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特表2023-551032電池の検出方法及び装置、読み取り可能な記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-06
(54)【発明の名称】電池の検出方法及び装置、読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/3842 20190101AFI20231129BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G01R31/3842
H01M10/48 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532565
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(85)【翻訳文提出日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 CN2021122379
(87)【国際公開番号】W WO2023050389
(87)【国際公開日】2023-04-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】馮 ▲てぃん▼
(72)【発明者】
【氏名】張 継君
(72)【発明者】
【氏名】王 少飛
(72)【発明者】
【氏名】魏 奕民
【テーマコード(参考)】
2G216
5H030
【Fターム(参考)】
2G216BA41
2G216BB23
5H030AA01
5H030AS20
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
(57)【要約】
本出願は、電池の検出方法及び装置、読み取り可能な記憶媒体を提供する。電池の検出装置は、検出待ち電池に接続されており、検出待ち電池の開回路電圧を測定するための電圧測定モジュールと、電圧測定モジュールに接続されており、開回路電圧を取得するためのプロセッサと、プロセッサに接続されており、検出待ち電池が予め設定された時間静置された後、プロセッサによって制御されて検出待ち電池にテスト電圧を入力するために使用され、テスト電圧は、開回路電圧と同じである定電圧源と、検出待ち電池に接続されており、テスト電圧が入力された後の検出待ち電池の瞬時電流を測定するための電流測定モジュールと、を含み、プロセッサは、さらに電流測定モジュールに接続されており、瞬時電流を取得し、瞬時電流と予め設定された電流閾値に基づいて検出待ち電池の自己放電特性を決定するために使用される。この検出装置は、電池の検出コストを削減し、電池の検出効率を向上させ、電池検出の適用性を高めるために使用される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の検出装置であって、
検出待ち電池に接続され、前記検出待ち電池の開回路電圧を測定するための電圧測定モジュールと、
前記電圧測定モジュールに接続されており、前記開回路電圧を取得するためのプロセッサと、
前記プロセッサに接続されており、前記検出待ち電池が予め設定された時間静置された後、前記プロセッサによって制御されて前記検出待ち電池にテスト電圧を入力するために使用され、前記テスト電圧は、前記開回路電圧と同じである定電圧源と、
前記検出待ち電池に接続されており、前記テスト電圧が入力された後の前記検出待ち電池の瞬時電流を測定するための電流測定モジュールと、を含み、
前記プロセッサは、さらに前記電流測定モジュールに接続されており、前記瞬時電流を取得し、前記瞬時電流及び予め設定された電流閾値に基づいて前記検出待ち電池の自己放電特性を決定するために使用されることを特徴とする電池の検出装置。
【請求項2】
前記電圧測定モジュールは、電圧計、第1スイッチ及び第1電池接続端子を含み、
前記第1スイッチの一端は、前記電圧計の一端に接続され、前記第1スイッチの他端は、前記第1電池接続端子の一端に接続され、前記検出待ち電池は、前記第1電池接続端子を介して前記電圧測定モジュールに接続され、前記電圧計の他端は、前記第1電池接続端子の他端に接続され、前記電圧計は、前記プロセッサに接続され、
前記検出待ち電池が前記第1電池接続端子を介して前記電圧測定モジュールに接続される場合、前記第1スイッチが閉じられ、前記電圧計は、前記検出待ち電池の開回路電圧を測定することを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記電流測定モジュールは、電流計、第2スイッチ及び第2電池接続端子を含み、
前記電流計の一端は、前記プロセッサに接続され、前記電流計の他端は、前記第2スイッチの一端に接続され、前記第2スイッチの他端は、前記第2電池接続端子に接続され、前記検出待ち電池は、前記第2電池接続端子を介して前記電流測定モジュールに接続され、
前記検出待ち電池が前記第2電池接続端子を介して前記電流測定モジュールに接続される場合、前記第2スイッチが閉じられ、前記電流計は、前記検出待ち電池の前記瞬時電流を測定することを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項4】
前記検出装置は、前記電圧測定モジュールに接続された第1電池走査モジュールと、前記電流測定モジュールに接続された第2電池走査モジュールとを含む電池走査モジュールをさらに含み、前記第1電池走査モジュール及び前記第2電池走査モジュールの両方は、前記プロセッサに接続され、
前記第1電池走査モジュールは、検出待ち電池が前記電圧測定モジュールに接続される場合、検出待ち電池の識別子を決定し、前記プロセッサに送信するために使用され、前記プロセッサは、具体的には、前記検出待ち電池の識別子に対応する開回路電圧を取得し、前記検出待ち電池に前記検出待ち電池の識別子に対応するテスト電圧を入力するように前記定電圧源を制御するために使用され、
前記第2電池走査モジュールは、前記検出待ち電池が前記電流測定モジュールに接続される場合、前記検出待ち電池の識別子を決定し、前記プロセッサに送信するために使用され、前記プロセッサは、具体的には、前記検出待ち電池の識別子に対応する瞬時電流を取得し、前記検出待ち電池の識別子に対応する瞬時電流及び予め設定された電流閾値に基づいて前記検出待ち電池の自己放電特性を決定するために使用されることを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、具体的には、
前記瞬時電流が前記予め設定された電流閾値よりも大きい場合、前記検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定し、
前記瞬時電流が前記予め設定された電流閾値以下である場合、前記検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定するために使用されることを特徴とする請求項1-4のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項6】
前記検出装置は、移送装置をさらに含み、前記移送装置は、前記プロセッサに接続され、前記プロセッサは、さらに、
