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特表2023-551324不揮発性メモリ・セルにおける抵抗ドリフトの軽減
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(54)【発明の名称】不揮発性メモリ・セルにおける抵抗ドリフトの軽減
(51)【国際特許分類】
   H10B 63/10 20230101AFI20231130BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20231130BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
H10B63/10
H01L21/28 301R
H01L21/28 301B
H01L21/88 J
H01L21/88 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532789
(86)(22)【出願日】2021-10-18
(85)【翻訳文提出日】2023-05-30
(86)【国際出願番号】 CN2021124294
(87)【国際公開番号】W WO2022111120
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】17/106,286
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】110000420
【氏名又は名称】弁理士法人MIP
(72)【発明者】
【氏名】アドゥスミッリ、プラニート
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラ、アニルバン
(72)【発明者】
【氏名】安藤 崇志
(72)【発明者】
【氏名】チー、チェン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェガ、レイナルド
【テーマコード(参考)】
4M104
5F033
5F083
【Fターム(参考)】
4M104AA10
4M104BB29
4M104BB30
4M104BB32
4M104BB33
4M104BB34
4M104CC01
4M104DD09
4M104DD33
4M104EE17
4M104FF18
4M104GG16
5F033HH32
5F033HH33
5F033HH36
5F033JJ32
5F033JJ33
5F033MM30
5F033NN06
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5F033QQ09
5F033QQ19
5F033QQ46
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5F033VV16
5F083FZ10
5F083GA02
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5F083JA39
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5F083KA05
5F083LA12
5F083LA16
5F083MA06
5F083MA16
5F083PR05
(57)【要約】
マッシュルーム型相変化メモリ(PCM)デバイスは、基板と、基板内に配置された下部相互接続と、基板上に配置された第1の誘電体層と、第1の誘電体層内に配置され、第1の誘電体層の上面よりも上に延在する底部電極と、第1の誘電体層の上面よりも上に延在する底部電極の上部部分を取り囲むドリフト軽減ライナと、ライナおよび底部電極の上面に配置されたPCM素子と、PCM素子上に配置された頂部電極と、第1の誘電体層の露出部分および頂部電極上に配置された第2の誘電体層とを備え、第2の誘電体層がライナ、PCM素子、および頂部電極の側壁上に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッシュルーム型相変化メモリ(PCM)デバイスであって、
基板と、
前記基板上に配置された第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層内に配置された底部電極と、
前記第1の誘電体層上に配置されたドリフト軽減ライナと、
前記ドリフト軽減ライナおよび前記底部電極の上面に直接配置されたPCM素子と、
前記PCM素子上に配置された頂部電極と、
前記第1の誘電体層の露出部分および前記頂部電極上に配置された第2の誘電体層であり、前記ドリフト軽減ライナ、前記PCM素子、および前記頂部電極の側壁上に配置されている、前記第2の誘電体層と、
を備える、マッシュルーム型相変化メモリ(PCM)デバイス。
【請求項2】
前記第1の誘電体層および前記第2の誘電体層が窒化ケイ素(SiN)で形成されている、請求項1に記載のPCMデバイス。
【請求項3】
前記PCMデバイス上に配置された酸化物層をさらに備え、前記PCMデバイスが前記第2の誘電体層の頂部まで平坦化されている、請求項1に記載のPCMデバイス。
【請求項4】
前記底部電極が、窒化タンタル(TaN)で形成された外側部分と、窒化チタン(TiN)で形成された中間部分と、TaNで形成された内側部分とを含む、請求項1に記載のPCMデバイス。
【請求項5】
前記PCM素子が、ゲルマニウム-アンチモン-テルル(GST)材料で形成された材料で形成されている、請求項1に記載のPCMデバイス。
【請求項6】
