(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(54)【発明の名称】害獣を駆除する方法および装置
(51)【国際特許分類】
A01M 23/00 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
A01M23/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530522
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(85)【翻訳文提出日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 CA2021051648
(87)【国際公開番号】W WO2022104476
(87)【国際公開日】2022-05-27
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523183345
【氏名又は名称】キャッチ データ アイピー ホールディングス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クレーオー、マーク
(72)【発明者】
【氏名】ゴティエ、ケン
(72)【発明者】
【氏名】アバクロンビー、ジョー
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA02
2B121AA03
2B121AA07
2B121BA60
2B121DA63
2B121DA70
2B121FA08
2B121FA14
2B121FA20
(57)【要約】
害獣を駆除する装置は、ハウジングであって、入口からハウジング内に延在する通路を有する、ハウジングと、通路を横切って移動可能な衝撃部材と、入口に向かう通路に沿って所定の距離だけ殺傷棒から離間され、通路を横切る感知面を横切って害獣の存在を感知するように構成された平面センサとを備え、感知面を通過する害獣の存在を平面センサが示すと、衝撃部材は、解放されて通路を急速に移動するように動作可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
害獣を駆除する装置であって、
ハウジングであって、入口から前記ハウジング内に延在する通路を有する、ハウジングと、
前記通路を横切って移動可能な衝撃部材と、
前記入口に向かう前記通路に沿って所定の距離だけ殺傷棒から離間され、前記通路を横切る感知面を横切って前記害獣の存在を感知するように構成された平面センサと、
を備え、
前記感知面を通過する前記害獣の存在を前記平面センサが示すと、前記衝撃部材は、解放されて前記通路を急速に移動するように動作可能である、装置。
【請求項2】
前記平面センサは、赤外線、超音波、およびレーザからなる群から選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記平面センサは、前記感知面に限定される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記平面センサは、前記感知面を画定するスロットを介する場合を除いて、それによる感知を実質的に阻止するレンズをその上に含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記平面センサは、送信機および受信機を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記平面センサからの信号を受信すると、前記通路を横切って前記衝撃部材を移動させ、前記害獣に衝撃を与えるように動作可能なコントローラをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記通路は、床部と、前記通路の周囲に延在する少なくとも1つの壁部とを備えて形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記床部は、水平位置から落下した鉛直位置まで回転可能である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記衝撃部材が前記害獣に衝撃を与えた後、前記床部は、前記落下した鉛直位置まで回転させられる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記床部は、留め金によって解放され、前記鉛直位置に落下する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記床部を前記水平位置にリセットするように適合されたリセットリフトをさらに備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記床部の下に配置され、前記床部によって害獣の死骸が内部に置かれる収集箱をさらに備える、