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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-05
(54)【発明の名称】半導体デバイスおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20231128BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
H01L29/80 H
H01L29/06 301F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532286
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 CN2020132301
(87)【国際公開番号】W WO2022110030
(87)【国際公開日】2022-06-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】タン,ツェン
(72)【発明者】
【氏名】ルァオ,ジン
(72)【発明者】
【氏名】リィウ,タオ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ハイジュン
(72)【発明者】
【氏名】ルゥ,ウエイ
(72)【発明者】
【氏名】レ,リンツォン
(72)【発明者】
【氏名】マ,ジュンツァイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジリ
【テーマコード(参考)】
5F102
【Fターム(参考)】
5F102GJ02
5F102GJ03
5F102GJ04
5F102GJ10
5F102GK04
5F102GL04
5F102GM04
5F102GS04
5F102GT02
5F102GT03
5F102GV06
5F102GV07
5F102GV08
5F102HC01
5F102HC16
(57)【要約】
本出願の実施形態は、半導体デバイスおよびその製造方法を開示する。半導体デバイスは、基板と、ゲートと、第2の誘電体層と、フィールドプレートとを含み得る。基板は第1の誘電体層を有し、第1の領域における第1の誘電体層の厚さは、第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層の厚さよりも大きい。ゲートは、基板上に位置し、第1の領域に位置し、ゲートは、基板の表面に垂直な方向に接続された第1のゲート構造および第2のゲート構造を含み、第1のゲート構造は、基板の表面に垂直な方向に第1の誘電体層を貫通し、第2のゲート構造は、第1の誘電体層の、基板から離れた側に形成され、第1の誘電体層の一部を覆う。第2の誘電体層は、ゲートおよび第1の誘電体層を覆う。フィールドプレートは、第2の誘電体層上に位置し、第1の領域と第2の領域の両方に配置される。このようにして、第2のゲート構造とドレインとの間の容量が低減され、フィールドプレートとチャネルとの間の容量が増加するので、デバイスの寄生容量が低減され、高周波数におけるデバイスの利得特性が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
基板であって、前記基板は第1の誘電体層を有し、第1の領域における前記第1の誘電体層の厚さは、前記第1の領域の外側の第2の領域における前記第1の誘電体層の厚さよりも大きい、基板と、
ゲートであって、前記ゲートは、前記基板上に位置し、前記第1の領域に位置し、前記ゲートは、前記基板の表面に垂直な方向に接続された第1のゲート構造および第2のゲート構造を含み、前記第1のゲート構造は、前記基板の前記表面に垂直な方向に前記第1の誘電体層を貫通し、前記第2のゲート構造は、前記第1の誘電体層の、前記基板から離れた側に形成され、前記第1の誘電体層の一部を覆う、ゲートと、
前記ゲートおよび前記第1の誘電体層を覆う第2の誘電体層と、
前記第2の誘電体層上に位置するフィールドプレートであって、前記フィールドプレートは、前記第1の領域および前記第2の領域の両方に配置される、フィールドプレートと
を備える半導体デバイス。
【請求項2】
前記基板に位置するソースおよびドレインをさらに備え、前記ゲートは、前記ソースと前記ドレインとの間に位置し、前記フィールドプレートは、前記基板の前記表面に垂直な方向において、前記ゲートの、前記ドレインに面する部分に面し、前記ドレインまで延在し、前記フィールドプレートの、前記第2の領域に位置する部分は、前記ソースに電気的に接続される、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記第1の誘電体層は、第1のサブフィルム層および第2のサブフィルム層を含み、
前記第1のサブフィルム層が前記基板を覆い、前記第2のサブフィルム層が前記第1のサブフィルム層上の前記第1の領域に位置するか、または前記第1のサブフィルム層が、前記基板上に位置し、前記第1の領域に位置し、前記第2のサブフィルム層が、前記第1のサブフィルム層と、前記第2の領域内にあり、前記第1のサブフィルム層の外側にある前記基板とを覆う、
請求項1または2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記第1のサブフィルム層および前記第2のサブフィルム層のうちの少なくとも一方の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つである、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記基板は、ベースとエピタキシャル層とを含み、前記エピタキシャル層は、前記ゲートに面して配置され、前記ベースの材料は、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、シリコン、炭化ケイ素、およびサファイアのうちの1つまたは複数であり、前記エピタキシャル層は、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化インジウムアルミニウム、窒化アルミニウム、および窒化スカンジウムアルミニウムのうちの1つまたは複数を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記ゲートおよび/または前記フィールドプレートの材料は、ニッケル、チタン、アルミニウム、パラジウム、白金、金、窒化チタン、窒化タンタル、および銅のうちの少なくとも1つである、請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記第2の誘電体層の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つである、請求項1から6のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
半導体デバイスの製造方法であって、
基板を提供するステップと、
前記基板上に第1の誘電体層およびゲートを形成するステップであって、前記ゲートは、前記基板上に位置し、第1の領域に位置し、前記第1の領域における前記第1の誘電体層の厚さは、前記第1の領域の外側の第2の領域における前記第1の誘電体層の厚さよりも大きく、前記ゲートは、前記基板の表面に垂直な方向に接続された第1のゲート構造および第2のゲート構造を含み、前記第1のゲート構造は、前記基板の前記表面に垂直な方向に前記第1の誘電体層を貫通し、前記第2のゲート構造は、前記第1の誘電体層の、前記基板から離れた側に形成され、前記第1の誘電体層の一部を覆う、ステップと、
前記ゲートおよび前記第1の誘電体層を覆う第2の誘電体層を形成するステップと、
前記第2の誘電体層上にフィールドプレートを形成するステップであって、前記フィールドプレートは、前記第1の領域および前記第2の領域の両方に配置される、ステップと
を含む方法。
【請求項9】
前記基板にソースおよびドレインがさらに形成され、前記ゲートは、前記ソースと前記ドレインとの間に位置し、前記フィールドプレートは、前記基板の前記表面に垂直な方向において、前記ゲートの、前記ドレインに面する部分に面し、前記ドレインまで延在し、前記フィールドプレートの、前記第2の領域に位置する部分は、前記ソースに電気的に接続される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の誘電体層は、第1のサブフィルム層および第2のサブフィルム層を含み、前記基板上に第1の誘電体層およびゲートを形成する前記ステップは、
前記基板上に前記第1のサブフィルム層および第2のサブ材料層を順次形成するステップと、
前記第1の領域内の前記第2のサブ材料層および前記第1のサブフィルム層をエッチングして、第1のビアを得るステップと、
前記第1のビアの内側に位置する前記第1のゲート構造と、前記第1のゲート構造に接続され、前記第1の誘電体層の前記一部を覆う前記第2のゲート構造とを形成するステップと、
前記第2のゲート構造をマスクとして使用することによって、前記第2のゲート構造の外側の前記第2のサブ材料層をエッチングして除去するステップであって、前記第1の領域に位置する前記第2のサブ材料層が、前記第2のサブフィルム層として使用される、ステップと
を含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記基板上に第1の誘電体層およびゲートを形成する前記ステップは、
前記基板上に第1の誘電体層を形成するステップと、
前記第1の領域内の前記第1の誘電体層をエッチングして、第2のビアを得るステップと、
前記第2のビアの内側に位置する前記第1のゲート構造と、前記第1のゲート構造に接続され、前記第1の誘電体層の前記一部を覆う前記第2のゲート構造とを形成するステップと、
前記第1の領域の外側の前記第2の領域内の前記第1の誘電体層を薄化して、前記第1の誘電体層を形成するステップと
を含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の誘電体層は、第1のサブフィルム層および第2のサブフィルム層を含み、前記基板上に第1の誘電体層およびゲートを形成する前記ステップは、
前記基板上に第1のサブ材料層を形成するステップと、
前記第1の領域の外側の前記第2の領域内の前記第1のサブ材料層を除去し、前記第1の領域に位置する前記第1のサブ材料層を前記第1のサブフィルム層として使用するステップと、
前記第1のサブフィルム層および前記基板を覆う前記第2のサブフィルム層を形成するステップと、
前記第1の領域内の前記第2のサブフィルム層および前記第1のサブフィルム層をエッチングして、第3のビアを得るステップと、
前記第3のビアの内側に位置する前記第1のゲート構造と、前記第1のゲート構造に接続され、前記第1の誘電体層の前記一部を覆う前記第2のゲート構造とを形成するステップと
を含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の誘電体層は、第1のサブフィルム層および第2のサブフィルム層を含み、前記基板上に第1の誘電体層およびゲートを形成する前記ステップは、
二層フォトレジストパターニングプロセスを使用することによって、前記基板上の前記第1の領域に前記第1のサブフィルム層を形成するステップと、
前記第1のサブフィルム層および前記基板を覆う前記第2のサブフィルム層を形成するステップと、
前記第1の領域内の前記第2のサブフィルム層および前記第1のサブフィルム層をエッチングして、第3のビアを得るステップと、
