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特表2023-550968冷凍粥キット及びこれを用いた粥の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-06
(54)【発明の名称】冷凍粥キット及びこれを用いた粥の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/10 20160101AFI20231129BHJP
   A23L 29/231 20160101ALI20231129BHJP
   A23L 29/269 20160101ALI20231129BHJP
   A23L 29/256 20160101ALI20231129BHJP
   A23L 29/238 20160101ALI20231129BHJP
   A23L 29/281 20160101ALI20231129BHJP
   A23L 23/00 20160101ALI20231129BHJP
   A23L 3/36 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
A23L7/10 B
A23L29/231
A23L29/269
A23L29/256
A23L29/238
A23L29/281
A23L23/00
A23L3/36 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531682
(86)(22)【出願日】2021-11-29
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 KR2021017757
(87)【国際公開番号】W WO2022114893
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0164991
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508139664
【氏名又は名称】シージェイ チェイルジェダン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CJ CHEILJEDANG CORPORATION
【住所又は居所原語表記】CJ Cheiljedang Center,330,Dongho-ro,Jung-gu,Seoul,Republic Of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヒ・ジョン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・ス・イム
(72)【発明者】
【氏名】ホン・ウク・パク
(72)【発明者】
【氏名】キ・ムン・カン
【テーマコード(参考)】
4B022
4B023
4B036
4B041
【Fターム(参考)】
4B022LA01
4B022LB01
4B022LN00
4B023LC07
4B023LE19
4B023LG01
4B023LK05
4B023LK08
4B023LP10
4B023LP15
4B036LF03
4B036LH13
4B036LH27
4B036LH29
4B036LH30
4B036LH32
4B036LH37
4B036LH38
4B036LK01
4B036LP01
4B036LP17
4B041LC10
4B041LD10
4B041LH02
4B041LH05
4B041LH07
4B041LH10
4B041LH16
4B041LK03
4B041LK17
4B041LK27
4B041LK28
4B041LK36
4B041LK50
4B041LP01
4B041LP16
(57)【要約】
本出願は、米粥ブロック及びソースブロックを含む冷凍粥キットとこれを用いた粥の製造方法に関する。本出願では、キットを解凍する簡単な過程を行うだけでも優れた品質の粥を手軽に製造することができ、消費者がキット内のブロックの種類と比率を調節することにより、料理に慣れていない者も困難なく嗜好に合う粥を製造することができるという長所がある冷凍粥キットを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ブロックとして米を含む少なくとも1つの冷凍された米粥ブロック;及び第2ブロックとしてソースを含む少なくとも1つの冷凍されたソースブロックを含む、冷凍粥キット。
【請求項2】
前記米粥ブロックは、米を22重量%から26重量%の含量で含むものである、請求項1に記載の冷凍粥キット。
【請求項3】
前記米粥ブロックは、冷凍されていない状態の米粥100gを対象としてボストウィック粘度計(Bostwick Consistometer)で測定した粘度が3.5cmから22cmであるものである、請求項1に記載の冷凍粥キット。
【請求項4】
前記米粥ブロックは、冷凍されていない状態において測定した水分含量が15%から25%であるものである、請求項1に記載の冷凍粥キット。
【請求項5】
前記米粥ブロックは、冷凍されていない状態において測定した固形分含量が75%から85%であるものである、請求項1に記載の冷凍粥キット。
【請求項6】
前記米粥ブロックは、冷凍されていない状態において測定した塩度が0.4%から0.5%であるものである、請求項1に記載の冷凍粥キット。
【請求項7】
前記米粥ブロックが冷凍されていない状態において、前記米粥ブロック内に含有される米粒を物性分析機(texture analyzer)で測定した硬度(hardness)は300から800であるものである、請求項1に記載の冷凍粥キット。
【請求項8】
前記ソースブロックは、野菜を40重量%から70重量%の含量で含むものである、請求項1に記載の冷凍粥キット。
【請求項9】
前記ソースブロックは、肉類又は海産物を50重量%から65重量%の含量で含むものである、請求項1に記載の冷凍粥キット。
【請求項10】
前記肉類又は海産物は、原物形態で含有されるものである、請求項9に記載の冷凍粥キット。
【請求項11】
前記ソースブロックは、ガム類を0.2重量%から1.3重量%の含量でさらに含むものである、請求項1に記載の冷凍粥キット。
【請求項12】
前記ガム類は、キサンタンガム、ペクチン、カラギナン、ゲランガム、ローカストビーンガム、グアーガム、寒天及びゼラチンからなる群から選択される少なくとも1つのものである、請求項11に記載の冷凍粥キット。
【請求項13】
前記ソースブロックは、冷凍されていない状態のソース100gを対象としてボストウィック粘度計((Bostwick Consistometer)で測定した粘度が6cmから9cmであるものである、請求項11に記載の冷凍粥キット。
【請求項14】
前記ソースブロックは、デンプンを1.5重量%から5重量%の含量でさらに含むものである、請求項1に記載の冷凍粥キット。
【請求項15】
前記冷凍された米粥ブロック及び冷凍されたソースブロックのうち少なくとも1つは、表面に溝又は孔が形成されたものである、請求項1から14のいずれか一項に記載の冷凍粥キット。
【請求項16】
前記溝は、ブロックの一方面に柱形態で形成されたものであり、前記孔は、ブロックを貫いて形成されたものである、請求項15に記載の冷凍粥キット。
【請求項17】
前記冷凍された米粥ブロックの個数及び冷凍されたソースブロックの個数は、5:5から9:1の比率であるものである、請求項1から14のいずれか一項に記載の冷凍粥キット。
【請求項18】
請求項1に記載の冷凍粥キットを解凍する段階を含む、粥の製造方法。
【請求項19】
前記解凍する段階は、前記冷凍粥キットに水を添加する段階を含むものである、請求項18に記載の粥の製造方法。
【請求項20】
請求項18に記載の粥の製造方法で製造された粥。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、冷凍粥キット及びこれを用いた粥の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のインスタント粥製品は、粥に含有される固形物を乾燥、粉末化した形態で製造されることによって、原料固有の組織感が損なわれて食感を含めた味品質が落ちるという短所があり、レトルト殺菌を介して製造された粥製品では熱処理工程による特有の異味、異臭が発生してやはり味品質を減少させるという問題点があった。また、従来のインスタント粥は、提供される粥の種類、味、そして量が定められているため、これを購入した消費者は、製造者が意図した形態の粥のみを作って食べなければならなかった。
