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特表2023-551238高速シグナルの半導体素子テスト用コンタクトピンと、これを含むスプリングコンタクト及びソケット装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(54)【発明の名称】高速シグナルの半導体素子テスト用コンタクトピンと、これを含むスプリングコンタクト及びソケット装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/067 20060101AFI20231130BHJP
   G01R 31/26 20200101ALI20231130BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
G01R1/067 C
G01R31/26 J
G01R1/073 D
G01R1/067 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531664
(86)(22)【出願日】2021-01-07
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 KR2021000206
(87)【国際公開番号】W WO2022145558
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0189613
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519408973
【氏名又は名称】ファン ドン ウォン
(71)【出願人】
【識別番号】519409279
【氏名又は名称】ファン ローガン ジェ
(71)【出願人】
【識別番号】515215025
【氏名又は名称】ファン ジェ ベク
【住所又は居所原語表記】83, Dumil-ro 123beon-gil, Bundang-gu, Seongnam-si, Gyeonggi-do 13544 Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】519408984
【氏名又は名称】ハイコン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン, ドン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ファン, ローガン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】ファン, ジェ ベク
【テーマコード(参考)】
2G003
2G011
【Fターム(参考)】
2G003AG01
2G003AG03
2G011AA04
2G011AA16
2G011AB01
2G011AB04
2G011AB07
2G011AC02
2G011AC32
2G011AE22
2G011AF02
(57)【要約】
本発明は、高速シグナルの半導体素子(IC)のテストに適した最小長さを有するとともに最大圧縮距離を確保することが可能なコンタクトピンと、これを含むスプリングコンタクト及びソケット装置に関する。本発明のコンタクトピン(100)は、幅と厚さを有する板状の胴体部(110)と、胴体部(110)の上端に一体に構成される頭部(120)と、胴体部(120)の下端に一体に延設された脚部(130)と、を含み、頭部(120)は、胴体部(110)の上端において胴体部(110)の中心に対して左右同じ長さを有し、上側先端に沿って上側尖端部(121)が形成された板状のストリップ(122)であり、前記胴体部(110)と同じ平面上に位置して前記胴体部(110)の中心から左右同じ距離を有するように設けられた第1ストリップ区間(122a)と、第1ストリップ区間(112a)の両端部からそれぞれロールして半円弧状を有する第2ストリップ区間(122b)と、を含むことにより、第2ストリップ区間(122b)全体によって形成された円筒状の径方向に第1ストリップ区間(122a)が位置し、胴体部(110)は、両面それぞれの中央に長さ方向に凹設された凹溝(111)を有し、凹溝(111)の下側端部には、段差を有する係止段(111a)が形成され、凹溝(111)の上端は、第1ストリップ区間(122a)の上端まで延びて開放形成されることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅(w)と厚さ(t)を有する板状(t<w)の胴体部と、前記胴体部の上端に一体に構成される頭部と、前記胴体部の下端に一体に延設された脚部と、を含み、
前記頭部は、前記胴体部の上端において前記胴体部の中心に対して左右同じ長さを有し、上側先端に沿って上側尖端部が形成された板状のストリップであり、前記ストリップは、前記胴体部と同じ平面上に位置して前記胴体部の中心から左右同じ距離を有するように設けられた第1ストリップ区間と、前記第1ストリップ区間の両端部からそれぞれロールして半円弧状を有する第2ストリップ区間と、を含むことにより、前記第2ストリップ区間全体によって形成された円筒状の径方向に前記第1ストリップ区間が位置し、
前記胴体部は、両面それぞれの中央に長さ方向に凹設された凹溝を有し、前記凹溝の下端部には、段差を有する係止段が形成され、前記凹溝の上端は、前記第1ストリップ区間の上端まで延びて開放形成され、前記脚部は、前記胴体部から第1幅(w1)を挟んで左右対称に延設された一対で構成され、各端部から内側に突出して前記第1幅(w1)よりも小さい第2幅(w2)を挟むフック突起と、下側先端から突設された下側尖端部と、を含む、スプリングコンタクト用コンタクトピン。
【請求項2】
前記上側尖端部は、先端の厚さ(t1)が前記頭部のストリップの厚さ(t)よりもさらに小さい(t1<t)ことを特徴とする、請求項1に記載のスプリングコンタクト用コンタクトピン。
【請求項3】
前記胴体部と前記頭部とが接する両コーナーに内側に凹んで設けられることを特徴とする、請求項1に記載のスプリングコンタクト用コンタクトピン。
【請求項4】
前記脚部同士の間に隣接した胴体部の下端の厚さ方向における各エッジは、傾斜を有する面取り傾斜面が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のスプリングコンタクト用コンタクトピン。
