(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(54)【発明の名称】リードモジュール、電気コネクタ、およびコネクタ部品
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6461 20110101AFI20231130BHJP
【FI】
H01R13/6461
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532212
(86)(22)【出願日】2021-06-04
(85)【翻訳文提出日】2023-07-04
(86)【国際出願番号】 CN2021098414
(87)【国際公開番号】W WO2022110755
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】202011347517.X
(32)【優先日】2020-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】肖 ▲聰▼▲図▼
(72)【発明者】
【氏名】叶 涛
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 庭和
(72)【発明者】
【氏名】欧 正言
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FC20
5E021LA06
5E021LA12
(57)【要約】
本出願は、リードモジュールを提供する。リードモジュールは、複数のリード対および2つの遮蔽片を含み、2つの遮蔽片はそれぞれ、導電性材料で作製され、複数のリード対の両側に互いに平行に位置する。したがって、グランド配線または遮蔽要素は、本出願のリードモジュールの2つの遮蔽片間、およびリードの本体部に対応する、隣接するリード対の部分間にもはや配置され得ず、リードモジュールは、2つの遮蔽片をグランド配線および遮蔽要素として使用する。したがって、簡単な構造で、信号伝送のためのリード対間のクロストークが効果的に低減される。本出願は、リードモジュールを含む電気コネクタ、および電気コネクタを含むコネクタ部品をさらに提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リードモジュールであって、
複数のリード対であって、各前記リード対は、互いに平行な2つのリードを備え、2つの隣接する前記リード対は、所定の距離だけ離間され、各前記リードは、ピン端部と、接触端部と、本体部とを備え、前記本体部は、前記ピン端部と前記接触端部との間にある、複数のリード対と、
2つの遮蔽片であって、前記2つの遮蔽片は導電性材料を備え、前記2つの遮蔽片は互いに平行であり、前記複数のリード対は前記2つの遮蔽片間に挟まれ、前記複数のリード対は前記2つの遮蔽片に対して固定される、2つの遮蔽片と
を備えるリードモジュール。
【請求項2】
前記複数のリード対は、前記2つの遮蔽片のいずれかの表面に対して垂直な方向において、前記2つの遮蔽片間に平らに置かれる、請求項1に記載のリードモジュール。
【請求項3】
前記リードモジュールは、非導電性絶縁材料で作製された少なくとも1つの固定部材をさらに備え、前記固定部材は、前記2つの遮蔽片間に位置し、前記2つの遮蔽片に固定され、各前記リードの前記本体部の一部は前記固定部材に埋め込まれ、これにより、前記複数のリード対は、前記固定部材を使用して前記2つの遮蔽片に対して固定される、請求項2に記載のリードモジュール。
【請求項4】
前記複数のリード対において、各前記リードの前記本体部は、前記固定部材に埋め込まれた埋込部を備え、前記複数のリード対には、前記埋込部以外の露出部が存在し、同じ前記遮蔽片に面する、前記露出部の各々の表面の少なくとも一部は、第1の平面内に位置し、前記第1の平面は、前記2つの遮蔽片のいずれかの表面が位置する平面と平行である、請求項3に記載のリードモジュール。
【請求項5】
前記2つの遮蔽片のいずれかの表面に対して垂直な前記方向において、すべての前記リードの前記露出部と前記2つの遮蔽片の各々との間の距離は等しい、請求項4に記載のリードモジュール。
【請求項6】
前記2つの遮蔽片のいずれかの表面に対して垂直な前記方向において、前記2つの遮蔽片間の間隔はD1であり、2つの隣接する前記リード対において、それぞれ異なる前記リード対に位置する2つの隣接する前記リードの前記露出部間の最小距離がD2である場合、D1<D2が満たされる、請求項4または5に記載のリードモジュール。
【請求項7】
0.6mm≦D1≦1.1mm、および/または1.1mm≦D2≦1.5mmである、請求項6に記載のリードモジュール。
【請求項8】
各前記リード対において、2つの前記リードの前記露出部間の最小距離はD3であり、各前記リードの前記露出部と前記2つの遮蔽片のいずれかの内面との間の最小距離がD4である場合、D3<D4が満たされる、請求項4または5に記載のリードモジュール。
【請求項9】
0.2mm≦D3≦0.25mm、および/または0.3mm≦D4≦0.4mmである、請求項8に記載のリードモジュール。
【請求項10】
各前記リードに関して、前記露出部の長さは前記埋込部の長さよりも大きい、請求項4または5に記載のリードモジュール。
【請求項11】
各前記リードに関して、前記露出部の前記長さは前記埋込部の前記長さの3倍以上である、請求項10に記載のリードモジュール。
【請求項12】
前記固定部材は、前記2つの遮蔽片に向かって突出する突出部を有し、前記2つの遮蔽片はそれぞれ、前記突出部に適合する取付孔を有し、前記固定部材は、前記突出部と前記取付孔との嵌合設置によって、前記2つの遮蔽片に取り付けられて固定されるか、または
前記2つの遮蔽片はそれぞれ、前記固定部材に向かって突出する突出部を有し、前記固定部材は、前記突出部に適合する取付孔を有し、前記固定部材は、前記突出部と前記取付孔との嵌合設置によって、前記2つの遮蔽片に取り付けられて固定される、
請求項3から5のいずれか一項に記載のリードモジュール。
【請求項13】
すべての前記リードの前記ピン端部は、前記リードモジュールのピン部を一緒に形成し、すべての前記リードの前記接触端部は、前記リードモジュールの接触部を一緒に形成し、前記リードの延伸方向を変えることによって、前記接触部と前記ピン部とによって形成される角度は変えられる、請求項1から5のいずれか一項に記載のリードモジュール。
【請求項14】
遮蔽片ピン部が、前記ピン部に隣接する、前記遮蔽片の部分に配置され、前記遮蔽片ピン部および前記ピン部は、前記リードモジュールの前記ピン部を一緒に形成し、
遮蔽片接触部が、前記接触部に隣接する、前記遮蔽片の部分に配置され、前記遮蔽片接触部および前記接触部は、前記リードモジュールの前記接触部を一緒に形成する、
請求項13に記載のリードモジュール。
【請求項15】
前記リードモジュールは、複数の追加遮蔽片部品をさらに備え、前記複数の追加遮蔽片部品は、前記2つの遮蔽片間に挿入され、前記2つの遮蔽片に対して固定され、前記複数の追加遮蔽片部品は、前記複数のリード対の接触部と交互に配され、これにより、前記追加遮蔽片部品は、すべての前記リード対の前記接触部の両側に配置される、請求項14に記載のリードモジュール。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の1つ以上のリードモジュールを備える電気コネクタ。
【請求項17】
複数の前記リードモジュールは、すべての前記リードモジュールの遮蔽片が平行となる積層方法で配される、請求項16に記載の電気コネクタ。
【請求項18】
すべての前記リードモジュールの前記ピン部は、前記コネクタのピン部を形成するように、マトリクス状に配され、すべての前記リードモジュールのすべての前記接触部は、前記コネクタの接触部を形成するように、マトリクス状に配される、請求項17に記載の電気コネクタ。
【請求項19】
隣接する前記リードモジュールは1つの遮蔽片を共有する、請求項17または18に記載の電気コネクタ。
【請求項20】
前記電気コネクタは、固定フレームをさらに備え、前記固定フレームは、前記複数の前記リードモジュールが相対的に固定されるように、前記複数のリードモジュールに組み付けられる、請求項16から18のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項21】
請求項16から20のいずれか一項に記載の電気コネクタと、前記電気コネクタに適合し接続されることが可能な相互接続電気コネクタとを備えるコネクタ部品。
【請求項22】
前記電気コネクタおよび前記相互接続電気コネクタは、互いに直交して配置される2つの回路基板上にそれぞれ配置される、請求項21に記載のコネクタ部品。
【請求項23】
前記電気コネクタおよび前記相互接続電気コネクタが接続された後、前記コネクタ部品は、少なくとも56Gbit/sの速度で信号伝送を実施することができる、請求項21または22に記載のコネクタ部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年11月26日に中国国家知識産権局に出願された、「リードモジュール、電気コネクタ、およびコネクタ部品」と題された中国特許出願第202011347517.X号の優先権を主張するものであり、その全体は参照によりここに組み込まれる。
本出願は、電子デバイス間の情報通信を実施するためのコネクタの構造に関し、特に、リードモジュールと、リードモジュールを含む電気コネクタと、電気コネクタを含むコネクタ部品とに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイス間の情報通信を実施するための今日の電気コネクタにおいて、信号伝送のためのリード対間のクロストーク性能は、電気コネクタの高速リンク伝送性能に著しい影響を及ぼす。56Gbit/s以上の高速な信号伝送が実施される必要があるとき、電気コネクタ内部の結線レイアウトが、電気コネクタの性能に影響を及ぼす鍵となり、さらに、電気コネクタのリード対間のクロストーク性能に影響を及ぼす。
【0003】
典型的な高速電気コネクタは差動コネクタである。この差動コネクタでは、リード対を介して2つの信号、つまりP信号およびN信号が伝送される。PおよびN信号は、差動コネクタの相互構成インターフェースからリード対を介してピン位置に伝送される必要がある。通常、この差動コネクタでは、隣接するリード対間にグランド配線が配置される。
【0004】
例えば、
図1Aは、既存の電気コネクタの例の部分断面図の概略図である。
図1Aに示されているように、電気コネクタは、リード10と、グランド配線20と、絶縁体30と、基板40とを含む。リード10およびグランド配線20はそれぞれ、導電性材料で作製され、基板40は導電性材料を含み、絶縁体30は非導電性絶縁材料で作製される。リード10およびグランド配線20は、1Aでは上下方向において同じ位置に配され、リード10およびグランド配線20は絶縁体30に埋め込まれ、絶縁体30は、基板40の一面に位置し、基板40に固定され、基板40も接地される。加えて、2つの隣接するリード10はリード対を形成し、隣接するリード対間に1つのグランド配線20が配される。このようにして、信号は、リード対を介して電気コネクタ内で伝送されることができるが、グランド配線20が2つの隣接するリード対間の増加したクロストークを引き起こすことが試験によって発見されている。
