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特表2023-551020パッケージ構造およびパッケージ方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-06
(54)【発明の名称】パッケージ構造およびパッケージ方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/04 20060101AFI20231129BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
H01L23/04 E
H01L23/12 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532530
(86)(22)【出願日】2021-10-21
(85)【翻訳文提出日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 CN2021125213
(87)【国際公開番号】W WO2022111149
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】202011375308.6
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】林 燕海
(72)【発明者】
【氏名】黄 明利
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 小敏
(72)【発明者】
【氏名】黄 安
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 冠▲翹▼
(57)【要約】
本出願は、パッケージ構造およびパッケージ方法を開示する。パッケージ構造は、パッケージ基板を含み得る。パッケージ基板は、ダイを担持するように構成され得る。パッケージ基板上にプリント回路基板を配置してよい。プリント回路基板は、基板本体および基板本体上の金属ピンを含む。基板本体は環状構造である。金属ピンは、基板本体の外側に水平に延在し、外部回路に接続するように構成される。金属ピンは、ダイが基板本体によって露出されたパッケージ基板上に配置されたときにダイに接続するようにさらに構成される。言い換えれば、本出願の実施形態では、パッケージフレームおよびピンは、プリント回路基板であってよい。プリント回路基板は、ダイと外部回路との間の電気的接続を実装するために、基板本体の外側に延在し得る金属ピンを含む。プリント回路基板の製造は簡単であるため、パッケージコストは低い。パッケージフレームおよびピンは一体構造を形成するため、パッケージプロセスが簡素化される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ基板であって、ダイを担持するように構成される、パッケージ基板と、
前記パッケージ基板上のプリント回路基板であって、基板本体および前記基板本体上の金属ピンを含み、前記基板本体は環状構造であり、前記金属ピンは、前記基板本体の外側に水平に延在し、外部回路に接続するように構成され、前記金属ピンは、前記ダイが前記基板本体によって露出された前記パッケージ基板上に配置されたときに前記ダイに接続するようにさらに構成される、プリント回路基板と
を備える、パッケージ構造。
【請求項2】
前記金属ピンの厚さ範囲は0.04ミリメートルから1ミリメートルである、請求項1に記載のパッケージ構造。
【請求項3】
前記金属ピンが前記基板本体の外側に延在する長さ範囲は0.2ミリメートルから20ミリメートルである、請求項1または2に記載のパッケージ構造。
【請求項4】
前記金属ピンは、屈曲するように事前形成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のパッケージ構造。
【請求項5】
前記基板本体は、前記パッケージ基板の上面に位置する第1の部分と、前記パッケージ基板の少なくとも1つの側壁に位置する第2の部分とを含み、前記第1の部分の構造は環状であり、前記第1の部分および前記第2の部分は、一体構造を形成する、請求項1から4のいずれか一項に記載のパッケージ構造。
【請求項6】
前記プリント回路基板は、前記基板本体上に金属線をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のパッケージ構造。
【請求項7】
前記構造は、前記プリント回路基板を覆う保護蓋をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のパッケージ構造。
【請求項8】
前記基板および前記プリント回路基板は、絶縁ゲルを使用して接合される、請求項1から7のいずれか一項に記載のパッケージ構造。
【請求項9】
パッケージ方法であって、
パッケージ基板上にダイを固定するステップと、
前記パッケージ基板上にプリント回路基板を固定するステップであって、前記プリント回路基板は、基板本体および前記基板本体上の金属ピンを含み、前記基板本体は環状構造であり、前記ダイは、前記基板本体によって露出された前記パッケージ基板上に配置され、前記金属ピンは、前記基板本体の外側に水平に延在し、外部回路に接続するように構成される、ステップと、
前記金属ピンと前記ダイとを接続するステップと
を含む、パッケージ方法。
【請求項10】
前記金属ピンの厚さ範囲は0.04ミリメートルから1ミリメートルである、請求項9に記載のパッケージ方法。
