(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-06
(54)【発明の名称】呼吸評価のための膨張可能ベスト
(51)【国際特許分類】
A61B 7/00 20060101AFI20231129BHJP
A61B 5/08 20060101ALI20231129BHJP
A61B 5/1455 20060101ALI20231129BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
A61B7/00 D
A61B5/08
A61B5/1455
A61B5/02 350
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023521947
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(85)【翻訳文提出日】2023-04-11
(86)【国際出願番号】 US2021056740
(87)【国際公開番号】W WO2022108715
(87)【国際公開日】2022-05-27
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508180910
【氏名又は名称】フレセニウス メディカル ケア ホールディングス インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】サイスン、リサ
(72)【発明者】
【氏名】スロート、ダニエル・エル.
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AA04
4C017AB10
4C017AC35
4C017BC16
4C017EE01
4C017FF12
4C017FF17
4C038KK01
4C038KL07
4C038SS08
4C038SV05
4C038SX20
4C038VB29
(57)【要約】
軽量の膨張可能ベストに、埋め込まれたリスニングデバイスが設けられる。ベストは、膨張すると、医師が、ベストを装着している患者の増幅された肺音および鼓動および調律を、スマートフォンアプリケーションへの接続を介して、または患者ポータルを通じて等で聞くことを可能にする。患者に付いたデバイスを使用することによって、遠隔医療診療中に患者の呼吸および心臓の健康評価を行う正確な方法が医師に提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸評価のための膨張可能ベストであって、
患者の胴体に装着されるように構成されたベスト衣類と、前記ベスト衣類は、衣類前部と、衣類後部と、少なくとも前記衣類後部上またはその中に組み込まれた膨張可能ブラダーとを備え、前記衣類後部は、患者の背中に押し付けられるように構成された内側表面と、前記内側表面に凹状に設けられた少なくとも1つの聴診器凹部とを含み、
少なくとも1つの聴診器と、前記少なくとも1つの聴診器の各聴診器は、ベルと、前記ベルにわたるダイアフラムと、前記ベルから離れるほうに延在する圧力チューブとを備え、各聴診器は、前記ダイアフラムが前記内側表面と同一平面となる様式で前記ベルが前記少なくとも1つの聴診器凹部のうちの1つのそれぞれの聴診器凹部内に収まるようにサイズ決めされており、
前記少なくとも1つの聴診器の各聴診器の前記圧力チューブ内に位置付けられたそれぞれのマイクロフォンを含む少なくとも1つのマイクロフォンと、
を備え、
前記膨張可能ベストは、前記少なくとも1つの聴診器が前記少なくとも1つの聴診器凹部内に置かれ、前記膨張可能ベストが患者によって装着され、前記膨張可能ブラダーが膨張されたときに、前記少なくとも1つの聴診器の前記ダイアフラムが前記患者の背中に押し付けられるように構成されている、膨張可能ベスト。
【請求項2】
前記少なくとも1つの聴診器が前記ベスト衣類に取り外し可能に取り付けられるように、前記膨張可能ベストはモジュール式である、請求項1に記載の膨張可能ベスト。
【請求項3】
前記ベスト衣類は、
内側表面を備えるアウターシェルと、
前記膨張可能ブラダーを画定し、外側表面および内側表面を備える膨張可能ライナーと、前記膨張可能ライナーの前記内側表面は、前記少なくとも1つの聴診器凹部を画定し、
連結器と、
を備え、
前記膨張可能ライナーの前記外側表面は、前記連結器によって前記アウターシェルの前記内側表面に取り外し可能に取り付けられる、請求項1に記載の膨張可能ベスト。
【請求項4】
前記少なくとも1つの聴診器は、聴診器のマトリックスを備え、前記聴診器のマトリックスは、前記膨張可能ライナーの前記内側表面に着脱可能に取り付けられる、請求項3に記載の膨張可能ベスト。
【請求項5】
前記膨張可能ライナーの前記内側表面は、複数のベル凹部および複数の圧力チューブチャネルを備える複数の聴診器凹部を備える、請求項4に記載の膨張可能ベスト。
【請求項6】
前記聴診器マトリックスは、前記聴診器のマトリックスに接続された電子出力ポートをさらに備える、請求項4に記載の膨張可能ベスト。
【請求項7】
前記電子出力ポートは、ケーブルポート、ワイヤレス送信機、またはそれらの組合せを備え、前記マイクロフォンによって捕捉されたデータをコンピューティングシステムに送信するように構成されている、請求項6に記載の膨張可能ベスト。
【請求項8】
前記膨張可能ライナーの前記内側表面は、前記出力ポートをその中に受容および保持する電子出力ポート凹部をさらに備える、請求項6に記載の膨張可能ベスト。
【請求項9】
前記複数のベル凹部の各々は、ベル形状を画定する内壁と、前記内壁の周囲から内側に半径方向に延在するリップとを備え、前記リップは、弾性変形可能な材料を備える、請求項5に記載の膨張可能ベスト。
【請求項10】
前記圧力チューブチャネルの各々は、それぞれの圧力チューブをその中に受容するためにその長さに沿って開口部を有するチューブ形状を画定する内壁を備える、請求項5に記載の膨張可能ベスト。
【請求項11】
前記内壁は、弾性変形可能な材料を備える、請求項10に記載の膨張可能ベスト。
【請求項12】
前記開口部は、前記圧力チューブの直径よりも小さい幅を有する、請求項11に記載の膨張可能ベスト。
【請求項13】
前記連結器は、前記アウターシェルの前記内側表面に取り付けられた第1の対のジッパー半体と、前記膨張可能ライナーの前記外側表面に取り付けられた第2の対のジッパー半体とを備え、前記第1の対のジッパー半体は、前記第2の対のジッパー半体にジッパー留めされる、請求項3に記載の膨張可能ベスト。
【請求項14】
前記連結器は、前記膨張可能ライナーの前記外側表面に取り付けられたフックパッチおよびループパッチの1つまたは複数と、前記アウターシェルの前記内側表面に取り付けられたフックパッチおよびループパッチの1つまたは複数とを備える、請求項3に記載の膨張可能ベスト。
【請求項15】
前記膨張可能ライナーは、前記膨張可能ブラダーに接続された膨張ポートと、前記膨張可能ブラダーに接続された圧力ポートとを備える、請求項3に記載の膨張可能ベスト。
【請求項16】
バルブ連結器を備えるベスト膨張バルブをさらに備え、前記バルブ連結器は、前記膨張ポートに着脱可能に取り付けられる、請求項15に記載の膨張可能ベスト。
【請求項17】
ゲージ連結器を備えるアネロイド圧力計ゲージをさらに備え、前記ゲージ連結器は、前記圧力ポートに着脱可能に取り付けられる、請求項15に記載の膨張可能ベスト。
【請求項18】
請求項3に記載の前記膨張可能ベストを組み立てる方法であって、
前記連結器を使用して前記膨張可能ライナーを前記アウターシェルに連結することと、
前記少なくとも1つの聴診器凹部内に前記少なくとも1つの聴診器を位置付けることと、
を備える、方法。
【請求項19】
患者の呼吸評価を行う方法であって、
前記膨張可能ベストを患者に着せ掛けることと、
前記少なくとも1つの聴診器を前記患者の背中に押し付けるように前記膨張可能ブラダーを膨張させることと、
前記少なくとも1つの聴診器によって生成された呼吸信号を、前記膨張可能ベストから、前記膨張可能ベストから遠隔にある受信機に送信することと、
を備える、方法。
【請求項20】
