(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-06
(54)【発明の名称】画像センサ及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 25/133 20230101AFI20231129BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
H04N25/133
H01L27/146 A
H01L27/146 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532358
(86)(22)【出願日】2021-09-23
(85)【翻訳文提出日】2023-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2021119962
(87)【国際公開番号】W WO2022111015
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】202011384707.9
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダイ、ユフェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、カイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、チウピン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、リ
【テーマコード(参考)】
4M118
【Fターム(参考)】
4M118AA01
4M118AA05
4M118AA10
4M118AB01
4M118DD03
4M118DD12
4M118FA06
4M118FA33
4M118GC09
4M118GC11
4M118GC14
4M118GD03
4M118GD04
(57)【要約】
本願は、画像センサ及び撮像装置を提供する。画像センサは複数の画素ユニットを含む。複数の画素ユニットは、アレイ状に配置された、第1の画素群(23)、第2の画素群(24)、第3の画素群(25)、及び第4の画素群(26)に分割されている。第2の画素群(24)及び第3の画素群(25)は斜め方向に配設されている。第1の画素群(23)は第1の画素ユニット及び第4の画素ユニットを含む。第2の画素群(24)は第2の画素ユニット及び第4の画素ユニットを含む。第3の画素群(25)は第2の画素ユニット及び第4の画素ユニットを含む。第4の画素群(26)は第3の画素ユニット及び第4の画素ユニットを含む。第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニットは、異なる色の光を受光するためにそれぞれ使用されるモノクロ画素ユニットである。第4の画素ユニットは、白色光を受光する白色画素ユニットである。前述の技術的解決手段において、白色画素ユニットが各画素群に導入され、白色画素ユニットを使用することによって画像センサの感度が改善される。これにより、画像の解像度及び信号対ノイズ比が改善される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素ユニットを備え、前記複数の画素ユニットが、アレイ状に配置されている第1の画素群、第2の画素群、第3の画素群、及び第4の画素群を有し、前記第2の画素群及び前記第3の画素群が斜め方向に配設されており、
前記第1の画素群が第1の画素ユニット及び第4の画素ユニットを含み、前記第2の画素群が第2の画素ユニット及び第4の画素ユニットを含み、前記第3の画素群が第2の画素ユニット及び第4の画素ユニットを含み、前記第4の画素群が第3の画素ユニット及び第4の画素ユニットを含み、
前記第1の画素ユニット、前記第2の画素ユニット、及び前記第3の画素ユニットが、異なる色の光を受光するためにそれぞれ使用されるモノクロ画素ユニットであり、前記第4の画素ユニットが、白色光を受光する白色画素ユニットである
画像センサ。
【請求項2】
前記第1の画素群、前記第2の画素群、前記第3の画素群、及び前記第4の画素群の各々が、アレイ状に配置された4つの画素ユニットを有し、
各画素群における前記4つの画素ユニットのうち、少なくとも1つの画素ユニットが前記白色画素ユニットであり、残りの画素ユニットが、同じ色の光を受光するために使用されるモノクロ画素ユニットである
請求項1に記載の画像センサ。
【請求項3】
各画素群が、同じ色の光を受光するために使用される3つのモノクロ画素ユニット、及び1つの白色画素ユニットを含む、請求項2に記載の画像センサ。
【請求項4】
2つの隣接する各画素群において、一方の画素群に位置する白色画素ユニット及び他方の画素群に位置する白色画素ユニットが、別の画素ユニットによって離隔されている、請求項3に記載の画像センサ。
【請求項5】
各画素群が、同じ色の光を受光するために使用される2つのモノクロ画素ユニット、及び2つの白色画素ユニットを含み、前記2つの白色画素ユニットが斜め方向に配設されている、請求項2に記載の画像センサ。
【請求項6】
前記白色画素ユニットのサイズが前記モノクロ画素ユニットのサイズより小さい、請求項1から5のいずれか一項に記載の画像センサ。
【請求項7】
前記白色画素ユニットが金属シールド層で包まれており、前記金属シールド層で包まれた前記白色画素ユニットのサイズが前記モノクロ画素ユニットの前記サイズに等しい、請求項6に記載の画像センサ。
【請求項8】
光を収束させるために使用されるレンズを更に備え、前記レンズが、前記複数の画素ユニットの入光側に位置している、請求項1から7のいずれか一項に記載の画像センサ。
【請求項9】
前記複数の画素ユニットの入光側に配設された光フィルタリングモジュールを更に備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の画像センサ。
【請求項10】
前記光フィルタリングモジュールは、デュアル通過帯域光フィルタリングモジュールであり、前記デュアル通過帯域光フィルタリングモジュールは、前記白色光及び赤外光を伝送することができる、請求項9に記載の画像センサ。
【請求項11】
前記モノクロ画素ユニットが、赤外光を遮断するフィルタ層でコーティングされており、前記白色画素ユニットが前記白色光及び前記赤外光を受光する、請求項9又は10に記載の画像センサ。
【請求項12】
画像処理モジュールを更に備え、前記画像処理モジュールが、各画素群における前記モノクロ画素ユニットによって受光された第1色光に対して補間処理を実行して、前記画素群における前記白色画素ユニットの位置にある画素ユニットに対応する第2色光を取得し;前記第1色光及び前記第2色光に基づいて、各画素群における4つの画素ユニットに対してクアッドベイヤー処理を実行して、クアッドベイヤー画像を取得し;各画素群における前記白色画素ユニットによって受光された前記白色光に基づいて輝度情報を取得し;各画素群によって形成された前記クアッドベイヤー画像を、前記画素群に対応する前記輝度情報と組み合わせて、1/4解像度画像を取得する
請求項1から11のいずれか一項に記載の画像センサ。
【請求項13】
