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特表2023-550933フィルムをレンズに接合するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-06
(54)【発明の名称】フィルムをレンズに接合するための方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 63/02 20060101AFI20231129BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
B29C63/02
G02B3/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530533
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 CN2021132043
(87)【国際公開番号】W WO2022105909
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】202011327158.1
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゼン、シャオウェン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、チャオ
【テーマコード(参考)】
4F211
【Fターム(参考)】
4F211AC03
4F211AG03
4F211AH74
4F211AP06
4F211AR07
4F211SA02
4F211SC01
4F211SD01
4F211SH06
4F211SJ22
4F211SJ23
4F211SJ29
4F211SJ31
4F211SN04
4F211SP17
4F211SP48
(57)【要約】
フィルム(200)をレンズ(300)に接合するための方法及びフィルムをレンズ(300)に接合するためのデバイス(100)が提供される。レンズ(300)上の中間位置からエッジ位置までをフィルム(200)に徐々に接合するために、第1治具(10)及び第2治具(20)は、互いに相対的に移動するように制御され、その結果、フィルム(200)及びレンズ(300)の間の気泡が低減され得、良好なフィルム接合効果が達成され得る。加えて、事前にフィルム(200)を処理することが不要であり、フィルム(200)が形成された後に射出成形を通じてレンズ(300)を取得することも不要であり、その結果、接合されたフィルム(200)の光学性能又は機械的性能が保証され得る。フィルム(200)を接合するための単純な方法を用いることによって、必要とされる光学素子が取得され得、フィルム(200)をレンズ(300)に接合することによって取得された光学素子の光学性能及び機械的性能が保証され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムをレンズに接合するための方法であって、
前記レンズを第1治具に固定する段階;
前記フィルムを第2治具に固定する段階、ここで、前記第2治具は、変形可能で柔軟な治具である;
前記レンズのフル口径の境界情報を取得して、前記レンズを前記第1治具と位置合わせする段階;
前記フィルムのフル口径の境界情報を取得して、前記フィルムを前記第2治具と位置合わせする段階;及び
前記第1治具及び前記第2治具を制御して、互いに相対的に移動させて、前記レンズ上の中間位置からエッジ位置までを前記フィルムに徐々に接合する段階
を備える、フィルムをレンズに接合するための方法。
【請求項2】
前記レンズ上の中間位置からエッジ位置までを前記フィルムに徐々に接合する前記段階の前に、前記方法は、
前記第2治具を用いることによって、前記フィルムを加熱する段階
を更に備える、請求項1に記載のフィルムをレンズに接合するための方法。
【請求項3】
前記レンズ上の中間位置からエッジ位置までを前記フィルムに徐々に接合する前記段階の前に、前記方法は、
前記レンズ及び前記フィルムが接合される前の前記レンズ及び前記フィルムの間の温度差を30°よりも小さくすることを可能にするために、前記第1治具を用いることによって、前記レンズを加熱する段階
を更に備える、請求項2に記載のフィルムをレンズに接合するための方法。
【請求項4】
前記レンズの前記フル口径の前記境界情報は、第1アライメントカメラを用いることによって取得され、前記第1アライメントカメラの撮影範囲は、前記レンズの前記フル口径をカバーし;及び
前記フィルムの前記フル口径の前記境界情報は、第2アライメントカメラを用いることによって取得され、前記第2アライメントカメラの撮影範囲は、前記フィルムの前記フル口径をカバーする、
請求項1から3のいずれか一項に記載のフィルムをレンズに接合するための方法。
【請求項5】
前記レンズを前記第1治具から外し、前記フィルムを前記第2治具から外す段階;及び
前記フィルムが接合されている前記レンズに対して脱泡処理を実行する段階
を更に備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のフィルムをレンズに接合するための方法。
【請求項6】
前記脱泡処理は、
前記フィルムが接合されている前記レンズを脱泡治具内に置き、前記フィルムが接合されている前記レンズに対して圧力維持及び熱維持処理を実行する段階、ここで、前記圧力維持及び熱維持処理の間、圧力は、0.1MPaから1MPaであり、温度は、40°Cから80°Cであり、熱維持及び圧力維持時間は、5分から1時間である
を有する、請求項5に記載のフィルムをレンズに接合するための方法。
【請求項7】
前記フィルムのサイズは、前記レンズの有効口径と同じである、又は前記フィルムのサイズは、前記レンズの有効口径よりも小さい、請求項1から6のいずれか一項に記載のフィルムをレンズに接合するための方法。
【請求項8】
前記第2治具は、フィルム担持ゾーンを含み、前記フィルムは、前記フィルム担持ゾーンに固定され、前記レンズの、前記フィルムが接合される表面は、フィルム接合面であり;及び
前記レンズの前記フィルム接合面が凹面である場合、前記第2治具の前記フィルム担持ゾーンは、凸面であり、前記フィルム担持ゾーンの曲率半径は、前記フィルム接合面の曲率半径よりも小さい;又は前記レンズの前記フィルム接合面が凸面である場合、前記第2治具の前記フィルム担持ゾーンは、平面又は凹面であり、前記フィルム担持ゾーンの曲率半径は、前記フィルム接合面の曲率半径よりも大きい
請求項1から7のいずれか一項に記載のフィルムをレンズに接合するための方法。
【請求項9】
前記フィルム担持ゾーンには、アレイ状に真空孔が設けられており、前記フィルムは、前記真空孔の真空吸着力を用いることによって前記フィルム担持ゾーンに固定される
請求項8に記載のフィルムをレンズに接合するための方法。
【請求項10】
前記レンズの有効口径は、1mmから60mmまでの範囲にわたり、前記レンズのフィルム接合面が凸面である場合、前記フィルム接合面の接合口径に対する前記フィルム接合面の曲率半径の比は、1.2よりも大きい;又は前記レンズのフィルム接合面が凹面である場合、前記フィルム接合面の接合口径に対する前記フィルム接合面の曲率半径の比は、1.5よりも大きい、請求項1から9のいずれか一項に記載のフィルムをレンズに接合するための方法。
【請求項11】
前記レンズの、前記フィルムが接合される表面は、フィルム接合面であり、前記フィルム接合面の表面形状は、球面、非球面、又は自由反曲面である、請求項1から10のいずれか一項に記載のフィルムをレンズに接合するための方法。
【請求項12】
前記フィルムを第2治具に固定する前記段階は、
前記フィルムをキャリアフィルムに固定する段階;
クランプ部材を用いることによって前記フィルムの両側で前記キャリアフィルムをクランプし、前記フィルムを前記第2治具に対向させる段階、ここで、前記フィルムが位置する平面上の前記第2治具の正投影は、前記フィルムをカバーする;及び
前記キャリアフィルム及び前記第2治具を制御して、前記キャリアフィルム上の前記フィルムが前記第2治具に接合されるまで、互いに相対的に移動させる段階
を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のフィルムをレンズに接合するための方法。
【請求項13】
前記第1治具及び前記第2治具を制御して、互いに相対的に移動させる前記段階の前に、
前記レンズの前記フル口径の前記境界情報及び前記フィルムの前記フル口径の前記境界情報を取得して、前記レンズを前記フィルムと位置合わせする段階
を更に備える、請求項1から12のいずれか一項に記載のフィルムをレンズに接合するための方法。
【請求項14】
前記第1治具及び前記第2治具を制御して、互いに相対的に移動させる前記段階の前に、
前記レンズの表面に対して表面活性化処理を実行する段階
を更に備える、請求項1から13のいずれか一項に記載のフィルムをレンズに接合するための方法。
【請求項15】
フィルムをレンズに接合するためのデバイスであって、メモリ、プロセッサ、及びフィルムをレンズに接合するためのプログラムを備え、前記フィルムをレンズに接合するためのプログラムは、前記メモリに格納されており、前記プロセッサ上で動作可能であり、前記フィルムをレンズに接合するためのプログラムは、請求項1から14のいずれか一項に記載のフィルムをレンズに接合するための方法を実装するために、前記プロセッサによって実行される、フィルムをレンズに接合するためのデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、フィルム材料接合技術の分野に関し、特に、フィルムをレンズに接合するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学結像の分野において、光学レンズの結像効果を向上させるために、フィルムは、光学レンズに接合されることが必要である場合が多い。フラットなフィルム接合効果を達成するために、現在、フィルムをレンズに接合する主な方式は:平面状のフィルムを薄いシートの基板の表面に接合すること、フィルム及び基板によって形成された全体に熱間曲げを行うこと、及び熱間曲げが行われた薄いシートを射出成形治具に置くことである。光学材料が射出成形された後、フィルムと一致する光学特性を有する光学素子が取得されてよい。しかし、フィルムに熱間曲げが行われた後、フィルムの特性に起因して、フィルムは、延伸し、最初の曲げ前の形状を保持できない可能性が非常に高い。結果として、最終的に取得される光学素子の表面精度は、影響される。加えて、射出成形された光学材料の温度は、一般に高いので、フィルムの光学性能又は機械的性能が影響される可能性が高い。