前記第3のビアの内側に位置する前記第1のゲート構造と、前記第1のゲート構造に接続され、前記第1の誘電体層の前記一部を覆う前記第2のゲート構造とを形成するステップと
を含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のサブフィルム層および/または前記第2のサブフィルム層の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つである、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記基板は、ベースとエピタキシャル層とを含み、前記ベースの材料は、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、シリコン、炭化ケイ素、およびサファイアのうちの1つまたは複数であり、前記エピタキシャル層は、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化インジウムアルミニウム、窒化アルミニウム、および窒化スカンジウムアルミニウムのうちの1つまたは複数を含む、請求項8から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ゲートおよび/または前記フィールドプレートの材料は、ニッケル、チタン、アルミニウム、パラジウム、白金、金、窒化チタン、窒化タンタル、および銅のうちの少なくとも1つである、請求項8から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の誘電体層の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つである、請求項8から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
回路基板と、前記回路基板に接続された請求項1から7のいずれか一項に記載の半導体デバイスとを備える電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、半導体製造技術の分野に関し、特に、半導体デバイスおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの用途では、無線周波数デバイスは、高周波数において良好な利得特性を有することが必要とされる。例えば、窒化ガリウム(gallium nitride、GaN)および炭化ケイ素(silicon carbide、SiC)に代表される第3世代の化合物半導体材料は、優れた材料特性のために広く注目されており、窒化ガリウム系デバイスは、高い移動度、強い破壊耐性、および優れた放熱などの利点から、無線周波数デバイスの分野で広く使用されている。しかしながら、窒化ガリウム系無線周波数デバイスは、高周波数利得特性に対して高い指数要件を有する。
【0003】
高周波数における無線周波数デバイスの利得特性は、主に、無線周波数デバイスの寄生キャパシタが、高周波数動作状態において信号に基づいて効率的かつ高速な充電および放電動作を行うことができるかどうかに依存する。したがって、無線周波数デバイスの別の設計構造を変更することなく、寄生キャパシタの容量値を低減することによって、高周波数における無線周波数デバイスの利得特性が効果的に向上し得る。現在、無線周波数デバイスの寄生容量は、誘電体層の厚さまたは誘電率を変更することによって調整され得る。しかしながら、この調整方式では、静電破壊などの別の悪影響が生じやすい。
【発明の概要】
【0004】
これを考慮して、本出願の実施形態は、半導体デバイスおよびその製造方法を提供する。半導体デバイスの構造を調整することで、無線周波数デバイスの寄生容量を低減し、高周波数における無線周波数デバイスの利得特性を向上させることができる。
【0005】
第1の態様によれば、本出願の一実施形態は、基板と、ゲートと、第2の誘電体層と、フィールドプレートとを含む半導体デバイスを提供する。基板は第1の誘電体層を有し、第1の領域における第1の誘電体層の厚さは、第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層の厚さよりも大きい。ゲートは、基板上に位置し、第1の領域に位置し、ゲートは、基板の表面に垂直な方向に接続された第1のゲート構造および第2のゲート構造を含み、第1のゲート構造は、基板の表面に垂直な方向に第1の誘電体層を貫通し、第2のゲート構造は、第1の誘電体層の、基板から離れた側に形成され、第1の誘電体層の一部を覆う。第2の誘電体層は、ゲートおよび第1の誘電体層を覆う。フィールドプレートは、第2の誘電体層上に位置し、第1の領域と第2の領域の両方に配置される。このようにして、等しい厚さの第1の誘電体層を有する半導体デバイスにおける容量と比較して、この半導体デバイスでは、第1の領域における第1の誘電体層の厚さが大きいために第2のゲート構造とドレインとの間の容量が低減され、第2の領域における第1の誘電体層の厚さが小さいためにフィールドプレートとチャネルとの間の容量が増加するので、半導体デバイスの寄生容量が低減され、高周波数における半導体デバイスの利得特性が向上する。加えて、この設計により、デバイス内部の電界応力(electric field stress)がさらに再調整され得る。第1の領域における第1の誘電体層の厚さが大きいので、第2のゲート構造における電界ピークが弱まり、デバイスの全体的なロバスト性が向上する。
【0006】
いくつかの可能な実装形態では、半導体デバイスは、基板に位置するソースおよびドレインをさらに含み、ゲートは、ソースとドレインとの間に位置し、フィールドプレートは、基板の表面に垂直な方向において、ゲートの、ドレインに面する部分に面し、ドレインまで延在し、フィールドプレートの、第2の領域に位置する部分は、ソースに電気的に接続される。
【0007】
本出願のこの実施形態では、半導体デバイスは、ソースおよびドレインをさらに含み得る。フィールドプレートは、ソースに接続され、ドレインまで延在して、ソースとドレインとの間の電界および容量分布を変調し、それによって、高周波数利得の特定のインジケータを実装し得る。
【0008】
いくつかの可能な実装形態では、第1の誘電体層は、第1のサブフィルム層および第2のサブフィルム層を含む。
【0009】
第1のサブフィルム層が基板を覆い、第2のサブフィルム層が第1のサブフィルム層上の第1の領域に位置するか、または第1のサブフィルム層が、基板上に位置し、第1の領域に位置し、第2のサブフィルム層が、第1のサブフィルム層と、第2の領域内にあり、第1のサブフィルム層の外側にある基板とを覆う。
【0010】
本出願のこの実施形態では、第1の誘電体層は多層構造を含み得、多層構造は第1の領域が厚く、したがって、第1の領域における第1の誘電体層の厚さは、第2の領域における第1の誘電体層の厚さよりも大きい。このようにして、半導体デバイスの寄生容量が低減され、高周波数における半導体デバイスの利得特性が向上する。
【0011】
いくつかの可能な実装形態では、第1のサブフィルム層および第2のサブフィルム層のうちの少なくとも一方の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つである。
【0012】
本出願のこの実施形態では、第1の誘電体層の誘電率をより良好に制御するために、第1のサブフィルム層および第2のサブフィルム層の材料が設定され得る。
【0013】
いくつかの可能な実装形態では、基板は、ベースとエピタキシャル層とを含み、エピタキシャル層は、ゲートに面して配置され、ベースの材料は、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、シリコン、炭化ケイ素、およびサファイアのうちの1つまたは複数であり、エピタキシャル層は、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化インジウムアルミニウム、窒化アルミニウム、および窒化スカンジウムアルミニウムのうちの1つまたは複数を含む。
【0014】
本出願のこの実施形態では、基板は、ベースおよびエピタキシャル層を含み得、エピタキシャル層を機能層として使用して、半導体デバイスがパーソナライズされた機能を有するようにし得る。
【0015】
いくつかの可能な実装形態では、ゲートおよび/またはフィールドプレートの材料は、ニッケル、チタン、アルミニウム、パラジウム、白金、金、窒化チタン、窒化タンタル、および銅のうちの少なくとも1つである。
【0016】
本出願のこの実施形態では、ゲートおよびフィールドプレートのより良好な導電性を実現するために、ゲートおよびフィールドプレートの材料が設定され得る。
【0017】
いくつかの可能な実装形態では、第2の誘電体層の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つである。
【0018】
本出願のこの実施形態では、第2の誘電体層のより良好な絶縁を実現するために、第2の誘電体層の材料が設定され得る。
【0019】
第2の態様によれば、本出願の一実施形態は、以下を含む半導体デバイスの製造方法を提供する:
基板を提供するステップ;
基板上に第1の誘電体層およびゲートを形成するステップであって、ゲートは、基板上に位置し、第1の領域に位置し、第1の領域における第1の誘電体層の厚さは、第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層の厚さよりも大きく、ゲートは、基板の表面に垂直な方向に接続された第1のゲート構造および第2のゲート構造を含み、第1のゲート構造は、基板の表面に垂直な方向に第1の誘電体層を貫通し、第2のゲート構造は、第1の誘電体層の、基板から離れた側に形成され、第1の誘電体層の一部を覆う、ステップ;
ゲートおよび第1の誘電体層を覆う第2の誘電体層を形成するステップ;および
第2の誘電体層上にフィールドプレートを形成するステップであって、フィールドプレートは、第1の領域および第2の領域の両方に配置される、ステップ。
【0020】
いくつかの可能な実装形態では、基板にソースおよびドレインがさらに形成され、ゲートは、ソースとドレインとの間に位置し、フィールドプレートは、基板の表面に垂直な方向において、ゲートの、ドレインに面する部分に面し、ドレインまで延在し、フィールドプレートの、第2の領域に位置する部分は、ソースに電気的に接続される。
【0021】
いくつかの可能な実装形態では、第1の誘電体層は、第1のサブフィルム層および第2のサブフィルム層を含み、基板上に第1の誘電体層およびゲートを形成するステップは、以下を含む:
基板上に第1のサブフィルム層および第2のサブ材料層を順次形成するステップ;
第1の領域内の第2のサブ材料層および第1のサブフィルム層をエッチングして、第1のビアを得るステップ;
第1のビアの内側に位置する第1のゲート構造と、第1のゲート構造に接続され、第1の誘電体層の一部を覆う第2のゲート構造とを形成するステップ;および
第2のゲート構造をマスクとして使用することによって、第2のゲート構造の外側の第2のサブ材料層をエッチングして除去するステップであって、第1の領域に位置する第2のサブ材料層が、第2のサブフィルム層として使用される、ステップ。
【0022】
本出願のこの実施形態では、第1のサブフィルム層をエッチング停止層として使用し、第2のゲート構造をハード自己整合マスクとして使用することによって、順次フォトリソグラフィプロセスを追加することなく、第2のサブ材料層をエッチングし得る。これにより、コストを低減することができる。
