(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(54)【発明の名称】スイッチング量出力回路、回路基板組立体及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H02H 9/04 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
H02H9/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532188
(86)(22)【出願日】2021-09-16
(85)【翻訳文提出日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 CN2021118857
(87)【国際公開番号】W WO2022110995
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】202011340211.1
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】黎小剛
【テーマコード(参考)】
5G013
【Fターム(参考)】
5G013AA02
5G013AA09
5G013BA02
5G013CB03
5G013DA10
(57)【要約】
本願の実施例は回路の技術分野に関し、スイッチング量出力回路、回路基板組立体及び電子機器を提案する。この回路は、制御回路と、接点スイッチと、コイルと、第1の過電圧保護デバイスと、第2の過電圧保護デバイスとを含み、制御回路の第1側はコイルの第1側に接続され、制御回路の第2側はコイルの第2側に接続され、接点スイッチとコイルとの間に分布容量が存在し、制御回路は、コイルの磁界を調整することで、接点スイッチのオンオフを制御し、第1の過電圧保護デバイスの第1側は制御回路の第1側とコイルの第1側との間に接続され、第1の過電圧保護デバイスの第2側は制御回路の第2側とコイルの第2側との間に接続され、第2の過電圧保護デバイスの第1側は制御回路の第2側とコイルの第2側との間に接続され、第2の過電圧保護デバイスの第2側は保護グランドに接続されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング量出力回路であって、
制御回路と、接点スイッチと、コイルと、第1の過電圧保護デバイスと、第2の過電圧保護デバイスとを含み、
前記制御回路の第1側は前記コイルの第1側に接続され、前記制御回路の第2側は前記コイルの第2側に接続され、前記接点スイッチと前記コイルとの間に分布容量が存在し、前記制御回路は、前記コイルの磁界を調整することで、前記接点スイッチのオンオフを制御し、
前記第1の過電圧保護デバイスの第1側は前記制御回路の第1側と前記コイルの第1側との間に接続され、前記第1の過電圧保護デバイスの第2側は前記制御回路の第2側と前記コイルの第2側との間に接続され、
前記第2の過電圧保護デバイスの第1側は前記制御回路の第2側と前記コイルの第2側との間に接続され、前記第2の過電圧保護デバイスの第2側は保護グランドに接続されている
スイッチング量出力回路。
【請求項2】
前記第1の過電圧保護デバイスは、過渡ダイオードと、クランプダイオードと、整流ダイオードと、RC回路とのうちの一つを含む
請求項1に記載のスイッチング量出力回路。
【請求項3】
前記第1の過電圧保護デバイスは、片方向過渡ダイオードである
請求項1に記載のスイッチング量出力回路。
【請求項4】
前記第2の過電圧保護デバイスは、過渡ダイオードと、クランプダイオードとのうちの一つである
請求項1から3の何れか一項に記載のスイッチング量出力回路。
【請求項5】
前記第2の過電圧保護デバイスは、双方向過渡ダイオードである
請求項1から3の何れか一項に記載のスイッチング量出力回路。
【請求項6】
前記制御回路はデジタル制御回路である
請求項1から5の何れか一項に記載のスイッチング量出力回路。
【請求項7】