【0003】
冷凍粥又はインスタント粥に関し、韓国公開特許第2018-0099971号公報では、冷凍包装粥の製造方法に対して開示するとともに、半調理された米飯と野菜のかやく、ソースなどを混合して密封後、急速冷凍させた形態の冷凍包装粥を開示しており、韓国公開特許第2019-0065550号公報では、米を熱風乾燥させて粉砕した乾燥粥に基づいて牛乳などの成分を添加したアイスクリーム形態の冷凍粥を開示している。
【0004】
しかし、冷凍粥を製造するのに際し、冷凍粥のベースとなる米粥を凍結させてブロック化し、野菜、肉類、海産物などの原料とソースをブロック化してこれらの組み合わせをキット化することにより、粥原料の組織感は維持しつつも消費者が粥の味と種類、そして量を嗜好に合わせて手軽に変更して粥を製造し食べることができるように作られた冷凍粥キットに対しては、全く研究されたり製品化して発売開始されたことがない。よって、本出願の発明者は、冷凍された米粥ブロックとソースブロックを共に含ませて新たな形態の冷凍粥キットを構成し、各ブロック内の成分を調節することにより、製造効率に優れつつも高品質の粥を製造することができる本出願の冷凍粥キットを完成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願は、大量生産時にも一定の品質で製造することができる、冷凍粥キットを提供することを目的とする。
【0006】
また、本出願は、前記のようなキットを用いて、料理に慣れていない者も一定の品質の粥を手軽に製造することができ、多様な味の粥を製造することができる、冷凍粥キットを提供することを目的とする。
【0007】
また、本出願は、前記のようなキットを用いて手軽く高品質の粥を製造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、本出願は、前記方法を介して製造される粥を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願の一様態は、前記目的を達成するために、第1ブロックとして米を含む少なくとも1つの冷凍された米粥ブロック;及び第2ブロックとしてソースを含む少なくとも1つの冷凍されたソースブロックを含む、冷凍粥キットを提供する。
【0010】
本出願の他の一様態は、前記目的を達成するために、請求項1の冷凍粥キットを解凍する段階を含む、粥の製造方法を提供する。
【0011】
本出願の他の一様態は、前記目的を達成するために、前記粥の製造方法で製造された粥を提供する。
【0012】
以下、本出願に対して詳細に説明する。
【0013】
本出願の一様態は、冷凍粥キットを提供する。
【0014】
前記冷凍粥キットは、第1ブロックとして米を含む少なくとも1つの冷凍された米粥ブロック;及び第2ブロックとしてソースを含む少なくとも1つの冷凍されたソースブロックを含む。
【0015】
本出願の冷凍粥キットは、半調理された粥組成物を冷凍ブロック状態で含むことにより、これを解凍させる簡単な過程だけでも粥専門店で製造/販売するものと類似の品質の粥を具現することができるので、誰でも手軽に高品質の粥を作って食べることができるという長所がある。また、前記冷凍粥キットは、一定の量に画一化された冷凍ブロックを1つ以上含むことにより、料理に慣れていない者も困難なくブロックの量と比率を調節して望む味と品質の粥を製造することができ、粥の原料の量を個別に測量して正確な量だけ配合、添加する過程が省略できるという効果がある。そして、冷凍粥キットに含まれるブロックの個数、比率及びブロックの種類を変更することにより、最終的に製造しようとする粥の種類を容易に変更することができる。すなわち、粥の製造に基本となる米粥ブロックに基づいてソースブロックの種類を変更することにより、本出願の冷凍粥キットは、多様な種類の粥を提供することができる可能性がある。
【0016】
前記冷凍された米粥ブロックは、米を含む粥製造用組成物が半調理又は調理された後でブロック形態に冷凍されたものであってよい。具体的に、前記冷凍された米粥ブロックは、米を含めた米粥原料と水を混合した後で加熱しつつ撹拌させた後、冷凍させてブロック形態に製造したものであってよい。
【0017】
前記米は、その種類に関係なく、通常、粥の製造に用いられる米であればいずれも用いられてよく、例えば、ジャポニカ又はインディカ品種の米であってよいが、これに制限されるものではない。また、前記米は、うるち米、もち米又はこれらの組み合わせであってよい。前記うるち米は、このデンプン成分がアミロース、アミロペクチンであるものであってよく、前記もち米は、このデンプン成分がアミロペクチンであるものであってよい。前記もち米は、うるち米と比較して、これを炊飯したときにご飯の粘りがより多く表れるものであってよい。
【0018】
前記米粥ブロックは、米を22重量%から26重量%の含量で含むものであってよい。具体的に、前記米は、22重量%、22.5重量%、23重量%、23.5重量%及び24重量%から選択された1つの下限線、及び/又は26重量%、25.5重量%、25重量%、24重量%及び24.5重量%から選択された1つの上限線で構成された範囲の含量で米粥ブロックに含有されてよい。例えば、22重量%から26重量%、22.5重量%から25.5重量%、23重量%から25重量%、22.5重量%から25重量%、23重量%から25.5重量%、23重量%から24.5重量%、23.5重量%から25重量%、24重量%から25重量%、24重量%から24.5重量%又は24.5重量%から25重量%の含量で含有されてよい。米粥ブロックに含有される米の含量が前記範囲の通りである場合、冷凍されていない状態の米粥内で米粒が過度に沈まないので分散性が良く、食べるのに適当な粘性を有しつつも粘性が高すぎないため、前記米粥を冷凍する前の枠に充填する過程に困難さがないので、製造効率が高くなるという効果がある。
【0019】
前記米粥ブロックは、もち米を0重量%から10重量%の含量;うるち米を10重量%から20重量%の含量で含むものであってよい。具体的に、前記もち米は、前記米粥ブロックに0重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%及び6重量%から選択された1つの下限線、及び/又は10重量%、9.5重量%、9重量%、8.5重量%、8重量%、7重量%、6.5重量%及び6重量%から選択された1つの上限線で構成された範囲の含量で含有されてよい。例えば、0重量%から10重量%、0.5重量%から9.5重量%、1重量%から9重量%、2重量%から8.5重量%、3重量%から8重量%、4重量%から7重量%、5重量%から6.5重量%、6重量%から6.5重量%又は5重量%から6重量%の含量で含有されてよい。また、前記うるち米は、前記米粥ブロックに10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%及び16重量%から選択された1つの下限線、及び/又は20重量%、19重量%、18重量%、17重量%及び16重量%から選択された1つの上限線で構成された範囲の含量で含有されてよい。例えば、10重量%から20重量%、11重量%から20重量%、12重量%から20重量%、13重量%から19重量%、14重量%から19重量%、15重量%から19重量%、16重量%から19重量%、17重量%から18重量%、15重量%から17重量%又は16重量%から17重量%の含量で含有されてよい。
【0020】
前記米粥ブロックは、精製塩、ゴマ油及び変性デンプンからなる群から選択される少なくとも1つをさらに含むものであってよい。
【0021】
前記米粥ブロックは、冷凍されていない状態において測定した粘度が0.5cmから22cmであるか、又は3.5cmから22cmであるものであってよい。具体的に、前記粘度は、冷凍されていない状態の米粥100gを対象としてボストウィック粘度計(Bostwick Consistometer)で測定したものであってよく、前記粘度数値は、前記ボストウィック粘度計に冷凍されていない状態の米粥100gを投入して15秒間移動した距離で測定されるものであってよい。前記粘度は、粘度計の傾斜面を同一の時間の間移動した距離で測定されるので、粘性が高いほど前記粘度値は小さく測定される。前記粘度は、0.5cm、1cm、1.5cm、2cm、2.5cm、3cm、3.5cm、3.8cm、3.9cm、4.0cm、4.5cm、5.0cm、5.5cm、6.0cm、6.5cm、7.0cm、7.5cm及び8.0cmから選択された1つの下限線、及び/又は22cm、21.5cm、21cm、20cm、18cm、16cm、15cm、14cm、13cm、12cm、11cm及び10cmから選択された1つの上限線で構成された範囲であってよい。例えば、前記粘度は、3.5cmから22cm、3.8cmから21.5cm、4.0cmから20cm、4.0cmから18cm、4.5cmから16cm、5.0cmから15cm、5.0cmから13cm、5.0cmから11cm又は5.0cmから10cmであってよい。冷凍されていない状態の米粥ブロックの粘度が前記範囲である場合、米粥内で米粒が過度に沈まないので分散性が良く、食べるのに適当な粘性を有しつつも粘性が高すぎないため、前記米粥を冷凍する前の枠に充填する過程に困難さがないので、製造効率が高くなるという効果がある。本出願における「冷凍されていない状態」は、前記米粥ブロックを冷凍する以前の状態であってよく、調理前の冷凍米粥ブロックが解凍された状態であってよい。
