(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-06
(54)【発明の名称】ゲル化食品用組成物及びこれを含む複数の層を有したゲル化食品
(51)【国際特許分類】
A23L 29/20 20160101AFI20231129BHJP
A23L 29/238 20160101ALI20231129BHJP
A23L 29/256 20160101ALI20231129BHJP
A23L 29/269 20160101ALI20231129BHJP
【FI】
A23L29/20
A23L29/238
A23L29/256
A23L29/269
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530710
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(85)【翻訳文提出日】2023-05-19
(86)【国際出願番号】 KR2021017923
(87)【国際公開番号】W WO2022114933
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0165160
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508139664
【氏名又は名称】シージェイ チェイルジェダン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CJ CHEILJEDANG CORPORATION
【住所又は居所原語表記】CJ Cheiljedang Center,330,Dongho-ro,Jung-gu,Seoul,Republic Of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヒ・リョン・シム
(72)【発明者】
【氏名】スク・ヨン・リ
(72)【発明者】
【氏名】ジ・ヒョン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ホン・ウク・パク
(72)【発明者】
【氏名】キ・ムン・カン
【テーマコード(参考)】
4B041
【Fターム(参考)】
4B041LC03
4B041LC07
4B041LD01
4B041LD03
4B041LE05
4B041LH07
4B041LH10
4B041LH16
4B041LK07
4B041LK11
4B041LK29
4B041LK30
4B041LP01
4B041LP10
4B041LP16
(57)【要約】
本出願は、寒天及びカラギーナンのうちから選択される少なくとも1つ;及び、(b)ローカストビーンガム;を含むゲル化剤を含むものである、複数の層を有したゲル化食品用組成物、及び前述したゲル化食品用組成物を含む複数の層を有したゲル化食品に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)寒天及びカラギーナンのうちから選択される少なくとも1つ;及び
(b)ローカストビーンガム;
を含むゲル化剤を含むものである、複数の層を有したゲル化食品用組成物。
【請求項2】
前記ゲル化食品用組成物の総重量を基準として、
前記寒天は0.5から1重量%の含量、前記カラギーナンは0.5から1重量%の含量で含むものである、請求項1に記載の複数の層を有したゲル化食品用組成物。
【請求項3】
前記ゲル化食品用組成物の総重量を基準として、前記ローカストビーンガムを0.1から0.7重量%の含量で含むものである、請求項1に記載の複数の層を有したゲル化食品用組成物。
【請求項4】
前記ゲル化剤が寒天を含む場合には、前記ローカストビーンガムが前記ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.1から0.7重量%の含量で含まれ、
前記ゲル化剤がカラギーナンを含む場合には、前記ローカストビーンガムが前記ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.2から0.7重量%の含量で含まれるものである、請求項3に記載の複数の層を有したゲル化食品用組成物。
【請求項5】
前記ゲル化剤の総含量は、前記ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.8から1.2重量%であるものである、請求項1に記載の複数の層を有したゲル化食品用組成物。
【請求項6】
前記ゲル化剤は、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム及びタラガムのうちから選択される少なくとも1つをさらに含むものである、請求項1に記載の複数の層を有したゲル化食品用組成物。
【請求項7】
前記ゲル化食品用組成物の総重量を基準として、前記キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、及びタラガムのうち少なくとも1つを0.1から0.2重量%の含量で含むものである、請求項6に記載の複数の層を有したゲル化食品用組成物。
【請求項8】
前記ゲル化食品用組成物は、ピューレ、酸味料、香料及び甘味料のうちから選択される少なくとも1つをさらに含むものである、請求項1に記載の複数の層を有したゲル化食品用組成物。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の複数の層を有したゲル化食品用組成物を含む複数の層を有したゲル化食品。
【請求項10】
前記複数の層を有したゲル化食品の1つの層と残りの層の糖度の差が5ブリックス(brix)以上であるものである、請求項9に記載の複数の層を有したゲル化食品。
【請求項11】
前記複数の層を有したゲル化食品のうち、前記ゲル化食品用組成物を含む層の圧搾強度が3.1から20Nであるものである、請求項9に記載の複数の層を有したゲル化食品。
【請求項12】
前記複数の層を有したゲル化食品のうち、前記ゲル化食品用組成物を含む層の硬度が5から15Nであるものである、請求項9に記載の複数の層を有したゲル化食品。
【請求項13】
前記複数の層を有したゲル化食品のうち、前記ゲル化食品用組成物を含む層の製造直後、35℃で3ヶ月保管後に微生物濃度の変化が10
1CFU/g未満であるものである、請求項9に記載の複数の層を有したゲル化食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、複数の層を有したゲル化食品用組成物及びこれを含む複数の層を有したゲル化食品に関する。
【背景技術】
【0002】
ゼリー、プディングなどのゲル化食品は、多様な種類のゲル化剤、増粘剤、添加剤などを混合した組成物を容器に入れて冷却、ゲル化させることにより製造されたが、このようなゲル化食品は、氷菓、料理、スナックなどに用いられて老若男女問わずに好まれる食品である。
【0003】
一方、このようなゲル化食品は、添加されるゲル化剤の種類、組成、添加剤などにより多様な物性及び食感を有するようになるので、これを調節した様々な種類のゼリーが製造されている。
【0004】
韓国登録特許公報第0166638号は、果肉食感のゼリーに関するものであり、果肉特有のサクサクした食感が出て、解凍過程において生じた液汁が天然果物を食べるような感じをさらに強化させるゼリーが開示されているが、冷凍保管流通されるため品質保存が可能であるだけで、常温で長期間保管する際には形態保存性が低下したり殺菌などの微生物などによる汚染の可能性が高い。
