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特表2023-551210熱変形可能なサセプタを有するエアロゾル発生装置のための誘導発熱体
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  • 特表-熱変形可能なサセプタを有するエアロゾル発生装置のための誘導発熱体 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(54)【発明の名称】熱変形可能なサセプタを有するエアロゾル発生装置のための誘導発熱体
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20231130BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20231130BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20231130BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/40
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023530889
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(85)【翻訳文提出日】2023-05-22
(86)【国際出願番号】 EP2021082250
(87)【国際公開番号】W WO2022112114
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】20209516.2
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ ロドリゲス アルヴェス
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
(72)【発明者】
【氏名】ミロノフ オレク
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC01
4B162AC12
4B162AC22
(57)【要約】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体および発熱体(10)を含むエアロゾル発生物品(16)を受容するための空洞(14)を備える。発熱体は誘導発熱体であり、また加熱するために構成されたサセプタ(12)を備える。サセプタは、バイメタルストリップの形態であってもよい熱変形可能な要素を含む。熱変形可能な要素は空洞の中に配設されていて、また加熱動作中に熱変形して、空洞の中に受容されたエアロゾル発生物品と接触し、それを保持するように構成されている。エアロゾル発生装置とエアロゾル発生物品とを備えるシステムも開示されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞と、
発熱体であって、前記発熱体が誘導発熱体であり、前記発熱体が、加熱するために構成されたサセプタを備え、前記サセプタが、複数の細長い要素として配設されていて、前記サセプタが、熱変形可能な要素を含み、前記熱変形可能な要素が前記空洞の中に配設されていて、かつ前記加熱動作中に前記空洞の中に受容された前記エアロゾル発生物品と接触し、それを保持するために、前記熱変形可能な要素が加熱動作中に熱変形するように構成されている、発熱体と、を備えるエアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記熱変形可能な要素がバイメタルから作製されていて、好ましくは前記熱変形可能な要素がバイメタルストリップを含む、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記サセプタがバイメタルから作製されている、請求項1~2のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記サセプタが、第一の材料および第二の材料を含み、前記第一の材料が、前記第二の材料よりも低い熱膨張率を有する、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記第一の材料および第二の材料が、相互に隣接する層として提供されている、請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記サセプタ、好ましくは前記サセプタの前記熱変形可能な要素が細長い、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記サセプタの前記熱変形可能な要素が、前記複数の細長い要素として配設されている、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記サセプタ、好ましくは前記サセプタの前記熱変形可能な要素が、前記個々の細長い要素の間に間隙を有する中空管状配設を形成する前記複数の細長い要素として配設されている、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記複数の細長い要素の各々が、第一の端および反対側の第二の端を備え、かつ前記複数の細長い要素の前記第一の端の各々と前記第二の端の各々とのうちの一方または両方が、好ましくは支持リングを介して相互に接続されている、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記複数の細長い要素の前記第一の端が、支持リングを介して相互に接続されていて、かつ前記複数の細長い要素の前記第二の端が、前記空洞の基部に固定されている、請求項1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記空洞の前記基部が、前記空洞の遠位端に配設されていて、かつ前記支持リングが、前記空洞の近位端に配設されている、請求項10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記より低い熱膨張率を有する前記第一の材料が、前記空洞に面して配設されていて、かつ前記第二の材料が、前記空洞に背を向けて配設されている、請求項4および請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備えるシステム。