【0023】
いくつかの可能な実装形態では、基板上に第1の誘電体層およびゲートを形成するステップは、以下を含む:
基板上に第1の誘電体層を形成するステップ;
第1の領域内の第1の誘電体層をエッチングして、第2のビアを得るステップ;
第2のビアの内側に位置する第1のゲート構造と、第1のゲート構造に接続され、第1の誘電体層の一部を覆う第2のゲート構造とを形成するステップ;および
第1の領域の外側の第2の領域内の第1の誘電体層を薄化して、第1の誘電体層を形成するステップ。
【0024】
本出願のこの実施形態では、第2のゲート構造をハード自己整合マスクとして使用することによって、順次フォトリソグラフィプロセスを追加することなく、第2のサブ材料層をエッチングし得る。これにより、コストを低減することができる。
【0025】
いくつかの可能な実装形態では、第1の誘電体層は、第1のサブフィルム層および第2のサブフィルム層を含み、基板上に第1の誘電体層およびゲートを形成するステップは、以下を含む:
基板上に第1のサブ材料層を形成するステップ;
第1の領域の外側の第2の領域内の第1のサブ材料層を除去し、第1の領域に位置する第1のサブ材料層を第1のサブフィルム層として使用するステップ;
第1のサブフィルム層および基板を覆う第2のサブフィルム層を形成するステップ;
第1の領域内の第2のサブフィルム層および第1のサブフィルム層をエッチングして、第3のビアを得るステップ;および
第3のビアの内側に位置する第1のゲート構造と、第1のゲート構造に接続され、第1の誘電体層の一部を覆う第2のゲート構造とを形成するステップ。
【0026】
本出願のこの実施形態では、最初に第1の領域内の第1のサブフィルム層が形成され得、次いで、第2のサブフィルム層が覆われて、平坦な第2のサブフィルム層が得られる。
【0027】
いくつかの可能な実装形態では、第1の誘電体層は、第1のサブフィルム層および第2のサブフィルム層を含み、基板上に第1の誘電体層およびゲートを形成するステップは、以下を含む:
二層フォトレジストパターニングプロセスを使用することによって、基板上の第1の領域に第1のサブフィルム層を形成するステップ;
第1のサブフィルム層および基板を覆う第2のサブフィルム層を形成するステップ;
第1の領域内の第2のサブフィルム層および第1のサブフィルム層をエッチングして、第3のビアを得るステップ;および
第3のビアの内側に位置する第1のゲート構造と、第1のゲート構造に接続され、第1の誘電体層の一部を覆う第2のゲート構造とを形成するステップ。
【0028】
本出願のこの実施形態では、第2のゲート構造の下に正確に位置する第2のサブフィルム層を得るのを助けるために、最初に第1のサブフィルム層が形成され得、次いで、第1の領域に位置し、第1のサブフィルム層上にある第2のサブフィルム層が形成される。
【0029】
いくつかの可能な実装形態では、第1のサブフィルム層および/または第2のサブフィルム層の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つである。
【0030】
いくつかの可能な実装形態では、基板は、ベースとエピタキシャル層とを含み、ベースの材料は、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、シリコン、炭化ケイ素、およびサファイアのうちの1つまたは複数であり、エピタキシャル層は、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化インジウムアルミニウム、窒化アルミニウム、および窒化スカンジウムアルミニウムのうちの1つまたは複数を含む。
【0031】
いくつかの可能な実装形態では、ゲートおよび/またはフィールドプレートの材料は、ニッケル、チタン、アルミニウム、パラジウム、白金、金、窒化チタン、窒化タンタル、および銅のうちの少なくとも1つである。
【0032】
いくつかの可能な実装形態では、第2の誘電体層の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つである。
【0033】
第3の態様によれば、本出願の一実施形態は、回路基板と、回路基板に接続され、本出願の第1の態様において提供される半導体デバイスとを含む電子デバイスを提供する。
【0034】
上記の技術的解決策から、本出願の実施形態が以下の利点を有することが分かる:
【0035】
本出願の実施形態は、半導体デバイスおよびその製造方法を提供する。半導体デバイスは、基板と、ゲートと、第2の誘電体層と、フィールドプレートとを含み得る。基板は第1の誘電体層を有し、第1の領域における第1の誘電体層の厚さは、第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層の厚さよりも大きい。ゲートは、基板上に位置し、第1の領域に位置し、ゲートは、基板の表面に垂直な方向に接続された第1のゲート構造および第2のゲート構造を含み、第1のゲート構造は、基板の表面に垂直な方向に第1の誘電体層を貫通し、第2のゲート構造は、第1の誘電体層の、基板から離れた側に形成され、第1の誘電体層の一部を覆う。第2の誘電体層は、ゲートおよび第1の誘電体層を覆う。フィールドプレートは、第2の誘電体層上に位置し、第1の領域と第2の領域の両方に配置される。このようにして、等しい厚さの第1の誘電体層を有する半導体デバイスにおける容量と比較して、この半導体デバイスでは、第1の領域における第1の誘電体層の厚さが大きいために第2のゲート構造とドレインとの間の容量が低減され、第2の領域における第1の誘電体層の厚さが小さいためにフィールドプレートとチャネルとの間の容量が増加するので、半導体デバイスの寄生容量が低減され、高周波数における半導体デバイスの利得特性が向上する。加えて、この設計により、デバイス内部の電界応力がさらに再調整され得る。第1の領域における第1の誘電体層の厚さが大きいので、第2のゲート構造における電界ピークが弱まり、デバイスの全体的なロバスト性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本出願の特定の実装形態を明確に理解するために、以下では、本出願の特定の実装形態を説明するための添付の図面について簡単に説明する。添付の図面が単に本出願のいくつかの実施形態を示すことは明らかである。
図1】本出願の一実施形態による無線周波数デバイスの構造の概略図である。
図2】本出願の一実施形態による横方向電界応力分布の概略図である。
図3A】本出願の実施形態による半導体デバイスの構造の概略図である。
図3B】本出願の実施形態による半導体デバイスの構造の概略図である。
図3C】本出願の実施形態による半導体デバイスの構造の概略図である。
図4】本出願の一実施形態による別の横方向電界応力分布の概略図である。
図5】本出願の一実施形態による半導体デバイスの製造方法のフローチャートである。
図6】本出願の実施形態による半導体デバイスの製造プロセスにおけるデバイス構造の概略図である。
図7】本出願の実施形態による半導体デバイスの製造プロセスにおけるデバイス構造の概略図である。
図8】本出願の実施形態による半導体デバイスの製造プロセスにおけるデバイス構造の概略図である。
図9】本出願の実施形態による半導体デバイスの製造プロセスにおけるデバイス構造の概略図である。
図10】本出願の実施形態による半導体デバイスの製造プロセスにおけるデバイス構造の概略図である。
図11】本出願の実施形態による半導体デバイスの製造プロセスにおけるデバイス構造の概略図である。
図12】本出願の実施形態による半導体デバイスの製造プロセスにおけるデバイス構造の概略図である。
図13】本出願の実施形態による半導体デバイスの製造プロセスにおけるデバイス構造の概略図である。
図14】本出願の実施形態による半導体デバイスの製造プロセスにおけるデバイス構造の概略図である。
図15】本出願の実施形態による半導体デバイスの製造プロセスにおけるデバイス構造の概略図である。
図16】本出願の実施形態による半導体デバイスの製造プロセスにおけるデバイス構造の概略図である。
図17】本出願の実施形態による半導体デバイスの製造プロセスにおけるデバイス構造の概略図である。
図18】本出願の実施形態による半導体デバイスの製造プロセスにおけるデバイス構造の概略図である。
図19】本出願の実施形態による半導体デバイスの製造プロセスにおけるデバイス構造の概略図である。
図20】本出願の実施形態による半導体デバイスの製造プロセスにおけるデバイス構造の概略図である。
図21】本出願の実施形態による半導体デバイスの製造プロセスにおけるデバイス構造の概略図である。
図22】本出願の実施形態による半導体デバイスの製造プロセスにおけるデバイス構造の概略図である。
図23】本出願の実施形態による半導体デバイスの製造プロセスにおけるデバイス構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本出願の実施形態は、半導体デバイスおよびその製造方法を提供する。半導体デバイスの構造を調整することで、無線周波数デバイスの寄生容量を低減し、高周波数における無線周波数デバイスの利得特性を向上させることができる。
【0038】
本出願の明細書、特許請求の範囲、および添付の図面において、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などの用語(存在する場合)は、同様のオブジェクトを区別することを目的としており、必ずしも特定の順序またはシーケンスを示すものではない。そのような方法で呼ばれるデータは、適切な状況において交換可能であり、したがって、本明細書で説明される実施形態は、本明細書で例示または説明される順序以外の順序で実装することができることを理解されたい。さらに、「含む(include)」、「包含する(contain)」という用語および任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意味する。例えば、一連のステップまたはユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、またはデバイスは、明示的に列挙されたステップまたはユニットに必ずしも限定されるものではなく、明示的に列挙されていないか、またはそのようなプロセス、方法、製品、もしくはデバイスに固有の他のステップまたはユニットを含み得る。
【0039】
本出願は、概略図を参照して詳細に説明される。説明を容易にするために、本出願の実施形態が説明されるとき、デバイス構造の断面図は、一般的な比率にしたがって部分的に拡大されない。概略図は単なる例であり、本明細書における本出願の保護範囲を限定すべきではない。加えて、実際の製造時には、長さ、幅、深さの3次元空間が含まれるべきである。
【0040】
現在、いくつかのシナリオでは、無線周波数デバイスは、高周波数において良好な利得特性を有することが必要とされる。高周波数における無線周波数デバイスの利得特性は、主に、無線周波数デバイスの寄生キャパシタが、高周波数動作状態において信号に基づいて効率的かつ高速な充電および放電動作を行うことができるかどうかに依存する。したがって、無線周波数デバイスの別の設計構造を変更することなく、寄生キャパシタの容量値を低減することによって、高周波数における無線周波数デバイスの利得特性が効果的に向上し得る。
【0041】
