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特表2023-551297湾曲した表面の上へのUAV着陸のための双安定で切り替え可能な磁気脚部
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(54)【発明の名称】湾曲した表面の上へのUAV着陸のための双安定で切り替え可能な磁気脚部
(51)【国際特許分類】
   B64U 60/20 20230101AFI20231130BHJP
   B64U 10/14 20230101ALI20231130BHJP
   H01F 7/20 20060101ALI20231130BHJP
   H01F 7/02 20060101ALI20231130BHJP
   B64U 101/26 20230101ALN20231130BHJP
【FI】
B64U60/20
B64U10/14
H01F7/20 H
H01F7/02 S
B64U101:26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532596
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(85)【翻訳文提出日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 US2021061141
(87)【国際公開番号】W WO2022115759
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】17/107,715
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599130449
【氏名又は名称】サウジ アラビアン オイル カンパニー
(71)【出願人】
【識別番号】521340171
【氏名又は名称】キング・アブドゥッラー・ユニバーシティ・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ファドゥル・アブデルラティフ
(72)【発明者】
【氏名】アハメド・アルブラヒム
(72)【発明者】
【氏名】サヘジャド・パテル
(72)【発明者】
【氏名】ジェフ・エス・シャムマ
(57)【要約】
強磁性の円筒形状の表面の上に着陸し、離陸し、および磁気的にパーチするように構成されている無人航空機(UAV)が提供される。UAVは、本体部と、関節式磁気脚部とを含み、関節式磁気脚部は、円筒形状の表面の上にUAVを着陸させるおよび磁気的にパーチさせるように構成されている。それぞれの磁気脚部は、本体部に連結されている固定部分と、枢動軸線において固定部分に枢動可能に連結されている枢動部分とを有している。枢動部分は、切り替え可能な磁石と、単一の関節ジョイントとを含み、関節ジョイントは、枢動部分に枢動軸線を中心とした単一の自由度を提供し、着陸の間に枢動部分が円筒形状の表面に接触することに応答して、枢動部分を内向きにおよび円筒形状の表面に接するように受動的に配向させ、また、離陸の間に枢動部分の内向きの配向を受動的に維持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
強磁性の円筒形状の表面の上に着陸し、離陸し、および磁気的にパーチするように構成されている無人航空機(UAV)であって、前記UAVは、
本体部と、
複数の関節式磁気脚部であって、前記複数の関節式磁気脚部は、前記強磁性の円筒形状の表面の上に前記UAVを着陸させるように構成されており、また、着陸の後に前記強磁性の円筒形状の表面の上に前記UAVを磁気的にパーチさせるように構成されており、それぞれの磁気脚部は、前記本体部に連結されている固定部分、および、枢動軸線において前記固定部分に枢動可能に連結されている枢動部分を有している、複数の関節式磁気脚部と
を含み、
前記枢動部分は、
切り替え可能な磁石であって、前記切り替え可能な磁石の磁気は、前記着陸の終了時においておよび前記パーチの全体を通して、前記強磁性の円筒形状の表面に前記UAVを磁気的に取り付けるためにスイッチオンされ、また、前記離陸の開始時に前記強磁性の円筒形状の表面から前記UAVを磁気的に取り外すためにスイッチオフされる、切り替え可能な磁石と、
単一の関節ジョイントであって、前記関節ジョイントは、前記枢動部分に前記枢動軸線を中心とした単一の自由度を提供するように構成されており、前記着陸の間に前記枢動部分が前記円筒形状の表面に接触することに応答して、前記枢動部分を内向きにおよび前記円筒形状の表面に接するように受動的に配向させるようになっており、また、前記離陸の間に前記枢動部分の内向きの配向を受動的に維持するようになっている、単一の関節ジョイントと
を含む、
無人航空機(UAV)。
【請求項2】
それぞれの磁気脚部の前記固定部分は、前記着陸および前記離陸の間に前記枢動部分の内向きの回転を制限するように構成されている内向き回転リミッターを含む、
請求項1に記載のUAV。
【請求項3】
前記UAVは、平坦な表面に着陸するように、および、平坦な表面から離陸するようにさらに構成されており、それぞれの磁気脚部の前記関節ジョイントは、前記枢動部分に前記枢動軸線を中心とした前記単一の自由度を提供するようにさらに構成されており、前記平坦な表面の上への前記着陸の間に前記枢動部分が前記平坦な表面に接触することに応答して、前記枢動部分を平坦におよび前記平坦な表面に対して平行に受動的に配向させるようになっており、また、前記平坦な表面からの前記離陸の間に前記枢動部分の平坦な配向を受動的に維持するようになっている、
請求項1に記載のUAV。
【請求項4】
それぞれの磁気脚部の前記固定部分は、前記平坦な表面への前記着陸および前記平坦な表面からの前記離陸の間に、前記枢動部分の外向きの回転をほとんど平坦な配向に制限するための外向き回転リミッターを含む、
請求項3に記載のUAV。
【請求項5】
それぞれの磁気脚部の前記枢動部分は、スイッチアクチュエーターをさらに含み、前記スイッチアクチュエーターは、前記切り替え可能な磁石の上部にあり、前記磁石をオンとオフとの間で切り替えるために前記磁石を作動させるように構成されており、前記スイッチアクチュエーターの重心は、前記円筒形状の表面からの前記離陸の間に前記枢動軸線の外向き側にあり、また、前記平坦な表面からの前記離陸の間に前記枢動軸線の内向き側にある、
請求項3に記載のUAV。
【請求項6】
それぞれの磁気脚部は、角度回転センサーをさらに含み、前記角度回転センサーは、前記枢動部分が前記円筒形状の表面に接触した後に、前記枢動軸線を中心とした前記枢動部分の枢動量を測定するように構成されている、
請求項1に記載のUAV。
【請求項7】
制御回路をさらに含み、前記制御回路は、前記磁気脚部の前記枢動部分の測定された前記枢動量を使用して、前記着陸の終了時に前記磁気脚部の前記磁石をスイッチオンするべきときを決定するように構成されている、
請求項6に記載のUAV。
【請求項8】
それぞれの磁気脚部に関して、前記枢動部分は、スイッチアクチュエーターを含み、前記スイッチアクチュエーターは、前記磁石の上部に連結されており、前記磁石をオンとオフとの間で切り替えるために前記磁石を作動させるように構成されており、前記制御回路は、前記磁気脚部の前記枢動部分の測定された前記枢動量が前記同じ内向きの角度にあるときに、前記磁石をスイッチオンするように前記スイッチアクチュエーターを制御するようにさらに構成されている、
請求項7に記載のUAV。
【請求項9】
制御回路をさらに含み、前記制御回路は、前記磁気脚部の前記枢動部分の測定された前記枢動量を使用して、前記円筒形状の表面に対応する円筒の直径を決定するように構成されている、
請求項6に記載のUAV。
【請求項10】
制御回路をさらに含み、前記制御回路は、前記磁気脚部の前記枢動部分の測定された前記枢動量を使用して、前記本体部から前記円筒形状の表面までの距離を決定するように構成されている、
請求項6に記載のUAV。
【請求項11】
前記強磁性の円筒形状の表面は、炭素鋼パイプまたは容器の一部である、
請求項1に記載のUAV。
【請求項12】
強磁性の円筒形状の表面の上に無人航空機(UAV)を着陸させ、離陸させ、および磁気的にパーチさせる方法であって、前記UAVは、本体部と、複数の関節式磁気脚部とを含み、前記複数の関節式磁気脚部のそれぞれは、前記本体部に連結されている固定部分と、枢動軸線において前記固定部分に枢動可能に連結されている枢動部分とを有しており、前記枢動部分は、切り替え可能な磁石と、前記枢動軸線を中心とした単一の自由度を有する単一の関節ジョイントとを含み、前記方法は、
