(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(54)【発明の名称】安全性が向上したバッテリーパック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/289 20210101AFI20231130BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20231130BHJP
H01M 50/505 20210101ALI20231130BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20231130BHJP
H01M 50/251 20210101ALI20231130BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20231130BHJP
H01M 50/503 20210101ALI20231130BHJP
H01M 10/613 20140101ALN20231130BHJP
H01M 10/658 20140101ALN20231130BHJP
H01M 10/647 20140101ALN20231130BHJP
H01M 10/643 20140101ALN20231130BHJP
H01M 10/64 20140101ALN20231130BHJP
【FI】
H01M50/289
H01M50/211
H01M50/505
H01M50/249
H01M50/251
H01M50/291
H01M50/503
H01M10/613
H01M10/658
H01M10/647
H01M10/643
H01M10/64
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531088
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 KR2022008414
(87)【国際公開番号】W WO2022265363
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0077047
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】テ-キョン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジュ-ファン・シン
(72)【発明者】
【氏名】スン-フン・ウ
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H031EE04
5H031KK02
5H040AA27
5H040AA37
5H040AS02
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY10
5H043AA04
5H043AA08
5H043AA13
5H043AA15
5H043CA03
5H043CA04
5H043CA08
5H043FA04
5H043HA02
5H043JA01
5H043JA02
5H043JA03
5H043KA22
5H043LA44F
(57)【要約】
本発明はバッテリーモジュール間の熱伝播(thermal propagation)がより効果的に防止できるように安全性を向上させたバッテリーパックを開示する。本発明の一態様に係るバッテリーパックは、それぞれ1つ以上のバッテリーセル及びモジュール端子を含む複数のバッテリーモジュールと、隣接するバッテリーモジュール間に介在する隔壁ユニットと、互いに異なるバッテリーモジュールのモジュール端子間を電気的に接続し、前記隔壁ユニットの端部又は内部に位置して前記隔壁ユニットの端部又は内部を密閉するバスバーユニットと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ1つ以上のバッテリーセル及びモジュール端子を含む複数のバッテリーモジュールと、
隣接するバッテリーモジュール間に介在する隔壁ユニットと、
互いに異なるバッテリーモジュールのモジュール端子間を電気的に接続し、前記隔壁ユニットの端部又は内部に位置して前記隔壁ユニットの端部又は内部を密閉するバスバーユニットと、
を含む、バッテリーパック。
【請求項2】
前記隔壁ユニットと直交する形状に配置され、隣接するバッテリーモジュール間に介在する分割ユニットをさらに含み、
前記バスバーユニットは、前記隔壁ユニットの端部と前記分割ユニットの表面との間に介在する、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記隔壁ユニットは、一部が切り欠かれた形状に形成された収容溝を有し、前記バスバーユニットは、前記収容溝に着座して前記収容溝を埋める、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記隔壁ユニットは、プレート状に構成され、コーナー部に前記収容溝が形成される、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記バスバーユニットは、導電性材質から構成され、両端が互いに異なるバッテリーモジュールのモジュール端子に接続される導電部と、前記導電部の周囲を取り囲み、前記導電部よりも外側に突出するように構成され、前記隔壁ユニットの端部又は内部を密閉する密閉部と、を備える、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記密閉部は、弾性体材質から構成される、請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記バスバーユニットは、前記密閉部よりも融点が高い材質から構成され、前記密閉部の表面に取り付けられる遮断部をさらに備える、請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記遮断部は、少なくとも一側端部が折り曲げられる、請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記密閉部は、前記隔壁ユニットの収容部と挿入締結される突起または溝を有する、請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記密閉部は、ケーブルが通過可能なように形成された貫通孔を有する、請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のバッテリーパックを含む、自動車。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか一項に記載のバッテリーパックを含む、エネルギー貯蔵システム。
【請求項13】
導電性材質から構成され、両端が互いに異なるバッテリーモジュールのモジュール端子間に接続される導電部と、
前記導電部の周囲を取り囲み、前記導電部よりも外側に突出するように構成され、前記隔壁ユニットの端部又は内部を密閉する密閉部と、
を含む、バスバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年6月14日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0077047号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリーに関し、より詳細には、バッテリーモジュール間の熱伝播(thermal propagation)をより効果的に防止できるように安全性が向上したバッテリーパック、これを含む自動車およびエネルギー貯蔵システム、ならびにこれらに用いられるバスバーなどに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯型電子製品の需要が急激に伸び、ロボット、電気自動車などの商用化が本格化するにつれて、繰り返して充放電可能な高性能二次電池に対する研究が活発に行われている。
【0004】
現在、商用化されている二次電池としてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などが挙げられるが、そのうちリチウム二次電池は、ニッケル系列の二次電池に比べてメモリ効果が殆ど起きないため充放電が自在であり、自己放電率が非常に低くエネルギー密度が高いという長所で脚光を浴びている。
【0005】
この種のリチウム二次電池は、主として、リチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質及び負極活物質として用いる。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレーターを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と一緒に封入する外装材、すなわち、電池ケースと、を備える。
【0006】
一般に、リチウム二次電池は、外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池と、に分類される。
【0007】