前記膨張可能ベストは、心拍数モニタおよびパルスオキシメータをさらに備え、前記方法は、心拍数信号および血中酸素信号を、前記膨張可能ベストから、前記膨張可能ベストから遠隔にある受信機に送信することをさらに備える、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001] 本願は、2020年11月20日出願の米国特許出願第16/953,810号の優先権を主張するものであり、該出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
[0002] 本発明は、遠隔医療のドクター予約および呼吸評価に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 医師が遠隔医療診療中に患者に対して正確な呼吸評価を行うことは困難である。正確な評価は、医師が従来の聴診器を装着しながら患者の呼吸および心音を聴くことができるように対面で行うのが最良である。医師が在宅患者の肺音および心音を聴くことを可能にするデバイスおよびシステムが必要とされている。医師、看護師、または臨床医が、スマートフォンのアプリケーションを介して、またはポータルを通じて呼吸評価を正確に実行することを可能にするデバイス、システム、および方法も必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本発明の目的は、オンライン遠隔医療診療中に在宅患者に対して呼吸評価を行う正確な方法を医師に提供することである。
【0005】
[0005] 本発明の目的は、在宅患者および医師の両方にとって使用が容易であり、製造が容易な低コストの構成要素を使用する呼吸評価デバイスおよびシステムを提供することである。
【0006】
[0006] 本発明の目的は、補完的なデジタルソリューションへのデータ変換、およびPatientHubアプリケーションまたはスマートフォンアプリケーション等を通じたアップロードを可能にするシステムおよび経路を提供することである。
【0007】
[0007] 本発明によれば、チューブによって出力ポートに接続された1つまたは複数の聴診器リスニングデバイスを、例えばベストの後身頃(背部)に備える膨張可能ベストが提供される。出力ポートは、物理的特性出力ポート、電子情報出力ポート、またはそれらの組合せであり得る。リスニングデバイスの数およびそれらの位置は様々であり得る。単数または複数の聴診器デバイスの近くのチューブは、導体リレーへの音を増幅するための小型マイクロフォンを含むことができる。リレーは、例えば、ベストの側部、前部、または下部にある、ベストのUSBポートに接続することができる。患者は、USBコードを使用して、ベストをモバイルデバイス、ラップトップ、または他のコンピュータもしくはプロセッサに接続することができる。ワイヤレス信号送信を使用することもできる。
【0008】
[0008] 本発明は、添付図面を参照するとより十分に理解することができる。図面は、本教示の例示を意図しており、限定は意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0009] 本発明の一実施形態に係る膨張可能ベストの閉じた構成での正面図である。
【
図2】[0010]
図1に示される膨張可能ベストの開いた構成での正面図である。
【
図3】[0011]
図1および
図2に示される膨張可能ベストの一部として使用することができる増幅聴診器の拡大図である。
【
図4A】[0012] 本発明の様々な実施形態に係るモジュール式膨張可能ベストのアウターシェルの閉じた構成での正面図である。
【
図4B】[0013]
図4Aに示されるアウターシェルの開いた構成での正面図である。
【
図5A】[0014] 本発明の様々な実施形態に係る、
図4Aおよび
図4Bに示されるアウターシェルと共に使用することができる、閉じた構成での膨張可能ライナーの正面図である。
【
図5B】[0015]
図5Aに示される膨張可能ライナーの閉じた構成での背面図である。
【
図5C】[0016]
図5Aに示される膨張可能ライナーの開いた構成での正面図であり、本発明の様々な実施形態に係る聴診器アセンブリまたはマトリックスを入れておくための聴診器凹部および圧力チューブチャネルを示す。
【
図5D】[0017]
図5Cの線5D-5Dに沿って得られる断面図であり、聴診器凹部の内側を示す。
【
図5E】[0018]
図5Cの線5E-5Eに沿って得られる断面図であり、2つの隣接する圧力チューブチャネルの断面を示し、圧力チューブは仮想線で示されている。
【
図6A】[0019]
図5A~
図5Eに示される膨張可能ライナーと共に使用することができる、本発明の様々な実施形態に係る聴診器マトリックスの正面図である。
【
図6B】[0020]
図6Aに示される聴診器608、およびマイクロフォンが中に位置付けられているその関連する圧力チューブの拡大断面図である。
【
図7】[0021]
図4A~
図6Bに示されるモジュール式膨張可能ベスト構成要素と共に使用することができる再使用できる構成要素の集合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0022] 様々な実施形態によれば、本発明は、呼吸評価のための膨張可能ベストを提供する。ベストは、例えば遠隔医療の予約を含む多くの用途に有用であり得る。膨張可能ベストは、患者の胴体に装着されるように構成されたベスト衣類を備えることができる。ベスト衣類は、衣類前部と、衣類後部と、膨張可能ブラダー(inflatable bladder)とを備える。膨張可能ブラダーは、少なくとも衣類後部上またはその中に組み込まれ得る。衣類後部は、患者の背中に押し付けられるように構成された内側表面と、内側表面に凹状に設けられた少なくとも1つの聴診器凹部とを含むことができる。膨張可能ベストは、少なくとも1つの聴診器を備えることができる。聴診器または各聴診器は、ベルと、ベルにわたるダイアフラムと、ベルから離れるほうに延在する圧力チューブとを備えることができる。1つまたは複数の聴診器のうちの1つまたは複数、および全部または一部は、ベルが少なくとも1つの聴診器凹部のうちの1つのそれぞれの聴診器凹部内に収まるようにサイズ決めされ得る。ダイアフラムが衣類後部の内側表面と同一平面となるように収まることができる。少なくとも1つのマイクロフォンが設けられ、少なくとも1つの聴診器の少なくとも1つの圧力チューブ内に位置付けられる。膨張可能ベストは、少なくとも1つの聴診器が少なくとも1つの聴診器凹部内に置かれ、膨張可能ベストが患者によって装着され、膨張可能ブラダーが膨張されたときに、少なくとも1つの聴診器のダイアフラムが患者の背中に押し付けられるように構成されている。
【0011】
[0023] 膨張可能ベストは、少なくとも1つの聴診器がベスト衣類に取り外し可能に取り付けられるようにモジュール式とすることができる。例えば、膨張可能ベストは、内側表面を有するアウターシェルと、膨張可能ライナーと、連結器とを備えることができる。膨張可能ライナーは、膨張可能ブラダーを画定しており、外側表面および内側表面を有することができる。膨張可能ライナーの内側表面は、少なくとも1つの聴診器凹部を画定することができる。膨張可能ライナーの外側表面は、連結器によってアウターシェルの内側表面に取り外し可能に取り付けられ得る。連結器は、例えば、ジッパー、ボタン、面ファスナ、バックル、タイ、スナップ、クリップ、磁気ボタン、留め金、感圧接着剤、レース、およびそれらの組合せ等を備えることができる。
【0012】
[0024] 聴診器は、聴診器のマトリックスの一部であり得る。聴診器のマトリックスは、膨張可能ライナーの内側表面に着脱可能に取り付けられ得る。膨張可能ライナーの内側表面は、複数の聴診器ベル凹部および複数の聴診器圧力チューブチャネルを備える複数の聴診器凹部を備えることができる。聴診器マトリックスはさらに、聴診器のマトリックスに接続された電子出力ポートを備えることができる。電子出力ポートは、ケーブルポート、ワイヤレス送信機、またはそれらの組合せを備えることができ、マイクロフォンによって捕捉されたデータをコンピューティングシステム、記録システム、またはそれらの組合せ等に送信するように構成され得る。膨張可能ライナーの内側表面はさらに、電子出力ポートをその中に受容および保持する電子出力ポート凹部を備えることができる。
