(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびこれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6566 20140101AFI20231130BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20231130BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20231130BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20231130BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20231130BHJP
H01M 50/317 20210101ALI20231130BHJP
【FI】
H01M10/6566
H01M10/613
H01M10/647
H01M10/625
H01M50/204 401H
H01M50/317 201
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531085
(86)(22)【出願日】2022-04-18
(85)【翻訳文提出日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 KR2022005524
(87)【国際公開番号】W WO2022225271
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0053226
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0053227
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0031525
(32)【優先日】2022-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スンファン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨブ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・キョン・パク
【テーマコード(参考)】
5H012
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA03
5H012BB08
5H012CC09
5H012CC10
5H031AA09
5H031KK08
5H040AA28
5H040AS07
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY08
5H040CC34
5H040NN03
(57)【要約】
本発明の一実施形態による電池モジュールは、少なくとも一つの電池セル、および前記少なくとも一つの電池セルを囲む単位モジュールフレームを含むモジュール単位体を含み、前記単位モジュールフレームの側面部は陥没部を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの電池セル、および前記少なくとも一つの電池セルを囲む単位モジュールフレームを含むモジュール単位体を含み、
前記単位モジュールフレームの側面部は陥没部を含む電池モジュール。
【請求項2】
前記陥没部上に形成されるガス吐出口をさらに含む、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記ガス吐出口は前記陥没部の一部領域に形成されることを含む、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記電池セルに形成された電極リードをさらに含み、
前記ガス吐出口は前記電極リードと隣接するように前記陥没部上に形成されることを含む、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記陥没部は前記電池セルが位置した方向に向かって前記単位モジュールフレームの内側に陥没することを含む、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記陥没部が形成された前記単位モジュールフレームの面と前記電池セルの側面部とが互いに平行に形成されることを含む、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記モジュール単位体は複数積層され、
前記陥没部は前記モジュール単位体が複数積層されることによってそれぞれの前記モジュール単位体の間に空間部を形成する、請求項2~6のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記ガス吐出口は前記空間部と連結される、請求項7に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記単位モジュールフレームは前記陥没部に比べて突出している突出部を含み、
