第2の部分21”の設計は、複合的になり得る。本発明の実施形態では、補強材21は、水切断もしくはワイヤEDM、またはそれほど好ましくないが、チップ除去によって成形されるが、他のプロセスも可能であり、除外されない。
【0092】
本発明の実施形態では、プローブカード20は、収容受座24に収容され、インターポーザ23とインターフェースボード22とを互いに電気的に接続するように構成された複数の電気接続要素25を備える。このようにして、プローブカード20の製造中に、いくつかの実施形態によれば、電気接続要素25は、インターポーザ23を第2の補強材部分21”に接続する前に、それぞれの収容受座24に挿入される。
【0093】
例として、電気接続要素25は、導電性エラストマー、ポゴピン、または導電性クリップなどの形態であり得る。
【0094】
さらに、
図5Aおよび5Bに例示される本発明の利点のある実施形態によれば、各モジュール23mは、第2の補強材部分21”の複数の収容受座24のうちのそれぞれの収容受座に挿入される突部23pを備える。より具体的には、上記突部23pは、インターポーザ23を第2の補強材部分21”に接続する前に、およびしたがって材料のモノブロックを切断する前に、インターポーザ23の上記材料のモノブロックを成形することによって(たとえば、上記材料のモノブロックを切削することによって)形成される。例として、突部23pは、たとえば0.5mmから4mmの間で可変である値、好ましくは2mmだけ、材料のモノブロックの本体から突出し得、上記値は、固定領域における良好な強度を確かなものとしている。
【0095】
換言すれば、本実施形態では、各モジュール23mは、それぞれの収容受座24に収容された突部23pの他に、第2の補強材部分21”の下面に当接する低くなった部分(すなわち肩部S)を備える。
【0096】
本開示の実施形態によれば、複数のモジュール23mのうちの各モジュールは、ネジ26によって、好ましくは2つのネジ26によって第2の補強材部分21”に締め付けられる。たとえば、
図5Aおよび5Bに例示されるように、各モジュール23mの2つの対向する角にネジ26が設けられ得る。
【0097】
明らかなことに、異なる数のネジを使用することが可能であり、インターポーザ23を第2の補強材部分21”に取り付けるさまざまな方法を採用することも可能である。たとえば、代替の実施形態では、インターポーザ23は、第2の補強材部分21”に接着されてもよい。
【0098】
いずれの場合も、接続モードに関係なく、インターポーザ23は、切断される前に材料のモノブロックとして、常に、補強材21に(たとえば第2の補強材部分21”に)固定される(締め付けられる)。したがって、モジュールへの完全な分離は、常に、上記モノブロックを補強材21に固定した後に行われる。
【0099】
インターポーザ23は、多数のモジュール23m、たとえば50から150まで変化する数のモジュールを備え得る。各モジュールは、複数のデバイス、たとえば1~30の数のデバイスを試験するように構成されている。したがって、単一の試験動作を用いて、本発明のプローブカード20が、その大きなサイズとそれに連結された多数のモジュール23mにより、多数のデバイスの試験を実行することができ、同時に組み立てが簡単であり、そのコンポーネントの熱膨張の優れた制御を確保することは明らかである。
【0100】
ここで
図6の実施形態を参照すると、プローブカード20に連結されたプローブヘッド50は、コンタクト要素51を(少なくとも部分的に)収容するように構成された収容要素またはハウジング55を備える。
【0101】
収納要素55は、好ましくは、適切なFeNi合金(たとえば、インバー、コバール、合金42など)、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールから選択される材料で作られるが、これらの材料に限定されない。概して、収納要素55のCTEは、プローブカード、特にプローブヘッドの内部に生じる温度勾配を考慮して、シリコンで作られたウェーハWの変形を補償するように選択される。概して、シリコンCTEは2ppm/℃(10-6/℃)未満であり、CTEは、ウェーハWから離れるプローブカード内で徐々に増加する。示唆的に、収納要素55の最適なCTEは、3~6ppm/℃(10-6/℃)の間である。
【0102】
プローブヘッド50はさらに、収納要素55の下面Fa’(すなわち、被試験デバイスDUTに面する面)に配された下部ガイド60および上記収納要素55の反対側の上面Fb’に配された上部ガイド70を備える。
【0103】
本発明の実施形態では、下部ガイド60と上部ガイド70の両方は、セラミック材料で作られている。概して、上記ガイドは、1.8~5ppm/℃(10-6/℃)の間で含まれるCTEを有する。
【0104】
したがって、収納要素55は、下部ガイド60と上部ガイド70との間に介装され、上記ガイドを支持するように構成されており、プローブヘッド50全体の強固な支持構造を提供する。