【請求項5】
前記フック突起は開口方向に傾斜面を有することを特徴とする、請求項1に記載のスプリングコンタクト用コンタクトピン。
【請求項6】
前記フック突起の厚さ(t3)は、前記胴体部の厚さ(t)よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のスプリングコンタクト用コンタクトピン。
【請求項7】
前記下側尖端部は、前記フック突起の厚さよりも薄いことを特徴とする、請求項1に記載のスプリングコンタクト用コンタクトピン。
【請求項8】
前記脚部間の第1幅(w1)は前記胴体部の厚さよりもさらに大きいことを特徴とする、請求項1に記載のスプリングコンタクト用コンタクトピン。
【請求項9】
前記フック突起間の第2幅(w2)は、前記胴体部の厚さ(t)よりは小さく、前記凹溝が形成された区間の厚さ(t2)と同じかそれより大きいことを特徴とする、請求項1に記載のスプリングコンタクト用コンタクトピン。
【請求項10】
前記第1ストリップ区間の上端に前記上側尖端部よりも低く突設された連結タップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のスプリングコンタクト用コンタクトピン。
【請求項11】
前記連結タップは、貫通孔が凹設され、前記貫通孔を中心に左右一対で構成されることを特徴とする、請求項10に記載のスプリングコンタクト用コンタクトピン。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のコンタクトピンを一対の第1コンタクトピンと第2コンタクトピンとして含むスプリングコンタクトであって、
前記第1コンタクトピンと前記第2コンタクトピンの各脚部とが互いに垂直に交差し、第1コンタクトピンと第2コンタクトピンの各頭部に支持され、前記第1コンタクトピンと前記第2コンタクトピンを弾性支持するコイルスプリングを含む、スプリングコンタクト。
【請求項13】
前記スプリングコンタクトの全長は、前記第1コンタクトピンと前記第2コンタクトピンの各頭部の長さと前記コイルスプリングの長さとの和と同じであることを特徴とする、請求項12に記載のスプリングコンタクト。
【請求項14】
前記第1コンタクトピンの長さと前記第2コンタクトピンの長さとは同じであることを特徴とする、請求項12に記載のスプリングコンタクト。
【請求項15】
請求項1~11のいずれか一項に記載のコンタクトピンを第1コンタクトピンとして含むスプリングコンタクトであって、
前記第1コンタクトピンの頭部に一端が支持されるコイルスプリングと、
前記コイルスプリングを介して弾性支持され、前記第1コンタクトピンと垂直に交差する第2コンタクトピンと、を含み、
前記第2コンタクトピンは、幅と厚さを有する板状の第2胴体部と、前記第2胴体部の左右側端に突設され、前記コイルスプリングの一端を支持する一対の肩部と、上方に突設された第2上側尖端部が設けられ、前記第2胴体部の上端の同一平面上に一体に構成される第2頭部と、前記第2胴体部の下端に一体に延設され、前記第1コンタクトピンの脚部と交差して組み立てられる第2脚部と、を含み、
前記第2胴体部は、両面それぞれの中央に長さ方向に凹設された第2凹溝を有し、前記第2凹溝の下側端部には、段差を有する第2係止段が形成され、前記第2凹溝の上端は、前記第2頭部の上端まで延びて開放形成され、
前記第2脚部は、前記第2胴体部から第1幅(w1)を挟んで左右対称に延設された一対で構成され、各端部から内側に突出して前記第1幅(w1)よりも小さい第2幅(w2)を挟む第2フック突起と、下側先端から突設された第2下側尖端部と、を含む、スプリングコンタクト。
【請求項16】
前記スプリングコンタクトの全長は、前記第1コンタクトピンの頭部の長さと、前記第2上側尖端部から前記肩部の下端までの長さと、前記コイルスプリングの長さとの和と同じであることを特徴とする、請求項13に記載のスプリングコンタクト。
【請求項17】
前記第1コンタクトピンの長さと前記第2コンタクトピンの長さとは同じであることを特徴とする、請求項15に記載のスプリングコンタクト。
【請求項18】
請求項12に記載のスプリングコンタクトを含むテストソケット装置であって、
スプリングコンタクトが貫通して受容される受容孔が設けられ、伸縮性を有するソケット胴体部と、
前記ソケット胴体部に固定され、定位置取付のためのマウンティングガイドホールが設けられたマウンティングプレートと、
前記受容孔に対応する第1貫通孔が設けられ、前記ソケット胴体部の上面に取り付けられる伸縮性を有する上側フィルムプレートと、
前記マウンティングプレートの下側に取り付けられ、前記受容孔及び前記マウンティングガイドホールにそれぞれ対応する第2貫通孔及び第3貫通孔が設けられる下側フィルムプレートと、を含む、半導体素子テストソケット装置。
【請求項19】
前記マウンティングプレート及び前記下側フィルムプレートは、取付のために穿孔したマウンティングホールがさらに設けられることを特徴とする、請求項18に記載の半導体素子テストソケット装置。
【請求項20】
前記受容孔の上側開口端に挿入され、前記スプリングコンタクトの上端を固定するシリコーンコーキング部をさらに含む、請求項18に記載の半導体素子テストソケット装置。
【請求項21】
前記受容孔よりもさらに大きいサイズを有し、前記受容孔に対応してガイド孔が穿設され、前記上側フィルムプレートの上面に設けられる上部ガイドプレートをさらに含む、請求項18に記載の半導体素子テストソケット装置。
【請求項22】
前記受容孔よりもさらに大きいサイズを有し、前記受容孔に対応して流動孔が穿設され、前記下側フィルムプレートの下面に設けられる下部ガイドプレートをさらに含む、請求項18に記載の半導体素子テストソケット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子テスト用コンタクトピンと、これを含むスプリングコンタクト及びソケット装置に係り、さらに詳細には、高速シグナルの半導体素子(IC)のテストに適した最小長さを有するとともに最大圧縮距離を確保することが可能なコンタクトピンと、これを含むスプリングコンタクト及びソケット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体素子の製造工程において、当該半導体素子の不良有無を検査するために種々の試験が行われる。半導体素子のテストの一つとして、半導体素子の電気的特性検査がある。このような半導体素子のテストは、半導体素子とテストボード(PCB)などの配線基板とを電気的に接続するソケット装置を介して行われる。
