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特表2023-551053電気エネルギー貯蔵器のセルブロックを温度制御するための温度制御装置及び方法
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  • 特表-電気エネルギー貯蔵器のセルブロックを温度制御するための温度制御装置及び方法 図1
  • 特表-電気エネルギー貯蔵器のセルブロックを温度制御するための温度制御装置及び方法 図2
  • 特表-電気エネルギー貯蔵器のセルブロックを温度制御するための温度制御装置及び方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-06
(54)【発明の名称】電気エネルギー貯蔵器のセルブロックを温度制御するための温度制御装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/633 20140101AFI20231129BHJP
   H01M 10/617 20140101ALI20231129BHJP
   G05D 23/00 20060101ALI20231129BHJP
   H01M 10/6568 20140101ALI20231129BHJP
   H01M 10/613 20140101ALN20231129BHJP
【FI】
H01M10/633
H01M10/617
G05D23/00 B
H01M10/6568
H01M10/613
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532637
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(85)【翻訳文提出日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 EP2021081836
(87)【国際公開番号】W WO2022122318
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】102020007429.4
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 清
(74)【代理人】
【識別番号】100098110
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 みどり
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ヴィットマン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ミュラー
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】マイケ・コルマンタラー
(72)【発明者】
【氏名】ジュゼッペ・ディレッラ
【テーマコード(参考)】
5H031
5H323
【Fターム(参考)】
5H031CC09
5H031KK03
5H031KK06
5H323AA02
5H323CA08
5H323CB01
5H323CB25
(57)【要約】
本発明は、電気エネルギー貯蔵器(14)のセルブロック(14)を温度制御するための温度制御装置(20)に関し、セルブロック(14)を温度制御するために温度制御チャネル(24)内を案内される少なくとも1つの温度制御流体(22)を有し、温度制御チャネル(24)は、温度制御流体(22)の流れ方向(26)に見て、変化する断面を有し、セルブロック(14)の複数のバッテリセル(16)が、少なくとも流れ方向(26)に見た領域において並べて配置されるものであり、温度制御流体(22)は、セルブロック(14)を直接温度制御するように形成され、温度制御チャネル(22)は、並べて配置されるバッテリセル(16)の第1のバッテリセル(16)から流れ方向(26)に温度制御チャネル(24)の所定の部分(28)まで先細りになり、所定の部分(28)から温度制御チャネル(24)が再び拡大する。更に、本発明は方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エネルギー貯蔵器(14)のセルブロック(14)を温度制御するための温度制御装置(20)であって、前記セルブロック(14)を温度制御するために温度制御チャネル(24)内を案内される少なくとも1つの温度制御流体(22)を有し、前記温度制御チャネル(24)は、前記温度制御流体(22)の流れ方向(26)に見て、変化する断面を有し、前記セルブロック(14)の複数のバッテリセル(16)が、少なくとも前記流れ方向(26)に見た領域において並べて配置される、前記温度制御装置において、
前記温度制御流体(22)は、前記セルブロック(14)を直接温度制御するように形成され、前記温度制御チャネル(22)は、前記並べて配置されるバッテリセル(16)の第1のバッテリセル(16)から前記流れ方向(26)に前記温度制御チャネル(24)の所定の部分(28)まで先細りになり、前記所定の部分(28)から前記温度制御チャネル(24)が再び拡大することを特徴とする、前記温度制御装置。
【請求項2】
