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特表2023-550829具体的には物体の表面に対する触覚測定用の測定プローブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-05
(54)【発明の名称】具体的には物体の表面に対する触覚測定用の測定プローブ
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/38 20060101AFI20231128BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20231128BHJP
   G06F 13/42 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
G06F13/38 320A
G08C17/00 Z
G06F13/38 350
G06F13/42 310
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532288
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(85)【翻訳文提出日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 EP2021083087
(87)【国際公開番号】W WO2022112464
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】102020131476.0
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】523127187
【氏名又は名称】ヘルムート フィッシャー ゲーエムベーハー インスティトゥート フューア エレクトロニック ウント メステクニック
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】アクラ,ビラル
【テーマコード(参考)】
2F073
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AA19
2F073AA40
2F073AB01
2F073AB04
2F073BB01
2F073BB04
2F073BB07
2F073BC01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC12
2F073CD11
2F073DD02
2F073DE02
2F073DE06
2F073DE13
2F073EE11
2F073FF01
2F073FF12
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
(57)【要約】
本発明は、具体的には、ハウジング(12)と、ハウジング(12)に収容された測定ヘッド(11)とを含む、物体の表面に対する触覚測定用の測定プローブ(10,50,100,150)に関し、少なくとも1つの通信インターフェース(14)は、ハウジング(12)に提供され、ハウジング(12)に配置された回路(13)と通信し、回路は、少なくとも1つのマイクロコントローラー(24)及び少なくとも1つのマルチプレクサー(26)を含み、少なくとも2つの異なる通信プロトコルは、共通通信インターフェース(14)によって回路(13)によって伝送可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
具体的には、ハウジング(12)と、前記ハウジング(12)に収容された測定ヘッド(11)とを含む、物体の表面に対する触覚測定用の測定プローブ(10,50,100,150,200,250)であって、少なくとも1つの通信インターフェース(14)は、前記ハウジング(12)に提供され、前記ハウジング(12)に配置された回路(13)と通信し、前記回路(13)は、少なくとも1つのマイクロコントローラー(24)及び少なくとも1つのマルチプレクサー(26)を含み、データは、共通通信インターフェース(14)を経由して、少なくとも2つの異なる通信プロトコルを用いて、前記回路(13)によって伝送可能であり、前記通信インターフェース(14)はUSB-Cインターフェースであり、前記通信インターフェース(14)は少なくとも1つの第1の電圧接点(16)及び少なくとも2つのデータ接点(20,22)を含み、前記マルチプレクサー(26)は前記通信インターフェース(14)及び前記マイクロコントローラー(24)に結合され、前記マルチプレクサー(26)は、少なくとも1つの第1の通信プロトコルまたは1つの第2の通信プロトコルに従って、前記少なくとも1つの第1の電圧接点(16)に存在する第1の電圧振幅に応じるように構成でき、その結果、データは、前記マイクロコントローラー(24)から、前記通信インターフェース(14)を介して接続できる外部デバイス(4,5,7)に、前記構成された通信プロトコルを使用して、前記少なくとも2つのデータ接点(20,22)を用いて伝送可能であることを特徴とする、測定プローブ(10,50,100,150,200,250)。
【請求項2】
少なくとも1つのUSB-シリアルコンバーター(66)が提供され、前記マルチプレクサー(26)は、前記マイクロコントローラー(24)だけに基づいて、または前記マイクロコントローラー(24)及び前記USB-シリアルコンバーター(66)に基づいて、のどちらか一方で、少なくとも、前記第1の通信プロトコル及び前記第2の通信プロトコルに従うように構成できることを特徴とする、請求項1に記載の測定プローブ(10,50,100,150,200,250)。
【請求項3】
