(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(54)【発明の名称】作業現場の表面に関心ポイントを転送するためのターゲット及び錘線測量システム
(51)【国際特許分類】
G01C 15/08 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
G01C15/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531676
(86)(22)【出願日】2021-11-10
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2021081203
(87)【国際公開番号】W WO2022111994
(87)【国際公開日】2022-06-02
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Hilti Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100,9494 Schaan,Liechtenstein
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】サンチェス ルエラス, ヤフェ ゲルマン
(72)【発明者】
【氏名】ケルシュバウメル, マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ティフェントハラー, シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ローラー, トマス
(57)【要約】
反射ターゲット(31)、セルフレベリング鉛直線レーザポインタ(32)、保持装置(33)、及び第1の位置決め要素(48)と第2の位置決め要素(49)とを含む位置決め装置(34)を備える、ターゲット及び錘線測量システム(14)。第2の位置決め要素(49)は、水平な二次元領域を画定するオープンスペースを含むプラットフォーム(54)として設計され、前記第1の位置決め要素(48)は前記オープンスペースに対して移動可能である。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット及び錘線測量システム(14)であって、
・照準領域(37)を有する反射性平面前方領域(36)であって、前記照準領域(37)は前記前方領域(36)よりも小さい、反射性平面前方領域(36)と、後方領域(39)とを含む、反射ターゲット(31)と、
・垂直方向(42)にある経路を有する鉛直線レーザビーム(41)を放射するセルフレベリング鉛直線レーザポインタ(32)であって、前記垂直方向(42)は重力方向(20)に実質的に平行である、セルフレベリング鉛直線レーザポインタ(32)と、
・前記反射ターゲット(31)の使用時に前記反射ターゲット(31)を定義された位置に保持するのを補助する第1の保持要素(43)と、第2の保持要素(44)とを含む保持装置(33)と、
・第1の位置決め要素(48)及び第2の位置決め要素(49)を含む位置決め装置(34)と、を備え、前記保持装置(33)は前記位置決め装置(34)に接続され、前記鉛直線レーザポインタ(32)は前記第1の位置決め要素(48)に接続され、前記第1の位置決め要素(48)は前記第2の位置決め要素(49)に対して移動可能であり、
前記保持装置(33)は前記第1の位置決め要素(48)に接続され、前記第2の位置決め要素(49)は、水平な二次元領域を画定するオープンスペース(55)を含むプラットフォーム(54)として設計され、前記第1の位置決め要素(48)は、前記オープンスペース(55)に対して移動可能であることを特徴とする、
ターゲット及び錘線測量システム(14)。
【請求項2】
前記第1の位置決め要素(48)が、上部プレート要素(51)、下部プレート要素(52)、及び前記上部プレート要素(51)と下部プレート要素(52)を接続する接続手段(53)とを含み、前記上部プレート要素(51)は、前記プラットフォーム(54)の上面(56A)に隣接して配置され、前記下部プレート要素(52)は、前記プラットフォーム(54)の底面(56B)に隣接して配置され、前記接続手段(53)は、少なくとも部分的に前記オープンスペース(55)内に配置される、請求項1に記載のターゲット及び錘線測量システム。
【請求項3】
前記第1の位置決め要素(48)が、前記第2の位置決め要素(49)に対して回転軸(58)を中心に回転可能であり、前記回転軸(58)は、前記重力方向(20)に実質的に平行である、請求項1又は2に記載のターゲット及び錘線測量システム。
【請求項4】
前記反射ターゲット(31)の前記前方領域(36)が前記重力方向(20)と実質的に同一平面に向けられ、前記第2の保持要素(44)は、前記反射ターゲット(31)が使用されているとき、前記鉛直線レーザビーム(41)が前記前方領域(36)と一致するような位置に前記鉛直線レーザポインタ(32)を保持するのを補助する、請求項1から3のいずれか一項に記載のターゲット及び錘線測量システム。
【請求項5】
前記反射ターゲット(31)が、第1の位置(46)と、前記第1の位置(46)とは異なる第2の位置(47)との間でシフト可能であり、前記第1の位置(46)では、前記前方領域(36)は前記鉛直線レーザビーム(41)と一致し、前記第2の位置(47)では、前記前方領域(36)は前記鉛直線レーザビーム(41)と一致しない、請求項1から4のいずれか一項に記載のターゲット及び錘線測量システム。
【請求項6】
前記反射ターゲット(31)が、前記第1の位置(46)と前記第2の位置(47)との間で旋回軸(45)を中心に旋回可能である、請求項5に記載のターゲット及び錘線測量システム。
【請求項7】
前記第2の位置(45)において、前記前方領域(36)が前記重力方向(20)に対して実質的に垂直に向けられる、請求項6に記載のターゲット及び錘線測量システム。
【請求項8】
前記反射ターゲット(31)は、前記反射ターゲット(31)が使用されているとき、前記鉛直線レーザビーム(41)の経路に配置された遮断要素(38)を含む、請求項5から7のいずれか一項に記載のターゲット及び錘線測量システム。
【請求項9】
前記ターゲット及び錘線測量システム(14)が、前記第2の位置決め要素(42)に接続され、可動及び/又は可搬シャーシ(15、132、141、151、162、171)に接続されるように提供される接続ユニット(27、133、143、153、163、174)を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のターゲット及び錘線測量システム。
【請求項10】
・請求項1から9のいずれか一項に記載のターゲット及び錘線測量システム(14)と、
・可動及び/又は可搬シャーシ(15、132、141、151、162、171)と、
を備える、可動及び/又は可搬レイアウトアクセサリ(13、130、140、150、160)。
【請求項11】
前記ターゲット及び錘線測量システム(14)が操作要素(136、154)に接続されている、請求項10に記載のレイアウトアクセサリ。
【請求項12】
前記ターゲット及び錘線測量システムが延長アーム(16)に取り付けられている、請求項10又は11に記載のレイアウトアクセサリ。
【請求項13】
所定の関心ポイント(POI)を見つけるためのレイアウト及びポイント転送システム(10)であって、
・レーザコントローラ(11)であって、(i)可視レーザ光の垂直平面ビーム(18)を放射するレーザ送信装置(71)であって、前記垂直平面ビーム(18)は重力方向(20)に対して実質的に垂直であり、第1の回転軸(19)を中心に回転可能である、レーザ送信装置(71)と、(ii)測定ビーム(21)を放射して距離を測定する距離測定装置(72)であって、前記第1の回転軸(19)を中心に回転可能である、距離測定装置(72)と、(iii)前記重力方向(20)に対して実質的に垂直な水平面における前記レーザ送信装置(71)の方位角をゼロ角度に対して測定する角度測定装置(73)と、(iv)第1の処理回路(78)、前記第1の処理回路(78)によって実行可能な命令を含む第1のメモリ回路(79)、第1の通信回路(80)、及び第1の入出力インタフェース回路(81)と、を含むレーザコントローラと、
・リモートコントローラ(12)であって、(i)ディスプレイ装置(111)と、(ii)ユーザ操作入力回路(112)と、(iii)第2の処理回路(114)、前記第2の処理回路(114)によって実行可能な命令を含む第2のメモリ回路(115)、第2の通信回路(116)、及び第2の入出力インタフェース回路(117)とを含み、前記レーザコントローラ(11)及び前記リモートコントローラ(12)は、前記第1の通信回路(78)及び第2の通信回路(116)の使用によって互いに通信する、リモートコントローラ(12)と、
・請求項1から9のいずれか一項に記載のターゲット及び錘線測量システム(14)であって、前記反射ターゲット(31)、前記鉛直線レーザポインタ(32)、前記保持装置(33)、及び前記第1の位置決め要素(41)を含む可動ユニット(50)を備え、前記可動ユニット(50)は、前記第2の位置決め要素(42)に対して移動可能であり、前記反射ターゲット(31)は前記第1の位置(46)に配置される、ターゲット及び錘線測量システム(14)と、を備え、
・前記第1及び第2の処理回路(78、116)は、
-前記レーザ送信装置(71)を使用して、前記実質的に垂直な平面ビーム(18)を放射し、前記距離測定装置(72)を使用して、前記測定ビーム(21)を放射し、
-前記角度測定装置(73)を使用して、前記垂直平面ビーム(18)及び前記測定ビーム(21)が前記関心ポイント(POI)と交差するように、前記垂直平面ビーム(18)及び前記測定ビーム(21)を所定の方位角に向け、
-前記垂直平面ビーム(18)及び前記測定ビーム(21)が前記反射ターゲット(31)の前記前方領域(36)と交差するまで、前記ターゲット及び錘線測量システム(14)を移動させ、
-前記距離測定装置(72)を使用して、前記ターゲット及び錘線測量システム(14)が前記垂直平面ビーム(18)及び前記測定ビーム(21)に沿って移動される際に、前記距離測定装置(72)と前記ターゲット及び錘線測量システム(14)との間の距離を測定し、
-前記リモートコントローラ(12)及び/又は前記レーザコントローラ(11)を使用して、前記測定された距離と、前記関心ポイント(POI)と前記レーザコントローラ(11)間の距離との間の偏差(δ)を計算し、
-前記リモートコントローラ(12)及び/又は前記レーザコントローラ(11)を使用して、前記偏差(δ)に対応する可視及び/又は可聴指示を出力し、
-前記可視及び/又は可聴指示を監視しながら、前記偏差(δ)が所定の第1の限界(Δ