【発明の概要】
【0003】
高い表面形状精度を有する光学素子を取得し、フィルムの光学性能及び機械的性能を保証し、接合を通じて最終的に取得された光学素子が良好な品質を有することができることを保証するために、本願は、フィルムをレンズに接合するための方法を提供する。
【0004】
第1態様によると、本願は、フィルムをレンズに接合するための方法を提供する。
フィルムをレンズに接合するための方法は、
レンズを第1治具に固定する段階;
フィルムを第2治具に固定する段階、ここで、第2治具は、変形可能で柔軟な治具である;
レンズのフル口径の境界情報を取得して、レンズを第1治具と位置合わせする段階;
フィルムのフル口径の境界情報を取得して、フィルムを第2治具と位置合わせする段階;及び
第1治具及び第2治具を制御して、互いに相対的に移動させて、レンズ上の中間位置からエッジ位置までをフィルムに徐々に接合する段階
を備える。
【0005】
本願において、フィルムを接合するための方法を用いることによって、平面状のフィルムは、レンズと中間位置からエッジ位置に徐々に接触するようになって接合され得、その結果、中間位置からエッジ位置までの平面状のフィルムは、均等に変形され得、それにより、平面状のフィルムがレンズに接合された後に、フィルムの光学性能及び機械的性能等が変化するという場合を回避し、それゆえに、接合を通じて最終的に取得される光学素子の光学性能及び機械的性能は、影響されない。加えて、本願のフィルムを接合するための方法は、運用するのが容易であり、まず平面状のフィルムを加熱して、加熱、圧力維持、引き伸ばし、及び軟化等のプロセスを通じて理想的な形状を有する湾曲したフィルムにし、次に、湾曲したフィルムをレンズに接合するということを必要とせず、それにより、接合方法を簡略化しながら、接合されたフィルムの光学性能又は機械的性能が、加熱、圧力維持、引き伸ばし、及び軟化等のプロセスに起因して影響されるという場合を回避する。
【0006】
加えて、レンズ上の中間位置からエッジ位置までがフィルムに徐々に接合され、その結果、フィルム及びレンズの間の気泡が容易に排出され得、それにより、フィルム及びレンズの間の接合の品質を保証する。
【0007】
加えて、本願において、レンズを第1治具と位置合わせするために、レンズのフル口径の境界情報が取得され;及び
フィルムを第2治具と位置合わせするために、フィルムのフル口径の境界情報が取得される。フィルム及びレンズのいくつかの位置のみが特定されて位置合わせされる方式と比較して、本願の本実装例においては、フィルム及び第2治具の間の位置合わせの正確性及びレンズ及び第1治具の間の位置合わせの正確性を保証するために、フィルムのフル口径の境界情報及びレンズのフル口径の境界情報が取得される。
【0008】
本願のいくつかの実装例において、レンズ上の中間位置からエッジ位置までをフィルムに徐々に接合する段階の前に、方法は、第2治具を用いることによってフィルムを加熱する段階を更に備える。
【0009】
本願の本実装例において、フィルムを加熱することによって、フィルムは、軟化され得、その結果、フィルムは、より良好にフィルム担持ゾーンに接合され得る。加えて、フィルムをレンズに接合するプロセスにおいて、フィルムは、加熱後により容易に変形され得るので、フィルムは、レンズの表面にフラットに接合され得、それにより、レンズのフィルム接合面にフィルムが接合されるときに発生する皺等の問題を回避する。加えて、本願の本実装例において、フィルム上の全ての位置が同じ変形能力を有し得ることを保証し、フィルムの全ての位置の不均等な引き伸ばしによって生じる光軸方向の皺又は変化を回避するために、第2治具を用いることによって、フィルム上の全ての位置が均等に加熱され得、それにより、フィルムを接合することによって最終的に取得される光学素子の品質を保証する。加えて、フィルムは、第2治具を用いることによって加熱される。第2治具が特定の熱維持機能を有するので、フィルムは、全体の接合プロセスにおいて加熱されることができて、フィルムをレンズに接合するプロセスにおいてフィルムが常に加熱状態にあり得ることを保証し、それにより、より良好な接合効果を達成する。加えて、第2治具が特定の熱維持効果を有するので、フィルム加熱器が止まった後、第2治具は、フィルムを依然として継続的に加熱することができ、それにより、エネルギー消費を低減する。
【0010】
いくつかの実装例において、レンズ上の中間位置からエッジ位置までをフィルムに徐々に接合する前に、方法は、
レンズ及びフィルムが接合される前のレンズ及びフィルムの間の温度差を30°よりも小さくすることを可能にするために、第1治具を用いることによってレンズを加熱する段階
を更に備える。
【0011】
本願の本実装例において、フィルム及びレンズが接合され、冷却された後に、フィルム及びレンズの間の応力が小さく成り得ることを保証し、それにより、フィルム及びレンズの間の接合の安定性を保証するために、レンズは、加熱され、その結果、フィルム及びレンズの間の温度差は、フィルムをレンズに接合するプロセスにおいて低減され得る。いくつかの実装例において、レンズ及びフィルムの間の温度差は、30°よりも小さく、その結果、フィルム及びレンズの間の接合の安定性が効果的に保証され得る。本願の本実装例において、フィルムをレンズに接合するプロセスにおけるレンズ上の位置間での温度バランスを保証するために、第1治具を用いることによって、レンズ上の全ての位置は、均等に加熱される。
【0012】
いくつかの実装例において、レンズのフル口径の境界情報は、第1アライメントカメラを用いることによって取得され、第1アライメントカメラの撮影範囲は、レンズのフル口径をカバーし;及び
レンズのフル口径の境界情報は、第2アライメントカメラを用いることによって取得され、第2アライメントカメラの撮影範囲は、フィルムのフル口径をカバーする。
【0013】
第1アライメントカメラの撮影範囲がレンズのフル口径をカバーし得るので、レンズのフル口径の境界情報は、第1アライメントカメラを用いることによって取得され得、レンズ及び第1治具の間の位置合わせの正確性を保証するために、レンズ上の中央位置は、より正確に取得され得る。第2アライメントカメラの撮影範囲がフィルムのフル口径をカバーし得るので、フィルムのフル口径の境界情報は、第2アライメントカメラを用いることによって取得され得、フィルム及び第2治具の間の位置合わせの正確性を保証するために、フィルム上の中央位置は、より正確に取得され得る。
【0014】
いくつかの実装例において、フィルムをレンズに接合するための方法は、レンズを第1治具から外し、フィルムを第2治具から外す段階;及び
フィルム及びレンズの間の気泡を除去するために、フィルムが接合されているレンズに対して脱泡処理を実行する段階
を更に備える。
【0015】
本実装例において、フィルムが接合されているレンズに対して脱泡処理を実行することによって、フィルム及びレンズの間の気泡は、更に除去され得、それにより、更にフィルムをレンズに接合する効果を向上する。
【0016】
いくつかの実装例において、脱泡処理は、
フィルムが接合されているレンズを脱泡治具内に置き、フィルムが接合されているレンズに対して圧力維持及び熱維持処理を実行する段階、ここで、圧力維持及び熱維持処理の間、圧力は、0.1MPaから1MPaであり、温度は、40°Cから80°Cであり、熱維持及び圧力維持時間は、5分から1時間である
を有する。本実装例において、レンズ及びフィルムの間の接合の効果を保証するために、レンズ及びフィルムの間の気泡は、十分な圧力維持及び熱維持処理を通じて十分に除去され得る。
【0017】
いくつかの実装例において、フィルムの余剰が、フィルムが接合された後の別のプロセス(例えば、レーザー切断)を通じて切断される必要がある場合を回避し、それにより、製造プロセスを低減するために、フィルムのサイズは、レンズの有効口径と同じである、又は、フィルムのサイズは、レンズの有効口径よりも小さい。加えて、フィルムがレンズに接合されるときに、皺が容易に発生しないことを更に保証し得る。
【0018】
いくつかの実装例において、第2治具は、フィルム担持ゾーンを含み、フィルムは、フィルム担持ゾーンに固定され、レンズの、フィルムが接合される表面は、フィルム接合面であり;及び
レンズのフィルム接合面が凹面である場合、第2治具のフィルム担持ゾーンは、凸面であり、フィルム担持ゾーンの曲率半径は、フィルム接合面の曲率半径よりも小さい;又はレンズのフィルム接合面が凸面である場合、第2治具のフィルム担持ゾーンは、平面又は凹面であり、フィルム担持ゾーンの曲率半径は、フィルム接合面の曲率半径よりも大きい。
【0019】
本実装例において、レンズのフィルム接合面が凹面であるか又は凸面であるかに関わらず、フィルムがレンズと中間位置からエッジ位置に徐々に接合され得ることを保証し、それにより、レンズのフィルム接合品質を保証するために、レンズの異なるフィルム接合面の形状に対しては、それに対応して、第2治具は、対応する形状のフィルム担持ゾーンを有する。
【0020】
いくつかの実装例において、フィルム担持ゾーンには、アレイ状に真空孔が設けられており、フィルムは、真空孔の真空吸着力を用いることによってフィルム担持ゾーンに固定される。
【0021】
いくつかの実装例において、フィルムを接合する良好な効果を保証するために、皺を生成することなく、フィルムがレンズの接合面にフラットに接合され得ることを保証するために、レンズの有効口径は、1mmから60mmまでの範囲にわたる。
【0022】
いくつかの実装例において、フィルムがレンズに接合されるときに皺が生成されないことを保証するために、レンズのフィルム接合面が凸面である場合、フィルム接合面の接合口径に対するフィルム接合面の曲率半径の比は、1.2よりも大きく;又はレンズのフィルム接合面が凹面である場合、フィルム接合面の接合口径に対するフィルム接合面の曲率半径の比は、1.5よりも大きい。
【0023】
いくつかの実装例において、レンズの、フィルムが接合される表面は、フィルム接合面であり、フィルム接合面の表面形状は、球面、非球面、又は自由反曲面である。
【0024】
いくつかの実装例において、フィルムを第2治具に固定する段階は、
フィルムをキャリアフィルムに固定する段階;
クランプ部材を用いることによってフィルムの両側でキャリアフィルムをクランプし、フィルムを第2治具に対向させる段階、ここで、フィルムが位置する平面上の第2治具の正投影は、フィルムをカバーする;及び
キャリアフィルム及び第2治具を制御して、キャリアフィルム上のフィルムが第2治具に接合されるまで、互いに相対的に移動させる段階