【0005】
よって、本発明者は、既存の単層ゼリーの味と食感を調節したことから進んで、複数の層を有したゲル化食品を製造しつつも微生物安全性が高いゲル化食品を製造しようとした。
【0006】
このために研究しながら、複数の層を有したゲル化食品は、製造過程又は製造後に層が崩れないように保形性が維持されなければならず、同時に適当な流動性を有して硬くなり過ぎず柔らかくなり過ぎないように製造しなければならないという必要性が台頭した。また、本発明者は、既存の冷蔵/冷凍保管用ゲル化食品から進んで、常温で長期間保管後にも外観、食感、微生物安全性などが維持されるゲル化食品を製造しようとした。
【0007】
したがって、それぞれ互いに異なる味と食感を有する複数の層間の混合が起こらないように製造することで、2つ以上の味と食感を感じるようにして消費者の官能嗜好度を高めつつ、このようなゲル化食品の形態が維持されるように保形性を取り揃え、これに加えて常温以上の温度で流通したり簡単に長期間保管する場合にも微生物安全性が確保されることができる優れたゲル化食品を製造した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本出願は、既存に比べて常温以上の条件で長期間保管、流通時にも微生物安全性を顕著に改善することができ、これに加えて保形性が維持されるので複数の層を有する場合に層が崩れず、食感などの官能品質も改善されるゲル化食品のための特定のガム類の組み合わせを介して得られる、複数の層を有したゲル化食品用組成物を提供する。また、それぞれの層が互いに異なる味と食感を有する、複数の層を有したゲル化食品の提供を図る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、本出願の一実施形態による複数の層を有したゲル化食品用組成物に対して記述する。
【0011】
本出願の一実施形態は、(a)寒天及びカラギーナンのうちから選択される少なくとも1つ;及び(b)ローカストビーンガム;を含むゲル化剤を含むものである、複数の層を有したゲル化食品用組成物を提供する。
【0012】
本出願のゲル化食品用組成物に用いられるゲル化剤は、寒天及びカラギーナンのうちから選択される少なくとも1つを含むことができる。具体的には、前記ゲル化剤は寒天又はカラギーナンを必須に含むものであってよい。
【0013】
前記ゲル化食品用組成物に含まれる寒天は、前記ゲル化食品用組成物を用いて製造されるゲル化食品をゲル化させて硬さを付与しながらも、ピューレ食感を付与するものであって、前記寒天の種類及び含量により前記ゲル化食品のゲル化の程度を調節してゲル化食品の硬さの程度、又は強度を調節してピューレ食感を付与するようにすることができる。
【0014】
前記寒天は、ゲル化食品を食べるとき消費者にとって新鮮な果物の食感が生きていて原材料そのままの味と香りを感じることができるようにする。
【0015】
前記寒天は、ところてんを凍結脱水したり圧搾脱水して乾燥させた食品の一種であって、主成分は寒天の約60%以上を占めるアガロースであり、前記ところてんは、普通、テングサ、オバクサ、ユイキリなどの天草科の海草を用いて製造することができ、又はオゴノリ、トサカノリなどの海草でも製造することができる。
【0016】
前記のような寒天は、凝固力が強く、水との親和性が強くて水分を一定の形態に維持する能力が大きいためゲル化食品用組成物に適用されるので、ゲル化食品の食感及び/又は保形性などの物性を調節することができる。特に、食感及び/又は保形性を具現するのにおいて寒天は必須である。
【0017】
前記寒天は、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.5重量%、0.51重量%、0.52重量%、0.53重量%、0.54重量%、0.55重量%、0.56重量%、0.57重量%、0.58重量%、0.59重量%、0.6重量%、0.61重量%、0.62重量%、0.63重量%、0.64重量%、0.65重量%、0.66重量%、0.67重量%、0.68重量%、0.69重量%、0.7重量%、0.71重量%、0.72重量%、0.73重量%、0.74重量%、0.75重量%、0.76重量%、0.77重量%、0.78重量%、0.79重量%、0.8重量%、0.81重量%、0.82重量%、0.83重量%、0.84重量%、0.85重量%、0.86重量%、0.87重量%、0.88重量%、0.89重量%、0.9重量%のうちから選択される少なくとも1つの下限、及び1.0重量%、0.99重量%、0.98重量%、0.97重量%、0.96重量%、0.95重量%、0.94重量%、0.93重量%、0.92重量%、0.91重量%、0.9重量%、0.89重量%、0.88重量%、0.87重量%、0.86重量%、0.85重量%、0.84重量%、0.83重量%、0.82重量%、0.81重量%、0.8重量%のうちから選択される少なくとも1つの上限からなる範囲の含量で含まれるものであってよい。例えば、前記寒天は、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.5から1.0重量%、0.6から1.0重量%、0.7から1.0重量%、0.8から1.0重量%、0.8から0.95重量%、0.8から0.9重量%、0.5から0.9重量%、又は0.5から0.8重量%の含量で含まれるものであってよい。
【0018】
前記寒天の含量が前記範囲を満たす場合には、前記ゲル化食品用組成物を用いて製造されたゲル化食品の圧搾強度、脆弱性、及び/又は硬度などの物性を調節してゲル化食品にソフトさと柔らかさに加えてピューレ食感、果肉食感を付与することができる。また、ゲル化食品の保形性を優秀にして、常温流通安定性、保存安定性、及び/又は官能品質を優秀にすることができる。
【0019】
前記ゲル化食品用組成物に含まれるカラギーナンは、前記ゲル化食品用組成物を用いて製造されるゲル化食品をゲル化させて弾力感を付与するものであって、前記カラギーナンは、紅藻類のアイリッシュモス(Irish moss)から熱水抽出で得られるガラクトース系多糖類の1つである。
【0020】
前記ゲル化食品用組成物は、カラギーナンを含むことにより、ゲル化食品のゲル化の程度、粘性、及び/又は保水力などを調節してゲル化食品に弾力的な食感を付与するようにすることができる。
【0021】
前記カラギーナンは、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.5重量%、0.51重量%、0.52重量%、0.53重量%、0.54重量%、0.55重量%、0.56重量%、0.57重量%、0.58重量%、0.59重量%、0.6重量%、0.61重量%、0.62重量%、0.63重量%、0.64重量%、0.65重量%、0.66重量%、0.67重量%、0.68重量%、0.69重量%、0.7重量%のうちから選択される少なくとも1つの下限、及び1.0重量%、0.99重量%、0.98重量%、0.97重量%、0.96重量%、0.95重量%、0.94重量%、0.93重量%、0.92重量%、0.91重量%、0.9重量%、0.89重量%、0.88重量%、0.87重量%、0.86重量%、0.85重量%、0.84重量%、0.83重量%、0.82重量%、0.81重量%、0.8重量%、0.8重量%未満、0.79重量%、0.78重量%、0.77重量%、0.76重量%、0.75重量%、0.74重量%、0.73重量%、0.72重量%、0.71重量%、0.7重量%のうちから選択される少なくとも1つの上限からなる範囲の含量で含まれるものであってよい。例えば、前記カラギーナンは、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.5から1.0重量%、0.5から0.9重量%、0.5から0.8重量%、0.5重量%以上0.8重量%未満、0.5から0.79重量%、0.5から0.75重量%、0.5から0.7重量%、0.6から0.8重量%、又は0.6重量%以上0.8重量%未満の含量で含まれるものであってよい。