前記検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定する場合、前記検出待ち電池を第1位置に移送するように前記移送装置を制御し、
前記検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定する場合、前記検出待ち電池を第2位置に移送するように前記移送装置を制御するために使用されることを特徴とする請求項5に記載の検出装置。
【請求項7】
電池の検出方法であって、
検出待ち電池の開回路電圧を測定するステップと、
前記検出待ち電池が予め設定された時間静置された後、前記検出待ち電池にテスト電圧を入力するステップであって、前記テスト電圧は、前記開回路電圧と同じであるステップと、
前記テスト電圧が入力された後の前記検出待ち電池の瞬時電流を測定するステップと、
前記瞬時電流及び予め設定された電流閾値に基づいて、前記検出待ち電池の自己放電性能を決定するステップと、を含むことを特徴とする電池の検出方法。
【請求項8】
前記の前記瞬時電流及び予め設定された電流閾値に基づいて、前記検出待ち電池の自己放電性能を決定するステップは、
前記瞬時電流が前記予め設定された電流閾値よりも大きい場合、前記検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定するステップと、
前記瞬時電流が前記予め設定された電流閾値以下である場合、前記検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定するステップと、を含むことを特徴とする請求項7に記載の検出方法。
【請求項9】
前記検出方法は、
前記検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定する場合、前記検出待ち電池を第1位置に移送するステップと、
前記検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定する場合、前記検出待ち電池を第2位置に移送するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の検出方法。
【請求項10】
前記検出方法は、請求項1-6のいずれか一項に記載の電池の検出装置に適用されることを特徴とする請求項7-9のいずれか一項に記載の電池の検出方法。
【請求項11】
電池の検出装置であって、
検出待ち電池の開回路電圧を測定するための測定モジュールと、
前記検出待ち電池が予め設定された時間静置された後、前記検出待ち電池にテスト電圧を入力するために使用され、前記テスト電圧は、前記開回路電圧と同じである処理モジュールと、を含み、
前記測定モジュールは、さらに、前記テスト電圧が入力された後の前記検出待ち電池の瞬時電流を測定するために使用され、
前記処理モジュールは、さらに、前記瞬時電流及び予め設定された電流閾値に基づいて、前記検出待ち電池の自己放電性能を決定するために使用されることを特徴とする電池の検出装置。
【請求項12】
前記処理モジュールは、具体的には、
前記瞬時電流が前記予め設定された電流閾値よりも大きい場合、前記検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定し、
前記瞬時電流が前記予め設定された電流閾値以下である場合、前記検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定するために使用されることを特徴とする請求項11に記載の検出装置。
【請求項13】
前記処理モジュールは、さらに、
前記検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定する場合、前記検出待ち電池を第1位置に移送し、
前記検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定する場合、前記検出待ち電池を第2位置に移送するために使用されることを特徴とする請求項12に記載の検出装置。
【請求項14】
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがコンピュータに実行される場合、請求項7-9のいずれか一項に記載の電池の検出方法を実行することを特徴とする読み取り可能な記憶媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、特に電池の検出方法及び装置、読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電池の自己放電により、保管中の電池の電圧が低すぎたり、電圧がゼロになったりするなどの故障現象が発生する。即ち、電池の自己放電性能は電池の品質に影響を与えるため、電池の自己放電性能を検出して電池の品質を判定することができる。
【0003】
従来技術では、電池の自己放電性能は、定電圧充電法により検出することができる。定電圧充電法は、検出中、機器(検出機器)チャンネルを長時間占有する必要があり、機器コスト及び機器のエネルギー消費が無駄になるため、検出効率が低く、この検出方式の適用性も低い。
【発明の概要】
【0004】
本出願の目的は、電池の検出コストを削減し、電池の検出効率を向上し、電池検出の適用性を高めるために、電池検出方法及び装置、読み取り可能な記憶媒体を提供することにある。
【0005】
第1態様では、本出願は、検出待ち電池に接続されており、前記検出待ち電池の開回路電圧を測定するための電圧測定モジュールと、前記電圧測定モジュールに接続されており、前記開回路電圧を取得するためのプロセッサと、前記プロセッサに接続されており、前記検出待ち電池が予め設定された時間静置された後、前記プロセッサによって制御されて前記検出待ち電池にテスト電圧を入力するために使用され、前記テスト電圧は、前記開回路電圧と同じである定電圧源と、前記検出待ち電池に接続されており、前記テスト電圧が入力された後の前記検出待ち電池の瞬時電流を測定するための電流測定モジュールと、を含み、前記プロセッサは、さらに前記電流測定モジュールに接続されており、前記瞬時電流を取得し、前記瞬時電流と予め設定された電流閾値に基づいて前記検出待ち電池の自己放電特性を決定するために使用される、電池検出装置を提供する。
【0006】
本出願では、従来技術と比較して、定電圧法の検出原理が採用されているが、既存の定電圧法との違いは、対応する電圧が定電圧源によって入力された後、検出待ち電池の瞬時電流を測定することであり、電池の測定を長時間待たずにすぐに行うため、検出効率を大幅に向上させ、検出時間と機器(検出機器)コストを節約することができる。また、対応する電圧が定電圧源によって入力される前に、検出待ち電池が予め設定された時間静置される必要があり、この静置時間の間に、この検出装置は、他の検出待ち電池に接続し続け、他の検出待ち電池を検出し、例えば、他の検出待ち電池の開回路電圧を測定することができ、さらに、この検出装置は、バッチの電池を検出することができる。したがって、この検出装置は、電池の検出コストを削減し、電池の検出効率を向上させることができ、この検出装置の適用性が高い。
【0007】