を有する。
【0025】
本実装例において、キャリアフィルムを通じてフィルムを担持することによって、フィルムは、第2治具のフィルム担持ゾーンに移転される後続のプロセスにおいて容易に損傷されることから保護され得、フィルムは、より容易に移転され得る。
【0026】
いくつかの実装例において、第1治具及び第2治具を制御して、互いに相対的に移動させる段階の前に、方法は、
フィルムをレンズに接合する精度を更に向上するために、レンズのフル口径の境界情報及びフィルムのフル口径の境界情報を取得して、レンズをフィルムと位置合わせする段階
を更に備える。
【0027】
いくつかの実装例において、第1治具及び第2治具を制御して、互いに相対的に移動させる段階の前に、方法は、
レンズの表面に対して表面活性化処理を実行する段階
を更に備える。
【0028】
本願の本実装例において、フィルムが接合された後に、レンズ及びフィルムの間に不純物が存在しないことを保証し、フィルム接合品質を保証するために、表面活性化処理は、レンズに対して実行され、その結果、フィルムは、レンズの表面によりしっかり接着され得、レンズの表面は、きれいにされ得る。
【0029】
第2態様によると、本願は、フィルムをレンズに接合するためのデバイスを更に提供する。フィルムをレンズに接合するためのデバイスは、メモリ、プロセッサ、及びフィルムをレンズに接合するためのプログラムを備え、フィルムをレンズに接合するためのプログラムは、メモリに格納されており、プロセッサ上で動作可能であり、フィルムをレンズに接合するためのプログラムは、前述のフィルムをレンズに接合するための方法を実装するために、プロセッサによって実行される。
【0030】
本願において提供されるフィルムをレンズに接合するためのデバイスは、前述のフィルムをレンズに接合するための方法を実行し得る。したがって、本願のフィルムをレンズに接合するためのデバイスを通じて、平面状のフィルムは、レンズと中間位置からエッジ位置に徐々に接触するようになって接合され得、その結果、中間位置からエッジ位置までの平面状のフィルムは、均等に変形され得、それにより、平面状のフィルムがレンズに接合された後に、フィルムの光学性能及び機械的性能等が変化するという場合を回避し、それゆえに、接合を通じて最終的に取得される光学素子の光学性能及び機械的性能は、影響されない。本願のフィルムをレンズに接合するためのデバイスを通じて実行されるフィルムを接合するための方法は、運用するのが容易であり、まず平面状のフィルムを加熱して、加熱、圧力維持、引き伸ばし、及び軟化等のプロセスを通じて理想的な形状を有する湾曲したフィルムにし、次に、湾曲したフィルムをレンズに接合するということを必要とせず、それにより、接合方法を簡略化しながら、接合されたフィルムの光学性能又は機械的性能が、加熱、圧力維持、引き伸ばし、及び軟化等のプロセスに起因して影響されるという場合を回避する。
【0031】
加えて、本願のフィルムをレンズに接合するためのデバイスを通じて、フィルム及びレンズの間の気泡は、容易に排出され得、それにより、フィルム及びレンズの間の接合の品質を保証する。フィルム及び第2治具の間の位置合わせの正確性及びレンズ及び第1治具の間の位置合わせの正確性を保証するために、レンズをフィルムに接合するプロセスにおいて、レンズのフル口径の境界情報及びフィルムのフル口径の境界情報が取得され得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本願の構造的な姿勢及び機能をより明確に記載するために、添付図面及び具体的な実施形態を参照して本願を詳細に以下に記載する。
【0033】
図1】本願の実装例に係る、フィルムをレンズに接合するためのデバイスの構造の概略図であり;
【0034】
図2】本願の別の実装例に係る、フィルムをレンズに接合するためのデバイスの構造の概略図であり;
【0035】
図3】レンズのフィルム接合面が凸面であり、第2治具のフィルム担持ゾーンが平面である場合の、レンズ及びフィルムを接合する状態の概略図であり;
【0036】
図4】レンズのフィルム接合面が凸面であり、第2治具のフィルム担持ゾーンが凹面である場合の、レンズ及びフィルムを接合する状態の概略図であり;
【0037】
図5】レンズのフィルム接合面が凹面であり、第2治具のフィルム担持ゾーンが凸面である場合の、レンズ及びフィルムを接合する状態の概略図であり;
【0038】
図6】レンズのフィルム接合面が平面であり、第2治具のフィルム担持ゾーンが凸面である場合の、レンズ及びフィルムを接合する状態の概略図であり;
【0039】
図7】本願のいくつかの実装例に係る、フィルムをレンズに接合するための方法の概略フローチャートであり;
【0040】
図8図2のフィルムを接合するためのデバイスを通じてフィルムがレンズに接合される場合の、フィルムを第2治具に固定する具体的なオペレーションのフローチャートであり;及び
【0041】
図9】本願の実装例に係る、フィルムをレンズに接合するためのデバイスの動作モジュールの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下では、本願の実施形態における添付図面を参照して本願の実施形態における技術的解決手段を説明する。
【0043】
フィルムをレンズに接合するために、本願は、フィルムをレンズに接合するための方法を提供する。本願のフィルムをレンズに接合するための方法によると、フィルム及び湾曲されたカバープレートの間の気泡又は皺等の欠点が回避され得、フィルムをレンズに接合することによって取得された光学素子の表面形状精度、光学性能、及び機械的性能が保証され得る。
【0044】
本願において、フィルムをレンズに接合することによって取得された光学素子は、様々なタイプの端末に適用されてよい。例えば、本願のいくつかの実装例において、端末は、拡張現実(Augmented Reality,AR)眼鏡、仮想現実(Virtual Reality,VR)眼鏡、携帯電話、タブレット、又はカメラ等であってよい。
【0045】
本願において、フィルムは、任意のタイプのフィルムであってもよい。例えば、フィルムは、反射型偏光フィルム、4分の1波長板、又は半波長板等の光軸を有する光学フィルムであってもよいし、又は反射防止フィルム、アンチスクラッチフィルム、光散乱フィルム、及び防曇フィルム等の様々なタイプの光学フィルムであってもよい。本願において、異なるタイプのフィルムをレンズに接合することによって、フィルムをレンズに接合することによって取得された光学素子の光学性能又は機械的性能は、これに対応して向上され得る。本願のいくつかの実装例において、フィルムの厚さは、0.02mmから0.5mmであり、その結果、フィルムをレンズに接合することによって取得された光学素子の光学性能又は機械的性能は、向上され得、厚さ及び光の透過率等の光学素子の光学性能がフィルムの過度に大きな厚さに影響される場合が回避され得る。
【0046】
本願において、フィルムをレンズに接合するためのデバイスを通じて、フィルムは、レンズに接合される。図1を参照すると、図1は、本願の実装例に係る、フィルムをレンズに接合するためのデバイス100の構造の概略図である。本実装例において、フィルムをレンズに接合するためのデバイス100を通じて、フィルム200がレンズ300に接合される。具体的に、本実装例において、フィルムをレンズに接合するためのデバイス100は、第1治具10、第2治具20、及び駆動機構30を備える。第1治具10は、レンズ300を固定するように構成されていてよく、第2治具20は、フィルム200を固定するように構成されていてよく、駆動機構30は、第1治具10及び第2治具20を駆動して、互いに相対的に移動させて、第1治具10に固定されたレンズ300及び第2治具20に固定されたフィルム200を互いに相対的に移動させて、フィルム200をレンズ300に接合するように構成されていてよい。
【0047】
具体的に、本願の本実装例において、第1治具10は、剛性の高い治具であり、レンズ300を安定的に固定し得る。具体的に、本願のいくつかの実装例において、第1治具10は、特定の強度を有し且つ容易に変形しない、(耐熱ナイロンプラスチック等の)プラスチック、(アルミニウム又は鉄等の)金属、(アルミニウム合金等の)合金、又はセラミック等の材料からできていてよい。
【0048】
いくつかの実装例において、第1治具10は、剛性の高い治具であり、レンズ300は、第1治具10にクランプ及び固定される。本願の別の実装例において、第1治具10が代替的に別の固定構造であってよいことが理解されよう。例えば、いくつかの実装例において、真空吸着ゾーンは、第1治具10のレンズ取り付けゾーン11内に配置されてよく、レンズ300は、真空吸着を通じて第1治具10に固定され得る。代替的に、いくつかの実装例において、第1治具10は、スナップフィット部分を含み、レンズ300は、スナップフィット部分を用いることによって第1治具10とタイトにスナップフィットし、固定される。
【0049】
その後にフィルム200をレンズ300に接合するのに好都合にするために、第2治具20は、変形可能で柔軟な治具である。具体的に、本実装例において、第2治具20の製造材料は、ゴム又はシリコン等の柔軟な材料であってよい。
【0050】
本願の本実装例において、第1治具10は、レンズ取り付けゾーン11を含み、レンズ300は、レンズ取り付けゾーン11内に取り付けられる。第2治具20は、フィルム担持ゾーン21を含み、フィルム200は、フィルム担持ゾーン21内で固定される。本実装例において、フィルム担持ゾーン21及びレンズ取り付けゾーン11は、互いに対向して配置され、その結果、フィルム担持ゾーン21内で固定されたフィルム200は、レンズ300に正確に接合され得る。
【0051】
いくつかの実装例において、レンズ取り付けゾーン11のサイズは、異なるサイズのレンズ300を固定するために、取り付けられるレンズ300のサイズに応じて、対応して調整されてよい。
【0052】
本願のいくつかの実装例において、第1治具10のレンズ取り付けゾーン11の表面は、テフロン(登録商標)等の保護層を用いて更にカバーされてよい。第1治具10がレンズ300を固定するときにレンズ300への損傷をすることを回避するために、レンズ300は、第1治具10に固定されるとき、保護層と接触するようになる。加えて、本願のいくつかの実装例において、保護層の、第1治具10から離れた表面の形状は、レンズ300の、第1治具10に面する表面の形状と実質的に同じである。具体的には、第1治具10がレンズ300を適切にサポート及び制限し得ることを保証するために、及びレンズ300が第1治具10に安定的に固定され得ることを更に保証するために、レンズ300が第1治具10に固定されるとき、レンズ300の表面は、保護層に実質的に接合され得る。