【0022】
前記米粥ブロックは、冷凍されていない状態において測定した水分含量が15%から25%であるものであってよい。前記水分含量は、前記米粥ブロックを高温で乾燥させる前の質量と乾燥させた後の質量の差値を乾燥させる前の質量で割って百分率で計算されるものであってよく、例えば、前記乾燥は、105℃で20時間放置するものであってよい。具体的に、前記水分含量は、15%、16%、17%、18%、19%、19.5%、20%、20.5%及び21%から選択された1つの下限線、及び/又は25%、24.5%、24%、23.5%、23%、22.5%、22%、21.5%及び21%から選択された1つの上限線で構成された範囲であってよい。例えば、前記水分含量は、15%から25%、16%から24.5%、17%から24%、18%から23.5%、19%から23%、19.5%から22.5%、20%から22%、20.5%から21.5%、20.5%から21%又は21%から21.5%であってよい。本出願の冷凍粥キットに含まれる冷凍された米粥ブロックは、先に説明したものと同じ効果を示すものであって、前記米粥ブロックが冷凍されていない状態において水分含量を測定する場合、前記範囲の水分含量を有するものと測定され得る。また、前記米粥ブロックが前記範囲の水分含量を有するようになる場合、米粥が適切な粘性を有し得るようになり、好ましい粥の食感及び味を具現することができるという効果がある。
【0023】
前記米粥ブロックは、冷凍されていない状態において測定した固形分含量が75%から85%であるものであってよい。前記固形分含量は、100(%)から前記水分含量を引いた値で計算されるものであってよい。具体的に、前記固形分含量は、75%、75.5%、76%、76.5%、77%、77.5%及び78%から選択された1つの下限線、及び/又は85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78.5%及び78%から選択された1つの上限線で構成された範囲であってよい。例えば、前記固形分含量は、75%から85%、75.5%から84%、76%から83%、76.5%から82%、77%から81%、77.5%から80%又は78%から79%であってよい。本出願の冷凍粥キットに含まれる冷凍された米粥ブロックは、先に説明したものと同じ効果を示すものであって、前記米粥ブロックが冷凍されていない状態において固形分含量を測定する場合、前記範囲の固形分含量を有するものと測定され得る。また、前記米粥ブロックが前記範囲の固形分含量を有するようになる場合、米粥が適切な粘性を有し得るようになり、好ましい粥の食感及び味を具現することができるという効果がある。
【0024】
前記米粥ブロックは、冷凍されていない状態において測定した塩度が0.4%から0.5%であるものであってよい。具体的に、前記塩度は、0.4%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%及び0.45%から選択された1つの下限線、及び/又は0.5%、0.49%、0.48%、0.47%、0.46%及び0.45%から選択された1つの上限線で構成された範囲であってよい。例えば、前記塩度は、0.4%から0.5%、0.41%から0.49%、0.42%から0.48%、0.43%から0.47%、0.44%から0.46%、0.44%から0.45%又は0.45%から0.46%であってよい。本出願の冷凍粥キットに含まれる冷凍された米粥ブロックは、先に説明したものと同じ効果を示すものであって、前記米粥ブロックが冷凍されていない状態において塩度を測定する場合、前記範囲の塩度を示すものと測定され得る。また、前記米粥ブロックが前記範囲の塩度を示す場合、好ましい粥の味を具現することができるという効果がある。
【0025】
前記米粥ブロックが冷凍されていない状態において、前記米粥ブロック内に含有される米粒を物性分析機(texture analyzer)で測定した硬度(hardness)は、300から800であるものであってよい。具体的に、前記米粥ブロック内に含有される米粒の硬度は、300、350、400、450、460、470、480、490、500、510、520、530、550、570、590及び600から選択された1つの下限線、及び/又は800、790、780、770、760、750、720、700、680、660及び650から選択された1つの上限線で構成された範囲であってよい。例えば、前記硬度は、450から800、460から790、480から780、500から750、530から700、550から680、570から660又は600から650であってよい。粥に含有される米粒の硬度は、粥の食感に重要な役割を及ぼす物性であって、米粥ブロックに含有される米粒の硬度が前記範囲である場合、前記米粥ブロックを含む冷凍粥キットから製造される粥の食感に優れ、消費者の嗜好度に合致することができるという効果がある。
【0026】
また、前記米粥ブロック内の米粒の硬度は、本出願の冷凍粥キットを解凍して粥を製造したとき、これに含有される米粒で表れる硬度より180から220さらに大きい硬度値を有するものであってよく、具体的に、190から210又は200さらに大きい硬度値を有するものであってよい。よって、最終粥製品で具現しようとする好ましい食感を考慮して粥に含有される米粒の硬度を設定し、これにより米粥ブロックを製造するときに米粥に含有される米粒の硬度を設定することにより、具現しようとする品質の粥を製造することができる冷凍粥キットを構成することができる。
【0027】
前記冷凍されたソースブロックは、野菜、肉類及び海産物からなる群から選択される少なくとも1つを含有することができるが、これに限定されるものではない。最終的に製造しようとする粥の種類に応じて、前記ソースブロックに含有される原料の種類は多様に用いられてよく、前記ソースブロックは、前記野菜、肉類、海産物などの他にも多様な種類の調味ソースを含有することができる。前記野菜は、例えば、ニンジン、タマネギ、ズッキーニ、ブロッコリー、キノコ、ジャガイモなどであってよいが、これに制限されるものではなく、通常、粥の製造に用いられる野菜材料は制限なく用いられてよい。前記肉類は、例えば、鶏肉、鴨肉、豚肉、牛肉、七面鳥肉、羊肉などであってよく、前記海産物は、例えば、アワビ、イカ、タコ、イイダコ、エビ、カニ、貝のむき身、タラ、メンタイ、イシモチ、サバ、サワラ、サンマなどであってよいが、これに制限されるものではなく、通常、粥の製造に用いられる肉類又は海産物材料は制限なく用いられてよい。前記ソースブロックが前記のような野菜を含む場合、前記ソースブロックを含む冷凍粥キットは、野菜粥を提供するためのキットであってよい。しかし、野菜は、野菜粥以外に他の種類の粥にも広く用いることができる材料なので、他の粥を製造するためのキットに含まれるソースブロックもやはり野菜を含有し得る。前記ソースブロックは、前記野菜、肉類、海産物などを1つのブロック内に含有するものであってもよく、前記野菜、肉類及び海産物のうちいずれか1つのみを含有するものであってもよい。そして、本出願の冷凍粥キットには、互いに異なる原料が含有されたソースブロックが含まれてよい。例えば、最終的に製造しようとする粥に野菜及び肉類がいずれも含有されるのであれば、前記冷凍粥キットは、野菜を含有するソースブロック及び肉類を含有するソースブロックをいずれも含むことができ、粥の種類に応じて多様な原料を含むソースブロックを多様な組み合わせで含むことができる。
【0028】
前記ソースブロックは、調味ソースをさらに含むものであってよい。前記調味ソースは、製造しようとする粥の種類に応じて多様に適用されてよい。
【0029】
