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特表2023-550870注射デバイスに連結されるための安全カバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-06
(54)【発明の名称】注射デバイスに連結されるための安全カバー
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
A61M5/32 510F
A61M5/32 500
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023520342
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(85)【翻訳文提出日】2023-06-02
(86)【国際出願番号】 EP2021075159
(87)【国際公開番号】W WO2022073724
(87)【国際公開日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】102020126258.2
(32)【優先日】2020-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522014840
【氏名又は名称】フィッシャー、シュテファン
(71)【出願人】
【識別番号】522014851
【氏名又は名称】ヴィルケ、トビアス
(71)【出願人】
【識別番号】522014862
【氏名又は名称】モール、ベルント
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルケ、トビアス
(72)【発明者】
【氏名】モール、ベルント
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066FF05
4C066NN08
(57)【要約】
本発明は注射デバイスに連結されるための安全カバー1に関連し、安全カバー1が、基部2と、外側ハウジング4及び内側ハウジング5を備えるカバー3と、ヒンジ要素6と、を備え、外側ハウジング4が同軸配置構成で内側ハウジング5に連結され、内側ハウジング5がヒンジ要素6により基部2に接続され、その結果、カバー3が初期位置から治療位置まで枢動され得るようになり、外側ハウジング4が内側ハウジング5に対して捻回され得、外側ハウジング4が少なくとも1つの凹部11を有し、基部2が凹部11に対応する少なくとも1つのロック・デバイス12を有し、ロック・デバイス12が、外側ハウジング4が内側ハウジング5に対して捻回されたロック位置にあるとき、凹部11の中にフォーム・フィット形式で係合され、こうすることで、内側ハウジング5に対して外側ハウジング4を妨害する。ねじ接続装置を用いる注射デバイスに関連する不正操作から保護される安全カバーを提供するために、本発明に従って、基部2が少なくとも1つのロック・デバイス12を備え、基部2が、外側ハウジング4が開始位置にあるとき、少なくとも1つのロック・デバイス12により、外側ハウジング4にフォーム・フィット形式で係合され、カバー3が端部位置に移転され得、端部位置において外側ハウジング4に対してのロック・デバイス12の係合が終了し、こうすることで内側ハウジング5に対しての外側ハウジング4の捻回が解放される、ことが提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部(2)と、
外側ハウジング(4)及び内側ハウジング(5)を備えるカバー(3)と、
ヒンジ要素(6)と、
を備える、注射デバイスに連結されるための安全カバー(1)であって、
前記基部(2)が、受け軸(8)に沿って注射針を直接に受けるように構成されたニードル・マウント(7)を有し、
前記外側ハウジング(4)が、同軸配置構成で前記カバー(3)の長手方向軸(9)を基準として前記内側ハウジング(5)に連結され、前記内側ハウジング(5)のところに設置され、前記内側ハウジング(5)を少なくとも部分的に囲み、
前記カバー(3)が、前記ヒンジ要素(6)により前記基部(2)に接続され、その結果、前記カバー(3)が、前記受け軸(8)に対して垂直に方向付けられた、前記ヒンジ要素(6)によって形成された枢動軸(10)を中心として、前記基部(2)に対して枢動可能となり、その結果、前記カバーが、第1の枢動方向において初期位置から治療位置まで枢動可能となり、
前記長手方向軸(9)が、前記カバー(3)が前記初期位置にあるときに、前記受け軸(8)に平行に位置合わせされ、その結果、前記ニードル・マウント(7)内で受けられた注射針が前記カバー(3)によって包囲可能となり、
前記カバー(3)の前記長手方向軸(9)が、前記カバー(3)が前記治療位置にあるときに、前記受け軸(8)に対して枢動させられ、その結果、前記ニードル・マウント(7)内で受けられた注射針が使用可能となり、
前記外側ハウジング(4)が、少なくとも1つの回転方向において、前記カバー(3)の前記長手方向(9)を中心として前記内側ハウジング(5)に対して捻回可能であり、
前記外側ハウジング(4)が、少なくとも1つの凹部(11)を有し、前記基部(2)が、前記凹部(11)に対応する少なくとも1つのロック・デバイス(12)を有し、
前記ロック・デバイス(12)が、前記ニードル・マウント(7)の前記受け軸(8)に対して径方向外側に突出し、ポジティブ・ロックにより前記凹部(11)に係合されるように、及び前記外側ハウジング(4)がロック位置にあるときに前記内側ハウジング(5)に対しての前記外側ハウジング(4)のさらなる捻回を阻止するように構成され、前記ロック位置では、前記外側ハウジング(4)が、前記内側ハウジング(5)に対して捻回され、
前記基部(2)が、少なくとも前記カバー(3)がその初期位置にあるときに前記外側ハウジング(4)のとる開始位置に少なくとも前記外側ハウジング(4)があるときにポジティブ・ロックにより前記外側ハウジング(4)に係合される少なくとも1つのロック・デバイス(12)を有し、その結果、前記内側ハウジング(5)に対しての前記外側ハウジング(4)の捻回が前記ロック・デバイス(12)によって阻止されるようになり、
前記外側ハウジング(4)が、前記基部(2)に対して変位可能となり、前記カバー(3)が、端部位置に移転可能であり、
前記カバー(3)が前記端部位置にあるときに、前記外側ハウジング(4)に対しての前記ロック・デバイス(12)の係合が終了して、前記内側ハウジング(5)に対しての前記外側ハウジング(4)の捻回が可能となることを特徴とする、安全カバー(1)。
【請求項2】
前記基部(2)が、前記外側ハウジング(4)がそのロック位置にあるときに前記外側ハウジング(4)の前記凹部(11)のポジティブ・ロックによる係合のために、及び前記外側ハウジング(4)がその初期位置にあるときに前記外側ハウジング(4)のポジティブ・ロックによる係合のために構成された好適には径方向外側に突出するピン(27)の形態である前記ロック・デバイス(12)を有することを特徴とする、請求項1に記載の安全カバー(1)。
【請求項3】
前記外側ハウジングが、前記基部(2)の前記ロック・デバイス(12)のポジティブ・ロックによる係合のために配置構成された少なくとも1つの第2の凹部(13)を有し、前記外側ハウジング(4)の前記2つの凹部(11、13)が、好適には前記カバー(3)の前記長手方向軸(9)に対して180°オフセットされて前記外側ハウジング(4)上で形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の安全カバー(1)。
【請求項4】