【請求項14】
前記発熱体が動作していない時に、前記サセプタの前記熱変形可能な要素が、前記空洞の中への前記エアロゾル発生物品の挿入を可能にするように配設されていて、また前記発熱体が動作している時に、前記サセプタの前記熱変形可能な要素が、熱変形するように、かつそれによって前記空洞の中の前記エアロゾル発生物品に接触して、それを保持するように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記エアロゾル発生物品が活性剤を含むカプセルを含み、かつ前記エアロゾル発生物品が前記空洞の中に受容されている時に、前記カプセルが前記熱変形可能な要素に隣接して配設されていて、これによって、前記発熱体が動作していて、かつ前記サセプタの前記熱変形可能な要素が熱変形されている時に、前記カプセルが破壊され、前記活性剤が放出される、請求項13または請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なベイパーを発生するためのエアロゾル発生装置を提供することが知られている。こうした装置は、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル形成基体の一つ以上の構成要素が揮発する温度にエアロゾル形成基体を加熱してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の空洞(加熱チャンバーなど)の中へのエアロゾル発生物品の挿入のためにロッド形状を有してもよい。発熱体は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中に挿入された後に、エアロゾル形成基体を加熱するために、加熱チャンバーの中に、またはその周りに配設されてもよい。空洞は、エアロゾル発生物品の挿入を可能にするように構成されなければならない。同時に、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の動作中に、空洞内にしっかりと保持されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
空洞の中へのエアロゾル発生物品の挿入を可能にする発熱体を有することが望ましいことになる。エアロゾル発生装置の動作中に、エアロゾル発生物品を空洞の中にしっかりと保持する発熱体を有することが望ましいことになる。空洞の中へのエアロゾル発生物品の挿入を可能にするエアロゾル発生装置を有することが望ましいことになる。エアロゾル発生装置の動作中に、エアロゾル発生物品を空洞の中にしっかりと保持するエアロゾル発生装置を有することが望ましいことになる。エアロゾル発生装置とエアロゾル発生物品とを備えるシステムであって、エアロゾル発生装置の空洞の中へのエアロゾル発生物品の挿入が可能であるシステムを有することが望ましいことになる。エアロゾル発生装置とエアロゾル発生物品とを備えるシステムであって、エアロゾル発生装置が動作している時に、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞内にしっかりと保持されているシステムを有することが望ましいことになる。吸入可能なベイパーをユーザーの望みに合わせてさらに修正することが可能であれば望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞を備えてもよい、および発熱体を備えてもよいエアロゾル発生装置が提供されている。発熱体は誘導発熱体であってもよい。発熱体は、加熱のために構成されたサセプタを備えてもよい。サセプタは熱変形可能な要素を含んでもよい。熱変形可能な要素は、空洞の中に配設されてもよい。熱変形可能な要素は、加熱動作中に熱変形して、加熱動作中に空洞の中に受容されたエアロゾル発生物品に接触し、それを保持するように構成されてもよい。
【0005】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞と発熱体とを備えるエアロゾル発生装置が提供されている。発熱体は誘導発熱体である。発熱体は、加熱のために構成されたサセプタを備える。サセプタは熱変形可能な要素を含む。熱変形可能な要素は、空洞の中に配設されている。熱変形可能な要素は、加熱動作中に熱変形して、加熱動作中に空洞の中に受容されたエアロゾル発生物品に接触し、それを保持するように構成されている。
【0006】
熱変形可能な要素を含むサセプタを提供することによって、サセプタは加熱動作中に変形することができる。サセプタの変形を利用してもよい。特に、エアロゾル発生物品は、動作中のサセプタの変形に起因して、サセプタによって保持されてもよい。それによって、加熱動作中にエアロゾル発生物品が緩むのを防止してもよい。さらに、加熱効率は、サセプタとエアロゾル発生物品の間のより緊密な接触に起因して改善される場合がある。
【0007】
熱変形可能な要素は、バイメタルから作製されてもよい。バイメタルを利用することによって、熱変形可能な要素は、加熱された時に変形してもよい。バイメタルは、温度変化をバイメタルの変形に変換するように構成されてもよい。バイメタルは、一緒に結合された二つの金属を含んでもよい。二つの金属は、加熱中の変形につながる異なる熱膨張率を有してもよい。バイメタルの二つの金属は、加熱中の変形がエアロゾル発生物品の方向で起こるように配設されてもよい。熱膨張率がより低い金属は、エアロゾル発生物品のより近くに定置されてもよい。このようにして、熱変形可能な要素は、加熱動作中にエアロゾル発生物品により近づく。
【0008】
熱変形可能な要素は、バイメタルストリップを含んでもよい。バイメタルストリップは細長くてもよい。バイメタルストリップの長軸方向軸は、空洞の長軸方向軸に平行であってもよい。バイメタルストリップは、一緒に結合された二つの細長い金属を備えてもよい。二つの金属の結合軸は、バイメタルストリップの長軸方向軸に平行であってもよく、またはそれに沿っていてもよい。バイメタルストリップは、長方形の断面を有してもよい。しかしながら、正方形、円形、または楕円形の断面など、バイメタルストリップの他の断面が可能である。
【0009】
