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特表2023-550818電子デバイスを試験するための大型プローブヘッドおよび関連する製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-05
(54)【発明の名称】電子デバイスを試験するための大型プローブヘッドおよび関連する製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/073 20060101AFI20231128BHJP
   G01R 1/067 20060101ALI20231128BHJP
   G01R 31/26 20200101ALI20231128BHJP
【FI】
G01R1/073 E
G01R1/067 G
G01R31/26 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532268
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 EP2021083116
(87)【国際公開番号】W WO2022112480
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】102020000028841
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519046085
【氏名又は名称】テクノプローベ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マジョーニ、フラビオ
【テーマコード(参考)】
2G003
2G011
【Fターム(参考)】
2G003AA10
2G003AG03
2G003AG04
2G003AH05
2G011AA17
2G011AB07
2G011AB08
2G011AC14
2G011AE03
2G011AF07
(57)【要約】
本明細書には、被試験デバイス(DUT)の機能性試験のためのプローブヘッド(50)を製造するための方法が開示される。当該方法は、収納要素(55)を設ける工程と、試験中に被試験デバイス(DUT)に面する収納要素(55)の下面(Fa’)に下部ガイド(60)を配する工程と、下面(Fa’)の反対側の収納要素(55)の上面(Fb’)に上部ガイド(70)を配する工程と、を含み、収納要素(55)は下部ガイド(60)と上部ガイド(70)との間に介装され、上記下部ガイド(60)および上記上部ガイド(70)は、最初に、収納要素(55)に接続された少なくとも1つの単一のプレートの形状である。適切なように、当該方法は、下部ガイド(60)または上部ガイド(70)の少なくとも1つを切断する工程であって、それにより、独立して互いに分離されている複数のガイド部分(60p、70p)を画定する工程と、上記下部ガイド(60)および上記上部ガイド(70)に形成されたそれぞれのガイドホール(60h、70h)に、被試験デバイス(DUT)のコンタクトパッド(P)に適合された複数のコンタクト要素(51)を挿入する工程と、をさらに含む。当該方法によって得られたプローブヘッド(50)も開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験デバイス(DUT)の機能性試験のためのプローブヘッド(50)を製造するための方法であって、前記方法が、
収納要素(55)を設ける工程と、
試験中に前記被試験デバイス(DUT)に面する前記収納要素(55)の下面(Fa’)に下部ガイド(60)を配する工程と、
前記下面(Fa’)の反対側の前記収納要素(55)の上面(Fb’)に上部ガイド(70)を配する工程と、を含み、
前記収納要素(55)が、前記下部ガイド(60)と前記上部ガイド(70)との間に介装され、
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)は、前記収納要素(55)に接続されるときに、少なくとも1つの単一のプレートの形状であり、
前記方法がさらに、
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)の少なくとも1つを切断する工程であって、それにより、前記少なくとも1つの単一のプレートから開始して、独立して互いに分離されている複数のガイド部分(60p、70p)を画定する、工程と、
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)に形成されたガイドホール(60h、70h)に、前記被試験デバイス(DUT)のコンタクトパッド(P)に適合したコンタクト要素(51)を挿入する工程と、を含む方法。
【請求項2】
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)の両方が、複数のガイド部分(60p、70p)に分割される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)の前記単一のプレートの切断が、レーザ切断または水切断によって実行される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)を切断する前に、前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)を前記収納要素(55)に接着する予備工程を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)を切断する前に、前記コンタクト要素(51)を収容するための前記ガイドホール(60h、70h)を形成する工程をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
内部アーム(59)によって互いに分離されている複数の収容受座(57)を前記収納要素(55)内に形成する工程を含み、それにより、前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)を支持するように構成されたメッシュ構造を画定し、前記コンタクト要素(51)が前記収容受座(57)に収容される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)の前記単一のプレートが、セラミック材料製である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記収納要素(55)の材料を、インバー、コバール、合金42またはFeNi合金、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールの中から選択する工程を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
補強材(21)、インターポーザ(23)、およびインターフェースボード(22)を備えるプローブカード(20)に、前記プローブヘッド(50)を連結する工程を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記プローブカードが、
材料の少なくとも1つのモノブロックの形状である前記インターポーザ(23)を、前記補強材(21)に接続する工程と、
前記インターポーザ(23)の前記少なくとも1つのモノブロックを、前記補強材(21)に接続した後に所定のパターンに従って切断する工程であって、それにより、互いに分離された複数のモジュール(23m)を画定する、工程と、を経て製造される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
被試験デバイス(DUT)の機能性試験のためのプローブヘッド(50)であって、前記プローブヘッド(50)が、
収納要素(55)と、
試験中に前記被試験デバイス(DUT)に面する前記収納要素(55)の下面(Fa’)に配された下部ガイド(60)と、
前記下面(Fa’)の反対側の前記収納要素(55)の上面(Fb’)に配された上部ガイド(70)と、
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)に形成されたガイドホール(60h、70h)に収容され、前記被試験デバイス(DUT)のコンタクトパッド(P)に適合する複数のコンタクト要素(51)と、を備え、
前記収納要素(55)が、前記下部ガイド(60)と前記上部ガイド(70)との間に介装され、および
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)の少なくとも1つが、独立して互いに分離されている複数のガイド部分(60p、70p)に分割されており、