【0013】
[0025] 複数のベル凹部の各々は、ベル形状を画定する内壁と、内壁の周囲から内側に半径方向に延在するリップとを備えることができる。リップは、弾性変形可能な材料を備えることができる。圧力チューブチャネルの各々は、その長さに沿って開口部を有するチューブ形状を画定する内壁を備えることができる。開口部は、チャネル内にそれぞれの圧力チューブを受容するように構成され得る。内壁は、弾性変形可能な材料を備えることができる。開口部は、圧力チューブの直径よりも小さい幅を有することができる。
【0014】
[0026] 連結器は、アウターシェルの内側表面に取り付けられた第1の対のジッパー半体と、膨張可能ライナーの外側表面に取り付けられた第2の対のジッパー半体とを備えることができる。第1の対のジッパー半体は、第2の対のジッパー半体にジッパー留めされ得る。連結器は、膨張可能ライナーの外側表面に取り付けられたフックパッチおよびループパッチの1つまたは複数と、アウターシェルの内側表面に取り付けられたフックパッチおよびループパッチの1つまたは複数とを備えることができる。膨張可能ライナーは、膨張可能ブラダーに接続された膨張ポートと、膨張可能ブラダーに接続された圧力ポートとを備えることができる。膨張可能ベストはさらに、バルブ連結器を含むベスト膨張バルブを備えることができる。バルブ連結器は、膨張ポートに着脱可能に取り付けられ得る。膨張可能ベストはさらに、ゲージ連結器を備えるアネロイド圧力計ゲージを備えることができる。ゲージ連結器は、圧力ポートに着脱可能に取り付けられ得る。
【0015】
[0027] 本発明の様々な実施形態によれば、本明細書に記載のモジュール式膨張可能ベストを組み立てる方法が提供される。本方法は、連結器を使用して膨張可能ライナーをアウターシェルに連結することを備えることができる。本方法は、少なくとも1つの聴診器凹部内に少なくとも1つの聴診器を位置付けることを備えることができる。本方法は、膨張可能ライナーを膨張させることを備えることができる。本方法は、呼吸評価を表す信号を膨張可能ベストから遠隔地に送ることを備えることができる。
【0016】
[0028] 本発明はまた、患者の呼吸評価を行う方法を提供する。本方法は、膨張可能ベストを患者に着せ掛けることと、少なくとも1つの聴診器を患者の背中に押し付けるように膨張可能ブラダーを膨張させることとを備えることができる。本方法は、少なくとも1つの聴診器によって生成された呼吸信号を、膨張可能ベストから、膨張可能ベストから遠隔にある受信機に送信することを備えることができる。膨張可能ベストはさらに、心拍数モニタおよびパルスオキシメータを備えることができる。本方法はさらに、心拍数信号および血中酸素信号を、膨張可能ベストから、膨張可能ベストから遠隔にある受信機に送信することを備えることができる。
【0017】
[0029] 次に図面を参照すると、
図1は、本発明の一実施形態に係る膨張可能ベスト100を示す。膨張可能ベスト100は、後身頃102と、右前身頃104と、左前身頃108とを備える。右前身頃104は折り目105で終端し、左前身頃108は折り目109で終端する。膨張可能ベスト100は、ベスト上部112と、ベスト下部116と、右側部120と、左側部124と、3つの右ストラップ128、129、および130と、3つの左ストラップ132、133、および134とを有する。3つの右ストラップ128、129、および130の各々は、それぞれのバックル受けで終端する。右ストラップ128のバックル受けは、参照番号136で示されている。3つの左ストラップ132、133、および134の各々は、それぞれのバックルで終端する。左ストラップ132用のバックルは、参照番号140で示されている。ストラップおよびバックルが図示されているが、他のベストファスナ、例えば、ジッパー、ボタン、面ファスナ、およびそれらの組合せ等を使用することができる。
【0018】
[0030] 左側部124に沿ってサイドポケット144があり、その中にアネロイド圧力計ゲージ152用の圧力チューブ148が延在する。ベストを膨張させるため、例えば、後身頃102、右前身頃104、左前身頃108、またはそれらの組合せの内側の1つまたは複数の膨張可能ブラダーを膨張させるために、ベスト膨張バルブ(bulb)156を圧搾して圧力チューブ160を通して空気を圧送することができる。圧力チューブ160の途中に空気逃し弁164が設けられており、それにより、例えば、使用していないとき、保管されているとき、または患者が膨張可能ベストを身に付けるときに、膨張可能ベスト100をしぼませておくことができる。
【0019】
[0031] 出力ポート168が設けられており、信号送信デバイス、例えば、セル電話、モバイルデバイス、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スマートウォッチ、タブレット、ルータ、モデム、ハブ、またはスマートスピーカ等への膨張可能ベスト100の電気接続および/またはデータ転送通信を可能にする。そのような目的のために、USBケーブル172または他の好適なケーブルが提供され得る。
【0020】
[0032]
図2および
図3に示されるように、リスニングカップ205を有する第1の聴診器204が、第1の聴診器204の平らなリスニングベル面206が露出するように、例えば、内面103と同一平面となるように、後身頃102の内面103に嵌められている。空気圧チューブ220が、後身頃102の内側で第1の聴診器204から延在し、第1の聴診器204からの音波および圧力波を圧力チューブ220内のマイクロフォン(
図4)に向かって伝播させる。マイクロフォンからの電気信号が、ワイヤを介して通信され、ワイヤのうちの1つまたは複数は、出力ポート168まで遮蔽されていてもよいし、または遮蔽されていなくてもよい。第2の聴診器208、第3の聴診器212、および第4の聴診器216も同様に、膨張可能ベスト100に、例えば、やはり後身頃102に嵌めることができる。聴診器208、212、および216の各々は、平らなリスニングベル面210、214、218をそれぞれ含む。聴診器208、212、および216は、平らなリスニングベル面210、214、および218が露出することができ、後身頃102の内面103と同一平面となるように後身頃102に嵌められ得る。第1の聴診器204のための接続部およびマイクロフォンと同様に、聴診器208、212、および216の各々は、例えば、空気圧チューブ、圧力チューブ、プラスチックチューブ、1つまたは複数のワイヤ、遮蔽ワイヤ、導管、またはそれらの組合せ等を介して、出力ポート168に接続され得る。
図2に示されるように、聴診器208、212、および216の各々は、それぞれのコネクタ、例えば、図示されている空気圧チューブ222、224、および226を介して出力ポート168に接続される。以下でより詳細に説明するように、それぞれのマイクロフォンおよび対応する配線が、空気圧チューブ222、224、および226の各々の中に設けられる。
【0021】
[0033] コネクタ220、222、224、および226は、必ずしも圧力チューブまたは任意の他のタイプの導管である必要はなく、単純に、聴診器204、208、212、および216の各々から出力ポート168に至るワイヤを備えることができる。この点に関して、聴診器204、208、212、および216各々の内部にマイクロフォンを含めることができ、その結果、聴診器からのマイクロフォン信号を出力ポート168に送るために電気配線のみが設けられる。
【0022】
[0034] 本発明の一実施形態によれば、音波、圧力パルス、電気信号、およびそれらの組合せ等(「信号」と総称する)が、コネクタ220、222、224、および226に沿って送られ得る。コネクタ220、222、224、および226のうちの1つまたは複数に沿って送られた信号は、他のコネクタのうちの1つまたは複数に沿って送られた信号とマージすることができる。これにより、それぞれのマイクロフォンが拾った音声信号を合成して単一の合成信号を形成することができる。例えば、第1の聴診器204によって発せられるまたはそれから生じるマイクロフォン信号は、第3の聴診器212によって発せられるまたはそれから生じるマイクロフォン信号と合成またはマージされて、合成信号を形成することができ、合成信号は、共通のコネクタ232に沿って出力ポート168に送信され得る。同様に、第2の聴診器208からの信号は、コネクタ224に沿って進むことができ、コネクタ226に沿って進む第4の聴診器216からの信号とマージし得るか、または独立して出力ポート168に転送され得る。
