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特表2023-551044自動車の少なくとも1つのドアを開放するためのキー装置
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  • 特表-自動車の少なくとも1つのドアを開放するためのキー装置 図1
  • 特表-自動車の少なくとも1つのドアを開放するためのキー装置 図2
  • 特表-自動車の少なくとも1つのドアを開放するためのキー装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-06
(54)【発明の名称】自動車の少なくとも1つのドアを開放するためのキー装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 19/00 20060101AFI20231129BHJP
   A61L 2/16 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
E05B19/00 G
E05B19/00 J
A61L2/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532587
(86)(22)【出願日】2021-11-08
(85)【翻訳文提出日】2023-06-30
(86)【国際出願番号】 EP2021080917
(87)【国際公開番号】W WO2022111981
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】2018802.5
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】マヘンドラカール,プラモド
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA30
4C058BB07
4C058DD14
4C058JJ06
4C058JJ24
(57)【要約】
本発明は、自動車の少なくとも1つのドアを開放するためのキー装置(10)に関し、キー装置(10)は、少なくとも1つのハウジング(12)を含み、少なくとも1つのドアを開放するための少なくとも1つの開放機構(14)が、ハウジング(12)に配置されており、液体を貯蔵するための容器(16)が、ハウジング(12)の外側に配置されており、容器(16)は、容器(16)の内部(20)に消毒液(18)を貯蔵するように構成されており、容器(16)は、プッシュ機構(22)を含み、容器(16)は、キー装置(10)のユーザによってプッシュ機構(22)が押圧された後に、キー装置(10)の周囲(26)に内部(20)から消毒液(18)を噴霧するためのノズル(24)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の少なくとも1つのドアを開放するためのキー装置(10)であって、前記キー装置(10)は、少なくとも1つのハウジング(12)を含み、前記少なくとも1つのドアを開放するための少なくとも1つの開放機構(14)が、前記ハウジング(12)に配置されており、液体を貯蔵するための容器(16)が、前記ハウジング(12)の外側に配置されている、キー装置(10)において、
前記容器(16)は、前記容器(16)の内部(20)に消毒液(18)を貯蔵するように構成されており、前記容器(16)は、プッシュ機構(22)を含み、前記容器(16)は、前記キー装置(10)のユーザによって前記プッシュ機構(22)が押圧された後に、前記キー装置(10)の周囲(26)に前記内部(20)から前記消毒液(18)を噴霧するためのノズル(24)を含むことを特徴とする、キー装置(10)。
【請求項2】
前記プッシュ機構(22)は、前記キー装置(10)のユーザが所定の部分において前記容器(16)を圧縮するための押圧部(34)を含み、前記押圧部(34)は、前記押圧部(34)を押圧するための少なくとも1つの可撓性壁(48)を含むこと、
を特徴とする、請求項1記載のキー装置(10)。
【請求項3】
前記容器(16)は、前記内部(20)に収容されている前記消毒液(18)の液位をユーザに示すための液位インジケータ(28)を前記容器(16)の外壁(30)に含むこと、
を特徴とする、請求項1又は2記載のキー装置(10)。
【請求項4】
前記容器(16)は、前記容器(16)の外部から前記容器(16)に前記消毒液(18)を補充するための補充開口部(32)を含むこと、
を特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のキー装置(10)。
