(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-06
(54)【発明の名称】重水素化1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物及びその使用
(51)【国際特許分類】
C07D 243/14 20060101AFI20231129BHJP
C07F 9/40 20060101ALI20231129BHJP
A61K 31/5513 20060101ALI20231129BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231129BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
C07D243/14
C07F9/40 D CSP
A61K31/5513
A61P35/00
A61P35/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530560
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(85)【翻訳文提出日】2023-06-07
(86)【国際出願番号】 CN2021125995
(87)【国際公開番号】W WO2022105542
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】202011287532.X
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523184319
【氏名又は名称】ニンポー コンビレグ ファーマシーティカル テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ、カン
(72)【発明者】
【氏名】マー、ヤオ
(72)【発明者】
【氏名】ユイ、ウェンチュン
【テーマコード(参考)】
4C086
4H050
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC56
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4H050AA01
4H050AA03
4H050AB20
4H050AB28
(57)【要約】
重水素化1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物及びその使用を開示する。式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。開示された1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン活性化合物は、腫瘍細胞と腫瘍幹細胞を阻害する活性を維持し、また体外におけるヒト肝ミクロソームの化合物に対する分解効果を延長し、半減期を有意に延長し、新しい抗腫瘍薬物の開発により安全で信頼できる候補を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化1】
(ただし、Xは、水素、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、
R
1a及びR
1bは、独立して水素、重水素、C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
R
2a、R
2b及びR
2cは、独立して水素又は重水素であり、
R
3、R
4及びR
5は、独立してC
1-3アルキル、C
1-3アルキル-O-、重水素化C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキル-O-であり、
R
6は、H、C
1-3アルキル、C
2-4アルケニル、C
2-4アルキニル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
R
7は、-OR
12、-NR
13R
14又は-C(R
15R
16)-P(=O)(OR
17OR
18)であり、ここで、R
12、R
17及びR
18は、独立してC
1-3アルキル、重水素化C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキル-O-であり、R
15及びR
16は、独立してH、C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
R
13及びR
14は、独立してOH、C
1-3アルキル、重水素化C
1-3アルキル、C
1-3アルキル-O-又は重水素化C
1-3アルキル-O-であり、
或いは、R
13及びR
14は、連結された窒素原子と一緒に4~6員脂肪族複素環又は1つ又は複数のR
19により置換された4~6員脂肪族複素環を形成し、前記4~6員脂肪族複素環及び1つ又は複数のR
19により置換された4~6員脂肪族複素環の4~6員脂肪族複素環において、1つの前記Nと前記カルボニルが連結されている他に、更に0~2つの任意選択でN、O又はSから選択されるヘテロ原子を含み、
R
19は、ハロゲン、O=、C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
R
8、R
9、R
10及びR
11は、独立して水素又は重水素であり、
ここで、R
1a、R
1b、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10及びR
11の少なくとも1つは重水素又は重水素化基である。)
【請求項2】
Xは、塩素又は臭素であり、
及び/又は、R
1a及びR
1bは同じであり、
及び/又は、R
1a及びR
1bは、独立してC
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
及び/又は、R
2a、R
2b及びR
2cは同じであり、
及び/又は、R
2a、R
2b及びR
2cは、独立して水素であり、
及び/又は、R
3、R
4及びR
5のいずれか2つ又は3つは同じであり、
及び/又は、R
3、R
4及びR
5は、独立してC
1-3アルキル-O-、重水素化C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキル-O-であり、
及び/又は、R
6は、H、C
1-3アルキル、C
2-4アルキニル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
及び/又は、R
7が-OR
12である場合、R
12は、C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
及び/又は、R
7が-NR
13R
14である場合、R
13及びR
14は、独立してOH、C
1-3アルキル、重水素化C
1-3アルキル、C
1-3アルキル-O-又は重水素化C
1-3アルキル-O-であり、
及び/又は、R
7が-NR
13R
14であり、R
13及びR
14は、連結された窒素原子と一緒に4~6員脂肪族複素環又は1つ又は複数のR
19により置換された4~6員脂肪族複素環を形成する場合、R
19は、独立してハロゲン、O=、C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
及び/又は、R
7が-C(R
15R
16)-P(=O)(OR
17OR
18)である場合、R
15及びR
16は、独立してC
1-3アルキルであり、
及び/又は、R
7が-C(R
15R
16)-P(=O)(OR
17OR
18)である場合、R
15及びR
16は同じであり、
及び/又は、R
7が-C(R
15R
16)-P(=O)(OR
17OR
18)である場合、R
17及びR
18は同じであり、
及び/又は、R
7が-C(R
15R
16)-P(=O)(OR
17OR
18)である場合、R
17及びR
18は、独立してC
1-3アルキルであり、
及び/又は、R
8は、水素であり、
及び/又は、R
9は、水素であり、
及び/又は、R
10は、水素であり、
及び/又は、R
11は、水素であり、
及び/又は、R
6は、Hであり、R
7は、-OR
12、-C(R
15R
16)-P(=O)(OR
17OR
18)、-NR
13R
14であり、或いは、R
6は、C
1-3アルキルであり、R
7は、-NR
13R
14であり、
及び/又は、R
1a、R
1b、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7の少なくとも1つは重水素又は重水素化基であることを特徴とする、請求項1に記載の式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
Xは、臭素であり、
及び/又は、R
1a及びR
1bは、独立してC
1-3アルキルであり、
及び/又は、R
3、R
4及びR
5は同じであり、
及び/又は、R
3、R
4及びR
5は、独立してC
1-3アルキル-O-又は重水素化C
1-3アルキル-O-であり、
及び/又は、R
6は、H、C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
及び/又は、R
12は、重水素化C
1-3アルキルであり、
及び/又は、R
7が-NR
13R
14である場合、R
13は、OH、C
1-3アルキル、重水素化C
1-3アルキル、C
1-3アルキル-O-又は重水素化C
1-3アルキル-O-であり、及び/又は、R
14は、C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
及び/又は、R
7が-NR
13R
14である場合、R
13及びR
14は、連結された窒素原子と一緒に4~6員ヘテロシクロアルキル、又は1つ又は複数のR
19により置換された4~6員ヘテロシクロアルキルを形成し、前記4~6員ヘテロシクロアルキル及び1つ又は複数のR
19により置換された4~6員ヘテロシクロアルキルの4~6員ヘテロシクロアルキルにおいて、1つの前記Nと前記カルボニルが結合している他に、更に0~1つの任意選択でN、O又はSから選択されるヘテロ原子を含み、
及び/又は、R
7が-C(R
15R
16)-P(=O)(OR
17OR
18)である場合、R
15及びR
16は、独立してメチルであり、
及び/又は、R
7が-C(R
15R
16)-P(=O)(OR
17OR
18)である場合、R
17及びR
18は、独立してメチルであり、
及び/又は、R
19は、独立してハロゲン、O=又はC
1-3アルキルであり、
及び/又は、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7の少なくとも1つは重水素又は重水素化基であり、
及び/又は、R
1a及びR
1bが、独立してC
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルである場合、前記C
1-3アルキルと重水素化C
1-3アルキルのC
1-3アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであり、例えば、メチルであり、
及び/又は、R
3、R
4及びR
5が、独立してC
1-3アルキル、C
1-3アルキル-O-、重水素化C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキル-O-である場合、前記R
3、R
4及びR
5は、独立してC
1-3アルキル、C
1-3アルキル-O-、重水素化C
1-3アルキル及び重水素化C
1-3アルキル-O-のC
1-3アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであり、例えば、メチルであり、
及び/又は、R
6がC
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルである場合、前記C
1-3アルキル及び重水素化C
1-3アルキルのC
1-3アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであり、例えば、メチルであり、
及び/又は、R
6がC
2-4アルケニルである場合、前記C
2-4アルケニルは、ビニル、1-プロペニル、
【化2】
であり、
及び/又は、R
6がC
2-4アルキニルである場合、前記C
2-4アルキニルは、エチニル又は
【化3】
であり、
及び/又は、R
12、R
17及びR
18が、独立してC
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルである場合、前記C
1-3アルキルと重水素化C
1-3アルキルのC
1-3アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであり、例えば、メチルであり、
及び/又は、R
15及びR
16が、独立してC
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルである場合、前記C
1-3アルキルと重水素化C
1-3アルキルのC
1-3アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであり、例えば、メチル又はエチルであり、
及び/又は、R
13及びR
14が、独立してC
1-3アルキル、重水素化C
1-3アルキル、C
1-3アルキル-O-又は重水素化C
1-3アルキル-O-である場合、前記C
1-3アルキル、重水素化C
1-3アルキル、C
1-3アルキル-O-及び重水素化C
1-3アルキル-O-のC
1-3アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであり、例えば、メチル又はエチルであり、
及び/又は、R
13及びR
14が、連結された窒素原子と一緒に4~6員脂肪族複素環又は1つ又は複数のR
19により置換された4~6員脂肪族複素環を形成する場合、前記4~6員脂肪族複素環及び1つ又は複数のR
19により置換された4~6員脂肪族複素環の4~6員脂肪族複素環は、4~6員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、1つの前記Nと前記カルボニルが連結されている他に、更に0~1つの任意選択でN、O又はSから選択されるヘテロ原子を含み、例えば、
【化4】
であり、例えば、6員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、1つの前記Nと前記カルボニルが連結されている他に、更に0~1つのNから選択されるヘテロ原子を含み、また例えば、
【化5】
であり、
及び/又は、R
19がハロゲンである場合、前記ハロゲンはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、例えば、フッ素又は塩素であり、また例えばフッ素であり、
及び/又は、R
19がC
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルである場合、前記C
1-3アルキル及び重水素化C
1-3アルキルのC
1-3アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであり、例えば、メチルであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
R
1a及びR
1bは、独立してメチル、CD
3であり、
及び/又は、R
3、R
4及びR
5は、独立してメチル-O-、CD
3、-CD
2-CD
3、又はCD
3-O-であり、
及び/又は、R
6は、H、メチル、又はCD
3であり、
及び/又は、R
12は、CD
3であり、
及び/又は、R
13は、OH、メチル、エチル、CD
3、-CD
2-CD
3又はCD
3-O-であり、
及び/又は、R
14は、CD
3又は-CD
2-CD
3であり、
及び/又は、R
13及びR
14は、連結された窒素原子と一緒に
【化6】
を形成し、
及び/又は、-C(R
15R
16)-P(=O)(OR
17OR
18)は、-C(Me)
2P(=O)(OMe)
2、-CH
2-P(=O)(OMe)
2であり、
及び/又は、R
19は、F、O=又はメチルであり、
及び/又は、「R
3、R
4及びR
5」、R
6及びR
7の1又は2つは重水素又は重水素化基であることを特徴とする、請求項1に記載の式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
【化7】
及び/又は、
【化8】
及び/又は、
【化9】
であることを特徴とする、請求項1に記載の式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
前記式Iで表される化合物は、下記のスキーム1、スキーム2、スキーム3、スキーム4、スキーム5、スキーム6、スキーム7であることを特徴とする、請求項1に記載の式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
(スキーム1、
ここで、Xは、塩素又は臭素であり、
R
1a及びR
1bは、独立してC
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
R
2a、R
2b及びR
2cは、独立して水素又は重水素であり、
R
3、R
4及びR
5は、独立してC
1-3アルキル、C
1-3アルキル-O-、重水素化C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキル-O-であり、
R
6は、H、C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
R
7は、-OR
12、-NR
13R
14又は-C(R
15R
16)-P(=O)(OR
17OR
18)であり、
R
12は、重水素化C
1-3アルキルであり、
R
15及びR
16は、独立してC
1-3アルキルであり、
R
17及びR
18は、独立してC
1-3アルキルであり、
R
13は、OH、C
1-3アルキル、重水素化C
1-3アルキル、C
1-3アルキル-O-又は重水素化C
1-3アルキル-O-であり、
R
14は、C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
又は、R
13及びR
14は、連結された窒素原子と一緒に4~6員脂肪族複素環又は1つ又は複数のR
19により置換された4~6員脂肪族複素環を形成し、
R
19は、ハロゲン、O=、C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
R
8、R
9、R
10及びR
11は、水素であり、
ここで、R
1a、R
1b、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7の少なくとも1つは重水素又は重水素化基であり、
スキーム2、
ここで、Xは、塩素又は臭素であり、
R
1a及びR
1bは、独立してC
1-3アルキルであり、且つ、R
1a及びR
1bは同じであり、
R
2a、R
2b及びR
2cは、独立して水素であり、R
2a、R
2b及びR
2cは同じであり、
R
3、R
4及びR
5は、独立してC
1-3アルキル-O-又は重水素化C
1-3アルキル-O-であり、且つ、R
3、R
4及びR
5は同じであり、
R
6は、Hであり、R
7は、-OR
12、-NR
13R
14又は-C(R
15R
16)-P(=O)(OR
17OR
18)であり、ここで、R
12は、独立して重水素化C
1-3アルキルであり、R
15及びR
16は、独立してC
1-3アルキルであり、R
17及びR
18は、独立してC
1-3アルキルであり、R
13は、メチル、重水素化C
1-3アルキル、C
1-3アルキル-O-又は重水素化C
1-3アルキル-O-であり、R
14は、メチル又は重水素化C
1-3アルキルであり、又は、R
13及びR
14は、連結された窒素原子と一緒に4~6員脂肪族複素環又は1つ又は複数のR
19により置換された4~6員脂肪族複素環を形成し、R
15、R
16、R
17及びR
18は、独立してC
1-3アルキルであり、R
19は、ハロゲンであり、
或いは、R
6は、C
1-3アルキルであり、R
7は、-NR
13R
14であり;R
13は、OH、C
1-3アルキル、重水素化C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキル-O-であり、R
14は、C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
R
8、R
9、R
10及びR
11は、水素であり、
ここで、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7の少なくとも1つは重水素又は重水素化基であり、
スキーム3、
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、
R
1a及びR
1bは、独立してC
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
R
2a、R
2b及びR
2cは、独立して水素又は重水素であり、
R
3、R
4及びR
5は、独立してC
1-3アルキル、C
1-3アルキル-O-、重水素化C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキル-O-であり、
R
6は、H、C
1-3アルキル、C
2-4アルキニル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
R
7は、-OR
12、-NR
13R
14又は-C(R
15R
16)-P(=O)(OR
17OR
18)であり、ここで、R
12、R
17及びR
18は、独立してC
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、R
15及びR
16は、独立してH、C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
R
13及びR
14は、独立してOH、C
1-3アルキル、重水素化C
1-3アルキル、C
1-3アルキル-O-又は重水素化C
1-3アルキル-O-であり、或いは、R
13及びR
14は、連結された窒素原子と一緒に4~6員脂肪族複素環又は1つ又は複数のR
19により置換された4~6員脂肪族複素環又は1つ又は複数のR
19により置換された4~6員脂肪族複素環を形成し、R
19は、ハロゲン、O=、C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
R
8、R
9、R
10及びR
11は、独立して水素又は重水素であり、
ここで、R
1a、R
1b、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10及びR
11の少なくとも1つは重水素又は重水素化基であり、
スキーム4、
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、
R
1a及びR
1bは、独立してC
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
R
2a、R
2b及びR
2cは、独立して水素又は重水素であり、
R
3、R
4及びR
5は、独立してC
1-3アルキル、C
1-3アルキル-O-、重水素化C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキル-O-であり、
R
6は、H、C
1-3アルキル、
【化10】
又は重水素化C
1-3アルキルであり、
R
7は、-OR
12、-NR
13R
14又は-C(R
15R
16)-P(=O)(OR
17OR
18)であり、ここで、R
12、R
17及びR
18は、独立してC
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、R
15及びR
16は、独立してH、C
1-3アルキル又は重水素化C
1-3アルキルであり、
R
13及びR
14は、独立してOH、C
1-3アルキル、重水素化C
1-3アルキル、C
1-3アルキル-O-又は重水素化C
1-3アルキル-O-であり、又は、R
13及びR
14は、連結された窒素原子と一緒に4~6員脂肪族複素環又は1つ又は複数のR
19により置換された4~6員脂肪族複素環又は1つ又は複数のR
19により置換された4~6員脂肪族複素環を形成し、
R
8、R
9、R
10及びR
11は、独立して水素又は重水素であり、
ここで、R
1a、R
1b、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10及びR
11の少なくとも1つは重水素又は重水素化基であり、
スキーム5、
Xは、フッ素、塩素又は臭素であり、
R
1a及びR
1bは、独立してメチル又は重水素化メチルであり、
R
2a、R
2b及びR
2cは、独立して水素又は重水素であり、
R
3、R
4及びR
5は、独立してメチル、メチル-O-、CD
3又はCD
3-O-であり、
R
6は、H、メチル、
【化11】
、又はCD
3であり、
R
7は、-OR
12、-NR
13R
14又は-C(R
15R
16)-P(=O)(OR
17OR
18)であり、ここで、R
12、R
17及びR
18は、独立してメチル、エチル、CD
3又は-CD
2-CD
3であり、
R
15及びR
16は、独立してメチル、エチル、CD
3又は-CD
2-CD
3であり、
R
13及びR
14は、独立してOH、メチル、エチル、CD
3、-CD
2-CD
3又はCD
3-O-であり、或いは、R
13及びR
14は、連結された窒素原子と一緒に
【化12】
を形成し、
R
8、R
9、R
10及びR
11は、独立して水素又は重水素であり、
ここで、R
1a、R
1b、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10及びR
11の少なくとも1つは重水素又は重水素化基であり、
スキーム6、
Xは、塩素又は臭素であり、
R
1a及びR
1bは、独立してメチル又はCD
3であり、
R
2a、R
2b及びR
2cは、独立して水素又はフッ素であり、
R
3、R
4及びR
5は、独立してメチル、メチル-O-、CD
3又はCD
3-O-であり、
R
6は、H、メチル又はCD
3であり、
R
7は、-OR
12、-NR
13R
14又は-C(R
15R
16)-P(=O)(OR
17OR
18)であり、ここで、R
12、R
17及びR
18は、独立してメチル、エチル、CD
3又は-CD
2-CD