前記外側ハウジング(4)がその初期位置にあるときに、前記ロック・デバイス(12)が、ポジティブ・ロックにより前記第2の凹部(13)に係合され、前記外側ハウジング(4)がそのロック位置にあるときに、前記ロック・デバイス(12)が、ポジティブ・ロックにより前記第1の凹部(11)に係合されることを特徴とする、請求項2又は3に記載の安全カバー(1)。
【請求項5】
前記カバー(3)が、前記ヒンジ要素(6)により、前記第1の枢動方向と反対の第2の枢動方向において、前記枢動軸(10)を中心として、前記カバー(3)の前記初期位置を越えて前記カバー(3)の端部位置に入るように、枢動可能であり、その結果、前記基部(2)に対しての前記外側ハウジング(4)の変位が達成されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載の安全カバー(1)。
【請求項6】
前記基部(2)及び前記カバー(3)上に、好適には前記内側ハウジング(5)にある個別のインターロック・パートナー(15、16)を含むインターロック機構(14)を特徴とし、少なくとも前記カバー(3)がその端部位置にあるときに、前記インターロック・パートナー(15、16)が、互いにインターロックされ、その結果、前記カバー(3)が、前記端部位置で固定される、請求項1から5までのいずれか一項に記載の安全カバー(1)。
【請求項7】
前記外側ハウジング(4)の凹部(13)が、前記カバー(3)の前記長手方向軸(9)に沿って前記カバー(3)の近位端(17)から遠位端(18)の方に延在し、好適には、前記長手方向軸(9)に平行に測定される前記第2の凹部(13)の長さ(19)が、少なくとも2.0cmであり、好適には少なくとも3.0cmであることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載の安全カバー(1)。
【請求項8】
前記内側ハウジング(5)が、前記カバー(3)の前記長手方向軸(9)に沿って前記カバー(3)の近位端(17)から遠位端(18)に向かう方向に延在する少なくとも1つの凹部(20)を有し、好適には、前記長手方向軸(9)に平行に測定される前記第3の凹部(20)の長さ(21)が、少なくとも2.0cmであり、好適には少なくとも3.0cmであることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一項に記載の安全カバー(1)。
【請求項9】
前記内側ハウジング(5)及び前記外側ハウジング(4)の前記凹部(13、20)が、互いに対応する形状及び長さ(19、21)を有することを特徴とする、請求項7及び8に記載の安全カバー(1)。
【請求項10】
前記内側ハウジング(5)及び前記外側ハウジング(4)の前記凹部(13、20)が、前記カバー(3)がその初期位置にあるときに、互いに重なるように位置合わせされ、その結果、前記カバー(3)がその治療位置まで枢動させられるときに、注射針が、前記凹部(13、20)を貫通し、その結果、前記注射針が、使用可能となることを特徴とする、請求項7から9までのいずれか一項に記載の安全カバー(1)。
【請求項11】
前記内側ハウジング(5)及び前記外側ハウジング(4)の前記凹部(13、20)が、前記外側ハウジング(4)がそのロック位置にあるときに、互いにオフセットされ、その結果、前記カバー(3)が、その初期位置からその治療位置まで移動することが防止されることを特徴とする、請求項7から10までのいずれか一項に記載の安全カバー(1)。
【請求項12】
前記基部(2)が、注射デバイスのねじ部と協働するように構成された径方向に突出する円周方向カラー(25)を有し、その結果、前記安全カバー(1)が、前記注射デバイス上にねじ込み可能となることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか一項に記載の安全カバー(1)。
【請求項13】
前記ロック・デバイス(12)及び前記ヒンジ要素(6)が、前記基部(2)上で、前記受け軸(8)を基準として互いに反対側に配置構成され、好適には前記ロック・デバイス(12)及び前記ヒンジ要素(6)の両方が、前記基部(2)の外側縁部にそれぞれ配置構成されることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか一項に記載の安全カバー(1)。
【請求項14】
前記ロック・デバイス(12)及び前記ヒンジ要素(6)が、前記受け軸(8)に平行に測定して互いから一定の距離(24)に配置構成されることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか一項に記載の安全カバー(1)。
【請求項15】
基部(2)と、
外側ハウジング(4)及び内側ハウジング(5)を備えるカバー(3)と、
ヒンジ要素(6)と
を備える、注射デバイスに連結されるための安全カバー(1)であって、
前記基部(2)が、受け軸(8)に沿って注射針を直接に受けるように構成されたニードル・マウント(7)を有し、
前記外側ハウジング(4)が、同軸配置構成で前記カバー(3)の長手方向軸(9)を基準として前記内側ハウジング(5)に連結され、前記内側ハウジング(5)上に設置され、前記内側ハウジング(5)を少なくとも部分的に囲み、
前記内側ハウジング(5)が、前記ヒンジ要素(6)により前記基部(2)に接続され、その結果、前記カバー(3)が、前記受け軸(8)に対して垂直に方向付けられた、前記ヒンジ要素(6)によって形成された枢動軸(10)を中心として、前記基部(2)に対して枢動可能となり、その結果、前記カバーが、第1の枢動方向において初期位置から治療位置まで枢動可能となり、
前記長手方向軸(9)が、前記カバー(3)が前記初期位置にあるときに、前記受け軸(8)に平行に位置合わせされ、その結果、前記ニードル・マウント(7)内で受けられた注射針が、前記カバー(3)によって包囲可能となり、
前記カバー(3)の前記長手方向軸(9)が、前記カバー(3)が前記治療位置にあるときに、前記受け軸(8)に対して枢動させられ、その結果、前記ニードル・マウント(7)内で受けられた注射針が使用可能となり、
前記外側ハウジング(4)が、少なくとも1つの回転方向において、前記カバー(3)の前記長手方向(9)を中心として前記内側ハウジング(5)に対して捻回可能であり、
前記外側ハウジング(4)が、少なくとも1つの凹部(11)を有し、前記基部が、前記凹部(11)に対応する少なくとも1つのピン(27)を有し、
前記ピン(27)が、前記ニードル・マウント(7)の前記受け軸(8)に対して径方向外側に突出し、ポジティブ・ロックにより前記外側ハウジング(4)の前記凹部(11)に係合されるように、及び前記外側ハウジング(4)がロック位置にあり、前記ハウジング(5)に対して捻回されるときに前記内側ハウジング(5)に対しての前記外側ハウジング(4)のさらなる捻回を阻止するように構成され、
前記外側ハウジング(4)が、少なくとも1つの第2の凹部(13)を有し、
前記基部の前記ピン(27)が、前記カバー(3)がその初期位置にあるときに前記外側ハウジング(4)の前記少なくとも1つの第2の凹部(13)に係合され、その結果、前記内側ハウジング(5)に対しての前記外側ハウジング(4)の捻回が阻止され、
前記カバー(3)が、前記第1の枢動方向と反対の第2の枢動方向において、前記枢動軸(10)を中心として、前記初期位置を越えて端部位置に入るように、枢動可能であり、
前記カバー(3)が前記端部位置にあるときに、前記外側ハウジング(4)の前記第2の凹部(13)内での前記ピン(27)の前記ポジティブ・ロックが終了し、その結果、前記内側ハウジング(5)に対しての前記外側ハウジング(4)の捻回が可能となることを特徴とする、安全カバー(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、請求項1の導入節による、注射デバイスに連結されるための安全カバーに関する。
【0002】