前記温度制御チャネル(24)は、実質的に前記流れ方向(26)に形成された前記バッテリセル(16)のシール面(30)と、前記電気エネルギー貯蔵器(12)のハウジングのハウジング壁(18)との間に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の温度制御装置(20)。
【請求項3】
前記温度制御チャネル(24)の前記変化する断面は、前記ハウジング壁に形成されることを特徴とする、請求項2に記載の温度制御装置(20)。
【請求項4】
前記温度制御チャネル(24)は、実質的に前記流れ方向(26)に形成された前記バッテリセル(16)のシール面(30)の内側に形成されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の温度制御装置(20)。
【請求項5】
前記シール面(30)は、第1のシール壁(38)と、向かい側に位置する第2のシール壁(40)とを有し、前記第1のシール壁(38)と前記第2のシール壁(40)が、実質的に前記流れ方向(26)に形成され、前記変化する断面が、前記シール壁(38、40)のうちの少なくとも1つに形成されることを特徴とする、請求項4に記載の温度制御装置(20)。
【請求項6】
前記変化する断面は、両方のシール壁(38、40)に形成されることを特徴とする、請求項5に記載の温度制御装置(20)。
【請求項7】
前記所定の部分(28)は、前記並べて形成されたバッテリセル(16)の、前記流れ方向(26)に見て実質的に中心に形成されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の温度制御装置(20)。
【請求項8】
前記温度制御装置(20)は、外殻温度制御及び/又は頭部温度制御及び/又は底部温度制御を行うように形成されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の温度制御装置(20)。
【請求項9】
前記バッテリセル(16)は、角柱バッテリセル及び/又は円柱バッテリセル及び/又はパウチセルとして形成されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の温度制御装置(20)。
【請求項10】
温度制御装置(20)によって電気エネルギー貯蔵器(12)のセルブロック(14)を温度制御するための方法であって、前記セルブロック(14)を温度制御するために温度制御チャネル(24)内を案内される少なくとも1つの温度制御流体(22)を有し、前記温度制御チャネル(24)は、前記温度制御流体(22)の流れ方向(26)に見て、変化する断面を有し、前記セルブロック(14)の複数のバッテリセル(16)が、少なくとも前記流れ方向(26)に見た領域において並べて配置される、前記方法において、
前記セルブロック(14)が前記温度制御流体(22)によって直接冷却され、前記温度制御チャネル(24)は、前記並べて配置されるバッテリセル(16)の第1のバッテリセル(16)から前記流れ方向(26)に前記温度制御チャネル(24)の所定の部分(28)まで先細りになり、前記所定の部分(28)から前記温度制御チャネル(24)が再び拡大することを特徴とする、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の電気エネルギー貯蔵器のセルブロックを温度制御するための温度制御装置に関する。更に、本発明はセルブロックを温度制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオンバッテリセルなどのバッテリセルは、特定の動作範囲で有意義に動作する。この場合、特に温度制御範囲であるこの動作範囲を達成するために、熱エネルギーを排出若しくは供給することができ、それによって温度に依存した電流制限と、セルブロックの蓄熱能力とが高められる温度制御装置が知られている。その際、様々な温度制御の可能性が知られている。例えば、冷却装置を備えた冷却プレートをセルブロックの下面に形成することができ、冷却装置は流体に基づいて冷却され、したがって熱エネルギーを冷却流体に放出することができる。
【0003】
特許文献1は、温度制御媒体が流れ、かつ流れることができる少なくとも1つのチャネルを備える、バッテリ用の温度制御ユニットに関する。チャネルは、少なくとも1つの、流れ方向に変化する断面を有する。
【特許文献1】DE102018006412A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、電気エネルギー貯蔵器のセルブロックのより効率的な温度制御を実現できる温度制御装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、独立請求項に記載の温度制御装置及び方法により解決される。有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0006】
本発明の一態様は、電気エネルギー貯蔵器のセルブロックを温度制御するための温度制御装置に関し、セルブロックを温度制御するために温度制御チャネル内を案内される少なくとも1つの温度制御流体を有し、温度制御チャネルは、温度制御流体の流れ方向に見て、変化する断面を有し、セルブロックの複数のバッテリセルが、少なくとも流れ方向に見た領域において並べて配置される。
【0007】
