(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(54)【発明の名称】非対称面複合不織テキスタイル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
D04H 5/02 20120101AFI20231201BHJP
A41D 31/00 20190101ALI20231201BHJP
A41D 31/02 20190101ALI20231201BHJP
D04H 1/4374 20120101ALI20231201BHJP
B32B 25/10 20060101ALI20231201BHJP
B32B 7/05 20190101ALI20231201BHJP
B32B 5/26 20060101ALI20231201BHJP
A41D 13/00 20060101ALN20231201BHJP
A41D 31/24 20190101ALN20231201BHJP
【FI】
D04H5/02
A41D31/00 502E
A41D31/02 D
D04H1/4374
B32B25/10
B32B7/05
B32B5/26
A41D13/00 102
A41D31/24 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023526243
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2023-06-27
(86)【国際出願番号】 US2021055822
(87)【国際公開番号】W WO2022093594
(87)【国際公開日】2022-05-05
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ブラント,バロン シー.
(72)【発明者】
【氏名】チェン,チン-イー
(72)【発明者】
【氏名】コナーズ,クリスタ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ランド,ダラス
(72)【発明者】
【氏名】マクファーランド,ウィリアム シー.,ザ セカンド
(72)【発明者】
【氏名】オウ,ヤン-ホア
(72)【発明者】
【氏名】スタウブ,アンドレア ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ターナー,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ,ジョシュア,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジュン-フー
(72)【発明者】
【氏名】ポン,チュン-シャン
【テーマコード(参考)】
3B211
4F100
4L047
【Fターム(参考)】
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4L047CC01
(57)【要約】
本願の態様は、衣料及び他の物品に適したリサイクル可能な非対称面複合不織テキスタイル及びその製造方法に関する。例示的な態様では、非対称面複合不織テキスタイルは、少なくとも部分的に第1交絡繊維ウェブによって形成された第1面と、少なくとも部分的に第2交絡繊維ウェブによって形成された対向する第2面とを含む。衣料品に組み込まれたとき、第1面は衣料品の外向き面を形成し、第2面は衣料品の内向き面を形成する。第1面は、耐摩耗性のような外向き面を形成するのに適した特徴を含み、第2面は、ソフトな手触りのような内向き面を形成するのに適した特徴を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、対向する第2面とを有する複合不織テキスタイルであって、複数の離散化学結合部位を含む前記第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、前記第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、を含む、複合不織テキスタイル。
【請求項2】
前記第2面に離散化学結合部位が存在しない、請求項1に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項3】
前記複数の離散化学結合部位は、組成的には、ポリウレタンバインダの油性分散液、シリカを含む分散液中のポリウレタンバインダ、及びこれらの組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項4】
少なくとも前記第1交絡繊維ウェブの繊維同士は、前記複数の離散化学結合部位で接着されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項5】
前記第1面は第1色を含み、前記複数の離散化学結合部位は前記第1色とは異なる第2色を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項6】
前記複数の離散化学結合部位の各々のサイズが約0.1mm~約1mmの範囲である、請求項1~5のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項7】
前記複数の離散化学結合部位のうち、隣接する結合部位間の距離が約0.5mm~約6mmの範囲である、請求項1~6のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項8】
前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記エラストマー層を通って延び、前記第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、請求項1~7のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項9】
前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項10】
前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記第1交絡繊維ウェブの繊維及び第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、請求項9に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項11】
前記エラストマー層は、熱可塑性ポリウレタンメルトブローン層又は熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマースパンボンド層のうちの1つ以上を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項12】
外向き面と、対向する内向き面とを有する不織テキスタイル衣料品であって、前記不織テキスタイル衣料品の第1位置に配置された複数の第1離散化学結合部位を含む前記外向き面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、前記内向き面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と交絡しているエラストマー層と、を含む、不織テキスタイル衣料品。
【請求項13】
前記内向き面に離散化学結合部位が存在しない、請求項12に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項14】
前記外向き面は、前記不織テキスタイル衣料品の前記第1位置とは異なる第2位置に配置された複数の第2離散化学結合部位をさらに含む、請求項12又は13に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項15】
前記複数の第1離散化学結合部位の密度が前記複数の第2離散化学結合部位の密度と異なる、請求項14に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項16】
前記複数の第1離散化学結合部位は、組成的には、ポリウレタンバインダの油性分散液、シリカを含む分散液中のポリウレタンバインダ、及びこれらの組み合わせを含む、請求項12~15のいずれか1項に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項17】
複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、前記複合不織テキスタイルの対向する第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブからの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、を含む複合不織テキスタイルの仕上げ方法であって、前記複合不織テキスタイルの前記第1面に化学バインダを所定パターンで塗布して、前記複合不織テキスタイルの前記第1面に複数の離散化学結合部位を作成するステップを含む、複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項18】
輪転グラビア印刷プロセスを用いて前記化学バインダを塗布する、請求項17に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項19】
デジタル印刷プロセスを用いて前記化学バインダを塗布する、請求項17又は18に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項20】
前記複合不織テキスタイルの前記第2面に化学バインダを塗布しない、請求項17~19のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項21】
第1面と、対向する第2面とを有する複合不織テキスタイルであって、前記第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、前記第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、各々が前記第1面と前記第2面との間に位置する熱結合構造を含む複数の離散熱結合部位であって、前記第1交絡繊維ウェブからの繊維が前記熱結合構造の各々から延びる複数の離散熱結合部位と、を含む、複合不織テキスタイル。
【請求項22】
前記熱結合構造の各々は、前記第2面に向かって延びる方向に前記第1面に対してずれており、前記熱結合構造の各々は、前記第1面に向かって延びる方向に前記第2面に対してずれている、請求項21に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項23】
前記第1面に対するズレの第1平均深さが、前記第2面に対するズレの第2平均深さと異なる、請求項21又は22に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項24】
前記熱結合構造の各々は、少なくともフィルム形態の前記第1交絡繊維ウェブからの繊維を含む、請求項21~23のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項25】
前記熱結合構造の各々は、フィルム形態の前記第2交絡繊維ウェブからの繊維と、フィルム形態の前記エラストマー層の一部とのうちの1つ以上を含む、請求項21~24のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項26】
隣接する離散熱結合部位間の距離が、少なくとも第1交絡繊維ウェブにおける繊維の長さよりも小さい、請求項21~25のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項27】
外向き面と、対向する内向き面とを有する不織テキスタイル衣料品であって、前記外向き面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、前記内向き面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と交絡しているエラストマー層と、前記不織テキスタイル衣料品の第1位置に配置された複数の第1離散熱結合部位であって、前記複数の第1離散熱結合部位の各々は前記内向き面に向かって延びる方向に前記外向き面に対してずれている第1熱結合構造を含み、前記第1熱結合構造の各々はフィルム形態の前記第1交絡繊維ウェブからの繊維を含む複数の第1離散熱結合部位と、を含む、不織テキスタイル衣料品。
【請求項28】
前記外向き面は、前記不織テキスタイル衣料品の前記第1位置とは異なる第2位置に配置された複数の第2離散熱結合部位をさらに含む、請求項27に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項29】
前記複数の第1離散熱結合部位の密度が前記複数の第2離散熱結合部位の密度と異なる、請求項28に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項30】
前記外向き面に対する前記第1熱結合構造のズレの第1平均深さが、前記内向き面に対する前記第1熱結合構造のズレの第2平均深さと異なる、請求項27~29のいずれか1項に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項31】
前記第1交絡繊維ウェブからの繊維は前記第1熱結合構造の各々から延びている、請求項27~30のいずれか1項に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項32】
前記第1熱結合構造の各々は、フィルム形態の前記第2交絡繊維ウェブからの繊維と、フィルム形態の前記エラストマー層の一部とのうちの1つ以上を含む、請求項27~31のいずれか1項に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項33】
前記複数の第1離散熱結合部位のうち、隣接する離散熱結合部位間の距離が、少なくとも第1交絡繊維ウェブにおける繊維の長さよりも小さい、請求項27~32のいずれか1項に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項34】
複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、前記複合不織テキスタイルの対向する第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブからの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、を含む複合不織テキスタイルの仕上げ方法であって、第1所定パターンで複数の離散熱結合部位を形成するステップであって、前記複数の離散熱結合部位の各々は、前記第2面に向かって延びる方向に前記第1面に対してずれている熱結合構造を含み、前記熱結合構造の各々は、少なくともフィルム形態の前記第1交絡繊維ウェブからの繊維を含むステップを含む、複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項35】
前記複数の離散熱結合部位はインプレッションローラと超音波ホーンとを含む超音波結合システムを用いて形成される、請求項34に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項36】
前記複合不織テキスタイルの第1面が前記インプレッションローラに接触し、前記複合不織テキスタイルの第2面が超音波ホーンに接触するように、前記複合不織テキスタイルを前記超音波結合システム内に配置する、請求項35に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項37】
前記複合不織テキスタイルの第2面が前記インプレッションローラに接触し、前記複合不織テキスタイルの第1面が前記超音波ホーンに接触するように、前記複合不織テキスタイルを前記超音波結合システム内に配置する、請求項35に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項38】
前記第1交絡繊維ウェブからの繊維は前記熱結合構造の各々から延びている、請求項34~37のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項39】
前記熱結合構造の各々は、前記第1面に向かって延びる方向に前記第2面に対してずれている、請求項34~38のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項40】
前記第1面に対するズレの第1平均深さが、前記第2面に対するズレの第2平均深さと異なる、請求項39に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項41】
第1面と、対向する第2面とを有する非対称面複合不織テキスタイルであって、第1デニールを有する1cm
2当たりの第1数の繊維と第2デニールを有する1cm
2当たりの第2数の繊維を有する第1交絡繊維ウェブであって、前記第1デニールと前記第2デニールとの比が約1.5:1~約2:1の範囲であり、前記第1交絡繊維ウェブは前記第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、第3デニールを有する1cm
2当たりの第3数の繊維と第4デニールを有する1cm
2当たりの第4数の繊維を有する第2交絡繊維ウェブであって、前記第3デニールと前記第4デニールとの比が約0.3:1~約0.7:1の範囲であり、前記第2交絡繊維ウェブは前記第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、を含む、非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項42】
前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記エラストマー層を通って延び、前記第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、請求項41に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項43】
前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、請求項41又は42に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項44】
前記第3交絡繊維ウェブは、第5デニールを有する1cm
2当たりの第5数の繊維と、第6デニールを有する1cm
2当たりの第6数の繊維とを含み、前記第5デニールと前記第6デニールとの比が約1.5:1~約2:1の範囲である、請求項43に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項45】
前記第3交絡繊維ウェブは、前記第1交絡繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する、請求項43又は44に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項46】
前記第3交絡繊維ウェブは、前記第2交絡繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する、請求項43又は44に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項47】
前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記エラストマー層を通って延びている、請求項43~46のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項48】
前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記第1交絡繊維ウェブの繊維及び前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、請求項43~47のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項49】
第1面と、対向する第2面とを有する非対称面複合不織テキスタイルであって、デニールが約1.2D~約3.5Dである1cm
2当たりの第1数の繊維とデニールが約0.6D~約1Dである1cm
2当たりの第2数の繊維を有し、1cm
2当たりの前記第1数の繊維が1cm
2当たりの前記第2数の繊維よりも多い第1交絡繊維ウェブであって、前記第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、デニールが約0.6D~約1Dである1cm
2当たりの第3数の繊維とデニールが約1.2D~約3.5Dである1cm
2当たりの第4数の繊維を有し、前記1cm
2当たりの第3数の繊維が前記1cm
2当たりの第4数の繊維よりも多い第2交絡繊維ウェブであって、前記第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、エラストマー層と、を含む非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項50】
前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記エラストマー層を通って延び、前記第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、請求項49に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項51】
前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、請求項49又は50に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項52】
前記第3交絡繊維ウェブは、デニールが約1.2D~約3.5Dである1cm
2当たりの第5数の繊維と、デニールが約0.6D~約1Dである1cm
2当たりの第6数の繊維とを含み、前記1cm
2当たりの第5数の繊維が前記1cm
2当たりの第6数の繊維よりも多い、請求項51に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項53】
前記第3交絡繊維ウェブは、前記第1交絡繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する、請求項51又は52に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項54】
前記第3交絡繊維ウェブは、前記第2交絡繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する、請求項51又は52に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項55】
前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記エラストマー層を通って延びている、請求項51~54のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項56】
前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記第1交絡繊維ウェブの繊維及び前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、請求項51~55のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項57】
デニールが約1.2D~約3.5Dである第1繊維ウェブと、デニールが約0.6D~約1Dである第2繊維ウェブとの間にエラストマー層を配置するステップと、前記第1繊維ウェブが第1交絡繊維ウェブとなり、前記第2繊維ウェブが第2交絡繊維ウェブとなるように、前記第1繊維ウェブの複数の繊維と前記第2繊維ウェブの複数の繊維とを機械的に交絡させるステップと、を含む非対称面複合不織テキスタイルの製造方法であって、前記の機械的交絡ステップの後に、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は前記エラストマー層を通って延び、前記第1交絡繊維ウェブは前記非対称面複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成し、前記第2交絡繊維ウェブは前記非対称面複合不織テキスタイルの対向する第2面を少なくとも部分的に形成する、非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項58】
前記第1繊維ウェブの複数の繊維と前記第2繊維ウェブの複数の繊維とを機械的に交絡させる前に、前記第1繊維ウェブと前記第2繊維ウェブとの間に第3繊維ウェブを配置するステップと、前記第3繊維ウェブが第3交絡繊維ウェブとなるように、前記第3繊維ウェブの複数の繊維を、前記第1繊維ウェブの繊維及び前記第2繊維ウェブの繊維と機械的に交絡させるステップと、をさらに含む、請求項57に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項59】
前記第3繊維ウェブは、約1.2D~約3.5Dのデニールを含む、請求項58に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項60】
前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記エラストマー層を通って延びている、請求項58又は59に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項61】
第1面と、対向する第2面とを有する複合不織テキスタイルであって、前記第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、繊維の少なくとも一部がシリコーン被覆繊維を含み、前記第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、エラストマー層と、を含む複合不織テキスタイル。
【請求項62】
前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記エラストマー層を通って延び、前記第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、請求項61に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項63】
前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、シリコーン被覆繊維を含む、請求項61又は62に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項64】
前記第2交絡繊維ウェブの1cm
2当たりのシリコーン被覆繊維数が、前記第1交絡繊維ウェブの1cm
2当たりのシリコーン被覆繊維数よりも多い、請求項61~63のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項65】
前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含み、前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第1交絡繊維ウェブ及び前記第2交絡繊維ウェブのうちの1つ以上の繊維と交絡している、請求項61に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項66】
前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部はシリコーン被覆繊維を含む、請求項65に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項67】
前記第3交絡繊維ウェブの1cm
2当たりのシリコーン被覆繊維数が、前記第2交絡繊維ウェブの1cm
2当たりのシリコーン被覆繊維数よりも少ない、請求項65又は66に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項68】
複合不織テキスタイルであって、2つ以上の交絡繊維ウェブと、1つのエラストマー層と、を含み、前記2つ以上の交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記複合不織テキスタイルの約10重量%~約25重量%がシリコーン被覆繊維を含む、複合不織テキスタイル。
【請求項69】
前記2つ以上の交絡繊維ウェブは、前記複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、前記複合不織テキスタイルの対向する第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブとを含む、請求項68に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項70】
前記エラストマー層は前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する、請求項69に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項71】
前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、請求項69又は70に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項72】
前記第3交絡繊維ウェブは、前記第2交絡繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する、請求項71に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項73】
複合不織テキスタイルの製造方法であって、第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとの間にエラストマー層を配置するステップであって、前記第2繊維ウェブの約10重量%~約100重量%がシリコーン被覆繊維を含むステップと、前記第1繊維ウェブが第1交絡繊維ウェブとなり、前記第2繊維ウェブが第2交絡繊維ウェブとなるように、前記第1繊維ウェブの繊維の少なくとも一部及び前記第2繊維ウェブの繊維の少なくとも一部を機械的に交絡させるステップと、を含み、前記の機械的交絡ステップの後に、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は前記エラストマー層を通って延び、前記第1交絡繊維ウェブは前記複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成し、前記第2交絡繊維ウェブは前記複合不織テキスタイルの対向する第2面を少なくとも部分的に形成する、複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項74】
前記第1繊維ウェブは前記シリコーン被覆繊維を含まない、請求項73に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項75】
前記シリコーン被覆繊維はポリエチレンテレフタレート(PET)シリコーン被覆繊維を含む、請求項73又は74に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項76】
前記第1繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と前記第2繊維ウェブの繊維の少なくとも一部とを機械的に交絡させる前に、前記第1繊維ウェブと前記第2繊維ウェブとの間に第3繊維ウェブを配置するステップと、前記第3繊維ウェブが第3交絡繊維ウェブとなるように、前記第3繊維ウェブの繊維の少なくとも一部を前記第1繊維ウェブの繊維及び第2繊維ウェブの繊維と機械的に交絡させるステップと、をさらに含む、請求項73~75のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項77】
前記第3繊維ウェブは前記第2繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する、請求項76に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項78】
前記第3繊維ウェブはシリコーン被覆繊維を含まない、請求項76又は77に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項79】
前記第3繊維ウェブはポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を含む、請求項76~78のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項80】
前記第1繊維ウェブはポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を含む、請求項73~79のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項81】
少なくとも1つの繊維ウェブと1つのエラストマー層とを含む複合不織テキスタイルであって、1平方メートル当たり約40g(gsm)~約250gsmの坪量と、約55RCT~約90RCTの熱抵抗と、静止長さの約10%以下の縦方向の成長と、静止幅の約10%以下の横方向の成長と、静止長さ及び静止幅の約10%以内の縦方向及び横方向の回復と、を含む、複合不織テキスタイル。
【請求項82】
前記坪量は約150gsm~約190gsmである、請求項81に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項83】
前記少なくとも1つの繊維ウェブは、少なくとも第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとを含み、前記エラストマー層は前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する、請求項81又は82に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項84】
前記少なくとも1つの繊維ウェブは、前記第2交絡繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、請求項83に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項85】
前記第1交絡繊維ウェブは前記複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成し、前記第2交絡繊維ウェブは前記複合不織テキスタイルの対向する第2面を少なくとも部分的に形成する、請求項83又は84に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項86】
前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は前記エラストマー層を通って延びている、請求項83~85のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項87】
さらに約1.5mm~約3mmの厚さを有する、請求項81~86のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項88】
さらに約0.1Kgf~約0.4kgfの剛性を有する、請求項81~87のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項89】
少なくとも1つの繊維ウェブと1つのエラストマー層とを含む複合不織テキスタイルであって、約1.5mm~約3mmの厚さと、約55RCT~約90RCTの熱抵抗と、静止長さの約10%以下の縦方向の成長と、静止幅の約10%以下の横方向の成長と、静止長さ及び静止幅の約10%以内の縦方向及び横方向の回復と、を含む、複合不織テキスタイル。
【請求項90】
さらに1平方メートル当たり約40g(gsm)~約250gsmの坪量を有する、請求項89に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項91】
前記坪量は約150gsm~約190gsmである、請求項90に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項92】
さらに約0.1Kgf~約0.4Kgfの剛性を有する、請求項89~91のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項93】
前記少なくとも1つの繊維ウェブは、少なくとも第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとを含み、前記エラストマー層は前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する、請求項89~92のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項94】
前記少なくとも1つの繊維ウェブは、前記第1交絡繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、請求項93に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項95】
複合不織テキスタイルの製造方法であって、少なくとも第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとの間にエラストマー層を配置するステップと、1平方メートル当たり約40g(gsm)~約250gsmの坪量と約55RCT~約90RCTの熱抵抗とを有する複合不織テキスタイルを製造するために、交絡パラメータを選択するステップと、前記選択した交絡パラメータに基づいて、前記第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとを機械的に交絡させるステップと、を含む複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項96】
前記の機械的交絡ステップの前に、前記第1繊維ウェブと前記第2繊維ウェブとの間に第3繊維ウェブを配置するステップと、前記選択した交絡パラメータに基づいて、前記第3繊維ウェブからの繊維を、前記第1繊維ウェブからの繊維及び前記第2繊維ウェブからの繊維と機械的に交絡させるステップと、をさらに含む、請求項95に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項97】