【0003】
一般に、ソケット装置は、半導体素子の端子に対応して電気的接触のためのコンタクトを含むことにより、半導体素子をテストするソケット装置の重要な部品である。
一般に、コンタクトは、接点(端子)との信頼性のある接触のために十分な加圧力が作用しなければならない。よって、コンタクトは、適切な範囲内で十分な弾性力を有しなければならない。また、コンタクト電気抵抗を最小化するために長さを短くすることが好ましく、このような条件を満たすために様々な形態のコンタクトが登場している。
【0004】
一方、最近では、5G、6G通信用の高速シグナルを処理するための様々な半導体素子が開発されており、このように高速シグナル(約40GHz以上)の半導体素子の機能テスト(Function Test)またはリアルタイムバーンインテスト(Real Time Burn-In Test)を行うためのコンタクトも、高速シグナルのテスト信号に適するように開発されなければならない。
【0005】
約40GHzの高速シグナルを処理するためのコンタクトの長さは約1.0mmレベルでなければならないが、ポゴピン(Pogo Pin)などの従来のコンタクトは構造的に1.0mm以下の長さに製作することが難しい。
【0006】
そこで、本出願は、本出願人の特許文献1を改良してコンタクトの長さを1.0mm以下に製作することが可能な高速シグナルの半導体素子のテストに適したコンタクトピン、スプリングコンタクト及びソケット装置を開発し、これを出願するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許第10-2055773号公報(公告日:2019年12月13日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる従来技術の問題点を改善するためのもので、その目的は、高速シグナルの半導体素子のテストに適した最小長さを有するコンタクトピンと、これを含むスプリングコンタクト及びソケット装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によるコンタクトピンは、幅wと厚さtを有する板状(t<w)の胴体部と、前記胴体部の上端に一体に構成される頭部と、前記胴体部の下端に一体に延設された脚部と、を含み、前記頭部は、前記胴体部の上端において前記胴体部の中心に対して左右同じ長さを有し、上側先端に沿って上側尖端部が形成された板状のストリップであり、前記ストリップは、前記胴体部と同じ平面上に位置して前記胴体部の中心から左右同じ距離を有するように設けられた第1ストリップ区間と、前記第1ストリップ区間の両端部からそれぞれロールして半円弧状を有する第2ストリップ区間と、を含むことにより、前記第2ストリップ区間全体によって形成された円筒状の径方向に前記第1ストリップ区間が位置し、前記胴体部は、両面それぞれの中央に長さ方向に凹設された凹溝を有し、前記凹溝の下端部には、段差を有する係止段が形成され、前記凹溝の上端は、前記第1ストリップ区間の上端まで延びて開放形成され、前記脚部は、前記胴体部から第1幅w1を挟んで左右対称に延設された一対で構成され、各端部から内側に突出して前記第1幅w1よりも小さい第2幅w2を有するフック突起と、下側先端から突設された下側尖端部と、を含む。
【0010】
好ましくは、前記上側尖端部は、先端の厚さt1が前記頭部のストリップの厚さtよりもさらに小さい(t1<t)。
【0011】
好ましくは、前記胴体部と前記頭部とが接する両コーナーに内側に凹んで設けられる。
【0012】
好ましくは、前記脚部同士の間に隣接した胴体部の下端の厚さ方向における各エッジは、傾斜を有する面取り傾斜面が形成される。
【0013】
好ましくは、前記フック突起は、開口方向に傾斜面を有する。
【0014】
好ましくは、前記フック突起の厚さt3は、前記胴体部の厚さtよりも小さい。
【0015】
好ましくは、前記下側尖端部は、前記フック突起の厚さよりも薄い。
【0016】
好ましくは、前記脚部間の第1幅w1は、前記胴体部の厚さよりもさらに大きい。
【0017】
好ましくは、前記フック突起間の第2幅w2は、前記胴体部の厚さtよりは小さく、前記凹溝が形成された区間の厚さt2と同じかそれより大きい。
【0018】
好ましくは、前記第1ストリップ区間の上端に前記上側尖端部よりも低く突設された連結タップをさらに含み、より好ましくは、前記連結タップは、貫通孔が凹設され、前記貫通孔を中心に左右一対で構成される。
【0019】
本発明の一態様によるスプリングコンタクトは、上述したコンタクトピンを一対の第1コンタクトピンと第2コンタクトピンとして含むスプリングコンタクトであって、前記第1コンタクトピンと前記第2コンタクトピンの各脚部が互いに垂直に交差し、第1コンタクトピンと第2コンタクトピンの各頭部に支持され、前記第1コンタクトピンと前記第2コンタクトピンを弾性支持するコイルスプリングを含む。
【0020】
好ましくは、前記スプリングコンタクトの全長は、前記第1コンタクトピンと前記第2コンタクトピンの各頭部の長さと前記コイルスプリングの長さとの和と同じである。
【0021】
本発明の他の態様によるスプリングコンタクトは、上述したコンタクトピンを第1コンタクトピンとして含むスプリングコンタクトであって、前記第1コンタクトピンの頭部に一端が支持されるコイルスプリングと、前記コイルスプリングを介して弾性支持され、前記第1コンタクトピンと垂直に交差する第2コンタクトピンと、を含み、前記第2コンタクトピンは、幅と厚さを有する板状の第2胴体部と、前記第2胴体部の左右側端に突設され、前記コイルスプリングの一端を支持する一対の肩部と、上方に突設された第2上側尖端部が設けられ、前記第2胴体部の上端の同一平面上に一体に構成される第2頭部と、前記第2胴体部の下端に一体に延設され、前記第1コンタクトピンの脚部と交差して組み立てられる第2脚部と、を含み、前記第2胴体部は、両面それぞれの中央に長さ方向に凹設された第2凹溝を有し、前記第2凹溝の下側端部には、段差を有する第2係止段が形成され、前記第2凹溝の上端は、前記第2頭部の上端まで延びて開放形成され、前記第2脚部は、前記第2胴体部から第1幅w1を挟んで左右対称に延設された一対で構成され、各端部から内側に突出して前記第1幅w1よりも小さい第2幅w2を有する第2フック突起と、下側先端から突設された第2下側尖端部と、を含む。