温度制御流体は、セルブロックを直接温度制御するように形成され、温度制御チャネルは、並べて配置されるバッテリセルの第1のバッテリセルから流れ方向に温度制御チャネルの所定の部分まで先細りになり、所定の部分から温度制御チャネルが再び拡大することが企図される。
【0008】
それによって、複数のバッテリセルを有するセルブロックの均一な冷却を実現することができる。これは、セルブロックの温度に依存した電流制限と蓄熱能力とを最大限に利用することを可能にし、それによって特に連続性能を向上させることができる。特に、本発明は、セルモジュールを通る流れ方向に流体が熱せられることにより、冷却が不均一になり得るという問題を解決する。冷媒入口でのセルは冷えていて、冷媒出口でのセルは暖まっている。これにより、特に最も高温のバッテリセルが制限となり、バッテリセルの蓄熱容量の利用が不十分になる。流れ断面積を局所的に適合させることによって、ホットスポットとコールドスポットの的確な低減を実現することができる。それにより、改善された均一な温度分布を実現することができ、それによって性能向上を実現することができ、特にモジュール内の散乱低下(Streuungsverringerung)を改善し、経年劣化のメカニズムを低下させることができる。
【0009】
セルブロックの場合、特に、並べて配置される個々のバッテリセルを並列及び直列の両方で接続できることを企図することができる。これらを半径方向に並べて及び軸方向に並べて両方の周りに流体を流すことができる。
【0010】
特に、バッテリセルの冷却とバッテリセルの加熱の両方を温度制御装置によって行うことができる。例えば、バッテリセルの動作中に冷却を行うことができ、それによってこれらは所定の温度値まで冷却される。例えば、自動車の始動前にバッテリを迅速に動作温度にする場合が有利であり、それによってここではこれらが加熱される場合が有利である。したがって、温度制御装置によって加熱と冷却の両方を行うことができる。
【0011】
有利な実施形態によれば、温度制御チャネルは、実質的に流れ方向に形成されたバッテリセルのシール面と、電気エネルギー貯蔵器のハウジングのハウジング壁との間に形成される。シール面は、特にバッテリセルのセル壁に形成される。特に、バッテリセルはハウジングの内側に入っている。シール面は、特に2つの冷却平面、例えば底部冷却と頭部冷却を流体的に互いに分離する。したがって、シール面によってバッテリセルの底部冷却と頭部冷却の両方を実現することができる。
【0012】
更に、温度制御チャネルの変化する断面は、ハウジング壁に形成される場合が有利である。それによって、特に、モジュールハウジング壁とも呼ぶことができるハウジング壁が対応する断面変化を有することができ、それにより冷却の均一性を改善することができる。特に、底部冷却又は頭部冷却では、セルごとの冷却面積が一定に保たれる。
【0013】
更に、温度制御チャネルは、実質的に流れ方向に形成されたバッテリセルのシール面の内側に形成される場合が有利であることが明らかになっている。その場合、シール面を、例えば円筒形に形成して内側を中空にすることができ、それにより温度制御流体が内側を通って流れることができる。したがって、例えば外殻冷却をシール面にわたって実現することができる。
【0014】
更に有利な実施形態では、シール面は、第1のシール壁と、向かい側に位置する第2のシール壁とを有し、第1のシール壁と第2のシール壁が、実質的に流れ方向に形成され、変化する断面が、シール壁のうちの少なくとも1つに形成される。したがって、特に、シール面は中空円筒状に形成され、シール壁のうちの少なくとも1つが変化する断面を有する。それにより、シール面の内側にバッテリセルの改善された冷却の均一性を実現することができる。
【0015】
変化する断面は、両方のシール壁に形成される場合も有利である。それにより、シール面の内側の温度均一性の更なる改善を実現することができる。それにより、セルブロックの効率を高めることができる。
【0016】
別の有利な実施形態によれば、所定の部分は、並べて形成されたバッテリセルの、流れ方向に見て実質的に中心に形成される。換言すれば、温度制御チャネルの先細りが温度制御チャネルの中心まで形成される。したがって、特に流れ方向に見て、温度制御チャネルは先細りになる。したがって、いわゆるコールドスポットで狭窄が行われる。次いで、温度制御チャネルは、流れ方向に見て中心を過ぎたあたりで再び拡大する。特に、それにより、ホットスポットの方向に見て、再び温度制御チャネルの拡張を実現することができる。それにより改善された冷却の均一性を実現することができる。
【0017】
更に、温度制御装置は、外殻温度制御及び/又は頭部温度制御及び/又は底部温度制御を行うように形成されている場合が有利であることが明らかになっている。好ましい実施形態では、温度制御装置は、外殻温度制御、頭部温度制御、及び底部温度制御を実行するように形成される。例えば、頭部温度制御と底部温度制御は、温度制御流体の流入流を形成することができ、その場合、外殻温度制御を介して再び戻り流を形成することができる。それにより、バッテリセルの有利な温度制御を実現することができる。
【0018】
更に、バッテリセルは、角柱バッテリセル及び/又は円柱バッテリセル及び/又はパウチセルとして形成される場合が有利であることが明らかになっている。したがって、温度制御装置によって異なる種類のバッテリセルを温度制御することができる。それによって、温度制御装置を極めて柔軟に使用することができる。
