(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(54)【発明の名称】時間領域にわたるDL及びUL間の共有TXOPを用いたWIFI局の協調
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0446 20230101AFI20231130BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20231130BHJP
H04W 28/12 20090101ALI20231130BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04W84/12
H04W28/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533339
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(85)【翻訳文提出日】2023-05-31
(86)【国際出願番号】 IB2021060874
(87)【国際公開番号】W WO2022118135
(87)【国際公開日】2022-06-09
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504257564
【氏名又は名称】ソニー コーポレイション オブ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】シャ チン
(72)【発明者】
【氏名】アブエルサウード モハメド
(72)【発明者】
【氏名】シン リャンシャオ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067CC04
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
AP又は非AP STAのいずれであるかにかかわらず送信機会(TXOP)所有者がAP又は非AP STAのいずれかである他の局とTXOPを共有することを可能にする無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)プロトコル。TXOPを共有する意図がTXOP所有者によって他のSTA及び/又はAPに直接的又は間接的に伝えられ、その後にスケジューリング情報(時間及び期間)がSTAやAPと共有される。TXOPが発生すると、STA及び/又はAPは指定された時点で指定された期間にわたってチャネルにアクセスすることができ、従ってTXOPの使用が増加して効率が高まる。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、
(a)無線局(STA)としてローカルエリアネットワーク(WLAN)上の他の無線局(STA)と少なくとも1つのチャネルを介して無線で通信するように構成された無線通信回路と、
(b)共有される送信機会(TXOP)プロトコルを用いた通信をサポートするように構成された局としてWLAN上で動作するように構成された局内で前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、
(c)同じベーシックサービスセット(BSS)内のSTAのための、前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的メモリと、
を備え、(d)前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、
(i)チャネルへのアクセス権を獲得し、AP STA又は非AP STAとすることができるTXOP所有者としてのSTAからBSS内の他のSTAにメッセージをブロードキャストすることによって、又はTXOP所有者としてのSTAが他のSTAとTXOPを共有する用意があることを示す通信をAPに行い、APとして動作するSTAがTXOP所有者としてのSTAの代わりにこのメッセージをさらにブロードキャストすることによって、次のTXOPが共有に利用可能である旨を伝えることと、
(ii)非AP STA又はAP STAとして動作する前記STAが、同じBSS内のネットワーク上の他の局とTXOPを共有することと、
(iii)TXOPの前記共有が、時間領域におけるアップリンク(UL)物理層プロトコルデータユニット(PPDU)送信及びダウンリンク(DL)PPDU送信の両方について実行されることと、
(iv)前記TXOP所有者から、又は前記APが前記TXOP所有者でない時には前記APを通じて、前記TXOPを共有する予定のSTAに、共有される次のTXOPのチャネルアクセスの期間及び時間を通知するメッセージを送信することと、
を含むステップを実行する、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記STAは、STAのタイプに基づく通信範囲を有し、
(i)前記STAが非AP STAである場合、前記通信範囲は、同じ基本サービスセット(BSS)内の、AP STAの協調を伴って他の非AP STAと直接通信できる他の全てのSTA、又は他の非AP STAが自局の通信範囲内にある場合に前記他の非AP STAと直接通信できる他の全てのSTAをカバーしない場合があり、
(ii)前記STAがAP STAである場合、前記通信範囲は、同じ基本サービスセット(BSS)内の他の全てのSTAをカバーする、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記命令は、時間領域におけるアップリンク(UL)物理層プロトコルデータユニット(PPDU)送信及びダウンリンク(DL)PPDU送信の両方について前記TXOPの共有を実行した後に、BSS内の非AP STA又はAP STAのいずれかであるどのSTAが共有に利用可能な次のTXOPにおける時間を要求しているかを決定する際に、前記BSS内の他のSTAと直接的に、又は関連するAPを介して間接的にメッセージを交換することをさらに含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
時間領域における前記UL送信は、UL起動型であってAP協調を利用するTXOP共有をスケジュールするための動的シナリオを含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記AP STAとして動作する前記STAは、
(i)ネットワーク上の非AP STAから共有オファー/要求情報を示すメッセージを受け取ることと、
(ii)取得された共有オファー/要求情報をネットワーク上の他の非AP STAと交換することと、
(iii)非AP STAがTXOPを取得して共有TXOPを開始したことを示すフレームを受け取った後に応答を送信することと、
(iv)TXOP所有者に代わって次の共有TXOPに参加することを要求している非AP STAを識別するために問い合わせメッセージを送信することと、
(v)TXOP所有者に代わって次の共有TXOPに参加するための要求を非AP STAから収集することと、
(vi)収集された共有要求情報をTXOP所有者において動作するSTAに送信することと、
(vii)次の共有TXOPに参加することを要求するSTAのための割り当てられた時間及び期間を示すフレームをTXOP所有者から受け取ることと、
(viii)共有される非AP STAの各々又は全てのための割り当てられた開始時刻及び期間を示すフレームを送信することにより、TXOP所有者STAに代わって取得されたTXOP時間の一部を他の非AP STAと共有することと、
(ix)AP STAとして動作するSTAがDL送信のために共有TXOPへの参加を要求した場合、TXOP共有のための割り当てられた開始時間及び期間をTXOP所有者から受け取ることと、
(x)TXOP所有者STAによって割り当てられた割り当て共有TXOP期間内に、ネットワーク上の宛先STAにダウンリンク(DL)PPDUを送信することと、
を含むステップを実行する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
時間領域における前記UL送信は、UL起動型であってAP協調を必要としないTXOP共有をスケジュールするための動的シナリオを含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記非AP STAとして動作する前記STAは、
(i)前記非AP STAがキャリアセンス(CS)機構に基づいて媒体がアイドルであることを検出した場合、チャネルを取得するためのフレームを関連するAPに送信することと、
(ii)前記送信されたフレームにおいて、このチャネルアクセスの試みが共有TXOPを取得するためのものであることを示すことと、
(iii)前回送信されたフレームの正常な受信を示すとともに、前記非AP STAがTXOPを取得して共有TXOPの使用を開始できる旨を示す応答を、前記関連するAPから受け取ることと、
(iv)前記非AP STAがTXOP所有者として動作している場合、次の共有TXOPに参加することを要求する他のSTAを識別するために問い合わせメッセージを送信することと、
(v)前記STAがTXOP所有者として動作していない場合、次の共有TXOPに参加する要求を含むメッセージを送信することと、
(vi)前記非AP STAがTXOP所有者として動作している場合、他のSTAから次の共有TXOPに参加する要求を収集することと、
(vii)取得されたTXOP時間の一部への参加を要求する共有STAのための時間及び期間を割り当てることと、
(viii)割り当てられた開始時刻及び期間を示すフレームを、共有される非AP STAの各々又は全てに送信することと、
(ix)前記非AP STAがTXOP所有者ではなく、UL送信のための共有TXOPへの参加を要求した場合、TXOP共有のための割り当てられた開始時間及び期間をTXOP所有者から受け取ることと、
(x)TXOP所有者STAによって割り当てられた割り当て共有TXOP期間内に、ネットワーク上の関連するAPにUL PPDUを送信することと、
を含むステップを実行する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
時間領域における前記UL及びDL送信は、UL起動型又はDL起動型のいずれかであるTXOP共有をスケジュールする際にAP STAをコーディネータとして利用する半静的シナリオを含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
時間領域における前記UL及びDL送信は、UL起動型又はDL起動型のいずれかであるTXOP共有を開始する際に、APとして動作するSTAが共有TXOP参加者を識別せずに全てのSTAを参加のために1つずつ順に移行する簡易シナリオを含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記STAは、AP STA又は非AP STAとして動作するネットワーク上のSTAとの管理フレームの交換を通じて、TXOP共有オファー/要求能力及びTXOPアクセス時間割り当ての情報を交換する、
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記管理フレームは、認証要求フレーム、認証応答フレーム、アソシエーション要求フレーム、アソシエーション応答フレーム及びビーコンフレームをから成る一群のフレームから選択される、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
RTS共有及びCTS共有フレームは、共有されるべき取得されたTXOPについて示す情報フィールドを組み込んだ修正Ready-To-Send(RTS)及びClear-To-Send(CTS)フレームを含み、共有TXOPが開始される、
請求項1に記載の装置。
【請求項13】
他のSTAが次のTXOPにおけるアクセス時間を要求しているメッセージの交換は、予め定められたスロット時刻に又は専用タイムスロットにおいて前記少なくとも1つのチャネルにランダムにアクセスすることを通じて送信することができる、
請求項1に記載の装置。
【請求項14】
TXOP所有者としての前記STAは、AP STAとして動作している時に、非AP STAにポーリングを行って、前記非AP STAが次のTXOPにおける時間を要求しているかどうかを判定することができる、
請求項1に記載の装置。
【請求項15】
TXOP所有者としての前記STAは、非AP STAとして動作している時に、単独で又はAP STAの協調を通じて非AP STAにポーリングを行って、前記非AP STAが次のTXOPにおける送信時間を要求しているかどうかを判定することができる、
請求項1に記載の装置。
【請求項16】
AP STA又は非AP STAとすることができる共有TXOP所有者STAは、AP STAの協調の有無にかかわらず、次のTXOPにおける時間を要求しているSTAに共有TXOPアクセススケジューラフレームを送信し、前記次のTXOPにおける時間を要求しているSTAは、スケジュールされた時間内に指定期間にわたってAP STAにULデータを送信し、又は非AP STAにDLデータを送信する際にこれに応答すべきである、
請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記TXOPアクセススケジューラフレームは、TXOPオファーフレーム、TXOPアクセススケジューラフレーム及びブロードキャストTXOPスケジューラフレームから成る一群のメッセージフレームから選択される、
請求項16に記載の装置。
【請求項18】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、
(a)無線局(STA)としてローカルエリアネットワーク(WLAN)上の他の無線局(STA)と少なくとも1つのチャネルを介して無線で通信するように構成された無線通信回路と、
(b)局としてWLAN上で動作するように構成された局内で前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、
(c)同じベーシックサービスセット(BSS)内のSTAのための、前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的メモリと、
を備え、(d)前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、
(i)送信機会(TXOP)共有を実行する能力を示すメッセージを送信することと、
(ii)TXOP所有者としてTXOPを取得したアクセスポイント(AP)STAから非AP STAに、取得されたTXOP内の時間の前記非AP STAと共有すべき割り当てられた部分を示すフレームを送信することと、
(iii)非AP STAとして動作するように構成された局が、自局に割り当てられた時間内に、共有すべきフレーム内でPPDUを送信することと、
(iv)非AP STAが、関連するAPから自局にアドレス指定されたフレームを受け取り、自局の物理層プロトコルデータユニット(PPDU)送信及びいずれかの予想される応答を割り当てられた時間内に完全に実行できることを保証しながら、フレームに示される割り当てられた共有TXOP期間内に1又は2以上の非トリガベース(非TB)のPPDUを送信することと、
(v)非AP STAによってACKが要求された場合、非AP STAによって送信されたPPDUに対してAP STAが確認応答(ACK)で応答することと、
(vi)前記AP STAが送信すべきPPDUを有している場合、前記AP STAが、割り当てられた時間の終了後であって取得されたTXOP NAVが経過する前に1又は2以上のPPDUを送信することと、
を含むステップを実行する、
ことを特徴とする装置。
【請求項19】
前記STAは、AP STA又は非AP STAとして動作するネットワーク上のSTAとの管理フレームの交換を通じてTXOP共有能力の情報を交換する、
請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記管理フレームは、認証要求フレーム、認証応答フレーム、アソシエーション要求フレーム、アソシエーション応答フレーム及びビーコンフレームから成る一群のフレームから選択される、
請求項19に記載の装置。
【請求項21】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、
(a)無線局(STA)として、該STAの受信エリア内のローカルエリアネットワーク(WLAN)上の他の無線局(STA)と少なくとも1つのチャネルを介して無線で通信するように構成された無線通信回路と、
(b)共有される送信機会(TXOP)プロトコルを用いた通信をサポートするように構成された局として前記WLAN上で動作するように構成された局内で前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、
(c)STAのための、前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的メモリと、
を備え、(d)前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、
(i)前記STAがBSSのAP STAとして動作することと、
(ii)前記BSSのネットワーク上の非AP STAと共有可能性情報を交換し、取得された共有可能性情報を前記BSSのネットワーク上でブロードキャストすることと、
(iii)チャネルへのアクセス権を獲得し、AP STAとしてのTXOP所有者になることと、
(iv)TXOPが共有に利用可能であることを非AP STAに告知することと、
(v)TXOPを共有することを要求するメッセージを他のSTAから受け取ることと、
(vi)取得されたTXOPを使用して宛先STAにDLデータを送信することと、
(vii)共有TXOP時間が許す場合に、全ての共有TXOP参加者に共有可能性情報をブロードキャストして、各共有TXOP参加者のためのタイムスロット及び期間を割り当てることと、
を含むステップを実行する、
ことを特徴とする装置。
【請求項22】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、
(a)無線局(STA)としてローカルエリアネットワーク(WLAN)上の他の無線局(STA)と少なくとも1つのチャネルを介して無線で通信するように構成された無線通信回路と、
(b)共有される送信機会(TXOP)プロトコルを用いた通信をサポートするように構成された局としてWLAN上で動作するように構成された局内で前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、
(c)STAのための、前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的メモリと、
を備え、(d)前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、
(i)AP STA又は非AP STAとして動作する前記STAがTXOP所有者としてTXOPを獲得することと、
(ii)前記TXOP所有者が、自局のTXOPにアクセスする共有TXOP参加者を決定し、APの協調を通じてこれらの参加者とメッセージを交換することを通じて、前記共有TXOP参加者に半静的方法でタイムスロット及び期間を割り当てることを実行することと、
(ii)前記STAが半静的構成を設定する設定手順を実行し、(A)前記STAがAP STAを通じて他のSTAと共有/要求情報を交換し、(B)前記STAが半静的共有TXOPスケジューリングを実行し、AP STAを通じて他の全てのSTAとスケジュール構成を交換することと、
を含むステップを実行する、
ことを特徴とする装置。
【請求項23】
前記TXOP所有者は、前記設定手順中に設定される広告されたリソース(チャネルアクセス)割り当てスケジュールに従って前記ネットワーク上の他のSTAと自局のTXOPを共有する、
請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記共有TXOP参加者は、前記TXOPの開始を検出し、割り当てられたタイムスロット及び期間において共有TXOPの使用を開始するように構成される、
請求項22に記載の装置。
【請求項25】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、
(a)基本サービスセット(BSS)内でAP STAとして動作する無線局(STA)として、ローカルエリアネットワーク(WLAN)上の他の無線局(STA)と少なくとも1つのチャネルを介して無線で通信するように構成された無線通信回路と、
(b)簡易共有TXOPスキームに従ってチャネルアクセスを可能にする共有送信機会(TXOP)プロトコルを用いた通信をサポートするとともに、非AP TXOP所有者STAがチャネルアクセス権を取得して、ULデータ送信に必要なだけ多くの共有TXOPを使用するように構成され、前記AP STAが全ての非AP STAを順に移行してアップリンク(UL)データ送信及びダウンリンク(DL)データ送信間でTXOPを共有するように構成された局としてWLAN上で動作するように構成された局内で前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、
を備え、
(c)非AP STAとして動作するSTAが、UL送信を終了した後にAP STAにメッセージを送信して、前記AP STAが次の非AP STAにループスルーできることを示し、
(d)STAのための、前記プロセッサが実行できる命令を記憶した非一時的メモリをさらに備え、
(e)前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、
(i)非AP TXOPが自局のTXOPの使用を完了したことを検出することと、
(ii)前記AP STAが残りの非AP STAを順に移行して、UL送信のために前記非AP STAの各々に少なくとも1つの共有TXOPスロットを提供することと、
(iii)十分なTXOP時間が残っていると判定し、前記AP STAがネットワーク上の非AP STAにDL送信を開始することと、
(iv)前記AP STAがDL送信を完了した後に、又はTXOP時間が過ぎた時に、前記AP STAが全ての非AP STAのチャネル予約をクリアするためにCTS-To-Selfフレームをブロードキャストし、これによって新たなTXOP手順を開始できることと、
を含むステップを実行する、
ことを特徴とする装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つの共有TXOPスロットは予め構成される、
請求項25に記載の装置。
【請求項27】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、
(a)基本サービスセット(BSS)内でAP STAとして動作する無線局(STA)として、該STAの受信エリア内のローカルエリアネットワーク(WLAN)上の他の無線局(STA)と少なくとも1つのチャネルを介して無線で通信するように構成された無線通信回路と、
(b)共有送信機会(TXOP)プロトコルを用いた通信をサポートするとともに、前記AP STAが全ての非AP STAを順に移行してアップリンク(UL)データ送信及びダウンリンク(DL)データ送信間でTXOPを共有し、簡易共有TXOPスキームに従ってチャネルアクセスを可能にするように構成された局として前記WLAN上で動作するように構成された局内で前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、
(c)STAのための、前記プロセッサが実行できる命令を記憶した非一時的メモリと、
を備え、
(d)前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、
(i)前記AP STAがチャネルを取得して、取得されたTXOPをDL物理層プロトコルデータユニット(PPDU)送信の実行に利用し、前記AP STAが、TXOP所有者として、取得されたTXOP時間をDL送信に必要なだけ多く使用するように構成されることと、
(ii)自局のDL送信を完了し、非AP STAとTXOPの共有を開始するのに十分な時間がTXOPに残っていると判定することと、
(iii)前記AP STAが、UL送信を実行するために非AP STAの各々のための少なくとも1つのTXOPスロットを共有する非AP STAをループスルーすることと、
(iv)非AP STAと共有するシーケンスの1回のループを完了した時点で、又はTXOP時間が過ぎた場合に、APが全ての非AP STAのチャネル予約をクリアするためにCTS-To-Selfフレームをブロードキャストし、これによって新たな共有TXOP手順を開始できることと、
を含むステップを実行する、
ことを特徴とする装置。
【請求項28】
前記少なくとも1つの共有TXOPスロットは予め構成される、
請求項27に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年12月1日に出願された米国仮特許出願シリアル番号第63/119,761号に対する優先権及びその利益を主張するものであり、この文献はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
〔連邦政府が支援する研究又は開発に関する記述〕
該当なし
【0003】
〔コンピュータプログラム付属書の引用による組み入れ〕
該当なし
【0004】
〔著作権保護を受ける資料の通知〕
本特許文献中の資料の一部は、アメリカ合衆国及びその他の国の著作権法の下で著作権保護を受けることができる。著作権の権利所有者は、合衆国特許商標庁の一般公開ファイル又は記録内に表される通りに第三者が特許文献又は特許開示を複製することには異議を唱えないが、それ以外は全ての著作権を留保する。著作権所有者は、限定ではないが米国特許法施行規則§1.14に従う権利を含め、本特許文献を秘密裏に保持しておく権利のいずれも本明細書によって放棄するものではない。
【0005】
本開示の技術は、一般に無線通信ネットワークに関し、具体的には、送信機会(TXOP)を取得したSTAが単一の基本サービスセット(BSS)内の他の局とTXOPを共有する複数ユーザ送信に関する。
【背景技術】
【0006】
Wi-Fiネットワークの使用は、非常に速いペースで成長し続けている。この成長は、新規アプリケーションの高速開発、及びWi-Fiネットワークを通じてインターネットにアクセスすることを必要とするスマートデバイスの市場での増加によって加速している。Wi-Fiユーザの数及び需要の増加に伴い、スループットの向上、低遅延及び高効率を達成する勢いが増している。
【0007】
リアルタイムゲームなどのいくつかのアプリケーションは遅延に対して非常に敏感であり、従って異なるゲームプレーヤ間のリアルタイムインタラクションをサポートすることなどによって楽しいユーザ体験を提供するために低遅延要件が高くなる。
【0008】
AP局及び非AP局を含む局間でチャネルにアクセスするために競合が行われると、局が同時にチャネルにアクセスしようと試みた時に競合遅延が発生する。この競合遅延は、低遅延を必要とするトラフィックの性能に大きく影響を与える。現在の802.11ax技術は、アップリンク(UL)及びダウンリンク(DL)マルチユーザ(MU)送信をAPレベルで開始し、すなわちUL送信では非AP STAがトリガーベースの(TB)ULデータをAPに送信しなければならない。このルールは非AP STAからの競合を低減するが、非AP STAがULデータを送信する必要があってチャネルが空いている(ビジーでない)ことを感知したもののAPが非AP STAにトリガフレームを送信していない場合、通信チャネルを最適に使用できないことがある。
【0009】
この場合、本開示は、AP局及び非AP局を含む局が互いに協力すべき機構を提供する。このことは、いずれかの局がチャネルアクセス権を取得してTXOPを獲得した場合に、自局の送信機会(TXOP)の一部を他の局と共有できることを意味する。この協力スキームは、局間の競合を抑え、従って競合遅延を低減するように構成される。
【0010】
従って、現在のWLANプロトコルで利用されている手法は、需要が高まっている有益なレベルの性能を提供することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、共有TXOP送信を含むWLAN通信の性能を高めるニーズが存在する。本開示は、このニーズを満たすとともに、これまでの技術を凌駕するさらなる利点をもたらすものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従来の802.11プロトコルでは、送信機会(TXOP)スケジューリングがAPレベルで実行される。従来の無線LANネットワークでチャネルがアイドルであることを感知した非AP STAは、APからトリガフレームを受け取らなければデータを送信することができず、従ってチャネル利用効率が制約されてしまう。また、TXOPを取得(獲得)した局であるTXOP所有者は自局のTXOPの一部を他局と共有せず、従って全ての局は、送信すべきデータをわずかしか有していない場合でもTXOPを求めて個別に競い合わなければならない。
【0013】
本開示では、AP局及び非AP局を含む局が互いに協力することにより、いずれかの局がチャネルアクセス権を取得してTXOPを獲得した場合にその送信機会(TXOP)の一部を他の局と共有できるようにする。この協力スキームは、局間の競合を抑え、従って競合遅延を低減するのに役立つ。非AP STA及びAP STAは、いずれも時間領域で共有TXOPスケジューリングを実行する(この共有TXOPに参加する用意がある他の協力局とTXOPを時間共有して、チャネル競合を伴わずに物理層プロトコルデータユニット(PPDU)を送信する)ことができる。この場合、チャネルアクセス権を取得(獲得)し、予め構成された共有情報又は共有TXOP参加者の情報の収集を通じて共有TXOP参加者STA情報を認識しているTXOP所有者STAは、他局とのTXOP共有をスケジュールして、無線LANネットワークにおいてチャネル利用効率を高めて低遅延送信を達成することができる。
【0014】
開示する技術の少なくとも1つの実施形態では、非AP TXOP所有者STAが、APからのトリガフレームを待つことなく時間領域において同じBSS内の他のSTAと協調プロセスを開始してそのTXOPを共有することができる。コーディネータとしてのAPを含む又は含まないTXOPの共有、並びに半静的TXOP共有及び簡易TXOP共有の使用を含む複数の異なるシナリオについて説明する。
【0015】
AP協調を伴わないシナリオでは、無線LANネットワークにおいてTXOPを取得した局がそのBSS内の他の全ての局と通信することができ、(a)自局のTXOPを他のSTAと共有することを通知するメッセージ及び/又はそのための承認を得るメッセージをAPと交換し、(b)チャネルへのアクセス権を獲得した時点で、次のTXOPが共有に利用可能であることを示すメッセージをBSS内の他のSTAにブロードキャストし、(c)BSS内の他のSTAとメッセージを交換して、共有可能なTXOPにおける時間を要求しているSTAを決定し、(d)STAとTXOPを共有するSTAに、チャネルアクセスを実行すべき期間及び時刻を通知するメッセージを送信する、ことによって自局のTXOPを同じBSS内の他の局と共有する。
【0016】
AP協調を伴うシナリオでは、無線LANネットワークにおいてTXOPを取得したSTAがそのBSS内の他の全ての局と通信することができず、(a)自局のTXOPを他のSTAと共有することを通知するメッセージ及び/又はそのための承認を得るメッセージをAPと交換し、(b)BSS内の他のSTAに、次のTXOPが共有に利用可能であることを示すメッセージをブロードキャストすることを要求するメッセージをAPにユニキャストし、(c)APにBSS内の他のSTAとメッセージを交換させて、どのSTAが共有TXOPにおける時間を要求しているかを決定するメッセージをAPから取得し、(d)STAとTXOPを共有するSTAにチャネルアクセスを実行すべき期間及び時間を通知するメッセージを送信するように要求するメッセージをAPにユニキャストする、ことによって自局のTXOPを同じBSS内の他の局と共有する。
【0017】
半静的TXOP共有では、第1の(TXOP共有設定)段階において以下が行われる。(a)各非AP STAが、共有TXOPを共有する又はこれに参加する非AP STAの能力を示す共有オファー/要求情報をAPに送信する。その後、APは、この情報を全ての局にブロードキャストする。(b)将来的にTXOP所有者になる可能性がある各局は、自局と他局との間で共有TXOPのスケジュールを構成し、この構成情報をAPに送信する。
【0018】
