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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-06
(54)【発明の名称】ソレノイド低摩擦軸受ライナー
(51)【国際特許分類】
   H01F 7/121 20060101AFI20231129BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
H01F7/16 F
F16K31/06 305G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528392
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-05-12
(86)【国際出願番号】 US2021072793
(87)【国際公開番号】W WO2022126107
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】63/124,362
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500149223
【氏名又は名称】サン-ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リッチ、デイヴィッド エー.
(72)【発明者】
【氏名】ディランド、ニコール エム.
【テーマコード(参考)】
3H106
5E048
【Fターム(参考)】
3H106DA22
3H106DB02
3H106DB12
3H106DB23
3H106DC02
3H106EE30
3H106GA26
3H106JJ02
5E048AD03
(57)【要約】

本開示は、低摩擦層を含み得るソレノイド用の低摩擦軸受ライナーに関する。低摩擦層は、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分と、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分全体に分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分と、を含んでもよい。第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分の含有量は、第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約99重量%以下であってもよい。第1の熱可塑性充填剤構成成分の含有量は、第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約99重量%以下であってもよい。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソレノイド用の低摩擦軸受ライナーであって、前記低摩擦軸受ライナーが第1の低摩擦層を備え、
前記第1の低摩擦層が、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分と、前記第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分全体に分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分と、を含み、
前記第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分の含有量が、前記第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約99重量%以下であり、
前記第1の熱可塑性充填剤構成成分の含有量が、前記第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約99重量%以下である、低摩擦軸受ライナー。
【請求項2】
ソレノイド用の低摩擦軸受ライナーであって、前記低摩擦軸受ライナーが第1の低摩擦層を備え、
前記第1の低摩擦層が、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分と、前記第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分全体に分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分と、を含み、
前記第1の低摩擦層が、少なくとも約0.01かつ約0.45以下の含有量比TFC-1WC/FMC-1WCを更に含む、低摩擦軸受ライナー。
【請求項3】
前記低摩擦軸受ライナーが、約0.20以下の非潤滑表面摩擦係数を有する、請求項1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
【請求項4】
前記第1の低摩擦層が、約0.20以下の非潤滑表面摩擦係数を有する、請求項1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
【請求項5】
摩耗率が摩擦計試験における破損前に完了した回転数に等しく、破損が、前記摩擦計試験中の定常状態値に対するCOFの50%の増加として定義される、少なくとも約32,000の前記摩耗率を更に含む、請求項1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
【請求項6】
前記第1の低摩擦層が、少なくとも約0.01かつ約100以下の含有量比TFC-1WC/FMC-1WCを更に含む、請求項1に記載の低摩擦軸受ライナー。
【請求項7】
前記第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分の前記含有量が、前記第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約99重量%以下であり、前記第1の熱可塑性充填剤構成成分の前記含有量が、前記第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約30重量%以下である、請求項2に記載の低摩擦軸受ライナー。
【請求項8】
前記第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分が、フッ素化エチレンプロピレン材料、ペルフルオロアルコキシアルカン材料、変性PTFE材料、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
【請求項9】
前記第1の低摩擦層がフッ素化エチレンプロピレン材料からなる、請求項1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
【請求項10】
前記第1の低摩擦層がポリテトラフルオロエチレン材料からなる、請求項1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
【請求項11】
前記第1の低摩擦層がフッ素化エチレンプロピレン材料からなる、請求項1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
【請求項12】
前記第1の熱可塑性充填剤が、少なくとも約130℃のガラス転移温度を有する、請求項1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
【請求項13】
前記第1の熱可塑性充填剤が、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリエステル、ポリフェニレン硫化物(PPS)、合成繊維、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
【請求項14】
前記第1の低摩擦層が、少なくとも約1マイクロメートルかつ約125マイクロメートル以下の厚さを有する、請求項1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
【請求項15】
ソレノイドであって、
バレルと、
前記バレル内のアーマチュアと、
前記バレルの内側表面と前記アーマチュアの外側表面との間に配置された低摩擦軸受ライナーであって、前記低摩擦軸受ライナーが、第1の低摩擦層を含み、
前記第1の低摩擦層が、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分と、前記第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分全体に分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分と、を含み、
前記第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分の前記含有量が、前記第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約100重量%以下であり、
前記第1の熱可塑性充填剤構成成分の前記含有量が、前記第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約100重量%以下である、低摩擦軸受ライナーと、を備える、ソレノイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、低摩擦軸受ライナーに関し、特に、ソレノイドで使用するための低摩擦軸受ライナーに関する。本開示は更に、低摩擦軸受ライナーを含むソレノイドに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁ソレノイドは、一般に、バレルと、バレル内の可動アーマチュア又はピストンと、を含む。可動アーマチュア又はピストンは、使用中にバレルの内側表面に接触するので、2つの部品間の摩擦は、極端な金属疲労及び摩耗を引き起こす可能性があり、これは、ソレノイドの予想寿命を短縮する可能性がある。したがって、使用中に可動アーマチュア又はピストンとバレルの内側表面との間の摩擦を低減し得る、ソレノイド内の追加の構成要素、すなわちライナーが所望される。
【発明の概要】
【0003】
第1の態様によれば、ソレノイド用の低摩擦軸受ライナーは、低摩擦層を含んでもよい。低摩擦層は、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分と、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分全体に分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分と、を含んでもよい。第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分の含有量は、第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約99重量%以下であってもよい。第1の熱可塑性充填剤構成成分の含有量は、第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約99重量%以下であってもよい。
【0004】
別の態様によれば、ソレノイド用の低摩擦軸受ライナーは、低摩擦層を含んでもよい。低摩擦層は、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分と、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分全体に分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分と、を含んでもよい。第1の低摩擦層は、少なくとも約0.01かつ約100以下の含有量比TFC-1WC/FMC-1WCを有してもよく、ここで、TFC-1WCは、第1の低摩擦層の総重量に対する重量パーセントで表した第1の熱可塑性充填剤構成成分の含有量に等しく、FMC-1WCは、第1の低摩擦層の総重量の重量パーセントで表した第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分の含有量である。
