(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(54)【発明の名称】殺真菌性アリールアミジン
(51)【国際特許分類】
C07C 257/12 20060101AFI20231130BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20231130BHJP
A01N 37/52 20060101ALI20231130BHJP
C07C 335/30 20060101ALI20231130BHJP
C07C 257/14 20060101ALI20231130BHJP
C07D 295/13 20060101ALI20231130BHJP
C07D 211/72 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
C07C257/12 CSP
A01P3/00
A01N37/52
C07C335/30
C07C257/14
C07D295/13
C07D211/72
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530528
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-06-21
(86)【国際出願番号】 US2021060244
(87)【国際公開番号】W WO2022109361
(87)【国際公開日】2022-05-27
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】501035309
【氏名又は名称】コルテバ アグリサイエンス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【氏名又は名称】藤田 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100139310
【氏名又は名称】吉光 真紀
(72)【発明者】
【氏名】アヴィラ-アダム,クルーズ
(72)【発明者】
【氏名】ボーンデ,ヴァスデヴ アール.
(72)【発明者】
【氏名】ロペツ,スサナ
(72)【発明者】
【氏名】ロイ,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー,ステイシー ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ノラン,アレックス
(72)【発明者】
【氏名】トラヒュクスト-アサ,アドリアン
【テーマコード(参考)】
4H006
4H011
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AB03
4H011AA01
4H011BB04
4H011BB05
4H011DA13
4H011DD03
(57)【要約】
本開示は、式Iのアリールアミジン及び殺真菌剤としてのその使用に関する。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
(式中、
R
1は、C
2~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8置換アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
2~C
8置換アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、C
3~C
8置換シクロアルキル、C
3~C
8ヘテロシクロアルキル、C
3~C
8置換ヘテロシクロアルキル、C
5~C
7ヘテロアリール、C
5~C
7置換ヘテロアリール、アリール、置換アリールからなる群から選択され;
各R
2及びR
3は、独立して、水素、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8置換アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
2~C
8置換アルキニルからなる群から選択され;
或いはR
1とR
2は、一緒に共有結合してC
4~C
8シクロアルキル基、C
3~C
8置換シクロアルキル基、C
3~C
8ヘテロシクロアルキル、又はC
3~C
8置換ヘテロシクロアルキル基を形成していてもよく;
各R
4、R
5、及びR
6は、独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8置換アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8置換アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
2~C
8置換アルキニル、C
1~C
8アルコキシ、及びC
1~C
8置換アルコキシからなる群から選択され;
R
7は、Hであり;
R
8は、水素、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8置換アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8置換アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
1~C
8置換アルキニル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8置換アルコキシ、及びチオールからなる群から選択され;
或いはR
8とR
9は、一緒に共有結合して、C
3~C
8ヘテロシクロアルキル又はC
3~C
8置換ヘテロシクロアルキル基を形成していてもよく;
各R
9及びR
10は、独立して、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8置換アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8置換アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
2~C
8置換アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、C
3~C
8置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、C
1~C
8アルキルアリール、及び置換C
1~C
8アルキルアリールからなる群から選択され;
或いはR
9及びR
10は、一緒に共有結合してC
3~C
8ヘテロシクロアルキル又はC
3~C
8置換ヘテロシクロアルキル基を形成していてもよく;
XはOであり;
あらゆる複素環式環は、O、N及びSからなる群から選択される最大で3つのヘテロ原子を含有し得る)
の化合物、又はその互変異性体若しくは塩。
【請求項2】
R
1が、C
2~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、C
3~C
8シクロアルキル、C
3~C
8置換シクロアルキル、アリール、及び置換アリールからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
2及びR
3が共に水素である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
R
4が水素である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
各R
5及びR
6が、独立して、ハロゲン、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8置換アルキル、及びC
1~C
8アルコキシからなる群から選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
R
5及びR
6が共にCH
3である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
R
6が水素である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
各R
4及びR
5が、独立して、ハロゲン、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8置換アルキル、及びC
1~C
8アルコキシからなる群から選択される、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
R
4及びR
3が共にCH
3である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
各R
9及びR
10が、独立して、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8置換アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
3~C
8シクロアルキル、アリール、置換アリール、C
1~C
8アルキルアリール、及び置換C
1~C
8アルキルアリールからなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
R
8が、水素、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8置換アルキル、及びチオールからなる群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
前記化合物が表1の化合物のうちの1つから選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
真菌病原体の防除における使用のための請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
前記真菌病原が、ジモセプトリア・トリチシ(Zymoseptoria tritici)、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)、プッシニア・トリチシナ(Puccinia triticina)、プッシニア・ストリイホルミス(Puccinia striiformis)、ベンチュリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)、ウスチラゴ・マイディス(Ustilago maydis)、ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator)、リンコスポリウム・コミューン(Rhynchosporium commune)、マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)、パラスタゴノスポラ・ノドルム(Parastagonospora nodorum)、グロメレラ・ラゲナリウム(Glomerella lagenarium)、セロコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola)、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)、ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)、ブルメリア・グラミニスf.sp.トリチシ(Blumeria graminis f.sp.tritici)、ブルメリア・グラミニスf.sp.ホルデイ(Blumeria graminis f.sp.hordei)、エリシフェ・シコラセアラム(Erysiphe cichoracearum)、フザリウム・ビルグリホルム(Fusarium virguliforme)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、ピシウム・ウルチマム(Pythium ultimum)、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)、ラムラリア・コロ-シグニ(Ramularia collo-cygni)、ピレノホラ・トリチシ-レペンチス(Pyrenophora tritici-repentis)、エクセロヒルム・ツルシカム(Exserohilum turcicum)、プッシニア・ポリソラ(Puccinia polysora)、スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum)、エリシフェ・ディフューザ(Erysiphe diffusa)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、ポドスファエラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha)、コレットトリクム・トランカタム(Colletotrichum truncatum)、セルコスポラ・キクチイ(Cercospora kikuchii)、セロスポラ・ソジナ(Cerospora sojina)、コリネスポラ・カッシイコラ(Corynespora cassiicola)、及びセプトリア・グリシネス(Septoria glycines)のうちの1つである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
