(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(54)【発明の名称】生分解性、産業的に堆肥化可能、および再生利用可能な射出成型微孔質可撓性発泡体
(51)【国際特許分類】
B29C 44/10 20060101AFI20231130BHJP
B29C 45/46 20060101ALI20231130BHJP
C08J 9/12 20060101ALI20231130BHJP
C08L 101/16 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
B29C44/10 ZNA
B29C44/10 ZAB
B29C45/46 ZBP
C08J9/12 CFD
C08J9/12 CFG
C08L101/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532148
(86)(22)【出願日】2021-11-24
(85)【翻訳文提出日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 US2021060809
(87)【国際公開番号】W WO2022119751
(87)【国際公開日】2022-06-09
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521509516
【氏名又は名称】オー2 パートナーズ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ファルケン, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】バレット, グレン エー.
(72)【発明者】
【氏名】バレット, ジョン ロバート
【テーマコード(参考)】
4F074
4F206
4F214
4J200
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
本書は、履物構成要素、座席構成要素、保護用具構成要素、および水上スポーツ付属品における使用のための再生利用可能射出成型微孔質発泡体を製造するためのプロセスを開示する。プロセスは、解重合された消費者使用後プラスチックに由来する少なくとも1つのモノマーを含む、熱可塑性ポリマーを提供するステップと、成型装置のバレルの中に流体を挿入するステップとを含む。流体は、超臨界流体を生産するための温度および圧力条件下で導入される。プロセスはさらに、単相溶液を生成するように、熱可塑性ポリマーおよび超臨界流体を混合するステップと、ガス対抗圧下で射出成型機械の金型の中に単相溶液を射出するステップとを含む。プロセスはさらに、金型内の熱および温度条件を制御することによって、単相溶液を発泡させるステップを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生利用可能可撓性発泡体成型製品を製造するための方法であって、
解重合された消費者使用後プラスチックに由来する少なくとも1つのモノマーを含む熱可塑性ポリマー前駆体を提供することと、
超臨界流体を生産するための温度および圧力条件下で成型装置のバレルの中に流体を挿入することと、
前記熱可塑性ポリマーおよび前記超臨界流体を混合し、単相溶液を生成することと、
射出成型機械の金型の中に前記単相溶液を射出することであって、前記金型は、ガス対抗圧下にある、ことと、
前記金型内の熱および温度条件を制御することによって、前記単相溶液を発泡させることであって、前記単相溶液を発泡させることは、
前記超臨界流体の少なくとも一部を前記単相溶液から出させることによって、前記単相溶液中に複数のガス含有セルを生成することであって、前記ガス含有セルはそれぞれ、前記熱可塑性ポリマーから形成されるセル壁によって囲繞される、ことと、
前記複数のガス含有セルのそれぞれの体積を拡張させることと、
前記セル壁の少なくとも一部を破断させ、開放セル発泡体を形成することと
を含む、ことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記熱可塑性ポリマーは、前記解重合された消費者使用後プラスチックに由来するモノマーの少なくとも40%を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱可塑性ポリマーは、前記解重合された消費者使用後プラスチックに由来するモノマーの少なくとも60%を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記熱可塑性ポリマーは、前記解重合された消費者使用後プラスチックに由来するモノマーの90%またはそれを上回るものを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記モノマーは、カプロラクタムを含む、請求項1-4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記熱可塑性ポリマーは、ポリアミド系熱可塑性エラストマを含む、請求項1-5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記熱可塑性ポリマーは、少なくとも1つのカプロラクタムモノマーを含むコポリマーを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
可撓性発泡体を1つまたはそれを上回るモノマーに解重合することによって、可撓性発泡体を再生利用するステップをさらに含む、請求項1-7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記可撓性発泡体は、カプロラクタムに解重合される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記セル壁の少なくとも一部を破断させることは、前記ガス含有セルの少なくとも一部が、隣接するガス含有セルに対して衝突するように、前記複数のガス含有セルのそれぞれの体積を拡張させることを含む、請求項1-9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記セル壁の少なくとも一部を破断させることは、前記セル壁の一部の薄化を引き起こすことを含む、請求項1-9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記セル壁の少なくとも一部を破断させることは、前記セル壁の一部を破裂させるように超音波を印加することを含む、請求項1-9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1-12のいずれか1項に記載の方法によって生産される、可撓性発泡体。
【請求項14】
前記可撓性発泡体は、開放セル発泡体である、請求項13に記載の可撓性発泡体。
【請求項15】
請求項13および14のいずれか1項に記載の可撓性発泡体を備える、物品。
【請求項16】
前記物品は、履物構成要素、座席構成要素、保護用具構成要素、または水上スポーツ付属品を備える、請求項15に記載の物品。
【請求項17】
生分解性および/または堆肥化可能可撓性発泡体成型製品を製造するための方法であって、
生分解性および/または堆肥化可能である熱可塑性ポリマーを提供することと、
超臨界流体を生産するための温度および圧力条件下で成型装置のバレルの中に流体を挿入することと、
前記熱可塑性ポリマーおよび前記超臨界流体を混合し、単相溶液を生成することと、
射出成型機械の金型の中に前記単相溶液を射出することであって、前記金型は、ガス対抗圧下にある、ことと、
前記金型内の熱および温度条件を制御することによって、前記単相溶液を発泡させることであって、前記単相溶液を発泡させることは、
前記超臨界流体の少なくとも一部を前記単相溶液から出させることによって、前記単相溶液中に複数のガス含有セルを生成することであって、前記ガス含有セルはそれぞれ、前記熱可塑性ポリマーから形成されるセル壁によって囲繞される、ことと、
前記複数のガス含有セルのそれぞれの体積を拡張させることと、
前記セル壁の少なくとも一部を破断させ、開放セル発泡体を形成することと
を含む、ことと
を含む、方法。
【請求項18】
前記熱可塑性ポリマーは、バイオポリマーを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記熱可塑性ポリマーは、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、および熱可塑性デンプン(TPS)から成る群から選択されるポリマーを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記熱可塑性ポリマーは、PBATである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記熱可塑性ポリマーは、PHAである、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記熱可塑性ポリマーは、PHBである、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記セル壁の少なくとも一部を破断させることは、前記ガス含有セルの少なくとも一部が、隣接するガス含有セルに対して衝突するように、前記複数のガス含有セルのそれぞれの体積を拡張させることを含む、請求項17-23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記セル壁の少なくとも一部を破断させることは、前記セル壁の一部の薄化を引き起こすことを含む、請求項17-23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記セル壁の少なくとも一部を破断させることは、前記セル壁の一部を破裂させるように超音波を印加することを含む、請求項17-23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
請求項17-25のいずれか1項に記載の方法によって生産される、可撓性発泡体。
【請求項27】
前記可撓性発泡体は、開放セル発泡体である、請求項26に記載の可撓性発泡体。
【請求項28】
前記可撓性発泡体は、産業的に堆肥化可能である、請求項26または請求項27に記載の可撓性発泡体。
【請求項29】
請求項26-28のいずれか1項に記載の可撓性発泡体を備える、物品。
【請求項30】
前記物品は、履物構成要素、座席構成要素、保護用具構成要素、または水上スポーツ付属品を備える、請求項29に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2020年12月1日に出願された、米国仮特許出願第63/119,691号の優先権および利益を主張する。
【0002】
(背景)
本開示は、例えば、履物構成要素、座席構成要素、保護用具構成要素、および水上スポーツ付属品における使用のための再生利用可能または生分解性、産業的に堆肥化可能、生物由来熱可塑性ポリマーからの種々の可撓性発泡体組成物の射出成型微孔質発泡のためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
堆肥化を通した分解は、製造品を生産する際に使用される資源を再生するための重要なプロセスである。しかしながら、それらの製造品が、発泡体を伴うとき、分解は、問題となり得る。特に、従来から公知の可撓性発泡体製造の方法のいくつかの不利点が、存在する。例えば、そのような不利点は、非再生可能ポリマー、化学発泡剤、および化学添加剤の選択および使用を含み、これらは、発泡体製造産業および固有の処理手順において採用されるように、典型的には、生分解せず、概して、環境のために悪いと見なされる。生分解の本欠如は、多くの従来の可撓性発泡体材料およびそれらが含有される製品が、数十年から数百年にわたってどこかの埋立地行きとなる結果となることを意味する。
【0004】
これはまた、今日の世界での埋立地の過剰使用が、環境および経済の両方に対して直接的な悪影響を及ぼすため、問題となる。例えば、埋立地は、米国におけるメタン排出の3番目に大きい源である。さらに、従来の可撓性発泡体において使用される前述の非生分解性ポリマーおよび化学物質は、特に、非再生可能な資源に由来する。
【0005】
これらの材料は、生物由来原料の場合のように、自然に再生可能ではなく、したがって、それらの材料は、多くの場合、採取され、使用され、次いで、非持続的に廃棄されるため、それらの作成自体が、環境にとって純損失となる。さらに、再生可能ポリマーが、従来から公知の可撓性発泡体製造の方法における使用のために選択された場合であっても、それらの方法の化学発泡剤および架橋は、生分解または堆肥化しない添加剤で再生可能ポリマーを汚染する可能性が高いであろう。したがって、これをゼロサムゲインにする。なおもさらに、バイオポリマーの架橋はまた、前駆体成分が、分離され得ないため、生分解または堆肥化のためのいかなる好適な寿命末期の解決策も妨げ、それによって、より多くの廃棄物発生をもたらし、より多くの材料が埋立地行きとなることをもたらすであろう。
【0006】
故に、堆肥化および再生利用は、再生可能かつ持続可能な未来を提供する際の重要なプロセスであるが、製造産業におけるその統合は、非常に限定されている。しかしながら、製造された材料が、堆肥化可能にされ得る場合、例えば、環境にとって非常に有用であろう。例えば、可撓性発泡体材料の堆肥化および生分解は、環境および経済に対する純利益を表す廃棄物処分の機会を生み出す。例えば、これらの材料を堆肥化することによって、これは、埋立地および大規模焼却炉に送られる廃棄物の全体的量を低減させることを可能にする。
【0007】
廃棄物を低減させることに加えて、堆肥化のプロセスはまた、栄養素が豊富であり、食物を成長させるために痩せ地を改良する、または庭に肥料を与えるために使用され得る、使用可能な製品を生み出すであろう。故に、堆肥化および生分解する可撓性発泡体の考えはまさに、新規であるが、いわゆる循環経済の原則を守りながら、バリューチェーン全体に革命を起こすことができる。2つの典型的な形態の堆肥化、すなわち、産業用堆肥化および家庭用堆肥化が、存在する。これらの堆肥化方法論は両方とも、利益および欠点を有する。
【0008】
産業用堆肥化は、非常に大量の有機廃棄物を扱うように設計される、大規模な堆肥化の形態である。これは、大規模な施設で50℃~60℃の温度において行われる。家庭用堆肥化は、一家庭からの有機廃棄物を扱う堆肥化の形態である。特に、家庭用堆肥化は、家庭での裏庭の堆肥ヒープに見出されるもののように、比較的に低い温度での堆肥化を指し、したがって、「家庭用」と呼ばれる。産業用堆肥化と対照的に、家庭用堆肥化は、庭の刈り込み、台所ごみ、木くず、ボール紙、および紙等の有機材料または廃棄物のより低温の好気性分解を伴う。家庭用堆肥化において処理される量は、産業用堆肥化におけるものよりもかなり少なく、堆肥は、通常、個人の庭において使用される。本プロセスは、典型的には、小規模なコンポスタおよびヒープにおいて行われる。本方法では、温度は、典型的には、好冷性(0~20℃)から中温性(20~45℃)の範囲内である(下記に解説される)。故に、異なる技術が、存在するが、一般的な処理は、同一であり、活性堆肥化に養生が続く制御されたプロセスである。
【0009】
活性堆肥化段階は、典型的には、少なくとも21日間続く。これらの条件下では、微生物が、有機廃棄物の上で成長し、これを栄養素として使用して、これをCO2および水に分解する。堆肥化の間、有機廃棄物は、積み重ねて集積され、結果として、堆肥化のエネルギーの一部は、熱として放出される。堆肥パイルの温度が増加すると、細菌生息個体数は、偏移し、周囲温度に適合される細菌、例えば、中温菌は、それらの活動を停止し、死滅し、高温において生息するように適合される微生物、例えば、好熱細菌によって置換される。衛生目的のために、家庭用堆肥化に関して、温度は、病原性微生物を排除するために、少なくとも1週間にわたって60℃を上回って維持されるべきである。対照的に、産業用堆肥化の養生段階は、分解の率を一貫したペースに減速させ、堆肥は、40℃を下回るより低い中温性範囲内の温度で熟成する。
【0010】
産業用堆肥化に関する主要な問題は、投入された原料が、効果的に処理されるために、適切に処分されるべきであることである。すなわち、物流的な課題が、適切な収集、選別、および産業用堆肥化施設への輸送が要求される点で、ハードルとなる。米国の組み合わせられた堆肥化および再生利用転換率は、約35%であり、これは、社会が、インフラストラクチャの大部分が廃棄物転換において「ループを閉じる」まで、長い道のりであることを示す。本不足を克服する1つの方法は、エンドユーザをより良好に教育し、より大きい回収スキームにつながる回収スキームの地域的ネットワークを確立することである。目標は、産業用堆肥化が日常生活の中で普通となり、常に存在するほど十分な利便性およびアクセス性を開発することである。
【0011】
同様に、家庭用堆肥化における一般的な不利点は、関与する労力の量である。要求される堆肥原料材料の全ては、堆肥パイルに運搬および/または移送される必要がある。いったん堆肥ヒープが、エネルギーを発生させ、それによって、熱を発生させ始めるほど十分に大きくなると、これは、分解をより早くし、より徹底的にするためにかき回される必要があり、これは、大変な作業であり得る。有機物が、十分に分解されると、家庭用堆肥は、土壌改良における使用のために運び去られなければならない。家庭用堆肥化の別の欠点は、平均的な人物が家庭設定において発生させ得る使用可能な堆肥の限定された量である。発生される堆肥の限定された量は、潜在的に、限定された使用に陥り、したがって、平均的な人物が家庭用堆肥化の努力に取り組む意欲は、低くなり得る。
【0012】
これらの欠点のため、従来的に、製造産業は、生分解または堆肥化の潜在性を伴う未加工材料および前駆体成分の使用を回避している。加えて、これは、従来的に、これらの材料の要求される技術的性能性質が、多くの場合、従来の非生分解性および堆肥不可能な種類のものよりも劣っていたため、回避されている。例えば、全てではないが、いくつかの堆肥化可能前駆体成分の限定要因は、これらの成分が製品の使用可能寿命の終わりの前に故障する、および/または劣化する傾向であり得る。これの実施例は、紫外線感受性製品であり、それによって、生分解性および堆肥化可能前駆体は、繰り返される日光暴露によって攻撃および弱化され得、これは、最終的に、エンドユーザが製品の処分をする準備が整うよりもずっと前に製品故障につながり得る。
【0013】
プラスチック、熱可塑性物質、および化石燃料を使用して作成される他の製品の文脈では、再生利用は、従来、製造された製品を機械的に細断し、細断された内容物を融解し、次いで、製造における後の使用のために結果として生じる材料をペレット化することを伴う。再生利用は、化石燃料の必要性を低減させ、製品を埋立処分から転換させるが、再生利用は、原料に追加された汚染物質または不純物の結果として、再生利用されたポリマーにおける品質の低下をもたらし得、殆どのプラスチックおよび熱可塑性製品は、有限の回数しか再生利用されることができない。また、従来の可撓性発泡体の製造において使用される化学発泡剤、架橋ポリマー、および化学添加剤は、再生利用された製品を製造する際の後の使用のためにそれらの成分ポリマーに分解されることができない最終製品をもたらす。その結果、従来から製造される可撓性発泡体製品は、製品がその使用可能寿命の終わりに到達すると、再生利用可能ではない。
【0014】
加えて、現代の製造に関する現在の関心事項は、排出物および廃棄物に関してネットニュートラルであり、製造プロセスにおいて使用されている材料に関して持続可能であり、製品およびその材料の寿命末期に関して再生可能であることである。そのため、最終製品の堆肥化可能性に加えて、CO2排出に関して等のネットニュートラリティが、消費者商品製品の製造における使用のための適切な材料を選定する際に重要になっている。
【0015】
その結果、現在存在するより従来的な製造プロセスと比較して、本明細書に開示される現在の製造プロセスにとっての重要な推進力は、製造業者が環境に配慮した最終製品を生産することであり、そのため、該最終製品の製造において使用される材料を慎重に考慮し、製品の意図される使用可能寿命に対してそれを平衡させることが、有用である。これらの関心事項が対処されるべきであるが、対処されていない生産の間の困難な製品の実施例は、家具のため等のクッション材の生産におけるような発泡体を採用する標準的な製造される製品および/またはランニングシューズの製造のための等の発泡体製品である。
【0016】
例えば、ランニングシューズは、相当な時間量、おそらく、使用の頻度に応じて1~3年にわたる衝撃、摩滅、およびあらゆる様式の環境暴露等の繰り返される酷使に暴露される、高度に技術的な製品である。家具またはソール、ミッドソールのためのクッション材、および/またはランニングシューズのインソールのためのクッション材を製造する際の使用のための持続可能な材料を考慮するとき、上記の要件を考慮することが、重要である。故障までの繰り返される酷使に対処することができない材料は、満足の行くランニングシューズの対を生産しないであろう。加えて、意図される寿命末期に先立って、通常の製品使用の間に故障点まで故障する、または弱化する潜在性を有するいずれの材料も、許容可能ではないであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本問題を解決するために、技術的性能性質と、有害な排出物に関してネットニュートラル(またはマイナス)である、管理された寿命末期解決策を伴う堆肥化可能性等の持続可能性側面との正しい平衡を伴う、特殊化材料を探求しなければならない。特に、家具クッション材は、嵩張り、ランニングシューズは、要求の高い製品であるため、家庭用堆肥化材料は、より低い分解温度が、その意図される寿命末期のずっと前に壊れやすいであろう家具またはランニングシューズにつながるであろうため、それらの作製における使用のための好適な解決策ではないであろう。本実施例では、産業用堆肥の材料が、それらが、より高い温度の課題に対処し、それらの非産業的に堆肥化可能および非生分解性の対応物にほぼ等しい、または等しいさらなる技術的性能性質をもたらすことができるため、はるかに良好な選択肢である。本質的に、産業的に堆肥化可能な材料を用いて製造される家具またはランニングシューズの対は、製品の使用可能寿命にわたって非常に良好に機能し、製品の使用可能寿命の終わりにのみ、材料は、「閉ループ」廃棄物転換のために産業用堆肥設定に指向されるための選択肢を有するであろう。
【0018】
故に、可能である場合、多くの場合、製造プロセスに付随する破壊的な天然資源消費量を低減させるために、製造の材料およびプロセスは、製品の寿命末期後に即時の堆肥化を可能にするような様式で策定されるべきである。しかしながら、上記に示されるように、これは、商業的に利用可能な生分解性および堆肥化可能前駆体が非常に限定されているため、困難である。確実に存在するものは、必ずしも、それらの使用可能寿命の終わりに制御された設定において容易に堆肥化および生分解しながら、性能および長期使用可能性の組み合わせられた課題の全てを解決するように設計されず、それが可能ではない。前述の課題のうちのいくつかを解決するそれらの前駆体は、その他を解決することができず、これは、消費者の困惑の潜在性およびその中にそれらが含有される製品の悪い評価の可能性につながる。これらの有意な欠点にもかかわらず、産業施設または家庭のいずれかで堆肥化し得る材料は、理論的には、再生可能、持続可能、かつ環境保護的な製造における有用な出発製品であろう。
【0019】
本製造プロセスの別の側面は、可撓性発泡体の生産に関する。可撓性発泡体は、液体または固体中に気体のポケットを閉じ込めることによって形成される物体のタイプであり、それによって、結果として生じる発泡体は、部分的に、その展性に起因して、可撓性であると考えられる。可撓性発泡体は、典型的には、履物、家具、寝具類、および他のスポーツ用品等のクッション材用途において使用される。可撓性発泡体は、典型的には、2つのカテゴリ、すなわち、閉鎖セル可撓性熱可塑性ポリマー発泡体および開放セル可撓性ポリウレタン発泡体に分類される。これらの発泡体タイプはそれぞれ、非常に異なる製造方法を有する。
【0020】
閉鎖セル可撓性熱可塑性ポリマー発泡体は、好適な人工ポリマーが、選択され、「生地」を生産するために種々の化学添加剤、架橋剤、および化学発泡剤と配合され、その生地は、次いで、捏ねられ、平坦なシートに押出される、乾式プロセスにおいて一般的に生産される。シートは、次いで、相互の上にスタックされ、制御された圧力下で加熱されたプレス機において設置される。材料および化学発泡剤の本混合物は、反応し、加熱されたプレス機キャビティの内側で拡張する。結果として、閉鎖セル可撓性発泡体「バン」または「ブロック」となり、これは、次いで、ある厚さにスライスされる。対照的に、開放セル可撓性ポリウレタン発泡体は、人工ポリオール化学物質、イソシアネート化学物質、および他の化学添加剤が、「バン」または「ブロック」等の成型形状に注入または射出されながら、ともに反応される、液体注入プロセスまたは液体成型プロセスにおいて一般的に生産される。結果として、開放セル可撓性発泡体となり、これは、次いで、ある厚さにスライスされる。
【0021】
上記と一貫して、市場で現在入手可能な可撓性発泡体に関する問題のうちの1つは、それらが、それらの製造において非再生可能な材料および有害な化学物質をほぼ例外なく使用することである。さらに、部分的に、従来の可撓性発泡体の製造の上記に説明される方法において行われる化学的架橋に起因して、それらの可撓性発泡体の物理的構造は、堆肥化、生分解、または再生利用されることができない。これは、大部分において、それらの設計の化学的組成およびそれらがそれらの根本的な前駆体成分に戻るように分離されることができないことに起因する。すなわち、従来の可撓性発泡体の寿命の終わりに、これは、さらに使用されず、任意の公知の商業的に実行可能な方法において正常に新しい材料に再処理されることができない。
【0022】
故に、上記を考慮して、本明細書に提示されるものは、再生可能である、持続可能である、および/または環境的に責任を負う最終製品を生産するために採用され得る可撓性発泡体および製造プロセスであり、その材料および最終製品は、故障することなく持続的に使用されるが、寿命末期後に迅速に生分解および堆肥化することの両方が可能である。可撓性および半可撓性の両方の発泡体は、それらが両方とも、通常、室温である、それらの使用温度を下回るガラス遷移(Tg)を伴うポリマーに由来するため、可撓性発泡体の同一のカテゴリ下に含まれることができる。1つまたはそれを上回る実施形態の詳細が、下記の付随の説明において、提示される図およびそれらの特徴に関して記載される。他の特徴および利点が、説明、図、および請求項の両方から明白となるであろう。
【0023】
本書は、生分解性および産業的に堆肥化可能な熱可塑性樹脂からの種々の可撓性発泡体組成物の修正された射出成型微孔質発泡のためのプロセスを提示する。現在、世界の殆ど全ての公知の可撓性発泡体は、非再生可能原料に由来し、全てではないが、大部分は、生分解または産業的に堆肥化しない。最少量の環境害を引き起こすが、また、従来の非生分解性石油化学可撓性発泡体のものに等しい、またはそれを上回る有意な技術的性能性質を誇る可撓性発泡体を生産することが、本発明の目的である。バイオポリマーを生産するための植物由来の原料を選択することによって、本発明は、大気からの温室効果ガスの隔離に寄与し、非再生可能な石油系油への依存を大幅に低減させ、毎年埋立地行きとなる非生分解性廃棄物を有意に低減させる。
【0024】
種々の実施形態では、本明細書によって生産される可撓性発泡体は、家庭用堆肥化ではなく、産業的に堆肥化するように構成されてもよいが、市場に応じて、家庭用堆肥化が、いくつかの事例において使用され得ることが考えられる。種々の事例では、産業用堆肥化は、これが、可撓性発泡体が、これが機能化される結果として生じる製品の使用可能寿命を持続させ、完成品内で使用途中に故障しない、または壊れないであろうことを確実にするため、有用である。例えば、本発明の可撓性発泡体から作製された靴の対を購入し、靴の使用可能寿命の終わりの前の通常の使用の間に発泡体が劣化することになることは、人物にとって損となるであろう。
【0025】
本明細書に使用されるように、「生分解性」は、概して、特に、微生物による生物学的活性によって分解される能力を指す。いくつかの実施形態では、生分解性および/または産業的に堆肥化可能であるとして本開示に説明される材料および発泡体は、以下の規格、すなわち、欧州規格EN 13432、ASTM D6400、またはオーストラリア規格AS 4736のうちの少なくとも1つに記載される要件を満たす、または超える。いくつかの実施形態では、生分解性および/または産業的に堆肥化可能であるとして本開示に説明される材料および発泡体は、少なくとも欧州規格EN 13432に記載される要件を満たす、または超える。いくつかの実施形態では、産業的に堆肥化可能であるとして本開示に説明される材料および発泡体は、商業的堆肥化ユニットにおいて堆肥化から180日以内に少なくとも60%の生分解(材料の少なくとも60%が生物学的活性によって分解される必要性がある)を実証するように構成される。いくつかの実施形態では、産業的に堆肥化可能であるとして本開示に説明される材料および発泡体は、商業的堆肥化ユニットにおいて堆肥化から180日以内に少なくとも90%の生分解を実証するように構成される。
【0026】