前記画像処理モジュールが、画素アレイをリモザイク処理して画像を取得し;
各白色画素ユニットによって受光された前記白色光に対して補間処理を実行して、各画素ユニットに対応する輝度情報を取得し;
前記リモザイク処理を通じて取得した前記画像、及び各画素ユニットに対応する前記輝度情報を組み合わせて、フル解像度画像を取得する
ように更に構成されている、請求項12に記載の画像センサ。
【請求項14】
ハウジング、及び前記ハウジング内に配設されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の画像センサを備える、撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本願は、2020年11月30日に中国国家知識産権局に出願された、「IMAGE SENSOR AND IMAGING APPARATUS」と題する中国特許出願第202011384707.9号の優先権を主張し、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
本願は、撮像技術の分野、特に、画像センサ及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0003】
画像センサにおける従来の画素アレイは、通常、赤色、緑色、及び青色の画素の交差配置を使用する。撮像技術の発展に伴い、真新しい画素配置技術が出現している。この技術では、同じ色の4つの隣接する画素が共に配置されて、元の画素の面積の4倍の面積を有する画素が形成される。したがって、この技術はまた、「クアッドベイヤー(Quad Bayer)」技術とも称される。
【0004】
近年では、「クアッドベイヤー」技術は、携帯電話のカメラに広く使用されている。元の画素の面積の4倍の面積を有する画素が得られ、それにより、弱光撮影環境における感度が改善され得、画像の信号対ノイズ比が改善される。最終的に、明るく低ノイズの画像が生成される。
【0005】
現在、「クアッドベイヤー」配置の形態を使用する画像センサが広く使用されている。デフォルトの10メガ画素出力モードにおいて、クアッドベイヤー処理を通して、同じ色の4つの隣接する画素が同時にサンプリングされて、4倍の感度、1/4解像度、2μmの単一画素サイズ、及び10メガ画素の画像が得られる。これにより、小型の高画素画像センサにおいて高感度が実装される。40メガ画素のフル解像度出力モードでは、画素を従来の画素アレイフォーマットに再配置するために、リモザイクアルゴリズムが使用される。画像信号処理の後、40メガ画素の高解像度フル画素画像が出力される。
【0006】
しかしながら、「クアッドベイヤー」アレイ配置を有する現在の画素アレイの場合、従来の画素アレイにおいて出力される画像と比較して、1/4解像度で出力された画像は、信号対ノイズ比が著しく改善されるが、解像度が著しく減少し、また、画素が互い違いに配置される必要のない従来の画素アレイフォーマットの結果と比較して、フル画素で出力された結果は解像度が低減する。
【発明の概要】
【0007】
本願は、画像センサの解像度を改善し、画像センサの結像効果を改善するために、画像センサ及び撮像装置を提供する。
【0008】
第1の態様によれば、画像センサが提供される。画像センサは複数の画素ユニットを含む。複数の画素ユニットは、アレイ状に配置された、第1の画素群、第2の画素群、第3の画素群、及び第4の画素群に分割されている。第2の画素群及び第3の画素群は斜め方向に配設されている。第1の画素群は第1の画素ユニット及び第4の画素ユニットを含む。第2の画素群は第2の画素ユニット及び第4の画素ユニットを含む。第3の画素群は第2の画素ユニット及び第4の画素ユニットを含む。第4の画素群は第3の画素ユニット及び第4の画素ユニットを含む。第3の画素ユニットは、異なる色の光を受光するために使用されるモノクロ画素ユニットである。第4の画素ユニットは、白色光を受光する白色画素ユニットである。前述の技術的解決手段において、白色画素ユニットが各画素群に導入され、白色画素ユニットを使用することによって画像センサの感度が改善される。これにより、画像の解像度及び信号対ノイズ比が改善される。
【0009】
特定の実装可能な解決手段において、前記第1の画素群、前記第2の画素群、前記第3の画素群、及び前記第4の画素群の各々が、アレイ状に配置された4つの画素ユニットを含み、各画素群における前記4つの画素ユニットのうち、少なくとも1つの画素ユニットが前記白色画素ユニットであり、残りの画素ユニットが、同じ色の光を受光するために使用されるモノクロ画素ユニットである。異なる割合の白色画素ユニットが画素群において選択され得る。
【0010】
特定の実装可能な解決手段において、各画素群が、同じ色の光を受光するために使用される3つのモノクロ画素ユニット、及び1つの白色画素ユニットを含む。1つの白色ユニット及び3つのモノクロ画素ユニットを使用することによって、画像センサの感度が改善され、取得される色情報が確実にされる。
【0011】
特定の実装可能な解決手段において、2つの隣接する各画素群において、一方の画素群に位置する白色画素ユニット及び他方の画素群に位置する白色画素ユニットが、別の画素ユニットによって離隔されている。
【0012】
特定の実装可能な解決手段において、各画素群が、同じ色の光を受光するために使用される2つのモノクロ画素ユニット、及び2つの白色画素ユニットを含み、前記2つの白色画素ユニットが斜め方向に配設されている。
【0013】
特定の実装可能な解決手段において、第4の画素ユニットのサイズは、第1の画素ユニットのサイズ、第2の画素ユニットのサイズ、及び第3の画素ユニットのサイズより小さい。白色画素ユニットのサイズを低減することによって、白色画素の露光が低減されて白色画素ユニットの感度が低減し、白色画素ユニットの飽和が遅延され、他の画素ユニットがより十分に露光され、画像色信号の数が増加する。
【0014】
特定の実装可能な解決手段において、前記白色画素ユニットが金属シールド層で包まれており、前記金属シールド層で包まれた前記白色画素ユニットのサイズが前記モノクロ画素ユニットの前記サイズに等しい。金属シールド層を配置することによって、第4の画素ユニットのサイズが低減される。
【0015】
特定の実装可能な解決手段において、画像センサは、前記複数の画素ユニットの入光側に配設された光フィルタリングモジュールを更に含む。光フィルタリングモジュールは、ノイズをフィルタリングして除去する。
【0016】
特定の実装可能な解決手段において、前記画像センサは、光を収束させるために使用されるレンズを更に含み、前記レンズが、前記複数の画素ユニットの入光側に位置している。光を収束させるレンズは、光の取込みを増加させる。
【0017】
特定の実装可能な解決手段において、複数の画素ユニットの入光側に配設された光フィルタリングモジュールが更に含まれる。ノイズ干渉が低減され、結像効果が改善される。
【0018】
特定の実装可能な解決手段において、前記光フィルタリングモジュールは、デュアル通過帯域光フィルタリングモジュールであり、前記デュアル通過帯域光フィルタリングモジュールは、前記白色光及び赤外光を伝送することができる。ノイズ干渉が低減され、結像効果が改善される。
【0019】