前記複数のモジュール単位体の前記突出部が接触するように前記モジュール単位体が積層されることを含む、請求項7に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記積層された複数のモジュール単位体は結合部材により結合される、請求項7に記載の電池モジュール。
【請求項11】
前記結合部材はストラップを含み、
前記ストラップは前記積層された複数のモジュール単位体を囲むことを含む、請求項10に記載の電池モジュール。
【請求項12】
前記陥没部上に形成される補強ビードをさらに含み、
前記補強ビードは前記陥没部上に離隔して複数形成される、請求項7に記載の電池モジュール。
【請求項13】
前記空間部上に形成される放熱部材をさらに含む、請求項7に記載の電池モジュール。
【請求項14】
前記単位モジュールフレームの底部の下に形成される熱伝導性樹脂層をさらに含む、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項15】
請求項1に記載の電池モジュールを含む電池パック。
【請求項16】
前記電池モジュールの前記単位モジュールフレームに形成される突出部を含み、
前記突出部上に嵌合される固定部材をさらに含み、
前記固定部材により前記電池モジュールが固定される、請求項15に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願(ら)との相互引用
本出願は、2021年4月23日付韓国特許出願第10-2021-0053226号、2021年4月23日付韓国特許出願第10-2021-0053227号および2022年3月14日付韓国特許出願第10-2022-0031525号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関し、より詳しくは、拡張性、構造剛性、冷却性能および安全性が向上した電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
現代社会では、携帯電話、ノートパソコン、カムコーダ、デジタルカメラなどの携帯型機器の使用が日常的になることに伴い、このようなモバイル機器と関連した分野の技術に対する開発が活発になってきている。また、充放電が可能な二次電池は、化石燃料を使用する既存のガソリン車両などの大気汚染などを解決するための方案として、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)などの動力源として利用されているところ、二次電池に対する開発の必要性が高まっている。
【0004】
現在商用化された二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあるが、このうちリチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず、充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという長所のため、脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレータを間に置いて配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と共に密封収納する電池ケースとを備える。
【0006】
一般的にリチウム二次電池は、外装材の形状により、電極組立体が金属カンに内装されているカン型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内装されているパウチ型二次電池とに分類され得る。
【0007】
小型機器に利用される二次電池の場合、2~3個の電池セルが配置されるが、自動車などのような中大型デバイスに利用される二次電池の場合は、多数の電池セルを電気的に連結した電池モジュール(Battery module)が利用される。このような電池モジュールは、多数の電池セルが互いに直列または並列に連結されて電池セル積層体を形成することによって容量および出力が向上する。また、一つ以上の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0008】
二次電池は、適正温度より高くなる場合、二次電池の性能が低下することがあり、激しい場合は爆発や発火の危険もある。特に、多数の二次電池、つまり電池セルを備えた電池モジュールや電池パックは狭い空間で多数の電池セルから出る熱が合算されて温度がより速くかつ激しく上がることがある。言い換えると、多数の電池セルが積層された電池モジュールとこのような電池モジュールが装着された電池パックの場合、高い出力を得ることができるが、充電および放電時に電池セルで発生する熱を除去することが容易でない。電池セルの放熱が良好になされない場合、電池セルの劣化が速くなって寿命が短くなり、爆発や発火の可能性が大きくなる。
【0009】
さらに、車両用電池パックに含まれる電池モジュールの場合、直射光線に頻繁に露出され、夏季や砂漠地域のような高温条件に置かれることがある。
【0010】