1)より小さくなるまで、前記ターゲット及び錘線測量システム(14)を前記垂直平面ビーム(18)及び前記測定ビーム(21)に沿って移動させ、
-前記垂直平面ビーム(18)及び前記測定ビーム(21)に沿った前記ターゲット及び錘線測量システム(14)の前記移動を停止し、前記ターゲット及び錘線測量システム(14)を安定した実質的に水平の位置に配置し、
-前記可視及び/又は可聴指示を監視しながら、前記垂直平面ビーム(18)及び前記測定ビーム(21)が前記照準領域(37)と交差するまで、且つ、前記偏差(δ)がゼロ又は、少なくとも、所定の第2の限界(Δ
2)であって、前記第1の限界(Δ
1)より小さい前記第2の限界(Δ
2)よりも小さくなるまで、前記反射ターゲット(31)を前記第2の位置決め要素(48)に対して移動させる
ように構成されている、
レイアウト及びポイント転送システム(10)。
【請求項14】
前記第1及び第2の処理回路(78、116)は、前記鉛直線レーザポインタ(32)を使用して構成され、前記鉛直線レーザビーム(48)を放射し、作業現場の床(17)に下方鉛直ポイント(28)、及び/又は作業現場の天井(30)に上方鉛直ポイント(29)を生成する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
関心ポイント(POI)をレイアウト及び転送する方法であって、
・レーザコントローラ(11)であって、(i)可視レーザ光の垂直平面ビーム(18)を放射するレーザ送信装置(71)であって、前記垂直平面ビーム(18)は重力方向(20)に対して実質的に垂直であり、第1の回転軸(19)を中心に回転可能である、レーザ送信装置(71)と、(ii)測定ビーム(21)を放射して距離を測定する距離測定装置(72)であって、前記第1の回転軸(19)を中心に回転可能である、距離測定装置(72)と、(iii)前記重力方向(20)に対して実質的に垂直な水平面における前記レーザ送信装置(71)の方位角をゼロ角度に対して測定する角度測定装置(73)と、(iv)第1の処理回路(78)、前記第1の処理回路(78)によって実行可能な命令を含む第1のメモリ回路(79)、第1の通信回路(80)、及び第1の入出力インタフェース回路(81)と、を含むレーザコントローラを提供することと、
・リモートコントローラ(12)であって、(i)ディスプレイ装置と(111)、(ii)ユーザ操作入力回路(112)と、(iii)第2の処理回路(114)、前記第2の処理回路(114)によって実行可能な命令を含む第2のメモリ回路(115)、第2の通信回路(116)、及び第2の入出力インタフェース回路(117)とを含み、前記レーザコントローラ(11)及び前記リモートコントローラ(12)は、前記第1の通信回路(78)及び第2の通信回路(116)の使用によって互いに通信する、リモートコントローラ(12)を提供することと、
・請求項1から9のいずれか一項に記載のターゲット及び錘線測量システム(14)を提供することであって、前記ターゲット及び錘線測量システム(14)は、前記反射ターゲット(31)、前記鉛直線レーザポインタ(32)、前記保持装置(33)及び前記第1の位置決め要素(41)を含む可動ユニット(50)を備え、前記可動ユニット(50)は前記第2の位置決め要素(42)に対して移動可能であり、前記反射ターゲット(31)を前記第1の位置(46)に配置する、提供することと、
・前記レーザコントローラ(11)を作業領域の作業現場の表面(17)に配置することと、
・所定の関心ポイント(POI)を見つけることであって、
-前記レーザ送信装置(71)を使用して、前記実質的に垂直な平面ビーム(18)を放射し、前記距離測定装置(72)を使用して、前記測定ビーム(21)を放射することと、
-前記角度測定装置(73)を使用して、前記垂直平面ビーム(18)及び前記測定ビーム(21)が前記関心ポイント(POI)と交差するように、前記垂直平面ビーム(18)及び前記測定ビーム(21)を所定の方位角に向けることと、
-前記垂直平面ビーム(18)及び前記測定ビーム(21)が前記反射ターゲット(31)の前記前方領域(36)と交差するまで、前記ターゲット及び錘線測量システム(14)を移動させることと、
-前記距離測定装置(72)を使用して、前記ターゲット及び錘線測量システム(14)が前記垂直平面ビーム(18)及び前記測定ビーム(21)に沿って移動される際に、前記距離測定装置(72)と前記ターゲット及び錘線測量システム(14)との間の距離を測定することと、
-前記リモートコントローラ(12)及び/又は前記レーザコントローラ(11)を使用して、前記測定された距離と、前記関心ポイント(POI)と前記レーザコントローラ(11)間の距離との間の偏差(δ)を計算することと、
-前記リモートコントローラ(12)及び/又は前記レーザコントローラ(11)を使用して、前記偏差(δ)に対応する可視及び/又は可聴指示を出力することと、
-前記可視及び/又は可聴指示を監視しながら、前記偏差(δ)が所定の第1の限界(Δ
1)より小さくなるまで、前記ターゲット及び錘線測量システム(14)を前記垂直平面ビーム(18)及び前記測定ビーム(21)に沿って移動させることと、
-前記垂直平面ビーム(18)及び前記測定ビームに(21)沿った前記ターゲット及び錘線測量システム(14)の前記移動を停止し、前記ターゲット及び錘線測量システム(14)を安定した実質的に水平の位置に配置することと、
-前記可視及び/又は可聴指示を監視しながら、前記垂直平面ビーム(18)及び前記測定ビーム(21)が前記照準領域(37)と交差するまで、且つ、前記偏差(δ)がゼロ又は、少なくとも、所定の第2の限界(Δ
2)であって、前記第1の限界(Δ
1)より小さい前記第2の限界(Δ
2)よりも小さくなるまで、前記反射ターゲット(31)を前記第2の位置決め要素(48)に対して移動させることと、
によって見つけることと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記方法が更に、
・前記鉛直線レーザポインタ(32)を使用して、前記鉛直線レーザビーム(48)を放射し、前記作業現場の前記床(17)に下方鉛直ポイント(28)を生成することと、
・前記作業現場の前記床(17)に前記下方鉛直ポイント(28)を転送することと、
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記方法が更に、
・前記反射ターゲット(31)を前記第2の位置(45)に配置することと、
・前記鉛直線レーザポインタ(32)を使用して、前記鉛直線レーザビーム(48)を放射し、前記作業現場の前記床に下方鉛直ポイント(28)を生成し、前記作業現場の前記天井(30)に上方鉛直ポイント(29)を生成することと、
・前記下方鉛直ポイント(28)及び/又は前記上方鉛直ポイント(29)を前記作業現場の前記天井(30)に転送することと、
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記方法が更に、
・前記鉛直線レーザポインタ(32)を使用して、前記鉛直線レーザビーム(48)を放射し、前記作業現場の前記床(17)に下方鉛直ポイント(28)を生成することと、
・前記作業現場の前記床(17)に前記下方鉛直ポイント(28)を転送することと、
・前記反射ターゲット(31)を前記第2の位置(45)に配置することと、
・前記鉛直線レーザポインタ(32)を使用して、前記鉛直線レーザビーム(48)を放射し、前記作業現場の前記天井(30)に上方鉛直ポイント(29)を生成することと、
・前記上方鉛直ポイント(29)を前記作業現場の前記天井(30)に転送することと、
を含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される技術は、鉄骨構造の建物及び、場合によっては住宅構造の建設のための、壁軌道及び/又は壁構造の配置を支援することを意図したレイアウト装置に関し、特に、関心ポイントとその座標を識別し、識別された関心ポイントを他の作業現場の表面に垂直方向に転送するタイプの二次元(2D)レイアウト及びポイント転送システムを対象とする。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願公開第2018/0202805A1号明細書は、単一のレーザコントローラ、リモートコントローラ、及び反射ターゲットを含む2Dレイアウト及びポイント転送システムを開示している。レーザコントローラは、可視レーザ光の垂直平面ビームを放射するレーザ送信装置と、反射ターゲットまでの垂直平面ビームと一致する方向の距離を測定する距離測定装置であって、前記実質的に垂直な軸を中心に回転可能である前記距離測定装置と、水平面内の方位角を測定する角度測定装置と、いくつかの電子回路を含む第1の電子装置とを含む。リモートコントローラは、ディスプレイ装置、ユーザ操作入力装置、及びいくつかの回路を含む第2の電子装置を含む。レーザコントローラは、リモートコントローラにインストールされたソフトウェアアプリケーションで制御される2Dレイアウトツールとして設計されている。
【0003】
通常、建物建設では、デッキのコンクリートが流し込まれた直後、壁のレイアウトが完了する前に、多くの職種の作業員が材料とツールの積み重ねを開始する。レイアウト及びポイント転送を実行する際の難点は、材料が床に保管されているときに、床の作業現場の表面のレーザラインが中断される可能性があることである。ユーザにとっては、作業現場の表面に表示される可視レーザラインをたどることが難しく、ユーザが床に保管されている材料を取り除かなければならない場合がある。このプロセスは、ユーザにとって非常に手間がかかり、時間がかかる可能性がある。米国特許出願公開第2018/0202805A1号明細書に開示された可動シャーシを用いてレイアウト及びポイント転送を実行する際の別の難点は、作業現場の表面が粗く、湿っており、でこぼこしているなどの場合、選択された関心ポイントの正確な位置を見つけることが難しく、時間がかかることである。ユーザが反射ターゲットを正確な位置に配置せず、シャーシを前後に移動する必要がある場合がある。この試行錯誤のプロセスは、通常、ターゲットの精度が確認されるまでに数回繰り返され得る。
【0004】
米国特許第9,494,424B2号明細書から、米国特許第8,087,176A号明細書に開示されているような、2つのレーザコントローラを使用するレイアウト及びポイント転送システム用に設計されたターゲット及び錘線測量システムが知られている。米国特許第8,087,176A号明細書によるレイアウト及びポイント転送システムは、第1の垂直平面ビームを放射する第1のレーザコントローラ、第2の垂直平面ビームを放射する第2のレーザコントローラ、リモートコントローラ、並びにターゲット及び錘線測量システムを含む。システムが特定の作業現場向けにセットアップされると、2つのレーザコントローラが作業現場の表面に配置され、同じ関心ポイントに向けられる。これにより、両方の垂直平面ビームが光ラインを作成し、両方の光ラインは、作業現場の表面上の関心ポイントで正しく交差するように向けられ、それによって、選択された関心ポイントで「X」型の光のパターンが生成される。