特定の実装可能な解決手段において、前記モノクロ画素ユニットが、前記赤外光を遮断するフィルタ層でコーティングされており、前記白色画素ユニットが前記白色光及び前記赤外光を受光する。赤外光は、輝度値を増加し、結像効果を改善するために使用される。
【0020】
特定の実装可能な解決手段において、画像処理モジュールが更に含まれ、前記画像処理モジュールが、各画素群における前記モノクロ画素ユニットによって受光された第1色光に対して補間処理を実行して、前記画素群における前記白色画素ユニットの位置にある画素ユニットに対応する第2色光を取得し;前記第1色光及び前記第2色光に基づいて、各画素群における前記4つの画素ユニットに対してクアッドベイヤー処理を実行して、クアッドベイヤー画像を取得し;各画素群における前記白色画素ユニットによって受光された前記白色光に基づいて輝度情報を取得し;各画素群によって形成された前記クアッドベイヤー画像を、前記画素群に対応する前記輝度情報と組み合わせて、1/4解像度画像を取得する。高品質の1/4解像度画像が得られる。
【0021】
特定の実装可能な解決手段において、前記画像処理モジュールが、画素アレイをリモザイク処理して画像を取得し;各白色画素ユニットによって受光された前記白色光に対して補間処理を実行して、各画素ユニットに対応する輝度情報を取得し;前記リモザイク処理を通じて取得した前記画像、及び各画素ユニットに対応する前記輝度情報を組み合わせて、フル解像度画像を取得するように更に構成されている。高品質のフル解像度画像が得られる。
【0022】
第2の態様によれば、撮像装置が提供される。前記撮像装置は、ハウジング、及び前記ハウジング内に配設されている前述の画像センサを含む。前述の技術的解決手段において、白色画素ユニットが各画素群に導入され、白色画素ユニットを使用することによって画像センサの感度が改善される。これにより、画像の解像度及び信号対ノイズ比が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本願の一実施形態による画像センサの適用シナリオの概略図である。
【0024】
【
図2】従来技術における画像センサの画素アレイの概略図である。
【0025】
【
図3】本願の一実施形態による画像センサの構造の概略図である。
【0026】
【
図4】本願の一実施形態による画素アレイの概略図である。
【0027】
【
図5】本願の一実施形態による、画素アレイに対する光の照明の概略図である。
【0028】
【
図6】本願の一実施形態による色情報収集ユニットの回路図である。
【0029】
【
図7】本願の一実施形態による輝度情報収集ユニットの回路図である。
【0030】
【
図8】本願の一実施形態による、画像センサによる高品質の1/4解像度画像の形成のフローチャートである。
【0031】
【
図9】本願の一実施形態による、画像センサによる高品質のフル解像度画像の形成のフローチャートである。
【0032】
【
図10】従来技術における画像センサの1/4解像度画像の解像度の概略図である。
【0033】
【
図11】本願の一実施形態による画像センサの1/4解像度画像の解像度の概略図である。
【0034】
【
図12】従来技術における画像センサのフル解像度画像の解像度の概略図である。
【0035】
【
図13】本願の一実施形態による画像センサのフル解像度画像の解像度の概略図である。
【0036】
【
図14】本願の一実施形態による別の画素アレイの概略図である。
【0037】
【
図15】本願の一実施形態による別の画素アレイの概略図である。
【0038】
【
図16】本願の一実施形態による、画素アレイに対する光の照明の概略図である。
【0039】
【
図17】
図5に示される画素アレイの受光曲線である。
【0040】
【0041】
【
図19】本願の一実施形態による画素アレイを使用することによる解像度の改善の概略図である。
【0042】
【
図20】本願の一実施形態による別の画素アレイの概略図である。
【0043】
【
図21】本願の一実施形態による別の画素アレイの光の入射の図である。
【0044】
【
図22】本願の一実施形態による別の画像センサの構造の概略図である。
【0045】
【
図23】本願の一実施形態による別の画素アレイの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本願の実施形態は更に、添付図面を参照して以下で詳細に説明される。
【0047】
本願の実施形態において提供される画像センサの適用シナリオがまず説明される。本願の実施形態において提供される画像センサは、電子デバイス、例えば、撮影機能を有する一般的なデバイス、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、又はウェアラブル電子デバイスにおいて使用される。当然ながら、本方法は、撮影機能を有する別のタイプの電子デバイスに適用されてもよい。
図1に示されるように、本願の実施形態において提供される画像センサ2がモバイル端末において使用される場合、モバイル端末は、ハウジング1、及びハウジング1に配設された画像センサ2を含む。画像センサ2は、メインボード3に配設され、メインボード3に電気的に接続される。ターゲット物体からの光が画像センサ2に発せられる場合、画像センサ2は、光信号を電気信号に変換し、画像処理を実行し得る。
【0048】
従来技術における画像センサが
図2に示されている。画像センサは複数の画素ユニットを含む。複数の画素ユニットはアレイ状に配置されている。一例として、4*4アレイが使用される。複数の画素ユニットは、4つの画素群、すなわち、第1の画素群4、第2の画素群5、第3の画素群6、及び第4の画素群7に分割されている。第1の画素群4は、赤色光(図面においてRで表される)を受光するために使用される4つの画素ユニットを含む。第2の画素群5は、緑色光(図面においてGrで表される)を受光するために使用される4つの画素ユニットを含む。第3の画素群6は、4つの緑色光(図面においてGbで表される)の画素ユニットを含む。第4の画素群7は、4つの青色光(図面においてBで表される)の画素ユニットを含む。しかしながら、前述の技術的解決手段が使用される場合、従来技術における画像センサ内の各画素群は、ターゲット物体の単色光(赤色光、緑色光、又は青色光)のみを収集する。結果として、白色光の照明が弱い環境において、画像センサの光感度は乏しく、それにより、画質が低減される。したがって、本願の一実施形態は画像センサを提供する。特定の添付図面及び実施形態を参照して、以下で画像センサが詳細に説明される。
【0049】
図3は、本願の一実施形態による画像センサの構造の概略図である。本願のこの実施形態において提供される画像センサは、光路に沿って配置された、レンズ10、画素アレイ20、及び画像処理モジュール30を含む。画素アレイ20は、色フィルタ層21及び画像収集モジュール22を含む。ターゲット物体から照射された光が連続的にレンズ10及び色フィルタ層21を通過した後、光は画像収集モジュール22に照射される。画像収集モジュール22は、光信号をデジタル信号に変換する。画像処理モジュール30は、画像収集モジュール22のデジタル信号に基づいて画像処理を実行して、画像を形成する。
【0050】