1つの可能な実施形態として、前記電圧測定モジュールは、電圧計、第1スイッチ及び第1電池接続端子を含み、前記第1スイッチの一端は、前記電圧計の一端に接続され、前記第1スイッチの他端は、前記第1電池接続端子の一端に接続され、前記検出待ち電池は、前記第1電池接続端子を介して前記電圧測定モジュールに接続され、前記電圧計の他端は、前記第1電池接続端子の他端に接続され、前記電圧計は、前記プロセッサに接続され、前記検出待ち電池が前記第1電池接続端子を介して前記電圧測定モジュールに接続される場合、前記第1スイッチが閉じられ、前記電圧計は、前記検出待ち電池の開回路電圧を測定する。
【0008】
本出願では、電圧測定モジュールは、電圧計、第1スイッチ及び第1電池接続端子を含み、第1スイッチ及び第1電池接続端子により、検出待ち電池の接続及び切断を実現することができ、電圧計により、接続された検出待ち電池の開回路電圧の効果的な測定を実現することができる。
【0009】
1つの可能な実施形態として、前記電流測定モジュールは、電流計、第2スイッチ及び第2電池接続端子を含み、前記電流計の一端は、前記プロセッサに接続され、前記電流計の他端は、前記第2スイッチの一端に接続され、前記第2スイッチの他端は、前記第2電池接続端子に接続され、前記検出待ち電池は、前記第2電池接続端子を介して前記電流測定モジュールに接続され、前記検出待ち電池は、前記第2電池接続端子を介して前記電流測定モジュールに接続される場合、前記第2スイッチが閉じられ、前記電流計は、前記検出待ち電池の前記瞬時電流を測定する。
【0010】
本出願では、電流測定モジュールは、電流計、第2スイッチ及び第2電池接続端子を含み、第2スイッチ及び第2電池接続端子により、検出待ち電池の接続及び切断を実現することができ、電流計により、接続された検出待ち電池の瞬時電流の効果的かつ迅速な測定を実現することができる。
【0011】
1つの可能な実施形態として、前記検出装置は、前記電圧測定モジュールに接続された第1電池走査モジュールと、前記電流測定モジュールに接続された第2電池走査モジュールとを含む電池走査モジュールをさらに含み、前記第1電池走査モジュール及び前記第2電池走査モジュールの両方は、前記プロセッサに接続され、前記第1電池走査モジュールは、検出待ち電池が前記電圧測定モジュールに接続される場合、検出待ち電池の識別子を決定し、前記プロセッサに送信するために使用され、前記プロセッサは、具体的には、前記検出待ち電池の識別子に対応する開回路電圧を取得し、前記検出待ち電池に前記検出待ち電池の識別子に対応するテスト電圧を入力するように前記定電圧源を制御するために使用され、前記第2電池走査モジュールは、前記検出待ち電池が前記電流測定モジュールに接続される場合、前記検出待ち電池の識別子を決定し、前記プロセッサに送信するために使用され、前記プロセッサは、具体的には、前記検出待ち電池の識別子に対応する瞬時電流を取得し、前記検出待ち電池の識別子に対応する瞬時電流及び予め設定された電流閾値に基づいて前記検出待ち電池の自己放電特性を決定するために使用される。
【0012】
本出願では、検出装置には、第1電池走査モジュールと第2電池走査モジュールとを含む電池走査モジュールがさらに設けられており、第1電池走査モジュールにより、検出待ち電池の開回路電圧を識別子に対応させることができ、さらに、プロセッサは、識別子に対応するテスト電圧を入力するように定電圧源を制御することができ、第2電池走査モジュールにより、検出待ち電池の瞬時電流を識別子に対応させることができ、さらに、プロセッサは、識別子に対応する瞬時電流に基づいて電池の自己放電特性を決定することができる。さらに、この検出装置がバッチの検出待ち電池を検出する場合、各検出待ち電池に対応する開回路電圧及び瞬時電流を効果的に区別(識別)し、バッチの検出待ち電池の効果的な検出を実現することができる。
【0013】
1つの可能な実施形態として、前記プロセッサは、具体的には、前記瞬時電流が前記予め設定された電流閾値よりも大きい場合、前記検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定し、前記瞬時電流が前記予め設定された電流閾値以下である場合、前記検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定するために使用される。
【0014】
本出願では、瞬時電流が予め設定された電流閾値よりも大きい場合、検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定することができ、瞬時電流が予め設定された電流閾値以下である場合、検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定することができ、電池の自己放電性能の正確な判定が実現される。
【0015】
1つの可能な実施形態として、前記検出装置は、移送装置をさらに含み、前記移送装置は、前記プロセッサに接続され、前記プロセッサは、さらに、前記検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定する場合、前記検出待ち電池を第1位置に移送するように前記移送装置を制御し、前記検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定する場合、前記検出待ち電池を第2位置に移送するように前記移送装置を制御するために使用される。
【0016】
本出願では、検出待ち電池の検出結果が決定された後、異なる検出結果に基づいて、検出待ち電池を異なる位置に移送し、検出された電池のさらなる処理を実現することができる。
【0017】
第2態様では、本出願は、検出待ち電池の開回路電圧を測定するステップと、前記検出待ち電池が予め設定された時間静置された後、前記検出待ち電池にテスト電圧を入力するステップであって、前記テスト電圧は、前記開回路電圧と同じであるステップと、前記テスト電圧が入力された後の前記検出待ち電池の瞬時電流を測定するステップと、前記瞬時電流と予め設定された電流閾値に基づいて前記検出待ち電池の自己放電特性を決定するステップと、を含む電池検出方法を提供する。
【0018】
本出願では、従来技術と比較して、定電圧法の検出原理が依然として採用されるが、既存の定電圧法との違いは、テスト電圧が入力された後、検出待ち電池の瞬時電流を測定することであり、電池の測定を長時間待たずにすぐに行うことができるため、検出効率を大幅に向上させ、検出時間と機器(検出機器)コストを節約することができる。また、テスト電圧が入力される前に、検出待ち電池が予め設定された時間静置される必要があり、この静置時間の間に、他の検出待ち電池の検出を続行し、例えば他の検出待ち電池の開回路電圧を測定することができ、さらに、この検出方法により、バッチの電池を検出することができる。したがって、この検出方法は、電池の検出コストを削減し、電池の検出効率を向上させることができ、この検出方法の適用性が高い。
【0019】
1つの可能な実施形態として、前記の前記瞬時電流と予め設定された電流閾値に基づいて前記検出待ち電池の自己放電性能を決定するステップは、前記瞬時電流が前記予め設定された電流閾値よりも大きい場合、前記検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定するステップと、前記瞬時電流が前記予め設定された電流閾値以下である場合、前記検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定するステップと、を含む。