前記ソースブロックが野菜を含む場合、前記ソースブロックは、前記野菜を水洗、切断、破砕、圧片、加熱、ブランチングなどで前処理した後、調味ソース及び/又は水と混合してから加熱しつつ撹拌させた後、冷却させてブロック形態に製造したものであってよい。例えば、前記野菜は、一定の大きさに切断して含有されてよく、具体的に、5mmから10mmの大きさに切断して含有されてよい。また、前記ブランチングは、80℃から90℃の温度で5分から10分間加熱して行われるものであってよい。前記のような過程を経て製造されたソースブロックは、野菜の原物感が生きているため、最終粥製品における野菜の食感に優れ、野菜の発色、微生物安定性などが確保され得るという長所がある。
【0030】
前記ソースブロックは、野菜を40重量%から70重量%の含量で含有するものであってよい。具体的に、前記野菜は、前記ソースブロックに40重量%、42重量%、45重量%、47重量%、50重量%、52重量%及び55重量%から選択された1つの下限線、及び/又は70重量%、68重量%、65重量%、63重量%、60重量%、58重量%及び55重量%から選択された1つの上限線で構成された範囲の含量で含有されてよい。例えば、40重量%から70重量%、42重量%から68重量%、45重量%から65重量%、47重量%から63重量%、50重量%から60重量%、52重量%から58重量%、52重量%から55重量%又は55重量%から58重量%の含量で含有されてよい。
【0031】
前記ソースブロックは、肉類又は海産物を50重量%から65重量%の含量で含むものであってよい。具体的に、前記肉類又は海産物は、前記ソースブロックに50重量%、52重量%、55重量%及び57重量%から選択された1つの下限線、及び/又は65重量%、63重量%、60重量%及び58重量%から選択された1つの上限線で構成された範囲の含量で含有されてよい。例えば、50重量%から65重量%、52重量%から63重量%、55重量%から60重量%又は57重量%から68重量%の含量で含有されてよい。
【0032】
前記肉類又は海産物は、前記ソースブロックに原物形態で含有されるものであってよい。前記原物形態で含有されるとのことは、肉類又は海産物原料が固有の形態を維持して含有されることを意味し、例えば、前記肉類又は海産物が小さく砕かれて含有されないものである。前記肉類又は海産物が原物形態でソースブロックに含有される場合、これを介して製造された粥を摂取するとき肉類又は海産物原料の食感をそのまま維持することができるので、通常の料理方法を介して製造された粥に含有される肉類、海産物と類似の食感を表すことができるという長所がある。
【0033】
前記ソースブロックは、ガム類、デンプン又はこれらの組み合わせをさらに含むものであってよい。前記ガム類及びデンプンは、前記ソースブロックに含有される成分が過度に沈まないようにして分散性を向上させる効果を奏することができ、これにより、ソースブロックの製造において冷凍前に枠に充填されるとき、ソースブロックに含有される成分が各ブロックに均一に含有され得る。また、前記ガム類及びデンプンは、ソースブロックの粘性を適切に調節してソースの充填を容易にし、最終粥製品の粘性もやはり摂取するのに適切な水準に調節され得るようにするという効果がある。
【0034】
前記ソースブロックは、ガム類を0.2重量%から1.3重量%の含量でさらに含むものであってよい。具体的に、前記ガム類は、前記ソースブロックに 0.2重量%、0.3重量%、0.5重量%、0.6重量%及び0.7重量%から選択された1つの下限線、及び/又は1.3重量%、1.2重量%、1.0重量%、0.9重量%及び0.8重量%から選択された1つの上限線で構成された範囲の含量で含有されてよい。例えば、0.2重量%から1.3重量%、0.3重量%から1.2重量%、0.5重量%から1.0重量%、0.6重量%から0.9重量%又は0.7重量%から0.8重量%の含量で含有されてよい。ソースブロックにガム類を前記範囲で添加すると、少ない添加量でもソースブロック内の固形分の分散性を向上させることにより、ソースブロックの大量生産時にも一定の品質のソースブロックを製造することができ、ガム類を前記範囲の含量で含有するソースブロックを用いて官能的に優れた品質の粥を製造することができる。
【0035】
前記ガム類は、キサンタンガム、ペクチン、カラギナン、ゲランガム、ローカストビーンガム、グアーガム、寒天及びゼラチンからなる群から選択される少なくとも1つであってよい。具体的に、前記ガム類は、キサンタンガム、ペクチン又はカラギナンであってよく、さらに具体的に、前記ガム類は、キサンタンガム、ペクチン及びカラギナンの組み合わせであってよい。また、前記キサンタンガムの代わりにゲランガム、ローカストビーンガム、グアーガム又はこれらの組み合わせを用いてよく、前記ペクチンの代わりに寒天を用いてよく、前記カラギナンの代わりにゼラチンを用いてよいが、これに制限されるものではない。
【0036】
前記ソースブロックは、デンプンを1.5重量%から5重量%の含量でさらに含むものであってよい。具体的に、前記デンプンは、前記ソースブロックに1.5重量%、1.7重量%、2重量%、2.3重量%、2.5重量%、2.7重量%、3重量%、3.2重量%、3.5重量%及び3.7重量%から選択された1つの下限線、及び/又は5重量%、4.8重量%、4.5重量%、4.2重量%及び4重量%から選択された1つの上限線で構成された範囲の含量で含有されてよい。例えば、2.5重量%から5重量%、2.7重量%から4.8重量%、3重量%から4.5重量%、3重量%から4.2重量%、3.2重量%から4.2重量%、又は3.5重量%から4重量%の含量で含有されてよい。
【0037】
前記ソースブロックは、冷凍されていない状態において測定した粘度が2cmから18cmであるものであってよい。具体的に、前記粘度は、冷凍されていない状態のソース100gを対象としてボストウィック粘度計(Bostwick Consistometer)で測定したものであってよく、前記粘度数値は、前記ボストウィック粘度計に冷凍されていない状態のソース100gを投入して15秒間移動した距離で測定されるものであってよい。前記粘度は、粘度計の傾斜面を同一の時間の間移動した距離で測定されるので、粘性が高いほど前記粘度値は小さく測定される。前記粘度は、2cm、3cm、4cm、5cm、6cm、7cm、7.2cm、7.5cm、7.7cm、8cm、8.2cm、8.5cm、8.7cm及び9cmから選択された1つの下限線、及び/又は18cm、17cm、16cm、15cm、14.8cm、14.5cm、14cm、13.5cm、13cm、12.5cm、12cm、12.5cm、12cm、11.5cm及び11cmから選択された1つの上限線で構成された範囲であってよい。例えば、前記粘度は、7cmから15cm、7.5cmから14cm、8cmから13.5cm、8.2cmから13cm、8.5cmから12.5cm、8.7cmから12cm、9cmから11.5cm又は9cmから11cmであってよい。また、前記ソースブロックがガム類を含む場合、前記ソースブロックは、冷凍されていない状態において測定した粘度が6cmから9cmの範囲であってよく、具体的に6.2cmから9cm、6.5cmから9cm、7cmから8.8cm、7.2cmから8.5cm、7.5cmから8cm又は7.6cmから7.9cmであってよく、このとき、前記ソースブロックはデンプンを含まないものであってよい。
【0038】
冷凍されていない状態のソースブロックの粘度が前記範囲である場合、ソース内で固形分が過度に沈まないので分散性が良く、食べるのに適当な粘性を有しつつも粘性が高すぎないため、前記ソースを冷凍する前の枠に充填する過程に困難さがないので、製造効率が高くなるという効果がある。
【0039】
前記ソースブロックは、冷凍されていない状態において測定した水分含量が87%から94%であるものであってよい。前記水分含量は、前記ソースブロックを高温で乾燥させる前の質量と乾燥させた後の質量の差値を乾燥させる前の質量で割って百分率で計算されるものであってよく、例えば、前記乾燥は、105℃で20時間放置するものであってよい。具体的に、前記水分含量は、87%、88%、89%、89.5%及び90%から選択された1つの下限線、及び/又は94%、93%、92%、91.5%及び91%から選択された1つの上限線で構成された範囲であってよい。例えば、前記水分含量は、87%から94%、88%から93%、89%から92%、89.5%から91.5%又は90%から91%であってよい。本出願の冷凍粥キットに含まれる冷凍されたソースブロックは、先に説明したものと同じ効果を示すものであって、前記ソースブロックが冷凍されていない状態において水分含量を測定する場合、前記範囲の水分含量を有するものと測定され得る。また、前記ソースブロックが前記範囲の水分含量を有するようになる場合、ソースが適切な粘性を有し得るようになり、好ましい粥の食感及び味を具現することができるという効果がある。
