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特表2023-550964ガスシリンダの中に挿入するための、円筒形の減圧調整デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-06
(54)【発明の名称】ガスシリンダの中に挿入するための、円筒形の減圧調整デバイス
(51)【国際特許分類】
   F16K 17/30 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
F16K17/30 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531057
(86)(22)【出願日】2021-11-25
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 EP2021083043
(87)【国際公開番号】W WO2022112442
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】LU102229
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521562016
【氏名又は名称】ロタレックス エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】シュミッツ,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】カイチンゲール,エティエンヌ
(72)【発明者】
【氏名】セレーン,スティーブン
【テーマコード(参考)】
3H060
【Fターム(参考)】
3H060AA02
3H060BB08
3H060CC02
3H060DC05
3H060HH07
(57)【要約】
本発明は、圧縮ガスのための圧力調整デバイス(6)に向けられ、それは:ガス入口(20)、ガス出口(38)、ならびに、これらガス入口及びガス出口に流体的に相互接続するガス通路(22)、を伴う本体(18)と;ガス通路(229における座部(26、126)、及びこの座部(26、126)と協働するよう構成された閉塞具(28、128)を伴う、弁デバイス(24、124)と;本体(18)の空洞(32、132)に収容され、弁デバイス(24、124)の下流にある、調整器(30、130)であって、空洞(32、132)と共に、中の圧力を伴って外形が変化する調整チャンバとの境界を定め、弁デバイスを通るガスの流量を調整するための閉塞具(28、128)を作動させる、調整器(30、130)と、を備える。本体(18)は、その全延長にわたって管状であり、本体の最大外径である公称外径を伴う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ガスのための、圧力調整デバイス(6、206)であって、
ガス入口(20、220)、ガス出口(38、238)、ならびに前記ガス入口及び前記ガス出口を流体的に相互接続するガス通路(22、222)を有する、本体(18、218)と、
前記ガス通路(22、222)における座部(26、126、226、326)、及び前記座部(26、126、226、326)と協働するよう構成された閉塞具(28、128、228、328)を伴う、弁デバイス(24、124、224、324)と、
前記弁デバイス(24、124、224、324)の下流で、前記本体(18、218)の空洞(32、132、232、332)に収容され、前記空洞(32、132、232、332)と共に、中の圧力を伴って変化する外形を伴う調整チャンバの境界を定め、前記弁デバイスを通るガス流量を調整するために、前記閉塞具(28、128、228、328)を作動させる、調整器(30、130、2320、330)と、
を備え、
ここで前記圧力調整デバイス(6、206)は、前記本体(18、218)がその全延長にわたり管状で、前記調整器(30、130、2320、330)、及び前記本体の最大外径である弁デバイス(24、124、224、324)に沿って公称外径を有することを特徴とする、
圧力調整デバイス(6、206)。
【請求項2】
前記本体(18、218)は、公称外径を伴う主部分(18.1、18.4、218.1、218.3)と、公称外径を伴い、かつ前記主部分(18.1、18.4、218.1、218.3)に装着された、少なくとも1つの端部分(18.2、18.3、18.5、18.6、218.2、218.4、218.5)と、を備える、請求項1に記載の圧力調整デバイス(6、206)。
【請求項3】
少なくとも1つの前記端部分(18.2、18.3、18.5、18.6、218.2、218.4、218.5)の、前記本体(18、218)における前記主部分(18.1、18.4、218.1、218.3)への装着は、溶接によって成される、請求項2に記載の圧力調整デバイス(6、206)。
【請求項4】
前記主部分(18.1、18.4)の一方の端部は、前記弁デバイス(24、124)を収容し、前記座部(26、126)周りに環状溝(18.1.1、18.4.1)を備える、請求項2または3に記載の圧力調整デバイス(6)。
【請求項5】
前記本体(18、218)は、前記空洞(32、132、232、332)を形成する内面を伴う管状壁を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の圧力調整デバイス(6、206)。
【請求項6】
前記閉塞(28、128、228、328)は、前記座部(26、126、226、326)の上流側に位置され、かつ前記座部に接触するよう構成された、ポペット(28.1、128.1)と、前記ポペット(28.1、128.1)から前記座部(26、126、226、326)を通して延びたステム(28.2、128.2)と、を備え、前記ステムは前記調整器(30、130)に装着される、請求項1~5のいずれか1項に記載の圧力調整デバイス(6、206)。
【請求項7】
前記ステム(128.2)は、前記ポペット(128.1)に隣接した円錐部分(128.2.1)を備え、かつ0.02mm未満の、前記座部(126)との半径方向の遊びを示す、請求項6に記載の圧力調整デバイス(6、206)。
【請求項8】
前記空洞(32、132、332)は、前記座部(26、126、326)に隣接した底部を備え、前記圧力調整デバイスは圧縮波形バネ(34、134、334)を備え、前記圧縮波形バネ(34、134、334)は前記底部に静止し、かつ前記調整器(30、130、330)に作用する、請求項1~7のいずれか1項に記載の圧力調整デバイス(6、206)。
【請求項9】
前記調整器(30、130、330)は、前記圧縮波形バネ(34、134、334)と係合した肩型の端部面(30.2.4、130.2.4)を備える、請求項8に記載の圧力調整デバイス(6、206)。
【請求項10】
前記調整器(30、130、230、330)は、可動部分(30.2、130.2、230.2、330.2)を備え、前記可動部分は、前記弁デバイス(24、124、224、324)と向かい合い、前記空洞(32、132、232、332)の内面に沿って移動するよう、かつ前記閉塞具(28、128、228、328)を作動させるよう構成される、請求項1~9のいずれか1項に記載の圧力調整デバイス(6、206)。