【0005】
明るい照明条件、又は関心ポイントがレーザコントローラから物理的に離れた場所にある状況では、作業現場の表面で光ラインを確認するのが比較的難しい場合がある。米国特許第9,494,424B2号明細書は、2つの垂直平面ビームが作業現場の表面上で交差する位置を強調するための反射ターゲットのタイプを含むターゲット及び錘線測量システムを開示している。ターゲット及び錘線測量システムは、反射ターゲットに加えて、鉛直線レーザポインタ、保持装置、及び位置決め装置を更に備える。
【0006】
反射ターゲットは、反射性の平面前方領域と後方領域とを含み、前方領域は、前方領域よりも小さく、半透明部分として設計された照準領域を含む。鉛直線レーザポインタは、セルフレベリングマウントと、実質的に垂直方向の経路を有する鉛直線レーザビームを放射する少なくとも1つのレーザ放射ユニットとを含む。保持装置は、反射ターゲットを傾斜位置に保持するのを補助する第1の保持要素と、鉛直線レーザポインタを保持するのを補助する第2の保持要素とを含む。位置決め装置は、第1の位置決め要素と第2の位置決め要素とを含み、保持装置は位置決め装置に接続され、鉛直線レーザポインタは第1の位置決め要素に接続され、第1の位置決め要素は第2の位置決め要素に対して移動可能である。
【0007】
関心ポイントをレイアウトするには、ユーザは、ターゲット及び錘線測量システムを、第1と第2の垂直平面ビームによって生成される2つのレーザラインの交点の近くに移動し、半透明部分は、2つのレーザラインの簡単に識別可能な交差ペアを生成する。ユーザは、反射ターゲットに対して鉛直線レーザポインタを動かし、交点が半透明部分上に鉛直線レーザポインタによって生成される可視ドットに位置合わせされる位置を見つける。
【0008】
米国特許第9,494,424B2号明細書に開示されたターゲット及び錘線測量システムによってレイアウト及びポイント転送を実行する難点は、ターゲット及び錘線測量システムが、第1の垂直平面ビームを放射する第1のレーザコントローラと、第2の垂直平面ビームを放射する第2のレーザコントローラとを含むレイアウト及びポイント転送システム用に設計されていることである。ターゲット及び錘線測量システムは、位置決め装置を介した反射ターゲットの精密な位置決めを含まない。なぜなら、位置決め装置は、反射ターゲットに対して鉛直線レーザポインタを移動させるように設計されているからである。ユーザは、シャーシを前後に動かして正確な位置を見つける必要がある。この試行錯誤プロセスは、通常、反射ターゲットの精度が確認されるまでに数回繰り返され得る。
【0009】
その結果、レイアウト及びポイント転送システムで使用される反射ターゲットの精密な位置決めを可能にするターゲット及び錘線測量システムが必要であり、これは距離を測定できるレーザコントローラを1つしか含まないものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
ターゲット及び錘線測量システムは、前記プラットフォームが二次元領域を画定するオープンスペースを含み、前記保持装置が位置決め装置によって前記プラットフォームに取り付けられ、前記保持装置が位置決め装置を介して二次元領域内で移動可能であることを特徴とする。第1及び第2の位置決め要素の設計により、第1の位置決め要素がオープンスペース内で任意の水平平行移動方向に平行移動できるようになる。オープンスペースのサイズ及び形状は、第1の位置決め要素が第2の位置決め要素に対して平行移動できる2D領域を画定する。
【0011】
本発明によるターゲット及び錘線測量システムは、オープンスペース内で、反射ターゲット及び鉛直線レーザポインタの両方を任意の水平平行移動方向に精密に位置決めするのを可能にする。第1の平行移動方向及び第1の平行移動方向に垂直な第2の平行移動方向に対する制限はない。オープンスペース内の位置決めの方向に対する制限無しに、ターゲット及び錘線測量システムにより、関心ポイントを見つけるのに必要な時間を短縮できる。
【0012】
好ましい実施形態では、前記第1の位置決め要素は、上部プレート要素、下部プレート要素、及び前記上部プレート要素と下部プレート要素を接続する接続手段を含み、前記上部プレート要素は前記プラットフォームの上面に隣接して配置され、前記下部プレート要素は、前記プラットフォームの底面に隣接して配置され、前記接続手段は、少なくとも部分的に前記オープンスペース内に配置される。
【0013】
上部プレート要素、下部プレート要素、及び接続手段を含む第1の位置決め要素は、前記プラットフォームの上をスライドすることができる。上部プレート要素はプラットフォームの上面と接触しており、下部プレート要素はプラットフォームの底面と接触している。上部プレート要素と下部プレート要素は、それらとプラットフォームの間に摩擦接続を生成する。摩擦接続の強度は、第1の位置決め要素及び第1の位置決め要素に接続されたすべての構成要素が、精密な位置決めのためにユーザが扱うとき、プラットフォームに対して簡単且つ正確にスライドできるように、接続手段を介して、及びプラットフォームの上面及び上部プレート要素の下面の表面強化を介して適合させることができる。他方で、摩擦接続は、ターゲット及び錘線測量システムが取り付けられているシャーシの移動中に、ユーザの介入無しに第1の位置決め要素が移動することを回避する必要がある。
【0014】
好ましい実施形態では、前記第1の位置決め要素は、前記第2の位置決め要素に対して回転軸を中心に回転可能であり、前記回転軸は重力方向に実質的に平行である。第1の位置決め要素及び第2の位置決め要素の設計により、第1の位置決め要素を任意の平行移動位置で回転軸を中心に回転させて、ユーザが反射ターゲット及び鉛直線レーザポインタをレーザコントローラに向けることができるようにすることができる。オープンスペース内の位置決めの方向に対する制限無しに、ターゲット及び錘線測量システムにより、関心ポイントを見つけるのに必要な時間を短縮できる。
【0015】
好ましい実施形態では、前記反射ターゲットの前記前方領域は、重力方向と実質的に同一平面に向けられ、前記第2の保持要素は、前記反射ターゲットが使用されているとき、前記鉛直線レーザビームが前記前方領域と一致するような位置に前記鉛直線レーザポインタを保持するのを補助する。反射ターゲットの前方領域が重力方向と実質的に同一平面に向けられ、鉛直線レーザビームと一致する好ましい実施形態は、1ステップのみで精密な位置決めを可能にする。第1のステップで反射ターゲットを位置合わせする必要はなく、第2のステップで鉛直線レーザポインタを位置合わせする必要もない。
【0016】
好ましい実施形態では、前記反射ターゲットは、第1の位置と、前記第1の位置とは異なる第2の位置との間でシフト可能であり、前記第1の位置では、前記前方領域は前記鉛直線レーザビームと一致し、前記第2の位置では、前記前方領域は前記鉛直線レーザビームと一致しない。第1の位置と第2の位置との間でシフト可能な反射ターゲットを備えた好ましい実施形態により、鉛直線レーザポインタによって生成された鉛直線レーザビームが作業現場の天井に上方鉛直ポイントを生成することができる。第1の位置では、反射ターゲットは上向きの垂直方向の鉛直線レーザビームを遮断し、第2の位置では
【0017】
好ましい実施形態では、前記反射ターゲットは、前記第1の位置と前記第2の位置との間で旋回軸を中心に旋回可能である。旋回軸を中心に反射ターゲットを旋回させることにより、反射ターゲットは第1の位置と第2の位置との間でシフト可能である。
【0018】
好ましくは、前記第2の位置において、前記前方領域は、重力方向に対して実質的に垂直に向けられる。前記前方領域が重力方向に対して実質的に同一平面に向けられる第1の位置と、前記前方領域が重力方向に対して実質的に垂直に向けられる第2の位置との間で旋回軸を中心に反射ターゲットを旋回させることによって、第1及び第2の位置は、ユーザに対して明確に定義されている。
【0019】
好ましい実施形態では、前記反射ターゲットは、前記反射ターゲットが使用されているとき、前記鉛直線レーザビームの経路に配置される遮断要素を含む。ターゲット及び錘線測量システムの鉛直線レーザポインタは、下向きの鉛直線レーザビーム及び上向きの鉛直線レーザビームを含む鉛直線レーザビームを放射することができる。遮断要素は、上向きの鉛直線レーザビームの経路に配置することができる。上向きの鉛直線レーザビームを遮断することにより、前方領域上のレーザラインの数が減少し、ターゲット及び錘線測量システムの誤用が減少する。ターゲット及び錘線測量システムは、前方領域にレーザラインを生成する可能性もある上向きの鉛直線レーザビームではなく、垂直平面ビームによって位置合わせする必要がある。
【0020】
好ましい実施形態では、前記ターゲット及び錘線測量システムは、前記第2の位置決め要素に接続され、可動及び/又は可搬シャーシに接続されるように設けられた接続ユニットを含む。好ましくは、前記接続ユニットは、ターゲット及び錘線測量システムを既存の可動及び/又は可搬シャーシに接続できるように、例えば5/8インチねじなどの標準インタフェースを含む。
【0021】
本発明の更なる態様は、本発明による前記ターゲット及び錘線測量システムと、可動及び/又は可搬シャーシとを備える、可動及び/又は可搬レイアウトアクセサリに関する。可動及び/又は可搬シャーシにより、ユーザはターゲット及び錘線測量システムを快適に取り扱うことができる。作業現場の状況に応じて、シャーシは可搬シャーシ及び/又は可動シャーシとして設計されてもよい。異なる実施形態では、可動シャーシは車輪、ローラ、又はスライド要素を含むことができ、可搬シャーシは足部要素を含むことができる。
【0022】
レイアウトアクセサリの好ましい実施形態では、ターゲット及び錘線測量システムは操作要素に接続される。天井面に関心ポイントをレイアウトするために、シャーシをその最大長まで伸ばすことができる。伸長位置では、ターゲット及び錘線測量システムはユーザが操作できない場合がある。ターゲット及び錘線測量システムを操作するために、位置決め装置を、ユーザが操作できる操作要素に接続することができる。操作要素により、レーザコントローラと反射ターゲットとの間の見通し線が、作業現場に保管されている材料及び/若しくはツール、又は作業現場で作業中のユーザによって遮られないようにすることができるような高さに、ターゲット及び錘線測量システムを配置でき、距離測定は高精度で行うことができる。前記操作要素は、第1の位置決め要素、保持装置、鉛直線レーザポインタ、及び/又は反射ターゲットに接続されてもよい。