【0040】
前記ソースブロックは、冷凍されていない状態において測定した固形分含量が6%から13%であるものであってよい。前記固形分含量は、100(%)から前記水分含量を引いた値で計算されるものであってよい。具体的に、前記固形分含量は、6%、7%、8%、8.5%及び9%から選択された1つの下限線、及び/又は13%、12%、11.5%、11%及び10%から選択された1つの上限線で構成された範囲であってよい。例えば、前記固形分含量は、6%から13%、7%から12%、8%から11%、8.5%から10.5%又は9%から10%であってよい。本出願の冷凍粥キットに含まれる冷凍されたソースブロックは、先に説明したものと同じ効果を示すものであって、前記ソースブロックが冷凍されていない状態において固形分含量を測定する場合、前記範囲の固形分含量を有するものと測定され得る。また、前記ソースブロックが前記範囲の固形分含量を有するようになる場合、ソースが適切な粘性を有し得るようになり、好ましい粥の食感及び味を具現することができるという効果がある。
【0041】
前記ソースブロックは、冷凍されていない状態において測定した塩度が1.3%から1.8%であるものであってよい。具体的に、前記塩度は、1.3%、1.35%、1.4%、1.45%及び1.5%から選択された1つの下限線、及び/又は1.8%、1.75%、1.7%、1.65%、1.6%及び1.55%から選択された1つの上限線で構成された範囲であってよい。例えば、前記塩度は、1.3%から1.8%、1.35%から1.75%、1.4%から1.7%、1.45%から1.65%、1.45%から1.6%、1.45%から1.55%又は1.5%から1.55%であってよい。本出願の冷凍粥キットに含まれる冷凍されたソースブロックは、先に説明したものと同じ効果を示すものであって、前記ソースブロックが冷凍されていない状態において塩度を測定する場合、前記範囲の塩度を示すものと測定され得る。また、前記ソースブロックが前記範囲の塩度を示す場合、好ましい粥の味を具現することができるという効果がある。
【0042】
前記冷凍された米粥ブロック及び冷凍されたソースブロックのうち少なくとも1つは、表面に溝又は孔が形成されたものであってよい。前記溝及び/又は孔が形成されたブロックは、本出願の粥キットを解凍する過程において食べることができる粥の性状に溶けるまでにかかる時間が短縮される効果があり、表面積対比調理時間の短縮率が高いことがある。
【0043】
前記溝は、ブロックを貫通しないものであってよい。また、前記溝は、ブロックの一方面に柱形態で形成されたものであってよく、例えば、半円柱又は六角柱形態で形成されたものであってよいが、これに制限されるものではなく、前記溝が存在するブロックの一面が終わる一方の末端から他方の末端まで溝がつながった形態であってよい。前記溝は、一方面に複数個存在するか、複数の面に存在するものであってよい。また、複数個の溝が一方面に交差して形成されてよい。
【0044】
前記溝の体積は、全ブロック体積を基準として2%から20%であってよい。具体的に、前記溝の体積は、全ブロック体積を基準として2.5%から18%、3%から17%、3.5%から15%、4%から13%、4.5%から12.5%又は5%から12%であってよいが、これに制限されるものではない。ブロックに形成される溝の体積が前記範囲である場合、調理時間の短縮効果が充分に示されつつも溝の形成によるブロックの割れ現象がないので、冷凍ブロックの形態維持が可能であるという長所がある。また、前記溝は、例えば、深さが1cmから3cmであるものであってよく、前記溝が半円柱形態である場合、直径0.4cmから0.6cmの半円柱であってよいが、これに制限されるものではない。本出願の具体的な実施例では、横7cm、縦3cm、高さ2cmの六角柱形態のブロックに半径0.5cm、長さ(高さ)7cmの半円柱形態の溝を形成させた形態でブロックを製造し、これを加熱したとき調理時間が短縮する効果があることを確認した。
【0045】
前記孔は、ブロックを貫通して形成されたものであってよい。前記孔は、円柱、六角柱などの多様な形態で形成されてよく、ブロックの形状に応じて孔の形態も変わり得る。例えば、ブロックが直方体である場合、前記孔は、ブロックの平行な2つの面を貫通するものであってよい。前記孔は、ブロック内に複数個存在してよく、例えば2つであってよい。また、複数個の孔は、ブロックの一方面に全て存在するか、複数の面に存在してよく、ブロックを貫通する孔が交差して形成されてよい。前記孔は、例えば、半径0.4cmから0.6cmの円柱状であってよいが、これに制限されるものではなく、前記円柱の高さはブロックの大きさに応じて変わり得るが、例えば、1cmから3cmであってよい。
【0046】
前記冷凍された米粥ブロック及び冷凍されたソースブロックは、-160℃から-15℃の温度で20分から3時間の間冷凍されるものであってよい。具体的に、前記冷凍されたブロックは、-150℃から-15℃、-100℃から-17℃、-50℃から-17℃、-40℃から-18℃、又は-38℃から-18℃の温度で25分から2時間30分又は30分から2時間の間冷凍されるものであってよい。
【0047】
前記冷凍された米粥ブロックの個数及び冷凍されたソースブロックの個数は5:5から9:1の比率であってよい。本出願の冷凍粥キットは、複数個の米粥ブロック及び複数個のソースブロックを含むことができるが、前記米粥ブロック及びソースブロックの個数に応じて最終的に提供される冷凍粥の味、種類などが変わり得る。具体的に、前記冷凍された米粥ブロック及び冷凍されたソースブロックは、5:5から9:1、5.5:4.5から8.5:1.5、6:4から8:2、6.5:3.5から7.5:2.5、7:3から8:2又は6:3から7:3の比率で本出願の冷凍粥キットに含まれてよい。冷凍粥キットに前記のような範囲の比率で米粥ブロック及びソースブロックが含まれる場合、最終的に製造される粥の性状、味、食感、粘度、塩度などが適切な範囲で形成され、優れた品質の粥を製造することができる。
【0048】
本出願の冷凍粥キットは、包装材をさらに含むことができる。このとき、前記冷凍された米粥ブロック及び冷凍されたソースブロックは、前記包装材に充填された状態であってよい。
【0049】
本出願の他の一様態は、粥の製造方法を提供する。
【0050】
前記粥の製造方法は、前記冷凍粥キットを解凍する段階を含む。前記冷凍粥キットに関する説明は、先に説明したものと同一である。前記冷凍粥キットで提供しようとする粥の種類に応じて、前記製造方法を介して製造される粥の種類も変わり得る。
【0051】
前記解凍する段階は、前記冷凍粥キットを常温で解凍するか、加熱して解凍するものであってよい。また、前記解凍する段階は、前記冷凍粥キットに水を添加する段階をさらに含むことができる。水を添加した後、常温で放置して解凍することもでき、又は水を添加した後に加熱して解凍することもできる。前記冷凍粥キットを加熱することは、その方法に制限されないが、例えば、前記冷凍粥キット内に含有された米粥ブロック及びソースブロックを加熱用容器に移し替えて加熱することであってよく、前記米粥ブロック及びソースブロックが包装材に充填された状態で加熱することであってよい。また、前記加熱は、電子レンジ又はガスレンジを用いて加熱することであってよい。
【0052】
前記冷凍粥キットに水を添加する段階は、キットに含まれる総ブロック100重量部に対して、水を10から45重量部添加するものであってよく、具体的に、11から42重量部、12から40重量部、15から35重量部、20から30重量部、12から25重量部、13から24重量部、25から45重量部、27から42重量部又は30から40重量部の水を添加するものであってよい。また、前記水を添加する段階は、加熱方式によって添加される水の量が変わり得るところ、電子レンジを用いて加熱する場合、キットに含まれる総ブロック100重量部に対して10から25重量部の水を添加してよく、ガスレンジを用いて加熱する場合、キットに含まれる総ブロック100重量部に対して27から42重量部の水を添加してよい。前記範囲の水を添加する場合、解凍した後、粥が好ましい粘性を有するようになって優れた食感の粥を製造することができるという長所があり、水分含量、固形分含量、塩度などが適切に調節されて味品質に優れた粥を製造することができる。
【0053】