APは、この構成情報を受け取った後にこれを全ての局にブロードキャストし、その後に第2の(TXOP共有)段階において以下が行われる。(a)合意された構成に従って次のTXOPを共有することを告知するReady-To-Send-Share(RTS共有)及びClear-To-Send-Share(CTS共有)の交換が共有STAとAPとの間で行われる。(b)TXOPを共有する他のSTAが、TXOPを共有すべきであることを示すRTS共有又はCTS共有を受け取ってこれらが共有構成に含まれていると認識すると、STAは、いつチャネルにアクセスすべきであるかを決定する。(c)本開示で使用するRTS共有/CTS共有メッセージは、TXOPの共有に関する情報を含むフィールドを追加した修正RTS/CTSである。(d)他のSTAがメッセージを受け取ってTXOP共有に関する情報を取得できるように、自局のTXOPを共有するSTAとAPとの間で異なるメッセージを交換することができる。
【0019】
簡易TXOP共有では以下が行われる。(a)チャネルアクセス権を取得した局は、RTSを送信してCTSを受信すると、利用可能なTXOP時間を必要なだけ使用することができ、この時間は最大TXOP期間のみによって制限される。局は、(データPPDUを送信してACK/ブロックACKを受け取る)完全な送信を完了した後に、APにCTS拒絶を送信して、APが他の局をループスルーして(順に巡って)残りのTXOP時間を使用できるようにする。(b)APは、CTS拒絶フレームを受け取った後に、現在のTXOPが過ぎていなければ、次の局(非AP STA)にCTSを送信することによって次の局をループスルーする。APは、限られた共有TXOP時間を次の局に割り当て、従ってAPは、シーケンス内でループスルーされる次の局である場合、残りの限られた共有TXOP時間内に送信を行うために直接チャネルにアクセスすることができる。(c)APからCTSを受け取った非AP STAは、限られた共有TXOP時間内にAPにSU PPDUを送信し、(i)APが割り当てられた共有TXOP制限時間よりも早く送信を終了した場合、(ii)割り当てられた共有TXOP制限時間の終了が近づいてAPが送信すべきSU PPDUを有していない場合、APにCTS拒絶を送信する。
【0020】
本明細書の以下の部分では、本明細書で説明する技術のさらなる態様が明らかになり、この詳細な説明は、本技術の好ましい実施形態を限定することなく完全に開示するためのものである。
【0021】
本明細書で説明する技術は、例示のみを目的とする以下の図面を参照することによって十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】ダウンリンク(DL)直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)多入力多出力(MIMO)送信におけるMUデータフレームのスロット化された送信図である。
【
図2】アップリンク(UL)直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)多入力多出力(MIMO)のスロット化された送信図である。
【
図3】CSMA/CAにおける従来の再送スキームのフロー図である。
【
図4】通常のWLANシステムにおいてデータを搬送するパケットフレームフォーマットのデータフィールド図である。
【
図5】通常のWLANシステムにおけるACKパケットフレームフォーマットのデータフィールド図である。
【
図6】CSMA/CAにおいて再送を実行する際の2倍サイズのコンテンションウィンドウの通信シーケンス図である。
【
図7】CSMA/CAにおける再試行制限に起因して破棄されるパケットの通信シーケンス図である。
【
図8】OFDMAシステムのダウンリンクにおけるレガシー再送スキームの通信シーケンス図である。
【
図9】OFDMAシステムのアップリンクにおけるレガシー再送スキームの通信シーケンス図である。
【
図10】本開示の少なくとも1つの実施形態による、コーディネータとしてのAPが存在する又はしない場合の時間領域における半静的シナリオの通信シーケンス図である。
【
図11A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、時間領域における半静的シナリオのより詳細な例を示す通信シーケンス図である。
【
図11B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、時間領域における半静的シナリオのより詳細な例を示す通信シーケンス図である。
【
図11C】本開示の少なくとも1つの実施形態による、時間領域における半静的シナリオのより詳細な例を示す通信シーケンス図である。
【
図12】本開示の少なくとも1つの実施形態による無線局ハードウェアのハードウェアブロック図である。
【
図13】限定ではなく一例として1つのAP及び3つのSTAから成る単一のBSSシナリオとして示すネットワークトポロジ図である。
【
図14】本開示の少なくとも1つの実施形態による、非AP TXOP所有者STAによって開始される共有TXOPの通信シーケンス図である。
【
図15】本開示の少なくとも1つの実施形態による、TXOP共有プロトコルにおいて実行される一般的ステップの概観の通信シーケンス/プロトコル図である。
【
図16】本開示の少なくとも1つの実施形態による、共有TXOP設定段階の通信シーケンス図である。
【
図17】本開示の少なくとも1つの実施形態による、APレベルで実行される共有TXOP設定段階のフロー図である。
【
図18A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、非AP STAレベルで実行される共有TXOP設定段階のフロー図である。
【
図18B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、非AP STAレベルで実行される共有TXOP設定段階のフロー図である。
【
図19】本開示の少なくとも1つの実施形態による、共有TXOP告知段階の通信シーケンス図である。
【
図20】本開示の少なくとも1つの実施形態による、TXOPオファーを受け取った後の応答を示すUL起動型TXOP参加者取得のフロー図である。
【
図21】本開示の少なくとも1つの実施形態による、CTSを受け取った後の応答を示すUL起動型TXOP参加者獲得段階のフロー図である。
【
図22】本開示の少なくとも1つの実施形態による、専用TXOPオファーフレームを受け取った後の応答を示すUL起動型TXOP参加者獲得段階の通信シーケンス図である。
【
図23】本開示の少なくとも1つの実施形態による、非AP TXOP所有者STAにおいて処理されるUL起動型TXOP参加者獲得段階のフロー図である。
【
図24】本開示の少なくとも1つの実施形態による、APにおいて処理されるUL起動型TXOP参加者獲得段階のフロー図である。
【
図25】本開示の少なくとも1つの実施形態による、非AP共有TXOP参加者STAにおいて処理されるUL起動型TXOP参加者獲得段階のフロー図である。
【
図26】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユニキャストTXOPオファーフレームを用いたUL起動型TXOPスケジュール及びアクセスの通信シーケンス図である。
【
図27】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユニキャストTXOPアクセススケジューラを用いたUL起動型TXOPスケジュール及びアクセスの通信シーケンス図である。
【
図28】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ブロードキャストTXOPスケジューラを用いたUL起動型TXOPスケジュール及びアクセスの通信シーケンス図である。
【
図29A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、非AP TXOP所有者STAレベルで処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階のフロー図である。
【
図29B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、非AP TXOP所有者STAレベルで処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階のフロー図である。
【
図30A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、非AP共有TXOP参加者STAレベルで処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階のフロー図である。
【
図30B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、非AP共有TXOP参加者STAレベルで処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階のフロー図である。
【
図31A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、APレベルで処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階のフロー図である。
【
図31B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、APレベルで処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階のフロー図である。
【
図32】本開示の少なくとも1つの実施形態による、DL起動型共有TXOP告知段階の通信シーケンス図である。
【
図33】本開示の少なくとも1つの実施形態による、APにおいて処理される共有TXOP告知段階のフロー図である。
【
図34】本開示の少なくとも1つの実施形態による、非AP STAレベルで処理される共有TXOP告知段階のフロー図である。
【
図35】本開示の少なくとも1つの実施形態による、(APとの)TXOPオファーを受け取った後の応答を伴うUL起動型TXOP参加者獲得段階の通信シーケンス図である。
【
図36】本開示の少なくとも1つの実施形態による、TXOPオファーを受け取った後の応答を伴うDL起動型TXOP参加者獲得段階の通信シーケンス図である。
【
図37】本開示の少なくとも1つの実施形態による、(APとの)CTSを受け取った後の応答を伴うUL起動型TXOP参加者獲得段階の通信シーケンス図である。
【
図38】本開示の少なくとも1つの実施形態による、CTSを受け取った後の応答を伴うDL起動型TXOP参加者獲得段階の通信シーケンス図である。
【
図39】本開示の少なくとも1つの実施形態による、(APとの)専用TXOPオファーを受け取った後の応答を伴うUL起動型TXOP参加者獲得段階の通信シーケンス図である。
【
図40】本開示の少なくとも1つの実施形態による、専用TXOPオファーを受け取った後の応答を伴うDL起動型TXOP参加者獲得段階の通信シーケンス図である。
【
図41】本開示の少なくとも1つの実施形態による、APレベルで処理されるUL起動型TXOP参加者獲得段階のフロー図である。
【
図42】本開示の少なくとも1つの実施形態による、非AP共有TXOP参加者STAレベルで処理されるUL起動型TXOP参加者獲得段階のフロー図である。
【
図43】本開示の少なくとも1つの実施形態による、APレベルで処理されるDL起動型TXOP参加者獲得段階のフロー図である。
【
図44】本開示の少なくとも1つの実施形態による、AP協調を伴うユニキャストTXOPオファーフレームを用いたUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階の通信シーケンス図である。
【
図45】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユニキャストTXOPオファーフレームを用いたDL起動型TXOPスケジュール及びアクセスの通信シーケンス図である。
【
図46】本開示の少なくとも1つの実施形態による、AP協調を伴うユニキャストTXOPアクセススケジューラフレームを用いたUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階の通信シーケンス図である。
【
図47】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユニキャストTXOPアクセススケジューラを用いたDL起動型TXOPスケジュール及びアクセスの通信シーケンス図である。
【
図48】本開示の少なくとも1つの実施形態による、AP協調を伴うブロードキャストTXOPスケジューラフレームを用いたUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階の通信シーケンス図である。
【
図49】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ブロードキャストTXOPスケジューラフレームを用いたDL起動型TXOPスケジュール及びアクセスの通信シーケンス図である。
【
図50A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、AP協調を伴う非AP TXOP所有者STAレベルで処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階のフロー図である。
【
図50B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、AP協調を伴う非AP TXOP所有者STAレベルで処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階のフロー図である。
【
図51A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、AP協調を伴うAPにおいて処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階のフロー図である。
【
図51B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、AP協調を伴うAPにおいて処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階のフロー図である。
【
図51C】本開示の少なくとも1つの実施形態による、AP協調を伴うAPにおいて処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階のフロー図である。
【
図52A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、AP協調を伴う非AP共有TXOP参加者STAにおいて処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階のフロー図である。
【
図52B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、AP協調を伴う非AP共有TXOP参加者STAにおいて処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階のフロー図である。
【
図53A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、APレベルで処理されるDL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階のフロー図である。
【
図53B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、APレベルで処理されるDL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階のフロー図である。
【
図54】本開示の少なくとも1つの実施形態による、半静的TXOP共有設定段階の通信シーケンス図である。
【
図55】本開示の少なくとも1つの実施形態による、UL起動型半静的TXOP共有段階の通信シーケンス図である。
【
図56】本開示の少なくとも1つの実施形態による、DL起動型半静的TXOP共有段階の通信シーケンス図である。
【
図57A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、UL起動型簡易TXOP共有スキームの通信シーケンス図である。
【
図57B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、UL起動型簡易TXOP共有スキームの通信シーケンス図である。
【
図58】本開示の少なくとも1つの実施形態による、非AP TXOP所有者STAで処理される簡易共有TXOPスケジュールのフロー図である。
【
図59】本開示の少なくとも1つの実施形態による、非AP TXOP参加者STAにおいて処理される簡易共有TXOPスケジュールのフロー図である。
【
図60A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、APにおいて処理される簡易共有TXOPスケジュールのフロー図である。
【
図60B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、APにおいて処理される簡易共有TXOPスケジュールのフロー図である。
【
図60C】本開示の少なくとも1つの実施形態による、APにおいて処理される簡易共有TXOPスケジュールのフロー図である。
【
図61A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、DL起動型簡易TXOP共有スキームの通信シーケンス図である。
【
図61B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、DL起動型簡易TXOP共有スキームの通信シーケンス図である。
【
図62A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、APにおいて処理される簡易共有TXOPスケジュールのフローである。
【
図62B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、APにおいて処理される簡易共有TXOPスケジュールのフローである。
【
図62C】本開示の少なくとも1つの実施形態による、APにおいて処理される簡易共有TXOPスケジュールのフローである。
【
図63】本開示の少なくとも1つの実施形態による、STA TXOP共有可能性要素フォーマットのデータフィールド図である。
【
図64】本開示の少なくとも1つの実施形態による、STA情報フィールドフォーマットのデータフィールド図である。
【
図65】本開示の少なくとも1つの実施形態による、アクセス要求情報要素(Access request information element)フォーマットのデータフィールド図である。
【
図66】本開示の少なくとも1つの実施形態による、割り当て制御(Allocation Control)サブフィールドのデータフィールド図である。
【
図67】本開示の少なくとも1つの実施形態による、割り当て制御(Allocation Control)サブフィールドフォーマットのデータフィールド図である。
【
図68】本開示の少なくとも1つの実施形態による、共有オファー/要求(Sharing Offer/Request)フレームフォーマットのデータフィールド図である。
【
図69】本開示の少なくとも1つの実施形態による、STA共有オファー/要求情報(STA Share Offer/Request Information)フィールドフォーマットのデータフィールド図である。
【
図70】本開示の少なくとも1つの実施形態によるRTS共有(RTS-share)フレームのデータフィールド図である。
【
図71】本開示の少なくとも1つの実施形態によるCTS共有(CTS-share)フレームのデータフィールド図である。
【
図72】本開示の少なくとも1つの実施形態によるTXOPオファー(TXOP Offer)フレームフォーマットのデータフィールド図である。
【
図73】本開示の少なくとも1つの実施形態によるアクセス要求(Access Request)フレームフォーマットのデータフィールド図である。
【
図74】本開示の少なくとも1つの実施形態によるアクセス優先度(Access Priority)サブフィールドフォーマットのデータフィールド図である。
【
図75】本開示の少なくとも1つの実施形態によるTXOPアクセススケジューラ(TXOP access scheduler)フレームフォーマットのデータフィールド図である。
【
図76】本開示の少なくとも1つの実施形態によるTXOPアクセスアロケーション情報(TXOP Access Allocation Info)サブフィールドフォーマットのデータフィールド図である。
【
図77】本開示の少なくとも1つの実施形態によるブロードキャストTXOPスケジュール(Broadcast TXOP Schedule)フレームフォーマットのデータフィールド図である。
【
図78】本開示の少なくとも1つの実施形態によるSTA TXOPスケジュール(STA TXOP Schedule)フィールドフォーマットのデータフィールド図である。
【
図79】本開示の少なくとも1つの実施形態による割り当て制御(Allocation Control)サブフィールドフォーマットのデータフィールド図である。
【
図80】本開示の少なくとも1つの実施形態による共有TXOP参加者告知(Shared TXOP Participant Announcement)フレームフォーマットのデータフィールド図である。
【
図81】本開示の少なくとも1つの実施形態によるSTA TXOP参加者(STA TXOP Participant)フィールドフォーマットのデータフィールド図である。
【
図82】本開示の少なくとも1つの実施形態によるTXOPオファー要求(Request TXOP Offer)フレームフォーマットのデータフィールド図である。
【
図83】本開示の少なくとも1つの実施形態によるTXOPアクセススケジューラ要求(Request TXOP Access Scheduler)フレームフォーマットのデータフィールド図である。
【
図84】本開示の少なくとも1つの実施形態によるSTA TXOPアクセス要求(STA TXOP Access Request)フィールドフォーマットのデータフィールド図である。
【
図85】本開示の少なくとも1つの実施形態による割り当て制御(Allocation Control)サブフィールドフォーマットのデータフィールド図である。
【
図86】本開示の少なくとも1つの実施形態による共有オファー/要求(Share Offer/Request)フレームフォーマットのデータフィールド図である。
【
図87】本開示の少なくとも1つの実施形態による共有オファー/要求情報(Share Offer/Request Information)フィールドフォーマットのデータフィールド図である。
【
図88】本開示の少なくとも1つの実施形態による共有オファー/要求(Sharing Offer/Request)フレームフォーマットのデータフィールド図である。
【
図89】本開示の少なくとも1つの実施形態によるSTA共有オファー/要求情報(STA Share Offer/Request info)フィールドフォーマットのデータフィールド図である。
【
図90】本開示の少なくとも1つの実施形態による共有構成(Sharing Configuration)フレームフォーマットのデータフィールド図である。
【
図91】本開示の少なくとも1つの実施形態によるSTA TXOPアクセス割り当て(STA TXOP Access Allocation)フィールドフォーマットのデータフィールド図である。
【
図92】本開示の少なくとも1つの実施形態による割り当て制御(Allocation Control)サブフィールドのデータフィールド図である。
【
図93】本開示の少なくとも1つの実施形態による共有構成(Sharing Configurations)フレームフォーマットのデータフィールド図である。
【
図94】本開示の少なくとも1つの実施形態によるSTA構成(STA Configuration)フィールドフォーマットのデータフィールド図である。
【
図95】本開示の少なくとも1つの実施形態による、CTS拒絶、CTS-to-self及びCTSのために利用されるCTSフレームのデータフィールド図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
1.序文
802.11WLANの性能を改善するために、とりわけ2.4GHz帯及び5GHz帯を介して通信するシステムのために数多くのプロトコル修正が提案されてきた。これらの技術の大部分は、帯域幅を20MHzから160MHzに増加させること、新たな変調及び符号化スキームを提案すること、及びMIMOシステムの動作を改善することなどの、物理(PHY)層の観点からのデータレートの改善を目的とする。
【0024】
送信のオーバーヘッドを抑え、従ってデータスループットを高めるために、他のMAC層の改善も導入された。この改善は、例えばフレーム間スペーシングを低減し、パケットを集約してセグメント化し、STAが電力消費量を節約するためにアウェイク状態とドーズ(スリープ)状態とを交互に繰り返す電力消費プロトコルを適用することによって達成することができる。
【0025】
IEEE802.11axでは、隣接するサブキャリアをリソースユニット(RU)にグループ化する直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)が導入された。この技術は、マルチユーザ(MU)アップリンク(UL)及びダウンリンク(DL)データ送信にRUを割り当てることによって送信レートを最大化する。
【0026】
直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)は、多くのユーザが同時に同じ時間リソースを使用することを可能にし、これらの時間リソース間で周波数領域を分割する。この結果、より多くのユーザを同時にスケジュールできるため、チャネルリソースの使用が改善されて遅延時間の減少が可能になる。
【0027】
2.1.遅延に影響を与えるWLAN機能
2.1.1.チャネルアクセス及び遅延許容範囲
WLAN装置では、競合ベースのアクセス及び競合なしアクセスの両方が可能である。競合ベースのアクセスでは、装置がチャネルを感知し、ビジー(使用中)の場合にはチャネルへのアクセス権を獲得するためにチャネルを求めて競合する必要がある。この機構では、衝突回避を実現するために必要なさらなる送信遅延が導入された。競合なしチャネルアクセスでは、APが競合せずにチャネルへのアクセス権を獲得することができる。この競合なしチャネルアクセスは、他のSTAによって使用されるDIFS(分散型フレーム間スペーシング(Distributed Inter-Frame spacing))と比べてPIF(PCFフレーム間スペーシング(PCF Inter-Frame spacing))と同等の短いフレーム間間隔を使用することによってチャネルアクセス調整が行われるハイブリッド制御チャネルアクセスにおいて可能である。競合なしアクセスは、競合遅延を避けるための良好な解決策のように思えるが広く普及しておらず、大部分のWi-Fi装置は競合ベースのアクセスを使用している。
【0028】
STAは、チャネルにアクセスするためにチャネルを感知し、チャネルを取得して利用する前にチャネルがビジーでないことを見出す必要がある。このチャンネルがビジーとみなされるのは、(a)STAがフレームのプリアンブルを検出し、検出されたフレームの長さにわたってチャネルがビジーであるとみなされる場合、(b)STAが最小感度の20dBを上回る帯域内エネルギーを検出した場合、或いは(c)STAが検出されたフレームのNAVを読み取ることによってチャネルが事実上ビジーであることを検出した場合である。
【0029】
802.11axでは、NAVタイマを誤ってリセットすることによって生じ得る衝突を避けるために2つのNAVが導入された。一方のネットワーク割り当てベクトル(Network Allocation Vector:NAV)はBSS STAのためのものであり、他方のNAVは非BSS STAのためのものであると理解されるであろう。STAは、2つのNAVを個別に維持する。
【0030】
802.11axは、全てのレガシーな802.11WLAN装置のチャネルアクセスにキャリア検知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)を使用している。従って、APは、アップリンク多入力多出力(UL MIMO)送信のためのトリガフレームを送信するために、依然としてチャネルアクセス権を求めて競合する必要がある。802.11axでは、APがそのBSS内のいずれかのSTAよりも優先してチャネルアクセス権を獲得(取得)できるように、802.11ax装置のみのために第2の拡張分散チャネルアクセス(EDCA)の組を導入することにより、従来の非802.11ax装置がEDCAを使用して自由にチャネルにアクセスし、APがアップリンク(UL)又はダウンリンク(DL)OFDMA MIMOデータ送信をスケジュールするためにチャネルへのアクセス権を獲得する機会を高めることができる。
【0031】
2.1.2.マルチユーザ送信及び受信
802.11WLAN装置は、OFDMAチャネルアクセスのみならず送信及び受信にもMIMOアンテナを使用することができる。IEEE802.11axは、アップリンク方向及びダウンリンク方向の両方でマルチユーザ送信をサポートする。
【0032】
MIMOは、802.11acにおけるSU-MIMO DLなどの最大8つのストリームを通じた1又は2以上のユーザへのマルチストリーム送信、或いは802.11acにおいて定められるMU-MIMO DL送信を通じた複数のユーザへのマルチユーザ送信を可能にする。これにより、APは、そのBSS内のSTAに1又は2以上のストリームを割り当てることができる。
【0033】
データ送信に最大160MHzの幅広いチャネルを使用する場合、チャネルは、一部の周波数の干渉レベルが他の周波数とは異なる干渉周波数選択的であると予想される。これにより、予想達成可能速度が影響を受けて性能が悪化する。この問題を解決するために、802.11axでは、隣接するサブキャリアをリソースユニット(RU)にグループ化するOFDMAが導入された。これらのRUを異なる受信機に割り当てて送信レートを最大化することができる。このスケジューリングの結果、各受信機の信号対干渉及びノイズ比(SINR)を最大化してより高い変調及び符号化スキーム(MCS)を選択することができ、従って達成されるスループットを高めることができる。
【0034】
OFDMAでは、多くのユーザが同時に同じ時間リソースを使用し、これらの時間リソース間で周波数領域を分割することができる。この結果、より多くのユーザを同時にスケジュールできるため、リソースをより良好に使用して遅延時間を減少させることができる。また、少量のデータ通信しか必要としないSTAが狭いRUを占有できることによってスケジューリングが非常に効率的になり、チャネルへのアクセスを必要とするアプリケーション間のリソース配分が改善され、チャネルアクセス時間、並びにフレームヘッダ及びプリアンブルのオーバーヘッドを低減することができる。
【0035】
OFDMAは、MIMO送信と組み合わさった時にさらに効率的になることができる。STAのMIMO容量に応じて、1つのRUを使用して複数の空間ストリームをSTAに送信することができる。また、STAのMIMO容量に応じて、1つのRUを複数のSTAに割り当てて、それぞれが1又は2以上の空間ストリームを有することができる場所を共有することもできる。より多くのSTAを同じリソースに詰め込むことで、STA及びAPの遅延時間を改善する役に立つこともできる。
【0036】
図1に、DL OFDMA MIMO送信の例10を示す。APは、STAの周波数/RUマッピング及びRU割り当てを指定するPHYプリアンブルを全てのSTAに送信している。APは、プリアンブルの後に、特定のSTA(例えば、STA1~STA6)のためのRU割り当てを使用してこのSTAにDLデータ(DL DATA)を送信する。STAがDLトリガフレームの受信後にSIFSの送信を開始する場合、マルチユーザACK送信はDLデータフレームの受信に同期すべきである。
【0037】
図2に、UL OFDMA MIMO送信の例30を示す。APは、STAのための周波数及び/又はRUマッピング及びRU割り当てを含むトリガフレームを全てのSTAに送信している。STAがDLトリガフレームの受信後にSIFSで送信を開始する場合、UL MIMO送信はこのフレームの受信に同期することが好ましい。
【0038】
2.1.3.再送