【請求項11】
前記調整器(30、130)は開放リング(30.5、130.5)を備え、前記開放リング(30.5、130.5)は、前記調整器の可動部分(30.2、130.2)の周りに取り付けられ、かつ前記空洞(32、132)の内面に接触するよう構成される、請求項10に記載の圧力調整デバイス(6)。
【請求項12】
前記調整器(30、130)は、固定部分(30.1、130.1)を備え、前記固定部分(30.1、130.1)は、前記弁デバイス(24、124)の反対側にあり、かつ前記固定部分の位置を調節するよう構成されたネジ(36、136)と係合する、請求項1~11のいずれか1項に記載の圧力調整デバイス(6)。
【請求項13】
前記ネジ(36、136)は、前記調整器(30、130)の固定部分(30.1、130.1)おける環状の窪んだ円錐面に接触した円錐前面を備え、前記ネジと前記固定部分との間の係合部を形成する、請求項12に記載の圧力調整デバイス(6)。
【請求項14】
前記ネジ(36、136)と前記調整器(30、130)の前記固定部分(30.1、130.1)との間の係合は、前記固定部分を中心に置き、前記空洞(32、132)に半径方向の遊びを示す、請求項12または13に記載の圧力調整デバイス(6)。
【請求項15】
前記ネジ(36、136)は、前記本体(18)の少なくとも一方の前記端部分(18.3、18.5)とネジ係合する、請求項2~4、12~14のいずれか1項に記載の圧力調整デバイス(6)。
【請求項16】
前記調整器(30、130)は蛇腹(30.3、130.3)を備え、第1の端部がガス気密となるよう前記固定部分(30.1、130.1)に装着され、第2の端部がガス気密となるよう前記可動部分(30.2、130.2)に装着され、それによって封止された内側チャンバを形成する、請求項10、11、12~15のいずれか1項に記載の圧力調整デバイス(6)。
【請求項17】
前記調整器(30、130)における前記固定部分(30.1、130.1)及び可動部分(30.2、130.2)は、前記蛇腹(30.3、130.3)の内側で、摺動して長手方向に誘導されるよう相互に係合する、請求項16に記載の圧力調整デバイス(6)。
【請求項18】
前記弁デバイスは第1の弁デバイス(24、224)であり、前記調整器は第1の調整器(30、320)であり、前記圧力調整デバイスは、前記第1の弁デバイス(24、224)の下流で流体的に連続し、前記ガス通路(22、222)の座部(126、326)、及び前記座部(126、326)と協働するよう構成された閉塞具(128、328)、を伴う、第2の弁デバイス(124、324)と、前記第2の弁デバイス(124、324)の下流で、前記本体(18、218)の空洞(132、332)に収容され、前記空洞(132、332)と共に、前記調整チャンバ内の圧力を伴って変化する外形を有する調整チャンバの境界を定め、かつ前記第2の弁デバイス(124、324)を通るガス流量を調整するために、前記閉塞具(128、328)を作動させる、第2の調整器(130、330)と、を備える、請求項1~17のいずれか1項に記載の圧力調整デバイス(6、206)。
【請求項19】
前記本体の前記主部分は、前記第1の弁デバイス(24、224)及び前記第1の調整器(30、230)を収容する第1の主部分(18.1、218.1)であり、前記本体は、前記第2の弁デバイス(124、324)及び前記第2の調整器(130、330)を収容する、第2の主部分(18.4、218.3)をさらに備える、請求項2~4、18のいずれか1項に記載の圧力調整デバイス(6、206)。
【請求項20】
0.9バール未満である、ガス出口における絶対圧の存在下で、ガス流量を送達するよう構成される、請求項1~19のいずれか1項に記載の圧力調整デバイス(6、206)。
【請求項21】
プラグ(230.1.4、330.1.4)を介して、前記調整器(230、330)の封止されたチャンバに流体接続され、かつ補助的ガスの外部源(244)を、前記封止されたチャンバ内の補助的ガスの圧力を調整するために、前記封止されたチャンバに流体接続するよう構成された、ポート(240、340)をさらに備える、請求項1~19のいずれか1項に記載の圧力調整デバイス(206)。
【請求項22】
前記ポート(240、340)は、前記本体(218)の外へ通じる、請求項21に記載の圧力調整デバイス(206)。
【請求項23】
前記ポート(240、340)は、前記圧力調整デバイスの長手方向軸に対して横断方向、好ましくは前記長手方向軸に対して半径方向の主軸を示す、請求項21または22に記載の圧力調整デバイス(206)。
【請求項24】
前記プラグ(230.1.4、330.1.4)は、前記調整器(230、330)の固定部分(230.1、330.1)と係合するネジ山部分(230.1.4.1、330.1.4.1)と、前記固定部分に形成された補助的座部と係合する円錐ニードル部分(230.1.4.2、330.1.4.2)と、を備える、請求項21~23のいずれか1項に記載の圧力調整デバイス(206)。
【請求項25】
前記プラグ(230.1.4、330.1.4)は全体的に、前記ポート(240、340)と、前記調整器(230、330)の前記封止されたチャンバとの間で、チャネル(230.1.3、330.3.1)に位置される。請求項21~24のいずれか1項に記載の圧力調整デバイス(206)。
【請求項26】
前記プラグ(230.1.4、330.1.4)は、前記ネジ山部分(230.1.4.1、330.1.4.1)と、前記円錐ニードル部分(230.1.4.2、330.1.4.2)との間で、前記補助的ガスのための内部通路(230.1.4.4、330.1.4.4)を備える、請求項24または25に記載の圧力調整デバイス(206)。
【請求項27】
前記プラグ(230.1.4、330.1.4)は、前記調整器(230、330)の前記封止されたチャンバの反対側端部で、ツール(246)を前記ポート(230.1.4、330.1.4)の中に挿入することによって前記ツール(246)と係合するための、係合面(230.1.4.3、330.1.4.3)を備える、請求項25または26に記載の圧力調整デバイス(206)。
【請求項28】
前記プラグ(230.1.4、330.1.4)の前記係合面(230.1.4.3、330.1.4.3)は、前記ポート(240、340)に整合された、前記ツール(246)の挿入方向を示す、請求項27に記載の圧力調整デバイス(206)。
【請求項29】
前記プラグ(230.1.4、330.1.4)の前記係合面(230.1.4.3、330.1.4.3)は、前記ツール(246)との係合が、前記ツール(246)の回転が前記プラグ(230.1.4、330.1.4)を回転させるように、回転で成されるよう構成される、請求項27または28に記載の圧力調整デバイス(206)。
【請求項30】
前記調整器(230、330)は、固定部分(230.1、330.1)と、可動部分(230.2、330.2)と、前記固定部分(230.1、330.1)、及び前記可動部分(230.2、330.2)にガス気密となるよう装着された、少なくとも1つの柔軟壁(230.3、330.3)と、を備え、前記調整器(230、330)の前記封止されたチャンバは、少なくとも1つの前記柔軟壁(230.3、330.3)と、前記固定部分(230.1、330.1)と、前記可動部分(230.2、330.2)と、によって境界を定められる、請求項21~29のいずれか1項に記載の圧力調整デバイス(206)。