図1は、本出願の一実施形態による無線周波数デバイスの構造の概略図である。無線周波数デバイスは、基板100と、基板100上の第1の誘電体層210と、第1の誘電体層210を貫通し、第1の誘電体層210の一部を覆うゲート220と、ゲート220および第1の誘電体層210を覆う第2の誘電体層230と、第2の誘電体層230上に位置するフィールドプレート240とを含む。基板100は、ソース101およびドレイン102を含み、フィールドプレート240は、ゲート220の、ドレイン102に面する側に位置し、ゲート220の上方に延在し、フィールドプレート240は、ソース101に接続される。無線周波数デバイスの寄生容量を決定する要因には、ゲート220の底部とドレイン102との間の寄生容量C1と、ゲート220の、第1の誘電体層210上に位置する部分とドレイン102との間の寄生容量C2と、フィールドプレート204とゲート220の下のチャネルとの間の寄生容量C3とが含まれる。無線周波数デバイスの全体的な寄生容量を低減するためには、C1およびC2を低減させる必要と、C3を増加させる必要があり、寄生容量C1、C2、およびC3は、誘電体層の厚さまたは誘電率を変更することによって調整され得る。しかしながら、本発明者らは、研究を通して、この調整方式では、例えば、静電破壊を発生させるなど別の悪影響が生じやすいことを発見した。
【0042】
具体的には、第1の誘電体層210の厚さを増加させ、第1の誘電体層210の誘電率を低減すると、ゲート220の、第1の誘電体層210上に位置する部分とドレイン102との間の寄生容量C2が低減し得、フィールドプレート240とチャネルとの間の寄生容量C3も低減し得るが、デバイスの全体的な寄生容量を低減することはできない。しかしながら、第2の誘電体層230の厚さを減少させ、第2の誘電体層230の誘電率を増加させると、フィールドプレート240とチャネルとの間の寄生容量C3が増加し、ゲート220とフィールドプレート240との間の耐電圧特性の劣化も引き起こす可能性がある。
【0043】
図2は、本出願の一実施形態による横方向電界応力分布の概略図である。水平座標は、基板の表面に沿った方向の位置であり、垂直座標は、高電圧逆バイアス応力状態における各位置での電界応力である。第1の電界ピークは、ゲートの底部にあり、ドレイン102に近い端部に対応し得、第2の電界ピークは、第1の誘電体層210の上部にあり、ドレイン102に近い端部に対応し得、第3の電界ピークは、フィールドプレート140の、ドレイン102に近い端部に対応し得る。図から分かるように、第2の電界ピークが最も高い。したがって、連続的な高電界応力下では、第1の誘電体層210の厚さが小さい場合、ゲートの下にあり、電界ピークに対応する位置にある第1の誘電体層110は、時間依存絶縁破壊(time dependent dielectric breakdown、TDDB)を受けやすく、高い信頼性リスクを有する。したがって、デバイスの信頼性を向上させるためには、C2を小さくする必要がある。
【0044】
上記の技術的問題に基づいて、本出願の実施形態は、半導体デバイスおよびその製造方法を提供する。半導体デバイスは、基板と、ゲートと、第2の誘電体層と、フィールドプレートとを含み得る。基板は第1の誘電体層を有し、第1の領域における第1の誘電体層の厚さは、第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層の厚さよりも大きい。ゲートは、基板上に位置し、第1の領域に位置し、ゲートは、基板の表面に垂直な方向に接続された第1のゲート構造および第2のゲート構造を含み、第1のゲート構造は、基板の表面に垂直な方向に第1の誘電体層を貫通し、第2のゲート構造は、第1の誘電体層の、基板から離れた側に形成され、第1の誘電体層の一部を覆う。第2の誘電体層は、ゲートおよび第1の誘電体層を覆う。フィールドプレートは、第2の誘電体層上に位置し、第1の領域と第2の領域の両方に配置される。このようにして、等しい厚さの第1の誘電体層を有する半導体デバイスにおける容量と比較して、この半導体デバイスでは、第1の領域における第1の誘電体層の厚さが大きいために第2のゲート構造とドレインとの間の容量が低減され、第2の領域における第1の誘電体層の厚さが小さいためにフィールドプレートとチャネルとの間の容量が増加するので、半導体デバイスの寄生容量が低減され、高周波数における半導体デバイスの利得特性が向上する。加えて、この設計により、デバイス内部の電界応力がさらに再調整され得る。第1の領域における第1の誘電体層の厚さが大きいので、第2のゲート構造における電界ピークが弱まり、デバイスの全体的なロバスト性が向上する。
【0045】
本出願の上記の目的、特徴、および利点をより明確にし、理解しやすくするために、以下では、添付の図面を参照しながら本出願の特定の実装形態について詳細に説明する。
【0046】
図3A図3B、および図3Cは、本出願の実施形態による半導体デバイスの構造の概略図である。半導体構造は、基板100と、ゲート120と、第1の誘電体層110と、第2の誘電体層130と、フィールドプレート140とを含む。
【0047】
本出願のこの実施形態では、基板100は、様々なデバイス要件に基づいて設計され得る。具体的には、基板100は、ベースおよびエピタキシャル層を含み得る。エピタキシャル層は、ベースの表面上に形成され、ゲート120に向かって配置される。ベースは、半導体基材、例えば、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、およびサファイアのうちの1つまたは複数であり得る。ベースは、半導体デバイスのための支持機能を提供してもよいし、半導体デバイスの機能層の一部を構成してもよい。エピタキシャル層は、ベース上にエピタキシャル成長によって得られたフィルム層であり得、通常、半導体デバイスを構成する機能層であり、例えば、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化インジウムアルミニウム(InAlN)、窒化アルミニウム(AlN)、および窒化スカンジウムアルミニウム(ScAlN)のうちの1つまたは複数であり得る。ベースとエピタキシャル層の材料は、同じであっても、異なっていてもよい。炭化ケイ素基板は、単結晶構造であり得、複数の構造タイプ、例えば、4H-炭化ケイ素、6H-炭化ケイ素、および3C-炭化ケイ素を有し得る。
【0048】
例えば、半導体デバイスが、窒化ガリウムに基づく高電子移動度トランジスタ(high-electron-mobility transistor、HEMT)デバイスである場合、ベースは、炭化ケイ素材料であり得、エピタキシャル層は、窒化ガリウムおよび窒化アルミニウムガリウムを含み得、窒化ガリウムおよび窒化アルミニウムガリウムは、ヘテロ構造を形成して2次元電子ガスを生成し、形成された半導体デバイスは、ヘテロ構造によって生成された2次元電子ガスを使用することによって動作し得る。もちろん、本出願のこの実施形態における半導体デバイスは、代替的に、別の無線周波数デバイスであってもよく、ベースおよびエピタキシャル層もまた、対応して設計されてもよい。
【0049】
基板100は第1の誘電体層110を有し、第1の領域における第1の誘電体層110の厚さは、第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層110の厚さよりも大きい。第1の領域は、基板上の領域であり、基板の表面と、基板の表面に垂直な多数の直線とによって画定される空間を含む。第1の領域は、ゲートを形成するために使用される領域であり、ソースおよびドレインが位置する領域の中央領域であり得る。第1の領域は、ゲートが位置する領域よりも大きくてもよいし、ゲートが位置する領域に等しくてもよい。図3A図3B、および図3Cを参照されたい。中央の破線ボックスは、第1の領域1001を表し、第1の領域1001の両側の破線ボックスは、第2の領域1002を表す。図3A図3B、および図3Cは断面図であるので、第2の領域1002は、実際には、第1の領域1001の両側に位置してもよいし、第1の領域1001を囲むリング領域、例えば、円形リング領域または多角形リング領域を形成してもよい。
【0050】
本出願のこの実施形態では、第1の誘電体層110は、複数の積層フィルム(stacked layers of films)であってもよいし、1層のフィルム(one layer of film)の一体化構造であってもよい。1層のフィルムは、複数の材料を含んでいてもよいし、1つの材料を含んでいてもよい。
【0051】
具体的には、第1の誘電体層110は一体化構造であり得、第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層110は、第1の誘電体層110が小さい厚さを有するように、エッチングによって薄化される。図3Aを参照されたい。薄化プロセスでは、第1の領域と第2の領域との間の境界における側壁は、厳密に急峻でなくてもよく、側壁は、第1の領域に位置してもよい。第1の領域は、ゲート120が位置する領域に等しくてもよいし、ゲート120が位置する領域よりもわずかに大きくてもよい。第1の領域における第1の誘電体層110の厚さ範囲は、40nm~1000nmであり得、第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層110の厚さ範囲は、20nm~500nmであり得る。第1の誘電体層110の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つであり得る。
【0052】
具体的には、第1の誘電体層110は、第1のサブフィルム層112および第2のサブフィルム層113を含み得る。図3Bを参照すると、第1のサブフィルム層112は、基板100上の第1の領域に位置し、第2のサブフィルム層113は、第1のサブフィルム層112と、第1のサブフィルム層112の外側の第2の領域における基板100とを覆う。このように、第1の領域における第1の誘電体層110の厚さと、第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層110の厚さとの間の差は、第1のサブフィルム層112の厚さである。具体的には、第2のサブフィルム層113の、第1のサブフィルム層112の側壁を覆う部分は第1の領域に位置し、第1の領域の大きな厚さを画定し得る。この場合、基板の表面に沿った方向における第1のサブフィルム層112のサイズは、基板の表面に沿った方向における第1の領域のサイズよりも小さい。この場合、第1の領域は、ゲートが位置する領域よりも大きくてもよく、第1のサブフィルム層112の厚さ範囲は、20nm~500nmであり得、第1のサブフィルム層112の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つであり得る。第2のサブフィルム層113の厚さ範囲は、20nm~500nmであり得、第2のサブフィルム層113の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つであり得る。
【0053】
具体的には、第1の誘電体層110は、第1のサブフィルム層112および第2のサブフィルム層113を含み得る。図3Cを参照されたい。第1のサブフィルム層112は、基板100を覆い、第2のサブフィルム層113は、第1のサブフィルム層112上の第1の領域に位置する。このように、第1の領域における第1の誘電体層110の厚さと第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層110の厚さとの間の差は、第2のサブフィルム層113の厚さであり、第2のサブフィルム層113は、厳密に十分に急峻ではない側壁を有し得る。この場合、側壁は、第1の領域に位置し得る。第1のサブフィルム層112の厚さ範囲は、20nm~500nmであり得、第1のサブフィルム層112の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つであり得る。第2のサブフィルム層113の厚さ範囲は、20nm~500nmであり得、第2のサブフィルム層113の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つであり得る。