【請求項11】
前記金属ピンが前記基板本体の外側に延在する長さ範囲は0.2ミリメートルから20ミリメートルである、請求項9または10に記載のパッケージ方法。
【請求項12】
前記金属ピンは屈曲するように事前形成される、請求項9から11のいずれか一項に記載のパッケージ方法。
【請求項13】
前記基板本体は、前記パッケージ基板の上面に位置する第1の部分と、前記パッケージ基板の少なくとも1つの側壁に位置する第2の部分とを含み、前記第1の部分の構造は環状であり、前記第1の部分および前記第2の部分は、一体構造を形成する、請求項9から12のいずれか一項に記載のパッケージ方法。
【請求項14】
前記プリント回路基板は、前記基板本体上に金属線をさらに備える、請求項9から13のいずれか一項に記載のパッケージ方法。
【請求項15】
前記プリント回路基板を覆う保護蓋を前記プリント回路基板上に配置するステップ
をさらに含む、請求項9から14のいずれか一項に記載のパッケージ方法。
【請求項16】
前記パッケージ基板上にプリント回路基板を固定する前記ステップは、
絶縁ゲルを使用して、前記プリント回路基板を前記パッケージ基板上に接合するステップを含む、請求項9から15のいずれか一項に記載のパッケージ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、パッケージング技術の分野に関し、特に、パッケージ構造およびパッケージ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2020年11月30日に中国国家知識産権局に出願された「パッケージ構造およびパッケージ方法」という名称の中国特許出願第202011375308.6号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
実際の操作では、完全なコンポーネントを形成するためにダイ(die)をパッケージする必要がある。ダイをパッケージするためのパッケージ構造の機能は、(1)電気的接続を実装することであって、具体的には、ダイの内部回路を外部回路に接続し、この機能は主にピンを使用して実装されることと、(2)コンポーネントの内部にある損傷、およびターンオーバー、回路組立、および実際の作業中の機械的接触によって引き起こされる損傷を防止するためにダイの物理的保護を提供することと、(3)電気および熱を伝導するためのキャリアとして、熱膨張係数がよく一致すること、熱応力の緩衝、コンポーネントが適用可能な温度範囲の拡大、およびコンポーネントの信頼性の向上を保証することとを含む。具体的には、パッケージ構造は、基板、パッケージフレーム(ウィンドウフレーム/リードフレーム)、およびピン(pin)を含む必要がある。基板は金属材料で作られており、熱伝導性および電気伝導性を有する。ピンは、信号の入出力および電源の入出力用である。パッケージフレームは、ピンを有するように構成される。パッケージフレームは、基板とピンとの間の短絡接続を避けるために、絶縁媒体材料で作られ、基板とピンとの間に位置づけられる。
【0004】
ダイのパッケージプロセスでは、パッケージプロセスの簡単さとピン溶接の信頼性が重要な要素であり、パッケージ構造の構造および特徴がパッケージプロセスで決定的な役割を果たす。現在、セラミック材料をパッケージフレームとして使用し得る。パッケージフレームはダイを囲む。ピンはパッケージフレームに配置される。ボンディングワイヤ(bonding wire)は、ダイとピンとを接続してダイの内部回路から引き出すように構成される。しかし、セラミック関連のプロセスは複雑で、パッケージコストが高く、開発前の周期が長く、設計は柔軟性がない。セラミック材料の誘電率は高く、ピン寄生パラメータは大きい。
【0005】
パッケージプロセスを簡素化し、パッケージコストを削減し、パッケージの信頼性を向上させるパッケージ構造を提供することは、当技術分野における重要な研究である。
【発明の概要】
【0006】
背景技術を考慮して、本出願の第1の態様は、パッケージプロセスを簡素化し、パッケージコストを削減し、パッケージの信頼性を向上させるパッケージ構造およびパッケージ方法を提供する。
【0007】
前述の技術的課題を解決するために、以下の技術的な解決策が本出願で使用される。
【0008】
本出願の第1の態様は、パッケージ構造を提供する。構造は、パッケージ基板を含む。パッケージ基板は、ダイを担持するように構成され得る。パッケージ基板上にプリント回路基板を配置してよい。プリント回路基板は、基板本体および基板本体上の金属ピンを含む。基板本体は環状構造である。金属ピンは、基板本体の外側に水平に延在し、外部回路に接続するように構成される。金属ピンは、基板本体によって露出されたパッケージ基板上にダイが配置されたときにダイに接続するようにさらに構成される。言い換えれば、本出願の実施形態では、パッケージフレームおよびピンは、プリント回路基板であってよい。プリント回路基板は、ダイと外部回路との間の電気的接続を実装するために、基板本体の外側に延在し得る金属ピンを含む。プリント回路基板の製造は簡単であるため、パッケージコストは低い。パッケージフレームおよびピンは一体構造を形成するため、パッケージプロセスが簡素化される。
【0009】
いくつかの可能な実施態様では、金属ピンの厚さ範囲は、0.04ミリメートルから1ミリメートルである。
【0010】
