(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(54)【発明の名称】効能物質の伝達が強化された洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/40 20060101AFI20231130BHJP
A61K 8/84 20060101ALI20231130BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20231130BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20231130BHJP
A61K 8/42 20060101ALI20231130BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20231130BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20231130BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20231130BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20231130BHJP
A61K 8/45 20060101ALI20231130BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20231130BHJP
C11D 7/32 20060101ALI20231130BHJP
C11D 7/22 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
A61K8/40
A61K8/84
A61K8/81
A61K8/44
A61K8/42
A61Q5/02
A61Q19/10
A61Q19/00
A61Q5/00
A61K8/45
A61K8/86
C11D7/32
C11D7/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532625
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(85)【翻訳文提出日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 KR2021017084
(87)【国際公開番号】W WO2022114681
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0162929
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514112488
【氏名又は名称】エルジー ハウスホールド アンド ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ソン・キル・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ド・ヒュン・チュン
(72)【発明者】
【氏名】ゴン・ジ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ネ・ギュ・カン
【テーマコード(参考)】
4C083
4H003
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AC511
4C083AC512
4C083AC531
4C083AC532
4C083AC542
4C083AC581
4C083AC582
4C083AC641
4C083AC642
4C083AC681
4C083AC712
4C083AC782
4C083AC902
4C083AD071
4C083AD072
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD321
4C083AD331
4C083AD411
4C083BB05
4C083BB51
4C083BB53
4C083CC22
4C083CC23
4C083CC33
4C083CC38
4C083CC39
4C083DD23
4C083EE06
4C083EE50
4H003AB27
4H003AD04
4H003DA01
4H003DA02
4H003EB12
4H003EB16
4H003EB19
4H003EB28
4H003ED02
4H003FA26
4H003FA28
(57)【要約】
本発明は、反応媒介物質;効能物質キャプチャー成分;および効能物質を含む効能物質伝達強化用組成物を提供する。本発明による効能物質伝達強化用組成物は、毛髪、皮膚および繊維などに伝達しようとする効能物質を洗ったりすすぐ過程で容易に洗い落とされずに多量の効能物質を伝達することによって、その効果を長く維持持続させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子内に1つ以上のカルボジイミド(-N=C=N-)を含む反応媒介物質;
分子内に一次アミンおよびカルボキシル基からなるグループから選択された1つ以上を含む効能物質キャプチャー成分;および
効能物質を含む効能物質伝達強化用組成物。
【請求項2】
反応媒介物質は、下記化学式1で表されるカルボジイミド系化合物を含むものである、請求項1に記載の効能物質伝達強化用組成物:
[化学式1]
【化1】
前記化学式1中、Aは、下記に列挙された構造の中から選択された1つ以上の構造を有するものであり、繰返し単位の両末端にイソシアネート基(*)を有するモノマーであり、2つのAは、互いに同じ構造のホモポリマー(Homo Polymer)または互いに異なる構造のヘテロポリマー(Hetero Polymer)であり、Rは、水素;または炭素数1~500の直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭化水素;またはベンゼン環状の炭化水素;を示し、前記炭化水素分子の一部に二重結合を含むか;O、N、S、PおよびSiからなる群から選択された1つ以上の化合物が置換された形態であるか;アニオン、カチオン、両性の形態で置換された形態であるか;または金属イオンが塩の形態で結合した構造を含み、mは、1~100の整数である。
【化2】
【請求項3】
反応媒介物質は、下記化学式2~4で表されるカルボジイミド系化合物からなるグループから選択された1つ以上を含むものである、請求項1に記載の効能物質伝達強化用組成物:
[化学式2]
【化3】
[化学式3]
【化4】
[化学式4]
【化5】
前記化学式2中、mは、1~10であり、nは、1~20であり、
前記化学式3中、mは、1~10であり、nは、1~20である。
【請求項4】
反応媒介物質の含有量は、全体組成物100重量部に対して0.0001~3重量部である、請求項1に記載の効能物質伝達強化用組成物。
【請求項5】
効能物質キャプチャー成分は、天然または合成ポリマー、アミノ酸およびこれらの誘導体、ペプチドおよびこれらの誘導体、タンパク質およびこれらの誘導体、ポリアミンおよびこれらの誘導体、フィトポリアミン、スフィンゴシン、アルキルアミンおよびこれらの誘導体、脂肪酸およびこれらの誘導体、ポリアクリル酸およびこれらの誘導体、ポリメタクリル酸およびこれらの誘導体、およびアルキル(C6~24)アミドプロピルジメチルアミン(Alkyl(C6~C24)amidopropyldimethylamine)類化合物からなるグループから選択された1つ以上である、請求項1に記載の効能物質伝達強化用組成物。
【請求項6】
効能物質キャプチャー成分は、一次アミンを含むカチオン性ポリマーであり、
前記一次アミンを含むカチオン性ポリマーは、Polyquaternium-5、Polyquaternium-7、Polyquaternium-15、Polyquaternium-32、Polyquaternium-33、Polyquaternium-39、Polyquaternium-43、Polyquaternium-53、Polyquaternium-63、Polyquaternium-68、Polyquaternium-76、Chitosan、Gelatins、Polyacrylamide、Poly(L-lactide)amine terminatedおよびHyaluronate Amineからなるグループから選択された1つ以上を含むものである、請求項5に記載の効能物質伝達強化用組成物。
【請求項7】
効能物質キャプチャー成分においてアミノ酸およびこれらの誘導体は、Leucine(Hydrophobic amino acid)であり、アルキル(C6~24)アミドプロピルジメチルアミン類化合物は、Stearamidopropyldimethylamineである、請求項5に記載の効能物質伝達強化用組成物。
【請求項8】
効能物質キャプチャー成分の含有量は、全体組成物100重量部に対して0.0001~5重量部である、請求項1に記載の効能物質伝達強化用組成物。
【請求項9】
効能物質は、毛髪効能物質、皮膚効能物質および繊維効能物質からなるグループから選択された1つ以上である、請求項1に記載の効能物質伝達強化用組成物。
【請求項10】
効能物質の含有量は、全体組成物100重量部に対して0.0001~5重量部である、請求項1に記載の効能物質伝達強化用組成物。
【請求項11】
効能物質キャプチャー成分および効能物質は、下記条件のうち1つ以上を満たすものである、請求項1に記載の効能物質伝達強化用組成物:
(1)効能物質キャプチャー成分に含まれた金属イオン、非金属イオンまたは多重原子イオンが効能物質とイオン結合を形成する
(2)効能物質キャプチャー成分に含まれた窒素、酸素またはフッ素が効能物質に含まれた水素原子と水素結合を形成したり、効能物質キャプチャー成分に含まれた水素原子が効能物質に含まれた窒素、酸素またはフッ素と水素結合を形成する
(3)効能物質キャプチャー成分および効能物質間の引力または斥力によりファンデルワールス結合を形成する。
【請求項12】
アニオン性界面活性剤を更に含むものである、請求項1に記載の効能物質伝達強化用組成物。
【請求項13】
効能物質伝達強化用組成物は、毛髪、皮膚および繊維に効能物質の伝達を強化するものである、請求項1に記載の効能物質伝達強化用組成物。
【請求項14】
請求項1に記載の効能物質伝達強化用組成物を含む洗浄剤組成物。
【請求項15】
請求項1に記載の効能物質伝達強化用組成物を毛髪または皮膚に塗布したり、繊維に処理する段階を含む効能物質の伝達を強化する毛髪、皮膚または繊維処理方法。
【請求項16】
毛髪、皮膚または繊維処理用製品を製造するための分子内に1つ以上のカルボジイミド(-N=C=N-)を含む反応媒介物質;
分子内に一次アミンおよびカルボキシル基からなるグループから選択された1つ以上を含む効能物質キャプチャー成分;および
効能物質を含む効能物質伝達強化用組成物の用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、効能物質の伝達が強化された組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚用化粧品およびパーソナルケア製品は、皮膚に柔らかさ、しっとり感、滑らかさ、弾力などのように化粧学的に皮膚に有益なコンディショニング効果を付与したり、またはシワ、美白、紫外線遮断、抗酸化、香り、角質ケア、かゆみ予防または改善、養毛・育毛促進、にきび防止および抗菌、体臭抑制、アトピーケア、毛穴ケア、荒れ改善、皮膚トーン改善、血行改善および血流促進、有効成分浸透の促進および滞留時間の改善、消臭、デオドラント、除毛、染料および粉体を利用した染色または入れ墨、手足の爪ケアまたは生体接合などの機能を有する製品であって、クレンジング、洗浄などの機能をさらに具備することができる。このような皮膚用化粧品およびパーソナルケア製品のコンディショニング効果を増大させるための多様な方法がたゆまず研究されているが、コンディショニング効果に優れていたとしても、一回性である場合が大部分である。