前記エラストマー層、前記第1繊維ウェブ、前記第2繊維ウェブ及び前記第3繊維ウェブの各々の坪量は1平方メートル当たり約20g(gsm)~約150gsmである、請求項96に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項98】
約0.1Kgf~約0.4Kgfの剛性を得るために交絡パラメータをさらに選択する、請求項95~97のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項99】
約1.5mm~約3mmの厚さを得るために交絡パラメータをさらに選択する、請求項95~98のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項100】
前記の機械的交絡ステップの後に、前記第1繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と前記第2繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は前記エラストマー層を通って延びている、請求項95~99のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項101】
少なくとも部分的に第1交絡繊維ウェブによって形成され、第1色特性と、前記第1色特性とは異なる第2色特性とを有する第1面と、少なくとも部分的に第2交絡繊維ウェブによって形成され、前記第1色特性と前記第2色特性とを有する対向する第2面であって、前記第2色特性を有する繊維が、対向する面と比較して、前記第1面又は前記第2面のうちの一方の単位面積当たりにより多く存在する、第2面と、前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しており、前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、を含む、非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項102】
前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、請求項101に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項103】
前記第3交絡繊維ウェブは前記第2交絡繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する、請求項102に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項104】
前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、請求項102又は103に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項105】
前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、請求項102~104のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項106】
前記エラストマー層は第1色特性を含む、請求項101~105のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項107】
少なくとも部分的に第1交絡繊維ウェブによって形成され、第1色特性と、前記第1色特性とは異なる第2色特性とを有する第1面と、少なくとも部分的に第2交絡繊維ウェブによって形成され、前記第1色特性と前記第2色特性とを有する対向する第2面であって、前記第2色特性を有する繊維が、対向する面と比較して、前記第1面又は前記第2面のうちの一方の単位面積当たりにより多く存在する、第2面と、前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブと、前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部、前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部、及び前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、それぞれの他の交絡ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、を含む、非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項108】
前記第3交絡繊維ウェブは前記第2交絡繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する、請求項107に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項109】
非対称面複合不織テキスタイルの製造方法であって、第1色特性を有する第1繊維ウェブと、前記第1色特性を有する第2繊維ウェブとの間に、第2色特性を有する第3繊維ウェブを配置するステップと、前記第1繊維ウェブと前記第2繊維ウェブとの間に前記第1色特性を有するエラストマー層を配置するステップと、前記第3繊維ウェブの第1数の繊維を、前記第1繊維ウェブの繊維の少なくとも一部に機械的に交絡させ、前記第3繊維ウェブの第2数の繊維を、前記第2繊維ウェブの繊維の少なくとも一部に機械的に交絡させるステップと、を含む、非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項110】
前記第3繊維ウェブは前記第2繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する、請求項109に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項111】
前記第3繊維ウェブの繊維は、約1.2D~約3.5Dのデニールを有する、請求項109又は110に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項112】
前記第1繊維ウェブの繊維は、約1.2D~約3.5Dのデニールを有する、請求項109~111のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項113】
前記第2繊維ウェブの繊維は、約0.6D~約1Dのデニールを有する、請求項109~112のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項114】
前記第1繊維ウェブの繊維が前記第1色特性を有し、前記第2繊維ウェブの繊維が前記第1色特性を有し、前記第3繊維ウェブの繊維が前記第2色特性を有するように、前記第1繊維ウェブ、前記第2繊維ウェブ及び前記第3繊維ウェブの各々の繊維が原液染めされている、請求項109~113のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項115】
前記第1繊維ウェブ、前記第2繊維ウェブ及び前記第3繊維ウェブの各々の繊維はポリエチレンテレフタレート(PET)繊維である、請求項109~114のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項116】
前記非対称面複合不織テキスタイルは後染めされていない、請求項109~115のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項117】
前記の機械的交絡はニードルパンチを含む、請求項109~116のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項118】
前記の機械的交絡ステップの後に、前記第1繊維ウェブは第1ステッチ密度を有する第1交絡繊維ウェブとなり、前記第2繊維ウェブは前記第1ステッチ密度よりも小さい第2ステッチ密度を有する第2交絡繊維ウェブとなる、請求項109~117のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項119】
前記第1交絡繊維ウェブは前記非対称面複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成し、前記第2交絡繊維ウェブは前記非対称面複合不織テキスタイルの第2面を少なくとも部分的に形成する、請求項118に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項120】
前記の機械的交絡ステップの後に、前記第1面は前記第1色特性と前記第2色特性を有し、前記第2面は前記第1色特性と前記第2色特性を有し、前記第2色特性を有する繊維が、対向する面と比較して、前記第1面又は前記第2面のうちの一方の単位面積当たりにより多く存在する、請求項119に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の態様は、衣料及び他の物品に適したリサイクル可能な非対称面複合不織テキスタイル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の不織テキスタイルは、伸張性及び回復性が欠如していること、重量が重く、ドレープ性が欠如していること、肌触りが粗いこと、及びいくつかの場合には断熱特性が欠如していることから、通常、衣料品に使用するのに適していない。さらに、従来の不織テキスタイルは、例えば洗濯産業及び個人衛生産業に適した均一なテキスタイルを提供するために、一般的に対称面を有する。しかし、均一な面を有する衣料品は、着用者の皮膚表面に面するテキスタイル面と、外部環境にさらされるテキスタイル面とでは、異なる特性を必要とする場合があるが、適用されない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0003】
以下では、図面を参照して、本願の各態様の例を詳細に説明する。
【
図1】本願の各態様による、例示的な複合不織テキスタイルの例示的なライフサイクルを示す図である。
【
図2】本願の各態様による、
図1の例示的な複合不織テキスタイル用の第1繊維ウェブを示す図である。
【
図3】本願の各態様による、
図1の例示的な複合不織テキスタイル用の第2繊維ウェブを示す図である。
【
図4】本願の各態様による、
図1の例示的な複合不織テキスタイル用の第3繊維ウェブを示す図である。
【
図5】本願の各態様による、
図1の例示的な複合不織テキスタイル用のエラストマー層を示す図である。
【
図6】本願の各態様による、
図1の例示的な複合不織テキスタイルを製造するための製造プロセスの一例を示す図である。
【
図7】本願の各態様による、
図1の例示的な複合不織テキスタイルの第1面を示す図である。
【
図8】本願の各態様による、
図1の例示的な複合不織テキスタイルの対向する第2面を示す図である。
【
図9】本願の各態様による、
図7の例示的な複合不織テキスタイルの断面図を示す図である。
【
図10】本願の各態様による、例示的な複合不織テキスタイルの代替構造の断面図を示す図である。
【
図11】本願の各態様による、シリコーン被覆繊維のみを描いた
図9の断面図を示す図である。
【
図12】本願の各態様による、パイルを有する複合不織テキスタイルを製造するための例示的な製造プロセスを示す図である。
【
図13】本願の各態様による、
図12の製造プロセスを用いて製造された複合不織テキスタイルの第1面を示す図である。
【
図14】本願の各態様による、
図13の例示的な複合不織テキスタイルの第2面を示す図である。
【
図15】本願の各態様による、
図13の例示的な複合不織テキスタイルの断面図を示す図である。
【
図16】本願の各態様による、
図1の例示的な複合不織テキスタイルの、第1面が第1色特性及び第2色特性を有する第1面を示す図である。
【
図17】本願の各態様による、
図16の例示的な複合不織テキスタイルの対向する第2面を示す図である。
【
図18】本願の各態様による、
図16の例示的な複合不織テキスタイルの断面図を示す図である。
【
図19】本願の各態様による、
図1の例示的な複合不織テキスタイルの第1時点における第1面を示す図である。
【
図20】本願の各態様による、
図19の例示的な複合不織テキスタイルの第2時点における第1面を示す図である。
【
図21】本願の各態様による、
図1の例示的な複合不織テキスタイルの第1時点における第2面を示す図である。
【
図22】本願の各態様による、第2時点における、
図21に示す複合不織テキスタイルの例示的な第2面を示す図である。
【
図23】本願の各態様による、
図1の例示的な複合不織テキスタイルから形成される衣料物品の第1時点における外向き面を示す図である。
【
図24】本願の各態様による、
図23の衣料物品の第2時点における外向き面を示す図である。
【
図25】本願の各態様による、
図23の衣料物品の第1時点における内向き面を示す図である。
【
図26】本願の各態様による、
図25の衣料物品の第2時点における内向き面を示す図である。
【
図27】本願の各態様による、本願に記載された例示的な複合不織テキスタイルから形成される例示的な上半身用衣服を示す図である。
【
図28】本願の各態様による、本願に記載された例示的な複合不織テキスタイルから形成される例示的な下半身用衣服を示す図である、
【
図29】本願の各態様による、本願に記載された例示的な複合不織テキスタイルの第1面に化学バインダを塗布するための例示的な輪転グラビア印刷システムを示す図である。
【
図30】本願の各態様による、
図29の例示的な輪転グラビア印刷システムのグラビア印刷ローラの例示的なパターンを示す図である。
【
図31】本願の各態様による、
図29の例示的な輪転グラビア印刷システムを用いて化学バインダを塗布した後の複合不織テキスタイルの第1面を示す図である。
【
図32】本願の各態様による、
図31の複合不織テキスタイルの対向する第2面を示す図である。
【
図33】本願の各態様による、
図31の複合不織テキスタイルの断面を示す図である。
【
図34】本願の各態様による、化学結合部位を有する帯状塗布のための上半身用衣服の背面図である、
【
図35】本願の各態様による、化学的結合部を有する帯状塗布のための下半身用衣服の正面図である。
【
図36】本願の各態様による、本願に記載された例示的な複合不織テキスタイルに熱結合部位を作成するための例示的な超音波結合システムを示す図である。
【
図37】本願の各態様による、
図36の例示的な超音波結合システムを用いて熱結合部位を作成した後の複合不織テキスタイルの第1面を示す図である。
【
図38】本願の各態様による、熱結合部位を表す
図37の複合不織テキスタイルの対向する第2面を示す図である。
【
図39】本願の各態様による、
図37の複合不織テキスタイルの断面を示す図である。
【
図40】本願の各態様による、
図36の例示的な超音波結合システムを用いて作成された2セットの熱結合部位を有する、例示的な複合不織テキスタイルの第1面を示す図である。
【
図41】本願の各態様による、2セットの熱結合部位を表す
図40の複合不織テキスタイルの対向する第2面を示す図である。
【
図42】本願の各態様による、
図40の複合不織テキスタイルの断面を示す図である。
【
図43】本願の各態様による、熱結合部位を有する帯状塗布のための上半身用衣服の背面図を示す図である。
【
図44】本願の態様による、熱結合部位を有する帯状塗布された下半身用衣服の正面図を示す図である。
【
図45】本願の各態様による、熱結合部位及び化学結合部位を有する例示的な複合不織テキスタイルの第1面を示す図である。
【
図46】本願の各態様による、熱結合部位を表す
図45の複合不織テキスタイルの対向する第2面を示す図である。
【
図47】本願の各態様による、
図45の複合不織テキスタイルの断面を示す図である。
【
図48】本願の各態様による、例示的な複合不織テキスタイルの第1面におけるピルの形成を低減するための例示的な2段階機械的交絡プロセスの概略図を示す図である。
【
図49】本願の各態様による、
図48の2段階機械的交絡プロセスの後の複合不織テキスタイルの第1面を示す図である。
【
図50】本願の各態様による、
図49の複合不織テキスタイルの対向する第2面を示す図である。
【
図51】本願の各態様による、
図49の複合不織テキスタイルの断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明の主題は、法的な要件を満たすために、本明細書に詳細に説明される。しかしながら、説明自体は、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。むしろ、発明者らは、特許請求又は開示される主題が、異なるステップ、又は本明細書に記載されているステップに類似したステップの組み合わせを含むように、他の現在又は将来の技術に関連して実施されることができることを想定する。さらに、用語「ステップ」及び/又は「ブロック」は、本願で使用される方法の異なる要素を示唆するために使用されてもよいが、個々のステップの順序が明示的に示されている場合を除き、本願で開示されるステップ間の任意の特定の順序を示唆していると解釈すべきではない。
【0005】
従来の不織テキスタイルは、伸張性及び回復性が欠如していること、重量が重く、ドレープ性が欠如していること、肌触りが粗いこと、及びいくつかの場合には断熱特性が欠如していることから、通常、衣料品に使用するのに適していない。さらに、従来の不織テキスタイルは、例えば洗濯産業及び個人衛生産業に適した均一なテキスタイルを提供するために、一般的に対称な面又は側面を有する。しかし、均一な面を有する衣料品は、着用者の皮膚表面に面するテキスタイル面と、外部環境にさらされるテキスタイル面とでは、異なる特性を必要とする場合があるが、適用されない場合がある。
【0006】
本願の態様は、衣料及び他の物品に適したリサイクル可能な非対称面複合不織テキスタイル及びその製造方法に関する。例示的な態様では、非対称面複合不織テキスタイルは、少なくとも部分的に第1交絡繊維ウェブによって形成された第1面と、少なくとも部分的に第2交絡繊維ウェブによって形成された対向する第2面とを含む。衣料品を形成する場合、第1面は衣料品の外向き面を形成し、第2面は衣料品の外向き面を形成する。非対称面複合不織テキスタイルが衣料品を形成する際に、第1交絡繊維ウェブは、外部環境への露出に適した特徴を有することができる。例えば、第1交絡ウェブを形成する繊維のデニールを、第2交絡ウェブを形成する繊維のデニールよりも約2倍大きくすることができるので、第1交絡ウェブが繊維を破壊することなく摩耗力に強く耐えることができる。
【0007】
第2交絡繊維ウェブは、非対称面複合不織テキスタイルが衣料品を形成する際に、皮膚に面する表面を形成するのに適していることを特徴とする。例えば、第2面が摩耗力にさらされることが少ないので、第2交絡ウェブを形成する繊維のデニールを、第1交絡ウェブを形成する繊維のデニールの約半分とすることができる。さらに、より小さいデニールは、肌や肌に近い接触に対して快適なソフトな風合いを生み出すことができる。さらに、第2交絡ウェブは、ソフトな風合いを付与し、テキスタイルのドレープ性を向上させる(すなわち、テキスタイルを硬くしない)シリコーン被覆繊維を含んでもよい。
【0008】
更なる例示的な態様では、第2面は、第2面の表面平面に垂直な方向に第2面から離れて延びてパイルを形成するループ及び/又は繊維端部を含んでもよい。例えば、ループ及び/又は繊維端部は、第2面~約1.5mm~約8.1mm離れて延びることができる。パイルは、着用者によって暖められた空気を閉じ込むのに役立ち、不織テキスタイルの断熱特性を向上させる。このパイルはまた、着用者に更なる快適性を提供する。
【0009】
更なる態様では、非対称面複合不織テキスタイルは、第1面及び第2面に関連する異なる色特性をさらに含んでもよい。一態様では、色特性は、一方の面において、他方の面よりも顕著なヘザー効果の形態とすることができる。異なる色特性は、不織テキスタイルから形成された衣料物品に所望の美感を与えることができ、また、衣料物品のどちらの側が外側に向いていて、どちらの側が内側に向いているかについての視覚的な目印を着用者に提供することができる。また、様々な色特性により、衣料物品を両面着用(「内側を外にして着用する」衣料物品)に適したものとすることができる。例えば、異なる色特性は、テキスタイルの異なる層を形成する繊維の特定の色を選択することによって、及び/又は、着色繊維が第2面よりも第1面に選択的に移動するように交絡パラメータを選択することによって、これらの面に付与することができ、又はその逆も同様である。
【0010】
非対称面複合不織テキスタイルは、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層をさらに含んでもよい。エラストマー層は、上半身用衣服や下半身用衣服などの衣料品に適するように、複合不織テキスタイルに伸張と特性回復を与える。それ自体では、エラストマー層は、通常の着用者及び引き裂きに耐えるのに十分な伸張強さを欠いている可能性がある。したがって、エラストマー層は、交絡プロセスを用いて、異なるウェブからの繊維を、エラストマー層を介して延びさせて、凝集構造を作成することによって、複合不織テキスタイル中に統合される。
【0011】
いくつかの例示的な態様では、複合不織テキスタイルは、エラストマー層と共に積層された追加の交絡ウェブ(例えば、第3交絡繊維ウェブ、第4交絡繊維ウェブ等)を含む。予め交絡ウェブの重量は、交絡された後に最小の厚さを有する軽量複合不織テキスタイルを得るように選択され得る。さらに、交絡ウェブの数、繊維デニール、繊維種、繊維の長さなどを選択して、テキスタイルを形成する繊維間に空気を捕捉することにより、強化された断熱特性を提供する最終的な複合不織テキスタイルを作成する。加えて、複合不織テキスタイルの各面の異なる所望の最終特性を含む不織テキスタイルの異なる所望の最終特性を達成するために、複合不織テキスタイルを形成するために使用される異なるウェブの特性及び/又はウェブの数を調整することができる。その結果、軽量で表面が非対称面の複合不織テキスタイルが得られ、このテキスタイルは、熱特性、伸長回復性、優れたドレープ性、視覚的美観の面白さ、優れた耐摩耗性、ソフトな風合いを有するので、スポーツウェアに適した衣料品を形成するのに理想的な複合不織テキスタイルとなる。
【0012】
本願で想定した複合不織テキスタイルは様々な方法で仕上げることができる。例えば、テキスタイルは、選択された印刷技術を用いて、1つ以上パターン、図形、ロゴなどを印刷することができる。1つの例示的な態様では、交絡の前に1つ以上の繊維ウェブに印刷を施して、交絡中に印刷構成要素を不織テキスタイルに組み込むことができる。不織テキスタイルが衣料品を形成する際に、異なる技法を用いてテキスタイルの縁を縫い合わせることができる。例えば、テキスタイルの縁部を重ね合わせることができ、交絡プロセスを用いてテキスタイルの縁部から繊維を交絡させて縫い目を形成することができる。
【0013】
本願の態様は、非対称面複合不織テキスタイルがリサイクル可能であることをさらに考慮し、いくつかの態様では、テキスタイルは完全にリサイクル可能であることができる。したがって、各態様では、交絡ウェブを形成するために選択される繊維は、一般にポリエステル繊維と呼ばれるリサイクルポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を含むリサイクル材を含んでもよい。加えて、エラストマー層を形成するために選択された材料は、完全にリサイクル可能であってもよい。リサイクル繊維と材料の使用により、複合不織テキスタイルのカーボンフットプリントが低減される。
【0014】
非対称面複合不織テキスタイルは、2つ以上の繊維ウェブの間にエラストマー層を配置することにより形成される。ウェブの数、繊維デニール、個々のウェブの重量、繊維の長さ、繊維の色、及び繊維コーティングなど、異なるウェブの特性の選択は、非対称面複合不織テキスタイルの所望の最終特性に基づいている。エラストマー層が2つ以上の繊維ウェブの間に配置されると、機械的交絡プロセスが行われる。1つの例示的な態様では、機械的交絡プロセスはニードルパンチである。ニードルの選択、ステッチ密度、貫入深さ、貫入方向、ニードルパス回数などのニードルパンチプロセスに関連する様々なパラメータは、非対称面複合不織テキスタイルの所望の最終特性に基づいて選択される。例えば、パラメータは、所望の厚さ、所望の伸張及び回復の程度、所望の重量、所望のドレープ性又は剛性等を有する不織テキスタイルを製造するために選択され得る。
【0015】
ニードルパンチパラメータと組み合わせて異なるウェブの特性を選択することにより、洗濯及び/又は着用後に不織テキスタイルに非対称性を生じさせることができる。いくつかの態様では、洗濯及び/又は着用によって生じる非対称性は所望の特性であり得る。例えば、不織テキスタイルの第2面は、不織テキスタイルの第1面よりも大きくピリングされていてもよい。これは、不織テキスタイルが衣料品に組み込まれたときに、衣料品の内向き面が衣料品の外向き面よりも大きくピリングされ得ることを意味する。例示的な態様では、異なるピリングは、不織テキスタイルの第2面を部分的に形成する第2交絡ウェブにシリコーン被覆繊維が使用されることによるものであり得る。シリコーンコーティングは、繊維の移動傾向を高めることができ(すなわち、繊維を交絡させたままにするための摩擦が小さい)、繊維の末端が第2面に露出し、そこでピルを形成する可能性がある。例示的な態様では、ピルの存在は所望の美観であってもよく、ウェブの選択及び/又は交絡パラメータに関連する要因は、ピル形成の可能性を高めるように調整されてもよい。さらに、複合不織テキスタイルから形成された衣料品の内向き面にピルの数を多くすることで、着用者が古着のスウェットを着用した場合と同様の快適性に寄与することができる。例示的な態様では、ピルの形成が所望の特性でない場合、複合不織テキスタイルは、抗ピリング性を高めるために、アイロンがけ、カレンダー加工、エンボス加工、熱結合、及び/又はコーティングを複合不織テキスタイルの表面に適用するなどの後処理ステップを経てもよい。
【0016】
得られる不織テキスタイルの更なる所望の特性を得るために、追加の製造ステップを実施することができる。例えば、ディロールカーペットの製造に一般的に用いられるニードルパンチプロセスを用いて、不織テキスタイルの第1面ではなく第2面にパイルを形成することができる。この態様では、ブラシは、ニードルパンチプロセス中に、不織テキスタイルの第2面に近接して配置される。ニードルは、ニードルパンチプロセスが完了するまで適切な位置に保持された繊維ウェブからブラシに繊維及び/又は繊維ループを押し込むために使用される。不織テキスタイルがブラシから取り除かれると、ブラシに保持された繊維及び/又は繊維ループは、第2面の表面平面に垂直な共通の方向に配向される。
【0017】
本願で使用されるように、用語「衣料品」は、着用者によって着用される物品を含むことを意図している。これにより、上半身用衣類(例えば、上着、Tシャツ、セーター、パーカー、ジャケット、コート等)と下半身用衣類(例えば、ズボン、短パン、タイツ、カプリパンツ、ユニタード等)とを含むことができる。衣料品は、帽子、手袋、袖(腕カバー、ふくらはぎ袖)、履物物品(靴の甲被等)等をも含んでもよい。衣料品に関連する場合、「内向き面」という用語は、着用者の身体表面に対向するように構成された表面を意味し、「外向き面」という用語は、内向き面とは反対側で、着用者の身体表面から離れて、かつ、外部環境に対向するように構成された表面を意味する。「最内向き面」という用語は、衣料品の他の層に対して着用者の身体表面に最も近い表面を意味し、「最外向き面」という用語は、衣料品の他の層に対して着用者の身体表面から最も遠い表面を意味する。
【0018】
本願で使用されるように、「不織テキスタイル」という用語は、編み物、織物、編組構造、又は他の構造化構造の形態ではなく、機械的及び/又は化学的相互作用によって共に保持された繊維を意味する。特定の態様では、不織テキスタイルは、機械的に操作されてマット状材料を形成する繊維の集合体を含む。言い換えれば、不織テキスタイルは、繊維から直接製造されている。不織テキスタイルは、凝集構造を形成する異なる繊維ウェブを含むことができ、異なる繊維ウェブは、異なる又は類似の繊維組成及び/又は異なる性質を有することができる。「繊維ウェブ」という用語は、1つ以上の他の繊維ウェブとの機械的交絡プロセスを経る前の層を意味する。繊維ウェブは、X、Y平面に沿って延びる1つ以上の共通の方向に繊維を整列させるカーディング及びラッピングプロセスを経た繊維を含み、所望の坪量が得られる。繊維ウェブはまた、繊維ウェブが操作可能な凝集構造を形成する(例えば、ローラへの交絡、ローラからの巻き戻し、積層等)ようにウェブの繊維をある程度交絡するライトニードルパンチプロセス又は機械的交絡プロセスを受けてもよい。繊維ウェブは、複合不織テキスタイルを形成するために他の繊維ウェブと交絡する前に、印刷のような1つ以上の追加の処理ステップを経てもよい。複合不織テキスタイルに言及する場合、「交絡繊維ウェブ」という用語は、1つ以上の他の繊維ウェブと機械的に交絡した後の繊維ウェブを意味する。したがって、交絡繊維のウェブは、この層を形成する繊維ウェブ内に最初に存在する繊維と、交絡プロセスによって交絡繊維ウェブ内に移動した他のウェブ内に存在する繊維とを含んでもよい。
【0019】
本願で想定される機械的交絡プロセスには、トゲ付きニードル又は構造化ニードル(例えば、二股ニードル)を使用したニードル交絡(一般にニードルパンチと呼ばれる)、又は、流体交絡が備えられ得る。本願で想定される態様では、ニードルパンチは、使用される繊維の小デニール及びニードルパンチプロセスに関連する異なるパラメータを微調整する能力に基づいて使用することができる。ニードルパンチは、一般的に、一定の割合の繊維を、ほぼ水平方向(x、y平面に沿って延びる方向)からほぼ垂直方向(z方向)に再配置するために、バーブ又はスパイク付きのニードルを使用する。一般に、ニードルパンチプロセスを参照すると、カーディングされ、ラップされ、予めニードルパンチされたウェブは、カーディングされ、ラップされ、予めニードルパンチされたウェブ及びエラストマー層のような他の層と積み重ねられ、積みスタックウェブ構成の反対側に位置するベッドプレートとストリッパプレートとの間を通過することができる。ニードル板に固定された穿刺ニードルは、積層されたウェブ構造体を通って出入りし、ニードルが積層されたウェブ構造体に出入りした後、ストリッパプレートは、ニードルから繊維を剥離する。ニードルパンチ中のウェブ圧縮はストリッパプレートとベッドプレートとの間の距離を調整することにより制御され得る。スタックされたウェブ構造体が搬送システムに沿って縦方向に移動する間、針板はスタックされたウェブ構造体の長さをニードルパンチするようにスタックされたウェブ構造体に対して繰り返し係合及び係合解除する。本発明の態様では、搬送システムに沿って異なる点に順次配置される複数の針板の使用が考慮され、異なる針板は、スタックされたウェブ構成が縦方向に移動するときに、スタックされたウェブ構成の異なる面から(例えば、搬送システムの上面及び下面に対して)スタックされたウェブ構成を係合することができる。ニードルボードと積層ウェブ構成体との各接合は、本明細書では「パス(pass)」として知られている。得られるニードルパンチ不織テキスタイルの所望の特性(例えば、坪量、厚さ等)を得るために、特定の針板に関連するパラメータを調整することができる。異なるパラメータは、交絡パス中に使用される1cm2(n/cm2)当たりのニードルの数であるニードル密度(SD)と、ニードルがスタックウェブ構成から引き出される前にスタックウェブ構成を通過する距離である貫入深さ(PD)とを含んでもよい。ニードルパンチプロセスに関連するパラメータ、例えば、ベッドプレートとストリッパプレートとの間の間隔、及びスタックウェブ構成の搬送速度も一般的に調整することができる。
【0020】
本願では、他のタイプのニードルを考慮しているが、本願の態様では、バーブ付きニードル(ニードルの長さに沿って予め設定された数のバーブが配置されたニードル)を使用することを考慮している。ニードル上のバーブは、スタックウェブ構成の第1面から反対側の第2面に移動するときに繊維を「捕捉」する。スタックウェブ構成を通るニードルの動きは、第1面に近い位置から第2面に近い位置まで、バーブによって捕捉された繊維を効果的に移動又は押し込み、さらに他の繊維との物理的相互作用を引き起こし、移動した繊維を摩擦などによって所定の位置に「ロック」するのを助ける。本願では、また、ニードルが第2面から第1面に向かって、スタックウェブ構成を通過することができることを想定している。例示的な態様では、ニードル上の繊維と相互作用するバーブの数は、ニードルの貫入深さに基づくことができる。例えば、貫入深さが第1量である場合、すべてのバーブが繊維と相互作用することができ、貫入深さが減少するにつれて、すべてのバーブが繊維と相互作用することができるのよりも少ない。更なる例示的な態様では、バーブのサイズは、ウェブで使用される繊維のデニールに基づいて調整することができる。例えば、バーブの寸法は、大デニール繊維の代わりに、小デニール(例えば、細い)繊維と接合するように選択することができ、これにより、大デニールではなく、小デニール繊維の選択的な移動を引き起こす。別の例では、バーブの寸法は、小デニール繊維と大デニール繊維の両方に接合されるように選択することができ、これにより、両方の繊維が移動してウェブを通る。
【0021】
交絡後、不織テキスタイルは、不織テキスタイルの内側に対して外向きであり、かつ不織テキスタイルの最外面を含む第1面及び対向する第2面を含むことができる。したがって、不織テキスタイルを観察するとき、第1面と第2面はそれぞれ完全に可視である。第1面と第2面はいずれもx、y平面に沿って延びることができ、これらの平面は通常、互いに平行でオフセットされている。例えば、第1面は第1x、y平面において配向することができ、第2面は第2x、y平面において配向することができ、第2x、y平面は通常、第1x、y面に平行であり、第1x、y面からずれている(offset)。
【0022】
本願で使用される「エラストマー層」という用語とは、少なくとも1つの配向軸上で伸張性及び回復性を有する(すなわち、弾力回復性を有する)層を意味し、単一の配向軸上で伸張性及び回復性を有する層と、複数の配向軸上で伸張性及び回復性を有する層とを含む。配向軸の例としては、長さ方向、幅方向、x方向、y方向、及び長さ方向、幅方向、x方向及びy方向から角度をなしてずれた任意の方向が含まれる。エラストマー層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマー(TPEE)、TPUとTPEEの組み合わせなどの熱可塑性エラストマーから形成することができる。エラストマー層は、スパンボンド層、メルトブローン層、フィルム、ウェブなどを含んでもよい。例示的な態様では、エラストマー層はスパンボンド(spunbond)TPEE又はメルトブローン(meltblown)TPUを含んでもよい。スパンボンドTPEE又はメルトブローTPUのような不織エラストマー材料は、エラストマーフィルムよりも低い坪量を可能にする。同様に、ウェブは、通常、フィルムに対する繊維の性質のために、通気性及び透過性が高く、通常、フィルムよりも柔軟性がある(すなわち、硬度が低い)。これらの要因(低坪量性、通気性及び浸透性、柔軟性)は、特にこれらが望ましい特徴である衣料環境において、本願に記載された複合不織テキスタイルの例に理想的に使用することを可能にする。
【0023】
繊維の場合、デニール又は繊維1本当たりのデニールという用語は、繊維の直線的な質量密度の測定単位であり、より具体的には、繊維9000メートル当たりの質量をグラム単位で表したものである。例示的な態様では、繊維のデニールはASTM D1577-07を用いて測定することができる。繊維の繊度は、繊維の長さ10000メートル当たりのグラム単位の単一繊維の質量である。繊維の直径は、繊維のデニール及び/又は繊維の繊度に基づいて計算することができる。例えば、ミリメートル単位の繊維直径dは、次の式を用いて計算することができる、d:D=繊度(dtex)の平方根を100で割る(d = square root of dtex divided by 100)。一般に、繊維の直径は繊維のデニールと直接相関する(すなわち、デニールが小さい繊維ほど直径が小さくなる)。ここで想定される繊維は、一般にポリエステルと呼ばれるポリエチレンテレフタレート(PET)を含む、多くの異なる材料(例えば、綿、ナイロンなど)で形成され得る。PET繊維は、元のPET繊維(未リサイクル繊維)とリサイクルPET繊維とを含むことができる。リサイクルPET繊維は、細断物由来の細断PET繊維と、再押し出しPET繊維(リサイクルPETチップを用いた再押し出し繊維)とを含む。
【0024】
本願で使用される用語「シリコーン被覆繊維」は、シリコーンコーティングがその長さに沿って繊維を完全に覆うように、連続したシリコーンコーティングを有する繊維を指すことができる。一例では、繊維はコアを形成することができ、シリコーンはコアを囲むシースを形成することができる。他の例示的な態様では、「シリコーンコーティング繊維」という用語は、繊維長に沿った少なくとも一部の領域に断続的シリコーンコーティングを有する繊維を指すことができる。例えば、繊維上にシリコーンコーティングを塗布することができる。この態様では、特定の繊維ウェブが100重量%のシリコーンコーティング繊維を含む場合、本明細書では、ウェブを形成する繊維はシリコーンコーティングを含まない領域を有することができると想定する。本願では、シリコーンコーティング繊維を、複合不織テキスタイルを形成する繊維のウェブに組み込むことを想定する。言い換えれば、例えばシリコーンスプレー仕上げ剤を用いて複合不織テキスタイルを形成した後、繊維にシリコーンコーティングを施さない。
【0025】
本願では、不織テキスタイルに言及する際に、使用される用語「色」又は「色特性」は、一般に、テキスタイルを形成する繊維の観察可能な色を指す。これらの態様では、色は、当分野で知られている染料、顔料、及び/又は着色剤を用いて繊維に提供することができる任意の色であってもよいことが想定される。したがって、繊維は、赤、オレンジ、黄色、緑、青、インディゴ、紫、白、黒及びその色度を含むがこれらに限定されない色を有するように構成することができる。1つの例示的な態様では、繊維の形成において、色を繊維に付与することができる(一般に、原液染めと呼ばれる)。原液染めでは、成形後のステップ(例えば、後染めステップ)で繊維に色を付加するのではなく、繊維を押し出す際に繊維に色を付加して繊維と一体化させる。
【0026】
色に関連する態様では、ある色が他の色と異なるか否かを決定することも想定する。これらの態様では、色は、数字色値を含むことができ、それは、色感知に影響を及ぼし得る因子を正規化及び/又は定量化することによってオブジェクトの色の色値を客観的に測定及び/又は計算する機器を使用することによって確定されることができる。このような機器としては、分光放射計、分光光度計などが挙げられるが、これらに限定されない。したがって、本明細書の各態様では、繊維によって提供される織物の「色」は、分光放射計及び/又は分光光度計を用いて測定及び/又は計算された数字色値を含むことができることを想定する。さらに、数字色値は、数字色値の色表現を提供する特定の色組織体である色空間又は色モデルと関連することができ、このように、各数字色値は、色空間又は色モデルにおいて表される単一色に対応する。