前記PCM素子が、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)、およびテルル(Te)のうちの少なくとも1つを含む二元または三元合金組成物で形成されている、請求項1に記載のPCMデバイス。
【請求項7】
前記PCM素子がドーパントを含む、請求項1に記載のPCMデバイス。
【請求項8】
マッシュルーム型相変化メモリ(PCM)デバイスであって、
基板と、
前記基板内に配置された下部相互接続と、
前記基板上に配置された第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層内に配置され、前記第1の誘電体層の上面よりも上に延在する底部電極と、
前記第1の誘電体層の前記上面よりも上に延在する前記底部電極の上部部分を取り囲むドリフト軽減ライナと、
前記ドリフト軽減ライナおよび前記底部電極の上面に配置されたPCM素子と、
前記PCM素子上に配置された頂部電極と、
前記第1の誘電体層の露出部分および前記頂部電極上に配置された第2の誘電体層であり、前記ドリフト軽減ライナ、前記PCM素子、および前記頂部電極の側壁上に配置されている、前記第2の誘電体層と、
を備える、マッシュルーム型相変化メモリ(PCM)デバイス。
【請求項9】
前記第1の誘電体層および前記第2の誘電体層が窒化ケイ素(SiN)で形成されている、請求項8に記載のPCMデバイス。
【請求項10】
前記PCMデバイス上に配置された酸化物層をさらに備え、前記PCMデバイスが前記第2の誘電体層の頂部まで平坦化されている、請求項8に記載のPCMデバイス。
【請求項11】
前記底部電極が、窒化タンタル(TaN)で形成された外側部分と、窒化チタン(TiN)で形成された中間部分と、TaNで形成された内側部分とを含む、請求項8に記載のPCMデバイス。
【請求項12】
前記底部電極の前記上面が前記PCM素子と直接接触している、請求項8に記載のPCMデバイス。
【請求項13】
前記PCM素子が、ゲルマニウム-アンチモン-テルル(GST)材料で形成された材料で形成されている、請求項8に記載のPCMデバイス。
【請求項14】
前記PCM素子が、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)、およびテルル(Te)のうちの少なくとも1つを含む二元または三元合金組成物で形成されている、請求項8に記載のPCMデバイス。
【請求項15】
前記PCM素子がドーパントを含む、請求項8に記載のPCMデバイス。
【請求項16】
マッシュルーム型相変化メモリ(PCM)デバイスを製造する方法であって、
基板、ならびに前記基板内に配置された下部相互接続、前記基板上に配置された第1の誘電体層、前記第1の誘電体層上に配置されたドリフト軽減ライナ、および前記ドリフト軽減ライナ上に形成された第2の誘電体層を備える中間デバイスを用意することと、
前記中間デバイス上に、低温酸化物(LTO)ハードマスク層、シリコン含有反射防止コーティング層(SiARC)層、およびフォトレジスト(PR)層を順次堆積させることと、
前記PR層をパターニングしてPRマスクを形成することと、
前記PRマスクを使用して前記ドリフト軽減ライナ層を貫通してパターニングすることによって底部電極ビアを形成することと、
前記LTOハードマスク層を除去することと、
底部電極メタライゼーション・プロセスを行って、底部電極金属を形成することと、
前記PCMデバイスを研磨して、前記第2の誘電体層を露出させることと、
前記第2の誘電体層の残りの部分を除去することと、
PCM層および頂部電極金属を堆積させることであって、前記PCM層を前記ドリフト軽減ライナ層および前記底部電極上に直接堆積させる、前記堆積させることと、
前記ドリフト軽減ライナ層、前記PCM層、および前記頂部電極金属をパターニングして、前記ドリフト軽減ライナ、PCM、および頂部電極を形成することと、
前記PCMデバイスの上に第3の誘電体層を堆積させることと、
前記PCMデバイスの上に酸化物層間誘電体(ILD)を堆積させることと、
前記PCMデバイスを平坦化することと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記底部電極メタライゼーション・プロセスが、第1の窒化タンタル(TaN)層、窒化チタン(TiN)層、および第2のTaN層を順次堆積させることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記PCMデバイスの前記平坦化が、前記第3の誘電体層の上面を露出させる、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスに関し、より詳細には、ドリフト軽減ライナ(drift-mitigation liner)を有するマッシュルーム型相変化メモリ(PCM)デバイスを形成する方法に関し、相変化材料の底面がドリフト軽減ライナおよび底部電極の両方と直接接触している。
【背景技術】
【0002】
相変化メモリ(PCM:Phase-Change Memory)は、カルコゲナイド・ガラス材料に基づいており、この材料は、適切な電流が印加されると、その相を結晶からアモルファスに変化させ、再び戻す。GST合金(ゲルマニウム-アンチモン-テルルまたはGeSbTe)は、このようなカルコゲナイド・ガラス材料の1つである。各相は、相が変化するまで安定している異なる抵抗レベルを有する。PCMデバイスにおける最大および最小の抵抗レベルは、1または0のバイナリ値の基礎である。
【0003】
PCMデバイスの電気的プログラミング中に、相変化材料の少なくとも一部(または場合によっては全部)が相変態(phase transformation)を受け、これによりPCMデバイスの電気抵抗が変化する。