最近には、携帯型電子機器などの小型装置のみならず、電気自動車やエネルギー貯蔵システム(Energy Starge System;ESS、電力貯蔵装置)などの中大型装置にも駆動用やエネルギー貯蔵用として二次電池が広く用いられている。特に、中大型装置の場合、バッテリーの出力及び/又は容量を向上させるために、複数の二次電池が互いに電気的に接続された形状で1つのバッテリーモジュールを構成し、このようなバッテリーモジュールが複数接続されて1つのバッテリーパックを構成することができる。
【0008】
代表的に、自動車用バッテリーパックには、パックケースの内部空間に複数のバッテリーモジュールを収容することができ、このような複数のバッテリーモジュールの間はバスバー(モジュールバスバー)を介して互いに電気的に直列及び/又は並列で接続され得る。
【0009】
ところが、このようにバッテリーパックの内部に複数のバッテリーモジュールが含まれているので、バッテリーパックの安全性がより重要な問題として浮上している。特に、いずれか1つのバッテリーモジュールの内部で熱暴走(thermal runaway)などの状況が生じた場合に、バッテリーモジュール間の熱伝播(thermal propagation)を適切に抑制する必要がある。万が一、バッテリーモジュール間の熱伝播が適切に抑制されていないと、バッテリーパックが故障するおそれがあり、バッテリーパックの爆発や火災が発生して、重大な人命及び財産被害を引き起こすことがある。
【0010】
したがって、バッテリーモジュール間の熱伝播を抑制するために、種々の試みがなされてきている。その代表例として、バッテリーモジュール間の熱や火炎などを遮断可能な材質及び形状で隔壁を設けた構成が挙げられる。しかし、従来のバッテリーモジュール間に設けられた隔壁構成では熱伝播を完全に遮断できないという問題がある。特に、バッテリーモジュール間を、バスバーを介して互いに電気的に接続し得るが、特定のバッテリーモジュールで発生した火炎やガスが、このようなバスバーが設置された部分を介して隣接するバッテリーモジュールに流入して熱伝播が行われるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明は、上記問題を解決するために案出されたものであり、バスバーユニットが設置された部分においても、バッテリーモジュール間の熱伝播を効果的に抑制することができるバッテリーパック、これを含む自動車およびエネルギー貯蔵システム、ならびにそのバスバーユニットなどを提供することを目的とする。
【0012】
但し、本発明が解決しようとする技術的課題は、上述した課題に何ら制限されるものではなく、言及されていない他の課題は、下記に記載されている発明の詳細な説明から当業者にとって明らかに理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための本発明の一態様に係るバッテリーパックは、それぞれ1つ以上のバッテリーセル及びモジュール端子を含む複数のバッテリーモジュールと、隣接するバッテリーモジュール間に介在する隔壁ユニットと、互いに異なるバッテリーモジュールのモジュール端子間を電気的に接続し、前記隔壁ユニットの端部又は内部に位置して前記隔壁ユニットの端部又は内部を密閉するバスバーユニットと、を含む。
【0014】
ここで、本発明に係るバッテリーパックは、前記隔壁ユニットと直交する形状に配置され、隣接するバッテリーモジュール間に介在する分割ユニットをさらに含み、前記バスバーユニットは、前記隔壁ユニットの端部と前記分割ユニットの表面との間に介在する形状に構成されてもよい。
【0015】
また、前記隔壁ユニットは、一部が切り欠かれた形状に形成された収容溝を有し、前記バスバーユニットは、前記収容溝に着座して前記収容溝を埋めるように構成されてもよい。
【0016】
さらに、前記隔壁ユニットは、プレート状に構成され、コーナー部に前記収容溝が形成されてもよい。
【0017】
さらにまた、
前記バスバーユニットは、導電性材質から構成され、両端が互いに異なるバッテリーモジュールのモジュール端子に接続される導電部と、前記導電部の周囲を取り込み、前記導電部よりも外側に突出するように構成され、前記隔壁ユニットの端部又は内部を密閉する密閉部と、を備えていてもよい。
【0018】
さらにまた、前記密閉部は、弾性体材質から構成されてもよい。
【0019】
さらにまた、前記バスバーユニットは、前記密閉部よりも融点が高い材質から構成され、前記密閉部の表面に取り付けられる遮断部をさらに備えていてもよい。
【0020】
さらにまた、前記遮断部は、少なくとも一側端部が折り曲げられる形状に構成されてもよい。
【0021】
さらにまた、前記密閉部は、前記隔壁ユニットの収容部と挿入締結される形状に形成された突起または溝を有してもよい。
【0022】
これらに加えて、前記密閉部は、ケーブルが通過可能なように形成された貫通孔を有してもよい。
【0023】
また、上記目的を達成するための本発明の他の態様に係る自動車は、本発明に係るバッテリーパックを含む。
【0024】
さらに、上記目的を達成するための本発明のさらに他の態様に係るエネルギー貯蔵システムは、本発明に係るバッテリーパックを含む。
【0025】
さらにまた、上記目的を達成するための本発明のさらにまた他の態様に係るバスバーは、導電性材質から構成され、両端が互いに異なるバッテリーモジュールのモジュール端子間に接続される導電部と、前記導電部の周囲を取り囲み、前記導電部よりも外側に突出するように構成され、前記隔壁ユニットの端部又は内部を密閉する密閉部と、を含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、安全性が向上したバッテリーパックを提供することができる。
【0027】
特に、本発明の一態様によれば、バッテリーパック内に含まれる複数のバッテリーモジュールのうちの特定のバッテリーモジュールで発生する事象に起因してガスや火炎などが発生した場合に、他のバッテリーモジュールにガスや火炎などが伝播されることをより効果的に防止することができる。
【0028】
さらに、本発明の一態様によれば、バッテリーモジュール間を電気的に接続するバスバーユニットを締結するための空間をシールすることで、バスバーユニットが設けられた側を介してモジュール間の熱伝播を確実に防止することができる。
【0029】
また、本発明の一態様によれば、簡単な構造や簡単な組立工程でも、バスバーユニット側での熱電波防止構造を実現することができる。
【0030】
これらの他にも、本発明は、色々な他の効果を奏することができ、これについては各実施構成において説明したり、当業者が容易に類推可能な効果などについては当該説明を省略したりする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本明細書に添付される以下の図面は、本発明の好ましい実施形態を例示するものであり、後述する発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解させる役割を果たすものであるため、本発明は、そのような図面に記載された事項のみに限定されて解釈されてはいけない。
【0032】
【
図1】本発明の一実施形態に係るバッテリーパックの構成を概略的に示す斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る隔壁ユニットとバスバーユニットとが分離されている構成を概略的に示す図である。
【
図5】
図4の隔壁ユニットとバスバーユニットとが結合されている構成を概略的に示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るバスバーユニットの構成を概略的に示す斜視図である。
【
図7】本発明の他の実施形態に係るバスバーユニットの構成を概略的に示す斜視図である。
【
図8】
図7のバスバーユニットが隔壁ユニット、パックケース及び隔壁ユニットの間に設けられる構成の一部を概略的に示す図である。
【
図9】本発明のさらに他の実施形態に係るバスバーユニットが隔壁ユニット、パックケース及び隔壁ユニットの間に設けられる構成の一部を概略的に示す図である。
【
図10】本発明のさらに他の実施形態に係るバスバーユニットと隔壁ユニットの一部の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【
図11】本発明のさらに他の実施形態に係るバスバーユニットの構成を概略的に示す斜視図である。
【
図12】
図11のバスバーユニットが適用されるバッテリーパックの一部の構成を概略的に示す図である。
【
図13】本発明のさらに他の実施形態に係るバスバーユニットが隔壁ユニットに結合されている構成の一部を概略的に示す図である。
【
図14】本発明のさらに他の実施形態に係るバスバーユニットと隔壁ユニットの構成を概略的に示す分解斜視図である。
【
図15】本発明のさらに他の実施形態に係るバッテリーパックの一部の構成を概略的に示す図である。
【
図16】本発明のさらに他の実施形態に係るバッテリーパックの一部の構成を概略的に示す図である。
【
図17】本発明のさらに他の実施形態に係るバッテリーパックの一部の構成を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0034】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態に係るバッテリーパックの構成を概略的に示す斜視図である。特に、