故に、一側面では、開放セルまたは閉鎖セルにかかわらず、生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体を製造するプロセスが、本明細書に提供されてもよく、以下のステップ、すなわち、発泡のための熱可塑性バイオポリマー配合マスターバッチを生産するステップ、不活性窒素ガスを用いて好適な金型形状の中に熱可塑性バイオポリマー配向物を射出成型するステップ、動的金型温度制御を使用し、最適なセル構造を確実にするステップ、望ましい可撓性発泡体が形成されるように、バイオポリマー融液、圧力、および時間を制御するステップ、および射出成型プロセスにおいてガス対抗圧を利用し、最少量の審美的欠陥を伴い、発泡部分の外側上にプラスチック表皮を殆どまたは全く伴わない最適な発泡体構造を確実にするステップのうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。
【0027】
本開示の製造プロセスは、慎重に選択された生物由来、再生可能、および再生利用可能原料と相応して、環境に優しい閉ループプロセスへの道を開く。本閉ループプロセスは、材料選択から開始される。例えば、第三者によって堆肥化可能であると認定される不活性かつ迅速に再生可能なポリマー原料の選択は、循環経済の原則が遵守されることを確実にする。これらの目的のために、選択された迅速に再生可能なポリマー原料は、再生可能な植物または鉱物物質の形態として生まれる。いったん好適なポリマーに変換されると、これらの環境的に責任を負う前駆体は、開示される製造プロセスにおいて採用され得るカスタムメイドのバイオポリマー化合物に機能化するために、他の環境的に責任を負う前駆体および成分と組み合わせられてもよい。
【0028】
特に、いったん好適なバイオポリマー化合物が生成されると、これは、本開示の化学物質のない製造方法において処理される。結果として生じる可撓性発泡体は、非架橋であり、多くの事例では、生分解性かつ堆肥化可能である。その結果、それらの使用可能寿命の終わりに、これらの生産された発泡体は、小さい断片に慎重に粉砕され、使用可能なバイオマスに戻るようなそれらの組成の、例えば、100%の分解のために適格な施設において産業的に堆肥化され得る。本使用可能なバイオマスは、次いで、より不活性かつ迅速に再生可能なポリマー原料材料を成長させるために使用されることができ、プロセスは、無限ループで継続する。故に、本書は、生分解性および産業的に堆肥化可能な微孔質可撓性発泡体およびそれを製造する方法を説明する。発泡体は、いくつかの実施形態では、閉鎖セル発泡体であってもよいが、また、他の実施形態では、開放セル発泡体として形成されることができる。
【0029】
種々の実装では、生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体は、従来の石油化学エチレンビニルアセテート(EVA)発泡体または同等物と同じ性質および特性を有し、また、高い割合のバイオマス-炭素含有量を含有するように作製されることができる。例えば、可撓性EVA発泡体は、今日の産業において使用される普及した材料である。EVA発泡体をそのように一般的にするものは、所与の製品のための概して許容可能な技術的性能性質を維持しながら、それが比較的に低費用であり、処理が容易なことである。EVA発泡体使用の短所は、多い。材料は、一般的に、非再生可能原料に由来し、これは、容易に生分解性、堆肥化可能、または再生利用可能ではない可撓性発泡体を生産するために化学発泡剤と化学的に架橋される。
【0030】
所望の物理的性質および製品の意図される最終使用に応じて採用され得る、いくつかの構成および実施形態が、存在し、これは、本開示によって限定されるべきではない。
【0031】
本明細書に提示される進歩を非常に有用にする1つの因子は、生分解性発泡体が、EVAに類似する様式で機能し、そのため、それらの技術的性能性質が、化学添加剤および架橋を伴わずに、EVAのものに類似することである。結果として、普及したEVAの当座の代替となり得るが、大幅に低減された環境影響および環境的に責任を負う管理された寿命末期解決策をもたらす、商業的に許容可能な可撓性発泡体となる。
【0032】
故に、一側面では、生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体成型製品を製造するための方法が、提供される。種々の事例では、本方法は、以下のステップのうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。例えば、本方法は、成型装置のバレルの中に発泡のための熱可塑性バイオポリマー配合マスターバッチを導入するステップを含んでもよい。本方法は、加えて、熱可塑性バイオポリマー配合マスターバッチとの接触に応じて、熱可塑性発泡融液を生産する、超臨界流体を生産するための温度および圧力条件下でバレルの中に流体を導入するステップを含んでもよい。さらに、本方法は、好適な金型形状の空洞の中に熱可塑性発泡融液を射出し、空洞にガス対抗圧を印加するステップを含んでもよい。最後に、空洞は、成型された製品を生産するために、冷却されることができる。
【0033】
種々の事例では、熱可塑性バイオポリマー配合マスターバッチが、二軸押出機を介して生産される場合等、熱可塑性バイオポリマーマスターバッチのうちの1つまたはそれを上回るものの導入は、スプルーブッシュを介してである。一実施形態では、熱可塑性バイオポリマー配合マスターバッチは、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、アセチルセルロース(CA)、デンプン、石油由来の熱可塑性物質のうちの1つまたはそれを上回るものを含む。いくつかの実施形態では、熱可塑性バイオポリマー配合マスターバッチは、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリブチレンアジペート(PBA)から選択される、1つまたはそれを上回るポリマーを含む、またはそれから成る。いくつかの実施形態では、熱可塑性バイオポリマー配合マスターバッチは、再生可能な源(例えば、植物、藻類、菌類、微生物等)に由来する1つまたはそれを上回る熱可塑性ポリマー(例えば、PBAT、PHB、またはそれらの配合物)を含む、またはそれから成る。いくつかの実施形態では、熱可塑性バイオポリマー配合マスターバッチは、いかなる石油由来の熱可塑性物質も含まない。種々の事例では、流体は、計量ユニットを介してバレルの中に導入される。特定の事例では、超臨界流体は、窒素および二酸化炭素のうちの1つまたはそれを上回るものを含む。超臨界流体は、圧力が約150バール~約300バールに及び、温度が約150℃~約350℃に及ぶ場合等、圧力下で、かつある温度において導入されてもよい。同様に、ガス対抗圧は、1秒~25秒の時間長にわたって印加される、約5バール~約50バールに及ぶ。ある事例では、温度は、動的金型温度制御を介して制御されてもよい。
【0034】
加えて、別の側面では、生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体成型製品を生産するための射出成型装置が、提供される。種々の事例では、射出成型装置は、以下のうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。熱可塑性バイオポリマーが、配合されるべきマスターバッチを形成する場合等、ホッパが、複数の熱可塑性バイオポリマーを受容し、成型装置の中に導入するために構成される場合等、ホッパが、含まれてもよい。
【0035】
計量ユニットが、流体を受容し、該導入に応じて、超臨界流体を生産するような条件下で成型装置の中に受容された流体を導入するために構成される場合等、計量ユニットが、含まれてもよい。成型装置は、配合された熱可塑性バイオポリマーマスターバッチおよび流体を受容するために構成される第1の空洞を有する、バレルを含んでもよく、したがって、それらが、バレルの中に導入されると、熱可塑性発泡融液が、超臨界流体がバレルの空洞内の配合された熱可塑性バイオポリマーマスターバッチに接触するときに生産される。ガス対抗圧送達ユニットもまた、含まれてもよく、GCPは、発泡融液の拡張を制御するように、第1の空洞にガス対抗圧を送達するために構成される。また、バレルの空洞と流体連通する空洞を有する、金型もまた、含まれてもよく、金型の空洞は、発泡融液を受容し、融液が冷却されると、可撓性発泡体成型製品を生産するために構成される。
【0036】
種々の実施形態では、射出成型装置は、バレルの空洞内の発泡融液を圧縮し、圧縮された発泡融液を金型の空洞の中に運搬するように構成される、往復スクリューを含んでもよい。したがって、バレルの空洞と金型の空洞との間の導管が、存在してもよく、導管は、バレルと金型との間のシールを形成するように、スプルーブッシュを有する、ノズルを含む。
【0037】
故に、射出成型装置は、以下のうちの1つまたはそれを上回るもの、すなわち、その中に熱可塑性材料が小さいペレットの形態において成型器に供給される、ホッパを含んでもよい。射出成型機械上のホッパは、これらのペレットを保持する。ペレットは、ホッパからホッパスロートを通してバレルおよびスクリューアセンブリの中に重力供給されてもよい。バレルもまた、含まれてもよく、射出成型機械のバレルは、往復可塑化スクリューを支持し、電気ヒータバンドによって加熱されてもよい。
【0038】
往復スクリューもまた、存在してもよく、往復スクリューは、材料を圧縮、融解、および運搬するために使用される。往復スクリューは、3つの区域、すなわち、給送区域、圧縮(または遷移)区域、および計量区域を含んでもよい。ノズルもまた、存在してもよく、ノズルは、バレルを金型のスプルーブッシュに接続し、バレルと金型との間にシールを形成する。ノズルの温度は、材料の融解温度またはそのすぐ下に設定されてもよい。バレルが、その完全前方処理位置にあるとき、ノズルの半径は、位置特定リングを用いてスプルーブッシュ内で凹状半径において入れ子になり、シールしてもよい。バレルのパージの間、バレルは、スプルーから後退してもよく、したがって、パージ化合物は、ノズルから自由落下することができる。
【0039】
加えて、金型および油圧システムもまた、提供されてもよい。金型システムは、タイバー、定常および移動プラテン、および空洞を格納する成型板(基部)、スプルーおよびランナシステム、エジェクタピン、加熱および冷却チャネル、および温度センサおよび圧力センサを含んでもよい。金型は、本質的に、溶融熱可塑性物質が空洞によって画定される所望の形状および寸法詳細に固化する、熱交換器である。油圧システムもまた、金型を開放および閉鎖し、型締トン数を構築および保持し、往復スクリューを回転させ、往復スクリューを駆動し、エジェクタピンおよび移動金型コアにエネルギーを与えるための動力を提供するように、射出成型機械上に存在してもよい。ポンプ、弁、油圧モータ、油圧継手、油圧管類、および油圧リザーバを含む、いくつかの油圧構成要素が、本動力を提供するために要求される。
【0040】
制御システムもまた、提供されてもよい。制御システムは、機械動作における一貫性および再現性を提供するように構成されてもよい。これは、温度、圧力、SCF投与量、射出速度、スクリュー速度および位置、および油圧位置を含む、処理パラメータを監視および制御する。プロセス制御は、最終部分品質およびプロセスの経済性に直接影響を及ぼし得る。プロセス制御システムは、単純なリレーオン/オフ制御から極めて洗練されたマイクロプロセッサベースの閉ループ制御に及ぶことができる。
【0041】
型締システムもまた、提供されてもよい。型締システムは、金型を開放および閉鎖し、金型の構成部分を支持および搬送し、金型が開放することを防止するために十分な力を発生させるように構成されてもよい。型締力は、機械的(トグル)ロック、油圧ロック、または2つの基本タイプの組み合わせによって発生されることができる。送達システムもまた、提供されてもよい。機械ノズルから部分空洞への溶融プラスチックに関する通過を提供する、送達システムは、概して、スプルー、コールドスラグウェル、主ランナ、分岐ランナ、ゲート、および同等物を含む。
【0042】
故に、さらなる側面では、生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体成型製品を生産するためのシステムが、提供される。本システムは、上記に説明されるような生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体成型製品を生産するための射出成型装置を含んでもよい。本システムは、加えて、流体を受容し、該導入に応じて、超臨界流体を生産し、超臨界流体が第1の空洞内の配合された熱可塑性バイオポリマーマスターバッチに接触すると、超臨界流体が発泡融液を生産するような条件下でバレルの第1の空洞の中に受容された流体を導入するために構成される、超臨界ガス投与システムを含んでもよい。本システムはさらに、第1および第2の空洞のうちの1つまたはそれを上回るものの中の温度を制御するために構成される、動的温度制御システムを含んでもよい。発泡融液の拡張を制御するように、第1の空洞にガス対抗圧を送達するために構成される、ガス対抗圧送達ユニットもまた、含まれてもよい。加えて、1つまたはそれを上回るマイクロプロセッサを有する、制御ユニットが、含まれてもよく、制御ユニットは、1つまたはそれを上回るシステムパラメータに従って、射出成型装置、超臨界ガス投与システム、動的温度制御システム、およびガス対抗圧送達ユニットのうちの1つまたはそれを上回るものを制御するために構成される。
【0043】
特に、システム構成要素は、ホッパと、バレルと、往復スクリューと、ノズルと、金型システムと、油圧システムと、制御システムと、型締システムと、送達システムとを含む、射出成型機械システムを含んでもよい。SCFガス投与システムが、含まれ、窒素等の不活性ガスのタンクと、空気圧縮機と、SCF計量および制御デバイスと、SCFインジェクタと、特殊設計往復スクリューと、前後両方の逆止弁とを含んでもよい。動的温度制御システムもまた、提供され、加熱ユニットと、冷却ユニットと、連動弁と、コンピュータ制御装置とを含んでもよい。加えて、それを通して加熱媒体または冷却媒体が循環する、動的温度制御システムによって給送される、金型の本体内に位置する、加熱要素および冷却チャネルが、存在する。それらの機能は、金型表面上の温度の調整である。また、ガス対抗圧システムが、提供されてもよく、これは、ガス、例えば、窒素等の不活性ガスのタンクと、空気圧縮機と、ガスポンプと、ガス逃がし弁と、ガス圧力センサと、コンピュータ制御装置とを含む。
【0044】
本システムおよび/またはその任意のサブシステムは、1つまたはそれを上回るセンサが、射出成型装置の1つまたはそれを上回る空洞内等の射出成型デバイスの他の構成要素のうちの1つまたはそれを上回るものと連通して位置付けられるために構成される場合等、温度、圧力、加速度計、ジャイロスコープ、および配向センサを含むような1つまたはそれを上回るセンサを含んでもよい。種々の実施形態では、センサは、スマートセンサであり、無線通信を実施するように、ネットワーク接続を伴う等の通信モジュールを含んでもよい。故に、本システムおよび/またはその種々の部分のうちのいずれかは、通信モジュールが、WIFI、Bluetooth(登録商標)、低エネルギーBlue Tooth、および3G、4G、および5Gセルラー通信を含む、1つまたはそれを上回る無線通信プロトコルを実施するために構成される場合等、制御モジュール、超臨界ガス投与システム、動的制御温度システム、およびガス対抗圧制御ユニットのうちの1つまたはそれを上回るものに結合され得る、通信モジュールを含んでもよい。
【0045】
別の側面では、本開示は、再生利用可能微孔質可撓性発泡体およびそれを生成する方法を説明する。いくつかの実施形態では、発泡体は、閉鎖セル発泡体である。他の実施形態では、発泡体は、開放セル発泡体として形成されることができる。再生利用可能微孔質可撓性発泡体構造を生成するステップは、ポリアミド起源のもの等の好適な高性能ポリマーまたは同等物を用いて開始される。好適なポリマーの非限定的実施例は、Ascend Performance Materials, LLC(Houston, TX)によってVydyneの商標名として市販される、ポリアミド66コポリマーである。好適なポリマーの他の非限定的実施例は、ポリエーテル-ブロック-アミド(PEBA)、PAE、TPA、TPE-A、COPA、または同等物等の任意の数のポリアミドブロックコポリマーを含む。前述の熱可塑性ポリマーは、本発明の微孔質可撓性発泡体構造を形成する際の有利な技術的性質を示している。強化された技術的性質のうちのいくつかは、他の利益の中でもとりわけ、非凡な時効性質、優れた伸長、引張強度、および圧縮歪みを含む。さらに、再生利用原料が、本発明の好適な再生利用可能ポリマーまたはポリマー配合物の製造において採用されてもよい。例えば、一側面では、再生利用可能可撓性発泡体熱可塑性ポリマーは、カプロラクタム、再生利用ポリエーテルブロックアミドポリマー、または同等物等の消費者使用後または産業使用後再生利用原料に由来する少なくとも1つのモノマーまたはポリマーを含む。例証として、カプロラクタムは、漁網、カーペット繊維、または産業廃棄物等のポリアミドを含有する産業使用後または消費者使用後材料を解重合することによって、そのような再生利用原料に由来してもよい。解重合された消費者使用後または産業使用後再生利用カプロラクタムのいくつかの実施例は、フレーク、液体、または溶融状態にかかわらず、Aquafil USA Inc.(Cartersville, Georgia)によって提供される、ECONYL(登録商標)カプロラクタムを含む。熱可塑性ポリマーは、加えて、または代替として、収集され、選別され、融解され、再処理される産業使用後または消費者使用後ポリアミドカーペット繊維に由来するポリアミドポリマーを含んでもよい。これの実施例は、収集され、選別され、融解され、アップサイクルされた使用可能ポリアミド材料に再処理される産業使用後ポリアミドカーペット繊維または同等物を使用することであろう。産業使用後カーペット繊維に由来する例示的ポリアミドポリマーは、Aquafil USA Inc.(Cartersville, Georgia)によって製造される、Econylである。加えて、ポリアミド廃棄物が、漁網またはその同等物の形態において世界中の海洋またはその周囲から収集されてもよく、これは、次いで、選別され、融解され、アップサイクルされた使用可能ポリアミド材料に再処理されることができる。収集された産業使用後漁網に由来する例示的ポリアミドポリマーは、Koninklijke DSM N.V.(Heerlen, the Netherlands)によって製造される、Akulon Repurposedである。可能であるときは常に、再生利用ポリマー原料を使用することが、本発明の目的である。
【0046】
最適なポリアミドだけでは、好適な発泡剤および発泡プロセスを伴わないと、再生利用可能可撓性発泡体を生産することができない。今日使用されている最も広く公知の発泡剤は、アゾジカルボンアミド(ADA)と呼ばれる化学物質である。ADAは、典型的には、従来の射出成型発泡体プロセスにおける使用のために、従来の熱可塑性マスターバッチ樹脂の中に事前含浸される。残念ながら、ADAは、環境に優しくなく、これは、疑わしい発癌物質である。また、ADAを使用する従来の発泡プロセスは、製造プロセスの間に架橋され、したがって、再生利用可能ではない可撓性発泡体のタイプを生成する。再生利用可能可撓性発泡体を達成するために、不活性窒素ガスまたは二酸化炭素が、修正された射出成型プロセスにおいて物理的発泡剤として使用される。修正された物理的発泡プロセスが、ポリマーまたは配合ポリマーおよび発泡剤が、再生利用可能かつ可撓性の発泡体のために調和して機能するように、好適な熱可塑性ポリマーまたは配合ポリマーマスターバッチと相応して採用される。本発明の好ましい射出成型プロセスは、ポリマーおよび超臨界流体(SCF)の単相溶液が、修正された射出成型機械の金型空洞の中に射出ゲートを通して通過するときに生じる、均質なセル核形成を利用する。溶液が、金型に進入するにつれて、圧力は、低下し、これは、SCFを溶液から出させ、セル核を生成する。セルは、次いで、材料が金型を充填するまで成長し、SCFの拡張能力は、使い尽くされる。本製造プロセスは、ポリマーの中へのSCFの計量、送達、および混合を可能にし、単相溶液を生成するように修正された射出成型機械上で実行される。動的金型温度制御(DMTC)が、拡張するポリマー融液内に一貫したセル構造を確実にするために採用される。DMTCは、それを通して加熱媒体または冷却媒体が循環する、動的温度制御システムによって給送される、金型の本体内に位置する、加熱要素および冷却チャネルとして最良に説明されることができる。それらの機能は、金型表面上の温度の調整である。ガス対抗圧(GCP)もまた、結果として生じる可撓性発泡体上に表皮を殆どまたは全く伴わない最適な発泡体構造を確実にするために、プロセスにおいて利用される。GCPは、融液内のガスの拡張に対抗するために、窒素ガスを射出される加圧金型空洞を含むプロセスとして最良に説明されることができる。対抗圧が、解放されるにつれて、従来、表面を突破するであろうガス気泡は、内側に閉じ込められ、平滑な表皮を生成する。GCPは、表面品質、発泡体構造、および表皮厚を通して発泡を制御する。
【0047】
SCFが完全に溶解され、溶融ポリマー中に均一に分散される、単相溶液の生成は、慎重に制御されたプロセス条件下で射出バレルの内側で行われ、SCFは、固定された時間量にわたってポリマーの中に正確に質量流動計量されなければならない。また、その投与期間の間、温度、圧力、および剪断の正しい条件が、バレル内で確立されなければならない。背圧、スクリュー速度、およびバレル温度制御、およびガス対抗圧およびSCF送達システムは全て、単相溶液を生成するプロセス条件を確立する際に役割を果たす。
【0048】
再生利用可能および化学物質のない可撓性発泡体を製造するために使用される熱可塑性ポリマーは、随意に、任意の数のポリアミドまたはポリアミドコポリマーまたは同等物から生成されることができる。好適なポリマーの非限定的実施例は、ポリアミド6、ポリアミド6/6-6、およびポリアミド12を含む。代替として、熱可塑性ポリマーは、ポリエーテル-ブロック-アミド(PEBA)、PAE、TPA、TPE-A、COPA、または同等物等の任意の数のポリアミドブロックコポリマーを含んでもよい。任意の好適なポリマータイプが、これが要求される硬度、適度な融液流動、高伸度、および再生利用可能性を満たすことを条件に、本発明において利用されてもよい。
【0049】
加えて、2つまたはそれを上回る熱可塑性ポリマーの配合物が、単一のポリマーにおいて見出されない性質および価格の組み合わせを提供する。ポリマーをともに正常に配合するためのいくつかの方法が、存在する。1つの方法は、2つまたはそれを上回るポリマー樹脂をともに融解させ、次いで、溶融ポリマー樹脂配合物を、冷却され、マスターバッチと呼ばれるペレット化断片のアレイを生産するためのペレタイザの中に給送される、ストランドに押出するために、二軸押出を使用してもよい。ポリマー樹脂配合の別の方法は、ポリマー配合物中で異なる化学物質をともに結合させるために、相溶化剤を使用することである。これは、上記に説明される非限定的熱可塑性ポリマータイプ中で相溶剤および2つまたはそれを上回るポリマーをともに融解させるために、二軸押出または同等物を使用してもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、再生利用可能可撓性発泡体成型製品を製造するための方法は、解重合された消費者使用後プラスチックに由来する少なくとも1つのモノマーを含む、熱可塑性ポリマー前駆体を提供するステップと、超臨界流体を生産するための温度および圧力条件下で成型装置のバレルの中に流体を挿入するステップと、熱可塑性ポリマーおよび超臨界流体を混合し、単相溶液を生成するステップと、射出成型機械の金型の中に単相溶液を射出するステップであって、金型は、ガス対抗圧下にある、ステップと、金型内の熱および温度条件を制御することによって、単相溶液を発泡させるステップとを含む。いくつかの実施形態では、単相溶液を発泡させるステップは、超臨界流体の少なくとも一部を単相溶液から出させることによって、溶液中に複数のガス含有セルを生成するステップであって、ガス含有セルはそれぞれ、熱可塑性ポリマーから形成される、セル壁によって囲繞される、ステップと、複数のガス含有セルのそれぞれの体積を拡張させるステップと、セル壁の少なくとも一部を破断させ、開放セル発泡体を形成するステップとを含む。いくつかの実施形態では、セル壁の少なくとも一部を破断させるステップは、ガス含有セルの少なくとも一部が、隣接するガス含有セルに対して衝突するように、複数のガス含有セルのそれぞれの体積を拡張させるステップを含む。いくつかの実施形態では、本衝突は、隣接するガス含有セルの間のセル壁の破断を引き起こしてもよい。いくつかの実施形態では、セル壁の少なくとも一部を破断させるステップは、セル壁の一部の薄化を引き起こすステップを含む。さらなる実施形態では、セル壁の少なくとも一部を破断させるステップは、セル壁の一部を破裂させるように超音波を印加するステップを含む。超音波は、例えば、いくつかの実施形態に従って、超音波トランスデューサまたは超音波処理器を使用して印加されてもよく、金型内で印加されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、本開示による方法は、発泡体を1つまたはそれを上回るモノマーに解重合することによって、可撓性発泡体を再生利用するステップを含んでもよい。解重合プロセスは、廃棄物から再生利用可能発泡体の熱可塑性ポリマーを機械的に分離するステップと、分離された熱可塑性ポリマーに解重合触媒を導入するステップと、熱可塑性ポリマーおよび触媒を加熱し、蒸留物を生成するステップと、他の副産物から水および結果として生じるモノマーを分離するステップと、水性モノマーを酸化させるステップと、酸化された水性モノマーを濃縮するステップと、濃縮されたモノマーを精製するステップと、モノマーを再重合し、再生利用可能可撓性発泡体を作製する方法における使用のための熱可塑性ポリマーを生成するステップとを含む。結果として生じるモノマーは、熱可塑性ポリマーに再重合され得る、カプロラクタムまたは他のモノマーを含んでもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、生分解性および/または堆肥化可能可撓性発泡体成型製品を製造するための方法は、生分解性および/または堆肥化可能である熱可塑性ポリマーを提供するステップと、超臨界流体を生産するための温度および圧力条件下で成型装置のバレルの中に流体を挿入するステップと、熱可塑性ポリマーおよび超臨界流体を混合し、単相溶液を生成するステップと、射出成型機械の金型の中に単相溶液を射出するステップであって、金型は、ガス対抗圧下にある、ステップと、金型内の熱および温度条件を制御することによって、単相溶液を発泡させるステップとを含む。いくつかの実施形態では、単相溶液を発泡させるステップは、超臨界流体の少なくとも一部を単相溶液から出させることによって、溶液中に複数のガス含有セルを生成するステップであって、ガス含有セルはそれぞれ、熱可塑性ポリマーから形成される、セル壁によって囲繞される、ステップと、複数のガス含有セルのそれぞれの体積を拡張させるステップと、セル壁の少なくとも一部を破断させ、開放セル発泡体を形成するステップとを含む。いくつかの実施形態では、セル壁の少なくとも一部を破断させるステップは、ガス含有セルの少なくとも一部が、隣接するガス含有セルに対して衝突するように、複数のガス含有セルのそれぞれの体積を拡張させるステップを含む。いくつかの実施形態では、本衝突は、隣接するガス含有セルの間のセル壁の破断を引き起こしてもよい。いくつかの実施形態では、セル壁の少なくとも一部を破断させるステップは、セル壁の一部の薄化を引き起こすステップを含む。さらなる実施形態では、セル壁の少なくとも一部を破断させるステップは、セル壁の一部を破裂させるように超音波を印加するステップを含む。超音波は、例えば、いくつかの実施形態に従って、超音波トランスデューサまたは超音波処理器を使用して印加されてもよく、金型内で印加されてもよい。そのような方法によって作製される可撓性発泡体は、完全に生分解性および/または堆肥化可能であってもよい。いくつかの実施形態では、可撓性発泡体は、産業的に堆肥化可能である。いくつかの実施形態では、可撓性発泡体は、物品、例えば、履物構成要素(例えば、靴のためのインソールまたはミッドソール)、座席構成要素、保護用具構成要素、または水上スポーツ付属品に組み込まれてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーは、バイオポリマーである。いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーは、1つまたはそれを上回る生分解性および/または堆肥化可能ポリマーの配合物の一部である。熱可塑性ポリマー(またはその配合物)は、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、および熱可塑性デンプン(TPS)から選択される、ポリマーである、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーは、PBAT、PHA、またはPHBである。
【0054】
用途に応じて、添加剤が、ポリマー調合において同様に利用されてもよい。例えば、沈降炭酸カルシウム、魚卵状霰石、デンプン、バイオマス、または同等物等の充填剤が、完成された可撓性発泡体の再生利用可能な完全性を維持しながら、部分費用を低減させるために利用されてもよい。
【0055】
さらに、ポリマー調合における使用のための付加的添加剤が、以下のうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。微細層状タルクまたは高縦横比の魚卵状霰石等の核形成剤が、含まれてもよい。そのような核形成剤は、他の有益に強化される属性の中でもとりわけ、セルの合体を防止し、かさ密度を低下させ、反発弾性を改良することによって、結果として生じる可撓性発泡体の重要となる性質を大幅に改良することができる。再生利用可能および化学物質のない射出成型微孔質可撓性発泡体を生産する際の使用のための核形成剤のいくつかの非限定的実施例は、Imerys Talc America Inc.(Houston, Texas)によってMistrocell(登録商標)として市販される微細層状タルクおよびCalcean Minerals & Materials LLC(Gadsden, Alabama)によってOceanCal(登録商標)として市販される高縦横比の魚卵状霰石である。