【0105】
プローブヘッド50は垂直プローブヘッドであり、コンタクト要素51は、それぞれの下部ガイド60および上部ガイド70に形成された下部ガイドホール60hおよび上部ガイドホール70h内で移動可能である。
【0106】
本発明の実施形態では、収納要素55は、その中に形成された複数の収容受座57を備えるブロックの形状であり、コンタクト要素51は、上記収容受座57にグループで収容される。換言すれば、収納要素55は、その外周58によって画定された単一の内部空スペースを含むだけでなく、
図7に例示されるように、後に上に配置されるガイドに支持を提供する、内壁またはアーム59によって画定された一連の内部隔壁(すなわち上記収容受座57)を含む。これは実質的に金属メッシュ構造(金属ハイブ)であり、アーム59は、ガイドを支持するために上記メッシュを画定する。
【0107】
明らかなことに、
図7に表される構造は、単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。たとえば、上記図面は(外周収容受座を除いて)略同じ形状の収容受座57を表しているが、収納要素55の内部隔壁がそれほど規則的ではない構成を採用することも可能である。さらに、ハウジングは円形である必要はなく、任意の適切な形状が使用され得る。たとえば、形状は、多角形(八角形、十二角形など)であってもよいし、正方形または長方形であってもよい。
【0108】
依然として
図6を参照すると、本発明のさらに利点のある実施形態によれば、少なくとも下部ガイド60(好ましくは下部ガイド60および上部ガイド70の両方)は、間隙G’によって互いに分離された複数のガイド部分60pを備え、上記ガイド部分60pは、最初に収納要素55に接続された単一のプレートを切断することによって得られる。前述したように、上部ガイド70も、隙間G’によって互いに分離された複数のガイド部分70pに分割されることが好ましい。(独立して互いに分離されている)これらのさまざまなガイド部分は、前に見られたように、上記単一ガイド部分60pおよび70pを支持するように構成されているアーム59の存在により支持構造として作用する収容要素55によって機械的に支持される。
【0109】
概して、たとえ特定の実施形態においてインターポーザとガイドに同じパターンを採用する可能性が排除されないとしても、ガイドの隔壁とインターポーザの隔壁との間に関係性はない。
【0110】
換言すれば、プローブヘッド50は、少なくとも、
コンタクト要素51を少なくとも部分的に収容するための収納要素55を設ける工程と、
収納要素55の下面Fa’に下部ガイド60を配する工程と、
収納要素55が下部ガイド60と上部ガイド70との間に介装されるように、収納要素55の上面Fb’に上部ガイド70を配する工程と、を経て製造される。
【0111】
下部ガイド60と上部ガイド70の両方は、最初は、収納要素55に接続された単一のプレートの形状であるため、当該方法はさらに、
少なくとも下部ガイド60(好ましくは下部ガイド60と上部ガイド70の両方)を切断する工程であって、それによって、独立して互いに分離されている複数のガイド部分60pを画定する、工程を含む。インターポーザ23に見られるように、ガイドは、好ましくは、レーザ切断によって切断される。インターポーザ23に関して前述したように、1つを超えるプレート(たとえば、限られた数での任意の場合に、2つまたは3つ)を使用することも可能であり、上記プレートは、いずれにせよ、収納要素55へのそれらの接続後に常に多くの独立したガイド部分に分割される。
【0112】
ガイドを切断する前に、ガイドホール60hおよび70hは、プレートに穴を開けることによって、たとえばレーザ切断によって形成され、切断後、コンタクト要素51(または少なくともその部分)は最終的に上記ガイドホールに挿入される。しかし、あまり好ましくないが、ガイドホールが切断後にガイド部分に形成されるシーケンスも可能である。
【0113】
一実施形態では、下部ガイド60および上部ガイド70は、切断される前に収納要素55に接着されるが、他の接続方法も可能である。
【0114】
プローブヘッド50は、その後、たとえばネジによって、プローブカード20の残りの部分に、特に第2の補強材部分21”に固定される。
【0115】
利点として、インターポーザ23に関して見られたものと同様に、互いに分離されたさまざまなガイド部分60pおよび70pの存在によって、試験中に、特に極端な温度での試験中に発生する熱シフトの効果的な制御が可能になる。最初に単一プレートの形態の下部ガイド60および上部ガイド70を収納要素55に接続し、その後それらを別々のモジュール(ガイド部分)に切断する前述の処理シーケンスは、極端に複雑で長くなる、ガイド部分をさまざまな位置に配置し、互いに位置合わせする必要性を排除するため、非常に利点があり、結果として、製造時間とコストの削減につながる。