【0003】
したがって、皮膚に対するコンディショニング効果が一回性にとどまらず半永久的に持続させるための研究が活発に進められている。
【0004】
特許文献1は、皮膚構成成分が似ている毛髪に化粧特性を長時間持続させる化粧処置方法について開示している。上述の技術では、毛髪の化粧処理前に毛髪の表面に変化をもたらす熱、電磁波、電場、音波、プラズマなどの物理的方法や、還元方法を除いた化学的方法を用いて一次に毛髪を活性化させる過程を行わなければならない。しかしながら、このような毛髪活性化過程は、熱、電磁波、電場、音波、プラズマなどの高いエネルギーを毛髪に加えなければならず、還元方法を除いた化学的不活性化物質に使用される過酸化水素、ブロメートなどの酸化剤は、毛髪に深刻な損傷を誘発し、その他ポリアミンや多糖類ポリマーの場合、活性化は可能であるが、これらのポリマーが毛髪に共有結合形態で活性化しない状態であるため、洗浄により容易に除去される問題がある。
【0005】
また、特許文献2には、皮膚または毛髪用非水系パーソナルケア製品に関するものであり、非水系パートに毛髪または皮膚の表面のタンパク質残基と共有結合が可能な官能基として、カーボネート(carbonate)、アルデヒド(aldehyde)、プロピオンアルデヒド(propionaldehyde)、ブチルアルデヒド(butylaldehyde)、ニトロフェニルカーボネート(nitrophenyl carbonate)、アジリジン(aziridine)、イソシアネート(isocyanate)、チオシアネート(thiocyanate)、エポキシド(epoxide)、トレシレート(tresylate)、スクシンイミド(succinimide)、ヒドロキシスクシンイミジルエステル(hydroxysuccinimidyl ester)、イミダゾール(imidazole)、オキシカルボニルイミダゾール(oxycarbonylimidazole)、イミン(imine)、チオール(thiol)、ビニルスルホン(vinylsulfone)、エチレンイミン(ethyleneimine)、チオエーテル(thioether)、アクリロニトリル(acrylonitrile)、アクリル酸またはメタクリル酸エステル(acrylic acid or methacrylic ester)、ジスルフィド(disulfide)、ケトン(ketone)及びRXで表示される官能基(Rは、アルキル、アリール、アラルキル、環及び不飽和環からなる群から選択されたいずれか1つであり、Xは、I、BrまたはClである)からなる群から選択されたいずれか1つ以上を有する毛髪表面改質成分を含み、且つ非水系パートと水系パートとに分離しており、使用直前に混合して使用することを特徴とする毛髪または皮膚用パーソナルケア製品を開示しているが、前記に提示された多様な官能基の場合、人体に有害であるか、または毛髪または皮膚を構成するタンパク質のアミノ酸のうちその含量が毛髪(1.9~3.1%)、皮膚ケラチン(3.1~6.9%)程度の少ない量を含有するリシンを標的化するか、毛髪(16.6~18%)、皮膚ケラチン(2.3~3.8%)程度のシステインを標的化して反応させるため、反応効率が低下し、各々の物質を1つ1つ別に合成しなければならない問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】日本国特許公開第2010-516546号公報
【特許文献2】米国特許公開第2011-0274639号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、効能物質伝達強化用組成物を提供することを目的とする。
【0008】
具体的には、本発明は、本組成物の使用後に数分以内に組成物を洗ったりすすぐ形態であり、毛髪および皮膚などに適用する人体用洗浄剤と、衣類を洗濯したり、柔軟性を提供する機能の洗剤および柔軟剤において、前記毛髪、皮膚および繊維などに伝達しようとする効能物質を洗ったりすすぐ過程で容易に洗い落とされずに多量の効能物質を伝達することによって、その効果を長く維持持続させる技術を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、効能物質を多量結合させることができ、さらに、共有結合よりさらに弱い力で効能物質を結合させることによって、必要な時に当該効能物質の放出が可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、分子内に1つ以上のカルボジイミド(-N=C=N-)を含む反応媒介物質;
分子内に一次アミンおよびカルボキシル基からなるグループから選択された1つ以上を含む効能物質キャプチャー成分;および
効能物質を含む効能物質伝達強化用組成物を提供する。
また、本発明は、前述した効能物質伝達強化用組成物を含む洗浄剤組成物を提供する。
また、本発明は、前述した効能物質伝達強化用組成物を毛髪または皮膚に塗布したり、繊維に処理する段階を含む効能物質の伝達を強化する毛髪、皮膚または繊維処理方法を提供する。
また、本発明は、毛髪、皮膚または繊維処理用製品を製造するための分子内に1つ以上のカルボジイミド(-N=C=N-)を含む反応媒介物質;
分子内に一次アミンおよびカルボキシル基からなるグループから選択された1つ以上を含む効能物質キャプチャー成分;および
効能物質を含む効能物質伝達強化用組成物の用途を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明による効能物質伝達強化用組成物は、基質(毛髪、皮膚および繊維など)に伝達しようとする効能物質を洗ったりすすぐ過程で容易に洗い落とされずに多量の効能物質を伝達することによって、その効果を長く維持および持続させることができる。
【0012】
また、本発明による効能物質伝達強化用組成物は、効能物質キャプチャー成分を介して効能物質を結合させるので、基質のタンパク質残基1個当たり多量の効能物質を結合させることができ、共有結合よりさらに弱い結合を活用して効能物質を結合させることができるので、必要な時に効能物質の発散を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明による効能物質伝達強化メカニズムを示す模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、分子内に1つ以上のカルボジイミド(-N=C=N-)を含む反応媒介物質;
分子内に一次アミンおよびカルボキシル基からなるグループから選択された1つ以上を含む効能物質キャプチャー成分;および
効能物質を含む効能物質伝達強化用組成物に関する。
【0015】
本発明において「効能物質伝達強化」は、毛髪、皮膚および繊維のような基質に多量の効能物質を結合させることを意味する。
【0016】
以下、本発明の構成を具体的に説明する。
【0017】
本発明は、毛髪、皮膚および繊維に適用される効能物質伝達強化用組成物を提供する。
【0018】
毛髪、皮膚および繊維、特に、ウールとシルクなどのような天然由来繊維を構成する主成分は、タンパク質であり、前記タンパク質は、アミノ酸を基本成分とする。したがって、基質(毛髪、皮膚、繊維)の表面には、カルボキシル基(アスパラギン酸、グルタミン酸)、アミン基(アスパラギン、グルタミン)、ヒドロキシル基(セリン、スレオニン)、アンモニウム基(リシン)、チオール基(システイン)、アルキル基(バリン、ロイシン、イソロイシン)およびベンジル基(フェニルアラニン)などの非常に様々な化学的残基が存在する。
【0019】
本発明では、効能物質伝達強化用組成物を用いて、前記残基に効能物質を結合させて効能物質の効果を持続させることができ、また、洗ったりすすぐ過程でも効能物質が容易に洗い落とされない効果を有することができる。
【0020】
このような効能物質伝達強化用組成物は、反応媒介物質;効能物質キャプチャー成分;および効能物質を含んでもよい。
【0021】
本発明において反応媒介物質は、毛髪、皮膚および繊維のタンパク質と効能物質キャプチャー成分間の反応、すなわち、EDCカップリング反応を媒介することができる。
【0022】
本発明において反応媒介物質は、毛髪、皮膚および繊維のタンパク質と効能物質キャプチャー成分間の反応、すなわち、EDCカップリング反応を媒介することができる。
【0023】
具体的には、反応媒介物質は、基質に存在するアスパラギン酸および/またはグルタミン酸のカルボキシル基と反応して、前記カルボキシル基が別途提供される効能物質キャプチャー成分(アミン基を含む)と結合が形成されるように媒介する役割をすることができる。または、前記反応媒介物質は、基質に存在するアスパラギンおよび/またはグルタミンのアミン基と反応して、前記アミン基が別途提供される効能物質キャプチャー成分(カルボキシル基を含む)と結合が形成されるように媒介する役割をすることができる。この際、基質と反応媒介物質は、共有結合を形成し、前記共有結合は、アミド結合であってもよい。
【0024】
一具体例において、反応媒介物質は、分子内に1つ以上のカルボジイミド(メタジイミン、-N=C=N-)を含む化合物であってもよく、下記化学式1で表されるカルボジイミド系化合物であってもよい。
[化学式1]
【化1】
【0025】
前記化学式1中、Aは、下記に列挙された構造の中から選択された1つ以上の構造を有するものであり、繰返し単位の両末端にイソシアネート基(*)を有するモノマーであり、2つのAは、互いに同じ構造のホモポリマー(Homo Polymer)または互いに異なる構造のヘテロポリマー(Hetero Polymer)であり、Rは、水素;または炭素数1~500の直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭化水素;またはベンゼン環状の炭化水素;を示し、前記炭化水素分子の一部に二重結合を含むか;O、N、S、PおよびSiからなる群から選択された1つ以上の化合物が置換された形態であるか;アニオン、カチオン、両性の形態で置換された形態であるか;または金属イオンが塩の形態で結合した構造を含み、mは、1~100の整数であってもよい。
【化2】
具体的には、前記反応媒介物質は、下記化学式2~4で表されるカルボジイミド系化合物からなるグループから選択された1つ以上を含んでもよい。
[化学式2]
【化3】
【0026】
【0027】
前記化学式2中、mは、1~10であり、nは、1~20であり、
前記化学式3中、mは、1~10であり、nは、1~20であってもよい。
【0028】
前記化学式2のカルボジイミド系化合物は、1,1’-メチレン-ビス-(3-イソシアナトシクロヘキサン)-、ホモポリマー、ポリエチレングリコールモノ-Me-エーテル-ブロックト(1,1’-methylene-bis-(3-isocyanatocyclohexane)-、homopolymer、polyethylene glycol mono-Me-ether-blocked)であってもよく、化学式3のカルボジイミド系化合物は、ベンゼン、1,3-ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)-、ホモポリマー、ポリエチレングリコールモノ-Me-エーテルブロックト(Benzene、1,3-bis(1-isocyanato-1-methylethyl)-、homopolymer、polyethylene glycol mono-Me-ether-blocked)であってもよく、化学式4のカルボジイミド系化合物は、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・HCl(1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide・HCl)であってもよい。
【0029】