【請求項5】
前記押圧部(34)は、前記容器(16)の前記内部(20)から流体的に分離されていること、
を特徴とする、請求項2に記載のキー装置(10)。
【請求項6】
前記容器(16)は、前記押圧部(34)に流体的に接続されている管(36)を含むこと、
を特徴とする、請求項5に記載のキー装置(10)。
【請求項7】
前記容器(16)は、前記管(36)の内側にボール(38)を含み、且つ/又は前記容器(16)は、前記管(36)を封止するための封止部材(40)を含むこと、
を特徴とする、請求項6に記載のキー装置(10)。
【請求項8】
前記管(36)は、ユーザによって実行される押圧動作を支持し、且つ前記管(36)を圧縮するためのばね(42)を含むこと、
を特徴とする、請求項6又は7に記載のキー装置(10)。
【請求項9】
前記ノズル(24)は、スプリンクラ部材として構成されていることを特徴とすること、
を特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のキー装置(10)。
【請求項10】
前記開放機構(14)は、前記自動車の前記少なくとも1つのドアを無線式に開放するように構成されていること、
を特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のキー装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の分野に関する。より詳細には、本発明は、独立請求項に記載の自動車の少なくとも1つのドアを開放するためのキー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車において、自動車のユーザは、手で自動車の内側及び/又は外側の複数の領域に触れるか又は接触する。例えば、ユーザが、ドアハンドル、ステアリングホイール、始動ボタン、又はドアオープナーに触れることが考えられる。どの領域がユーザによって触れられるかは予測できず、このことは、その人間が場合によっては細菌又はウイルスに感染するリスクに関して問題となる。
【0003】
特許文献1には、車のキーフォブが開示されており、そのフォブは、閉鎖可能なスプレーノズル又はスプレーヘッドが設けられた容器から構成されている。
【0004】
当該技術分野では、キー装置のユーザの高信頼性の消毒のためのキー装置を提供することが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国実用新案公開第7640210号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、キー装置のユーザが感染するリスクが最小化される自動車用のキー装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、独立請求項に記載のキー装置によって解決される。有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
【0008】
本発明の一態様は、自動車の少なくとも1つのドアを開放するためのキー装置に関し、キー装置は、少なくとも1つのハウジングを含み、少なくとも1つのドアを開放するための少なくとも1つの開放機構が、ハウジングに配置されており、液体を貯蔵するための容器が、ハウジングの外側に配置されている。
【0009】
一実施形態において、容器は、容器の内部に消毒液を貯蔵するように構成されており、容器は、プッシュ機構を含み、また容器は、キー装置のユーザによってプッシュ機構が押圧された後に、キー装置の周囲に内部から消毒液を噴霧するためのノズルを含む。
【0010】
従って、ユーザの感染リスクが最小化されているキー装置が開示される。換言すれば、殺菌機構がキー装置に設けられており、これにより、ユーザは、自動車に乗りたいとき、又は運転したいときにはいつでも、消毒液を使用することができ、またユーザが細菌及びウイルスから保護されるように、接触し得る領域に消毒液を噴霧することもできる。このために、対応する装置がキー装置に設けられている。この装置は、ポケットサニタイザーのような消毒液を含み、ユーザはキー装置をどこでも使用することができる。
【0011】
本発明の実施形態によるキー装置は、ユーザが細菌及びウイルスから保護されるという利点を有する。このことは、キー装置が、健康安全のためのものであることを意味する。
【0012】
一実施形態では、プッシュ機構は、キー装置のユーザが所定の部分を押圧することによって容器を圧縮するための押圧部を含み、押圧部は、押圧部を押圧するための少なくとも1つの可撓性壁を含む。従って、容器は、プッシュ機構から流体的に分離されており、それによって、容器からの消毒液の漏出が最小化されている。