例えば、前記冷凍粥キットを電子レンジを用いて加熱する場合、総ブロック300g基準であるとき、40から70gの水を添加した後、700W基準で5から8分加熱して解凍することができる。一方、加熱用容易に移し替えてガスレンジなどで加熱する場合、総ブロック300g基準であるとき、90から120gの水を添加した後、強火を基準で4から7分加熱して解凍することができる。前記条件及び範囲で解凍させると、冷凍粥キット内の冷凍ブロックを全て解凍させることができ、好ましい粥の食感を具現することができる。
【0054】
本出願の粥の製造方法は、冷凍粥キットを解凍する簡単な過程だけ行うとしても、粥専門店で製造/販売するのと同一の水準の粥を容易に製造することができるという長所があり、料理に慣れていない者でも高品質の粥を困難なく製造することができる。
【0055】
本出願の他の一様態は、粥を提供する。
【0056】
前記粥は、前記粥の製造方法によって製造されるものであり、前記冷凍粥キットを解凍する段階を経て製造されてよい。よって、前記冷凍粥キットで提供しようとする粥の種類に応じて、前記粥の種類も変わり得る。前記冷凍粥キットに関する説明は、先に説明したものと同一である。
【0057】
前記粥は、野菜粥、キノコ粥、アワビ粥、海産物粥、小豆粥、カボチャ粥などであってよいが、これに制限されるものではなく、前記冷凍粥キットに含まれるソースブロックに含有される原料の種類に応じて、前記粥の種類は多様となり得る。
【0058】
前記粥の粘度は、3cmから5cmであってよい。具体的に、前記粘度は、粥100gを対象としてボストウィック粘度計(Bostwick Consistometer)で測定したものであってよく、前記粘度数値は、前記ボストウィック粘度計に冷凍されていない状態の粥100gを投入して15秒間移動した距離で測定されるものであってよい。前記粘度は、粘度計の傾斜面を同一の時間の間移動した距離で測定されるので、粘性が高いほど前記粘度値は小さく測定される。前記粘度は、3cm、3.2cm、3.5cm、3.7cm及び4cmから選択された1つの下限線、及び/又は5cm、4.8cm、4.5cm、4.2cm及び4cmから選択された1つの上限線で構成された範囲であってよい。例えば、前記粘度は、3cmから5cm、3.2cmから4.8cm、3.5cmから4.5cm、3.7cmから4.3cm、4cmから4.3cm又は3.7cmから4cmであってよい。
【0059】
前記粥は、水分含量が80%から90%であるものであってよい。前記水分含量は、前記粥を高温で乾燥させる前の質量と乾燥させた後の質量の差値を乾燥させる前の質量で割って百分率で計算されるものであってよく、例えば、前記乾燥は、105℃で20時間放置するものであってよい。具体的に、前記水分含量は、80%、81%、82%、83%、84%、84.5%及び85%から選択された1つの下限線、及び/又は90%、89%、88%、87%、86%、85.5%及び85%から選択された1つの上限線で構成された範囲であってよい。例えば、前記水分含量は、80%から90%、81%から89%、82%から88%、83%から87%、84%から86%、84.5%から85.5%、85%から86%又は84%から85%であってよい。
【0060】
前記粥は、固形分含量が12%から17%であるものであってよい。前記固形分含量は、100(%)から前記水分含量を引いた値で計算されるものであってよい。具体的に、前記固形分含量は、12%、12.5%、13%、13.5%、14%及び14.5%から選択された1つの下限線、及び/又は17%、16.5%、16%、15.5%、15%及び14.5%から選択された1つの上限線で構成された範囲であってよい。例えば、前記固形分含量は、12%から17%、12.5%から16.5%、13%から16%、13.5%から15.5%、14%から15%、14.5%から15%又は14%から14.5%であってよい。
【0061】
前記粥に含有される米粒を物性分析機(texture analyzer)で測定した硬度(hardness)は、250から600であってよい。具体的に、前記米粥ブロック内に含有される米粒の硬度は、250、260、270、280、290、300、310、320、330、350、370、390及び400から選択された1つの下限線、及び/又は600、590、580、570、560、550、520、500、480、460及び450から選択された1つの上限線で構成された範囲であってよい。例えば、前記硬度は、250から600、260から590、280から580、300から550、330から500、350から480、370から460又は400から450であってよい。
【0062】
本出願の粥の粘度、水分含量及び/又は固形分含量が前記範囲であるか、前記粥に含有される米の硬度が前記範囲である場合、前記粥は、食べるのに適切な性状を有するので、食感に優れて好ましい味品質が具現され得る。
【発明の効果】
【0063】
本出願は、冷凍粥キットに関し、これを解凍する簡単な過程だけでも粥を製造することができ、本出願においては、別途の調理過程を経なくとも摂取することができる粥を製造するための冷凍粥キットを提供する。前記冷凍粥キットを用いて製造される粥は、これに含有される肉類、海産物などの原料が材料本来の形態を維持することができるので食感に優れており、粥専門店で製造/販売するものと同一の水準の優れた品質を備えている。
【0064】
また、本出願の冷凍粥キットは、冷凍された米粥ブロック及びソースブロックを含んでいるところ、ソースブロックに含有される原料成分の差異に応じて野菜ソースブロック、肉類ソースブロック、海産物ソースブロックなどの多様な種類のソースブロックを組み合わせることができ、製造しようとする粥の種類に応じてキットを容易に構成することができる。そして、各ブロックの個数及び比率が調節された状態のキットで提供されることにより、料理に慣れていない者も計量したり原料を容量に合わせて混合したりする過程を経なくとも容易に高品質の粥を製造することができ、嗜好に応じて各ブロックの個数を調節することにより多様な味の粥を容易に作ることができるという長所がある。
【0065】
本出願の米粥ブロック及びソースブロックは、分散性及び粘性の改善された特徴があるので、これを製造する過程においてブロックに含有される原料成分が各ブロックに均一に含有されることができ、流動性が適切で充填効率にも優れている。
【0066】
ただし、本出願の効果は、前記で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は、下記の記載から当業者に明確に理解され得るはずである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】米粥ブロックに溝又は孔を形成したものであって、製造例2-1から2-4の米粥ブロックを示した図及び写真である。
図2】野菜を含むソースブロックにガム類又はデンプンを添加して製造した製造例3-1から製造例3-6のソースブロックの分散性を確認して撮影した写真である。
図3】ソースブロックに溝又は孔を形成したものであって、製造例4-1から4-4のソースブロックを示した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下、本出願を実施例により詳細に説明する。
【0069】
ただし、下記実施例は、本出願を具体的に例示するものであり、本出願の内容が下記実施例によって限定されない。
【0070】
[実施例1]
米粥ブロックの製造及びこの物性の確認
【0071】
本出願の冷凍粥キットに含まれ、全体の冷凍粥組成物においてベース粥の役割を担う米粥ブロックを製造し、この各種の理化学的特性を確認した。
【0072】
[1-1]米粥ブロックの製造
もち米及びうるち米を主原料とし、本出願の冷凍粥キットに含まれる米粥ブロックを製造した。このとき、米粥ブロック全体を基準としてこれに含有される米の含量が21%、23%、25%及び27%となるように、それぞれ製造例1-1から製造例1-4の米粥ブロックを製造した。製造例1-1から製造例1-4の米粥ブロックに含有される各成分の組成比は、下記表1に示した。
【0073】
具体的に、うるち米及びもち米を水洗して2時間水に浸漬させた後、水分を除去して下記表1による原料と混合した。そして、混合した原料を10分間90℃の温度で加熱しつつ撹拌させて粥の形態を作った後、直方体の枠にこれを充填し、-38℃から-18℃の温度で30分から2時間の間急速冷却させて冷凍された米粥ブロックを製造した。
【0074】
【表1】
【0075】
[1-2]米の含量による米粥の粘度の確認
粥の特性上、粘性は、粥の食感と味に影響を与えて品質を決定する主な要素となり得、粥の粘性は、冷凍ブロックを製造する過程において充填の容易性とも関連がある。よって、[実施例1-1]を介して製造した製造例1-1から製造例1-4の米粥を対象として粘度を測定した。