3であり、例えば、メチル又はCD
3であり、
R
15及びR
16は、独立してメチルであり、
R
13及びR
14は、独立してメチル、エチル、メチル-O-、CD
3、-CD
2-CD
3又はCD
3-O-であり、
或いは、R
13及びR
14は、連結された窒素原子と一緒に
【化13】
を形成し、
R
8、R
9、R
10及びR
11は、独立して水素又は重水素であり、
ここで、R
1a、R
1b、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7の少なくとも1つは重水素又は重水素化基である。)
【請求項7】
前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩は下記の化合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化14】
【化15】
。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含み、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の使用量は治療有効量である、医薬組成物。
【請求項9】
医薬の製造における、請求項1~7のいずれか一項に記載の式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の使用であって、前記医薬は、増殖性疾患を予防又は治療するための医薬であってもよく、
前記増殖性疾患は、癌、リンパ造血系の腫瘍、骨髄造血系腫瘍、間質性腫瘍、黒色腫、セミノーマ、テラトーマ、神経芽細胞腫、グリオーマであってもよく、
前記癌は、膀胱癌、脳癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、副腎癌、前立腺癌、胃癌、膣癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、中枢神経系腫瘍、黒色腫、白血病、甲状腺癌及び皮膚癌であってもよく、
前記リンパ造血系の腫瘍は、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫及びバーキットリンパ腫であってもよく、
前記骨髄造血系腫瘍は、急性及び慢性骨髄性白血病及び前骨髄球性白血病であってもよく、
前記間質性腫瘍は、線維肉腫及び横紋筋肉腫であってもよい、使用。
【請求項10】
前記肺癌の細胞は、A549非小細胞肺癌細胞であり、前記結腸癌の細胞は、HCT116結腸癌細胞であり、前記中枢神経系腫瘍の細胞は、SF295中枢神経系腫瘍の細胞であり、前記黒色腫の細胞は、LOX-IMVI黒色腫細胞であり、前記腎臓癌の細胞は、786-0腎臓癌細胞であり、前記白血病の細胞は、K562白血病細胞であり、前記前立腺癌の細胞は、PC-3前立腺癌細胞であり、前記卵巣癌の細胞は、OVCAR-3卵巣癌細胞であり、前記乳癌の細胞は、HS 578T乳癌細胞であることを特徴とする、請求項9に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は出願日が2020年11月17である中国特許出願202011287532Xの優先権を主張する。本出願は前記中国特許出願の全文を引用する。
【0002】
本発明は、重水素化1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物、及び増殖性疾患、特に癌の治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
同位体は、同じ化学元素の異なる原子であり、原子核に異なる数の中性子が存在するため、異なる質量を持つ。同位体は、その物理的特性に基づいて、放射性と安定性の2種類に分けることができる。水素は、自然界にプロチウム(1H、H)、重水素(2H、D)、トリチウム(3H、T)の3つの同位体で存在する。その中で、重水素は自然界で0.015%の含有量を持つ安定した非放射性同位体である。重水素を化合物に導入するには、主に2つの方法があり:1つは水素とのプロトン交換による方法であり、もう1つは重水素化された原料を使用した合成である。現在、2番目の方法がより一般的に使用されている。合成された重水素化化合物中の重水素の含有量は、天然の0.015%よりもはるかに高いため、新しいタイプの化合物と見なされる。
【0004】
特許番号ZL201610154581.3の特許に開示されている1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物は、60種類のヒト腫瘍細胞株の増殖を阻害できるだけではなく、腫瘍幹細胞の自己再生能力も阻害することができ、腫瘍及び腫瘍幹細胞を完全に除去する新しい抗腫瘍薬を提供することができる。しかし、代謝安定性、抗腫瘍薬物動態は更に改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、先行技術における1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物の半減期が短いなどの欠点を克服するために、重水素化1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物及びその使用を提供することである。本発明の1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン活性化合物は、腫瘍細胞と腫瘍幹細胞を阻害する活性を維持し、また体外におけるヒト肝ミクロソームの化合物に対する分解効果を延長し、半減期を有意に延長し、新しい抗腫瘍薬物の開発により安全で信頼できる候補を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記の技術的解決手段を通じて上記の技術的問題を解決する。
【0007】
本発明は、式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0008】
【0009】
ただし、Xは、水素、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、
R1a及びR1bは、独立して水素、重水素、C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルであり、
R2a、R2b及びR2cは、独立して水素又は重水素であり、
R3、R4及びR5は、独立してC1-3アルキル、C1-3アルキル-O-、重水素化C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、
R6は、H、C1-3アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル又は重水素化C1-3アルキルであり、
R7は、-OR12、-NR13R14又は-C(R15R16)-P(=O)(OR17OR18)であり、ここで、R12、R17及びR18は、独立してC1-3アルキル、重水素化C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、R15及びR16は、独立してH、C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルであり、
R13及びR14は、独立してOH、C1-3アルキル、重水素化C1-3アルキル、C1-3アルキル-O-又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、
或いは、R13及びR14は、連結された窒素原子と一緒に4~6員脂肪族複素環又は1つ又は複数のR19により置換された4~6員脂肪族複素環を形成し、前記4~6員脂肪族複素環及び1つ又は複数のR19により置換された4~6員脂肪族複素環の4~6員脂肪族複素環において、1つの前記Nと前記カルボニルが連結されている他に、更に0~2つの任意選択でN、O又はSから選択されるヘテロ原子を含み、
R19は、ハロゲン、O=、C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルであり、
R8、R9、R10及びR11は、独立して水素又は重水素であり、
ここで、R1a、R1b、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11の少なくとも1つは重水素又は重水素化基である。
【0010】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
Xは、塩素又は臭素であり、例えば、臭素である。
【0011】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R1a及びR1bは同じである。
【0012】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R1a及びR1bは、独立してC1-3アルキル(例えば、メチル)又は重水素化C1-3アルキル(例えば、CD3)であり、例えば、C1-3アルキルである。
【0013】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R2a、R2b及びR2cは同じである。
【0014】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R2a、R2b及びR2cは、独立して水素である。
【0015】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R3、R4及びR5のいずれか2つ又は3つは同じであり、例えば、R3、R4及びR5は同じである。
【0016】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R3、R4及びR5は、独立してC1-3アルキル-O-(例えば、メチル-O-)、重水素化C1-3アルキル(例えば、CD3又は-CD2-CD3)又は重水素化C1-3アルキル-O-(例えば、CD3-O-)であり、
例えば、R4は、C1-3アルキル-O-、重水素化C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、メチル-O-、CD3又はCD3-O-であってもよく、
R3及びR5は、独立してC1-3アルキル-O-又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、メチル-O-又はCD3-O-であってもよい。
【0017】
また例えば、R3、R4及びR5は、独立してC1-3アルキル-O-又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、重水素化C1-3アルキル-O-であってもよい。
【0018】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R6は、H、C1-3アルキル(例えば、メチル)、C2-4アルキニル又は重水素化C1-3アルキル(例えば、CD3)であり、例えば、H、C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルであり、また例えばH又はC1-3アルキルであり、更に例えば、Hである。
【0019】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R7は、-OR12であり、R12は、C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルであり、例えば、重水素化C1-3アルキルであり、また例えば、CD3である。
【0020】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R7は、-NR13R14であり、R13及びR14は、独立してOH、C1-3アルキル、重水素化C1-3アルキル、C1-3アルキル-O-又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、例えば、OH、メチル、エチル、CD3、-CD2-CD3又はCD3-O-であり、
また例えば、R13は、OH、C1-3アルキル(例えば、メチル又はエチル)、重水素化C1-3アルキル(例えば、CD3又は-CD2-CD3)、C1-3アルキル-O-(例えば、メチル-O-)又は重水素化C1-3アルキル-O-(例えば、CD3-O-)であり、
R14は、C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキル(例えば、CD3又は-CD2-CD3)であり、
更に例えば、R13及びR14は、独立してC1-3アルキルであり、メチルであってもよい。
【0021】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R7は、-NR13R14であり、R13及びR14は、連結された窒素原子と一緒に4~6員脂肪族複素環、又は1つ又は複数のR19により置換された4~6員脂肪族複素環を形成し、例えば、4~6員ヘテロシクロアルキル、又は1つ又は複数のR19により置換された4~6員ヘテロシクロアルキルであり、前記4~6員ヘテロシクロアルキル及び1つ又は複数のR19により置換された4~6員ヘテロシクロアルキルの4~6員ヘテロシクロアルキルにおいて、1つの前記Nと前記カルボニルの連結の他に、更に0~1つの任意選択でN、O又はSから選択されるヘテロ原子を含み、
例えば、
【0022】
【0023】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R7は、-C(R15R16)-P(=O)(OR17OR18)であり、
R15及びR16は、独立してC1-3アルキルであり、例えば、メチルであり、
R17及びR18は、独立してC1-3アルキルであり、例えば、メチルである。
【0024】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R15及びR16は同じである。
【0025】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R17及びR18は同じである。
【0026】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R19は、ハロゲン、O=、C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルであり、例えば、ハロゲン(例えば、F)、O=又はC1-3アルキル(例えば、メチル)であり、また例えば、F又はメチルである。
【0027】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R8は、水素である。
【0028】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R9は、水素である。
【0029】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R10は、水素である。
【0030】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R11は、水素である。
【0031】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R1a及びR1bは、独立してC1-3アルキルであり、
R2a、R2b及びR2cは、独立して水素であり、
例えば、R1a及びR1bは同じであり、
及び/又は、R2a、R2b及びR2cは同じである。
【0032】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
Xは、塩素又は臭素であり、
R4は、C1-3アルキル-O-、重水素化C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、
R3及びR5は、独立してC1-3アルキル-O-又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、
例えば、R3、R4及びR5は、独立してC1-3アルキル-O-又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、
及び/又は、R3、R4及びR5は同じである。
【0033】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R6は、Hであり、R7は、-OR12である。
【0034】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R6は、Hであり、R7は、-C(R15R16)-P(=O)(OR17OR18)であり、例えば、-C(Me)2P(=O)(OMe)2、-CH2-P(=O)(OMe)2である。
【0035】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R6は、Hであり、R7は、-NR13R14であり、R13及びR14は、連結された窒素原子と一緒に4~6員脂肪族複素環又は1つ又は複数のR19により置換された4~6員脂肪族複素環を形成し、R19は、ハロゲンであり、
例えば、
【0036】
【0037】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R6は、Hであり、R7は、-NR13R14であり、R13は、メチル、重水素化C1-3アルキル(例えば、CD3又は-CD2-CD3)、C1-3アルキル-O-(例えば、メチル-O-)又は重水素化C1-3アルキル-O-(例えば、CD3-O-)であり、
【0038】
R14は、メチル又は重水素化C1-3アルキル(例えば、CD3又は-CD2-CD3)であり、
例えば、
【0039】
【0040】
である。
【0041】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R6は、C1-3アルキルであり、R7は、-NR13R14であり、R13は、OH、C1-3アルキル(例えば、メチル)、重水素化C1-3アルキル(例えば、CD3)又は重水素化C1-3アルキル-O-(例えば、CD3-O-)であり、
R14は、C1-3アルキル(例えば、メチル)又は重水素化C1-3アルキル(例えば、CD3)であり、
【0042】
例えば、
【0043】
【0044】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R1a、R1b、R3、R4、R5、R6及びR7の少なくとも1つは重水素又は重水素化基であり、
例えば、「R1a及びR1b」、「R3、R4及びR5」、R6及びR7の少なくとも1つ又は1群は、重水素又は重水素化基であり、
また例えば、「R1a及びR1b」、「R3、R4及びR5」、R6及びR7の少なくとも1つ又は1群は、重水素又は重水素化基であり、且つ、R2a、R2b及びR2cは、独立して水素である。
【0045】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R3、R4、R5、R6及びR7の少なくとも1つは重水素又は重水素化基であり、
例えば、「R3、R4及びR5」、R6及びR7の少なくとも1つ又は1群は、重水素又は重水素化基であり、
また例えば、「R3、R4及びR5」、R6及びR7の少なくとも1つ又は1群は、重水素又は重水素化基であり、且つ、R1a及びR1bは、独立して水素又はC1-3アルキルであり、R2a、R2b及びR2cは、独立して水素である。
【0046】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
「R3、R4及びR5」、R6及びR7の1又は2つ(群)は、重水素又は重水素化基であり、
例えば、「R3、R4及びR5」及び/又はR7は、重水素化基であり、R6及び/又はR7は、重水素又は重水素化基であり、式Iの残りの基は、重水素又は重水素化基ではない。
【0047】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
ただし、Xは、塩素又は臭素であり、
R1a及びR1bは、独立してC1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルであり、
R2a、R2b及びR2cは、独立して水素又は重水素であり、
R3、R4及びR5は、独立してC1-3アルキル、C1-3アルキル-O-、重水素化C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、例えば、C1-3アルキル-O-、重水素化C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、
R6は、H、C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルであり、
R7は、-OR12、-NR13R14又は-C(R15R16)-P(=O)(OR17OR18)であり、ここで、R12は、重水素化C1-3アルキルであり、
R15及びR16は、独立してC1-3アルキルであり、R17及びR18は、独立してC1-3アルキルであり、
R13は、OH、C1-3アルキル、重水素化C1-3アルキル、C1-3アルキル-O-又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、R14は、C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルであり、
或いは、R13及びR14は、連結された窒素原子と一緒に4~6員脂肪族複素環又は少なくとも1つのR19により置換された4~6員脂肪族複素環を形成し、
R19は、ハロゲン、O=、C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルであり、例えば、ハロゲン又はC1-3アルキルであり、
R8、R9、R10及びR11は、水素であり、
ここで、R1a、R1b、R3、R4、R5、R6及びR7の少なくとも1つは重水素又は重水素化基であり、
例えば、R1a及びR1bは同じであり、
及び/又は、R2a、R2b及びR2cは同じであり、
及び/又は、R3、R4及びR5は同じである。
【0048】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
ただし、Xは、塩素又は臭素であり、
R1a及びR1bは、独立してC1-3アルキルであり、且つ、R1a及びR1bは同じであり、
R2a、R2b及びR2cは、独立して水素であり、R2a、R2b及びR2cは同じであり、
R3、R4及びR5は、独立してC1-3アルキル-O-又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、且つ、R3、R4及びR5は同じであり、
R6は、Hであり、R7は、-OR12、-NR13R14又は-C(R15R16)-P(=O)(OR17OR18)であり、ここで、R12は、独立して重水素化C1-3アルキルであり、R15及びR16は、独立してC1-3アルキルであり、R17及びR18は、独立してC1-3アルキルであり、R13は、メチル、重水素化C1-3アルキル、C1-3アルキル-O-又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、R14は、メチル又は重水素化C1-3アルキルであり、又は、R13及びR14は、連結された窒素原子と一緒に4~6員脂肪族複素環又は少なくとも1つのR19により置換された4~6員脂肪族複素環を形成し、R15、R16、R17及びR18は、独立してC1-3アルキルであり、R19は、ハロゲンであり、
又は、R6は、C1-3アルキルであり、R7は、-NR13R14であり、R13は、OH、C1-3アルキル、重水素化C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、R14は、C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルであり、
R8、R9、R10及びR11は、水素であり、
ここで、R3、R4、R5、R6及びR7の少なくとも1つは重水素又は重水素化基であり、
【0049】
例えば、
【0050】
【0051】
例えば、
【0052】
【0053】
例えば、
【0054】
【0055】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R1a及びR1bが、独立してC1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルである場合、前記C1-3アルキル及び重水素化C1-3アルキルのC1-3アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであってもよく、例えば、メチルである。
【0056】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R3、R4及びR5が、独立してC1-3アルキル、C1-3アルキル-O-、重水素化C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキル-O-である場合、前記R3、R4及びR5は、独立してC1-3アルキル、C1-3アルキル-O-、重水素化C1-3アルキル及び重水素化C1-3アルキル-O-のC1-3アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであってもよく、例えば、メチルである。
【0057】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R6が、C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルである場合、前記C1-3アルキル及び重水素化C1-3アルキルのC1-3アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであってもよく、例えば、メチルである。
【0058】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R6がC2-4アルケニルである場合、前記C2-4アルケニルは、ビニル、1-プロペニル、
【0059】
【0060】
であってもよい。
【0061】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R6が、C2-4アルキニルである場合、前記C2-4アルキニルは、エチニル又は
【0062】
【0063】
であってもよい。