1回使用のために提供される安全カバーが、基部と、カバーと、ヒンジ要素とを備え、基部がヒンジ要素によりカバーに接続される。基部が、注射針を受けるのに適するニードル・マウントを備える。ここでは、ニードル・マウントが、それ自体は直線である受けられた注射針を受け軸に沿って延在させるように、構成される。基部が、好適には、回転対称形状を有する。
【0003】
カバーが外側ハウジング及び外側ハウジングに同軸に配置構成された内側ハウジングを備える。外側ハウジング及び内側ハウジングが互いに連結され、外側ハウジングが内側ハウジング上に設置され、内側ハウジングを少なくとも部分的に囲む。ヒンジ要素が一方で基部に接続され、他方で内側ハウジングに接続され、内側ハウジングとの接続を介してカバーとの接続が全体として実現される。
【0004】
それぞれの縁部側において好適には基部及びさらにはカバーの両方に関連付けられたヒンジ要素が枢動軸を形成し、枢動軸がニードル・マウントの受け軸に対して垂直に方向付けられる。ヒンジ要素が、具体的には、フィルム・ヒンジによって形成され得る。ヒンジ要素により、カバーが枢動軸を中心として基部に対して枢動させられ得、ここでは、カバーが初期位置から進んで第1の枢動方向に枢動可能であり、治療位置に入ることができる。初期位置にあるとき、カバーの長手方向軸が、ニードル・マウントの受け軸に平行に位置合わせされる。ニードル・マウントが、好適には基部の上側端部のところに形成され、好適には基部上の中心に配置され、その結果、基部の上側端部のところで同様にニードル・マウントに隣接するカバーが、その初期位置にあるとき、ニードル・マウントを放射状に囲む。この結果、カバーがその初期位置にある限りにおいて、ニードル・マウント内で受けられた注射針がカバーによって包囲されるか又はカバーによって空間的に囲まれることになる。比較すると、カバーが、その治療位置にあるとき、枢動軸を中心として基部に対して枢動させられ、その結果、カバーの長手方向軸がニードル・マウントの受け軸に対して枢動させられる。言い換えると、カバーが、その治療位置にあるとき、初期位置に対して「横方向に離れるように枢動」させられ、その結果、ニードル・マウント内に位置する注射針が使用のために解放される。カバーの枢動の過程で、結果として注射針が解放される。
【0005】
外側ハウジングが、カバーの長手方向軸を中心として内側ハウジングに対して少なくとも1つの方向に捻回され得る。この目的のため、外側ハウジング及び内側ハウジングが、それぞれ、好適には、回転対称形状を有する。外側ハウジングが、基部上に配置構成された少なくとも1つのロック・デバイスと協働するのに適する少なくとも1つの凹部を有する。上記ロック・デバイスが、ニードル・マウントの受け軸に対して、径方向外側に突出し、内側ハウジングに対して外側ハウジングが捻回されたロック位置にある限りにおいて、フォーム・フィット形式で外側ハウジングの凹部に係合されることが可能となるように構成される。このようにロックすることにより結果として、内側ハウジングに対して外側ハウジングがさらに捻回されることが阻止される。したがって、このフォーム・フィットがカバーの少なくとも円周方向に作用する。
【背景技術】
【0006】
導入部分で説明した種類の安全カバーは従来技術で既に知られている。このため、特許文献1を具体的に参照する。これは、注射前及び注射後において注射針の堅固なハウジングを形成する一般的な安全カバーを説明するものである。ここでは、関連付けられた注射デバイスと併せて安全カバーを使用することが特定の順序で行われる。
【0007】
安全カバーと協働する注射デバイスを使用するとき、カバーが最初にその初期位置にある。この初期位置では、カバーの長手方向軸に平行に延在する、カバーの内側ハウジング及び外側ハウジングの長い凹部が、互いに重なるように配置構成される。カバーがヒンジ要素により全体として基部に接続され、その結果、カバーがヒンジ要素の枢動軸を中心として基部に対して枢動可能となる。この枢動性が、カバーをその治療位置に移転するのに利用される。枢動の過程中、注射針が、互いに重なる外側ハウジング及び内側ハウジングの凹部を通って貫通し、露出する。この時点で、患者に個別の薬剤を注射するために注射デバイスが使用され得るようになる。使用後、カバーが、ヒンジ要素により、枢動させられてその初期位置に戻され得、その結果、注射針が再びカバーにより空間的に包囲される。この状態では、基本的に、繰り返し可能にカバーを治療位置まで移転することにより、注射針を解放することが可能となる。これは、基本的に、注射針による負傷のリスク及び注射針による継続的な注射のリスクを理由として、望ましいものではない。したがって、注射針を繰り返し可能に解放するのを防止するために、外側ハウジングが、握持要素により、カバーの長手方向軸を中心として、内側ハウジングに対して180°捻回され得、その結果、内側ハウジング及び外側ハウジングの細長い凹部が互いに重ならないようになる。ここでは外側ハウジングが内側ハウジング上でロックされ、その結果、外側ハウジングがロック位置をとる。これ以降、カバーを枢動させることにより注射針を解放することが不可能となる。外側ハウジングを内側ハウジング上でロックすることにより、さらに、互いに重なる外側ハウジング及び内側ハウジングの凹部の存在下で外側ハウジングの元の初期位置が取られ得ないようになる。
【0008】
この知られている安全カバーは、注射針と共に安全カバーをねじ込むこと(したがって、これは、いわゆるルアー・ロック接続装置を備える注射器で必須である)を必要とする特定の注射デバイスとの関連においては不利となり得る。大多数の注射デバイスでは、安全カバーが注射針と共に単に注射デバイスの前方端部のところに配置されることが一般的である(したがって、例えば、いわゆるルアー・スリップ接続装置を備える注射器において)。このような注射デバイスでは、知られている安全カバーが容易に使用され得る。「ねじ接続装置」を備える注射デバイスでは、外側ハウジング及び内側ハウジングが互いに対して捻回され得ることが問題となり得る。したがって、注射デバイス上でねじ接続装置によって固定された安全カバーを、注射針と共に、安全目的のために、注射デバイスの使用者により手動でもう一度「再締め付け」すること、つまり堅固にねじ込むために安全カバーにトルクを加えることが有用であることが分かっている。このように再締付けすることは、安全カバーを時計回り方向に回転させるのを必要とする。この動作中に使用者が外側ハウジングを握持している限りにおいて、外側ハウジングがそのロック位置に意図されずに移転されることが起こり得、ここではこの時点から外側ハウジングが内側ハウジングに対してロックされることになる。それにより注射針が修復不能にカバー内で包囲されることになり、その結果、カバーがその治療位置に移転され得ないようになる(これは、外側ハウジングをそのロック位置に移転することの結果としては望ましいことである)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2018/172853号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本出願は、ねじ接続装置を用いる注射デバイスの文脈で不正操作(maloperation)から保護される安全カバーを提供するという課題に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この根底にある課題が、本発明に従って、請求項1の特徴を有する安全カバーによって解決される。有利な実施例が関連のサブクレームから明らかとなる。
【0012】
