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特表2023-551179接着アセンブリを備えた薬剤送達デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(54)【発明の名称】接着アセンブリを備えた薬剤送達デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/142 20060101AFI20231130BHJP
   A61M 5/32 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
A61M5/142 522
A61M5/32 502
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530505
(86)(22)【出願日】2021-11-18
(85)【翻訳文提出日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 US2021059808
(87)【国際公開番号】W WO2022109082
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】63/116,030
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トゥリヴィクラマ バノージ パーラ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD13
4C066EE06
4C066HH13
4C066NN04
(57)【要約】
薬剤送達デバイスは、ハウジングと、ハウジング内に受け入れられる容器と、容器内でストッパーを移動させるように構成された駆動アセンブリと、格納位置を有する針と、ハウジングに固定され針の一部を受け入れる針シールドとを含み、接着アセンブリは、ハウジングの底面に固定された接着層と、接着層に固定されたライナーとを含む。ライナーは接着層から剥がされるように構成され、突起およびライナー開口部のうちの一方を含み、針シールドは突起およびライナー開口部のうちの他方を含む。 突出部は、ライナー開口部によって受け入れられ、ライナーを針シールドに固定し、ライナーは、ハウジングから針シールドを取り外すときに接着剤層から分離されるように構成される
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面および底面を有するハウジングと、
前記ハウジング内に受け入れられ、薬剤を受け入れるように構成された容器であって、容器内で移動するように構成されたストッパーを備える容器と、
前記ストッパーを移動させるように構成された駆動アセンブリと、
前記ハウジング内に配置される格納位置と、針の一部がハウジングから突出する伸長位置とを有する針と、
前記ハウジングに固定され、針の一部を受け入れる、針シールドと、
前記ハウジングの底面に固定された接着層と、接着層に固定されたライナーとを含む接着アセンブリであって、前記ライナーは、前記接着層から除去されるように構成され、前記ライナーは、突出部およびライナー開口部のうちの1つを備え、前記針シールドは突出部およびライナー開口部の他方を備え、突出部はライナー開口部によって受けられ、ライナーを針シールドに固定し、前記ライナーは、前記ハウジングから針シールドを取り外すときに接着層から分離されるように構成される、接着アセンブリと、
含む薬剤送達デバイス。
【請求項2】
前記ライナーが前記突出部を備え、前記針シールドが前記ライナー開口部を備える、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項3】
前記ライナーおよび前記接着層が、前記突出部の一部を受け入れるクリアランス開口部を画定する、請求項2に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項4】
前記ライナーは、前記接着層の少なくとも一部を覆う本体と、前記本体から延びる延長部分とを備え、前記ライナーの延長部分は、前記突出部および前記ライナー開口部の一方を備える、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項5】
前記針シールドは、前記ライナーの本体と前記ライナーの延長部分との間に配置される、請求項4に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項6】
前記ライナーの本体が前記接着層を完全に覆う、請求項4に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項7】
前記突出部および前記ライナー開口部がスナップフィットを形成する、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項8】
ハウジングと、針がハウジング内に配置される格納位置と、針の一部がハウジングから突出する伸長位置とを有する針と、ハウジングに固定され、針の一部を受容する針シールドと、を含む、薬物送達デバイス用の接着アセンブリであって、
