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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-06
(54)【発明の名称】反加圧ローラー、構成及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/10 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
B65B51/10 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521844
(86)(22)【出願日】2021-11-25
(85)【翻訳文提出日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 EP2021082959
(87)【国際公開番号】W WO2022117426
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】20210989.8
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】マシーニ、ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】コリーヴァ、ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】コスタ、ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】ラ ノッテ、マリオ
(72)【発明者】
【氏名】クレモネーゼ、アンドレア
【テーマコード(参考)】
3E094
【Fターム(参考)】
3E094AA11
3E094BA12
3E094EA03
3E094GA03
3E094HA12
(57)【要約】
包装材料のウェブの長手方向のシール(202)に圧力を加えるための反加圧ローラ(102)が提供される。反加圧ローラ(102)は、ウェブの第1バックパネル(108)及び第2バックパネル(110)をそれぞれ支持するための、第1半径(R1)を有する第1バックパネル支持部(104)と、第2半径(R2)を有する第2バックパネル支持部(106)とを備える、第1半径(R1)が第2半径(R2)よりも大きく、第1バックパネル支持部(104)と第2バックパネル支持部(106)との間に配置された溝(112)であって、第1バックパネル(108)及び第2バックパネル(110)の第1エッジ部及び第2エッジ部によって形成される長手方向のオーバーラップ部(204)をそれぞれ保持するための溝(112)を備え、第1エッジ部は、第1エッジ部が溝(112)の底部(302)に面するように第2エッジ部の外側に配置され、底部(302)は、第2半径(R2)以下である第3半径(R3)を有し、溝(112)は、第1バックパネル支持部(104)と底部(302)との間に、第1傾斜(α)を有する第1溝エッジ部(304)と、第2バックパネル支持部(106)と底部(302)との間に、第2傾斜(β)を有する第2溝エッジ部(306)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材料のウェブの長手方向シール(202)に圧力を加えるための反加圧ローラ(102)であって、反加圧ローラ(102)は、
ウェブの第1バックパネル(108)及び第2バックパネル(110)をそれぞれ支持するための、第1半径(R1)を有する第1バックパネル支持部(104)及び第2半径(R2)を有する第2バックパネル支持部(106)と、
前記第1半径(R1)は、前記第2半径(R2)よりも大きく、
前記第1バックパネル支持部(104)と前記第2バックパネル支持部(106)との間に配置され、前記第1バックパネル(108)の第1エッジ部及び前記第2バックパネル(110)の第2エッジ部によって形成される長手方向オーバーラップ部(204)を保持するための溝(112)と、
を備え、
前記第1エッジ部は、前記第1エッジ部が前記溝(112)の底部(302)に面するように、前記第2エッジ部の外側に配置され、
前記底部(302)は、前記第2半径(R2)以下である第3半径(R3)を有し、
前記溝(112)は、前記第1バックパネル支持部(104)と前記底部(302)との間に、第1傾斜(α)を有する第1溝エッジ部(304)と、前記第2バックパネル支持部(106)と前記底部(302)との間に、第2傾斜(β)を有する第2溝エッジ部(306)とを有する、
