(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(54)【発明の名称】IL‐17モジュレーターとしてのジシクロプロピルメチル誘導体
(51)【国際特許分類】
C07D 471/04 20060101AFI20231130BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20231130BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20231130BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
C07D471/04 107Z
C07D471/04 CSP
A61K31/437
A61P29/00
A61P37/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527430
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(85)【翻訳文提出日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 EP2021080251
(87)【国際公開番号】W WO2022096412
(87)【国際公開日】2022-05-12
(32)【優先日】2020-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514232085
【氏名又は名称】ユーシービー バイオファルマ エスアールエル
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フロスト、ジェイムズ リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ハスレット、グレゴリー ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】レウベルソン、ジェイムズ トーマス
【テーマコード(参考)】
4C065
4C086
【Fターム(参考)】
4C065AA04
4C065BB06
4C065CC01
4C065DD03
4C065EE02
4C065HH06
4C065JJ01
4C065KK06
4C065LL01
4C065PP04
4C065PP13
4C065PP16
4C065QQ05
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB08
4C086ZB11
(57)【要約】
本明細書で定義される一連の置換ジシクロプロピルメチル誘導体は、ヒトIL‐17活性の強力なモジュレーターであるため、炎症性疾患及び自己免疫疾患を含む様々なヒト疾患の治療及び/又は予防に有益である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物若しくはそのN‐オキシド、又はその薬学的に許容される塩:
【化1】
ここで、
Aは、C‐R
1又はNを表す;
Eは、C‐R
2又はNを表す;
Zは、式(Za)、(Zb)、(Zc)、(Zd)、(Ze)又は(Zf)の基を表す:
【化2】
式中、アステリスク(
*)は、分子の残部への結合点を表す;
Yは、O、N‐R
4、CR
5aR
5b、S、S(O)、S(O)
2又はS(O)(N‐R
7)を表す;
R
1は、水素又はフルオロを表す;
R
2は、水素又はフルオロを表す;
R
3は、C
3‐9シクロアルキル、C
4‐12ビシクロアルキル、C
3‐7ヘテロシクロアルキル又はC
4‐9ヘテロビシクロアルキルを表し、これらの基のいずれも、1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい;
R
4は、COR
4a、‐CO
2R
4a又は‐SO
2R
4bを表し;又はR
4は水素を表し;又はR
4はC
1‐6アルキル又はC
3‐9シクロアルキルを表し、これらの基のいずれも、1つ以上のフッ素原子により任意に置換されていてもよい;
R
4aは、1つ以上のフッ素原子によって任意に置換されたC
1‐6アルキルを表す;
R
4bは、C
1‐6アルキルを表す;
R
5aは、水素、フルオロ、メチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルを表し;そして
R
5bは、水素、フルオロ、メチル又はヒドロキシを表す;又は
R
5a及びR
5bは、それらが共に結合している炭素原子と一緒になったとき、シクロプロピルを表す;
R
6は、‐OR
6a又は‐NR
6bR
6cを表し;又はR
6は、C
1‐6アルキル、C
3‐9シクロアルキル、C
3‐9シクロアルキル(C
1‐6)アルキル、アリール、アリール(C
1‐6)アルキル、C
3‐7ヘテロシクロアルキル、C
3‐7ヘテロシクロアルキル‐(C
1‐6)アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール(C
1‐6)アルキルを表し、これらの基のいずれも1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい;
R
6aは、C
1‐6アルキルを表し;又はR
6aは、C
3‐9シクロアルキルを表し、これらの基は、1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい;
R
6bは、水素又はC
1‐6アルキルを表す;
R
6cは、水素又はC
1‐6アルキルを表す;そして
R
7は、C
1‐6アルキルを表す。
【請求項2】
式(I‐1)若しくは(I‐2)で表される請求項1に記載の化合物、又はそのN‐オキシド、又はその薬学的に許容される塩:
【化3】
ここで、Z、R
1、R
2及びR
6は、請求項1において定義された通りである。
【請求項3】
Zが、請求項1に定義される式(Zc)の基を表す、請求項1又は請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R
6が‐OR
6aを表し、ここでR
6aは請求項1で定義した通りである;又はR
6がC
3‐9シクロアルキル又はヘテロアリールを表し、この基は1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
式(IIA)で表される請求項1に記載の化合物若しくはそのN‐オキシド、又はその薬学的に許容される塩:
【化4】
ここで、
R
16はメチル又はエチルを表し;そして
A、Y及びR
3は、請求項1に定義された通りである。
【請求項6】
式(IIB)で表される請求項1に記載の化合物若しくはそのN‐オキシド、又はその薬学的に許容される塩:
【化5】
ここで、
R
26は、フルオロ又はトリフルオロメチルを表し;そして
A、Y及びR
3は、請求項1に定義された通りである。
【請求項7】
YがO、N‐R
4、CR
5aR
5b又はS(O)
2を表し、ここでR
4、R
5a及びR
5bは請求項1に定義されている通りである、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
R
3が、C
3‐9シクロアルキル、C
4‐12ビシクロアルキル又はC
3‐7ヘテロシクロアルキルを表し、これらの基のいずれも、1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい請求項1~7のいずれか1項に記載された化合物。
【請求項9】
本明細書において、実施例のいずれか1つに具体的に開示される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
治療に使用するための、請求項1に定義される式(I)の化合物若しくはそのN‐オキシド、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
IL‐17機能のモジュレーターの投与が適応となる疾患の治療及び/又は予防に使用するための、請求項1に定義される式(I)の化合物若しくはそのN‐オキシド、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
炎症性疾患又は自己免疫疾患の治療及び/又は予防に使用するための、請求項1に定義される式(I)の化合物若しくはそのN‐オキシド、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
請求項1に定義される式(I)の化合物若しくはそのN‐オキシド、又はその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と関連付けて含む、医薬組成物。
【請求項14】
追加の薬学的活性成分をさらに含む、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
IL‐17機能のモジュレーターの投与が適応となる障害の治療及び/又は予防のための医薬の製造のための、請求項1に定義される式(I)の化合物若しくはそのN‐オキシド、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項16】
炎症性疾患又は自己免疫疾患の治療及び/又は予防のための医薬の製造のための、請求項1に定義される式(I)の化合物若しくはそのN‐オキシド、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項17】
IL‐17機能のモジュレーターの投与が適応となる障害の治療及び/又は予防のための方法であって、そのような治療を必要とする患者に、請求項1に定義される式(I)の化合物若しくはそのN‐酸化物、又はその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含む、上記方法。
【請求項18】
炎症性疾患又は自己免疫疾患の治療及び/又は予防のための方法であって、そのような治療を必要とする患者に、有効量の請求項1に定義される式(I)の化合物若しくはそのN‐オキシド、又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、上記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複素環式化合物、及び治療におけるそれらの使用に関するものである。より詳細には、本発明は、薬理学的に活性な置換ジシクロプロピルメチル誘導体に関するものである。これらの化合物は、IL‐17活性のモジュレーター(調節因子)として作用し、有害な炎症性疾患や自己免疫疾患を含む病的状態の治療及び/又は予防のための医薬として有益である。
【背景技術】
【0002】
IL‐17A(当初はCTLA‐8と命名され、IL‐17とも呼ばれる)は炎症性サイトカインで、IL‐17ファミリーの創設メンバーである(Rouvier et al.,J.Immunol.,1993,150,5445‐5456)。その後、5つのファミリーメンバー(IL‐17B~IL‐17F)が同定され、最も近縁なIL‐17F(ML‐1)も含まれており、IL‐17Aと約55%のアミノ酸配列相同性を有している(Moseley et al.,Cytokine Growth Factor Rev.,2003,14,155‐174)。IL‐17A及びIL‐17Fは、最近定義されたTヘルパー細胞の自己免疫関連サブセットであるTh17によって発現され、IL‐21及びIL‐22シグネチャーサイトカインも発現する(Korn et al.,Ann.Rev.Immunol.,2009,27,485‐517)。IL‐17AとIL‐17Fはホモダイマーとして発現するが、IL‐17A/Fヘテロダイマーとして発現することもある(Wright et al.,J.Immunol.,2008,181,2799‐2805)。IL‐17AとFは、受容体であるIL‐17R、IL‐17RC、又はIL‐17RA/RC受容体複合体を介してシグナルを発する(Gaffen、Cytokine、2008、43、402‐407)。IL‐17AとIL‐17Fの両方は、多くの自己免疫疾患と関連している。
【0003】
本発明による化合物は、ヒトIL‐17活性の強力なモジュレーターであるため、炎症性疾患及び自己免疫疾患を含む様々なヒト疾患の治療及び/又は予防に有益である。
【0004】
さらに、本発明による化合物は、新しい生物学的試験の開発及び新しい薬理学的薬剤の探索において使用するための薬理学的標準として有益であり得る。したがって、本発明に係る化合物は、薬理学的に活性な化合物を検出するためのアッセイにおいて、放射性リガンドとして有用である可能性がある。
【0005】
WO2013/116682及びWO2014/066726は、IL‐17の活性を調節し、炎症性疾患を含む医学的状態の治療に有用であると述べられている化学化合物の別々のクラスに関する。
【0006】
WO2018/229079及びWO2020/011731は、IL‐17活性のモジュレーターとして作用し、したがって、有害な炎症性及び自己免疫疾患を含む病的状態の治療において有益であると述べられているスピロ環式分子を記載する。
【0007】
WO2019/138017は、IL‐17活性のモジュレーターとして作用し、したがって、有害な炎症性及び自己免疫疾患を含む病的状態の治療において有益であると述べられている、ベンズイミダゾール誘導体及びその類似体を含む縮合二環イミダゾール誘導体のクラスを記述する。
【0008】
WO2019/223718は、IL‐17Aを阻害し、免疫調節剤として有用であると記載されている、ベンズイミダゾール誘導体を含む複素環化合物が記載されている。
【0009】
IL‐17活性を調節することができると記載された複素環化合物は、WO2020/127685、WO2020/146194及びWO2020/182666にも記載されている。
【0010】
WO2020/120140及びWO2020/120141、並びに共同出願中の国際特許出願PCT/IB2020/055970、PCT/EP2020/067758及びPCT/EP2020/067759(いずれも2020年12月30日にWO2020/261141、WO2020/260425及びWO2020/260426としてそれぞれ公開)は、IL‐17活性のモジュレータとして作用し、したがって有害な炎症性及び自己免疫疾患を含む病的状態の処置において有益とされるという化学化合物の個別のクラスが記述されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、現在までに入手可能な先行技術のいずれも、本発明が提供するような置換ジシクロプロピルメチル誘導体の正確な構造クラスを開示も示唆していない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
ヒトIL‐17活性の強力なモジュレーターであるだけでなく、本発明による化合物は、他の注目すべき利点も有する。特に、本発明の化合物は、ミクロソーム又は肝細胞のいずれかのインキュベーションで決定されるように、貴重な代謝安定性を示す。
【0013】
本発明は、式(I)の化合物若しくはそのN‐オキシド、又はその薬学的に許容される塩を提供する:
【化1】
ここで、
Aは、C‐R
1又はNを表す;
Eは、C‐R
2又はNを表す;
Zは、式(Za)、(Zb)、(Zc)、(Zd)、(Ze)又は(Zf)の基を表す:
【化2】
アステリスク(
*)は、分子の残部への結合点を表す;
Yは、O、N‐R
4、CR
5aR
5b、S、S(O)、S(O)
2又はS(O)(N‐R
7)を表す;
R
1は、水素又はフルオロを表す;
R
2は、水素又はフルオロを表す;
R
3は、C
3‐9シクロアルキル、C
4‐12ビシクロアルキル、C
3‐7ヘテロシクロアルキル又はC
4‐9ヘテロビシクロアルキルを表し、これらの基のいずれも、1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい;
R
4は、COR
4a、‐CO
2R
4a又は‐SO
2R
4bを表し;又はR
4は水素を表し;又はR
4はC
1‐6アルキル又はC
3‐9シクロアルキルを表し、これらの基のいずれも、1つ以上のフッ素原子により任意に置換されていてもよい;
R
4aは、1つ以上のフッ素原子によって任意に置換されたC
1‐6アルキルを表す;
R
4bは、C
1‐6アルキルを表す;
R
5aは、水素、フルオロ、メチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルを表し;そして
R
5bは、水素、フルオロ、メチル又はヒドロキシを表す;又は
R
5a及びR
5bは、それらが共に結合している炭素原子と一緒になったとき、シクロプロピルを表す;
R
6は、‐OR
6a又は‐NR
6bR
6cを表し;又はR
6は、C
1‐6アルキル、C
3‐9シクロアルキル、C
3‐9シクロアルキル(C
1‐6)アルキル、アリール、アリール(C
1‐6)アルキル、C
3‐7ヘテロシクロアルキル、C
3‐7ヘテロシクロアルキル‐(C
1‐6)アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール(C
1‐6)アルキルを表し、これらの基のいずれも1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい;
R
6aは、C
1‐6アルキルを表し;又はR
6aは、C
3‐9シクロアルキルを表し、これらの基は、1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい;
R
6bは、水素又はC
1‐6アルキルを表す;
R
6cは、水素又はC
1‐6アルキルを表し;そして
R
7は、C
1‐6アルキルを表す。
【0014】
また、本発明は、上記で定義した式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0015】
本発明はまた、治療において使用するための、上記で定義した式(I)の化合物若しくはそのN‐オキシド、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0016】
また、本発明は、IL‐17機能のモジュレーターの投与が適応となる疾患の治療及び/又は予防に使用するための、上記で定義した式(I)の化合物若しくはそのN‐オキシド、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0017】
また、本発明は、IL‐17機能調節剤の投与が適応となる疾患の治療及び/又は予防のための医薬の製造のための、上記で定義した式(I)の化合物若しくはそのN‐オキシド、又はその薬学的に許容される塩の使用も提供する。
【0018】
また、本発明は、IL‐17機能調節剤の投与が適応となる疾患の治療及び/又は予防のための方法であって、そのような治療を必要とする患者に、上記で定義した式(I)の化合物、若しくはそのN‐オキシド、又はその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0019】
上記式(I)の化合物中の基のいずれも任意に置換されていると記載されている場合、この基は非置換であっても、1つ以上の置換基で置換されていてもよい。一般に、このような基は、非置換であるか、又は1、2、3若しくは4個の置換基により置換されるであろう。一般に、そのような基は、非置換であるか、又は1、2若しくは3個の置換基によって置換されるであろう。好適には、このような基は、非置換であるか、又は1つ若しくは2つの置換基によって置換される。
【0020】
医薬で使用する場合、式(I)の化合物の塩は、薬学的に許容される塩になる。しかしながら、他の塩も、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の調製に有用であり得る。薬学的に許容される塩の選択及び調製の基礎となる標準的な原則は、例えば、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,ed.P.H.Stahl & C.G.Wermuth,Wiley‐VCH,2002に記載されている。式(I)の化合物の好適な薬学的に許容される塩には、例えば、式(I)の化合物の溶液を薬学的に許容される酸の溶液と混合することによって形成され得る酸付加塩が含まれる。
【0021】
本発明はまた、上記式(I)の化合物の共結晶をその範囲内に含む。技術用語「共結晶」は、結晶性化合物内に中性分子成分が明確な化学量論的比で存在する状況を説明するために使用される。医薬用共結晶を調製することにより、医薬品有効成分の結晶形態に変更を加えることができ、その結果、意図する生物学的活性を損なうことなくその物理化学的特性を変えることができる(Pharmaceutical Salts and Co‐crystals ed.J.Wouters & L.Quere,RSC Publishing,2012を参照。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明で使用する化合物上に存在してもよい好適なアルキル基には、直鎖及び分枝のC1‐6アルキル基、例えばC1‐4アルキル基が挙げられる。代表的な例としては、メチル基及びエチル基、並びに直鎖状又は分枝状のプロピル基、ブチル基及びペンチル基が挙げられる。特にアルキル基としては、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、sec‐ブチル、イソブチル、tert‐ブチル、2,2‐ジメチルプロピル及び3‐メチルブチルなどが挙げられる。「C1‐6アルコキシ」、「C1‐6アルキルチオ」、「C1‐6アルキルスルホニル」、「C1‐6アルキルアミノ」などの派生表現は、適宜解釈されるものとする。