【0020】
本出願では、瞬時電流が予め設定された電流閾値よりも大きい場合、検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定することができ、瞬時電流が予め設定された電流閾値以下である場合、検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定することができ、電池の自己放電性能の正確な判定が実現される。
【0021】
1つの可能な実施形態として、前記検出方法は、前記検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定する場合、前記検出待ち電池を第1位置に移送するステップと、前記検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定する場合、前記検出待ち電池を第2位置に移送するステップと、をさらに含む。
【0022】
本出願では、検出待ち電池の検出結果が決定された後、異なる検出結果に基づいて、検出待ち電池を異なる位置に移送し、検出待ち電池のさらなる処理を実現することもできる。
【0023】
1つの可能な実施態様として、この検出方法は、第1態様及び第1態様のいずれかの可能な実施形態で説明された電池検出装置に適用される。
【0024】
本出願では、電池検出装置と電池検出方法の組み合わせ適用により、電池の検出コストが削減され、電池の検出効率が向上し、電池検出装置及び電池検出方法の適用性が高い。
【0025】
第3態様では、本出願は、第2態様及び第2態様のいずれかの可能な実施形態で説明された電池検出方法を実現するための各機能モジュールを含む電池検出装置を提供する。
【0026】
第4態様では、本出願は、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがコンピュータに実行されると、第2態様及び第2態様のいずれかの可能な実施形態で説明された電池検出方法を実行する読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本出願の実施例における技術的解決策をより明確に説明するために、以下に本出願の実施例に必要な図面を簡単に紹介するが、明らかに、以下に説明される図面は本出願の幾つかの実施例だけであり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0028】
図1】本出願の一実施例で開示される電池検出方法のフローチャートである。
図2】本出願の一実施例で開示される電池の第1検出装置の構造概略図である。
図3】本出願のさらなる別の実施例で開示される電池の第1検出装置の構造概略図である。
図4】本出願のさらなる別の実施例で開示される電池の第1検出装置の構造概略図である。
図5】本出願の一実施例で開示される電池の第2検出装置の構造概略図である。
【0029】
図面において、図面は必ずしも実際の縮尺で描かれているわけではない。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に図面と実施例とを参照して本出願の実施形態をさらに詳しく説明する。以下の実施例の詳細な説明及び添付の図面は、本出願の原理を例示的に説明するために使用されるが、本出願の範囲を限定するために使用され得るものではなく、即ち、本出願は、説明される実施例に限定されない。
【0031】
本出願の説明では、特に断りがない限り、「複数」は、2つ以上を意味しており、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などの用語で示される方向又は位置関係は、本出願を容易に説明し、説明を簡略化するためのものであるが、示される装置又は要素が特定の方位を有さなければならず、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示し、又は暗示するものではないと説明される必要があり、したがって、本出願を制限するものとして理解されない。また、「第1」、「第2」、「第3」という用語などは、説明するためのものに過ぎず、相対的な重要性を示し又は暗示するものとして理解されない。「垂直」は、厳密な意味での垂直だけではなく、誤差の許容範囲を含み得る。「平行」は、厳密な意味での平行だけではなく、誤差の許容範囲を含み得る。
【0032】
以下の説明に現れる方位を示す用語は、すべて図面で示される方向であり、本出願の具体的な構造を限定するものではない。本出願の説明では、特に明確に規定及び制限されていない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」などの用語は、広い意味で理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体接続でもよいし、直接接続であってもよく、中間媒体を介した間接的接続であってもよい。本分野の当業者にとって、具体的な状況に応じて本出願での上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0033】
電池セルの自己放電により、保管中の電池の電圧が低すぎたり、電圧がゼロになったりするなどの故障現象が発生する。電池のグループ化プロセスにおいて、同じバッチの電池セルの自己放電の一貫性が低い場合、過充電、過放電などの安全上の問題が発生し、最終的に電池モジュールの耐用年数が短くなる。したがって、電池の自己放電性能は、電池の品質を決定する要因の1つであり、さらに、自己放電性能の検出は、電池品質検出の検出タスクの1つになっている。
【0034】
本出願人は、既存の電池検出方法を分析することにより、定電圧検出方法において、定電圧源が接続された後、電池の充電電流が安定するまで待ってから、安定した充電電流を収集する必要があることを発見した。これにより、検出機器チャネルは長期間占有されてしまい、さらに検出効率も低下してしまう。
【0035】
上記の問題から、本出願人は、研究により、定電圧法の検出原理を用いる場合、安定した充電電流が収集されなくても、電池の充電電流が安定するまで待つ必要がなく、即ち電池の瞬時電流を測定することで検出機器チャネルの長時間の占有を減らすことができることを発見した。
【0036】
瞬時電流が電池の自己放電性能を反映できるようにするために、電池の開回路電圧を先にテストすることができるが、電池の自己放電により、予め設定された時間が経過すると、電池の電圧は、開回路電圧よりも低くなる。開回路電圧と同じテスト電圧を再度接続した後、この時に生成された瞬時電流と瞬時電圧差との間には対応関係があり、したがって、瞬時電流は、電池の自己放電性能を反映することができる。この方式により、自己放電性能の検出を実現できるだけでなく、検出機器チャネルの長時間の占有を回避することもできる。
【0037】
上記の技術的解決策の原理に基づいて、本出願人は、さらに検討し、電池の開回路電圧が測定された後、途中で予め設定された時間の待機期間があり、この待機期間内に電池を静置できることを発見した。現在測定されている電池が静置される場合、開回路電圧を測定するための部材がアイドル状態であり、アイドル期間を利用して測定を必要とする次の電池の開回路電圧のテストを継続することができる。したがって、この検出方式により、バッチの電池を検出することもできるため、テスト効率を大幅に向上させるとともに、テスト時間及び検出機器コストを大幅に節約することができる。