本出願のこの実施形態では、金属ピンの厚さ範囲が限定され得、これによって、金属ピンの信頼性が確保されることが可能であり、金属ピンは低剛性を有することができ、パッケージ構造の安定性が改善される。
【0011】
いくつかの可能な実装では、金属ピンが基板本体の外側に延在する長さ範囲は、0.2ミリメートルから20ミリメートルである。
【0012】
本出願のこの実施形態では、金属ピンが基板本体の外側に延在する長さ範囲は、金属ピンの接続長を確保することができ、いくつかのシナリオで曲げ要件を満たすことができ、パッケージ構造の安定性が改善されるように制限され得る。
【0013】
いくつかの可能な実装では、金属ピンは、屈曲するように事前形成される。
【0014】
本出願のこの実施形態では、金属ピンは、金属ピンをより高い信頼性で外部回路に溶接することができ、特定の応力を吸収することができ、それによって溶接継手の長期的な信頼性を向上させるように、屈曲するように事前形成され得る。
【0015】
いくつかの可能な実装では、基板本体は、パッケージ基板の上面上に位置する第1の部分と、パッケージ基板の少なくとも1つの側壁上に位置する第2の部分とを含み、第1の部分の構造は環状であり、第1の部分および第2の部分は、統合された構造を形成する。
【0016】
本出願のこの実施形態では、基板本体は、パッケージ基板および少なくとも1つの側壁の上面を覆い、パッケージ基板に対してより良い保護効果を実装し、パッケージ基板と金属ピンとの間に確実な電気的隔離を提供し得る。
【0017】
いくつかの可能な実装では、プリント回路基板は、基板本体上に金属線をさらに含む。
【0018】
本出願のこの実施形態では、プリント回路基板は、プリント回路基板の本体上に金属線をさらに含み得、金属線は、個別化された要件を満たすために実際の状況に基づいて設定され得る。
【0019】
いくつかの可能な実装では、パッケージ構造は、プリント回路基板を覆う保護蓋をさらに含む。
【0020】
本出願のこの実施形態では、パッケージ構造は、プリント回路基板を上から一体的に保護することができ、パッケージ構造の信頼性が向上するように、保護蓋をさらに含む。
【0021】
いくつかの可能な実装では、基板およびプリント回路基板は、絶縁ゲルを使用することによって接合される。
【0022】
本出願のこの実施形態では、基板およびプリント回路基板は、絶縁ゲルを使用することによって接合され得る。このようにして、コストが低く、操作が便利で、信頼性が高くなる。
【0023】
本出願の実施形態の第2の態様は、パッケージ方法を提供する。方法は、以下を含む。
パッケージ基板上にダイを固定することと、
パッケージ基板上にプリント回路基板を固定することであって、プリント回路基板は、基板本体および基板本体上の金属ピンを含み、基板本体は環状構造であり、ダイは、基板本体によって露出されたパッケージ基板上に配置され、金属ピンは、基板本体の外側に水平に延在し、外部回路に接続するように構成されること、および
金属ピンとダイを接続すること。
【0024】
いくつかの可能な実装では、金属ピンの厚さ範囲は、0.04ミリメートルから1ミリメートルである。
【0025】
いくつかの可能な実装では、金属ピンが基板本体の外側に延在する長さ範囲は、0.2ミリメートルから20ミリメートルである。
【0026】
いくつかの可能な実装では、金属ピンは、屈曲するように事前形成される。
【0027】
いくつかの可能な実装では、基板本体は、パッケージ基板の上面上に位置する第1の部分と、パッケージ基板の少なくとも1つの側壁上に位置する第2の部分とを含み、第1の部分の構造は環状であり、第1の部分および第2の部分は、統合された構造を形成する。
【0028】
いくつかの可能な実装では、プリント回路基板は、基板本体上に金属線をさらに含む。
【0029】
いくつかの可能な実装では、方法はさらに、
プリント回路基板を覆う保護蓋をプリント回路基板上に配置することを含む。
【0030】
いくつかの可能な実装では、パッケージ基板上にプリント回路基板を固定することは、
絶縁ゲルを使用して、プリント回路基板をパッケージ基板上に接合することを含む。
【0031】
前述の技術的解決策から、本出願の実施形態が以下の利点を有することを理解することができる。
【0032】
本出願の実施形態は、パッケージ構造およびパッケージ方法を提供する。パッケージ構造は、パッケージ基板を含み得る。パッケージ基板は、ダイを担持するように構成され得る。パッケージ基板上にプリント回路基板を配置してよい。プリント回路基板は、基板本体および基板本体上の金属ピンを含む。基板本体は環状構造である。金属ピンは、基板本体の外側に水平に延在し、外部回路に接続するように構成される。金属ピンは、ダイが基板本体によって露出されたパッケージ基板上に配置されたときにダイに接続するようにさらに構成される。言い換えれば、本出願の実施形態では、パッケージフレームおよびピンは、プリント回路基板であってよい。プリント回路基板は、ダイと外部回路との間の電気的接続を実装するために、基板本体の外側に延在し得る金属ピンを含む。プリント回路基板の製造は簡単であるため、パッケージコストは低い。パッケージフレームおよびピンは一体構造を形成するため、パッケージプロセスが簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本出願の具体的な実装を明確に理解するために、以下では、本出願の具体的な実装を説明するために使用される添付図面を簡単に説明する。添付の図面が、本出願のいくつかの実施形態を示すに過ぎないことは明らかである。