図3に、CSMA/CAにおける再送スキーム50を示す。IEEE802.11のWLANシステムは、STAがパケット送信及び再送のためにチャネルにアクセスできるようにするためにCSMA/CAを使用する。CSMA/CAシステムでは、STAが各送信及び再送前にチャネルの状態を感知し、ビジーでなさそうな場合には、チャネルアクセス権を求めて競合するためにバックオフ時間を設定する必要がある。バックオフ時間は、0とコンテンションウィンドウのサイズとの間の一様なランダム変数によって決定される。STAは、バックオフ時間にわたって待機してチャネルがアイドルであることを感知した後にパケットを送信する。STAがタイムアウト前にACKを受け取らなかった場合には再送が必要である。そうでなければ送信は成功である。
【0039】
再送が必要である場合、STAはパケットの再送回数をチェックする。再送回数が再試行制限を上回る場合には、パケットが破棄されて再送はスケジュールされない。そうでなければ再送がスケジュールされる。再送がスケジュールされる場合には、再送のためのチャネルアクセス権を求めて競合するために別のバックオフ時間が必要になる。コンテンションウィンドウのサイズが上限に達していない場合、STAは競合ウィンドウのサイズを増やす。STAは、新たなコンテンションウィンドウのサイズに応じて別のバックオフ時間を設定する。STAは、再送のためにバックオフ時間にわたって待機し、以下同様である。
【0040】
図4に、通常のWLANシステムにおけるデータフレームフォーマット90を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信者のアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのアドレスを含む。シーケンス制御(Sequence control)フィールドは、パケットのフラグメント番号及びシーケンス番号を含む。データ(Data)フィールドは、通信すべきデータを伝える。ここ及び本開示で説明する他の多くのデータフォーマットで見られるフレームチェックシーケンス(FCS)は、通信プロトコルにおいてフレームに追加されるエラー検出コードを提供する。
【0041】
図5に、通常のWLANシステムにおけるACKフレームフォーマット110を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信者のアドレスを含む。ここ及び本開示で説明する他の多くのデータフォーマットで見られるフレームチェックシーケンス(FCS)は、通信プロトコルにおいてフレームに追加されるエラー検出コードを提供する。
【0042】
図6に、再送毎にバックオフ時間が増加するCSMA/CA下の再送例において利用される2倍サイズのコンテンションウィンドウ150を示す。データパケットフレーム及びACKフレームは、それぞれ
図4及び
図5に示すようなフォーマットを使用する。送信機は、最初のパケット送信後にタイムアウトまでACKを受け取っていない。この結果、送信機は、コンテンションウィンドウのサイズが「n」スロットである別のバックオフ時間を設定する。送信側STAは、バックオフ時間にわたって待機した後に初めてパケットを再送する。しかしながら、この再送にも失敗している。送信STAはパケットを再送する必要があり、チャネルアクセス権を求めて競合するために再びバックオフ時間を設定する。今回は、再送であることによってコンテンションウィンドウのサイズが2倍の2*nスロットである。このコンテンションウィンドウサイズによって予想バックオフ時間も2倍になる。2回目の再送は、タイムアウト前にACKを受け取ったため成功している。
【0043】
図7に、CSMA/CAの再試行制限を上回ったことによってパケットが破棄される例190を示す。データパケットフレーム及びACKフレームは、それぞれ
図4及び
図5に示すようなフォーマットを使用する。図示のように、送信側STAは最初のパケット送信に失敗した後にこのパケットを複数回再送している。しかしながら、どの再送も成功していない。N回の再送後に、再送回数が再試行制限を上回る。送信側STAはこのパケットの再送を停止し、このパケットは破棄される。
【0044】
図8に、OFDMAを用いたダウンリンクマルチユーザ(DL MU)送信の例を示すレガシー再送スキーム210を示す。送信側APは、その受信側1、2、3及び4にデータパケットを送信する。データパケットは、HE MU PPDUフォーマットを使用することができる。APは、最初の送信を終えた後に、全ての受信側にマルチユーザブロックACK要求(MU-BAR)を送信する。その後、受信側はAPにブロックACK(BA)を返送する。APは、BAの内容に従って、受信側1、3及び4にパケットを再送すると決定する。APはチャネルを求めて競合し、バックオフ時間にわたって待機し、APがチャネルアクセス権を獲得した後に最初の再送が行われる。
【0045】
図9に、OFDMAを用いたアップリンクマルチユーザ(UL MU)送信の例を示すレガシー再送スキーム250を示す。APは、最初に全ての送信側1、2、3及び4にトリガフレームを送信する。送信側はトリガフレームを受け取り、トリガフレームによって割り当てられたチャネルリソースを使用して最初の送信を開始する。データパケットは、高効率(HE)トリガーベース(TB)PPDUフォーマットを使用することができる。なお、PPDUは、物理層適合手順(Physical Layer Conformance Procedure:PLCP)プロトコルデータユニット(PPDU)である。APは、送信側からデータパケットを受け取り、BAフレームを送信して送信の正確性を報告する。この例では、送信機3からのパケットのみが正しく受け取られており、送信機1、2及び4については再送をスケジュールする必要がある。APはチャネルを求めて競合し、チャネルアクセス権を獲得するためにバックオフ時間にわたって待機し、その後に最初の送信と同様に再送が進行する。
【0046】
3.課題の記述
802.11n/acなどの以前の技術は、MU UL送信のために、衝突を避けるのに役立つように送信要求/送信可(RTS/CTS)又はチャネルアクセススキームの拡張を含むRTS/CTSを実装している。しかしながら、このスキームでは同時に1人のユーザしかチャネルを占有することができない。また、RTS/CTSフレーム交換のオーバーヘッドによって長い遅延が導入される問題がある。
【0047】
比較として、802.11ax技術は、異なるリソースユニット(RU)を使用することによって異なるユーザが同時にチャネルにアクセスできるOFDMAスキームを実装する。この結果、チャネル利用効率が高まって平均遅延が抑えられる。しかしながら、現在の802.11ax技術は、TXOP共有のためにAPがUL送信を開始することに依拠する。すなわち、非AP STAは、チャネルが理想的である(占有されていない)ことを感知してAPに送信すべきデータを有している場合、ULデータ送信のための共有TXOPに参加するために、関連するAPからトリガフレームを受け取るまで待つ必要がある。また、STAは、このチャネルを獲得(取得)した非AP STAと他の非AP STAとの間で利用可能なチャネルリソースをAPがスケジュールして分配することに依拠する必要がある。この場合、プロトコルは非AP STAからの動的ニーズを捕らえず、低いチャネル利用効率、従って遅延の増加を含む複数の問題が発生する。
【0048】
また、1つのTXOP所有者から獲得されたTXOPを複数の協力局間で共有することはできない。この場合、各局は、自局のためにTXOPを求めて競い合う必要がある。
【0049】
本発明者らによる以前の開示では、非AP STAが他の非AP STAと自発的にTXOPを共有することができ、すなわちTXOP所有者STAがチャネルアクセスタイムスロットをスケジュールして共有TXOP参加者STAに分配することができるが、共有スキームはUL送信についてしか実装されない。
【0050】
4.本発明の寄与
本開示は、UL又はDL送信によって開始できる、単一のBSS内の共有TXOPを介した時間領域におけるマルチユーザUL及びDL送信を可能にする解決策を提供する。本開示では、STAが時間領域においてTXOPをBSS内の他のSTAと共有する。これによってチャネル競合及びチャネルアクセス遅延時間を有利に減少させ、いずれかのSTAがアクセス権を獲得した時点でそのTXOPを他のSTAと共有することができる。STAは、APがトリガベース(TB)のアクセスを通じてチャネルへのアクセスを可能にするのを必ずしも待つ必要がない。
【0051】
本開示は、動的共有TXOP、半静的共有TXOP及び簡易共有TXOPを含む3つの異なるTXOP共有シナリオを提供する。動的共有TXOPでは、TXOP所有者局がチャネルアクセス権を取得すると、AP協調の有無にかかわらず現在の共有TXOP参加者情報を収集する。TXOP所有者は、収集された情報に基づいて共有TXOPをスケジュールし、チャネルアクセス期間及びアクセス時間を割り当てる。
【0052】
半静的共有TXOPシナリオでは、共有TXOPが、TXOPを共有する全ての協力局間の予め構成されたスケジュール及びアクセス時間割り当てで使用されるように構成される。従って、TXOP所有者は、チャネルアクセス権を取得すると、共有TXOPの開始を示す信号をブロードキャストする。この信号を受け取った他の局は、予め構成された共有スケジュールに基づいて共有TXOP内でチャネルにアクセスする。
【0053】
簡易共有TXOPシナリオでは、共有TXOPのための予め構成されたスケジュールもタイムリーなスケジュールも存在しない。TXOP所有者は、チャネルアクセス権を獲得して必要なだけTXOPを使用することができる。TXOP所有者は、TXOPを使い尽くさない場合には、APに他の局をループスルーさせて残りのTXOPを共有し、共有される各局に共有時間の制限を示すことができる。この場合、APは、局が共有TXOPに参加する用意があるか否かを知ることなく単純に各局を1つずつループスルーする。
【0054】
4.1.共有TXOPの動的シナリオ
以下、(a)共有TXOP設定段階、(b)共有TXOP告知段階、(c)TXOP参加者獲得段階、(d)TXOPスケジュール及びアクセス段階を含む4段階を示す動的シナリオ共有TXOPプロトコルの概要を示す。
【0055】
共有TXOP設定段階では、局(非AP STA及びAP STA)がAPの協調を通じてTXOP共有可能性情報を交換する。共有可能性情報は、共有TXOPを共有する又はこれに参加する局の能力を示し、認証要求/応答フレーム、アソシエーション要求/応答フレーム、又は非AP STAとAPとの間で交換可能な他のいずれかのフレームに埋め込むことができる。
【0056】
共有TXOP告知段階では、TXOP所有者局が、信号(例えば、RTS共有)の送信及び対応するフィードバックフレーム(例えば、CTS共有)の受信を行ってチャネルアクセス権を正常に取得(獲得)した後に、新たな共有TXOPの開始を告知する。
【0057】
TXOP参加者獲得段階では、TXOP所有者が、他の局を獲得してこれらが共有TXOPに参加するかどうかを識別し、これはAP協調の有無にかかわらず処理される。
【0058】
TXOPスケジュール及びアクセス段階では、共有TXOP所有者が、自局と共有TXOPに参加する他の局との間で共有TXOPをスケジュールする。TXOP所有者は、AP協調の有無に関わらずスケジューリング情報を送信する。各共有TXOP参加者STAは、割り当てられたタイムスロットでPPDU送信のためのチャネルにアクセスしなければならない。
【0059】
4.2.共有TXOPの半静的シナリオ
図10に、AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を示す半静的概観例シナリオ3 290を示す。ここでは、共有オファー/要求設定段階及びTXOP所有者構成設定段階の両方を含む段階0及び段階1 292を組み合わせて示す。段階2はTXOP共有告知段階を表し、段階3はTXOP共有フェーズを表す。
【0060】
STAは、何らかの時点で(STA又はAPとの)設定手順を通じてTXOP共有のための構成を設定し、チャネル内でTXOPが獲得される度にこのTXOPを予め設定された時間にわたって予め設定された数のSTAと共有することができる。
【0061】
この例では、294、304及び314に複数のTXOPが見られ、これらはそれぞれ、段階2のTXOP共有告知フェーズ296、306及び316の後に、TXOP所有者STA3によって使用されるTXOP部分298、308及び318を開始する段階3のTXOP共有フェーズが続くことを示す。この結果、STA2共有300、310及び320、STA1共有302、312及び322、並びにAP共有303、313及び323で示す、STA3によって保持されるTXOPの反復的共有(recurrent sharing)が行われる。
【0062】
図11A~
図11Cに、既に
図10に要約した4つの段階を有する半静的シナリオのためのプロトコルに従う通信を示す実施形態例330、350、370を示す。上記の例と同様に、限定ではなく一例としてAP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を示す。
【0063】
図11Aには、非AP STAが互いに共有オファー/要求情報を交換する共有オファー/要求設定を実行する段階の実施形態330を示す。この例では、STA1がAPに共有オファー/要求332を送信し、APがこれを確認応答し(334)、その後にAPがこの情報を他のSTAと共有する(336)。同様に、STA3はAPに共有オファー/要求338を送信し、APはこれを確認応答し(340)、その後にAPはこの情報を他のSTAと共有する(342)ことが分かる。
【0064】
図11Bには、潜在的なTXOP所有者STAが全てのSTAと構成、半静的TXOP共有スケジュールを交換するTXOP所有者構成設定段階を実行する実施形態350を示す。この例では、STA2がAPにTXOP所有者構成情報352を送信し、APが受信を確認応答(OK)し(354)、その後にAPが、最新のTXOPアクセス構成356を示す共有構成フレームを他のSTAにブロードキャストする。同様に、STA3はAPにTXOP所有者設定情報358を送信し、APは受信を確認応答(OK)し(360)、その後にAPは他のSTAに共有構成フレーム362をブロードキャストする。
【0065】
図11Cには、TXOP共有告知及びTXOP共有を実行する段階の実施形態370を示す。TXOP共有告知段階372では、TXOP所有者STAが、次のTXOPを合意された構成(agreed on configuration)に従って共有できる旨を告知する。TXOP所有者(STA3)は、APにRTS共有376を送信していることが分かる。APはSTA3にCTS共有376で応答し、STA1及びSTA2はCTS共有を受け取り、従ってCTS共有に設定されたNAVを認識することができる。
【0066】
TXOP共有フェーズ374では、各局(非AP STA及びAP STA)が合意された構成に従って共有TXOPにアクセスする。TXOP所有者(STA3)は、CTS共有に応答して共有TXOP間隔の自局の部分378を使用し、その後に他の局がTXOPを共有し、このことを、STA1及びSTA2がTXOPの自局の部分380及び382を利用し、その後にAPが部分384を利用し、従ってこれらのSTAが全てTXOPを共有していることで例示する。
【0067】
5.非AP STAハードウェア設定
図12に、通信プロトコルを実装する(単複の)プログラムを実行するCPU398及びRAM400を有する回路392内への外部I/O394を含む、非AP STAハードウェア設定の実施形態例390を示す。ホストマシンは、送受信のためにビームフォーミングを実行する複数のアンテナに接続されたRFモジュールに結合された、通信をサポートする少なくとも1つのモデムを収容する。このように、STAは、複数組のビームパターンを使用して信号を送信することができる。
【0068】
具体的には、本開示によるWLAN局は、少なくとも1つのコンピュータプロセッサ(CPU)398、メモリ(RAM)400及び少なくとも1つのモデム402に接続されたバス396を有する回路ブロック392内へのI/O経路394を含む。バス394は、センサ及びアクチュエータなどの様々な装置をCPUに接続することができる。プロセッサ398上では、STAがアクセスポイント(AP)局又は通常の局(STA)の機能を実行することを可能にするように実行される通信プロトコルを実装するプログラムを実行するための、メモリ400からの命令が実行される。また、このプログラミングは、現在の通信状況でどのような役割を果たしているかに応じて異なるモード(ソース、中間、宛先、第1のAP、他のAP、第1のAPに関連する局、他のAPに関連する局、調整機(coordinator)、被調整機(coordinatee)など)で動作するように構成されると理解されたい。
【0069】
この図示のホストマシンは、少なくとも1つのモデム及びRF回路を含むように構成される。限定ではなく一例として、mmWモデム402は、複数のアンテナ406a、406b、406c~406n(例えば、アンテナアレイ)に接続して近隣STAとの間でフレームを送受信する少なくとも1つの無線周波数(RF)回路404に結合される。プロセッサ、モデム及びRF回路の組み合わせは、ビームフォーミングされた(指向性)通信のサポート、及びアンテナアレイからの準全方向(本明細書では単純に全方向と呼ぶ)モード送信のサポートを可能にする。また、少なくとも1つの好ましい実施形態では、選択方向(セクタ)を遮蔽し、従って局間の干渉を抑えるために、アンテナアレイによって生成される指向性パターンでヌルを生成することもできる。
【0070】
従って、図示のSTA HWは、少なくとも1つの帯域上での通信を提供するために少なくとも1つのモデム及び関連するRF回路で構成される。限定ではなく一例として、対象の指向性通信帯は、mmW帯でデータを送受信するためにmmW帯モデム及びその関連するRF回路で実現される。いくつかの実装では、限定ではなく一例としてsub-6GHz帯でデータを送受信するためにsub-6GHzモデム及びその関連するRF回路を含むことができる、一般に発見帯と呼ばれる別の帯域をハードウェアにおいてサポートすることもできる。
【0071】
なお、本開示は、それぞれがいずれかの任意の数のRF回路に結合された複数のモデム402で構成することができると理解されたい。一般に、使用するRF回路の数が多ければ多いほど、アンテナビーム方向のカバレッジが広くなる。なお、利用するRF回路の数及びアンテナの数は、特定の装置のハードウェア制約によって決まると理解されたい。RF回路及びアンテナの中には、STAが近隣STAと通信する必要がないと判定した時に無効にできるものもある。少なくとも1つの実施形態では、RF回路が周波数変換器及びアレイアンテナコントローラなどを含み、送受信のためにビームフォーミングを実行するように制御される複数のアンテナに接続される。このように、STAは、各ビームパターン方向がアンテナセクタとみなされる複数のビームパターンの組を使用して信号を送信することができる。
【0072】
また、図示のような局ハードウェアの複数のインスタンスはマルチリンク装置(MLD)に組み合わせることができ、通常、このMLDは活動を協調させるためにプロセッサ及びメモリを有するが、必ずしもMLD内の各STAに別個のCPU及びメモリが必要なわけではない。
【0073】
6.トポロジー及びシナリオの説明
6.1.検討されるトポロジー
図13に、1つのAP12と3つのSTA14、16及び18とから成る単一のベーシックサービスセット(BSS)シナリオのトポロジー例410を示すが、本開示は、AP、非AP共有TXOP参加者及び非AP TXOP所有者STAを含むことができる複数の局間で生じるあらゆるトポロジーをサポートすることができるので、このトポロジー例は一例として示すものであって限定的なものではない。これらの中で、チャネルアクセス権を取得した局がTXOP所有者であり、これはAP又は非AP STAとすることができる。この例に示すように、TXOP所有者は非AP STAである。共有TXOPに参加してTXOPの一部を使用して送信を行う局は共有TXOP参加者であり、AP及び/又は非AP STAを含むことができ、これらはそれぞれAP及び非AP共有TXOP参加者STAとして示す。
【0074】
しかしながら、本明細書では、理解を促すために、この例のための特定の役割と共にそれぞれを説明するわずかな局間の相互作用を示す目的でこの例を示しており、非AP STAが開始した共有TXOPでは、STA3は一般に非AP TXOP所有者STAとみなされ、他の2つのSTAは非AP共有TXOP参加者STAとみなされ、APも共有TXOPに参加して別の共有TXOP参加者STAとして実行することができる。なお、所有者STAは、チャネルを取得(獲得)して他の局とTXOPを共有する用意がある。TXOP参加者局は、それ自体がチャネルを取得(獲得)するわけではなく、TXOP所有者STAによって共有されるTXOPに参加する用意がある。APによって開始された共有TXOPの説明を単純化するために、一般にAPをTXOP所有者とみなし、残りの局は非AP共有TXOP参加者STAである。APは、ULデータ送信のために自局のTXOPの一部を非AP共有TXOP参加者STAと共有することができる。
【0075】
6.2.シナリオの説明
例示するBSSは、1つのAP及び複数の非AP STAを含む。各非AP STAは、APに送信する必要がある(例えば、一定の、バースト又は周期的な)異なるレート及び異なるパターンで生成されたパケットを有することができる。APは、可能な異なるトラフィックレート及びパターンで各STAへのパケットも生成する。
【0076】
本開示は、各非AP STAとAPとの間の複雑なスケジューリングに起因して遅延時間が常に重要な問題であるUL/DL OFDMA送信に焦点を当てる。
【0077】
802.11ax技術では、複数の非AP STAが共有TXOP内でULデータシーケンスの送信又はDLデータシーケンスの受信を同時に行うことによってTXOPの利用効率を高めることができる。
【0078】
しかしながら、802.11axでは、通常はAPが非AP STAにトリガフレーム(例えば、BSRP)を送信してバッファ状態及びトラフィック優先度を問い合わせることによってULデータの送信を開始する。APは、これらの非AP STAから応答フレーム(例えば、BSR)を受け取ると、ULデータシーケンスを送信する際に使用されるリソース割り当て情報を含む別のトリガフレーム(例えば、ベーシックトリガ)をこれらの非AP STAに送信する。
【0079】
APによって開始されたTXOPは、非AP STA側からの、特に送信すべきRTA(リアルタイムアプリケーション)パケットを有する非AP STAの動的ニーズを捕らえることができない。なお、通常、RTAパケットはより小さなサイズ(より少ないバイト)であるが、より素早い送信を必要とする。
【0080】
本開示の発明者らによる以前の研究では、非AP STAがチャネルを取得すると、自局のTXOPを他の非AP STAと共有することによってMU-ULデータ送信を開始してスケジュールすることができるが、共有スキームはUL送信についてしか実装されていなかった。
【0081】
本開示では、チャネル利用効率をさらに高めて遅延を低減するためにUL送信及びDL送信間のTXOP共有を実装する。
【0082】
具体的には、本開示は、以下の一次属性を提供する。(a)いずれかの非AP STAは、チャネルアクセス権を獲得すると直ちに共有TXOPを開始することができる。一例として、本明細書では、チャネルアクセス権を獲得した非AP STAを非AP TXOP所有者STAと呼ぶ。APがチャネルを取得して自局のTXOPを共有する用意がある場合、TXOP所有者はAPであることもできる。(b)本明細書では、共有TXOPに参加する用意がある非AP STAを非AP共有TXOP参加者STAと呼ぶ。この提案では、APが共有TXOP参加者であることもできる。(c)TXOP所有者は、同じBSS内の他の共有TXOP参加者と時間領域においてTXOP期間を共有する。(d)非AP TXOP所有者STAは、APが共有TXOPアクセスを開始するのを待つ必要がない。(e)非AP TXOP所有者STAは、利用可能なチャネルアクセス時間リソースをスケジュールして他の共有TXOP参加者STAに分配することができる。(f)非AP TXOP所有者STAは、TXOPが予約されるとAPにスケジューリング情報を提供することができる。(g)潜在的なTXOP所有者は、所定のスケジューリングを使用してチャネルアクセスリソースを割り当てることができる。(h)TXOP期間が許せば、TXOPはUL送信及びDL送信間で共有され、UL送信又はDL送信のいずれかによって開始することができる。
【0083】
なお、本開示において利用するRTS共有フレーム及びCTS共有フレームは、本明細書ではIEEE802.11標準で作成された目的とは異なる目的で利用される修正RTSフレーム及びCTSフレームとして例示される。同じタスクを抱えるために、同じ場所で他のいずれかの新たな(同じ目的の)フレームを利用してRTS共有及びCTS共有に取って代わることもできる。同様に、本開示の他のフレームについても、同じタスクを抱えるために新たなフレームに置き換え、又は新たな要素を追加することができる。
【0084】
本開示は、チャネルにアクセスする遅延時間を短縮するのに役立つとともにチャネル利用効率も高める。
【0085】
図14に、アップリンク(UL)PPDU及びダウンリンク(DL)PPDUの両方を送信するための、AP局及び非AP局を含む複数の局間における共有TXOPの実施形態例510を示す。AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の共有TXOPを例示する。図には、非AP TXOP所有者STAによって開始される共有TXOPプロトコルの高水準例を示す。
【0086】
TXOP設定手順532では、AP及び非AP STAが、APの協調の有無にかかわらずTXOP共有可能性情報を交換する。
【0087】
この図に示すTXOPは514、516の2つである。TXOP所有者は、自局の共有TXOPにどの非AP STA又はAPが参加する用意があるかを確認し、これに応じてそれぞれのチャネルアクセス時間及び期間をスケジュールすることが必要となり得る。
【0088】
第1の共有TXOPでは、TXOP所有者がUL送信起動型共有TXOP(UL transmission initiated shared TXOP)518を実行する。他の非AP STA(この事例ではSTA1及びSTA2)がUL SU PPDU送信519及び520を完了した後に、APは、割り当てられた共有TXOPタイムスロットで各STA(例えば、STA1、STA2及びSTA3)にDLデータ521を送信する。
【0089】
第2の共有TXOPは、DL送信起動型共有TXOP(DL transmission initiated shared TXOP)で実行される。APがそのDL PPDU522をSTA1及びSTA2に送信した後に、非AP STA(STA3及びSTA1)は、割り当てられた時間分をそれぞれ使用してUL SU PPDU送信524及び526を開始する。
【0090】
6.3.シナリオの分類
本開示は、(1)動的シナリオ:(A)コーディネータとしてのAPを伴わないスケジューリング;(i)UL起動型共有スキーム、(B)コーディネータとしてのAPを伴うスケジューリング;(i)UL起動型共有スキーム、(ii)DL起動型共有スキーム、(2)半静的シナリオ:(i)UL起動型共有スキーム、(ii)DL起動型共有スキーム、(3)簡易シナリオ:(i)UL起動型共有スキーム、(ii)DL起動型共有スキームという3つの異なるシナリオに関する異なる解決策を含む。
【0091】
これらの単一BSSシナリオのための解決策を、説明するフレームフォーマットを用いて分析する。
【0092】
7.プロトコル設計
7.1.プロトコル設計の概要
図15に、チャネルがアイドルであることを感知してチャネルを取得(獲得)し、このチャネルアクセス権を次のTXOP内で時間領域において他の装置と共有する、提案するプロトコル(例えば、TXOP所有者(STA/AP))の一般的概要の実施形態例530を示す。他のSTAも送信すべきULデータを有している場合、又はAPが送信すべきDLデータを有している場合、これらは共有TXOP所有者によって決定されたスケジュールに従って、又は所定の半静的スケジューリングスキームに基づいてチャネルにアクセスする。提案するプロトコルは4つの段階を含むように例示しており、ランダムアクセス及びスケジュールアクセスなどの異なるチャネルアクセス設計に適用することができる。
【0093】
共有TXOP設定532の第1段階では、非AP STA及びAPが、APの協調を通じて(STA又はAPがTXOPのオファー/要求を共有する用意があるかどうかを、認証要求、認証応答、アソシエーション要求、アソシエーション応答、又は他のいずれかの交換するフレームに埋め込むことによって示す)TXOP共有可能性情報を交換する。
【0094】
共有TXOP告知の第2段階では、非AP TXOP所有者STA/APがチャネルアクセス権を獲得して、他の装置とTXOPを共有する用意があることを告知する。限定ではなく一例として、このプロセスは、次のTXOPが共有可能であることを示すRTS共有フレームを送信し、正常な受信を確認するフィードバックCTS共有フレームを受け取ることによって達成される。
【0095】
TXOP参加者獲得536の第3段階では、TXOP所有者が(例えば、TXOPオファーフレームをユニキャスト又はブロードキャストすることによって)他の装置に問い合わせて、共有TXOP参加者STA/APからアクセス要求フレームを受け取ることなどによって共有TXOPに参加する予定の共有TXOP参加局を識別する。
【0096】
TXOPスケジュール及びアクセス538の第4段階では、TXOP所有者及び共有TXOP参加者が、それぞれ予約されスケジュールされた時点でチャネルにアクセスする。非AP TXOP所有者STAは、予約されたタイムスロットを使用してULデータを送信する。APは、割り当てられたタイムスロットを使用してDLデータを送信する。
【0097】
なお、これらの段階のサブセット(又はスーパーセット)を組み込んだ運用プロトコルを実装することもでき、全ての段階が必須なわけでも、これらの段階に限定されるわけでもないと理解されたい。
【0098】
7.2.コーディネータとしてのAPを伴わない動的シナリオ
UL起動型共有TXOPでは、非AP TXOP所有者STAが、AP及び共有TXOPに参加する用意がある他の非AP STAと直接協調することができる。DL起動型共有TXOPでは、APがTXOP所有者であり、共有TXOPに参加する用意がある他の非AP STAと直接協調することができる。
【0099】
7.2.1 共有TXOP設定段階
図16に、AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を表す共有TXOP設定段階の実施形態例550を示す。この図には、共有TXOP設定段階における共有情報交換の手順を示す。
【0100】
(a)共有情報を交換するように設計されたSTA TXOP共有可能性要素、及び(b)アクセスタイムスロット情報及び送信要求情報を交換するように設計されたアクセス要求情報要素を含む新たな要素を提案する。新たな要素は、認証要求/応答フレーム、アソシエーション要求/応答フレーム、ビーコンフレーム、又は非AP STAとAPとの間で交換できるいずれかのフレームに埋め込むことができる。
【0101】
非AP STAは、APと交換されるフレームにおいて共有可能性552を示し、例えば認証要求フレーム、アソシエーション要求フレーム、又はAPと交換できる他のいずれかのフレームに要素を添付して、関連するAPに送信することができる。APは、認証要求フレーム又はアソシエーション要求フレームを受け取ると共有情報をチェックし、正常な受信を確認(ACK)するためにフレーム554で応答する(ACK)。次に、APは、共有オファー/要求フレームを使用して全ての関連する非AP STAの共有可能性556をブロードキャストする。この場合、非AP STAは、共有オファー/要求フレームを受け取ると、これによって共有可能性を認識し、すなわちどのSTAが他の局のTXOP時間を共有する用意があるか及び/又は要求しているかを判定することができる。非AP STA2からAPへの別の共有558も示しており、APは確認応答を行って(560)共有オファー/要求562をブロードキャストする。
【0102】
共有TXOP設定段階は、APをコーディネータとして使用する又は使用しない動的シナリオの共通段階である。共有可能性情報は、STA TXOP共有可能性要素として設計された新たな要素を使用して管理フレームに実装される。
【0103】
上記に加えて、APは、共有オファー/要求フレーム556及び562を送信する際にもその共有可能性を示す必要がある。
【0104】