サセプタはバイメタルから作製されてもよい。この場合、サセプタは二重の機能性を有する。サセプタの第一の機能性は、加熱動作中に加熱されることであってもよい。サセプタの第二の機能性は、加熱中の変形であってもよい。特に好ましくは、サセプタは熱変形可能な要素であってもよい。
【0010】
サセプタは、第一の材料および第二の材料を含んでもよい。第一の材料は、第二の材料よりも低い熱膨張率を有してもよい。第一の材料は、第一の金属であってもよい。第二の材料は、第二の金属であってもよい。第一の材料は、第二の材料と異なってもよい。特に、第一の金属は、第二の金属と異なってもよい。
【0011】
第一の材料および第二の材料は、相互に隣接する層として提供されてもよい。
【0012】
第一の材料および第二の材料は、サセプタの全長に沿って延びてもよい。別の方法として、第一の材料は、サセプタの全長に沿って延びてもよく、その一方で第二の材料は、サセプタの一部のみに沿って延びてもよく、またはその逆も可である。例えば、第二の材料は、サセプタの中間部分にのみ配設されてもよい。さらなる代替として、第一の材料および第二の材料は、サセプタの長さに沿って断続的なセクションにおいて配設されてもよい。これらのすべての場合において、サセプタの残りの部分は、第一の材料または第二の材料のうちの一方または両方から提供されてもよい。別の方法として、サセプタの残りの部分は、第三の材料から提供されてもよい。サセプタの残りの部分は、サセプタの遠位部または近位部のうちの一方または両方であってもよい。第三の材料は、交番磁場に供された時に加熱されない材料として選ばれてもよい。言い換えれば、第三の材料はサセプタ材料でなくてもよい。しかしながら、第三の材料にも隣接して加熱することが望ましい場合、第三の材料もサセプタ材料であってもよい。
【0013】
サセプタ、好ましくはサセプタの熱変形可能な要素は、複数の細長い要素として配設されてもよい。
【0014】
複数のサセプタは、エアロゾル発生装置の空洞の長軸方向軸に平行に配設されてもよい。複数のサセプタは、エアロゾル発生物品を少なくとも部分的に受容するように配設されてもよい。複数のサセプタは、エアロゾル発生物品を受容するための空洞を形成するように配設されてもよい。複数のサセプタは、エアロゾル発生物品を受容するための空洞の中に配設されてもよい。複数のサセプタは、すべてのサセプタが加熱された時に内向き方向に変形されるように配設されてもよい。
【0015】
サセプタ、好ましくはサセプタの熱変形可能な要素は、個々の細長い要素間に間隙を有する中空管状配設を形成する複数の細長い要素として配設されてもよい。
【0016】
個々の細長いサセプタ間の間隙は、エアロゾル発生物品の中への横方向の気流を可能にする場合がある。中空管状配設は、エアロゾル発生物品を受容するための空洞を形成してもよく、または空洞の中に定置されてもよい。加熱中に、個々のサセプタのすべてが、この中空管状配設の内部に向かって変形してもよい。これは、エアロゾル発生物品の確実な保持と、加熱効率の改善とにつながる場合がある。
【0017】
複数の細長い要素の各々は、第一の端および反対側の第二の端を備えてもよい。複数の細長い要素の第一の端の各々と第二の端の各々とのうちの一方または両方は、相互に、好ましくは支持リングを介して接続されてもよい。
【0018】
言い換えれば、複数のサセプタは、一方の側にて相互に接続されてもよい。この接続は、サセプタによって形成された空洞の基部での接続であってもよい。基部での接続は、サセプタを基部と直接接続することによって容易にされる場合がある。基部は、本明細書に記載の通りのエアロゾル発生装置の一部であってもよい。別の方法として、基部での接続は、支持リングによって容易にされる場合がある。支持リングは、好ましくは空洞の基部にて、エアロゾル発生装置と接続されてもよい。結果として、サセプタは、エアロゾル発生物品を中に挿入されることができる空洞の基部にて相互に接続されてもよい。別の方法として、サセプタは、空洞の開口部に隣接して相互に接続されてもよい。この接続は、支持リングによって容易される場合がある。支持リングは、空洞の開口部を形成してもよい。別の方法として、支持リングは、空洞の開口部に隣接して配設されてもよく、または空洞の開口部を包囲してもよい。さらなる代替として、サセプタは、空洞の開口部に隣接し、かつ空洞の基部にて接続されてもよい。
【0019】
サセプタが空洞の基部にて相互に接続されている場合、空洞の開口部に隣接するサセプタは、相互に接続されていないことが好ましい。これは、サセプタのわずかな漏斗形状につながる場合がある。言い換えれば、中空管状配設の内径は、空洞の基部に向かって減少されてもよい。これは、空洞の中へのエアロゾル発生物品の挿入を補助する場合がある。動作中に、特に中空管状配設の開口部に隣接する中空管状配設の内径は、エアロゾル発生物品がしっかりと保持されているように減少されてもよい。
【0020】
サセプタが、空洞の基部にて、かつ空洞の開口部に隣接して相互に取り付けられている場合、サセプタの中間部分は、動作中にエアロゾル発生物品を保持するために利用されてもよい。この場合、空洞の基部での、かつ空洞の開口部に隣接する中空管状配設の内径は、サセプタの接続に起因して、動作の全時間にわたって、および動作前と動作後に、エアロゾル発生物品の外径よりもわずかに大きくてもよい。しかしながら、サセプタの中間部分にて、サセプタは中空管状配設の内部に向かって変形可能であってもよい。動作中に、サセプタはそれ故に、砂時計形状に類似して変形して、エアロゾル発生物品をしっかりと保持してもよい。動作中に、サセプタの中間部分でのサセプタの内径は、エアロゾル発生物品の外径よりもわずかに小さくてもよい。
【0021】
空洞の開口部に隣接して、サセプタは裾が広がっていてもよい。サセプタは、好ましくは外向きに裾が広がっている。サセプタの裾の広がりは、空洞の中へのエアロゾル発生物品の挿入をより簡単にする場合がある。サセプタの裾が広がった形状は、空洞の中へのエアロゾル発生物品の挿入中に、エアロゾル発生物品を案内してもよい。
【0022】
サセプタの中空管状配設は、空洞の中に受容されるエアロゾル発生物品の外径よりもわずかに大きい内径を有してもよい。このようにして、エアロゾル発生物品は、空洞の中に簡単に挿入されることができる。動作中に、サセプタは、本明細書に記載の通りに変形してもよい。変形は、中空管状配設の内径の減少につながる場合がある。中空管状配設の内径の減少は、変形した中空管状配設の内径が、エアロゾル発生物品の外径よりもわずかに小さいような減少であってもよい。このようにして、エアロゾル発生物品は加熱動作中に、中空管状配設内にしっかりと保持されている。