前記真菌病原体に由来する以下の病害のうちの1つを処理する、請求項13に記載の化合物:コムギ葉枯病(ジモセプトリア・トリチシ(Zymoseptoria tritici))、オオムギ斑点病(コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus))、コムギ赤さび病(プッシニア・トリチシナ(Puccinia triticina))、コムギ黄さび病(プッシニア・ストリイホルミス(Puccinia striiformis))、リンゴ黒星病(ベンチュリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis))、トウモロコシ黒穂病(ウスチラゴ・マイディス(Ustilago maydis))、ブドウうどんこ病(ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator))、オオムギ雲形病(リンコスポリウム・コミューン(Rhynchosporium commune))、イネいもち病(マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea))、アジアダイズさび病(ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)、コムギふ枯病(パラスタゴノスポラ・ノドルム(Parastagonospora nodorum))、ウリ炭疽病(グロメレラ・ラゲナリウム(Glomerella lagenarium))、テンサイ斑点病(セロコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola))、トマト輪紋病(アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani))、オオムギ網斑病(ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres))、コムギうどんこ病(ブルメリア・グラミニスf.sp.トリチシ(Blumeria graminis f.sp.tritici))、オオムギうどんこ病(ブルメリア・グラミニスf.sp.ホルデイ(Blumeria graminis f.sp.hordei))、ウリうどんこ病(エリシフェ・シコラセアラム(Erysiphe cichoracearum))、ダイズ急性枯死症候群(フザリウム・ビルグリホルム(Fusarium virguliforme))、苗の頚領腐れ又は立枯れ(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani))、根腐れ(ピシウム・ウルチマム(Pythium ultimum))、灰色かび病(ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea))、ラムラリア斑点病(ラムラリア・コロ-シグニ(Ramularia collo-cygni))、コムギ黄斑病(ピレノホラ・トリチシ-レペンチス(Pyrenophora tritici-repentis))、トウモロコシすす紋病(エクセロヒルム・ツルシカム(Exserohilum turcicum))、とうもろこし南方サビ病(プッシニア・ポリソラ(Puccinia polysora))、白カビ(スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum))、ダイズのうどんこ病(エリシフェ・ディフューザ(Erysiphe diffusa))、穀類の胴枯れ病(フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum))、リンゴうどんこ病(ポドスファエラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha))、ダイズ炭疽病(コレットトリクム・トランカタム(Colletotrichum truncatum)、セルコスポラ葉枯病(セルコスポラ・キクチイCercospora kikuchii))、赤星斑点病(セロスポラ・ソジナ(Cerospora sojina))、ダイズ褐点病(コリネスポラ・カッシイコラ(Corynespora cassiicola))、及びダイズの斑点病(セプトリア・グリシネス(Septoria glycines)。
【請求項16】
真菌病原体の防除における使用のための組成物であって、植物学的に許容される量の請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物と担体とを含む組成物。
【請求項17】
前記担体が、増粘剤、乳化剤、レオロジー剤、分散剤、及びポリマーのうちの1つ以上である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記真菌病原体が、ジモセプトリア・トリチシ(Zymoseptoria tritici)、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)、プッシニア・トリチシナ(Puccinia triticina)、プッシニア・ストリイホルミス(Puccinia striiformis)、ベンチュリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)、ウスチラゴ・マイディス(Ustilago maydis)、ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator)、リンコスポリウム・コミューン(Rhynchosporium commune)、マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)、パラスタゴノスポラ・ノドルム(Parastagonospora nodorum)、グロメレラ・ラゲナリウム(Glomerella lagenarium)、セロコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola)、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)、ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)、ブルメリア・グラミニスf.sp.トリチシ(Blumeria graminis f.sp.tritici)、ブルメリア・グラミニスf.sp.ホルデイ(Blumeria graminis f.sp.hordei)、エリシフェ・シコラセアラム(Erysiphe cichoracearum)、フザリウム・ビルグリホルム(Fusarium virguliforme)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、ピシウム・ウルチマム(Pythium ultimum)、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)、ラムラリア・コロ-シグニ(Ramularia collo-cygni)、ピレノホラ・トリチシ-レペンチス(Pyrenophora tritici-repentis)、エクセロヒルム・ツルシカム(Exserohilum turcicum)、プッシニア・ポリソラ(Puccinia polysora)、スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum)、エリシフェ・ディフューザ(Erysiphe diffusa)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、ポドスファエラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha)、コレットトリクム・トランカタム(Colletotrichum truncatum)、セルコスポラ・キクチイ(Cercospora kikuchii)、セロスポラ・ソジナ(Cerospora sojina)、コリネスポラ・カッシイコラ(Corynespora cassiicola)、及びセプトリア・グリシネス(Septoria glycines)のうちの1つである、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
前記真菌病原体に由来する以下の病害のうちの1つを処理する、請求項16に記載の組成物:コムギ葉枯病(ジモセプトリア・トリチシ(Zymoseptoria tritici))、オオムギ斑点病(コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus))、コムギ赤さび病(プッシニア・トリチシナ(Puccinia triticina))、コムギ黄さび病(プッシニア・ストリイホルミス(Puccinia striiformis))、リンゴ黒星病(ベンチュリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis))、トウモロコシ黒穂病(ウスチラゴ・マイディス(Ustilago maydis))、ブドウうどんこ病(ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator))、オオムギ雲形病(リンコスポリウム・コミューン(Rhynchosporium commune))、イネいもち病(マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea))、アジアダイズさび病(ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)、コムギふ枯病(パラスタゴノスポラ・ノドルム(Parastagonospora nodorum))、ウリ炭疽病(グロメレラ・ラゲナリウム(Glomerella lagenarium))、テンサイ斑点病(セロコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola))、トマト輪紋病(アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani))、オオムギ網斑病(ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres))、コムギうどんこ病(ブルメリア・グラミニスf.sp.トリチシ(Blumeria graminis f.sp.tritici))、オオムギうどんこ病(ブルメリア・グラミニスf.sp.ホルデイ(Blumeria graminis f.sp.hordei))、ウリうどんこ病(エリシフェ・シコラセアラム(Erysiphe cichoracearum))、ダイズ急性枯死症候群(フザリウム・ビルグリホルム(Fusarium virguliforme))、苗の頚領腐れ又は立枯れ(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani))、根腐れ(ピシウム・ウルチマム(Pythium ultimum))、灰色かび病(ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea))、ラムラリア斑点病(ラムラリア・コロ-シグニ(Ramularia collo-cygni))、コムギ黄斑病(ピレノホラ・トリチシ-レペンチス(Pyrenophora tritici-repentis))、トウモロコシすす紋病(エクセロヒルム・ツルシカム(Exserohilum turcicum))、とうもろこし南方サビ病(プッシニア・ポリソラ(Puccinia polysora))、白カビ(スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum))、ダイズのうどんこ病(エリシフェ・ディフューザ(Erysiphe diffusa))、穀類の胴枯れ病(フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum))、リンゴうどんこ病(ポドスファエラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha))、ダイズ炭疽病(コレットトリクム・トランカタム(Colletotrichum truncatum)、セルコスポラ葉枯病(セルコスポラ・キクチイCercospora kikuchii))、赤星斑点病(セロスポラ・ソジナ(Cerospora sojina))、ダイズ褐点病(コリネスポラ・カッシイコラ(Corynespora cassiicola))、及びダイズの斑点病(セプトリア・グリシネス(Septoria glycines)。
【請求項20】
前記病害が、コムギの葉枯病、オオムギの斑点病、オオムギの雲形病、コムギ赤さび病、及びアジアダイズさび病のうちの1つである、請求項16に記載の組成物。
【請求項21】
植物学的に許容される量の、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物又は請求項16~17のいずれか一項に記載の組成物で処理された種子。
【請求項22】
植物への真菌の攻撃を防除する方法であって、前記植物に隣接する領域、前記植物の成長を支援するように適応された土壌、前記植物の根、及び前記植物の葉を、植物学的に許容される量の請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物又は請求項16~17のいずれか一項に記載の組成物と接触させることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年11月23日に出願された米国仮特許出願第63/117145号の利益を主張するものであり、この出願は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
殺真菌剤は、農学的に関連する真菌により引き起こされる被害に対して植物を保護及び/又は治療するように作用する天然又は合成由来の化合物である。一般に、全ての状況に有用な単一の殺真菌剤はない。したがって、良好な性能を有する可能性があり、使用が容易であり、コストが少ない殺真菌剤を製造するための研究が進行中である。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、アリールアミジン及び殺真菌剤としてのその使用に関する。本開示の化合物は、子嚢菌綱、担子菌綱、不完全菌綱及び卵菌綱に対して保護を提供し得る。
【0004】
本開示の一実施形態は、式I:
【化1】
(式中、
R
1は、C
2~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8置換アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
2~C
8置換アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、C
3~C
8置換シクロアルキル、C
3~C
8ヘテロシクロアルキル、C
3~C
8置換ヘテロシクロアルキル、C
5~C
7ヘテロアリール、C
5~C
7置換ヘテロアリール、アリール、置換アリールからなる群から選択され;
各R
2及びR
3は、独立して、水素、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8置換アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
2~C
8置換アルキニルからなる群から選択され;
或いはR
1とR
2は、一緒に共有結合してC
4~C
8シクロアルキル基、C
3~C
8置換シクロアルキル基、C
3~C
8ヘテロシクロアルキル、又はC
3~C
8置換ヘテロシクロアルキル基を形成していてもよく;
各R
4、R
5、及びR
6は、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8置換アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8置換アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
2~C
8置換アルキニル、C
1~C
8アルコキシ、及びC
1~C
8置換アルコキシからなる群から選択され;
R
7はHであり;
R
8は、水素、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8置換アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8置換アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
1~C
8置換アルキニル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8置換アルコキシ、及びチオールからなる群から選択され;
或いはR
8とR
9は、一緒に共有結合して、C
3~C
8ヘテロシクロアルキル又はC
3~C
8置換ヘテロシクロアルキル基を形成していてもよく;
各R
9及びR