一具体例において、前記反応媒介物質の含有量は、全体組成物100重量部に対し0.0001~3重量部、0.01~3重量部または0.1~2重量部であってもよい。前記含有量が0.0001重量部未満では、目的とする効能物質伝達強化効果が現れにくい問題があり、3重量部を超えると、毛髪、皮膚または繊維に存在する反応位置以上で過剰に存在する反応媒介物質が毛髪、皮膚または繊維と反応しない状態で後述する効能物質キャプチャー成分と反応して効果向上に役立たず、失われる成分として作用する問題がある。
【0030】
本発明において効能物質キャプチャー成分は、反応媒介物質を媒介として基質と結合を形成する。このような効能物質キャプチャー成分は、分子内に一次アミンおよびカルボキシル基からなるグループから選択された1つ以上を含んでもよい。前記一次アミンおよびカルボキシル基は、それぞれ反応媒介物質を媒介として基質のカルボキシル基およびアミン基と共有結合、すなわち、アミド結合を形成することができる。
【0031】
従来技術の場合、基質にカルボジイミド系化合物を結合させた後、効能物質を共有結合させる方法で効能物質を伝達した。しかしながら、この場合、基質のタンパク質残基1個当たり1つの効能物質のみを付着することができるという限界を有する。本発明では、効能物質キャプチャー成分を用いて、前記効能物質キャプチャー成分に多量の効能物質を結合(担持)させることによって、基質のタンパク質残基に多量の効能物質を結合させることができる。
【0032】
一具体例において、効能物質キャプチャー成分は、効能物質とイオン結合、水素結合またはファンデルワールス結合力などで前記効能物質を捕捉することができる。前記イオン結合、水素結合またはファンデルワールス結合は、従来の共有結合と比較してさらに弱い結合であり、結合がよく壊れる。したがって、香りのように永久的な付着でなく、必要な時に発散が必要な効能物質の発散に有利なメリットを有することができる。
【0033】
一具体例において、効能物質キャプチャー成分として効能物質との結合が可能な化合物を制限なしで使用することができ、具体的には、天然または合成ポリマー、アミノ酸およびこれらの誘導体、ペプチドおよびこれらの誘導体、タンパク質およびこれらの誘導体、ポリアミンおよびこれらの誘導体、フィトポリアミン、スフィンゴシン、アルキルアミンおよびこれらの誘導体、脂肪酸およびこれらの誘導体、ポリアクリル酸およびこれらの誘導体、ポリメタクリル酸およびこれらの誘導体およびアルキル(C6~24)アミドプロピルジメチルアミン(Alkyl(C6~C24)amidopropyldimethylamine)類化合物からなるグループから選択された1つ以上を使用することができる。
【0034】
一具体例において、効能物質キャプチャー成分は、一次アミンを含むカチオン性ポリマーであり、前記一次アミンを含むカチオン性ポリマーは、Polyquaternium-5、Polyquaternium-7、Polyquaternium-15、Polyquaternium-32、Polyquaternium-33、Polyquaternium-39、Polyquaternium-43、Polyquaternium-53、Polyquaternium-63、Polyquaternium-68、Polyquaternium-76、Chitosan、Gelatins、Polyacrylamide、Poly(L-lactide)amine terminatedおよびHyaluronate Amineからなるグループから選択された1つ以上を含んでもよい。
【0035】
また、効能物質キャプチャー成分においてアミノ酸およびこれらの誘導体は、Leucine(Hydrophobic amino acid)であってもよく、アルキル(C6~24)アミドプロピルジメチルアミン(Alkyl(C6~C24)amidopropyldimethylamine)類化合物は、Stearamidopropyldimethylamineであってもよい。
【0036】
一具体例において、効能物質キャプチャー成分の含有量は、全体組成物100重量部に対して0.0001~5重量部、0.01~3重量部または0.1~2重量部であってもよい。前記含有量が0.0001重量部未満では、目的とする効能物質伝達強化効果が現れにくい問題がある。
【0037】
本発明において効能物質は、基質(毛髪、皮膚および繊維)に適用して基質の性質を変化させる成分を意味する。前記効能物質は、組成物内で溶解、可溶化、乳化または分散していてもよい。
【0038】
一具体例において、効能物質は、毛髪効能物質、皮膚効能物質または繊維効能物質に区分することができる。
【0039】
「皮膚効能物質」は、皮膚に適用して皮膚の性質を変化させることを意味する。皮膚に香りを付与したり、皮膚の角質を除去および角化を防止して、皮膚表面の荒れを改善させ、血行を改善したり血流を促進して、皮膚を明るく見えるようにしたり(皮膚トーンの改善)、ツヤ、皮膚および頭皮の栄養補充、弾力、柔らかさまたは滑らかさ等のコンディショニング効能を付与するなど、有益な特性を付与することにより、皮膚を美化し、魅力を増加させ、容貌を変化させ、体臭を抑制したり、かゆみまたはアトピーなどの皮膚トラブルを予防または改善したり、養毛・育毛を促進したり、にきびを防止したり、毛穴を縮小させたり、有効成分の浸透を促進させたり、滞留時間を改善したり、皮膚に保湿力を付与したり、紫外線を遮断する作用をして、皮膚を健康に維持するために、皮膚に塗布、散布、その他これらと似ている方法で使用できる。皮膚に付与する効能として、例えば、香気付与、皮膚シワの改善、皮膚保湿力の増大、皮膚への栄養供給、皮膚水分の恒常性維持、皮膚角質の除去および減少、皮膚トラブルの防止、皮膚老化の防止、皮膚抗酸化、頭皮ふけの防止、皮膚血行の促進、皮膚ツヤおよび弾力維持の改善、皮膚荒れおよび割れの防止などの効果を示すことができる。
【0040】
「毛髪効能物質」は、毛髪に適用して毛髪表面の性質を変化させることを意味する。毛髪に香りを付与したり、毛髪を太く見えるようにしたり、割れたり損傷された毛髪の改善、割れの防止、切れの防止、引張強度の強化、太さの増大、毛髪の豊かさ、栄養供給、弾力増大、ツヤ増大、保湿、損傷防止、損傷回復、染色、脱色、スタイリング、摩擦減少、パーマ、塩素除去、塩気除去、静電気防止、多孔性減少、ボリューム、縮れ毛の減少、カール強化、フィルムおよび被膜の形成、柔らかさ、落ち着きまたは滑らかさなどのコンディショニング効能を付与するなど有益な特性を付与することにより、毛髪を美化し、魅力を増加させ、容貌を変化させ、または毛髪に保湿力を付与したり、紫外線を遮断する作用をして、毛髪を健康に維持するために、毛髪に塗布、散布、その他これらと似ている方法で使用できる。毛髪に付与する効能として、例えば、抗酸化、コンディショニング、保湿、紫外線遮断、香り、染料、粉体、生体接合、抗菌およびふけの予防および改善、養毛、育毛、発毛などの効果を示すことができる。
【0041】
「繊維効能物質」は、繊維に適用して繊維の性質を変化させることを意味する。繊維に香りを付与したり、繊維に柔軟効果を付与したり、光による損傷を防止したり、繊維のシワ形成を抑制したり、形成されたシワを容易に除去できるようにしたり、繊維本来の色を鮮明にしたり、本来の色感を長期間維持させたり、繊維を染色したり、表面の汚染が容易に除去されるようにしたり、香りを付与したり、臭いを除去したり、抗菌や害虫忌避をしたり、洗濯による損傷を防止したり、雨水などの浸透を防止したり、繊維の内部に浸透を強化したり、アイロンがけを容易にしたり、乾燥を速くしたり、繊維を潤沢に見えるようにしたり、繊維を弾力あるようにしたり、汚れが付着しないようにしたり、静電気を防止したり、繊維を強くしたり、繊維を太くしたり、繊維の表面にコーティングを形成したり、保湿力を提供したり、保温および保冷を強化したり、酸化を防止したり、紫外線を遮断したり、繊維に有効成分の浸透を促進したり、および有効成分の滞留時間を改善したり、毛羽の発生を減少させたり、繊維の絡み合いを防止したり、皮膚親和的機能などの効果を示すことができる。
【0042】
一具体例において、皮膚効能物質は、特に制限されず、抗酸化成分;コンディショニング成分(皮膚潤沢、光彩付与);保湿成分;美白成分;紫外線遮断成分;香り成分;シワ防止または改善成分;角質ケア成分;ふけ、かゆみの予防または改善成分;養毛または育毛促進成分;にきび防止または抗菌成分;体臭抑制成分;アトピーケア成分;毛穴ケア成分;除毛成分;染料;粉体;手足の爪ケア成分;または生体接合成分などであってもよい。
【0043】
毛髪効能物質は、特に制限されず、抗酸化成分;コンディショニング(引張強度、太さの増大、弾力、ツヤ、保湿、損傷防止、損傷回復、割れの防止、切れの減少、割れの改善、栄養、染色、脱色、スタイリング、摩擦減少、パーマ、塩素除去、塩気除去、静電気防止、多孔性減少、ボリューム、豊かさ、縮れ毛の減少、カール強化、フィルムおよび被膜形成、柔らかさ、落ち着き、滑らかさ)成分;保湿成分;紫外線遮断成分;香り成分;染料;生体接合成分;抗菌成分;養毛;育毛または発毛成分などであってもよい。
【0044】
また、繊維効能物質は、特に制限されず、繊維柔軟成分;光損傷防止成分;シワ抑制または除去成分;色維持成分;染料;汚染除去成分;香り成分;消臭成分;抗菌成分;洗濯損傷防止成分;防水成分;コーティング成分;静電気防止成分;保湿成分;保温または保冷成分;抗酸化成分;紫外線遮断成分;毛羽の絡み合い防止成分などであってもよい。
【0045】
前記抗酸化成分は、動・植物、鉱物などの天然物由来抽出物、発酵抽出物、アミノ酸、ペプチド、タンパク質などのように酸化作用で損傷された皮膚機能と構造が破壊され消尽される現象を相当程度減少させたり予防する能力を有する抗酸化作用成分を含んでいてもよい。例えば、アセトアミドカプロン酸(acetamidocaproic acid)、アセチルベンゾイルオキシプラステロン(acetyl benzoyloxy prasterone)、アセチルシステイン(acetyl cysteine)、2-アセチルヒドロキノン(2-acetylhydroquinone)、アダマンタニルカルボキサミドヒドロキシベンズアミド(adamantanylcarboxamido hydroxylbenzamide)、アミノエタンスルフィン酸(aminoethanesulfinic acid)、アミノプロピルアスコビルホスフェート(aminopropyl ascorbyl phosphate)、アンゴロシドC(angoroside C)、アンセリン(anserine)、アピゲニン(apigenin)、アルブチン(arbutin)、アルファ-アルブチン(alpha-albutin)、アスコルビン酸(ascorbic acid)、アシアチコシド(asiaticoside)、ベンゾグアナミン(benzoquanamine)、BHA(butylhydroxyanisol)、BHT(Butylated Hydroxy Toluene)、ビス-ヒドロキシエチルトコフェリルスクシノイルアミドヒドロキシプロパン(bis-hydroxyethyl tocopherylsuccinoylamido hydroxypropane)、ビス-テトラメチルヒドロキシピペリジニルセバケート(bis-(tetramethyl hydroxypiperidinyl)sebacate)、ブチル化キシレノール(butylated xylenol)、t-ブチルベンズアミドヒドロキシベンズアミド(t-butylbenzamido hydroxylbenzamide)、4-ブチルレゾルシノール(4-butylresorcinol)、コーヒー酸(caffeic acid)、アスコルビン酸カルシウム(calcium ascorbate)、カルノシン酸(carnosic acid)、カロチノイド(carotenoids)、キトサンアスコルビン酸(chitosan ascorbate)、クロロゲン酸(chlorogenic acid)、コバルトDNA(cobalt DNA)、クーパーATP(copper adenosine