前記磁気脚部を使用して前記強磁性の円筒形状の表面の上に前記UAVを着陸させるステップと、
前記枢動軸線を中心とした前記単一の自由度を有する前記単一の関節ジョイントを使用するそれぞれの磁気脚部に関して、前記着陸の間に前記枢動部分が前記円筒形状の表面に接触することに応答して、前記枢動部分を内向きにおよび前記円筒形状の表面に接するように受動的に配向させるステップと、
それぞれの前記磁気脚部の中の前記切り替え可能な磁石をスイッチオンすることによって、前記着陸の終了時に前記強磁性の円筒形状の表面に前記UAVを磁気的に取り付けるステップと、
前記磁気脚部のそれぞれの切り替え可能な磁石がスイッチオンされたままの状態で前記磁気脚部を使用して、前記着陸の後に前記強磁性の円筒形状の表面の上に前記UAVを磁気的にパーチさせるステップと、
それぞれの前記磁気脚部の中の前記切り替え可能な磁石をスイッチオフすることによって、前記離陸の開始時に前記強磁性の円筒形状の表面から前記UAVを磁気的に取り外すステップと、
パーチさせる前記ステップの後に前記円筒形状の表面から前記UAVを離陸させるステップと、
前記関節ジョイントを使用するそれぞれの磁気脚部に関して、前記枢動部分の重心が前記枢動軸線の外向き側にある状態で、前記離陸の間に前記枢動部分の内向きの配向を受動的に維持するステップと
を含む、方法。
【請求項13】
前記磁気脚部の前記固定部分の内向き回転リミッターを使用するそれぞれの磁気脚部に関して、前記着陸および前記離陸の間に前記枢動部分の内向きの回転を制限するステップをさらに含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記磁気脚部を使用して平坦な表面の上に前記UAVを着陸させるステップと、
前記枢動軸線を中心とした前記単一の自由度を有する前記単一の関節ジョイントを使用するそれぞれの前記磁気脚部に関して、前記平坦な表面の上への前記着陸の間に前記枢動部分が前記平坦な表面に接触することに応答して、前記枢動部分を平坦におよび前記平坦な表面に対して平行に受動的に配向させるステップと、
前記平坦な表面から前記UAVを離陸させるステップと、
前記関節ジョイントを使用するそれぞれの前記磁気脚部に関して、前記枢動部分の重心が前記枢動軸線の内向き側にある状態で、前記平坦な表面からの前記離陸の間に前記枢動部分の平坦な配向を受動的に維持するステップと
をさらに含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記磁気脚部の前記固定部分の外向き回転リミッターを使用するそれぞれの磁気脚部に関して、前記平坦な表面への前記着陸および前記平坦な表面からの前記離陸の間に、前記枢動部分の外向きの回転をほとんど平坦な配向に制限するステップをさらに含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記磁気脚部のそれぞれに関して、前記枢動部分が前記円筒形状の表面に接触した後に、前記磁気脚部の角度回転センサーを使用して、前記枢動軸線を中心とした前記枢動部分の枢動量を測定するステップをさらに含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記UAVの制御回路によって、前記磁気脚部の前記枢動部分の測定された前記枢動量を使用して、前記着陸の終了時に前記磁気脚部の前記磁石をスイッチオンするべきときを決定するステップをさらに含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記磁気脚部のそれぞれに関して、前記方法は、前記磁石をオンとオフとの間で切り替えるために、前記磁石の上部に連結されている前記枢動部分のスイッチアクチュエーターを使用して、前記磁石を作動させるステップと、前記制御回路によって、前記磁気脚部の前記枢動部分の測定された前記枢動量が同じ内向きの角度にあるときに、前記磁石をスイッチオンするように前記スイッチアクチュエーターを制御するステップとをさらに含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記UAVの制御回路によって、前記磁気脚部の前記枢動部分の測定された前記枢動量を使用して、前記円筒形状の表面に対応する円筒の直径を決定するステップをさらに含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記UAVの制御回路によって、前記磁気脚部の前記枢動部分の測定された前記枢動量を使用して、前記本体部から前記円筒形状の表面までの距離を決定するステップをさらに含む、
請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、炭素鋼パイプなどのような湾曲した強磁性表面の上に磁気的に着陸またはパーチする(perch)ために、無人航空機(UAVまたはドローン)が切り替え可能な磁気脚部を使用することを可能にする機械的なシステム設計に関する。
【背景技術】
【0002】
石油およびガス産業における最大の課題のうちの1つは、精製所、ガスプラント、海上プラットフォーム、ならびに、他のプラントおよび施設において見出される高所の資産の定期的な検査である。これらの資産は、検査作業の間にアクセスすることが困難な高所のパイプおよび他の構造体を含む。多くの場合に、それらを検査するための実務的な方法は、検査者が資産にアクセスして手動の検査を実施するようにするために、足場を組むことしかない。そのような足場は、高価であり、頻繁な検査のために重大なコスト障壁をもたらすだけでなく、主に落下およびつまずきの危険という形態で安全上の懸念ももたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、当技術分野におけるこれらのおよび他の問題に関して、湾曲した強磁性表面の上への着陸のための双安定で切り替え可能な磁気脚部を有する効果的なUAVのための技術的な解決策を提供することに向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の第1の態様によれば、強磁性の円筒形状の表面の上に着陸し、離陸し、および磁気的にパーチするように構成されている無人航空機(UAV)が提供される。UAVは、本体部と、複数の関節式磁気脚部とを含み、複数の関節式磁気脚部は、強磁性の円筒形状の表面の上にUAVを着陸させるように構成されており、また、着陸の後に強磁性の円筒形状の表面の上にUAVを磁気的にパーチさせるように構成されている。それぞれの磁気脚部は、本体部に連結されている固定部分と、枢動軸線において固定部分に枢動可能に連結されている枢動部分とを有している。枢動部分は、切り替え可能な磁石と、単一の関節ジョイントとを含み、関節ジョイントは、枢動部分に枢動軸線を中心とした単一の自由度を提供するように構成されており、着陸の間に枢動部分が円筒形状の表面に接触することに応答して、枢動部分を内向きにおよび円筒形状の表面に接するように受動的に配向させるようになっており、また、離陸の間に枢動部分の内向きの配向を受動的に維持するようになっている。切り替え可能な磁石の磁気は、着陸の終了時においておよびパーチの全体を通して、強磁性の円筒形状の表面にUAVを磁気的に取り付けるためにスイッチオンされ、また、離陸の開始時に強磁性の円筒形状の表面からUAVを磁気的に取り外すためにスイッチオフされる。
【0005】
上記と一貫する実施形態において、それぞれの磁気脚部の固定部分は、着陸および離陸の間に枢動部分の内向きの回転を制限するように構成されている内向き回転リミッターを含む。
【0006】
上記と一貫する実施形態において、UAVは、平坦な表面に着陸するように、および、平坦な表面から離陸するようにさらに構成されており、それぞれの磁気脚部の関節ジョイントは、枢動部分に枢動軸線を中心とした単一の自由度を提供するようにさらに構成されており、平坦な表面の上への着陸の間に枢動部分が平坦な表面に接触することに応答して、枢動部分を平坦におよび平坦な表面に対して平行に受動的に配向させるようになっており、また、平坦な表面からの離陸の間に枢動部分の平坦な配向を受動的に維持するようになっている。
【0007】
上記と一貫する実施形態において、それぞれの磁気脚部の固定部分は、平坦な表面への着陸および平坦な表面からの離陸の間に、枢動部分の外向きの回転をほとんど平坦な配向に制限するための外向き回転リミッターを含む。
【0008】
上記と一貫する実施形態において、それぞれの磁気脚部の枢動部分は、スイッチアクチュエーターをさらに含み、スイッチアクチュエーターは、切り替え可能な磁石の上部にあり、磁石をオンとオフとの間で切り替えるために磁石を作動させるように構成されており、スイッチアクチュエーターの重心は、円筒形状の表面からの離陸の間に枢動軸線の外向き側にあり、また、平坦な表面からの離陸の間に枢動軸線の内向き側にある。
