IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カルディオン ゲーエムベーハーの特許一覧

特表2023-550939挿入ツール付き機械的循環支持システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-06
(54)【発明の名称】挿入ツール付き機械的循環支持システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/13 20210101AFI20231129BHJP
   A61M 60/237 20210101ALI20231129BHJP
   A61M 60/416 20210101ALI20231129BHJP
   A61M 60/419 20210101ALI20231129BHJP
   A61M 60/804 20210101ALI20231129BHJP
   A61M 60/827 20210101ALI20231129BHJP
   A61M 60/867 20210101ALI20231129BHJP
【FI】
A61M60/13
A61M60/237
A61M60/416
A61M60/419
A61M60/804
A61M60/827
A61M60/867
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530567
(86)(22)【出願日】2021-11-18
(85)【翻訳文提出日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 US2021072499
(87)【国際公開番号】W WO2022109591
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】63/116,616
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/116,686
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520469457
【氏名又は名称】カルディオン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】KARDION GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】ミッツェ,マルヴィン
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ,ハンス
(72)【発明者】
【氏名】ポポヴ,ヴラディミール
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァルツ,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ウェニング,レオン
(72)【発明者】
【氏名】ベット,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ファビウンケ,アッティラ
(72)【発明者】
【氏名】ゲルリース,ユリアン
(72)【発明者】
【氏名】ショッファー,ジャン
(72)【発明者】
【氏名】レックス,ヴァレンティーン
(72)【発明者】
【氏名】ベルナー,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】フェルヒ,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ルライ,ハンス-バルドゥング
(72)【発明者】
【氏名】デーリング,トム
(72)【発明者】
【氏名】ブルグハウス,イェンス
(72)【発明者】
【氏名】シェレンベルク,インガ
(72)【発明者】
【氏名】バウムバッハ,ハーディ
(72)【発明者】
【氏名】バッハ,アニカ
(72)【発明者】
【氏名】ストッツ,インゴ
(72)【発明者】
【氏名】カッセル,ユリアン
(72)【発明者】
【氏名】シュエルケ,アルミン
(72)【発明者】
【氏名】ヘネック,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ミンゼンメイ,ダーヴィト
(72)【発明者】
【氏名】シュルブッシュ,トーマス アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,トビアス
(72)【発明者】
【氏名】ピルク,チャロフ
(72)【発明者】
【氏名】ブッディ,マルティナ
(72)【発明者】
【氏名】エーレンプフォルト,リカルド
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,マルク
(72)【発明者】
【氏名】マンスール,アハマド
(72)【発明者】
【氏名】ボイエルレ,ニコ
(72)【発明者】
【氏名】ワッサーマン,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】アイベルガー,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,ケネス,エム.
(72)【発明者】
【氏名】フリードリッヒ,トマス
(72)【発明者】
【氏名】ハインツェ,マリオ
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077DD10
4C077FF04
(57)【要約】
左心室から上行大動脈および全身循環に血液をポンプ注入することによって、左心室負担を積極的に軽減する心臓へのポンプの経カテーテル送達のための、低侵襲小型経皮的機械的循環支持システム。ポンプは、管状ハウジング、モータ、モータによって回転されるように構成されたインペラを含み得る。インペラは、モータによって、シャフトの周りに環状ポリマーシールを有するシャフトを介して、または磁気駆動を介して回転され得る。システムは、管状体を有し、循環支持装置を軸方向に移動可能に受け入れるように構成される挿入ツール、および挿入ツールを軸方向に移動可能に受け入れるように構成されるイントロデューサシースを有してもよい。
【選択図】図26B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的循環支持システムであって、
細長い可撓性カテーテルシャフトによって担持される循環支持装置であって、前記循環支持装置が、管状ハウジング、モータ、および前記モータによって回転されるように構成されたインペラを備える、循環支持装置を備える循環支持カテーテルと、
管状体を有し、前記循環支持装置を軸方向に移動可能に受け入れるように構成された挿入ツールと、
管状体を有し、前記挿入ツールを軸方向に移動可能に受け入れるように構成された、イントロデューサシースと、を備える、機械的循環支持システム。
【請求項2】
前記インペラが、シャフトを介して前記モータによって回転されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記循環支持装置が、前記シャフトの周りに環状ポリマーシールを備える、請求項1~2のいずれかに記載のシステム。
【請求項4】
前記循環支持装置が、前記シャフトの周りにシールを備え、前記シールが、前記インペラに向かって遠位に面するように構成された遠位側面、および前記シャフトと接触し、前記遠位側面から前記モータに向かって近位方向に延在するように構成された半径方向内側リップを有する、遠位半径方向シャフトシールを備える、請求項1~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記モータに向かって近位に面するように構成された近位側面と、前記シャフトと接触し、前記インペラに向かって遠位方向に前記近位側面から延在するように構成された半径方向内側リップとを有する近位半径方向シャフトシールをさらに備える、請求項1~4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記インペラが、磁気カップリングを介して前記モータによって回転されるように構成される、請求項1~5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記イントロデューサシースが、前記イントロデューサシースの近位端上にハブを備え、前記ハブが、前記挿入ツールの軸方向および任意選択的に回転移動を防止するための特徴を有する、請求項1~6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記ハブが、一つまたは複数の止血弁を備える、請求項1~7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記挿入ツールの前記管状体が、前記イントロデューサシースの前記一つまたは複数の止血弁を通過した時に開存性を維持するのに十分な耐圧潰性を有する、請求項1~8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
前記ハブおよび前記ハブと前記イントロデューサシースの前記管状体との間に配置されたリリーフベンドが、前記挿入ツールの前記管状体を軸方向に移動可能に受け入れるように構成される、請求項1~9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
前記挿入ツールが、生理食塩水でフラッシングするように構成される、前記挿入ツールの前記管状体の内側ルーメンと流体連通する弁を有する管を備える、請求項1~10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
前記カテーテルシャフトが、前記イントロデューサシースの近位側面上の視覚マーカの視認性が、前記循環支持装置が前記挿入ツールの前記管状体内に位置することを示すように、前記循環支持装置から近位に間隔を置いた前記視覚マーカを備える、請求項1~11のいずれかに記載のシステム。
【請求項13】
前記循環支持装置の前記管状ハウジングの遠位端上に第一のガイドワイヤポート、前記循環支持装置の前記管状ハウジングの側壁上および前記インペラの遠位に第二のガイドワイヤポート、ならびに前記インペラの近位側面上に第三のガイドワイヤポートをさらに備える、請求項1~12のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
前記挿入ツールの前記管状体の遠位端が、前記第一のガイドワイヤポートを通したガイドワイヤの進入を容易にするように構成されたガイドワイヤ補助具に分離可能に接続する、請求項1~13のいずれかに記載のシステム。
【請求項15】
取り外し可能なガイドワイヤガイドチューブが、前記管状ハウジングの前記遠位端上の前記第一のガイドワイヤポートに進入し、前記インペラの遠位の前記管状ハウジングの前記側壁上の前記第二のガイドワイヤポートを介して前記管状ハウジングから出て、前記インペラの前記近位側面上の前記第三のガイドワイヤポートを介して前記管状ハウジングに再進入し、前記カテーテルシャフト内に近位に延在する、請求項1~14のいずれかに記載のシステム。
【請求項16】
前記挿入ツールの前記管状体が、前記取り外し可能なガイドワイヤガイドチューブで前記循環支持装置を受け入れるように構成される、請求項1~15のいずれかに記載のシステム。
【請求項17】
前記挿入ツールの前記管状体および前記ガイドワイヤガイドチューブが透明である、請求項1~16のいずれかに記載のシステム。
【請求項18】
前記挿入ツールの前記管状体が、約85mm~約160mmの範囲内の長さ、および約4.5mm~約6.5mmの範囲内の内径を有する、請求項1~17のいずれかに記載のシステム。
【請求項19】
前記循環支持装置の前記管状ハウジングが、モータハウジングと連結された入口管であって、前記入口管が、一つまたは複数の遠位ポンプ入口および一つまたは複数の近位ポンプ出口を有する、入口管、および前記一つまたは複数の近位ポンプ出口に隣接する前記インペラを備える、請求項1~18のいずれかに記載のシステム。
【請求項20】
前記システムがパージを必要としない、請求項1~19のいずれかに記載のシステム。
【請求項21】
前記イントロデューサシースが、16フレンチ(Fr)シースである、請求項1~20のいずれかに記載のシステム。
【請求項22】
前記循環支持装置が、約6時間の間、約4.0リットル/分(l/分)の血液の流量を提供するように構成される、請求項1~21のいずれかに記載のシステム。
【請求項23】
前記挿入ツールが止血弁を備える、請求項1~22のいずれかに記載のシステム。
【請求項24】
前記挿入ツールが、滅菌シールドスリーブに接続するように構成された前記挿入ツールの近位端に配置されたプラグを備える、請求項1~23のいずれかに記載のシステム。
【請求項25】
前記挿入ツールが、係止機構を備え、前記係止機構が、前記循環支持カテーテルと解除可能にロックするように構成された係止パッドを受け入れるように構成された凹部を備える、請求項1~24のいずれかに記載のシステム。
【請求項26】
前記挿入ツールが、前記係止機構の少なくとも一部分を囲むハウジングを備え、前記ハウジングが、対向する第二の内面壁よりも離れて間隔を置いた対向する第一の内面壁を備え、前記係止機構の前記少なくとも一部分が半径方向外側に延在するタブを備え、前記ハウジングが回転して前記タブを内向きに圧縮し、前記循環支持カテーテルの軸方向移動を防止するように構成される、請求項1~25のいずれかに記載のシステム。
【請求項27】
前記係止機構の前記タブの内向きの圧縮が、前記循環支持カテーテルに対して前記係止パッドを圧縮する、請求項1~26のいずれかに記載のシステム。
【請求項28】
機械的循環支持システムであって、
近位端および遠位端を有する細長い可撓性カテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの前記遠位端によって担持される循環支持装置であって、前記循環支持装置が、管状ハウジング、モータ、および前記モータによって回転されるように構成されたインペラを備える、循環支持装置と、を備え、
前記循環支持装置が、前記システムをパージすることなく、約6時間の間、最大約4.0リットル/分(l/分)の血液の流量を提供するように構成される、機械的循環支持システム。
【請求項29】
前記インペラが、シャフトを介して前記モータによって回転されるように構成される、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記循環支持装置が、前記シャフトの周りに環状ポリマーシールを備える、請求項28~29のいずれかに記載のシステム。
【請求項31】
前記循環支持装置が、前記シャフトの周りにシールを備え、前記シールが、前記インペラに向かって遠位に面するように構成された遠位側面、および前記シャフトと接触し、前記遠位側面から前記モータに向かって近位方向に延在するように構成された半径方向内側リップを有する、遠位半径方向シャフトシールを備える、請求項28~30のいずれかに記載のシステム。
【請求項32】
前記モータに向かって近位に面するように構成された近位側面と、前記シャフトに接触し、前記インペラに向かって遠位方向に前記近位側面から延在するように構成された半径方向内側リップとを有する近位半径方向シャフトシールをさらに備える、請求項28~31のいずれかに記載のシステム。
【請求項33】
前記インペラが、磁気カップリングを介して前記モータによって回転されるように構成される、請求項28~32のいずれかに記載のシステム。
【請求項34】
管状体を有し、前記循環支持装置を軸方向に移動可能に受け入れるように構成された挿入ツールをさらに備える、請求項28~33のいずれかに記載のシステム。
【請求項35】
管状体を有し、前記挿入ツールを軸方向に移動可能に受け入れるように構成されたイントロデューサシースをさらに備える、請求項28~34のいずれかに記載のシステム。
【請求項36】
パージ構成要素を含まないコントローラをさらに備える、請求項28~35のいずれかに記載のシステム。
【請求項37】
前記コントローラが、パージ用のカセットまたはポートを含まない、請求項28~36のいずれかに記載のシステム。
【請求項38】
前記インペラが、ブレードの骨格線の一つまたは複数の湾曲部分によって画定される波形状の静翼湾曲を有する近位静翼セクションを有する前記ブレードを備える、請求項28~37のいずれかに記載のシステム。
【請求項39】
前記循環支持装置の前記管状ハウジングが、主本体を有する入口管を備え、前記主本体が、
前記入口管を前記循環支持装置のヘッドユニットに取り付けるように構成された前記主本体の第一の端部における第一の取り付けセクションと、
前記主本体の第二の端部における第二の取り付けセクションと、を備え、前記第一の取り付けセクションが、形態係止および/または力係止様式で前記ヘッドユニットに接続するように構成され、前記主本体が、前記第一の取り付けセクションと前記第二の取り付けセクションとの間に少なくとも一つの補強凹部を備える構造セクションをさらに備える、請求項28~38のいずれかに記載のシステム。
【請求項40】
前記インペラが、波動ブレード湾曲を有する少なくとも一つのブレードセクションを有するブレードを備える、請求項28~39のいずれかに記載のシステム。
【請求項41】
前記循環支持装置の前記管状ハウジングが、入口および出口を有する入口管を備え、前記出口および前記波動ブレード湾曲を有する前記ブレードセクションが、少なくとも部分的に軸方向にオーバーラップする、請求項28~40のいずれかに記載のシステム。
【請求項42】
前記インペラが、
キャンバ線を有する輪郭を有するブレード要素であって、平面に巻き出された時に前記キャンバ線のそれぞれの湾曲が、前記出口開口部に向かって前記ポンプ吸気セクションから開始し、前記ブレード要素のブレード角度(β)が最大である屈曲点に向かう方向に、回転軸に沿って増大し、前記キャンバ線のそれぞれの前記湾曲が前記屈曲点の後に減少する、ブレード要素を備え、
前記インペラの回転軸に対して半径方向に位置し、25%≦SH/SHMAX≦100%となるように、最大ブレード高さSHMAXに対して画定される前記ブレード要素のブレード高さSHを有する前記インペラの領域において、前記キャンバ線のそれぞれの前記屈曲点が、前記管状ハウジングの入口管の出口開口部の上流縁部の領域に位置する、請求項28~41のいずれかに記載のシステム。
【請求項43】
前記血液の流出を容易にするように構成された出口開口部を備える前記管状ハウジングと、
前記管状ハウジングと連結するように構成されたディフューザであって、動作位置で、前記ディフューザが、前記血液が前記出口開口部を通過した後、前記血液を前記出口開口部に横方向に誘導するように構成される、ディフューザと、をさらに備える、請求項28に記載のシステム。
【請求項44】
前記管状ハウジングが、少なくとも一つのメッシュワイヤから形成されるメッシュ構造を有するメッシュセクションを有する入口管を備える、請求項28~43のいずれかに記載のシステム。
【請求項45】
前記メッシュセクションが、曲げ点で鈍角で曲げられる、請求項28~44のいずれかに記載のシステム。
【請求項46】
前記管状ハウジングが、入口管を通して前記血液を搬送するための前記入口管と、前記入口管の遠位端に縮小直径セクションとを備える、請求項28~45のいずれかに記載のシステム。
【請求項47】
前記管状ハウジングが、
流体流れを供給ラインに受け入れるための少なくとも一つの導入開口部を備える供給ヘッド部分と、
前記供給ヘッド部分に隣接して配置され、内面輪郭を備える輪郭部分であって、前記内面輪郭が、第一の位置に第一の内径と、第二の位置に第二の内径と、第三の位置に第三の内径を備え、前記第一の内径が前記第二の内径よりも大きく、前記第三の内径が前記第二の内径より大きく、前記第一の内径は、前記輪郭部分の最大内径を備え、前記第二の内径は、前記輪郭部分の最小内径を備え、前記内面輪郭が、前記第二の位置に丸みを帯びた部分を備え、前記輪郭部分が、前記第一の位置に第一の内側半径と、前記第二の位置に第二の内側半径とを備え、前記第二の内側半径が、前記第一の内側半径よりも最大で1/5小さく、前記第二の位置が、前記第三の位置と前記第一の位置との間に位置する、輪郭部分と、を備える、請求項28~46のいずれかに記載のシステム。
【請求項48】
前記管状ハウジングが、前記管状ハウジングの遠位端に放射線不透過性マーカを含む、請求項28~47のいずれかに記載のシステム。
【請求項49】
前記管状ハウジングが、入口管の遠位端にノーズピースを有する前記入口管を備え、前記ノーズピースが放射線不透過性マーカを備える、請求項28~48のいずれかに記載のシステム。
【請求項50】
前記挿入ツールが止血弁を備える、請求項28~49のいずれかに記載のシステム。
【請求項51】
前記挿入ツールが、係止機構を備え、前記係止機構が、前記カテーテルシャフトに解除可能にロックするように構成された係止パッドを受け入れるように構成された凹部を備える、請求項28~50のいずれかに記載のシステム。
【請求項52】
前記挿入ツールが、前記係止機構の少なくとも一部分を囲むハウジングを備え、前記ハウジングが、対向する第二の内面壁よりも離れて間隔を置いた対向する第一の内面壁を備え、前記係止機構の前記少なくとも一部分が半径方向外側に延在するタブを備え、前記ハウジングが、回転して前記タブを内向きに圧縮し、前記カテーテルシャフトの軸方向移動を防止するように構成される、請求項28~51のいずれかに記載のシステム。
【請求項53】
前記係止機構の前記タブの内向きの圧縮が、前記係止パッドを前記カテーテルシャフトに対して圧縮する、請求項28~52のいずれかに記載のシステム。
【請求項54】
前記イントロデューサシースが、前記イントロデューサシースの近位端上にハブを備え、前記ハブが、前記挿入ツールの軸方向および任意選択的に回転する移動を防止するための特徴を有する、請求項28~53のいずれかに記載のシステム。
【請求項55】
前記ハブが、一つまたは複数の止血弁を備える、請求項28~54のいずれかに記載のシステム。
【請求項56】
前記挿入ツールの前記管状体が、前記イントロデューサシースの前記一つまたは複数の止血弁を通過した時に開存性を維持するのに十分な耐圧潰性を有する、請求項28~55のいずれかに記載のシステム。
【請求項57】
前記ハブおよび前記ハブと前記イントロデューサシースの前記管状体との間に配置されたリリーフベンドが、前記挿入ツールの前記管状体を軸方向に移動可能に受け入れるように構成される、請求項28~56のいずれかに記載のシステム。
【請求項58】
前記挿入ツールが、生理食塩水でフラッシングするように構成される、前記挿入ツールの前記管状体の内側ルーメンと流体連通する弁を有する管を備える、請求項28~57のいずれかに記載のシステム。
【請求項59】
前記循環支持装置の前記管状ハウジングの遠位端に第一のガイドワイヤポート、前記循環支持装置の前記管状ハウジングの側壁および前記インペラの遠位に第二のガイドワイヤポート、および前記インペラの近位側面に第三のガイドワイヤポートをさらに備える、請求項28~58のいずれかに記載のシステム。
【請求項60】
前記挿入ツールの前記管状体の遠位端が、前記第一のガイドワイヤポートを通したガイドワイヤの進入を容易にするように構成されたガイドワイヤ補助具に分離可能に接続する、請求項28~59のいずれかに記載のシステム。
【請求項61】
取り外し可能なガイドワイヤガイドチューブが、前記管状ハウジングの前記遠位端上の前記第一のガイドワイヤポートに進入し、前記インペラの遠位の前記管状ハウジングの前記側壁上の前記第二のガイドワイヤポートを介して前記管状ハウジングから出て、前記インペラの前記近位側面上の前記第三のガイドワイヤポートを介して前記管状ハウジングに再進入し、前記カテーテルシャフト内に近位に延在する、請求項28~60のいずれかに記載のシステム。
【請求項62】
前記挿入ツールの前記管状体が、前記取り外し可能なガイドワイヤガイドチューブで前記循環支持装置を受け入れるように構成される、請求項28~61のいずれかに記載のシステム。
【請求項63】
前記挿入ツールの前記管状体および前記ガイドワイヤガイドチューブが透明である、請求項28~62のいずれかに記載のシステム。
【請求項64】
前記挿入ツールが、滅菌シールドスリーブに接続するように構成された前記挿入ツールの近位端に配置されたプラグを備える、請求項28~63のいずれかに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先出願への参照による援用]
外国または国内の優先権の主張が本出願によって出願された出願データシートに特定されている任意およびすべての出願は、参照により、37 CFR 1.57に基づき本明細書に組み込まれる。例えば、本出願は、MECHANICAL LEFT VENTRICULAR SUPPORT SYSTEM FOR CARDIOGENIC SHOCKと題する、2020年11月20日に出願された米国仮特許出願第63/116616号、SEAL FOR A MECHANICAL CIRCULATORY SUPPORT DEVICEと題する、2021年8月4日に出願された米国仮特許出願第63/229436号、およびMECHANICAL CIRCULATORY SUPPORT SYSTEM FOR HIGH RISK CORONARY INTERVENTIONSと題する2020年11月20日に出願された米国仮特許出願第63/116686号に対する優先権を主張するものであり、それらのそれぞれの内容全体は、すべての目的に対してその全体が参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する。
【背景技術】
【0002】
機械的循環支持システムは、様々な医療処置中に血液をポンプで送ることを支援するために、および/または特定の心臓状態のための療法として使用され得る。例えば、心原性ショック(CS)は、一般的な死因であり、治療選択肢の進歩にもかかわらず、管理は依然として困難である。CSは、心拍出量の減少、末端臓器の灌流低下、および低酸素症をもたらす心筋性能の重度の低下により引き起こされる。臨床的には、これは、即時の薬理学的介入または機械的介入を必要とする末端臓器の灌流低下の特徴を有する、容量の蘇生に対して難治性低血圧として現れる。急性心筋梗塞(MI)は、CSの患者の約80%超を占める。
【0003】
さらなる例として、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、狭窄冠動脈を再血行再建するための非外科的処置である。PCIは、例えば、バルーン血管形成術、ステント移植、ロータブレーションおよびリトリプシーなどの様々な技術を含む。PCIは、患者が関連する併存疾患(例えば、虚弱または高齢)を有するか、PCI自体が非常に複雑(例えば、分岐または完全閉塞)であるか、または血行動態ステータスが困難である(例えば、心室機能の障害)場合、高リスクとみなされる。
【0004】
CSのための急性療法として、およびPCI中の一時的な支援として、患者の身体への経皮的挿入のために、小型のカテーテルベースの心臓内血液ポンプが開発された。しかしながら、ポンプに対する既存のソリューションには、例えば、不十分な血流、ポンプ内の継続的なモータパージの要求、望ましくないほど高い溶血、および血行動態パラメータの不十分な感知など、様々な性能の欠陥がある。したがって、これらおよび他の欠点を克服する特徴を有する機械的循環支持システムに対するニーズが依然として存在する。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に開示される実施形態はそれぞれ、複数の態様を有し、そのうちの一つだけが、本開示の望ましい特性に対して責任を負うものではない。本開示の範囲を制限することなく、そのより顕著な特徴をここで簡単に説明する。この説明を検討した後、特に「発明を実施するための形態」と題されたセクションを読んだ後、本明細書に記載の実施形態の特徴が、循環支持システムの既存のシステム、装置、および方法に対してどのように利点を提供するかを理解するであろう。