したがって、電池モジュールや電池パックを構成する場合、安定的であると共に効率的な冷却性能を確保することは非常に重要である。
【0011】
図1は従来の電池モジュールを示す斜視図であり、
図2は
図1の切断線A-A’に沿って切断した断面を示す断面図である。
図3は複数の従来の電池モジュールを示す斜視図である。
図4は従来の電池モジュールの温度分布を示す図面である。
【0012】
図1乃至
図4を参照すれば、従来の電池モジュール10は、複数の電池セル11が積層されて電池セル積層体20を形成し、電池セル積層体20はモジュールフレーム30に収納される。また、電池セル11の電極リード12を電気的に連結するバスバーアセンブリーを含む。この時、前記バスバーアセンブリーは、それぞれの電池セル11の電極リード12を個別的に通過させるリードスロットを備えたバスバーフレーム15、およびバスバーフレーム15に装着され、リードスロットの個数に対応するように備えられるバスバースロットを備え、バスバースロットを通過した電極リード12と溶接などにより連結されるバスバー16を含んで構成される。
【0013】
従来の電池モジュールの場合、前記のように多数の構成を含むことによって、電池モジュール完成品の構造が複雑であった。また、従来の電池モジュール上には電池モジュール内部の火炎が発生する場合、火炎およびガスが排出され得る構造が不在であった。したがって、
図3のように複数の電池モジュールが隣接する時、一つの電池モジュールで発生した火炎は隣接した電池モジュールに伝播されることがある。特に、熱暴走伝播(thermal runaway propagation)現象の発生時、従来の電池モジュール間の連鎖反応に非常に脆弱であった。また、従来の電池モジュールは単一モジュールフレームで形成されて、セルスウェリング抑制効果および構造剛性確保に困難があった。
【0014】
さらに
図4を参照すれば、従来の電池モジュール10は、外気との熱交換が行われる最外側電池セル11と中心電池セル11との間の温度偏差が激しく現れる。特に、中心電池セル11は、密着した電池セル11の温度が伝達されて高温状態が持続することで、爆発または発火の可能性が大きくなることがある。
【0015】
したがって、前記問題を解決するために、モジュールの構造的複雑性を解消しながらも、熱暴走伝播現象の発生時、発生するガスおよび火炎を排出し、連鎖反応を防止することができる構造および拡張性とモジュール剛性向上および電池セル間の温度偏差を解消することができる冷却構造を有する新たな電池モジュール構造の必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明が解決しようとする課題は、拡張性、構造剛性、冷却性能および安全性が向上した電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供することにある。
【0017】
しかし、本発明が解決しようとする課題は、前述した課題に制限されず、言及されていない課題は本明細書および添付した図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一実施形態による電池モジュールは、少なくとも一つの電池セル、および前記少なくとも一つの電池セルを囲む単位モジュールフレームを含むモジュール単位体を含み、前記単位モジュールフレームの側面部は陥没部を含む。
【0019】
本発明の他の一実施形態による電池モジュールは、前記陥没部上に形成されるガス吐出口をさらに含むことができる。
【0020】
前記ガス吐出口は前記陥没部の一部領域に形成されることを含むことができる。
【0021】
前記電池モジュールは、前記電池セルに形成された電極リードをさらに含み、前記ガス吐出口は前記電極リードと隣接するように前記陥没部上に形成されることを含むことができる。
【0022】
前記陥没部は前記電池セルが位置した方向に向かって前記単位モジュールフレームの内側に陥没することを含むことができる。
【0023】
前記電池モジュールは、前記陥没部が形成された前記単位モジュールフレームの面と前記電池セルの側面部とが互いに平行に形成されることを含むことができる。
【0024】
前記モジュール単位体は複数積層され、前記陥没部は前記モジュール単位体が複数積層されることによってそれぞれの前記モジュール単位体の間に空間部を形成することができる。
【0025】
前記ガス吐出口は前記空間部と連結され得る。
【0026】
前記単位モジュールフレームは前記陥没部に比べて突出している突出部を含み、前記複数のモジュール単位体の前記突出部が接触するように前記モジュール単位体が積層されることを含むことができる。
【0027】
前記積層された複数のモジュール単位体は結合部材により結合され得る。
【0028】
前記結合部材はストラップを含み、前記ストラップは前記積層された複数のモジュール単位体を囲むことを含むことができる。
【0029】
本発明のまた他の一実施形態による電池モジュールは、前記陥没部上に形成される補強ビードをさらに含み、前記補強ビードは前記陥没部上に離隔して複数形成され得る。
【0030】
本発明のまた他の一実施形態による電池モジュールは、前記空間部上に形成される放熱部材をさらに含むことができる。