前記ガイド部分(60p、70p)が、最初に前記収納要素(55)に接続される少なくとも1つの単一のプレートを切断することによって得られる、プローブヘッド(50)。
【請求項12】
前記コンタクト要素(51)が、第1の端部(51a)と、反対側の第2の端部(51b)との間で長手方向軸(H-H)に沿って延びる本体(51’)を備える垂直コンタクトプローブであり、前記第1の端部(51a)が、前記被試験デバイス(DUT)の前記コンタクトパッド(P)に接触するように構成されている、請求項11に記載のプローブヘッド(50)。
【請求項13】
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)が、4~100個の範囲の多数のガイド部分(60p、70p)を備える、請求項11または12に記載のプローブヘッド(50)。
【請求項14】
前記収納要素(55)が、インバー、コバール、合金42またはFeNi合金、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールのうちの少なくとも1つで作られる、請求項11~13のいずれか1項に記載のプローブヘッド(50)。
【請求項15】
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)が、セラミック材料製である、請求項11~14のいずれか1項に記載のプローブヘッド(50)。
【請求項16】
前記収納要素(55)が、内部アーム(59)によって画定される複数の収容受座(57)を備え、前記内部アーム(59)が前記ガイド部分(60p、70p)を支持するように構成されている、請求項11~15のいずれか1項に記載のプローブヘッド(50)。
【請求項17】
被試験デバイス(DUT)の機能性試験のためのプローブカード(20)であって、前記プローブカード(20)が、
補強材(21)と、
前記補強材(21)に連結され、前記プローブカード(20)を試験装置にインターフェース接続するように構成された、インターフェースボード(22)と、
請求項11~16のいずれか1項に記載のプローブヘッド(50)と、を備えるプローブカード(20)。
【請求項18】
インターポーザ(23)が、独立して互いに分離されている複数のモジュール(23m)を備え、前記インターポーザ(23)の前記モジュール(23m)が、最初に前記補強材(21)に接続される材料の少なくとも1つのモノブロックを切断することによって得られる、請求項17に記載のプローブカード(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体ウェーハ上に集積された電子デバイスを試験するためのプローブヘッド、特にメモリデバイス(たとえばDRAMなど)を試験するための大型プローブヘッド、および関連する製造方法に関し、以下の記載は、それらの説明を単純化するという唯一の目的で、この応用分野を参照してなされている。
【背景技術】
【0002】
周知のように、プローブヘッドは、本質的に、微細構造、特に半導体ウェーハ上に集積された電子デバイスの複数のコンタクトパッドを、その機能性試験を実施する試験装置の対応するチャネルに電気的に接続するように構成された電子デバイスである。
【0003】
この試験は、生産段階の早い段階で欠陥のある回路を検出して分離するのに有用である。したがって、通常、プローブヘッドは、ウェーハ上に集積された回路を切断して収納パッケージ内に組み込む前に、回路の試験に使用される。
【0004】
概して、プローブヘッドは、実質的にプレート形状で互いに平行である少なくとも1つのガイドまたは少なくとも一対のガイド(または支持体)によって保持された複数のコンタクトプローブを備える。上記ガイドは、適切なガイドホールを備え、上記ガイドホール内に摺動可能に収容されているコンタクトプローブの移動および考えられ得る変形のための自由空間または空隙を残すために、互いに一定の距離を置いて配される。特に、一対のガイドは、上部ガイドおよび下部ガイドを備え、その両方にそれぞれのガイドホールが設けられ、その中でコンタクトプローブが軸方向にスライドし、上記プローブは通常、良好な電気的および機械的特性を有する特殊合金で作られている。
【0005】
コンタクトプローブと被試験デバイスのコンタクトパッドとの間の良好な接続は、デバイス自体に対するプローブヘッドの圧力によって確保され、ここで、コンタクトプローブは、上記圧接中に、2つのガイド間の空隙内で曲がり、相対するガイドホール内でスライドする。このタイプのプローブヘッドは、一般的に「垂直プローブヘッド」と呼ばれている。
【0006】
実質的に、垂直プローブヘッドは、コンタクトプローブの曲がりが生じる空隙を有し、ここで、上記曲がりは、プローブ自体またはそのガイドの適切な構成によって促進され得る。
【0007】
例として、図1は、参照番号15で全体的に示され、ひいては、それぞれのガイドホール4および5を有し、それらの中で複数のコンタクトプローブ6がスライドする、通常「上部ダイ」として示される少なくとも1つの上部プレート状支持体またはガイド2および通常「下部ダイ」として示される下部プレート状支持体またはガイド3を含むプローブヘッド1を含む、既知のタイプのプローブカードを概略的に示している。
【0008】
各コンタクトプローブ6は、端部に、ウェーハ9上に一体化されている被試験デバイスのコンタクトパッド8上に当接する傾向があるコンタクトチップ7を有し、したがって、被試験デバイスと試験装置(図示せず)との間の機械的および電気的接触を実施し、上記プローブカード15は試験装置の端部要素である。
【0009】
図1に例示されるように、上部ガイド2および下部ガイド3は、空隙10によって適切に離間され、これにより、コンタクトプローブ6が変形することを可能にする。概して、プローブヘッド1は、上部ガイド2および下部ガイド3に支持を提供するために、上部ガイド2と下部ガイド3との間に配されている、収納要素またはハウジング(図1には図示せず)も備える。
【0010】
プローブヘッド1は垂直プローブヘッドであり、垂直プローブヘッドでは、前に見られたように、コンタクトプローブ6と被試験デバイスのコンタクトパッド8との間の良好な接続は、デバイス自体に対するプローブヘッドの圧力によって確保され、ここで、上部ガイド2および下部ガイド3に形成されたガイドホール4および5内で移動可能であるコンタクトプローブ6は、上記圧接中に、空隙内で曲がり、上記ガイドホール内でスライドする。
【0011】
場合によっては、コンタクトプローブは、上部プレート状支持体でプローブヘッド自体にしっかりと固定され、このようなプローブヘッドは「ブロックされたプローブヘッド(blocked probe heads)」と呼ばれる。
【0012】
しかし、より頻繁に、ブロックされていない(すなわちしっかりと固定されていない)プローブを備えたプローブヘッドが使用され、プローブは、場合によってはマイクロコンタクトボードを介して、いわゆるボードにインターフェース接続されて保持されており、このようなプローブヘッドは、「ブロックされていないプローブヘッド(unblocked probe heads)」と呼ばれている。マイクロコンタクトボードは、プローブに接触するだけでなく、被試験デバイス上のコンタクトパッドに対してその上に作られるコンタクトパッドを空間的に再分布することも可能にし、特に、パッド自体の中心(ピッチ)間の距離の制約を緩和するため、通常、「スペーストランスフォーマ(space transformer)」と呼ばれる。
【0013】
この場合、依然として図1を参照すると、各コンタクトプローブ6は、プローブヘッド1を備えるプローブカード15のスペーストランスフォーマ13の複数のコンタクトパッドのうちのコンタクトパッド12に向かっていわゆるコンタクトヘッド11で終端するさらなる端部エリアまたは領域を有する。コンタクトプローブ6とスペーストランスフォーマ13との間の良好な電気的接続は、ウェーハ9上に集積された被試験デバイスのコンタクトチップ7とコンタクトパッド8との間の接触と同様に、上記スペーストランスフォーマ13のコンタクトパッド12へのコンタクトプローブ6のコンタクトヘッド11の圧接によって確保される。
【0014】
さらに、プローブカード15は、スペーストランスフォーマ13に接続された支持プレート14、概してプリント回路基板(PCB)を備え、それを介してプローブカード15は試験装置(図示せず)とインターフェース接続する。
【0015】
プローブヘッドの正しい動作は、基本的に、コンタクトプローブの垂直移動、すなわちオーバートラベルと、コンタクトパッド上へのコンタクトプローブのコンタクトチップの水平移動、すなわちスクラブという、2つのパラメータにリンクしている。
【0016】
これらすべての特徴は、製造工程で評価および較正される必要があり、これは、コンタクトプローブと被試験デバイスとの間の適切な電気的接続が常に確保される必要があるためである。
【0017】