レンズ10は、任意のモジュール構造であることが理解されるべきである。画像センサが配設されるとき、レンズ10は、実際の要件に基づいて選択的に配設されてよい。これは、具体的には、本願の実施形態において限定されない。
【0051】
併せて、
図4を参照されたい。画素アレイは複数の画素ユニットを含む。複数の画素ユニットは、M行N列に配置されている。M及びNは両方とも、2より大きい整数である。複数の画素ユニットは異なるタイプの画素ユニットを含む。例えば、前述の画素ユニットは、タイプに基づいて、第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、第3の画素ユニット、及び第4の画素ユニットに分類され得る。複数の第1の画素ユニット、複数の第2の画素ユニット、複数の第3の画素ユニット、及び複数の第4の画素ユニットがある。第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、第3の画素ユニット、及び第4の画素ユニットのサイズは同じである。
【0052】
第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニットは、異なる色の光を受光してターゲット物体の単色光(赤色光、緑色光、及び青色光)を伝送することができるモノクロ画素ユニットである。例えば、第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニットはそれぞれ、赤色光を受光する赤色画素ユニット、緑色光を受光する緑色画素ユニット、及び青色光を受光する青色画素ユニットであり得る。代替的には、第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニットはそれぞれ、シアン画素ユニット、マゼンタ画素ユニット、及びイエロー画素ユニットである。当然ながら、前述のものは、第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニットの2つの特定の例に過ぎない。本願の実施形態において提供される第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニットは、撮像要件に基づいて他の色の光を受光し得る。
【0053】
第4の画素ユニットは、白色光を受光することができる白色光画素ユニットである。白色光が第4の画素ユニットに照射されると、白色光は、第4の画素ユニット内の画像収集モジュールによって受光され得る。
【0054】
なおも、
図4を参照されたい。一例として、4*4アレイが使用される。複数の画素ユニットが4つの画素群に分割される。4つの画素群はそれぞれ、第1の画素群23、第2の画素群24、第3の画素群25、及び第4の画素群26である。4つの画素群はアレイ状に配置される。第1の画素群23及び第2の画素群24は同じ行に位置している。第3の画素群25及び第4の画素群26は同じ行に位置している。第3の画素群25及び第2の画素群24は斜め方向に配設されている。
【0055】
第1の画素群23は、3つの赤色画素ユニット及び1つの白色画素ユニットを含む。
図4において、Rは、赤色画素ユニットによって受光される赤色光を表すために使用され、Wは、白色画素ユニットによって受光される白色光を表すために使用される。第2の画素群24は、3つの緑色画素ユニット及び1つの白色画素ユニットを含む。
図4において、Grは、第2の画素群における緑色画素ユニットによって受光される緑色光を表すために使用される。第3の画素群25は、3つの緑色画素ユニット及び1つの白色画素ユニットを含む。
図4において、Gbは、第3の画素群における緑色画素ユニットによって受光される緑色光を表すために使用される。第4の画素群26は、3つの青色画素ユニット及び1つの白色画素ユニットを含む。
図4において、Bは、青色画素ユニットによって受光される青色光を表す。前述のGr及びGbは、緑色光を別個に表すことが理解されるべきである。第2の画素群24及び第3の画素群25における異なる緑色画素ユニットによって受光される緑色光を区別すべく、緑色光を別個に表すためにGr及びGbが使用される。
【0056】
上記のように、
図3を参照すると、画素アレイ20は、色フィルタ層21及び画像収集モジュール22を含む。画素アレイ20は、第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、第3の画素ユニット、及び第4の画素ユニットを含む。
図5を参照されたい。第1の画素ユニットは、第1のフィルタエリア211及び第1の色情報収集ユニット221を含む。第2の画素ユニットは、第2のフィルタエリア212及び第2の色情報収集ユニット222を含む。第3の画素ユニットは、第3のフィルタエリア213及び第3の色情報収集ユニット223を含む。第4の画素ユニットは、第4のフィルタエリア214及び輝度情報収集ユニット224を含む。第1のフィルタエリア211、第2のフィルタエリア212、第3のフィルタエリア213、及び第4のフィルタエリア214はすべて色フィルタ層21に位置していることに留意されたい。第1の色情報収集ユニット221、第2の色情報収集ユニット222、第3の色情報収集ユニット223、及び輝度情報収集ユニット224はすべて画像収集モジュール22に位置している。
【0057】
任意選択的な解決手段では、画素アレイはマイクロレンズ群を更に含む。第1の画素ユニットは、第1のマイクロレンズ231を更に含み得る。第1のマイクロレンズ231を使用することによって、光は第1のフィルタエリア211に収束され得る。同様に、第2の画素ユニットは、第2のマイクロレンズ232を更に含み得る。第3の画素ユニットは、第3のマイクロレンズ233を更に含み得る。第4の画素ユニットは、第4のマイクロレンズ234を更に含み得る。
【0058】
異なる光を受光するとき、第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、第3の画素ユニット、及び第4の画素ユニットは、対応する画素ユニットに位置するフィルタエリアを使用することによって光をフィルタリングする。例えば、白色光が、赤色、緑色、及び青色を含む光である場合、第1の画素ユニットの第1のフィルタエリア211は、赤色光のみを伝送し、他の色の光を遮断することができる。第2の画素ユニットの第2のフィルタエリア212は、緑色光のみを伝送し、他の色の光を遮断することができる。第3の画素ユニットの第3のフィルタエリア213は、青色光のみを伝送し、他の色の光を遮断することができる。第4の画素ユニットの第4のフィルタエリア214は、白色光(赤色、緑色、及び青色)のみを伝送することができる。ターゲット物体の撮像の色情報に関する色光(赤色、緑色、及び青色光)は、第1の画素ユニット~第3の画素ユニットのフィルタエリアを使用することによって得られ、ターゲット物体の撮像の輝度情報に関する白色光は、第4の画素ユニットのフィルタエリアを使用することによって得られる。第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、第3の画素ユニット、及び第4の画素ユニットのサイズが同じであることは、すべての画素ユニットにおけるフィルタエリアの開口サイズが同じであることを意味する。本願の実施形態において、各画素ユニットのフィルタエリアとして長方形のフィルタエリアが使用される。