【0076】
前記表1によって配合された製造例1-1から製造例1-4の米粥を凍結させる前の状態において、各試料100gを対象としてボストウィック粘度計を用いて75℃で試料が15秒間移動した距離を測定することにより粘度を確認した。その結果、下記表2に示したように、米の含量が高い米粥であるほど、同一の時間の間移動した距離がより短くて粘度値がさらに小さく測定され、粘性がさらに大きいということを確認することができた。これは、米の含量が多いほどデンプン質の溶出量が増加することにより粘性がより強くなるためのものと予想される。
【0077】
【表2】
【0078】
米粥に含有される米の含量が23%よりさらに少ない場合(製造例1-1)には、粘性が小さくて米粒の分散性が低すぎに示され、米の含量が27%以上である場合(製造例1-4)、粘性が強すぎて流動性が落ち、米粥の充填に困難があって適合しないことを確認した。よって、米粥ブロックの製造において米の含量が22%~26%の範囲である場合、粘度範囲が約4cmから18cmと測定され、分散性と流動性がいずれも適切な米粥を製造できることを確認することができた。
【0079】
[1-3]米の含量による米粥の水分、固形分含量、塩度及び硬度の測定
前記[実施例1-2]を介して適切な粘性を有することを確認した製造例1-2及び1-3の米粥を対象として各種の理化学的特性を測定した。具体的に、米粥に含有される水分の含量、固形分含量及び塩度を測定し、米粥内の米粒の硬度を測定した。
【0080】
水分含量の場合、製造例1-2及び1-3の米粥試料7~8gを秤量皿に取ってドライオーブン(dry oven)を用いて測定した。試料が入っている皿を105℃で20時間放置した後、乾燥する前/後の質量を測定して減少する質量数値を水分量として測定した。すなわち、「水分含量(%)=100×(B-C)/(B-A)」の式を介して米粥に含有された水分含量を計算した(A:秤量皿の質量(g)、B:乾燥前の秤量皿と試料(米粥)の質量(g)、C:乾燥後の秤量皿と試料(米粥)の質量(g))。
【0081】
米粥に含有された固形分含量の場合、前記のように測定した水分含量の数値を用いて導出した。「固形分含量(%)=100-水分含量(%)」の式を介して米粥内の固形分含量を計算した。
【0082】
米粥の塩度を測定するために、製造例1-2及び1-3の米粥試料に10倍の水を加えた後、ミキサーでこれを均質化した。そして、塩度測定装置(Salt meter、ES-421、ATAGE社製)を用いて蒸留水で零点補正した後、前記均質化させた試料の塩度を測定した。
【0083】
【表3】
【0084】
前記のような方法を介して測定した本出願の米粥ブロックの水分含量、固形分含量及び塩度は、前記表3に記載した通りであり、塩度は類似に測定された。すなわち、米粥に含有される米の含量を22%から26%程度として米粥を製造する場合、前記表3のような特性を有する米粥が製造されることを確認することができた。
【0085】
一方、米粥の米粒の硬度は、物性分析機(TA-XT Plus Texture Analyzer、Stable Micro System社製)を用いて測定した。具体的に、製造例1-2及び1-3の米粥混合物を水で濯いだ後、これに含有された米粒試料7gを直径30mmである円筒状容器に均一に入れてから、前記物性分析機を介して次のような分析条件でこの硬度を測定した。
【0086】
<硬度測定の条件>
-プローブ(probe):直径が2cmである円筒状
-前記プローブが試料まで下がる速度(pre-test speed):5.00mm/sec
-前記プローブが前記サンプル表面に触れた後、前記試料に浸透して入って行く速度(test speed):5.0mm/sec
-前記プローブが前記試料を浸透した後、元の位置に戻る速度(post-test speed):5.0mm/sec
-前記プローブのターゲットモード(target mode):距離(distance)
-前記プローブが前記試料の表面を認識し、前記試料を貫通していく距離(distance):5.0mm
-前記プローブが前記試料を認識するための条件(trigger type):力(force)
-前記プローブが前記試料の存在を認識するための最小限の力(trigger force):10.0g
【0087】
前記のような条件で物性分析機の分析条件を設定して米粥内の米粒の硬度を測定し、同一の条件で総3回測定してその平均値を下記表4に示した。
【0088】
【表4】
【0089】
その結果、米粥に含まれる米の含量が高いほど米粒の硬度が低いものと測定された。すなわち、米粥に含有される米の含量を22%から26%程度として米粥を製造する場合、前記表4に記載された硬度数値を示す米粒を含む米粥が製造されることを確認することができた。製造例1-2の米粥の米粒が示す硬度は、多少硬い食感が感じられる程度であり、製造例1-3の米粥の米粒が示す硬度は、歯ごたえのある食感が感じられる程度であった。これは、米粥の原料配合後、撹拌の過程で米の含量が高いほど固形分の密度が高くなり、米粒子間の衝突現象又は摩擦頻度が高くなるのに応じて、組織内の水分浸透力が高くなり糊化が促進されるため、硬度が低くなるものと予想される。
【0090】
[実施例2]
冷凍された米粥ブロックの形状による調理所要時間の確認
【0091】
製造例1-2による配合比で製造された米粥を30gずつ枠に充填して急速冷凍することにより冷凍された米粥ブロックを製造し、このような米粥ブロックが粥の性状になるまで必要となる時間を測定することにより、表面積対比調理時間が短い場合は如何なる形状の冷凍ブロックであるのかを確認した。
【0092】
このとき、図1に示したように、米粥ブロックの表面に多様な形態で溝又は孔を形成することで4種の形状の米粥ブロックを製造した。表面に何等の処理もしていない直方体形状の米粥ブロック(製造例2-1)、直方体の片面に半径0.5cmである半円柱(half cylinder)形態に溝を作った形状の米粥ブロック(製造例2-2)、直方体の平行な2つの面を貫通する半径0.5cmの円柱形態に孔を開けた形状の米粥ブロック(製造例2-3)、及び前記製造例2-3の孔を2個開けた形状の米粥ブロック(製造例2-4)、このように4種の形状の米粥ブロックをそれぞれ7個ずつ製造した。
【0093】
30gずつ7個に製造された前記製造例2-1から2-4の冷凍米粥ブロックに精製水100gを投入することにより、冷凍されたブロックを溶かして食べることができる粥の性状になるようにし、このときまでかかる時間を測定して比較した(表5)。
【0094】
【表5】
【0095】
その結果、表面に溝や孔を何等作っていない直方体形状の製造例2-1の米粥ブロックの調理時間が最も長く、円柱状の孔を2個開けた形状の実施例2-4の米粥ブロックの調理時間が最も短かった。ところが、溝や孔を作る場合に発生する表面積の増加を考慮するとき、表面積増加率対比調理時間の減少率に最も優れているのは、製造例2-2の冷凍米粥ブロックであった。よって、直方体形状のブロックの一方の表面において半円柱形態に溝を作った形状の米粥ブロックが、水を添加した時に最も効率的に食べることができる粥の性状を示し得ることを確認することができた。
【0096】
[実施例3]
野菜含有ソースブロックの製造及びこの分散性、粘度の改善効果の確認
【0097】
[3-1]野菜含有ソースブロックの製造及びこの物性の確認
本出願の冷凍粥キットに含まれるソースブロックのうち野菜を含むソースブロックを製造し、この各種の理化学的特性を確認した。
【0098】
ニンジン、ズッキーニなどの野菜を主原料にして本出願の冷凍粥キットに含まれる野菜含有ソースブロックを製造した。固形分原料としてニンジン、タマネギ、ズッキーニ、ブロッコリー、キノコ及びジャガイモを用い、このような野菜を切断した後で沸騰している湯にブランチングした。全体100重量%に対して前記固形分原料は55重量%となるようにし、ここに液状原料(長ネギエキス、チキンストック、牛バラ肉濃縮液、ゴマ油及びオイスターソース)を6.3重量%、粉末原料(核酸調味料、精製塩及び野菜肉汁粉末)を2.04重量%、そして精製水を36.66重量%添加して配合した。混合した原料を10分間70℃の温度で加熱しつつ撹拌させて粥の形態を作った後、直方体の枠にこれを充填して急速冷却させて冷凍された野菜含有ソースブロック(製造例3-1)を製造した。
【0099】
また、前記製造例3-1の野菜含有ソースブロックを充填して冷却する以前の状態において、この水分含量、固形分含量及び塩度を測定した。前記[実施例1-3]において、前記物性を測定した方法と同一の方法を用いており、測定の結果を下記表6に示した。