図1】現在のパッケージ構造の概略図である。
図2】本出願の一実施形態によるパッケージ構造の3次元構造の概略図である。
図3図2のAA方向に沿って示すパッケージ構造の断面図である。
図4】本出願の一実施形態による別のパッケージ構造の概略図である。
図5】本出願の一実施形態によるプリント回路基板の形成の概略図である。
図6】本出願の一実施形態によるプリント回路基板の形成の別のタイプの概略図である。
図7】本出願の一実施形態によるさらに別のパッケージ構造の概略図である。
図8】本出願の一実施形態によるさらに別のパッケージ構造の概略図である。
図9】本出願の一実施形態による、さらに別のパッケージ構造の概略図である。
図10】本出願の一実施形態によるパッケージ方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本出願の実施形態は、パッケージプロセスを簡素化し、パッケージコストを削減し、パッケージ信頼性を向上させるためのパッケージ構造およびパッケージ方法を提供する。
【0035】
本出願の明細書、特許請求の範囲、および添付の図面において、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」等(存在する場合)は、類似のオブジェクトの間で区別することを意図しているが、必ずしも特定の順序または配列を示すものではない。このような方法で名づけたデータは、本明細書に説明される実施形態が、本明細書に例示または説明される順序以外の順序で実装することができるように、適切な場合に交換可能であることを理解されたい。さらに、用語「含む(include)」、「包含する(contain)」、および任意の他の変形例は、非排他的包含をカバーすることを意味し、例えば、ステップまたはユニットの列挙を含むプロセス、方法、システム、製品、またはデバイスは、これらのステップまたはユニットに必ずしも限定されず、そのようなプロセス、方法、製品、またはデバイスに明示的に列挙されていない、または固有の他のステップまたはユニットを含み得る。
【0036】
本出願は、概略図を参照して詳細に説明される。本出願の実施形態が詳細に説明されるとき、説明を容易にするために、構成要素の構造を示す断面図は、一般的なスケールに基づかずに部分的に拡大される。加えて、概略図は単なる例であり、本明細書における本出願の保護範囲を限定すべきではない。さらに、実際の製造には、長さ、幅、および深さの3次元空間の寸法が含まれるであろう。
【0037】
現在、セラミック材料をパッケージフレームとして使用して、セラミックパッケージ(ceramic package)構造を形成し得る。パッケージフレームはダイを囲む。パッケージフレーム上にピンが配置される。ボンディングワイヤは、ダイとピンとを接続してダイの内部回路から引き出すように構成される。しかし、セラミック関連のプロセスは複雑で、パッケージコストが高く、開発前の周期が長く、設計は柔軟性がない。セラミック材料の誘電率は高く、ピン寄生パラメータは大きい。さらに、ピンはパッケージフレーム上に追加で設計する必要があり、複雑なプロセスをもたらす。
【0038】
加えて、パッケージフレームおよび金属ピンは、代替として、プリント回路基板(printed circuit board、PCB)を使用することによって形成され得る。図1は、現在のパッケージ構造の概略図である。図1Bは、図1AのAA方向に沿ったパッケージ構造の断面図である。パッケージ基板100にはPCB基板が配置されている。PCB基板は、誘電体層201および誘電体層201の表面上の金属層202を含む。誘電体層201は、パッケージフレームとして使用されてもよい。パッケージ基板100から突出するPCB基板の一部は、金属化されたビア203および側面金属化された接続を使用して機能ピンを形成する。機能ピンは、ダイ300を外部回路に接続するように構成され、ダイ300および金属層202は、ボンディングワイヤ301を介して接続される。いくつかの実装では、複数のPCB基板は、パッケージ基板100を囲むためにパッケージ基板100の高さに一致する。複数のPCB基板は、溶接によって接続される。
【0039】
発明者は、パッケージ構造のピン部分が誘電体層を含み、したがって、ピンが強い剛性を有することを研究を通じて見出した。これは応力を吸収するのに好ましくない。このピンは、基板レベルの溶接の信頼性リスクが高い。ピンは非一体型導電性金属であるため、追加の損失が増加する。パッケージ基板とプリント回路基板を溶接工程により接続すると、基板レベルの溶接の信頼性が低下する。したがって、パッケージプロセスを簡素化し、パッケージコストを削減し、パッケージの信頼性を向上させるパッケージ構造を提供することが、当技術分野における重要な研究である。
【0040】
前述の技術的課題に基づいて、本出願の実施形態は、パッケージ構造およびパッケージ方法を提供する。パッケージ構造は、パッケージ基板を含み得る。パッケージ基板は、ダイを担持するように構成され得る。パッケージ基板上にプリント回路基板を配置してよい。プリント回路基板は、基板本体および基板本体上の金属ピンを含む。基板本体は環状構造である。金属ピンは、基板本体の外側に水平に延在し、外部回路に接続するように構成される。金属ピンは、ダイが基板本体によって露出されたパッケージ基板上に配置されたときにダイに接続するようにさらに構成される。言い換えれば、本出願の実施形態では、パッケージフレームおよびピンは、プリント回路基板であってよい。プリント回路基板は、ダイと外部回路との間の電気的接続を実装するために、基板本体の外側に延在し得る金属ピンを含む。プリント回路基板の製造は簡単であるため、パッケージコストは低い。パッケージフレームおよびピンは一体構造を形成するため、パッケージプロセスが簡素化される。