図17に、APレベルでの共有TXOP設定段階の実施形態例570を示す。共有TXOP設定段階では、APが、非AP STAから、他の非AP STAとの共有TXOPを提供/要求する用意があるかどうかを示す認証要求フレーム又はアソシエーション要求フレームなどの管理フレームを受け取る(572)。APは、この非AP STAの共有可能性に関する情報を保持し、正常な受信を確認するために認証/アソシエーション応答フレームを返送することによって応答する(574)。その後、APは、最初に最新の共有可能性情報をデータベースに記録し(576)、その後に共有オファー/要求フレームを使用して自局の共有可能性を含む最新の共有可能性情報を関連する全ての非AP STAに再ブロードキャストすることが好ましい。また、APは、ビーコンフレームなどの送信を通じて、STA及びAPの最新のTXOP共有可能性情報、並びにチャネルアクセスタイムスロット割り当ても定期的にブロードキャストする(578)。
【0105】
図18A及び
図18Bに、非AP STAレベルで処理される共有TXOP設定段階の実施形態例590を示す。この図では、非AP STAが、共有TXOPの共有オファー/要求情報を示すために、関連するAPに認証/アソシエーション要求フレームなどの管理フレームを送信する(592)。チェック594において、非AP STAは、共有オファー/要求情報を含む認証フレーム又はアソシエーションフレームを送信した後に、関連するAPから管理フレームのタイムアウト前にフィードバックを受け取ったかどうかを判定する。応答が受け取られていない場合には管理フレームタイムアウト596が発生しており、非AP STAは、自局の共有可能性を示すために関連するAPに管理フレームを再送(592)すべきである。
【0106】
ブロック594において非AP STAが応答を受け取ったと判定された場合にはブロック598に到達し、応答が全ての関連する非AP STAの最新のTXOP共有可能性情報を示す関連するAPからの共有オファー/要求フレームであるかどうかを判定する。非AP STAが、共有オファー/要求フレーム又はビーコンを通じて自局に割り当てられた最新のチャネルアクセスタイムスロットを共有オファー/要求フレームタイムアウト前に受信できなかった場合には、共有オファー/要求がタイムアウトしているためブロック600に到達し、非AP STAは別のフレームを送信すべきである(592)。
【0107】
一方で、共有可能性情報が受け取られた場合には
図18Bにおいてブロック602に到達し、非AP STAは、他の全てのSTA及びAPの共有オファー/要求情報のデータベースを更新する。
【0108】
次に、非AP STAが自局の最新のチャネルアクセスタイムスロットを示すビーコンフレーム又は共有オファー/要求フレームを受け取ったかどうかが判定される(604)。非AP STAは、このビーコンフレーム又は共有オファー/要求フレームを受け取った場合、ブロック606において自局の最新のチャネルアクセスタイムスロットのデータベースを更新する。一方で、ブロック604においてこのビーコンフレーム又は共有オファー/要求フレームを受け取らなかった場合、非AP STAは、関連するAPから送信される次のビーコンフレーム又は共有オファー/要求フレームを待ち続け(608)、自局に割り当てられた最新のチャネルアクセスタイムスロット情報に基づいてデータベースを更新し続ける(606)べきである。
【0109】
7.2.2.共有TXOP告知段階
図19に、共有TXOP設定段階532の後に実行される、AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を表す共有TXOP告知段階の実施形態例630を示す。非AP TXOP所有者STAは、チャネルが空いている(利用可能である)ことを感知してチャネルを取得し、APにRTS共有フレーム634を送信することによってTXOPを共有する意思を告知し、他の非AP局は、RTS共有フレームを受け取って(RTS共有内に設定された)NAV638、640を認識する。APは、非APのTXOP所有者STAからRTS共有フレーム634を受け取った後に、正常な受信及びTXOPが共有TXOPであることを認識したことを示すためにCTS共有フレーム636でSTA3に応答する。他の非AP局は、CTS共有を受け取った後に(CTS共有内に設定された)NAV642、644をチェックする。
【0110】
上記の例以外に、APが共有TXOP所有者であることもできると理解されたい。APは、TXOP所有者である場合には、そのバッファデータの宛先局にRTS共有を送信し、送信の成功を示すCTS共有フレームを受け取ることができる。
【0111】
7.2.3.UL起動型TXOP参加者獲得段階
7.2.3.1.TXOPオファーを受け取った後の応答を伴うUL起動型TXOP参加者獲得
図20に、AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を表す、TXOPオファーを受け取った後の応答を伴うTXOP参加者獲得段階の実施形態例650を示す。共有TXOP設定532の後に共有TXOP告知534が実行される。次に、非AP TXOP所有者STAは、自局のTXOPを共有する用意があることを示して他のSTAが共有TXOPに参加する用意があるかどうかを問い合わせる新たなフレームTXOPオファーフレーム654をSTA及びAPにブロードキャストする。
【0112】
STA1、STA2及びAPは、このTXOPオファーフレームを受け取ると、非AP TXOP所有者STAとの次の共有TXOPに参加する用意があることを示すために新たなアクセス要求フレームで応答する(656a、656b及び656c)。
【0113】
アクセス要求フレームの衝突を避けるために、スロット設計はランダムアクセス又は専用アクセスのために実装され、これらは共有TXOP設定段階において実装される。共有オファーに関する応答が特定のスロットでSTA3に送信されるスロットが見られる。
【0114】
7.2.3.2.CTSを受け取った後の応答を伴うUL起動型TXOP参加者獲得段階
図21に、AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を表す、CTS共有を受け取った後の応答を伴うTXOP参加者獲得(PA)段階の実施形態例670を示す。共有TXOP設定532の後に共有TXOP告知534が続くことが分かる。APは、前の共有TXOP告知段階でCTS共有フレーム(図示せず)を送出すると、スロット672aにおいてランダムアクセス又は専用アクセスを通じてSTA3にアクセス要求フレームを送信して、非AP TXOP所有者STAとの共有TXOPに参加する用意がある旨を示す。非AP共有TXOP参加者STAであるSTA1及びSTA2は、APから非AP TXOP所有者STAであるSTA3へのCTS共有を受け取ると、スロット672b、672cにおいてランダムアクセス又は専用アクセスを通じてSTA3にアクセス要求フレームを送信して、非AP TXOP所有者STAによる次の共有TXOPに参加する用意がある旨を示す。
【0115】
7.2.3.3.専用TXOPオファーフレームを受け取った後の応答を伴うUL起動型TXOP参加者獲得段階
図22に、専用TXOPオファーを受け取った後の応答を伴うTXOP参加者獲得(PA)段階の実施形態例690を示す。AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を示す。共有TXOP設定段階532の後に共有TXOP告知段階534が実行される。その後、STA3は、TXOPオファーフレームをブロードキャストする代わりにオファーフレームをユニキャストして、潜在的な共有TXOP参加者STA及びAPに1つずつ問い合わせを行う。最初にSTA3からSTA1にオファー692が送信されてSTA1が応答し(694)、次にSTA2にオファー696が行われて応答698が戻される。また、APにオファー700が送信されてAPが応答する(702)。
【0116】
従って、STA1、STA2又はAPは、TXOPオファーフレームを受け取ると、次の共有TXOPに参加する用意がある場合には所与の期間(オフセット)内に非AP TXOP所有者STAにアクセス要求フレームで応答する必要がある。
【0117】
図23に、非AP TXOP所有者STAにおいて処理されるTXOP参加者獲得段階の実施形態例710を示す。非AP TXOP所有者がTXOP共有参加者STA及びAPに問い合わせを行ったかどうかについてのチェックが行われる(712)。ブロック712において問い合わせが検出されない場合、実行はブロック716に進む。一方で、ブロック712において問い合わせが検出された場合、ブロック714においてTXOPオファーフレームがブロードキャストされたかどうかがチェックされる。TXOPオファーがブロードキャストされていた場合、実行はブロック716に到達し、そうでなければ実行はブロック720に進む。
【0118】
なお、STA1又はSTA2(非AP共有TXOP参加者STA)又はAP(共有TXOP参加者)は、TXOPオファーフレームを受け取ると、次の共有TXOPに参加する用意がある場合には時間オフセット内に非AP TXOP所有者STAにアクセス要求フレームで応答する必要がある。
【0119】
ブロック716において、非AP TXOP所有者STAが次のスロットアクセス中の所与の時間オフセット内にアクセス要求フレームを受け取ったかどうかのチェックが行われる。正しい要求フレームが受け取られていない場合、実行はブロック722に到達し、非AP TXOP所有者STAは、次の共有TXOPに参加する用意がある他の非AP STA又はAPは存在しないものとみなす。一方で、ブロック716において正しいアクセス要求フレームが受け取られた場合、実行はブロック718に進み、非AP TXOP所有者STAが次の共有TXOP参加者STAのデータベースを更新する。
【0120】
判定ブロック714に戻り、非AP TXOP所有者STAがTXOPオファーフレームを送信していない場合、実行はブロック720に進み、ユニキャストTXOPオファーフレームに示される所与の時間オフセット内に非AP TXOP所有者STAが正しいアクセス要求フレームを受け取ったかどうかを判定する。条件が満たされた場合には、アクセス要求を受け取ったということで実行はブロック718に到達し、そうでなければ実行はブロック722に進む。
【0121】
図24に、APにおいて処理されるTXOP参加者獲得段階の実施形態例730を示す。APが非AP TXOP所有者STAからTXOPオファーフレームを受け取ったかどうかについてのチェックが行われる(732)。
【0122】
APは、非AP TXOP所有者STAからTXOPオファーフレームを受け取っていない場合、ブロック736において直前のCTS共有フレームのRAフィールドをチェックし、ランダムスロットアクセス又は専用スロットアクセスを通じてアクセス要求フレームでこのアドレスに応答する。
【0123】
一方で、ブロック732においてTXOPオファーが受け取られた場合、ブロック734において、TXOPオファーフレームがブロードキャストされたかどうかを判定するチェックが行われる。フレームがブロードキャストであった場合、ブロック738において、APがランダムスロットアクセス又は専用スロットアクセスを通じてアクセス要求フレームで非AP TXOP所有者STAに応答する。
【0124】
一方で、ブロック734においてTXOPオファーがブロードキャストされなかった場合にはブロック740に到達し、APが所与の時間オフセット内にアクセス要求フレームで非AP TXOP所有者STAに応答する。
【0125】
なお、専用スロット期間は、共有TXOP設定段階において以前に交換された管理フレームのアクセス要求情報要素の割り当てブロック期間サブフィールドによって示される。
【0126】
図25に、非AP共有TXOP参加者STA側で処理されるTXOP参加者獲得段階の実施形態例730を示す。処理が開始した(752)後に、非AP共有TXOP参加者STAが非AP TXOP所有者STAからTXOPオファーフレームを受け取ったかどうかがチェックされる(754)。
【0127】
非AP共有TXOP参加者STAは、非AP TXOP所有者STAからTXOPオファーフレームを受け取っていない場合、ブロック756において直前のCTS共有フレームのRAフィールドをチェックし、ランダムスロットアクセス又は専用スロットアクセスを通じてこのアドレスにアクセス要求フレームで応答した後にプロセスは終了する(764)。
【0128】
ブロック754においてTXOPオファーが受け取られていた場合、ブロック758においてTXOPオファーフレームがブロードキャストされたかどうかを判定するチェックが行われる。フレームがブロードキャストであった場合、ブロック760において、非AP共有TXOP参加者STAがランダムスロットアクセス又は専用スロットアクセスを通じて非AP TXOP所有者STAにアクセス要求フレームで応答した後にプロセスは終了する(764)。
【0129】
一方で、ブロック758においてTXOPオファーがブロードキャストされていなかった場合にはブロック762に到達し、ユニキャストTXOPオファーフレームを受け取った非AP共有TXOP参加者STAが時間オフセット内にアクセス要求フレームを使用して非AP TXOP所有者STAに応答した後にプロセスは終了する。
【0130】
7.2.4.UL起動型TXOPスケジュール及びアクセス
7.2.4.1.ユニキャストTXOPオファーフレームを伴うUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス
図26に、ユニキャストTXOPオファーフレームを伴うTXOPスケジュール及びアクセスの実施形態例770を示す。AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を例示する。
【0131】
最初に、共有TXOP設定段階532、共有TXOP告知段階534、及びTXOP参加者獲得536段階が実行される。
【0132】
非AP TXOP所有者STAは、関連するAPにデータを送信し、APから送信の成功を示すACKを受け取った後に、次の各TXOP共有参加者STAにこれらの送信期間を示すTXOPオファーフレームをユニキャストすべきである。具体的には、これを図に例示すると以下のようになる。
【0133】
非AP TXOP所有者STAが関連するAP(AP12)にデータ771を送信し、APがこれを確認応答する(772)。次に、STA3が、次のTXOP共有参加者STA(STA1)の送信期間を示すTXOPオファーフレームを次のTXOP共有参加者STAにユニキャストする(773)。STA1へのTXOPオファー773に応答して、STA1がAPにデータ774を送信し、APがこれをACKする(775)。この後、STA3がSTA2にTXOPオファー776をユニキャストし、STA2がこれに応答してAPにデータ777を送信し、APがこれをACKする(778)。従って、各参加する非AP TXOP所有者STAが関連するAPにデータを送信し、APから送信の成功を示すACKを受け取り、その後に非AP TXOP所有者STAが次のTXOP共有参加者STAの送信期間を示すTXOPオファーフレームをユニキャストすることが分かる。
【0134】
その後、TXOP所有者は、非AP共有参加者STAをループスルーした後に、関連するAPにTXOPオファーフレーム779をユニキャストする。APは、TXOPオファーフレームを受け取ると、スケジュールされた時間内に宛先STAに(ダウンリンク)DLデータ780、782及び784を送信してそれぞれのACK781、783及び786を待つ。
【0135】
7.2.4.2.UL起動型TXOPスケジュール及びユニキャストTXOPアクセススケジューラを伴うアクセス
図27に、ユニキャストTXOPアクセススケジューラを伴うUL起動型TXOPスケジュール及びアクセスの実施形態例790を示す。このプロセスでは、限定ではなく一例として、これらの全ての事例と同様にAP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を示す。
【0136】
最初に、共有TXOP設定段階532、共有TXOP告知段階534、及びTXOP参加者獲得536段階が実行される。
【0137】
次に、非AP TXOP所有者STAが、各STAのTX期間を示すTXOPアクセススケジュールフレームを非AP共有TXOP参加者STA(STA1、STA2)及びAPにユニキャストする(792、794及び796)。次に、STA3がそのデータ798を送信し、APがACK800で応答する。
【0138】
STAは、TXOPアクセススケジューラフレームを受け取ると、ビーコンフレームに埋め込まれたアクセス要求情報要素の割り当て制御フィールドに示される異なるタイムスロットで関連するAPにデータを送信し、APからのACKを待つ。図示のプロセスでは、STA2がAPにデータ802を送信し、APからACK804を受け取り、その後にSTA1がAP1にデータ806を送信し、AP1がACK808で応答する。APは、TXOPアクセススケジューラフレームを受け取ると、割り当てられたタイムスロットで各宛先STAにDLデータ810、814及び818を送信し、関連するACK812、816及び820を待つ。
【0139】
7.2.4.3.UL起動型TXOPスケジュール及びブロードキャストTXOPスケジューラを伴うアクセス
図28に、ブロードキャストTXOPスケジューラフレームを伴うTXOPスケジュール及びアクセスの実施形態例830を示す。AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を示す。
【0140】
最初に、共有TXOP設定段階532、共有TXOP告知段階534、及びTXOP参加者獲得536段階が実行される。
【0141】
次に、非AP TXOP所有者STAが、各STA及びAPの送信(TX)期間を示すブロードキャストTXOPスケジュールフレーム832をTXOP共有参加者STA及びAPにブロードキャストする。その後、STA3が関連するAPにデータ834を送信し、APがACK836で応答していることが分かる。
【0142】
STAは、ブロードキャストTXOPスケジューラフレームを受け取ると、ブロードキャストTXOPスケジューラフレームに示される異なるタイムスロットで関連するAPにデータ838、842も送信し、APはACK840及び844でこれに応答する。
【0143】
従って、最初に非AP TXOP所有者STAが、各非AP共有TXOP参加者STA及びAPのTX期間を示すブロードキャストTXOPスケジューラフレームをブロードキャストすることが分かる。STAは、ブロードキャストTXOPスケジューラフレームを受け取ると、ブロードキャストTXOPスケジューラフレームに示される異なるタイムスロットで関連するAPにデータを送信してACKを待つ。
【0144】
その後、APは、ブロードキャストTXOPスケジューラフレームを受け取ると、割り当てられたタイムスロットで各宛先STAにDLデータ846、850及び854を送信し、関連するACK848、852及び856を待つ。
【0145】
図29A及び
図29Bに、非AP TXOP所有者STAレベルで処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例870を示す。
【0146】
TX期間フィールドが指定されたTXOPオファーフレームを非AP TXOP所有者STAがユニキャストしたかどうかがチェックされる(872)。
【0147】
TXOPオファーフレームをユニキャストしていた場合、実行はブロック880に到達し、指定されたTX期間後に、非AP TXOP所有者STAが次のTXOP共有参加者STAに別のTXOPオファーフレームをユニキャストする。
【0148】
次に、ブロック882において、さらなるTXOP共有参加者が存在するかどうかがチェックされる。さらなる参加者が存在する場合、実行はブロック880に戻って処理を継続し、そうでなければ実行はブロック884に到達して、非AP TXOP所有者STAがAPに別のTXOPオファーフレームをユニキャストする。
【0149】
一方で、ブロック872において、TXOPオファーをユニキャストする試みがユニキャストではなかったと判定された場合、実行はブロック874に進み、非AP TXOP所有者STAがTXOP共有参加者STAにTXOPアクセススケジューラ情報をユニキャストしたかどうかを判定するチェックが行われる。スケジューラ情報がユニキャストされたと判定された場合、ブロック886において、非AP TXOP所有者STAがTXOPアクセススケジューラフレームにおいて非AP共有TXOP参加者STAのTXOPアクセス期間を示した後に処理は終了する。
【0150】
一方で、ブロック874においてSTAがTXOPアクセススケジューラをユニキャストしていなかった場合には
図30Bのブロック876に到達し、非AP TXOP所有者STAがTXOP参加者STAにブロードキャストTXOPスケジューラフレームをブロードキャストしたかどうかをチェックする。ブロードキャストが行われたと判定された場合にはブロック888が実行され、非AP TXOP所有者STAがブロードキャストTXOPスケジュールフレームにおいて各共有TXOP参加者STAのTXOPアクセス期間を示す。
【0151】
一方で、ブロック876においてSTAがブロードキャストTXOPスケジュールフレームをブロードキャストしなかった場合、実行はブロック878に到達し、非AP TXOP所有者STAがDLデータフレームを受け取ったかどうかを判定するチェックが行われる。非AP TXOP所有者STAは、DLデータフレームを受け取った場合には、ブロック890においてデータフレームのソースにACKフレームで応答し、そうでなければ処理は単純に終了する。
【0152】
図30A及び
図30Bに、非AP共有TXOP参加者STAレベルで処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例910を示す。チェック912において、TX期間フィールドが指定されたTXOPオファーフレームをいずれかの非AP共有TXOP参加者STAが受け取ったかどうかを判定する。このフレームが受け取られていた場合、ブロック920において、指定されたTX期間内に関連するAPにデータフレームが送信され、その後にブロック922においてSTAがデータ送信の成功を示すAPからのACKを待ってプロセスは終了する。
【0153】
一方で、ブロック912においてTXOPオファーフレームが受け取られていないことが判明した場合、実行は
図33Aのブロック914に進み、いずれかの非AP共有TXOP参加者STAがユニキャストされたTXOPアクセススケジューラフレームを受け取ったかどうかをチェックする。TXOPアクセススケジューラフレームが受け取られていた場合、ブロック924において、STAは、TID、ソースアソシエーションID(AID)及び宛先AIDをビーコンフレームのアクセス要求情報要素内に設定された対応するフィールドに対応付け、そのためのTXOPアクセス期間を割り当てる。次に、このTXOPアクセス時間内にSTAが関連するAPにデータを送信し、その後にブロック922が実行された後に処理は終了する。
【0154】
一方で、ブロック914においてユニキャストされたTXOPアクセススケジューラフレームが存在しなかった場合、実行は
図30Bのブロック916に進み、いずれかの非AP共有TXOP参加者STAがブロードキャストTXOPスケジューラフレームを受け取ったかどうかをチェックする。ブロードキャストTXOPスケジューラフレームが受け取られていた場合、ブロック926において、STAは、TID、ソースAID及び宛先AIDをブロードキャストTXOPスケジュールフレーム内に設定された対応するフィールドに対応付け、そのためのTXOPアクセス期間を割り当てる。次に、このTXOPアクセス期間内にSTAが関連するAPにデータを送信し、その後にブロック922が実行された後に処理は終了する。
【0155】
ブロック916において、非AP共有TXOP参加者STAがブロードキャストTXOPスケジューラフレームを受け取らなかった場合、実行はブロック918に進み、いずれかの非AP共有TXOP参加者STAがDLデータフレームを受け取ったかどうかを判定する。いずれの非AP共有TXOP参加者STAもDLデータフレームを受け取っていない場合、処理は終了する。そうでなければ、ブロック928が実行されて、非AP共有TXOP参加者STAがデータフレームのソースにACKフレームで応答し、その後に処理は
図30Aのブロック922に到達して完了する。
【0156】
図31A及び
図31Bに、APレベルで処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例950を示す。TX期間フィールドが指定されたTXOPオファーフレームをAPが受け取ったかどうかを判定するチェックが行われる(952)。TXOPオファーフレームが受け取られた場合、ブロック960において、指定されたTX期間内に宛先局にデータフレームが送信され、その後にブロック962において、APはDLデータの送信成功を示す各宛先STAからのACKを待つ。
【0157】
一方で、ブロック952においてAPがTXOPオファーフレームを受け取らなかったことが分かった場合、実行はブロック954に進み、APがユニキャストTXOPアクセススケジューラフレームを受け取ったかどうかを判定する。ユニキャストTXOPアクセススケジューラフレームが受け取られた場合、ブロック964において、APは、TID、ソースアソシエーションID(AID)及び宛先AIDを、以前に交換された管理フレームのアクセス要求情報要素に設定された対応するフィールドに対応付け、各DLトラフィック宛先のTXOPアクセス期間を割り当てる。次に、TXOPアクセス期間内にAPが各宛先にデータを送信し、その後にブロック962が実行され、APがACKを待った後に処理は終了する。
【0158】
一方で、ブロック954においてAPがユニキャストTXOPアクセススケジューラフレームを受け取らなかった場合、実行は
図31Bのブロック956に進み、APがブロードキャストTXOPスケジューラフレームを受け取ったかどうかをチェックする。ブロードキャストTXOPスケジューラフレームが受け取られた場合、ブロック966において、APはTID、ソースAID及び宛先AIDをブロードキャストTXOPスケジュールフレームに設定された対応するフィールドに対応付け、各DLトラフィック宛先のためのTXOPアクセス期間を割り当てる。APは、TXOPアクセス期間中に各宛先にデータを送信し、その後に実行は
図31Aのブロック962に進み、その後にプロセスは終了する。
【0159】
一方で、ブロック956においてAPがブロードキャストTXOPスケジューラフレームを受け取らなかった場合、実行はブロック958に進み、APがULデータフレームを受け取ったかどうかを判定する。フレームが受け取られなかった場合、処理は終了する。そうでなければ、ブロック968においてAPがデータフレームのソースにACKフレームで応答する。
【0160】
7.3.コーディネータとしてのAPを伴う動的シナリオ
UL起動型共有TXOPでは、非AP TXOP所有者STAが、共有TXOPに参加する用意がある他の非AP STAと直接通信することができない。この場合は、APが非AP TXOP所有者STAと他の非AP共有TXOP参加者STAとの間の協調に関与する必要がある。
【0161】
DL起動型共有TXOPでは、APがチャネルを取得(獲得)してTXOP所有者になる。APは、他の非AP STAと直接通信することができ、共有TXOPに参加する用意がある他の非AP STAとTXOPを共有することができる。
【0162】
コーディネータとしてのAPを伴う動的シナリオの共有TXOP設定段階は、7.2.1節で上述したものと同じである。
【0163】
7.3.1.共有TXOP告知段階
なお、コーディネータとしてのAPを伴うシナリオにおけるUL起動型共有TXOP告知段階は、7.2.2節で上述したものと同じである。
【0164】
図32に、DL起動型共有TXOP告知段階の実施形態例990を示す。AP12と、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18として例示する非AP共有STAとの間の相互作用を例示する。
【0165】
この共有TXOP告知段階は、共有TXOP設定段階532の後に実行される。
【0166】
この場合、共有TXOP告知段階は、APがチャネルを取得してDLトラフィックの宛先であるSTA3にRTS共有992を送信するDL送信によって開始される。STA3はRTS共有を受け取ってCTS共有フレーム998で応答し、一方でSTA1及びSTA2はNAV RTS共有994及び996を認識するようになる。APにCTS共有を送信すると、STA1及びSTA2はNAV(CTS共有)1000及び1002を認識し、CTS共有フレームによって設定された更新されたNAV値を認識するようになる。APは、STA3からCTS共有を受け取って、RTS共有がSTA3に正常に送信されたことを認識する。
【0167】
図33に、APにおいて処理される共有TXOP告知段階の実施形態例1110を示す。APは、チャネルがアイドルであるかどうかを判定するチェック1112を行う。チャネルがアイドルでない場合、APはランダムバックオフ1114を採択し、ブロック1112に戻って再びチャネルを感知する。
【0168】
一方で、ブロック1112においてチャネルがアイドルであると判明した場合、ブロック1116において、APが次のTXOPを共有する用意があるかどうかを判定するチェックが行われる。APが送信すべきDLデータを有していてTXOPを共有する用意がある場合、ブロック1118において、AP TXOPはDLデータの宛先STAにRTS共有フレームを送信する。次に、実行はブロック1120に進み、RTS共有によって示されるCTS共有フレームをAPがRTSのタイムアウト前に宛先STAから受け取ったかどうかを判定する。CTS共有が受け取られなかった場合、ブロック1122においてRTS共有タイムアウトが発生し、実行はブロック1118に戻って別のRTS共有を送信する。一方でCTS共有が受け取られた場合、プロセスは終了する。
【0169】
判定ブロック1116に戻ってAPがチャネルを共有する用意がない場合、プロセスは終了する。
【0170】
図34に、非AP STAレベルで処理される共有TXOP告知段階の実施形態例1130を示す。チェック1132において、非AP STAがRTS共有フレームを受け取ったかどうかを判定する。RTS共有フレームを受け取っていない場合、このルーチンにおける処理は終了する。一方で、RTS共有フレームが受け取られた場合、ブロック1134においてこの非AP STAがRTS共有の宛先であるかどうかを判定する。条件が満たされた場合、ブロック1136において、非AP STAが、RTS共有フレームを送信したSTA/APであるRTS共有フレームのソースにCTS共有フレームを送信することによってRTS共有に応答する。その後、プロセスは終了する。
【0171】
一方で、ブロック1134において非AP STAがRTS共有の宛先でないと判定された場合にはブロック1138に到達して、RTS共有フレームによって設定されたNAVを非AP STAに認識させる。次に、チェック1140において、非AP STAがCTS共有フレームを受け取ったかどうかを判定する。非AP STAがCTS共有フレームを受け取っていない場合、実行は終了する。一方で、CTS共有フレームを受け取ると、ブロック1142において、CTS共有フレームによって設定されたNAVを非AP STAに確実に認識させ、その後にこのプロセスは終了する。
【0172】
7.3.2.APコーディネータを伴うTXOP参加者獲得段階
7.3.2.1.(APを伴う)TXOPオファーを受け取った後の応答を伴うTXOP参加者獲得段階
図35に、(コーディネータとしてのAPを伴う)TXOPオファーを受け取った後の応答を伴うUL起動型TXOP参加者獲得段階の実施形態例1150を示す。AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を示す。
【0173】
最初に、共有TXOP設定フェーズ532及び共有TXOP告知フェーズ534が実行される。次に、APは、非AP TXOP所有者STAが自局のTXOPを共有する用意があることを示すTXOPオファーフレームをブロードキャストし(1152)、共有TXOPに参加する用意がある他の非AP STAが存在するどうかを問い合わせる。
【0174】
他の非AP STAは、このTXOPオファーフレームを受け取ると、次の共有TXOPに参加する用意がある場合、スロット1154及び1156のタイムスロットで送信される新たなアクセス要求フレームでAPに応答する。なお、アクセス要求フレームの衝突を避けるために、スロットへのアクセスはランダムアクセス又は専用アクセスに基づいて実装することができる。
【0175】
その後、APは、APとしての自局の参加者情報を含む共有TXOP参加者情報を告知するために、非AP TXOP所有者STAに共有TXOP参加者告知フレーム1158をユニキャストする。
【0176】
図36に、TXOPオファーを受け取った後の応答を伴う(DL起動型)TXOP参加者獲得段階の実施形態例1170示す。