【0005】
更に別の態様によれば、ソレノイドは、バレルと、バレル内のアーマチュアと、バレルの内側表面とアーマチュアの外側表面との間に配置された低摩擦軸受ライナーと、を含んでもよい。ソレノイド用の低摩擦軸受ライナーは、低摩擦層を含んでもよい。低摩擦層は、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分と、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分全体に分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分と、を含んでもよい。第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分の含有量は、第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量であり、また約100重量%以下であってもよい。第1の熱可塑性充填剤構成成分の含有量は、第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約100重量%以下であってもよい。
【0006】
更に別の態様によれば、ソレノイドは、バレルと、バレル内のアーマチュアと、バレルの内側表面とアーマチュアの外側表面との間に配置された低摩擦軸受ライナーと、を含んでもよい。ソレノイド用の低摩擦軸受ライナーは、低摩擦層を含んでもよい。低摩擦層は、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分と、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分全体に分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分と、を含んでもよい。第1の低摩擦層は、少なくとも約0.01かつ約100以下の含有量比TFC-1WC/FMC-1WCを有してもよく、ここで、TFC-1WCは、第1の低摩擦層の総重量に対する重量パーセントで表した第1の熱可塑性充填剤構成成分の含有量に等しく、FMC-1WCは、第1の低摩擦層の総重量の重量パーセントで表した第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分の含有量である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施形態は、実施例として示されており、添付の図面に限定されない。
図1】本明細書に記載の実施形態による低摩擦軸受ライナー構成の図を含む。
図2】本明細書に記載の実施形態による低摩擦軸受ライナー構成の図を含む。
図3】本明細書に記載の実施形態による低摩擦軸受ライナー構成の図を含む。
図4】本明細書に記載の実施形態による低摩擦軸受ライナーを含むソレノイドの図を含む。
【0008】
当業者は、図中の要素が簡略化及び明瞭化を目的として図示されており、必ずしも縮尺どおりに描画されていないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の考察は、教示の特定の実施態様及び実施形態に焦点を当てている。詳細な説明は、特定の実施形態を説明するのを助けるために提供されており、本開示又は教示の範囲又は適用性に関する限定として解釈されるべきではない。本明細書で提供される本開示及び教示に基づいて、その他の実施形態が使用され得ることが理解されるであろう。
【0010】
「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、又はそれらの任意のその他の変形は、非排他的包含を網羅することを意図している。例えば、特徴のリストを含む方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されるものではないが、明示的に列挙されていないその他の特徴、又はそのような方法、物品、若しくは装置に固有のその他の特徴を含み得る。更に、矛盾する記載がない限り、「又は」は、包含的なorを指し、排他的なorを指すのではない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(又は存在し)、Bが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)、Bが真である(又は存在する)、及び、AとBとの両方が真である(又は存在する)。
【0011】
また、「1つの(a)」又は「1つの(an)」の使用は、本明細書に記載の要素及び構成要素を説明するために用いられる。これは、単に便宜上、及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われる。この説明は、そうでないことを意味することが明らかでない限り、1つ、少なくとも1つ、又は単数形が複数形も含むものとして、又はその逆として理解されるべきである。例えば、単一の物品が本明細書に記載されている場合、単一の物品の代わりに2つ以上の物品を使用することができる。同様に、2つ以上の物品が本明細書に記載されている場合、その2つ以上の物品を単一の物品に置き換えてもよい。
【0012】
本明細書に記載の実施形態は、一般に、ソレノイド用の低摩擦軸受ライナーに関する。特定の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナーは、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分と、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分全体に分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分と、を含み得る、第1の低摩擦層を含んでもよい。
【0013】
例証の目的のために、図1は、本明細書に記載の実施形態による低摩擦軸受ライナー100の図を含む。図1に示すように、低摩擦軸受ライナー100は、第1の低摩擦層110を含んでもよい。図1に更に示すように、第1の低摩擦層110は、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分112と、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分112中に分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分114と、を含んでもよい。
【0014】
特定の実施形態によれば、第1の低摩擦層110は、特定の含有量比TFC-1WC/FMC-1WCを有してもよく、ここで、TFC-1WCは、第1の低摩擦層の総重量に対する重量パーセントで表した第1の熱可塑性充填剤構成成分の含有量に等しく、FMC-1WCは、第1の低摩擦層の総重量の重量パーセントで表した第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分の含有量である。例えば、第1の低摩擦層110は、少なくとも約0.01、例えば、少なくとも約0.05、又は少なくとも約0.1、又は少なくとも約0.15、又は少なくとも約0.2、あるいは少なくとも約0.25の含有量比TFC-1WC/FMC-1WCを有してもよい。更にその他の実施形態によれば、第1の低摩擦層110は、約100以下、例えば、約90以下、又は約80以下、又は約70以下、又は約60以下、又は約50以下、又は約25以下、又は約1以下、又は約0.9以下、又は約0.8以下、又は約0.7以下、又は約0.4以下、又は約0.35以下、あるいは約0.3以下の含有量比TFC-1WC/FMC-1WCを有してもよい。第1の低摩擦層110は、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内の含有量比TFC-1WC/FMC-1WCを有し得ることが、理解されるであろう。第1の低摩擦層110は、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値の含有量比TFC-1WC/FMC-1WCを有し得ることが、更に理解されるであろう。
【0015】
更にその他の実施形態によれば、第1の低摩擦層110は、特定の含有量の第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分112を有してもよい。例えば、第1の低摩擦層110は、第1の低摩擦層112の総重量に対して少なくとも約1.0重量%、例えば、少なくとも約5重量%、又は少なくとも約10重量%、又は少なくとも約15重量%、又は少なくとも約20重量%、又は少なくとも約25重量%、又は少なくとも約30重量%、又は少なくとも約35重量%、又は少なくとも約40重量%、又は少なくとも約45重量%、又は少なくとも約50重量%、又は少なくとも約55重量%、又は少なくとも約60重量%、又は少なくとも約65重量%、又は少なくとも約70重量%、又は少なくとも約72重量%、又は少なくとも約74重量%、又は少なくとも約76重量%、又は少なくとも約78重量%、又は少なくとも約80重量%、又は少なくとも約82重量%、又は少なくとも約84重量%、あるいは少なくとも約86重量%の、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分112の含有量を有してもよい。更にその他の実施形態によれば、第1の低摩擦層110は、低摩擦層112の総重量に対して約100重量%以下、例えば、約98重量%以下、又は約96重量%以下、又は約94重量%以下、又は約92重量%以下、又は約90重量%以下、あるいは約88重量%以下の第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分112の含有量を有してもよい。第1の低摩擦層110は、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内の第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分112の含有量を有し得ることが、理解されるであろう。第1の低摩擦層110は、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値の第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分112の含有量を有し得ることが、更に理解されるであろう。
【0016】
更にその他の実施形態によれば、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分112は、特定の材料を含んでもよい。例えば、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分112は、フッ素化エチレンプロピレン材料、ペルフルオロアルコキシアルカン材料、変性PTFE材料、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種を含んでもよい。特定の実施形態によれば、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分112は、フッ素化エチレンプロピレン材料からなってもよい。更にその他の実施形態によれば、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分112は、ペルフルオロアルコキシアルカン材料から構成されてもよい。更にその他の実施形態によれば、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分112は、変性PTFE材料から構成されてもよい。
【0017】