【0006】
以下の開示は、一部の実施形態の非限定的な例を説明する。例えば、本開示のシステムおよび方法の他の実施形態は、本明細書に記載される特徴を含み得るか、または含まない場合がある。さらに、開示された利点および利益は、特定の実施形態にのみ適用することができ、本開示の制限に使用されてはならない。
【0007】
機械的循環支持システム、装置および方法の様々な態様および実施形態が本明細書に記載されている。機械的循環支持システム、装置および方法は、以下の特徴のうちの一つまたは複数を有し得る。循環支持カテーテルを備える機械的循環支持システムは、細長い可撓性カテーテルシャフトによって担持される循環支持装置であって、循環支持装置が管状ハウジング、モータ、シャフトを介してモータによって回転されるように構成されたインペラ、およびシャフトの周りの環状ポリマーシールを備える、循環支持装置と、管状体を有し、循環支持装置を軸方向に移動可能に受け入れるように構成された挿入ツールと、管状体を有し、挿入ツールを軸方向に移動可能に受け入れるように構成されたイントロデューサシースとを備え、イントロデューサシースが、イントロデューサシースの近位端上にハブであって、ハブが挿入ツールの軸方向移動を防止するためのロックを有する、ハブを備え、ハブが、一つまたは複数の止血弁を備え、挿入ツールの管状体が、イントロデューサシースの止血弁を通過するときに開存性を維持するのに十分な耐圧潰性を有し、カテーテルシャフトが、イントロデューサシースの近位側面上の視覚マーカの視認性が、循環支持装置が挿入ツールの管状体内に位置することを示すように、循環支持装置から近位に間隔を置いた視覚マーカを備え、システムが、循環支持装置の管状ハウジングの遠位端上に第一のガイドワイヤポートと、循環支持装置の管状ハウジングの側壁上およびインペラの遠位にある第二のガイドワイヤポートと、インペラの近位側面上にある第三のガイドワイヤポートとをさらに備え、挿入ツールの管状体は、約85mm~約160mmの範囲内の長さ、および約4.5mm~約6.5mmの範囲内の内径を有し、循環支持装置の管状ハウジングが、モータハウジングと連結された入口管であって、入口管が一つまたは複数の遠位ポンプ入口および一つまたは複数の近位ポンプ出口を有する、入口管と、一つまたは複数の近位ポンプ出口に隣接するインペラと、を備え、システムがパージを必要とせず、イントロデューサシースが16フレンチ(Fr)シースであり、循環支持装置が、約4.0リットル/分(l/分)で約6時間の血液の流量を提供するように構成され、挿入ツールが止血弁を備え、挿入ツールが、係止機構であって、係止機構が循環支持カテーテルと解除可能にロックするように構成された係止パッドを受けるように構成された凹部を備える、係止機構を備え、挿入ツールが、係止機構の少なくとも一部分を囲むハウジングであって、ハウジングが、対向する第二の内面壁よりもさらに離れて間隔を置いた対向する第一の内面壁を備える、ハウジングを備え、係止機構の少なくとも一部分が半径方向外側に延在するタブを備え、ハウジングが回転してタブを内向きに圧縮し、循環支持カテーテルの軸方向移動を防止するように構成され、係止機構のタブの内向き圧縮が、循環支持カテーテルに対して係止パッドを圧縮し、インペラが、シャフトを介してモータによって回転するように構成され、循環支持装置が、シャフトの周りに環状ポリマーシールを備え、循環支持装置が、シャフトの周りにシールであって、シールが、インペラに向かって遠位に面するように構成された遠位側面と、シャフトと接触し、遠位側面からモータに向かって近位方向に延在するように構成された半径方向内側リップとを有する遠位半径方向シャフトシールを備える、シールを備え、モータに向かって近位に面するように構成された近位側面と、シャフトと接触し、近位側面からインペラに向かって遠位方向に延在するように構成された半径方向内側リップとを有する近位半径方向シャフトシールをさらに備え、インペラが、磁気カップリングを介してモータによって回転するように構成され、イントロデューサシースが、イントロデューサシースの近位端上にハブであって、ハブが、挿入ツールの軸方向および任意選択的に回転移動を防止する特徴を有する、ハブを備え、ハブおよびハブとイントロデューサシースの管状体との間に配置されたリリーフベンドが、挿入ツールの管状体を軸方向に移動可能に受け入れるように構成され、挿入ツールが、生理食塩水でフラッシングするように構成された挿入ツールの管状体の内側ルーメンと流体連通する弁を有する管を備え、挿入ツールの管状体の遠位端が、第一のガイドワイヤポートを通したガイドワイヤの進入を容易にするように構成されたガイドワイヤ補助具に分離可能に接続され、管状ハウジングの遠位端上の第一のガイドワイヤポートに、取り外し可能なガイドワイヤガイドチューブが入り、インペラの遠位の管状ハウジングの側壁上の第二のガイドワイヤポートを介して管状ハウジングから出て、インペラの近位側面上の第三のガイドワイヤポートを介して管状ハウジングに再進入し、カテーテルシャフト内に近位に延在し、挿入ツールの管状体が、取り外し可能なガイドワイヤガイドチューブを有する循環支持装置を受けるように構成され、挿入ツールの管状体およびガイドワイヤガイドチューブが透明であり、挿入ツールが、滅菌シールドスリーブに接続するように構成された挿入ツールの近位端に配置されたプラグを備え、機械的循環支持システムが近位端および遠位端を有する細長い可撓性カテーテルシャフトを備え、循環支持装置であって、循環支持装置が管状ハウジング、モータ、およびモータによって回転するように構成されたインペラを備える、循環支持装置がカテーテルシャフトの遠位端によって担持され、循環支持装置は、システムをパージすることなく、最大約4.0リットル/分(l/分)で約6時間血液の流量を提供するように構成され、システムが、管状体を有し、循環支持装置を軸方向に移動可能に受け入れるように構成された挿入ツールをさらに備え、システムは、管状体を有し、挿入ツールを軸方向に移動可能に受け入れるように構成されたイントロデューサシースをさらに備え、システムが、パージ構成要素を含まないコントローラをさらに備え、コントローラが、パージ用のカセットまたはポートを含まず、インペラが、ブレードの骨格線の一つまたは複数の湾曲部分によって画定される波形状の静翼湾曲を有する近位静翼セクションを有するブレードを備え、循環支持装置の管状ハウジングが、主本体を有する入口管を備え、主本体が、入口管を循環支持装置のヘッドユニットに取り付けるように構成された主本体の第一の端部に第一の取り付けセクション、および主本体の第二の端部に第二の取り付けセクションを備え、第一の取り付けセクションが、形態係止および/または力係止様式でヘッドユニットに接続するように構成され、主本体が、第一の取り付けセクションと第二の取り付けセクションとの間の少なくとも一つの補強凹部を備える構造セクションをさらに備え、インペラが、波動ブレード湾曲を有する少なくとも一つのブレードセクションを有するブレードを備え、循環支持装置の管状ハウジングが、入口および出口を有する入口管を備え、波動ブレード湾曲を有する出口およびブレードセクションが、少なくとも部分的に軸方向にオーバーラップし、インペラが、キャンバ線を有する輪郭を有するブレード素子を備え、平面に巻き出された時のキャンバ線のそれぞれの湾曲が、出口開口部に向かってポンプ吸気セクションから開始し、ブレード要素のブレード角度(β)が最大である屈曲点に向かう方向に、回転軸に沿って増加し、キャンバ線のそれぞれの湾曲は、屈曲点の後に減少し、インペラの回転軸に対して半径方向に位置し、25%≦SH/SHMAX≦100%となるように最大ブレード高さSHMAXに対して画定されるブレード要素のブレード高さSHを有する、インペラの領域において、キャンバ線のそれぞれの屈曲点が、管状ハウジングの入口管の出口開口部の上流縁の領域に位置し、システムが、血液の流出を容易にするように構成された出口開口部と、管状ハウジングと連結するように構成されたディフューザとを備える管状ハウジングをさらに備え、動作位置では、ディフューザが、血液が出口開口部を通過した後、出口開口部に血液を横方向に誘導するように構成され、管状ハウジングが、少なくとも一つのメッシュワイヤから形成されたメッシュ構造を有するメッシュセクションを有する入口管を備え、メッシュセクションが曲げ点で鈍角に曲げられ、管状ハウジングが、血液を入口管を通して搬送するための入口管、および入口管の遠位端に縮小直径セクションを備え、管状ハウジングが、流体流れを供給ラインに受け入れるための少なくとも一つの導入開口部を備える供給ヘッド部分、および供給ヘッド部分に隣接して配置され、内面輪郭を含む輪郭部分を備え、内面輪郭が、第一の位置に第一の内径、第二の位置に第二の内径、および第三の位置に第三の内径を備え、第一の内径が第二の内径よりも大きく、第三の内径が第二の内径よりも大きく、第一の内径は、輪郭部分の最大内径を備え、第二の内径は、輪郭部分の最小内径を備え、内面輪郭は、第二の位置に丸みを帯びた部分を備え、輪郭部分が、第一の位置に第一の内側半径、および第二の位置に第二の内側半径を備え、第二の内側半径が、第一の内側半径よりも最大で1/5小さく、第二の位置が、第三の位置と第一の位置との間に位置し、管状ハウジングが、管状ハウジングの遠位端に放射線不透過性マーカを備え、管状ハウジングが、入口管の遠位端にノーズピースであって、ノーズピースが放射線不透過性マーカを備える、ノーズピースを有する入口管を備え、挿入ツールが止血弁を備え、挿入ツールが、係止機構であって、係止機構がカテーテルシャフトと解除可能にロックするように構成された係止パッドを受け入れるように構成された凹部を備える、係止機構を備え、挿入ツールが、係止機構の少なくとも一部分を囲むハウジングであって、ハウジングが、対向する第二の内面壁よりもさらに離れて間隔を置いた対向する第一の内面壁を含む、ハウジングを備え、係止機構の少なくとも一部分が半径方向外側に延在するタブを備え、ハウジングが回転してタブを内向きに圧縮し、カテーテルシャフトの軸方向移動を防止するように構成され、係止機構のタブの内向き圧縮が、カテーテルシャフトに係止パッドを圧縮し、低侵襲小型経皮的機械的循環支持システムが単一の大腿動脈アクセスポイントを介して大動脈弁を横切って配置され、システムが、8フレンチサイズカテーテルの遠位端によって担持されるロープロファイル軸方向回転血液ポンプを含むことができ、システムを、大腿動脈を通して経皮的に挿入し、大動脈弁を横切って左心室内に位置付けることができ、装置が、左心室から上行大動脈および全身循環に血液をポンプ注入することによって、左心室負担を積極的に軽減し、インペラが、シャフトを介してモータによって回転するように構成され、循環支持装置が、シャフトの周りに環状ポリマーシールを備え、循環支持装置が、シャフトの周りにシールであって、シールが、インペラに向かって遠位に面するように構成された遠位側面と、シャフトと接触し、遠位側面からモータに向かって近位方向に延在するように構成された半径方向内側リップとを有する遠位半径方向シャフトシールを備える、シールを備え、モータに向かって近位に面するように構成された近位側面と、シャフトと接触し、近位側面からインペラに向かって遠位方向に延在するように構成された半径方向内側リップと、を有する近位半径方向シャフトシールをさらに備え、インペラが、磁気カップリングを介してモータによって回転するように構成され、イントロデューサシースが、イントロデューサシースの近位端上にハブであって、
ハブが、挿入ツールの軸方向および任意選択的に回転移動を防止する機構を有する、ハブを備え、ハブとイントロデューサシースの管状体との間に配置されたリリーフベンドとが、挿入ツールの管状体を軸方向に移動可能に受け入れるように構成され、挿入ツールが、生理食塩水でフラッシングするように構成された挿入ツールの管状体の内側ルーメンと流体連通する弁を有する管を備え、挿入ツールの管状体の遠位端が、第一のガイドワイヤポートを通したガイドワイヤの進入を容易にするように構成されたガイドワイヤ補助具に分離可能に接続され、管状ハウジングの遠位端上の第一のガイドワイヤポートに、取り外し可能なガイドワイヤガイドチューブが進入し、インペラの遠位の管状ハウジングの側壁上の第二のガイドワイヤポートを介して管状ハウジングから出て、インペラの近位側面上の第三のガイドワイヤポートを介して管状ハウジングに再進入し、カテーテルシャフト内に近位に延在し、挿入ツールの管状体が、取り外し可能なガイドワイヤガイドチューブを有する循環支持装置を受けるように構成され、挿入ツールの管状体およびガイドワイヤガイドチューブが透明であり、挿入ツールが、滅菌シールドスリーブに接続するように構成された挿入ツールの近位端に配置されたプラグを備え、高リスク冠動脈インターベンションのための機械的循環支持システムが、近位端および遠位端を有する細長い可撓性カテーテルシャフトと、シャフトの遠位端によって担持される循環支持装置であって、循環支持装置が、近位端および遠位端を有する管状ハウジングと、ハウジング内のインペラと、ハウジングの遠位端上の第一のガイドワイヤポートに進入し、インペラの遠位にあるハウジングの側壁上の第二のガイドワイヤポートを介してハウジングを出て、インペラの近位側面にある第三のガイドワイヤポートを介してハウジングに再進入し、カテーテルシャフト内に近位に延在する、取り外し可能なガイドワイヤガイドチューブと、を含む循環支持装置とを含み、システムは、ハウジング内の、インペラを回転させるように構成されたモータを含んでもよく、モータが、第三のガイドワイヤポートの遠位に位置付けられてもよく、管状ハウジングが、60mm~100mmの範囲の軸長さを有してもよく、システムが、インペラと連通する管状ハウジング上の血液出口ポートおよび血液出口ポートから遠位に間隔を置いたハウジング上の血液取り込みポートを含んでもよく、ハウジングは、外側ポリマースリーブによって覆われた可撓性スロット付き管を含んでもよく、システムは、管状ハウジングの内側に密封されたモータハウジングを含んでもよく、高リスク冠動脈インターベンションのための機械的循環支持システムは、細長い可撓性カテーテルシャフトによって担持される循環支持装置と、管状体を有し、循環支持装置を軸方向に移動可能に受け入れるように構成された挿入ツールと、管状体を有し、挿入ツールを軸方向に移動可能に受け入れるように構成される、アクセスシース(本明細書ではイントロデューサシースとも呼ぶ)と、を含む循環支持カテーテルを含み、アクセスシースが、挿入ツールと係合するための挿入ツールロックを有する、アクセスシースハブを含んでもよく、アクセスシースハブが、アクセスシースハブをカテーテルシャフトに係止するためのカテーテルシャフトロックを備えてもよく、コントローラがパージ構成要素を含まない、機械的循環支持システムのモータを駆動するように構成されたコントローラが提供されてもよく、パージ構成要素がカセットまたはポートを含んでもよく、システムがパージを必要とせず、電子部品を取り付けるためのハウジングと、ハウジングの上部に配置されたハンドルとを有する機械的循環支持システムのモータを駆動するように構成されたコントローラが提供されてもよく、コントローラが、ハウジングの上部上のハンドルの周りに巻かれた視覚的警報要素を含むことができ、ハウジングは、複数の制御要素を含まなくてもよく、制御要素が、回転ダイヤルであってもよく、制御要素が、ハウジングの第一の端部上に位置付けられてもよく、コントローラがケーブル管理システムであって、該ケーブル管理システムが、第一の端部の反対側の第二の端部上に位置付けられる、ケーブル管理システムを含んでもよく、コントローラは、ハウジングの後面上に回転式固定取付具を含んでもよく、心原性ショックを経験する患者の治療に最適化された、低侵襲小型経皮的機械的左心室支持システムが備えられてもよく、システムが、軸回転血液ポンプおよび9フレンチサイズのカテーテルの遠位端で担持される、細長い入口管を含むロープロファイル(例えば、18Fr~19Fr)の心室支持装置(VSD)を含んでもよく、大動脈弁を横切って左心室内にVSDを及ぼすようにシステムを位置付けてもよく、システムは、左心室から上行大動脈および全身循環に血液をポンプ注入することによって、左心室負担を積極的に軽減し、60mmHgで毎分最大約6Lの流量を提供することができ、0.6L/分~6L/分の流量が提供されてもよく、血管内アクセスは、18~19フレンチサイズVSDに対応するために拡張可能な8~16Fr(例えば、8~10.5Fr)のイントロデューサシースを使用して達成することができ、経皮経大腿穿刺によるアクセス、または外科的切断による補助的アクセスがなされてもよく、イントロデューサシースは、ガイドワイヤ、ダイレータ、挿入ツール、およびガイドワイヤ補助具も含み得るイントロデューサキットの一部であってもよく、モータが、モータハウジング内のカプセル化によって完全に密封されてもよく、モータが、シャフトがハウジングを離れる必要なしにインペラを駆動することを可能にする磁気カップリングを有し、磁気カップリングが、モータハウジングの外側に位置し、インペラに機械的に連結された円筒形ドリブン磁石アレイ内に同心に位置付けられ、モータハウジング内に位置付けられた円筒形ドライビング磁石アレイを含むことができ、インペラが、モータハウジングに対して、ピボット宝石ベアリングの周りを回転し、磁気カップリングが、磁気カップリングの近位端および遠位端上のフラッシング穴を通る一定の血流によってフラッシングされ、密封されたモータは、特定の競合装置に必要なパージプロセスを排除することを可能にし、配置後のデバイスの移動は、カテーテルシャフトによって担持される、大動脈内での固着を提供する、血管内アンカーによって抑制されてもよく、アンカーが、カテーテルシャフトによって担持され、大動脈壁と接触し、シャフトを移動に対して固定すると同時に、アンカー支柱を通した灌流を可能にするように構成される、複数の半径方向外側に拡張可能な支柱を含み、移動は、カテーテルシャフトを固定位置で、縫合で動脈切開に保持されたイントロデューサシースと係合する係止機構によって抑制されてもよく、したがって、カテーテルシャフトを血管内アクセス経路に対してさらに保持し、オンボードセンサは、所望の臨床性能に応じて大動脈圧、左心室圧(左心室拡張末期圧または「LVEDP」を含む)の温度および血流速度、またはその他などの関心対象の任意の様々なパラメータのリアルタイム実測定を可能にしてもよく、センサは、血液流出ポートの遠位側面上の入口管の遠位端など、デバイスの遠位端に含まれてもよく、血液流出ポートの近位など、細長い本体の近位端上に追加のセンサが提供されてもよく、特定のセンサは、絶対左心室圧の直接測定のため少なくとも第一のMEMS圧力および温度センサを含むことができ、センサは、LVEDPなどの重要な生理学的パラメータの抽出を可能にし、ポンプを通るか、または任意選択的にポンプの周りの血流量の直接の測定用に超音波振動子が提供されてもよく、超音波振動子表面は、湾曲し、焦点の増大および高感度のため構成することができ、第二のMEMS圧力および温度センサが、絶対大動脈圧の直接測定を可能にし、差圧測定を可能にするため入口管の前記近位端上に設けられてもよく、レーザドップラ、熱または電気インピーダンスセンサなどの他の形態のセンサを、流量を評価するために使用し使用してもよく、可撓性の導電体は、遠位センサおよび近位センサを統合システムに接続するため入口管の長さに沿って延在してもよく、可撓性導電体は、可撓性PCBの形態であってもよく、近位センサと遠位センサとの間の、入口管の周りにらせん状に軸方向に延在することができ、マルチコンダクタケーブルバンドルは、外部電子制御ユニットへの取り外し可能な接続用に、細長い、可撓性の管状体を通って、近位マニホールドのコネクタに近位に延在し、心原性ショックのための機械的心室支持システムは、近位端および遠位端を有する、細長い可撓性カテーテルシャフトと、シャフトの遠位端によって担持される心室支持装置であって、心室支持装置が心室支持装置ハウジングを含む、心室支持装置と、ドライブ磁石アレイに対して回転固定されたモータと、ドリブン磁石アレイに対して回転固定されたインペラと、心室支持装置ハウジングの内側にあり、モータおよびドライブ磁石アレイを収容する密封されたモータハウジングと、を含み、システムが、取り外し可能なガイドワイヤガイドチューブを含んでもよく、ガイドチューブが、ハウジングの遠位端上の第一のガイドワイヤポートに進入し、インペラの遠位にあるハウジングの側壁上の第二のガイドワイヤポートを介してハウジングから出て、インペラの近位側面上の第三のガイドワイヤポートを介してハウジングに再進入して、カテーテルシャフト内に近位に延在することができ、システムは、ハウジングの可撓性セクションによって分離された、ハウジング上の少なくとも一つの入口ポートおよび少なくとも一つの出口ポートを含むことができ、入口ポートと出口ポートとの間の前記距離は、少なくとも約60mmおよび100mm以下であり、好ましくは70mmであってよく、システムは、入口ポートに近接した第一の圧力センサを含んでもよく、システムは、出口ポートの近位側面上に第二の圧力センサを含んでもよく、システムが、カテーテルシャフトの遠位端(またはポンプの始点)から約50mm~約150mmの範囲内で、カテーテルシャフト上に視覚的印を含んでもよく、モータが、第三のガイドワイヤポートの遠位に位置付けられてもよく、システムは、入口ポートに近接した超音波振動子を含んでもよく、システムは、心室支持装置によって取り外し可能に担持されたガイドワイヤ補助具を含んでもよく、ガイドワイヤ補助具が、遠位に面する開口部と、開口部に対して遠位方向に増大する内径とを有する管状体を含んでもよく、ガイドワイヤ補助具が、本体に取り付けられたガイドワイヤガイドチューブを含んでもよく、ガイドワイヤガイドチューブは、チューブを通って延在するガイドワイヤからガイドチューブを剥がすことができるように、ガイドチューブを分割するための分割線を含むことができ、ハウジングの可撓性セクションは、外側ポリマースリーブによって覆われた可撓性スロット付き管を含んでもよく、高リスク冠動脈インターベンションのための機械的心室支持システムには、細長い可撓性カテーテルシャフトによって担持される心室支持装置を含む心室支持カテーテルと、心室支持装置内にあり、磁気ベアリングによって回転可能に結合された密封されたモータおよびインペラと管状体を有し、心室支持装置を軸方向に移動可能に受け入れるように構成された挿入ツールと、管状体を有し、挿入ツールを軸方向に移動可能に受け入れるように構成される、アクセスシースとが含まれ、アクセスシースが、挿入ツールと係合するための第一のロックを有するアクセスシースハブを含んでもよく、
アクセスシースハブが、カテーテルシャフトと係合するための第二のロックと、機械的循環支持システムのモータを駆動するように構成されたコントローラであって、コントローラがパージ構成要素を含まない、コントローラとを含んでもよく、パージ構成要素がカセットまたはポートを含んでもよく、システムがパージを必要とせず、電子部品を取り付けるためのハウジングと、ハウジングの上部に配置されたハンドルとを有する機械的循環支持システムのモータを駆動するように構成されたコントローラが設けられてもよく、コントローラが、ハウジングの上部上のハンドルの周りに巻かれた視覚的警報要素を含むことができ、ハウジングは、複数の制御要素を含まなくてもよく、制御要素が、回転ダイヤルであってもよく、制御要素が、ハウジングの第一の端部上に位置付けられてもよく、コントローラがケーブル管理システムであって、該ケーブル管理システムが、第一の端部の反対側の第二の端部上に位置付けられる、ケーブル管理システムを含んでもよく、コントローラは、ハウジングの後面上に回転式固定取付具を含んでもよく、心臓へのポンプの経カテーテル送達方法であって、方法が、血管系を通してポンプを前進させることであって、ポンプが、ポンプの遠位に位置するカテーテルシャフトの第一のセクションを通って延在するガイドワイヤを有して、前進し、ポンプのインペラおよびモータの外部のポンプの管状ハウジングを通って、ポンプの近位に位置するカテーテルシャフトの第二のセクションに戻る、前進させることと、ポンプからガイドワイヤを取り外す前、および/または心臓へのポンプの配置前に、モータを開始する、および/またはインペラを回転させることと、および/またはガイドワイヤおよび/またはポンプが少なくとも部分的に左心室内にとどまるようにポンプの使用中にガイドワイヤをポンプ内に放置することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の前述および他の特徴は、添付の図面と併せて捉えた、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかとなるだろう。これらの図面は、本開示に従って一部の実施形態のみを示し、その範囲を制限するものと見なされるべきではないと理解して、添付の図面の使用を通して、本開示をさらに具体的かつ詳細に説明するものとする。以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付図面を参照する。図面では、文脈上別段の指示がない限り、類似の記号は、典型的には類似の構成要素を識別する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載される例示的実施形態は、限定することを意図するものではない。他の実施形態を利用してもよく、また他の変更も、ここに示した主題の趣旨または範囲から逸脱することなく行われてもよい。本開示の態様は、概して本明細書に記載され、図面に図示されるように、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、および設計することができ、それらすべては明示的に意図され、本開示の一部をなすことが容易に理解されよう。
図1図1は、カテーテルによって担持され、大腿動脈アクセスを介して大動脈弁を横切って位置付けられる、本開示の機械的循環支持(MCS)装置の実施形態の断面図である。
図2図2は、いくつかの実施形態による、大腿動脈から左心室へのアクセス経路を介して身体に挿入されるMCSシステムを概略的に示す。
図3図3は、本明細書に記載される様々な特徴を組み込むことができるMCSシステムの実施形態の側面立面図である。
図4図4は、イントロデューサシースが取り除かれ、挿入ツールおよびガイドワイヤ装填補助具を含む、図3のシステムである。
図5図5は、本明細書に記載される様々なMCSシステムおよび方法と共に使用され得るシースおよびダイレータを有するイントロデューサキットを示す。
図6図6は、本明細書に記載の様々なMCSシステムおよび方法と共に使用され得る配置ガイドワイヤの実施形態を示す。
図7図7は、MCS装置の遠位のポンプ領域の部分斜視図である。
図8図8Aおよび8Bは、ガイドワイヤ経路およびガイドワイヤバック装填補助具を所定の位置で画定するガイドワイヤガイドチューブを示す、それぞれMCS装置の遠位領域の側面立面図およびクローズアップ詳細図である。
図9図9Aおよび9Bはそれぞれ、MCS装置のポンプ領域の側面図およびMCS装置のインペラ領域を通る断面図である。
図10図10Aは、MCSコントローラの正面立面図である。図10Bは、MCSコントローラの背面斜視図である。
図11図11は、図10Aおよび10Bのコントローラ内に収容され得る電子システムのブロック図を示す。
図12図12は、コントローラ内部の図11の電子システムの構成要素を有する分解図を示す。
図13図13は、MCSコントローラの側面斜視図を示す。
図14図14Aは、大動脈圧と左心室圧の間の圧力差を示すグラフを示す。図14Bは、モータシャフトの一定回転速度に対する印加電流を示すグラフを示す。
図15図15は、制御パラメータを表示するための例示的なユーザインターフェースを示す。