低ドロップアウトレギュレーター(36)が提供され、前記低ドロップアウトレギュレーター(36)は前記通信インターフェースに結合され、前記低ドロップアウトレギュレーター(36)は、前記通信インターフェースから受信した入力電圧を平滑化し、前記マイクロコントローラー(24)及び/または前記マルチプレクサー(26)に対する供給電圧として出力電圧を提供するように構成及びセットアップされることを特徴とする、請求項1または2の1項に記載の測定プローブ(10,50,100,150,200,250)。
【請求項4】
前記低ドロップアウトレギュレーター(36)の前記入力電圧は、前記通信インターフェースの前記第1の電圧接点(16)に存在する電圧に基づくことを特徴とする、請求項3に記載の測定プローブ(10,50,100,150,200,250)。
【請求項5】
前記マイクロコントローラー(24)が少なくとも1つの電圧計(52,67)を含むため、または前記電圧計(52,67)に結合されているため、その結果、前記少なくとも第1の電圧接点(16)に存在する前記第1の電圧振幅の値を判定できることを特徴とする、請求項1~4の1項に記載の測定プローブ(10,50,100,150,200,250)。
【請求項6】
電圧分配器(54)が提供され、前記電圧分配器(54)の入力は、前記少なくとも第1の電圧接点(16)に電気的に結合され、前記電圧計(52,67)は、前記第1の電圧接点(16)に、前記電圧分配器(54)によって出力された電圧を印加していることを特徴とする、請求項5に記載の測定プローブ(10,50,100,150,200,250)。
【請求項7】
前記第1の電圧接点(16)に存在する電圧振幅が第1の既定閾値を超えない場合、前記マルチプレクサー(26)は前記第1の通信プロトコルに従うように構成され、それ以外の場合、前記マルチプレクサー(26)は、前記第2の通信プロトコルに従うように構成されることを特徴とする、請求項1~6の1項に記載の測定プローブ(10,50,100,150,200,250)。
【請求項8】
前記少なくとも第1の電圧接点(16)に存在する前記電圧振幅は、前記測定プローブ(10,50,100,150)に接続できる前記外部デバイス(4,5,7)によって提供されることを特徴とする、請求項1~7の1項に記載の測定プローブ(10,50,100,150,200,250)。
【請求項9】
前記回路(13)は、供給電圧が前記第1の電圧接点(16)を介して独占的に、具体的には前記外部デバイス(4,5,7,8)から、前記ハウジング(12)の前記回路(13)に提供されるように構成されることを特徴とする、請求項1~8の1項に記載の測定プローブ(10,50,100,150,200,250)。
【請求項10】
前記マルチプレクサー(26)は、前記第1の電圧接点(16)に存在する電圧振幅に応じて独占的に構成されることを特徴とする、請求項1~9の1項に記載の測定プローブ(10,50,100,150,200,250)。
【請求項11】
請求項3を再度参照する限り、前記電圧計(52,67)及び前記低ドロップアウトレギュレーター(36)は、前記第1の電圧接点(16)に対して並列回路に配置されることを特徴とする、請求項5~10の1項に記載の測定プローブ(10,50,100,150,200,250)。
【請求項12】
前記第1の電圧接点(16)はVBUS1接点であることを特徴とする、請求項1~11の1項に記載の測定プローブ(10,50,100,150,200,250)。
【請求項13】
前記第1の通信プロトコルはUART通信プロトコル(84)であり、前記第2の通信プロトコルはUSB通信プロトコル(90)であることを特徴とする、請求項1~12の1項に記載の測定プローブ(10,50,100,150,200,250)。
【請求項14】
前記測定プローブ(10,50,100,150)は、材料試験のために、または表面試験のために、腐食防止の層厚を測定するためのセンサー装置を含み、前記センサー装置の測定データは、少なくとも前記第1の通信プロトコルまたは前記第2の通信プロトコルを使用して、外部デバイス(4,5,7,8)に伝達できることを特徴とする、請求項1~13の1項に記載の測定プローブ(10,50,100,150,200,250)。
【請求項15】
前記通信インターフェース(14)に存在し、外部デバイス(4,5,7,8)によって提供された電圧が4.3V未満である場合、前記第1の通信プロトコルは作動でき、提供される電圧が4.3Vよりも大きい場合、前記第2の通信プロトコル、具体的には、USB通信プロトコルにスイッチを切り替えることを特徴とする、請求項1~14の1項に記載の測定プローブ(10,50,100,150,200,250)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、具体的には、物体の表面に対する触覚測定用の測定プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、測定プローブは、製造プロセス中または製造プロセス後に、特定のセンサー装置を用いて、物理パラメーター、例えば層厚を試験するために広範囲に使用される。データの詳細な評価のために及び/または記録された測定値を出力するために、測定データは、通常、通信プロトコルを用いて、測定プローブからデータ処理デバイスに伝送する必要がある。単一の通信規格が提供される場合、伝達の可能性は制限される。
【0003】
その結果、そのような測定プローブの潜在的な適用も制限される。例えば、現場で測定データを読み取るために使用されるモバイルデバイスは、多くの場合、製造の状況で使用されるデバイスと異なる通信プロトコルを有する。モバイルデータ処理デバイスの場合、電池式動作は、電力消費が高くなる結果として低下することにもなる。
【0004】
固定された接続線を用いて測定データを伝送できる測定プローブは、独国特許出願公開第102011103123号明細書から知られている。このように永久的に設置された接続線により、データ処理デバイスが順応して使用できなくなることが生じる。