【0005】
図1Bは、既存の電気コネクタの別の例の部分断面図の概略図である。
図1Bに示されているように、電気コネクタは、リード10、グランド配線20、および遮蔽ハウジング50を含む。リード10およびグランド配線20はそれぞれ、導電性材料で作製され、遮蔽ハウジング50は少なくとも部分的に導電性材料で作製される。リード10およびグランド配線20は、1Bでは上下方向において同じ位置に配される。2つの隣接するリード10はリード対を形成し、各リード対は遮蔽ハウジング50内に配され、遮蔽ハウジング50は、リード対の両側でグランド配線20に接続され、内部のリード対を完全に取り囲む。リード対間のクロストークを大幅に低減する遮蔽ハウジング50の能力は、リード対間のクロストークを増加させる際にグランド配線20によってもたらされる悪影響を打ち消すが、このような全周遮蔽ハウジング50の使用は、電気コネクタのコストの著しい増加をもたらし、大規模な工業生産には好ましくない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
これを考慮して、リードモジュールが提供され、リードモジュールは、コストを考慮しつつ、信号伝送のためのリード対間のクロストークを効果的に低減することができる。リードモジュールを含む電気コネクタ、および電気コネクタを含むコネクタ部品がさらに提供される。電気コネクタおよびコネクタ部品は、本発明のリードモジュールを使用して同じ技術的効果を実施する。
【0007】
したがって、本出願では以下の技術的解決策が使用される。
【0008】
第1の態様によれば、本出願の一実施形態はリードモジュールを提供し、リードモジュールは、
複数のリード対であって、各リード対は、互いに平行な2つのリードを含み、2つの隣接するリード対は、所定の距離だけ離間され、各リードは、ピン端部と、接触端部と、本体部とを含み、本体部は、ピン端部と接触端部との間にある、複数のリード対と、
2つの遮蔽片であって、2つの遮蔽片はそれぞれ、導電性材料を含み、2つの遮蔽片は互いに平行であり、複数のリード対は2つの遮蔽片間に挟まれ、複数のリード対は2つの遮蔽片に対して固定される、2つの遮蔽片と
を含む。
【0009】
前述の技術的解決策によれば、本出願のリードモジュールでは、リード対の両側の遮蔽片が、グランド配線および遮蔽要素として使用され、これにより、グランド配線または遮蔽要素は、2つの遮蔽片間およびリードの本体部間にもはや配置されない。したがって、簡単な構造で、信号伝送のためのリード対間のクロストークが効果的に低減される。
【0010】
第1の態様によれば、リードモジュールの第1の可能な実施態様では、複数のリード対は、2つの遮蔽片のいずれかの表面に対して垂直な方向において、2つの遮蔽片間に平らに置かれる。
【0011】
前述の技術的解決策によれば、簡単な構造で、リードモジュールは実施されることができ、厚さ方向のリードモジュールのサイズは低減されることができる。
【0012】
第1の態様の第1の可能な実施態様によれば、リードモジュールは、非導電性絶縁材料で作製された少なくとも1つの固定部材をさらに含み、固定部材は、2つの遮蔽片間に位置し、2つの遮蔽片に固定され、各リードの本体部の一部は固定部材に埋め込まれ、これにより、複数のリード対は、固定部材を使用して2つの遮蔽片に対して固定される。
【0013】
前述の技術的解決策によれば、リード対と遮蔽片との間の相対的な固定は、簡単な構造で実施されることができ、リード対における信号伝送は影響を受けない。
【0014】
第1の態様または第1の態様の任意の可能な実施態様によれば、複数のリード対において、各リードの本体部は、固定部材に埋め込まれた埋込部と、埋込部以外の露出部とを含み、その場合、複数のリード対において、同じ遮蔽片に面する、各露出部の表面の少なくとも一部は、第1の平面内に位置し、第1の平面は、2つの遮蔽片のいずれかの表面が位置する平面と平行である。
【0015】
前述の技術的解決策によれば、リードモジュールの構造レイアウトはより単純であることができ、厚さ方向のリードモジュールのサイズはさらに低減されることができる。
【0016】
第1の態様または第1の態様の任意の可能な実施態様によれば、2つの遮蔽片のいずれかの表面に対して垂直な方向において、各リードの露出部と2つの遮蔽片の各々との間の距離は等しい。
【0017】
前述の技術的解決策によれば、リードモジュールの構造レイアウトはより単純であることができ、厚さ方向のリードモジュールのサイズはさらに低減されることができる。
【0018】
第1の態様または第1の態様の任意の可能な実施態様によれば、2つの遮蔽片のいずれかの表面に対して垂直な方向において、2つの遮蔽片間の間隔はD1であり、
2つの隣接するリード対において、それぞれ異なるリード対に位置する2つの隣接するリードの露出部間の最小距離がD2である場合、
D1<D2が満たされる。
【0019】
前述の技術的解決策によれば、2つの遮蔽片の遮蔽効果は改善されることができ、リード対間のクロストークはさらに低減されることができる。
【0020】
第1の態様または第1の態様の任意の可能な実施態様によれば、0.6mm≦D1≦1.1mm、および/または1.1mm≦D2≦1.5mmである。
【0021】
前述の技術的解決策によれば、一部の特定の適用装置(例えば、ルータ)において、リード対間のクロストークはさらに低減されることができる。
【0022】
第1の態様または第1の態様の任意の可能な実施態様によれば、各リード対において、2つのリードの露出部間の最小距離はD3であり、
各リードの露出部と2つの遮蔽片のいずれかの内面との間の最小距離がD4である場合、
D3<D4が満たされる。
【0023】
前述の技術的解決策によれば、リード対間のクロストークはさらに低減されることができる。
【0024】
第1の態様または第1の態様の任意の可能な実施態様によれば、0.2mm≦D3≦0.25mm、および/または0.3mm≦D4≦0.4mmである。
【0025】
前述の技術的解決策によれば、一部の特定の適用装置(例えば、ルータ)において、リード対間のクロストークはさらに低減されることができる。
【0026】
第1の態様または第1の態様の任意の可能な実施態様によれば、各リードに関して、露出部の長さは埋込部の長さよりも大きい。
【0027】
前述の技術的解決策によれば、リード対を絶縁体に埋め込むことによって引き起こされる挿入損失は効果的に低減されることができ、長距離伝送時のリード対における信号の挿入損失は低減されることができる。
【0028】
第1の態様または第1の態様の任意の可能な実施態様によれば、各リードに関して、露出部の長さは埋込部の長さの3倍以上である。
【0029】
前述の技術的解決策によれば、リード対の挿入損失はさらに効果的に低減されることができる。
【0030】
第1の態様または第1の態様の任意の可能な実施態様によれば、固定部材は、2つの遮蔽片に向かって突出する突出部を有し、2つの遮蔽片はそれぞれ、突出部に適合する取付孔を有し、固定部材は、突出部と取付孔との嵌合設置によって、2つの遮蔽片に取り付けられて固定されるか、または2つの遮蔽片はそれぞれ、固定部材に向かって突出する突出部を有し、固定部材は、突出部に適合する取付孔を有し、固定部材は、突出部と取付孔との嵌合設置によって、2つの遮蔽片に取り付けられて固定される。
【0031】
前述の技術的解決策によれば、リード対と遮蔽片との間の効果的な相対的固定は簡単な構造で実施されることができる。
【0032】
第1の態様または第1の態様の任意の可能な実施態様によれば、すべてのリードのピン端部は、リードモジュールのピン部を一緒に形成し、すべてのリードの接触端部は、リードモジュールの接触部を一緒に形成し、リードの延伸方向を変えることによって、接触部とピン部とによって形成される角度は変えられる。
【0033】
前述の技術的解決策によれば、本出願のリードモジュールのリード対の2つの端部は任意の所望の角度を形成することができ、これにより、本出願のリードモジュールはより広い適用範囲を有する。
【0034】
第1の態様または第1の態様の任意の可能な実施態様によれば、遮蔽片ピン部が、ピン部に隣接する、遮蔽片の部分に配置され、遮蔽片ピン部およびピン部は、リードモジュールのピン部を一緒に構成し、遮蔽片接触部が、接触部に隣接する、遮蔽片の部分に配置され、遮蔽片接触部および接触部は、リードモジュールの接触部を一緒に構成する。
【0035】
前述の技術的解決策によれば、遮蔽片は、リードモジュールと外部構造との接続を保証するために、リード対に適合する遮蔽片ピン部および遮蔽片接触部の構造を有する。
【0036】
第1の態様または第1の態様の任意の可能な実施態様によれば、リードモジュールは、複数の追加遮蔽片部品をさらに含み、複数の追加遮蔽片部品は、2つの遮蔽片間に挿入され、2つの遮蔽片に対して固定され、複数の追加遮蔽片部品は、複数のリード対の接触部と交互に配され、これにより、追加遮蔽片部品は、すべてのリード対の接触部の両側に配置される。
【0037】
前述の技術的解決策によれば、接触部における遮蔽効果は改善されることができ、接触部におけるリード対間のクロストークはさらに低減されることができる。
【0038】
第2の態様によれば、本出願は電気コネクタを提供し、電気コネクタは、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実施態様によるリードモジュールの1つ以上を含む。
【0039】
前述の技術的解決策によれば、電気コネクタはリードモジュールと同じ効果を有する。
【0040】
第2の態様によれば、電気コネクタの第1の可能な実施態様では、複数のリードモジュールは、すべてのリードモジュールの遮蔽片が平行となる積層方法で配される。
【0041】
前述の技術的解決策によれば、電気コネクタは、本出願のリードモジュールを使用して簡単な方法で構成されることができる。
【0042】
第2の態様または第2の態様の任意の可能な実施態様によれば、すべてのリードモジュールのピン部は、コネクタのピン部を形成するように、マトリクス状に配され、すべてのリードモジュールのすべての接触部は、コネクタの接触部を形成するように、マトリクス状に配される。
【0043】
前述の技術的解決策によれば、電気コネクタのコネクタのピン部およびコネクタの接触部は、本出願のリードモジュールのピン部および接触部を使用して簡単な方法で構成されることができる。
【0044】
第2の態様または第2の態様の任意の可能な実施態様によれば、隣接するリードモジュールは1つの遮蔽片を共有する。
【0045】
前述の技術的解決策によれば、電気コネクタの構造はさらに簡素化されることができる。
【0046】
第2の態様または第2の態様の任意の可能な実施態様によれば、電気コネクタは、固定フレームをさらに含み、固定フレームは、複数のリードモジュールが固定されるように、複数のリードモジュールに組み付けられる。
【0047】
前述の技術的解決策によれば、複数のリードモジュールは、簡単な構造で安定して一緒に固定されることができる。
【0048】
第3の態様によれば、本出願はコネクタ部品を提供し、コネクタ部品は、第2の態様または第2の態様の任意の可能な実施態様による電気コネクタと、電気コネクタに適合し接続されることが可能な相互接続電気コネクタとを含む。