反加圧ローラー(102)。
【請求項2】
前記第1傾斜(α)は、当該反加圧ローラー(102)の中心軸(114)から10~30度である、
請求項1記載の反加圧ローラー(102)。
【請求項3】
ニップエッジ(116)が前記第1バックパネル支持部(104)と前記溝(112)の間に形成され、前記長手方向オーバーラップ部(204)が前記底部(302)を向いているときに、前記ニップエッジ(116)が前記長手方向シールストリップ部(206)を向いている、
請求項1又は2に記載の反加圧ローラー(102)。
【請求項4】
前記第2バックパネル支持部(106)から前記溝(112)の前記底部(302)までの前記溝(112)の深さ(D4)は、前記包装材料の厚さの1.5倍以下である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の反加圧ローラー(102)。
【請求項5】
前記溝(112)の前記底部(302)は、前記第1バックパネル支持部(104)よりも前記第2バックパネル支持部(106)に近い位置に配置される、
請求項1~4のいずれか一項に記載の反加圧ローラー(102)。
【請求項6】
前記第1傾斜(α)は、前記第2傾斜(β)以下である、
請求項1~5のいずれか一項に記載の反加圧ローラー(102)。
【請求項7】
前記第2溝エッジ部(306)が前記包装材料の第1エッジ部の端部に面するように配置されるように、前記第2傾斜が、当該反加圧ローラ(102)の中心軸(114)から80~90度である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の反加圧ローラー(102)。
【請求項8】
前記対圧ローラ(102)は、剛性の高い材料で作られている、
請求項1~7のいずれか一項に記載の反加圧ローラー(102)。
【請求項9】
包装材料のウェブの長手方向シール(202)に圧力を加えるための加圧ローラー構成(600)であって、
前記長手方向シールストリップ部(206)に圧力を加えるためのローラー対(608)と、
を備え、
前記ローラー対(608)は、
加圧ローラー(610)と、
前記加圧ローラー(610)に対向して配置された、請求項1~8のいずれか一項に記載の反加圧ローラ(102)と、
を備える、
加圧ローラー構成(600)。
【請求項10】
前記包装材料の長手方向オーバーラップ部(204)に圧力を加えるための追加ローラー対(602)をさらに備え、
前記追加ローラー対(602)は、
追加加圧ローラー(606)と、
前記追加加圧ローラー(606)に対向して配置された追加反加圧ローラー(604)と、
を備え、
前記追加ローラー対は、前記長手方向のシール(202)に全体的な圧力を加えるように配置される、
請求項9記載の加圧ローラー構成(600)。
【請求項11】
前記追加ローラー対(602)は、前記ローラー対(608)に対して上流側に配置される、
請求項9又は10記載の加圧ローラー構成(600)。
【請求項12】
包装材料のウェブの長手方向シール(202)を形成するための方法(400)であって、当該方法は、
前記包装材料のウェブを受け取り(402)、
前記包装材料のウェブの一方のエッジに沿って長手方向シールストリップ(118)を提供し(404)、
前記包装材料のウェブのチューブを形成し(406)、
前記包装材料のウェブの第1エッジ部及び第2エッジ部に熱を加え(408)、
前記包装材料のウェブの前記第1エッジ部と前記第2のエッジ部との間に長手方向オーバーラップ部(204)を形成し(410)、
加圧ローラー構成(600)にウェブを供給し(412)、前記加圧ローラー構成は、前記長手方向シールストリップ部(206)に圧力を加えるためのローラー対(608)、を備え、
前記ローラー対(608)は、
加圧ローラー(610)と、
前記加圧ローラ(610)の反対側に配置され、前記包装材料のウェブの前記長手方向シール(202)に圧力を加えるための反加圧ローラ(102)と、
を備え、前記反加圧ローラ(102)は、
前記ウェブの第1バックパネル(108)及び第2バックパネル(110)をそれぞれ支持するための、第1半径(R1)を有する第1バックパネル支持部(104)及び第2半径(R2)を有する第2バックパネル支持部(106)と、を備え、
前記第1半径(R1)は、前記第2半径(R2)よりも大きく、
前記第1バックパネル支持部(104)と前記第2バックパネル支持部(106)との間に配置され、前記第1バックパネル(108)の第1エッジ部及び前記第2バックパネル(110)の第2エッジ部によってそれぞれ形成される長手方向オーバーラップ部(204)を保持するための溝部(112)と、を備え、