【0064】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R12、R17及びR18が、独立してC1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルである場合、前記C1-3アルキル及び重水素化C1-3アルキルのC1-3アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであってもよく、例えば、メチルである。
【0065】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R15及びR16が、独立してC1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルである場合、前記C1-3アルキル及び重水素化C1-3アルキルのC1-3アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであってもよく、例えば、メチル又はエチルである。
【0066】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R13及びR14が、独立してC1-3アルキル、重水素化C1-3アルキル、C1-3アルキル-O-又は重水素化C1-3アルキル-O-である場合、前記C1-3アルキル、重水素化C1-3アルキル、C1-3アルキル-O-及び重水素化C1-3アルキル-O-のC1-3アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであってもよく、例えば、メチル又はエチルである。
【0067】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様記載された通りである)、
R13及びR14が、連結された窒素原子と一緒に4~6員脂肪族複素環又は1つ又は複数のR19により置換された4~6員脂肪族複素環を形成する場合、前記4~6員脂肪族複素環及び1つ又は複数のR19により置換された4~6員脂肪族複素環の4~6員脂肪族複素環は、4~6員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、1つの前記Nと前記カルボニルが連結されている他に、更に0~1つの任意選択でN、O又はSから選択されるヘテロ原子を含み、例えば、
【0068】
【0069】
であり、例えば、6員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、1つの前記Nと前記カルボニルが連結されている他に、更に0~1つのNから選択されるヘテロ原子を含み、また例えば、
【0070】
【0071】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R19が、ハロゲンである場合、前記ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、例えば、フッ素又は塩素であり、また例えば、フッ素である。
【0072】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
R19がC1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルである場合、前記C1-3アルキル及び重水素化C1-3アルキルのC1-3アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであってもよく、例えば、メチルである。
【0073】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、
R1a及びR1bは、独立してC1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルであり、
R2a、R2b及びR2cは、独立して水素又は重水素であり、
R3、R4及びR5は、独立してC1-3アルキル、C1-3アルキル-O-、重水素化C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、
R6は、H、C1-3アルキル、C2-4アルキニル又は重水素化C1-3アルキルであり、
R7は、-OR12、-NR13R14又は-C(R15R16)-P(=O)(OR17OR18)であり、ここで、R12、R17及びR18は、独立してC1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルであり、R15及びR16は、独立してH、C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルであり、
R13及びR14は、独立してOH、C1-3アルキル、重水素化C1-3アルキル、C1-3アルキル-O-又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、或いは、R13及びR14が連結された窒素原子と一緒に4~6員脂肪族複素環又は少なくとも1つのR19により置換された4~6員脂肪族複素環又は少なくとも1つのR19により置換された4~6員脂肪族複素環を形成し、R19は、ハロゲン、O=、C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルであり、
R8、R9、R10及びR11は、独立して水素又は重水素であり、
ここで、R1a、R1b、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11の少なくとも1つは重水素又は重水素化基である。
【0074】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、
R1a及びR1bは、独立してC1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルであり、
R2a、R2b及びR2cは、独立して水素又はフッ素であり、
R3、R4及びR5は、独立してC1-3アルキル、C1-3アルキル-O-、重水素化C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、
R6は、H、C1-3アルキル、
【0075】
【0076】
又は重水素化C1-3アルキルであり、
R7は、-OR12、-NR13R14又は-C(R15R16)-P(=O)(OR17OR18)であり、ここで、R12、R17及びR18は、独立してC1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルであり、R15及びR16は、独立してH、C1-3アルキル又は重水素化C1-3アルキルであり、
R13及びR14は、独立してOH、C1-3アルキル、重水素化C1-3アルキル、C1-3アルキル-O-又は重水素化C1-3アルキル-O-であり、或いは、R13及びR14が連結された窒素原子と一緒に4~6員脂肪族複素環又は1つ又は複数のR19により置換された4~6員脂肪族複素環又は1つ又は複数のR19により置換された4~6員脂肪族複素環を形成し、
R8、R9、R10及びR11は、独立して水素又は重水素であり、
【0077】
ここで、R1a、R1b、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11の少なくとも1つは重水素又は重水素化基である。
【0078】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
Xは、フッ素、塩素又は臭素であり、
R1a及びR1bは、独立してメチル又は重水素化メチルであり、
R2a、R2b及びR2cは、独立して水素又は重水素であり、
R3、R4及びR5は、独立してメチル、メチル-O-、CD3又はCD3-O-であり、
R6は、H、メチル、
【0079】
【0080】
、又はCD3であり、
R7は、-OR12、-NR13R14又は-C(R15R16)-P(=O)(OR17OR18)であり、ここで、R12、R17及びR18は、独立してメチル、エチル、CD3又は-CD2-CD3であり、
R15及びR16は、独立してメチル、エチル、CD3又は-CD2-CD3であり、
R13及びR14は、独立してOH、メチル、エチル、CD3、-CD2-CD3又はCD3-O-であり、或いは、R13及びR14は、連結された窒素原子と一緒に
【0081】
【0082】
R8、R9、R10及びR11は、独立して水素又は重水素であり、
ここで、R1a、R1b、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11の少なくとも1つは重水素又は重水素化基である。
【0083】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
Xは、塩素又は臭素であり、
R1a及びR1bは、独立してメチル又はCD3であり、
R2a、R2b及びR2cは、独立して水素又は重水素であり、
R3、R4及びR5は、独立してメチル、メチル-O-、CD3又はCD3-O-であり、
R6は、H、メチル又はCD3であり、
R7は、-OR12、-NR13R14又は-C(R15R16)-P(=O)(OR17OR18)であり、ここで、R12、R17及びR18は、独立してメチル、エチル、CD3又は-CD2-CD3であり、例えば、メチル又はCD3であり、
R15及びR16は、独立してメチルであり、
R13及びR14は、独立してメチル、エチル、メチル-O-、CD3、-CD2-CD3又はCD3-O-であり、
或いは、R13及びR14は、連結された窒素原子と一緒に
【0084】
【0085】
を形成し、
R8、R9、R10及びR11は、独立して水素又は重水素であり、
ここで、R1a、R1b、R3、R4、R5、R6及びR7の少なくとも1つは重水素又は重水素化基である。
【0086】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
【0087】
【0088】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
【0089】
【0090】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の特定の基は下記のように定義され(言及されていない基は本出願のいずれか1つの実施の態様に記載された通りである)、
【0091】
【0092】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、下記のいずれか1つの化合物である。
【0093】
【0094】
【0095】
本発明に記載の式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、化学分野の公知の方法と同様の方法を含む方法により合成することができ、そのステップと条件は当該分野の同様の反応の工程と条件を参照することができ、特に本明細書の説明に従って合成することができる。出発物質は、一般に、Aldrichなどの商業メーカーから入手するか、又は当業者に周知の方法(SciFinder、Reaxysオンラインデータベースから入手できる)を使用して容易に製造できる。
【0096】
式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩に必要な原料又は試薬は、市販されているか、又は当技術分野で公知の合成方法によって製造できる。下記の実験部分で記載の方法により、遊離塩基又は酸付加塩である本発明の化合物を製造することができる。用語薬学的に許容される塩とは、本明細書で定義される薬学的に許容される塩を指し、母体化合物のすべての効果を有する。薬学的に許容される塩は、有機塩基の適切な有機溶媒に対応する酸を加え、通常の方法に従って薬学的に許容される塩を製造することができる。
【0097】
塩形成の実例としては、塩基付加塩の場合、アルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物又はアルコール塩(例えば、エタノール塩又はメタノール塩)又は適切な塩基性有機アミン(例えば、ジエタノールアミン、コリン又はグルコサミン)を使用して水性媒体中で適切な酸性プロトンを有する本発明の化合物を処理することにより、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム又はリチウム)又はアルカリ土類金属(例えば、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛又はビスマス)の塩を製造することができる。
【0098】
或いは、酸付加塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸との塩形成及び酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフトエ酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、ピルビン酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコフリン酸、2-ナフタレンスルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、桂皮酸、p-トルエンスルホン酸又はトリメチル酢酸などの無機酸との塩形成がある。
【0099】
本発明において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、更に製造して得られた前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩を当技術分野で通常の方法で、周辺修飾により他の前記式Iで表されるカルボニル複素環化合物又はその薬学的に許容される塩を得ることができる。
【0100】
一般に、本発明の化合物は、本発明に記載の方法によって製造することができ、特に明記しない限り、その置換基は式Iで定義された通りである。
【0101】
本発明の第2の側面はまた、本発明の化合物を有効成分とする医薬組成物に関する。
【0102】
本発明は、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。前記医薬組成物において、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の投与量は、治療有効量であってもよい。
【0103】
当該組成物は、当技術分野の公知の方法に従って製造することができる。本発明の化合物を少なくとも1つの薬学的に許容される担体(固体又は液体の賦形剤及び/又は添加剤)と結合して、ヒト又は動物の使用に適した任意の剤形を製造してもよい。医薬組成物においての本発明の化合物の含有量は、通常0.1~95%である。
【0104】
本発明の化合物又はそれを含む医薬組成物は単位剤形で投与することができ、投与経路は経口、静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射、鼻腔、口腔粘膜、眼、肺及び気道、皮膚、膣、直腸などの経腸又は非経口であってもよい。
【0105】
投与剤刑は、液体剤形、固体剤形又は半固体剤形であってもよい。液体剤形は、溶液(真溶液及びコロイド溶液を含む)、乳剤(o/w型、w/o型及び二重乳剤を含む)、懸濁液、注射剤(水注射剤、粉末注射剤及び点滴剤を含む)、点眼剤、点鼻剤、洗剤とリニメントであってもよく、固体剤形は、錠剤(通常の錠剤、腸溶錠、バッカル錠、分散錠、チュアブル錠、発泡錠、口腔内崩壊錠を含む)、カプセル(ハードカプセル、ソフトカプセル、腸溶性カプセルを含む)、顆粒剤、粉末剤、ペレット、滴丸、座薬、フィルム、パッチ、ガス(粉末)ミスト、スプレーなどであってもよく、半固体剤形は、軟膏、ゲル、ペーストであってもよい。
【0106】
本発明の化合物は、通常の製剤に製造することができ、徐放製剤、放出制御製剤、標的製剤及び様々な微粒子送達システムに製造することもできる。
【0107】
本発明の化合物を錠剤に製造するために、希釈剤、湿潤剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤を含む、当技術分野で公知な様々な賦形剤を広く使用することができる。希釈剤は、デンプン、デキストリン、スクロース、グルコース、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、微結晶性セルロース、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウムなどであってもよく、湿潤剤は、水、エタノール、イソプロパノールなどであってもよく、結合剤は、デンプンスラリー、デキストリン、シロップ、ハチミツ、グルコース溶液、微結晶性セルロース、アラビアゴム、ゼラチンスラリー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、アクリル樹脂、カルボマー、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールなどであってもよく、崩壊剤は、乾燥デンプン、微結晶性セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、架橋ポリエチレンピロリドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、炭酸水素ナトリウムとクエン酸、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ドデシルスルホン酸ナトリウムなどであってもよく、潤滑剤及び流動促進剤は、タルク、シリカ、ステアリン酸塩、酒石酸、流動パラフィン、ポリエチレングリコールであってもよい。
【0108】
錠剤は、更に糖衣錠、フィルムコーティング錠、腸溶錠、又は二層錠と多層錠などのコーティング錠に製造することができる。
【0109】
投与単位をカプセルに製造するために、本発明の有効成分化合物を希釈剤、流動促進剤と混合し、混合物を直接ハードカプセル又はソフトカプセルに入れることができる。有効成分である本発明の化合物を希釈剤、結合剤、崩壊剤を用いて顆粒又はペレットにし、次いでハードカプセル又はソフトカプセルに入れることもできる。本発明の化合物の錠剤の製造に使用される種々の希釈剤、湿潤剤、結合剤、崩壊剤、流動促進剤は、本発明の化合物のカプセルの製造にも使用することができる。
【0110】
本発明の化合物を注射剤に製造するために、水、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール又はそれらの混合物を溶媒として使用し、適切な量の当技術分野で一般的に使用される可溶化剤、共溶媒、pH調節剤、浸透圧調節剤を加えることができる。可溶化剤又は共溶媒は、ポロキサマー、レシチン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンなどであってもよく、pH調節剤はリン酸塩、酢酸塩、塩酸、水酸化ナトリウムなどであってもよく、浸透圧調節剤は塩化ナトリウム、マンニトール、グルコース、リン酸塩、酢酸塩などであってもよい。凍結乾燥粉末注射剤の製造には、マンニトール、グルコースなどをプロパントとして加えることができる。
【0111】
また、必要に応じて、着色剤、防腐剤、香料、矯味剤又はその他の添加剤を医薬製剤に加えることができる。
【0112】
本発明の第三の側面は、増殖性疾患の予防及び治療のための前記化合物の使用に関する。
【0113】
本発明は、医薬の製造における、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。具体的には、本発明は、増殖性疾患を予防又は治療するための医薬の製造における、前記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0114】
前記増殖性疾患は、癌であってもよく、
例えば、癌は、膀胱癌、脳癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、副腎癌、前立腺癌、胃癌、膣癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、中枢神経系腫瘍、黒色腫、白血病、甲状腺癌及び皮膚癌などであり、
リンパ造血系の腫瘍は、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫及びバーキットリンパ腫などであり、
骨髄造血系腫瘍は、急性及び慢性骨髄性白血病及び前骨髄球性白血病を含み、
間質性腫瘍は、線維肉腫及び横紋筋肉腫を含み、
その他の腫瘍は、黒色腫、セミノーマ、テラトーマ、神経芽細胞腫、グリオーマなどを含む。
【0115】
好ましくは、肺癌、結腸癌、中枢神経系腫瘍、黒色腫、腎臓癌、白血病、前立腺癌、卵巣癌又は乳癌であり、前記肺癌の細胞は、A549(非小細胞肺癌)細胞であってもよく、前記結腸癌の細胞は、HCT116(結腸癌)細胞であってもよく、前記中枢神経系腫瘍の細胞は、SF295(中枢神経系腫瘍)の細胞であってもよく、前記黒色腫の細胞は、LOX-IMVI(黒色腫)細胞であってもよく、前記腎臓癌の細胞は、786-0(腎臓癌)細胞であってもよく、前記白血病の細胞は、K562(白血病)細胞であってもよく、前記前立腺癌の細胞は、PC-3(前立腺癌)細胞であってもよく、前記卵巣癌の細胞は、OVCAR-3(卵巣癌)細胞であってもよく、前記乳癌の細胞は、HS578T(乳癌)細胞であってもよい。
【0116】
本発明はまた、前記式Iで表される化合物又はその互変異性体、又はその薬学的に許容される塩、又はその溶媒和物を含む医薬(又は医薬組成物)を提供する。
【0117】
本発明はまた、前記式Iで表される化合物又はその互変異性体、又はその薬学的に許容される塩、又はその溶媒和物を含む、増殖性疾患の予防及び治療のための医薬(又は医薬組成物)を提供する。
【0118】
本発明はまた、医薬の製造における、前記式Iで表される化合物又はその互変異性体、又はその薬学的に許容される塩、又はその溶媒和物、又は前記医薬組成物の使用を提供する。前記医薬は増殖性疾患を治療及び/又は予防するための医薬であってもよい。
【0119】
本発明はまた、治療有効量の前記如式Iで表される化合物又はその互変異性体、又はその薬学的に許容される塩、又はその溶媒和物、又は前記医薬組成物を必要とする個体に投与することを含む、増殖性疾患を治療及び/又は予防する方法を提供する。
【0120】
前記増殖性疾患の予防及び治療は上記で記載された通りである。
【0121】
投与の目的を達成し、治療効果を高めるために、本発明の医薬又は医薬組成物は、任意の既知の投与方法によって投与することができる。
【0122】
本発明の化合物の医薬組成物の投与量は、予防又は治療すべき疾患の性質及び重症度、患者又は動物の個体状態、投与経路及び剤形などに応じて大きい範囲内で変化することができる。一般的に言えば、本発明の化合物の適切な日用量範囲は、0.001~150mg/Kg体重であり、好ましくは0.1~100mg/Kg体重であり、より好ましくは1~60mg/Kg体重であり、最も好ましくは2~30mg/Kg体重である。上述の投与量は、医師の臨床経験及び他の治療手段の使用を含む投与方法に応じて、1回の投与単位又はいくつかの投与単位で投与することができる。
【0123】
本発明の化合物又は組成物は、単独で、或いは他の治療薬又は症状改善薬と組み合わせて投与することができる。本発明の化合物が他の治療薬と相乗効果を有する場合、その投与量は実際の状況に応じて調節されるべきである。
【発明の効果】
【0124】
本発明の積極的な進歩的効果:本発明によって提供される重水素化化合物は、腫瘍細胞と腫瘍幹細胞を阻害する活性を維持し、また体外における化合物に対するヒト肝ミクロソームの分解効果を延長し、半減期を有意に延長し、新しい抗腫瘍薬物の開発により安全で信頼できる候補を提供する。具体的には、代表的化合物は、いずれも(1)9つの代表的な腫瘍細胞株に対していずれも優れた阻害活性を示し、(2)半減期が有意に延長され、代謝安定性が有意に強化され、(3)乳癌幹細胞及びその自己再生能力を阻害し、これらの化合物は腫瘍幹細胞を死滅させる効果を有していることを示し、(4)各治療群のマウス腫瘍体積の成長速度は、溶媒対照群と比べて有意に遅いことを実現した。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【
図1】50nMの濃度での腫瘍幹細胞Sphere形成に対する実施例44の7つの化合物の阻害実験である。
【発明を実施するための形態】
【0126】
用語「薬学的に許容される」とは、一般に無毒で、安全で、また患者の使用に適する塩、溶媒、賦形剤などを指す。前記「患者」は、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。
【0127】
用語「薬学に許容される塩」とは、本発明の化合物と比較的に無毒で、薬学的に許容される酸で製造された塩を指す。
【0128】
本発明は、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属で形成された塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属で形成された塩、アルミニウム、鉄、亜鉛、銅、ニッケル、コバルトなどの他の金属で形成された塩、アンモニウムなどの無機塩基で形成された塩、tert-オクチルアミン、ジベンジルアミン、モルホリン、グルコサミン、フェニルグリシンアルキルエステル、エチレンジアミン、N-メチルグルコサミン、グアニジン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N、N-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、プロカイン、ジエタノールアミン、N-ベンジル-フェニルエチルアミン、ピペラジン、トリメチルアミン、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどの有機塩基で形成された塩、硝酸、過塩素酸、硫酸、リン酸、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸などの無機酸で形成された塩、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などのスルホン酸で形成された塩、ギ酸、酢酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸などの有機酸で形成された塩、グリシン、トリメチルグリシン、アルギニン、オルニチン、グルタミン酸、アスパラギン酸などのアミノ酸で形成された塩を含む、式Iで表される化合物の「薬学に許容される塩」の保護を主張している。本発明は、薬学的に許容される塩に対して限定をしない。