【0019】
本発明の別の態様は、前述の態様による温度制御装置を備えた電気エネルギー貯蔵器に関する。
【0020】
本発明の更に別の態様は、前述の態様による電気エネルギー貯蔵器を備えた自動車に関する。自動車は、特に少なくとも部分的に電気的に、特に完全に電気的に形成される。
【0021】
本発明の更に別の態様は、温度制御装置によって電気エネルギー貯蔵器のセルブロックを温度制御するための方法に関し、セルブロックを温度制御するために温度制御チャネル内を案内される少なくとも1つの温度制御流体を有し、温度制御チャネルは、温度制御流体の流れ方向に見て、変化する断面を有し、セルブロックの複数のバッテリセルが、少なくとも流れ方向に見た領域において並べて配置される。
【0022】
セルブロックが温度制御流体によって直接冷却され、温度制御チャネルは、並べて配置されるバッテリセルの第1のバッテリセルから流れ方向に温度制御チャネルの所定の部分まで先細りになり、所定の部分から温度制御チャネルが再び拡大することが企図される。
【0023】
温度制御装置の有利な実施形態は、電気エネルギー貯蔵器、自動車、及び方法の有利な実施形態と見なされるべきである。このために、温度制御装置、電気エネルギー貯蔵器、及び自動車は、この方法を実行するために必要な客観的特徴を有する。
【0024】
本発明の他の利点、特徴、及び詳細は、以下の好ましい実施例の説明及び図面(単数又は複数)をもとにして明らかになる。説明において上述した特徴及び特徴の組み合わせ、ならびに以下に図の説明において言及される、及び/又は図にのみ示される特徴及び特徴の組み合わせは、それぞれ記載された組み合わせだけでなく、本発明の範囲を逸脱することなく他の組み合わせ、又は単独で使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】温度制御装置の一実施形態を有する電気エネルギー貯蔵器の一実施形態を備えた自動車の一実施形態の模式的平面図である。
図2】温度制御装置の一実施形態を有する電気エネルギー貯蔵器の別の実施形態の模式的平面図である。
図3】温度制御装置の一実施形態を有する電気エネルギー貯蔵器の一実施形態の別の模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図において、同じ、又は同じ機能の要素には同じ参照符号が付されている。
【0027】
図1は、自動車10の一実施形態を模式的平面図で示す。自動車10は、特に、少なくとも部分的に電気的に作動される。特に、自動車10は完全に電気的に作動される。自動車10は電気エネルギー貯蔵器12を有する。電気エネルギー貯蔵器12もまた少なくとも1つのセルブロック14を有する。この実施例では、セルブロック14は、並べて配置される2つのバッテリセル16を有する。特に、この実施例では、バッテリセル16は軸方向に並べて配置されている。
【0028】
セルブロック14はハウジングを有し、その存在は特に2つのハウジング壁18によって示される。更に、セルブロック14は、温度制御装置20を有する。この場合、温度制御装置20は、バッテリセル16の冷却と加熱とをするように形成することができる。
【0029】
温度制御装置20は、電気エネルギー貯蔵器12のセルブロック14を温度制御するように形成され、そのため、セルブロック14を温度制御するために温度制御チャネル24内を案内される少なくとも1つの温度制御流体22を有し、温度制御チャネル24は、温度制御流体22の流れ方向26に見て、変化する断面を有し、セルブロック14の複数のバッテリセル16が、少なくとも流れ方向26に見た領域において並べて配置される。
【0030】
温度制御流体22は、セルブロック14を直接温度制御するように形成され、温度制御チャネル24は、第1のバッテリセル16から流れ方向26に、温度制御チャネル24の所定の部分28まで先細りになり、所定の部分28から、温度制御チャネル24が再び拡大する。
【0031】
図2は、温度制御装置20の別の実施形態の模式的平面図を示す。この実施形態では、特にx/y平面が示される。特に、ここでは冷却流体22は、x方向とは逆の流れ方向26に移動する。この実施形態では、セルブロック14は並べて形成された7個のバッテリセル16を有する。次に、これらのバッテリセル16は、シール面30によりセル底部32及びセル頭部34から流体的に分離され、それにより各バッテリセル16のセル中央部36が温度制御される。
【0032】
この実施例では、シール面30が第1のシール壁38と第2のシール壁40を有し、第1のシール壁38と第2のシール壁40は、互いに向かい側に位置するように形成される。
【0033】
ここでは、第1のバッテリセル16は温度制御媒体入口44のそばに形成される。
【0034】
図2において、特に、実質的に流れ方向26に形成されたバッテリセル16のシール面30の内側に温度制御チャネル24が形成されることが示される。特に、シール面30は、ここでは第1のシール壁38と、その向かい側に位置する第2のシール壁40とを有し、第1のシール壁38と第2のシール壁40は、実質的に流れ方向26に形成され、シール壁38、40のうちの少なくとも1つに変化する断面が形成される。ここでは、特に、変化する断面は両方のシール壁38、40に形成されることが示される。特に、変化する断面は、ここではh(x)で示される。したがって、特に、温度制御チャネル24の高さが変化する。この実施例では、更に、第1のシール壁38と第2のシール壁40の両方が、異なった高さを生成するために、対応する勾配を有することが示される。第1のシール壁38の第1の勾配はa(x)で示され、第2のシール壁40の第2の勾配はb(x)で示される。