【0049】
前述の技術的解決策によれば、電気コネクタは、リードモジュールおよび電気コネクタと同じ効果を有する。
【0050】
第3の態様によれば、コネクタ部品の第1の可能な実施態様では、電気コネクタおよび相互接続電気コネクタは、互いに直交して配置される2つの回路基板上にそれぞれ配置される。
【0051】
前述の技術的解決策によれば、本出願による電気コネクタは、様々な回路基板の構造レイアウトに適用され得る。
【0052】
第3の態様または第3の態様の任意の可能な実施態様によれば、電気コネクタおよび相互接続電気コネクタが接続された後、コネクタ部品は、少なくとも56Gbit/sの速度で信号伝送を実施することができる。
【0053】
前述の技術的解決策によれば、本出願による電気コネクタは、高速信号伝送のシナリオに適用され得る。
【0054】
前述の技術的解決策によれば、本出願の解決策は、より広い適用範囲を有する。
【0055】
本出願のこれらの態様および他の態様は、以下の(複数の)実施形態の説明においてより簡潔で理解しやすい。
【0056】
本明細書に含まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面と本明細書とは、本出願の例示的な実施形態、特徴、および態様を一緒に示し、本出願の原理を説明することを意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1A】既存の電気コネクタの例の部分断面図の概略図である。
【
図1B】既存の電気コネクタの別の例の部分断面図の概略図である。
【
図2A】本出願の第1の例示的な実施形態によるリードモジュールの概略三次元図である。
【
図2E】組立状態の
図2Aのリードモジュールの2つのリード対および2つの固定部材の構造の概略図である。
【
図2F】
図2Dのリード対および固定部材の上面図の概略図である。
【
図2G】
図2Aのリードモジュールの2つのリード対の概略三次元図である。
【
図3】
図2Aに示されている複数のリードモジュールを含む電気コネクタの概略三次元図である。
【
図4A】本出願の第2の例示的な実施形態によるリードモジュールの概略三次元図である。
【
図4C】組立状態の
図4Aのリードモジュールの複数のリード対および一体型固定部材の構造の概略図である。
【
図4E】
図4Aのリードモジュールの一体型固定部材の概略三次元図である。
【
図4F】
図4Aのリードモジュールの複数のリード対の概略三次元図である。
【
図4G】
図4Aのリードモジュールのリード対の部分構造の拡大概略図であり、リード対のピン端部を示す。
【
図4H】
図4Aのリードモジュールのリード対の部分構造の拡大概略図であり、リード対の接触端部を示す。
【
図4I】
図4Aのリードモジュールの第1の遮蔽片の概略三次元図である。
【
図4J】
図4Iの第1の遮蔽片の領域Sの部分拡大概略図である。
【
図4K】4Aのリードモジュールの別の概略分解図である。
【
図4L】4Aのリードモジュールの追加の遮蔽部品の構造の概略三次元図である。
【
図5A】
図4Aに示されている複数のリードモジュールを含む電気コネクタの概略三次元図である。
【
図6A】本出願の例によるコネクタ部品の三次元構造の概略図である。
【
図6B】本出願の別の例によるコネクタ部品の三次元構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下は、添付の図面を参照して、本出願の様々な例示的な実施形態、特徴、および態様を詳細に説明する。添付の図面における同一の参照番号は、同じまたは同様の機能を有する要素を示す。実施形態の様々な態様が添付の図面に示されているが、添付の図面は、特に明記されない限り、必ずしも比例して描かれていない。
【0059】
ここでの特定の用語「例」は、「例、実施形態、または説明として使用される」を意味する。「例」として説明されている実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも優れている、またはより良いものとして説明されていない。
【0060】
加えて、本出願をより良く説明するために、以下の特定の実施形態において多くの特定の詳細が与えられる。当業者は、一部の特定の詳細なしでも本出願が実施されることができることを理解すべきである。一部の実施形態では、本出願の主な目的が強調されるように、当業者に周知の方法、手段、および要素は詳細に説明されていない。
【0061】
本出願では、特に明記されない限り、「高さ方向」はリードモジュールの高さ方向であり、これはまた、以下の例示的な実施形態における遮蔽片およびリードの厚さ方向と一致する。しかしながら、高さ方向は、本出願のリードモジュールおよび電気コネクタの使用方向または姿勢に対する限定として理解されるべきではない。
【0062】
(本出願の第1の例示的な実施形態によるリードモジュールMおよびリードモジュールMを使用して構成される電気コネクタの構造)
【0063】
図2Aから
図2Hに示されているように、本出願の第1の例示的な実施形態によるリードモジュールMは、一緒に組み付けられる2つのリード対(第1のリード対1aおよび第2のリード対1bを含む)と、2つの遮蔽片(第1の遮蔽片2aおよび第2の遮蔽片2bを含む)と、2つの固定部材(第1の固定部材3aおよび第2の固定部材3bを含む)とを含む。2つの遮蔽片2aおよび2bは互いに平行に離間され、2つのリード対1aおよび1bは、2つの遮蔽片2aおよび2b間に位置し、2つのリード対1aおよび1bは、2つの固定部材3aおよび3bを使用して2つの遮蔽片2aおよび2bに対して固定される。
【0064】
具体的には、この実施形態では、2つのリード対1aおよび1bは、第1の遮蔽片2aの表面が位置する平面(または第2の遮蔽片2bの表面が位置する平面)に対して垂直な方向において、2つの遮蔽片2aおよび2b間に平らに置かれる。第1のリード対1aおよび第2のリード対1bは、互いに平行(略平行を含む)に延伸する。第1のリード対1aと第2のリード対1bとは、延伸時に常に特定の距離だけ離間される。
【0065】
第1のリード対1aおよび第2のリード対1bはそれぞれ、互いに平行な導電性材料(例えば、金属、特にリン青銅)で作製された2つのリード1を含む。各リード1は、平坦なストリップ形状であり、各リード1の厚さ方向は、リードモジュールMの高さ方向Tと一致する。同じリード対1aまたは1bにおいて、2つのリード1は、延伸時に常に特定の距離だけ離間される。
【0066】
各リード1は、2つの遮蔽片2aおよび2bによって完全に遮蔽された本体部11と、本体部11の両端に位置するピン端部12(魚眼部とも呼ばれる)および接触端部13(ばね板部とも呼ばれる)とを含む。ピン端部12の一部および接触端部13の一部は、いずれも2つの遮蔽片2aおよび2bの遮蔽領域から突出する。本出願において、リード1の「ピン端部12」は、本出願のリードモジュールを含むコネクタが回路基板上に配置されたときに回路基板上の配線に電気的に接続するために使用される、リード1の部分であり、リード1の「接触端部13」は、リード1が相互接続コネクタのリードに電気的に接続されるように本出願のリードモジュールを含むコネクタが相互接続コネクタに接続されたときに相互接続コネクタのリードと重なる、リード1の部分である。同じリード1の場合、ピン端部12および接触端部13は、本体部11と一体化される。さらに、同じリード対1aまたは1bにおいて、すべてのリード1のピン端部12は、リード対1aまたは1bのピン部を形成し、すべてのリード対1aおよび1bのピン部は、リードモジュールMのピン部を形成するように、所定の方法で一緒に配される。加えて、同じリード対1aまたは1bにおいて、すべてのリード1の接触端部13は、リード対1aまたは1bの接触部を形成し、すべてのリード対1aおよび1bの接触端部は、リードモジュールMの接触部を形成するように、所定の方法で一緒に配される。
【0067】
リード1の本体部11の延伸方向を変えることによって、リード1のピン端部12と接触端部13とによって形成される角度は変えられることができ、さらに、リードモジュールMのピン部および接触部は、この方法で所定の角度に形成されることができる。具体的には、この実施形態では、各リード1の本体部11は、各リード1の本体部11の延伸時に一度90度に曲げられ、さらに、各本体部11は、互いに90度である第1のリードセグメント11aおよび第2のリードセグメント11bを含む。第1のリードセグメント11aおよび第2のリードセグメント11bのいずれも、直線状に延伸する。こうして、リードモジュールMのピン部と接触部とは90度の所定の角度を形成する。
【0068】
さらに、この実施形態では、2つの遮蔽片2aおよび2bは、金属(例えば、真鍮またはリン青銅)で作製され、矩形板状に形成される。2つのリード対1aおよび1bは、2つの遮蔽片2aおよび2b間に挟まれる。すなわち、高さ方向Tにおいて、2つの遮蔽片2aおよび2bは、信号伝送時のリード対1aおよび1bの信号のクロストーク放射を吸収するために、2つのリード対1aおよび1bの両側に配置される。
【0069】
より具体的には、第1の遮蔽片2aは、高さ方向Tに貫通する第1の取付孔2a1をさらに有し、第2の遮蔽片2bは、高さ方向Tに貫通する第2の取付孔2b1をさらに有する。取付孔2a1および2b1は、固定部材3aおよび3bによって形成された突出部3a2および3b2に適合する。したがって、固定部材3aおよび3bは、固定部材3aおよび3bの突出部3a2および3b2と、遮蔽片2aおよび2bの取付孔2a1および2b1との嵌合設置によって、遮蔽片2aおよび2bに対して固定される。さらに、第1の遮蔽片ピン部2a2が、リード1のピン端部12に隣接する、第1の遮蔽片2aの部分に配置され、第1の遮蔽片接触部2a3が、リード1の接触端部13に隣接する、第1の遮蔽片2aの部分に配置され、第2の遮蔽片ピン部2b2が、リード1のピン端部12に隣接する、第2の遮蔽片2bの部分に配置される。
図2Hに示されているように、第1の遮蔽片2aおよび第2の遮蔽片2bの遮蔽片ピン部2a2および2b2と2つのリード対1aおよび1bのピン端部とは、遮蔽片ピン部2a2および2b2と2つのリード対1aおよび1bのピン端部との配列方向に交互に配され、第1の遮蔽片2aの第1の遮蔽片ピン部2a2は、第2の遮蔽片2bの第2の遮蔽片ピン部2b2と位置合わせされる。2つの遮蔽片2aおよび2bの遮蔽片ピン部2a2および2b2は、すべてのリード対1aおよび1bのピン部と共に、リードモジュールMのピン部を形成し、第1の遮蔽片2aの第1の遮蔽片接触部2a3は、すべてのリード対1aおよび1bの接触部と共に、リードモジュールMの接触部を形成する。
【0070】
さらに、この実施形態では、2つの固定部材3aおよび3bは、絶縁材料(例えば、エンジニアリングプラスチック)で作製される。2つの固定部材3aおよび3bは、2つの遮蔽片2aおよび2b間に位置し、2つの遮蔽片2aおよび2bに固定され、各リード対1aおよび1bのリード1の一部は、固定部材3aおよび3bに埋め込まれ、これにより、2つのリード対1aおよび1bは、固定部材3aおよび3bを使用して2つの遮蔽片2aおよび2bに対して固定される。
【0071】