【0038】
本出願の実施例によって提供される技術的解決策は、電池の自己放電性能をテストする必要がある様々な適用場面で適用することができ、少数の電池の自己放電性能をテストすることができるだけでなく、多数の電池の自己放電性能をテストすることができる。
【0039】
本出願の実施例によって提供される技術的解決策は、電池検出方法及び電池検出装置を含み、電池検出方法は、電池検出装置に適用することができる。即ち、電池検出装置は、電池検出方法のハードウェア実行環境として使用され、電池検出方法は、他の電池検出装置に適用することもできる。したがって、本出願の実施例によって提供される技術的解決策の理解を容易にするために、後述の実施例においては、まず電池検出方法を紹介し、次に電池検出装置を説明する。
【0040】
図1を参照すると、図1は本出願の実施例によって提供される電池検出方法のフローチャートであり、この検出方法は、以下のステップを含む:
【0041】
ステップ110において、検出待ち電池の開回路電圧を測定する。
【0042】
ステップ120において、検出待ち電池が予め設定された時間静置された後、検出待ち電池にテスト電圧を入力する。テスト電圧は、開回路電圧と同じである。
【0043】
ステップ130において、テスト電圧が入力された後の検出待ち電池の瞬時電流を測定する。
【0044】
ステップ140において、瞬時電流及び予め設定された電流閾値に基づいて、検出待ち電池の自己放電性能を決定する。
【0045】
本出願の実施例では、定電圧法の検出原理が採用される。既存の定電圧法との違いは、テスト電圧が入力された後、検出待ち電池の瞬時電流を測定することであり、電池の測定を長時間待たずにすぐに行うことができるため、検出効率を大幅に向上させ、検出時間と機器(検出機器)コストを節約することができる。また、テスト電圧が入力される前に、検出待ち電池が予め設定された時間静置される必要があり、この静置時間の間に、他の検出待ち電池の検出を続行し、例えば他の検出待ち電池の開回路電圧を測定することができ、さらに、この検出方法により、バッチの電池を検出することができる。したがって、この検出方法は、電池の検出コストを削減し、電池の検出効率を向上させることができ、この検出方法の適用性が高い。
【0046】
次に、この検出方法の詳細な実施形態を説明する。
【0047】
ステップ110において、まず検出待ち電池の開回路電圧を測定する。開回路状態の電池の端子電圧は、開回路電圧と呼ばれることを理解できる。電池の開回路電圧は、電池が遮断されるとき(即ち2つの電極に電流が流れていないとき)の電池の正極電位と負極電位の差に等しい。
【0048】
したがって、開回路電圧を測定する場合、まず検出待ち電池を遮断し、次に測定待ち電圧の正極と負極の間の電圧、即ち開回路電圧を直接測定する。
【0049】
開回路電圧の測定は、電圧計で実現されてもよい。実際の適用において、電圧計の2つの測定ポートを引き出すことができ、測定が必要な場合、検出待ち電池の正極と負極を2つの測定ポートに対応して直接接続させると、検出待ち電池の開回路電圧の効果的な測定を実現することができる。
【0050】
ステップ110で電池の開回路電圧が測定された後、まず検出待ち電池を静置し、静置時間が予め設定された時間に達した後、ステップ120で検出待ち電池に開回路電圧と同じテスト電圧を入力する。
【0051】
ここで、予め設定された時間は、電池の実際の動作状況のニーズに応じて設定されてもよく、一般的に言えば、電池が多い電気を漏らす必要がある場合、予め設定された時間を長く設定して、十分な漏電を確保することができる。電池が少ない電気を漏らす必要がある場合、予め設定された時間を短く設定しても、十分な漏電を確保することができる。
【0052】
この時間は、漏電される電気量に基づいて予め設定されることに加えて、電池の容量、最大電位などの電池の実際の開示と組み合わせて設定されてもよく、本出願の実施例に限定されない。
【0053】
例として、予め設定された時間は、10分~6時間の範囲内で設定されてもよい。
【0054】
ステップ120において、検出待ち電池を開回路電圧と同じ電圧源に接続し、開回路電圧と同じテスト電圧の入力を実現することができる。
【0055】
ステップ120でテスト電圧が入力された後、検出待ち電池の両極に対応する電流が流れ、この時、ステップ130を実行し、テスト電圧が入力された後の検出待ち電池の瞬時電流を測定することができる。
【0056】
瞬時電流に対して、検出待ち電池にテスト電圧が入力された後、検出待ち電池を電流計に直ちに接続し、接続が確立された後、電流計で測定した瞬時値を瞬時電流とする。
【0057】
電池の自己放電により、予め設定された時間が経過した後、電池の電圧が開回路電圧よりも低く、開回路電圧と同じテスト電圧に再度接続した後、この時に生成された瞬時電流は、瞬時電圧差に対応し、したがって、瞬時電流は、電池の自己放電性能を反映することができると理解できる。
【0058】
さらに、ステップ130で瞬時電流が測定された後、ステップ140において、瞬時電流及び予め設定された電流閾値に基づいて、検出待ち電池の自己放電性能を決定する。
【0059】
ここで、予め設定された電流閾値は、事前のテストに応じて設定されてもよい。1つの選択可能な実施形態として、自己放電性能が正常である1バッチの電池に対して上記ステップ110-ステップ130のテストを行い、電池の瞬時電流(i)の分布をテストし、この分布から自己放電が正常である電池に対応する補償電流閾値imaxを算出し、この補償電流閾値imaxを予め設定された電流閾値として決定することができる。
【0060】
例えば、imaxの値は、μ+(3~6)δ以上の値であってもよく、具体的な値は、不良品の実際のブロックニーズ(自己放電性能が異常である電池のブロックニーズ)に従って設定されてもよい。ここで、μとδは、1バッチの電池のi値の正規分布から計算されたi値の平均値とi値の標準偏差をそれぞれ表す。
【0061】
予め設定された電流閾値は、上記の設定方式に加えて、他の方式によって設定されてもよく、例えば、大量の経験的データによる設定、一部のメーカーのニーズに応じた設定などがあり、これは本出願の実施例に限定されない。
【0062】
予め設定された電流閾値に基づき、1つの選択可能な実施形態として、ステップ140は、瞬時電流が予め設定された電流閾値よりも大きい場合、検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定するステップと、瞬時電流が予め設定された電流閾値以下である場合、検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定するステップとを含む。
【0063】
この実施形態では、瞬時電流が予め設定された電流閾値よりも大きい場合、検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定することができ、瞬時電流が予め設定された電流閾値以下である場合、検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定することができ、電池の自己放電性能の正確な判定が実現される。