【0116】
この構成によって、プローブヘッド50の熱膨張は主に収納要素55のCTEにリンクされており、これは、ウェーハWの変形を補償するように簡単な方法で(前述の材料の1つを選択し、較正することによって)制御され得、ガイド部分間の分離により、ハウジング55の変形から上記ガイド部分を解放することが可能になる。
【0117】
最後に、本発明の実施形態において、コンタクト要素51の第2の端部51bは、プローブ本体51’から横方向に突き出て、インターポーザ23との接触を実施するように構成された、アーム52を備えるように構築され、上記アーム52は、プローブ51の長手方向軸H-Hに対してコンタクト要素51と上記インターポーザ23との間の接触点を分散させるように構成されている。
【0118】
換言すれば、本実施形態において、プローブヘッド50のコンタクト要素51は、プローブ本体から突出して、インターポーザと接触するように構成された、アームが設けられたコンタクトヘッドを有し、上記アームは、被試験デバイスDUTのコンタクトパッドに対するプローブカードのコンタクトパッドの効果的な空間再分布、特に上記被試験デバイスのピッチ制約を緩和することを可能にするように、プローブ間を異なる長さで延びる。アームの長さまたは相対的な長手方向の延在は、コンタクトパッドの最適な再分布、およびしたがって信号の最適なルーティングを得るために、ニーズに基づいて選択され得、すべてのプローブが突出するアームを含むわけではない構成も提供される。明確にするために、アーム52の長さが、それらの長手方向の展開方向に沿って(たとえば、プローブの軸H-Hに直交して)測定されることが留意される。
【0119】
適切なように、上に例示したように、本開示のプローブカードは、垂直コンタクトプローブを備えた垂直プローブヘッドの使用を可能にし、したがって、上記したような垂直技術のすべての可能性を活用している。
【0120】
実施形態では、コンタクト要素51の正確な保持を確保するために、上部ガイドホール70h内に収容されたそれらの部分には、適切な保持システム(図面に例示されないが、たとえば、バネもしくはクリップ構造、または好適な表面の凹凸によってガイドホール内でのより良好な保持が可能になる構造)が設けられる。コンタクト要素51に採用されたこの構成によって、組み立て中に下部ガイドと上部ガイドとの間のシフトを実施しないようにすることが可能になり、上記シフトは、プローブ本体を変形させて偏向を促進し、プローブを保持するために行われるが、プローブは代わりに上に例示したようにも保持される。プローブ本体51’の小さな(ほとんど知覚することができない)予めの変形だけで、試験中にすべてのプローブが同じ方向に曲がることを確保するのに十分である。ガイド(またはむしろ、それらの対応するガイドホール)が互いに対してシフトされていないという事実によって、下部ガイド60だけでなく上部ガイド70も複数のガイド部分70pに分割することが可能であり、熱シフトの制御がさらに良好に行われる。換言すれば、上記の保持システムによって、上部ガイド70も容易に切断するように、プローブを保持するためのガイドのシフトを実施しないようにすることが可能であり、したがって熱シフトの制御がより柔軟になる。
【0121】
結論として、本発明は、インターポーザが、最初に、材料のモノブロックの形態で補強材に締め付けられ、続いて、独立して互いに分離されている複数のモジュールに切断されるという方法論を介して製造されたプローブカードを提供する。このようにして、インターポーザは、最初に、単一モジュールを位置合わせする必要なく、材料の単一ブロックとしてプローブカードに連結されるため、その後、試験中のプローブカードの熱膨張の制御を向上させることが可能である。
【0122】
したがって、本発明による利点として、極端な温度での試験中のプローブカードのコンポーネントの熱膨張を非常に簡単な方法で制御することが可能であり、上記熱膨張の有害な影響を、完全に排除しないにしても、大幅に低減する。したがって、本開示のプローブカードは、そのコンポーネントの曲がりやアーチングを生じさせることなく、大きな温度変化(たとえば-40℃から+125℃)に抵抗し、耐えることができる。
【0123】
より具体的には、互いに分離されたインターポーザのさまざまなモジュールの存在により、上記インターポーザは、補強材の熱膨張係数にリンクされず(すなわち、補強材の膨張の影響を受けず)、それによって、一方のモジュールと他方のモジュールとの間に自由空間が存在し、その相対的な移動が可能であるため、このような補強材が膨張してもインターポーザに機械的応力が生じない。
【0124】