【0023】
レイアウトアクセサリの好ましい実施形態では、ターゲット及び錘線測量システムは延長アームに取り付けられる。延長アームを使用すると、ターゲット及び錘線測量システムを延長アームの第1の端部に取り付け、リモートコントローラを延長アームの第2の端部に取り付けることができる。延長アームにより、ターゲット及び錘線測量システム、並びにリモートコントローラのバランスを取ることができる。
【0024】
本発明の更なる態様は、所定の関心ポイントを見つけるためのレイアウト及びポイント転送システムに関するものであり、このシステムは、
・レーザコントローラであって、(i)可視レーザ光の垂直平面ビームを放射するレーザ送信装置であって、前記垂直平面ビームは重力方向に対して実質的に垂直であり、第1の回転軸を中心に回転可能である、レーザ送信装置と、(ii)測定ビームを放射して距離を測定する距離測定装置であって、前記第1の回転軸を中心に回転可能である、距離測定装置と、(iii)重力方向に対して実質的に垂直な水平面における前記レーザ送信装置の方位角をゼロ角度に対して測定する角度測定装置と、(iv)第1の処理回路、前記第1の処理回路によって実行可能な命令を含む第1のメモリ回路、第1の通信回路、及び第1の入出力インタフェース回路と、を含むレーザコントローラと、
・リモートコントローラであって、(i)ディスプレイ装置と、(ii)ユーザ操作入力回路と、(iii)第2の処理回路、前記第2の処理回路によって実行可能な命令を含む第2のメモリ回路、第2の通信回路、及び第2の入出力インタフェース回路とを含み、前記レーザコントローラ及び前記リモートコントローラは、前記第1の通信回路及び第2の通信回路の使用によって互いに通信する、リモートコントローラと、
・本発明による前記ターゲット及び錘線測量システムであって、前記反射ターゲット、前記鉛直線レーザポインタ、前記保持装置、及び前記第1の位置決め要素を含む可動ユニットを備え、前記可動ユニットは、前記第2の位置決め要素に対して移動可能であり、前記反射ターゲットは前記第1の位置に配置される、前記ターゲット及び錘線測量システムと、
を備え、
・前記第1及び第2の処理回路は、
-前記レーザ送信装置を使用して、前記実質的に垂直な平面ビームを放射し、前記距離測定装置を使用して、前記測定ビームを放射し、
-前記角度測定装置を使用して、前記垂直平面ビーム及び前記測定ビームが作業現場の表面上の所定の関心ポイントと交差するように、前記垂直平面ビーム及び前記測定ビームを所定の方位角に向け、
-前記距離測定装置を使用して、前記ターゲット及び錘線測量システムが前記垂直平面ビーム及び前記測定ビームに沿って移動される際に、前記距離測定装置と前記反射ターゲットとの間の距離を測定し、
-前記リモートコントローラ及び/又は前記レーザコントローラを使用して、前記測定された距離と、前記関心ポイントと前記レーザコントローラ間の距離との間の偏差を計算し、
-前記リモートコントローラ及び/又は前記レーザコントローラを使用して、前記偏差に対応する可視及び/又は可聴指示を出力し、
-前記可視及び/又は可聴指示を使用して、前記垂直平面ビーム及び前記測定ビームが前記照準領域と交差するまで、且つ、前記偏差がゼロ又は、少なくとも、所定の第2の限界であって前記第1の限界よりも小さい前記第2の限界よりも小さくなるまで、前記ターゲット及び錘線測量システムの前記可動ユニットを前記第2の位置決め要素に対して移動させる、
ように構成されている。
【0025】
本発明によるレイアウト及びポイント転送システムは、関心ポイントを迅速且つ正確にレイアウトする際にユーザをサポートする。ターゲット及び錘線測量システムによって精密な位置決めが行われるため、レイアウトの精度は作業現場の表面の状況に依存しない。レイアウト及びポイント転送システムは、プラットフォームのオープンスペース内で、反射ターゲット及び鉛直線レーザポインタの両方を任意の水平平行移動方向に精密に位置決めするのを可能にする。第1の平行移動方向及び第1の平行移動方向に垂直な第2の平行移動方向に対する制限はない。オープンスペース内の位置決めの方向に何ら制限もなく、本発明によるレイアウト及びポイント転送システムは、関心ポイントを見つけるのに必要な時間を短縮することができる。
【0026】
好ましい実施形態では、前記第1及び第2の処理回路は、前記鉛直線レーザポインタを使用して構成され、前記鉛直線レーザビームを放射し、作業現場の床に下方鉛直ポイント、及び/又は作業現場の天井に上方鉛直ポイントを生成する。鉛直線レーザビームは関心ポイントと一致するため、鉛直線レーザビームを使用して、関心ポイントを作業現場の表面に高精度で垂直に転送できる。下向きの鉛直線レーザビームを使用して関心ポイントを床に転送し、上向きの鉛直線レーザビームを使用して関心ポイントを天井に転送することができる。
【0027】
本発明の更なる態様は、関心ポイントをレイアウト及び転送するための方法に関するものであり、前記方法は、以下の方法ステップ、すなわち、
・レーザコントローラであって、(i)可視レーザ光の垂直平面ビームを放射するレーザ送信装置であって、前記垂直平面ビームは重力方向に対して実質的に垂直であり、第1の回転軸を中心に回転可能である、レーザ送信装置と、(ii)測定ビームを放射して距離を測定する距離測定装置であって、前記第1の回転軸を中心に回転可能である、距離測定装置と、(iii)重力方向に対して実質的に垂直な水平面における前記レーザ送信装置の方位角をゼロ角度に対して測定する角度測定装置と、(iv)第1の処理回路、前記第1の処理回路によって実行可能な命令を含む第1のメモリ回路、第1の通信回路、及び第1の入出力インタフェース回路と、を含むレーザコントローラを提供するステップと、
・リモートコントローラであって、(i)ディスプレイ装置と、(ii)ユーザ操作入力回路と、(iii)第2の処理回路、前記第2の処理回路によって実行可能な命令を含む第2のメモリ回路、第2の通信回路、及び第2の入出力インタフェース回路とを含み、前記レーザコントローラ及び前記リモートコントローラは、前記第1の通信回路及び第2の通信回路の使用によって互いに通信する、リモートコントローラを提供するステップと、
・本発明による前記ターゲット及び錘線測量システムを提供するステップであって、前記ターゲット及び錘線測量システムは、前記反射ターゲット、前記鉛直線レーザポインタ、前記保持装置、及び前記第1の位置決め要素を含む可動ユニットを備え、前記可動ユニットは、前記第2の位置決め要素に対して移動可能であり、前記反射ターゲットを前記第1の位置に配置する、提供するステップと、
・前記レーザコントローラを作業領域の作業現場の表面に配置するステップと、
・所定の関心ポイントを見つけるステップであって、
-前記レーザ送信装置を使用して、前記実質的に垂直な平面ビームを放射し、前記距離測定装置を使用して、前記測定ビームを放射することと、
-前記角度測定装置を使用して、前記垂直平面ビーム及び前記測定ビームが前記関心ポイントと交差するように、前記垂直平面ビーム及び前記測定ビームを所定の方位角に向けることと、
-前記垂直平面ビーム及び前記測定ビームが前記反射ターゲットの前記前方領域と交差するまで、前記ターゲット及び錘線測量システムを移動させることと、
-前記距離測定装置を使用して、前記ターゲット及び錘線測量システムが前記垂直平面ビーム及び前記測定ビームに沿って移動される際に、前記距離測定装置と前記ターゲット及び錘線測量システムとの間の距離を測定することと、
-前記リモートコントローラ及び/又は前記レーザコントローラを使用して、前記測定された距離と、前記関心ポイントと前記レーザコントローラ間の距離との間の偏差を計算することと、
-前記リモートコントローラ及び/又は前記レーザコントローラを使用して、前記偏差に対応する可視及び/又は可聴指示を出力することと、
-前記可視及び/又は可聴指示を監視しながら、前記偏差が所定の第1の限界よりも小さくなるまで、前記ターゲット及び錘線測量システムを前記垂直平面ビーム及び前記測定ビームに沿って移動させることと、
-前記垂直平面ビーム及び前記測定ビームに沿った前記ターゲット及び錘線測量システムの移動を停止し、前記ターゲット及び錘線測量システムを安定した実質的に水平の位置に配置することと、
-前記可視及び/又は可聴指示を監視しながら、前記垂直平面ビーム及び前記測定ビームが前記照準領域と交差するまで、且つ、前記偏差がゼロ又は、少なくとも、所定の第2の限界であって前記第1の限界よりも小さい前記第2の限界よりも小さくなるまで、前記ターゲット及び錘線測量システムの前記可動ユニットを前記第2の位置決め要素に対して移動させることと、
によって見つけるステップと、
を含む。
【0028】
レイアウト及びポイント転送システムを使用するための本発明の方法は、関心ポイントを迅速且つ正確にレイアウトする際にユーザをサポートする。ターゲット及び錘線測量システムによって精密な位置決めが行われるため、レイアウトの精度は作業現場の表面の状況に依存しない。
【0029】
第1の好ましい実施形態では、方法は、更なるステップ、すなわち、
・前記鉛直線レーザポインタを使用して、前記鉛直線レーザビームを放射し、作業現場の床に下方鉛直ポイントを生成するステップと、
・前記下方鉛直ポイントを作業現場の床に転送するステップと、
を含む。
【0030】
鉛直線レーザビームは関心ポイントと一致するため、鉛直線レーザビームを使用して、関心ポイントを高精度で床に垂直に転送できる。下向きの鉛直線レーザビームは、ユーザが床に転送することができる下方鉛直ポイントを床に生成する。
【0031】
第2の好ましい実施形態では、方法は、更なるステップ、すなわち、
・前記反射ターゲットを前記第2の位置に配置するステップと、
・前記鉛直線レーザポインタを使用して、前記鉛直線レーザビームを放射し、作業現場の床に下方鉛直ポイントを生成し、作業現場の天井に上方鉛直ポイントを生成するステップと、
・前記下方鉛直ポイント及び/又は前記上方鉛直ポイントを作業現場の天井に転送するステップと、
を含む。
【0032】
反射ターゲットの前記第2の位置において、鉛直線レーザポインタは、下方鉛直ポイントを生成する下向きの鉛直線レーザビームと、上方鉛直ポイントを生成する上向きの鉛直線レーザビームとを放射することができる。関心ポイントは、下方鉛直ポイントを介して床に、及び/又は上方鉛直ポイントを介して天井に高精度で転送できる。
【0033】
第3の好ましい実施形態では、方法は、更なるステップ、すなわち、
・前記鉛直線レーザポインタを使用して、前記鉛直線レーザビームを放射し、作業現場の床に下方鉛直ポイントを生成するステップと、
・前記下方鉛直ポイントを作業現場の床に転送するステップと、
・前記反射ターゲットを前記第2の位置に配置するステップと、
・前記鉛直線レーザポインタを使用して、前記鉛直線レーザビームを放射し、作業現場の天井に上方鉛直ポイントを生成するステップと、