【0005】
通信インターフェースを有するオーディオデバイスは、欧州特許出願公開第1806661号明細書から知られている。通信インターフェースは、接続された外部デバイスによって使用された通信規格を判定するために、2つのデータ接点の論理的に高/低状態に関して評価される。この目的のために、これらのデータ接点を基準電圧と比較して、各々のデータ接点において論理的に高いまたは低いかどうかを判定する。この分析の結果に基づいて、通信インターフェースは、オーディオファイルを伝送することを可能にするために、USB通信プロトコル及びUART通信プロトコルに従うように構成できる。しかしながら、結果として、通信プロトコルを判定することは、2つの接点をその電圧振幅に関して分析する必要があり、また、これらの値のそれぞれを、基準値と比較する必要があるため、比較的複雑な評価を頼りにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102011103123号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1806661号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、具体的には、消費電力が低下する測定データの順応性のある伝達を可能にする、物体の表面に対する触覚測定用の測定プローブを提供することを目指している。
【0008】
その目的は、独立請求項の主題により、本発明に従って実現される。さらなる有利な実施形態及び改良は、従属請求項に与えられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
少なくとも1つの通信インターフェースに接続される少なくとも1つのマイクロコントローラー及び少なくとも1つのマルチプレクサーを含む回路を含む測定プローブが提供される。データは、共通通信インターフェースを経由して、少なくとも2つの異なる通信プロトコルを用いて回路によって伝送可能である。異なる通信プロトコルにより、モジュールの順応性と低消費電力とのバランスをとることができる。結果として、例えば、測定プローブは、モバイルデバイス、通信インターフェースを介してPC等に接続され、産業用インターフェースへの単純接続を可能にし得る。
【0010】
通信インターフェースはUSB-Cインターフェースである。現在、USB-Cインターフェースは広く知られており、いくつかの異なる用途で使用されている。さらに、USB-Cインターフェースは、USB通信プロトコルに従うだけでなく、UART通信プロトコルにも従って使用できる。
【0011】
通信インターフェースは、少なくとも1つの第1の電圧接点及び少なくとも2つのデータ接点を有する。マルチプレクサーは、通信インターフェース及びマイクロコントローラーに結合される。マルチプレクサーは、少なくとも1つの第1の通信プロトコル及び1つの第2の通信プロトコルに従って、少なくとも第1の電圧接点に存在する少なくとも1つの第1の電圧振幅に応じるように構成できる。具体的には、マルチプレクサーは、少なくとも第1の電圧振幅に応じるように構成でき、その結果、データは、構成された通信プロトコルに基づいて、少なくとも2つのデータ接点を用いて、マイクロコントローラーから外部デバイスに伝送可能である。この測定プローブにより、通信プロトコルの検出機構を使用するのを簡単にすることを可能にする。
【0012】
測定プローブは、好ましくはさらに、少なくとも1つのUSB-シリアルコンバーターを含み得る。次に、マルチプレクサーは、マイクロコントローラーだけに基づいて、またはマイクロコントローラー及びUSB-シリアルコンバーターに基づいて、のどちらか一方で、少なくとも、第1の通信プロトコル及び第2の通信プロトコルに従うように構成されることが可能になり得る。第1の場合、マイクロコントローラーは、マルチプレクサー用の2つの異なる通信プロトコルに従ってデータを提供するようにセットアップされ得る。次に、USB-シリアルコンバーターは必要がなくなり、無くすことができる。第2の場合、マイクロコントローラーは、1つの通信プロトコルだけに従ってデータ伝送を可能にし得るようになる場合があり得る。USB-シリアルコンバーターは、第2の通信プロトコルに従って、データ伝送を可能にし得る。この目的のために、USB-シリアルコンバーターは、具体的には、マイクロコントローラー及びマルチプレクサーに結合できる。この場合、マイクロコントローラーは、第1の通信プロトコルに従って、USB-シリアルコンバーターにデータを伝送でき、データは第2の通信プロトコルに従って存在するように変換できる。次に、データは、最終的に、第2の通信プロトコルに従って、通信インターフェースを使用して伝達で利用可能にするために、USB-シリアルコンバーターからマルチプレクサーに伝送できる。利点として、マイクロコントローラーをより簡単に構成できるという事実がある。マイクロコントローラーは、1つの通信プロトコルの制御だけが必要である。
【0013】
好ましい実施形態によると、測定プローブは、また、低ドロップアウトレギュレーターも含み得る。低ドロップアウトレギュレーターは、通信インターフェース結合され得る。低ドロップアウトレギュレーターは、通信インターフェースから受信した入力電圧を平滑化することと、マイクロコントローラー及び/またはマルチプレクサーに対する供給電圧として、出力電圧を提供することと、を可能にする。低ドロップアウトレギュレーターは、具体的には、線形レギュレーターであると理解され得る。安定供給電圧は、マイクロコントローラー及び/またはマルチプレクサーの機能にかなり重要であり得る。外部デバイスの通信インターフェースで提供された電圧を使用して、マルチプレクサーを作動させ得る。例えば3.2V~4.3Vの電圧が存在する場合、マイクロプロセッサはアドレス指定され、マルチプレクサーは、第1の通信プロトコル(デフォルト)によって、好ましくはUART通信プロトコルによって動作し続ける。4.3Vよりも大きい電圧、具体的には5Vの電圧が存在する場合、随意に、USB-シリアルコンバーターには、加えて、電圧が供給され、第2の通信プロトコル、具体的にはUSB通信プロトコルにスイッチが切り替わる。