【0053】
本願のいくつかの実装例において、アレイ状に配置された真空孔22は、フィルム担持ゾーン21内に配置されている。フィルム200をフィルム担持ゾーン21に吸着及び固定するために、真空吸着力を生成するために、真空孔22は、真空化デバイスに接続され得る。本願のいくつかの他の実装例において、フィルム200が代替的にいくつかの他の方式でフィルム担持ゾーン21に固定されてよいことが理解されよう。例えば、図2を参照すると、図2は、本願の別の実装例に係る、フィルムをレンズに接合するためのデバイス100の構造の概略図である。図2に示される実装例において、フィルム200は、キャリアフィルム400に固定されており、フィルムをレンズに接合するためのデバイス100は、クランプ部材500を更に備える。フィルム200を担持するキャリアフィルム400を張らせるために、クランプ部材500は、フィルム200の両側でキャリアフィルム400をクランプする。キャリアフィルム400が第2治具20のフィルム担持ゾーン21と接触するようになるまで、クランプ部材500は、第2治具20と相対的に移動し得、フィルム20をフィルム担持ゾーン21に固定するために、フィルム200を担持するキャリアフィルム400の部分は、張られ、フィルム担持ゾーン21に接合される。いくつかの実装例において、フィルム担持ゾーン21には、アレイ状に真空孔22が設けられており、フィルムをレンズに接合するためのデバイス100はまた、クランプ部材500を備え、フィルム200は、キャリアフィルム400に固定される。真空孔22の吸着力及びクランプ部材500駆動のキャリアフィルム400の張る力の連携作用を通じて、フィルム担持ゾーン21に対応するキャリアフィルム400上の位置は、フィルム担持ゾーン21に固定され、その結果、キャリアフィルム400上で担持されたフィルム200は、フィルム担持ゾーン21に固定される。本実装例において、真空孔22の吸着力及びクランプ部材500のクランプ機能の連携作用に起因して、フィルム担持ゾーン21に対応するキャリアフィルム400上の位置は、フィルム担持ゾーン21によりしっかり及び安定的に接合され得、その結果、フィルム200は、フィルム担持ゾーン21によりしっかり及び安定的に接合され得る。
【0054】
本願のいくつかの実装例において、フィルム200は、キャリアフィルム400に固定されることに留意されたい。フィルム200がレンズ300に接合された後、キャリアフィルム400は、フィルム200から容易に剥離され得る。例えば、いくつかの実装例において、フィルム200は、感光性の接着剤を通じてキャリアフィルム400に固定される。フィルム200がレンズ300に接合された後、必要とされるフォトニックコンポーネントを取得するために、フィルム200は、紫外線への露出を通じてキャリアフィルム400から容易に剥離され得る。
【0055】
本願の本実装例において、第1治具10及び第2治具20は、互いに対向して配置され、その結果、第1治具10に固定されたレンズ300は、第2治具20に固定されたフィルム200に対向する。第1治具10及び第2治具20を互いに相対的に移動させることによって、フィルム200は、レンズ300に接合され得る。本実装例において、第1治具10は、第2治具20の上方に位置し、第1治具10は、第2治具20に向かって移動し得る。本願の別の実装例において、第2治具20は、代替的に第1治具10の上方に位置してよく、第2治具20は、代替的に第1治具10に向かって移動してよいことが理解されよう。
【0056】
本願のいくつかの他の実装例において、第1治具10及び第2治具20は、代替的に、別の位置関係で配置されてよいことが理解されよう。例えば、いくつかの実装例において、第1治具10及び第2治具20は、代替的に並行に配置されてよい。フィルム200をレンズ300に接合する後続のプロセスにおいて、第2治具20は、ひっくり返されてよく、その結果、第2治具20は、第1治具10に対向して配置される。
【0057】
本願の本実装例において、フィルム担持ゾーン21上で担持されたフィルム200がレンズ300に接合されるときに良好な接合効果が達成され得ることを保証するために、第2治具20のフィルム担持ゾーン21の形状は、レンズ300のフィルム接合面の形状と一致する。
【0058】
具体的に、レンズ300は、互いに対向して配置される入光面301及び放光面302を含む。光は、入光面301を通じてレンズ300へと入射し、放光面302を通じて放たれる。本願の本実装例において、レンズ300は、フィルム接合面を含み、フィルム200は、フィルム接合面に接合される。いくつかの実装例において、レンズ300のフィルム接合面は、入光面301又は放光面302であってよい。具体的には、フィルム200は、入光面301又は放光面302に接合される。この場合、レンズ300のフィルム接合面が1つのみ存在する。いくつかの他の実装例において、レンズ300の入光面301及び放光面302の両方がフィルム接合面であってよい。言い換えれば、フィルムは、レンズ300の入光面301及び放光面302の各々に接合されてよい。この場合、レンズ300のフィルム接合面が2つ存在する。本願において、レンズ300が第1治具10に固定されるとき、フィルム200がレンズ300のフィルム接合面に接合されるのに好都合にするために、フィルム接合が実行される必要があるレンズ300のフィルム接合面は、第1治具10から離れている。
【0059】
本願において、レンズ300のフィルム接合面は、球面、非球面、又は自由反曲面であってよい。自由反曲面は、フィルム接合面の両側の各々に1つの頂点のみが存在することを示す。例えば、自由反曲面は、凹面又は凸面であってもよいし、又はエッジが平面であり中間ゾーンが凹面又は凸面である自由曲面であってもよい。
【0060】
いくつかの実装例において、レンズ300のフィルム接合面は、凸面であり、第2治具20のフィルム担持ゾーン21は、平面又は凹面であってよい。第2治具20のフィルム担持ゾーン21が凹面である場合、フィルム担持ゾーン21の曲率半径は、レンズ300のフィルム接合面の曲率半径よりも大きい。図3及び図4を参照すると、図3は、レンズ300のフィルム接合面が凸面であり第2治具20のフィルム担持ゾーン21が平面である場合のレンズ300及びフィルム200を接合する概略図であり;及び図4は、レンズ300のフィルム接合面が凸面であり第2治具20のフィルム担持ゾーン21が凹面である場合のレンズ300及びフィルム200を接合する概略図である。レンズ300のフィルム接合面が凸面であり、第2治具20のフィルム担持ゾーン21が平面又は凹面であり、フィルム担持ゾーン21の曲率半径がレンズ300のフィルム接合面の曲率半径よりも大きい場合、第1治具10及び第2治具20が互いに近くにあって、第1治具10に固定されたレンズ300を第2治具20に固定されたフィルム200に接合するとき、フィルム200の中央ゾーンからエッジゾーンまでがレンズ300に徐々に接合し得、その結果、フィルム200及びレンズ300の間の空気がより良好に除去され得、フィルム200をレンズ300に接合するプロセスにおいて気泡を生成することを回避することが保証され得る。
【0061】
いくつかの実装例において、レンズ300のフィルム接合面が凹面である場合、第2治具20のフィルム担持ゾーン21は、凸面であり、フィルム担持ゾーン21の曲率半径は、レンズ300のフィルム接合面の曲率半径よりも小さい。いくつかの実装例において、フィルム200がレンズ300に接合されるときに中央の気泡を生成するリスクを低減するために、フィルム担持ゾーン21上の中央位置の曲率半径は、凹面であるフィルム接合面の曲率半径の1.5倍よりも小さくてよい。図5を参照すると、図5は、レンズ300のフィルム接合面が凹面であり第2治具20のフィルム担持ゾーン21が凸面である場合のレンズ300及びフィルム200を接合する概略図である。レンズ300のフィルム接合面が凹面であり、第2治具20のフィルム担持ゾーン21が凸面であり、フィルム担持ゾーン21の曲率半径がレンズ300のフィルム接合面の曲率半径よりも小さい場合、第1治具10及び第2治具20が互いに近くにあって、第1治具10に固定されたレンズ300を第2治具20に固定されたフィルム200に接合するとき、フィルム200の中央ゾーンからエッジゾーンまではレンズ300に徐々に接合され、その結果、フィルム200及びレンズ300の間の空気は、より良好に除去され得、フィルム200をレンズ300に接合するプロセスにおいて気泡を生成することを回避することが保証され得る。
【0062】
本願のいくつかの実装例において、レンズ300の接合面は、代替的に平面であってよいことが理解されよう。この場合、第2治具20のフィルム担持ゾーン21は、凸面であってよい。図6を参照すると、図6は、レンズ300のフィルム接合面が平面であり第2治具20のフィルム担持ゾーン21が凸面である場合のレンズ300及びフィルム200を接合する概略図である。レンズ300の接合面が平面であり、第2治具20のフィルム担持ゾーン21が凸面である場合、フィルム担持ゾーン21上で担持されたフィルム200は、レンズ300の中央ゾーンと優先的に接触するようになり得る。第1治具10及び第2治具20が互いに更に接近するプロセスにおいて、フィルム200の中央ゾーンからエッジゾーンまでは、レンズ300に徐々に接合し、その結果、フィルム200及びレンズ300間の空気がより良好に除去され得、フィルム200をレンズ300に接合するプロセスにおいて気泡を生成することを回避する。
【0063】