前記第1の過電圧保護デバイスの定格電圧が前記スイッチング量出力回路の動作電圧より大きく、前記第2の過電圧保護デバイスの定格電圧が前記スイッチング量出力回路の動作電圧より大きい
請求項1から6の何れか一項に記載のスイッチング量出力回路。
【請求項8】
前記第1の過電圧保護デバイスの定格電圧は前記スイッチング量出力回路の動作電圧の1.2倍であり、前記第2の過電圧保護デバイスの定格電圧は前記スイッチング量出力回路の動作電圧の1.2倍である
請求項7に記載のスイッチング量出力回路。
【請求項9】
請求項1から8の何れか一項に記載のスイッチング量出力回路を含む
回路基板組立体。
【請求項10】
請求項9に記載の回路基板組立体を含む
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は出願番号が「202011340211.1」で、出願日が2020年11月25日である中国特許出願に基づいて提出され、その中国特許出願の優先権を主張し、その中国特許出願の全文を援用により本願に組み入れる。
【0002】
本願の実施例は、回路の技術分野に関するものであり、特に、スイッチング量出力回路、回路基板組立体及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来では、通信、産業用制御、電力自動化などの分野において、スイッチング量出力インターフェースは、機器の相互接続、通信及び制御動作を実現する電気インターフェースである。しかしながら、実際では、スイッチング量出力インターフェースが複雑な電磁環境で動作するため、スイッチング量出力インターフェースは落雷や動作過電圧などによるサージ電圧の衝撃を受ける可能性がある。スイッチング量出力インターフェースに接続されたスイッチング量出力回路に何の過電圧保護デバイスも追加せず、スイッチング量出力回路自体のデバイスの絶縁性能だけに依存しては、大きなサージ電圧に耐えられず、スイッチング量出力回路のデバイスの損傷、情報喪失、リセットまたは誤作動を招くおそれがある。スイッチング量出力インターフェースのサージ電圧への衝撃に対応するために、スイッチング量出力インターフェースごとに過電圧保護デバイスを追加することで、スイッチング量出力回路が良好なサージ保護能力を有するようにすることができる。
【0004】
しかしながら、サージ電圧の衝撃から保護するために追加された過電圧保護デバイスにより、スイッチング量出力回路の絶縁が破壊され、スイッチング量出力回路が耐電圧試験に合格することが困難になる。すなわち、耐電圧試験において、スイッチング量出力回路には高い商用電源周波数又は直流電圧が印加され、外部からスイッチング量出力ケーブルを介して侵入した商用電源周波数過電圧により、過電圧保護デバイスのオーバーパワーによる損傷を招き、該スイッチング量出力回路の耐電圧試験の不合格につながる。また、多回路リレーについては、接点ごとに過電圧保護デバイスを追加する必要があるため、回路基板での占有面積が大きくなり、コストが高くなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例によれば、スイッチング量出力回路が提供される。前記スイッチング量出力回路は、制御回路と、接点スイッチと、コイルと、第1の過電圧保護デバイスと、第2の過電圧保護デバイスとを含み、前記制御回路の第1側は前記コイルの第1側に接続され、前記制御回路の第2側は前記コイルの第2側に接続され、前記接点スイッチと前記コイルとの間には分布容量が存在し、前記制御回路は、前記コイルの磁界を調整することで、前記接点スイッチのオンオフを制御し、前記第1の過電圧保護デバイスの第1側は前記制御回路の第1側と前記コイルの第1側との間に接続され、前記第1の過電圧保護デバイスの第2側は前記制御回路の第2側と前記コイルの第2側との間に接続され、前記第2の過電圧保護デバイスの第1側は前記制御回路の第2側と前記コイルの第2側との間に接続され、前記第2の過電圧保護デバイスの第2側は保護グランドに接続されている。
【0006】
本願の実施例によれば、上述したスイッチング量出力回路を含む回路基板組立体がさらに提供される。
【0007】
