(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-06
(54)【発明の名称】電子的エアロゾル供給システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/30 20200101AFI20231129BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20231129BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20231129BHJP
【FI】
A24F40/30
A24F40/50
A24F40/60
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530820
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(85)【翻訳文提出日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 GB2021053077
(87)【国際公開番号】W WO2022112781
(87)【国際公開日】2022-06-02
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】アッゾパルディ, アンナ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA06
4B162AA07
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB23
4B162AB28
4B162AC12
4B162AC13
4B162AC16
4B162AC17
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4B162AC34
4B162AC50
4B162AD02
4B162AD03
4B162AD15
4B162AD16
4B162AD23
(57)【要約】
また、このデバイスは、第1のユーザ入力機構又は第2のユーザ入力機構を介してユーザからの入力を受け付けるとともに、各エアロゾル生成器の特性を制御するように構成された制御回路を備え得る。入力に応答して、制御回路は、入力が第1のユーザ入力機構に与えられた場合、第1のエアロゾル生成器の特性を第1の量だけ変更するように構成され、制御回路は、入力が第2のユーザ入力機構に与えられた場合、第2のエアロゾル生成器の特性を第1の量と異なる第2の量だけ変更するように構成されている。また、エアロゾル供給システム、エアロゾル供給デバイスを制御する方法、及びエアロゾル供給手段が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のエアロゾル生成材料及び第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給デバイスであって、
前記第1のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された第1のエアロゾル生成器を制御する第1のユーザ入力機構と、
前記第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された第2のエアロゾル生成器を制御する第2のユーザ入力機構と、
前記第1のユーザ入力機構又は前記第2のユーザ入力機構を介してユーザからの入力を受け付けるとともに、前記各エアロゾル生成器の特性を制御するように構成された制御回路と、
を備え、
前記入力に応答して、前記制御回路が、前記入力が前記第1のユーザ入力機構に与えられた場合、前記第1のエアロゾル生成器の特性を第1の量だけ変更するように構成され、前記制御回路が、前記入力が前記第2のユーザ入力機構に与えられた場合、前記第2のエアロゾル生成器の特性を前記第1の量と異なる第2の量だけ変更するように構成された、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記特性が、パフ動作中における、前記各エアロゾル生成器の電力設定、前記各エアロゾル生成器の温度設定、前記各エアロゾル生成器の目標抵抗、前記各エアロゾル生成器の目標電流、及び前記各エアロゾル生成器に給電する時間を含む群から選択される、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記第1のエアロゾル生成器の特性を前記第1の量だけ変更することが、前記第1のエアロゾル生成器により生成されるエアロゾルの量の第1の変化をもたらし、
前記第2のエアロゾル生成器の特性を前記第2の量だけ変更することが、前記第2のエアロゾル生成器により生成されるエアロゾルの量の第2の変化をもたらし、
前記第1の変化及び前記第2の変化が、略等しい、請求項1又は2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記第1のエアロゾル生成材料が、前記第2のエアロゾル化可能材料と異なる気化温度を有し、及び/又は、
前記第1のエアロゾル生成材料が、前記第2のエアロゾル化可能材料と異なる比熱容量を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記第1のユーザ入力機構が、スライダ、ダイヤル、1つ若しくは複数のボタン、1つ若しくは複数のスイッチ、並びにタッチスクリーンを含む群から選択される種類のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記第2のユーザ入力機構が、スライダ、ダイヤル、1つ若しくは複数のボタン、1つ若しくは複数のスイッチ、並びにタッチスクリーンを含む群から選択される種類のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記第1のユーザ入力機構が、前記第2のユーザ入力機構と同じ種類である、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
前記入力が、前記各エアロゾル生成器の特性に関する複数の選択可能な状態のうちの1つの選択である、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記特性が、前記第1のエアロゾル生成器及び前記第2のエアロゾル生成器に対して、同じ数の選択可能な状態を有する、請求項8に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記複数の選択可能な状態が、デフォルト状態及びブースト状態を含み、
前記入力に応答して、前記制御回路が、前記入力が前記第1のユーザ入力機構に与えられた場合、前記第1のエアロゾル生成器の特性に前記ブースト状態を選択するように構成され、及び/又は、前記制御回路が、前記入力が前記第2のユーザ入力機構に与えられた場合、前記第2のエアロゾル生成器の特性に前記ブースト状態を選択するように構成された、請求項8又は9に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記第1のエアロゾル生成材料が、液体、ゲル、及び固体を含む群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記第2のエアロゾル生成材料が、液体、ゲル、及び固体を含む群から選択され、前記第2のエアロゾル生成材料が、前記第1のエアロゾル生成材料と異なる、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記第1のエアロゾル生成器が、抵抗加熱器、圧電アトマイザ、レーザ、及び誘導加熱器を含む群から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
前記第2のエアロゾル生成器が、抵抗加熱器、圧電アトマイザ、レーザ、及び誘導加熱器を含む群から選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
前記第1のエアロゾル化可能材料を保持する第1のレセプタクル及び/又は前記第2のエアロゾル化可能材料を保持する第2のレセプタクルを備えた、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
第1のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するとともに、第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給システムであって、
請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスと、
第1のエアロゾル生成材料と、
第2のエアロゾル生成材料と、
を備えた、エアロゾル供給システム。
【請求項17】
前記第1のエアロゾル生成材料を保持する第1のカートリッジであり、前記エアロゾル供給デバイスに対して取り外し可能に取り付けるように構成された、第1のカートリッジ、及び/又は
前記第2のエアロゾル生成材料を保持する第2のカートリッジであり、前記エアロゾル供給デバイスに対して取り外し可能に取り付けるように構成された、第2のカートリッジ、
を備えた、請求項16に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項18】
第1のエアロゾル生成材料及び第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給デバイスを制御する方法であり、前記エアロゾル供給デバイスが、第1のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された第1のエアロゾル生成器を制御する第1のユーザ入力機構と、第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された第2のエアロゾル生成器を制御する第2のユーザ入力機構と、前記第1のユーザ入力機構又は前記第2のユーザ入力機構を介してユーザからの入力を受け付けるとともに、前記各エアロゾル生成器の特性を制御するように構成された制御回路と、を備えた、方法であって、
前記第1のユーザ入力機構又は前記第2のユーザ入力機構への入力を識別するステップと、
前記入力が前記第1のユーザ入力機構に与えられた場合、前記第1のエアロゾル生成器の特性を第1の量だけ変更するステップ、又は
前記入力が前記第2のユーザ入力機構に与えられた場合、前記第2のエアロゾル生成器の特性を第2の量だけ変更するステップと、
を含み、
前記第2の量が、前記第1の量と異なる、方法。
【請求項19】
第1のエアロゾル生成材料手段及び第2のエアロゾル生成材料手段からエアロゾルを生成するエアロゾル供給手段であって、
前記第1のエアロゾル生成材料手段からエアロゾルを生成するように構成された第1のエアロゾル生成器手段を制御する第1のユーザ入力手段と、