さらに、既知の解決策によれば、支持プレート14は、補強材16を介して所定の位置に保たれる。
【0018】
概して、スペーストランスフォーマ13は、厚さが非常に薄くなっており、したがって、平面性(平坦性)に重大な問題を抱えている。このため、概して、これは、アセンブリ全体をより剛性かつ耐性のあるものにするように構成されており、平面性の欠陥を低減することを可能にする、補強材(図1には示されず)にも連結され、これは多くの場合、前述の技術に従って作られたプローブカードの適切な動作に影響を与える。
【0019】
概して、試験方法では、プローブヘッドが極端な温度に耐えられること、およびさまざまな温度(非常に高い温度と非常に低い温度の両方)で正しく働くことが必要とされる。しかし、この場合、プローブヘッドのコンポーネントの熱膨張が、その正しい挙動に影響を与え得る。実際、既知のタイプのプローブヘッドのコンポーネント(ガイドおよびハウジングなど)は、通常、互いに固定されており、さまざまな熱膨張係数を有する他に、さまざまな温度にさらされる。試験中に(たとえば高温または低温で)、上記コンポーネントが作られる材料のさまざまな熱膨張係数およびそれらの間の制約により、コンポーネント自体は反って曲がる傾向があって、プローブヘッド全体の誤動作を引き起こし、被試験デバイスのコンタクトパッドとの接触さえ失われる。
【0020】
この問題は、たとえば、DRAMなどのメモリデバイスを試験するためのプローブヘッドなどの、大型のプローブヘッドの場合に特に重要である。この種のプローブヘッドの場合、実際に、コンポーネントの熱膨張を制御することができないと、試験段階で重大な問題が発生する。
【0021】
本発明の技術的課題は、既知の解決策に依然として影響を及ぼしている制限および欠点を克服するような機能的および構造的特徴を有する電子デバイスを試験するためのプローブヘッド、特に、極端な温度でも試験の正確な実行を保証することが可能にする、および大きな温度変化に耐えると同時に、組み立てが簡単である、大型のプローブヘッドを提供することである。
【発明の概要】
【0022】
本発明の根底にある解決策は、ガイドが、最初に単一のプレート(たとえば、セラミック材料の単一のプレート)の形態でハウジングに固定され、その後、独立して互いに分離されている複数のガイドモジュールまたはガイド部分に切断されるという方法によってプローブヘッドを製造することである。このようにして、ガイドは、単一ガイド部分の位置合わせを実行する必要なく、単一の材料ブロックとしてプローブヘッドに関連付けられるため、その後、試験中のプローブヘッドの熱膨張の制御を向上させることが可能になる。
【0023】
このような解決策に基づいて、上記の技術的課題は、被試験デバイスの機能性試験のためのプローブヘッドの製造方法によって解決され、当該方法は、収納要素またはハウジングを設ける工程と、試験中に被試験デバイスに面する収納要素の下面に下部ガイドを配する工程と、下面の反対側の収納要素の上面に上部ガイドを配する工程と、を含み、収納要素は下部ガイドと下部ガイドとの間に介装され、下部ガイドおよび上部ガイドは、収納要素に接続されたときに、最初に少なくとも1つの単一のプレートの形状であり、当該方法はさらに、下部ガイドおよび上部ガイドの少なくとも1つを切断する工程であって、それによって、上記少なくとも1つの単一のプレートから開始して、独立して互いに分離されている複数のガイド部分を画定する、工程と、下部ガイドおよび上部ガイドに形成されたそれぞれのガイドホールに、被試験デバイスのコンタクトパッドに適合された複数のコンタクト要素(またはその少なくとも一部)を挿入する工程と、を含む。
【0024】
このようにして、最初に少なくとも1つの単一のプレート、すなわち互いに分離されている要素がない単一の構造要素が設けられ、上記単一の構造要素はハウジングとの接続後にのみ切断される。
【0025】
より具体的には、本発明は、単独で、または必要に応じて組み合わせて採用される、以下の追加および任意の特徴を含む。
【0026】
本発明の態様によれば、下部ガイドと上部ガイドの両方は、複数のガイド部分に分割することができる。
【0027】
本発明の態様によれば、下部ガイドおよび上部ガイドの単一のプレートの切断は、レーザ切断または水切断によって実行され得る。
【0028】
本発明の態様によれば、当該方法は、下部ガイドおよび上部ガイドを切断する前に収納要素に接着する予備工程を含み得る。
【0029】
本発明の態様によれば、当該方法はさらに、下部ガイドおよび上部ガイドの単一のプレートを切断する前に、コンタクトプローブを収容するためのガイドホールを形成する工程を含むことができる。代替的に、ガイドホールは、下部ガイドおよび上部ガイドの単一のプレートを切断した後に形成することもできる。
【0030】
本発明の態様によれば、当該方法は、内部アームによって分離された複数の収容受座を収納要素内に形成する工程であって、それにより、下部ガイドおよび上部ガイドを支持するように構成されたメッシュ構造を画定し、コンタクト要素が(少なくとも部分的に)上記収容受座に収容される、工程を含むことができる。
【0031】
本発明の態様によれば、下部ガイドおよび上部ガイドの単一のプレートは、セラミック材料製とすることができる。
【0032】
本発明の態様によれば、当該方法は、収納要素の材料を、インバー、コバール、合金42またはFeNi合金、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールの中から選択する工程を含むことができる。
【0033】
本発明の態様によれば、当該方法は、プローブヘッドを、補強材、インターポーザ、およびインターフェースボードを備えるプローブカードに連結する工程を含むことができる。
【0034】
本発明の態様によれば、プローブカードは、インターポーザを補強材に接続する工程(上記インターポーザは、最初は材料の少なくとも1つのモノブロックの形状である)と、インターポーザの少なくとも1つのモノブロックを補強材に接続した後に所定のパターンに従って切断する工程であって、それによって互いに分離された複数のモジュールを画定する、工程と、によって製造することができる。
【0035】
本発明はまた、被試験デバイスの機能性試験のためのプローブヘッドに関し、当該プローブヘッドは、収納要素またはハウジングと、試験中に被試験デバイスに面する収納要素の下面に配された下部ガイドと、下面の反対側の収納要素の上面に配された上部ガイドと、下部ガイドおよび上部ガイドにおけるガイドホールに収容された、被試験デバイスのコンタクトパッドに適合された複数のコンタクト要素と、を備え、収納要素は下部ガイドと上部ガイドとの間に介装され、下部ガイドおよび上部ガイドの少なくとも1つは独立して互いに分離されている複数のガイド部分に分割され、上記ガイド部分は、最初に収納要素に接続される少なくとも1つの単一のプレートを切断することによって得られる。
【0036】
本発明の態様によれば、コンタクト要素は、第1の端部と対向する第2の端部との間で長手方向軸に沿って延びる本体を備える垂直コンタクトプローブとすることができ、上記第1の端部は、被試験デバイスのパッドに接触するように構成されている。
【0037】
本発明の態様によれば、下部ガイドおよび上部ガイドは、4~100の範囲、またはそれ以上の多数のガイド部分を備えることができる。
【0038】
本発明の態様によれば、収納要素は、インバー、コバール、合金42またはFeNi合金、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールのうちの少なくとも1つで作ることができる。
【0039】
本発明の態様によれば、下部ガイドおよび上部ガイドは、セラミック材料製とすることができる。
【0040】
本発明の態様によれば、収納要素は、ガイド部分を支持するように構成されている、内部アームによって画定された複数の収容受座を備えることができる。
【0041】
本発明はまた、被試験デバイスの機能性試験のためのプローブカードに関し、当該プローブカードは、上に例示したように、補強材と、補強材に連結され、プローブカードを試験装置にインターフェース接続するように構成された、インターフェースボードと、プローブヘッドと、を備える。
【0042】
本発明の態様によれば、インターポーザは、独立して互いに分離されている複数のモジュールを備えることができ、インターポーザの上記モジュールは、最初に補強材に接続される材料の少なくとも1つのモノブロックを切断することによって得られる。
【0043】
本発明による方法およびプローブヘッドの特徴および利点は、添付の図面を参照して、例示的かつ非限定的な例として与えられる、その実施形態の以下でなされる説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】先行技術によるプローブヘッドを含むプローブカードを概略的に示す。