本願の本実装例において、フィルム200は、平面状のフィルムである。いくつかの実装例において、フィルム200の余剰が、フィルム200が接合された後の別のプロセス(例えば、レーザー切断)を通じて切断される必要がある場合を回避し、それにより、製造プロセスを低減するために、フィルム200のサイズは、レンズ300の有効口径と同じである又はレンズ300の有効口径よりも僅かに小さい。加えて、フィルム200がレンズ300に接合されるときに皺が容易に発生しないことが更に保証され得る。例えば、本願のいくつかの実装例において、平面のレンズ300がエッジにおいて平面であり、中間位置において凹面又は曲面であり、フィルム200の直径がレンズ300の有効口径よりも小さい場合、フィルム200は、レンズ300のエッジはカバーしないが、レンズ300上の中間位置のみをカバーし、それにより、必要とされる光学効果が達成され得ることを保証し、フィルム200によってカバーされた中間位置からエッジ位置までの曲率が急速に変化するので気泡が生成される問題を回避する。本願の本実装例において、レンズ300の有効口径は、実際の光学機能を実行し得る、レンズの部分レンズの口径であることに留意されたい。例えば、レンズ300がエッジにおいて平面であり、中間位置において凹面又は曲面である場合、一般に、レンズのエッジ平面部分は、レンズの取り付けを容易にするための担持構造であり、光路における透過に実際に影響せず、レンズ200の中間の凹面又は凸面部分が、光路に実際に影響する。したがって、レンズ200の有効口径は、レンズ200の中間の凹面又は凸面部分の口径である。加えて、本願のレンズ300は、円形レンズであってもよいし、又はスクエアレンズ等の別の形状のレンズであってもよいことに留意されたい。本明細書ではこれについて特に限定しない。フィルム200の形状は、レンズ300の形状と同じである。加えて、フィルム200のサイズがレンズ300の有効口径と同じ又はレンズ300の有効口径よりも僅かに小さいことは、具体的に、各方向でのフィルムのサイズが、各対応する方向でのレンズ300のサイズと同じである又はそれよりも僅かに小さいことである。例えば、本願のいくつかの実装例において、レンズ300及びフィルム200の両方は、円形である。フィルム200のサイズがレンズ300の有効口径と同じ又はレンズ300の有効口径よりも僅かに小さいことは、フィルム200の直径がレンズ300の有効口径よりも小さい又はそれに等しいことである。
【0064】
本願のいくつかの実装例において、レンズ300の有効口径は、1mmから60mmまでの範囲にわたる。本願の本実装例において、フィルム200は、平面状のフィルムであるので、平面状のフィルムは、レンズ300の接合面に接合される。レンズ300の接合面が曲面である場合、フィルム200上の各位置が接合面にフラットに接合され得ることを保証し、それにより、皺を回避するために、フィルム200は、ある程度変形される。本願のいくつかの実装例において、フィルムを接合する良好な効果を保証するために、皺を生成することなく、フィルム200がレンズ300の接合面にフラットに接合され得ることを保証するために、レンズ300の有効口径は、1mmから60mmまでの範囲にわたる。いくつかの実装例において、フィルム200がレンズ300に接合されるときに皺が生成されないことを保証するために、レンズ300のフィルム接合面が凸面である場合、フィルム接合面の接合口径に対するフィルム接合面の曲率半径の比は、1.2よりも大きく;又はレンズ300のフィルム接合面が凹面である場合、フィルム接合面の接合口径に対するフィルム接合面の曲率半径の比は、1.5よりも大きい。本願の本実装例において、フィルム接合面が球面である場合、フィルム接合面の曲率半径は、球面であるフィルム接合面の曲率半径である;又はフィルム接合面が非球面又は自由曲面である場合、フィルム接合面の曲率半径は、フィルム接合面にフィッティングすることによって取得された、フィルム接合面の表面形状に最も近い球面の曲率半径であることに留意されたい。フィルム接合面の接合口径は、フィルム200がレンズ300に接合されるときの、レンズの光軸に対して垂直な平面へのフィルムの正投影を通じて生成された投影のサイズである。
【0065】
再び図1を参照すると、本願のいくつかの実装例において、駆動機構30は、第1駆動機構31及び第2駆動機構32を含む。第1駆動機構31は、第1治具10に接続されており、第2駆動機構32は、第2治具20に接続されている。第1駆動構造31は、第1治具10を駆動して、第2治具20に向かって移動させるように構成されており、第2駆動機構32は、第2治具20を駆動して、第1治具10に向かって移動させるように構成されており、その結果、第2治具20に固定されたフィルム200は、第1治具10に固定されたレンズ300に接合される。
【0066】
本願の本実装例において、第1駆動機構31及び第2駆動機構32の各々は、ねじロッド駆動機構、ガイドレール駆動機構、又は円筒駆動機構等の駆動機構であってよい。具体的に、図1に示される実装例において、第1駆動構造31は、ガイドレール駆動機構であり、ガイドレール駆動機構は、ガイドレール311及びガイドレール311の一方の端部に接続されたガイドレールモータ312を含む。第1治具10は、ガイドレール311に接続されており、ガイドレールモータ312の駆動の下でガイドレール311に沿って移動し得る。第2駆動機構32は、円筒駆動機構である。円筒駆動機構は、円筒321及び円筒321に接続された接続ロッド322を含む。第2治具20は、円筒321から離れた接続ロッド322の端部に接続されている。円筒321の駆動の下で、第2治具20は、接続ロッド322の延在方向において移動し得る。本実装例において、接続ロッド322の延在方向は、第2治具20が第1治具10に面する方向である。
【0067】
本願の別の実装例において、第1駆動機構31及び第2駆動機構32の各々は、代替的に、駆動機構の駆動の下での相対的な移動を生成するための別のタイプの駆動機構であってよいことが理解されよう。
【0068】
図2を参照すると、本願のいくつかの他の実装例において、駆動機構30は、第3駆動構造33を更に含む。第3駆動機構33は、クランプ部材500を駆動してキャリアフィルム400をクランプ又はリリースするために、クランプ部材500に接続されている。本実装例において、クランプ部材500もまた、ねじロッド駆動機構、ガイドレール駆動機構、及び円筒駆動機構等の様々なタイプの駆動機構であってよいことが理解されよう。
【0069】
再び図1及び図2を参照すると、本願のいくつかの他の実装例において、フィルムをレンズに接合するためのデバイス100は、第1空洞41及び第1空洞41と共同して用いられる第2空洞42を更に備えてよい。本願のいくつかの実装例において、第1治具10は、第1空洞41内に位置し、第2治具20は、第2空洞42内に位置する。第1空洞41及び第2空洞42は、互いに対向して配置されており、閉鎖空間を形成するために、第1空洞41及び第2空洞42が被覆方式で継ぎ合わせられるまで、第1空洞41及び第2空洞42は、互いに相対的に移動し得、その結果、第1治具10及び第2治具20は、閉鎖空間内に位置し、フィルム200をレンズ300に接合するプロセスは、閉鎖空間内で実行され、それにより、フィルム200及びレンズ300の間に外部不純物が入ることを防止し、接合品質を向上する。加えて、いくつかの実装例において、閉鎖空間は、真空化デバイスに接続され得、真空化デバイスは、閉鎖空間を真空化して真空環境を形成し、それにより、フィルム200がレンズ300に接合されるときにフィルム及びレンズの間に気泡を生成することを更に回避し、フィルム200及びレンズ300の間の接合の品質を更に向上する。
【0070】
本実装例において、第1空洞41を駆動して第2空洞42と相対的に移動させるために、第1治具10は、第1空洞41内に位置し、第1駆動機構31は、第1空洞41に接続されている。本実装例において、第1空洞41及び第1駆動機構31の間の接続を通じて、第1治具10は、移動し得る。
【0071】
本願は、フィルム200をレンズ300に接合するために、フィルムをレンズに接合するための方法を更に提供する。本願の本実装例において、フィルム200は、フィルムをレンズに接合するためのデバイス100を通じて、異なるレンズ300の異なる形状のフィルム接合面に接合され得る。具体的に、本願において、図1に示されるフィルムをレンズに接合するためのデバイス100を通じて、フィルム接合面が凸面であるレンズ300にフィルム200が接合される例を用いて、及び図2に示されるフィルムをレンズに接合するためのデバイス100を通じて、フィルム接合面が凹面であるレンズ300にフィルム200が接合される例を用いて、本願のフィルム200をレンズ300に接合するための方法を説明する。図7を参照すると、図7は、本願のいくつかの実装例に係る、フィルム200をレンズ300に接合するための方法の概略フローチャートである。本願の本実装例において、フィルム200をレンズ300に接合するための接合方法は、具体的に以下を備える。
【0072】
ステップ110:レンズ300を第1治具10に固定する。
【0073】
本願の本実装例において、レンズ300を固定するために、レンズ300は、第1治具10内に取り付けられている。加えて、レンズ300が第1治具10内に取り付けられている場合、後続のフィルムの接合を容易にするために、フィルム200が接合される必要があるレンズ300のフィルム接合面は、第1治具10から離れている。
【0074】
本願の本実装例において、レンズ300のフィルム接合面は、凸面、凹面、又は平面であってよい。例えば、図1に示される実装例において、第1治具10に固定されたレンズ300のフィルム接合面は、凸面である。図2に示される実装例において、第1治具10に固定されたレンズ300のフィルム接合面は、凹面である。
【0075】
ステップ120:フィルム200を第2治具20に固定する。
【0076】
本願の本実装例において、フィルム200は、フィルム200を固定するための第2治具20のフィルム担持ゾーン21に固定されている。いくつかの実装例において、図1に示される実装例でのフィルムを接合するためのデバイス100の第2治具20にフィルム200が固定されている場合、第2治具20にフィルム200を固定することは、
具体的に、フィルム200を第2治具20のフィルム担持ゾーン21に移転すること、及び真空化デバイスを使用可能にすることを含み、その結果、真空孔22の真空吸着力の下で第2治具20のフィルム担持ゾーン21にフィルム200が固定される。
【0077】
図1に示される実装例において、第2治具20のフィルム担持ゾーン21は、平面であり、平面状のフィルム200は、真空孔22の真空吸着力の下でフィルム担持ゾーン21内でタイル化される。本願のいくつかの他の実装例において、フィルム担持ゾーン21は、代替的に凹面であってよく、凹面の曲率半径は、レンズ300のフィルム接合面の曲率半径よりも大きいことが理解されよう。
【0078】
図8を参照すると、図8は、図2に示されるフィルムを接合するためのデバイス100を通じて、フィルム200がレンズ300に接合されるときの、フィルムを第2治具20に固定する具体的なオペレーションのフローチャートである。本願のいくつかの他の実装例において、図2に示される実装例でのフィルムを接合するためのデバイス100の第2治具20にフィルム200が固定される場合、フィルム200を第2治具20に固定することは、具体的に以下を含む。
【0079】
ステップ121:フィルム200をキャリアフィルム400に固定する。