【0022】
前記カラギーナンの含量が前記範囲を満たす場合には、前記ゲル化食品用組成物を用いて製造されたゲル化食品の粘度などの物性を調節してゲル化食品に保形性及び/又は弾力的な食感を付与することができ、食感を改善することができる。
【0023】
一方、前述したように、本出願のゲル化食品用組成物に含まれる寒天は、ゲル化食品にピューレ食感及び/又は果肉食感を提供し、カラギーナンは、ゲル化食品に弾力的な食感を付与することができ、寒天を単独で用いることもでき、又は、2つ(寒天及びカラギーナン)を適切な配合比で混合して用いることができ、多様な食感を有するゲル化食品を提供することができる。
【0024】
また、前記ゲル化食品用組成物に含まれるゲル化剤は、ローカストビーンガムを含むことができ、前記ローカストビーンガムを必須に含むものであってよい。
【0025】
前記ゲル化食品用組成物に含まれるローカストビーンガムは、前記ゲル化食品用組成物を用いて製造されるゲル化食品の粘着性又は粘度を調節することができ、特に、寒天及び/又はカラギーナンにローカストビーンガムを併用することにより、ゲル化食品の保形性を向上させることができるので、複数の層を有したゲル化食品における長期間保管、流通時にも層が崩れたり混ざることなくゲル化食品の物性及び/又は食感を維持することができる。
【0026】
前記ローカストビーンガムは、マメ科に属するカロブ(carob)の木から採取した後、胚乳部分を分離精製して得ることができ、主成分はマンノースとガラクトースから構成される中性多糖類を含むことができる。また、前記ローカストビーンガムは、加熱すると透明に溶解されて保水力が良い粘液質となり、他のゲル化剤、増粘剤、又は安定剤とともに用いると前記のような効果が上昇することができる。
【0027】
前記ローカストビーンガムは、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.1重量%、0.11重量%、0.12重量%、0.13重量%、0.14重量%、0.15重量%、0.16重量%、0.17重量%、0.18重量%、0.19重量%、0.2重量%、0.21重量%、0.22重量%、0.23重量%、0.24重量%、0.25重量%のうちから選択される少なくとも1つの下限及び0.7重量%、0.69重量%、0.68重量%、0.67重量%、0.66重量%、0.65重量%、0.64重量%、0.63重量%、0.62重量%、0.61重量%、0.6重量%、0.59重量%、0.58重量%、0.57重量%、0.56重量%、0.55重量%、0.54重量%、0.53重量%、0.52重量%、0.51重量%、0.5重量%、0.49重量%、0.48重量%、0.47重量%、0.46重量%、0.45重量%、0.44重量%、0.43重量%、0.42重量%、0.41重量%、0.4重量%以下、0.4重量%未満、0.39重量%、0.38重量%、0.37重量%、0.36重量%、0.35重量%、0.34重量%、0.33重量%、0.32重量%、0.31重量%、0.3重量%、0.29重量%、0.28重量%、0.27重量%、0.26重量%、0.25重量%、0.24重量%、0.23重量%、0.22重量%、0.21重量%、0.2重量%のうちから選択される少なくとも1つの上限からなる範囲の含量で含まれるものであってよい。例えば、前記ローカストビーンガムは、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.1から0.7重量%、0.1から0.6重量%、0.1から0.5重量%、0.1から0.4重量%、0.1重量%以上0.4重量%未満、0.1から0.3重量%、0.1から0.2重量%、0.2から0.7重量%、0.2から0.6重量%、0.2から0.5重量%、又は0.2から0.4重量%の含量で含まれるものであってよい。
【0028】
前記ローカストビーンガムの含量が前記範囲を満たす場合には、ゲル化食品の粘度などの物性を調節してゲル化食品の保形性を付与し、ゲル化食品の保存安定性及び/又は官能品質(外観を含む)を向上させることができる。
【0029】
また、前述した寒天又はカラギーナンを主成分とするゲル化剤にローカストビーンガムが含まれるとき、前記ローカストビーンガムが寒天と配合される場合には、前記ローカストビーンガムは、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.1重量%以上の含量、具体的には、0.1から0.7重量%の含量で含まれてよく、前記ローカストビーンガムがカラギーナンと配合される場合には、前記ローカストビーンガムは、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.2重量%以上の含量、具体的には、0.2から0.7重量%の含量で含まれてよい。
【0030】
特に、前記ゲル化食品用組成物に含まれるゲル化剤には、前記寒天とローカストビーンガムが3:1から8:1の重量比、又は3:1から4:1の重量比で含まれてよい。前記ゲル化剤に含まれる寒天とローカストビーンガムの混合重量比が前記範囲を満たす場合には、ゲル化食品用組成物で製造されるゲル化食品の圧搾強度、硬度などの物性を調節して保形性を付与しつつも、これに加えて保管安定性、微生物安全性を改善することができる。
【0031】
また、前記ゲル化食品用組成物に含まれるゲル化剤には、前記カラギーナンとローカストビーンガムが1.5:1以上8:1未満の重量比、1.5から4:1の重量比、又は1.5から3:1の重量比で含まれてよい。前記ゲル化剤に含まれるカラギーナンとローカストビーンガムの混合重量比が前記範囲を満たす場合には、ゲル化食品用組成物で製造されるゲル化食品の圧搾強度、硬度などの物性を調節して保形性を付与しつつも、これに加えて保管安定性、及び/又は微生物安全性を改善することができる。
【0032】
前記ゲル化食品用組成物に含まれる前記ゲル化剤の総含量は、前記ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.8重量%、0.81重量%、0.82重量%、0.83重量%、0.84重量%、0.85重量%、0.86重量%、0.87重量%、0.88重量%、0.89重量%、0.9重量%、0.91重量%、0.92重量%、0.93重量%、0.94重量%、0.95重量%、0.96重量%、0.97重量%、0.98重量%、0.99重量%、1.0重量%のうちから選択される少なくとも1つの下限及び1.2重量%、1.19重量%、1.18重量%、1.17重量%、1.16重量%、1.15重量%、1.14重量%、1.13重量%、1.12重量%、1.11重量%、1.1重量%、1.09重量%、1.08重量%、1.07重量%、1.06重量%、1.05重量%、1.04重量%、1.03重量%、1.02重量%、1.01重量%、1重量%のうちから選択される少なくとも1つの上限からなる範囲であるものであってよい。例えば、前記ゲル化剤の総含量は、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.8から1.2重量%、0.8から1.0重量%、0.9から1.2重量%、1.0から1.2重量%、0.9から1.1重量%、0.9から1.0重量%、又は0.95から1.0重量%であるものであってよい。