【0014】
さらに、好ましくは、通信インターフェースの第1の電圧接点に存在する電圧に基づくことが可能になる低ドロップアウトレギュレーターだけの入力電圧が提供される。これは、第1の電圧接点に存在する電圧により、どのデータが通信インターフェースを経由して伝送可能であるかによって、通信プロトコルを判定するだけでなく、同じ電圧は、また、電圧をマイクロコントローラー及び/またはマルチプレクサーを供給するために使用されることも意味する。これは、例えば、並列回路を使用して可能になり得る。有利に、供給電圧を提供するために、通信インターフェースの追加接点が必要なくなる。
【0015】
代替として、通信インターフェースは、少なくとも1つの第2の電圧接点を含み得る。次に、低ドロップアウトレギュレーターの入力電圧は、通信インターフェースの第2の電圧接点に存在する電圧に基づき得る。結果として、供給電圧に基づく電圧は、通信プロトコルを判定する電圧とは別である。これは、供給電圧に基づく電圧が始めから受ける歪みが少なくなることをもたらし得る。したがって、低ドロップアウトレギュレーターに設置される要求が少なくなり得るため、単純及び安価な構成要素は使用可能になり得る。
【0016】
さらなる好ましい実施形態では、マイクロコントローラーが少なくとも1つの電圧計を含む、またはそのような電圧計に結合されるという事実がもたらされる。次に、少なくとも第1の電圧接点に存在する第1の電圧振幅の値を判定することが可能であり得る。次に、どのデータの伝送を設定するかを想定することに基づいて通信プロトコルを判定するために、電圧振幅の対応する測定値はマイクロコントローラーによって使用され得る。
【0017】
より好ましくは、測定プローブは電圧分配器を含み得る。電圧分配器の入力は、少なくとも第1の電圧接点に電気的に結合され得る。次に、電圧計は、電圧分配器から出力された電圧をその電圧接点に印加している場合がある。本実施形態は、通信インターフェースの第1の電圧接点に存在する電圧が、通信プロトコルを決定するためと、電圧をマイクロコントローラー及び/またはマルチプレクサーに供給するためとの両方の場合に使用されるときに特に利点をもたらす。電圧分配器は、次に、並列回路に配置され得る。電圧分配器は、第1の電圧接点の電圧に直接依存する対応する試験電圧を提供するための効率的なオプションを表す。
【0018】
さらに好ましい実施形態によると、第1の電圧接点に存在する電圧振幅が第1の既定閾値を超えない場合、マルチプレクサーは第1の通信プロトコルに従うように構成され得る。閾値を超える場合、マルチプレクサーは、第2の通信プロトコルに従うように構成され得る。閾値は、判定用の電圧振幅を区別する非常に効率的な方法を表す。これは、閾値に基づいて、使用される通信プロトコルのデフォルト状態を非常に効率的に判定できることも意味する。これは、第1の電圧接点に存在する電圧が全くない場合、閾値を超えないためである。したがって、第1の通信プロトコルは、使用される通信プロトコルのデフォルト状態を表す。マルチプレクサーの構成の変更は、提供される制御信号に依存し得る。制御信号は、具体的には、第1の電圧接点に存在する電圧振幅が既定閾値を超えたかどうかを確認する。これが発生するとすぐに、マルチプレクサーは、第2の通信プロトコルに従って、制御信号を用いることによって構成できる。電圧振幅が閾値を下回る場合、マルチプレクサーの構成が再度変化し得、その結果、電圧振幅は再度下がり、第1の通信プロトコルに従うように構成される。閾値に関して、ヒステリシスは、いくつかの状態の間のいずれかの急速の変化を防止するために提供され得る。
【0019】
好ましくは、外部デバイスによって提供される少なくとも第1の電圧接点に存在する電圧振幅の提供がなされる。結果として、有利に、通信インターフェースに結合された外部デバイスによって、使用される通信プロトコルを判定できることを保証する。第1の電圧接点に存在する電圧振幅だけにより、使用される通信プロトコルを判定することを考える場合、これは、第1の通信プロトコル出力及び第2の通信プロトコルに従ってデータ通信を必要とするデバイスが、通信インターフェースの同じ電圧接点で電圧を出力することを意味する。これにより、すなわち自動方式で判定されるために使用される通信プロトコルを可能にする。これは、外部デバイスがデータ伝送を要求する通信プロトコルに関係なく、これは、いずれの場合でも、第1の電圧接点に存在し外部デバイスによって提供された電圧に基づいて判定できるためである。
【0020】
測定プローブの改良に従って、回路は、ハウジングの回路に対する供給電圧が、具体的には外部デバイスから、第1の電圧接点を介して独占的に提供されるように構成され得る。これは、供給電圧は、回路の全ての構成要素に、すなわち、マルチプレクサー、マイクロコントローラーに、随意に、低ドロップアウトレギュレーター及びシリアル-USBコンバーターに、第1の電圧接点から独占的に提供できることを意味する。次に、回路は特に低い複雑度になり得る。
【0021】
好ましい実施形態では、マルチプレクサーが、また、第1の電圧接点に存在する電圧振幅に応じて独占的に構成されるという事実がもたらされる。したがって、所望の通信プロトコルに従って、マルチプレクサー、随意にマイクロコントローラーも構成するために、2つの電圧接点の電圧振幅を評価することを不必要であることが可能になる。
【0022】