【0031】
前記電池モジュールは、前記単位モジュールフレームの底部の下に形成される熱伝導性樹脂層をさらに含むことができる。
【0032】
本発明の他の一実施形態による電池パックは、前述の電池モジュールを含む。
【0033】
前記電池モジュールの前記単位モジュールフレームに形成される突出部を含み、前記突出部上に嵌合される固定部材をさらに含み、前記固定部材により前記電池モジュールが固定され得る。
【発明の効果】
【0034】
本発明の一実施形態による電池モジュールは、単位モジュールフレームを含むモジュール単位体が積層して形成されることによって、拡張性および構造剛性が向上する効果を達成する。
【0035】
また、前記電池モジュールは、単位モジュールフレームに形成される陥没部を含み、前記陥没部により空間部が形成されることによって、電池セル間の温度偏差を解消し、冷却性能が向上する効果を達成することができる。特に、前記空間部が断熱層を形成して、隣接したモジュール単位体および電池セル間の連鎖反応を防止する効果を達成することができる。
【0036】
また、前記電池モジュールは、単位モジュールフレームに形成されるガス吐出口を含み、前記ガス吐出口により火炎およびガスが排出されることによって熱暴走現象の発生時、伝播を抑制する効果を達成することができる。
【0037】
本発明の効果は、前述した効果に制限されず、言及されていない効果は本明細書および添付した図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図2】
図1の切断線A-A’に沿って切断した断面を示す断面図である。
【
図3】複数の従来の電池モジュールを示す斜視図である。
【
図4】
図1の電池モジュールに含まれる電池セルの温度分布を示す図面である。
【
図5】本発明の一実施形態による電池モジュールに含まれるモジュール単位体を示す斜視図である。
【
図6】
図5のモジュール単位体が連結されて形成される本発明の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。
【
図7】
図6の電池モジュールに形成される結合部材を示す図面である。
【
図8】
図6の電池モジュールを
図5のy軸方向から眺めた様子を拡大して示す断面図である。
【
図9】本発明の他の一実施形態による電池モジュールに含まれるモジュール単位体を示す斜視図である。
【
図10】
図9のモジュール単位体が連結されて形成される本発明の他の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。
【
図11】
図10の電池モジュールに形成される結合部材を示す図面である。
【
図13】
図12の切断線C-C’に沿って切断した断面を示す断面図である。
【
図14】本発明の電池モジュールに含まれる電池セルを示す斜視図である。
【
図15】本発明のまた他の一実施形態による電池モジュールに含まれるモジュール単位体の斜視図である。
【
図16】本発明のまた他の一実施形態による電池モジュールに含まれる放熱部材および熱伝導性樹脂層を示す図面である。
【
図17】本発明のまた他の一実施形態による電池パックを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0040】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0041】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ずしも図示されたところに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0042】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には中間にまた他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0043】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0044】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0045】
本出願で使用される第1、第2の用語は、多様な構成要素を説明することに使用され得るが、構成要素は用語により限定されてはならない。用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。
【0046】
以下、
図5乃至
図8および
図14を参照して、本発明の一実施形態による電池モジュールについて説明する。
【0047】
図5は本発明の一実施形態による電池モジュールに含まれるモジュール単位体を示す斜視図である。
図6は
図5のモジュール単位体が連結されて形成される本発明の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。
図7は
図6の電池モジュールに形成される結合部材を示す図面である。
図8は
図6の電池モジュールをy軸方向から眺めた様子を拡大して示す断面図である。