【0129】
「治療」とは、哺乳類の体内における疾病に対する治療であり、(1)疾病を予防すること、即ち臨床疾患の症状が発生しないこと、(2)疾病を阻害すること、即ち臨床症状の発生を防止すること、(3)疾病を緩和すること、即ち臨床症状を消退を含む。
【0130】
「有効量」とは、治療を必要とする患者に化合物を投与した場合、(i)関連する疾患を治療するか、(ii)特定の疾患の少なくとも1つの症状を軽減、改善又は排除するか、又は(iii)本明細書に記載の特定の疾患又は病症の少なくとも1つの発症を遅らせるのに十分な量を指す。その量に相当する、式Iで表されるカルボニル複素環化合物又はその薬学的に許容される塩又は上記の医薬組成物の量は、例えば、特定の化合物、疾患状態及びその重症度、治療を必要とする患者の特性(例えば、体重)などによって変化するが、それにもかかわらず当業者によって通常に決定することができる。
【0131】
本発明に記載の「予防」とは、疾患又は障害にかかる又は発症するリスクを低減することを指す。
【0132】
本発明に記載の「医薬組成物」とは、生物学的に活性な化合物を生物(例えばヒト)に送達するために、本発明の少なくとも1つの化合物又はその塩と、当該技術分野で一般に認められている担体との製剤を指す。医薬組成物の目的は、生物への送達を容易にすることである。
【0133】
用語「薬学的に許容される担体」とは、活性成分と同時投与され、活性成分の投与を容易にする物質を指し、国家食品医薬品局によって許可されたヒト又は動物(例えば、家畜)での使用が許容される任意の流動助剤、甘味料、希釈剤、防腐剤、染料/着色剤、香味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、崩壊剤、懸濁剤、安定剤、等張剤、溶剤又は乳化剤などを含むがこれらに限定されない。例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖類及び様々なデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油及びポリエチレングリコールなどを含むがこれらに限定されない。
【0134】
本発明に記載の医薬組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、軟膏、乳剤、懸濁液、溶液、座薬、注射剤、吸入剤、ゲル剤、ミクロスフェア及びエアロゾルなどの固体、半固体、液体又は気体の製剤として製造することができる。
【0135】
本発明に記載の医薬組成物は、通常の混合法、溶解法、造粒法、糖衣錠製造法、粉砕法、乳化法、凍結乾燥法などの当技術分野で公知の方法によって製造することができる。
【0136】
本発明に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩又はその薬学的組成物の投与経路は、経口、直腸、経粘膜、経腸、又は局所、経皮、吸入、非経口、舌下、膣内、鼻腔内、眼内、腹腔内、筋肉内、皮下、静脈内などを含むがこれらに限定されない。好ましい投与経路は経口投与である。
【0137】
経口投与の場合、活性化合物を当技術分野で公知の薬学的に許容される担体と組み合わせることによって当該医薬組成物を製造することができる。このような担体により、本発明の化合物を、錠剤、丸剤、トローチ、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、スラリー、懸濁液などとして製造し、患者への経口投与に使用する。例えば、経口投与用の医薬組成物は、下記の方法によって錠剤を得ることができる。活性成分を少なくとも1つの固体担体と組み合わせ、必要に応じて得られた混合物を造粒し、また必要に応じて少量の賦形剤を加えて混合物又は顆粒を加工し、錠剤又は錠剤コアを形成させる。錠剤コアは、任意に腸溶性に適したコーティング材と組み合わせ、生物(例えばヒト)による吸収に適したコーティング製剤形態に加工することができる。
【0138】
別途に説明しない限り、本明細書で使用される以下の定義を使用する。本発明の目的のために、化学元素は、元素のCAS版周期表、及び「化学と物理のハンドブック」、第75版、1994年と一致している。また、有機化学の一般原則は、“Organic Chemistry”, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito:1999, 及び「March’s Advanced Organic Chemistry」by Michael B. Smith and Jerry March, John Wiley & Sons, New York: 2007の記載を参考でき、その内容全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【0139】
本明細書において、基及びその置換基は、安定な構造部分及び化合物を提供するために当業者によって選択されることができる。置換基が左から右に書かれた通常の化学式によって記載される場合、当該置換基は、構造式を右から左に書かれた場合に得られる化学的等価な置換基も含まれる。
【0140】
本明細書で定義される特定の化学基の前には、その基に存在する炭素原子の総数を示す簡略記号が付けられている。例えば、C1~C6アルキルは、合計1、2、3、4、5、又は6個の炭素原子を有する、下記に定義されるアルキルを指す。簡略記号における炭素原子の総数には、前記基の置換基に存在する可能性がある炭素は含まれない。
【0141】
本明細書において、置換基で定義された数値範囲、例えば、0~4、1~4、1~3などは、範囲内の整数を示し、例えば、1~6は1、2、3、4、5、6である。
【0142】
上記に加えて、本出願の明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、特に別途に説明しない限り、下記用語は下記に示される意味を有する。
【0143】
用語「含む」とは、開放的な定義であり、即ち、本発明で特定された内容を含むが、他の側面を排除するものではない。
【0144】
用語「置換された」は特定の原子における任意の少なくとも一つの水素原子が置換基で置換されることを指し、特定の原子価状態が正常でかつ置換後の化合物が安定していれば、重水素及び水素の変形体を含む。
【0145】
一般に、用語「置換された」は、所与の構造中の少なくとも1つの水素原子が特定の置換基で置換されていることを表す。更に、当該置換基が1つ以上の前記置換基により置換された場合、前記置換基は互いに独立しており、即ち、前記1つ以上の置換基は互いに異なっていてもよく、同じであってもよい。特に明記しない限り、置換基は、置換される基の各置換可能な位置で置換されてもよい。所与の構造式の複数の位置が、特定の基から選択される少なくとも1つの置換基により置換され得る場合、置換基は、同じ又は異なる方法で各位置で置換されてもよい。
【0146】
用語「少なくとも1つ」又は「1つ又は少なくとも2つ」とは、1、2、3、4、5、6、7、8、9又はそれ以上を指し、例えば、1、2、3、4又は5である。
【0147】
用語「含む」とは、開放的な定義であり、即ち本発明で特定された内容を含むが、他の側面を排除するものではない。
【0148】
用語「置換された」は特定の原子における任意の少なくとも一つの水素原子が置換基で置換されたことを指し、特定の原子価状態が正常でかつ置換後の化合物が安定していれば、重水素及び水素の変形体を含む。
【0149】
一般に、用語「置換された」は、所与の構造中の少なくとも1つの水素原子が特定の置換基で置換されていることを表す。更に、当該置換基が1つ以上の前記置換基により置換された場合、前記置換基は互いに独立しており、即ち、前記1つ以上の置換基は互いに異なっていてもよく、同じであってもよい。特に明記しない限り、置換基は、置換される基の各置換可能な位置で置換されてもよい。所与の構造式の複数の位置が、特定の基から選択される少なくとも1つの置換基により置換され得る場合、置換基は、同じ又は異なる方法で各位置で置換されてもよい。
【0150】
本明細書の各部分において、本発明で開示される化合物の置換基は、基の種類又は範囲に従って開示される。特に、本発明は、これらの基の種類及び範囲の各メンバーのそれぞれの独立した二次的組み合わせを含む。用語「Cx~Cyアルキル」とは、x~y個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖飽和炭化水素を指す。例えば、用語「C1~C6アルキル」又は「C1-6アルキル」は、特に独立して開示されたメチル、エチル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル及びC6アルキルを指し、「C1-4アルキル」は、特に独立して開示されたメチル、エチル、C3アルキル(即ち、n-プロピル及びイソプロピルを含むプロピル)、C4アルキル(即ち、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルを含むブチル)を指す。
【0151】
用語「ハロゲン」は、F、Cl、Br又はIから選択され、特にF、Cl又はBrを指す。
【0152】
用語「アルコキシ」とは、-O-RX基を指し、ここで、RXは上記で定義したアルキルである。
【0153】
本明細書で使用される用語「部分」、「構造部分」、「化学部分」、「基」、「化学基」とは、分子中の特定の断片又は官能基を指す。化学部分は通常、分子に埋め込まれた、又は結合した化学物質であると認識されている。
【0154】
列挙された置換基が、化学構造一般式に含まれるが具体的に言及されていない化合物にどの原子を介して結合しているかを示していない場合、そのような置換基は、そのいずれかの原子を介して結合することができる。置換基及び/又はその変形体の組み合わせは、このような組み合わせが安定した化合物を生成できる場合のみ許容される。
【0155】
列挙された基が置換基を有することを明示していない場合、そのような基は非置換のもののみを指す。例えば、「C1~C4アルキル」が「置換又は非置換」によって限定されない場合、「C1~C4アルキル」自体又は「非置換C1~C4アルキル」のみを指す。
【0156】
本発明の様々な部分において、連結置換基を記載している。当該構造が明らかに連結基を必要とする場合、その基に対してリストされているMarkush変数は連結基として理解されるべきである。例えば、当該構造が連結基を必要とし、この変数のMarkush基の定義に「アルキル」が挙げられている場合、当該「アルキル」は連結されたアルキレン基を表すと理解されるべきである。
【0157】
いくつかの特定の構造において、アルキル基が連結基として明確に表されている場合、アルキル基は、連結されたアルキレン基を表し、例えば、「ハロ-C1~C6アルキル」のC1~C6アルキルは、C1~C6アルキレンとして理解されるべきである。
【0158】
用語「アルキレン」とは、飽和直鎖又は分枝鎖炭化水素基から2つの水素原子を除去することによって得られる飽和二価炭化水素基を指す。アルキレン基の実例には、メチレン(-CH2-)、エチレン{-CH2CH2-又は-CH(CH3)-を含む}、イソプロピリデン{-CH(CH3)CH2-又は-C(CH3)2-を含む}などを含む。
【0159】
本開示において、基又は他の基の一部として(例えば、ハロゲンにより置換されたアルキルなどの基)、用語「アルキル」は、特定の数の炭素原子数を含む分岐鎖又は直鎖の飽和脂肪族炭化水素を指し、例えば、1~16個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖飽和炭化水素鎖であり、また例えば、C1~C6アルキルである。例えば、「C1~C6アルキル」は、直鎖又は分枝鎖構造中に1、2、3、4、5、又は6個の炭素原子を有する基が含まれることを定義している。ここで、プロピルはC3アルキル(n-プロピル又はイソプロピルなどの異性体を含む)であり、ブチルはC4アルキル(n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチルなどの異性体を含む)であり、ペンチルはC5アルキル(n-ペンチル、1-メチル-ブチル、1-エチル-プロピル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、イソペンチル、tert-アミル、ネオペンチルなどの異性体を含む)であり、ヘキシルはC6アルキル(n-ヘキシル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチルなどの異性体を含む)である。
【0160】
本発明に記載の「C1-3アルキル」とは、炭素原子数1~3の炭化水素から1つの水素原子を除いた直鎖又は分岐鎖のアルキルを指す。
【0161】
本出願において、基又は他の基の一部として、用語「アルケニル」とは、炭素原子及び水素原子のみで構成され、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含み、炭素-炭素三重結合を含まない、例えば2~14個(好ましくは2~10個、より好ましくは2~6個)の炭素原子を有し、かつ単結合によって分子の残りの部分に連結された直鎖又は分枝鎖炭化水素鎖基を指す。当該少なくとも1つの炭素-炭素二重結合は、内部(2-ブテニルなど)又は末端(1-ブテニルなど)であってもよい。ここで、「cis」と「tans」の位置付け、又は「E」と「Z」の位置付けが含まれる。
【0162】
いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2~4個の炭素原子(「C2-4アルケニル又はC2~C4アルケニル」)を有する。好ましくは、1つの炭素-炭素二重結合が存在し、最大2つの非芳香族炭素-炭素二重結合が存在することができる。C2-4アルケニル基の実例には、
【0163】
【0164】
及び異性体(例えば、シス-トランス異性体、異性体、又は立体異性体)。
【0165】
本発明に記載の「C2-4アルケニル」とは、二重結合を含む、炭素原子数が2~4個である直鎖状又は分枝鎖アルケニルを指す。
【0166】
本出願において、別途に定義しない限り、基又は別の基の一部として、用語「アルキニル」とは、指定された数の炭素原子及び少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む直鎖又は分枝鎖炭化水素基を指す。その中には、最大3つの炭素-炭素三重結合が存在することができる。例えば、2~20個の炭素原子、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合及び任意選択で少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖又は分枝鎖炭化水素基(「C2~C20アルキニル」)である。当該少なくとも1つの炭素-炭素三重結合は、内部(例えば、2-ブチニル)又は末端(例えば、1-ブチニル)であってもよい。従って、「C2~C4アルキニル」は、2~4個の炭素原子を有するアルキニルを指す。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2~4個炭素原子(「C2~C4アルキニル」)を有し、
【0167】
【0168】
本発明に記載の「C2-4アルキニル」とは、三重結合を含む炭素原子数が2~4個である直鎖又は分枝鎖アルキニルを指す。
【0169】
本発明に記載の「重水素」は、単一の重水素原子を指し、記号は2H又はDである。水素原子を例にとると、その自然存在量は、約99.985%がプロチウムであり、約0.015%が重水素という形になっており、重水素の非自然存在量は約95%が重水素である。
【0170】
本発明に記載の「重水素化物質」又は「重水素化基」とは、化合物又は化学基構造中の水素原子が、その同位体である重水素によって部分的又は完全に置換された場合、生成される化合物又は基を指す。
【0171】
本発明に記載の「重水素化C1-3アルキル」とは、「C1-3アルキル」構造中の水素原子の一部又は全部がその同位体である重水素で置換された基を指し、「C1-3アルキル」は、前記で定義された通りである。
【0172】
本発明に記載の「重水素化C1-3アルコキシ」とは、「C1-3アルコキシ」構造中の水素原子の一部又は全部がその同位体である重水素で置換された基を指し、「C1-3アルコキシ」は、前記で定義された通りである。
【0173】
本発明に記載の「重水素化メチル」とは、メチル構造中の水素原子の一部又は全がその同位体である重水素で置換された基を指す。CD3は、メチル構造中のすべての水素原子がその同位体である重水素(非自然存在量が約95%である重水素)で置換されて得られた基である。
【0174】
本発明に記載の「重水素化メトキシ」とは、メトキシ構造中の水素原子が、その同位体である重水素によって部分的又は完全に置換されて得られた基を指す。CD3-O-は、メチル-O-構造中のすべての水素原子がその同位元素である重水素(非自然存在量が約95%である重水素)で置換されて得られた基である。
【0175】
本発明に記載の「重水素化エチル」とは、エチル構造中の水素原子が、その同位体である重水素によって部分的又は完全に置換されて得られた基を指す。CD3-CD2-は、エチル-O-構造中のすべての水素原子がその同位体である重水素(非自然存在量が約95%である重水素)で置換されて得られた基である。
【0176】
本発明に記載の「脂肪族複素環」とは、安定的な4~7員の単環を指し、これらの複素環は飽和又は部分的に不飽和であってもよく、炭素原子と任意選択でN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子から構成され、好ましくは、4~6員の複素環のヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルケニルである。「脂肪族複素環」は、炭素原子を介して、単結合によって分子の残りの部分に連結されることができ、少なくとも1つの窒素原子を含む「脂肪族複素環」基では、連結点は炭素原子又は窒素原子であってもよく、或いは、原子価が許す限り、分子の残りの部分に並環連結される。ヘテロシクロアルキルの例は、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロピロリル、アゼチジニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、オキサゼパニル、ジオキソラニル、ジオキサニルなどである。好ましい複素環基は、1,3-ジオキソラニル及び1,4-ジオキサニルである。
【0177】
別途に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、特許請求される主題が属する技術分野において標準的な意味を有する。1つの用語に複数の定義が存在する場合は、明細書に記載されている定義が優先される。
【0178】
別途に定義しない限り、本発明で使用される「1つ」などの単数形は、複数の意味を含むことを理解されたい。また、用語「含む」とは、閉鎖的限定ではなく開放性限定であり、即ち、本発明で特定された内容を含むが、他の側面を排除するものではない。
【0179】
別途に定義しない限り、本発明は、質量分析及び元素分析の通常の方法を採用し、各ステップ及び条件は、当技術分野における通常の操作ステップ及び条件を参照できる。
【0180】
別途に定義しない限り、本発明は、分析化学、有機合成化学及び光学の標準的な命名法及び標準的な実験手順及び技術を使用している。場合によっては、化学合成、化学分析、および発光デバイスの性能試験に標準的な手法が使用される。
【0181】
なお、別途に定義しない限り、本発明で使用される「独立して…である」という記述方法は、広い意味で理解されるべきであり、記載された各個体が互いに独立しており、独立して同じ又は異なる特定の基であってもよいことを指す。より詳細的には、記載方法「…独立して」は、異なる基において同じ記号で表される特定の選択肢が互いに影響しないことを指し、また、同じ基において、同じ記号で表される特定の選択肢が互いに影響を与えないことも表す。
【0182】
当業者は、当技術分野で使用される慣例により、本出願に記載の基の構造式で使用される「
【0183】
【0184】
」とは、対応する基が当該位置ポイントを介して化合物内の他のフラグメント及び基と接続されてることを指すことが理解できる。
【0185】
前記好ましい条件は、当分野の通常の知識に違反しない限り、任意に組み合わせて、本発明の各々の好ましい実施例を得ることができる。
【0186】
本発明で使用される試薬及び原料は市販品として入手できる。
【実施例】
【0187】
以下、実施例の形態によってさらに本発明を説明するが、これによって本発明を前記実施例の範囲内に限定するわけではない。以下の実施例において、具体的な条件が記載されていない実験方法は、通常の方法及び条件、或いは商品の説明書に従って選ばれる。本発明の上記内容に基づいて実現される技術は全て本発明の範囲に属する。
【0188】
特に明記しない限り、実験で使用した試薬は、Beijing Ouhe Technology Co., Ltd.、BeijingJ&K Scientific Ltd,、Acros Organics、Alfa Aesar、Sigma-Aldrich及びTCIから購入し、精製せずに直接使用した。実験で使用した溶媒は、主にBeijing Chemical Worksと Xilong Chemical Co.,ltd.から購入し、THFとDMFはアメリカVAC社(Vacuum atmospheres company)の溶剤精製システムで更に処理された以外、残りは未処理のまま直接に使用した。GF254薄層クロマトグラフィーシリカゲルプレート、分取GF254厚層シリカゲルプレート及びカラムクロマトグラフィー用シリカゲルパウダー(60~100メッシュ、160~200メッシュ、200~300メッシュ)は、いずれも青島海洋化学工場から購入した。
【0189】
HPLC-MS分析計:HPLC分析計はAgilent 1100 HPLCシステム、Agilent G1312Aポンプ、Agilent G1314A紫外線検出器、Agilent G1313Aオートサンプラー、Agilent G1316Aカラムサーモスタット及びディバーターバルブを使用した。クロマトグラフィーカラムは、DIKMA社から購入した Kromasil C18分析カラム(4.6μm、4.6mm×50mm)であった。移動相は0.05%のHCOOHを含むアセトニトリルと水である。直線勾配溶出は5:95(v:v)アセトニトリル-H2O~95:5(v:v)アセトニトリル-H2Oであり、時間は5分であり、流速は1mL/分であった。UV検出波長は254nmであった。ThermoFinnigan LCQ-Advantage質量分析計では、溶離液の5%が質量分析計に流入され、正イオン又は負イオン走査モード、エレクトロスプレーイオン源(ESI)を使用した。主に反応のモニタリングと化合物の純度の予備測定に使用された。
【0190】
UPLC-MS分析計:Waters社のAcquity UPLC-MSシステムであり、バイナリ溶液マネージャー、試料マネージャー、クロマトグラフィーカラムマネージャー、PDA検出器及びSQ質量分析計検出器が含まれる。クロマトグラフィーカラムは、Waters社のAcquity UPLC(R)BEH C18カラム(1.7μm、2.1mm×50mm)であった。移動相は0.05%のHCOOHを含むアセトニトリルと水であった。直線勾配溶出は5:95(v:v)アセトニトリル-H2O~95:5(v:v)アセトニトリル-H2Oであり、時間は3分であり、流速は0.3mL/分であった。UV検出波長は254nmであった。SQ質量分析計は、正イオン又は負イオン走査モード、エレクトロスプレーイオン源(ESI)を使用した。主に反応のモニタリングと化合物の純度の予備測定に使用された。
【0191】
HPLC分析計:Agilent 1260 HPLCシステム、Agilent G1311Cクォータナリポンプ、Agilent G4212B紫外線検出器、Agilent G1367E高性能オートサンプラー、Agilent G1316Aカラムサーモスタットを使用した。キラル分析カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H、250×4.6mm、5μM(日本ダイセル社(DAICEL)製)。移動相は、n-ヘキサン/イソプロパノールで、イソクラティック溶離した。UV検出波長は254nmであった。主に標的化合物の光学純度分析に使用された。
【0192】
高分解能質量分析計:Agilent LC/MSD TOFシステム。クロマトグラフィーカラム:Agilent ZORBAX SB-C18(Rapid resolution、3.5μm、2.1×30mm)。移動相:MeOH:H2O=75:25(v:v)、5mmol/Lのギ酸を含み、イソクラティック溶離した。時間は5分であり、流速は0.40mL/分であった。質量分析計は、正イオン走査モード、エレクトロスプレーイオン源(ESI)を使用した。主に標的化合物の正確な分子量を測定するために使用された。
【0193】
核磁気共鳴装置:Varian Mercury 300MHz、400MHz、500MHz、600MHz及びBruker Avance 400MHzであり、溶媒は、CDCl3、DMSO-d6、acetone-d6 or methanol-d4であった。
【0194】
融点装置:Yanacoマイクロ融点装置、OptiMelt融点装置であり、いずれも未校正であった。
【0195】
実施例1 (S)-2-クロロ-N-[3-[2-(ジエチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物1)
【0196】
5-クロロ-2,4-ジニトロ安息香酸(中間体42)の製造:室温で撹拌しながら、3-クロロ安息香酸(63.9mmol)を120mLの濃硫酸に溶解させ、15分以内に硝酸カリウム(163.2mmol)をバッチで加えた。反応溶液を順次に、80℃で30分間、110℃で2時間、120℃で2時間反応させた。反応溶液を660gの氷水に注ぎ、濾過し、得られた白色固体をエタノールと水の混合溶媒で再結晶させて、淡黄色結晶8.08gを得、収率は、51.3%であった。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 14.21 (brs, 1H), 8.85 (s, 1H), 8.28 (s, 1H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 163.78, 147.95, 145.70, 132.86, 132.06, 130.52, 122.05.