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記通路に沿って前記衝撃部材の両側に間隔を置いて配置された2つの平面センサをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記衝撃部材は、両方の平面センサがその前記感知面で前記害獣の存在を示したときに、前記害獣に衝撃を与えるように構成される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記2つの平面センサは、前記衝撃部材から等距離離れて配置される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記2つの平面センサは、対象害獣の鼻から首までの距離に対応する距離だけ衝撃部材から離間される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記衝撃部材は、略鉛直に延在する棒を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記衝撃部材は、前記通路の両側の第1の位置と第2の位置との間で移動可能である、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
動物打撃経路に沿って前記衝撃部材を第1の位置と第2の位置との間で移動させるための駆動機構をさらに備える、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記駆動機構は、ばねを備える、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記衝撃部材を前記第1の位置に移動させるように適合されたリセットモータをさらに備える、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記動物打撃経路は、直線状である、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記動物打撃経路は、弓状である、請求項19に記載の装置。
【請求項24】
前記動物打撃経路は、略水平である、請求項19に記載の装置。
【請求項25】
前記動物打撃経路は、略鉛直である、請求項19に記載の装置。
【請求項26】
前記第1の位置の反対側にある不動表面をさらに備え、前記第2の位置は、前記不動表面の方にある、請求項19に記載の装置。
【請求項27】
前記経路は、略透明な壁部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項28】
前記通路内に餌を放出するように動作可能な餌ディスペンサをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項29】
害獣を駆除する方法であって、
入口から内部に延在する通路を有するハウジングを提供するステップと、
第1の平面センサを用いて、前記通路を横切って延在する感知面で前記害獣の存在を感知するステップと、
前記第1の平面センサが前記感知面で前記害獣の存在を検出することに応答して、前記通路を横切って衝撃部材を急速に移動させるステップであって、前記衝撃部材は、前記害獣の鼻と首の間の距離に対応するように、前記感知面から前記入口に向かって前記距離に配置される、移動させるステップとを含む、方法。
【請求項30】
前記第1の平面センサと同じ距離だけ前記衝撃部材から離間して配置された第2の平面センサを提供するステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記通路の各々の端部に第2の入口を設けるステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
害獣を駆除する装置であって、
内部に通じる通路を有するハウジングであって、前記通路は、床部部材を有する、ハウジングと、
前記通路内に配置された動物殺傷機構と、
を備え、
前記通路は、前記殺傷機構が前記害獣を殺傷した後、下方に回転するように動作可能な回転可能な床部を有する、装置。
【請求項33】
前記床部の下に配置された収集箱をさらに備える、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記ハウジングは、殺傷された害獣をその下に置くために地表の上方に間隔を置いて配置される、請求項32に記載の装置。
【請求項35】
前記動物殺傷機構は、前記床部内に配置される、請求項32に記載の装置。
【請求項36】
前記動物殺傷機構は、帯電プレートであって、前記帯電プレートの上の動物に致命的な電荷を与えるように動作可能な帯電プレートを備える、請求項34に記載の装置。
【請求項37】
前記動物殺傷機構は、前記通路内の前記害獣に殺傷打撃を与えるように適合された衝突体を備える、請求項32に記載の装置。
【請求項38】
