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特表2023-550924マレイン酸/ビニルエーテルコポリマーを含む抗菌性組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-06
(54)【発明の名称】マレイン酸/ビニルエーテルコポリマーを含む抗菌性組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/48 20060101AFI20231129BHJP
   C11D 1/62 20060101ALI20231129BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20231129BHJP
   C11D 1/75 20060101ALI20231129BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20231129BHJP
   C11D 3/30 20060101ALI20231129BHJP
   C11D 3/26 20060101ALI20231129BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20231129BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
C11D3/48
C11D1/62
C11D3/37
C11D1/75
C11D1/72
C11D3/30
C11D3/26
C11D3/20
C11D3/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530259
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(85)【翻訳文提出日】2023-05-18
(86)【国際出願番号】 US2021061514
(87)【国際公開番号】W WO2022119991
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】20211914.5
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ヘイワード、アダム・サイモン
(72)【発明者】
【氏名】ペレス-プラート・ヴィヌエサ、エヴァ・マリア
(72)【発明者】
【氏名】モラレス・ガルシア、アナ・エル
(72)【発明者】
【氏名】ストイカ、オレナ・マリア
(72)【発明者】
【氏名】フォン、レベッカ・ジェーン
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AC08
4H003AC15
4H003AE05
4H003BA12
4H003DA05
4H003EB08
4H003EB13
4H003EB14
4H003EB32
4H003ED02
4H003FA24
4H003FA26
4H003FA34
(57)【要約】
水性抗菌性清浄組成物であって、組成物の約0.05重量%~約2重量%の四級アンモニウム殺生物性化合物と、組成物の約0.1重量%~約4重量%の、マレイン酸-コ-アルキルビニルエーテルモノマーを含むポリマーと、組成物の約0.05重量%~約5重量%の界面活性剤と、組成物の約0重量%~約3重量%のpH調整剤と、組成物の少なくとも80重量%の水と、を含む、組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性抗菌性清浄組成物であって、
i)前記組成物の約0.05重量%~約2重量%の四級アンモニウム殺生物性化合物と、
ii)前記組成物の約0.1重量%~約4重量%の、マレイン酸-コ-アルキルビニルエーテルモノマーを含むポリマーと、
iii)前記組成物の約0.05重量%~約5重量%の界面活性剤と、
iv)前記組成物の約0重量%~約3重量%のpH調整剤と、
v)前記組成物の少なくとも80重量%の水と、を含む、組成物。
【請求項2】
前記組成物の約0.6重量%~約1.5重量%の前記ポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物の約0.2重量%~約2重量%の前記四級アンモニウム殺生物性化合物を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記界面活性剤が、アミンオキシド界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記界面活性剤が、C10アミンオキシドを含むアミンオキシド界面活性剤を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記界面活性剤が、アルコールアルコキシレートを含む非イオン性界面活性剤を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記四級アンモニウム殺生物性化合物が、混合物であって、前記混合物の30重量%~50重量%のN-アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリドと、前記混合物の20重量%~40重量%のN-オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリドと、前記混合物の5重量%~25重量%のジ-n-デシルジメチルアンモニウムクロリドと、前記混合物の5重量%~25重量%のジ-n-ジオクチルジメチルアンモニウムクロリドと、を含む、混合物である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記ポリマーの分子量が、約50000Da~約2000000Daである、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、25℃で測定される場合、7以上のpHを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、非イオン性界面活性剤を含み、かつ、25℃で測定される場合、7未満のpHを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
i)前記組成物の約0.2重量%~約2重量%の前記四級アンモニウム殺生物性化合物と、
ii)前記組成物の約0.1重量%~約2重量%の前記ポリマーと、
iii)前記組成物の約0.1重量%~約2重量%のアミンオキシド界面活性剤と、
iv)前記組成物の約0.1重量%~約3重量%のpH調整剤、好ましくはモノエタノールアミン及び/又は水酸化アンモニウムと、を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
i)前記組成物の約0.2重量%~約2重量%の前記四級アンモニウム殺生物性化合物と、
ii)前記組成物の約0.1重量%~約2重量%の前記ポリマーと、
iii)前記組成物の約0.1重量%~約4重量%の非イオン性界面活性剤と、
iv)前記組成物の約0.1重量%~約3重量%のpH調整剤、好ましくはクエン酸と、を含む、請求項1~8又は10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物の0.01重量%~0.5重量%の香料を更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
表面に残留殺生物性特性を提供するための方法であって、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物で前記表面を処理する工程を含む、方法。
【請求項15】
表面に残留殺生物性特性を提供するための、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌性組成物の分野、特に抗菌性清浄組成物の分野におけるものである。本組成物は、残留殺生物性特性を提供する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2016/086012(A1)号に記載されているものなどの組成物は、長期持続性の殺菌効果を提供する。抗菌性組成物は、四級アンモニウム化合物及びポリマーなどの、かさ高く、高度に荷電した分子を含み得る。四級アンモニウム化合物は、抗菌性効果を提供するために使用され、ポリマーは、多くの場合、望ましい表面仕上げを提供するために使用される。これらの分子は、特に反対電荷を有する場合、相互作用及び合体する傾向があり、これらの反対に荷電した化合物を含有する安定な組成物を配合することを非常に困難にする。
【0003】
既存の抗菌性組成物で処理された表面は、光沢プロファイルが不良であり、乾燥速度が遅く、かつべたつき/粘着性の感触が残り、使用者にとって清浄性の欠如を伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2016/086012(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、安定な抗菌性清浄組成物が依然として必要とされている。本組成物は、長期持続性の殺菌を提供することが望ましい。また、本組成物が、処理された表面上に良好な光沢及び粘着性の欠如を提供することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様により、抗菌性清浄組成物が提供される。本組成物は、貯蔵時に安定である。本組成物は、良好な清浄及び好ましくは良好な光沢を提供し、処理された表面に筋ムラ又は粘着性を残さない。好ましくは、本組成物は、処理された表面に残留殺生物性特性を提供する。