【0023】
本明細書で使用する用語「C3‐9シクロアルキル」は、飽和単環式炭化水素から誘導される3~9個の炭素原子の一価の基を指し、そのベンゾ縮合類似体を含んでいてもよい。好適なC3‐9シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、ベンゾシクロブテニル、シクロペンチル、インダニル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル及びシクロノナニルなどが挙げられる。
【0024】
本明細書で使用する「C4‐12ビシクロアルキル」という用語は、飽和二環式炭化水素に由来する4~12個の炭素原子の一価の基を指す。典型的なビシクロアルキル基には、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、ビシクロ[4.1.0]ヘプタニル及びビシクロ[2.2.2]オクタニルなどが挙げられる。
【0025】
本明細書で使用する用語「アリール」は、単一の芳香族環又は複数の縮合芳香族環から誘導される一価の炭素環式芳香族基を指す。好適なアリール基としては、フェニル及びナフチルが挙げられ、好ましくはフェニルである。
【0026】
好適なアリール(C1‐6)アルキル基としては、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル及びナフチルメチルが挙げられる。
【0027】
本明細書で使用する用語「C3‐7ヘテロシクロアルキル」は、3~7個の炭素原子と、酸素、硫黄及び窒素から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む飽和単環式環を指し、そのベンゾ融合類似体を含んでよい。好適なヘテロシクロアルキル基としては、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ピロリジニル、インドリニル、イソインドリニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロピラニル、クロマニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、1,2,3,4‐テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4‐テトラヒドロイソキノリニル、ピペラジニル、1,2,3,4‐テトラヒドロキノキサリニル、ヘキサヒドロ‐[1,2,5]チアジアゾロ[2.3‐a]‐ピラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル、ベンゾオキサジニル、チオモルホリニル、アゼパニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、チアジアゼパニル及びアゾカニルなどが挙げられる。
【0028】
本明細書で使用する「C4‐9ヘテロビシクロアルキル」という用語は、炭素原子の1つ以上が、酸素、硫黄及び窒素から選択される1つ以上のヘテロ原子によって置換されているC4‐9ビシクロアルキルに相当する。典型的なヘテロビシクロアルキル基としては、6‐オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3‐アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、2‐オキサ‐5‐アザビシクロ[2.2.1]‐ヘプタニル、6‐アザビシクロ[3.2.0]ヘプタニル、6‐オキサビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3‐アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3‐アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、2‐オキサビシクロ[2.2.2]オクタニル、キヌクリジニル、2‐オキサ‐5‐アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、8‐オキサビシクロ[3.2.1]オクタニル、3‐アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、8‐アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3‐オキサ‐8‐アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3,8‐ジアザビシクロ[3.2.1]‐オクタニル、3,6‐ジアザビシクロ[3.2.2]ノナニル、3‐オキサ‐7‐アザビシクロ[3.3.1]ノナニル、3,7‐ジオキサ‐9‐アザビシクロ[3.3.1]ノナニル及び3,9‐ジアザビシクロ[4.2.1]ノナニルが挙げられる。
【0029】
本明細書で使用する用語「ヘテロアリール」は、単環又は複数の縮合環に由来する少なくとも5個の原子を含む一価の芳香族基を指し、ここで1個以上の炭素原子は、酸素、硫黄及び窒素から選択される1個以上のヘテロ原子によって置換されている。好適なヘテロアリール基としては、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、チエノ[2,3‐c]ピラゾリル、チエノ[3,4‐b]‐[1,4]ジオキシニル、ジベンゾチエニル、ピロリル、インドリル、ピロロ[2,3‐b]ピリジニル、ピロロ[3,2‐c]‐ピリジニル、ピロロ[3,4‐b]ピリジニル、ピラゾリル、ピラゾロ[1,5‐a]ピリジニル、ピラゾロ[3,4‐d]ピリミジニル、ピラゾロ[1,5‐a]ピラジニル、インダゾリル、4,5,6,7‐テトラヒドロインジゾリル、オキサゾリル、ベンゾキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、イミダゾ[2,1‐b]チアゾリル、イミダゾ[1,2‐a]ピリジニル、イミダゾ[4,5‐b]‐ピリジニル、イミダゾ[1,2‐b]ピリダジニル、プリニル、イミダゾ[1,2‐a]ピリミジニル、イミダゾ[1.2‐c]‐ピリミジニル、イミダゾ[1,2‐a]ピラジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5‐a]ピリミジニル、6,8‐ジヒドロ‐5H‐[1.2,4]トリアゾロ[4,3‐a]ピラジニル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、ピリダジニル、シノリニル、フタルジニル、ピリミジニル、キナゾリニル、ピラジニル、キノキサリニル、プテリジニル、トリアジニル及びクロメニル基が挙げられる。
【0030】
本明細書で使用される用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子を含むことを意図しており、典型的にはフッ素、塩素又は臭素が挙げられる。
【0031】
式(I)の化合物が1つ以上の非対称中心を有する場合、それらはそれに応じてエナンチオマーとして存在することができる。本発明による化合物が2つ以上の不斉中心を有する場合、それらは付加的にジアステレオマーとして存在し得る。本発明は、すべてのそのようなエナンチオマー及びジアステレオマー、並びにラセミ体を含む任意の割合のそれらの混合物の使用に及ぶと理解される。式(I)及び以下に描かれる式は、特に記載又は示さない限り、すべての個々の立体異性体及びそれらの可能なすべての混合物を表すことを意図している。さらに、式(I)の化合物は、互変異性体、例えばケト(CH2C=O)⇔エノール(CH=CHOH)互変異性体又はアミド(NHC=O)⇔ヒドロキシイミン(N=COH)互変異性体として存在し得る。式(I)及び以下に描かれる式は、特に記載又は示さない限り、すべての個々の互変異性体及びそれらのすべての可能な混合物を表すことを意図している。
【0032】
式(I)中、又は以下に描かれる式中に存在する個々の原子は、実際には、その天然に存在する同位体のいずれかの形態で存在してもよく、最も豊富な同位体(複数可)が好ましいことが理解されよう。したがって、例として、式(I)中、又は以下に描かれる式中に存在する個々の水素原子は、1H、2H(重水素)又は3H(トリチウム)原子、好ましくは1Hとして存在することができる。同様に、例として、式(I)中、又は以下に描かれる式中に存在する個々の炭素原子は、12C、13C又は14C原子、好ましくは12Cとして存在することができる。
【0033】
一実施形態では、AはC‐R1を表す。別の実施形態では、AはNを表す。
一実施形態において、Eは、C‐R2を表す。別の実施形態では、EはNを表す。
【0034】
特定の実施形態では、AはC‐R1又はNを表し;そしてEはC‐R2を表す。その実施形態の一態様では、AはNを表し;そしてEはC‐R2を表す。
【0035】
好適には、本発明は、式(I‐1)若しくは(I‐2)の化合物若しくはそのN‐オキシド、又はその薬学的に許容される塩を提供する:
【化3】
ここで、Z、R
1、R
2及びR
6は、上記で定義したとおりである。
【0036】
第1の実施形態において、Zは、式(Za)の基を表す。第2の実施形態において、Zは、式(Zb)の基を表す。第3の実施形態において、Zは、式(Zc)の基を表す。第4の実施形態において、Zは、式(Zd)の基を表す。第5の実施形態において、Zは、式(Ze)の基を表す。第6の実施形態において、Zは、式(Zf)の基を表す。
好適には、Zは、式(Zc)の基を表す。
【0037】
第1の実施形態において、YはOを表し、第2実施形態において、YはN‐R4を表す。第3の実施形態において、Yは、CR5aR5bを表す。第4の実施形態において、YはSを表し、第5の実施形態において、YはS(O)を表す。第6実施形態において、YはS(O)2を表す。第7の実施形態において、YはS(O)(N‐R7)を表す。
【0038】
典型的には、Yは、O、N‐R4、CR5aR5b又はS(O)2を表し、ここで、R4、R5a及びR5bは、上記で定義したとおりである。
好適には、YはCR5aR5bを表し、ここでR5a及びR5bは上記で定義したとおりである。
【0039】
第1の実施形態において、R1は、水素を表す。第2の実施形態において、R1は、フルオロを表す。
【0040】
好ましい実施形態では、R2は、水素を表す。別の実施形態では、R2はフルオロを表す。
【0041】
典型的には、R3は、C3‐9シクロアルキル、C4‐12ビシクロアルキル又はC3‐7ヘテロシクロアルキルを表し、これらの基のいずれも、1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0042】
好適には、R3はC4‐12ビシクロアルキルを表し、この基は1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0043】
R3の代表的な例としては、シクロブチル、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニルが挙げられ、これらの基のいずれも、1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0044】
R3の好適な例としては、ビシクロ[1.1.1]ペンタニルが挙げられ、この基は1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0045】
R3上の任意の置換基の典型的な例としては、ハロゲンから独立して選択される1、2、3又は4個の置換基が挙げられる。
【0046】
R3上の特定の置換基の典型的な例としては、フルオロから独立して選択される1、2、3又は4個の置換基が挙げられる。
【0047】
R3の典型的な値としては、ジフルオロシクロブチル、フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタニル、ジフルオロアゼチジニル、ジフルオロピロリジニル、テトラフルオロピロリジニル、ジフルオロテトラヒドロピラニル及びテトラフルオロモルホリニルが挙げられる。
R3の好適な値としては、フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタニルが挙げられる。
【0048】
一般に、R4はCOR4a、‐CO2R4a又は‐SO2R4bを表し;又はR4は水素を表し;又はR4はC1‐6アルキルを表し、この基は1つ以上のフッ素原子によって、一般に1、2又は3のフッ素原子によって、典型的には2のフッ素原子によって任意に置換されていてもよい。
好適には、R4は、‐CO2R4aを表す。
【0049】
第1の実施形態において、R4は、COR4aを表す。第2の実施形態において、R4は、‐CO2R4aを表す。第3の実施形態において、R4は、‐CO2R4aを表す。第4の実施形態において、R4は、水素を表す。第5の実施形態において、R4は、1つ以上のフッ素原子によって、典型的には1、2又は3個のフッ素原子によって任意に置換されたC1‐6アルキルを表す。その実施形態の一態様では、R4は、非置換のC1‐6アルキル、特にメチル又はエチルを表す。その実施形態の別の態様では、R4は、1、2又は3個のフッ素原子によって、典型的には2個のフッ素原子によって置換されたC1‐6アルキルを表す。その態様の例としては、ジフルオロエチルが挙げられる。第6の実施形態において、R4は、1つ以上のフッ素原子によって、典型的には1つ、2つ又は3つのフッ素原子によって任意に置換されたC3‐9シクロアルキルを表す。その実施形態の1つの態様において、R4は、非置換のC3‐9シクロアルキル、特にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表す。その実施形態の別の態様では、R4は、1、2又は3個のフッ素原子によって、典型的には2個のフッ素原子によって置換されたC3‐9シクロアルキルを表す。その態様の例としては、ジフルオロシクロブチルが挙げられる。
【0050】
典型的には、R4aは、1、2又は3個のフッ素原子によって任意に置換されたC1‐6アルキルを表す。
好適には、R4aは、C1‐6アルキル又はジフルオロ(C1‐6)アルキルを表す。
【0051】
第1の実施形態において、R4aは、C1‐6アルキル、特にメチル又はエチルを表す。その実施形態の第1の態様において、R4aはメチルを表す。その実施形態の第2の態様において、R4aはエチルを表す。第2の実施形態において、R4aは、ジフルオロ(C1‐6)‐アルキル、特にジフルオロエチルを表す。
【0052】
R4aの特定の値は、メチル及びジフルオロエチルを含む。
好適には、R4bは、メチル又はエチルを表す。第1の実施形態において、R4bはメチルを表す。第2の実施形態において、R4bは、エチルを表す。
【0053】
第1の実施形態において、R5aは、水素を表す。第2の実施形態において、R5aは、フルオロを表す。第3の実施形態において、R5aは、メチルを表す。第4の実施形態において、R5aは、ジフルオロメチルを表す。第5の実施形態において、R5aは、トリフルオロメチルを表す。
【0054】
一般に、R5aは、水素、フルオロ、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルを表す。
一般に、R5aは、水素、フルオロ又はトリフルオロメチルを表す。
【0055】
好適には、R5aは、フルオロ、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルを表す。
好適には、R5aは、フルオロ又はトリフルオロメチルを表す。
【0056】
第1の実施形態において、R5bは、水素を表す。第2の実施形態において、R5bは、フルオロを表す。第3の実施形態において、R5bは、メチルを表す。第4の実施形態において、R5bは、ヒドロキシを表す。
【0057】
典型的には、R5bは、水素、フルオロ又はヒドロキシを表す。
好適には、R5bは、フルオロ又はヒドロキシを表す。
【0058】
あるいは、R5a及びR5bは、一緒になってスピロ結合を形成してもよい。したがって、R5a及びR5bは、それらが共に結合している炭素原子と一緒になったとき、シクロプロピルを表すことができる。
【0059】
典型的には、R6は‐OR6a又は‐NR6bR6cを表し;又はR6はC1‐6アルキル、C3‐9シクロアルキル、C3‐9シクロアルキル(C1‐6)アルキル、アリール、アリール(C1‐6)アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール‐(C1‐6)アルキルを表し、これらの基はいずれも1つ以上の置換基で任意に置換されていてもよい。
【0060】
適切には、R6は‐OR6aを表し;又はR6はC3‐9シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールを表し、これらの基のいずれも1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0061】
より好適には、R6は‐OR6aを表し;又はR6はC3‐9シクロアルキル又はヘテロアリールを表し、これらの基のいずれも1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0062】
好適には、R6は‐OR6aを表し;又はR6はヘテロアリールを表し、この基は1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0063】
第1の実施形態において、R6は、任意に置換されたC1‐6アルキルを表す。第2の実施形態において、R6は、任意に置換されたC3‐9シクロアルキルを表す。第3の実施形態において、R6は、任意に置換されたC3‐9シクロアルキル(C1‐6)アルキルを表す。第4の実施形態において、R6は、任意に置換されたアリールを表す。第5の実施形態において、R6は、任意に置換されたアリール(C1‐6)アルキルを表す。第6の実施形態において、R6は、任意に置換されたC3‐7ヘテロシクロアルキルを表す。第7の実施形態において、R6は、任意に置換されたC3‐7ヘテロシクロアルキル(C1‐6)アルキルを表す。第8の実施形態において、R6は、任意に置換されたヘテロアリールを表す。第9の実施形態において、R6は、任意に置換されたヘテロアリール(C1‐6)アルキルを表す。第10の実施形態において、R6は、‐OR6aを表す。第11の実施形態において、R6は、‐NR6aR6bを表す。
【0064】
R6の代表的な例としては、‐OR6a又は‐NR6aR6b;及びメチル、エチル、プロピル、2‐メチルプロピル、ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、ピラゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、トリアゾリルメチル、ベンゾトリアゾリルメチル又はピリジニルメチルが挙げられ、これらの基のいずれも1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0065】
R6の好適な例としては、‐OR6a;及びシクロプロピル、フェニル、ピラゾリル、イソキサゾリル又はオキサジアゾリルが挙げられ、これらの基のいずれも、1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0066】
R6の例示としては、シクロプロピル及びオキサジアゾリルが挙げられ、これらの基のいずれも、1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0067】
R6の特定の値には、オキサジアゾリルが含まれ、この基は、1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0068】