ハウジングの底面に固定されるように構成される接着層と、
接着層に固定されたライナーであって、ライナーは接着層から除去されるように構成され、ライナーは、針シールドによって画定されるライナー開口部によって受容されるように構成された突出部を備え、ハウジングから針シールドを取り外す際に、接着剤から分離されるように構成される、ライナーと、を備える、接着アセンブリ。
【請求項9】
前記ライナーおよび前記接着パッドは、前記突出部の一部を受け入れるクリアランス開口部を画定する、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記ライナーは、前記接着層の少なくとも一部を覆う本体と、前記本体から延びる延長部分とを備え、前記突出部は、前記ライナーの延長部分上に位置する、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記ライナーは、前記ライナーの本体を前記ライナーの延長部分から分離する折り線を備え、前記ライナーの延長部分は、前記折り線の周囲で前記ライナーの本体に対して折り畳まれるように構成される、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記ライナーの本体が前記接着層を完全に覆う、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記ライナーの突出部は、前記針シールドにスナップフィットされるように構成される、請求項8に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年11月19日に出願された米国仮出願シリアル番号63/116,030、名称「接着アセンブリを備えた薬剤送達デバイス」の優先権を主張するものであり、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、一般に薬剤送達デバイスに関し、特に接着ライナーを有する薬剤送達デバイスに関する。
【0003】
関連技術の説明
薬液やその他の液体治療用製剤を、訓練を受けていない人でも投与できるように、あるいは自己注射できるようにするために、様々な種類の自動注射デバイスや薬剤送達デバイスが開発されてきた。一般に、これらのデバイスには、液体治療用製剤があらかじめ充填されたリザーバーと、使用者がトリガーできる何らかのタイプの自動注射針機構が含まれる。投与する液体または薬剤の量が、一般的に1mLなどの一定量以下である場合、一般的に自動注射器が使用され、この自動注射器の注射時間は一般的に約10-15秒である。投与する流体または薬剤の量が1mLを超えると、注射時間は一般に長くなり、その結果、患者がデバイスと患者の皮膚の標的領域との間の接触を維持することが困難になる。さらに、投与する薬剤の量が多くなると、注入時間を長くすることが望まれるようになる。薬剤を患者にゆっくり注入する従来の方法は、静脈注射を開始し、薬剤を患者の体内にゆっくり注入することである。このような処置は通常、病院や外来で行われる。
【0004】
ある種のデバイスは、家庭での自己注射を可能にし、液体治療用製剤を患者の皮膚に徐々に注入することができる。場合によっては、これらのデバイスは、液体治療用製剤を患者に注入している間、患者が「装着」できるように十分に小型(高さも全体の大きさも)である。これらのデバイスは、典型的には、液体治療製剤をリザーバーから注射針に強制的に流出させるポンプまたは他のタイプの吐出機構を含む。このようなデバイスはまた、典型的には、液体治療用製剤を適切な時期に流し始めるための弁または流量制御機構と、注射を開始するためのトリガー機構とを含む。
【発明の概要】
【0005】
一態様において、薬剤送達デバイスは、上面および底面を有するハウジングと、ハウジング内に受容される容器であって、容器内で移動するように構成されたストッパーを含み、薬剤を受容するように構成される容器と、ストッパーを移動させるように構成された駆動アセンブリと、針であって、針がハウジング内に配置される格納位置と、針の一部がハウジングから突出する伸長位置とを有する針と、ハウジングに固定され、針の一部を受容する針シールドと、ハウジングの底面に固定された接着層と、接着層に固定されたライナーとを備える接着アセンブリと、を含む。ライナーは接着層から取り外すように構成される。ライナーは突出部とライナー開口部の一方を含み、針シールドは突出部とライナー開口部の他方を含む。突出部はライナー開口部によって受容され、ライナーを針シールドに固定する。ライナーは、針シールドをハウジングから取り外す際に接着層から分離されるように構成される。
【0006】
ライナーは突出部を含み得、針シールドはライナー開口部を含み得る。ライナーおよび接着層は、突出部の一部を受け入れるクリアランス開口部を画定し得る。
【0007】
ライナーは、接着層の少なくとも一部を覆う本体と、本体から延びる延長部分とを含み得、ライナーの延長部分は、突出部およびライナー開口部の一方を含む。針シールドは、ライナーの本体とライナーの延長部分との間に配置され得る。ライナーの本体は接着層を完全に覆い得る。突出部およびライナー開口部はスナップフィットを形成し得る。
【0008】