【0056】
着色剤、染料、および顔料もまた、含まれてもよい。例えば、染料または顔料等の種々の着色剤が、本発明のポリマー調合において使用されてもよい。いくつかの非限定的実施例は、Treffert GmBH & Co. KG(Bingen am Rhein, Germany)によってもたらされる広範囲またはHolland Colours Americas Inc.(Richmond, Indiana)によってもたらされるもの等の具体的タイプの熱可塑性ポリマー使用のためにオーダーメイドされた顔料である。
【0057】
1つまたはそれを上回る実施形態の詳細が、下記の付随の説明に記載される。他の特徴および利点が、説明から、および請求項から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
これらおよび他の側面は、ここで、以下の図面を参照して詳細に説明されるであろう。
【0059】
【
図1】
図1は、本開示の実装による、発泡履物構成要素、すなわち、靴ミッドソールを示す。
【0060】
【
図2】
図2は、履物のために好適な生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体を生産するための射出成型微孔質可撓性発泡体システムの図式的概要を図示する。
【0061】
【
図3】
図3は、生分解性および産業的に堆肥化可能な射出成型微孔質可撓性発泡体を製造するための方法のフローチャートである。
【0062】
【
図4】
図4は、運動靴のためのミッドソールを生成するために射出成型される、本開示による再生利用可能可撓性発泡体を示す。
【0063】
【
図5】
図5は、
図4に描写される再生利用可能可撓性発泡体を生産するための射出成型機械の概略図を示す。
【0064】
【
図6】
図6は、
図4の再生利用可能微孔質可撓性発泡体を製造するための方法のフローチャートである。
【0065】
【
図7】
図7は、
図6の再生利用可能微孔質可撓性発泡体を製造するための方法の実施形態に関連して可撓性発泡体を再生利用するステップを示す、フローチャートである。
【0066】
種々の図面における同様の参照記号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0067】
詳細な説明
本書は、生分解性および産業的に堆肥化可能な微孔質可撓性発泡体、再生可能微孔質可撓性発泡体、およびそれを製造する方法を説明する。いくつかの実施形態では、発泡体は、閉鎖セル発泡体である。他の実施形態では、発泡体は、開放セル発泡体として形成されることができる。種々の実装では、生分解性および産業的に堆肥化可能および再生利用可能可撓性発泡体は、従来の石油化学エチレンビニルアセテート(EVA)発泡体または同等物と同じ性質および特性を有し、また、高い割合のバイオマス-炭素含有量を含有するように作製されることができる。
【0068】
(生分解性および産業的に堆肥化可能な射出成型微孔質可撓性発泡体およびそれを作製するための方法)
本開示は、生分解性および産業的に堆肥化可能な微孔質可撓性発泡体を生産するためのプロセスおよびそれを製造する方法に関する。上記に議論されるように、発泡は、液体または固体中のガスのポケットの閉じ込めを伴うプロセスを説明する。概して、産業は、軽量ポリマー材料を生産するために、発泡を使用する。これは、発泡材料が、とりわけ、軟質のクッション材、快適性、および衝撃保護等の多数の付加価値を付与するため、多くのタイプの製品のための有利な解決策である。
【0069】
種々の事例では、発泡材料が微孔質発泡体であることが、有用である。微孔質発泡体は、サイズにおいて約50ミクロンを下回り得る、多くの、例えば、数十億の気泡の微小な気泡を含有するように特別に加工される、製造プラスチックの形態である。本タイプの発泡体は、ガスを高圧下で種々のタイプのポリマーの中に溶解させ、通常、核形性と称される、ガス気泡の均一な配列を引き起こすことによって形成される。微孔質発泡体の密度を制御および調節するための主要な原動力は、それらを生成するために使用されるガスである。使用されるガスに応じて、発泡体の密度は、処理前のバイオプラスチックの約5%~約99%の任意の場所であり得る。
【0070】
故に、種々の事例では、発泡体が閉鎖セル発泡体であることが、有用である。閉鎖セル発泡体は、概して、その壁によって完全に封入され、したがって、他のセルと相互接続しないセルとして公知である。本タイプの材料は、これが、セルを通して流動しないように液体およびガス流動を効果的に低減させるため、有用である。本明細書に開示される方法に従って生産されるような閉鎖セル発泡体は、クッション材、履物、海洋、HVAC、および自動車使用等、液体抵抗が重大である産業にとって有用である。
【0071】
しかしながら、種々の事例では、発泡体が開放セル発泡体であることが、有用であり得る。開放セル発泡体は、通常、そのセルの半分を上回るものが開放し、他のセルと相互接続しているとき、「開放セル」として分類される。本明細書に開示される方法において生産および採用され得る、本タイプの発泡体は、これが、閉鎖セル発泡体よりもばねのように動作し、圧縮後にその元の状態に容易に戻る点において、有用であり得る。「ばね性」は、制限されない空気移動および化学的構成によって引き起こされる。いくつかの実施形態では、開放セル熱可塑性発泡体を生産するステップは、開放セル発泡体構造が、セルの間の壁が不安定になり、破断し、それによって、開放セル発泡体構造が退出するための通路を生成するときに発展することを除いて、閉鎖セル熱可塑性発泡体を生産する本明細書に説明される方法と同一の機器および基本的プロセスを使用してもよい。
【0072】
本開示は、開放セル発泡体構造を達成するための異なる方法を提供する。いくつかの実施形態による、第1の方法は、セル衝突または干渉アプローチである。いくつかの実施形態では、セル壁の前述の破断を達成するために、セルは、隣接する、または近隣のセルが相互に対して衝突する、または相互に干渉する程度まで成長することを可能にされ、セル壁の破断をもたらす。いくつかの実施形態では、微孔質発泡体構造は、臨界核形性密度を利用する。一非限定的実施形態では、例えば、セルサイズは、10μm~50μm内であるように制御され得、セル密度は、5.0×107~1.3×109セル/cm3内であるように制御されることができる。比較的に均一なセルまたは「気泡」は、それらが衝突構造を形成するように、相互に十分に近接近しなければならず、いくつかのそのような実施形態では、セルの衝突は、開放セル発泡体構造の形成をもたらす。いくつかの実施形態では、各気泡の核は、セル弱化および破断を引き起こすために、相互に対して衝突するために十分に成長することが可能であるべきである。さらに、衝突構造を生産するために、高いセル集団密度が、ある実施形態において要求されてもよい。
【0073】
本開示のいくつかの実施形態による、開放セル発泡体構造を達成する別の方法は、「気泡」を合体させ、それによって、セルの間の壁が、開放セル発泡体構造を形成するために、自発的な方法において均一に破裂または破断することである。いくつかの実施形態では、セルが成長するにつれて、薄フィルムが、各セルの間に形成される。本フィルムは、「気泡」の内圧、およびファンデルワールス分離圧力および静電分離圧力によって影響を受ける。いくつかの実施形態では、各セルの間のフィルムは、フィルムの薄化または弱化を引き起こしている圧力が、フィルムを厚化している、または強化している圧力を上回る場合に破裂または破断し、これは、セル壁破裂または破断を決定付ける力に関して理解されることができる。成長する内部「気泡」圧力およびファンデルワールス分離圧力は、各セルの間に存在するフィルムを薄化することを支援するための力として作用する一方、静電分離は、前述のフィルムを厚化または強化することを支援するための力として作用する。
【0074】
いくつかの事例では、ポリマー構造における極性基の存在は、実際には、セル壁を厚化または強化するように作用し、それによって、セル壁破裂または破断を困難にし得る。逆に、フィルム層の一般的な熱力学的不安定性に起因して、いくつかの実施形態では、表面波が、衝突の間に発展し、これは、セル壁を破裂または破断させることを大いに支援し、本現象は、蓄積する内部「気泡」圧力よりも速くフィルム層を薄化し、それによって、セル壁破裂または破断のためのより速い機構を生産する。いくつかの実施形態では、これが、発泡体生産の金型冷却および排出段階の間に増加することが公知である、熱可塑性ポリマー発泡体粘度の成長を克服することに役立つため、セル壁が、開放セル発泡体構造を生成するために可能な限り迅速に破裂または破断することが、重要であり得る。いくつかの実施形態では、種々の発泡体成型パラメータが、最終微孔質射出成型発泡部分の形成内の最適な核形性およびセル成長を決定付ける。例えば、核形成の率は、射出率および金型温度によって大きく影響され得、結果として、いくつかの実施形態では、本発明の開放セル発泡体の生成のための処理窓は、非常に狭い。いくつかの実施形態では、本開示による、開放セル発泡体を生成する方法は、そのようなパラメータのうちの1つまたはそれを上回るものを制御するためのステップを含んでもよい。
【0075】
いくつかの非限定的実施形態では、例えば、ガス飽和圧力は、75バール~250バールであるように選択される。さらなる非限定的実施例では、発泡体セルサイズは、10~50μm、好ましくは、15~25μmに及んでもよい。セル密度は、いくつかの実施例では、0.5×108セル/cm3~7×108セル/cm3、好ましくは、1×108セル/cm3~3×108セル/cm3に及んでもよい。いくつかの実施形態では、発泡体拡張比は、1.5~4.5に及ぶ。
【0076】
またさらなる実施形態では、本開示による、開放セル発泡体を形成するための方法は、発泡体構造のセルを開放するための手段として、超音波照射の使用を含んでもよい。いくつかのそのような実施形態では、超音波照射の持続時間および程度は、開放セル発泡体構造を達成する際の因子である。いくつかの実施形態では、超音波を印加することは、セル壁の少なくとも一部を破裂させてもよい。超音波は、例えば、いくつかの実施形態に従って、超音波トランスデューサまたは超音波処理器を使用して印加されてもよく、射出金型内で印加されてもよい。
【0077】
特定の事例では、説明される方法による、発生される発泡体およびそれから生産される製品は、可撓性エチレンビニルアセテート(EVA)発泡体と同様の様式で機能する。特に、可撓性EVA発泡体は、今日の製造産業において使用される普及した材料である。EVA発泡体をそのように一般的にするものは、所与の製品のための概して許容可能な技術的性能性質を維持しながら、それが比較的に低費用であり、処理が容易なことである。その結果、本明細書に開示される様式で生産される発泡体は、許容可能であるだけではなく、多くの場合、優れた技術的性能の製品を維持すると同時に、環境に優しいものとして、容易な製造を伴って、比較的に低い費用で生産され得る。
【0078】
より具体的には、上記に示されるように、EVA発泡体使用の短所は、多い。材料は、非再生可能原料に由来し、容易に生分解性、堆肥化可能、または再生利用可能ではない化学発泡剤と化学的に架橋される。しかしながら、可撓性EVA発泡体と異なり、本開示の生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体は、化学物質または架橋剤を含有せず、それらは、適切な生物由来のポリマーがそれらの製造において使用されるとき、容易に生分解性かつ産業的に堆肥化可能である。
【0079】
例えば、種々の実装では、本明細書に提示されるものは、従来の石油化学エチレンビニルアセテート(EVA)発泡体または同等物と類似する性質および特性を有し、また、高い割合のバイオマス-炭素含有量を含有するように作製され得る、生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体である。特に、種々の実施形態では、生分解性、ネットニュートラル、および産業的に堆肥化可能な発泡体前駆体が、環境に優しい様式において等、生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体を作製する際に使用される。これらの目標を達成するために、任意の数の好適な生物由来の熱可塑性原料が、使用のために選択されてもよく、典型的には、動物飼料または人間の食料と競合しない、迅速に再生可能な原料から供給されてもよい。有利なこととして、示されるように、慎重に選択された生物由来の熱可塑性発泡体前駆体は、従来使用されるEVAのものとほぼ同等または同等の技術的性能性質を有する。
【0080】
従来の非再生可能EVAのものとほぼ同等または同等の技術的性能性質を伴う、本開示の生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体を作製する際の使用のためのそのような好適な熱可塑性原料の非限定的実施例は、本明細書で下記に説明されるように、生物由来のPBATコポリエステルである。したがって、種々の事例では、本デバイス、システム、およびそれらの使用の方法は、生分解性および産業的に堆肥化可能な生物由来の熱可塑性樹脂から発生され得る、生分解性および産業的に堆肥化可能な微孔質可撓性発泡体を生産するように採用されてもよい。
【0081】
より具体的には、開示される方法に従って有用な発泡体前駆体は、迅速に再生可能な原料から生産される生物由来の熱可塑性樹脂または生物由来の熱可塑性化合物等の任意の好適なタイプの熱可塑性樹脂であってもよい。そのような熱可塑性樹脂は、加熱されると、溶融され、液体に変わり、冷却されると、硬化し、固体に変わる、未加工の不定形ポリマーである。
【0082】
熱可塑性物質の生成は、単純なタスクではない。複雑な化学物質および機械的プロセスが、最終製品を作製するために要求される。その最も単純な形態では、熱可塑性物質は、ポリマーから構成され、それらのポリマーは、化合物から構成される。ポリマーを作製し、次いで、熱可塑性物質を作製するために必要とされる化合物を生産するために、異なるタイプの分子が、分解および分離されなければならない。典型的には、発泡体前駆体は、それらを粒状形態において好適な射出成型機械の中に給送することによって使用される。細粒は、射出成型機械を通して処理され、そこで、それらは、液化され、事前形成された金型空洞の中に発射される。発射完了に応じて、成型部分は、冷却され、固体状態において金型から排出され、本実施形態において実装されるような本プロセスは、本明細書で下記により詳細に議論される。
【0083】
生物由来の熱可塑性物質が、クラスによって説明されることができる。生物ベースの熱可塑性前駆体の一般的なクラスは、バイオマスである。2つのタイプのバイオポリエステル、すなわち、ポリ乳酸(PLA)およびポリヒドロキシアルカノエート(PHA)が、存在する。PLAは、細菌の発酵を通して作製される熱可塑性物質のタイプである。PLAは、実際には、多くの乳酸分子の長鎖である。いくつかのみ例を挙げると、サトウキビ、トウモロコシ、テンサイ、およびリグニン木材廃棄物等のPLAを生産するための多くの異なる生物由来の原料が、存在する。PHAは、概して、自然に生じる細菌および食品廃棄物によって生産される。同様に広く利用可能であるPHAの種類である、ポリヒドロキシブチレート(PHB)と呼ばれるPHAのサブクラスが、存在する。
【0084】
いくつかの事例では、デンプンまたはセルロース充填剤および同等物が、それらの包含が、配合物をより経済的にし、いくつかの事例では、それらの使用が、分解の率を強化するため、随意に、バイオポリマー配合物の形成において含まれることができる。付加的タイプの生物由来の熱可塑性物質が、アセチルセルロース(CA)として公知である。CAは、植物の各部分において見出されるセルロースに由来する合成生産物である。CAを作製するために現在使用されている原料は、いくつかのみ例を挙げると、綿、木材、および作物廃棄物である。なおもさらに、デンプンは、また別のタイプの熱可塑性材料である。典型的には、デンプンは、熱可塑性物質を生産するために、熱、水、および可塑剤を用いて処理される。強度を付与するために、デンプンは、通常、他の材料から作製された充填剤と組み合わせられる。デンプンを生産するための現在利用可能な原料は、トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、およびキャッサバである。生分解性であり得る、いくつかの石油由来の熱可塑性物質もまた、公知である。一般的なタイプは、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリカプロラクトン(PCL)、およびポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、およびポリビニルアルコール(PVOH/PVA)である。前述の石油由来の熱可塑性物質は、生物由来の種類において生産されてもよい。PBS、PCL、PBAT、およびPVOH/PVAを生産するための新しい生物由来の原料が、生産されており、技術的進歩および躍進により、商業的にますます入手可能になっている。これらの前駆体のうちの1つまたはそれを上回るものが、本明細書に開示される方法に従って、発生および採用されてもよい。
【0085】
いったん前駆体が発生されると、それらは、本明細書に開示されるように、発泡され、射出成型プロセスを介して等、1つまたはそれを上回る最終製品を作製するために使用されてもよい。例えば、種々の事例では、生物由来の熱可塑性前駆体が、発泡され、射出成型によって等、最終製品生産プロセスにおいて採用されてもよい。直接射出拡張発泡体成型としても公知である、従来の発泡体射出成型では、熱可塑性ポリマーは、最初に、融解される。熱可塑性ポリマーが、均等に融解されると、化学発泡剤が、射出化合物を発泡可能にするために、ポリマー融液の中に分散される。
【0086】
均質なポリマー化合物は、次いで、発泡体製品を作製するために、金型の中に射出される。典型的には、射出されたポリマー化合物は、加熱された金型空洞内の吸熱反応が、化学発泡剤を活性化し、拡張された発泡体部分をもたらすまで、発泡体として分類されない。その結果、金型空洞サイズは、最終部分サイズよりも小さい必要性がある。実際の部分拡張は、部分が金型から排出されるとき、これが要求される部分サイズサイズまで成長するように、熱可塑性ポリマー調合物内で生成される。
【0087】
いったん要求される部分サイズが実現されると、これはまた、これが冷却される際に収縮または縮小し、これは、多くの場合、正確な冷却された部分サイズを取得するために、二次成型動作を要求する。結果として、従来の射出成型発泡体の拡張-収縮を管理するプロセスは、面倒であり、時間がかかり、複雑であると見なされ得る。そのような射出成型技術は、本明細書に議論されるように、前駆体および発泡体、およびそれによって生産される製品を生産するために採用されることができる。しかしながら、特定の事例では、従来の射出成型機械は、家具クッション材、靴構成要素、スポーツ用品、および同等物等の発泡体製品を生産する際に採用され得る、環境に優しい発泡体を発生させるように、修正されたプロセスにおいて採用され得る、生分解性、ネットニュートラルな発泡体前駆体の使用をより良好にもたらすように、本明細書に開示されるように修正されてもよい。
【0088】
故に、従来のプロセスは、発泡製品を生産する際に有用であり得るが、ある事例では、これは、特に、堆肥化可能微孔質可撓性発泡体の生産に関して、いくつかの欠点に悩まされ得る。例えば、種々の事例では、堆肥化可能可撓性発泡体を生産するために堆肥化可能な生物由来の熱可塑性樹脂を使用するとき、典型的な射出成型プロセスは、種々の異なる様式で不十分であり得る。例えば、上記に言及される従来の非修正発泡体射出成型プロセスは、生分解性および堆肥化可能可撓性発泡体を生産するために不十分かつ不適切であり得る。これに関する主要な理由は、ポリマー化合物がそれらの製造の間に架橋される、従来の非修正発泡体射出成型の性質そのものに起因している。
【0089】
上記に示されるように、架橋は、ランダムに生じる、いくつかのポリマー鎖の一部をともに保持する共有結合の形成として説明されることができる。結果は、発泡体マトリクス内の相互接続された鎖のランダムな3次元ネットワークである。本架橋された発泡体は、容易に架橋解除されることができず、したがって、種々の前駆体成分は、それらの個々のタイプに戻るように容易に分離され、生分解または堆肥化されることができない。結果として、本開示される利点は、発泡装置および製造におけるその使用の方法を変更することなく、容易に達成可能ではないであろう。故に、射出成型プロセスにおいて非架橋前駆体を採用するために好適である様式で発泡体を発生させるための製造機械およびそれを使用するプロセスが、本明細書に提示される。
【0090】
その結果、一側面では、本明細書に提示されるものは、新しい射出成型機械である。成型機械は、新しい射出成型機械の中への前駆体の適用を介して、堆肥化可能微孔質可撓性発泡体構造を生産するような様式で発泡され得る、生物由来の熱可塑性前駆体を含む、様々な可撓性発泡体組成物を採用するように構成されてもよく、これは、次いで、1つまたはそれを上回る可撓性発泡製品を生産するために使用されることができる。したがって、一側面では、本明細書に提供されるものは、新しい射出成型機械である。
【0091】
本開示の製造機械類を際立たせる因子のうちのいくつかは、標準的な射出成型機械に添着され、それによって、これを修正および改良し得る、微孔質ガス投与システムと結合される特殊化補助機器の使用である。本質的に、本明細書に提示されるように、標準的な射出成型機械は、本開示による使用のために好適な様式で機能するようにオーバーホールおよび部品交換されている。修正のための一般的な方法は、窒素、CO2、および/または非反応性および/または不活性ガス等の超臨界不活性ガスを扱うことが可能であるように、射出成型機械上の射出成型スクリューを変形させることから開始される。
【0092】
ガス投与システムが、次いで、温度制御される金型空洞の中への射出に先立って等、適切な量における適切なガスをスクリュー内のポリマー融液の中に投与するために、射出成型機械に装備されてもよい。加えて、特殊化金型空洞が、利用されてもよく、金型の熱温度サイクリングは、結果として生じる発泡体の外側表皮テクスチャおよび表皮厚をより良好に制御し、および部分生産のためのサイクル時間を低減させることができる。さらに、補助ガス対抗圧システムが、金型の中に発射されている液体ポリマー融液に対抗するために、金型の中に戻るように不活性ガスを押進するために、射出成型機械に装備されてもよい。
【0093】
本対抗圧は、溶融射出発射が、完全ではないにしても、実質的に、金型空洞を充填し、部分の反りおよび縮小を防止し、およびセル分布およびセル密度を制御することを確実にするために有用である。さらに、適切な対抗圧は、部分の表皮テクスチャおよび表皮厚に対して有益な影響を及ぼす。その結果、部分が、金型空洞から排出されるとき、いかなる確認可能な縮小も、存在せず、成型発泡体部分を直ちに使用するために要求されるいかなる二次ステップも、存在しない。有益なこととして、部分は、架橋されておらず、結果として、これは、好適な生物由来のポリマー化合物が発泡体生成において使用されることを条件に、生分解または堆肥化することができる。
【0094】
上記を考慮して、一側面では、本開示は、生分解性であって、かつ、例えば、産業的に、堆肥化可能である、微孔質可撓性発泡体構造を生成することを対象とする。特に、一実施形態では、プロセスは、好適なバイオポリマーまたはバイオポリマー配合物を用いて開始される。例えば、種々の事例では、バイオポリマーは、生物学的材料から化学的に合成されるか、または生命有機体によって完全に生合成されるかのいずれかで、天然源から生産されるような1つまたはそれを上回るポリマーであってもよい。いくつかの実施形態では、用語「生物由来」または「バイオポリマー」または「バイオプラスチック」は、生物学的源(例えば、石油ベースの源と対照的に)に由来する、または生物学的源に由来する前駆体材料(例えば、モノマー)から作製される、ポリマーを指すように本明細書に使用され得る。いくつかのそのような実施形態では、生物学的源は、再生可能な植物源であってもよい。植物に加えて、いくつかの実施形態では、「生物由来」または「バイオポリマー」または「バイオプラスチック」材料の生物学的源は、例えば、微生物(例えば、細菌)、藻類、動物(例えば、動物脂肪/脂質)、および/または昆虫を含む。
【0095】
主として、2つのタイプのバイオポリマーが、存在し、1つは、生命有機体から取得されるものであり、別のものは、再生可能資源から生産されるが、重合を要求するものである。生命有機体によって生成されるものは、タンパク質および炭水化物を含む。合成ポリマーと異なり、バイオポリマーは、明確な構造を有する。本タイプのポリマーは、それらの化学構造に基づいて区別される。本開示のバイオポリマーを特に有用にするものは、それらが、技術的性能性質の観点から非再生可能EVAを厳密に模倣することである。
【0096】
同様に、特定の事例では、バイオポリマー配合物が、2つまたはそれを上回るバイオポリマーのカスタム化合物であり得る場合等、バイオポリマー配合物が、発泡体構造を発生させる際に採用されてもよい。バイオポリマーのいくつかの非限定的タイプは、糖ベースのバイオポリマー、デンプンベースのバイオポリマー、合成材料に基づくバイオポリマー、およびセルロースベースのバイオポリマーである。配合されるバイオポリマーの組み合わせの典型的な比率は、製造されている製品のタイプおよび結果として生じる部分の要求される技術的性質に依存するであろう。
【0097】
より具体的には、特定の実施形態では、発泡体前駆体として使用され得るバイオポリマー配合物は、硬化後等、ポリマーへの融液に追加され得る1つまたはそれを上回る固体または粘性材料等の複数の樹脂を含む。したがって、重合または硬化後、樹脂は、ポリマーを形成する。例えば、好適な樹脂は、脂肪族および脂肪族-芳香族コポリエステル起源のうちの1つまたはそれを上回るものであってもよい。一般的に言えば、脂肪族または脂肪族化合物は、炭素原子が、芳香環の代わりに開鎖を形成する、有機化合物に関する、またはそれを表す。同様に、好適な脂肪族-芳香族化合物は、概して、炭素原子の開鎖(脂肪族部分)および原子の安定した環または複数の環(芳香族部分)のランダムな組み合わせである。
【0098】
典型的には、鎖における芳香族酸の量は、49%よりも低いが、最近の技術的進歩は、これを増加させ、生分解をさらに支援することが非常に有望であることを示している。脂肪族-芳香族の実施例は、任意の数の非再生可能および再生可能原料から生産され得る脂肪族/芳香族コポリエステル(AAPE)であるが、再生可能に供給されるAAPEが、特に有用である。故に、種々の実施形態では、これらの脂肪族および/または脂肪族のうちの1つまたはそれを上回るものは、コポリエステル起源であってもよい。そのようなコポリエステルは、ポリエステルが修正されるときに生成される。例えば、コポリエステルは、1つを上回る二酸またはジオールが重合プロセスにおいて使用されるときに生産される。脂肪族-芳香族コポリエステルの場合では、前駆体の組み合わせの変更が、脂肪族-芳香族鎖を本質的にハイブリダイズまたは「橋渡し」するために行われ、重合プロセスにおいて1つを上回る付加的前駆体を組み合わせる。
【0099】
好適なバイオポリマー配合物の非限定的実施例は、ポリ乳酸(PLA)およびポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)である。ポリ乳酸(PLA)は、再生可能なバイオマスに由来する生分解性熱可塑性脂肪族ポリエステルである。PLAの生成において使用される典型的な原料は、トウモロコシ、キャッサバ、サトウキビ、テンサイパルプ、およびより低い程度のリグニン木材廃棄物等の発酵された植物デンプンを含む。同様に、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)は、生分解性ランダムコポリマー、具体的には、アジピン酸、1,4-ブタンジオール、およびテレフタル酸に一般的に由来するコポリエステルである。非再生可能石油源から供給されるPBATではなく、再生可能に供給されるPBATを使用することが、有利である。種々の事例では、これらの成分のうちの1つまたはそれを上回るものは、配合されてもよい。
【0100】
2つまたはそれを上回る熱可塑性バイオポリマーの配合物が、単一のポリマーまたはコポリマーにおいて見出されない性質および価格の組み合わせを提供する。バイオポリマーをともに正常に配合するためのいくつかの方法が、存在する。一般的な方法は、2つまたはそれを上回るバイオポリマー樹脂をともに融解させ、次いで、溶融バイオポリマー樹脂配合物を、冷却され、マスターバッチと呼ばれるペレット化断片のアレイを生産するためのペレタイザの中に給送される、ストランドに押出するために、二軸押出を使用することである。バイオポリマー樹脂配合の別の方法は、バイオポリマー配合物中で異なる化学物質をともに結合させるために、相溶化剤を使用することである。一般的に、これも、上記に説明されるプロセスにおいて相溶剤および2つまたはそれを上回るバイオポリマーをともに融解させるために、二軸押出または同等物を使用する。
【0101】