・前記上方鉛直ポイントを作業現場の天井に転送するステップと、
を含む。
【0034】
反射ターゲットの前記第1の位置において、上向きの鉛直線レーザビームは、反射ターゲットの遮断要素によって遮断され得る。関心ポイントを天井に転送するには、反射ターゲットを前記第2の位置に配置する必要がある。反射ターゲットがその第2の位置に配置されている場合、上向きの鉛直線レーザビームは、ユーザが天井に転送できる上方鉛直ポイントを天井に生成できる。
【0035】
本発明の態様は、単に例として、図面に概略的に示される実施例を参照して、以下により詳細に記述又は説明される。図中、同一の要素には同一の参照番号が付されている。記載された実施形態は、一般に縮尺通りに示されておらず、また本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1A】三脚装置上に配置されたレーザコントローラ、リモートコントローラ、並びにターゲット及び錘線測量システム及び可動シャーシを含むレイアウトアクセサリの第1の実施形態を含む、レイアウト及びポイント転送システムを示す。
【
図1B】三脚装置上に配置されたレーザコントローラ、リモートコントローラ、並びにターゲット及び錘線測量システム及び可動シャーシを含むレイアウトアクセサリの第1の実施形態を含む、レイアウト及びポイント転送システムを示す。
【
図2A】
図1のターゲット及び錘線測量システムを示し、これは、使用位置と非使用位置との間でシフト可能な反射ターゲットを含んでおり、ターゲット及び錘線測量システムは、反射ターゲットの前方領域の図で使用位置に示されている。
【
図2B】
図1のターゲット及び錘線測量システムを示し、これは、使用位置と非使用位置との間でシフト可能な反射ターゲットを含んでおり、ターゲット及び錘線測量システムは、反射ターゲットの後方領域の図で使用位置に示されている。
【
図2C】
図1のターゲット及び錘線測量システムを示し、これは、使用位置と非使用位置との間でシフト可能な反射ターゲットを含んでおり、ターゲット及び錘線測量システムは、反射ターゲットが非使用位置(
図2C)で示されている。
【
図3A】
図1のターゲット及び錘線測量システムの位置決め装置を分解図で示す。
【
図3B】
図1のターゲット及び錘線測量システムの位置決め装置を垂直面に平行な縦断面図で示す。
【
図4】レイアウト及びポイント転送システムを使用して関心ポイントをレイアウト及び転送する方法のステップを示すフローチャートである。
【
図5】
図1のレイアウト及びポイント転送システムで使用されるレーザコントローラの例示的なバージョンである。
【
図6】
図5に示され、
図1のレイアウト及びポイント転送システムで使用される、レーザコントローラの主要構成要素のブロック図である。
【
図7A】
図1のレイアウト及びポイント転送システムのリモートコントローラの例示的なバージョンであり、リモートコントローラの前側の上面図である。
【
図7B】
図1のレイアウト及びポイント転送システムのリモートコントローラの例示的なバージョンであり、リモートコントローラの後側の上面図である。
【
図8】
図7A、Bに示され、
図1のレイアウト及びポイント転送システムで使用される、リモートコントローラの主要構成要素のブロック図である。
【
図9A】
図1のターゲット及び錘線測量システム、ポール、二脚装置、及び接続ユニットを含むレイアウトアクセサリの第2の実施形態である。
【
図9B】
図1のターゲット及び錘線測量システム、ポール、二脚装置、及び接続ユニットを含むレイアウトアクセサリの第2の実施形態である。
【
図10】
図1のターゲット及び錘線測量システム、三脚装置、及び接続ユニットを含むレイアウトアクセサリの第3の実施形態である。
【
図11】
図1のターゲット及び錘線測量システム、ミニ三脚装置、及び接続ユニットを含むレイアウトアクセサリの第4の実施形態である。
【
図12】
図1のターゲット及び錘線測量システム、ミニポール、ミニ二脚装置、及び接続ユニットを含むレイアウトアクセサリの第5の実施形態である。
【
図13】ターゲット及び錘線測量システムをシャーシに接続するための接続ユニットと、操作要素をターゲット及び錘線測量システムに接続するための変更された接続手段とを有する、好ましい実施形態における
図1のターゲット及び錘線測量システムである。
【
図14】
図1のターゲット及び錘線測量システム用の代替の可搬シャーシである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
ここで、本発明の好ましい実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。本明細書で開示される技術は、以下の説明又は図面に示される構造の詳細及び構成要素の配置への適用において限定されないことを理解されたい。本明細書で開示される技術は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行可能である。
【0038】
また、本明細書で使用される表現及び専門用語は、説明のためのものであり、限定するものと見なされるべきではないことを理解されたい。本明細書における「含む」、又は「備える」、又は「有する」及びそれらの変形の使用は、その後に列挙される項目及びその等価物、並びに追加の項目を包含することを意味する。別段の制限がない限り、本明細書における「接続される」、「結合される」、及び「取り付けられる」という用語、及びそれらの変形は広い意味で使用され、直接及び間接接続、結合、及び取り付けを包含する。更に、「接続される」及び「結合される」という用語、及びその変形は、物理的又は機械的な接続又は結合に限定されない。
【0039】
図1A、Bは、本発明に従って関心ポイントを作業現場の表面に垂直にレイアウトし、転送するように設計されたレイアウト及びポイント転送システム10を示す。レイアウト及びポイント転送システム10は、レーザコントローラ11、リモートコントローラ12、並びにターゲット及び錘線測量システム14及び可動シャーシ15を含むレイアウトアクセサリ13の第1の実施形態を備える。ターゲット及び錘線測量システム14及びリモートコントローラ12はシャーシ15に取り付けられ、レーザコントローラ11は三脚装置16に取り付けられ、シャーシ15及び三脚装置16は床17上に配置される。
【0040】
レイアウト及びポイント転送システム10の基本概念は、一般的に
図1Aに示されている。レーザコントローラ11は、タブレットコンピュータとして設計されたリモートコントローラ12にインストールされたソフトウェアアプリケーションで制御される二次元(2D)レイアウトツールとして設計されている。レーザコントローラ11は、方向を示すために可視レーザ光の垂直平面ビーム18を生成するレーザ送信装置を含み、レーザコントローラ11とターゲット及び錘線測量システム14との間の距離を測定する能力を提供する距離測定装置を含み、これはユーザのところにあり、ユーザによって処理される。レーザコントローラ11は、重力方向20に実質的に平行な第1の回転軸19を中心に垂直平面ビーム18を回転させて、床17又は天井であり得る作業現場の表面上の関心ポイントPOIを通して垂直平面ビーム18を導くことができる。このアクションは、関心ポイントPOIが垂直平面ビーム18に沿ったどこかにあることをユーザに示すために、目に見える方向をユーザに直接提供する。距離測定装置は、垂直平面ビーム18と実質的に位置合わせされ一致する狭い測定ビーム21を出力する。測定ビーム21は、可視レーザビーム又は赤外線レーザビームであり得る。
【0041】
図1Bは、レイアウトアクセサリ13を詳細に示している。レイアウトアクセサリ13は、ターゲット及び錘線測量システム14と、三脚装置として設計された可動シャーシ15とを含む。三脚装置15は、長さを調節できる3つの脚部22、レイアウトアクセサリ13を床17上でスライドできるようにする3つのスライド要素23、高さ方向に沿って調節できる中央ロッド24、及び中央ロッド24に取り付けられた延長アーム25を含む。
図1Bにおいて、中央ロッド24は、三脚装置15のヘッドに対して最も高い位置に配置される。ターゲット及び錘線測量システム14は、三脚装置15を介して、最小位置と最大位置との間で作業現場の条件に応じて必要とされる任意の高さに配置することができる。
【0042】
ターゲット及び錘線測量システム14及びリモートコントローラ12は、延長アーム25の近位端に取り付けられ、延長アーム25は、中央ロッド24の高さ方向に実質的に同軸に整列された旋回軸26を中心に旋回可能である。リモートコントローラ12は、ブラケット要素27を介して延長アーム25に取り付けられ、ブラケット要素27の位置は、延長アーム25に沿ってシフトすることができる。延長アーム25は、ターゲット及び錘線測量システム14及びリモートコントローラ12のバランスを取ることを可能にする。
【0043】
ターゲット及び錘線測量システム14は、標準インタフェース、例えば5/8インチねじを含む接続ユニット27を介して中央ロッド24に接続することができ、それにより、ターゲット及び錘線測量システム14を三脚15などの既存の可動及び/又は可搬シャーシに接続することができる。ターゲット及び錘線測量システム14は、作業現場の床17に下方鉛直ポイント28及び天井30に上方鉛直ポイント29を生成することができる。下方及び/又は上方鉛直ポイント28、29を使用して、床17及び/又は天井30に関心ポイントを転送することができる。
【0044】
図2A~Cは、ターゲット及び錘線測量システム14を示し、これは、使用位置と非使用位置との間でシフト可能な反射ターゲット31を含んでおり、ターゲット及び錘線測量システム14は、反射ターゲット31の前方領域(
図2A)及び後方領域(
図2B)の図で使用位置に示されており、反射ターゲット31が非使用位置(
図2C)で示されている。ターゲット及び錘線測量システム14は、反射ターゲット31に加えて、セルフレベリング鉛直線レーザポインタ32、保持装置33、及び位置決め装置34を更に含む。
【0045】
反射ターゲット31は、U字形の部分として形成され、前方領域36よりも小さい照準領域37を有する反射性平面前方領域36、遮断要素38、後方領域39、及び2つの肩部40を含む。前方領域36は、垂直平面ビーム18の波長及び測定ビーム21の波長に対して少なくとも部分的に反射性である。
【0046】
セルフレベリング鉛直線レーザポインタ32は、セルフレベリングマウントと、実質的に垂直方向42にある経路を有する鉛直線レーザビーム41を放射する少なくとも1つのレーザエミッタとを含み、鉛直線レーザビーム41は、下向きの鉛直線レーザビーム41Aと、上向きの鉛直線レーザビーム41Bとを含む。鉛直線レーザビーム41は、床17及び/又は天井30に関心ポイントを垂直に転送するために使用されるので、鉛直線レーザポインタ32の波長は、可視範囲、例えば赤色又は緑色の範囲にあり得る。