さらなる態様において、薬剤送達デバイスのための接着アセンブリは、ハウジングと、針であって、針がハウジング内に配置される格納位置と、針の一部がハウジングから突出する伸長位置とを有する針と、ハウジングに固定され、針の一部を受容する針シールドとを含む。薬剤送達デバイスのための接着アセンブリは、ハウジングの底面に固定されるように構成された接着層と、接着層に固定されたライナーであって、接着層から取り外されるように構成されたライナーとを含む。ライナーは、針シールドによって画定されたライナー開口部によって受容されるように構成された突出部を含み、ライナーは、針シールドのハウジングからの取り外し時に接着層から分離されるように構成される。
【0009】
ライナーおよび接着パッドは、突出部の一部を受容するクリアランス開口部を画定し得る。ライナーは、接着層の少なくとも一部を覆う本体と、本体から延びる延長部分とを含み、突出部はライナーの延長部分上に配置される。ライナーは、ライナーの本体をライナーの延長部分から分離する折り畳み線を含み得、ライナーの延長部分は、折り畳み線を中心としてライナーの本体に対して折り畳まれるように構成される。ライナーの本体は接着層を完全に覆い得る。ライナーの突出部は、針シールドにスナップフィットされるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の上記および他の特徴および利点、ならびにそれらを達成する方法は、添付の図面と併せて取られる本開示の実施形態の以下の説明を参照することにより、より明らかになり、本開示自体がよりよく理解されるであろう:
【0011】
図1】本発明の一態様による薬剤送達システムの透視図である。
図2】本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの透視断面図である。
図3】本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの正面断面図である。
図4】本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの上面図であり、ハウジングの上部が取り外され、薬剤送達システムが使用前の位置にある状態を示す。
図5】本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの上面断面図であり、使用前の位置にある薬剤送達システムを示す。
図6】本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの正面断面図であり、使用前の位置にある薬剤送達システムを示す。
図7】本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの上面図であり、ハウジングの上部が取り外され、薬剤送達システムが初期作動位置にある状態を示す。
図8】本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの上面断面図であり、初期作動位置にある薬剤送達システムを示す。
図9】本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの正面断面図であり、初期作動位置にある薬剤送達システムを示す。
図10】本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの上面図であり、ハウジングの上部が取り外され、薬剤送達システムが使用位置にある状態を示す。
図11】本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの上面断面図であり、使用位置にある薬剤送達システムを示す。
図12】本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの正面断面図であり、使用位置にある薬剤送達システムを示す。
図13】本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの上面図であり、ハウジングの上部が取り外され、薬剤送達システムが使用後の位置にある状態を示す。
図14】本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの上面断面図であり、使用後の位置にある薬剤送達システムを示す。
図15】本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの正面断面図であり、使用後の位置にある薬剤送達システムを示す。
図16】本発明の一態様による接着アセンブリと針シールドの上面図である。
図17図16の線17-17に沿って取った部分断面図である。
図18図16の線18-18に沿って取った断面図である。
図19図16の接着アセンブリと針シールドの部分断面図であり、針シールドに固定された接着アセンブリのライナーを示す。