前記第2のエアロゾル生成材料手段からエアロゾルを生成するように構成された第2のエアロゾル生成器手段を制御する第2のユーザ入力手段と、
前記第1のユーザ入力手段又は前記第2のユーザ入力手段を介してユーザからの入力を受け付けるとともに、前記各エアロゾル生成器手段の特性を制御するように構成された制御手段と、
を備え、
前記入力に応答して、前記制御手段が、前記入力が前記第1のユーザ入力手段に与えられた場合、前記第1のエアロゾル生成器手段の特性を第1の量だけ変更するように構成され、前記制御手段が、前記入力が前記第2のユーザ入力手段に与えられた場合、前記第2のエアロゾル生成器手段の特性を前記第1の量と異なる第2の量だけ変更するように構成された、エアロゾル供給手段。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本開示は、ニコチン送達システム(例えば、電子タバコ)等の電子的エアロゾル供給システムに関する。
【背景】
【0002】
電子タバコ(eシガレット)等の電子的エアロゾル供給システムは一般的に、例えば熱気化によってエアロゾルが生成される製剤(通常、ニコチン及び多くは香味料等の添加剤を含むベース液体並びに/又はタバコベースの製品等の固体材料を含む)を含む原料液体のリザーバ等、エアロゾル(又は、蒸気)前駆体/形成材料を含む。このため、エアロゾル供給システムは通常、前駆体材料の一部を気化させることにより内部でエアロゾルを生成するように構成されたアトマイザ(又は、気化器)(例えば、加熱要素)を含むエアロゾル生成チャンバを備えることになる。ユーザがデバイス上で吸引を行うとともに電力が加熱要素に供給されると、空気が入口孔を通じてデバイスに取り込まれ、さらにエアロゾル生成チャンバに取り込まれ、気化した前駆体材料と混ざり合ってエアロゾルを形成する。エアロゾル生成チャンバをマウスピースの開口とつなぐ流路が存在するため、取り込まれてエアロゾル生成チャンバを通った空気は、流路に沿ってマウスピース開口まで進み、蒸気の一部を搬送してマウスピース開口から吐出することで、これをユーザが吸引できるようにする。
【0003】
エアロゾル供給システムは、再利用及び交換の両者が可能なカートリッジ部を含むモジュール式アセンブリを備え得る。通常は、カートリッジ部が消耗品のエアロゾル前駆体材料及び/又は気化器を備える一方、再利用可能なデバイス部が充電式バッテリ、デバイス制御回路、起動センサ、及びユーザインターフェース機構等の長寿命品目を備えることになる。再利用可能な部分は、コントロールユニット又はバッテリ部と称する場合もあり、気化器及び前駆体材料の両者を含む交換可能なカートリッジ部は、カートマイザと称する場合もある。エアロゾル供給システムの中には、混合されたものをユーザが吸引する蒸気/エアロゾルの生成に使用可能な複数のエアロゾル源を含むものもある。ただし、場合によっては、原料及び/又は加熱器の種類に関わらず、エアロゾルの送達のより一貫した制御をユーザが望む可能性もある。
【0004】
これらの問題のうちのいくつかへの対処に役立ち得る様々な手法について記載する。
【概要】
【0005】
特定の実施形態の第1の態様によれば、第1のエアロゾル生成材料及び第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給デバイスであって、第1のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された第1のエアロゾル生成器を制御する第1のユーザ入力機構と、第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された第2のエアロゾル生成器を制御する第2のユーザ入力機構と、第1のユーザ入力機構又は第2のユーザ入力機構を介してユーザからの入力を受け付けるとともに、各エアロゾル生成器の特性を制御するように構成された制御回路と、を備え、入力に応答して、制御回路が、入力が第1のユーザ入力機構に与えられた場合、第1のエアロゾル生成器の特性を第1の量だけ変更するように構成され、制御回路が、入力が第2のユーザ入力機構に与えられた場合、第2のエアロゾル生成器の特性を第1の量と異なる第2の量だけ変更するように構成された、エアロゾル供給デバイスが提供される。
【0006】
特定の実施形態の第2の態様によれば、第1のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するとともに、第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給システムであって、第1の態様に係るエアロゾル供給デバイスと、第1のエアロゾル生成材料と、第2のエアロゾル生成材料と、を備えた、エアロゾル供給システムが提供される。
特定の実施形態の第3の態様によれば、第1のエアロゾル生成材料及び第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給デバイスを制御する方法であり、エアロゾル供給デバイスが、第1のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された第1のエアロゾル生成器を制御する第1のユーザ入力機構と、第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された第2のエアロゾル生成器を制御する第2のユーザ入力機構と、第1のユーザ入力機構又は第2のユーザ入力機構を介してユーザからの入力を受け付けるとともに、各エアロゾル生成器の特性を制御するように構成された制御回路と、を備えた、方法であって、第1のユーザ入力機構又は第2のユーザ入力機構への入力を識別するステップと、入力が第1のユーザ入力機構に与えられた場合、第1のエアロゾル生成器の特性を第1の量だけ変更するステップ、又は、入力が第2のユーザ入力機構に与えられた場合、第2のエアロゾル生成器の特性を第2の量だけ変更するステップと、を含み、第2の量が、第1の量と異なる、方法が提供される。
【0007】
特定の実施形態の第4の態様によれば、第1のエアロゾル生成材料手段及び第2のエアロゾル生成材料手段からエアロゾルを生成するエアロゾル供給手段であって、第1のエアロゾル生成材料手段からエアロゾルを生成するように構成された第1のエアロゾル生成器手段を制御する第1のユーザ入力手段と、第2のエアロゾル生成材料手段からエアロゾルを生成するように構成された第2のエアロゾル生成器手段を制御する第2のユーザ入力手段と、第1のユーザ入力手段又は第2のユーザ入力手段を介してユーザからの入力を受け付けるとともに、各エアロゾル生成器手段の特性を制御するように構成された制御手段と、を備え、入力に応答して、制御手段が、入力が第1のユーザ入力手段に与えられた場合、第1のエアロゾル生成器手段の特性を第1の量だけ変更するように構成され、制御手段が、入力が第2のユーザ入力手段に与えられた場合、第2のエアロゾル生成器手段の特性を第1の量と異なる第2の量だけ変更するように構成された、エアロゾル供給手段が提供される。
【0008】
当然のことながら、本発明の第1及び他の態様に関して上述した本発明の特徴及び態様は、上述の特定の組み合わせに限らず、本発明の他の態様に係る本発明の実施形態にも等しく適用可能であり、必要に応じてこれらと組み合わせ可能である。
【0009】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明するが、これらは一例に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】制御部、マウスピース部、及び2つのエアロゾル生成材料を含み、エアロゾル生成材料のうちの1つ又は複数からエアロゾルをユーザに送達するように構成されたエアロゾル送達システムの模式断面図である。
【
図2】
図1のエアロゾル送達システムの個々の構成要素を示す分解形態でのエアロゾル送達システムの模式断面図である。
【
図3】個々の空気入口に接続された個々の空気流路が各レセプタクルに設けられた代替制御部の模式断面図である。
【
図4】制御部、マウスピース部、及び直列配置された2つのエアロゾル生成材料を含み、エアロゾル生成材料のうちの1つ又は複数からエアロゾルをユーザに送達するように構成された断面図の代替的なエアロゾル送達システムの模式断面図である。
【
図5】
図1、
図2、及び
図4の制御部に2つのエアロゾル生成器が電気的に接続された状態の例示的な回路レイアウトを示した図である。
【
図6】本開示の特定の実施形態に係る電子的エアロゾル供給デバイスの一態様を制御する方法を模式的に表した図である。
【詳細な説明】
【0011】
本明細書においては、特定の例及び実施形態の態様及び特徴を議論/記載する。特定の例及び実施形態のいくつかの態様及び特徴については、従来から実現されている場合があり、これらについては簡略化のため、詳細に議論/記載しない。したがって、当然のことながら、本明細書に論じる装置及び方法の詳述しない態様及び特徴については、このような態様及び特徴を実現する任意の従来技術に従って実現され得る。
【0012】
本開示の実施形態によれば、ユーザが第1のユーザ入力機構及び/又は第2のユーザ入力機構と相互作用することにより、第1のエアロゾル生成材料及び第2のエアロゾル生成材料から生成されるエアロゾルの量を制御可能となる制御回路を有するデバイスが記載される。このシステムは、ユーザによるユーザ入力機構の一方への単一の入力に基づいて、吸引されるエアロゾルの組成に対するあるレベルのユーザ制御を可能にするため都合が良い。
【0013】
このため、本開示は、eシガレット等のエアロゾル供給システム(蒸気供給システムと称する場合もある)に関する。用語「エアロゾル供給システム(aerosol provision system)」は、不燃性エアロゾル供給システム等、少なくとも1つの物質をユーザに送達するシステムを含むことが意図される。
【0014】
電子タバコ、タバコ加熱製品、及びエアロゾル生成材料の組み合わせによってエアロゾルを生成する混成システム等の不燃性エアロゾル供給システムは、燃焼なしに少なくとも1つのエアロゾル生成材料から化合物を放出させる。この点、振動、光、照射、静電手段等によるアトマイゼーション等、凝縮エアロゾル以外のエアロゾル生成手段も考えられる。
【0015】
本開示によれば、「不燃性」エアロゾル供給システムは、少なくとも1つの物質のユーザへの送達を容易化するために、当該エアロゾル供給システムの構成物質であるエアロゾル生成材料(又は、その成分)が燃焼されない又は燃やされないものである。
【0016】
いくつかの実施形態において、不燃性エアロゾル供給システムは、ベーピングデバイス又は電子ニコチン送達システム(END)としても知られる電子タバコであるが、エアロゾル生成材料中のニコチンの存在は要件ではない。
【0017】
いくつかの実施形態において、不燃性エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られるエアロゾル生成材料加熱システムである。このようなシステムの一例は、タバコ加熱システムである。