【0023】
[0035] 様々な実施形態によれば、コネクタ220、222、224、および226の各々に沿って送られるそれぞれの信号は、出力ポート168において受信され、そこから転送され得る別個の信号として維持され得る。別個に保たれる場合、医師、看護師、または臨床医(本明細書では「診断医」という)は、4つの異なる聴診器のうちの1つによって生成されたマイクロフォン信号のみに独立して焦点を合わせることができる。例えば、第1の聴診器204および第3の聴診器212からの信号は、マージまたは合成することなく、出力ポート168に独立して進むことができる。コネクタ220、222、224、および226に沿って進む信号は、マニホールドチューブ232に沿ってマージまたは共同で進むことができ、マニホールドチューブ232は次に出力ポート168に報告するまたは信号を提供する。マイクロフォン信号を別個に維持することによって、診断医は、患者の左肺の音だけ、患者の右肺の音だけ、患者の左肺上部の音だけ、患者の左肺下部の音だけ、患者の右肺上部の音だけ、または患者の右肺下部の音だけに焦点を合わせることができる。
【0024】
[0036] 出力ポート168は、ワイヤレス出力信号送信ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せ等を備えることができる。出力ポート168は、イーサネット(登録商標)ポート、USBポート、同軸ポート、ファイヤワイヤポート、または任意の他のワイヤ接続ジャックを備えることができる。出力ポート168は、例えば、信号プロセッサ、信号増幅器、ノイズゲート、信号圧縮器、信号フィルタ、またはそれらの組合せ等を含むことができる集積回路を備えることができる、またはその一部であることができる。
【0025】
[0037]
図4A~
図7は、分離可能な構成要素を有するモジュール式膨張可能ベストを含む、本発明の一実施形態を例示する。モジュール式膨張可能ベストは、アウターシェル400と、膨張可能ライナー500と、聴診器マトリックス600とを含む。本発明はさらに、モジュール式膨張可能ベストに取り付け可能な複数の追加の構成要素を含むことができる。分離可能な構成要素を有するモジュール式膨張可能ベストにより、膨張可能ベストを分解、改造、部分的または全体的に再使用、包装、そして容易に洗浄することが可能になる。
【0026】
[0038]
図4Aおよび
図4Bは、アウターシェル400を例示する。アウターシェル400は、後身頃402と、右前身頃404と、左前身頃408とを備える。右前身頃404は折り目405で終端し、左前身頃408は折り目407で終端する。アウターシェル400は、上部412と、下部416と、右側部420と、左側部424と、3つの右ストラップ428、429、および430と、3つの左ストラップ432、433、および434とを有する。3つの右ストラップ428、429、および430の各々は、それぞれのバックル受けで終端する。右ストラップ428のバックル受けは、参照番号436で示されている。3つの左ストラップ432、433、および434の各々は、それぞれのバックルで終端する。左ストラップ432用のバックルは、参照番号440で示されている。左側部424に沿って、第1の開口部444があり、アネロイド圧力計ゲージ用の圧力チューブを膨張可能ライナーに接続するための隙間を提供する。第2の開口部468が、左前身頃408を貫通して画定されており、ケーブルを聴診器マトリックスの出力ポートに接続するための隙間を提供する。第3の開口部465が、右前身頃404を貫通して画定されており、ベスト膨張バルブを膨張可能ライナーに接続するための隙間を提供する。
【0027】
[0039]
図4Bは、バックル受けおよびバックルが取り外された、開位置にあるアウターシェル400を例示し、後身頃402の内側表面403、右前身頃404の内側表面、および左前身頃408の内側表面を示す。内側表面403、ならびに右前身頃404および左前身頃408の内側表面は、複数の連結器を含むことができ、これら連結器は、膨張可能ライナーの連結器と着脱可能に接続して、膨張可能ライナーをアウターシェル400の内側表面403ならびに右前身頃404および左前身頃408の内側表面に着脱可能に保持する。
図4Bに示されるように、第1の下側フックパッチ482および第2の下側フックパッチ484が、下部416に隣接してその上方で後身頃402の内側表面403に縫い付けられ得る。上側フックパッチ480が、上部412に隣接してその下方で後身頃402の内側表面403に縫い付けられ得る。連結器はさらに、第1の対のジッパー半体476、478を含むことができる。例えば、右シェルジッパー半体476が、右前身頃404の実質的な高さに沿って内側表面に縫い付けられ得、左シェルジッパー半体478が、左前身頃408の実質的な高さに沿って内側表面に縫い付けられ得る。第1の下側フックパッチ482、第2の下側フックパッチ484、および上側フックパッチ480は、膨張可能ライナーのそれぞれのループパッチに着脱可能に接続する。
【0028】
[0040] 同様に、右シェルジッパー半体476および左シェルジッパー半体478は、膨張可能ライナーのそれぞれのジッパー半体にジッパー留めされ、それによって、膨張可能ライナーをアウターシェル400に着脱可能に取り付けまたは連結する。面ファスナおよびジッパーが特定の場所に図示されているが、同じまたは他のファスナを他の場所に使用することができる。他のファスナには、これらに限定されないが、ボタン、バックル、タイ、スナップ、クリップ、磁気ボタン、留め金、感圧接着剤、レース、およびそれらの組合せ等が含まれ得る。
【0029】
[0041]
図5A~
図5Cは、膨張可能ライナー500を例示する。膨張可能ライナー500は、後身頃502と、右前身頃504と、左前身頃508とを備える。右前身頃504は折り目505で終端し、左前身頃508は折り目507で終端する。膨張可能ライナー500は、上部512と、下部516と、右側部520と、左側部524とを有する。第1のポート565が、右前身頃504上にある。第1のポート565は、膨張可能ブラダーへと開く弁を含むことができる。膨張可能ライナー500は、内壁と、外壁と、壁間の膨張可能な空間とを有することができ、膨張可能ブラダーを画定する。そのため、膨張可能ライナー500は膨張可能ブラダーを有すると言うことができる。
【0030】
[0042] 第1のポート565の弁は、ベスト膨張バルブの連結器が第1のポート565に接続されたときに開くことができ、その結果、ベスト膨張バルブをポンピングさせて膨張可能ブラダーを空気で膨張させることができる。連結器は、例えば、空気ポンプをタイヤ弁ステムに固定するために使用されるタイプのねじ接続部を備えることができる。例えば、圧力洗浄機ノズルを圧力洗浄機スプレーワンドに接続するために使用される連結器など、ばね荷重玉軸受および溝を備える、他の連結器を使用することができる。第2のポート544が、左前身頃508上に位置する。第2のポート544は、膨張可能ライナー500の膨張可能ブラダーへと開く弁を含むことができる。第2のポート544の弁は、アネロイド圧力計ゲージの連結器が第2のポート544に接続されたときに開くことができ、その結果、アネロイド圧力計ゲージは、膨張可能ブラダーの内部のガス圧力を測ることができる。膨張可能ライナー500は、左身頃508を貫通する開口部548を含むことができ、ケーブルを聴診器マトリックスの出力ポートに接続するための隙間を提供する。
【0031】
[0043]
図5Aおよび
図5Bは、後身頃502の外側表面501と、膨張可能ライナー500の右前身頃504および左前身頃508の外側表面とを例示する。膨張可能ライナー500の外側表面は、アウターシェルの連結器と着脱可能に接続するための複数の連結器を含むことができる。例えば、