図16A図16Aは、構成モードにおける例示的なユーザインターフェースを示す。
図16B図16Bは、動作モードにおける例示的なユーザインターフェースを示す。
図17図17Aおよび17Bは、電子制御要素の実施形態を示す。
図18図18A~18Dは、左心室拡張末期圧(LVEDP)を決定するためのプロセスを示す、例示的な左心室(LV)圧力曲線である。
図19図19は、MCSシステムのポンプの代替的な実施形態の側面図である。
図20図20A~20Bは、MCSシステムのインペラの実施形態を示す、それぞれインペラの側面図およびインペラブレードの部分側面図である。
図21図21A~21Cは、MCSシステムのポンプ領域の実施形態を示す。
図22図22は、MCSシステムの入口管の実施形態の側面図である。
図23図23は、MCSシステムの入口管の実施形態の斜視図である。
図24図24は、MCSシステムのポンプ領域の実施形態の斜視図である。
図25図25は、図24のポンプ領域の入口管の輪郭セクションの部分断面図である。
図26A図26A~26Eは、本明細書に記載される様々なMCSシステムと共に使用され得る挿入ツールの実施形態の様々な図である。
図26B】同上。
図26C】同上。
図26D】同上。
図26E】同上。
図27図27は、本明細書に記載の様々なMCSシステムと共に使用され得るポンプの実施形態の、インペラおよび磁気カップリング領域を通した部分断面図である。
図28図28Aおよび28Bは、本明細書に記載される様々なMCSシステムと共に使用され得る超音波振動子の側面および斜視図である。
図29図29は、本明細書に記載の様々なMCSシステムと共に使用され得るイントロデューサシースおよびハブの側面立面図である。
図30A図30A~30Cは、互いに面している二つのリップシールを有するMCS装置の別の実施形態の様々な図である。
図30B】同上。
図30C】同上。
【0009】
上記で識別された図面は、本開示の実施形態を記載しているが、詳細説明に記載されるように、他の実施形態も企図されている。本開示は、限定ではなく、表現によって例示的実施形態を提示する。本開示の実施形態の原理の範囲および精神に該当する数多くの他の修正および実施形態を、当業者が考案することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明は、開発のある特定の実施形態を対象とする。この説明では、図面を参照し、明確化のために、同様の部品または工程は、全体を通して同様の数字で指定することができる。本明細書における「一実施形態(one embodiment)」、「一つの実施形態(an embodiment)」、または「一部の実施形態では(in some embodiments)」という言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。本明細書中の様々な場所における「一実施形態」、「一つの実施形態」、または「一部の実施形態では」の語句の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を指すわけではなく、また別個のまたは代替的な実施形態が必ずしも他の実施形態と相互に排他的であるわけでもない。さらに、一部の実施形態によって示される場合があり、他の実施形態によって示されない可能性がある様々な特徴が説明される。同様に、一部の実施形態では要件となり得るが、他の実施形態では要件とならない可能性がある、様々な要件が記載されている。ここで、本発明の実施形態について詳細を参照し、その例を添付図面に示す。可能な限り、図面全体を通して同じ参照番号を使用して、同一または類似の部品を参照する。
【0011】
図1は、心臓内に配置されたカテーテル16の先端に取り付けられたポンプ22を有する、機械的循環支持(MCS)システム10の実施形態の遠位端の概略図である。図2は、いくつかの実施形態による、大腿動脈から左心室へのアクセス経路を介して身体に挿入されたMCSシステムを概略的に示す。MCSシステム10のいくつかの特徴は、図1および図2に関して説明され、様々な特徴のさらなる詳細は、本明細書の他の場所で提供される。
【0012】
MCSシステム10の様々な実施形態が、様々な特徴を有して本明細書に記載されている。一部の実施形態では、MCSシステム10は、一時的(例えば、一般に約6時間以下、または一部の実施形態では約3時間以下、約4時間以下、約7時間以下、約8時間以下、約9時間以下、または約10時間以下)に左心室支持装置またはポンプを含んでもよく、これはまたMCSポンプまたはMCS装置とも呼ばれる。装置は、例えば心臓外科医を含む心臓チームが高リスクPCIが適切な治療選択肢であると判断した場合など、重度の冠動脈疾患および/または左室駆出率の低下を有する選択的または緊急の血行動態が安定した患者において実施される高リスクの経皮的冠動脈インターベンション(PCI)中に使用されうる。ポンプは、単一の大腿動脈アクセスを介して大動脈弁を横切って配置される。
【0013】
いくつかの実施形態では、MCSシステム10は、例えば、心原性ショックのための療法として、より長期のポンプ22を含み得る。MSCシステム10は、密封されたモータハウジング内のモータによって回転される第一の磁石を有するポンプ22を含み得る。第二の磁石を有するインペラは、モータハウジングの外部の第一の磁石を部分的に取り囲んでもよい。第一の磁石の回転は、磁気通信を介して、第二の磁石およびインペラを回転させる。
【0014】
いくつかの実施形態では、MCSシステム10は、管状体を有し、循環支持装置を軸方向に移動可能に受け入れるように構成された挿入ツールを含み得る。管状体を有するイントロデューサシースは、挿入ツールを軸方向に移動可能に受け入れるように構成され得る。挿入ツールは、例えば、シースへの挿入中に循環支持装置を保護し得る。
【0015】
一部の実施形態では、MCSシステム10は、8フレンチサイズ(Fr)カテーテルなど、カテーテル16に取り付けられたロープロファイルの軸方向回転血液ポンプを含み得る。定位置の時、MCSポンプ22は、MCSコントローラによって駆動されて、約60mmHgであり得る、最大約4.0リットル/分の部分左心室支持を提供することができる。改善されたベアリング設計と密封されたモータのため、システムパージは必要ない。MCSシステム10またはその一部分は、蛍光透視下で可視化されてもよく、センサを使用した配置の必要性が排除される。
【0016】
いくつかの実施形態では、MCSシステム10は、イントロデューサシースを含み得る。シースは拡張可能であってもよい。拡張可能なシースは、例えば、挿入および閉鎖を容易にするため8~10Frの初期アクセスサイズを可能にし、14Fr、16Fr、および18Frのポンプ装置の導入を可能にするため拡張可能であり、ポンプが通過すると、約8Frカテーテルのより狭い直径に戻ることができる。この特徴は、血管内のせん断力を最小化しながら、血管系を通してポンプ22が通ることを可能にし、出血および治癒合併症のリスクを有利に低減し得る。動脈切開の膨隆または伸張は、血管に害の少ない最小限のせん断で放射状の伸張を用いて行うことができる。アクセスは、経大腿的、経腋窩的、経大動脈的、または経心尖的アプローチを介して達成され得る。いくつかの実施形態では、拡張可能なシースは、挿入および閉鎖を容易にするために、8~16Fr(例えば、8~10.5)Frの初期アクセスサイズを可能にし、少なくとも約14Fr、16Fr、18Frまたは19Frの装置の導入を可能にするように拡張可能である。
【0017】
いくつかの実施形態では、ポンプ22の入口管70は、大動脈弁91を横切って延在する。インペラは、入口管70の流出セクション68(本明細書ではポンプ出口とも呼ぶ)に位置し、左心室93から入口管70を通って血液を引き込み、流出セクション68から上行大動脈95に排出することができる。モータは、封止されたハウジング内のインペラの近位に直接取り付けられてもよく、使用前または使用中にモータをパージまたはフラッシュする必要性が排除される。この構成は、低侵襲的アプローチ(開腹外科手術ではなく)による完全な血行再建のための十分な時間と安全性を有する、高リスクPCI中の血行動態支持を提供する。
【0018】
いくつかの実施形態では、MCSシステム10は、血液を心室から上行大動脈および全身循環にポンプ注入することによって、左心室負担を積極的に軽減する。所定の位置にある時、MCS装置は、相補的なMCSコントローラによって駆動されて、0.4l/分~最大4.0l/分の部分左心室支持を提供することができる。MCSシステム10は、モータフラッシングの必要性を排除し、60mmHgで4.0l/分まで流量性能を向上させ、せん断応力を最小化する計算流体力学(CFD)最適化されたインペラによる許容可能なほど安全な溶血をもたらす。所定の位置にある場合、VSDは、相補的心室支持コントローラ1000によって駆動されて、0.4l/分~最大6.0l/分の部分左心室支持を提供することができる。いくつかの実施形態では、VSDは、相補的心室支持コントローラ1000によって駆動されて、0.6L/分~最大6.0L/分の部分左心室支持を提供することができる。0.6L/分~最大6.0L/分の範囲は、例えば、10の等距離の流量レベルを可能にし得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、MCSシステム10は、10.5Fr以下のカテーテルなど、カテーテル16上に取り付けられた18~19Frの軸方向回転血液ポンプおよび入口管アセンブリを含み得る。所定の位置にある場合、心室支持ポンプ22は、心室支持コントローラ1000によって駆動されてもよく、これは、約60mmHgの圧力差で、少なくとも約4または5および最大約6.0リットル/分の部分左心室支持を提供し得る。ポンプ22のいくつかの実施形態では、カプセル化されたモータおよび磁気ベアリング設計のために、システムパージは必要とされない。
【0020】
一般に、全体的なMCSシステム10は、以下のうちの一つまたは複数を含む、一連の関連するサブシステムおよび付属品を含み得る。MCSシステム10は、ポンプ、シャフト、近位ハブ、挿入ツール、近位ケーブル、感染シールド、ガイドワイヤガイドチューブおよび/またはガイドワイヤ補助具を含み得る。ポンプ22は、滅菌状態で提供されてもよい。MCSシャフトは、電気ケーブルと、オーバーザワイヤ挿入のためのガイドワイヤルーメンとを包含し得る。近位ハブは、止血を維持するための弁を備えたガイドワイヤ出口を包含し、MCSシャフトを、ポンプ22をコントローラ1000に接続する近位ケーブルに接続する。近位ケーブル28は、3.5m(約177インチ)の長さであってもよく、滅菌野5からコントローラ1000が位置する非滅菌野3まで延びてもよい。MCS挿入ツールは、イントロデューサシースへのポンプの挿入を容易にし、イントロデューサシースを通過する際に潜在的な損傷または干渉から入口管および弁を保護するために、MCSデバイス上に予め取り付けられて提供されてもよい。ピールアウェイガイドワイヤ補助具は、0.018インチ配置ガイドワイヤなどのガイドワイヤをポンプ22内およびMCSカテーテルシャフト16内に挿入するのを容易にするために、MCS装置上に予め取り付けられてもよく、任意選択的に、ガイドワイヤガイドチューブが、MCS装置とMCS挿入ツールとの間の空間を少なくとも部分的に通過できるように、MCS挿入ツールも予め取り付けられる。左心室への非外傷性ワイヤ配置用の柔らかいコイル状の事前成形チップを有する、3mの0.018インチ配置ガイドワイヤを使用してもよい。ガイドワイヤは、滅菌状態で提供されてもよい。14Frまたは16Frのイントロデューサシースは、大腿動脈へのアクセスを維持し、0.035インチガイドワイヤ、診断用カテーテル、0.018インチ配置ガイドワイヤ、および挿入ツールの止血を提供するために、使用可能な長さである275mmで使用され得る。イントロデューサシースのハウジングは、MCS挿入ツールを収容するように設計されてもよい。イントロデューサシースは滅菌状態で提供される。イントロデューサダイレータは、イントロデューサシースと互換性があり、イントロデューサシースの大腿動脈への非外傷性挿入を容易にすることができる。イントロデューサダイレータは滅菌状態で提供される。ポンプ22を駆動および動作させ、その性能および状態を観察し、ならびに/またはエラーおよびステータス情報を提供するコントローラ1000が使用され得る。電源付きコントローラ1000は、少なくとも約12時間の連続動作を支持するように設計されてもよく、患者に提供される支持のレベルを示し、調整するための基本的なインターフェースを含む。さらに、コントローラ1000は、システムが動作中にエラーを検出した場合、光警報および可聴警報通知を提供し得る。コントローラ1000は、非滅菌状態で提供されてもよく、滅菌野5の外部でのクリーニングおよび再使用のために設計されたエンクロージャ内に包含されてもよい。コントローラ1000エンクロージャは、延長ケーブルが差し込まれるソケットを含んでもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、本開示のポンプ22(また、心室支持装置(VSD)または機械的循環支持装置とも呼ぶことができる)は、急性ST上昇心筋梗塞によって引き起こされるなど、心原性ショック患者における心拍出量を強化するための一時的(概して約6日を超えない)左心室支持装置であってもよい。ポンプ22は、大動脈弁を横切って、典型的には経血管アクセスを介して、左心室から上行大動脈へ血液をポンプ注入するために配置され得る。
【0022】
図3を参照すると、いくつかの実施形態による全体的なMCSシステム10が図示されており、そのサブコンポーネントを以下により詳細に説明する。参照のため、図3、4、および8Aの矢印は、「遠位」および「近位」方向を示す。本明細書で使用される場合、「遠位」および「近位」は、それらの一般的および通例の意味を有し、限定されないが、送達経路に沿って測定される患者の身体の入口点からより遠い方向、および離れて送達経路に沿って測定される患者の身体の入口点からより遠くない方向をそれぞれ含む。
【0023】
システム10は、MCSシャフト16(MCSシャフトは、本明細書では、カテーテル、カテーテルシャフト、および/またはシャフトとも呼ばれ得る)を軸方向に移動可能に受け入れるための中央ルーメンを有する近位イントロデューサハブ14を有するイントロデューサシース12を含み得る。MCSシャフト16は、近位ハブ18とシステム10の遠位端20との間に延在してもよく、ガイドワイヤ24がそこから延びる。本明細書に記載されるガイドワイヤ24または任意の他のガイドワイヤは、GUIDEWIREと題し、2021年7月21日に出願された米国仮特許出願第63/224326号に記載されるものなど、様々な特徴を有してもよく、その内容全体は、参照により、すべての目的に対して本明細書に援用され、本明細書の一部を形成する。ハブ18は、装置識別および実行時間の追跡のための統合マイクロコントローラまたはメモリ記憶装置を備えてもよく、マイクロコントローラまたはメモリ記憶装置は過度な摩耗または他の技術的誤動作を避けるために、過剰使用を防ぐのに使用され得る。マイクロコントローラまたはメモリデバイスは、例えば、使用済み装置の使用を防止するために、装置を無効化することができる。マイクロコントローラまたはメモリデバイスは、装置に関する情報またはその使用についてのメッセージを表示できる、コントローラと通信することができる。放射線不透過性材料を用いた非侵襲的なカニューレ先端により、X線透視下での移植/外植が目に見えるようになる。
【0024】
ポンプ22は、管状ハウジングを備える。ポンプ22の管状ハウジングは本明細書で広く使用され、入口管、遠位端部、モータハウジング、他の接続管状構造体、および/またはモータハウジングの近位後部端など、ポンプ22の任意の構成要素またはシステムのポンプ領域内の構成要素を含み得る。ポンプ22、例えば、管状ハウジングは、MCSシャフト16の遠位領域によって担持される。システム10は、ガイドワイヤ24を軸方向に移動可能に受け入れるための少なくとも一つの中央ルーメンを備える。近位ハブ18は、感染シールド26を追加的に備える。近位ケーブル28は、典型的には滅菌野3の外側の制御システムへの取り外し可能な接続のため近位ハブ18とコネクタ30との間に延在して、ポンプ22を駆動する。
【0025】
図4を参照すると、システム10は、ハブ122の長さおよびイントロデューサシース112のベンドリリーフ130(図5を参照)の長さを補うように適合され得る約85mm~約160mm(例えば、約114mm)の範囲内の長さ、および約4.5mm~約8.0mm(例えば、約5.55mm)の範囲内の内径を有する細長い管状体36を有し、近位ハブ34から遠位に延在する挿入ツール32をさらに含み得る。管状体36は、MCSシャフト16およびポンプ22を、そこを通って軸方向に移動可能に受け入れるように適合された中央ルーメン、およびイントロデューサシースの止血弁を通過する際に開存性を維持するのに十分な耐圧潰性を含む。図4に示すように、ポンプ22は、イントロデューサハブ14の近位端上の止血弁(複数可)を通したポンプ22の通過を容易にするために、管状体36内に位置付けられ得る。マーカ37(図7)は、マーカ37がハブ34の近位側面に見える限り、ポンプが管状体36内にあることを臨床医が知っているように、遠位先端64から近位に間隔を置いたMCSシャフト16上に備えられる。
【0026】
ハブ34は、挿入ツールをイントロデューサシース内にロックするために、イントロデューサシース上に相補的な第二の係合構造体と係合するための第一の係合構造体39を備えてもよい。ハブ34は、力嵌合、ねじ、または他の手段を介して接続するノブまたはボタンなどの接続部41を介して感染シールド26に接続されてもよい。ハブ34はまた、MCSデバイスが心臓内の所望の位置に位置付けられたら、シャフト16が挿入ツールを通して近位または遠位に滑ることを防止するために、シャフト16上に締付するための係止機構を備えてもよい。係止機構は、ハブ34の一つまたは複数の部品(例えば、二つの部品)をねじることによって作動され得る。他の作動手段も可能であり得る。ハブ34は、シャフト16の周りを封止するための止血弁を追加的に備えてもよい。いくつかの実施形態では、ハブ34は、ポンプを含むより大きな直径のMCS装置の通路を収容し得る。システムの一つの商業的提示では、パッケージ化されたMCS装置は、挿入ツール内に予め位置付けられ、ガイドワイヤ補助具は、図4に示すように、MCS装置およびシャフト16内に予め装填される。一部の例では、MCS装置は、管36内に予め位置付けられ、遠位に前進するように構成される。こうした構成では、ハブ34のルーメンは、MCS装置よりも小さくてもよく、シャフト16のみがハブ34を通過するように構成されてもよい。ポンプを本体から取り外すとき、MCS装置は管36内に引き込まれてもよく、次いで挿入ツールは、管36内のポンプと共にイントロデューサから引き出されてもよい。例えば、図8Aおよび図8Bを参照して、ガイドワイヤ補助具38のさらなる詳細を論じる。
【0027】
図5および図6を参照すると、イントロデューサキット110は、図8Aおよび8Bを参照して論じたように、ガイドワイヤ100、イントロデューサシース112、ダイレータ114、および/またはガイドワイヤ補助具38を含み得る。ガイドワイヤ100およびイントロデューサシース112は、上で論じたガイドワイヤ24およびイントロデューサシース12に対応し得る。ガイドワイヤ100(例えば、0.018インチ配置ガイドワイヤ)は、近位端102と遠位端104との間に延在する細長い可撓性本体101を備え得る。本体101の遠位ゾーンは、図6に示すように、J字先端またはピッグテールに予め成形されて、非外傷性の遠位先端を提供し得る。近位ゾーン106は、MCS装置を通したねじ込みを容易にするように構成されてもよく、近位端102と遷移108との間に延在してもよい。近位ゾーン106は、約100mm~約500mm(例えば、約300mm)の範囲内の軸方向長さを有してもよい。
【0028】
イントロデューサキット110は、イントロデューサシース112および/またはダイレータ114を備え得る。イントロデューサシース112は、近位端118と遠位端120との間に延在する細長い管状体116を備えてもよい。管状体116は、近位ハブ122で近位に終結する。任意選択で、管状体116は拡張可能であるか、または剥離することができる。近位ハブ122は、管状体116の長さにわたって延在し、遠位開口部を通って外に延在する中央ルーメンと連通する近位端ポート124を含み、細長いダイレータ114を軸方向に取り外し可能に受け入れるよう構成される。近位ハブ122は、側面ポート126、患者に対して縫合を容易にするための眼128などの少なくとも一つおよび任意で二つ以上の取り付け機構、ならびに標準的な0.035インチガイドワイヤ、5Frまたは6Frの診断用カテーテル、0.018インチ配置用ガイドワイヤ100、シャフト16、および挿入ツール32などの様々な導入された構成要素の周りに封止を提供する、少なくとも一つおよび任意で複数の止血弁をさらに備えてもよい。近位ハブ122は、挿入ツール32および/またはダイレータ114の軸方向移動を防止するためのロックを有してもよい。
【0029】
図7は、装置またはポンプ22およびカテーテルシャフト62の遠位部分を示す、MCSシステムの遠位ポンプ領域60の追加の詳細を示す。ポンプゾーンまたは領域60は、シャフト16の遠位端のベンドリリーフ62と遠位先端64との間に延在する。ポンプ22は、入口管70、遠位先端64、および/またはモータハウジング74を含み得る管状ハウジング61を含む。管状ハウジング61は、入口管70の一部であってもよく、または入口管70の近位端をモータハウジング74に接合する中間構造などの他の構造体の一部であってもよい、一つまたは複数のポンプ入口66および/または出口68を含んでもよい。本明細書でさらに説明するように、ガイドワイヤガイド補助具は、ポンプ22および/またはカテーテルシャフト16(例えば、ベンドリリーフ62)の管状ハウジング61など、システムの様々な構成要素内におよび様々な構成要素から延在し得る。
【0030】
ポンプ入口66は、入口管70を通って軸方向に延在する流路によって、ポンプ出口68(本明細書では流出セクションとも呼ぶ)と流体連通する一つまたは複数の窓もしくは開口部を備える。ポンプ入口は、入口管と遠位先端64の近位端との間の遷移の周りに位置付けられてもよく、いずれにせよ、一般に遠位ポート76から約5cmまたは3cm以内である。
【0031】
一部の実施形態では、遠位先端64は放射線不透過性である。例えば、遠位先端は、硫酸バリウム、ビスマス、タングステン、ヨウ素などの放射性緩和剤を含有するポリマーから作製されてもよい。一部の実施形態では、MCS装置全体は放射線不透過性である。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカは、ポンプ出口68とガイドワイヤポート78との間の入口管70上に位置付けられ、大動脈弁91に対するMCS装置の現在の位置を示す。
【0032】
入口管70は、流路を分離するために、ポリマー(例えば、ポリウレタン)管層を有する高可撓性のスロット付き(例えば、レーザ切断)金属(例えば、ニチノール)管を備え得る。入口管70は、約60mm~約100mmの範囲内の軸方向長さを有してもよく、一実装形態では、約67.5mmであり得る。入口管70の外径は、典型的には、約4mm~約5.4mmの範囲内であってもよく、一実装形態では、約4.66mmであってもよい。入口管70の壁厚は、約0.05mm~約0.15mmの範囲内であってもよい。入口管70と遠位先端76との間の、およびモータへの接続は、レーザ溶接、接着剤、ねじ込みまたはその他の干渉嵌合係合構造の使用などによって固定されてもよく、または圧入を介してであってもよい。
【0033】
インペラ72は、ポンプ入口66とポンプ出口68との間の流路内に位置付けられてもよい。図示した実施形態では、インペラ72は、ポンプ出口68に隣接して位置付けられる。以下でさらに論じるように、インペラ72は、インペラ72の近位側面にあるモータハウジング74内に包含されたモータによって回転駆動されてもよい。
【0034】
図8Aおよび8Bは、それぞれガイドワイヤ補助具38の実施形態を示すポンプ領域の側面断面図および詳細図である。MCS装置は、高速交換またはワイヤ構成のいずれかで提供され得る。遠位先端64の遠位面上の遠位に面する開口部などの第一のガイドワイヤポート76は、遠位先端64および入口管70の流路の少なくとも一部分を通る第一のガイドワイヤルーメンを介して、入口管70の側壁を通って延在し、インペラ72の遠位に延在する開口部などの第二のガイドワイヤポート78と連通していてもよい。これは、第二のガイドワイヤポート78からカテーテルに沿って近位に延在するガイドワイヤ100との迅速な交換に使用され得る。
【0035】
カテーテルは、ガイドワイヤがカテーテルシャフト16の長さを通してその中のガイドワイヤルーメンを通して近位に延在する、ワイヤ上に構成して提供されてもよい。しかしながら、図7、8Aおよび8Bのワイヤ上の実施形態では、ガイドワイヤ100は、第二のガイドワイヤポート78を介して入口管70を出て、インペラおよびモータハウジングの外側を横切って近位に延在し、カテーテルシャフト16の側壁の開口部またはポンプ、モータハウジング、またはバックエンドの近位構成要素の開口部であり得る第三のガイドワイヤポート80を介してカテーテルシャフト16に再進入する。第三のガイドワイヤポート80は、モータの近位に位置してもよく、図示した実施形態では、ベンドリリーフ62上に位置する。第三のガイドワイヤポート80は、シャフト16の長さにわたって近位に延在し、近位ハブ18によって担持されるか、または近位ハブ18内に位置する近位ガイドワイヤポートで出るガイドワイヤルーメンと連通する(図4を参照)。
【0036】
図8Aに示すように、ポンプは、取り外し可能なガイドワイヤ補助具38と組み立てられて提供されてもよい。ガイドワイヤ補助具38は、ガイドワイヤガイドチューブ83を有してもよい。ガイドチューブ83は、軸方向に延在する円筒形または他の閉じた断面形状であってもよい。ガイドチューブ83は、ポリイミドなどの可撓性の透明な材料であってもよい。ガイドチューブ83は、長軸方向のスリット線または引裂き線を有するなど、長軸方向に剥離されるように適合され得る。ガイドチューブ83の内側表面は、PTFEなどの潤滑コーティングが提供されてもよい。ガイドチューブ83は、第一のガイドワイヤポート76から、第二のガイドワイヤポート78を介して先端64を近位に通り、入口管の外側に戻って、第三のガイドワイヤポート80を介してカテーテルシャフト16内に戻って、ガイドワイヤ100の意図された経路を追跡してもよい。図示した実装形態では、ガイドワイヤガイドチューブ83は、近位ハブ18に延在するガイドワイヤルーメンと連通する、または近位ハブ18に延在するガイドワイヤルーメン内の、カテーテルシャフト16内でガイドチューブ83の近位端81に近位に延在する。ガイドチューブ83の近位端81は、シャフト16の遠位端の約5mmまたは10mm以内に位置付けられてもよく、または約10mm~約50mmの範囲など、少なくとも約10mmまたは20mmだけ、カテーテルシャフトガイドワイヤルーメン内に延在してもよい。いくつかの実施形態では、第三のポート80は、モータハウジングまたはバックエンドなどの管状ハウジングの近位端内、またはインペラの近位にある位置の装置の任意の他の構成要素内に位置してもよい。
【0037】