【0018】
いくつかの実施形態において、不燃性エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料(これらのうちの1つが加熱されるようになっていてもよいし、複数が加熱されるようになっていてもよい)の組み合わせによってエアロゾルを生成する混成システムである。エアロゾル生成材料はそれぞれ、例えば固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。いくつかの実施形態において、混成システムは、液体若しくはゲルエアロゾル生成材料並びに固体エアロゾル生成材料を含む。固体エアロゾル生成材料は、例えばタバコ又は非タバコ製品を含んでいてもよい。
【0019】
通常、不燃性エアロゾル供給システムは、不燃性エアロゾル供給デバイスと、不燃性エアロゾル供給デバイスとともに使用する1つ又は複数の消耗品と、を備えていてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態において、本開示は、エアロゾル生成材料を含み、不燃性エアロゾル供給デバイスとともに使用するように構成された消耗品に関する。本開示の全体を通して、これらの消耗品を物品と称する場合がある。
【0021】
いくつかの実施形態において、不燃性エアロゾル供給システム(その不燃性エアロゾル供給デバイス等)は、動力源及びコントローラを備えていてもよい。動力源は、例えば電力源であってもよい。
【0022】
いくつかの実施形態において、不燃性エアロゾル供給システムは、消耗品を受容する1つ若しくは複数のエリア、1つ若しくは複数のエアロゾル生成器、1つ若しくは複数のエアロゾル生成エリア、ハウジング、マウスピース、フィルタ、並びに/又はエアロゾル変性剤を備えていてもよい。
【0023】
エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された装置である。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料に熱エネルギーを加えることにより、エアロゾル生成材料から1つ又は複数の揮発性物質を放出させてエアロゾルを形成するように構成された加熱器である。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成器は、加熱なしにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されている。例えば、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料に振動、高圧、又は静電エネルギーのうちの1つ又は複数を加えるように構成されていてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、消耗品は、エアロゾル生成材料を含む物品又はエアロゾル生成材料から成る物品であって、その一部又は全部がユーザによる使用時に消費されることが意図される。消耗品は、エアロゾル生成材料格納エリア、エアロゾル生成材料移動コンポーネント、エアロゾル生成エリア、ハウジング、ラッパー、マウスピース、フィルタ、及び/又はエアロゾル変性剤等の1つ又は複数の他のコンポーネントを備えていてもよい。また、消耗品は、使用時に熱を放出してエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させる加熱器等のエアロゾル生成器を備えていてもよい。加熱器は、例えば燃焼性材料、電気伝導により加熱可能な材料、又はサセプタを含んでいてもよい。
【0025】
サセプタは、交番磁場等の変動磁場の侵入により加熱可能な材料である。サセプタは、変動磁場の侵入によって加熱材料の誘導加熱が生じるように、導電性材料であってもよい。加熱材料は、変動磁場の侵入によって当該加熱材料の磁気ヒステリシス加熱が生じるように、磁性材料であってもよい。サセプタは、導電性及び磁性の両加熱メカニズムで加熱可能となるように、両特性であってもよい。本明細書においては、変動磁場を生成するように構成されたデバイスを磁場生成器と称する。
【0026】
送達される(1つ又は複数の)物質は、エアロゾル生成材料である。物質は必要に応じて、1つ若しくは複数の活性構成物質、1つ若しくは複数の香料、1つ若しくは複数のエアロゾル形成材料、並びに/又は1つ若しくは複数の他の機能材料を含んでいてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、送達される物質は、活性物質を含む。本明細書において使用する活性物質は、生理学的活性材料(生理学的反応の実現又は増強が意図される材料)であってもよい。活性物質は、例えば栄養補助食品、向精神薬、精神活性剤から選択されるようになっていてもよい。活性物質は、自然に存在するものであってもよいし、合成して得られるものであってもよい。活性物質は、例えばニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6、B12、若しくはC等のビタミン類、メラトニン、カンナビノイド、又はこれらの構成物質、誘導体、若しくは組み合わせを含んでいてもよい。活性物質は、タバコ、大麻、又は別の植物の1つ又は複数の構成物質、誘導体、又は抽出物を含んでいてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、活性物質は、ニコチンを含む。いくつかの実施形態において、活性物質は、カフェイン、メラトニン、又はビタミンB12を含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1つ又は複数の植物性物質又は構成物質、その誘導体又は抽出物を含むか、或いは、これらに由来し、その植物はタバコである。
【0030】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1つ又は複数の植物性物質又は構成物質、その誘導体又は抽出物を含むか、或いは、これらに由来し、その植物は、ユーカリ、スターアニス、ココア、及び麻から選択される。
【0031】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1つ又は複数の植物性物質又は構成物質、その誘導体又は抽出物を含むか、或いは、これらに由来し、その植物は、ルイボス及びフェンネルから選択される。
【0032】
いくつかの実施形態において、送達される物質は、香料を含む。
【0033】
本明細書において、用語「香料(flavour)」及び「香味料(flavourant)」は、地域の規制が許す場合に、大人の消費者向けの製品において所望の風味、香り、又は他の体感を生成するのに使用可能な材料を表す。これらには、自然に存在する香味材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成して得られた材料、又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、香料は、メンソール、スペアミント、及び/又はペパーミントを含む。いくつかの実施形態において、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類、及び/又はレッドベリーの香味成分を含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、香料は、オイゲノールを含む。いくつかの実施形態において、香料は、タバコから抽出された香味成分を含む。いくつかの実施形態において、香料は、大麻から抽出された香味成分を含む。
【0035】
いくつかの実施形態において、香料は、嗅覚神経又は味覚神経の追加又は代替として、通例化学的に誘導され、第5脳神経(三叉神経)の刺激によって知覚される体感の実現が意図される知覚物質を含んでいてもよく、これらには、加熱、冷却、うずき、麻痺効果をもたらす薬剤を含み得る。好適な熱効果剤は、バニリルエチルエーテルであってもよいが、これに限定されない。また、好適な冷却剤は、ユーカリプトール、WS-3であってもよいが、これらに限定されない。
【0036】
エアロゾル生成材料は、例えば加熱、照射、又はその他任意の方法でエネルギー供給された場合にエアロゾルを生成可能な材料である。エアロゾル生成材料は、例えば固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、活性物質及び/又は香味料を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、「アモルファス固体」を含んでいてもよく、これは代替として、「モノリシック固体」(すなわち、非繊維質)と称する場合もある。いくつかの実施形態において、アモルファス固体は、乾燥ゲルであってもよい。アモルファス固体は、液体等の何らかの流体を内部の保持可能な固体材料である。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、例えばおよそ50wt%、60wt%、又は70wt%~およそ90wt%、95wt%、又は100wt%のアモルファス固体を含んでいてもよい。
【0037】
エアロゾル生成材料は、1つ若しくは複数の活性物質及び/若しくは香料、1つ若しくは複数のエアロゾル形成材料、並びに任意選択として、1つ若しくは複数の他の機能材料を含んでいてもよい。
【0038】
エアロゾル形成材料は、エアロゾルを形成可能な1つ又は複数の構成物質を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル形成材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソ-エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、ジエチル硫酸塩、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及び炭酸プロピレンのうちの1つ又は複数を含んでいてもよい。
【0039】
1つ又は複数の他の機能材料は、pH調整剤、着色剤、防腐剤、バインダ、充填剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ又は複数を含んでいてもよい。
【0040】
材料は、支持部上又は支持部中に存在して、基板を形成していてもよい。支持部は、例えば紙、ボール紙、板紙、厚紙、再生材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材、ガラス、金属、又は合金であってもよいし、これらの材料を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、支持部は、サセプタを備える。いくつかの実施形態において、サセプタは、材料内に埋め込まれている。いくつかの代替実施形態において、サセプタは、材料の片側又は両側にある。