【0080】
具体的に、キャリアフィルム400を用いることによってフィルム200を担持するために、接着材を用いることによって、フィルム200は、キャリアフィルム400に固定される。キャリアフィルム400は、柔軟な材料からできており、キャリアフィルム400は、曲げられ、変形され得る。本願のいくつかの実装例において、フィルム200をキャリアフィルム400に固定するための接着材は、感紫外線性の光学的に透明な接着剤である。フィルム200がレンズ300に接合された後、キャリアフィルム400は、紫外線への露出を通じてフィルム200から剥離されてよい。
【0081】
本実装例において、キャリアフィルム400を通じてフィルム200を担持することによって、フィルム200は、第2治具20のフィルム担持ゾーン21に移転される後続のプロセスにおいて容易に損傷されることから保護され得、フィルム200は、より容易に移転され得る。
【0082】
ステップ122:フィルム200が第2治具20のフィルム担持ゾーン21に対向するまで、キャリアフィルム400を通じて、フィルム200を移転し、フィルム200を担持するキャリアフィルム400の部分が張られ得ることを保証するために、クランプ部材500を用いることによって、フィルム200の両側で、キャリアフィルム400をクランプする。
【0083】
いくつかの実装例において、フィルム200は、滑車を通じた巻きつき方式で、第2治具20のフィルム担持ゾーン21に対向する位置に移転され得る。加えて、フィルム200が第2治具20のフィルム担持ゾーン21に対向する位置に移転されるとき、後続のフィルム接合プロセスを容易にするために、キャリアフィルム400上のフィルム200の両側は、クランプ部材500を用いることによって、クランプされ、フィルム200の両側のクランプ部材500は、フィルム200を担持するキャリアフィルム400の部分が張った状態で保たれることを保証し、それにより、キャリアフィルム400上に位置するフィルム200が、広げられた状態にあることを保証する。
【0084】
ステップ123:キャリアフィルム400が移動して第2治具20と接触するようになるまで、キャリアフィルム400上のフィルム200を駆動して、第2治具20と相対的に移動させる。
【0085】
本願において、キャリアフィルム400上のフィルム200を駆動して、第2治具20と相対的に移動させることは、キャリアフィルム400が移動して第2治具20と接触するようになるまで、キャリアフィルム400及びキャリアフィルム400上に位置するフィルム200を駆動して、第2治具20に向かって移動させるために、第2治具20を静止させ続けること及びキャリアフィルム400をクランプするクランプ部材500を移動させることであってよい。代替的に、キャリアフィルム400上のフィルム200を駆動して、第2治具20と相対的に移動させることは、キャリアフィルム400が移動して第2治具20と接触するようになるまで、キャリアフィルム400上の位置が変化しないようにしておくこと及び第2治具20をキャリアフィルム400に向かって移動させることであってよい。
【0086】
ステップ124:フィルム200を第2治具20のフィルム担持位置21に固定するために、第2治具20の真空孔22と接続している真空化デバイスを使用可能にして、真空吸引を通じて、フィルム200上の位置に対応するキャリアフィルム400の部分を第2治具20のフィルム担持位置21に吸着及び固定する。
【0087】
本願のいくつかの実装例において、フィルム担持ゾーン21は、凸面である。真空孔22上の位置において、真空吸着力を通じて、キャリアフィルム400及びキャリアフィルム400上のフィルム200をフィルム担持位置21に固定するために、真空化デバイスが使用可能にされている場合、フィルム200の両側のクランプ部材500を、第2治具20に向かって更に移動して、クランプ部材500を用いることによってフィルム200の両側でキャリアフィルム400上の位置を張らせ、キャリアフィルム400上で担持されたフィルム200の両端がフィルム担持位置21によりしっかり接合され得ることを保証し、真空吸着力に起因してフィルム200の両端が反るという問題を回避し、フィルム200の接合効果を保証してよい。
【0088】
本願のフィルムをレンズに接合するための方法において、ステップ110からステップ120までの一連は、ランダムに変更されてよく、つまり、ステップ110がステップ120の前に実行されてもよいし;ステップ120がステップ110の前に実行されてもよいし;又はステップ110及びステップ120が同時に実行されてもよいことが理解されよう。
【0089】
再び図7を参照すると、ステップ120が完了した後、方法は、ステップ130:レンズ300のフル口径の境界情報を取得して、レンズ300を第1治具200と位置合わせする、を更に備える。
【0090】
本願のいくつかの実装例において、フィルムをレンズに接合するためのデバイス100は、第1アライメントカメラを更に備える。第1アライメントカメラは、高解像度を有し、第1アライメントカメラの撮影範囲は、レンズ300のフル口径の範囲をカバーし得、その結果、レンズ300のフル口径の境界情報が取得され得る。レンズ300上の中央位置を正確に取得するために、レンズ300のフル口径の境界情報は、高解像度のアライメントカメラを通じて取得される。レンズ300上の中央位置を第1治具10のレンズ担持ゾーン11上の中央位置に対向させるために、レンズ300は、移動され、つまり、レンズ300上の中央位置及び第1治具10のレンズ担持ゾーン11上の中央位置の間の接続線は、レンズ200の光軸と同一直線上にある。このように、レンズ300は、第1治具10と位置合わせされる。高解像度の第1アライメントカメラを通じてレンズ300のフル口径の境界情報を取得することは、具体的に:第1アライメントカメラが、レンズ300のすぐ上方にあり、且つレンズ300に面するレンズ方向を有するようになるまで、第1アライメントカメラを移動させること;及び高解像度の第1アライメントカメラを通じてレンズ300のフル口径を撮影すること、及びプロセッサを通じてレンズ300の結像境界情報を取得して、レンズ300のフル口径の境界情報を取得することである。境界情報を用いることによって算出して、レンズ300上の中央位置を取得することを通じて、レンズ300の中央位置情報が取得される。具体的に、本実装例において、第1アライメントカメラは、電荷結合素子(charge coupled device,CCD)カメラである。本実装例において、レンズ300上の中央位置を正確に取得するために、第1アライメントカメラの撮影範囲は、レンズ300のフル口径の範囲をカバーし得る。レンズ300上のいくつかの位置のみが特定されて位置合わせされる方式と比較して、本願の本実装例においては、レンズ300のフル口径を撮影することが、レンズ300及び第1治具10の間の位置合わせの正確性を保証し得る。本願のいくつかの実装例において、レンズ300及び第1治具10の間の位置合わせの精度は、0.05mmから0.1mmに達してよい。
【0091】
ステップ140:フィルム200のフル口径の境界情報を取得して、フィルム200を第2治具20と位置合わせする。
【0092】
本願のいくつかの実装例において、フィルムをレンズに接合するためのデバイス100は、第2アライメントカメラを更に備える。第2アライメントカメラは、高解像度を有し、第2アライメントカメラの撮影範囲は、フィルム200のフル口径の範囲をカバーし得、その結果、フィルム200のフル口径の境界情報が取得され得る。フィルム200上の中央位置を正確に取得するために、フィルム200のフル口径の境界情報は、高解像度のアライメントカメラを通じて取得される。フィルム200の中心が第2治具20上の中央位置に対向することを可能にするために、フィルム200は、移動され、つまり、フィルム200の中心及び第2治具20の中心の間の接続線は、フィルム200と垂直であり、それにより、フィルム200及び第2治具20の間の位置合わせを実装する。高解像度の第2アライメントカメラを通じてフィルム200のフル口径の境界情報を取得することは、具体的に:第2アライメントカメラが、フィルム200のすぐ上方にあり、且つフィルム200に面するレンズ方向を有するようになるまで、第2アライメントカメラを移動させること;及び、次に、高解像度の第2アライメントカメラを通じてフィルム200のフル口径を撮影すること、及びプロセッサを通じてフィルム200の結像境界情報を取得して、フィルム200のフル口径の境界情報を取得することである。フィルム200のフル口径の境界情報を用いることによって算出して、フィルム200上の中央位置を取得することを通じて、フィルム200の中央位置情報が取得される。具体的に、本実装例において、第2アライメントカメラは、電荷結合素子(charge coupled device,CCD)カメラである。本実装例において、フィルム200上の中央位置を正確に取得するために、第2アライメントカメラの撮影範囲は、フィルム200の全範囲をカバーし得、その結果、フィルム200のフル口径の境界情報は、取得され得る。フィルム200上のいくつかの位置のみが特定されて位置合わせされる方式と比較して、本願の本実装例においては、フィルム200のフル口径の撮影が、フィルム200及び第2治具20の間の位置合わせの正確性を保証する。本願のいくつかの実装例において、フィルム200及び第2治具20の間の位置合わせの精度は、0.05mmから0.1mmに達してよい。
【0093】
本願の本実装例において、レンズ300及び第1治具10の間の位置合わせは、第1アライメントカメラを用いることによって実装されてよく、フィルム200及び第2治具20の間の位置合わせは、第2アライメントカメラを用いることによって実装されてよく、相互の影響は存在しないことに留意されたい。したがって、ステップ130及びステップ140は、同時に実行されてよく、それにより、フィルム接合効率を向上する。本願の別の実装例において、レンズ300及び第1治具10の間の位置合わせ及びフィルム200及び第2治具20の間の位置合わせは、同じアライメントカメラを用いることによって実装されてよいことが理解されよう。具体的には、レンズ300及び第1治具10の間の位置合わせを実装した後、アライメントカメラは、第2治具20に対応する位置に移動し、次に、フィルム200及び第2治具20の間の位置合わせを実行する。この場合、ステップ130がまず完了し、次に、ステップ140が完了する;又はステップ140がまず完了し、次にステップ130が完了する。
【0094】