【0047】
保持装置33は、ケージ又は同様の構成要素として形成することができ、反射ターゲット31を所定の位置に保持するのを補助する第1の保持要素43と、鉛直線レーザポインタ32を所定の位置に保持するのを補助する第2の保持要素44とを含む。反射ターゲット31は、第1の保持要素43に取り付けられ、第1の位置46と第2の位置47との間で旋回軸45を中心に旋回可能である。第1の位置46では、前方領域36は、重力方向20に対して実質的に同一平面に向けられ、第2の位置47では、前方領域36は、重力方向20に対して実質的に垂直に向けられる。第2の位置47の正確な向きは完全にシステム設計者次第であり、水平面に対して幾分大きくても又は小さくてもよいことに留意されたい。もちろん、第1の位置46から明確に定義された第2の位置47を有することがおそらく望ましいことであり得る。
【0048】
第1の位置46は、反射ターゲット31の使用位置とも呼ばれ、
図2A及び
図2Bに示されており、また、第2の位置47は、反射ターゲット31の非使用位置とも呼ばれ、
図2Cに示されている。反射ターゲット31が使用されているとき(第1の位置46)、その前方領域36は、重力方向20に対して実質的に同一平面に向けられ、鉛直線レーザビーム41は、前方領域36と一致する。反射ターゲット31が使用されていないとき(第2の位置47)、その前方領域36と鉛直線レーザビーム41とは互いに一致しない。
【0049】
反射ターゲット31の第1の位置46において、遮断要素38は、上向きの鉛直線レーザビーム41Bの経路内に配置されるので、上向きの鉛直線レーザビーム41Bが遮断される。上向きの鉛直線レーザビーム41Bを遮断することにより、前方領域36上のレーザラインの数が減少し、ターゲット及び錘線測量システム14の誤用が減少する。ターゲット及び錘線測量システム14は、前方領域36にレーザラインを生成する可能性もある上向きの鉛直線レーザビーム41Bではなく、垂直平面ビーム18によって位置合わせする必要がある。
【0050】
位置決め装置34は、第1の位置決め要素48と第2の位置決め要素49とを含み、保持装置は第1の位置決め要素48に接続され、第1の位置決め要素48は第2の位置決め要素49に対して移動可能である。ターゲット及び錘線測量システム14は、反射ターゲット31、鉛直線レーザポインタ32、保持装置33、及び第1の位置決め要素41を含む可動ユニット50から構成される。可動ユニット50は、第2の位置決め要素49に対して移動可能である。
【0051】
図3A、Bは、ターゲット及び錘線測量システム14の位置決め装置34を分解図(
図3A)及び垂直面に平行な縦断面図(
図3B)で示す。位置決め装置34は、第1の位置決め要素48及び第2の位置決め要素49を含む。
【0052】
第1の位置決め要素48は、上部プレート要素51、下部プレート要素52、及び上部プレート要素51と下部プレート要素52とを互いに接続する接続手段53を含む。第2の位置決め要素49は、実質的に水平な二次元領域の範囲を画定するオープンスペース55を含むプラットフォーム54として設計される。
【0053】
図3Aに示される位置決め装置34の組立状態において、上部プレート要素51は、プラットフォーム54の上面56Aに隣接して配置され、下部プレート要素52は、プラットフォーム54の底面56Bに隣接して配置される。上部及び下部プレート要素51、52は、ねじ53A、ワッシャ53B及びねじナット53Cを含むことができる接続手段53によって接続される。接続手段53は、プラットフォーム54のオープンスペース55の内側に少なくとも部分的に配置され、オープンスペース55によって画定されるその2D領域の内側に移動することができる。第1の位置決め要素48の移動は、オープンスペース55の縁部によってのみ水平面内で制限され、オープンスペース55内では、移動に対する制限はない。
【0054】
上部プレート要素51及び下部プレート要素52は、それらとプラットフォーム54との間に摩擦接続を生成する。摩擦接続の強度は、接続手段53を介して、及びプラットフォーム54の上面56A及び上部プレート要素51の下面57の表面強化を介して適合させることができる。上部プレート要素51、下部プレート要素52、及びプラットフォーム54は、金属又はプラスチックなどの任意の他の適切な材料から製造することができる。摩擦接続の強度は、第1の位置決め要素48及び第1の位置決め要素48に接続されたすべての構成要素が、精密な位置決めのためにユーザによって扱われるときにプラットフォーム54に対して容易且つ正確にスライドできるように適合され得る。他方で、摩擦接続は、ターゲット及び錘線測量システム14が取り付けられているシャーシの移動中に、ユーザの介入無しに第1の位置決め要素48が移動することを回避する必要がある。
【0055】
材料の特別な組み合わせにより、及び/又はブレーキ要素を使用することにより、片側の簡単で正確なスライドと、もう一方の側の安定した位置との間の良好なバランスを実現できる。例えば、位置決め装置34の接続手段53を使用して、位置決め装置34のスライドモード及びブレーキモードを定義することができる。ねじナット53Cによって、摩擦接続の強度を適合させることができる。接続手段53の第1の位置では、摩擦接続の強さにより、第1の位置決め要素48をプラットフォーム54上で容易且つ正確にスライドさせることができる。ねじナット53Cを回すことにより、接続手段53は、スライドモードに対応する第1の位置からブレーキモードに対応する第2の位置にシフトする。ブレーキモードにおける摩擦接続の強度は、プラットフォーム54上での第1の位置決め要素48のスライドが防止されるように、スライドモードと比較して増加する。ねじナット53C又は任意の他のブレーキ要素は、ユーザがブレーキ要素を取り扱うために容易にアクセスできるようにすべきであることに留意されたい。
【0056】
鉛直線レーザポインタ32が鉛直線レーザビーム37を床17に下向きに向けることができるようにするために、位置決め装置34のすべての要素は、鉛直線レーザビーム37の通過を可能にする開口部を含む。開口部は、実質的に要素の中心になるように設計されるが、システム設計者が開口部を別の位置に移動したい場合にはそれは必須ではない。位置決め装置34の構成要素への開口部の統合は、ターゲット及び錘線測量システム14のコンパクトな設計を可能にする。
【0057】
プラットフォーム54は、精密な位置決め用に設計された第1の部分と、プラットフォーム54を三脚装置15などの可動及び/又は可搬シャーシに取り付けるように設計された第2の部分とから構成される。プラットフォーム54の第1の部分は、第1の部分の実質的に中央に配置されたオープンスペース55を含むが、システム設計者がオープンスペース55を別の位置に移動したい場合にはそれは必須ではない。オープンスペース55のサイズ及び形状も、完全にシステム設計者次第であることに留意されたい。もちろん、寸法が対称であり、反射ターゲット31と鉛直線レーザポインタ32を適切な範囲内、例えば5cm内に精密に位置決めできるオープンスペース55を有することがおそらく望ましい。
【0058】
ターゲット及び錘線測量システム14は、オープンスペース55内で任意の水平平行移動方向に第2の位置決め要素49に対して移動可能であり、重力方向20に実質的に平行な回転軸58を中心に回転可能な可動ユニット50から構成される。可動ユニット50及び第2の位置決め要素49の設計により、ユーザが反射ターゲット31をレーザコントローラ11に向けることができるように、可動ユニット50を任意の平行移動位置で回転軸58を中心に回転させることができる。
【0059】
図4は、レイアウト及びポイント転送システム10を使用することによって、関心ポイントをレイアウト及び転送するための方法のステップを示すフローチャートを示す。レイアウト及びポイント転送を開始できる前に、レーザコントローラ11及びリモートコントローラ12を初期化する必要があり(ステップS10)、レーザコントローラ11を作業現場に配置する必要がある(ステップS20)。
【0060】
レーザコントローラ11及びリモートコントローラ12を初期化した後、且つレーザコントローラ11を作業現場に配置した後のユーザにとっての第1のトピックは、レイアウト及びポイント転送システム10に対して1つの関心ポイント(POI)又はいくつかの関心ポイントを入力又は選択することである(ステップ30)。関心ポイントがリモートコントローラ12に入力される場合、リモートコントローラ12は、選択された関心ポイントの座標(POI座標)、又は垂直平面ビーム18を特定の方位角に向けるためのコマンドをレーザコントローラ11に送信する。レーザコントローラ11は、リモートコントローラ12から特定の方位角に垂直平面ビーム18を向けるためのPOI座標又はコマンドを受信する。
【0061】
関心ポイントを選択した後、レーザコントローラ11は、垂直平面ビーム18を放射し、定期的な距離測定を実行する。ステップS40において、レーザコントローラ11は、垂直平面ビーム18が選択された関心ポイントと交差するように、垂直平面ビーム18及び測定ビーム21を選択された関心ポイントに向かって回転させる。レーザコントローラ11は、定期的な距離測定を実行し、測定された距離値をリモートコントローラ12に送信する(ステップS50)。サンプルレートは、ユーザが距離値のほぼ連続的な更新を受信していると感じるように、非常に高速である必要がある。
【0062】
ステップS60において、リモートコントローラ12は、測定された距離値と、選択された関心ポイントからレーザコントローラ11までの距離との間の偏差δを計算する。リモートコントローラ12は、計算された偏差δ及び方向(後方又は前方)をユーザに表示する(ステップS70)。ステップS80において、リモートコントローラ12は、偏差δが所定の第1の限界Δ1、例えば5cmより小さいかどうかをチェックする。ユーザは、リモートコントローラ12によって指示されたレイアウトアクセサリ13を、選択された関心ポイントに向かって動かし(ステップS90)、ステップS50~S80のループが、偏差δが第1の限界Δ1よりも小さくなるまで繰り返される。
【0063】
偏差δが第1の限界Δ1よりも小さい場合、リモートコントローラ12は、ユーザが移動を停止できるというメッセージをユーザに表示することができ、ユーザはレイアウトアクセサリ13の移動を停止し、ターゲット及び錘線測量システム14を安定した実質的に水平の位置に配置する(ステップS100)。測定誤差を回避するために、ユーザは、ターゲット及び錘線測量システム14上で調整要素及び気泡水準器を使用して、ターゲット及び錘線測量システム14が適切にレベリングされていることを確認することができる。ターゲット及び錘線測量システム14は、鉛直線レーザポインタ32がそのセルフレベリング範囲内に配置されると、適切にレベリングされていると呼ばれる。