10は、独立して、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8置換アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8置換アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
2~C
8置換アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、C
3~C
8置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、C
1~C
8アルキルアリール、及び置換C
1~C
8アルキルアリールからなる群から選択され;
或いはR
9とR
10は、一緒に共有結合してC
3~C
8ヘテロシクロアルキル又はC
3~C
8置換ヘテロシクロアルキル基を形成していてもよく;
XはOであり;
あらゆる複素環式環は、O、N及びSからなる群から選択される最大で3つのヘテロ原子を含有し得る)
の化合物又はその互変異性体若しくは塩を含み得る。
【0005】
本開示の別の実施形態は、上記の化合物及び植物学的に許容される担体材料を含む、真菌攻撃を防除又は予防するための殺真菌組成物を含み得る。
【0006】
本開示のさらに別の実施形態は、植物への真菌攻撃を防除又は予防するための方法であって、殺真菌有効量の上記の1つ以上の化合物を少なくとも1つの真菌、種子、植物及び植物に隣接する領域に施用する工程を含む方法を含み得る。
【0007】
以下の用語は、それらの定義の範囲内で一般的な「R」基を含み得、例えば、「用語アルコキシが-OR置換基を指す」ことは、当業者によって理解されるであろう。以下の用語についての定義の範囲内において、これらの「R」基が例示目的で含まれ、式Iについての置換を限定するか又は式Iについての置換によって限定されるものとして解釈されるべきではないことも理解される。
【0008】
用語「アルキル」は、炭素原子と水素原子とからなる分岐、非分岐、又は飽和の非環状の置換基を指し、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、三級ブチル、ペンチル、ヘキシルなどを含むが、これらに限定されない。
【0009】
用語「アルケニル」は、炭素と水素とからなる非環状の不飽和(少なくとも1つの炭素-炭素二重結合)の、分岐又は非分岐の置換基を指し、エテニル、プロペニル、ブテニル、イソプロペニル、イソブテニルなどを含むが、これらに限定されない。
【0010】
用語「アルキニル」は、炭素及び水素からなる非環状、不飽和(少なくとも1つの炭素-炭素三重結合)、分岐状又は非分岐状の置換基、例えばエチニル、プロパルギル、ブチニル及びペンチニルを指す。
【0011】
用語「シクロアルケニル」は、炭素及び水素からなる単環式又は多環式の不飽和(少なくとも1つの炭素-炭素二重結合)の置換基、例えばシクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、ノルボルネニル、ビシクロ[2.2.2]オクテニル、テトラヒドロナフチル、ヘキサヒドロナフチル及びオクタヒドロナフチルを指す。
【0012】
用語「シクロアルキル」は、炭素及び水素からなる単環式又は多環式の飽和置換基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、ノルボルニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル及びデカヒドロナフチルを指す。
【0013】
用語「アリール」及び「Ar」は、0個のヘテロ原子を含有する任意の芳香環の単環式又は二環式、例えばフェニル及びナフチルを指す。
【0014】
用語「ヘテロアリール」は、1つ以上のヘテロ原子を含有する任意の芳香環の単環式又は二環式、例えばピリジニル、ピリミジニル、フラニル、及びチオフェニルを指す。
【0015】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、炭素原子及び水素原子並びに1つ以上のヘテロ原子を含有する任意の飽和非芳香族の単環式環又は二環式環を指す。
【0016】
「アルキルアリール」、「アルキルヘテロアリール」、「アルキルシクロアルキル」、及び「アルキルヘテロシクロアルキル」という用語は、本明細書で定義されるアリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、又はヘテロシクロアルキル基でそれぞれ置換された、本明細書で定義されるアルキル基を指す。
【0017】
用語「アルコキシ」は、-OR置換基を指す。
【0018】
用語「シアノ」は、-C≡N置換基を指す。
【0019】
用語「アミノ」は、-N(R)2置換基を指す。
【0020】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、F、Cl、Br、及びIとして定義される1つ以上のハロゲン原子を指す。
【0021】
用語「ニトロ」は、-NO2置換基を指す。
【0022】
用語「チオール」は、-SH置換基を指す。
【0023】
「ハロアルキル」という用語は、さらに1つから可能な最大数の同一の又は異なるハロゲンからなるアルキル、例えばフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2-ジフルオロプロピル、クロロメチル、トリクロロメチル、及び1,1,2,2-テトラフルオロエチルを意味する。
【0024】
「周囲温度」及び「室温」という用語は、約20℃~約24℃までの範囲の温度を指す。
【0025】
本開示の全体にわたり、式Iの化合物への言及は、その全ての立体異性体、例えばジアステレオマー、エナンチオマー及びこれらの混合物も含むものとして読まれる。別の実施形態では、式Iは、その塩及び水和物も含むものとして解釈される。例示的な塩としては、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロヨージド、トリフルオロアセテート及びトリフルオロメタンスルホネートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
化学結合の法則及び歪みエネルギーが満たされ、生成物が依然として殺真菌活性を示す限り、特に指示のない限りさらなる置換が許容され得ることも当業者により理解される。
【0027】
本開示の別の実施形態は、式Iの化合物又は化合物を含む組成物を土壌、植物、植物の一部、葉及び/又は根に施用することを含む、植物病原性生物による攻撃に対する植物の保護又は植物病原性生物によって外寄生された植物の治療のための式Iの化合物の使用である。
【0028】
加えて、本開示の別の実施形態は、式Iの化合物及び植物学的に許容される担体材料を含む、植物病原性生物による攻撃に対して植物を保護し、且つ/又は植物病原性生物によって外寄生された植物を治療するために有用な組成物である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の化合物は、化合物又は化合物を含む製剤として多様な既知の技術のいずれかにより施用され得る。例えば、化合物は、植物の商業的な価値を損なうことなく、多様な真菌の防除のために植物の根又は葉に施用され得る。材料は、一般に使用される製剤型、例えば液剤、粉剤、水和剤、フロアブル剤、又は乳剤のいずれかの形態により施用され得る。
【0030】
好ましくは、本開示の化合物は、1つ以上の式Iの化合物を植物学的に許容される担体と共に含む製剤の形態で施用される。濃縮製剤は、施用のために水若しくは他の液体に分散することができるか、又は製剤は、粉剤状若しくは粒剤であり、続いてこれをさらに処理することなく施用することができる。製剤は、農薬技術において慣用の手順に従って調製することができる。
【0031】
本開示は、1つ以上の化合物が殺真菌剤として送達及び使用されるように製剤化され得る全てのビヒクルを考慮する。典型的には、製剤は、水性懸濁剤又は乳濁剤として施用される。そのような懸濁剤又は乳濁剤は、通常、水和剤として知られている固体である水溶性、水懸濁性若しくは乳化製剤から;又は通常、乳剤、水性懸濁剤若しくは懸濁剤として知られている液体から製造され得る。容易に理解されるように、これらの化合物の抗真菌性薬剤としての活性を有意に妨げることなく所望の有用性を生じる限り、これらの化合物が添加され得る任意の材料が使用され得る。
【0032】
圧縮して水和性顆粒剤を形成することができる水和剤は、1つ以上の式Iの化合物、不活性担体及び界面活性剤の密接な混合物を含む。水和剤における化合物の濃度は、水和剤の総重量に基づいて約10重量パーセント~約90重量パーセント、より好ましくは約25重量パーセント~約75重量パーセントであり得る。水和剤製剤の調製において、化合物をパイロフィライト(prophyllite)、タルク、白亜、石膏、フラー土、ベントナイト、アタパルジャイト、デンプン、カゼイン、グルテン、モンモリロナイト粘土、珪藻土、又は精製シリケートなどの任意の微細固体と共に配合し得る。そのような操作では、微細担体及び界面活性剤を典型的には化合物とブレンドし、粉砕する。
【0033】
式Iの化合物の乳剤は、乳剤の総重量に基づいて約1重量パーセント~約50重量パーセントなどの好都合な濃度の化合物を好適な液体中に含み得る。化合物を、水混和性溶媒又は水不混和性有機溶媒と乳化剤との混合物のいずれかである不活性担体に溶解し得る。乳剤を水及び油で希釈して、水中油型乳濁剤の形態の散布混合物を形成することができる。有用な有機溶媒には、ヘビー芳香族ナフサなどの石油の芳香族、特に高沸点ナフタレン及びオレフィン部分が含まれる。他の有機溶媒、例えばロジン誘導体を含むテルペン溶媒、シクロヘキサノンなどの脂肪族ケトン及び2-エトキシエタノールなどのアルコール錯体を使用することもできる。
【0034】
本明細書において有利に用いられ得る乳化剤は、当業者により容易に決定され得、多様な非イオン性、アニオン性、カチオン性及び両性乳化剤又は2つ以上の乳化剤のブレンドが挙げられる。乳剤の調製に有用な非イオン性乳化剤の例としては、ポリアルキレングリコールエーテル、アルキル及びアリールフェノール、脂肪族アルコール、脂肪族アミン又は脂肪酸とエチレンオキシドとの縮合物、エトキシル化アルキルフェノールなどのプロピレンオキシド並びにポリオール又はポリオキシアルキレンで可溶化されたカルボン酸エステルが挙げられる。カチオン性乳化剤としては、第四級アンモニウム化合物及び脂肪アミン塩が挙げられる。アニオン性乳化剤としては、アルキルアリールスルホン酸の油溶性塩(例えばカルシウム)、油溶性塩又は硫酸化ポリグリコールエーテル及びリン酸化ポリグリコールエーテルの適切な塩が挙げられる。
【0035】
本開示の化合物の乳剤の調製に用いられ得る代表的な有機液体は、キシレン、プロピルベンゼン留分などの芳香族液体;又は混合ナフタレン留分、鉱油、フタル酸ジオクチルなどの置換芳香族有機液体;ケロシン;多様な脂肪酸のジアルキルアミド、特に脂肪グリコールのジメチルアミド、及びジエチレングリコールのn-ブチルエーテル、エチルエーテル又はメチルエーテル、トリエチレングリコールのメチルエーテルなどのグリコール誘導体、鉱油、芳香族溶媒、パラフィン油などの石油留分又は炭化水素;ダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、アマニ油、パーム油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ゴマ油、キリ油などの植物油;上記の植物油のエステルなどである。2つ以上の有機液体の混合物を乳剤の調製に用い得る。有機液体としては、キシレン及びプロピルベンゼン留分が挙げられ、いくつかの場合においてキシレンが最も好ましい。表面活性分散剤は、典型的には、液体製剤に用いられ、分散剤と1つ以上の化合物とを組み合わせた重量に基づいて0.1~20重量パーセントの量で用いられる。製剤は、他の適合性のある添加剤、例えば植物成長調節剤及び農業に使用される他の生物学的に活性な化合物を含有することもできる。
【0036】
水性懸濁剤は、水性懸濁剤の総重量に基づいて約1~約50重量パーセントの範囲の濃度において、水性ビヒクルに分散した1つ以上の式Iの水不溶性化合物の懸濁剤を含む。懸濁剤は、1つ以上の化合物を微粉砕し、粉砕材料を、水及び上記に考察されたものと同じ種類から選択される界面活性剤から構成されるビヒクルで激しく混合することにより調製される。無機塩及び合成又は天然ゴムなどの他の成分も、水性ビヒクルの密度及び粘度を増加させるために添加され得る。
【0037】
式Iの化合物は、粒剤製剤として施用することもでき、これは、土壌への施用に特に有用である。粒剤製剤は、一般的に、粒剤製剤の総重量に基づいて約0.5~約10重量パーセントの化合物を、アタパルジャイト、ベントナイト、珪藻土、粘土又は同様の安価な物質などの粗く分割された不活性材料から完全に又は大部分が構成される不活性担体に分散して含有する。そのような製剤は、通常、化合物を好適な溶媒に溶解し、約0.5~約3ミリメートル(mm)の範囲の適切な粒径に予め形成された粒状担体に適用することにより調製される。適切な溶媒は、化合物が実質的又は完全に可溶性である溶媒である。そのような製剤は、担体、化合物及び溶媒の軟塊又はペーストを作製し、砕き、乾燥して、所望の顆粒状粒子を得ることによっても調製され得る。
【0038】
式Iの化合物を含有する粉剤は、粉末形態の1つ以上の化合物を、例えばカオリン粘土、粉砕火山岩などの好適な粉状農業用担体と密接に混合することにより調製され得る。粉剤は、好適には、粉剤の総重量に基づいて約1~約10重量パーセントの化合物を含有することができる。
【0039】
製剤は、補助界面活性剤を追加的に含有して、標的作物及び生物への化合物の付着、湿潤及び浸透を増強し得る。これらの補助界面活性剤を任意選択的に製剤の成分又はタンクミックスとして用いることができる。補助界面活性剤の量は、水の散布量に基づいて典型的には0.01~1.0体積パーセント、好ましくは0.05~0.5体積パーセントで変わる。好適な補助界面活性剤としては、エトキシル化ノニルフェノール、エトキシル化合成又は天然アルコール、エステルの塩又はスルホコハク酸の塩、エトキシル化オルガノシリコーン、エトキシル化脂肪アミン、界面活性剤と鉱油又は植物油とのブレンド、作物油濃縮液(鉱油(85%)+乳化剤(15%));ノニルフェノールエトキシレート;ベンジルココアルキルジメチル第四級アンモニウム塩;石油炭化水素、アルキルエステル、有機酸、及びアニオン界面活性剤のブレンド物;C9~C11アルキルポリグリコシド;リン酸化アルコールエトキシレート;天然第一級アルコール(C12~C16)エトキシレート;ジ-sec-ブチルフェノールEO-POブロックコポリマー;ポリシロキサン-メチルキャップ;ノニルフェノールエトキシレート+尿素硝安;乳化メチル化種子油;トリデシルアルコール(合成)エトキシレート(8EO);獣脂アミンエトキシレート(15EO);PEG(400)ジオレエート-99が挙げられるが、これらに限定されない。製剤には、米国特許出願公開第11/495,228号明細書に開示されているものなどの水中油型乳濁剤も含まれ得、この開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0040】