【0027】
これらの態様では、各色の数字色値が異なる場合には、ある色が他の色と異なると確定できる。そのような確定は、分光放射計又は分光光度計を用いて、例えば、第1色を有する第1織物の数字色値を測定及び/又は計算し、同じ機器を用いて、第2色を有する第2織物の数字色値を測定及び/又は計算し(すなわち、分光光度計が第1色の数字色値を測定するのであれば、分光光度計は第2色の数字色値を測定するために使用される)、そして、第1色の数字色値を第2色の数字色値と比較することによって、行うことができる。別の例では、この確定は、分光放射計又は分光光度計を用いて織物の第1領域の数字色値を測定及び/又は計算し、同じ機器を用いて第2色を有する織物の第2領域の数字色値を測定及び/又は計算し、第1色の数字色値を第2色の数字色値と比較することによって行うことができる。数字色値が等しくない場合、第1色又は第1色特性は第2色又は第2色特性とは異なり、逆も同様である。
【0028】
さらに、2色間の視覚的差異は、第1色と第2色の数字色値の間の百分率差と相関することができ、色値間の百分率差が大きくなるにつれて、視覚的差異はより大きくなると考えられる。さらに、視覚的差異は、色空間又はモデルにおける色値の色表現間の比較に基づくことができる。例えば、第1色が、黒又は濃い青の表現色に対応する数字色値を有し、第2色が、赤又は黄色の表現色に対応する数字色値を有する場合、第1色と第2色との間の視覚的差異は、赤として表現された第1色と黄色として表現された色を有する第2色との間の視覚的差異よりも大きい。
【0029】
本願で使用されるように、用語「ピル」又は「ピリング」は、不織テキスタイルの正面側に繊維ピル又は繊維端が形成されることを意味する。ピルは、面の表面平面から離れて延び得る。一般に、通常の洗濯及び摩耗期間、力(例えば摩耗力)により繊維端が移動して不織テキスタイルの表面をパスし、他の繊維端と交絡するため、ピルが形成される。テキスタイルの耐ピリング性は、ランダムタンブル及びマルティンデールピリング試験などの標準化試験を用いて測定することができる。本願で使用される用語「パイル」は、一般に、テキスタイルの面から共通の方向に延びる繊維の直立ループ及び/又は末端からなるテキスタイルの隆起表面又はパイルを意味する。
【0030】
本願では、予め交絡ウェブ及び得られる複合不織テキスタイルに関する様々な測定値が提供される。得られた複合不織テキスタイルの厚さは、精密厚さ計を用いて測定することができる。厚さを測定するために、例えば、テキスタイルを平アンビル上に配置し、標準的な固定荷重で押え足を上面からテキスタイルに押えることができる。精密厚さ計のダイヤルインジケータは厚さをmm単位で示す。目付はISO 3801試験標準を使用して、グラム/平方メートル(gsm)単位で測定される。織物硬さは一般的にドレープ性に対応し、ASTMD 4032(2008)試験基準を用いて測定し、単位はキログラム力(Kgf)である。ASTM2594試験標準を用いて織物の伸びと回復を測定し、百分率で表す。本明細書で使用されるように、用語「伸張」は、指定された張力で指定された距離の増加として測定される織物特性を指し、一般に、オリジナル基準距離(即ち、静止長さ又は幅)の百分率として表される。本明細書で使用される用語「伸び」は、指定された張力まで延伸した後の、張力が解放される時間間隔中に、特定の基準(すなわち、静止長さ又は幅)の距離の増加を指し、一般に、オリジナル基準距離の百分率として表される。本明細書で使用される「回復」とは、織物がそのオリジナル基準距離(すなわち、その静止長さ又は幅)に戻る能力を指し、オリジナル基準距離の百分率として表される。熱抵抗は通常、ISO 11092試験標準を用いてRCT(M2*K/W)で測定した断熱特徴に相当する。
【0031】
特に明記されていない限り、本願に記載されているすべての測定は、不織テキスタイルが静止(未伸張)の状態で、標準的な周囲温度及び圧力(25℃又は298.15K、1バール)で測定される。
【0032】
図1は、本願で想定される複合不織テキスタイルの例示的なライフサイクルを示す図である。参照番号100は、通常、交絡前に積層された構成における、第1繊維ウェブ110、第2繊維ウェブ112、第3繊維ウェブ114、及びエラストマー層116を示す。本願では、いくつかの例示的な態様では、1つ以上の繊維ウェブが1つ以上であってもよいと想定している。例示的な態様では、第1、第2及び第3繊維ウェブ110、112、114を形成するために使用される繊維は、リサイクル繊維、特にリサイクルPET繊維を含んでもよい。加えて、例示的な態様では、エラストマー層116は、リサイクル可能な材料で形成することができる。矢印118は、第1繊維ウェブ110、第2繊維ウェブ112及び第3繊維ウェブ114内の繊維が互いに交絡し、1つ以上の繊維がエラストマー層116を通って延びて、凝集性複合不織テキスタイル120を形成する交絡ステップを概略的に示す。矢印122は、複合不織テキスタイル120を衣服124に形成する処理ステップを概略的に表す。衣料品124は、上半身用衣服として示されているが、本願では、衣料品124は、上半身用衣服、アッパー、帽子、手袋、袖などの他の形態をとってもよいと想定されている。衣料品124の寿命が終わると、着用者は、衣料品124を製造業者/小売業者に戻すことができることが想定されており、製造業者/小売業者は、例えば、矢印126によって示されるように、衣料品124が完全に回収されて、繊維ウェブ110、112、114のような繊維ウェブ及びエラストマー層116のような潜在的なエラストマー層を形成するために使用される細断繊維及び/又は再押し出し繊維を形成して、自己維持リープを形成することができる。この自己維持リープは、編み物、織物及び不織テキスタイルの衣料品を含む衣料品の製造に一般的に関連する炭素影響を低減する。
【0033】
図2は、他のウェブと交絡する前の第1繊維ウェブ110を示す。例示的な態様では、複合不織テキスタイル120の所望の最終特性を達成するために、第1繊維ウェブ110に関連する特性を選択することができる。このように、第1繊維ウェブ110は、他のウェブと交絡したときに、複合不織テキスタイル120の第1面を形成するものと考えられる。複合不織テキスタイル120が衣料品として形成される場合、第1面は外向き面を形成し、いくつかの態様では、衣料品の最外向き面を形成することが期待される。したがって、第1繊維ウェブ110に関連する所望の特性は、例えば、耐久性及び耐摩耗性と隠蔽性とを含む。例示的な態様では、第1繊維ウェブ110の坪量は、約1m
2当たり20g(gsm)~約150gsm、約35gsm~約65gsm、約40gsm~約60gsm、約45gsm~約55gsm、又は約50gsmである。本願で使用されるように、用語「約」は、別段の記載がない限り、指示値の±10%以内であることを意味することが多い。第1繊維ウェブ110の坪量をこの範囲内に設定することにより、第1繊維ウェブ110と他のウェブ及び/又はエラストマー層とを組み合わせた後の坪量が所望の範囲内にある不織テキスタイルを得ることができる。
【0034】
第1繊維ウェブ110は、例えば繊維210(概略的に示す)のような繊維から形成されており、繊維210は、カーディング及びクロスラッピングプロセスの結果として、一般的に1つの共通の方向又は2つ以上の共通の方向に配向され得る。例示的な態様では、繊維210はPET繊維(リサイクル又はバージン)を含んでもよいが、ここでは他のバージン及びリサイクル繊維タイプ(例えば、ポリアミド、綿など)が考慮される。1つの例示的な態様では、繊維210は、100重量%のリサイクル繊維、例えば100重量%のリサイクルPET繊維を含むことができる。しかしながら、他の態様では、必要に応じて、繊維210は、100重量%のバージン繊維、又はバージン繊維とリサイクル繊維との他の組み合わせを含むことができる。繊維210の短繊維長は、約40mmから約60mm、約45mmから約55mm又は約51mmの範囲内であってもよい。この繊維の長さを使用することにより、最適な交絡が得られる。例えば、40mm未満では繊維が交絡するのに十分な長さを有しない場合があり、60mm以上では交絡中に針が不織テキスタイルから引き抜かれた場合に繊維が実質的に交絡しなくなる場合がある。例示的な態様では、繊維210は、例えば、元の押し出しPET又は再押し出しPETから形成され、規定された長さに切断されるときに、均一な長さを含んでもよい。他の態様では、繊維210は、例えば、繊維210が細断された繊維源からのものである場合に、ステープル長さの変化を含んでもよい。任意の態様及びすべての態様、ならびにそれらの変更は、本明細書の態様内に含まれると考えられる。
【0035】
繊維210は、約1.2D以上、又は約1.2D~約3.5D、約1.2D~約1.7D、約1.3D~約1.6D、又は約1.5Dのデニールを含んでもよい。この範囲のデニールを用いて繊維210を破断しにくくし、逆に複合不織テキスタイル120の第1面の耐久性及び耐摩耗性を向上させる。さらに、この範囲内でデニールが選択され、第1繊維ウェブ110の坪量が依然として達成されることにより、第1面の良好で均一な被覆が提供され、第1面の耐久性特性の向上に寄与する。第1繊維ウェブ110の坪量を維持したまま、例えば3.5Dよりも大きいデニールを選択することは、第1面に均一な被覆を提供しない可能性がある。
【0036】
例示的な態様では、第1繊維ウェブ110を形成するために使用される繊維210は、第1色特性を含んでもよい。例えば、繊維210が原液染めされるように形成されている場合、押出プロセス中に繊維210に第1色特性を付与することができる。例示的な態様では、ここでは他の色を考慮しているが、色特性は白色であってもよい。被覆染色繊維を用いて複合不織テキスタイル120を形成することにより、後処理染色ステップが不要となり、不織テキスタイル120のカーボンフットプリントの低減にさらに寄与する。例えば、複合不織テキスタイル120は、後染めされていないものとする。
【0037】
図3は、他のウェブと交絡する前の第2繊維ウェブ112を示す。例示的な態様では、複合不織テキスタイル120の所望の最終特性を達成するために、第2繊維ウェブ112に関連する特性を選択することができる。このように、第2繊維ウェブ112は、他のウェブと絡み合ったときに、複合不織テキスタイル120の対向する第2面を形成するものと考えられる。複合不織テキスタイル120が衣料品を形成するとき、第2面は内向き面を形成し、いくつかの態様では最も内側に面する衣料品の面を形成することが想定されている。したがって、第2繊維ウェブ112に関連する特性は、例えば、ソフトな風合い又は手触りを含む。例示的な態様では、第2繊維ウェブ112の目付は、約20gsmから約150gsm、約1m
2当たり35g(gsm)から約65gsm、約40gsmから約60gsm、約45gsmから約55gsm、又は約50gsmである。例示的な態様では、第2繊維ウェブ112は、第1繊維ウェブ110と実質的に同じ坪量を有する。第2繊維ウェブ112の坪量をこの範囲内に設定することにより、第2繊維ウェブ112が他の繊維ウェブ及び/又はエラストマー層と結合した後の坪量が所望の範囲内にある不織テキスタイルが得られる。
【0038】
例示的な態様では、第2繊維ウェブ112は2種類の繊維、例えば繊維310(概略的に描く)及び繊維312(概略的に描く)から形成することができ、これらの繊維310及び繊維312は、カーディング及びクロスラッピングプロセスの結果として、実質的に共通の方向又は2つ以上の共通の方向に配向することができる。例示的な態様では、繊維310はPET繊維(リサイクル又はバージン)を含んでもよいが、ここでは他のバージン及びリサイクル繊維タイプ(例えば、ポリアミド、綿など)が考慮される。1つの例示的な態様では、繊維310は、100重量%のリサイクル繊維、例えば100重量%のリサイクルPET繊維を含んでもよい。しかしながら、他の態様では、必要に応じて、繊維310及び/又は312は、100重量%の原繊維、又は原繊維とリサイクル繊維との他の組み合わせを含んでもよい。
【0039】
繊維312は、繊維310とは異なる特徴を有することを示す点線で示されている。繊維312は、例えば、シリコーン樹脂被覆繊維を含む。繊維312を第2繊維ウェブ112に組み込む前に、繊維312をシリコーンで被覆してもよい。例示的な態様では、第2繊維ウェブ112は、約10重量%~約95重量%の繊維312、約40重量%の繊維310及び約60重量%の繊維312、約45重量%の繊維310及び約55重量%の繊維312、約50重量%の繊維310及び約50重量%の繊維312、約55重量%の繊維310及び約45重量%の繊維312、又は約60重量%の繊維310及び約40重量%の繊維312を含んでもよい。特定の態様では、第2繊維ウェブ112は、約50重量%の繊維310及び約50重量%の繊維312を含んでもよい。以上のように、繊維312は、その長さに沿って間欠的にシリコーンで被覆されていてもよいし、繊維312は芯鞘構造を有していてもよい。上記範囲内で繊維312を使用することにより、第2繊維ウェブ112によって形成される第2面に良好な風合いを与えることができる。それは、複合不織テキスタイル120にも良好なドレープ性を提供する。言い換えれば、得られる不織テキスタイル120は、清浄空間及び個人衛生空間で使用される従来の不織テキスタイルのように硬くない。また、上記範囲の繊維310及び繊維312を使用することにより、シリコーン被覆繊維は、交絡時の移動が容易になるため、本願に記載の繊維ウェブの交絡に必要なニードル力の量を低減することができる。上記範囲未満のシリコーンコーティング繊維を組み込むと、着用中に第2面が乾燥感、不快感を与える可能性がある。逆に、上記範囲以上のシリコーン被覆繊維を組み合わせると、第2面が滑らかに感じられ、着用者に不快感を与える可能性がある。さらに、上記範囲以上のシリコーン被覆繊維を使用すると、カーディング糸が繊維と摩擦係合して均一なカーディングウェブを得ることができず、カーディングプロセスが困難になる可能性がある。加えて、上記の範囲よりも広い範囲でシリコーン被覆繊維を使用すると、シリコーンにより摩擦力が低下し、複合不織テキスタイル120の構造的完全性に影響を与えるため、繊維間に十分な交絡が生じない場合がある。
【0040】
シリコーン被覆繊維312を利用することにより、後処理ステップで複合不織テキスタイル120にシリコーン仕上げ剤を添加する必要がなくなる。よく知られているように、テキスタイルの分野では、後処理ステップでシリコーン柔軟仕上げ剤を編み物や織編物に添加することが一般的である。このステップを除去することにより、複合不織テキスタイル120のカーボンフットプリントはさらに低減する。
【0041】
各繊維310、312のステープルの長さは、約40mm~約60mm、約45mm~約55mm又は約51mmの範囲であってもよい。繊維210と同様に、この長さは最適な交絡を提供することができる。例示的な態様では、繊維310及び/又は312は、繊維がバージン押出PET又は再押出PETから形成され、定められた長さに切断される場合など、均一な長さを有することができる。他の態様では、繊維310及び/又は312は、例えば、繊維310及び/又は312が細断された繊維からのものである場合に、短繊維の長さの変化を含むことができる。任意の態様及びすべての態様、ならびにそれらの変更は、本願の態様内に含まれると考えられる。
【0042】
繊維310、312の各々は、約1D以下のデニールを含んでもよい。デニールは、例えば、約0.1D、約0.2D、約0.3D、約0.4D、約0.5D、約0.6D、約0.7D、約0.8D、又は約0.9Dであってもよい。一例として、繊維310及び312のデニールは、約0.6D~約1D、約0.7D~約0.9D、又は約0.8Dであり得る。この範囲のデニールを使用することは、第2繊維ウェブ112によって形成される第2面にソフトな風合い又は手触りを与えるのに役立つ。さらに、この範囲内でデニールが選択され、第2繊維ウェブ112の坪量が依然として達成され、第2面の良好な被覆が提供される。
【0043】
例示的な態様では、第2繊維ウェブ112を形成するために使用される繊維310及び312の各々は、同じ色特性又は異なる色特性を含んでもよい。例示的な態様では、繊維310及び312の両方は、繊維210の第1色特性を含む。繊維210と同様に、各繊維310、312は、得られる複合不織テキスタイルの後処理染色ステップの必要性をさらに低減するために、コーティングにより染色することができる。
【0044】
図5は、エラストマー層116を示す。例示的な態様では、エラストマー層116は、約20gsm~約150gsm、約50gsm~約70gsm、約55gsm~約65gsm、又は約60gsmの坪量を有することができる。エラストマー層116の坪量は、得られる複合不織テキスタイルの所望の坪量を達成するように選択することができる。本願の各態様では、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマー(TPEE)、TPUとTPEEの組み合わせなどの熱可塑性エラストマーからエラストマー層116を形成することが想定されている。エラストマー層は、スパンボンド層、メルトブローン層、フィルム、ウェブなどを含んでもよい。特定の例示的な態様では、エラストマー層116は、TPEEスパンボンド層を含むことができ、別の特定の態様では、エラストマー層116は、TPUメルトブローン層を含んでもよい。一般に、エラストマー層116は、複合不織テキスタイル120に所望の伸張特性及び回復特性を提供する一方で、交絡プロセス中に構造的完全性を一般に維持するように選択される。エラストマー層116は、得られる複合不織テキスタイル120の坪量、通気性、及び透過性を低く維持するために、低坪量を有するように選択されてもよく、これは複合不織テキスタイル120から形成される衣料品の快適特性に寄与し、複合不織テキスタイル120の硬さを低下させる可撓性を有する。本明細書では、エラストマー層116が色特性を有することを想定する。例示的な態様では、色特性は、ここでは異なる色特性(例えば、第2色特性)を考慮しているが、繊維210、310、312に関連付けられた第1色特性とすることができる。
【0045】
図4は、他のウェブと交絡する前の任意の第3繊維ウェブ114を示す。複合不織テキスタイル120に組み込む場合、本願では、第3繊維ウェブ114は、第1繊維ウェブ110と第2繊維ウェブ112との間に位置することが想定されている。例示的な態様では、複合不織テキスタイル120の所望の最終特性を達成するために、第3繊維ウェブ114に関連する特性を選択することができる。例示的な態様では、第3繊維ウェブ114は、複合不織テキスタイル120の所望の坪量、複合不織テキスタイル120の所望の厚さ、複合不織テキスタイル120の所望の断熱特性、複合不織テキスタイル120の所望のパイル等を達成するために複合不織テキスタイル120に組み込まれ得る。以下でさらに説明するように、複合不織テキスタイル120に視覚的な美しさを与えるために、第3繊維ウェブ114を形成する繊維は、第1繊維ウェブ110及び第2繊維ウェブ112を形成するのに使用される繊維とは異なる色特性を有することができる。第3繊維ウェブ114は、第1繊維ウェブ110及び第2繊維ウェブ112と同様に、約20gsm~約150gsm、約35gsm~約65gsm、約40gsm~約60gsm、約45gsm~約55gsm、又は約50gsmの坪量を有する。第3繊維ウェブ110の坪量をこの範囲内に設定することにより、第3繊維ウェブ114が他の繊維ウェブ及び/又はエラストマー層と組み合わされた後の坪量が所望の範囲内にある不織テキスタイルが得られる。
【0046】
第3繊維ウェブ114は、例えば繊維410(概略的に示す)のような繊維から形成されており、この繊維410は、カーディング及びクロスラッピングプロセスの結果として、一般に共通の方向に、又は2つ以上の共通の方向に配向され得る。例示的な態様では、繊維410はPET繊維(リサイクル又はバージン)を含んでもよいが、本願では、他のバージン及びリサイクル繊維タイプ(例えば、ポリアミド、綿など)が考慮される。1つの例示的な態様では、繊維410は、100重量%のリサイクル繊維、例えば100重量%のリサイクルPET繊維を含むことができる。しかしながら、他の態様では、必要に応じて、繊維410は、100重量%のバージン繊維、又はバージン繊維とリサイクル繊維との他の組み合わせを含むことができる。繊維210、310、312と同様に、繊維410の短繊維長は、約40mm~約60mm、約45mm~約55mm又は約51mmの範囲であってもよい。例示的な態様では、繊維410は、繊維がバージン押出PET又は再押出PETから形成され、定められた長さに切断される場合のように、均一な長さを有することができる。他の態様では、繊維410は、例えば、繊維410が細断された繊維由来からの場合、短繊維の長さの変化を含むことができる。任意の態様及びすべての態様、ならびにそれらの変更は、本願の態様内に含まれると考えられる。
【0047】
繊維410は、約1.2D、約1.2D~約3.5D、約1.3D~約1.6D、又は約1.5Dのデニールを含んでもよい。この範囲内でのデニールを用いて繊維410を破断しにくくし、逆に複合不織テキスタイル120の耐久性及び耐摩耗性を向上させる。第3繊維ウェブ114は、使用時に第1繊維ウェブ110と第2繊維ウェブ112との間に位置するので、ソフトな風合いを持つことが例えば第2繊維ウェブ112ほど重要ではない。この範囲内のデニールを選択すると同時に、第3繊維ウェブ114の坪量を依然として達成することにより、複合不織テキスタイル120の全体的な被覆率及び/又は不透明度が向上する。
【0048】
例示的な態様では、第3繊維ウェブ114を形成するために使用される繊維410は、第1色特性とは異なる第2色特性を含んでもよい。これは、
図4において対角線シェーディングラインを用いて描かれている。繊維410が原液着色されることにより、複合不織テキスタイル120のカーボンフットプリントをさらに低減することが本願において想定されている。以下により詳細に説明するように、第1、第2及び第3繊維ウェブ110、112、114の交絡の間、繊維410は、第2色特性が他の面よりも一方の面で視覚的に識別可能又は区別可能となるように、他方の面よりも一方の面に向かって移動することができる。本願では、第1繊維ウェブ110の繊維210、第2繊維ウェブ112の繊維310、及び第3繊維ウェブ114の繊維410は、シリコーンで被覆されていないものとする。
【0049】
図6は、例示的な複合不織テキスタイル120を製造するための、一般的に符号600で表される例示的な製造プロセスを示す。
図6における製造構成要素の説明は、単に例示的なものであり、製造プロセス600の一般的な特徴を伝えることを意図している。
図6は、第1繊維ウェブ110、第2繊維ウェブ112、第3繊維ウェブ114、及びエラストマー層116のスタック構成612を縦方向に搬送する搬送システム610を示す。1つの例示的な態様では、図示されるように、第3繊維ウェブ114は、第1繊維ウェブ110とエラストマー層116との間に位置する。別の例示的な態様では、第3繊維ウェブ114は、第2繊維ウェブ112とエラストマー層116との間に位置する。上述したように、第1繊維ウェブ110、第2繊維ウェブ112及び第3繊維ウェブ114の各々は、所望の坪量を得るためにカーディング及びラッピングされている。同様に、ウェブ110、112、114の各々は、結合力のある構造を達成するためにわずかにニードリングされる。第1、第2及び第3繊維ウェブ110、112、114の各々の繊維は、通常の緩いウェブ状態にあるので、ニードル交絡プロセス中に移動することができる。例示的な態様では、搬送システム610は、スタック構成612を約2m/min~約2.5m/min、約2.1m/min~約2.4m/min、又は約2.3m/minの速度で搬送することができる。この速度は、複合不織テキスタイルの所望の最終特性(例えば、坪量、厚さ、成長・回復)を作成するために、針床を介して所望の交絡レベルを提供する。速度が遅いと、複合不織テキスタイル120の所望の最終特性に影響を及ぼす交絡が増加し、速度が増加すると、複合不織テキスタイル120の所望の最終特性にも影響を及ぼす不十分な交絡が発生する可能性がある。
【0050】
スタック構成612は、参照符号614によりパス1として表される第1針板を通過する。製造プロセス600の針板で使用されるニードルは、第1、第2及び第3繊維ウェブ110、112、114で使用される繊維のデニールと最適に相互作用するように選択され得る。また、所望の程度の交絡を達成するために、所望の数のバーブを含むように選択されることもある。例示的な態様では、パス1 614は、第1繊維ウェブ110から第2繊維ウェブ112に向かう方向に発生し、機能的には、繊維210を第1繊維ウェブ110から第3繊維ウェブ114及び第2繊維ウェブ112に移動させてから交絡させ、さらに繊維410を第3繊維ウェブ114から第2繊維ウェブ112に移動させて交絡させる効果を有する。パス1 614をこの方向に発生させることは、第1繊維ウェブ110及び任意の第3繊維ウェブ114からの繊維がエラストマー層116に接触する前にバーブに満たされることを確実にするのに役立つため、空のバーブがエラストマー層116を切断し、複合不織テキスタイル120の最終的な成長・回復性に影響を及ぼす機会を減少させる。
【0051】
例示的な態様では、パス1 614によって、約40n/cm2~約60n/cm2のステッチ密度、約45n/cm2~約55n/cm2のステッチ密度、又は約50n/cm2のステッチ密度を有することができる。パス1 614の貫入深さは、約10mm~約14mm、約11mm~約13mm、又は約12mmであってもよい。例示的な態様では、この量の貫入深さは、一般、ニードルのすべてのバーブを接合させる。例示的な態様では、すべてのバーブは5つを含んでもよい。この貫入深さは、ウェブ110、112、114のそれぞれの繊維がニードルに係合するように、ニードルがスタック構成612を完全に通過することを保証する。換言すれば、パス1 614について説明された貫入深さを有することにより、第1繊維ウェブ110からの繊維210の少なくとも一部が第3繊維ウェブ114の繊維410及び第2繊維ウェブ112の繊維310、312と交絡し、第3繊維ウェブ114の繊維410の少なくとも一部が第2繊維ウェブ112の繊維310、312と交絡することが保証される。例示的な態様では、ステッチ密度と貫入深さとの間には反比例の関係がある。これは、繊維の過加工及び潜在的な破損を回避するためである。言い換えれば、パス1 614のように貫入深さが高い場合、繊維が破断する可能性を回避するためにステッチ密度は低くなる。パス1 614が完了した後、スタック構成612は、異なるウェブからの繊維のz方向の移動及び交絡により、厚みを減少させることができる。また、スタック構成612は、横向牽引力のために横方向にわずかに成長することができる。
【0052】
パス1の後に(すなわち、時間的にパス1の後に)現れる参照符号616及び618によって示されるパス2は、スタック構成612の両側から交互に現れる。言い換えれば、第1繊維ウェブ110から第2繊維ウェブ112(参照符号616)に向かっても、第2繊維ウェブ112から第1繊維ウェブ110に向かっても、パス2が発生する。したがって、パス2 616は、繊維210を第1繊維ウェブ110から第3繊維ウェブ114内に、及び第2繊維ウェブ112内に移動させるために使用される。また、繊維410を第3繊維ウェブ114からエラストマー層116を通って第2繊維ウェブ112に移動させる。パス2 618は、繊維310、312を、エラストマー層116を通って第3繊維ウェブ114及び第1繊維ウェブ110に移動させる。
【0053】
パス2 616及びパス2 618は、いずれも約40n/cm2~約60n/cm2、約45n/cm2~約55n/cm2、又は約50n/cm2のステッチ密度を有する。ステッチ密度を比較的低く保つことは、エラストマー層116の過加工を防止するのに役立ち、したがって、得られる複合不織テキスタイル120の所望の伸び及び回復特性を維持するのに役立つ。パス2 616及びパス2 618の貫入深さは約6mm~約8mmの範囲である。1つの例示的な態様では、パス2 616の貫入深さは約6mmであり、パス2 618の貫入深さは約8mmの範囲である。別の例示的な態様では、パス2 616の貫入深さは約8mmであり、パス2 618の貫入深さは約6mmの範囲である。パス1 614によりスタック構成612の厚さが薄くなるので、パス2 616及びパス2 618の貫入深さが小さくなる。本願では、パス2 616及びパス2 618の貫入深さは、ニードルがスタック構成612を完全に貫入するのに十分であると想定されている。例示的な態様では、貫入深さが8mmの場合、本願では3つのニードルバーブを接合することを想定し、貫入深さが6mmの場合、本願では2つのニードルバーブを接合することを想定する。パス2 616及びパス2 618が完了した後、スタック構成612は、パス1 614の後のスタック構成612と比較して、さらに薄い厚さであっても、横方向にわずかに成長することができる。パス2 216及びパス2 618の最終結果は、第1繊維ウェブ110、第2繊維ウェブ112及び第3繊維ウェブ114を形成する繊維の更なる交絡である。
【0054】
参照符号620で示されるパス3は、パス2 616及びパス2 618に続いて発生し、第2繊維ウェブ112から第1繊維ウェブ110に向かって発生する。パス3 620のステッチ密度は、約175n/cm2~約225n/cm2、約180n/cm2~約220n/cm2、約190n/cm2~約210n/cm2、又は約200n/cm2である。パス3 620の高いステッチ密度は、より低いステッチ密度を有するパス(例えば、パス1 614、パス2 616、及びパス3 618)と比較して、スタック構成612のより均一なテクスチャリング又は加工を可能にする。パス3620の貫入深さは、約1mm~約5mm、約2mm~約4mm又は約3mmの範囲である例示的な態様では、これはニードルの1つのバーブを接合する。パス3 620の目的は、必ずしもより多くの交絡を生じさせることなく、一部の繊維を第2繊維ウェブ112の表面に存在するスタック構成612に押し込むことである。言い換えれば、パス3620により、第2繊維ウェブ112の表面の毛羽立ちを減少させることができる。
【0055】
参照符号622で示されるパス4は、パス3 620に続いて発生し、第1繊維ウェブ110から第2繊維ウェブ112に向かって発生する。パス3 620と同様に、パス4 622のステッチ密度は、約175n/cm2~約225n/cm2、約180n/cm2~約220n/cm2、約190n/cm2~約210n/cm2、又は約200n/cm2である。パス3 620と同様に、パス4 622の貫入深さは、約1mm~約5mm、約2mm~約4mm、又は約3mmの範囲である。例示的な態様では、これはニードルの1つのバーブを接合する。パス4 622の目的は、より多くの交絡を生じることなく、一部の繊維を第1繊維ウェブ110の表面に存在するスタック構成612に押し込むことである。言い換えれば、パス4622により、第1繊維ウェブ110の表面の毛羽立ちを減少させることができる。要するに、複合不織テキスタイル120の総ステッチ密度は約550であり、ステッチ密度は、第1繊維ウェブ110によって少なくとも部分的に形成される第1面で約300であり、ステッチ密度は、第2繊維ウェブ112によって少なくとも部分的に形成される第2面で約250である。550の総ステッチ密度は、フェルトのような典型的な不織テキスタイルに関連するステッチ密度よりも低く、より大きなロフトとより良好な風合いを得ることができる。さらに、総ステッチ密度を低くすると、繊維の働きが少なくなり、異なるウェブ110、112、114からの繊維が複合不織テキスタイル120内に不均一に分布し、これは、少なくとも部分的に異なる面に関連する非対称な特徴をもたらす。異なる交絡パスの結果として、複合不織テキスタイル120を形成する繊維の一部は、複合不織テキスタイル120を形成する繊維の少なくとも一部のステープルの長さが約30mm~約45mmの範囲であるように破断することができる。
【0056】
パス4 622の後に、例示的な態様では、交絡プロセスが完了し、複合不織テキスタイル120が形成される。これは破線624で概略的に示されている。パス4 622の後に、例示的な態様では、複合不織テキスタイル120を縦方向(すなわち、長さ方向)及び横方向(すなわち、幅方向)に成長させることができる。この概念は機械製図と知られている。例えば、ニードルが繊維ウェブ110、112、114を通過すると、繊維で満たされたボイドが生じ、ニードルの密度に応じて徐々に幅が増加する可能性があるので、横方向にまたがる成長が生じる可能性がある。縦方向への成長は、通常、搬送速度と貫入深さに依存する。スタック構成612は、交絡プロセス中に移動し続けるので、ニードルの滞留時間(すなわち、搬送速度)に基づく貫入深さの増加は、繊維の偏向をもたらし得る。これにより、複合不織テキスタイル120が縦方向に伸張される。
【0057】
更なる例示的な態様では、複合不織テキスタイル120は、幅方向(すなわち、横方向)よりも長手方向(すなわち、縦方向)に大きな伸張抵抗を示す。言い換えれば、テキスタイル120は、異方性伸張特性を示す。この違いは、上記の機械製図によるものと考えられる。例えば、縦方向への成長は、第1、第2及び第3繊維ウェブ110、112、114を形成する繊維を張力下に置くことができ、その結果、縦方向への伸張抵抗がより大きくなる。この異方性伸張特性は、パターンピースがどのようにカットされ、衣料品に配置されるかに影響を与える可能性がある。例えば、上半身用衣服等の衣料品については、垂直方向(例えば、首開口部からウエスト開口部)よりも水平方向(例えば、第1袖開口部から第2袖開口部)の伸張が大きいことが一般的に望ましい。これにより、テキスタイル120の幅が水平方向に延び、テキスタイル120の長さが垂直方向に延びるように、上半身用衣服用パターンピースを切断して位置決めする。言い換えれば、テキスタイル120の横方向は水平方向に延び、テキスタイル120の縦方向は垂直方向に延びている。
【0058】
例示的な態様では、複合不織テキスタイル120は、交絡の後にアイロンがけされる。例示的な態様では、アイロンがけプロセスは、複合不織テキスタイル120の対向する面から延びる末端繊維端部を平坦化するのを容易にすることができ、これにより、末端繊維端部は複合不織テキスタイル120の面とほぼ平面になる。これにより、ピリングの傾向を減らすことにつながる。さらに、アイロンがけプロセスはローラを利用することができ、複合不織テキスタイル120がローラに張力をかけて巻き掛けられ、予め緊張されると、製造プロセス600に起因する繊維の交絡の一部を緩めることができ、複合不織テキスタイル120のドレープ性及び回復性を向上させることができる。アイロンがけの後に、複合不織テキスタイル120は巻かれて巻物626を形成し、この巻物626はその後に、衣料品を形成するために使用することができる。また、複合不織テキスタイル120は、処理ステップを経てもよいと考えられる。例えば、複合不織テキスタイル120は、不織テキスタイル120から異なるパターン形状を切断することができるパターニングステーションに搬送することができる。複合不織テキスタイル120は、種々の印刷が不織テキスタイル120の表面に施される印刷ステーションに搬送することもできる。不織テキスタイル120は、このような特性が必要とされる場合に抗ピリング性を高めるために、カレンダー加工、エンボス加工、又は異なるコーティングを行うこともできる。任意の態様及びすべての態様、ならびにそれらの変更は、本願の態様内に含まれると考えられる。
【0059】
一般に、複合不織テキスタイル120は、第1繊維ウェブ110、第2繊維ウェブ112及び第3繊維ウェブ114のそれぞれについて選択された特性(坪量、繊維のデニール、ステープルの長さ、シリコーンコーティング、繊維タイプなど)、エラストマー層116について選択された特性(熱可塑性エラストマーのタイプ、構造(フィルム、スパンボンド、メルトブロー、繊維ウェブなど))、及び交絡パラメータの選択に基づいて、所望の特性を含む。例えば、複合不織テキスタイル120の最終的な厚さは、約1.8mm~約2.7mm、約1.9mm~約2.6mm、又は約2mm~約2.5mmであってもよい。複合不織テキスタイル120の坪量は、約40gsm~約450gsm、約100gsm~約350gsm、約150gsm~約190gsm、又は約180gsmであってもよい。最終的な坪量は、構造上使用される層数(繊維ウェブ)、剥離による繊維損失、機械のドライブなどに影響される可能性がある。例示的な態様では、複合不織テキスタイル120は、約50RCT~約95RCT、約55RCT~約90RCT、約60RCT~約85RCT、又は約65RCT~約80RCTの熱抵抗を有することができる。したがって、見られるように、複合不織テキスタイル120は、典型的なニットウールに関連する断熱特性を示すが、低い坪量及び/又は厚さを有することができる。
【0060】
エラストマー層116のため、複合不織テキスタイル120は最小の伸び特性と良好な回復特性を有することができる。ASTMD 2594試験基準を用いて、複合不織テキスタイル120は、長さ方向(すなわち縦方向)において、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、約1%以下、約0.1%以下、又は0%以下の伸びを有することができる。複合不織テキスタイル120は、幅方向(すなわち機械の横方向)において、約10%以下、約9%以下、約8%以下、約7%以下、約6%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、約1%以下、約0.1%以下、又は0%以下の伸びを有することができる。ASTMD 2594の試験基準を用いて、複合不織テキスタイル120は、その静止長さと幅の約10%以内、その静止幅と長さの約9%以内、その静止長さと幅の約8%以内、その静止長さと幅の約7%以内、その静止長さと幅の約6%以内、その静止長さと幅の約5%以内、その静止長さと幅の約4%以内、その静止長さと幅の約3%以内、その静止長さと幅の約2%以内、又はその静止長さと幅の約1%以内である。テキスタイル120のドレープ性に関連する複合不織テキスタイル120の剛性は、約0.4Kgf以下、約0.3Kgf以下、約0.2Kgf以下、約0.1Kgf以下、又は約0.1Kgf~約0.4Kgfである。
【0061】
いくつかの例示的な態様では、上記の特徴(坪量、厚さ、熱抵抗、成長・回復、ならびに剛性)は、複合不織テキスタイル120を、涼しい気候から寒い気候条件で使用される軽量で保温性の衣料品(例えば、プルオーバー、パーカー、スウェットパンツなど)に適合させることができる。他の態様では、上記の特徴は、複合不織テキスタイル120を、非対称面を必要とする他の製品、例えば履物のアッパーに適合させることができる。
【0062】
図7及び
図8は、複合不織テキスタイル120の異なる面を示す。
図7は、複合不織テキスタイル120の第1面710及び複合不織テキスタイル120の層を示す。第1面710は、第1交絡繊維ウェブ712から形成される。次に、第1繊維ウェブ712は、第1繊維ウェブ110からの繊維210と、第2繊維ウェブ112からの繊維310、312と、第3繊維ウェブ114からの繊維410とを含む。例示的な態様では、第1交絡繊維ウェブ712は、交絡パラメータのために、第1繊維ウェブ110からの繊維210を主に含み、繊維310、312、及び410はより少ない量で存在する。したがって、第1交絡繊維ウェブ712の1cm×1cmの面積(cm