具体的には、第1の電圧接点に存在する電圧振幅を評価するために、電圧計を、第1の電圧接点に結合できる。次に、電圧計は、マイクロコントローラーの外部にある。複数の異なる電圧接点に存在する複数の電圧振幅の評価は、ハウジングにより複雑な回路が必要になるであろう。例えば、次に、複数の電圧計が必要になるであろう。しかしながら、これは、回路の複雑度をより大きくするだけでなく、電力消費の増加ももたらすであろう。その結果、回路を供給するために使用されるエネルギー貯蔵デバイスの最長動作時間は短くなるであろう。具体的には、測定プローブのモバイルアプリケーションの場合、それぞれの場合に存在する電圧振幅に関して、複数の電圧接点の評価は、起動時間または動作期間の制限をもたらすであろう。
【0023】
第1の電圧接点に存在する電圧振幅は、例えば少なくとも1つの閾値に関して、コンパレータを用いて評価できる。したがって、コンパレータは電圧計の一部であり得る。これにより、評価を簡略化することを可能にする。マルチプレクサーが電圧振幅(第1の電圧接点に存在するもの)だけに応じて評価されるため、追加コンパレータを無くすことができ、これにより、電力消費を減らすことを可能にし、エネルギー貯蔵デバイスの所与の貯蔵容量に応じて、起動時間が延びる。
【0024】
次に、コンパレータは、少なくとも1つの閾値に関して、第1の電圧接点に存在する電圧振幅を評価できる。コンパレータの出力信号は、閾値に達していないか、または閾値を超えているかどうかを特定し得る。ヒステリシスは、急速の変化を防止するために提供され得る。具体的には、マルチプレクサーは、随意にマイクロコントローラーも、第1の通信プロトコルまたは第2の通信プロトコルのどちらか一方に従って、電圧計、この場合コンパレータの出力信号に応じるように構成され得る。
【0025】
第1の電圧接点は、具体的には、通信インターフェースのVBUS1接点、具体的にはUSB-CインターフェースのVBUS1接点であり得る。VBUS1接点は、通常、供給電圧を提供するためにUSB-Cインターフェースで使用される。ここで、したがって、測定プローブの回路は、VBUS1接点を用いて、規格に従って、供給電圧をその接点に印加できる。しかしながら、同じ接点は、また、外部デバイスが必要な通信プロトコルを識別するために評価できる。先行技術によると、USB-Cインターフェースの他のピン、例えばCC1及びCC2は、インターフェース構成に使用される。しかしながら、これにより、回路はより複雑になるであろう。先行技術によると、複数のピンは、また、存在する電圧振幅に関して評価されることも必要になるであろう。それは、ここでの事例と異なる。単一のピンだけで、VBUS1接点は、測定プローブの回路に対する供給電圧と、同時に(存在する電圧振幅によって)使用される通信プロトコルに関する情報との両方を提供する。その結果、回路の複雑度が減り、動作期間が増加する。
【0026】
選択式の実施形態では、電圧計及び低ドロップアウトレギュレーターは、第1の電圧接点に対して並列回路で配置され得る。結果として、第1の電圧接点は、特に、供給電圧を提供するためと、必要な通信プロトコルを識別するためとの両方の場合に容易に使用され得る。供給電圧は、有利に、ここでは低ドロップアウトレギュレーターによって平滑化され、その結果として、続いて、搭載された構成要素、例えばマイクロコントローラーは、受ける歪みが少なくなる。
【0027】
さらに好ましい実施形態は、第1の通信プロトコルはUART通信プロトコルであり、第2の通信プロトコルはUSB通信プロトコルであるという事実がもたらされる。これらの通信プロトコルは、測定プローブの広範囲の適用を可能にする。通常、UART通信プロトコルを使用して、デジタルシリアルインターフェース通信を実行する。USB通信プロトコルは、シリアル通信プロトコルを表す。具体的には、これらの通信プロトコルは、モバイルアプリケーションの主要なアプリケーションを表す。
【0028】
好ましい実施形態によると、測定プローブは、層厚を測定するための、腐食防止のための、材料試験のための、温度試験のための、または表面試験のためのセンサー装置を伴う測定ヘッドを含み得る。次に、センサー装置の測定データは、少なくとも第1の通信プロトコルまたは第2の通信プロトコルを使用して、外部デバイスに伝達可能であり得る。そのような測定プローブを使用して、例えば、塗装層の厚さを試験する。これは、多くの場合、現場の製造環境以外で、例えば、航空機が滑走路にある場合に実施される。したがって、一方では、電池で動作する特殊なモバイルハンドヘルドデバイスによって、他方では、例えば、主電源が供給される、または固定されるときだけ動作する従来のコンピューター、タブレット、または同様のデバイスによって、測定データを読み取ることができる場合に特に利点をもたらす。多くの場合、様々なデバイスは、ここでは異なる通信プロトコルを使用する、具体的には、UART通信プロトコルまたはUSB通信プロトコルを使用する。したがって、本発明の測定プローブは、多くの異なる方法で、そして多くの用途に関して、外部評価のために対応する測定データを提供することを可能にする。具体的には、電池式アプリケーションの場合、通信インターフェースの単一の電圧接点だけに必要な評価は、その評価により、デバイスの起動時間が延びることが可能になるため有利になる。
【0029】
本発明及びさらに有利な実施形態ならびにその改良は、図面に示される例を使用して、下記により詳細に記述及び説明される。説明及び図面から推測できる特徴は、本質的に個々に、または本発明に従って任意の所望の組み合わせで一緒に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】他の通信手段に接続するためのオプションがある、本発明に従った測定プローブの図を示す。
図2】一実施形態による、測定プローブの簡略化された概略図を示す。
図3】さらなる実施形態による、測定プローブの簡略化された概略図を示す。
図4】さらなる実施形態による、測定プローブの簡略化された概略図を示す。
図5】さらなる実施形態による、測定プローブの簡略化された概略図を示す。
図6】さらなる実施形態による、測定プローブの簡略化された概略図を示す。