【0100】
【表6】
【0101】
前記のような配合比により製造される野菜含有ソースブロックは、前記表6に記載されている通りの水分含量、固形分含量、そして塩度の数値を示すことを確認することができた。ところが、前記のように製造された野菜含有ソースは、これに含有される野菜固形分の分散性が均一ではなく、重力の影響を受けて野菜固形分が下に沈む傾向を見せた。
【0102】
[3-2]野菜含有ソースブロックの分散性及び粘度の改善
配合液内で固形分が重力の影響を受けて沈むことは自然な現象であるが、野菜含有ソースブロックを大量生産するために配合液を充填しようとする時には、固形分が沈む場合に野菜が各ブロックごとに均一に充填されないという問題点があり得るので、野菜含有ソースの分散性を改善するためにガム類ミックス又はデンプンをさらに添加した後、製造例3-1の野菜含有ソースと比較して分散性の改善効果を確認した。
【0103】
ガム類ミックスは、キサンタンガム、ペクチン及びカラギナンを混合して作ったガム類ミックスを用いており、前記[実施例3-1]を介して製造した野菜含有ソースに0.5重量%の量を添加(製造例3-2)するか、又は1.0重量%の量を添加(製造例3-3)して野菜含有ソースを製造した。デンプンの場合、野菜含有ソースにそれぞれ2.0重量%(製造例3-4)、3.0重量%(製造例3-5)及び4.0重量%(製造例3-6)の量だけワキシコーンデンプンを添加した。このように製造された各野菜含有ソース配合液において野菜固形分が沈む程度を目視で観察することにより、各ソース配合液の分散性を比較した。
【0104】
その結果、ガム類ミックスやデンプンを添加していない無添加群の製造例3-1と比較するとき、ガム類ミックス添加野菜含有ソースは、製造例3-2及び製造例3-3(0.5重量%、1.0重量%)でいずれも分散性が改善され、野菜がより少なく沈むものと確認された。デンプン添加群の場合、デンプンをそれぞれ3.0重量%、4.0重量%添加した製造例3-5及び3-6においては、分散性の改善効果が観察された(図2)。
【0105】
また、ガム類ミックス又はデンプンの添加有無を異ならせる前記製造例3-1から3-6の野菜含有ソース配合液を対象として、前記[実施例1-2]と同一の方法で粘度を測定して比較した(表7)。
【0106】
【表7】
【0107】
その結果、ガム類やデンプン類を添加していない野菜含有ソースである製造例3-1の場合、粘度値が24cmに測定されて水と類似の流動性を示した。しかし、ガム類又はデンプンをさらに添加して製造した製造例3-2から製造例3-6の場合、粘度が約4cmから18cm以内に測定されて適切な範囲と示され、固形分が存在する冷凍ブロックの製造において適した特徴があることを確認することができた。
【0108】
さらに、ガム類を添加した製造例3-2及び3-3の場合、少ない添加量でも7.6から7.9cm程度の粘度が具現され、ソースブロック内の固形分の分散性を向上させることを確認した。
【0109】
[実施例4]
冷凍された野菜含有ソースブロックの形状による調理所要時間の確認
【0110】
前記[実施例2]において冷凍された米粥ブロックを対象としてブロック形状による調理所要時間を確認したことに加え、前記製造例3-1による配合比で製造された野菜含有ソースを30gずつ枠に充填して急速冷凍することにより冷凍されたソースブロックを製造し、このようなソースブロックが粥の性状になるまで必要となる時間を測定することにより、表面積対比調理時間が短い場合は如何なる形状の冷凍ブロックであるのかを確認した。
【0111】
このとき、前記[実施例2]と同様に、表面に何ら処理もしていない直方体形状のソースブロック(製造例4-1)、直方体の片面に半径0.5cmの半円柱形態に溝を作った形状のソースブロック(製造例4-2)、直方体の平行な2つの面を貫通する半径0.5cmの円柱形態に孔を開けた形状のソースブロック(製造例4-3)、及び前記製造例4-3の孔を2個開けた形状のソースブロック(製造例4-4)、このように4種の形状のソースブロックをそれぞれ7個ずつ製造した(図3)。
【0112】
30gずつ7個に製造された前記製造例4-1から4-4の冷凍ソースブロックに精製水100gを投入することにより、冷凍されたブロックを溶かして食べることができる粥の性状になるようにし、このときまでかかる時間を測定して比較した(表8)。
【0113】
【表8】
【0114】
その結果、円柱状の孔を1個開けた形状の実施例4-3のソースブロックの調理時間が最も長く、半円柱状の溝が形成された実施例4-2のソースブロックの調理時間が最も短かった。表面積の増加率対比調理時間減少率に最も優れていたのも製造例4-2のソースブロックであった。
【0115】
[実施例5]
野菜粥の製造及びこの物性、官能分析
【0116】
[5-1]野菜粥の製造及びこの水分、固形分含量、粘度、硬度の確認
前記[実施例1]で製造された米の含量23%の米粥ブロック(製造例1-2)及び前記[実施例3]で製造された3種の野菜含有ソースブロック(製造例3-1、3-2及び3-5)を用いて野菜粥を製造した。具体的に、前記米粥ブロック7個、前記野菜含有ソースブロック3個を容器に入れた後、精製水50gを加えてラップで密封してから、6分間700W電子レンジで加熱調理して野菜粥を製造した。ソースブロックのガム類ミックス又はデンプンの含有有無により製造例5-1から製造例5-3の野菜粥を製造した(表9)。
【0117】
【表9】
【0118】
そして、前記のように製造された製造例5-1から製造例5-3の野菜粥を対象として、前記[実施例1-2]及び[実施例1-3]と同一の方法で水分含量、固形分含量及び粘度を測定した(表10)。また、製造例1-2の米粥ブロックを用いて製造した米23%の野菜粥と、製造例1-3の米粥ブロックを用いて製造した米25%の野菜粥を対象として、物性分析機を用いて前記[実施例1-3]と同一の方法で前記野菜粥に含有された米粒の硬度を測定した(表11)。その結果、ガム類ミックスやデンプンを添加して製造される野菜粥においては固形分含量が一部増加し、完成した野菜粥で測定される粘度値が小さく示されて粘性が増加することを確認することができた。また、調理された後の米粒の硬度は、調理以前の米粒より低くなり食べやすく柔らかい食感を示すものと確認され、具体的に、調理後には米の硬度が調理前の米の硬度より約200程度低くなることを確認することができた。
【0119】
【表10】
【0120】
【表11】
【0121】
[5-2]野菜粥の官能評価
ガム類又はデンプンの添加による野菜粥の官能差を確認するために、前記製造例5-2及び5-3の野菜粥を訓練された専門パネル30名に食べさせた後、各野菜粥の全般嗜好度を含め、粥の咀嚼感、米の食感、野菜の食感、粥の物性、野菜味の嗜好度を評価するようにして、野菜粥で現われる異味、異臭の強度を評価させた。1つの試料の評価を終了する度に水で口の中を洗浄して1分が経過した後に次の試料を評価し、0点から嗜好度又は強度が高いほど5点に近い点数を付与するようにした。下記表12のTop 2%は、官能評価時に良い(4点)及び非常に良い(5点)の選好意見に評価したパネルの比率を意味する。
【0122】
【表12】
【0123】
官能評価の結果、ガム類ミックスを添加した製造例5-2において、デンプンを添加した製造例5-3に比べて相対的に優れた官能嗜好性があることを確認した。
【0124】
[5-3]米の含量を調節した野菜粥の製造
好ましい硬度及び食感が具現された野菜粥を製造するため、米の含量を22%から26%に調節して米粥を製造した。前記米粥を対象として同一の方法で硬度を測定した結果、米粥内の米粒の硬度が450から800の範囲で測定された。前記米粥を冷却させて米粥ブロックを製造した後、野菜を含むソースブロックと混合された形態の冷凍粥キットを製造した。そして、前記キットに水を添加して加熱することにより野菜粥を製造し、この硬度を測定した。その結果、最終調理された野菜粥製品では、これに含有された米粒の硬度が250から600の数値で示され、食べるのに適した粥の食感を示した。これは、米粥ブロック製造時の硬度より200さらに低い値であり、目的とする最終野菜粥での米粒の硬度より200さらに高い硬度値を有するように米粥ブロックを製造する場合、最終製品において好ましい米粒の食感を得られ得ることを確認することができた。
【0125】
前記では、本出願の代表的な実施例を例示的に説明したが、本出願の範囲は、前記のような特定の実施例にだけ限定されず、当該分野において通常の知識を有する者であれば、本出願の特許請求の範囲に記載された範疇内で適切に変更が可能であろう。
図1
図2
図3
【国際調査報告】