図1では、説明の便宜上、バッテリーパックの一部の構成が分離された形状に示されている。
【0036】
図1を参照すると、本発明に係るバッテリーパックは、バッテリーモジュール100、隔壁ユニット200及びバスバーユニット300を含む。
【0037】
前記バッテリーモジュール100は、1つ以上のバッテリーセルを備えていてもよい。ここで、それぞれのバッテリーセルは、二次電池を意味することがある。二次電池は、電極組立体、電解質及び電池ケースを備えていてもよい。例えば、バッテリーモジュール100に設けられたバッテリーセルは、パウチ型二次電池であってもよい。但し、二次電池の他のタイプ、例えば円筒形電池や角形電池もまた、本発明のバッテリーモジュール100に採用可能である。
【0038】
複数の二次電池は、互いに積層された形状にバッテリーモジュール100に含まれてもよい。例えば、複数の二次電池は、それぞれ上下方向(図中のZ軸方向)に起立した状態で、水平方向(図中のX軸方向)に並べられた形状に積層されてもよい。それぞれのバッテリーセルは、電極リードを備えていてもよいが、このような電極リードは、各バッテリーセルの両端部に位置してもよく、一方の端部に位置してもよい。
【0039】
前記バッテリーモジュール100は、モジュール端子を備えていてもよい。例えば、バッテリーモジュール100では、各バッテリーセルの電極リードは、前方及び/又は後方側に位置決めされ、モジュール端子は、電極リードと電気的に接続された形状に位置決めされてもよい。特に、モジュール端子は、バッテリーモジュール100の前方及び/又は後方側に位置決めされて、前方及び/又は後方に突出した形状に構成されてもよい。このようなモジュール端子は、バッテリーモジュール100に含まれる二次電池(バッテリーセル)を、バッテリーモジュール100の外部の他の構成要素、例えば他のバッテリーモジュール100と電気的に接続することを可能にすることができる。
【0040】
また、前記バッテリーモジュール100は、モジュールケースを備えていてもよい。モジュールケースは、内部に形成された空き空間を有し、内部空間に1つ以上のバッテリーセルを収容するように構成されてもよい。例えば、モジュールケースは、天板、底板、左側板、右側板、前板及び後板により内部空間を限定し、その内部空間に複数のバッテリーセルを収容する形状に構成されてもよい。または、バッテリーモジュール100は、モジュールケースの少なくとも一部、例えば側板や天板などを除いた形状に構成されていてもよい。あるいは、バッテリーモジュール100は、モジュールケースなしに複数のセル積層体のみを含む形状に構成されていてもよい。
【0041】
本発明は、このようなバッテリーモジュール100の特定の形状や構成に限定されず、本発明の出願時点で公知の種々のバッテリーモジュール100を本発明のバッテリーパックに採用することができる。
【0042】
本発明に係るバッテリーパックは、複数のバッテリーモジュール100を含み得る。特に、複数のバッテリーモジュール100のうちの少なくとも2つ以上またはバッテリーモジュール100全体が水平方向に配置された形状に構成されてもよい。例えば、本発明に係るバッテリーパックが8つのバッテリーモジュールM1~M8を含む場合、8つのバッテリーモジュール100を、水平方向に配置して2つの列に配置することができ、各列は、4つのバッテリーモジュール100を含む形状に構成されてもよい。この場合、4つのバッテリーモジュールM1~M4は1つの列を構成し、他の4つのバッテリーモジュールM5~M8は他の1つの列を構成するといえる。
【0043】
前記隔壁ユニット200は、隣接するバッテリーモジュール100の間に介在するように構成されていてもよい。例えば、複数のバッテリーモジュール100を左右方向に配置する場合に、前記隔壁ユニット200を各バッテリーモジュール100の間に介在させて左側バッテリーモジュールと右側バッテリーモジュールとの間を分離してもよい。具体的な例としては、
図1の構成において、バッテリーモジュールM1とバッテリーモジュールM2との間に隔壁ユニットW1を介在させてバッテリーモジュールM1とバッテリーモジュールM2とを分離してもよく、バッテリーモジュールM2とバッテリーモジュールM3との間に隔壁ユニットW2を介在させてバッテリーモジュールM2とバッテリーモジュールM3とを分離してもよく、バッテリーモジュールM3とバッテリーモジュールM4との間に隔壁ユニットW3を介在させてバッテリーモジュールM3とバッテリーモジュールM4とを分離してもよい。
【0044】
特に、前記隔壁ユニット200は、プレート状に構成されてもよい。このとき、隔壁ユニット200の両面を水平方向に配置してバッテリーモジュールの側面に対面するように立設した形状に構成されてもよい。例えば、前記隔壁ユニット200は、左右方向に配置されたバッテリーモジュール100の間に立設された形状に介在し、左面および右面がそれぞれ左側バッテリーモジュール100の右面および右側バッテリーモジュール100の左面に対面するように配置されてもよい。
【0045】
前記隔壁ユニット200は、バッテリーモジュール100の間で熱及び/又は火炎が伝えられることを遮断または低減できる形状及び材質から構成されてもよい。例えば、前記隔壁ユニット200は、スチール/アルミニウム/スチールタイプのクラッドメタル(clad metal)の形状に構成されてもよい。また、前記隔壁ユニット200は、内部に空き空間を有するとともに当該空き空間に空気等を含ませるように構成することで、断熱機能の向上および軽量化を図ることができる。これらの他にも、隔壁ユニット200は、熱及び/又は火炎を遮断または抑制することができる他の様々な形状及び材質から構成されてもよい。
【0046】
前記バスバーユニット300は、互いに異なるバッテリーモジュール100のモジュール端子間を電気的に接続するように構成されてもよい。例えば、前記バスバーユニット300は、導電性材質、例えば金属材質のプレートを備えていてもよい。また、このような金属材質のプレートの両端は、隣接するバッテリーモジュール100のモジュール端子にそれぞれ締結されるように構成されてもよい。この場合、前記バスバーユニット300の金属プレートには、モジュール端子と締結固定されるための締結孔が形成されてもよい。
【0047】
前記バスバーユニット300は、隔壁ユニット200の端部又は内部に位置してもよい。例えば、隔壁ユニット200を上下方向(図中のZ軸方向)に立設した状態で前後方向(図中のY軸方向)に長く延びた形状に構成した場合、隔壁ユニット200の端部は、前方側及び/又は後方側に位置してもよい。このとき、バスバーユニット300は、このような隔壁ユニット200の端部、すなわち、隔壁ユニット200の前方側端部及び/または後方側端部に位置するように構成されてもよい。例えば、
図1を参照すると、バッテリーモジュールM1~M4の間に隔壁ユニット200が介在する場合、バスバーユニット300を隔壁ユニット200の前方(図中の+Y軸)側の端部に位置させてもよい。また、
図1の構成において、バッテリーモジュールM5~M8の間に隔壁ユニット200が介在する場合、バスバーユニット300を隔壁ユニット200の後方(図中の-Y軸)側の端部に位置させてもよい。
【0048】
特に、本発明に係るバスバーユニット300は、このように隔壁ユニット200の端部又は内部に位置して、隔壁ユニット200の端部又は内部を密閉するように構成されてもよい。これについては、
図2及び
図3を参照してさらに詳しく説明する。
【0049】
【0050】
まず、
図1及び
図2を参照すると、2つのバッテリーモジュールM1とM2の各側面間に板状の隔壁ユニットW1が立設された形状に介在している。このとき、2つのバッテリーモジュール100の各々は、複数のバッテリーセル110およびモジュール端子120を備えていてもよい。特に、バッテリーモジュールM1はモジュール端子T1を備え、バッテリーモジュールM2はモジュール端子T2を備えていてもよい。このとき、2つのモジュール端子T1、T2の間にバスバーユニット300を接続してもよく、隔壁ユニットW1の前方側端部には、
図2の矢印A2で示すように、バスバーユニット300を設置するための着座空間(収容部)を設けてもよい。
【0051】
また、
図3をさらに参照すると、バスバーユニット300は、隔壁ユニットW1の前方側端部の収容部に着座してもよい。特に、本発明に係るバスバーユニット300は、隔壁ユニット200の前方側端部に形成された空き空間(収容部)を密閉する形状に構成されてもよい。例えば、
図3の構成において、バスバーユニット300は、矢印A2で示すように、隔壁ユニット200の前方側端部に形成された空き空間に着座し、両端が2つのバッテリーモジュールM1、M2のモジュール端子T1、T2にそれぞれ締結される一方、矢印A2で示すように隔壁ユニット200の前方側端部(収容部)を密閉するように構成されてもよい。
【0052】