【0041】
エアロゾル変性剤は、通常はエアロゾル生成エリアの下流に配置され、例えばエアロゾルの風味、香味、酸味、又は別の特性を変更することによって、生成されたエアロゾルを変性させるように構成された物質である。エアロゾル変性剤は、当該エアロゾル変性剤を選択的に放出させるように動作可能なエアロゾル変性剤放出コンポーネントに設けられていてもよい。
【0042】
エアロゾル変性剤は、例えば添加剤であってもよいし、吸着剤であってもよい。エアロゾル変性剤は、例えば香味料、着色料、水、及び炭素吸着剤のうちの1つ又は複数を含んでいてもよい。エアロゾル変性剤は、例えば固体であってもよいし、液体であってもよいし、ゲルであってもよい。エアロゾル変性剤は、粉末状であってもよいし、糸状であってもよいし、顆粒状であってもよい。エアロゾル変性剤は、ろ過材を有していなくてもよい。
【0043】
本開示の特定の実施形態によれば、第1のエアロゾル生成材料及び第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給デバイスは、第1のユーザ入力機構、第2のユーザ入力機構、及び制御回路を備える。第1のユーザ入力機構は、第1のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された第1のエアロゾル生成器の制御を可能にする。第2のユーザ入力機構は、第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された第2のエアロゾル生成器の制御を可能にする。
【0044】
制御回路は、第1のユーザ入力機構又は第2のユーザ入力機構を介してユーザからの入力を受け付けるとともに、各エアロゾル生成器(すなわち、第1又は第2のエアロゾル生成器)の特性を制御するように構成されている。入力に応答して、制御回路は、入力が第1のユーザ入力機構に与えられた場合、第1のエアロゾル生成器の特性を第1の量だけ変更するように構成され、制御回路は、入力が第2のユーザ入力機構に与えられた場合、第2のエアロゾル生成器の特性を第1の量と異なる第2の量だけ変更するように構成されている。ユーザによる単一の入力に基づいて、このシステムは、ユーザが相互作用するユーザ入力機構に基づいて2つの異なる応答に影響を及ぼす(すなわち、各エアロゾル生成器の特性を変更する)ことができるため都合が良い。当然のことながら、制御回路は、どちらのユーザ入力機構に入力が与えられたかを決定するように構成されている。
【0045】
いくつかの例において、第1のユーザ入力機構は、スライダ、回転可能なホイール、1つ若しくは複数のボタン、1つ若しくは複数のスイッチ、並びにタッチスクリーンを含む群から選択される少なくとも1つのユーザ入力機構を含む。いくつかの例において、第2のユーザ入力機構は、スライダ、ダイヤル、1つ若しくは複数のボタン、1つ若しくは複数のスイッチ、並びにタッチスクリーンを含む群から選択される少なくとも1つを含む。いくつかの例において、第1のユーザ入力機構及び第2のユーザ入力機構は、同様に構成されている(例えば、両者がスライダであってもよいし、両者がタッチスクリーンに表示されたスライダであってもよい)。いくつかの例においては、単一のタッチスクリーンが第1及び第2の両ユーザ入力機構を提供する。制御回路は、1つ若しくは複数の仮想スライダ、1つ若しくは複数の仮想ダイヤル、1つ若しくは複数の仮想ボタン、並びに1つ若しくは複数の仮想スイッチのいずれかを表示するように構成されていてもよい。
【0046】
図1及び
図2は、本開示のいくつかの実施形態に係る例示的なエアロゾル供給システム1の高度模式断面図である。
図1が組み立て状態のエアロゾル供給システム1を示す一方、
図2は、解体状態/部分分解状態のエアロゾル供給システム1を示している。以下に論じる通り、例示的なエアロゾル供給システム1の部品は、エアロゾル供給システム1の他の部品から除去可能/取り外し可能なものとして提供されている。
【0047】
図1及び
図2を参照して、例示的なエアロゾル供給システム1は、制御/デバイス(又は、バッテリ/再利用可能)部2と、取り外し可能なマウスピース(又は、蓋)部3と、本例においては、2つのエアロゾル生成コンポーネント4a及び4b(本明細書においては、エアロゾル生成コンポーネント4と総称する)と、を備える。使用時、エアロゾル供給システム1は、ユーザがマウスピース部3を通じて吸引を行った場合に、(エアロゾル前駆体材料の気化によって)エアロゾル生成コンポーネント4からエアロゾルを生成し、マウスピース部3を通じてエアロゾルをユーザに送達/供給するように構成されている。当然のことながら、エアロゾル供給システム1は、制御部2及びマウスピース部3に加えてエアロゾル生成コンポーネント4を具備する。本例において、エアロゾル供給デバイス(aerosol provision device)という用語は、エアロゾル生成コンポーネント4を伴わない制御/デバイス部2及びマウスピース部3を表す。ただし、開示のシステムの一般的説明を補助するため、本明細書においては、用語「システム(system)」及び「デバイス(device」の同義での使用によって、エアロゾル生成コンポーネント4を含むデバイス及びエアロゾル生成コンポーネントを含まないデバイスのいずれかを表す。
【0048】
例示的なエアロゾル供給システムの一態様は、エアロゾル供給システムの状態/設定に関わらず、エアロゾルのユーザへの送達の一貫した制御を可能にする機能である。これにより、また、以下から明らかなように、ユーザが第1の入力機構の制御(第1のエアロゾル生成コンポーネント4aからのエアロゾルの生成と関連する一態様の制御)と相互作用するか、ユーザが第2の入力機構の制御(第2のエアロゾル生成コンポーネント4bからのエアロゾルの生成と関連する一態様の制御)と相互作用するかに関わらず、ユーザは、一貫した(又は、一貫に近い)制御の経験を与えられることになる。言い換えると、(エアロゾル前駆体材料及びエアロゾル生成機構に基づく)エアロゾル生成コンポーネント4それぞれからのエアロゾルの生成と関連する動作特性が異なるものの、ユーザは、入力機構のいずれかとの相互作用に際して、エアロゾル生成の同等の制御を経験可能となる。
これは、生成されるエアロゾルの量(すなわち、吸引されるエアロゾルの量/体積)に関するものであってもよい。すなわち、ユーザは、第1の入力機構又は第2の入力機構のいずれかとの同等の相互作用に対して、同じ(或いは、略同じ(例えば、10%以内の))割合又は量で生成されるようにエアロゾルの量を調整可能である。
【0049】
以下の議論においては、システムの上下左右側について言及するが、これは参考に過ぎない。これは、関連する図中の対応する方向、すなわち、図の平面における自然な方向を大略表す。ただし、これらの方向は、通常の使用におけるシステム1の特定の方向を意味するものではない。例えば、組み立てられたシステムの上部は、使用時にユーザの口に接触するシステムの部分を表し、下部は、システムの反対端部を表す。方向の選定は、本明細書に記載の様々な特徴の相対的な位置を説明するためのものに過ぎない。
【0050】
図1及び
図2を再び参照して、制御部2は、動力をエアロゾル供給デバイス1に与える動力源21を収容するように構成されたハウジング20と、エアロゾル供給デバイス1の動作を制御及びモニタリングする制御回路22と、を具備する。本例において、動力源21は、充電式のバッテリを備えており、これは、従来の種類(例えば、比較的短い時間にわたる比較的高い電流の供給を必要とする電子タバコ等の用途に通常用いられる種類)であってもよい。
【0051】
また、制御部2は、第1のユーザ入力機構25a及び第2のユーザ入力機構25b(総じて、ユーザ入力機構25)を備える。ユーザ入力機構25は、デバイスの通常の使用時に(すなわち、デバイスの分解の必要なく)ユーザによるアクセス(すなわち、相互作用)が可能となるように、ハウジング20上又はハウジング20を貫通して設けられていてもよい。ユーザ入力機構25は、当該ユーザ入力機構25のいずれかとの相互作用が信号として制御回路22に伝達されるように、制御回路22と電子的に連通している。ユーザ入力機構25によって、ユーザが相互作用することにより入力を制御回路22に与えられる機構が提供される。ユーザ入力機構25は、物理的な入力機構(例えば、スライダ、ホイール、(1つ若しくは複数の)スイッチ、又は(1つ若しくは複数の)ボタン)であってもよい。或いは、ユーザ入力機構は、仮想的な入力機構であってもよい(例えば、ユーザ入力機構25は、制御部2の側面に設けられた単一のタッチスクリーン又は別々のタッチスクリーンに表示されるようになっていてもよい)。例えば、タッチスクリーンは、パラメータと関連付けられた値を示すスライダ又はホイールを表示するようにしてもよく、ユーザは、スライダ又はホイールとの相互作用により(例えば、スライダ又はホイールに指を置き、スクリーンに沿って指を動かすことにより)、値を変更することができる。
外側ハウジング20は、例えばプラスチック又は金属材料により形成されていてもよく、本例においては、幅(
図1の平面内)が厚さ(
図1の平面と垂直)の1.5~2倍前後である大略矩形の断面を有する。例えば、電子タバコは、幅が5cm前後、厚さが3cm前後と考えられる。制御部2は、本例においてはボックス/直方体の形態であるが、当然のことながら、所望により他の形状も可能である。
【0052】
制御部2は、ハウジング20の外面上/外面中に設けられた空気入口23と、2つの離散的なエアロゾル生成エリア(例えば、エアロゾル生成コンポーネント(例えば、エアロゾル生成コンポーネント(例えば、第1のエアロゾル生成コンポーネント4a又は第2のエアロゾル生成コンポーネント4b)の一方を受容する空間/容積をそれぞれ規定するレセプタクル24a及び24b)と、ハウジング20に延入して空気入口23をレセプタクル24a及び24bと流体接続する空気チャネル26と、をさらに備える。以下において当然のことながら、これらの特徴は、エアロゾル供給デバイス1の外側の空気が空気入口23を介して、エアロゾル生成コンポーネント4を含むエアロゾル生成エリア/レセプタクル24a及び24bを通過し、ユーザの口に入るまでのエアロゾル供給デバイス1を通る空気又はエアロゾル経路の一部を構成する。
【0053】