【0197】
5-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,4-ジニトロ安息香酸(中間体43)の製造:中間体42(20.0mmol)、3,5-ジメチルフェノール(21.2mmol)及び炭酸水素ナトリウム(42.4mmol)を20mLの水に混合し、還流させながら2時間反応させた。HPLC-MSで反応の完了をモニターリングし、30mLの水を加えて希釈し、塩酸でpHを酸性に調節し、濾過し、乾燥させ、灰白色固体5.50gを得、収率は、82.7%であった。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.76 (s, 1H), 7.14 (s, 1H), 6.99 (s, 1H), 6.89 (s, 2H), 2.30 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 164.56, 153.58, 153.56, 140.60, 140.38, 139.33, 135.32, 127.78, 122.66, 118.76, 117.64, 20.78.
【0198】
(S)-2-[5-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,4-ジニトロベンズアミド]ブタンジオ酸ジメチルエステルルエステル(中間体44)の製造:中間体43(10.0mmol)を10mLのDCMに溶解させ、50μLのDMF、塩化オキサリル(30.0mmol)を順次に加え、還流させながら1時間反応させた。反応溶液を蒸発乾燥させ、DCMで残留物を溶解させ、L-アスパラギン酸ジメチルエステル塩酸塩(10.1mmol)、トリエチルアミン(22.0mmol)及び20mLのDCMの混合溶液に滴下し、室温で15分間反応させた。約100mLのDCMを加えて希釈し、1Mの希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水で順次に洗浄し、有機相を分離し、蒸発乾燥させて、赤褐色の油状物4.23gを得、収率は、約89.0%であった。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.31 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.84 (s, 1H), 7.00 (s, 1H), 6.97 (s, 1H), 6.90 (s, 2H), 4.74 (dd, J = 13.7, 7.1 Hz, 1H), 3.61 (s, 3H), 3.55 (s, 3H), 2.88 (dd, J = 16.5, 5.7 Hz, 1H), 2.80 (dd, J = 16.5, 7.3 Hz, 1H), 2.30 (s, 6H).
【0199】
(S)-2-[8-アミノ-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]酢酸メチルエステル(中間体45)の製造:中間体44(5.0mmol)を80mLの氷酢酸に溶解させ、6.0gの鉄粉末を加え、90℃で5時間反応させた。反応溶液にDCMを加えて希釈し、濾過し、濾液を蒸発乾燥させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、石油エーテル/酢酸エチルで溶出して、淡黄色固体1.25gを得、収率は、約65.0%であった。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 10.23 (s, 1H), 8.16 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.00 (s, 1H), 6.74 (s, 1H), 6.59 (s, 2H), 6.42 (s, 1H), 5.75 (s, 2H), 4.04 (dt, J = 8.8, 5.5 Hz, 1H), 3.58 (s, 3H), 2.85 (dd, J = 17.0, 8.8 Hz, 1H), 2.68 (dd, J = 17.0, 5.6 Hz, 1H), 2.23 (s, 6H).
【0200】
(S)-2-[8-アミノ-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]-N,N-ジエチルアセトアミド(中間体46)の製造:中間体45(2.0mmol)と水酸化リチウム(6.0mmol)を混合し、20mLの水及び20mLのTHFを加え、室温で30分間反応させた。減圧蒸発してTHFを除去し、1Mの塩酸でpHを酸性に調節し、沈殿物を析出させ、濾過し、乾燥させた。得られた白色固体をDIC(4.0mmol)、HOSu(4.0mmol)と20mLのTHFに混合し、室温で12時間反応させた。ジエチルアミン(6.0mmol)を加え、1時間反応を続けた。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、DCM/MeOHで溶出して、淡黄色固体508mgを得、収率は、59.8%であった。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.11 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.01 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 6.74 (s, 1H), 6.60 (s, 2H), 6.43 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 5.72 (s, 2H), 4.14 (dd, J = 5.4, 2.7 Hz, 1H), 3.32-3.16 (m, 4H), 2.96 (dd, J = 16.1, 8.6 Hz, 1H), 2.55 (dd, J = 16.4, 4.8 Hz, 1H), 2.24 (s, 6H), 1.16 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.98 (t, J = 7.0 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.79, 168.09, 167.54, 157.04, 144.26, 139.27, 139.16, 134.30, 124.62, 120.39, 115.29, 113.73, 105.53, 49.14, 41.37, 31.35, 20.96, 13.94, 13.06.
【0201】
2-クロロ-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)安息香酸(中間体47)の製造:没食子酸(23.51mmol)、炭酸カリウム(188.10mmol)を20mLのDMFに溶解させ、重水素化ヨードメタン(117.56mmol)を加え、35℃で一晩反応させた。反応溶液を蒸発乾燥させ、DCMを加えて溶解させ、水で3回洗浄し、有機相を分離し、乾燥させ、濃縮して、粗生成物5.34gを得、収率は、95.4%であった。上記中間体(3.0mmol)、NCS(3.6mmol)を5mLのDMFに溶解させ、室温で一晩反応させた。反応溶液を蒸発乾燥させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、石油エーテル/酢酸エチルで溶出して、粗生成物292mgを得、収率は、53.2%であった。上記中間体(1.07mmol)、水酸化リチウム(5.37mmol)を8mLのTHF及び4mLの水に溶解させ、室温で一晩反応させた。減圧蒸発してTHFを除去し、水を加えて希釈し、1Mの塩酸でpHを酸性に調節し、固体を析出させ、濾過し、乾燥させ、白色固体260mgを得、収率は、94.9%であった。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.30 (s, 1H), 7.19 (s, 1H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 166.38, 151.59, 149.74, 145.14, 126.75, 118.39, 109.41.
【0202】
表題化合物(1)中間体47(0.5mmol)を5mLのDCMに溶解させ、20μLのDMF、塩化オキサリル(1.5mmol)を順次に加え、40℃で1時間反応させた。反応溶液を蒸発乾燥させ、50mLの石油エーテルで再結晶させた。上述で得られた白色固体と中間体46(0.2mmol)、ピリジン(0.6mmol)を2mLのTHFに混合し、還流しながら1時間反応させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、DCM/MeOHで溶出して、黄色固体113mgを得、収率は、85.5%であった。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.38 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 8.52 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.15 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.18 (dt, J = 8.9, 5.2 Hz, 1H), 3.32-3.17 (m, 4H), 2.98 (dd, J = 16.2, 8.6 Hz, 1H), 2.60 (dd, J = 16.1, 5.0 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H), 1.17 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.99 (t, J = 7.0 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.79, 167.90, 166.79, 164.93, 156.20, 151.90, 149.32, 144.27, 143.86, 139.37, 132.73, 132.66, 131.58, 125.42, 122.93, 119.15, 116.35, 116.25, 115.53, 107.92, 49.01, 41.36, 31.24, 20.88, 13.91, 13.05.
【0203】
実施例2(S)-2-クロロ-N-[3-[2-(ジエチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,5-ジメトキシ-4-(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物2)
【0204】
2-クロロ-3,5-ジメトキシ-4-(トリデューテロメトキシ)安息香酸(中間体48)の製造:シリング酸(2.52mmol)、炭酸カリウム(10.10mmol)を5mLのDMFに溶解させ、重水素化ヨードメタン(5.05mmol)を加え、35℃で一晩反応させた。少量の基質が完全に反応していないことが検出され、更に重水素化ヨードメタン(5.05mmol)を加え、9時間反応を続け、反応を完了させた。反応溶液を蒸発乾燥させ、DCMを加えて溶解させ、水で3回洗浄し、有機相を分離し、乾燥させ、濃縮して、中間体生成物544mgを得、収率は、93.0%であった。上記中間体(2.34mmol)とNCS(2.81mmol)を5mLのDMFに溶解させ、室温で一晩反応させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、DCMで溶出して、中間体生成物300mgを得、収率は、48.2%であった。上記中間体(1.13mmol)、水酸化リチウム(5.64mmol)を8mLのTHF及び4mLの水に溶解させ、室温で4時間反応させた。減圧蒸発してTHFを除去し、水を加えて希釈し、1Mの塩酸でpHを酸性に調節し、固体を析出させ、濾過し、乾燥させて、白色固体273mgを得、収率は、97.5%であった。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.28 (s, 1H), 7.20 (s, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.80 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 166.54, 151.73, 149.93, 145.36, 126.81, 118.74, 109.64, 61.01, 56.22.
【0205】
表題化合物(2)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体46(0.2mmol)と中間体48(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.38 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 8.53 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.18 (dt, J = 8.5, 5.3 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 3.30-3.19 (m, 4H), 2.98 (dd, J = 16.3, 8.4 Hz, 1H), 2.60 (dd, J = 16.3, 4.8 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H), 1.17 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 0.99 (t, J = 7.0 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.79, 167.91, 166.80, 164.93, 156.21, 151.91, 149.34, 144.28, 143.90, 139.38, 132.74, 132.68, 131.59, 125.42, 122.94, 119.17, 116.35, 116.31, 115.54, 107.98, 61.01, 56.22, 49.02, 41.37, 31.25, 20.88, 13.92, 13.06.
【0206】
実施例3(S)-2-クロロ-N-[3-[2-(ジエチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,5-ジメトキシ-4-(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物3)
【0207】
2-クロロ-3,5-ジメトキシ-4-(トリデューテロメトキシ)安息香酸(中間体49)の製造:カリウムtert-ブトキシド(4.38mmol)を10mLの無水THFで溶解させ、撹拌し、-78℃のアルゴンガズの保護下で、3,5-ジメチル安息香酸(1.10mmol)を溶解させた10mLの無水THF溶液を加えた。ブチルリチウム(4.38mmol、ヘキサンに2.5M)を加え、-78℃で40分間反応させた。重水素化ヨードメタン(2.20mmol)を加え、-78℃で1時間反応を続けた。反応溶液を室温に昇温させ、6mLの飽和塩化アンモニウム溶液を加えてクエンチングさせ、10mLのエーテルで2回洗浄し、水相を分離し、水相を2Mの塩酸でpHを酸性に調節し、白色沈殿物を析出させ、エーテルで2回抽出し、有機相を分離し、乾燥させ、真空濃縮し、逆相カラムクロマトグラフィーにかけて、中間体202mgを得、収率は、61.59%であった。実施例1に記載の中間体47の合成方法に従って、上記生成物を塩素化して、中間体49を得た。
【0208】
表題化合物(3)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体46(0.2mmol)と中間体49(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.39 (s, 1H), 10.22 (s, 1H), 8.52 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.75 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.19 (dt, J = 9.0, 5.3 Hz, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 3.30-3.19 (m, 4H), 2.98 (dd, J = 16.3, 8.6 Hz, 1H), 2.60 (dd, J = 16.2, 4.9 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H), 1.17 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.99 (t, J = 7.0 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.79, 167.91, 166.79, 165.17, 156.49, 156.21, 154.23, 144.28, 139.36, 134.76, 132.74, 132.69, 125.38, 122.98, 122.26, 119.25, 116.27, 115.94, 115.66, 106.56, 60.26, 55.95, 49.01, 41.36, 31.24, 20.87, 13.91, 13.05.
【0209】
実施例4 (S)-2-ブロモ-N-[3-[2-(ジエチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物4)
【0210】
2-ブロモ-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)安息香酸(中間体50)の製造:実施例1に記載の中間体47の合成方法に従って、対応する試薬とNBS(3.6mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.33 (s, 1H), 7.17 (s, 1H).13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 167.12, 152.29, 150.64, 144.67, 129.47, 109.58, 107.02.
【0211】
表題化合物(4)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体46(0.2mmol)と中間体50(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.39 (s, 1H), 10.22 (s, 1H), 8.52 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.82 (s, 2H), 6.68 (s, 2H), 4.18 (m, 1H), 3.32-3.13 (m, 4H), 2.99 (dd, J = 16.1, 8.5 Hz, 1H), 2.59 (dd, J = 16.1, 4.2 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H), 1.17 (t, J = 6.7 Hz, 3H), 0.99 (t, J = 6.8 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 171.23, 168.35, 167.25, 166.37, 156.66, 152.97, 150.70, 144.74, 144.00, 139.80, 134.38, 133.24, 133.08, 125.85, 123.36, 119.56, 116.86, 115.97, 108.69, 106.10, 49.45, 41.81, 31.68, 21.33, 14.36, 13.50.
【0212】
実施例5 (S)-2-ブロモ-N-[3-[2-[ビス(ペンタデューテロエチル)アミノ]-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリ(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物5)
【0213】
(S)-2-[8-アミノ-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]-N,N-ビス(ペンタデューテロエチル)アセトアミド(中間体51)の製造:実施例1に記載の中間体46の合成方法に従って、中間体45(2.0mmol)と重水素化ジエチルアミン(6.0mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.10 (s, 1H), 8.09 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.00 (s, 1H), 6.74 (s, 1H), 6.60 (s, 2H), 6.42 (s, 1H), 5.72 (s, 2H), 4.19-4.08 (m, 1H), 2.95 (dd, J = 16.2, 8.7 Hz, 1H), 2.58-2.52 (m, 1H), 2.24 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.80, 168.04, 167.53, 157.04, 144.26, 139.25, 139.14, 134.29, 124.60, 120.38, 115.29, 113.70, 105.49, 49.12, 31.31, 20.95.
【0214】
表題化合物(5)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体51(0.2mmol)と中間体50(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.38 (s, 1H), 10.21 (s, 1H), 8.52 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.82 (s, 2H), 6.68 (s, 2H), 4.20-4.15 (m, 1H), 2.98 (dd, J = 16.0, 8.6 Hz, 1H), 2.59 (dd, J = 16.1, 3.8 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.74, 167.86, 166.76, 165.86, 156.19, 152.49, 150.23, 144.26, 143.54, 139.31, 133.89, 132.73, 132.61, 125.36, 122.88, 119.09, 116.36, 115.50, 108.24, 105.61, 48.97, 31.17, 20.84.
【0215】
実施例6(S)-2-クロロ-N-[3-[2-[ビス(ペンタデューテロエチル)アミノ]-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物6)
【0216】
表題化合物(6)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体51(0.2mmol)と中間体47(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.17 (s, 1H), 8.48 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.23 (s, 1H), 7.11 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 6.80 (s, 1H), 6.66 (s, 2H), 4.51 (dd, J = 11.7, 5.7 Hz, 1H), 3.07 (dd, J = 15.7, 7.4 Hz, 1H), 2.69 (dd, J = 15.6, 4.8 Hz, 1H), 2.29 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 171.33, 168.45, 168.22, 164.15, 155.94, 152.53, 150.09, 145.97, 143.43, 140.18, 133.44, 132.52, 128.98, 126.39, 121.26, 119.10, 117.65, 116.70, 112.54, 109.64, 49.86, 31.57, 21.40.
【0217】
実施例7 (S)-2-ブロモ-N-[3-[2-[ビス(ペンタデューテロエチル)アミノ]-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(化合物7)
【0218】
2-ブロモ-3,4,5-トリメトキシ安息香酸(中間体52)の製造:3,4,5-トリメトキシ安息香酸(10.0mmol)を100mLのクロロホルムに溶解させ、臭素水(20.0mmol)を加え、還流させながら5時間反応させた。反応溶液を飽和チオ硫酸ナトリウム溶液、水で順次に洗浄し、有機相を分離し、蒸発乾燥させ、水及びエタノールで再結晶して、白色固体2.74gを得、収率は、94.2%であった。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.31 (brs, 1H), 7.17 (s, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.82 (s, 3H), 3.78 (s, 3H).
【0219】
表題化合物(7)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体51(0.2mmol)と中間体52(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.37 (s, 1H), 10.21 (s, 1H), 8.51 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.15 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.18 (dt, J = 8.4, 5.3 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 2.98 (dd, J = 16.3, 8.6 Hz, 1H), 2.59 (dd, J = 16.3, 4.9 Hz, 2H), 2.25 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.77, 167.88, 166.79, 165.88, 156.20, 152.52, 150.28, 144.27, 143.60, 139.34, 133.94, 132.75, 132.63, 125.38, 122.91, 119.12, 116.37, 115.53, 108.30, 105.68, 60.86, 60.74, 56.22, 49.00, 31.19, 20.86.