【0009】
上記と一貫する実施形態において、それぞれの磁気脚部は、角度回転センサーをさらに含み、角度回転センサーは、枢動部分が円筒形状の表面に接触した後に、枢動軸線を中心とした枢動部分の枢動量を測定するように構成されている。
【0010】
上記と一貫する実施形態において、UAVは、制御回路をさらに含み、制御回路は、磁気脚部の枢動部分の測定された枢動量を使用して、着陸の終了時に磁気脚部の磁石をスイッチオンするべきときを決定するように構成されている。
【0011】
上記と一貫する実施形態において、それぞれの磁気脚部に関して、枢動部分は、スイッチアクチュエーターを含み、スイッチアクチュエーターは、磁石の上部に連結されており、磁石をオンとオフとの間で切り替えるために磁石を作動させるように構成されており、制御回路は、磁気脚部の枢動部分の測定された枢動量が同じ内向きの角度にあるときに、磁石をスイッチオンするようにスイッチアクチュエーターを制御するようにさらに構成されている。
【0012】
上記と一貫する実施形態において、UAVは、制御回路をさらに含み、制御回路は、磁気脚部の枢動部分の測定された枢動量を使用して、円筒形状の表面に対応する円筒の直径を決定するように構成されている。
【0013】
上記と一貫する実施形態において、UAVは、制御回路をさらに含み、制御回路は、磁気脚部の枢動部分の測定された枢動量を使用して、本体部から円筒形状の表面までの距離を決定するように構成されている。
【0014】
上記と一貫する実施形態において、強磁性の円筒形状の表面は、炭素鋼パイプまたは容器の一部である。
【0015】
本開示の別の態様によれば、強磁性の円筒形状の表面の上に無人航空機(UAV)を着陸させ、離陸させ、および磁気的にパーチさせる方法が提供される。UAVは、本体部と、複数の関節式磁気脚部とを含み、複数の関節式磁気脚部のそれぞれは、本体部に連結されている固定部分と、枢動軸線において固定部分に枢動可能に連結されている枢動部分とを有している。枢動部分は、切り替え可能な磁石と、枢動軸線を中心とした単一の自由度を有する単一の関節ジョイントとを含む。方法は、磁気脚部を使用して強磁性の円筒形状の表面の上にUAVを着陸させるステップと、枢動軸線を中心とした単一の自由度を有する単一の関節ジョイントを使用するそれぞれの磁気脚部に関して、着陸の間に枢動部分が円筒形状の表面に接触することに応答して、枢動部分を内向きにおよび円筒形状の表面に接するように受動的に配向させるステップと、それぞれの磁気脚部の中の切り替え可能な磁石をスイッチオンすることによって、着陸の終了時に強磁性の円筒形状の表面にUAVを磁気的に取り付けるステップと、磁気脚部のそれぞれの切り替え可能な磁石がスイッチオンされたままの状態で磁気脚部を使用して、着陸の後に強磁性の円筒形状の表面の上にUAVを磁気的にパーチさせるステップと、それぞれの磁気脚部の中の切り替え可能な磁石をスイッチオフすることによって、離陸の開始時に強磁性の円筒形状の表面からUAVを磁気的に取り外すステップと、パーチさせるステップの後に円筒形状の表面からUAVを離陸させるステップと、関節ジョイントを使用するそれぞれの磁気脚部に関して、枢動部分の重心が枢動軸線の外向き側にある状態で、離陸の間に枢動部分の内向きの配向を受動的に維持するステップとを含む。
【0016】
上記に説明されている方法と一貫する実施形態において、方法は、磁気脚部の固定部分の内向き回転リミッターを使用するそれぞれの磁気脚部に関して、着陸および離陸の間に枢動部分の内向きの回転を制限するステップをさらに含む。
【0017】
上記に説明されている方法と一貫する実施形態において、方法は、磁気脚部を使用して平坦な表面の上にUAVを着陸させるステップと、枢動軸線を中心とした単一の自由度を有する単一の関節ジョイントを使用するそれぞれの磁気脚部に関して、平坦な表面の上への着陸の間に枢動部分が平坦な表面に接触することに応答して、枢動部分を平坦におよび平坦な表面に対して平行に受動的に配向させるステップと、平坦な表面からUAVを離陸させるステップと、関節ジョイントを使用するそれぞれの磁気脚部に関して、枢動部分の重心が枢動軸線の内向き側にある状態で、平坦な表面からの離陸の間に枢動部分の平坦な配向を受動的に維持するステップとをさらに含む。
【0018】
上記に説明されている方法と一貫する実施形態において、方法は、磁気脚部の固定部分の外向き回転リミッターを使用するそれぞれの磁気脚部に関して、平坦な表面への着陸および平坦な表面からの離陸の間に、枢動部分の外向きの回転をほとんど平坦な配向に制限するステップをさらに含む。
【0019】
上記に説明されている方法と一貫する実施形態において、方法は、磁気脚部のそれぞれに関して、枢動部分が円筒形状の表面に接触した後に、磁気脚部の角度回転センサーを使用して、枢動軸線を中心とした枢動部分の枢動量を測定するステップをさらに含む。
【0020】
上記に説明されている方法と一貫する実施形態において、方法は、UAVの制御回路によって、磁気脚部の枢動部分の測定された枢動量を使用して、着陸の終了時に磁気脚部の磁石をスイッチオンするべきときを決定するステップをさらに含む。
【0021】
上記に説明されている方法と一貫する実施形態において、方法は、磁気脚部のそれぞれに関して、磁石をオンとオフとの間で切り替えるために、磁石の上部に連結されている枢動部分のスイッチアクチュエーターを使用して、磁石を作動させるステップと、制御回路によって、磁気脚部の枢動部分の測定された枢動量が同じ内向きの角度にあるときに、磁石をスイッチオンするようにスイッチアクチュエーターを制御するステップとをさらに含む。
【0022】
上記に説明されている方法と一貫する実施形態において、方法は、UAVの制御回路によって、磁気脚部の枢動部分の測定された枢動量を使用して、円筒形状の表面に対応する円筒の直径を決定するステップをさらに含む。
【0023】
上記に説明されている方法と一貫する実施形態において、方法は、UAVの制御回路によって、磁気脚部の枢動部分の測定された枢動量を使用して、本体部から円筒形状の表面までの距離を決定するステップをさらに含む。
【0024】
本明細書で開示されているさまざまな実施形態および実装形態の任意の組み合わせが使用されることが可能である。これらのおよび他の態様および特徴は、添付の図面および特許請求の範囲とともに、特定の実施形態の以下の説明から理解されることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1A】実施形態による、湾曲した表面の上に無人航空機(UAV)またはドローンを着陸させるための例示的な関節式磁気脚部の組立図である。
図1B】実施形態による、湾曲した表面の上に無人航空機(UAV)またはドローンを着陸させるための例示的な関節式磁気脚部の分解図である。
図2A】実施形態による、平坦な表面の上に着陸している、関節式磁気脚部を有する例示的なUAVを図示する図である。
図2B】実施形態による、湾曲した表面の上に着陸している、関節式磁気脚部を有する例示的なUAVを図示する図である。
図3A】実施形態による、湾曲した表面(たとえば、パイプなど)に初期の接触を行っている、UAVの例示的な関節式磁気脚部を図示する図である。
図3B】実施形態による、湾曲した表面(たとえば、パイプなど)に最終的な接触を行っている、UAVの例示的な関節式磁気脚部を図示する図である。
図3C】平坦な表面に初期の接触を行っている、図3A図3Bの関節式磁気脚部を図示する図である。
図3D】平坦な表面に最終的な接触を行っている、図3A図3Bの関節式磁気脚部を図示する図である。
図4A】実施形態による、平坦な表面からの離陸の前のUAVの例示的な関節式磁気脚部を図示する図である。
図4B】実施形態による、湾曲した表面からの離陸の前のUAVの例示的な関節式磁気脚部を図示する図である。
図5A】実施形態による、パイプの上に中心を合わせられた配向で着陸している、関節式磁気脚部を有する例示的なUAVを図示する図である。
図5B】パイプの上に中心を合わせられていない配向で着陸し、初期の接触を行っている、図5AのUAVを図示する図である。
図5C】パイプの上に中心を合わせられていない配向で着陸し、最終的な接触を行っている、図5AのUAVを図示する図である。
図6A】実施形態による、湾曲した表面の上に着陸している、関節式磁気脚部を有する例示的なUAVを図示する図である。
図6B】実施形態による、平坦な表面の上に着陸している、関節式磁気脚部を有する例示的なUAVを図示する図である。