図5Aは、右前身頃504の実質的な高さに沿って外側表面に縫い付けられた右ライナージッパー半体576と、左前身頃508の実質的な高さに沿って外側表面に縫い付けられた左ライナージッパー半体578とを含む、第2の対のジッパー半体576、578を示す。
図5Bは、下部516に隣接してその上方で後身頃502の外側表面501に縫い付けられた第1の下側ループパッチ582および第2の下側ループパッチ584を示す。上側ループパッチ580が、上部512に隣接してその下方で後身頃502の外側表面501に縫い付けられ得る。第1の下側ループパッチ582、第2の下側ループパッチ584、および上側ループパッチ580は、上述のように、アウターシェルのそれぞれのフックパッチに着脱可能に接続することができる。同様に、右ライナージッパー半体576および左ライナージッパー半体578は、上述のように、アウターシェルのそれぞれのジッパー半体にジッパー留めされ得る。面ファスナおよびジッパーが特定の場所に図示されているが、同じまたは他のファスナを他の場所に使用することができる。他のファスナには、これらに限定されないが、ボタン、バックル、タイ、スナップ、クリップ、磁気ボタン、留め金、レース、およびそれらの組合せ等が含まれ得る。
【0032】
[0044]
図5Cは、膨張可能ライナー500の後身頃502の内側表面503を例示する。内側表面503は、聴診器マトリックスを内部に収めて保持するための凹部およびチャネルを含む。特に、後身頃502の内側表面503は、第1のベル凹部511、第2のベル凹部513、第3のベル凹部515、および第4のベル凹部517を含むことができる。各ベル凹部511、513、515、517は、聴診器マトリックスのそれぞれのベルを受容するように成形された内壁598によって画定されており、各ベル凹部511、513、515、517は、それぞれの聴診器をその中に保持するために、ベル凹部511、513、515、517の外縁から内側に延在する保持リップ595を含む。左側身頃の内側表面はさらに、出力ポートを内部に収めて保持するための出力ポート凹部568を含むことができる。第1のチャネル520が、第1のベル凹部511から出力ポート凹部568まで延在することができ、第2のチャネル524が、第2のベル凹部513から出力ポート凹部568まで延在することができ、第3のチャネル522が、第3のベル凹部515から出力ポート凹部568まで延在することができ、第4のチャネル526が、第4のベル凹部517から出力ポート凹部568まで延在することができる。チャネル520、522、524、526は、それぞれのコネクタ、例えば圧力チューブを、それぞれその中に収めて保持する。
【0033】
[0045]
図5Dは、
図5Cに示される線5D-5Dに沿って得られる断面図であり、膨張可能ライナーの後身頃502および第2のベル凹部513を例示する。膨張可能ライナー500の後身頃502は、ライナー内側表面503を画定する前壁594と、ライナー外側表面501を画定する後壁592とを含む。膨張可能ブラダー590が、前壁594と後壁592との間に配設され、それらによって画定され、それらを備える。第2のベル凹部513は、前壁594に凹状に設けられた内壁598によって画定される。
【0034】
[0046] 上述のように、保持リップ595は、内壁598の周囲から第2のベル凹部513の中心に向かって内側に半径方向に延在する。保持リップ595は、ゴム、シリコンなどの可撓性および弾力性材料、または別の可撓性ポリマー材料から作製され得る。聴診器のベルは、保持リップ595を引き伸ばして変形させて第2のベル凹部513の開口部を広げることによって、第2のベル凹部513の内側に入れられ得る。保持リップ595は、弾性変形可能であり、引き伸ばされた後に元の形状に戻って聴診器ベルを収容し、ベルを第2のベル凹部513内に保持する。次いで、保持リップ595を引き伸ばして変形させて、聴診器ベルを第2のベル凹部513から取り外すことができる。
【0035】
[0047]
図5Eは、
図5Cの線5E-5Eに沿って得られる断面図であり、膨張可能ライナー500の後身頃502を例示し、第1のチャネル520および第3のチャネル522の断面を示す。圧力チューブ(図示せず)は仮想線で示されている。膨張可能ライナー500の後身頃502は、内側のライナー表面503を画定する前壁594と、外側のライナー表面501を画定する後壁592とを含む。膨張可能ブラダー590のガス受入空洞は、前壁594と後壁592との間に配設されている。第1のチャネル520および第3のチャネル522は、内壁585によって画定されており、各々がチューブ形状を有する。第1のチャネル520および第3のチャネル522の各々は、引き伸ばされて聴診器アセンブリまたはマトリックスのそれぞれの第1および第3のコネクタを受容するための長手方向開口部をその長さに沿って有する。コネクタは、圧力チューブを備えることができる、または圧力チューブとすることができる。例えば、第1のチャネル520および第3のチャネル522は、引き伸ばされ、
図6Aに示される聴診器マトリックス600のそれぞれの第1のコネクタ620および第3のコネクタ622を受容するように構成され得る。
【0036】
[0048] 内壁585および前壁594は、弾性変形可能な材料、例えば、ゴム、シリコンなどの可撓性および弾力性材料、または別のエラストマー材料、可撓性材料、および/もしくはポリマー材料で作製され得る。
図5Eに例示されるように、第1のチャネル520の内壁585は、第1のコネクタ620が第1のチャネル520の内側に収まることができるように、第1のコネクタ620の直径525よりも大きい直径523を有する。第1のチャネル520の開口部は、第1のコネクタ620の直径525よりも小さい幅521を有し、その結果、第1のチャネル520の開口部を引き伸ばしてコネクタまたは圧力チューブを第1のチャネル520内に挿入することができたら、第1のチャネル520を画定する材料は、弾性的に反発することができ、それにより第1のコネクタ620は第1のチャネル520内に保持され得る。
【0037】
[0049] 上述のように、前壁594および内壁585は、可撓性および弾力性材料から作製されており、それにより、第1のチャネル520の開口部を引き伸ばして変形させて、第1のコネクタ620が開口部を通り、第1のチャネル520に収まることができるように拡張させることができる。次いで、開口部は、その元の形状に弾力的に戻り、その結果、幅521は第1のコネクタ620の直径525よりも小さくなり、それによって、第1のコネクタ620を第1のチャネル520の内側に保持する。第1のチャネル520から第1のコネクタ620を取り外すために、前壁594を引き伸ばして変形させ、第1のコネクタ620を取り外すことができるように開口部のサイズを拡張させることができる。引き伸ばすことおよび変形させることは、第1のコネクタ620を第1のチャネル520から引き出すことを備えることができる。
【0038】
[0050]
図6Aは、聴診器マトリックス600を例示する。聴診器マトリックス600は、互いに接続された複数の聴診器を含むことができる。聴診器マトリックス600は、1つ、2つ、3つ、4つ、6つ、8つ、10個、12個、またはそれ以上の聴診器を含むことができる。聴診器は、一列に、円形に、アレイ状に、またはランダムに等で配置することができる。各聴診器は、それぞれの平らなリスニングベル面を有するそれぞれのベルを含むことができる。図示されているように、聴診器マトリックス600は、4つの聴診器を備え、4つの聴診器は、第1のベル604、第2のベル608、第3のベル612、および第4のベル616を含むことができる。第1のコネクタ620が、第1のベル604から電子出力ポート668まで延在し、第2のコネクタ624が、第2のベル608から電子出力ポート668まで延在し、第3のコネクタ622が、第3のベル612から電子出力ポート668まで延在し、第4のコネクタ626が、第4のベル616から電子出力ポート668まで延在する。上述のように、電子出力ポート668は、
図5A~