【0033】
前記ゲル化剤の総含量が前記範囲を満たす場合に、ゲル化食品用組成物で製造される複数の層を有したゲル化食品は、常温以上の条件で長期間保管、流通時にも層が崩れず保形性に優れており、各種細菌、大膓菌などの微生物に対する安全性も付与して、消費者に優れた官能品質を感じるようにすることができる。
【0034】
前記ゲル化食品用組成物に含まれるゲル化剤は、前述した種類の他にも、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、又はタラガムなどのガム類をさらに含むものであってよい。
【0035】
前記ゲル化食品用組成物に追加で含まれるキサンタンガムは、ゲル化食品の粘着性及び/又は粘度を調節して乳化安定性を増進させる役割を担い、ゲル化食品の物性及び/又は触覚を改善させることができる。
【0036】
前記キサンタンガムは、キャベツのザントモナスキャンペストリスを用いて得られる高分子醗酵多糖類であって、本出願のローカストビーンガムとともに併用される場合にゲル化及び/又は粘性調節にさらに上昇された効果があり得る。
【0037】
前記グアーガムは、グアー種子の胚乳部分を粉砕して得られるものであって、本出願のローカストビーンガムとともに併用されてゲル化及び/又は粘性(粘度)を調節する役割を担い、可溶性繊維質が高いため栄養の側面においてカロリーも低い。
【0038】
前記アラビアガムは、アカシア樹液を固めて作られた天然ガムの一種であって、ゲル化食品用組成物に含まれて粘性(粘度)を調節する役割を担い、これに加えてゲル化食品の安定剤としての機能も行うことができる。
【0039】
前記タラガムは、マタタビ科タラ種子の胚乳を粉砕して得ることができ、本出願のローカストビーンガムとともに併用されてゲル化及び/又は粘性(粘度)を調節する役割ができる。
【0040】
しかし、前記ゲル化剤として主原料である寒天又はカラギーナンとキサンタンガムのみを配合する場合(すなわち、ローカストビーンガムなくキサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、又はタラガムだけ配合する場合)には、ゲル化食品用組成物で製造されるゲル化食品に必要なだけの保形性を付与し難いという問題がある。
【0041】
前記キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、及びタラガムのうち少なくとも1つは、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.1重量%、0.11重量%、0.12重量%、0.13重量%、0.14重量%、0.15重量%、0.16重量%、0.17重量%、0.18重量%、0.19重量%、0.2重量%のうちから選択される少なくとも1つの下限、及び0.2重量%、0.19重量%、0.18重量%、0.17重量%、0.16重量%、0.15重量%、0.14重量%、0.13重量%、0.12重量%、0.11重量%、0.1重量%のうちから選択される少なくとも1つの上限からなる範囲の含量で含まれるものであってよい。例えば、前記キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、及びタラガムのうち少なくとも1つは、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.1から0.2重量%の含量で含まれるものであってよい。
【0042】
前記キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、及びタラガムのうち少なくとも1つの含量が前記範囲を満たす場合には、ゲル化食品の粘度などの物性を調節してゲル化食品の保形性を付与し、ゲル化食品の保存安定性及び/又は官能品質(外観を含む)を向上させることができ、このような効果はローカストビーンガムとともに配合してシナジー効果を出すことができる。
【0043】
特に、前記寒天又はカラギーナンを主成分とするゲル化剤にローカストビーンガムとキサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、及びタラガムのうち少なくとも1つを組み合わせて用いる場合、前記ゲル化食品の保形性を付与しつつも、圧搾強度、脆弱性、及び/又は硬度を調節することができ、ゲル化剤の主成分の種類を適切に選択配合することにより弾力的な食感又はピューレ食感及び/又は果肉食感などの柔らかい食感を有するゲル化食品を提供することができ、このようなゲル化食品用組成物を用いて複数の層を有したゲル化食品を製造する場合にも、常温以上の条件においても複数の層を有したゲル化食品の外観を維持し、消費者にとって外観、食感などの官能品質を満たすことができ、これに加えて微生物安全性を付与して保存安定性も改善させることができる。
【0044】
また、前記ゲル化剤は、ジェランガムを含まないものであってよく、前記ゲル化剤は、実質的にジェランガムを含まないものであってよい。
【0045】
前記ゲル化剤がジェランガムを実質的に含まないとのことは、前記ゲル化剤にジェランガムが全く含まれないことを意味してもよく、又は微量含まれる場合にも不純物の形態として微量(例えば、0.001重量%以下/未満の含量)含まれることを意味してもよい。
【0046】
前記ゲル化食品用組成物には、必要に応じて添加剤をさらに含むことができる。例えば、前記ゲル化食品用組成物は、ピューレ、酸味料、香料、及び甘味料のうちから選択される少なくとも1つをさらに含むものであってよい。
【0047】
前記ピューレ(puree)は、果物を煮たりすりつぶして細かいふるいにかけてとろみをつけたものであって、前記ゲル化食品用組成物に含まれることにより、ゲル化食品の風味、又は香味を改善するためのものとして役割を担うことができる。
【0048】
前記ピューレは、例えば、マンゴーピューレ、リンゴピューレ、梨ピューレ、グレープフルーツピューレ、又はオレンジピューレなどを含むものであってよいが、これに限定されるものではなく、一般的に食品に適用され得る果物ピューレでさえあれば、前記ゲル化食品用組成物に含まれてよい。
【0049】
前記ピューレは、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.005重量%、0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.1重量%のうちから選択される少なくとも1つの下限、及び20重量%、19重量%、18重量%、17重量%、16重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%のうちから選択される少なくとも1つの上限からなる範囲の含量で含まれるものであってよい。例えば、前記ピューレは、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.005から20重量%、又は0.01から20重量%の含量で含まれるものであってよい。
【0050】
前記ピューレの含量が前記範囲を満たす場合には、ゲル化食品の風味、又は香味を改善して、ゲル化食品に果肉食感及び/又はピューレ食感を提供することができる。