故に、前述の配合された熱可塑性バイオポリマー樹脂が、本開示の最適な微孔質可撓性発泡体構造を形成する際に有利な技術的性質を示すことが本明細書で決定されている。強化された技術的性質のうちのいくつかは、他の利益の中でもとりわけ、許容可能な時効性質、優れた伸長、および非凡な圧縮歪みを含む。例えば、本明細書に開示されるようなバイオポリマー配合物の使用の利点は、所与のバイオポリマー配合物の形成および使用からもたらされる強化された技術的性能性質である。具体的には、いくつかのみ例を挙げると、改良された伸長、引張強度、衝撃強度、および融液流動等の強化された性質は全て、バイオポリマーおよび/またはバイオポリマー-相溶剤配合物の正しい組み合わせが実現されるときに実現されることができる。
【0102】
故に、これらの樹脂は、発泡剤を生産するように、本明細書に開示される方法および機械に従って採用されてもよい。したがって、一側面では、本開示は、発泡プロセスを対象とする。上記に説明されるように、本明細書に開示される機械およびプロセスは、発泡動作を実施するために構成されてもよく、それによって、ガスのポケットが、液体または固体中に閉じ込められ、その発泡は、軽量ポリマー材料を生産するために使用されてもよい。これは、発泡材料が、とりわけ、軟質のクッション材、快適性、靴構成要素を含む、技術的運動用具、および衝撃保護等の多数の付加価値を付与するため、多くのタイプの製品のための有利な解決策である。しかしながら、種々の事例では、前述の最適な脂肪族および脂肪族-芳香族コポリエステルバイオポリマーまたはバイオポリマー配合物だけで、可撓性発泡体を生産するために有用であり、種々の事例では、可撓性発泡体の生産におけるそれらの使用は、発泡プロセス内への好適な発泡剤の包含によって強化されてもよい。
【0103】
例えば、今日使用されている広く公知の発泡剤は、アゾジカルボンアミド(ADA)と呼ばれる化学物質である。アゾジカルボンアミドは、典型的には、従来の射出成型発泡体プロセスにおける使用のために、石油化学熱可塑性マスターバッチ樹脂の中に事前含浸される。特に、ADA等の化学発泡剤の事前含浸は、典型的には、発泡に先立ってバイオプラスチック配合物中に含まれる。この理由は、従来の射出成型発泡が、発泡体成型変動性のカスタマイズを可能にしないため、ADA等の化学発泡剤の事前含浸が、必要とされるためである。すなわち、ADA等の化学発泡剤は、製造時点の間の発泡プロセスの物理的側面を修正する、またはそれに影響を及ぼすためのそれらの能力において限定される。
【0104】
逆に、本開示の特殊化発泡プロセスは、窒素等の希ガスまたは不活性ガスが提供する物理的発泡から利益を享受する。本プロセスでは、ガス、例えば、窒素の投与は、バイオポリマー融液内の濃度において調節されることができ、これは、発泡結果に対して直接的な影響を及ぼし、これは、結果として生じる発泡体の具体的側面をカスタマイズするための主な利点と見なされることができる。PBATコポリエステル等の生分解性および産業的に堆肥化可能であることが公知である、いくつかの石油化学由来熱可塑性物質が、存在するが、一連の適切なPBATコポリエステル等の再生可能に供給される原料を使用することが、有利である。
【0105】
例えば、発泡剤を生産するにつれて、最初に、所与の製品タイプのための所与のタイプの生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体を生産するために調整される、バイオプラスチック配合物等のカスタムメイドマスターバッチを生産することが、有用であり得る。例えば、異なるタイプのカスタムメイドマスターバッチ化合物が、異なるタイプの製品用途のために生産されてもよい。これは、例えば、靴の対における特定のタイプの発泡体を作製するために機能するものが、1つの家具を作製する際の使用のため等、特定のタイプの発泡体を作製するために必要とされるものと異なり得ることを示すことによって、解説されることができる。さらに、カスタムメイドマスターバッチはそれぞれ、所与の製品使用のための異なる着色剤を含有することができる。ここで再び、異なる製品タイプは、カスタマイズの異なる側面を必要とし、一意に別個のマスターバッチを生産するための能力は、これらの特定の使用に関して非常に有利である。
【0106】
残念ながら、ADAは、環境に優しくなく、これは、人間の健康に対する疑わしい発癌物質である。その結果、本方法およびそれによって生産される製品におけるその使用は、その利点において限定される。また、従来の石油化学熱可塑性マスターバッチ樹脂は、生分解性または産業的に堆肥化可能ではなく、したがって、それらの利点もまた、限定される。マスターバッチを生産するためのADAおよび従来の石油化学製品の使用におけるこれらの欠陥を考慮して、本明細書に提示されるものは、生分解性および産業的に堆肥化可能な微孔質可撓性発泡体を発生させるためのマスターバッチを生産するために使用され得る、生分解性、産業的に堆肥化可能、熱可塑性バイオポリマー樹脂である。
【0107】
種々の事例では、上記に議論されるように、例えば、環境的に排出ニュートラルな様式で、成型された最終製品を製造する際の使用のためのより最適な生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体を達成するために、超臨界流体が、本システムによって成型プロセスの中に射出されることができる。具体的には、超臨界流体は、その臨界温度(Tc)および臨界圧力(Pc)を上回る状態にある物質(液体またはガス)である。本臨界点において、ガスおよび液体は、共存し、超臨界流体は、例えば、標準的な条件下で、液体またはガスのいずれのものとも異なる一意の性質を示す。超臨界流体状態において等、窒素、CO2、He、Ne、Ar、Xe、および他のそのような不活性ガス等の不活性超臨界流体を使用することが、有利であり、そのガスは、発泡プロセスにおける発泡剤として、本明細書に開示される方法に従って採用されてもよい。
【0108】
前述の超臨界流体は、射出成型機械バレル内のポリマーマトリクス中に可溶化することによって機能する。特殊化射出成型プロセスが、制御された圧力および温度下で射出金型空洞の中に液体バイオプラスチック化合物を射出するにつれて、ガスは、ポリマー融液を強制的に金型空洞の最大限界まで完全に拡張させる。本プロセスでは、ガスは、発泡プロセス内のポリマーマトリクスのセル構造を最大限にするために有用である。特殊化発泡プロセスの本最大化は、最終発泡部分内の望ましくないシンクマークまたは反りが最小限にされることを確実にする。これは、従来の発泡剤が、同一のタイプの超臨界状態または圧力に曝されず、したがって、従来生産される発泡剤が最終発泡部分において一貫性が欠如し、それらが望ましくないシンクマークおよび反りを含有し得る点において、従来の化学発泡剤生産可撓性発泡体と非常に異なる。
【0109】
より具体的には、種々の事例では、窒素または二酸化炭素等の不活性ガスが、超臨界流体状態において調合されることができ、これは、次いで、本明細書に議論される新規の射出成型機械およびプロセスにおいて等、物理的発泡剤として使用されてもよい。そのような事例では、開示される修正された物理的発泡プロセスは、バイオポリマーまたはバイオポリマー配合物および発泡剤が、最も最適な生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体を生産するために調和して機能するように、好適な熱可塑性バイオポリマーまたは配合バイオポリマーマスターバッチと相応して採用されてもよい。
【0110】
本開示の好適なバイオポリマー、バイオプラスチック、およびバイオプラスチック配合物は、動物飼料および人間の食料と競合しないものおよび再生可能資源の廃棄物の流れに由来するもの等の再生可能資源に由来してもよい。バイオポリマーまたはバイオポリマー配合物を生産する際の使用を見出す好適なバイオポリマーの非限定的実施例は、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、および熱可塑性デンプン(TPS)から成る。本開示の好適なバイオポリマー配合物は、上記に列挙されるバイオポリマーおよびバイオプラスチックタイプの任意の組み合わせ、およびバイオマス含有ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)から成る任意のハイブリッドバイオポリマー配合物である。これの非限定的実施例は、リグニンが木材廃棄物から供給され、PBATが再生可能資源から供給される、リグニン含有PBAT配合物であろう。
【0111】
故に、種々の実施形態では、本明細書に開示される射出成型デバイスおよびそれらの使用の方法は、均質なセル核形成を有する発泡体を生産するために有用である。議論されるように、本明細書に開示される装置およびそれらの使用の方法は、発泡体を生産するように、均質なセル核形成を生産するために使用されてもよく、それによって、発泡体核が、ランダムかつ自発的に発生され、したがって、不純物を殆どまたは全く有していない単相溶液系において不可逆的に成長する。例えば、本明細書で下記に記載されるように、一側面では、可撓性および/または剛性発泡体を製造するプロセスが、提供される。本方法は、発泡体が固有の堆肥化可能、抗菌性、および/または耐炎性性質を有する場合等、開放セルまたは閉鎖セル発泡体を派生させるように実装されてもよい。
【0112】
ある事例では、本方法は、1つまたはそれを上回る樹脂、例えば、コポリマーキャリア樹脂、および種々の発泡成分を配合するステップを含む等、マスターバッチを形成するステップのうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。後続ステップにおいて、本方法は、発泡体材料が、抗菌性、抗細菌性、および/または抗ウイルス性の履物構成要素、家具構成要素、ヨガマット、衣服、スポーツ用品構成要素、医療デバイス、および/または耐炎性の製造品、および他の好適な使用の生産において使用され得るように、抗菌性化合物を添加するステップを含んでもよい。特に、本明細書に開示される方法によると、生産される製品は、無数の用途において使用されてもよく、概して、それらの生産方法は、3つの明確に異なる段階に分類されることができる。最初に、バルクポリマー製品が、作製される。次に、ポリマーが、種々の処理ステップに暴露される。最後に、ポリマーが、衣類、抗菌性カーペット、家具、自動車構成要素、ヨガマット、ソール、ミッドソール、インソールを含む、靴構成要素、および同等物等のその最終製品に変形される。
【0113】
特に、本単相溶液は、セルが成長し、気泡の中へのガスの拡散によって拡張される、核形成部位を生産するように採用されてもよい。本明細書に開示される機械およびプロセスは、小さい気泡が発泡体マトリクス内で均一に分散されるような様式で、均質なセル核形成の発生をもたらす、発泡プロセスを開始するために特に有用である。具体的には、従来の発泡と異なり、本開示の超臨界流体形成可撓性発泡体は、小さい気泡サイズに直接起因し得る大幅に改良された機械的性質から利益を享受する。より具体的には、本明細書に開示されるデバイスおよび方法は、約100ミクロンまたはそれを上回るもの~約1ミクロンまたはそれを下回るもの、例えば、約50ミクロン~約10ミクロンまたはそれを下回るもの、例えば、約30ミクロンを含む、約20~約40ミクロンである、気泡直径を生産するように構成され、それらは、熱力学的不安定性の使用によって、全て発泡体の生成において従来の化学発泡剤の使用を伴わずに生産される。
【0114】
例えば、特定の実施形態では、本システムは、バイオポリマーまたはバイオポリマー配合物および超臨界流体(SCF)の単相溶液が、射出ゲートを通して射出成型機械の金型空洞の中に通過するときに生じ得る、均質なセル核形成を有する、生分解性および産業的に堆肥化可能な微孔質可撓性発泡体を生産するために、本明細書に開示される本新規の射出成型機械を使用するために構成されてもよい。具体的には、本明細書で下記により詳細に解説されるように、本射出成型機械は、完成された部分または構成要素部分を生産するために、金型の中に成型前駆体を射出することによって等、溶融材料を生産するために構成される。射出成型機械は、材料ホッパと、射出ラムまたはスクリュータイププランジャと、加熱ユニットとを含んでもよい。そのような射出成型機械は、機械が付与し得る型締力の量を表す、トン数の観点から評価される。
【0115】
故に、プロセスは、粒状バイオプラスチック化合物が押進されたラムによってホッパから加熱されたバレルの中に給送されることから開始されてもよい。細粒が、特殊化往復スクリュータイププランジャによって前方に緩慢に移動されるにつれて、超臨界流体が、スクリューの中に給送する射出成型装置に直接接続され得る別個の超臨界計量補助機械を用いて、インジェクタを通して導入される。その結果、超臨界流体は、スクリュー回転の間にバイオポリマー融液内で飽和し、これは、単相溶液を生成する。
【0116】
溶融混合物は、次いで、高背圧を伴う加熱されたチャンバの中に押進され、そこで、これは、コンピュータインターフェースによって制御される温度において融解される。プランジャが前進するにつれて、融解されたバイオプラスチック化合物は、金型に対して静止するノズルを通して押進され、これがゲートを通して金型空洞に進入することを可能にする。したがって、本発泡プロセスは、それによって熱および圧力が発泡剤の存在下でポリマー材料に印加される、機械的または物理的プロセスにポリマー材料を曝すために構成されてもよい。発泡剤は、従来の閉鎖セルEVA発泡の場合のように、化学的起源であり得る、またこれは、本開示の生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体の場合のように、不活性起源であり得る。故に、前述を考慮して、溶液が金型に進入するにつれて、圧力は、低下し、これは、SCFを溶液から出させ、セル核を生成する。
【0117】
特に、超臨界流体は、スクリュー回転の間にバイオポリマー融液内で飽和し、これは、ある温度および圧力下で単相溶液を生成する。溶融混合物は、高背圧を伴う加熱された金型チャンバの中に押進され、単相溶液の圧力は、微孔質プロセス圧力から大気圧まで低下され、したがって、急速な圧力除負荷が、起こる。本核形成現象は、ガスが混合物から分離することに起因して起こる。この時点で、核は、安定した気泡に成長する。気泡サイズは、全て本システムおよび方法によって制御され得る、飽和度、微孔質プロセス圧力、および混合温度によって決定される。その結果、数百万個の核が、発生され、核が、安定すると、気泡成長が、開始される。
【0118】
気泡形態は、SCF濃度および射出成型プロセスパラメータによって決定される。したがって、これらのパラメータは、有用な、および/または決定された気泡形態を生産するように、本システムによる制御のために選択されてもよい。部分の成型が終了するにつれて、金型は、冷却され、融液温度は、減少し、これは、融液を強制的に凍結および固化させる。再び、これらのパラメータは、生産されるべき最終製品に応じて等、本システムによって厳密に制御されてもよい。具体的には、この時点で、気泡は、成長を停止し、結果として生じる部分の形状は、固定される。セルは、次いで、材料が金型を充填するまで成長し、SCFの拡張能力は、使い尽くされる。
【0119】
故に、本プロセスでは、溶融バイオポリマーおよびSCF配合物は、加熱された金型空洞の中に制御可能に発射され、急激な圧力低下を被る。数百万個の微小な気泡が、核成長から生産され、これらの気泡は、物理的に強制的に溶融混合物を金型空洞の最大制約まで拡張させる。溶融混合物が、最大物理的潜在性まで拡張するにつれて、材料は、金型内で急速に冷却され、気泡は、形成を停止し、溶融混合物は、拡張を停止し、最終固化部分が、形成される。これは全て、射出成型システム内で数秒のうちに行われる。
【0120】
示されるように、本製造プロセスは、計量、送達、混合、温度、圧力、射出、速度、および同等物を微細に制御するように修正された、上記に説明される射出成型機械上で実行される。例えば、補助計量ユニットが、ポリマー融液の中に正確なSCFガス投与を送達するための計量を制御するために使用されてもよい。具体的には、好適なガス投与補助機械は、不活性ガスを超臨界流体状態に変換し、コンピュータ制御機構を用いて等、射出成型機械の中へのSCF送達の投与を計量するように構成されてもよい。
【0121】
例えば、オペレータまたは好適に構成されるマイクロコントローラは、ガス投与補助機械を所定のSCFガス投与量にプログラムすることができる。本質的に、ガス投与補助機械は、射出成型機械に電子的および/または物理的に結合され得る、SCF送達システムである。特に、本開示における使用のための好適なSCFガス投与補助機械は、産業等級窒素または他の不活性ガスを超臨界流体に変換するように設計される、一連のガス投与システムを生産するように構成されてもよい。ガス投与装置は、最大275バールおよびさらにはそれ以上の圧力において射出成型機械の中にSCFを精密に投与および射出するように構成されてもよい。
【0122】
ガス投与装置を動作させるために、オペレータは、投与装置等のシステム装置および個別の制御パラメータを制御するためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を生産するために構成される、デスクトップまたはラップトップコンピューティングデバイス等の関連付けられるコンピューティングデバイスを採用してもよい。例えば、オペレータは、選択されたパラメータ、例えば、所望のSCFガス投与発射パラメータをGUIに打ち込んでもよい。本システムの処理要素は、次いで、全ての補足パラメータをリアルタイムで計算し、射出成型機械の中へのSCF送達を最適化する。その結果、本システムの制御ユニットは、ガス投与システムおよび射出成型機械が、コンピュータ制御装置のネットワークを通して等、ともに相互依存的に機能することを確実にする。したがって、本ガス投与システムは、超臨界不活性ガスが、従来の可撓性発泡体において使用される化学反応性発泡剤の代用として、本開示の生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体を生産するための物理的発泡剤として容易く使用されることができるため、本開示の一意の属性である。バイオポリマーの中へのSCFの混合の本制御は、単相溶液を生成するために有用である。
【0123】
さらに、本開示の射出成型プロセスの間、SCFが、ポリマー融液の中に射出される。単相のポリマー-SCF混合溶液が、射出成型機械スクリューおよびバレル内で明確な温度および圧力下で取得される。温度および圧力は、可変的に制御可能であり、生産されている可撓性発泡体のタイプおよび最終製品が使用されるであろう用途のタイプに直接関連し得る。本段階では、SCFの濃度は、飽和度、微孔質プロセス圧力、および混合温度によって決定される。発泡家具、自動車、運動、および/または靴部分、具体的には、靴ミッドソールを作製する際の使用のための本開示の生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体を作製するための実施例が、提供されることができる。本非限定的実施例における使用のための好適なバイオポリマー配合物の非限定的実施例は、バイオポリマー化合物に形成される迅速に再生可能なPBATバイオポリエステルである。
【0124】
故に、粒状にされたバイオポリマー化合物が、最初に、ホッパを介して射出成型機械の中に給送される。次に、バイオポリマーは、具体的SCFガス投与が、導入され、ここでは溶融バイオポリマー化合物の中に均質に混合され、これを完全に飽和させると、射出成型機械スクリューおよびバレルを通して緩慢に移動される。溶融バイオポリマー化合物およびSCFは、ここでは、単相溶液である。初期SCFガス濃度の非限定的実施例は、176℃~250℃、より好ましくは、180℃の範囲内の融解温度範囲を伴うCo=0.25%であってもよい。
【0125】
加えて、種々の実施形態では、金型内の温度は、動的金型温度制御(DMTC)プロトコルにおいて等、圧力とともに微細に制御されることができる。例えば、DMTCプロセスが、拡張するバイオポリマー融液内の一貫したセル構造を確実にするために採用されてもよい。特に、DMTCは、射出充填段階の間の金型温度および/または圧力の迅速な変更および制御を含むように構成されてもよい。これは、それによって、圧力の有無を問わず、高温および低温熱サイクリングの両方の観点から、金型温度および/または圧力を動的に制御する。
【0126】
例えば、本システムの制御モジュールは、例えば、射出充填段階の間の金型温度を制御するように構成されてもよく、そのような事例では、動的金型温度制御が、採用されてもよい。より具体的には、従来公知の射出成型プロセスと比較して、本明細書に採用される動的金型温度制御の重要な特性は、金型温度自体が動的に制御され得ることである。単相溶液の融液射出の前に、金型は、最初に、事前設定された上限まで加熱されてもよい。融液充填段階の間、金型空洞表面の温度は、融液が早期に固化することを防止するために、上限よりも高く保たれてもよい。融液充填プロセスが終了されると、金型は、下限(排出温度)まで迅速に冷却され、次いで、成型された発泡体部分は、金型空洞から外に排出される。
【0127】
本明細書に実装されるような動的金型温度制御(DMTC)は、急速な電気ロッド加熱および急速な水冷に基づく制御方法に依拠する。具体的には、本開示によって採用されるDMTCは、5つの主要な構成要素、すなわち、空気圧縮機と、弁交換デバイスと、コンピュータ制御金型温度制御ユニットと、電気的に加熱される金型と、冷却塔とから成る。冷却塔は、十分な水冷を金型に供給するために使用されてもよい。空気圧縮機は、空気圧弁の駆動ガスとして圧縮空気を生産し、冷却後に金型に進入しないように残留冷却水を排除するために使用される。弁交換デバイスは、高温および低温熱サイクリング等、異なる媒体をパイプラインから金型に移送するために弁を切り替えるために使用される。
【0128】
故に、種々の事例では、本明細書の機械およびプロセスは、反応する材料の通過のためのパイプおよび他の導管を含んでもよく、その導管は、それらが導管およびパイプの中に、および/またはそれを通して圧送されるにつれて、反応物を加熱および/または冷却するように、1つまたはそれを上回る熱交換ユニットと関連付けられる。そのような事例では、交換器は、温度を反応レベルに調節するように制御されてもよい。パイプの一方の端部上に、分注ヘッドが、含まれてもよく、これは、1つまたはそれを上回る弁と関連付けられてもよい。さらに、分注ヘッドは、処理ラインに連結されてもよい。電気的に加熱される金型は、発泡部分の最終形状を成型するために使用される。金型温度制御の機能は、金型の加熱および冷却を制御することであり、これは全て、コンピュータ制御によって射出成型機械と協調される。
【0129】
同様に、示されるように、圧力もまた、ガス対抗圧(GCP)プロトコルを介して等、微細に制御されることができる。例えば、GCPプロトコルは、最終製品の最適な発泡体構造をより良好に確実にし、結果として生じる可撓性発泡体上に表皮が殆どまたは全く存在しない様式でそのように行うように、製造プロセスにおいて利用されてもよい。例えば、本GCPプロセスを使用して、加圧された金型空洞が、SCFを射出されてもよく、これは、単独で、およびともに、融液内のガスの拡張に対抗するように機能してもよい。特に、対抗圧が、解放されるにつれて、従来、表面を突破するであろうガス気泡は、内側に閉じ込められ、平滑な表皮を生成する。
【0130】
本ガス対抗圧プロセスは、発泡部分が形成されるにつれて、ガス気泡が発泡材料の表面に接触し、それを突破することを防止する。これは、溶融単相溶液射出発射および保持時間と同時に、またはその周辺で、対抗圧がGCPシステムによって金型空洞の中に印加されることによって達成される。不活性ガス気泡は、大きな力に曝され、したがって、溶融単相溶液は、形成される間、発泡構造の外側に閉じ込められた気泡を放出する機会を与えられない。結果は、部分の外側上に形成される審美的に平滑な表皮を伴う成型された発泡体部分となる。
【0131】
故に、本明細書に実装されるように、本システムのコントローラは、発泡体射出成型の融液射出段階において異なるガス圧力を印加することによって、発泡プロセスの制御を改良するように構成される、ガス対抗圧(GCP)手順を実装してもよい。例えば、本システムの種々の構成要素を制御することによって、制御システムは、適切な発射サイズ、発射保持時間、融液温度、および金型温度と相応して等、様々なスクリュー含有SCF単相溶液圧力およびGCP圧力を印加するように構成されてもよい。
【0132】
このように、それによって高品質かつ商業的に許容可能な生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体部分が生産され得る、全体的システムが、生成される。具体的には、GCP圧力への微妙な変化が、発泡体の表面性質に影響を及ぼす。例えば、GCPの使用を伴わないと、金型空洞内に位置するポリマー融液中の形成された気泡は、放出され得、結果として生じる発泡部分の審美的外観は、許容可能ではない場合がある。加えて、GCPの使用を伴わないと、表皮厚は、これが金型の中に拡張されるにつれて、溶融単相溶液の急速な冷却に対抗するためのいかなる対抗圧も、存在しないであろうため、望ましくなく厚くなり得る。特に、単相溶液は、射出発射の間に鋼の金型境界に衝突し、殆どの商業的用途に関して許容可能ではないであろう、望ましくない厚い表皮を伴って瞬時に固化するであろう。要するに、プロセスパラメータは、最終部分品質に対して実証可能な影響を及ぼす。故に、これらのように、本GCPプロセスは、表面品質、発泡体構造、表皮厚、および同等物のうちの1つまたはそれを上回るものを通して等、発泡を制御するための様式で実装されることができる。
【0133】
したがって、種々の実施形態では、本システムは、単相溶液を形成するような様式でSCFを生産するように構成されてもよい。特に、種々の実施形態では、単相溶液が、生成され、SCFは、溶融バイオポリマー中に完全に溶解され、均一に分散されてもよく、これは、慎重に制御されたプロセス条件下で射出バレルの内側で行われる。例えば、議論されるように、単相溶液の形成は、本開示の一貫した大量生産可能な成型された発泡体部分を生産するために重大である。
【0134】
その結果、射出成型システムプロセスは、非常に一貫した様式で制御可能かつ反復可能であるように構成されるべきである。これを達成するために、第1の防衛線は、単相溶液が、射出成型機械バレル内のバイオポリマー融液内で完全に飽和および分散される場合等、バイオポリマー化合物およびSCFが、単相溶液の中に均質に混合されることを確実にすることである。いったん単相溶液が達成されると、本システムは、時間最適化および大量生産可能な様式で、限りなく再現可能な成型された発泡体部分をカスタマイズするために、所望の発射重量、発射保持時間、およびGCPガス投与を確実に投入することができる。
【0135】
そのため、SCFは、固定された時間量にわたってバイオポリマーの中に正確に質量流動計量されるべきである。例えば、システム制御モジュールは、投与期間の間、温度、圧力、および剪断の正しい条件が、バレル内で確立されるように構成されてもよい。同様に、背圧、スクリュー速度、およびバレル温度が、本システムの1つまたはそれを上回る制御要素によって微細に制御されることができる。加えて、SCF送達システムは、最適な単相溶液を生成するプロセス条件を確立するように変調されることができる。
【0136】
例えば、上記に議論されるように、制御モジュールは、本システムの1つまたはそれを上回る容器、例えば、管を通して進行する流体の質量流率を測定するように構成される、システム関連質量流動計量デバイスに通信可能に結合されてもよい。質量流率は、単位時間あたり固定点を過ぎて進行する流体の質量である。これが本開示に関連するため、質量流動計量の原理は、発泡体成型プロセスにおける一貫した反復性を確実にするために実装される。具体的には、上記に説明されるように、特別に設計されたインジェクタが、本システムのプロセッサのコンピュータ制御プログラミングによって制御されることが可能である、射出成型バレルに結合される。その結果、本システムは、バイオポリマー融液の中への具体的SCFガス投与送達を実装するように構成されることができ、コンピュータ制御プログラムは、1つまたはそれを上回るシステムセンサからのフィードバックを通して等、質量流率からのリアルタイムデータの収集に基づいて、送達を最適化することができる。質量流動計量の本使用は、本発明の単相溶液のための最も最適なプロセス制御を確実にする。
【0137】
故に、投与期間の間、バレル内等、本システム全体を通した温度は、バレル内で200℃~500℃等の100℃~600℃、例えば、300℃~400℃、より具体的には、360℃~380℃を含む、320℃~380℃の範囲であるように制御されてもよい。同様に、SCF送達圧力は、1,500~6,000PSI等の1,000~8,000PSIの範囲、例えば、2,000~5,500PSI、特に、3,000~4,000PSI、より具体的には、2,600~2,800PSIの範囲内であるように微細に制御されてもよい。
【0138】
このように、制御モジュールは、温度および圧力が、バイオポリマー融液および結果として生じる発泡マトリクス内に最適な核および結果として生じる気泡を発生させるために、相応して機能するように構成されてもよい。加えて、剪断に関して、剪断が、溶融バイオポリマーの層が相互に対して流動するとき、バレル内で確立される。したがって、射出の間、溶融バイオポリマー化合物は、噴水のように、金型に進入する前等、バレルノズルの融液送達チャネルを通して流動されてもよい。
【0139】
剪断は、回転スクリューと定常バレルとの間のバイオポリマーの延伸であり、熱を材料内で発展させる。したがって、剪断は、射出成型プロセスにおいて制御されるべきである。その結果、本システムの1つまたはそれを上回る制御ユニットは、所与の射出成型機械サイズを用いて、および所与の射出成型機械スクリューおよびバレルサイズを用いて、所与のバイオポリマー化合物を生産するための正しい条件を達成するように、射出速度、充填時間、およびそれにおける公差を制御する等のために構成されてもよい。
【0140】