【請求項31】
ガスシリンダのためのデバイス(2)であって、
前記ガスシリンダのカラーと係合するよう構成された、雄ネジ部分(8.1)、前記雄ネジ部分のガス入口、ガス出口(12)、及び前記ガス入口を前記ガス出口に相互接続するガス通路、を伴う主本体(8)と、
前記主本体(8)に収容された、前記ガス通路のための遮断弁(10)と、
前記雄ネジ部分(8.1)で前記ガス入口に流体接続され、かつ前記ガスシリンダの中に挿入されるよう構成された、圧力調整デバイス(6、206)と、
を備え、
ここで前記デバイス(2)は、前記圧力調整デバイス(6、206)が、請求項1~30の内いずれか1項に記載のものであることを特徴とする、
デバイス(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスシリンダに圧縮状態で貯蔵されたガス、詳細には半導体の製造のために使用される危険ガス、を送達する分野に向けられる。
【背景技術】
【0002】
公開されている先行技術の特許書類である、欧州特許第1328756号明細書は、ガスシリンダの内側に位置させるために設計された、減圧調整デバイスを開示している。その目的のため、ガスシリンダのカラーを通して、圧力調整デバイスが挿入可能となるよう、ガスシリンダのカラーを拡大する必要がある。圧力調整デバイスを、ガスシリンダの内側に位置させることは、半導体産業で使用されるガスのような危険ガスのために興味深い。なぜならそれは、圧力調整デバイスを、損傷を与えかねない外部作用から防護するからである。
【0003】
公開されている先行技術の特許書類である、英国特許第787192号明細書は、圧力安全弁を統合したガス調整器を開示している。このガス調整器は、弁デバイス及び調整器を備え、それらは本体に配置され、かつ弁デバイスの下流に調整チャンバを形成する。この調整器は、調整器の固定部分及び可動部分に装着された蛇腹を備え、それによってバネとして機能する封止された内側チャンバを形成する。この調整チャンバは、本体における空洞の内壁と、調整器の外面との間の空間である。調整器の固定部分はボールを介して管に静止し、そこで管の位置を、手動ハンドルによって調節することができる。管に接触したボールは、出口すなわち調整チャンバにおける制御されない圧力増加の場合のために、圧力安全弁を形成する。調整器はさらに圧縮されることになり、次にさらに収縮し、それによってボールを管から離れるよう動かし、ガスが逃げるのを可能にする。この調整器の構造は、封止された内側ボリュームを形成する調整器が、大気圧から独立して圧力調整を実現するという点で、興味深い。しかしこの構造は、かなりかさばり、かつ出口流量が変動を受けやすいときに、望ましくない圧力変動を示しやすい。
【0004】
例えば半導体産業など、いくつかの用途において、最終的にガスを消費する物は、減圧状態すなわち大気圧未満の圧力で作動する、流量調整器である場合がある。このようなガス流量調整器は、半導体製造機械によって制御され、それによって流量は、ゼロから公称値まで、及びその逆に、変化させることができる。このような流量変動が起こったとき、流量制御器の上流に直接的に流体接続された圧力調整デバイスは、流量制御器を妨害する程度、すなわちこの流量制御器を故障モードに設定する程度まで、出口圧力の望ましくない変動を示す場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第1328756号明細書
【特許文献2】英国特許第787192号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、技術的課題のために、上述の先行技術における欠点の少なくとも1つを克服する。より詳細には、本発明は、技術的課題に対して、圧力調整デバイスを提供する必要がある。この圧力調整デバイスは、出口流量が変動したときに、出口圧力の安全及び安定に対する特別な注意が与えられる用途に対して、好適である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、圧縮ガスのための圧力調整デバイスに向けられ、それは:ガス入口、ガス出口、ならびに、これらガス入口及びガス出口に流体的に相互接続するガス通路、を伴う本体と;ガス通路における座部、及びこの座部と協働するよう構成された閉塞具を伴う、弁デバイスと;弁デバイスの下流にある、本体の空洞に収容された調整器であって、この空洞と共に、中の圧力を伴って変化する外形を有する調整チャンバとの境界を定め、弁デバイスを介したガスの流量を調整するために閉塞具を作動させる、調整器と、を備える。本体は、その全延長にわたって管状であり、上記の本体の最大外径である公称外径を伴う。
【0008】
好ましい実施形態によると、本体は、公称外径を伴う主部分と、公称外径を伴い、かつこの主部分に装着された、少なくとも1つの端部分と、を備える。
【0009】
好ましい実施形態によると、少なくとも1つの端部分の、本体の主部分への装着は、溶接による。
【0010】
好ましい実施形態によると、主部分の一方の端部は、弁デバイスを収容し、かつ座部の周りに環状溝を備える。
【0011】
好ましい実施形態によると、本体は、空洞を形成する内面を伴う管状壁を備える。
【0012】
好ましい実施形態によると、閉塞具は、座部の上流側に位置され、この座部に接触するよう構成された、ポペットと、このポペットから座部を通して延び、かつ調整器に装着された、ステムと、を備える。
【0013】
好ましい実施形態によると、このステムは、ポペットに隣接した円錐部分を備え、かつ0.02mm未満の、座部との半径方向の遊びを示す。
【0014】
好ましい実施形態によると、空洞は、座部に隣接した底部を備える。圧力調整デバイスは圧縮波形バネを備え、この圧縮波形バネは底部に静止し、かつ調整器に作用する。
【0015】
好ましい実施形態によると、調整器は肩型の端部面を備え、それは圧縮波形バネに係合する。
【0016】
好ましい実施形態によると、調整器は、弁デバイスと向かい合った可動部分を備え、それは空洞の内面に沿って動き、閉塞具を作動させるよう構成される。
【0017】
好ましい実施形態によると、調整器は、この調整器の可動部分の周りに取り付けられた開放リングを備え、それは空洞の内面に接触するよう構成された、
【0018】
好ましい実施形態によると、調整器は、弁デバイスの反対側に固定部分を備え、それは固定部分の位置を調節するよう構成されたネジと係合する。
【0019】
好ましい実施形態によると、ネジは、調整器の固定部分における環状の窪んだ円錐面に接触した円錐前面を備え、このネジと固定部分との間の係合を形成する。
【0020】
好ましい実施形態によると、ネジと、調整器の固定部分との間の係合は、この固定部分を中央に置き、空洞に半径方向の遊びを示すよう構成される。
【0021】
好ましい実施形態によると、ネジは、少なくとも一方の端部分とネジ止め係合する。
【0022】
好ましい実施形態によると、調整器は蛇腹を備え、その第1の端部がガス気密となるよう固定部分に装着され、かつ第2の端部がガス気密となるよう可動部分に装着され、それによって封止された内側ボリュームを形成する。