更にその他の実施形態によれば、第1の低摩擦層110は、特定の含有量の第1の熱可塑性充填剤構成成分114を有してもよい。例えば、第1の低摩擦層110は、第1の低摩擦層112の総重量に対して少なくとも約1.0重量%、例えば、少なくとも約5重量%、又は少なくとも約10重量%、又は少なくとも約15重量%、又は少なくとも約20重量%、又は少なくとも約25重量%、又は少なくとも約30重量%、又は少なくとも約35重量%、又は少なくとも約40重量%、又は少なくとも約45重量%、又は少なくとも約50重量%、又は少なくとも約55重量%、又は少なくとも約60重量%、又は少なくとも約65重量%、又は少なくとも約70重量%、又は少なくとも約72重量%、又は少なくとも約74重量%、又は少なくとも約76重量%、又は少なくとも約78重量%、又は少なくとも約80重量%、又は少なくとも約82重量%、又は少なくとも約84重量%、あるいは少なくとも約86重量%の、第1の熱可塑性充填剤構成成分114の含有量を有してもよい。更にその他の実施形態によれば、第1の低摩擦層110は、低摩擦層112の総重量に対して約100重量%以下、例えば、約98重量%以下、又は約96重量%以下、又は約94重量%以下、又は約92重量%以下、又は約90重量%以下、あるいは約88重量%以下の第1の熱可塑性充填剤構成成分114の含有量を有してもよい。第1の低摩擦層110は、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内の第1の熱可塑性充填剤構成成分114の含有量を有し得ることが、理解されるであろう。第1の低摩擦層110は、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値の第1の熱可塑性充填剤構成成分114の含有量を有し得ることが、更に理解されるであろう。
【0018】
特定の実施形態によれば、第1の熱可塑性充填剤構成成分114は、特定のガラス転移温度を有する材料を含んでもよい。例えば、第1の熱可塑性充填剤構成要素114のガラス転移温度は、少なくとも約130℃、例えば、少なくとも約135℃、又は少なくとも約140℃、又は少なくとも約145℃、又は少なくとも約150℃、又は少なくとも約155℃、あるいは少なくとも約160℃であってもよい。第1の熱可塑性充填剤構成要素114のガラス転移温度は、上述の値のいずれかの間の範囲内にあり得ることが、理解されるであろう。第1の熱可塑性充填剤構成要素114のガラス転移温度は、上述の値のいずれかの間の任意の値であり得ることが、更に理解されるであろう。
【0019】
特定の実施形態によれば、第1の熱可塑性充填剤構成成分114は、特定の融解温度を有する材料を含んでもよい。例えば、第1の熱可塑性充填剤構成要素114の融解温度は、少なくとも約240℃、例えば、少なくとも約245℃、又は少なくとも約250℃、又は少なくとも約255℃、又は少なくとも約260℃、又は少なくとも約265℃、又は少なくとも約270℃、又は少なくとも約275℃、又は少なくとも約280℃、又は少なくとも約285℃、又は少なくとも約290℃、又は少なくとも約295℃、又は少なくとも約300℃であってもよい。第1の熱可塑性充填剤構成要素114の融解温度は、上述の値のいずれかの間の範囲内にあり得ることが、理解されるであろう。第1の熱可塑性充填剤構成要素114の融解温度は、上述の値のいずれかの間の任意の値であり得ることが、更に理解されるであろう。
【0020】
更にその他の実施形態によれば、第1の熱可塑性充填剤構成要素114は、特定の材料を含んでもよい。例えば、第1の熱可塑性充填剤構成成分114は、ポリイミド(polyimide、PI)、ポリアミド(polyamide、PA)、ポリアミドイミド(polyamideimide、PAI)、ポリベンズイミダゾール(polybenzimidazole、PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(polyether ether ketone、PEEK)、芳香族ポリエステル、ポリフェニレン硫化物(polyphenylene sulfide、PPS)、合成繊維、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。更に他のその実施形態によれば、第1の熱可塑性充填剤構成成分114は、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリエステル、ポリフェニレン硫化物(PPS)、又は合成繊維からなってもよい。
【0021】
更にその他の実施形態によれば、第1の低摩擦層110は、特定の厚さを有してもよい。例えば、第1の低摩擦層110は、少なくとも約1μm、例えば、少なくとも約5μm、又は少なくとも約10μm、又は少なくとも約15μm、又は少なくとも約20μm、又は少なくとも約25μm、又は少なくとも約30μm、又は少なくとも約35μm、又は少なくとも約40μm、又は少なくとも約45μm、又は少なくとも約50μm、又は少なくとも約55μm、又は少なくとも約60μm、又は少なくとも約65μm、又は少なくとも約69μmの厚さを有してもよい。更にその他の実施形態によれば、第1の低摩擦層110は、約125μm以下、例えば、又は約120μm以下、又は約115μm以下、又は約110μm以下、又は約105μm以下、又は約100μm以下、又は約95μm以下、又は約90μm以下、又は約85μm以下、又は約80μm以下、又は約75μm以下、あるいは約71μm以下の厚さを有してもよい。第1の低摩擦層110の厚さは、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内にあり得ることが、理解されるであろう。第1の低摩擦層110は、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値であり得ることが、更に理解されるであろう。
【0022】
更にその他の実施形態によれば、第1の低摩擦層110は、特定の潤滑表面摩擦係数を有してもよい。本明細書に記載の実施形態の目的のために、特定の層の潤滑表面摩擦係数は、15~140℃の温度で、100~100,000csのシリコーン油で潤滑された、1/4インチのポリイミド又は鋼摩耗球と接触して、100~300mm/秒で8~9ニュートンの垂直力下で測定され得ることが、理解されるであろう。特定の実施形態によれば、第1の低摩擦層110は、約0.20以下、例えば、約0.10以下、又は約0.05以下、又は約0.02以下の潤滑表面摩擦係数を有してもよい。更にその他の実施形態によれば、第1の低摩擦層110は、少なくとも約0.005の潤滑表面摩擦係数を有してもよい。第1の低摩擦層110の潤滑表面摩擦係数は、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内にあり得ることが、理解されるであろう。第1の低摩擦層110の潤滑表面摩擦係数は、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値であり得ることが、更に理解されるであろう。
【0023】
更にその他の実施形態によれば、第1の低摩擦層110は、特定の非潤滑表面摩擦係数を有してもよい。本明細書に記載の実施形態の目的のために、特定の層の非潤滑表面摩擦係数は、15~140℃の温度で1/4インチのポリイミド又は鋼摩耗球と接触して、100~300mm/秒で8~9ニュートンの垂直力下で測定され得ることが、理解されるであろう。特定の実施形態によれば、第1の低摩擦層110は、約0.20以下、例えば、約0.10以下、又は約0.05以下、又は約0.02以下の非潤滑表面摩擦係数を有してもよい。更にその他の実施形態によれば、第1の低摩擦層110は、少なくとも約0.005の非潤滑表面摩擦係数を有してもよい。第1の低摩擦層110の非潤滑表面摩擦係数は、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内にあり得ることが、理解されるであろう。第1の低摩擦層110の非潤滑表面摩擦係数は、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値であり得ることが、更に理解されるであろう。
【0024】
更にその他の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナー100は、特定の厚さを有してもよい。例えば、低摩擦軸受ライナー100は、少なくとも約1μm、例えば、少なくとも約5μm、又は少なくとも約10μm、又は少なくとも約15μm、又は少なくとも約20μm、又は少なくとも約25μm、又は少なくとも約30μm、又は少なくとも約35μm、又は少なくとも約40μm、又は少なくとも約45μm、又は少なくとも約50μm、又は少なくとも約55μm、又は少なくとも約60μm、又は少なくとも約65μm、又は少なくとも約69μmの厚さを有してもよい。更にその他の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナー100は、約500μm以下、例えば、又は約480μm以下、又は約460μm以下、又は約440μm以下、又は約420μm以下、又は約400μm以下、又は約380μm以下、又は約360μm以下、又は約340μm以下、又は約320μm以下、又は約300μm以下、あるいは約280μm以下の厚さを有してもよい。低摩擦軸受ライナー100の厚さは、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内にあり得ることが、理解されるであろう。低摩擦軸受ライナー100は、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値であり得ることが、更に理解されるであろう。
【0025】
更にその他の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナー100は、特定の磨耗率を有してもよい。本明細書に記載の実施形態の目的のために、摩耗率は、140℃の動作温度で、6,000csのシリコーン油で潤滑された、1/4インチのポリイミド摩耗球と接触させることにより、260mm/秒で9ニュートンの垂直力下で測定される摩擦計試験を使用して試験され得ることが、理解されるであろう。摩耗率は、摩擦計試験における破損前に完了した回転数に等しく、破損は、摩擦計試験中の定常状態値に対するCOFの50%の増加として定義される。特定の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナー100は、少なくとも35,000、例えば、少なくとも約40,000、又は少なくとも約45,000、又は少なくとも約50,000、又は少なくとも約75,000、又は少なくとも約100,000、又は少なくとも約125,000、又は少なくとも約150,000、又は少なくとも約175,000、又は少なくとも約200,000、又は少なくとも約225,000、あるいは少なくとも約250,000の摩耗率を有してもよい。低摩擦軸受ライナー100の摩耗率は、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内にあり得ることが、理解されるであろう。低摩擦軸受ライナー100の摩耗率は、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値であり得ることが、更に理解されるであろう。
【0026】
更なる実施形態を参照すると、低摩擦軸受ライナーは、第1の低摩擦層と、第1の低摩擦軸受ライナーの下にある基材と、を含んでもよい。特定の実施形態によれば、第1の低摩擦層は、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分と、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分全体に分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分と、を含んでもよい。