triphosphate)、クーパーピリドキサール5-ホスフェート(copper pyridoxal 5-phosphate)、クルクミン(curcumin)、システイン(cysteine)、システインヒドロクロリド(cysteine HCl)、デカペプチド-6(decapeptide-6)、デカペプチド-7(decapeptide-7)、デクルシノール(decursinol)、デシルメルカプトメチルイミダゾール(decyl mercaptomethylimidazole)、ジアミルヒドロキノン(diamylhydroquinone)、ジ-t-ブチルヒドロキノン(di-t-butylhydroquinone)、ジセチルチオジプロピオネート(dicetyl thiodipropionate)、ジシクロペンタジエン/t-ブチルクレゾールコポリマー(dicyclopentadiene/t-butylcresol copolymer)、ジガロイルトリオレート(digalloyl trioleate)、ジイソオクチルセバケート(diisooctyl sebacate)、ジラウリルチオジプロピオネート(dilauryl thiodipropionate)、ジメトキシベンズアミドフェニルヒロドキシルアセトアミド(dimethoxybenzamido phenylhydroxylacetamide)、ジメトキシジ-p-クレゾール(dimethoxy di-p-cresol)、ジメチルメトキシクロマノール(dimethylmethoxy chromanol)、ジミリスチルチオジプロピオネート(dimyristyl thiodipropionate)、ジオレイルトコフェリルメチルシラノール(dioleyl tocopheryl methylsilanol)、ジオスミン(diosmine)、ジレチニルエーテル(diretinyl ether)、ジソジウムアスコビルサルフェート(disodium ascorbyl sulfate)、ジステアリルチオジプロピオネート(distearyl thiodipropionate)、ジトリデシルチオジプロピオネート(ditridecyl thiodipropionate)、ドデシルガレート(dodecyl gallate)、ドナリエラ・バーダウィル(dunaliella bardawil)粉末、エラグ酸(ellagic acid)、エピガロカテキンガレート(epigallocatechin gallate)、エルゴチオネイン(ergothioneine)、ビワ葉プロトプラスト(eriobotrya japonica leaf protoplasts)、エリソルビン酸(erythorbic acid)、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリド(ethylbisiminomethylguaiacol manganese chloride)、エチルフェルラート(ethyl ferulate)、エチルヘキシルフェルラート(ethylhexyl ferulate)、フェルラ酸(ferulic acid)、フェルロイルダイズグリセリド(feruloyl soy glycerides)、フルフリルパルミテート(furfuryl palmitate)、ゲニステイングルコシド(genistein glucoside)、イチョウ葉テルペノイド(ginkgo leaf terpenoids)、グルコシルルチン(glucosylrutin)、グリセリルクロモニルエーテル(glyceryl chromonyl ether)、グリセリルジフェルラート(glyceryl diferulate)、ヘスペレチン(hesperetin)、ヘキシルオキシトリメチルフェノール(hexyloxy trimethylphenol)、ホオノキオール(honokiol)、加水分解プロアントシアニジン(hydrolyzed proanthocyanidin)、ヒドロキノン(hydroquinone)、p-ヒドロキシアニソール(p-hydroxyanisole)、ヒドロキシデシルユビキノン(hydroxydecyl ubiquinone)、ヒドロキシルアミンヒドロクロリド(hydroxylamine HCl)、ヒドロキシルアミンサルフェート(hydroxylamine sulfate)、ヒドロキシフェニルジヒドロキシベンズアミド(hydroxyphenyl dihydroxybenzamide)、イノシトールヘキサナイアシネートヘキサアスコルベート(inositol hexaniacinate hexaascorbate)、イソオクチルカプリル酸/カプリン酸(isooctyl caprylate/caprate)、イソオクチルチオグリコレート(isooctyl thioglycolate)、イソクェルシトリン(isoquercitrin)、ケンペロール(kaempferol)、コウジ酸(kojic acid)、コジルグルコシド(kojyl glucoside)、メチレンジオキシケイヒ酸コジル(kojyl methylenedioxycinnamate)、紅茶抽出物(kou-cha ekisu)、リコペン(lycopene)、マデカッソシド(madecassoside)、アスコルビン酸マグネシウム(magnesium ascorbate)、マグノロール(magnolol)、マンガンATP(manganese adenosine triphosphate)、マトリン(matrine)、メラトニン(melatonin)、メトキシPEG-7アスコビン酸(methoxy PEG-7 ascorbic acid)、メトキシトリメチルフェニルジヒドロキシフェニルプロパノール(methoxytrimethylphenyl dihydroxyphenyl propanol)、メチル-ジ-t-ブチルヒドロキシヒドロシンナメート(methyl di-t-butyl hydroxyhydrocinnamate)、メチレンジ-t-ブチルクレゾール(methylene di-t-butylcresol)、メチル-メタクリレート/トリメトキシシリルプロピルメタクリレートクロスポリマー(methyl methacrylate/trimethoxysilylpropyl methacrylate crosspolymer)、ミリスチン酸メチル(methyl myristic acid)、ナイアシンアミドヒドロキシベンゾアート(niacinamide hydroxybenzoate)、ニクトフロリン(nictoflorin)、ノルジヒドログアイアレチン酸(nordihydroguaiaretic acid)、オクタニコチノイルエピガロカテキンガレート(octanicotinoyl epigallocatechin gallate)、オクタペプチド-4(octapeptide-4)、オリゴペプチド-28(oligopeptide-28)、ペオノール(paeonol)、パルマチン(palmatine)、PEG/PPG-2/5トコフェリルエーテル(PEG/PPG-2/5 tocopheryl ether)、ペリリルアルコール(perillyl alcohol)、カフェイン酸フェネチル(phenethyl caffeate)、フェニルエチルレゾルシノール(phenylethyl resorcinol)、フェニルチオグリコール酸(phenylthioglycolic acid)、フロレチン(phloretin)、フロログルシノール(phloroglucinol)、ピセアタンノール(piceatannol)、ピペルロングミニン(piperlonguminine)、ポルフィリジウムポリサッカロイド(porphyridium polysaccharide)、ポタシウムアスコビルトコフェリルホスフェート(potassium ascorbyl tocopheryl phosphate)、亜硫酸カリウム(potassium sulfite)、PPG-2トコフェレス-5(PPG-2 tocophereth-5)、プロピルガレート(propyl gallate)、プロトカテチュアルデヒド(protocatechuicaldehyde)、プエラリン(puerarin)、ピリドキシンヒドロキシベンゾアート(pyridoxine hydroxybenzoate)、ピリジルオキシドt-ブチルニトロン(phridyloxide t-butylnitrone)、クェルセチン(quercetin)、レスアセトフェノン(resacetophenone)、レゾルシノール(resorcinol)、レスベラトロール(resveratrol)、レチニルホルミルアスパルタメート(retinyl formyl aspartamate)、ロスマリン酸(rosmarinic acid)、ルチン(rutin)、ルチニルスクシネート(rutinyl succinate)、緑茶抽出物(ryoku-cha ekisu)、サルナセジン(salnacedin)、アスコルビン酸ナトリウム(sodium ascorbate)、亜硫酸ナトリウム(sodium sulfite)、トコフェリルリン酸ナトリウム(sodium tocopheryl phosphate
)、エリソルビン酸ナトリウム(sodium erythorbate)、ソジウムホスホノピリドキシリデネルホダニン(sodium phosphono-pyridoxylidenerhodanine)、チオグリコール酸ナトリウム(sodium thioglycolate)、ソジウムジンクヒスチジンジチオオクタナミド(sodium zinc histidine dithiooctanamide)、ソルビチルフルフラール(sorbityl furfural)、ステアリルガレート(stearyl gallate)、スクシノイルアスコベートペンタペプチド-6(succinoyl ascorbate pentapeptide-6)、タンゲリチン(tangeritin)、TBHQ(tert-butylhydroquinone])、テトラブチルエチリデンビスフェノール(tetrabutyl ethylidinebisphenol)、テトラヒドロデメトキシジフェルロイルメタン(tetrahydrodemethoxydiferuloylmethane)、テトラヒドロクルクミンジアセテート(tetrahydrocurcumin diacetate)、テトラヒドロジフェルロイルメタン(tetrahydrodiferuloylmethane)、テトラメチルブチルジヒドロキシベンズアミド(tetramethylbutyl dihydroxybenzamide)、テトラメチルクロマノールグルコシド(tetramethylchromanol glucoside)、チオクト酸(thioctic acid)、チオジグリコール(thiodiglycol)、チオ乳酸(thiolactic acid)、チオサリチル酸(thiosalicylic acid)、チオアウリン(thioaurine)、チモールトリメトキシシンナメート(thymol trimethoxycinnamate)、トコシステアミド(tococysteamide)、トコフェレス-5(tocophereth-5)、トコフェロール(tocopherol)、トコフェルソラン(tocophersolan)、トコフェリルアセテート(tocopheryl acetate)、トコキノン(tocoquinone)、トルエン(toluene)、o-トリルビグアニド(o-tolyl biguanide)、トタロール(totarol)、トリプロピレングリコール(triprophylene glycol)、トリス-BHTメシチレン(tris-BHT mesitylene)、トリス(ノニルフェニル)ホスフェート(tris(nonylphenyl)phosphate)、トリソジウムアスコビルイソパルミテートホスフェート(trisodium ascorbyl isopalmitate phosphate)、チロシルヒスチジンヒドロクロリド(tyrosyl histidine HCl)、ユビキノール(ubiquinol)、ユビキノン(ubiquinone)、アルバ・ラクティューカ粉末(ulva lactuca powder)、ウーロン茶抽出物(uuron-cha ekisu)、キシリルジブチルベンゾフラノン(xylyl dibutylbenzofuranone)、ジンクATP(zinc adenosine triphosphate)、ジンクジブチルジチオカルバメート(zinc dibutyldithiocarbamate)、ジンクフルクトースジホスフェート(zinc fructose diphosphate)、ジンクピリドキサール5-ホスフェート(zinc pyridoxal 5-phosphate)およびこれらの誘導体からなるグループから選択された1つ以上であってもよい。