R6上の任意の置換基の典型的な例としては、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1‐6アルキル、トリフルオロメチル、フェニル、フルオロフェニル、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1‐6)アルキル、オキソ、C1‐6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C1‐6アルキルチオ、C1‐6アルキルスルフィニル、C1‐6アルキルスルホニル、アミノ、アミノ(C1‐6)アルキル、C1‐6アルキルアミノ、ジ(C1‐6)アルキルアミノ、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピペラジニル、C2‐6アルキルカルボニルアミノ、C2‐6アルキルカルボニルアミノ(C1‐6)アルキル、C2‐6アルコキシカルボニルアミノ、C1‐6アルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C2‐6アルキルカルボニル、カルボキシ、C2‐6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1‐6アルキルアミノカルボニル、ジ(C1‐6)アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C1‐6アルキルアミノスルホニル、ジ(C1‐6)アルキルアミノスルホニル、及びジ‐(C1‐6)アルキルスルホキシイミニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基が挙げられる。
【0069】
R6上の任意の置換基の好適な例としては、ハロゲン、C1‐6アルキル及びトリフルオロメチルから独立して選択される1、2又は3個の置換基が挙げられる。
【0070】
R6上の任意の置換基の好適な例としては、C1‐6アルキル及びトリフルオロメチルから独立して選択される1、2又は3個の置換基が挙げられる。
【0071】
R6上の特定の置換基の典型的な例としては、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、イソプロピル、tert‐ブチル、トリフルオロメチル、フェニル、フルオロフェニル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、オキソ、メトキシ、tert‐ブトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アミノ、アミノメチル、アミノエチル、メチルアミノ、tert‐ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピペラジニル、アセチルアミノ、アセチルアミノエチル、メトキシカルボニルアミノ、メチルスルホニル‐アミノ、ホルミル、アセチル、カルボキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert‐ブトキシカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、ジメチルスルホキシイミニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基が挙げられる。
【0072】
R6上の特定の置換基の好適な例としては、フルオロ、メチル、エチル及びトリフルオロメチルから独立して選択される1、2又は3個の置換基が挙げられる。
【0073】
R6上の特定の置換基の例示としては、フルオロ、メチル及びトリフルオロメチルから独立して選択される1、2又は3個の置換基が挙げられる。
【0074】
R6上の特定の置換基の好適な例としては、メチル及びトリフルオロメチルから独立して選択される1、2又は3個の置換基が挙げられる。
【0075】
R6の特定の値の例示としては、メチル、ジフルオロメチル、メチルスルホニルメチル、アミノメチル、メチルアミノメチル、ジフルオロエチル、カルボキシエチル、ジフルオロプロピル、2‐メチルプロピル、ブチル、シアノシクロプロピル、メチルシクロプロピル、エチルシクロプロピル、ジメチルシクロプロピル、トリフルオロメチルシクロプロピル、フェニルシクロプロピル、フルオロフェニルシクロプロピル、ヒドロキシシクロプロピル、アミノシクロプロピル、シクロブチル、トリフルオロメチルシクロブチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、フェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、シアノフェニル、メチルフェニル、ヒドロキシフェニル、メチルスルホニルフェニル、ジメチルスルホキシイミニルフェニル、ベンジル、フルオロベンジル、ジフルオロベンジル、クロロベンジル、(クロロ)(フルオロ)ベンジル、ジクロロベンジル、(クロロ)(ジフルオロ)ベンジル、ブロモベンジル、シアノベンジル、メチルベンジル、ジメチルベンジル、トリフルオロメチルベンジル、フェニルベンジル、ヒドロキシベンジル、ヒドロキシメチルベンジル、ベンゾイル、メトキシベンジル、ジメトキシベンジル、トリフルオロメトキシベンジル、メチルスルホニルベンジル、アミノメチルベンジル、アミノエチルベンジル、ジメチルアミノベンジル、ピロリジニルベンジル、(ジメチル)(ピロリジニル)ベンジル、モルホリニルベンジル、(ジメチル)(モルホリニル)ベンジル、ピペラジニルベンジル、アセチルアミノエチルベンジル、フェニルエチル、クロロフェニルエチル、メチルピラゾリル、エチルピラゾリル、(メチル)(テトラヒドロピラニル)ピラゾリル、メチルイソキサゾリル、エチルイソキサゾリル、メチルオキサジアゾリル、エチルオキサジアゾリル、ピリジニル、トリアゾリルメチル、ベンゾトリアゾリルメチル、ピリジニルメチル、アミノピリジニルメチル及び‐OR6aが挙げられる。追加の例としては、フルオロシクロプロピルが挙げられる。
【0076】
R6の好適な値としては、‐OR6a、トリフルオロメチルシクロプロピル、フルオロフェニル、メチルピラゾリル、エチルピラゾリル、メチルイソキサゾリル、エチルイソキサゾリル、メチルオキサジアゾリル及びエチルオキサジアゾリルが挙げられる。追加の例としては、フルオロシクロプロピルが挙げられる。
【0077】
R6の例示的な値としては、フルオロシクロプロピル、トリフルオロメチルシクロプロピル及びメチルオキサジアゾリルが挙げられる。
R6の好適な値としては、トリフルオロメチルシクロプロピル及びメチルオキサジアゾリルが挙げられる。
【0078】
第1の実施形態において、R6aは、C1‐6アルキルを表す。第2の実施形態において、R6aは、任意に置換されたC3‐9シクロアルキルを表す。
【0079】
典型的には、R6aはC1‐6アルキルを表し;又はR6aはシクロブチルを表し、これらの基は1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0080】
R6a上の任意の置換基の典型的な例としては、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1‐6アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1‐6)アルキル、オキソ、C1‐6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C1‐6アルキルチオ、C1‐6アルキルスルフィニル、C1‐6アルキルスルホニル、アミノ、アミノ(C1‐6)アルキル、C1‐6アルキルアミノ、ジ(C1‐6)アルキルアミノ、C2‐6アルキルカルボニルアミノ、C2‐6アルコキシカルボニルアミノ、C2‐6アルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C2‐6アルキルカルボニル、カルボキシ、C2‐6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1‐6アルキルアミノカルボニル、ジ(C1‐6)アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C1‐6アルキルアミノスルホニル及びジ(C1‐6)アルキルアミノスルホニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基が挙げられる。
【0081】
R6a上の任意の置換基の好適な例としては、ハロゲンから独立して選択される1、2又は3個の置換基が挙げられる。
【0082】
R6a上の具体的な置換基の代表例としては、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、イソプロピル、tert‐ブチル、トリフルオロメチルヒドロキシ、ヒドロキシメチル、オキソ、メトキシ、tert‐ブトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アミノ、アミノメチル、アミノエチル、メチルアミノ、tert‐ブチルアミノ、ジメチルアミノ、アセチルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ホルミル、アセチル、カルボキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert‐ブトキシカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル及びジメチルアミノスルホニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基が挙げられる。
【0083】
R6a上の特定の置換基の好適な例としては、フルオロから独立して選択される1、2又は3個の置換基が挙げられる。
【0084】
R6aの具体的な値の例示としては、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、tert‐ブチル、シクロブチル及びジフルオロシクロブチルが挙げられる。
【0085】
好適には、R6aは、イソプロピルを表す。
典型的には、R6aは、シクロブチルを表す。
典型的には、R6bは、水素又はメチルを表す。
【0086】
第1の実施形態において、R6bは、水素を表す。第2の実施形態において、R6bは、C1‐6アルキル、特にメチルを表す。
典型的には、R6cは、水素又はメチルを表す。
【0087】
第1の実施形態において、R6cは、水素を表す。第2の実施形態において、R6cは、C1‐6アルキル、特にメチルを表す。
【0088】
好適には、R7は、メチル又はエチルを表す。第1の実施形態において、R7はメチルを表す。第2の実施形態において、R7はエチルを表す。
【0089】
本発明による化合物の1つのサブクラスは、式(IIA)の化合物及びそのN‐オキシド、並びにその薬学的に許容される塩によって表される:
【化4】
ここで、
R
16はメチル又はエチルを表し;そして
A、Y及びR
3は、上記で定義したとおりである。
【0090】
第1の実施形態において、R16は、メチルを表す。第2の実施形態において、R16は、エチルを表す。
【0091】
本発明による化合物の別のサブクラスは、式(IIB)の化合物及びそのN‐オキシド、並びにその薬学的に許容される塩によって表される:
【化5】
ここで、
R
26は、フルオロ又はトリフルオロメチルを表し;そして
A、Y及びR
3は、上記で定義したとおりである。
【0092】
第1実施形態において、R26はフルオロを表す。第2の実施形態において、R26は、トリフルオロメチルを表す。
【0093】
本発明に係る具体的な新規化合物としては、添付の実施例にその調製法が記載されている各化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物が挙げられる。
【0094】
本発明による化合物は、炎症性疾患及び自己免疫疾患を含む様々なヒトの疾患の治療及び/又は予防に有益である。
【0095】
本発明による化合物は、炎症性IL‐17サイトカインによって媒介される、又は炎症性IL‐17サイトカインのレベルの上昇と関連している病的障害の治療及び/又は予防に有用である。一般に、病的状態は、感染症(ウイルス性、細菌性、真菌性及び寄生虫性)、感染に伴う内毒性ショック、関節炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、全身発症型若年性特発性関節炎(JIA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、喘息、慢性閉塞性気道疾患(COAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性肺損傷、骨盤内炎症性疾患、アルツハイマー病、クローン病、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、キャッスルマン病、軸索性脊椎関節炎、強直性脊椎炎及び他の脊椎関節症、皮膚筋炎、心筋炎、ぶどう膜炎、眼球外反症、自己免疫性甲状腺炎、ペイロニー病、セリアック病、胆嚢疾患、ピロニーダル病、腹膜炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、汗腺膿瘍、血管炎、外科的癒着、脳卒中、自己免疫性糖尿病、I型糖尿病、ライム関節炎、髄膜脳炎、多発性硬化症やギラン・バレー症候群などの中枢・末梢神経系の免疫介在性炎症性疾患、その他の自己免疫疾患、膵炎、外傷(手術)、移植片対宿主病、移植拒絶反応、肺線維症、肝線維症、腎線維症、強皮症又は全身性硬化症などの線維症、がん(メラノーマ、肝芽腫、肉腫、扁平上皮がん、移行細胞がん、卵巣がんなどの固形腫瘍及び血液悪性腫瘍、特に急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、胃がん及び大腸がん)、心筋梗塞などの虚血性疾患及び動脈硬化を含む心臓疾患、血管内凝固、骨吸収、骨粗鬆症、歯周炎、低塩酸症、疼痛(特に炎症に伴う疼痛)からなる群から選択される。
【0096】
WO2009/089036は、IL‐17活性のモジュレーターが、眼炎症性障害、特にドライアイ症候群(DES)を含む眼表面炎症性障害の重症度を抑制又は軽減するために投与され得ることを明らかにしている。その結果、本発明に係る化合物は、IL‐17を介する眼炎症性障害、特にドライアイ症候群を含むIL‐17を介する眼表面炎症性障害の治療及び/又は予防に有用である。眼表面炎症性障害には、ドライアイ症候群、貫通角膜形成術、角膜移植、ラメラ又は部分厚移植、選択的内皮移植、角膜新血管形成、ケラトプロテーゼ手術、角膜眼表面炎症疾患、結膜瘢痕疾患、眼球自己免疫疾患、類天疱瘡症候群、スティーブンスジョンソン症候群、眼球アレルギー、重症アレルギー性(アトピー)眼疾患、結膜炎、微生物性角膜炎が挙げられる。ドライアイ症候群の特定のカテゴリーには、乾性角結膜炎(KCS)、シェーグレン症候群、シェーグレン症候群関連乾性角結膜炎、非シェーグレン症候群関連乾性角結膜炎、乾燥角膜炎、乾燥症候群、眼球乾燥症、涙液層障害、涙液分泌減少、涙液欠乏症(ATD)、マイボーム腺機能障害、蒸発性損失が挙げられる。
【0097】
例示的に、本発明の化合物は、関節炎、関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、全身発症型若年性特発性関節炎(JIA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、喘息、慢性閉塞性気道疾患、慢性閉塞性肺疾患、アトピー性皮膚炎、汗腺膿瘍、強皮症、全身性硬化症、肺線維症、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎を含む)、軸性脊椎関節炎、強直性脊椎炎及び他の脊椎関節症、がん、疼痛(特に炎症に伴う疼痛)からなる群から選ばれる病的障害の治療及び/又は予防に有用であり得る。
【0098】
好適には、本発明の化合物は、乾癬、乾癬性関節炎、汗腺膿瘍、軸性脊椎関節炎又は強直性脊椎炎の治療及び/又は予防に有用である。
【0099】
本発明はまた、上記のような本発明に係る化合物又はその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される担体と関連して含む、医薬組成物を提供する。
【0100】
本発明による医薬組成物は、経口、頬、非経口、鼻、局所、眼科又は直腸投与に適した形態、又は吸入又は送気による投与に適した形態をとることができる。
【0101】
経口投与の場合、医薬組成物は、例えば、結合剤(例えば、プレゼラチン化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース、微結晶セルロース又はリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク又はシリカ);崩壊剤(ポテトスターチ又はグリコール酸ナトリウム);又は湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウム)のような薬学的に許容される賦形剤とともに従来の手段で調製された錠剤、トローチ又はカプセルの形態をとり得る。錠剤は、当技術分野でよく知られた方法でコーティングすることができる。経口投与のための液体製剤は、例えば、溶液、シロップ又は懸濁液の形態をとることができ、又はそれらは、使用前に水又は他の適切なビヒクルとの構成のための乾燥製品として提示されることができる。このような液体製剤は、懸濁剤、乳化剤、非水性ビヒクル又は防腐剤などの薬学的に許容される添加剤を用いて、従来の手段で調製することができる。また、この製剤は、適宜、緩衝塩、香料、着色料、甘味料を含むことができる。
【0102】
経口投与用の製剤は、活性化合物の制御された放出を与えるように好適に製剤化することができる。
【0103】
頬への投与の場合、組成物は、従来の方法で製剤化された錠剤又はトローチ剤の形態をとることができる。
【0104】
本発明による化合物は、注射による非経口投与、例えばボーラス注射又は注入のために製剤化することができる。注射用製剤は、単位投与形態、例えばガラスアンプル又は複数投与容器、例えばガラスバイアルで提示することができる。注射用組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液又は乳濁液などの形態をとることができ、懸濁剤、安定化剤、保存剤及び/又は分散剤などの製剤化剤を含むことができる。あるいは、有効成分は、使用前に適切なビヒクル、例えば滅菌パイロジェンフリー水で構成するための粉末の形態であってもよい。
【0105】
上記の製剤に加えて、本発明による化合物は、デポー製剤として製剤化することもできる。そのような長時間作用型製剤は、移植又は筋肉内注射によって投与することができる。
【0106】
鼻腔投与又は吸入による投与のために、本発明による化合物は、適当な推進剤、例えばジクロロジフルオロメタン、フルオロトリクロロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適当なガス又はガスの混合物を使用して、加圧パック又はネブライザー用のエアゾールスプレー提示物の形態で便利に送達できる。
【0107】
組成物は、所望により、活性成分を含む1つ以上の単位剤形を含むパック又はディスペンサー装置で提示することができる。パック又はディスペンサー装置は、投与のための説明書を添付することができる。
【0108】
局所投与のために、本発明による化合物は、1つ以上の薬学的に許容される担体に懸濁又は溶解した活性成分を含む適切な軟膏に都合よく製剤化することができる。特定の担体としては、例えば、鉱油、液体石油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、乳化ワックス及び水などが挙げられる。あるいは、本発明による化合物は、1つ以上の薬学的に許容される担体に懸濁又は溶解した活性成分を含む適切なローションに製剤化することができる。特定のキャリアとしては、例えば、鉱油、ソルビタンモノステアラート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリールアルコール、ベンジルアルコール、2‐オクチルドデカノール及び水などが挙げられる。
【0109】
眼科投与のために、本発明による化合物は、等張でpH調整された滅菌生理食塩水中の微粉化懸濁液として、例えば硝酸フェニル水銀、塩化ベンジルアルコニウム又は酢酸クロルヘキシジンなどの殺菌剤又は殺真菌剤などの防腐剤を含むか含まないで、都合よく製剤化することができる。あるいは、眼科投与のために、本発明による化合物は、ペトロラタムのような軟膏に製剤化することができる。
【0110】
直腸投与では、本発明による化合物を坐薬として都合よく製剤化することができる。これは、活性成分を、室温では固体であるが直腸温度では液体であり、直腸内で溶けて活性成分を放出する適切な非刺激性賦形剤と混合することにより調製することができる。このような材料としては、例えば、ココアバター、蜜蝋、ポリエチレングリコールがある。
【0111】
特定の状態の予防又は治療に必要な本発明による化合物の量は、選択された化合物及び治療される患者の状態に応じて変化する。しかし、一般に、1日の投与量は、経口又は頬投与では約10ng/kg~1000mg/kg、典型的には100ng/kg~100mg/kg、例えば約0.01mg/kg~40mg/kg体重、非経口投与では約10ng/kg~50mg/kg体重、鼻投与又は吸入若しくは送気による投与では約0.05mg~1000mg、例えば約0.5mg~1000mgの範囲であり得る。
【0112】
所望により、本発明による化合物は、別の薬学的に活性な薬剤、例えば抗炎症性分子と共投与することができる。
【0113】
上記式(I)の化合物は、式R
6‐CO