【0013】
別の実施形態では、容器は、容器の内部に収容されている消毒液の液位をユーザに示すための液位インジケータを容器の外壁に含む。キー装置のユーザは、容器の内部に収容されている消毒液の液位を視覚的に知覚することができる。従って、ユーザは容器を補充することが可能である。特に、液位インジケータは光学的な液位インジケータである。特に、液位インジケータは、容器が一杯であるか否か、どの程度充填されているか、又は容器が空であるか否かを示す。
【0014】
別の実施形態によれば、容器は、容器の外部から消毒液を容器に補充するための充填開口部を含む。従って、キー装置は非常に柔軟に使用可能であり、消毒液容器が空になると、ユーザは容器を容易に補充することができる。
【0015】
別の実施形態では、押圧部は、容器の内部から流体的に分離されている。この実施形態は、キー装置からの漏出が最小化されているという利点を有する。
【0016】
別の実施形態によれば、容器は、押圧部に流体的に接続されている管を含む。従って、押圧部がユーザによって押圧された後に、消毒液は、容器から押圧部及び/又はノズルに送られる。
【0017】
別の実施形態では、容器は、管の内側にボールを含み、且つ/又は容器は、管を封止するための封止部材を含む。この実施形態によれば、漏出が回避される。
【0018】
更に別の実施形態では、管は、ユーザによって実行される押圧動作をサポートし、且つ管を圧縮するためのばねを含む。この実施形態によれば、押圧部が押圧されると、管がばねによって圧縮され、消毒液がノズルを介して噴霧される。
【0019】
別の実施形態によれば、ノズルは、スプリンクラ部材として構成されている。従って、消毒液は、有利には、スプリンクラを介して分配されてもよく、それによって、ユーザの手又は自動車両の部材を効率的に消毒することができる。
【0020】
別の実施形態では、開放機構は、自動車の少なくとも1つのドアを無線式に開放するように構成されている。従って、ユーザは、自動車のドアにおける開放機構に触れる必要がなく、それによって、開放機構に場合によっては存在する細菌又はウイルスにユーザが感染するリスクが最小化されている。
【0021】
本発明の更なる利点、特徴、及び詳細は、好適な実施形態の以下の説明並びに添付の図面から明らかになる。上記において説明した特徴及び特徴の組合せ、並びに以下の図面の説明において説明する、及び/又は図面にのみ図示された特徴及び特徴の組合せは、それぞれ示された組合せだけでなく、本発明の範囲を逸脱することなく、任意の他の組合せ又は単独でも使用することができる。
【0022】
本開示の新規の特徴及び特性は、独立請求項に記載されている。本開示に組み込まれ、また本開示の一部を構成する添付の図面は、例示的な実施形態を示し、またその説明と共に、開示された原理の説明に役立つ。図中、同一の参照符号は、図面全体を通して、同一の特徴及び構成要素を参照するために用いられる。次に、本発明の主題の実施形態に係るシステム及び/又は方法の幾つかの実施形態を、単なる例示のために、添付の図面を参照しながら以下において説明する。
【0023】
各図には以下が図示されている:
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】キー装置の一実施形態の斜視図である。
図2図1に図示した実施形態による概略的な断面図である。
図3図1に図示した実施形態による別の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図中、同一の要素又は同一の機能を有する要素は、同一の参照符号によって示されている。
【0026】
ここで、本明細書においては、「例示的」という単語は、「例、事例、又は例示として役立つ」ことを意味するために用いられている。本明細書において「例示的」として説明される本発明の主題の任意の実施形態又は実現形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。
【0027】
本開示は、様々な修正形態及び代替形態の余地があるが、それらの形態の特定の実施形態が、例として各図に図示されており、また以下において詳細に説明される。しかしながら、開示した特定の形態に本開示を限定することは意図されておらず、むしろ本開示は、本開示の範囲に含まれるあらゆる修正形態、等価形態、及び代替形態も対象としていると理解されたい。
【0028】