ここでエアロゾル生成コンポーネント4に移り、この用語は、エアロゾルを生成可能な消耗品を意味する。いくつかの実施形態において、消耗品は、エアロゾル生成材料46を含む物品又はエアロゾル生成材料46から成る物品であって、その一部又は全部がユーザによる使用時に消費されることが意図される。消耗品は、その最も簡単な形態において、エアロゾル生成材料(例えば、タバコ材料等の植物ベースの材料)のみから成る。このようなエアロゾル生成コンポーネントは、例えば遊離材料又は材料の固体「プラグ」として、多様な方法で形成され得る。エアロゾル生成コンポーネントは、レセプタクル24a及び24bの一方又は両方に挿入されていてもよい。そして、このデバイスは、レセプタクル24の一方に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されたえアロゾル生成器を備える。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料に熱エネルギーを加えることにより、エアロゾル生成材料から1つ又は複数の揮発性物質を放出させてエアロゾルを形成するように構成された加熱器である。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成器は、加熱なしにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されている。例えば、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料に振動、高圧、又は静電エネルギーのうちの1つ又は複数を加えるように構成されていてもよい。いくつかの例において、制御部2は、伝導によりエアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱要素47a(すなわち、エアロゾル生成器)を備える。
【0054】
いくつかの例において、消耗品4は、ハウジング又はラッパー40等、1つ又は複数の他の構成要素を備えていてもよい。また、ハウジング及び/又はエアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料格納エリア、エアロゾル生成材料移動コンポーネント、エアロゾル生成エリア、マウスピース、フィルタ、及び/又はエアロゾル変性剤等のうちの1つ又は複数を規定していてもよい。例えば、図示のように、消耗品4aは、エアロゾル生成材料46a並びにハウジング若しくはラッパー40aを備える。消耗品4aに関して、ハウジング又はラッパー40aは、エアロゾル生成材料46aを少なくとも部分的に保護する外部バリア層を提供する。ハウジング又はラッパー40aは、使用時に空気が消耗品4aを流れ得るようにする入口及び出口を包含又は規定する(例えば、ユーザのデバイス上でのパフに際しては、空気が入口を通って消耗品4aに流れ込み、出口から流れ出るようになっていてもよい)。
【0055】
消耗品4aがハウジング又はラッパー40aを備え、制御部2が伝導によりエアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱要素47aを備える場合、ハウジング又はラッパー40aは、エアロゾル生成材料46aへの熱の移動を妨げない材料で形成されていてもよい。また、いくつかの例においては、エアロゾル生成材料46a内にサセプタ材料が散在すること、並びに/又は、ハウジング若しくはラッパー40aがサセプタ材料を含むこと若しくはサセプタ材料から成ることも考えられる。いくつかの例において、制御部2は、サセプタ材料を加熱するように作用する変動磁場を生成するように構成された加熱要素47aを備える。
【0056】
いくつかの例においては、消耗品4bがハウジング40bを備え、これは、気化用の原料液体(すなわち、エアロゾル生成材料46b)を格納した液体リザーバ41bと、カートマイザチャネル44bと、本例においてはウィッキング要素42b及びウィッキング要素42bに巻かれた加熱要素43bで形成されたエアロゾル生成器と、を規定する。ウィッキング要素42bは、各液体リザーバ41bから各加熱要素43bまで、(毛管運動によって)原料液体をウィッキング/移送するように構成されている。
【0057】
図示の例において、エアロゾル生成器は、消耗品4bのハウジング40bにより規定されたチャネル44bに設けられている。このような消耗品は、カートマイザと称する場合もある。消耗品4bがそれぞれのレセプタクルに設置又は提供された場合に、チャネル44a及び44bが空気チャネル26及び空気入口23と流体連通するようにチャネル44bが配置されているため、空気入口23から取り込まれた空気は、空気チャネル26並びにカートマイザ4のカートマイザチャネル44a及び44bに沿って通過する。
【0058】
用語「エアロゾル生成エリア(aerosol generating area)」は、エアロゾルが生成されるシステム内のエリア/領域又はエアロゾルが生成され得るシステム内のエリア/領域を表す。例えば、
図1及び
図2において、エアロゾル生成エリアは、消耗品4を受容するように構成されたレセプタクル24a及び24bを含む。言い換えると、消耗品は、エアロゾルの生成を担う構成要素と考えられる。一方、レセプタクル24は、消耗品4を収容するため、エアロゾルが生成されるエリアを規定する。
【0059】
マウスピース部3は、一端(上端)に2つの開口31a、31bを含むハウジング30を具備する。すなわち、マウスピースの開口は、マウスピース部3の同じ端部に配置され、ユーザが口で両開口を覆えるように大略構成されている。また、マウスピース部3は、反対端(下端)のレセプタクル32a、32bと、レセプタクル32a、32bと開口31a、31bとの間にそれぞれ延びたマウスピースチャネル33a、33bと、を具備する。
【0060】
マウスピース部3は、当該マウスピース部3の上端に向かって先細りの大略テーパ状又はピラミッド状の外側プロファイルを有する。マウスピース部3の下端は、マウスピース部3及び制御部2が会合又は結合する場所であり、制御部2及びマウスピース部3が一体的に結合された場合に同一平面の外側プロファイルを提供するため、制御部2の同等寸法に略対応する幅方向(すなわち、
図1及び
図2の平面の水平方向)並びに厚さ方向(すなわち、
図1及び
図2の平面と直交する方向)の寸法を有するようにサイズ規定されている。開口31が配置されたマウスピース部3の端部(上端)は、幅方向に下端の1/3前後(例えば、2cm前後の幅だけ)小さい。すなわち、マウスピース部3は、上端に向かって幅方向に先細りとなっている。この端部は、ユーザの口に受容されるエアロゾル供給デバイス1の部分を構成する(言い換えると、ユーザが通常、それぞれの口唇を当てて吸引を行う端部である)。
【0061】
マウスピース部3は、制御部2とは別個の取り外し可能な構成要素として形成されており、例えばスナップ嵌合、ねじ山等、当該マウスピース部3の制御部2への結合を可能にする任意好適な結合/取り付け機構が設けられている。(例えば、
図1に大略示すように)マウスピース部3の制御部2への結合によってエアロゾル供給デバイス1が組み立てられた場合、この組み立てられたエアロゾル供給デバイス1の長さは、10cm前後である。ただし、当然のことながら、本開示を実現するエアロゾル供給デバイス1の全体的な形状及びスケールについては、本明細書に記載の原理にとって重要なことではない。
【0062】
レセプタクル32a、32bは、(具体的に、レセプタクル24a、24bに接続及び受容された端部と反対の消耗品の端部で)消耗品4a及び4bそれぞれの空気通路(例えば、チャネル44b)に流体接続されるように構成されている。レセプタクル32a、32bがマウスピースチャネル33a及び33bに流体接続され、これらが開口31a及び31bに流体接続されている。したがって、当然のことながら、(例えば、
図1に示すように)デバイス1が完全に組み立てられた場合は、マウスピース部3の開口31a及び31bが制御部2の空気入口23に流体接続される。
【0063】
このように、例示的なエアロゾル供給デバイス1は一般的に、空気/エアロゾルが当該デバイスを通過し得る2つのルートを提供する。例えば、第1のルートは、空気入口23を起点として、空気チャネル26に沿ってレセプタクル24aに入り、第1のエアロゾル生成コンポーネント4a(例えば、入口と出口との間のエアロゾル生成コンポーネント4a内のエアロゾル生成材料46a)を通ってレセプタクル32aに入り、マウスピース部3のマウスピースチャネル33aに沿って開口31aに至る。同様に、第2のルートは、空気入口23を起点として、空気チャネル26に沿ってレセプタクル24bに入り、第2のエアロゾル生成コンポーネント4b(例えば、チャネル44b)を通ってレセプタクル32bに入り、マウスピース部3のマウスピースチャネル33bに沿って開口31bに至る。本例において、第1及び第2のルートはそれぞれ、エアロゾル生成コンポーネント4の上流の共通の構成要素(すなわち、空気入口23に結合された空気チャネル26)を共有するが、この共通の構成要素からは分岐する。以下、ルートの断面を円形であるものとして記載する。ただし、当然のことながら、断面は非円形(例えば、任意の正多角形)であってもよく、また、2つのルートの長さに沿って一定のサイズである必要も一定の形状である必要もない。
【0064】
以上より当然のことながら、例示的なエアロゾル供給デバイス1は、文字が続く数字(例えば、24a)により参照される多くの構成要素を含む。文字「a」により指定された構成要素は、第1のエアロゾル生成コンポーネント4aと関連付けられた第1の空気/エアロゾル経路に接続された構成要素又は第1の空気/エアロゾル経路を規定する構成要素である。一方、文字「b」により指定された構成要素は、第2のエアロゾル生成コンポーネント4bと関連付けられた第2の空気/エアロゾル経路に接続された構成要素又は第2の空気/エアロゾル経路を規定する構成要素である。同じ数字の構成要素は、別段の指定のない限り、相互に同じ機能及び構成を有することになる。一般的に、以下では、構成要素をそれぞれの対応する数字で総称し、別段の指定のない限り、その説明は、当該数字により参照される両構成要素「a」及び「b」に当てはまる。
【0065】
当然のことながら、本開示の他の実施形態に係る他の例において、エアロゾル供給システム1は、異なる構成のエアロゾル生成コンポーネントを備えていてもよい。例えば、システム(図示せず)は、それぞれが消耗品4aに係る複数のエアロゾル生成コンポーネントを備えていてもよい。これらの例のうちのいくつかにおいては、エアロゾル生成材料及び/又はエアロゾル生成器が異なる特質又は特性を有する。別の例において、システム(図示せず)は、それぞれが消耗品4bに係る複数のエアロゾル生成コンポーネントを備えていてもよい。これらの例のうちのいくつかにおいては、エアロゾル生成材料及び/又はエアロゾル生成器が異なる特質又は特性を有する。別の例においては、消耗品4の一方又は両方が異なる構成の消耗品(例えば、光の照射、振動、高い圧力、又は静電エネルギーによる加熱が意図される消耗品)で置き換えられていてもよい。これらの例の場合は、異なる種類の消耗品との併用のため、制御部2が変更されるようになっていてもよい。別の例において、システムは、3つ以上のエアロゾル生成コンポーネントを有していてもよい。
【0066】
図1及び