【0054】
第1の領域にはゲート120が形成され、ゲート120は、基板の表面に垂直な方向に接続された第1のゲート構造および第2のゲート構造を含み、第1のゲート構造は、基板100上の第1の誘電体層110を貫通する。ゲート120が第1の領域に位置するので、第1のゲート構造は、第1の誘電体層110のより厚い部分を貫通する。第2のゲート構造は、第1の誘電体層110上に(図3A図3B、および図3Cでは上方向に)形成される。具体的には、第2のゲート構造は、第1の誘電体層の、基板から離れた側に形成され、第1の誘電体層の一部を覆う。この場合、基板の表面に平行な方向における第2のゲート構造のサイズは、基板の表面に平行な方向における第1のゲート構造のサイズよりも大きい。言い換えれば、第1のゲート構造および第2のゲート構造は、T字形構造を形成し得る。第1のゲート構造は、基板100に接続され、第2のゲート構造は、デバイス内部の電界および容量の平衡を保つのに役立つ。加えて、ゲート120の下にゲート誘電体層がさらに形成され得、ゲート誘電体層は、エピタキシャル層と第1のゲート構造との間に形成される。
【0055】
基板100は、ソース101およびドレイン102をさらに含み得る。ソース101およびドレイン102は、それぞれゲート120の両側に位置し、チャネル領域は、ソース101とドレイン102との間に含まれ、チャネル領域は、デバイスが動作するときに導電性チャネルを形成するために使用され、第1の領域は、チャネル領域の上に位置し、ゲート120もチャネル領域の上に位置する。ゲート120は、優れた導電性を有し得、ゲート120の材料は、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、および銅(Cu)のうちの少なくとも1つであり得る。ゲート120内の第1のゲート構造とドレイン102との間には寄生キャパシタC1が存在し、寄生キャパシタC1は、第1のゲート構造のサイズに関係する。ゲート120内の第2のゲート構造とドレイン102との間には寄生キャパシタC2が存在し、寄生キャパシタC2は、第2のゲート構造の下の第1の誘電体層110の厚さおよび誘電率に関係する。
【0056】
第2の誘電体層130は、ゲート120および第1の誘電体層110を覆い得る。第2の誘電体層130は、ゲート120を保護してもよいし、分離層として使用されてもよい。第2の誘電体層130の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つであり得、第2の誘電体層130の厚さ範囲は、20nm~500nmであり得る。
【0057】
フィールドプレート140は、第2の誘電体層130上に位置する。フィールドプレート140は、基板の表面に垂直な方向において、ゲートの、ドレインに面する部分に面し、ドレインまで延在し得る。言い換えれば、フィールドプレート140は、第2のゲート構造の、ドレイン102に面する側に位置し、第2のゲート構造の上方に(図3A図3B、および図3Cでは上方向に)延在し得る。フィールドプレート140の、第2の領域に位置する部分は、ソース101に電気的に接続され(図3A図3B、および図3Cのソース101上のフィールドプレート140を参照、ここで、ソース101上のフィールドプレート140は、ゲート120の上部のフィールドプレート140と一体化構造である)、ソースとドレインとの間の電界および容量分布を変調して、高周波数利得の特定のインジケータを実装するように構成される。フィールドプレート140の材料は、Ni、Ti、Al、Pd、Pt、Au、TiN、TaN、およびCuのうちの少なくとも1つである。フィールドプレート140の材料およびゲート120の材料は、同じであっても、異なっていてもよい。フィールドプレート140の厚さ範囲は、20nm~1500nmである。デバイスが動作するとき、フィールドプレート140とフィールドプレート140の下の導電性チャネルとの間には寄生キャパシタC3が存在する。この寄生キャパシタは、デバイスの全体的な寄生キャパシタに影響を及ぼし、フィールドプレート140の下の第1の誘電体層110の厚さおよび誘電率、ならびにフィールドプレート140の下の第2の誘電体層130の厚さおよび誘電率に関係する。
【0058】
本出願のこの実施形態では、第1の誘電体層110は、第1の領域ではより厚く、第1の領域の外側の第2の領域ではより薄い。具体的には、第1の領域における第1の誘電体層110の厚さは、第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層110の厚さよりも大きい。このように、フィールドプレート140と導電性チャネルとの間の寄生容量C3に影響を及ぼすことなく、第2のゲート構造とドレイン102との間の容量C2を低減することができる。したがって、デバイスの全体的な寄生容量を効果的に低減することができる。加えて、第1の領域における第1の誘電体層110の厚さが大きいので、ゲート120の、ドレイン102に近い端部における電位および電界分布を調整して、TDDB故障が発生しやすい位置における電界応力を効果的に弱めて、デバイスの全体的なロバスト性を向上させ得る。
【0059】
図4は、本出願の一実施形態による別の横方向電界応力分布の概略図である。水平座標は、基板の表面に沿った方向の位置であり、垂直座標は、高電圧逆バイアス応力状態における各位置での電界応力である。第1の電界ピークは、第1のゲート構造の、ドレイン102に近い端部に対応し得、第2の電界ピークは、第2のゲート構造の、ドレイン102に近い端部に対応し得、第3の電界ピークは、フィールドプレート140の最下層の、ゲート120に近い端部に対応し得、第4の電界ピークは、フィールドプレート140の最下層の、ドレインに近い端部に対応し得る。図から、第2の電界ピークが弱まり、その結果、TDDB故障のリスクが低減されることが分かる。
【0060】
本出願の一実施形態は、基板と、ゲートと、第2の誘電体層と、フィールドプレートとを含む半導体デバイスを提供する。基板は第1の誘電体層を有し、第1の領域における第1の誘電体層の厚さは、第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層の厚さよりも大きい。ゲートは、基板上に位置し、第1の領域に位置し、ゲートは、基板の表面に垂直な方向に接続された第1のゲート構造および第2のゲート構造を含み、第1のゲート構造は、基板の表面に垂直な方向に第1の誘電体層を貫通し、第2のゲート構造は、第1の誘電体層の、基板から離れた側に形成され、第1の誘電体層の一部を覆う。第2の誘電体層は、ゲートおよび第1の誘電体層を覆う。フィールドプレートは、第2の誘電体層上に位置し、第1の領域と第2の領域の両方に配置される。このようにして、等しい厚さの第1の誘電体層を有する半導体デバイスにおける容量と比較して、この半導体デバイスでは、第1の領域における第1の誘電体層の厚さが大きいために第2のゲート構造とドレインとの間の容量が低減され、第2の領域における第1の誘電体層の厚さが小さいためにフィールドプレートとチャネルとの間の容量が増加するので、半導体デバイスの寄生容量が低減され、高周波数における半導体デバイスの利得特性が向上する。加えて、この設計により、デバイス内部の電界応力がさらに再調整され得る。第1の領域における第1の誘電体層の厚さが大きいので、第2のゲート構造における電界ピークが弱まり、デバイスの全体的なロバスト性が向上する。
【0061】
本出願の実施形態で提供される半導体デバイスに基づいて、本出願の一実施形態は、半導体デバイスの製造方法をさらに提供する。図5は、本出願の一実施形態による半導体デバイスの製造方法のフローチャートである。この方法は、以下のステップを含み得る。
【0062】
S101:基板100を提供する。図6を参照されたい。
【0063】
本出願のこの実施形態では、基板100は、様々なデバイス要件に基づいて設計され得る。具体的には、基板100は、ベースおよびエピタキシャル層を含み得る。エピタキシャル層は、ベースの表面上に形成され、ゲート120に向かって配置される。ベースは、半導体基材、例えば、GaN、AlN、Si、SiC、およびサファイアのうちの1つまたは複数であり得る。ベースは、半導体デバイスのための支持機能を提供してもよいし、半導体デバイスの機能層の一部を構成してもよい。エピタキシャル層は、ベース上にエピタキシャル成長によって得られたフィルム層であり得、通常、半導体デバイスを構成する機能層であり、例えば、GaN、AlGaN、InAlN、AlN、およびScAlNのうちの1つまたは複数であり得る。ベースとエピタキシャル層の材料は、同じであっても、異なっていてもよい。炭化ケイ素基板は、単結晶構造であり得、複数の構造タイプ、例えば、4H-炭化ケイ素、6H-炭化ケイ素、および3C-炭化ケイ素を有し得る。
【0064】
ゲートラストプロセスでは、ゲート120の前にソースおよびドレインが形成され得、基板100は、ソース101およびドレイン102をさらに含み得る。ソース101とドレイン102との間にはチャネル領域が含まれる。チャネル領域は、デバイスが動作するときに導電性チャネルを形成するために使用される。ソース101およびドレイン102は、基板100をドーピングすることによって得ることができる。
【0065】
S102:基板100上に第1の誘電体層を形成し、基板100上の第1の領域にゲート120を形成する。ここで、第1の領域における第1の誘電体層110の厚さは、第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層110の厚さよりも大きく、ゲート120は、基板の表面に垂直な方向に接続された第1のゲート構造および第2のゲート構造を含む。図7図10図12図15図17図22を参照されたい。
【0066】
本出願のこの実施形態では、基板100上に第1の誘電体層110が形成され得、第1の領域における第1の誘電体層110の厚さは、第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層110の厚さよりも大きい。第1の領域は、ゲートを形成するために使用される領域であり得、ソースおよびドレインが位置する領域の中央領域であり得る。第1の領域は、ゲートが位置する領域よりも大きくてもよいし、ゲートが位置する領域に等しくてもよい。第1の誘電体層110は、ゲート120の前に形成されてもよいし、ゲート120を形成するプロセスにおいて形成されてもよい。
【0067】
本出願のこの実施形態では、第1の領域にはゲート120が形成され、ゲート120は、基板の表面に垂直な方向に接続された第1のゲート構造および第2のゲート構造を含み、第1のゲート構造は、基板100上の第1の誘電体層110を貫通する。ゲート120が第1の領域に位置するので、第1のゲート構造は、第1の誘電体層110のより厚い部分を貫通する。第2のゲート構造は、第1の誘電体層110上に(図3A図3B、および図3Cでは上方向に)形成される。この場合、基板の表面に平行な方向における第2のゲート構造のサイズは、基板の表面に平行な方向における第1のゲート構造のサイズよりも大きい。言い換えれば、第1のゲート構造および第2のゲート構造は、T字形構造を形成し得る。ゲート120の下にゲート誘電体層がさらに形成され得、ゲート誘電体層は、エピタキシャル層と第1のゲート構造との間に形成される。ゲート120は、優れた導電性を有し得、ゲート120の材料は、Ni、Ti、Al、Pd、Pt、Au、TiN、TaN、およびCuのうちの少なくとも1つであり得る。ゲート120内の第1のゲート構造とドレイン102との間には寄生キャパシタC1が存在し、寄生キャパシタは、第1のゲート構造のサイズに関係する。ゲート120内の第2のゲート構造とドレイン102との間には寄生キャパシタC2が存在し、寄生キャパシタC2は、第2のゲート構造の下の第1の誘電体層110の厚さおよび誘電率に関係する。