図5Eに示される膨張可能ライナー500の出力ポート凹部内に収まる。コネクタ620、622、624、626は、膨張可能ライナー500のそれぞれのチャネル内に収まり、ベル604、608、612、616は、膨張可能ライナー500のそれぞれのベル凹部内に収まる。そのため、平らなリスニングベル面は、後身頃502の内側表面503と同一平面となるように構成され得る。
【0039】
[0051]
図6Bは、
図6Aに示される第2のベル608および第2のコネクタ624の断面図である。第2のベル608は、ベルリム642およびベルダイアフラム640を有するベル本体644を含む。第2のベル608は、取付部646で第2のコネクタ624に接続される。この実施形態では、第2のコネクタ624は、空気圧チューブであり、空気圧チューブ内で第2のベル608からの音波および音圧波をマイクロフォン650に向かって伝播させる。マイクロフォン650からの電気信号は、
図6Aに関連して説明したように、電気ワイヤ652を介して電子出力ポート668に通信される。
【0040】
[0052]
図7は、
図4A~
図6Bに示されるモジュール式膨張可能ベストシステムに取り付け可能な様々な構成要素を例示する。ベスト膨張バルブ156は、バルブ連結器165によって膨張可能ベストまたは膨張可能ライナー上またはその中のポートに接続され得る。ベストまたはライナーを膨張させるため、例えば、膨張可能ベストまたは膨張可能ライナーの後身頃、右前身頃、左前身頃、またはそれらの組合せの内側の1つまたは複数の膨張可能ブラダーを膨張させるために、ベスト膨張バルブ156を圧搾して圧力チューブ160を通して空気を圧送することができる。圧力チューブ160の途中に空気逃し弁164が設けられており、それにより、例えば、使用していないとき、保管されているとき、または患者が膨張可能ベストまたは膨張可能ライナーを身に付けるときに、膨張可能ベストまたは膨張可能ライナーをしぼませておくことができる。空気逃がし弁164は、膨張可能ブラダーが過度に膨張して損傷するのを防止するように構成された圧力逃がし弁または構成要素を含むことができる。膨張可能ベストまたは膨張可能ライナー内に圧送されたガスが膨張可能ベストまたは膨張可能ライナーから直ちに流れ出ないように、ベスト膨張バルブ156の下流に一方向弁または構成要素が設けられ得る。
【0041】
[0053] アネロイド圧力計ゲージ152は、圧力チューブ148に接続されたゲージ連結器149によって、膨張可能ベストまたは膨張可能ライナー上またはその中のポートに接続され得る。アネロイド圧力計ゲージ152は、圧力チューブ148内からの、したがって膨張したベストまたは膨張したライナー内からの圧力読取り値を常に示す、常に浮いている指針を含むことができる。代替的に、アネロイド圧力計ゲージ152は、指針位置がリセットされるまで測定された最大圧力のみを示す指針システムを含むことができる。デジタルアネロイド圧力計ゲージも同様に使用することができる。
【0042】
[0054]
図7にも示されるように、USBケーブル172を使用して、それと共に使用するための膨張可能ベストまたは聴診器マトリックスの電子出力ポートをコンピューティングデバイスに接続して、例えば、聴診器マトリックスによって生成されたデータをコンピューティングデバイスに転送することができる。他のケーブルタイプ、ポート、およびコネクタ、例えば、イーサネットケーブル、ファイヤワイヤケーブル、マイクロUSBケーブル、同軸ケーブル、HDMI(登録商標)ケーブル、またはビデオケーブル等を使用することができる。
【0043】
[0055] 本発明は、自宅で、また診療所から遠隔にある他の場所で使用することができる。本発明を使用するために、患者は、ベストが患者の胸部を取り囲むように腕開口部に腕を通すことができる。次いで、患者は、ストラップのバックルを全部取り付けるか、またはそうでなければ、ベストを患者の身体にジッパーを上げて留めるもしくは固定することができる。次いで、患者は、バルブポンプまたは別のガスポンプを使用してベストの膨張可能ブラダーを膨らますことができ、それにより、ベストが患者の身体に押し付けられ、聴診器が患者の背中、胸部、側部、肩の上、またはいくつかのそのような身体部分に押し付けられる。1つまたは複数の膨張可能ブラダーは、聴診器が所望の時間にわたり患者の身体に押し付けられるように、空気またはガスを保持するように構成され得る。膨張可能ベストは、患者の皮膚にじかに接触して置かれ得るか、または衣服の上から使用され得る。マイクロフォンは、ユーザの肺、心臓、心肺腔、腹膜腔、またはそれらの組合せからの音を拾うことができる。例えば、鼓動、心拍、肺音(喘鳴およびクラックル等)、心臓および肺の周りの過剰な液体、血中酸素含有量、および血圧等を、本発明の膨張可能ベストを使用して検出することができる。
【0044】
[0056] 例えば、マイクロフォンまたはマイクロフォンデジタルコンバータによって、音波がデジタル化されると、音データは、ケーブル接続またはワイヤレス接続を介してコンピューティングデバイスに転送され得る。ワイヤレス通信のために、膨張可能ベストの電子出力ポートは、例えば、BLUETOOTH(登録商標)モジュール、またはWiFiモジュール等のワイヤレス通信デバイスを含むことができる。データは、ドクター、看護師、医師、もしくは臨床医に直接転送され得るか、または患者によって制御されるコンピューティングデバイスに最初に転送されてから、ドクター、看護師、医師、もしくは臨床医に送られ得る。データ転送は、インターネットを介して、イントラネットを介して、電話回線を介して、衛星接続を介して、またはケーブルテレビ回線を介して等で行うことができる。データは、ベストから、遠隔のドクター、看護師、医師、または臨床医のコンピューティングデバイスに直接送られ得る。
【0045】
[0057] コンピューティングデバイスは、音データをチャート等にマッピングすることによって音データを処理することができる。コンピューティングデバイスは、処理された音データを保存し、ドクターが音データを見て患者を診断することができるように構造化された形態で提示することができる。複数の聴診器により、患者の異なる部分を、例えば、個々に、まとめて、または任意の組合せで、モニタリングおよびマッピングすることが可能になる。
【0046】
[0058] 本発明の特定の実施形態では、音データを記憶し、過去または将来の音データと比較することができるシステムが提供される。例えば、患者は、本発明の膨張可能ベストを使用して、1日目の第1のデータを取得することができる。第1のデータは、処理されるように遠隔のドクターのコンピューティングデバイスに送られ得る。次いで、患者は、膨張可能ベストを使用して、2日目の第2のデータを取得することができ、第2のデータは、処理されるように遠隔のドクターのコンピューティングデバイスに再び送られ得る。第2のデータは、第1のデータと共に処理され、第1のデータと比較され得る。この方法は、数日、数週間、数か月、または数年にわたって続き、それにより、患者のデータを連続的に集めて比較し、患者の状態の変化をモニタリングすることができる。傾向を決定し、処置、例えば血液透析処置スケジュールおよびパラメータと比較することができる。次いで、呼吸評価を使用して、患者の健康および幸福を最適化し、処置および処置スケジュールの調整を行うことができる。
【0047】
[0059] 本開示において引用されるすべての参考文献の全内容が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、量、濃度、または他の値もしくはパラメータが範囲、好ましい範囲、または好ましい上限値および好ましい下限値のリストのいずれかとして与えられるとき、これは、任意の上限範囲または好ましい上限値と任意の下限範囲または好ましい下限値との任意のペアから形成されるすべての範囲を、そのような範囲が別個に開示されているかどうかにかかわらず特に開示するものとして理解されたい。数値の範囲が本明細書に記載されている場合、別途記載がない限り、範囲は、その終点、および範囲内のすべての整数ならびに分数を含むことを意図する。本発明の適用範囲が、範囲の規定時に記載された特定の値に限定されることを意図していない。
【0048】