図2を再び参照して、使用時、ユーザは、例示的なデバイス1のマウスピース部3上での(具体的には、開口31を通じた)吸引によって、再利用可能部2のハウジング20の外側から、空気/エアロゾルが通過するデバイスを通る各ルートを通じて、最終的にはユーザの口中へと空気を導く。エアロゾル生成器(例えば、加熱要素47a及び43b)の起動によってエアロゾル生成材料(例えば、ウィッキング要素42bに含まれる原料液体)を気化させることにより、消耗品4を通過した空気がエアロゾル(例えば、気化した原料液体)と一体化又は混合するようにする。消耗品4bのような例示的な消耗品の場合、原料液体は、表面張力/毛細管現象によって液体リザーバ41bから、ウィッキング要素42bへの進入/ウィッキング要素42bに沿った通過が可能である。
【0067】
電力は、バッテリ21から加熱要素43b、47aに供給され、制御回路22によって制御/調節される。制御回路22は、バッテリ21から加熱要素43b、47aへの電力の供給を制御することによって、エアロゾル生成コンポーネント4から蒸気を生成することにより、これをユーザが吸引できるように構成されている。消耗品がエアロゾル生成器を備えたいくつかの例においては、例えばばね付きピン/ポゴピンコネクタによって各エアロゾル生成コンポーネント4bと制御部2との間の界面全体に定められた電気接点(図示せず)又はエアロゾル生成コンポーネント4bが制御部2のレセプタクル24bに受容/接続された場合に係合するその他任意の構成の電気設定を介して、エアロゾル生成コンポーネント4b内の各加熱要素43bに電力が供給される。当然のことながら、誘導加熱等の他の手段によって各加熱要素43bにエネルギーを供給することも可能であり、この場合は、制御部2/レセプタクル24とエアロゾル生成コンポーネント4との間の電気接点が必要とされない。
【0068】
制御回路22は、本明細書に記載の通り、本開示の実施形態に係る機能を提供するほか、従来のeシガレットを制御するための確立された技術に従って、エアロゾル供給デバイス1の従来の動作機能を提供するように好適に構成/プログラムされている。このため、制御回路22は、多くの異なる機能ブロック(例えば、バッテリ21から第1のエアロゾル生成コンポーネント4aを加熱する加熱要素47aへの電力の供給を制御する機能ブロック、バッテリ21から第2のエアロゾル生成コンポーネント4bの加熱要素43bへの電極の供給を制御する機能ブロック、(例えば、電力供給を開始するための)ユーザ入力に応答してデバイス1の動作態様(例えば、構成設定)を制御する機能ブロックほか、電子タバコの通常動作及び本明細書に記載の原理に応じた機能と関連付けられた他の機能ブロック)を論理的に含むものと考えられる。当然のことながら、これらの論理ブロックの機能は、様々な異なる方法にて(例えば、単一の好適にプログラムされた汎用コンピュータ又は好適に構成された(1つ若しくは複数の)特定用途向け集積回路/回路類を用いて)提供されるようになっていてもよい。当然のことながら、エアロゾル供給デバイス1は一般的に、その動作機能と関連付けられた他の様々な要素(例えば、USBポート等、バッテリ21を充電するポート)を備えることになるが、これらは従来のものであってもよく、簡略化のため、図面に示すことも詳細に論じることもしない。
【0069】
ハウジング20の表面に設けられたボタン(又は、同等のユーザ作動機構)の作動に基づいて電力が加熱要素43、47に供給されるようになっていてもよく、これらは、ユーザがボタンを押した場合に電力を供給する。或いは、(例えば、制御回路22に接続されて制御され、圧力又は空気流の変化が検出された場合に信号を制御回路22に送るダイヤフラムマイク等の空気流センサ又は圧力センサを用いることにより)ユーザの吸引の検出に基づいて、電力が供給されるようになっていてもよい。電力送達を開始するメカニズムの原理は、本開示の原理にとって重要ではないことが了解されるものとする。
【0070】
前述の通り、本開示の一態様は、エアロゾル送達デバイス1の構成(例えば、エアロゾル生成コンポーネント4の数及び種類)に関わらず、ユーザへのエアロゾル送達の一貫した制御を可能にするように構成されたエアロゾル送達デバイス1である。
図1及び
図2に示す例示的なエアロゾル送達デバイス1において、エアロゾル生成コンポーネント4は、制御部2及びマウスピース部3とは別個に設けられているため、レセプタクル24に対する挿入又は取り外しが可能である。エアロゾル生成コンポーネント4は、多様な理由で交換/取り外しがなされ得る。例えば、エアロゾル生成コンポーネント4には、異なる香味付きの原料液体が設けられていてもよく、ユーザは、異なる香味(例えば、ストロベリーの香味及びメンソール/ミントの香味)の2つのエアロゾル生成コンポーネント4を各レセプタクル24に挿入することにより、必要に応じて異なる香味のエアロゾルを生成することができる。或いは、エアロゾル生成コンポーネント4が乾燥状態となった場合(すなわち、液体リザーバ41の原料液体が消耗した場合)は、エアロゾル生成コンポーネント4の取り外し/交換が可能である。
【0071】
エアロゾル生成コンポーネント4をより詳しく参照するに、消耗品4はそれぞれ、本例においてはプラスチック材料で形成されたハウジング40を備える。ハウジング40は一般的に、外径を有する中空円筒の形態である。消耗品4bについては、ハウジング40bが内径も規定しており、内径の壁がカートマイザチャネル44bの境界を規定する。ハウジング40bは、前述のエアロゾル生成器等、カートマイザ4bの他の構成要素を支持するとともに、(以下により詳しく説明する)制御部2のレセプタクル24bとの機械的インターフェースを提供する。
【0072】
本例において、消耗品4は、長さが1~1.5cm前後、外径が6~8mm、内径が2~4mmである。ただし、当然のことながら、異なる実施態様においては、特定の形状、より一般的には全体形状が異なり得る。
【0073】
前述の通り、消耗品4bは、ハウジング40bの内外壁間のキャビティの形態の原料液体リザーバ41bを備える。原料液体リザーバ41bは、原料液体を含む。電子タバコの原料液体は通常、当該液体の大部分を構成するベース液体製剤を含むことになり、このベース液体に対して、所望の香味/匂い/ニコチン送達特性を提供する添加剤が付随する。例えば、典型的なベース液体には、プロピレングリコール(PG)及び植物性グリセロール(VG)の混合物を含む。本例における液体リザーバ41bは、カートマイザ4bの内部容積の大部分を含む。リザーバ41bは、従来技術に従って形成されていてもよい(例えば、成型されたプラスチック材料を含んでいてもよい)。
【0074】
消耗品4bのエアロゾル生成器は、本例においてはウィッキング要素42bに巻かれた電気抵抗ワイヤを含む加熱要素43bを備える。本例においては、加熱要素43bがニッケルクロム合金(Cr20Ni80)ワイヤを含み、ウィッキング要素42bがガラス繊維束を含むが、当然のことながら、特定のアトマイザ構成は、本明細書に記載の原理にとって重要なことではない。
【0075】
制御部2に形成されたレセプタクル24は、略円筒状であり、一般的には、エアロゾル生成コンポーネント4の外形に適合する形状(内面)を有する。前述の通り、レセプタクル24は、エアロゾル生成コンポーネント4の少なくとも一部を受容するように構成されている。レセプタクルの深さ(すなわち、レセプタクル24の長手方向軸線に沿った寸法)は、エアロゾル生成コンポーネント4がレセプタクル24に受容された場合に、エアロゾル生成コンポーネント4の露出端部がハウジング20の表面からわずかに突出するように、エアロゾル生成コンポーネント4の長さ(例えば、0.8~1.3cm)よりもわずかに短い。エアロゾル生成コンポーネント4の外径は、レセプタクル24の直径よりもわずかに小さく(例えば、およそ1mm以下)、エアロゾル生成コンポーネント4が比較的容易にレセプタクル内へと摺動し得る一方、レセプタクル24に適度に適合することで、エアロゾル生成コンポーネント4の長手方向軸線と直交する方向の移動を抑制又は防止する。本例において、エアロゾル生成コンポーネント4は、制御部2の本体において、大略横並びの構成にて搭載されている。
【0076】
エアロゾル生成コンポーネント4の挿入、交換、又は除去のため、ユーザは通常、(例えば、大略
図2に示すような状態となるように)デバイス1を分解することになる。ユーザは、制御部2から離れる方向にマウスピース部3を引っ張ることで制御部2からマウスピース部3を取り外し、制御部2から離れる方向にエアロゾル生成コンポーネント4を引っ張ることでレセプタクルに配置された任意の古いエアロゾル生成コンポーネント4を(必要に応じて)取り外し、新たなエアロゾル生成コンポーネント4をレセプタクル24に挿入することになる。そして、(1つ又は複数の)エアロゾル生成コンポーネント4がレセプタクル24に挿入された状態で、ユーザは、マウスピース部3を再利用可能部2に結合することでデバイス1を再度組み立てる。組み立てたデバイス1を図示に模式的に示すが、例えばマウスピース部2と制御部2のハウジング20との間の間隙等、特定の特徴については、原寸に比例しておらず、明瞭化のため誇張して示していることに留意するものとする。
【0077】
図3は、制御部の代替構成の模式断面図である。
図3は、2つの空気入口23a’及び23b’並びに2つの空気チャネル26a’及び26b’を備える点を除いて制御部2と同じ制御部2’を示している。
図3に見られるように、空気チャネル26’は、相互に別々である。すなわち、制御部2’内で流体接続されていない。各空気チャネル26’は、レセプタクル24及び空気入口23’につながっている。
図3は本質的に、デバイスを通る流路の共有(又は、共通)の構成要素が存在しない点を除き、
図1及び
図2に関して上述した実施態様と同じ実施態様を示している。すなわち、空気チャネル26a’は、空気入口23a’をレセプタクル24aにしか接続せず、空気チャネル26b’は、空気入口23b’をレセプタクル24bにしか接続しない。
【0078】
図4は、空気が各消耗品4を順次流れるエアロゾル供給システムの代替直列配置の模式断面図である。
図4は、消耗品4bを受容するレセプタクル24bを1つしか備えない点を除いて制御部2と同じ制御部2’’を示している。また、
図4は、消耗品4aを受容するキャビティ51を1つしか備えない点を除いてマウスピース3と同じマウスピース3’’を示している。
図4に見られるように、例示的なエアロゾル供給デバイス1’’は一般的に、空気/エアロゾルが当該デバイスを通過し得る単一のルートを提供する。例えば、このルートは、空気入口23を起点として、空気チャネル26に沿ってレセプタクル24bに入り、第2のエアロゾル生成コンポーネント4b(例えば、第2のエアロゾル生成コンポーネント4bのチャネル44b)を通ってレセプタクル32aに入った後、マウスピースチャネル33を通過してキャビティ51に入り、第1のエアロゾル生成コンポーネント4a(例えば、入口と出口との間のエアロゾル生成コンポーネント4a内のエアロゾル生成材料46a)を通って、マウスピース部3’’の開口31に至る。
【0079】
図4は本質的に、第2のエアロゾル生成コンポーネント4bで生成されたエアロゾルがユーザによる吸引の前に第1のエアロゾル生成コンポーネント4aを通る必要がある点を除き、
図1及び