図2】本発明によるプローブヘッドを概略的に示す。
図3】本発明の実施形態によるプローブヘッドの収納要素の概略上面図を示す。
図4】本発明の実施形態によるプローブヘッドのガイドの概略上面図を示す。
図5】本発明の方法の工程を例示するフローチャートである。
図6】本発明によるプローブヘッドを含むプローブカードを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
これらの図面、特に図2を参照すると、本発明による半導体ウェーハ上に集積された電子デバイスを試験するためのプローブヘッドは、全体的かつ概略的に参照番号50で示されている。
【0046】
図面が、概略図を表し、一定の縮尺で描かれていないが、代わりに、本発明の重要な特徴を強調するために描かれていることは留意するに値する。また、図面では、さまざまな要素が概略的に示されており、それらの形状は所望の用途に応じて変化し得る。図面では、同じ参照番号が、形状または機能で同一である要素を指すことにも留意される。最後に、図面に例示される実施形態に関連して説明される特定の特徴は、他の図面に例示される他の実施形態にも適用可能である。
【0047】
明示的に示さない限り、必要に応じて方法の工程を逆にしてもよいことにも留意される。
【0048】
以下に例示されるように、本発明のプローブヘッド50は、そのサイズが大きいため、たとえばDRAMなどのメモリデバイスを試験するのに特に適している。実際、全体として、試験対象の領域も300mmに達し得(この場合、プローブカードは12インチのサイズのプローブカードと呼ばれる)、それにより、全体として、本発明のプローブヘッド50も520mmの寸法に達し得ることが迅速に観察されている。たとえば、プローブヘッド50全体が円形の形状を有する(したがって円形のガイドを備える)実施形態では、その最大直径は約520mmであり得る。
【0049】
明らかなことに、上に例示した用途は単に例示的なものであり、本発明のプローブヘッド50は、多くの他の電子デバイスを試験するために使用され得る。たとえば、多くの用途のうちの別の1つは自動車分野である。
【0050】
図2を参照すると、プローブヘッド50は、以下に例示されるように、半導体ウェーハWに集積された被試験デバイス(本明細書では基準「DUT」で示される)のコンタクトパッドPをプローブヘッドのコンポーネントに電気的に接続するように構成された複数のコンタクト要素51(たとえばコンタクトプローブ)を備える。
【0051】
より具体的には、コンタクト要素51は、第1の端部51aと反対側の第2の端部51bとの間で長手方向軸H-Hに沿って延びる本体51’を備える垂直コンタクトプローブであり、上記第1の端部51aは、被試験デバイスDUTのコンタクトパッドPに接触するように構成されている。
【0052】
プローブヘッド50は、コンタクト要素51を(少なくとも部分的に)収容するように構成された、およびプローブヘッド50に一般的な支持構造を提供するように構成された、収納要素またはハウジング55をさらに備える。
【0053】
収納要素55は、好ましくは、適切なFeNi合金(たとえば、インバー、コバール、合金42、および他の合金)、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールから選択される材料で作られるが、いずれにしても、これらの材料に限定されない。概して、熱膨張係数(CTE)は、プローブヘッド内で発展する温度勾配を考慮して、試験中にシリコンウェーハWの熱膨張を補償するように選択される。概して、シリコンウェーハWのCTEは2ppm/℃(10-6/℃)より低く、したがって、プローブヘッド50において、CTEがウェーハから離れると徐々に増加するように材料が選択される。示唆的に、収納要素55の最適なCTEは、3~6ppm/℃(10-6/℃)の間で含まれる。収納要素55に使用することができる材料(上述したものと同様)によって、上記収納要素55のCTEを容易に制御することが可能になるが、プローブヘッドのガイドにとってはむしろより困難である。さらにより一般的には、3~15ppm/℃(10-6/℃)の範囲のCTEを有する材料、たとえば複合材料を使用することが可能である。
【0054】
上述したように、プローブヘッド50は、収納要素55の下面Fa’(すなわち、試験中に、被試験デバイスDUTに面する面)に配された下部ガイド60および上記収納要素55の反対側の上面Fb’に配された上部ガイド70を備える。
【0055】
本発明の実施形態では、下部ガイド60と上部ガイド70の両方は、セラミック材料製である。概して、上記ガイドは、1.8~5ppm/℃(10-6/℃)の間で含まれるCTEを有する。
【0056】
したがって、収納要素55は、下部ガイド60と上部ガイド70との間に介装され、上記ガイドを支持するように構成されており、プローブヘッド50全体のための強固な支持構造を提供する。
【0057】
プローブヘッド50は垂直プローブを備えるプローブヘッド(すなわち垂直プローブヘッド)であり、コンタクト要素51は、それぞれの下部ガイド60および上部ガイド70に形成された下部ガイドホール60hおよび上部ガイドホール70h内で移動可能である。
【0058】
図3を参照すると、本発明の実施形態では、収納要素55は、その中に形成された複数の収容受座57を備えるブロックの形態であり、コンタクト要素51は、上記収容受座57に、好ましくはグループで収容される。換言すれば、収納要素55は、その外周58によって画定された単一の内部空スペースを含むだけでなく、後に上に配置されるガイドに支持を提供する、内部アームまたは内壁59によって画定された一連の内部隔壁(すなわち上述の収容受座57)を含む。これは実質的に金属メッシュ構造(金属ハイブ)であり、アーム59は、ガイドを支持するために上記メッシュを画定する。
【0059】
明らかなことに、図3に示される構造は、単なる例示であり、本発明の範囲を決して限定するものではない。たとえば、そのような図面は(外周収容受座を除いて)形状が略同一である収容受座57を示しているが、収納要素55の内部隔壁がそれほど規則的ではない構成を採用することも可能である。さらに、ハウジングは円形である必要はなく、各々の適切な形状を使用することができる。たとえば、形状は、多角形(八角形、十二角形など)、または正方形もしくは長方形とすることもできる。また、内部アーム59の厚さは変更され得、図面は、決して本発明の範囲を限定するものではなく、非限定的な例としてのみ提供されている。
【0060】
したがって、収納要素55の設計は複合的になり得る。本発明の実施形態では、たとえ他の方法が明らかに可能であっても、収納要素55は、水切断もしくはワイヤ放電加工、またはあまり好ましくないがチップ除去によって成形される。
【0061】
再び図2を参照すると、本発明による利点として、少なくとも下部ガイド60(好ましくは下部ガイド60および上部ガイド70の両方)は、独立しており、空スペースまたはトレンチG’によって互いに分離されている複数のガイド部分60pを備え、上記ガイド部分60pは、最初に収納要素55に接続される少なくとも1つの単一のプレートを切断することによって得られる。
【0062】
このようにして、下部ガイド60および上部ガイド70の少なくとも1つは、互いに独立して分離されている複数のガイド部分60p、70pに分割され、それらの間に適切な空スペースG’が画定される。
【0063】
換言すれば、本開示は、最初に、少なくとも1つの単一のプレートの形態のガイド、、すなわち互いに分離されている要素が存在しない単一の構造要素を、収納要素55に接続することを提供し、上記単一の構造要素は、ハウジング55に接続された後にのみ、所定のパターンに従って切断される。
【0064】
前述したように、上部ガイド70も、空スペースG’によって互いに分離されている複数のガイド部分70pに分割されることが好ましい。(独立して互いに分離された)これらのさまざまなガイド部分は、上に見られたように、上記単一ガイド部分60pおよび70pを支持するように構成されている内部アーム59の存在により支持構造を提供する収納要素55によって機械的に支持される。したがって、収納要素55は、内部アーム59によって画定された複数の収容受座57を備え、これらは、上記ガイド部分60pおよび70pを支持するように構成されている。
【0065】
本発明の実施形態では、下部ガイド60および上部ガイド70は、4~100またはそれ以上の数の多数のガイド部分60pおよび70pを備え、そのような数はニーズおよび/または状況に応じて変更可能であり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0066】