前記第1エッジ部は、前記第1エッジ部が前記溝(112)の底部(302)に面するように、前記第2エッジ部の外側に配置され
前記底部(302)は、前記第2半径(R2)以下である第3半径(R3)を有し、
前記溝(112)は、前記第1バックパネル支持部(104)と前記底部(302)との間に、第1傾斜(α)を有する第1溝エッジ部(304)と、前記第2バックパネル支持部(106)と前記底部(302)との間に、第2傾斜(β)を有する第2溝エッジ部(306)と、を有し、
当該圧力ローラー構成(600)を用いて、前記包装材料のウェブの前記第1エッジ部、前記第2エッジ部及び前記長手方向シールストリップ(118)が一緒にシールされるように、前記長手方向シール(202)に沿って、圧力を加える(414)、
方法(400)。
【請求項13】
前記圧力を加えるステップは、前記包装材料の前記長手方向オーバーラップ部(204)に圧力を加えるために、前記圧力ローラー構成(600)に含まれる追加ローラー対(602)を用いて、前記長手方向シール(202)に全般的な圧力を加えるサブステップを含み、
前記追加ローラー対(602)は、
追加加圧ローラー(606)と、
前記追加加圧ローラー(606)に対向して配置された追加反加圧ローラー(604)と、
を備え、
前記追加ローラー対(602)は、前記長手方向シール(202)に全体的な圧力を加えるように配置される、
請求項12に記載の方法(400)。
【請求項14】
前記ウェブを前記加圧ローラー構成に供給するステップは、前記第2バックパネル支持部(106)から前記溝(112)の前記底部(302)まで、前記包装材料の厚さの1.5倍以下である深さ(D4)を有する前記溝(112)に、前記長手方向オーバーラップ部(204)を供給するサブステップを含む、
請求項12に記載の方法(400)。
【請求項15】
前記圧力を加えるステップは、前記長手方向シールストリップ部(206)を、前記第1バックパネル支持部(104)と前記溝(112)との間に形成されたニップエッジ(116)と位置合わせするサブステップを含む、
請求項12~14のいずれか一項に記載の方法(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージング技術に関する。より詳細には、包装材料のウェブの長手方向のシールに圧力を加えるための反加圧ローラーに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、食品業界において、食品の重要な部分はパッケージである。パッケージは、製品のブランディングや顧客への情報提供に加え、食品の安全性を確保するという重要な役割を担っている。パッケージに使用される包装材料は、輸送中にパッケージが破損しないように、強度と安定性を備えた設計される。さらに、包装材料は、例えば、細菌、バクテリア、酸素、太陽光等から食品を保護するために、食品の保護環境を形成することができる。しかし、パッケージで重要なことは、包装材料だけではない。パッケージは適切に密封される必要がある。ロール供給式システムでは、通常、包装材料の両端の重なり部分に沿って長手方向のシールを形成してチューブを形成し、その後、チューブの下端部に横方向のシールを形成し、チューブからパッケージを形成することによって行われる。
【0003】
長手方向オーバーラップ部分のシールは、従来、カートンパッケージのセグメント内で、重なり合う2つの端部に圧力をかけ、長手方向のシールストリップを提供し、それらを一緒にシールすることによって行われる。長手方向のシールストリップは、パッケージの内側のオーバーラップ部分に適用され、包装材料の内側端がその中に保持される製品と接触することを防ぐ。カートンベースの包装材料を有する場合、長手方向のシールストリップは、食品と包装材料のカートン層との間に障壁を形成する。このように、長手方向のシールストリップを使用し、これを確実に適用することが、環境に優しい食品パッケージを提供することができるかどうかの重要な要因である。
【0004】
長手方向のシールが適切に行われるようにするために、長手方向のシールを形成するための現在の解決策では、通常、高い圧力を必要とする。部品がこのような高圧にさらされると、摩耗が促進され、メンテナンスコストが高くなる。さらに、ロール供給式包装機は、場合によっては、1時間あたり30,000個のパッケージを生産する速度で運転される。このような高速運転は、別の課題が生じる。例えば、わずかな誤差がすぐに機械の不具合や故障につながる可能性がある。
【0005】