【0041】
本出願の目的、特徴、および利点をより明確にかつより理解しやすくするために、以下では、添付の図面を参照して本出願の具体的な実装を詳細に説明する。
【0042】
図2は、本出願の一実施形態によるパッケージ構造の3次元構造の概略図である。図3は、図2のAA方向に沿って示すパッケージ構造の断面図である。パッケージ構造は、パッケージ基板100およびパッケージ基板100上のプリント回路基板を含み得る。
【0043】
パッケージ基板100は、フランジ(flange)とも称され得、ダイ300を担持するように構成される。パッケージ基板100は、構造安定性を有する。パッケージ基板100の材料が導電性材料である場合、パッケージ基板100を接地に使用してよい。パッケージ基板100は、良好な放熱効果を有し得る。したがって、パッケージ基板100は、電気および熱を伝導するためのキャリアとして使用され得る。
【0044】
ダイ300は、無線周波数電力増幅機能を有するダイ300であってもよく、またはパッケージする必要がある別のダイ300であってもよい。ダイ300が無線周波数電力増幅機能を有するダイであるとき、無線周波数パワーチューブは、ダイ300をパッケージすることによって取得され得る。通常、無線周波数パワーチューブのパッケージコスト比率は無視できず、大きくさえある。したがって、低コストパッケージは常に無線周波数パワーチューブの開発対象である。無線周波数性能の次元では、効率および帯域幅は無線周波数パワーチューブの重要な指標である。パッケージがいくつかの寄生パラメータをもたらすことは避けられない。この機能を最適化すると、いくつかのパラメータの影響を軽減し、無線周波数パワーチューブの性能を向上させることができる。したがって、無線周波数パワーチューブのパッケージ処理では、例えば、インピーダンス整合などの要因を考慮する必要がある。
【0045】
プリント回路基板は、パッケージ基板100上に配置されてよく、ここで、プリント回路基板は、パッケージフレームおよびピンとして使用されてよい。ダイ300がパッケージ基板100上に固定されるとき、ピンは、ダイ300の回路構造のリードアウトを実装し得る。パッケージフレームは、パッケージ基板100をピンから隔離し得、パッケージフレームは、環状構造であり得、ダイ300を囲んでダイ300の物理的保護を与える。プリント回路基板のコストは低い。さらに、一体構造のプリント回路基板をパッケージフレームおよびピンとして使用して、パッケージプロセスにおける操作ステップとパッケージの困難性を低減する。さらに、プリント回路基板のサイズを柔軟に設計し得、プリント回路基板の設計および製造周期が短い。セラミック構造とは異なり、プリント回路基板は金型製作を必要としない。これは、製品の適用および反復に有益である。基板およびプリント回路基板は、絶縁ゲルを使用して接合されてよい。コストは低く、接合プロセスは簡単である。
【0046】
具体的には、プリント回路基板は、基板本体401および基板本体401上の金属ピン402を含み得る。基板本体401は、環状構造であってよい。基板本体401がパッケージ基板100上に配置されるとき、基板本体401は、パッケージ基板の表面の一部を覆い、環状構造によって囲まれた領域を露出させ得る。金属ピン402は、基板本体401の外側に水平に延在し、外部回路に接続するためのサスペンション設計を形成する。金属ピン402は、ダイ300が基板本体401によって露出されたパッケージ基板100上に配置されたときにダイ300に接続して、ダイ300の内部回路から引き出すようにさらに構成される。金属ピン402およびダイ300は、ボンディングワイヤ301を介して接続され得る。
【0047】
基板本体401の材料は誘電体材料であってよく、誘電体材料は誘電率の高い材料であってよい。基板本体401は、パッケージ基板100の上面のみに位置してよく、基板本体401の外側壁は、パッケージ基板100の外側壁と同じ高さである。図2および図3に示されるように、代替として、基板本体401は、パッケージ基板100の外側壁上でわずかに凹状であってよい。
【0048】
本出願のこの実施形態では、基板本体401は、代替として、パッケージ基板100の上面およびパッケージ基板100の側壁上に位置し得る。図4は、本出願の一実施形態による別のパッケージ構造の概略図である。基板本体401は、パッケージ基板100の上面上に位置する第1の部分と、パッケージ基板100の少なくとも1つの側壁上に位置する第2の部分とを含み得る。第1の部分および第2の部分は一体構造であり、第1の部分の構造は環状である。このようにして、基板本体401は、パッケージ基板100の側壁を囲み得る。パッケージ基板100が保護され、パッケージ構造の構造安定性が改善される。パッケージ基板100の少なくとも1つの側壁上に位置する第2の部分は、パッケージ基板100の全体的な高さの側壁を覆ってもよく、またはパッケージ基板100の部分的な高さの側壁を覆ってもよい。基板本体401の構造は、基板本体401の長さ、幅、および高さを設計することによって実装され得る。これは高い柔軟性を有する。パッケージ基板100のサイズが変更されないままである場合、パッケージコンポーネントのサイズは、基板本体401のサイズを調整および設計することによって柔軟に設計され得る。