2)として本願で定義される単位面積は、約1.2D~約3.5D又は約1.5のデニールを有する第1繊維、例えば繊維210及び繊維410と、約0.6D~約1D又は約0.8Dのデニールを有する第2繊維、例えば繊維310及び312とを含み、第1繊維の数は第2繊維の数よりも多い。言い換えれば、第1交絡繊維ウェブ712の単位面積当たりの第2デニールに対する第1デニールの比は、約1.5:1~約2:1又は約1.9:1の範囲である。換言すれば、第1交絡繊維ウェブ712は、1cm
2当たりの第1平均デニールを有することである。第1平均デニールは、1cm
2当たりの繊維数のセット(例えば、100繊維)を設定し、繊維のデニールを決定し、平均デニールを決定することにより決定することができる。例示的な態様では、1cm
2当たりの第1平均デニールは、約1.1D~約1.4Dであり得る。
【0063】
図7は、
図8に示されるような複合不織テキスタイル120の第2面810を形成する第2交絡繊維ウェブ718も示している。第2交絡繊維ウェブ718は、第2繊維ウェブ112からの繊維310、312と、第3繊維ウェブ114からの繊維410と、第1繊維ウェブ110からの繊維210とを含む。例示的な態様では、第2交絡繊維ウェブ718は、交絡パラメータのために、第2繊維ウェブ112からの繊維310及び312を主に含み、繊維210及び410はより少ない量で存在する。したがって、第2交絡繊維ウェブ718は、単位面積当たり、約0.6~約1D又は約0.8Dの第3デニールを有する第3数の繊維、例えば繊維310及び312と、約1.2D~約3.5D又は約1.5のデニールを有する第4数の繊維、例えば繊維210及び繊維410とを含み、第3数の繊維は第4数の繊維よりも多い。言い換えれば、第2交絡繊維ウェブ718の単位面積当たりの第4デニールに対する第3デニールの比は、約0.3:1~約0.7:1又は約0.5:1の範囲である。換言すれば、第2交絡繊維ウェブ718は、1cm
2当たりの第2平均デニールを有することである。1cm
2当たりの第2平均デニールは、1cm
2当たりの第1平均デニールよりも小さくてもよい。例示的な態様では、1cm
2当たりの第2平均デニールは、約0.9D~約1Dであり得る。
【0064】
図7及び
図8の両方に示すように、複合不織テキスタイル120は、第3交絡繊維ウェブ714をさらに含む。第3交絡繊維ウェブ714は、第3繊維ウェブ114からの繊維410と、第2繊維ウェブ112からの繊維310、312と、第1繊維ウェブ110からの繊維210とを含む。例示的な態様では、第3交絡繊維ウェブ714は、交絡パラメータのために、第3繊維ウェブ114からの繊維410を主に含み、繊維310、312、210はより少ない量で存在する。より具体的には、ニードルは第3繊維ウェブ114に接触する前に第1繊維ウェブ110及び/又は第2繊維ウェブ112を通過するので、ニードルバーブは通常繊維で満たされ、したがって、交絡プロセス中に繊維410があまり移動しない可能性がある。したがって、第3交絡繊維ウェブ714は、単位面積当たり、約1.2D~約3.5D又は約1.5のデニールを有する第5数の繊維、例えば繊維410及び繊維210と、約0.6D~約1D又は約0.8Dのデニールを有する第6数の繊維、例えば繊維310及び312とを含み、第5数の繊維は第6数の繊維よりも多い。言い換えれば、第3交絡繊維ウェブ714の単位面積当たりの第6デニールに対する第5デニールの比は、約1.5:1~約2:1又は約1.9:1の範囲である。換言すれば、第3交絡繊維ウェブ714は第3平均1cm
2当たりのデニールを有することである。例示的な態様では、1cm
2当たりの第3平均デニールは、1cm
2当たりの第2平均デニールよりも大きくてもよい。例示的な態様では、1cm
2当たりの第3平均デニールは、約1.1D~約1.4Dであり得る。
【0065】
図7及び
図8に示す複合不織テキスタイル120は、エラストマー層116をさらに含む。エラストマー層116が第2交絡繊維ウェブ718と第3交絡繊維ウェブ714との間に位置する
図7及び
図8に示す構成では、第1交絡繊維ウェブ712と第3交絡繊維ウェブ714からの繊維の少なくとも一部は、エラストマー層116を通って延び、第2交絡繊維ウェブ718の繊維と交絡しており、第2交絡繊維ウェブ718の繊維の少なくとも一部は、エラストマー層116を通って延び、第1交絡繊維ウェブ712及び第3交絡繊維ウェブ714の繊維と交絡している。例示的な態様では、エラストマー層116の一部は、交絡プロセス中にz方向に明らかに移動しない。言い換えれば、エラストマー層116は、x、y平面に沿って実質的に均一に延び、異なる交絡ウェブ712、714、718の繊維が貫入する孔を除いて実質的に凝集した一体構造を維持する。
【0066】
図7及び
図8には、異なる交絡ウェブ712、714及び718が異なる層として示されているが、本願では、異なる交絡ウェブ712、714及び718が交絡して凝集構造を形成することが想定されている。すなわち、例示的な態様では、各繊維ウェブ712、714、718は、交絡ウェブ712、714、718が複合不織テキスタイル120の断面内で明確に見えるように、異なる層の特徴を維持し、それによって複合不織テキスタイル120の切断端部に独特の美しさを付与する。
【0067】
図7及び
図8にさらに示すように、第2交絡繊維ウェブ718によって形成される第2面810は、第1交絡繊維ウェブ712によって形成される第1面710に存在するシリコーン被覆繊維312の数よりも多い数のシリコーン被覆繊維312を含む(破線で示す)。言い換えれば、第2交絡繊維ウェブ718は、単位面積当たり、第1交絡繊維ウェブ712よりも多くの数のシリコーン被覆繊維312を含んでいる。また、第3交絡ウェブ714は、単位面積当たり、第2交絡ウェブ718よりも少ない数のシリコーン被覆繊維312を含んでもよい。例示的な態様では、本願では、複合不織テキスタイル120は、約10重量%~約25重量%のシリコーン被覆繊維312を含むことが想定されている。前述したように、複合不織テキスタイル120の第2面810にシリコーン被覆繊維を含ませることは、第2面810にソフトな風合いを与え、複合不織テキスタイル120の剛性を低下させる(すなわち、ドレープ性を高める)。
【0068】
図9は、
図7の複合不織テキスタイル120の断面を示しており、異なる交絡繊維ウェブからの繊維の交絡を示す。図示するように、複合不織テキスタイル120は、第1面710を形成する第1交絡繊維ウェブ712と、第2面810を形成する第2交絡繊維ウェブ718と、第3交絡繊維ウェブ714と、エラストマー層116とを含む。
図9に示す断面では、第3交絡繊維ウェブ714は、第1交絡繊維ウェブ712とエラストマー層116との間に位置しているが、他の態様では、第3交絡繊維ウェブ714は、第2交絡繊維ウェブ718とエラストマー層116との間に位置していると想定されている。前述したように、本願では、交絡繊維ウェブ712、714、及び/又は718の1つ以上は任意であることを想定している。
【0069】
左から右に移動すると、第1交絡繊維ウェブ712からの繊維210は第2交絡繊維ウェブ718からの繊維310及び/又は312と交絡して示され、第1交絡繊維ウェブ712からの繊維210は第3交絡繊維ウェブ714からの繊維410と交絡して示される。第3交絡繊維ウェブ714からの繊維410は、第2交絡繊維ウェブ718からの繊維310及び/又は312と交絡して示され、第3交絡繊維ウェブ714からの繊維410は、第1交絡繊維ウェブ712からの繊維210と交絡して示される。第2交絡繊維ウェブ718からの繊維310及び/又は312は、第1交絡繊維ウェブ712からの繊維210と交絡して示され、繊維310及び/又は312は、第3交絡繊維ウェブ714からの繊維410にと交絡して示される。図示するように、繊維210、310、312、410のうちの1つ以上はエラストマー層116を通って延びている。
図9の繊維の一部は暗く表示されているが、これは説明のためだけに使用されている。
【0070】
図10は、複合不織テキスタイル120の代替断面を示す。
図10に示すように、エラストマー層116が第3交絡繊維ウェブ714と第2交絡繊維ウェブ718との間に位置する代わりに、エラストマー層116が第1交絡繊維ウェブ712と第3交絡繊維ウェブ714との間に位置する。
図9に示すように、異なる層の繊維は、互いに交絡して、エラストマー層116を通って延びている。
【0071】
図11は、シリコーン被覆繊維312のみを示す
図9の断面を示す。
図11に示すように、シリコーン被覆繊維312は、第2交絡繊維ウェブ718の中により多く存在するが、エラストマー層116を通って第1交絡繊維ウェブ712及び第3交絡繊維ウェブ714の中に延びている。
【0072】
図12は、一般に符号1200で示される複合不織テキスタイルの第2面にパイルを製造するための例示的な製造プロセスを示す。以下に説明される製造プロセス1200の各態様は、従来、例えば自動車産業で使用されるディロールカーペットを形成するために使用されてきた。より伝統的なディロールプロセスでは、ニードルは単層の繊維ウェブを貫入し、穿孔された繊維は1組のブラシによって保持されている。その後に、ブラシからウェブを引きずり下ろし、ウェブの片側にパイルを作る。本願では、このような伝統的なディロールプロセスを改良して、衣料品に使用するのに適した特徴を有する最終的な複合不織テキスタイル(例えば、伸張及び回復特徴を有するドレープ可能で、嵩高で、ソフトなテキスタイル)を製造することが記載されている。
図12における製造構成要素の説明は、単に例示的なものであり、製造プロセス1200の一般的な特徴を伝えることを意図している。製造プロセス1200のいくつかの特徴は、製造プロセス600と同じであり、したがって、これらのステップに関する開示は、
図6に関連して説明したものと同じである。
図12に関する開示は、一般に、製造プロセス600と製造プロセス1200との間の相違、及びこれらの相違が得られる複合不織テキスタイルの特性にどのように影響するかに焦点を当てている。
【0073】
図12は、第1繊維ウェブ1210、第2繊維ウェブ1212、第3繊維ウェブ1214、及びエラストマー層1216のスタック構成1218を縦方向に搬送する搬送システム1209を示す。第1繊維ウェブ1210、第2繊維ウェブ1212及び第3繊維ウェブ1214の各々は、所望の坪量を得るためにカーディング及びラッピングされている。同様に、ウェブ1210、1212、1214の各々は、結合力のある構造を達成するためにわずかにニードリングされる。図示されたウェブの数は例示的であり、第1繊維ウェブ1210、第2繊維ウェブ1212、第3繊維ウェブ1214の各々の繊維は、通常の緩いウェブ状態にあり、ニードル交絡プロセス中に移動することができるので、ウェブの数は図示された数とは異なる(より少ない又はより多い)ことが想定されている。例示的な態様では、第1、第2、及び第3繊維ウェブ1210、1212、1214は、製造プロセス600で使用される第1、第2、及び第3繊維ウェブ110、112、114と同一であってもよく、エラストマー層1216は、製造プロセス600で使用されるエラストマー層116と同一であってもよい。いくつかの例示的な態様では、第1、第2及び第3繊維ウェブ1210、1212、1214を形成するために使用される繊維のステープルの長さは、第1、第2及び第3繊維ウェブ110、112、114を形成するために使用される繊維のステープルの長さよりもわずかに長くしてもよい。ステープルの長さは、例えば、約60mm~約70mm、約62mm~約68mm、又は約64mmであってもよい。他の態様では、第1、第2及び第3繊維ウェブ1210、1212、1214を形成するために使用される繊維は、第1、第2及び第3繊維ウェブ110、112、114を形成するために使用される繊維と同一であってもよい(例えば、同一の繊維タイプ、デニール、コーティング、色特性等)。例示的な態様では、搬送速度は、製造プロセス600に関して説明された搬送速度と同じであっても、異なっていてもよい。例示的な態様では、搬送速度は、得られる複合不織テキスタイルの所望の交絡及びパイルを達成するように選択される。
【0074】
スタック構成1218は、参照符号1220でパス1として表される第1針板を通過する。パス1 1220に関連する交絡パラメータは、パス1 614と同じであってもよく、したがって、パス1 614の説明はパス1 1220と同じであり、ここでは繰り返されない。同様に、パス2 1222及びパス2 1224は、製造プロセス600のパス2 616及びパス2 618と同じであるので、パス2 616及びパス2 618の説明は、パス2 1222及びパス2 1224について同じであり、ここでは繰り返さない。
【0075】
例示的な態様では、パス3 1226は、製造プロセス600のパス3 620と異なってもよい。例えば、いくつかの態様では、パス3 1226は、以下でさらに説明されるように完全に削除されてもよい。他の例示的な態様では、パス3 1226は、例えば約30n/c2~約175n/cm2、又は約100n/cm2~約150n/cm2など、低減させたステッチ密度を有してもよい。
【0076】
ディロールパスとして知られているパス4 1228は、パス3 1226に続いて発生し、又はパス3 1226が削除された場合、パス4 1228は、パス2 1222及びパス2 1224に続いて発生する。例示的な態様では、パス4 1228のために1つ以上の特殊なニードルを使用することができる。例えば、1つ以上のニードル又はすべてのニードルは、ニードルがスタック構成1218を通ってループを形成するときに、その長さに沿って繊維を捕捉する分岐先端を含んでもよい。パス4 1226は、第1繊維ウェブ1210の方向から第2繊維ウェブ1212に向かって生じる。ブラシ群1230は、第2繊維ウェブ1212の面に隣接して配置される。拡大図に示すように、第1、第2、第3繊維ウェブ1210、1212、1214からの繊維がニードル1231によって第2繊維ウェブ1212の面を通過すると、繊維1232のような繊維の末端、及び/又はループ1234のような繊維ループの頂点が、パス34 1228の間に保持されるブラシ群1230に押し込まれる。スタック構成1218が縦方向に移動し続ける間、ブラシ群1230に保持された繊維はブラシ1230から引き下ろされる。ブラシ群1230から引き下ろされた後、ブラシ群1230に保持された繊維及び繊維ループは、例えば第2繊維ウェブ1212の表面平面に対してz方向に共通の配向を有する。
図15を参照してさらに説明したように、ブラシ群1230に保持された繊維及び繊維ループの遠位端は、第2繊維ウェブ1212の面から所定距離だけ延びている。
【0077】
得られる複合不織テキスタイルの面を均一に覆うのに十分なパイルを作成するために、十分な数の繊維及び/又は繊維ループがブラシ群1230に押し込まれることを確実にするために、パス4 1228のステッチ密度は、前のパスのステッチ密度よりも大きい。例えば、パス4 1228のステッチ密度は、約300n/cm2~約1200n/cm2、約400n/cm2~約800n/cm2、約500n/cm2~約700n/cm2、又は約600n/cm2である。いくつかの例示的な態様では、第1面に高いステッチ密度、例えばパス4 1228で使用されるような高いステッチ密度を適用することにより、結果として得られる複合不織テキスタイルの第1面のピリングの形成を減少させることができることが見出されている。パス4 1228の貫入深さは、より長いパイル又はより短いパイルとなるように調整することができる。例示的な態様では、貫入深さは、約3mm~約10mm、約3.5mm~約8mm、約4mm~約6mm、又は約4mmであってもよい。パス4 1228の後に、得られた複合不織テキスタイルは巻かれて巻物1236を形成することができ、ただし、製造プロセス600に関して上述したように、本願では、他の処理ステップ(例えば、アイロンがけ、パターン切断、印刷、カレンダー加工、エンボス加工、コーティング加工等)が考慮される。
【0078】
例示的な態様では、パス4 1228の前のステッチ密度は、製造プロセス600のステッチ密度と比較して低減され、パス4 1228のステッチ密度が非常に高いので、エラストマー層1216がパス4 1228の前で過度にニードルパンチされないことを確実にする。エラストマー層1216を過度にニードルパンチすることは、エラストマー層1216の構造的完全性に影響を与え、結果として得られる複合不織テキスタイルの成長特性及び回復特性に悪影響を及ぼす可能性がある。製造プロセス1200の最終的な結果は、所望の坪量、所望のロフト、テキスタイルの第2面を均一に覆うパイルを有する複合不織テキスタイルであり、被覆は、ニードルの選択に依存して、末端繊維端部と繊維ループの両方、末端繊維端部のみ、又は繊維ループのみを含んでもよい。
【0079】
図13及び
図14は、製造プロセス1200によって製造された複合不織テキスタイル1300の第1面1310及び対向する第2面1410をそれぞれ表す。複合不織テキスタイル1300は、第1交絡繊維ウェブ1312と、第2交絡繊維ウェブ1314と、第3交絡繊維ウェブ1316と、エラストマー層1216とを含む。複合不織テキスタイル1300の異なる層の記載は、通常、
図7及び
図8を参照して説明された複合不織テキスタイル120の異なる層の記載と同じである。したがって、ここでは繰り返さない。
【0080】
図14を参照すると、第2面1410は、繊維1412の末端部と、第2面1410から所定量だけ延びるループ1414とを含む。
図14に示す繊維1412及びループ1414の数は単に例示的なものであり、本願では、第2面1410は、すべてのループ1414、繊維1412のすべての末端部、及びそれらの任意の組み合わせを含んでもよいことが想定されている。繊維1412は、第1繊維ウェブ1210、第2繊維ウェブ1212、及び/又は第3繊維ウェブ1214からの繊維を含んでもよい。同様に、ループ1414は、第1繊維ウェブ1210、第2繊維ウェブ1212、及び/又は第3繊維ウェブ1214の繊維から形成されてもよい。したがって、繊維1412のデニールは、約0.6D~約1D、又は約0.8Dであってもよく、繊維1412のデニールは、約1.3D~約3.5D、又は約1.5Dであってもよい。同様に、ループ1414を形成する繊維のデニールは、約0.6D~約1D、又は約0.8Dであってもよく、ループ1414を形成する繊維のデニールは、約1.3D~約3.5D、又は約1.5Dであってもよい。
【0081】
図15は、複合不織テキスタイル1300の断面図であり、第1交絡繊維ウェブ1312と、第2交絡繊維ウェブ1314と、第3交絡繊維ウェブ1316と、エラストマー層1216とを含む。例示的な態様では、第1、第2、及び第3交絡繊維ウェブ1312、1314、1316の各々は、通常互いに平行でずれているそれぞれのx、y平面内に延びている。図示されるように、繊維1412及び繊維ループ1414は、複合不織テキスタイル1300の第2面1410から離れてz方向に延びている。より具体的には、第2交絡繊維ウェブ1314を形成する繊維の少なくとも一部は、エラストマー層1216から個々の繊維の遠位端まで延びる長手方向の長さを有し、個々の繊維の遠位端は、参照符号1510(説明のために暗くされている)で示されるように、第2面1410からz方向に所定量だけ離れて延びている。個々の繊維の遠位端は、繊維1412のような末端部、又はループ1414のようなループの頂点を含んでもよい。例示的な態様では、所定量は、約1.5mm~約8.1mm、約3.5mm~約6.5mm、約3mm~約6mm、又は約4mmであり得る。
【0082】
複合不織テキスタイル120の例に戻ると、複合不織テキスタイル120の異なる層を形成する繊維は、
図16~
図18に示すように、不織テキスタイル120に独特の美しさを与える異なる色特性を有することができる。
図16は複合不織テキスタイル120の第1面710を示し、
図17は複合不織テキスタイル120の第2面810を示す。前述したように、例示的な態様では、第1繊維ウェブ110の繊維210は第1色特性を有し、第2繊維ウェブ112の繊維310及び312は第1色特性を有し、エラストマー層116は第1色特性を有してもよく、又は異なる色特性(例えば、第2色特性)を有してもよいことが本願では想定されている。第3繊維ウェブ114の繊維410は、第1色特性とは異なる第2色特性を有する。製造プロセス600の間に、スタック構成612における繊維ウェブの順序及び交絡パラメータに少なくとも部分的に基づいて、第3交絡繊維ウェブ114の繊維410が複合不織テキスタイル120の第1面710及び第2面810に不均一に押し付けられる。
図16及び
図17に示す黒点は、繊維410によって与えられる第2色特性(符号1610を参照)を表し、空白は、繊維210、310、312及び410によって与えられる第1色特性(符号1612を参照)を表す。例示的な態様では、第2色特性1610は、第3繊維ウェブ1214が第1繊維ウェブ1210とエラストマー層1216との間に位置するとき、第2面710において、第2面810よりも視覚的に識別可能であるか、又は区別可能である。言い換えれば、例示的な態様では、第2色特性1610を有する繊維410は、第1面710の単位面積当たりの繊維の数が、第2面810よりも多くてもよい。本願では、エラストマー層116が第1色特性1612を有するので、エラストマー層が第2面810上の一部の領域で視認可能であるので、第2面810の第1色特性1612が強化される(又はより視覚的に知覚可能である)ことが想定されている。繊維410によって第1面710と第2面810に付与された全体的な外観はヘザー様効果であり、第1面710では、このヘザー様効果はより顕著になる。例示的な態様では、第3繊維ウェブ1214が第2繊維ウェブ1212とエラストマー層1216との間に位置する場合、第2面810において、ヘザー様効果がより顕著になりうる。
【0083】
図16及び
図17に示す第1色特性1612及び第2色特性1610のパターニングは単に例示的なものであり、パターニングは、図示されているパターニングとは異なるものであってもよいことが本願で想定されている。例えば、製造プロセス600は、複合不織テキスタイル120の第1面710及び第2面810においてパターンが可変となるように、複合不織テキスタイル120の異なる繊維のランダムな交絡を作成する。さらに、複合不織テキスタイル120の異なる面710、810の全体的な色特性は、複合不織テキスタイル120の異なる層を形成する繊維の色特性を変化させること、交絡パラメータを変化させること、交絡前のカーディングされたウェブの積層順序を変化させることなどにより調整することができる。任意の態様及びすべての態様、ならびにそれらの変更は、本願の態様内に含まれると考えられる。
【0084】
図18は、
図16の複合不織テキスタイル120の断面を示す。図示されるように、第2色特性1610を有する繊維410は、複合不織テキスタイル120の第1面710及び第2面810に押し付けられ、第2色特性1610が対向する第1面710及び第2面810で視覚的に知覚される。
図18にさらに示すように、例示的な態様では、第2面810よりも多くの繊維410を第1面710に押し付けることができ、第2色特性1610が第2面810よりも第1面710上で視覚的により識別可能であるようにすることができる。反対面に異なる色特性を有する複合不織テキスタイルは、衣類に組み込む際に有用である。例えば、異なる色特性は、着用者に、衣料品のどちらの側が外側に向いているか、又は内側に向いているかについての視覚的なマーキングを提供することができる。別の例では、異なる色特性により、衣料品は、異なる視覚的外観が各構成に関連付けられた2つの異なる構成(外側に向かって右側と外側に向かって内側)での着用を可能にすることができる。
【0085】
本願の態様では、複合不織テキスタイル120が、洗濯及び着用に応じて、第1面710と第2面810とで異なる抗ピリング性を示すことを想定している。いくつかの例示的な態様では、第1面710と第2面810との間の異なる抗ピリング性は、所望の美的感覚及び手触りをもたらす所望の特性であってもよい。第1、第2及び第3繊維ウェブ110、112、114に関連する特性、ウェブ110、112、114の積層順序に関連する特性、及び交絡パラメータは、第1面710及び第2面810の異なる抗ピリング性を設計するために調整され得る。一般的に、第1面710は、第2面810よりも抗ピリング性が高い。言い換えれば、第2面810は、第1面710と比較して、洗濯及び着用に応答して、1cm2当たりより多くの数のピルを作成することができる。不織テキスタイル120の第1面710と第2面810との間の抗ピリング性の違いは、多くの要因による場合がある。例えば、第2面810上に存在するより多くのシリコーン被覆繊維312は、繊維端部が第2面810から移動し、他の繊維端部と交絡して、第2面810から離れて延びるピルを形成する可能性を高める。加えて、第2面810は、第1面710よりも低いステッチ密度(250対300)を有しており、第1面710と比較して、より小さな交絡を生じさせ得る。繊維の交絡を少なくすることができるので、繊維端部が第2面810から移動する可能性を高めることができる。別の理由は、パス4 622が第1面710から第2面810に向かっていることである。このパスは、繊維端部のいくつかを第2面810を通して押し出すことができ、ここでそれらが交絡してピルを形成することができる。
【0086】
第1面710と第2面810との間の時間の経過に伴うピリングの違いは、
図19~
図21に示されている。
図19は、複合不織テキスタイル120の第1時点における第1面710を示す。例示的な態様では、第1時点は、不織テキスタイル120が形成された直後であってもよい。第1面710が示されているが、ピルをより良く示すために、第1面710を形成する繊維は描かれていない。例示的な態様では、第1面710は、(図示されているように)いかなるピルも含んでいなくてもよく、又は、1cm
2当たりの第1数のピルを含んでいてもよい。
図21は、複合不織テキスタイル120の第1時点における第2面810を示す。第2面810も示されているが、ピルをより良く示すために、第2面810を形成する繊維は描かれていない。例示的な態様では、第2面810は、(図示されているように)いかなるピルも含んでいなくてもよく、又は、1cm
2当たりの第2数のピルを含んでいてもよい。
【0087】
図20は、第1時点の後の第2時点における第1面710を示す。第2時点は、1回又は複数回の洗濯の後、又は所定量の着用又は使用の後であってもよい。第2時点では、第1面710は、1cm
2当たりの第3数のピル、例えば、1cm
2当たりの第3数のピルが1cm
2当たりの第1数のピルよりも多いピル2010を含む。
図22は、第2時点における第2面810を示す。第2時点では、第2面810は、1cm
2当たりの第4数のピル、例えば、1cm
2当たりの第4数のピルが1cm
2当たりの第2数のピルよりも多いピル2210を含む。加えて、1cm
2当たりの第4数のピルは、第2時点で第1面710上に存在する1cm
2当たりの第3数のピルよりも多い。
【0088】
複合不織テキスタイル120が衣料品に組み込まれたとき、第1面710は衣料品の外向き面、例示的な態様では、衣料品の最外向き面を形成することが想定されている。第2面810は、衣料品の内向き面を形成し、例示的な態様では、衣料品の最内向き面を形成することができる。したがって、例示的な態様では、第2面810のピリング速度が速い(又は抗ピリング性が低い)と、衣料品の外向き面と比較して、衣料品の内向き面が、より大きな摩耗にさらされる領域(例えば、肘の領域)においてピリングが外向き面上に優先的に形成され得る典型的な衣料品とは若干対照的に、1cm2当たりのプル数が多くなり得る。
【0089】
衣料品の外向き面と衣料品の内向き面との間の経時的なピリングの違いを
図23~
図26に示す。
図23は、複合不織テキスタイル120の第1面710が外向き面2310に面するように複合不織テキスタイル120によって形成された第1時点における衣料品2300の外向き面2310を示す。例示的な態様では、第1時点は、衣料品2300が形成された直後であってもよい。外向き面2310が示されているが、ピルをより良く説明するために、外向き面2310を形成する繊維は描かれていない。例示的な態様では、外向き面2310は、(図示されるように)いかなるピルも含んでいなくてもよく、又は、1cm
2当たりの第1数のピルを含んでいてもよい。
図25は、衣料品2300の第1時点における内向き面2510を示しており、内向き面2510は複合不織テキスタイル120の第2面810によって形成されている。内向き面2510も示されているが、ピルをより良く説明するために、内向き面2510を形成する繊維は描かれていない。例示的な態様では、内向き面2510は、(図示されているように)いかなるピルも含んでいなくてもよく、又は、1cm
2当たりの第2数のピルを含んでいてもよい。
【0090】
図24は、第1時点の後の第2時点における外向き面2310を示す。第2時点は、1回以上の洗濯の後、又は所定量の着用の後であってもよい。第2時点では、外向き面2310は、1cm
2当たりの第3数のピル、例えば、1cm
2当たりの第3数のピルが、1cm
2当たりの第1数のピルよりも大きいピル2410を含む。
図26は、第2時点における内向き面2510を示す。第2時点では、内向き面2510は、1cm
2の第4数のピル、例えば、1cm
2当たりの第4数のピルが1cm
2当たりの第2数のピルよりも多いピル2610を含む。加えて、第2時点では、1cm
2当たりの第4数のピルは、外向き面2310上に存在する1cm
2当たりの第3数のピルよりも多い。
【0091】
他の例示的な態様では、複合不織テキスタイル120の第1面710及び/又は第2面810上に形成されるピルの数を減少させて、異なる美観及び/又は異なる風合いを実現することが望ましい場合がある。この態様では、複合不織テキスタイル120は、第1面710及び第2面810の抗ピリング性を高める複数の後処理ステップを受けてもよい。例示的な後処理ステップは、カレンダー加工(熱又は冷)、エンボス加工、第1面710及び/又は第2面810を油性ポリウレタンなどのコーティングで処理することなどを含んでもよい。任意の態様及びすべての態様、ならびにそれらの変更は、本願の態様内に含まれると考えられる。
【0092】
図27は、複合不織テキスタイル120及び/又は複合不織テキスタイル1300から形成された例示的な衣料品2700を示す。衣料品2700は、ジャケット、パーカー、長袖シャツ、ノー袖シャツ、ベスト等の他の構成が考慮されているが、半袖の上半身用衣服の形態である。衣料品2700は、外向き面2710と内向き面(不可視)とを含む。図示されるように、外向き面2710は、衣料品の最外向き面である。例示的な態様では、内向き面は、衣料品2700の最内向き面である。複合不織テキスタイル120は、第1面710が外向き面2710を形成し、第2面810が衣料品2700の内向き面を形成する。複合不織テキスタイル1300は、第1面1310が外向き面2710を形成し、第2面1410が衣料品2700の内向き面を形成する。例示的な態様では、複合不織テキスタイル120及び/又は1300は、テキスタイル120及び/又は1300の幅方向(すなわち、横方向)が第1袖開口2712と第2袖開口2714との間に延びるように配向され、テキスタイル120及び/又は1300の長手方向(すなわち、縦方向)が衣服2700のネック開口2716とウエスト開口2718との間に延びるように配向される。これは、テキスタイル120及び/又は1300の幅方向がテキスタイル120及び/又は1300の長手方向よりも伸張抵抗が小さいことを反映している。この配向は、衣料品2700の異なる部分が異なる延張特性を必要とする場合に切り替えることができる。
【0093】
複合不織テキスタイル120及び/又は1300からの衣料品2700の形成は、外向き面2710と内向き面とに異なる特性を付与する。例えば、外向き面2710は、例えば繊維310、312と比較して、繊維210がより多く存在するため、より大きな耐摩耗性を有することができる。複合不織テキスタイル120及び/又は1300の第1面と第2面との間の繊維410の不均等な動きのために、外向き面2710は、内向き面と異なる色特性を有してもよい。衣料品2700の内向き面は、例えば外向き面2710に比べて、シリコーン被覆繊維312の量が多いため、よりソフトな風合いを有することができる。同様に、ソフトな風合いは、主に衣料品2700の内向き面を主に構成する繊維310、312のデニールが小さいことに起因する可能性がある。
【0094】
図28は、複合不織テキスタイル120又は複合不織テキスタイル1300から形成される別の例示的な衣料品2800を示す。衣料品2800は下半身用衣服の形態である。なお、本願では、衣料品2800は、パンツとして示されているが、パンツ、七分丈、タイツ等の形態であってもよいことが想定されている。衣料品2800は、外向き面2810と内向き面(不可視)とを含む。図示されるように、外向き面2810は、衣料品の最外向き面である。例示的な態様では、内向き面は、衣料品2800の最内向き面である。複合不織テキスタイル120は、第1面710が外向き面2810を形成し、第2面810が衣料品2800の内向き面を形成する。複合不織テキスタイル1300は、第1面1310が外向き面2810を形成し、第2面1410が衣料品2800の内向き面を形成する。例示的な態様では、複合不織テキスタイル120及び/又は1300は、テキスタイル120及び/又は1300の幅方向(すなわち、横方向)が第1横側面2812と第2横側面2814との間に延びるように配向され、テキスタイル120及び/又は1300の長手方向(すなわち、縦方向)が衣服2800のウエスト開口2816と脚開口2818との間に延びるように配向される。これは、テキスタイル120及び/又は1300の幅方向がテキスタイル120及び/又は1300の長手方向よりも伸張抵抗が小さいことを反映している。衣料品2800の異なる部分が異なる伸張特性を必要とする場合には、この方向を切り替えることができる。
【0095】
衣料品2700と同様に、複合不織テキスタイル120及び/又は1300の非対称面は、衣料品2800の外向き面2810及び内向き面に所望の特徴を付与する。複合不織テキスタイル120及び/又は1300は、外向き面と内向き面とで異なる特徴を有する必要がある他の衣料品に使用することができる。このような衣料品は、例えば、履物のアッパーを含んでもよい。
【0096】
上述したように、複合不織テキスタイル120の第1面710及び/又は第2面810上に形成されるピルの数は、異なる美観及び/又は異なる手触りを達成するために減少することが望ましい場合がある。この態様では、複合不織テキスタイル120は、第1面710及び/又は第2面810の抗ピリング性を高める予備形成ステップ及び/又は1つ以上の後処理ステップを受けてもよい。
【0097】
図29は、複合不織テキスタイル120の少なくとも第1面710におけるピリングの形成を低減するために、複合不織テキスタイル120に化学バインダを塗布するのに適した例示的な輪転グラビア印刷システム2900を示す。例示的な態様では、繊維ウェブ110、112、及び/又は114を複合不織テキスタイル120に組み込む前に、化学バインダを、第1繊維ウェブ110、第2繊維ウェブ112、及び/又は第3繊維ウェブ114のような1つ以上の繊維ウェブに塗布することができる。この態様では、化学バインダは、第1繊維ウェブ110の繊維210、第2繊維ウェブ112の繊維310、312、及び/又は第3繊維ウェブ114の繊維410のような、単一のウェブを構成する繊維のみに塗布されてもよい。他の例示的な態様では、化学バインダは、完成した複合不織テキスタイル120(単一のウェブ110、112及び/又は114が互いに積層されて交絡した複合不織テキスタイル)に塗布されてもよい。この態様では、繊維110、310、312及び/又は410は互いに交絡しているので、化学バインダは、例えば第1面710に適用されるときに、第1面710上に存在する繊維210、繊維310、312及び/又は繊維410のうちの1つ以上を結合することができる。
【0098】
本願で使用されるように、「化学結合」という用語は、繊維を一緒に保持するために使用される化学バインダ(例えば、接着材料)を使用することを意味する。化学バインダは、繊維の交点で繊維同士を結合し、繊維結合効果をもたらす。1つの例示的な態様では、化学バインダは、例えば繊維の交点において繊維同士を接着する接着フィルムを形成することができる。繊維同士が接着されているので、繊維の端部が容易に移動してピリングすることがなく、複合不織テキスタイル120の少なくとも第1面710の全体的な抗ピリング性が向上する。好適な化学バインダは、ポリマーを含むバインダを含み、ビニルポリマー及びコポリマー、アクリル酸エステルポリマー及びコポリマー、ゴム及び合成ゴム、ならびにデンプンのような天然バインダを含んでもよい。化学バインダは、水性分散液、油性分散液、発泡分散液等の形態で適用することができる。例示的な態様では、化学バインダを塗布する前に、ベースコーティング又はプライマーを複合不織テキスタイルに塗布することができる。例示的な態様では、化学バインダは、油性ポリウレタンバインダを含んでもよい。本願で使用される用語「化学結合部位」とは、化学的に結合される部位を意味し、さらに、化学結合部位で複合不織テキスタイルに塗布される化学バインダ自体を意味する。
図29に示される構成要素は例示的であり、輪転グラビア印刷システム2900に関連する一般的な概念を伝えることを意図している。システム2900は、追加の構成要素又図示よりも少ない構成要素を含むことができ、これらの構成要素は、図示されているものとは異なる構成を有することができる。
【0099】
輪転グラビア印刷システム2900は、第1方向2912に沿って回転するように適合されたグラビア印刷ローラ2910を含む。グラビア印刷ローラ2910は、彫刻パターン2914を有する。例示的な態様では、グラビア印刷ローラ2910は化学バインダ2916を備えている。例えば、グラビア印刷ローラ2910は、化学バインダ2916を保持したトレイ2918に部分的に浸漬されていてもよい。グラビア印刷ローラ2910が第1方向2912に回転すると、化学バインダ2916が彫刻パターン2914に充填される。例示的な態様では、余分な化学バインダ2916を除去するために、グラビア印刷ローラ2910が複合不織テキスタイル120に接触する前に、グラビア印刷ローラ2910から余分な化学バインダ2916を掻き取る。例示的な態様では、適用前の化学バインダ2916の粘度は、化学バインダ2916を複合不織テキスタイル120の例えば第1面710に適用した後に複合不織テキスタイル120に浸透する所望のレベルを達成するように選択されてもよい。例えば、化学バインダ2916が油性ポリウレタンの形態である場合、その粘度は、約28℃~約33℃の適用温度及び約50%~約80%の相対湿度では、約960mパスカル・秒(mPa・s)~約1020mPa・s、約970mPa・s~約1010mPa・s、又は約980mPa・s~約1000mPa・sの範囲であり得る。
【0100】