【0046】
前記コンディショニング成分は、動・植物、鉱物などの天然物由来抽出物、アミノ酸、ペプチド、タンパク質などのように皮膚の損傷部位を補うことができるコンディショニング作用成分を含んでいてもよい。例えば、ポリマー類、シリコーン類、脂肪アルコール類、脂肪酸類、ワックス類、エステル類、炭化水素、アルキルグリセリルエステル類、多価アルコール類、糖類、界面活性剤類、粉体および染料、ポリエチレン、ポリプロピレン、セラミド類、ビタミン類、アルキルアミン類、アルキルアミドアミン類およびこれらの誘導体からなるグループから選択された1つ以上であってもよい。
【0047】
前記天然物由来抽出物は、海藻抽出物、ひまわりの種抽出物、苦参抽出物、高麗人参抽出物、黄連抽出物、金せん花抽出物、白華樹液、白華抽出物、花草抽出物、ヘチマ抽出物、ベルガモット抽出物、扁柏抽出物、高山紅景天抽出物、苦参抽出物、蒼朮抽出物、ツボクサ抽出物、黄連抽出物、紅参水、貝母抽出物、スズラン抽出物、カシス抽出物、石榴抽出物、レモン抽出物、松の芽抽出物、緑茶抽出物、ブロッコリー抽出物、蜂の巣抽出物、蜂蜜抽出物、ローヤルゼリー、プロポリス、クランベリー抽出物、ベリー抽出物、ラベンダー抽出物、レンズマメ抽出物、生姜水抽出物等を含んでいてもよく、前記タンパク質およびペプチドは、天蚕シルク、シルク、ポリリジン、海藻、ウールおよび毛髪、小麦から得られたタンパク質およびペプチド等を含んでいてもよい。前記アミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、セリン、システイン、シスチン、メチオニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、ジヨードチロシン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン、オキシプロリン等を含んでいてもよい。
【0048】
前記ポリマー類は、分子量1,000~100万程度の鎖(linier)および分岐(branched)鎖型、ネットワーク(network)型ポリマー化合物が使用でき、必要に応じてこれら炭素の間に二重結合やリング構造の多様な置換体が含まれた場合も使用でき、分子内の末端のいずれか1つに生体反応性官能基を付着するための反応が容易となるように、-COONa、-COOK、-COOH、-NH2、-NHR、-NR2、-Cl、-Br、-I、または-F基のような生体反応基を付着するために、反応性を有する残基を少なくとも1つ以上分子内に含むことが好ましい。より好ましくは、炭素数1,0000~50万程度の鎖および分岐鎖型ポリマーであり、且つ分子内の末端のいずれか1つに生体反応性官能基を付着するための反応が容易となるように、-COONa、-COOK、-COOH、-NH2、-NHR、-NR2、-Cl、-Br、-I、または-F基のような生体反応基を付着するために、反応性を有する残基を少なくとも1つ以上分子内に含む化合物が使用できる。例えば、ポリアミンポリマー、ポリカルボン酸ポリマー、ポリマーとしてメタクリロイルエチルベタイン/メタクリレート共重合体(Methacryloylethyl Betaine/Methacrylate Copolymer)、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレート共重合体(Octylacrylamide/Acrylates/Butylaminoethyl Methacrylate Copolymer)のような両性ポリマーまたはポリビニルピロリドン(Polyvinylpyrrolidone)、PVP/VA共重合体(PVP/VA Copolymer)、PVP/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(PVP/Dimethylaminoethylmethacrylate Copolymer)のような非イオン性ポリマー、およびアクリレートメタクリレート共重合体(Acrylate Methacrylate Copolymer)、VA/クロトナート/ビニルネオデカノエート共重合体(VA/Crotonates/Vinyl Neodecanoate Copolymer)のようなアニオン性ポリマー等であってもよい。
【0049】
前記シリコーン類は、例えば、ジメチコン、トリメチコン、フェニルアモジメチコン、アモジメチコン、アモジフェニルトリメチコン、アモジ-ペンタフェニルトリメチコン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、フェニルトリメチコン、メチコン、シクロメチコン、アルキルメチルシロキサン、ジメチコンコポリオール、トリメチルシリルアモジメチコン形態の化合物であってもよい。
【0050】
前記脂肪アルコール類は、炭素数10~50個程度の鎖および分岐状の脂肪アルコール化合物であって、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどが好ましい。
【0051】
前記脂肪酸類は、炭素数10~50個程度の鎖および分岐状の脂肪酸化合物であって、例えば、18-メチルエイコサン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸などが好ましい。
【0052】
前記ワックス類は、例えば、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ビーズワックス、ラノリン、オゾケライト、セレシンワックス、パラフィンワックス、マイクロ結晶体ワックス、ポリエチレンワックス等であってもよい。
【0053】
前記エステル類は、例えば、イソプロピルミリステート、ブチルミリステート、イソプロピルパルミテート、エチルステアレートイソプロピルリノレート、デシルミリステート、セチルミリステート、セチルパルミテート、水添ポリイソブテン(Hydrogenated polyisobuten)等であってもよい。
【0054】
前記脂肪アミドアミン類は、例えば、ステアリルアミドプロピルアミン、イソステアリルプロピルアミドアミン、ステアリルアミドアミン、イソステアリルプロピルアミドアミン、メチルエイコサノイックアミドプロピルアミン、メチルエイコサノイックアミドアミン、ベヘニルアミドプロピルアミン、ベヘニルアミドアミン等であってもよい。
【0055】
前記糖類は、単糖類として二炭糖~六炭糖のグリコアルデヒド、グリセルアルデヒド、ジヒドロアセトン、エリスロース、エリトルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リブロース、キシルロース、葡萄糖、果糖、ガラクトース、マンノース、および二糖類であるスクロース、マルトース、ラクトース、トレハロース、メリビオース、セロビオース、および多糖類であるラフィノース、メレチトース、マルトトリオース、スタキオース、オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、キシラン、アラバン、デンプン、スターチ、デキストリン、グリコーゲン、セルロース、フルクタン、ガラクタン、マンナンおよび複合多糖類である寒天、アルギン、カラギナン、キチン、ヘミセルロース、ペクチンおよびこれらの誘導体等であってもよい。
【0056】
前記セラミド類は、スフィンゴシンのアミノ基に脂肪酸が結合した構造の物質であって、天然および合成セラミドを含み、スフィンゴシン、スフィンガニン、スフィンゲニン、2-アミノ-4-エイコサン酸-1、3ジオール、セラミド、スフィンゴミエリン、セレブロシド、ガングリオシド、スフィンゴリピドおよびこれらの誘導体等であってもよい。
【0057】
前記保湿成分は、動・植物、鉱物などの天然物由来抽出物、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、糖類、ビタミンなどのように皮膚の損傷部位を補うことができる保湿作用成分を含んでいてもよい。例えば、PPG-アルギニン、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、カプリリルグリコール、ジグリセリン、メチルグルセス、エトキシジグリコール、グリセレス、プロパンジオール、ジエトキシジグリコールピロリドンカルボン酸、ソジウムラクテート、ソジウムPCA、ミネラルオイル、ワセリン、ラノリン、ホホバオイル、オリーブオイル、グリコスフィンゴリピド、ホスホリピド、脂質混合体、イソノニルイソノナノエート、ベタイン、カルボキシメチルキチン、セラミド、グルコシルセラミド、グリコースアミノグルカン、アルファ-グルカン、ヒアルロン酸、ハイドロライズドヒアルロン酸、ベタイン、キトサン、キトサンスクシンアミド、ビタミンE(トコフェロール)、ウレア、ヒドロキシエチルウレア、グルコシド類、ガンマPGA、キシリチルグルコシド、キシリトール、ペンタエリスリチルテトライソステアレート、ソジウムコンドロイチンサルフェート、コンドロイチン-4-サルフェート、アテロコラゲン、ベータグルカン、PEG、ピリドキシントリス-ヘキシルデカノエート、ポタシウムPCA、ソジウムポリガンマ-グルタメート、ポリグルタミン酸、グリセリルポリアクリレート、ガラクトアラビナン、ポリグリセリン-3クロスポリマー、ヒアルロン酸ナトリウム、ビス-PEG-18メチルエーテルジメチルシラン、ビス-エトキシジグリコールスクシネート、レシチン、アスコビルテトライソパルミテート、グリコシルトレハロース、加水分解水添デンプン(Hydrogenated Starch Hydrolysate)、1、2-ヘキサンジオール、マンニトール、アルジニン、セリン、スクロース、PCA、シトルリン、グリコーゲン、ヒスチジンHCL、アラニン、スレオニン、グルタミン酸、リシンHCL、リン酸緩衝生理食塩水(Phosphate Buffered Saline)、クレアチン、コレステリルイソステアレート、コレステリルクロリド、コレステリルノナノエート、BHT、ソジウムジラウラミドグルタミドリシン、マルトデキストリン、ポリクオタニウム-39、コレカルシフェロールPEG-12エーテル、異性化糖(Saccharide Isomerate)、ソルビトールおよびこれらの誘導体からなるグループから選択された1つ以上であってもよい。
【0058】
前記美白成分は、動・植物、鉱物などの天然物由来抽出物、アミノ酸類、ホルモン類、ビタミンなどのように皮膚のメラニン色素沈着により損傷された部位を改善させることができる美白作用成分を含んでいてもよい。例えば、コウジ酸、ナイアシンアミド、アスコルビルグルコシド、リン酸アスコルビルマグネシウム、アセチルチロシン、フロリン、オリザノール、メトキシPEG-7アスコビン酸、メチルウンデセノイルロイシネード、ジアセチルベンゾイルラチロル、プロトカテクアルデヒド、アルファ-ビサボロール、ジヒロドキシメトキシカルコン、アセチルフィトスフィンゴシン、ポリダチン、ジオスメチン、アゼライン酸、マセリグナン、高麗人参抽出物、紅参抽出物、黒参抽出物、紫根抽出物、三白草(サンパクソウ)抽出物、アグリモニ抽出物、インドカンナ根抽出物、済州島笹竹抽出物、苦参抽出物、ヨクイニン抽出物、白朮抽出物、小麦胚芽抽出物、白朮オイルおよび西洋スモモ抽出物からなるグループから選択された1つ以上であってもよい。