【0068】
本出願のこの実施形態では、第1の誘電体層110は、第1の領域ではより厚く、第1の領域の外側の第2の領域ではより薄い。具体的には、第1の領域における第1の誘電体層110の厚さは、第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層110の厚さよりも大きい。このように、別の位置の寄生容量に影響を及ぼすことなく、第2のゲート構造とドレイン102との間の容量を低減することができる。したがって、デバイスの全体的な寄生容量を効果的に低減することができる。加えて、第1の領域における第1の誘電体層110の厚さが大きいので、ゲート120の、ドレイン102に近い端部における電位および電界分布を調整して、TDDB故障が発生しやすい位置における電界応力を効果的に弱めて、デバイスの全体的なロバスト性を向上させ得る。
【0069】
本出願のこの実施形態では、第1の誘電体層110は、複数の積層フィルムであってもよいし、1層のフィルムの一体化構造であってもよい。1層のフィルムは、複数の材料を含んでいてもよいし、1つの材料を含んでいてもよい。
【0070】
第1の誘電体層110およびゲート120を形成する可能な方法では、第1の誘電体層110は、第1のサブフィルム層112および第2のサブフィルム層113を含み得る。この場合、最初に、第1のサブフィルム層112および第2のサブ材料層113’を基板100上に連続的に堆積させる。図7を参照されたい。第1のサブフィルム層112の厚さ範囲は、20nm~500nmであり得、第1のサブフィルム層112の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つであり得る。第2のサブ材料層113’の厚さ範囲は、20nm~500nmであり得、第2のサブ材料層113’の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つであり得る。第1のサブフィルム層112および第2のサブ材料層113’は、異なる屈折率、密度、およびエッチング抵抗度を有し得る。第1のサブフィルム層112および第2のサブ材料層113’は、同じ材料であっても、異なる材料であってもよい。第1のサブフィルム層112および第2のサブ材料層113’が同じ材料層を有する場合、第1のサブフィルム層112および第2のサブ材料層113’は異なる堆積温度を有し、それにより、第1のサブフィルム層112および第2のサブ材料層113’が異なる屈折率、密度、およびエッチング抵抗度を有する。
【0071】
次いで、第1の領域の第2のサブ材料層113’および第1のサブフィルム層112をエッチングして、第1のビア119を得ることができる。図8を参照されたい。第2のサブ材料層113’および第1のサブフィルム層112は、フォトリソグラフィプロセスを使用することによってエッチングされ得る。エッチング方式は、異方性ドライエッチングまたはウェットエッチングであり得る。第1のビア119は、第1の領域に位置し、第1の領域内の基板100を露出させる。ゲート誘電体層が基板100上に形成されるとき、第1のビア119は、ゲート誘電体層を露出させ得る。
【0072】
次いで、第1のビア119の内側に位置する第1のゲート構造と、第1のゲート構造に接続され、第1の誘電体層の一部を覆う第2のゲート構造とを形成して、ゲート120を得ることができる。図9を参照されたい。第1のゲート構造および第2のゲート構造は、堆積およびエッチングによって形成され得る。具体的には、導体材料が第1のビア119を充填し、第1のビア119を覆うように、導体材料が堆積され得る。導体材料の厚さ範囲は、20nm~1500nmであり得、導体材料は、Ni、Ti、Al、Pd、Pt、Au、TiN、TaN、およびCuのうちの少なくとも1つであり得る。次いで、第1の領域の外側の導体材料を除去して、導体領域に位置するゲート120を形成し得る。
【0073】
次いで、第2のゲート構造をマスクとして使用することによって、第2のゲート構造の外側の第2のサブ材料層113’をエッチングして除去し得、ここでは、第1の領域に位置する第2のサブ材料層113’は、第2のサブフィルム層113として使用される。図10を参照されたい。第1のサブフィルム層112と第2のサブ材料層との間にはエッチング抵抗差があるので、第1のサブフィルム層112をエッチング停止層として使用し、第2のゲート構造をハード自己整合マスクとして使用することによって第2のサブ材料層113’をエッチングして、第2のサブフィルム層113を得ることができる。エッチングされた表面は、第1のサブフィルム層112と第2のサブ材料層113’との間の位置に留まり、エッチングされた厚さは、第2のサブ材料層113’の厚さであり、エッチング方式は、異方性ドライエッチングまたはウェットエッチングであり得る。第2のゲート構造をマスクとして使用し得るので、順次フォトリソグラフィプロセスを追加する必要がなく、コストを節約することができる。第2のサブ材料層113’のエッチングは、代替的に、第1のゲート構造および第2のゲート構造が形成される前にフォトリソグラフィプロセスを使用することによって行われてもよいことは明らかである。詳細については、本明細書では説明しない。
【0074】
言い換えれば、第1の誘電体層110は、第1のサブフィルム層112および第2のサブフィルム層113を含み得る。第1のサブフィルム層112は、基板100を覆い、第2のサブフィルム層113は、第1のサブフィルム層112上の第1の領域に位置する。このように、第1の領域における第1の誘電体層110の厚さと、第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層110の厚さとの間の差は、第2のサブフィルム層113の厚さである。第1のサブフィルム層112および/または第2のサブフィルム層113の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つである。
【0075】
第1の誘電体層110およびゲート120を形成する別の可能な方法では、最初に第1の誘電体層115が基板100上に堆積され得る。図12を参照されたい。第1の誘電体層115の厚さ範囲は、40nm~1000nmであり得、第1の誘電体層115の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つであり得る。
【0076】
次いで、第1の領域の第1の誘電体層115をエッチングして、第2のビア116を得ることができる。図13を参照されたい。第1の誘電体層115は、フォトリソグラフィプロセスを使用することによってエッチングされ得る。エッチング方式は、異方性ドライエッチングまたはウェットエッチングであり得る。第2のビア116は、第1の領域に位置し、第1の領域内の基板100を露出させる。ゲート誘電体層が基板100上に形成されるとき、第2のビア116は、ゲート誘電体層を露出させ得る。
【0077】
次いで、第2のビア116の内側に位置する第1のゲート構造と、第1のゲート構造に接続され、第1の誘電体層の一部を覆う第2のゲート構造とを形成して、ゲート120を形成することができる。図14を参照されたい。第1のゲート構造および第2のゲート構造は、堆積およびエッチングによって形成され得る。具体的には、導体材料が第2のビア116を充填し、第2のビア116を覆うように、導体材料が堆積され得る。導体材料の厚さ範囲は、20nm~1500nmであり得、導体材料は、Ni、Ti、Al、Pd、Pt、Au、TiN、TaN、およびCuのうちの少なくとも1つであり得る。次いで、第1の領域の外側の導体材料を除去して、導体領域に位置するゲート120を形成し得る。
【0078】
次いで、第1の領域の外側の第1の誘電体層115をエッチングして、第1の誘電体層115の、第1の領域の外側の第2の領域内にある特定の厚さを有する部分を除去し得る。すなわち、第2の領域内の第1の誘電体層115を薄化して、第1の誘電体層110を形成する。図15を参照されたい。エッチングプロセスでは、第2のゲート構造がハード自己整合マスクとして使用され、エッチングされた厚さは、エッチング速度およびエッチング持続時間を使用することによって制御され得、厚さ範囲は20nm~500nmであり得、エッチング方式は、異方性ドライエッチングまたはウェットエッチングであり得る。第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層110はエッチングによって薄化されるので、第2の領域における第1の誘電体層110の厚さは薄い。具体的には、第1の領域における第1の誘電体層110の厚さは、第1の誘電体層115の堆積厚さであり、第1の領域における第1の誘電体層110の厚さ範囲は、40nm~1000nmであり得、第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層110の厚さ範囲は、20nm~500nmであり得る。第2のゲート構造をマスクとして使用することができるので、順次フォトリソグラフィプロセスを追加する必要がない。これにより、コストを低減することができる。第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層115のエッチングは、代替的に、第1のゲート構造および第2のゲート構造が形成される前に、フォトリソグラフィプロセスを使用することによって実行されてもよいことは明らかである。詳細については、本明細書では説明しない。
【0079】
第1の誘電体層110およびゲート120を形成するさらに別の可能な方法では、第1の誘電体層は、第1のサブフィルム層112および第2のサブフィルム層113を含む。この場合、基板100上に第1のサブ材料層111が堆積される。図17を参照されたい。次いで、第1の領域の外側の第2の領域における第1のサブ材料層111が除去され、第1の領域における第3のサブ材料層111が第1のサブフィルム層112として使用される。図19を参照されたい。第1のサブ材料層111の厚さ範囲は、20nm~500nmであり、第1のサブ材料層111の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つであり得る。第1のサブ材料層111は、フォトリソグラフィプロセスを使用することによってエッチングされ得る。エッチング方式は、異方性ドライエッチングまたはウェットエッチングであり得る。
【0080】
次いで、第1のサブフィルム層112および基板100を覆う第2のサブフィルム層113を形成し得る。図20を参照されたい。第2のサブフィルム層113は、堆積によって形成され得、第2のサブフィルム層113の厚さ範囲は、20nm~500nmであり得、第2のサブフィルム層113の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つであり得る。第2のサブフィルム層113は、第1のサブフィルム層112の上面および側壁、ならびに第1のサブフィルム層112の外側の基板100を覆い得る。