本願の実施例によれば、上述した回路基板組立体を含む電子機器がさらに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本願の第1の実施例にかかるスイッチング量出力回路の回路構成模式図である。
【
図2】本願の第1の実施例にかかるスイッチング量出力回路の接点スイッチ側の電圧波形図である。
【
図3】本願の第1の実施例にかかるスイッチング量出力回路のコイル側の電圧波形図である。
【
図4】本願の第1の実施例にかかるスイッチング量出力回路の制御回路における電圧波形図である。
【
図5】本願の第2の実施例にかかるスイッチング量出力回路の回路構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願の実施例の主な目的は、スイッチング量出力回路における過電圧保護デバイスが受けるサージ電圧を低減させると同時に、スイッチング量出力回路の耐電圧能力を向上させるスイッチング量出力回路、回路基板組立体及び電子機器を提案することである。
【0010】
本願実施例の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、以下では、添付図面を組み合わせて本願の各実施例を詳しく説明する。しかしながら、当業者であれば、本願の各実施例において、読み手に本願をよりよく理解してもらうために多くの技術的詳細が提示されていることを理解することができる。しかし、これらの技術的詳細及び以下の各実施例に基づく様々な変更及び修正がなくとも、本願の保護を求める技術案を実現することができる。以下の各実施例の区分は、説明の便宜のためになされており、本願の具体的な実施形態にいかなる限定を構成すべきではなく、各実施例は、矛盾しない限り、組み合わせたり互いに引用したりすることができる。
【0011】
本願の第1の実施例はスイッチング量出力回路に関する。本実施例におけるスイッチング量出力回路は、
図1に示すように、制御回路101と、接点スイッチSと、コイルLと、第1の過電圧保護デバイス102と、第2の過電圧保護デバイス103とを含む。
【0012】
具体的には、制御回路101の第1側aはコイルLの第1側gに接続され、制御回路101の第2側bはコイルLの第2側hに接続され、接点スイッチSとコイルLとの間には分布容量が存在し、制御回路101は、コイルLの磁界を調整することで、接点スイッチSのオンオフを制御し、第1の過電圧保護デバイス102の第1側cは制御回路101の第1側aとコイルLの第1側gとの間、すなわちSWに接続され、第1の過電圧保護デバイス102の第2側dは制御回路101の第2側bとコイルLの第2側hとの間、すなわちスイッチング量出力回路の接地側GNDに接続され、第2の過電圧保護デバイス103の第1側eは制御回路101の第2側bとコイルLの第2側hとの間に接続され、第2の過電圧保護デバイス103の第2側fは保護グランドPGNDに接続され、接点スイッチの両端はそれぞれスイッチング量出力回路のスイッチング量出力インターフェースout+、out-である。
【0013】
実際の応用において、接点スイッチSとコイルLとからなる構成は、一つのリレーで提供されてもよく、接点スイッチSとコイルLとが存在する他のデバイスであれば、接点スイッチSとコイルLとを備える該デバイスにより提供されてもよい。
【0014】
一例において、制御回路101はデジタル制御回路である。
【0015】
図2には、スイッチング量出力インターフェースout+、out-にサージが存在する場合の、スイッチング量出力インターフェースout+、out-における電圧波形図が示され、
図3には、スイッチング量出力インターフェースout+、out-にサージが存在する場合の、コイルL側の電圧波形図が示され、
図2、
図3におけるスイッチング量出力インターフェースout+、out-に存在するサージが同じである。
【0016】
図2から、スイッチング量出力インターフェースout+、out-における電圧は最大で4KVに達することが分かる。