【0007】
本発明の第2の態様により、本発明の組成物で表面を処理して、表面に残留殺生物性特性を提供する方法が提供される。
【0008】
本発明の第3の態様により、表面、特に硬質表面に、残留殺生物性特性を提供するための本発明の組成物の使用が提供される。
【0009】
本発明の第1の態様に関連して説明される本発明の組成物の要素は、必要な変更を加えて、発明の他の態様にも適用される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で使用される百分率、比率、及び割合は全て、別段の指定がない限り、組成物の重量%である。全ての平均値は、別段の明示的な指示がない限り、組成物の「重量により」計算される。別段の指定がない限り、全ての比率は重量/重量レベルとして計算される。
【0011】
別段の指定がない限り、全ての測定は、25℃で実施される。
【0012】
別段の注記がない限り、全ての構成要素又は組成物のレベルは、その構成要素又は組成物の活性部分に関するものであり、このような構成要素又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0013】
本明細書で使用される場合、「微生物」又は「微生物の」という用語は、微生物学者によって研究される微生物、又は処理された物品の使用環境に見られる微生物のいずれかを指すと解釈されるべきである。このような生物は、細菌及び真菌、同様にカビ、うどんこ病、及び藻類などの他の単細胞生物を含むが、これらに限定されない。ウイルス粒子及び他の感染病原体もまた、微生物という用語に含まれる。
【0014】
「抗菌性」は、更に、殺微生物特性及び微生物静菌特性の両方の特性を包含すると理解されるべきである。即ち、この用語は、微生物殺滅、それによる微生物の数の減少、及び微生物成長の遅延効果を包含し、ここで、その数は、おおむね一定のままであってもよい(しかしながら、わずかな増加/減少を許容する)。
【0015】
考察を容易にするために、本明細書は、抗菌性という用語を使用して、広域スペクトル活性(例えば、細菌、ウイルス、及び真菌に対する)を表す。特定の微生物又は分類学的階級に対する効果について言えば、より集束された用語が使用されるものとする(例えば、特に真菌成長に対する効果を表示する抗真菌剤)。上記の例を使用して、真菌に対する効果は、いかなる方法でも、同じ抗菌性組成物が別のクラスの微生物に対する効果を実証し得る可能性を排除するものではないことを、理解されたい。
【0016】
残留殺生物性特性は、環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)により承認された、硬質の非多孔性表面上の乾燥生成物残基のための24時間の残留自己消毒(Residual Self Sanitizing、RSS)試験方法(EPA#01-1A)において少なくとも99.9%の微生物低減を達成することを指す。即ち、残留殺生物性特性を示す本発明の組成物は、12回の摩耗及び5回の再接種の24時間試験レジーム後に少なくとも99.9%の微生物減少を果たすことができる。
【0017】
抗菌性組成物
本発明は、抗菌性組成物を対象とする。本組成物は、
i)組成物の約0.05重量%~約2重量%の四級アンモニウム殺生物性化合物と、
ii)組成物の約0.1重量%~約4重量%の、マレイン酸-コ-アルキルビニルエーテルモノマーを含むポリマー(即ち、このポリマーは、マレイン酸とアルキルビニルエーテルとのコポリマーである)と、
iii)組成物の約0.05重量%~約5重量%の界面活性剤であって、好ましくは、アミンオキシド界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、界面活性剤と。
iv)組成物の約0重量%~約3重量%のpH調整剤と、
v)組成物の少なくとも80重量%の水と、を含む。
【0018】
本組成物は、他の成分の中でも、pH調整剤及び/又は芳香剤を更に含んでもよい。本組成物は、水溶液であり、好ましくは、本組成物は、組成物の80重量%超、より好ましくは85重量%超、特に86重量%~99重量%の水を含む。
【0019】
本組成物は、EPA承認24時間RSS試験方法(EPA#01~1A)において少なくとも99.9%の微生物低減を果たすことにより、少なくとも24時間、抗菌性及び残留殺生物性特性を提供するように配合されており、本組成物は、スプレー、ローリング、フォギング、ワイピング、又は他の手段によって表面に適用され得る。好ましくは、本組成物は、表面に適用され、放置して乾燥させる。本組成物は、表面消毒剤として作用し、少なくとも24時間表面に存在する感染微生物を殺滅する。
【0020】
乾燥させると、液体配合物は、表面上に残留保護フィルムを残す。残留フィルムは、殺生物性特性を有し、その適用後に長期間にわたって、微生物汚染に対する表面の保護を維持することを可能にする。
【0021】
本抗菌性組成物は、処理された表面上へのフィルムの付着後少なくとも24時間、細菌及び他の病原菌を迅速に殺滅する能力を有するフィルムをもたらす。迅速な殺滅とは一般に、約30秒~約5分の時間を指す。フィルムは表面上に残り、表面の複数の接触及び摩擦に耐久性がある。組成物が表面に適用された後、表面は良好な光沢プロファイルを呈する。
【0022】
四級アンモニウム殺生物性化合物
好ましい四級アンモニウム化合物(quaternary ammonium compound、QAC)としては、以下の分子構造を有するQACが挙げられ、
【0023】
【化1】
式中、
R1、R2、R3、及びR4は独立して選択され、その例としては、ヘテロ原子の有無、又は飽和であるか若しくは非飽和であるかにかかわらず、アルキル、アルコキシ、又はアリールが挙げられるが、それらに限定されない。官能基の一部又は全部が、同じであってもよい。
【0024】
対応するアニオンX”としては、ハロゲン、スルホネート、サルフェート、ホスホネート、ホスフェート、カーボネート/ビカルボネート、ヒドロキシ、又はカルボキシレートが挙げられるが、それらに限定されない。
【0025】
QACとしては、n-アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジ-n-オクチルジメチルアンモニウムクロリド、ドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジ-n-デシルジメチルアンモニウムクロリド、N-オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、n-アルキルジメチルベンジルアンモニウムサッカリン酸塩、及び3-(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロリドが挙げられるが、それらに限定されない。
【0026】
複数の単量体QACの組み合わせが、本発明の組成物に使用されることが好ましい。QACの組み合わせの具体的例としては、N-アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド(40%)と、N-オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド(30%)と、ジ-n-デシルジメチルアンモニウムクロリド(15%)と、ジ-n-オクチルジメチルアンモニウムクロリド(15%)との組み合わせである。上記の百分率は、ブレンドされたQAC組成物の総重量に基づいた、個々のQACの重量百分率である。市販の四級アンモニウム化合物の例としては、Lonza製のBardac 205M及び208M、並びにStepan Company製のBTC885が挙げられるが、それらに限定されない。本組成物は、本組成物の約0.05重量%~約2重量%、好ましくは0.1重量%~1重量%のQACを含む。
【0027】
ポリマー
本組成物は、好ましくは、組成物の約0.1重量%~約4重量%、好ましくは約0.5重量%~約2重量%のポリマーを含む。より好ましくは、組成物の約0.6重量%~約1.5重量%のポリマー。ポリマーは、マレイン酸とアルキルビニルエーテルとのコポリマーである。アルキル基は、好ましくはC1~C20アルキル、より好ましくはC1~C14アルキル、より好ましくはC1~C6アルキル、最も好ましくはC1アルキル(即ち、メチル)から選択される。
【0028】
好ましくは、ポリマーは、直鎖状コポリマーである。コポリマーは、メチルビニルエーテル及びマレイン酸の繰り返し単位を有する。本発明のポリマーの繰り返し単位は、以下の式によって表され、
【0029】
【化2】
式中、R基は、以下の式で示されるように、アルキル、好ましくはメチルである。
【0030】
【化3】
【0031】