【0177】
AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を示す。共有TXOP設定が実行(532)された後に共有TXOP告知が実行される(534)。
【0178】
次に、APは、自局がTXOPを共有する用意があることを示してこの共有TXOPに参加する用意がある他のSTAについて問い合わせるTXOPオファーフレーム1172をブロードキャストする。
【0179】
STAは、このTXOPオファーフレームを受け取ると、アクセス要求フレーム1174、1176及び1178で応答して共有TXOPに参加する用意がある旨を示す。アクセス要求フレームの衝突を避けるため、非AP共有TXOP参加者STAは、タイムスロットにランダムにアクセスすること又は特定のタイムスロットに専用にアクセスすることを通じてフレームを送信する。このスロットアクセスルールは、共有TXOP設定段階において実装される。
【0180】
7.3.2.2.(コーディネータとしてのAPを伴う)CTS後の応答を伴うTXOP参加者獲得段階
図37に、(コーディネータとしてのAPを伴う)CTSを受け取った後の応答を伴うUL起動型TXOP参加者獲得段階の実施形態例1210を示す。
【0181】
AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を示す。共有TXOP設定が実行(532)された後に共有TXOP告知が実行される(534)。
【0182】
非AP STAは、APから非AP TXOP所有者STAに送信されたCTS共有フレーム(前の共有TXOP告知段階からのもの、この段階には示していない)を受け取った時点で次の共有TXOPに参加する用意があって
図36に示すようなTXOPオファーフレームを受け取っていない場合、ランダムアクセス又は専用アクセスを通じてAPにアクセス要求フレーム1212、1214を送信することができる。アクセススロット時間の経過後に、APは、AP自体の参加者情報を含むTXOP共有参加者情報を告知するために、非AP TXOP所有者STAに共有TXOP参加者告知フレーム1216をユニキャストする。
【0183】
図38に、CTSを受け取った後の応答を伴うDL起動型TXOP参加者獲得段階の実施形態例1230を示す。
【0184】
AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を示す。共有TXOP設定が実行(532)された後に共有TXOP告知が実行される(534)。
【0185】
この例のSTA3は、APによって送信されたRTS共有フレームの宛先である。STA3は、対応するCTS共有フレームを送出すると、ランダムアクセス又は専用アクセスを通じてAPにアクセス要求フレーム1236を送出して、APとの共有TXOPに参加する用意がある旨を示す。
【0186】
STA1及びSTA2は、(STA3からAPに送信された)共有CTSを受け取ると、それぞれランダムアクセス又は専用アクセスを通じてAPにアクセス要求フレーム1232、1234を送信して、TXOP所有者との共有TXOPに参加する用意がある旨を示す。
【0187】
7.3.2.3 (コーディネータとしてのAPを伴う)専用TXOPオファーフレーム後の応答を伴うTXOP参加者獲得段階
図39に、コーディネータとしてのAPを伴う、専用TXOPオファーを受け取った後の応答を伴うUL起動型TXOP参加者獲得段階の実施形態例1250を示す。
【0188】
AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を示す。共有TXOP設定が実行(532)された後に共有TXOP告知が実行される(534)。
【0189】
APは、TXOPオファーフレーム1252、1256をユニキャストして、この例ではSTA1及びSTA2である(非AP TXOP所有者STA以外の)非AP STAに1つずつ問い合わせる。STA1及びSTA2などの非AP STAは、TXOPオファーフレームを受け取ると、共有TXOPに参加する用意がある場合には、指定された時間オフセット内に関連するAPにアクセス要求フレーム1254及び1258で応答する。
【0190】
次に、APは、自局の参加者情報を含むTXOP共有参加者情報を告知するために、この例ではSTA3である非AP TXOP所有者STAに共有TXOP参加者告知フレーム1260をユニキャストする。
【0191】
図40に、専用TXOPオファーを受け取った後の応答を伴うDL起動型TXOP参加者獲得段階の実施形態例1290を示す。
【0192】
AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を示す。共有TXOP設定が実行(532)された後に共有TXOP告知が実行される(534)。
【0193】
APは、TXOPオファーフレーム1252、1256及び1292をユニキャストして非AP STAに1つずつ問い合わせる。非AP STAは、TXOPオファーフレームを受け取ると、共有TXOPに参加する用意がある場合には、時間オフセット内に関連するAPにアクセス要求フレーム1254、1258及び1294で応答する。
【0194】
図41に、APレベルで処理されるUL起動型TXOP参加者獲得段階の実施形態例1310を示す。
【0195】
チェック1312において、APがTXOPオファーフレームを送信することによってTXOP共有参加者STAに問い合わせを行ったかどうかを判定する。TXOPオファーフレームが送信されていない場合、非AP 共有TXOP参加者は共有TXOP告知段階中に送信されたCTS共有フレームを受け取った後にAPにアクセス要求フレームを送信することができるので、実行はブロック1316に進む。そうでなければ、このTXOPオファーフレームがブロードキャストされたかどうかを判定するチェック1314が行われる。ブロードキャストされていた場合、ブロック1316において、APはスロットアクセスの期間内に1又は2以上のアクセス要求フレームを受け取るのを待つ。
【0196】
TXOPオファーがブロードキャストではなかった場合、ブロック1318において、APはユニキャストTXOPオファーフレームに示される時間オフセット内にアクセス要求フレームを受け取るべきである。
【0197】
ブロック1316又は1318からの実行は、受信すべきさらなるアクセス要求が存在するかどうかを判定する判定ブロック1320に到達する。アクセス要求がさらに存在すると予想される場合、実行はブロック1322に進んで受信を継続した後にブロック1320に戻る。
【0198】
一方で、全てのTXOP共有参加者STAからアクセス要求が受け取られた場合、実行はブロック1324に到達し、APは非AP TXOP所有者STAに共有TXOP参加者告知フレームをユニキャストする。
【0199】
図42に、非AP共有TXOP参加者STAレベルで処理を実行するUL起動型TXOP参加者獲得段階の実施形態例1350を示す。
【0200】
チェック1352において、非AP共有TXOP参加者STAが関連するAPからブロードキャストTXOPオファーフレームを受け取ったかどうかを判定する。参加者STAは、TXOPオファーフレームを受け取った場合、TXOPオファーフレームがブロードキャストされたかどうかをチェックする(1354)。フレームがブロードキャストであることが判明した場合、ブロック1356において、STAは、ランダムスロットアクセス又は専用スロットアクセスを通じて関連するAPにアクセス要求フレームで応答する。
【0201】
ブロック1354において、TXOPオファーフレームがブロードキャストされなかったと判定された場合にはブロック1360に到達し、非AP共有TXOP参加者STAは、TXOPオファーフレームに示される時間オフセット内に関連するAPにアクセス要求フレームで応答する。
【0202】
ブロック1352において、TXOPオファーが受け取られなかったと判定された場合にはブロック1358に到達し、非AP共有TXOP参加者STAは、ランダムスロットアクセス又は専用スロットアクセスを通じて関連するAPにアクセス要求フレームを送信する。
【0203】
図43に、APにおいて処理されるDL起動型TXOP参加者獲得段階の実施形態例1370を示す。
【0204】
チェック1372において、APがTXOPオファーフレームを送信することによって非AP TXOP共有参加者に問い合わせを行ったかどうかを判定する。ブロック1372において問い合わせが検出されない場合、実行はブロック1376に進む。一方で、ブロック1372において問い合わせが検出された場合、ブロック1374においてTXOPオファーフレームがブロードキャストされたかどうかを判定するチェックが行われる。TXOPオファーがブロードキャストされていない場合、実行はブロック1380に到達し、そうでなければ実行はブロック1376に進む。
【0205】
なお、STA1又はSTA2(非AP共有TXOP参加者STA)は、TXOPオファーフレームを受け取ると、次の共有TXOPに参加する用意がある場合には、時間オフセット内に非AP TXOP所有者STAにアクセス要求フレームで応答する必要がある。
【0206】
ブロック1380において、APがユニキャストTXOPオファーフレームに示される時間及びオフセット内にアクセス要求フレームを受け取ったかどうかがチェックされる。ブロック1380において正しい要求フレームが受け取られていない場合、実行はブロック1382に到達し、APは、次の共有TXOPに参加する用意がある他の非AP STAは存在しないと仮定する。一方で、ブロック1380において正しい要求フレームが受け取られた場合、実行はブロック1378に進み、APは次の共有TXOP参加者STAのデータベースを更新する。ブロック1376において、APが次のスロットアクセス中にアクセス要求フレームを受け取ったかどうかがチェックされる。正しいアクセス要求フレームが受け取られていた場合、実行はブロック1378に進み、APは次の共有TXOP参加者STAのデータベースを更新する。そうでなければ、ブロック1376においてAPがアクセス要求フレームを受け取らなかったと判定されたため、実行は既に説明したブロック1382に進む。
【0207】
なお、DL起動型TXOP参加者獲得段階のフローチャート、非AP共有TXOP参加者STAレベルでのプロセスは、
図43に示すものと同じである。
【0208】
7.3.3.(コーディネータとしてのAPを伴う)TXOPスケジュール及びアクセス
7.3.3.1.(APを伴う)ユニキャストTXOPオファーフレームを伴うTXOPスケジュール及びアクセス
図44に、(コーディネータとしてのAPを伴う)ユニキャストTXOPオファーフレームを伴うUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例1410を示す。
【0209】
AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を示す。共有TXOP設定が実行(532)された後に共有TXOP告知が実行(534)され、その後にTXOP参加者獲得段階が実行される(536)。STA3として例示する非AP TXOP所有者STAは、関連するAPにデータ1412を送信し、正常なデータの送信を示すACK1414を受け取るべきである。次に、非AP TXOP所有者STAは、STA1のためのTXOPオファー要求フレーム1416を関連するAPに送信し、この要求は、次のTXOP共有参加者STAのための共有TXOPアクセスの開始に関する指示を含む。
【0210】
APは、TXOPオファー要求フレームを受け取った後に、TXOP共有参加者STA1のためのTX期間の指示を含むTXOPオファーフレーム1418をTXOP共有参加者STA1にユニキャストする。非AP共有TXOP参加者STA1は、このTXOPオファーフレームを受け取ると、TXOPオファーフレームに示される送信期間内に関連するAPにULデータ1420を送信し、APはACK1422でこれに応答する。
【0211】
上記の内容はSTA2に関しても繰り返され、STA3がSTA2のためのTXOPオファー要求フレーム1424を関連するAPに送信し、この要求は、TXOP共有参加者STA2のための共有TXOPアクセスの開始に関する指示を含む。
【0212】
APは、TXOPオファー要求フレームを受け取った後に、TXOP共有参加者STA2のための送信期間の指示を含むTXOPオファーフレーム1426をTXOP共有参加者STA2にユニキャストする。
【0213】
非AP共有TXOP参加者STA2は、このTXOPオファーフレームを受け取ると、TXOPオファーフレームに示される送信期間内に関連するAPにULデータ1428を送信し、APはACK1430でこれに応答する。
【0214】
非AP TXOP所有者STAは、全ての非AP共有TXOP参加者STAをループスルーした後にAPにTXOPオファーフレーム1432をユニキャストする。
【0215】
APは、TXOPオファーフレームを受け取ると、割り当てられたタイムスロットで宛先STAにDLデータ1434、1438及び1442を送信し、各宛先STAからのACK1436、1440及び1444を待つ。
【0216】
図45に、ユニキャストTXOPオファーフレームを伴うDL起動型TXOPスケジュール及びアクセスの実施形態例1470を示す。
【0217】
AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を示す。共有TXOP設定が実行(532)された後に共有TXOP告知が実行され(534)、その後にTXOP参加者獲得段階が実行される(536)。
【0218】
最初に、APが宛先STA(STA1、STA2及びSTA3)にDLデータ1472、1476及び1480を送信し、これに応答して各宛先STAから送信の成功を示すACK1474、1478及び1482を受け取るべきである。
【0219】
次に、APは、全てのTXOP共有参加者STAをループスルーしながら、次のTXOP共有参加者STAのための送信期間を示すTXOPオファーフレームを各STAにユニキャストする。このことを、STA1、STA2及びSTA3にそれぞれTXOPオファーフレーム1484、1490及び1496が送信される形で例示する。
【0220】
各非AP共有TXOP参加者STAは、TXOPオファーフレームを受け取ると、TXOPオファーフレームに示される送信期間内に関連するAPにそれぞれULデータ1486、1492及び1498を返送し、送信の成功を示すACK1488、1494及び1500をAPから受け取るのを待つ。
【0221】
7.3.3.2.(コーディネータとしてのAPを伴う)ユニキャストTXOPアクセススケジューラを用いたTXOPスケジュール及びアクセス
図46に、(コーディネータとしてのAPを伴う)ユニキャストTXOPアクセススケジューラフレームを用いたUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例1530を示す。
【0222】
AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を示す。共有TXOP設定が実行(532)された後に共有TXOP告知が実行(534)され、その後にTXOP参加者獲得段階が実行される(536)。
【0223】
非AP TXOP所有者STAは、関連するAPにデータを送信する前に、最初に他の全ての非AP共有TXOP参加者STA及びAPのための共有TXOPアクセスを示すTXOPアクセススケジューラ要求フレーム1532を関連するAPに送信する。
【0224】
APは、TXOPアクセススケジューラ要求フレームを受け取った後に、各非AP共有TXOP参加者STAのTX期間を示すTXOPアクセススケジューラフレームを各非AP共有TXOP参加者STAにユニキャストする。この例では、これらのスケジューラフレーム1534及び1536がSTA1及びSTA2に送信される。
【0225】
非AP共有TXOP参加者STAは、TXOPアクセススケジューラフレームを受け取ると、ビーコンフレームに埋め込まれたアクセス要求情報要素の割り当て制御フィールドに示されるタイムスロットで関連するAPにデータ1538、1542及び1546を送信してACK1540、1544及び1548を待つ。
【0226】
その後、APは、割り当てられたタイムスロットで宛先STAにDLデータ1550、1554及び1558を送信してACK1552、1556及び1560を待つことが分かる。
【0227】
図47に、ユニキャストTXOPアクセススケジューラを用いたDL起動型TXOPスケジュール及びアクセスの実施形態例1570を示す。
【0228】
AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を示す。共有TXOP設定が実行(532)された後に共有TXOP告知が実行され(534)、その後にTXOP参加者獲得段階が実行される(536)。
【0229】
最初に、APは、宛先STAにDLデータ1572、1576及び1580を送信し、各宛先STAから送信の成功を示すACK1574、1578及び1582を受け取るべきである。次に、APは、各非AP共有TXOP参加者STAのTX期間を示すTXOPアクセススケジューラフレーム1584、1586及び1588を各STAにユニキャストする。STAは、TXOPアクセススケジューラフレームを受け取ると、割り当てられたタイムスロットで関連するAPにデータ1590、1594及び1598を送信してACK1592、1596及び1600を待つ。
【0230】
7.3.3.3.(コーディネータとしてのAPを伴う)ブロードキャストTXOPスケジューラを用いたTXOPスケジュール及びアクセス
図48に、(コーディネータとしてのAPを伴う)ブロードキャストTXOPスケジューラフレームを用いたUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例1650を示す。
【0231】
AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を示す。共有TXOP設定が実行(532)された後に共有TXOP告知が実行(534)され、その後にTXOP参加者獲得段階が実行される(536)。
【0232】
非AP TXOP所有者は、関連するAPにデータを送信する前に、他の全ての非AP共有TXOP参加者STA及びAPのための共有TXOPアクセスを示すTXOPアクセススケジューラ要求フレーム1652を最初にAPに送信する。
【0233】
APは、TXOPアクセススケジューラ要求フレームを受け取った後に、各共有TXOP参加者のTX期間を示すブロードキャストTXOPスケジューラフレーム1654を(ここではSTA1、STA2及びTXOP所有者STA3として示す)非AP共有TXOP参加者STAにブロードキャストする。非AP共有TXOP参加者STAは、ブロードキャストTXOPスケジューラフレームを受け取ると、ブロードキャストTXOPスケジューラフレームに示されるタイムスロットで関連するAPにULデータ1656、1660及び1664を送信することによって応答し、ACK1658、1662及び1666を待つ。APは、全てのULデータを受け取った後に、割り当てられたタイムスロットで宛先STAにDLデータ1668、1672及び1676を送信してACK1670、1674及び1678を待つ。
【0234】
図49に、ブロードキャストTXOPスケジューラフレームを用いたDL起動型TXOPスケジュール及びアクセスの実施形態例1710を示す。
【0235】
AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を示す。共有TXOP設定が実行(532)された後に共有TXOP告知が実行され(534)、その後にTXOP参加者獲得段階が実行される(536)。
【0236】
最初に、APは、割り当てられたタイムスロットで各宛先STAにDLデータ1572、1576及び1580を送信して関連するACK1574、1578及び1582を待つ。次に、APは、各非AP共有TXOP参加者STAのTX期間を示すブロードキャストTXOPスケジューラフレーム1712をブロードキャストする。STAは、ブロードキャストTXOPスケジューラフレームを受け取ると、ブロードキャストTXOPスケジューラフレームに示される異なるタイムスロットで関連するAPにULデータ1538、1542及び1546を送信して関連するACK1540、1544及び1548を待つ。
【0237】
7.3.4.(コーディネータとしてのAPを伴う)非AP TXOP所有者STAレベルで処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階
図50A及び
図50Bに、(コーディネータとしてのAPを伴う)非AP TXOP所有者STAレベルで処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例1750を示す。
【0238】
TX期間フィールドが指定されたTXOPオファー要求フレームを非AP TXOP所有者STAが送信したかどうかを判定するチェック1752が行われる。TXOPオファー要求が送信されていた場合、ブロック1760において、非AP TXOP所有者STAは、指定されたTX期間及び1つのTXOPオファーフレーム送信期間後にAPにTXOPオファー要求フレームを送信して次の非AP共有TXOP参加者STAにポーリングを行うことができる。
【0239】
チェック1762において、ポーリングすべきさらなるTXOP参加者STAが存在するかどうかを判定する。さらなる参加者が存在する場合、実行はブロック1760に戻って非AP TXOP所有者STAがAPにTXOPオファー要求フレームを送信し続ける。全てのTXOP参加者STA及び利用可能なTXOP期間が処理されると、ブロック1764において非AP TXOP所有者STAがAPに別のTXOPオファーフレームをユニキャストし、その後に処理は終了する。
【0240】
一方で、ブロック1752において非AP TXOP所有者STAがTXOP要求オファーを送信していないと判定された場合、ブロック1754において非AP TXOP所有者STAがAPにTXOPアクセススケジューラ要求フレームをユニキャストしたかどうかが判定される。スケジューラフレームが送信された場合、ブロック1766において、非AP共有TXOP所有者STAがTXOPアクセススケジューラ要求フレームにおいて非AP共有TXOP参加者STA及びAPのTXOPアクセス期間を示した後に処理は終了する。
【0241】
一方で、ブロック1754において非AP TXOP所有者STAがAPにTXOPアクセススケジューラ要求フレームをユニキャストしていない場合、実行は
図51Bのブロック1756に到達して、非AP TXOP所有者がAPにULデータを送信したかどうかをチェックする。データが送信された場合、ブロック1768において非AP TXOP所有者STAがACKを待つ。
【0242】
一方で、ブロック1756において非AP TXOP所有者がULデータをAPに送信していないと判定された場合、実行はブロック1758に到達して、非AP TXOP所有者がAPからDLデータを受け取ったかどうかを判定するチェックを行う。非AP TXOP所有者がDLデータを受け取っていない場合には処理が終了し、受け取っている場合にはブロック1770において非AP TXOP所有者STAがACKで応答する。
【0243】
7.3.5.(コーディネータとしてのAPを伴う)APにおいて処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階
図51A~
図51Cに、AP協調を伴う、APにおいて処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例1790を示す。
【0244】
APがTXOPオファー要求フレームを受け取ったかどうかを判定するチェックが行われる(1792)。TXOPオファー要求が受け取られた場合、ブロック1798において、APは、TXOPオファー要求フレームの期間/IDフィールド内に指定されたAIDを有する次のTXOP共有参加者STAにTXOPオファーフレームをユニキャストする。また、APは、受け取られたTXOPオファー要求フレームの情報に対応するTX期間をTXOPオファーフレーム内に示すべきである。
【0245】
チェック1800において、APがTX期間内に次の非AP共有TXOP参加者STAからデータフレームを受け取ったかどうかを判定する。APがTX期間内にデータフレームを受け取らなかった場合、TXOPオファーフレームはタイムアウトとなり(1804)、APはTXOPオファーフレームを再送すべきである(1798)。
【0246】
一方で、APは、ブロック1800において次の非AP共有TXOP参加者STAからデータフレームを受け取った場合、ACKで応答した(1802)後に処理は終了する。
【0247】
一方で、ブロック1792においてAPがTXOPオファー要求フレームを受け取らなかったと判定された場合には、
図51Bのブロック1794に到達して、APがTXOPアクセススケジューラ要求フレームを受け取ったかどうかをチェックする。APは、TXOPスケジューラフレームを受け取った場合、ブロック1806において、各TXOP共有参加者STAにTXOPアクセススケジューラフレームをユニキャストし、或いは全ての非AP共有TXOP参加者STAに1つのブロードキャストTXOPスケジューラフレームを送信することができる。
【0248】
次に、チェック1808において、APが送信期間内に非AP共有TXOP参加者STAからデータフレームを受け取ったかどうかを判定する。APがデータフレームを受け取った場合、実行は
図51Aのブロック1802に戻ってAPがACKで応答し、その後に処理は終了する。一方で、フレームが受け取られていない場合、実行はブロック1810に到達し、TXOPアクセススケジューラフレームがタイムアウトになってブロック1806に戻る。
【0249】
一方で、ブロック1794においてAPがTXOPアクセススケジューラ要求フレームを受け取らなかったと判定された場合には、
図51Cのブロック1796に到達する。ブロック1796において、APがTXOPオファーフレーム又はTXOPアクセススケジューラ要求フレームを受け取ったかどうかを判定するチェックが行われる。APがこれらのフレームをいずれかも受け取らなかった場合、実行は終了する。一方で、これらのフレームのいずれかが受け取られた場合、ブロック1812において、APは、割り当てられた送信期間内に宛先STAにDLデータフレームを送信する。その後、APは、DLデータが正常に受け取られたことを示す各宛先STAからのACKを待つ(1814)。
【0250】
7.3.6.(コーディネータとしてのAPを伴う)非AP共有TXOP参加者STAにおいて処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階
図52A及び
図52Bに、(コーディネータとしてのAPを伴う)非AP共有TXOP参加者STAにおいて処理されるUL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例1830を示す。
【0251】
図52Aにおいて、TX期間フィールドが指定されたTXOPオファーフレームをいずれかの非AP共有TXOP参加者STAが受け取ったかどうかを判定するチェックが行われる(1832)。TXOPオファーフレームが受け取られた場合、ブロック1840において、非AP共有TXOP参加者STAが指定されたTX期間内に関連するAPにデータフレームを送信する。次に、ブロック1842において、非AP共有TXOP参加者STAはULデータの送信の成功を示すACKがAPから受け取られるのを待ち、その後に処理は終了する。
【0252】
一方で、ブロック1832において条件が満たされなかった場合、実行はチェック1834に進み、いずれかの非AP共有TXOP参加者STAがユニキャストされたTXOPアクセススケジューラフレームを受け取ったかどうかを判定する。フレームが受け取られたことで条件が満たされる場合、ブロック1844において、非AP共有TXOP参加者STAが、ビーコンフレームのアクセス要求情報要素内に設定された対応するフィールドにTID、ソースAID及び宛先AIDを対応付け、そのためのTXOPアクセス期間を割り当てる。次に、非AP共有TXOP参加者STAは、このTXOPアクセス時間内にデータを送信する。その後、実行がブロック1842に戻って処理は終了する。
【0253】
一方で、ブロック1834において条件が満たされない場合、
図52Bにおいていずれかの非AP共有TXOP参加者STAがブロードキャストTXOPスケジューラフレームを受け取ったかどうかを判定するチェックが行われる(1836)。条件が満たされた場合には、ブロック1846において、非AP共有TXOP参加者STAが、ブロードキャストTXOPスケジュールフレーム内に設定された対応するフィールドにTID、ソースAID及び宛先AIDを対応付け、そのためのTXOPアクセス期間を割り当て、その後にこのTXOPアクセス期間内にデータを送信し、実行が
図52Aのブロック1842に進んだ後に処理は終了する。
【0254】
一方で、ブロック1836における条件が満たされない場合、実行はブロック1838に到達して、非AP共有TXOP参加者STAがDLデータフレームを受け取ったかどうかを判定するチェックが行われる。非AP共有TXOP参加者STAがDLデータフレームを受け取った場合、ブロック1848において非AP共有TXOP参加者STAがDLデータフレームのソースSTAにACKで応答した後に実行処理は終了する。
【0255】
7.3.7.APレベルでのDL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階
図53A及び
図53Bに、APレベルで処理されるDL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例1870を示す。APは、各DLトラフィック宛先にDLデータを送信し(1872)、その後に各DLトラフィック宛先からACKを受け取る(1874)。
【0256】
TX期間フィールドが指定されたTXOPオファーフレームをAPがユニキャストしたかどうかがチェックされる(1876))。APがTXOPオファーフレームをユニキャストした場合、実行はブロック1878に到達し、指定されたTX期間後に、APは次のTXOP共有参加者STAに別のTXOPオファーフレームをユニキャストする。
【0257】
チェック1880において、さらなるTXOP共有参加者が存在するかどうかを判定する。さらなるTXOP共有参加者が存在する場合には、ブロック1878に戻って処理を継続し、そうでなければプロセスは終了する。
【0258】
一方で、ブロック1876においてAPがTXOPオファーフレームをユニキャストしなかったと判定された場合、実行はブロック1882に到達して、APがTXOP共有参加者STAにTXOPアクセススケジューラ情報をユニキャストしたかどうかを判定するチェックを行う。スケジューラ情報がユニキャストされたと判定された場合、ブロック1884においてAPがTXOPアクセススケジューラフレームにおいて非AP共有TXOP参加者STAのTXOPアクセス期間を示した後に処理は終了する。
【0259】
一方で、ブロック1882においてAPがTXOPアクセススケジューラフレームをユニキャストしなかったと判定された場合には、
図53Bのブロック1886に到達して、APがTXOP参加者STAにブロードキャストTXOPスケジューラフレームをブロードキャストしたかどうかをチェックする。ブロードキャストが実行されたと判定された場合には、ブロック1888においてAPがブロードキャストTXOPスケジュールフレームにおいて各非AP共有TXOP参加者STAのTXOPアクセス期間を示した後にプロセスは終了する。
【0260】
一方で、ブロック1886においてAPがブロードキャストTXOPスケジューラフレームをブロードキャストしなかったと判定された場合には、ブロック1890に到達して、APがULデータフレームを受け取ったかどうかを判定する。ULデータフレームが受け取られた場合には、APがデータフレームのソースにACKフレームを送信(1892)することによって応答した後に処理は終了する。
【0261】
なお、非AP共有TXOP参加者STAレベルで処理されるDL起動型TXOPスケジュール及びアクセス段階のフローチャートは
図30A~
図30Bと同じである。
【0262】
7.4.半静的シナリオの概要
TXOP所有者STA/APは、何らかの時点で設定手順を通じてTXOP共有のための設定を行うことができ、チャネル内でTXOPが獲得される度に、予め設定された期間にわたって予め設定された数の装置とこのTXOPを共有する。STA又はAPは、設定手順の繰り返しを通じて何らかの時点でこのTXOP共有構成設定を終了することができる。
【0263】
TXOP共有設定が完了すると、TXOP所有者STA/APは、TXOPを共有する度にRTS共有又はCTS共有フレームの受信を通じて共有TXOP参加者を通知され、予め設定されたアクセスルールに従ってチャネルにアクセスする。