【0027】
例証の目的のために、図2は、本明細書に記載の実施形態による低摩擦軸受ライナー200の図を含む。図1に示すように、低摩擦軸受ライナー200は、第1の低摩擦層210と、第1の低摩擦層210の下にある基材220と、を含んでもよい。図2に更に示すように、第1の低摩擦層210は、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分212と、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分212中に分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分214と、を含んでもよい。
【0028】
低摩擦軸受ライナー100及び/又は第1の低摩擦層110に関して本明細書で提供される全ての説明は、低摩擦軸受ライナー200の対応する態様に更に適用され得ることが、理解されるであろう。
【0029】
更にその他の実施形態によれば、基材220は、特定の材料を含んでもよい。例えば、基板220はポリイミド材料を含んでもよい。更にその他の実施形態によれば、基板220はポリイミド材料からなってもよい。更にその他の実施形態によれば、基材220は布地を含んでもよい。その他の実施形態によれば、基材220は布地からなってもよい。更にその他の実施形態によれば、基材220は、ガラス繊維織布を含んでもよい。更にその他の実施形態によれば、基材220は、ガラス繊維織布からなってもよい。
【0030】
更にその他の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナー200は、特定の第1の厚さ比LFL-1/Sを有してもよく、ここで、LFL-1は第1の低摩擦層210の厚さに等しく、Sは基材220の厚さに等しい。例えば、低摩擦軸受ライナー200は、少なくとも約0.02、例えば、少なくとも約0.03、又は少なくとも約0.04、又は少なくとも約0.05、又は少なくとも約0.06、又は少なくとも約0.07、又は少なくとも約0.08、又は少なくとも約0.09の第1の厚さ比LFL-1/Sを有してもよい。更にその他の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナー200は、約0.4以下、例えば、約0.3以下、又は約0.2以下、又は約0.19以下、又は約0.18以下、又は約0.17以下、又は約0.16以下、又は約0.15以下、又は約0.14以下、又は約0.13以下、又は約0.12以下、又は約0.11以下の、第1の厚さ比LFL-1/Sを有してもよい。低摩擦軸受ライナー200の第1の厚さ比LFL-1/Sは、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内にあり得ることが、理解されるであろう。低摩擦軸受ライナー200の第1の厚さ比LFL-1/Sは、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値であり得ることが、更に理解されるであろう。
【0031】
更にその他の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナー200は、特定の厚さを有してもよい。更にその他の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナー200は、特定の厚さを有してもよい。例えば、低摩擦軸受ライナー200は、少なくとも約1μm、例えば、少なくとも約5μm、又は少なくとも約10μm、又は少なくとも約15μm、又は少なくとも約20μm、又は少なくとも約25μm、又は少なくとも約30μm、又は少なくとも約35μm、又は少なくとも約40μm、又は少なくとも約45μm、又は少なくとも約50μm、又は少なくとも約55μm、又は少なくとも約60μm、又は少なくとも約65μm、又は少なくとも約69μmの厚さを有してもよい。更にその他の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナー200は、約500μm以下、例えば、又は約480μm以下、又は約460μm以下、又は約440μm以下、又は約420μm以下、又は約400μm以下、又は約380μm以下、又は約360μm以下、又は約340μm以下、又は約320μm以下、又は約300μm以下、あるいは約280μm以下の厚さを有してもよい。低摩擦軸受ライナー200の厚さは、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内にあり得ることが、理解されるであろう。低摩擦軸受ライナー200は、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値であり得ることが、更に理解されるであろう。
【0032】
更にその他の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナー200は、特定の磨耗率を有してもよい。本明細書に記載の実施形態の目的のために、摩耗率は、140℃の動作温度で、6,000csのシリコーン油で潤滑された、1/4インチのポリイミド摩耗球と接触させることにより、260mm/秒で9ニュートンの垂直力下で測定される摩擦計試験を使用して試験され得ることが、理解されるであろう。摩耗率は、摩擦計試験における破損前に完了した回転数に等しく、破損は、摩擦計試験中の定常状態値に対するCOFの50%の増加として定義される。特定の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナー200は、少なくとも35,000、例えば、少なくとも約40,000、又は少なくとも約45,000、又は少なくとも約50,000、又は少なくとも約75,000、又は少なくとも約100,000、又は少なくとも約125,000、又は少なくとも約150,000、又は少なくとも約175,000、又は少なくとも約200,000、又は少なくとも約225,000、あるいは少なくとも約250,000の摩耗率を有してもよい。低摩擦軸受ライナー200の摩耗率は、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内にあり得ることが、理解されるであろう。低摩擦軸受ライナー200の摩耗率は、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値であり得ることが、更に理解されるであろう。
【0033】
更にその他の実施形態を参照すると、低摩擦軸受ライナーは、第1の低摩擦層と、第1の低摩擦軸受ライナーの下にある基材と、基材の下にある第2の低摩擦層と、を含んでもよい。特定の実施形態によれば、第1の低摩擦層は、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分と、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分全体に分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分と、を含んでもよい。更にその他の実施形態によれば、第2の低摩擦層は、第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分と、第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分全体に分散された第2の熱可塑性充填剤構成成分と、を含んでもよい。
【0034】
例証の目的のために、図3は、本明細書に記載の実施形態による低摩擦軸受ライナー300の図を含む。図3に示すように、低摩擦軸受ライナー300は、第1の低摩擦層310と、第1の低摩擦層310の下にある基材320と、第2の低摩擦層330と、を含んでもよい。図3に更に示すように、第1の低摩擦層310は、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分312と、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分312中に分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分314と、を含んでもよい。また図3に示すように、第2の低摩擦層330は、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分332と、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分332中に分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分334と、を含んでもよい。
【0035】
低摩擦軸受ライナー100(200)、第1の低摩擦層110(210)、及び基材220に関して本明細書で提供される全ての説明は、低摩擦軸受ライナー300の対応する態様に更に適用され得ることが、理解されるであろう。
【0036】
特定の実施形態によれば、第2の低摩擦層330は、特定の含有量比TFC-2WC/FMC-2WCを有してもよく、ここで、TFC-2WCは、第1の低摩擦層の総重量に対する重量パーセントで表した第2の熱可塑性充填剤構成成分の含有量に等しく、FMC-2WCは、第1の低摩擦層の総重量の重量パーセントで表した第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分の含有量である。例えば、第2の低摩擦層330は、少なくとも約0.01、例えば、少なくとも約0.05、又は少なくとも約0.1、又は少なくとも約0.15、又は少なくとも約0.2、あるいは少なくとも約0.25の含有量比TFC-2WC/FMC-2WCを有してもよい。更にその他の実施形態によれば、第2の低摩擦層330は、約100以下、例えば、約90以下、又は約80以下、又は約70以下、又は約60以下、又は約50以下、又は約25以下、又は約1以下、又は約0.9以下、又は約0.8以下、又は約0.7以下、又は約0.4以下、又は約0.35以下、あるいは約0.3以下の含有量比TFC-2WC/FMC-2WCを有してもよい。第2の低摩擦層330は、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内の含有量比TFC-2WC/FMC-2WCを有し得ることが、理解されるであろう。第2の低摩擦層330は、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値の含有量比TFC-2WC/FMC-2WCを有し得ることが、更に理解されるであろう。
【0037】
更にその他の実施形態によれば、第2の低摩擦層330は、特定の含有量の第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分332を有してもよい。例えば、第2の低摩擦層330は、第1の低摩擦層112の総重量に対して少なくとも約1.0重量%、例えば、少なくとも約5重量%、又は少なくとも約10重量%、又は少なくとも約15重量%、又は少なくとも約20重量%、又は少なくとも約25重量%、又は少なくとも約30重量%、又は少なくとも約35重量%、又は少なくとも約40重量%、又は少なくとも約45重量%、又は少なくとも約50重量%、又は少なくとも約55重量%、又は少なくとも約60重量%、又は少なくとも約65重量%、又は少なくとも約70重量%、又は少なくとも約72重量%、又は少なくとも約74重量%、又は少なくとも約76重量%、又は少なくとも約78重量%、又は少なくとも約80重量%、又は少なくとも約82重量%、又は少なくとも約84重量%、あるいは少なくとも約86重量%の、第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分332の含有量を有してもよい。更にその他の実施形態によれば、第2の低摩擦層330は、低摩擦層332の総重量に対して約100重量%以下、例えば、約98重量%以下、又は約96重量%以下、又は約94重量%以下、又は約92重量%以下、又は約90重量%以下、あるいは約88重量%以下の第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分332の含有量を有してもよい。第2の低摩擦層330は、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内の第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分332の含有量を有し得ることが、理解されるであろう。第2の低摩擦層330は、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値の第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分332の含有量を有し得ることが、更に理解されるであろう。