本発明に好適なポリマーを合成するために、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸とを反応させて、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマーを形成する。次いで、このメチルビニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマーを加水分解して、メチルビニルエーテルとマレイン酸とのコポリマー(ジカルボン酸形態)を生み出すことができる。水性抗菌性清浄組成物のpHに応じて、ポリマー内のマレイン酸構造単位の両方のカルボン酸基は、独立して、酸、塩、又はこれらの混合物として存在し得る。本発明によるポリマーは、好ましくは、50000Da~2000000Da、好ましくは50000Da~1500000Da、より好ましくは150000Da~1500000Daの光散乱検出(SEC-MALLS)を有する水性ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)によって測定される平均分子量(重量平均分子量、molecular weight、Mw)を有する。そのようなポリマーは、Gantrez S-95(約150000Da)、Gantrez S-96 BF(約700000Da)、及びGantrez S-97 BF(約1200000Da)などの、Ashlandから市販されているものである。本発明によるポリマーは水溶性であり、即ち、少なくとも0.1gのポリマーは20℃で100mlの水に可溶性である。ポリマーは、両性であり、即ち、ポリマーは、酸及び塩基性親水性基の両方を有し、条件に応じて酸性又は塩基性の挙動を示す。
【0032】
界面活性剤
本組成物は、好ましくは、組成物の0.05~5重量%、好ましくは0.05~4重量%の界面活性剤を含む。界面活性剤は、清浄される表面上の組成物の洗浄及び散布に寄与する。
【0033】
非イオン性界面活性剤
本発明の組成物は、好ましくは、本組成物の0.05~5重量%、より好ましくは0.05~4重量%の非イオン性界面活性剤を含む。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、アルコールアルコキシレート界面活性剤である。
【0034】
アルコールアルコキシレート非イオン性界面活性剤
好適なアルコールアルコキシレート非イオン性界面活性剤は、式RO-(A)nHによるものであり、式中、Rは、C4~C18、好ましくはC6~C16、より好ましくはC6~C14分岐鎖状若しくは直鎖状アルキル鎖、又はC6~C28アルキルベンゼン鎖であり、Aは、エトキシ又はプロポキシ又はブトキシ単位、あるいはこれらの混合物であり、nは1~30、好ましくは1~15、より好ましくは3~12、更により好ましくは3~8である。本明細書における使用に好ましいR鎖は、C6~C16直鎖状又は分岐鎖状アルキル鎖である。
【0035】
好適な分岐鎖状アルコキシル化アルコールは、C4~C10アルキル分岐鎖状アルコキシル化アルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。分岐鎖状アルコキシル化アルコールは、1つ以上のC1~C4分岐基を有するC4~C10一級モノアルコールからなる群から選択されるC4~C10アルキル分岐鎖状アルコールのアルコキシル化に由来し得る。
【0036】
C4~C10一級モノ-アルコールは、一級モノ-アルコールの主鎖が、合計4~10個の炭素原子を有することを意味する。C4~C10一級モノ-アルコールは、メチルブタノール、エチルブタノール、メチルペンタノール、エチルペンタノール、メチルヘキサノール、エチルヘキサノール、プロピルヘキサノール、ジメチルヘキサノール、トリメチルヘキサノール、メチルヘプタノール、エチルヘプタノール、プロピルヘプタノール、ジメチルヘプタノール、トリメチルヘプタノール、メチルオクタノール、エチルオクタノール、プロピルオクタノール、ブチルオクタノール、ジメチルオクタノール、トリメチルオクタノール、メチルノナノール、エチルノナノール、プロピルノナノール、ブチルノナノール、ジメチルノナノール、トリメチルノナノール、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0037】
C4~C10一級モノアルコールは、エチルヘキサノール、プロピルヘキサノール、エチルヘプタノール、プロピルヘプタノール、エチルオクタノール、プロピルオクタノール、ブチルオクタノール、エチルノナノール、プロピルノナノール、ブチルノナノール、及びこれらの混合物からなる群から選択することできる。
【0038】
好ましくは、C4~C10一級モノアルコールは、エチルヘキサノール、プロピルヘキサノール、エチルヘプタノール、プロピルヘプタノール及びこれらの混合物からなる群から選択することできる。
【0039】
C4~C10一級モノアルコールは、最も好ましくはエチルヘキサノール及びプロピルヘプタノールである。
【0040】
分岐鎖状アルコキシル化アルコールでは、1つ以上のC1~C4分岐基を、出発アルコールのヒドロキシル基から測定されるように、C1~C3位置、好ましくはC1~C2位置、より好ましくはC2位置でC4~C10一級モノアルコールに置換することができる。
【0041】
分岐状アルコキシル化アルコールは、1~14、好ましくは2~7、より好ましくは4~6のエトキシレート単位、及び任意選択で、1~9、好ましくは2~7、より好ましくは4~6のプロポキシレート単位を含むことができる。
【0042】
分岐状アルコキシル化アルコールは、好ましくは、4~6の程度までエトキシル化された2-エチルヘキサン-1-オールであり、4~6の程度までプロポキシル化され、より好ましくは、アルコールは、最初にプロポキシル化され、次いでエトキシル化される。別の好ましい分岐鎖状アルコキシル化アルコールは、1~14、好ましくは2~7、より好ましくは3~6のエトキシレート又はエトキシレート-プロポキシレート単位を有するアルコキシレートC10ゲルベアルコールなどの2-アルキル-1-アルカノールである。
【0043】
好適な分岐鎖状アルコキシル化アルコールの非限定的な例は、例えば、DOWから市販されているEcosurf(登録商標)EH3、EH6、及びEH9、並びにBASFから入手可能なLutensol(登録商標)XPアルコキシレートゲルベアルコール及びLutensol(登録商標)XLエトキシル化ゲルベアルコールである。
【0044】
本明細書で好ましい直鎖状アルコールアルコキシレート非イオン性界面活性剤は、C8、C10、C12、C8~C10の混合物、C10~C12の混合物、C9~C11の直鎖状アルキル鎖及び8個以下のエトキシレート単位、好ましくは3~8個のエトキシレート単位を有するアルコキシル化非イオン性界面活性剤である。
【0045】
本明細書で使用するための好適な直鎖状アルコキシル化非イオン性界面活性剤の非限定的な例は、Dobanol(登録商標)91-2.5(RはC9~C11アルキル鎖の混合物であり、nは2.5である)、Dobanol(登録商標)91-5(RはC9~C11アルキル鎖の混合物であり、nは5である)、Dobanol(登録商標)91-10(RはC9~C11アルキル鎖の混合物であり、nは10である)、Greenbentine DE60(RはC10直鎖アルキル鎖であり、nは6である)、Marlipal 10-8(RはC10直鎖状アルキル鎖であり、nは8である)、Neodol 91-8(RはC9~C11アルキル鎖の混合物であり、nは8である)、Empilan(登録商標)KBE21(RはC12~C14アルキル鎖の混合物であり、nは21である)、Lutensol ON30(RはC10直鎖状アルキル鎖であり、nは3である)、Lutensol ON50(RはC10直鎖状アルキル鎖であり、nは5である)、Lutensol ON70(RはC10直鎖状アルキル鎖であり、nは7である)、Novel 610-3.5(RはC6~C10直鎖状アルキル鎖の混合物であり、nは3.5である)、Novel810FD-5(RはC8~C10直鎖状アルキル鎖の混合物であり、nは5である)、Novel10-4(RはC10直鎖状アルキルであり、nは4である)、Novel 1412-3(RはC12~C14直鎖状アルキル鎖の混合物であり、nは3である)、Lialethl(登録商標)11-5(RはC11直鎖状アルキル鎖であり、nは5である)、Lialethl(登録商標)11-21(Rは直鎖状及び分岐鎖状C11アルキル鎖の混合物であり、nは21である)、又はこれらの混合物である。
【0046】
アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、例えば、以下に示される一般式を有し、DOWによって市販されているTergitol(商標)-15-S界面活性剤などの二級アルコールエトキシレートであってもよい。
【0047】
【化4】
【0048】
Tergitol 15-S界面活性剤
好ましい二級アルコールエトキシレート界面活性剤は、3~9個のEO単位を有する。
【0049】
別の好適なアルコキシレート非イオン性界面活性剤は、好ましくは分子のアルコキシ部分が、プロポキシ、又はブトキシ、又はプロポキシブトキシである、アルキルエトキシアルコキシアルコールである。より好ましいアルキルエトキシアルコキシアルコールは、式(II)のものであり、
【0050】
【化5】
式中、
Rは、8~16個の炭素原子を有する分岐鎖又は非分岐鎖アルキルラジカルであり、
R1は、1~5個の炭素原子を有する分岐鎖状又は非分岐鎖状アルキルラジカルであり、
nは1~10であり、mは6~35である。
【0051】
好ましくは、Rは、12~15個、好ましくは13個の炭素原子である。R1は、炭素原子数1~2の分岐鎖状アルキルラジカルであることが好ましく、nは1~5であることが好ましく、mは8~25であることが好ましい。好ましくは、式(II)のエトキシル化アルコキシル化非イオン性界面活性剤の重量平均分子量は、500~2000g/モル、より好ましくは600~1700g/モル、最も好ましくは800~1500g/モルである。