【0059】
対応するフィルタエリアを通過した後、更なる処理(
図3を参照のこと)のために、光は画像収集モジュール22に照明される。画像収集モジュール22は、ターゲット物体の色及び輝度を含む光信号を取得し、光信号を電圧信号に変換し、次いで、光信号をデジタル信号に変換し得る。
図5に示される構造を参照すると、第1の画素ユニットの第1の色情報収集ユニット221が赤色光を受光し、第2の画素ユニットの第2の色情報収集ユニット222が緑色光を受光し、第3の画素ユニットの第3の色情報収集ユニット223が青色光を受光する。第4の画素ユニットの輝度情報収集ユニット224は白色光を受光する。
【0060】
図6は、本願の一実施形態による色情報収集ユニットの回路図である。第1の色情報収集ユニット、第2の色情報収集ユニット、及び第3の色情報収集ユニットはすべて、従来の4トランジスタ画素センサである。各色情報収集ユニットは、伝送トランジスタMTG及び浮遊拡散エリアFDを含む。伝送トランジスタMTGの制御端子が制御信号を受信する。伝送トランジスタMTGの入力端子は、フォトダイオードPDに接続されている。伝送トランジスタMTGの出力端子は、伝送トランジスタMTGの制御端子が制御信号を受信したときに電圧信号を出力する。伝送トランジスタMTGは、フォトダイオードPDの電圧信号を浮遊拡散エリアFDに格納のために転送する。フォトダイオードPDに蓄積された光発生キャリアは浮遊拡散エリアFDに転送され、電圧信号に変換される。デジタル・アナログ変換ADCによってデジタル信号に変換された後、デジタル信号は、色情報処理ユニットに送られる。複数の第1の画素ユニット、複数の第2の画素ユニット、及び複数の第3の画素ユニットが提供され、各画素ユニットは、光信号を受信するために使用されるフォトダイオードPDを含む。
図6に示される他の回路コンポーネントは、4トランジスタ画素センサにおける従来の電子コンポーネントである。ここでは、詳細について改めて説明しない。
【0061】
図7は、本願の一実施形態による輝度情報収集ユニットの回路図である。輝度情報収集ユニットの構造は、各色情報収集ユニットのものと同じである。2つの間の相違点は受光される光のみにある。したがって、輝度情報収集ユニットの獲得原理は、色情報収集ユニットの獲得原理と同じである。ここでは、詳細について改めて説明しない。第4の画素ユニット(白色画素ユニット)が画素アレイに導入される。白色画素ユニットにより、3つの異なる波長の光、すなわち、赤色光、緑色光、及び青色光の通過が可能となるため、白色画素ユニットの輝度は、単色光を受光する他の画素ユニット(例えば、赤色光を受光する第1の画素ユニット及び緑色光を受光する第2の画素ユニット)の輝度より高い。したがって、画像センサによって出力された画像の輝度は、従来技術において輝度情報を取得するために単色光のみを使用する画像センサによって出力される画像の輝度より高い。
【0062】
図3を参照されたい。画像処理モジュール30は、色画像処理ユニット、輝度情報処理ユニット、及び色融合画像ユニットを含む。色画像処理ユニットは、画像収集モジュール22によって取得された色情報を処理するように構成されている。輝度情報処理ユニットは、画像収集モジュール22によって取得された輝度情報を処理するように構成されている。色融合画像ユニットは、処理された色情報及び輝度情報を融合させて、色画像を取得するように構成されている。
【0063】
画素アレイによって受光された光を画像処理モジュール30が処理するとき、1つの画像処理方法は、高品質の1/4解像度画像を形成することであり、他方は、高品質のフル解像度画像を形成することである。2つの方法は1つずつ以下で説明される。
【0064】
本願の実施形態において提供される画像センサによる画像の形成の原理の理解を容易にするために、補間処理がまず説明される。補間処理とは、既知のデータから未知のデータを予測することを指す。画像補間とは、所与の画素ユニットの値を、画素ユニットの周りの画素ユニットについての情報に基づいて予測することを指す。一般的な補間アルゴリズムは、2つのタイプ、すなわち、適応補間アルゴリズム及び非適応補間アルゴリズムに分類され得る。適応補間アルゴリズムでは、補間の内容(鋭い縁部又は滑らかなテクスチャ)に基づいて変更がなされ得る。非適応アルゴリズムでは、すべての画素ユニットが同じ方法で処理される。非適応アルゴリズムは、最近傍補間、バイリニア補間、バイキュービック補間、スプライン補間などを含む。
【0065】
図8に示されるフローチャートに示されるように、説明を容易にするために、画素ユニットにおいて受光された光に対して光電変換を実行することによって取得された出力信号(デジタル信号)は、別個に名付けられている。第1の画素群内の3つの第1の画素ユニットによって受光される赤色光が変換された出力信号は、それぞれ、R1、R2、及びR3で表される。第4の画素ユニットによって受光される白色光が変換された出力信号は、W1で表される。第2の画素群内の3つの第2の画素ユニットによって受光される緑色光が変換された出力信号は、それぞれ、Gr1、Gr2、及びGr3で表される。第4の画素ユニットによって受光される白色光が変換された出力信号は、W2で表される。第3の画素群内の3つの第2の画素ユニットによって受光される緑色光が変換された出力信号は、それぞれ、Gb1、Gb2、及びGb3で表される。第4の画素ユニットによって受光される白色光が変換された出力信号は、W3で表される。第4の画素群内の3つの第1の画素ユニットによって受光される青色光が変換された出力信号はそれぞれ、B1、B2、及びB3で表される。第4の画素ユニットによって受光される白色光が変換された出力信号は、W1で表される。出力信号R1、R2、R3、Gr1、Gr2、Gr3、Gb1、Gb2、Gb3、B1、B2、及びB3は、ターゲット物体の色情報である。出力信号W1、W2、W3、及びW4は、ターゲット物体の輝度情報である。
【0066】
高品質の1/4解像度画像が形成される場合、
図3を参照すると、受光した光を画素アレイ20が光信号に変換する。光信号は、処理のために画像処理モジュール30に入る。画像処理モジュール30は、各画素群におけるモノクロ画素ユニット(第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニット)によって受光された第1色光を取得し;各画素群におけるモノクロ画素ユニットによって受光された第1色光に対して補間処理を実行して、補間処理を通じて、画素群内の白色画素ユニット(第4の画素ユニット)の位置における画素ユニットに対応する第2色光を取得し;取得した第1色光及び第2色光に基づいて各画素群内の4つの画素ユニットに対してクアッドベイヤー処理を実行してクアッドベイヤー画像を取得し;各画素群における白色画素ユニットによって受光された白色光に基づいて輝度情報を取得し;各画素群によって形成されたクアッドベイヤー画像を、画素群に対応する輝度情報と組み合わせて、1/4解像度画像を得る。
【0067】
具体的には、色画像処理ユニットは、色情報収集ユニット及び輝度情報収集ユニットを使用することによって画素アレイの元の画像を取得し、元の画像における第4の画素ユニットに対応する画素ユニット位置で補間処理を実行して、第4の画素ユニットの画素位置の色情報を取得する。一例として、第1の画素群における第4の画素ユニットが使用される。第4の画素ユニットの画素位置の色情報R4は、既知のR2及びR3に対して補間処理を実行することによって取得され得る。