したがって、プローブカード全体の熱膨張は、主に上部補強材および下部補強材の寄与によるものであり、その熱膨張係数は、これらのコンポーネントが曲がりを生じさせることなく膨張することができるように較正され得、したがって、(前に観察されたように、極値間で変化し得る)試験温度の全範囲にわたってプローブカードの平面性が確保される。換言すれば、インターポーザのモジュールの相対的な独立性(およびPCBと補強材とのフローティング連結)によって、プローブカードの全体的な熱膨張係数が実質的に補強材のみによって管理されることが確保され、それにより、プローブカード内の温度勾配およびさまざまな膨張を補償することがより容易になる。
【0125】
適切なように、本発明によれば、この構成は、最初にインターポーザを補強材に(特にウェーハに最も近い第2の補強材部分に)締め付け、その後にのみ、すなわち接続後にのみ、さまざまなモジュールを完全に分離するという、極めて単純な方法で得られる。利点として、採用された解決策によって、さまざまなモジュールを互いに位置合わせすることを回避することが可能であり、これは、(最初は単一の材料片の形状である)インターポーザが切断されると、それらが既に完全に位置合わせされているためであり、これにより、本発明のプローブカードの製造および使用が大幅に簡素化される。これによって、製造時間およびコストが大幅に節約されると同時に、はるかにより信頼性の高い解決策が得られ、これは、さまざまなコンポーネント間に相対的な位置合わせ誤差がないためである。
【0126】
さらに、スペーストランスフォーマにMLOを使用することで、上記のプロセスがより簡単かつ安価になる。
【0127】
これは、たとえばDRAMなどのメモリデバイスの試験に使用されるプローブヘッドなどの、大型のプローブヘッドの場合に特に利点があり、これは、サイズが大きいことでさまざまなコンポーネントの相対的な位置合わせがさらにより繊細であり、さまざまなコンポーネントの熱膨張がさらにより重要であるためである。
【0128】
上記プローブカードとさまざまな別個の独立した部分に分割されたガイドも有するプローブヘッドとの併用によって、極端な温度での試験中の熱膨張のさらに細かくより効果的な制御が可能になる。この場合、実際には、インターポーザレベルとプローブヘッドレベルの両方でCTEを制御することが可能であり、プローブカード全体としての熱制御の程度が向上する。換言すれば、さまざまなガイド部分を互いに分離することによって、ハウジングの熱膨張を制御するだけでプローブヘッド部の熱膨張を制御することが可能であり(そのため簡単な制御が可能になり)、したがって、プローブカードのコンポーネントの熱制御において追加の自由度が得られ、それゆえ、複数のインターフェースに広がっている熱シフトに対する許容値の管理がより容易になる。
【0129】
明らかなことに、当業者は、不定および特定の要件を満たすために、当該方法および上記のプローブカードに対して多数の修正および変更を行い得、これらはすべて、以下の請求項によって定義されるように本発明の保護範囲に含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験デバイス(DUT)の機能性試験のためのプローブカード(20)を製造するための方法であって、前記方法が、
前記プローブカード(20)を試験装置にインターフェース接続するように構成されたインターフェースボード(22)を設ける工程と、
補強材(21)を設ける工程と、
材料の少なくとも1つのモノブロックの形状であるインターポーザ(23)を前記補強材(21)に接続する工程と、
前記インターポーザ(23)の前記少なくとも1つのモノブロックを、前記補強材(21)に接続した後に所定のパターンに従って切断する工程であって、それにより、前記少なくとも1つのモノブロックから開始して、独立して互いに分離されている複数のモジュール(23m)を画定する、工程と、
前記インターフェースボード(22)を前記補強材(21)に連結する工程と、
プローブヘッド(50)を前記インターポーザ(23)に連結する工程であって、前記プローブヘッド(50)が、前記インターポーザ(23)を前記被試験デバイス(DUT)のコンタクトパッド(P)に電気的に接続するように構成された複数のコンタクト要素(51)を備える、工程と、を含む方法。
【請求項2】
前記補強材(21)が、第1の補強材部分(21’)および第2の補強材部分(21”)を備え、前記方法が、
前記インターフェースボード(22)を前記第1の補強材部分(21’)と前記第2の補強材部分(21”)との間に配する工程、を含み、