図7】実施形態による、強磁性の円筒形状の表面の上にUAVを着陸させ、離陸させ、および磁気的にパーチさせる例示的な方法のフローダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面は、例示的なものであり、必ずしも縮尺通りであるわけではないということ、および、同じまたは同様の特徴は、全体を通して同じまたは同様の参照番号を有しているということが留意される。
【0027】
本開示の例示的な実施形態は、湾曲した強磁性表面(たとえば、炭素鋼パイプなど)および平坦な強磁性表面(たとえば、ホームベースもしくは作戦基地、または、貯蔵タンクなどのような多くの構造体の上部など)の両方の上に磁気的に着陸またはパーチするために、無人航空機(UAVまたはドローン)が切り替え可能な磁気脚部を使用することを可能にする機械的なシステム設計に向けられている。いくつかのそのような実施形態は、切り替え可能な磁石および拘束されたジョイントを利用し、たとえば、離陸および着陸の間の安定性を改善することを助け、ぐらつきを低減させる。いくつかのそのような例示的な実施形態では、これらの特徴は、双安定設計を提供する(たとえば、湾曲した表面および平坦な表面の両方からの離陸および着陸の間に安定性を示す)。この双安定性は、飛行の間により少ない揺動を提供する。いくつかの例示的な実施形態では、たとえば、炭素鋼パイプの上に着陸またはパーチするときに接触後にパイプ直径を決定するために、1つまたは複数の角度回転センサーが提供されている。
【0028】
以前に議論されているように、石油およびガス産業における最大の課題のうちの1つは、精製所、ガスプラント、海上プラットフォーム、ならびに、他のプラントおよび施設において見出される高所の資産の定期的な検査である。これらの資産は、検査作業の間にアクセスすることが困難な高所のパイプおよび構造体を含む。UAVは、アクセスに役立つように用いられることが可能であるが、UAVによってそのような構造体の上に着陸することは、それ自身の一連の障害をもたらす。たとえば、これらの構造体は、高所のパイプであることが多く、比較的に狭い直径(たとえば、6インチ)を有している。そのような湾曲した表面の上に着陸すること、離陸すること、およびパーチすることは、UAVにとって困難なタスクである可能性がある。
【0029】
したがって、例示的な実施形態において、たとえば、バッテリーエネルギーを節約しながら検査タスクを実施するために、ドローン(たとえば、バッテリー駆動のドローンまたはUAV)がこれらの資産の上に磁気的に着陸およびパーチすることを可能にする効果的な方法のためのシステムおよび方法が提供される。例示的な実施形態において、UAVは、着陸後におよび離陸前にUAVが強磁性表面の上に磁気的にパーチすることを可能にする切り替え可能な磁気脚部を含む。これは、そのようなUAVが、たとえば、長時間を要するミッション(たとえば、ガス漏れの監視またはモニタリングなど)の間にホバリングする代わりにパイプの上に着陸することによって、それらのバッテリーパワーを保存することを可能にし、検査(たとえば、超音波検査、磁気検査)または軽度のメンテナンス(たとえば、コーティング)などのような、パイプとの接触を必要とする作業を実施することを可能にし、パイプにペイロード(たとえば、小さなセンシングデバイスおよびクローラーなど)を送達すること、または、サンプル(たとえば、腐食試験片など)を回収することを可能にする。例示的な実施形態は、石油およびガス施設において見出される運用資産(たとえば、パイプ、容器、および構造体など)の上にUAVが着陸することを提供する。いくつかのそのような実施形態において、これらの資産のほとんどが炭素鋼から作製されているので、磁気的な取り付け(たとえば、切り替え可能な磁気脚部)がUAVによって用いられる。
【0030】
さまざまな実施形態によれば、埋め込まれた切り替え可能な磁石を備えた受動的に関節運動させられる着陸脚部を有するUAVが提供される。これらの磁石は、選択的にターンオンまたはターンオフされ、それは、磁石をスイッチオフすることによって、パイプからの離陸の間に容易な取り外しを促進させる。いくつかの実施形態によれば、磁気的なパーチメカニズムが提供される(たとえば、UAVの一部など)。そのメカニズムは、さまざまなパイプ直径(たとえば、6インチ以上など)の上への着陸、および、不完全な着陸に起因するミスアライメント(たとえば、垂直方向から最大で15°、または、いくつかのケースでは、20°ずれている)を許容する。ペイロード重量はほとんどのUAVの重要な制限であるので、そのメカニズムは、軽量(たとえば、可能な限り軽いかまたは実用的なものなど)の着陸脚部を使用する。UAVおよび関節式磁気脚部の多数の変形例が存在しており、それらの例示的な実施形態は、図1A図6Bに図示されており、以下に続くテキストにおいて説明されている。
【0031】
図1A図1Bは、実施形態による、湾曲した強磁性表面(たとえば、炭素鋼パイプなど)の上に無人航空機(UAV)またはドローンを着陸させるための例示的な関節式磁気脚部110の組立図および分解図をそれぞれ図示している。たとえば、ドローンまたはUAVは、4つまたは6つのそのような磁気脚部110(たとえば、ドローンのそれぞれのプロペラに対して1つずつなど)を有することが可能である。
【0032】
図1Bの分解図を参照すると、磁気脚部110は、固定部分120を含み、固定部分120は、通常は固定されたままになっており、磁気脚部110をUAVの主本体部(または、単に本体部)に取り付ける。固定部分120は、固定された脚部本体部124を含み、脚部本体部124は、炭素繊維チューブ122を通してドローンにリジッドに取り付けられている。脚部本体部124は、回転ホルダー(枢動部分130とも称される)を保持しており、回転ホルダーは、切り替え可能な磁石140を収容しており、ドローンの足部の1つとして作用する。単一の自由度(たとえば、ドローンの本体部に対して内向きから外向きへなど)は、磁気脚部110が任意の内向き表面の曲率(たとえば、パイプに関して6インチ以上など)(平坦な表面を含む)に適合することを可能にする。たとえば、枢動ピン144は、内向きの回転軸棒としての役割を果たすことが可能であり、回転軸棒は、回転軸棒と一致する枢動軸線を中心とした1自由度によって枢動部分130が内向きに回転することを可能にする。
【0033】
1つまたは複数の実施形態において、切り替え可能な磁石140は、2つのスタックされたディスク磁石を含み、1つは、静止しており、1つは、回転可能になっている(たとえば、上部ディスク磁石など)。回転可能なディスク磁石は、2つの位置の一方へ回転または配向される。第1の位置では、回転可能なディスク磁石は、他方のディスク磁石の磁界を打ち消し、それは、切り替え可能な磁石140の磁気を効果的にスイッチオフする。第2の位置(たとえば、第1の位置から180°回転された位置)では、回転可能なディスク磁石は、他方のディスク磁石の磁界と同じように配向されており、それは、合計磁気を強化し、切り替え可能な磁石140をスイッチオンする。
【0034】
このディスク磁石回転を実施するために、サーボモーター132などのようなアクチュエーターが使用される。サーボモーター132は、機械的なカップリング(たとえば、サーボホーン134およびアダプター136など)を通して回転可能なディスク磁石を回転させることができる。サーボ磁石ホルダー142は、上部ディスク磁石を保持しており、回転可能なディスク磁石(たとえば、上部ディスク磁石)を180度に制限するための回転リミッターを埋め込まれている。この制限は、サーボモーター回転方向が切り替え可能な磁石140をスイッチオンまたはスイッチオフすることとリンク付けされることを可能にする。いくつかの他の実施形態において、異なるタイプの切り替え可能な磁石が使用される(たとえば、電磁石または電気永久磁石など)。
【0035】
それぞれの磁気脚部110の切り替え可能な磁石140は、着陸操縦におけるある時点においてスイッチオンされる。たとえば、このスイッチングは、UAVが着陸ターゲット(たとえば、パイプ)にアプローチしている間の着陸の開始時に、または、パイプの上にタッチダウンした後に足部(たとえば、枢動部分130)が落ち着いた後の着陸の終了時に、行われることが可能である。スイッチングを活性化させるために、1つの実施形態では、(ドローンの上の)オンボードコントローラーは、UAVがパイプにくっつく(または、パイプの上に磁気的にパーチする)ことを可能にするようにサーボモーター132に信号を送るようにプログラムされているかまたはその他の方法で構成されている。離陸の時間が来るとき(たとえば、離陸の開始時などに)、切り替え可能な磁石140は、(たとえば、そのような信号をサーボモーター132に送るようにさらにプログラムされているオンボードコントローラーによって)スイッチオフされる。これは、プロペラの作業をより容易にし、離陸の間の磁気的な引っ張り力に打ち勝つ必要性を回避する。