【0038】
更にその他の実施形態によれば、第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分332は、特定の材料を含んでもよい。例えば、第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分332は、フッ素化エチレンプロピレン材料、ペルフルオロアルコキシアルカン材料、変性PTFE材料、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種を含んでもよい。特定の実施形態によれば、第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分332は、フッ素化エチレンプロピレン材料からなってもよい。更にその他の実施形態によれば、第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分332は、ペルフルオロアルコキシアルカン材料から構成されてもよい。更にその他の実施形態によれば、第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分332は、変性PTFE材料から構成されてもよい。
【0039】
更にその他の実施形態によれば、第2の低摩擦層330は、特定の含有量の第2の熱可塑性充填剤構成成分334を有してもよい。例えば、第2の低摩擦層330は、第1の低摩擦層112の総重量に対して少なくとも約1.0重量%、例えば、少なくとも約5重量%、又は少なくとも約10重量%、又は少なくとも約15重量%、又は少なくとも約20重量%、又は少なくとも約25重量%、又は少なくとも約30重量%、又は少なくとも約35重量%、又は少なくとも約40重量%、又は少なくとも約45重量%、又は少なくとも約50重量%、又は少なくとも約55重量%、又は少なくとも約60重量%、又は少なくとも約65重量%、又は少なくとも約70重量%、又は少なくとも約72重量%、又は少なくとも約74重量%、又は少なくとも約76重量%、又は少なくとも約78重量%、又は少なくとも約80重量%、又は少なくとも約82重量%、又は少なくとも約84重量%、あるいは少なくとも約86重量%の、第2の熱可塑性充填剤構成成分334の含有量を有してもよい。更にその他の実施形態によれば、第2の低摩擦層330は、低摩擦層112の総重量に対して約100重量%以下、例えば、約98重量%以下、又は約96重量%以下、又は約94重量%以下、又は約92重量%以下、又は約90重量%以下、あるいは約88重量%以下の第2の熱可塑性充填剤構成成分334の含有量を有してもよい。第2の低摩擦層330は、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内の第2の熱可塑性充填剤構成成分334の含有量を有し得ることが、理解されるであろう。第2の低摩擦層330は、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値の第2の熱可塑性充填剤構成成分334の含有量を有し得ることが、更に理解されるであろう。
【0040】
特定の実施形態によれば、第2の熱可塑性充填剤構成成分334は、特定のガラス転移温度を有する材料を含んでもよい。例えば、第2の熱可塑性充填剤構成要素334のガラス転移温度は、少なくとも約130℃、例えば、少なくとも約135℃、又は少なくとも約140℃、又は少なくとも約145℃、又は少なくとも約150℃、又は少なくとも約155℃、あるいは少なくとも約160℃であってもよい。第2の熱可塑性充填剤構成要素334のガラス転移温度は、上述の値のいずれかの間の範囲内にあり得ることが、理解されるであろう。第2の熱可塑性充填剤構成要素334のガラス転移温度は、上述の値のいずれかの間の任意の値であり得ることが、更に理解されるであろう。
【0041】
特定の実施形態によれば、第2の熱可塑性充填剤構成成分334は、特定の融解温度を有する材料を含んでもよい。例えば、第2の熱可塑性充填剤構成要素334の融解温度は、少なくとも約240℃、例えば、少なくとも約245℃、又は少なくとも約250℃、又は少なくとも約255℃、又は少なくとも約260℃、又は少なくとも約265℃、又は少なくとも約270℃、又は少なくとも約275℃、又は少なくとも約280℃、又は少なくとも約285℃、又は少なくとも約290℃、又は少なくとも約295℃、又は少なくとも約300℃であってもよい。第2の熱可塑性充填剤構成要素334の融解温度は、上述の値のいずれかの間の範囲内にあり得ることが、理解されるであろう。第2の熱可塑性充填剤構成要素334の融解温度は、上述の値のいずれかの間の任意の値であり得ることが、更に理解されるであろう。
【0042】
更にその他の実施形態によれば、第2の熱可塑性充填剤構成要素334は、特定の材料を含んでもよい。例えば、第2の熱可塑性充填剤構成成分334は、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリエステル、ポリフェニレン硫化物(PPS)、合成繊維、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。更に他のその実施形態によれば、第2の熱可塑性充填剤構成成分334は、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリエステル、ポリフェニレン硫化物(PPS)、又は合成繊維からなってもよい。
【0043】
更にその他の実施形態によれば、第2の低摩擦層330は、特定の厚さを有してもよい。例えば、第2の低摩擦層330は、少なくとも約1μm、例えば、少なくとも約5μm、又は少なくとも約10μm、又は少なくとも約15μm、又は少なくとも約20μm、又は少なくとも約25μm、又は少なくとも約30μm、又は少なくとも約35μm、又は少なくとも約40μm、又は少なくとも約45μm、又は少なくとも約50μm、又は少なくとも約55μm、又は少なくとも約60μm、又は少なくとも約65μm、又は少なくとも約69μmの厚さを有してもよい。更にその他の実施形態によれば、第2の低摩擦層330は、約125μm以下、例えば、又は約120μm以下、又は約115μm以下、又は約110μm以下、又は約105μm以下、又は約100μm以下、又は約95μm以下、又は約90μm以下、又は約85μm以下、又は約80μm以下、又は約75μm以下、あるいは約71μm以下の厚さを有してもよい。第2の低摩擦層330の厚さは、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内にあり得ることが、理解されるであろう。第2の低摩擦層330は、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値であり得ることが、更に理解されるであろう。
【0044】
更にその他の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナー200は、特定の第2の厚さ比LFL-2/Sを有してもよく、ここで、LFL-2は第2の低摩擦層330の厚さに等しく、Sは基材320の厚さに等しい。例えば、低摩擦軸受ライナー200は、少なくとも約0.02、例えば、少なくとも約0.03、又は少なくとも約0.04、又は少なくとも約0.05、又は少なくとも約0.06、又は少なくとも約0.07、又は少なくとも約0.08、又は少なくとも約0.09の第2の厚さ比LFL-2/Sを有してもよい。更にその他の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナー200は、約0.4以下、例えば、約0.3以下、又は約0.2以下、又は約0.19以下、又は約0.18以下、又は約0.17以下、又は約0.16以下、又は約0.15以下、又は約0.14以下、又は約0.13以下、又は約0.12以下、又は約0.11以下の、第2の厚さ比LFL-2/Sを有してもよい。低摩擦軸受ライナー300の第2の厚さ比LFL-2/Sは、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内にあり得ることが、理解されるであろう。低摩擦軸受ライナー300の第2の厚さ比LFL-2/Sは、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値であり得ることが、更に理解されるであろう。
【0045】
更にその他の実施形態によれば、第2の低摩擦層330は、特定の潤滑表面摩擦係数を有してもよい。本明細書に記載の実施形態の目的のために、特定の層の潤滑表面摩擦係数は、15~140℃の温度で、100~100,000csのシリコーン油で潤滑された、1/4インチのポリイミド又は鋼摩耗球と接触して、100~300mm/秒で8~9ニュートンの垂直力下で測定され得ることが、理解されるであろう。特定の実施形態によれば、第2の低摩擦層330は、約0.20以下、例えば、約0.10以下、又は約0.05以下、又は約0.02以下の潤滑表面摩擦係数を有してもよい。更にその他の実施形態によれば、第2の低摩擦層330は、少なくとも約0.005の潤滑表面摩擦係数を有してもよい。第2の低摩擦層330の潤滑表面摩擦係数は、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内にあり得ることが、理解されるであろう。第2の低摩擦層330の潤滑表面摩擦係数は、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値であり得ることが、更に理解されるであろう。
【0046】
更にその他の実施形態によれば、第2の低摩擦層330は、特定の非潤滑表面摩擦係数を有してもよい。本明細書に記載の実施形態の目的のために、特定の層の非潤滑表面摩擦係数は、15~140℃の温度で、100~100,000csのシリコーン油で非潤滑された、1/4インチのポリイミド又は鋼摩耗球と接触して、100~300mm/秒で8~9ニュートンの垂直力下で測定され得ることが、理解されるであろう。特定の実施形態によれば、第2の低摩擦層330は、約0.20以下、例えば、約0.10以下、又は約0.05以下、又は約0.02以下の非潤滑表面摩擦係数を有してもよい。更にその他の実施形態によれば、第2の低摩擦層330は、少なくとも約0.005の非潤滑表面摩擦係数を有してもよい。第2の低摩擦層330の非潤滑表面摩擦係数は、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内にあり得ることが、理解されるであろう。第2の低摩擦層330の非潤滑表面摩擦係数は、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値であり得ることが、更に理解されるであろう。
【0047】