図14は本発明の電池モジュールに含まれる電池セルを示す斜視図である。
【0048】
図5および
図8を参照すれば、本実施形態による電池モジュール100は、少なくとも一つの電池セル110、および少なくとも一つの電池セル110を囲む単位モジュールフレーム200を含むモジュール単位体300を含み、単位モジュールフレーム200の側面部は陥没部210を含む。この時、陥没部210は、電池セル110が位置した方向に向かって、単位モジュールフレーム200の内側に陥没することを含むことができる。
【0049】
この時、電池セル110は、少なくとも一つ以上であり得、複数の電池セル110が形成される場合、一方向に積層されて電池セル積層体を形成することができる。また、複数の電池セル110は
図5に示したように、x軸方向に積層され得る。
【0050】
電池セル110は、パウチ型電池セルであることが好ましい。例えば、
図14を参照すれば、本実施形態による電池セル110は、二つの電極リード111、112が互いに対向して電池本体113の一端部114aと他の一端部114bからそれぞれ突出している構造を有する。電池セル110は、電池ケース114に電極組立体(図示せず)を収納した状態で電池ケース114の両端部114a、114bとこれらを連結する両側面114cとを接着することによって製造され得る。言い換えると、本実施形態による電池セル110は、総3ヶ所のシーリング部114sa、114sb、114scを有し、シーリング部114sa、114sb、114scは熱融着などの方法によりシーリングされる構造であり、他の一側部は連結部115からなることができる。電池ケース114の両端部114a、114bの間を電池セル110の長さ方向と定義し、電池ケース114の両端部114a、114bを連結する一側部114cと連結部115との間を電池セル110の幅方向と定義することができる。
【0051】
連結部115は、電池セル110の一縁に沿って長く伸びている領域であり、連結部115の端部に電池セル110の突起部110pが形成され得る。突起部110pは、連結部115の両端部のうちの少なくとも一つに形成され得、連結部115が伸びる方向と垂直方向に突出することができる。突起部110pは、電池ケース114の両端部114a、114bのシーリング部114sa、114sbのうちの一つと連結部115との間に位置することができる。
【0052】
電池ケース114は、一般的に樹脂層/金属薄膜層/樹脂層のラミネート構造からなる。例えば、電池ケース表面がO(oriented)-ナイロン層からなる場合には、中大型電池モジュールを形成するために多数の電池セルを積層する時、外部衝撃により簡単に滑る傾向がある。したがって、これを防止し電池セルの安定した積層構造を維持するために、電池ケースの表面に両面テープなどの粘着式接着剤または接着時に化学反応により結合される化学接着剤などの接着部材を付着して前記電池セル積層体を形成することもできる。
【0053】
本発明の一実施形態による電池モジュール100に含まれる単位モジュールフレーム200は、側面部に陥没部210が形成され得る。単位モジュールフレーム200内部には電池セル110が位置するところ、陥没部210は電池セル110が位置した方向に向かって陥没することを含むことができる。より具体的に、
図8を参照すれば、陥没部210が形成された単位モジュールフレーム200の面と電池セル110の側面部とが互いに平行に形成されることを含むことができる。この時、電池セル110の側面部は電池セル110の積層方向と垂直な面を指すことができる。また、陥没部210は電池セル110の長さ方向と対応および平行になるように単位モジュールフレーム200の側面部上に形成され得る。
【0054】
また、単位モジュールフレーム200の側面部には陥没部210に比べて突出している突出部220をさらに含むことができる。単位モジュールフレーム200上に形成される陥没部210により単位モジュールフレーム200上には陥没部210と対比される突出部220が形成され得る。この時、突出部220は陥没部210と隣接するように陥没部210の上部および下部と連結されるように形成され得る。また、突出部220と関連して、後述する内容のように、モジュール単位体300が積層される場合には、モジュール単位体300の突出部220が接触するように積層されるものであり得る。モジュール単位体300の突出部220が接触するように積層されることによって、後述する内容のように、空間部250の形成が可能になり得る。
【0055】
また、
図6を参照すれば、単位モジュールフレーム200の前面部および後面部には電極リード111、112が通過するリードスロット290が形成され得る。リードスロット290を通じて、電極リード111、112の追加的な電気的連結が可能になり得る。
【0056】
本発明の一実施形態による電池モジュール100は、少なくとも一つ以上の電池セル110が単位モジュールフレーム200により囲まれる構造を有するモジュール単位体300を含むことができ、この時、電池セル110は複数の電池セル110を含むことができるが、従来の電池モジュールに比べては少ない数の電池セル110を含むことが好ましい。
【0057】