【0081】
次いで、第1の領域における第2のサブフィルム層113および第1のサブフィルム層112をエッチングして、第3のビア114を得ることができる。図21を参照されたい。第2のサブフィルム層113および第1のサブフィルム層112は、フォトリソグラフィプロセスを使用することによってエッチングされ得る。エッチング方式は、異方性ドライエッチングまたはウェットエッチングであり得る。第3のビア114を第1の領域に配置して、第1の領域の基板100を露出させる。ゲート誘電体層が基板100上に形成されるとき、第3のビア114は、ゲート誘電体層を露出させ得る。
【0082】
次いで、第3のビア114の内側に位置する第1のゲート構造と、第1のゲート構造に接続され、第1の誘電体層の一部を覆う第2のゲート構造とを形成して、ゲート120を形成し得る。図22を参照されたい。第1のゲート構造および第2のゲート構造は、堆積およびエッチングによって形成され得る。具体的には、導体材料が第3のビア114を充填し、第3のビア114を覆うように、導体材料が堆積され得る。導体材料の厚さ範囲は、20nm~1500nmであり得、導体材料は、Ni、Ti、Al、Pd、Pt、Au、TiN、TaN、およびCuのうちの少なくとも1つであり得る。次いで、第1の領域の外側の導体材料を除去して、導体領域に位置するゲート120を形成し得る。
【0083】
第1の誘電体層110およびゲート120を形成するさらに別の可能な方法では、第1の誘電体層は、第1のサブフィルム層112および第2のサブフィルム層113を含み、第1のサブフィルム層112は、二層フォトレジストパターニングプロセスを使用することによって第1の領域において基板100上に形成され得る。二層フォトレジストパターンは、大きい開口部を有し、下層に位置する第1のフォトレジスト103と、小さい開口部を有し、上層に位置する第2のフォトレジスト104とを含む。このように、第1のサブフィルム層112の位置は、二層フォトレジスト内の開口部を使用することによって定義される。図18を参照されたい。次いで、堆積プロセスを使用することによって開口部に第1のサブフィルム層112が形成され得る。堆積中にフォトレジスト層上に誘電体材料も形成されることは明らかである。図18を参照されたい。第1のサブフィルム層112の厚さ範囲は、20nm~500nmであり得、第1のサブフィルム層112の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つであり得る。次いで、二層フォトレジスト103/104および二層フォトレジスト103/104上の誘電体材料は、ドライエッチングまたはウェットエッチングによって除去され得る。図19を参照されたい。次いで、第1のサブフィルム層112が、ドライ処理および/またはウェット処理によって洗浄され得る。
【0084】
次いで、第1のサブフィルム層112および基板100を覆う第2のサブフィルム層113が形成され得る。第1の領域における第2のサブフィルム層113および第1のサブフィルム層112をエッチングして第3のビア114を得て、第3のビア114の内側に第1のゲート構造と、第1のゲート構造に接続され、第1の誘電体層の一部を覆う第2のゲート構造とを形成する。第2のサブフィルム層113の形成、第3のビアの形成、ならびに第1のゲート構造および第2のゲート構造の形成については、前述の方法、ならびに図20図21、および図22を参照されたい。詳細については、本明細書では改めて説明しない。
【0085】
言い換えれば、第1の誘電体層110は、第1のサブフィルム層112および第2のサブフィルム層113を含み得る。第1のサブフィルム層112は、基板100上の第1の領域に位置し、第2のサブフィルム層113は、第1のサブフィルム層112と、第1のサブフィルム層112の外側の第2の領域における基板100とを覆う。このように、第1の領域における第1の誘電体層110の厚さと、第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層110の厚さとの間の差は、第1のサブフィルム層112の厚さである。
【0086】
S103:ゲート120および第1の誘電体層110を覆う第2の誘電体層130を形成する。図11図16、および図23を参照されたい。
【0087】
ゲート120が形成された後、ゲート120および第1の誘電体層110を覆う第2の誘電体層130が形成され得る。第2の誘電体層130は、ゲート120を保護してもよいし、分離層として使用されてもよい。第2の誘電体層130は、堆積によって形成され得、第2の誘電体層130の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つであり得、第2の誘電体層130の厚さ範囲は、20nm~500nmであり得る。
【0088】
ゲートファーストプロセスでは、第2の誘電体層130が形成された後、基板100のソースおよびドレイン領域を露出させるように第2の誘電体層130および第1の誘電体層110をエッチングして、ソース101およびドレイン102を形成し得る。
【0089】
S104:第2の誘電体層130上にフィールドプレート140を形成する。図1図3A図3C、および図4を参照されたい。
【0090】
第2の誘電体層130が形成された後、第2の誘電体層130上にフィールドプレート140が形成され得る。フィールドプレート140は、基板の表面に垂直な方向において、ゲートの、ドレインに面する部分に面し、ドレインまで延在し得る。言い換えれば、フィールドプレート140は、第2のゲート構造の、ドレイン102に面する側に位置し、第2のゲート構造の上方に(図3A図3B、および図3Cでは上方向に)延在し得る。フィールドプレート140の、第2の領域に位置する部分は、ソース101に電気的に接続され(図3A図3B、および図3Cのソース101上のフィールドプレート140を参照、ここで、ソース101上のフィールドプレート140は、ゲート120の上部のフィールドプレート140と一体化構造である)、ソースとドレインとの間の電界および容量分布を変調して、高周波数利得の特定のインジケータを実装するように構成される。フィールドプレート140の材料は、Ni、Ti、Al、Pd、Pt、Au、TiN、TaN、およびCuのうちの少なくとも1つである。フィールドプレート140の材料およびゲート120の材料は、同じであっても、異なっていてもよい。フィールドプレート140の厚さ範囲は、20nm~1500nmである。デバイスが動作するとき、フィールドプレート140とフィールドプレート140の下の導電性チャネルとの間には寄生キャパシタC3が存在する。この寄生キャパシタは、デバイスの全体的な寄生キャパシタに影響を及ぼし、フィールドプレート140の下の第1の誘電体層110の厚さおよび誘電率、ならびにフィールドプレート140の下の第2の誘電体層130の厚さおよび誘電率に関係する。
【0091】
第1の誘電体層110の、第2のゲート構造の下にある領域の厚さは、第2のゲート構造の外側の第2の領域における第1の誘電体層110の厚さよりも大きいので、フィールドプレート140とチャネルとの間の寄生容量に影響を及ぼすことなく、第2のゲート構造とドレイン102との間の容量を低減することができる。したがって、デバイス全体の寄生容量を効果的に低減することができる。
【0092】
本出願の一実施形態は、半導体デバイスの製造方法を提供する。本方法は、基板を提供するステップと、基板上に第1の誘電体層およびゲートを形成するステップであって、第1の領域における第1の誘電体層の厚さは、第1の領域の外側の第2の領域における第1の誘電体層の厚さよりも大きく、ゲートは、基板上に位置し、第1の領域に位置し、ゲートは、基板の表面に垂直な方向に接続された第1のゲート構造および第2のゲート構造を含み、第1のゲート構造は、基板の表面に垂直な方向に第1の誘電体層を貫通し、第2のゲート構造は、第1の誘電体層の、基板から離れた側に形成され、第1の誘電体層の一部を覆う、ステップと、次いで、ゲートおよび第1の誘電体層を覆う第2の誘電体層を形成するステップと、第2の誘電体層上にフィールドプレートを形成するステップであって、フィールドプレートは、第1の領域および第2の領域の両方に配置される、ステップとを含む。このようにして、等しい厚さの第1の誘電体層を有する半導体デバイスにおける容量と比較して、この半導体デバイスでは、第1の領域における第1の誘電体層の厚さが大きいために第2のゲート構造とドレインとの間の容量が低減され、第2の領域における第1の誘電体層の厚さが小さいためにフィールドプレートとチャネルとの間の容量が増加するので、半導体デバイスの寄生容量が低減され、高周波数における半導体デバイスの利得特性が向上する。加えて、この設計により、デバイス内部の電界応力がさらに再調整され得る。第1の領域における第1の誘電体層の厚さが大きいので、第2のゲート構造における電界ピークが弱まり、デバイスの全体的なロバスト性が向上する。
【0093】
本出願の実施形態において提供される半導体デバイスに基づいて、本出願の一実施形態は、電子デバイスをさらに提供する。電子デバイスは、回路基板と、回路基板に接続された半導体デバイスとを備える。半導体デバイスは、前述の明細書において提供された任意の半導体デバイスであり得る。回路基板は、プリント回路基板(printed circuit board、PCB)であり得る。回路基板は、代替的に、フレキシブル回路基板(FPC)などであってもよいことは明らかである。回路基板は、この実施形態において限定されない。任意選択で、電子デバイスは、コンピュータ、モバイル電話、タブレットコンピュータ、ウェアラブルデバイス、および車載デバイスなどの異なるタイプのユーザ機器または端末デバイスである。代替的に、電子デバイスは、基地局などのネットワークデバイスであり得る。
【0094】
任意選択で、電子デバイスは、パッケージ基板をさらに含む。パッケージ基板は、ソルダボールを使用することによってプリント回路基板(PCB)に固定され、半導体デバイスは、ソルダボールを使用することによってパッケージ基板に固定される。
【0095】
本出願の別の態様は、コンピュータとともに使用するための非一時的コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータは、集積回路を作成するためのソフトウェアを有する。コンピュータ可読記憶媒体は、1つまたは複数のコンピュータ可読データ構造を記憶する。1つまたは複数のコンピュータ可読データ構造は、前述の明細書に提供された図のうちのいずれか1つに提供された集積回路を製造するための光学マスクデータを有する。
【0096】
本明細書における実施形態はすべて、漸進的に説明される。実施形態における同一または類似の部分については、これらの実施形態を参照されたい。各実施形態は、他の実施形態との相違点に着目している。
【0097】
上記は、本出願の特定の実装形態である。前述の実施形態は、本出願の技術的解決策を説明することを意図しているにすぎず、本出願を限定することを意図するものではないことを理解されたい。本出願は、前述の実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者は、本出願の実施形態の技術的解決策の範囲から逸脱することなく、前述の実施形態において説明された技術的解決策に対して依然として修正を行うことができ、またはそのいくつかの技術的特徴に対して同等の置換を行うことができることを理解すべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2023-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