ステップ150:第1治具10及び第2治具20を制御して、互いに相対的に移動させて、レンズ300上の中間位置からエッジ位置までをフィルム200に徐々に接合する。
【0095】
本願の本実装例において、第2治具20は、静止し続けてよく、制御機構30は、第1治具10を制御して、第2治具20に徐々に接近するように移動させ;又は第1治具10は、静止し続けてよく、制御機構30は、第2治具20を制御して、第1治具10に徐々に接近させ、その結果、レンズ300上の中間位置からエッジ位置までは、フィルム200に徐々に接合される。代替的に、いくつかの実装例において、制御機構30は、第1治具10を制御して、特定の距離だけ移動させ、第2治具20を制御して特定の距離だけ移動させてよく、その結果、レンズ300上の中間位置からエッジ位置までは、フィルム200に徐々に接合される。具体的に、図1に示される実装例において、制御機構30の第1制御機構31は、まず第1空洞41を制御して、第2空洞42に向かって移動させ、その結果、第1治具10は、いくらかの距離だけ第2治具20に向かって移動する。第1空洞41及び第2空洞42が被覆方式で継ぎ合わせられるまで、第1制御機構31は、第1空洞41を制御して、第2空洞42に向かって移動させ、第1空洞41及び第2空洞42を被覆方式で継ぎ合わせることによって形成された閉鎖空間は、真空化され、その結果、フィルム200がレンズ300に接合されるときにフィルム200及びレンズ300の間に気泡を生成することを回避するために、フィルム200をレンズ300に接合する後続のプロセスは、真空環境において実行され得る。次に、制御機構30の第2制御機構32は、第2治具20を制御して、第1治具10に向かって移動させ、その結果、レンズ300上の中間位置からエッジ位置までは、フィルム200に徐々に接合される。
【0096】
本願の本実装例において、第2治具20が柔軟な治具であるので、第1治具10を第2治具20に向かって移動させるプロセスにおいては、レンズ300上の中間位置がまずフィルム200と接触するようになる。第1治具10が第2治具20に向かって更に移動するにつれ、第2治具20は、徐々に変形され、その結果、レンズ300上の中間位置からエッジ位置までがフィルム200と徐々に接触するようになって接合される。
【0097】
図1及び図2に示される実装例でのフィルムをレンズに接合するためのデバイス100において、第1治具10及び第2治具20は、互いに対向して配置されていることに留意されたい。したがって、ステップ150において言及された、第1治具10及び第2治具20を制御して、互いに相対的に移動させて、レンズ300上の中間位置からエッジ位置までをフィルム200に徐々に接合させることは:第1治具10及び第2治具20を制御して、互いに対向するように移動させて、レンズ300上の中間位置からエッジ位置までをフィルム200に徐々に接合させることである。本願のいくつかの他の実装例において、フィルムをレンズに接合するためのデバイス100内の第1治具10及び第2治具20が並行に配置されている場合、ステップ150において言及された、第1治具10及び第2治具20を制御して、互いに相対的に移動させて、レンズ300上の中間位置からエッジ位置までをフィルム200に徐々に接合させることは:第1治具10又は第2治具20をひっくり返して、第2治具20及び第1治具10を互いに対向するように配置すること;及び、次に、第1治具10及び第2治具20を制御して、互いに対向するように移動させて、レンズ300上の中間位置からエッジ位置までをフィルム200に徐々に接合させることである。
【0098】
本願の本実装例において、平面状のフィルム200は、レンズ300と中間位置からエッジ位置に徐々に接触するようになって接合され、その結果、中間位置からエッジ位置までの平面状のフィルム200は、均等に変形され得、それにより、平面状のフィルム200がレンズ300に接合された後に、フィルム200の光学性能及び機械的性能等が変化するという場合を回避し、ゆえに、接合を通じて最終的に取得される光学素子の光学性能及び機械的性能は、影響されない。例えば、本願のいくつかの実装例において、フィルム200は、反射型偏光フィルム、4分の1波長板、又は半波長板等の、光軸を有する光学フィルムである。本願の本実装例でのフィルムを接合するための方法によると、フィルム200が接合された後に生成されるフィルム200上の中央位置及びエッジ位置の間の光軸オフセットは、±5°よりも小さい又はそれに等しい場合があり、フィルム200の中心及びエッジの間の光学性能差は、±10%よりも小さい又はそれに等しい場合がある。加えて、本願のフィルム200を接合するための方法は、運用するのが容易であり、まず平面状のフィルム200を加熱して、加熱、圧力維持、引き伸ばし、及び軟化等のプロセスを通じて理想的な形状を有する湾曲したフィルムにし、次に、湾曲したフィルム200をレンズ300に接合するということを必要とせず、それにより、接合方法を簡略化しながら、接合されたフィルム200の光学性能又は機械的性能が、加熱、圧力維持、引き伸ばし、及び軟化等のプロセスに起因して影響されるという場合を回避する。
【0099】
本願のいくつかの実装例において、ステップ150における「レンズ上の中間位置からエッジ位置までをフィルムに徐々に接合すること」の前に、方法は、以下を更に備える。
【0100】
ステップ141:第2治具20を用いることによってフィルム200を加熱する。
【0101】
本願の本実装例において、フィルム200を加熱することによって、フィルム200は、軟化され得、その結果、フィルム200は、より良好にフィルム担持ゾーン21に接合され得る。加えて、フィルム200をレンズ300に接合するプロセスにおいて、フィルム200は、加熱後により容易に変形され得るので、フィルム200は、レンズ300の表面にフラットに接合され得、それにより、レンズ300のフィルム接合面にフィルム200が接合されるときに発生する皺等の問題を回避する。加えて、本願の本実装例において、フィルム200上の全ての位置が同じ変形能力を有し得ることを保証し、フィルム200の全ての位置の不均等な引き伸ばしによって生じる光軸方向の皺又は変化を回避するために、第2治具20を用いることによって、フィルム200上の全ての位置が均等に加熱され、それにより、フィルムを接合することによって最終的に取得される光学素子の品質を保証する。加えて、フィルム200は、第2治具20を用いることによって加熱される。第2治具20が特定の熱維持機能を有するので、フィルム200は、全体の接合プロセスにおいて加熱されることができて、フィルム200をレンズ300に接合するプロセスにおいてフィルム200が常に加熱状態にあり得ることを保証し、それにより、より良好な接合効果を達成する。
【0102】
本願の本実装例において、フィルムをレンズに接合するためのデバイス100は、フィルム加熱器600を備える。フィルム加熱器600は、第2治具20の、フィルム200から離れた側に固定されている。動作している間、フィルム加熱器600は、第2治具20を加熱し、その結果、フィルム加熱器600によって生成された熱は、第2治具20に移転され、次に、フィルム200は、第2治具20を用いることによって加熱される。本実装例において、第2治具20が特定の熱維持効果を有するので、フィルム加熱器600が止まった後、第2治具20は、フィルム200を依然として継続的に加熱することができ、それにより、エネルギー消費を低減する。本願のいくつかの実装例において、第2治具20がフィルム300を十分に加熱し得ることを保証し、フィルム200がレンズ300との良好な接合効果を有し得ることを保証するために、第2治具20は、30°Cから150°Cの加熱温度を生成し得る。
【0103】
本願のいくつかの実装例において、ステップ150における「レンズ上の中間位置からエッジ位置までをフィルムに徐々に接合すること」の前に、方法は、以下を更に備える。
【0104】
ステップ142:第1治具10を用いることによってレンズ300を加熱する。
【0105】
本願の本実装例において、フィルム200及びレンズ300が接合され、冷却された後に、フィルム200及びレンズ300の間の応力が小さく成り得ることを保証し、それにより、フィルム200及びレンズ300の間の接合の安定性を保証するために、レンズ300は、加熱され、その結果、フィルム200及びレンズ300の間の温度差は、フィルム200をレンズ300に接合するプロセスにおいて低減され得る。本願のいくつかの実装例において、レンズ300及びフィルム200の間の温度差は、30°よりも小さく、その結果、フィルム200及びレンズ300の間の接合の安定性が効果的に保証され得る。本願の本実装例において、フィルム200をレンズ300に接合するプロセスにおけるレンズ300上の位置間での温度バランスを保証するために、第1治具10を用いることによって、レンズ300上の全ての位置は、均等に加熱される。いくつかの実装例において、レンズ300及びフィルム200の間の温度差は、10°よりも小さく、その結果、フィルム200及びレンズ300の間の接合の安定性がより効果的に保証され得る。
【0106】
本願のいくつかの実装例において、フィルムをレンズに接合するためのデバイス100は、レンズ加熱器700を備える。レンズ加熱器700は、第1治具10の、レンズ300から離れた側に固定されている。動作している間、レンズ加熱器700は、第1治具10を加熱し、その結果、レンズ加熱器700によって生成された熱は、第1治具10に移転され、次に、レンズ300は、第1治具10を用いることによって加熱される。本実装例において、第1治具10が特定の熱維持効果を有し得るので、レンズ加熱器700が止まった後、第1治具10は、レンズ300を依然として継続的に加熱することができ、それにより、エネルギー消費を低減する。本願のいくつかの実装例において、第1治具10が十分に加熱され得ることを保証し、接合している間のフィルム200及びレンズ300の間の温度差を低減するために、レンズ加熱器700は、30°Cから150°Cの加熱温度を生成し得る。
【0107】
本願の本実装例において、ステップ142及びステップ143は、ステップ120の後且つステップ150の前の任意のタイミングに実行されてよい。本明細書ではこれについて特に限定しない。図7に示される実装例において、ステップ142及びステップ143は、ステップ140の後且つステップ150の前に実行されている。
【0108】