【0004】
相変化材料は、アモルファス相において顕著な抵抗ドリフトを受け、抵抗が指数法則に従って経時的に増加する。計算のために複数の状態が必要とされるアナログ計算アプリケーションでは抵抗ドリフトを軽減する必要がある。
【0005】
経時的な抵抗ドリフトは、人工知能の訓練および推論のアプリケーションに関連して使用されるものなどのマルチレベル・セル動作にとって特に困難な課題である。マルチレベル・セル動作は、1または0に対応する高抵抗状態と低抵抗状態を含む2つの状態を有する従来の(バイナリ)抵抗性メモリ・セルと比較することができる。抵抗性メモリ・デバイスは、3つ以上の状態を有するマルチレベル・セル・デバイスの一例であり、人工ニューラルネット・ワークのシナプスの重みを表すために使用される。
【0006】
抵抗ドリフトを軽減するために、抵抗率を調整したライナが提案されている。しかしながら、底部電極の全体にわたって抵抗ライナが存在することは、次のような複数の課題をもたらす可能性がある:(a)SET状態の抵抗が増加し、ダイナミック・レンジ(RESET対SET抵抗比)の低下につながり、(b)ジュール熱が底部電極の上のライナ膜に集中する可能性があるため、セルが熱的に非効率になり、結晶からアモルファスへの相転移(phase transition)のためのプログラミング電圧の大幅な増加を必要とする。これにより、アモルファス・ボリュームが底部電極を完全に覆うRESET条件を達成するのに必要なプログラミング電圧が劇的に増加する可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明の一実施形態によると、マッシュルーム型相変化メモリ(PCM)デバイスは、基板と、基板上に配置された第1の誘電体層と、第1の誘電体層内に配置された底部電極と、第1の誘電体層上に配置されたドリフト軽減ライナと、ドリフト軽減ライナおよび底部電極の上面に直接配置されたPCM素子と、PCM素子上に配置された頂部電極と、第1の誘電体層の露出部分および頂部電極上に配置された第2の誘電体層とを備え、第2の誘電体層がドリフト軽減ライナ、PCM素子、および頂部電極の側壁上に配置されている。
【0008】
マッシュルーム型相変化メモリ(PCM)デバイスは、基板と、基板内に配置された下部相互接続と、基板上に配置された第1の誘電体層と、第1の誘電体層内に配置され、第1の誘電体層の上面よりも上に延在する底部電極と、第1の誘電体層の上面よりも上に延在する底部電極の上部部分を取り囲むドリフト軽減ライナと、ライナおよび底部電極の上面に配置されたPCM素子と、PCM素子上に配置された頂部電極と、第1の誘電体層の露出部分および頂部電極上に配置された第2の誘電体層とを備え、第2の誘電体層がライナ、PCM素子、および頂部電極の側壁上に配置されている。
【0009】
一部の実施形態によると、マッシュルーム型相変化メモリ(PCM)デバイスを製造する方法は、基板、ならびに基板内に配置された下部相互接続、基板上に配置された第1の誘電体層、第1の誘電体層上に配置されたドリフト軽減ライナ、およびドリフト軽減ライナ上に形成された第2の誘電体層を備える中間デバイスを用意することと、低温酸化物(LTO)ハードマスク層、シリコン含有反射防止コーティング層(SiARC)層、およびフォトレジスト(PR)層を中間デバイス上に順次堆積させることと、PR層をパターニングしてPRマスクを形成することと、PRマスクを使用してドリフト軽減ライナ層を貫通してパターニングすることによって底部電極ビアを形成することと、LTOハードマスク層を除去することと、底部電極メタライゼーション・プロセスを行って、底部電極金属を形成することと、PCMデバイスを研磨して第2の誘電体層を露出させることと、第2の誘電体層の残りの部分を除去することと、PCM層および頂部電極金属を堆積させることであって、PCM層をドリフト軽減ライナおよび底部電極上に直接堆積させる、堆積させることと、ドリフト軽減ライナ層、PCM層および頂部電極金属をパターニングして、ドリフト軽減ライナ、PCMおよび頂部電極を形成することと、PCMデバイスの上に第3の誘電体層を堆積させることと、PCMデバイスの上に酸化物層間誘電体(ILD)を堆積させることと、PCMデバイスを平坦化することと、を含む。
【0010】
本明細書で使用される場合、アクションを「容易にすること」は、アクションを実行すること、アクションをより容易にすること、アクションを実行するのを助けること、またはアクションを実行させることを含む。したがって、限定ではなく例として、あるプロセッサで実行される命令は、適切なデータまたはコマンドを送信して、実行されるアクションを引き起こすかまたは支援することによって、リモート・プロセッサで実行される命令によって実行されるアクションを容易にすることができる。誤解を避けるために、行為者がアクションを実行すること以外によってアクションを容易にする場合、そのアクションは、それでもなお、何らかのエンティティまたはエンティティの組合せによって実行される。
【0011】