図4は、プローブヘッド50の下部ガイド60の、たとえば被試験デバイスに面する面の例示的かつ非限定的な上面図である。本例では、たとえばレーザ切断によって画定された、空スペースG’によって互いに分離されている、6つのガイド部分60pが存在する(それでも、前述したように、上記ガイド部分の数をより増やすことができる)。ガイド部分60pは、(図4の例などにおいて)異なる形状を有することも、互いに同一の形状を有することもできる。さらに、ガイド部分60pは、特定の形状に限定されず、任意の適切な形状を有することができる。たとえば、ガイド部分は、(明らかに空スペースG’の存在とともに)パズルのように隣接するガイド部分の1つと互いに入り込む不規則な輪郭を有することもできる。実際、ガイドホール、およびしたがって(実質的に切断によってバイパスされている)コンタクトプローブの正しい位置を考慮するために、またテスター側から(したがって、図面には例示されていないが、上部ガイドを参照して)、アセンブリスロットの位置も考慮するために、切断の輪郭を非常に精巧にすることが可能である。また、ガイドの円形形状は本発明を限定するものではなく、他の適切な形態も採用することができる。
【0067】
空スペースG’は、重要であり、独立したガイド部分を互いに分離し、プローブヘッドの熱シフトの制御を容易にする。また、ガイドホール60hのパターンは、被試験デバイスのレイアウトに応じて、ガイド部分ごとにさまざまであり得る(図4のこの例では、ガイドの中央部分に近づくほどホールの密度は高くなる)。
【0068】
さらに、下部ガイド60および上部ガイド70が同じ数のガイド部分を有する必要はなく、上記下部ガイド60および上記上部ガイド70が異なるパターンを有することができることを観察することができる。
【0069】
換言すれば、適切に、図5のフローチャートによって概略されるように、プローブヘッド50は、少なくとも、
コンタクト要素51を少なくとも部分的に収容するための収納要素を設ける工程と、
収納要素55の下面Fa’に下部ガイド60を配する工程と、
収納要素55が下部ガイド60と上部ガイド70との間に介装されるように、収納要素55の上面Fb’に上部ガイド70を配する工程と、によって作られる。
【0070】
下部ガイド60と上部ガイド70の両方は、最初は、収納要素55に接続される単一のプレートの形態であり、それにより、当該方法はさらに、
下部ガイド60および上部ガイド70の少なくとも1つ(好ましくは下部ガイド60と上部ガイド70の両方)を切断する工程であって、それによって、上記の少なくとも1つの単一のプレートから開始して、互いに独立して分離されている複数のガイド部分60pおよび70pを画定する、工程を含む。
【0071】
明らかなことに、最初に収納要素55へのガイドの接続を提供し、その後、それら(またはそれらの少なくとも1つ)の切断を提供するシーケンスを除いて、他のすべての工程は必ずしも決められた固定シーケンスに従う必要はない。
【0072】
当該方法は、下部ガイド60および上部ガイド70にそれぞれ形成されたガイドホール60hおよび70hにコンタクト要素51を挿入する工程をさらに提供する。
【0073】
上に例示したように、収納要素55を形成することは、内部アーム59によって分離された複数の収容受座57をその中に画定する工程であって、したがって、下部ガイド60および上部ガイド70を支持するためのメッシュ構造を画定し、コンタクト要素51が上記収容受座57内に収容される、工程を含む。
【0074】
本発明の実施形態では、最初に2つ以上のプレート(たとえば、限られた数での任意の場合において、最初にハウジングに接続された2つまたは3つの単一プレート)を使用することも可能であり、上記プレートは、いずれにしても常にその後多くの独立したガイド部分に分割され、したがって最初は他のモジュールから分離されたモジュールを含まないが、後に分割される単一のコンポーネントである。
【0075】
本発明の実施形態では、ガイドの単一プレートの切断はレーザ切断によって実行される。レーザ切断が好ましいと考えられている場合でも、水切断、またはこれらの2つの技術の組み合わせを使用することも可能である。
【0076】
本発明の実施形態では、ガイドの切断に先立って、ガイドホール60hおよび70hを画定するために、(たとえばレーザ切断によって)プレートの穴あけが実行され、その後、コンタクト要素51は、ガイドを切断した後に上記ガイドホールに挿入される。ガイドホールが既に互いに位置合わせされているように切断前にガイドホールを形成することが好ましい場合でも、ガイドを切断した後にガイドホールが形成されるシーケンスも可能である。
【0077】
実施形態では、たとえ他の適切な接続モードが排除されないとしても、下部ガイド60および上部ガイド70は、好ましくは、その切断前に収納要素55に接着される。追加的または代替的に、ネジを設けることもできる。
【0078】
利点として、互いに分離されたさまざまなガイド部分60pおよび70pの存在によって、試験中、特に極端な温度での試験中に発生する熱シフト(プローブヘッドのさまざまなコンポーネントの熱膨張)の効率的な制御が可能になる。最初に単一プレートの形態の下部ガイド60および上部ガイド70を収納要素55に接続し、その後上記ガイドを分離されたモジュール(ガイド部分)に切断する、上述の処理シーケンスは、極端に複雑で長くなり得る、ガイド部分をさまざまな位置に配置し、互いに位置合わせする必要性が排除されるため、特に利点があり、製造時間とコストが大幅に削減される。
【0079】
換言すれば、複数の単一ガイド部分を位置合わせする必要がない(代わりに、上記モジュールが先行技術と同様に既に単一化されたハウジング55に直接連結されている場合に必要となる)ため、これらすべてはプローブヘッド50の組み立ておよび設定のプロセスを大幅に簡素化し、ガイドを切断した後に、単一ガイド部分は既に完全に位置合わせされている。その後、以下に特定されるように、ガイド部分の構造的独立性によって、試験中、特に極端な温度でのコンポーネントの熱膨張のより大きな制御が保証される。
【0080】
したがって、この構成によって、プローブヘッド50の熱膨張は主に収納要素55のCTEにリンクしており、前に開示したように、これは、ウェーハWの変形を補償するように簡単な方法で(上述の材料の1つを選択し、較正することによって)制御することができ、ガイド部分間の分離により、ガイド部分が上記収納要素が受ける変化にリンクされないようにすることが可能である。
【0081】
図6に例示された本発明の実施形態では、コンタクト要素51の第2の端部51bは、プローブ本体51’から横方向に突き出て、たとえばプローブカードのインターポーザとの接触をなすように構成された、アーム52を備えるように構築され、上記アーム52は、コンタクトプローブ51の長手方向軸H-Hに対して接触点を分散させるように構成されている。
【0082】
換言すれば、本実施形態では、プローブヘッド50のコンタクト要素51は、プローブ本体から突き出て、たとえばプローブカードのインターポーザと接触するように構成された、アームが設けられたコンタクトヘッドを有し、上記アームは、被試験デバイスDUTのパッドに対するプローブカードのコンタクトパッドの効率的な空間再分布、特に上記被試験デバイスのピッチの制約の緩和を可能にするように、プローブ間を異なる方法の長さで延びる。アームのそれぞれの長手方向の長さまたは延在は、コンタクトパッドの最適な再分布、およびしたがって信号の最適なルーティングを得るために、ニーズに基づいて選択することができ、すべてのプローブが突き出るアームを備えるわけではない構成が提供される。明確にするために、アーム52の長さが、それらの長手方向の展開方向(たとえば、プローブの軸H-Hに直交している)に沿って測定されることが観察される。
【0083】
実施形態では、コンタクト要素51の正確な保持を確保するために、上部ガイドホール70h内に収容されたそれらの部分には、適切な保持システム(図面に例示されないが、たとえば、バネもしくはクリップ構造、または好適な表面の凹凸によってガイドホール内でのより良好な保持が可能になる構造)が設けられる。コンタクト要素51に採用されたこの構成によって、組み立て中に下部ガイドと上部ガイドとの間のシフトを実施しないようにすることが可能になり、上記シフトは、プローブ本体を変形させて偏向を促進し、プローブを保持するために行われるが、プローブは代わりに上に例示したようにも保持される。プローブ本体51’の小さな(ほとんど知覚することができない)予めの変形だけで、試験中にすべてのプローブが同じ方向に曲がることを確保するのに十分である。ガイド(またはむしろ、それらの対応するガイドホール)が互いに対してシフトされていないという事実によって、下部ガイド60だけでなく上部ガイド70も複数のガイド部分70pに分割することが可能であり、熱シフトの制御がさらに良好に行われる。換言すれば、上記の保持システムによって、上部ガイド70も容易に切断するように、プローブを保持するためのガイドのシフトを実施しないようにすることが可能であり、したがって熱シフトの制御がより柔軟になる。明らかなことに、上述の保持システムの存在は、任意の適切な構造を有し得る、コンタクト要素51の特定の形状から独立している。