【0220】
実施例8 (S)-2-クロロ-N-[3-[2-[ビス(ペンタデューテロエチル)アミノ]-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(化合物8)
【0221】
2-クロロ-3,4,5-トリメトキシ安息香酸(中間体53)の製造:3,4,5-トリメトキシ安息香酸(10.0mmol)を50mLのクロロホルムと25mLの氷酢酸に溶解させ、NCS(10.0mmol)を加え、還流させながら5時間反応させた。反応溶液を蒸発乾燥させ、水及びエタノールで再結晶して、白色固体1.80gを得、収率は、73.1%であった。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.31 (s, 1H), 7.20 (s, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.83 (s, 3H), 3.80 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 166.32, 151.58, 149.74, 145.13, 126.79, 118.36, 109.42, 60.91, 60.79, 56.15.
【0222】
表題化合物(8)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体51(0.2mmol)と中間体53(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.38 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 8.52 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.18 (dt, J = 8.9, 5.2 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 2.97 (dd, J = 16.2, 8.5 Hz, 1H), 2.59 (dd, J = 16.3, 5.0 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.82, 167.92, 166.83, 164.95, 156.23, 151.94, 149.38, 144.31, 143.93, 139.41, 132.75, 132.68, 131.64, 125.44, 122.97, 119.20, 116.36, 116.32, 115.58, 107.99, 61.04, 60.82, 56.24, 49.03, 31.23, 20.90.
【0223】
実施例9 (S)-2-[8-(2-クロロ-3,4,5-トリメトキシベンズアミド)-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]酢酸トリデューテロメチルエステル(化合物9)
【0224】
(S)-2-[8-アミノ-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]酢酸デューテロメチルエステル(中間体54)の製造:実施例1に記載の中間体46の合成方法に従って、中間体45(2.0mmol)と重水素化メタノール(6.0mmol)を使用して製造した。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 10.21 (s, 1H), 8.15 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.00 (s, 1H), 6.72 (s, 1H), 6.58 (s, 2H), 6.41 (s, 1H), 5.74 (s, 2H), 4.02 (dt, J = 8.8, 5.5 Hz, 1H), 2.83 (dd, J = 17.0, 8.8 Hz, 1H), 2.67 (dd, J = 17.0, 5.5 Hz, 1H), 2.22 (s, 6H).
【0225】
表題化合物(9)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体54(0.2mmol)と中間体53(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.52 (s, 1H), 10.25 (s, 1H), 8.59 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.12 (dt, J = 8.1, 5.4 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 2.88 (dd, J = 16.9, 8.8 Hz, 1H), 2.73 (dd, J = 17.2, 5.4 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.58, 170.45, 166.73, 164.97, 156.18, 151.94, 149.37, 144.37, 143.93, 139.40, 132.87, 132.45, 131.61, 125.47, 122.68, 119.23, 116.39, 116.30, 115.50, 108.00, 61.03, 60.79, 56.23, 48.60, 32.49, 20.87.
【0226】
実施例10 (S)-2-クロロ-N-[3-[2-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリ(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物10)
【0227】
(S)-8-アミノ-3-[2-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-7-(3,5-メチルフェノキシ)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2,5-ジオン(中間体55)の製造:実施例1に記載の中間体46の合成方法に従って、中間体45(2.0mmol)と4,4-ジフルオロピペリジン(4.0mmol)を使用して製造した。
【0228】
表題化合物(10)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体55(0.2mmol)と中間体47(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.43 (s, 1H), 10.22 (s, 1H), 8.51 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.18 (dd, J = 12.5, 5.9 Hz, 1H), 3.67-3.42 (m, 4H), 3.02 (dd, J = 16.3, 7.7 Hz, 1H), 2.70 (dd, J = 16.5, 5.6 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H), 2.09 (brs, 2H), 1.89 (brs, 2H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.78, 167.80, 166.78, 164.95, 156.17, 151.90, 149.31, 144.32, 143.86, 139.38, 132.76, 132.58, 131.57, 125.45, 122.80, 119.10, 116.39, 116.23, 115.51, 107.92, 49.07, 41.87, 38.23, 31.01, 20.87.
【0229】
実施例11 (S)-2-ブロモ-N-[3-[2-[ビス(ペンタデューテロエチル)アミノ]-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-メチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(化合物11)
【0230】
(S)-2-[5-(3,5-ジメチルフェノキシ)-N-メチル-2,4-ジニトロベンズアミド]ブタンジオ酸ジメチルエステル(中間体56)の製造:中間体44(5.0mmol)を10mLのDMFに溶解させ、炭酸カリウム(12.5mmol)、ヨウ化メチル(25.0mmol)を加え、30℃で24時間反応させた。濾過し、蒸発させてDMFを除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、石油エーテル/酢酸エチルで溶出して、淡黄色固体1.99gを得、収率は、81.3%であった。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.94 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 6.93 (s, 2H), 6.83 (s, 1H), 5.03 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 3.58 (s, 3H), 3.53 (s, 3H), 3.05 (dd, J = 16.5, 6.6 Hz, 1H), 2.95 (dd, J = 16.7, 7.5 Hz, 1H), 2.78 (s, 3H), 2.30 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.50, 169.27, 165.08, 154.90, 153.45, 140.41, 139.09, 137.93, 137.16, 127.78, 123.86, 117.50, 116.86, 55.02, 52.23, 51.50, 35.36, 32.60, 20.72.
【0231】
(S)-2-[8-アミノ-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-メチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]酢酸メチルエステル(中間体57)の製造:実施例1に記載の中間体45の合成方法に従って、中間体56を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.32 (s, 1H), 7.02 (s, 1H), 6.74 (s, 1H), 6.60 (s, 2H), 6.44 (s, 1H), 5.75 (brs, 2H), 4.41-4.32 (m, 1H), 3.60 (s, 3H), 3.10 (dd, J = 19.2, 6.0 Hz, 1H), 2.97 (dd, J = 15.8, 0.8 Hz, 1H), 2.84 (s, 3H), 2.24 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.69, 169.09, 167.12, 156.94, 144.22, 139.31, 139.12, 134.07, 124.60, 120.67, 115.25, 114.06, 105.04, 52.03, 51.74, 30.92, 29.02, 20.94.
【0232】
(S)-2-[8-アミノ-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-メチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]-N,N-ビス(ペンタデューテロエチル)アセトアミド(中間体58)の製造:実施例1に記載の中間体46の合成方法に従って、中間体57(2.0mmol)と重水素化ジエチルアミン(4.0mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.15 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 6.74 (s, 1H), 6.60 (s, 2H), 6.42 (s, 1H), 5.71 (s, 2H), 4.44 (dd, J = 9.9, 4.1 Hz, 1H), 3.40 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 2.87 (s, 3H), 2.81 (dd, J = 16.3, 3.7 Hz, 1H), 2.24 (s, 6H).
【0233】
表題化合物(11)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体58(0.2mmol)と中間体52(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.44 (s, 1H), 10.22 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.46 (dd, J = 9.3, 2.3 Hz, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 3.17 (dd, J = 15.1, 10.6 Hz, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.85 (dd, J = 17.1, 1.9 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 169.43, 167.66, 166.44, 165.90, 156.14, 152.53, 150.28, 144.16, 143.59, 139.33, 133.97, 132.63, 132.55, 125.37, 123.50, 119.30, 116.35, 115.11, 108.30, 105.66, 60.86, 60.74, 56.22, 52.40, 29.69, 29.49, 20.85.
【0234】
実施例12 (S)-2-クロロ-N-[3-[2-[ビス(ペンタデューテロエチル)アミノ]-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-メチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(化合物12)
【0235】
表題化合物(12)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体58(0.2mmol)と中間体53(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.44 (s, 1H), 10.22 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.46 (dd, J = 9.6, 3.2 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 3.17 (dd, J = 15.6, 10.2 Hz, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.85 (dd, J = 16.2, 3.0 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 169.48, 167.69, 166.48, 164.97, 156.16, 151.94, 149.37, 144.20, 143.92, 139.39, 132.68, 132.54, 131.65, 125.43, 123.57, 119.39, 116.33, 116.30, 115.17, 107.99, 61.03, 60.81, 56.23, 52.44, 29.72, 29.53, 20.89.
【0236】
実施例13 (S)-2-ブロモ-N-[3-[2-[ビス(ペンタデューテロエチル)アミノ]-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-メチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物13)
【0237】
表題化合物(13)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体58(0.2mmol)と中間体50(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.45 (s, 1H), 10.21 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.82 (s, 2H), 6.69 (s, 2H), 4.48 (brs, 1H), 3.17 (dd, J = 14.3, 10.2 Hz, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.86 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 169.90, 168.13, 166.90, 166.38, 156.62, 152.99, 150.72, 144.63, 144.02, 139.79, 134.40, 133.10, 133.02, 125.84, 123.97, 119.77, 116.84, 115.56, 108.72, 106.09, 52.87, 30.15, 29.96, 21.32.
【0238】
実施例14 (S)-2-ブロモ-N-[3-[2-[ビス(トリデューテロメチル)アミノ]-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-メチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物14)
【0239】
(S)-2-[8-アミノ-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-メチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]-N,N-ビス(トリデューテロメチル)アセトアミド(中間体59)の製造:実施例1に記載の中間体46の合成方法に従って、中間体57(2.0mmol)と重水素化ジメチルアミン(4.0mmol)を使用して製造した。
【0240】
表題化合物(14)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体59(0.2mmol)と中間体50(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.46 (s, 1H), 10.21 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.43 (dd, J = 10.0, 3.7 Hz, 1H), 3.18 (dd, J = 16.0, 10.2 Hz, 1H), 2.93 (s, 3H), 2.86 (dd, J = 16.0, 3.2 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 169.85, 169.15, 166.91, 166.38, 156.64, 152.99, 150.72, 144.61, 144.03, 139.79, 134.38, 133.10, 125.82, 123.95, 119.84, 116.80, 115.57, 108.74, 106.09, 52.91, 30.36,29.97, 21.32.
【0241】
実施例15 (S)-2-ブロモ-N-[3-[2-[ビス(トリデューテロメチル)アミノ]-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-メチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(化合物15)
【0242】
表題化合物(15)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体59(0.2mmol)と中間体52(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.46 (s, 1H), 10.21 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.43 (dd, J = 10.0, 3.7 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 3.18 (dd, J = 16.0, 10.2 Hz, 1H), 2.93 (s, 3H), 2.86 (dd, J = 15.9, 3.2 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 169.85, 169.15, 166.91, 166.37, 156.64, 153.00, 150.75, 144.60, 144.07, 139.79, 134.43, 133.11, 125.82, 123.95, 119.84, 116.80, 115.57, 108.79, 106.13, 61.33, 61.21, 56.70, 52.91, 30.35, 29.97, 21.32.
【0243】
実施例16 (S)-2-ブロモ-N-[3-[2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-メチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物16)
【0244】
(S)-2-[8-アミノ-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-メチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]-N,N-ジメチルアセトアミド(中間体60)の製造:実施例1に記載の中間体46の合成方法に従って、57(2.0mmol)とジメチルアミン(4.0mmol)を使用して製造した。
【0245】
表題化合物(16)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体60(0.2mmol)と中間体50(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.46 (s, 1H), 10.21 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.43 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 3.19 (dd, J = 14.6, 10.9 Hz, 1H), 3.06 (s, 3H), 2.93 (s, 3H), 2.87 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 2.79 (s, 3H), 2.25 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 169.84, 169.13, 166.90, 166.38, 156.64, 152.98, 150.71, 144.60, 144.02, 139.78, 134.38, 133.10, 125.82, 123.94, 119.83, 116.80, 115.56, 108.73, 106.09, 52.91, 36.95, 35.17, 30.37, 29.97, 21.32.
【0246】
実施例17 (S)-2-クロロ-N-[3-[2-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-メチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物17)
【0247】
(S)-8-アミノ-3-[2-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-7-(3,5-メチルフェノキシ)-4-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2,5-ジオン(中間体61)の製造:実施例1に記載の中間体46の合成方法に従って、48(2.0mmol)と4,4-ジフルオロピペリジン(4.0mmol)を使用して製造した。
【0248】
表題化合物(17)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体61(0.2mmol)と中間体47(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.48 (s, 1H), 10.22 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.44 (dd, J = 9.7, 3.1 Hz, 1H), 3.79-3.38 (m, 4H), 3.31-3.25 (m, 1H), 2.97 (s, 1H), 2.94 (s, 3H), 2.25 (s, 6H), 2.06 (brs, 2H), 1.87 (brs, 2H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 169.42, 167.81, 166.44, 164.98, 156.16, 151.91, 149.32, 144.19, 143.85, 139.36, 132.63, 132.58, 131.59, 125.41, 123.49, 119.38, 116.31, 116.22, 115.13, 107.91, 52.48, 41.68, 38.24, 29.63, 20.87.
【0249】
実施例18 (S)-2-ブロモ-N-[3-[2-(ジエチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-トリデューテロメチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(化合物18)
【0250】
(S)-2-[5-(3,5-ジメチルフェノキシ)-N-トリデューテロメチル-2,4-ジニトロベンズアミド]ブタンジオ酸ジメチル(中間体60)の製造:実施例11に記載の中間体56の合成方法に従って、中間体44(5.0mmol)と重水素化ヨードメタン(025.0mmol)を使用して製造した。
【0251】
(S)-2-[8-アミノ-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-トリデューテロメチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]酢酸メチルエステル(中間体63)の製造:実施例1に記載の中間体45の合成方法に従って、中間体62を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.33 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 6.74 (s, 1H), 6.60 (s, 2H), 6.43 (s, 1H), 5.76 (brs, 2H), 4.36 (dd, J = 9.4, 5.1 Hz, 1H), 3.59 (s, 3H), 3.09 (dd, J = 16.1, 9.6 Hz, 1H), 2.97 (dd, J = 15.7, 3.1 Hz, 1H), 2.24 (s, 6H).13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.70, 169.13, 167.22, 156.97, 144.24, 139.33, 139.15, 134.07, 124.63, 120.70, 115.26, 114.10, 105.08, 52.00, 51.76, 30.91, 20.95.
【0252】
(S)-2-[8-アミノ-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-トリデューテロメチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]-N,N-ジエチルアセトアミド(中間体64)の製造:実施例1に記載の中間体46の合成方法に従って、中間体63(2.0mmol)とジエチルアミン(4.0mmol)を使用して製造した。
【0253】
表題化合物(18)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体64(0.2mmol)と中間体52(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.44 (s, 1H), 10.21 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.46 (dd, J = 9.6, 3.6 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 3.49-3.36 (m, 2H), 3.28-3.15 (m, 3H), 2.85 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H), 1.17 (t, J = 6.4 Hz, 3H), 0.97 (t, J = 6.8 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 169.44, 167.67, 166.45, 165.89, 156.13, 152.52, 150.27, 144.16, 143.58, 139.31, 133.96, 132.62, 132.54, 125.36, 123.50, 119.30, 116.35, 115.12, 108.29, 105.65, 60.85, 60.73, 56.22, 52.36, 41.17, 29.70, 20.84, 13.94, 12.96.
【0254】
実施例19 (S)-2-クロロ-N-[3-[2-[ビス(ペンタデューテロエチル)アミノ]-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-(トリデューテロメチル)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(化合物19)
【0255】
(S)-2-[8-アミノ-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-トリデューテロメチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]-N,N-ビス(ペンタデューテロエチル)アセトアミド(中間体65)の製造:実施例1に記載の中間体46の合成方法に従って、中間体63(2.0mmol)と重水素化ジエチルアミン(4.0mmol)を使用して製造した。
【0256】
表題化合物(19)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体65(0.2mmol)と中間体53(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.44 (s, 1H), 10.22 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.51-4.41 (m, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 3.16 (dd, J = 15.1, 10.2 Hz, 1H), 2.85 (dd, J = 15.0, 1.4 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 169.48, 167.68, 166.47, 164.96, 156.15, 151.92, 149.36, 144.17, 143.89, 139.37, 132.68, 132.55, 131.67, 125.41, 123.54, 119.36, 116.33, 116.29, 115.13, 107.97, 61.02, 60.79, 56.21, 52.39, 29.70, 20.87.
【0257】
実施例20 (S)-2-ブロモ-N-[3-[2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物20)
【0258】
(S)-2-[8-アミノ-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]-N,N-ジメチルアセトアミド(中間体66)の製造:実施例1に記載の中間体46の合成方法に従って、中間体45(2.0mmol)とジメチルアミン(4.0mmol)を使用して製造した。
【0259】
表題化合物(20)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体66(0.2mmol)と中間体50(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.40 (s, 1H), 10.21 (s, 1H), 8.51 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.15 (dt, J = 8.0, 5.3 Hz, 1H), 3.00 (s, 3H), 2.95 (dd, J = 16.8, 8.6 Hz, 1H), 2.81 (s, 3H), 2.62 (dd, J = 16.4, 5.0 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.71, 168.84, 166.74, 165.87, 156.17, 152.49, 150.23, 144.28, 143.54, 139.32, 133.87, 132.74, 132.59, 125.38, 122.84, 119.07, 116.39, 115.50, 108.25, 105.61, 48.99, 36.49, 34.73, 31.36, 20.84.
【0260】
実施例21 (S)-2-ブロモ-N-[3-[2-[ビス(トリデューテロメチル)アミノ]-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物21)
【0261】
(S)-2-[8-アミノ-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]-N,N-ビス(トリデューテロメチル)アセトアミド(中間体67)の製造:実施例1に記載の中間体46の合成方法に従って、中間体45(2.0mmol)と重水素化ジメチルアミン(4.0mmol)を使用して製造した。
【0262】
表題化合物(21)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体67(0.2mmol)と中間体50(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.41 (s, 1H), 10.20 (s, 1H), 8.51 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.16 (dt, J = 8.2, 5.4 Hz, 1H), 2.94 (dd, J = 16.5, 8.3 Hz, 1H), 2.61 (dd, J = 16.5, 5.2 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 171.21, 169.35, 167.24, 166.35, 156.66, 152.99, 150.72, 144.76, 144.05, 139.81, 134.35, 133.25,133.09, 125.86, 123.32, 119.58, 116.86, 115.98, 108.75, 106.11, 49.49, 31.83, 21.33.