【0052】
エトキシル化アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、ポリオキシアルキレンコポリマーであり得る。ポリオキシアルキレンコポリマーは、ブロック-ヘテリックエトキシル化アルコキシレート非イオン性界面活性剤であり得るが、ブロック-ブロック界面活性剤が好ましい。好適なポリオキシアルキレンブロックコポリマーとしては、式(III)のエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーが挙げられ、
(EO)x(PO)y(EO)x、又は
(PO)x(EO)y(PO)x
式中、
EOが、エチレンオキシド単位を表し、POが、プロピレンオキシド単位を表し、x及びyが、生成物の各モルにおけるエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの平均数を詳述する数である。かかる物質は、殆どの非イオン性界面活性剤よりも高い分子量を有する傾向があり、そのため、1000~30000g/モルの範囲であり得るが、分子量は、本発明に従うものとするためには、2200超かつ好ましくは13000未満であるべきである。ポリマー非イオン性界面活性剤の分子量の好ましい範囲は、2400~11500ダルトンである。BASF(Mount Olive,N.J.)は、好適な一連の誘導体を製造し、それらをPluronicの商品名で販売している。これらの例は、それぞれ6600、2450、及び11400g/モルの分子量を有する、Pluronic(商標)F77、L62、及びF88である。
【0053】
他の好適なエトキシル化アルコキシレート非イオン性界面活性剤は、Surfactant Science and Technology,Third Edition,Wiley Press,ISBN978-0-471-68024-6の第7章に記載されている。
【0054】
最も好ましくは、アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、2-プロピルヘプチルEO8(Lutensol XL89-BASF)、2-プロピルヘプチルEO5(Lutensol XL50-BASF)、C10アルコールEO5(Lutensol ON50-BASF)、C10-アルコールEO7(Lutensol ON70-BASF)、C8-C10 EO5(Novel810 FD5 Sasol)、C10 EO4(Novel 10-4 Sasol)、Tergitol 15-S-3、Tergitol15-S-5、Tergitol 15-S-7、及びエチルヘキサノールPO5EO6(Ecosurf EH6-Dow)からなる群から選択される。
【0055】
アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤
アルキルポリグリコシドは、当該技術分野において周知の生分解性非イオン性界面活性剤であり、本発明の組成物に使用することができる。好適なアルキルポリグリコシドは、一般式CnH2n+1O(C6H10O5)xHを有することができ、式中、nは、好ましくは8~16、より好ましくは8~14であり、xは、少なくとも1である。好適なアルキルポリグルコシド界面活性剤の例は、DowからのTRITON(登録商標)アルキルポリグルコシド、BASFからのAgnique PG、Disponil APG、及びGlucoponアルキルポリグルコシドである。好ましいアルキルポリグルコシド界面活性剤は、nが8~12、より好ましくは8~10、例えばTriton(登録商標) CG50(Dow)などのものである。
【0056】
アルキルグルカミド非イオン性界面活性剤
本発明の組成物は、アルキルグルカミド界面活性剤を含んでもよい。グルカミド界面活性剤は、親水性部分(アミノ-糖誘導体)及び疎水性部分(脂肪酸)がアミド結合を介して連結している非イオン性界面活性剤である。これにより、アルカリ条件下で非常に安定である化学結合をもたらす。特に好ましいアルキルグルカミド界面活性剤は、式(I)のN-アルキル-N-アシルグルカミドであり、
【0057】
【化6】
式中、
Raは、6~22個の炭素原子を有する、直鎖状又は分岐鎖状で、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基であり、Rbは、C1~C4アルキルラジカルである。特に好ましくは、式(I)中のRbは、メチルラジカルである。これらのグルカミド界面活性剤の非限定的な例は、ClariantからGlucoPure Foamの商品名で入手可能な、N-オクタノイル-N-メチルグルカミド、N-ノナノイル-N-メチルグルカミド、N-デカノイル-N-メチルグルカミド、N-ドデカノイル-N-メチルグルカミド、N-ココイル-N-メチルグルカミド、ClariantからGlucoPure Degの商品名で入手可能なN-ラウロイル/ミリストイル-N-メチルグルカミド、及び、ClariantからGlucoPure Wetの商品名で入手可能なN-オクタノイル/デカノイル-N-メチルグルカミドである。
【0058】
アルキルグルカミン界面活性剤
本発明の組成物は、以下の式(I)によるアミン化合物から選択されるアミン界面活性剤を含み得る:
R1-N-(R2)(CH2CHOH(CH2O)nR3) 式(I)
式中、
R1及びR2は、独立して、水素、環式又は非環式、直鎖状又は分岐鎖状の、C1~C10のアルキル、C1~C10のヒドロキシアルキル、ポリヒドロキシヒドロカルビル、及び、式(R4-O)xH(式中、R4はC1~C4ポリアルコキシであり、xは1~15であり、好ましくはxは1~5であり、より好ましくはxは1である)のポリアルコキシから選択され、nは、0又は1、好ましくは1であり、かつR3は、C6~C30のヒドロカルビル、好ましくはC6~C30のアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アラルキル又はアルケニルである。
【0059】
「ポリヒドロキシヒドロカルビル」は、2つ以上のヒドロキシル(-OH)基を有するヒドロカルビルである。「ヒドロカルビル」は、例えばエチル、フェニルなどの炭化水素から水素原子を除去することによって形成される一価の基である。
【0060】
R1がポリヒドロキシヒドロカルビルである場合には、R1は、非環式又は環式のポリヒドロキシヒドロカルビル、好ましくは直鎖状ポリヒドロキシヒドロカルビルである。好ましくは、R1は、少なくとも2つのヒドロキシル基を有する直鎖状のC3~C8鎖であり、好ましくは、鎖の炭素原子に直接結合した、少なくとも3つのヒドロキシル基を有するC4~C7鎖である。R1は、例えば、更なるヒドロキシル基又は、例えばポリヒドロキシアルキル基などの更なるポリヒドロキシヒドロカルビルのエーテル化によって、置換基、特にアルコキシ基を含んでもよい。R1は、好ましくは、塩基性炭素鎖の置換基上にかかるヒドロキシル基を含む少なくとも3つの遊離ヒドロキシル基を含む。代替的に、R1は、内部エーテル結合を含む環構造から選択することができ、この環は、少なくとも2個以上のヒドロキシル基を含み、最も好ましくは、ヒドロキシル基は、式(I)中の窒素に結合していない炭素原子上にある。R1が、開鎖テトラトール、ペンチトール、ヘキシトール、若しくはヘプチトール基、又はそのような基のシクロエーテルアンヒドロ誘導体などのアンヒドロであってもよい。
【0061】
R1は、糖、好ましくは単糖類、二糖類、又は三糖類からなる群から選択される糖、好ましくは単糖類から誘導されるポリヒドロキシヒドロカルビルであり得る。例えば、R1は、糖、特にグルコース、キシロース、フルクトース若しくはソルビトールなどの単糖類、マルトース若しくはスクロースなどの二糖類、又はより高次のオリゴ糖の残基、あるいはこれらの糖に由来する残基であってもよい。単糖類が好ましいが、二糖類及び三糖類も、典型的にはポリヒドロキシヒドロカルビルが由来する糖中に存在する比で存在し得る。好ましくは、R1は、グルコース、キシロース、マルトース及びこれらの混合物からなる群の糖から誘導される。
【0062】
好ましいR1基は、グリコースから誘導され、かつ以下の式のものであり、
-CH2(CHOH)4-CH2OH (式II)
例えば、グルコース、マンノース又はガラクトース、好ましくはグルコースなどの単糖類からの残基に対応する。単糖類のアルデヒドは、典型的には、式Iのアミンに単糖類を結合させる反応の間に排除される。R1がグルコースから誘導される場合には、これは特に好ましい。この場合、-NR1基は、以下の式のものであり、
-N-CH2(CHOH)4-CH2OH (式III)
この基は便宜上、グリカミン基と呼ばれる。最も好ましくは、R1基はグルコースから誘導され、対応するアミンは、(通常、グルコースから製造されるため)グルカミンと呼ばれ得る。R1基は、1個、2個、又はそれ以上のグルコース単位を含んでもよく、得られるグルカミンは、モノグルカミン(R1は1つのグルコース単位を含む)、ジグルカミン(R1は2つのグルコース単位を含む)、及びトリグルカミン(R1は3個のグルコース単位を含む)の混合物であってもよい。
【0063】