R4=(R2+R3)/2R1、R2、R3、及びR4に対してクアッドベイヤー処理が実行されて、クアッドベイヤー処理が実行した後の出力信号Rが取得される。すなわち、R=(R1+R2+R3+R4)/4である。同様に、第2の画素群、第3の画素群、及び第4の画素群に対してそれぞれ同じ演算が実行されて、Gr=(Gr1+Gr2+Gr3+Gr4)/4、Gb=(Gb1+Gb2+Gb3+Gb4)/4、及びB=(B1+B2+B3+B4)/4が取得される。このように、クアッドベイヤー画像が得られる。
【0068】
得られたクアッドベイヤー画像におけるR、Gr,Gb、及びBはそれぞれ、4つの第4の画素ユニットW1、W2、W3、及びW4と組み合わされて、高品質の1/4解像度画像が得られる。
【0069】
図9に示されるフローチャートに示されるように、高品質のフル解像度画像が形成されるとき、画像処理モジュールは、画素アレイの出力信号(各画素ユニットの出力信号)に対してリモザイク処理を実行して画像を取得し;各白色画素ユニットによって受光された白色光に対して補間処理を実行して、各画素ユニット(各白色画素ユニット及び各モノクロ画素ユニットを含む)に対応する輝度情報を取得し;リモザイク処理を通じて取得した画像を、各画素ユニットに対応する輝度情報と組み合わせて、フル解像度画像を取得するように更に構成されている。
【0070】
具体的には、色画像処理ユニットは、色情報収集ユニット及び輝度情報収集ユニットを使用することによって元の画像を取得し、元の画像における第4の画素ユニットの位置に対応する色画素に対して補間処理を実行して、第4の画素ユニットの画素位置の単色情報を取得する。一例として、第1の画素群における第4の画素ユニットが使用される。第4の画素ユニットの画素位置の単色情報R4は、既知のR1、R2、及びR3に対して補間処理を実行することによって取得される。
R4=(R2+R3)/2同様に、Gr=(Gr2+Gr3)/2、Gb=(Gb2+Gb3)/2、及びB=(B2+B3)/2である。色画像処理ユニットは、画素アレイの各画素ユニットの得られた単色情報に基づいて、元の画像に対してリモザイク処理及びデモザイク処理を実行する。
【0071】
輝度情報処理ユニットは、得られた出力信号W1、W2、W3、及びW4に対して補間処理を実行するように構成されている。M行N列の画素アレイにおいて、出力信号W1、W2、W3、及びW4が取得された後、第4の画素ユニットの位置及び出力信号が補間処理に代入された、画素ユニットのM行及びN列における各画素ユニットに対応する輝度情報が取得される。
【0072】
デモザイク処理後の画像が輝度情報と融合されて、高品質のフル解像度画像が取得される。
【0073】
前述の説明から、本願の実施形態において提供される画素アレイでは、第4の画素ユニット(白色画素ユニット)が、白色光を受光するために画素アレイに導入されることが理解され得る。白色画素ユニットにより、3つの異なる波長の光、すなわち、赤色光、緑色光、及び青色光の通過が可能となるため、白色画素ユニットの輝度は、単色光を受光する他の画素ユニット(例えば、赤色光を受光する第1の画素ユニット及び緑色光を受光する第2の画素ユニット)の輝度より高い。したがって、画像センサによって出力された画像の輝度は、従来技術において輝度情報を取得するために単色光のみを使用する画像センサによって出力される画像の輝度より高い。これにより、画像の解像度(画像センサによって画像の詳細を捉える能力)及び信号対ノイズ比(画像センサにおける、ノイズに対する信号の比を指す)が改善され得る。
【0074】
図10及び
図11は、高品質の1/4解像度画像及び従来技術における画像センサの解像度の出力効果の間の比較を示す。
図10の円の中にテクスチャ情報は存在しない。しかしながら、
図11の円の中には明らかなテクスチャ情報が存在する。したがって、本発明の実施形態において提供される画像センサは、解像度の観点で大幅に改善され得る。
【0075】
図12及び
図13は、高品質のフル解像度画像及び従来技術における画像センサの解像度の出力効果の間の比較を示す。
図12の円の中にテクスチャ情報は存在しない。しかしながら、
図13の円の中には明らかなテクスチャ情報が存在する。したがって、本発明の実施形態において提供される画像センサは、解像度の観点で大幅に改善され得る。加えて、本願の実施形態において提供される画像センサの信号対ノイズ比は、従来技術における画像センサの信号対ノイズ比より3dB高い。
【0076】
前述の説明から、従来技術における画像センサと比較して、第4の画素ユニットが導入された後、本願の実施形態において提供される画像センサにより、光の取込みが増加し、高品質のフル解像度画像の出力フォーマットにおける画像センサの解像度及び信号対ノイズ比が改善され、高品質の1/4解像度画像の出力フォーマットにおける解像度が改善されることが理解され得る。
【0077】
図14は、
図4に示される画素アレイに基づく別の変形構造を示す。
図14に示される画像センサにおいて、各画素群に導入される第4の画素ユニットの数が増加している。第1の画素群23、第2の画素群24、第3の画素群25、及び第4の画素群26の各々は、2つの第4の画素ユニットを含む。任意選択的な解決手段において、2つの第4の画素ユニットは斜め方向に配設される。
【0078】
より多くの第4の画素ユニットが導入されると、光の取込みが増加し、高品質のフル解像度画像の出力フォーマットにおける画像センサの解像度及び信号対ノイズ比が改善され、高品質の1/4解像度画像の出力フォーマットにおける画像センサの解像度及び信号対ノイズ比が更に同期的に改善される。
【0079】
図14は、画素アレイの特定の配置方法の一例のみを示していることが理解されるべきである。本願の実施形態において、異なる画素群における画素ユニットの配置順は特に限定されるものではない。異なる画素群における第4の画素ユニットは隣接していてもよいし、隣接していなくてもよい。
【0080】
図15は、
図5に示される画素アレイに基づく別の変形構造を示す。本願の一実施形態は、画素アレイの別の配置方法を提供する。
図15に示される画素アレイでは、第4の画素ユニットのサイズは、第1の画素ユニットのサイズ、第2の画素ユニットのサイズ、及び第3の画素ユニットのサイズより小さい。
【0081】
図16は、異なるタイプの画素ユニットの配置の概略図である。
図16における参照符号については、
図5における同じ符号を参照されたい。第4の画素ユニットは、金属シールド層215によって包まれている。金属シールド層215は、第4の画素ユニットの第4のフィルタエリア214の周りを包んでいる。金属シールド層215で包まれた白色画素ユニットのサイズは、モノクロ画素ユニット(第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、又は第3の画素ユニット)のサイズに等しい。