【0036】
図2A図2Bは、実施形態による、平坦な表面および湾曲した表面(たとえば、平坦な表面60およびパイプ20)の上にそれぞれ着陸している、関節式磁気脚部210を有する例示的なUAV200を図示している。UAV200は、本体部(または、UAV本体部)205を含み、関節式磁気脚部210(このケースでは、4つのそのような脚部)は、本体部205に取り付けられている。また、UAV200は、本体部205に取り付けられている複数のプロペラ207を含む。異なる実施形態では、関節式磁気脚部の数は変化することが可能であり(たとえば、6つなど)、プロペラの数は変化することが可能である(たとえば、6つなど)。いくつかの実施形態において、関節式磁気脚部の数は、プロペラの数と同じである。いくつかの実施形態において、関節式磁気脚部は、UAVの長手方向の(たとえば、長さ方向の)軸線に関して対称的に配置されている。全体を通して説明を容易にするために、UAVの関節式磁気脚部の数は、4つであり、UAVのプロペラの数は、4つであり、関節式磁気脚部は、UAVの長手方向軸線に関して対称的に配置されている。他の実施形態は、必ずしもそのように限定されない。
【0037】
図2A図2Bは、2つの異なる表面、すなわち、平坦な表面60(たとえば、ホームベース、または、垂直方向に配置された円筒の上部など)および湾曲したパイプ20(たとえば、炭素鋼パイプ、または、水平方向に配置された円筒もしくは構造体の円筒形状に湾曲した部分の上部など)の上にそれぞれ着陸したUAV200を示している。ここで、「上部」は、重力に関連しており、図2BにおけるUAV200の関節式磁気脚部210は、パイプ20の上部に関して(たとえば、パイプ20の上部の長手方向軸線に関して)対称的に配置されている。いくつかの実施形態において、関節式磁気脚部210は、6インチよりも大きい任意のパイプ直径の上への着陸を可能にするように適合している。すなわち、関節式磁気脚部210は、複数の直径のパイプに適合可能である(たとえば、すべての関節式磁気脚部210によって確実に着陸することが可能である)。
【0038】
図3A図3Bは、実施形態による、湾曲した表面40(たとえば、パイプ20のように、所定の曲率半径を有するパイプまたは他の部分的にもしくは完全に円筒形状に湾曲した表面など)に初期の接触および最終的な接触をそれぞれ行っている、UAV(たとえば、UAV200など)の例示的な関節式磁気脚部310を図示している。図3C図3Dは、平坦な表面60に初期の接触および最終的な接触をそれぞれ行っている、図3A図3Bの関節式磁気脚部310を図示している。関節式磁気脚部310は、固定部分320(UAVの本体部に連結されている)と、枢動ポイント350(たとえば、枢動ピン144のように、固定部分320に対する枢動部分330の単一自由度の回転を画定する枢動軸線)を通して固定部分320に連結されている枢動部分330とを含む。
【0039】
ここで、図3A図3Bを参照すると、UAVの長手方向軸線がパイプまたは他の円筒形状に湾曲した表面の長手方向軸線と整合されているかまたはそれに平行になっているときに、湾曲した表面40に対する枢動部分330の内向きの(または、外向きの)回転を付与するために、枢動軸線350は、UAVの長手方向軸線にするために平行である。したがって、湾曲した表面40に対する枢動部分330の初期の接触は、接触力45が枢動部分330に付与されることを引き起こす。そして、これは、枢動軸線350を中心とした枢動部分330の対応する時計回りの回転360(内向き)を引き起こす。内向きの回転360は、枢動部分330と湾曲した表面40との最終的な接触において、枢動部分(または、より具体的には、枢動部分の底部)330が湾曲した表面40に接するまで継続する。
【0040】
加えて、および、図3C図3Dを参照すると、枢動軸線は、平坦な表面60に平行になっている。したがって、枢動部分330と平坦な表面60との初期の接触は、接触力65が枢動部分330に付与されることを引き起こす。そして、これは、枢動軸線350を中心とした枢動部分330の対応する反時計回りの回転360(下向き)を引き起こす。下向きの回転360は、枢動部分330と平坦な表面60との最終的な接触において、枢動部分(または、より具体的には、枢動部分の底部)330が平坦な表面60と整合するまで継続する。
【0041】
脚部310は、図3A図3Dに示されている枢動軸線350(または、枢動ポイント)の周りに1自由度を有し、それらが回転することおよび異なる曲率を有する表面に適合することを可能にする。脚部310が回転して平坦な表面に面するときに接触すると、脚部310は、取り外しの後でもその方向を向き続ける。同様に、脚部310が回転して湾曲した表面または小さなパイプに面するときには、脚部310は、取り外しの後でもその方向を向き続ける。これは、ジョイントをこれらの2つの位置において安定した状態(たとえば、双安定状態)にし、飛行の間の脚部ジョイントにおける揺動およびぐらつきを低減させる。
【0042】
さらに詳細には、および、図3A図3Bを参照すると、脚部310が接触ポイントにおいて湾曲した表面40に接触するときに、表面40は、接触ポイントにおいて脚部310(および、とりわけ、枢動部分330)を押す。これは、枢動部分330が表面40に面する(たとえば、表面40に接する)まで、枢動部分330がその枢動軸線350に沿ってまたはそれを中心として回転することを引き起こす。接触力45は、脚部310の枢動部分330の底部接触表面の平坦な設計に起因して、正しい方向(このケースでは、時計回り)360に回転トルクを発生させる。
【0043】
対照的に、および、図3C図3Dを参照すると、脚部310(および、とりわけ、枢動部分330)は、接触ポイントにおいて平坦な表面60に接触している。加えて、枢動部分330の平坦な底部は、平坦な表面60に平行になっていない。したがって、脚部310の回転部分330は、回転部分330の平坦な底部が平坦な表面60に面するまで、その枢動軸線350の周りにまたはそれを中心として(このケースでは、反時計回りに365)回転する。これは、接触ポイントにおける表面60からの押す力65に起因している。この接触力65は、脚部310の枢動部分330の底部接触表面の平坦な設計に起因して、正しい(反時計回りの)方向365に(反時計回りの)回転トルクを発生させる。
【0044】
図4A図4Bは、実施形態による、それぞれ平坦な表面および湾曲した表面(たとえば、平坦な表面60および湾曲した表面40など)からの離陸の前のUAV(たとえば、UAV200など)の例示的な関節式磁気脚部410を図示している。脚部410(より具体的には、枢動部分430)は、1自由度のみを有しており、すなわち、枢動ポイント450の周りに(または、枢動軸線を中心として)、内向きに(たとえば、図4Bに示されているように時計回りにまたは回転方向460に)または外向きに(たとえば、図4Aに示されているように反時計回りにまたは回転方向465に)自由度を有しており、脚部410が平坦な表面の上に平坦に着陸するかまたは湾曲した表面に接して着陸することを可能にする。これらの湾曲した表面は、対応する異なる曲率(または、曲率半径)を有する異なるサイズ(または、直径)のパイプを含むことが可能である。
【0045】
脚部410は、2つの安定した位置を有しており、したがって、双安定と称される場合がある。脚部410が回転して(たとえば、図3C図3Dに示されているように)平坦な表面に面するときには、脚部410は、(たとえば、平坦な表面からの離陸の一部として)取り外しの間およびその後でもその方向を向き続ける。同様に、脚部410が回転して(たとえば、図3A図3Bに示されているように)湾曲した表面または小さなパイプに面するときには、脚部410は、(たとえば、湾曲した表面または小さなパイプからの離陸の一部として)取り外しの間およびその後でもその方向を向き続ける。これは、ジョイント(たとえば、枢動部分430)をこれらの2つの位置において安定した状態(双安定状態)にし、それは、飛行の間の脚部ジョイントにおける揺動およびぐらつきを低減させることを助ける。
【0046】