図2に関して上述した実施態様と同様に作用する実施態様を示している。当然のことながら、上記例に係るマウスピース3’’は、エアロゾル生成材料46aからエアロゾルを生成する加熱要素47等のエアロゾル生成器を備える。これらの例において、マウスピース3’’は、制御部2’’との電気的接続を構成する接点を含んでいてもよい。他の例においては、マウスピース3’’がエアロゾル生成器を具備しない代わりに、エアロゾル生成器がエアロゾル生成コンポーネント又は制御部2に設けられていてもよい。エアロゾル生成器コンポーネントがエアロゾル生成器を含む場合、マウスピース3’’は、制御部2’’及びエアロゾル生成器コンポーネント4の両者との電気接点を構成する接点を含んでいてもよい。
【0080】
いくつかの例においては、制御部2’’が直列の両消耗品4を収容し、マウスピース3’’が直列の後段の消耗品との流体空気流接続を構成していてもよい。
【0081】
いくつかの例において、マウスピース3’’及び消耗品4bは、一体的に形成された単一の構成要素として提供されている。言い換えると、これら2つの構成要素は、分離が意図されず、単一物として形成された共通のハウジング材料を有していてもよい。本開示の態様は、エアロゾル生成に影響を及ぼすための消耗品4a及び4b間の電力の配分に関する。
【0082】
前述の通り、制御回路22は、異なるエアロゾル生成コンポーネント4の加熱要素47a、47bへの電力の供給を制御するように構成されている。したがって、制御回路22の機能の1つが電力配分である。本明細書において、用語「電力配分回路(power distribution circuitry)」は、制御回路22の電力配分機能/機能性を表す。
【0083】
図5は、バッテリ21とデバイス1に設置された2つのエアロゾル生成コンポーネント4a及び4bの加熱要素47a及び43bとの間の電気的接続を示した例示的な模式回路図である。
図4は、制御回路22を通じてバッテリ21と並列に接続された加熱要素47a及び加熱要素43bを示している。制御回路22は、記載の機能を実行するように構成された単一のチップ/電子的構成要素でああってもよい。制御回路ブロック22は、加熱要素47aに供給される電力を制御するとともに加熱要素43bに供給される電力を制御する電力制御機構である。電力制御機構は、例えば電力を各加熱要素47a、43bに供給するためのパルス幅変調(PWM)制御技術を実装していてもよい。
【0084】
図5においては、2つの加熱要素43b、47aの存在によって識別されるように、2つのエアロゾル生成器がデバイスに設置されている。加熱要素43bを単一の抵抗ワイヤとして示す一方、加熱要素47aを2つの垂直ワイヤとして示している。図示はしていないものの、加熱要素47aの2つのワイヤは、エアロゾル生成材料の両側の加熱のため、消耗品4aの両側に設けられていてもよい。或いは、加熱要素43b、47aのワイヤの代わりとして、伝導板又はメッシュ材料等の他の抵抗材料が用いられるようになっていてもよい。さらに当然のことながら、上述の通り、いくつかの実施形態において、加熱要素43b、47aは、異なる種類のエアロゾル生成器(例えば、光学的エアロゾル生成器又は振動ベースのエアロゾル生成器)と置き換え可能である。
【0085】
制御回路22は、デバイスにおける両エアロゾル生成コンポーネント4の存在を識別した後、電力を両エアロゾル生成コンポーネント4に供給するように構成されている。
制御回路22は、第1のユーザ入力機構25a及び第2のユーザ入力機構25bに電気接続されている。図示はしていないものの、ユーザ入力機構25は、動力源21に直接接続されていてもよいし、制御回路22を通じて、動力源21に間接的に接続されていてもよい。
【0086】
制御回路22は、第1のユーザ入力機構25a又は第2のユーザ入力機構25bから、ユーザが各ユーザ入力機構25と相互作用したこと又は各ユーザ入力機構25を作動させたことを示す入力を受信して、各エアロゾル生成器43a、47bの特性を制御するように構成されている。制御回路22は、入力に基づいて、各エアロゾル生成器の特性を制御するように構成されている。特性は、各エアロゾル生成器の動作方法に関する特性であってもよい。例えば、特性には、使用時(例えば、パフ動作中)における、各エアロゾル生成器に供給される電力、目標動作温度、各エアロゾル生成器の目標抵抗、各エアロゾル生成器の目標電流、又は各エアロゾル生成器に給電する時間を含み得る。いくつかの例において、制御回路22は、パフ動作中又はパフ動作の開始時に入力を受信し、当該パフ動作の特性を制御するようにしてもよい。いくつかの例において、制御回路は、パフ動作に先立って入力を受信し、(ユーザ入力及び/又はデバイスがオフとなるまでの)次のパフ動作又は後続のパフ動作における使用に対して特性を制御するようにしてもよい。
【0087】
パフ動作は、ユーザの吸引又はパフに応じたエアロゾル生成器の一方又は両方の動作を意味する(このような吸引は、パフセンサの使用によって直接検出することも可能であるし、ユーザのユーザ入力との相互作用(例えば、作動)によって間接的に検出することも可能である)。
【0088】
例として、制御回路22は、入力に応答して、入力が第1のユーザ入力機構25aに与えられた場合、第1のエアロゾル生成器47aの特性を第1の量だけ変更するように構成され、制御回路22は、入力が第2のユーザ入力機構25bに与えられた場合、第2のエアロゾル生成器43bの特性を第1の量と異なる第2の量だけ変更するように構成されている。例えば、特性が目標電力である場合、第1の量は、第2の量(例えば、1.0W)よりも小さな電力の変化(例えば、0.5W)であってもよい。
【0089】
第1又は第2のユーザ入力機構25a、25bへの入力に応答して、第1及び第2のエアロゾル生成器により生成されるエアロゾルの特性が変化する。例えば、電力又は温度の増大によって、変更されたエアロゾル生成器から生成されるエアロゾルのレベルを高くしたり、変更されたエアロゾル生成器により生成されるエアロゾル粒子の平均サイズ(例えば、粒子の空気動力学的中央粒子径)を変更したり、エアロゾルの温度を高くしたりすることができる。ただし、その影響の大きさは、少なくともエアロゾル生成器及びエアロゾル生成材料によって決まることになる。例えば、(ユーザ入力の結果としての)電力の増大が同じである場合は、より効率的なエアロゾル生成器に対する影響の方が大きくなる。
また、エアロゾル生成器がより大きな質量又は表面積のエアロゾル生成材料に作用する場合は、エアロゾル生成材料に供給されたエネルギーがより大きな体積の材料に配分されるため、影響が小さくなる(すなわち、比重が小さい)。したがって、エアロゾル生成器の特性の変化による影響は、デバイス1の構成に大きく依存する。
【0090】
いくつかの例において、第1及び第2の量は、同等又は略同等の影響をもたらすように選定され得る。このため、第1のエアロゾル生成器の特性を第1の量だけ変更すると、第1のエアロゾル生成器により生成されるエアロゾルの量の第1の変化がもたらされ、第2のエアロゾル生成器の特性を第2の量だけ変更すると、第2のエアロゾル生成器により生成されるエアロゾルの量の第2の変化がもたらされ、第1の変化及び第2の変化が略等しい。
【0091】
例えば、第1のエアロゾル生成器の特性を第1の量だけ変更する(例えば、電力を20%増大させる)ことによりエアロゾル生成が10%前後増える場合、第2の量は、第2のエアロゾル生成器の特性を第2の量だけ変更する(例えば、電力を5%増大させる)ことによってもエアロゾル生成が10%前後増えるように選択され得る。このような例示的システムを使用するユーザは、第1又は第2のエアロゾル生成器の特性の変更に関わらず、それぞれの入力(エアロゾル生成の10%増大)に基づいて同等の影響が及ぶものと解釈することになるため都合が良い。
【0092】
言い換えると、いくつかの例においては、第2のエアロゾル生成器の特性を第2の量だけ変更することにより、第1のエアロゾル生成器の特性が第1の量だけ変更された場合に第1のエアロゾル生成器により生成されるエアロゾルの量の変化と略等しく、第2のエアロゾル生成器により生成されるエアロゾルの量が変化するように、第2の量が設定される。いくつかの例においては、第1及び第2のエアロゾル生成器が互いに異なる種類であることから、第1及び第2の量が異なる。例えば、第1のエアロゾル生成器は、抵抗加熱器、圧電アトマイザ、光学エアロゾル生成器(例えば、レーザ)、及び誘導加熱器を含む群から選択されるようになっていてもよく、第2のエアロゾル生成器は、抵抗加熱器、圧電アトマイザ、光学エアロゾル生成器(例えば、レーザ)、及び誘導加熱器を含む群から選択されるようになっていてもよい。パラメータの変更の影響は、エアロゾル生成器の種類ごとに異なる影響を有する。本開示の原理を説明するための一例に過ぎないが、抵抗加熱器への電力を20%増大させるとエアロゾル生成が10%増大する一方、レーザ等の光学エアロゾル生成器への電力を20%増大させるとエアロゾル生成が15%増大する可能性もある。
【0093】
いくつかの例においては、第1及び第2のエアロゾル生成器が同じ種類のエアロゾル生成器ではあるものの、構成が異なる。例えば、第1及び第2のエアロゾル生成器の一方は、第1及び第2のエアロゾル生成器の他方より大きくてもよい。一例においては、第1及び第2のエアロゾル生成器の一方がより高い電力定格で動作するように構成されていてもよい。別の例においては、第1及び第2のエアロゾル生成器の一方がより小さな体積からエアロゾルを生成するように構成されていてもよい(例えば、第1及び第2のエアロゾル生成材料のサイズが異なっていてもよく、また、エアロゾル生成器が適合するように構成されていてもよい)。これらの例において、第1又は第2のエアロゾル生成器の特性の変化の結果としてのエアロゾル生成の変化は、各エアロゾル生成器の構成によって決まる。
【0094】
いくつかの例においては、第1及び第2のエアロゾル生成材料が異なることから、第1及び第2の量が異なる。これらの例のうちのいくつかにおいて、第1及び第2のエアロゾル生成器は、構成が実質的に類似していてもよい(例えば、同じ種類であってもよい)。一方、これらの例のうちのその他において、第1及び第2のエアロゾル生成器は、構成が実質的に異なっていてもよい(例えば、異なる種類であってもよい)。いくつかの例において、第1及び第2のエアロゾル生成材料は、液体、ゲル、又は固体を含む群から選択され、第2のエアロゾル生成材料は、第1のエアロゾル生成材料と異なる。各エアロゾル生成材料から生成されるエアロゾルの量は、材料の種類及びエアロゾル生成器の特性によって決まることになる。
【0095】
いくつかの例において、第1のエアロゾル生成材料は、第2のエアロゾル化可能材料と気化温度が異なる。気化温度が低いエアロゾル生成材料は、気化温度が高いエアロゾル生成材料よりも低い温度で気化することになる。このため、第1又は第2の量だけ特性を変更することの影響は、各エアロゾル生成材料に応じて異なる。いくつかの例において、第1のエアロゾル生成材料は、第2のエアロゾル化可能材料と比熱容量が異なる。比熱容量が低いエアロゾル生成材料は、目標温度までの加熱に要するエネルギーが少ない。このため、第1又は第2の量だけ特性を変更することの影響は、各エアロゾル生成材料に応じて異なる。