輪転グラビア印刷システム2900は、第1方向2912とは反対の第2方向2922に回転するインプレッションローラ2920をさらに含む。複合不織テキスタイル120は、複合不織テキスタイル120の第1面710がグラビア印刷ローラ2910に接触し、第2面810がインプレッションローラ2920に接触するように、インプレッションローラ2920とグラビア印刷ローラ2910との間に配置される。グラビア印刷ローラ2910及びインプレッションローラ2920はそれぞれ、複合不織テキスタイル120にある程度の圧力及び熱を加えるのに適していてもよい。例えば、グラビア印刷ローラ2910及びインプレッションローラ2920のそれぞれが加える圧力は、約20kg~約60kg、約25kg~約55kg、又は約30kg~約50kgの範囲であってもよい。本願の態様では、グラビア印刷ローラ2910とインプレッションローラ2920とで異なる量の圧力を加えることができることも考慮している。例えば、グラビア印刷ローラ2910は30kg、インプレッションローラ2920は50kgの圧力を加えてもよい。別の例では、グラビア印刷ローラ2910は50kg、インプレッションローラ2920は30kgの圧力を加えてもよい。複合不織テキスタイル120が縦方向に進むと、化学バインダ2916が彫刻パターン2914から第1面710に転写される。インプレッションローラ2920は、化学バインダ2916が彫刻パターン2914に対応するパターンで第1面710に均一に被覆されるように、第1面710の全体がグラビアローラ2910に接触するように力を加える。
【0101】
輪転グラビア印刷システム2900は、化学バインダ2916のみを第1面710に塗布するように描かれているが、本願の態様では、化学バインダ2916を第2面810にも塗布することができると想定している。例えば、第1面710に化学バインダ2916を塗布した後、第2面810がグラビア印刷ローラ2910に接触し、第1面710がインプレッションローラ2920に接触するように、複合不織テキスタイル120を輪転グラビア印刷システム2900を介して再度通過させることができる。加えて、又はオプションとして、追加の輪転グラビア印刷システムは、複合不織テキスタイル120の異なる面710、810に接触するように連続的に位置合わせしてもよい。
【0102】
例示的な態様では、化学バインダ2916は、組成的には、ポリウレタンバインダの油性分散液、シリカを含む分散液中のポリウレタンバインダ、及びそれらの組み合わせを含んでもよい。例示的な態様では、シリカの使用は、化学バインダ2916が塗布された繊維間の摩擦を減少させ、これは、摩耗又は外部摩擦にさらされたときに、繊維がピルを起こしにくくする(すなわち、相互に対して滑りやすくする)ことを可能にする。上記のように、化学バインダ2916はバインダとして機能し、その適用された領域で繊維同士を固定するのを容易にする。繊維同士が接着されているので、繊維の端部がピリングしにくく、複合不織テキスタイル120の少なくとも第1面710の総合的な抗ピリング性が向上する。例えば、マーチンデールピリング試験での抗ピリング性は約2、2.5以上であってもよい。前述したように、例示的な態様では、複合不織テキスタイル120の第1面710は、複合不織テキスタイル120が衣料品に組み込まれたときに、衣料品の外向き面を形成する。したがって、化学バインダ2916の適用は、第2面810によって形成されるような衣服の内向き面よりも摩耗しやすい、衣服の外向き面の抗ピリング性を増加させることに寄与する。
【0103】
図30は、彫刻パターン2914を含むグラビア印刷ローラ2910の一部を示す。彫刻パターン2914は、同様の大きさのセル3010のような凹状セルの規則的なパターンとして描かれている。本願の態様では、彫刻パターン2914が、連続したパターン(例えば、互いに延びる連続した線又は形状)の代わりに、互いに分離して異なる離散的な形状を含むように構成されることを想定している。例示的な態様では、セル3010は様々な深さを有してもよい。例えば、深いセルは、多量の化学バインダ2916を複合不織テキスタイル120(すなわち、より厚いコーティング)に転写することができ、浅いセルは、少量の化学バインダ2916を複合不織テキスタイル120(すなわち、より薄いコーティング)に転写することができる。
図30に示される彫刻パターン2914は例示的なものであり、本願では、不規則なパターン又は有機的なパターンを含む他パターンも使用されることが想定されている。さらに、複合不織テキスタイル120上に所望パターンを実現するために、各セル3010の大きさを相互に変化させることができる。例示的な態様では、化学バインダ2916を第2面810に塗布する際に、異なる彫刻パターンを使用することができる。例えば、小デニール繊維310、312によって与えられた風合いを維持し、第2面810にシリコーン被覆繊維312を使用するために、彫刻パターンは、より遠く離れたより小さなセルを含んでもよい。
【0104】
例示的な態様では、彫刻パターン2914は、各セル3010の平均サイズ3012及び複合不織テキスタイル120上の対応する化学結合部位が約0.1mm~約1mmの範囲となるように選択され得る。本願で使用されるように、化学結合部位に言及する場合、「サイズ」という用語は、一般に、化学結合部位が占める表面積を意味する。例えば、化学結合部位が円形である場合、化学結合部位の大きさはΠr2に等しい。さらに、隣接するセル3010間、及び複合不織テキスタイル120上の対応する化学結合部位の距離3014は、約0.5mm~約6mm、約1mm~約5mm、又は約1.1mm~約4mmの範囲である。本願で使用されるように、「距離」という用語は、一般に、第1化学結合部位の中心から第2化学結合部位の中心まで測定される。例示的な態様では、セル3010のサイズ3012及び/又は隣接するセル3010間の距離3014は、例えば、第1面710を形成する繊維(例えば、繊維210、310、312及び使用される場合は410)及び/又は第2面810を形成する繊維(例えば、繊維210、310、312及び使用される場合は410)の平均ステープルの長さに基づいて選択することができる。前述したように、繊維210、310、312のステープルの長さは、約40mm~約60mm、約45mm~約55mm又は約51mmの範囲であってもよい。この例では、隣接するセル3010のサイズ3012及び/又はこれらの間の距離3014は、約60mm未満、約55mm未満、又は約51mm未満であってもよい。これにより、個々の繊維の長さの異なる部分が化学バインダ2916によって確実に固定される。
【0105】
このようなサイズ及び間隔を有する離散的な形状を含むように彫刻パターン2914を構成することにより、得られる化学結合部位が占める複合不織テキスタイル120の所望の量の表面積が得られる。例示的な態様では、複合不織テキスタイル120のドレープ性、風合い、並びに成長・回復特性を維持したいという要望によって、得られる化学結合部位によって占められる複合不織テキスタイル120の表面積はバランスを取る。例えば、複合不織テキスタイル120の化学結合部位が占める表面積が閾値を超える場合、化学バインダ2916の接着特性により、複合不織テキスタイル120のドレープ性及び成長・回復性は低下するが、抗ピリング性は増大する。さらに、複合不織テキスタイル120の風合いがゴムのようになり、衣料に使用する期待感が低下する可能性がある。逆に、化学結合部位が占める表面積が閾値よりも低い場合、複合不織テキスタイル120の少なくとも第1面710の抗ピリング性は所望よりも小さくなる可能性がある。例示的な態様では、複合不織テキスタイル120の化学結合部位によって占められる表面積の量は、所望のドレープ性、風合い、及び成長・回復特性を維持しつつ、2つ以上の抗ピリング性をもたらすために、約10%~約70%、又は約40%~約60%であってもよい。
【0106】
輪転グラビア印刷システム2900のような輪転グラビア印刷システムの使用は、液体形態の化学バインダ2916を複合不織テキスタイル120に塗布する一例にすぎない。他の塗布方法は、化学バインダ2916をスプレーすること、及び/又は化学バインダ2916を泡又は粉末の形態で塗布することを含んでもよい。これらの例示的な態様では、マスクは、複合不織テキスタイル120の化学バインダ2916を必要としない領域で使用することができる。更なる塗布方法は、複合不織テキスタイル120上に化学バインダ2916をデジタル印刷することを含む。いくつかの態様では、化学バインダ2916を必要とする帯状塗布が望まれる場合、デジタル印刷が望ましい場合がある。例えば、コンピュータプログラムを用いて、複合不織テキスタイル120の第1領域における化学結合部位の密度が複合不織テキスタイル120の第2領域における化学結合部位の密度よりも大きいパターンを含む所望パターンで化学バインダ2916を印刷するようにデジタルプリンタに指示してもよい。結合部位に関して使用される「密度」という用語は、1cm
2当たりの離散結合部位の数を指す。以下、
図34及び
図35を参照して、化学結合部位の帯状塗布についてさらに説明する。
【0107】
図31は、輪転グラビア印刷システム2900又は本願に記載の他の塗布方法によって仕上げられた後の複合不織テキスタイル120の概略図である。例えば、
図31は、例えばグラビア印刷ローラ2910の彫刻パターン2914に通常対応するパターンを有する複数の化学結合部位3110を有する複合不織テキスタイル120の第1面710を示す。上述したように、隣接する化学結合部位3110間のサイズ及び間隔は、一般に、グラビア印刷ローラ2910のセル3010のサイズ3012及びグラビア印刷ローラ2910の隣接するセル3010間の距離3014に対応する。1つの例示的な態様では、複合不織テキスタイル120の第1面710は第1色特性を有し、化学結合部位3110は第1色特性とは異なる第2色特性を有し得る。この態様では、複数の化学結合部位3110の第2色特性と第1面710の第1色特性とを組み合わせることは、興味深い視覚的美観を提供することができる。
【0108】
図31は、化学結合部位3110の拡大図をさらに示す。化学バインダ2916は、交点で繊維同士を化学的に結合するバインダとして機能する。例えば、化学バインダ2916は、交絡によって第1面710上に存在する繊維210、繊維310、312、及び/又は繊維410のうちの1つ以上を化学的に結合することができる。これにより、繊維端部が第1面710から離れて延び、ピルを形成するために他の繊維端部と交絡する傾向が低減又は排除される。換言すれば、複数の離散化学結合部位3110は、化学的に結合した繊維の分離された領域又は離散的な領域を表し、一方、第1面710の残りの部分は、互いに化学結合していない繊維を含む。
【0109】
図32は、複合不織テキスタイル120の第2面810の概略図を示す。例示的な態様では、第2面810には化学結合部位3110が存在しなくてもよい。言い換えれば、第2面810は、化学結合部位3110を含まなくてもよい。第2面810は、前述したように、複合不織テキスタイル120が衣服に組み込まれたときに、得られる衣服の内向き面を形成する。例示的な態様では、内向き面は、得られた衣服を着用したときに一般的には見えないので、ピルの有無は美的観点からそれほど重要ではなく、したがって、材料コストを低減するために、化学バインダ2916を第2面810に塗布しなくてもよい。同様に、第2面810に化学バインダ2916を塗布しないことにより、シリコーン被覆繊維312を用いて、デニール繊維310、312が付与したソフトな風合いが維持される。しかしながら、本願の態様では、所望の特性の場合に抗ピリング性を高めるために、化学バインダ2916を第2面810に塗布することができることが想定されている。この態様では、複数の化学結合部位3110によって占められる第2面810の表面積は、第1面710に比べて減少してもよい。言い換えれば、複数の化学結合部位3110によって占められる第2面810の表面積は、複数の化学結合部位3110によって占められる第1面710の表面積よりも小さくてもよい。これは、シリコーン被覆繊維312と小デニールの繊維310、312とを使用することによって付与されたソフトな風合いが相対的に維持されることを確実にするためである。
【0110】
図33は、化学結合部位3110を有する複合不織テキスタイル120の一部の断面を示す。1つの例示的な態様では、
図33に示すように、化学結合部位3110における化学バインダ2916は、複合不織テキスタイル120の第1面710の上に位置するように示されている。例示的な態様では、化学バインダ2916は、繊維の所望の化学結合の程度を達成するために、約0.1mm~約0.2mmの間の塗布厚さ3310を有し得る。さらに、いくつかの例示的な態様では、塗布厚さ3310により、化学バインダ2916が化学結合部位3110において第1面710から外側に延び、ディンプル状構造を形成することができる。化学バインダ2916の塗布厚さ3310は、例えばグラビア印刷ローラ2910のセル3010の深さに基づいて調整することができる(すなわち、セルが深くなると、厚さは増加する)。例示的な態様では、グラビア印刷ローラ2910及びインプレッションローラ2920の温度、並びにグラビア印刷ローラ2910及びインプレッションローラ2920によって複合不織テキスタイル120に加えられる圧力の量、ならびに化学バインダ2916に関連するパラメータ(適用温度及び粘度など)を調整して、化学バインダ2916が第1面710に対して複合不織テキスタイル120の厚さにより多く又はより少なく浸透するようにしてもよい。例えば、圧力の上昇及び粘度の低下は、化学バインダ2916が複合不織テキスタイル120内に比較的大きく浸透することに関連し、温度の低下及び粘度の上昇は、化学バインダ2916が複合不織テキスタイル120内に比較的小さく浸透することに関連することがある。化学バインダ2916の浸透レベルは、複合不織テキスタイル120の所望のドレープ性、風合い、並びに成長・回復特性に基づいて調整することができ、より大きな浸透は、ドレープ性及び成長・回復特性の低下に関連するが、抗ピリング性が増大する。例示的な態様では、化学バインダ2916は、エラストマー層116の材料特性(例えば、スパンボンド又はメルトブロー)のために、第1面710に適用されたときにエラストマー層116を越えて延びてもよい。言い換えれば、化学バインダ2916は、第1面710に塗布されたときに、第2交絡繊維ウェブ718に浸透しない。
【0111】
図34及び
図35は、化学バインダ2916の帯状塗布を示す。化学バインダ2916の帯状塗布は、複数の異なる方法で行うことができる。例えば、デジタルプリンタは、化学バインダ2916を、より高い密度の化学結合部位が適用される領域と、より低い密度の化学結合部位が適用される領域とを特定することができるコンピュータプログラムに従って塗布するために使用され得る。複合不織テキスタイルの異なる部分を覆い隠して、より密度の高い化学結合部位及びより密度の低い化学結合部位を有する領域を作成する帯状塗布は、スプレー、発泡又は粉末適用を用いて行うこともできる。加えて、グラビア印刷ローラ、例えばグラビア印刷ローラ2910は、グラビア印刷ローラの一部では密度の大きいセルを有し、グラビア印刷ローラの他の部分では密度の小さいセルを有するように構成することができる。別の例では、化学バインダ2916の帯状塗布は、第1複合不織テキスタイルが第2複合不織テキスタイルと比較してより高密度の化学結合部位を含み得るカットアンドソー(cut-and-sew)法を用いて実施することができる。第1複合不織テキスタイル及び第2複合不織テキスタイルのそれぞれからパターンが切り出されてもよく、このパターンから衣服が形成されてもよい。この態様では、第1複合不織テキスタイルによるパターンは、衣服の比較的高い摩耗率を経験する領域に位置してもよい。
【0112】
図34は、後胴部3410、前胴部(
図34には示されていない)を有し、これらが一緒にネック開口部3412及び腰開口部3414を画定する例示的な上半身用衣服3400の背面図を示す。上半身用衣服3400は、第1袖3416と対向する第2袖3418とをさらに含む。長袖の上半身用衣服として描かれているが、本願の態様では、上半身用衣服3400は、プルオーバー、パーカー、ジャケット/コート、ベスト、半袖の上半身用衣服などの他の形態を含んでもよいと想定されている。上半身用衣服3400は、複合不織テキスタイル120によって形成されていてもよい。複合不織テキスタイル120の第1面710は、上半身用衣服3400の外向き面3401を形成し、複合不織テキスタイル120の第2面810は、上半身用衣服3400の内向き面を形成する。
【0113】
上半身用衣服3400は、少なくとも外向き面3401に位置する複数の化学結合部位3415を含む。化学結合部位の記述は本質的に例示的であり、必ずしも比例して描かれているわけではない。例えば、化学結合部位の数、化学結合部位のサイズ、化学結合部位間の間隔が例示的である。例示的な態様では、化学結合部位3415は、上半身用衣服3400の内向き面に存在しなくてもよい。例示的な態様では、より高密度の化学結合部位3415を、一般的により高い摩耗率を経験する上半身用衣服3400の領域に適用することができる。例えば、上半身用衣服3400に関して、一般に高い摩耗率を経験する可能性がある領域は、例えば、肘領域、襟領域、ウエストバンド領域、及びカフ領域を含む。いくつかの例示的な態様では、より高密度の化学結合部位の適用領域は、上半身用衣服3400が設計された特定のスポーツに基づいてもよい。スポーツがランニングである一例では、より高密度の化学結合部位を胴体部分の側面及び脇の下部分に沿って適用することができる。なぜなら、これらの部位は、ランニング中の着用者の腕の動きにより相対的に高い摩耗を経験する可能性があるからである。
【0114】
図34に示す例では、肘領域3420は、例えば第1袖3416及び第2袖3418の後胴部3410、前胴部及び他の部分(ボックス3424に示す)に比べて、化学結合部位3415の密度が大きい(ボックス3422に示す)。上半身用衣服3400上の化学結合部位3415の密度の違いは例示的であり、上半身用衣服3400の他の部分は、上述した着用パターンに基づいて、比較的大きな密度の化学結合部位3415を含んでもよいと本願では想定されている。
【0115】
図35は、一緒にウエスト開口部3512を画定する前胴部3510及び後胴部(
図35には示されていない)を有する例示的な下半身用衣服3500の正面図を示す。また、下半身用衣服3500は、第1脚開口部3516を有する第1脚部3514と、第2脚開口部3520を有する第2脚部3518とを含む。パンツとして示されているが、本願の各態様では、下半身用衣服3500は、ショートパンツ、タイトパンツ、七分丈ズボンなどの他の形態を含んでもよいと想定されている。下半身用衣服3500は、複合不織テキスタイル120から形成され得る。複合不織テキスタイル120の第1面710は、下半身用衣服3500の外向き面3501を形成し、複合不織テキスタイル120の第2面810は、下半身用衣服3500の内向き面を形成する。
【0116】
下半身用衣服3500は、少なくとも外向き面3501に位置する複数の化学結合部位3515を含む。化学結合部位の記述は本質的に例示的であり、必ずしも比例して描かれているわけではない。例えば、化学結合部位の数、化学結合部位のサイズ、化学結合部位間の間隔が例示的である。例示的な態様では、下半身用衣服3500の内向き面には、化学結合部位3515が存在しなくてもよい。例示的な態様では、より高密度の化学結合部位3515を、一般的により高い摩耗率を経験する下半身用衣服3500の領域に適用することができる。いくつかの例示的な位置は、膝領域、ウエスト開口領域、脚カフ領域、及び/又は臀部部分を含む。上半身用衣服3400と同様に、下半身用衣服3500が設計された特定のスポーツに基づいて、化学結合部位のより高密度の適用領域を設定することができる。例えば、スポーツがランニング又はサイクリングである場合、ランニング及び/又はサイクリング中の着用者の足の動きにより比較的高い摩耗量を経験する可能性があるので、下半身用衣服3500の内股部に沿って、化学結合部位の密度を大きくすることができる。
【0117】
図35に示した例では、膝領域3522は、ボックス3524に示すように、前胴部3510、後胴部及びボックス3526に示す第1脚部3514及び第2脚部3518の他の部分に比べて、化学結合部位3515の密度を大きくしてもよい。下半身用衣服3500の化学結合部位3515の密度の違いが例示的であり、下半身用衣服3500の他の部分は、上述した着用パターンに基づいて、比較的大きな密度の化学結合部位3515を含んでもよいと本願では想定されている。
【0118】
図36は、複合不織テキスタイル120の少なくとも第1面710でのピルの形成を低減するために、複合不織テキスタイル120に離散的な熱結合を形成するのに適した例示的な超音波結合システム3600を示す。本願では超音波結合システムを説明しているが、様々な態様では、熱(例えば、熱風)及び/又は圧力を直接印加するなど、熱結合を形成する他の方法が考慮されている。例示的な態様では、熱結合プロセスは、繊維ウェブ110、112及び/又は114が複合不織テキスタイル120に組み込まれる前に、第1繊維ウェブ110、第2繊維ウェブ112及び/又は第3繊維ウェブ114のような1つ以上の繊維ウェブに適用され得る。この態様では、単一ウェブの熱結合は、単一ウェブを構成する繊維、例えば、第1繊維ウェブ110の繊維210、第2繊維ウェブ112の繊維310、312、及び/又は第3繊維ウェブ114の繊維410のみを含む。他の例示的な態様では、熱結合プロセスは、完成した複合不織テキスタイル120(単一のウェブ110、112、及び/又は114が互いに積層されて交絡した複合不織テキスタイル)に適用することができる。この態様では、熱結合は、繊維110、310、312及び/又は410が互いに交絡しているので、例えば、繊維210、繊維310、312及び/又は繊維410のうちの1つ以上を結合する。
【0119】
本願で使用されるように、「熱結合」という用語は、繊維を溶融、部分溶融、及び/又は軟化させるために、繊維を局所的に加熱することを含みうるプロセスを意味する。これにより、ポリマー鎖が緩和され、拡散されるか、又はポリマーが交差する2本の繊維間の繊維-繊維界面を横切ることが可能になる。その後の繊維の冷却により、繊維が再硬化し、繊維-繊維界面を横切って拡散したポリマー鎖セグメントが捕捉される。熱結合は、繊維端部を捕捉し、繊維端部が他の繊維端部と相互作用してピルを形成しにくいようにする。本願で使用されるように、「熱結合部位」という用語は、複合不織テキスタイルで熱結合された位置を意味し、「熱結合構造」という用語は、再硬化した繊維及び/又は材料から形成される実際の構造を意味し、一般に、複合不織テキスタイル120を形成するために使用される異なる繊維ウェブからの繊維及び材料を含む。本願で使用される用語「フィルム形態」は、再硬化した繊維及び/又は材料から形成される構造をも意味する。
図36に示される構成要素は例示的であり、超音波結合システム3600に関連する一般的な概念を伝えることを意図している。システム3600は、追加の構成要素又はそれ以下の構成要素を含むことができ、これらの構成要素は、図示されている構成要素とは異なる構成要素を有し得る。
【0120】
超音波結合システム3600は、インプレッションパターン3612を有するインプレッションローラ3610を含んでもよい。例示的な態様では、インプレッションパターン3612は、インプレッションローラ3610から離れて延びる複数の離散的な突起を含んでもよい。以下でさらに説明されるように、突起のサイズ及び隣接する突起の間隔は、所望の熱結合パターンを提供するために選択されてもよい。突起は長方形を有するものとして示されているが、これは例示的なものであり、本願では、他の形状(例えば、円形、三角形、正方形など)を考慮している。インプレッションローラ3610は、第1方向3614に回転するように構成されている。
【0121】
超音波結合システム3600は、ソノトロード又は超音波ホーン3616をさらに含む。複合不織テキスタイル120は、一例として、複合不織テキスタイル120の第1面710がインプレッションローラ3610に接触し、第2面810が超音波ホーン3616に接触するように、インプレッションローラ3610と超音波ホーン3616との間に配置される。本願の態様では、複合不織テキスタイル120の第2面810がインプレッションローラ3610に接触し、第1面710が超音波ホーン3616に接触することも想定されている。
【0122】
複合不織テキスタイル120が縦方向に進むと、インプレッションローラ3610は、インプレッションパターン3612に基づいて複合不織テキスタイル120の離散領域に圧力を加える。言い換えれば、インプレッションパターン3612が形成されている突起に対応する領域では、複合不織テキスタイル120に圧力が加えられている。例示的な態様では、複合不織テキスタイル120に加えられる圧力は、約2kg/cm2~約4.6kg/cm2の間であってもよい。この圧力は、複合不織テキスタイル120の離散的な領域を超音波ホーン3616に強固に接触させ、超音波振動を伝達して複合不織テキスタイル120を形成する繊維を溶融、部分溶融及び/又は軟化状態に加熱し、この状態で複合不織テキスタイル120を複数の熱結合部位3618を形成する(以下、さらに説明する)。これらの値よりも低い圧力は、超音波ホーン3616との接触が不十分になることがあり、それによって生じる熱的結合が弱まることがある。熱結合部位3618では、繊維210、310、312と、使用される場合、繊維410とが一緒に溶融又は軟化して、熱結合部位3618でフィルム形態を有し得る。加えて、エラストマー層116の一部は、繊維210、繊維310、312及び繊維410(使用される場合)とともに、熱結合部位3618で溶融又は軟化することができる。繊維210、310、312及び繊維410(使用される場合)は、熱結合部位3618で共に溶融又は軟化するので、ピリングに使用可能な繊維端部が減少し、これにより、複合不織テキスタイル120の第1面710及び第2面810における抗ピリング性が増大する。
【0123】
インプレッションパターン3612が、特定のサイズ及び間隔を有する離散的な形状を含むように構成されることにより、得られる熱結合部位が占める複合不織テキスタイル120の所望の量の表面積が得られる。例示的な態様では、複合不織テキスタイル120のドレープ性、成長・回復特性を維持したいという要望によって、得られる熱結合部位によって占められる複合不織テキスタイル120の表面積はバランスを取る。例えば、複合不織テキスタイル120の熱結合部位が占める表面積が閾値を超える場合、抗ピリング性は増加するが、複合不織テキスタイル120のドレープ性及び成長・回復性は低下する。逆に、熱結合部位によって占められる表面積が閾値よりも低い場合、複合不織テキスタイル120の少なくとも第1面710の抗ピリング性は所望よりも小さくなる可能性がある。例示的な態様では、複合不織テキスタイル120の熱結合部位によって占められる表面積の量は、2つ以上の抗ピリング性を達成するために、約5%~約50%、約5%~約30%、又は約6%~約25%であってもよい。
【0124】
図37は、超音波結合システム3600による仕上げ後の複合不織テキスタイル120の第1面710の概略図を示す。この例では、第1面710がインプレッションローラ3610に接触するように配置され、第2面810が超音波ホーン3616に接触するように配置されている。複合不織テキスタイル120は、複数の熱結合部位3618を含む。各熱結合部位3618は、第2面810に向かって延びる方向に第1面710に対してずれている熱結合構造を含む(以下、さらに説明する)。言い換えれば、熱結合構造は、第1面710と第2面810との間に位置する。したがって、第1面710は、快適性及び美的観点から望ましい、実質的に滑らかな平面構造を維持することができる。例示的な態様では、隣接する熱結合部位3618間の距離3710は、第1面710に存在する繊維(例えば、繊維210、繊維310及び312、及び/又は繊維410)の平均繊維の長さ以下であってもよい。例えば、間隔は、約60mm以下、約55mm未満、又は約51mm未満であってもよい。例示的な態様では、熱結合部位3618のサイズは、約0.75mm~約4mm、約1mm~約3.5mm、又は約1mm~約3mmであってもよい。隣接する熱結合部位3618間の距離3710は、約3mm~約7mm、又は約4mm~約6mmであってもよい。
【0125】
図38は、超音波結合システム3600による仕上げ後の複合不織テキスタイル120の第2面810の概略図を示す。第2面810は、複数の熱結合部位3618をさらに含む。熱結合部位3618に関連する熱結合構造は、第1面710に向かって延びる方向に第2面810に対してさらにずれている。したがって、熱結合構造は、第1面710と第2面810との間に位置する。第1面710と同様に、第2面810は、結果として得られる衣服の外向き面を形成するので、少なくとも快適性の観点から望ましくなるような、ほぼ滑らかな平面構造を維持する。
【0126】
図37及び
図38に示す熱結合パターンについては、熱結合の縦方向が複合不織テキスタイル120の加工方向である。これは、長軸及び短軸を有する形状を含み、これら形状の長軸が複合不織テキスタイル120の縦方向に整列されたインプレッションパターン3612に基づく。例示的な態様では、熱結合の主方向を縦方向に整列させることは、複合不織テキスタイル120の横方向への伸張及び回復特性を維持することに寄与する。言い換えれば、上述したように、ニードルパンチの間に複合不織テキスタイル120の繊維に加わる各層の繊維の実質的な配向と歪み又は張力のために、複合不織テキスタイル120の縦方向の伸張及び回復は、横方向よりも小さくなる可能性がある。したがって、熱結合の主方向を縦方向に整列させることは、複合不織テキスタイル120の横方向への熱結合の効果を制限し、横方向への伸張及び回復を維持することに寄与する。
【0127】
図39は、熱結合部位3618で切断された複合不織テキスタイル120の断面を示す。熱結合部位3618は、第2面810に向かって延びる方向に第1面710に対してずれており、第1面710に向かって延びる方向に第2面810に対してさらにずれている熱結合構造3910を含む。熱結合構造3910の双方向ズレは、インプレッションローラ3610のインプレッションパターン3612を形成する突起の圧力及び深さと、超音波ホーン3616による熱結合部位3618での複合不織テキスタイルの全層の溶融との組み合わせによるものであり得る。熱結合構造3910は、少なくとも溶融、部分溶融及び/又は軟化して再硬化した繊維210から形成された凝集構造である。熱結合構造3910は、溶融、部分溶融、及び/又は軟化して再硬化した繊維310、312と、使用される場合、溶融、部分溶融、及び/又は軟化して再硬化した繊維410とをさらに含んでもよい。加えて、熱結合構造3910は、エラストマー層116からの、繊維を含む溶融、部分溶融及び/又は軟化及び再硬化した材料を含んでもよい。言い換えれば、熱結合構造3910では、繊維210、310、312、繊維410(使用される場合)、及び/又はエラストマー層116からの部分がフィルム形態である。図示されるように、例示的な態様では、第1交絡繊維ウェブ712からの繊維210は、熱結合構造3910から延びている。
図39は、熱結合構造3910から延びる第2交絡繊維ウェブ718の繊維310及び312をさらに示す。加えて、第3交絡繊維ウェブ714(使用される場合)からの繊維410は、熱結合構造3910から延びている。いくつかの例示的な態様では、繊維210、310、312、410及びエラストマー層116の溶融は、複合不織テキスタイル120の第2面810から第1面710への空気及び水蒸気の流れを可能にする流体連通経路を形成する孔又はピンホールを形成することができ、一方、第1面710から第2面810への液体(例えば、沈殿物)の流れを実質的に防止することができる。
【0128】
いくつかの例示的な態様では、熱結合構造3910は、第1面710に対して第1平均深さ3912だけずれており、さらに第2面810に対して第2平均深さ3914だけずれており、第1平均深さ3912は、第2平均深さ3914よりも大きくてもよい。言い換えれば、熱結合構造3910は、第1面710及び第2面810と、複合不織テキスタイル120の中心平面3915とに対してずれており、中心平面3915は、第1面710と第2面810との間の約半分に位置している。
図37~
図39に示された例示的な態様では、熱結合構造3910は、中心平面3915と第2面810との間に位置する。ここでの態様は、第1平均深さ3912が第2平均深さ3914よりも小さいことも想定されている。この態様では、熱結合構造3910は、中心平面3915と第1面710との間に位置する。
【0129】
図39に示すように、複合不織テキスタイル120は、熱結合構造3910に対応する位置で薄くなっている。その機能的な結果として、複合不織テキスタイル120の浸透性及び/又は通気性は、複合不織テキスタイル120の熱結合部位3618を含まない領域と比較して、熱結合部位3618において増大することができる。熱結合部位3618におけるテキスタイル120の透過性及び/又は通気性は、上記の孔によって強化され得る。熱結合部位3618の近傍における透過性及び/又は通気性の増加は、着用者によって作成され蒸気に変換された湿気又は汗が穴を通して放散されることを可能にし、結果として得られる衣料品には所望の特性があり得る。
【0130】
図40は、複合不織テキスタイル120の第1面710の概略図であり、複合不織テキスタイル120は、複数の第1離散熱結合部位4010と複数の第2離散熱結合部位4012とを含む。例示的な態様では、第1面710がインプレッションローラ3610と接触するように配置され、第2面810が超音波ホーン3616と接触するように配置された超音波結合システム3600を用いて、第1複数の熱結合部位4010を形成することができる。複数の第2熱結合部位4012は、第2面810がインプレッションローラ3610とは異なるパターンを有するインプレッションローラに接触するように配置され、第1面710が超音波ホーン3616に接触するように配置された超音波結合システム3600を用いて形成することができる。
【0131】
例示的な態様では、複数の第1離散熱結合部位4010は第1パターンで配置され、複数の第2離散熱結合部位4012は第1パターンとは異なる第2パターンで配置される。例えば、複数の第1離散熱結合部位4010は、複数の第2離散熱結合部位4012と重ならないように、又は部分的にのみ重ならないように、複数の第2離散熱結合部位4012とは異なって分離されていてもよい。また、
図40に示すように、本願の態様は、複数の第1離散熱結合部位4010の形状が複数の第2離散熱結合部位4012の形状と異なる(矩形対円形)ことを想定しているが、本願の態様は、複数の第1離散熱結合部位4010及び複数の第2離散熱結合部位4012のそれぞれの形状が同じである(例えば、両方とも矩形又は両方とも円形である)ことをさらに想定している。
【0132】
図41は、
図40の複合不織テキスタイル120の第2面810の概略図を示す。図示されるように、第2面810は、第1複数の熱結合部位4010及び複数の第2熱結合部位4012をさらに含む。
図42は、熱結合部位4010と熱結合部位4012とを通る断面を示す。熱結合部位4010は、第2面810に向かって延びる方向に第1面710に対して第1深さ4212だけずれている第1熱結合構造4210を含む。熱結合部位4012は、第2深さ4214だけ第2面810に向かって延びる方向に第1面710に対してずれている第2熱結合構造4215を含む。例示的な態様では、第1深さ4212は、第2深さ4214よりも大きい。
【0133】
第1熱結合構造4210は、第2面810から見て、第1面710に向かって延びる方向に第2面810に対して第3深さ4216だけずれている。第2熱結合構造4215は、第1面710に向かって延びる方向に第2面810に対して第4深さ4218だけずれている。例示的な態様では、第3深さ4216は第1深さ4212よりも小さく、第4深さ4218は第2深さ4214よりも大きい。加えて、第4深さ4218は第3深さ4216よりも大きい。
【0134】
複合不織テキスタイル120の2つの面に熱結合部位を適用することは、第1面710及び第2面810の抗ピリング性を増大させる役割を果たすことができる。例えば、第1面710がインプレッションローラ3610に対して位置決めされたときに作成される熱結合部位4010は、第1熱結合構造4210内の第1交絡繊維ウェブ712からより多くの割合の繊維を捕捉するのを助けることができ、第2面810がインプレッションローラに対して位置決めされたときに作成される熱結合部位4012は、第2熱結合構造4215内の第2交絡繊維ウェブ718からより多くの割合の繊維を捕捉するのを助けることができ、その結果、第1交絡繊維ウェブ712からより少ない割合の繊維をピリングに使用することができ、第2交絡繊維ウェブ718からより多くの割合の繊維をピリングに使用することができる。
【0135】
図43及び
図44は、熱結合部位の帯状塗布を示す。熱結合部位の帯状塗布は、複数の異なる方法で行うことができる。例えば、インプレッションローラ3610のようなインプレッションローラは、インプレッションローラの一部でより密度の高い突起を有し、インプレッションローラの他の一部でより密度の低い突起を有するように構成することができる。熱結合部位の帯状塗布は、超音波、熱及び/又は圧力の帯状印加によっても生じ得る。また、第1複合不織テキスタイルは、第2複合不織テキスタイルよりも高密度の熱結合部位を含み得るカットアンドソー法を用いて、熱結合部位の帯状塗布を実現することができる。第1複合不織テキスタイル及び第2複合不織テキスタイルのそれぞれからパターンが切り出されてもよく、このパターンから衣服が形成されてもよい。この態様では、第1複合不織テキスタイルからのパターンは、衣副の比較的高い摩耗率を経験する領域に位置することができる。帯状塗布は、例えば、中程度から高度に摩耗しやすい衣服エリアのマップに基づくことができる。
【0136】
図43は、首開口部4312及びウエスト開口部4314を共通に画定する後胴部4310、前胴部(
図43には示されていない)を有する例示的な上半身用衣服4300の後面図を示す。上半身用衣服4300は、第1袖4316と対向する第2袖4318とをさらに含む。長袖の上半身用衣服として示されているが、本願の態様では、上半身用衣服4300は、プルオーバー、パーカー、ジャケット/コート、ベスト、半袖の上半身用衣服などの他の形態を含んでもよいと想定されている。上半身用衣服4300は、複合不織テキスタイル120から形成されてもよい。複合不織テキスタイル120の第1面710は、上半身用衣服4300の外向き面4301を形成し、複合不織テキスタイル120の第2面810は、上半身用衣服4300の内向き面を形成する。
【0137】
上半身用衣服4300は、少なくとも外向き面4301上に位置する複数の熱結合部位4315を含む。熱結合部位の記述は本質的に例示的であり、必ずしも比例して描かれているわけではない。例えば、熱結合部位の数、熱結合部位のサイズ、熱結合部位間の間隔が例示的である。例示的な態様では、より高密度の熱結合部位4315を、一般的により高い摩耗率を経験する上半身用衣服4300の領域に適用することができる。例えば、上半身用衣服4300に関して、一般に高い摩耗率を経験する可能性のある領域は、例えば、肘領域、襟領域、ウエストバンド領域、及びカフ領域を含む。いくつかの例示的な態様では、より高密度の熱結合部位の適用領域は、上半身用衣服4300が設計された特定のスポーツに基づくことができる。スポーツがランニングである一例では、ランニング中の着用者の腕の動きにより、これらの領域が比較的高い摩耗量を経験する可能性があるので、より密度の高い熱結合部位を胴体部分の側面及び脇の下部分に沿って適用することができる。
【0138】