また、隔壁ユニット200の前方側端部には、隔壁ユニット200と類似の形状を有する分割ユニット500やパックケース400の内面が位置してもよい。この場合、隔壁ユニット200の前方(+Y軸方向)側端部と、このような分割ユニット500の表面またはパックケース400の内面との間に空き空間を形成してもよく、バスバーユニット300は、このような隔壁ユニット200と分割ユニット500との間の空間、または隔壁ユニット200とパックケース400との間の空間を密閉するように構成されてもよい。このために、バスバーユニット300は、隔壁ユニット200の端部に接触した形状に構成されてもよい。例えば、バスバーユニット300は、後方(-Y軸方向)側端部が隔壁ユニット200の前方側端部に取り付けられた形状に構成されてもよい。また、バスバーユニット300は、前方側端部が分割ユニット500やパックケース400の内面に接触した形状に構成されてもよい。
【0053】
さらに、バスバーユニット300は、隔壁ユニット200の延在方向の空き空間を密閉するように構成されてもよい。例えば、
図2及び
図3の構成において、隔壁ユニット200は、バッテリーパックの前後方向(±Y軸方向)に長く延びたプレート状に構成されてもよく、バスバーユニット300は、隔壁ユニット200と分割ユニット500との間の空き空間に介在して、当該空き空間が存在しないように、隔壁ユニット200の前端において前方(+Y軸方向)側を密閉してもよい。
【0054】
本発明のこのような構成によれば、隔壁ユニット200およびバスバーユニット300は、互いに異なるバッテリーモジュール100の間での熱伝播を効果的に防止することができる。特に、上記実施構成によれば、バッテリーモジュール100間に隔壁ユニット200が存在する場合であっても、バッテリーモジュール100の間を電気的に接続するための空間により、隔壁ユニット200の遮断機能が低下してしまう場合があるが、バスバーユニット300は、このような隔壁ユニット200の遮断機能の低下を補うことができる。さらに、本発明の上記実施構成によれば、バスバーユニット300への火炎やガスの流入およびバスバーユニット300からの火炎やガスの流出が遮断されるので、バッテリーモジュール100間の熱伝播防止性能を安定的に確保することができる。
【0055】
本発明に係るバッテリーパックは、
図1に示すように、パックケース400をさらに含み得る。
【0056】
前記パックケース400には、内部に空き空間が形成され、この空き空間に、複数のバッテリーモジュール100、隔壁ユニット200及びバスバーユニット300が収容されるように構成されてもよい。例えば、パックケース400は、下ケース410と上ケース420とを備え、下ケース410と上ケース420とは、内部空間を密閉するように互いに締結されてもよい。例えば、下ケース410は、上部が開放されたボックス形状に構成され、上ケース420は、このような下ケース410の開放された上端部を覆う形状に構成されてもよい。
【0057】
特に、隔壁ユニット200の上端と下端のそれぞれは、上ケース420の下面と下ケース410の上面にそれぞれ接触した形状に構成されてもよい。この場合、隔壁ユニット200の上下端部とパックケース400の内側上下面との間でガスや火炎が漏れることを防止することができる。
【0058】
また、バスバーユニット300は、上端又は下端が上ケース420の下面又は下ケース410の上面に接触するように構成されてもよい。例えば、バスバーユニット300が隔壁ユニット200の前方側の上部に位置している場合には、バスバーユニット300の上端は、上ケース420の下面と接触するように構成されてもよい。特に、
図3に示すように、バスバーユニット300は、バッテリーモジュール100のモジュール端子120に締結された状態で、上端(上面)が隔壁ユニット200の上端(上面)と同一平面上に位置するように構成されてもよい。すなわち、バスバーユニット300は、隔壁ユニット200の収容部に設置された状態で、上端の高さが隔壁ユニット200の上端の高さと同一になるように構成されてもよい。この場合、隔壁ユニット200およびバスバーユニット300と、上ケース420との間に空き空間が形成されないように構成されてもよい。したがって、隔壁ユニット200及びバスバーユニット300と、上ケース420との間に隙間が存在することを防止できる。
【0059】
前記パックケース400は、本発明の出願時点で公知の様々な形状に構成されてもよく、本発明に係るバッテリーパックは、このようなパックケース400を特定の形状に制限するものではない。
【0060】
本発明に係るバッテリーパックは、
図1から
図3に示すように、分割ユニット500をさらに含んでいてもよい。
【0061】
前記分割ユニット500は、隔壁ユニット200と同様に、隣接するバッテリーモジュール100の間に介在するように構成されてもよい。特に、前記分割ユニット500は、バッテリーモジュール100の互いに異なる列の間に介在してもよい。例えば、
図1の構成において、分割ユニット500は、バッテリーモジュール100の第1列M1~M4とバッテリーモジュール100の第2列M5~M8との間に介在する形状に配置されてもよい。この場合、分割ユニット500は、前後方向(±Y軸方向)に配置されたバッテリーモジュール100の間に介在してもよい。例えば、
図1の構成において、分割ユニット500は、バッテリーモジュールM1とバッテリーモジュールM5との間、およびバッテリーモジュールM2とバッテリーモジュールM6との間に介在した形状に構成されてもよい。特に、前記分割ユニット500は、バッテリーモジュール100においてモジュール端子120が位置する前方側又は後方側に対面するように配置され、バッテリーモジュール100間を分割するように構成されてもよい。
【0062】
前記分割ユニット500は、隔壁ユニット200と同様に板状に構成され、両面が水平方向を向くように立設した形状に構成されてもよい。特に、前記分割ユニット500は、両表面がバッテリーモジュール100の前方または後方を向くように構成されてもよい。また、前記分割ユニット500は、熱及び/または火炎を遮断できる様々な形状及び材質から構成されてもよい。例えば、前記分割ユニット500は、スチール/アルミニウム/スチール材質のクラッドメタルの形状に構成されてもよい。また、前記分割ユニット500は、内部に空き空間が形成された形状に構成されてもよい。
【0063】
前記分割ユニット500は、隔壁ユニット200と直交する形状に構成されてもよい。例えば、
図1に示すように、隔壁ユニット200が前後方向(Y軸方向)に長く延びたプレート状に配置された場合、分割ユニット500は、左右方向(X軸方向)に長く延びたプレート状に配置されてもよい。
【0064】
このような実施構成において、前記バスバーユニット300は、隔壁ユニット200の端部と分割ユニット500の表面との間に介在した形状に構成されてもよい。すなわち、
図2に示すように、隔壁ユニット200の端部と分割ユニット500の表面との間にはA2で示された離隔空間が存在してもよく、バスバーユニット300は、隔壁ユニット200と分割ユニット500との間の離隔空間を満たすように離隔空間に挿入されてもよい。
【0065】
特に、バスバーユニット300は、両端が分割ユニット500と隔壁ユニット200との間に接触した形状に構成されてもよい。例えば、
図3に示す構成において、一部のバスバーユニット300の後端は、隔壁ユニット200の前端に接触していてもよく、バスバーユニット300の前端は、分割ユニット500の後方側表面に接触した形状に構成されてもよい。
【0066】
本発明のこのような構成によれば、複数のバッテリーモジュール100が複数列に配置された場合、分割ユニット500と隔壁ユニット200によって区分される空間を互いに確実に密閉することができる。例えば、
図1に示すように、バッテリーモジュール100を2列以上に配置し、且つ2つ以上のバッテリーモジュール100を側面が向かい合う形状に各列に配置する場合、分割ユニット500、隔壁ユニット200、バスバーユニット300によって、各バッテリーモジュール100が存在する空間が互いに熱的に独立してもよい。特に、バッテリーモジュール100間を電気的に接続するための空間を、分割ユニット500と隔壁ユニット200との間に設けることができ、この空間はバスバーユニット300によってシールされるので、バッテリーモジュール100間でのガスや火炎などの流入及び流出による熱伝播を効果的に防止又は低減することができる。
【0067】
さらに、前記隔壁ユニット200には収容溝が形成され、バスバーユニット300はこのような収容溝を埋める形状に構成されてもよい。これについては、
図4及び
図5を参照してより詳細に説明する。
【0068】
図4は、本発明の一実施形態に係る隔壁ユニット200とバスバーユニット300とが分離されている構成を概略的に示す図であり、
図5は、
図4の隔壁ユニット200とバスバーユニット300とが結合されている構成を概略的に示す図である。
【0069】
まず、
図4を参照すると、矢印Gで示すように、隔壁ユニット200に収容溝を形成してもよい。特に、このような収容溝Gは、隔壁ユニット200の一部が切り欠かれた形状に形成されていてもよい。例えば、
図4の構成において、隔壁ユニット200の上端の一部を下方への所定の距離だけ切り下げて、下方向に凹形状を有する収容溝Gを形成してもよい。もちろん、このような収容溝Gは、隔壁ユニット200の一部を実際に切り欠くことなく、隔壁ユニット200を製造する際に、最初から収容溝Gが形成された形状に成形されてもよい。