【0023】
加熱動作の後、サセプタの熱変形可能な要素は、初期形状に戻るように構成されてもよい。初期形状に戻ることは、熱変形可能な要素が周囲温度に冷めることに起因してもよい。熱変形可能な要素は、加熱動作の前に、および加熱動作の後のある時点にて、周囲温度を有してもよい。その結果として、エアロゾル発生物品は加熱動作の後、熱変形可能な要素がその初期形状に戻る時に、簡単に除去されることができる。
【0024】
エアロゾル発生装置は、発熱体のサセプタを加熱するために交番磁場を発生するための誘導コイルをさらに備えてもよい。
【0025】
誘導コイルは、空洞を少なくとも部分的に、または完全に包囲してもよい。誘導コイルは、らせん状コイルとして構成されていることが好ましい。
【0026】
空洞は管状であってもよい。サセプタの中空管状配設またはサセプタの熱変形可能な要素は、空洞を少なくとも部分的に包囲するように、または空洞を少なくとも部分的に形成するように配設されてもよい。
【0027】
複数の細長い要素の第一の端は、支持リングを介して相互に接続されてもよい。複数の細長い要素の第二の端は、空洞の基部に固定されてもよい。
【0028】
空洞の基部は、空洞の遠位端に配設されてもよく、支持リングは、空洞の近位端に配設されてもよい。
【0029】
より低い熱膨張率を有する第一の材料は、空洞に面して配設されてもよく、第二の材料は、空洞に背を向けて配設されてもよい。
【0030】
本発明は、本明細書に記載の通りのエアロゾル発生装置と、本明細書に記載の通りのエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備えるシステムにさらに関する。
【0031】
サセプタの熱変形可能な要素は、発熱体が動作していない時に、空洞の中へのエアロゾル発生物品の挿入を可能にするように配設されてもよい。サセプタの熱変形可能な要素は、発熱体が動作している時に、熱変形し、それによってエアロゾル発生物品を空洞の中に保持するように構成されてもよい。
【0032】
エアロゾル発生物品は、一つ以上の活性剤を含む一つ以上の壊れやすいカプセルを含んでもよい。一つ以上の壊れやすいカプセルは、エアロゾル発生物品が空洞の中に受容されている時に、熱変形可能な要素に隣接して配設されてもよく、それによって、発熱体が動作していて、サセプタの熱変形可能な要素が熱変形した時に、カプセルが壊れ、かつ一つ以上の活性剤が放出されてもよい。
【0033】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体を含有する基体部分を含んでもよい。エアロゾル発生物品は、担体材料を含有するカプセル部分をさらに備えてもよく、一つ以上の壊れやすいカプセルが担体材料の中に埋め込まれてもよい。一つ以上の壊れやすいカプセルは、一つ以上の活性剤を含有してもよい。一つ以上の壊れやすいカプセルの少なくとも一部は、エアロゾル発生物品の外表面に配設されてもよい。
【0034】
一つ以上の壊れやすいカプセルをエアロゾル発生物品の外表面に配設することは、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞の中に受容されている時に、カプセルを壊すのを簡単にする場合がある。
【0035】
エアロゾル形成基体を含有する基体部分を含んでもよいエアロゾル発生物品も提供されている。エアロゾル発生物品は、担体材料を含有するカプセル部分をさらに含んでもよい。一つ以上の壊れやすいカプセルが、担体材料の中に埋め込まれてもよい。一つ以上の壊れやすいカプセルは、一つ以上の活性剤を含有してもよい。カプセル部分は、少なくとも一つの堅い要素をさらに含有してもよい。堅い要素は、担体材料よりも堅い場合があり、また少なくとも一つの堅い要素は、カプセル部分への圧力の印加に伴い壊れやすいカプセルを壊すために構成されてもよい。
【0036】
エアロゾル発生装置の熱変形可能な要素は、発熱体が動作していて、サセプタの熱変形可能な要素が熱変形した時に、少なくとも一つの堅い要素を押してもよい。堅い要素は、熱変形可能な要素からの外部圧力に起因して、一つ以上の壊れやすいカプセルを壊してもよい。
【0037】
エアロゾル発生物品内の少なくとも一つの堅い要素は、くさび形状であってもよい。少なくとも一つの堅い要素は、一つ以上の壊れやすいカプセルを貫通するための縁を包含してもよい。少なくとも一つの堅い要素は、プラスチックで作製されてもよい。少なくとも一つの堅い要素は、エアロゾル発生物品の外表面、具体的にはカプセル部分の外表面に配設されてもよい。
【0038】
具体的に、複数の堅い要素は、エアロゾル発生物品のカプセル部分内に存在してもよい。一つの壊れやすいカプセルは、複数の堅い要素によって同心円状に包囲されてもよい。
【0039】
少なくとも一つの堅い要素または複数の堅い要素は、エアロゾル発生物品の外表面に配設されてもよい。それ故に、堅い要素に圧力を印加することによってカプセルを壊すことが可能である場合があり、次いでこれは、結果としてカプセルを壊すことを容易にする。
【0040】
担体材料は、カプセル部分に印加された圧力に抵抗するように構成されてもよい。これは、外側からカプセル部分に印加された任意の圧力が、担体材料によって吸収されないことを確実にする場合があるが、一つ以上の壊れやすいカプセルの破壊につながる。
【0041】
担体材料は、基体部分中のエアロゾル形成基体よりも高い密度を有してもよい。担体材料のより高い密度はまた、一つ以上の壊れやすいカプセルを簡単に壊すことができるように、担体材料によってカプセル部分に印加された圧力の任意の吸収を低減または防止する場合がある。
【0042】
担体材料は、セルロースアセテート繊維、紙、多孔性ポリマー、木炭のうちの一つ以上を含んでもよい。セルロースアセテート繊維は、セルロースアセテートトウであってもよい。多孔性ポリマーは、フェニル-ホルムアルデヒド樹脂などの多孔性樹脂であってもよい。
【0043】
担体材料は、20~60メガパスカル(MPa)、好ましくは29~53メガパスカルの圧縮強度を有してもよい。
【0044】