前記通路内の所望の位置に対象害獣の存在を検出して、前記動物殺傷機構を起動するように適合されたセンサをさらに備える、請求項32に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、害獣の個体数を抑制することに関するものであり、特に、有毒物質を使用せずに齧歯動物を駆除し収容するための方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ラットおよびマウスなどの齧歯動物は、他の動物と共に、多くの場所で頻繁に発生する害獣である。害獣を駆除するための従来の試みとしては、一般的に、害獣を捕獲するか毒を投与するかのいずれかに分けられてきた。このような従来のアプローチは、満足のいくものではなかった。特に、毒物の使用は、他の種を中毒または殺害する危険性があり、それらの種もまた、毒餌、または毒によって殺された後の動物の死骸を摂取する可能性があることが分かっている。
【0003】
さらに、従来の捕獲器も満足のいくものではなかった。特に、一般的な形式の齧歯動物捕獲器は、動物を捕まえて、通常は殺傷することを意図した、留め金によって解放されるばね仕掛けのアームを利用する。このような捕獲器の欠点の1つは、使用者によるチェックとリセットが必要になる以前に、捕獲器は1回しか使用できないことである。
【0004】
出願人は、齧歯動物が餌によって引き込まれるチャンバ内に配置された起動ロッドを利用する自動齧歯動物捕獲器を提供することによって、前述の欠陥を修正する試みについて認識している。齧歯動物によって起動ロッドが回転されると、弁が解放され、それによってチャンバ内の齧歯動物に衝撃を与えて殺傷するように動作可能なばね仕掛けとされた殺傷機構が解放される。このような装置の例は、Bondらの特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/0202206号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
不利なことに、そのような装置は起動ロッドの動きに依存しており、装置の動きまたは他の物体の存在により、誤った結果が生じやすい可能性がある。さらに、このような装置は、齧歯動物の死骸が装置の下の地面に落下することを許容し、捕食者が齧歯動物を取り除いて食べることを意図している。しかしながら、そのような死骸の除去は、そのような装置の有効性を研究する目的で死骸を収集することを妨げてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の実施形態によれば、害獣を駆除する装置であって、入口からハウジング内に延在する通路を有するハウジングと、通路を横切って移動可能な衝撃部材と、入口に向かう通路に沿って所定の距離だけ殺傷棒から離間され、通路を横切る感知面を横切って害獣の存在を感知するように構成された平面センサとを備え、感知面を通過する害獣の存在を平面センサが示すと、衝撃部材は、解放されて通路を急速に移動するように動作可能である、装置が開示される。
【0008】
平面センサは、赤外線、超音波、レーザからなる群から選択され得る。平面センサは、感知面に限定され得る。平面センサは、感知面を画定するスロットを介する場合を除いて、それによる感知を実質的に阻止するレンズをその上に含み得る。平面センサは、送信機と受信機を備え得る。この装置は、平面センサからの信号を受信すると、通路を横切って衝撃部材を移動させ、害獣に衝撃を与えるように動作可能なコントローラをさらに備え得る。
【0009】
通路は、床部と、通路の周囲に延在する少なくとも1つの壁部とを備えて形成され得る。床部は、水平位置から落下した鉛直位置まで回転可能であり得る。衝撃部材が害獣に衝撃を与えた後、床部は、落下した鉛直位置まで回転させられ得る。床部は、留め金によって解放され、鉛直位置に落下し得る。この装置は、床部を水平位置にリセットするように適合されたリセットリフトをさらに備え得る。床部の下に配置され、害獣の死骸が床部によってその中に堆積される収集箱を、この装置はさらに備えることができる。
【0010】
この装置は、通路に沿って衝撃部材の両側に間隔を置いて配置された2つの平面センサをさらに備え得る。衝撃部材は、両方の平面センサがその感知面で害獣の存在を示したときに、害獣に衝撃を与えるように構成され得る。2つの平面センサは、衝撃部材から等距離離れて配置され得る。2つの平面センサは、対象害獣の鼻から首までの距離に対応する距離だけ衝撃部材から離間され得る。
【0011】
衝撃部材は、略鉛直に延在する棒を備え得る。衝撃部材は、通路の両側の第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり得る。この装置は、動物打撃経路に沿って衝撃部材を第1の位置と第2の位置との間で移動させるための駆動機構をさらに備え得る。
【0012】
駆動機構は、ばねを備え得る。この装置は、衝撃部材を第1の位置に移動させるように適合されたリセットモータをさらに備え得る。
【0013】