より具体的には、第1の固定部材3aは、立方体状の第1の本体部3a1と、第1の本体部3a1と一体化された2つの第1の突出部3a2とを含み、2つの第1の突出部3a2は、それぞれ、第1の本体部3a1から2つの遮蔽片2aおよび2bに向かって突出し、2つの第1の突出部3a2は、それぞれ、2つの遮蔽片2aおよび2bに形成された取付孔2a1および2b1に嵌合される(例えば、締まりばめまたはリベット締めの方法で一緒に嵌合される)。第2の固定部材3bは、立方体状の第2の本体部3b1と、第2の本体部3b1と一体化された2つの第2の突出部3b2とを含み、2つの第2の突出部3b2は、それぞれ、第2の本体部3b1から2つの遮蔽片2aおよび2bに向かって突出し、2つの第2の突出部3b2は、それぞれ、2つの遮蔽片2aおよび2bによって形成された取付孔2a1および2b1に嵌合される(例えば、締まりばめまたはリベット締めの方法で一緒に嵌合される)。第1の固定部材3aの第1の本体部3a1と第2の固定部材3bの第2の本体部3b1とは、2つの遮蔽片2aおよび2b間に配され、第1の本体部3a1の長さ方向と第2の本体部3b1の長さ方向とは互いに直交する。第1の本体部3a1および第2の本体部3b1の厚さ方向は、リードモジュールMの高さ方向Tと一致する。各リード1の本体部11の第1のリードセグメント11aの、ピン端部12に隣接する部分は、第1の固定部材3aの第1の本体部3a1に埋め込まれ、各リード1の本体部11の第2のリードセグメント11bの、接触端部13に隣接する部分は、第2の固定部材3bの第2の本体部3b1に埋め込まれる。したがって、各リード1は、2つの固定部材3aおよび3bを使用して2つの遮蔽片2aおよび2bに対して固定される。
【0072】
前述の構造を有する本出願の第1の例示的な実施形態によるリードモジュールMでは、リード対1aおよび1b間のクロストークを効果的に抑制するために、以下の2つの態様の解決策が主に使用されることができる。
【0073】
一方では、2つのリード対1aおよび1bを除いて、2つの遮蔽片2aおよび2b間に、グランド配線および別の遮蔽要素は配置されず、リードモジュールM全体は、グランド配線および遮蔽要素として2つの遮蔽片2aおよび2bのみを使用する。したがって、本出願の第1の例示的な実施形態によるリードモジュールMは、背景技術で説明された以下の問題、すなわち、リード対間へのグランド配線の配置によって引き起こされるリード対間のクロストークの増加という問題を回避し、これにより、リード対間のクロストークが低減される。
【0074】
他方では、リード対1aおよび1b間のクロストークをさらに抑制するために、リード対1aおよび1bのリード1の本体部11の、固定部材3aおよび3bに埋め込まれない露出部(空気に露出される)と、遮蔽片2aおよび2bの位置とが、特定のサイズ要件を満たすように適切に設定される。これらのサイズ要件は、主に
図2Dを参照して以下に説明される。最初に、第1の遮蔽片2aに面する、2つのリード対1aおよび1bの各リード1の露出部の表面は、第1の平面内に位置し、第2の遮蔽片2bに面する、各リード1の露出部の表面は、第2の平面内に位置することに留意されたい。第1の平面および第2の平面は、第1の遮蔽片2aが位置する平面または第2の遮蔽片2bが位置する平面と平行である。さらに、第1の遮蔽片2aの表面が位置する平面または第2の遮蔽片2bの表面が位置する平面に対して垂直な方向(高さ方向T)において、2つの遮蔽片2aおよび2b間の遮蔽片間の距離はD1である。2つのリード対1aおよび1bにそれぞれ位置する2つの隣接するリード1の露出部間のリード対間の最小距離はD2である場合、D1はD2未満であることが満たされる。例えば、ルータのコネクタまたは次世代の波長分割多重システムのコネクタに適用されるとき、遮蔽片間の距離D1は、好ましくは0.6mm≦D1≦1.1mmを満たす。加えて、リード対間の最小距離D2は、好ましくは1.1mm≦D2≦1.5mmを満たす。加えて、各リード対1aまたは1bにおいて、2つの隣接するリード1の露出部間のリード間の最小距離はD3であり、すべてのリード1の中の各リード1の露出部と第1の遮蔽片2aの内面(内面は、リード対1aおよび1bに面する、第1の遮蔽片2aの表面である)との間のリードと遮蔽片との間の最小距離がD4である場合、D3はD4未満であることが満たされる。例えば、ルータのコネクタまたは次世代の波長分割多重システムのコネクタに適用されるとき、リード間の最小距離D3は、好ましくは0.2mm≦D3≦0.25mmを満たし、リードと遮蔽片との間の最小距離D4は、好ましくは0.3mm≦D4≦0.4mmを満たす。実際、リード1の露出部と第2の遮蔽片2bとの間のリードと遮蔽片との間の最小距離は、リード1の露出部と第1の遮蔽片2aとの間のリードと遮蔽片との間の最小距離D4と同様であり、D3との前述の相対関係も満たし、好ましくは前述の値の範囲も満たす。前述のサイズ設定により、リード対1aおよび1b間のクロストークはさらに抑制されることができる。
【0075】
加えて、背景技術では説明されていないが、実際、
図1Aに示されている電気コネクタでは、リード10の大部分が絶縁体30に埋め込まれるため、信号伝送時に、リード10のこの部分で大きな挿入損失が発生する。高速信号の挿入損失の原理によれば、信号の挿入損失は、金属で作製されたリード10が通る絶縁体(非金属材料)の損失角パラメータに関連する。絶縁体30に一般的に使用される非金属材料(プラスチックなど)の損失角パラメータは0.02であり、0.0002の損失角パラメータを有する空気と比較して、絶縁体30は、リード10における信号の挿入損失の著しい増加をもたらす。リード10が絶縁体30に完全に埋め込まれる場合、信号の挿入損失が大幅に増加され、激しい信号減衰をもたらす。
【0076】
したがって、前述の構造を有する本出願の第1の例示的な実施形態によるリードモジュールMでは、リードの絶縁体への埋め込みに起因する挿入損失を効果的に低減するために、以下の設定が行われる。この実施形態では、各リード1の本体部11は、埋込部と、埋込部以外の露出部とを含み、埋込部は、絶縁材料で作製された固定部材3aおよび3bに埋め込まれる。埋込部の長さは、露出部の長さよりも小さく設定され、すなわち、露出部の長さは、埋込部の長さよりも大きく設定される。発明者による研究を通して、露出部の長さが埋込部の長さの3倍以上である場合、挿入損失は効果的に低減されることができ、露出部の長さは、リード1が固定部材3aおよび3bに対してしっかりと固定されることができるように、好ましくは埋込部の長さの5倍未満であることが発見されている。
【0077】
結論として、本出願の第1の例示的な実施形態によるリードモジュールMは、以下の効果:リード対1aおよび1b間のクロストークが低コストで効果的に抑制され、リード1における信号の挿入損失が低減される、を実施する。
【0078】
以下では、本出願の第1の例示的な実施形態によるリードモジュールMを使用して構成される電気コネクタCが説明される。
【0079】
図3に示されているように、本出願の第1の例示的な実施形態による3つのリードモジュールMは高さ方向に、合わせて積層され、すべてのリードモジュールMの遮蔽片2aおよび2bは平行である。すべてのリードモジュールMのピン部がコネクタのピン部を一緒に構成し、すべてのリードモジュールMの接触部がコネクタの接触部を一緒に構成する。リードモジュールMの各々において前述の効果が実施されるため、電気コネクタC全体のクロストークおよび挿入損失が効果的に低減される。
【0080】
(本出願の第2の例示的な実施形態によるリードモジュールMおよびリードモジュールMを使用して構成される電気コネクタCの構造)
【0081】
図4Aから
図4Mに示されているように、本出願の第2の例示的な実施形態によるリードモジュールMの構成原理は、本出願の第1の例示的な実施形態によるリードモジュールMの構成原理と一致する。したがって、本出願の第1の例示的な実施形態によるリードモジュールMと同じ効果が実施されることができる。
【0082】
本出願の第2の例示的な実施形態によるリードモジュールMは、一緒に組み付けられる12個のリード対(第1のリード対1a、第2のリード対1b、第3のリード対1c、第4のリード対1d、第5のリード対1e、第6のリード対1f、第7のリード対1g、第8のリード対1h、第9のリード対1i、第10のリード対1j、第11のリード対1k、および第12のリード対1mを含む)と、2つの遮蔽片(第1の遮蔽片2aおよび第2の遮蔽片2bを含む)と、一体型固定部材3cとを含む。2つの遮蔽片2aおよび2bは互いに平行に離間され、12個のリード対1aから1mは2つの遮蔽片2aおよび2b間に位置し、12個のリード対1aから1mは、一体型固定部材3cを介して2つの遮蔽片2aおよび2bに対して固定される。
【0083】
具体的には、この実施形態では、12個のリード対1aから1mは、第1の遮蔽片2aの表面が位置する平面(または第2の遮蔽片2bの表面が位置する平面)に対して垂直な方向において、2つの遮蔽片2aおよび2b間に平らに置かれる。12個のリード対1aから1mは、互いに平行に延伸する。12個のリード対1aから1mにおけるどの2つの隣接するリード対も、延伸時に常に特定の距離だけ離間される。
【0084】
リード対1aから1mはそれぞれ、互いに平行な導電性材料(例えば、金属、特にリン青銅)で作製された2つのリード1を含む。各リード1は、平坦なストリップ形状であり、各リード1の厚さ方向は、リードモジュールMの高さ方向と一致する。リード対1aから1mの各々において、2つのリード1は、延伸時に常に特定の距離だけ離間される。
【0085】
各リード1は、2つの遮蔽片2aおよび2bによって完全に遮蔽された本体部11と、本体部11の両端に位置するピン端部12(魚眼部とも呼ばれる)および接触端部13(ばね板部とも呼ばれる)とを含む。接触端部13の一部は、相互接続電気コネクタTC(
図6Aおよび
図6Bを参照されたい)の対応する接触部に弾性的に接続するための突出部を有する。同じリード1の場合、ピン端部12および接触端部13は、本体部11と一体化される。さらに、リード対1aから1mの各々において、リード1のピン端部12は、リード対1aから1mの各々のピン部を構成し、すべてのリード対1aから1mのピン部は、リードモジュールMのピン部を構成するように、所定の方法で一緒に配される。加えて、リード対1aから1mの各々において、リード1の接触端部13は、リード対1aから1mの各々の接触部を構成し、すべてのリード対1aから1mの接触端部は、リードモジュールMの接触部を構成するように、所定の方法で一緒に配される。
【0086】
リード1の本体部11の延伸方向を変えることによって、リード1のピン端部12と接触端部13とによって形成される角度は変えられることができ、さらに、リードモジュールMのピン部および接触部は、この方法で所定の角度に形成されることができる。具体的には、この実施形態では、各リード1の本体部11は、各リード1の本体部11の延伸時に複数回曲げられ、さらに、各本体部11は、互いの間に所定の角度を形成する複数の直線部を含む。最後に、リードモジュールMのピン部と接触部との間に90度の所定の角度が形成される。
【0087】