上記に基づいて、メンテナンスの必要性や生産停止をさらに減らし、生産性をより向上させるために、ロール供給式包装機やそれに類する装置において、より信頼性の高い長手方向シールシステムを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上述した従来技術の制限の1つ以上を少なくとも部分的に克服することである。特に、改良された反加圧ローラー及び長手方向のシールを形成する方法を提供することが目的である。
【0007】
包装材料の重なりによる厚みの違いを考慮した非対称の反加圧ローラーを提供することにより、シールに関連する領域に圧力を集中できることが分かった。このようにすることで、シールに関係ない領域での無駄な圧力が減るため、加圧力を低減することができる。さらに、関係する領域への圧力分布の改善も達成される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、包装材料のウェブの長手方向のシールに圧力を加えるための反加圧ローラーが提供される。反加圧ローラーは、
ウェブの第1バックパネル及び第2バックパネルをそれぞれ支持するための、第1半径を有する第1バックパネル支持部及び第2半径を有する第2バックパネル支持部と、
第1半径は、第2半径よりも大きく、
第1及び第2バックパネル支持部の間に配置され、第1及び第2バックパネルの第1及び第2エッジ部によってそれぞれ形成される長手方向オーバーラップ部分を保持するための溝部と、
を備え、
第1エッジ部は、第1エッジ部が溝の底面に対向するように、第2エッジ部の外側に配置され、
底部は、第2半径以下である第3半径を有し、
溝は、第1バックパネル支持部と底面部との間で、第1傾斜(α)を有する第1溝エッジ部と、第2バックパネル支持部と底面部との間で、第2傾斜(β)を有する第2溝エッジ部とを有する。
【0009】
第2傾斜は、0度から90度の間の任意の角度であってもよい。言い換えれば、第2バックパネル支持部の半径は、溝の半径と同じであってもよい。
【0010】
包装材料は、多層包装材料であってもよい。板紙層を含んでもよい。
【0011】
第1バックパネル支持部の半径を第2バックパネル支持部の半径よりも大きくすることは、重なり合う包装材料を厚さの差を補償する方法で配置できるという点で有利である。このようにすると、重なり部分の下側にあるシールが困難な部分に圧力を加えることができる。さらに、溝は、加えられた圧力が均等に分散されるように、長手方向のシールを配置するのに役立つ。
【0012】
第1傾斜角(α)は、反加圧ローラーの中心軸から10~30度であってもよい。
【0013】
ニップエッジは、長手方向の重なり部が底部を面するときにニップエッジが長手方向のシールストリップ部と向き合うように、第1バックパネル支持部と溝との間に形成されてもよい。
【0014】
ニップエッジを形成する利点は、シールを適切に形成することが通常困難である領域において、逆圧が増加する点を提供することであると考えられる。
【0015】
溝は、第2のバックパネル支持部から溝の底部までの深さが、包装材料の厚さの1.5倍以下であってよい。
【0016】
溝の底部は、第1バックパネル支持部よりも第2バックパネル支持部に近い位置に配置してもよい。
【0017】
第1傾斜角(α)は、第2傾斜角(β)以下であってもよい。
【0018】
第2傾斜角(β)は、第2溝エッジ部が包装材料の第1エッジ部の端部に対向するように配置されるように、反加圧ローラーの中心軸から80~90度であってもよい。
【0019】
第2傾斜が垂直に近いことは、第1バックパネル支持部(108)のエッジ部が第2溝エッジ部(306)に面しているので、包装材料のウェブが第2バックパネル支持部(106)に向かってスライドすることが防止されるという点で有利になり得る。したがって、反加圧ローラー(102)上への長手方向シール(202)の正しい配置を確保することができる。
【0020】
反加圧ローラーは、剛性の高い材料で作られてもよい。この場合、反加圧ローラー(102)の形状が加圧下で変形しないようにできるという利点がある。
【0021】
第2の態様によれば、包装材料のウェブの長手方向シールに圧力を加える加圧ローラー構成が提供される。加圧ローラー構成は、長手方向シールストリップ部に圧力を加えるためのローラー対を含んでいる。ローラー対は、加圧ローラーと、加圧ローラーに対向して配置された第1の態様による反加圧ローラーとを備える。
【0022】
加圧ローラー構成は、包装材料の長手方向オーバーラップ部に圧力を加えるための追加ローラー対をさらに備えてもよい。追加ローラー対は、追加加圧ローラーと、追加加圧ローラーに対向して配置された追加反加圧ローラーとを備えてもよい。追加ローラー対は、長手方向のシーリングに全体的な圧力を加えるように配置されてもよい。