【0084】
したがって、上記を考慮すると、下部ガイド60および上部ガイド70の両方が複数のガイド部分60p、70pに分割されることが好ましい。
【0085】
最後に、依然として図6を参照すると、実施形態では、プローブヘッド50は、参照番号20で示される、プローブカードの残りの部分に接続され、これにより、試験装置(図示せず)との実際の接続が可能になる。
【0086】
プローブヘッド50は、たとえ他の適切な接続モードが可能であっても、たとえばネジによって、プローブカード20の残りの部分に、特に補強材に固定される。
【0087】
上述したように、プローブカード20は、順に第1の補強材部分21’および第2の補強材部分21”を含む補強材21を備える。
【0088】
特に、第1の補強材部分21’および第2の補強材部分21”は、最初に、構造上互いに独立しており、すなわち、補強材21は、実質的に2つの分離された補強材として構成されている。第1の補強材部分21’は上部補強材とも呼ばれ、第2の補強材部分21”は下部補強材とも呼ばれる。第1の補強材部分21’は、試験中、試験装置により近く、一方で、第2の補強材部分21”は、試験中、被試験デバイスDUTを含むウェーハWにより近い。
【0089】
さらに、プローブカード20は、上記プローブカード20を試験装置にインターフェース接続するように構成されたインターフェースボードまたは支持プレート22を備える。より具体的には、インターフェースボード22はプリント回路基板(PCBとも呼ばれる)である。
【0090】
インターフェースボード22は、試験中に、被試験デバイスDUTを含むウェーハWに面する少なくとも1つの下面Faと、下面Faの反対側の上面Fbとを備える。
【0091】
図6に例示されるように、インターフェースボード22は、第1の補強材部分21’と第2の補強材部分21”との間に配され、実質的にサンドイッチ構成を形成している。
【0092】
たとえば、インターフェースボード22は、約16の熱膨張係数を有する。試験中のインターフェースボード22の熱膨張の効果を制限するために、実施形態において、上記インターフェースボード22は、補強材21にフローティングして連結される。
【0093】
より具体的には、インターフェースボード22を補強材21に(特に第1の補強材部分21’に)接続するために、クリアランス22cを有する接続要素が設けられ、上記クリアランス22cを有する接続要素(たとえば、適切なネジなど)は、インターフェースボード22を補強材21にフローティングして連結することを可能にするように、上記インターフェースボード22に形成された複数のそれぞれのシート22(たとえば適切なスロット穴など)にフローティングして収容されている。
【0094】
また、第1の補強材部分21’と第2の補強材部分21”との間の接続は、少なくともx-y平面内で(すなわち、ウェーハWが存在する平面内で、場合によってはわずかに垂直軸zにも沿って)、それらの間に配されたインターフェースボード22の相対移動を可能にする、すなわち、上記インターフェースボード22をしっかりと固定することを回避するようなものであるべきである。
【0095】
第1の補強材部分21’と第21の補強材部分21”とは、複数のネジ21cによって互いに固定されている。インターフェースボード22の上述のフローティングを促進するために、ブッシュ21bをさらに設けることができる。明らかなことに、多くの他の接続モードも提供することができ、図面は本発明の範囲の例示的な非限定的な例としてのみ提供されている。
【0096】
実施形態では、第1の補強材部分21’と第2の補強材部分21”は、その後、たとえば上に例示したようなネジによって、互いに強固に接続される。
【0097】
本発明の実施形態では、補強材21は、適切な合金FeNi(たとえば、インバー、コバール、合金42など)、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールから選択される材料で作られるが、これらの材料に限定されない。概して、収納要素55に関して既に述べたように、補強材21’および21”のCTEは、プローブカード20が動作する温度範囲に従って最適化され(およびしたがって、その適切な材料が選択され)、これは、使用される材料が要因で制御することができる。
【0098】
本発明の実施形態では、第1の補強材部分21’および第2の補強材部分21”は、それぞれ、さまざまなCTEを有する材料で作られているが、ここで、試験中に、温度勾配が生成され、(被試験デバイスからさらに離れている)第1の補強材部分21’は、好ましくは、第2の補強材部分21”のCTEよりも高いCTEを有する。上記補強材部分間の均衡は、上述したように、試験プラットフォームおよび動作温度範囲に従って実施される。明らかなことに、上記コンポーネントに同じ材料(たとえばコバールのみ)を使用することも可能であるが、(たとえば上述されたものから選択される)異なる材料も使用するべく、上述の勾配を補償するようにCTEが異なる方法で制御される。
【0099】
明らかなことに、提供された例は、本発明の範囲を例示するものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、使用される材料によって限定されない。
【0100】
プローブカード20は、補強材21に接続された、特に第2の補強材部分21”に接続されたインターポーザ23をさらに備える。
【0101】
当該技術分野で知られているように、インターポーザ23は、コンタクトパッド間のそれらの対向面に形成された距離(ピッチ)の空間変換を提供するように構成されており、そのため、上記コンポーネントは「スペーストランスフォーマ」とも呼ばれる。
【0102】
プローブヘッド50のガイドに関して見られたものと同様に、インターポーザ23は、第2の補強部分21”に接続されるときに、材料のモノブロックの形態である。特に、インターポーザ23は、単一のコンポーネント(たとえば単一のボード)として補強材21に接続される。
【0103】
インターポーザ23は、補強材21に接続される(特に、被試験デバイスDUTに面する第2の補強材部分21”の下面に接続される)と、所定のパターンに従って連続して切断され、このようにして、独立して互いに分離された複数のモジュール23mを画定する。特に、切断の終わりに、単一モジュール23mは、適切な空スペースまたはトレンチGによって互いに分離される。
【0104】
換言すれば、プローブカード20の製造の終わりに、インターポーザ23は、互いに分離された複数のモジュール23mを備え、上記モジュール23mは、最初に補強材21に(特に第2の補強材部分21”)に接続される材料のモノブロックを切断することによって得られる。
【0105】
これにより、単一モジュールを位置合わせする必要がなくなるため(これは、先行技術の解決策で行われるように、上記複数のモジュールが既に単一化されて補強材に直接連結された場合に代わりに必要とされ得る)、プローブカード20の組み立ておよび設定が大幅に簡素化される。その後、プローブヘッド50に関して前に述べたものと同様に、モジュールの構造的独立性によって、試験中、特に極端な温度でのコンポーネントの熱膨張のより高度な制御が保証される。
【0106】
概して、たとえ特定の実施形態において、インターポーザとガイドに同じパターンを採用する可能性が排除されないとしても、前に記載されたプローブヘッド50のガイドの隔壁とインターポーザ23の隔壁との間に厳格な関係性はない。
【0107】
代替の実施形態では、材料の2つ以上のモノブロック(たとえば、限られた数での任意の場合に、2つまたは3つ)を使用することも可能であり、上記モノブロックは、いずれにしても、常にその後、多くの独立したモジュールに分割される。
【0108】
要約すると、プローブカード20は、少なくとも、
第1の補強材部分21’および第2の補強材部分21”を備える補強材21を設ける工程と、
材料のモノブロックの形態であるインターポーザ23を第2の補強材部分21”に接続する工程と、
インターポーザ23を第2の補強材部分21”に接続した後に所定のパターンに従って切断する工程であって、それにより、互いに分離された複数のモジュール23mを画定する(このようにして、切断後、インターポーザ23は、ガイド部分60pおよび70pと同様に、構造化され、複数の独立したモジュール23mに分割される)、工程と、
インターフェースボード20を設ける工程と、
インターフェースボード22を第1の補強材部分21’と第2の補強材部分21”との間に配する工程と、
第1の補強材部分21’と第2の補強材部分21”とを互いに固定する工程と、