本発明による安全カバーが以下のことを特徴とする:基部が少なくとも1つのロック・デバイスを備え、少なくとも1つのロック・デバイスにより基部がフォーム・フィット形式で外側ハウジングに係合され、その結果、内側ハウジングに対して外側ハウジングが捻回されることが阻止される。このようにロック・デバイスが外側ハウジングに係合されることが、少なくとも、外側ハウジングがその初期位置にあるときに及びカバーがその初期位置にあるときに、実現される。外側ハウジングの開始位置がそのロック位置とは異なり、外側ハウジングが、少なくともカバーがその初期位置にあるとき、その開始位置を有する。外側ハウジング及び内側ハウジングが、従来技術に関連して上述したように、互いに重なる細長い凹部を有する限りにおいて、外側ハウジングの位置が開始位置と理解され、ここでは、内側ハウジング及び外側ハウジングの凹部が互いに重なる。ロック位置は、このような実施例では、一方で、凹部が互いに重ならないときに、達成され、ここでは、例えば外側ハウジングがカバーの長手方向軸を中心として内側ハウジングに対して180°捻回され得る。
【0013】
本発明による安全カバーが、基部に対して外側ハウジングが変位可能であり、こうすることによりカバーが端部位置まで移転され得る、ことをさらに特徴とする。この端部位置にあるとき、外側ハウジングに対してロック・デバイスが係合されることが終了し、その結果、内側ハウジングに対しての外側ハウジングの捻回が解放される。したがって、外側ハウジングが、カバーがその端部位置にあるとき、そのロック位置まで移転され得る。
【0014】
本発明による安全カバーは複数の利点を有する。具体的には、本発明による安全カバーは、最終的に外側ハウジングをそのロック位置に移転して個別の注射針をカバーにより所望される通りに堅固に囲むようにすることを目的として、従来技術から知られているように、内側ハウジングに対して外側ハウジングを捻回させる能力を基本的に維持することを可能にする。外側ハウジングを備える少なくとも1つのロック・デバイスの本発明によるフォーム・フィット接続装置が、外側ハウジングがその初期位置にあるとき、カバーをその初期位置に継続的に位置させるときに内側ハウジングに対して外側ハウジングを捻回させ得ないという技術的効果をさらに有する。カバーのこの初期位置では、捻回される能力が(まだ)所望されない。対照的に、外側ハウジング及び内側ハウジングがロック・デバイスにより互いに対して効果的にロックされ、その結果、上述したように、注射デバイスの使用者が注射デバイスの使用前に安全カバーをもう一度「再締め付け」することができ、つまり、これを行うときに内側ハウジングに対して外側ハウジングを誤って時期尚早に既に捻回させてそれにより外側ハウジングをそのロック位置に移転させた状態とすることなく、外側ハウジングにトルクを加えることができる。
【0015】
しかし、外側ハウジング及び内側ハウジングの捻回能力が可能であることから、注射の完了後に最終的に注射針を堅固に包囲することを目的として、カバーの初期位置から進まないが端部位置から進むかたちで、内側ハウジングに対して外側ハウジングを捻回するのを実行することが本発明に従って実現される。これが、少なくとも外側ハウジングが、また好適にはカバーの全体が、初期位置において、基部に対して変位させられるときに、達成される。この端部位置は加えて、この端部位置にあるときに外側ハウジングに対してのロック・デバイスのフォーム・フィット係合が終了し、その結果、基本的に従来技術と同様の手法で外側ハウジングが内側ハウジングに対して捻回され得、このようにしてそのロック位置に移転され得、したがって注射針が堅固に包囲され得る、ということを特徴とする。
【0016】
結果として、本発明による安全カバーの使用において、注射の完了後に、従来技術と同様に追加のステップが必要であり、つまりカバーをその端部位置に移転するステップが必要である。したがって、詳細には、安全カバーが全体として以下のように動作することができる:個別の注射の開始時、カバーが最初にその初期位置にある。この初期位置では、通常、カバーの長手方向軸及びニードル・マウントの受け軸が互いに平行に配置構成され、好適には一致するように配置構成される。安全カバーが、例えばルアー・ロック接続装置の形態であるねじ接続装置を特には装備することができる注射デバイスの上にねじ込まれる。本発明による外側ハウジングが、初期位置にあるとき、外側ハウジングに対してロック・デバイスが係合されることの結果として、内側ハウジングに対して外側ハウジングを(意図せず)捻回させないように、固定される。したがって、注射デバイスの使用者によって所望されることとして注射デバイス上でより良好に固定されるようにするために安全カバーを再締付けするか又は強固にねじ込むことが、外側ハウジングにトルクを加えることにより、容易に行われ得る。基部に対して外側ハウジングをロックすることにより結果として、加えられるトルクが外側ハウジングから基部に伝達され、最終的に安全カバーを所望される通りに再締付けすることが達成され得る。初期位置から進めてカバーがその治療位置に移転され、治療位置にあるときに、それぞれの注射針が解放される。この手技は従来技術と同様であり、既に上で説明している。注射が完了した後、カバーが再びその初期位置に移転され、ここでは、注射針がカバーにより空間的に包囲される。本発明による安全カバーでは、この初期位置に達すると、従来技術では所望されることである内側ハウジングに対して外側ハウジングが捻回されることが依然として阻止される。したがって、ここでは、その初期位置から進めてカバーをさらにその端部位置に移転することが実現され、ここでは、ロック・デバイスと外側ハウジングとの間のフォーム・フィットが終了する。このフォーム・フィットの終了後、従来技術と同様の手法で外側ハウジングが内側ハウジングに対して捻回され得る。このようして、外側ハウジングが従来技術と同様の手法でそのロック位置に移転され、ここでは、注射針がカバーにより堅固に包囲される。このようにして、本発明による安全カバーと一体の注射デバイスの動作が完了する。したがって、この状態において、安全カバーが注射デバイスから取り外され得、具体的にはねじを外され得、廃棄され得る。
【0017】
本発明による安全カバーの特に有利な実施例では、基体が、そのロック位置にあるときの外側ハウジングの凹部に対してフォーム・フィット形式で係合されること及びさらにはその初期位置にあるときの外側ハウジングに対してフォーム・フィット形式で係合されることの両方のために構成されたロック・デバイスを備える。言い換えると、ロック・デバイスがこの実施例では二重機能を有し、つまり、外側ハウジングがその初期位置にあるとき及びさらにはそのロック位置にあるときの両方において内側ハウジングに対して外側ハウジングをロックするのを堅固にする二重機能を有する。特に有利は手法では、ロック・デバイスが、径方向外側に突出するピンの形態で構成され得る。このようなピンが、ピンの領域の外側ハウジングの外側カバー面と比較して、ニードル・マウントの受け軸を基準として径方向外側のさらに遠くまで延在することができる。このような構成では、ピンがカバー面の中へ一定程度で突出するか又はそこに位置する外側ハウジングの凹部の中へ一定程度で突出し、したがって、カバーの長手方向軸を中心として基部に対して外側ハウジングを回転させるのを防止する。
【0018】