ガイドワイヤ補助具38は、ファンネル92を有してもよい。ファンネル92は、ガイドチューブ83の遠位端に位置してもよく、例えば、遠位先端64で、入口管の遠位端に予め位置付けられて提供されてもよい。ファンネル92は、ガイドチューブ83と連通する狭い近位端から、ファンネル92の遠位端のより広い遠位開口部まで、遠位方向に幅が増大し得る。漏水路92は、円錐形、円錐台形、角錐形、セグメント化された、または他の形状であってもよい。ファンネル92の近位端は、ガイドワイヤガイドチューブ83の遠位端に取り付けられてもよい。ガイドワイヤ100の近位端102(図6を参照)は、ファネル92に挿入され、第一の(遠位)ガイドワイヤポート76を通過し、ガイドワイヤガイドチューブ83の内側を追跡することによって意図された経路に沿って誘導されてもよい。ガイドワイヤガイドチューブ83は、ガイドチューブ83を遠位先端64から遠位にスライドして、ガイドワイヤ100を所定の位置に残して長軸方向に剥離することによって除去され得る。
【0038】
ガイドワイヤ補助具38は、プルタブ94を有してもよい。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤガイドチューブ83の遠位端は、ガイドワイヤ補助具38のプルタブ94に取り付けられる。プルタブ94は、例えば、図示するように横方向の平面状の伸長によって、ヒトの手によって掴まれることができる構造であってもよい。ガイドワイヤ補助具38、例えば、プルタブ94、ガイドチューブ83および/またはファンネル92は、図8Bにより明瞭に見られるように、引裂き線75を備えてもよい。引裂き線75線は、軸方向に延在する分割線であってもよい。引裂き線75は、弱体化、スロット、または穿孔された直線領域を含み得る。ガイドワイヤ補助具38の除去は、図8Bの詳細な差し込み図91に示すように、分割線75に沿って分割または剥離するとき、プルタブ94を掴み、ガイドワイヤチューブ83および/またはファンネル92を引き出し、ガイドワイヤ100からそれらを除去することなどによって遂行され得る。
【0039】
ガイドワイヤ補助具38は、ポンプ入口66の窓を画定する入口管70の遠位端で、遠位先端64および/または支柱をスリップして取り外し可能に受け入れるように構成された近位開口部90を含み得る。ルーメンを有するガイドワイヤガイドチューブ83は、近位開口部90内に位置付けられ、遠位先端64のガイドワイヤポート76を通過するために整列される。近位開口部90はさらに、図4に示すように、挿入ツール32の管状体36の遠位端をスリップして取り外し可能に受け入れるように構成され得る。MCSシステムは、入口管70、モータハウジング74、またはMCSカテーテルベンドリリーフ16などのMCS装置の外面と、挿入ツール32の管状体36の内面との間に画定される環状空間が、MCS装置、ガイドワイヤ補助具38および挿入ツール32が一緒に組み立てられた時に、その中にガイドワイヤガイドチューブ83を取り外し可能に受けいれ得るように寸法設定されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤガイドチューブ83のルーメンは、遠位方向の断面でより大きくなるファンネル92の遠位フレア開口部と連通する。ガイドワイヤ補助具38は、ガイドワイヤ経路に沿って、例えば、ポート76を通してMCSポンプ内に、入口管70内の流体経路の一部分を通して、ポート78を通してMCSポンプから抜けて、MCSポンプの外部に沿って、およびポート80を通してシャフト16に戻るように予め装填されたガイドワイヤガイドチューブ83と共に、MCSポンプ上に組み立てられて提供されてもよい。これは、ガイドワイヤの近位端を、ガイドワイヤ経路を通ってファンネル92内に、およびMCSシャフト16のガイドワイヤルーメン内に誘導するのに役立つ。ガイドワイヤの装填後、ガイドワイヤガイドチューブ83を含むガイドワイヤ補助具の把持および除去を容易にするために、プルタブ94がガイドワイヤ補助具38上に提供されてもよい。ガイドワイヤ補助具38は、例えばファンネル92、近位開口部90、およびガイドワイヤガイドチューブ83に沿って、MCSポンプ22およびガイドワイヤ100からのガイドワイヤ補助具38の除去を容易にするために、長手方向スリットまたは引裂き線75を有してもよい。
【0041】
本明細書に記載のガイドワイヤ補助具38の特徴は、様々な異なるMCSシステムおよび/またはポンプ装置と共に使用され得る。ガイドワイヤ補助具38は、記載されるように、ポンプハウジングに出入りする、またはハウジングから出ないガイドワイヤ経路に使用され得る。ガイドワイヤ補助具38は、高リスクPCI処置のための一時的な動作のために構成されたMCSシステムと共に使用されているとして本明細書に記載される。システムは、半径方向シャフトシールを有する回転インペラと、シールを通って延在するシャフトを介してインペラを回転するモータとを含み得る。ガイドワイヤ補助具38は、様々な異なる装置と共に使用され得る。ガイドワイヤ補助具38はまた、磁気ドライブを有するポンプと共に使用されてもよく、モータは、密封されたハウジングの外側にあるインペラの第二の磁石と磁気的に連通してインペラを回転させる密封されたモータハウジング内で第一の磁石を回転させる。したがって、ガイドワイヤ補助具38は、本明細書に記載の特定のポンプ実施形態のみと共に使用することに限定されるものではない。
【0042】
図9Aおよび9Bは、ポンプ22の側面図および部分断面図をそれぞれ示す。示されるように、インペラ72は、短くて剛直なモータ駆動シャフト140に取り付けられてもよい。図示した実装形態では、駆動シャフト140は、インペラハブ146上の近位延長部154を通してなど、インペラ72の近位に面する中央ルーメン内に遠位に延在し、プレス圧入、レーザ溶接、接着剤、または他の接合技術によって固定され得る。インペラ72は、半径方向外側に延在するらせんブレード181を含んでもよく、その最大外径で、約40マイクロメートル~約120マイクロメートルの範囲内において、管状インペラハウジング82の内面から間隔を置いてもよい。インペラハウジング82は、入口管70に形成されたスロット71の近位側面上の入口管70の近位延長部であってもよく、インペラの遠位に柔軟性を提供する。管状外膜73は、入口管70を封入し、スロット71を封止する一方で、入口管の柔軟性を保持し得る。ポンプ出口68は、例えば、インペラ72の近位部分(例えば、インペラの近位25%~50%部分)と軸方向に整列した、インペラハウジング82の側壁に形成されてもよい。
【0043】
インペラ72は、医療用のチタンを含み得る。これにより、血液細胞の損傷(溶血)を低減するためのせん断応力を最小化し、非定常勾配が効率を増加させる、CFD最適化インペラ設計が可能となる。この後者の特徴は、型ベースの製造方法では達成できない。インペラ72の表面の電気研磨は、溶血への影響を最小化するために表面粗さを減少させ得る。
【0044】
一部の実装形態では、インペラハブ146は、近位方向に半径方向外側にフレアして、出口68から血流を方向付けることができるインペラ基部150を形成する。インペラ基部150の近位表面は、モータシャフト140に固定された半径方向外側に延在するフランジの形態であってもよいインペラバック152に固定されてもよい。この目的のために、インペラバック152は、モータ駆動シャフト140を受け入れるための中央開口を備えてもよく、モータ駆動シャフト140に接合されるように適合された管状スリーブ/近位延長部154と一体的に形成されてもよく、または一体的に接合されてもよい。一部の実装形態では、インペラバック152は、最初にモータ駆動シャフト140に取り付けられ、接着剤の使用などを介して接合される。第二のステップでは、インペラ72は、シャフトにわたって前進されてもよく、インペラ基部150は、レーザ溶接などによって、インペラバック152に接合されてもよい。
【0045】
インペラバック152の開口の遠位開口部は、接着剤の塗布を容易にするために、遠位方向の直径が増大し得る。管状スリーブ/近位延長部154の近位端は、以下にさらに論じられるように、近位方向の外径が減少して、スリーブをモータシャフト上に近位に前進させ、シール156を通して促進するための入口スロープを形成し得る。
【0046】
モータ148は、モータ駆動シャフト140に対して回転的に固定された複数の磁石を含み得る、モータアーマチュア160を封入する空洞を囲む導電性巻線を有するステータ158を含み得る。モータ駆動シャフト140は、モータ148から回転ベアリング162を通り、またシール156を通って延在し、その後封止されたモータハウジング164(本明細書ではモータハウジング74とも呼ぶ)から出ることができる。シール156は、ポリマーシールリングなどの環状シール167を支持するシールホルダ166を含み得る。シールリングは、管状スリーブ/近位延長部154を受け入れるための中央開口を含み、管状スリーブ/近位延長部154に対して半径方向内向きに付勢されて、回転可能な管状スリーブ/近位延長部154との封止接触をスライドさせることでシールリングを維持する。管状スリーブ/近位延長部154の外面は、シール上の摩耗を最小化するために、電気研磨などにより滑らかな表面を備えてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、ポンプ22は、図30A~30Cに関して本明細書に記載されるように、シール、および/またはシールの一つまたは複数の特徴を含み得る。
【0048】
ポンプは、高リスクPCI(典型的には約6時間以下)の短い使用時間での用途において、密封されたモータを含んでもよく、フラッシングまたはパージすることなく使用されるように構成されてもよい。これは、以下でさらに詳細に説明するように、インペラ72をモータ駆動シャフト140上に直接接合する機会を提供し、追加の剛性長さ、スペース要件またはポンプ効率など、磁気カップリングに関連する問題を除去する。四極モータ設計により、60mmHgで最大4.0lmin-1(リットル/分)の流量性能と低温変化を可能にする。モータケーブルインターフェースは、高張力を備えてもよい。
【0049】
図10Aおよび図10Bは、MCSコントローラまたはコントローラ1000の実施形態の正面図および背面図を示す。コントローラ1000は、本明細書に記載されるような、左心室支持装置、心室補助装置、またはMCS装置などの、一つまたは複数の心臓あるいは循環支持システムの動作を支持し得る。コントローラ1000は、心臓支持システムに電力を供給するためのもう一つのモジュールを含み得る。コントローラ1000は、動作信号を心臓支持システムに送受信するための電子回路を収容し得る。コントローラ1000は、以下に説明するように、心臓支持システムからセンサデータなどのデータを受信および処理するために、一つまたは複数のハードウェアプロセッサを収容し得る。一部の実施形態では、コントローラ1000は、コントローラの動作に必要な構成要素のすべてまたはほとんどがコントローラ内に収容される、統合型または自己完結型設計を有してもよい。例えば、トランスまたはAC/DCコンバータなどの任意の電源構成要素は、コントローラ1000内に収容されてもよい。図2に示すように、コントローラ1000は、カテーテルシャフト62を通ってポンプに延在する電子ワイヤを介してポンプに配線されてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、コントローラ1000は、コントローラの構築後にコントローラ1000を新しい使用または変更された使用に適合させることができるように、通信システム、または任意の他の適切なシステムを含み得る。例えば、例えば、RF、Wi-Fi(登録商標)、および/またはBluetooth(登録商標)などの外部技術と通信するために、有線または無線通信の複数のモードをコントローラ1000内に統合することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ1000は、RFIDリーダを有してもよい。一部の実施形態では、コントローラ1000は、患者データの同期、遠隔医療、患者モニタリング、リアルタイムデータ収集、エラー報告、および/またはメンテナンス記録の共有を可能にするシステムまたはコンポーネントを有してもよい。
【0051】
コントローラ1000は、本明細書に記載される心臓支持システムのいずれかを支持する、これらのモジュール用のハウジングを含み得る。ハウジングは、携帯性を支持するハンドル1002をさらに含み得る。AbiomedのImpella Controllerなどの他のコントローラの一部とは対照的に、コントローラ1000は、パージに必要な構成要素を含まない場合がある。例えば、コントローラ1000は、パージ用のカセットを含まない。カセットは通常、すすぎ液をカテーテルに送達する。しかし、カセットは、かなりの不動産を必要とし、ハウジングをより大きくかつ重くする。本明細書で論じるベアリング設計および密封されたモータなどの本明細書に記載される設計改善のため、コントローラ1000はカセットを含まない。さらに、いくつかの実施形態では、コントローラ1000は、パージ管を受け入れるためのポートを必要としない。したがって、コントローラ1000は、携帯性を支持するために軽くてコンパクトであってもよい。
【0052】
コントローラはまた、ケーブル管理サポート1004を含んでもよい。一部の実施形態では、ケーブル管理サポート1004は、コントローラ1000の一方の端部または側面上に位置付けられる。コントローラ1000はまた、臨床環境におけるコントローラのポールへの取り付けを支持し得るマウント1006を含んでもよい。マウント1006は、水平または垂直の締付を支持するために軸の周りを回転してもよい。マウント1006は、スリッピングクラッチで素早く固定することによって、所望の配向に急速にロックされ得る。一部の例では、マウント1006は、ケーブル管理サポート1004から離れて位置付けられる。さらに、いくつかの実施形態では、ケーブル管理サポート1004は、図10Aに示すように、コントローラ1000の左端に位置付けられる。ポート1107(図13に示すような)は、ケーブル管理サポート1004の反対側の側面に位置付けられてもよい。一部の例では、以下で論じる制御要素1008は、ケーブル管理サポート1004とは反対側の側面に、ポート1107に極めて近接して位置付けられる。これにより、ユーザがコントローラ1000のアクティブ構成要素と改善された相互作用を有することができる。したがって、図示されるように、コントローラ1000内のすべてのこれらの要素の配置は、動作体験を改善し、携帯性を向上させることができる。
【0053】
コントローラ1000は、制御要素1008を含み得る。一部の実施形態では、制御要素1008は、ハプティックフィードバックを提供し得る。制御要素1008は、プッシュボタン回転ダイヤルを含み得る。制御要素1008は、ユーザがコントローラ1000上のパラメータを変更して、本明細書に記載された一つまたは複数のプロセスを制御することを可能にし得る。制御要素1008はまた、図10Aに示すように、ステータスインジケータ1010を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ1000は、別個の確認制御要素を含み得る。さらに、一部の実施形態では、別個の確認制御要素とは別に、すべてのパラメータは、単一の制御要素1008を使用して変更することができる。専用領域内のコントロールのグループ化は、ユーザ体験を改善し得る。
【0054】
図11は、コントローラ1000に含めることができる電子システム1100のブロック図を示す。いくつかの実施形態では、電子システム1100は、MCS装置1110を制御するための一つまたは複数のハードウェアプロセッサと併せて、一つまたは複数の回路基板を含み得る。電子システム1100はまた、信号を受信し、信号を処理し、信号を送信することができる。電子システム1100はさらに、表示および/または警報を生成することができる。電子システム1100は、制御システム1102および表示システム1104を含み得る。いくつかの実施形態では、表示システム1104は、制御システム1102に統合されてもよく、図11に示すように分離されない。いくつかの実施形態では、表示システム1104が制御システム1102から分離することが有利であり得る。例えば、制御システム1102の故障の場合、表示システム1104は、バックアップとして機能できる。
【0055】
制御システム1102は、MCS装置1110の様々な態様を制御する一つまたは複数のハードウェアプロセッサを含み得る。例えば、制御システム1102は、MCS装置1110のモータを制御することができる。制御システム1102はまた、MCS装置1110から信号を受信し、パラメータを処理することができる。パラメータには、例えば、流量、モータ電流、ABP、LVP、LVEDPなどが含まれ得る。制御システム1102は、電子システム1100および/またはMCS装置1110の警報およびステータスを生成できる。一部の実施形態では、制御システム1102は、複数のMCS装置1110を支持できる。制御システム1102は、生成された警報またはステータスインジケータを表示システム1104に送信できる。表示システム1104は、制御システム1102から処理されたデータを受信し、処理されたデータを表示画面上に表示するために、一つまたは複数のハードウェアプロセッサを含み得る。制御システム1102はまた、データを記憶するためのメモリを含んでもよい。
【0056】
電子システム1100はまた、その電子システムが外部電源に接続せずに動作することを可能にすることができるバッテリ1106を含み得る。電源インターフェース1108は、外部電源からバッテリ1106を充電できる。制御システム1102は、バッテリ電源を使用して、MCS装置1110のモータに電流を供給することができる。
【0057】
一つまたは複数のハードウェアプロセッサは、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または本明細書に記載される機能を実施するように設計されたそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0058】
図12は、図11の電子システム1100のブロック図概略図の特徴に対応する物理的構成要素を有するコントローラ1000の実施形態の分解図である。図12に示すように、コントローラ1000は、ハウジング内に配置された回路基板を含む制御システム1102および表示システム1104を含み得る。バッテリ1106は、ハウジングの下部セクション内に配置されてもよい。電源インターフェース1108は、ハウジングの隅に位置してもよい。
【0059】
図13は、コントローラ1000の正面斜視図である。いくつかの実施形態では、コントローラ1000は、警報フィードバックシステムを含んでもよく、警報フィードバックシステムは、MCSシステムの動作に関してオペレータにフィードバックを提供し得る。いくつかの実施形態では、警報フィードバックシステムは、図示するようにLED1302の形態であってもよい。LED1302は、コントローラを使用してオペレータが見ることができるように位置付けられてもよい。図示するように、LED1302はハンドル1002の周りに位置付けられる。したがって、コントローラの周りの位置360°から見ることができる。LED1302は、ハンドル1002を包む輪(楕円形、長方形、円形、または任意の他の適切な形状)の形態であってもよい。こうしたLED1302は、コントローラの上部が視認可能である限り、任意の方向から可視化され得る。制御システム1102は、LED1302に対して異なる色またはパターンを生成して、コントローラ1000および/またはMCS装置1110の様々な警報またはステータスを提供することができる。
【0060】
コントローラ1000は、MCS装置に接続されたケーブルを受け入れることができるポート1107をさらに含む。ポート1107は、複数のバージョンのMCS装置を支持できる。コントローラ1000はまた、コントローラ1000の側面上にRFIDリーダ1304を含み得る。RFIDリーダ1304は、販売担当者のバッジを読み取り、特定のデモモードに従って装置を動作させることができる。コントローラ1000は、図13に示すように傾けられて、ユーザの可読性を改善するガラスカバー1306を含み得る。
【0061】
図14Aは、典型的な圧力差であり得る、大動脈圧と左心室圧との間の圧力差を示すグラフを示す。一部の例では、MCS装置1110は、二つの異なる圧力レベル(左心室と大動脈弓)の間に位置付けられ得る。したがって、MCS装置1110は、図14Aに示す圧力差に対して動作し得る。それに伴って、MCS装置1110のモータは、一部の例では、圧力と共に、その他の例では、圧力に対して動作してもよい。したがって、モータの速度、例えば、モータシャフトの回転速度を一定またはほぼ安定に保つために、モータに供給される電流は、圧力差に基づいて変化する必要があることが観察された。
【0062】
図14Bは、一定のモータ速度に対する印加電流を示す。図14Bの電流曲線は、図14Bの圧力差曲線と同様の挙動に従う。いくつかの実施形態では、制御システム1102は、モータ電流を変化させることによって、モータを制御して、一定の速度で運転させることができる。モータ電流の変動は、制御システム1102によって使用されて、差圧、したがって患者の生理、動作条件、および機械の状態を調査することができる。
【0063】
図15は、流量パラメータおよびモータ電流を表示できる例示的なユーザインターフェースを示す。ユーザインターフェースはまた、パラメータを、時間とともにプロットされたグラフとして表示することができる。ユーザインターフェースは、コントローラ1000上に、例えば、ディスプレイ上に表示されてもよい。
【0064】
図16Aは、制御要素1008を使用して、流量の設定などのパラメータを変更できる、構成モードにおける例示的なユーザインターフェースを示す。制御要素1008は、ノブ上および/またはノブに隣接して視覚的フィードバックシステムを直接含み得る。図16Bは、動作モード中の例示的なユーザインターフェースを示す。図16Aおよび図16Bを比較すると、ユーザインターフェース上の特定のテキストは、モードに応じて強調表示または強調されることができる。構成モードでは、設定された流量が増大される。動作モードでは、流量が増大される。これにより、特にユーザインターフェースがいくつかのパラメータを含む場合に、ユーザにとっての可読性が改善される。
【0065】
いくつかの実施形態では、コントローラに接続されたMCS装置1110の種類に応じて、一部のユーザインターフェースのみが利用可能であり得る。例えば、上で論じたいくつかの装置は、いかなるセンサも含まない場合があり、上で論じたすべてのユーザインターフェースをサポートしていない場合がある。これらのセンサなし装置は、低コストかつより小型であり得る。
【0066】
図17は、電子制御要素1702および視覚的インジケータ1704の実施形態を示す。電子制御要素1702は、ダイヤルの面上にディスプレイを含み得る。さらに、視覚的インジケータ1704は、ダイヤルが回転すると、モータのステータスまたは他の動作状態を示すことができる。
【0067】
図18A~18Dは、左心室拡張末期圧(LVEDP)を決定するためのプロセスを示す、例示的な左心室(LV)圧力曲線ある。制御システム1102は、ステータスおよび動作パラメータを文書化することができ、これは、ネットワーク通信を介してEMRシステムに転送され得る。制御システム1102は、左心室拡張末期圧(LVEDP)を測定することができる。図18A~18Dは、測定されたLV圧力曲線からのLVDEPを決定するための一連のステップを示す。図18Aは、100MHzのサンプリング速度で測定された例示的なLV圧力曲線を示す。制御システム1102は、測定されたLV圧力曲線を処理してLVDEPを決定することができる。例えば、制御システム1102は、図18Bに示すように、LV曲線における最大の正の勾配を識別できる。これにより、パルス値を識別できる。他の技術を使用して、パルスの開始を識別することができる。パルスが識別されると、制御システム1102は、図18Bに示すように、2つの正の急勾配の間のLV曲線において、最大値および最小値を見つけることができる。これはまた、収縮期値および拡張期値ももたらすことができる。一部の実例では、制御システム1102は、図18Dに示すように、第2の勾配の左の最小値を識別できる。この値は、LVEDP決定を表すことができる。
【0068】
上述のように、例えば、図14Bに関して、モータ電流を制御または心臓と同期化し、モータ電流を測定することにより、制御システム1102が、電流を測定することによって差圧を調査し、それゆえ、患者の生理学的プロセス、動作状態、および機械の状態を調査することができる。生理学的プロセスには、ポンプが心臓の壁に当たる時が含まれ得る。一部の例では、モータ電流は、RPMの変化を測定する間、一定に保たれる。一部の例では、別個の流れセンサまたは圧力センサは、生理学的プロセスを調査するために必要とされない。コントローラ1000などのモータコントローラを含むモータ設計は、高分解能電流測定を可能にすることができる。一部の例では、モータコントローラは、センサレスであり、例えば、モータコントローラは、ホールセンサを含まなくてもよい。一部の例では、制御システム1102は、心臓の回復を改善するために、拍動モードでモータを動作させ得る。
【0069】
図19は、血液1905をポンプ注入するためのポンプ1900の別の実施形態の概略側面図を示す。ポンプ1900は、血管などの流体チャネルで使用するために設計および成形される。ポンプ1900またはその特徴は、ポンプ22など、本明細書に記載される他のポンプまたは特徴のいずれかと共に使用されてもよく、その逆も同様である。例えば、ポンプ1900の特徴は、上述のポンプ22と共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ポンプ22は、さらに説明するように、ポンプ1900のモータ、シャフトおよび/またはシール配置を含む。
【0070】
ポンプ1900は、インペラ1910、シャフト1920を有する駆動装置1915、シャフトハウジング1925および/または封止装置1930を有してもよい。インペラ1910は、流体1905をポンプ注入するように設計されてもよい。シャフト1920を有する駆動装置1915は、インペラ1910を駆動するように設計されてもよい。シャフトハウジング1925は、シャフト1920および/または駆動装置1915を収容するように設計されてもよく、以下では「ハウジング」とも呼ぶ。封止装置1930は、駆動装置1915とインペラ1910との間に収容され、ポンプ1900の動作中に流体1905が駆動装置1915および/またはシャフトハウジング1925に入るのを防止するよう設計されている、少なくとも一つのケーシングもしくはハウジング封止要素1935および/または一つのインペラ封止要素1940を備えてもよい。
【0071】
本実施形態によれば、インペラ1910は、例示的な先細りの基礎体を有してもよく、これはインペラ1910の動作中に長手方向軸の周りを回転することができる。長手方向軸の周りに半径方向に、本実施形態による基礎体は、インペラ1910が回転する時に流体1905内に流体流れまたは流体吸引を生成するために、二つのブレードを有する。この目的のために、ブレードは、本実施形態による基礎体の外壁の周りにらせん状に巻かれて配置されてもよい。インペラ1910の回転の本体は、一つまたは複数のいわゆる「Bスピンドル」を回転させることによって作成される。一部の実施形態によれば、インペラ1910は、異なる形状、例えば、円筒形、基礎体、および/または異なる数のブレードまたは静翼を有してもよい。本実施形態によれば、以下ではまた、「ドライブ」とも称される駆動装置/ユニット1915は、例えば、電動モータの形態のモータ1945を有する。本実施形態によれば、モータ1945はシャフト1920に連結される。シャフト1920は、本実施形態によれば直線状である。シャフトハウジング1925は、本実施形態によれば相応して管状であり、少なくともシャフト1920、または本実施形態によれば、駆動ユニット1915全体を完全にモータ1945と収容する。一部の実施形態によれば、モータ1945はシャフトハウジング1925の外側に配置される。本実施形態によれば、ハウジング封止要素1935および/またはインペラ封止要素1940は、強固であるが弾性材料で作製される。言い換えれば、ハウジング封止要素1935および/またはインペラ封止要素1940は、液体または半液体材料を有しない。