【0264】
自局のTXOPを共有するTXOP所有者STA/APは、自局が獲得している各TXOPを予め設定されたルールに従って共有のためにオファーするか否か(全てのTXOPを専有するか)を決定(判定)することができる。
【0265】
7.4.1.半静的TXOP共有設定手順
図54に、AP12、STA1 14、STA2 16及びSTA3 18間の相互作用を描いた半静的TXOP共有設定段階の実施形態例1910を示す。各STAは、そのTXOPを共有する用意があるかどうか、及びどれほど長く(どれほどの期間にわたって)共有するかを決定し、及び/又は要求された時間にわたる共有TXOP時間を他のSTAから受け取ることができる。APは、STAに情報を転送する。STAは、自局のTXOP共有の構成を決定し、APを通じて他のSTAと構成を交換する。
【0266】
具体的には、この図には、STA1が共有オファー/要求1912を生成し、これがAPによって確認応答され(1914)、APが共有オファー/要求1916を受け取り、本明細書ではSTA1、STA2及びSTA3として例示する非AP局にこれらを送信することを例示する。同様に、STA3は、その後にTXOP所有者として共有オファー/要求1918を生成してAPに送信し、APは確認応答1920を生成し、その後にオファー/要求1922が非AP STAと共有されることが分かる。
【0267】
この例ではSTA1である潜在的TXOP所有者STAは、オファー/要求1922を受け取ったことに応答して、このTXOP所有者STAによって割り当てられた各TXOP参加者STAの共有TXOPアクセススケジュールの配分を示す共有構成フレーム1924を送信する。APは、共有構成を受け取って確認応答(1926)した後に、非AP STAに共有構成をブロードキャストする(1928)。このプロセスが繰り返されて、STA3がAPに共有構成を送信し(1930)、APはこれを確認応答した(1932)後に他のSTAにブロードキャストすることによって構成1934を共有する。共有構成は、各潜在的TXOP所有者STAによって割り当てられた全ての非AP STAの共有TXOPアクセス時間情報の配分を含む。
【0268】
7.4.2.半静的TXOP共有(UL起動型共有TXOP)
図55に、UL起動型半静的TXOP共有段階の実施形態例1950を示す。
【0269】
共有STAとAPとの間のRTS共有及びCTS共有の交換は、次のTXOPを合意された構成に従って共有できることを告知する。この図には、STAによるTXOP共有告知1964の実行を描いており、この例ではTXOP所有者STA3がAPにRTS共有1952を送信し、APがSTA3にCTS共有1954を送信する。
【0270】
次の共有TXOPに参加する用意がある他のSTA又はAPは、TXOPが共有される予定であることを示すRTS共有又はCTS共有を受け取ってこれらが共有構成に含まれていることを知ると、TXOP共有フェーズ1966において、いつチャネルにアクセスすべきであるか、及びどれほどの長さ(期間)にわたって送信を行うべきかを決定することができる。この例には、TXOP所有者STA3がTXOP時間1956を使用し、STA1がTXOP時間1958を使用し、STA2がTXOP時間1960を使用し、APがTXOP時間1962を使用していることを示す。
【0271】
なお、本開示は、自局のTXOPを共有するSTAとAPとの間の交換のために異なるメッセージを使用することもでき、他のSTAはこのメッセージを受け取ってこの情報を取得することができると理解されたい。
【0272】
図56に、DL起動型半静的TXOP共有段階の実施形態例1990を示す。
【0273】
共有APとSTAとの間におけるRTS共有及びCTS共有の交換は、次のTXOPを合意された構成に従って共有できることを告知する。この図には、APがSTA3にRTS共有1992を送信し、STA3がAPにCTS共有1994を返送することで例示するTXOP共有告知を示す。
【0274】
次の共有TXOPに参加する用意がある他のSTAは、TXOPが共有される予定であることを示すRTS共有又はCTS共有を受け取って、自局が共有構成に含まれていることを知る。次に、これらのSTAは、TXOP共有フェーズ中に、いつチャネルにアクセスしてどれだけ長く送信すべきであるかを決定することができる。この例では、APがTXOP時間1996を使用し、STA3がTXOP時間1998を使用し、STA1がTXOP時間2000を使用し、STA2がTXOP時間2002を使用することを示す。
【0275】
なお、自局のTXOPを共有するAPと他のSTAとの間でこの通信交換を実行するために異なるメッセージタイプを利用することもでき、他のSTAもこのメッセージを受け取って共有情報を取得することができると理解されたい。
【0276】
7.5.簡易UL起動型TXOP共有スキーム
図57A及び
図57Bに、UL起動型簡易TXOP共有スキームの実施形態例2030を示す。
【0277】
AP 2032、STA2 2034、STA3 2036、STA4 2038、STA5 2040間の相互作用、及びNAV2042を示す。
【0278】
簡易TXOP共有スキームは、全ての非AP STA及びAPを直接ループスルーすることによってTXOP期間2031を共有する。このスキームは、共有TXOP参加者STAを識別するステップと、各共有TXOP参加者STAに対応する時間リソースを割り当てるステップとをスキップするため、達成が容易である。
【0279】
この例では、STA3がチャネルを求めて競合(2044)していることが分かる。STA3は、チャネルアクセス権を獲得すると、APにRTS2046を送信してCTS2048を受け取る。STA3は、共有TXOP所有者STAである。STA3は、APにデータ2050を送信し、APは、ブロック確認応答2052を送信することによって応答する。共有TXOP所有者STAは、共有TXOP時間を必要なだけ使用することができ(最大TXOP期間は構成設定である)、1又は2以上のデータ2054を送信してBA2056を受け取っていることが分かる。STA3は、送信終了後にAPにCTS拒絶2058を送信する。
【0280】
APは、TXOP期間内に時間が許せば、STA4にCTS2060を送信することによって次のSTA(共有TXOP参加者STA)をループスルーする。APは、各共有TXOP参加者STAに限られた共有TXOP時間を割り当てる。
【0281】
この例では、STA4がデータ2062を送信し、APがこれに確認し(2064)、その後にSTA4がAPにCTS拒絶フレーム2066を送信することが分かる。なお、CTS拒絶フレームは、(a)STA(例えば、この例に示すSTA4)が割り当てられた共有TXOP制限よりも早く送信を終了した場合、(b)STA(例えば、この例に示すSTA5)が割り当てられた共有TXOP制限の終わりに近づいた場合、及び(c)STA(例えば、この例に示すSTA2)が送信すべきデータを有していない場合に送信される。
【0282】
APは、STA4からのCTS拒絶2066の後にSTA5にCTS2068を送信し、STA5は、APにデータ2070を送信してBA2072を受け取り、
図57Bに示すように追加データ2074を送信してこれらが確認応答される(2076)。次に、STA5がAPにCTS拒絶2078を送信する。APはSTA2にCTS2080を送信し、STA2はCTS拒絶2082を送信する。
【0283】
その後、APは、非AP STAを1回ループスルーした後に、現在のTXOPの最後まで又は全てのDLデータを送信し終えるまでDLデータ送信を開始する。STA3、STA4、STA5及びSTA2にデータ2084、2088、2092及び2096が送信され、関連するブロック確認応答2086、2090、2094及び2098が送信されることが分かる。
【0284】
APは、DLデータ送信を終えた後に現在のTXOP期間が過ぎていない(すなわち、現在のTXOP期間が最大TXOP制限未満である)場合、全てのSTAのNAVをクリアするためにCTS-to-self2100をブロードキャストする。
【0285】
図58に、非AP TXOP所有者STAで処理される簡易共有TXOPスケジュールのフローチャートの実施形態例2150を示す。
【0286】
チェック2152において、APに送信された直前のRTSフレームに対する応答としてCTSが受け取られたかどうかを判定する。STAは、CTSを受け取った場合には共有TXOP所有者STAであり、正常にチャネルを取得した上でAPにデータを送信し始める(2154)。一方で、ブロック2152においてCTSが受け取られなかった場合、ブロック2164においてCTSタイムアウト後に別のRTSが送信されてプロセスは終了する。
【0287】
共有TXOP所有者STAは、利用可能なTXOP期間(すなわち、0~最大TXOP制限)をいずれかの必要な範囲まで使用することができる。最大TXOP制限が切れる前に共有TXOP所有者STAが自局のデータを全て送信し終えたかどうかについてのチェックが行われる(2156)。STAは、TXOPの終了前に自局のデータ送信を終えている場合、APにCTS拒絶を送信する(2158)。一方で、STAが送信すべきデータを依然として有している場合、実行はブロック2166に進み、STAがもう1回データフレーム送信を行うのに時間が不十分であると判定した場合にはそのデータ送信を停止し、実行はブロック2158に進んでAPにCTS拒絶を送信する。
【0288】
DLデータが受け取られたかどうかを判定するチェックが行われる(2160)。DLデータが受け取られた場合、ブロック2162においてACK又はブロックACK(BA)などの確認応答の形態の応答が生成された後に処理は終了する。一方で、ブロック2160においてDLデータが受け取られなかったと判定された場合、処理は終了する。
【0289】
図59に、非AP TXOP参加者STAにおいて処理される簡易共有TXOPスケジュールの実施形態例2190を示す。
【0290】
チェック2192において、STAが、このSTAが送信された直前のRTSフレームに対する応答ではないこのSTAのためのCTSを受け取ったかどうかを判定する。STAがCTSを受け取っていない場合、処理は終了する。
【0291】
そうでなければ、共有TXOP参加者STAとしてCTSを受け取ったSTAが、TXOP所有者STAによって共有されるチャネルアクセス権を獲得する。STAが送信すべきデータを有しているかどうかを判定するチェックが行われる(2194)。送信すべきデータが存在しない場合、実行はブロック2200に進み、STAがAPにCTS拒絶を送信する。
【0292】
一方で、送信すべきデータが存在する場合、共有TXOP参加者STAがAPにデータの送信2196を開始し、構成において割り当てられた利用可能なTXOP期間を使用することができる。STAが最大TXOP時間よりも早くデータ送信を完了しそうであるかどうかを判定するチェックが行われる(2198)。STAがTXOP終了前にデータ送信を完了しそうである場合、ブロック2200においてAPにCTS拒絶が送信される。一方で、STAが次のデータフレーム送信を完了するのに十分な時間が存在しない場合には、ブロック2206に到達してデータ送信を停止し、ブロック2200に進んでAPにCTS拒絶を送信する。
【0293】
APにCTS拒絶が送信された後に、DLデータが受け取られたかどうかを判定するチェック2202が行われる。DLデータが受け取られた場合、STAが確認応答の形態(例えば、ACK、又はブロックACK)で応答2204を行った後に処理は完了する。ブロック2202においてDLデータが受け取られていないと判定された場合、処理は終了する。
【0294】
図60A~
図60Cに、APにおいて処理される簡易共有TXOPスケジューリングの実施形態例2250を示す。
【0295】
チェック2252において、STAからRTSが受け取られたかどうかを判定する。RTSが受け取られていない場合、この処理は終了する(1372)。
【0296】
一方で、RTSが受け取られた場合、ブロック2254においてAPがそのSTAにCTSフレームを送信することによって応答し、STAが最大TXOPの期間まで自局のためのチャネルを予約する。チェック2256において、APがデータ又は集約データフレームを受け取ったかどうかを判定する。データ/集約データフレームが受け取られた場合、ブロック2258においてAPがACK又はブロックACK(BA)などの確認応答で応答した後にブロック2260に到達する。一方で、ブロック2256においてデータ/集約データフレームが受け取られなかったと判定された場合、実行は直接ブロック2260に進む。従って、APがデータ/集約データを受け取ったかどうかにかかわらず、実行はブロック2260に到達してAPがCTS拒絶フレームを受け取ったかどうかをチェックする。
【0297】
CTS拒絶フレームが受け取られていない場合には、最大TXOP制限が過ぎているかどうかを判定するチェック2262が行われる。最大TXOP制限が過ぎていなければ、ブロック2260に戻ってAPがCTS拒絶を待ち続ける。一方で、最大TXOP制限が過ぎていれば実行は終了する。
【0298】
ブロック2260においてCTS拒絶フレームが受け取られたと判定された場合には、TXOP所有者がデータの送信を完了したということであり、実行は
図60Bのブロック2264に到達してTXOP制限が過ぎたかどうかをチェックする。TXOP制限が過ぎていない場合には、ブロック2266においてAPが現在の周回内の次のSTAをループスルーして次のSTAに新たなCTSを送信し、次のSTAが現在の最大TXOP制限の終了までチャネルを予約する。APは各STAについて全てのSTAをループスルーする必要があるため、
図60Aのブロック2256に戻る。ブロック2264においてTXOP制限が過ぎたと判定された場合、ループは終了する。
【0299】
次に、ブロック2268において、APが1周で全てのSTAを1回ループスルーし終えたかどうかが判定される。APが1周で処理を終えていない場合、実行はブロック2264に戻ってTXOP制限が過ぎたかどうかを再び判定する。一方で、ブロック2268においてAPが局を1周ループスルーし終えたと判定された場合、実行は
図60Cのブロック2270に到達して、TXOP制限が過ぎたかどうかを判定する。TXOP制限が過ぎていた場合、実行はブロック2276に進み、CTS-to-selfフレームがブロードキャストされてNAVがクリアされる。
【0300】
一方で、ブロック2270においてTXOP制限が過ぎていないと判定された場合、APはブロック2272においてDLデータ送信を開始し、その後にチェック2274において全てのDLデータ送信が完了したかどうかを判定する。全てのDLデータ送信が完了していない場合、実行はブロック2270に戻る。一方で、全ての送信が完了した場合、APはブロック2276においてCTS-To-Selfフレームをブロードキャストして全てのSTAのNAVを0にリセットした後に処理は終了する。
【0301】
図61A及び
図61Bに、DL起動型簡易TXOP共有スキームの実施形態例2310を示す。
【0302】
AP 2032、STA2 2034、STA3 2036、STA4 2038、STA5 2040間の相互作用、及びNAV2042を示す。
【0303】
APはチャネルを求めて競合する(2312)。APは、チャネルアクセス権を獲得すると、RTS2314を送信して共有TXOP所有者(この例では、STA3)からCTS2316を受け取る。APは、構成設定である最大TXOP期間まで必要な(望む)だけDL送信に共有TXOP時間を使用することができる。STA3、STA4、STA5及びSTA2へのデータ送信2318、2322、2326及び2330、並びにこれらのそれぞれの確認応答2320、2324、2328及び2332をそれぞれ例示する。APは、これらの送信を終えた後に時間が許せば、ULデータを受け取るために次のSTAにCTS2334を送信する。この事例では、STA3がCTSを受け取ってAPにULデータ2336を送信し、APがBAでこれを確認応答し(2338)、
図61Bに進み、STA3が終了までデータ2340を送信し続けてBA2342が戻され、終了時点でSTA3がAPにCTS拒絶2344を送信していることが分かる。
【0304】
時間が許せば、APはCTSを送信することで次のSTA(共有TXOP参加者STA)にループスルーする。APは、限られた共有TXOP時間を各共有TXOP参加者STAに割り当てる。STAは、(a)STA(例えば、STA4)が割り当てられた共有TXOP制限よりも早く送信を終了した場合、(b)STA(例えば、STA5)が割り当てられた共有TXOP制限時間の終わりに近づいた場合、(c)STA(例えば、STA2)が送信すべきデータを有していない場合にAPにCTS拒絶フレームを送信する。
【0305】
この例には、APがSTA4にCTS2346を送信し、STA4がAPにULデータ2348を送信して確認応答2350を受け取り、その後にSTA4がCTS拒絶2352を生成することを示す。APは、別のSTAに移ってSTA5にCTS2354を送信し、STA5はデータ2356~2360を送信して各2358~2362において確認応答を受け取り、その後にCTS拒絶2364を送信する。その後、APは、STA2にCTS2366を送信してCTS拒絶2388を受け取る。
【0306】
時間が許せば、APは、非AP STAを1回ループスルーした後に、現在のTXOP期間が過ぎていなければ(すなわち、現在のTXOP期間が最大TXOP制限未満であれば)、全てのSTAのNAVをクリアするためにCTS-to-Self2370をブロードキャストする。
【0307】
図62A~
図62Cに、APにおいて処理される簡易共有TXOPスケジュールの実施形態例2410を示す。
【0308】
APは、宛先STAにRTSを送信する(2412)。チェック2414において、APによって送信された直前のRTSの応答としてAPがCTSを受け取ったかどうかを判定する。条件が真でない場合、ブロック2416においてAPがCTSタイムアウト後にRTSを再送し、実行はブロック2414に戻る。
【0309】
一方でCTSが受け取られた場合、チェック2418においてTXOP制限が過ぎているかどうかを判定する。TXOP制限が過ぎている場合、実行は
図62Cのブロック2448に進み、利用可能なTXOP時間がもう1つデータフレームを送信するのに不十分であればデータ送信を停止する。ブロック2418においてTXOP制限が過ぎていないと判定された場合、APは宛先STAにDLデータを送信し(2420)、チェック2422においてAPがACK又はBAを受け取ったかどうかを判定する。確認応答(例えば、ACK又はBA)が受け取られなかった場合、ブロック2424において時間が許せばAPが同じ宛先STAにDLデータを再送する。確認応答(例えば、ACK又はBA)が受け取られた場合、実行は
図63Bのブロック2426に到達し、APは次の宛先STAにDLデータを送信する。
【0310】
チェック2428において、APが全てのDLデータ送信を完了したかどうかを判定する。全ての送信が完了していない場合、実行は
図62Aのブロック2418に戻り、TXOP制限が過ぎているかどうかをチェックする。一方で全てのDLデータ送信が完了した場合、APは次のSTAにCTS2430を送信してUPデータ送信をトリガする。
【0311】
チェック2432において、APがデータ又は集約データフレームを受け取ったかどうかを判定する。APは、このデータを受け取った場合には確認応答(例えば、ACK又はBA)で応答し(2434)、実行はブロック2436に進む。一方でデータが受け取られなかった場合、実行はブロック2436に進み、APがCTS拒絶フレームを受け取ったかどうかを判定するチェックを行う。APがCTS拒絶フレームを受け取っていない場合、実行はブロック2438に進み、最大TXOP制限が過ぎたかどうかを判定する。最大TXOP制限が過ぎている場合、実行は終了する。一方でTXOP制限が過ぎていない場合、実行はブロック2436に戻る。
【0312】
ブロック2436においてCTS拒絶フレームが受け取られたと判定された場合、
図62Cのチェック2440において、TXOP制限が過ぎたかどうかを判定する。TXOP制限が過ぎた(TXOP制限に到達した)場合、実行はブロック2446に進む。TXOP制限が過ぎていない場合、ブロック2442においてAPが現在の周回内の次のSTAにループスルーし、このSTAに新たなCTSを送信して最大TXOPの終了までチャネルを予約する。
【0313】
チェック2444において、APがSTAを1周ループスルーし終えたかどうかを判定する。APが終了していない場合、実行はブロック2440に戻る。APがSTAをループスルーし終えた場合、ブロック2446においてAPがNAVをクリアするためにCTS-to-selfフレームをブロードキャストし、処理は終了する。
【0314】
非AP TXOP参加者STAにおいて処理される簡易共有TXOPスケジュールのフローチャートは、
図59に示すものと同じである。
【0315】
8.フレームフォーマット例
8.1.STA TXOP共有可能性要素
図63に、STA TXOP共有可能性要素フォーマットの実施形態例2510を示す。STA TXOP共有可能性要素は、認証フレーム又はアソシエーション要求フレームなどの管理フレームに含まれ、各非AP STAが関連するAPにそのTXOP共有可能性を通知するために使用される。要素ID(Element ID)フィールドは要素を識別し、この事例ではこの要素がSTA TXOP共有可能性要素であることを示す。APは、要素IDフィールドがSTA TXOP共有可能性要素に設定された認証フレーム又はアソシエーション要求フレームを受け取った場合、STA情報(STA Info)フィールドに示される各STAの全ての共有オファー/要求情報を記録し、正常な受信を示す認証フレーム又はアソシエーション応答フレームを返送する。長さ(Length)フィールドは、要素ID及び長さフィールドを除いた要素のオクテット数を示す。STA情報(STA Information)フィールド(例えば、1~n)は、
図64に示すようなSTAに関する情報を提供する。
【0316】
図64に、STA情報フィールドフォーマットの実施形態例2530を示す。この構造のフィールドは以下の通りである。AIDサブフィールドは、TXOP共有可能性が示されるSTA又はAPのAIDを含む。TXOP共有所有者(TXOP share holder)サブフィールドは、このSTA/APのTXOP所有者としての共有可能性を示す。
【0317】
TXOP共有所有者サブフィールドは、第1の状態(例えば、1)に設定されると、TXOP所有者として動作するこのSTASTA/APが他の装置とTXOPを共有する用意があることを示す。TXOP共有所有者サブフィールドは、第2の状態(例えば、0)に設定されると、TXOP所有者として動作するこのSTA/APが他の装置とTXOPを共有する用意がないことを示す。TXOP共有参加者サブフィールドは、このSTA/APのTXOP参加者としての共有可能性を示す。
【0318】
TXOP共有参加者サブフィールドは、第1の状態(例えば、1)に設定されると、共有TXOP参加者STA/APとして動作するこのSTA/APがTXOP所有者STA/APによって共有される次のTXOPに参加する用意があることを示す。一方で、TXOP共有参加者サブフィールドが第2の状態(例えば、0)に設定された場合には、共有TXOP参加者として動作するこのSTA/APがTXOP所有者によって共有される次のTXOPに参加する用意がないことを示す。
【0319】
8.2.アクセス要求情報要素
図65に、アクセス要求情報要素フォーマットの実施形態例2550を示す。フィールドは、要素を識別する要素IDフィールドを含み、この例ではこの要素がアクセス要求情報要素であることを示す。長さフィールドは、要素IDフィールド及び長さフィールドを除いた要素のオクテット数を示す。割り当て制御(Allocation control)フィールド(1~n)も示しており、これらのうちの1つのサブフィールドを
図66に示す。
【0320】
図66に、割り当て制御サブフィールドの実施形態例2570を示す。割り当て制御(Allocation Control)サブフィールドはTID及び割り当てタイプを示し、これらのフォーマットについては
図68に示す。ソースAID(Source AID)サブフィールドは、アクセス割り当て中にチャネルアクセスを開始するSTA/APのAIDに設定される。宛先AID(Destination AID)サブフィールドは、アクセス割り当て中にソースSTA/APが標的とするSTAのAIDに設定される。ランダムアクセスカウンタ(Random Access Counter)サブフィールドは、ランダムアクセスカウントダウンを実行するために選択できる時間の範囲をマイクロ秒単位で示す。この実施形態例では、可能な値が1~32,767である。STA/APは、アクセス要求タイプ(AccessRequestType)サブフィールドがランダムアクセススロット割り当てに設定されたフレームを受け取ってランダムアクセスカウンタサブフィールドが0でない場合、ランダムにチャネルにアクセスしてアクセス要求フレームを送信すべきである。割り当て開始(Allocation Start)サブフィールドはSTA/APのアクセス開始時刻を示し、例えばアクセス開始時刻におけるTSFの下位4オクテットを含む。専用アクセススロット割り当てタイプ及び専用送信アクセス割り当てタイプについては以下が成り立つ。
【0321】
割り当て開始n=割り当て開始1+(n-1)*割り当てブロック期間。
【0322】
割り当て開始1:1回目の割り当ての割り当て開始時刻。
【0323】
割り当て開始n:n回目の割り当ての割り当て開始時刻。
【0324】
割り当てブロック期間(Allocation Block Duration)サブフィールドは、アクセス割り当てが行われる時間ブロックの期間をマイクロ秒単位で示す。専用アクセススロット割り当てタイプでは、ブロック期間をより短くすべきであり、考えられる値例は1~32,767である。
【0325】
専用送信アクセス割り当てタイプでは、ブロック期間をより長くすべきであり、考えられる値例は1~65,535である。
【0326】
図67に、割り当て制御サブフィールドフォーマットの実施形態例2590を示す。トラフィック識別子(Traffic Identifier:TID)サブフィールドは、割り当て要求又は許可のためのトラフィッククラス(TC)又はトラフィックストリーム(TS)を識別する。割り当てタイプ(Allocation Type)サブフィールドはアクセス要求タイプを定め、アクセス要求タイプサブフィールド値と題する表1に可能な値をリストする。なお、本明細書に例示するこれらの及びその他の状態は、本開示から逸脱することなく異なる値を使用して表すこともできると理解されたい。
【0327】
TIDサブフィールドは、割り当て要求又は許可のためのTC又はTSを識別する。割り当てタイプ(Allocation Type)サブフィールドはアクセス要求のタイプを定め、表1に可能な値をリストする。
【0328】
8.3.共有オファー/要求フレーム
図68は、共有オファー/要求(Sharing Offer/Request)フォーマットの実施形態例2610を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドはフレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信者のMACアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのMACアドレスを含む。ベーシックサービスセットID(BasicServiceSet ID:BSSID)サブフィールドは、非AP STAが関連するAPのMACアドレスである。BSSIDがTAと同じMACアドレスを示す場合には、共有オファー/要求フレームが内部BSSから非AP STAの共有可能性情報を配信していることを意味し、そうでなければ、共有オファー/要求フレームがBSSIDによって示されるIDを有するインターBSSから非AP STAの共有可能性情報を配信していることを意味する。1又は2以上のSTA共有オファー/要求(STA Share Offer/Request info)情報フィールド(例えば、1-n)も示しており、これらは
図69に示すような非AP STA/APのTXOP共有オファー/要求情報を示す。
【0329】
図69に、共有オファー/要求(Share Offer/Request info)情報フィールドフォーマットの実施形態例2630を示す。STA共有オファー/要求フィールドは、非AP STA/APのTXOP共有オファー/要求情報を示す。
【0330】
優先度(Priority)フィールドは、STA/APのバッファに記憶されたトラフィックの優先度を示し、TXOP所有者がTXOPアクセススケジューラ設計のために利用することができる。
【0331】
STA AIDは、非AP TXOP参加者STA/APのAIDである。TXOP共有要求サブフィールドは、第1の状態(例えば、1)に設定されると、STA AIDフィールドに示されたAIDを有するSTA/APが共有TXOPを要求していることを意味し、そうでなければ第2の状態(例えば、0)に設定される。装置は、TXOP共有要求フィールドが第1の状態(例えば、1)に設定された共有オファー/要求フレームを受け取ると、STA AIDフィールドに示されたAIDを有するSTA/APが共有TXOPに参加する用意があると認識することができる。
【0332】
TXOP共有オファー(TXOP Share Offered)サブフィールドは、第1の状態(例えば、1)に設定されると、STA AIDフィールドに示されたAIDを有するSTA/APがTXOP所有者になって自局のTXOPを他の装置と共有する用意があることを示し、そうでなければ第2の状態(例えば、0)に設定される。装置は、第1の状態(例えば、1)として設定されたTXOP共有オファーフィールドを有する共有オファー/要求フレームを受け取ると、STA AIDフィールドに示されたAIDを有するSTA/APがTXOPを共有する用意があると認識する。
【0333】
8.4.RTS共有フレーム及びCTS共有フレーム
非AP TXOP所有者STA/APは、チャネルが空いている(ビジーでない)ことを感知してチャネルを取得すると、AP/宛先STAにRTS共有フレームを送信することによってTXOPを共有する意思を告知する。AP/宛先STAは、非AP TXOP所有者STA/APからRTS共有フレームを受け取った後に、正常な受信を示すためにCTS共有フレームで応答し、TXOPが共有TXOPであると認識する。
【0334】
図70に、RTS共有フレームの実施形態例2650を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドはフレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。限定ではなく一例として、期間フィールドは、短いNAV期間値のために設定されたビット0~13で符号化され、これは0に等しいことはあり得ず、ビット14~15は、これを共有情報として示すコードである01として設定される。このRTS共有フレーム内の期間フィールドに共有情報が示される場合には、TXOPが共有可能であることを示す。表2に、この期間フィールドの符号化を詳述しており、本開示では下線を引いた予備フィールドを使用する。
【0335】
RAフィールドは、フレームの受信者のアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのアドレスを含む。これらのフィールドはMACヘッダに含まれる。
【0336】
図71に、CTS共有フレームの実施形態例2670を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドはフレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。表2には、CTS共有フレームの期間フィールド符号化も示す。RAフィールドは、フレームの受信者のアドレスを含む。これらのフィールドはMACヘッダに含まれる。
【0337】
8.5.TXOPオファーフレーム
図72に、TXOPオファーフレームフォーマットの実施形態例2690を示す。
【0338】
TXOP参加者獲得段階では、非AP TXOP所有者STA/APが、自局がTXOPを共有する用意があることを示して共有TXOPに参加する用意がある他の装置について問い合わせるためにTXOPオファーフレームをブロードキャストする。別の装置は、このTXOPオファーフレームを受け取ると、非AP TXOP所有者との次の共有TXOPに参加する用意があることを示すために新たな設計フレームであるアクセス要求フレームで応答する。
【0339】