背圧もまた、制御されてもよい。例えば、背圧は、これが金型の中に射出されるときにバイオポリマーによって付与される射出成型機械における圧力である。具体的には、背圧は、金型の中への次のバイオポリマー発射を装填するために、これが回復する際に射出スクリューに印加される抵抗である。上記に示されるように、本システムの種々のパラメータは、背圧を制御および/または変調するように構成されてもよい。
【0141】
さらに、本システムのコントローラは、スクリュー速度を制御および変調するように構成されてもよい。スクリュー速度は、コンピュータ制御によって制御されてもよい。示されるように、射出成型動作の初期段階の間、スクリューは、バレル内で回転し、SCFガスと相応して融解するバイオポリマー化合物混合物を均質化する。本開示のスクリュー速度の非限定的実施例は、1または5または10~75または100または200rpm、例えば、20、25、または30~40、50、または60rpmであってもよい。
【0142】
本システムは、その中の温度を制御するように、バレルと関連付けられ得る加熱および/または冷却制御ユニットを含んでもよい。故に、制御モジュールは、バレル温度を制御するように構成されてもよい。したがって、バレル温度は、発泡プロセスのために必要に応じて、その中の温度をより高温またはより低温にするように制御されてもよい。
【0143】
故に、上記を考慮して、SCF送達システムは、SCF送達圧力および典型的にはグラム単位で測定されるSCF投与重量の組み合わせを制御するように構成される、制御ユニットを含んでもよい。SCF圧力および投与量は、単相溶液に影響を及ぼすような様式で制御されてもよい。すなわち、SCF投与量が小さいほど、バイオポリマー融液内にあることが必要とされるSCF飽和は、少なくなる一方、SCF投与量が大きいほど、融液内にあることが必要とされるSCF飽和は、多くなる。同様に、SCF送達圧力が低いほど、飽和の取り込みは、少なくなり、したがって、溶融バイオポリマー融液内に気泡を形成するように成長し得る核の成長は、少なくなる。また、SCF送達圧力が大きいほど、飽和の取り込みは、大きくなり、したがって、溶融融液内に気泡を形成するように成長し得る核の成長は、大きくなる。
【0144】
飽和に関して、本システムおよび装置は、超臨界流体が、形成され、スクリュー回転の間等、バイオポリマー融液内で飽和するような温度および圧力下で融液チャンバにガスを送達するために構成される。その結果、単相溶液が、制御された温度および圧力下で生成される。具体的には、単相のポリマー-SCF混合溶液が、射出成型機械スクリューおよびバレル内で、明確な温度および圧力下で本明細書で取得されてもよい。より具体的には、システムコントローラは、生産されている可撓性発泡体のタイプおよび生産されている最終製品のタイプに依存する様式で、温度および圧力を可変的に制御してもよい。
【0145】
本段階では、SCFの濃度は、フィードバックループによって等、決定および制御されてもよく、それによって、飽和の量が、センサを介して等、決定され、これは、飽和プロセス進行を評価し、次いで、飽和レベルに関する決定された設定点を達成することに基づいて、微孔質プロセス圧力および混合温度を変調する。そのような事例では、超臨界流体(SCF)は、スクリュー回転の間にバイオポリマー融液内で制御可能に飽和し、これは、明確な温度および圧力下で単相溶液を生成する。SCFは、2部分溶融バイオポリマー化合物混合物の1つの部分であり、これは、本射出金型における明確な圧力および温度の存在下で物理的発泡剤として使用される。
【0146】
故に、上記を考慮して、一側面では、本明細書に提供されるものは、生分解性および産業的に堆肥化可能な微孔質可撓性発泡体の生産のための機械およびそれを使用する方法である。特に、一事例では、発泡体は、微孔質射出成型(MuCell)プロセス、例えば、MuCell製造を介して等、発泡製品の生産において生産および/または使用される。MuCell製造は、液体状態まで加熱される溶融バイオポリマー融液を発生させる目的のために、SCF投与を最適化するために構成される、下記に説明されるような製造ツールのスクリューバレル内で極端な圧力に曝され、ポリマー融液の中に溶解される、上記に説明されるような超臨界流体を採用する。
【0147】
したがって、射出成型機械の心臓部には、両方とも一般的に工具鋼から作製される、射出成型機械バレルおよびその中に含有されるスクリューがある。バレルは、計量され、次いで、動的に温度制御される金型構成要素の中に押圧または「発射」されることに先立つ、現在の単相溶液のための主要な送達ポータルである。その結果、バイオポリマー融液は、射出成型機械ホッパを通してバレルの中に送達される。また、システムコントローラは、射出成型機械動作における最初のステップのうちの1つとして、ホッパの中に所与の量の粒状バイオプラスチックペレットを給送する。
【0148】
具体的には、射出の間、SCFは、蒸発し、ガス気泡、例えば、完成された成型部分の形態における発泡体になる。気泡は、ミクロンサイズに到達するため、プロセスは、微孔質発泡を生産する。本明細書に説明されるプロセスは、これが、以下、すなわち、より少ない縮小、軽量製品、少ないシンクマークを伴うこと、および低費用の前駆体によって発生され得ることのうちの1つまたはそれを上回るものを証明する、結果として生じる製品をもたらすため、従来の射出技術よりも有利である。より具体的には、より少ない縮小に関して、縮小は、体積縮小が、全てのポリマーに影響を及ぼす熱収縮によって引き起こされ、したがって、縮小が、システムセンサを介して、縮小進行を追跡し、縮小プロセスを変調するようにバレル条件を微細に制御することによって回避され得ることを理解することによって制御されることができる。
【0149】
本質的に、縮小は、これが液体から固体に変化するにつれて、材料が体積において変化する程度を説明する。従来の射出成型では、金型は、圧力を用いて温度制御されず、したがって、従来の方法によって使用される溶融ポリマーは、射出金型の低温の工具鋼との接触に応じて収縮し、これは、縮小を引き起こす。本機械およびシステムでは、縮小は、制御され得、典型的には、溶融バイオポリマーが早期の冷却を伴わずに金型の内側の最大表面積を充填することを確実にする、温度制御される加圧された金型、および加圧された金型空洞自体の印加される均一な応力がこの点をさらに支援することに起因して、問題とならない。
【0150】
軽量製品の生産に関して、原則として、より多くのポリマーが拡張されるほど、重量における低減は、大きくなる。しかしながら、本システムは、軽量化発泡体の最適な品質が達成され得るように、適切な圧力、温度、および時間の印加を介して条件を変調することによって、単相溶液を最適化するために構成される。これは、例えば、クッション材、履物発泡体、および運動用品を生産するために使用される発泡体において等、軽量発泡体を要求する製品用途にとって良好である。同様に、従来の可撓性発泡体製造におけるシンクマークを制御することに関して、シンクマークおよび隙間は、部分が冷却されているときに十分な補償を伴わないと、厚い区分における材料の局所化された縮小によって引き起こされる。
【0151】
特に、シンクマークは、典型的には、脚部または肋材の反対である、および/またはそれに隣り合う表面上に生じる。これは、不平衡な熱除去および/または類似する因子のため、生じる。発泡部分の外側上の材料が冷却および固化した後、コア材料が、冷却され始める。その縮小は、主壁の表面を内向きに引動し、シンクマークを引き起こす。表皮が、十分に剛性である場合、表皮の変形は、コアにおける隙間の形成によって置換され得る。
【0152】
従来の可撓性発泡体成型で直面するシンクマークおよび隙間の課題と異なり、機械構成および本システムパラメータは、これらの問題の遭遇を最小限にする、本開示の生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体を生産するように制御可能である。特に、本プロセスでは、SCFガスは、発泡プロセス内のポリマーマトリクスのセル構造を変調する、例えば、最大限にするような様式で制御される。特殊化発泡プロセスの本最大化は、最終発泡部分内にいかなる望ましくないシンクマークまたは隙間も存在しないことをより良好に確実にする。
【0153】
加えて、示されるように、本システムの有用な利益は、これが低費用の材料を利用し、生産された最終製品がより少ない反りを有することである。特に、上記に議論される理由のうちの多くから、本開示は、SCFガスが発泡プロセス内のポリマーマトリクスのセル構造を最大限にすることに関与するプロセスから利益を享受する。特殊化発泡プロセスの本最大化は、最終発泡部分内に反りが殆ど存在しないことを確実にする。
【0154】
本システムの別の利益は、これが公差を制御するように構成され得ることである。例えば、本システムは、厳密な公差の可撓性発泡射出成型を実施するために構成されてもよい。特に、本明細書に提示されるような厳密な公差の可撓性発泡射出成型が、円滑に協働し、製品に関する全体的により低い故障率に寄与する部分を生産するように採用されてもよい。
【0155】
製品が確実かつ意図されるように機能するために、その部分の全ては、ともに平滑に適合しなければならない。故に、本装置およびそれらの構成要素部分は、公差を厳密に制御するように設計されている。典型的には、これらの部分は、可能な限り最良の公差を伴って生産される。異なる範囲の許容可能な公差が、存在し、例えば、非常に厳密な公差は、±0.001インチである。時として、数千分の1インチであっても、適合する部分とそうではないものとの間の差異を意味し得る。
【0156】
その結果、設計段階において早期に厳密な公差を識別することが、有用である。これは、設計技術者が、発泡部分幾何学形状、全体的発泡部分サイズ、および発泡部分壁厚に関する要件を考慮しなければならないためであり、その全ては、公差制御に対して影響を及ぼし、その全ては、慎重に管理されない場合、シンクマーク、反り、および一貫しない部分公差を悪化させ得る。本システムおよび装置は、SCFガスが、発泡プロセス内のポリマーマトリクスのセル構造を最大限することに関与するため、依然として最良の設計慣例を使用しながら、これらの設計課題の大部分を克服する。同様に、本システムは、金型内でより迅速に冷却するように構成されてもよい。
【0157】
前述の結果として、シンクマーク、反り、公差における不一致は、大幅に低減される。これは、大部分において、発泡マトリクス内の均一に定寸され、均等に分布される微視的セルに起因する。故に、これらの利益を達成するために、微孔質発泡プロセスは、微細に制御されるべきである。例えば、示されるように、発泡が、メルトフロントに沿って生じるとき、前進は、成型面上にストリークおよびフローマークを導入し、それによって、欠陥を引き起こし得る。
【0158】
上記に加えて、これらの欠陥は、共射出および金型内装飾技術のうちの1つまたはそれを上回るものを採用することによって、本明細書でさらに最小限にされ得る。しかしながら、多くの事例では、これは、費用的に法外であり得る。それにもかかわらず、本システムは、本開示の付加価値が許容および理解され得る、高価な製品の機会を選択することによって、そのような費用的に法外な事例を克服する。
【0159】
いくつかの事例では、これが融液粘度および他の物理的性質の変化を引き起こし得るため、種々の事例では、SCF発泡に対する不利点が、存在し得ることに留意されたい。特に、SCFをポリマー融液の中に均一に拡散させるとき、単相溶液は、自由体積を増加させることによってポリマーの粘度を低減させることによって、可逆的な可塑剤として作用する。本効果はまた、ポリマーのガラス遷移温度およびその引張強度を低減させる。これは、不均一な気泡サイズにつながり得る。
【0160】
不均一な気泡サイズは、潜在的に、部分全体を通して一貫しない技術的性能性質を有する成型された発泡体部分の生産、および潜在的に望ましくない審美的問題にも同様につながる。これらは両方とも、大量生産の間に部分毎に同一の技術的性能性質を含有する、一貫して再現可能な生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体を生産することを試みるときに問題となる。本システムは、これらの困難を克服するように構成される。
【0161】
故に、上記に議論されるように、これらの不利点を克服し、微孔質発泡プロセスをより微細に制御するために、上記に議論されるガス対抗圧(GCP)が、採用される。上記に議論されるように、ガス対抗圧は、発泡部分が形成されるにつれて、ガス気泡が発泡材料の表面に接触し、それを突破しないように調整されるように、微細に制御される。これは、金型内の保持時間を制御しながら、溶融単相溶液が射出されると同時である、またはその周辺であり得る、対抗圧がGCPシステムによって金型空洞の中に印加されることによって達成される。金型温度および圧力もまた、これらの目的のために微細に制御されてもよい。
【0162】
いったん射出されると、不活性ガス気泡は、大きな力に曝され、したがって、溶融単相溶液は、形成される間、発泡構造の外側に閉じ込められた気泡を放出する機会を与えられない。同様に、単相溶液上に付与されている大きな力は、金型の内側の発泡構造内に数百万個の微小な気泡をより良好に分配し、かつ気泡サイズの一貫性を支援することに役立つ。結果は、部分の外側上に形成される審美的に平滑な表皮を伴う成型された発泡体部分および大量生産の間の部分毎の反復可能な技術的性能性質のための一貫した気泡サイズとなる。
【0163】
例えば、本システムは、融液射出段階において異なるガス圧力および/または温度を印加することによって等、GCPの導入が発泡プロセスを制御することを可能にするように構成されてもよい。その結果、GCPは、射出成型機械内に位置する金型空洞内の発泡プロセスの中に導入される。最初に、不活性ガスが、ガス圧縮機およびガスポンプによって、ガス制御弁を通して金型空洞の中に圧送される。ガス圧力センサが、リアルタイムデータをガス制御弁からコンピュータコントローラに戻るようにフィードする。
【0164】
本システムは、コンピュータシステム内で投与パラメータおよび保持時間を設定することによって、金型空洞の中へのGCP投与を開始する。コンピュータシステムは、次いで、金型空洞の中への不活性GCP発射の適切な投与を開始する。GCPの使用を伴わないと、バイオポリマー融液は、金型空洞に進入し、直ちに発泡し始め、表面を突破し、発泡体の外部上に望ましくないスワールマークを生成するガスの不均一な気泡を発生させ、これは、問題となる。
【0165】
同様に、射出速度が、スクリュー圧力(Pscrew)とガス圧力(Pgas)との間の差異によって決定され得る場合等、射出速度もまた、微細に制御されてもよい。具体的には、Pscrewが、Pgasよりもわずかに高く、両方のパラメータが、十分に高いとき、SCF溶解融液は、発泡することなく金型空洞の中に流動する。Pgasよりも高いPscrewおよび臨界圧力よりも低いPgasを設定することは、部分的発泡をもたらす。最後に、動的金型温度と組み合わせられる、Pscrew、Pgas、および圧力差の適切な選定は、気泡サイズのより精密な制御を可能にする。故に、これらのパラメータを微調整することによって、流動誘発ストリークは、完全に排除されないまでも、最小限にされることができる。
【0166】
具体的には、これらのパラメータは、部分的に、流動挙動の考慮によって決定されてもよい。例えば、一実施形態では、レオロジー(流動)が、異なる金型温度(185、195、および205℃)、射出速度(5、10、および15mm/秒スクリュー速度)、およびGCP(50、100、200、および300バール)下で、N2の0.4重量%SCFを用いて溶解されたポリマー融液の挙動を伴って生産された。そのような事例では、測定された剪断率は、3,000~11,000s-1範囲内であり、ガラス遷移温度Tgは、GCPが300バールであったとき、96℃から50℃に低減された。同様に、本事例では、従来の射出成型と比較して、融液粘度は、GCPが50バールから200バールに増加されたとき、約30%低下した。
【0167】
具体的には、GCPが、300バールであるとき、いかなる発泡も伴わない単相射出融液の粘度は、射出条件に応じて、50%も低減されることができる。これは、これが圧力要件および温度要件を低下させ、これが、それによって、製造費用、具体的には、エネルギー費用を低減させ、また、生産の間の発泡部分サイクル時間を低減させるため、有用である。その結果、これらのシステムパラメータは全て、より低い圧力および温度要件およびより少ないサイクル時間のため、さらなるエネルギー節約を提供し、これは、正しいバイオポリマー化合物を選択し、材料の機械的性質に適合するようにプロセス温度、圧力、および保持時間を調整することによって等、より多くの部分がより速く、より少ない金額で生産されることにつながる。
【0168】
加えて、示されるように、本機械およびシステムの重要な特徴は、それらがより均一であるように気泡サイズを制御するために構成され得ることである。上記に議論されるように、これは、部分的に、温度、圧力、SCF投与制御、GCP、DMTC、および上記に議論される他のパラメータを制御することによってもたらされてもよい。これらの属性の全ては、最適な最も均一な気泡サイズおよび発泡マトリクス内のそれらの最適な均質な分散を確実にするために、相応して機能する。さらに、表面品質は、メルトフロントに沿った流体のドリフトを制御することによって改良されてもよい。
【0169】
その名前が意味するように、メルトフロントは、溶融単相溶液が成型空洞に進入する点である。メルトフロント速度は、メルトフロント前進速度である。複雑な空洞幾何学形状を有する任意の金型に関して、空洞の一部は、他の面積よりも速く充填され得る。他のパラメータを制御することの中でもとりわけ、温度、圧力、およびSCF投与制御を制御することによって等、メルトフロント速度を制御することによって、より均一な金型空洞充填速度が、達成されることができ、これは、結果として生じる発泡体部分の表面品質が審美的に許容可能であり得ることを確実にする。
【0170】
故に、いったん単相溶液が生成されると、上記に説明されるような修正された射出成型機械は、射出の開始まで溶液を加圧状態において維持する。例えば、機械は、上記に示されるように、遮断ノズルおよびスクリュー位置制御の組み合わせられた努力を通してこれを達成するように構成されてもよい。特に、遮断ノズルは、可塑化バレル(往復スクリューを伴う)と金型との間の接続としての役割を果たすように構成されてもよい。そのような遮断ノズルは、自己制御される、または外部から制御されることができ、それらは、溶融発射の間の融液の垂れ落ちを回避し、したがって、減圧および金型の中への早期の発泡を防止するために使用されてもよい。
【0171】
その結果、遮断ノズルは、減圧および金型の中への早期の発泡を防止する。例えば、遮断ノズルを伴わないと、単相溶液は、金型空洞内に十分な圧力を有さず、所望の成型された発泡体部分は、生産されないであろう。同様に、能動的または受動的のいずれかのスクリュー位置制御が、スクリューの後方移動を通して減圧を防止するために採用されてもよい。
【0172】
特に、本システムは、スクリューの位置が、連続的に監視され、スクリューの後部に印加される圧力が、決定された位置設定点またはスクリューの後部上で保持される一定の圧力を維持するように調節される場合等、能動的スクリュー位置制御を実装するように構成されてもよい。例えば、受動的位置制御では、背圧を調整するために使用される油は、スクリュー回復の終了時にそのタンクに排出されることを防止される。本残留油は、単相溶液の圧力に起因して後方に移動しないようにスクリューを保つ。
【0173】
加えて、上記に示されるように、適切な金型設計は、単相溶液を維持することに役立つ。具体的には、それらの事例では、金型が、ホットランナシステムを含む場合、1つまたはそれを上回る弁ゲートが、含まれ、金型開放に応じて等、ノズルからの材料の後垂れを防止するように制御されてもよい。より具体的には、ホットランナシステムが、射出成型装置において本明細書で使用されてもよく、それらが、溶融プラスチックを機械のノズルから金型ツール空洞の中に移送するためにより効果的に使用され得るように、物理的に加熱される部分のシステムを含んでもよい。例えば、コールドランナが、これがノズルから出た後に溶融プラスチックを金型空洞の中に指向するために採用される、加熱されない物理的チャネルであり、ホットランナは、加熱される一方、コールドランナは、加熱されない場合等、「コールド」または「ホットランナ」が、使用されることができる。
【0174】
同様に、種々の事例では、本装置は、通常の動作の間にスプルーブッシュとの接触を遮断するように構成される、ノズル遮断器を含んでもよい。本構成は、スプルーブッシュ上に遮断を採用する、スタックまたはタンデム金型において有用である。特に、スプルーブッシュは、機械ノズルを受け取り、それによって、溶融バイオポリマー化合物が金型に進入することを可能にするように構成されてもよい。機械ノズルが、スプルーブッシュと接触しないように係脱される必要がある場合では、溶融バイオポリマー化合物は、スプルーブッシュから後方に垂れ落ち得、金型の減圧が、起こり得る。いずれの溶融垂れ落ち廃棄物も、生産費用を増加させ得、融液の次の発射に悪影響を及ぼし、さらには、金型の適切な閉鎖を妨害し得、これは、潜在的に、なおもさらなる問題を生じさせるであろう。
【0175】
これを克服するために、遮断を伴うスプルーブッシュを選択することが、採用されてもよい。そうでなければ、ホットランナからの圧力は、スプルーブッシュを通して軽減されるであろう。特に、スプルーブッシュが、遮断を要求するとき、遮断は、上記に言及される他の利益に加えて、蓄積された金型内圧力が逃散することを防止する。金型のいずれの減圧も、潜在的に、溶融部分の発泡を妨害し、結果として、所望の成型部分は、形成されないであろう。
【0176】
上記に示されるように、様々な発泡剤が、生分解性および産業的に堆肥化可能な微孔質発泡体の射出成型のために利用されてもよい。特定の事例では、これらの発泡剤は、不活性窒素ガスまたは二酸化炭素、または超臨界流体(SCF)状態に変換されることが可能な他のガス等の不活性ガスおよび/または希ガスを含んでもよい。本明細書に開示される装置、システム、およびそれらの使用の方法によると、SCFは、バレル内の溶融バイオポリマー融液の中に発泡剤を給送するため等、射出成型機械バレルに結合される、例えば、添着され得る、特別に設計されたコンピュータ制御インジェクタを通して等、機械類の中に、例えば、融液バレルに導入される、例えば、射出されてもよい。射出成型機械コントローラは、窒素または二酸化炭素または同等物にかかわらず、具体的SCFガス投与量をバイオポリマー融液の中に送達するようにプログラムされてもよく、その送達は、システムコントローラによって最適化されてもよい。
【0177】
その結果、前述のSCF発泡剤はそれぞれ、生産されている最終部分の技術的要件に応じて、その相応しい場所を有する。特に、示されるように、有用なSCFは、同一の圧力において窒素よりも高密度であるが、はるかに高い熱容量を有する、その超臨界状態における二酸化炭素である。実験は、超臨界状態における二酸化炭素が、あるクッション材用途において有用であり得る、高密度発泡体を生産することを示している。対照的に、超臨界窒素は、本開示の履物およびスポーツ用品用途のために有用である、より小さいセルを伴う低密度発泡部分を生産するために使用されることができる。
【0178】
故に、靴等の運動用品を生産するための有用な発泡剤は、これがSCF二酸化炭素よりもはるかに低い重量パーセンテージにおいて改良された重量低減および微細なセル構造を提供するため、SCF窒素ガスであるが、家具および自動車使用に関して、有用な発泡剤は、より大きいサイズおよび/または重量であるが、はるかに大きいセル構造を生産する、二酸化炭素である。具体的には、種々の事例では、発泡部分の強化された重量低減は、最少量の重量を要求する製品用途に関して有用な特性である。非限定的実施例として、ランニングシューズが、非常に軽量であり、繰り返しの酷使に耐えるための能力を実証する可撓性発泡体を含有することが、現在必要とされている。
【0179】
前述の実施例において微細なセル構造を伴う強化された重量低減をもたらすことによって、射出成型可撓性発泡体部分は、許容可能に軽量の靴を作製することによって、走者の効率を高めるためのその能力に関して依拠されるであろう。また、前述の発泡体の微細なセル構造は、走者が加速運動の間に靴の発泡部分上に圧力および衝撃を絶えず印加することから生じる、繰り返しの衝撃力に対処することが可能であろう構成要素部分を有する、非常に耐久性のあるランニングシューズを確実にするであろう。
【0180】
実際に、SCF窒素レベルは、典型的には、匹敵する部分を達成するために要求されるSCF二酸化炭素レベルよりも少なくとも75パーセント低いであろう。そのため、SCF二酸化炭素と比較されるときに大幅に低減されたSCF窒素レベル要件は、靴構成要素を作製する際に採用されるような本開示の生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体を大量生産するとき、最適な材料節約および時間節約を確実にする。しかしながら、SCF二酸化炭素は、粘度低減が主要な処理目標であるとき、および/または用途がSCF窒素のより攻撃的な発泡作用を許容することができないとき等、様々な特定の状況において有用な発泡剤である。
【0181】
ある事例では、SCF二酸化炭素は、特に、半可撓性発泡体において好適な発泡剤である。可撓性および半可撓性の両方の発泡体は、それらが両方とも、通常、室温である、それらの使用温度を下回るガラス遷移(Tg)を伴うポリマーに由来するため、可撓性発泡体の同一のカテゴリ下に含まれることができる。物理的発泡剤を用いた物理的発泡プロセスの間、ガラス遷移における下降が、見られる。窒素および二酸化炭素発泡剤の有効性におけるこれらの差異は、バイオポリマー融液におけるそれらの挙動に起因する。
【0182】
例えば、31.1℃および72.2バールにおいてSCF流体になる二酸化炭素は、-147℃および34バールにおいて超臨界流体になる窒素よりもバイオポリマー中で4~5倍可溶性である。例えば、未充填のバイオポリマーにおける飽和点は、温度および圧力条件に応じて、窒素の約1.5~2重量パーセントである一方、二酸化炭素の飽和レベルは、8重量パーセントにより近い。二酸化炭素はまた、バイオポリマー中でより高い移動性を呈し、これが窒素よりも既存の気泡の中にさらに移動することを可能にする。セル核形成の観点から、より高い可溶性および移動性は、より少ないセルが核形成され、ここでは核形成するものがより大きくなる傾向があるであろうことを意味する。
【0183】
しかしながら、可溶性は、目標が粘度低減であるときに利点になる。バイオポリマー中に溶解されるSCFは、可塑剤として作用し、バイオポリマーの粘度を低減させる。粘度低減は、部分的に、バイオポリマーに添加されるSCFの量の関数であり、二酸化炭素は、窒素よりも高い可溶性限界を有するため、二酸化炭素を用いて粘度を低減させるための能力は、より高い。二酸化炭素はまた、部分を生産するために必要とされる窒素の量が、非常に少なく、一貫して部分を処理することが可能ではないときに有用である。
【0184】
二酸化炭素は、はるかに攻撃的ではない発泡剤であるため、低レベルの二酸化炭素を流すことが、より容易である場合がある。例えば、0.05パーセント未満における非常に低レベルの窒素と比較して、0.15または0.2パーセントの二酸化炭素である。前述の実施例に示されるような事例は、主として、軟質の材料および厚い断面を伴う部分とともに生じる。故に、物理的発泡剤は、これがSCF窒素またはSCF二酸化炭素または他のSCFであれ、最終発泡部分およびそれらを含有するであろう最終的な製品において有用な役割を果たす。
【0185】
第1に、適合するバイオポリマーまたはバイオポリマー化合物および関連付けられるSCFガスの適切な組み合わせを選択することが、有用である。第2に、最適な投与重量および圧力を用いてSCFガスを適切に利用することが、単相溶液内の最大飽和を確実にし、発泡マトリクス内に数百万個の均一な気泡を生産するための核の最適な発生を確実にするために重大である。加えて、最終結果である、均質に形成された射出成型可撓性発泡部分は、SCFおよびGCPガス投与プロセスの全ての側面が、上記に解説されるように、商業的に許容可能な成型された発泡部分を達成するために、射出成型機械温度、圧力、および保持時間とともに相互依存的に機能することに依拠する。
【0186】
示されるように、一側面では、開放セルまたは閉鎖セルにかかわらず、生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体を製造するプロセスが、提供される。種々の事例では、製造プロセスは、以下のステップのうちの1つまたはそれを上回るものを含む。最初に、熱可塑性バイオポリマーが、発泡のためのマスターバッチの中に配合されてもよい。非限定的実施例として、参照されるマスターバッチは、2つまたはそれを上回るバイオポリマー、充填剤、および/または添加剤が、押出バレル内等の単一のポリマー融液の中に均質に配合され得る、二軸押出機によって生産されてもよい。溶融バイオポリマー配合物は、次いで、ストランド押出され、冷却され、マスターバッチと呼ばれる細粒にペレット化され、これは、次いで、上記に説明されるように処理されてもよい。好適なバイオポリマー、バイオプラスチック、充填剤、添加剤、および着色剤の任意の組み合わせが、マスターバッチ生産に組み込まれてもよい。故に、いったん生産されると、熱可塑性バイオポリマー配合物は、不活性窒素または二酸化炭素ガス等のSCFを用いて好適な金型形状に射出成型されてもよい。
【0187】
上記に説明されるように、本射出成型は、製品金型の中に溶融材料を射出することによって部分を生産するための製造プロセスにおいて採用されてもよい。本開示では、好適なバイオポリマーまたはバイオポリマー配合化合物が、粒状形態において等、選択される。前述の細粒は、いかなる潜在的な水分も除去されることを確実にするために、補助ペレット乾燥器において事前乾燥されてもよい。事前乾燥されたペレットは、次いで、射出成型機械ホッパの中に導入されてもよい。オペレータは、次いで、射出成型機械の最適なバレル温度、ノズル温度、および金型温度を選択し、コンピュータ制御によってこれらの値を入力する。