【0059】
前記紫外線遮断成分は、p-アミノベンゾイン酸誘導体、ケイ皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体などの紫外線吸収剤、酸化チタン、酸化亜鉛などの紫外線散乱剤、セルロース系、PVP/アルファオレフィン系重合体、アクリル酸重合体、シリコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂などの樹脂類、高分子被膜形成剤を含んでいてもよい。実際に紫外線遮断機能を有する成分は、例えば、ケイ皮酸、グリセリルPABA、ドロメトリゾール、ジガロイルトリオレエート、3、(4-メチルベンジリデン)カンファー、メンチルアントラニレート、ベンゾフェノン-3、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-8、ブチルメトキシベンゾイルメタン、シノキセート、アデニンリボサイド、オクトクリレン、オクチルジメチルPABA、オクチルメトキシシンナメート、オクチルサリシレート、オクチルトリアゾン、パラアミノ安息香酸、2-ベンズイミダゾール-5-スルホン酸、ホモサレート、ジンクオキサイド、チタンジオキサイド、イソアミル-p-メトキシシンナメート、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジソジウムフェニルジベンジミダゾールテトラスルホナート、アモジ-ドロメトリゾールトリシロキサン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、ポリシリコーン-15(マロン酸ジメチコジエチルベンザル)、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、テレフタリデンジカンフルスルホン酸およびその塩からなるグループから選択された1つ以上であってもよい。
【0060】
前記香り成分は、例えば、アルデヒド類、フェノール類、アルコール類、エーテル類、エステル類、ハイドロカーボン類、ケトン類、ラクトン類、ムスク類、テルペン骨格を有する香料、天然香料、動物性香料などであってもよい。前記アルデヒド類は、ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC-12MNA、ミラクアルデヒド、α-アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、エチルバニリン、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α-ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリン、ヘリオナールなどであってもよい。前記フェノール類は、オイゲノール、イソオイゲノールなどであってもよい。前記アルコール類は、バクダノール、ジヒドロミルセノール、ジヒドロリナロール、リナロール、ネロール、サンダロール、サンタレックス、ターピネオール、テトラヒドロリナロール、フェニルエチルアルコールなどであってもよい。前記エーテル類は、セドランバー、グリサルバ、メチルオイゲノール、メチルイソオイゲノールなどであってもよい。前記エステル類は、シス-3-ヘキセニルアセテート、シス-3-ヘキセニルプロピオネート、シス-3-ヘキセニルサリシレート、p-クレジルアセテート、p-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、アミルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、アミルサリシレート、ベンジルサリシレート、ベンジルベンゾアート、ベンジルアセテート、セドリルアセテート、シトロネリルアセテート、デカハイドロ-β-ナフチルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エリカプロピオネート、エチルアセトアセテート、エリカアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ヘディオン、リナリルアセテート、β-フェニルエチルアセテート、ヘキシルサリシレート、スチラリルアセテート、ターピニルアセテート、ベチベリルアセテート、o-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、マンザネート、アリルヘプタノエート、シンナミルアセテートなどであってもよい。前記ハイドロカーボン類は、ミルセンなどであってもよい。前記ケトンは、α-ヨノン、β-ヨノン、メチル-β-ナフチルケトン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、シス-ジャスモン、メチルヨノン、アリルヨノン、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソ-E-スーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコンなどであってもよい。前記ラクトン類は、γ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、γ-ノナラクトン、γ-トデカラクトン、クマリン、アンブロキサンなどであってもよい。前記ムスク類は、シクロペンタデカノライド、エチレンブラシレート、ガラクソライド、ムスクケトン、トナリッド、ニトロムスク類などであってもよい。前記テルペン骨格を有する香料は、ゲラニオール(ゼラニオール)、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、ミント、シトロネラール、ミルセン、ピネン、リモネン、テレピネロール、カルボン、ヨノン、カンファー(樟脳)、ボルネオールなどであってもよい。前記天然香料は、オレンジ油、レモン油、ライム油、プチグレン油、ユズ油、ネロリ油、ベルガモット油、ラベンダー油、ラバンジン油、アビエス油、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、イランイラン油、シトロネラ油、ゼラニウム油、ペパーミント油、ハッカ油、スペアミント油、ユーカリ油、レモングラス油、パチュリ油、ジャスミン油、ローズ油、シダー油、ベチバー油、ガルバナム油、オークモス油、パイン油、樟脳油、白檀油、芳樟油、テレピン油、クローブ油、クローブリーフ油、カシア油、ナツメッグ油、カナンガ油、タイム油などの精油であってもよい。前記動物性香料は、じゃ香、霊猫香、海狸香、竜涎香などであってもよい。
【0061】
前記シワ防止または改善成分は、動・植物、鉱物などの天然物由来抽出物、アミノ酸類、ホルモン類、ビタミン等を含んでいてもよい。例えば、ビタミンA(レチノイド)、ビタミンE(トコフェロール)、フラボノイド、ポリフェノール、SOD(Superoxide dismutase)、コエンザイムQ10、アルファ-リポ酸、アセチルヘキサペプチド、レチノール、レチニルパルミテート、レチニルアセテート、アデノシン、ビタミンC、コラーゲン、ヘキサペプチド3、皮膚細胞成長因子(EGF)、キネチン、カタツムリ粘液、アクアノミド、セラミド、グリセリン、ヒアルロン酸、ベタイン、キトサン、ウレアおよびその誘導体からなるグループから選択された1つ以上であってもよい。
【0062】
前記角質ケア成分は、アルファヒドロキシアシッド(乳酸、クエン酸、マンデル酸、グリコール酸、酒石酸など)、ベータヒドロキシアシッド(サリチル酸)、プロパン酸、ヒドロキシプロピオン酸、カルニチン、レチノイド誘導体、ビタミンA誘導体、タンキリマメ抽出物、黒豆粉末、サトウキビ抽出物、米穀粉、ヤシ種粉、ネフライト末(Nephrite Powder)、ハイドロライズドサボテン花抽出物、チオグリコール酸等であってもよい。
【0063】
前記ふけ、かゆみの予防または改善成分は、動・植物、鉱物などの天然物由来抽出物、アミノ酸類、ホルモン類、ビタミン等を含んでいてもよい。例えば、セラミド、グリセリン、ヒアルロン酸、ベタイン、キトサン、ビタミンE(トコフェロール)、ウレアのような保湿成分、血管拡張剤、養毛剤、女性ホルモン剤、毛根復活剤等を含む育毛用薬剤、d-パンテノール、硫黄、レゾルシン、塩化セリン、アラントイン、AHA、サリチル酸などの抗炎症および角質剥離溶解剤、収れん剤、清涼化剤、ビタミン、ホルモン抗ヒスタミンなど皮膚損傷防止用薬剤、皮脂抑制剤、トリクロロカルバミド、酢酸トコフェロール、ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、ヒノキチオール、フェノール、イソプロピルメチルフェノールなどの殺菌剤、ピリドキシおよびその誘導体などの抗脂漏剤、グリチルレチン酸およびその誘導体、酢酸ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾン、プレドニゾロンなどの消炎剤、塩化ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロロフェニルアミン、カンファー、メントールなどの鎮痒剤およびその他アラニン、グルタミン、ビサボロール、アラントイン、コエンザイムQ10、SG(Stearyl Glycyrrhetinate)/DPG(dipotassium Glycyrrhizinate)、フィトスフィンゴシン(phytosphingosine)およびその誘導体からなるグループから選択された1つ以上であってもよい。
【0064】
前記養毛・育毛促進成分は、動・植物、鉱物などの天然物由来抽出物、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、糖類、ビタミンなどのように皮膚または毛髪の損傷部位を補うことができる養毛・育毛促進作用成分を含んでいてもよい。例えば、唐藥抽出物、塩化カルプロニウム、セファランチン、ニコチン酸ベンジル、l-メントール、エストラジオール、エチニルエストラジオール、塩酸ピリドキシン、サリチル酸、レゾルシン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、イソプロピルメチルフェノール、ピロクトンオラミン、クリンバゾール、パントテン酸、胎盤抽出物、ビオチン、モノニトログアヤコール、感光素、ペンタデカン酸グリセリド、グリシルレチン酸、グリシルレチン酸のカリウム塩やアンモニウム塩、アラントイン、ミノキシジル、ステロイド、安息香酸エストラジオール、エストロン、(酢酸)ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、塩酸ジフェンヒドラミン、グリシリジン酸ジカリウム、ジカプリル酸ピリドキシン、トリコサッカライド、トコフェロール/酢酸トコフェロール、ヒノキチオール、デクスパンテノール、パントテニルエチルエーテル、パントテン酸ナトリウム/カルシウム、イソプロピルエチルフェノール、モノニトログアヤコール、グルコン酸クロルヘキシジン液、ニコチン酸エチル、ニコチン酸アミド、トウガラシチンキ、レイソゲン、コレステロール、スウェルチオール、溶性シスチン、苦参チンキ、細辛チンキ、浮き草抽出物、ムラサキセンブリエキス、セファランチン、ガンマ-オリザロール、カンタリスチンキ(cantharis tinc)、乾薑チンキ、ニコチン酸ベンジルエステル、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンE、シスチン、システイン、メチオニン、ロイシン、トリプトファン、グリセリン、ピロリドンカルボン酸およびカンファーからなるグループから選択された1つ以上であってもよい。
【0065】