【0064】
ステップ110-ステップ140の実施形態の紹介から、電池の検出プロセス全体において、検出待ち電池を一定期間静置する必要があることがわかり、このような検出方式に基づき、この検出方法は、バッチの電池検出に適用され得る。
【0065】
例えば、検出待ち電池が電池1、電池2、電池3及びそれ以上の電池を含むと仮定すると、電池1の開回路電圧の測定が完了された後、電池1を静置し、この時、電池2の開回路電圧を測定することができ、次に、電池2を静置し、電池1と電池2がそれぞれ静置されてもよく、次に電池3の開回路電圧の測定を継続し、測定後に電池3を静置する。電池1、電池2及び電池3の静置開始時間が異なるため、電池1の静置が終了した後、それに対してテスト電圧を入力し、瞬時電流を測定し、次に、電池2、電池3に対してこのプロセスを順次行う。また、電池1、電池2、電池3に対して瞬時電流の測定をそれぞれ行う場合、他の電池の開回路電圧の測定を同時に測定することもでき、これらのプロセスは相互に干渉しない。
【0066】
また、プロセス全体において、電池の測定がすぐに行われ、各電池の静置時間も互いに影響を与えない。したがって、この検出方法により、バッチの電池を効率的に検出することができる。
【0067】
この検出方法によりバッチの電池を検出することができるが、バッチの電池の開回路の測定、テスト電圧の入力及び瞬時電流の測定の時点が分離されているため、データの混乱を避けるために、測定される開回路電圧と瞬時電流に対応する識別子を追加することもできる。
【0068】
したがって、1つの選択可能な実施形態として、ステップ110で検出待ち電池の開回路電圧が測定された後、それを検出待ち電池に対応する識別子に対応させ、例えば、現在の検出待ち電池を電池1とすると、検出待ち電池の識別子は、電池1の番号であってもよい。さらに、ステップ120において、テスト電圧を入力する必要がある電池が接続される場合、まず電池の識別子を識別し、次に電池の識別子に対応する開回路電圧をテスト電圧として使用する。
【0069】
また、ステップ130で瞬時電流が測定された後、それを検出待ち電池に対応する識別子に対応させる。さらに、ステップ140において、電池の自己放電性能を判定する場合、決定された自己放電性能を瞬時電流に対応する電池識別子に対応する電池に対応させる。
【0070】
本出願の実施例において、この検出方法が電池製造工場などの適用場面に適用される場合、電池の自己放電性能が決定された後、電池に対してさらなる処理を直接行うことができる。
【0071】
したがって、1つの選択可能な実施形態として、この検出方法は、検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定する場合、検出待ち電池を第1位置に移送するステップと、検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定する場合、検出待ち電池を第2位置に移送するステップと、をさらに含む。
【0072】
この実施形態では、第1位置は、予め設定された自己放電異常製品の放置位置であってもよく、第2位置は、予め設定された自己放電正常製品の放置位置であってもよい。
【0073】
幾つかの実施例では、検出待ち電池を第1位置に移送するステップは、電池移送装置によって検出待ち電池を第1位置に移送するステップを含む。また、検出待ち電池を第2位置に移送するステップは、電池移送装置によって検出待ち電池を第2位置に移送するステップを含む。
【0074】
ここで、電池移送装置は、ロボットアーム又はコンベアベルトなどの電池の位置の移動を実現できる装置であってもよく、本出願の実施例に限定されない。電池移送装置のような実施形態に基づき、まず検出結果に基づいて電池移送装置の制御命令を生成し、次に制御命令を電池移送装置に送信することができ、これにより、電池移送装置は、制御命令に従って対応する位置への電池の移送を実現する。
【0075】
本出願の実施例では、検出待ち電池の検出結果が決定された後、異なる検出結果に基づいて、検出待ち電池を対応する位置に移送し、検出待ち電池のさらなる処理を実現することもできる。
【0076】
上記の実施形態で述べたように、前記電池検出方法は、対応する電池検出装置により実現されてもよく、したがって、本出願の実施例において、前記電池検出方法を実現するために利用可能な電池検出装置も提供される。
【0077】
次に、図2を参照すると、それは本出願の実施例によって提供される電池の第1検出装置200の構造概略図である。この第1検出装置200は、前記電池検出方法に対応するハードウェア環境として理解されてもよく、電圧測定モジュール210、プロセッサ220、定電圧源230及び電流測定モジュール240を含む。
【0078】
電圧測定モジュール210は、検出待ち電池に接続され、検出待ち電池の開回路電圧を測定するために使用される。
【0079】
プロセッサ220は、電圧測定モジュール210に接続されており、電圧測定モジュール210で測定された開回路電圧を取得するために使用される。
【0080】
定電圧源230は、プロセッサ220に接続されており、検出待ち電池が予め設定された時間静置された後、プロセッサ220によって制御されて検出待ち電池に開回路電圧と同じテスト電圧を入力するために使用される。
【0081】
電流測定モジュール240は、検出待ち電池に接続されており、テスト待ち電圧が入力された後の検出待ち電池の瞬時電流を測定するために使用される。
【0082】
プロセッサ220は、さらに電流測定モジュール240に接続されており、電流測定モジュール240で測定された瞬時電流を取得し、瞬時電流及び予め設定された電流閾値に基づいて検出待ち電池の自己放電特性を決定するために使用される。
【0083】
上述した各接続関係は、電気的接続であってもよいし、通信接続であってもよく、具体的な接続方式は、実際の適用場面に応じて組み合わせて選択されてもよく、本出願の実施例に限定されない。
【0084】
プロセッサ220は、信号処理能力を有する集積回路チップであってもよい。プロセッサ220は、汎用プロセッサであってもよいし、CPU(中央処理ユニット:Central Processing Unit)、NP(ネットワークプロセッサ:Network Processor)などであってもよいし、デジタル信号プロセッサ、専用集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントであってもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、又はこのプロセッサ220は、いずれかの従来のプロセッサなどであってもよい。
【0085】
定電圧源230は、直流電源などの従来の電圧源であってもよく、定電圧源230に対応する電圧源のサイズは、検出待ち電池の開回路電圧に対応する必要がある。プロセッサ220が開回路電圧を取得した後、定電圧源230によって提供されるテスト電圧を制御することができる。
【0086】
幾つかの実施例では、定電圧源230は、異なる電圧源を切り替えることができ、プロセッサ220の制御命令に基づいて対応する電圧源を切り替える。
【0087】
他の幾つかの実施例において、定電圧源230は、異なるサイズの電圧源を含むことができ、プロセッサ220が開回路電圧を取得した後、開回路電圧に対応する電圧源をテスト電圧の入力電圧源として選択できる。