【0051】
前記酸味料は、ゲル化食品の食感及び/又は官能品質を調節し、これに加えてゲル化食品のpH調整、保存性、及び/又は抗酸化作用を付与する役割ができる。
【0052】
前記酸味料は、有機酸を含むものであってよく、前記有機酸としては、例えば、クエン酸、含水クエン酸、グルコン酸、タルタル酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、乳酸、アジピン酸、又は氷酢酸などがあるが、これに限定されるものではない。
【0053】
前記酸味料は、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.005重量%、0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.1重量%のうちから選択される少なくとも1つの下限、及び0.5重量%、0.49重量%、0.48重量%、0.47重量%、0.46重量%、0.45重量%、0.44重量%、0.43重量%、0.42重量%、0.41重量%、0.4重量%、0.39重量%、0.38重量%、0.37重量%、0.36重量%、0.35重量%、0.34重量%、0.33重量%、0.32重量%、0.31重量%、0.3重量%、0.2重量%のうちから選択される少なくとも1つの上限からなる範囲の含量で含まれるものであってよい。例えば、前記酸味料は、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.005から0.5重量%、又は0.01から0.5重量%の含量で含まれるものであってよい。
【0054】
前記酸味料の含量が前記範囲を満たす場合には、ゲル化食品の食感及び/又は官能品質を調節し、これに加えてゲル化食品のpH調整、保存性、及び/又は抗酸化作用を付与することができる。
【0055】
前記香料は、前記ゲル化食品用組成物に含まれることにより、ゲル化食品の風味、又は香味を改善するための嗜好成分としての役割を担うことができる。前記香料としては、食品に添加され得る天然香料又は合成香料を1つ又は複数で含むことができ、前記香料の例としては、オレンジ香、マンゴー香、イチゴ香、ブドウ香などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
【0056】
前記香料は、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.005重量%、0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.1重量%のうちから選択される少なくとも1つの下限、及び0.5重量%、0.49重量%、0.48重量%、0.47重量%、0.46重量%、0.45重量%、0.44重量%、0.43重量%、0.42重量%、0.41重量%、0.4重量%、0.39重量%、0.38重量%、0.37重量%、0.36重量%、0.35重量%、0.34重量%、0.33重量%、0.32重量%、0.31重量%、0.3重量%、0.2重量%のうちから選択される少なくとも1つの上限からなる範囲の含量で含まれるものであってよい。例えば、前記香料は、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.005から0.5重量%、又は0.01から0.5重量%の含量で含まれるものであってよい。
【0057】
前記香料の含量が前記範囲を満たす場合には、ゲル化食品の風味、又は香味を改善することができる。
【0058】
前記甘味料は、前記ゲル化食品に甘味を付与するものであって、砂糖、ブドウ糖、果糖、液状果糖、乳糖、ハチミツ、飴、又はオリゴ糖など、食品に添加され得る天然甘味料又は人工甘味料に該当するものであれば、制限なく用いることができる。
【0059】
前記甘味料は、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%のうちから選択される少なくとも1つの下限、及び30重量%、29重量%、28重量%、27重量%、26重量%、25重量%、24重量%、23重量%、22重量%、21重量%、20重量%のうちから選択される少なくとも1つの上限からなる範囲の含量で含まれるものであってよい。例えば、前記甘味料は、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として3から30重量%、3から20重量%、5から20重量%、又は10から20重量%の含量で含まれるものであってよい。
【0060】
前記甘味料の含量が前記範囲を満たす場合には、ゲル化食品の甘味を付与して、風味又は香味を改善することができる。
【0061】
前記ゲル化食品用組成物には、前述した添加剤の他にも、必要に応じて乳酸菌、ビタミン、乳化剤、賦形剤、着色剤、酸化防止剤、又はこれらの組み合わせなどの添加剤がさらに含まれてよい。
【0062】
前記ゲル化食品用組成物に前記のような添加剤をさらに含むことにより、前記ゲル化食品用組成物から製造されたゲル化食品に必要な物性又は特性を付与することができる。
【0063】
前記ゲル化食品用組成物に含まれ得る添加剤は、韓国食品公典に開示されているか、又は通常食品に含まれ得るものとして知られているものであれば、制限なく用いられてよい。
【0064】
前記添加剤が前記ゲル化食品用組成物に含まれる場合には、前記添加剤のそれぞれは、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.005重量%、0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.1重量%のうちから選択される少なくとも1つの下限、及び0.5重量%、0.49重量%、0.48重量%、0.47重量%、0.46重量%、0.45重量%、0.44重量%、0.43重量%、0.42重量%、0.41重量%、0.4重量%、0.39重量%、0.38重量%、0.37重量%、0.36重量%、0.35重量%、0.34重量%、0.33重量%、0.32重量%、0.31重量%、0.3重量%、0.2重量%のうちから選択される少なくとも1つの上限からなる範囲の含量で含まれるものであってよい。例えば、前記それぞれの添加剤は、ゲル化食品用組成物の総重量を基準として0.005から0.5重量%、又は0.01から0.5重量%の含量で含まれるものであってよい。
【0065】
前記それぞれの添加剤の含量が前記範囲を満たす場合には、それぞれの添加剤が有している特性が付与されたゲル化食品用組成物及び/又はゲル化食品を提供することができる。
【0066】
前記ゲル化食品用組成物は、前記ゲル化剤の他に残部の水をさらに含むものであってよい。
【0067】
前記ゲル化食品とは、ゲル(gel)形態(形状)を有する食品を全て含む概念であって、一般的にゲル(gel)とは、液体内に固体粒子が分散されているゾル(sol)を加熱又は冷却させたとき、固体又は半固体状態の一定な形態を有したものを意味することができる。前記ゲルは、前記ゾルが化学結合などの2次結合を形成してゲル化されたものを意味することができる。
【0068】
前記ゲル化食品は、前記のような食品でさえあれば制限されるものではないが、例えば、ゼリー、スプレッド、又はプディングなどを含むことができる。
【0069】
前記ゲル化食品は、常温で流通が可能な食品を含むことができ、又は常温で食べることが可能な食品を含むものであってよい。
【0070】