【0022】
好ましくは、前記スプリングコンタクトの全長は、前記第1コンタクトピンの頭部の長さと、第2上側尖端部から前記肩部の下端までの長さと、前記コイルスプリングの長さとの和と同じである。
【0023】
好ましくは、前記第1コンタクトピンの長さと第2コンタクトピンの長さとは同じである。
【0024】
次に、本発明の他の態様によるテストソケット装置は、上述したスプリングコンタクトを含むテストソケット装置であって、スプリングコンタクトが貫通して受容される受容孔が設けられ、伸縮性を有するソケット胴体部と、前記ソケット胴体部に固定され、定位置取付のためのマウンティングガイドホールが設けられたマウンティングプレートと、受容孔に対応する第1貫通孔が設けられ、前記ソケット胴体部の上面に取り付けられる伸縮性を有する上側フィルムプレートと、前記マウンティングプレートの下側に取り付けられ、前記受容孔及び前記マウンティングガイドホールにそれぞれ対応する第2貫通孔及び第3貫通孔が設けられる下側フィルムプレートと、を含む。
【0025】
好ましくは、前記マウンティングプレート及び前記下側フィルムプレートは、取付のために穿孔したマウンティングホールがさらに設けられる。
【0026】
好ましくは、前記受容孔の上側開口端に挿入されて前記スプリングコンタクトの上端を固定するシリコーンコーキング部をさらに含む。
【0027】
好ましくは、前記受容孔よりもさらに大きいサイズを有し、前記受容孔に対応してガイド孔が穿設され、前記上側フィルムプレートの上面に設けられる上部ガイドプレートをさらに含む。
【0028】
好ましくは、前記受容孔よりもさらに大きいサイズを有し、前記受容孔に対応して流動孔が穿設され、前記下側フィルムプレートの下面に設けられる下部ガイドプレートをさらに含む。
【発明の効果】
【0029】
本発明の半導体素子テスト用コンタクトピンは、スプリングコンタクトの全長(約1.0mm以下)を最小化するとともにスプリングコンタクトの最大圧縮長さを大きくして半導体素子の端子との接触力を高めることができ、これにより、高速シグナルの半導体素子に特に適し、スプリングコンタクトの使用寿命(life cycle)を延ばすことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1実施形態によるコンタクトピンの正面構成図である。
図2図2の(a)(b)はそれぞれ本発明の第1実施形態によるコンタクトピンの平面構成図及び図1のA-A線に沿った断面構成図である。
図3図3の(a)(b)は本発明の第1実施形態によるコンタクトピンの展開された状態を示す平面構成図及び正面構成図である。
図4図4の(a)(b)はそれぞれ図3の(b)のB-B線とC-C線に沿った断面構成図である。
図5図5の(a)(b)(c)は本発明の第1実施形態によるコンタクトピンを用いてスプリングコンタクトを製作する過程を簡略に示す図である。
図6図6の(a)(b)(c)(d)はそれぞれ本発明の第1実施形態によるコンタクトピンを用いて、コイルスプリングが排除された状態のスプリングコンタクトを製作する過程を簡略に示す図である。
図7図7の(a)~(e)は本発明の第1実施形態によるスプリングコンタクトを示す図である。
図8】本発明の第2実施形態によるコンタクトピンの正面構成図である。
図9図9の(a)(b)はそれぞれ図8のコンタクトピンの平面構成図及びE-E線に沿った断面構成図である。
図10】本発明の第2実施形態によるスプリングコンタクトの正面構成図である。
図11】本発明の図10のF-F線に沿った断面構成図である。
図12】本発明の第3実施形態によるスプリングコンタクトの正面構成図である。
図13】本発明の図12のG-G線に沿った断面構成図である。
図14】本発明の実施形態によるソケット装置の平面構成図である。
図15図14のH-H線に沿った断面構成図である。
図16図14のH-H線に沿った断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
まず、本明細書及び請求の範囲で使用された用語または単語は、通常的かつ辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に即して、本発明の技術的思想に合致する意味と概念で解釈されるべきである。
【0032】
したがって、本明細書に記載された実施形態と図面に示されている構成は、本発明の最も好適な一つの実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替することができる様々な均等物及び変形例があり得ることを理解すべきである。
【0033】
本発明における「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素と区別するために交換可能に使用され、個別構成要素の位置または重要性を意味するものではない。また、本発明で使用される上部、下部、左側及び右側などの方向に関する用語は、添付図面を参照した構成要素間の関係を示すためのものであり、各構成要素の実際位置を絶対的に示すものではない。
【0034】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明し、複数の同一構成については、一つの構成に対してのみ図面符号を表記し、別途に区分して説明が必要な場合にのみ区分して図面符号を用いる。
【0035】
図1は、本発明の第1実施形態によるコンタクトピンの正面構成図であり、図2の(a)(b)は、それぞれ本発明の第1実施形態によるコンタクトピンの平面構成図、及び図1のA-A線に沿った断面構成図である。
【0036】
図1図2の(b)を参照すると、本実施形態のコンタクトピン100は、胴体部110、頭部120及び脚部130を含む。
【0037】
胴体部110は、両面それぞれの中央に長さ方向に一定の幅と長さをもって凹設された凹溝111を有し、凹溝111の下側端部には、段差を有する係止段111aが形成され、凹溝111の上端は、頭部120の上端まで延設される。好ましくは、胴体部110は、脚部130同士の間に隣接した胴体部110の下端の厚さ方向における各エッジに傾斜を有する面取り傾斜面11aが形成され、2つのコンタクトピンを交差させて組み立てる過程で組立が容易に行われることができる。