2Hのカルボン酸を式(III)の化合物と反応させることを含むプロセスによって調製することができる:
【化6】
ここで、Z、A、E及びR
6は、上記で定義したとおりである。
【0114】
この反応は、カップリング剤と塩基の存在下で好都合に達成される。好適なカップリング剤としては、1‐[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]‐1H‐1,2,3‐トリアゾロ[4,5‐b]ピリジニウム 3‐オキシド ヘキサフルオロホスファート(HATU);及び2,4,6‐トリプロピル‐1,3,5,2,4,6‐トリオキサトリホスホリナン‐2,4,6‐トリオキシドが挙げられる。好適な塩基としては、有機アミン、例えばN,N‐ジイソプロピルエチルアミンのようなトリアルキルアミン;及びピリジンなどが挙げられる。反応は、好都合には、適当な溶媒、例えばテトラヒドロフランのような環状エーテル;又はN,N‐ジメチル‐ホルムアミド又はN,N‐ジメチルアセトアミドのような双極性アプロティック溶媒;又はジクロロメタンのような塩素化溶媒;又は酢酸エチルなどの有機エステル溶媒中で常温で又は昇温して行う。
【0115】
あるいは、上記式(I)の化合物は、式R6‐COClの化合物、例えば塩化アセチル、又は塩化2‐フルオロベンゾイル、又はクロロギ酸イソプロピルを、上で定義した式(III)の化合物と反応させることを含むプロセスによって調製することができる。この反応は、好都合には、塩基の存在下で達成される。
【0116】
好適な塩基としては、有機アミン、例えばN,N‐ジイソプロピルエチルアミンのようなトリアルキルアミンが挙げられる。反応は、好都合には、適当な溶媒、例えばジクロロメタンのような塩素化溶媒、又はテトラヒドロフランのような環状エーテル中で周囲温度で行われる。
【0117】
R6が‐OR6aを表す場合、上記式(I)の化合物は、以下のステップを含む2段階プロセスによって調製することができる:(i)式R6a‐OHの化合物とN,N’‐ジスクシンイミジルカーボナートを、理想的には塩基、例えばトリエチルアミンなどの有機アミンの存在下で反応させる;及び(ii)得られた材料を上記定義のような式(III)の化合物と反応させる。ステップ(i)及び(ii)は、好都合には、適当な溶媒、例えばジクロロメタンのような塩素化溶媒、又はアセトニトリルのような有機ニトリル溶媒中、周囲温度で行われる。
【0118】
代替手順では、上記式(I)の化合物は、式R
3CO
2Hのカルボン酸を式(IV)の化合物と;化合物(III)と式R
6‐CO
2Hのカルボン酸との間の反応について上述したものに類似する条件下で反応させることを含むプロセスによって調製することができる:
【化7】
ここで、
Z
1は、式(Za‐1)、(Zb‐1)、(Zc‐1)、(Zd‐1)、(Ze‐1)又は(Zf‐1)の基を表す:
【化8】
式中、アステリスク(
*)は、分子の残部への結合点を表す;
A、E、Y、R
3及びR
6は、上記で定義したとおりである。
【0119】
代替手順では、上記式(I)の化合物は、式(VA)又は(VB)の化合物を環化することを含むプロセスによって調製することができる:
【化9】
ここで、Z、A、E及びR
6は、上記で定義したとおりである。
【0120】
化合物(VA)又は(VB)の環化は、好都合には、適当な媒体、例えば酢酸、又はトリフルオロ酢酸中で加熱することによって行われる。
【0121】
上記式(VA)又は(VB)の中間体は、式(VI)の化合物を、式(VII)のカルボン酸又はその塩、例えばそのリチウム塩と;化合物(III)と式R
6CO
2Hのカルボン酸との間の反応について上記で説明したものと類似の条件下で、反応させることにより調製することができる:
【化10】
ここで、Z、A、E及びR
6は上記で定義した通りである。
【0122】
式(VII)の中間体は、(i)式R
6CO
2Hのカルボン酸を、式(VIII)の化合物と;化合物(III)と式R
6CO
2Hのカルボン酸との反応について上記に記載したものと類似の条件下で反応させること:
【化11】
ここで、Alk
1はC
1‐4アルキル、例えばメチル又はエチルを表し、R
6は上記で定義した通りである;及び(ii)得られた材料を塩基で処理することにより鹸化することを含む2段階の手順によって調製することができる。
【0123】
ステップ(i)で有用に採用され得る代替カップリング剤には、N‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐N’‐エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC.HCl)及びO‐(ベンゾトリアゾール‐1‐イル)‐N,N,N’,N’‐テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)がある。
【0124】
ステップ(ii)の鹸化反応は、一般に塩基で処理することにより実施される。好適な塩基としては、無機水酸化物、例えば、水酸化リチウムのようなアルカリ金属水酸化物が挙げられる。水酸化リチウムが上記の手順のステップ(ii)で採用される場合、生成物は式(VII)のカルボン酸のリチウム塩であり得る。
【0125】
ステップ(ii)は、水及び適当な有機溶媒、例えばテトラヒドロフランのような環状エーテル、任意にメタノールのようなC1‐4アルカノールと混和して、周囲温度で好都合に実施される。
【0126】
上記式(III)の中間体は、以下のステップを含む3段階の手順によって調製することができる:
(i)上記で定義した式(VI)の化合物を、式(IX)の化合物と;化合物(VI)と(VII)との間の反応について上述したものと類似の条件下で反応させる:
【化12】
ここで、R
pはN‐保護基を表す;
(ii)化合物(VA)又は(VB)の環化について上述したものに類似する条件下で、得られた材料を環化する;及び
(iii)N‐保護基R
pを除去する。
【0127】
N‐保護基Rpは好適にはtert‐ブトキシカルボニル(BOC)であろうが、この場合、ステップ(iii)におけるその除去は、酸、例えば塩酸などの鉱酸、又はトリフルオロ酢酸などの有機酸での処理によって都合よく行われ得る。
【0128】
あるいは、N‐保護基Rpはベンジルオキシカルボニルであってもよく、この場合、その除去は、触媒的な水素化によって、典型的には水素化触媒、例えば炭上のパラジウム、又は炭上の水酸化パラジウムの存在下で、水素ガス又はギ酸アンモニウムで処理することにより好都合に行うことができる。
【0129】
上記式(IV)の中間体は、式(X)の化合物からN‐保護基R
zを除去することにより調製することができる:
【化13】
ここで、
Z
2は、式(Za‐2)、(Zb‐2)、(Zc‐2)、(Zd‐2)、(Ze‐2)又は(Zf‐2)の基を表す:
【化14】
式中、アステリスク(
*)は分子の残部への結合点を表す;
R
zは、N‐保護基を表し;そして
A、E、Y及びR
6は、上記で定義したとおりである。
【0130】
N‐保護基Rzは好適にはtert‐ブトキシカルボニル(BOC)であろうが、この場合、その除去は好都合には酸、例えば塩酸のような鉱酸、又はトリフルオロ酢酸のような有機酸による処理によって行われ得る。
【0131】
上記式(X)の中間体は、以下のステップを含む4段階の手順によって調製することができる:
(i)上記で定義した式(IX)の化合物を、式(XI)の化合物と、化合物(VI)と(IX)との間の反応について上記で説明したものと類似の条件下で反応させる:
【化15】
ここで、Z
2、A及びEは上記で定義した通りである;
(ii)化合物(VA)又は(VB)の環化について上述したものに類似する条件下で、得られた材料を環化する;
(iii)上記のものに類似する条件下で、N‐保護基R
pを除去する;及び
(iv)それによって得られた材料を、式R
6CO
2Hのカルボン酸と、化合物(III)と式R
6CO
2Hのカルボン酸との反応について上述した条件と類似の条件下で反応させる。
【0132】
代替案として、上記式(III)の中間体は、以下のステップを含む手順によって調製することができる:
(i)式(XII)の化合物を式(XIII)の化合物と反応させて式(XIV)の化合物を提供する:
【化16】
ここで、Z、A及びEは上記で定義した通りであり、R
qはN‐保護基を表す;
【化17】
ここで、Z、A、E及びR
qは、上記で定義された通りである;及び
(ii)化合物(XIV)からtert‐ブチルスルフィニル基及びN‐保護基R
qを除去する。
【0133】
N‐保護基Rqは好適には2‐(トリメチルシリル)エトキシメチルであろう。
ステップ(i)は好適には、化合物(XII)を塩基、例えばn‐ブチリチウムのような有機塩基で処理し、次いで化合物(XIII)と反応させることにより達成される。この反応は、好都合には、適当な溶媒、例えばテトラヒドロフランのような環状エーテル中で達成される。
【0134】
N‐保護基Rqが2‐(トリメチルシリル)エトキシメチルである場合、ステップ(ii)における化合物(XIV)からのtert‐ブチルスルフィニル基及びN‐保護基Rqの除去は、いずれも酸、例えば、塩酸などの鉱酸で処理することにより行うことができる。
【0135】
N‐保護基Rqが2‐(トリメチルシリル)エトキシメチルである場合、上記式(XII)の中間体は、以下のステップを含む手順によって調製することができる:
(i)上記で定義した式(VI)の化合物とギ酸との反応;及び
(ii)それにより得られた材料と2‐(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリドとの反応。
【0136】
ステップ(i)は、好都合には、高温で実施される。
ステップ(ii)は、好適には、反応物を塩基、例えば水素化ナトリウム又は炭酸カリウムのような無機塩基で処理することによって行われる。
【0137】
上記式(XIII)の中間体は、2,2‐ジシクロプロピルアセトアルデヒドを2‐メチル‐2‐プロパンスルフィンアミドと反応させることにより調製することができる。この反応は、好適には、ピリジニウムp‐トルエンスルホナート及び硫酸マグネシウムの存在下に行われる。反応は好都合には、適当な溶媒、例えばジクロロメタンのような塩素化溶媒中、周囲温度で実施される。
【0138】
あるいは、上記式(IV)の中間体は、以下のステップを含む手順によって調製することができる:
(i)式(XV)の化合物からN‐保護基R
pを、上記で説明したものと類似の条件下で除去する:
【化18】
ここで、
Z
2、A、E、R
p及びR
qは、上記で定義した通りである;
(ii)それによって得られた材料を、式R
6CO
2Hのカルボン酸と、化合物(III)と式R
6CO
2Hのカルボン酸との間の反応について上述したものに類似した条件下で反応させる;及び
(iii)それによって得られた材料からN‐保護基R
q及びR
zを除去する。
【0139】
N‐保護基RzがBOCであり、N‐保護基Rqが2‐(トリメチルシリル)エトキシメチルである場合、ステップ(iii)におけるN‐保護基Rq及びRzの除去は、いずれも酸、例えば、トリフルオロ酢酸などの有機酸で処理することによって行うことができる。
【0140】
あるいは、上記式(III)の中間体は、以下のステップを含む手順によって調製することができる:
(i)上記で定義した式(XV)の化合物からN‐保護基Rq及びRzを除去する;
(ii)それによって得られた材料を、式R3CO2Hのカルボン酸と、化合物(IV)と式R3CO2Hのカルボン酸との間の反応について上述したものに類似した条件下で反応させる;及び
(iii)それによって得られた材料から、上述したものに類似した条件下で、N‐保護基Rpを除去する。
【0141】
N‐保護基RzがBOCであり、N‐保護基Rqが2‐(トリメチルシリル)エトキシメチルである場合、ステップ(i)におけるN‐保護基Rq及びRzの除去は、いずれも酸、例えば、トリフルオロ酢酸などの有機酸で処理することにより行うことができる。
【0142】
上記式(XV)の中間体は、式Z
2‐CO
2Hの化合物を式(XVI)の化合物と、遷移金属触媒の存在下で反応させることにより調製することができる:
【化19】
ここで、
Z
2、A、E、R
p及びR
qは上記で定義した通りであり、L
1は好適な離脱基を表す。
離脱基L
1は、好適には、ハロゲン原子、例えば、ブロモである。
【0143】
この反応に使用する好適な遷移金属触媒としては、[4,4’‐ビス(1,1‐ジメチルエチル)‐2,2’‐ビピリジン‐N1,N1’]ビス‐{3,5‐ジフルオロ‐2‐[5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル‐N]フェニル‐C]イリジウム(III)ヘキサフルオロホスファートが挙げられる。この反応は、一般に、塩化ニッケル(II)エチレングリコールジメチルエーテル錯体及び4,4’‐ジ‐tert‐ブチル‐2,2’‐ジピリジルの存在下に行われるであろう。反応は好適には塩基、例えば1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ‐7‐エンのような有機塩基の存在下で行われ;そして反応物は典型的には明るい光源に晒されるであろう。適切な明るい光源は、典型的には、ACS Cent.Sci.,2017,3,647‐653に記載された「統合型フォトリアクター」を含むであろう。反応は、好都合には、好適な溶媒、例えばN,N‐ジメチルホルムアミドなどの双極性アプロティック溶媒中、周囲温度で実施されるであろう。
【0144】
N‐保護基R
qが2‐(トリメチルシリル)エトキシメチルである場合、上記式(XVI)の中間体は、以下のステップを含む手順によって調製することができる:
(i)上記で定義された式(IX)の化合物を式(XVII)の化合物と;化合物(VI)と(IX)との間の反応について上記で説明したものと類似の条件下で反応させる:
【化20】
ここで、A、E及びL
1は上記で定義した通りであり;
(ii)化合物(VA)又は(VB)の環化について上述したものに類似する条件下で、得られた材料を環化する;及び
(iii)こうして得られた材料を、2‐(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリドと反応させる。
【0145】
ステップ(iii)は、好適には、反応物を塩基、例えば水素化ナトリウム又は炭酸カリウムのような無機塩基で処理することによって行われる。
【0146】
代替的なアプローチにおいて、上記式(III)の中間体は、以下のステップを含む手順によって調製することができる:
(i)上記で定義された式(IX)の化合物を、上記で定義された式(XI)の化合物と、化合物(VI)と(IX)の間の反応について上記で説明したものと類似の条件下で反応させる;
(ii)化合物(VA)又は(VB)の環化について上述したものに類似する条件下で、得られた物質を環化する;
(iii)それによって得られた材料から、上記のものに類似する条件下で、N‐保護基Rzを除去する;
(iv)それによって得られた材料を、式R3‐CO2Hのカルボン酸と、化合物(IV)と式R3‐CO2Hのカルボン酸との間の反応について上述したものに類似した条件下で反応させる;及び
(v)それによって得られた材料から、上述した条件と類似の条件で、N‐保護基Rpを除去する。
【0147】
それらが市販されていない場合、式(VI)、(VIII)、(IX)、(XI)及び(XVII)の出発物質は、添付の実施例に記載されている方法に類似する方法、又は当技術分野からよく知られた標準的な方法によって調製することができる。
【0148】
上記のプロセスのいずれかから最初に得られた式(I)の化合物は、適切な場合には、その後、当技術分野から公知の技術により、さらなる式(I)の化合物に精製され得ることが理解されるであろう。例として、N‐BOC部分(ここで、BOCはtert‐ブトキシカルボニルの略)を含む化合物は、酸、例えば、塩酸などの鉱酸、又はトリフルオロ酢酸などの有機酸での処理によって、N‐H部分を含む対応する化合物に変換され得る。
【0149】
N‐H官能基を含む化合物は、典型的には塩基、例えば炭酸ナトリウムのような無機炭酸塩の存在下で、適切なハロゲン化アルキル、例えばヨードメタンで処理することにより、アルキル化、例えばメチル化することができる。
【0150】
N‐H官能基を含む化合物は、典型的には塩基、例えばN,N‐ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンなどの有機塩基の存在下、適切なハロゲン化アシル、例えば塩化アセチルで処理することにより、アシル化、例えばアセチル化することができる。同様に、N‐H官能性を含む化合物は、典型的には塩基、例えばトリエチルアミンのような有機塩基の存在下、適当なアシル無水物、例えば無水酢酸で処理することにより、アシル化、例えばアセチル化することができる。
【0151】
同様に、N‐H官能基を含む化合物は、典型的には塩基、例えばトリエチルアミンなどの有機塩基の存在下で、適切なC1‐4アルキルスルホニルクロリド試薬、例えばメチルスルホニルクロリドで処理することにより、N‐S(O)2Alk1官能基(ここでAlk1は上記定義のとおり)を含む対応化合物に変換することができる。
【0152】
同様に、N‐H官能基を含む化合物は、典型的には塩基、例えばトリエチルアミンなどの有機塩基の存在下で、適切なクロロホルマート又はカルバモイルクロリド試薬で処理することにより、それぞれカルバマート又はウレア部分を含む対応する化合物に変換され得る。あるいは、N‐H官能基を含む化合物は、典型的には塩基、例えばトリエチルアミンのような有機塩基の存在下で、適切なアミン置換(3‐メチルイミダゾール‐3‐イウム‐1‐イル)メタノンヨージド誘導体での処理により、ウレア部分を含む対応化合物に変換することができる。あるいは、N‐H官能性を含む化合物は、典型的には塩基、例えばトリエチルアミンのような有機塩基の存在下で、適切なイソシアナート誘導体Alk1‐N=C=Oで処理することにより、ウレア部分N‐C(O)N(H)Alk1(ここでAlk1は上記定義の通り)を含む対応化合物に変換することができる。
【0153】
N‐H官能基を含む化合物は、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下で、適切なアルデヒド又はケトンで処理することにより、N‐C(H)官能基を含む対応する化合物に変換することができる。
【0154】
C1‐4アルコキシカルボニル部分‐CO2Alk1(ここで、Alk1は上記定義の通りである)を含む化合物は、塩基、例えば水酸化リチウムのようなアルカリ金属水酸化物塩で処理することによって、カルボン酸(‐CO2H)部分を含む対応する化合物に変換することができる。あるいは、tert‐ブトキシカルボニル部分を含む化合物は、トリフルオロ酢酸で処理することにより、カルボン酸(‐CO2H)部分を含む対応する化合物に変換され得る。
【0155】
カルボン酸(‐CO2H)部分を含む化合物は、化合物(III)と式R6‐CO2Hのカルボン酸との反応について上述した条件と同様の条件で、適切なアミンで処理することにより、アミド部分を含む対応化合物に変換することができる。
【0156】
C1‐4アルコキシカルボニル部分‐CO2Alk1(ここで、Alk1は上記定義のとおりである)を含む化合物は、水素化リチウムアルミニウムなどの還元剤で処理することにより、ヒドロキシメチル(‐CH2OH)部分を含む対応化合物に変換することができる。
【0157】
C1‐4アルキルカルボニルオキシ部分‐OC(O)Alk1(ここで、Alk1は上記定義の通りである)、例えばアセトキシを含む化合物は、塩基、例えば水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物塩で処理することにより、ヒドロキシ(‐OH)部分を含む対応化合物に変換することができる。
【0158】
ハロゲン原子、例えばブロモを含む化合物は、有機ジオール、例えばピナコール、1,3‐プロパンジオール又はネオペンチルグリコールと形成された適切に置換されたアリール、ヘテロシクロアルケニル又はヘテロアリールボロン酸又はその環状エステルで処理することにより、任意に置換されたアリール、ヘテロシクロアルケニル又はヘテロアリール部分を含む対応化合物に転換することができる。この反応は、典型的には、遷移金属触媒、及び塩基の存在下で行われる。遷移金属触媒は、[1,1’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)であってもよい。代替案として、遷移金属触媒は、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)であってもよく、これは、有利には、2‐ジシクロヘキシルホスフィノ‐2’,4’,6’‐トリイソプロピルビフェニル(XPhos)と組み合わせて採用してもよい。好適には、塩基は、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムのような無機塩基であってよい。
【0159】