【0064】
レーザコントローラ11は、定期的な距離測定を実行し(ステップS110)、測定された距離値をリモートコントローラ12に送信する。リモートコントローラ12は、測定された距離値と、選択された関心ポイントのレーザコントローラ11までの距離との間の偏差δを計算し(ステップS120)、偏差δ及び方向(後方又は前方)をユーザに表示する(ステップS130)。ユーザは、リモートコントローラ12によって指示されたプラットフォーム46に対して移動ユニット50を、選択された関心ポイントに向かって移動させ(ステップS150)、ステップS110~S140のループが、計算された偏差δが所定の第2の限界Δ2、例えば1mmよりも小さくなるまで繰り返される。
【0065】
計算された偏差δが所定の第2の限界Δ2よりも小さい場合、リモートコントローラ12は、選択された関心ポイントに到達したこと、及びユーザが関心ポイントを床17及び/又は天井30の作業現場の表面に転送できることを示すメッセージをユーザに表示することができる。鉛直線レーザポインタ32は、床17に、ユーザが床17に転送することができる下方鉛直ポイント28を生成することができ、天井30に、ユーザが天井30に転送することができる上方鉛直ポイント29を生成することができる(ステップS160)。関心ポイントを作業現場の天井30に転送するために、ユーザは、反射ターゲット31を、上向きの鉛直線レーザビームが遮断されるその第1の位置から、鉛直線レーザビームが両方向とも遮断されていないその第2の位置にシフトする。
【0066】
選択された関心ポイントを床17及び/又は天井30に転送した後、関心ポイントをレイアウト及び転送する方法は、ステップ30で新しい関心ポイントを選択することで継続され得る。ステップS40~S160は、リモートコントローラ12に格納された関心ポイントのリストの関心ポイントごとに繰り返すことができる。
【0067】
図5は、レイアウト及びポイント転送システム10で使用されるレーザコントローラ11の例示的なバージョンを示す。レーザコントローラ11は、2Dレイアウトツールとして設計され、測定ヘッド61、回転及びレベリング装置62、グリップ63、及びレーザコントローラ11に電力を供給するためのバッテリ64を備える。
【0068】
測定ヘッド61は、レーザ出口窓66を含む第1のハウジング65によって囲まれている。垂直平面ビーム18を放射するレーザ送信装置(図示せず)と、狭い測定ビーム21を放射する距離測定装置(図示せず)とが、第1のハウジング65内に配置され、垂直平面ビーム18及び測定ビーム21は、レーザ出口窓66から放射される。測定ヘッド61は、第1の回転軸19を中心に全360°の角度でその円周を完全に回転することができる。
【0069】
回転及びレベリング装置62は、第2のハウジング67によって囲まれている。角度測定装置(図示せず)、方位モータ装置(図示せず)、レベリングモータ装置(図示せず)、及び第1の電子装置(図示せず)は、第2のハウジング部分67内に配置され、第1の回転軸19を中心とする測定ヘッド61の回転を可能にする。
【0070】
図6は、
図1に示すレイアウト及びポイント転送システム10で使用されるレーザコントローラ11の主要構成要素のブロック図を示す。レーザコントローラ11は、レーザ送信装置71、距離測定装置72、角度測定装置73、方位モータ装置74、レベリングモータ装置75、及び第1の電子装置77を含む。レーザ送信装置71及び距離測定装置72は、方位モータ装置74によって第1の回転軸19を中心に駆動される測定ヘッド61の一部となり、角度測定装置73、方位モータ装置74、及びレベリングモータ装置75は、回転及びレベリング装置62の一部となる。
【0071】
第1の電子装置77は、第1の処理回路78、第1のメモリ回路79、第1の通信回路80、及び第1の入出力(I/O)インタフェース回路81を備える。第1のメモリ回路79は、関連するランダムアクセスメモリ(RAM)及び読み出し専用メモリ(ROM)を含む。第1の処理回路78は、通常アドレスバス又はデータバスと呼ばれるバスを使用して、第1のメモリ回路79及び第1の通信回路80と通信することができ、また、割り込み及びおそらく他のタイプのタイミング信号などの、他のタイプの信号を含むこともできる。
【0072】
第1の入出力インタフェース回路81は、第1の処理回路78と各種モータ駆動回路やセンサ回路との間のインタフェースである。第1の入出力インタフェース回路81は、第1の送信機回路82及び第1の受信機回路83を含む第1の通信回路80と通信する。第1の通信回路80は、通常、通信リンク84を介してワイヤレス信号を使用して、リモートコントローラ12と通信し、データ情報を交換するように設計されている。レイアウト及びポイント転送システム10では、レーザコントローラ11は、距離情報及び方位角情報をリモートコントローラ12と通信し、その情報は、通信リンク84を介して第1の通信回路80に、及び第1の通信回路80から、到着する。レイアウト及びポイント転送システム10の好ましいモードでは、通信リンク84は無線であるが、第1の通信回路80とリモートコントローラ12との間にケーブルを接続することもできる。
【0073】
レーザ送信装置71は、可視レーザ光の垂直平面ビーム18を放射するレーザ送信機85と、レーザドライバ回路86とを含む。レーザドライバ回路86は、レーザ送信機85を駆動するための電流及び電圧を提供し、レーザ送信機85は、通常、レーザダイオードであるが、任意の他のタイプのレーザ送信機であってもよい。作業現場の表面上のレーザラインはユーザに見える必要があるので、レーザ送信機85は可視波長を放射する。
図6に示すレーザコントローラ11では、レーザドライバ回路86は、第1の処理回路78によって制御される。
【0074】
レーザ送信機85は、通常、ファンビームレーザ送信機である。しかしながら、回転又は走査レーザビームを含む、他のタイプのレーザ送信機を使用できることを理解されたい。レーザビームが少なくとも作業現場の表面の床と交差し、またおそらく内部空間の天井と交差するように、レーザ平面を作成するには発散量が最小である必要がある。レーザ送信機のみが床を指している場合でも、レーザコントローラ11には多くの用途がある。この説明では、レーザエミッタ85はファンビームレーザ送信機又は同等物であると仮定するので、レーザ光の連続的な垂直平面ビームがレーザコントローラ11によって放射されているか、又は可視レーザ光の移動ビームが平面ビームをエミュレートするレーザ光の平面を生成するような方法で、レーザコントローラ11によって放射されるかのいずれかである。
【0075】
距離測定装置82は、レーザ送信機87、レーザドライバ回路88、光センサ89、及びレーザ受信機インタフェース回路90を含む。レーザドライバ回路88は、狭い測定ビーム21を放射するレーザ送信機87用に電流を供給する。光センサ89は、反射ターゲット31の前方領域36で反射された測定ビーム21の少なくとも一部を受け取り、光センサ89によって出力される電流信号は、レーザ受信機インタフェース回路90に送られる。適切な増幅及び復調の後、信号は、第1の入出力インタフェース回路81を介して第1の処理回路78に送られる。
【0076】
角度測定装置83は角度エンコーダ91を含み、これが第1の処理回路78に入力信号を提供するので、第1の処理回路78はレーザ送信機87が水平面内でゼロ角度に対してどの方位角に配置されているかを正確に知る。角度エンコーダ91の出力信号は、第1の入出力インタフェース回路81に送られる。
【0077】
方位モータ装置84は、方位モータ93と方位モータドライバ回路94とを含む。方位モータドライバ回路94は、レーザコントローラ11が照準をあわせる原動力である方位モータ93を駆動するための適切な電流及び電圧を提供する。これは、角度測定装置83と連動する自己完結型システムの一部であり得る。しかしながら、
図6において、方位モータ装置84は、論理フローチャートで指定された機能を実行するのに必要な第1の処理回路78によって制御されるものとして示されている。
【0078】
レベリングモータ装置85は、レベリングモータ95と、レベリングセンサ96と、レベリングモータドライバ回路97とを含む。レベリングモータドライバ回路97は、レベリングモータ95を駆動するための適切な電流及び電圧を提供する。更に、それはレベリングセンサ96から信号を受信し、これらの入力信号は、レベリングモータドライバ回路97からレベリングモータ95に送られるコマンドのタイプを決定する。必要に応じて、レベリングモータ装置85は、第1の処理回路78と通信する必要がなくてもよい自己完結型のシステムにすることができる。しかしながら、レーザコントローラ11は通常、レーザコントローラ11がその通常動作モードで動作を開始する前に、レーザコントローラ11がそのレベリング機能を実際に終了したかどうかが分かっている必要がある。
図6において、レベリングモータ装置85は、第1の処理回路78によって制御されるものとして示されている。
【0079】
図7A、Bは、リモートコントローラ12の前側の上面図(
図7A)及び後側の上面図(
図7B)で、リモートコントローラ12の例示的なバージョンを示す。リモートコントローラ12は、タブレットコンピュータとして設計され、ハウジング101、タッチスクリーンディスプレイ102、バッテリ103、1組のボタン104、例えば音量調節ボタン、電源オン/オフボタン及びディスプレイ制御ボタン、並びに、例えば動作状態、データ記憶状態、及びバッテリ状態のための1組のインジケータ105、そして、例えばドッキング、データ記憶及びUSBのための1組のコネクタ106、及びカードスロット107を含む。
【0080】
図8は、
図1に示したレイアウト及びポイント転送システム10で使用されるリモートコントローラ12のブロック図を示す。リモートコントローラ12は、ディスプレイ装置111、ユーザ操作入力装置112、及び第2の電子装置113を含み、第2の電子装置113は、第2の処理回路114、第2のメモリ回路115、第2の通信回路116、及び第2の入出力(I/O)インタフェース回路117を備える。
【0081】
第2のメモリ回路115は、関連するランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、及びある種のバルクメモリ(BULK)を含み、バルクメモリは、カードスロット107に差し込むことができるSDカード、又はコネクタ106の1つ、例えばUSBコネクタを介してリモートコントローラ12に差し込むことができる外部メモリ装置であり得る。第2の処理回路114は、バスを使用して第2のメモリ回路115及び第2の通信回路16と通信し、バスは通常、データ信号又はアドレス信号、及び割り込みなどの他のタイプのマイクロプロセッサ信号を搬送する。