本開示の別の実施形態は、真菌の攻撃を防除又は予防するための方法である。この方法は、殺真菌有効量の1つ以上の式Iの化合物を、土壌、植物、根、葉又は真菌が存在する場所若しくは発生が予防される場所に施用する(例えば、穀物又はブドウの木に施用する)ことを含む。化合物は、低い植物毒性を示しながら、殺真菌レベルで多様な植物を処理することに好適である。化合物は、保護剤及び/又は根絶剤様式の両方において有用であり得る。
【0041】
化合物は、特に農業用途において有意な殺真菌効果を有することが見出されている。化合物の多くのものは、農作物及び園芸植物への使用に特に有効である。
【0042】
前述の真菌に対する化合物の効能は、殺真菌剤としての化合物の一般的な有用性を確立することが当業者に理解されるであろう。
【0043】
化合物は、真菌病原体に対して広範囲な活性を有する。例示的な病原体としては、限定するものではないが、コムギ葉枯病の病原体(ジモセプトリア・トリチシ(Zymoseptoria tritici))、オオムギ斑点病の病原体(コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus))、コムギ赤さび病の病原体(プッシニア・トリチシナ(Puccinia triticina))、コムギ黄さび病の病原体(プッシニア・ストリイホルミス(Puccinia striiformis))、リンゴ黒星病の病原体(ベンチュリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis))、トウモロコシ黒穂病の病原体(ウスチラゴ・マイディス(Ustilago maydis))、ブドウうどんこ病の病原体(ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator))、オオムギ雲形病の病原体(リンコスポリウム・コミューン(Rhynchosporium commune))、イネいもち病の病原体(マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea))、アジアダイズさび病の病原体(ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi))、コムギふ枯病の病原体(パラスタゴノスポラ・ノドルム(Parastagonospora nodorum))、ウリ炭疽病の病原体(グロメレラ・ラゲナリウム(Glomerella lagenarium))、テンサイ斑点病の病原体(セロコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola))、トマト輪紋病の病原体(アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani))、オオムギ網斑病の病原体(ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres))、コムギうどんこ病の病原体(ブルメリア・グラミニスf.sp.トリチシ(Blumeria graminis f.sp.tritici))、オオムギうどんこ病の病原体(ブルメリア・グラミニスf.sp.ホルデイ(Blumeria graminis f.sp.hordei))、ウリうどんこ病の病原体(エリシフェ・シコラセアラム(Erysiphe cichoracearum))、ダイズ急性枯死症候群の病原体(フザリウム・ビルグリホルム(Fusarium virguliforme))、苗の頚領腐れ又は立枯れの病原体(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani))、根腐れの病原体(ピシウム・ウルチマム(Pythium ultimum))、灰色かび病の病原体(ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea))、ラムラリア斑点病の病原体(ラムラリア・コロ-シグニ(Ramularia collo-cygni))、コムギ黄斑病の病原体(ピレノホラ・トリチシ-レペンチス(Pyrenophora tritici-repentis))、トウモロコシすす紋病の病原体(エクセロヒルム・ツルシカム(Exserohilum turcicum))、とうもろこし南方サビ病の病原体(プッシニア・ポリソラ(Puccinia polysora))、白カビの病原体(スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum))、ダイズのうどんこ病の病原体(エリシフェ・ディフューザ(Erysiphe diffusa))、穀類の胴枯れ病の病原体(フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum))、リンゴうどんこ病の病原体(ポドスファエラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha))、ダイズ炭疽病の病原体(コレットトリクム・トランカタム(Colletotrichum truncatum))、セルコスポラ葉枯病の病原体(セルコスポラ・キクチイ(Cercospora kikuchii))、赤星斑点病の病原体(セロスポラ・ソジナ(Cerospora sojina))、ダイズ褐点病の病原体(コリネスポラ・カッシイコラ(Corynespora cassiicola))、及びダイズの斑点病の病原体(セプトリア・グリシネス(Septoria glycines))を挙げることができる。施用される活性材料の正確な量は、施用される特定の活性材料のみならず、望まれる特定の作用、防除される真菌の種及びその成長段階並びに化合物を接触させる植物又は他の産物の部分によっても左右される。したがって、全ての化合物及びそれを含有する製剤は、同様の濃度において又は同じ真菌の種に対して等しく有効ではないことがある。
【0044】
化合物は、病害抑制的であり且つ植物学的に許容される量での植物への使用に有効である。用語「病害抑制的であり且つ植物学的に許容される量」は、防除が望ましい植物の病害を死滅又は抑制するが、植物に対して有意な毒性がない化合物の量を指す。この量は、一般に、約0.1~約1000ppm(百万分率)であり、1~500ppmが好ましい。必要とされる化合物の正確な濃度は、防除される真菌病、用いられる製剤の種類、施用方法、特定の植物の種、気候条件などによって変化する。好適な施用率は、典型的には、約0.10~約4ポンド/エーカー(1平方メートルあたり約0.01~0.45グラム、g/m2)の範囲である。
【0045】
本明細書において提示される任意の範囲又は所望の値は、探求される効果を失うことなく拡大又は変更することができ、これは、本明細書の教示を理解する当業者に明白である。
【0046】
式Iの化合物は、周知の化学的手順を使用して作製され得る。本開示に特に記述されていない中間体は、市販されているか、化学文献に開示されている経路により作製することができるか、又は標準的な手順を利用して市販の出発材料から容易に合成することができるかのいずれかである。
【0047】
一般的スキーム
以下のスキームは、式Iのアリールアミジン化合物を生成するためのアプローチを例示する。以下の説明及び実施例は、例示の目的で提供され、置換基又は置換パターンに関して限定として解釈されるべきではない。
【0048】
式1.3の化合物(式中、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Yはアルキル基である)は、スキーム1、工程aにおいて示される方法によって調製することができる。式1.1の化合物(式中、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)を、工程aに示されているように、アセトンなどの溶媒中で、ほぼ周囲温度からほぼ還流(約56℃)までの温度で、炭酸カリウム(K
2CO
3)などの塩基の存在下、式1.2のクロロホルメート化合物(式中、Yはメチル又はエチルなどのアルキル基である)などの保護基で処理することで、式1.3の化合物(式中、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Yはアルキル基である)を得ることができる。
スキーム1
【化2】
【0049】
式2.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Yはアルキル基である)は、スキーム2、工程bにおいて示される方法によって調製することができる。式1.3の化合物(式中、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Yはアルキル基である)を、工程bに示されているように、ジクロロメタン(DCM)又は1,2-ジクロロエタン(DCE)などの溶媒中で、ほぼ周囲温度からほぼ還流(それぞれ約40℃又は約83℃)までの温度で、塩化亜鉛(II)(ZnCl
2)又は塩化アルミニウム(III)(AlCl
3)などの金属試薬の存在下、式2.1の化合物(式中、R
1、R
2、及びR
3は、最初に定義されたとおりである)などの酸塩化物で処理することで、式2.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Yはアルキル基である)を得ることができる。
スキーム2
【化3】
【0050】
或いは、式2.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Yはアルキル基である)は、スキーム3、工程cにおいて示される方法によって調製することができる。式1.3の化合物(式中、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Yはアルキル基である)を、工程cに示されているように、ジクロロメタン(DCM)又は1,2-ジクロロエタン(DCE)などの溶媒中で、ほぼ周囲温度からほぼ還流(それぞれ約40℃又は約83℃)までの温度で、塩化オキサリル((COCl)
2)又は塩化チオニル(SOCl
2)などの塩素化剤及びN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)などの活性化剤の存在下、塩化亜鉛(II)(ZnCl
2)又は塩化アルミニウム(III)(AlCl
3)などの金属試薬の存在下、式3.1の化合物(式中、R
1、R
2、及びR
3は、最初に定義されたとおりである)などのカルボン酸で処理することで、式2.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Yはアルキル基である)を得ることができる。
スキーム3
【化4】
【0051】
式4.2の化合物(式中、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Yはアルキル基である)は、スキーム4、工程dにおいて示される方法によって調製することができる。式1.3の化合物(式中、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Yはアルキル基である)を、工程dに示されているように、ジクロロメタン(DCM)又は1,2-ジクロロエタン(DCE)などの溶媒中で、ほぼ周囲温度からほぼ還流(それぞれ約40℃又は約83℃)までの温度で、塩化アルミニウム(III)(AlCl
3)などの金属試薬の存在下、式4.1の化合物(式中、R
2及びR
3は最初に定義されたとおりである)などの酸塩化物で処理することで、式4.2の化合物(式中、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Yはアルキル基である)を得ることができる。或いは、式4.2の化合物(式中、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Yはアルキル基である)は、スキーム4、工程eにおいて示される方法によって調製することができる。式1.3の化合物(式中、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Yはアルキル基である)を、工程eに示されているように、ほぼ周囲温度からほぼ還流(それぞれ約40℃又は約83℃)までの温度で、ジクロロメタン(DCM)又は1,2-ジクロロエタン(DCE)などの溶媒中で、塩化オキサリル((COCl)
2)又は塩化チオニル(SOCl
2)などの塩素化剤及びN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)などの活性化剤の存在下、塩化アルミニウム(III)(AlCl
3)などの金属試薬の存在下、式4.3の化合物(式中、R
2及びR
3は最初に定義されたとおりである)などのカルボン酸で処理することで、式4.2の化合物(式中、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Yはアルキル基である)を得ることができる。
スキーム4
【化5】
【0052】
式5.1の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム5、工程fにおいて示される方法によって調製することができる。式2.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Yはアルキル基である)を、工程fにおいて示されるとおり、エタノール(EtOH)などの溶媒中、ほぼ周囲温度からほぼ還流(約78℃)までの温度で、水酸化ナトリウム(NaOH)などの塩基で処理することで、式5.1の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)を得ることができる。
スキーム5
【化6】
【0053】
式6.2の化合物(式中、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム6、工程g~hにおいて示される方法によって調製することができる。式6.1の化合物(式中、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム6、工程gにおいて示される方法によって調製することができる。式4.2の化合物(式中、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Yはアルキル基である)を、工程gに示されているように、1:1のテトラヒドロフラン(THF):メタノール(MeOH)などの溶媒混合物中、ほぼ周囲温度からほぼ還流(約60℃)までの温度で、塩化ナトリウム(NaOH)などの塩基で処理することで、式6.1の化合物(式中、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)の化合物を得ることができる。式6.2の化合物(式中、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム6、工程hにおいて示される方法によって調製することができる。式6.1の化合物(式中、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)を、工程hにおいて示されるとおり、ほぼ周囲温度でメタノール(MeOH)などの溶媒中においてトリメチルシリルジアゾメタンなどのメチル化剤で処理することで、式6.2の化合物(式中、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)を得ることができる。