図20図16の接着アセンブリおよび針シールドの断面図であり、接着アセンブリおよび針シールドが図1の薬剤送達デバイスに固定された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明は、当業者が本発明を実施するために企図された記載された実施形態を作製および使用できるようにするために提供される。しかしながら、様々な修正、等価物、変形、および代替物は、当業者には容易に明らかなままであろう。そのような修正、変形、等価物、および代替物の全ては、本発明の精神および範囲に含まれることが意図される。
【0013】
以下の説明において、用語「上」、「下」、「右」、「左」、「縦」、「横」、「上」、「下」、「横」、「縦」、およびこれらの派生語は、図面図において方向付けられた本発明に関するものとする。しかしながら、本発明は、明示的に反対の指定がある場合を除き、様々な代替的変形を想定し得ることを理解されたい。また、添付図面に図示され、以下の明細書に記載された特定のデバイスは、本発明の単なる例示的な実施形態であることを理解されたい。したがって、本明細書に開示された実施形態に関連する特定の寸法および他の物理的特性は、限定的なものと見なされない。
【0014】
図1図15を参照すると、本開示の一態様による薬剤送達デバイス10は、駆動アセンブリ12、容器14、弁アセンブリ16、および針アクチュエータアセンブリ18を含む。駆動アセンブリ12、容器14、弁アセンブリ16、および針アクチュエータアセンブリ18は、ハウジング20によって画定された空洞内に少なくとも部分的に配置される。ハウジング20は、上部22および底部24を含むが、ハウジング20の他の適切な配置が利用され得る。一態様において、薬剤送達デバイス10は、使用者に装着または固定され、容器14内に提供された薬剤の所定用量を注射により使用者に送達するように構成された注射器デバイスである。デバイス10は、一定時間内に薬剤を送達する「ボーラス注射」を行うために利用され得る。薬剤は、他の適切な注射量および注射時間を利用することができるが、最大45分の時間にわたって送達され得る。ボーラス投与または送達は、速度制御を行うことができ、特定の速度制御を行わなくてもよい。デバイス10は、速度が可変である固定圧力で使用者に薬剤を送達し得る。デバイス10の一般的な動作を、図1-15を参照して以下に説明する。
【0015】
再び図1-15を参照すると、デバイス10は、使用者による作動ボタン26の係合によって作動し、その結果、針アセンブリ18の針28が使用者の皮膚に突き刺さり、駆動アセンブリ12の作動によって針28が容器14と流体連通して容器14から流体または薬剤を排出し、薬剤の注入が完了した後に針28が引き抜かれるように構成される。薬剤送達システムの一般的な動作は、国際公開第2013/155153号および国際公開第2014/179774号に示され、記載されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。デバイス10のハウジング20は、デバイス10の状態に関する表示を使用者に提供するように構成されたインジケータ配置32を見るためのインジケータ窓30と、容器14を見るための容器窓31とを含む。インジケータ窓30は、インジケータ配置32の明瞭な視界を提供するための拡大レンズであり得る。インジケータ配置32は、デバイス10の使用中に針アクチュエータアセンブリ18とともに移動して、デバイス10の使用前状態、使用状態、および使用後状態を示す。インジケータ配置32は、状態に関する視覚的指標を提供するが、聴覚的または触覚的などの他の適切な指標が、代替または追加の指標として提供され得る。
【0016】
図4-6を参照すると、デバイス10の使用前位置の間、容器14は駆動アセンブリ12および弁アセンブリ16から間隔を空けており、針28は格納位置にある。図7図9に示すように、デバイス10の初期作動の間、駆動アセンブリ12は容器14と係合して容器14を弁アセンブリ16に向かって移動させ、弁アセンブリ16は容器14の閉鎖部36を貫通し、チューブ(図示せず)または他の適切な配置を介して針28と流体連通する容器14内の薬剤を配置するように構成される。駆動アセンブリ12は、容器14のストッパー34と係合するように構成され、容器14内の流体または薬剤の非圧縮性により、容器14全体を最初に弁アセンブリ16と係合するように移動させる。より具体的には、駆動アセンブリ12は、ストッパ34によって受容されたスペーサ40と係合するように構成される。デバイス10の初期作動は、使用者による作動ボタン26の係合によって引き起こされ、これにより、より詳細に後述するように、針アクチュエータアセンブリ18および駆動アセンブリ12が解放される。初期作動の間、針28はまだ格納位置にあり、デバイス10の使用者に注射するために延長位置に移動しようとしている。
【0017】
図10図12に示すように、デバイス10の使用位置の間、針28は、駆動アセンブリ12が容器14内のストッパー34を動かして、容器14から針28を通って、使用者に薬剤を送達するために、ハウジング20の少なくとも部分的に外側の伸長位置にある。使用位置では、弁アセンブリ16はすでに容器14の閉鎖部36を貫通して容器14を針28と流体連通状態に置いており、流体が容器14から吐出されることができるため、駆動アセンブリ12がストッパー34を容器14に対して相対的に移動することを可能にする。図13-15に示すデバイス10の使用後位置では、針28は後退位置にあり、パッド38と係合して針28を密封し、容器14からの流体または薬剤の残留流を防止する。容器14および弁アセンブリ16は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第WO2015/081337号に示され、記載される容器14および弁アセンブリ16であり得る。