「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」という用語、又はそれらの用語の任意の他の変形形態は、構成要素又はステップのリストを含むセットアップ、装置又は方法が、それらの構成要素又はステップのみを含むのではなく、明示的に列挙されていない他の構成要素若しくはステップ、又はそのようなセットアップ若しくは装置若しくは方法に固有の他の構成要素若しくはステップを含んでもよいように、非排他的な包含を対象とすることが意図されている。換言すれば、「含む(comprises)」又は「含む(comprise)」の前に置かれたシステム又は装置における1つ以上の要素は、より多くの制約を受けることなく、そのシステム又は方法における他の要素又は追加の要素の存在を排除しない。
【0029】
本開示の実施形態の以下の詳細な説明では、本明細書の一部を成し、且つ本開示が実施され得る特定の実施形態が例示のために図示されている添付の図面を参照する。それらの実施形態は、当業者が本開示を実施することができるように十分に詳細に説明されており、また他の実施形態が利用されてもよく、且つ本開示の範囲から逸脱することなく変更がなされてもよいと理解されたい。従って、以下の説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0030】
図1は、キー装置10の一実施形態の斜視図を示す。キー装置10は、自動車の少なくとも1つのドアを開放するように構成されている。キー装置10は、少なくとも1つのハウジング12を含み、少なくとも1つのドアを開放するための少なくとも1つの開放機構14がハウジング12に配置されている。キー装置10は、液体又は流体を貯蔵するための容器16を含み、容器16は、ハウジング12の外側に配置されている。
【0031】
一実施形態では、容器16は、容器16の内部20(図2を参照されたい)に消毒液18(図2を参照されたい)を貯蔵するように構成されており、容器16は、プッシュ機構22を含み、また容器16は、キー装置10のユーザによってプッシュ機構22が押圧された後に、キー装置12の周囲26に内部20から消毒液18を噴霧するためのノズル24を含む。
【0032】
図1に図示した実施形態によれば、キー装置10は、消毒液18を収容する容器16を含み、容器16は、キー装置10に統合されている。
【0033】
プッシュ機構22は、容器16の上部キャップとみなされてもよい。更に、図1は、第1の断面A-A及び第2の断面B-Bを示しており、これらは、図2及び図3により詳細に図示されている。
【0034】
図1に図示した実施形態によれば、容器16は、内部20に目下収容されている消毒液18の液位をユーザに示すための液位インジケータ28を容器16の外壁30に含む。更に、容器16の図示した実施形態は、容器16に、外部から、特に容器16の周囲26から消毒液18を補充するための補充開口部32を含む。
【0035】
図2は、図1によるキー装置10の断面A-Aにおける断面図を示す。図2による実施形態は、プッシュ機構22が、キー装置10のユーザが所定の部分において容器16を圧縮するための押圧部34を含むことを示しており、押圧部34は、押圧部34を押圧するための少なくとも1つの可撓性壁48を含む。この実施形態によれば、押圧部34は、容器16の内部20から流体的に分離されている。更に、容器16は、押圧部36に流体的に接続されている管36を含んでもよい。図示した実施形態による容器16は、管36の内側にボール38を含み、且つ/又は容器16は、管36を封止するための封止部材40を含む。更に、管36は、ユーザによって実行される押圧動作を支持し、且つ管36を圧縮するためのばね42を含んでもよい。
【0036】
ノズル24は、スプリンクラ部材として構成されてもよい。更に、開放機構14は、自動車の少なくとも1つのドアを無線式に開放するように構成されている。
【0037】
図2は、この実施形態において、容器16がキー装置10に統合されていることを示す。容器16は、押圧部34であってもよい上部キャップを含み、押圧部34がユーザによって押圧されると、管36がばね42によって圧縮され、消毒液18がスプリンクラを介して放出される。漏出を回避するために、特にゴム封止部材であってもよい封止部材40が、ばね42の内側に設けられており、且つボール40が管36の内側に設けられている。
【0038】
図3は、図1の断面B-Bによる、キー装置10の別の実施形態を示す。図3は、補充開口部32がゴムガスケット44及び補充孔46を含んでもよいことを示す。補充開口部32は、容器18が空のときに補充孔46を介して消毒液18を補充するために設けられてもよい。補充開口部32は、漏出を回避するためにゴムガスケット44及び/又はゴムキャップを含んでもよい。
【0039】
実施形態は、ポケットサニタイザーを含む自動車マスタキーを示す。
図1
図2
図3
【国際調査報告】