従来の電池モジュールは、単一モジュールフレーム内に多数の電池セルを含むことによって、単一モジュールフレームが多数の電池セルによるセルスウェリング現象により変形したり、セルスウェリングを吸収することができない問題が発生した。また、前記変形などにより従来の電池モジュールの剛性を確保するには困難があった。さらに、単一モジュールフレーム内に多数の電池セルが含まれることによって、外部により冷却の可能性が高い最外側電池セルと中心電池セルとの間の温度偏差が激しく現れて電池セルの寿命弱化および発火の可能性が高くなるという問題点が発生した。
【0058】
したがって、
図6乃至
図8を参照すれば、本実施形態による電池モジュール100は、モジュール単位体300が複数積層されることを含み、モジュール単位体300が複数積層されることによって陥没部210はそれぞれのモジュール単位体300の間に空間部250を形成することができる。
【0059】
この時、本発明の一実施形態による電池モジュール100は、従来の電池モジュールに比べて少ない数の電池セル110が含まれるモジュール単位体300が複数積層されて電池モジュール100を形成し、各モジュール単位体300は単一モジュールフレーム200を含むことによって、モジュール剛性を確保することができる。
【0060】
また、単一モジュールフレーム200が多数含まれることによって、電池セル110のセルスウェリング現象が発生しても、それぞれの単一モジュールフレーム200によりセルスウェリング現象を吸収することができ、全体的な電池モジュール100の変形を最小化することができる。
【0061】
特に、モジュール単位体300が複数積層されることによって陥没部210により形成される空間部250の構成はエアーギャップ(air gap)を形成したり、前記空間部を通じて冷却水および外気を流入させることによって追加的な冷却経路の形成が可能である。
【0062】
なお、単一モジュールフレーム200および単一モジュールフレーム200の側面部に形成される陥没部210の構成は、それ自体で冷却ピン(cooling pin)の役割を果たすことによって、電池セル110で発生した熱を冷却することができる。また、陥没部210の構成は、単一モジュールフレーム200の側面部に沿って電池セル110の長さ方向に広く形成されるため、電池セル110で発生した熱の効率的な冷却が可能である。したがって、前記のように少ない数の電池セル110が含まれ、電池セル110は単一モジュールフレーム200、陥没部210および空間部250により多数の冷却構造が形成されることによって、電池セル110間の温度偏差が解消され得る。
【0063】
図7を参照すれば、本発明の一実施形態による電池モジュール100において、積層された複数のモジュール単位体300は、結合部材により結合され得る。
【0064】
より具体的に、結合部材400はストラップ400を含むことができ、ストラップ400は積層された複数のモジュール単位体300を囲むことを含むことができる。また、その他にも積層された複数のモジュール単位体300は接着剤により結合され得、ボルティング構造によっても結合され得る。また、複数のモジュール単位体300間の結合を可能にする多様な方法によりモジュール単位体300が結合され得る。
【0065】
この時、本発明のモジュール単位体300は、突出部220が接触して積層されたり、モジュール単位体300の上面部および底部が互いに接触して積層され得る。したがって、複数のモジュール単位体300が結合または積層されて多様な連結構造を形成することができる。
【0066】
以下、本発明の他の一実施形態による電池モジュールについて説明する。
【0067】
図9は本発明の他の一実施形態による電池モジュールに含まれるモジュール単位体を示す斜視図である。
図10は
図9のモジュール単位体が連結されて形成される本発明の他の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。
図11は
図10の電池モジュールに形成される結合部材を示す図面である。
図12は
図10のB部分を拡大して示す斜視図である。
図13は
図12の切断線C-C’に沿って切断した断面を示す断面図である。
【0068】
図9および
図13を参照すれば、本実施形態による電池モジュール100は、少なくとも一つの電池セル110、および前記少なくとも一つの電池セル110を囲む単位モジュールフレーム200を含むモジュール単位体300を含み、単位モジュールフレーム200の側面部は陥没部210を含む。また、本実施形態による電池モジュール100は陥没部210上に形成されるガス吐出口270を含む。
【0069】
従来の電池モジュールは、電池モジュール内部で発生した火炎およびガスが排出および移動することができる構造および経路が不在であったため、火炎が良好に排出されず、発火および爆発が発生する危険が存在した。特に、前記発火および爆発により熱暴走伝播(thermal runaway propagation)現象が発生する場合、隣接した電池セルおよび電池モジュール間の連鎖反応が発生する危険性があった。
【0070】
したがって、先んじた実施形態による
図8と
図10、
図12および