更にその他の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナー300は、特定の厚さを有してもよい。例えば、低摩擦軸受ライナー300は、少なくとも約1μm、例えば、少なくとも約5μm、又は少なくとも約10μm、又は少なくとも約15μm、又は少なくとも約20μm、又は少なくとも約25μm、又は少なくとも約30μm、又は少なくとも約35μm、又は少なくとも約40μm、又は少なくとも約45μm、又は少なくとも約50μm、又は少なくとも約55μm、又は少なくとも約60μm、又は少なくとも約65μm、又は少なくとも約69μmの厚さを有してもよい。更にその他の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナー300は、約500μm以下、例えば、又は約480μm以下、又は約460μm以下、又は約440μm以下、又は約420μm以下、又は約400μm以下、又は約380μm以下、又は約360μm以下、又は約340μm以下、又は約320μm以下、又は約300μm以下、あるいは約280μm以下の厚さを有してもよい。低摩擦軸受ライナー300の厚さは、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内にあり得ることが、理解されるであろう。低摩擦軸受ライナー300は、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値であり得ることが、更に理解されるであろう。
【0048】
更にその他の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナー300は、特定の磨耗率を有してもよい。本明細書に記載の実施形態の目的のために、摩耗率は、140℃の動作温度で、6,000csのシリコーン油で潤滑された、1/4インチのポリイミド摩耗球と接触させることにより、260mm/秒で9ニュートンの垂直力下で測定される摩擦計試験を使用して試験され得ることが、理解されるであろう。摩耗率は、摩擦計試験における破損前に完了した回転数に等しく、破損は、摩擦計試験中の定常状態値に対するCOFの50%の増加として定義される。特定の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナー300は、少なくとも35,000、例えば、少なくとも約40,000、又は少なくとも約45,000、又は少なくとも約50,000、又は少なくとも約75,000、又は少なくとも約100,000、又は少なくとも約125,000、又は少なくとも約150,000、又は少なくとも約175,000、又は少なくとも約200,000、又は少なくとも約225,000、あるいは少なくとも約250,000の摩耗率を有してもよい。低摩擦軸受ライナー300の摩耗率は、上述の任意の最小値と最大値との間の範囲内にあり得ることが、理解されるであろう。低摩擦軸受ライナー300の摩耗率は、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値であり得ることが、更に理解されるであろう。
【0049】
本明細書に記載の更にその他の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナーは、ソレノイドに組み込まれてもよい。
【0050】
例証の目的のために、図4は、本明細書に記載の実施形態によるソレノイド400の図を含む。図4に示すように、ソレノイド400は、バレル410と、バレル410内のアーマチュア420と、ソレノイド400のバレル410とソレノイド400のアーマチュア420との間に配置された低摩擦軸受ライナー430と、を含んでもよい。
【0051】
特定の実施形態によれば、ソレノイド400のバレル410は、ポール管(poletube)と称される場合もある。特定の実施形態によれば、それは、単一部品からフライス加工されてもよい、又は少なくとも2つの部品から溶接されてもよい。
【0052】
更にその他の実施形態によれば、ソレノイド400のアーマチュア420は、プランジャ又はピストンと称される場合もある。
【0053】
特定の実施形態によれば、低摩擦軸受ライナー430は、ソレノイドのバレル410の内側表面に取り付けられてもよい。
【0054】
更にその他の実施形態によれば、ソレノイド400は、アーマチュア420が、動作中に低摩擦軸受ライナー430の表面として接触する可動部であるように構成されてもよい。
【0055】
更にその他の実施形態によれば、図4に示すようなソレノイド400の低摩擦軸受ライナー430は、任意の構成要素を含んでもよく、図1に示すような低摩擦軸受ライナー100、図2に示すような低摩擦軸受ライナー200、及び/又は図3に示すような低摩擦軸受ライナー300に関して本明細書に記載の任意の特性を有するものとして説明されてもよいことが、理解されるであろう。
【0056】
多くの異なる態様及び実施形態が可能である。これらの態様及び実施形態のいくつかを本明細書に記載する。本明細書を読んだ後、当業者は、それらの態様及び実施形態が単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解するであろう。実施形態は、以下に列挙される実施形態のうちのいずれか1つ以上に従うことができる。
【0057】
実施形態1.ソレノイド用の低摩擦軸受ライナーであって、低摩擦軸受ライナーが、第1の低摩擦層を含み、第1の低摩擦層が、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分と、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分全体に分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分、とを含み、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分の含有量が、第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約99重量%以下であり、第1の熱可塑性充填剤構成成分の含有量が、第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約99重量%以下である、低摩擦軸受ライナー。
実施形態2.ソレノイド用の低摩擦軸受ライナーであって、低摩擦軸受ライナーが、第1の低摩擦層を含み、第1の低摩擦層が、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分と、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分全体に分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分と、を含み、第1の低摩擦層が、少なくとも約0.01かつ約0.45以下の含有量比TFC-1WC/FMC-1WCを更に含む、低摩擦軸受ライナー。
実施形態3.低摩擦軸受ライナーが、約0.20以下の非潤滑表面摩擦係数を有する、実施形態1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態4.第1の低摩擦層が、約0.20以下の非潤滑表面摩擦係数を有する、実施形態1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態5.摩耗率が摩擦計試験における破損前に完了した回転数に等しく、破損が、摩擦計試験中の定常状態値に対するCOFの50%の増加として定義される、少なくとも約32,000の摩耗率、又は少なくとも約35,000、又は少なくとも約40,000、又は少なくとも約45,000、又は少なくとも約50,000、又は少なくとも約75,000、又は少なくとも約100,000、又は少なくとも約125,000、又は少なくとも約150,000、又は少なくとも約175,000、又は少なくとも約200,000、又は少なくとも約225,000、又は少なくとも約250,000の摩耗率を更に含む、実施形態1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態6.第1の低摩擦層が、少なくとも約0.01かつ約100以下の含有量比TFC-1WC/FMC-1WCを更に含む、実施形態1に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態7.第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分の含有量が、第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約99重量%以下であり、第1の熱可塑性充填剤構成成分の含有量が、第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約30重量%以下である、実施形態2に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態8.第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分が、フッ素化エチレンプロピレン材料、ペルフルオロアルコキシアルカン材料、変性PTFE材料、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種を含む、実施形態1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態9.第1の低摩擦層がフッ素化エチレンプロピレン材料からなる、実施形態1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態10.第1の低摩擦層がポリテトラフルオロエチレン材料からなる、実施形態1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態11.第1の低摩擦層がフッ素化エチレンプロピレン材料からなる、実施形態1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態12.第1の熱可塑性充填剤が、少なくとも約130℃のガラス転移温度を有する、実施形態1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態13.第1の熱可塑性充填剤が少なくとも約240℃の融解温度を有する、実施形態1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態14.第1の熱可塑性充填剤が、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリエステル、ポリフェニレン硫化物(PPS)、合成繊維、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施形態1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態15.第1の熱可塑性充填剤が、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリエステル、ポリフェニレン硫化物(PPS)、若しくは合成繊維、又はこれらの任意の組み合わせからなる、実施形態1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態16.第1の低摩擦層が少なくとも約1マイクロメートルの厚さを有する、実施形態1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態17.第1の低摩擦層が約125マイクロメートル以下の厚さを有する、実施形態1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態18.低摩擦軸受ライナーが、少なくとも約1マイクロメートルの厚さを有する、実施形態1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態19.低摩擦軸受ライナーが、約500マイクロメートル以下の厚さを有する、実施形態1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態20.