【0263】
実施例22 (S)-2-ブロモ-N-[3-[2-[ビス(トリデューテロメチル)アミノ]-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(化合物22)
【0264】
表題化合物(22)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体67(0.2mmol)と中間体52(0.5mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.40 (s, 1H), 10.21 (s, 1H), 8.51 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.15 (dt, J = 8.3, 5.4 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 2.94 (dd, J = 16.5, 8.3 Hz, 1H), 2.61 (dd, J = 16.5, 5.2 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 171.21, 169.35, 167.24, 166.34, 156.66, 152.99, 150.75, 144.77, 144.08, 139.81, 134.40, 133.23, 133.08, 125.86, 123.33, 119.57, 116.87, 116.00, 108.80, 106.14, 61.33, 61.21, 56.70, 49.48, 31.82, 21.33.
【0265】
実施例23 (S)-2-クロロ-N-[3-[2-(ジエチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-[3,5-ビス(トリデューテロメチル)フェノキシ]-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(化合物23)
【0266】
3,5-ビス(トリデューテロメチル)フェノール(中間体68)の製造:3,5-ジメチルフェノール(32.79mmol)、炭酸カリウム(65.57mmol)を30mLのアセトンに溶解させ、硫酸ジメチル(65.58mmol)を加え、60℃で2時間反応させた。反応溶液を蒸発乾燥させ、DCMを加えて溶解させ、水で洗浄し、有機相を分離し、乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、石油エーテル/酢酸エチルで溶出して、中間体生成物3.07gを得、収率は、84.1%であった。上記中間体(14.71mmol)とカリウムtert-ブトキシド(63.24mmol)を12mLのDMSO-d6に混合し、100℃で3時間反応させた。反応溶液を20mLの重水に注ぎ、エーテルで抽出し、濃縮して黄色油状物を得た。上記油状物とカリウムtert-ブトキシド(28.79mmol)を8mLのDMSO-d6に混合し、100℃で2時間反応させた。反応溶液を20mLの重水に注ぎ、エーテルで抽出し、乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、石油エーテルで溶出して、中間体生成物1.57gを得、収率は、75.5%であり、重水素化率は、97.2%であり、ベンゼン環で一部の水素が置換された。上記中間体(10.56mmol)を30mLのDCMに溶解させ、0℃の条件で、三臭化ホウ素(21.13mmol)を溶解させた10mLのDCM溶液を滴下し、室温で2時間反応させた。8mLの重水を滴下して反応をクエンチングさせ、有機相を分離し、乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、石油エーテル/酢酸エチルで溶出して、中間体1.0gを得、収率は、71.9%であった。上記中間体(7.0mmol)、水酸化ナトリウム(7.0mmol)を20mLの水に溶解させ、100℃で一晩反応させた。1Mの塩酸でpHを酸性に調節し、DCMで抽出し、乾燥させ、標的化合物698mgを得、収率は、77.6%であった。標的化合物の重水素化率は、約98%であった。1H NMRで、ベンゼン環の水素が置換されていないことを検出した。
【0267】
(S)-2-[8-アミノ-7-[3,5-シス(トリデューテロメチル)フェノキシ]-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]酢酸メチルエステル(中間体69)の製造:実施例1に記載の中間体45を製造する方法に従って、中間体68(2.12mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.24 (s, 1H), 8.17 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 7.00 (s, 1H), 6.75 (s, 1H), 6.60 (s, 2H), 6.42 (s, 1H), 5.77 (s, 2H), 4.10-4.00 (m, 1H), 3.58 (s, 3H), 2.85 (dd, J = 16.9, 8.9 Hz, 1H), 2.69 (dd, J = 17.0, 5.5 Hz, 1H).13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.69, 170.41, 167.42, 156.98, 144.37, 139.40, 139.05, 134.05, 124.66, 120.36, 115.36, 113.42, 105.46, 51.54, 48.73, 32.59.
【0268】
表題化合物(23)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体69(0.2mmol)、2-クロロ-3,4,5-トリメトキシ安息香酸(0.5mmol)とジエチルアミン(0.4mmol)を使用して3段階反応により製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.38 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 8.52 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.18 (dt, J = 8.9, 5.1 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 3.32-3.17 (m, 4H), 2.98 (dd, J = 16.3, 8.5 Hz, 1H), 2.60 (dd, J = 16.4, 4.8 Hz, 1H), 1.17 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 0.99 (t, J = 7.0 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.79, 167.92, 166.80, 164.92, 156.20, 151.92, 149.36, 144.29, 143.91, 139.27, 132.72, 132.66, 131.63, 125.43, 122.94, 119.16, 116.37, 116.30, 115.54, 107.98, 61.02, 60.79, 56.22, 49.01, 41.36, 31.25, 13.91, 13.05.
【0269】
実施例24 (S)-2-クロロ-N-[3-[2-(ジエチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-(3,5-ジメチル-2,4,6-トリデューテロフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(化合物24)
【0270】
3,5-ジメチル-2,4,6-トリデューテロフェノール(中間体70)の製造:3,5-ジメチルフェノール(10.0mmol)を100mmolの重水に溶解させ、200μLの重水素酸化ナトリウム(D2Oに40.0%)を加え、100℃で22時間反応させた。600μLの濃硫酸を溶解させた1.4mLの重水に加え、DCMで抽出し、蒸発乾燥させ、得られた粗生成物に対して上記のステップを5回繰り返した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、石油エーテル/酢酸エチルで溶出して、標的化合物1.2gを得、収率は、82.8%であり、重水素化率は、97.0%であった。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.07 (s, 1H), 2.15 (s, 6H).
【0271】
(S)-2-[8-アミノ-7-(3,5-ジメチル-2,4,6-トリデューテロフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]酢酸メチルエステル(中間体71)の製造:実施例1に記載の中間体45を製造する方法に従って、中間体70(2.12mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.23 (s, 1H), 8.16 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 7.01 (s, 1H), 6.43 (s, 1H), 5.75 (s, 2H), 4.05 (dt, J = 10.1, 5.1 Hz, 1H), 3.59 (s, 3H), 2.86 (dd, J = 16.9, 8.8 Hz, 1H), 2.69 (dd, J = 16.9, 5.5 Hz, 1H), 2.24 (s, 6H).13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.68, 170.40, 167.40, 156.87, 144.35, 139.40, 138.95, 134.04, 120.34, 113.41, 105.45, 51.52, 48.72, 32.58, 20.82.
【0272】
表題化合物 (24)実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体71(0.2mmol)、2-クロロ-3,4,5-トリメトキシ安息香酸(0.5mmol)とジエチルアミン(0.4mmol)を使用して3段階反応により製造した。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.38 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 8.52 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 4.18 (dt, J = 8.9, 5.3 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 3.30-3.19 (m, 4H), 2.98 (dd, J = 16.3, 8.5 Hz, 1H), 2.60 (dd, J = 16.2, 4.9 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H), 1.17 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.99 (t, J = 7.0 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.77, 167.89, 166.77, 164.90, 156.09, 151.90, 149.34, 144.27, 143.88, 139.16, 132.70, 132.64, 131.62, 122.93, 119.12, 116.28, 115.51, 107.96, 61.00, 60.77, 56.20, 48.99, 41.35, 31.23, 20.74, 13.90, 13.04.
【0273】
実施例25 (S)-2-クロロ-N-[3-[2-(ジエチルアミノ)-2-オキソエチル]-7-[3,5-ビス(トリデューテロメチル)-2,4,6-トリデューテロフェノキシ]-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(化合物25)
【0274】
3,5-ビス(トリデューテロメチル)-2,4,6-トリデューテロフェノール(中間体72)の製造:3,5-ジメチルフェノール(32.79mmol)、炭酸カリウム(65.57mmol)を30mLのアセトンに溶解させ、硫酸ジメチル(65.58mmol)を加え、60℃で2時間反応させた。反応溶液を蒸発乾燥させ、DCMを加えて溶解させ、水で洗浄し、有機相を分離し、乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、石油エーテル/酢酸エチルで溶出して、中間体生成物3.07gを得、収率は、84.1%であった。上記中間体(14.71mmol)とカリウムtert-ブトキシド(63.24mmol)を12mLのDMSO-d6に混合し、100℃で3時間反応させた。反応溶液を20mLの重水に注ぎ、エーテルで抽出し、濃縮して黄色油状物を得た。上記油状物とカリウムtert-ブトキシド(28.79mmol)を8mLのDMSO-d6に混合し、100℃で2時間反応させた。反応溶液を20mLの重水に注ぎ、エーテルで抽出し、乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、石油エーテルで溶出して、中間体生成物1.57gを得、収率は、75.5%であり、重水素化率は、97.2%であり、ベンゼン環で一部の水素が置換された。上記中間体(10.56mmol)を30mLのDCMに溶解させ、0℃の条件で、三臭化ホウ素(21.13mmol)を溶解させた10mLのDCM溶液に滴下し、室温で2時間反応させた。8mLの重水を滴下して反応をクエンチングさせ、有機相を分離し、乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、石油エーテル/酢酸エチルで溶出して、中間体1.0gを得、収率は、71.9%であった。上記中間体(7.30mmol)を73.05mmolの重水に溶解させ、161μLの重水素化酸化ナトリウム(D2Oに40%)を加え、100℃で22時間反応させた。426μLの濃硫酸を溶解させた1.1mLの重水に加え、DCMで抽出し、蒸発させ、得られた粗生成物に対して上記のステップを7回繰り返した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、石油エーテル/酢酸エチルで溶出して、標的化合物640mgを得、収率は、67.0%であった。重水素化率は、97.3%であった。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.07 (s, 1H).
【0275】
(S)-2-[8-アミノ-7-[3,5-ビス(トリデューテロメチル)-2,4,6-トリデューテロフェノキシ]-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]酢酸メチルエステル(中間体73)の製造:実施例1に記載の中間体45を製造する方法に従って、中間体72(2.12mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.23 (s, 1H), 8.16 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 7.01 (s, 1H), 6.43 (s, 1H), 5.75 (s, 2H), 4.11-3.98 (m, 1H), 3.59 (s, 3H), 2.86 (dd, J = 16.9, 8.9 Hz, 1H), 2.69 (dd, J = 16.9, 5.3 Hz, 1H).13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.67, 170.39, 167.40, 156.86, 144.34, 139.41, 138.84, 134.03, 120.32, 113.41, 105.44, 51.52, 48.72, 32.57.
【0276】
表題化合物(25)は、実施例1に記載の化合物1の合成方法に従って、中間体73(0.2mmol)、2-クロロ-3,4,5-トリメトキシ安息香酸(0.5mmol)とジエチルアミン(0.4mmol)を使用して3段階反応により製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.38 (s, 1H), 10.22 (s, 1H), 8.51 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 4.18 (dt, J = 8.6, 5.2 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 3.36-3.18 (m, 4H), 2.98 (dd, J = 16.3, 8.6 Hz, 1H), 2.60 (dd, J = 16.3, 4.9 Hz, 1H), 1.17 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.99 (t, J = 7.0 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 170.76, 167.89, 166.76, 164.90, 156.08, 151.89, 149.33, 144.29, 143.88, 139.05, 132.68, 132.63, 131.62, 122.92, 119.10, 116.27, 115.51, 107.96, 60.99, 60.77, 56.20, 48.99, 41.34, 31.22, 13.90, 13.04.
【0277】
実施例26 (S)-ジメチル-(4-8-(2-ブロモ-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンゾイル)-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル)-2-メチル-3-オキソブチル-2-イル)リン酸ジエチル(化合物26)
【0278】
表題化合物(26)は、下記の経路に従って製造した。
【0279】
【0280】
表題化合物(26) Mp 141-143 ℃. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.45 (s, 1H), 10.24 (s, 1H), 8.52 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.82 (s, 2H), 6.68 (s, 2H), 4.13 (dd, J = 11.7, 5.6 Hz, 1H), 3.70 (s, 3H), 3.67 (s, 3H), 3.42 (dd, J = 18.5, 8.4 Hz, 1H), 2.97 (dd, J = 18.4, 4.3 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H), 1.39 (d, J = 16.9 Hz, 3H), 1.34 (d, J = 16.8 Hz, 3H).
【0281】
実施例27 (S)-2-ブロモ-N-[7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-3-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリ(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド塩酸塩(化合物27)
【0282】
(S)-2-(8-(2-ブロモ-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド)-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]酢酸(中間体74)の製造:実施例1に記載の方法に従って、中間体45(2.0mmol)、中間体50(5.0mmol)と水酸化リチウム(5.0mmol)を使用して2段階反応により製造した。
【0283】
表題化合物(27)は、実施例1に記載の方法に従って、中間体74(1.0mmol)とN-メチルピペラジン(2.0mmol)、濃塩酸を使用して2段階反応により製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.07 (s, 1H), 10.46 (s, 1H), 10.24 (s, 1H), 8.52 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.81 (s, 2H), 6.67 (s, 2H), 4.33-4.43 (m, 1H), 4.15-4.23 (m, 1H), 3.60-3.67 (m, 2H), 3.55-3.32 (m, 5H), 2.97-3.02 (m, 2H), 2.76 (s, 3H), 2.25 (s, 6H).
【0284】
実施例28 (S)-2-ブロモ-N-[7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-メチル-3-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物28)
【0285】
(S)-2-(8-(2-ブロモ-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド)-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-メチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]酢酸(中間体75)の製造:実施例1に記載の方法に従って、中間体57(2.0mmol)、中間体50(2.0mmol)と水酸化リチウム(2.0mmol)を使用して、2段階反応により製造した。
【0286】
表題化合物(28)は、実施例1に記載の方法に従って、中間体75(0.2mmol)とN-メチルピペラジン(0.4mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.46 (s, 1H), 10.21 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.82 (s, 2H), 6.68 (s, 2H), 4.44 (dd, J = 10.2, 2.8 Hz, 1H), 3.56 (s, 2H), 3.39-3.45 (m, 2H), 3.22 (dd, J = 17.1, 10.8 Hz, 1H), 2.93 (s, 3H), 2.87 (s, 1H), 2.41 (s, 1H), 2.27-2.37 (m, 3H), 2.25 (s, 6H), 2.22 (s, 3H).
【0287】
実施例29 (S)-2-ブロモ-N-[7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-3-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物29)
【0288】
表題化合物(29)は、実施例1に記載の方法に従って、中間体74(0.2mmol)とN-メチルピペラジン(0.4mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.40 (s, 1H), 10.21 (s, 1H), 8.51 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.15 (s, 1H), 6.81 (s, 2H), 6.68 (s, 2H), 4.16 (dd, J = 12.6, 6.1 Hz, 1H), 3.36-3.52 (m, 4H), 2.95 (dd, J = 16.6, 7.9 Hz, 1H), 2.62 (dd, J = 16.4, 5.1 Hz, 1H), 2.28-2.40 (m, 4H), 2.25 (s, 6H), 2.20 (s, 3H).
【0289】
実施例30 (S)-2-ブロモ-N-[7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-3-[2-(メトキシメチルアミノ)-2-オキソエチル]-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物30)
【0290】
表題化合物(30)は、実施例1に記載の方法に従って、中間体74(0.2mmol)とメトキシメチルアミン(0.4mmol)を使用して製造した。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.43 (s, 1H), 10.21 (s, 1H), 8.57 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.82 (s, 2H), 6.68 (s, 2H), 4.13 (dd, J = 12.7, 5.1 Hz, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.19 - 3.12 (m, 1H), 3.08 (s, 3H), 2.70 (dd, J = 17.1, 4.6 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H).
【0291】
実施例31 (S)-2-ブロモ-N-[7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-3-[2-(ヒドロキシメチルアミノ)-2-オキソエチル]-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物31)
【0292】
表題化合物(31)は、実施例1に記載の方法に従って、中間体74(0.2mmol)とヒドロキシメチルアミン(0.4mmol)を使用して製造した。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.40 (s, 1H), 10.22 (s, 1H), 9.96 (s, 1H), 8.58 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.82 (s, 2H), 6.68 (s, 2H), 4.17 - 4.04 (m, 1H), 3.18 (dd, J = 16.8, 9.5 Hz, 1H), 3.07 (s, 3H), 2.62 (dd, J = 17.0, 4.1 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H).
【0293】
実施例32 (S)-2-ブロモ-N-[7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-3-[2-(メトキシメチルアミノ)-2-オキソエチル]-4-メチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物32)
【0294】
表題化合物(32)は、実施例1に記載の方法に従って、中間体75(0.2mmol)とメトキシメチルアミン(0.4mmol)を使用して製造した。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.53 (s, 1H), 10.24 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.83 (s, 2H), 6.68 (s, 2H), 4.42 (dd, J = 8.8, 4.8 Hz, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.28 - 3.20 (m, 1H), 3.08 (s, 3H), 3.00 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.25 (s, 6H).
【0295】
実施例33 (S)-2-ブロモ-N-[7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-3-[2-(ヒドロキシメチルアミノ)-2-オキソエチル]-4-メチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリ(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物33)
【0296】
表題化合物(33)は、実施例1に記載の方法に従って、中間体75(0.2mmol)とヒドロキシメチルアミン(0.4mmol)を使用して製造した。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.49 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 10.07 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.82 (s, 2H), 6.68 (s, 2H), 4.41 (dd, J = 8.6, 3.4 Hz, 1H), 3.21 (dd, J = 16.5, 9.3 Hz, 1H), 3.07 (s, 3H), 2.94 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 2.89 (s, 3H), 2.25 (s, 6H).
【0297】
実施例34 (S)-2-クロロ-N-[7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-3-[2-(デューテロメトキシデューテロメチルアミノ)-2-オキソエチル]-4-メチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物34)
【0298】
デューテロメトキシデューテロメチルアミン塩酸塩(中間体76)の製造:図に示された方法に従って、クロロギ酸ベンジル(10.0mmol)を使用して3段階反応により製造した。
【0299】
【0300】
表題化合物(34)は、実施例1に記載の方法に従って、中間体75(0.2mmol)と76(0.4mmol)を使用して製造した。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.52 (s, 1H), 10.21 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.43 (dd, J = 9.2, 5.1 Hz, 1H), 3.25 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 2.99 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.25 (s, 6H).