動物打撃経路は、直線状であり得る。動物打撃経路は、弓状であり得る。動物打撃経路は、略水平であり得る。動物打撃経路は、略鉛直であり得る。
【0014】
この装置は、第1の位置の反対側にある不動表面をさらに備えることができ、第2の位置は不動表面の方にある。経路は、略透明な壁部を含み得る。この装置は、通路内に餌を放出するように動作可能な餌ディスペンサをさらに備え得る。
【0015】
第1の実施形態によれば、害獣を駆除する方法であって、入口から内部に延在する通路を有するハウジングを提供するステップと、第1の平面センサを用いて、通路を横切って延在する感知面で害獣の存在を感知するステップと、第1の平面センサが感知面で害獣の存在を検出することに応答して、通路を横切って衝撃部材を急速に移動させるステップであって、衝撃部材は、害獣の鼻と首の間の距離に対応するように、感知面から入口に向かってその距離に配置される、移動させるステップとを含む、方法を制御するための装置が開示される。
【0016】
この方法は、第1の平面センサと同じ距離だけ衝撃部材から離間して配置された第2の平面センサを提供するステップをさらに含み得る。この方法は、通路の各々の端部に第2の入口を設けるステップをさらに含み得る。
【0017】
さらなる一実施形態によれば、害獣を駆除する装置であって、内部に通じる通路を有するハウジングであって、通路は、床部部材を有する、ハウジングと、通路内に配置された動物殺傷機構とを備え、通路は、殺傷機構が害獣を殺傷した後、下方に回転するように動作可能な回転可能な床部を有する、装置が開示される。
【0018】
この装置は、床部の下に配置された収集箱をさらに備え得る。ハウジングは、殺傷された害獣をその下に置くために、地表の上方に間隔を置いて配置され得る。
【0019】
動物殺傷機構は、床部内に配置され得る。動物殺傷機構は、帯電プレートの上の動物に致命的な電荷を与えるように動作可能な帯電プレートを備え得る。
【0020】
動物殺傷機構は、通路内の害獣に殺傷打撃を与えるように適合された衝突体を備え得る。この装置は、通路内の所望の位置に対象害獣の存在を検出して、動物殺傷機構を起動するように適合されたセンサをさらに備え得る。
【0021】
本開示の他の態様および構成は、添付の図面と併せて特定の実施形態についての以下の説明を検討することにより、当業者には明らかとなるであろう。
【0022】
添付の図面は、本開示の一部を構成する。各々の図面は、例示的な態様を示しており、同様の符号は、各々の図中の対応する部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の第1の実施形態に係る害獣駆除装置の斜視図である。
【
図2】上部カバーを取り外した
図1の装置の斜視図である。
【
図3】衝突体が第1の位置または準備完了位置にある、線3-3に沿った
図1の装置の断面図である。
【
図4】衝突体が第2の位置または打撃位置にある、線3-3に沿った
図1の装置の断面図である。
【
図5】第1の位置または準備完了位置にある摺動可能なアームの上面図である。
【
図6】第2の位置または打撃位置にある摺動可能なアームの上面図である。
【
図7】本開示のさらなる一実施形態に係る回転アームの上面図である。
【
図8】センサの感知面を示す経路の部分斜視図である。
【
図9】本開示の第1の実施形態に係るセンサの底部分解図である。
【
図10】
図1の装置の制御システムのブロック図である。
【
図11】本開示のさらなる一実施形態に係る害獣駆除装置の通路の斜視図である。
【
図12】本開示のさらなる一実施形態に係る害獣駆除装置の切り欠き斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本開示の態様を、例示的な装置、方法、およびシステムを参照して説明する。
図1を参照すると、第1の実施形態に係る害獣を駆除するための例示的な装置が概して符号10で示されている。装置10は、以下により詳細に説明するように、内部を通る経路を有するケーシング12を備える。通路30は、齧歯動物を装置の底部の容器内に落とす前に殺傷するように、経路を横切って移動するように配置された衝撃部材54を含む。
【0025】
本明細書で使用される場合、「害獣」という用語は、駆除が望まれる任意の動物集団を意味すると理解されるであろう。特に、動物という用語は、限定することを意図するものではなく、鳥、ウサギ、齧歯動物(非限定的な例として、ラット、マウス、リス、マーモット)、または害獣であるとみなされる任意の他の動物種を含むが、これらに限定されない任意の動物を記述するために利用することができる。
【0026】
ケーシング12は、任意の適切な形状で形成され、それぞれ頂部14と底部16との間、それぞれ第1の側面18と第2の側面20との間、および、それぞれ前部22と後部24との間で延在する。ケーシング12は、非限定的な例として、プラスチック、金属、または複合材料を含む任意の適切な材料で作ることができる。ケーシング12は、