【0023】
好ましい実施形態によると、調整器の固定部分及び可動部分は、蛇腹の内側で摺動して長手方向に誘導されるよう、相互に係合する。
【0024】
好ましい実施形態によると、弁デバイスは第1の弁デバイスであり、調整器は第1の調整器である。圧力調整デバイスは、第1の弁デバイスの上流で、ガス通路の座部、及びこの座部と協働するよう構成された閉塞具、に流体的に連続する第2の弁デバイスと、この第2の弁デバイスの下流で、本体の空洞内に収容され、この空洞と共に、中の圧力を伴って変化する外形を有する調整チャンバの境界を定め、かつ第2の弁デバイスを通るガス流量を調整するために上記の閉塞具を作動させる、第2の調整器と、を備える。
【0025】
好ましい実施形態によると、本体の主部分は、第1の弁デバイス及び第1の調整器を収容した第1の主部分であり、本体は、第2の弁デバイス及び第2の調整器を収容した第2の主部分をさらに備える。
【0026】
好ましい実施形態によると、圧力調整デバイスは、0.9バール未満である、ガス出口における絶対圧の存在下で、ガス流量を送達するよう構成される。
【0027】
好ましい実施形態によると、圧力調整デバイスはポートをさらに備える。このポートは、プラグを介して、調整器の封止されたチャンバに流体接続され、かつこの封止されたチャンバの中における補助的ガスの圧力を調節するために、補助的ガスの外部源を、この封止されたチャンバに流体接続するよう構成される。
【0028】
好ましい実施形態によると、このポートは、本体の外に通じる。
【0029】
好ましい実施形態によると、ポートは、圧力調整デバイスの長手方向軸に対して横断方向、好ましくは長手方向軸に対して半径方向の、主軸を示す。
【0030】
好ましい実施形態によると、プラグは、調整器の固定部分と係合するネジ山部分と、この固定部分に形成された補助的座部に係合する円錐形ニードル部分と、を備える。
【0031】
好ましい実施形態によると、プラグは全体的に、ポートと調整器の封止されたチャンバとの間のチャネルに、位置される。
【0032】
好ましい実施形態によると、プラグは、ネジ山部分と円錐形ニードル部分との間に、補助的ガスのための内部通路を備える。
【0033】
好ましい実施形態によると、プラグは、調整器の封止されたチャンバの反対側の端部において、ツールをポートの中に挿入することによってツールと係合する、係合面を備える。
【0034】
好ましい実施形態によると、プラグの係合面は、ポートと整合された、ツールの挿入方向を示す。
【0035】
好ましい実施形態によると、プラグの係合面は、ツールの回転がプラグを回転させるよう、ツールとの係合が回転で成されるよう構成される。
【0036】
好ましい実施形態によると、調整器は、固定部分と、この固定部分及び可動部分に、ガス気密となるよう装着された少なくとも1つの柔軟壁と、を備える。調整器の封止されたチャンバは、少なくとも1つの柔軟壁と、固定部分と、可動部分と、によって境界を定められる。
【0037】
有利には、閉塞具は、好ましくは固定して、調整器の可動部分に機械的に連結される。
【0038】
有利には、少なくとも1つの柔軟壁は、円形、蛇腹形状、かつ金属製である。
【0039】
有利には、ポートは本体の円筒形外面に位置される。この円筒形外面は、ガス気密となるよう補助的ガスの源と係合できる。
【0040】
本発明は、ガスシリンダのためのデバイスにも向けられ、それは:ガスシリンダのカラー、雄ネジ部分におけるガス入口、ガス出口、及びガス入口をガス出口に相互接続するガス通路、に係合するよう構成された雄ネジ部分を伴う、主本体と;主本体に収容された、ガス通路のための遮断弁と;雄ネジ部分でガス入口に流体接続され、ガスシリンダの中に挿入されるよう構成された、圧力調整デバイスと、を備える。この圧力調整デバイスは、本発明によるものである。
【0041】
本発明は、以下にも向けることができる。
【0042】
(1)圧縮ガスのための圧力調整デバイスであって:ガス入口、ガス出口、ならびに、これらガス入口及びガス出口に流体的に相互接続するガス通路、を伴う本体と;ガス通路における座部、及びこの座部と協働するよう構成された閉塞具を伴う、弁デバイスと;本体の空洞に収容され、弁デバイスの下流にある調整器であって、この空洞と共に、中の圧力を伴って変化する外形を有する調整チャンバとの境界を定め、弁デバイスを介したガスの流量を調整するための閉塞具を作動させる、調整器と、を備える、圧力調整デバイス。
【0043】
(2)閉塞具は、座部の上流側に位置され、かつこの座部に接触するよう構成された、ポペットと、このポペットから座部を通して延び、かつ調整器に装着された、ステムと、を備える、(1)に記載の圧力調整デバイス。
【0044】
(3)ステムは、ポペットに隣接した円錐部分を備え、かつ0.02mm未満の、座部との半径方向の遊びを示す、(2)に記載の圧力調整デバイス。
【0045】
(4)空洞は、座部に隣接した底部を備え、圧力調整デバイスは圧縮波形バネを備え、この圧縮波形バネは底部に静止し、かつ調整器に作用する、(1)~(3)の内いずれかに記載の圧力調整デバイス。波形バネは、回転ごとに少なくとも4つの波形を備えることができ、各波形は接触領域を形成する。
【0046】
(5)調整器は肩型の端部面を備え、それは圧縮波形バネに係合する、(4)に記載の圧力調整デバイス。
【0047】
(6)調整器は可動部分を備え、それは弁デバイスと向かい合い、空洞の内面に沿って動き、かつ閉塞具を作動させるよう構成される、(1)~(5)の内いずれかに記載の圧力調整デバイス。
【0048】
(7)調整器は開放リングを備え、それはこの調整器の可動部分の周りに取り付けられ、かつ空洞の内面に接触するよう構成される、(6)に記載の圧力調整デバイス。
【0049】
(8)調整器は固定部分を備え、この固定部分は、弁デバイスの反対側にあり、固定部分の位置を調節するよう構成されたネジを用いて係合する、(1)~(7)の内いずれかに記載の圧力調整デバイス。
【0050】
(9)ネジは、調整器の固定部分における環状の窪んだ円錐面に接触した円錐前面を備え、このネジと固定部分との間の係合を形成する、(8)に記載の圧力調整デバイス。
【0051】
(10)ネジと調整器の固定部分との間の係合は、この固定部分を中央に置き、空洞に半径方向の遊びを示すよう構成される、(8)または(9)に記載の圧力調整デバイス。
【0052】
(11)ネジは、本体とネジ止め係合する、(8)~(10)に記載の圧力調整デバイス。
【0053】
(12)調整器は蛇腹を備え、その第1の端部がガス気密となるよう固定部分に装着され、かつ第2の端部がガス気密となるよう可動部分に装着され、それによって封止された内側ボリュームを形成する、(6)及び(7)のいずれか、ならびに(8)~(11)の内いずれかに記載の圧力調整デバイス。
【0054】
(13)調整器の固定部分及び可動部分は、蛇腹の内側で摺動して長手方向に誘導されるよう相互に係合する、(12)に記載の圧力調整デバイス。
【0055】
本発明は、以下にも向けることができる。
【0056】