さらに、この実施形態では、2つの遮蔽片2aおよび2bは、金属(例えば、真鍮またはリン青銅)で作製され、板状に形成される。2つの遮蔽片2aおよび2bは、信号伝送時のリード対1aおよび1bの信号のクロストーク放射を吸収するために、すべてのリード対1aから1mを挟む方法ですべてのリード対1aから1mの両側に配置される。
【0088】
より具体的には、第1の遮蔽片2aは、高さ方向Tに貫通する多数の第1の取付孔2a1をさらに有し、第2の遮蔽片2bは、高さ方向Tに貫通する多数の第2の取付孔2b1をさらに有する。取付孔2a1および2b1は、一体型固定部材3cによって形成された突出部3c1に適合する。したがって、固定部材3cは、取り付けの際の一体型固定部材3cの突出部3c1と遮蔽片2aおよび2bの取付孔2a1および2b1との協働によって遮蔽片2aおよび2bに対して固定される。さらに、第1の遮蔽片ピン部2a2が、リード1のピン端部12に隣接する、第1の遮蔽片2aの部分に配置され、第1の遮蔽片接触部2a3が、リード1の接触端部13に隣接する、第1の遮蔽片2aの部分に配置され、第2の遮蔽片ピン部2b2が、リード1のピン端部12に隣接する、第2の遮蔽片2bの部分に配置され、第2の遮蔽片接触部2b3が、リード1の接触端部13に隣接する、第2の遮蔽片2bの部分に配置される。遮蔽片接触部2a3および2b3は、弾性突出部を有する。
図4Kに示されているように、第1の遮蔽片2aおよび第2の遮蔽片2bの遮蔽片ピン部2a2および2b2とリード対1aか1mのピン端部とは、遮蔽片ピン部2a2および2b2とリード対1aから1mのピン端部との配列方向に交互に配され、第1の遮蔽片2aの第1の遮蔽片ピン部2a2は、第2の遮蔽片2bの第2の遮蔽片ピン部2b2と位置合わせされる。2つの遮蔽片2aおよび2bの遮蔽片ピン部2a2および2b2は、すべてのリード対1aから1mのピン部と共に、リードモジュールMのピン部を構成し、2つの遮蔽片2aおよび2bの遮蔽片接触部2a3および2b3は、すべてのリード対1aから1mのピン部と共に、リードモジュールMの接触部を構成する。
【0089】
さらに、この実施形態では、一体型固定部材3cは、絶縁材料(例えばエンジニアリングプラスチック、例えば液晶ポリマーLCP)で作製される。一体型固定部材3cは、2つの遮蔽片2aおよび2b間に位置し、2つの遮蔽片2aおよび2bに固定され、各リード対1aから1mのリード1の一部は、一体型固定部材3cに埋め込まれ、これにより、すべてのリード対1aから1mは、一体型固定部材3cを介して2つの遮蔽片2aおよび2bに対して固定される。
【0090】
より具体的には、一体型固定部材3cは、2つの遮蔽片2aおよび2bの取付孔2a1および2b1に対応する多数の突出部3c1を有し、これらの突出部3c1は、それぞれ2つの遮蔽片2aおよび2bに向かって突出する。一体型固定部材3cは、複数の横リブ部3c2および複数の縦リブ部3c3を有し、複数の横リブ部3c2は、リード対1aから1mに対して垂直な方向に延伸し、複数の縦リブ部3c3は、リード対1aから1mと略平行に延伸する。したがって、複数の横リブ部3c2と複数の縦リブ部3c3とは、互いに交差するように配置される。隣接する縦リブ部3c3間、および縦リブ部3c3と一体型固定部材3cのフレームとの間には、リード対1aから1mのリード1を取り付けるための溝が形成され、これらの溝に配置されたリード対1aから1mのリード1の本体部11の埋込部は、横リブ部3c2に埋め込まれ、本体部11は、横リブ部3c2を通って延伸し、リード1の本体部11の、横リブ部3c2に埋め込まれない露出部は空気に露出される。加えて、一体型固定部材3cにおいて、横リブ部3c2と縦リブ部3c3との交点に一部の突出部3c1が配置され、一体型固定部材3cのフレームに他の突出部3c1が配置される。一体型固定部材3cとリード対1aから1mとの組立体は、金型を使用して高温射出成形によって形成されることができる。
【0091】
さらに、この実施形態では、リードモジュールMは、複数の追加遮蔽片部品4をさらに含む。各追加遮蔽片部品4は、並んで配置された第1の追加遮蔽片41と第2の追加遮蔽片42とを含み、第1の追加遮蔽片41は弾性片41tを有し、第2の追加遮蔽片42は、弾性片41tに対応する切り欠き42hを有する。各追加遮蔽片部品4は、2つの遮蔽片2aおよび2b間に直立して挿入され、各追加遮蔽片部品4は、例えば溶接によって遮蔽片2aおよび2bに一緒に固定される。追加遮蔽片部品4がリード対1aから1mの接触部の両側に配置されるように、合計13個の追加遮蔽片部品4がすべてのリード対1aから1mの接触部と交互に配される。
【0092】
例えば、
図4Fおよび
図4Kを参照されたい。追加遮蔽片部品4の長さは、明らかにリード1の長さ未満であることが確かめられることができる。例えば、最短リード1の場合、追加遮蔽片部品4の長さは、最短リード1の長さの半分未満であり、最長リード1の場合、例えば、追加遮蔽片部品4の長さは、最長リード1の長さの1/6または1/8未満である。
【0093】
前述の構造が使用され、一方では、前述の構造を有する本出願の第2の例示的な実施形態によるリードモジュールMでは、追加遮蔽片部品4が隣接するリード対の接触部間に配置されるが、リード対1aから1m間に別のグランド配線または遮蔽要素を配置することによって引き起こされるクロストークを低減するために、隣接するリード対のリードの本体部間に別のグランド配線または遮蔽要素はもはや配置されない。他方では、この実施形態におけるサイズ関係は、第1の例示的な実施形態のリードモジュールMで説明された遮蔽片間の距離D1、リード対間の最小距離D2、リード間の最小距離D3、およびリードと遮蔽片との間の最小距離D4の要件を満たす。したがって、第1の実施形態と同様に、リード対1aから1m間のクロストークは効果的に抑制される。さらに、この実施形態では、リード対1aから1mにおいて、各リード1の本体部11の露出部の長さが埋込部の長さよりもはるかに大きく、したがって、第1の実施形態と同様に、リード1の挿入損失が大幅に低減される。
【0094】
以下では、本出願の第2の例示的な実施形態によるリードモジュールMを使用して構成される電気コネクタCが説明される。
【0095】
図5Aおよび
図5Bに示されているように、本出願の第2の例示的な実施形態による8個のリードモジュールMは、高さ方向に、合わせて積層され、すべてのリードモジュールMの遮蔽片2aおよび2bは平行である。すべてのリードモジュールMのピン部がコネクタのピン部を一緒に構成し、すべてのピン部はマトリクス状に配される。すべてのリードモジュールMの接触部がコネクタの接触部を一緒に構成し、すべての接触部はマトリクス状に配される。したがって、合計8個のリードモジュールMが配置され、各リードモジュールMは12個のリード対1aから1mを有するため、電気コネクタCは、合計96対の(高速の)信号を伝送することができる。リードモジュールMの各々において前述の効果が実施されるため、電気コネクタC全体のクロストークおよび挿入損失が効果的に低減される。
【0096】
さらに、複数のリードモジュールMを固定するために、電気コネクタCは、固定フレームFをさらに含み、固定フレームFと複数のリードモジュールMとは一緒に組み立てられて固定される。具体的には、固定フレームFは、第1の機械部F1と、第2の機械部F2と、第1の固定片F3と、第2の固定片F4と、第3の固定片F5とを含む。すべてのリードモジュールMは、第1の機械部F1と第2の機械部F2との間に挟まれ、第1の機械部F1と第2の機械部F2とは、合わせて積層されたリードモジュールMを高さ方向の両側から保持する。第1の固定片F3および第2の固定片F4の各々は、板構造を有し、第1の固定片F3および第2の固定片F4の各々は、第1の機械部F1、第2の機械部F2、および各リードモジュールMの一体型固定部材3cに対応する複数の挟持部を有する。第3の固定片F5は、第1の機械部F1、第2の機械部F2、およびリードモジュールMの対応する部分に適合する折り返し構造を形成し、これにより、第3の固定片F5は、図に示されているように対応する部分に挟み合わされることができる。第3の固定片F5の折り返し部も、第1の機械部F1、第2の機械部F2、および各リードモジュールMの一体型固定部材3cに対応する複数の挟持部を有する。第1の固定片F3、第2の固定片F4、および第3の固定片F5は、第1の固定片F3、第2の固定片F4、および第3の固定片F5の挟持部を使用して、第1の機械部F1、第2の機械部F2、および各リードモジュールMの一体型固定部材3cに挟み合わされ、これは、空間における電気コネクタC全体の構造安定性を保証する。
【0097】
以下は、本明細書の添付の図面を参照して、前述の電気コネクタCを使用してコネクタ部品の特定の構造について説明する。
【0098】
(本出願の例示的な実施形態によるコネクタ部品の構造)
図6Aに示されているように、本出願の例示的な実施形態によるコネクタ部品は、バックプラグインコネクタ部品と呼ばれ得、コネクタ部品は、前述の構造を有する電気コネクタCと、電気コネクタCに適合し接続されることが可能な相互接続電気コネクタTCとを含む。電気コネクタCは、第1の回路基板P1の略中央部に配置され、相互接続電気コネクタTCは、第2の回路基板P2の周縁部に配置される。したがって、電気コネクタCと相互接続電気コネクタTCとが互いにプラグ接続されたとき、第1の回路基板P1と第2の回路基板P2とは、図に示されている方法で直交する。
【0099】
図6Bに示されているように、本出願の別の例示的な実施形態によるコネクタ部品は、水平プラグインコネクタ部品と呼ばれ得、コネクタ部品は、前述の構造を有する電気コネクタCと、電気コネクタCに適合し接続されることが可能な相互接続電気コネクタTCとを含む。電気コネクタCは、第1の回路基板P1(水平プラグイン基板)の周縁部に配置され、相互接続電気コネクタTCは、第2の回路基板P2(垂直プラグイン基板)の周縁部に配置される。したがって、電気コネクタCと相互接続電気コネクタTCとが互いにプラグ接続されたとき、第1の回路基板P1と第2の回路基板P2とは、図に示されている方法で直交する。さらに、複数の電気コネクタCが水平プラグイン基板上に配置され、複数の対応する相互接続電気コネクタTCが垂直プラグイン基板上に配置される場合に、複数のこのような水平プラグイン基板および垂直プラグイン基板が使用されるとき、強力な情報伝送能力を有する製品情報交換システムが形成されることができる。
【0100】
加えて、
図6Aまたは
図6Bに示されている基板対基板コネクタ部品が使用されるかどうかにかかわらず、電気コネクタCと相互接続電気コネクタTCとが接続された後、コネクタ部品は、少なくとも56Gbit/sの速度の高速信号伝送を実施することができる。好ましくは、コネクタ部品は、56Gbit/sまたは112Gbit/sの速度を実施することができ、したがって、スイッチおよびルータなどの高速信号伝送を必要とするデバイスに適している。
【0101】
本出願の特定の実施態様の例示的な実施形態および関連する修正形態が前述の内容で説明されており、以下では補足的な説明が提供される。
【0102】