図43に示す例では、肘領域4320は、例えば、第1袖4316及び第2袖4318の後胴部4310、前胴部及びその他の部分(ボックス4344に示す)に比べて、ボックス4322に示すように、熱結合部位4315の密度が大きい。上半身用衣服4300上の熱結合部位4315の密度の違いは例示的であり、上半身用衣服4300の他の部分は、上述した着用パターンに基づいて、比較的大きな密度の熱結合部位4315を含んでもよいと本願では想定されている。
【0139】
図44は、一緒にウエスト開口4412を画定する前胴部4410及び後胴部(
図44には示されていない)を有する例示的な下半身用衣服4400の正面図を示す。また、下半身用衣服4400は、第1脚部開口4416を有する第1脚部4414と、第2脚部開口4420を有する第2脚部4418とを含む。パンツとして示されているが、本願の各態様では、下半身用衣服4400は、ショートパンツ、タイトパンツ、七分丈ズボンなどの他の形態を含んでもよいと想定されている。下半身用衣服4400は、複合不織テキスタイル120から形成され得る。複合不織テキスタイル120の第1面710は、下半身用衣服4400の外向き面4401を形成し、複合不織テキスタイル120の第2面810は、下半身用衣服4400の内向き面を形成する。
【0140】
下半身用衣服4400は、少なくとも外向き面4401に位置する複数の熱結合部位4415を含む。熱結合部位の記述は本質的に例示的であり、必ずしも比例して描かれているわけではない。例えば、熱結合部位の数、熱結合部位のサイズ、熱結合部位間の間隔が例示的である。例示的な態様では、より高密度の熱結合部位4415を、典型的にはより高い摩耗率を経験する下半身用衣服4400の領域に適用することができる。いくつかの例示的な位置は、膝領域、脚カフ領域、ウエスト開口領域、及び/又は臀部部分を含む。上半身用衣服4300と同様に、下半身用衣服4400が使用するように設計された特定のスポーツに基づいて、熱結合部位のより高密度の適用領域を設定することができる。例えば、スポーツがランニング又はサイクリングである場合、ランニング及び/又はサイクリング中の着用者の足の動きにより比較的高い摩耗量を経験する可能性があるので、下半身用衣服4400の内股部に沿って、熱結合部位の密度をより大きくすることができる。
【0141】
図44に示す例では、膝領域4422は、ボックス4424に示すように、例えば、前胴部4410、後胴部、及び第1脚部4414及び第2脚部4418の他の部分と比較して、ボックス4426に示すように熱結合部位4415の密度をより大きくしてもよい。下半身用衣服4400の熱結合部位4415の密度の違いが例示的であり、下半身用衣服4400の他の部分は、上述した着用パターンに基づいて、比較的大きな密度の熱結合部位4415を含んでもよいと本願では想定されている。
【0142】
例示的な態様では、超音波結合システム3600を用いて作成される熱結合部位は、例えば、輪転グラビア印刷システム2900によって作成される化学結合部位と組み合わされて、複合不織テキスタイル120の抗ピリング性をさらに高めることができる。この態様では、複合不織テキスタイル120は、最初に輪転グラビア印刷システム2900を用いて処理され、次に超音波結合システム3600を用いて処理され得る。この態様では、超音波結合システム3600を用いて作成された熱結合部位の少なくとも一部は、輪転グラビア印刷システム2900を用いて作成された化学結合部位と同じ位置、又はほぼ同じ位置(例えば、部分的に重なり合っていてもよい)にあってもよい。例示的な態様では、熱結合は、化学結合部位における化学バインダの熱硬化を助けることができ、それによって、特に繰り返した洗濯及び摩耗の後における化学結合部位の耐久性及び寿命を増大させることができる。逆に、複合不織テキスタイル120は、最初に超音波結合システム3600を用いて処理され、次に輪転グラビア印刷システム2900を用いて処理され得る。
【0143】
例示的な態様では、グラビア印刷ローラ2910の彫刻パターン2914とインプレッションローラ3610のインプレッションパターン3612は、複合不織テキスタイル120の化学結合部位と熱結合部位とが異なるように構成され、互いに分離され、重ならないように構成されてもよい。これは、化学バインダ2916の使用を最小限に抑え、輪転グラビア印刷システム2900及び超音波結合システム3600のエネルギー消費を低減しながら、複合不織テキスタイル120の所望の量の表面積に化学接着部位及び熱結合部位を含むことを容易にする。
【0144】
図45は、複合不織テキスタイル120の第1面710の概略図を示す。複数の熱結合部位4510は、第1位置において第1面710に存在し、複数の化学結合部位4512は、第2位置において第1面710に存在する。例示的な態様では、第2位置は第1位置と異なる。更なる例示的な態様では、
図45に示されるように、第1位置は第2位置と重ならない。熱結合部位4510は、熱結合部位3618と同様の特徴を有してもよく、化学結合部位4512は、化学結合部位3110と同様の特徴を有してもよい。熱結合部位4510及び化学結合部位4512について示されるパターンは例示的であり、本願では、熱結合部位4510及び化学結合部位4512は異なるパターンを有することが想定されている。
【0145】
図46は、
図45の複合不織テキスタイル120の第2面810の概略図を示す。第2面810は、熱結合部位4510を含む。例示的な態様では、第2面810は、化学結合部位4512のようないかなる化学結合部位も含まなくてもよい。
図47は、熱結合部位4510及び化学結合部位4512を通る例示的な断面を示す。図示されるように、熱結合部位4510は、第1面710と第2面810との間に位置する熱結合構造4710を含む。化学結合部位4512は、第1面710には存在し、第2面810には存在しないように示される。上述したように、熱結合部位4510及び化学結合部位4512の使用は、少なくとも第1面710の抗ピリング性を増加させる。本願の態様では、超音波結合システム3600のインプレッションローラ3610に第2面810を配置することによって熱結合部位を形成すること、複合不織テキスタイル120の第2面810に化学結合部位を形成すること、及びそれらの組み合わせも考慮する。これは、第2面810の抗ピリング性を高める必要がある場合に有用である。
【0146】
図48は、複合不織テキスタイル120の少なくとも第1面710のピリングをさらに低減するための例示的なプロセス4800の概略図を示す。プロセス4800は、単独で使用することができ、又は上記の化学的結合プロセス及び上記の熱的結合プロセスのうちの1つ以上と組み合わせて使用することができる。上記のように、複合不織テキスタイル120は、結合構造を形成した繊維ウェブ110、112、114のような異なる繊維ウェブを含むことができ、異なる繊維ウェブは、異なる又は類似の繊維組成及び/又は異なる特性を有することができる。「繊維ウェブ」という用語は、1つ以上の他の繊維ウェブとの機械的交絡プロセスを経る前の層を意味する。ウェブは、X、Y平面に沿って延びている、所望の坪量が得られる1つ以上の共通の方向に繊維を整列させるカーディング及びラッピングプロセスを経た繊維を含む。ウェブはまた、ウェブが操作可能な凝集構造を形成する(例えば、ローラへの交絡、ローラからの巻き戻し、スタック等)ようにウェブの繊維をある程度交絡させるライトニードルパンチプロセス又は機械的交絡ステップを経てもよい。例えば、ウェブ112、114は、それぞれ約50n/cm
2のステッチ密度を有し得る。本願の態様では、以下に説明するように、複合不織テキスタイル120の少なくとも第1面710の抗ピリング性を高めるために、少なくとも第1繊維ウェブ110のステッチ密度を増加させることが考慮される。
【0147】
ステップ4810では、第1繊維ウェブ110は、第1繊維ウェブ110の第1面4812から対向する第2面4814に向かう方向に一方向に行われる第1機械的交絡パス4816を通過する。第1機械的交絡パス4816のステッチ密度は、50n/cm2よりも大きく、約75n/cm2、約100n/cm2、又は約200n/cm2であり得る。一例では、第1機械的交絡パス4816の後の第1繊維ウェブ110のステッチ密度は、第2繊維ウェブ112のステッチ密度の少なくとも2倍であり、使用される場合には、第3繊維ウェブ114のステッチ密度の少なくとも2倍である。例示的な態様では、第1繊維ウェブ110は、第2面4814から第1面4812に向かう方向に行われる機械的交絡パスを通過しない。
【0148】
ステップ4818は、第1機械的交絡パス4816を経た後の第1繊維ウェブ110を示す。第1機械的交絡パス4816は、第1面4812から第2面4814に向かう方向に一方向に行わるので、交絡ニードルによって第1繊維ウェブ110を形成する繊維210が押され、繊維210の端部4820を含む繊維210が第1繊維ウェブ110の第2面4814から外側に延びている。言い換えれば、繊維201は、第1繊維ウェブ110の第1面4812から離れる方向に延びている。
【0149】
ステップ4822では、第1繊維ウェブ110は、第2繊維ウェブ112、任意の第3繊維ウェブ114、及びエラストマー層116と積層される。この例では、第2面4814が外側に向き、例えばエラストマー層116及び第3繊維ウェブ114から離れるように、第1繊維ウェブ110が積層される(使用される場合)。したがって、繊維210の端部4820は、(使用される場合)エラストマー層116及び第3繊維ウェブ114から離れる方向に積層された形態で延びている。
【0150】
ステップ4824では、第2機械的交絡パス4826が、第1繊維ウェブ110、第2繊維ウェブ112、第3繊維ウェブ114(使用される場合)及びエラストマー層116のスタック構成で実施される。第2機械的交絡パス4826は、第1繊維ウェブ110から第2繊維ウェブ112に向かう方向に行われ、第2機械的交絡パス4826は、繊維210の端部4920を、例えばリング構造を形成するために少なくとも第1繊維ウェブ110内に押し戻すのに有効である。ステップ4824は、第2繊維ウェブ112から第1繊維ウェブ110に向かう方向に行われる機械的な交絡パスを含む、例えば、
図7に関して説明したものを含んでもよい。
【0151】
ステップ4828は、第2機械的交絡パス4826を経た後の複合不織テキスタイル120を示し、複合不織テキスタイル120は、第1交絡繊維ウェブ712、第2交絡繊維ウェブ718、第3交絡繊維ウェブ714(使用される場合)、及びエラストマー層116を含む。図示されるように、第1繊維ウェブ110の第2面4814は、複合不織テキスタイル120の第1面710(又は第1対向面と称する)を形成し、第2機械的交絡パス4826の後に第1繊維ウェブ110内に押し戻される末端4820を有する繊維210を表す複数のループ4830を含む。繊維末端部4820は、第1面710から外側に延びておらず、ピリングを形成するために他の繊維末端部と相互作用することができないので、少なくとも第1面710の抗ピリング性が2つ以上に増加する。
【0152】
ステップ4832は、上半身用衣服4834を形成する複合不織テキスタイル120を示し、複数のループ4830が上半身用衣服4834の外向き面から延びている。本願の態様では、プロセス4800は、複数のループ4830の帯状分布を作成するように構成されてもよく、より高密度のループ4830は、
図34~
図35及び
図43~
図44を参照して説明された領域と同様に、衣服の摩耗が増加しやすい領域に位置することを想定している。例えば、第1機械的交絡パス4816及び第2機械的交絡パス4826は、第1繊維ウェブ110の離散的な領域及び/又はステップ4824に示されるスタック構成に位置決めされて、離散的な領域にループ4830を形成することができる。
【0153】
図49は、プロセス4800を経た後の複合不織テキスタイル120の第1面710の概略図を示す。第1面710は、繊維210を表す複数のループ4830を含み、第2機械的交絡パス4826の後に、繊維210の端部4820が第1繊維ウェブ110内に押し戻される。第1面710は、繊維末端部4820などの繊維末端部をさらに含む。繊維末端部は、第1繊維ウェブ110を形成する繊維210の末端部を含むことができ、機械的交絡プロセスの後に第1面710を通って押し出される他の繊維ウェブ(例えば、繊維ウェブ112及び繊維ウェブ114)からの繊維の末端部を含んでもよい。
【0154】
図50は、プロセス4800を経た後の複合不織テキスタイル120の第2面810の概略図を示す。第2面810は、繊維末端部5010及びいくつかのループ5012を含む。繊維末端部5010及びループ5012は、繊維210、繊維310及び312、ならびに(使用される場合)繊維410を含んでもよい。例示的な態様では、第1面710は、ボックス4910に示されるループ4830のように、比較的大きな密度のループ(例えば、1cm
2当たりより多くのループ)を含むことができ、第2面810は、ループ5012のように、比較的小さな密度のループを含んでもよい。換言すれば、第1面710は、端部4820などの比較的小さな密度の繊維末端部を含み、第2面810は、末端部5010などの比較的大きな密度の繊維末端部を含んでもよい。
【0155】
図51は、
図49の複合不織テキスタイル120の断面を示す。図示されるように、第1面710のループ4830及び末端部4820は、複合不織テキスタイル120の中心平面5110から離れる方向に第1面710から離れる方向に延びている。同様に、末端部5010及びループ5012は、複合不織テキスタイル120の中心平面5110から離れる方向に第2面810から離れて延びている。第1面710は、第2面810と比較して、ループ4830のような比較的多くのループを含み、その結果、第1面710は、向上した抗ピリング性を有する。
【0156】
以下の項は、本明細書で想定される概念の例示的な態様を表す。次の項のいずれかを複数の従属方式で組み合わせて、1つ以上の他の項に依存させることができる。また、従属項(前の項に明示的に依存する項)の任意の組み合わせは、本願で想定される態様の範囲内を逸脱することなく、任意に組み合わせてもよい。以下の項は例示に過ぎず、限定的なものではない。
【0157】
項1 第1面と、対向する第2面とを有する非対称面複合不織テキスタイルであって、第1デニールを有する1cm2当たりの第1数の繊維と第2デニールを有する1cm2当たりの第2数の繊維を有する第1交絡繊維ウェブであって、第1デニールと第2デニールとの比が約1.5:1~約2:1の範囲であり、第1交絡繊維ウェブは第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、第3デニールを有する1cm2当たりの第3数の繊維と第4デニールを有する1cm2当たりの第4数の繊維を有する第2交絡繊維ウェブであって、第3デニールと第4デニールとの比が約0.3:1~約0.7:1の範囲であり、第2交絡繊維ウェブは第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、を含む、非対称面複合不織テキスタイル。
項2 第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、エラストマー層を通って延び、第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、項1に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項3 第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、項1又は2に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項4 第3交絡繊維ウェブは、第5デニールを有する1cm2当たりの第5数の繊維と、第6デニールを有する1cm2当たりの第6数の繊維とを含み、第5デニールと第6デニールとの比が約1.5:1~約2:1の範囲である、項3に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項5 第3交絡繊維ウェブは第1交絡繊維ウェブとエラストマー層との間に位置する、項3又は4に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項6 第3交絡繊維ウェブは第2交絡繊維ウェブとエラストマー層との間に位置する、項3又は4に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項7 第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部はエラストマー層を通って延びている、項3~6のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項8 第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、第1交絡繊維ウェブの繊維及び第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、項3~7のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項9 第1面と、対向する第2面とを有する非対称面複合不織テキスタイルであって、デニールが約1.2D~約3.5Dである1cm2当たりの第1数の繊維と、デニールが約0.6D~約1Dである1cm2当たりの第2数の繊維を有し、前記第1数の繊維が前記第2数の繊維よりも多い第1交絡繊維ウェブであって、第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、デニールが約0.6D~約1Dである1cm2当たりの第3数の繊維とデニールが約1.2D~約3.5Dである1cm2当たりの第4数の繊維を有し、第3数の繊維が第4数の繊維よりも多い第2交絡繊維ウェブであって、第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、第1交絡ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、を含む、非対称面複合不織テキスタイル。
項10 第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部はエラストマー層を通って延び、第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、項9に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項11 第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、項9又は10に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項12 第3交絡繊維ウェブは、デニールが約1.2D~約3.5Dである1cm2当たりの第5数の繊維と、デニールが約0.6D~約1Dである1cm2当たりの第6数の繊維とを含み、第5数の繊維が第6数の繊維よりも多い、項11に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項13 第3交絡繊維ウェブは第1交絡繊維ウェブとエラストマー層との間に位置する、項11又は12に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項14 第3交絡繊維ウェブは第2交絡繊維ウェブとエラストマー層との間に位置する、項11又は12に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項15 第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部はエラストマー層を通って延びている、項11~14のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項16 第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、第1交絡繊維ウェブの繊維及び第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、項11~15のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項17 非対称面複合不織テキスタイルの製造方法であって、デニールが約1.2D~約3.5Dである第1繊維ウェブと、デニールが約0.6D~約1Dである第2繊維ウェブとの間にエラストマー層を配置するステップと、第1繊維ウェブが第1交絡繊維ウェブとなり、第2繊維ウェブが第2交絡繊維ウェブとなるように、第1繊維ウェブの複数の繊維と第2繊維ウェブの複数の繊維とを機械的に交絡させるステップと、を含み、機械的交絡ステップの後に、第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部はエラストマー層を通って延び、第1交絡繊維ウェブは非対称面複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成し、第2交絡繊維ウェブは非対称面複合不織テキスタイルの対向する第2面を少なくとも部分的に形成する、非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項18 第1繊維ウェブの複数の繊維と第2繊維ウェブの複数の繊維とを機械的に交絡させる前に、第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとの間に第3繊維ウェブを配置するステップと、第3繊維ウェブが第3交絡繊維ウェブとなるように、第3繊維ウェブの複数の繊維を、第1繊維ウェブの繊維及び第2繊維ウェブの繊維とを機械的に交絡させるステップと、をさらに含む、項17に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項19 第3繊維ウェブは、デニールが約1.2D~約3.5Dである繊維を含む、項18に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項20 第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部はエラストマー層を通って延びている、項18又は19に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項21 第1面と、対向する第2面とを有する複合不織テキスタイルであって、第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、繊維の少なくとも一部がシリコーン被覆繊維を含み、第2面を少なくとも部分的に形成する第2繊維交絡ウェブと、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、第1交絡繊維ウェブ中の繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、複合不織テキスタイル。
項22 第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部はエラストマー層を通って延び、第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、項21に記載の複合不織テキスタイル。
項23 第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部はシリコーン被覆繊維を含む、項21又は22のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項24 第2交絡繊維ウェブの1cm2当たりのシリコーン被覆繊維数が、第1交絡繊維ウェブの1cm2当たりのシリコーン被覆繊維数よりも多い、項23に記載の複合不織テキスタイル。
項25 第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含み、第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、エラストマー層を通って延び、第1交絡繊維ウェブ及び第2交絡繊維ウェブのうちの1つ以上の繊維と交絡している、項21~24のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項26 第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部はシリコーン被覆繊維を含む、項25に記載の複合不織テキスタイル。
項27 第3交絡繊維ウェブの1cm2当たりのシリコーン被覆繊維数が、第2交絡繊維ウェブの1cm2当たりのシリコーン被覆繊維数よりも少ない、項26に記載の複合不織テキスタイル。
項28 複合不織テキスタイルであって、2つ以上の交絡繊維ウェブと、エラストマー層と、を含み、2つ以上の交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、複合不織テキスタイルの約10重量%~約25重量%がシリコーン被覆繊維を含む、複合不織テキスタイル。
項29 2つ以上の交絡繊維ウェブは、複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、複合不織テキスタイルの対向する第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブとを含む、項28に記載の複合不織テキスタイル。
項30 エラストマー層は第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置する、項29に記載の複合不織テキスタイル。
項31 第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、項29又は30に記載の複合不織テキスタイル。
項32 第3交絡繊維ウェブは第1交絡繊維ウェブとエラストマー層との間に位置する、項31に記載の複合不織テキスタイル。
項33 複合不織テキスタイルの製造方法であって、第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとの間にエラストマー層を配置するステップであって、第2繊維ウェブの約10重量%~約100重量%がシリコーン被覆繊維を含むステップと、第1繊維ウェブが第1交絡ウェブとなり、第2繊維ウェブが第2交絡ウェブとなるように、第1繊維ウェブの繊維の少なくとも一部及び第2繊維ウェブの繊維の少なくとも一部を機械的に交絡させるステップと、を含み、機械的交絡ステップの後に、第1交絡ウェブの繊維の少なくとも一部はエラストマー層を通って延び、第1繊維交絡ウェブは複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成し、第2交絡ウェブは複合不織テキスタイルの対向する第2面を少なくとも部分的に形成する、複合不織テキスタイルの製造方法。
項34 第1繊維ウェブはシリコーン被覆繊維を含まない、項33に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
項35 シリコーン被覆繊維はポリエチレンテレフタレート(PET)シリコーン被覆繊維を含む、項33又は34に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
項36 第1繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と第2繊維ウェブの繊維の少なくとも一部とを機械的に交絡させる前に、第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとの間に第3繊維ウェブを配置するステップと、第3繊維ウェブが第3交絡繊維ウェブとなるように、第3繊維ウェブの繊維の少なくとも一部を第1繊維ウェブの繊維及び第2繊維ウェブの繊維と機械的に交絡させるステップと、をさらに含む、項33~35のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
項37 第3繊維ウェブは、第2繊維ウェブとエラストマー層との間に位置する、項36に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
項38 第3繊維ウェブはシリコーン被覆繊維を含まない、項36~37のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
項39 第3繊維ウェブはポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を含む、項36~38のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
項40 第1繊維ウェブはポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を含む、項33~39のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
項41 第1面と、対向する第2面とを有する非対称面複合不織テキスタイルであって、前記第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているステップと、を含み、第2面は、第1交絡繊維ウェブの繊維と第2交絡繊維ウェブの繊維のうちの1つ以上によって形成される複数のループを含み、複数のループの各々の頂点は、第2面から所定距離だけ離れて延びている、非対称面複合不織テキスタイル。
項42 複数のループは第1面から離れる方向に延びている、項41に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項43 所定距離は約1.5mm~約8.1mmの範囲である、項41又は42に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項44 所定距離は約4mm~約6mmの範囲である、項41~43のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項45 第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、エラストマー層を通って延び、第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、項41~44のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項46 複数のループを形成する繊維のデニールが約0.6D~約3.5Dである、項41~45のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項47 エラストマー層の坪量が1平方メートル当たり約20g(gsm)~約150gsmである、項41~46のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項48 上記エラストマー層は熱可塑性ポリウレタンメルトブローン層又は熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマースパンボンド層のいずれか1つを含む、項41~47のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項49 第1面と、対向する第2面とを有する非対称面複合不織テキスタイルであって、前記第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、を含み、第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層から個々の繊維の遠位端まで延びる長手方向の長さを有し、個々の繊維の遠位端が第2面から離れる方向に延びている、非対称面複合不織テキスタイル。
項50 個々の繊維の遠位端は、ループの末端又は頂点のうちの1つを含む、項49に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項51 個々の繊維の遠位端は、第2面から約1.5mm~約8.1mm延びている、項49又は50に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項52 エラストマー層から個々の繊維の遠位端まで延びる第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、約0.6D~約3.5Dのデニールを有する、項49~51のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項53 エラストマー層の坪量が1平方メートル当たり約20g(gsm)~約150gsmである、項49~52のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項54 エラストマー層は、熱可塑性ポリウレタンメルトブローン層(meltblown layer)又は熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマースパンボンド層(spunbond layer)のいずれか1つを含む、項49~53のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項55 非対称面複合不織テキスタイルの製造方法であって、第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとの間にエラストマー層を配置するステップと、第1繊維ウェブが第1交絡ウェブとなり、第2繊維ウェブが第2交絡ウェブとなるように、第1繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と第2繊維ウェブの繊維の少なくとも一部とを機械的に交絡させるステップであって、第1繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延びるステップと、エラストマー層から個々の繊維の遠位端まで延びる長手方向長さを有するように第2交絡ウェブの繊維の少なくとも一部を配向するステップであって、個々の繊維の遠位端が、第2交絡ウェブの表面から離れる方向に延びているステップと、を含む、非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項56 個々の繊維の遠位端は、ループの末端又は頂点の1つを含む、項55に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項57 個々の繊維の遠位端は、第2交絡ウェブの表面~約1.5mm~約8.1mm延びている、項55又は56に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項58 エラストマー層から個々の繊維の遠位端まで延びる第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、約0.6D~約3.5Dのデニールを有する、項55~57のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項59 エラストマー層の坪量が1平方メートル当たり約20g(gsm)~約150gsmである、項55~58のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項60 エラストマー層は、熱可塑性ポリウレタンメルトブローン層又は熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマースパンボンド層のいずれか1つを含む、項55~59のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項61 少なくとも1つの繊維ウェブと1つのエラストマー層とを含む複合不織テキスタイルであって、1平方メートル当たり約40g(gsm)~約250gsmの坪量と、約55RCT~約90RCTの熱抵抗と、静止長さの約10%以下の縦方向の成長と、静止幅の約10%以下の横方向の成長と、静止長さ及び静止幅の約10%以内の縦方向及び横方向の回復と、を含む、複合不織テキスタイル。
項62 坪量は約150gsm~約190gsmである、項61に記載の複合不織テキスタイル。
項63 少なくとも1つのウェブは、少なくとも第1交絡繊維ウェブと、第2交絡繊維ウェブとを含み、エラストマー層は第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置する、項61又は62に記載の複合不織テキスタイル。
項64 少なくとも1つの繊維ウェブは、第2交絡繊維ウェブとエラストマー層との間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、項63に記載の複合不織テキスタイル。
項65 第1交絡繊維ウェブは複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成し、第2交絡繊維ウェブは複合不織テキスタイルの対向する第2面を少なくとも部分的に形成する、項63又は64に記載の複合不織テキスタイル。
項66 第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部はエラストマー層を通って延びている、項63~65のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項67 さらに約1.5mm~約3mmの厚さを有する、項61~66のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項68 さらに約0.1Kgf~約0.4Kgfの剛性を有する、項61~67のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項69 少なくとも1つの繊維ウェブと1つのエラストマー層とを含む複合不織テキスタイルであって、約1.5mm~約3mmの厚さと、約55RCT~約90RCTの熱抵抗と、静止長さの約10%以下の縦方向の成長と、静止幅の約10%以下の横方向の成長と、静止長さ及び静止幅の約10%以内の縦方向及び横方向の回復と、を含む、複合不織テキスタイル。
項70 さらに1平方メートル当たり約40g(gsm)~約250gsmの坪量を有する項69に記載の複合不織テキスタイル。
項71 坪量は約150gsm~約190gsmである、項69又は70に記載の複合不織テキスタイル。
項72 さらに約0.1Kgf~約0.4Kgfの剛性を有する、項69~71のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項73 少なくとも1つの繊維ウェブは、少なくとも第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとを含み、エラストマー層は第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に位置する、項69~72のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項74 少なくとも1つの繊維ウェブは、第2交絡繊維ウェブとエラストマー層との間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、項73に記載の複合不織テキスタイル。