【0049】
金属ピン402の材料は、金属材料であり得、金属材料は、良好な導電性を有する材料であり得る。具体的には、金属ピン402は、1つの金属材料を含んでもよく、または複数の金属材料を含んでもよい。金属ピン402は、別の非導電性材料のない一体型金属であり得る。金属ピン402は、基板本体401の表面上の金属構造であるため、導電性が良好であり、追加の損失が小さく、金属構造の剛性が小さい。これにより、ピンの応力吸収を改善し、パッケージ構造の信頼性を向上させることができる。
【0050】
金属ピン402および基板本体401は、一体構造を形成し得る。具体的には、金属ピン402は、プリント回路基板の集積処理によって基板本体401と組み合わされてよい。プリント回路基板の集積処理プロセスは、圧着、接着、溶接などを含むが、これらに限定されない。金属ピン402の形状は、基板本体401上に金属材料をエッチングすることによって設計されてよく、金属ピン402のサスペンション設計は、基板本体401をエッチングすることによって実装することができる。したがって、既存のプロセスはよりよく一致することができ、高い操作性および利便性が達成される。
【0051】
図5は、本出願の一実施形態によるプリント回路基板の形成の概略図である。基板本体層401’および基板本体層401’上の金属層402’が提供され得る。図5Aに示されるように、金属ピン402は、金属層402’をエッチングすることによって取得され得る。基板本体層401’の中心部および外輪部が除去され、その結果、環状構造の基板本体401を形成することができ、金属ピン402が宙吊り状態で配置される。このようにして、図5Bに示すように、パッケージ基板100上に配置され得るプリント回路基板が取得される。図5Aにおいて、枠内の領域は除去する必要のある部分を示し、左の枠および右の枠の領域は外輪の基板本体層401’を示し、中央の枠の領域は中央の金属層402’および中央の基板本体層401’を示す。除去される基板本体層401’および除去される金属層402’の幅は、金属ピンの必要な幅、パッケージ基板のサイズ、およびダイの数量などの実際の状況に基づいて決定される。
【0052】
図6は、本出願の一実施形態によるプリント回路基板を形成する別のタイプの概略図である。基板本体層401’および基板本体層401’上の金属層402’が提供され得る。図6Aに示されるように、金属ピン402は、金属層402’をエッチングすることによって取得され得る。基板本体層401’の中心部および外輪部が除去され、その結果、環状構造の基板本体401を形成することができ、金属ピン402が宙吊り状態で配置される。図6Bに示すように、基板本体層401’の中間部で薄化が行われて、パッケージ基板100に組み込むことができる溝を取得し、パッケージ基板100に配置することができパッケージ基板100を囲む、プリント回路基板を取得する。図6Aにおいて、枠内の領域および折れ線の間の領域は、除去する必要のある部分を示し、左枠および右枠が位置する領域は外輪の基板本体層401’を示し、中央の折れ線の間の領域は中央の金属層402’および中央の基板本体層401’を示す。基板本体層401’の薄化の厚さは、パッケージ基板100の厚さに基づいて決定され得、除去される基板本体層401’および除去される金属層402’の幅は、金属ピンの必要な幅、パッケージ基板のサイズ、およびダイの数量などの実際の状況に基づいて決定される。
【0053】
通常、プリント回路基板上の金属層は薄く、ピンとして使用することはできない。本出願のこの実施形態では、金属ピン402の構造安定性を改善し、金属層と基板本体401の誘電体層との間の接合力を改善するために、プリント回路基板上の金属層上で厚肉化の設計を実行し得る。具体的には、金属ピン402の厚さ範囲は0.04ミリメートルから1ミリメートルであり、金属ピン402が基板本体401の外側に延在する長さ範囲は0.2ミリメートルから20ミリメートルである。
【0054】
加えて、金属ピン402は、小さな剛性を有し、応力に耐えるために曲げられ得るので、金属ピン402は、さらに、屈曲のために事前成形されてよい。このようにして、金属ピン402をより高い信頼性で外部回路に溶接することができ、比応力を吸収することができ、それによって溶接継手の長期信頼性を向上させる。図7は、本出願の一実施形態によるさらに別のパッケージ構造の概略図である。金属ピン402が事前形成された後、金属ピン402は屈曲される。異なった屈曲度は異なった条件の基板レベルのアプリケーションに適用可能である。図7Aの金属ピン402は、シンク型(sinking type)の溶接に適用可能である。具体的には、溶接継手がパッケージ基板100の下面よりも高くなるように、パッケージ基板100が接続基板に沈められる。図7Bの金属ピン402は、表面実装型の溶接に適用可能である。具体的には、溶接継手がパッケージ基板100の下面と同じ高さになるように、パッケージ基板100が接続基板に配置される。
【0055】
本出願のこの実施形態では、プリント回路基板は、基板本体401上に金属線403をさらに含んでよい。金属線403および金属ピン402は、同時に形成されてよい。金属線403は、パッケージ構造の性能を拡大するために、実際の要件に基づいて設定され得る。例えば、図8は、本出願の一実施形態によるさらに別のパッケージ構造の概略図である。金属線403は、2つのダイ300の間に配置されて、2つのダイ300の間の無線周波数信号を遮蔽し得る。あるいは、金属線403は、周囲の電界を変更するために、2つのダイ300の外側に配置されてよい。