スキーム6
【化7】
【0054】
式7.3の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム7、工程i~jにおいて示される方法によって調製することができる。式7.1の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Zはアルキル基である)は、スキーム7、工程iにおいて示される方法によって調製することができる。式5.1の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)は、工程iに示されているように、ほぼ周囲温度からほぼ還流(それぞれ約100℃又は約140℃)までの温度で、p-トルエンスルホン酸一水和物(pTsOH・H
2O)などの酸触媒の存在下、オルトギ酸トリエチル又はオルトギ酸トリエチルなどのオルトギ酸トリアルキル(CH(OZ)
3)で処理することで、式7.1の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Zはアルキル基である)を得ることができる。式7.3の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム7、工程jにおいて示される方法によって調製することができる。式7.1の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりであり、Zはアルキル基である)を、工程jにおいて示されるとおり、DCMなどの溶媒中、ほぼ周囲温度からほぼ還流(約40℃)までの温度で、式7.2の化合物(式中、R
9及びR
10は最初に定義されたとおりである)などのアミンで処理することで、式7.3の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)を得ることができる。
スキーム7
【化8】
【0055】
或いは、式7.3の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム8、工程kにおいて示される方法によって調製することができる。式5.1の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)を、工程kにおいて示されるとおり、トルエンなどの溶媒中、ほぼ周囲温度からほぼ還流(約111℃)までの温度で、式8.1の化合物(式中、R
9及びR
10は最初に定義されたとおりである)などのアミンで処理することで、式7.3の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)を得ることができる。
スキーム8
【化9】
【0056】
式9.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム9、工程lにおいて示される方法によって調製することができる。式5.1の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)を、工程lに示されているように、DCM又はトルエンなどの溶媒中、ほぼ周囲温度からほぼ還流(それぞれ約40℃、約111℃)までの温度で、塩化オキサリル((COCl)
2)又は三塩化ホスホリル(POCl
3)などの脱水試薬の存在下、式9.1の化合物(式中、R
8、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)などのアミドで処理することで、式9.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)を得ることができる。
スキーム9
【化10】
【0057】
式10.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム10、工程m~nにおいて示される方法によって調製することができる。式10.1の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム10、工程mにおいて示される方法によって調製することができる。式5.1の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)を、工程mに示されているように、1:1のDCM:水(H
2O)などの溶媒混合物中、ほぼ周囲温度で、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)などの塩基の存在下、チオホスゲンで処理することで、式10.1の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)を得ることができる。式10.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム10、工程nにおいて示される方法によって調製することができる。式10.1の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)を、工程nに示されているように、ほぼ周囲温度で、DCMなどの溶媒中で、式7.2の化合物(式中、R
9及びR
10は最初に定義されたとおりである)などのアミンで処理することで、式10.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)を得ることができる。
スキーム10
【化11】
【0058】
式9.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム11、工程o~rにおいて示される方法によって調製することができる。式11.2の化合物(式中、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム11、工程oにおいて示される方法によって調製することができる。式11.1の化合物(式中、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)を、工程oに示されているように、約0℃からほぼ周囲温度の温度で、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)又はアセトニトリルなどの溶媒中で、N-ブロモスクシンイミド(NBS)などのハロゲン化試薬で処理することで、式11.2の化合物(式中、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)を得ることができる。式11.3の化合物(式中、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム11、工程pにおいて示される方法によって調製することができる。式11.2の化合物(式中、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、最初に定義されたとおりである)を、工程pに示されているように、DCM又はトルエンなどの溶媒中、ほぼ周囲温度からほぼ還流(それぞれ約40℃又は約111℃)までの温度で、塩化オキサリル((COCl)
2)又は三塩化ホスホリル(POCl
3)などの脱水試薬の存在下、式9.1の化合物(式中、R
8、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)などのアミドで処理することで、式11.3の化合物(式中、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)を得ることができる。式11.5の化合物(式中、R
1、R
2、及びR
3は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム11、工程qにおいて示される方法によって調製することができる。式11.4の化合物(式中、R
1、R
2、及びR
3は、最初に定義されたとおりである)を、工程qにおいて示されるとおり、約0℃からほぼ周囲温度の温度で、DCMなどの溶媒中、ピリジンなどの塩基の存在下、N,O-ジメチルヒドロキシルアミンなどのアミンで処理することで、式11.5の化合物(式中、R
1、R
2、及びR
3は、最初に定義されたとおりである)を得ることができる。式9.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム11、工程rにおいて示される方法によって調製することができる。式11.3の化合物(式中、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)を、工程rにおいて示されるとおり、約-78℃~約40℃の温度で、THFなどの溶媒中、式11.5の化合物(式中、R
1、R
2、及びR
3は、最初に定義されたとおりである)などのアミドでの存在下、n-ブチルリチウムなどの塩基で処理することで、式9.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)を得ることができる。
スキーム11
【化12】
【0059】
或いは、式9.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム12、ステップs~tにおいて示される方法によって調製することができる。式12.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム12、工程sにおいて示される方法によって調製することができる。式11.3の化合物(式中、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)を、工程sに示されているように、ほぼ周囲温度で、THFなどの溶媒中、1,2-ジブロモエタンなどの活性化剤とトリメチルシリルクロリドなどの触媒の存在下、マグネシウム(Mg(0))などの金属で処理することで、式12.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)を得ることができる。式9.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)は、スキーム12、工程tにおいて示される方法によって調製することができる。式12.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)を、工程tに示されているように、ほぼ周囲温度で、DCMなどの溶媒中、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)などの酸化剤で処理することで、式9.2の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10は、最初に定義されたとおりである)を得ることができる。
スキーム12
【化13】
【0060】
以降の実施例は、例示の目的のためであり、本開示をこれらの実施例に開示される実施形態のみに限定するものと解釈するべきではない。
【0061】
商業的供給源から入手した出発物質、試薬及び溶媒は、さらに精製することなく使用した。無水溶媒は、AldrichからSure/Seal(商標)として購入し、そのまま使用した。融点は、Thomas Hoover Unimeltキャピラリー融点装置又はStanford Research Systems社製OptiMelt自動融点システムで取得し、補正しない。「室温」又は「周囲温度」という語を用いた実施例は、約20℃~約24℃の範囲の温度において、気候が調節された実験室で行った。分子は、ChemDraw(バージョン17.1.0.105(19))内の命名プログラムに従って命名された公知の名称で示す。このようなプログラムによって分子を命名することができない場合、従来の命名規則を使用してこのような分子を命名する。特に明記しない限り、1H NMRスペクトルデータは、ppm(δ)であり、400又は500MHzで記録し;13C NMRスペクトルデータは、ppm(δ)であり、101又は126MHzで記録し、19F NMRスペクトルデータは、ppm(δ)であり、376又は471MHzで記録した。
【実施例】
【0062】
実施例1:メチル(2,5-ジメチルフェニル)カルバメートの調製。
【化14】
撹拌されているアセトン(180mL)中の2,5-ジメチルアニリン(20.0g、165mmol)の溶液に、室温で炭酸カリウム(K
2CO
3、68.4グラム(g)、496mmol(mmol))及びクロロギ酸メチル(38.8ミリリットル(mL)、496mmol)を添加した。反応混合物を50℃で16時間(h)加熱し、室温に冷却し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた物質をn-ペンタン(100mL)及びジエチルエーテル(100mL)で洗浄することで、表題の化合物(23.0g、収率78%)をオフホワイトの固体として得た:
1H NMR(300MHz,DMSO-d
6)δ 8.75(s,1H),7.15(s,1H),7.05(d,J=7.8Hz,1H),6.86(d,J=7.8Hz,1H),3.63(s,3H),2.23(s,3H),2.13(s,3H);ESIMS m/z 180([M+H]
+).
【0063】
実施例2A:メチル(2,5-ジメチル-4-(2-(o-トリル)アセチル)フェニル)カルバメートの調製。
【化15】
1,2-ジクロロエタン(DCE、20mL)中の2-(o-トリル)アセチルクロリド(1.90mL、12.4mmol)及び塩化亜鉛(II)(ZnCl
2、2.30g、16.9mmol)の溶液を調製し、60℃に加熱した。この溶液に、メチル(2,5-ジメチルフェニル)カルバメート(1.50g、8.38mmol)のDCE(5mL)溶液を添加し、反応混合物を90℃に加熱し、3時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、ジクロロメタン(DCM、100mL)で希釈し、水(100mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(NaHCO
3、100mL)、1規定(N)の塩酸(HCl、50mL)、及びブライン(100mL)でそれぞれ洗浄した。有機層を無水硫酸(Na
2SO
4)で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。この化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル(SiO
2)、石油エーテル中の0→20%の酢酸エチル)により精製することで、標題の化合物(0.70g、収率38%)をオフホワイトの固体として得た:mp 89~93℃;
1H NMR(300MHz,DMSO-d
6)δ 9.02(s,1H),7.83(s,1H),7.41(s,1H),7.25 - 7.00(m,4H),4.30(s,2H),3.68(s,3H),2.32(s,3H),2.25(s,3H),2.16(s,3H);
13C NMR(75MHz,DMSO-d
6)δ 200.13,154.44,139.23,136.77,135.64,134.40,133.13,131.49,130.60,129.79,127.31,126.64,125.77,125.66,51.80,45.64,20.66,19.24,17.30;ESIMS m/z 312([ M+H]
+).