図13を参照すれば、本実施形態による電池モジュール100は、陥没部210およびガス吐出口270を含むモジュール単位体300が複数積層されることを含み、モジュール単位体300が複数積層されることによって陥没部210はそれぞれのモジュール単位体300の間に空間部250を形成することができる。
【0071】
この時、本実施形態による電池モジュール100に含まれるガス吐出口270を通じて電池モジュール内部、特に単一モジュールフレーム200の内部発火時、火炎およびガスが迅速に排出され得る。したがって、迅速に発火が鎮火される効果を達成することができる。
【0072】
また、モジュール単位体300が複数積層されることによって陥没部210により形成される空間部250の構成は、エアーギャップ(air gap)を形成することによって断熱層の役割を果たすことができる。陥没部210が断熱層の役割を果たすことによって、熱暴走伝播現象の発生時、連鎖反応を遮断および遅延させる効果を達成することができる。
【0073】
さらに、空間部250は、陥没部210の形状に沿って形成され得るため、本実施形態による電池モジュール100に含まれる空間部250は、電池セル110の側面部と平行に電池セル110の長さ方向に沿って形成され得る。
【0074】
この時、本実施形態による電池モジュール100に含まれるガス吐出口270は、空間部250と連結され得る。したがって、ガス吐出口270を通じて排出されるガスおよび火炎が空間部250に沿って移動することによって、ガスおよび火炎の排出が効率的に行われ得る。したがって、ガス吐出口270およびガス吐出口270と連結される空間部250の構成は、ガスおよび火炎の移動経路を形成することができる。
【0075】
また、
図13を参照すれば、本実施形態による電池モジュール100に含まれるガス吐出口270は、電池セル110に形成された電極リード111、112と隣接するように陥没部210上に形成されることを含むことができる。この時、ガス吐出口270は陥没部210の一部領域に形成され得る。電池セル110の電極リード111、112は、発熱が発生する部位であり、前記発熱による発火および爆発の可能性が高い。したがって電極リード111、112での発火時、電極リード111、112と隣接するように形成されたガス吐出口270を通じて迅速にガスおよび火炎が排出され得る。またガス吐出口270は、空間部250と連結されてガスおよび火炎の移動経路を形成するため、前記経路によりガスおよび火炎の迅速な移動が可能である。このようにガスおよび火炎の迅速な移動を促進することによって、熱暴走伝播現象の防止、および熱暴走伝播現象が発生する場合には電池セルおよびモジュール単位体間に発生し得る連鎖反応を防止および遅延させることができる。
【0076】
本実施形態によるガス吐出口270は、モジュール単位体300の一側面部および/または両側面部に形成され得る。より具体的に、ガス吐出口270は、モジュール単位体300の陥没部210のうちの一部または全部に形成され得る。
【0077】
図11を参照すれば、本発明の一実施形態による電池モジュール100も、積層された複数のモジュール単位体300が結合部材により結合され得る。
【0078】
より具体的に、結合部材400はストラップ400を含むことができ、ストラップ400は積層された複数のモジュール単位体300を囲むことを含むことができる。また、その他にも積層された複数のモジュール単位体300は、接着剤により結合され得、ボルティング構造によっても結合され得る。また、複数のモジュール単位体300間の結合を可能にする多様な方法によりモジュール単位体300が結合され得る。
【0079】
この時、本発明のモジュール単位体300は、突出部220が接触して積層されたり、モジュール単位体300の上面部および底部が互いに接触して積層され得る。したがって、複数のモジュール単位体300が結合または積層されて多様な連結構造を形成することができる。
【0080】
以下、本発明のまた他の一実施形態による電池モジュールに含まれるモジュール単位体を説明する。
【0081】
図15は本発明の他の一実施形態による電池モジュールに含まれるモジュール単位体の斜視図である。
【0082】
前記で説明した電池モジュールの内容と重複する内容が存在するところ、前記説明した電池モジュールの内容と異なる部分だけを説明する。
【0083】
図15を参照すれば、本発明の他の一実施形態による電池モジュールに含まれるモジュール単位体300は、単位モジュールフレーム200の陥没部210上に形成される補強ビード500をさらに含み、補強ビード500は陥没部210上に離隔して複数形成され得る。この時、補強ビード500は電池セル110の長さ方向に沿って複数形成され得る。
【0084】
また、それぞれの補強ビード500は電池セル110の長さ方向と垂直に形成され得る。
【0085】
従来の電池モジュールと比較してモジュール剛性をより向上させるために、単位モジュールフレーム200の陥没部210上に追加的に補強ビード500をさらに形成することができる。
【0086】
したがって、前記構造を通じて電池セル110のセルスウェリング現象の発生時、単位モジュールフレーム200のセルスウェリング吸収効果を高めることができる。また、セルスウェリング吸収による単位モジュールフレーム200の変形を最小化することができる。