【0023】
ローラー対及び追加ローラー対を有することは、2つの対が長手方向のシールの異なる領域に圧力を集中させることができるという点で有利であり得る。そうすることで、関連性のない領域で無駄になる圧力を低減することができる。
【0024】
追加のローラー対は、ローラー対の上流に配置されてもよい。
【0025】
第3の態様によれば、包装材料のウェブの長手方向シールを形成する方法が提供される。この方法は、包装材料のウェブを受け取ること、包装材料のウェブの一方のエッジに沿って長手方向シールストリップを提供すること、包装材料のウェブのチューブを形成すること、包装材料のウェブの第1エッジ部及び第2エッジ部に熱を加えること、包装材料のウェブの第1エッジ部及び第2エッジ部の間に長手方向オーバーラップ部を形成すること、ウェブを、加圧ローラー構成に供給することと、を含み、加圧ローラー構成は、長手方向シールストリップ部に圧力を加えるためのローラー対を備え、ローラー対は、加圧ローラーと、加圧ローラーに対向して配置され、包装材料のウェブの長手方向シールに圧力を加えるための反加圧ローラーを備え、反加圧ローラーは、ウェブの第1バックパネル及び第2バックパネルをそれぞれ支持するための、第1半径を有する第1バックパネル支持部及び第2半径を有する第2バックパネル支持部を備え、第1半径が第2半径よりも大きく、第1バックパネル指示部及び第2バックパネル支持部の間に配置され、第1バックパネルの第1エッジ部及び第2バックパネルの第2のエッジ部によって形成される長手方向のオーバーラップ部をそれぞれ保持するための溝を備え、第1エッジ部が溝の底部に面するように第2エッジ部の外に配置され、底部が第2半径以下である第3半径を有し、溝が、第1バックパネル支持部と底部との間で、第1傾斜(α)を有する第1溝エッジ部と、第2バックパネル支持部と底部との間で、第2傾斜(β)を有する第2溝エッジ部とを有し、当該圧力ローラー構成を用いて、包装材料のウェブの第1エッジ部、第2エッジ部及び長手方向シールストリップが一緒にシールされるように長手方向シールに沿って圧力を加える。
【0026】
圧力を加えるステップは、包装材料の長手方向オーバーラップ部に圧力を加えるために、加圧力ローラー構成に含まれる追加ローラー対を用いて、長手方向のシールに全体的な圧力を加えるサブステップを含んでもよく、追加ローラー対は、追加加圧ローラーと、追加加圧ローラーに対向して配置された追加反加圧ローラーとを備え、追加ローラー対は長手方向シールに全体的な圧力を加えるように配置されてもよい。
【0027】
ウェブを加圧ローラー構成に供給するステップは、第2のバックパネル支持部から溝の底部までの深さが包装材料の厚さの1.5倍以下である溝内で長手方向のオーバーラップ部を供給するサブステップを含んでもよい。
【0028】
圧力を加えるステップは、長手方向シールストリップ部を、第1のバックパネル支持部と溝との間に形成されたニップエッジと位置合わせするサブステップを含んでもよい。
【0029】
本発明のさらに他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。ある態様に関して説明された同じ特徴及び利点は、明示的に別段の記載がない限り、他の態様にも適用できる。
【0030】
本発明の実施形態は、添付の概略図面を参照して、例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】反加圧ローラーの一例を示す断面図である。
図2】包装材料のウェブの両端間の長手方向シールの異なる部分を示す図である。
図3】反加圧ローラーの異なる部分と寸法を示す図である。
図4】包装材料のウェブの長手方向シールを形成する方法のステップを示すフローチャートである。
図5a】反加圧ローラーの形状の異なる例を示す図である。
図5b】反加圧ローラーの形状の異なる例を示す図である。
図5c】反加圧ローラーの形状の異なる例を示す図である。
図5d】反加圧ローラーの形状の異なる例を示す図である。
図5e】反加圧ローラーの形状の異なる例を示す図である。
図6】包装材料のウェブの長手方向シールに圧力を加えるための圧力ローラー構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、包装材料のウェブの長手方向シール202に圧力を加えるための反加圧ローラー102の一例を示す断面図100である。さらに、包装材料のウェブの長手方向オーバーラップ部204が、長手方向シール202を形成するための長手方向シールストリップ118とともに、反加圧ローラー102上に配置され得ることを示す。