図7】さらなる実施形態による、測定プローブの簡略化された概略図を示す。
図8】マルチプレクサーの簡略化された概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、概略的に簡略化された形式で測定プローブ10を示す。この測定プローブ10は、測定プローブ10の様々な用途及びタスクに適応する測定ヘッド11を含む。測定プローブ10のハウジング12にある測定ヘッド11の反対側に、通信インターフェース14に接続される回路13が提供される。この通信インターフェース14(ソケット)は、好ましくは、USB-Cインターフェースとして構成され、下記にそのように説明されるが、この通信インターフェース14はそれに限定されるものではなく、同様に、他のタイプを含み得る。
【0032】
この通信インターフェース14は、例えば、データ処理デバイス4に接続される補完的通信インターフェース15を用いてケーブル3に接続する働きをする。このデータ処理デバイス4は、デスクトップコンピューター、端末、またはラップトップの形態であり得るが、また、例えば、タブレット、携帯電話等のモバイルデータ処理デバイス等の形態でもあり得る。
【0033】
また、測定プローブ10は、通信インターフェース14を介して、さらなるケーブル3に接続され得、さらなるケーブル3は、例えば、測定プローブ10によって検出されたデータを評価するために提供されるモバイルハンドヘルド測定デバイス5につながり、例えば、データがディスプレイ6に示される。
【0034】
また、測定プローブ10によって検出されたデータを処理し、例えば、無線で、さらなるデータ処理デバイス4,5にデータを伝送する補完的通信インターフェース15を用いて、アダプタ7が測定プローブ10の通信インターフェース14に接続されることも可能になる。例えばBluetooth等の無線データ伝送に関する周知技術等は、ここで使用され得る。また、そのようなアダプタ7は、具体的には再充電可能であり、好ましくは測定プローブ10に電力を供給する電池も有し得る。
【0035】
また、産業用インターフェース8が、補完的インターフェースを用いて、測定プローブ10の通信インターフェース14に接続されることも可能になる。これらの産業用インターフェース8は、例えば、UARTアダプタまたはRS485アダプタを有する。
【0036】
回路13及び通信インターフェース14は、図2に概略的に示される。
【0037】
USB-Cインターフェース14として下記に指定された通信インターフェース14は、既知の方式の24個の接点を含む。外部デバイス4,5,7との通信が、UART通信プロトコルまたはUSB通信プロトコルに従って、USB-Cインターフェース14を用いてセットアップされるとすぐに、通常の方法で24個の接点を使用できる。しかしながら、本発明の場合、具体的には、使用される通信プロトコルを判定する際に、また、測定プローブ10の使用において最重要である4つの接点について検討する。
【0038】
これらの接点は、第1の電圧接点(VBUS)16、第2の電圧接点(SUB2)18、第1のデータ接点(D-)20、及び第2のデータ接点(D+)22である。
【0039】
測定プローブ10の回路13は、また、マイクロコントローラー24、マルチプレクサー26、低ドロップアウトレギュレーター36、及びUSB-シリアルコンバーター66を含む。
【0040】
第1の電圧接点16は、低ドロップアウトレギュレーター36に結合される。並列回路42に従って、第1の電圧接点16は、また、接続線46を使用して、USB-シリアルコンバーター66にも結合される。第2の電圧接点18は、同様に、低ドロップアウトレギュレーター36に結合される。低ドロップアウトレギュレーター36の出力は、供給線38,40を使用して、マイクロコントローラー24及びマルチプレクサー26に結合される。
【0041】
本発明の実施形態によると、USB-Cインターフェース14に外部接続されたデバイスによって、第2の電圧接点18で供給電圧が提供される。供給電圧は、通常、3.3Vの電圧振幅を有する。外部接続デバイスから生じ得る供給電圧の信号の歪みをオフセットまたは少なくとも減らすために、供給電圧は、低ドロップアウトレギュレーター36によって平滑化される。次に、供給電圧は、マイクロコントローラー24及びマルチプレクサー26に電圧を供給するために提供される。これにより、これらの構成要素の平滑化機能が可能になる。
【0042】
マルチプレクサー26は、出力28、第1の入力30、及び第2の入力32を含む。低ドロップアウトレギュレーター26の出力28は、第1のデータ接点20及び第2のデータ接点22に結合される。マルチプレクサー26は、UART通信プロトコル(第1の通信プロトコル)またはUSB通信プロトコル(第2の通信プロトコル)を用いてデータ伝送を可能にするために、少なくとも1つの制御信号44に応じて、切替線34を用いて、第1の入力30または第2の入力32のどちらか一方を出力28に結合するようにセットアップされる。
【0043】
マイクロコントローラー24は、マルチプレクサー26の第1の入力30に結合され、また、USB-シリアルコンバーター66を介して、第2の入力32に結合される。本発明の実施形態によると、マイクロコントローラー24は、UART通信プロトコルだけに従って、データを提供するようにセットアップされる。マルチプレクサー26の基本設定では、第1の入力30は出力28に結合される。これは、基本設定では、マイクロコントローラー24から開始するUART通信プロトコルに基づく通信が可能であることを意味する。
【0044】
外部接続デバイスによって提供される第1の電圧接点16に存在する電圧振幅に応じて、USB通信プロトコルに従って通信を可能にするために、制御信号44によって、マルチプレクサー26の状態を変化させることができる。この目的のために、第1の電圧接点16に存在する電圧振幅が閾値を超えているかどうかを確認する。閾値は通常4.5Vである。この理由として、UART通信プロトコルに従って動作する外部接続デバイスは、通常、3.5V~4.2Vの範囲だけの電圧を提供することが挙げられる。逆に、USB通信プロトコルに従って動作するデバイスでは、電圧振幅は4.5V~5.1Vの範囲である。