【0072】
本実施形態によれば、ハウジング封止要素1935は、シャフトハウジング1925の内側面に取り付けられてもよく、および/またはシャフト1920の周りに配置されてもよい。本実施形態によれば、ハウジング封止要素1935は、本実施形態による、回転シャフトシールとして、封止リングとして形成されてもよい。本実施形態によれば、ハウジング封止要素1935は、インペラ1910に面するシャフトハウジング1925の入口開口部1947に取り付けられてもよい。一実施形態によれば、ハウジング封止要素1935は、入口開口部1947に直接固定されてもよい。
【0073】
追加的または代替的なインペラ封止要素1940は、本実施形態によれば、インペラ1910に取り付けられてもよく、ならびに/あるいはシャフト1920および/またはシャフトハウジング1925の周りに接触して配置されてもよい。本実施形態によれば、インペラ封止要素1940は、追加の封止リング、ここでは軸シャフトシールとして設計されてもよい。軸シャフトシールはまた、「Vリング」として記載されてもよい。本実施形態によれば、このV字型リングは、軸シャフトシールの環状基部から離れて延在する、V字型またはプレート形状の可撓性封止リップを有してもよい。本実施形態によれば、封止リップは、インペラ1910に取り付けられる。
【0074】
インペラ封止要素1940はまた、本実施形態によれば、取り付けられた状態でシャフト1920に向かって予め装填されてもよい。プリテンションは、インペラ封止要素1940の変形によって生じ得る。一部の実施形態によれば、ポンプ1900は、事前装填を引き起こすばね要素を有してもよい。
【0075】
さらに、本実施形態によれば、インペラ封止要素1940は、少なくとも一つのギャップ封止要素1950を有してもよく、これは、流体1905がギャップ1952に入るのを防ぐために、シャフトハウジング1925とインペラ1910との間のギャップ1952を流体封止するように配置されてもよい。本実施形態によれば、ギャップ封止要素1950は、追加の封止リングとして設計されてもよい。本実施形態によれば、ギャップ封止要素1950の外径は、インペラ封止要素1940の外径よりも大きくてもよい。本実施形態によれば、インペラ封止要素1940は、追加の封止リングの通路開口部において、追加の封止リングに対して同軸に配置されてもよい。
【0076】
シャフト1920の自由端は、本実施形態によるインペラ1910に固定されてもよい。一部の実施形態によれば、シャフト1920およびインペラ1910の自由端は、磁気カップリングによって接触することなく接続されてもよく、それによってモータ1945の駆動力はインペラ1910に磁気的に伝達可能である。
【0077】
ポンプ1900はまた、本実施形態によれば、シャフトハウジング1925内のシャフト1920の半径方向および/または軸方向ベアリング用のベアリング装置1955を有してもよい。この目的のために、本実施形態によるベアリング装置1955は、シャフト1920が例えば、中央に取り付けられている、シャフトハウジング1925の内部の二つの両端部に二つのベアリング要素を有してもよい。この実施形態によれば、ハウジング封止要素1935は、二つのベアリング要素によって囲まれた空間の外側に配置されてもよい。
【0078】
本明細書に提示されるポンプ1900は、心臓支持システム用の血液ポンプとして使用および成形され得る。一実施形態によれば、ポンプ1900は、接触半径方向および/または軸方向シールを有する短期移植のための心室補助装置(VAD)ポンプとして設計される。
【0079】
ポンプ1900が、一時的/短期使用のVAD-ポンプとして使用される場合、それらが非常に迅速に移植され得ることが重要である。本実施形態によれば、この目的のために、可能な限り単純なシステムを使用してもよい。一つまたは複数の封止要素1935、1940、1950のみが存在してもよく、フラッシング媒体またはバリア媒体などの液体または部分的に液体媒体が分注されてもよいか、あるいは封止または血液がモータに入るのを防止するための外部強制フラッシングが可能である。
【0080】
いくつかの実施形態では、ポンプ1900は、図30A~30Cに関して本明細書に記載されるように、シール、および/またはシールの一つまたは複数の特徴を含み得る。
【0081】
本実施形態によれば、ここで提示されるポンプ1900は、電気モータ1945、回転シャフト1920、インペラ1910、ベアリング装置1955、シャフトハウジング1925、および/または少なくとも一つの封止要素1935、1940、1950の形態の電気駆動部を有してもよく、これらは、ハウジング封止要素1935の形態の実施形態によるハウジング1925にしっかりと接続されてもよく、かつ、回転シャフト1920および/またはインペラ1910に対して封止機能を有してもよい。追加的または代替的に、ポンプ1900は、回転インペラ1910に対して軸方向にハウジング1925を封止する、インペラ封止要素1940および/またはギャップ封止要素1950の形態の封止要素を有してもよい。本実施形態によれば、インペラ1910は、例えば、ハブおよび少なくとも二つ以上のブレードを有するコアからなってもよい。ポンプ1900の動作中、流体1905は、インペラ1910(吸引)に軸方向に供給され、ここに示されていないインペラ1910のインペラハウジング内の開口部を通して半径方向/対角状に放出されてもよい。本実施形態によれば、インペラ1910は、モータ1945の駆動シャフト1920にしっかりと接続されてもよく、これは必要な駆動電力を提供する。本実施形態によれば、シャフト1920は、少なくとも一つの半径方向および/または少なくとも一つの軸方向ベアリングによって支持されてもよい。任意選択で、ベアリングはまた、半径方向-軸方向ベアリングと組み合わせて実現されてもよい。一つの可能な実施形態によれば、ハウジング1925は、インペラ1910に対して少なくとも一つの封止要素1935を有してもよい。別の実施形態によれば、この少なくとも一つの封止要素1940、1950は、インペラ1910に取り付けられてもよい。シールは、接触設計であってもよく、すなわち、一実施形態によれば、封止要素1925、1940は常にシャフト1920およびケーシング1925と接触している。さらに、シャフト1920をケーシング1925に対して封止する少なくとも一つの(さらなる)封止要素1940は、任意に/代替的に配置されてもよい。これは、封止要素1940がシャフト1920に向かって予め装填されるように、実施形態に従って設計され得る。一実施形態によれば、これはばねを用いて、または別の実施形態によれば、弾性封止要素1940を成形することによって実現され得る。ハウジング封止要素1935の一つの可能な設計は、回転シャフトシールである。軸方向シャフト封止リングは、代替的/任意選択の封止要素1940の可能な設計である。
【0082】
一実施形態によれば、VADポンプ1900は、5ミリメートル未満の最大外径を有してもよく、別の実施形態では、8ミリメートル未満の外径を有してもよい。一実施形態によれば、ポンプ1900は、24時間未満の短期使用、別の実施形態では10日未満の使用、別の実施形態では28日未満の使用、および別の実施形態では6か月以下の使用のために設計され得る。
【0083】
図20Aは、インペラ2068の実施形態を有するポンプ2062の代替的な実施形態の側面図を示す。インペラ2068は、入口管の近位端またはインペラ2068用の別個のハウジングであってもよいインペラハウジング内に回転可能に取り付けられる。インペラ2068は、出口開口部2066に面してもよい。インペラ2068は、出口開口部2066を介した血液の軸方向吸引、ならびに半径方向および/または対角状の放出を提供し得る。ポンプ2062は、回転軸2032を含み得る。ポンプ2062は、回転軸2032の周りを回転してもよい。密封されたモータハウジング2064内のモータは、インペラ2068を回転させてもよい。
【0084】
インペラ2068は、少なくとも一つのらせん状に巻かれたブレード2070を含み得る。ブレード2070は、血液の効率的かつ穏やかな輸送を確保し得る。図20Aに示すように、ブレード2070は、ポンプ2062のハブ2000の周りにらせん状に巻かれることができる。ハブは、インペラ2068の内側コアを形成し得る。血流経路の流れ方向は、三つの矢印で示されている。血液は、インペラ2068の上流の入口開口部として作用するポンプ入口によって吸引され、出口開口部2066から出る。
【0085】
ブレード2070のキャンバ線であり得る骨格線2004は、出口開口部2066の上流開始の領域に屈曲点を有してもよい。ブレード2070は、ポンプロータ2068の上流端から全長にわたって、または少なくともハブ2000の主要部分にわたって延在し得る。図20Aの実施形態では、ハブ2000は、ハブ2000の形状が流れの方向に沿って厚くなるように、流れの方向に増加する直径を有してもよい。ハブのこの形状は、血液の半径方向および/または対角状の放出を容易にし得る。
【0086】
ブレード2070は、ブレード2070の骨格線2004の複数の湾曲部分によって画定される、波形状の静翼湾曲(例えば、波動ブレード湾曲)を有する静翼セクション2002を含み得る。本明細書で論じるように、ブレード2070の波形状の湾曲は、例えば、正または負の凹状/凸状など、少なくとも一つの符号の変化に関連する静翼セクション2002の湾曲の変化を指し得る。ブレード2070および/または静翼セクション2002全体の少なくとも一つのセクション、または静翼セクション2002の一部分は、出口開口部2066の半径方向内向きに位置してもよい。静翼セクション2002は、出口開口部166の流れに面した縁部2006の領域に少なくとも部分的にあってもよい。静翼セクション2002は、凸状湾曲と凹状湾曲との間の遷移を表し得る。循環支持装置の管状ハウジングの出口開口部(複数可)2066は、波動ブレード湾曲を有するインペラ2068のブレードセクション2002と少なくとも部分的にオーバーラップしてもよい。
【0087】
特定の実施形態では、インペラ2068は、ハブ2000の周りに同じ方向に巻かれる二つのブレード2070を備え得る。各ブレード2070は、静翼セクション2002を有してもよい。一部の実施形態では、インペラ2068は、三つ、四つ、五つ、六つ、またはそれ以上など、二つを超えるブレード要素2070を含み得る。ポンプ2062、または本明細書に記載される他のポンプは、AXIAL-FLOW PUMP FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICE AND METHOD FOR PRODUCING AN AXIAL-FLOW PUMP FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICEと題する、2019年5月30日に出願された国際公開第2019/229223号に記載されるもの、および/または AXIAL-FLOW PUMP FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICE AND METHOD FOR PRODUCING AN AXIAL-FLOW PUMP FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICEと題する、2021年6月18日に出願された米国特許出願第17/057252号に記載されるものなどの、追加の特徴または変更を有してもよく、それらのそれぞれの開示は、すべての目的に対してその全体が参照により本明細書に援用され、本明細書の一部を形成する。
【0088】
図20Bは、図20Aのブレード要素2010の骨格線2004の例示的な巻き出しの概略図を示す。二対のブレード角度α、βおよびα、βが、一例として描かれ、その各々が、骨格線2004の湾曲を表す接線2030の接線勾配を表す。各接線2030は、ポンプロータの回転軸2032に平行なz軸およびz軸に垂直なφ軸により円筒座標系に引き入れられる。φ軸は、ポンプロータの円周方向を表す。
【0089】
接線勾配は、垂直矢印で示される流れ方向に最初増大し、その後再び減少する。この設計例によれば、接線勾配は、最初はブレード先端2034からブレード要素2010のブレード後縁2036まで連続的に増大し、骨格線2004の屈曲点2031に達すると、再び減少する。点2038は、ポンプハウジングの出口開口部を介する流れ放出の位置、より正確には軸方向の流れ放出の開始を示す。ここでの目的は、屈曲点2031および流れ排出の開始点2038が近接していることを確実にすることである。
【0090】
すでに説明したように、一設計例によれば、ポンプロータは、少なくとも二つのブレード要素2010によって実現され得る。搬送媒体は、ポンプロータに軸方向に送達されるか、またはポンプロータによって引き込まれ、ポンプハウジング内の一つまたは複数の出口開口部2066を通して半径方向および/または対角状に排出される。ブレード要素2010は、ブレード表面または骨格線2004で形成された接線2030と回転軸2032またはz軸との間の角度αが軸方向に変化するように構成される。円周方向またはφ軸とブレード表面または骨格線2004との間の角度βは、反対の範囲に変化する。角度βは、少なくともポンプロータの最大直径の領域、すなわち、ブレード要素2010のブレード先端の領域内のセクションにおいて、ポンプロータの開始から、すなわち、ブレード先端2034から、流れ方向に増大するように変化する。角度βは、特に、流れ放出開始領域2038またはその近位において、少なくともポンプロータの最大直径の領域、すなわち、ブレード要素2010のブレード先端の領域内のセクションにおいて、最大値をとる。
【0091】
いくつかの実施形態では、インペラ2068は、骨格線2004を有する輪郭を有するブレード要素2010を備え、平面に巻き出されたとき骨格線2004のそれぞれの湾曲が、出口開口部2066に向かってポンプ吸気セクションから開始しブレード要素2010のブレード角度βが最大である屈曲点2031に向かう方向に回転軸2032に沿って増大し、骨格線2004のそれぞれの湾曲が、屈曲点2031の後に減少する。さらに、一部の事例では、インペラ2068の回転軸2032に対して半径方向に位置するインペラ2068の領域は、25%≦SH/SHMAX≦100%となるように最大ブレード高さSHMAXに対して画定されたブレード要素2010のブレード高さSHを有し、骨格線2004のそれぞれの屈曲点2031は、管状ハウジングの入口管の出口開口部2066の上流縁部の領域に位置する。ブレード要素2010は、例えば、AXIAL-FLOW PUMP FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICE AND METHOD FOR PRODUCING AN AXIAL-FLOW PUMP FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICEと題する、2019年5月30日に出願された国際公開第2019/229223号に記載のもの、および/または AXIAL-FLOW PUMP FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICE AND METHOD FOR PRODUCING AN AXIAL-FLOW PUMP FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICEと題する、2021年6月18日に出願された米国特許出願第17/057252号に記載のものなどの、他の特徴または変更を有してもよく、それらのそれぞれの開示は、すべての目的に対してその全体が参照により本明細書に援用され、本明細書の一部を形成する。
【0092】
図21A~Cは、インペラハウジング2115を含む管状ハウジングを有するポンプ領域2160の実施形態を示す。ポンプ領域2160は、インペラハウジング2115の代替的な実施形態を有するポンプ2117を含み得る。いくつかの実施形態では、インペラハウジング2115は、さらに説明するように、ディフューザを含んでもよい。ポンプ領域2160またはその特徴は、本明細書に記載されるMCSシステムまたはポンプのいずれかと共に使用され得る。ポンプ領域2160は、大動脈内および/または少なくとも部分的に心室内の経大腿カテーテルまたは経大動脈カテーテルを通して、低侵襲な様式で配置されてもよい。本明細書に記載されるように、ポンプ領域2160は、心臓支持システム用の血液ポンプ2117を含み得る。図21に示すポンプ領域2160の最大外径は、10ミリメートル未満(例えば、7mm以下、5mm以下)であってもよい。ポンプ2117は、軸流が発生するインペラ2168を含む軸設計を有してもよい。ポンプ2117の軸設計は、ポンプ領域2160が10mm未満の最大外径を有することを容易にし得る。
【0093】
ポンプ装置2160の動作中に、入口管2105を通して血液が流れ、大動脈(例えば、左心室から、大動脈弁を横切って、および大動脈へ)に供給されるために、ポンプ2117のインペラハウジング2115の周囲内で出口開口部2180を通して排出される。これは、インペラ2168が、円筒形/管状インペラハウジングの形態であるインペラハウジング2115によって第一のセクションに完全に封入され、インペラハウジング2115の出口開口部2180によって第二のセクションで中断される、図21Aの実施形態によって可能になり、および実装される。これら二つのセクション間の遷移は、出口開口部2180の始まり2125によって特徴付けられる。
【0094】
図21B~Cに示すように、MCSシステムの一部の実施形態は、管状ハウジングと結合するように構成されたディフューザ2130をさらに備えてもよい。出口開口部2180は、ポンプ領域2160の管状ハウジング(例えば、入口管2105からおよび/またはインペラハウジング2115から)からの血液の流出を容易にするように構成され得る。ディフューザ2130は、血液が出口開口部2180を通過した後、出口開口部2180に血液を横方向に誘導するように構成され得る。
【0095】
図21Bに示すように、一部の実施形態によれば、ディフューザ2130は、インペラハウジング2115の周りに円周方向に配置されてもよい。動作位置2132では、ディフューザ2130の横方向表面は、血液の流れ方向2133(矢印を参照)に増加する断面積を有してもよい。いくつかの実施形態では、ディフューザ2130自体はまた、血液の流れ方向2133に増加する断面積を有し得る。この場合、ディフューザ2130は、動作位置2132内に円錐台の形状を有してもよい。ディフューザ2130は、少なくとも一つの支柱2134および/または可撓性ジャケット2135を有する支持構造体を有してもよい。図21Bの実施形態に示すように、ディフューザ2130は、複数の支柱2134を有する。
【0096】
ディフューザ2130は、静止位置2137(図21Cに示す)から動作位置2132(図21Bに示す)へ、および/または動作位置2132から静止位置2137へ移動可能であるように形成されてもよく、ディフューザ2130は、それが静止位置2137から動作位置2132へ折り畳まれるように形成される。ディフューザ2130は、改善された流れ経路およびより低い圧力損失、ならびにポンプ効率の増加を生成し得る。
【0097】
ディフューザ2130は、インペラハウジング2115に永久的または分離可能に接続されてもよい。一部の事例では、ディフューザ2130は、可撓性、捲縮性、折り畳み可能、および/または展開可能であるように構成される。この構成は、折り畳まれた状態または捲縮された状態において、インペラハウジング2115に密接に密着し、したがって低侵襲的移植を可能にするという利点を提供し得る。ディフューザ2130は、形状記憶材料(例えば、ニチノール)および可撓性ジャケット2135から作製されたいくつかの支柱2134を有する支持構造体で構成され得る。可撓性ジャケット2135は、円周方向に完全にまたは少なくとも部分的に閉じられてもよく、シリコーンおよび/またはPUで作製されてもよく、および/または支持構造体に永久的または分離可能に接続されてもよい。図21Bに示す展開状態の支持構造体と一緒に、横方向表面は、血液が出口開口部(複数可)2180から流れ出る時の損失を低減するために、血液の流れ経路を提供することができる。ディフューザ2130は、展開状態で、主流れ方向2133、すなわち、インペラ2168の回転軸の軸の方向に増加する断面積、すなわち、散開する断面積を封入する横方向表面を有してもよい。したがって、ディフューザ2130の下流放出面2136は、インペラハウジング2115を有するディフューザ2130の放出面2136の反対側に配置された接続面よりも大きくてもよい。この場合、ディフューザ2130またはその少なくとも横方向表面は、円錐台の形態で構成され得る。ディフューザ2130は、ファンネル形状、ドーム形状、アンブレラ形状、逆ベル形状、ベル形状、ボウル形状など動作位置2132で他の形状および/または構成を含んでもよく、ならびに/あるいは凸状、凹状、段付き、または角状の放出面を有してもよい。
【0098】
図21Cは、静止位置2137にあるディフューザ2130を示す。静止位置2137では、ディフューザ2130は、インペラハウジング2115に密接に密着するように構成されてもよく、したがって、低侵襲的に移植されてもよい。
【0099】
ポンプ2117、ディフューザ2130、本明細書に記載される他のポンプもしくはディフューザ、またはその特徴は、PUMP HOUSING DEVICE,METHOD FOR PRODUCING A PUMP HOUSING DEVICE,AND PUMP HAVING A PUMP HOUSING DEVICEと題する、2019年5月30日に出願された国際公開第2019/229214号に記載のもの、および/または PUMP HOUSING DEVICE,METHOD FOR PRODUCING A PUMP HOUSING DEVICE,AND PUMP HAVING A PUMP HOUSING DEVICEと題する、2021年5月19日に出願された米国特許出願第17/057548号に記載のものなどの、追加の特徴または変更を有してもよく、それらの各々の開示は、すべての目的に対してその全体が参照により本明細書に援用され、本明細書の一部を形成する。
【0100】
図22は、MCSシステムの入口管2201の代替的な実施形態の側面図である。入口管2201は、主本体2225を有してもよい。入口管2201は、入口管2201を遠位先端および/または循環支持装置のヘッドユニットに接続/取り付け得る入口管主本体の第一の端部(例えば、遠位端)に、第一の接続セクション2221(本明細書の第一の取り付けセクションとも呼ぶことができる)を含み得る。一部の実施形態では、第一の接続セクション2221は、形態係止および/または力係止様式で、遠位先端および/またはヘッドユニットに接続するように構成され得る。入口管2201はまた、入口管主本体の第二の端部(例えば、近位端)に第二の接続セクション2222(本明細書の第二の取り付けセクションとも呼ぶことができる)を含んでもよい。第二の接続セクション2222は、入口管2201をポンプ出口に接続してもよい。一部の事例では、第二の接続セクション2222は、入口管2201をインペラハウジングに接続してもよい。いくつかの実施形態では、第二の接続セクション2222は、入口管2201をモータハウジングに接続してもよい。入口管2201の主本体2225はまた、第二の接続セクション2222と第一の接続セクション2221との間に延在する構造セクション2223を含んでもよい。いくつかの実施形態では、構造セクション2223は、ポンプ入口2224と第二の接続セクション2222との間に延在してもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、構造セクション2223は、入口管2201の剛性を変化させることができる一つまたは複数の補強凹部を含み得る。補強凹部は、構造セクション2223の一部の上に、または構造セクション2223全体の上に延在し得る。補強凹部は、らせん状の円周方向の様式で配置されてもよい。補強凹部は、スロットの形態であってもよい。
【0102】
図22は、入口管2201の例示的な寸法を示すための幾何学的参照マーキングをさらに含む。第一の接続セクション2221では、入口管2201は、符号2205によって示される6.5ミリメートル(または4.5~8.5ミリメートル)の内径を有してもよい。符号2210によってこの区域に示される外径は、7ミリメートル(または5mm~9mm)であってもよい。マーク2215によって示される屈曲の角度は、26度(または16度~36度)であり得る。マーキング2220は、第一の接続セクション2221およびポンプ入口2224を含む入口管2201の領域、ならびにポンプ入口2224に最も近い凹部を有する構造セクション2223の領域の長さ15ミリメートル(または10ミリメートル~20ミリメートル)であってもよい。いくつかの実施形態では、第一の接続セクション2221は、ポンプ入口2224の一部である。入口管2201の長手方向軸に対して傾斜し得る構造セクション2223の隣接する曲げ部分は、符号2225によって示されるように、14ミリメートルの長さを有してもよい。符号2230によって示される入口管2201の隣接部分は、構造セクション2223および第二の接続セクション2222の残りの部分を含む。入口管2201、または本明細書に記載される任意の他の入口管は、LINE DEVICE FOR CONDUCTING A BLOOD FLOW FOR A HEART SUPPORT SYSTEM,AND PRODUCTION AND ASSEMBLY METHODと題する、2019年5月30日に出願された国際公開第2019/229210号に記載のもの、および/または LINE DEVICE FOR CONDUCTING A BLOOD FLOW FOR A HEART SUPPORT SYSTEM,AND PRODUCTION AND ASSEMBLY METHODと題する、2021年5月18日に出願された米国特許出願第17/057355号に記載のものなどの、追加の特徴または変更を有してもよく、それらの各々の開示は、すべての目的に対してその全体が参照により本明細書に援用され、本明細書の一部を形成する。
【0103】
図23は、MCSシステムの入口2301の代替的な実施形態の斜視図である。入口管2301は、本明細書に記載のポンプまたはMCSシステムのいずれかと共に使用され得る。入口管2301は、メッシュまたは編組吸引ホースの形態であってもよい。入口管2301は、主本体2305を有する。主本体2305は、第一の端部に、入口管2301を遠位先端に接続するための第一の接続セクション2310、および第二の端部に入口管2301をポンプ出口に接続するための第二の接続セクション2315を有してもよい。ポンプ入口2330は、第一の接続セクション2310内に少なくとも一つの入口開口部2340を切り抜かれるか、または形成されることができる。入口開口部2340は、複数パート窓として実装されてもよい。ポンプ入口2330は、三つの長方形形状入口開口部2340を備えてもよく、これは、編組セクション2320の方向に円弧の形態で丸められる。
【0104】