【0033】
反加圧ローラー102は、ウェブの第1バックパネル108を支持するための第1バックパネル支持部104を有している。さらに、反加圧ローラー102は、ウェブの第2バックパネル110を支持するための第2バックパネル支持部106を有している。本実施形態において、第1バックパネル支持部104は、第2バックパネル支持部106の第2半径よりも大きい第1半径を有する。
【0034】
長手方向シール及び横方向シールが行われた後、第1及び第2バックパネル部104、106は、一緒にパッケージのバックパネルを形成し得る。現在、長手方向シールがパッケージのバックパネルに配置されることが一般的であり、すなわち、長手方向シールは、顧客に面することを意図したパネルに配置されないことがほとんどであるが、機能性の観点からは、これは必須ではない。したがって、本明細書ではバックパネルに関連する部分と言及されているが、長手方向シールはパッケージの特定のパネルに限定されるものではないことを理解されたい。
【0035】
第1バックパネル支持部104と第2バックパネル支持部106との間において、反加圧ローラー102は溝112を備えている。溝112は、第1バックパネル指示部108の第1エッジ部と第2バックパネル指示部110の第2エッジ部によって形成される長手方向のオーバーラップ部204を保持するように配置される。第1エッジ部は、第1エッジ部が溝112の底部302に面するように、第2エッジ部の外側に配置されるように配置され得る。この例では、溝112は包装材料の厚さと同様の深さを有し、第2バックパネル110が第2バックパネル支持部106及び溝112の底部302の上で平坦な状態を保つことができる。溝122は、第1傾斜αを有する第1溝エッジ部304と第2傾斜βを有する第2溝エッジ部306を有する。この非限定的な例では、第1傾斜αは、反加圧ローラー102の中心軸114に対して、10~30度である。この例では、第2傾斜βは、中心軸から80~90度である。別の言い方をすれば、第2溝エッジ部306は、実質的に垂直である。第1及び第2のエッジ部は、図3に関連してさらに説明される。
【0036】
第1バックパネル支持部104と溝112との間には、ニップエッジ116が、ニップエッジが長手方向シールストリップ部に面するように形成されている。ニップエッジ116は、適切なシールを確実にするために圧力を増加させる点を提供できる。ニップエッジ116は、例えば、長手方向シール部206のうち、長手方向オーバーラップ部204に最も近い箇所に配置されてもよい。
【0037】
図2は、包装材料のウェブの両端間の長手方向シール202の異なる部分を示す図である。この図には、ウェブの第1バックパネル108及び第2バックパネル110の一部、並びに長手方向シールストリップ118が断面図で示されている。ここでは、包装材料の両端が接する部分のみが示されている。2つの端部は、包装材料の同じウェブの反対側の端部であり、すなわち、一緒にされると封入体が形成されることを理解されたい。長手方向シールストリップ118は、パッケージの内側に配置される。
【0038】
なお、本明細書において、長手方向シール202は、シールする必要がある部分を指す。長手方向シール202は、長手方向オーバーラップ部204と長手方向シールストリップ部206とを備える。
【0039】
長手方向オーバーラップ部204は、長手方向シール202のうち、ウェブの第1バックパネル108と第2バックパネル110とが重なる部分を指す。
【0040】
長手方向シールストリップ部206は、長手方向シールストリップ118がウェブの第1バックパネル108に取り付けられる部分を指す。
【0041】
図3は、反加圧ローラー102の異なる部分及び寸法を示す。第1バックパネル支持部104は、ここではR1で示される第1半径を有してもよい。同様に、第2バックパネル支持部106は、R2で示される第2半径を有してもよい。第3半径R3は、溝112の底部302における反加圧ローラー102の半径として定義されてもよい。また、溝112の深さD4は、第2半径R2と第3半径R3との差として定義してもよい。半径の間の関係は、R1>R2及びR2≧R3として定式化してもよく、すなわちR1>R3であってもよい。
【0042】
溝112は、3つのセクションに分割してもよい。第1溝エッジ部304は幅D1を有し、第2溝エッジ部306は幅D2を有し、底部302は幅D3を有している。幅D2はゼロであってもよく、その結果、第2溝エッジ部306は垂直なエッジとなる。幅D3はゼロであってもよく、その結果、底部302は単一の点であってもよい。