TXOPスケジュール及びアクセス段階では、TXOP所有者が、UL/DL PPDUを正常に送信した後に、次のTXOP共有参加者STAの送信期間を示すTXOPオファーフレームをユニキャストする。非AP共有TXOP参加者STAは、ユニキャストTXOPオファーフレームを受け取ると、送信期間内に関連するAPにULデータを送信する。APは、ユニキャストTXOPオファーフレームを受け取ると、送信期間内に宛先STAにDLデータを送信する。
【0340】
期間/ID(Duration/ID)フィールドは、フレームを送信するSTA/APに割り当てられたAID値を含む。RAフィールドは、このフレームを受け取るSTA/APのアドレスに設定される。このフレームがブロードキャストである場合、RAフィールドは、ブロードキャスティングアドレスとしてFF:FF:FF:FF:FF:FFに設定されるべきである。TAフィールドの値は、このフレームを送信するSTA/APのアドレスである。応答オフセット(Response Offset)フィールドは、STA/APがTXOPオファーフレームを受け取った時点で、この時間オフセット内に非AP TXOP所有者STA/APにアクセス要求フレームを送信すべきであることを示す。TX期間フィールド値は、STA/APがTXOPオファーフレームを受け取った時点でTX期間を超えて送信シーケンスを完了すべきではないことを示す。
【0341】
8.6.アクセス要求フレーム
図73に、以下のフィールドを有するアクセス要求フレームの実施形態例2710を示す。
【0342】
フレーム制御(Frame Control)及び(Duration/ID)期間/IDフィールドは、これまでのメッセージ例と同様である。
【0343】
アクセス要求フレームのRAフィールドの値は、コーディネータとしてのAPを伴わない/伴う2つのシナリオで異なり、以下のように設定すべきである。AP協調を伴わない場合、RAは共有TXOP所有者STA/APのアドレスに設定される。AP協調を使用する場合、RAは関連するAPのアドレスに設定される。
【0344】
アクセス優先度(Access Priority)サブフィールドはアクセスの優先度に関する情報を提供し、
図74において説明する。
【0345】
図74に、アクセス優先度サブフィールドフォーマットの実施形態例2730を示す。アクセスカテゴリ情報(ACI)ビットマップ(Access Category Information(ACI)Bitmap)サブフィールドは、バッファステータスが報告されるアクセスカテゴリを示す。ACIビットマップサブフィールドの各ビットは、第1の状態(例えば、1)に設定されると、対応するACのバッファステータスがキューサイズオール(Queue Size All)サブフィールドに含まれていることを示し、一方で(ACIビットマップサブフィールドが第2の状態(例えば、0)に設定されてデルタTIDサブフィールドが3である場合を除き)第2の状態(例えば、0)に設定されると、8つのTIDの全てのバッファステータスを示す。デルタTID(Delta TID)サブフィールドは、ACIビットマップサブフィールドの値と組み合わせて使用され、STAがバッファステータスを報告するTIDの数を示す。
【0346】
アクセスカテゴリ情報(ACI)高(Access Category Information(ACI)High)サブフィールドは、キューサイズ高サブフィールドにアクセス要求フレームが示されるアクセスカテゴリ(AC)のACIを示す。スケーリングファクタ(SF)(Scaling Factor(SF))サブフィールドは、キューサイズ高サブフィールド及びキューサイズ全サブフィールドの単位SFをオクテットの単位で示す。キューサイズ高(Queue Size High)サブフィールドは、ACI高サブフィールドによって識別されるACのバッファリングされたトラフィック量をSFオクテットの単位で示す。キューサイズ全(Queue Size All)サブフィールドは、ACIビットマップサブフィールドによって識別される全てのACのバッファリングされたトラフィック量をSFオクテットの単位で示す。
【0347】
8.7.TXOPアクセススケジューラフレーム
図75に、TXOPアクセススケジューラフレームの実施形態例2750を示す。非AP TXOP所有者STA/APは、各STAのTX期間を示すTXOPアクセススケジューラフレームを非AP共有TXOP参加者STAにユニキャストする。STAは、TXOPアクセススケジューラフレームを受け取ると、ビーコンフレームに埋め込まれたアクセス要求情報要素の割り当て制御フィールドに示される異なるタイムスロットで関連するAPにデータを送信する。
【0348】
RAフィールドは、このフレームを受け取るSTA/APのアドレスに設定される。TAフィールド値は、このフレームを送信するSTA/APのアドレスである。TXOPアクセス割り当て情報フィールドは、専用送信アクセスのためのTXOP割り当て情報を定める。
【0349】
図76に、TXOPアクセス割り当て情報サブフィールドフォーマットの実施形態例2770を示す。TIDサブフィールド:TIDサブフィールドは、TXOPアクセス割り当てのためのTC又はTSを識別する。割り当てタイプ(Allocation Type)サブフィールドは、TXOPアクセススケジューラタイプを定め、表1(アクセス要求タイプサブフィールド値)に可能な値を示しており、B4及びB5は、これが専用送信アクセス割り当てであることを示すためにそれぞれ1及び0として設定される。ソースAID(Source AID)サブフィールドは、アクセス割り当て中にチャネルアクセスを開始するSTA/APのAIDに設定される。宛先AID(Destination AID)サブフィールドは、アクセス割り当て中にソースSTA/APが標的とするSTAのAIDに設定される。
【0350】
8.8.ブロードキャストTXOPスケジュールフレーム
非AP TXOP所有者装置は、各共有TXOP参加装置のTX期間を示すブロードキャストTXOPスケジューラフレームをTXOP共有参加装置にブロードキャストする。STAは、ブロードキャストTXOPスケジューラフレームを受け取ると、ブロードキャストTXOPスケジューラフレームに示される異なるタイムスロットで関連するAPにそれぞれデータを送信する。
【0351】
図77に、ブロードキャストTXOPスケジュール(Broadcast TXOP Schedule)フレームフォーマットの実施形態例2790を示す。フレーム制御(Frame Control)及び(Duration/ID)期間/IDフィールドは、これまでのメッセージ例と同様である。RAフィールドは、このフレームを受け取る受信側STAのアドレスに設定される。TAフィールドは、このフレームを送信するSTAのアドレスを含む。1又は2以上のSTA TXOPスケジュール(例えば、1~n)はTXOPスケジュールを含み、
図78に示すサブフィールドを有する。
【0352】
図78に、STA TXOPスケジュールフィールドフォーマットの実施形態例2810を示す。割り当て制御(Allocation Control)サブフィールドは、
図79に示すようなTID及び割り当てタイプを示す。ソースAID(Source AID)サブフィールドは、アクセス割り当て中にチャネルアクセスを開始するSTA/APのAIDに設定される。宛先AID(Destination AID)サブフィールドは、割り当て中にソースSTA/APが標的とするSTAのAIDに設定される。割り当て開始(Allocation Start)サブフィールドはアクセスの開始時刻を示し、一例としてアクセス開始時のTSFの下位4オクテットを含む。割り当て制御サブフィールドフォーマットで定められる専用送信アクセス割り当てタイプについては以下が成り立つ。
【0353】
割り当て開始n=割り当て開始1+(n-1)*割り当てブロック期間。
【0354】
割り当て開始1:1回目のSTA TXOPスケジュールの割り当て開始時刻。
【0355】
割り当て開始n:n回目のSTA TXOPスケジュールの割り当て開始時刻。
【0356】
割り当てブロック期間(Allocation Block Duration)サブフィールドは、アクセス割り当てが行われる時間ブロックの期間をマイクロ秒単位で示す。
【0357】
専用アクセススロット割り当てタイプでは、ブロック期間をより短くすべきであり、限定ではなく一例として考えられる値の範囲は1~32,767である。専用送信アクセス割り当てタイプでは、ブロック期間をより長く(例えば、2倍のサイズに)すべきであり、例えば考えられる値の範囲は1~65,535である。
【0358】
図79に、TID及び割り当てタイプを示す割り当て制御サブフィールドフォーマットの実施形態例2830を示す。
【0359】
8.9.共有TXOP参加者告知フレーム
図80に、共有TXOP参加者告知フレームフォーマットの実施形態例2850を示す。フレーム制御(Frame Control)及び(Duration/ID)期間/IDフィールドはこれまでのメッセージ例と同様であり、RAフィールド及びTAフィールドもこれまでに説明した通りである。この例では1~n人の参加者を示す、1又は2以上のSTA TXOP参加者のためのフィールドも含まれる。この参加者フィールド内のサブフィールドを
図81に示す。
【0360】
図81に、STA TXOP参加者(TA TXOP Participant)フィールドフォーマットの実施形態例2870を示す。ソースAID(Source AID)サブフィールドは、アクセス割り当て中にチャネルアクセスを開始するAIDに設定される。宛先AID(Destination AID)サブフィールドは、割り当て中にソースSTAが標的とするSTAのAIDに設定される。ACIビットマップ(ACI Bitmap)サブフィールドは、バッファステータスが報告されるアクセスカテゴリを示す。デルタTID(Delta TID)サブフィールドは、ACIビットマップサブフィールドの値と組み合わせて使用され、STAがバッファステータスを報告するTIDの数を示す。
【0361】
アクセスカテゴリ情報(ACI)高(Access Category Information(ACI)High)サブフィールドは、キューサイズ高サブフィールドにアクセス要求フレームが示されるアクセスカテゴリ(AC)のACIを示す。スケーリングファクタ(SF)(Scaling Factor(SF))サブフィールドは、キューサイズ高サブフィールド及びキューサイズ全サブフィールドの単位SFをオクテットの単位で示す。キューサイズ高(Queue Size High)サブフィールドは、ACI高サブフィールドによって識別されるACのバッファリングされたトラフィック量をSFオクテットの単位で示す。キューサイズ全(Queue Size All)サブフィールドは、ACIビットマップサブフィールドによって識別される全てのACのバッファリングされたトラフィック量をSFオクテットの単位で示す。
【0362】
8.10.TXOPオファー要求フレーム
非AP TXOP所有者STAは、関連するAPにデータを送信した後に、関連するAPに次のTXOP共有参加者STAの共有TXOPアクセスの開始を示すTXOPオファー要求フレームも送信する。APは、TXOPオファー要求フレームを受け取った後に、次のTXOP共有参加者STAにTXOPオファーフレームをユニキャストして次のSTAのTX期間を示す。
【0363】
図82に、TXOPオファー要求フレームフォーマットの実施形態例2890を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールド、期間/ID(Duration/ID)フィールド、RAフィールド及びTAフィールドは、これまでのメッセージ例と同様である。期間/IDフィールドは、APがTXOPオファーフレームを送信すべきSTAのAIDを示し、TX期間フィールドは、最大送信期間がどれほどであるかを次のSTAに示す。
【0364】
8.11.TXOPアクセススケジューラ要求フレーム
非AP TXOP所有者は、関連するAPにデータを送信する前に、他の全ての非AP共有TXOP参加者STAの共有TXOPアクセスを示すTXOPアクセススケジューラ要求フレームを最初にAPに送信する。APは、TXOPアクセススケジューラ要求フレームを受け取った後に、非AP共有TXOP参加者STAにTXOPアクセススケジューラフレームをユニキャストしてこれらの各非AP共有TXOP参加者STAのTX期間を示し、或いは全ての非AP共有TXOP参加者STAにブロードキャストTXOPスケジューラフレームをブロードキャストしてこれらの各非AP共有TXOP参加者STAのTX期間を示す。
【0365】
図83に、TXOPアクセススケジューラ要求フレームフォーマットの実施形態例2910を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールド、期間(Duration/ID)フィールド、RAフィールド及びTAフィールドは、これまでのメッセージ例と同様である。この例ではTXOPアクセス要求1~nを示す少なくとも1つのSTA TXOPアクセス要求フィールドも含まれる。TXOPアクセス要求フィールド内のサブフィールドについては
図85で説明する。
【0366】
図84に、TA TXOPアクセス要求フィールドフォーマットの実施形態例2930を示す。割り当て制御(Allocation Control)フィールドは、要求されたタイムスロットの数を示す。ソースAID(Source AID)サブフィールドは、アクセス割り当て中にチャネルアクセスを開始するSTAのAIDに設定される。宛先AID(Destination AID)サブフィールドは、アクセス割り当て中にソースSTAが標的とするSTAのAIDに設定される。割り当て開始(Allocation Start)サブフィールドはアクセスの開始時刻を示し、少なくとも1つの実施形態ではアクセス開始時刻におけるTSFの下位4オクテットを含む。割り当て制御サブフィールドフォーマットで定められる専用送信アクセス割り当てタイプについては以下が成り立つ。
【0367】
割り当て開始n=割り当て開始1+(n-1)*割り当てブロック期間。
【0368】
割り当て開始1:1回目の割り当ての開始時刻。
【0369】
割り当て開始n:n回目の割り当ての割り当て開始時刻。
【0370】
割り当てブロック期間(Allocation Block Duration)サブフィールドは、アクセス割り当てが行われる時間ブロックの期間をマイクロ秒単位で示す。専用アクセススロット割り当てタイプについては、ここでは考えられる値の範囲が1~32,767であるブロック期間を例示する。専用送信アクセス割り当てタイプではブロック期間をより長くすべきであり、例えば考えられる値の範囲を1~65,535で例示する。
【0371】
図85には、TIDサブフィールド及び割り当てタイプサブフィールドを有する割り当て制御サブフィールドフォーマットの実施形態例2950を示す。
【0372】
8.12.共有オファー/要求フレーム
図86に、共有オファー/要求フレームフォーマットの実施形態例2970を示す。共有オファー/要求フレームは、これまでのいくつかのメッセージ例と同様に、フレーム制御(Frame Control)フィールド、期間/ID(Duration / ID)フィールド、RAフィールド及びTAフィールドを有する。共有オファー/要求(Share Offer/Request)フィールドは、非AP STAのTXOP共有オファー/要求情報を示し、これについては
図88で説明する。
【0373】
図87に、共有オファー/要求情報フィールドフォーマットの実施形態例2990を示す。優先度(Priority)フィールドは、TXOP所有者がTXOPアクセススケジューラに使用できる、STAのバッファに記憶されたトラフィックの優先度を示す。TXOP共有要求は、第1の状態(例えば、1)に設定されると、このSTAがTXOP時間の共有を要求していることを示し、そうでなければ第2の状態(例えば、0)に設定される。APは、TXOP共有要求フィールドが第1の状態に設定された共有オファー/要求フレームを受け取ると、このフレームを送信したSTAが共有TXOPに参加する用意があると認識する(判定することができる)。TXOP期間要求(TXOP Duration Request)は、STAが共有TXOPに要求する時間をマイクロ秒単位で示す。APは、この情報を共有オファー/要求フレームでブロードキャストする。TXOP共有オファー(TXOP Share Offered)の値は、第1の状態(例えば、1)に設定されると、このSTAがTXOP所有者になって他のSTAとTXOPを共有する用意があることを示し、そうでなければ第2の状態(例えば、0)に設定される。APは、第1の状態に設定されたTXOP共有オファーフィールドを有する共有オファー/要求フレームを受け取ると、このフレームを送信したSTAがTXOPを他のSTAと共有する用意があると認識することができる。TXOP期間オファー(TXOP Duration Offered)サブフィールドは、TXOP所有者STAが他のSTAと共有する用意がある時間をマイクロ秒単位で示し、APはこの情報を共有オファー/要求フレームでブロードキャストする。
【0374】
8.13.共有オファー/要求フレーム
APは、全てのSTAに共有オファー/要求フレームをブロードキャストし、そのSTAのために設計されたTXOP共有/要求情報を示す特定のSTA共有オファー/要求フィールドをSTA毎に有する。
【0375】
図88に、共有オファー/要求フレームフォーマットの実施形態例3010を示す。共有オファー/要求フレームは、これまでのいくつかのメッセージ例と同様に、フレーム制御(Frame Control)フィールド、期間(Duration)フィールド、RAフィールド及びTAフィールドを有する。このフレームには、ここではSTA共有/要求1~nとして示す複数のSTA共有オファー/要求を含めることができる。STA共有オファー/要求のフォーマットについては
図76に示す。
【0376】
図89に、STA共有オファー/要求の情報フィールドフォーマットの実施形態例3030を示す。優先度(Priority)フィールドは、TXOP所有者がTXOPアクセススケジューラ設計に使用できる、STA/APのバッファに記憶されたトラフィックの優先度を示す。STAアドレスはTXOP参加者STAのMACアドレスであり、TXOP所有者が特定のSTA/APのTXOPアクセス開始時刻及び期間を割り当てるために使用することができる。STA AIDは、TXOP参加者STA/APのAIDである。残りのTXOP共有要求フィールド、TXOP期間要求フィールド、TXOP共有オファーフィールド及びTX期間オファーフィールドについては
図86に関して説明した。
【0377】
8.14.共有構成フレーム
図90に、共有構成フレームフォーマットの実施形態例3050を示す。共有構成フレームは、これまでのいくつかのメッセージ例と同様に、フレーム制御(Frame Control)フィールド、期間(Duration)フィールド、RAフィールド及びTAフィールドを有する。TXOP共有オファー(TXOP Share Offered)フィールドは、TXOP所有者STAが他のSTA及びAPと共有する用意がある全体的なTXOP期間を示す。STA TXOPアクセス割り当て(STA TXOP Access Allocation)フィールドは、各特定のSTA及びAPのTXOPアクセス開始時刻及び期間を示し、この例ではn個のフィールドを示す。APは、共有構成フレームを受け取った後に、これをSTA TXOPアクセス割り当て情報に記録して、
図93に示す共有構成フレームと共にブロードキャストする。
【0378】
図91に、STA TXOPアクセス割り当てフィールドフォーマットの実施形態例3070を示す。
【0379】
STAアドレス(STA Address)フィールドは、TXOP所有者のMACアドレスを示す。この情報は、
図94に示す共有設定フレームにおいてAPがTXOP所有者のMACアドレスを設定するために使用される。参加者アドレス(Participant Address)は、TXOP参加者のMACアドレスを示す。APは、この情報を使用して
図94のSTA構成フィールドの参加者アドレスサブフィールドを設定する。割り当て開始(Allocation Start)フィールドは、参加者STA又はAPのTXOP送信の開始時刻を示す。割り当てブロック期間(Allocation Block Duration)フィールドは、参加者STA又はAPのTXOP送信の期間を示す。
【0380】
図92には、優先度及び予約フィールドを示す割り当て制御サブフィールドフォーマットの実施形態例3090を示す。
【0381】
8.15.共有構成フレーム
図93に、共有構成フレームフォーマットの実施形態例3110を示す。APは、各STA及びAPの構成をSTA構成フィールド内に示す共有構成フレームを全てのSTAにブロードキャストする。共有構成(Sharing Configuration)フレームは、これまでのいくつかのメッセージ例と同様に、フレーム制御(Frame Control)フィールド、期間(Duration)フィールド、RAフィールド及びTAフィールドを有する。フレームは、STA1~STAnとして表す特定の局の1又は2以上の構成を含む。STA構成(STA Configuration)サブフィールドについては
図81で説明する。
【0382】
図94に、STA構成フィールドフォーマットの実施形態例3130を示す。
【0383】
TXOP所有者MACアドレス(TXOP Holder MAC Address)は、TXOP所有者STA又はAPのMACアドレスを示す。いずれかのTXOP所有者STAの場合、STAは、CTS共有フレームを受け取った後に、CTS共有フレームに示されるRA情報をTXOP所有者MACアドレス情報に対応付ける。このようにして、STAはTXOP所有者を認識することができ、従って対応するSTA設定情報にアクセスすることができる。
【0384】
1又は2以上のSTA TXOPアクセス割り当て(STA TXOP Access Allocation)フィールド(例えば、1~n)は、
図90に定めるものと同じである。非TXOP所有者STAの場合、STAは、特定のSTA構成フィールドに対応付けた後に、自局のMACアドレスを参加者アドレスサブフィールドに対応付けて、この特定のSTAの(割り当て開始サブフィールドに示される)スケジュールされたTXOPアクセス開始情報及び(割り当てブロック期間サブフィールドに示される)期間情報をさらに取得する。
【0385】
8.16.CTS拒絶及びCTS-To-Selfフレーム
図95に、CTS拒絶フレーム、CTS-to-selfフレーム及びCTSフレームに使用されるフレームフォーマットの実施形態例3150を示す。
【0386】
簡易共有TXOPスキームにおいてCTS拒絶フレームとして使用される場合、非AP STAは、データ送信を終了したこと又は送信するデータを有していないことを示すためにAPにCTS拒絶フレームを送信する。APは、CTS拒絶フレームを受け取った後に、次のSTAに新たなCTSフレームを送信することによって次のSTAにループする。CTS拒絶フレームでは、期間フィールドがCTSフレームの送信に必要な時間+1SIFS(マイクロ秒単位)であり、RAフィールドがAPのMACアドレスに設定される。
【0387】
簡易共有TXOPスキームにおけるCTS-to-Selfフレームとして、APは、現在の最大TXOPが切れる前に、全てのUL及びDL送信をループスルーし終えた後にCTS-To-Selfフレームをブロードキャストする。非AP STAは、CTS-To-Selfフレームを受け取った後にNAVを0にリセットし、ランダムバックオフに従ってチャネルアクセスを開始する。CTS-To-Selfフレームは、CTS-To-Selfフレームの送信に必要な時間+1SIFS(マイクロ秒単位)に設定された期間フィールドと、単純化された共有TXOPスキームにおけるAPのMACアドレスである送信者のMACアドレスに等しいRAフィールドとを有する。非AP STAは、CTS-To-Selfフレームを受け取った後にNAVを0にリセットし、ランダムバックオフの後にチャネルアクセスを開始する。
【0388】
簡易共有TXOPスキームのCTSフレームとして、APは、非AP STAの共有TXOPタイムスロットの開始を示すCTSフレームを送信して全ての非AP STAをループする。非AP STAは、CTSフレームを受け取った後にULデータ送信を開始すべきである。CTSフレームでは、期間フィールドは、現在の最大TXOP制限の終了に設定された時間であり、RAフィールドは、APがループする次の非AP STAのMACアドレスに等しい。
【0389】
9.実装の一般的範囲
提示した技術の説明した強化は、様々な無線ネットワーク通信局内に容易に実装することができる。また、無線ネットワーク通信局が1又は2以上のコンピュータプロセッサ装置(例えば、CPU、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、コンピュータ対応ASICなど)、及び命令を記憶する関連するメモリ(例えば、RAM、DRAM、NVRAM、FLASH、コンピュータ可読媒体など)を含むように実装されることにより、メモリに記憶されたプログラム(命令)がプロセッサ上で実行されて、本明細書で説明した様々なプロセス法のステップを実行することが好ましいと理解されたい。
【0390】
また、これらのコンピュータシステムにおけるコンピュータ可読媒体(命令を記憶するメモリ)は「非一時的」なものであり、ありとあらゆる形態のコンピュータ可読媒体を含むが、唯一の例外が一時的伝搬信号であると理解されるであろう。従って、開示した技術は、ランダムアクセス型であるもの(例えば、RAM)、定期的なリフレッシュを必要とするもの(例えば、DRAM)、時間と共に劣化するもの(例えば、EEPROM、ディスク媒体)、又は短期間にのみ及び/又は電力の存在時にのみデータを記憶するものを含むいずれかの形態のコンピュータ可読媒体を含むことができ、一時的な電子信号には「コンピュータ可読媒体」という用語が当てはまらないという点が唯一の制約である。
【0391】
本明細書では、コンピュータプログラム製品としても実装できる、本技術の実施形態による方法及びシステム、及び/又は手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式又はその他の計算表現のフローチャートを参照して本技術の実施形態を説明することができる。この点、フローチャートの各ブロック又はステップ、及びフローチャートのブロック(及び/又はステップ)の組み合わせ、並びにいずれかの手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はコンピュータ可読プログラムコードの形で具体化された1又は2以上のコンピュータプログラム命令を含むソフトウェアなどの様々な手段によって実装することができる。理解されるように、このようないずれかのコンピュータプログラム命令は、以下に限定されるわけではないが、汎用コンピュータ又は専用コンピュータ、又は機械を生産するための他のいずれかのプログラマブル処理装置を含む1又は2以上のコンピュータプロセッサによって実行して、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で実行されるコンピュータプログラム命令が、(単複の)特定される機能を実施するための手段を生み出すようにすることができる。
【0392】
従って、本明細書で説明したフローチャートのブロック、並びに手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現は、(単複の)特定の機能を実行する手段の組み合わせ、(単複の)特定の機能を実行するステップの組み合わせ、及びコンピュータ可読プログラムコードロジック手段の形で具体化されるような、(単複の)特定の機能を実行するコンピュータプログラム命令をサポートする。また、本明細書で説明したフローチャートの各ブロック、並びにいずれかの手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現、及びこれらの組み合わせは、(単複の)特定の機能又はステップを実行する専用ハードウェアベースのコンピュータシステム、又は専用ハードウェアとコンピュータ可読プログラムコードとの組み合わせによって実装することもできると理解されるであろう。
【0393】
さらに、コンピュータ可読プログラムコードなどの形で具体化されるこれらのコンピュータプログラム命令を、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置に特定の態様で機能するように指示することができる1又は2以上のコンピュータ可読メモリ又はメモリ装置に記憶して、これらのコンピュータ可読メモリ又はメモリ装置に記憶された命令が、(単複の)フローチャートの(単複の)ブロック内に指定される機能を実施する命令手段を含む製造の物品を生産するようにすることもできる。コンピュータプログラム命令をコンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置によって実行し、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で一連の動作ステップが実行されるようにしてコンピュータで実施される処理を生成し、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で実行される命令が、(単複の)フローチャートの(単複の)ブロック、(単複の)手順、(単複の)アルゴリズム、(単複の)ステップ、(単複の)演算、(単複の)数式、又は(単複の)計算表現に特定される機能を実施するためのステップを提供するようにすることもできる。
【0394】
さらに、本明細書で使用する「プログラム」又は「プログラム実行文」という用語は、本明細書で説明した1又は2以上の機能を実行するために1又は2以上のコンピュータプロセッサが実行できる1又は2以上の命令を意味すると理解されるであろう。命令は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで具体化することができる。命令は、装置の非一時的媒体に局所的に記憶することも、又はサーバなどに遠隔的に記憶することもでき、或いは命令の全部又は一部を局所的に又は遠隔的に記憶することもできる。遠隔的に記憶された命令は、ユーザが開始することによって、或いは1又は2以上の要因に基づいて自動的に装置にダウンロード(プッシュ)することができる。
【0395】
さらに、本明細書で使用するプロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、中央処理装置(CPU)及びコンピュータという用語は、命令、並びに入力/出力インターフェイス及び/又は周辺装置との通信を実行できる装置を示すために同義的に使用されるものであり、プロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、CPU及びコンピュータという用語は、単一の又は複数の装置、シングルコア装置及びマルチコア装置、及びこれらの変種を含むように意図するものであると理解されるであろう。
【0396】
本明細書の説明から、本開示は、限定ではないが以下の内容を含む複数の技術実装を含むと理解されるであろう。
【0397】
本開示は、無線LANネットワークにおいてTXOPを取得したいずれかの非AP STA又はAPがそのTXOPを同じBSS内の他局とどのように共有できるかをその最も一般的な意味で説明し、TXOPは、時間領域においてUL送信及びDL送信の両方の間で共有することができる。
【0398】
この性能を異なるシナリオで達成するために、以下のように分類できる異なる解決策を提供する。
【0399】
動的シナリオ:(a)UL起動型共有スキームにおいてコーディネータとしてのAPを伴わないスケジューリング、(b)UL起動型共有スキーム又はDL起動型共有スキームにおいてコーディネータとしてのAPを伴うスケジューリング。
【0400】
UL起動型共有スキーム又はDL起動型共有スキームのいずれかである半静的シナリオ。
【0401】
UL起動型共有スキーム又はDL起動型共有スキームのいずれかである簡易シナリオ。
【0402】
UL起動型動的シナリオでは、コーディネータとしてのAPを伴う/伴わない異なる条件が考慮され、APの共有可能性情報が他の非AP STAと交換されるべきであり、共有TXOP参加についての問い合わせがあった場合にはAPがTXOP所有者に応答すべきであり、共有TXOPにおいてAPがDL送信のための時間も要求する場合には、TXOP所有者STAが対応する時間をDL送信のためにAPに割り当て、APが共有TXOP中に割り当てられたタイムスロットで特定の期間にわたって宛先STAにDLデータを送信すべきである。
【0403】
DL起動型動的シナリオでは、APがTXOP所有者であり、コーディネータとして動作する。
【0404】