図3から、スイッチング量出力インターフェースout+、out-に存在するサージが同じである場合、コイルL側の電圧は最大でも200Vに過ぎないことがわかる。すなわち、スイッチング量出力インターフェースout+、out-がサージを受けたとき、接点スイッチS側のサージ電圧が大きく、コイルL側のサージ電圧が小さい。
【0017】
具体的には、本実施例によれば、第1の過電圧保護デバイス102と第2の過電圧保護デバイス103とをコイルL側に設置することにより、接点スイッチSとコイルLとの間に一定の絶縁能力を有する分布容量が存在するため、接点スイッチS側からコイルL側へのサージの大部分の伝達を阻止することができる。これにより、コイルL側のサージ電圧が大幅に低下し、スイッチング量出力インターフェースが受けるサージ電圧が同じである場合、本願の過電圧保護デバイスが受けるサージ電圧の方が小さい。スイッチング量出力インターフェースout+、out-にそれぞれ一つの過電圧保護デバイスが接続されている技術方案では過電圧保護デバイスが受けるサージ電圧が大きいことに鑑みて、本願の第1の過電圧保護デバイス102と第2の過電圧保護デバイス103とがいずれもコイルL側に設置されており、受けるサージ電圧が小さいので、スイッチング量出力インターフェースが受けるサージ電圧が同じである場合、本願の過電圧保護デバイスが受けるサージ電圧の方が小さく、過電圧保護デバイスが損傷する確率は低くなる。
【0018】
実際の応用において、スイッチング量出力インターフェースout+、out-にサージが存在する場合、まず、接点スイッチSとコイルLとの間の分布容量により接点スイッチS側からコイルL側へのサージの大部分の伝達を阻止する。すると、一部のサージが第1の過電圧保護デバイス102と第2の過電圧保護デバイス103に到達し、第1の過電圧保護デバイス102の第1側がSWに接続され、第1の過電圧保護デバイス102の第2側がGNDに接続されているため、スイッチング量出力回路内のディファレンシャルモードサージ及び逆起電力を吸収することができ、第2の過電圧保護デバイス103の第1側がGNDに接続され、第2の過電圧保護デバイス103の第2側が保護グランドPGNDに接続されているため、GNDのサージを保護グランドPGNDに放流することができる。なお、SWにおけるサージ電圧がGNDのサージ電圧を上回った場合、第1の過電圧保護デバイス102は、SWにおけるサージ電圧をGNDに伝達し、第2の過電圧保護デバイス103を介して保護グランドPGNDにサージを放流する。
【0019】
図4に、本実施例のスイッチング量出力回路の制御回路における電圧波形模式図が示され、スイッチング量出力インターフェースout+、out-の電圧は
図2、
図3と同じである。これによりわかるように、本実施例によれば、スイッチング量出力インターフェースout+、out-の電圧が最大で4KVに達する場合、制御回路の電圧を30V前後に下げることができる。一方、
図3を参照して、コイルLと制御回路との間に過電圧保護デバイスが存在しない技術案を用いて、
図3のコイルL側の電圧が制御回路の電圧であることが分かる。このように、本願の制御回路における電圧は大幅に低下するため、スイッチング量出力インターフェースout+、out-から侵入するサージによる制御回路の衝撃や破壊が回避される。
【0020】
なお、実際の生産加工の過程において、スイッチング量出力回路に対して耐電圧試験が行われることを説明しておくべきである。すなわち、耐電圧試験において、スイッチング量出力回路には高い商用電源周波数又は直流電圧が印加される。過電圧保護デバイスをスイッチング量出力インターフェースout+、out-に直接設置する技術案を考慮すると、外部からスイッチング量出力ケーブルを介して侵入した商用電源周波数過電圧により、過電圧保護デバイスのオーバーパワーによる損傷を招くため、該スイッチング量出力回路の耐電圧試験の不合格につながる。一方、本実施例において、スイッチング量出力インターフェースが受ける試験電圧が同じである場合、本実施例で該スイッチング量出力回路に対して耐電圧試験を行うとき、接点スイッチSとコイルLとの間に分布容量が存在し、この分布容量により、耐電圧試験の電圧が第1の過電圧保護デバイス102、第2の過電圧保護デバイス103に伝達されるのを阻止することができるので、第1の過電圧保護デバイス102、第2の過電圧保護デバイス103は試験電圧を受ける必要がなく、スイッチング量出力回路の耐電圧能力が強く、すなわち、スイッチング量出力回路の耐電圧試験合格率が高い。