【0018】
図16図20を参照すると、図1図15の薬剤送達デバイス10は、ハウジング20に固定され、針28の一部を受容する針シールド42を備えることができる。ハウジング20は、上面44および底面46を含む。針シールド42は、ハウジング20内に受容され、針28の少なくとも一部を取り囲む円筒部48を含む。針シールド42は、ハウジング20の一部を把持または係合することによってハウジング20に固定され得る、またはハウジング20の開口部との摩擦嵌合を介してハウジング20に固定され得る。針シールド42は、使用前の位置において針28の無菌性を維持し、薬剤送達デバイス10の偶発的な作動を防止するように構成され得る。薬剤送達デバイス10はまた、容器14から患者の皮下への薬剤の送達を可能にし、薬剤の送達の完了後にデバイス10の患者からの取り外しを可能にするために、薬剤送達デバイス10を患者に固定するように構成された接着アセンブリ50を含み得る。接着アセンブリ50は、ハウジング20の底面46に固定された接着層52と、接着層52に固定されたライナー54とを含む。ライナー54は、接着層52から取り外され、接着層52を露出させ、接着層52を患者の皮膚表面などの表面に貼り付けることができるように構成される。ライナー54は突出部60を含み、針シールド42はライナー開口部62を画定するが、ライナー54はライナー開口部62を含み得、針シールド42は突出部60を含み得る。ライナー54は2つの突出部60とともに示され、針シールド42は2つのライナー開口部62を含むが、1つまたは複数の突出部60およびライナー開口部62が利用され得る。図19に示すように、突出部60はライナー開口部62に受け入れられ、ライナー54を針シールド42に固定する。ライナー54は、ハウジング20から針シールド42を取り外す際に接着層52から分離されるように構成される。
【0019】
図16図17、および図19を参照すると、ライナー54および接着層52は、突出部60の一部を受け入れるクリアランス開口部64を画定する。クリアランス開口部64は、突出部60が針シールド42に固定されたときに、突出部60のための空間を提供する。
【0020】
再び図16-20を参照すると、ライナー54は、接着層52の少なくとも一部を覆う本体70と、本体70から延びる延長部72とを含む。ライナー54の延長部分72は突出部60を含む。ライナー54が突出部60を介して針シールド42に固定されると、針シールド42はライナー54の本体70とライナー54の延長部分72との間に配置される。しかし、接着アセンブリ50は、針シールド42がライナー54に固定されたときに、突出部(複数)60が延長部分72から針シールド42に向かって延びた状態で、延長部分72が本体70と針シールド42との間に配置されるように構成され得る。ライナー54の本体70は接着層52を完全に覆っているが、ライナー54の本体70が接着層52の一部のみを覆う他の適切な構成を利用することもできる。突出部60とライナー開口部62はスナップフィットを形成し、ライナー54を針シールド42に固定する。ライナー54は、ライナー54の本体70をライナー54の延長部分72から分離する折り畳み線74を含み、ライナー54の延長部分72は、折り畳み線74を中心にライナー54の本体70に対して折り畳まれるように構成される。
【0021】
針シールド42を把持してハウジング20の底面46から離すことにより、針シールド42を薬剤送達デバイス10から取り外すと、ライナー54の延長部分72は、突出部60およびライナー開口部62を介して延長部分72が針シールド42に接続されることにより、針シールド42とともに移動する。針シールド42とライナー54の延長部分72の移動が続くと、ライナー54の延長部分72が接着層52からライナー54の本体70を剥がす。ライナー54の延長部分72は、ライナー54の本体70の外周に取り付けられ、接着層52からのライナー54の剥離を容易にするのに役立つが、他の適切な配置を利用し得る。
【0022】
ある開示された側面の要素は、1つ以上の他の開示された側面の要素と組み合わせて、異なる組み合わせを形成することができ、それらはすべて本発明の範囲内であると考えられる。
【0023】
本開示は例示的な設計を有するものとして説明されてきたが、本開示は、本開示の精神および範囲内でさらに変更することができる。したがって、本出願は、本開示の一般的な原理を用いた本開示のあらゆる変形、使用、または適応を対象とすることを意図している。さらに、本出願は、本開示が関係する技術分野において公知または慣用の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲の制限内に入るような本開示からの逸脱をカバーすることを意図する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】