図16では、第4の画素ユニットの第4のフィルタエリア214が金属シールド層215で包まれている。具体的に包むとき、第4のフィルタエリア214の一部のみが包まれてもよく、又は、第4のフィルタエリア214全体が包まれてもよい。例えばは、金属シールド層215は枠状構造を有し、第4のフィルタエリア214は枠状構造内に位置しており、そのため、第4のフィルタエリア214の開口面積は、第1のフィルタエリア211、第2のフィルタエリア212、及び第3のフィルタエリア213の開口面積より小さい。
【0082】
任意選択的な解決手段において、第4の画素ユニットの開口面積は、第1の画素ユニットの開口面積の0.8~0.9倍である。例えば、第4の画素ユニットの開口面積は、第1の画素ユニットの開口面積の0.8、0.85、又は0.9倍である。
【0083】
別のタイプの画素ユニットに対する、第4の画素ユニットのサイズの低減の影響の理解を容易にするために、
図17及び
図18を参照して以下で説明が提供される。
図17は、第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、第3の画素ユニット、及び第4の画素ユニットが同じサイズを有するときの、異なる画素ユニットによって受光される光の概略図である。
図18は、第4の画素ユニットのサイズが、第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニットのサイズより小さいときの、異なる画素ユニットによって受光される光の概略図である。Wは、第4の画素ユニットによって受光される白色光であり、Rは、第1の画素ユニットによって受光される赤色光であり、Gは、第2の画素ユニットによって受光される緑色光であり、Bは、第4の画素ユニットによって受光される青色光である。
【0084】
図17における参照線a及び
図18における参照線bが比較される。参照線a及び参照線bはそれぞれ、同じ露光時間を表す。第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニットは単色の光を受光し、第4の画素ユニットは白色光を受光する(赤色光、青色光、及び緑色光を同時に受光する)ため、第4の画素ユニットは、同じ期間内により多くの光を受光し得、他の画素ユニットによって単色光を受光する効率は、第4の画素ユニットによって白色光を受光する効率より低い。
図17を
図18と比較することによって、第1の画素ユニット~第4の画素ユニットが同じサイズを有する場合、第4の画素ユニットによって受光される白色光が飽和される傾向があるとき、他の画素ユニットによって受光される光は低いことが理解され得る。しかしながら、
図18に示される第4の画素ユニットのサイズが低減された後、それは、第4の画素ユニットによって白色光を受光する効率が低減することと同等である。したがって、他の画素ユニットは、より多くの単色光を取得し得、それにより、第4の画素ユニットによって受光される白色光が飽和される傾向があるとき、他の画素ユニットは、より多くの単色光を取得し得、画素アレイの出力信号におけるターゲット物体の色を表す光がより豊富になる。
【0085】
本願の実施形態において提供される第4の画素ユニットのサイズが低減された後、解像度は更に改善され得る。
図19に示される概略図を参照すると、以下で現れる「ラインペア」という用語がまず説明される。「ラインペア」は、フィルム、レンズ、及び他のフィルム写真分野のための特別な用語である。ミリメートル当たりのラインペアは、一般に、解像度の単位であり、これは、ある器具が1ミリメートル以内でどれだけ多くのラインペアを区別することができるかを意味する。区別され得るラインペアの数が大きいと、区別され得る各ラインの幅はより小さく、解像度はより高くなる。ラインペアは、画像解像度を反映する要素である。画像解像度がより高いと、より多くのラインペアが存在する。
図19における画素1、画素2、画素3、画素4、及び画素5は、異なるサイズの画素ユニットを表す。
【0086】
図19に示されるラインペアを基準として使用することによってサンプリングテストが実行される。
図19に示される行における1本の黒いライン及び1本の白いラインが1つのラインペアを形成する。黒いライン及び白いラインが交互に配置されて、5つのラインペアを形成する。例えば、画素1の幅は1つのラインペアの幅に等しい(画素1の幅は、1本の黒いライン及び1本の白いラインの幅に等しい)。画素1の幅がラインペアの幅に等しいため、ラインペアは画素1において表示され得ない。したがって、サンプリング結果の解像度は0であり、解像度は、MTF(変調伝達関数、変調伝達関数)を使用することによって決定される。画素2の幅は、1つのラインペアの幅の半分(1本の黒いラインの幅)である。この場合、画素2が、ラインペアの位置と1対1対応であるとき、画素2の解像度は100に到達し得る。画素3は、そのサイズが画素2のサイズと同じである画素である。しかしながら、画素3の位置及びラインペアは、画素幅の1/2だけずれており、画素3のサンプリング結果の解像度は0である。画素4について、画素5のサイズは、ラインペアの幅の1/4である。サンプリング位置及びサンプリング間隔にかかわらず、画素4及び画素5は両方ともサンプリング解像度100に到達し得る。例えば、画素4及び画素5を1/2画素だけずらすことによって画素4'及び画素5'が得られ、サンプリング解像度100がなお到達され得る。画素1、画素2、画素3、画素4、及び画素5の比較から、画素のサイズ(幅)がより小さいとき、ラインペアはより良好に反映されて、対応する画像の解像度がより高くなることが理解され得る。したがって、第4の画素ユニットのサイズがより小さくなった後、画像の解像度が改善され得る。
【0087】
前述の説明のから、本願の実施形態において提供される画素アレイでは、第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニットによって光を受光する効率は、第4の画素ユニットによって光を受光する効率より遥かに小さいため、同じ露光時間で、第4の画素ユニットの出力信号は常に、第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニットのそれよりより高くなることが理解され得る。この場合、画像の輝度は高く、色はわずかに明るくなる。したがって、第4の画素ユニットのサイズは、別のタイプの画素ユニットのサイズより小さく、第4の画素ユニットの露光が低減され得、第4の画素ユニットの飽和が遅延され、それにより、第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニットはより十分に露光され、画像色信号の数が増加する。加えて、第4の画素ユニットのサイズが低減され、画像解像度が更に改善され得る。
【0088】
図20は、本願の一実施形態による別の画素アレイを示す。
図20に示される画素アレイでは、画像解像度を改善するために第4の画素ユニットのサイズを低減する概念に基づいて、第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、第3の画素ユニット、及び第4の画素ユニットのサイズが再設定される。第1の画素群は、2つの赤色画素ユニット及び2つの白色画素ユニットを含む。
図20において、Rは、赤色画素ユニットによって受光される赤色光を表すために使用され、Wは、白色画素ユニットによって受光される白色光を表すために使用される。第2の画素群は、2つの緑色画素ユニット及び2つの白色画素ユニットを含む。