プローブヘッド50をインターポーザ23に連結する工程と、を含む製造方法によって作られる。
【0109】
明らかなことに、最初に補強材21へのインターポーザ23の接続を提供し、その後、切断を提供するシーケンスを除いて、他のすべての工程は必ずしも判定された固定シーケンスに従う必要はない。たとえば、上に例示したように、たとえ他の適切なシーケンスが除外されないとしても、最初にインターポーザ23を第2の補強材部分21”に接続し、上記インターポーザ23を切断し、その後、第2の補強材部分21”を第1の補強材部分21’に接続することが可能である。
【0110】
本明細書において、「連結」という用語が、必ずしも強固な方法である必要はないが、要素を別の要素に直接的および間接的に接続することを意味していることが観察される。
【0111】
さらに、本発明の好ましい実施形態では、インターポーザ23の切断は、レーザ切断によって実施される。代替的に、水切断(ウォータージェット)、または上述の技術の組み合わせを使用することも可能である。いずれの実施形態でも、モジュール間の完全な分離(すなわち、それらの相対的な独立性)を判定するインターポーザの切断は、常に補強材上でのその組み立て後に行われる。
【0112】
上述したように、インターポーザ23は、コンタクト要素51によって伝送された信号をルーティングする機能を有し、PCB上のコンタクトパッドの再分布を可能にする。概して、スペーストランスフォーマはMLC(多層セラミック)で作られる。適切なように、インターポーザ23は、代わりに、多層有機材料(MLO)で作られる。MLOの使用によって、セラミック材料に対する可撓性がより高まることが保証されるだけでなく、製造がより簡素化される(たとえば、レーザ切断が容易になり、結果として製造コストが削減される)ことも保証される。
【0113】
図6に例示されるように、プローブヘッド50のコンタクト要素51の第1の端部51aが、被試験デバイスDUTのコンタクトパッドPに接触するように構成されている一方で、第2の端部51bは、非固定的にインターポーザ23に接触するように構成されている。このように、コンタクト要素は、インターポーザ23にしっかりと固定されていない。前に見られたように、好ましい実施形態では、コンタクト要素51は適切に垂直なコンタクトプローブであるため、この垂直技術の利点をすべて活用することが可能であり、ここで、プローブ本体は、被試験デバイスとの接触中に曲がる。
【0114】
実施形態によれば、第2の補強材部分21”は複数の収容受座24を備え、上記収容受座24の各々に、インターポーザ23の複数のモジュール23mのうちの対応するモジュールが配される。収容受座24は、第2の補強材部分21”に形成された貫通孔とすることができ、その数は、それぞれの収容受座24に配されている、インターポーザ23のモジュール23mと数と同じである。換言すれば、第2の補強材部分21”に複数の収容受座24を予備的に画定することが可能であり、それにより、インターポーザ23の複数のモジュール23mのうちの対応するモジュールは、上記収容受座24で切断される。
【0115】
実施形態では、プローブカード20は、収容受座24に収容され、インターポーザ23とインターフェースボード22とを互いに電気的に接続するように構成された複数の電気接続要素25を備える。このようにして、プローブカード20の製造プロセスの際に、電気接続要素25は、インターポーザ23を第2の補強材部分21”に接続する前に、それぞれの収容受座24に挿入される。
【0116】
例として、電気接続要素25は、導電性エラストマー、ポゴピン、または導電性クリップとすることができる。
【0117】
複数のモジュール23mのうちの各モジュールは、ネジ26によって、好ましくは2つのネジ26によって第2の補強材部分21”に固定される。たとえば、各モジュール23mの2つの対向する縁部(または角)に、ネジ26を設けることができる。
【0118】
明らかなことに、異なる数のネジを使用することが可能であり、インターポーザ23を第2の補強材部分21”に取り付けるさまざまな方法を採用することも可能である。たとえば、代替の実施形態では、インターポーザ23は、第2の補強材部分21”に接着することができる。
【0119】
いずれの場合も、接続モードとは独立して、インターポーザ23は、プローブヘッド50のガイドに関して見られたものと同様に、その切断前に材料のモノブロックとして第2の補強材部分21”に常に接続される。したがって、モジュールへの完全な分離は、補強材への固定後に実行される。
【0120】
インターポーザ23は、多数のモジュール23m、たとえば50~150まで変化する数のモジュールを備え得る。各モジュールは、複数のデバイス、たとえば1~30の範囲の数のデバイスを試験するように構成されている。したがって、単一の試験動作を用いて、本発明のプローブカード20は、その大きなサイズとそれに連結された多数のモジュール23mにより、多数のデバイスの試験を実行することができる一方で、同時に組み立てが簡単であり、そのコンポーネントの熱膨張の最適な制御が保証される。
【0121】
結論として、本発明は、ガイドが、最初に単一のプレート(たとえば、セラミック材料の単一のプレート)の形態でハウジングに固定され、その後、独立して互いに分離されている複数のガイドモジュールまたはガイド部分に切断されるという方法によって製造されたプローブヘッドを提供する。このようにして、ガイドは、単一ガイド部分の位置合わせを実行する必要なく、単一の材料ブロック(材料のモノブロック)としてプローブヘッドに関連付けられるため、その後、試験中のプローブヘッドの熱膨張の制御を向上させることが可能になる。
【0122】
したがって、本発明による利点として、極端な温度での試験中のプローブヘッドのコンポーネントの熱膨張を極端に簡単な方法で制御することが可能であり、そのような熱膨張の有害な影響を、完全に排除しないにしても、大幅に低減する。したがって、本開示のプローブヘッドは、そのコンポーネントの反りや曲がりを生じさせることなく、顕著な温度変化(たとえば-40℃から+125℃)に抵抗し、耐えることができる。
【0123】
より具体的には、独立して互いに分離されたガイド部分により、上記ガイドは、ハウジングの熱膨張係数にリンクされず(すなわち、ハウジングの膨張の影響を受けず)、それによって、一方のモジュールと他方のモジュールとの間に作成されている、およびそのそれぞれの変位を可能にする自由空間が要因で、上記ハウジングが膨張してもガイドの機械的応力は生じない。
【0124】
したがって、プローブヘッド全体の熱膨張は、主にハウジングの寄与によるものであり、その熱膨張係数は、アセンブリが反りや曲がりを生じさせることなく膨張することができるよう較正することができ、したがって、(前に述べたように、極値間で変化し得る)試験温度の全範囲にわたってプローブヘッドの平面性が保証される。換言すれば、ガイドのモジュールの相対的な独立性によって、プローブヘッドの全体的な熱膨張係数が、実質的にハウジングのみにリンクされ、その材料を選択することによって管理されることが保証され、それにより、上記プローブヘッド内の温度勾配およびさまざまな熱膨張を補償することがより容易になる。したがって、適切なように、シリコンウェーハのCTEに比例するようにハウジングのCTEを管理することが簡単である。
【0125】
本発明により適切なように、この構成は、最初にガイドをハウジングに固定し(締め付け)、その後、接続後にのみ、さまざまなモジュールを完全に分離するという、極めて単純な方法で得られる。利点として、採用された解決策によって、さまざまなモジュールを互いに位置合わせさせないことが可能であり、これは、(最初は単一の材料片の形状である)ガイドが切断されると、それらが既に完全に位置合わせされているためであり、これにより、本発明のプローブヘッドの製造および使用が大幅に簡素化される。これによって、製造時間およびコストが大幅に節約されると同時に、はるかにより信頼性の高い解決策が得られ、これは、さまざまなコンポーネント間の位置合わせ誤差が回避されるためである。
【0126】
これは、たとえばDRAMなどのメモリデバイスの試験に使用されるプローブヘッドなどの、大型のプローブヘッドの場合に特に利点があり、これは、サイズが大きいことでさまざまなコンポーネントの相対的な位置合わせがさらにより繊細であり、さまざまなコンポーネントの熱膨張がさらにより重要となるためである。
【0127】
適切なように、本開示のプローブヘッドの構造により、垂直技術のすべての利点および可能性を活用することがさらに可能であり、これは、採用されたアーキテクチャが垂直プローブを備えたプローブヘッド(垂直プローブヘッド)のアーキテクチャであるからである。
【0128】