主本体2305は、接続セクション2310と2315との間に編組セクション(メッシュセクションとも呼ぶことができる)2320を有してもよい。編組セクション2320は、少なくとも一つの編組ワイヤ(メッシュワイヤとも呼ぶことができる)2325から形成される編組構造(メッシュ構造とも呼ぶことができる)2335を有する。主本体2305は、血流を基部/主本体2305に導入するための第一の接続セクション2310に配置されたポンプ入口2330を有する。入口管2301は、循環支持システムの隣接する構成要素に接続可能であるように成形/構成される。編組構造2335は、ダイヤモンド格子として成形されてもよい。この目的のために、少なくとも一つの編組ワイヤ2325は、格子として編組されてもよく、編組構造2335を形成する複数のダイヤモンドメッシュを有する。編組流れチャネルは、編組セクション2320であってもよい。編組セクション2320は、形状記憶材料から形成されてもよい。入口管2301は、ニチノールから完全に形成されてもよい。ニチノールを使用することにより、入口管2301は、短期使用に適しているだけでなく、10年以上の寿命にも適し得る。ニチノールは生体適合性と形状記憶特性の利点を兼ね備えることができるため、図23に示す編組セクション2320のように、複雑な構造を小さな設置スペースに実装することを可能にする。
【0105】
編組セクション2320は、接続セクション2310および2315で穿孔されてもよい。この目的のために、接続セクション2310および2315は、編組ワイヤ2325の一セクションにねじ込むための締結要素を有してもよい。追加的または代替的に、編組セクション2320は、接続セクション2310および2315に接着またははんだ付けされてもよい。
【0106】
編組セクション2320は、入口管2301の剛性を調整するために、入口管2301の少なくとも半分の上に延在し得る。入口管2301は、経大腿動脈的手術(鼠径部を介してアクセスする)を可能にするように成形されてもよい。したがって、入口管2301は、大動脈弓を通して押されることができるほど十分に可撓性であってもよく、またねじれることなく軸方向に血管を通して押され得るように剛性を有してもよい。入口管2301の柔軟性および剛性の関連する要件は、編組セクション2320の成形によって設定され得る。編組構造の設計は、柔軟性および剛性の比を決定し得る。柔軟性および剛性の比に影響を与える変数には、少なくとも一つの編組ワイヤ2325のワイヤトラック数、少なくとも一つの編組ワイヤ2325の硬さおよび材料の厚さ、および編組構造2335の編組パターンが含まれる。
【0107】
少なくとも一つの編組ワイヤ2325のワイヤトラックの数が多いほど、編組構造2335はより剛直であり得る。編組ワイヤ2325は、例えば、12~24本のワイヤトラックを含み得る。編組ワイヤ2325のワイヤ直径が大きいほど、編組構造2335がより硬くなり得る。ワイヤ直径は、例えば、0.1ミリメートル~0.3ミリメートルであってもよい。さらに、編組ワイヤ2325の材料特性は重要である。編組ワイヤ2325の弾性係数が高いほど、編組構造2335はより剛直であり得る。編組ワイヤ2325は、例えば、74Gpa~83GPaの弾性を有してもよい。編組構造2335の編組の種類も有意であり、より密集したメッシュの編組は、より硬くなり得る。
【0108】
図23に示す実施形態では、入口管2301は、第一の接続セクション2310の方向に曲げられてもよく、屈曲は、例えば、入口管2301の長手方向軸に対して鈍角として成形される。編組セクション2320は、曲げ点で鈍角に曲げられてもよい。屈曲は、ニチノール編組セクション2320の熱処理によって実現され得る。ニチノールの形状記憶特性のために、入口管2301は、第一の接続セクション2310のポンプ入口2330の入口開口部が心腔の中心に位置付けられるように、人体解剖学的構造に対応する編組セクション2320の湾曲形状で形成され得る。入口管2301、または本明細書に記載される任意の他の入口管は、LINE DEVICE FOR CONDUCTING A BLOOD FLOW FOR A HEART SUPPORT SYSTEM,HEART SUPPORT SYSTEM,AND METHOD FOR PRODUCING A LINE DEVICEと題する、2019年5月30日に出願された国際公開第2019/229211号に記載のもの、および/または LINE DEVICE FOR CONDUCTING A BLOOD FLOW FOR A HEART SUPPORT SYSTEM,HEART SUPPORT SYSTEM,AND METHOD FOR PRODUCING A LINE DEVICEと題する、2021年6月1日に出願された米国特許出願第17/057411号に記載のものなどの、追加の特徴または変更を有してもよく、それらの各々の内容の全体は、すべての目的に対してその全体が参照により本明細書に援用され、本明細書の一部を形成する。
【0109】
図24は、MCSシステムのポンプ領域2460の代替的な実施形態の斜視図である。ポンプ領域2460またはその特徴は、本明細書に記載される任意のポンプ領域またはMCSシステムと使用され得る。ポンプ領域2460は、入口管2401を有する。本質的に一定の外径を有する図24に示すポンプ領域2460の細長い軸設計は、カテーテルによって血管内、例えば、大動脈内に配置するための、ポンプ領域2460の経大腿移植または経大動脈移植を可能にする。
【0110】
大動脈弁位置の形状にしたがって、入口管2401は、例えば、長手方向軸の傾斜または湾曲を有し、したがってわずかに湾曲した形状を有する。入口管2401に加えて、ポンプ領域2460は、ポンプユニット2486を含む。ポンプ領域2460はまた、遠位先端2485、ハウジングセクション2488、および/またはアンカーリングフレーム2487を含んでもよい。入口管2401は、遠位先端2485とポンプユニット2486との間に配置され得る。ポンプユニット2486は、入口管2401から離れた端部において、アンカーリングフレーム2487が取り付けられるハウジングセクション2488に接続される。
【0111】
入口管2401は、ポンプ領域2460のポンプユニット2486への流体流れを誘導するように設計され得る。入口管2401は、ポンプ入口2430および輪郭セクション2435を含み得る。ポンプ入口2430は、入口管2401内に流体流れを導入するための少なくとも一つの入口開口部2440を有してもよい。ポンプ入口2430の入口開口部2440の少なくとも一つの入口縁は、丸みを帯びてもよい。入口開口部2440は、例えば、ポンプ入口2430内に切断されるか、またはポンプ入口2430内に形成される窓形状の入口開口部として設計されてもよい。輪郭セクション2435は、内面輪郭を有してもよい。輪郭セクション2435は、ポンプ入口2430に隣接して配置される。流れ方向に見ると、第一の位置における輪郭セクション2435の内径は、第二の位置における内径よりも大きい。したがって、いくつかの実施形態では、入口管2401は、入口管2401の遠位端に縮小直径セクションを有してもよい。内面輪郭は、第二の位置に内径を低減するための丸みを有する。輪郭セクション2435の長さは、公差範囲内の入口管2401の半径に対応し得る。公差範囲は、入口管の半径から最大20%の偏差であってもよい。
【0112】
図24では、ポンプ入口2430および輪郭セクション2435が例として注目されて示されている。具体的には、輪郭セクション2435は、図24に示すよりも、入口管2401のより小さい部分またはより大きな部分であってもよい。移植された時、ポンプ入口2430および輪郭セクション2435は、左心室内に配置される。入口管2401の別のセクションは、大動脈弁を通って導かれ、ポンプユニット2486を有するポンプ領域2460のセクションは、移植された時に大動脈の一セクション内に配置される。ポンプユニット2486の区域内のポンプ出口2445は、入口管2401を通して搬送される流体流れを大動脈に導く。マーキング2450は、例として、例えば、大動脈弁などの心臓弁の位置を示し、それを通して入口管2401はポンプ領域2460を位置付けるために進む。
【0113】
例として本明細書に示すポンプ領域2460を有する循環支持システムなどの、設置空間の点で限定され、低侵襲な様式で移植され得る循環支持システムは、所定のポンプ効率で比較的低い電力消費量を有する。効率は、ポンプユニット2486のポンプ内の摩擦によって制限される。流体流れが心腔内のポンプ入口2430の入口開口部2440からポンプユニット2486へ向けられる時の入口管2401内の圧力損失または摩擦は、入口管2401の形状によって影響され得る。この目的のために、入口開口部2440の入口縁は、圧力損失を低減するために丸みを帯びている。これだけでは流れ分離を防止することはできない。流れ分離は抑制されてもよく、したがって、圧力損失は、輪郭セクション2435の形態で本明細書に提示されるアプローチに従って形成される入口内面輪郭によって低減され得る。
【0114】
図25は、入口管2401の輪郭セクション2435の部分断面図である。輪郭セクション2435および内面輪郭2555の例示的な寸法関係が示されている。輪郭セクション2435の半分の軸方向セクションが示されている。輪郭セクション2435の内径2560は、第二の位置2570における内径2560よりも第一の位置2565においてより大きい。第二の位置2570での内径2560を低減するために、内面輪郭2555は、軸方向に円弧状の内壁プロファイルの形態の丸み2575を有してもよい。第一の位置2565は、輪郭セクション2435の長手方向軸に沿って輪郭セクション2435の点を示してもよく、第二の位置2570は、長手方向軸に沿って輪郭セクション2435のさらなる点を示してもよい。第二の位置2570は、第一の位置2565の下流であってもよい。本明細書に示す例示的な実施形態では、長手方向軸は、輪郭セクション2435の回転軸2580に対応する。
【0115】
第一の位置2565は、ポンプ入口と第二の位置2570との間の輪郭セクション2435内に配置されてもよい。入口管を通して、したがって輪郭セクション2435を通してポンプユニットの方向に向けられる、ポンプ入口を通して導入される流体流れの流れ方向に関して、第一の位置2565は、第二の位置2570の上流に配置される。さらに、図25の実施形態では、第三の位置2585での輪郭セクション2435の内径は、第二の位置2570の内径よりも大きい。第三の位置2585は、第一および第二の位置2565、2570の下流である。
【0116】
第二の位置2570における輪郭セクション2435の内径は、第一の位置2565における内側半径よりも最大五分の一小さくてもよい。図25では、これは、内側半径の5分の1を示すマーキング2590によって示されている。相応して、内面輪郭2555の丸み2575は、最大でも、マーキング2590が追加的に図示する、内側半径の5分の1の領域の凸状の膨らみとして設計される。
【0117】
いくつかの実施形態では、内面輪郭2555は、回転対称となるように設計され得る。回転軸2580に関連して図25に示す内面輪郭2555の一部の反対側である輪郭セクション2435の一部は、対称である内面輪郭2555の回転を相応して有する。輪郭セクション2435および図25に示す内面輪郭2555の形成によって、その他の方法で入口縁の下流を形成する入口管内の流体流れの流れの離脱を低減または抑制することが可能である。この場合、輪郭セクション2435の外径2595は一定であり、有利には入口ラインの設置スペースの増加はない。流体流れの圧力損失は、内面輪郭2555を有する図25に示す輪郭セクション2435の実施形態によって低減することができる。流体流れの入口流れ、したがって流れ挙動は、輪郭セクション2435によって局所的にのみ配向される。
【0118】
輪郭セクション2435は、一部の実施形態では、入口管の内径の最大二倍に相当する長さを有してもよい。輪郭セクション2435の形状のために、さらなる下流の流体流れの圧力損失は、内面輪郭を有さない一定の内径を有する入口管内よりも少ないが、これは、分離の抑制または低減の結果、下流の乱流が少なくなるからである。内面輪郭2555は、流れ分離が入口管の半径の最大四倍の長さにわたって大きく抑制されるように成形される。入口管の局所外径2595は、所定の壁厚によって制限される。流れ分離を低減するため、ポンプ入口の入口開口部に隣接して、入口縁は凸状に丸みを帯びている。図25に示す形状などの内面輪郭2555の形状の最適化は、任意選択的に回転対称であるか、または代替的に、回転角度とは無関係である。
【0119】
図25の実施形態では、内面輪郭2555の輪郭プロファイルの最適化は、第一の位置2565、第二の位置2570、第三の位置2585、および丸み2575を参照して図25に示すように、記載された入口縁の丸みにかかわらず、一定の壁厚で、二つの凹状および一つの凸状セクションを形成し得る。この目的のために、内壁輪郭は、内壁半径に基づいて最大五分の四の局所的な内壁半径が輪郭セクション2435の一定の壁厚で達成されるように任意選択的に成形される。
【0120】
いくつかの実施形態では、ポンプ領域2460は、供給ライン(例えば、入口管2401)に流体流れを受け入れるための少なくとも一つの導入開口部(例えば、入口開口部2440)を有する供給ヘッド部分(例えば、ポンプ入口2430)を有する管状ハウジングを備える。管状ハウジングはまた、内面輪郭(例えば、表面輪郭2555)を有する供給ヘッド部分(例えば、ポンプ入口2430)に隣接して配置される輪郭部分(例えば、輪郭セクション2435)を含んでもよい。内面輪郭は、第一の位置2565に第一の内径、第二の位置2570に第二の内径、および第三の位置2585に第三の内径を含み得る。第一の内径は、第二の内径よりも大きくてもよく、第三の内径は、第二の内径よりも大きくてもよい。第一の内径は、輪郭部分(例えば、輪郭セクション2435)の最大内径を備えてもよく、第二の内径は、輪郭部分(例えば、輪郭セクション2435)の最小内径を備えてもよい。内面輪郭(例えば、表面輪郭2555)は、第二の位置2570に丸みを帯びた部分を備え得る。輪郭部分(例えば、輪郭セクション2435)は、第一の位置2565に第一の内側半径を、および第二の位置2570に第二の内側半径を備えてもよく、第二の内側半径は第一の内側半径よりも最大で5分の1小さく、第二の位置2570は第三の位置2585と第一の位置2565の間に位置する。
【0121】
本明細書に記載された入口管2401、または任意の他の入口管は、FEED LINE FOR A PUMP UNIT OF A CARDIAC ASSISTANCE SYSTEM,CARDIAC ASSISTANCE SYSTEM AND METHOD FOR PRODUCING A FEED LINE FOR A PUMP UNIT OF A CARDIAC ASSISTANCE SYSTEMと題する、2019年7月19日に出願された国際公開第2020/016438号に記載のもの、および/または FEED LINE FOR A PUMP UNIT OF A CARDIAC ASSISTANCE SYSTEM,CARDIAC ASSISTANCE SYSTEM AND METHOD FOR PRODUCING A FEED LINE FOR A PUMP UNIT OF A CARDIAC ASSISTANCE SYSTEMと題する、2021年7月19日に出願された米国特許出願第17/261335号に記載のものなどの、追加の特徴または変更を有してもよく、それらのそれぞれの内容の全体は、すべての目的に対してその全体が参照により本明細書に援用され、本明細書の一部を形成する。
【0122】
本明細書に記載されるMCSシステムおよびポンプの実施形態のいずれかは、挿入ツールを含み得る。挿入の様々な例示的な実施形態を使用してもよく、それらは本明細書に記載される。
【0123】
図26A~Eは、挿入ツール2632の実施形態の様々な図である。図26Aは、挿入ツール2632の側面図であり、図26Bは、図26Aの線A-Aに沿って切り取られた挿入ツール2632の長手方向断面図であり、図26Cおよび26Dは、図26Aおよび26Bに示された線B-BおよびC-Cに沿ってそれぞれ切り取られた断面図であり、図26Eは、挿入ツール2632の分解図である。挿入ツール2632は、図4の挿入ツール32と同じまたは類似の特徴および/または機能を有してもよく、その逆も同様である。したがって、挿入ツール2632は、ポンプ22、または本明細書に記載される任意の他のポンプなどと共に使用され得る。
【0124】
挿入ツール2632は、長手方向軸2650を画定する、略細長い管状構成を有してもよい。図26Aに示すように、挿入ツール2632は、遠位端に円筒形管であってもよい管状体2636を備えてもよい。挿入ツール2632は、近位端にハブ2634を備えてもよい。ハブ2634は、コネクタ2639(本明細書では第一の係合構造とも呼ぶ)、第一のハウジングセクション2638、第二のハウジングセクション2640、キャップ2637、および/またはプラグ2635を含み得る。コネクタ2639は、弁2645(図26Eに示す)を有する管2644を含み得る。図26Bの断面図にさらに示すように、挿入ツール2632はまた、係止機構2641、係止パッド2642、止血弁2649、および/または一つまたは複数の封止要素2643を含んでもよい。係止機構2641は、以下でさらに説明するように、係止タブ2646を備えてもよい。
【0125】
挿入ツール2632の遠位端にある管状体2636は、遠位端およびその間に延在するルーメンを有する近位端を有してもよい。管状体2636は円筒形であってもよい。管状体2636は、ポリマー、プラスチック、その他の適切な材料、またはそれらの組み合わせから作製されてもよい。管状体2636は、ナイロン、グリラミド(登録商標)、Pebax(登録商標)などの透明ポリマーから作製されてもよく、それにより、管状体2636に含まれるガイドワイヤガイドチューブ83を通るガイドワイヤ100の通過の視覚的確認を容易にし得る。管状体2636は、拡張可能であってもよい。管状体2636の遠位端は、挿入ツール2632の挿入(本明細書に記載のイントロデューサシースへの挿入など)を容易にするために、例えば、遠位方向に直径が減少する円錐形部分などのテーパを備えてもよい。先細りの遠位端などの管状体2636の遠位端は、ガイドワイヤ補助具38の近位開口部90に取り外し可能に嵌合し得る。先細りの端部は、管状体に成形された55D Pebax(登録商標)などの材料であってもよい。管状体2636は、その近位端で、コネクタ2639の遠位端に接続してもよい。コネクタ2639は、その近位端で第一のハウジングセクション2638の遠位端に接続してもよい。第一のハウジングセクション2638は、その近位端で、第二のハウジングセクション2640の遠位端に、(第一のハウジングセクションに対して第二のハウジングセクションを90度回転することによって、前後に切り替えられ得る開位置とロック位置との間で回転可能な、例えば、回転可能に)接続してもよい。第二のハウジングセクション2640は、その近位端でキャップ2637の遠位端に接続してもよい。プラグ2635の遠位端は、キャップ2637の近位端を通して接続してもよい。
【0126】
係止機構2641は、係止パッド2642を受け入れるように構成された凹部2651を有する、その本体を通して長手方向に延在するルーメンを有し得る。係止パッド2642は、熱可塑性エラストマー、軟質Pebax(登録商標)またはシリコーンなどの軟質デュロメーターを有するエラストマー材料であってもよい。凹部2651に挿入されるとき、係止パッド2642は、係止機構2641の長手方向に延在するルーメンの内面と実質的に一致する内面を有し得る。図26Bに示すように、係止機構2641は、すべてが共通の長手方向軸2650を共有し、係止機構2641のルーメンを少なくともロック解除された構成で管状体2636のルーメンと同心にするように、コネクタ2639、第一のハウジングセクション2638、第二のハウジングセクション2640、およびキャップ2637を備えるハブ2634内に配置されてもよい。係止機構2641は、その遠位端でコネクタ2639の近位端に接続することができ、その近位端でプラグ2635の遠位端に接続することができる。プラグ2635は、その遠位端からその近位端まで、本体を通して長手方向に延在するルーメンを有してもよい。
【0127】
プラグ2635、係止機構2641、コネクタ2639、および管状体2636は、接続されると、挿入ツール2632の長手方向軸2650に沿って延在する流体密封経路を生じ得る。経路は、ポンプおよびカテーテルシャフトがその中に挿入されて流体密封されてもよい。弁2649、および/またはOリングなどの一つまたは複数の封止要素2643は、流体的に密封された経路の作成を補助し得る。例えば、コネクタ2639の近位端と係止機構2641の遠位端との間の接続は、弁2649を含み得る。弁2649は、遠位方向に幅を縮小する円錐フラップを有してもよい。ポンプまたはカテーテルシャフトが弁2649を通して挿入されると、円錐側壁が拡張して構成要素を貫通させることができるが、構成要素の周りで圧縮されたままで封止を作成することができる。係止機構2641の近位端とプラグ2635の遠位端との間の接続は、封止要素2643のうちの一つを備え得る。プラグ2635の近位端は、封止要素2643の一つを備えて、例えば滅菌スリーブ26の遠位コネクタなどの循環支持システムの他の構成要素に流体接続してもよく、これは、プラグ上の突出部を嵌合機構のスロットに回転させることによって、プラグ2635にロックする嵌合機構を有してもよい。封止要素2643は、Oリングまたはそれを通過する構成要素と封止的に係合し得る他の丸み付き封止要素であってもよい。
【0128】
挿入ツール2632の長手方向軸2650に沿った流体密封された経路は、本明細書に記載の装置またはポンプのいずれかなど、循環支持装置またはポンプを軸方向に移動可能に受け入れるように構成され得る。例えば、管状体2636のルーメン2620は、ポンプ22および任意選択でガイドワイヤガイドチューブ83を軸方向に移動可能に受け入れるように構成されてもよく、ハブ2634内の長手方向に延在するルーメンは、MCS装置のシャフト16(例えば、8フレンチシャフト)をスライド可能に受け入れるようにサイズ設定されてもよい。ポンプ22が管状体2636のルーメン内に含まれる場合、シャフト16は、ハブ2634内の長手方向に延在するルーメン内に含まれ、係止機構は、(図26Cに示すように)ロック解除状態にあり、ポンプ22は、例えば、シャフト16を遠位方向に前進させることによって、イントロデューサシース112から患者の血管系に前進する前に、イントロデューサシースの管状体116内に、管状体2636から遠位に前進され得る。挿入ツール2632の管状体2636は、その中にポンプ22などの循環支持装置を有するが、本明細書に記載されるようにイントロデューサシース(例えば、イントロデューサシース112)によって受け入れられるように構成されてもよい。したがって、挿入ツール2632の管状体2636は、イントロデューサシースの止血弁を通過した時に開存性を維持するのに十分な耐圧潰性を有し得る。
【0129】
挿入ツール2632は、挿入ツール2632に挿入された時に、循環支持装置と解除可能にロックするように構成され得る。一部の実施形態では、挿入ツール2632は、循環支持装置のMSCシャフト16(カテーテルまたはカテーテルシャフトとも呼ばれる)に解除可能にロックされ得る。挿入ツール2632が循環支持装置とロックされている場合、循環支持装置の軸方向(例えば、長手方向/近位/遠位)の動きが防止され得る。挿入ツール2632は、係止パッド2642を循環支持装置の少なくとも一部分と係合することによって、循環支持装置にロックしてもよい。係止パッド2642をシャフト16などの循環支持装置の少なくとも一部分と係合するために、係止パッド2642は、係止機構2641によって圧縮されてもよい。
【0130】
係止機構2641は、係止機構2641の一つまたは複数の係止タブ2646と、第二のハウジングセクション2640の内面または表面との間の相互作用によって、係止パッド2642を圧縮し得る。係止タブ2646は、係止機構の対向する側壁2647から半径方向外側に延在してもよい。係止タブ2646は、長手方向軸2650に沿ってオフセットされてもよい。第二のハウジングセクション2640は、キャップ2643と共に、第一のハウジングセクション2638、係止タブ2646、およびプラグ2635(回転軸が挿入ツール2632の長手方向軸2650に沿って)に対して回転するように構成されてもよい。このように構成され、第二のハウジングセクション2640が回転するとき、第二のハウジングセクション2640の一つまたは複数の内面または側壁2640Bは、係止タブ2646の一つまたは複数に接触してもよく、係止タブ2646を内側に圧縮し、係止パッド2642の半径方向内向きの圧縮をもたらす。図26Cに示すように、第二のハウジングセクション2640が反時計回りに90度回転する場合(図26Cで配向されるように、または第一のハウジングセクション2638に対して時計回りに)、第二のハウジングセクション2640の内面側壁2640Bは、係止タブ2646(本実施形態では、湾曲した外面を有するように示されている)に接触し、それらを内側に押し込み、係止パッド2642に対して内向きに係止機構2641を圧縮してもよい。係止タブ2646が長手方向にオフセットされている場合、例えば、シャフト16に対する係止タブ2646および係止パッド2642の内向きの圧縮は、シャフト16に、シャフト16を所定の位置に保持して、係止パッド2642の領域でわずかに曲げさせ得る。代替的に、または追加的に、シャフト16は、係止パッド2642によって圧縮され、シャフト16を所定の位置に保持/ロックすることができる。
【0131】
図26Cに示すように、第二のハウジングセクション2640は、二つの対向する第一の側壁2640Aを含んでもよく、これは図示されるように丸みを帯びてもよく、二つの対向する第二の側壁2640Bによって接続され、これは直線状であってもよい。二つの対向する第一の側壁2640Aの間の第一の距離、例えば第一の直径は、二つの対向する第二の側壁2640Bの間の第二の距離、例えば第二の直径よりも大きくてもよい。ロックされていない状態では、図26Cに示すように、二つの対向する第一の側壁2640Aは、それぞれの係止タブ2646に隣接してもよい。ロック位置に回転するとき、二つの対向する第二の側壁2640Bは、第二の側壁2640B間の距離が短いため、記載されるように、それぞれの係止タブ2646に接触して圧縮してもよい。係止タブ2646はそれぞれ、漸進的な圧縮のために、およびタブを折るリスクを軽減するために、それぞれの第二の側壁2640Bによって接触される丸みを帯びた外角2646Aを備えてもよい。第二のハウジングセクション2640が配向されたように反時計回りに(すなわち、第一のハウジングセクション2638に対して時計回りに)さらに回転されると、係止タブ2646はそれぞれ、それぞれの第二の側壁2640Bによって接触される半径方向外側の縁部2646Bを備えてもよい。縁部2646Bは、図示するように直線状であってもよく、またはそうでなければ、第二の側壁2640Bの内面の輪郭に一致してもよい。例えば、端部2646Bおよび第二の側壁2640Bの二つの対向する直線面が接触すると、第二のハウジングセクション2640は、ユーザによる外力を必要とすることなく回転的に静止してもよい。縁部2646Bと第二の側壁2640Bの内面との係合への移動は、スナップ状のハプティックフィードバックを生じ得る。
【0132】