図20において、Grは、第2の画素群における緑色画素ユニットによって受光される緑色光を表すために使用される。第3の画素群は、2つの緑色画素ユニット及び2つの白色画素ユニットを含む。
図20において、Gbは、第3の画素群における緑色画素ユニットによって受光される緑色光を表すために使用される。第4の画素群は、2つの青色画素ユニット及び2つの白色画素ユニットを含む。
図20において、Bは、青色画素ユニットによって受光される青色光を表す。前述のGr及びGbは、緑色光を別個に表すことが理解されるべきである。第2の画素群及び第3の画素群における異なる緑色画素ユニットによって受光される緑色光を区別すべく、緑色光を別個に表すためにGr及びGbが使用される。
【0089】
第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニットは同じサイズを有し、第4の画素ユニットのサイズは、第1の画素ユニットのサイズより小さい。
図4に示される第4の画素ユニットと比較して、
図20に示される第4の画素ユニットのサイズは、
図4に示される第4の画素ユニットのそれの0.8~0.9倍、例えば、0.8倍、0.85倍、又は0.9倍である。第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニットのサイズは、
図4に示される同じ画素ユニットのそれの1倍~4倍、例えば、1倍、2倍、3倍、4倍、又は他の異なるサイズまで増加されてよい。
【0090】
引き続き
図20を参照されたい。画素アレイの行方向及び列方向において、2つのモノクロ画素ユニットが1つの白色画素ユニットによって離隔されて、サイズが増加したモノクロ画素ユニットが互いの光の取込みに影響を及ぼすことを防いでいる。
図21は、異なる画素ユニットの光の取込みの概略図である。
図21から、第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第4の画素ユニットの各々がマイクロレンズを含む場合、第1のマイクロレンズ231のサイズは第4のマイクロレンズ234のサイズより大きく、それにより、より多くの光が第1のフィルタエリア211に収束されることができ、第4のフィルタエリア214に照射される光が低減されることが理解され得る。加えて、第2のマイクロレンズ232のサイズも第4のマイクロレンズ234のサイズより大きく、それにより、より多くの光が第2のフィルタエリア212に収束されることができ、第4のフィルタエリア214に照射される光が低減される。第3の画素ユニットは、第1の画素ユニット及び第2の画素ユニットと同じ方式で配設され得る。ここでは、詳細について改めて説明しない。
【0091】
前述の説明のから、マイクロレンズのサイズを変更することによって、第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニットによって光を受光する効率が増加され得、第4の画素ユニットによって光を受光する効率が低減され得、それにより、第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニットがより十分に露光され、画像色信号の数が増加することが理解され得る。加えて、第4の画素ユニットのサイズが低減され、画像解像度が更に改善され得る。その原理は、
図15に示される画素アレイの原理と同じである。ここでは、詳細について改めて説明しない。
【0092】
図22は、
図3に示される画像センサに基づく変形を示す。
図22に示される画像センサには、光フィルタリングモジュール40が追加されている。レンズ10によって焦点を合わせた後、混合入射光が光フィルタリングモジュール40を通過し、次いで、画素アレイ20に照射される。光フィルタリングモジュール40は、複合帯域の混合入射光におけるノイズをフィルタリングして除去するために画素アレイ20の入光側に配設され、結像効果を改善するために、画素アレイ20を通過することができる光(すなわち、ターゲット物体から発せられ、撮像のために使用される光)のみを維持する。例えば、画素アレイ20によって要求される光が、白色光帯域の光及び赤外光帯域の光である場合、光フィルタリングモジュール40はデュアル通過帯域光フィルタリングモジュールであり得る。デュアル通過帯域光フィルタリングモジュールを通過することができる2つの通過帯域が、それぞれ、白色光帯域及び赤外光帯域である。画素アレイ20に対応する赤外光帯域が特定の狭帯域赤外光帯域である場合、デュアル通過帯域光フィルタリングモジュールは、対応して、特定の狭帯域赤外光帯域の光を伝送し得る。白色光及び赤外光を伝送し、他の周波数帯域のノイズを遮断するためにデュアル通過帯域光フィルタリングモジュールが使用された後、画像センサの撮像に対するノイズの影響が低減され得、後続のモジュールの動作において存在する光干渉及びノイズが低減され得、画像センサの撮像品質が改善され得る。
【0093】
図23を参照すると、画素アレイにおけるモノクロ画素ユニット(第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニット)は、赤外光を遮断するフィルタ層でコーティングされており、白色画素ユニット(第4の画素ユニット)が白色光及び赤外光を受光する。
図23では、フィルタ層を表すために影が使用され、第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニットはすべて、赤外光遮断材料で作成されたフィルタ層でコーティングされている。このように、第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、及び第3の画素ユニットは、白色光における赤色、緑色、及び青色コンポーネントのみを感知する。これにより、色の精度を保証される。しかしながら、第4の画素ユニットは白色光及び赤外光を感知するため、赤外光は、非常に低い照明において輝度チャネルとして使用され得る。これにより、画像センサの光感度性能が大きく改善され、画像の信号対ノイズ比が改善される。
【0094】
本願の一実施形態は、撮像装置を更に提供する。撮像装置は、電子デバイス、例えば、撮影機能を有する一般的なデバイス、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、又はウェアラブル電子デバイスである。当然ながら、電子デバイスは、撮影機能を有する別のタイプの電子デバイスであってもよい。前記撮像装置は、ハウジング、及び前記ハウジング内に配設されている任意の前述の画像センサを含む。前述の技術的解決手段において、白色画素ユニットが各画素群に導入され、白色画素ユニットを使用することによって画像センサの感度が改善される。これにより、画像の解像度及び信号対ノイズ比が改善される。
【0095】
当業者であれば、本願の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本願に対して様々な修正及び変形を行い得ることは明らかである。本願のこれらの修正及び変形が、以下の特許請求の範囲及びその均等な技術により定義される保護範囲に含まれる限り、本願はこれらの修正及び変形を包含することが意図されている。
【国際調査報告】