(14)圧縮ガスのための圧力調整デバイスであって:ガス入口、ガス出口、ならびに、これらガス入口及びガス出口に流体的に相互接続するガス通路、を伴う本体と;ガス通路における座部、及びこの座部と協働するよう構成された閉塞具を伴う、弁デバイスと;本体の空洞に収容され、弁デバイスの下流にある調整器であって、この空洞と共に、中の圧力を伴って変化する外形を有する調整チャンバとの境界を定め、弁デバイスを通るガスの流量を調整するための閉塞具を作動させる、調整器と、を備える圧力調整デバイス。ここで本体は、主部分と、この主部分に装着された少なくとも1つの端部分と、を備える。
【0057】
(15)少なくとも1つの端部分の、本体の主部分への装着は溶接による、(14)に記載の圧力調整デバイス。
【0058】
(16)主部分の一方の端部は、弁デバイスを収容し、かつ座部の周りに環状溝を備える、(14)及び(15)のいずれかに記載の圧力調整デバイス。
【0059】
(17)本体は、空洞を形成する内面を伴う管状壁を備える、(14)~(16)の内いずれかに記載の圧力調整デバイス。
【0060】
本発明は、以下にも向けることができる。
【0061】
(18)主部分及び少なくとも一方の端部分を、これらの部分間の円形接合部に沿って溶接アークを適用することによって共に溶接するステップを含んだ、(14)~(17)の内いずれかに記載の圧力調整デバイスを、組み立てる方法。
【0062】
(19)弁デバイスの過熱を避けるため、溶接前に、円形接合部に隣接した本体の主部分の周りに、冷却リングを設置するステップを含む、(18)に記載の方法。
【0063】
(20)(16)に記載の圧力調整デバイスにおいて、冷却リングを環状溝に軸方向に重ねる、(19)に記載の方法。
【発明の効果】
【0064】
本発明は、特に半径方向における小型化の利点、ならびに、出口流量及び/または入口圧力が変化したときに圧力が安定する利点、を提供するという点で特に興味深い。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】本発明による圧力調整デバイスを備えた、ガスシリンダのためのデバイスの斜視図である。
図2図1の圧力調整デバイスの、第1の実施形態における断面図である。
図3図1の圧力調整デバイスの、第2の実施形態における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
図1は、ガスシリンダからガスを送達するためのデバイスの、斜視図である。
【0067】
デバイス2は、外部分4及び内部分6を備える。内部分は、ガスシリンダの内側に位置されるよう意図され、その一方で、外部分4は、ガスシリンダの外側に、例えばガスシリンダのカラーの上部に直接位置されるよう意図される。
【0068】
外部分4は基本的に、デバイス2の主本体8、遮断弁10、ガス出口ポート12、補充ポート16、及び補充弁14、を備える。主本体8は、ガスシリンダのカラーと係合するよう設計された、雄ネジ部分8.1を備える。ガス通路(図示せず)は、雄ネジ部分8.1に形成されたガス入口(図示せず)が、ガス出口ポート12のガス出口に流体的に相互接続するよう、主本体8の内側に形成される。遮断弁10は、例えば手動で操作され、かつガス通路を選択的に遮断または開放するよう設計される。補充ポート16は、ガス通路に平行な雄ネジ部分8.1を通して延び、かつ雄ネジ部分8.1の前面で外に通じる補充通路に、流体接続することができる。
【0069】
上記の要素は、当業者には公知であり、さらに詳述する必要はない。
【0070】
主本体8は、雄ネジ部分8.1においてポート8.2も備え、それは例えば溶接など機械的に雄ネジ部分8.1と一体化された管状部分として形成され、例えば圧力調整デバイスなど、デバイス2の第2の部分6に流体接続される。
【0071】
図2は、図1のデバイスにおける圧力調整デバイス6の、第1の実施形態における断面図である。
【0072】
圧力調整デバイス6は、2つのステージすなわち第1のステージ6.1及び第2のステージ6.2を備える。明白であるように、圧力調整デバイス6は、その全延長にわたり全体的に管状で、本体の最大外径である公称外径を伴う、本体18を備える。換言すると、公称外径は、圧力調整デバイス6が、ガスシリンダのカラーを通して挿入できるか、を決定する。公称外径が、カラーの内径未満である場合、そこを通して挿入することができ、その一方で、公称外径がカラーの内径よりも大きい場合、そこを通して挿入できない。本体18は、いくつかの部分18.1、18.2、18.3、18.4、18.5、及び18.6を備え、これら全ては同じ公称外径を伴う管状であり、長手方向軸に沿って端から端まで配置され、かつ好ましくは環状溶接によって互いに対して装着される。
【0073】
圧力調整デバイス6の第1のステージ6.1は、主本体部分18.1と、主部分18.1のそれぞれの端部における2つの端部分18.2及び18.3と、を備える。端部分18.2は、圧力調整デバイス6及び第1のステージ6.1の、ガス入口20を形成する。端部分18.2は、全体的にキャップ形状であり、本体18の主部分18.1に接触して配置された管状部分18.2.1と、蓋部分18.2.2と、ガス入口20を形成する、減少した径のパイプ部分を形成するポート18.2.3と、を備える。端部分18.2の反対側の、端部分18.3は、本体18の主部分18.1に接触して配置された管状部分18.3.1と、例えば焼結されたフィルタを収容し、圧力調整デバイス6の第1のステージ6.1におけるガス出口を形成する、孔18.3.3を伴う横断壁18.3.2と、を備える。ガス通路22は、本体18の主部分18.1と、端部分18.2及び18.3とのアセンブリに設けられ、ガス入口20を、圧力調整デバイス6の第1のステージ6.1におけるガス出口と相互接続する。
【0074】
弁デバイス24は、本体18に、例えば本体18の主部分18.1に、設けられる。弁デバイス24は、ガス通路22に配置された座部26、及び座部26と協働するよう可動である閉塞具28、を備える。閉塞部28は、ガス気密となるよう座部26に接触するため、座部26の上流側に位置された、ポペット28.1と、ポペット28.1から、座部26を通して座部26の下流側まで長手方向に延びた、ステム28.2と、を備える。座部26はリング26.1を備えることができ、それは非金属材料で作られ、かつ閉塞具28のポペット28.1によって接触される内側の円錐面を伴う。このリングは、本体18の主部分18.1に形成された、対応した空洞に収容される。例えばOリングのガスケット26.2を、リング26.1と本体18の主部分18.1との間のガス気密障壁を提供するために、リング26.1と空洞の円形溝との間の空洞に設けることができる。スナップリング26.3を、空洞内にリング26.1を保持するために設けることができる。
【0075】
調整器30は、本体18の主部分18.1における空洞32に設けられる。この空洞は、弁デバイス24の直ぐ下流にあり、ガス通路22の一部を形成する。空洞32は円筒形であり、本体18の主部分18.1における円筒壁の内面によって、半径方向に境界が定められる。弁デバイス24の閉塞具28は、調整器30に装着され、空洞と共に、中の圧力を伴って変化する外形を伴う調整チャンバの境界を定める。調整器30は、封止されたチャンバを確実に形成し、調整チャンバ内の圧力が増加するまで、長手方向にさらに収縮することができる。封止されたチャンバは、調整器30を圧縮したときに、復元性のある反力を提供するよう、ガスで充填される。
【0076】