一つ以上の壊れやすいカプセル内に含有された一つ以上の活性剤は、固体であってもよく、または液体であってもよい。一つ以上の活性剤は、ゲルを含んでもよい。一つ以上の活性剤は、揮発性であってもよい。一つ以上の壊れやすいカプセル中に揮発性の活性剤を含有することは、エアロゾル発生物品が使用される前に、揮発性の活性剤が蒸発しないことを確実にする場合がある。
【0045】
一つ以上の活性剤は、酸素などの大気成分と反応しやすい場合がある。これらの感受性が高い活性剤を一つ以上の壊れやすいカプセルに含有することは、エアロゾル形成物品が使用される前に活性剤のあらゆる劣化を防止する場合がある。
【0046】
一つ以上の活性剤は、風味剤、ニコチン、薬剤のうちの一つ以上を含んでもよい。例えば、一つ以上の活性剤は、ミントオイル、メントール、ニコチンオイル、または他の風味剤などの風味剤オイルを含んでもよい。
【0047】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部、例えば喫煙物品の一部であってもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用してユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙装置であってもよい。エアロゾル発生装置はホルダーであってもよい。この装置は電気加熱式の喫煙装置であってもよい。エアロゾル発生装置は、ハウジング、電気回路、電源、加熱チャンバー、発熱体を備えてもよい。
【0048】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通ってユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品であってもよい。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。エアロゾル発生装置の空洞は、エアロゾル発生物品が中に挿入される開放端を有してもよい。開放端は近位端であってもよい。空洞は、開放端の反対側に閉鎖端を有してもよい。閉鎖端は空洞の基部であってもよい。閉鎖端は、基部内に配設された空気開口の提供を除き、閉鎖されていてもよい。空洞の基部は平坦であってもよい。空洞の基部は円形状であってもよい。空洞の基部は空洞の上流に配設されてもよい。開放端は空洞の下流に配設されてもよい。空洞は細長い延長を有してもよい。空洞は長軸方向中心軸を有してもよい。長軸方向は、長軸方向中心軸に沿って開放端と閉鎖端の間に延びる方向であってもよい。空洞の長軸方向中心軸は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行であってもよい。
【0049】
空洞は加熱チャンバーとして構成されてもよい。空洞は円筒形状を有してもよい。空洞は中空円筒形状を有してもよい。空洞は、空洞の中に受容されるエアロゾル発生物品の形状に対応する形状を有してもよい。空洞は円形断面を有してもよい。空洞は楕円形または長方形の断面を有してもよい。空洞は、エアロゾル発生物品の外径に対応する内径を有してもよい。
【0050】
気流チャネルは、空洞を通って延びてもよい。周囲空気は、気流チャネルを通して、エアロゾル発生装置の中に、および空洞の中に、およびユーザーに向かって引き出されてもよい。空洞の下流で、マウスピースが配設されてもよく、またはユーザーがエアロゾル発生物品を直接吸ってもよい。気流チャネルはマウスピースを通って延びてもよい。
【0051】
装置、物品、システム、基体、またはその他に関連して、本発明に関して本明細書で使用される「喫煙」という用語は、エアロゾル形成基体が完全にまたは少なくとも部分的に燃焼される従来の喫煙を指すものではない。本発明のエアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体の燃焼温度を下回る温度に、ただし吸入可能なエアロゾルを形成するためにエアロゾル形成基体の一つ以上の揮発性化合物が放出される温度以上にエアロゾル形成基体を加熱するように配設されている。
【0052】
エアロゾル発生装置は電気回路を備えてもよい。電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラマブルマイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサはコントローラの一部であってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路は、発熱体への、具体的に誘導コイルへの電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力はエアロゾル発生装置の起動に続いて発熱体に連続的に供給されてもよく、または断続的(例えば毎回の吸煙ごと)に供給されてもよい。電力は、電流パルスの形態で発熱体に供給されてもよい。電気回路は発熱体の電気抵抗をモニターするように構成されてもよく、また好ましくは発熱体の電気抵抗に応じて、発熱体への電力の供給を制御するように構成されてもよい。
【0053】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置の主本体内に電源(典型的には電池)を備えてもよい。一つの実施形態において、電源はリチウムイオン電池である。別の方法として、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、チタン酸リチウム電池、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。代替として、電源は、コンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また一回以上の使用体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は約6分間、または6分の倍数の時間にわたってエアロゾルを連続的に発生するのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の吸煙回数、または発熱体の不連続的な起動を提供するのに十分な容量を有してもよい。
【0054】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる一つ以上の揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は好都合なことに、エアロゾル発生物品または喫煙物品の一部であってもよい。