前記インターポーザ(23)が前記第2の補強材部分(21”)に接続される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記インターポーザ(23)の切断が、レーザ切断、水切断、またはそれらの組み合わせによって実行される、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記インターポーザ(23)の材料のモノブロックが、多層有機材料(MLO)によって形成される、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記インターポーザ(23)が、ネジ(26)または接着剤によって、好ましくはネジ(26)によって前記補強材(21)に固定される、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が、クリアランス(22c)を有する接続要素によって前記インターフェースボード(22)を前記補強材(21)に連結する工程を含み、前記クリアランス(22c)を有する前記接続要素が、前記補強材(21)との前記インターフェースボード(22)のフローティング連結を作るように、前記インターフェースボード(22)に形成された複数のそれぞれの受座(22s)内にフローティングして収容されている、請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、前記第2の補強材部分(21”)に複数の収容受座(24)を画定する予備工程を含み、前記収容受座(24)の数が、それぞれの収容受座(24)に配される、前記インターポーザ(23)の複数のモジュール(23m)のモジュール数と同じである、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、前記インターポーザ(23)の材料のモノブロックを成形して、前記モノブロックに複数の突部(23p)を形成する、予備工程を含み、前記突部(23p)が、前記材料のモノブロックを切断する前に、前記第2の補強材部分(21”)の対応する収容受座(24)に収容される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法が、複数の電気接続要素(25)を前記収容受座(24)に挿入する工程を含み、前記電気接続要素(25)が、前記インターポーザ(23)の前記複数のモジュール(23)の各モジュールを前記インターフェースボード(22)に電気的に接続するように構成されている、請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
インバー、コバール、合金42またはFeNi合金、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールの中から補強材(21)の材料を選択する工程を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項11】
前記プローブヘッド(50)が、少なくとも、
前記コンタクト要素(51)を少なくとも部分的に収容するように構成された収容要素(55)を設ける工程と、
試験中に前記被試験デバイス(DUT)に面する前記収納要素(55)の下面(Fa’)に、下部ガイド(60)を配する工程と、
前記下面(Fa’)の反対側の前記収納要素(55)の上面(Fb’)に、上部ガイド(70)を配する工程と、
を介して製造され、
前記収納要素(55)は、前記下部ガイド(60)と前記上部ガイド(70)との間に介装され、前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)が、前記収納要素(55)に接続された少なくとも1つの単一のプレートの形状であり、
前記方法がさらに、
前記下部ガイド(60)または前記上部ガイド(70)の少なくとも1つを切断する工程であって、それにより、独立して互いに分離されている複数のガイド部分(60p、70p)を画定する、工程を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)を前記収納要素(55)に接着する予備工程を含み、前記方法がさらに、前記コンタクト要素(51)を収容するためのそれぞれのガイドホー
ルを前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)に形成する工程であって、接着および切断の工程の前に実施される、工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
被試験デバイス(DUT)の機能性試験のためのプローブカード(20)であって、前記プローブカード(20)が、
補強材(21)と、
前記補強材(21)に連結され、前記プローブカード(20)を試験装置にインターフェース接続するように構成された、インターフェースボード(22)と、
前記補強材(21)に接続されたインターポーザ(23)であって、独立して互いに分離されている複数のモジュール(23m)を備える、インターポーザ(23)と、を備え、
前記インターポーザ(23)の前記モジュール(23m)が、最初に前記補強材(21)に接続される、材料の少なくとも1つのモノブロックを切断することによって得られ、
前記プローブカード(20)がプローブヘッド(50)をさらに備え、前記プローブヘッド(50)が、前記インターポーザ(23)を前記被試験デバイス(DUT)のコンタクトパッド(P)に電気的に接続するように構成されている複数のコンタクト要素(51)を備える、プローブカード(20)。