【0070】
前記バスバーユニット300は、このような収容溝Gに着座可能に構成されてもよい。例えば、前記バスバーユニット300は、
図4の矢印で示すように下方に移動し、隔壁ユニット200の収容溝Gに着座できるように構成されてもよい。このとき、前記バスバーユニット300は、下端部の少なくとも一部が収容溝Gの形状に対応する形状、すなわち、整合する形状に形成されてもよい。
【0071】
また、前記バスバーユニット300は、全体的にまたは部分的に収容溝の形状に対応する形状に形成されてもよい。特に、バスバーユニット300は、隔壁ユニット200の収容溝Gに着座したときに、収容溝Gを完全に埋めるように構成されてもよい。例えば、
図5に示すように、隔壁ユニット200を略四角プレート状に構成し、収容溝Gが前方(+Y軸方向)側の上端の一部に形成される場合、隔壁ユニット200の収容溝Gにバスバーユニット300を挿入して収容溝Gを完全に埋め込むことができる。この場合、隔壁ユニット200とバスバーユニット300との結合により、A3で示される四角形の面積全体が密閉されてもよい。
【0072】
したがって、隔壁ユニット200に隣接する2つのバッテリーモジュール100のうちのいずれか1つのバッテリーモジュール100でガスや火炎が発生した場合、発生したガスや火炎を隔壁ユニット200だけでなくバスバーユニット300によっても遮断することができる。よって、隔壁ユニット200を挟んでバスバーユニット300を介して互いに電気的に接続されたバッテリーモジュール100の間では、ガスや火炎などの伝達が遮断されることにより、熱伝播が抑制され得る。
【0073】
特に、隔壁ユニット200は、プレート状に構成されてコーナー部に収容溝Gが形成されるように構成されてもよい。また、隔壁ユニット200の収容溝Gは、隔壁ユニット200の頂点付近に形成されてもよい。例えば、
図4を参照すると、隔壁ユニット200は、上端コーナーから下方へ凹んだ形状に形成された収容溝を有してもよい。特に、このような収容溝Gは、隔壁ユニット200の前方(+Y軸方向)側のコーナーにも亘って形成されているといえる。この場合、収容溝Gは、隔壁ユニット200の上端コーナーと前方側コーナーとが接する頂点の付近に形成されているといえる。
【0074】
本発明のこのような構成によれば、バスバーユニット300と隔壁ユニット200とを簡単な組み立て工程によって結合することができる。特に、モジュール端子120は、バッテリーモジュール100の前方側の上端に位置決めされていてもよく、上記実施構成によれば、バスバーユニット300は、このようなバッテリーモジュール100の構成に適した形態で位置決めされていてもよい。また、上記実施構成によれば、バスバーユニット300と隔壁ユニット200との結合工程を簡単に行うことができる。すなわち、バッテリーモジュール100と隔壁ユニット200とがパックケース400の内部に位置した状態で、バスバーユニット300は下方に移動して、隔壁ユニット200の上端に形成された収容溝Gに着座してもよい。これにより、隔壁ユニット200の収容溝Gに対するバスバーユニット300の組み立て工程を容易に行うことができ、バスバーユニット300による隔壁ユニット200の収容溝Gの密閉構成も簡単な組み立て工程のみによって実現することができる。
【0075】
さらに、バスバーユニット300が隔壁ユニット200のコーナー、特にその頂点の付近に位置している場合には、バスバーユニット300の外側コーナーは、隔壁ユニット200のコーナーと一直線上又は一平面上に形成される形状に構成されてもよい。
【0076】
例えば、
図5を参照すると、バスバーユニット300は、隔壁ユニット200の収容溝に挿入された状態で、上端コーナーが隔壁ユニット200の上端コーナーと一直線上又は一平面上に位置する形状に構成されてもよい。また、バスバーユニット300は、隔壁ユニット200の収容溝に挿入された状態で、前方(+Y軸方向)側コーナーが隔壁ユニット200の前方側コーナーと一直線上又は一平面上に位置するように構成されてもよい。
【0077】
本発明のこのような構成によれば、バスバーユニット300と隔壁ユニット200とによる密閉構成をより確実に達成することができる。特に、隔壁ユニット200の上端コーナー及び前方側コーナーは、それぞれ上ケース420及び分割ユニット500の表面に接触していてもよく、このように隔壁ユニット200のコーナーとバスバーユニット300のコーナーとが一直線又は一平面を形成する形状に構成された場合には、上ケース420及び分割ユニット500の表面に対する密閉性を全体として確保することができる。
【0078】
前記バスバーユニット300は、互いに異なるバッテリーモジュール100を電気的に接続しながら隔壁ユニット200の端部又は内部を密閉する形状に構成されてもよい。このようなバスバーユニット300のより具体的な構成については、
図6を参照してより詳細に説明する。
【0079】
図6は、本発明の一実施形態に係るバスバーユニット300の構成を概略的に示す斜視図である。
【0080】
図6と共に
図1から
図3の構成を参照すると、バスバーユニット300は、導電部310及び密閉部320を備えていてもよい。
【0081】
まず、前記導電部310は、互いに異なるバッテリーモジュール100のモジュール端子120に両端が接続されるように構成されてもよい。例えば、前記導電部310は、X軸方向に延びた形状に構成され、H1で示される締結孔がX軸方向の両端に形成されてもよい。また、互いに異なるバッテリーモジュール100のモジュール端子120が導電部310の両端に接触した状態で、締結孔H1には締結部材、例えばボルトがそれぞれ挿入されて締結されてもよい。例えば、導電部310の一方の端に形成された締結孔H1には1つのバッテリーモジュール100の負極端子が接続締結され、導電部310の他方の端に形成された締結孔H1には他の1つのバッテリーモジュール100の正極端子が接続締結され得る。この場合、2つのバッテリーモジュール100は、バスバーユニット300の導電部310によって互いに直列に接続され得る。特に、前記導電部310は、互いに異なるバッテリーモジュール100を電気的に接続するための構成要素であり、導電性材質から構成されてもよい。例えば、前記導電部310は、銅、アルミニウム、ニッケルなどの金属材質から構成されてもよい。より具体的な例として、前記導電部310は、一方向に延びる銅棒または銅板のような形状に形成されてもよい。
【0082】
次に、前記密閉部320は、導電部310の少なくとも一部の周囲を取り囲む形状に構成されてもよい。例えば、前記密閉部320は、
図6に示すように、導電部310における、モジュール端子120が接続される両端部、特に締結孔H1が形成された部分を除き、導電部310のY軸方向及びZ軸方向の中央部分を取り囲む形状に構成されてもよい。さらに、前記密閉部320は、導電部310より外側に突出する形状に構成されてもよい。例えば、
図6に示すように、密閉部320は、導電部310より前後方向(±Y軸方向)及び上下方向(±Z軸方向)に突出するように構成されてもよい。
【0083】
また、このような突出構成により、密閉部320は、隔壁ユニット200の端部又は内部を密閉するように構成されてもよい。すなわち、密閉部320は、隔壁ユニット200の端部や内部に形成された収容部を密閉するために、導電部310より前方、後方、上方及び下方へ突出するように構成されてもよい。特に、
図4及び
図5に示すように、隔壁ユニット200の前方側端部に収容溝Gが形成されており、このような収容溝Gは、バスバーユニット300の密閉部320によって完全に埋められることにより、隔壁ユニット200の前方側端部が密閉され得る。
【0084】
前記密閉部320は、非導電性材質から構成されてもよい。導電部310には電流が流れるので、密閉部320は、このような導電部310を流れる電流が、他の構成要素(パックケース400、隔壁ユニット200、分割ユニット500など)に流れることを防止する必要がある。すなわち、密閉部320は、非導電性材質から構成されるので、導電部310を他の構成要素から電気的に絶縁することができる。
【0085】
また、前記密閉部320は、弾性体材質から構成されてもよい。特に、密閉部320は、隔壁ユニット200の端部や内部側に空き空間が存在しないように、隔壁ユニット200の端部や内部を密閉する形状に構成されてもよい。このとき、密閉部320による密閉力を高めるために、密閉部320は、弾性体材質から構成されてもよい。
【0086】
さらに、密閉部320は、隔壁ユニット200の収容部と同じ大きさまたはそれより多少大きく構成されてもよい。例えば、密閉部320は、隔壁ユニット200の収容溝に挿入される前には、隔壁ユニット200の収容溝より多少大きいサイズを有し、隔壁ユニット200の収容溝に挿入された状態では、弾性体として多少圧縮される形状に構成されてもよい。
【0087】
例えば、前記密閉部320は、ゴムなどの材質を含むように構成されてもよい。または、前記密閉部320は、ポリウレタンフォームのような発泡材質を含むように構成されてもよい。
【0088】
本発明のこのような実施形態の構成によれば、密閉部320による密閉力がさらに増大することができる。
【0089】
また、前記バスバーユニット300は、
図6に示すように、遮断部330をさらに備えていてもよい。