【0088】
本出願の実施例では、定電圧法の検出原理が採用されるが、既存の定電圧法との違いは、対応する電圧が定電圧源230によって入力された後、検出待ち電池の瞬時電流を測定することであり、電池の測定を長時間待たずにすぐに行うため、検出効率を大幅に向上させ、検出時間と機器(検出機器)コストを節約することができる。また、対応する電圧が定電圧源230によって入力される前に、検出待ち電池が予め設定された時間静置される必要があり、この静置時間内に、この検出装置は、他の検出待ち電池に接続され続け、他の検出待ち電池を検出し、例えば、他の検出待ち電池の開回路電圧を測定することができ、さらに、この検出装置は、バッチの電池を検出することができる。したがって、この検出装置は、電池の検出コストを削減し、電池の検出効率を向上させることができ、この検出装置の適用性が高い。
【0089】
電圧測定モジュール210の機能は、電圧の測定を実現することである。1つの選択可能な実施形態として、電圧測定モジュール210は、電圧計、第1スイッチ及び第1電池接続端子を含む。
【0090】
ここで、第1スイッチの一端は、電圧計の一端に接続され、第1スイッチの他端は、第1電池接続端子の一端に接続され、検出待ち電池は、第1電池接続端子を介して電圧測定モジュール210に接続され、電圧計の他端は、第1電池接続端子の他端に接続され、電圧計は、プロセッサ220に接続され、検出待ち電池が第1電池接続端子を介して電圧測定モジュール210に接続される場合、第1スイッチが閉じられ、電圧計は、検出待ち電池の開回路電圧を測定する。
【0091】
電圧測定モジュール210は、上記の実施形態に加えて、他の実施形態を採用することもでき、例えば、上記の電圧計は、他の電圧収集モジュールによって実現されてもよく、本出願の実施例に限定されない。
【0092】
この実施形態では、電圧測定モジュール210は、電圧計、第1スイッチ及び第1電池接続端子を含み、第1スイッチ及び第1電池接続端子により、検出待ち電池の接続及び切断を実現することができ、電圧計により、接続された検出待ち電池の開回路電圧の効果的な測定を実現することができる。
【0093】
電流測定モジュール240の機能は、瞬時電流の測定を実現することである。1つの選択可能な実施形態として、電流測定モジュール240は、電流計、第2スイッチ及び第2電池接続端子を含む。
【0094】
ここで、電流計の一端は、プロセッサ220に接続され、電流計の他端は、第2スイッチの一端に接続され、第2スイッチの他端は、第2電池接続端子に接続され、検出待ち電池は、第2電池接続端子を介して電流測定モジュール240に接続され、検出待ち電池が第2電池接続端子を介して電流測定モジュール240に接続される場合、第2スイッチが閉じられ、電流計は、検出待ち電池の瞬時電流を測定する。
【0095】
電流測定モジュール240は、上記の実施形態に加えて、他の実施形態を採用することもでき、例えば、上記の電流計は、他の電流収集モジュールによって実現されてもよく、本出願の実施例に限定されない。
【0096】
この実施形態では、電流測定モジュール240は、電流計、第2スイッチ及び第2電池接続端子を含み、第2スイッチ及び第2電池接続端子により、検出待ち電池の接続及び切断を実現することができ、電流計により、接続された検出待ち電池の瞬時電流の効果的かつ迅速な測定を実現することができる。
【0097】
第1検出装置200の実施形態の説明から、電池の検出プロセス全体において、検出待ち電池を一定期間静置する必要があることがわかり、このような検出方式に基づき、この第1検出装置200は、バッチの電池検出に適用され得る。
【0098】
例えば、検出待ち電池が電池1、電池2、電池3及びそれ以上の電池を含むと仮定すると、電圧測定モジュール210が電池1の開回路電圧の測定を完了した後、電池1は、電圧測定モジュール210から切り離され、静置され、この時、電圧測定モジュール210を使用して電池2への接続を継続し、電池2の開回路電圧を測定し、次に電池2は、電圧測定モジュール210から切り離され、静置され、電池1と電池2は、それぞれ静置されてもよい。次に、電圧測定モジュール210によって電池3への接続を継続し、電池3の開回路電圧を測定し、電池3は、測定が完了された後、静置される。電池1、電池2及び電池3の静置開始時間が異なるため、電池1の静置が終了した後、プロセッサ220は、電池1にテスト電圧を入力するように定電圧源230を制御し、電流測定装置を使用して瞬時電流を測定し、次に電池2、電池3に対してこのプロセスを順次行う。また、電池1、電池2、電池3に対して瞬時電流の測定をそれぞれ行う場合、他の電池の開回路電圧の測定を同時に測定することもでき、これらのプロセスが衝突しない。
【0099】
また、プロセス全体において、電池の測定がすぐに行われ、各電池の静置時間も互いに影響を与えない。したがって、この第1検出装置200により、バッチの電池を効率的に検出することができる。
【0100】
この検出装置によりバッチの電池を検出することができるが、バッチの電池の開回路の測定、テスト電圧の入力及び瞬時電流の測定の時点が分離されているため、データの混乱を避けるために、測定される開回路電圧と瞬時電流に対応する識別子を追加することもできる。
【0101】
したがって、1つの選択可能な実施形態として、図3を参照すると、第1検出装置200は、第1電池走査モジュール250及び第2電池走査モジュール260を含む電池走査モジュールをさらに含む。第1電池走査モジュール250は、電圧測定モジュール210に接続され、第2電池走査モジュール260は、電流測定モジュール240に接続され、プロセッサ220は、第1電池走査モジュール250と第2電池走査モジュール260にそれぞれ接続されている。
【0102】
第1電池走査モジュール250に対して、検出待ち電池が電圧測定モジュール210に接続される場合、検出待ち電池の識別子を決定し、プロセッサ220に送信し、プロセッサ220は、検出待ち電池の識別子に対応する開回路電圧を取得し、さらに、テスト電圧が入力される場合、検出待ち電池に検出待ち電池の識別子に対応するテスト電圧を入力するように定電圧源230を制御する。
【0103】
第2電池走査モジュール260に対して、検出待ち電池が電流測定モジュール240に接続される場合、検出待ち電池の識別子を決定し、プロセッサ220に送信し、プロセッサ220は、検出待ち電池の識別子に対応する瞬時電流を取得し、さらに、検出待ち電池の識別子に対応する瞬時電流及び予め設定された電流閾値に基づいて検出待ち電池の自己放電特性を決定する。
【0104】
ここで、第1電池走査モジュール250及び第2電池走査モジュール260は、電池コード走査ユニットであってもよく、これに対応して、検出待ち電池には、対応するバーコード又は2次元コードなどの走査パターンが設定され、これらの走査パターンは、検出待ち電池の識別子(例えば番号)に対応し、電池走査ユニットは、検出待ち電池上の走査パターンを走査することにより、検出待ち電池の識別子を決定することができる。例えば、電池走査ユニットは、2次元コード走査機器、バーコード走査機器などに該当することができる。
【0105】