【0055】
エアロゾル形成基体は固体エアロゾル形成基体であってもよい。エアロゾル形成基体は固体成分と液体成分の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にするエアロゾル形成体を含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0056】
好ましい一実施形態において、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の空洞の中にエアロゾル発生物品が挿入されている時に、サセプタの熱変形可能な要素の隣に壊れやすいカプセルを有する基体部分を含む。破損するカプセルは動作中に、熱変形可能な要素が変形し、壊れやすいカプセルに対して押された時に、活性剤を放出するように破裂する。
【0057】
本明細書で使用される「上流」、「下流」、「近位」、「遠位」、「前方」、「後方」という用語は、エアロゾル発生装置の使用中にユーザーがエアロゾル発生装置を吸う方向に対する、エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。
【0058】
本明細書に記載の通り、誘導加熱が利用される。誘導加熱のために、誘導コイルおよびサセプタが提供されている。概して、サセプタは、交番磁場によって貫通された時に熱を発生する能力を有する材料である。交番磁場に位置する時。サセプタが導電性である場合、典型的に渦電流が交番磁場によって誘発される。サセプタが磁性である場合、典型的に、加熱に寄与する別の効果は一般的に、ヒステリシス損失と呼ばれる。ヒステリシス損失は、主にサセプタ内の磁区ブロックの移動により生じる。これは、これらの磁気的な向きが、交番する磁気誘導場と整列するためである。ヒステリシス損失に寄与する別の効果は、磁区がサセプタ内で拡大または縮小する時である。一般的に、サセプタ内でナノスケール以下で起こるこれらのすべての変化は、サセプタ内で熱を生成するため、「ヒステリシス損失」と呼ばれる。よって、サセプタが磁性と導電性の両方である場合、ヒステリシス損失と渦電流の発生の両方はサセプタの加熱に寄与することになる。サセプタが磁性であるが導電性ではない場合、ヒステリシス損失は、交番磁場によって貫通された時にサセプタを加熱することになる唯一の手段になる。本発明によると、サセプタは導電性、または磁性、または導電性と磁性の両方であってもよい。一つまたは幾つかの誘導コイルによって発生された交番磁場は、サセプタを加熱し、これはその後、エアロゾルが形成されるように、熱をエアロゾル形成基体に伝達する。熱伝達は主に、熱の伝導によってもよい。こうした熱伝達は、サセプタがエアロゾル形成基体と密接に熱的に接触している場合に、最も良好である。
【0059】
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0060】
実施例A:エアロゾル発生装置であって、
エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞と、
発熱体であって、発熱体が誘導発熱体であり、発熱体が、加熱するために構成されたサセプタを備え、サセプタが、熱変形可能な要素を含み、熱変形可能な要素が空洞の中に配設されていて、かつ加熱動作中に空洞の中に受容されたエアロゾル発生物品と接触し、それを保持するために、熱変形可能な要素が加熱動作中に熱変形するように構成されている、発熱体と、を備えるエアロゾル発生装置。
実施例B:熱変形可能な要素がバイメタルから作製されている、実施例Aに記載のエアロゾル発生装置。
実施例C:熱変形可能な要素がバイメタルストリップを含む、実施例A~Bのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例D:サセプタがバイメタルから作製されている、実施例A~Cのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例E:サセプタが、第一の材料および第二の材料を含み、第一の材料が、第二の材料よりも低い熱膨張率を有する、実施例A~Dのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例F:第一の材料および第二の材料が、相互に隣接する層として提供されている、実施例Eに記載のエアロゾル発生装置。
実施例G:サセプタ、好ましくはサセプタの熱変形可能な要素が細長い、実施例A~Fのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例H:サセプタ、好ましくはサセプタの熱変形可能な要素が、複数の細長い要素として配設されている、実施例A~Gのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例I:サセプタ、好ましくはサセプタの熱変形可能な要素が、個々の細長い要素の間に間隙を有する中空管状配設を形成する複数の細長い要素として配設されている、実施例A~Hのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例J:複数の細長い要素の各々が、第一の端および反対側の第二の端を備え、かつ複数の細長い要素の第一の端の各々と第二の端の各々とのうちの一方または両方が、好ましくは支持リングを介して相互に接続されている、実施例Hまたは実施例Iに記載のエアロゾル発生装置。
実施例K:装置が、発熱体のサセプタを加熱するために交番磁場を発生するための誘導コイルをさらに備える、実施例A~Jのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例L:空洞が管状である、実施例A~Kのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例M:複数の細長い要素の第一の端が、支持リングを介して相互に接続されていて、かつ複数の細長い要素の第二の端が、空洞の基部に固定されている、実施例A~Lのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例N:空洞の基部が、空洞の遠位端に配設されていて、かつ支持リングが、空洞の近位端に配設されている、実施例Mに記載のエアロゾル発生装置。