ハロゲン原子、例えばブロモを含む化合物は、(i)ビス(ピナコラト)ジボロンとの反応;及び(ii)それによって得られた化合物と適切に置換されたブロモアリール又はブロモヘテロアリール誘導体との反応を含む2段階の手順によって、任意に置換されたアリール又はヘテロアリール部分を含む対応化合物に変換することができる。ステップ(i)は、[1,1’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]‐ジクロロパラジウム(II)のような遷移金属触媒、及び酢酸カリウムの存在下で行うのが便利である。ステップ(ii)は、[1,1’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]‐ジクロロパラジウム(II)のような遷移金属触媒、及び塩基、例えば炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムのような無機塩基の存在下で都合よく実施される。
【0160】
シアノ(CN)部分を含む化合物は、(i)理想的にはチタン(IV)イソプロポキシドの存在下で塩化メチルマグネシウムとの反応、及び(ii)得られた物質を水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤で処理することを含む2段階のプロセスによって、1‐アミノエチル部分を含む対応化合物に変換することができる。ステップ(i)において過剰の塩化メチルマグネシウムが採用される場合、1‐アミノ‐1‐メチルエチル部分を含む対応する化合物が得られ得る。
【0161】
‐S‐部分を含む化合物は、(ジアセトキシヨード)ベンゼンとカルバミン酸アンモニウムで処理することにより、‐S(O)(NH)‐部分を含む対応化合物に変換することができる。
【0162】
C=C二重結合を含む化合物は、水素化触媒、例えば炭上のパラジウムの存在下でガス状水素で処理することにより、CH‐CH単結合を含む対応する化合物に変換することができる。
【0163】
芳香族窒素原子を含む化合物は、適当な酸化剤、例えば3‐クロロ過安息香酸で処理することにより、N‐オキシド部分を含む対応する化合物に変換することができる。
【0164】
本発明による化合物を調製するための上記のプロセスのいずれかから生成物の混合物が得られる場合、適切な段階でそこから所望の生成物を、分取HPLCなどの従来の方法、又は適切な溶媒系と組み合わせて、例えばシリカ及び/又はアルミナを利用するカラムクロマトグラフィーによって分離することができる。
【0165】
本発明による化合物の調製のための上述のプロセスが立体異性体の混合物を生じさせる場合、これらの異性体は従来の技術によって分離することができる。特に、式(I)の化合物の特定のエナンチオマーを得ることが望まれる場合、これは、エナンチオマーを分離するための任意の適切な従来の手順を使用して、対応するエナンチオマーの混合物から製造することができる。したがって、例えば、ジアステレオマー誘導体、例えば塩は、式(I)のエナンチオマーの混合物、例えばラセミ体と適切なキラル化合物、例えばキラル塩基との反応により製造することができる。その後、ジアステレオマーを任意の便利な手段、例えば結晶化によって分離し、ジアステレオマーが塩である場合には酸で処理するなどして、所望のエナンチオマーを回収することができる。別の分離プロセスでは、式(I)のラセミ体をキラルHPLCを用いて分離することができる。さらに、所望により、特定のエナンチオマーは、上記のプロセスの1つにおいて適切なキラル中間体を使用することによって得ることができる。あるいは、特定のエナンチオマーは、エナンチオマー特異的な酵素的生体内変換、例えばエステラーゼを用いたエステル加水分解を行い、そして未反応のエステルアンチポードからエナンチオマー的に純粋な加水分解酸のみを精製することにより得ることができる。
【0166】
クロマトグラフィー、再結晶及び他の従来の分離手順も、本発明の特定の幾何異性体を得ることが望まれる中間体又は最終製品に使用することができる。
【0167】
上記の合成シーケンスのいずれにおいても、関係する分子上の敏感な基又は反応性基を保護することが必要及び/又は望ましい場合がある。これは、従来の保護基、例えば、Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis、ed.P.G.M.Wuts,John Wiley & Sons,5th edition,2014に記載されているものによって達成され得る。保護基は、当技術分野で知られている方法を利用して、任意の便利な後続の段階で除去することができる。
【0168】
本発明に係る化合物は、ヒト皮膚線維芽細胞からのIL‐17誘導IL‐6放出を強力に阻害する。したがって、以下に記載するHDF細胞株アッセイで試験した場合、本発明の化合物は、4.8以上、一般に6.0以上、通常7.0以上、典型的には7.2以上、好適には7.5以上、理想的には7.8以上、好ましくは8.0以上のpIC50値を示す(pIC50は-log10[IC50]に等しく、ここでIC50はモル濃度として表されるので、当業者はより高いpIC50数値はより活性な化合物を示すことを理解するであろう)。
【0169】
皮膚線維芽細胞株からのIL‐17A誘導IL‐6放出の阻害
このアッセイの目的は、ヒト初代細胞系で、IL‐17タンパク質に対する中和能力を試験することである。正常なヒト皮膚線維芽細胞(HDF)をIL‐17単独で刺激すると、非常に弱いシグナルしか得られないが、TNFαなどの特定の他のサイトカインと組み合わせると、炎症性サイトカイン、すなわちIL‐6の産生に相乗効果が見られる。
【0170】
HDFをIL‐17A(50pM)とTNF‐α(25pM)の組み合わせで刺激した。その結果、IL‐6応答はCisbio社の均質時間分解FRETキットを用いて測定された。このキットでは、2つのモノクローナル抗体を使用する。1つはEuCryptate(ドナー)で、もう1つはd2又はXL665(アクセプター)で標識されている。シグナルの強度は、サンプルに含まれるIL‐6の濃度に比例する(比率は665/620×104で計算される)。
【0171】
ヒト皮膚線維芽細胞からのIL‐17誘導IL‐6放出を阻害する化合物の能力は、このアッセイで測定される。
【0172】
HDF細胞(Sigma#106‐05n)を完全培地(DMEM+10%FCS+2mM L‐グルタミン)で培養し、組織培養フラスコ内で標準技術を使って維持した。細胞は、TrypLE(Invitrogen#12605036)を用いて、アッセイ当日の朝に組織培養フラスコから採取された。TrypLEを完全培地(45mL)で中和し、細胞を300xgで3分間遠心分離した。細胞を完全培地(5mL)に再懸濁し、3.125x104細胞/mLの濃度に調整した後、384ウェルアッセイプレート(コーニング#3701)に1ウェルあたり40μLずつ添加した。細胞をプレートに付着させるために、37℃/5%CO2で、最低3時間放置した。
【0173】
化合物をDMSOで連続希釈した後、384ウェル希釈プレート(Greiner#781281)に水性希釈液を受け、滴定プレートから5μLを45μLの完全培地に移し、混合して10%DMSOを含む溶液とした。
【0174】
TNFαとIL‐17サイトカインの混合物を完全培地で最終濃度TNFα 25pM/IL‐17A 50pMに調製し、次いでその溶液30μLを384ウェル試薬プレート(Greiner#781281)に添加した。
【0175】
水性希釈プレートから10μLを、希釈したサイトカイン30μLを含む試薬プレートに移し、2.5%DMSO溶液とした。化合物をサイトカイン混合物とともに37℃で5時間インキュベートした。インキュベーション後、10μLをアッセイプレートに移し、0.5%DMSO溶液とし、次いで37℃/5%CO2で18~20時間インキュベートした。
【0176】
Cisbio IL‐6 FRETキット(Cisbio#62IL6PEB)から、europium cryptateとAlexa 665を再構成バッファーで希釈し、キットの挿入に従って1:1混合した。白色低容量384ウェルプレート(Greiner#784075)にFRET試薬(10μL)を加え、次いで上清(10μL)をアッセイプレートからGreiner試薬プレートに移した。この混合物を室温で3時間、穏やかに振とう(<400rpm)しながらインキュベートした後、Synergy Neo 2プレートリーダーで読み取った(励起:330nm、発光:615/645nm)。
【0177】
上記のようにHDF細胞株アッセイで試験した場合、添付の実施例の化合物は、以下のpIC
50値を示すことが判明した。
【表1】
【0178】
以下の実施例は、本発明による化合物の調製を例示するものである。
【実施例】
【0179】
略語
DCM:ジクロロメタン
EtOAc:酢酸エチル
MeOH:メタノール
THF:テトラヒドロフラン
DMSO:ジメチルスルホキシド
DIPEA:N,N‐ジイソプロピルエチルアミン
EtOH:エタノール
DMF:N,N‐ジメチルホルムアミド
TFA:トリフルオロ酢酸
DBU:1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ‐7‐エン
TBAF:フッ化テトラブチルアンモニウム
IPA:イソプロパノール
DMPU:1,3‐ジメチル‐3,4,5,6‐テトラヒドロ‐2(1H)‐ピリミジノン
T3P(登録商標):プロピルホスホン酸無水物溶液
HATU:1‐[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]‐1H‐1,2,3‐トリアゾロ[4,5‐b]ピリジニウム3‐オキシドヘキサフルオロホスファート
NiCl2glyme:塩化ニッケル(II)エチレングリコールジメチルエーテル錯体
{Ir[dF(CF3)ppy]2(dtbpy)}PF6:[4,4’‐ビス(1,1‐ジメチルエチル)‐2,2’‐ビピリジン‐N1,N1’]ビス‐{3,5‐ジフルオロ‐2‐[5‐(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル‐N]フェニル‐C}イリジウム(III)ヘキサフルオロホスファート
h:時間
r.t.:室温
M:質量
RT:保持時間
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
LCMS:液体クロマトグラフィー質量分析
SFC:超臨界流体クロマトグラフィー
【0180】
分析条件
方法1
ショートpH 3.
静止相:Phenomenex Gemini NX‐C18(2×20mm、3μmカラム)
移動相A:水中10mMギ酸アンモニウム+0.1%ギ酸
移動相B:アセトニトリル+5%水+0.1%ギ酸
流速:1mL/分
グラデーションプログラム:
時間 A% B%
0.00 95.00 5.00
1.50 5.00 95.00
2.25 5.00 95.00
2.50 95.00 5.00
【0181】
方法2
ショートpH 10.
静止相:Phenomenex Gemini NX‐C18(2×20mm、3μmカラム)
移動相A:水中10mMギ酸アンモニウム+0.1%アンモニア溶液
移動相B:アセトニトリル+5%水+0.1%アンモニア溶液
流速:1mL/分
グラデーションプログラム:
時間 A% B%
0.00 95.00 5.00
1.50 5.00 95.00
2.25 5.00 95.00
2.50 95.00 5.00
【0182】
方法3
ロング pH10.
静止相:Phenomenex Gemini NX‐C18(2×20mm、3μmカラム)
移動相A:水中10mMギ酸アンモニウム+0.1%アンモニア溶液
移動相B:アセトニトリル+5%水+0.1%アンモニア溶液
流速:1mL/分
グラデーションプログラム:
時間 A% B%
0.00 95.00 5.00
4.00 5.00 95.00
5.00 5.00 95.00
5.10 95.00 5.00
【0183】
方法4
Waters AP fractionlynxシステムで、Waters SQD2質量分析計とのタンデムで精製。
静止相:Waters Xbridge Prep C18 OBD(19x100mm、5μmカラム)
カラム温度:常温
移動相A:水中10mM炭酸水素アンモニウム+0.1%アンモニア溶液
移動相B:アセトニトリル+5%水+0.1%アンモニア溶液
流速:19mL/分
グラジエントプログラム:移動相A中、フォーカスグラジエント35‐50%移動相B、駆動時間13分
【0184】
方法5
MSDXT,pH 10.
静止相:Waters Acquity UPLC BEH C18(2.1×50mm、1.7μmカラム)
移動相A:水中10mMギ酸アンモニウム+0.1%アンモニア溶液
移動相B:アセトニトリル+5%水+0.1%アンモニア溶液
流速:1.5mL/分
グラデーションプログラム:
時間 A% B%
0.00 95.00 5.00
0.10 95.00 5.00
3.50 5.00 95.00
4.00 5.00 95.00
4.05 95.00 5.00
【0185】
方法6
Waters AP fractionlynxシステムで、Waters 3100質量分析計とのタンデムで精製。
静止相:Waters Xbridge Prep C18 OBD(19x150mm,5μmカラム)
カラム温度:常温
移動相A:水中10mM炭酸水素アンモニウム+0.1%アンモニア溶液
移動相B:アセトニトリル+5%水+0.1%アンモニア溶液
流速:19mL/分
グラジエントプログラム:移動相A中、フォーカスグラジェント45‐60%移動相B、駆動時間13分
【0186】
方法7
Waters Prep 100 fractionlynxシステムで、Waters SQD2質量分析計とのタンデムで、SFCによるキラル精製を実施した。
静止相:Lux Cellulose‐4(250×21.2mm、5μmカラム)
流速:100mL/分
ABPR:60バール
移動相:5‐25%MeOH(+0.1%NH4OH)のグラジエント
カラム温度:40℃
駆動時間:7.5分
【0187】
方法8
Waters Prep 150 fractionlynxシステムで、Waters QDa質量分析計とのタンデムでSFCによるキラル精製を実施した。
静止相:Lux Cellulose‐1(250×21.2mm、5μmカラム)
流速:100mL/分
ABPR:60バール
移動相:3‐40%MeOH(+0.1%NH4OH)のグラジエント
カラム温度:40℃
駆動時間:7.5分
【0188】
方法9
Waters Prep 100 fractionlynxシステムで、Waters SQD2質量分析計とのタンデムでキラル分析を実施した。
静止相:Lux Cellulose‐1(150×4.6mm、3μmカラム)
流速:3mL/分
移動相:3‐40%MeOH(+0.1%NH4OH)
カラム温度:35℃
駆動時間:6.5分
【0189】
方法10
Waters Prep 100 fractionlynxシステムで、Waters SQD2質量分析計とのタンデムでキラル分析を実施した。
静止相:Lux Cellulose‐4(150×4.6mm、3μmカラム)
流速:3mL/分
移動相:3‐40%MeOH(+0.1%NH4OH)
カラム温度:35℃
駆動時間:6.5分
【0190】
方法11
Waters Prep 150 fractionlynxシステムで、Waters QDa質量分析計とのタンデムでキラル精製を実施した。
静止相:Lux Cellulose‐4(250×21.2mm、5μmカラム)
流速:100mL/分
移動相:3‐25%MeOH(+0.1%NH4OH)のグラジエント
カラム温度:40℃
駆動時間:10分
【0191】
方法12
Waters Prep 150 fractionlynxシステムで、Waters QDa 質量分析計とのタンデムでキラル精製を実施した。
静止相:Chiralpak IH(250x20mm,5μmカラム)
流速:100mL/分
移動相:3‐25%MeOH(+0.1%NH4OH)のグラジエント
カラム温度:40℃
駆動時間:10分
【0192】
方法13
Waters Prep 100 fractionlynxシステムで、Waters SQD2 質量分析計とのタンデムでキラル分析を実施した。
静止相:Lux Cellulose‐4(150×4.6mm、5μmカラム)
流速:3mL/分
移動相:3‐40%MeOH(+0.1%NH4OH)のグラジエント
カラム温度:35℃
駆動時間:6.5分
【0193】
方法14
Waters Prep 100 fractionlynxシステムで、Waters SQD2 質量分析計とのタンデムでキラル分析を実施した。
静止相:Chiralpak IH(150x4.6mm,3μmカラム)
流速:3mL/分
移動相:3‐25%MeOH(+0.1%NH4OH)のグラジエント
カラム温度:35℃
駆動時間:6.5分
【0194】
方法15
静止相:キラルパックAD‐3、100x6.4mm、3μm
カラム温度:35℃
移動相A:CO2
移動相B:IPA(0.05%IP Am)
流速:3.4mL/分
グラデーションプログラム: 時間 A% B%
0.00 95 5
2.00 60 40
3.00 60 40
3.60 95 5
4.00 95 5
【0195】
方法16
キラル分析は、(R,R)Whelk‐O1 150x4.6mm,5μmカラム、流速3mL/分、カラム温度35℃を用いて、グラジエント3‐40%MeOH(+0.1%NH4OH)法(ABPR 120bar)で溶出し、ウォーターズUPC2 Acquityシステムで、ウォーターズQDa質量分析計とのタンデムで、駆動時間6.5minを用いて実施した。
【0196】
中間体1
tert‐ブチル N‐(2‐アミノ‐6‐ブロモピリジン‐3‐イル)カルバマート
EtOH(550mL)中の6‐ブロモピリジン‐2,3‐ジアミン(100g、521mmol)及びジ‐tert‐ブチルジカーボナート(126.5g、574mmol)の溶液に、r.t.でグアニジン塩酸塩(5.60g、58.0mmol)を添加した。混合物を50℃に加熱したところ、発泡が生じた(約4時間後に収まった)。混合物を50℃で21時間撹拌した後、r.t.まで冷却した。沈殿物をろ過し、EtOH(100mL)及びイソヘキサン(300mL)で順次洗浄し、次いで乾燥すると、表題化合物(140.6g,94%)を褐色粉末として得た。δH(300MHz,DMSO‐d6)8.45(s,1H),7.55(d,J 8.1Hz,1H),6.69(d,J 8.0Hz,1H),6.24(s,2H),1.46(s,9H)。
【0197】
中間体2
2‐アミノ‐3,3‐ジシクロプロピルプロパン酸塩酸塩
密閉した圧力フラスコ中で、THF(16mL)中の2,2‐ジシクロプロピルアセトアルデヒド(5.00g,40.3mmol)を、水(16mL)中の炭酸アンモニウム(9.67g,101mmol)とシアン化カリウム(3.28g,50.4mmol)の懸濁液に追加した。混合物を60℃で18時間加熱した後、氷浴を使用して冷却した。水性塩酸(6M)を注意深く加え、pHを<5に調整した。得られた白色固体を濾過し、水で洗浄し、真空で乾燥させた。得られた粗5‐(ジシクロプロピルメチル)イミダゾリジン‐2,4‐ジオン(無色固体)(6.42g)をNaOH水溶液(5M、45mL)に懸濁し、還流温度で18時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、次いで氷浴に置いて濃塩酸水溶液(20mL)で酸性化し、pHを<5に調整すると沈殿物が形成した。混合物をEtOAc(100mL、その後30mL)で抽出した。水層を真空中で濃縮し、凍結乾燥(アセトニトリル/水)し、次に温エタノール(100mL)で抽出し、濾過した。エタノール層を真空で濃縮し、表題化合物(15%w/w NH4Cl含有)(3.5g,51%)を薄ピンク色の固体として得た。δH(400MHz,D2O)4.01(d,J 3.5Hz,1H),0.89‐0.65(m,3H),0.65‐0.22(m,6H),0.22‐0.04(m,2H)。
【0198】
中間体3
2‐(ベンジルオキシカルボニルアミノ)‐3,3‐ジシクロプロピルプロパン酸
0℃(氷/水浴で冷却)のDCM(60mL)中の中間体2(2.5g,12.0mmol)及びトリエチルアミン(5.9mL,42mmol)の懸濁液に、N‐(ベンジルオキシ‐カルボニルオキシ)スクシンイミド(2.9g,11.4mmol)を部分的に添加した。反応混合物をr.t.で21時間撹拌した後、希釈し、塩酸水溶液(1M、3×50mL)で洗浄した。得られた混合物を相分離器に通し、真空で濃縮した。粗残渣をDCM(50mL)に再溶解し、次いでNaOH水溶液(1M、50mL)を添加し、層を分離した。塩基性水性層にDCM(50mL)及び塩酸水溶液(2M、50mL)を加え、次いで層を分離し、水性層をDCM(2×30mL)で再抽出した。合わせたDCM層を相分離器に通し、真空中で濃縮して、粗表題化合物(純度90%)(1.69g,46%)を黄色オイルとして得、これをさらに精製することなく利用した。δH(400MHz,DMSO‐d6)12.53(s,1H),7.48(d,J 8.9Hz,1H),7.42‐7.28(m,5H),5.09(d,J 12.7Hz,1H),5.04(d,J 12.7Hz,1H),4.20(dd,J 8.9及び4.4Hz,1H),1.06‐0.91(m,1H),0.85‐0.74(m,1H),0.58‐0.43(m,2H),0.42‐0.21(m,4H),0.20‐0.00(m,3H)。LCMS(方法1):[M+H]+m/z 304.0,RT 1.18分s。