プロセッサ220が第1電池走査モジュール250又は第2電池走査モジュール260によって走査された電池の識別子を取得した後、直ちに使用されない可能性があることを、理解することができるため、プロセッサ220は、電池の識別子と対応するパラメータをいつでも対応させるように、電池の識別子を記憶する機能をさらに備える。
【0106】
この実施形態では、第1電池走査モジュール250により検出待ち電池の開回路電圧を識別子に対応させることができ、さらに、プロセッサ220は、識別子に対応するテスト電圧を入力するように定電圧源230を制御することができ、第2電池走査モジュール260により、検出待ち電池の瞬時電流を識別子に対応させることができ、さらに、プロセッサ220は、識別子に対応する瞬時電流に基づいて電池の自己放電特性を決定することができる。さらに、この検出装置がバッチの検出待ち電池を検出する場合、各検出待ち電池に対応する開回路電圧及び瞬時電流を効果的に区別(識別)し、バッチの検出待ち電池の効果的な検出を実現することができる。
【0107】
さらに、前記電池検出方法の説明と組み合わせて、プロセッサ220に対して、自己放電性能を決定する時、瞬時電流が予め設定された電流閾値よりも大きい場合、検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定し、瞬時電流が予め設定された電流閾値以下である場合、検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定する。
【0108】
ここで、予め設定された電流閾値の実施形態については、上記実施例の説明を参照するため、ここでは説明を繰り返さない。
【0109】
本出願の実施例では、瞬時電流が予め設定された電流閾値よりも大きい場合、検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定することができ、瞬時電流が予め設定された電流閾値以下である場合、検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定することができ、電池の自己放電性能の正確な判定が実現される。
【0110】
上記実施例の説明と組み合わせると、第1検出装置200には、移送装置をさらに含んでもよく、移送装置は、プロセッサ220に接続されている。プロセッサ220に対して、検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定する場合、検出待ち電池を第1位置に移送するように移送装置を制御し、検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定する場合、検出待ち電池を第2位置に移送するように移送装置を制御する。
【0111】
ここで、移送装置の実施形態及び制御の実施形態については、上記実施例の説明を参照するため、ここでは説明を繰り返さない。
【0112】
本出願の実施例では、検出待ち電池の検出結果が決定された後、異なる検出結果に基づいて、検出待ち電池を異なる位置に移送し、検出された電池のさらなる処理を実現することができる。
【0113】
上記の各モジュールの実施形態の説明と組み合わせて、次に、図4を参照すると、それは本出願の実施例によって提供される第1検出装置200の実際に適用されるときの構造概略図であり、図4において、モジュール1は、電圧測定モジュール210に対応し、モジュール2は、電流測定モジュール240に対応し、電池コード走査ユニットは、電池走査モジュールに対応し、ポート3は、上記の第1電池接続端子に対応し、ポート1は、上記の第2電池接続端子に対応し、ポート2は、電流測定モジュール240に対応する電池走査モジュールの電池接続端子として理解されてもよく、DC電源は、定電圧源230に対応する。
【0114】
図4に示す構造により、電池検出を行う場合、プロセッサ220は、各ポートと検出待ち電池との接続及びポートを制御し、各スイッチの閉じ及び切断を制御し、定電圧源230のオン及びオフを制御し、取得されたデータを記憶及び処理し、最終的な自己放電性能検出結果を決定する。
【0115】
同じ発明概念に基づいて、図5を参照すると、本出願の実施例では、電池の第2検出装置500も提供され、第2検出装置500は、上記電池検出方法に対応する仮想装置として理解されてもよく、第2検出装置は、測定モジュール510と処理モジュール520を含む。
【0116】
測定モジュール510は、検出待ち電池の開回路電圧を測定するために使用される。処理モジュール520は、前記検出待ち電池が予め設定された時間静置された後、前記検出待ち電池にテスト電圧を入力するために使用され、前記テスト電圧は、前記開回路電圧と同じである。測定モジュール510は、さらに前記テスト電圧が入力された後の前記検出待ち電池の瞬時電流を測定するために使用され、処理モジュール520は、さらに、前記瞬時電流と予め設定された電流閾値に基づいて前記検出待ち電池の自己放電性能を決定するために使用される。
【0117】
本出願の実施例では、処理モジュール520は、具体的には、前記瞬時電流が前記予め設定された電流閾値よりも大きい場合、前記検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定し、前記瞬時電流が前記予め設定された電流閾値以下である場合、前記検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定するために使用される。
【0118】
本出願の実施例において、処理モジュール520は、さらに前記検出待ち電池が自己放電異常製品であることを決定する場合、前記検出待ち電池を第1位置に移送し、前記検出待ち電池が自己放電正常製品であることを決定する場合、前記検出待ち電池を第2位置に移送するために使用される。
【0119】
第2検出装置500は、前記電池検出方法に対応し、各機能モジュールは、方法の各ステップに対応する。したがって、各機能モジュールの実施形態については、各ステップの実施形態を参照し、ここでは説明を繰り返さない。
【0120】
同じ発明概念に基づき、本出願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがコンピュータに実行されると、上記実施例で説明される電池検出方法を実行する読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0121】
好ましい実施例を参照して本出願を説明したが、本出願の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、その一部を等価物で置き換えることができる。特に、各実施例に記載された各技術的特徴は、構成上の矛盾がない限り、任意の方式で組み合わせることができる。本出願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲内のすべての技術的解決策を含むものである。
【符号の説明】
【0122】
200-第1検出装置;210-電圧測定モジュール;220-プロセッサ;230-定電圧源;240-電流測定モジュール;250-第1電池走査モジュール;260-第2電池走査モジュール;500-第2検出装置;510-測定モジュール;520-処理モジュール。

図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】