また、前記ゲル化食品は、必ずしも常温でのみ流通が可能な食品であるものではなく、常温よりさらに高い温度の苛酷な条件で流通及び/又は保管が容易な食品を含むものであってもよい。
【0071】
前記ゲル化食品は、製造直後に食べることもでき、常温以上の条件で流通及び/又は保管、保存された後に、別途の処理がなくとも食べることができる。
【0072】
本出願のゲル化食品は、複数の層を有した層状のゲル化食品を含むことができる。このとき、前記複数の層を有したゲル化食品における層は、垂直方向の層又は水平方向の層を意味するものであってよいが、必ずしも垂直又は水平方向に制限されるものではなく、目視で観察したとき、互いに異なる色(a*、b*)、明度(L*)、透明度などで区分されることを意味するものであってよい。
【0073】
また、前記複数の層を有したゲル化食品の層は、層の境界面が必ずしも明らかである必要まではなく、前述したように、目視で観察したとき、互いに異なる色(a*、b*)、明度(L*)、透明度などを有することで区分される程度でさえあればよい。
【0074】
このとき、前記ゲル化食品が複数の層を有したゲル化食品を含む場合には、前記複数の層を有したゲル化食品の少なくとも1つの層が前記ゲル化食品用組成物を含むものであってよい。すなわち、前記複数の層を有したゲル化食品の少なくとも1つの層は、前述した複数の層を有したゲル化食品用組成物で製造されるものであってよい。
【0075】
前記複数の層を有したゲル化食品の1つの層と残りの層の糖度の差が5ブリックス(brix)以上であるものであってよく、具体的には、10ブリックス以上であるものであってよい。具体的に、前記残りの層は、本出願のゲル化食品用組成物と隣接する層であってよい。前記のような糖度の差があるものでさえあれば、前記複数の層を有したゲル化食品の残りの層は、前記ゲル化食品用組成物の組成とは同一であるか又は異なる、ゲル化食品を製造することができる任意の組成物(例えば、ゼリー液など)を含むものであってよい。
【0076】
好ましくは、前記複数の層を有したゲル化食品の最も下端部の層が前記ゲル化食品用組成物を含むものであってよい。すなわち、前記複数の層を有したゲル化食品の残りの層を製造するための任意の組成物の糖度は、前記ゲル化食品用組成物の糖度より5ブリックス以上低いものであってよく、具体的には10ブリックス以上低いものであってよい。
【0077】
前記のような糖度の差は、それぞれの組成物に含まれる甘味料の種類及び/又は含量を調節して達成されるものであってよい。
【0078】
前記本発明のゲル化食品用組成物を第1ゲル化食品用組成物と指称することができ、前記複数の層を有したゲル化食品のうち残りの層のための組成物を第2ゲル化食品用組成物と指称することができ、残りの層が複数の層の場合には、層の個数だけ第2ゲル化食品用組成物、第3ゲル化食品用組成物などと指称することができる。
【0079】
前記複数の層を有したゲル化食品のうち残りの層のための第2ゲル化食品用組成物の場合には、ゲル化食品に利用可能なゲル化剤であれば、市中で購入が可能な製品を制限なく用いることができる。
【0080】
例えば、前記複数の層を有したゲル化食品のうち残りの層のための第2ゲル化食品用組成物に利用可能なゲル化剤の例示としては、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、グアーガム、タラガム、アラビアガム、ローカストビーンガム、低アシルジェランガム、高アシルジェランガム、及びこれらの組み合わせなどを挙げることができ、これに限定されるものではない。
【0081】
また、前記複数の層を有したゲル化食品のうち残りの層のための第2ゲル化食品用組成物に含まれるゲル化剤の含量もまた、通常の方法によりゲル化食品を製造できるものでさえあれば、その含量も適切な水準で選択することができる。
【0082】
すなわち、本発明のゲル化食品が複数の層を有したゲル化食品の場合に、本発明のゲル化食品用組成物を用いた層の他に可能な組成物は制限なく用いることができるという長所がある。
【0083】
前記複数の層を有したゲル化食品のうち、前記ゲル化食品用組成物を含む層の圧搾強度は、3.1N、3.2N、3.3N、3.4N、3.5N、3.6N、3.7N、3.8N、3.9N、4N、4.1N、4.2N、4.3N、4.4N、4.5N、4.6N、4.7N、4.8N、4.9N、5N、5.1N、5.2N、5.3N、5.4N、5.5N、5.6N、5.7N、5.8N、5.9N、6Nのうちから選択される少なくとも1つの下限、及び20N、19.5N、19N、18.5N、18N、17.5N、17N、16.5N、16N、15.5N、15N、14.5N、14N、13.5N、13N、12.5N、12N、11.5N、11N、10.5N、10N、9.5Nのうちから選択される少なくとも1つの上限で構成された範囲であってよい。例えば、前記ゲル化食品用組成物を含む層の圧搾強度は、3.1から20N、4から19N、5から16N、5から15N、5から10N、5.3から20N、5.3から15N、6から20N、6から15N、又は6から10Nであってよい。
【0084】
前記圧搾強度は、TA(Texture Analyzer)分析結果から得られる測定値であってよく、具体的には、TA XT-plus(Stable Micro System、イギリス)分析結果から得られる測定値であってよい。
【0085】
前記TA分析条件は、下記表1のとおりである。
【表1】
【0086】
前記複数の層を有したゲル化食品のうち、前記ゲル化食品用組成物を含む層の圧搾強度が前記範囲を満たす場合には、前記複数の層を有したゲル化食品が常温以上の条件で長期間保管、流通後にも保形性が維持されて層が崩れず、食感及び/又は官能品質も維持することができ、これに加えて微生物安全性も付与することができる。
【0087】
前記複数の層を有したゲル化食品のうち、前記ゲル化食品用組成物を含む層の硬度が5N、5.1N、5.2N、5.3N、5.4N、5.5N、5.6N、5.7N、5.8N、5.9N、6N、6.1N、6.2N、6.3N、6.4N、6.5N、6.6N、6.7N、6.8N、6.9N、7Nのうちから選択される少なくとも1つの下限、及び15N、14.8N、14.6N、14.5N、14.4N、14.2N、14N、13.8N、13.6N、13.5N、13.4N、13.2N、13N、12.8N、12.6N、12.5N、12.4N、12.2N、12N、11.8N、11.6N、11.5N、11.4N、11.2N、11N、10.8N、10.6N、10.5N、10.4N、10.2N、10Nのうちから選択される少なくとも1つの上限で構成された範囲であってよい。例えば、前記ゲル化食品用組成物を含む層の硬度は5から15N、5から12N、5から11.5N、5から11N、5から10N、5.8から12N、5.8から11.8N、又は5.8から11.5Nであってよい。
【0088】
前記複数の層を有したゲル化食品のうち、前記ゲル化食品用組成物を含む層の硬度(硬さの程度)は、TA(Texture Analyzer)分析結果から得られる測定値であってよく、具体的には、TA XT-plus(Stable Micro System、イギリス)分析結果から得られる測定値であってよい。前記TA分析条件は、前記表1のとおりである。
【0089】
前記複数の層を有したゲル化食品のうち、前記ゲル化食品用組成物を含む層の硬度が前記範囲を満たす場合には、前記2つ以上の層状のゲル化食品の保形性に優れ、それにより常温流通安定性及び/又は保存安定性に優れることができる。また、ゲル化食品の食感に弾力感があるか、又は果肉食感及び/又はピューレ食感を有することができるので、官能品質を改善することができる。