さらに詳細には、平坦な表面の上に着陸するときに、脚部410は、離陸の後でも垂直の配向のままになっている(たとえば、枢動部分430の底部は、平坦な表面に平行になっている)。これは、サーボモーター432が枢動部分430の上部において中心を外れて位置付けされていることに起因している。サーボモーター432は、枢動軸線450に対して中心を外れており、サーボモーター重心485が枢動軸線450の左側にシフトされるようになっている(一方では、枢動部分430の残りの部分の重心は、枢動軸線450に対して中心に置かれたままである)。サーボモーター432の重心の左方向へのシフトは、脚部410が外向きに(図4Aに図示されているように反時計回り方向465に)回転することを引き起こす。
【0047】
しかし、脚部410の固定部分(たとえば、脚部フレーム)は、枢動部分430がこの方向にさらに回転することを防止するための回転リミッター475として作用する。たとえば、回転リミッター475は、枢動部分430が外向き方向に数度以上回転することを防止し(たとえば、3度以下または5度以下)、平坦な部分からの離陸の間に、枢動部分430の底部をほとんど平坦に効果的に維持する。いくつかの実施形態において、平坦な表面からパーチおよび離陸するときに、枢動部分430の重心を枢動軸線450の内向き側に維持することによって、同じ効果が実現される。また、いくつかのそのような実施形態において、枢動部分の重心は、平坦な表面からパーチおよび離陸するときに、枢動軸線450の上方にある。ここで、「上方」などのような方向は、重力方向に関するものである。
【0048】
そのうえ、湾曲した表面の上に着陸するときに、脚部410の底部パーツへの表面からの接触力は、トルクを生成させ、トルクは、脚部410が回転することおよび図4Bに示されている回転された(内向きの)配向を実現することを引き起こす。脚部410は、離陸の後でもこの配向のままになっている。その理由は、サーボモーター432の重心480(または、枢動部分430の重心)が、枢動軸線450の外向き側に(および、いくつかの実施形態では、枢動軸線450の上方に)シフトしており、重量が(図4Bに図示されているように、時計回り方向460に)反対側のトルクを生成させるようになっており、枢動部分430をこの(内向きの)配向に維持するからである。ここで、脚部410(たとえば、脚部本体部)の固定部分は、過度の(内向きの)回転を防止するための回転範囲リミッター470としても作用する。たとえば、いくつかの実施形態において、回転リミッター470は、内向きの回転を45°以下に制限し、一方では、いくつかの他の実施形態において、回転リミッター470は、内向きの回転を60°以下に制限する。
【0049】
図5Aは、実施形態による、パイプ20の上に中心を合わせられた配向で着陸している、関節式磁気脚部510を有する例示的なUAV500を図示している。図5B図5Cは、パイプ20の上に中心を合わせられていない配向で着陸し、それぞれ、初期の接触および最終的な接触を行っている、図5AのUAV500を図示している。いくつかの実施形態において、表面(たとえば、パイプ20など)に接触する前またはその後のそれらの単数の自由度に起因する脚部510の回転角度を測定することは、それぞれの磁気脚部510の中のポテンショメーター、ロータリーエンコーダー、またはシャフトエンコーダーなどのような、回転角度センサーを通して行われる。それぞれの脚部510の回転角度を決定することは、表面に対する脚部510またはUAV500の配向を決定するのに役立つ。いくつかの実施形態において、回転角度センサーは、重力に対する脚部510の枢動部分の角度的な回転を測定し、一方では、いくつかの実施形態において、回転角度センサーは、脚部510の固定部分に対する脚部510の枢動部分の角度的な回転を測定する。いくつかのそのような実施形態において、回転角度センサーは、重力および脚部510の固定部分の両方に対する脚部510の枢動部分の角度的な回転を測定する。
【0050】
たとえば、いくつかの実施形態において、回転角度センサーは、脚部510の上に実装されており、磁気脚部510の切り替え可能な磁石をスイッチオンする前に、表面の上に着陸するときに、それらのすべてが同じ配向(たとえば、それらの枢動部分の同じ測定された内向きの角度)を有しているかどうかについて信号を送るために制御回路が提供されている。これは、1つまたは複数の脚部が表面にタッチしていないかまたは適当な(内向きの)角度でタッチしていない状況(それらは、表面の上への不十分なまたは不完全な着陸の試みを示している)を検出することを助ける。いくつかの実施形態において、同じ内向きの角度のこのインディケーションは、UAV500の本体部が重力に対して水平になっていることを検出するための、UAV500の本体部の中のレベルセンサーとさらに組み合わせられる。
【0051】
たとえば、図5BのUAV500の脚部510の枢動部分は、同じ角度的な回転になく、それは、着陸における問題を示している(このケースでは、UAV500は、パイプ20の上部に対して中心を外れている)。UAV500が、図5Cのように、少なくとも固定部分に対して、枢動部分が同じ角度的な回転を有するように強制しようと着陸し続ける場合には、UAV500は、もはや重力に対して水平にならない。これは、たとえば、UAV500の本体部の中のレベルセンサーによって、または、重力に対して枢動部分の角度的な回転を測定する脚部510の中の回転角度センサーによって検出されることが可能である。この時点において、いくつかの実施形態において、自動制御回路は、オフセンターの量、および、着陸を再試行するかどうか、または、オフセンターの量が安全な着陸の許容度(たとえば、10度、15度、または20度のオフセンター)内にあるかどうかを決定するようにプログラムされている。
【0052】
図6A図6Bは、実施形態による、平坦なおよび湾曲した表面(パイプ20および平坦な表面60)の上にそれぞれ着陸している、関節式磁気脚部610を有する例示的なUAV600を図示している。脚部610は、UAV本体部605に連結されている。ここで、脚部610の中の回転角度センサーは、脚部610が着陸する表面の曲率を測定するために使用される。いくつかの実施形態において、測定は、本体部605(または、脚部610の上部、もしくは、ペイロードの底部)と表面との間の距離を決定するために使用される。この距離に基づいて、UAV600のペイロードが表面まで低下されることを必要とする量(たとえば、本体部605から、たとえば、パイプ20までの距離690、または、平坦な表面60までの距離695など)が確立されることが可能である。この距離を決定することは、コントローラーとセンサーとの間のフィードバックループを通してペイロードを展開するためにコントローラーが使用される(たとえば、コードによって構成されている)ときに、特に有用である可能性がある。
【0053】
図1A図6Bを参照して、いくつかの例示的な実施形態において、強磁性の円筒形状の表面(たとえば、パイプ20または湾曲した表面40など)の上に着陸し、離陸し、および磁気的にパーチする無人航空機(UAV、たとえば、UAV200、500、または600など)が提供される。UAVは、本体部(たとえば、UAV本体部205または605など)と、複数(たとえば、4つまたは6つなど)の関節式磁気脚部(たとえば、関節式磁気脚部110、210、310、410、510、または610など)とを含む。磁気脚部は、強磁性の円筒形状の表面の上にUAVを着陸させ、また、着陸の後に強磁性の円筒形状の表面の上にUAVを磁気的にパーチさせる。それぞれの磁気脚部は、UAV本体部に連結されている固定部分(たとえば、固定部分120または320など)と、枢動軸線(たとえば、枢動ピン144または枢動軸線305もしくは405など)において固定部分に枢動可能に連結されている枢動部分(たとえば、枢動部分130、330、または430など)とを有している。
【0054】
枢動部分は、切り替え可能な磁石(たとえば、切り替え可能な磁石140など)を含み、切り替え可能な磁石の磁気は、着陸の終了時においておよびパーチの全体を通して、強磁性の円筒形状の表面にUAVを磁気的に取り付けるためにスイッチオンされ、また、離陸の開始時に強磁性の円筒形状の表面からUAVを磁気的に取り外すためにスイッチオフされる。枢動部分は、単一の関節ジョイント(たとえば、枢動ピン144など)のみをさらに含み、関節ジョイントは、枢動部分に枢動軸線を中心とした単一の自由度(たとえば、内向きおよび外向きなど)のみを提供し、着陸の間に枢動部分が円筒形状の表面に接触することに応答して、枢動部分を内向きにおよび円筒形状の表面に接するように受動的に配向させるようになっており、また、離陸の間に枢動部分の内向きの配向を受動的に維持するようになっている。また、単一の自由度を有する単一の関節ジョイントは、離陸の間に枢動部分の内向きの配向を受動的に維持する。
【0055】