【0090】
前記遮断部330は、密閉部320よりも高い融点を有する材質から構成されてもよい。特に、遮断部330は、熱及び/又は火炎に強い耐性を持つ材質を含むように構成されてもよい。例えば、前記遮断部330は、雲母(mica)材質からなってもよい。より具体的な例として、前記遮断部330は、雲母シート形状に構成されてもよい。
【0091】
また、前記遮断部330は、密閉部320の表面に取り付けられた形状に構成されてもよい。特に、前記遮断部330は、少なくとも、各バッテリーモジュール100が収容される空間に向かう方向の表面、すなわち、導電部310が突出する両表面に位置するように構成されてもよい。例えば、
図3及び
図6を参照すると、密閉部320のX軸方向の両側に導電部310が突出していてもよく、遮断部330は、このような密閉部320のX軸方向の両側の表面に取り付けられたシート形状に構成されてもよい。
【0092】
本発明のこのような構成によれば、事象発生時にもバスバーユニット300による密閉力を安定的に維持することができる。特に、バッテリーモジュール100のいずれか1つから火炎やガスが発生した場合には、高温の火炎や熱がバスバーユニット300に印加されることがある。このとき、火炎や熱が、遮断部330によって密閉部320に伝達されるのを遮断または低減することができるので、火炎や熱によって密閉部320が溶融または変形するのを防止することができる。したがって、この場合、バスバーユニット300の形状を概ね維持することができ、特に、密閉部320の形状やシーリング特性を大幅に変更することなくそのまま維持することができる。さらに、この場合、密閉部320は、バスバーユニット300による密閉力をより安定的に確保するために、熱安定性よりも高いシーリング性を有する材質を採用してもよい。
【0093】
前記遮断部330は、少なくとも一側端部が折り曲げられた形状に構成されてもよい。これについては、
図7及び
図8を参照してより詳細に説明する。
【0094】
図7は、本発明の他の実施形態に係るバスバーユニット300の構成を概略的に示す斜視図であり、
図8は、
図7のバスバーユニット300が隔壁ユニット200、パックケース400及び分割ユニット500の間に設けられる構成の一部を概略的に示す図である。特に、
図8は、バスバーユニット300を水平方向に眺めた様子を示す図といえる。例えば、
図8は、
図5の構成に示す隔壁ユニット200及びバスバーユニット300がパックケース400の内部に含まれる状態におけるA4-A4’線に沿う断面形状の一例を示す図であるといえる。本実施形態では、主として上述の実施形態とは異なる部分について説明し、上述の実施形態と同様又は類似の部分については詳細な説明を省略する。
【0095】
図7及び
図8を参照すると、前記バスバーユニット300の遮断部330は、C1及びC2で示すように、外側端部や外側コーナーが折り曲げられた形状に構成されてもよい。特に、バスバーユニット300の遮断部330は、他の構成要素、例えば上ケース420や分割ユニット500の表面と接触するコーナー部が折り曲げられた形状に構成されてもよい。
【0096】
より具体的な例として、遮断部330は、上端部が上ケース420の下面に接触した形状に構成されてもよい。この場合、遮断部330の上端部は、図中のC1で示すように、上ケース420の下面に沿って外方に折り曲げられた形状に構成されてもよい。例えば、
図8の構成を基準に説明すると、密閉部320の左側と右側にそれぞれの遮断部330が設けられるが、左側遮断部330の上端部は左側方向に折り曲げられ、右側遮断部330の上端部は右側方向に折り曲げられた形状に構成されてもよい。
【0097】
また、遮断部330は、前端部が分割ユニット500の表面に接触した形状に構成されてもよい。この場合、遮断部330の前端部は、図中のC2で示すように、分割ユニット500の表面に沿って外側方向に折り曲げられた形状に構成されてもよい。例えば、
図8の構成に基づいて、遮断部330は、密閉部320の左側および右側にそれぞれ設けられていてもよく、左側遮断部330の前端部は左方向に折り曲げられ、右側遮断部330の前端部は右方向に折り曲げられた形状に構成されてもよい。
【0098】
さらに、上記実施構成のように、遮断部330は、上端部及び/又は前端部がL字状に折り曲げられるように構成されてもよい。
【0099】
本発明のこのような実施構成によれば、熱や火炎などから密閉部320を保護する遮断部330の性能がさらに向上することができる。特に、上記実施構成の場合、遮断部330と他の構成要素との間、例えば、遮断部330と上ケース420との間、または遮断部330と分割ユニット500との間の隙間に形成され得る経路は、遮断部330の折り曲げられた部分に起因して長くされ得る。したがって、このような隙間の経路を通じたガスや火炎などの流入をより確実に遮断することができる。したがって、当該実施構成によれば、密閉部320がガスや火炎などにより変形したり、溶融したりすることがより確実に防止されるので、密閉部320による密閉性能をより安定的に確保することができる。
【0100】
一方、前記バスバーユニット300は、
図6及び
図7に示すように、導電部310と密閉部320との間に被覆部340をさらに備えていてもよい。ここで、被覆部340は、導電部310の電気的絶縁性を確保または向上させることができる材質からなり得る。
【0101】
図9は、本発明のさらに他の実施形態に係るバスバーユニット300が隔壁ユニット200、パックケース400及び分割ユニット500の間に設置されている構成の一部を概略的に示す図である。特に、
図9は、
図8の実施構成の変形例といえる。本実施形態では、主として上述の実施形態とは異なる部分について説明する。
【0102】
図9を参照すると、前記バスバーユニット300の密閉部320は、D1で示されたような熱膨張物質を備えていてもよい。ここで、熱膨張物質D1は、熱を加えると所定値以上に体積膨張する物質であり、本発明の出願時点で公知の様々な熱膨張特性を有するものを採用することができる。例えば、密閉部320は、少なくとも一部が、熱膨張可能なポリジメチルシロキサン(PDMS:Poly-Di-Methyl-Siloxane)、ポリビニルアセテート、ポリスチレン、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレートなどのポリマー材質を備えて構成されてもよい。
【0103】
本発明のこのような実施構成によれば、密閉部320に熱膨張物質D1が含まれているため、特定のバッテリーモジュール100から熱や火炎、高温ガスなどが発生する場合、密閉部320の密閉力を向上させることができる。より具体的な例として、
図9の実施形態において、バスバーユニット300の左側に位置したバッテリーモジュール100で火炎やガスなどが発生すると、その熱により密閉部320の熱膨張物質が膨張する可能性がある。また、この膨張により、密閉部320は、隔壁ユニット200と上ケース420との間の空間、及び隔壁ユニット200と分割ユニット500との間の空間をさらに密閉することができる。したがって、バスバーユニット300の左側に位置するバッテリーモジュール100で発生した火炎やガスは、バスバーユニット300の右側に位置するバッテリーモジュール100に容易に移動することができない。
【0104】
また、前記密閉部320は、隔壁ユニット200の収容部と挿入締結可能な形状に形成された突起または溝を有してもよい。
【0105】
例えば、前記密閉部320は、
図4の矢印P1で示すように、下方に突出するように形成された突起を有してもよい。また、隔壁ユニット200の収容部には、E1で示すように、突起P1に対応した形状の溝が形成されてもよい。このような実施構成において、バスバーユニット300が隔壁ユニット200の収容部に着座すると、密閉部320の突起P1が収容部の溝E1に挿入されるようにしてもよい。
【0106】
本発明のこのような構成によれば、バスバーユニット300と隔壁ユニット200との締結をより安定して行うことができる。すなわち、バスバーユニット300を隔壁ユニット200の収容部に挿入する際に、突起P1と溝E1との結合により、バスバーユニット300がY軸方向に移動することを規制することができる。また、上記実施構成によれば、突起P1と溝E1により、バスバーユニット300と隔壁ユニット200との締結位置をガイドすることができるので、バスバーユニット300と隔壁ユニット200との組立性を改善することができる。
【0107】
図10は、本発明のさらに他の実施形態に係るバスバーユニット300および隔壁ユニット200の一部の構成を概略的に示す分解斜視図である。また、
図10は、バスバーユニット300および隔壁ユニット200を、
図5のA4-A4’方向に眺めた様子を示す他の実施形態の図であり、バスバーユニット300と隔壁ユニット200とが分離された状態を示している。本実施形態においても、主として上述の実施形態とは異なる部分について説明する。
【0108】
図10を参照すると、バスバーユニット300の密閉部320は、E2で示すように上方に凹状に形成された溝を有してもよい。また、隔壁ユニット200は、このような密閉部320の溝E2に対応する形状で、上方に凸状に形成された突起P2を有してもよい。この場合、バスバーユニット300が矢印で示すように下方に移動して、隔壁ユニット200の上端に着座すると、隔壁ユニット200の突起P2が密閉部320の溝E2に挿入されて締結されてもよい。