【0090】
前記複数の層を有したゲル化食品のうち、前記ゲル化食品用組成物を含む層の製造直後、35℃で3ヶ月保管後に微生物濃度の変化が101CFU/g未満であるものであってよい。
【0091】
すなわち、前記ゲル化食品は、前記ゲル化食品用組成物を含み、前記ゲル化食品用組成物から製造されてよい。
【0092】
前記ゲル化食品の製造方法は、任意の公知のゲル化食品を製造する方法を利用することができる。例えば、ゲル化段階、パッケージング段階、加熱殺菌段階、及び/又は冷却段階などの段階を含めて前記ゲル化食品を製造することができ、前記に並べられていないが、ゲル化食品の製造に必要な工程であれば制限なく含まれてよい。
【0093】
具体的には、前記ゲル化段階は、前記ゲル化剤を水(又は精製水)に分散、混合した後、撹拌してゲル化物を形成することであってよい。このとき、前記ゲル化温度は、80℃、81℃、82℃、83℃、84℃、85℃、86℃、87℃、88℃、89℃、90℃のうちから選択される少なくとも1つの下限、及び100℃、99℃、98℃、97℃、96℃、95℃、94℃、93℃、92℃、91℃、90℃のうちから選択される少なくとも1つの上限で構成される範囲であってよい。
【0094】
前記のようなゲル化温度を維持する場合に、ゲル化物の形成が円滑であり、特に、前記ゲル化食品の圧搾強度、脆弱性、硬度、粘性などの物性を調節して保形性及び/又は食感を付与することができる。
【0095】
前記ゲル化物にゲル化剤の他にも、必要に応じて前述した多様な添加剤を含む段階を含むことができる。
【0096】
前記ゲル化物をパッケージングする段階を含むことができる。前記ゲル化物をパッケージングする段階は、前記ゲル化物を多様な形態を有したモールド、フレーム、又はケースなどに入れて包装する段階を含むことができる。
【0097】
このとき、前記パッケージング段階は真空パックを含むことができるが、これに限定されるものではなく、食品の包装方法としてよく知られている公知の方法を利用してよい。
【0098】
次いで、前記加熱殺菌段階は、前記ゲル化物(又は添加物が添加されたゲル化物)を加熱殺菌する段階であって、前記ゲル化食品の常温以上の条件における流通、保管のために通常食品を加熱殺菌する公知の方法を利用することができる。
【0099】
前記冷却段階は、前記加熱殺菌されたゲル化物を冷却して最終的に凝固させる段階であって、前記加熱殺菌されたゲル化物を冷却する方法は、常温又は室温で放置する方法を利用してよいが、これに限定されるものではない。
【発明の効果】
【0100】
本出願に係る複数の層を有したゲル化食品用組成物は、寒天又はカラギーナンをゲル化剤の主な成分として用いつつ、ローカストビーンガムを特定の比率で配合することで、ゲル化食品用組成物から得られたゲル化食品を複数の層を有したゲル化食品として製造したとき、常温以上の条件で長期間流通、保管する場合にも、複数の層が崩れたり互いに混合される場合を防止できるように保形性が向上されるので、食感、味、外観が異なる複数の層を有したゲル化食品を製造することができる。
【0101】
さらには、長期間保管後に別途の措置なく直ちに食べることができるので、消費者に簡便な食事又は間食を提供することができ、このように長期間保管後に食べる場合にも、食感、香味、風味などの官能品質に優れるので、消費者に好感を与えるゲル化食品を提供するという効果がある。
【0102】
また、前記ゲル化食品用組成物を用いる場合、常温以上の条件で長期間流通、保管時にも微生物安全性が大幅に向上されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【
図1】本出願の実験例1により実施例1から8の複数の層を有したゲル化食品を撮影した図である。
【
図2】本出願の実験例1により参照実施例1から10の複数の層を有したゲル化食品を撮影した図である。
【
図3】本出願の実験例1により比較例1から4の複数の層を有したゲル化食品を撮影した図である。
【
図4】本出願の実験例3により実施例1のゲル化食品用組成物を用いた複数の層を有したゲル化食品に対して製造直後及び35℃で3ヶ月保管(放置)した後のゲル化食品を撮影した図である。
【発明を実施するための形態】
【0104】
以下、本出願を実施例により詳細に説明する。
但し、下記実施例は、本出願を具体的に例示するものであり、本出願の内容が下記実施例により限定されない。
【実施例】
【0105】
<参照実施例>-第1ゲル化食品用組成物の製造
本出願のゲル化食品用組成物に用いられ得るゲル化剤の種類及び含量を異なるようにして、ゲル化剤の計量-精製水の混合-撹拌及び加熱(80℃以上10分)-ピューレ(マンゴーピューレ、Capricorn、インド)、酸味料(含水クエン酸、WEIFANG、中国)、香料(マンゴー香、ジボダンコリア、シンガポール;オレンジ香、センシエントフード、中国)、甘味料(砂糖、第一製糖、韓国;液状果糖、第一製糖、韓国)、ビタミン(ビタミンC、SHNDONG LUWEI、中国)又は色素の投入、及び撹拌-充填-殺菌-冷却の順の工程を順次経て、参照実施例1から10のゲル化食品用組成物を製造した。前記参照実施例1から10の組成は、下記表2のとおりである。
【0106】
【0107】
<実施例及び比較例>-第1ゲル化食品用組成物の製造
本出願のゲル化食品用組成物を製造するため、ゲル化剤の計量-精製水の混合-撹拌及び加熱(80℃以上10分)-ピューレ(マンゴーピューレ、Capricorn、インド)、酸味料(含水クエン酸、WEIFANG、中国)、香料(マンゴー香、ジボダンコリア、シンガポール;オレンジ香、センシエントフード、中国)、甘味料(砂糖、第一製糖、韓国;液状果糖、第一製糖、韓国)、ビタミン(ビタミンC、SHNDONG LUWEI、中国)又は色素の投入、及び撹拌-充填-殺菌-冷却の順の工程を順次経て製造した。
【0108】
ゲル化剤の種類及び含量を異なるようにして、下記表3の組成で実施例1から8のゲル化食品用組成物、及び下記表4の組成で比較例1から4のゲル化食品用組成物を製造した。
【0109】
【0110】
【0111】
<実施例9>-第2ゲル化食品用組成物の製造
下記成分を用いて前記実施例1から8、参照実施例1から10、及び比較例1から4のゲル化食品用組成物より糖度が5ブリックス(brix)以上低くしてゼリー液を製造した。
【0112】
(グアーガム(PREMCEM GUMS、インド)、ゲル化剤(三栄源、日本)、砂糖(第一製糖、韓国)、グレープフルーツ濃縮液(Gan shmuel、イスラエル)、含水クエン酸(WEIFANG、中国)、ビタミンC(SHANDONG LUWEI、中国)、トマト色素(エイワンカフ、韓国)、グレープフルーツ香(マンコリア、中国))
【0113】
<実験例1>
前記実施例1から8、参照実施例1から10、及び比較例1から4のゲル化食品用組成物を用いてそれぞれ第1ゲル化食品とし、前記実施例9のゲル化食品用組成物を用いて第2ゲル化食品とする、複数の層を有した層状のゲル化食品を製造し、これに対する組成物の粘度、多層具現の程度、融解性、第1ゲル化食品の保形性、第1ゲル化食品の食感などの物性を評価した結果をそれぞれ下記表5から表7に示した。
【0114】
前記実施例1から8のゲル化食品組成物を用いた層状のゲル化食品の写真を
図1、参照実施例1から10のゲル化食品用組成物を用いた層状のゲル化食品の写真を