R1がC1~C10のアルキルである場合、そのアルキルは、好ましくは1~5個、より好ましくは1~4個、更により好ましくは1~2個の炭素原子を含むアルキルである。最も好ましくは、R1がポリヒドロキシヒドロカルビルではない場合、そのR1は、水素又はメチルである。最も好ましくは、R1はポリヒドロキシヒドロカルビルである。
【0064】
R2は、特にR1がポリヒドロキシヒドロカルビルである場合には、好ましくは、水素及びC1~C10のアルキルからなる群から選択される。R2は、好ましくは水素であるか、又は1~5個、より好ましくは1~4個、更により好ましくは1~2個の炭素原子を含むアルキル基である。最も好ましくは、R2は水素又はメチルである。
【0065】
R1がポリヒドロキシヒドロカルビルではない場合、R1及びR2は、好ましくは独立して、水素又は1~5個、好ましくは1~4個、更により好ましくは1~2個の炭素原子を含むアルキル基から選択される。最も好ましくは、R1及びR2は、独立して水素又はメチルから選択される。
【0066】
R3はヒドロカルビルであり、好ましくはC6~C30のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、又はアルケニル基から選択され、好ましくはアルキル基は、6~30個、好ましくは7~20個、より好ましくは8~15個、更により好ましくは8~14個の炭素原子を含む。アルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは2位又は3位で、好ましくは2位で分岐するC1~C4、より好ましくはC1~C3であってもよい。R3はまた、例えば、ヒドロキシ又はアルコキシ置換アルキル基、特にヒドロキシ置換されたC6~C30のアルキル基などの、置換アルキル基であってもよい。更なるヒドロキシル基又は酸素原子が、水溶性を適度に向上させてもよい。R3は、アラルキル基、特にベンジル基などのC7~C12のアラルキル基であってもよい。R3は、好ましくは、C6~C14のアルキル及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、R3はヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0067】
式(I)によるアミン化合物から選択されるアミン界面活性剤は、以下のような式を有し得、
R1が、好ましくは単糖類、より好ましくはグルコースから誘導されるポリヒドロキシヒドロカルビルであり、かつ以下の式を有し、
-CH2(CHOH)4CH2OH 式II
R2が、水素又はメチルであり、
R3が、C6~C10のアルキル及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、R3が、ヘキシル、オクチル、デシル及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくはR3がデシルであり、最も好ましくはR3が2-プロピルヘプチルである。
【0068】
本明細書で使用するのに好ましいアミンとしては、nが1であり、R1がグルカミン化合物を形成するグルコースであり、R2がメチルであり、R3がヘキシル、オクチル又はデシルであるアミンが挙げられる。
【0069】
R3がオクチルである場合、そのR3は、好ましくはn-オクチル及び2-エチルヘキシルから選択される。R3がデシルである場合、そのR3は、好ましくはn-デシル及び2-プロピルヘプチルから選択される。
【0070】
本明細書で使用するのに好ましい他のアミンは、nが1であり、R1及びR2がメチルであり、R3がヘキシル、オクチル又はデシルであるアミンである。R3がオクチルである場合、そのR3は、好ましくはn-オクチル及び2-エチルヘキシルから選択される。R3がデシルである場合、そのR3は、好ましくはn-デシル及び2-プロピルヘプチルから選択される。
【0071】
複数の異なるアミンの混合物は、加工処理性、溶解性、及び性能の点で有利であり得る。
【0072】
このようなアミン界面活性剤は、特定のpHでは正味の正電荷を有し得るが、典型的には非イオン性界面活性剤と呼ばれる。しかしながら、低pH(界面活性剤のpKa未満)では、正味の正電荷を有し得る。
【0073】
これら界面活性剤は、欧州特許出願公開第16184415号及び米国特許出願公開第2019/0055496号に記載されている。
【0074】
アミンオキシド界面活性剤
本発明の組成物は、好ましくは組成物の0.05~5重量%、より好ましくは0.1~2重量%、より好ましくは0.2~1重量%のアミンオキシド界面活性剤を含む。
【0075】
好適なアミンオキシド界面活性剤としては、R1R2R3NOが挙げられ、式中、R1、R2、及びR3の各々は、独立して、1~30個の炭素原子を有する飽和又は不飽和、置換又は非置換、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素鎖である。好ましいアミンオキシド界面活性剤は、以下の式:R1R2R3NOを有するアミンオキシドであり、式中、R1は、1~30個、好ましくは6~20個、より好ましくは8~16個の炭素原子を含む炭化水素鎖であり、R2及びR3は、独立して、1~4個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、置換又は非置換、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素鎖であり、より好ましくはメチル基である。R1は、飽和又は不飽和、置換又は非置換、直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖であってよい。
【0076】
非常に好ましいアミンオキシドは、C8ジメチルアミンオキシド、C10ジメチルアミンオキシド、C12ジメチルアミンオキシド、C14ジメチルアミンオキシド、及びこれらの混合物であり、C8ジメチルアミンオキシドは、Clariantから商品名Genaminox(登録商標)OCで市販されており、C10ジメチルアミンオキシドは、Clariantから商品名Genaminox(登録商標)K-10で市販されており、C12ジメチルアミンオキシドは、Clariantから商品名Genaminox(登録商標)LA及びHuntsmanからEmpigen OBで市販されており、C14アミンオキシドは、HuntsmanからEmpigen OH25の商品名で市販されている。他の好適なアミンオキシド界面活性剤は、ClariantからGenaminox CHEの商品名で入手可能なココイルジエトキシアミンオキシド、及びHuntsmanからEmpigen OS/Aの商品名で市販されているコカミドプロピルアミンオキシドである。特に好ましいアミンオキシド界面活性剤は、Genaminox K-10などのC10ジメチルアミンオキシドである。アミンオキシド界面活性剤は、良好な清浄特性及び良好な光沢を提供する。
【0077】
双性イオン性及び/又は両性界面活性剤
硬質表面清浄組成物は、両性界面活性剤、双性イオン界面活性剤、及びこれらの混合物を含んでもよい。好適な双性イオン性界面活性剤は、典型的には、使用pHにおいて電気的に中性になるように、実質的に等しい比率でカチオン性基及びアニオン性基を両方含有し、当該技術分野において周知である。双性イオン性界面活性剤のいくつかの一般的な例は、米国特許第2,082,275号、同第2,702,279号、及び同第2,255,082号に記載されている。
【0078】
好適な双性イオン界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)、並びにホスホベタインなどのベタインが挙げられる。
【0079】
好適なベタインは、式(Ia)のアルキルベタイン、式(Ib)のアルキルアミドベタイン、式(Ic)のスルホベタイン、及び式(Id)のアミドスルホベタインであり、
R1-N+(CH3)2-CH2COO- (Ia)
R1-CO-NH(CH2)3-N+(CH3)2-CH2COO- (Ib)
R1-N+(CH3)2-CH2CH(OH)CH2SO3- (Ic)
R1-CO-NH-(CH2)3-N+(CH3)2-CH2CH(OH)CH2SO3- (Id)
式中、R1は、飽和又は不飽和C6~C22アルキル残基、好ましくはC8~C18アルキル残基である。特に好ましいのは、例えば、HuntsmanによってEmpigen BBの商品名で販売されているもののようなN-アルキル-N-ジメチルベタインなどの式Iaのベタインである。
【0080】