【0038】
頭部120は、胴体部110の上端において胴体部110の中心に対して左右同じ長さを有し、上側先端に沿って上側尖端部121が形成された板状のストリップ122a、122bであり、前記ストリップ122a、122bは、胴体部110と同じ平面上に位置し、前記胴体部110の中心から左右同じ距離を有するように設けられた第1ストリップ区間122aと、第1ストリップ区間122aの両端部からそれぞれロールして半円弧状を有する第2ストリップ区間122bと、を含むことにより、第2ストリップ区間122b全体によって形成された円筒状の径方向に第1ストリップ区間122aが位置する。
【0039】
脚部130は、胴体部110から第1幅w1を挟んで左右対称に延設された一対で構成され、各脚部130は、端部から内側に突出して第1幅w1よりも小さい第2幅w2をもって互いに対面するフック突起131を含む。好ましくは、2つの脚部130間の第1幅w1は、胴体部110の厚さtよりもさらに大きく、これにより、2つのコンタクトピンを組み合わせてスプリングコンタクトとして使用するときに、2つのコンタクトピン間の滑り摩擦(sliding friction)を防止する。
【0040】
特に図2の(b)に示すように、好ましくは、上側尖端部121から胴体部110の下端までの長さC11よりも、下側尖端部132を含む脚部130の長さC12が少なくとも同じかそれよりさらに長い(C11≦C12)。
【0041】
このように構成されたコンタクトピン100は、一定の厚さtと幅wを有するリボン状の板材を板金加工(Stamping)して製作される。具体的には、板材を打ち抜いてリールタイプ(reel type)のコンタクトピンを生産し、これを熱処理するとともに、要求特性に応じて金メッキまたはPdCoメッキをリール状態で処理した後に、スプリングと組み立ててスプリングコンタクトを製作する。
【0042】
好ましくは、コンタクトピン100は、第1ストリップ区間122aの上端に上側尖端部121よりも低く突設された連結タップ123を含み、この連結タップ123は、板金加工中にキャリアストリップ101と連結され、最終的にコイルスプリングとの組立が完了した後にキャリアストリップ101は除去され、これは追ってのスプリングコンタクトの製造過程において再び具体的に説明する。
【0043】
図3の(a)(b)は、本発明の第1実施形態によるコンタクトピンの展開された状態を示す平面構成図及び正面構成図であり、図4の(a)(b)は、それぞれ図3の(b)のB-B線とC-C線に沿った断面構成図である。
【0044】
図3の(a)~図4の(b)を参照すると、コンタクトピン100’は、胴体部110の上部に一体に水平に設けられたストリップ122a、122bを含み、ストリップ122a、122bの上端に上側尖端部121が設けられる。好ましくは、上側尖端部121は、先端の厚さt1が、頭部120を構成するストリップ122a、122bの厚さtよりはさらに小さく(t1<t)、ストリップ122a、122bの上側先端を圧印加工(coining)して上側尖端部121の厚さt1を薄くして端子との接触信頼性を高めることができる。
【0045】
特に図4の(a)を参照すると、本実施形態において、上側尖端部121は、左側/右側の傾斜勾配が同一であると例示しているが、左側/右側の傾斜勾配を異ならせることができ、左側/右側の傾斜勾配を異ならせて、上側尖端部121は頭部120の外径または内径に近く位置するようにすることができる。また、他の変形例として、複数の上側尖端部が互いに異なる左側/右側の傾斜勾配を有してもよく、各上側尖端部が互いに異なる傾斜勾配を有することにより、上側尖端部が円形に線(1次元)分布するのと対比して面(2次元)分布することで、半導体素子の端子との接触効率を高めることができる。
【0046】
ストリップ122a、122bは、胴体部110の中心に対して左右同じ長さをもってロールされて円筒状に製作されることにより、頭部を構成する。
【0047】
具体的には、ストリップ122a、122bは、胴体部310と同じ平面上に位置して、胴体部110の中心から左右同じ距離を有するように設けられた第1ストリップ区間122aと、第1ストリップ区間122aの両端部からそれぞれ時計回り(または反時計回り)にロールして半円弧形状を有する第2ストリップ区間122bと、を含む円筒状の頭部を形成し、この構造を持つ頭部は、平面上で略「S」字状を有する(図2の(a)参照)。一方、第2ストリップ区間122bのロール方向に応じて、頭部は平面上で「S」の左右対称な形状を有することができる。
【0048】
第1ストリップ区間122aは、円筒状の頭部の径方向に位置し、その長さdは略円筒状の直径に該当し、第1ストリップ区間122aの両端に設けられたそれぞれの第2ストリップ区間122bの長さR/2の和は頭部の円筒状の円周の長さRに該当する。したがって、第1ストリップ区間122aの長さdと2つの第2ストリップ区間122bの和Rとは、R(円筒の円周の長さ)=d(円の直径)×πの関係を持つ。
【0049】
胴体部110は、両面に長さ方向に一定の幅w3と深さを有する凹溝111が形成され、凹溝111が形成された区間の厚さt2は、胴体部110の厚さtよりは小さい(t2<t)。特に、胴体部110の凹溝111は、上端が第1ストリップ区間122aの上端まで延びて凹溝111の上端は開放される。
【0050】
各脚部130は、下側にフック突起131が設けられるとともに、下側先端に垂直方向に下側尖端部132が設けられ、好ましくは、下側尖端部132は、互いに異なる2つの傾斜面が接して形成されたエッジ線分(edge line)を含む。本実施形態において、下側尖端部132を基準にインナー傾斜面132aとアウター傾斜面132bとが接して先端エッジ線分を形成することを示しており、このとき、傾斜面は、一定の曲率を有する曲面であってもよく、一定の角度の傾斜を有する傾斜面をすべて含むものと理解すべきである。一方、インナー傾斜面132aは、フック突起131を定義し、フック突起131は、インナー傾斜面132aの変曲が発生する変曲端131aを含み、この変曲端131aは、2つのコンタクトピン間の上下移動を制限するフックとして機能する。
【0051】
好ましくは、フック突起131の厚さt3は、胴体部110の厚さtよりは小さく、より好ましくは、下側尖端部132の厚さt4は、フック突起131の厚さt3よりもさらに小さい(t4<t3<t)。下側尖端部132は、フック突起131の下側先端を圧印加工(coining)して下側尖端部132の厚さt4を薄くして端子との接触信頼性を高めることができる。