図2において概して符号30で示される通路を含み、この通路は、前面22に近接した第1の側面18と第2の側面20との間に延在する通路を備える。この経路は、通路30に進入する齧歯動物がケーシング12の残りの領域に進入するのを防ぐために、ケーシング12の残りの部分から実質的に閉鎖されている。第1の側面18および第2の側面20の各々は、通路30への齧歯動物のアクセスを可能にするために、そこを通る開口部または入口32を含む。
図1および
図2に示されるように、装置10は、齧歯動物の通路30への進入を助けるために、斜面またはチューブ34をさらに含んでもよい。チューブ34は、その開口端を装置の周囲の任意の所望の位置に配置できるように実質的に可撓性を有し、それによって入口位置に対する装置の位置の柔軟性が増大し得る。本説明はネズミを捕獲するために使用される装置を考えており、マウス、リスを含むが、これに限定されない他の種類の齧歯動物、ならびに例えばハトなどの鳥を含む他の害獣を捕獲するためにも利用できることが理解されるであろう。
【0027】
図2に示されるように、通路30は、それぞれ頂壁40および底壁42と、それぞれ前壁44および後壁46によって、ケーシング12の上部前面を貫通して形成される。
図2に示されるように、頂壁42および前壁46は、任意の不透明レベルであってもよいが、説明のために透明となっている。特に、透明な頂壁42および前壁46は、対象動物のストレスを低減するのに有利であり得ることが分かっている。さらに、頂壁42または前壁46のうちの1つまたは複数には、それを貫通する開口部が形成されてもよく、その結果、頂壁42および前壁46は、ケーシング12の頂部14および前部22の頂部を形成してもよく、またはケーシングを形成するそれらの部分から分離されていてもよい。頂壁40および底壁42と前壁44および後壁46は、ケーシングを通る通路30を形成する。通路30は、所望の齧歯動物が通過するのに適した寸法を有するように選択される。非限定的な例として、ネズミ捕りとして使用する場合、通路30は、ネズミを捕まえるのに使用するために、2~2.5インチ(51~64mm)の幅と、2~2.5インチ(51~64mm)の高さを有することができるが、異なる動物を捕まえるのに使用するために、他の寸法も同様に有用であり得ることが理解されるであろう。底壁44は齧歯動物が上を歩く歩行面を形成し、したがって齧歯動物の体重を支えるのに十分な強度を有するように形成される。底壁44はまた、以下により詳細に説明するように、死んだ齧歯動物を捕集容器92内に滑り落とすことができるように、比較的滑らかな表面を有するように形成され得る。
【0028】
図2に示されるように、頂壁42、前壁46、および後壁48は、ケーシングの第1の側面18および第2の側面20の各々から延在する部分に、それらの間の概して符号49で示されるギャップによって分割される。摺動可能なアーム50は、頂壁42に対して略平坦な経路に沿って、後壁48から前壁46に向かってギャップを通って自由遠位端52まで延在する。衝突体54は、摺動可能なアームから下方に延在しており、摺動可能なアーム50がその長手方向経路に沿って摺動可能に変位すると、衝突体54は、
図3に示されるような前壁46に対して実質的に平面の位置から、
図4に示されるような後壁48に近接した位置まで移動する。
図4に示される引き戻された位置では、衝突体54が齧歯動物の首を後壁に挟み込むか、あるいはさもなければ齧歯動物の首に衝撃を与え、それによって首を破壊し、齧歯動物を人道的に殺傷することが理解されるであろう。後壁48は、齧歯動物が衝突体54の動きによって内部に押し込まれるときの動きに抵抗するように適合された強化された部分または補強された部分またはアンビル56を任意選択で含んでもよい。
【0029】
図2に示されるように、装置10は、通路30に沿ってギャップ49の両側にセンサ60を含む。センサ60は、近くの齧歯動物または他の動物の存在を示すために、任意の適切なタイプのものを選択することができる。特に、センサは、齧歯動物の体温を検出するために赤外線センサを備え得る。任意選択で、
図11に示されるように、センサ60は、通路の一方の側に光源120などの送信機を備え、反対側に光センサ122などの受信機を備えることができ、光源と受信機の間に動物が存在することで、衝撃部材の動作を起動させるように動作可能である。任意選択で、対象動物からの光の反射を検出するために、光源と受信器は通路の同じ側にあってもよい。動作中、コントローラ100は、両方のセンサ60がその下に齧歯動物の存在を示している場合にのみ、摺動可能アーム50および衝突体を作動させるように構成される。このような方法で、一方のセンサは、齧歯動物の体の存在を示し、もう一方のセンサは、齧歯動物の首が衝突体54とアンビル56の間に位置するように齧歯動物の頭の存在を示す。どのセンサ60が最初に齧歯動物を検出したかを示すことによって、齧歯動物がどの方向から装置に入ったかを示すためにセンサを使用することもできることも理解されるであろう。また、摺動アーム50から等距離にセンサ60を備えた通路30の各々の端部に開口部32を設けることにより、装置を、いずれの方向から装置に進入する齧歯動物をも殺傷可能にすることも観察される。実際には、センサを、摺動可能なアームから1~1.25インチ(25~32mm)となるように選択された距離だけ離して配置することが、ネズミを捕らえるのに使用するには適していることが分かっているが、他の動物に対して他の距離もまた有用であり得ることが理解されるであろう。