好適なベタイン及びスルホベタインの例は、以下のものであり、[INCI]に従って表記されている:アーモンドアミドプロピルベタイン、アプリコットアミドプロピルベタイン、アボカドアミドプロピルベタイン、ババスアミドプロピルベタイン、ベヘナミドプロピルベタイン、ベヘニルベタイン、ベタイン、キャノーラミドプロピルベタイン、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、カルニチン、セチルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタイン、ココヒドロキシスルタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、ココスルタイン、デシルベタイン、ジヒドロキシエチルオレイルグリシネート、ジヒドロキシエチル大豆グリシネート、ジヒドロキシエチルステアリルグリシネート、ジヒドロキシエチルタローグリシネート、PG-ベタインのプロピルジメチコーン、エルカミドプロピルヒドロキシスルタイン、水素添加タローベタイン、イソステアラミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルスルタイン、ミルクアミドプロピルベタイン、ミンクアミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレイルベタイン、オリーブアミドプロピルベタイン、ヤシアミドプロピルベタイン、パルミタミドプロピルベタイン、パルミトイルカルニチン、ヤシ仁アミドプロピルベタイン、ポリテトラフルオロエチレンアセトキシプロピルベタイン、リシノール酸アミドプロピルベタイン、セサミドプロピルベタイン、ソイアミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、タローアミドプロピルベタイン、タローアミドプロピルヒドロキシスルタイン、タローベタイン、タロージヒドロキシエチルベタイン、ウンデシレンアミドプロピルベタイン、及び小麦胚芽アミドプロピルベタインである。
【0081】
本組成物が双性イオン性界面活性剤を含む場合、好ましくは、Huntsman.アルキルジメチルベタインによってEmpigen BBの商品名で販売されているような、例えばN-アルキル-N-ジメチルベタインなどの式Iaのベタインである。
【0082】
両性界面活性剤は、組成物のpHに依存してカチオン性又はアニオン性のいずれかであり得る。好適な両性界面活性剤としては、ドデシルβ-アラニン、米国特許第2,658,072号に教示されているようにドデシルアミンをイセチオン酸ナトリウムと反応させることによって調製されるものなどのN-アルキルタウリン、米国特許第2,438,091号に教示されているものなどのN-高級アルキルアスパラギン酸が挙げられる。他の好適な両性界面活性剤は、例えば、ラウロアンホ酢酸ナトリウム(Miranol Ultra L-32E)、ステアロアンホ酢酸ナトリウム(Miranol DM)、ココアンホ二酢酸二ナトリウム(Miranol C2m濃度NP)、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム(Miranol BM濃度)、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム(Miranol JBS)、ナトリウム混合C8アンホカルボキシレート(Miranol JEM濃度)、及びナトリウムカプリロフィンヒドロキシプロピルスルホネート(Miranol JS)などのSolvay-Novecareによって商品名Miranolで販売されている製品である。好適な両性界面活性剤の他の非限定的な例は、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム(Mackam 2CY 75-Solvay Novecare)、オクチルイミノジプロピオネート(Ampholak YJH40-Akzo Nobel)、ラウリンイミノ二プロピオン酸ナトリウム(Mirataine H2C-HA-Solvay Novecare)、及びラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム(Mackam LS-Solvay Novecare)である。
【0083】
他の好適な追加の界面活性剤は、McCutcheon’s Detergents and Emulsifers、North American Ed.1980に見出すことができる。
【0084】
アルキルピロリドン界面活性剤:
アルキルピロリドンを含む、ピロリドン系界面活性剤は周知であり、それらの使用及びそれらを作製する方法は、広汎にレビューがなされている(例えば、ピロリドン系界面活性剤(文献レビュー)、Login,R.B.J Am Oil Chem Soc(1995)72:759-771)。
【0085】
好適なアルキルピロリドンは、以下の式を有することができ、
【0086】
【化7】
式中、
R1は、C6~C20アルキル又はR2NHCOR3であり、R2は、C1~C6アルキルであり、R3は、C6~C20アルキルである。R1は、好ましくは、C6~C20アルキルである。好適なアルキルピロリドンとしては、アルキル鎖がC6~C20、又はC6~C10、又はC8であるN-アルキル-2-ピロリドンが挙げられる。
【0087】
好適なアルキルピロリドンは、Ashland Inc.によって、商品名Surfadone(登録商標)で市販されている。例えば、Surfadone LP-100(N-オクチル-2-ピロリドン)及び同LP-300(N-ドセジクル-2-ピロリドン(N-docedycl-2-pyrrolidone))などがある。また、そのようなアルキルピロリドンは、BASFからも入手可能である。
【0088】
アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤が存在する場合、それは好ましくは、低い濃度で存在する。アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシレートサルフェート、スルホン酸又はスルホネート界面活性剤、ポリカルボキシル化アニオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。抗菌性硬質表面清浄組成物は、最大2.0重量%、好ましくは最大1.0重量%、又は最大0.1重量%のアニオン性界面活性剤を含むことができる。最も好ましい実施形態では、組成物はアニオン性界面活性剤を本質的に含まないか、又は全く含まない。
【0089】
好適なポリカルボキシル化アニオン性界面活性剤は、複数種類のポリアルコキシレートポリカルボキシル化界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0090】
好適なポリカルボキシル化アニオン性界面活性剤は、米国特許第5376298号、欧州特許第0129328号、国際公開第03018733号、及び米国特許第5120326号に記載されている。
【0091】
好適なポリアルコキシレートポリカルボキシル化界面活性剤は、以下の実験式を有することができ、
R-O-(CH(x)-CH(y)-O)n-R1
式中、
Rは、疎水性基、好ましくは、6~16個の炭素原子、好ましくは8~14個の炭素原子を、典型的に含有する炭化水素基であり、x及びyは、ただし、分子ごとに少なくとも1つのx又はy部分がコハク酸ラジカルであるという条件で、それぞれ独立して、水素、メチル、及びコハク酸ラジカルからなる群から選択され、また、nは、1~60であり、R1は、水素、置換炭化水素、非置換炭化水素であり、好ましくはその炭化水素は、1~8個の炭素原子、硫酸、又はスルホン酸ラジカルを有し、いかなる酸性基も、例えばナトリウム、カリウム、アルカノールアンモニウム、マグネシウムなどの、相応のカチオン性の基によって中和される。
【0092】
好適なポリアルコキシレートポリカルボキシレート界面活性剤は、以下の実験式を有することができ、
R-O-(C2H4O)x-[CH(L)CH(L)]y-[CH2CH(CH3)O)zQ
式中、
Rは、炭化水素疎水基、好ましくはアルキルであり、6~16個の炭素原子、好ましくは8~14個の炭素原子を含有し、xは、0~60の数、好ましくは4~50の数、より好ましくは6~50の数であり、Lは、C1~3アルキル基又は式-CH-(COO-)CH2(COO-)を有する基のいずれかであり、各分子中の少なくとも1つのL基が、-CH(COO-)CH2(COO-)であり、yは、1~12の数、好ましくは2~10の数、より好ましくは3~8の数であり、zは、0~20の数、好ましくは0~15の数、より好ましくは0~10の数であり、Qは、水素(H)及びスルホネート基からなる群から選択され、化合物は、カチオン性基の存在によって電気的に中性にされ、好ましくはナトリウム、カリウム、及び置換アンモニウム(例えば、モノエタノールアンモニウム)のカチオンからなる群から選択される。そのようなポリアルコキシレートポリカルボキシレート界面活性剤の具体例としては、以下のものが挙げられる:Poly-Tergent(登録商標)C9-51B(CS-l)(x=12、y=8、及びZ=17)、Poly-Tergent(登録商標)C9-62P(x=4、y=3、及びz=17)、Poly-Tergent(登録商標)C9-74P(x=l0、y=3.5、及びZ=3 5.)、及びPoly-Tergent(登録商標)C9-92(x=約55、y=6.5、及びz=0)。Rは、直鎖状C9アルキル基などのアルキル基であると考えられ、Qは、水素(H)であると考えられている。なおPoly-Tergent(登録商標)界面活性剤は現在、BASFによってPlurafac(登録商標)の商標名で販売されている。
【0093】
好適なポリカルボキシル化アニオン性界面活性剤としては、例えば、BASFによってPlurafac CS-10の商標名で販売されているようなアルコキシレートポリマー、アルキルエーテル、アルケン二酸の塩が挙げられる。本明細書での使用に好適なアルキルサルフェートとしては、式ROSO3Mの水溶性の塩又は酸が挙げられ、式中、Rは、C6~C18の直鎖状又は分岐鎖状の、飽和又は不飽和アルキル基、好ましくはC8~C16のアルキル基、より好ましくはC10~C16のアルキル基であり、Mは、水素(H)、又は例えばアルカリ金属カチオン(例えばナトリウム、カリウム、リチウム)、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウム(例えばメチル-、ジメチル-、及びトリメチルアンモニウムカチオン及び四級アンモニウムカチオン、例えばテトラメチル-アンモニウム及びジメチルピペリジニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、及びこれらの混合物のようなアルキルアミンから誘導される四級アンモニウムカチオンなど)などのカチオンである。