実施例O:より低い熱膨張率を有する第一の材料が、空洞に面して配設されていて、かつ第二の材料が、空洞に背を向けて配設されている、実施例5および実施例A~Nのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例P:実施例A~Oのいずれかに記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備える、システム。
実施例Q:発熱体が動作していない時に、サセプタの熱変形可能な要素が、空洞の中へのエアロゾル発生物品の挿入を可能にするように配設されていて、また発熱体が動作している時に、サセプタの熱変形可能な要素が、熱変形するように、かつそれよって空洞の中のエアロゾル発生物品に接触して、それを保持するように構成されている、実施例Pに記載のシステム。
実施例R:エアロゾル発生物品が活性剤を含むカプセルを含み、エアロゾル発生物品が空洞の中に受容されている時に、カプセルが熱変形可能な要素に隣接して配設されていて、これによって、発熱体が動作していて、かつサセプタの熱変形可能な要素が熱変形されている時に、カプセルが破壊され、活性剤が放出される、実施例Pまたは実施例Qに記載のシステム。
【0061】
一つの実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0062】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1A-1B】図1A図1Bは、エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生物品と、本発明による発熱体とを備えるエアロゾル発生システムを示す。
図2図2は、発熱体をより詳細に示す。
図3図3は、支持リングを備える発熱体のさらなる一実施形態を示す。
図4A-4B】図4Aおよび図4Bは、図3に示す通りの支持リングを含む、図1のエアロゾル発生システムを示す。
図5A-5B】図5Aおよび図5Bは、発熱体のさらなる一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図1は、エアロゾル発生システムを示す。エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品16を備える。エアロゾル発生装置は発熱体10を備える。発熱体10は複数のサセプタ12を備える。
【0065】
各サセプタ12は細長い形状を有する。各サセプタ12は、バイメタルストリップの形態の熱変形可能な要素で作製されている。バイメタルストリップは、第一の材料および第二の材料を含む。二つの材料の熱膨張率は異なる。熱膨張率がより低い材料は、サセプタ12によって形成された空洞14の内部に向かって配設されている。空洞14は中空管状配設として形成されている。
【0066】
エアロゾル発生物品16は、空洞14の中に受容されるように構成されている。エアロゾル発生物品16は空洞14の中に挿入されることができる。エアロゾル発生物品16が空洞14の中に挿入されている時に、発熱体10は、エアロゾル発生物品16の一部分を包囲する。発熱体10によって包囲されたエアロゾル発生物品16の一部分は、発熱体10によって加熱されることができる。
【0067】
発熱体10によって包囲されたエアロゾル発生物品16の一部分は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品16の基体部分として構成されていることが好ましい。さらに、壊れやすいカプセルは、エアロゾル発生物品16の基体部分内に配設されることができる。
【0068】
加熱動作中に、発熱体10は変形する。変形は、加熱されているバイメタルストリップによって容易にされている。バイメタルストリップの加熱は、バイメタルストリップの変形をもたらす。サセプタ12は、変形が空洞14の内部の方向であるように配設されている。このようにして、エアロゾル発生物品16は、加熱動作中に空洞14内にしっかりと保持されている。加熱動作の前および後に、エアロゾル発生物品16は簡単に、空洞14の中に挿入されることができ、また空洞14から取り外されることができる。
【0069】
エアロゾル発生物品16の挿入および取り外しを可能にするために、発熱体10が動作していない時に、発熱体10の内径は、エアロゾル発生物品16の外径よりもわずかに大きい。発熱体10の動作中に、発熱体10は変形し、発熱体10の内径は減少する。発熱体10の減少した内径は、エアロゾル発生物品16の外径よりもわずかに小さい。結果として、発熱体10は、加熱動作中にエアロゾル発生物品16に対して押される。結果として、エアロゾル発生物品16はしっかりと保持され、また加熱効率は増加する。
【0070】
図1は、発熱体10に電力を供給するための電池18の形態の電源をさらに示す。電池18から発熱体10への電気エネルギーの供給は、制御回路20によって制御される。
【0071】
エアロゾル発生装置または発熱体10は、誘導コイル22を備える。交番磁場を発生するために、交流電流が誘導コイル22に供給される。サセプタ12は、この交番磁界に供された時に加熱される。図1に示す実施形態において、セパレータ24によって分離されている二つの誘導コイル22が提供されている。二つの誘導コイル22は、空洞14の長軸方向軸Lに沿って提供される二つの別個の加熱ゾーンを作り出す。誘導コイル22とサセプタ12の間に、断熱26が提供されている。
【0072】
エアロゾル発生のための空洞14の中への周囲空気の流れを可能にするために、空気吸込み口28が提供されている。空気吸込み口28は、基部30を通る、または基部30に隣接する空洞14の中への気流を可能にするように、空洞14の基部30に隣接して配設されている。基部30は、基部30を通る気流を可能にするための一つ以上の開口を備えてもよい。
【0073】
エアロゾル発生装置は遠位端32および近位端34を備える。空洞14の開口部は、エアロゾル発生装置の近位端34内に配設されている。空洞14の開口部に、密封リング36が提供されている。密封リング36は可撓性である。密封リング36は漏斗形状を有する。密封リング36は、エアロゾル発生物品16の挿入を可能にする。密封リング36は、エアロゾル発生物品16が空洞14の中に挿入されている時に、空洞14を密封する。
【0074】