低摩擦軸受ライナーが、第1の低摩擦層の下にある基材を更に含む、実施形態1又は2に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態21.基材がポリイミド材料を含む、実施形態20に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態22.基材がポリイミド材料からなる、実施形態20に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態23.基材が布地を含む、実施形態20に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態24.基材が布地からなる、実施形態20に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態25.基材がガラス繊維織布を含む、実施形態20に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態26.基材がガラス繊維織布からなる、実施形態20に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態27.LFL-1が第1の外層の厚さに等しく、Sが基材の厚さと等しい、少なくとも約0.05、少なくとも約0.06、又は少なくとも約0.07、又は少なくとも約0.08、又は少なくとも約0.09の厚さ比LFL-1/Sを更に含む、実施形態20に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態28.基材が、少なくとも約25μm、又は少なくとも約30μm、又は少なくとも約35μm、又は少なくとも約40μm、又は少なくとも約45μm、又は少なくとも約49μmの厚さを有する、実施形態20に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態29.基材が、約75μm以下、又は約70μm以下、又は約65μm以下、又は約60μm以下、又は約55μm以下、又は約51μm以下の厚さを有する、実施形態20に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態30.低摩擦軸受ライナーが、少なくとも約1μmの厚さを有する、実施形態20に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態31.低摩擦軸受ライナーが、約500μm以下の厚さを有する、実施形態20に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態32.低摩擦軸受ライナーが、基材の下にある第2の低摩擦層を更に含み、第2の低摩擦層が、第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分と、第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分全体に分散された第2の熱可塑性充填剤構成成分と、を含む、実施形態20に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態33.第2の低摩擦層が、少なくとも約0.01であり、また約100以下の含有量比TFC-2WC/FMC-2WCを更に含む、実施形態32に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態34.第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分の含有量が、第2の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約99重量%以下であり、第2の熱可塑性充填剤構成成分の含有量が、第2の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約99重量%以下である、実施形態32に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態35.第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分が、フッ素化エチレンプロピレン材料、ペルフルオロアルコキシアルカン材料、変性PTFE材料、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種を含む、実施形態32に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態36.第2の低摩擦層がフッ素化エチレンプロピレン材料からなる、実施形態32に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態37.第2の低摩擦層がポリテトラフルオロエチレン材料からなる、実施形態32に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態38.第2の低摩擦層がフッ素化エチレンプロピレン材料からなる、実施形態32に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態39.第2の熱可塑性充填剤が、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリエステル、ポリフェニレン硫化物(PPS)、合成繊維、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施形態32に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態40.第2の熱可塑性充填剤が、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリエステル、ポリフェニレン硫化物(PPS)、又は合成繊維からなる、実施形態32に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態41.第2の低摩擦層が、少なくとも約1マイクロメートルの厚さを有する、実施形態32に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態42.第2の低摩擦層が、約125マイクロメートル以下の厚さを有する、実施形態32に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態43.低摩擦軸受ライナーが、少なくとも約1マイクロメートルの厚さを有する、実施形態32に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態44.低摩擦軸受ライナーが、約500マイクロメートル以下の厚さを有する、実施形態32に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態45.LFL-2が第1の外層の厚さに等しく、Sが基材の厚さと等しい、少なくとも約0.05、少なくとも約0.06、又は少なくとも約0.07、又は少なくとも約0.08、又は少なくとも約0.09の厚さ比LFL-2/Sを更に含む、実施形態32に記載の低摩擦軸受ライナー。
実施形態46.ソレノイドであって、バレルと、バレル内のアーマチュアと、バレルの内側表面とアーマチュアの外側表面との間に配置された低摩擦軸受ライナーであって、低摩擦軸受ライナーが第1の低摩擦層を含み、第1の低摩擦層が、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分と、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分全体に分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分と、を含み、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分の含有量が、第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約100重量%以下であり、第1の熱可塑性充填剤構成成分の含有量が、第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約100重量%以下である、低摩擦軸受ライナーと、を備える、ソレノイド。
実施形態47.ソレノイドであって、バレルと、バレル内のアーマチュアと、バレルの内側表面とアーマチュアの外側表面との間に配置された低摩擦軸受ライナーであって、低摩擦軸受ライナーが第1の低摩擦層を含み、第1の低摩擦層が、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分と、第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分全体にわたって分散された第1の熱可塑性充填剤構成成分と、を含み、第1の低摩擦層が、少なくとも約0.01かつ約100以下の含有量比TFC-1WC/FMC-1WCを更に含む、低摩擦軸受ライナーと、を備える、ソレノイド。
実施形態48.低摩擦軸受ライナーが、バレルの内側表面に取り付けられる、実施形態46又は47に記載のソレノイド。
実施形態49.低摩擦軸受ライナーが、約0.20以下の非潤滑表面摩擦係数を有する、実施形態47に記載のソレノイド。
実施形態50.第1の低摩擦層が、約.20以下の非潤滑表面摩擦係数を有する、実施形態47に記載のソレノイド。
実施形態51.摩耗率が摩擦計試験における破損前に完了した回転数に等しく、破損が、摩擦計試験中の定常状態値に対するCOFの50%の増加として定義される、少なくとも約32,000の摩耗率、又は少なくとも約35,000、又は少なくとも約40,000、又は少なくとも約45,000、又は少なくとも約50,000、又は少なくとも約75,000、又は少なくとも約100,000、又は少なくとも約125,000、又は少なくとも約150,000、又は少なくとも約175,000、又は少なくとも約200,000、又は少なくとも約225,000、又は少なくとも約250,000の摩耗率を更に含む、実施形態47に記載のソレノイド。
実施形態52.第1の低摩擦層が、少なくとも約0.01かつ約100以下の含有量比TFC-1WC/FMC-1WCを更に含む、実施形態47に記載のソレノイド。
実施形態53.第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分の含有量が、第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約99重量%以下であり、第1の熱可塑性充填剤構成成分の含有量が、第1の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約99重量%以下である、実施形態47に記載のソレノイド。
実施形態54.第1のフルオロポリマーマトリックス構成成分が、フッ素化エチレンプロピレン材料、ペルフルオロアルコキシアルカン材料、変性PTFE材料、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種を含む、実施形態47に記載のソレノイド。
実施形態55.第1の低摩擦層がフッ素化エチレンプロピレン材料からなる、実施形態47に記載のソレノイド。
実施形態56.第1の低摩擦層がポリテトラフルオロエチレン材料からなる、実施形態47に記載のソレノイド。
実施形態57.第1の低摩擦層がフッ素化エチレンプロピレン材料からなる、実施形態47に記載のソレノイド。
実施形態58.第1の熱可塑性充填剤が、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリエステル、ポリフェニレン硫化物(PPS)、合成繊維、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施形態47に記載のソレノイド。