【0109】
本発明のこのような実施構成によれば、バスバーユニット300と隔壁ユニット200との締結力をより安定的に確保することができる。特に、上記実施形態では、凹凸は、左右方向(±X軸方向)、すなわちバッテリーモジュール100の配列方向に存在するといえる。したがって、この場合、バスバーユニット300の左右方向への移動を規制することができる。特に、特定のバッテリーモジュール100で火炎やガス発生すると、バスバーユニット300は、圧力によって左右方向に移動可能な力を受けることができる。しかし、上記実施構成によれば、バスバーユニット300の左右方向への移動は、バスバーユニット300と隔壁ユニット200との間の凹凸結合に起因して制限される可能性がある。したがって、この場合、圧力によってバスバーユニット300が隔壁ユニット200の収容部から離脱するのを防止することができる。これに加え、上記実施構成によれば、バスバーユニット300と隔壁ユニット200との間の境界が凹凸状に形成されることにより、境界部分を通して火炎やガスが流出する経路が長くされ得る。したがって、このような境界部分を通る火炎やガスの流出をより効果的に防止することができる。
【0110】
一方、
図10の実施形態では、隔壁ユニット200には、1つの突起P2が形成されているが、複数の突起P2が形成されてもよい。特に、隔壁ユニット200とバスバーユニット300とは、互いに対応する形状及び位置に形成された凹凸を有することができる。
【0111】
図11は、本発明のさらに他の実施形態に係るバスバーユニット300の構成を概略的に示す斜視図であり、
図12は、
図11のバスバーユニット300が適用されたバッテリーパックの一部の構成を概略的に示す図である。本実施形態においても、主として上述の実施形態とは異なる部分について説明する。
【0112】
まず、
図11を参照すると、バスバーユニット300の密閉部320には、矢印H2で示すように貫通孔が形成されてもよい。特に、バッテリーパックは、1つ以上のケーブル600を含んでいてもよく、貫通孔H2は、このようなケーブル600を通過させるように構成されてもよい。ここでは、ケーブル600は、各バッテリーモジュール100のセンシング情報、例えば電圧センシング情報を、バッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)などの制御ユニットに伝送するためのセンシング用ケーブルであってもよい。または、ケーブル600は、特定の部品に電力を供給するための電源用ケーブルであってもよい。このようなケーブル600は、隔壁ユニット200とバスバーユニット300とに区分されたそれぞれのバッテリーモジュール100の収容空間の間を通過する形態で含まれていてもよく、上記実施構成によれば、ケーブル600は、バスバーユニット300の密閉部320を通過するように構成されてもよい。特に、
図11に示すように、密閉部320の外側表面に雲母シートなどの遮断部330が取り付けられている場合、遮断部330にも貫通孔が形成されてもよい。
【0113】
上記実施構成によれば、ケーブル600は、バッテリーモジュール100の各収容空間の間を通過してもよく、このようなケーブル600の通過空間により、火炎やガスの通過が防止または低減されてもよい。特に、密閉部320は、ゴムなどの弾性材質から構成されてもよく、この場合、貫通孔H2は、密閉部320の貫通孔H2とケーブル600とが互いに密着するように、ケーブル600の寸法と類似するかまたはそれよりも小さい寸法で形成されていてもよい。この場合、密閉部320の貫通孔H2とケーブル600との間の隙間からの火炎やガスなどの漏れを最小限に抑えることができる。
【0114】
図13は、本発明のさらに他の実施形態に係るバスバーユニット300が隔壁ユニット200に結合されている構成の一部を概略的に示す図である。特に、
図13は、
図8から
図11の実施構成に係る他の変形例といえる。本実施形態においても、主として上述の実施形態とは異なる部分について説明する。
【0115】
図13を参照すると、前記バスバーユニット300は、矢印Fで示すように、遮断部330が密閉部320よりも、隔壁ユニット200が位置している方向にさらに延びる形状に構成されてもよい。すなわち、遮断部330は、密閉部320のみならず、隔壁ユニット200の一部をも覆うように構成されてもよい。例えば、前記バスバーユニット300は、隔壁ユニット200の上端に着座してもよく、遮断部330は、密閉部320の左側面および右側面の両方を覆い、ひいては下方にさらに延びるように構成されてもよい。また、前記バスバーユニット300は、隔壁ユニット200の前端に設けられてもよく、遮断部330は、密閉部320の表面から後方にさらに延びるように構成されてもよい。
【0116】
本発明のこのような構成によれば、隔壁ユニット200とバスバーユニット300との間の密閉性をさらに向上させることができる。すなわち、
図13の構成において矢印Fで示すように、バスバーユニット300の遮断部330がバスバーユニット300の一部を覆うように延在している場合には、隔壁ユニット200とバスバーユニット300との間の隙間を遮断部330によって遮断することができる。したがって、隔壁ユニット200とバスバーユニット300との間の隙間を通じたガスや火炎などの漏出をより確実に防止することができる。
【0117】
また、上記実施構成によれば、隔壁ユニット200とバスバーユニット300との間の結合性を向上させることができる。特に、複数のバッテリーモジュール100のうちのいずれか1つでガスが発生すると、これに隣接するバスバーユニット300に圧力が加えられる可能性がある。例えば、
図13の構成では、バスバーユニット300の左側に位置したバッテリーモジュール100でガスが発生すると、該当空間の内部圧力が上昇し、したがってバスバーユニット300は右方向(+X軸方向)に力を受け取ることができる。このとき、バスバーユニット300の右方への移動は、矢印Fで示すように遮断部330の延在部分によって制限可能である。したがって、この場合、バスバーユニット300は、隔壁ユニット200から離脱することなく設置空間に安定して位置決めすることができる。
【0118】
図14は、本発明のさらに他の実施形態に係るバスバーユニット300および隔壁ユニット200の構成を概略的に示す分解斜視図である。本実施形態においても、主として上述の実施形態とは異なる部分について説明する。
【0119】
図14を参照すると、隔壁ユニット200は、Iで示すように、厚さ方向(X軸方向)に貫通する収容孔を有してもよい。また、バスバーユニット300は、このような隔壁ユニット200の収容孔Iに挿入される形状に構成されてもよい。すなわち、
図14の実施構成において、バスバーユニット300を、隔壁ユニット200の左方向または右方向に移動させて、隔壁ユニット200の収容孔に挿入する形態で隔壁ユニット200と結合してもよい。この場合、バスバーユニット300は、隔壁ユニット200の内部に位置すると言える。また、バスバーユニット300をこのように隔壁ユニット200の収容孔Iに挿入した際に収容孔Iを完全に塞ぐように構成されてもよい。すなわち、このような実施構成の場合には、バスバーユニット300によって隔壁ユニット200の内部を完全に密閉することができる。
【0120】
したがって、この場合、バスバーユニット300の結合によって、隔壁ユニット200の左側空間と右側空間との間での熱及び/又は火炎などの移動を遮断することができる。また、上記実施構成によれば、バスバーユニット300の前後方向(±Y軸方向)への移動を制限することができる。このため、隔壁ユニット200とバスバーユニット300との間の結合をより安定して行うことができる。
【0121】
一方、このような
図14の実施構成においても、上述の様々な実施構成、例えば、遮断部330の様々な構成や、突起-溝締結構成などが同様に適用されてもよい。
【0122】
図15は、本発明のさらに他の実施形態に係るバッテリーパックの一部の構成を概略的に示す図である。本実施形態においても、主として上述の実施形態とは異なる部分について説明する。
【0123】
図15を参照すると、バスバーユニット300は、隔壁ユニット200の端部に結合されて隔壁ユニット200の端部を密閉し、かつ隔壁ユニット200の端部に位置した他の構成要素に着座可能な形状に構成されてもよい。例えば、
図15に示すように、分割ユニット500は、隔壁ユニット200の前方(+y軸方向)側端部に位置して、隔壁ユニット200と共に密閉空間を形成することができる。このとき、分割ユニット500は、矢印Q2で示すように、バスバーユニット300の一部が装着可能な形状に構成されてもよい。すなわち、バスバーユニット300では、大部分が隔壁ユニット200の収容溝Gに着座してもよいが、矢印Q1で示す前端部は、収容溝の寸法よりも長く前方に延び、分割ユニット500の着座部Q2に着座するように構成されてもよい。
【0124】