本発明の1つまたは複数の実施形態あるいはその要素は、示された方法ステップを実行するためのコンピュータ使用可能プログラムコードを有するコンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータ・プログラム製品の形態で実施することができる。さらに、本発明の1つまたは複数の実施形態またはその要素は、メモリと、メモリに結合され、例示的な方法ステップを実行するように動作可能な少なくとも1つのプロセッサと、を含むシステム(または装置)の形態で実施することができる。さらに、別の態様では、本発明の1つまたは複数の実施形態またはその要素は、本明細書に記載される方法ステップのうちの1つまたは複数を実行するための手段の形態で実施することができ、この手段は、(i)ハードウェア・モジュール、(ii)コンピュータ可読記憶媒体(または複数のそのような媒体)に記憶され、ハードウェア・プロセッサ上で実施されるソフトウェア・モジュール、または(iii)(i)と(ii)の組合せを含むことができ、(i)~(iii)のいずれも、本明細書に記載の特定の技術を実装する。
【0012】
本発明の技術は、実質的に有益な技術的効果を提供することができる。例えば、1つまたは複数の実施形態は、
プログラミング電圧の増加を伴うことなく抵抗ドリフトを軽減することが可能な構造、および
SET状態の読み出し抵抗がライナの存在によって増加せず、したがって、より大きなダイナミック・レンジ(SET/RESET抵抗比)を維持する構造
を提供することができる。
【0013】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、添付の図面に関連して読まれるべき、本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0014】
添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の少なくとも1つの実施形態によるPCMデバイスを示す図である。
図2】ライナが底部電極上に形成されたPCMデバイスを示す図である。
図3】本発明の実施形態によるライナを有するPCMデバイス内の温度を示す図である。
図4】ライナのないPCMデバイスを示す図である。
図5図2図4のデバイスの性能特性を示すグラフである。
図6】本発明の少なくとも1つの実施形態による、PCMデバイスを製造するための方法の流れ図である。
図7】本発明の少なくとも1つの実施形態による、図1のPCMデバイスを製造するための方法における中間構造体を示す図である。
図8】本発明の少なくとも1つの実施形態による、図1のPCMデバイスを製造するための方法における中間構造体を示す図である。
図9】本発明の少なくとも1つの実施形態による、図1のPCMデバイスを製造するための方法における中間構造体を示す図である。
図10】本発明の少なくとも1つの実施形態による、図1のPCMデバイスを製造するための方法における中間構造体を示す図である。
図11】本発明の少なくとも1つの実施形態による、図1のPCMデバイスを製造するための方法における中間構造体を示す図である。
図12】本発明の少なくとも1つの実施形態による、図1のPCMデバイスを製造するための方法における中間構造体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態は、ドリフト軽減ライナを含むマッシュルーム型PCMデバイスを対象とし、底部電極がPCMに直接接触し、ドリフト軽減ライナが底部電極の側面に接触する。この構造は、ライナのないメモリ・セルと比較して、プログラミング電圧(および電流)を増加させることなく、かつSET抵抗に影響を及ぼすことなく、抵抗ドリフトの軽減を達成する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態によるマッシュルーム型PCMデバイス100の断面を示す。図1を参照すると、マッシュルーム型PCMデバイス100は、基板101および下部相互接続102(下部配線レベル)を備える。マッシュルーム型PCMデバイス100は、第1の誘電体層103(例えば、窒化ケイ素(SiN)層)および酸化物111内に封入されている。マッシュルーム型PCMデバイス100は、窒化タンタル(TaN)で形成された外側部分105と、窒化チタン(TiN)で形成された中間部分106と、TaNで形成された内側部分107とを含む底部電極104をさらに備える。底部電極104の上部部分は、ライナ108によって取り囲まれている。本発明の一部の実施形態によると、ライナ108は、底部電極104の頂部を覆わない。底部電極104およびライナ108の上面にPCM109が形成され、PCM109上に頂部電極110が形成されている。1つまたは複数の実施形態によると、PCM109は、底部電極104およびライナ108の両方と直接接触している。
【0018】
ライナ108は、例えば、炭素材料、TiN、TaN、炭化チタン(TiC)、炭化タンタル(TaC)、窒化チタン・アルミニウム(TiAlN)、窒化タンタル・アルミニウム(TaAlN)、炭化チタン・アルミニウム(TiAlC)、炭化タンタル・アルミニウム(TaAlC)、ニトリドハフニウム(HfN)、または炭化タングステン(WC)で形成することができる。
【0019】
PCM109は、例えば、GST(ゲルマニウム-アンチモン-テルルまたはGeSbTe)、GeTe、SbTe、Sb、またはGe、TeおよびSbを有する他の二元または三元合金組成物で形成することができる。PCM109は、炭素、窒素、シリコン、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、またはSiNを含む追加のドーパントを含むことができる。
【0020】
一部の実施形態によると、図1に示すように、ライナ108は、PCM109と直接接触するドリフト軽減ライナであり、底部電極104もPCM109と直接接触している。少なくとも1つの実施形態によると、ライナ108は、底部電極104の頂部を覆わない。一部の実施形態によると、ライナ108は、底部電極の上部を部分的に覆ってもよい。少なくとも1つの実施形態によると、ライナ108は、PCM109の全幅に沿って延在し、ライナ108は、頂部電極110と直接接触しない。