【0301】
実施例35 (S)-2-クロロ-N-[7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-3-[2-(メトキシメチルアミノ)-2-オキソエチル]-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリ(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物35)
【0302】
(S)-2-(8-(2-クロロ-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド)-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]酢酸(中間体77)の製造:実施例1に記載の方法に従って、中間体45(2.0mmol)、中間体47(5.0mmol)と水酸化リチウム(4.0mmol)を使用して2段階反応により製造した。
【0303】
表題化合物(35)は、実施例1に記載の方法に従って、中間体77(0.5mmol)とメトキシメチルアミン(1.0mmol)を使用して製造した。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.44 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 8.58 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.13 (dd, J = 12.7, 5.5 Hz, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.15 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 3.08 (s, 3H), 2.71 (dd, J = 16.8, 4.1 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H).
【0304】
実施例36 (S)-2-クロロ-N-[7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-3-[2-(メトキシメチルアミノ)-2-オキソエチル]-4-メチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物36)
【0305】
(S)-2-(8-(2-クロロ-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド)-7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-4-メチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3-イル]酢酸(中間体78)の製造:実施例1に記載の方法に従って、中間体57(2.0mmol)、中間体47(5.0mmol)と水酸化リチウム(4.0mmol)を使用して2段階反応により製造した。
【0306】
表題化合物(36)は、実施例1に記載の方法に従って、中間体78(0.5mmol)とメトキシメチルアミン(1.0mmol)を使用して製造した。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.53 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.42 (dd, J = 8.7, 5.0 Hz, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.24 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 3.08 (s, 3H), 3.00 (d, J = 16.9 Hz, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.25 (s, 7H).
【0307】
実施例37 (S)-2-ブロモ-N-[7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-3-[2-(デューテロメトキシデューテロメチルアミノ)-2-オキソエチル]-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物37)
【0308】
表題化合物(37)は、実施例1に記載の方法に従って、中間体74(0.5mmol)と中間体76(1.0mmol)を使用して製造した。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.44 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 8.58 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.82 (s, 2H), 6.68 (s, 2H), 4.12 (dd, J = 12.9, 5.3 Hz, 1H), 3.13 (dd, J = 17.0, 8.3 Hz, 1H), 2.70 (dd, J = 17.1, 4.6 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H).
【0309】
実施例38 (S)-2-クロロ-N-[7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-3-[2-(デューテロメトキシデューテロメチルアミノ)-2-オキソエチル]-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物38)
【0310】
表題化合物(38)は、実施例1に記載の方法に従って、中間体77(0.5mmol)と中間体76(1.0mmol)を使用して製造した。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.44 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 8.58 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.13 (dd, J = 12.5, 5.5 Hz, 1H), 3.13 (dd, J = 17.4, 6.7 Hz, 1H), 2.70 (dd, J = 17.1, 4.9 Hz, 1H), 2.25 (s, 6H).
【0311】
実施例39 (S)-2-クロロ-N-[7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-3-[2-(デューテロメトキシデューテロメチルアミノ)-2-オキソエチル]-4-メチル-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物39)
【0312】
表題化合物(39)は、実施例1に記載の方法に従って、中間体78(0.5mmol)と中間体76(1.0mmol)を使用して製造した。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.53 (s, 1H), 10.24 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 4.42 (dd, J = 9.4, 5.0 Hz, 1H), 3.26 (dd, J = 12.7, 10.5 Hz, 1H), 2.99 (dd, J = 16.7, 1.7 Hz, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.25 (s, 6H).
【0313】
実施例40 (S)-2-ブロモ-N-[7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-3-[2-(デューテロメトキシメチルアミノ)-2-オキソエチル]-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物40)
【0314】
表題化合物(40)は、実施例1に記載の方法に従って、中間体74(0.5mmol)とデューテロメトキシメチルアミン臭化水素酸塩(1.0mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.45 (s, 1H), 10.25 (s, 1H), 8.59 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.69 (s, 2H), 4.13 (dt, J = 8.5, 5.4 Hz, 1H), 3.17 (dd, J = 16.8, 9.5 Hz, 1H), 3.08 (s, 3H), 2.71 (dd, J = 17.2, 5.1 Hz, 1H), 2.26 (s, 6H).
【0315】
実施例41 (S)-2-ブロモ-N-[7-(3,5-ジメチルフェノキシ)-3-[2-(メトキシデューテロメチルアミノ)-2-オキソエチル]-2,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-8-イル]-3,4,5-トリス(トリデューテロメトキシ)ベンズアミド(化合物41)
【0316】
表題化合物(41)は、実施例1に記載の方法に従って、中間体74(0.5mmol)とメトキシデューテロメチル臭化水素酸塩(1.0mmol)を使用して製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.45 (s, 1H), 10.25 (s, 1H), 8.59 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.69 (s, 2H), 4.22 - 4.05 (m, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.14 (dd, J = 16.8, 9.5 Hz, 1H), 2.70 (dd, J = 17.0, 4.1 Hz, 1H), 2.26 (s, 6H).
【0317】
実施例42 本発明に記載の重水素化1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物の体外抗腫瘍活性
【0318】
本実施例では、米国国立癌研究所(NCI)の評価方法を使用して、本発明の実施例の化合物の抗腫瘍活性を評価した。A549(非小細胞肺癌)、HCT116(結腸癌)、SF295(中枢神経系腫瘍)、LOX-IMVI(黒色腫)、786-0(腎臓癌)、K562(白血病)、PC-3(前立腺癌)、OVCAR-3(卵巣癌)、HS 578T(乳癌)を含む、9種類の代表的な細胞株を選択して活性評価を実行した。
【0319】
具体的な方法は下記に示された通りである。9種類のヒト癌から採取した60個の腫瘍細胞株を用いて、試験化合物の体外阻害活性を評価した。試験群、並行対照群及び溶媒対照群を設定した。並行対照群は化合物を加える直前に固定し、試験群の細胞は化合物で48時間処理した後に固定し、溶媒対照群は等体積の完全培地を48時間加えた後に固定した。スルホローダミンB(Sulforhodamine B、SRB)を使用して染色し、515nm波長でのOD値を測定した。具体的な計算方法は下記に示された通りである。並行対照群のOD値をTzとして記録し、溶媒対照群のOD値をCとして記録し、試験群のOD値を(Ti)として記録した。Ti≧Tzの場合は、薬物添加後も細胞が増殖していることを意味し、増殖率%=[(Ti-Tz)/(C-Tz)]×100であり、Ti<Tzの場合は、薬物添加後に細胞が死滅したことを意味し、増殖率は%=[(Ti-Tz)/Tz]×100であった。この方法では、化合物の抗腫瘍活性を評価するために3つのパラメーター:50%の増殖阻害濃度(GI50):即ち[(Ti-Tz)/(C-Tz)]×100=50の際の化合物濃度;完全増殖阻害濃度(TGI):Ti=Tzの場合の化合物濃度;細胞の50%を死滅させるのに必要な薬物濃度(LC50):即ち[(Ti-Tz)/Tz]×100=-50の場合の化合物濃度が使用された。
【0320】
評価結果は、本発明の実施例の化合物のほとんどが、腫瘍細胞の増殖を阻害する有意な活性を有することを示している。
【0321】
表1は、9つの代表的な腫瘍細胞株に対する実施例化合物の阻害活性を詳細に列挙した。ここで、GI50値は「50%増殖阻害率」、即ち試験化合物が細胞の増殖を50%阻害できる際の濃度を表し、「ND」は未測定を表す。
【0322】
【0323】
【0324】
以上のことから、一般式の化合物のベンゼン環上のHのみを重水素化すると、体外での抗腫瘍活性が有意に低下するが、本発明の化合物は腫瘍細胞及び腫瘍幹細胞を阻害する活性を維持していることが分かる。
【0325】
実施例43 本発明に記載の重水素化1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物の肝ミクロソーム安定性
【0326】
最終濃度1μMの試験化合物を1mg/mLのヒト肝ミクロソーム及び1mMのNADPHと共に培養し、NADPHを含まない群を陰性対照として設定した。反応溶液をそれぞれ、0、5、15、30及び60分の5つの時点でメタノールでクエンチングさせた後、2500rpmの条件で20分間遠心分離してタンパク質を沈殿させ、上清をLC-MS/MSで分析した。データを分析・整理し、k値と半減期T1/2、T1/2(分)=0.693/kを計算した。
【0327】
表2は、体外での肝ミクロソームにおける標的化合物の半減期T1/2及びクリアランスClintを示している。ここで、化合物a、b、cは、特許番号ZL201610154581.3に開示された活性化合物である。比較の結果、本出願に開示されている重水素化化合物の半減期は、例えば、化合物1(42分)、3(38分)、6(73分)、7(49.9分)、8(50.6分)、9(117分)、10(68分)、13(46.8分)、16(56.9分)、19(32.9分)、20(330分)などの従来の化合物よりも著しく長く、代謝安定性も有意に増加したことが分かる。
【0328】
【0329】
【0330】
上記の効果から、次の構造活性関係を事前に得ることができる:(1)
【0331】
【0332】
部分の場合、重水素化修飾は分子の代謝安定性に有意な効果がなく、R2a、R2b及びR2cのみが重水素である場合、分子の抗癌活性を低下させる可能性があり;(2)
【0333】
【0334】
部分の場合、R3、R4及びR5が重水素化メトキシである場合、分子の代謝安定性を高める効果を有し;Xにおいて、分子の代謝に対するハロゲン原子の影響はBr>Clであり;(3)
【0335】
【0336】
部分の場合、N-4位のR6が、Hである場合、R7は、重水素修飾基であり、化合物代謝安定性を高める効果を有し;N-4位のR6が、例えば、重水素化メチルなどの重水素修飾基である場合、R6及びR7の重水素修飾基は、分子代謝安定性に有意な効果がないが、R7が、ジメチルアミノである場合、分子の代謝安定性が優れていた。
【0337】
実施例44 本発明に記載の重水素化1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物の体内代謝安定性
【0338】
1.試験物質:
実施例化合物の静脈内注射群は、混合溶媒DMA:PEG400:30%SBECD=5:25:70で0.2mg/mL溶液に製造したものであり、1mg/kg体重で静脈内投与し;経口製剤群は0.5%MCで1mg/mL溶液に製造したものであり、10mg/kg体重で強制胃内投与した。
【0339】
2.試験動物:
オスBALB/cヌードマウス、4~5週齢、Shanghai SLACから購入した。
【0340】
3.試験方法:
3.1 機器
液体クロマトグラフィーシステム:島津液体クロマトグラフィーシステムShimadzu LC-30AD
MS/MSシステム:Applied Biosystems API5500
データ収集:Analyst Software 1.5.2
3.2 クロマトグラフィー条件
分析カラム:Kinetex 2.6u C18 100A column(3.0mm×30mm)
移動相:A:10mM NH4OAc(0.1% FA);B:Acetonitrile with 0.1% FA
流速:1.0mL/分
勾配:表3
【0341】
【0342】
注入量:10.0μL
カラム温度:RT
【0343】
質量分析条件
イオン源は、負イオン検出を備えたエレクトロスプレーイオン化源(ESI源)であり;スプレー注入電圧:5500V;イオン源ガス1(N2):50psi;イオン源ガス2(N2):50psi;エアカーテンガス(N2):30psi。スキャンモードはマルチプルリアクションモニタリング(MRM)であり、スキャン時間は80msであり、衝突ガス圧は10psiである。
【0344】
3.3 血漿試料の前処理
【0345】
試験の群分けは、各群で3匹ずつであり、即日からそれぞれ動物の体重に応じて投与を開始した。投与後5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、8時間、24時間後に採血した。
【0346】
SAL-0101測定
25.0μLの血漿にそれぞれ25.0μLの内部標準溶液(Tolbutamide(250ng/mL)in acetonitrile)、25.0μLのアセトニトリル及び100μLのアセトニトリルを加え、1分間ボルテックスし、5分間(14000rpm)遠心分離し、120μLの上清を取り、80.0μLの水(1%のギ酸を含む)を加え、均一に混合した後LC/MS/MS分析を実行した。
【0347】
【0348】
【0349】
以上から分かるように、化合物13と比較化合物a、化合物5、7と比較化合物b、化合物6、8と比較化合物c、化合物20、22と比較化合物dを比べて、本発明に関与する実施例の化合物は、体外で特許ZL201610154581.3に開示された活性化合物の肝ミクロソーム代謝安定性を効果的に延長することができ、また体内DMPK試験結果により、開示された化合物の体内半減期も増強できることを示した。
【0350】
実施例45 実施例の化合物は癌幹細胞を死滅させ、その自己再生能力を阻害することができる
【0351】
本発明に関与する一連の実施例の化合物は、腫瘍細胞の増殖を効果的に阻害するだけでなく、体内及び体外で腫瘍幹細胞の増殖を阻害することができ、正常な腫瘍細胞と腫瘍幹細胞の両方を阻害する二機能性薬物として開発が期待される。
【0352】
腫瘍幹細胞は、適切な体外培養条件でsphereを形成することができるが、通常の腫瘍細胞にはそのような能力がないため、体外条件で腫瘍幹細胞を分離して、増殖と分化に対する薬剤の効果を評価するために使用できる。以下では、乳癌細胞株SUM159におけるsphereの形成に対する実施例化合物5、7、11、13、14、20及び21の阻害効果について説明する。
【0353】
Sphereの培養:
乳癌細胞株SUM159 sphereは、無血清培地で超低吸着プレートで培養され、基礎培地DMEM/F12(without phenol red、フェノールレッドを含まない)、B27(without vitamin A、ビタミンAなし)(1x)、EGF(20ng/ml)、bFGF(20ng/ml)、インスリン(insulin、5ug/ml)を加えた。
【0354】
Sphereの薬物処理実験:
各ウェルに等量(4000個)のSUM159細胞を超低吸着24プレートに接種し、5日間培養した後sphereを撮影し、新鮮な培地に交換し、所定の濃度でそれぞれ薬物処理を実行した。本実験で評価された化合物5、7、11、13、14、20及び21は、それぞれ50nMを取って処理した。約3日間薬物処理した後、sphere表現型への影響効果を観察することができた。5日間薬物処理した後、再びsphereを撮影し、次にsphereを継代した。sphereを7日間継代培養した後、また撮影した。
【0355】
3つの異なる段階で撮影された写真の違いを統計・比較し、継代後のsphere形成の違いからSUM159 sphereに対する試験化合物の殺傷効果を試験して、乳癌幹細胞に対する異なる化合物の阻害効果を反映した。
【0356】
実験結果及び結論:
試験化合物5、7、11、13、14、20及び21で処理した後、細胞継代後sphereの形成は有意に減少した。具体的なsphereの形態は
図1に示された通りである。
【0357】
実験結果により、化合物5、7、11、13、14、20及び21は、いずれもSUM159 sphereに対して強い殺傷効果を有し、自己再生能力を失わせることを示した。
【0358】
更に、上記の実験により、試験した実施例の化合物5、7、11、13、14、20及び21は、いずれも乳癌幹細胞とその自己再生能力を阻害できることが確認され、これらの化合物は腫瘍幹細胞を殺傷する効果を有することを示した。
【0359】
実施例46 ヌードマウスにおけるヒト癌異種移植腫瘍の増殖に対する実施例化合物の阻害効果
【0360】
1.試験物質:
実施例化合物を40×のDMSOストック溶液に調製し、使用の前に2.5%のトウェイン80(Tween80)を含む生理食塩水で投与濃度に希釈した;
【0361】
2.試験動物及び腫瘍株:
オズBALB/cヌードマウス、4~5週齢、Beijing Charles River Laboratory Animal Technology Co., Ltd.から購入し、生産許可番号は、SCXK(Beijing)2012-0001であり、マウスは清華大学のSPF級実験動物センターで飼育された。試験に使用される腫瘍株は、ヌードマウスにおけるヒト肺癌NCI-H522異種移植腫瘍、ヌードマウスにおけるヒト結腸癌HCT-116異種移植腫瘍であった。
【0362】
3.試験方法:
腫瘍の成長と全身状態が良好な担癌動物を選択し、頸椎脱臼により殺した。無菌状態で腫瘍塊を摘出し、メスで直径2~3mmの腫瘍塊に切り出し、トロカールでヌードマウスの後脇の下に皮下接種した。腫瘍は自然に増殖し、腫瘍体積が105mm3に成長した後、無作為に群分けし、群分け投与当日をD0とした。
【0363】
試験の群分けは、各群で7~9匹動物であり、即日からそれぞれ動物の体重に応じて投与を開始した。投与中、動物の腫瘍の長径、短径及び体重を2~3日ごとに測定し、式:(1/2)×長径×(短径)2によって腫瘍のサイズを計算し、群分け後27日目(D27)に試験を終了した。実験終了後動物を頸椎脱臼により殺し、腫瘍を剥がし、腫瘍を秤量し、腫瘍増殖に対する薬物の阻害率を計算した。腫瘍体積(TV)と相対腫瘍体積(RTV)を計算した。t検定を使用して、各群の動物の腫瘍重量、腫瘍体積、RTVなどの指標の差の統計的有意性を比較した。
【0364】
計算式は下記の通りである。
【0365】
【0366】
4.試験結果及び検討:
本発明の化合物5を使用して、マウスにおけるNCI-H522肺癌異種移植腫瘍モデルに対する体内での腫瘍抑制能力を評価した。表5の結果から分かるように、特許ZL201610154581.3に開示された活性化合物aと比較して、化合物5の体内抗腫瘍能力が有意に増強され、高投与量群に投与した濃度が50mg/kgである場合、化合物の相対腫瘍阻害率T/C(%)は、14.2に達し、腫瘍阻害率は、90.02%に達する。
【0367】
【0368】
本発明に関与する実施例化合物5、16、20は、ヌードマウスにおけるヒト腸癌HCT-116異種移植腫瘍の増殖を阻害することが実験によって証明されており、これらの化合物が腫瘍阻害薬として開発されることが期待されることを示している。
【0369】
【0370】
腫瘍成長曲線と表5から分かるように、実施例化合物の各治療群マウスの腫瘍体積の増殖速度は溶媒対照群と比べて有意に遅かった。試験終了時の実施例化合物5、16、20のT/C値はそれぞれ34%、38%、30%であり、腫瘍阻害率はそれぞれ69.6%、63.4%、75.4%であった。統計的に有意であった(p<0.001)。本試験において、実施例化合物は有効であると評価することができる。
【0371】
以上、本発明の具体的な実施形態を記述したが、当業者にとって、これらは例示の説明だけで、本発明の原理と実質に反しないという前提下、これらの実施形態に対して様々な変更や修正をすることができる。そのため、本発明の保護範囲は添付の請求の範囲によって限定される。
【国際調査報告】