【0056】
本出願のこの実施形態では、保護蓋(lid)500は、プリント回路基板上にさらに配置されてよい。図9は、本出願の一実施形態による、さらに別のパッケージ構造の概略図である。図9Aは、プリント回路基板および保護蓋500の別個の概略図である。保護蓋500は、プリント回路基板上で押し下げられ、プリント回路基板を覆うように固定されてよい。図9Bは、プリント回路基板および保護蓋500の全体的な概略図である。図9Cは、図9BのAA方向に沿ったパッケージ構造の断面図を示す。保護蓋は、その中にダイおよびボンディングワイヤを収容するための中空構造であってよい。保護蓋500は、パッケージ基板100上のダイ300の物理的保護を提供し得る。保護蓋500は、電気的性能のための機能および要件を有さず、絶縁材料であってよい。
【0057】
本出願の実施形態は、パッケージ構造を提供する。パッケージ構造は、パッケージ基板を含み得る。パッケージ基板は、ダイを担持するように構成され得る。パッケージ基板上にプリント回路基板を配置してよい。プリント回路基板は、基板本体および基板本体上の金属ピンを含む。基板本体は環状構造である。金属ピンは、基板本体の外側に水平に延在し、外部回路に接続するように構成される。金属ピンは、ダイが基板本体によって露出されたパッケージ基板上に配置されたときにダイに接続するようにさらに構成される。言い換えれば、本出願の実施形態では、パッケージフレームおよびピンは、プリント回路基板であってよい。プリント回路基板は、ダイと外部回路との間の電気的接続を実装するために、基板本体の外側に延在し得る金属ピンを含む。プリント回路基板の製造は簡単であるため、パッケージコストは低い。パッケージフレームおよびピンは一体構造を形成するため、パッケージプロセスが簡素化される。
【0058】
本出願の実施形態で提供されるパッケージ構造に基づいて、本出願の実施形態は、パッケージ方法をさらに提供する。図10は、本出願の一実施形態によるパッケージ方法のフローチャートである。方法は、以下のステップを含み得る。
【0059】
S101:パッケージ基板100上にダイ300を固定する。
【0060】
パッケージ基板100は、フランジ(flange)とも称され得、ダイ300を担持するように構成される。パッケージ基板100は、構造安定性を有する。パッケージ基板100の材料が導電性材料である場合、パッケージ基板100を接地に使用してよい。パッケージ基板100は、良好な放熱効果を有し得る。したがって、パッケージ基板100は、電気および熱を伝導するためのキャリアとして使用され得る。
【0061】
ダイ300は、無線周波数電力増幅機能を有するダイ300であってもよく、またはパッケージする必要がある別のダイ300であってもよい。したがって、無線周波数パワーチューブのパッケージ処理では、例えば、インピーダンス整合などの要因を考慮する必要がある。
【0062】
ダイ300は、接合方式でパッケージ基板100上に固定されてもよい。
【0063】
S102:パッケージ基板100にプリント回路基板を固定する。
【0064】
プリント回路基板は、パッケージ基板100上に配置されてよく、ここで、プリント回路基板は、パッケージフレームおよびピンとして使用されてよい。ダイ300がパッケージ基板100上に固定されるとき、ピンは、ダイ300の回路構造のリードアウトを実装し得る。パッケージフレームは、パッケージ基板100をピンから隔離し得、パッケージフレームは、環状構造であり得、ダイ300を囲んでダイ300の物理的保護を与える。基板およびプリント回路基板は、絶縁ゲルを使用して接合されてよい。コストは低く、接合プロセスは簡単である。
【0065】
具体的には、プリント回路基板は、基板本体401および基板本体401上の金属ピン402を含み得る。基板本体401は、環状構造であってよい。基板本体401がパッケージ基板100上に配置されるとき、基板本体401は、パッケージ基板の表面の一部を覆い、環状構造によって囲まれた領域を露出させ得る。金属ピン402は、基板本体401の外側に水平に延在し、外部回路に接続するためのサスペンション設計を形成する。金属ピン402は、ダイ300が基板本体401によって露出されたパッケージ基板100上に配置されたときにダイ300に接続して、ダイ300の内部回路から引き出すようにさらに構成される。
【0066】
基板本体401の材料は誘電体材料であってよく、誘電体材料は誘電率の高い材料であってよい。基板本体401は、パッケージ基板100の上面のみに位置してもよく、基板本体401の外側壁は、パッケージ基板100の外側壁と同じ高さである。図2および図3に示されるように、代替として、基板本体401は、パッケージ基板100の外側壁上でわずかに凹状であってよい。
【0067】
本出願のこの実施形態では、基板本体401は、代替として、パッケージ基板100の上面およびパッケージ基板100の側壁上に配置され得る。この場合、基板本体401は、パッケージ基板100の上面上に位置する第1の部分と、パッケージ基板100の少なくとも1つの側壁上に位置する第2の部分とを含み得る。第1の部分および第2の部分は一体構造であり、第1の部分の構造は環状である。このようにして、基板本体401は、パッケージ基板100の側壁を囲み得る。図4に示すように、パッケージ基板100が保護され、パッケージ構造の構造安定性が改善される。パッケージ基板100の少なくとも1つの側壁上に位置する第2の部分は、パッケージ基板100の全体的な高さの側壁を覆ってもよく、またはパッケージ基板100の部分的な高さの側壁を覆ってもよい。基板本体401の構造は、基板本体401の長さ、幅、および高さを設計することによって実装され得る。これは高い柔軟性を有する。パッケージ基板100のサイズが変更されないままである場合、パッケージコンポーネントのサイズは、基板本体401のサイズを調整および設計することによって柔軟に設計され得る。