【0096】
いくつかの例において、入力は、第1又は第2のエアロゾル生成器の特性の複数の値のうちの1つの選択である。制御回路22は、入力が第1のユーザ入力機構25aに与えられた場合、第1のエアロゾル生成器の特性の複数の値のうちの異なる1つを選択することにより、第1のエアロゾル生成器47aの特性を第1の量だけ変更するように構成されている。同様に、制御回路22は、入力が第2のユーザ入力機構25bに与えられた場合、第2のエアロゾル生成器の特性の複数の値のうちの異なる1つを選択することにより、第2のエアロゾル生成器47bの特性を第2の量だけ変更するように構成されている。当然のことながら、複数の値のうちの第1の値と複数の値のうちの第2の値との間の潜在的な変化ごとに対応する第1及び第2の量が存在することになる。
【0097】
いくつかの例において、入力は、第1又は第2のエアロゾル生成器のブーストモードの選択である。ブーストモードは、エアロゾルの生成が増えることを意味する。いくつかの例においては、複数の値が第1及び第2の値から成り、既定すなわち通常モードが複数の値のうちの第1の値に対応し、ブーストモードが複数の値のうちの第2の値に対応する。制御回路22は、入力が第1のユーザ入力機構25aに与えられた場合、第1のエアロゾル生成器47aの特性を第1の量だけ変更することにより、第1のエアロゾル生成器のブーストモードを選択するように構成されている。同様に、制御回路22は、入力が第2のユーザ入力機構25bに与えられた場合、第2のエアロゾル生成器47bの特性を第2の量だけ変更することにより、第2のエアロゾル生成器のブーストモードを選択するように構成されている。
【0098】
いくつかの例においては、第2のエアロゾル生成器の特性を第2の量だけ変更することにより、第1のエアロゾル生成器の特性が第1の量だけ変更された場合に第1のエアロゾル生成器により生成されるエアロゾルの量の変化と略等しく、第2のエアロゾル生成器により生成されるエアロゾルの量が変化する。このため、入力が第1又は第2のユーザ入力機構25のいずれを対象とするかに関わらず(したがって、第1又は第2のエアロゾル生成器のいずれのブーストモードを選択するかに関わらず)、ユーザが体験するエアロゾル生成量の増加は略等しい。
【0099】
図6は、本開示の特定の実施形態に係る、第1のエアロゾル生成材料及び第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する電子的エアロゾル供給デバイスの一態様を制御する方法を模式的に表している。このデバイスは、第1のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された第1のエアロゾル生成器を制御する第1のユーザ入力機構と、第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された第2のエアロゾル生成器を制御する第2のユーザ入力機構と、第1のユーザ入力機構又は第2のユーザ入力機構を介してユーザからの入力を受け付けるとともに、各エアロゾル生成器の特性を制御するように構成された制御回路と、を備え得る。
【0100】
この方法において、コントロールユニットは、第1のユーザ入力機構又は第2のユーザ入力機構への入力を識別する第1のステップS1と、入力が第1のユーザ入力機構に与えられた場合、第1のエアロゾル生成器の特性を第1の量だけ変更する第2のステップS2、又は、入力が第2のユーザ入力機構に与えられた場合、第2のエアロゾル生成器の特性を第2の量だけ変更する第3のステップS3と、を実行する。第2の量は、第1の量と異なる。
【0101】
いくつかの例においては、第2のエアロゾル生成器の特性を第2の量だけ変更することにより、第1のエアロゾル生成器の特性が第1の量だけ変更された場合に第1のエアロゾル生成器により生成されるエアロゾルの量の変化と略等しく、第2のエアロゾル生成器により生成されるエアロゾルの量が変化する。このため、入力が第1又は第2のユーザ入力機構25のいずれを対象とするかに関わらず、ユーザが体験するエアロゾル生成量の増加は略等しい。これにより、ユーザは、エアロゾルの特性(例えば、香味)を直感的に(例えば、香料源又はエアロゾル生成器とは無関係に)変更することができる。
【0102】
以上、第1のエアロゾル生成材料及び第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給デバイスであって、第1のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された第1のエアロゾル生成器を制御する第1のユーザ入力機構と、第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された第2のエアロゾル生成器を制御する第2のユーザ入力機構と、第1のユーザ入力機構又は第2のユーザ入力機構を介してユーザからの入力を受け付けるとともに、各エアロゾル生成器の特性を制御するように構成された制御回路と、を備え、入力に応答して、制御回路が、入力が第1のユーザ入力機構に与えられた場合、第1のエアロゾル生成器の特性を第1の量だけ変更するように構成され、制御回路が、入力が第2のユーザ入力機構に与えられた場合、第2のエアロゾル生成器の特性を第1の量と異なる第2の量だけ変更するように構成された、エアロゾル供給デバイスを説明した。
【0103】
また、第1のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するとともに、第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給システムであって、第1のエアロゾル生成材料と、第2のエアロゾル生成材料と、第1のエアロゾル生成材料及び第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給デバイスであり、第1のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された第1のエアロゾル生成器を制御する第1のユーザ入力機構と、第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された第2のエアロゾル生成器を制御する第2のユーザ入力機構と、第1のユーザ入力機構又は第2のユーザ入力機構を介してユーザからの入力を受け付けるとともに、各エアロゾル生成器の特性を制御するように構成された制御回路と、を備え、入力に応答して、制御回路が、入力が第1のユーザ入力機構に与えられた場合、第1のエアロゾル生成器の特性を第1の量だけ変更するように構成され、制御回路が、入力が第2のユーザ入力機構に与えられた場合、第2のエアロゾル生成器の特性を第1の量と異なる第2の量だけ変更するように構成された、エアロゾル供給デバイスと、を備えた、エアロゾル供給システムを説明した。
【0104】
また、第1のエアロゾル生成材料及び第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給デバイスを制御する方法であり、エアロゾル供給デバイスが、第1のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された第1のエアロゾル生成器を制御する第1のユーザ入力機構と、第2のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された第2のエアロゾル生成器を制御する第2のユーザ入力機構と、第1のユーザ入力機構又は第2のユーザ入力機構を介してユーザからの入力を受け付けるとともに、各エアロゾル生成器の特性を制御するように構成された制御回路と、を備えた、方法であって、第1のユーザ入力機構又は第2のユーザ入力機構への入力を識別するステップと、入力が第1のユーザ入力機構に与えられた場合、第1のエアロゾル生成器の特性を第1の量だけ変更するステップ、又は、入力が第2のユーザ入力機構に与えられた場合、第2のエアロゾル生成器の特性を第2の量だけ変更するステップと、を含み、第2の量が、第1の量と異なる、方法を説明した。
【0105】
また、第1のエアロゾル生成材料手段及び第2のエアロゾル生成材料手段からエアロゾルを生成するエアロゾル供給手段であって、第1のエアロゾル生成材料手段からエアロゾルを生成するように構成された第1のエアロゾル生成器手段を制御する第1のユーザ入力手段と、第2のエアロゾル生成材料手段からエアロゾルを生成するように構成された第2のエアロゾル生成器手段を制御する第2のユーザ入力手段と、第1のユーザ入力手段又は第2のユーザ入力手段を介してユーザからの入力を受け付けるとともに、各エアロゾル生成器手段の特性を制御するように構成された制御手段と、を備え、入力に応答して、制御手段が、入力が第1のユーザ入力手段に与えられた場合、第1のエアロゾル生成器手段の特性を第1の量だけ変更するように構成され、制御手段が、入力が第2のユーザ入力手段に与えられた場合、第2のエアロゾル生成器手段の特性を第1の量と異なる第2の量だけ変更するように構成された、エアロゾル供給手段を説明した。
【0106】
上述の実施形態は、いくつかの点でいくつかの特定の例示的なエアロゾル供給システムに焦点を当てているが、当然のことながら、他の技術を使用するエアロゾル供給システムにも同じ原理が適用され得る。すなわち、エアロゾル供給システムの種々態様が機能する特定の様態は、本明細書に記載の例の基礎となる原理に直接関連はしない。様々な問題に対処するとともに技術を進歩させるため、本開示は、(1つ又は複数の)特許請求の範囲に係る発明を実施可能な種々実施形態を例示的な一例として示している。本開示の利点及び特徴は、実施形態の代表的なサンプルに過ぎず、網羅的及び/又は排他的なものではない。これらは、理解の手助け並びに(1つ若しくは複数の)特許請求の範囲に係る発明の教示のみを目的として提示される。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲により規定される本開示に対する制限とも、特許請求の範囲の同等物に対する制限とも考えるべきではなく、また、特許請求の範囲から逸脱することなく、他の実施形態の利用及び改良が可能であることが了解されるものとする。種々実施形態は、本明細書における具体的な記載以外の開示の要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段等の種々組み合わせを好適に含んでいてもよいし、種々組み合わせから成っていてもよいし、種々組み合わせから本質的に成っていてもよい。このため、当然のことながら、特許請求の範囲における明示的な記載以外の組み合わせにて、従属請求項の特徴を独立請求項の特徴と組み合わせることも可能である。本開示は、現時点では請求されていないものの、将来的に請求され得る他の発明を含んでいてもよい。
【国際調査報告】