【0199】
中間体4
tert‐ブチル N‐(2‐{[2‐(ベンジルオキシカルボニルアミノ)‐3,3‐ジシクロプロピルプロパノイル]アミノ}‐6‐ブロモピリジン‐3‐イル)カルバマート
T3P(登録商標)(EtOAc中50質量%、9.7mL、16mmol)を、0℃で、EtOAc(19.8mL)中の中間体1(1.90g,6.59mmol)、中間体3(2.00g,6.59mmol)及びピリジン(99.8質量%,2.4mL,30mmol)の溶液に滴下して加えた。氷浴を除去し、反応混合物をr.t.で21.5時間撹拌し、次いでEtOAc(20mL)で希釈し、水(50mL、次に2×30mL)で洗浄した。合わせた水層をEtOAc(2x30mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO3水溶液(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、次いで相分離器に通し、真空中で濃縮した。粗残渣を、ヘキサン中の0~30%EtOAcのグラジエントで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(2.59g、68%)を白色固体として得た。δH(400MHz,DMSO‐d6)10.92(s,1H),8.24(s,1H),8.05(d,J 8.5Hz,1H),7.66(d,J 8.5Hz,1H),7.54(d,J 8.5Hz,1H),7.41‐7.23(m,5H),5.07(s,2H),4.55(dd,J 8.5,5.5Hz,1H),1.43(s,9H),1.08‐0.93(m,1H),0.90‐0.78(m,1H),0.60(td,J 9.6,5.6Hz,1H),0.54‐0.46(m,1H),0.42‐0.15(m,7H)。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 573.0,574.8,RT 1.68分。
【0200】
中間体5
ベンジル N‐[1‐(5‐ブロモ‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル)‐2,2‐ジシクロプロピルエチル]カルバマート
TFA(3.4mL、45mmol)を、窒素下でr.t.でDCM(13.5mL)中の中間体4(2.58g、4.50mmol)の溶液に滴下して添加した。反応混合物を40℃で4時間撹拌した後、DCM(30mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(150mL)で洗浄した。水層をDCM(2×30mL)で抽出し、合わせた有機層を相分離器に通し、真空で濃縮した。粗残渣を、ヘキサン中の0~50%EtOAcのグラジエントで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(1.81g、88%)を白色固体として得た。δH(400MHz、CDCl3)7.82(s,1H),7.39(d,J 8.3Hz,1H),7.37‐7.30(m,5H),6.48(br s,1H),5.22(t,J 7.2Hz,1H),5.16(d,J 12.3Hz,1H),5.11(d,J 12.3Hz,1H),1.17‐1.04(m,1H),0.88‐0.74(m,2H),0.56‐0.45(m,2H),0.43‐0.32(m,2H),0.32‐0.19(m,2H),0.18‐0.10(m,1H),0.06‐0.05(m,1H)。NHプロトンのシグナルのうち、1つは確認できなかった。LCMS(方法3):[M+H]+m/z 454.8,456.8,RT 2.48分。
【0201】
中間体6
ベンジル N‐{1‐[5‐ブロモ‐1‐(2‐トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾ[4,5‐b]‐ピリジン‐2‐イル]‐2,2‐ジシクロプロピルエチル}カルバマート及びベンジル N‐{1‐[5‐ブロモ‐3‐(2‐トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル]‐2,2‐ジシクロプロピルエチル}カルバマートの混合物
2‐(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(0.96mL,5.2mmol)、続いてK2CO3(715mg,5.17mmol)を、窒素下でDMF(20mL)中の中間体5(100質量%,1.8125g,3.980mmol)の溶液に添加した。反応混合物をr.t.で6.5時間撹拌した後、EtOAc(50mL)で希釈し、水(3×50mL)で洗浄した。合わせた水層をEtOAc(2×20mL)で抽出し、次いで合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、相分離器に通し、真空中で濃縮した。粗残渣を、ヘキサン中の0~50%EtOAcのグラジエントで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物の混合物(2.32g、99%)を無色オイルとして得た。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 585.0,587.0,RT 1.82分(異性体1);及びm/z 585.0,587.0,RT 1.92分(異性体2)。
【0202】
中間体7
tert‐ブチル 2‐{2‐[1‐(ベンジルオキシカルボニルアミノ)‐2,2‐ジシクロプロピルエチル]‐1‐(2‐トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐5‐イル}‐4,4‐ジフルオロピペリジン‐1‐カルボキシラート
tert‐ブチル 2‐{2‐[1‐(ベンジルオキシカルボニルアミノ)‐2,2‐ジシクロプロピルエチル]‐3‐(2‐トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐5‐イル}‐4,4‐ジフルオロピペリジン‐1‐カルボキシラート
DMF(28.3mL)中、中間体6(1.16g,1.98mmol)、1‐tert‐ブトキシカルボニル‐4,4‐ジフルオロピペリジン‐2‐カルボン酸(1.05g,3.96mmol)、{Ir[dF(CF3)ppy]2(dtbpy)}PF6(22.2mg,0.020mmol),NiCl2glyme(66.6mg,0.297mmol)及び4,4’‐ジ‐tert‐ブチル‐2,2’‐ジピリジル(81.3mg,0.297mmol)を含む40mLスクリューキャップバイアルに、DBU(0.45mL,3.0mmol)を添加した。バイアルを密閉し、窒素を10分間溶液にバブリングした。バイアルの蓋を素早く穴の開いていない蓋に交換し、接合部をパラフィルムで密封した。反応容器に、フォトリアクター(ACS Cent.Sci.,2017,3,647‐653)(設定:Fan,1800rpm;Stir,250rpm;LED,100%)を用いて16時間照射(450nm)した。同一の手順を同時に並行して行った。2つの並行反応混合物を合わせ、次にEtOAc(50mL)で希釈し、水(3×50mL)で洗浄した。合わせた水性層をEtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、相分離器に通し、真空中で濃縮した。粗残渣を、ヘキサン中の0~100%EtOAcのグラジエントで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物の混合物(2.72g、95%)を淡黄色の泡として得た。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 726.0、RT 1.92分(異性体1);及びm/z 726.0、RT 1.99分(異性体2)。
【0203】
中間体8
ベンジル N‐{2,2‐ジシクロプロピル‐1‐[5‐(4,4‐ジフルオロピペリジン‐2‐イル)‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル]エチル}カルバマート
TFA(2.8mL、37mmol)を、窒素下でDCM(11.2mL)中の中間体7(2.71g、3.74mmol)の溶液に滴下して加えた。反応混合物をr.t.で17.5時間撹拌し、次いでDCM(20mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(150mL)中に注ぎ、10分間撹拌した。層を分離し、水性層をDCM(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を相分離器に通し、真空で濃縮した。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、ヘキサン中の0~100%EtOAc、次にEtOAc中の0~20%MeOHのグラジエントで溶出し、表題化合物(0.458g、25%)を淡黄色固体として、副生成物(1.11g)を黄色オイルとして得た。副生成物をDCM(35.5mL)に取り込み、TFA(6.7mL,89mmol)を窒素下で滴下して添加した。反応混合物をr.t.で23時間撹拌した後、真空中で濃縮し、DCM(40mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(100mL)中に注ぎ、10分間撹拌した。層を分離し、水性層をDCM(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を相分離器に通し、真空で濃縮した。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、ヘキサン中の0~100%EtOAc、次にEtOAc中の0~10%MeOHのグラジエントで溶出し、追加の表題化合物(0.872g、47%)(両方のバッチからの合計収量1.33g、72%)を淡黄色の泡として得た。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 496.0、RT 1.37分。
【0204】
中間体9
ベンジル N‐(2,2‐ジシクロプロピル‐1‐{5‐[4,4‐ジフルオロ‐1‐(3‐フルオロビシクロ[1,1,1]ペンタン‐1‐カルボニル)ピペリジン‐2‐イル]‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル}エチル)カルバマート
HATU(1.16g、2.95mmol)、続いてDIPEA(1.4mL、8.1mmol)を、DMF(40mL)中の中間体8(1.33g、2.68mmol)及び3‐フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン‐1‐カルボン酸(404mg,2.95mmol)の溶液に添加した。反応混合物をr.t.で1.5時間撹拌し、次いでEtOAc(50mL)で希釈し、水(4×50mL)で洗浄した。合わせた水層をEtOAc(2x40mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、相分離器に通し、真空中で濃縮した。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、ヘキサン中の0~100%EtOAc、次にEtOAc中の0~20%MeOHのグラジエントで溶出し、表題化合物(0.923g、57%)を淡黄色泡として得た。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 608.0、RT 1.48分。
【0205】
中間体10
{2‐[2‐(1‐アミノ‐2,2‐ジシクロプロピルエチル)‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐5‐イル]‐4,4‐ジフルオロ‐ピペリジン‐1‐イル}(3‐フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン‐1‐イル)メタノン
炭素上のパラジウム(10質量%、323mg、0.304mmol)を、EtOH(15.2mL)中の中間体9(0.923g、1.52mmol)の溶液に添加した。反応混合物を排気し、水素の雰囲気下に置き、次にr.t.で2.5時間撹拌した。反応混合物をCelite(登録商標)のパッドでろ過し、EtOH(2×30mL)で通して洗浄し、真空中で濃縮した。残渣をEtOAcからさらに3回真空で濃縮し、表題化合物(0.694g,97%)を灰色の泡として得、これをさらに精製することなく利用した。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 474.0、RT 1.23分。
【0206】
中間体11
N
2
,N
2
,N
3
,N
3
‐テトラベンジル‐6‐ブロモピリジン‐2,3‐ジアミン
DMF(80mL)中の6‐ブロモピリジン‐2,3‐ジアミン(4.0g,21.27mmol)の溶液に、NaH(10.2g,255mmol)を部分的にr.t.で添加した。混合物をr.t.で30分間撹拌し、次に氷浴に入れた。臭化ベンジル(23.2mL、191mmol)をシリンジで25分かけて慎重に滴下添加した。反応混合物を一晩r.t.で撹拌した後、十分に撹拌しながら、水(100mL)を非常にゆっくりと滴下しながら加えた。反応混合物をさらにEtOAc(200mL)で希釈し、層を分離した。有機相は水で2回洗浄した。合わせた有機相を乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage SNAP 340g、Isolera)で精製し、0~60%のトルエン/ヘキサンで溶出すると、透明な淡黄色の半固体として表題化合物(8.21g、70%)が得られた。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 548.0,550.0,RT 1.97分。
【0207】
中間体12
tert‐ブチル 2‐[5,6‐ビス(ジベンジルアミノ)ピリジン‐2‐イル]‐4‐オキソピペリジン‐1‐カルボキシラート
中間体11(8.30g,15.0mmol)のTHF(80mL)中の溶液に、-78℃で、n‐ブチリチウム(7.20mL,18.0mmol)を10分かけて滴下添加した。オレンジ色の物質を-78℃で20分間撹拌し、次にCuI(1.40g,7.30mmol)を-78℃で3回に分けて添加した。反応混合物を直ちに0℃に温め、20分間攪拌した後、-78℃に再冷却した。THF(28mL)中のtert‐ブチル4‐オキソ‐2,3‐ジヒドロピリジン‐1‐カルボキシラート(1.10g,5.60mmol)及びクロロトリメチルシラン(5.80mL,45.0mmol)の混合物(5分間r.tで予備撹拌)を10分間かけてカニューレを介して加え、THF(2x5mL)で濯いだ。得られた茶色の混合物を徐々にr.t.まで温めた。4時間後、混合物をTBAF(THF中1M、20mL)でr.t.でクエンチした後、5分間撹拌し、水(20mL)で希釈した。混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。EtOAc/イソヘキサン(0‐100%グラジエント)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製で、表題化合物(3.60g、97%)をベージュ色の固体として得た。δH(400MHz,373K,DMSO‐d6)7.24‐7.15(m,12H),7.12(d,J 8.0Hz,1H),7.11‐7.05(m,8H),6.70(d,J 7.9Hz,1H),5.41(非分離 dd,J 5.3,4.3Hz,1H),4.79(d,J 15.0Hz,2H),4.63(d,J 15.0Hz,2H),4.37(d,J 14.3Hz,2H),4.31(d,J 14.3Hz,2H),3.88(dddd,J 13.4,6.7,4.4,1.1Hz,1H),3.11(ddd,J 13.2,9.8,4.7Hz,1H),2.74‐2.63(m,2H),2.35(ddd,J 16.4,9.8,6.7Hz,1H),2.15(dt,J 16.4,4.5Hz,1H),1.40(s,9H)。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 667、RT 1.94分。
【0208】
中間体13&14
syn‐(rac)‐tert‐ブチル 2‐[5,6‐ビス(ジベンジルアミノ)ピリジン‐2‐イル]‐4‐ヒドロキシ‐4‐(トリフルオロメチル)ピペリジン‐1‐カルボキシラート(中間体13)
anti(rac)‐tert‐ブチル 2‐[5,6‐ビス(ジベンジルアミノ)ピリジン‐2‐イル]‐4‐ヒドロキシ‐4‐(トリフルオロメチル)ピペリジン‐1‐カルボキシラート(中間体14)
THF(30mL)中の中間体12(10.0g、15.0mmol)の溶液に、-5℃で、(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(9.53mL、60.0mmol)をシリンジを用いて滴下添加した。続いてTBAF(THF中1M、60.0mL、60.0mmol)を15分かけてシリンジで添加した。混合物を60時間かけてr.t.まで温め、次に飽和NaHCO3水溶液(75mL)の添加によってクエンチし、EtOAc(200mL)で希釈した。層を分離し、水性層をEtOAc(2×200mL)で再抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(Na2SO4)、真空で濃縮した。
【0209】
EtOAc/イソヘキサン(0‐30%グラジエント)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、中間体13(6.67g、60%)と中間体14(2.80g、25%)が黄色の発泡体として得られた。
【0210】
中間体13:δH(400MHz、373K、DMSO‐d6)7.25‐7.16(m,12H),7.15‐7.10(m,5H),7.08‐6.96(m,4H),6.68(d,J 8.0Hz,1H),5.83(s,1H,OH),5.23(d,J 6.9Hz,1H),4.81(d,J 14.8Hz,2H),4.71(d,J 14.9Hz,2H),4.35(d,J 14.3Hz,2H),4.28(d,J 14.3Hz,2H),3.95(dt,J 13.5,3.8Hz,1H),3.21‐3.08(m,1H),2.56‐2.45(不明瞭 m,1H),2.02(dd,J 14.2,7.3Hz,1H),1.72‐1.66(m,2H),1.37(s,9H)。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 737,RT 2.03分。
【0211】
中間体14:δH(400MHz、373K、DMSO‐d6)7.22‐7.11(m,16H),7.06(m,5H),6.60(d,J 8.0Hz,1H),5.70(br s,1H,OH),4.84(t,J 8.3Hz,1H),4.79(d,J 14.7Hz,2H),4.73(d,J 14.7Hz,2H),4.33(d,J 14.3Hz,2H),4.31(d,J 14.3Hz,2H),3.89(ddd,J 13.6,6.6,3.9Hz,1H),3.23(ddd,J 13.6,10.2,5.4Hz,1H),2.56‐2.47(不明瞭 m,1H),2.00(br s,1H),1.89(ddd,J 14.4,5.4,3.9Hz,1H),1.82‐1.61(m,1H),1.24(s,9H)。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 737,RT 1.94分。
【0212】
中間体15
syn‐(rac)‐tert‐ブチル‐2‐(5,6‐ジアミノピリジン‐2‐イル)‐4‐ヒドロキシ‐4‐(トリフルオロメチル)‐ピペリジン‐1‐カルボキシラート
MeOH(150mL)中の中間体13(6.58g、8.93mmol)の溶液に、r.t.で12N HCl水溶液(1.64mL、19.7mmol)、続いて10%Pd/C(1.65g)を部分的に加えた。容器を排気し、H2でパージした後、r.t.で3日間攪拌放置した。混合物を吸引下でCelite(登録商標)のパッドで濾過し、EtOHで洗浄し、次いで真空中で濃縮した。EtOAc/イソヘキサン(0‐100%グラジエント)、次にMeOH/DCM(10%グラジエント)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物(脱ベンジル化及びモノベンジル化材料の7.3:1比)(2.00g、60%)を茶色の泡として得た。δH(400MHz,373K,DMSO‐d6)6.80(d,J 7.6Hz,1H),6.50(d,J 7.6Hz,1H),5.43(br s,2H),5.34(app d,J 7.5Hz,1H),4.65(br s,2H),3.92(dt,J 13.6,3.3Hz,1H),3.09(ddd,J 13.7,10.0,5.5Hz,1H),2.16(d,J 14.2Hz,1H),2.06(dd,J 14.3,7.5Hz,1H),1.70‐1.62(m,2H),1.44(s,9H)。OHプロトンシグナルは観測されなかった。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 377、RT 1.25分。