図2は、発熱体10をより詳細に示す。発熱体10は、複数の個別のサセプタ12を備える。各サセプタ12は細長い。複数のサセプタ12は、中空管状配設を形成する。サセプタ12の中空管状配設は、エアロゾル発生装置の空洞14の中に配設されている。エアロゾル発生物品16は、サセプタ12の中空管状配設によって保持されている。
【0075】
図3は、サセプタ12の端が支持リング38によって相互に接続されている、発熱体10の一実施形態を示す。支持リング38は、空洞14の開口部に隣接して配設されることができる。支持リング38は、サセプタ12の近位端34を接続することができる。
【0076】
サセプタ12のもう一方の端であるサセプタ12の遠位端32は、基部30に取り付けられることができる。
【0077】
空洞14の開口部に隣接して配設されている支持リング38を図4に示す。
【0078】
図5は、加熱動作中の発熱体10の変形を示す。図5Aにおいて、加熱動作の前の発熱体10が示されている。この状態において、発熱体10によって形成された中空管状配設は、個々のサセプタ12によって形成された真っ直ぐな側壁を有する。図5Bにおいて、動作中の発熱体10が示されている。発熱体10は変形している。より詳細に、個々のサセプタ12の中間部分40は、発熱体10の中空管状配設の内部の方向に変形されている。この作用は、エアロゾル発生物品16を空洞14内にしっかりと保持し、加熱サセプタ12とエアロゾル発生物品16の間の直接の接触に起因して、加熱効率を改善する。発熱体10の変形は、図1A(発熱体10の変形なし)と図1B(発熱体10の変形)および図4A(発熱体10の変形なし)と図4B(発熱体10の変形)でも見ることができる。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
【手続補正書】
【提出日】2023-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞と、
発熱体であって、前記発熱体が誘導発熱体であり、前記発熱体が、加熱するために構成されたサセプタを備え、前記サセプタが、複数の細長い要素として配設されていて、前記サセプタが、前記個々の細長い要素の間に間隙を有する中空管状配設を形成する前記複数の細長い要素として配設され、前記サセプタが、熱変形可能な要素を含み、前記熱変形可能な要素が前記空洞の中に配設されていて、かつ前記加熱動作中に前記空洞の中に受容された前記エアロゾル発生物品と接触し、それを保持するために、前記熱変形可能な要素が加熱動作中に熱変形するように構成されている、発熱体と、を備えるエアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記熱変形可能な要素がバイメタルから作製されていて、好ましくは前記熱変形可能な要素がバイメタルストリップを含む、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記サセプタがバイメタルから作製されている、請求項1~2のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記サセプタが、第一の材料および第二の材料を含み、前記第一の材料が、前記第二の材料よりも低い熱膨張率を有する、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記第一の材料および第二の材料が、相互に隣接する層として提供されている、請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記サセプタ、好ましくは前記サセプタの前記熱変形可能な要素が細長い、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記サセプタの前記熱変形可能な要素が、前記複数の細長い要素として配設されている、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記サセプタの前記熱変形可能な要素が、前記個々の細長い要素の間に間隙を有する中空管状配設を形成する前記複数の細長い要素として配設されている、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記複数の細長い要素の各々が、第一の端および反対側の第二の端を備え、かつ前記複数の細長い要素の前記第一の端の各々と前記第二の端の各々とのうちの一方または両方が、好ましくは支持リングを介して相互に接続されている、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記複数の細長い要素の前記第一の端が、支持リングを介して相互に接続されていて、かつ前記複数の細長い要素の前記第二の端が、前記空洞の基部に固定されている、請求項1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記空洞の前記基部が、前記空洞の遠位端に配設されていて、かつ前記支持リングが、前記空洞の近位端に配設されている、請求項10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記より低い熱膨張率を有する前記第一の材料が、前記空洞に面して配設されていて、かつ前記第二の材料が、前記空洞に背を向けて配設されている、請求項4および請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備えるシステム。
【請求項14】
前記発熱体が動作していない時に、前記サセプタの前記熱変形可能な要素が、前記空洞の中への前記エアロゾル発生物品の挿入を可能にするように配設されていて、また前記発熱体が動作している時に、前記サセプタの前記熱変形可能な要素が、熱変形するように、かつそれによって前記空洞の中の前記エアロゾル発生物品に接触して、それを保持するように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記エアロゾル発生物品が活性剤を含むカプセルを含み、かつ前記エアロゾル発生物品が前記空洞の中に受容されている時に、前記カプセルが前記熱変形可能な要素に隣接して配設されていて、これによって、前記発熱体が動作していて、かつ前記サセプタの前記熱変形可能な要素が熱変形されている時に、前記カプセルが破壊され、前記活性剤が放出される、請求項13または請求項14に記載のシステム。
【国際調査報告】