【0064】
実施例2B:メチル(2,5-ジメチル-4-(2-(p-トリル)アセチル)フェニル)カルバメートの調製。
【化16】
DCM(15mL)中の2-(p-トリル)酢酸(1.80g、12.0mmol)の溶液に、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF、触媒量(cat))及び塩化オキサリル(1.23mL、14.3mmol)を0℃で滴下し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた酸塩化物残渣をDCE(15mL)で希釈した。DCE(5mL)中のZnCl
2(2.30g、16.7mmol)及びメチル(2,5-ジメチルフェニル)カルバメート(1.50g、8.37mmol)を室温でそれぞれ添加した。反応混合物を60℃で7時間撹拌した。次に、反応混合物を水(100mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3水溶液(100mL)、1NのHCl(50mL)、及びブライン(100mL)でそれぞれ洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル中の0→25%の酢酸エチル)により精製することで、標題の化合物(1.20g、収率46%)を淡褐色の固体として得た:mp 91~94℃;
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 9.01(s,1H),7.80(s,1H),7.38(s,1H),7.16 - 7.03(m,4H),4.20(s,2H),3.67(s,3H),2.30(s,3H),2.25(s,3H),2.23(s,3H);ESIMS m/z 312([M+H]
+).
【0065】
実施例2C:メチル(2,5-ジメチル-4-(2-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)アセチル)フェニル)カルバメートの調製。
【化17】
DCM(15mL)中の2-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)酢酸(1.90g、11.4mmol)の溶液に、塩化チオニル(1.72mL、23.7mmol)を0℃で滴下し、反応混合物を還流させながら2時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた酸塩化物残渣をDCE(15mL)で希釈した。ZnCl
2(1.52g、11.2mmol)及びメチル(2,5-ジメチルフェニル)カルバメート(1.00g、5.59mmol)を室温で添加した。次いで、反応混合物を60℃で7時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機層を飽和NaHCO
3水溶液(100mL)、1NのHCl(50mL)、及びブライン(100mL)で順番に洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル中の0→20%の酢酸エチル)により精製することで、標題の化合物(1.20g、収率59%)をオフホワイトの固体として得た:mp 110~113℃;
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 9.05(s,1H),7.87(s,1H),7.70 - 7.50(m,4H),7.43(s,1H),4.45(s,2H),3.68(s,3H),2.34(s,3H),2.26(s,3H);
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6)δ 199.35,154.41,139.51,136.95,136.13,134.16,132.43,131.91,129.06,128.66,127.23,126.50,125.70,123.12,123.08,51.82,46.41,20.93,17.30;
19F NMR(376MHz,DMSO-d
6)δ -60.99;ESIMS m/z 366([M+H]
+).
【0066】
実施例2D:メチル(4-(2-シクロヘキシルアセチル)-2,5-ジメチルフェニル)カルバメートの調製。
【化18】
塩化アルミニウム(III)(AlCl
3、1.12g、8.37mmol)及びメチル(2,5-ジメチルフェニル)カルバメート(0.500g、2.79mmol)を丸底フラスコに入れ、室温でDCM(15.0mL)に溶解した。この反応混合物に、2-シクロヘキシルアセチルクロリド(0.856mL、5.58mmol)を滴下した。反応混合物を60℃で1時間撹拌した。反応混合物を氷冷水(200mL)に注いでクエンチし、DCM(3×100mL)で抽出した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘキサン中の0→100%の酢酸エチル)により精製することで、標題の化合物(0.846g、定量的)を白色固体として得た:mp 110~113℃;
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 8.99(s,1H),7.60(s,1H),7.38(s,1H),3.67(s,3H),2.76(d,J=6.8Hz,2H),2.34(s,3H),2.22(s,3H),1.71 - 1.54(m,6H),1.32 - 1.05(m,3H),1.04 - 0.87(m,2H);
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6)δ 203.27,154.95,139.50,135.77,134.32,131.75,127.88,126.34,52.29,48.63,34.56,33.07,26.31,26.15,21.18,17.75;ESIMS m/z 304([ M+H]
+).
【0067】
実施例2E:メチル(2,5-ジメチル-4-(2-(2,4,6-トリフルオロフェニル)アセチル)フェニル)カルバメートの調製。
【化19】
DCM(15mL)中の2-(2,4,6-トリフルオロフェニル)酢酸(0.796g、4.18mmol)の溶液に、DMF(cat)及び塩化オキサリル(2.36mL、27.9mmol)を滴下し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた酸塩化物残渣をDCM(15mL)で希釈した。AlCl
3(1.12g、8.37mmol)及びメチル(2,5-ジメチルフェニル)カルバメート(0.500g、2.79mmol)を室温で添加した。反応混合物を40℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウム(MgSO
4)で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘキサン中の0→25%の酢酸エチル)により精製することで、標題の化合物(0.894g、収率91%)を白色固体として得た:
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ 7.89(s,1H),7.64(s,1H),6.73 - 6.65(m,2H),6.57(s,1H),4.22(s,2H),3.81(s,3H),2.51(s,3H),2.28(s,3H);
19F NMR(471MHz,CDCl
3)δ -109.63(ddd,J=14.7,9.1,5.8Hz),-111.73(p,J=7.1Hz);ESIMS m/z 352([M+H]
+).
【0068】
実施例2F:3-(2-4-((メトキシカルボニル)アミノ-)2,5-ジメチルフェニル)-2-オキソエチル)安息香酸の調製。
【化20】
AlCl
3(1.12g、8.37mmol)及びメチル(2,5-ジメチルフェニル)カルバメート(0.500g、2.79mmol)を丸底フラスコに添加し、室温でDCM(15mL)に溶解した。この反応混合物に、2-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)アセチルクロリド(0.621mL、2.79mmol)を添加した。反応混合物を40℃に0.5時間加熱した。反応混合物を水(50mL)に注いでクエンチし、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を無水MgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。この化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘキサン中の0→70%の酢酸エチル)により精製することで、標題の化合物(0.909g、収率95%)をオフホワイトの固体として得た:
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ 11.01(s,1H),7.77(s,1H),7.71(d,J=1.9Hz,1H),7.66(dt,J=7.7,1.5Hz,1H),7.50(dt,J=7.7,1.5Hz,1H),7.41(t,J=7.7Hz,1H),7.13(s,1H),6.94 - 6.81(m,1H),3.79(s,3H),3.69(s,2H),2.30(s,3H),2.19(s,3H);
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ 197.65,176.43,154.11,138.63,137.96,136.89,133.81,133.71,133.49,131.60,131.00,129.21,128.71,123.29,122.63,52.63,40.60,20.25,17.03;ESIMS m/z 342([ M+H]
+).
【0069】
実施例2G:2-フルオロ-3-(2-(4-((メトキシカルボニル)アミノ)-2,5-ジメチルフェニル)-2-オキソエチル)安息香酸の調製。
【化21】
DCM(15mL)中の2-(2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル))酢酸(0.930g、4.18mmol)の溶液に、DMF(cat)及び塩化オキサリル(2.36mL、27.9mmol)を滴下した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた酸塩化物残渣をDCM(15mL)で希釈した。AlCl
3(1.12g、8.37mmol)及びメチル(2,5-ジメチルフェニル)カルバメート(0.500g、2.79mmol)を室温で添加した。反応混合物を40℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を無水MgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。この化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘキサン中の0→75%の酢酸エチル)により精製することで、標題の化合物(0.291g、収率29%)を淡褐色の固体として得た:
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ 7.89(s,1H),7.50(ddd,J=8.2,6.7,1.8Hz,1H),7.42(td,J=7.2,1.8Hz,1H),7.24 - 7.18(m,2H),6.68(s,1H),3.80(s,3H),3.73(d,J=1.4Hz,2H),2.49(s,3H),2.13(s,3H)(no COOH);
19F NMR(471MHz,CDCl
3)δ -115.33(t,J=6.9Hz);ESIMS m/z 360([M+H]
+).
【0070】
実施例3A:1-(4-アミノ-2,5-ジメチルフェニル)-2-(o-トリル)エタン-1-オンの調製。
【化22】
撹拌されているエタノール(15mL)中のメチル(2,5-ジメチル-4-(2-(o-トリル)アセチル)フェニル)カルバメート(0.600g、1.85mmol)の溶液に、室温で水(1.5mL)中の水酸化ナトリウム(NaOH、0.369g、9.22mmol)の溶液を添加し、反応混合物を還流しながら7時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(中性アルミナ、石油エーテル中の0→20%の酢酸エチル)により精製することで、標題の化合物(0.330g、収率70%)を褐色の固体として得た:mp 100~104℃;
1H NMR(300MHz,DMSO-d
6)δ 7.70(s,1H),7.24 - 7.00(m,4H),6.42(s,1H),5.64(s,2H),4.19(s,2H),2.31(s,3H),2.14(s,3H),2.08(s,3H);
13C NMR(75MHz,DMSO-d
6)δ 197.06,150.38,138.57,136.70,135.61,133.31,130.41,129.64,126.26,125.51,124.01,117.08,116.27,44.35,22.07,19.31,16.92;ESIMS m/z 254([M+H]
+).
【0071】
実施例3B:メチル3-(2-(4-アミノ-2,5-ジメチルフェニル)-2-オキソエチル)ベンゾエートの調製。
【化23】
撹拌されているテトラヒドロフラン(THF、13mL)及びメタノール(MeOH、13mL)中の3-(2-4-((メトキシカルボニル)アミノ-)2,5-ジメチルフェニル)-2-オキソエチル)安息香酸(0.909g、2.66mmol)の溶液に、室温でNaOH(13mL)の1モル(M)溶液を添加し、反応混合物を60℃で22時間撹拌した。反応混合物を1MのHCl(50mL)と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を無水MgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することで、黄色オイルを得た。オイルを新しいMeOH(13mL)中に溶解した。ヘキサン中のトリメチルシリルジアゾメタンの2M溶液(1.33mL、2.66mmol)を添加した。反応混合物を室温で1.5時間撹拌し、減圧下で濃縮することで、表題の化合物(0.645g、収率82%)を褐色オイルとして得た:
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ 7.56(s,1H),7.52(d,J=7.7Hz,1H),7.35(d,J=7.6Hz,1H),7.28(t,J=7.6Hz,1H),7.02(s,1H),6.42(s,1H),4.02 - 3.93(m,2H),3.58(s,3H),3.56(s,2H),2.25(s,3H),1.97(s,3H);ESIMS m/z 298([M+H]
+).