[0060] 本明細書で言及されるすべての特許、特許出願、および出願公開は、別段の指示がない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0049】
[0061] 本発明の他の実施形態は、本明細書の参酌および本明細書に開示される本発明の実施から当業者には明らかになる。本明細書および例は、単に例示的なものとみなされ、本発明の真の適用範囲および要旨は、以下の特許請求の範囲およびその同等物によって示されることを意図している。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸評価のための膨張可能ベストであって、
患者の胴体に装着されるように構成されたベスト衣類と、前記ベスト衣類は、
内側表面を有するアウターシェルと、膨張可能ブラダーを画定し、外側表面および内側表面を有する膨張可能ライナーと、連結器とを備え、前記膨張可能ライナーの前記内側表面は、少なくとも1つの聴診器凹部を画定し、前記膨張可能ライナーの前記外側表面は、前記連結器によって前記アウターシェルの前記内側表面に取り外し可能に取り付けられ、前記膨張可能ライナーの前記内側表面は、患者の背中に押し付けられるように構成され
ており、
少なくとも1つの聴診器と、前記少なくとも1つの聴診器の各聴診器は、ベルと、前記ベルにわたるダイアフラムと、前記ベルから離れるほうに延在する圧力チューブとを備え、各聴診器は、前記ダイアフラムが
前記膨張可能ライナーの前記内側表面と同一平面となる様式で前記ベルが前記少なくとも1つの聴診器凹部のうちの1つのそれぞれの聴診器凹部内に収まるようにサイズ決めされており、
前記少なくとも1つの聴診器は、前記膨張可能ライナーに取り外し可能に取り付けられ、
前記少なくとも1つの聴診器の
それぞれの聴診器の前記圧力チューブ内に位置付けられたそれぞれのマイクロフォンを含む少なくとも1つのマイクロフォンと、
を備え、
前記膨張可能ベストは、前記少なくとも1つの聴診器が前記少なくとも1つの聴診器凹部内に置かれ、前記膨張可能ベストが患者によって装着され、前記膨張可能ブラダーが膨張されたときに、前記少なくとも1つの聴診器の前記ダイアフラムが前記患者の背中に押し付けられるように構成されている、膨張可能ベスト。
【請求項2】
前記少なくとも1つの聴診器は、聴診器のマトリックスを備え、前記聴診器のマトリックスは、
第1のベルと、前記第1のベルから延在する第1の圧力チューブと、第2のベルと、前記第2のベルから延在する第2の圧力チューブと、前記第1の圧力チューブおよび前記第2の圧力チューブに接続されたマニホールドチューブとを少なくとも備える、請求項
1に記載の膨張可能ベスト。
【請求項3】
前記膨張可能ライナーの前記内側表面は、複数のベル凹部および複数の圧力チューブチャネルを備える複数の聴診器凹部を備える、請求項
2に記載の膨張可能ベスト。
【請求項4】
前記聴診器マトリックスは、
前記マニホールドチューブによって前記聴診器のマトリックスに接続された電子出力ポートをさらに備える、請求項
2に記載の膨張可能ベスト。
【請求項5】
前記電子出力ポートは、ケーブルポート、ワイヤレス送信機、またはそれらの組合せを備え、前記
少なくとも1つのマイクロフォンによって捕捉されたデータをコンピューティングシステムに送信するように構成されている、請求項
4に記載の膨張可能ベスト。
【請求項6】
前記膨張可能ライナーの前記内側表面は、前記出力ポートをその中に受容および保持する電子出力ポート凹部をさらに備える、請求項
4に記載の膨張可能ベスト。
【請求項7】
呼吸評価のための膨張可能ベストであって、
患者の胴体に装着されるように構成されたベスト衣類と、前記ベスト衣類は、衣類前部と、衣類後部と、少なくとも前記衣類後部上またはその中に組み込まれた膨張可能ブラダーとを備え、前記衣類後部は、患者の背中に押し付けられるように構成された内側表面と、前記内側表面に凹状に設けられた複数の聴診器凹部とを含み、
聴診器のマトリックスと、前記聴診器のマトリックスの各聴診器は、ベルと、前記ベルにわたるダイアフラムと、前記ベルから離れるほうに延在する圧力チューブとを備え、前記聴診器のマトリックスの各聴診器は、前記ダイアフラムが前記内側表面と同一平面となる様式で前記ベルが前記少なくとも1つの聴診器凹部のうちの1つのそれぞれの聴診器凹部内に収まるようにサイズ決めされており、
前記少なくとも1つの聴診器の各聴診器の前記圧力チューブ内に位置付けられたそれぞれのマイクロフォンを含む少なくとも1つのマイクロフォンと、
を備え、
前記膨張可能ベストは、前記少なくとも1つの聴診器が前記少なくとも1つの聴診器凹部内に置かれ、前記膨張可能ベストが患者によって装着され、前記膨張可能ブラダーが膨張されたときに、前記少なくとも1つの聴診器の前記ダイアフラムが前記患者の背中に押し付けられるように構成されており、
前記ベスト衣類は、
内側表面を備えるアウターシェルと、
前記膨張可能ブラダーを画定し、外側表面および内側表面を備える膨張可能ライナーと、前記膨張可能ライナーの前記内側表面は、複数のベル凹部および複数の圧力チューブチャネルを備える前記複数の聴診器凹部を備え、
連結器と、
を備え、
前記膨張可能ライナーの前記外側表面は、前記連結器によって前記アウターシェルの前記内側表面に取り外し可能に取り付けられ、
前記聴診器のマトリックスは、前記膨張可能ライナーの前記内側表面に着脱可能に取り付けられ、
前記複数のベル凹部の各々は、ベル形状を画定する内壁と、前記内壁の周囲から内側に半径方向に延在するリップとを備え、前記リップは、弾性変形可能な材料を備える、膨張可能ベスト。
【請求項8】
前記圧力チューブチャネルの各々は、それぞれの圧力チューブをその中に受容するためにその長さに沿って開口部を有するチューブ形状を画定する内壁を備える、請求項
3に記載の膨張可能ベスト。
【請求項9】
前記内壁は、弾性変形可能な材料を備える、請求項
8に記載の膨張可能ベスト。
【請求項10】
呼吸評価のための膨張可能ベストであって、
患者の胴体に装着されるように構成されたベスト衣類と、前記ベスト衣類は、外側表面および内側表面を有するアウターシェルと、膨張可能ブラダーを画定し、外側表面および内側表面を有する膨張可能ライナーと、連結器とを備え、前記膨張可能ライナーの前記内側表面は、複数の聴診器凹部を画定し、前記膨張可能ライナーの前記外側表面は、前記連結器によって前記アウターシェルの前記内側表面に取り外し可能に取り付けられ、前記膨張可能ライナーの前記内側表面は、患者の背中に押し付けられるように構成され、前記複数の聴診器凹部の各聴診器凹部は、ベル凹部および圧力チューブチャネルを備え、
聴診器のマトリックスと、前記聴診器のマトリックスは、前記膨張可能ライナーの前記内側表面に着脱可能に取り付けられ、前記聴診器のマトリックスの各聴診器は、ベルと、前記ベルにわたるダイアフラムと、前記ベルから離れるほうに延在する圧力チューブとを備え、各聴診器は、それぞれの前記ダイアフラムが前記膨張可能ライナーの前記内側表面と同一平面となる様式でそれぞれの前記ベルが前記複数の聴診器凹部のうちの1つのそれぞれの聴診器凹部内に収まるようにサイズ決めされており、各圧力チューブは直径を有し、
前記聴診器のマトリックスのそれぞれの聴診器のそれぞれの圧力チューブ内に位置付けられたそれぞれのマイクロフォンを含む複数のマイクロフォンと、
を備え、
前記膨張可能ベストは、前記聴診器のマトリックスのそれぞれの聴診器が前記複数の聴診器凹部のそれぞれの聴診器凹部内に置かれ、前記膨張可能ベストが患者によって装着され、前記膨張可能ブラダーが膨張されたときに、前記それぞれの聴診器の前記ダイアフラムが前記患者の背中に押し付けられるように構成されており、
各圧力チューブチャネルは、その長さに沿って開口部を有するチューブ形状を画定する内壁を備え、それぞれの圧力チューブをその中に受容するように構成されており、
前記開口部は、前記それぞれの圧力チューブの前記直径よりも小さい幅を有する、膨張可能ベスト。
【請求項11】
前記連結器は、前記アウターシェルの前記内側表面に取り付けられた第1の対のジッパー半体と、前記膨張可能ライナーの前記外側表面に取り付けられた第2の対のジッパー半体とを備え、前記第1の対のジッパー半体は、前記第2の対のジッパー半体にジッパー留めされる、請求項