【0188】
さらに、最適なSCFガス投与パーセンテージおよび圧力および最適なGCPガス投与および圧力が、スケーリングされてもよく、これらの値は、例えば、動的に、システム制御ユニットに入力される、または別様にそれによって決定されてもよい。いったん本システムが適切に構成されると、射出成型機械は、動作できる状態となる。細粒は、コンピュータ制御によって規定される量において射出成型機械のスクリューおよびバレルの中に放出されてもよく、そこで、それらは、具体的温度または温度のセットにおいて融解される。
【0189】
SCFガスは、制御された圧力および投与サイズ下で、コンピュータ制御によってSCFインジェクタを通して射出成型機械バレルの中に導入される。SCFは、ここでは溶融された細粒を飽和させ、単相溶液が、発生される。次いで、適切な背圧およびスクリュー位置付けを用いて、射出成型機械は、単相溶液の測定された発射を動的に温度制御された金型空洞の中に送る。融液内で核成長を被り、数百万個の微孔質気泡が、バイオポリマー融液内に形成される。実質的に同時に、GCPシステムは、コンピュータ制御によって事前計量された投与量の対抗圧ガスを金型の中に送り、これは、セルの均一性を最適化し、最適な審美的外観のために表面テクスチャを調整する。動的に温度制御された金型温度は、次いで、水冷に切り替えられてもよく、気泡の形成および融液の拡張は、停止する。この時点で、可撓性発泡体成型部分が、ここで形成され、これは、金型から排出される。
【0190】
特に、上記に示されるように、本システムは、最適なセル構造を生産するために使用され得る、動的金型温度制御を実装するように構成されてもよい。例えば、説明されるように、動的金型温度制御(DMTC)は、急速な電気ロッド加熱および急速な水冷を実装する。より具体的には、本明細書に採用されるDMTC手順は、以下の5つの主要な構成要素、すなわち、空気圧縮機、弁交換デバイス、コンピュータ制御金型温度制御ユニット、電気的に加熱される金型、および冷却塔のうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。冷却塔は、冷却動作の実施のために、金型に水冷を提供するように構成される一方、好適に構成された空気圧縮機は、冷却後に金型に進入しないようにいずれの残留冷却水も排除するように、空気圧弁を通してガスを駆動するための圧縮空気を発生させる。1つまたはそれを上回る弁交換デバイスは、高温および低温熱サイクリングのため等、異なる媒体を種々の機械パイプラインから金型に移送するために弁を切り替えるように構成および採用されてもよい。電気的に制御される加熱要素が、含まれ、発泡部分の最終形状を成型するために構成されてもよい。ともに、給水塔および加熱要素は、金型の加熱および冷却が、成型プロセスの実施において急速に加熱および/または冷却され得るように、金型温度を微細に制御するように機能してもよい。
【0191】
これは全て、好適に構成されるコンピュータプロセッサによって射出成型機械と協調される。例えば、本発明のDMTCシステムの冷却水温度制御の非限定的実施例は、15℃~30℃であってもよく、DMTCシステムの加熱要素温度範囲のさらなる非限定的実施例は、60℃~150℃に及んでもよく、90℃~130℃の範囲内であってもよく、その間の任意の温度であってもよい。これらのように、バイオポリマー融液、圧力、および時間は、望ましい可撓性発泡体が形成されるように制御されてもよい。
【0192】
特に、本開示の射出成型プロセスの間、SCFが、ポリマー融液の中に射出される。単相のポリマー-SCF混合溶液が、射出成型機械スクリューおよびバレル内で明確な温度および圧力下で取得される。温度および圧力は、コンピュータ制御によって可変的に制御可能であり、生産されている可撓性発泡体のタイプおよび最終製品用途のタイプに直接関連し得る。適切な発射サイズ、発射保持時間、融液温度、および金型温度と相応して、様々なスクリュー含有SCF単相溶液圧力およびGCP圧力を印加することによって、それによって高品質かつ商業的に許容可能な生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体部分が、最少量の審美的欠陥を伴い、発泡部分の外側上にプラスチック表皮を殆どまたは全く伴わない最適な発泡体構造を確実にするように、射出成型プロセスにおいてガス対抗圧を利用することによって等、生産され得る、全体的システムが、生成される。
【0193】
示されるように、本明細書に開示されるデバイス、システム、およびそれらの方法に従って生産される製品の有用な利益は、それらが、家庭用または産業用堆肥化プロトコルにおいて等、生分解性および/または堆肥化可能であり得ることである。特に、産業用堆肥化形態において分解されるために構成される商品を生産することは、これが完成品内で使用途中に故障しない、または壊れないような様式でこれを機能化することによって等、可撓性発泡体が結果として生じる製品の使用可能寿命を持続させるであろうことを確実にする。例えば、本開示の可撓性発泡体から作製された家具、靴の対、または他の運動用品を購入し、製品使用可能寿命の終わりの前の通常の使用の間に発泡体が劣化することになることは、人物にとって損となるであろう。
【0194】
より具体的には、本開示は、不活性物理的発泡剤および生分解性および産業的に堆肥化可能なバイオポリマーまたはバイオポリマー化合物の使用から利益を享受する。これらの2つの側面は、特殊化可撓性発泡体射出成型システム内で機能化される単相溶液を形成するためにまとめられる。結果は、多数のタイプの最終製品における使用のための生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体であり、その非限定的実施例は、靴を作製する際の使用のための履物発泡体である。結果として生じる可撓性発泡体は、架橋されず、化学物質がなく、環境的に無害である。
【0195】
生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体の寿命の終わりに、これは、廃棄物転換を通して適切な産業用堆肥化施設に再指向されることができ、それによって、発泡体は、粉砕され、使用可能なバイオマスに産業的に堆肥化される。最終結果は、それによっていわゆる循環経済の側面が遵守されるシステムを生産する。本開示の可撓性発泡体は、「土から土へ」として始まり、終わり、自然の生物学的プロセスが、最少量の環境影響を伴って人間の使用のための材料および製品を作製するために適合されていることを意味する。これらの可撓性発泡体は、それらの使用可能寿命の間の技術的性能性質またはそれらの環境に配慮した設計のいずれに関しても妥協しない。
【0196】
本明細書で上記に議論されるように、本明細書のデバイス、システム、およびそれらの使用の方法は、履物、座席、自動車、保護用具、および/またはスポーツ用具における使用のための構成要素のため等、1つまたはそれを上回る成型された最終製品を生産する目的のために採用されてもよい。故に、種々の実施形態では、本明細書に提供されるものは、ソールが、靴の基部を形成し、地面と接触するために構成され、ミッドソールが、中間構造的およびクッション要素を形成し、インソールが、靴内に挿入されるために構成され、それによって、クッション性および/または支持を靴に提供する場合等、そのソール、ミッドソール、および/またはインソール等の靴の構築において有用な1つまたはそれを上回る構成要素である。
【0197】
ある実施形態では、靴構成要素は、環境に優しく、生分解性であり、堆肥化可能であり得る、本明細書で生産される発泡体材料を含んでもよい。種々の事例では、各個々の構成要素は、クッション層の場合等、基部層およびクッション層を含む、複数の層から成ってもよい。例えば、特定の実施形態では、基部層に結合されている支持部材等の支持部材が、含まれてもよく、構成要素がインソールである場合、アーチ接触または踵接触部分のうちの1つまたはそれを上回るものにおいて含まれてもよい。
【0198】
特に、種々の実施形態では、発泡体材料が、クッション、クッション付き家具、そのインソール等の靴構成要素、マット、繊維、織布、および同等物の生産において使用され得る場合等、発泡材料が、生産されてもよい。他の有用な製品は、シリコーンコーキング等のコーキング、シリコーン医療用手袋、薬物送達システムのためのシリコーン管類、シリコーン接着剤、シリコーン潤滑剤、シリコーン塗料、および他の好適なシリコーン製品、例えば、コンドームを含んでもよい。種々の実施形態では、発泡体製品は、発泡材料が、1つまたはそれを上回る抗菌性、抗細菌性、抗真菌性、抗ウイルス性、および/または耐炎性性質を有し得る様式で生産されてもよい。
【0199】
より具体的には、一側面では、本開示は、概して、例えば、生分解性および/または堆肥化可能である発泡体を含む、または別様にそれから成る家具等、布張り家具および/またはそのクッション等の家具の製造のためのプロセスを対象としてもよい。したがって、本開示の発泡体は、そのような生産された発泡体挿入物を含む家具の製造における使用に関して有利である。生産および採用される樹脂および発泡体は、枕、長椅子、ベッド、座席クッションのため、または他の布張り家具、および同等物のため等のクッション材料としての使用に関して有利であることが証明されている。
【0200】
例えば、本明細書で上記に開示される方法によると、発泡体の小型から大型のブロックの金型が、家具または自動車付属品構成要素における使用のため等の発泡体挿入物を形成するため等、生産されることができる。ブロック発泡体は、次いで、生産されている家具のタイプおよび形態に基づいて、所望のサイズおよび形状のより小さいブロックに切断されてもよい。具体的には、定寸および切断されたブロックは、次いで、家具または自動車フレームまたは他の境界材料に適用され、または別様にその中に嵌合されてもよく、これはともに、これが枕、ソファ、クッション、例えば、ソファまたは自動車クッション、または同等物であるかどうかにかかわらず、最終家具製品を生産するために被覆されてもよい。加えて、所望される場合、外側ケーシングまたは境界材料が、ステープル留めおよび/または鋲留めによって等、フレーム材料に取り付けられる、または別様にファブリックまたは他の材料を用いて布張りおよび被覆されるべき物品のフレームに締結されてもよい。
【0201】
故に、種々の実施形態では、長椅子または自動車座席等の布張り家具を製造するとき、フレームが、生産されてもよい。ばねまたは同等物等、家具の種々の内部、例えば、構造的構成要素が、フレーム内に配設されてもよく、次いで、本明細書で上記に開示される方法に従って生産される、発泡シートが、クッション性および/または断熱のため等、ばねにおいて、それにわたって、かつその周囲に位置付けられてもよい。当然ながら、綿、ウール、フェルト、ゴムベースの製品、および同等物の層等の他の材料が、含まれてもよく、カバー材料が、次いで、フレームを被覆し、製品製造を完成させるように追加されてもよい。
【0202】
具体的には、本発泡体は、本明細書に開示される他の材料とともに、カバー材料がフレームにわたって延伸されるにつれて、カバーの下に成形され、調節され、詰め込まれ得る、詰め物または充填材として機能してもよい。加えて、示されるように、種々の事例では、本明細書で生産される発泡体製品は、いくつかの理由から、上記の当技術分野で公知のものにおいて有用であり、とりわけ重要なのは、典型的なPUおよび/またはEVA発泡体が、いかなる様式でも生分解性ではない一方、本明細書で生産される発泡体の構成要素が、生分解性であるという事実である。したがって、種々の実施形態では、開放フレーム上に家具を構築する方法が、提供される。例えば、一事例では、本方法は、以下のステップのうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。
【0203】
特に、本方法は、後部フレーム部分が、実質的に垂直に延在され、座席部分が、座席部分が垂直部分を横断するような様式で、相互に対して実質的に水平に延在する場合等、フレームであって、後部を画定する、フレーム、複数の側壁、および座席部分を提供するステップを含んでもよい。本方法はさらに、発泡体の平坦シートを適切なサイズおよび形状に切断し、後部および座席および/または側壁部分のための詰め物を提供するステップと、平坦カバー材料を適切なサイズおよび形状に切断し、後部、座席、および/または側壁部分を完成させるステップと、発泡体シートおよびカバー材料をともに離間された位置に取り付け、発泡体を圧縮し、その外面において輪郭形成される所定の設計を形成し、略平坦なサブアセンブリを形成するステップであって、発泡体シートおよびカバー材料は、取付の位置の中間で自由に相対移動する、ステップと、サブアセンブリを成形し、フレームに取り付けるステップとを含んでもよい。発泡体クッションまたはクッション付き物品のためのカバーは、織成ウールファブリック、織成ナイロンファブリック、または他の種々の合成繊維から織成されるファブリック、および皮革および同等物等の材料等、家具を布張りし、装飾用枕および同等物を被覆する際に通常使用される、任意の好適な被覆材料であり得る。
【0204】
さらに、別の側面では、本開示は、概して、発泡体、例えば、堆肥化可能発泡体を含む、または別様にそれから成る靴構成要素等、靴のソール、ミッドソール、および/またはインソール等の靴構成要素の製造のためのプロセスを対象とする。具体的には、特定の実施形態では、ソール、ミッドソール、インソール、および/または他の靴挿入物を作製するための方法が、提供される。例えば、本靴挿入物は、走るまたは歩く間、表面、例えば、地面に衝突する足の衝撃を低減させ、それによって、足への衝撃力を吸収および/または減衰するように構成され得る、靴、例えば、ランニングシューズまたはスニーカー内に挿入または別様に嵌合されるように適合される、クッションデバイスの形態であってもよい。
【0205】
特に、ミッドソールおよび挿入物を含む、靴ソール構成要素は、1つまたは多数の層を含んでもよい。例えば、いくつかの事例では、基部層、発泡体層、および/またはファブリック層が、提供されてもよい。具体的には、比較的に弾力性の材料の基部層、および/または、例えば、基部層にわたって配置される、発泡体層、および/または発泡体層にわたって配置される、ファブリック層が、含まれてもよい。故に、本方法は、基部層、発泡体層、およびファブリックを三重積層シートに一体的に形成するステップを含んでもよい。種々の事例では、支持層が、少なくとも踵面積に配置されてもよく、その支持層は、積層物のものよりも高い密度のもの等の剛性材料から構築されてもよい。接着剤、糊、または他の取付機構が、三重積層物を支持層に取り付け、形成するために提供および採用されてもよい。
【0206】
より具体的には、他の事例では、挿入物等の靴構成要素を作製するための方法は、発泡体層を提供するステップおよび/またはファブリック層を提供するステップと、発泡体層を加熱するステップと、発泡体およびファブリック層を継合するステップと、基部層、例えば、発泡体層と同一である、それを上回る、またはそれを下回る密度である密度を有する基部層を提供するステップと、二重または三重積層物を形成するように、基部層を発泡体層と結合するように、基部層および発泡体層のうちの少なくとも1つを加熱するステップとを含んでもよい。
【0207】
本方法はさらに、アーチ支持および/または踵部材等の事前形成された支持部材を提供するステップを含んでもよく、その部材は、発泡体層の密度と実質的に同一である、またはそれを下回る、またはそれを上回る密度を有してもよい。特定の事例では、支持部材は、発泡体層のものと比較してより高い密度、したがって、より高い剛性を取得するように、圧縮発泡体材料から形成されてもよい。加えて、熱および/または圧力再活性化可能接着剤が、支持および/または踵部材と積層物との間に適用されてもよい。成型圧力が、次いで、一体型ワンピース靴挿入物を形成するように、支持および/または踵部材の中への三重積層物の形成および/または成形を引き起こすように、組成物に印加され、事前形成された踵部材は、後部部分を形成し、および/または支持部材は、例えば、その中間および/または踵面積において、完成された靴挿入物の底面の中間部分を形成し、基部層は、その前方面積において完成された靴挿入物の底面を形成してもよい。
【0208】
しかしながら、支持および/または踵部材が、含まれる必要はなく、いくつかの事例では、積層物構成要素のうちの1つまたはそれを上回るものが、排除される、または他の積層物層が、追加され得ることに留意されたい。さらに、ある実施形態では、発泡体層が、基部層よりも可撓性および/またはクッション性であり、例えば、より高いデュロメータ硬さを有し得、これが、順に、支持部材よりも可撓性および/またはクッション性であり、例えば、より高いデュロメータ硬さを有し得ることに留意されたい。したがって、より可撓性の発泡体および基部層は、比較的に弾力性であり、形状において所望の靴サイズおよび構成に共形化し得る一方、支持層は、比較的により剛性であり得る。
【0209】
特に、示されるように、発泡体層および/または支持層のうちの1つまたはそれを上回るものは、本明細書に開示される生分解性および/または環境に優しい発泡体材料から構築されてもよい。具体的には、支持層は、より高密度の発泡体であり、したがって、支持層をより剛性にしてもよい。したがって、種々の実施形態では、発泡体層は、約4~6ポンド/立方フィートの範囲内の密度等、約2または約3または約5~約10ポンド/立方フィートまたはそれを上回る密度を有してもよい。加えて、発泡体層は、約3/32インチ~5/32インチの厚さの範囲内等、1/8インチ+または-5%の厚さを有してもよい。
【0210】
同様に、基部層もまた、約4~6ポンド/立方フィートの範囲内の密度等、約2または約3または約5~約10ポンド/立方フィートまたはそれを上回る密度を有してもよい。基部層の厚さは、おおよそで約5/16インチ+または-10%であってもよい。しかしながら、種々の事例では、基部層の厚さは、厚さにおいて約1/4インチまたはそれを下回るもの~約7/16インチに及んでもよい。支持層に関して、これは、主として、挿入物のアーチおよび/または踵面積において形成されてもよく、これもまた、本明細書に開示される生分解性および/または堆肥化可能発泡体から作製されてもよい。
【0211】
しかしながら、支持層は、最終密度がおおよそで22~23ポンド/立方フィートであるように圧縮されることによって作製されてもよい。ファブリック層は、任意の好適な材料、例えば、綿、ポリエステル、またはポリプロピレン編物から構築されてもよい。種々の事例では、材料および発泡体層は、発泡体層に指向される直火を採用する、火炎積層技法によってともに積層されてもよい。直火は、表面上に十分な熱を発生させ、平坦シート発泡体層の融解を引き起こす。いったん融解されると、ファブリック層は、それと継合され得、2つのともに挟装された層は、2つの層がともに継合されるように、十分な圧力がローラの間に印加される間に、冷やされたローラの間で延ばされてもよい。
【0212】
プロセスのこの時点で、これらの層は、依然として、平坦シート形態において維持される。これらの統合された層は、次いで、同様に火炎積層によって、次に基部層に継合されてもよい。以前に統合された材料および発泡体層は、支持層に継合されてもよく、これらの多積層層は、次いで、冷やされたローラの間で延ばされてもよい。プロセスの本段階で、これらの層は、依然として、平坦シート形態である。このようにこの点まで積層された層は、次いで、成型できる状態となる。これは、約1~約5分またはそれを上回るもの、例えば、約225秒の期間にわたって等、約250°Fの成型温度まで積層された層を加熱することによって実施されてもよい。これは、以前に積層された層を十分に加熱し、それらが金型の中に挿入されることを可能にする。
【0213】
以下は、添付された図を参照する、本開示の種々の実装の説明である。故に、一側面では、履物構成要素が、提供される。特に、
図1に図示されるように、本開示の実施形態は、履物構成要素、すなわち、生分解性および産業的に堆肥化可能な熱可塑性バイオポリマー配合物102から作製される、微孔質可撓性発泡体靴ミッドソール100である。
【0214】
具体的には、生分解性および産業的に堆肥化可能な射出成型微孔質可撓性発泡体靴ミッドソールは、熱可塑性バイオポリマーを含む等、バイオポリマーおよびバイオポリマー配合物のうちの1つまたはそれを上回るものから作製される。特に、生分解性および産業的に堆肥化可能な射出成型微孔質可撓性発泡体を製造するために使用される熱可塑性バイオポリマーまたはバイオポリマー配合物は、随意に、任意の数の脂肪族および脂肪族-芳香族コポリエステルまたは同等物から生成されることができる。
【0215】
バイオポリマーまたはバイオポリマー配合物を生産する際の使用を見出す好適なバイオポリマーの非限定的実施例は、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、および熱可塑性デンプン(TPS)から成る。加えて、ハイブリッドバイオポリマー配合物が、生分解性および産業的に堆肥化可能な射出成型微孔質可撓性発泡体の製造において利用されてもよい。ハイブリッドバイオポリマー配合物の非限定的実施例は、藻類含有ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)から成る。
【0216】
提供される実施例では、ハイブリッドバイオポリマーの藻類部分は、乾燥された粉末形態における藻類の任意の好適な種から成る。好適な藻類種のいくつかの非限定的実施例は、藍藻類、緑藻類、紅藻類、褐藻類、および珪藻類、およびそれらの組み合わせを含む。前述の乾燥された藻類粉末は、藻類粉末がPBATのポリマー鎖に変性するように、PBATバイオポリマーとともに標準的な機器上で二軸押出されることができる。これは、それによって、本開示の生分解性および産業的に堆肥化可能な射出成型微孔質可撓性発泡体の製造における使用のためのハイブリッドバイオポリマーを形成する。
【0217】
生産された発泡体製品は、いくつかの以下の成分、すなわち、充填剤粉末および/または1つまたはそれを上回る添加剤を含む、または別様にそれを組み込んでもよい。特に、用途に応じて、添加剤が、バイオポリマー調合において同様に利用されてもよい。例えば、オリゴマーポリ(アスパラギン酸-コ-ラクチド)(PAL)が、随意に、生分解を加速させるためにマスターバッチの中に混ぜ合わせられてもよい。加えて、霰石からの沈降炭酸カルシウム、デンプン、または同等物等の充填剤が、完成された可撓性発泡体の再生可能かつ生分解性の完全性を維持しながら、部分費用を低減させるために利用されてもよい。
【0218】
さらに、バイオポリマー調合における使用のための付加的添加剤が、以下のうちの1つまたはそれを上回るものから成ってもよい。微細層状タルクまたは高縦横比の魚卵状霰石等の核形成剤が、含まれてもよい。そのような核形成剤は、他の有益に強化される属性の中でもとりわけ、セルの合体を防止し、かさ密度を低下させ、反発弾性を改良することによって、結果として生じる可撓性発泡体の重要となる性質を大幅に改良することができる。生分解性および産業的に堆肥化可能な射出成型微孔質可撓性発泡体を生産する際の使用のための核形成剤のいくつかの非限定的実施例は、Imerys Talc America Inc.(Houston, Texas)によってMistrocell(登録商標)として市販される微細層状タルクおよびCalcean Minerals & Materials LLC(Gadsden, Alabama)によってOceanCal(登録商標)として市販される高縦横比の魚卵状霰石である。
【0219】
着色剤、染料、および顔料もまた、含まれてもよい。例えば、染料、顔料、または生物顔料等の種々の着色剤が、随意に、本発明のバイオポリマー調合において使用されてもよい。いくつかの非限定的実施例は、Treffert GmBH & Co. KG(Bingen am Rhein, Germany)によってもたらされる広範囲またはHolland Colours Americas Inc.(Richmond, Indiana)によってもたらされるもの等のバイオポリマー使用のためにオーダーメイドされた植物起源の天然顔料である。
【0220】
所望の物理的性質および、これが仕事、娯楽、水中使用、または同等物のためのものであれ、靴ミッドソール100の意図される最終使用に応じて採用され得る、いくつかの構成および実施形態が、存在し、これは、これらの実施例によって限定されるべきではない。
【0221】
本システムの好適なデバイスが、
図2に例示され得、本明細書で上記に開示されるような発泡体材料の生産において採用されてもよい。例えば、使用時、バイオポリマーマスターバッチ202が、任意の好適な射出成型機械206のホッパ204の中に給送される。バイオポリマーマスターバッチは、射出成型機械スクリュー208を通して輸送される間に加熱によって液化される。窒素またはCO
2ガス210が、バイオポリマー融液の中に射出され、混合される(212)。さらに、バイオポリマー-ガス混合物が、圧力下にあり、射出成型ツール214の中に射出される。バイオポリマー-ガス射出と相応して、ガス対抗圧システム216が、ある投与量の計量された窒素またはCO
2ガス218をガス制御弁220を介して加圧成型ツールの中に送る。
【0222】
その直後、動的金型温度制御システム(DMTC)222は、成型ツール214の内側の温度を制御および調節している。成型ツール214は、次いで、十分に冷却され、結果として生じる生分解性および産業的に堆肥化可能な射出成型微孔質可撓性発泡部分は、射出成型機械から排出される。
【0223】
図3は、生分解性および産業的に堆肥化可能な射出成型微孔質可撓性発泡体を生産する方法300を図示するためのフローチャートを提供する。302において、バイオポリマー混合物が、選択され、304において、混合物は、材料ホッパを通して射出成型機械の中に引き込まれる。306において、バイオポリマー混合物は、射出成型機械スクリューを通して輸送される間に液化および均質化される。308において、窒素またはCO
2ガスが、バイオポリマー融液の中に射出される。310において、バイオポリマー-ガス混合物は、圧力下にあり、射出成型ツールの中に射出される。312において、射出成型ツール温度は、最適なセル構造を確実にするために動的に制御される。314において、最適な投与量のガス対抗圧が、表皮厚を殆ど伴わない理想的な発泡体構造を確実にするために、十分な時間量にわたって射出成型ツールに印加される。316において、射出成型ツールは、十分に冷却され、結果として生じる成型された発泡体部分が、射出成型機械から排出される。
【0224】
いくつかの実装では、本明細書の開示に限定を与えることなく、生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体製造プロセスは、下記に概説されるステップを含む。プロセス設定手順は、単相溶液をもたらすスクリュー速度、温度、および圧力条件下で射出バレルの中への制御されたSCF投与を確立することを中心に展開される。
【0225】
SCF投与の基本的条件が満たされることを確実にするために、主として、SCF送達圧力を調節するための7つのプロセス設定点が、存在し、スクリュー回転の間にそれに対してSCFが投与されるバイオプラスチック圧力を設定する。これは、スクリュー回復の間の具体的バイオポリマー背圧と、また、スクリューアイドルの間のスクリュー位置制御との両方を指す。非限定的実施例として、バイオポリマー送達のための圧力設定点は、2,000psi~3,000psiの範囲内、より好ましくは、2,700psi~2,800psiの範囲内であり得る。本設定点は、SCF投与が開始されるスクリュー位置を設定し、これは、次いで、SCFインジェクタを開位置または閉位置に設定することができる。位置は、スクリュー回復の間のバレル内の圧力が、投与の開始に先立って安定した状態になっているように設定されるべきである。非限定的実施例として、開位置は、0.3~0.4インチの範囲内であり得る。
【0226】
発射サイズおよびSCFのパーセンテージもまた、制御されてもよい。これは、各サイクルの間に投与されるSCFの実際の質量を制御する。非限定的実施例として、発射サイズは、100グラム~300グラムの範囲内、より好ましくは、200グラムであり得る。SCFパーセントの非限定的実施例は、0.45%~0.75%の範囲内、より好ましくは、0.5%であり得る。本システムはまた、投与を最適化するために構成されてもよい。これは、投与時間を最大限にし、流率(事前計量圧力と送達圧力との間の圧力差)を最小限にすることによって遂行される。投与時間の非限定的実施例は、1~2秒、より好ましくは、1.7秒である。
【0227】
動的金型温度制御(DTC)もまた、実装されてもよい。これは、射出充填段階の間に金型温度の迅速な変更および制御を伴い、それによって、高温および低温熱サイクリングの両方の観点から、金型温度を動的に制御するプロセスである。融液射出の前に、金型は、最初に、事前設定された上限まで加熱される。融液充填段階の間、金型空洞表面の温度は、融液が早期に固化することを防止するために、上限よりも高く保たれる。
【0228】
融液充填プロセスが終了されると、金型は、部分が金型空洞から外に排出される温度である、排出温度として公知の下限まで迅速に冷却される。本開示の最適な金型温度範囲の非限定的実施例は、1秒あたり1℃~1秒あたり15℃、より好ましくは、1秒あたり11℃の冷却速度を伴う40℃~150℃である。本発明の金型冷却時間の非限定的実施例は、80秒~100秒である。
【0229】