【0072】
実施例4A:(E)-N’-(2,5-ジメチル-4-(2-(o-トリル)アセチル)フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムイミドアミドの調製。
【化24】
オルトギ酸トリメチル(20mL)中の1-(4-アミノ-2,5-ジメチルフェニル)-2-(o-トリル)エタン-1-オン(0.400g、1.58mmol)の溶液を100℃で6時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。MeOH(15mL)、1,4-ジオキサン(15mL)、及びN-エチルメチルアミン(0.30mL、3.46mmol)を室温で添加した。反応混合物を封管中で80℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製することで、表題の化合物(0.098g、収率19%)を淡黄色固体として得た:mp 101~105℃;
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 7.84 - 7.60(m,2H),7.20 - 7.05(m,4H),6.69(br s,1H),4.27(s,2H),3.55 - 3.36(m,2H),3.00 - 2.85(m,3H),2.35(s,3H),2.21(s,3H),2.15(s,3H),1.14(t,J=7.0Hz,3H);
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6)δ 199.11,153.72,152.67,137.08,136.74,135.03,131.65,130.52,129.96,129.72,127.73,126.46,125.59,121.47,46.88,45.16,31.48,21.29,19.28,17.43,14.07;ESIMS m/z 323([M+H]
+).
【0073】
実施例4B:(E)-N’-(4-(2-シクロペンチルアセチル)-2,5-ジメチルフェニル)-N,N-ジメチルホルムイミドアミドの調製。
【化25】
トルエン(2.40mL)中の1-(4-アミノ-2,5-ジメチルフェニル)-2-シクロペンチルエタン-1-オン(0.110g、0.475mmol)の溶液に、1,1-ジメトキシ-N,N-ジメチルメタンアミン(126μL、0.951mmol)を添加した。反応混合物を90℃で24時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。得られた物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、ジクロロメタン中の0→5%の酢酸エチル)により精製することで、標題の化合物(0.105g、収率77%)を無色膜として得た:
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ 7.50(s,1H),7.45(s,1H),6.57(s,1H),3.03(s,6H),2.90(d,J=7.2Hz,2H),2.47(s,3H),2.37 - 2.29(m,1H),2.27(s,3H),1.85(ddt,J=16.1,11.9,4.7Hz,2H),1.62(qd,J=9.7,8.2,3.6Hz,2H),1.54(dq,J=9.0,4.2,3.8Hz,2H),1.21 - 1.11(m,2H);
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ 203.17,153.59,152.29,137.84,131.69,131.54,128.36,122.34,47.19,40.14,36.51,34.29,32.71,25.02,21.64,17.63;ESIMS m/z 287([M+H]
+).
【0074】
実施例4C:(E)-N’-(4-(2-シクロペンチルアセチル)-2,5-ジメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルアセトイミドアミドの調製。
【化26】
DCE(6.50mL)中のN-エチル-N-メチルアセトアミド(0.131g、1.30mmol)の溶液に、三塩化ホスホリル(121μL、1.30mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。1-(4-アミノ-2,5-ジメチルフェニル)-2-シクロペンチルエタン-1-オン(300mg、1.30mmol)を添加し、反応混合物を80℃で2時間撹拌した。次いで、反応を1MのNaOH(5mL)でクエンチし、反応混合物をDCM(2×10mL)で抽出した。有機層を飽和NaHCO
3で洗浄し、相分離器を通して乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、ジクロロメタン中の0→15%の酢酸エチル)により精製することで、標題の化合物(0.141g、収率35%)を金色の膜として得た:
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ 7.50(s,1H),6.45(s,1H),3.45(q,J=7.1Hz,2H),3.00(s,3H),2.90(d,J=7.2Hz,2H),2.45(s,3H),2.33(p,J=8.2Hz,1H),2.07(s,3H),1.89 - 1.80(m,2H),1.79(s,3H),1.67 - 1.59(m,2H),1.58 - 1.49(m,2H),1.23 - 1.10(m,5H);
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ 203.19,155.13,154.18,137.61,131.69,130.98,126.57,125.34,47.11,44.64,36.54,35.32,32.70,25.00,21.60,17.73,15.10,12.74;ESIMS m/z 315([M+H]
+).
【0075】
実施例4D:(E)-N’-(4-(2-シクロヘキシルアセチル)-5-メトキシ-2-メチルフェニル)-N-エチル-N-メチルホルムイミドアミドの調製。
【化27】
ビルスマイヤー試薬原液の調製:撹拌子を備えたオーブン乾燥したバイアルに、N-エチル-N-メチルホルムアミド(0.240g、2.30mmol、85%重量/重量(w/w))及びDCM(2.40mL)を入れた。得られた黄色の溶液を氷浴で0℃まで冷却し、塩化オキサリル(0.200mL、2.30mmol)を滴下した。即時にガスの発生と発熱が観察された。ガスの発生が止まった後、氷浴を外し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。試薬は鮮やかな黄色になった。基質との反応:1-(4-アミノ-2-メトキシ-5-メチルフェニル)-2-シクロヘキシルエタン-1-オン(0.190g、0.727mmol)を、攪拌子を備えたバイアルに入れ、DCM(7.60mL)を添加した。撹拌しながら上で調製したビルスマイヤー試薬溶液の一部(2.40mL、2.30mmol)をアニリンの溶液に添加し、反応混合物を一晩撹拌した。物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、0→100%の酢酸エチル-ヘキサンのグラジエント)により精製することで、標題の化合物(0.179g、収率75%)を黄色の半固体として得た:
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.53(d,J=0.8Hz,1H),7.47(s,1H),6.30(s,1H),3.86(s,3H),3.52(s,1H),3.02(s,3H),2.81(d,J=6.8Hz,2H),2.18(s,3H),1.90(dtd,J=14.7,7.4,3.4Hz,1H),1.73(d,J=2.5Hz,1H),1.70(s,2H),1.75 - 1.66(m,1H),1.64(s,2H),1.35 - 1.18(m,5H),1.14(dd,J=12.1,3.5Hz,1H),0.97(qd,J=12.2,2.8Hz,2H);ESIMS m/z 331([M+H]
+).
【0076】
実施例4E:(Z)-N’-(4-(2-シクロヘキシルアセチル)-2,5-ジメチルフェニル)-N,N-ジメチルカルバミドチオ酸の調製。
【化28】
1-(4-アミノ-2,5-ジメチルフェニル)-2-シクロヘキシルエタン-1-オン(0.100g、0.408mmol)及びNaHCO
3(0.342g、4.08mmol)の溶液をDCM(1.24mL)及びH
2O(1.24mL)の中で調製した。この溶液にシリンジを介してチオホスゲン(34.4μL、0.448mmol)を滴下して加えた。得られたオレンジ色の二相混合物を室温で2時間激しく撹拌した。二相混合物をH
2O(5mL)及びDCM(5mL)で希釈し、相分離器に通し、濃縮することで淡黄色オイルを得た。得られたオイルは次の工程で直接使用した。
【0077】
前の工程からの物質をDCM(1.24mL)に溶解し、ジメチルアミン(0.408mL、0.815mmol)をシリンジから一度に添加した。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン中の0→50%のEtOAc)で直接精製することで、表題の化合物(0.105g、収率77%)を白色固体として得た; 1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.47(s,1H),7.04(s,1H),6.80(s,1H),3.34(s,6H),2.74(d,J=6.8Hz,2H),2.44(s,3H),2.28(s,3H),1.95(ddt,J=11.3,7.4,3.4Hz,1H),1.76(d,J=3.8Hz,1H),1.70(d,J=16.0Hz,4H),1.37 - 1.23(m,2H),1.27 - 1.11(m,1H),1.06 - 0.92(m,2H);ESIMS m/z 333([M+H]+).
【0078】
実施例5:4-ブロモ-2-メチル-5-(トリフルオロメチル)アニリンの調製。
【化29】
10℃の乾燥アセトニトリル(15mL)中の2-メチル-5-(トリフルオロメチル)アニリン(0.88g、5.0mmol)の溶液に、N-ブロモスクシンイミド(NBS、1.023g、5.750mmol)を少量ずつ添加し、反応混合物を同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘキサン中0→10%のジクロロメタン)で精製することで、表題の化合物(0.941g、収率74%)を褐色液体として得た:
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.34(s,1H),6.96(s,1H),3.76(s,2H),2.16(s,3H);
19F NMR(376MHz,CDCl
3)δ -62.35;EIMS m/z 254 [M
+].
【0079】
実施例6:(E)-N’-(4-ブロモ-2,5-ジメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルホルムイミドアミドの調製。
【化30】
0℃の乾燥DCM(7mL)中のN-エチル-N-メチルホルムアミド(0.653g、7.50mmol)の溶液に、塩化オキサリル(0.643mL、7.50mmol)を滴下し、反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。この溶液を乾燥DCM(5mL)中の4-ブロモ-2,5-ジメチルアニリン(1.00g、5.00mmol)の溶液に滴下し、反応混合物を周囲温度で1.5時間撹拌した。反応混合物のpHが9より高くなるまで、炭酸ナトリウム(Na
2CO
3)の飽和水溶液を滴下し、H
2O(7mL)及びDCM(7mL)を添加した。有機相を分離し、溶媒を減圧下で除去した。得られた物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘキサン中の0→20%の酢酸エチル)により精製することで、標題の化合物(0.967g、収率72%)を褐色固体として得た:
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ 7.39(s,1H),7.26(s,1H),6.60(s,1H),3.34 - 3.31(m,2H),2.98(s,3H),2.31(s,3H),2.20(s,3H),1.20(t,J=7.2Hz,3H);
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ 151.86,150.45,135.29,133.26,131.10,121.41,117.26,47.86,32.05,21.91,16.75,14.35;ESIMS m/z 269([M+H]
+).