無線LANネットワークにおいてTXOPを取得して同じBSS内の他の非AP STAとTXOPを共有するAPは、APが非AP STAとTXOPを共有することを通知するため及び/又はその承認を得るためにAPと非AP STAとの間で共有可能性情報が交換されることと、チャネルへのアクセス権を獲得した時点でAPが他の非AP STAにメッセージをブロードキャストすることによってTXOPを共有する用意があることを告知することと、APが他のSTAからメッセージを受け取ってどのSTAがTXOPにおける時間を要求しているかを知る(決定する)ことと、APが全ての共有TXOP参加者の共有可能性情報をブロードキャストすることと、APが非AP STAに問い合わせを行ってどのSTAが共有TXOPにおける時間を要求しているかを知り(決定し)、これらのSTAのための対応するタイムスロットを割り当てることと、を実行することによってDL送信及びUL送信間で共有TXOPを達成する。
【0405】
AP及びSTAは、(認証要求/応答、アソシエーション要求/応答、ビーコンフレームなどの)管理フレームの交換を通じて、TXOP共有可能性及びTXOPアクセス時間割り当ての情報を交換する。
【0406】
次のTXOPが共有に利用可能であることを示すためにRTS共有フレーム及びCTS共有フレームが実装される。
【0407】
APは、STAが共有TXOPにおける時間を要求していることを示すアクセス要求フレームをSTAから受け取り、予め定められたスロット時点又は専用タイムスロットにおいてチャネルにランダムにアクセスすることを通じて、STAから送信されたTXOPの共有を要求するアクセス要求を送信することができ、これに代えて又はこれに加えてAPがポーリングを行ってSTAの応答を得ることができる。
【0408】
APは、指定期間にわたって各宛先STAにDLデータを送信し、DL送信が終了すると、(TXOPオファーフレーム、TXOPアクセススケジューラフレーム及びブロードキャストTXOPスケジューラフレームなどの)TXOPアクセススケジューラフレームをSTAに送信し、他のSTAが、このスケジュールに従って、スケジュールされた時間内に指定期間にわたってAPにULデータを送信する。
【0409】
半静的シナリオでは、TXOP所有者(STA又はAP)が、自局のTXOPにアクセスする共有TXOP参加者とメッセージを交換することを通じて、これらの参加者、並びにアクセスの期間及び順序を半静的に決定することができ、TXOP所有者(STA又はAP)が半静的構成を設定するための設定手順を実行し、TXOP所有者(STA又はAP)がAPを通じて他の共有TXOP参加者と共有/要求情報を交換し、TXOP所有者(STA又はAP)がAPを通じて全ての共有TXOP参加者と半静的TXOP共有スケジュールに関する構成情報を交換する。
【0410】
自局のTXOPを他の装置と共有するTXOP所有者(STA又はAP)は、広告された割り当てスケジュールに従う。
【0411】
TXOP所有者(STA又はAP)は、自局のTXOPを共有するSTAに何らかの時間を割り当て、この装置が、TXOPを検出すると、広告された時点で広告された期間にわたってTXOPを使用し始める。
【0412】
簡易シナリオでは、APが、全ての非AP STAをループスルーし、UL送信及びDL送信間でTXOPを共有し、簡易共有TXOPスキームに従ってチャネルアクセスを可能にすることができる。
【0413】
UL起動型の事例では、非AP TXOP所有者STAがチャネルを獲得(取得)して共有TXOPを必要なだけ使用し、非AP TXOP所有者STAが、データ送信を終了した後に、非AP STAの残り(残余)をループスルー(順に移行)して各STAのための共有TXOPスロットを開始し、非STAを1周ループスルーした後に、TXOP時間が許せばAPがDL送信を開始し、APがDL送信を終了した場合、又はTXOP時間が過ぎた場合、APが全ての非AP STAのチャネル予約をクリアするためにCTS-To-Selfフレームをブロードキャストし、この場合、新たな共有TXOP手順を開始することができる。
【0414】
DL起動型の事例では、APがチャネルを獲得してDL送信のために必要なだけ共有TXOPを使用し、DL送信を終了した後に時間が許せば、非AP STAをループスルー(順に移行)して、UL送信のために各STAのための共有TXOPスロットを開始し、非STAを1周ループスルーした後に、又はTXOP時間が過ぎた場合、全ての非AP STAのチャネル予約をクリアするためにCTS-To-Selfフレームをブロードキャストする。この場合、新たな共有TXOP手順を開始することができ、共有TXOPタイムスロットは予め構成される。
【0415】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、(a)無線局(STA)としてローカルエリアネットワーク(WLAN)上の他の無線局(STA)と少なくとも1つのチャネルを介して無線で通信するように構成された無線通信回路と、(b)共有される送信機会(TXOP)プロトコルを用いた通信をサポートするように構成された局としてWLAN上で動作するように構成された局内で前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、(c)同じベーシックサービスセット(BSS)内のSTAのための、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的メモリとを備え、(d)前記命令は、プロセッサによって実行された時に、(d)(i)チャネルへのアクセス権を獲得し、AP STA又は非AP STAとすることができるTXOP所有者としてのSTAからBSS内の他のSTAにメッセージをブロードキャストすることによって、又はTXOP所有者としてのSTAが他のSTAとTXOPを共有する用意があることを示す通信をAPに行い、APとして動作するSTAがTXOP所有者としてのSTAの代わりにこのメッセージをさらにブロードキャストすることによって、次のTXOPが共有に利用可能である旨を伝えることと、(d)(ii)非AP STA又はAP STAとして動作する前記STAが、同じBSS内のネットワーク上の他の局とTXOPを共有することと、(d)(iii)TXOPの前記共有が、時間領域におけるアップリンク(UL)物理層プロトコルデータユニット(PPDU)送信及びダウンリンク(DL)PPDU送信の両方について実行されることと、(d)(iv)TXOP所有者から、又はAPがTXOP所有者でない時にはAPを通じて、TXOPを共有する予定のSTAに、共有される次のTXOPのチャネルアクセスの期間及び時間を通知するメッセージを送信することと、を含むステップを実行する、装置。
【0416】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、(a)無線局(STA)としてローカルエリアネットワーク(WLAN)上の他の無線局(STA)と少なくとも1つのチャネルを介して無線で通信するように構成された無線通信回路と、(b)局としてWLAN上で動作するように構成された局内で前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、(c)同じベーシックサービスセット(BSS)内のSTAのための、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的メモリとを備え、(d)前記命令は、プロセッサによって実行された時に、(d)(i)送信機会(TXOP)共有を実行する能力を示すメッセージを送信することと、(d)(ii)TXOPを取得したアクセスポイント(AP)STAから非AP STAに、取得されたTXOP内の時間の非AP STAと共有すべき割り当てられた部分を示すフレームを送信することと、(d)(iii)前記非AP STAとして動作するように構成された局が、自局に割り当てられた時間内に、共有すべきフレーム内でPPDUを送信することと、(d)(iv)非AP STAが、関連するAPから自局にアドレス指定されたフレームを受け取り、自局の物理層プロトコルデータユニット(PPDU)送信及びいずれかの予想される応答を割り当てられた時間内に完全に実行できることを保証しながら、フレームに示される割り当てられた共有TXOP期間内に1又は2以上の非トリガベース(非TB)のPPDUを送信することと、(d)(v)非AP STAによってACKが要求された場合、非AP STAによって送信されたPPDUに対してAP STAが確認応答(ACK)で応答することと、(d)(vi)AP STAが送信すべきPPDUを有している場合、前記AP STAが、割り当てられた時間の終了後であって取得されたTXOP NAVが経過する前に1又は2以上のPPDUを送信することと、を含むステップを実行する、装置。
【0417】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、(a)無線局(STA)として、該STAの受信エリア内のローカルエリアネットワーク(WLAN)上の他の無線局(STA)と少なくとも1つのチャネルを介して無線で通信するように構成された無線通信回路と、(b)共有される送信機会(TXOP)プロトコルを用いた通信をサポートするように構成された局としてWLAN上で動作するように構成された局内で前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、(c)STAのための、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的メモリとを備え、(d)前記命令は、プロセッサによって実行された時に、(d)(i)前記STAがBSSのAP STAとして動作することと、(d)(ii)前記BSSのネットワーク上の非AP STAと共有可能性情報を交換し、取得された共有可能性情報をBSSのネットワーク上でブロードキャストすることと、(d)(iii)チャネルへのアクセス権を獲得し、AP STAとしてのTXOP所有者になることと、(d)(iv)TXOPが共有に利用可能であることを非AP STAに告知することと、(d)(v)TXOPを共有することを要求するメッセージを他のSTAから受け取ることと、(d)(vi)取得されたTXOPを使用して宛先STAにDLデータを送信することと、(d)(vii)共有TXOP時間が許す場合に、全ての共有TXOP参加者に共有可能性情報をブロードキャストして、各共有TXOP参加者のためのタイムスロット及び期間を割り当てることと、を含むステップを実行する、装置。
【0418】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、(a)無線局(STA)としてローカルエリアネットワーク(WLAN)上の他の無線局(STA)と少なくとも1つのチャネルを介して無線で通信するように構成された無線通信回路と、(b)共有される送信機会(TXOP)プロトコルを用いた通信をサポートするように構成された局としてWLAN上で動作するように構成された局内で前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、(c)STAのための、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的メモリとを備え、(d)前記命令は、プロセッサによって実行された時に、(d)(i)AP STA又は非AP STAとして動作する前記STAがTXOP所有者としてTXOPを獲得することと、(d)(ii)前記TXOP所有者が、自局のTXOPにアクセスする共有TXOP参加者を決定し、APの協調を通じてこれらの参加者とメッセージを交換することを通じて、共有TXOP参加者に半静的方法でタイムスロット及び期間を割り当てることを実行することと、(d)(ii)前記STAが半静的構成を設定する設定手順を実行し、(A)前記STAがAP STAを通じて他のSTAと共有/要求情報を交換し、(B)前記STAが半静的共有TXOPスケジューリングを実行し、AP STAを通じて他の全てのSTAとスケジュール構成を交換することと、を含むステップを実行する、装置。
【0419】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、(a)自局の基本サービスセット(BSS)内でAP STAとして動作する無線局(STA)として、ローカルエリアネットワーク(WLAN)上の他の無線局(STA)と少なくとも1つのチャネルを介して無線で通信するように構成された無線通信回路と、(b)共有送信機会(TXOP)プロトコルを使用して通信をサポートするように構成された局としてWLAN上で動作するように構成された局内で前記無線通信回路に結合されたプロセッサとを備える装置。非AP TXOP所有者STAは、チャネルアクセス権を取得し、ULデータ送信に必要なだけ共有TXOP時間を使用し、前記AP STAが全ての非AP STAを1つずつ移行し、アップリンク(UL)データ送信及びダウンリンク(DL)データ送信間でTXOPを共有して簡易共有TXOPスキームに従ってチャネルアクセスを可能にするように構成され、(c)非AP STAとして動作するSTAが、UL送信を終了した後にAP STAにメッセージを送信して、前記AP STAが次の非AP STAにループスルーできることを示し、(d)STAのための、プロセッサが実行できる命令を記憶した非一時的メモリをさらに備え、(e)前記命令は、プロセッサによって実行された時に、(e)(i)非AP TXOPが自局のTXOPの使用を完了したことを検出することと、(e)(ii)前記AP STAが残りの非AP STAを順に移行して、UL送信のために前記非AP STAの各々に少なくとも1つの共有TXOPスロットを提供することと、(iii)十分なTXOP時間が残っていると判定し、前記AP STAがネットワーク上の非AP STAにDL送信を開始することと、(iv)前記AP STAがDL送信を完了した後に、又はTXOP時間が過ぎた時に、前記AP STAが全ての非AP STAのチャネル予約をクリアするためにCTS-To-Selfフレームをブロードキャストし、これによって新たなTXOP手順を開始できることと、を含むステップを実行する。
【0420】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、(a)基本サービスセット(BSS)内でAP STAとして動作する無線局(STA)として、該STAの受信エリア内のローカルエリアネットワーク(WLAN)上の他の無線局(STA)と少なくとも1つのチャネルを介して無線で通信するように構成された無線通信回路と、(b)共有送信機会(TXOP)プロトコルを用いた通信をサポートするとともに、前記AP STAが全ての非AP STAを順に移行してアップリンク(UL)データ送信及びダウンリンク(DL)データ送信間でTXOPを共有し、簡易共有TXOPスキームに従ってチャネルアクセスを可能にするように構成された局としてWLAN上で動作するように構成された局内で前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、(c)STAのための、プロセッサが実行できる命令を記憶した非一時的メモリとを備え、(d)前記命令は、プロセッサによって実行された時に、(d)(i)前記AP STAがチャネルを取得して、取得されたTXOPをDL物理層プロトコルデータユニット(PPDU)送信の実行に利用し、前記AP STAが、TXOP所有者として、取得されたTXOP時間をDL送信に必要なだけ多く使用するように構成されることと、(d)(ii)自局のDL送信を完了し、非AP STAとTXOPの共有を開始するのに十分な時間がTXOPに残っていると判定することと、(d)(iii)前記AP STAが、UL送信を実行するために非AP STAの各々のための少なくとも1つのTXOPスロットを共有する非AP STAをループスルーすることと、(d)(iv)非AP STAと共有するシーケンスの1回のループを完了した時点で、又はTXOP時間が過ぎた場合に、APが全ての非AP STAのチャネル予約をクリアするためにCTS-To-Selfフレームをブロードキャストし、これによって新たな共有TXOP手順を開始できることと、を含むステップを実行する、装置。
【0421】
STAは、AP STA又は非AP STAとして動作するネットワーク上のSTAとの管理フレームの交換を通じてTXOP共有能力の情報を交換する、いずれかの先行する実装の装置。
【0422】
前記管理フレームは、認証要求フレーム、認証応答フレーム、アソシエーション要求フレーム、アソシエーション応答フレーム及びビーコンフレームから成る一群のフレームから選択される、いずれかの先行する実装の装置。
【0423】
前記STAは、STAのタイプに基づく通信範囲を有し、(i)STAが非AP STAである場合、前記通信範囲は、同じ基本サービスセット(BSS)内の、AP STAの協調を伴って他の非AP STAと直接通信できる他の全てのSTA、又は他の非AP STAが自局の通信範囲内にある場合に他の非AP STAと直接通信できる他の全てのSTAをカバーしない場合があり、(ii)STAがAP STAである場合、通信範囲は、同じ基本サービスセット(BSS)内の他の全てのSTAをカバーする、いずれかの先行する実装の装置。
【0424】
BSS内の非AP STA又はAP STAのいずれかであるどのSTAが共有に利用可能な次のTXOPにおける時間を要求しているかを決定する際に、BSS内の他のSTAと直接的に、又は関連するAPを介して間接的にメッセージを交換することをさらに含む、いずれかの先行する実装の装置。
【0425】
時間領域における前記UL送信は、UL起動型であってAP協調を利用するTXOP共有をスケジュールするための動的シナリオを含む、いずれかの先行する実装の装置。
【0426】
AP STAとして動作するSTAは、ネットワーク上の非AP STAから共有オファー/要求情報を示すメッセージを受け取ることと、取得された共有オファー/要求情報をネットワーク上の他の非AP STAと交換することと、非AP STAがTXOPを取得して共有TXOPを開始したことを示すフレームを受け取った後に応答を送信することと、TXOP所有者に代わって次の共有TXOPに参加することを要求している非AP STAを識別するために問い合わせメッセージを送信することと、TXOP所有者に代わって次の共有TXOPに参加するための要求を非AP STAから収集することと、収集された共有要求情報をTXOP所有者において動作するSTAに送信することと、次の共有TXOPに参加することを要求するSTAのための割り当てられた時間及び期間を示すフレームをTXOP所有者から受け取ることと、共有される非AP STAの各々又は全てのための割り当てられた開始時刻及び期間を示すフレームを送信することにより、TXOP所有者STAに代わって取得されたTXOP時間の一部を他の非AP STAと共有することと、AP STAとして動作するSTAがDL送信のために共有TXOPへの参加を要求した場合、TXOP共有のための割り当てられた開始時間及び期間をTXOP所有者から受け取ることと、TXOP所有者STAによって割り当てられた割り当て共有TXOP期間内に、ネットワーク上の宛先STAにダウンリンク(DL)PPDUを送信することと、を含むステップを実行する、いずれかの先行する実装の装置。
【0427】
時間領域における前記UL送信は、UL起動型であってAP協調を必要としないTXOP共有をスケジュールするための動的シナリオを含む、いずれかの先行する実装の装置。
【0428】
非AP STAとして動作するSTAは、前記非AP STAがキャリアセンス(CS)機構に基づいて媒体がアイドルであることを検出した場合、チャネルを取得するためのフレームを関連するAPに送信することと、送信されたフレームにおいて、このチャネルアクセスの試みが共有TXOPを取得するためのものであることを示すことと、前回送信されたフレームの正常な受信を示すとともに、前記非AP STAがTXOPを取得して共有TXOPの使用を開始できる旨を示す応答を、関連するAPから受け取ることと、前記非AP STAがTXOP所有者として動作している場合、次の共有TXOPに参加することを要求する他のSTAを識別するために問い合わせメッセージを送信することと、前記STAがTXOP所有者として動作していない場合、次の共有TXOPに参加する要求を含むメッセージを送信することと、前記非AP STAがTXOP所有者として動作している場合、他のSTAから次の共有TXOPに参加する要求を収集することと、取得されたTXOP時間の一部への参加を要求する共有STAのための時間及び期間を割り当てることと、割り当てられた開始時刻及び期間を示すフレームを、共有される非AP STAの各々又は全てに送信することと、非AP STAがTXOP所有者ではなく、UL送信のための共有TXOPへの参加を要求した場合、TXOP共有のための割り当てられた開始時間及び期間をTXOP所有者から受け取ることと、TXOP所有者STAによって割り当てられた割り当て共有TXOP期間内に、ネットワーク上の関連するAPにUL PPDUを送信することと、を含むステップを実行する、いずれかの先行する実装の装置。
【0429】
時間領域における前記UL及びDL送信は、UL起動型又はDL起動型のいずれかであるTXOP共有をスケジュールする際にAP STAをコーディネータとして利用する半静的シナリオを含む、いずれかの先行する実装の装置。
【0430】
時間領域における前記UL及びDL送信は、UL起動型又はDL起動型のいずれかであるTXOP共有を開始する際に、APとして動作するSTAが共有TXOP参加者を識別せずに全てのSTAを参加のために1つずつ順に移行する簡易シナリオを含む、いずれかの先行する実装の装置。
【0431】
STAは、AP STA又は非AP STAとして動作するネットワーク上のSTAとの管理フレームの交換を通じて、TXOP共有オファー/要求能力及びTXOPアクセス時間割り当ての情報を交換する、いずれかの先行する実装の装置。
【0432】
前記管理フレームは、認証要求フレーム、認証応答フレーム、アソシエーション要求フレーム、アソシエーション応答フレーム及びビーコンフレームをから成る一群のフレームから選択される、いずれかの先行する実装の装置。
【0433】
RTS共有及びCTS共有フレームは、共有されるべき取得されたTXOPについて示す情報フィールドを組み込んだ修正Ready-To-Send(RTS)及びClear-To-Send(CTS)フレームを含み、共有TXOPが開始される、いずれかの先行する実装の装置。
【0434】
他のSTAが次のTXOPにおけるアクセス時間を要求しているメッセージの交換は、予め定められたスロット時刻に又は専用タイムスロットにおいて前記少なくとも1つのチャネルにランダムにアクセスすることを通じて送信することができる、いずれかの先行する実装の装置。
【0435】
TXOP所有者としての前記STAは、AP STAとして動作している時に、非AP STAにポーリングを行って、前記非AP STAが次のTXOPにおける時間を要求しているかどうかを判定することができる、いずれかの先行する実装の装置。
【0436】
TXOP所有者としての前記STAは、非AP STAとして動作している時に、単独で又はAPの協調を通じて非AP STAにポーリングを行って、非AP STAが次のTXOPにおける送信時間を要求しているかどうかを判定することができる、いずれかの先行する実装の装置。
【0437】
AP STA又は非AP STAとすることができる共有TXOP所有者STAは、AP STAの協調の有無にかかわらず、次のTXOPにおける時間を要求しているSTAに共有TXOPアクセススケジューラフレームを送信し、次のTXOPにおける時間を要求しているSTAは、スケジュールされた時間内に指定期間にわたってAP STAにULデータを送信し、又は非AP STAにDLデータを送信する際にこれに応答すべきである、いずれかの先行する実装の装置。
【0438】
前記TXOPアクセススケジューラフレームは、TXOPオファーフレーム、TXOPアクセススケジューラフレーム及びブロードキャストTXOPスケジューラフレームから成る一群のメッセージフレームから選択される、いずれかの先行する実装の装置。
【0439】
前記TXOP所有者は、設定手順中に設定される広告されたリソース(チャネルアクセス)割り当てスケジュールに従って前記ネットワーク上の他のSTAと自局のTXOPを共有する、いずれかの先行する実装の装置。
【0440】
前記共有TXOP参加者は、TXOPの開始を検出し、割り当てられたタイムスロット及び期間において共有TXOPの使用を開始するように構成される、いずれかの先行する実装の装置。
【0441】
前記共有TXOPタイムスロットは予め構成される、いずれかの先行する実装の装置。
【0442】
なお、上記装置の実装の各々は、ネットワーク上の局(STA)間における無線通信のためのコンピュータ実装プロトコルの文脈で説明することもできる。
【0443】
本明細書で使用する「実装」という用語は、本明細書で説明する技術を実践するための実施形態、実施例、プロトコル又はその他の形態を制限なく含むように意図される。
【0444】
本明細書で使用する単数形の「a、an(英文不定冠詞)」及び「the(英文定冠詞)」は、文脈において別途明確に示されていない限り複数形の照応を含む。ある物体に対する単数形での言及は、明確にそう述べていない限り「唯一」を意味するものではなく、「1又は2以上」を意味する。
【0445】
本開示における「A、B及び/又はC」などの表現構造は、A、B又はCのいずれか、或いは項目A、B及びCのいずれかの組み合わせが存在し得ることを表す。「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」の後にリストされた一群の要素が続くものなどを示す表現構造は、該当する際にはこれらのリストされた要素のいずれかの考えられる組み合わせを含む、これらの一群の要素のうちの少なくとも1つが存在することを示す。
【0446】
本開示における「ある実施形態」、「少なくとも1つの実施形態」又は同様の実施形態という言い回しについて言及する参照は、説明する実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを示す。従って、これらの様々な実施形態の表現は、必ずしも全てが同じ実施形態、又は説明されている他の全ての実施形態とは異なる特定の実施形態を意味するわけではない。実施形態という表現は、所与の実施形態の特定の特徴、構造又は特性を、開示する装置、システム又は方法の1又は2以上の実施形態においていずれかの好適な形で組み合わせることができることを意味するものとして解釈すべきである。
【0447】
本明細書で使用する「組(set)」という用語は、1又は2以上の物体の集合を意味する。従って、例えば物体の組は、単一の物体又は複数の物体を含むことができる。
【0448】
本文書における第1及び第2、頂部及び底部などの関係語は、1つの実体又は行動を別の実体又は行動と区別するために使用しているにすぎず、必ずしもこのような実体又は行動同士のこのようないずれかの実際の関係又は順序を必要としたり、又は意味したりするものではない。
【0449】
「備える、有する、含む(comprises、comprising、has、having、includes、including、contains、containing)」という用語、又はこれらの用語の他のあらゆる変化形は、非排他的包含を含むことが意図されており、従って、ある要素リストを備える、有する又は含むプロセス、方法、物品又は装置は、これらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙していない、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に特有の他の要素を含むこともできる。「~を備える、有する、又は含む(comprises … a、has … a、includes … a、contains … a)」に続く要素は、その要素を備える、有する又は含むプロセス、方法、物品又は装置にさらなる同一要素が存在することを、さらなる制約を受けることなく除外するものではない。
【0450】
本明細書で使用する「近似的に(approximately)」、「近似する(approximate)」、「実質的に(substantially)」、「基本的に(essentially)」及び「約(about)」という用語、又はこれらのいずれかの変形形態は、わずかな変動の記述及び説明のために使用するものである。これらの用語は、事象又は状況に関連して使用した時には、これらの事象又は状況が間違いなく発生する場合、及びこれらの事象又は状況が発生する可能性が非常に高い場合を意味することができる。これらの用語は、数値に関連して使用した時には、その数値の±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下、又は±0.05%以下などの、±10%以下の変動範囲を意味することができる。例えば、「実質的に」整列しているということは、±5°以下、±4°以下、±3°以下、±2°以下、±1°以下、±0.5°以下、±0.1°以下、又は±0.05°以下などの、±10°以下の角度変動範囲を意味することができる。
【0451】
また、本明細書では、量、比率及びその他の数値を範囲形式で示すこともある。このような範囲形式は、便宜的に単純化して使用するものであり、範囲の限界として明確に指定された数値を含むが、この範囲に含まれる全ての個々の数値又は部分的範囲も、これらの各数値及び部分的範囲が明確に示されているかのように含むものであると柔軟に理解されたい。例えば、約1~約200の範囲内の比率は、約1及び約200という明確に列挙した限界値を含むが、約2、約3、約4などの個々の比率、及び約10~約50、約20~約100などの部分的範囲も含むと理解されたい。
【0452】
本明細書で使用する「結合される(coupled)」という用語は、「接続される」と定義されるが、必ずしも直接的な機械的接続ではない。特定の形で「構成される(configured)」装置又は構造は、少なくともその形で構成されるが、列挙していない形で構成することもできる。
【0453】
利点、長所、問題解決手段、及びいずれかの利点、長所又は解決手段を生じさせる、又はより顕著にするいずれかの(単複の)要素は、本明細書で説明した技術、或いは一部又は全部の請求項の重要な、必要な又は不可欠な特徴又は要素として解釈すべきでない。
【0454】
また、上述した開示では、開示を合理化する目的で様々な実施形態において様々な特徴を共にグループ化することができる。本開示の方法は、請求項に記載する実施形態が、各請求項に明示的に記載する特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を反映したものであると解釈すべきではない。本発明の主題は、開示した単一の実施形態の全ての特徴よりも少ないものによって成立することができる。
【0455】
本開示の要約書は、読者が技術開示の本質を素早く確認できるように示すものである。要約書は、特許請求の範囲又はその意味を解釈又は限定するために使用されるものではないという理解の下で提示するものである。
【0456】
管轄によっては、出願後に本開示の1又は2以上の部分の削除を求める慣行もあると理解されたい。従って、読者は、本開示の元々の内容については出願日時点の出願を参照すべきである。開示内容のいずれかの削除は、当初出願時の出願のいずれかの主題の放棄、失権又は公衆への献呈として解釈すべきではない。
【0457】
以下の特許請求の範囲は、各請求項が単独の発明主題として自立した状態で本開示に組み込まれる。
【0458】
本明細書の説明は多くの詳細を含んでいるが、これらは本開示の範囲を限定するものではなく、現在のところ好ましい実施形態の一部を例示するものにすぎないと解釈すべきである。従って、本開示の範囲は、当業者に明らかになると考えられる他の実施形態も完全に含むと理解されるであろう。
【0459】
当業者に周知の本開示の実施形態の要素の構造的及び機能的同等物も、引用によって本明細書に明確に組み入れられ、本特許請求の範囲に含まれるように意図される。さらに、本開示の要素、構成要素又は方法ステップは、これらが特許請求の範囲に明示されているかどうかにかかわらず、一般に公開されるように意図するものではない。本明細書における請求項の要素については、その要素が「~のための手段」という表現を使用して明確に示されていない限り、「ミーンズプラスファンクション」の要素として解釈すべきではない。また、本明細書における請求項の要素については、その要素が「~のためのステップ」という表現を使用して明確に示されていない限り、「ステッププラスファンクション」の要素として解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0460】
12 AP
14 Tx/RX1非AP共有TXOP参加者STA
16 Tx/RX2非AP共有TXOP参加者STA
18 Tx/RX3非AP TXOP所有者STA
510 実施形態例
514 TXOP
516 TXOP
518 共有TXOP
519 UL SU PPDU
520 UL SU PPDU
521 DLデータ
522 DL PPDU
524 UL SU PPDU
526 UL SU PPDU
532 TXOP設定手順
【国際調査報告】