前記にきび防止または抗菌成分は、動・植物、鉱物などの天然物由来抽出物、アミノ酸類、ホルモン類、ビタミンなどのように皮膚のメラニン色素沈着により損傷された部位を改善させることができるにきび防止および抗菌作用成分を含んでいてもよい。例えば、皮脂抑制剤としてエストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール;角質剥離および溶解剤として硫黄、サリチル酸、レゾルシン;殺菌剤として塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ハロカルバン、2,4,4-トリクロロ-2-ヒドロキシフェノール;化粧料の殺菌剤としてトリクロサン、トリクロロカルビトール、イソプロピルメチルフェノール、ピニオン;角質溶解剤としてアラントイン、ε-アミノカプリン酸、グリチルレチン酸などのような消炎剤;グリコール酸などの角質溶解剤などからなるグループから選択された1つ以上であってもよい。
【0066】
前記体臭抑制成分は、例えば、クロロヒドロキシアルミニウム、アラントインクロロヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウムのようなアルミニウム化合物、塩化ベンゼトニウム、ハロカルバン、塩酸クロルヘキシジン、酸化亜鉛、p-フェノールスルホン酸亜鉛、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、チラム(Thiram)、補骨脂抽出物、葛根抽出物、金銀貨抽出物、竹茹抽出物、菖蒲抽出物、イチョウの葉抽出物、牧丹皮抽出物、甘草抽出物、何首烏抽出物、魚腥草抽出物、マツバボタン抽出物、木酢液、竹塩、グレープフルーツ抽出物、緑茶抽出物およびシャクヤク抽出物からなるグループから選択された1つ以上であってもよい。
【0067】
前記アトピーケア成分は、動物、植物、鉱物などの天然物由来薬剤、発酵抽出物、漢方成分、ビタミンなどのように皮膚鎭靜および再生、免疫力強化などの機能でアトピーまたは皮膚トラブルを相当程度減少させたり予防する能力を有するアトピーまたは皮膚トラブルケア成分を含んでいてもよい。例えば、セラミド、ペプチド、ヒアルロン酸、グリセリン、タクロリムス、ピメクロリムス、クリンダマイシン、エリスロマイシン、トレチノイン、アダパレン、ベンゾイルパーオキサイド、甘草酸、E.G.F(Epidermal Growth Factor)、落花生油、マカダミアナッツオイル、プロポリス、オリーブ葉抽出物、エゾウコギ抽出物、魚腥草抽出物、アルニカ抽出物および苦参チンキからなるグループから選択された1つ以上であってもよい。前記ペプチドは、具体的に小麦ペプチド、小麦加水分解ペプチド、ケラチンペプチド、ケラチン加水分解ペプチド、コラーゲンペプチド、コラーゲン加水分解ペプチド等であってもよい。
【0068】
前記毛穴ケア成分は、ナイアシンアミド、ポリエトキシル化レチンアミド(Polyethoxylated Retinamide)、アデノシン、メントール、マンサク抽出物(Witch Hazel)、アスコルビン酸、カオリン、レチノール、ブドウ根抽出物、クレイ類、アシアチコシド、アーチチョーク葉抽出物、グリコシルトレハロース、加水分解水添デンプン(Hydrogenated Starch Hydrolysate)、レシチン、トコフェロール、炭の粉等であってもよい。
【0069】
前記除毛成分は、チオグリコール酸、ビーズワックス、水仙花球根抽出物、パパイヤ抽出物、チャパラル抽出物等であってもよい。
【0070】
前記染料は、発色団として、-NO2、-N=N-、C=O、C=C、C=N-、C=S、-N=Oおよび-N=NOからなる群から選択された1つ以上の原子団を含んでいてもよい。また、前記染料は、調色団として、-OCH3、-N(CH3)2、-NH(CH3)、-NO2、-CF3、-OH、-OCH3、-Clおよび-NH2からなる群から選択された1つ以上の原子団を含んでいてもよい。また、前記染料は、-COONa、-COOK、-COOH、-NH2、-NHR、-NR2、-Cl、-Br、-Iおよび-Fからなる群から選択された1つ以上の反応基を含んでいてもよい。また、前記染料は、毛髪、皮膚などに使用する天然染料または合成染料であってもよく、前記天然染料は、プルプリン(purpurin)、ムンジスチン(Munjistin)、メラニン(Melanin)またはメラニン前駆体であってもよく、前記合成染料は、赤色3号、赤色104号、赤色105号、赤色201号、赤色202号、赤色220号、赤色227号、黒色401号、赤色230号、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色405号、黄色4号、黄色202号、橙子色207号、赤色106号、赤色213号、赤色214号、赤色215号、黄色404号、黄色405号、青色403号、ディスパースブルー1(Disperse Blue 1)、ディスパースバイオレット1(Disperse Violet 1)、ディスパースオレンジ3(Disperse Orange 3)、ディスパースブラック9(Disperse Black 9)、エイチシーブルー2(HC Blue 2)、エイチシーレッド3(HC Red 3)、エイチシーエルロー5(HC Yellow 5)またはエイチシーレッド1(HC Red 1)、ベーシックオレンジ1、ベーシックオレンジ2であってもよい。
【0071】
前記粉体は、チタンジオキサイド、ヒドロキシアパタイト(Hydroxyapatite)、トリエトキシカプリリルシラン(triethoxycaprylylsilane)、アルミニウムヒドロキシド、ジンクオキサイド、タルク、マイカ、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、シリカ、アクリレートコポリマー、グアニン、グアイアズレン、銅粉、アルミニウムステアレート、正長石、ジンクステアレート、青銅粉、クチナシ青色素、クチナシ抽出物、クチナシ黄色素、カラメル、カルミン、カーボン、カーボンブラック、銅クロロフィル、ヘンナ葉抽出物、ヘンナ抽出物、ブドウ粉、ブドウ皮抽出物、葡萄酒抽出物、ブドウ果汁抽出物、黄土等であってもよい。
【0072】
前記手足の爪ケア成分は、ヤドリギ抽出物、ツユクサ葉/花/幹抽出物、ジメチルトリルアミン、メタクリロイルエチルホスフェート、没薬抽出物、ブチルメタクリレート、AMP-イソステアロイル加水分解シルク、エキナセア根抽出物、寧夏産枸杞子抽出物、ウレアパーオキサイド、カルシウムパーオキサイド、ケラチン、ポタシウムヒドロキシド、ハイドロジェンパーオキサイド、ハイドロライズドケラチン、ハイドロライズドコラゲン等であってもよい。
【0073】
前記生体接合成分は、フィブリン、アルブミン、グルコサミン、n-アセチルグルコサミン、アルギネート、ハイドロゲル、成長因子、生理活性因子、壊死組織除去剤、枝毛接合剤、抗菌被覆剤等を含んでいてもよい。前記成長因子は、例えば、FGF(Fibroblast Growth Factor)、KGF(Keratinocyte Growth Factor)、VEGF(Vascular Endothelial Growth Factor)、EGF(Epidermal Growth Factor)、PDGF-AA(Platelet Derived Growth Factor AA)、PDGF-AB(Platelet Derived Growth Factor AB)、PDGF-BB(Platelet Derived Growth Factor BB)、TGF-α(Transforming Growth Factor-α)、TGF-β、IGF(Insulin-like Growth Factor)、TNF(Tumor Necrosis Factor)、GM-CSF(Granulocyte Macrophage Colony Stimulating Factor)、NGF(Nerve Growth Factor)等であってもよい。前記生理活性因子は、インターフェロン、赤血球造血因子、1L-1(インターロイキン-1)、IL-2、IL-6、IL-8等であってもよい。前記枝毛接合剤は、N-(4-カルボキシ-3-ヒドロキシ-フェニル)マレイミド、トランスグルタミナーゼ等であってもよい。前記抗菌被覆剤は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ハロカルバン、2,4,4-トリクロロ-2-ヒドロキシフェノール、トリクロサン、トリクロロカルビトール、イソプロピルメチルフェノール、ピニオン、アラントイン、ε-アミノカプロン酸、グリチルレチン酸類等であってもよい。
【0074】
一具体例において、効能物質は、効能物質キャプチャー成分とイオン結合、水素結合またはファンデルワールス結合などを通して結合を形成することができる。これによって、効能物質の伝達強化効果を得ることができる。毛髪、皮膚および繊維に結合した効能物質は、シャンプーやせっけんなどによる一般的な洗浄時に脱離しにくく、長く毛髪、皮膚および繊維に結合した状態を維持することができる。
【0075】
「イオン結合」を通した効能物質の伝達強化は、効能物質キャプチャー成分に含まれた金属イオン、非金属イオンまたはアンモニウムのような多重原子イオンと効能物質間の静電気引力を通して化学結合を形成する方法である。具体的には、反対に荷電したカチオンとアニオンが静電気引力で結合してイオン間の引力により形成された化学結合により効能物質の伝達強化効果を示すことができる。イオン結合の形成時に、効能物質キャプチャー成分がカチオンを含む場合、効能物質は、アニオンを含んでもよいし、効能物質キャプチャー成分がアニオンを含む場合、効能物質は、カチオンを含んでもよい。
【0076】
「水素結合」を通した効能物質の伝達強化は、効能物質の構造内に含まれたN(窒素)、O(酸素)、F(フッ素)などが効能物質キャプチャー成分に含まれた水素原子を引き寄せて発生する静電気引力により結合を形成する方法である。または、反対に効能物質キャプチャー成分に含まれた水素原子が効能物質に含まれた窒素、酸素、フッ素などと静電気引力を形成して結合を形成する方法である。水素結合を通して効能物質の伝達を強化させる効果を有することができる。この際、窒素、酸素、フッ素は、周期律表上で第2周期元素であり、電気陰性度が強くて、大きさが小さいので、強い水素結合を形成することができる。
【0077】
また、「ファンデルワールス結合」を通した効能物質の伝達強化は、効能物質と効能物質キャプチャー成分との共有結合やイオンの電気的相互作用でなく、分子間、あるいは、1分子内の部分間の引力や斥力を通して結合を形成する方法である。ファンデルワールス結合を通して効能物質の伝達強化効果を示すことができる。具体的には、無極性分子で電子の運動により瞬間双極子が形成されると、その隣の分子も一時的な偏極が起こり、誘起双極子が生成され、このような瞬間双極子と誘起双極子の引力により形成された化学結合(すなわち、ファンデルワールス結合)により効能物質の伝達強化効果を示すことができる。
【0078】
一具体例において、効能物質の含有量は、全体組成物100重量部に対して0.0001~5重量部、0.01~3重量部または0.1~2重量部であってもよい。含有量が0.0001重量部未満では、有効成分による効果の提供に限界があり、5重量部を超えると、剤形化および剤形の経時安定性に問題があり、反応せずに失われる成分として作用する問題がある。
【0079】
本発明において
図1は、本発明の一例による効能物質伝達強化メカニズムを示す。
【0080】
図1に示されたように、毛髪、皮膚および繊維の基質表面は、反応媒介物質を媒介体にして効能物質キャプチャー成分が結合され、前記効能物質キャプチャー成分には、効能物質が結合されてもよい。
【0081】
本発明による効能物質伝達強化用組成物は、界面活性剤を追加で含んでもよい。本発明において界面活性剤は、洗浄作用を行うことができ、また、効能物質の伝達を強化するための補助手段に使用できる。
【0082】