【0080】
実施例7:2-シクロヘキシル-N-メトキシ-N-メチルアセトアミドの調製。
【化31】
N,O-ジメチルヒドロキシルアミン(0.761g、12.5mmol)及び2-シクロヘキシルアセチルクロリド(0.711mL、6.23mmol)の溶液をDCM(20.0mL)中で調製し、アルゴン雰囲気下、氷/水浴中で0℃に冷却した。ピリジン(1.10mL、13.7mmol)をシリンジから滴下した。混合物を0℃で5分間撹拌し、これを放置して室温まで戻した。温まると析出物が形成された。反応混合物を室温で一晩撹拌し、続いて1MのHCl(2×20mL)、飽和NaHCO
3(2×20mL)、及びブライン(1×20mL)で洗浄することにより反応をクエンチした。有機層をNa
2SO
4で乾燥し、減圧下で濃縮することで、表題の化合物(0.750g、収率65%)を無色透明オイルとして得た:
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 3.67(s,3H),3.18(s,3H),2.30(d,J=7.0Hz,2H),1.85(tdp,J=10.6,7.0,3.4Hz,1H),1.79 - 1.60(m,4H),1.29(dtd,J=13.1,9.5,3.4Hz,2H),1.25 - 1.07(m,2H),1.04 - 0.89(m,2H);ESIMS m/z 186([M+H]
+).
【0081】
実施例8:(E)-N’-(4-(シクロブタンカルボニル)-2,5-ジメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルホルムイミドアミドの調製。
【化32】
乾燥THF(4.00mL)中の(E)-N’-(4-ブロモ-2,5-ジメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルホルムイミドアミド(0.162g、0.600mmol)の溶液に、窒素下、n-ブチルリチウム(0.260mL、0.660mmol、ヘキサン中2.5M)を-78℃で滴下し、同じ温度で溶液を30分間撹拌した。乾燥THF(2mL)中のN-メトキシ-N-メチルシクロブタンカルボキサミド(95mg、0.66mmol)の溶液を滴下し、得られた混合物を-78℃で15分間撹拌した。混合物を放置して周囲温度まで戻し、1時間撹拌した。反応を1MのHCl水溶液(3mL)でクエンチした。溶液を5分間撹拌し、溶液のpHが9より高くなるまでNa
2CO
3の飽和水溶液を滴下した。DCMを添加し、相を分離した。合わせた有機相を相分離器に通し、濃縮した。得られた物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘキサン中の0→5%のEtOH)により精製することで、標題の化合物(0.060g、収率36%)を黄色オイルとして得た:
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ 7.49(s,1H),7.41(s,1H),6.57(s,1H),3.94(pd,J=8.6,1.1Hz,1H),3.58 - 3.25(m,2H),3.00(s,3H),2.52(s,3H),2.42 - 2.32(m,2H),2.27 - 2.18(m,5H),2.02(dp,J=11.0,8.8Hz,1H),1.90 - 1.81(m,1H),1.21(t,J=7.2Hz,3H);
13C NMR(126MHz,CDCl
3)δ 203.30,153.94,151.77,138.73,131.82,129.45,128.35,122.41,47.80,43.75,31.98,25.42,21.86,17.94,17.67,14.33;ESIMS m/z 273([M+H]
+).
【0082】
実施例9:(E)-N-エチル-N’-(4-(1-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル)-2,3,5-トリメチルフェニル)-N-メチルホルムイミドアミドの調製。
【化33】
マグネシウム金属削り屑(0.0386g、1.59mmol)を25mLバイアルに入れ、バイアルを排気し、窒素ガスを充填した(3回)。THF(1.33mL)、1,2-ジブロモエタン(4.97mg、0.0260mmol)、及びクロロトリメチルシラン(0.00575g、0.0530mmol)を順次添加した。混合物を室温で10分間撹拌した。THF(1.00mL)中の(E)-N’-(4-ブロモ-2,3,5-トリメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルホルムイミドアミド(0.150g、0.530mmol)の溶液を滴下し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。THF(1.00mL)中の3,3-ジメチルブタナール(0.080g、0.794mmol)の溶液を滴下し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応をMeOH(2mL)でクエンチし、得られた物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、DCM中0→5%MeOH)により精製することで、表題の化合物(0.035g、収率22%)を無色透明オイルとして得た:
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ 7.34(s,1H),6.33(s,1H),5.27(dd,J=9.2,2.6Hz,1H),3.38(d,J=48.0Hz,3H),2.98(d,J=1.6Hz,3H),2.34(s,6H),2.15(d,J=7.8Hz,3H),2.07(dd,J=14.7,9.1Hz,1H),1.49(dd,J=14.7,2.6Hz,1H),1.19(t,J=7.1Hz,3H),1.02(s,9H);ESIMS m/z 305([M+H]
+).
【0083】
実施例10:(E)-N’-(4-(3,3-ジメチルブタノイル)-2,3,5-トリメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルホルムイミドアミドの調製。
【化34】
DCM(0.500mL)中の(E)-N-エチル-N’-(4-(1-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル)-2,3,5-トリメチルフェニル)-N-メチルホルムイミドアミド(35.0mg,0.115mmol)の溶液に、ピリジニウムクロロクロメート(49.6mg、0.230mmol)を一度に添加し、得られた溶液を室温で2時間撹拌した。次いで、反応混合物をFlorisil(登録商標)(ケイ酸マグネシウム)の小さいカラムを通して濾過し、DCMで十分に洗浄した。合わせた有機濾液を減圧下で濃縮した。得られた物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO
2、0.5%のトリエチルアミン(Et
3N)-ヘキサン中の0→30%のEtOH)で精製することで、表題の化合物(0.019g、収率55%)を無色オイルとして得た:
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ 7.37(s,1H),6.41(s,1H),3.35(s,2H),2.99(s,3H),2.61(s,2H),2.17(s,3H),2.16(s,3H),2.12(s,3H),1.20(t,J=7.1Hz,3H),1.12(s,9H);ESIMS m/z 303([M+H]
+).
【0084】
全体的な生物学的実験の詳細
実施例A:殺真菌活性の評価:コムギの葉枯病(ジモセプトリア・トリチシ(Zymoseptoria tritici);BayerコードSEPTTR):
工業グレードの材料をアセトンに溶解させ、続いて、これを、110ppmのTriton X-100を含有する9容量の水(H2O)と混合した。殺真菌剤溶液を、自動吹付散布機を使用してコムギ実生に流出するまで施用した。全ての散布された植物をさらなる取り扱い前に風乾させた。特記しない限り、全ての殺真菌剤を、前述の方法を使用して全ての標的の病害に対するそれらの活性について評価した。
【0085】
コムギ植物(品種「Yuma」)を、温室において無土壌ポット用培土中の種子から第一葉が完全に出現するまで、1ポットあたり7~10の実生で成長させた。これらの植物には、殺真菌剤処理の3日前(3日の治療;3DC)又は殺真菌剤処理の1日後(1日の保護剤;1DP)のいずれかにおいてジモセプトリア・トリチシ(Zymoseptoria tritici)の水性胞子懸濁液を接種した。接種した後、植物を100%の相対湿度において3日間保持して、胞子を発芽させ、葉を感染させた。次に、植物を、病害が発症するように温室に移した。病害の症状が未処理の植物の第一葉に完全に発現したとき、感染レベルを0~100パーセントの病害重篤度のスケールで評価した。病害防除のパーセントは、処理植物と未処理植物との病害重篤度の比を使用して計算した。
【0086】
実施例B:殺真菌活性の評価:コムギ赤さび病(プッシニア・トリチシナ(Puccinia triticina);異名:プッシニアレコンジタ分化型トリチシ(Puccinia recondita f.sp.tritici);BayerコードPUCCRT):
コムギ植物(品種「Yuma」)を、温室において無土壌ポット用培土中の種子から第一葉が完全に出現するまで、1ポットあたり7~10の実生で成長させた。これらの植物には、殺真菌剤処理後にプッシニア・トリチシナ(Puccinia triticina)の水性胞子懸濁液を接種した。接種した後、植物を100%の相対湿度で暗霧室に一晩保持して、胞子を発芽させ、葉を感染させた。次に、植物を、病害が発症するように温室に移した。殺真菌剤処方、施用及び病害の評価は、実施例Aに記載された手順に従った。
【0087】
実施例C:殺真菌活性の評価:アジアダイズさび病(ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi);BayerコードPHAKPA):
工業グレードの材料をアセトンに溶解させ、続いて、これを、0.011%のTween-20を含有する9容量のH2Oと混合した。殺真菌剤溶液を、自動吹付散布機を使用してダイズ実生に流出するまで施用した。全ての散布された植物をさらなる取り扱い前に風乾させた。
【0088】
ダイズ植物(品種「Williams 82」)を無土壌ポット用培土において1ポットあたり1つの植物で成長させた。10日齢の実生を試験に使用した。植物は、実施例Aに記載されるとおりに接種された。植物を100%の相対湿度の暗霧室で24時間インキュベートし、続いて病害が発症するように成長室に移した。殺真菌剤処方及び施用は、実施例Aに記載されるとおりになされた。病害の症状が完全に発現したとき、病害重篤度を、0~100パーセントのスケールで散布された葉で評価した。病害防除のパーセントは、処理植物と未処理植物との病害重篤度の比を使用して計算した。
【0089】
実施例D:殺真菌活性の評価:オオムギ雲形病(リンコスポリウム・コミューン(Rhynchosporium commune);BayerコードRHYNSE):
オオムギ植物(品種「Harrington」)を、温室において無土壌ポット用培土中の種子から第一葉が完全に出現するまで、1ポットあたり7~10の実生で成長させた。これらの植物には、殺真菌剤処理後にリンコスポリウム・コミューン(Rhynchosporium commune)の水性胞子懸濁液を接種した。接種した後、植物を100%の相対湿度で暗霧室に2日間保持して、胞子を発芽させ、葉を感染させた。次に、植物を、病害が発症するように温室に移した。殺真菌剤処方及び施用は、実施例Aに記載されるとおりになされた。病害の評価は、実施例Aに記載されるとおりに実施された。
【0090】
実施例E:殺真菌活性の評価:オオムギの斑点病(コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus);BayerコードCOCHSA):
オオムギ実生(品種「Harrington」)を、それぞれ8~12の植物を有するポットにより無土壌ポット用培土で繁殖させ、第一葉が完全に出現したときに試験に使用した。試験植物には、殺真菌剤処理の24時間後にコクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)の胞子懸濁液を接種した。接種した後、植物を100%の相対湿度において2日間保持して、胞子を発芽させ、葉を感染させた。次に、植物を、病害が発症するように温室に移した。殺真菌剤処方、施用及び病害の評価は、実施例Aに記載された手順に従った。
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
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【0117】
【0118】
【0119】
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【0121】
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】
【0146】
【国際調査報告】