【0213】
中間体16
syn‐(rac)‐tert‐ブチル‐2‐[6‐アミノ‐5‐(tert‐ブトキシカルボニルアミノ)ピリジン‐2‐イル]‐4‐ヒドロキシ‐4‐(トリフルオロメチル)ピペリジン‐1‐カルボキシラート
EtOH(20mL)中の中間体15(2.00g、5.31mmol)の溶液に、ジ‐tert‐ブチルジカーボナート(1.40mL.6.00mmol)を加え、続いてグアニジン塩酸塩(77mg,0.80mmol)を一度に入れた。還流冷却器を取り付け、混合物を50℃で16時間撹拌した後、r.t.に冷却し、真空で濃縮した。EtOAc/イソヘキサン(0‐100%グラジエント)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物(934mg、37%)を淡黄色の泡として得た。δH(400MHz,373K,DMSO‐d6)8.16(s,1H),7.63(d,J 7.9Hz,1H),7.52(s,1H),6.59(dd,J 7.8,0.6Hz,1H),5.70(s,2H),5.34(d,J 7.4Hz,1H),3.97(dt,J 13.5,3.3Hz,1H),3.14(ddd,J 13.7,9.2,6.3Hz,1H),2.36‐2.29(m,1H),2.06(dd,J 14.3,7.6Hz,1H),1.73‐1.66(m,2H),1.49(s,9H),1.44(s,9H)。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 477、RT 1.46分。
【0214】
中間体17
syn‐(rac)‐tert‐ブチル‐2‐[6‐{[2‐(ベンジルオキシカルボニルアミノ)‐3,3‐ジシクロプロピルプロパノイル]アミノ}‐5‐(tert‐ブトキシカルボニルアミノ)ピリジン‐2‐イル]‐4‐ヒドロキシ‐4‐(トリフルオロメチル)ピペリジン‐1‐カルボキシラート
EtOAc(2.2mL)中の中間体16(372mg、0.78mmol)、中間体3(260mg、0.86mmol)及びピリジン(0.29mL,3.60mmol)の0℃での溶液に、2分かけてT3P(登録商標)(EtOAc中50%wt,1.15mL,1.95mmol)を滴下して加えた。混合物をr.t.まで温め、20時間撹拌した後、水(5mL)の添加によりクエンチし、EtOAc(10mL)で希釈した。層を分離し、水性層をEtOAc(3×10mL)で再抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO3水溶液(20mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮した。EtOAc/イソヘキサン(0‐100%グラジエント)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製で、表題化合物(400mg、67%)を白色固体として得た。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 762、RT 1.80分。
【0215】
中間体18
syn‐(rac)‐ベンジル N‐(2,2‐ジシクロプロピル‐1‐{5‐[4‐ヒドロキシ‐4‐(トリフルオロメチル)ピペリジン‐2‐イル]‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル}エチル)カルバマート トリフルオロ酢酸塩
中間体17(400mg,0.53mmol)をDCM(1.6mL)に溶解し、TFA(0.60mL,7.90mmol)を添加した。混合物を40℃で20時間撹拌した後、r.t.に冷却し、飽和NaHCO3水溶液で中和し、EtOAc(10mL)で希釈した。層を分離し、水性層をEtOAc(2×10mL)で再抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、真空中で濃縮して、表題化合物(329mg、95%)をオレンジ色の泡として得た。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 544、RT 1.28分。
【0216】
中間体19
syn‐(rac)‐ベンジル N‐(2,2‐ジシクロプロピル‐1‐{5‐[1‐(3‐フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン‐1‐カルボニル)‐4‐ヒドロキシ‐4‐(トリフルオロメチル)ピペリジン‐2‐イル]‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル}‐エチル)カルバマート
DMF(10mL)中の中間体18(4つのジアステレオマーの混合物)(329mg、0.50mmol)、3‐フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン‐1‐カルボン酸(72mg、0.55mmol)及びDIPEA(0.35mL、2.00mmol)の溶液にr.tでHATU(236mg、0.60mmol)を一度に加えた。混合物を165分間撹拌し、次いで水(10mL)を加え、混合物をEtOAc(2x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、次いで乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮した。EtOAc/イソヘキサン(0~100%グラジエント)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製で、表題化合物(298mg、91%)を白色の泡として得た。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 656、RT 1.47分。
【0217】
中間体20
syn‐(rac)‐{2‐[2‐(1‐アミノ‐2,2‐ジシクロプロピルエチル)‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐5‐イル]‐4‐ヒドロキシ‐4‐(トリフルオロメチル)ピペリジン‐1‐イル}(3‐フルオロビシクロ[1,1,1]ペンタン‐1‐イル)メタノン
EtOH(10mL)中の中間体19(4つのジアステレオマーの混合物)(298mg、0.45mmol)の溶液に、r.t.で10%Pd/C(30mg)を添加した。容器を排気し、H2でパージし、次にr.t.で40分間撹拌放置した。混合物を吸引下でCelite(登録商標)(10g)のパッドでろ過し、EtOH(50mL)で洗浄し、次いで真空中で濃縮して、灰色の泡として表題化合物(237mg、定量的)を得、これをさらに精製せずに利用した。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 522、RT 1.24分。
【0218】
中間体21&22
tert‐ブチル (2S,4R)‐2‐[5,6‐ビス(ジベンジルアミノ)ピリジン‐2‐イル]‐4‐(ジフルオロメチル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐1‐カルボキシラート(synジアステレオマー)(中間体21)
tert‐ブチル (2R,4R)‐2‐[5,6‐ビス(ジベンジルアミノ)ピリジン‐2‐イル]‐4‐(ジフルオロメチル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐1‐カルボキシラート(antiジアステレオマー)(中間体22)
THF(30mL)中の中間体12(10.0g、15.0mmol)及びDMPU(9.25mL)の溶液に、r.t.でCsF(684mg、4.50mmol)を一度に添加した。混合物を5分間撹拌し、次に(ジフルオロメチル)トリメチルシラン(4.09mL,30.0mmol)を2分かけて滴下添加した。添加後、混合物を70℃で21時間加熱し、次にr.t.に冷却し、TBAF(THF中1M、15.0mL、15.0mmol)を添加し、混合物を1時間撹拌し、次いでH2O(20mL)に注ぎ、EtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をH2O(2×30mL)で洗浄し、次いで乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮した。EtOAc/イソヘキサン(0‐50%グラジエント)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製で、ラセミ標題化合物(中間体21,3.03g,28%;及び中間体22,1.89g,17.5%)を黄色の発泡体として得た。
【0219】
中間体21:δH(400MHz、373K、DMSO‐d6)7.25‐7.16(m,12H),7.16‐7.10(m,5H),7.10‐7.04(m,4H),6.68(d,J 8.1Hz,1H),5.65(t,J 56.2Hz,1H),5.23‐5.17(m,1H),5.08(s,1H),4.79(d,J 14.9Hz,2H),4.73(d,J 14.9Hz,2H),4.34(d,J 14.3Hz,2H),4.29(d,J 14.3Hz,2H),3.90(dt,J 13.5,3.8Hz,1H),3.15(ddd,J 13.4,11.9,3.9Hz,1H),2.33(非分離 dt,J 14.4,2.2Hz,1H),1.91(dd,J 14.2,7.4Hz,1H),1.64‐1.45(m,2H),1.36(s,9H)。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 719.4,RT 2.00分。
【0220】
中間体21:δH(400MHz、373K、DMSO‐d6)7.27‐7.10(m,17H),7.09‐7.01(m,4H),6.58(d,J 8.0Hz,1H),5.46(t,J 56.2Hz,1H),4.98(s,1H),4.87(dd,J 8.8,6.5Hz,1H),4.81(d,J 14.8Hz,2H),4.74(d,J 14.8Hz,2H),4.34(d,J 14.2Hz,2H),4.30(d,J 14.2Hz,2H),3.87(ddd,J 13.7,6.2,3.9Hz,1H),3.17(ddd,J 13.6,10.6,5.0Hz,1H),2.02(dd,J 14.0,8.5Hz,1H),1.86(dd,J 14.2,6.1Hz,1H),1.80(dt,J 14.5,4.1Hz,1H),1.66‐1.55(m,1H),1.25(s,9H)。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 719.2,RT 1.93分。
【0221】
中間体23
tert‐ブチル (2S,4R)‐2‐(5,6‐ジアミノピリジン‐2‐イル)‐4‐(ジフルオロメチル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐1‐カルボキシラート
MeOH(110mL)中の中間体21(4.76g、6.62mmol)の溶液に、r.t.で12N HCl水溶液(1.21mL、14.5mmol)、続いて10%Pd/C(1.17g)を部分的に添加した。容器を排気し、H2でパージし、次にr.t.で4日間撹拌放置した。混合物(58:42所望:モノベンジル化物質)を吸引下でCelite(登録商標)のパッドでろ過し、MeOH(200mL)で洗浄し、次いで真空中で濃縮した。EtOAc/イソヘキサン(0‐100%グラジエント)、次にMeOH/DCM(10%グラジエント)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製で、表題化合物(605mg、25.5%)が茶色の泡として得られた。δH(400MHz,373K,DMSO‐d6)8.18(s,1H),6.79(d,J 7.6Hz,1H),6.49(d,J 7.6Hz,1H),5.69(t,J 56.3Hz,1H),5.35(br s,2H),5.31‐5.26(m,1H),4.59(br s,2H),3.88(dt,J 13.7,3.5Hz,1H),3.12(ddd,J 13.5,9.4,6.2Hz,1H),2.01(不明瞭 d,1H),1.93(dd,J 14.3,7.4Hz,1H),1.56‐1.50(m,2H),1.43(s,9H)。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 359.2、RT 1.16分。
【0222】
中間体24
tert‐ブチル (2S,4R)‐2‐[6‐アミノ‐5‐(tert‐ブトキシカルボニルアミノ)ピリジン‐2‐イル]‐4‐(ジフルオロメチル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐1‐カルボキシラート
EtOH(11.6mL)中の中間体23(605mg、1.69mmol)の溶液に、ジ‐tert‐ブチルジカーボナート(0.43mL、1.90mmol)、続いてグアニジン塩酸塩(25mg、0.26mmol)を一度に添加した。還流冷却器を取り付け、混合物を50℃で43時間加熱攪拌した後、r.t.に冷却し、真空で濃縮した。EtOAc/イソヘキサン(0‐100%グラジエント)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製で、表題化合物(710mg、92%)を薄茶色の泡として得た。δH(400MHz、373K、DMSO‐d6)8.15(s,1H),7.61(d,J 7.9Hz,1H),6.78(s,1H),6.58(d,J 8.0Hz,1H),5.70(t,J 56.2Hz,1H),5.64(br s,2H),5.31‐5.25(m,1H),3.93(dt,J 13.4,3.8Hz,1H),3.16(ddd,J 13.5,10.5,5.2Hz,1H),2.18(非分離 dt,J 14.5,1.9Hz,1H),1.94(dd,J 14.3,7.5Hz,1H),1.60‐1.52(m,2H),1.49(s,9H),1.43(s,9H)。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 459.2、RT 1.39分。
【0223】
中間体25&26
(2S)‐2‐(ベンジルオキシカルボニルアミノ)‐3,3‐ジシクロプロピルプロパン酸(中間体25)
(2R)‐2‐(ベンジルオキシカルボニルアミノ)‐3,3‐ジシクロプロピルプロパン酸(中間体26)
中間体3(純度100%)(850g、2.80mol)をprepSFCによる分離に供した(カラム:Daicel Chiralpak AD、250mm×50mm、10μm;移動相:[Neu‐IPA];B%:45%‐45%、6分)、フラクションを45℃で真空濃縮し、表題化合物(ピーク1,324g,1.07 mol,純度100%、及びピーク2,351g,1.16 mol,純度100%)を白色の固体として得た。1H NMR及びLCMSは、中間体3のものと一致した。キラル分析(方法15):ピーク1、RT1.97分;ピーク2、RT2.29分。
【0224】
中間体27
tert‐ブチル (2S,4R)‐2‐[6‐{[(2S)‐2‐(ベンジルオキシカルボニルアミノ)‐3,3‐ジシクロプロピル‐プロパノイル]アミノ}‐5‐(tert‐ブトキシカルボニルアミノ)ピリジン‐2‐イル]‐4‐(ジフルオロメチル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐1‐カルボキシラート
中間体24(ラセミ体)(200mg,0.44mmol)、中間体25(146mg,0.48mmol)及びピリジン(0.16mL,2.00mmol)のEtOAc(1.25mL)中の溶液に0℃でT3P(登録商標)(EtOAc中50%wt,0.64mL,1.10mmol)を2分かけて滴下添加した。添加後、氷/水浴を除去した。混合物をr.t.に温め、20時間撹拌した後、H2O(20mL)の添加によりクエンチし、EtOAc(20mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(3×20mL)で再抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaHCO3水溶液(30mL)で洗浄し、次いで乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮した。EtOAc/イソヘキサン(0‐100%グラジエント)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製で、表題化合物(2つのジアステレオマーの混合物)(171mg、53%)を白色の固体として得た。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 744.2、RT 1.73分。
【0225】
中間体28
ベンジル N‐[(1S)‐2,2‐ジシクロプロピル‐1‐{5‐[(2S,4R)‐4‐(ジフルオロメチル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐2‐イル]‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル}エチル]カルバマート トリフルオロ酢酸塩
中間体27(2つのジアステレオマーの混合物)(171mg,0.23mmol)をDCM(1.7mL)に溶解し、TFA(0.26mL,3.40mmol)を添加した。混合物を40°で20時間加熱攪拌した後、r.t.に冷却し、飽和NaHCO3水溶液で中和し、EtOAc(10mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(2×10mL)で再抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、次に真空中で濃縮して、粗表題化合物(2つのジアステレオマーの混合物)(137mg、93%)をベージュ色の泡として得て、これをさらに精製せずに利用した。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 526.2、RT 1.21分。
【0226】
中間体29
ベンジル N‐[(1S)‐2,2‐ジシクロプロピル‐1‐{5‐[(2S,4R)‐4‐(ジフルオロメチル)‐1‐(3‐フルオロビシクロ‐[1.1.1]ペンタン‐1‐カルボニル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐2‐イル]‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル}‐エチル]カルバマート
DMF(5mL)中の中間体28(2つのジアステレオマーの混合物)(137mg、0.22mmol)、3‐フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン‐1‐カルボン酸(31mg、0.24mmol)及びDIPEA(0.15mL、0.86mmol)の溶液にr.tでHATU(101mg、0.26mmol)を一度に添加した。混合物を35分間撹拌し、次いでH2O(10mL)を添加した。混合物をEtOAc(2×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(20mL)で洗浄し、次いで乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮した。EtOAc/イソヘキサン(0‐100%グラジエント)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによる精製で、表題化合物(2つのジアステレオマーの混合物)(113mg、83%)を白い泡状物として得た。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 638.2、RT 1.41分。
【0227】
中間体30
[(2S,4R)‐2‐{2‐[(1S)‐1‐アミノ‐2,2‐ジシクロプロピルエチル]‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐5‐イル}‐4‐(ジフルオロメチル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐1‐イル](3‐フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン‐1‐イル)メタノン