【0021】
頂部電極110および底部電極104は、例えば、TiN、TaN、窒化タングステン(WN)、HfN、WC、TiC、またはTaCで形成することができる。一部の実施形態によると、電極は、前述の膜の単層または複数層で形成することができる。一部の実施形態によると、底部電極104は、層の1つとしてSiN膜を含む。
【0022】
図2図4は、2.5ボルト(V)が印加されたときの異なるデバイスの温度プロファイルを示す。
【0023】
図2は、底部電極202をPCM203から完全に分離するライナ201を含む従来技術のデバイス200を示す。電圧(例えば、2.5V)がデバイス200の両端間に印加されると、底部電極202の直上のライナ201の両端間の著しい電圧降下、およびライナ201でのジュール熱の集中により、PCM203の温度は、融点(すなわち、アモルファス相転移に必要な温度)に達しない。
【0024】
図3は、本発明の一実施形態によるマッシュルーム型PCMデバイス100を示し、本デバイスでは、ライナ108が開口部を含み、この開口部を通って底部電極104が延在し、ライナ108および底部電極がPCM109に接触している。すなわち、ライナ108は、底部電極104の頂部を覆っておらず、PCM109は、底部電極104およびライナ108の両方と直接接触している。図3に示すように、2.5Vの電圧が印加されたときのPCM109の温度は、5.231e+02ケルビン(K)の最低温度まで加熱され、SET抵抗の低減、ダイナミック・レンジの増大、およびスイッチング電圧の低減をもたらす。
【0025】
図4は、底部電極401がPCM402に接触するようにライナを省略した従来技術のデバイス400を示し、PCM402が下にあるライナに接触して抵抗ドリフトの軽減をもたらすことがない。
【0026】
図5は、図2図4の異なるデバイスの電圧に対する影響を示すグラフ500である。図5は、デバイス100、200、および400の抵抗対プログラミング電圧の特性を示す。
【0027】
本発明の一部の実施形態による、底部電極の頂部を覆わないライナを有し、PCMが底部電極およびライナの両方と直接接触する本発明のデバイス100は、ライナのないデバイス400の場合と比較して、SET状態抵抗(最低抵抗状態)501が変化しないことを示す。すなわち、デバイス100は、大きなダイナミック・レンジ(高抵抗対低抵抗比)を有する。ライナが底部電極上に配置されたデバイス200のSET状態抵抗は、比較的高く(例えば、503参照)、結果として、ダイナミック・レンジが減少することに留意されたい。
【0028】
さらに、本発明のデバイス100は、ライナが底部電極上に配置されたデバイス200のプログラミング電圧(例えば、504のプログラミング電圧を参照)よりも小さいプログラミング電圧502(デバイスが低抵抗状態から高抵抗状態に切り替わる電圧)を有し、より低い電圧動作が可能である。プログラミング電圧を下げることで、人工知能を含むアプリケーションに必要な単位セル(例えば、最小回路ブロック)の面積フットプリントを低減させることができる。
【0029】
一部の実施形態によると、PCMと直接接触するドリフト軽減ライナを含み、底部電極もPCMと直接接触する不揮発性メモリ・セルを製造するための方法600が、図6に示される。ブロック601において、基板、ならびに基板内に配置された下部相互接続、第1の誘電体層、ライナ層、および第2の誘電体層を備える中間デバイスが用意される(図7参照)。第1および第2の誘電体層は、例えばSiNで形成することができる。一部の実施形態によると、第2の誘電体層は、ライナ層を封入する犠牲SiN膜であり、これは、後続のプロセス・ステップ(例えば、底部電極ビアのパターニング)中のライナ層の酸化を防止する。
【0030】
ライナ層は、例えば、物理的気相堆積(PVD)、化学気相堆積(CVD)、または原子層堆積(ALD)によって堆積させることができる。
【0031】
ブロック602において、本方法は、底部電極ビアをパターニングするためのスタックを堆積させせることを含む(図8参照)。スタックは、低温酸化物(LTO)ハードマスク層、シリコン含有反射防止コーティング層(SiARC)層、およびフォトレジスト(PR)層を備えることができる。ブロック603において、PR層がパターニングされてPRマスクが形成される。
【0032】
ブロック604において、PRマスクを使用してドリフト軽減ライナ層を貫通して底部電極ビアがパターニングされる(図9参照)。
【0033】
ブロック605において、LTOハードマスクが(例えば、湿式エッチング・プロセスによって)除去され、ブロック606において、底部電極メタライゼーション・プロセスが行われる。底部電極メタライゼーション・プロセスは、第1のTaN層、TiN層、および第2のTaN層を順次堆積させることを含むことができる(図10参照)。ブロック607において、デバイスが研磨され、第2の誘電体層上または第2の誘電体層内で停止する。
【0034】
ブロック608において、第2の誘電体層の残りの部分を除去する湿式エッチングが行われる。一部の実施形態によると、湿式エッチングは、ライナ層に影響を与えない(図11参照)。
【0035】
ブロック609において、PCM層および頂部電極金属を堆積させる(図12参照)。
【0036】
一部の実施形態によると、PVDによってPCM層および頂部電極金属を堆積させる。
【0037】