【0021】
なお、スイッチング量出力回路に複数の接点スイッチがある可能性があるのを考慮して、各接点スイッチにおけるスイッチング量出力インターフェースには全て過電圧保護デバイス、例えばバリスタが接続される技術案では、各接点スイッチのスイッチング量出力インターフェースには全て過電圧保護デバイスが設置されているため、回路の複雑度及びコストが増大するだけでなく、該回路を備えた回路基板の体積も大きくなる。一方、本願では、第1の過電圧保護デバイス102と第2の過電圧保護デバイス103とをコイル側に設置するだけで、スイッチング量出力回路が変わらず良好なサージ防止能力を有することを保証しつつ、スイッチング量出力回路の複雑度を低減させ、スイッチング量出力回路の体積及びコストを低減させることができる。
【0022】
本実施例において、第1の過電圧保護デバイス102と第2の過電圧保護デバイス103とをコイルL側に設置することにより、接点スイッチSとコイルLとの間に大量のサージを絶縁する分布容量が存在することにより、コイルL側に到達するサージが小さく、スイッチング量出力インターフェースが受けるサージ電圧が同じである場合、本願の過電圧保護デバイスが受けるサージ電圧の方が小さい。該スイッチング量出力回路に対して耐電圧試験を行うとき、接点スイッチSとコイルLとの間に分布容量が存在するため、耐電圧試験の電圧が第1の過電圧保護デバイス102、第2の過電圧保護デバイス103に伝達されるのが阻止され、第1の過電圧保護デバイス102、第2の過電圧保護デバイス103は試験電圧を受ける必要がなく、過電圧保護デバイスの定格電圧が同じである場合、本願のスイッチング量出力回路の耐圧能力の方が高い。
【0023】
一例において、第1の過電圧保護デバイス102は、過渡ダイオードと、整流ダイオードと、RC回路とのうちの一つを含む。
【0024】
一例において、第2の過電圧保護デバイス103は、過渡ダイオードと、クランプダイオードとのうちの一つである。
【0025】
一例において、第1の過電圧保護デバイスの定格電圧は、スイッチング量出力回路の動作電圧より大きく、例えば1.2倍、1.3倍、1.4倍である。第2の過電圧保護デバイスの定格電圧は、スイッチング量出力回路の動作電圧より大きく、例えば1.2倍、1.3倍、1.4倍である。過電圧保護されたデバイスの定格電圧をスイッチング量出力回路の動作電圧より高く設定することにより、過電圧による衝撃がない状態で、スイッチング量出力回路が正常に動作する電圧が過電圧保護デバイスを動作させないようにし、スイッチング量出力回路が正常に動作しているときに過電圧保護デバイスがスイッチング量出力回路の動作に影響しないことを確保する。サージ衝撃があった場合、過電圧保護デバイスの電圧が過電圧保護デバイスの起動電圧まで上昇すると(この起動電圧は過電圧保護デバイスの定格電圧より少し高い)、過電圧保護デバイスがオンになって動作してサージ電圧を吸収し、制御回路を保護する目的を達成する。したがって、サージ衝撃があった場合にのみ過電圧保護デバイスが動作することを保証するためには、過電圧保護デバイスの定格電圧をスイッチング量出力回路が正常に動作する電圧より大きく設定し、スイッチング量出力回路が正常に動作している状態で過電圧保護デバイスが動作しないことを保証する必要がある。
【0026】
本願の第2の実施例は、スイッチング量出力回路に関する。第2実施例は、第1実施例とほぼ同じであるが、主な相違点は、本願の第2の実施例において、第1の過電圧保護デバイスが片方向過渡ダイオードで、第2の過電圧保護デバイスが双方向過渡ダイオードである点である。なお、上記第1の実施例の各実施の詳細は、本実施例においても有効であるため、重複を減らすためにここでは説明を省く。
【0027】