径方向に延在するピンとして構成されたロック・デバイスを備える安全カバーの説明される実施例は、ロック・デバイスが基体上においてヒンジ要素に対して径方向反対側に配置構成される場合に、特に好適である。ここでは、ヒンジ要素が、好適には、基部の縁部側に配置構成されるか又は基部の外側縁部に隣接するように配置構成される。これには以下のような特徴がある:このような配置構成において、カバーがヒンジ要素により関連の枢動軸を中心として枢動可能であり、この枢動により、ピン形状の径方向に延在するロック・デバイスの長手方向軸の方向に外側ハウジングを変位させることができる。このため、ニードル・マウントの受け軸に平行な方向で測定してロック・デバイス及びヒンジ要素の枢動軸を互いから離間させることがさらに特に有利である。この構成により結果として、カバーが説明される距離で枢動軸を中心として枢動することにより、カバー及びひいては外側ハウジングが、ニードル・マウントの受け軸に対して横方向に又は径方向に移動成分を有するように、移動することになる。この移動は、ちょうど外側ハウジングに対してのロック・デバイスの係合が終了するまで、径方向に延在するロック・デバイスに対して外側ハウジングを径方向に移動させるのに適する。具体的には、外側ハウジングが、ロック・デバイスの遠位端を越えるように受け軸に対して径方向に移動させられ得、その結果、外側ハウジングがロック・デバイスの全体を一定程度囲む。この時点では外側ハウジングの凹部に対してロック・デバイスが係合されておらず、その結果、この時点から外側ハウジングが基部及び内側ハウジングに対して捻回され得るようになり、最終的に所望されるようにそのロック位置に移転され得る。
【0019】
さらに、ヒンジ要素により、カバーが、枢動軸を中心としてその初期位置から進んで端部位置に入るかたちで、第1の枢動方向と反対の第2の枢動方向に枢動可能であることが特に有利となり得、このようにして、基部及びひいてはロック・デバイスに対しての外側ハウジングの変位が達成され得る。さらに、この変位には、説明されるように、ロック・デバイスと外側ハウジングとの間のフォーム・フィットの終了が伴われる。カバーが好適には、端部位置にあるとき、長手方向軸及びニードル・マウントの受け軸により、少なくとも5°、好適には少なくとも7°、の角度を形成するようになるまで、初期位置に対して枢動させられる。
【0020】
特に有利な実施例では、外側ハウジングが、基部のロック・デイバスにフォーム・フィット係合されるように配置構成された少なくとも第2の凹部を備える。有利には、外側ハウジングの2つの凹部が、カバーの長手方向軸を基準として180°オフセットされて配置構成される。2つの凹部を備える外側ハウジングの実施例は、多様な位置においてつまり具体的には初期位置及びロック位置において基部に対して又は内側ハウジングに対して外側ハウジングをロックするのを可能にする。外側ハウジングがその初期位置にあるときにロック・デバイスとのフォーム・フィットを実現する凹部が、特に有利には、外側ハウジングの軸方向において細長い形状となるように及びカバーの近位端から進んでカバーの遠位端の方向に延在するように構成され得る。有利には、この細長い凹部が、カバーの長手方向軸に平行に測定して、少なくとも2.0cm、好適には少なくとも3.0cmの長さを有する。このようなカバーは、その初期位置から進めてその治療位置までカバーを移転する過程において、ニードル・マウント内で保持される個別の注射針を解放するのに特に良好に適する。したがって、その治療位置にあるときのカバーの移転の過程において、注射針が凹部を通ってカバーから外に出ることができ、その結果、個別の患者の治療のために注射針が露出することなる。逆に、治療が完了した後、カバーがその初期位置の方向に戻るように移転するとき、注射針が凹部を通って再びカバーに入ることができ、その結果、注射針が再び空間的にカバーの内部に位置するようになる。
【0021】
同様に、内側ハウジングが、カバーの長手方向軸に沿って延在する少なくとも1つの凹部を有することが特に有利となり得、ここでは、凹部がカバーの近位端から始まり、カバーの遠位端の方向に延在する。外側ハウジングの凹部の有利な実施例と同様に、内側ハウジングの凹部が、カバーの長手方向軸に平行に測定して、少なくとも2.0cm、好適には少なくとも3.0cの長さを有することが有利である。
【0022】
有利には、内側ハウジング及び外側ハウジングが、各々が好適には上述したような細長い形態である、互いに対応する凹部を有し、これらの凹部が、カバーがその初期位置にあるとき、互いに重なり、したがって、注射針をカバーの外に出すのを及びその後で注射針を再びカバーの中に入れるのを可能にする。外側ハウジング及び内側ハウジングの凹部が、ここでは、有利には、その形状において、及び、カバーの長手方向軸に平行に測定されるその長さにおいて、互いに対応する。
【0023】
有利には、外側ハウジング及び内側ハウジングの凹部が、外側ハウジングがそのロック位置にあるとき、互いにオフセットされ、その結果、上述したように注射針が両方の凹部を共に通過することが不可能となる。それによりカバーがその治療位置(注射針が解放されるところ)まで移転されることが防止される。結果として、注射針による負傷が防止される。
【0024】
さらに、基部上に及びカバー上にインターロック・パートナーをそれぞれ有するインターロック機構を備える本発明による安全カバーの実施例が有利となり得る。カバー上に配置構成されたインターロック・パートナーが、有利には、カバーの内側ハウジング上に配置構成される。基部及びカバーのインターロック・パートナーが、カバーがその端部位置にあるときに、その状態を留めるように互いに係合されるように配置構成される。こうすることで、カバーをその端部位置に固定することが可能となる。この実施例は、1回使用された後で安全カバーがその端部位置に位置してそこに留まることを理由として、既に使用されたことを外部から視覚的に認識される、という利点を有する。したがって、個別の安全カバーがまだ未使用であると誤って認識することが可能な限り排除される。
【0025】
最後に、その基部が径方向に突出する円周方向カラーを有するような、安全カバーの実施例が有利となり得、この円周方向カラーにより、基部が注射デバイスのねじ部と協働することができる。具体的には、注射デバイスENが雌ねじとして構成されたねじ部を装備する場合では通常であるように、カラーが径方向外側に突出することができる。カラーにより、結果として、対応するように構成された注射デバイスの上に安全カバーをねじ込むことが可能となる。
【0026】
図に示される例示の実施例の補助により、以下で本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】安全カバーのカバーがその初期位置にあるときの、本発明による安全カバーを示す図である。
図2図1によるものであるが安全カバーの基部の領域における安全カバーを示す背面図である。
図3】基部の領域における図1の安全カバーを示す側面図である。
図4】カバーがその治療位置に位置するときの図1による安全カバーを示す図である。
図5】カバーがその端部位置に位置するときの図1による図である。
図6図5によるものであるが基部の領域における安全カバーを示す背面図である。
図7】カバーの外側ハウジングがそのロック位置に位置するときの図5による図である。
図8図1による安全カバーの基部を示す詳細図である。
図9図5による安全カバーの基部を示す詳細図である。
図10図7による安全カバーの基部を示す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1から図10に示される本発明による安全カバー1が基部2及びカバー3を備え、基部2及びカバー3がヒンジ要素6により力伝達可能に互いに接続される。カバー3が外側ハウジング4及び内側ハウジング5を備える。外側ハウジング4及びさらには内側ハウジング5の両方が、カバー3の長手方向軸に平行な方向において細長い形状になるように且つ同軸に互いに連結される。さらに、外側ハウジング4及びさらには内側ハウジング5の両方が実質的に回転対称となるように構成され、この同軸の配置構成が、基本的に、内側ハウジング5に対して外側ハウジング4が捻回される能力を可能にする。この捻回される能力は、ここでは、カバー3の長手方向軸9を基準として存在する。内側ハウジング5と外側ハウジング4との間の力伝達可能な接続装置が、示される実例では、戻り止めノーズ29から構成され、戻り止めノーズ29が、カバー3の遠位端18のところで、カバー3の軸方向において外側ハウジング4の上側終端部を貫通する。このようにして、外側ハウジング4が内側ハウジング5上に設置され、外側ハウジング4が内側ハウジング5を部分的に囲む。