ブロック610において、ドリフト軽減ライナ層、PCM層、および頂部電極金属をパターニングして、ドリフト軽減ライナ、PCM、および頂部電極を形成する。さらに、第3の誘電体層(例えば、SiNの)を不揮発性メモリ・セルの上に堆積させ、酸化物層間誘電体(ILD)を堆積させ、平坦化して、図1のデバイス100を形成する。
【0038】
ブロック611において、結果として得られたデバイス100上に後続の配線レベルを形成することができる。
【0039】
図7図12を参照すると、図1に示すようなPCMと直接接触するドリフト軽減ライナを含む不揮発性メモリ・セル100を製造するための方法において、図7は、基板101および基板内に配置された下部相互接続102と、第1の誘電体層701と、ドリフト軽減ライナ層702と、第2の誘電体層703と、を備える中間デバイス700を示す。第1および第2の誘電体層は、例えばSiNで形成することができる。一部の実施形態によると、第2の誘電体層は、ライナ層を封入する犠牲SiN膜であり、これは、後続のプロセス・ステップ(例えば、底部電極ビアパターニング)中のライナ層の酸化を防止する。ライナ層702は、例えば、物理的気相堆積(PVD)、化学気相堆積(CVD)、または原子層堆積(ALD)によって堆積させることができる。
【0040】
図8は、底部電極ビア(図示せず)をパターニングするための堆積させたスタック800を示す。スタック800は、LTOハードマスク層801、SiARC層802、およびPR層803を備えることができる。PR層は、フォトリソグラフィ・プロセスによってPRマスク(図示せず)を形成するようにパターニングされる。
【0041】
一部の実施形態によると、底部電極ビア901は、PR層をマスクとして使用して、ドリフト軽減ライナ層702を貫通してパターニングされる(図9参照)。底部電極ビア901は、下部相互接続102まで延在する。PRマスク(図示せず)は、例えば溶剤によって除去することができる。
【0042】
図10に示すように、LTOハードマスク801を除去して、第2の誘電体層703を露出させる。底部電極メタライゼーション・プロセスを行って、TaNで形成された外側部分105と、TiNで形成された中間部分106と、TaNで形成された内側部分107とを含む底部電極104を形成する。例えば、底部電極メタライゼーション・プロセスは、TaN、TiN、およびTaNの層を順次堆積させることを含む。図10のデバイス1000は、第2の誘電体層703を露出させるように研磨されている。底部電極メタライゼーション・プロセスは、第1のTaN層、TiN層、および第2のTaN層を順次堆積させることを含むことができる(図10参照)。
【0043】
一部の実施形態によると、湿式エッチングを行って、ドリフト軽減ライナ層702(図11参照)に影響を与えることなく、第2の誘電体層703(図10参照)の残りの部分を除去する。
【0044】
図12は、ドリフト軽減ライナ層702上に堆積させたPCM層1201および頂部電極金属1202を示す。一部の実施形態によると、PVDによってPCM層1201および頂部電極金属1202を堆積させる。
【0045】
ドリフト軽減ライナ層702、PCM層1201、および頂部電極金属1202をパターニングして、図1に示すようなドリフト軽減ライナ108、PCM109、および頂部電極110を形成する。さらに、(例えば、SiNの)第3の誘電体層112を不揮発性メモリ・セルの上に堆積させ、酸化物層間誘電体(ILD)111を堆積させ、平坦化する(図1参照)。
【0046】
まとめ:
【0047】
本発明の一実施形態によると、マッシュルーム型相変化メモリ(PCM)デバイスは、基板(101)と、基板上に配置された第1の誘電体層(103)と、第1の誘電体層内に配置された底部電極(104)と、第1の誘電体層上に配置されたドリフト軽減ライナ(108)と、ドリフト軽減ライナおよび底部電極の上面に直接配置されたPCM素子(109)と、PCM素子上に配置された頂部電極(110)と、第1の誘電体層の露出部分および頂部電極上に配置された第2の誘電体層(112)と、を備え、第2の誘電体層は、ドリフト軽減ライナ、PCM素子、および頂部電極の側壁上に配置されている。
【0048】
一部の実施形態によると、マッシュルーム型相変化メモリ(PCM)デバイスは、基板(101)と、基板内に配置された下部相互接続(102)と、基板上に配置された第1の誘電体層(103)と、第1の誘電体層内に配置され、第1の誘電体層の上面よりも上に延在する底部電極(104)と、第1の誘電体層の上面よりも上に延在する底部電極の上部部分を取り囲むドリフト軽減ライナ(108)と、ライナおよび底部電極の上面に配置されたPCM素子(109)と、PCM素子上に配置された頂部電極(110)と、第1の誘電体層の露出部分および頂部電極上に配置された第2の誘電体層(112)と、を備え、第2の誘電体層は、ライナ、PCM素子、および頂部電極の側壁上に配置されている。
【0049】
一部の実施形態によると、マッシュルーム型相変化メモリ(PCM)デバイスを製造する方法は、基板、ならびに基板内に配置された下部相互接続、基板上に配置された第1の誘電体層、第1の誘電体層上に配置されたドリフト軽減ライナ、およびドリフト軽減ライナ上に形成された第2の誘電体層を備える中間デバイス(801)を用意することと、中間デバイス(802)上に低温酸化物(LTO)ハードマスク層、シリコン含有反射防止コーティング層(SiARC)層、およびフォトレジスト(PR)層を順次堆積させることと、PR層をパターニングしてPRマスク(803)を形成することと、PRマスク(804)を使用してドリフト軽減ライナ層を貫通してパターニングすることによって底部電極ビアを形成することと、LTOハードマスク層(805)を除去することと、底部電極メタライゼーション・プロセスを行って、底部電極金属(806)を形成することと、PCMデバイスを研磨して第2の誘電体層(807)を露出させることと、第2の誘電体層(808)の残りの部分を除去することと、PCM層および頂部電極金属(809)を堆積させることと、ドリフト軽減ライナ層、PCM層、および頂部電極金属をパターニングしてドリフト軽減ライナ、PCM、および頂部電極(810)を形成することと、PCMデバイス(810)の上に第3の誘電体層を堆積させることと、PCMデバイス(810)の上に酸化物層間誘電体(ILD)を堆積させることと、PCMデバイス(810)を平坦化することと、を含む。