本願のいくつかの実装例において、ステップ150においてフィルム200がレンズ300に接合された後、フィルム200及びレンズ300の間の接合の堅さを保証するために、熱維持及び圧力維持は、フィルム200が接合されているレンズ300に対して、特定の時間、更に実行されてよい。具体的に、本願のいくつかの実装例において、フィルム200がレンズ300に接合された後、フィルム200が接合されているレンズ300は、5秒よりも多くの間、1から2000kgfの圧力で、30°Cから150°Cの温度で、熱維持及び圧力維持の対象となる。
【0109】
本願のいくつかの実装例において、接着層及びリリースフィルムがフィルム200上に積層されている。接着層は、フィルム200をレンズ300の表面に接合し得る。本願の本実装例において、接着層は、光学的に透明な接着剤(optically clear adhesive,OCA)及び感圧接着剤(pressure sensitive adhesive,PSA)等の様々なタイプの透明な接着材であってよい。本願のいくつかの実装例において、接着層を用いることによってフィルム200がレンズ300に安定的に接合され得ることを保証し、接着層の厚さが過度に大きいがゆえに、レンズ300をフィルム200に接合することによって取得された光学素子の厚さ及び光学性能が影響される場合を回避するために、接着層の厚さは、5μmから50μmである。
【0110】
いくつかの実装例において、キャリアフィルム400がその後フィルム200から剥離されるときに、フィルム200及びレンズ300の間の接合の堅さが影響されないことを保証するために、フィルム200をレンズ300に接合するための接着層及びフィルム200をキャリアフィルム400に固定するための接着材は、同じ材料からできている。
【0111】
リリースフィルムは、剥離フィルム、隔離フィルム、分離フィルム、又は耐接着剤フィルムとも称される。リリースフィルムは、接着層を保護するために、コーティングフィルム層が特定のリリース力を有することを保証し得る。本実装例において、フィルム200がレンズ300に接合されるとき、接着層を用いることによってフィルム200をレンズ300に接合するために、リリースフィルム層が除去される必要がある。したがって、実装例において、ステップ150の前に、方法は:リリースフィルムをフィルム200の表面から除去する段階を更に備える必要がある。
【0112】
本実装例において、フィルム200が第1治具10に固定されている場合、リリースフィルムは、フィルム200の、第1治具10から離れた表面上に位置する。リリースフィルムが除去された後、フィルム200の表面上の接着層は、レンズ300に対向する。レンズ300がフィルム200と近いとき、フィルム200は、レンズ300に接合され得る。
【0113】
本願のいくつかの実装例において、ステップ150の前に、方法は、以下を更に備える。
【0114】
ステップ111:レンズ300の表面に対して表面活性化処理を実行する。
【0115】
本願の本実装例において、レンズ300上の表面活性化処理は、レンズ300の表面上に極性基(例えば、ヒドロキシオキサイドフィルム)を生成する又はレンズ300の表面を粗くし得、その結果、フィルム200は、レンズ300の表面によりしっかりと接着され得る。いくつかの実装例において、フィルムが接合された後に、レンズ300及びフィルム200の間に不純物が存在しないことを保証し、フィルム接合品質を保証するために、表面活性化処理がレンズ300の表面に対して実行されるとき、レンズ300の表面は、きれいにされる。
【0116】
本願のいくつかの実装例において、活性化処理は、レンズ300の表面に対してプラズマ処理方式で実行され、レンズ300の表面上の不純物は除去され得る。本願のいくつかの他の実装例において、レンズ300のフィルム接合面は、代替的に、別の掃除方式できれいにされてよいことが理解されよう。
【0117】
本願の本実装例において、ステップ111は、ステップ150の前の任意の時点において実行されてよい。図7に示される実装例において、ステップ111は、ステップ110の前に実行される。具体的には、表面活性化処理がレンズ300のフィルム接合面に対してまず実行された後、レンズ300は、第1治具10に固定される。本願のいくつかの他の実装例において、ステップ111は、ステップ110及びステップ150の間の任意の時点において実行されてよいことが理解されよう。本明細書ではこれについて特に限定しない。
【0118】
本願のいくつかの実装例において、ステップ140の後且つステップ150の前に、方法は、以下を更に備える。
【0119】
ステップ141:レンズ300のフル口径の境界情報及びフィルム200のフル口径の境界情報を取得して、レンズ300をフィルム200と位置合わせする。
【0120】
具体的に本願の本実装例において、レンズ300上の各位置及びフィルム200上の各位置の間の位置合わせは、第3アライメントカメラを用いることによって実装されてよい。いくつかの実装例において、レンズ300がフィルム200に位置合わせされるとき、第3アライメントカメラは、互いに対向して配置されたレンズ300及びフィルム200の間の位置に移動されてよく、レンズ300上の中央位置を決定するために、レンズ300のフル口径の境界情報が第3アライメントカメラを用いることによって取得される。加えて、フィルム200上の中央位置を決定するために、フィルム200のフル口径の境界情報が取得される。次に、第1治具10及び第2治具20は、互いに相対的に移動され、その結果、レンズ300上の中央位置は、フィルム200の中央位置に対向し、それにより、レンズ300をフィルム200と位置合わせする。本実装例において、フィルム200がレンズ300に接合される前に、フィルム200は、レンズ300と位置合わせされ、その結果、フィルム200をレンズ300に接合する精度は、更に向上され得る。
【0121】
接合している間のレンズ300及びフィルム200の間の相対的な移動を第3アライメントカメラが阻害することを防止するために、第3アライメントカメラがレンズ300及びフィルム200の間の位置合わせを完了した後、第3アライメントカメラは、レンズ300及びフィルム200の間の位置を離れるように移動してよいことに留意されたい。
【0122】
本願のいくつかの他の実装例において、ステップ141は、代替的に、実行されなくてもよく、フィルム200及びレンズ300は、第1治具10及び第2治具20の間の構造的に精密なフィットを通じて位置合わせされることが理解されよう。
【0123】
本願のいくつかの実装例において、ステップ150を完了した後、方法は、以下を更に備えてよい。
【0124】
ステップ151:レンズ300を第1治具10から外し、フィルム200を第2治具20から外す。
【0125】
具体的に、図1に示される実装例でのフィルムをレンズに接合するためのデバイス100の場合、フィルム200を第2治具20から外すことは:フィルム200を第2治具20から外すために、真空化デバイスを無効化し、その結果、第2治具20がフィルム200上で真空吸着力を生成しないことを含む。図2に示される実装例でのフィルムをレンズに接合するためのデバイス100の場合、フィルム200を第2治具20から外すことは:フィルム200を第2治具20から外すために、真空化デバイスを無効化し、その結果、第2治具20がフィルム200上で真空吸着力を生成しないこと;及びキャリアフィルム400をクランプ部材500のクランプから緩めることを含む。
【0126】
ステップ152:フィルム200が接合されているレンズ300に対して脱泡処理を実行する。
【0127】
具体的に、本願のいくつかの実装例において、フィルム接合治具100は、脱泡治具を更に含む。フィルム200及びレンズ300の間の気泡を排出するのに好都合にし、光学素子の光学品質を保証するために、第1治具10及び第2治具20から取り出された、フィルム200が接合されているレンズ300は、脱泡治具内に置かれ、フィルム200が接合されているレンズ300に対して圧力維持及び熱維持処理が実行される。本実装例において、フィルム200及びレンズ300の間の気泡が排出され得ることを保証するために、圧力維持及び熱維持処理がフィルム200に対して実行されるとき、圧力は、0.1MPaから1MPaであり、温度は、40°Cから80°Cであり、熱維持及び圧力維持時間は、5分から1時間であり、光学素子の光学性能に対する脱泡プロセスの影響を回避するために、温度、圧力、熱維持及び圧力維持の時間は、制御され得る。
【0128】
具体的に、本願のいくつかの実装例において、フィルム接合治具100は、ロボットアーム又はベルト車等の移転機構を更に含む。フィルム200が接合されているレンズ300は、ロボットアーム又はベルト車等の移転機構を用いることによって第1治具10及び第2治具20から取り出され、脱泡処理のために脱泡治具内に置かれる。
【0129】
図2に示されるフィルムをレンズに接合するためのデバイス100の場合、脱泡処理がレンズに対して実行された後、方法は:キャリアフィルム400をフィルム200から剥離する、を更に備える。いくつかの実装例において、キャリアフィルム400をフィルム200から剥離することは:フィルム200がキャリアフィルム400に接合されている位置に対して紫外線(Ultraviolet Rays,UV)への露出を実行し、その結果、フィルム200がキャリアフィルム400に接合されている接着層が硬化及び非アクティブ化され、フィルム200がキャリアフィルム400から剥離されることを含む。紫外線を通じてキャリアフィルム400がフィルム200から剥離されるときに、紫外線への露出が、フィルム200及びレンズ300の間の接合の堅さに影響する場合を回避するために、フィルム200及びレンズ300の間の接着層は、非感紫外線性の接着層であることに留意されたい。図9を参照すると、図9は、本願の実装例に係る、フィルムをレンズに接合するためのデバイス100の動作モジュールの概略図である。本願のいくつかの実装例において、フィルムをレンズに接合するためのデバイス100は、メモリ101、プロセッサ102、及びフィルムをレンズに接合するためのプログラムを更に備える。フィルムをレンズに接合するためのプログラムは、メモリ101に格納されており、プロセッサ102上で動作可能である。フィルムをレンズに接合するためのプログラムは、前述のフィルムをレンズに接合するための方法を実行するために、レンズを接合するためのデバイス100を制御するために、プロセッサ102によって実行される。
【0130】
前述の記載は、本願の例示的な実装例である。当業者は、本願の原理から逸脱することなく、いくつかの改善及び装飾を行ってよく、その改善及び装飾もまた本願の保護範囲に含まれることに留意されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】