ある実施形態において、それぞれの磁気脚部の固定部分は、着陸および離陸の間に枢動部分の内向きの回転を制限する内向き回転リミッター(たとえば、回転リミッター470など)を含む。ある実施形態において、UAVは、平坦な表面(たとえば、平坦な表面60など)に着陸し、平坦な表面から離陸する。加えて、それぞれの磁気脚部の関節ジョイントは、枢動部分に枢動軸線を中心とした単一の自由度をさらに提供し、平坦な表面の上への着陸の間に枢動部分が平坦な表面に接触することに応答して、枢動部分を平坦におよび平坦な表面に対して平行に受動的に配向させるようになっている。さらに、単一の自由度を有する関節ジョイントは、また、平坦な表面からの離陸の間に枢動部分の平坦な配向を受動的に維持する。
【0056】
ある実施形態において、それぞれの磁気脚部の固定部分は、平坦な表面への着陸および平坦な表面からの離陸の間に、枢動部分の外向きの回転をほとんど平坦な配向(たとえば、平坦から3度以下または5度以下のように、平坦から数度以内など)に制限するための外向き回転リミッター(たとえば、回転リミッター475など)を含む。ある実施形態において、それぞれの磁気脚部の枢動部分は、切り替え可能な磁石の上部にスイッチアクチュエーター(たとえば、サーボモーター132または432など)をさらに含む。スイッチアクチュエーターは、磁石をオンとオフとの間で切り替えるために磁石を作動させる。スイッチアクチュエーターの重心は、円筒形状の表面からの離陸の間に枢動軸線の外向き側にあり(たとえば、重心480など)、また、平坦な表面からの離陸の間に枢動軸線の内向き側にある(たとえば、重心485など)。
【0057】
ある実施形態において、それぞれの磁気脚部は、角度回転センサーをさらに含み、角度回転センサーは、枢動部分が円筒形状の表面に接触した後に、枢動軸線を中心とした枢動部分の枢動量を測定する。ある実施形態において、UAVは、制御回路をさらに含み、制御回路は、磁気脚部の枢動部分の測定された枢動量を使用して、着陸の終了時に磁気脚部の磁石をスイッチオンするべきときを決定するように構成されている(たとえば、コードによってプログラムされているなど)。ある実施形態において、それぞれの磁気脚部に関して、枢動部分は、スイッチアクチュエーターを含み、スイッチアクチュエーターは、磁石の上部に連結されており、磁石をオンとオフとの間で切り替えるために磁石を作動させる。制御回路は、磁気脚部の枢動部分の測定された枢動量が同じ内向きの角度にあるときに、磁石をスイッチオンするようにスイッチアクチュエーターを制御するように(たとえば、そのためのコードなどによって)さらに構成されている。
【0058】
ある実施形態において、UAVは、制御回路をさらに含み、制御回路は、磁気脚部の枢動部分の測定された枢動量を使用して、円筒形状の表面に対応する円筒の直径を決定するためのコードによって構成されている。ある実施形態において、UAVは、制御回路をさらに含み、制御回路は、磁気脚部の枢動部分の測定された枢動量を使用して、本体部から円筒形状の表面までの距離(たとえば、距離690など)を決定するためのコードまたは他のプログラマブルロジックによって構成されている。ある実施形態において、強磁性の円筒形状の表面は、炭素鋼パイプまたは容器(たとえば、貯蔵タンクなど)の一部である。
【0059】
本明細書において説明されている技法は、センサー、カメラ、および他のデバイス(それらの割り当てられたタスクを実施するように構成された(たとえば、プログラムされた)コンピューティングまたは他の論理回路を含む)の組み合わせを使用して実装されることが可能である。これらのデバイスは、本技法を実施するためにUAVの本体部または脚部の上にまたはその中に(もしくは、そうでなければ、それに極めて近接して)位置付けされている。いくつかの例示的な実施形態において、制御ロジックは、本技法の一部である制御ステップを実施するためにコンピューティング回路(たとえば、マイクロプロセッサーなど)の上で実行されるように構成されたコンピューターコードとして実装されている。
【0060】
図7は、実施形態による、強磁性の円筒形状の表面(たとえば、パイプ20または湾曲した表面40など)の上にUAV(たとえば、UAV200、500、または600など)を着陸させ、離陸させ、および磁気的にパーチさせる例示的な方法700のフローダイアグラムである。UAVは、本体部(たとえば、UAV本体部205または605など)と、複数の関節式磁気脚部(たとえば、磁気脚部110、210、310、410、510、または610など)とを含む。それぞれの脚部は、本体部に連結されている固定部分(たとえば、固定部分120または320など)と、枢動軸線(たとえば、枢動軸線350または450など)において固定部分に枢動可能に連結されている枢動部分(たとえば、枢動部分130、330、または430など)とを有している。枢動部分は、切り替え可能な磁石(たとえば、切り替え可能な磁石140など)と、枢動軸線を中心とした単一の自由度(たとえば、内向きまたは外向き)を有する単一の関節ジョイント(たとえば、枢動ピン144など)とを含む。
【0061】
方法700のうちのいくつかまたはすべては、図1A図6Bに図示されているコンポーネントおよび技法を使用して実施されることが可能である。加えて、本明細書で開示されているこの方法および他の方法の一部分は、それらの割り当てられたタスクを実施するためにコードまたはロジックによって構成されているプログラマブル論理回路(PLC)、コンピューター、ソフトウェア、または他の回路(たとえば、ASIC、FPGA)などのような、カスタムもしくは事前プログラムされたロジックデバイス、回路、もしくはプロセッサーの上で、または、それを使用して、実施されることが可能である。デバイス、回路、またはプロセッサーは、たとえば、専用のまたは共有のハードウェアデバイス(たとえば、ラップトップコンピューター、シングルボードコンピューター(SBC)、ワークステーション、タブレット、スマートフォン、サーバーの一部、または、FPGAまたはASICにおけるものなど、専用のハードウェア回路など)、またはコンピューターサーバー、または、サーバーもしくはコンピューターシステムの一部分であることが可能である。デバイス、回路、またはプロセッサーは、1つまたは複数のプロセッサーの上で実行されるときに方法700(または、他の開示されている方法)の一部分が実施されることを引き起こす命令を記憶する非一時的なコンピューター可読媒体(CRM、たとえば、リードオンリーメモリー(ROM)、フラッシュドライブ、またはディスクドライブなど)を含むことが可能である。他の実施形態において、動作の順序は変更されることが可能であるということ、および、動作のうちのいくつかは省略されることが可能であるということが留意されるべきである。また、方法700のうちのいくつかは、方法700のこれらの部分を実施するようにコードによって構成された処理回路の上にまたはそれと電気的に通信して位置付けされているロジック、回路、またはプロセッサーを使用して実施されることが可能である。
【0062】
方法700において、処理は、磁気脚部を使用して強磁性の円筒形状の表面の上にUAVを着陸させるステップ710から始まる。方法700は、枢動軸線を中心とした単一の自由度を有する単一の関節ジョイントを使用するそれぞれの磁気脚部に関して、着陸の間に枢動部分が円筒形状の表面に接触することに応答して、枢動部分を内向きにおよび円筒形状の表面に接するように受動的に配向させるステップ720をさらに含む。たとえば、図3A図3Bを参照されたい。加えて、方法700は、それぞれの磁気脚部の中の切り替え可能な磁石をスイッチオンすることによって、着陸の終了時に強磁性の円筒形状の表面にUAVを磁気的に取り付けるステップ730を含む。いくつかの実施形態において、サーボモーター(たとえば、サーボモーター132または432など)が、切り替え可能な磁石のスタックされたディスク磁石を回転させるために使用され、切り替え可能な磁石をターンオンさせるようになっている。
【0063】
引き続いて、方法700は、磁気脚部のそれぞれの切り替え可能な磁石がスイッチオンされたままの状態で磁気脚部を使用して、着陸の後に強磁性の円筒形状の表面の上にUAVを磁気的にパーチさせるステップ740を含む。方法700は、それぞれの磁気脚部の中の切り替え可能な磁石をスイッチオフすることによって、離陸の開始時に強磁性の円筒形状の表面からUAVを磁気的に取り外すステップ750と、パーチさせるステップの後に円筒形状の表面からUAVを離陸させるステップ760とをさらに含む。加えて、方法700は、関節ジョイントを使用するそれぞれの磁気脚部に関して、枢動部分の重心が枢動軸線の外向き側にある状態で(たとえば、図4Bのように)、離陸の間に枢動部分の内向きの配向を受動的に維持するステップ770を含む。