項75 複合不織テキスタイルの製造方法であって、少なくとも第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとの間にエラストマー層を配置するステップと、1平方メートル当たり約40g(gsm)~約250gsmの坪量と約55RCT~約90RCTの熱抵抗とを有する複合不織テキスタイルを製造するために、交絡パラメータを選択するステップと、選択した交絡パラメータに基づいて、第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとを機械的に交絡させるステップと、を含む複合不織テキスタイルの製造方法。
項76 機械的交絡ステップの前に、第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとの間に第3繊維ウェブを配置するステップと、選択した交絡パラメータに基づいて、第3繊維ウェブからの繊維を、第1繊維ウェブからの繊維及び第2繊維ウェブからの繊維と機械的に交絡させるステップと、をさらに含む、項75に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
項77 エラストマー層、第1繊維ウェブ、第2繊維ウェブ及び第3繊維ウェブの各々の坪量は1平方メートル当たり約20g(gsm)~約150gsmである、項76に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
項78 約0.1Kgf~約0.4Kgfの剛性を得るために交絡パラメータをさらに選択する、項75~77のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
項79 約1.5mm~約3mmの厚さを得るために交絡パラメータをさらに選択する、項75~78のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
項80 機械的交絡ステップの後に、第1繊維ウェブ中の繊維の少なくとも一部と第2繊維ウェブ中の繊維の少なくとも一部はエラストマー層を通って延びている、項75~79のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
項81 少なくとも部分的に第1交絡繊維ウェブによって形成され、第1色特性と、第1色特性とは異なる第2色特性とを有する第1面と、少なくとも部分的に第2交絡繊維ウェブによって形成され、第1色特性と第2色特性とを有する第2面であって、第2色特性を有する繊維が、対向する面と比較して、第1面又は第2面の一方の単位面積当たりにより多く存在する、第2面と、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しており、第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、を含む、非対称面複合不織テキスタイル。
項82 第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、項81に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項83 第3交絡繊維ウェブは第2繊維交絡ウェブとエラストマー層との間に位置する、項82に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項84 第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部はエラストマー層を通って延び、第2繊維交絡ウェブの繊維と交絡している、項82又は83に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項85 第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、第1繊維交絡ウェブの繊維と交絡している、項82~84のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項86 エラストマー層は第1色特性を有する、項81~85のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項87 少なくとも部分的に第1交絡繊維ウェブによって形成され、第1色特性と、第1色特性とは異なる第2色特性とを有する第1面と、少なくとも部分的に第2交絡繊維ウェブによって形成され、第1色特性と第2色特性とを有する対向する第2面であって、第2色特性を有する繊維が、対向する面と比較して、第1面又は第2面の一方の単位面積当たりにより多く存在する、第2面と、第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブと、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部、第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部、及び第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、対応する他の交絡ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、を含む、非対称面複合不織テキスタイル。
項88 第3交絡繊維ウェブは第2交絡ウェブとエラストマー層との間に位置する、項87に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項89 非対称面複合不織テキスタイルの製造方法であって、第1色特性を有する第1繊維ウェブと第1色特性を有する第2繊維ウェブとの間に第2色特性を有する第3繊維ウェブを配置するステップと、第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとの間に第1色特性又は第2色特性のいずれかを有するエラストマー層を配置するステップと、第3繊維ウェブの第1数の繊維を、第1繊維ウェブの繊維の少なくとも一部に機械的に交絡させ、第3繊維ウェブの第2数の繊維を、第2繊維ウェブの繊維の少なくとも一部に機械的に交絡させるステップと、を含む、非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項90 第3繊維ウェブは、第2繊維ウェブとエラストマー層との間に位置する、項89に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項91 第3繊維ウェブの繊維は、約1.2D~約3.5Dのデニールを有する、項89又は90のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項92 第1繊維ウェブの繊維は、約1.2D~約3.5Dのデニールを有する、項89~91のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項93 第2繊維ウェブの繊維は、約0.6D~約1Dのデニールを有する、項89~93のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項94 第1繊維ウェブの繊維が第1色特性を有し、第2繊維ウェブの繊維が第1色特性を有し、第3繊維ウェブの繊維が第2色特性を有するように、第1繊維ウェブ、第2繊維ウェブ、及び第3繊維ウェブの各々の繊維が原液染めされている、項89~93のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項95 第1繊維ウェブ、第2繊維ウェブ及び第3繊維ウェブの各々の繊維はポリエチレンテレフタレート(PET)繊維である、項89~94のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項96 非対称面複合不織テキスタイルは後染めされていない、項89~95のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項97 機械的交絡はニードルパンチを含む、項89~96のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項98 第1繊維交絡ウェブは非対称面複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成し、第2繊維交絡ウェブは非対称面複合不織テキスタイルの第2面を少なくとも部分的に形成する、項89に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項99 機械的交絡ステップの後に、第1面は第1色特性と第2色特性を有し、第2面は第1色特性と第2色特性を有し、第2色特性を有する繊維が、対向する面と比較して、第1面又は第2面の一方の単位面積当たりにより多く存在する、項98に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
項100 第1面と、第2面よりも大きなステッチ密度を有する対向する第2面とを有する非対称面複合不織テキスタイルであって、第1時点では、第1面は1cm2当たりの第1数のピルを有し、第2面は1cm2当たりの第2数のピルを有し、第1時点よりも後の第2時点では、第1面は1cm2当たりの第1数よりも大きい1cm2当たりの第3数である1cm2当たりの第3数のピルを有し、第2面は1cm2当たりの第2数よりも大きい1cm2当たりの第4数のピルであって、1cm2当たりの第3数よりも大きい1cm2当たりの第3数よりも大きい1cm2当たりの第4数のピルを有する、非対称面複合不織テキスタイル。
項101 第1面は少なくとも部分的に第1交絡繊維ウェブから形成されている、項100に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項102 第2面は少なくとも部分的に第2交絡繊維ウェブから形成されている、項100又は101に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項103 第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層を含む、項102に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項104 第2面はシリコーン被覆繊維を含む、項100~103のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項105 衣料物品の少なくとも一部を形成し、外向き面と、外向き面よりも小さいステッチ密度を有する内向き面とを有する複合不織テキスタイルを含む衣料物品であって、第1時点では、外向き面は1cm2当たりの第1数のピルを有し、内向き面は、1cm2当たりの第2数のピルを有し、第1時点よりも後の第2時点では、外向き面は、1cm2当たりの第1数よりも大きい1cm2当たりの第3数である1cm2当たりの第3数のピルを有し、内向き面は、1cm2当たりの第2数よりも大きい1cm2当たりの第4数であって、1cm2当たりの第3数よりも大きい1cm2当たりの第4数である1cm2当たりの第4数のピルを有する、衣料物品。
項106 複合不織テキスタイルの外向き面は、少なくとも部分的に第1交絡繊維ウェブから形成されている、項105に記載の衣料物品。
項107 第1交絡繊維ウェブは第1ステッチ密度を有する、項106に記載の衣料物品。
項108 複合不織テキスタイルの外向き面は、衣料物品の最外向き面である、項105~107のいずれか1項に記載の衣料物品。
項109 複合不織テキスタイルの内向き面は、少なくとも部分的に第2交絡繊維ウェブから形成されている、項105~108のいずれか1項に記載の衣料物品。
項110 第2交絡繊維ウェブは、第1ステッチ密度よりも小さい第2ステッチ密度を有する、項107に記載の衣料物品。
項111 複合不織テキスタイルの内向き面は衣料物品の最内向き面である、項105~110のいずれか1項に記載の衣料物品。
項112 複合不織テキスタイルは、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層を含む、項106~111のいずれか1項に記載の衣料物品。
項113 複合不織テキスタイルの内向き面はシリコーン被覆繊維を含む、項105~112のいずれか1項に記載の衣料物品。
項114 第1面と、対向する第2面とを有する非対称面複合不織テキスタイルであって、非対称面複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成し、第1ステッチ密度を有する第1交絡繊維ウェブと、非対称面複合不織テキスタイルの第2面を少なくとも部分的に形成し、第1ステッチ密度よりも小さい第2ステッチ密度を有する第2交絡繊維ウェブと、を含み、第2交絡繊維ウェブはシリコーン被覆繊維を含む、非対称面複合不織テキスタイル。
項115 第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層をさらに含む、項114に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項116 第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部はエラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、項115に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項117 第2交絡繊維ウェブの繊維のうちの少なくとも一部はエラストマー層を通って延び、第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、項115~117のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項118 第1時点では、第1面は、1cm2当たりの第1数のピルを有し、第2面は、1cm2当たりの第2数のピルを有し、第1時点よりも後の第2時点では、第1面は、1cm2当たりの第1数よりも大きい1cm2当たりの第3数である1cm2当たりの第3数のピルを有し、第2面は、1cm2当たりの第2数よりも大きい1cm2当たりの第4数であって、1cm2当たりの第3数よりも大きい1cm2当たりの第4数である1cm2当たりの第4数のピルを有する、項114~117のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
項119 外向き面と、対向する内向き面とを有する非対称面複合不織テキスタイル衣料品であって、外向き面を少なくとも部分的に形成し、1cm2当たりの第1平均デニールを有する第1交絡繊維ウェブと、内向き面を少なくとも部分的に形成し、1cm2当たりの第1平均デニールよりも小さい1cm2当たりの第2平均デニールを有する第2交絡繊維ウェブと、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と交絡しているエラストマー層と、を含む非対称面複合不織テキスタイル衣料品。
項120 1cm2当たりの第1平均デニールは約1.1D~約1.4Dである、項119に記載の非対称面複合不織テキスタイル衣料品。
項121 1cm2当たりの第2平均デニールは約0.9D~約1Dである、項119又は120に記載の非対称面複合不織テキスタイル衣料品。
項122 第1交絡繊維ウェブは、第1デニールを有する1cm2当たりの第1数の繊維と第2デニールを有する1cm2当たりの第2数の繊維を有し、第1デニールと第2デニールとの比が約1.5:1~約2:1である、項119~121のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル衣料品。
項123 1cm2当たりの第1数の繊維は、1cm2当たりの第2数の繊維よりも多い、項122に記載の非対称面複合不織テキスタイル衣料品。
項124 1cm2当たりの第1数の繊維は、約1.2D~約3.5Dのデニールを有し、1cm2当たりの第2数の繊維は、約0.6D~約1Dのデニールを有する、項122又は123に記載の非対称面複合不織テキスタイル衣料品。
項125 第2交絡繊維ウェブは、第3デニールを有する1cm2当たりの第3数の繊維と第4デニールを有する1cm2当たりの第4数の繊維を有し、第3デニールと第4デニールとの比が約0.3:1~約0.7:1の範囲である、項122~124のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル衣料品。
項126 1cm2当たりの第3数の繊維は、1cm2当たりの第4数の繊維よりも多い、項125に記載の非対称面複合不織テキスタイル衣料品。
項127 1cm2当たりの第3数の繊維は約0.6D~約1Dのデニールを有し、1cm2当たりの第4数の繊維は約1.2D~約3.5Dのデニールを有する、項125又は126に記載の非対称面複合不織テキスタイル衣料品。
項128 外向き面と、対向する内向き面とを有する非対称面複合不織テキスタイル衣料品であって、外向き面を少なくとも部分的に形成し、1cm2当たりの第1平均デニールを有する第1交絡繊維ウェブと、第1平均デニールよりも小さい1cm2当たり第2平均デニールを有し、内向き面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブと、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と交絡しているエラストマー層と、を含む、非対称面複合不織テキスタイル衣料品。
項129 1cm2当たりの第1平均デニールは約1.1D~約1.4Dである、項128に記載の非対称面複合不織テキスタイル衣料品。
項130 1cm2当たりの第2平均デニールは約0.9D~約1Dである、項128又は129に記載の非対称面複合不織テキスタイル衣料品。
項131 第3交絡繊維ウェブは、1cm2当たりの第2平均デニールよりも大きい1cm2当たりの第3平均デニールを有する、項128~130のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル衣料品。
項132 第3交絡繊維ウェブは第2交絡繊維ウェブとエラストマー層との間に位置する、項128~131のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル衣料品。
項133 第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、対向する第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、第1面と第2面との間に位置するエラストマー層とを含む非対称面複合不織テキスタイルから衣料品を形成するステップを含む衣料品の製造方法であって、第1交絡繊維ウェブを形成する繊維は第1セットの特性を有し、第2交絡繊維ウェブを形成する繊維は第1セットの特性とは異なる第2セットの特性を有し、非対称面複合不織テキスタイルの第1面は衣料品の外向き面を形成し、非対称面複合不織テキスタイルの第2面は衣料品の内向き面を形成する、衣料品の製造方法。
項134 第1セットの特性及び第2セットの特性は、繊維デニール、色及びコーティングのうちの1つ以上を含む、項133に記載の衣料品の製造方法。
項135 コーティングはシリコーンコーティングを含む、項134に記載の衣料品の製造方法。
項136 第1交絡繊維ウェブからの繊維の少なくとも一部はエラストマー層を通って延びている、項133~135のいずれか1項に記載の衣料品の製造方法。
項137 第2交絡繊維ウェブからの繊維の少なくとも一部はエラストマー層を通って延びている、項133~136のいずれか1項に記載の衣料品の製造方法。
項138 非対称面複合不織テキスタイルは、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブを含む、項133~137のいずれか1項に記載の衣料品の製造方法。
項139 第3交絡繊維ウェブを形成する繊維は、第1セットの特性及び第2セットの特性とは異なる第3セットの特性を有する、項138に記載の衣料品の製造方法。
項140 第1面と、対向する第2面とを有する複合不織テキスタイルであって、複数の離散化学結合部位を含む第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、を含む複合不織テキスタイル。
項141 第2面に離散化学結合部位が存在しない、項140に記載の複合不織テキスタイル。
項142 複数の離散化学結合部位は、組成的には、ポリウレタンバインダの油性分散液(oil-based dispersion)、シリカを含む分散液中のポリウレタンバインダ、及びそれらの組み合わせを含む、項140又は141に記載の複合不織テキスタイル。
項143 少なくとも第1交絡繊維ウェブの繊維同士は、複数の離散化学結合部位で接着されている、項140~142のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項144 第1面は第1色を含み、複数の離散化学結合部位は第1色とは異なる第2色を含む、項140~143のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項145 複数の離散化学結合部位の各々の大きさが約0.1mm~約1mmの範囲である、項140~144のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項146 複数の離散化学結合部位のうち、隣接する結合部位間の距離が約0.5mm~約6mmの範囲である、項140~145のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項147 第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部はエラストマー層を通って延び、第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、項140~146のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項148 第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、項140~147のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項149 第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、第1交絡繊維ウェブの繊維及び第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、項148に記載の複合不織テキスタイル。
項150 エラストマー層は、熱可塑性ポリウレタンメルトブローン層又は熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマースパンボンド層の1つ以上を含む、項140~149のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項151 外向き面と、対向する内向き面とを有する不織テキスタイル衣料品であって、不織テキスタイル衣料品の第1位置に配置された複数の第1離散化学結合部位を含む外向き面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、内向き面を少なくとも部分的に形成する第2繊維交絡ウェブと、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と交絡しているエラストマー層と、を含む、不織テキスタイル衣料品。
項152 内向き面に離散化学結合部位が存在しない、項151に記載の不織テキスタイル衣料品。
項153 外向き面は、不織テキスタイル衣料品の第1位置とは異なる第2位置に配置された複数の第2離散化学結合部位をさらに含む、項151又は152に記載の不織テキスタイル衣料品。
項154 第1位置における複数の第1離散化学結合部位の密度が、第2位置における複数の第2離散化学結合部位の密度と異なる、項153に記載の不織テキスタイル衣料品。
項155 複数の第1離散化学結合部位は、組成的には、ポリウレタンバインダの油性分散液、シリカを含む分散液中のポリウレタンバインダ、及びそれらの組み合わせを含む、項151~154のいずれか1項に記載の不織テキスタイル衣料品。
項156 複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成する第1繊維交絡ウェブと、複合不織テキスタイルの対向する第2面を少なくとも部分的に形成する第2繊維交絡ウェブと、第1繊維交絡ウェブと第2繊維交絡ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、第1繊維交絡ウェブからの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、第2繊維交絡ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、を含む複合不織テキスタイルの仕上げ方法であって、複合不織テキスタイルの第1面に化学バインダを所定パターンで塗布して、複合不織テキスタイルの第1面に複数の離散化学結合部位を作成するステップを含む、複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
項157 輪転グラビア印刷プロセスを用いて化学バインダを塗布する、項156に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
項158 デジタル印刷プロセスを用いて化学バインダを塗布する、項156又は157に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
項159 複合不織テキスタイルの第2面に化学バインダを塗布しない、項156~158のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
項160 化学バインダは、ポリウレタンバインダの油性分散液、組成的には、シリカを含む分散液中のポリウレタンバインダ、及びこれらの組み合わせを含む、項156~159のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
項161 化学バインダは約0.1mm~約0.2mmの厚さで塗布されている、項156~160のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
項162 第1面と、対向する第2面とを有する複合不織テキスタイルであって、第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、第1面と第2面との間に位置する熱結合構造を含む複数の離散熱結合部位であって、第1交絡繊維ウェブからの繊維が熱結合構造から延びる熱結合構造と、を含む複合不織テキスタイル。
項163 熱結合構造の各々は、第2面に向かって延びる方向に第1面に対してずれており、熱結合構造の各々は、第1面に向かって延びる方向に第2面に対してずれている、項162に記載の複合不織テキスタイル。
項164 第1面に対するズレ(offset)の第1平均深さが、第2面に対するズレの第2平均深さと異なる、項163に記載の複合不織テキスタイル。
項165 熱結合構造の各々は、少なくともフィルム形態の第1交絡繊維ウェブからの繊維を含む、項162~164のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項166 熱結合構造の各々は、フィルム形態の第2交絡繊維ウェブからの繊維と、フィルム形態のエラストマー層の一部とのうちの1つ以上を含む、項162~165のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項167 隣接する離散熱結合部位間の距離が、少なくとも第1交絡繊維ウェブにおける繊維の長さよりも小さい、項162~166のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項168 複合不織テキスタイルの第1面に位置する複数の離散化学結合部位をさらに含む、項162~167のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項169 第2面に離散化学結合部位が存在しない、項168に記載の複合不織テキスタイル。
項170 少なくとも第1交絡繊維ウェブからの繊維同士は、複数の離散化学結合部位で接着されている、項168又は169に記載の複合不織テキスタイル。
項171 複数の離散化学結合部位は、複合不織テキスタイルの第1面の第1位置に配置され、複数の離散熱結合部位は複合不織テキスタイルの第1位置とは異なる第2位置に配置される、項168~170のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項172 第1位置は、第2位置から離れており、かつ第2位置とは異なる、項171に記載の複合不織テキスタイル。
項173 第1面と、対向する第2面とを有する複合不織テキスタイルであって、第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、各々が第2面に向かって延びる方向に第1面に対して第1深さだけずれている第1熱結合構造を含み、第1熱結合構造の各々がフィルム形態の第1交絡繊維ウェブからの繊維を含む複数の第1離散熱結合部位と、各々が第2面に向かって延びる方向に第1面に対して第1深さとは異なる第2深さだけずれている第2熱結合構造を含み、第2熱結合構造の各々がフィルム形態の第2交絡繊維ウェブからの繊維を含む複数の第2離散熱結合部位と、を含む、複合不織テキスタイル。
項174 複数の第1離散熱結合部位は複数の第1位置に配置され、複数の第2離散熱結合部位は第1位置とは異なる複数の第2位置に配置される、項173に記載の複合不織テキスタイル。
項175 第1熱結合構造の各々は、第1面に向かって延びる方向に第2面に対して第1深さとは異なる第3深さだけずれている、項173又は174に記載の複合不織テキスタイル。
項176 第2熱結合構造の各々は、第1面に向かって延びる方向に第2面に対して第2深さとは異なる第4深さだけずれている、項173~175のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項177 第3深さは第4深さとは異なる、項175~176のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項178 第1熱結合構造の各々は、フィルムの形態の第2交絡繊維ウェブからの繊維をさらに含む、項173~177のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項179 第2熱結合構造の各々は、フィルムの形態の第1交絡繊維ウェブからの繊維をさらに含む、項173~178のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項180 エラストマー層は、熱可塑性ポリウレタンメルトブローン層又は熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマースパンボンド層の1つ以上を含む、項173~179のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項181 第1熱結合構造の各々及び第2熱結合構造の各々は、フィルム形態のエラストマー層の一部を含む、項173~180のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項182 外向き面と、対向する内向き面とを有する不織テキスタイル衣料品であって、外向き面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、内向き面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と交絡しているエラストマー層と、不織テキスタイル衣料品の第1位置に配置された複数の第1離散熱結合部位であって、複数の第1離散熱結合部位の各々は内向き面に向かって延びる方向に外向き面に対してずれている第1熱結合構造を含み、第1熱結合構造の各々は、フィルム形態の第1交絡繊維ウェブからの繊維を含む複数の第1離散熱結合部位と、を含む、不織テキスタイル衣料品。
項183 外向き面は、不織テキスタイル衣料品の第1位置とは異なる第2位置に配置された複数の第2離散熱結合部位をさらに含む、項182に記載の不織テキスタイル衣料品。
項184 複数の第1離散熱結合部位の密度が複数の第2離散熱結合部位の密度と異なる、項183に記載の不織テキスタイル衣料品。
項185 複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、複合不織テキスタイルの対向する第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、第1交絡繊維ウェブからの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層とを含む複合不織テキスタイルの仕上げ方法であって、第1所定パターンで複数の離散熱結合部位を形成するステップであって、複数の離散熱結合部位の各々は、第2面に向かって延びる方向に第1面に対してずれている熱結合構造を含み、熱結合構造の各々は、フィルム形態の少なくとも第1交絡繊維ウェブからの繊維を含むステップを含む、複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
項186 複数の離散熱結合部位はインプレッションローラと超音波ホーンとを含む超音波結合システムを用いて形成される、項185に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
項187 複合不織テキスタイルの第1面がインプレッションローラに接触し、複合不織テキスタイルの第2面が超音波ホーンに接触するように、複合不織テキスタイルを超音波結合システム内に配置する、項186に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
項188 複合不織テキスタイルの第2面がインプレッションローラに接触し、複合不織テキスタイルの第1面が超音波ホーンに接触するように、複合不織テキスタイルを超音波結合システム内に配置する、項186に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
項189 複合不織テキスタイルの第1面に第2所定パターンの化学バインダを塗布して、複合不織テキスタイルの第1面に複数の離散化学結合部位を作成するステップをさらに含む、項185~188のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
項190 第2所定パターンは、第1所定パターンとは異なる、項189に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
項191 複合不織テキスタイルの第2面に化学バインダを塗布しない、項189又は190に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
項192 化学バインダは、複数の離散熱結合部位を形成する前に塗布される、項189~191のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
項193 化学バインダは、複数の離散熱結合部位を形成した後に塗布される、項189~191のいずれかに記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
項194 複合不織テキスタイルの製造方法であって、第1機械的交絡ステップにおいて、第1繊維ウェブの第1面から第1繊維ウェブの対向する第2面に向かって延びる方向に、第1繊維ウェブの複数の繊維を機械的に交絡させるステップと、第1機械的交絡ステップの後に、エラストマー層が第1繊維ウェブの第1面に隣接して配置されるように、第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとの間にエラストマー層を配置するステップと、第2機械的交絡ステップで、第1繊維ウェブが第1交絡繊維ウェブとなり、第2繊維ウェブが第2交絡繊維ウェブとなるように、第1繊維ウェブの複数の繊維と第2繊維ウェブの複数の繊維とを機械的に交絡させるステップと、を含む、第2機械的交絡ステップの後に、第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延びている、複合不織テキスタイルの製造方法。
項195 第2機械的交絡ステップの後に、第1繊維ウェブの第2面は複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成する、項194に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
項196 複合不織テキスタイルから衣料品を形成するステップをさらに含み、複合不織テキスタイルの第1面は衣料品の外向き面を形成する、項195に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
項197 第2機械的交絡ステップの前の第1繊維ウェブのステッチ密度が、第2機械的交絡ステップの前の第2繊維ウェブのステッチ密度よりも大きい、項194~196のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
項198 第2機械的交絡ステップの前の第1繊維ウェブのステッチ密度が、第2機械的交絡ステップの前の第2繊維ウェブのステッチ密度の少なくとも2倍である、項194~197のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
項199 第1面と、対向する第2面とを有する複合不織テキスタイルであって、繊維端部の第1密度を有する第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、繊維端部の第1密度よりも大きい繊維端部の第2密度を有する第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、を含む、複合不織テキスタイル。
項200 第1面の繊維端部は、第1面から離れる方向に、かつ複合不織テキスタイルの中心平面から離れる方向に延びている、項199に記載の複合不織テキスタイル。
項201 第2面の繊維端部は、第2面から離れる方向に、かつ複合不織テキスタイルの中心平面から離れる方向に延びている、項199又は200に記載の複合不織テキスタイル。