【0094】
特に好適な直鎖状アルキルサルフェートとしては、Huntsmanから市販されている、EMPICOL(登録商標)0298/、EMPICOL(登録商標)0298/F、又はEMPICOL(登録商標)XLBのようなC12~14アルキルサルフェートが挙げられる。「直鎖状アルキルサルフェート」とは、本明細書において、非置換のアルキルサルフェートを意味し、ここで直鎖状アルキル鎖は、6~16個の炭素原子、好ましくは8~14個の炭素原子、より好ましくは10~14個の炭素原子を含み、このアルキル鎖は、一方の末端が硫酸化されている。
【0095】
本明細書での使用に好適なスルホン化アニオン性界面活性剤は、当業者には周知の全てのスルホン化アニオン性界面活性剤である。好ましくは、本明細書で使用されるスルホン化アニオン性界面活性剤は、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、ナフタレンスルホネート、アルキルアルコキシレートスルホネート、及びC6~C16のアルキルアルコキシレート直鎖状又は分岐鎖状ジフェニルオキシドジスルホネート、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0096】
本明細書での使用に好適なアルキルスルホネートとしては、式RSO3Mの水溶性の塩又は酸が挙げられ、式中、Rは、C6~C18の直鎖状又は分岐鎖状の、飽和又は不飽和アルキル基、好ましくはC8~C16のアルキル基、より好ましくはC10~C16のアルキル基であり、Mは、水素(H)、又は例えばアルカリ金属カチオン(例えばナトリウム、カリウム、リチウム)、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウム(例えばメチル-、ジメチル-、及びトリメチルアンモニウムカチオン及び四級アンモニウムカチオン、例えばテトラメチル-アンモニウム及びジメチルピペリジニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、及びこれらの混合物のようなアルキルアミンから誘導される四級アンモニウムカチオンなど)などのカチオンである。
【0097】
本明細書での使用に好適なアルキルアリールスルホネートとしては、式RSO3Mの水溶性の塩又は酸が挙げられ、式中、Rは、C6~C18の直鎖状又は分岐鎖状の、飽和又は不飽和アルキル基、好ましくはC8~C16のアルキル基、より好ましくはC10~C16のアルキル基で置換された、アリール、好ましくはベンジルであり、Mは、水素(H)、又は例えばアルカリ金属カチオン(例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなど)、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウム(例えばメチル-、ジメチル-、及びトリメチルアンモニウムカチオン及び四級アンモニウムカチオン、例えばテトラメチル-アンモニウム及びジメチルピペリジニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、及びこれらの混合物などのアルキルアミンから誘導される四級アンモニウムカチオンなど)などのカチオンである。
【0098】
特に好適な直鎖状アルキルスルホネートとしては、Clariantから市販されているHostapur(登録商標)SASのようなC12~C16パラフィンスルホネートが挙げられる。特に好ましいアルキルアリールスルホネートは、Huntsmanから入手可能な商標名Nansaとして市販されているアルキルベンゼンスルホネートである。
【0099】
「直鎖状アルキルスルホネート」とは、本明細書において、非置換のアルキルスルホネートであって、そのアルキル鎖は、6~18個の炭素原子、好ましくは8~16個の炭素原子、より好ましくは10~16個の炭素原子を含み、このアルキル鎖は一方の末端がスルホン化されている非置換のアルキルスルホネートを意味する。
【0100】
本明細書での使用に好適なアルコキシレートスルホネート界面活性剤は、式R(A)mSO3Mによるものであり、式中、Rは、非置換のC6~C18アルキル、ヒドロキシアルキル、又はアルキルアリール基であって、直鎖状又は分岐鎖状のC6~C18アルキル成分、好ましくはC8~C16のアルキル又はヒドロキシアルキル、より好ましくはC12~C16アルキル又はヒドロキシアルキルを有し、Aは、エトキシ又はプロポキシ又はブトキシ単位であり、mは、0よりも大きく、典型的には0.5~6、より好ましくは0.5~3であり、Mは、水素(H)又はカチオンであり、当該カチオンは、例えば、金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなど)、アンモニウムカチオン、又は置換アンモニウムカチオンであり得る。アルキルエトキシル化スルホネート、アルキルブトキシル化スルホネート、及びアルキルプロポキシル化スルホネートが本明細書で企図される。置換アンモニウムカチオンの具体例としては、メチル-、ジメチル-、トリメチルアンモニウム、及び四級アンモニウムカチオン(例えば、テトラメチルアンモニウム、ジメチルピペリジニウムなど)、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、及びこれらの混合物などのアルカノールアミンから誘導されるカチオンが挙げられる。
【0101】
例示的な界面活性剤は、C12~C18アルキルポリエトキシレート(1.0)スルホネート(C12~C18E(1.0)SM)、C12~C18アルキルポリエトキシレート(2.25)スルホネート(C12~C18E(2.25)SM)、C12~C18アルキルポリエトキシレート(3.0)スルホネート(C12~C18E(3.0)SM)、及びC12~C18アルキルポリエトキシレート(4.0)スルホネート(C12~C18E(4.0)SM)があり、Mは、ナトリウム及びカリウムから適宜選択される。特に好適なアルコキシレートスルホネートとしては、Dow Chemicalから市販されているTriton(登録商標) X-200のような、アルキルアリールポリエーテルスルホネートが挙げられる。
【0102】
好ましくは、本明細書で使用される当該硫酸化又はスルホン化アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート(AS)、好ましくはC12、C13、C14、及びC15のAS、直鎖状アルキルスルホン酸ナトリウム(NaLAS)、パラフィンスルホン酸ナトリウムNaPC12~16S、及びこれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本明細書で使用される硫酸化又はスルホン化アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート(AS)、好ましくはC12、C13、C14、及びC15のAS、直鎖状アルキルスルホン酸ナトリウム(NaLAS)、パラフィンスルホン酸ナトリウムNaPC12~16S、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0103】
本明細書での使用に特に好ましい界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、特に分岐鎖状アルコールアルコキシレート、更に特に4~6の程度までエトキシル化され、4~6の程度までプロポキシル化された2-エチルヘキサン-1-オール、より好ましくは、1~14、好ましくは2~8、より好ましくは3~6エトキシレート又はエトキシレート-プロポキシレート単位を有するアルコキシレートC10ゲルベアルコールなどの、アルコールが最初にプロポキシル化され、次いでエトキシル化された2-アルキル-1-アルカノールが挙げられる。他の特に好ましい非イオン性界面活性剤としては、C8、C10、C12、C8~C10の混合物、C10~C12の混合物、C9~C11の直鎖状アルキル鎖及び8個以下のエトキシレート単位、好ましくは3~8個のエトキシレート単位を有する直鎖状アルコールアルコキシレート非イオン性界面活性剤が挙げられる。最も好ましくは、アルコキシレート非イオン性界面活性剤は、2-プロピルヘプチルEO8(Lutensol XL89-BASF)、2-プロピルヘプチルEO5(Lutensol XL50-BASF)、C10アルコールEO5(Lutensol ON 50-BASF)、C10アルコールEO7(Lutensol ON 70-BASF)、C8~C10アルコールEO5(Novel 810 FD5 Sasol)、C10アルコールEO4(Novel 10-4 Sasol)、及び2-エチル-ヘキサノールPO5EO6(Ecosurf EH6-Dow)からなる群から選択される。
【0104】