循環支持装置を挿入ツール2632からロック解除するために、第二のハウジングセクション2640は、反対方向に回転されてもよい(図26Cで配向されたように時計回りに、または第一のハウジングセクション2638に対して反時計回りに)。第一のハウジングセクション2638および第二のハウジングセクション2640は、システムのユーザが挿入ツール2632に対して循環支持装置を所定の位置にロックすることを選択するまで、挿入ツール2632をロック解除位置に維持できる特徴を備え得る。一部の実施形態では、可撓性タブ2649と第二のハウジングセクション2640との間の相互作用は、システムのユーザが挿入ツール2632に対して循環支持装置をロックすることを選択するまで、挿入ツール2632をロック解除位置に維持し得る。同様に、第一のハウジングセクション2638および第二のハウジングセクション2640は、システムのユーザが挿入ツール2632に対して循環支持装置をロック解除することを選択するまで、挿入ツール2632をロック位置に維持できる特徴を備え得る。一部の実施形態では、係止タブ2646と第二のハウジングセクション2640との間の相互作用は、システムのユーザが挿入ツール2632に対して循環支持装置をロック解除することを選択するまで、挿入ツール2632をロック位置に維持し得る。
【0133】
挿入ツール2632のコネクタ2639は、本明細書に記載のイントロデューサシースと係合する(例えば、解除可能にロック/ロック解除する)ように構成され得る。例えば、コネクタ2639の遠位端の外面は、イントロデューサシースハブの近位端ポート2942の係止キャップ2924の嵌合隆起または可撓性タブなどの構成要素と係合するために使用され得る、内側円周方向の溝および/またはイントロデューサシースのロックを備えてもよい。コネクタ2639の遠位端の係止キャップ2924との係合は、スナップ状のハプティックフィードバックを生じ得る。コネクタ2639は、イントロデューサハブ2922に対する挿入ツールコネクタ2639の回転を防止し、接続時にイントロデューサハブに対する第一のハウジングセクション2638の回転を防止する様式で、イントロデューサシース係止キャップ2924と嵌合してもよい。例えば、コネクタ2639の遠位端およびイントロデューサシースの近位端ポート2942は、楕円形もしくは正方形または非円形であってもよい。これは、ユーザが一方の手でイントロデューサハブ2922および/または第一のハウジングセクション2638を保持しながら、他方の手で第二のハウジングセクション2640を回転させることを可能にすることによって、取り扱いを容易にし得る。
【0134】
図26Dは、コネクタ2639と係止機構2641の遠位端との間の接続の一部、およびコネクタ2639と細長い管状体2636の近位端を示す。また、一部の実施形態では、挿入ツール2632の長手方向ルーメンに流体接続し得る管2644が示されている。係止機構2641は、コネクタ2639の対応する溝または凹部内に受けられる半径方向外側に延在する突出部を含み得る。この係合は、コネクタ2639に対して係止機構2641を回転安定させ得る。コネクタ2639および係止機構2641をしっかりと接続するために、突出部および溝を接着するために接着剤を追加してもよい。接着剤は、係止機構2641を第一のハウジングセクション2638に接着して、それらもしっかりと接続するように追加されてもよい。コネクタ2639は、同じサイズを有し、ハブ2634内の長手方向に延在するルーメンと軸2650を共有するルーメンを有する内側フランジを有してもよく、内側フランジは、製造中に管状体2636をコネクタ2639に挿入するときに停止を提供してもよく、弁2649を保護し、管2644への開口部を開いたまま保持し得る。
【0135】
図26Eは、図26A~Dおよび一部の実施形態による、挿入ツール2632の分解図を示す。示されるように、挿入ツール2632の長手方向ルーメンに流体接続されてもよく、その反対の端部に活栓などの弁2645を有してもよい管2644。弁2645は、弁2645を通る流体流れを防止または許容するように調整されてもよい。
【0136】
挿入ツール2632は、約85mm~約200mm(例えば、約192mm)の範囲内の長さを有してもよい。いくつかの実施形態では、挿入ツール2632の長手方向ルーメンは、約4.5mm~約8.0mm(例えば、約5.55mm)の範囲内の直径を備え得る。挿入ツール2632は、ポンプ22が完全に管状体2636内にある時に、マーキング37(図7を参照)が挿入ツールハブ2634の近位にあるとわかるように、サイズ設定および構成されてもよい。挿入ツール2632は、止血弁(例えば、止血弁2645)を含んで、それを通過する循環支持システムの周りを封止する(例えば、MCSシャフト16の周りを封止する)ことができる。提供される場合、止血弁は、ポンプを含むより大きな直径のMCS装置の通路を収容し得る。循環支持システムの商業的な実施形態では、パッケージ化されたMCS装置は、挿入ツール2632内に予め位置付けられ、ガイドワイヤ補助具は、本明細書に記載されるように、MCS装置およびシャフト16内に予め装填される。
【0137】
図27は、本明細書に記載の様々なMCSシステムと共に使用され得るポンプのロータベアリングシステム2700の実施形態の、インペラおよび磁気カップリング領域を通した部分断面図である。ロータベアリングシステム2700は、心臓血管支持用のポンプの形態で例示的な実施形態として示される、非接触トルク伝達、および半径方向かつ軸方向のモータマウントを有してもよい。
【0138】
ロータベアリングシステム2700は、ハウジング2780を有する。ハウジング2780は、モータ、ドライブシャフトおよび/または駆動磁石をカプセル化するモータハウジングであってもよく、これは周囲環境から気密密封されてもよい。ハウジング2780内で、第一の円筒形永久磁石2730は、図示されていないモータによって駆動されるシャフト2706上に位置し、前述の永久磁石2730は第一の軸2705の周りを回転するように取り付けられる。
【0139】
ハウジング2780は、モータを半径方向に包含する第一の外径2731を有する第一の円筒形部分(例えば、5~7mmの範囲であり、好ましくは6mm)、第一の外径よりも小さい第二の外径2732を有する第二の円筒形部分(例えば、第一の外径よりも0.3~1mmの範囲、好ましくは、0.5mm小さい)、および第二の外径より小さい第三の外径2733を有する第三の円筒形部分(例えば、第二の外径より1.7~2.3mm、好ましくは、2.0mm小さい)を有してもよい。
【0140】
第二の外径2732は、入口管ハウジング2722と確実に嵌合してもよく、第二の外径および入口管ハウジング2722は、入口管ハウジングの外径が第一の外径2731と同一平面になるようにサイズ設定される(例えば、入口管ハウジング2722の厚さは、第一の外径と第二の外径との差異を2で割ったものと等しくてもよい)。ハウジング2780の第三の外径2733は、例えば、3.2~3.8mmの範囲内、好ましくは3.5mmであってもよい。
【0141】
ロータベアリングシステム2700は、液体を搬送するためのロータ2770をさらに備えてもよく、ロータ2770は、第一の軸2705の周りを回転するようにまた取り付けられる中空シリンダの形態の第二の永久磁石2740を備える。中空シリンダの形態の第二の永久磁石2740は、ロータ2770の中空シリンダの形態で部分2772に配置される。中空シリンダの形態の第二の永久磁石2740は、その外部にバックアイアン2750を随意に含む。
【0142】
いくつかの実施形態では、第一の永久磁石2730は、3mmの外径、1mmの磁石高さ、および3.2mmの長さ(例えば、3~4.2mmの範囲)を有し得る。第二の永久磁石2740は、5.3mmの外径(例えば、5~5.3mmの範囲)、0.6mmの磁石高さ(例えば、0.5~0.6mmの範囲)、および3.2mmの長さ(例えば、3~4.2mmの範囲)を有してもよい。スタガー2715は、1mm(例えば、0.1~1.2mmの範囲)であってもよい。ロータ2770は、5.3mmの外径(例えば、第二の外径2732よりも0.1~0.4の範囲、好ましくは0.2mm小さい)および15mmの長さを有してもよい。
【0143】
ロータ2770は、カップリング(例えば、磁気カップリング)によって伝達される機械力を油圧力に変換して、血圧に対して血流を伝達するインペラとして配置され得る。ロータ2770は、中空シリンダの形態で部分2772に嵌合される先細りまたは円錐形部分2771をさらに備えてもよい。円錐形部分2771の基部表面の外周は、中空シリンダの形態で、部分2772の軸方向端部上のリング形状の開口部と接続されてもよい。
【0144】
第一の永久磁石2730および第二の永久磁石2740は、参照記号2716によって標識された軸方向区域で少なくとも部分的に軸方向にオーバーラップし得る。第一の永久磁石2730は、この場合、第二の永久磁石2740に対して軸方向に互い違いに配置される。第一の永久磁石2730と第二の永久磁石2740の中心は、垂直線によってマークされ、軸方向スタガー2715は、これら二つの垂直線の間に引かれる。
【0145】
軸方向スタガー2715により、第二の永久磁石2740は、図27の右に向けられた力に供されて、その結果、ロータ2770内に配置されたボール2717が、ハウジング2780内に配置された円錐2718上に押し込まれ、その結果、この場合、組み合わされた軸方向および半径方向ベアリング2719を形成する第一のベアリング2720および第三のベアリング2790が、接触して保持される。代替的に、ボールはハウジング2780内に配置されてもよく、円錐はロータ内に配置されてもよい。意図されたように使用される場合、ボール2717は、半径方向の力および軸力の両方を吸収できるように、円錐2718内で回転する。組み合わされた軸方向および半径方向ベアリング2719とは、この場合、固体本体ベアリングである。ボール2717は、円錐形部分2771内に配置される。軸方向および半径方向のベアリング機能は、二つの要素のボール2717および円錐2718の組み合わせによって達成される。ボール2717は、例えば、0.5mm~0.9mmの範囲、好ましくは0.7mmの直径を有してもよく、円錐2718は、1mmの直径、0.8mmの高さ、および70°~90°、好ましくは80°の範囲内の円錐角を有してもよい。組み合わされたベアリング2719の軸方向ベアリング機能は、第一のベアリングの機能を有し、ロータ2770およびハウジング2780および/またはシャフト2706の互いに対する相対的軸方向位置決めのために設計され、第一の永久磁石2730および第二の永久磁石2740の配置から生じる軸力を吸収する。さらに、ロータベアリングシステム2700上の軸力は、及ぼされた力の設定が最適化され得るように、調整されてもよい。
【0146】
第一の永久磁石2730を備えるハウジング2780の領域は、少なくとも部分的に、ロータ2770の中空シリンダの形態で、部分2772によって半径方向に囲まれてもよい。次に、中空シリンダの形態のチャネル2774が、ハウジング2780とロータ2770の部分2772との間に形成されてもよく、それを通して液体が流れることができる。ボアまたは穿孔2702は、ロータ2770、好ましくは、ロータ2770の円錐形部分2771に、またはロータ2770の中空シリンダの形態で部分2772への円錐形部分2771の遷移に配置されてもよく、チャネル2774と流体連通してもよい。使用時に、ロータ2770が液体をスピンする場合、ボア2702から遠心的に放出されてもよく、液体がチャネル2774内に引き込まれて、連続的な流れで排出された液体を置き換えることができる。この場合、流れ矢印2711は、ギャップ2774を通る液体の流れの方向を示す。流れ矢印2712は、ロータ静翼2773によって移動される液体の流れの方向を示す。
【0147】
半径方向、流体力学的、および血液潤滑式プレーンベアリングとして配置され得る第二のベアリング2710は、ハウジング2780とは反対に面するロータ2770の円錐形部分2771の端部上に配置され得る。第二のベアリング2710は、半径方向の力を吸収し、シャフト2706または第一の永久磁石2730の回転軸2705と整列して、第二の永久磁石2740の回転軸を位置付けるように設計され得る。この場合、第二のベアリング2710は、ロータ2770とインサート2721との間に配置されてもよく、これは、第二のハウジング2722上のリング形状の端部内に固定されてもよく、具体的には、締結される、または押し込まれてもよく、次いでハウジング2780上に固定される。この場合、第二のハウジング2722は、ロータベアリングシステム2700の外部皮膚を形成してもよく、インペラハウジングとも呼ばれる第二のハウジング2722は、複数の出口窓2723を有する。インサート2721は、好ましくは、ベアリングハウジングまたは第二のハウジング2722にしっかりと取り付けられる(例えば、接着、溶接、または摩擦嵌合式に)スターである。ベアリングスター2721は、6mm(例えば、5~7mmの範囲)および3mm(例えば、2~5mmの範囲)の長さの外径を有してもよい。第二のハウジング2722は、6mmの外径(例えば、5~7mmの範囲)、18mmの長さ(例えば、15~21mmの範囲)、および0.25mmの壁厚(例えば、0.15~0.5mmの範囲)を有してもよい。
【0148】
代替的に、インサート2721および第二のハウジング2722は、一貫した内径を有し得る単一の部品として製造されてもよい。この配置では、例えば、レーザ溶接によって、拡張入口カニューレを結合されたインサートおよび第二のハウジング2722に接続してもよい。
【0149】
ベアリング2710は、1mmの直径(例えば、0.75~1.5mmの範囲)および1mmの長さ(例えば、0.75~2mmの範囲)を有してもよい。
【0150】
第一の永久磁石2730と第二の永久磁石2740との間の設計によって決定される軸方向スタガー2715により、図27の例示的な実施形態における定義された軸力は、モータの方向に、ロータ2770に作用し、すなわち、図27の例示的な実施形態では左から右に作用する。この力は、動作中にロータ2770上に押し込まれた油圧力、すなわち、回転ロータ静翼2773によって生成される液体流れ2711の反対方向にある図27の例示的な実施形態では右から左へ押し込まれることによって対向する。
【0151】
本件では、第一の永久磁石2730および第二の永久磁石2740の結合から生じる軸力は、最大予想油圧力よりも大きくなるように最適化されてもよく、これにより、ロータ2770が、画定された軸方向位置に常に保持され、予想される最大油圧力よりも大きくなりすぎず、組み合わされた軸方向および半径方向ベアリング2719が、不必要に過負荷にならないようにし、したがって、摩擦および摩耗を最小化し、ならびにロータに伝送されるトルクを低減する。この軸力は、永久磁石2730、2740の両方の寸法(例えば、長さ、厚さ、外径)、および軸方向変位またはスタガー距離2715、および、ハルバッハ構成が実装されている場合αにはセグメント角度を調整することによって最適化され得る。
【0152】
最適化研究は、セグメント角α45°および外径6.2mmを有するポンプ装置で、ハルバッハ磁石構成を使用して出願人によって行われた。装置の直径の制約により、第一の永久磁石の内径および外径は、それぞれ1.0mmおよび3.0mmであるように選択された。第二の永久磁石の内径および外径は、それぞれ4.1mmおよび5.3mmであるように選択された。各磁石およびスタガー2715の長さは、軸力およびトルクへの影響を研究するために修正され、最適化された。磁気長とスタガーの合計は、心臓への血管内送達中に蛇行した血管経路を横断することができるように、ポンプの剛直なセクションの長さに対する制約のため4.2mmに制限された。研究の結論は、最適化された設計が、3.2mmの磁石長さ(永久磁石2730、2740の両方の長さ)および最良の結果を得るために生成された1.0mmの軸方向変位またはスタガー2715を有することが分かった。0.5~1mmの範囲のスタガー2715は、代替的な実施形態の基礎であり得るが、最適ではないことが判明した。これらの結果は、試験された装置に対して最適化されたカップリング構成を表し得る。インペラおよびカップリングに加えられる力は、装置全体の直径、入口管長、インペラ設計、最大インペラ速度または血流速度、および油圧力、ベアリング摩擦損失、および渦電流損失に影響を及ぼす他の特徴または寸法の関数であるため、結果は、試験されたものとは異なる寸法または特徴を有する装置によって異なり得る。
【0153】
この研究の目的のため、最大流体負荷は1.2mNmと仮定され、ベアリングの摩擦損失は0.2mNmと仮定され、渦電流損失は、通常の動作中に1.5mNmの総負荷トルクに対して0.1mNmと仮定された。安全係数3を使用して、最大負荷トルク4.5mNmが作られた。摩擦および摩耗挙動はまた、円錐2718の円錐角を拡大することによっても最適化することができ、十分な半径方向の負荷能力を確保しなければならない。
【0154】
図28A~Bは、本明細書に記載の循環支持システムの実施形態に組み込まれ得る超音波振動子2860の態様を示す。例えば、超音波振動子2860またはその特徴は、心原性ショックの治療のため、および/または密封されたモータハウジングを有する磁気駆動を有する実施形態、ならびに/あるいは他の実施形態で、長期間の使用のために、本明細書に記載のMCSシステムおよびポンプの実施形態に組み込まれてもよい。
【0155】
超音波振動子2860は、血液取り込みポート(本明細書ではポンプ入口および/または入口開口部とも呼ぶ)の遠位に設けられてもよい。超音波振動子2860は、ノーズピース(本明細書では遠位先端とも呼ばれる)64の位置決めチャネルと連結するように構成された位置決めタブ2862を含み得る。ガイドワイヤルーメン(本明細書ではガイドワイヤポートとも呼ぶ)76は、超音波振動子2860を通って延在し得る。超音波振動子2860は、近位凹面2868および遠位端面2870を有する音響バッキング2866を備えてもよい。ガイドワイヤルーメン76は、音響バッキング2866を通って延在し得る。近位の凹面2868は、少なくとも一つ、好ましくは二つ以上のピエゾ素子2872を備えてもよく、約6mm~約14mm、好ましくは約10mmの凹面2868からの範囲内の焦点距離2874での収束に向けられる。凹面2868上のピエゾ素子2872は、焦点距離2874に位置付けられた焦点領域2880に超音波2878を向けることができる。凹面2868およびピエゾ素子2872は、音響インピーダンスマッチング層2876によって覆われてもよい。
【0156】
超音波振動子2860の遠位端2870は、コンダクタをピエゾ素子2872に接続するために、複数の電極2882を備えてもよい。さらに、例えば、位置決めタブ2862などのタブまたは凹部などの位置決め構造は、ノーズピース64またはMCS/VSD入口管70などの隣接する構造に、上述の位置決めチャネルなどの相補的なタブまたは凹部を係合することによって、超音波振動子2860の適切な回転配向を確保するために提供されてもよい。したがって、指向超音波2878の焦点領域2880は、血流チャネル内の血液取り込みポートまたは血液取り込みポートの下流に隣接する血流経路に位置付けられ、超音波振動子2860によって検出された反射超音波のドップラーシフトを評価することによって血流速度データを提供する。
【0157】
超音波フローセンサのその他の実施形態または特徴、および超音波による流れを測定する方法は、METHOD AND SYSTEM FOR DETERMINING A FLOW SPEED OF A FLUID FLOWING THROUGH AN IMPLANTED,VASCULAR ASSISTANCE SYSTEMと題する、2019年9月24日に出願された国際公開第2020/064707号、METHOD AND SYSTEM FOR DETERMINING A FLOW SPEED OF A FLUID FLOWING THROUGH AN IMPLANTED,VASCULAR ASSISTANCE SYSTEMと題する、2021年3月8日に出願された米国特許出願第17/274354号、METHOD FOR DETERMINING A FLOW SPEED OF A FLUID FLOWING THROUGH AN IMPLANTED,VASCULAR ASSISTANCE SYSTEM AND IMPLANTABLE,VASCULAR ASSISTANCE SYSTEMと題する、2019年6月6日に出願された国際公開第2019/234166号、および/または SYSTEMS AND METHODS FOR DETERMINING A FLOW SPEED OF A FLUID FLOWING THROUGH A CARDIAC ASSIST DEVICEと題する、2020年12月2日に出願された米国特許出願第15/734523号に記載のものなどの、MCSシステムまたはポンプに組み込まれてもよく、そのそれぞれの内容全体は、すべての目的に対してその全体が参照により本明細書に援用され、本明細書の一部を形成する。
【0158】
図29は、拡張可能なイントロデューサシース2912の側面立面図を示す。拡張可能なイントロデューサシース2912は、本明細書に記載されるMCSシステムまたはポンプの実施形態のいずれかと共に使用され得る。拡張可能なイントロデューサシース2912は、図5に関連して記載されるイントロデューサシース112と類似したハブ2922および関連する構成要素を有してもよく、その逆も同様である。さらに、イントロデューサシース2912の細長い管状体は、第一の縮小された断面積よりも大きな外径(OD)を有する装置の通過を可能にするなど、第一の縮小された内側断面積から第二の拡大された内側断面積まで拡張可能である。イントロデューサシースは、それを通るシース拡張装置(例えば、本明細書に記載されるMCSおよび/またはVSD装置)の通過に応答して、拡張後に第一の縮小した断面積に戻るように、またはほぼ断面積に戻るように付勢され得る。拡張可能なイントロデューサシース2912は、それを通過する拡張装置の存在下で半径方向拡張を可能にするニチノールなどの形状記憶材料の複数のジグザグ部分の管状フレームワークなど拡張可能な支持構造2932を含んでもよいが、装置の除去後に第一の縮小した断面積に戻る。拡張可能な支持構造2932は、半径方向の拡張および収縮を収容できる管状の可撓性膜2930内に封入されてもよい。さらに示されるように、拡張可能なイントロデューサシース2912は、本明細書に記載のイントロデューサシース112の遠位端120、近位端118、側面ポート126、縫合用穴(複数可)/目128、近位ハブ122、および近位端ポート124に類似した遠位端2920、近位端2940、側面ポート2926、縫合用穴(複数可)/目2928、近位ハブ2922、および近位端ポート2942を含み得る。拡張可能なイントロデューサシース2912はまた、本明細書に記載のコネクタ2639および/またはダイレータ(例えば、ダイレータ114)などの挿入ツール(例えば、挿入ツール32および/または挿入ツール2632)と係合/ロックできる一つまたは複数の特徴を有する、その近位端に係止キャップ2924を含んでもよい。
【0159】
密封された回転シャフトを有するMCS装置の別の実施形態を、図30A~30Cに示す。図30Aは、互いに面する二つのリップシール、フロントディスク、中央ディスク、およびシールハウジング内に含まれるバックディスクを有する装置の部分断面図であり、図30Bは、その等角、分解、部分的に切断された図であり、図30Cは、サブアセンブリとして分離されたシール構成要素の断面図である。図30A~30CのMCS装置、またはその変形もしくは実施形態は、本明細書に記載されるMCS装置のいずれかに含まれてもよく、本明細書に記載されるMCS装置のための任意の特徴を含んでもよく、その逆も同様である。したがって、例えば、ポンプ22、MCSシステム10、モータハウジング74、ポンプ1900、ポンプ2062、および/またはポンプ領域2160などは、図30A~30CのMCS装置またはその特徴、特にその封止特徴を含み得る。代替的に、または追加的に、本明細書に記載のポンプの実施形態のいずれかは、例えば、SEAL FOR A MECHANICAL CIRCULATORY SUPPORT DEVICEと題し、2021年8月4日に出願された米国仮特許出願第63/229436号に記載されるような、他のシールの特徴を含んでもよく、その内容全体は、参照によりすべての目的に対して本明細書に援用され、本明細書の一部を形成する。
【0160】
図30A~30Cに示すように、装置は、シール空洞3176aを形成する半径方向内向きの接触リップ3267を有する遠位環状放射状または回転シャフトシール3266を含む。遠位シール3266の接触リップ3267およびシール空洞3176aは、近位に面する。したがって、遠位シール3266は、モータに向かって近位に面する「開放側面」と、インペラおよび血液に向かって遠位に面する「平坦側面」とを有する。したがって、遠位シール3266は、従来的な配向から「後方」に配向される。いくつかの実施形態では、「開放側面」は、上部および/または下部フランジまたはシール3266のリップによって部分的に形成されるシール3266の側面であってもよい。空洞は、シール3266の開放側面によって形成されてもよい。空洞は、シール3266の端部壁とシール3266の一つまたは複数のフランジあるいはリップとの間に形成されてもよい。空洞は、その中に位置するばねおよび/またはグリースを有してもよい。端部壁、リップなどのさらなる詳細を本明細書に記載する。
【0161】
装置はさらに、シール空洞3176bを形成する半径方向内側に接触リップ3271を有する、近位環状放射状または回転シャフトシール3270を含む。近位環状シール3270の接触リップ3271およびシール空洞3176bは、遠位に面する。したがって、近位シール3270は、モータに向かって遠位に面する(上述した)「開放側面」と、インペラおよび血液に向かって近位に面する「平坦側面」とを有する。したがって、シールアセンブリは、近位環状シール3270および反対の配向を有する遠位環状シール3266を含み、その接触リップ3267、3271およびシール空洞3176a、3176bは互いに面している。
【0162】
リップ3267、3271は、シャフト3140に接触する。リップ3267、3271は、シャフト3140に沿って延在してもよい。リップ3267、3271の一つまたは複数の半径方向内側表面のすべてまたは一部は、シャフト3140に接触してもよい。リップ3267、3271は、例えば、図30Cに関して、本明細書にさらに詳細に記載されるように、平坦であってもよく、および/または非平坦な特徴を有してもよい。
【0163】
シール3266、3270は、半径方向外側のリップ3263、3264を含み得る。リップ3263、3264は、ハウジングの半径方向内側表面、またはシール区画の他の構成要素と接触してもよい。リップ3263、3264は、ハウジングまたは他の構成要素に沿って延在し得る。リップ3263、3264は、シール3266、3270とハウジングまたは他の構成要素との間の空間を封止してもよい。リップ3263、3264の半径方向外面は、平坦、非平坦、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0164】
リップ3263、3264は、それぞれの端部壁3262、3259から延在してもよい。リップ3263は、端部壁3262から遠位に延在する。リップ3264は、端部壁3259から近位に延在する。端部壁3262、3259は、本明細書に記載される「平坦な」側面を指し得る。半径方向内側リップ3267、3271は、記載されるように、端部壁3262、3259から延在してもよい。外側リップ3263、3264は、外力がないとき、および/またはシール区画内に設置されたときのいずれかで、端部壁3262、3259に垂直に延在し得る。外側リップ3263、3264は、先端、溝、または凹部など、内側リップ3267、3271と同じまたは類似の特徴を有してもよい。
【0165】