実施形態59.第1の熱可塑性充填剤が、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリエステル、ポリフェニレン硫化物(PPS)、又は合成繊維からなる、実施形態47に記載のソレノイド。
実施形態60.第1の低摩擦層が、少なくとも約1マイクロメートルの厚さを有する、実施形態47に記載のソレノイド。
実施形態61.第1の低摩擦層が、約125マイクロメートル以下の厚さを有する、実施形態47に記載のソレノイド。
実施形態62.低摩擦軸受ライナーが、少なくとも約1マイクロメートルの厚さを有する、実施形態47に記載のソレノイド。
実施形態63.低摩擦軸受ライナーが、約500マイクロメートル以下の厚さを有する、実施形態47に記載のソレノイド。
実施形態64.低摩擦軸受ライナーが、第1の低摩擦層の下にある基材を更に含む、実施形態47に記載のソレノイド。
実施形態65.基材がポリイミド材料を含む、実施形態64に記載のソレノイド。
実施形態66.基板がポリイミド材料からなる、実施形態64に記載のソレノイド。
実施形態67.基材が布地を含む、実施形態64に記載のソレノイド。
実施形態68.基材が布地からなる、実施形態64に記載のソレノイド。
実施形態69.基材がガラス繊維織布を含む、実施形態64に記載のソレノイド。
実施形態70.基材がガラス繊維織布からなる、実施形態64に記載のソレノイド。
実施形態71.LFL-1が第1の外層の厚さに等しく、Sが基材の厚さと等しい、少なくとも約0.05、少なくとも約0.06、又は少なくとも約0.07、又は少なくとも約0.08、又は少なくとも約0.09の厚さ比LFL-1/Sを更に含む、実施形態64に記載のソレノイド。
実施形態72.基材が、少なくとも約25μm、又は少なくとも約30μm、又は少なくとも約35μm、又は少なくとも約40μm、又は少なくとも約45μm、又は少なくとも約49μmの厚さを有する、実施形態64に記載のソレノイド。
実施形態73.基材が、約75μm以下、又は約70μm以下、又は約65μm以下、又は約60μm以下、又は約55μm以下、又は約51μm以下の厚さを有する、実施形態64に記載のソレノイド。
実施形態74.低摩擦軸受ライナーが、少なくとも約50μm、又は少なくとも約55μm、又は少なくとも約60μm、又は少なくとも約65μm、又は少なくとも約69μmの厚さを有する、実施形態64に記載のソレノイド。
実施形態75.低摩擦軸受ライナーが、約100μm以下、又は約95μm以下、又は約90μm以下、又は約85μm以下、又は約80μm以下、又は約75μm以下、又は約71μm以下の厚さを有する、実施形態64に記載のソレノイド。
実施形態76.低摩擦軸受ライナーが、基材の下にある第2の低摩擦層を更に含み、第2の低摩擦層が、第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分と、第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分全体に分散された第2の熱可塑性充填剤構成成分と、を含む、実施形態64に記載のソレノイド。
実施形態77.第2の低摩擦層が、少なくとも約0.01かつ約100以下の含有量比TFC-1WC/FMC-1WCを更に含む、実施形態76に記載のソレノイド。
実施形態78.第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分の含有量が、第2の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約99重量%以下であり、第2の熱可塑性充填剤構成成分の含有量が、第2の低摩擦層の総重量に対して少なくとも約1重量%であり、また約99重量%以下である、実施形態76に記載のソレノイド。
実施形態79.第2のフルオロポリマーマトリックス構成成分が、フッ素化エチレンプロピレン材料、ペルフルオロアルコキシアルカン材料、変性PTFE材料、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種を含む、実施形態76に記載のソレノイド。
実施形態80.第2の低摩擦層がフッ素化エチレンプロピレン材料からなる、実施形態76に記載のソレノイド。
実施形態81.第2の低摩擦層がポリテトラフルオロエチレン材料からなる、実施形態76に記載のソレノイド。
実施形態82.第2の低摩擦層がフッ素化エチレンプロピレン材料からなる、実施形態76に記載のソレノイド。
実施形態83.第2の熱可塑性充填剤が、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリエステル、ポリフェニレン硫化物(PPS)、合成繊維、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施形態76に記載のソレノイド。
実施形態84.第2の熱可塑性充填剤が、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリエステル、ポリフェニレン硫化物(PPS)、又は合成繊維からなる、実施形態76に記載のソレノイド。
実施形態85.第2の低摩擦層が、少なくとも約1マイクロメートルの厚さを有する、実施形態76に記載のソレノイド。
実施形態86.第2の低摩擦層が、約125マイクロメートル以下の厚さを有する、実施形態76に記載のソレノイド。
実施形態87.低摩擦軸受ライナーが、少なくとも約1マイクロメートルの厚さを有する、実施形態76に記載のソレノイド。
実施形態88.低摩擦軸受ライナーが、約500マイクロメートル以下の厚さを有する、実施形態76に記載のソレノイド。
実施形態89.LFL-2が第1の外層の厚さに等しく、Sが基材の厚さと等しい、少なくとも約0.05、少なくとも約0.06、又は少なくとも約0.07、又は少なくとも約0.08、又は少なくとも約0.09の厚さ比LFL-2/Sを更に含む、実施形態76に記載のソレノイド。
【実施例
【0058】
実施例1
本明細書中に記載される概念は、以下の実施例において更に記載され、これは、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
【0059】
サンプル低摩擦ライナーS1~S10を、本明細書に記載の実施形態に従って形成した。サンプル低摩擦ライナーS1は、15重量%のPEEK充填剤を含有するPTFEのマトリックスを含み、PEEKは、11.22マイクロメートルのd50粒径を有する。サンプルS2は、5重量%のPEEK充填剤を含有するPTFEのマトリックスを含み、PEEKは、11.22マイクロメートルのd50粒径を有する。サンプル低摩擦ライナーS3は、15重量%のPBI充填剤を含有するPTFEのマトリックスを含み、PBIは、5.26マイクロメートルのd50粒径を有する。サンプル低摩擦ライナーS4は、5重量%のPBI充填剤を含有するPTFEのマトリックスを含み、PBIは、5.26マイクロメートルのd50粒径を有する。サンプル低摩擦ライナーS5は、15重量%のPAI充填剤を含有するPTFEのマトリックスを含み、PAIは、4.22マイクロメートルのd50粒径を有する。サンプル低摩擦ライナーS6は、5重量%のPAIを含有するPTFEのマトリックスを含み、PAIは、4.22マイクロメートルのd50粒径を有する。サンプル低摩擦ライナーS7は、15重量%の芳香族ポリエステルを含有するPTFEのマトリックスを含み、芳香族ポリエステルは、9.3マイクロメートルのd50粒径を有する。サンプル低摩擦ライナーS8は、5重量%の芳香族ポリエステルを含有するPTFEのマトリックスを含み、芳香族ポリエステルは、9.3マイクロメートルのd50粒径を有する。サンプル低摩擦ライナーS9は、15重量%のポリアミドを含有するPTFEのマトリックスを含み、ポリアミドは、3.43マイクロメートルのd50粒径を有する。サンプル低摩擦ライナーS10は、5重量%のポリアミドを含有するPTFEのマトリックスを含み、ポリアミドは、3.43マイクロメートルのd50粒径を有する。
【0060】
サンプル低摩擦ライナーS1~S10と比較するために、比較サンプル低摩擦ライナーCS1を調製した。比較サンプル低摩擦ライナーCS1は、100重量%のPTFEを含む。
【0061】
サンプル低摩擦ライナーS1~S10及び比較サンプル低摩擦ライナーCS1を試験して、140℃の動作温度で、6,000csのシリコーン油で潤滑された、1/4インチのポリイミド摩耗球と接触させることにより、260mm/秒で8ニュートンの垂直力下で測定される摩擦計試験を使用して、83分後のそれらの摩擦係数及び83分後のそれらの摩耗率を決定した。各サンプルの試験結果を以下の表1に要約する。
【0062】
【表1】
【0063】
実施例2
サンプル低摩擦ライナーS11及びS12は、本明細書に記載の実施形態に従って形成された。サンプル低摩擦ライナーS11は、5重量%のPTFEと95重量%のPEEKとの組成物を含み、PEEKは、11.22マイクロメートルのd50粒径を有する。サンプルS12は、15重量%のPTFEと85重量%のPEEK充填剤との組成物を含み、PEEKは、11.22マイクロメートルのd50粒径を有する。
【0064】
サンプル低摩擦ライナーS11~S12と比較するために、比較サンプル低摩擦ライナーCS2を調製した。比較サンプル低摩擦ライナーCS2は、100重量%のPEEKを含み、PEEKは、11.22マイクロメートルのd50粒径を有する。
【0065】
サンプル低摩擦ライナーS11、S12、及び比較サンプル低摩擦ライナーCS2を試験して、140℃の動作温度で、6,000csのシリコーン油で潤滑された、1/4インチのポリイミド摩耗球と接触させることにより、260mm/秒で8ニュートンの垂直力下で測定される摩擦計試験を使用して、83分後のそれらの摩擦係数及び83分後のそれらの摩耗率を決定した。各サンプルの試験結果を以下の表2に要約する。
【0066】
【表2】
【0067】
一般的な説明又は実施例において、上で説明される作業の全てが必要とされるわけではなく、特定の作業の一部が必要とされない場合があり、説明される作業に加えて1つ以上の更なる作業が行われ得ることに留意されたい。なおも更に、作業が列挙される順序は、必ずしもそれらが行われる順序ではない。
【0068】
利益、その他の利点、及び問題の解決策は、特定の実施形態に関して上で説明されている。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、及び任意の利益、利点、又は解決策をもたらすかより顕著にする可能性がある任意の特徴は、請求項のいずれか又は全ての重要な、必要な、又は本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0069】
本明細書に記載の実施形態の明細書及び図面は、種々の実施形態の構造の一般的な理解を提供することを意図している。明細書及び図面は、本明細書に記載の構造又は方法を使用する装置及びシステムの全ての要素及び特徴の網羅的かつ包括的な説明として役立つことを意図するものではない。別個の実施形態が単一の実施形態中に組み合わせて提供されてもよく、逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において説明されている種々の特徴が、別々に又は任意の部分的組み合わせで提供されてもよい。更に、範囲に記載された値への言及は、その範囲内の各々の値全てを含む。多くのその他の実施形態が、本明細書を読んだ後にのみ当業者に明らかとなってもよい。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的置換、論理的置換、又は別の変更を行い得るように、その他の実施形態を使用し、本開示から導出することができる。したがって、本開示は、限定的ではなく例示的なものとみなされるべきである。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】