i.遮蔽片2aおよび2bは、前述の特定の実施態様で説明されたように導電性金属材料で作製されているが、本出願はこれに限定されず、遮蔽片2aおよび2bは、ある部分に関しては導電性材料で作製され、他の部分に関しては非導電性材料で作製されてもよい。すなわち、遮蔽片2aおよび2bは、遮蔽機能を実施するために、金属などの導電性材料を含んでいればよい。例えば、遮蔽片は、導電層と非導電層(例えば、プラスチック層)とを複合することによって形成されてもよいし、または非導電性材料層上に金属被覆層および金属めっき層が配置されてもよい。
【0103】
ii.前述の特定の実施態様では、固定部材が突出部を有し、遮蔽片が取付孔を有し、突出部と取付孔とが取り付けの際に互いに協働して、固定部材が遮蔽片に対して固定されることが説明されたが、本出願はこれに限定されない。例えば、固定部材が取付孔を有してもよく、遮蔽片は、取付孔に対応する突出部を有する。固定部材は、取り付けの際の固定部材の取付孔と遮蔽片の突出部との協働によって遮蔽片に対して固定される。
【0104】
iii.前述の特定の実施態様で説明された実施形態では、高さ方向において、各リードの本体部(特に露出部)と2つの遮蔽片との間の距離は実質的に等しくてもよいし、または等しくなくてもよいことが理解され得る。すなわち、本体部と2つの遮蔽片との間の距離は、実際の必要性に基づいて設定されてもよい。
【0105】
iv.前述の特定の実施態様では説明されていないが、本出願による電気コネクタCでは、隣接するリードモジュールMが1つの遮蔽片を共有してもよいことが理解され得る。
【0106】
v.本出願の発明者は、実験を通して、
図1Aの構造を使用した電気コネクタのクロストークが35GHzで-45dBに達し、本出願の構造を使用した電気コネクタのクロストークが、0~60GHzの範囲内で-55dBに達し得ることを学んだ。加えて、
図1Aの構造を使用した電気コネクタの挿入損失は29GHzで-2.65dBに達しており、信号減衰が深刻である。しかしながら、本出願の構造を使用した電気コネクタの挿入損失は、29GHzでわずか-1.47dBであり、したがって、比較すると、信号減衰度が大幅に低減されている。
【0107】
vi.本出願におけるリードモジュールMならびにリードモジュールMによって構成される電気コネクタCおよびコネクタ部品は、簡単な遮蔽構造でクロストークおよび挿入損失を効果的に低減する効果を実施し、デバイスの構造信頼性を改善し、製造コストを低減し、大規模な工業生産を容易にすることを理解されたい。
【0108】
vii.本出願では、「および/または」によって接続された第1の解決策および第2の解決策を使用することは、第1の解決策と第2の解決策との両方が使用され得るし、または第1の解決策もしくは第2の解決策のいずれかが使用され得ることを意味する。例えば、0.6mm≦D1≦1.1mmおよび/または1.1mm≦D2≦1.5mmが本出願において定義されているが、これは、本出願が0.6mm≦D1≦1.1mmのみを使用する解決策を含み、1.1mm≦D2≦1.5mmのみを使用する解決策をさらに含み、0.6mm≦D1≦1.1mmかつ1.1mm≦D2≦1.5mmを使用する解決策をさらに含むことを意味する。
【0109】
本出願は実施形態を参照して説明されているが、保護を請求する本出願を実施する過程で、当業者は、添付の図面、開示された内容、および添付の特許請求の範囲を検討することによって、開示された実施形態の別の変形例を理解および実施し得る。特許請求の範囲において、「備える」は別の部品または別のステップを排除せず、「ある」または「1つの」は複数のケースを排除しない。いくつかの手段が、互いに異なる従属請求項に記載されているが、これは、これらの手段がより良い効果を生み出すために組み合わされることができないことを意味しない。
【0110】
上記では、本出願の実施形態が説明されている。前述の説明は例であり、網羅的ではなく、開示された実施形態に限定されない。説明された実施形態の範囲および精神から逸脱することなく、多くの修正形態および変形形態は当業者には明らかである。本明細書で使用されている用語の選択は、実施形態の原理、実際の適用、または市場の技術の改善を最も良く説明すること、または別の当業者が本明細書に開示されている実施形態を理解することを可能にすることを意図されている。
【符号の説明】
【0111】
10 リード
20 グランド配線
30 絶縁体
40 基板
50 遮蔽ハウジング
M リードモジュール
1 リード
11 本体部
11a 第1のリードセグメント
11b 第2のリードセグメント
12 ピン端部
13 接触端部
1a 第1のリード対
1b 第2のリード対
1c 第3のリード対
1d 第4のリード対
1e 第5のリード対
1f 第6のリード対
1g 第7のリード対
1h 第8のリード対
1i 第9のリード対
1j 第10のリード対
1k 第11のリード対
1m 第12のリード対
2a 第1の遮蔽片
2a1 第1の取付孔
2a2 第1の遮蔽片ピン部
2a3 第1の遮蔽片接触部
2b 第2の遮蔽片
2b 第2の取付孔
2b2 第2の遮蔽片ピン部
2b3 第2の遮蔽片接触部
3a 第1の固定部材
3a1 第1の本体部
3a2 第1の突出部
3b 第2の固定部材
3b1 第2の本体部
3b2 第2の突出部
3c 一体型固定部材
3c1 突出部
3c2 横リブ部
3c3 縦リブ部
4 追加遮蔽片部品
41 第1の追加遮蔽片
41t 弾性片
42 第2の追加遮蔽片
42h 切り欠き
C 電気コネクタ
F 固定フレーム
F1 第1の機械部
F2 第2の機械部
F3 第1の固定片
F4 第2の固定片
F5 第3の固定片
TC 相互接続電気コネクタ
P1 第1の回路基板
P2 第2の回路基板
D1 遮蔽片間の距離
D2 リード対間の最小距離
D3 リード間の最小距離
D4 リードと遮蔽片との間の最小距離
T 高さ方向
【手続補正書】
【提出日】2023-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本出願は、電子デバイス間の情報通信を実施するためのコネクタの構造に関し、特に、リードモジュールと、リードモジュールを含む電気コネクタと、電気コネクタを含むコネクタ部品とに関する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
電子デバイス間の情報通信を実施するための今日の電気コネクタにおいて、信号伝送のためのリード対間のクロストーク性能は、電気コネクタの高速リンク伝送性能に著しい影響を及ぼす。56Gbit/s以上の高速な信号伝送が実施される必要があるとき、電気コネクタ内部の結線レイアウトが、電気コネクタの性能に影響を及ぼす本質的要素となり、さらに、電気コネクタのリード対間のクロストーク性能に影響を及ぼす。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
図1Bは、既存の電気コネクタの別の例の部分断面図の概略図である。
図1Bに示されているように、電気コネクタは、リード10、グランド配線20、および遮蔽ハウジング50を含む。リード10およびグランド配線20はそれぞれ、導電性材料で作製され、遮蔽ハウジング50は少なくとも部分的に導電性材料で作製される。リード10およびグランド配線20は、
図1Bでは上下方向において同じ位置に配される。2つの隣接するリード10はリード対を形成し、各リード対は遮蔽ハウジング50内に配され、遮蔽ハウジング50は、リード対の両側でグランド配線20に接続され、内部のリード対を完全に取り囲む。リード対間のクロストークを大幅に低減する遮蔽ハウジング50の能力は、リード対間のクロストークを増加させる際にグランド配線20によってもたらされる悪影響を打ち消すが、このような全周遮蔽ハウジング50の使用は、電気コネクタのコストの著しい増加をもたらし、大規模な工業生産には好ましくない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
これを考慮して、リードモジュールが提供され、リードモジュールは、コストを低減しつつ、信号伝送のためのリード対間のクロストークを効果的に低減することができる。リードモジュールを含む電気コネクタ、および電気コネクタを含むコネクタ部品がさらに提供される。電気コネクタおよびコネクタ部品は、本発明のリードモジュールを使用して同じ技術的効果を実施する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
第1の態様によれば、リードモジュールの第1の可能な実施態様では、複数のリード対は、2つの遮蔽片のいずれかの表面に対して垂直な方向において、2つの遮蔽片間に置かれる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
前述の技術的解決策によれば、本出願のリードモジュールのリード対の2つの端部は任意の所望の角度を形成することができ、これにより、本出願のリードモジュールはより広く適用されることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
第1の態様または第1の態様の任意の可能な実施態様によれば、遮蔽片ピン部が、ピン部に隣接する、遮蔽片の部分に配置され、遮蔽片ピン部およびピン部は、リードモジュールのピン部を一緒に形成し、遮蔽片接触部が、接触部に隣接する、遮蔽片の部分に配置され、遮蔽片接触部および接触部は、リードモジュールの接触部を一緒に形成する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
第2の態様によれば、本出願は電気コネクタを提供し、電気コネクタは、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実施態様による1つ以上のリードモジュールを含む。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
第2の態様または第2の態様の任意の可能な実施態様によれば、すべてのリードモジュールのピン部は、コネクタのピン部を形成するように、マトリクス状に配され、すべてのリードモジュールの接触部は、コネクタの接触部を形成するように、マトリクス状に配される。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
第2の態様または第2の態様の任意の可能な実施態様によれば、電気コネクタは、固定フレームをさらに含み、固定フレームは、複数のリードモジュールが固定されるように、複数のリードモジュールにそれぞれ組み付けられる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
第3の態様または第3の態様の任意の可能な実施態様によれば、電気コネクタおよび相互接続電気コネクタが接続された後、コネクタ部品は、少なくとも56Gbpsの速度で信号伝送を実施することができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
前述の技術的解決策によれば、本出願の解決策は、より広く適用されることができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
【
図1A】既存の電気コネクタの例の部分断面図の概略図である。
【
図1B】既存の電気コネクタの別の例の部分断面図の概略図である。
【
図2A】本出願の第1の例示的な実施形態によるリードモジュールの概略三次元図である。
【
図2E】組立状態の