【0064】
いくつかの実施形態において、方法700は、磁気脚部の固定部分の内向き回転リミッター(たとえば、回転リミッター470など)を使用するそれぞれの磁気脚部に関して、着陸および離陸の間に枢動部分の内向きの回転を制限するステップを含む。いくつかの実施形態において、方法700は、磁気脚部を使用して平坦な表面(たとえば、平坦な表面60など)の上にUAVを着陸させるステップと、枢動軸線を中心とした単一の自由度を有する単一の関節ジョイントを使用するそれぞれの磁気脚部に関して、(たとえば、図3C図3Dに示されているように)平坦な表面の上への着陸の間に枢動部分が平坦な表面に接触することに応答して、枢動部分を平坦におよび平坦な表面に対して平行に受動的に配向させるステップと、平坦な表面からUAVを離陸させるステップと、関節ジョイントを使用するそれぞれの磁気脚部に関して、枢動部分の重心が枢動軸線の内向き側にある状態で、平坦な表面からの離陸の間に枢動部分の平坦な配向を受動的に維持するステップとを含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、方法700は、磁気脚部の固定部分の外向き回転リミッター(たとえば、回転リミッター475など)を使用するそれぞれの磁気脚部に関して、平坦な表面への着陸および平坦な表面からの離陸の間に、枢動部分の外向きの回転をほとんど平坦な(たとえば、最大でも3度または最大でも5度などの)配向に制限するステップを含む。いくつかの実施形態において、方法700は、それぞれの磁気脚部に関して、枢動部分が円筒形状の表面に接触した後に、磁気脚部の角度回転センサーを使用して、枢動軸線を中心とした枢動部分の枢動量を測定するステップを含む。いくつかの実施形態において、方法700は、UAVの制御回路によって、磁気脚部の枢動部分の測定された枢動量を使用して、着陸の終了時に磁気脚部の磁石をスイッチオンするべきときを決定するステップを含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、方法700は、それぞれの磁気脚部に関して、方法は、磁石をオンとオフとの間で切り替えるために、磁石の上部に連結されている枢動部分のスイッチアクチュエーター(たとえば、サーボモーター132または432など)を使用して、磁石を作動させるステップと、制御回路によって、磁気脚部の枢動部分の測定された枢動量が同じ内向きの角度にあるときに、磁石をスイッチオンするようにスイッチアクチュエーターを制御するステップとを含む。いくつかの実施形態において、方法700は、UAVの制御回路によって、磁気脚部の枢動部分の測定された枢動量を使用して、円筒形状の表面に対応する円筒(たとえば、曲率半径を有するパイプ20または円筒形状に湾曲した表面40など)の直径を決定するステップを含む。いくつかの実施形態において、方法700は、UAVの制御回路によって、磁気脚部の枢動部分の測定された枢動量を使用して、本体部から円筒形状の表面までの距離(たとえば、距離690など)を決定するステップを含む。
【0067】
本明細書で説明されている方法は、有形の(たとえば、非一時的な)ストレージ媒体の上で機械可読の形態でソフトウェアまたはファームウェアによって部分的に実施されることが可能である。たとえば、ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムがコンピューターまたは適切なハードウェアデバイス(たとえば、FPGA)の上で実行されるときに、および、コンピュータープログラムがコンピューター可読媒体の上で具現化されることが可能である場合に、本明細書で説明されている方法のいずれかのステップのうちのいくつかを実施するように適合されたコンピュータープログラムコードを含む、コンピュータープログラムの形態であることが可能である。有形のストレージ媒体の例は、コンピューター可読の媒体(たとえば、ディスク、サムドライブ、およびフラッシュメモリーなど)を有するコンピューターストレージデバイスを含み、伝播信号を含まない。伝播信号は、有形のストレージ媒体の中に存在している可能性があるが、伝播信号それ自体は、有形のストレージ媒体の例ではない。ソフトウェアは、並列プロセッサーまたは直列プロセッサーの上での実行に適切である可能性があり、方法ステップが任意の適切な順序でまたは同時に実施されることが可能であるようになっている。
【0068】
図面における同様のまたは類似の数字は、いくつかの図を通して同様のまたは類似の要素を表しているということ、および、図を参照して説明および図示されているすべてのコンポーネントまたはステップが、すべての実施形態または配置に必要とされるわけではないということがさらに理解されるべきである。
【0069】
本明細書において使用されている専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけのものであり、本開示を限定するものであることを意図していない。本明細書で使用されているように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確にそうでないことを示していない限り、複数形も同様に含むことが意図されている。「comprises」および/または「comprising」という用語は、本明細書で使用されるときには、述べられている特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/またはコンポーネントの存在を特定しているが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を除外してはいないということがさらに理解されることとなる。
【0070】
配向の用語は、本明細書において、単に慣例および参照の目的のために使用されており、限定するものとして解釈されるべきではない。しかし、これらの用語は、見る者を基準として使用される可能性があるということが認識される。したがって、いかなる制限も暗示されるものではなく、または推論されるべきではない。加えて、序数(たとえば、第1の、第2の、第3の)の使用は、区別のためのものであり、数えるためのものではない。たとえば、「第3の」の使用は、対応する「第1の」または「第2の」が存在しているということを暗示するものではない。また、本明細書において使用される言い回しおよび専門用語は、説明の目的のためのものであり、限定するものとしてみなされるべきではない。本明細書における「含む(including)」、「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「含む(involving)」、およびそれらの変形例の使用は、それ以降に列挙されている項目およびその均等物、ならびに、追加的な項目を包含することを意味している。
【0071】
上記に説明されている主題は、単に図示として提供されており、限定するものとして解釈されるべきではない。図示および説明されている例示的な実施形態および用途に従うことなく、ならびに、本開示によって包含されている本発明の真の精神および範囲(それは、以下の特許請求の範囲における記載のセットによって定義されており、また、これらの記載と同等の構造および機能またはステップによって定義されている)から逸脱することなく、本明細書で説明されている主題に対してさまざまな修正および変更が行われることが可能である。
【符号の説明】
【0072】
20 パイプ
40 湾曲した表面
45 接触力
60 平坦な表面
65 接触力
110 関節式磁気脚部
120 固定部分
122 炭素繊維チューブ
124 脚部本体部
130 枢動部分
132 サーボモーター
134 サーボホーン
136 アダプター
140 切り替え可能な磁石
142 サーボ磁石ホルダー
144 枢動ピン
200 無人航空機(UAV)
205 UAV本体部
207 プロペラ
210 関節式磁気脚部
310 関節式磁気脚部
320 固定部分
330 枢動部分
350 枢動ポイント
360 回転方向
365 回転方向
410 関節式磁気脚部
430 枢動部分
432 サーボモーター
450 枢動ポイント
460 回転方向
465 回転方向
470 回転リミッター
475 回転リミッター
480 サーボモーター重心
485 サーボモーター重心
500 無人航空機(UAV)
510 関節式磁気脚部
600 無人航空機(UAV)
605 UAV本体部
610 関節式磁気脚部
690 本体部からパイプ表面までの距離
695 本体部から平坦な表面までの距離
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
【国際調査報告】