より詳細には、調整器30は、固定部分30.1、可動部分30.2、及びこれら固定部分と可動部分とを相互接続する蛇腹30.3、を備える。蛇腹30.3は、一方の端部で固定部分30.1に装着され、かつ反対側の端部で可動部分30.2に装着される。これら2箇所の装着は、例えば溶接によるガス気密であり、蛇腹は金属製である。明白であるように、固定部分及び可動部分30.1及び30.2は、長手方向軸に沿って摺動できるよう相互に係合する。その目的のため、例として、固定部分30.1は、スピンドル部分30.1.1を備える。それは、可動部分30.2の円筒壁30.2.1の内側に、摺動できるよう係合する。より詳細には、スピンドル部分30.1.1は、外側の円形溝を示し、この溝は、円筒壁30.2.1との接触部において低い摩擦係数を示す摺動リング30.1.2を保持する。この接触部は、ガス気密である必要はない。円筒壁30.2.1は、内側ボリュームと外側ボリュームとの間のガス連通を提供するための、少なくとも1つのアパーチャ30.2.2を示すことができ、それによってこれら2つのボリューム間の圧力差が、調整器30の動作中に増大するのを回避する。回避できなければ、調整器30の適切な機能を阻害することになる。明白であるように、圧縮バネ30.4を、内側ボリュームに、すなわち固定部分30.1と可動部分30.2との間に設けることができ、それによって、(基本的に、上記の内側ボリューム及び外側ボリュームの合計に対応した)封止されたチャンバに含まれたガスによって加えられた反発力に、追加の反発力を提供する。圧縮バネ30.4の存在は、動作中における入口と出口との間の、所望の圧力差に依存できる。
【0077】
調整器の固定部分30.1は、封止されたチャンバに適切な量のガスを充填するため、及び/またはガス量を調節するための、チャネル30.1.3を示すことができる。例えば、チャネル30.1.3はボール30.1.4によって閉鎖される。ボール30.1.4は、有利にテーパーが付いた内径を示すチャネルの中に押込まれる。ボール30.1.4は、逆止弁で置換することができる。代替として、チャネル30.1.3は無くてもよい。それは、一旦蛇腹30.3がガス気密となるように、固定部分30.1及び可動部分30.2の各々に装着されると、チャンバが確実に閉鎖されることを意味する。
【0078】
調整器30の可動部分30.2は、弁デバイス24と向かい合った前面に、閉塞具28の対応したステム28.2のネジ山端部を受け入れる、内側ネジ山30.2.3を備える。次に閉塞具28は、調整器30の可動部分30.2に堅固に装着される。
【0079】
圧縮バネ34を、座部26に隣接した空洞32の底部と、調整器30の可動部分30.2との間に設けることができる。圧縮バネ34は、調整器の封止されたチャンバのガスの反発力、及び調整器30に収容された任意選択の圧縮バネ30.4の反発力、に対抗して作用する。圧縮バネ34は、有利には波形バネ、すなわちSmalley(登録商標)バネとしても一般的に知られているバネである。波形バネは、オンエッジコイリング(on-edge coiling)と呼ばれる処理で、硬化前の平角線で作られたバネである。圧縮バネ34は、有利には、任意選択で楔型の両端部を伴うマルチターンの波形バネである。巻数は、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つである。波の数、すなわち巻数ごとの接触領域は、少なくとも4つ、好ましくは少なくとも5つ、さらに好ましくは少なくとも6つである。本実施形態において、巻数は3つである。このようなバネは、調整器30、例えばその可動部分30.2に加えられた反発力が、周辺に十分良好に配分されるという点で、本構成において特に興味深く、かつ有用である。これは、調整器30の可動部分30.2が、空洞32内に正確に半径方向に誘導されないことから、本事例において特に有用である。従来の圧縮バネを使用することは、長手方向軸周りの荷重配分に不均衡を確実にもたらすことになり、それは、可動部分30.2及び閉塞具28を径方向に動かす傾向となり、潜在的にガス圧力調整において良好な状態及び精度を損ねることになる。
【0080】
調整器30は、可動部分30.2、例えばこの可動部分に形成された外側の円形溝に取り付けられた、誘導開放リング30.5を備えることができる。誘導リング30.5は、ガスが、空洞32及び調整器30によって境界を定められた調整チャンバに沿って出口まで流れるよう、開放されている。誘導開放リング30.5は、空洞32の内径未満の外径を示し、それによって、適切で精確な調整を阻害する、恒久的な接触及び望ましくない摩擦力を避ける。誘導開放リング30.5の目的は、圧力調整デバイス6の衝撃を伴う操作の場合に、調整器の半径方向の考えられる動きを吸収することである。
【0081】
明白であるように、可動部分30.2は、圧縮バネ34を受け入れるために、弁デバイス24に向かい合った肩型の前面30.2.4を示すことができる。
【0082】
調整器の固定部分30.1は、ネジ36のみによって、軸方向及び半径方向で所定の位置に保持される。ネジ36は、本体18の端部分18.3における横断壁18.3.2にネジ係合する。それは、調整器30の固定部分30.1における環状の窪んだ円錐面に接触した円錐前面を示す。明白であるように、固定部分30.1は、空洞32の対応した内径未満の外径を示し、それによって出口までの、ガス通路22のための環状セクションを形成する。ネジ36は、調整器30の固定部分30.1を位置付けて中央に合せるのを可能にするだけではなく、その圧縮前の調整、及びそれによる出口圧力の調節も可能にするという点で、調節ネジである。
【0083】
圧力調整デバイス6の第2のステージ6.2は、圧力調整デバイス6の第1のステージ6.1と類似する。本体18の構造及び弁デバイス124においてのみ、基本的に第2のステージ6.1とは異なる。第1のステージの参照番号は、第2のステージにおける同じまたは対応した内部要素を指定するために使用されるが、これらの番号には100が加えられている。第1のステージに関連するこれらの要素の説明を参照する。
【0084】
第2のステージ6.2の本体は、弁デバイス124、調整器130、及び圧縮バネ134を収容した主部分18.4と、2つの端部分18.5及び18.6と、を備える。第1のステージとは対照的に、本体18の2つの端部分18.5及び18.6は、主部分18.4の下流端部分に対して、すなわち第1のステージ6.1の反対側に、端から端まで配置される。第2のステージ6.2の主部分18.4は、第1のステージ6.1の主部分18.1に類似する。端部分18.5は、第1のステージ6.1の端部分18.3に類似する。すなわち、端部分18.5は、本体18の主部分18.4に接触して配置された管状部分18.5.1と、例えば焼結されたフィルタを収容し、例えば圧力調整デバイス6のガス出口38である、第2のステージ6.2のガス出口を形成するオリフィス18.5.3を伴う、横断壁18.5.2と、を備える。
【0085】
端部分18.6は、圧力調整デバイス6及び第2のステージ6.2の、ガス出口38を形成する。端部分18.6は、全体的にキャップ形状であり、本体18の端部分18.5に接触して配置された管状部分18.6.1と、蓋部分18.6.2と、ガス出口38を形成する、減少した径のパイプ部分を形成するポート18.6.3と、を備える。
【0086】