図2Aのリードモジュールの2つのリード対および2つの固定部材の構造の概略図である。
【
図2F】
図2Eのリード対および固定部材の
概略上面
図である。
【
図2G】
図2Aのリードモジュールの2つのリード対の概略三次元図である。
【
図3】
図2Aに示されている複数のリードモジュールを含む電気コネクタの概略三次元図である。
【
図4A】本出願の第2の例示的な実施形態によるリードモジュールの概略三次元図である。
【
図4C】組立状態の
図4Aのリードモジュールの複数のリード対および一体型固定部材の構造の概略図である。
【
図4E】
図4Aのリードモジュールの一体型固定部材の概略三次元図である。
【
図4F】
図4Aのリードモジュールの複数のリード対の概略三次元図である。
【
図4G】
図4Aのリードモジュールのリード対の部分構造の拡大概略図であり、リード対のピン端部を示す。
【
図4H】
図4Aのリードモジュールのリード対の部分構造の拡大概略図であり、リード対の接触端部を示す。
【
図4I】
図4Aのリードモジュールの第1の遮蔽片の概略三次元図である。
【
図4J】
図4Iの第1の遮蔽片の領域Sの部分拡大概略図である。
【
図4K】4Aのリードモジュールの別の概略分解図である。
【
図4L】4Aのリードモジュールの追加の遮蔽部品の構造の概略三次元図である。
【
図5A】
図4Aに示されている複数のリードモジュールを含む電気コネクタの概略三次元図である。
【
図6A】本出願の例によるコネクタ部品の三次元構造の概略図である。
【
図6B】本出願の別の例によるコネクタ部品の三次元構造の概略図である。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
具体的には、この実施形態では、2つのリード対1aおよび1bは、第1の遮蔽片2aの表面が位置する平面(または第2の遮蔽片2bの表面が位置する平面)に対して垂直な方向において、2つの遮蔽片2aおよび2b間に置かれる。第1のリード対1aおよび第2のリード対1bは、互いに平行(略平行を含む)に延伸する。第1のリード対1aと第2のリード対1bとは、延伸時に常に特定の距離だけ離間される。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
各リード1は、2つの遮蔽片2aおよび2bによって完全に遮蔽された本体部11と、本体部11の両端に位置するピン端部12(魚眼部とも呼ばれる)および接触端部13(ばね板部とも呼ばれる)とを含む。ピン端部12の一部および接触端部13の一部は、いずれも2つの遮蔽片2aおよび2bの遮蔽領域から突出する。本出願において、リード1の「ピン端部12」は、本出願のリードモジュールを含むコネクタが回路基板上に配置されたときに回路基板上の配線に電気的に接続するために使用される、リード1の部分であり、リード1の「接触端部13」は、リード1が相互接続コネクタのリードに電気的に接続されるように本出願のリードモジュールを含むコネクタが相互接続コネクタに接続されたときに相互接続コネクタのリードと重なる、リード1の部分である。同じリード1の場合、ピン端部12および接触端部13は、本体部11と一体化される。さらに、同じリード対1aまたは1bにおいて、すべてのリード1のピン端部12は、リード対1aまたは1bのピン部を形成し、すべてのリード対1aおよび1bのピン部は、リードモジュールMのピン部を形成するように、所定の方法で一緒に配される。加えて、同じリード対1aまたは1bにおいて、すべてのリード1の接触端部13は、リード対1aまたは1bの接触部を形成し、すべてのリード対1aおよび1bの接触部は、リードモジュールMの接触部を形成するように、所定の方法で一緒に配される。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0068】
さらに、この実施形態では、2つの遮蔽片2aおよび2bは、金属(例えば、真鍮またはリン青銅)で作製され、矩形板状に形成される。2つのリード対1aおよび1bは、2つの遮蔽片2aおよび2b間に挟まれる。言い換えれば、高さ方向Tにおいて、2つの遮蔽片2aおよび2bは、信号伝送時のリード対1aおよび1bの信号のクロストーク放射を吸収するために、2つのリード対1aおよび1bの両側に配置される。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
一方では、2つのリード対1aおよび1bを除いて、2つの遮蔽片2aおよび2b間に、グランド配線および別の遮蔽要素は配置されず、リードモジュールM全体は、グランド配線および遮蔽要素として2つの遮蔽片2aおよび2bのみを使用する。したがって、本出願の第1の例示的な実施形態によるリードモジュールMは、背景技術で説明された以下の問題、すなわち、リード対間へのグランド配線の配置によって引き起こされるリード対間のクロストークの増加の問題を回避し、これにより、リード対間のクロストークが低減される。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
他方では、リード対1aおよび1b間のクロストークをさらに抑制するために、リード対1aおよび1bのリード1の本体部11の、固定部材3aおよび3bに埋め込まれない露出部(空気に露出される)と、遮蔽片2aおよび2bの位置とが、特定のサイズ要件を満たすように適切に
配置される。これらのサイズ要件は、主に
図2Dを参照して以下に説明される。最初に、第1の遮蔽片2aに面する、2つのリード対1aおよび1bの各リード1の露出部の表面は、第1の平面内に位置し、第2の遮蔽片2bに面する、各リード1の露出部の表面は、第2の平面内に位置することに留意されたい。第1の平面および第2の平面は、第1の遮蔽片2aが位置する平面または第2の遮蔽片2bが位置する平面と平行である。さらに、第1の遮蔽片2aの表面が位置する平面または第2の遮蔽片2bの表面が位置する平面に対して垂直な方向(高さ方向T)において、2つの遮蔽片2aおよび2b間の遮蔽片間の距離はD1である。2つのリード対1aおよび1bにそれぞれ位置する2つの隣接するリード1の露出部間のリード対間の最小距離はD2である場合、D1はD2未満であることが満たされる。例えば、ルータのコネクタまたは次世代の波長分割多重システムのコネクタに適用されるとき、遮蔽片間の距離D1は、好ましくは0.6mm≦D1≦1.1mmを満たす。加えて、リード対間の最小距離D2は、好ましくは1.1mm≦D2≦1.5mmを満たす。加えて、各リード対1aまたは1bにおいて、2つの隣接するリード1の露出部間のリード間の最小距離はD3であり、すべてのリード1の中の各リード1の露出部と第1の遮蔽片2aの内面(内面は、リード対1aおよび1bに面する、第1の遮蔽片2aの表面である)との間のリードと遮蔽片との間の最小距離がD4である場合、D3はD4未満であることが満たされる。例えば、ルータのコネクタまたは次世代の波長分割多重システムのコネクタに適用されるとき、リード間の最小距離D3は、好ましくは0.2mm≦D3≦0.25mmを満たし、リードと遮蔽片との間の最小距離D4は、好ましくは0.3mm≦D4≦0.4mmを満たす。実際、リード1の露出部と第2の遮蔽片2bとの間のリードと遮蔽片との間の最小距離は、リード1の露出部と第1の遮蔽片2aとの間のリードと遮蔽片との間の最小距離D4と同様であり、D3との前述の相対関係も満たし、好ましくは前述の値の範囲も満たす。前述のサイズ設定により、リード対1aおよび1b間のクロストークはさらに抑制されることができる。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
図3に示されているように、本出願の第1の例示的な実施形態による3つのリードモジュールMは高さ方向に、合わせて積層され、すべてのリードモジュールMの遮蔽片2aおよび2bは平行である。すべてのリードモジュールMのピン部がコネクタのピン部を一緒に
形成し、すべてのリードモジュールMの接触部がコネクタの接触部を一緒に
形成する。リードモジュールMの各々において前述の効果が実施されるため、電気コネクタC全体のクロストークおよび挿入損失が効果的に低減される。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
本出願の第2の例示的な実施形態によるリードモジュールMは、一緒に組み付けられる12個のリード対(第1のリード対1a、第2のリード対1b、第3のリード対1c、第4のリード対1d、第5のリード対1e、第6のリード対1f、第7のリード対1g、第8のリード対1h、第9のリード対1i、第10のリード対1j、第11のリード対1k、および第12のリード対1mを含む)と、2つの遮蔽片(第1の遮蔽片2aおよび第2の遮蔽片2bを含む)と、一体型固定部材3cとを含む。2つの遮蔽片2aおよび2bは互いに平行に離間され、12個のリード対1aから1mは2つの遮蔽片2aおよび2b間に位置し、12個のリード対1aから1mは、一体型固定部材3cを使用して2つの遮蔽片2aおよび2bに対して固定される。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
具体的には、この実施形態では、12個のリード対1aから1mは、第1の遮蔽片2aの表面が位置する平面(または第2の遮蔽片2bの表面が位置する平面)に対して垂直な方向において、2つの遮蔽片2aおよび2b間に置かれる。12個のリード対1aから1mは、互いに平行に延伸する。12個のリード対1aから1mにおけるどの2つの隣接するリード対も、延伸時に常に特定の距離だけ離間される。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0085】
各リード1は、2つの遮蔽片2aおよび2bによって完全に遮蔽された本体部11と、本体部11の両端に位置するピン端部12(魚眼部とも呼ばれる)および接触端部13(ばね板部とも呼ばれる)とを含む。接触端部13の一部は、相互接続電気コネクタTC(
図6Aおよび
図6Bを参照されたい)の対応する接触部に弾性的に接続するための突出部を有する。同じリード1の場合、ピン端部12および接触端部13は、本体部11と一体化される。さらに、リード対1aから1mの各々において、リード1のピン端部12は、リード対1aから1mの各々のピン部を
形成し、すべてのリード対1aから1mのピン部は、リードモジュールMのピン部を
形成するように、所定の方法で一緒に配される。加えて、リード対1aから1mの各々において、リード1の接触端部13は、リード対1aから1mの各々の接触部を
形成し、すべてのリード対1aから1mの接
触部は、リードモジュールMの接触部を
形成するように、所定の方法で一緒に配される。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0087】
さらに、この実施形態では、2つの遮蔽片2aおよび2bは、金属(例えば、真鍮またはリン青銅)で作製され、板状に形成される。2つの遮蔽片2aおよび2bは、信号伝送時のリード対1aから1mの信号のクロストーク放射を吸収するために、すべてのリード対1aから1mを挟む方法ですべてのリード対1aから1mの両側に配置される。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