【0068】
金属ピン402の材料は、金属材料であり得、金属材料は、良好な導電性を有する材料であり得る。具体的には、金属ピン402は、1つの金属材料を含んでもよく、または複数の金属材料を含んでもよい。金属ピン402は、別の非導電性材料のない一体型金属であり得る。金属ピン402は、基板本体401の表面上の金属構造であるため、導電性が良好であり、追加の損失が小さく、金属構造の剛性が小さい。これにより、ピンの応力吸収を改善し、パッケージ構造の信頼性を向上させることができる。
【0069】
金属ピン402および基板本体401は、一体構造を形成し得る。具体的には、金属ピン402は、プリント回路基板の集積処理によって基板本体401と組み合わされてよい。プリント回路基板の集積処理プロセスは、圧着、接着、溶接などを含むが、これらに限定されない。金属ピン402の形状は、基板本体401上に金属材料をエッチングすることによって設計されてよく、金属ピン402のサスペンション設計は、基板本体401をエッチングすることによって実装することができる。したがって、既存のプロセスはよりよく一致することができ、高い操作性および利便性が達成される。
【0070】
通常、プリント回路基板上の金属層は薄く、ピンとして使用することはできない。本出願のこの実施形態では、金属ピン402の構造安定性を改善し、金属層と基板本体401の誘電体層との間の接合力を改善するために、プリント回路基板上の金属層上で厚肉化の設計を実行し得る。具体的には、金属ピン402の厚さ範囲は0.04ミリメートルから1ミリメートルであり、金属ピン402が基板本体401の外側に延在する長さ範囲は0.2ミリメートルから20ミリメートルである。
【0071】
加えて、金属ピン402は、小さな剛性を有し、応力に耐えるために曲げられ得るので、金属ピン402は、さらに、屈曲のために事前成形されてよい。このようにして、金属ピン402をより高い信頼性で外部回路に溶接することができ、比応力を吸収することができ、それによって溶接継手の長期信頼性を向上させる。図7に示されるように、金属ピン402が事前形成された後、金属ピン402が曲げられる。異なった屈曲度は異なった条件の基板レベルのアプリケーションに適用可能である。
【0072】
プリント回路基板は、基板本体401上に金属線403をさらに含んでよい。金属線403および金属ピン402は、同時に形成されてよい。金属線403は、パッケージ構造の性能を拡張するために、実際の要件に基づいて設定され得る。
【0073】
S103:金属ピン402とダイ300とを接続する。
【0074】
本出願のこの実施形態では、ダイ300がパッケージ基板100上に固定された後、ダイ300と金属ピン402との間の接続は、ボンディングワイヤを使用することによって実装され得る。
【0075】
本出願のこの実施形態では、保護蓋(lid)500は、プリント回路基板上にさらに配置されてよい。保護蓋500は、パッケージ基板100上のダイ300の物理的保護を提供し得る。保護蓋は、その中にダイおよびボンディングワイヤを収容するための中空構造であってよい。保護蓋500は、電気的性能のための機能および要件を有さず、絶縁材料であってよい。
【0076】
本出願の実施形態は、パッケージ方法を提供する。ダイは、パッケージ基板上に固定されてよい。パッケージ基板上にプリント回路基板を固定する。プリント回路基板は、基板本体および基板本体上の金属ピンを含む。基板本体は環状構造である。ダイは、基板本体によって露出されたパッケージ基板上に配置される。金属ピンは、基板本体の外側に水平に延在し、外部回路に接続するように構成される。金属ピンとダイとが接続される。言い換えれば、本出願の実施形態では、パッケージフレームおよびピンは、プリント回路基板であってよい。プリント回路基板は、ダイと外部回路との間の電気的接続を実装するために、基板本体の外側に延在し得る金属ピンを含む。プリント回路基板の製造は簡単であるため、パッケージコストは低い。パッケージフレームおよびピンは一体構造を形成するため、パッケージプロセスが簡素化される。
【0077】
本明細書における実施形態はすべて漸進的に説明され、実施形態における同じまたは類似の部分については、これらの実施形態を参照されることがあり、各実施形態は、他の実施形態との違いに焦点を当てる。特に、方法の実施形態は、構造の実施形態に基本的に類似しているため、簡単に説明され、関連する部分については、構造の実施形態における部分的な説明が参照されることがある。
【0078】
上記は、本出願の具体的な実施態様を提供する。前述の実施形態は、本出願の技術的解決策を説明することを意図しているに過ぎず、本出願を限定することを意図していない。本出願は前述の実施形態を参照して詳細に説明されたが、当業者は、本出願の実施形態の技術的解決策の範囲から逸脱することなく、さらに前述の実施形態に記載された技術的解決策に修正を加え、またはそのいくつかの技術的特徴に等価な置き換えを行い得ることを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】