【0052】
また、各脚部130のフック突起131間の幅w2は、胴体部110の厚さtよりは小さく、胴体部110の凹溝111形成区間の厚さt2と同じかそれより大きい(t2≦w2<t)
【0053】
前述したように、第1ストリップ区間122aの上端に上側尖端部121よりも低く突設された連結タップ123を含み、この連結タップ123は、キャリアストリップ101と一体に連結され、厚さ方向に水平にV字状溝123aが形成されることにより、キャリアストリップ101とコンタクトピン100とを容易に分離することができる。
【0054】
好ましくは、連結タップ123とキャリアストリップ101との間にV字状溝123aを含むように貫通孔123bが形成でき、連結タップ123は、貫通孔123bを中央にして左右一対で構成できる。一方、連結タップ123とキャリアストリップ101とを分離すると、最終的に突出する連結タップ123は、凹状の貫通孔123bを中心に左右一対で構成できる。
【0055】
好ましくは、胴体部110と頭部120とが接する両コーナーに内側に凹むように凹状継手112が形成でき、このような凹状継手112は第2ストリップ区間122bを半円弧状にロールして頭部を加工し易い。
【0056】
このように構成されたコンタクトピン100は、一対のコンタクトピンで構成するか、或いは異種のコンタクトピンと共に一対に組み合わせてスプリングコンタクトとして使用して、長さを約1.0mm以下に製作することができるとともに、スプリングコンタクトの最大圧縮距離(Full Stroke)を最大化することができる。
【0057】
図5の(a)(b)(c)は、本発明の第1実施形態によるコンタクトピンを用いてスプリングコンタクトを製作する過程を簡略に示す図であって、(a)は組立前の状態を示す図であり、(b)は(a)のD-D線に沿った断面構成図であり、(c)は組立後の状態を示す図である。先の実施形態のコンタクトピン100を一対で構成してスプリングコンタクトとして製作する過程を示す。以下の説明では、各構成の図面符号は先の実施形態と同様であり、第1コンタクトピン100Uと第2コンタクトピン100Dとを区分するために、図面符号の末尾にそれぞれ「U」と「D」を記載して説明する。
【0058】
図5の(a)~図5の(c)を参照すると、スプリングコンタクト200の組立前ステップにおいて、第1コンタクトピン100Uと第2コンタクトピン100Dをそれぞれ第1キャリアストリップ101Uと第2キャリアストリップ101Dに連結し、第1頭部120Uと第2頭部120Dをロールして円筒状に製作する。
【0059】
次に、第1コンタクトピン100Uと第2コンタクトピン100Dとを互いに直角となるように交差させて配置し、コイルスプリング140を挟んでコイルスプリング140の内側に第1脚部130Uと第2脚部130Dを挿入して組み立てる。
【0060】
図面符号L1は、コイルスプリング140が非圧縮された状態である自然長(natural length)である。
【0061】
第1コンタクトピン100Uと第2コンタクトピン100Dとの組立が完了した後、各コンタクトピン100U、100Dのキャリアストリップ101U、101Dを除去する。
【0062】
このように製作されたスプリングコンタクト200は、非圧縮状態で2つの頭部の高さH2×2と組立後のコイルスプリング140の高さL2との和(sum)が全長H1となる。
【0063】
図6の(a)(b)(c)(d)は、それぞれ本発明の第1実施形態によるコンタクトピンを用いて、コイルスプリングが排除された状態のスプリングコンタクトを製作する過程を簡略に示す図である。
【0064】
図6の(a)~図6の(d)を参照すると、第1コンタクトピン100Uと第2コンタクトピン100Dとは高さC1が互いに等しく、互いに直角に交差させて第1脚部130Uと第2脚部130Dを嵌合すると、第1フック突起131Uは、第2コンタクトピン100Dの第2凹溝111Uに沿って組み立てられ、同様に、第2フック突起131Dも、第1コンタクトピン100Uの第1凹溝111Dに沿って組み立てられる。一方、第1コンタクトピン100Uと第2コンタクトピン100Dが上下動する過程で、各フック突起131U、131Dは挿入された当該凹溝111U、111D内で底面と接触して、第1コンタクトピン100Uと第2コンタクトピン100Dとは電気的に接続される。
【0065】
図6の(d)は、第1コンタクトピン100Uと第2コンタクトピン100Dの最大圧縮距離S1でのスプリングコンタクトを示している。図6の(d)に示すように、第1コンタクトピン100Uと第2コンタクトピン100Dの各凹溝111(図3の(b)参照)は上端が開放され、各コンタクトピン100U、100Dの圧縮過程での最大圧縮距離S1は、第2コンタクトピン100Dの第2下側尖端部132Dが第1コンタクトピン100Uの第1上側尖端部121Uの位置まで圧縮可能であり、同様に、第1コンタクトピン100Uの第1下側尖端部132Uは第2コンタクトピン100Dの第2上側尖端部121Dの位置まで圧縮可能である。
【0066】
最大圧縮距離S1におけるスプリングコンタクトの長さ(高さ)HC1は、非圧縮状態のスプリングコンタクトの長さH1から最大圧縮距離S1を差し引いたものとなる。
【0067】
図7の(a)~(e)は、本発明の第1実施形態によるスプリングコンタクトを示す図であり、(a)はスプリングコンタクト200の正面構成図であり、(b)と(c)はそれぞれスプリングコンタクト200の上面と底面から見た平面構成図であり、(d)と(e)はそれぞれスプリングコンタクト200の非圧縮状態と最大圧縮状態とを比較して示している。
【0068】
非圧縮状態でのスプリングコンタクト200の全長H1は、コイルスプリング140の組立長さL2と、第1頭部120Uと第2頭部120Dの全長H2×2との総和となるように構成することにより、全体的なスプリングコンタクト200の長さ(高さ)を最小化しながらも最大圧縮距離S1を得ることができる。
【0069】
スプリングコンタクト200の全長H1を最小化するために、第1頭部120Uと第2頭部120Dの長さH2を短くすることができ、例えば、スプリングコンタクトの全長H1を約1.0mmに製作する場合に、各頭部の長さH2は約0.15mmとなることができる。好ましくは、コイルスプリング140の自然長L1は、スプリングコンタクトの組立後(非圧縮状態)のコイルスプリング140の長さL2よりも大きいか少なくとも同じである。