【0029】
示される実例では、外側ハウジング4及び内側ハウジング5が、細長い形状として構成された互いに対応する凹部13、20を有する。これらの凹部13、20がそれぞれカバー3の近位端17から始まって、カバー3の遠位端18の方向においてカバー3の長手方向軸9に平行な方向に延在する。両方の凹部13、20がここでは、カバー3の長手方向軸9に平行に測定される一致する長さ19、21を有する。これらの長さ19、21がここでは約3.5cmになる。
【0030】
カバー3が、図1から図3及び図8の補助により見られ得るように、最初にその初期位置にある。ここでは同様に回転対称形状を有する基部2が、示される実例では、細長いピン27の形態で構成されたロック・デバイス12を備える。ロック・デバイス12の長手方向軸23が、径方向において基部2のニードル・マウント7の受け軸8を基準として延在し、それにより残りの基部2の上で径方向に突出する。これが、図8の詳細図の補助により特に良好に見られ得る。ロック・デバイス12が、具体的には、外側ハウジング4の凹部13を径方向に越えるか又は径方向において凹部13を通過するようになるまで、径方向に延在する。この実施例により結果として、ロック・デバイス12が外側ハウジング4にフォーム・フィット形式で係合され、外側ハウジング4がそれにより、カバー3の長手方向軸9を基準とした円周方向において横に配置されるようにロック・デバイス12に当接される。この係合は、長手方向軸9を基準として外側ハウジング4が基部2及びひいては内側ハウジング5に対して自由に捻回され得ない、という技術的効果を有する。内側ハウジング5に対して外側ハウジング4が捻回される能力をこのように阻止することは、カバー3がその初期位置にあるとき、具体的には安全カバー1を注射デバイスの上で再締付けするためのねじ込み運動の結果として外側ハウジング5がそのロック位置に意図されずに移転されるのを防止するために、所望されるものである。これは上で徹底的に説明されている。本発明による安全カバー1内の外側ハウジング4に対してのロック・デバイス12のフォーム・フィット接続は、具体的にはカバー3がその初期位置にあるときに、確立される。
【0031】
ヒンジ要素6が、ここでは、枢動軸10を形成するフィルム・ヒンジによって形成される。ヒンジ要素6が、一方で基部2に接続され、他方でカバー3の内側ハウジング5に接続される。ここでは、ヒンジ要素6が、それぞれ縁部側にあるか又はその外周上にある基部2及びさらには内側ハウジング5の両方に接続される。ヒンジ要素6が、カバー3を全体として枢動軸10を中心として基部2に対して枢動可能にするのを可能にする。枢動軸10が、ここでは、ニードル・マウント7の受け軸8に対して垂直に方向付けられる。こうすることで、カバー3が、図1に示される初期位置から進んで図4に示されるその治療位置に入るかたちで、枢動可能となり、治療位置では、カバー3がその初期位置に対して約120°枢動させられる。カバー3が治療位置に移転されることの結果として、基部2のニードル・マウント7によって受けられる注射針22が解放される。この注射針22が、カバー3がその初期位置にあるとき、カバー3により空間的に包囲され、その結果、それぞれの注射デバイスの使用者に対しての注射針22による負傷リスクが生じない。カバー3を治療位置に移転する事例では、注射針22が、互いに重なる外側ハウジング4及び内側ハウジング5の凹部13、20を通ってカバー3から外に出て、その結果、注射針22が最終的に解放される。
【0032】
ここでは、特に有利には、カバー3が締め付け要素31によりアンカー要素32上で堅固に締め付けられ得、締め付け要素3が内側ハウジング5の近位端のところに配置構成され、アンカー要素32が基部2上に配置構成される。このため、締め付け要素31が、締め付け方式でアンカー要素32のアンカー部分33と協働するのに、及びこうすることでカバー3を基部2に対して固定するのに、適する互いから一定の距離のところに配置構成された2つのクランピング・ジョーを備える。この時点で採用されている状態であるカバー3が治療位置にある状態において、個別の患者が特に好都合な手法でそれぞれの薬剤を注射され得、カバー3が使用者にとっての妨げとならない。
【0033】
注射の完了後、カバー3が、治療位置から進むかたちで、再びその初期位置に移転される。したがって、注射針22が再びカバー3によって空間的に包囲され、その結果、そこから鋭利な危険物は生まれない。しかし、再びカバー3をその治療位置に移転すること及び注射針22を再び解放することが容易に可能となる。これを防止するために、その開始位置から進めるかたちで外側ハウジング4をロック位置に移転することが実現され、この開始位置はカバー3がその初期位置にあるとき外側ハウジング4がとる位置であり、この初期位置では、外側ハウジング4及び内側ハウジング5の凹部13、20が互いに重なる。このロック位置にあるとき、示される注射デバイス1の外側ハウジング4が、カバー3の長手方向軸9を中心として内側ハウジング5に対して180°捻回される。この結果、凹部13、20が互いに重なることがなく、その結果、カバー3により空間的に包囲された内部が完全に包囲されることになる。それにより、再びカバー3がその治療位置に移転されることが不可能となる。その理由は、注射針22が凹部を通過することができず、したがってカバー3から離れることができないからである。
【0034】
カバー3が初期位置にあるときに上述したようにロック・デバイス12が外側ハウジング4にフォーム・フィット形式で係合されることから、最初に外側ハウジング4をロック位置に移転することは不可能である。このため、ロック・デバイス12と外側ハウジング4との間のフォーム・フィットを事前に終端することが必要である。これを目的として、本発明による安全カバー1が、具体的には図5から図7並びに図9及び図10の補助により見られ得るように、カバー3を端部位置に移転するのを可能にする。端部位置に移転するために、カバー3が、ヒンジ要素6により、枢動軸10を中心とした枢動方向に枢動させられる。この枢動方向は、カバー3が初期位置から治療位置まで移転されるときに枢動させられるときの枢動方向とは反対である。カバー3を端部位置まで枢動させるか又は変位させることが約8°の角度30に沿って行われ、この角度30がカバーの長手方向軸9とニードル・マウント7の受け軸8との間に位置するものとして理解され得る。示される実例では、カバー3が端部位置に留められ得、この目的のために安全カバー1がインターロック機構14を備える。インターロック機構14が互いに対応するインターロック・パートナー15、16を有し、第1のインターロック・パートナー16がカバー3に関連付けられ、第2のインターロック・パートナー15が基部2に関連付けられる。基部2のインターロック・パートナー15が、ここでは、カバー3のインターロック・パートナー16の対応する突出部にフォーム・フィット形式で係合され得る2つのアンダーカットを有する。
【0035】