【0043】
第1溝エッジ部304及び第2溝エッジ部306は、それぞれ第1傾斜α及び第2傾斜βを有していてもよい。第2傾斜βは、0度から90度の間の任意の値をとることができる。第1傾斜αは、第2傾斜βよりも小さくてもよく、第1傾斜と第2傾斜の両方が複数の個別の傾斜を備えてもよい。その場合、α及びβは、それぞれ第1溝エッジ部304及び第2溝エッジ部306の始点及び終点を定義する点間の線によって画定される有効傾斜を表してもよい。
【0044】
図4は、一例として、包装材料のウェブの長手方向シール202を形成する方法400のステップを示すフローチャートである。
【0045】
第1ステップ402において、包装材料のウェブが受け取られる。
【0046】
第2ステップ404において、包装材料のウェブの一方のエッジに沿って、長手方向シールストリップ118が設けられる。
【0047】
第3ステップ406において、包装材料のウェブからチューブが形成される。
【0048】
第4ステップ408において、包装材料のウェブの第1及び第2エッジ部に熱が加えられる。
【0049】
第5ステップ410において、包装材料のウェブの第1エッジ部108と第2エッジ部110の間に、長手方向オーバーラップ部204が形成される。
【0050】
第6ステップ412において、包装材料のウェブは、加圧ローラー構成600に供給される。加圧ローラー構成600は、長手方向シールストリップ部206に圧力を加えるためのローラー対608を備える。ローラー対608は、加圧ローラー610と、加圧ローラー610に対向して配置された反加圧ローラー102とを備える。反加圧ローラー102は、ウェブの第1バックパネル108及び第2バックパネル110をそれぞれ支持するための、第1半径R1を有する第1バックパネル支持部104と、第2半径R2を有する第2バックパネル支持部106とを備える。第1半径R1は、第2半径R2よりも大きくてもよい。反加圧ローラー102は、第1バックパネル108の第1のエッジ部と、第2バックパネル110の第2のエッジ部によって形成される長手方向オーバーラップ部204をそれぞれ保持するために、第1バックパネル支持部104及び第2バックパネル支持部106の間に配置される溝112をさらに備える。第1エッジ部は、第1エッジ部が溝112の底面に対向するように、第2エッジ部の外側に配置されてもよい。底部302は、第2の半径R2以下である第3の半径R3を有してもよい。溝112は、第1のバックパネル支持部104と底部302との間で、第1傾斜αを有する第1溝エッジ部304と、第2バックパネル支持部106と底部302との間で、第2傾斜βを有する第2溝エッジ部306とを備えてもよい。
【0051】
第7ステップ414において、長手方向シール202に沿って、加圧ローラー構成600を使用して圧力を適用することによって、包装材料のウェブの第1及び第2エッジ部、並びに長手方向シールストリップ118を一緒にシールする。
【0052】
オプションで、圧力を加える第7ステップ414は、包装材料の長手方向オーバーラップ部204に圧力を加えるために、加圧ローラー構成600に構成された追加ローラー対602を使用して長手方向シール202に全体的な圧力を加えるサブステップを含んでもよい。追加ローラー対602は、追加加圧ローラー606と、追加加圧ローラー606に対向して配置された追加反加圧ローラー604とを備えてもよい。追加ローラー対602は、長手方向シール202に全体的な圧力を加えるように配置されてもよい。追加ローラー対602は、長手方向オーバーラップ部204を形成する第5ステップ412において使用されてもよい。
【0053】
オプションで、ウェブを加圧ローラー構成600に供給する第6ステップ412は、第2バックパネル支持部106から溝112の底部302まで、包装材料の厚さの1.5倍以下である深さを有する溝112内に長手方向オーバーラップ部204を供給するサブステップを含んでもよい。
【0054】
オプションで、圧力を加える第7ステップ414は、長手方向シールストリップ部206を、第1バックパネル支持部104と溝112との間に形成されたニップエッジ116と位置合わせするサブステップを含んでもよい。
【0055】
ある順序で説明されているが、様々なステップを他の順序で実行してもよく、また、複数回実行してもよい。
【0056】
図5a~5eは、反加圧ローラー102の異なる実施形態の例を示す。反加圧ローラー102は、反加圧ローラー102の上部の断面図の概略として描かれている。
【0057】