基板であって、前記基板は第1の誘電体層を有し、第1の領域における前記第1の誘電体層の厚さは、前記第1の領域の外側の第2の領域における前記第1の誘電体層の厚さよりも大きい、基板と、
ゲートであって、前記ゲートは、前記基板上に位置し、前記第1の領域に位置し、前記ゲートは、前記基板の表面に垂直な方向に接続された第1のゲート構造および第2のゲート構造を含み、前記第1のゲート構造は、前記基板の前記表面に垂直な方向に前記第1の誘電体層を貫通し、前記第2のゲート構造は、前記第1の誘電体層の、前記基板から離れた側に形成され、前記第1の誘電体層の一部を覆う、ゲートと、
前記ゲートおよび前記第1の誘電体層を覆う第2の誘電体層と、
前記第2の誘電体層上に位置するフィールドプレートであって、前記フィールドプレートは、前記第1の領域および前記第2の領域の両方に配置される、フィールドプレートと
を備える半導体デバイス。
【請求項2】
前記基板に位置するソースおよびドレインをさらに備え、前記ゲートは、前記ソースと前記ドレインとの間に位置し、前記フィールドプレートは、前記基板の前記表面に垂直な方向において、前記ゲートの、前記ドレインに面する部分に面し、前記ドレインまで延在し、前記フィールドプレートの、前記第2の領域に位置する部分は、前記ソースに電気的に接続される、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記第1の誘電体層は、第1のサブフィルム層および第2のサブフィルム層を含み、
前記第1のサブフィルム層が前記基板を覆い、前記第2のサブフィルム層が前記第1のサブフィルム層上の前記第1の領域に位置するか、または前記第1のサブフィルム層が、前記基板上に位置し、前記第1の領域に位置し、前記第2のサブフィルム層が、前記第1のサブフィルム層と、前記第2の領域内にあり、前記第1のサブフィルム層の外側にある前記基板とを覆う、
請求項1または2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記第1のサブフィルム層および前記第2のサブフィルム層のうちの少なくとも一方の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つである、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記基板は、ベースとエピタキシャル層とを含み、前記エピタキシャル層は、前記ゲートに面して配置され、前記ベースの材料は、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、シリコン、炭化ケイ素、およびサファイアのうちの1つまたは複数であり、前記エピタキシャル層は、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化インジウムアルミニウム、窒化アルミニウム、および窒化スカンジウムアルミニウムのうちの1つまたは複数を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記ゲートおよび/または前記フィールドプレートの材料は、ニッケル、チタン、アルミニウム、パラジウム、白金、金、窒化チタン、窒化タンタル、および銅のうちの少なくとも1つである、請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記第2の誘電体層の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つである、請求項1から6のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
半導体デバイスの製造方法であって、
基板を提供するステップと、
前記基板上に第1の誘電体層およびゲートを形成するステップであって、前記ゲートは、前記基板上に位置し、第1の領域に位置し、前記第1の領域における前記第1の誘電体層の厚さは、前記第1の領域の外側の第2の領域における前記第1の誘電体層の厚さよりも大きく、前記ゲートは、前記基板の表面に垂直な方向に接続された第1のゲート構造および第2のゲート構造を含み、前記第1のゲート構造は、前記基板の前記表面に垂直な方向に前記第1の誘電体層を貫通し、前記第2のゲート構造は、前記第1の誘電体層の、前記基板から離れた側に形成され、前記第1の誘電体層の一部を覆う、ステップと、
前記ゲートおよび前記第1の誘電体層を覆う第2の誘電体層を形成するステップと、
前記第2の誘電体層上にフィールドプレートを形成するステップであって、前記フィールドプレートは、前記第1の領域および前記第2の領域の両方に配置される、ステップと
を含む方法。
【請求項9】
前記基板にソースおよびドレインがさらに形成され、前記ゲートは、前記ソースと前記ドレインとの間に位置し、前記フィールドプレートは、前記基板の前記表面に垂直な方向において、前記ゲートの、前記ドレインに面する部分に面し、前記ドレインまで延在し、前記フィールドプレートの、前記第2の領域に位置する部分は、前記ソースに電気的に接続される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の誘電体層は、第1のサブフィルム層および第2のサブフィルム層を含み、前記基板上に第1の誘電体層およびゲートを形成する前記ステップは、
前記基板上に前記第1のサブフィルム層および第2のサブ材料層を順次形成するステップと、
前記第1の領域内の前記第2のサブ材料層および前記第1のサブフィルム層をエッチングして、第1のビアを得るステップと、
前記第1のビアの内側に位置する前記第1のゲート構造と、前記第1のゲート構造に接続され、前記第1の誘電体層の前記一部を覆う前記第2のゲート構造とを形成するステップと、
前記第2のゲート構造をマスクとして使用することによって、前記第2のゲート構造の外側の前記第2のサブ材料層をエッチングして除去するステップであって、前記第1の領域に位置する前記第2のサブ材料層が、前記第2のサブフィルム層として使用される、ステップと
を含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記基板上に第1の誘電体層およびゲートを形成する前記ステップは、
前記基板上に第1の誘電体層を形成するステップと、
前記第1の領域内の前記第1の誘電体層をエッチングして、第2のビアを得るステップと、
前記第2のビアの内側に位置する前記第1のゲート構造と、前記第1のゲート構造に接続され、前記第1の誘電体層の前記一部を覆う前記第2のゲート構造とを形成するステップと、
前記第1の領域の外側の前記第2の領域内の前記第1の誘電体層を薄化して、前記第1の誘電体層を形成するステップと
を含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の誘電体層は、第1のサブフィルム層および第2のサブフィルム層を含み、前記基板上に第1の誘電体層およびゲートを形成する前記ステップは、
前記基板上に第1のサブ材料層を形成するステップと、
前記第1の領域の外側の前記第2の領域内の前記第1のサブ材料層を除去し、前記第1の領域に位置する前記第1のサブ材料層を前記第1のサブフィルム層として使用するステップと、
前記第1のサブフィルム層および前記基板を覆う前記第2のサブフィルム層を形成するステップと、
前記第1の領域内の前記第2のサブフィルム層および前記第1のサブフィルム層をエッチングして、第3のビアを得るステップと、
前記第3のビアの内側に位置する前記第1のゲート構造と、前記第1のゲート構造に接続され、前記第1の誘電体層の前記一部を覆う前記第2のゲート構造とを形成するステップと
を含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の誘電体層は、第1のサブフィルム層および第2のサブフィルム層を含み、前記基板上に第1の誘電体層およびゲートを形成する前記ステップは、
二層フォトレジストパターニングプロセスを使用することによって、前記基板上の前記第1の領域に前記第1のサブフィルム層を形成するステップと、
前記第1のサブフィルム層および前記基板を覆う前記第2のサブフィルム層を形成するステップと、
前記第1の領域内の前記第2のサブフィルム層および前記第1のサブフィルム層をエッチングして、第3のビアを得るステップと、
前記第3のビアの内側に位置する前記第1のゲート構造と、前記第1のゲート構造に接続され、前記第1の誘電体層の前記一部を覆う前記第2のゲート構造とを形成するステップと
を含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のサブフィルム層および/または前記第2のサブフィルム層の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つである、請求項10、12、および13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記基板は、ベースとエピタキシャル層とを含み、前記ベースの材料は、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、シリコン、炭化ケイ素、およびサファイアのうちの1つまたは複数であり、前記エピタキシャル層は、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化インジウムアルミニウム、窒化アルミニウム、および窒化スカンジウムアルミニウムのうちの1つまたは複数を含む、請求項8から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ゲートおよび/または前記フィールドプレートの材料は、ニッケル、チタン、アルミニウム、パラジウム、白金、金、窒化チタン、窒化タンタル、および銅のうちの少なくとも1つである、請求項8から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の誘電体層の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つである、請求項8から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
回路基板と、前記回路基板に接続された請求項1から7のいずれか一項に記載の半導体デバイスとを備える電子デバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
第1の誘電体層110およびゲート120を形成するさらに別の可能な方法では、第1の誘電体層は、第1のサブフィルム層112および第2のサブフィルム層113を含む。この場合、基板100上に第1のサブ材料層111が堆積される。図17を参照されたい。次いで、第1の領域の外側の第2の領域における第1のサブ材料層111が除去され、第1の領域における第のサブ材料層111が第1のサブフィルム層112として使用される。図19を参照されたい。第1のサブ材料層111の厚さ範囲は、20nm~500nmであり、第1のサブ材料層111の材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化チタンのうちの少なくとも1つであり得る。第1のサブ材料層111は、フォトリソグラフィプロセスを使用することによってエッチングされ得る。エッチング方式は、異方性ドライエッチングまたはウェットエッチングであり得る。
【国際調査報告】