【請求項14】
前記補強材(21)が、第1の補強材部分(21’)および第2の補強材部分(21”)を備え、前記インターフェースボード(22)が、前記第1の補強材部分(21’)と前記第2の補強材部分(21”)との間に配され、前記インターポーザ(23)が前記第2の補強材部分(21”)に接続される、請求項13に記載のプローブカード(20)。
【請求項15】
前記インターポーザ(23)が、多層有機材料(MLO)によって形成される、請求項1
3に記載のプローブカード(20)。
【請求項16】
前記コンタクト要素(51)が、第1の端部(51a)と、反対側の第2の端部(51b)との間で長手方向軸(H-H)に沿って延びる本体(51’)を備え、前記第1の端部(51a)が、前記被試験デバイス(DUT)の前記コンタクトパッド(P)に接触するように構成されており、前記第2の端部(51b)が、非固定的に前記インターポーザ(23)に接触するように構成されている、請求項1
3に記載のプローブカード(20)。
【請求項17】
前記インターフェースボード(22)がプリント回路基板(PCB)である、請求項1
3に記載のプローブカード(20)。
【請求項18】
前記インターポーザ(23)が、50~150個の範囲の多数のモジュールを備える、請求項1
3に記載のプローブカード(20)。
【請求項19】
前記補強材(21)が、インバー、コバール、合金42またはFeNi合金、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールのうちの少なくとも1つで作られる、請求項1
3に記載のプローブカード(20)。
【請求項20】
前記プローブカード(20)が、前記インターフェースボード(22)を前記補強材(21)に接続する傾向のあるクリアランス(22c)を有する接続要素を備え、前記クリアランス(22c)を有する前記接続要素が、前記インターフェースボード(22)に形成された複数のそれぞれの受座(22s)内にフローティングして収容されており、前記クリアランス(22c)を有する前記接続要素(22c)が、前記インターフェースボード(22)を前記補強材(21)にフローティング連結するように構成されている、請求項1
3に記載のプローブカード(20)。
【請求項21】
前記複数のモジュール(23m)のうちの各モジュールが、少なくとも2つのネジ(26)によって前記第2の補強材部分(21”)に固定される、請求項14に記載のプローブカード(20)。
【請求項22】
前記第2の補強材部分(21”)が複数の収容受座(24)を備え、前記収容受座(24)の各々に、前記インターポーザ(23)の前記複数のモジュール(23m)のうちの対応するモジュールが収容される、請求項14に記載のプローブカード(20)。
【請求項23】
前記収容受座(24)に収容され、前記インターポーザ(23)と前記インターフェースボード(22)とを互いに電気的に接続するように構成されている、複数の電気接続要素(25)を備える、請求項22に記載のプローブカード(20)。
【請求項24】
各モジュール(23m)が、前記第2の補強材部分(21”)の前記複数の収容受座(24)のそれぞれの収容受座に挿入される突部(23p)を備える、請求項22に記載のプローブカード(20)。
【請求項25】
前記プローブヘッド(50)が、
前記コンタクト要素(51)を少なくとも部分的に収容するように構成された収容要素(55)と、
試験中に前記被試験デバイス(DUT)に面する前記収納要素(55)の下面(Fa’)に配された下部ガイド(60)と、
前記下面(Fa’)の反対側の前記収納要素(55)の上面(Fb’)に配された上部ガイド(70)と、を備え、
前記収納要素(55)は、前記下部ガイド(60)と前記上部ガイド(70)との間に介装され、
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)の少なくとも1つが、互いに分離された複数のガイド部分(60p、70p)に分割され、前記ガイド部分(60p、70p)が、前記ガイド部分(60、70)に接続された少なくとも1つの単一のプレートを切断することによって得られる、請求項1
3に記載のプローブカード(20)。
【請求項26】
前記収納要素(55)が、インバー、コバール、合金42またはFeNi合金、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールのうちの少なくとも1つで作られる、および/または前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)がセラミック材料で作られる、請求項25に記載のプローブカード(20)。
【請求項27】
前記収納要素(55)が、内部アーム(59)によって画定された複数の収容受座(57)を備える、請求項2
5に記載のプローブカード(20)。
【国際調査報告】