【0030】
赤外線センサが上記されているが、センサ60は、運動センサ、超音波センサ、レーザセンサ、または光学センサを含む他の任意のタイプであるように選択することもできることが理解されるであろう。特に、センサ60は、
図8において概して符号62で示されるように、通路30を横切る赤外線カーテンを形成してもよい。特に、
図9を参照した本発明の一実施形態によれば、センサ60は、その上にレンズ64を付けることによって経路を横切るカーテン62を形成するように選択することができる。特に、レンズ64は、周知のような、フレネルレンズとなるように選択することができる。レンズは、感知領域をカーテン62に制限するために、開放領域68が間にある2つの黒色の、またはその他の側面部分66を有することができる。フレネルレンズは、通路30の大部分がカーテン62によって覆われるように広い分散パターンを作り出すことが知られていることが理解されるであろう。センサ60は頂壁42に示されているが、後壁48、底壁44、または前壁46を含む他の位置に配置されてもよいことが理解されるであろう。
【0031】
ここで
図5および
図6を参照すると、摺動可能なロッド50のための引き戻し機構70が示されている。特に、摺動可能なロッド50は、1つまたは複数(好ましくは、少なくとも2つ)の支持体72および74によって支持され得る。支持体は、摺動可能なロッド50の自由な摺動可能な動きを可能にするために、ブッシュまたはリニアベアリングを含んでもよい。
図5および
図6に示されるように、支持体72のうちの1つは、前壁48またはアンビル56に一体化されてもよい。摺動可能なロッド50は、解放ピン78と協働するノッチ76を内部に含む。解放ピン78は、以下により詳細に説明するように、制御システムから信号を受信すると、引き戻されるように、ソレノイド80によって後戻りさせることができる。摺動可能なロッド50は、摺動可能なロッド50から支持体74または装置内の別の固定された本体まで延在するばね82を含む。解放ピン78がソレノイド80によって後戻りされると、ばね82が摺動可能なロッド50を急速に引き戻し、衝突体54をアンビル56に向けて動かし、それらの間で齧歯動物の首に打撃を与える。
【0032】
一旦後戻りされると、制御システム100は、リセットアーム84に接続されたモータ108(
図5および
図6には図示されない)を作動させる。リセットアーム84は、その遠位端に車輪86または他の支持面を含む。リセットアームは、
図6に概して符号88で示される方向に回転して、摺動アーム50の延長部90または他の部分に接触し、それを
図5に示される初期位置に押し戻すと、解放ピン78がアーム内に再び係合され、別の動きに備えて摺動可能にアームの準備をする。
【0033】
図2~
図4に戻ると、通路30の底壁46は、齧歯動物が衝突体54によって殺傷されたときに、下方に回転するように動作可能となるように、ケーシング12にヒンジで取り付けられ得る。図示のように、底壁は、摺動可能なロッド50が初期位置に保持されている間に衝突体54が回転できない位置に、底壁から上方に延在するタブ55を含むことができる。摺動可能なロッド50が解放ピン78によって解放されると、衝突体54は、タブ55から引き戻され、それによって
図4に示されるようにタブおよび底壁44が下方に回転することが可能になる。摺動可能なロッド50が初期位置に戻ると、衝突体54はタブ55を押し、したがって底壁44も初期位置に押し戻され、通路30を再形成する。さらなる調査および処分のために、齧歯動物の体を捕らえて保持するように構成された捕集領域92が、底壁44の下に配置され得る。捕集領域92は、取り外しを容易にするために引き出し94に形成され得る。任意選択で、ケーシング12には、
図12に示されるように少なくとも1つのレット(let)を設けて、死んだ動物がケーシングの下の地面上に堆積するようにして、それによって他の動物および清掃動物が死骸を食べる、および/または、取り除くようにすることができる。
【0034】
ここで