弁デバイス124は、座部126が金属材料で形成され、例えば本体18の主部分18.4と一体化されること、その一方で閉塞具128がそのポペット128.1に、例えばスリーブ128.4によってポペット128.1に接触して保持されたOリングなど、エラストマ材料のガスケット128.3を支持すること、という点で、第1の第6.1の弁デバイス24とはいくらか異なる。閉塞具128のステム128.2は、ポペット128.1に直接隣接した位置において、ガスケット128.3を受け入れる円形の外側溝を示す。スリーブは、ステム128.2に沿って摺動され、ガスケットの外側の円形部分に接触した内側の円形面と、ポペット128.1の外面に固定された内側の大きいボアと、を示す。それによってガスケット128.3は、ステム128.2の円形の外側溝と、スリーブ128.4の対応した内側の円形面と、の間に捕捉される。スリーブ128.4の対応した内側円形面は、座部126に向かい合った前面も示し、ガスケットが所与のレベルまで変形されたときに、座部126に接触できる。
【0087】
弁デバイス124は、ステム128.2がポペット128.1に隣接した円筒部分128.2.1を示すこと、及び座部126を通るガス通路の、例えば0.02mm未満の低減した半径方向の遊びを示すこと、という点で、第1のステージ6.1の弁デバイス24とは異なる。半径方向の遊びは、座部126を通るガス通路の半径と、ステム128.2の円錐部分128.2.1の半径との差であり、中央にあるとき、軸方向位置におけるこの差は最小である。有利には、半径方向の遊びは、0.01mm以下とすることができる。
【0088】
圧力調整デバイス6の、第2のステージ6.2と第1のステージ6.1との間の別の違いは、調整器130の内側に圧縮バネが存在しないことである。
【0089】
第2のステージ6.2の、第1のステージに対する上記の違いは、第2のステージ6.2が第1のステージよりも低い圧力で作動するためである。より詳細には、弁デバイス124における座部との接触部に含まれたエラストマ材料は、低減された力でガス気密接触を実現することができ、そのため、出口流量の圧力変動における、より高い感受性及び安定性を実現することができる。特に半導体製造のイオン注入分野で最終的に消費する物は、デバイスの出口が接続された流量調整器を含むことができる。製造過程における様々なパラメータに依存して、調整器はガス流量を変化させ、それは、圧力調整デバイスがこれらの変動に対して迅速かつ制御して反応することが必要であることを意味する。圧力調整デバイスの出口における圧力が、公称圧力から所与の量よりも大きく逸脱する場合、それが短い期間でも、流量調整器を故障状態にして、生成の停止をもたらす場合がある。弁デバイスの上記の構造は、出口における流量変動に対して、迅速かつ適切に応答するよう、特に適応される。
【0090】
追加として、ステム128.2の円錐部分128.2.1は、上述のように第2のステージにおける安定性をさらに増加させる。なぜならそれは、閉塞具128及び調整器の可動部分130.2を中央位置に保つからであり、同時に、特に座部126及びこの座部に接触したガスケット128.3の直ぐ下流で、ガスの分岐通路を提供する。この分岐通路は、ガスの速度のほとんどを、静圧に変換することによって、(空洞132と調整器130との間で境界を定められた)調整チャンバにおける安定性を提供する。
【0091】
圧力調整デバイス6の組み立ては、以下のようである。
【0092】
調整器30及び130は、蛇腹を調整器の固定部分及び可動部分それぞれに溶接することを含み、事前に組み立てられる。逆止弁または任意の同等手段を、封止されたチャンバに包含されたガス量を充填/調節するために、調整器の固定部分に設けることができる。さらに、本体部分18.1~18.6及び弁デバイス24及び124の要素などの様々な要素は、組み立てに先立って製造される。
【0093】
第1のステージ6.1は、弁デバイス24を、本体の主部分18.1における入口端部に取り付け、調整器30を主部分18.1の出口端部を通して挿入させることによって、組み付けられる。次に閉塞具28のステム28.2を、調整器30にネジ止めして組み付けることができる。
【0094】
その後、入口20を形成する端部分18.2は、例えば管状部分間の接合部を環状溶接することによって、主部分18.1に組み付けられる。同様に、ネジ36によって装備された、第1のステージ6.1の出口を形成する端部分18.3は、例えば管状部分間の接合部を環状溶接することによって、主部分18.1に組み付けられる。これら2つの動作を、1つまたは他の順番で成すことができる。
【0095】
第1のステージ6.1は次に、ネジ36に作用することによって調節される。特別の装備が、第1のステージ6.1の出口を接続し、その一方でネジ36に作用できるよう、必要となる場合がある。
【0096】
第2のステージ6.2は、第1のステージ6.1と類似して、同時に、すなわち第1のステージとは独立して組み立てることができ、それによって次に両ステージは共に組み立てられる。代替として、第2のステージ6.2は、第1のステージ6.1に組み立てることができる。すなわち弁デバイス124及び調整器130が装備された、本体4の主部分18.4を組み立て、その後連続して本体18の端部分18.5及び18.6を組み立てることができる。
【0097】
上述の環状溶接作業は、回転ツールによって実現することができる。この回転ツールは、本体18の周りに取り付けられ、かつ溶接ヘッドを、組み立てる2つの本体部分間における接合部周りの外周に誘導するよう構成される。この溶接ヘッドは、本体を用いて電気アークを生成するよう設計される。上記の組み立て手順を参照して、本体部分は環状溶接によって共に組み立てられる。その一方で弁デバイス及び調整器は、本体18の主部分18.1及び18.4に、既に取り付けられている。したがって、特に非金属要素、すなわち座部26.1、ならびに第1のステージ6.1の弁デバイス24におけるガスケット26.2、及び第2のステージ6.2の弁デバイス124におけるガスケット128.3、を防護するために、溶接作業中に本体18に特別な冷却を提供することが、適切となる場合がある。この目的のため、図2で概略表わした冷却リング40を、本体18の主部分18.4または18.1の周りに、詳細には弁デバイス124または24の高さで、摺動させることができ、溶接中に発生した熱から弁デバイスを防護する。
【0098】
図2で明白であるように、本体18の主部分18.1及び18.4の各々は、その入口端部において、弁デバイス24または124の周りに形成された、円形溝18.1.1または18.4.1を示す。これらの溝18.1.1または18.4.1の各々は、弁デバイスの非金属要素の高さまたはレベルを越えて長手方向に延び、それによって隣接した端部分18.2または18,3の隣接接合部で発生した熱を、非金属要素を収容する中央部分18.1.2または18.1.2まで、半径方向に伝達させることができる。
【0099】
図3は、図1の圧力調整デバイスの、第2の実施形態の断面図である。図2における第1の実施形態の参照番号は、同じまたは対応した要素を指定するために使用され、これらの参照番号には200が加えられている。図2に関連したこれらの要素の説明が参照される。特有の参照番号が、特有の要素を指定するために使用される。
【0100】