【0070】
このようなスプリングコンタクト200は、約1.0mm以下に製作可能であるため、従来技術に比べてコンタクトの長さを著しく短くすることができながらも最大圧縮距離S1を長くすることができる。本発明者は、本実施形態のスプリングコンタクトの初期長さを1.0mmに製作して最大圧縮距離S1を約0.25mm~0.3mmレベルまで圧縮可能であり、約15gf~30gf/pinレベルの弾性力を実現可能であることを確認した。
【0071】
このような特性を有するスプリングコンタクトは、特に高速シグナルのデバイスのテストに特に活用度が非常に高く、スプリングコンタクトの使用寿命を延ばすことができる。
【0072】
図8は、本発明の第2実施形態によるコンタクトピンの正面構成図であり、図9の(a)(b)は、それぞれ図8のコンタクトピンの平面構成図及びE-E線に沿った断面構成図である。
【0073】
図8図9の(b)を参照すると、本実施形態のコンタクトピン300は、所定の長さC2、幅w4、及び厚さt5を有する板状構造を持ち、両面にそれぞれ長さ方向に凹溝311が凹設された胴体部310と、胴体部310の左右側端から突設された肩部320と、上方に突出した上側尖端部331が設けられ、前記脚部310の上端に一体に形成された頭部330と、胴体部310の下端に一体に左右対称に延設された一対の脚部340と、を含む。
【0074】
胴体部310は、長さ方向に中心軸に沿って一定の幅w5と深さをもって凹設された凹溝311を両面に有し、この凹溝311の上端は頭部330を貫通して上端に開口している一方で、凹溝の下端は段差付き係止段311aを有する。胴体部310は全体的に一定の厚さt5を有し、胴体部310における凹溝311形成区間は凹設され、その厚さt6はさらに小さい(t6<t5)。
【0075】
胴体部310は、左右側端に延びて突設された一対の肩部320を有し、この肩部320は、コイルスプリングを支持する役割を果たす。好ましくは、各肩部320は、板金加工中にキャリアストリップ301と連結され、先の実施形態のように最終的にコイルスプリングとの組立が完了した後にキャリアストリップ301は除去される。肩部320とキャリアストリップ301との間には厚さ方向にV字状溝321が形成されることにより、組立作業の完了後にキャリアストリップ301とコンタクトピン300とを容易に分離することができる。
【0076】
頭部330は、上方に突出した上側尖端部331が設けられて胴体部310の上端に一体的に形成され、好ましくは、上側尖端部331は先端の厚さt7が胴体部310の凹溝311区間の厚さt6よりもさらに小さく(t7<t6)、頭部330の上側先端を圧印加工して上側尖端部331の厚さt7を薄くして端子との接触信頼性を高めることができる。
【0077】
一方、本実施形態において、頭部330の上側先端に鋭く突出した1つの尖端部として例示しているが、上側尖端部は、複数個で構成できる。
【0078】
脚部340は、胴体部310の下端から一定の幅w6だけ離間して左右対称に一対で構成され、各脚部340の下端は、内側に突出して一定の幅w7をもって互いに対面するフック突起341と共に下側先端に下側尖端部342を含む(w7<w6)。
【0079】
好ましくは、2つの脚部340間の幅w6は、胴体部340の厚さt5よりも大きく、よって、2つのコンタクトピンを組み合わせてスプリングコンタクトとして使用するときに2つのコンタクトピン間の滑り摩擦を最小限に抑えることができる。
【0080】
好ましくは、フック突起341の厚さt8は胴体部310の厚さt5よりも小さく、より好ましくは、下側尖端部342の厚さt9はフック突起341の厚さt8よりもさらに小さい(t9<t8<t5)。下側尖端部342は、フック突起341の下側先端を圧印加工して下側尖端部342の厚さt9を薄くして端子との接触信頼性を高めることができる。
【0081】
また、各脚部340のフック突起341間の幅w7は、胴体部340の厚さt5よりも小さく、胴体部310の凹溝311形成区間の厚さt6と同じかそれより大きい(t6≦w7<t5)。
【0082】
好ましくは、上側尖端部331から胴体部310の下端までの長さC21よりも、側尖端部342を含む脚部340の長さC22が少なくとも同じかそれよりさらに長い(C21≦C22)。
【0083】
このように構成された本実施形態のコンタクトピン300は、先の実施形態と組み合わせられてスプリングコンタクトとして使用できる。
【0084】
図10は、本発明の第2実施形態によるスプリングコンタクトの正面構成図であり、図11は、本発明の図10のF-F線に沿った断面構成図である。
【0085】
図10及び図11を参照すると、本実施形態のスプリングコンタクト400は、前述したコンタクトピンを組み合わせたスプリングコンタクトであって、円筒状の第1頭部120を有する第1コンタクトピン100と、板状の第2頭部330を有する第2コンタクトピン300と、第1コンタクトピン100と第2コンタクトピン300を弾性支持するコイルスプリング410と、を含む。
【0086】
第1コンタクトピン100は第1実施形態のコンタクトピンと同じであり、第2コンタクトピン300は第2実施形態のコンタクトと同じであり、コイルスプリング410は第1コンタクトピン100の第1頭部120と第2コンタクトピン300の肩部320との間に支持され、第1コンタクトピン100と第2コンタクトピン300を弾性支持する。
【0087】
第1コンタクトピン100の長さC1と第2コンタクトピン300の長さC2とは互いに等しく(C1=C2)、このような構造のスプリングコンタクト400は、先の実施形態(図7参照)で説明したように、全体的なスプリングコンタクト400の長さ(高さ)H3を最小化しながらも最大圧縮距離を得ることができる。参考までに、第2コンタクトピン300においてスプリングコンタクト400の全長H3を決定する第1コンタクトピン100の第1頭部120に該当する長さH4は、上側尖端部331から肩部320の下端までの長さに該当する。
【0088】
図12は、本発明の第3実施形態によるスプリングコンタクトの正面構成図であり、図13は、本発明の図12のG-G線に沿った断面構成図である。
【0089】