図10を参照すると、装置を操作するためのコントローラ100が示されている。コントローラ100は、プロセッサを含み、プロセッサは、様々な構成要素の動作を制御し、以下に説明するように、装置によって記録され得るような情報を記憶および送信するように適合される。より一般的には、特許請求の範囲を含む本明細書において、「プロセッサ」という用語は、他のタイプのマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、他の集積回路、他のタイプの回路または回路の組み合わせ、論理ゲートまたはゲートアレイ、または任意の種類のプログラマブルデバイス(例えば、単独で、または同じ場所または互いに離れた場所に配置された他のそのようなデバイスと組み合わせたもの)を含む(これらに限定されない)本明細書に記載の機能を実行できる任意のタイプの装置または装置の組み合わせを広く包含することを意図している。追加のタイプのプロセッサは、本明細書を検討すれば当業者には明らかであり、そのような他のタイプのプロセッサ回路の代替は、本開示の範囲から逸脱しないと考えられる。特に、プロセッサ102は、センサ60、ソレノイド80、およびモータ108と通信し、両方のセンサ60がそれぞれのカーテン62を横切る齧歯動物の存在を検出したときに、その動作を制御する。制御システムはまた、様々な構成要素に電力を供給する電池104と、プロセッサ102と1つまたは複数のリモートコンピュータまたはユーザとの間の通信を提供するための、例えば、無線送信機、イーサネットアダプタなどのネットワーク接続部106とを含み得る。制御システム10は、時刻、温度、湿度、気圧などを含むがこれらに限定されない1つまたは複数の条件を感知してプロセッサ102に送信するように適合された、1つまたは複数の追加のセンサ110を含むことができる。この情報は、設置の有効性、タイミング、および装置の動作に関する他のデータに関する科学的および研究目的のためのさらなる詳細について提供するために、捕獲された各々の齧歯動物の記録とともにプロセッサによって記録され得ることが理解されるであろう。
【0035】
摺動可能なアーム50が上で説明されているが、衝突体の他の運動タイプが利用されてもよいことが理解されるであろう。
図7に示されるように、軸124の周りの旋回点を有する回転アーム120を利用してもよい。回転アーム120は、衝突体54をアンビル56に向かって引っ張るための引張ばねまたは回転ばねなどのばねを含む。任意選択で、衝突体54はまた、ソレノイドなどを含む他の手段によってアンビル56に向かって急速に移動されてもよい。いくつかの実施形態では、衝突体および/またはアンビルは、例えば、非限定的な例として、それによって加えられる力を集中させるか、または対象動物に増加した脊柱分離力を提供するために相互に整列するように、隆起または他の適切な形状を含めることによって形作ることができる。
図2に示されるように、装置10は、齧歯動物を通路30に誘い込むために、装置内の任意の位置に配置された餌112を含むことができる。特に、餌から通路30への開口部114が、齧歯動物を経路内に引き付けるために設けられてもよい。適切な餌材料の例は、当技術分野でよく知られている。餌は、任意選択で、オーガによって通路内に分配される固体餌タイプであってもよく、または非限定的な例として、蠕動ポンプなどのポンプによって分配される液体またはゲルタイプの餌であってもよい。装置10はさらに、プロセッサ102によって選択的にカバーまたはカバー解除されて、1つまたは複数の異なる種類の餌の間で変更または変化させることができる複数の餌112モジュールを含むことができる。
【0036】
通路30は略均一な断面を有するように示されているが、第1および第2の側面18および20に近接してより大きな幅を有するように経路を設けてもよいことが理解されるであろう。任意選択で、毛または他の可撓性部材が通路30の1つまたは複数の側から延在して、より小さな空間を好む齧歯動物のために、より大きな齧歯動物の通路を妨げることなく、より小さな経路の外観を提供してもよい。
【0037】
任意選択で、
図12を参照すると、さらなる一実施形態によれば、害獣駆除装置200が提供される。装置200は、内部に少なくとも1つの通路204が形成されたケーシング202を備える。図示のように、通路204は、通路204の各々の端部の入口206から延在することができるが、一方の側からのみ延在することもできる。通路204は、少なくとも1つの電気ショック供給パッド210をその上に有する、回転可能な床部208を含む。電気ショック供給パッド210は、対象動物に致死電荷を供給するように動作可能となるように、非限定的な例として、コンセント、電池、またはコンデンサなどの電源に接続することができる。
図12に示されるように、パッド210は、任意選択で、両方のパッドが踏まれたときに動物に電荷が供給されるように対で配置することができ、通路内で縦方向または横方向に配置することができる。床部208は、上で述べたのと同様に、動物に致命的な電荷を与えた後に落下するように構成することができる。
図12に示されるように、ケーシング202は、死傷した動物がケーシング202の下に堆積できるように、脚部212などを用いて、地面の上に間隔をあけて配置することができるか、または、任意選択で、死傷した動物を受け入れて保管するように適合された容器をその中に含むことができる。
【0038】
特定の実施形態を説明し図示してきたが、そのような実施形態は例示にすぎず、添付の特許請求の範囲に従って解釈されるように本開示を限定するものとして考慮されるべきではない。
【国際調査報告】