【0082】
第2のI/Oインタフェース回路117は、第2の送信機回路118及び第2の受信機回路119を含む第2の通信回路116と通信する。第2の通信回路116は、通常、通信リンク84を介して無線信号を使用して、レーザコントローラ11と通信するように設計されている。レイアウト及びポイント転送システム10では、レーザコントローラ11は、距離情報及び方位角情報をリモートコントローラ12と通信し、その情報は、通信リンク84を介して第2の通信回路116に、及び第2の通信回路116から、到着する。
【0083】
ディスプレイ装置111は、ディスプレイ121と、ディスプレイドライバ回路122とを含む。ディスプレイドライバ回路122は、第2のI/Oインタフェース回路117と通信し、ディスプレイ121に正しいインタフェース及びデータ信号を提供する。例えば、リモートコントローラ12がラップトップコンピュータである場合、これは、ほとんどのラップトップコンピュータで見られる標準ディスプレイである。又は、リモートコントローラ12がタブレットコンピュータ又はスマートフォンであれば、この場合、ディスプレイ装置ははるかに小さい物理的装置であり、ディスプレイ装置111はタッチスクリーンディスプレイであり得る。
【0084】
ユーザ操作入力装置112は、キーパッド123及びキーパッドドライバ回路124を含む。キーパッドドライバ回路124は、第2のI/Oインタフェース回路117と通信し、キーパッド123にインタフェースする信号を制御する。ディスプレイ装置111がタッチスクリーンディスプレイである場合、リモートコントローラ12に別個のキーパッドがなくてもよい。なぜなら、機能を入力するためのコマンド又はデータのほとんどは、ディスプレイ自体に触れることによって利用可能であり、キーパッドはタッチスクリーンディスプレイに組み込まれているからである。ある種の電源オン/オフボタンがある場合もあるが、それは必ずしも真のキーパッドとは見なされず、通常はデータの入力には使用されない。
【0085】
図9Aは、床17及び/又は天井30に関心ポイントをレイアウトするように適合されたレイアウトアクセサリ130の第2の実施形態を示す。レイアウトアクセサリ130は、
図1Aのレイアウト及びポイント転送システム10で使用することができ、レイアウトアクセサリ13の代用となる。
【0086】
レイアウトアクセサリ130は、
図1のターゲット及び錘線測量システム14、ポール131、二脚装置132、及びターゲット及び錘線測量システム14をポール131に接続するように設計された接続ユニット133を含む。ターゲット及び錘線測量システム14は、接続ユニット133を介してポール131に接続され、二脚装置132はポール131に取り付けられる。ポール131及び二脚装置132は、ターゲット及び錘線測量システム14用の可搬シャーシ134として設計されている。二脚装置132は、レイアウトアクセサリ130を安定した実質的に水平の位置に配置するために使用される。
【0087】
ポール131は、二脚装置132が傾斜ポール131に取り付けられた状態で傾斜位置に配置される。ターゲット及び錘線測量システム14の向きは、接続ユニット133を介して調整することができ、接続ユニット133は、ターゲット及び錘線測量システム14が実質的に水平であることを可能にする球状ヘッドを含むことができる。リモートコントローラ12は、ブラケット要素135を介してポール131に取り付けることができ、ブラケット要素135は、ユーザがターゲット及び錘線測量システム14を取り扱い、リモートコントローラ12のディスプレイ121をチェックできるような高さで、ポール131に取り付けられることが好ましい。
【0088】
図9Bは、高い天井面に関心ポイントをレイアウトするように適合された、
図9Aのレイアウトアクセサリ130を示す。高い天井面に関心ポイントをレイアウトするために、ポール131はその最大長まで伸ばされる。ポール131の伸長位置では、ターゲット及び錘線測量システム14は、もはやユーザによって操作可能ではない。ターゲット及び錘線測量システム14を操作するために、位置決め装置34は、ユーザが操作できる操作要素136に接続することができる。
【0089】
操作要素136により、レーザコントローラ11と反射ターゲット31との間の見通し線が、作業現場に保管されている材料及び/若しくはツール、又は作業現場で作業中のユーザによって遮られないようにすることができるような高さに、ターゲット及び錘線測量システム14を配置でき、距離測定は高精度で行うことができる。
【0090】
図10は、床17及び/又は天井30に関心ポイントをレイアウトするように適合されたレイアウトアクセサリ140の第3の実施形態を示す。レイアウトアクセサリ140は、
図1Aのレイアウト及びポイント転送システム10で使用することができ、レイアウトアクセサリ13の代用となる。
【0091】
レイアウトアクセサリ140は、ターゲット及び錘線測量システム14、三脚装置141、及び接続ユニット143を含む。三脚装置141は、ターゲット及び錘線測量システム14用の可動シャーシとして設計され、長さを調節できる3つの脚部144、レイアウトアクセサリ140を床17上で移動させることを可能にする3つの車輪145、及び中央ロッド146を含み、中央ロッド146は、高さ方向147に沿って調整することができる。ターゲット及び錘線測量システム14は、三脚装置141を介して、最小位置と最大位置との間の作業現場の条件に応じて必要とされる任意の高さに配置される。
【0092】
図10において、中央ロッド146は、三脚装置141のヘッドに対して最も低い位置に配置される。レイアウトアクセサリ140が関心ポイントの近くに配置された後、ユーザは、保持装置34又は鉛直線レーザポインタ32のハウジングによって微調整を行う。
【0093】
高い天井面に関心ポイントをレイアウトするために、中央ロッド146を三脚装置141のヘッドに対してその最大長まで伸ばすことができる。中央ロッド146の伸長位置では、ターゲット及び錘線測量システム14は、もはやユーザによって操作可能ではない。ターゲット及び錘線測量システム14を操作するために、ターゲット及び錘線測量システム14の位置決め装置35は、ユーザが操作できる操作要素に接続することができる。
【0094】
図11は、床上に関心ポイントをレイアウトするように適合されたレイアウトアクセサリ150の第4の実施形態を示す。レイアウトアクセサリ150は、
図1Aのレイアウト及びポイント転送システム10で使用することができ、レイアウトアクセサリ13の代用となる。
【0095】
レイアウトアクセサリ150は、ターゲット及び錘線測量システム14、ミニ三脚装置151、及びターゲット及び錘線測量システム14をミニ三脚装置151に接続することを可能にする接続ユニット153を含む。ミニ三脚装置151は、ターゲット及び錘線測量システム14用の可搬シャーシとして設計されている。
【0096】
三脚装置15などのシャーシと比較して、ミニ三脚装置151は、軽量でコンパクトな設計を有し、取り扱い及び輸送が容易である。更に、ミニ三脚装置151は、移動作業床、例えば金属デッキ上でレイアウトする際に有利である。ターゲット及び錘線測量システム14を床17の近くに配置することは、作業床が移動している場合(例えば、金属デッキ)に好ましいことであり、なぜなら、同じ角度スイングに対して、対向する長さ(床のスイング射影)は隣接する長さ(床に対する旋回軸の高さ)に正比例するからである。
【0097】
ミニ三脚装置151の取り扱いを改善するために、ターゲット及び錘線測量システム14は、操作要素154に接続される。関心ポイントをレイアウトするために、ユーザは、操作要素154によってレイアウトアクセサリ150を運ぶ。ユーザは、ターゲット及び錘線測量システム14の位置と関心ポイントとの間の偏差が所定の第1の限界よりも小さくなるまで、可視レーザ光の垂直平面ビーム18に沿ってレイアウトアクセサリ150を移動させる。ユーザは、レイアウトアクセサリ150の移動を停止し、安定した実質的に水平の位置にレイアウトアクセサリ150を配置する。リモートコントローラ12のディスプレイ121を監視しながら、ユーザは、垂直平面ビーム18が反射ターゲット31の照準領域37と交差するまで、且つ、ターゲット及び錘線測量システム14の位置と関心ポイントとの間の偏差がゼロになるか、又は少なくとも所定の第2の限界よりも小さくなるまで、プラットフォーム46に対して操作要素154によって反射ターゲット31及び鉛直線レーザポインタ32を移動させる。
【0098】
図12は、床17に関心ポイントをレイアウトするように適合されたレイアウトアクセサリ160の第5の実施形態を示す。レイアウトアクセサリ160は、
図1Aのレイアウト及びポイント転送システム10で使用することができ、レイアウトアクセサリ13の代用となる。
【0099】
レイアウトアクセサリ160は、ターゲット及び錘線測量システム14、ミニポール161、ミニ二脚装置162、及びターゲット及び錘線測量システム14をミニポール161に接続することを可能にする接続ユニット163を含む。ミニポール161及びミニ二脚装置162は、ターゲット及び錘線測量システム14用の可搬シャーシ164として設計されている。リモートコントローラ12は、ブラケット要素164を介してミニポール161に取り付けることができ、これにより、ユーザはターゲット及び錘線測量システム14を取り扱い、リモートコントローラ12のディスプレイ121をチェックすることができる。
【0100】
図13は、ターゲット及び錘線測量システム14の詳細を示す。プラットフォーム46に対する移動ユニット50の移動を可能にするために、操作要素136、154は、移動ユニット50に接続されなければならない。
図14は、操作要素136、154を移動ユニット50に接続するための可能な設計を示す。接続手段45のワッシャ45Bは、操作要素136を第1の位置決め要素41に接続することを可能にするインタフェース167を含む。或いは、操作要素136、154は、保持装置33又は移動ユニット50の任意の他の適切な構成要素に接続され得る。
【0101】
図14は、
図11の可搬シャーシ151又は
図12の可搬シャーシ164の代用となり得る代替の可搬シャーシ171を示している。可搬シャーシ171は、金属又は他の適切な材料から製造され得る統合コンパートメント173内のプラットフォーム54と統合される3つの脚部172を含む。
【0102】
用途の範囲を広げるために、プラットフォーム54は、接続ユニット27と同一であってもよい接続ユニット174に接続されてもよい。接続ユニット174は、ターゲット及び錘線測量システム14を広範囲の可動及び/又は可搬シャーシに接続するために、例えば5/8インチねじなどの標準インタフェースを含むことができる。
【国際調査報告】