【0050】
本明細書において、本原理の「一実施形態」または「実施形態」、ならびにその他の変形への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、特性などが、本原理の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な場所に現われる「一実施形態において」または「ある実施形態において」という句、ならびに任意の他の変形形態の出現は、必ずしもすべてが同じの実施形態を指すとは限らない。
【0051】
図中の流れ図およびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。これに関して、流れ図またはブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実施するための1つまたは複数の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、または命令の一部を表すことができる。一部の代替の実施態様では、ブロックに示されている機能は、図に示されている順序とは異なる順序で行われてもよい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行することができ、またはブロックは、含まれている機能性に応じて、時には逆の順番で実行することができる。ブロック図または流れ図あるいはその両方の各ブロック、およびブロック図または流れ図あるいはその両方のブロックの組合せは、指定された機能もしくは行為を実行する、または専用のハードウェアおよびコンピュータ命令の組合せを実行する専用のハードウェア・ベースのシステムによって実施することができることにも留意されたい。
【0052】
本明細書で使用される術語は、特定の実施例のみを説明することのみを目的としており、本発明を限定することは意図されていない。本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈がそうでないと明確に示さない限り、複数形を同様に含むことが意図されている。用語「備える(comprises)」または「備えている(comprising)」あるいはその両方は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、または構成要素、あるいはその組合せの存在を明記するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、またはそれらのグループ、あるいはその組合せの存在もしくは追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0053】
以下の特許請求の範囲におけるすべての手段またはステップに加えて機能要素の対応する構造、材料、行為、および均等物は、具体的に特許請求されるような他の特許請求される要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、または行為を含むことが意図されている。本発明の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されてきたが、網羅的であることは意図されておらず、または開示された実施形態に限定されることは意図されていない。本発明の実施形態の範囲および思想から逸脱することなく、多くの変更形態および変形形態が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、市場で見出される技術に対する実際の応用もしくは技術的改良を最も良く説明するか、または当業者が本明細書で開示された実施形態を理解することができるように選択された。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッシュルーム型相変化メモリ(PCM)デバイスであって、
基板と、
前記基板上に配置された第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層内に配置された底部電極と、
前記第1の誘電体層上に配置されたドリフト軽減ライナと、
前記ドリフト軽減ライナおよび前記底部電極の上面に直接配置されたPCM素子と、
前記PCM素子上に配置された頂部電極と、
前記第1の誘電体層の露出部分および前記頂部電極上に配置された第2の誘電体層であり、前記ドリフト軽減ライナ、前記PCM素子、および前記頂部電極の側壁上に配置されている、前記第2の誘電体層と、
を備える、マッシュルーム型相変化メモリ(PCM)デバイス。
【請求項2】
前記第1の誘電体層および前記第2の誘電体層が窒化ケイ素(SiN)で形成されている、請求項1に記載のPCMデバイス。
【請求項3】
前記PCMデバイス上に配置された酸化物層をさらに備え、前記PCMデバイスが前記第2の誘電体層の頂部まで平坦化されている、請求項1または2に記載のPCMデバイス。