1に記載の膨張可能ベスト。
【請求項12】
前記連結器は、前記膨張可能ライナーの前記外側表面に取り付けられたフックパッチおよびループパッチの1つまたは複数と、前記アウターシェルの前記内側表面に取り付けられたフックパッチおよびループパッチの1つまたは複数とを備える、請求項
1に記載の膨張可能ベスト。
【請求項13】
前記膨張可能ライナーは、前記膨張可能ブラダーに接続された膨張ポートと、前記膨張可能ブラダーに接続された圧力ポートとを備える、請求項
1に記載の膨張可能ベスト。
【請求項14】
バルブ連結器を備えるベスト膨張バルブをさらに備え、前記バルブ連結器は、前記膨張ポートに着脱可能に取り付けられる、請求項
13に記載の膨張可能ベスト。
【請求項15】
ゲージ連結器を備えるアネロイド圧力計ゲージをさらに備え、前記ゲージ連結器は、前記圧力ポートに着脱可能に取り付けられる、請求項
13に記載の膨張可能ベスト。
【請求項16】
請求項
1に記載の前記膨張可能ベストを組み立てる方法であって、
前記連結器を使用して前記膨張可能ライナーを前記アウターシェルに連結することと、
前記少なくとも1つの聴診器凹部内に前記少なくとも1つの聴診器を位置付けることと、
を備える、方法。
【請求項17】
患者の呼吸評価を行う方法であって、
請求項1に記載の前記膨張可能ベストを患者に着せ掛けることと、
前記少なくとも1つの聴診器を前記患者の背中に押し付けるように前記膨張可能ブラダーを膨張させることと、
前記少なくとも1つの聴診器によって生成された呼吸信号を、前記膨張可能ベストから、前記膨張可能ベストから遠隔にある受信機に送信することと、
を備える、方法。
【請求項18】
前記膨張可能ベストは、心拍数モニタおよびパルスオキシメータをさらに備え、前記方法は、心拍数信号および血中酸素信号を、前記膨張可能ベストから、前記膨張可能ベストから遠隔にある受信機に送信することをさらに備える、請求項
17に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
[0061] 本発明の他の実施形態は、本明細書の参酌および本明細書に開示される本発明の実施から当業者には明らかになる。本明細書および例は、単に例示的なものとみなされ、本発明の真の適用範囲および要旨は、以下の特許請求の範囲およびその同等物によって示されることを意図している。
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
呼吸評価のための膨張可能ベストであって、
患者の胴体に装着されるように構成されたベスト衣類と、前記ベスト衣類は、衣類前部と、衣類後部と、少なくとも前記衣類後部上またはその中に組み込まれた膨張可能ブラダーとを備え、前記衣類後部は、患者の背中に押し付けられるように構成された内側表面と、前記内側表面に凹状に設けられた少なくとも1つの聴診器凹部とを含み、
少なくとも1つの聴診器と、前記少なくとも1つの聴診器の各聴診器は、ベルと、前記ベルにわたるダイアフラムと、前記ベルから離れるほうに延在する圧力チューブとを備え、各聴診器は、前記ダイアフラムが前記内側表面と同一平面となる様式で前記ベルが前記少なくとも1つの聴診器凹部のうちの1つのそれぞれの聴診器凹部内に収まるようにサイズ決めされており、
前記少なくとも1つの聴診器の各聴診器の前記圧力チューブ内に位置付けられたそれぞれのマイクロフォンを含む少なくとも1つのマイクロフォンと、
を備え、
前記膨張可能ベストは、前記少なくとも1つの聴診器が前記少なくとも1つの聴診器凹部内に置かれ、前記膨張可能ベストが患者によって装着され、前記膨張可能ブラダーが膨張されたときに、前記少なくとも1つの聴診器の前記ダイアフラムが前記患者の背中に押し付けられるように構成されている、膨張可能ベスト。
[C2]
前記少なくとも1つの聴診器が前記ベスト衣類に取り外し可能に取り付けられるように、前記膨張可能ベストはモジュール式である、C1に記載の膨張可能ベスト。
[C3]
前記ベスト衣類は、
内側表面を備えるアウターシェルと、
前記膨張可能ブラダーを画定し、外側表面および内側表面を備える膨張可能ライナーと、前記膨張可能ライナーの前記内側表面は、前記少なくとも1つの聴診器凹部を画定し、
連結器と、
を備え、
前記膨張可能ライナーの前記外側表面は、前記連結器によって前記アウターシェルの前記内側表面に取り外し可能に取り付けられる、C1に記載の膨張可能ベスト。
[C4]
前記少なくとも1つの聴診器は、聴診器のマトリックスを備え、前記聴診器のマトリックスは、前記膨張可能ライナーの前記内側表面に着脱可能に取り付けられる、C3に記載の膨張可能ベスト。
[C5]
前記膨張可能ライナーの前記内側表面は、複数のベル凹部および複数の圧力チューブチャネルを備える複数の聴診器凹部を備える、C4に記載の膨張可能ベスト。
[C6]
前記聴診器マトリックスは、前記聴診器のマトリックスに接続された電子出力ポートをさらに備える、C4に記載の膨張可能ベスト。
[C7]
前記電子出力ポートは、ケーブルポート、ワイヤレス送信機、またはそれらの組合せを備え、前記マイクロフォンによって捕捉されたデータをコンピューティングシステムに送信するように構成されている、C6に記載の膨張可能ベスト。
[C8]
前記膨張可能ライナーの前記内側表面は、前記出力ポートをその中に受容および保持する電子出力ポート凹部をさらに備える、C6に記載の膨張可能ベスト。
[C9]
前記複数のベル凹部の各々は、ベル形状を画定する内壁と、前記内壁の周囲から内側に半径方向に延在するリップとを備え、前記リップは、弾性変形可能な材料を備える、C5に記載の膨張可能ベスト。
[C10]
前記圧力チューブチャネルの各々は、それぞれの圧力チューブをその中に受容するためにその長さに沿って開口部を有するチューブ形状を画定する内壁を備える、C5に記載の膨張可能ベスト。
[C11]
前記内壁は、弾性変形可能な材料を備える、C10に記載の膨張可能ベスト。
[C12]
前記開口部は、前記圧力チューブの直径よりも小さい幅を有する、C11に記載の膨張可能ベスト。
[C13]
前記連結器は、前記アウターシェルの前記内側表面に取り付けられた第1の対のジッパー半体と、前記膨張可能ライナーの前記外側表面に取り付けられた第2の対のジッパー半体とを備え、前記第1の対のジッパー半体は、前記第2の対のジッパー半体にジッパー留めされる、C3に記載の膨張可能ベスト。
[C14]
前記連結器は、前記膨張可能ライナーの前記外側表面に取り付けられたフックパッチおよびループパッチの1つまたは複数と、前記アウターシェルの前記内側表面に取り付けられたフックパッチおよびループパッチの1つまたは複数とを備える、C3に記載の膨張可能ベスト。
[C15]
前記膨張可能ライナーは、前記膨張可能ブラダーに接続された膨張ポートと、前記膨張可能ブラダーに接続された圧力ポートとを備える、C3に記載の膨張可能ベスト。
[C16]
バルブ連結器を備えるベスト膨張バルブをさらに備え、前記バルブ連結器は、前記膨張ポートに着脱可能に取り付けられる、C15に記載の膨張可能ベスト。
[C17]
ゲージ連結器を備えるアネロイド圧力計ゲージをさらに備え、前記ゲージ連結器は、前記圧力ポートに着脱可能に取り付けられる、C15に記載の膨張可能ベスト。
[C18]
C3に記載の前記膨張可能ベストを組み立てる方法であって、
前記連結器を使用して前記膨張可能ライナーを前記アウターシェルに連結することと、
前記少なくとも1つの聴診器凹部内に前記少なくとも1つの聴診器を位置付けることと、
を備える、方法。
[C19]
患者の呼吸評価を行う方法であって、
前記膨張可能ベストを患者に着せ掛けることと、
前記少なくとも1つの聴診器を前記患者の背中に押し付けるように前記膨張可能ブラダーを膨張させることと、
前記少なくとも1つの聴診器によって生成された呼吸信号を、前記膨張可能ベストから、前記膨張可能ベストから遠隔にある受信機に送信することと、
を備える、方法。
[C20]
前記膨張可能ベストは、心拍数モニタおよびパルスオキシメータをさらに備え、前記方法は、心拍数信号および血中酸素信号を、前記膨張可能ベストから、前記膨張可能ベストから遠隔にある受信機に送信することをさらに備える、C19に記載の方法。
【国際調査報告】