図12及び図13を参照すると、本実施形態のスプリングコンタクト500は、第2実施形態のスプリングコンタクトの他の変形例であり、円筒状の第1頭部120を有する第1コンタクトピン100と、板状の第2頭部530を有する第2コンタクトピン510と、第1コンタクトピン100と第2コンタクトピン510を弾性支持するコイルスプリング520と、を含む。
【0090】
このようなスプリングコンタクト500は、第2実施形態と実質的に同じであり、ただし、第2コンタクトピン510は、左右対称の一対の上側尖端部531を有する頭部530を含む。第2コンタクトピン510の頭部530に一体に形成される上側尖端部531の個数や形状は、端子との接触性を高めるために様々に変形することができる。
【0091】
図14は、本発明の実施形態によるソケット装置の平面構成図であり、図15及び図16は、図14のH-H線に沿った断面構成図であり、図16は、半導体素子が着座した状態のソケット装置を示している。参考までに、以下の説明において、スプリングコンタクト200は、上述した第1実施形態のスプリングコンタクトとして説明するが、これに限定されるものではない。
【0092】
図14及び図15を参照すると、本実施形態のソケット装置600は、スプリングコンタクト200が貫通して受容される受容孔611が設けられ、伸縮性を有するソケット胴体部610と、ソケット胴体部610に固定され、定位置取付のためのマウンティングガイドホール621が設けられたマウンティングプレート620と、受容孔611に対応する第1貫通孔631が設けられ、ソケット胴体部610の上面に取り付けられる伸縮性を有する上側フィルムプレート630と、マウンティングプレート620の下側に取り付けられ、受容孔611とマウンティングガイドホール621にそれぞれ対応する第2貫通孔641と第3貫通孔642が設けられる下側フィルムプレート640と、を含む。
【0093】
ソケット胴体部610は、半導体素子の端子に対応して配置されるスプリングコンタクト200を受容するための複数の受容孔611が設けられ、垂直方向に弾性変形が容易な伸縮性を有する素材によって提供できる。このようなソケット胴体部610は、電気絶縁性の伸縮性を有するシリコーンによって提供できるが、これに限定されるものではない。
【0094】
マウンティングプレート620は、ソケット胴体部610を固定し、ソケットの定位置取付のための少なくとも1つのマウンティングガイドホール621が穿設され、取付のための第1マウンティングホール622がさらに設けられてもよい。
【0095】
上側フィルムプレート630は、受容孔611に対応する第1貫通孔631を有し、ソケット胴体部610の上面に取り付けられてスプリングコンタクトの定位置を保持する役割を果たし、電気絶縁性の伸縮性を有する素材によって提供される。
【0096】
下側フィルムプレート640は、受容孔611とマウンティングガイドホール621にそれぞれ対応する第2貫通孔641と第3貫通孔642を有し、マウンティングプレート620の下面に取り付けられる。このような下側フィルムプレート640は、マウンティングプレート620に第1マウンティングホール622が付加される場合に第1マウンティングホール622に対応して第2マウンティングホール643が穿設できる。
【0097】
好ましくは、受容孔611の上側開口端に挿入されてスプリングコンタクトの上端を固定する第1シリコーンコーキング部651をさらに含む。このような第1シリコーンコーキング部651は、受容孔611内に収納されたスプリングコンタクト200が抜かないように固定し、弾性を有するシリコーンゴムによって提供できる。さらに、受容孔611の下側開口間に第2シリコーンコーキング部652が追加されることにより、スプリングコンタクト200の下端が一緒に固定できる。
【0098】
好ましくは、上部ガイドプレート660が上側フィルムプレート630の上面にさらに設けられてもよく、上部ガイドプレート660は、受容孔611よりもさらに大きいサイズを有し、受容孔611に対応してガイドホール661が穿設され、半導体素子のローディング過程で半導体素子のボール端子の位置をガイドする。上部ガイドプレート660は、伸縮性のある電気絶縁性の素材が使用できる。
【0099】
好ましくは、下部ガイドプレート670が下側フィルムプレート640の下面にさらに設けられることができ、下部ガイドプレート670は、受容孔611よりもさらに大きいサイズを有し、各受容孔611に対応して流動孔671が穿設される。このような下部ガイドプレート670は、ソケット胴体部610と下側フィルムプレート640とが伸縮性をもって下方に陥没する空間を提供することにより、スプリングコンタクト200がより効果的に下方に圧縮できる。
【0100】
図16に示すように、ソケット装置600に半導体素子10が着座して各ボール端子11が上部ガイドプレート660の各ガイドホールに位置し、プッシャ(図示せず)によって半導体素子10を押すと、ボール端子11とスプリングコンタクト200とが接触しながらスプリングコンタクト200が下方に圧縮される。このとき、スプリングコンタクト200は、最大圧縮距離S1まで圧縮可能である。
【0101】
以上、本発明はたとえ限定された実施形態と図面によって説明されたが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と以下の請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0102】
100、300 コンタクトピン
200、400、500 スプリングコンタクト
110 ボディ部
111 凹溝
120 頭部
121 上側尖端部
123 連結タップ
130 脚部
131 フック突起
132 下側尖端部
140、410、520 コイルスプリング
600 ソケット装置
610 ソケット胴体部
611 受容孔
620 マウンティングプレート
630 上側フィルムプレート
640 下側フィルムプレート
651、652 シリコーンコーキング部
660 上部ガイドプレート
670 下部ガイドプレート
図1
図2(a)】
図2(b)】
図3(a)】
図3(b)】
図4(a)】
図4(b)】
図5(a)】
図5(b)】
図5(c)】
図6
図7
図8
図9(a)】
図9(b)】
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】