EtOH(5mL)中の中間体29(2つのジアステレオマーの混合物)(113mg、0.18mmol)の溶液に、r.t.で10%Pd/C(12mg)を添加した。容器を排気し、H2でパージし、その後、r.t.で90分間撹拌放置した。混合物を吸引下でCelite(登録商標)(10g)のパッドでろ過し、EtOH(50mL)で洗浄し、真空で濃縮した。EtOAc/イソヘキサン(0‐100%グラジエント)、次にMeOH/DCM(90:10)で溶出するフラッシュクロマトグラフィー(KP‐NHカラム)による精製で、表題化合物(2つのジアステレオマーの混合物)(77.6mg、87%)を白色の固体として得た。LCMS(方法2):[M+H]+m/z 504.2、RT 1.17分。
【0228】
例1
【化21】
N‐(2,2‐ジシクロプロピル‐1‐{5‐[4,4‐ジフルオロ‐1‐(3‐フルオロビシクロ[1,1,1]ペンタン‐1‐カルボニル)‐ピペリジン‐2‐イル]‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル}エチル)‐1‐(トリフルオロメチル)シクロプロパン‐カルボキサミド
HATU(29.6mg、0.0755mmol)を、DMF(0.36mL)中の中間体10(34.0mg、0.0718mmol)及び1‐(トリフルオロメチル)シクロプロパン‐1‐カルボン酸(11.6mg、0.0753mmol)の溶液に添加した。DIPEA(0.038mL,0.22mmol)を滴下して加え、反応混合物をr.t.で2時間撹拌した後、直接精製し(方法4)、凍結乾燥し、表題化合物(14.5mg,33%)を白色固体として得た。δH(400MHz,373K,DMSO‐d
6)12.56(br s,1H),7.91(d,J 8.3Hz,1H),7.60(d,J 8.3Hz,1H),7.08(d,J 8.3Hz,1H),5.77(d,J 5.7Hz,1H),5.40(dd,J 8.4,5.8Hz,1H),4.38(d,J 14.0Hz,1H),3.44‐3.29(m,1H),3.20‐3.07(m,1H),2.48‐2.31(m,7H),2.12‐1.94(m,2H),1.46‐1.40(m,1H),1.40‐1.34(m,1H),1.31‐1.23(m,2H),1.03‐0.94(m,1H),0.80‐0.69(m,2H),0.48‐0.38(m,2H),0.36‐0.28(m,1H),0.27‐0.16(m,3H),0.12‐0.03(m,1H),0.01‐0.06(m,1H)。LCMS(方法5):[M+H]
+m/z 610.4、RT 2.09分。
【0229】
例2
【化22】
N‐(2,2‐ジシクロプロピル‐1‐{5‐[4,4‐ジフルオロ‐1‐(3‐フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン‐1‐カルボニル)‐ピペリジン‐2‐イル]‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル}エチル)‐4‐メチル‐1,2,5‐オキサジアゾール‐3‐カルボキサミド
HATU(562mg、1.43mmol)を、DMF(6.8mL)中の中間体10(0.646g、1.37mmol)及び4‐メチル‐1、2、5‐オキサジアゾール‐3‐カルボン酸(193mg、1.43mmol)の溶液に添加した。DIPEA(0.71mL,4.1mmol)を滴下して加え、反応混合物をr.t.で2時間撹拌し、次いでEtOAc(50mL)で希釈して水(3x50mL)で洗浄した。合わせた水層をEtOAc(2x35mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(50mL)で洗浄し、次いで相分離器に通し、真空中で濃縮した。粗残渣を精製(方法6)した後、凍結乾燥し、表題化合物(280mg、35%)を白色固体として得た。δH(400MHz、373K、DMSO‐d
6)12.49(br s、1H)、7.87(d,J 8.2Hz,1H)、 7.03(d,J 8.3Hz,1H)、5.76(db,J 6.9Hz、1H)、 5.55(d,J 5.7Hz,1H),4.37(d,J 14.0Hz,1H),3.44‐3.32(m,1H),3.21‐3.09(m,1H),2.53(s,3H),2.49‐2.30(m,7H),2.12‐1.94(m,2H),1.11(td,J 9.0,5.7Hz,1H),0.95‐0.77(m,2H),0.49‐0.39(m,2H),0.34‐0.20(m,4H),0.13‐0.00(m,2H)。NHプロトンのシグナルのうち1つは確認できなかった。LCMS(方法5):[M+H]
+m/z 584.2、RT 2.00分。
【0230】
例3~6
【化23】
N‐[(1R)‐2,2‐ジシクロプロピル‐1‐{5‐[(2R)‐4,4‐ジフルオロ‐1‐(3‐フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン‐1‐カルボニル)ピペリジン‐2‐イル]‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル}エチル)‐4‐メチル‐1,2,5‐オキサジアゾール‐3‐カルボキサミド
N‐[(1R)‐2,2‐ジシクロプロピル‐1‐{5‐[(2S)‐4,4‐ジフルオロ‐1‐(3‐フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン‐1‐カルボニル)ピペリジン‐2‐イル]‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル}エチル)‐4‐メチル‐1,2,5‐オキサジアゾール‐3‐カルボキサミド
N‐[(1S)‐2,2‐ジシクロプロピル‐1‐{5‐[(2R)‐4,4‐ジフルオロ‐1‐(3‐フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン‐1‐カルボニル)ピペリジン‐2‐イル]‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル}エチル)‐4‐メチル‐1,2,5‐オキサジアゾール‐3‐カルボキサミド
N‐[(1S)‐2,2‐ジシクロプロピル‐1‐{5‐[(2S)‐4,4‐ジフルオロ‐1‐(3‐フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン‐1‐カルボニル)ピペリジン‐2‐イル]‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル}エチル)‐4‐メチル‐1,2,5‐オキサジアゾール‐3‐カルボキサミド
【0231】
例2(20mg)をキラル分取SFC(方法7)に付し、凍結乾燥後、非分離のジアステレオマー(ピーク1及び2)及び2つの分離ジアステレオマー(ピーク3,0.9mg;及びピーク4,0.9mg)の混合物を白い固体として得た。非分離のジアステレオマーをさらにキラル分取SFC(方法8)に付し、凍結乾燥後、2つの分離ジアステレオマー(ピーク1,2.4mg;及びピーク2,2.4mg)を白色固形物として得た。
【0232】
ピーク1(例3、任意にR,Rとした):LCMS(方法5):[M+H]+m/z 584.4、RT 2.00分。キラル分析(方法9):RT 2.79分(>90%d.e.)。
【0233】
ピーク2(例4、任意にR,Sとした):LCMS(方法5):[M+H]+m/z 584.4、RT 2.00分。キラル分析(方法9):RT 2.99分(>90%d.e.)。
【0234】
ピーク3(例5、任意にS,Rとした):LCMS(方法5):[M+H]+m/z 584.4、RT 2.01分。キラル分析(方法10):RT 3.32分(93.60%d.e.)。
【0235】
ピーク4(例6、任意にS,Sとした):δH(400MHz,373K,DMSO‐d6)12.61(br s,1H),8.75(br s,1H),7.91(d,J 8.3Hz,1H),7.08(d,J 8.3Hz,1H),5.77(d,J 6.9Hz,1H),5.56(db,J 5.8Hz,1H),4.37(d,J 13.9Hz,1H),3.43‐3.31(m,1H),3.20‐3.07(obs m,1H),2.52(s,3H),2.48‐2.31(m,7H),2.11‐1.94(m,2H),1.12(td,J 9.0,5.9Hz,1H),0.92‐0.77(m,2H),0.50‐0.41(m,2H),0.34‐0.21(m,4H),0.12‐0.01(m,2H)。LCMS(方法5):[M+H]+m/z 584.2、RT 2.00分。キラル分析(方法10):RT 3.59分(95.38%d.e.)。
【0236】
例7~10
【化24】
N‐[(1S)‐2,2‐ジシクロプロピル‐1‐{5‐[(2R,4S)‐1‐(3‐フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン‐1‐カルボニル)‐4‐ヒドロキシ‐4‐(トリフルオロメチル)ピペリジン‐2‐イル]‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル}エチル]‐4‐メチル‐1,2,5‐オキサジアゾール‐3‐カルボキサミド
N‐[(1S)‐2,2‐ジシクロプロピル‐1‐{5‐[(2S,4R)‐1‐(3‐フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン‐1‐カルボニル)‐4‐ヒドロキシ‐4‐(トリフルオロメチル)ピペリジン‐2‐イル]‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル}エチル]‐4‐メチル‐1,2,5‐オキサジアゾール‐3‐カルボキサミド
N‐[(1R)‐2,2‐ジシクロプロピル‐1‐{5‐[(2R,4S)‐1‐(3‐フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン‐1‐カルボニル)‐4‐ヒドロキシ‐4‐(トリフルオロメチル)ピペリジン‐2‐イル]‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル}エチル]‐4‐メチル‐1,2,5‐オキサジアゾール‐3‐カルボキサミド
N‐[(1R)‐2,2‐ジシクロプロピル‐1‐{5‐[(2S,4R)‐1‐(3‐フルオロビシクロ[1.1.1]ペンタン‐1‐カルボニル)‐4‐ヒドロキシ‐4‐(トリフルオロメチル)ピペリジン‐2‐イル]‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル}エチル]‐4‐メチル‐1,2,5‐オキサジアゾール‐3‐カルボキサミド
【0237】
DMF(10mL)中の中間体20(4つのジアステレオマーの混合物)(237mg、0.45mmol)、4‐メチル‐1,2,5‐オキサジアゾール‐3‐カルボン酸(59mg、0.46mmol)及びDIPEA(0.32mL、1.80mmol)の溶液にr.tでHATU(214mg、0.55mmol)を一度に追加した。混合物を30分間撹拌し、次いで水(20mL)を加え、混合物をEtOAc(2x20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、次いで乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮した。残渣を、EtOAc/イソヘキサン(0~100%グラジエント)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製した。得られた白色の泡をキラルSFC(方法11)でさらに精製し、凍結乾燥後、表題化合物(ピーク1、38mg、収率13%、96.8%d.e.、及びピーク2、30mg、収率10%、98.1%d.e.)を白い固形物として得た。第3のピークをキラルSFC(方法12)でさらに分離し、凍結乾燥後、表題化合物(ピーク3、23mg、収率8%、100%d.e.、及びピーク4、29mg、収率10%、100%d.e.)を白色固体として得た。
【0238】
ピーク1:δH(400MHz、373K、DMSO‐d6)13.00‐12.42(br s,1H),9.03‐8.65(br s,1H),7.97(d,J 8.2Hz,1H),7.21(d,J 8.3Hz,1H),6.34‐5.75(br s,1H),5.58(t,J 6.7Hz,1H),4.59‐3.74(br s,1H),3.50‐3.09(br s,1H),2.82‐2.56(br s,1H),2.52(s,3H),2.48‐2.25(br s,7H),2.16(dd,J 14.4,7.3Hz,1H),1.81‐1.67(m,2H),1.19‐1.08(m,1H),0.94‐0.77(m,2H),0.52‐0.39(m,2H),0.36‐0.20(m,4H),0.15‐0.07(m,1H),0.07‐0.00(m,1H)。19F{1H} NMR(282MHz,373K,DMSO‐d6)δ -82.9(s,3F),-147.0(s,1F)。LCMS(方法5):[M+H]+m/z 632、RT 2.44分。キラル分析(方法13):RT 2.65分。
【0239】
ピーク2:δH(400MHz、373K、DMSO‐d6)13.10‐12.36(br s,1H),9.03‐8.63(br s,1H),7.97(d,J 8.2Hz,1H),7.21(d,J 8.3Hz,1H),6.34‐5.64(br s,1H),5.57(s,1H),4.50‐3.75(br s,1H),3.50‐3.11(br s,1H),2.76‐2.57(br s,1H),2.52(s,3H),2.48‐2.24(br s,7H),2.16(dd,J 14.4,7.3Hz,1H),1.82‐1.67(m,2H),1.13(td,J 9.0,6.0Hz,1H),0.93‐0.78(m,2H),0.51‐0.42(m,2H),0.36‐0.21(m,4H),0.14‐0.00(m,2H)。19F{1H} NMR(282MHz,373K,DMSO‐d6)δ -82.8(s,3F),-147.0(s,1F)。LCMS(方法5):[M+H]+m/z 632、RT 2.44分。キラル分析(方法13):RT 2.87分。
【0240】
ピーク3:δH(400MHz、373K、DMSO‐d6)12.90(s、1H、ベンズイミダゾールNH互変異性体)、12.56(s、1H、ベンズイミダゾールNH互変異性体)、8.91(d、J 8.5Hz,1H,互変異性体)、8.76(d,J 8.2Hz,1H,互変異性体)、7.98(app t,J 8.2Hz,1H),7.27(d,J 7.4Hz,1H,互変異性体),7.19(d,J 8.3Hz,1H,互変異性体),6.35‐5.65(br s,1H),5.57(s,1H),4.51‐3.74(br s,1H),3.48‐3.08(br s,1H),2.77‐2.55(br s,1H),2.52(s,3H),2.47‐2.28(br s,7H),2.16(dd,J 14.4,7.3Hz,1H),1.81‐1.68(m,2H),1.20‐1.07(m,1H),0.93‐0.77(m,2H),0.51‐0.41(m,2H),0.36‐0.21(m,4H),0.16‐0.00(m,2H)。19F{1H} NMR(282MHz,373K,DMSO‐d6)δ-82.9(s,3F),-147.0(s,1F)。LCMS(方法5):[M+H]+m/z 632、RT 2.46分。キラル分析(方法14):RT 2.39分。
【0241】
ピーク4:δH(400MHz、373K、DMSO‐d6)12.97‐12.49(br s,1H),8.98‐8.66(br s,1H),7.96(d,J 8.2Hz,1H),7.21(d,J 8.3Hz,1H),6.34‐5.67(br s,1H),5.57(s,1H),4.51‐3.62(br s,1H),3.43‐3.11(br s,1H),2.78‐2.55(br s,1H),2.52(s,3H),2.47‐2.27(br s,7H),2.16(dd,J 14.4,7.3Hz,1H),1.80‐1.67(m,2H),1.13(td,J 9.0,6.0Hz,1H),0.93‐0.77(m,2H),0.51‐0.39(m,2H),0.36‐0.20(m,4H),0.15‐0.07(m,1H),0.07‐0.00(m,1H)。19F{1H} NMR(282MHz,373K,DMSO‐d6)δ -82.9(s,3F),-147.0(s,1F)。LCMS(方法5):[M+H]+m/z 632、RT 2.46分。キラル分析(方法14):RT 2.98分。
【0242】
例11&12
【化25】
N‐[(1S)‐2,2‐ジシクロプロピル‐1‐{5‐[(2S,4R)‐4‐(ジフルオロメチル)‐1‐(3‐フルオロビシクロ[1.1.1]‐ペンタン‐1‐カルボニル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐2‐イル]‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル}エチル]‐1‐フルオロシクロプロパンカルボキサミド
N‐[(1S)‐2,2‐ジシクロプロピル‐1‐{5‐[(2R,4S)‐4‐(ジフルオロメチル)‐1‐(3‐フルオロビシクロ[1.1.1]‐ペンタン‐1‐カルボニル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐2‐イル]‐1H‐イミダゾ[4,5‐b]ピリジン‐2‐イル}エチル]‐1‐フルオロシクロプロパンカルボキサミド
【0243】
DMF(4mL)中の中間体30(2つのジアステレオマーの混合物)(38.8mg,0.0770mmol)、1‐フルオロシクロプロパンカルボン酸(9.0mg,0.0856mmol)及びDIPEA(0.06mL,0.30mmol)の溶液にr.tでHATU(36.0mg,0.092mmol)を一度に追加した。混合物を30分間撹拌し、次にH2O(10mL)を加えた。混合物をEtOAc(2×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(20mL)で洗浄し、次いで乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮した。残渣をEtOAc/イソヘキサン(0~100%グラジエント)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製した。得られた白色泡沫(40.0mg)のキラル精製は、SFC((R,R)Whelk‐O1 250×20mm、5μmカラムを使用;流速:100mL/分;カラム温度.40℃;3‐40%MeOH(+0.1%NH4OH)法(ABPR 60bar)で溶出、Waters Prep 100 fractionlynxシステム、Waters SQD2質量分析計と連動して7.5分の駆動時間を使用)により実施し、凍結乾燥後に表題化合物を得た(ピーク1,RT 5.06分、10.0mg、22.0%、>99%d.e.;及びピーク2、RT 5.44分、11.0mg、24.2%、97.9%d.e.)。
【0244】
ピーク1:δH(400MHz、373K、DMSO‐d6)13.00‐12.30(br s,1H),7.97(d,J 9.0Hz,1H),7.91(d,J 8.2Hz,1H),7.16(d,J 8.2Hz,1H),6.25‐5.79(br s,1H),5.74(t,J 56.6Hz,1H),5.42(dd,J 8.5,6.0Hz,1H),4.33‐3.71(br s,1H),3.46‐3.08(br s,1H),2.45‐2.31(m,7H),2.03(dd,J 14.4,7.4Hz,1H),1.70‐1.56(m,2H),1.40‐1.17(m,4H),1.08‐0.98(m,1H),0.88‐0.71(m,2H),0.49‐0.30(m,3H),0.30‐0.17(m,3H),0.15‐0.06(m,1H),0.06‐0.02(m,1H)。OHプロトンシグナルは観測されなかった。LCMS(方法5):[M+H]+m/z 590.4、RT 1.86分。キラル分析(方法16):RT 5.10分。
【0245】
ピーク2:δH(400MHz、373K、DMSO‐d6)13.00‐12.45(br s,1H),7.96(d,J 8.8Hz,1H),7.93(d,J 8.3Hz,1H),7.18(d,J 8.2Hz,1H),6.27‐5.68(br s,1H),5.74(t,J 56.6Hz,1H),5.44(dd,J 8.8,6.1Hz,1H),4.33‐3.71(br s,1H),3.48‐3.11(br s,1H),2.45‐2.35(m,7H),2.04(dd,J 14.5,7.2Hz,1H),1.68‐1.55(m,2H),1.40‐1.18(m,4H),1.08‐0.98(m,1H),0.85‐0.70(m,2H),0.50‐0.31(m,3H),0.30‐0.18(m,3H),0.16‐0.07(m,1H),0.05‐0.04(m,1H)。OHプロトンシグナルは観測されなかった。LCMS(方法5):[M+H]+m/z 590.4、RT 1.86分。キラル分析(方法16):RT 5.49分。
【国際調査報告】