本発明のこのような構成によれば、バスバーユニット300が隔壁ユニット200及び分割ユニット500の両方に着座することで、バスバーユニット300の固定性を向上させることができる。のみならず、バスバーユニット300と分割ユニット500との間の境界面(隙間)が分割ユニット500の内側表面と同一平面を形成しないので、バスバーユニット300と分割ユニット500との間の密閉力を高めることができる。
【0125】
図16は、本発明のさらに他の実施形態に係るバッテリーパックの一部の構成を概略的に示す図である。本実施形態においても、主として上述の実施形態とは異なる部分について説明する。
【0126】
図16を参照すると、分割ユニット500とバスバーユニット300とは、挿入されて締結されるために、互いに対応する形状に形成された突起、溝及び/又は凹凸を有するように構成されてもよい。例えば、分割ユニット500は、
図16のJ1で示すように、バスバーユニット300に向かう方向に形成された突起を有してもよい。また、バスバーユニット300は、このような突起J1に対応する形状に形成された溝を有してもよい。
【0127】
本発明のこのような構成によれば、分割ユニット500とバスバーユニット300との間の結合力を向上させることができる。特に、バッテリーモジュール100からガスなどが発生し、分割ユニット500と隔壁ユニット200とにより画定された内部空間の圧力が上昇すると、バスバーユニット300は、左右方向(X軸方向)に力を受ける可能性がある。しかし、上記実施構成によれば、分割ユニット500とバスバーユニット300との間の突起-溝締結構成は、かかる移動を阻止することができ、これによりバスバーユニット300が隔壁ユニット200の収容部から離脱してしまうという問題を防止することができる。
【0128】
一方、こうした効果を高めるために、
図16のJ2で示すように、隔壁ユニット200とバスバーユニット300との間に突起-溝締結構成が存在することもあり、これは前述したとおりである。
【0129】
一方、上述した様々な実施形態では、バッテリーパックに分割ユニット500が含まれ、分割ユニット500と隔壁ユニット200との間にバスバーユニット300が配置される構成を中心に説明したが、本発明は、必ずしもこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、バッテリーパックに分割ユニット500が含まれていなくてもよいし、バスバーユニット300が隔壁ユニット200と分割ユニット500との間ではない他の部分に位置していてもよい。これと関連する一実施形態については、
図17を参照してより詳細に説明する。
【0130】
図17は、本発明のさらに他の実施形態に係るバッテリーパックの一部の構成を概略的に示す斜視図である。本実施形態においても、主として上述の実施形態とは異なる部分について説明する。
【0131】
図17を参照すると、パックケース400の内部空間には分割ユニット500が含まれておらず、隔壁ユニット200の前方側端部が、パックケース400の内面の一部、例えばK1で示される部分に当接するように構成されてもよい。この場合、バスバーユニット300は、隔壁ユニット200の前端上部とパックケース400の内面との間に介在してもよい。このような実施構成において、バスバーユニット300は、隔壁ユニット200の前端部とパックケース400の内面との間の少なくとも一部の空間を密閉するように構成されてもよい。
【0132】
但し、このような実施形態では、バスバーユニット300の前端部が分割ユニット500に接触せずにパックケース400に接触することを除いては、上述した様々な実施形態と同様であり、上述した種々の実施構成の説明は同一または類似に適用可能である。すなわち、上述した分割ユニット500の構成をパックケース400の構成に置き換える場合には、本実施形態の様々な構成が説明され得る。よって、このような実施形態の構成についてのより詳細な説明を省略する。
【0133】
本発明に係るバッテリーパックは、電気自動車やハイブリッド自動車などの自動車に適用可能である。すなわち、本発明に係る自動車は、本発明に係るバッテリーパックを1つ以上含み得る。また、本発明に係る自動車は、このようなバッテリーパックの他に、自動車に含まれる他の様々な構成要素等をさらに含み得る。例えば、本発明に係る自動車は、本発明に係るバッテリーパックの他に、車体やモーター、エレクトロニックコントロールユニット(ECU:Electronic Control Unit)などの制御装置などをさらに含み得る。
【0134】
また、本発明に係るバッテリーパックは、エネルギー貯蔵システムに適用可能である。すなわち、本発明に係るエネルギー貯蔵システムは、本発明に係るバッテリーパックを1つ以上含み得る。また、本発明に係るエネルギー貯蔵システムは、本発明の出願時点で公知のエネルギー貯蔵システムの他の様々な構成要素をさらに含み得る。さらに、このようなエネルギー貯蔵システムは、スマートグリッドシステムや電気充電ステーションなど様々な場所や装置に使用可能である。
【0135】
一方、本明細書においては、上、下、左、右、前、後などの方向指示語が用いられたが、これらの用語は説明のしやすさのために用いられたものに過ぎず、対象となる物事の位置や観測者の位置などに応じて異なってくる可能性があるということは本発明の当業者にとって自明である。
【0136】
以上、本発明については、たとえ限定された実施形態と図面により説明されたが、本発明の技術的な思想はこれらに何ら限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により、本発明の技術的な思想と特許請求の範囲の均等な範囲内において様々な修正及び変形を加えて実施することが可能であるということはいうまでもない。
【符号の説明】
【0137】
100 バッテリーモジュール
110 バッテリーセル
120 モジュール端子
200 隔壁ユニット
300 バスバーユニット
310 導電部
320 密閉部
330 遮断部
340 被覆部
400 パックケース
410 下ケース
420 上ケース
500 分割ユニット
600 ケーブル
【手続補正書】
【提出日】2023-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ1つ以上のバッテリーセル及びモジュール端子を含む複数のバッテリーモジュールと、
隣接するバッテリーモジュール間に介在する隔壁ユニットと、
互いに異なるバッテリーモジュールのモジュール端子間を電気的に接続し、前記隔壁ユニットの端部又は内部に位置して前記隔壁ユニットの端部又は内部を密閉するバスバーユニットと、
を含む、バッテリーパック。
【請求項2】
前記隔壁ユニットと直交する形状に配置され、隣接するバッテリーモジュール間に介在する分割ユニットをさらに含み、
前記バスバーユニットは、前記隔壁ユニットの端部と前記分割ユニットの表面との間に介在する、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記隔壁ユニットは、一部が切り欠かれた形状に形成された収容溝を有し、前記バスバーユニットは、前記収容溝に着座して前記収容溝を埋める、請求項1
または2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記隔壁ユニットは、プレート状に構成され、コーナー部に前記収容溝が形成される、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記バスバーユニットは、導電性材質から構成され、両端が互いに異なるバッテリーモジュールのモジュール端子に接続される導電部と、前記導電部の周囲を取り囲み、前記導電部よりも外側に突出するように構成され、前記隔壁ユニットの端部又は内部を密閉する密閉部と、を備える、請求項1
または2に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記密閉部は、弾性体材質から構成される、請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記バスバーユニットは、前記密閉部よりも融点が高い材質から構成され、前記密閉部の表面に取り付けられる遮断部をさらに備える、請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記遮断部は、少なくとも一側端部が折り曲げられる、請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記密閉部は、前記隔壁ユニットの収容部と挿入締結される突起または溝を有する、請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記密閉部は、ケーブルが通過可能なように形成された貫通孔を有する、請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
請求項
1に記載のバッテリーパックを含む、自動車。
【請求項12】
請求項
1に記載のバッテリーパックを含む、エネルギー貯蔵システム。
【請求項13】
導電性材質から構成され、両端が互いに異なるバッテリーモジュールのモジュール端子間に接続される導電部と、
前記導電部の周囲を取り囲み、前記導電部よりも外側に突出するように構成され、
隣接するバッテリーモジュール間に介在する隔壁ユニットの端部又は内部を密閉する密閉部と、
を含む、バスバー。
【国際調査報告】