図2、比較例1から4のゲル化食品用組成物を用いた層状のゲル化食品の写真を
図3に示した。
【0115】
組成物の粘度
第1ゲル化食品用組成物製造後の組成物の状態を目視で観察して相対評価した。
(評価基準:ゼリー組合液の粘度が高いほど撹拌速度が高くなるのに伴い、これを●で表示して粘度を比較評価し、ホモディスパー(Primix Homo disper 2.5、日本)を直径40mmである撹拌棒で撹拌するとき、4,000rpm以上である場合●●●●●、3,000rpm以上である場合●●●●、1,500rpm以上である場合●●●、1,000rpm以上である場合●●、1,000rpm未満である場合●と記載する)
【0116】
多層具現の程度
層状のゲル化食品の冷却完了後、外観を撮影し、多層具現の程度を目視で観察して相対評価した。
(評価基準:●多いほど目視で外観観察時に多層の区分が明らかであるものと判断し、例えば、層間の境界が非常に明らかに区分される場合●●、層間の境界が区分されて境界線が若干薄暗い場合●、多層具現されていない場合Xと記載する)
【0117】
融解性
第1ゲル化食品用組成物の高い温度における融解有無を目視で観察した。融解が容易になるほど粒子が生じない優れた品質の製品を製造することができ、多層具現の効果に優れることを確認することができる。
(評価基準:第1ゲル化食品用組成物の製造後、80℃で30分以上加熱したとき、ゼリーが完全に溶けた場合○で表示し、そうではなかった場合Xと記載する)
【0118】
第1ゲル化食品の保形性
層状のゲル化食品のうち、第1ゲル化食品の部分をスプーンですくった後の外観形状を目視で観察した。
(評価基準:●が多いほど外観形状がぷりぷりして、保形性に優れたものと判断し、具体的にぷりぷりしたゼリー形態を有している場合●●、ぷりぷりしたゼリー形態でありつつ若干の粘性がある場合
【数1】
形状がすっきりしていないか、粘性がある液体状である場合●、保形性が非常に弱くて判断が不可能である場合Xと記載する)
【0119】
第1ゲル化食品の食感
パネル3名が実験群別に層状のゲル化食品のうち第1ゲル化食品の部分を試食した後に官能検査を進めた。
(評価基準:第1ゲル化食品部の試食後に舌で感じられる物性及び官能品質に対して敍述する)
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
表6によると、ゲル化剤として寒天だけ用いた参照実施例1、及びゲル化剤としてカラギーナンだけ用いた参照実施例3の場合には多層ゼリーの具現が可能であったが、保形性が若干弱くてTA分析は不可能であった。参照実施例1に比べて寒天の含量を2倍に増加させた参照実施例2の場合にも多層ゼリーの具現は可能であったが、依然と散らばるという特性が示され、参照実施例3に比べてカラギーナンの含量を2倍に増加させた参照実施例4の場合にも多層ゼリーの具現は可能であったが、依然と散らばるという特性が示された。
【0124】
よって、単一のゲル化剤による結果をみると、寒天又はカラギーナンの場合、粘度、多段具現の程度、融解性及び保形性を総合的に考慮したとき、他の種類のゲル化剤より複数の層を有したゲル化食品に用いるゲル化剤として適していた。しかし、大量生産時、生産性、製造後の保管容易性、流通容易性などを考慮したとき、寒天とカラギーナン単独では弱い保形性が確認され、使用量の増加による保形性増加の効果が不完全であることを確認した。
【0125】
一方、ゲル化剤としてローカストビーンガムだけ用いた参照実施例5の場合にも完全にゲル化されていない液体状態であり、ゲル化剤としてキサンタンガムだけ用いた参照実施例6及び参照実施例7の場合にもゲル化できていない液体状態であった。
【0126】
ゲル化剤として低アシルジェランガムを用いた参照実施例8の場合には多層具現の程度が低く、高アシルジェランガムを用いた参照実施例9の場合には完全にゲル化できずに融解性に問題があり、参照実施例9に比べて高アシルジェランガムの含量を増加させた参照実施例10の場合には多層の具現において問題があることを確認した。
【0127】
したがって、多層具現の程度に優れつつも保形性にも同時に優れたゲル化食品のために寒天又はカラギーナンを主成分とし、ただし、保形性を充足及び/又は補完するための他のガム類を混合して組み合わせなければならないことを確認した。
【0128】
表5及び表7によると、実施例1と比較例2、又は実施例2と比較例1を比べると、ゲル化剤として寒天を主成分に用いるとき、キサンタンガムを混合することでは保形性を改善することができなかったが、ローカストビーンガムを混合する実施例1及び2の場合には保形性が改善することを確認することができた。
【0129】
実施例5と比較例4、又は実施例6と比較例3を比べると、ゲル化剤としてカラギーナンを主成分に用いるとき、キサンタンガムを混合することでは保形性を改善することができなかったが、ローカストビーンガムを混合する実施例5及び6の場合には保形性が改善することを確認することができた。
【0130】
すなわち、実施例1から8によるゲル化食品の場合には、粘度が●●以下、多層具現の程度が●以上、融解性○、及び保形性
【数2】
以上である特性をいずれも満たすので、本出願で目的とする、複数の層を有したゲル化食品が保形性が維持されて層が崩れず、食感などの官能品質も改善することを確認することができた。
【0131】
<実験例2>
前記実施例1から8のゲル化食品、参照実施例2及び10、比較例1から3のゲル化食品用組成物を用いてそれぞれ第1ゲル化食品とし、前記実施例9のゲル化食品用組成物を第2ゲル化食品とする層状のゲル化食品を製造し、それぞれの第1ゲル化食品の部分サンプル80gに対し、Texture Analyzer(TA XT-plus、Stable Micro System、イギリス)を用いて測定した結果を下記表9に示した。TA分析結果は、総2回又は3回測定して平均値で決定した。参照実施例1、3から9及び比較例4の場合には保形性が非常に低いため、TA分析自体が不可能であった。
【0132】
測定条件は、下記表8のとおりである。
【0133】
【0134】
1番目のピークの高さを圧搾強度、1番目のピークと負のピーク(negative peak)の差の値を脆弱性、2番目のピークの高さを硬度(硬さの程度)、2番目の負のピーク(negative peak)の絶対値を粘性として判定した。
【0135】
【0136】
表9によると、ゲル化剤の種類を1つだけ用いる参照実施例1、3から9の場合にはTA分析自体が不可能であり、寒天を過量含む参照実施例2は圧搾強度が低くて保形性に問題があり、高アシルジェランガムを過量含む参照実施例10の場合には多層具現の程度に問題があることを確認することができた。
【0137】
一方、比較例1から比較例3の場合には、硬度(硬さの程度)がそれぞれ2.78(N)、3.13(N)、3.85(N)なので保形性に問題があり、これに比べて実施例1から8の場合には、圧搾強度及び硬度のいずれも目的とする物性を満たして保形性に優れていることを確認することができた。
【0138】
<実験例3>
前記実施例1のゲル化食品用組成物を用いて第1ゲル化食品とし、前記実施例9のゲル化食品用組成物を用いて第2ゲル化食品とする層状のゲル化食品を製造し、層状のゲル化食品の製造直後の微生物濃度と35℃で3ヶ月保管(放置)した後にAerobic bacteria、E.coli、Yeast/Moldが検出されないことを確認し、製造直後及び35℃で3ヶ月保管(放置)した後の写真を
図4に示した。
【国際調査報告】