より具体的には、第1の遮蔽片2aは、高さ方向Tに貫通する多数の第1の取付孔2a1をさらに有し、第2の遮蔽片2bは、高さ方向Tに貫通する多数の第2の取付孔2b1をさらに有する。取付孔2a1および2b1は、一体型固定部材3cによって形成された突出部3c1に適合する。したがって、固定部材3cは
、一体型固定部材3cの突出部3c1と遮蔽片2aおよび2bの取付孔2a1および2b1との
嵌合設置によって遮蔽片2aおよび2bに対して固定される。さらに、第1の遮蔽片ピン部2a2が、リード1のピン端部12に隣接する、第1の遮蔽片2aの部分に配置され、第1の遮蔽片接触部2a3が、リード1の接触端部13に隣接する、第1の遮蔽片2aの部分に配置され、第2の遮蔽片ピン部2b2が、リード1のピン端部12に隣接する、第2の遮蔽片2bの部分に配置され、第2の遮蔽片接触部2b3が、リード1の接触端部13に隣接する、第2の遮蔽片2bの部分に配置される。遮蔽片接触部2a3および2b3は、弾性突出部を有する。
図4Kに示されているように、第1の遮蔽片2aおよび第2の遮蔽片2bの遮蔽片ピン部2a2および2b2とリード対1aか1mのピン端部とは、遮蔽片ピン部2a2および2b2とリード対1aから1mのピン端部との配列方向に交互に配され、第1の遮蔽片2aの第1の遮蔽片ピン部2a2は、第2の遮蔽片2bの第2の遮蔽片ピン部2b2と位置合わせされる。2つの遮蔽片2aおよび2bの遮蔽片ピン部2a2および2b2は、すべてのリード対1aから1mのピン部と共に、リードモジュールMのピン部を
形成し、2つの遮蔽片2aおよび2bの遮蔽片接触部2a3および2b3は、すべてのリード対1aから1mの
接触部と共に、リードモジュールMの接触部を
形成する。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
さらに、この実施形態では、一体型固定部材3cは、絶縁材料(例えばエンジニアリングプラスチック、例えば液晶ポリマーLCP)で作製される。一体型固定部材3cは、2つの遮蔽片2aおよび2b間に位置し、2つの遮蔽片2aおよび2bに固定され、リード対1aから1mの各々のリード1の一部は、一体型固定部材3cに埋め込まれ、これにより、すべてのリード対1aから1mは、一体型固定部材3cを使用して2つの遮蔽片2aおよび2bに対して固定される。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0095】
図5Aおよび
図5Bに示されているように、本出願の第2の例示的な実施形態による8個のリードモジュールMは、高さ方向に、合わせて積層され、すべてのリードモジュールMの遮蔽片2aおよび2bは平行である。すべてのリードモジュールMのピン部がコネクタのピン部を一緒に
形成し、すべてのピン部はマトリクス状に配される。すべてのリードモジュールMの接触部がコネクタの接触部を一緒に
形成し、すべての接触部はマトリクス状に配される。したがって、合計8個のリードモジュールMが配置され、各リードモジュールMは12個のリード対1aから1mを有するため、電気コネクタCは、合計96対の(高速の)信号を伝送することができる。リードモジュールMの各々において前述の効果が実施されるため、電気コネクタC全体のクロストークおよび挿入損失が効果的に低減される。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0100】
加えて、
図6Aまたは
図6Bに示されている基板対基板コネクタ部品が使用されるかどうかにかかわらず、電気コネクタCと相互接続電気コネクタTCとが接続された後、コネクタ部品は、少なくとも56Gb
psの速度の高速信号伝送を実施することができる。好ましくは、コネクタ部品は、56Gb
psまたは112Gb
psの速度を実施することができ、したがって、スイッチおよびルータなどの高速信号伝送を必要とするデバイスに適している。
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0103
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0103】
ii.前述の特定の実施態様では、固定部材が突出部を有し、遮蔽片が取付孔を有し、突出部と取付孔との嵌合設置によって、固定部材が遮蔽片に対して固定されることが説明されたが、本出願はこれに限定されない。例えば、固定部材が取付孔を有してもよく、遮蔽片は、取付孔に対応する突出部を有する。固定部材は、固定部材の取付孔と遮蔽片の突出部との嵌合設置によって遮蔽片に対して固定される。
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0110
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0110】
上記では、本出願の実施形態が説明されている。前述の説明は例であり、網羅的ではなく、開示された実施形態に限定されない。説明された実施形態の範囲から逸脱することなく、多くの修正形態および変形形態は当業者には明らかである。本明細書で使用されている用語の選択は、実施形態の原理、実際の適用、または市場の技術の改善を最も良く説明すること、または別の当業者が本明細書に開示されている実施形態を理解することを可能にすることを意図されている。
【手続補正30】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0111】
10 リード
20 グランド配線
30 絶縁体
40 基板
50 遮蔽ハウジング
M リードモジュール
1 リード
11 本体部
11a 第1のリードセグメント
11b 第2のリードセグメント
12 ピン端部
13 接触端部
1a 第1のリード対
1b 第2のリード対
1c 第3のリード対
1d 第4のリード対
1e 第5のリード対
1f 第6のリード対
1g 第7のリード対
1h 第8のリード対
1i 第9のリード対
1j 第10のリード対
1k 第11のリード対
1m 第12のリード対
2a 第1の遮蔽片
2a1 第1の取付孔
2a2 第1の遮蔽片ピン部
2a3 第1の遮蔽片接触部
2b 第2の遮蔽片
2b1 第2の取付孔
2b2 第2の遮蔽片ピン部
2b3 第2の遮蔽片接触部
3a 第1の固定部材
3a1 第1の本体部
3a2 第1の突出部
3b 第2の固定部材
3b1 第2の本体部
3b2 第2の突出部
3c 一体型固定部材
3c1 突出部
3c2 横リブ部
3c3 縦リブ部
4 追加遮蔽片部品
41 第1の追加遮蔽片
41t 弾性片
42 第2の追加遮蔽片
42h 切り欠き
C 電気コネクタ
F 固定フレーム
F1 第1の機械部
F2 第2の機械部
F3 第1の固定片
F4 第2の固定片
F5 第3の固定片
TC 相互接続電気コネクタ
P1 第1の回路基板
P2 第2の回路基板
D1 遮蔽片間の距離
D2 リード対間の最小距離
D3 リード間の最小距離
D4 リードと遮蔽片との間の最小距離
T 高さ方向
【手続補正31】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リードモジュールであって、
複数のリード対であって、各前記リード対は、互いに平行な2つのリードを備え、2つの隣接する前記リード対は、所定の距離だけ離間され、各前記リードは、ピン端部と、接触端部と、本体部とを備え、前記本体部は、前記ピン端部と前記接触端部との間にある、複数のリード対と、
2つの遮蔽片であって、前記2つの遮蔽片は
それぞれ、導電性材料を備え、前記2つの遮蔽片は互いに平行であり、前記複数のリード対は前記2つの遮蔽片間に挟まれ、前記複数のリード対は前記2つの遮蔽片に対して固定される、2つの遮蔽片と
を備えるリードモジュール。
【請求項2】
前記複数のリード対は、前記2つの遮蔽片のいずれかの表面に対して垂直な方向において、前記2つの遮蔽片間
に置かれる、請求項1に記載のリードモジュール。
【請求項3】
前記リードモジュールは、非導電性絶縁材料で作製された少なくとも1つの固定部材をさらに備え、前記固定部材は、前記2つの遮蔽片間に位置し、前記2つの遮蔽片に固定され、各前記リードの前記本体部の一部は前記固定部材に埋め込まれ、これにより、前記複数のリード対は、前記固定部材を使用して前記2つの遮蔽片に対して固定される、請求項2に記載のリードモジュール。
【請求項4】
前記複数のリード対において、各前記リードの前記本体部は、前記固定部材に埋め込まれた埋込部
と、前記埋込部以外の露出部
とを備え、その場合、前記複数のリード対において、同じ前記遮蔽片に面する、
各前記露出
部の表面の少なくとも一部は、第1の平面内に位置し、前記第1の平面は、前記2つの遮蔽片のいずれかの表面が位置する平面と平行である、請求項3に記載のリードモジュール。
【請求項5】
前記2つの遮蔽片のいずれかの表面に対して垂直な前記方向において、すべての前記リードの前記露出部と前記2つの遮蔽片の各々との間の距離は等しい、請求項4に記載のリードモジュール。
【請求項6】
前記2つの遮蔽片のいずれかの表面に対して垂直な前記方向において、前記2つの遮蔽片間の間隔はD1であり、2つの隣接する前記リード対において、それぞれ異なる前記リード対に位置する2つの隣接する前記リードの前記露出部間の最小距離がD2である場合、D1<D2が満たされる、請求項4または5に記載のリードモジュール。
【請求項7】
0.6mm≦D1≦1.1mm、および/または1.1mm≦D2≦1.5mmである、請求項6に記載のリードモジュール。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか一項に記載の1つ以上のリードモジュールを備える電気コネクタ。
【請求項9】
前記複数
のリードモジュールは、すべての前記リードモジュールの遮蔽片が平行となる積層方法で配される、請求項
8に記載の電気コネクタ。
【請求項10】
すべての前記リードモジュール
のピン部は、前記コネクタのピン部を形成するように、マトリクス状に配され、すべての前記リードモジュール
の接触部は、前記コネクタの接触部を形成するように、マトリクス状に配される、請求項
9に記載の電気コネクタ。
【請求項11】
隣接する前記リードモジュールは1つの遮蔽片を共有する、請求項
9または1
0に記載の電気コネクタ。
【請求項12】
前記電気コネクタは、固定フレームをさらに備え、前記固定フレームは、前記複数の前記リードモジュールが相対的に固定されるように、前記複数のリードモジュールに組み付けられる、請求項
8から1
0のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項13】
請求項
8から
12のいずれか一項に記載の電気コネクタと、前記電気コネクタに適合し接続されることが可能な相互接続電気コネクタとを備えるコネクタ部品。
【請求項14】
前記電気コネクタおよび前記相互接続電気コネクタは、互いに直交して配置される2つの回路基板上にそれぞれ配置される、請求項
13に記載のコネクタ部品。
【請求項15】
前記電気コネクタおよび前記相互接続電気コネクタが接続された後、前記コネクタ部品は、少なくとも56Gbit/sの速度で信号伝送を実施することができる、請求項
13または
14に記載のコネクタ部品。
【国際調査報告】