【0045】
電圧計(ここでは図示されない)を使用して、第1の電圧接点16に存在する電圧振幅を確認できる。代替として、また、電圧接点が多極である場合、低ドロップアウトレギュレーター36によって、電圧振幅を確認し得る。さらに、また、USB-シリアルコンバーター66及びマルチプレクサー26が常に第1の電圧接点16に存在する電圧を接点に印加しており、そして、閾値を超えた場合、その機能だけが変化するように、回路をセットアップし得る。閾値を超えた場合、この目的のために、制御信号44は、マルチプレクサー26自体によって提供される。
【0046】
いずれの場合でも、測定プローブ10のデータは、USB-シリアルコンバーター66のためにマイクロコントローラー24からUART通信プロトコルに従って提供される。USB-シリアルコンバーター66はデータを変換し、そして、マルチプレクサー26の第2の入力32でデータを提供し、その結果、データは、UART通信プロトコルに従って、ただしUSB通信プロトコルにも従って、そこには存在しなくなる。マルチプレクサー26の切替線34が、制御信号44に応じて、第1の入力30から第2の入力32に切り替わるため、結果として、閾値を超えるとすぐに、USB通信プロトコルに従って通信可能になる。第1の電圧接点16に存在する電圧振幅が閾値を下回る場合、マルチプレクサー26の出力状態が変化し、その結果、第1の入力30は、UART通信プロトコルに従って出力28に結合される。
【0047】
図3は、さらなる実施形態による、測定プローブ50の通信インターフェース14を伴う回路13の簡略化された概略図を示す。上記に説明した図によると、同じ構成要素は同じ名称が与えられている。これらの構成要素は詳細に説明されない。ここでは、図2との違いだけを検討する。
【0048】
測定プローブ50の本発明の実施形態によると、USB-シリアルコンバーターが無い。その機能は、マイクロコントローラー24によって引き継がれる。本発明の場合、マイクロコントローラー24は電圧計52を有する。概して、電圧計52は、また、マイクロコントローラー24の外部にあり、単に、マイクロコントローラー24に結合され得る。第1の電圧接点16に存在する電圧は、接続線48を使用して、電圧計52に送られる。電圧計52を使用して、マイクロコントローラー24は、電圧振幅が閾値を超えたかどうかを判定するようにセットアップされる。本実施形態によると、マイクロコントローラー24は、マルチプレクサー26の第1の入力30に対してUART通信プロトコルに従うだけでなく、第2の入力32に対してUSB通信プロトコルにも従って、データを提供するようにセットアップされる。マイクロコントローラー24は、検出された電圧振幅に基づいて、決定するようにセットアップされるだけでなく、そして、その通信規格は、マルチプレクサー26に、また、これらのデータを提供する必要がある入力にも、データを提供するために使用され、対応する制御信号44をマルチプレクサー26に提供することもする。データ伝送のためのマルチプレクサー26は、制御信号44に基づくように対応して構成される。また、本発明の実施形態によると、マルチプレクサー26は、閾値を超えた場合だけ変わる基本設定を有する。
【0049】
図4は、さらなる実施形態による、測定プローブ100の通信インターフェース14を伴う回路13の簡略化された概略図を示す。上記に説明した図によると、同じ構成要素は同じ名称が与えられている。これらの構成要素は詳細に説明されない。ここでは、上記の図との違いだけを検討する。
【0050】
測定プローブ100の回路13の実施形態は、測定プローブ10の回路13の実施形態に実質的に一致する。しかしながら、簡略化がなされる。第1の電圧接点16に存在する電圧振幅は、使用される通信規格を判定するためだけでなく、電圧を測定プローブ100の構成要素に供給するためにも使用される。
【0051】
測定プローブ100は電圧分配器54を有する。電圧分配器54は、直列に接続された少なくとも2つの抵抗器56,58と、それらの抵抗器の間に配置された中心タップ60とを有する。中心タップ60は、接続線62を使用して、マイクロコントローラー24の電圧計52に結合される。通信規格を判定し、供給電圧を同時に提供することを可能にするために、低ドロップアウトレギュレーター36及び電圧分配器54は、第1の電圧接点16に対して並列回路に配置される。次に、電圧分配器54は、中心タップ60を介して、試験電圧を電圧計52に提供する。試験電圧は、第1の電圧接点16に存在する電圧振幅に正比例する。この比例性は、抵抗器56,58の相対的サイズから生じる。試験電圧は、通常、第1の電圧接点16に存在する電圧よりも低い。その結果、電圧計52だけが、低電圧範囲に合わせて構成される必要がある。
【0052】
低ドロップアウトレギュレーター36は、それに送られた電圧振幅を平滑化し、その電圧振幅を、供給電圧38,40として、測定プローブ100の構成要素に提供する。本実施形態によると、第2の電圧接点18は、ここでは、重要ではないため不要である。
【0053】
4.5V以上の電圧が存在する場合、規定閾値に対して電圧計52によって判定された電圧振幅に基づいて、USB-シリアルコンバーター66及びマルチプレクサー26のための制御信号64は、マイクロコントローラー24によって提供され、状況に応じて、これを構成する。既知の方法では、データ(測定プローブ100のセンサー装置の測定データ)は、UART通信プロトコルを介してマルチプレクサー26の第1の入力30でマイクロコントローラー24から提供される代わりに、USB通信プロトコルによって、USB-シリアルコンバーター66を経由して、マルチプレクサー26の第2の入力32で提供される。それは、USB-シリアルコンバーター66が最初にUART通信プロトコルに従ってマイクロコントローラー24からデータを受信し、データを変換した後に行われる。