【請求項4】
前記底部電極が、窒化タンタル(TaN)で形成された外側部分と、窒化チタン(TiN)で形成された中間部分と、TaNで形成された内側部分とを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のPCMデバイス。
【請求項5】
前記PCM素子が、ゲルマニウム-アンチモン-テルル(GST)材料で形成された材料で形成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のPCMデバイス。
【請求項6】
前記PCM素子が、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)、およびテルル(Te)のうちの少なくとも1つを含む二元または三元合金組成物で形成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のPCMデバイス。
【請求項7】
前記PCM素子がドーパントを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のPCMデバイス。
【請求項8】
マッシュルーム型相変化メモリ(PCM)デバイスであって、
基板と、
前記基板内に配置された下部相互接続と、
前記基板上に配置された第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層内に配置され、前記第1の誘電体層の上面よりも上に延在する底部電極と、
前記第1の誘電体層の前記上面よりも上に延在する前記底部電極の上部部分を取り囲むドリフト軽減ライナと、
前記ドリフト軽減ライナおよび前記底部電極の上面に配置されたPCM素子と、
前記PCM素子上に配置された頂部電極と、
前記第1の誘電体層の露出部分および前記頂部電極上に配置された第2の誘電体層であり、前記ドリフト軽減ライナ、前記PCM素子、および前記頂部電極の側壁上に配置されている、前記第2の誘電体層と、
を備える、マッシュルーム型相変化メモリ(PCM)デバイス。
【請求項9】
前記第1の誘電体層および前記第2の誘電体層が窒化ケイ素(SiN)で形成されている、請求項8に記載のPCMデバイス。
【請求項10】
前記PCMデバイス上に配置された酸化物層をさらに備え、前記PCMデバイスが前記第2の誘電体層の頂部まで平坦化されている、請求項8または9に記載のPCMデバイス。
【請求項11】
前記底部電極が、窒化タンタル(TaN)で形成された外側部分と、窒化チタン(TiN)で形成された中間部分と、TaNで形成された内側部分とを含む、請求項8~10のいずれか1項に記載のPCMデバイス。
【請求項12】
前記底部電極の前記上面が前記PCM素子と直接接触している、請求項8~11のいずれか1項に記載のPCMデバイス。
【請求項13】
前記PCM素子が、ゲルマニウム-アンチモン-テルル(GST)材料で形成された材料で形成されている、請求項8~12のいずれか1項に記載のPCMデバイス。
【請求項14】
前記PCM素子が、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)、およびテルル(Te)のうちの少なくとも1つを含む二元または三元合金組成物で形成されている、請求項8~12のいずれか1項に記載のPCMデバイス。
【請求項15】
前記PCM素子がドーパントを含む、請求項8~14のいずれか1項に記載のPCMデバイス。
【請求項16】
マッシュルーム型相変化メモリ(PCM)デバイスを製造する方法であって、
基板、ならびに前記基板内に配置された下部相互接続、前記基板上に配置された第1の誘電体層、前記第1の誘電体層上に配置されたドリフト軽減ライナ、および前記ドリフト軽減ライナ上に形成された第2の誘電体層を備える中間デバイスを用意することと、
前記中間デバイス上に、低温酸化物(LTO)ハードマスク層、シリコン含有反射防止コーティング層(SiARC)層、およびフォトレジスト(PR)層を順次堆積させることと、
前記PR層をパターニングしてPRマスクを形成することと、
前記PRマスクを使用して前記ドリフト軽減ライナ層を貫通してパターニングすることによって底部電極ビアを形成することと、
前記LTOハードマスク層を除去することと、
底部電極メタライゼーション・プロセスを行って、底部電極金属を形成することと、
前記PCMデバイスを研磨して、前記第2の誘電体層を露出させることと、
前記第2の誘電体層の残りの部分を除去することと、
PCM層および頂部電極金属を堆積させることであって、前記PCM層を前記ドリフト軽減ライナ層および前記底部電極上に直接堆積させる、前記堆積させることと、
前記ドリフト軽減ライナ層、前記PCM層、および前記頂部電極金属をパターニングして、前記ドリフト軽減ライナ、PCM、および頂部電極を形成することと、
前記PCMデバイスの上に第3の誘電体層を堆積させることと、
前記PCMデバイスの上に酸化物層間誘電体(ILD)を堆積させることと、
前記PCMデバイスを平坦化することと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記底部電極メタライゼーション・プロセスが、第1の窒化タンタル(TaN)層、窒化チタン(TiN)層、および第2のTaN層を順次堆積させることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記PCMデバイスの前記平坦化が、前記第3の誘電体層の上面を露出させる、請求項16または17に記載の方法。
【国際調査報告】