カバー3が端部位置まで変位することには、ロック・デバイス12と外側ハウジング4との間のフォーム・フィットが終了するという技術的効果がある。これが、ここでは、カバー3が枢動軸10を中心として枢動移動することの結果として、外側ハウジング4が、ロック・デバイス12の長手方向軸23に平行に方向付けられた水平移動成分を有することにより(これにより、外側ハウジング4がロック・デバイス12の軸方向においてロック・デバイス12を越えるように変位する)、達成される。ロック・デバイス12が、この間、基部2に関連付けられていることを理由として、静止状態を維持する。ロック・デバイス12の軸方向長さがカバー3の変位に合うように調整され、ここでは、ロック・デバイス12の軸方向長さが、ロック・デバイス12に対しての外側ハウジング4のフォーム・フィット係合に打ち勝つのに十分な長さとなる。これが、図9の補助により特に良好に見られ得る。示される実例では、ヒンジ要素6の反対側にあるロック・デバイス12が、受け軸8を基準として径方向に有利に延在する。したがって、ロック・デバイス12及びヒンジ要素6が、受け軸8を基準として互いに反対側に位置するように基部2上に配置構成される。加えて、ロック・デバイス12及びヒンジ要素6が、受け軸8に平行に測定される距離24をロック・デバイス12と枢動軸10との間に存在させるように、互いに対して配置構成される。これが、図3の補助により特に良好に見られ得る。こうすることで、特に単純な手法で、端部位置の方向におけるカバー3の枢動を、ロック・デバイス12と外側ハウジング4との間の係合に打ち勝つことができる移動成分へと変換(transmit)することが可能となる。
【0036】
外側ハウジング4が、端部位置をとると、内側ハウジング5及び基部2に対して自由に捻回され得るようになり、その結果、外側ハウジング4が最終的に、その開始位置から進んでそのロック位置に入るように所望の手法で移転され得るようになる。このため、外側ハウジング4が既に説明したようにカバー3の長手方向軸9に対して180°捻回される。それにより、注射針22がカバー3内で堅固に包囲される。この捻回を引き起こすために、安全カバー1が、ここでは、カバー3の遠位端18に隣接する握持タブ28を備える。
【0037】
外側ハウジング4が再びその開始位置まで回転させられ得ないようにするのを保証するために、外側ハウジング4が、外側ハウジング4上で凹部13の反対側に位置するように配置構成された別の凹部11を備える。凹部11が少なくとも概略正方形形状を有し、ここでは、その断面がロック・デバイス12の断面に合うように調整される。凹部11が、加えて、外側ハウジング4の径方向セットバック部分34内に配置構成され、その結果、この別の凹部11からカバー3の長手方向軸9までの径方向で測定される距離が、細長い凹部13と長手方向軸9との間の径方向で測定される距離より小さくなる。これが、図8の補助により特に良好に見られ得る。この実施例により結果として、カバー3がその端部位置にあっても、凹部11がロック・デバイス12とフォーム・フィット形式で協働することができる。この協働が外側ハウジング4とロック・デバイス12との間の繰り返し可能なフォーム・フィット接続を実現し、したがって基部2及び内側ハウジング5に対して外側ハウジング4がさらに捻回されるのを防止する。こうすることで、外側ハウジング4がそのロック位置に到達して、再びここから容易に離れ得なくなる、という所望の効果が達成される。したがって、注射針22が、カバー3内で堅固に永久的に空間的に包囲される。
【0038】
本発明による安全カバー1が、特に有利にはねじ接続装置を有する注射デバイスと共に、説明される手法で使用され得る。このような注射デバイスは、具体的にはルアー・ロック接続装置を装備することができ、雌ねじを有することができる。安全カバー1がこのような注射デバイス又はその関連付けられた雌ねじに螺合され得るようにするために、示される実例の基部2が、その下側端部26に、径方向外側に突出するカラー25を備える。安全カバー1は、技術的に雄ねじに関連する手法で、注射デバイスのそれぞれの雌ねじと協働するのに適し、その結果、安全カバー1がこの注射デバイス上にねじ込まれ得るようになる。
【符号の説明】
【0039】
1 安全カバー
2 基部
3 カバー
4 外側ハウジング
5 内側ハウジング
6 ヒンジ要素
7 ニードル・マウント
8 受け軸
9 長手方向軸
10 枢動軸
11 凹部
12 ロック・デバイス
13 凹部
14 インターロック機構
15 インターロック・パートナー
16 インターロック・パートナー
17 近位端
18 遠位端
19 長さ
20 凹部
21 長さ
22 注射針
23 長手方向軸
24 距離
25 カラー
26 端部
27 ピン
28 握持タブ
29 戻り止めノーズ
30 角度
31 締め付け要素
32 アンカー要素
33 アンカー部分
34 部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-06-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部(2)と、
外側ハウジング(4)及び内側ハウジング(5)を備えるカバー(3)と、
ヒンジ要素(6)と、
を備える、注射デバイスに連結されるための安全カバー(1)であって、
前記基部(2)が、受け軸(8)に沿って注射針を直接に受けるように構成されたニードル・マウント(7)を有し、
前記外側ハウジング(4)が、同軸配置構成で前記カバー(3)の長手方向軸(9)を基準として前記内側ハウジング(5)に連結され、前記内側ハウジング(5)のところに設置され、前記内側ハウジング(5)を少なくとも部分的に囲み、
前記カバー(3)が、前記ヒンジ要素(6)により前記基部(2)に接続され、その結果、前記カバー(3)が、前記受け軸(8)に対して垂直に方向付けられた、前記ヒンジ要素(6)によって形成された枢動軸(10)を中心として、前記基部(2)に対して枢動可能となり、その結果、前記カバーが、第1の枢動方向において初期位置から治療位置まで枢動可能となり、
前記長手方向軸(9)が、前記カバー(3)が前記初期位置にあるときに、前記受け軸(8)に平行に位置合わせされ、その結果、前記ニードル・マウント(7)内で受けられた注射針が前記カバー(3)によって包囲可能となり、
前記カバー(3)の前記長手方向軸(9)が、前記カバー(3)が前記治療位置にあるときに、前記受け軸(8)に対して枢動させられ、その結果、前記ニードル・マウント(7)内で受けられた注射針が使用可能となり、
前記外側ハウジング(4)が、少なくとも1つの回転方向において、前記カバー(3)の前記長手方向(9)を中心として前記内側ハウジング(5)に対して捻回可能であり、
前記外側ハウジング(4)が、少なくとも1つの凹部(11)を有し、前記基部(2)が、前記凹部(11)に対応する少なくとも1つのロック・デバイス(12)を有し、
前記ロック・デバイス(12)が、前記ニードル・マウント(7)の前記受け軸(8)に対して径方向外側に突出し、ポジティブ・ロックにより前記凹部(11)に係合されるように、及び前記外側ハウジング(4)がロック位置にあるときに前記内側ハウジング(5)に対しての前記外側ハウジング(4)のさらなる捻回を阻止するように構成され、前記ロック位置では、前記外側ハウジング(4)が、前記内側ハウジング(5)に対して捻回され、
前記基部(2)が、少なくとも前記カバー(3)がその初期位置にあるときに前記外側ハウジング(4)のとる開始位置に少なくとも前記外側ハウジング(4)があるときにポジティブ・ロックにより前記外側ハウジング(4)に係合される少なくとも1つのロック・デバイス(12)を有し、その結果、前記内側ハウジング(5)に対しての前記外側ハウジング(4)の捻回が前記ロック・デバイス(12)によって阻止されるようになり、
前記カバー(3)が、前記ヒンジ要素(6)により、前記第1の枢動方向と反対の第2の枢動方向において、前記枢動軸(10)を中心として、前記カバー(3)の前記初期位置を越えて前記カバー(3)の端部位置に入るように、枢動可能であり、その結果、前記外側ハウジング(4)が、前記基部(2)に対して変位可能となり、前記カバー(3)が、前記端部位置に移転可能であり、
前記カバー(3)が前記端部位置にあるときに、前記外側ハウジング(4)に対しての前記ロック・デバイス(12)の係合が終了して、前記内側ハウジング(5)に対しての前記外側ハウジング(4)の捻回が可能となることを特徴とする、安全カバー(1)。
【請求項2】