本明細書で使用するための他の特に好ましい界面活性剤としては、直鎖状アミンオキシド界面活性剤、特にC8~C12ジメチルアミンオキシド、更に特にC10ジメチルアミンオキシド;アルキルジメチルベタイン界面活性剤、より具体的にはN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタイン(Empigen BB-Huntsman);ClariantによってGlucoPure(登録商標)、GlucoTain(登録商標)、及びGlucoWet(登録商標)の名称で販売されている、N-アルキル-N-アシルグルカミド好ましくはN-デカノイル-N-メチルグルカミン、及びアルキルグルカミド界面活性剤などのアルキルグルカミド界面活性剤;アルキルポリグルコシド界面活性剤、より具体的にはC8~C12アルキルポリグルコシド、より好ましくはC8~C10アルキルポリグルコシド、例えばTriton(登録商標) CG50(Dow)などのものが挙げられる。
【0105】
pH調整剤
標的化用途に応じて、ホームケア使用のための本発明の組成物は、適切なpH条件を必要とし得る。例えば、組成物がキッチンエリアで使用される場合、このエリアで一般的に見られる油汚れを効果的に除去するために、高pH製品が望ましい場合がある。組成物が浴室エリアで使用される場合、石鹸かす及び硬水の堆積物が主な懸念であり得る。このような場合、低pH製品がより適切であり得る。本発明の液体組成物に添加することができるpH調整剤の種類に限定はない。使用することができるpH調整剤の例としては、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、クエン酸、酢酸、塩酸、スルファミン酸、硫酸などが挙げられるが、それらに限定されない。好ましくは、アルカリ性組成物は、0.1~2%のアルカノールアミン、より好ましくはモノエタノールアミンを含む。好ましくは、酸組成物は、0.1~5%の有機酸、好ましくはクエン酸を含む。水酸化アンモニウムも好ましい。それは良好な光沢を提供する。
【0106】
上記の成分以外の追加の機能性成分が本発明の組成物に含まれてもよい。追加の成分としては、キレート剤、相溶化剤、カップリング剤、腐食抑制剤、レオロジー調整剤、香料、着色剤、防腐剤、UV安定剤、光学増白剤、及び活性成分指標が挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
本明細書の好ましい組成物としては、
i)約0.05重量%~約2重量%の四級アンモニウム化合物、好ましくはN-アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、N-オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジ-n-デシルジメチルアンモニウムクロリド、及びジ-n-ジオクチルジメチルアンモニウムクロリドの混合物と、
ii)組成物の約0.1重量%~約2重量%のポリマーと、
iii)組成物の約0.05重量%~約2重量%の界面活性剤であって、アミンオキシド界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、界面活性剤(好ましくは、組成物がアミンオキシド界面活性剤を含む)と、
iv)組成物の約0.2重量%~約3重量%のアルカリ性源、好ましくはモノエタノールアミンと、
v)組成物の少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも85重量%の水と、を含む、組成物が挙げられる。
【0108】
本明細書の好ましい組成物としては、
i)約0.05重量%~約2重量%の四級アンモニウム化合物、好ましくはN-アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、N-オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジ-n-デシルジメチルアンモニウムクロリド、及びジ-n-ジオクチルジメチルアンモニウムクロリドの混合物と、
ii)組成物の約0.1重量%~約2重量%のポリマーと、
iii)組成物の約0.05重量%~約1重量%の非イオン性界面活性剤、好ましくはアルコールエトキシレートと、
iv)組成物の約0.2重量%~約3重量%のアルカリ性源、好ましくはアルカノールアミンと、
v)組成物の少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%の水と、を含む、組成物が挙げられる。
【0109】
本明細書の好ましい組成物としては、
i)組成物の約0.05重量%~約2重量%の四級アンモニウム化合物、好ましくはN-アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、N-オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジ-n-デシルジメチルアンモニウムクロリド、及びジ-n-ジオクチルジメチルアンモニウムクロリドの混合物と、
ii)組成物の約0.1重量%~約2重量%のポリマーと、
iii)組成物の約0.05重量%~約5重量%の非イオン性界面活性剤、好ましくはアルコールエトキシレートと、
iv)組成物の約0.2重量%~約3重量%の酸、好ましくはクエン酸と、
v)組成物の少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも85重量%の水と、を含む、組成物が挙げられる。
【0110】
本明細書の他の好ましい組成物としては、
i)組成物の約0.05重量%~約2重量%の四級アンモニウム化合物、好ましくはN-アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、N-オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジ-n-デシルジメチルアンモニウムクロリド、及びジ-n-ジオクチルジメチルアンモニウムクロリドの混合物と、
ii)組成物の約0.5重量%~約1.50重量%のポリマーと、
iii)組成物の約0.25重量%~1重量%の界面活性剤であって、アミンオキシド界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、界面活性剤(好ましくは、組成物がアミンオキシド界面活性剤を含む)と。
iv)組成物の少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも85重量%の水と、を含む、組成物が挙げられる。
【0111】
本明細書の好ましい組成物としては、
i)組成物の約0.25重量%~約1重量%の窒素含有殺生物性化合物、好ましくは四級アンモニウム化合物、好ましくはN-アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、N-オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジ-n-デシルジメチルアンモニウムクロリド、及びジ-n-ジオクチルジメチルアンモニウムクロリドの混合物と、
ii)組成物の約0.1重量%~約4重量%のポリマーと、
iii)組成物の約0.25重量%~約1.25重量%の界面活性剤であって、アミンオキシド界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、界面活性剤(好ましくは、組成物がアミンオキシド界面活性剤を含む)と。
iv)組成物の少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも85重量%の水と、を含む、組成物が挙げられる。
【0112】
好ましくは、本発明の組成物は、組成物の0.02重量%~0.5重量%の香料を含む。
【実施例
【0113】
実施例1:
表1~4は、本発明による硬質表面抗菌性清浄組成物(組成物A~Z)を示す。表1の組成物1及び2は、比較組成物である。組成物1は、ポリマーを含まず、組成物2は、特許請求の範囲の範疇外のポリマーを含む。成分は、全組成物の活性重量百分率として表される。本発明による組成物は、全て安定である。組成物によって提供される光沢は、製品の適用及び拭き取り後に、黒色タイル上で等級付けされる。パネリストは、乾燥されたタイルの筋ムラの付いた外観を、以下のスケールに従って視覚的に評価する:0=筋ムラなし、1=非常にわずかな筋ムラ、2=わずかな筋ムラ、3=わずかな~中程度の筋ムラ、4=中程度の筋ムラ、5=中程度~重度の筋ムラ、6=重度の筋ムラ。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】
【表4】
【0118】
組成物A、H、I、K、O、R、及びTを、試験生物としてEnterobacter aerogenes、及び試験表面としてガラスを使用して、EPA01-1Aに基づくプロトコル(24時間残留自己消毒、12の摩耗サイクル)を使用して、24時間残留自己消毒について試験した。合格結果は、12の摩耗レジーム終了時の、少なくとも99.9%の細菌低減(log3)を指す。組成物A、H、I、K、O、R、及びTは、EPA01-1Aに基づく上記プロトコルに従って、24時間残留自己消毒を提供する。
【0119】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、別段の指定がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【国際調査報告】