【0054】
さらに、マイクロコントローラー24は、それによって、第2の入力32で、データの変換及び対応するデータの提供をトリガするために、制御信号をUSB-シリアルコンバーター66にも提供するようにセットアップされる。
【0055】
図5は、さらなる実施形態による、測定プローブ150の通信インターフェース14を伴う回路13の簡略化された概略図を示す。上記に説明した図によると、同じ構成要素は同じ名称が与えられている。これらの構成要素は詳細に説明されない。ここでは、上記の図との違いだけを検討する。
【0056】
測定プローブ150の実施形態は、測定プローブ50の実施形態に実質的に一致する。しかしながら、再度、測定プローブ100に関して既に説明されている簡略化がなされる。第1の電圧接点16に存在する電圧振幅は、使用される通信規格を判定するためだけでなく、電圧を測定プローブ150の構成要素に供給するためにも使用される。
【0057】
本実施形態によると、USB-シリアルコンバーターが無い。この目的のために、マイクロコントローラー24は、マルチプレクサー26の第1の入力30で、または第2の入力32で、のどちらか一方で、両方の通信プロトコルに従って、データを提供するようにセットアップされる。測定プローブ150は、同様に、ドロップアウトレギュレーター36と並んで並列回路に配置される電圧分配器54を含む。中心タップ60を使用して、電圧分配器54は、試験電圧を、マイクロコントローラー24の電圧計52に提供する。4.5Vの閾値を超えた場合、制御信号64は、マルチプレクサー26に対してマイクロコントローラー24から出力され、USB通信プロトコルを作動させる。既に上記に説明したように、マイクロコントローラー24及びマルチプレクサー26の供給電圧38,40は、低ドロップアウトレギュレーター36によって提供される。
【0058】
図6は、さらなる実施形態による、測定プローブ200の通信インターフェース14を伴う回路13の簡略化された概略図を示す。上記に説明した図によると、同じ構成要素は同じ名称が与えられ、そして、この説明に参照がなされる。下記では、図1図5との違いを検討する。
【0059】
電圧センサー67は、マイクロコントローラー24から分離して提供される。電圧計67は、第1の電圧接点(VBUS)16に結合される。電圧計67は、第1の電圧接点16に対して、低ドロップアウトレギュレーター36と並んで並列回路になるように配置され得る。第1の電圧接点16は、例えば、コンパレータを用いて、存在する電圧振幅に関して、電圧計67によって評価される。存在する電圧振幅に応じて、マルチプレクサー26は、制御信号64を用いて、電圧計67によって、第1の通信プロトコルまたは第2の通信プロトコルに従うように構成される。同時に、回路13の構成要素に対する供給電圧は、また、第1の電圧接点16によって、すなわち、低ドロップアウトレギュレーター36、マルチプレクサー26、USB-シリアルコンバーター66、及びマイクロコントローラー24に提供される。
【0060】
図7は、さらなる実施形態による、測定プローブ250の通信インターフェース14を伴う回路13の簡略化された概略図を示す。上記に説明した図によると、同じ構成要素は同じ名称が与えられ、そして、この説明に参照がなされる。下記では、図1図6との違いを検討する。
【0061】
図7図6に実質的に一致するが、マイクロコントローラー24は、USB通信プロトコルに従って及びUART通信プロトコルに従って、の両方で、データを提供するようにセットアップされる。それにもかかわらず、また、単一の第1の電圧接点(VBUS)16を使用して、ここでは、回路13の供給電圧を提供し、同時に使用される通信プロトコルに関する情報を提供する。電圧計67は、対応する方法で、例えば、上記に概説した閾値条件に応じてマルチプレクサー26を構成する。
【0062】
図8は、マルチプレクサー26の簡略化された概略図を示す。マルチプレクサー26は、実質的に、12個の接点を有する。接点D+,D-(76,78)は、マルチプレクサー2の出力を表す。第1の入力は、接点D1+,D1-(80,82)によって形成される。第2の入力は、接点D2+,D2-(86,88)によって形成される。第1の入力80,82の接点は、UART通信プロトコル84に従って結合される。第2の入力86,88の接点は、USB通信プロトコル90に従って結合される。供給電圧は、アース接点GND74に対して、電圧接点VCC72に存在する。出力可能接点OE96は、随意に、アドレス指定でき、出力が可能であるかどうかを判定できる。2つの制御接点SEL1,SEL2(92,94)に基づいて、第1の入力80,82の接点または第2の入力86,88の接点は、出力76,78の接点に結合されるかどうかを判定される。マルチプレクサー26の基本設定では、第1の入力の接点80,82は、出力の接点76,78に結合される。これに関して、常に、マルチプレクサー26の構成を変更するために、制御接点SEL1,SEL2(92,94)で制御信号が存在する必要がある。これは、制御接点SEL1,SEL2(92,94)に適用される対応する論理的に高/低信号に基づいて行うことができる。例えば、マルチプレクサー26は、制御接点SEL1,SEL2(92,94)の両方において論理的に低い場合にUART通信プロトコルに従って、また、制御接点SEL1,SEL2(92,94)の両方において論理的に高い場合にUSB通信プロトコルに従って構成され得る。制御信号は、説明される方法で、例えば、マイクロコントローラー24または電圧計67によって提供され得る。また、故障接点FLT98も提供される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】