同様に、ガス対抗圧(GCP)もまた、制御されてもよい。これは、融液内のガスの拡張に対抗するために、窒素ガスを射出される加圧金型空洞を含むプロセスである。対抗圧が、解放されるにつれて、従来、表面を突破するであろうガス気泡は、内側に閉じ込められ、平滑な表皮を生成する。GCPは、表面品質、発泡体構造、および表皮厚を通して発泡を制御する。本発明のガス対抗圧の非限定的実施例は、1秒~25秒、より好ましくは、5秒の保持時間を伴う0バール/10バール/30バール/50バールである。本発明の平均微孔質セル直径の非限定的実施例は、1マイクロメートル~100マイクロメートル、より好ましくは、40マイクロメートルのマイクロメートル(μm)単位で測定されることができる。
【0230】
上記を考慮して、いくつかの実装では、好適な熱可塑性バイオポリマー配合物が、生産される。いったん熱可塑性配合物が生産されると、熱可塑性バイオポリマー配合物は、窒素ガス等の不活性ガスの添加を用いて等、好適な金型形状に射出成型されてもよい。加えて、圧力も、同様に微細に制御されてもよい。
【0231】
例えば、射出成型プロセスにおいてガス対抗圧を利用するステップが、実装されてもよい。これはまた、金型形状に基づいて、多数の最終使用を有し得る発泡製品を作製する際に重要である、最少量の審美的欠陥を伴い、発泡部分の外側上にプラスチック表皮を殆どまたは全く伴わない最適な発泡体構造をさらに確実にするために有用である。成型プロセスは、動的金型温度制御の実装を含んでもよい。例えば、種々の実施形態では、成型プロセスの温度を動的に制御することは、最適なセル構造を達成するために有用である。制御され得る成型プロセスの他の要素は、望ましい可撓性発泡体が形成されるように、バイオポリマー融液、圧力、および時間を制御することを含む。
【0232】
故に、上記を考慮して、本開示は、例えば、履物構成要素、座席構成要素、保護用具構成要素、および水上スポーツ付属品における使用のための生分解性および産業的に堆肥化可能な生物由来の熱可塑性樹脂からの種々の可撓性発泡体組成物の射出成型微孔質発泡のためのプロセスに関する。
【0233】
生分解性および産業的に堆肥化可能な微孔質可撓性発泡体構造を生成するステップは、脂肪族および脂肪族-芳香族コポリエステル起源のもの等の好適なバイオポリマーまたはバイオポリマー配合物を用いて開始される。好適なバイオポリマー配合物の非限定的実施例は、ポリ乳酸(PLA)およびポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)である。前述の配合された熱可塑性バイオポリマー樹脂は、本発明の最適な微孔質可撓性発泡体構造を形成する際の有利な技術的性質を示している。強化された技術的性質のうちのいくつかは、他の利益の中でもとりわけ、許容可能な時効性質、優れた伸長、および非凡な圧縮歪みを含む。
【0234】
最適な脂肪族および脂肪族-芳香族コポリエステルバイオポリマーまたはバイオポリマー配合物だけでは、好適な発泡剤および発泡プロセスを伴わないと、可撓性発泡体を生産することができない。今日使用されている最も広く公知の発泡剤は、アゾジカルボンアミド(ADA)と呼ばれる化学物質である。アゾジカルボンアミドは、典型的には、従来の射出成型発泡体プロセスにおける使用のために、石油化学熱可塑性マスターバッチ樹脂の中に事前含浸される。残念ながら、ADAは、環境に優しくなく、これは、人間の健康に対する疑わしい発癌物質である。また、従来の石油化学熱可塑性マスターバッチ樹脂は、生分解性または産業的に堆肥化可能ではない。前述の発明のための最も最適な生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体を達成するために、超臨界流体状態における不活性窒素ガスまたは二酸化炭素が、修正された射出成型プロセスにおける物理的発泡剤として使用される。修正された物理的発泡プロセスが、バイオポリマーまたはバイオポリマー配合物および発泡剤が、最も最適な生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体を生産するために調和して機能するように、好適な熱可塑性バイオポリマーまたは配合バイオポリマーマスターバッチと相応して採用される。
【0235】
本開示の射出成型プロセスは、バイオポリマーまたはバイオポリマー配合物および超臨界流体(SCF)の単相溶液が、金型空洞の中に射出ゲートを通して通過するときに生じる、均質なセル核形成に依拠する。溶液が、金型に進入するにつれて、圧力は、低下し、これは、SCFを溶液から出させ、セル核を生成する。セルは、次いで、材料が金型を充填するまで成長し、SCFの拡張能力は、使い尽くされる。本製造プロセスは、バイオポリマーの中へのSCFの計量、送達、および混合を可能にし、単相溶液を生成するように修正された射出成型機械上で実行される。動的金型温度制御(DMTC)が、拡張するバイオポリマー融液内に一貫したセル構造を確実にするために採用される。DMTCは、射出充填段階の間の金型温度の迅速な変更および制御として最良に説明されることができ、これは、それによって、高温および低温熱サイクリングの両方の観点から、金型温度を動的に制御する。ガス対抗圧(GCP)もまた、結果として生じる可撓性発泡体上に表皮を殆どまたは全く伴わない最適な発泡体構造を確実にするために、製造プロセスにおいて利用される。GCPは、融液内のガスの拡張に対抗するために、SCFを注入される加圧金型空洞を含むプロセスとして最良に説明されることができる。対抗圧が、解放されるにつれて、従来、表面を突破するであろうガス気泡は、内側に閉じ込められ、平滑な表皮を生成する。GCPは、表面品質、発泡体構造、および表皮厚を通して発泡を制御する。
【0236】
SCFが完全に溶解され、溶融バイオポリマー中に均一に分散される、単相溶液の生成は、慎重に制御されたプロセス条件下で射出バレルの内側で行わる。SCFは、固定された時間量にわたってバイオポリマーの中に正確に質量流動計量されなければならない。また、投与期間の間、温度、圧力、および剪断の正しい条件が、バレル内で確立され得る。背圧、スクリュー速度、およびバレル温度制御、およびSCF送達システムは全て、単相溶液を生成するプロセス条件を確立する際に役割を果たす。
【0237】
いったん単相溶液が生成されると、修正された射出成型機械は、射出の開始まで溶液を加圧状態において維持する。機械は、遮断ノズルおよびスクリュー位置制御の組み合わせられた努力を通してこれを達成する。遮断ノズルは、減圧および金型の中への早期の発泡を防止する。能動的または受動的のいずれかのスクリュー位置制御が、スクリューの後方移動を通して減圧を防止する。能動的スクリュー位置制御の間、スクリューの位置は、連続的に監視され、スクリューの後部に印加される圧力は、位置設定点を維持するように調節される、または一定の圧力が、スクリューの後部上で保持される。受動的位置制御では、背圧を調整するために使用される油は、スクリュー回復の終了時にそのタンクに排出されることを防止される。本残留油は、単相溶液の圧力に起因して後方に移動しないようにスクリューを保つ。
【0238】
適切な金型設計もまた、単相溶液を維持することに役立つ。ホットランナシステムを伴う金型は、金型開放に応じて、ノズルからの材料の後垂れを防止するために、弁ゲートを要求する。スタックまたはタンデム金型を伴う等、機械ノズルが通常の動作の間にスプルーブッシュとの接触を遮断する金型は、スプルーブッシュ上に遮断を要求する。そうでなければ、ホットランナからの圧力は、スプルーブッシュを通して軽減されるであろう。
【0239】
生分解性および産業的に堆肥化可能な微孔質発泡体を射出成型するために利用される発泡剤は、超臨界流体(SCF)状態における不活性窒素ガスまたは二酸化炭素のいずれかである。前述のSCF発泡剤はそれぞれ、生産されている最終部分の技術的要件に応じて、その相応しい場所を有する。
【0240】
本発明のための有用な発泡剤は、これがSCF二酸化炭素よりもはるかに低い重量パーセンテージにおいて改良された重量低減および微細なセル構造を提供するため、SCF窒素ガスである。実際に、SCF窒素レベルは、典型的には、匹敵する部分を達成するために要求されるSCF二酸化炭素レベルよりも少なくとも75パーセント低いであろう。しかしながら、SCF二酸化炭素は、2つの状況において、すなわち、粘度低減が主要な処理目標であるとき、または用途がSCF窒素のより攻撃的な発泡作用を許容することができないとき、好ましい発泡剤である。
【0241】
2つの発泡剤の有効性における差異は、バイオポリマー融液におけるそれらの挙動に起因する。31.1℃および72.2バールにおいてSCF流体になる二酸化炭素は、-147℃および34バールにおいて超臨界流体になる窒素よりもバイオポリマー中で4~5倍可溶性である。例えば、未充填のバイオポリマーにおける飽和点は、温度および圧力条件に応じて、窒素の約1.5~2重量パーセントである一方、二酸化炭素の飽和レベルは、8重量パーセントにより近い。二酸化炭素はまた、バイオポリマー中でより高い移動性を呈し、これが窒素よりも既存の気泡の中にさらに移動することを可能にする。セル核形成の観点から、より高い可溶性および移動性は、より少ないセルが核形成され、ここでは核形成するものがより大きくなる傾向があるであろうことを意味する。
【0242】
しかしながら、可溶性は、目標が粘度低減であるときに利点になる。バイオポリマー中に溶解されるSCFは、可塑剤として作用し、バイオポリマーの粘度を低減させる。粘度低減は、部分的に、バイオポリマーに添加されるSCFの量の関数であり、二酸化炭素は、窒素よりも高い可溶性限界を有するため、二酸化炭素を用いて粘度を低減させるための能力は、より高い。
【0243】
二酸化炭素はまた、部分を生産するために必要とされる窒素の量が、非常に少なく、一貫して部分を処理することが可能ではないときに好ましい。二酸化炭素は、はるかに攻撃的ではない発泡剤であるため、低レベルの二酸化炭素を流すことが、より容易である場合がある。例えば、0.05パーセント未満における非常に低レベルの窒素と比較して、0.15または0.2パーセントの二酸化炭素である。前述の実施例に示されるような事例は、主として、軟質の材料および厚い断面を伴う部分とともに生じる。
再生利用可能射出成型微孔質可撓性発泡体およびそれを作製する方法
【0244】
図4および6は、本開示による、再生利用可能射出成型微孔質可撓性発泡体402およびそれを作製する方法を図示する。
図4を参照すると、発泡体402は、好ましくは、閉鎖セル発泡体であるが、また、開放セル発泡体として形成されることもできる。種々の実装では、発泡体402は、従来の非再生利用可能エチレンビニルアセテート(EVA)発泡体または同等物のものに少なくともおおよそで類似する性質および特性を有するように作製されることができる。
【0245】
いくつかの実施形態では、用語「再生利用可能」は、概して、別のアイテムを製造する、または組み立てる際の再使用または使用のために、廃棄物の流れから収集、分離、または別様に回収されるための材料または製品の能力を指し得る。いくつかの実施形態では、再生利用可能であるとして本開示に説明されるポリマーおよび発泡体は、例えば、機械的再生利用、化学的再生利用、および/または生物学的または有機的再生利用によって回収されるための構成材料の能力を指す。いくつかの実施形態では、再生利用可能であるとして本開示に説明されるポリマーおよび発泡体は、例えば、ISO 15270:2008に記載されるような標準的なプラスチック再生利用方法を使用して回収されるための構成材料の能力を指す。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される再生利用された材料、発泡体、および/または製品は、Textile Exchange Recycled Claim Standard 2.0 (RCS、2017年7月1日)および/またはTextile Exchange Global Recycle Standard 4.0 (GRS、2017年7月1日)に記載される要件に従って生産されてもよい。
【0246】
下記により詳細に議論されるように、再生利用可能発泡体402は、
図5に図示される射出成型機械を使用して熱可塑性ポリマーを処理することによって作製される。再生利用可能可撓性発泡体402を製造するために使用される熱可塑性ポリマーは、随意に、任意の数のポリアミド系熱可塑性ポリマー、ポリアミドコポリマー、または同等物から生成されることができる。本発明における使用を見出す好適なポリマーの非限定的実施例は、ポリアミド6、ポリアミド6/6-6、ポリアミド12から成る。代替として、熱可塑性ポリマーは、ポリエーテル-ブロック-アミド(PEBA)、PAE、TPA、TPE-A、COPA、または同等物等の任意の数のポリアミドブロックコポリマーを含んでもよい。好適なポリマーおよびコポリマーの他の非限定的実施例は、Ascend Performance Materials, LLC(Houston, TX)によってVydyneの商標名として市販される、ポリアミド66コポリマーを含む。前述の熱可塑性ポリマー樹脂は、本発明の最適な微孔質可撓性発泡体構造を形成する際の有利な技術的性質を示している。強化された技術的性質のうちのいくつかは、他の利益の中でもとりわけ、非凡な時効性質、優れた伸長、引張強度、および圧縮歪みを含む。
【0247】
加えて、2つまたはそれを上回る熱可塑性ポリマーの配合物が、単一の熱可塑性ポリマーにおいて見出されない性質および価格の組み合わせを提供する。熱可塑性ポリマーをともに正常に配合するためのいくつかの方法が、存在する。下記により詳細に議論されるように、2つまたはそれを上回る熱可塑性ポリマーをともに融解させ、次いで、溶融ポリマー樹脂配合物を、冷却され、マスターバッチと呼ばれるペレット化断片のアレイを生産するためのペレタイザの中に給送される、ストランドに押出するための二軸押出である。ポリマー樹脂配合の別の方法は、ポリマー配合物中で異なる化学物質をともに結合させるために、相溶化剤を使用することである。一般的に、これも、上記に説明される非限定的熱可塑性ポリマータイプにおいて相溶剤および2つまたはそれを上回るポリマーをともに融解させるために、二軸押出または同等物を使用する。
【0248】
一実施形態では、熱可塑性ポリマーは、消費者使用後または産業使用後再生利用原料に由来する少なくとも1つのモノマーまたはポリマーを含む。例えば、熱可塑性ポリマーは、カプロラクタム、再生利用ポリエーテルブロックアミドポリマー、または同等物を含んでもよい。例証として、カプロラクタムは、漁網、カーペット繊維、または産業廃棄物等のポリアミドを含有する産業使用後または消費者使用後材料を解重合することによって、再生利用原料に由来してもよい。解重合された消費者使用後または産業使用後再生利用カプロラクタムの非限定的実施例は、フレーク、液体、または溶融状態にかかわらず、Aquafil USA Inc.(Cartersville, Georgia)によって提供される、ECONYL(登録商標)カプロラクタムを含む。熱可塑性ポリマーは、加えて、または代替として、収集され、選別され、融解され、再処理される産業使用後または消費者使用後ポリアミドカーペット繊維に由来するポリアミドポリマーを含んでもよい。産業使用後カーペット繊維に由来する1つのそのようなポリアミドポリマーは、Aquafil USA Inc.(Cartersville, Georgia)によって製造される、Econylである。加えて、ポリアミド廃棄物が、漁網またはその同等物の形態において世界中の海洋またはその周囲から収集されてもよく、これは、次いで、選別され、融解され、アップサイクルされた使用可能ポリアミド材料に再処理されることができる。収集された産業使用後漁網に由来する例示的ポリアミドポリマーは、Koninklijke DSM N.V.(Heerlen, the Netherlands)によって製造される、Akulon Repurposedである。
【0249】
用途に応じて、添加剤が、ポリマー調合において同様に利用されてもよい。例えば、沈降炭酸カルシウム、魚卵状霰石、デンプン、バイオマス、または同等物等の充填剤が、完成された可撓性性発泡体の再生利用可能完全性を維持しながら、部分費用を低減させるために利用されてもよい。
【0250】
さらに、ポリマー調合における使用のための添加剤が、以下のうちの1つまたはそれを上回るものから成ってもよい。微細層状タルクまたは高縦横比の魚卵状霰石等の核形成剤が、含まれてもよい。そのような核形成剤は、他の有益に強化される属性の中でもとりわけ、セルの合体を防止し、かさ密度を低下させ、反発弾性を改良することによって、結果として生じる可撓性発泡体の重要となる性質を大幅に改良することができる。再生利用可能射出成型微孔質可撓性発泡体を生産する際の使用のための核形成剤のいくつかの非限定的実施例は、Imerys Talc America Inc.(Houston, Texas)によってMistrocell(登録商標)として市販される微細層状タルクおよびCalcean Minerals & Materials LLC(Gadsden, Alabama)によってOceanCal(登録商標)として市販される高縦横比の魚卵状霰石である。
【0251】
着色剤、染料、および顔料もまた、含まれてもよい。例えば、染料、顔料、または顔料等の種々の着色剤が、随意に、本発明のポリマー調合において使用されてもよい。いくつかの非限定的実施例は、Treffert GmBH & Co. KG(Bingen am Rhein, Germany)によってもたらされる広範囲またはHolland Colours Americas Inc.(Richmond, Indiana)によってもたらされるもの等の具体的タイプの熱可塑性ポリマー使用のためにオーダーメイドされた顔料である。
【0252】
微孔質可撓性発泡体を生成するための再生利用原料の使用は、持続可能な材料を供給することによって、典型的には、拡張される熱可塑性ポリマー発泡体の生成と関連付けられる環境影響を減少させる。下記により詳細に議論されるように、本開示の微孔質可撓性発泡体を生成するための方法は、結果として生じる製品が、熱可塑性ポリマーにさらに再生利用され得、これが、続けて、微孔質可撓性発泡体から新しい製品を生成する、または代替として、熱可塑性ポリマーを利用する他の製品を生成するために利用され得るため、再生利用原料を使用する環境的利益を増大させる。
【0253】
図5および6は、
図4に示される再生利用可撓性発泡体402を製造するための射出成型機械506および方法600を図示する。したがって、一側面では、本開示は、熱可塑性ポリマーを発泡させる方法を対象とする。下記により詳細に説明されるように、本方法は、靴構成要素を含む、技術的運動用具、およびクッション性、衝撃保護、快適性、およびその他等の特徴が所望される他の製品等、発泡体402からいくつかの最終製品のうちのいずれかを生成するために利用されてもよい。
【0254】
図5に示されるように、射出成型装置506は、成型装置506の中に複数の熱可塑性ポリマー502を受容および導入するために構成される、ホッパ504を含む。バレル507が、ホッパ504に接続され、熱可塑性ポリマー502を受容し、特殊化往復スクリュータイププランジャ508を含むために構成される。バレル507はまた、バレル507の内容物を加熱および冷却するために、温度制御ユニット(図示せず)を含む。
図5に示されるように、温度および圧力測定デバイス505を有する、コンピュータコントローラ503は、バレル507内の温度および圧力を感知するように構成される。ガス投与システム509は、バレル507に流体的に接続され、バレル507の中に流体510を受容および導入するために構成される、計量ユニット512を含む。ガス投与システム509は、超臨界流体(SCF)510を生成するために、臨界温度および圧力(それぞれ、TcおよびPc)を上回って流体510を維持する。本開示の方法では、SCF510は、アゾジカルボンアミド(ADA)等の可撓性発泡体生産の従来の方法において利用される化学発泡剤に取って代わる物理的発泡剤として使用される。実施例として、SCF510は、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、またはキセノン等の不活性ガスまたは希ガスを含んでもよい。本開示の方法が、プロセスから環境的に有害かつ疑わしい発癌物質であるADAを排除し、これを不活性または希SCFと置換することによって、従来の可撓性発泡体成型方法と比較して環境影響を改善するだけではなく、下記にさらに詳細に議論されるであろうように、本開示の可撓性発泡体402は、本明細書に説明される方法の結果として、それらの有用寿命の終わりに再生利用され得る。
【0255】
図6を参照すると、再生利用可能可撓性発泡体102を製造するための方法は、熱可塑性ポリマー502を選択し、熱可塑性ポリマー502を射出成型機械506のホッパ504に供給する、ステップ602から開始されてもよい。続けて、ステップ604において、熱可塑性ポリマー502は、次いで、ホッパ504からバレル507の中に給送され、加熱される。ステップ606において、加熱されたバレル507は、スクリュータイププランジャ508が、射出成型機械506を通して熱可塑性ポリマー502を移動させるにつれて、熱可塑性ポリマー502を融解させる。さらに、コントローラ503は、スクリュー速度を制御および変調するように構成されてもよい。
【0256】
ステップ608において、SCF510は、射出成型装置506に接続される計量ユニット512を介して、インジェクタ511を通してバレル507の中に導入され、SCF510は、融解された熱可塑性ポリマー502中に可溶化し、単相溶液を生成する。SCF510は、融液内で濃度において調節されることができ、これは、達成される発泡の程度に影響を及ぼす。
図5を参照すると、計量システム512は、適切な量におけるSCFを融解された熱可塑性ポリマー502の中に投与するために構成される。初期SCFガス濃度の非限定的実施例は、176℃~250℃、より好ましくは、180℃の範囲内の融解温度範囲を伴うCo=0.25%であってもよい。さらに、コントローラ503は、SCF510がSCFインジェクタを通してバレル507の中に導入される圧力を制御する。SCF510は、溶融熱可塑性ポリマー502を飽和させ、単相溶液が、発生される。さらに、スクリュータイププランジャ508は、熱可塑性ポリマー502およびSCF510を均質化し、単相溶液を生成するために必要な速度においてバレル507内で回転する。スクリュー508は、1~200rpm、好ましくは、約20rpm~約60rpmでバレル507内で回転してもよい。
【0257】
飽和に関して、射出成型機械506は、スクリュー回転の間、融解された熱可塑性ポリマー502を飽和させるための温度および圧力下でバレル507にガスを送達するために構成される。具体的には、コントローラ503は、SCF送達圧力およびSCF投与重量の組み合わせを制御するように構成される。SCF圧力および投与量は、単相溶液に影響を及ぼすような様式で制御されてもよい。すなわち、SCF投与量が小さいほど、バイオポリマー融液内にあることが必要とされるSCF飽和は、少なくなる一方、SCF投与量が大きいほど、融液内にあることが必要とされるSCF飽和は、多くなる。同様に、SCF送達圧力が低いほど、飽和の取り込みは、少なくなり、したがって、溶融バイオポリマー融液内に気泡を形成するように成長し得る核の成長は、少なくなる。また、SCF送達圧力が大きいほど、飽和の取り込みは、大きくなり、したがって、溶融融液内に気泡を形成するように成長し得る核の成長は、大きくなる。
【0258】
コントローラ503は、生産されている可撓性発泡体のタイプおよび生産されている最終製品のタイプに依存する様式で、温度および圧力を可変的に制御する。具体的には、バレル507内等、本システム全体を通した温度は、バレル内で200℃~500℃等の100℃~600℃、例えば、300℃~400℃、より具体的には、360℃~380℃を含む、320℃~380℃の範囲であるように制御されてもよい。同様に、SCF送達圧力は、1,500~6,000PSI等の1,000~8,000PSIの範囲、例えば、2,000~5,500PSI、特に、3,000~4,000PSI、より具体的には、2,600~2,800PSIの範囲内であるように微細に制御されてもよい。
【0259】
図5に図示される実施形態では、コントローラ503は、飽和の量を決定し、飽和プロセス進行を評価し、圧力および温度を変調するセンサを使用して、SCF510濃度を決定および制御する。SCF510は、往復スクリュー508の回転の間に融解された熱可塑性ポリマー502を制御可能に飽和させ、明確な温度および圧力下で単相溶液を生成する。SCFは、2部分溶融熱可塑性ポリマー化合物混合物の1つの部分であり、これは、本射出金型における明確な圧力および温度の存在下で物理的発泡剤として使用される。
【0260】
下記により詳細に議論されるように、SCF510発泡剤は、最終可撓性発泡体402製品の技術的要件に基づいて、上記に列挙される希流体および不活性流体のリストから選択されてもよい。例えば、その超臨界状態における二酸化炭素は、同一の圧力において窒素よりも高密度であるが、より高い熱容量を有する。超臨界状態における二酸化炭素は、あるクッション材用途において有用であり得る、高密度発泡体を生産する。対照的に、超臨界窒素は、履物およびスポーツ用品のための発泡体402を生成するときに使用され得る、より小さい核を伴う低密度発泡部分を生産するために使用されることができる。
【0261】
しかしながら、可溶性は、目標が粘度低減であるときに利点になる。再生利用可能熱可塑性オポリマー502中に溶解されるSCFは、可塑剤として作用し、熱可塑性ポリマー502の粘度を低減させる。粘度低減は、部分的に、再生利用可能熱可塑性ポリマー502に添加されるSCFの量の関数であり、二酸化炭素は、窒素よりも高い可溶性限界を有するため、二酸化炭素を用いて粘度を低減させるための能力は、より高い。二酸化炭素はまた、部分を生産するために必要とされる窒素の量が、非常に少なく、一貫して最終製品を処理することが可能ではないときに有用である。
【0262】
二酸化炭素は、あまり攻撃的ではない発泡剤であるため、低レベルの二酸化炭素を流すことが、より容易である場合がある。例えば、0.05パーセント未満における非常に低レベルの窒素と比較して、0.15または0.2パーセントの二酸化炭素である。前述の実施例に示されるような事例は、主として、軟質の材料および厚い断面を伴う部分とともに生じる。故に、これが窒素、二酸化炭素、または上記に列挙される他の不活性ガスおよび希ガスのうちの1つであるかどうかにかかわらず、物理的発泡剤は、最終発泡部分およびそれらを含有するであろう最終的な製品において有用な役割を果たす。
【0263】
適合する熱可塑性ポリマーまたは熱可塑性ポリマー化合物および関連付けられるSCFガスの適切な組み合わせを選択することが、有用である。第2に、最適な投与重量および圧力を用いてSCFガスを適切に利用することは、単相溶液内の好ましいレベルの飽和を提供し、核の発生(下記により詳細に説明されるであろうような発泡マトリクス内の多数の均一な気泡の生産)に影響を及ぼす。加えて、最終結果である、均質に形成された射出成型可撓性発泡部分は、SCFガス投与プロセスおよびガス対抗圧の使用の全ての側面が、商業的に許容可能な成型された発泡部分を達成するために、射出成型機械温度、圧力、および保持時間とともに相互依存的に機能することに依拠する。
【0264】
図5を参照すると、往復スクリュー508はさらに、バレル507の空洞内で融解された熱可塑性ポリマー502を圧縮し、移動させるように構成される。ガス対抗圧(GCP)システム516が、融解された熱可塑性ポリマー502の拡張を制御するように、バレル507にガス対抗圧を送達するために構成される。
図5に図示される実施形態では、GCPシステム516は、ガスポンプ515と、窒素または二酸化炭素等の不活性ガスを含む、ガスリザーバ518と、圧縮機517と、圧力センサ519と、ガス制御弁520とを含む。往復スクリュータイププランジャ508およびバレル507はまた、背圧を提供し、熱可塑性ポリマー502を、バレル508と流体連通して配置され、融解された熱可塑性ポリマー502を受容するように構成される、空洞を有する、金型514の中に送達するように構成される(下記により詳細に説明される)。
図5に示される実施形態では、スクリュータイププランジャ508およびバレル507は、約2,000psi~約3,000psi、より好ましくは、2,700psi~2,800psiの範囲内で印加するように構成される。スクリュータイププランジャ508およびバレル507の構成はまた、SCF510投与が開始される位置を設定し、これは、次いで、SCFインジェクタを開位置または閉位置に設定することができる。位置は、スクリュー回復の間のバレル内の圧力が、SCF510投与の開始に先立って安定した状態になるように設定されるべきである。非限定的実施例として、開位置は、0.3~0.4インチの範囲内であり得る。
【0265】
GCPシステムに加えて、
図5に図示される射出成型機械506は、金型514内の温度を制御するように構成される、動的金型温度制御(DMTC)522を含む。DMTC522は、拡張する熱可塑性ポリマー502内の一貫したセル構造を確実にするために、GCPシステム516と相応して採用されてもよい。DMTC522は、射出充填段階の間の金型温度および/または圧力の迅速な変更および制御に影響を及ぼし、対抗圧の有無を問わず、高温および低温熱サイクリングの使用を通して、金型温度および/または圧力を動的に制御するように構成されてもよい。
【0266】
継続して
図5を参照すると、コントローラ503は、DMTC522を介して射出段階610の間の金型514温度を制御するように構成される。より具体的には、従来公知の射出成型プロセスと比較して、本明細書に採用される動的金型温度制御の重要な特性は、金型温度自体が動的に制御され得ることである。