一具体例において、界面活性剤は、親水性を有するアニオン性界面活性剤であってもよい。前記アニオン性界面活性剤として、ソープ、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボキシレート、アシルラクテート、アシルグルタメート、アシルメチルアラニネート、アシルサルコシネート、アシルメチルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルスルホスクシネート、モノアルキルホスフェート、直鎖アルキルベンゼンスルホナート、アルファ-オレフィンスルホナート、ソジウムアルカンスルホナートおよびメチルエステルスルホナートからなるグループから選択された1つ以上を使用することができる。
【0083】
効能物質キャプチャー成分としてカチオン物質を使用する場合、アニオン性界面活性剤と反応して洗浄過程でイオン性複合体を形成し、前記効能物質は、イオン性複合体の形成過程で複合体内に捕集されることができる。これによって、効能物質伝達効果を顕著に向上させることができる。
【0084】
具体的には、洗浄過程で形成されるイオン性複合体は、アニオン性界面活性剤とカチオン性効能物質キャプチャー成分間の静電気引力で各成分の電荷量によって差異はあるが、陰・陽イオンの正味荷電が0付近となる構造で形成されてもよい。このように形成されたイオン性複合体は、アニオン性界面活性剤の疎水性部分により親油性(疎水性)特性を有する新しい形態の物質のように作用して、組成物内に可溶化、乳化、分散している疎水性特性の効能物質をイオン性複合体内に捕集して捕捉する特性を示すことができる。
【0085】
すなわち、「イオン性複合体」を通した効能物質の伝達強化は、洗浄剤の希釈過程でアニオン性界面活性剤のアニオン部分と効能物質キャプチャー成分に含まれたアミン部分が酸性条件で四級カチオン化して形成されたカチオン部分の静電気的結合によりイオン性複合体が形成されるとき、効能物質がイオン性複合体に捕集されて効能物質の伝達を強化させることである。前記イオン性複合体は、ゼータ電位が等電点0mVを基準として±25mVであることを特徴とする。
【0086】
本発明による効能物質伝達強化用組成物は、効能物質キャプチャー成分を通した結合とイオン性複合体による効能物質捕集効果が複合的に作用することによって、前記組成物に使用された効能物質の大部分を洗浄過程で損失なしで毛髪、皮膚および繊維の基質に一層効果的に伝達させることができる。
【0087】
本発明による効能物質伝達強化用組成物は、毛髪、皮膚および繊維の洗浄のための洗浄剤組成物に使用できる。
【0088】
洗浄剤は、毛髪において、シャンプー前(pre-shampoo)製品、シャンプー、リンス、毛髪コンディショナー、トリートメントなどの毛髪に使用できる製剤を全部含んでもよいし、皮膚において、ボディおよびフェイシャルウォッシュ、ボディローション、ボディコンディショナーなどの皮膚に使用できる製剤を全部含んでもよいし、繊維において、繊維柔軟剤、繊維染色剤、洗濯洗剤、トリートメント剤、前後処理剤、洗濯補助剤などの繊維に使用できる繊維ケア製剤を全部含んでもよい。
【0089】
本発明による組成物は、効能物質を含み、上記の製剤が水系で活性が低下する場合には、非水系剤形でその活性を維持することがより容易であり、使用直前にpH調節のために緩衝液(buffer)と混合したり、洗浄過程で水と接触する方法で反応が起こるようにすることもできる。
【0090】
本発明による組成物は、効能物質の効果を増大させるために、ジオクチルスクシネート、ジオクチルアジペート、ジエチルセバケートなどのような2-塩基酸エステル類とポリオール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブタンジオールおよびそれらの異性体、グリセロール、ベンジルアルコール、エトキシジグリコールおよびその誘導体が使用できる。上記言及された溶剤は、毛髪および皮膚の浸透性を増加させ、難溶性物質の溶剤として用いられる。
【0091】
また、本発明は、前述した効能物質伝達強化用組成物を毛髪または皮膚に塗布したり、繊維に処理する段階を含む毛髪、皮膚または繊維処理方法に関する。
【0092】
本発明による処理方法により毛髪、皮膚または繊維に効能物質の伝達を強化することができる。
【0093】
また、本発明は、毛髪、皮膚または繊維処理用製品を製造するための分子内に1つ以上のカルボジイミド(-N=C=N-)を含む反応媒介物質;
分子内に一次アミンおよびカルボキシル基からなるグループから選択された1つ以上を含む効能物質キャプチャー成分;および
効能物質を含む効能物質伝達強化用組成物の用途に関する。
また、本発明は、洗浄剤を製造するための分子内に1つ以上のカルボジイミド(-N=C=N-)を含む反応媒介物質;
分子内に一次アミンおよびカルボキシル基からなるグループから選択された1つ以上を含む効能物質キャプチャー成分;および
効能物質を含む効能物質伝達強化用組成物の用途に関する。
【発明を実施するための形態】
【0094】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。下記実施例は、ただ本発明を例示するものであり、本発明の範囲が下記実施例に限定されるものではない。本実施例は、本発明の開示を完全にし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。
【実施例】
【0095】
実施例
実施例1~8および比較例1~6
下記表1および表2の組成および含有量(重量%)で洗浄剤組成物を製造した。また、本実施例および実験例に使用された物質および試薬は、化粧品原料の製造社および商業用供給社から購入して使用した。
【0096】
具体的には、効能物質キャプチャー成分として、Polyquaternium-7、Leucine(Hydrophobic amino acid)、SphingosineおよびStearamidopropyldimethylamineを使用し、反応媒介成分として1,1’-methylene-bis-(3-isocyanatocyclohexane)-、homopolymer、polyethylene glycol mono-Me-ether-blockedおよびBenzene、1,3-bis(1-isocyanato-1-methylethyl)-、homopolymer、polyethylene glycol mono-Me-ether-blockedを使用し、効能物質として香りを使用した。また、アニオン性界面活性剤としてSodium Lauryl Ether(2mole)Sulfateを、両性界面活性剤としてCocamidopropyl Betaineを、キレート剤としてEDTA 4Naを使用した。
【表1】
【表2】
【0097】
実験例1.香り持続力の測定
(1)方法
実施例1~8および比較例1~6による洗浄剤組成物に対して毛髪、皮膚および繊維における洗浄後の残香(香り持続力)強化効果を評価した。
【0098】
まず、毛髪における洗浄後の残香強化効果は、下記のように評価した。
【0099】
実施例および比較例で製造された洗浄剤組成物各3.0gを用いて5.0gの毛髪トレスの洗浄および乾燥を3回繰り返した。25℃および50RH%の湿度の条件で5時間保管後、20人を対象にトレスで感じられる香りを比較した。
【0100】
残香の強度を5段階評価(5:非常に強い、4:若干強い、3:普通、2:弱い、1:全くない)の官能で比較確認して、毛髪残香満足度にした。
【0101】
皮膚における洗浄後の残香強化効果は、下記のように評価した。
【0102】
実施例および比較例で製造された洗浄剤組成物各1gを20人の対象者の手首の内側の部分に3日間毎日2回塗布して洗浄し、3日目に2回洗浄後に5時間が経過した時点で残香の強度を評価した。
【0103】
残香の強度を5段階評価(5:非常に強い、4:若干強い、3:普通、2:弱い、1:全くない)の官能で比較確認して、皮膚残香満足度にした。
【0104】
また、繊維における洗浄後の残香強化効果は、下記のように評価した。
【0105】
実施例および比較例で製造された洗浄剤組成物10gを用いてドラム洗濯機の標準コースでタオル10枚を1回洗濯し、洗濯物が完全に乾燥したら5時間後に前記洗濯物の残香の強度を評価した。
【0106】
残香の強度を5段階評価(5:非常に強い、4:若干強い、3:普通、2:弱い、1:全くない)の官能で比較確認して、繊維残香満足度にした。
【0107】
(2)結果
毛髪、皮膚および繊維における残香満足度の評価結果を下記表3および4に示した。
【表3】
【表4】
【0108】
上記表3および表4に示されたように、実施例の組成物で洗浄した毛髪、皮膚および繊維の残香満足度は、3.5以上であり、比較例に比べて優れた残香満足度を有することを確認することができる。これは、実施例の組成物に含まれた反応媒介成分および効能物質キャプチャー成分を介して毛髪、皮膚および繊維への効能物質の伝達効果が増加したためである。
【0109】
特に、効能物質キャプチャー成分としてPolyquaternium-7を使用した実施例1および2は、優れた効能物質の伝達効果を有した。
【0110】
実施例9~16および比較例7~12
下記表5および表6の組成および含有量(重量%)で洗浄剤組成物を製造した。
【表5】
【表6】
【0111】
実験例2.柔軟効果の測定
(1)方法
実施例9~16および比較例7~12による洗浄剤組成物に対して毛髪、皮膚および繊維における洗浄後の柔らかさまたは柔軟効果を評価した。
【0112】
まず、毛髪における洗浄後の柔らかさ効果は、下記のように評価した。
【0113】
実施例および比較例で製造された洗浄剤組成物3.0gを用いて5.0gの毛髪トレスの洗浄および乾燥を3回繰り返した。25℃、50RH%の湿度の条件で5時間保管後、20人を対象にトレスで感じられるトレスの柔らかさを比較した。
【0114】
毛髪の柔らかさ程度を5段階評価(5:非常に強い、4:若干強い、3:普通、2:弱い、1:全くない)の官能で比較確認して、毛髪柔らかさ満足度にした。
【0115】
皮膚における洗浄後の柔軟効果は、下記のように評価した。
【0116】
実施例および比較例で製造された洗浄剤組成物各1gを20人の対象者の手首の内側の部分に3日間毎日2回塗布して洗浄し、3日目に2回洗浄後に5時間が経過した時点で皮膚の柔軟程度を評価した。
【0117】
皮膚柔軟程度を5段階評価(5:非常に強い、4:若干強い、3:普通、2:弱い、1:全くない)の官能で比較確認して、皮膚柔軟満足度にした。
【0118】
また、繊維における洗浄後の柔軟効果は、下記のように評価した。
【0119】
実施例および比較例で製造された洗浄剤組成物10gを用いてドラム洗濯機の標準コースでタオル10枚を1回洗濯し、洗濯物が完全に乾燥したら5時間後に前記洗濯物の柔軟程度を評価した。
【0120】
洗濯物の柔軟程度を5段階評価(5:非常に強い、4:若干強い、3:普通、2:弱い、1:全くない)の官能で比較確認して、繊維柔軟満足度にした。
【0121】
(2)結果
毛髪、皮膚および繊維における柔らかさまたは柔軟満足度の評価結果を下記表7および表8に示した。
【表7】
【表8】
【0122】
上記表7および表8に示されたように、実施例の組成物で洗浄した毛髪、皮膚および繊維の柔らかさ/柔軟満足度は、3.5以上であり、比較例に比べて優れた満足度を有することを確認することができる。これは、実施例の組成物に含まれた反応媒介成分および効能物質キャプチャー成分を介して毛髪、皮膚および繊維への効能物質の伝達効果が増加したためである。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明による効能物質伝達強化用組成物は、基質(毛髪、皮膚および繊維など)に伝達しようとする効能物質を洗ったりすすぐ過程で容易に洗い落とされずに多量の効能物質を伝達することによって、その効果を長く維持および持続させることができる。
【0124】
また、本発明による効能物質伝達強化用組成物は、効能物質キャプチャー成分を介して効能物質を結合させるので、基質のタンパク質残基1個当たり多量の効能物質を結合させることができ、共有結合よりさらに弱い結合を活用して効能物質を結合させることができるので、必要な時に効能物質の発散を可能にすることができる。
【国際調査報告】