いくつかの実施形態では、中央エラストマーディスク3260は、近位環状シール3270と遠位環状シール3266との間に位置付けられてもよい。遠位エラストマーディスク3255は、遠位環状シール3266の遠位に位置付けられてもよい。近位エラストマーディスク3275は、近位環状シール3270の近位に位置付けられてもよい。
【0166】
任意選択で、フロントシール容器3240および任意選択のシール容器キャップ3278(図30Bおよび30Cを参照)から作製されたシールハウジングは、シール構成要素をサブアセンブリ内に含んでもよい。サブアセンブリは、駆動シャフト3140の上方およびモータハウジング3164内に挿入されてもよい。別の方法として、シール構成要素は、駆動シャフト3140上に構成要素を別々に、順次、モータハウジングの空洞に挿入することによって、モータハウジング内に組み立てられてもよい。次に、シール構成要素は、モータハウジングに取り付けられ得る(例えば、溶接、摩擦嵌合、形態嵌合、接着)後部(近位)シールキャップ3278で覆われてもよい。
【0167】
遠位エラストマーディスク3255および中央エラストマーディスク3260の両方は、PTFEなどのエラストマー生体適合性材料、弾性ポリウレタン、またはPTFEおよびポリイミドなどの化合物材料から作製され得る。図30Bに示すように、ディスク3255、3260のうちの一つまたは複数は、内径が接触するインペラバック延長部3154を随意に含み得る駆動シャフト3140の外径(OD)よりも小さい内径(ID)3256、3261を有してもよい。例えば、ID3256、3261は、OD3141の80%~95%(例えば、約87%)の範囲内であってもよい。一実装形態では、ID3256、3261は0.52mm±0.02mmであり、OD3141は0.60mm±0.01mmである。この寸法差は、シールを維持するために、エラストマーディスク3255、3260と駆動シャフトとの間に高い干渉を生じさせる。例えば、理想的な干渉は、0.070mm~0.080mmの範囲であり得る。エラストマーディスク3255、3260は、両方とも80μm~140μm(例えば、約100μm)の範囲の厚さを有し得る。
【0168】
高干渉、材料デュロメーター(例えば、70~85ショアの範囲)、および厚さなどのエラストマーディスク3255、3260の特性は、駆動シャフトの上に挿入された時にディスクが変形することを可能にし得る。例えば、ディスクIDが伸張し得るように、ディスクは外側に圧縮されてもよく、またはディスクの平面は、特にIDに近い領域で湾曲してもよい。ディスクの変形は、ディスク材料が経時的に摩耗しても、駆動シャフト3140との接触圧力を提供し得る。さらに、高干渉は、接触圧力がゼロに減少する前に摩耗され得る量の材料を提供し、これは、血液バリアとして作用するように、ディスク3255、3260の機能的持続時間を延長し得る。さらに、高干渉は、ディスク内の駆動シャフトの偏心の小さな公差を補償し得る。
【0169】
ディスク3255、3260の特性は、摩擦を最小化するか、またはトルク伝達を低減する一方で、MCS装置が使用中である意図される持続時間の少なくとも一部分に対して、ディスクが流体バリアとして作用することを可能にし得る。さらに、遠位エラストマーディスク3255は、少なくとも使用持続時間の一部分の間、血液に対する第一のバリアとして機能し得る。中央エラストマーディスク3260は、より遠位のバリアを通過するように対応する場合、血液に対する追加のバリアとして機能し得る。また、ディスク3260は、遠位環状シール空洞3176aと近位環状シール空洞3176bとの間の分離器として作用して、環状シールの機能的持続時間を延長する、これらの空洞に各環状シールの隣に含有されるグリースを維持するのに役立ち得る。任意選択で、遠位シール空洞3176aに分注されるグリースまたは潤滑剤は、近位シール空洞3176bに分注されるグリースまたは潤滑剤と同一であっても、異なってもよい。いくつかの実施形態では、近位ディスク3276は、遠位および中央ディスク3255、3260と同じまたは類似の特徴を有してもよい。
【0170】
それらの相対的な位置および配向以外に、遠位シール3266および近位シール3270は、互いまたは他の実装形態に関連して開示される他のシール3156と類似した特性を有してもよい。例えば、遠位シールおよび近位シールの両方は、シールホルダ3265、3274、接触リップ3267、3271を有する環状シール、シールホルダおよび環状シールによって部分的に画定されるシール空洞3176a、3176b、ならびに/またはそれぞれのシール空洞3176a、3176bに保持されるガーターばね3269、3273を有し得る。シール3266、3270は、同じ内径およびリップ寸法を有してもよい。任意選択で、シール3266、3270は、主に異なる外径を有してもよく、そのため、それらは製造中に互いに容易に区別可能である。
【0171】
ガーターばね3269、3273の代替として、シールは、Oリングなどの半径方向内向きの力を加える異なる構成要素を含有してもよく、または力を加える別個の構成要素を有さなくてもよく、接触リップを有するエラストマー環状シールの特性は、半径方向内向きの接触力を自己で加える。
【0172】
遠位および近位環状シール3266、3270は、PTFEなどの生体適合性のエラストマー材料、弾性ポリウレタン、またはPTFEおよびポリイミドなどの化合物材料から作製されてもよく、これらは、耐久性を強化するために一つまたは複数の添加剤を随意に有してもよい。グリースは、一方または両方のシール空洞3176a、3176b、および随意に、近位シールと近位ディスク3275との間に保持される第三のグリース貯蔵部に含まれてもよく、同じグリースまたは異なるグリースであってもよい。一実装形態では、第一のグリースが遠位シール空洞に堆積され、これは、近位シール空洞に堆積された第三のグリース(例えば、NLGLクラス2)、または近位シールと近位ディスクの間に保持された第三のグリース貯蔵部内に保持された第二のグリースよりも高い粘度およびグリースの稠度(例えば、NLGLクラス4以上)を有し得る。別の実装形態では、グリースが遠位シール空洞(例えば、NLGLクラス4以上)に堆積され、油が近位シール空洞に堆積される。
【0173】
任意選択で、遠位シール3266は、その遠位面上に先端3231を有してもよく、先端3231は接触リップ3267に加えて、駆動シャフト3140などの回転部品と接触する遠位シールの表面である。先端3231は、先端3231の近位に位置する接触リップ3267の一部分の内径よりも小さい内径を有する遠位環状シール3266の一部分である。先端3231は、内径が嵌合するモータ駆動シャフト3140の外径よりも小さい内径を有する遠位環状シール3266の一部分であってもよい。例えば、先端のIDは、OD3141のそれの75%~95%(例えば、80%~90%、約87%)の範囲であってもよい。一実装形態では、IDは0.52mmであり、OD3141は0.60mmである。シールの遠位面上に回転シャフト3140への同一平面接続を行うことによって、先端は、接触リップ3267の下に能動的に引き込まれる血液の発生を低減するように機能してもよく、これはシールの寿命の延長に寄与し得る。遠位環状シール3266は、先端3231と接触リップ3267との間の溝で示されるように作製され得る。先端3231は、リップ3267の内面に形成された隣接する溝または凹部によって部分的に形成されてもよい。別の方法として、先端3231は、接触リップ3267への滑らかな遷移を有してもよい。
【0174】
接点リップ3271およびシール空洞3176bが遠位に向けられる、近位シール3270の配向は、例えば、接触リップ3267、3271と駆動シャフト3140との間の接触面を被覆して、摩耗を低減し、トルク伝達または熱形成の低減を最小化し、血液の侵入に耐える潤滑グリースは、遠位シール3266と近位シール3270との間の空洞3176bおよび3176aに保持され、近位側面(例えば、シール空洞3176bに保持された圧縮されたグリースにより、または血液がより遠位の血液バリアを通過するように対応する場合)に対してシール3270の遠位側面上のより高い圧力が、接触リップ3271の接触圧力を支持し得るなど、封止機能全体を様々な方法で促進し得る。シャフトに接触する接触リップ3271の一部分の軸方向長さは、0.3~0.8mm(例えば、約0.5mm)の範囲内であってもよい。
【0175】
任意選択で、装置は、図30Aに示すように、近位シール3270の近位に位置付けられた近位ディスク3275を有してもよい。近位ディスクは、血液が駆動シャフトベアリング3162またはモータ区画に入るのを防ぐ別のバリアとして機能し得る。さらに、近位ディスクは、駆動シャフトの偏心における小さな公差を考慮するのに役立ち得る。近位ディスク3275は、PTFEまたは弾性ポリウレタンなどの生体適合性のエラストマー材料または化合物から作製されてもよく、駆動シャフト3140が通過し、接触する内径3276を有する中心穴を有する略ディスク形状を有してもよい。ID3276は、OD3141の80%~97%(例えば、約93%)の範囲内であってもよい。一実装形態では、IDは0.56mmであり、OD3141は0.6mmであり、これは、トルク伝達損失に関してより少ない影響を有するように、遠位ディスク3255または中央ディスク3260のIDよりも大きい場合がある。任意選択で、近位ディスク3275は、図30Aに示すように、遠位ディスク3255または中央ディスク3260よりも厚さが大きくてもよく、これは、近位ディスクがフロントシール容器3240とモータハウジング3164上の縁部との間で圧縮されるとき、ディスクのエラストマー特性と共に、封止構成要素の軸方向の圧縮を提供し得る。例えば、近位、中央、および遠位ディスクの厚さは、0.10mm~0.15mmの範囲であり得る。近位ディスク3275は、軸方向の封止構成要素のスタックの寸法およびスタックを圧縮するハウジング内の空間によって、軸方向に圧縮され得る。いくつかの実施形態では、近位ディスク3275は、圧縮を提供するために、非平坦、例えば、Bellevilleワッシャー形状などの球状であってもよい。
【0176】
図30Bおよび図30Cは、図30Aの装置を示すが、比較的薄い近位ディスク3275、ならびにシール容器キャップ3278の追加も有する。この実装形態では、例えばサブアセンブリとして、すべての封止構成要素がシール容器内に包含される。シール容器は、フロントシール容器3240およびシール容器キャップ3278を含んでもよく、両方とも、ステンレス鋼またはチタンなどの金属から作製され、例えば、摩擦嵌合、形態嵌合、ねじ込み、または溶接でしっかりと接続されてもよい。
【0177】
フロントシール容器3240は、シール構成要素をシール容器キャップ3278と共に、またはシール容器キャップ3278なしで包含し、製造を容易にするように機能する。フロントシール容器は、より柔らかい、より脆弱なシール構成要素を保護しながら、シール構成要素をモータハウジング3164内に機械的に押すための表面を提供する、平坦で剛直な遠位表面3241を有する。平坦で剛直な表面3241はまた、表面3241とインペラとの間の軸方向ギャップ3174が一貫していることを確実にし、その結果、軸方向ギャップ内の血液が放出され、回転インペラの背面が不注意でシール構成要素と接触しない。表面3241は、駆動シャフト3140の外径よりも大きい内径を有する中央穴3242を有する。例えば、穴3242は、穴を通過する回転部品の外径よりも0.080mm~0.150mmの範囲内で(例えば、約0.100mm)大きい直径を有してもよく、これは、リスク管理手段として、容器から粒子が漏れることを防止する物理的フィルタとして機能し得る。例えば、穴3242は、駆動シャフトの直径が0.60mmであるとき、0.68mm~0.75mm(例えば、約0.70mm)の範囲内であってもよい。言い換えれば、駆動シャフトと容器3240との間の半径方向のギャップは、0.040mm~0.075mm(例えば、約0.050mm)の範囲内であってもよい。フロントシール容器は、シールの完全性または寿命を損なう可能性のある横方向の移動がないことを確実にするシール構成要素を制約する機能を果たす、内面3248を有する円筒形の側壁を有する。近位面取り3244は、製造中にモータハウジングへの挿入を容易にする。遠位面取り3243は、入口管3070の挿入、または代替的にフロントシール容器3240の上方のインペラハウジング3082の挿入を容易にする。さらに、フロントシール容器3240は、モータハウジング3164に挿入するための陥凹した外面3245を有してもよい。図30Aに示すシール要素3156を有する心臓ポンプの実施形態は、長さが25.5mm以下のモータハウジングを有してもよい。シールサブアセンブリおよびモータハウジングの近位端に接続された任意選択の配線モジュールによってモータハウジングに追加した追加の長さで、モータハウジングの長さは33mm以下まで延長され得る。
【0178】
シールサブアセンブリを製造する方法は、限定されるものではないが、本明細書に記載の順序および配向でシール構成要素をフロントシール容器に挿入すること、シール空洞に任意選択的に順次または同時にグリースを分注すること、遠心分離器または真空チャンバを使用して気泡を放出すること、およびシール容器をシール容器キャップ3278で閉じることを含み得る。シールサブアセンブリは、駆動シャフト3140上に、任意選択的にモータハウジング内に挿入され、例えば、フロントシール容器3240のラベット3246およびモータハウジングのラベット3247を含み得る交差部をレーザ溶接することによって、モータハウジングに接続されてもよい。インペラは、例えば、他の実施形態および図に関して本明細書に記載されるような配置で、駆動シャフトに接続されてもよい。統合されたインペラハウジングを有するインペラハウジング3082または入口管3070は、モータハウジングおよび/またはフロントシール容器3240に接続されてもよい。装置は、シールに分注されたグリースの乾燥を防止するために、空気が排出された気密パッケージ内パッケージ化されてもよい。
【0179】
本明細書に記載されるMCSシステムおよびその特徴の任意の実施形態は、例えば、SYSTEM AND METHOD FOR CONTROLLING A CARDIAC ASSISTANCE SYSTEMと題する、2019年10月31日に出願された国際公開第2020/089429号、SYSTEM AND METHOD FOR CONTROLLING A CARDIAC ASSISTANCE SYSTEMと題する、2021年4月29日に出願された米国特許出願第17/290083号、ELECTRONICS MODULE AND ARRANGEMENT FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICE,AND METHOD FOR PRODUCING A VENTRICULAR ASSIST DEVICE と題する、2019年5月30日に出願された国際公開第2019/229221号、ELECTRONICS MODULE AND ARRANGEMENT FOR A VENTRICULAR ASSIST DEVICE,AND METHOD FOR PRODUCING A VENTRICULAR ASSIST DEVICE と題する、2020年11月19日に出願された米国特許出願第17/057039号、DEVICE AND METHOD FOR DETERMINATION OF A CARDIAC OUTPUT FOR A CARDIAC ASSISTANCE SYSTEMと題する、2019年6月6日に出願された国際公開第2019/234152号、DEVICE AND METHOD FOR DETERMINATION OF A CARDIAC OUTPUT FOR A CARDIAC ASSISTANCE SYSTEMと題する、2021年6月18日に出願された米国特許出願第15/734841号、DEVICE AND METHOD FOR MONITORING THE STATE OF HEALTH OF A PATIENTと題する2019年8月7日に出願された国際公開第2020/0030706号、DEVICE AND METHOD FOR MONITORING THE STATE OF HEALTH OF A PATIENTと題する、2021年10月13日に出願された米国特許出願第17/266056号、METHOD AND SYSTEM FOR DETERMINING A FLOW SPEED OF A FLUID FLOWING THROUGH AN IMPLANTED,VASCULAR ASSISTANCE SYSTEMと題する、2019年9月24日に出願された国際公開第2020/064707号、METHOD AND SYSTEM FOR DETERMINING A FLOW SPEED OF A FLUID FLOWING THROUGH AN IMPLANTED,VASCULAR ASSISTANCE SYSTEMと題する、2021年3月8日に出願された米国特許出願第17/274354号、IMPLANTABLE VENTRICULAR ASSIST SYSTEM AND METHOD FOR OPERATING SAMEと題する、2019年6月9日に出願された国際公開第2019/234148号、IMPLANTABLE VENTRICULAR ASSIST SYSTEM AND METHOD FOR OPERATING SAMEと題する、2021年7月30日に出願された米国特許出願第15/734342号、SENSOR HEAD DEVICE FOR A MINIMAL INVASIVE VENTRICULAR ASSIST DEVICE AND METHOD FOR PRODUCING SUCH A SENSOR HEAD DEVICEと題する、2019年6月9日に出願された国際公開第2019/234149号、SENSOR HEAD DEVICE FOR A MINIMAL INVASIVE VENTRICULAR ASSIST DEVICE AND METHOD FOR PRODUCING SUCH A SENSOR HEAD DEVICE と題する、2021年6月8日に出願された米国特許出願第15/734036号、METHOD FOR DETERMINING A FLOW SPEED OF A FLUID FLOWING THROUGH AN IMPLANTED,VASCULAR ASSISTANCE SYSTEM AND IMPLANTABLE,VASCULAR ASSISTANCE SYSTEMと題する、2019年6月6日に出願された国際公開第2019/234166号、SYSTEMS AND METHODS FOR DETERMINING A FLOW SPEED OF A FLUID FLOWING THROUGH A CARDIAC ASSIST DEVICEと題する、2020年12月2日に出願された米国特許出願第15/734523号、DETERMINATION APPLIANCE AND METHOD FOR DETERMINING A VISCOSITY OF A FLUIDと題する、2019年6月6日に出願された国際公開第2019/234167号、DETERMINATION APPLIANCE AND METHOD FOR DETERMINING A VISCOSITY OF A FLUIDと題する、2020年12月2日に出願された米国特許出願第15/734519号、ANALYSIS APPARATUS AND METHOD FOR ANALYZING A VISCOSITY OF A FLUIDと題する、2019年6月6日に出願された国際公開第2019/234169号、ANALYSIS APPARATUS AND METHOD FOR ANALYZING A VISCOSITY OF A FLUIDと題する、2020年12月2日に出願された米国特許出願第15/734489号、METHOD AND DEVICE FOR DETECTING A WEAR CONDITION OF A VENTRICULAR ASSIST DEVICE AND FOR OPERATING SAME,AND VENTRICULAR ASSIST DEVICEと題する、2019年6月21日に出願された国際公開第2019/243582号、および/または METHOD AND DEVICE FOR DETECTING A WEAR CONDITION OF A VENTRICULAR ASSIST DEVICE AND FOR OPERATING SAME,AND VENTRICULAR ASSIST DEVICEと題する、2021年7月27日に出願された米国特許出願第17/252498号に記載のものなどの、様々な追加の特徴または変更を含んでもよく、それらのそれぞれは、全ての目的に対してその全体が参照により本明細書に援用され、本明細書の一部を形成する。
【0180】
本開示に記載される実装形態に対する様々な修正は、当業者に容易に明らかであり、本明細書に定義される一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実装形態に適用することができる。したがって、本開示は、本明細書に示される実装形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示する特許請求の範囲、原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。用語「実施例」は、本明細書では、「実施例、実例、または例示として役立つ」ことを意味するためにのみ使用される。本明細書に「実施例」として記載される任意の実装は、別段の記載がない限り、必ずしも他の実装よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。用語「約」は、文脈に応じて、かつ当業者によって理解され得る、±1%、±2%、±3%、±4%、±5%、±10%、±15%、または他の範囲内の値を指し得る。
【0181】
別個の実装形態の文脈で本明細書に記載される特定の特徴は、単一の実装形態で組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実装形態の文脈で記述される様々な特徴は、複数の実装形態で別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで実装されてもよい。さらに、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上述され、当初はそのように特許請求されたとしても、特許請求された組み合わせからの一つまたは複数の特徴は、場合により、その組み合わせから削除され、特許請求された組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形に向けられてもよい。
【0182】
同様に、動作は特定の順序で図面に図示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、このような動作が、示される特定の順序で、もしくは連続した順序で実行されること、または図示されたすべての動作が実行されることを必要とするとは理解されるべきでない。さらに、他の実装形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。一部の事例では、特許請求の範囲に列挙された動作は、異なる順序で実行されてもよく、それでも望ましい結果を達成することができる。
【0183】
一般に、本明細書で使用される用語は概して、「オープン」な用語として意図されていることを、当業者は理解するであろう(例えば、用語「含む(including)」は、「含む(including)が限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」は、「含む(includes)が限定されない」などと解釈されるべきである)。導入された特許請求の範囲の記述の特定の数字が意図される場合、そのような意図は特許請求の範囲に明示的に記述され、そのような記述がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解の補助として、以下の添付の特許請求の範囲は、特許請求の範囲の記述を導入するための導入語句「少なくとも一つ」および「一つまたは複数」の使用を含み得る。しかし、こうした語句の使用は、不定冠詞「a」または「an」による特許請求の範囲の記述の導入が、同じ特許請求の範囲が、導入語句「一つまたは複数」または「少なくとも一つ」、および「a」または「an」などの不定冠詞(例えば、「a」および/または「an」は通常、「少なくとも一つ」または「一つまたは複数」を意味すると解釈されるべきである)を含む場合でも、そのような導入された特許請求の範囲の記述を含む任意の特定の特許請求の範囲を、そのような記述を一つのみ含む実施形態に限定することを暗示するものとして解釈されるべきではない。特許請求の範囲の記述を導入するために使用される定冠詞の使用についても同様である。
【0184】
さらに、導入された特許請求の範囲の記述の特定の数字が明示的に記述されているとしても、当業者は、このような記述は、典型的には、少なくとも記述された数字を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語なしで「二つの記述」の単なる記述は、通常、少なくとも二つの記述、または二つ以上の記述を意味する)。さらに、「A、B、およびCなどのうちの少なくとも一つ」に類似する慣例が使用される場合、一般に、このような解釈は、当業者が、慣例を理解するという意味で意図される(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも一つを有するシステム」は、A単独で、B単独で、C単独で、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、ならびに/またはA、B、およびCを一緒に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。「A、B、またはCなどのうちの少なくとも一つ」に類似する慣例が使用される場合、一般に、このような解釈は、当業者が、慣例を理解するという意味で意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも一つを有するシステム」は、A単独で、B単独で、C単独で、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、ならびに/またはA、B、およびCを一緒に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。説明、特許請求の範囲、または図面のいずれにおいても、二つ以上の代替的な用語を提示する実質的に任意の離接語および/または語句は、用語のうちの一つ、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図していると理解されるべきであると、当技術分野の者によってさらに理解されるであろう。例えば、語句「AまたはB」は、「A」もしくは「B」、または「AおよびB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0185】
例示的な実施形態が、第一の特徴と第二の特徴との間に「および/または」の接続詞を含む場合、一実施形態による実施形態が、第一の特徴および第二の特徴の両方を有し、さらなる実施形態によれば、第一の特徴のみまたは第二の特徴のみのいずれかを有するように読まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26A
図26B
図26C
図26D
図26E
図27
図28
図29
図30A
図30B
図30C
【国際調査報告】