図3の圧力調整デバイス206は、基本的に調整器230及び330の構造において、図2の圧力調整デバイス6とは異なる。固定された所定量のガスで事前に充填され、かつ図2の第1のステージ6.1におけるボール30.1.4のようなプラグで好ましくは確実に閉鎖された、封止されたチャンバを有する代わりに、調整器230及び330は、動作可能で、かつ横断方向好ましくは半径方向にポート240及び340それぞれの外まで通じたチャネル230.1.3及び330.1.3に位置された、プラグ230.1.4及び330.1.4によって封止される。ポート240及び340の各々は、調整器230または330のチャンバ内の圧力を調節するために、補助的ガスの外部源244に接続させることができ、その一方で対応したプラグ230.1.4または330.1.4は、係合ツール246を介して、対応したチャネル230.1.3または330.1.3を開放するよう操作される。一旦所望の圧力に達したら、次に対応したプラグ230.1.4または330.1.4は、対応したチャネル230.1.3または330.1.3を閉鎖するよう、さらに操作される。次に補助的ガスの外部源を、対応したポート240または340から接続解除することができる。
【0101】
上記の調節ソリューションは、図2の第1の実施形態におけるネジ36及び136に、基本的に取って代わり、調整器30及び130の固定部分30.1及び130.1の位置を調節する。
【0102】
調整器230及び330の固定部分230.1及び330.1は、本体218に堅固に固定され、例えば本体部分218.2及び218.4に直接的に形成される。しかし調整器の固定部分を、本体218とは別個にすることができる。
【0103】
例えば、プラグ230.1.4または330.1.4は全体的に、調整器230または330のチャンバと、ポート238または338との間のチャネル230.1.3または330.1.3に、位置される。これは、補助的ガスの外部源244、及び係合ツール246による圧力調節中に、係合ツール246が調節中に補助的ガスと接触することになり、そのためポート240または340と流体接続した外部源244の補助的ガス通路244.1に対して、ガス気密で接続する必要があることを意味する。係合ツール246と、外部源244の本体との間の回転するガス気密接続は、1つまたは複数のガスケット、またはツールの円筒表面部分の周りに取り付けられた封止部によって実現することができ、ガス気密封止を提供しながら、このツールの並進運動及び回転運動の組み合わせを可能にする。
【0104】
プラグ230.1.4または330.1.4は、チャネル230.1.3または330.1.3に形成された、対応した内側ネジ山と係合する、外側ネジ山部分230.1.4.1または330.1.4.1と、有利には円筒形で、かつチャンバ及びポート240または340に相互接続するチャネル230.1.3または330.1.3に形成された補助的座部と、ガス気密となるよう係合するよう構成された、ニードル部分230.1.4.2または330.1.4.2と、を備える。プラグ230.1.4または330.1.4は、ニードル部分230.1.4.2または330.1.4.2の反対側端部において、係合面230.1.4.3または330.1.4.3をさらに備え、係合ツール246をポート240または340の中に挿入することによって、係合ツール246に係合する。プラグ230.1.4または330.1.4は、ネジ山部分230.1.4.1または330.1.4.1と、円錐形ニードル部分230.1.4.2または330.1.4.2との間に、補助的ガスのための内部通路230.1.4.4または330.1.4.4を、さらに備えることができる。
【0105】
代替として、プラグ230.1.4.1または330.1.4.1は、調整器230または330のチャンバと、ポート240または340との間の、チャネル230.1.3または330.1.3に、一部のみ位置され得る。より詳細には、係合面230.1.4.3または330.1.4.3を、チャネル230.1.3または330.1.3の外側に流体的に位置させることができ、それによってプラグ230.1.4.1または330.1.4.1を、固定部分230.1もしくは330.1、または、チャネル230.1.3もしくは330.1.3を形成する第2のもしくは第4の本体部分218.2もしくは218.4に、ガス気密封止となるよう接続することができる。このような構成において、ツール244は、補助的ガスの外部源242の本体と、ガス気密接続である必要はない。
【0106】
防護キャップ242または342を、ポート240または340に設けることができ、それによってこのポートを閉鎖して、埃または異物がチャネル230.1.3または330.1.3に入るのを防止する。防護キャップ242または342は、プラスチック材料、または本体218の金属材料よりも柔軟な類似の材料、で作ることができる。
【0107】
図3で明白であるように、フィルタ248を、ガス入口220に設けることができ、それは例えば第1の本体部分218.1に形成される。フィルタ248を、例えば第2の本体部分218.2など、2つのステージ206.1及び206.2の間の、ガス通路222に設けることができる。フィルタ248を、例えば第4の本体部分218.4のガス出口238に、またはガス出口238の近くに、設けることもできる。フィルタ248は、対応した本体部分に圧入された、フリット材料で作ることができる。
【0108】
上述の圧力調整器206は、その調整器230及び330が、静止状態すなわちガス流量がない場合のみでなく、動的状態すなわちガス流量が出力されている場合でも、容易に制御及び調節できるという点で、特に有利である。
【0109】
明白であるように、本体218は、例えば第1の本体部分218.1など、ガス入口220に隣接した外面において、外側円形リング218.1.1を備えることができ、それは、動的調節ツールと係合されるよう設計され、このツールをガス入口220において本体218に対して押圧し、かつ、このガス入口と封止係合させることができる。
【0110】
上記で説明した圧力調整デバイス6及び206は、減圧条件で作動するよう構成でき、それは、ステージ6.1または206.1、及び6.2または206.2の内、少なくとも一方が、大気圧すなわち約1バールで正常に閉鎖されること、ならびに、閉鎖されたステージを開放するため、及びガスが送達され得るよう、出口における絶対圧が1バール未満、例えば0.9バール未満である必要があること、を意味する。
【0111】
上記で説明した圧力調整デバイス6及び206は、大気圧より大きい条件下、すなわち出口の圧力が1バールを超えた上限に達したときに、ガス通路を正常に開閉させて作動するようにも、構成することができる。
【0112】
上記で説明した圧力調整デバイス6公称外径は、25mm未満とすることができ、市販のガスシリンダにおけるほとんどのカラーの中に挿入するのを可能にする。
【0113】
上記で説明した圧力調整デバイス6は、二重ステージのものの代わりに、単一ステージのものとすることができる。
【0114】
上記で説明した圧力調整デバイス6及び206は、内部のもの、すなわちガスシリンダの内側に位置されるよう設計されたものの代わりに、外部のもの、すなわちガスシリンダの外側に位置されるように設計されたもの、とすることができる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】