最後に、上記プローブヘッドとさまざまな分離され独立したモジュールに分割されているインターポーザとの併用によって、極端な温度での試験中の熱膨張のさらに細かくより効率的な制御を得ることが可能になる。この場合、実際には、インターポーザレベルとプローブヘッドレベルの両方でCTEの制御を有することが可能であり、プローブカード全体としての熱制御の程度が向上する。換言すれば、上に例示されたようにさまざまなガイド部分を互いに分離することによって、ハウジングの熱膨張を制御するだけでヘッド部の熱膨張を制御することが可能であり(その材料は、ガイドのセラミック材料に対するより良好な制御を確保し)、したがって、プローブカードのコンポーネントの熱制御において複数の自由度が得られ、それゆえ、複数のインターフェースに分布されている熱シフトに対する許容値の管理がより容易になる。
【0129】
明らかなことに、当業者は、不定および特定の要件を満たすために、当該方法および上記のプローブヘッドに対して多数の修正および変更を行い得、これらはすべて、以下の請求項によって定義されるように本発明の保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-07-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験デバイス(DUT)の機能性試験のためのプローブヘッド(50)を製造するための方法であって、前記方法が、
収納要素(55)を設ける工程と、
試験中に前記被試験デバイス(DUT)に面する前記収納要素(55)の下面(Fa’)に下部ガイド(60)を配する工程と、
前記下面(Fa’)の反対側の前記収納要素(55)の上面(Fb’)に上部ガイド(70)を配する工程と、を含み、
前記収納要素(55)が、前記下部ガイド(60)と前記上部ガイド(70)との間に介装され、
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)は、前記収納要素(55)に接続されるときに、少なくとも1つの単一のプレートの形状であり、
前記方法がさらに、
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)の少なくとも1つを切断する工程であって、それにより、前記少なくとも1つの単一のプレートから開始して、独立して互いに分離されている複数のガイド部分(60p、70p)を画定する、工程と、
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)に形成されたガイドホールに、前記被試験デバイス(DUT)のコンタクトパッド(P)に適合したコンタクト要素(51)を挿入する工程と、を含む方法。
【請求項2】
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)の両方が、複数のガイド部分(60p、70p)に分割される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)の前記単一のプレートの切断が、レーザ切断または水切断によって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)を切断する前に、前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)を前記収納要素(55)に接着する予備工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)を切断する前に、前記コンタクト要素(51)を収容するための前記ガイドホールを形成する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
内部アーム(59)によって互いに分離されている複数の収容受座(57)を前記収納要素(55)内に形成する工程を含み、それにより、前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)を支持するように構成されたメッシュ構造を画定し、前記コンタクト要素(51)が前記収容受座(57)に収容される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)の前記単一のプレートが、セラミック材料製である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記収納要素(55)の材料を、インバー、コバール、合金42またはFeNi合金、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールの中から選択する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
補強材(21)、インターポーザ(23)、およびインターフェースボード(22)を備えるプローブカード(20)に、前記プローブヘッド(50)を連結する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記プローブカードが、
材料の少なくとも1つのモノブロックの形状である前記インターポーザ(23)を、前記補強材(21)に接続する工程と、
前記インターポーザ(23)の前記少なくとも1つのモノブロックを、前記補強材(21)に接続した後に所定のパターンに従って切断する工程であって、それにより、互いに分離された複数のモジュール(23m)を画定する、工程と、を経て製造される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
被試験デバイス(DUT)の機能性試験のためのプローブヘッド(50)であって、前記プローブヘッド(50)が、
収納要素(55)と、
試験中に前記被試験デバイス(DUT)に面する前記収納要素(55)の下面(Fa’)に配された下部ガイド(60)と、
前記下面(Fa’)の反対側の前記収納要素(55)の上面(Fb’)に配された上部ガイド(70)と、
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)に形成されたガイドホールに収容され、前記被試験デバイス(DUT)のコンタクトパッド(P)に適合する複数のコンタクト要素(51)と、を備え、
前記収納要素(55)が、前記下部ガイド(60)と前記上部ガイド(70)との間に介装され、および
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)の少なくとも1つが、独立して互いに分離されている複数のガイド部分(60p、70p)に分割されており、
前記ガイド部分(60p、70p)が、最初に前記収納要素(55)に接続される少なくとも1つの単一のプレートを切断することによって得られる、プローブヘッド(50)。
【請求項12】
前記コンタクト要素(51)が、第1の端部(51a)と、反対側の第2の端部(51b)との間で長手方向軸(H-H)に沿って延びる本体(51’)を備える垂直コンタクトプローブであり、前記第1の端部(51a)が、前記被試験デバイス(DUT)の前記コンタクトパッド(P)に接触するように構成されている、請求項11に記載のプローブヘッド(50)。
【請求項13】
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)が、4~100個の範囲の多数のガイド部分(60p、70p)を備える、請求項11に記載のプローブヘッド(50)。
【請求項14】
前記収納要素(55)が、インバー、コバール、合金42またはFeNi合金、チタンまたはその合金、アルミニウムまたはその合金、鋼、真鍮、マコールのうちの少なくとも1つで作られる、請求項11に記載のプローブヘッド(50)。
【請求項15】
前記下部ガイド(60)および前記上部ガイド(70)が、セラミック材料製である、請求項11に記載のプローブヘッド(50)。
【請求項16】
前記収納要素(55)が、内部アーム(59)によって画定される複数の収容受座(57)を備え、前記内部アーム(59)が前記ガイド部分(60p、70p)を支持するように構成されている、請求項11に記載のプローブヘッド(50)。
【請求項17】
被試験デバイス(DUT)の機能性試験のためのプローブカード(20)であって、前記プローブカード(20)が、
補強材(21)と、
前記補強材(21)に連結され、前記プローブカード(20)を試験装置にインターフェース接続するように構成された、インターフェースボード(22)と、
請求項11に記載のプローブヘッド(50)と、を備えるプローブカード(20)。
【請求項18】
インターポーザ(23)が、独立して互いに分離されている複数のモジュール(23m)を備え、前記インターポーザ(23)の前記モジュール(23m)が、最初に前記補強材(21)に接続される材料の少なくとも1つのモノブロックを切断することによって得られる、請求項17に記載のプローブカード(20)。
【国際調査報告】