図5aに示される反加圧ローラーの実施形態は、図1及び図3の反加圧ローラー102の特徴の多くを共有する。第1バックパネル支持部104は、第2バックパネル支持部106よりも大きな半径を有する。さらに、第1溝エッジ部304の傾斜は、第2溝エッジ部306の傾斜よりも小さい。その結果、溝底部302は、第1バックパネル支持部104よりも第2バックパネル支持部106に近い位置に配置される。この例では、溝の底部302は、ゼロとは異なる幅(D3)で図示される。溝の幅(D3)は、0以上であれば、どのような値であってもよい。
【0058】
図5bは、第2溝エッジ部306が垂直であることを示す図である。
【0059】
図5cは、図5aや図5bに示した底部に対して、溝の底部302をほぼゼロにすることができる例である。
【0060】
図5dは、第2の傾斜が0度である実施形態を示す。言い換えると、第2バックパネル支持部106の半径は、溝の底部302の半径と同じである。例示的な理由から、第2バックパネル支持部106、第2溝エッジ部306及び底部302は、平面部の異なる部分への参照を有する。しかしながら、これらがすべて同じ平坦部の一部であるため、どのように分割がなされるかは関係ない。
【0061】
図5eは、第2溝エッジ部306が緩やかな傾斜を有することができることを説明する。言い換えれば、異なる値の複数の傾斜を備えることができる。第1傾斜についても同様とすることができる。
【0062】
図5a~5eに示されたものに加えて、反加圧ローラーの追加の実施形態が可能である。例えば、ある図に示された特性を、別の図に示された特性と組み合わせてもよい。非限定的な例として、図5cに示されるように溝の底部302が一点であることと組み合わせて、図5bに示されるように第2の傾斜は垂直であってもよい。
【0063】
図6は、一例として、包装材料のウェブの長手方向シール202に圧力を加えるための加圧ローラー構成600を示す。
【0064】
加圧ローラー構成600は、長手方向シールストリップ部206に圧力を加えるためのローラー対608を備えてもよい。ローラー対608は、加圧ローラー610と反加圧ローラー102とを備えてもよい。反加圧ローラー102は、第1の態様に係る反加圧ローラーであってもよい。反加圧ローラー102は、ローラー対608の間を通過する包装材料のウェブの長手方向シール202に圧力を加えることができるように、圧力ローラー610と反対側に配置されてもよい。
【0065】
加圧ローラー構成600は、包装材料の長手方向オーバーラップ部204に圧力を加えるための追加ローラー対602をさらに含んでもよい。追加ローラー対602は、追加圧力ローラー606と、追加圧力ローラー606に対向して配置された追加カウンターローラ604とから構成されてもよい。追加ローラー対602は、長手方向シール202に一般的な圧力を加えるように配置されてもよい。
【0066】
追加ローラー対602は、ローラー対608の上流に配置されてもよい。追加ローラー対602は、そのような状況において、ローラー対608よりもウェブのより大きな部分に圧力を加えることができ、それによって、シールストリップが取り付けられるように最初に全体的な圧力を加えることができ、その後、特定の部分に圧力を加えることによってシールストリップがさらに取り付けられるように特定の圧力を加えることができる。
【0067】
反加圧ローラー102と追加反加圧ローラー604は、圧力下で変形しないように、剛性の高い材料で作ることができる。さらに、圧力を受けたときに所定の位置に留まるように、固定軸に取り付けることができる。
【0068】
加圧ローラー610及び追加加圧ローラー606は、圧力を加える手段に接続された軸上に懸架することができる。さらに、ゴム等の柔軟な材料で作られてもよい。
【0069】
図6に示されるように、加圧ローラー構成600の異なるローラーは、異なる直径を有してもよい。
【0070】
加圧ローラー構成600は、既に存在するロール供給式包装機へのアップグレードキットの形で提供されてもよい。言い換えると、加圧ローラー構成は、包装機の一体部分であり、包装機の組み立て中に組み込まれることに加えて、既存の包装機のアップグレードに使用されてもよい。
【0071】
以上の説明から、本発明の様々な実施形態を説明し、示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の請求項に定義される主題の範囲内で他の方法で具体化することも可能である。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図6
【国際調査報告】