本願の第2の実施例はスイッチング量出力回路に関する。
図5に示すように、このスイッチング量出力回路は制御回路201と、接点スイッチSと、コイルLと、片方向過渡ダイオードVD1と、双方向過渡ダイオードVD2とを含む。
【0028】
具体的には、制御回路201の第1側aはコイルLの第1側gに接続され、制御回路201の第2側bはコイルLの第2側hに接続され、接点スイッチSとコイルLとの間には分布容量が存在し、制御回路201は、コイルLの磁界を調整することで、接点スイッチSのオンオフを制御し、片方向過渡ダイオードVD1の第1側cはカソードであり、制御回路201の第1側aとコイルLの第1側gとの間、すなわちSWに接続され、片方向過渡ダイオードVD1の第2側dはアノードであり、制御回路101の第2側bとコイルLの第2側hとの間、すなわちスイッチング量出力回路の接地側GNDに接続され、双方向過渡ダイオードVD2の第1側eは制御回路201の第2側bとコイルLの第2側hとの間に接続され、双方向過渡ダイオードVD2の第2側fは保護グランドPGNDに接続され、接点スイッチの両端はそれぞれスイッチング量出力回路のスイッチング量出力インターフェースout+、out-である。
【0029】
具体的には、スイッチング量出力インターフェースout+,out-のサージが接点スイッチSとコイルLとの間の分布容量を介してコイルL側に伝達されると、SWにおけるサージ電圧がGNDのサージ電圧を上回った場合、片方向過渡ダイオードVD1がサージにより破壊されるため、SWにおけるサージ電圧がGNDに伝達され、第2の過電圧保護デバイス103を介して保護グランドPGNDに放流され、GNDにおけるサージ電圧がSWのサージ電圧を上回った場合、双方向過渡ダイオードVD2はGNDのサージを保護グランドPGNDに放流する。
【0030】
本実施例によれば、第1の過電圧保護デバイスとして片方向過渡ダイオードを設置することにより、逆起電力、ディファレンシャルモードを吸収する速度が向上するだけでなく、双方向過渡ダイオードに比べて片方向過渡ダイオードのコストが低いため、スイッチング量出力回路のコストを節約することができる。本実施例によれば、第2の過電圧保護デバイスとして双方向過渡ダイオードを設置することにより、第2の過電圧保護デバイスにより接地側サージ電圧を吸収する速度を向上させた。
【0031】
一例において、第1の過電圧保護デバイスの定格電圧はスイッチング量出力回路の動作電圧の1.2倍であり、第2の過電圧保護デバイスの定格電圧はスイッチング量出力回路の動作電圧の1.2倍である。過電圧保護デバイスの定格電圧パラメータに一定の許容範囲があり、スイッチング量出力回路の動作電圧にも変動上限があるため、外部サージによる過電圧衝撃がない時に過電圧保護デバイスが自身の許容範囲及びスイッチング量出力回路の動作電圧の変動により誤動作するのを回避するため、過電圧保護のデバイスの定格電圧をスイッチング量出力回路の動作電圧より高くしなければならない。したがって、過電圧保護デバイスの定格電圧の許容範囲とスイッチング量出力回路の動作電圧にも変動上限があることを考慮した上で、本実施例では、過電圧保護デバイスの定格電圧をスイッチング量出力回路の動作電圧の1.2倍に設定している。過電圧保護デバイスの定格電圧をこの値に設定することで、外部のサージによる過電圧衝撃がないときに過電圧保護デバイスの誤動作問題を回避することができる。
【0032】
本願の第3の実施例は、上述した第1の実施例、第2の実施例のスイッチング量出力回路を含む回路基板組立体に関する。
【0033】
本実施例によれば、上述したスイッチング量出力回路を用いることにより、回路基板組立体内の過電圧保護デバイスが受けるサージ電圧を低減させつつ、回路基板組立体の耐電圧能力を向上させた。
【0034】
本願の第4の実施例は、上述した第3の実施例の回路基板組立体を含む電子機器に関する。
【0035】
本実施例によれば、上述した回路基板組立体を用いることにより、電子機器の回路基板組立体内の過電圧保護デバイスが受けるサージ電圧を低減させつつ、電子機器の回路基板組立体の耐電圧能力を向上させた。
【国際調査報告】