図5に図示されるDMTC522は、急速な電気ロッド加熱および急速な水冷を利用する。具体的には、DMTC522は、5つの主要な構成要素、すなわち、空気圧縮機(図示せず)と、弁交換デバイス526と、コンピュータ制御金型温度制御ユニット(コントローラ503内に配置される)と、電気加熱ロッド(金型514内に配置される)と、冷却塔532とを含む。冷却塔532は、十分な水冷を金型に供給するために使用されてもよい。空気圧縮機は、空気圧弁の駆動ガスとして圧縮空気を生産し、冷却後に金型に進入しないように残留冷却水を排除するために使用される。
図5に示される実施形態では、水加熱ユニット534もまた、含まれ、弁交換デバイス526は、異なる媒体をパイプラインから金型514に移送するために弁を切り替えるために使用され、高温および低温熱サイクリングを提供する。例えば、DMTC522は、約15℃~約30℃の範囲内の水冷を提供してもよく、電気加熱ロッドは、金型を約60℃~約150℃まで加熱してもよく、随意に、金型を90℃~130℃の範囲内で加熱してもよい。
【0267】
図5に描写される射出成型機械506は、反応する材料の通過のためのパイプおよび他の導管を含み、その導管は、それらが導管およびパイプの中に、および/またはそれを通して圧送されるにつれて、反応物を加熱および/または冷却するように、1つまたはそれを上回る熱交換ユニットと関連付けられる。そのような事例では、交換器は、温度を反応レベルに調節するように制御されてもよい。パイプの一方の端部上に、分注ヘッドが、含まれてもよく、これは、1つまたはそれを上回る弁と関連付けられてもよい。さらに、分注ヘッドは、処理ラインに連結されてもよい。電気的に加熱される金型は、発泡部分の最終形状を成型するために使用される。金型温度制御の機能は、金型の加熱および冷却を制御することであり、これは全て、コンピュータ制御によって射出成型機械と協調される。
【0268】
故に、本明細書に実装されるように、コントローラ503は、下記に説明されるように、射出段階において異なるガス圧力を印加することによって、発泡プロセスの制御を改良するために、ガス対抗圧を実装する。コントローラ503は、GCPシステム516およびDMTC522を操作し、温度および圧力を調整し、それによって、融解された熱可塑性ポリマー502および結果として生じる発泡マトリクス内の核形成および結果として生じる気泡を制御するように構成される。
【0269】
図6に図示されるように、ステップ610において、熱可塑性プランジャ508は、融解された熱可塑性ポリマー502をノズル(図示せず)を通して強制的に前進させ、これは、金型514に対して静置され、その中に熱可塑性ポリマー502を射出する。射出成型機械506は、単相熱可塑性ポリマー502の測定された発射を動的に温度制御された金型空洞514の中に送る。射出ステップ610に先立って、DMTC522は、金型514を事前設定された上限まで加熱する。射出ステップ610の間、DMTC522は、金型空洞514の温度を上限よりも高く維持し、融解された熱可塑性ポリマー502が早期に固化することを防止する。GCPシステム516は、核成長を制御するために金型514内にガス対抗圧を送達し、発泡部分が形成されるにつれて、ガス気泡が熱可塑性ポリマー502の表面に接触し、それを突破することを防止する。これは、熱可塑性ポリマー502単相溶液が金型空洞514の中に射出されると同時に、またはその周辺で、対抗圧がGCPシステム516によって金型空洞の中に印加されることによって達成される。不活性ガス気泡は、射出ステップ610の間に熱可塑性ポリマー502内にSCF510を保持するために十分な力に曝される。
【0270】
図6を参照すると、ステップ612および614において、コントローラ503は、金型514内の圧力および温度を操作し、熱可塑性ポリマー502の物理的発泡を制御する。金型612の温度を動的に制御するステップおよびガス対抗圧を金型614に印加するステップは、
図6のフローチャートにおいて別個のステップとして図示されるが、ステップ612および614は、コントローラ503が金型内の温度および圧力を制御するように、同時に、または密接に連続して行われてもよい。ステップ612および614において、融解された熱可塑性ポリマー502内で核成長を被り、いくつかの微孔質気泡が、形成される。コントローラ503(
図5)が、ステップ612において、温度を上昇および低下させるにつれて、SCF510は、蒸発し、ガス気泡になり、熱可塑性ポリマー502を金型514内で発泡させる。ステップ614において、GCPシステム516は、コンピュータ制御によって事前計量された投与量の対抗圧ガスを金型の中に送り、略均一な気泡を生成し、ガス対抗圧は、最適な審美的外観のために表面テクスチャを調整する。ガス気泡は、熱可塑性ポリマー502が金型514を充填するまで成長し、SCF510の拡張能力は、使い尽くされる。気泡は、ミクロンサイズに到達するため、プロセスは、微孔質発泡を生産する。SCF510濃度は、ガス気泡の構造に影響を及ぼし得る。したがって、コントローラ503は、有用な、および/または決定されたガス気泡構造を生産するように、温度およびガス対抗圧パラメータを選択する。部分の成型が終了するにつれて、金型は、冷却され、熱可塑性ポリマーは、固化する。
図6に描写される実施形態では、ステップ616において、動的に温度制御された金型温度は、水冷に切り替えられ、ガス気泡の形成および熱可塑性ポリマー502の拡張は、減速および停止する。DMTC522は、金型514内を下限(排出温度)まで迅速に冷却し、可撓性発泡体成型部分402が、ここで形成され、これは、金型から排出される。
【0271】
前述で議論されるように、ある実施形態では、開放セル発泡体を生産するステップは、開放セル発泡体構造が、セルの間の壁が破断し、それによって、開放セル発泡体構造が退出するための通路を生成するときに発展することを除いて、閉鎖セル発泡体を生産するための本明細書に説明される方法と同一の機器および基本的プロセスを使用してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、
図5に図示されるシステム500は、開放セル発泡体および閉鎖セル発泡体を生産するために利用されてもよい。
【0272】
ある実施形態では、システム500の1つまたはそれを上回る構成要素は、隣接する、または近隣のセルを相互に対して衝突させる、または相互に干渉させる程度までセルを成長させ、セル壁の破断をもたらすように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、システム500の1つまたはそれを上回る構成要素は、セルまたは「気泡が」相互に十分に近接近し、それらが衝突構造を形成するように、臨界核形成密度を生産するように構成されてもよい。いくつかのそのような実施形態では、セルの衝突は、開放セル発泡体構造の形成をもたらす。いくつかの実施形態では、各気泡の核は、セル弱化および破断を引き起こすために、相互に対して衝突するように十分に成長することが可能であるべきである。さらに、衝突構造を生産するために、高いセル集団密度が、ある実施形態において要求されてもよい。
【0273】
いくつかの実施形態では、例えば、コントローラ503は、セル衝突を可能にするために十分に高いセル集団密度を生産するように、DMTC522を介して、射出段階610の間に金型514温度を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、GCPシステム516は、開放セル発泡体を生産するために、金型514の中に異なる事前計量された投与量の対抗圧ガスを送るように構成されてもよい。
【0274】
本開示のいくつかの実施形態による、開放セル発泡体構造を達成する別の方法は、「気泡」を合体させ、それによって、セルの間の壁が、開放セル発泡体構造を形成するために、自発的な方法において均一に破裂または破断することである。ある実施形態では、システム500は、特に、そのような合体する気泡を形成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、セルが成長するにつれて、薄フィルムが、各セルの間に形成される。本フィルムは、「気泡」の内圧、およびファンデルワールス分離圧力および静電分離圧力によって影響を受ける。いくつかの実施形態では、各セルの間のフィルムは、フィルムの薄化または弱化を引き起こしている圧力が、フィルムを厚化している、または強化している圧力を上回る場合に破裂または破断し、これは、セル壁破裂または破断を決定付ける力に関して理解されることができる。成長する内部「気泡」圧力およびファンデルワールス分離圧力は、各セルの間に存在するフィルムを薄化することを支援するための力として作用する一方、静電分離は、前述のフィルムを厚化または強化することを支援するための力として作用する。
【0275】
いくつかの事例では、ポリマー構造における極性基の存在は、実際には、セル壁を厚化または強化するように作用し、それによって、セル壁破裂または破断を困難にし得る。逆に、フィルム層の一般的な熱力学的不安定性に起因して、いくつかの実施形態では、表面波が、衝突の間に発展し、これは、セル壁を破裂または破断させることを大いに支援し、本現象は、蓄積する内部「気泡」圧力よりも速くフィルム層を薄化し、それによって、セル壁破裂または破断のためのより速い機構を生産する。いくつかの実施形態では、これが、発泡体生産の金型冷却および排出段階の間に増加することが公知である、熱可塑性ポリマー発泡体粘度の成長を克服することに役立つため、セル壁が、開放セル発泡体構造を生成するために可能な限り迅速に破裂または破断することが、重要であり得る。
【0276】
いくつかの実施形態では、種々の発泡体成型パラメータが、最終微孔質射出成型発泡部分の形成内の最適な核形性およびセル成長を決定付ける。例えば、核形成の率は、ガス投与システム509の射出率および/またはDMTC522によって制御される金型温度によって大きく影響され得る。いくつかの実施形態では、本開示による、開放セル発泡体を生成する方法は、そのようなパラメータのうちの1つまたはそれを上回るものを制御するためのステップを含んでもよい。
【0277】
またさらなる実施形態では、本開示による、開放セル発泡体を形成するための方法は、発泡体構造のセルを開放するための手段として、超音波の使用を含んでもよい。いくつかのそのような実施形態では、超音波照射の持続時間および程度は、開放セル発泡体構造を達成する際の因子である。いくつかの実施形態では、超音波エネルギーの源は、システム500内に含まれ、開放セル発泡体構造を生成するために、超音波を供給するように構成されてもよい。超音波エネルギー源は、例えば、電気信号を超音波に変換するように構成される、超音波処理器、超音波プローブ、または超音波トランスデューサであってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、超音波エネルギー源は、金型514内に含まれ、超音波照射を印加し、セル壁の少なくとも一部の破裂を引き起こすために使用されてもよい。
再生利用可能射出成型微孔質可撓性発泡体製品
【0278】
図4は、本開示の履物構成要素を示す。より具体的には、再生利用可能可撓性発泡体402から作製される、再生利用可能微孔質可撓性発泡体靴ミッドソール400である。
【0279】
上記に簡潔に議論されるように、上記に議論される再生利用可能なものを製造するための方法は、結果として生じる製品が、新しい他のプラスチック材料を作製する際の使用のための熱可塑性ポリマーに再重合され得るモノマーにさらに再生利用され得るため、再生利用原料から発展されたモノマーおよびポリマーを利用する、環境的に有益な効果を増大させる。特に、再生利用されるために構成される商品を生産することは、これが完成品内で使用途中に故障しない、または壊れないような様式でこれを機能化することによって等、可撓性発泡体が結果として生じる製品の使用可能寿命を持続させるであろうことを確実にする。例えば、本開示の再生利用可能可撓性発泡体から作製された家具、靴の対、または他の運動用品を購入し、製品使用可能寿命の終わりの前の通常の使用の間に発泡体が劣化することになることは、人物にとって損となるであろう。
【0280】
より具体的には、本開示は、製造プロセスの間に架橋されない、上記に列挙される不活性物理的発泡剤および熱可塑性ポリマー化合物の使用から利益を享受する。結果として生じる再生利用可能可撓性発泡体402は、架橋されず、ADA等の有害な化学発泡剤がなく、環境的に無害である。さらに、再生利用可能可撓性発泡体402は、靴を作製する際の使用のための履物発泡体等の多数のタイプの最終製品において使用されてもよい。
【0281】
再生利用可能可撓性発泡体402は、製品有用寿命の終わりに、廃棄物転換を通して適切な再生利用施設に再指向されてもよい。再生利用可能可撓性発泡体402は、ADA等のいかなる化学発泡剤も使用せず、本明細書に説明される方法は、それらの製造の間に架橋される熱可塑性ポリマーを利用しないため、再生利用可能発泡体402は、粉砕され、前処理され、1つまたはそれを上回るモノマーに解重合されてもよい。1つのそのような解重合モノマーは、フレーク、液体、または溶融状態にかかわらず、Aquafil USA Inc.(Cartersville, Georgia)によって提供される、ECONYL(登録商標)カプロラクタムまたはフレーク、液体、または溶融状態にかかわらず、DSM Engineering Plastics Americas(Troy, Michigan)によって提供される、解重合カプロラクタム等のカプロラクタムである。
【0282】
図7を参照すると、本開示の方法は、それに従ってPEBA等のポリマーの温度が、天井温度を超えて上昇され、いくつかの化学試薬または触媒のうちのいずれかが、その構成モノマーに解重合するために利用される、熱および化学解重合プロセスを利用して、再生利用可能発泡体402を再生利用する方法700を想定する。
図7に図示される実施形態では、解重合プロセスは、任意の廃棄物から再生利用可能発泡体402の熱可塑性ポリマーを機械的に分離する、ステップ702から開始される。ステップ704において、解重合触媒が、分離された熱可塑性ポリマーに導入される。解重合触媒の非限定的実施例は、リン酸およびホウ酸等の酸を含む。ステップ706において、熱が、カプロラクタムおよび任意の他の揮発性化合物を蒸留するように作用し得、カプロラクタムモノマーを含有する蒸留物を生産する、過熱蒸気を通して等、印加される。適用される温度は、約100℃~約325℃に及んでもよい。ステップ708において、蒸留物は、解重合方法の他の副産物から水およびカプロラクタムを分離するために分画される。ステップ710において、酸化剤が、分離された水性カプロラクタムに導入される。酸化剤のいくつかの非限定的実施例は、過マンガン酸カリウム、水素、酸素、重クロム酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウムまたはカリウム、過塩素酸塩、または過ホウ酸を含む。ステップ712において、酸化された水性カプロラクタムは、蒸発を通して等、濃縮される。ステップ714において、濃縮されたカプロラクタムモノマーは、真空蒸留を通して等、精製される。
【0283】
ステップ714におけるカプロラクタムモノマーの精製後、解重合モノマーは、熱可塑性ポリマーに再重合され、より再生利用可能な可撓性発泡体402を作製するために利用されてもよい。したがって、本開示の方法は、循環プロセスを確立し、それによって、製造された製品は、新しい未加工化石燃料または他の非再生可能原料を使用することと対照的に、分解され、新しい製品に製造され、商業の流れに再投入されることができる。また、本開示の再生利用可能発泡体402は、それらの使用可能寿命の間の技術的性能性質またはそれらの環境に配慮した設計のいずれに関しても妥協しない。
【0284】
本明細書で上記に議論されるように、本デバイス、システム、およびそれらの使用の方法は、履物、座席、自動車、保護用具、および/またはスポーツ用具における使用のための構成要素のため等、1つまたはそれを上回る成型された最終製品を生産する目的のために採用されてもよい。故に、種々の実施形態では、本明細書に提供されるものは、ソールが、靴の基部を形成し、地面と接触するために構成され、ミッドソールが、中間構造的およびクッション要素を形成し、インソールが、靴内に挿入されるために構成され、それによって、クッション性および/または支持を靴に提供する場合等、そのソール、ミッドソール、および/またはインソール等の靴の構築において有用な1つまたはそれを上回る構成要素である。
【0285】
ある実施形態では、靴構成要素は、環境に優しく、再生利用可能であり得る、本明細書に開示される方法600に従って生産される再生利用可能発泡体402を含んでもよい。種々の事例では、各個々の構成要素は、基部層およびクッション層を含む、複数の層から成ってもよい。例えば、特定の実施形態では、基部層に結合されている支持部材等の支持部材が、含まれてもよく、構成要素がインソールである場合、アーチ接触または踵接触部分のうちの1つまたはそれを上回るものを有する。
【0286】
特に、種々の実施形態では、発泡体材料が、クッション、クッション付き家具、そのインソール等の靴構成要素、マット、繊維、織布、および同等物の生産において使用され得る場合等、発泡材料が、生産されてもよい。他の有用な製品は、シリコーンコーキング等のコーキング、シリコーン医療用手袋、薬物送達システムのためのシリコーン管類、シリコーン接着剤、シリコーン潤滑剤、シリコーン塗料、および他の好適なシリコーン製品、例えば、コンドームを含んでもよい。種々の実施形態では、発泡体製品は、発泡材料が、1つまたはそれを上回る抗菌性、抗細菌性、抗真菌性、抗ウイルス性、および/または耐炎性性質を有し得る様式で生産されてもよい。
【0287】
より具体的には、一側面では、本開示は、概して、例えば、生分解性および/または堆肥化可能である発泡体を含む、または別様にそれから成る家具等、布張り家具および/またはそのクッション等の家具の製造のためのプロセスを対象としてもよい。したがって、本開示の再生利用発泡体は、そのような生産された発泡体挿入物を含む家具の製造における使用に関して有利である。本開示の方法に従って生産される再生利用可能発泡体は、枕、長椅子、ベッド、座席クッションのため、または他の布張り家具、および同等物のため等のクッション材料としての使用に関して有利であることが証明されている。
【0288】
例えば、方法600は、家具または自動車付属品構成要素における使用のための発泡体挿入物を形成するため等、再生利用可能発泡体402の小型から大型のブロックを生産するために使用されてもよい。ブロック発泡体は、次いで、生産されている家具のタイプおよび形態に基づいて、所望のサイズおよび形状のより小さいブロックに切断されてもよい。具体的には、定寸および切断されたブロックは、次いで、家具または自動車フレームまたは他の境界材料に適用され、または別様にその中に嵌合されてもよく、これはともに、これが枕、ソファ、クッション、例えば、ソファまたは自動車クッション、または同等物であるかどうかにかかわらず、最終家具製品を生産するために被覆されてもよい。加えて、所望される場合、外側ケーシングまたは境界材料が、ステープル留めおよび/または鋲留めによって等、フレーム材料に取り付けられる、または別様にファブリックまたは他の材料を用いて布張りおよび被覆されるべき物品のフレームに締結されてもよい。
【0289】
故に、種々の実施形態では、長椅子または自動車座席等の布張り家具を製造するとき、フレームが、生産されてもよい。ばねまたは同等物等、家具の種々の内部、例えば、構造的構成要素が、フレーム内に配設されてもよく、次いで、再生利用可能可撓性発泡体402のシートが、クッション性および/または断熱のため等、ばねにおいて、それにわたって、かつその周囲に位置付けられてもよい。当然ながら、綿、ウール、フェルト、ゴムベースの製品、および同等物の層等の他の材料が、含まれてもよく、カバー材料が、次いで、フレームを被覆し、製品製造を完成させるように追加されてもよい。
【0290】
具体的には、本開示の再生利用可能発泡体は、本明細書に開示される他の材料とともに、カバー材料がフレームにわたって延伸されるにつれて、カバーの下に成形され、調節され、詰め込まれ得る、詰め物または充填材として機能してもよい。加えて、示されるように、種々の事例では、本明細書で生産される再生利用可能発泡体は、いくつかの理由から、上記の当技術分野で公知のものにおいて有用であり、とりわけ重要なのは、典型的なPUおよび/またはEVA発泡体が、再生利用可能ではない一方、本明細書で生産される発泡体の構成要素が、再生利用可能であるという事実である。したがって、種々の実施形態では、開放フレーム上に家具を構築する方法が、提供される。
【0291】
さらに、別の側面では、本開示は、概して、従来の発泡体を含む、または別様にそれから成る靴構成要素等、靴のソール、ミッドソール、および/またはインソール等の靴構成要素の製造のためのプロセスを対象とする。具体的には、特定の実施形態では、再生利用可能ソール、ミッドソール、インソール、および/または他の靴挿入物を作製するための方法が、提供される。例えば、本靴挿入物は、走るまたは歩く間、表面、例えば、地面に衝突する足の衝撃を低減させ、それによって、足への衝撃力を吸収および/または減衰するように構成され得る、靴、例えば、ランニングシューズまたはスニーカー内に挿入または別様に嵌合されるように適合される、クッションデバイスの形態であってもよい。
【0292】
特に、ミッドソールおよび挿入物を含む、靴ソール構成要素は、1つまたは多数の層を含んでもよい。例えば、いくつかの事例では、基部層、再生利用可能発泡体層、および/またはファブリック層が、提供されてもよい。具体的には、比較的に弾力性の材料の基部層、および/または基部層にわたって配置される、再生利用可能発泡体層、および/または再生利用可能発泡体層にわたって配置される、ファブリック層が、含まれてもよい。故に、本方法は、基部層、再生利用可能発泡体層、およびファブリックを三重積層シートに一体的に形成するステップを含んでもよい。種々の事例では、支持層が、踵面積に配置されてもよく、その支持層は、積層物の他の構成要素のものよりも高い密度のもの等の剛性材料から構築されてもよい。接着剤、糊、または他の取付機構が、三重積層物を支持層に取り付け、形成するために提供および採用されてもよい。
【0293】
より具体的には、他の事例では、インソール等の靴構成要素を作製するための方法は、再生利用可能発泡体層を提供するステップと、ファブリック層を提供するステップと、再生利用可能発泡体層を加熱するステップと、再生利用可能発泡体およびファブリック層を継合するステップと、基部層、例えば、再生利用可能発泡体層のものと同一である、それを上回る、またはそれを下回る密度である密度を有する基部層を提供するステップと、二重または三重積層物を形成するように、基部層を再生利用可能発泡体層と結合するように、基部層および発泡体層のうちの少なくとも1つを加熱するステップとを含んでもよい。
【0294】
本方法はさらに、アーチ支持および/または踵部材等の事前形成された支持部材を提供するステップを含んでもよく、その部材は、発泡体層の密度と実質的に同一である、またはそれを下回る、またはそれを上回る密度を有してもよい。特定の事例では、支持部材は、再生利用可能発泡体層のものと比較してより高い密度、したがって、より高い剛性を取得するように、圧縮発泡体材料から形成されてもよい。加えて、熱および/または圧力再活性化可能接着剤が、支持および/または踵部材と積層物との間に適用されてもよい。成型圧力が、次いで、一体型ワンピース靴挿入物を形成するように、支持および/または踵部材の中への三重積層物の形成および/または成形を引き起こすように、組成物に印加され、事前形成された踵部材は、後部部分を形成し、および/または支持部材は、例えば、その中間および/または踵面積において、完成された靴挿入物の底面の中間部分を形成し、基部層は、その前方面積において完成された靴挿入物の底面を形成してもよい。
【0295】
しかしながら、支持および/または踵部材が、含まれる必要はなく、いくつかの事例では、積層物構成要素のうちの1つまたはそれを上回るものが、排除される、または他の積層物層が、追加され得ることに留意されたい。さらに、ある実施形態では、再生利用可能発泡体層が、基部層よりも可撓性および/またはクッション性であり、例えば、より高いデュロメータ硬さを有し得、これが、順に、支持部材よりも可撓性および/またはクッション性であり、例えば、より高いデュロメータ硬さを有し得ることに留意されたい。したがって、より可撓性の発泡体および基部層は、比較的に弾力性であり、形状において所望の靴サイズおよび構成に共形化し得る一方、支持層は、比較的により剛性であり得る。
【0296】
具体的には、支持層は、より高密度の再生利用可能発泡体であり、したがって、支持層をより剛性にしてもよい。したがって、種々の実施形態では、再生利用可能発泡体層は、約4~6ポンド/立方フィートの範囲内の密度等、約2または約3または約5~約10ポンド/立方フィートまたはそれを上回る密度を有してもよい。加えて、再生利用可能発泡体層は、約3/32インチ~5/32インチの厚さの範囲内等、約1/8インチの厚さを有してもよい。
【0297】
同様に、基部層もまた、約4~6ポンド/立方フィートの範囲内の密度等、約2または約3または約5~約10ポンド/立方フィートまたはそれを上回る密度を有してもよい。基部層の厚さは、おおよそで約5/16インチ+または-10%であってもよい。しかしながら、種々の事例では、基部層の厚さは、厚さにおいて約1/4インチまたはそれを下回るもの~約7/16インチに及んでもよい。支持層に関して、これは、主として、挿入物のアーチおよび/または踵面積において形成されてもよく、これもまた、本明細書に開示される再生利用可能発泡体から作製されてもよい。
【0298】
しかしながら、支持層は、最終密度がおおよそで22~23ポンド/立方フィートであるように再生利用可能発泡体402を圧縮することによって作製されてもよい。ファブリック層は、任意の好適な材料、例えば、綿、ポリエステル、またはポリプロピレン編物から構築されてもよい。種々の事例では、材料および再生利用可能発泡体層は、再生利用可能発泡体層の表面を融解させるために十分な熱を発生させる、直火を採用する、火炎積層技法によってともに積層されてもよい。いったん融解されると、ファブリック層は、2つの層がともに継合されるように、再生利用発泡体層および冷やされたローラに継合される。
【0299】
プロセスのこの時点で、これらの層は、依然として、平坦シート形態において維持される。これらの統合された層は、次いで、同様に火炎積層によって、次に基部層に継合されてもよい。以前に統合された材料および発泡体層は、支持層に継合されてもよく、これらの多積層層は、次いで、冷やされたローラの間で延ばされてもよい。プロセスの本段階で、これらの層は、依然として、平坦シート形態である。このようにこの点まで積層された層は、次いで、成型できる状態となる。これは、約1~約5分またはそれを上回るもの、例えば、約225秒の期間にわたって等、約250°Fの成型温度まで積層された層を加熱することによって実施されてもよい。これは、以前に積層された層を十分に加熱し、それらが金型の中に挿入されることを可能にする。
【0300】
上記に言及されるように、SCF物理的発泡剤は、最終製品の所望の特性に応じて選択されてもよい。31.1℃および72.2バールにおいてSCF流体になる二酸化炭素は、-147℃および34バールにおいて超臨界流体になる窒素よりも熱可塑性ポリマー502中で4~5倍可溶性である。未充填の再生利用可能熱可塑性ポリマーにおける飽和点は、温度および圧力条件に応じて、窒素の約1.5~2重量パーセントである一方、二酸化炭素の飽和レベルは、8重量パーセントにより近い。二酸化炭素はまた、バイオポリマー中でより高い移動性を呈し、これが窒素よりも既存の気泡の中にさらに移動することを可能にする。セル核形成の観点から、より高い可溶性および移動性は、より少ないセルが核形成され、ここでは核形成するものがより大きくなる傾向があるであろうことを意味する。
【0301】
上記に議論される実施形態では、方法600が、靴等の運動用品を生産するために使用される場合、SCF510は、臨界状態における窒素を含む。窒素は、SCF二酸化炭素よりもはるかに低い重量パーセンテージにおいて改良された重量低減および微細な核を提供する。SCF510窒素レベルは、匹敵する部分を達成するために要求されるSCF二酸化炭素レベルよりも少なくとも75パーセント低い。そのため、SCF二酸化炭素と比較されるときに大幅に低減されたSCF窒素レベル要件は、靴構成要素を作製する際に採用されるような本開示の生分解性および産業的に堆肥化可能な可撓性発泡体を大量生産するとき、最適な材料節約および時間節約を確実にする。
【0302】
二酸化炭素は、より重いが、これは、粘度低減がプロセスの目標であるとき、および/または最終製品がSCF窒素のより攻撃的な発泡作用を許容することができないとき、または半可撓性発泡体において等、ある用途において好適な発泡剤であり得る。例えば、方法600が、家具および自動車製品を生産するために使用されるとき、SCF510は、二酸化炭素が、より大きいサイズおよび/または重量であるが、はるかに大きいセル構造を生産するため、臨界状態における二酸化炭素を含む。物理的発泡剤を用いた物理的発泡プロセスの間、ガラス遷移における下降が、見られる。
【0303】
上記に簡潔に議論されるように、超臨界状態における二酸化炭素は、部分を生産するために必要とされる窒素の量が、非常に少なく、一貫して部分を処理することが可能ではないとき、物理的発泡剤として利用されてもよい。二酸化炭素は、あまり攻撃的ではない発泡剤であるため、いくつかの用途では、低レベルの二酸化炭素を流すことが、より容易である。例えば、(0.05パーセント未満における窒素のレベルと比較して)0.15または0.2パーセントの二酸化炭素が、軟質の材料および厚い断面を有する部分を生産するために利用されてもよい。
【0304】
いくつかの実施形態が、上記に詳細に説明されているが、他の修正も、可能性として考えられる。他の実施形態も、以下の請求項の範囲内であり得る。
【国際調査報告】