【0087】
また、本実施形態によるモジュール単位体300は、陥没部210上に形成されるガス吐出口270を含み、ガスおよび火炎の迅速な移動を促進することによって、熱暴走伝播現象の防止、および熱暴走伝播現象が発生する場合には電池セルおよびモジュール単位体間に発生し得る連鎖反応を防止および遅延させることができる。
【0088】
以下、本発明のまた他の一実施形態による電池モジュールに含まれる放熱部材および熱伝導性樹脂層について説明する。
【0089】
図16は本発明の他の一実施形態による電池モジュールに含まれる放熱部材および熱伝導性樹脂層を示す図面である。
【0090】
前記で説明した電池モジュールの内容と重複する内容が存在するところ、前記で説明した電池モジュールの内容と異なる部分だけを説明する。
【0091】
図16を参照すれば、本発明のまた他の一実施形態による電池モジュールは、モジュール単位体300が複数積層され、モジュール単位体300の間に形成される空間部250を含み、空間部250に形成される放熱部材550を含むことができる。
【0092】
この時、空間部250に形成される放熱部材550は、放熱パッド、冷却パッドであり得、冷却水および外気(external air)であり得る。
【0093】
放熱部材550は、空間部250の大きさと同一に形成され得、空間部250と接触する範囲で空間部250の大きさより小さく形成されることもある。前記接触を通じて電池セル110で発生して単位モジュールフレーム200およびモジュール単位体300に伝達された熱は放熱部材550に伝達され得る。
【0094】
したがって、空間部250に形成された放熱部材550を通じて電池セル110で発生する熱を効率的に冷却することができ、電池モジュールの発火および発熱の可能性を最小化することができる。
【0095】
また、
図16を再び参照すれば、本発明のまた他の一実施形態による電池モジュールは、単位モジュールフレーム200の底部の下に形成される熱伝導性樹脂層600をさらに含むことができる。
【0096】
単位モジュールフレーム200の底部の下に熱伝導性樹脂層600を形成して、電池セル110から伝達される熱を迅速に電池モジュール外部に伝達することができ、したがって、電池セル110を冷却することができる。
【0097】
以下、
図17を参照して、本発明のまた他の一実施形態による電池パックについて説明する。
【0098】
図17は本発明の他の一実施形態による電池パックを示す図面である。
【0099】
図17を参照すれば、本発明の他の一実施形態による電池パック1000は、前述した電池モジュール100を含む。特に、前述した電池モジュール100の前記単位モジュールフレーム200に形成される突出部220を含む。また、本実施形態による電池パック1000は、前述した電池モジュール100、突出部220および突出部220上に嵌合される固定部材700をさらに含み、固定部材700により単位モジュールフレーム200、モジュール単位体300および/または電池モジュール100が固定され得る。
図17では一つのモジュール単位体300で形成された電池モジュール100だけを示したが、複数のモジュール単位体300に形成された電池モジュール100も本実施形態の電池パック1000に含まれ得る。特に、電池パック1000上には電池モジュール100が安定的に固定されてこそ安全性を高めることができるため、本実施形態による電池パック1000に含まれる突出部220および固定部材700を通じて安定性が向上した電池パック提供効果を達成することができる。
【0100】
さらに、本発明の電池パックは、本実施形態による電池モジュールを一つ以上集めて電池の温度や電圧などを管理する電池管理システム(Battery Management System;BMS)と冷却装置などを追加してパッキングした構造であり得る。
【0101】
前記電池パックは、多様なデバイスに適用され得る。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用され得るが、本発明は、これに制限されず、電池モジュールを使用することができる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0102】
以上では本発明の好ましい実施形態について図示して説明したが、本発明は前述した特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により多様な変形実施が可能であることはもちろん、このような変形実施は本発明の技術的な思想や展望から個別的に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0103】
100:電池モジュール
110:電池セル
200:単位モジュールフレーム
210:陥没部
220:突出部
250:空間部
270:ガス吐出口
290:リードスロット
300:モジュール単位体
400:結合部材
500:補強ビード
550:放熱部材
600:熱伝導性樹脂層
700:固定部材
【国際調査報告】