前記基部(2)が、前記外側ハウジング(4)がそのロック位置にあるときに前記外側ハウジング(4)の前記凹部(11)のポジティブ・ロックによる係合のために、及び前記外側ハウジング(4)がその初期位置にあるときに前記外側ハウジング(4)のポジティブ・ロックによる係合のために構成された好適には径方向外側に突出するピン(27)の形態である前記ロック・デバイス(12)を有することを特徴とする、請求項1に記載の安全カバー(1)。
【請求項3】
前記外側ハウジングが、前記基部(2)の前記ロック・デバイス(12)のポジティブ・ロックによる係合のために配置構成された少なくとも1つの第2の凹部(13)を有し、前記外側ハウジング(4)の前記2つの凹部(11、13)が、好適には前記カバー(3)の前記長手方向軸(9)に対して180°オフセットされて前記外側ハウジング(4)上で形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の安全カバー(1)。
【請求項4】
前記外側ハウジング(4)がその初期位置にあるときに、前記ロック・デバイス(12)が、ポジティブ・ロックにより前記第2の凹部(13)に係合され、前記外側ハウジング(4)がそのロック位置にあるときに、前記ロック・デバイス(12)が、ポジティブ・ロックにより前記第1の凹部(11)に係合されることを特徴とする、請求項2及び3に記載の安全カバー(1)。
【請求項5】
前記基部(2)及び前記カバー(3)上にある個別のインターロック・パートナー(15、16)を含むインターロック機構(14)を特徴とし、前記カバー(3)がその端部位置にあるときに、前記インターロック・パートナー(15、16)が、互いにインターロックされ、その結果、前記カバー(3)が、前記端部位置で固定される、請求項1からまでのいずれか一項に記載の安全カバー(1)。
【請求項6】
前記外側ハウジング(4)の凹部(13)が、前記カバー(3)の前記長手方向軸(9)に沿って前記カバー(3)の近位端(17)から遠位端(18)の方に延在し、好適には、前記長手方向軸(9)に平行に測定される前記第2の凹部(13)の長さ(19)が、少なくとも2.0cmであり、好適には少なくとも3.0cmであることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一項に記載の安全カバー(1)。
【請求項7】
前記内側ハウジング(5)が、前記カバー(3)の前記長手方向軸(9)に沿って前記カバー(3)の近位端(17)から遠位端(18)に向かう方向に延在する少なくとも1つの凹部(20)を有し、好適には、前記長手方向軸(9)に平行に測定される前記第3の凹部(20)の長さ(21)が、少なくとも2.0cmであり、好適には少なくとも3.0cmであることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一項に記載の安全カバー(1)。
【請求項8】
前記内側ハウジング(5)及び前記外側ハウジング(4)の前記凹部(13、20)が、互いに対応する形状及び長さ(19、21)を有することを特徴とする、請求項及びに記載の安全カバー(1)。
【請求項9】
前記内側ハウジング(5)及び前記外側ハウジング(4)の前記凹部(13、20)が、前記カバー(3)がその初期位置にあるときに、互いに重なるように位置合わせされ、その結果、前記カバー(3)がその治療位置まで枢動させられるときに、注射針が、前記凹部(13、20)を貫通し、その結果、前記注射針が、使用可能となることを特徴とする、請求項6及び7又は6から8でに記載の安全カバー(1)。
【請求項10】
前記内側ハウジング(5)及び前記外側ハウジング(4)の前記凹部(13、20)が、前記外側ハウジング(4)がそのロック位置にあるときに、互いにオフセットされ、その結果、前記カバー(3)が、その初期位置からその治療位置まで移動することが防止されることを特徴とする、請求項からまでのいずれか一項に記載の安全カバー(1)。
【請求項11】
前記基部(2)が、注射デバイスのねじ部と協働するように構成された径方向に突出する円周方向カラー(25)を有し、その結果、前記安全カバー(1)が、前記注射デバイス上にねじ込み可能となることを特徴とする、請求項1から1までのいずれか一項に記載の安全カバー(1)。
【請求項12】
前記ロック・デバイス(12)及び前記ヒンジ要素(6)が、前記基部(2)上で、前記受け軸(8)を基準として互いに反対側に配置構成されることを特徴とする、請求項1から1までのいずれか一項に記載の安全カバー(1)。
【請求項13】
前記ロック・デバイス(12)及び前記ヒンジ要素(6)が、前記受け軸(8)に平行に測定して互いから一定の距離(24)に配置構成されることを特徴とする、請求項1から1までのいずれか一項に記載の安全カバー(1)。
【請求項14】
基部(2)と、
外側ハウジング(4)及び内側ハウジング(5)を備えるカバー(3)と、
ヒンジ要素(6)と
を備える、注射デバイスに連結されるための安全カバー(1)であって、
前記基部(2)が、受け軸(8)に沿って注射針を直接に受けるように構成されたニードル・マウント(7)を有し、
前記外側ハウジング(4)が、同軸配置構成で前記カバー(3)の長手方向軸(9)を基準として前記内側ハウジング(5)に連結され、前記内側ハウジング(5)上に設置され、前記内側ハウジング(5)を少なくとも部分的に囲み、
前記内側ハウジング(5)が、前記ヒンジ要素(6)により前記基部(2)に接続され、その結果、前記カバー(3)が、前記受け軸(8)に対して垂直に方向付けられた、前記ヒンジ要素(6)によって形成された枢動軸(10)を中心として、前記基部(2)に対して枢動可能となり、その結果、前記カバーが、第1の枢動方向において初期位置から治療位置まで枢動可能となり、
前記長手方向軸(9)が、前記カバー(3)が前記初期位置にあるときに、前記受け軸(8)に平行に位置合わせされ、その結果、前記ニードル・マウント(7)内で受けられた注射針が、前記カバー(3)によって包囲可能となり、
前記カバー(3)の前記長手方向軸(9)が、前記カバー(3)が前記治療位置にあるときに、前記受け軸(8)に対して枢動させられ、その結果、前記ニードル・マウント(7)内で受けられた注射針が使用可能となり、
前記外側ハウジング(4)が、少なくとも1つの回転方向において、前記カバー(3)の前記長手方向(9)を中心として前記内側ハウジング(5)に対して捻回可能であり、
前記外側ハウジング(4)が、少なくとも1つの凹部(11)を有し、前記基部が、前記凹部(11)に対応する少なくとも1つのピン(27)を有し、
前記ピン(27)が、前記ニードル・マウント(7)の前記受け軸(8)に対して径方向外側に突出し、ポジティブ・ロックにより前記外側ハウジング(4)の前記凹部(11)に係合されるように、及び前記外側ハウジング(4)が前記ハウジング(5)に対して捻回されたロック位置にあるときに前記内側ハウジング(5)に対しての前記外側ハウジング(4)のさらなる捻回を阻止するように構成され、
前記外側ハウジング(4)が、少なくとも1つの第2の凹部(13)を有し、
前記基部の前記ピン(27)が、前記カバー(3)がその初期位置にあるときに前記外側ハウジング(4)の前記少なくとも1つの第2の凹部(13)に係合され、その結果、前記内側ハウジング(5)に対しての前記外側ハウジング(4)の捻回が阻止され、
前記カバー(3)が、前記第1の枢動方向と反対の第2の枢動方向において、前記枢動軸(10)を中心として、前記初期位置を越えて端部位置に入るように、枢動可能であり、
前記カバー(3)が前記端部位置にあるときに、前記外側ハウジング(4)の前記第2の凹部(13)内での前記ピン(27)の前記ポジティブ・ロックが終了し、その結果、前記内側ハウジング(5)に対しての前記外側ハウジング(4)の捻回が可能となることを特徴とする、安全カバー(1)。
【国際調査報告】