【0035】
ここでは、特に外殻冷却によって局所的な断面変化を実現することができる。それにより、特に、冷却の均一性を最適化することができ、その場合、特に、a(x)及びb(x)に対してh(x)を相応に選択することによって行われる。ここでは、流れ方向26に見て、この場合特にセルブロック14の、参照符号42で示される端のホットスポットのそばに温度制御チャネル24の拡張が生成されることを特に企図することができる。参照符号44により、特に温度制御媒体入口が示され、このそばにコールドスポットが生じる。その場合、コールドスポットには、特に先細りによって行われる狭窄が形成されることが企図される。この実施例では、バッテリセル16ごとの冷却面積は、特にh(x)に依存する。したがって、a(x)、b(x)を介して、それぞれのバッテリセル16の下と上でホットスポット若しくはコールドスポットを低減することができる。特に、熱流
は、熱伝達係数αと冷却面積A(x)に比例することが企図される。これもまた、レイノルズ数の平方根と高さh(x)の積に比例する。これはまた、高さh(x)と、流速の平方根との積に比例する。これはまた、1の平方根を高さh(x)で割って高さh(x)を乗じたものに比例し、その場合もまた、熱伝達
がh(x)の平方根に等しくなるという結果になる。
【0036】
図2は、所定の部分28が、並べて形成されたバッテリセル16の、流れ方向26に見て実質的に中心に形成されることを更に示す。ここでは、特に、温度制御装置20は、外殻温度制御を行うように形成される。これに加えて、又はその代わりに、温度制御装置20を頭部温度制御及び/又は底部温度制御用に形成することもできる。
【0037】
更に、バッテリセル16が角柱バッテリセルとして、及び/又は円柱バッテリセルとして、及び/又はパウチセルとして形成されることが特に示される。
【0038】
図3は、温度制御装置20の別の実施形態の別の模式的平面図を示す。以下の実施形態では、特に頭部冷却及び/又は底部冷却が示される。以下の実施例では、特に、温度制御チャネル24が、実質的に流れ26の方向に形成されたバッテリセル16のシール面30と、電気エネルギー貯蔵器12のハウジングのハウジング壁18との間に形成されることを示す。温度制御チャネル24の変化する断面は、特にハウジング壁18に形成される。ここでは、特に、温度制御チャネル24の変化する断面が両方のハウジング壁18に形成されることが示される。図3において、特に、底部冷却及び頭部冷却が示される。
【0039】
特に、温度制御を生成するために、特に温度制御チャネル24に対して対称のプロファイルが形成されることが示される。
【0040】
以下の実施例では、特に熱流
は、熱伝達係数αと冷却面積Aに比例する。これもまた、レイノルズ数の平方根と冷却面積Aの積に比例する。これもまた、流速の平方根と冷却面積Aの積に比例する。これもまた、1の平方根をh(x)で割って冷却面積Aと掛けた値に比例する。したがって、底部冷却若しくは頭部冷却の場合、高さh(x)を巧みに選択することによって、冷却の均一性の最適化が可能になる。ここでは、バッテリセル16の冷却面積は一定である。
【0041】
特に、好ましい実施形態では図2に示される外殻冷却と、図3に示される頭部及び/又は底部冷却の両方が提供されることを企図することができる。この場合、そのために、例えば第1のシール壁38と第2のシール壁40を有するシール面30を図2のように形成することができ、その場合もまた、特に、頭部冷却及び/又は底部冷却が温度制御流体22の送り流として用いられ、シール面30の内側に温度制御流体22の戻り流が実現されることを企図することができる。
【0042】
本発明は、温度制御装置20によって電気エネルギー貯蔵器12のセルブロック14を温度制御するための方法にも関し、セルブロック14を温度制御するために温度制御チャネル24内を案内される少なくとも1つの温度制御流体22を有し、温度制御チャネル24が、温度制御流体22の流れ方向26に見て、変化する断面を有し、セルブロック14の複数のバッテリセル16が少なくとも領域において並べて配置されている。その場合、セルブロック14が温度制御流体22によって直接冷却され、温度制御チャネル24は、並べて配置されるバッテリセル16の第1のバッテリセルから、流れ方向26に、温度制御チャネルの所定の部分28まで先細りになり、所定の部分28から、温度制御チャネル24が再び拡大する。
【0043】
図は、全体として、直接冷却されるセルアキュムレータモジュールの温度均一性の最適化を示す。
【符号の説明】
【0044】
10 自動車
12 電気エネルギー貯蔵器
14 セルブロック
16 バッテリセル
18 ハウジング壁
20 温度制御装置
22 温度制御流体
24 温度制御チャネル
26 流れ方向
28 所定の部分
30 シール面
32 底部領域
34 頭部領域
36 中央領域
38 シール壁
40 シール壁
42 温度制御流体出口
44 温度制御流体入口
図1
図2
図3
【国際調査報告】