項202 第1面は繊維ループの第1密度を有し、第2面は繊維ループの第1密度よりも小さい繊維ループの第2密度を有する、項199~201のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項203 第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部はエラストマー層を通って延び、第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、項199~202のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項204 第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、項199~203のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項205 第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、第1交絡繊維ウェブの繊維及び第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、項204に記載の複合不織テキスタイル。
項206 エラストマー層は、熱可塑性ポリウレタンメルトブローン層又は熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマースパンボンド層の1つ以上を含む、項199~205のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
項207 第1面と、対向する第2面とを有する複合不織テキスタイルであって、第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブであって、第1面が第2面よりも低い繊維末端の密度を有する第2交絡繊維ウェブと、第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部がエラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、複合不織テキスタイル。
項208 第1面の繊維端部は、第1面から離れる方向に、かつ複合不織テキスタイルの中心平面から離れる方向に延びている、項207に記載の複合不織テキスタイル。
項209 第2面の繊維端部は、第2面から離れる方向に、かつ複合不織テキスタイルの中心平面から離れる方向に延びている、項207又は208に記載の複合不織テキスタイル。
項210 第1面は、第2面よりも高い繊維ループの密度を含む、項207~209のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【0158】
本開示の態様は、限定的ではなく、例示的な目的で説明される。当業者には、その範囲から逸脱しない別の態様が明らかになるであろう。当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、上記改良を実現する代替手段を開発することもできる。
【0159】
特定の特徴及びサブコンビネーションは有用であり、他の特徴及びサブコンビネーションを参照せずに利用される場合があり、特許請求の範囲内で企図されることが理解されるであろう。様々な図に記載されているすべてのステップを、記載されている特定の順序で実行する必要はない。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、対向する第2面とを有する複合不織テキスタイルであって:複数の離散化学結合部位を含む前記第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと;前記第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと;前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、エラストマー層と;を含む、複合不織テキスタイル。
【請求項2】
前記第2面に離散化学結合部位が存在しない、請求項1に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項3】
前記複数の離散化学結合部位は、組成的には、ポリウレタンバインダの油性分散液、シリカを含む分散液中のポリウレタンバインダ、及びこれらの組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項4】
少なくとも前記第1交絡繊維ウェブの繊維同士は、前記複数の離散化学結合部位で接着されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項5】
前記第1面は第1色を含み、前記複数の離散化学結合部位は前記第1色とは異なる第2色を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項6】
前記複数の離散化学結合部位の各々のサイズが約0.1mm~約1mmの範囲である、請求項1~5のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項7】
前記複数の離散化学結合部位のうち、隣接する結合部位間の距離が約0.5mm~約6mmの範囲である、請求項1~6のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項8】
前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記エラストマー層を通って延び、前記第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、請求項1~7のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項9】
前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項10】
前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記第1交絡繊維ウェブの繊維及び第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、請求項9に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項11】
前記エラストマー層は、熱可塑性ポリウレタンメルトブローン層又は熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマースパンボンド層のうちの1つ以上を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項12】
外向き面と、対向する内向き面とを有する不織テキスタイル衣料品であって:前記不織テキスタイル衣料品の第1位置に配置された複数の第1離散化学結合部位を含む前記外向き面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと;前記内向き面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと;前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と交絡している、エラストマー層と;を含む、不織テキスタイル衣料品。
【請求項13】
前記内向き面に離散化学結合部位が存在しない、請求項12に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項14】
前記外向き面は、前記不織テキスタイル衣料品の前記第1位置とは異なる第2位置に配置された複数の第2離散化学結合部位をさらに含む、請求項12又は13に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項15】
前記複数の第1離散化学結合部位の密度が前記複数の第2離散化学結合部位の密度と異なる、請求項14に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項16】
前記複数の第1離散化学結合部位は、組成的には、ポリウレタンバインダの油性分散液、シリカを含む分散液中のポリウレタンバインダ、及びこれらの組み合わせを含む、請求項12~15のいずれか1項に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項17】
複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、前記複合不織テキスタイルの対向する第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブからの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、を含む複合不織テキスタイルの仕上げ方法であって:前記複合不織テキスタイルの前記第1面に化学バインダを所定パターンで塗布して、前記複合不織テキスタイルの前記第1面に複数の離散化学結合部位を作成するステップを含む、複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項18】
輪転グラビア印刷プロセスを用いて前記化学バインダを塗布する、請求項17に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項19】
デジタル印刷プロセスを用いて前記化学バインダを塗布する、請求項17又は18に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項20】
前記複合不織テキスタイルの前記第2面に化学バインダを塗布しない、請求項17~19のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項21】
第1面と、対向する第2面とを有する複合不織テキスタイルであって:前記第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと;前記第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと;前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、エラストマー層と;各々が前記第1面と前記第2面との間に位置
し、かつ前記第1面よりも前記第2面の近くにずれている熱結合構造を含む、複数の離散熱結合部位であって、前記第1交絡繊維ウェブからの繊維が前記熱結合構造の各々から延びる、複数の離散熱結合部位と;を含む、複合不織テキスタイル。
【請求項22】
前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、請求項21に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項23】
前記熱結合構造の各々は、少なくともフィルム形態の前記第3交絡繊維ウェブからの繊維を含む、請求項
22に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項24】
前記熱結合構造の各々は、少なくともフィルム形態の前記第1交絡繊維ウェブからの繊維を含む、請求項21~23のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項25】
前記熱結合構造の各々は、フィルム形態の前記第2交絡繊維ウェブからの繊維と、フィルム形態の前記エラストマー層の一部とのうちの1つ以上を含む、請求項21~24のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項26】
隣接する離散熱結合部位間の距離が、少なくとも第1交絡繊維ウェブにおける繊維の長さよりも小さい、請求項21~25のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項27】
外向き面と、対向する内向き面とを有する不織テキスタイル衣料品であって:前記外向き面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと;前記内向き面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと;前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と交絡している、エラストマー層と;前記不織テキスタイル衣料品の第1位置に配置された複数の第1離散熱結合部位であって、前記複数の第1離散熱結合部位の各々は前記内向き面に向かって延びる方向に前記外向き面に対してずれている第1熱結合構造を含み、前記第1熱結合構造の各々はフィルム形態の前記第1交絡繊維ウェブからの繊維を含む、複数の第1離散熱結合部位と;を含む、不織テキスタイル衣料品。
【請求項28】
前記外向き面は、前記不織テキスタイル衣料品の前記第1位置とは異なる第2位置に配置された複数の第2離散熱結合部位をさらに含む、請求項27に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項29】
前記複数の第1離散熱結合部位の密度が前記複数の第2離散熱結合部位の密度と異なる、請求項28に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項30】
前記外向き面に対する前記第1熱結合構造のズレの第1平均深さが、前記内向き面に対する前記第1熱結合構造のズレの第2平均深さと異なる、請求項27~29のいずれか1項に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項31】
前記第1交絡繊維ウェブからの繊維は前記第1熱結合構造の各々から延びている、請求項27~30のいずれか1項に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項32】
前記第1熱結合構造の各々は、フィルム形態の前記第2交絡繊維ウェブからの繊維と、フィルム形態の前記エラストマー層の一部とのうちの1つ以上を含む、請求項27~31のいずれか1項に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項33】
前記複数の第1離散熱結合部位のうち、隣接する離散熱結合部位間の距離が、少なくとも前記第1交絡繊維ウェブにおける繊維の長さよりも小さい、請求項27~32のいずれか1項に記載の不織テキスタイル衣料品。
【請求項34】
複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、前記複合不織テキスタイルの対向する第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと、前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブからの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と、を含む複合不織テキスタイルの仕上げ方法であって:第1所定パターンで複数の離散熱結合部位を形成するステップであって、前記複数の離散熱結合部位の各々は、前記第2面に向かって延びる方向に前記第1面に対してずれている熱結合構造を含み、前記熱結合構造の各々は、少なくともフィルム形態の前記第1交絡繊維ウェブからの繊維を含むステップを含む、複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項35】
前記複数の離散熱結合部位はインプレッションローラと超音波ホーンとを含む超音波結合システムを用いて形成される、請求項34に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項36】
前記複合不織テキスタイルの第1面が前記インプレッションローラに接触し、前記複合不織テキスタイルの第2面が超音波ホーンに接触するように、前記複合不織テキスタイルを前記超音波結合システム内に配置する、請求項35に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項37】
前記複合不織テキスタイルの第2面が前記インプレッションローラに接触し、前記複合不織テキスタイルの第1面が前記超音波ホーンに接触するように、前記複合不織テキスタイルを前記超音波結合システム内に配置する、請求項35に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項38】
前記第1交絡繊維ウェブからの繊維は前記熱結合構造の各々から延びている、請求項34~37のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項39】
前記熱結合構造の各々は、前記第1面に向かって延びる方向に前記第2面に対してずれている、請求項34~38のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項40】
前記第1面に対するズレの第1平均深さが、前記第2面に対するズレの第2平均深さと異なる、請求項39に記載の複合不織テキスタイルの仕上げ方法。
【請求項41】
第1面と、対向する第2面とを有する非対称面複合不織テキスタイルであって:第1デニールを有する1cm
2当たりの第1数の繊維と第2デニールを有する1cm
2当たりの第2数の繊維を有する第1交絡繊維ウェブであって、前記第1デニールと前記第2デニールとの比が約1.5:1~約2:1の範囲であり、前記第1交絡繊維ウェブは前記第1面を少なくとも部分的に形成する、第1交絡繊維ウェブと;第3デニールを有する1cm
2当たりの第3数の繊維と第4デニールを有する1cm
2当たりの第4数の繊維を有する第2交絡繊維ウェブであって、前記第3デニールと前記第4デニールとの比が約0.3:1~約0.7:1の範囲であり、前記第2交絡繊維ウェブは前記第2面を少なくとも部分的に形成する、第2交絡繊維ウェブと;前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と;を含む、非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項42】
前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記エラストマー層を通って延び、前記第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、請求項41に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項43】
前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、請求項41又は42に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項44】
前記第3交絡繊維ウェブは、第5デニールを有する1cm
2当たりの第5数の繊維と、第6デニールを有する1cm
2当たりの第6数の繊維とを含み、前記第5デニールと前記第6デニールとの比が約1.5:1~約2:1の範囲である、請求項43に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項45】
前記第3交絡繊維ウェブは、前記第1交絡繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する、請求項43又は44に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項46】
前記第3交絡繊維ウェブは、前記第2交絡繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する、請求項43又は44に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項47】
前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記エラストマー層を通って延びている、請求項43~46のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項48】
前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記第1交絡繊維ウェブの繊維及び前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、請求項43~47のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項49】
第1面と、対向する第2面とを有する非対称面複合不織テキスタイルであって:デニールが約1.2D~約3.5Dである1cm
2当たりの第1数の繊維とデニールが約0.6D~約1Dである1cm
2当たりの第2数の繊維を有し、1cm
2当たりの前記第1数の繊維が1cm
2当たりの前記第2数の繊維よりも多い第1交絡繊維ウェブであって、前記第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと;デニールが約0.6D~約1Dである1cm
2当たりの第3数の繊維とデニールが約1.2D~約3.5Dである1cm
2当たりの第4数の繊維を有し、前記1cm
2当たりの第3数の繊維が前記1cm
2当たりの第4数の繊維よりも多い第2交絡繊維ウェブであって、前記第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと;前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、エラストマー層と;を含む非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項50】
前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記エラストマー層を通って延び、前記第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、請求項49に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項51】
前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、請求項49又は50に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項52】
前記第3交絡繊維ウェブは、デニールが約1.2D~約3.5Dである1cm
2当たりの第5数の繊維と、デニールが約0.6D~約1Dである1cm
2当たりの第6数の繊維とを含み、前記1cm
2当たりの第5数の繊維が前記1cm
2当たりの第6数の繊維よりも多い、請求項51に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項53】
前記第3交絡繊維ウェブは、前記第1交絡繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する、請求項51又は52に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項54】
前記第3交絡繊維ウェブは、前記第2交絡繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する、請求項51又は52に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項55】
前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記エラストマー層を通って延びている、請求項51~54のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項56】
前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記第1交絡繊維ウェブの繊維及び前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、請求項51~55のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項57】
デニールが約1.2D~約3.5Dである第1繊維ウェブと、デニールが約0.6D~約1Dである第2繊維ウェブとの間にエラストマー層を配置するステップと;前記第1繊維ウェブが第1交絡繊維ウェブとなり、前記第2繊維ウェブが第2交絡繊維ウェブとなるように、前記第1繊維ウェブの複数の繊維と前記第2繊維ウェブの複数の繊維とを機械的に交絡させるステップと;を含む非対称面複合不織テキスタイルの製造方法であって、前記の機械的交絡ステップの後に、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は前記エラストマー層を通って延び、前記第1交絡繊維ウェブは前記非対称面複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成し、前記第2交絡繊維ウェブは前記非対称面複合不織テキスタイルの対向する第2面を少なくとも部分的に形成する、非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項58】
前記第1繊維ウェブの複数の繊維と前記第2繊維ウェブの複数の繊維とを機械的に交絡させる前に、前記第1繊維ウェブと前記第2繊維ウェブとの間に第3繊維ウェブを配置するステップと、前記第3繊維ウェブが第3交絡繊維ウェブとなるように、前記第3繊維ウェブの複数の繊維を、前記第1繊維ウェブの繊維及び前記第2繊維ウェブの繊維と機械的に交絡させるステップと、をさらに含む、請求項57に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項59】
前記第3繊維ウェブは、約1.2D~約3.5Dのデニールを含む、請求項58に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項60】
前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記エラストマー層を通って延びている、請求項58又は59に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項61】
第1面と、対向する第2面とを有する複合不織テキスタイルであって:前記第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと;繊維の少なくとも一部がシリコーン被覆繊維を含み、前記第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと;前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、エラストマー層と;を含む複合不織テキスタイル。
【請求項62】
前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記エラストマー層を通って延び、前記第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、請求項61に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項63】
前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、シリコーン被覆繊維を含む、請求項61又は62に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項64】
前記第2交絡繊維ウェブの1cm
2当たりのシリコーン被覆繊維数が、前記第1交絡繊維ウェブの1cm
2当たりのシリコーン被覆繊維数よりも多い、請求項61~63のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項65】
前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含み、前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第1交絡繊維ウェブ及び前記第2交絡繊維ウェブのうちの1つ以上の繊維と交絡している、請求項61に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項66】
前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部はシリコーン被覆繊維を含む、請求項65に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項67】
前記第3交絡繊維ウェブの1cm
2当たりのシリコーン被覆繊維数が、前記第2交絡繊維ウェブの1cm
2当たりのシリコーン被覆繊維数よりも少ない、請求項65又は66に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項68】
複合不織テキスタイルであって:2つ以上の交絡繊維ウェブと;1つのエラストマー層と;を含み、前記2つ以上の交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記複合不織テキスタイルの約10重量%~約25重量%がシリコーン被覆繊維を含む、複合不織テキスタイル。
【請求項69】
前記2つ以上の交絡繊維ウェブは、前記複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと、前記複合不織テキスタイルの対向する第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブとを含む、請求項68に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項70】
前記エラストマー層は前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する、請求項69に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項71】
前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、請求項69又は70に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項72】
前記第3交絡繊維ウェブは、前記第2交絡繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する、請求項71に記載の複合不織テキスタイル。
【請求項73】
複合不織テキスタイルの製造方法であって:第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとの間にエラストマー層を配置するステップであって、前記第2繊維ウェブの約10重量%~約100重量%がシリコーン被覆繊維を含むステップと;前記第1繊維ウェブが第1交絡繊維ウェブとなり、前記第2繊維ウェブが第2交絡繊維ウェブとなるように、前記第1繊維ウェブの繊維の少なくとも一部及び前記第2繊維ウェブの繊維の少なくとも一部を機械的に交絡させるステップと;を含み、前記の機械的交絡ステップの後に、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は前記エラストマー層を通って延び、前記第1交絡繊維ウェブは前記複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成し、前記第2交絡繊維ウェブは前記複合不織テキスタイルの対向する第2面を少なくとも部分的に形成する、複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項74】
前記第1繊維ウェブは前記シリコーン被覆繊維を含まない、請求項73に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項75】
前記シリコーン被覆繊維はポリエチレンテレフタレート(PET)シリコーン被覆繊維を含む、請求項73又は74に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項76】
前記第1繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と前記第2繊維ウェブの繊維の少なくとも一部とを機械的に交絡させる前に、前記第1繊維ウェブと前記第2繊維ウェブとの間に第3繊維ウェブを配置するステップと、前記第3繊維ウェブが第3交絡繊維ウェブとなるように、前記第3繊維ウェブの繊維の少なくとも一部を前記第1繊維ウェブの繊維及び第2繊維ウェブの繊維と機械的に交絡させるステップと、をさらに含む、請求項73~75のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項77】
前記第3繊維ウェブは前記第2繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する、請求項76に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項78】
前記第3繊維ウェブはシリコーン被覆繊維を含まない、請求項76又は77に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項79】
前記第3繊維ウェブはポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を含む、請求項76~78のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項80】
前記第1繊維ウェブはポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を含む、請求項73~79のいずれか1項に記載の複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項81】
少なくとも1つの繊維ウェブと1つのエラストマー層とを含む複合不織テキスタイル
を含む衣料物品であって:
前記繊維ウェブの少なくとも一部の繊維は前記エラストマー層を通って延び、前記少なくとも1つの繊維ウェブは前記衣料物品の最外向き面の少なくとも一部であり、前記複合不織テキスタイルは、1平方メートル当たり約40g(gsm)~約250gsmの坪量と、約55RCT~約90RCTの熱抵抗と、静止長さの約10%以下の縦方向の成長と、静止幅の約10%以下の横方向の成長と、静止長さ及び静止幅の約10%以内の縦方向及び横方向の回復と、
を有する、
衣料物品。
【請求項82】
前記坪量は約150gsm~約190gsmである、請求項81に記載の
衣料物品。
【請求項83】
前記少なくとも1つの繊維ウェブは、少なくとも第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとを含み、前記エラストマー層は前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する、請求項81又は82に記載の
衣料物品。
【請求項84】
前記少なくとも1つの繊維ウェブは、前記第2交絡繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、請求項83に記載の
衣料物品。
【請求項85】
前記第2交絡繊維ウェブは前記
衣料物品の対向する
最内向き面を少なくとも部分的に形成する、請求項8
3に記載の
衣料物品。
【請求項86】
前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部と前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は前記エラストマー層を通って延びている、請求項83~85のいずれか1項に記載の
衣料物品。
【請求項87】
さらに約1.5mm~約3mmの厚さを有する、請求項81~86のいずれか1項に記載の
衣料物品。
【請求項88】
さらに約0.1Kgf~約0.4kgfの剛性を有する、請求項81~87のいずれか1項に記載の
衣料物品。
【請求項89】
第1面と、対向する第2面を有する複合不織テキスタイル
を含む衣料物品であって:
前記複合不織テキスタイルは、前記衣料物品の外向き面の少なくとも一部を含む前記第1面を少なくとも部分的に形成する第1交絡繊維ウェブと;前記衣料物品の内向き面の少なくとも一部を含む前記第2面を少なくとも部分的に形成する第2交絡繊維ウェブと;前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、エラストマー層と;を含み、前記複合不織テキスタイルは、約1.5mm~約3mmの厚さと、約55RCT~約90RCTの熱抵抗と、静止長さの約10%以下の縦方向の成長と、静止幅の約10%以下の横方向の成長と、静止長さ及び静止幅の約10%以内の縦方向及び横方向の回復と
、を有する、衣料物品。
【請求項90】
さらに1平方メートル当たり約40g(gsm)~約250gsmの坪量を有する、請求項89に記載の
衣料物品。
【請求項91】
前記坪量は約150gsm~約190gsmである、請求項90に記載の
衣料物品。
【請求項92】
さらに約0.1Kgf~約0.4Kgfの剛性を有する、請求項89~91のいずれか1項に記載の
衣料物品。
【請求項93】
少なくとも1つの繊維ウェブは、少なくとも第1交絡繊維ウェブと第2交絡繊維ウェブとを含み、前記エラストマー層は前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する、請求項89~92のいずれか1項に記載の
衣料物品。
【請求項94】
前記少なくとも1つの繊維ウェブは、前記第1交絡繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、請求項93に記載の
衣料物品。
【請求項95】
衣料物品の製造方法であって:
該方法は、少なくとも第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとの間にエラストマー層を配置するステップと;1平方メートル当たり約40g(gsm)~約250gsmの坪量と約55RCT~約90RCTの熱抵抗とを有する複合不織テキスタイルを製造するために、交絡パラメータを選択するステップと;
複合不織テキスタイルを形成するために、前記選択した交絡パラメータに基づいて、前記第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとを機械的に交絡させるステップと;
前記複合不織テキスタイルを使用して前記衣料物品を製造するとき、前記衣料物品の最外向き面の上に前記第1繊維ウェブを配置するステップと;を含
む製造方法。
【請求項96】
前記の機械的交絡ステップの前に、前記第1繊維ウェブと前記第2繊維ウェブとの間に第3繊維ウェブを配置するステップと、前記選択した交絡パラメータに基づいて、前記第3繊維ウェブからの繊維を、前記第1繊維ウェブからの繊維及び前記第2繊維ウェブからの繊維と機械的に交絡させるステップと、をさらに含む、請求項95に記載
の方法。
【請求項97】
前記エラストマー層、前記第1繊維ウェブ、前記第2繊維ウェブ及び前記第3繊維ウェブの各々の坪量は1平方メートル当たり約20g(gsm)~約150gsmである、請求項96に記載
の方法。
【請求項98】
約0.1Kgf~約0.4Kgfの剛性を得るために交絡パラメータをさらに選択する、請求項95~97のいずれか1項に記載
の方法。
【請求項99】
約1.5mm~約3mmの厚さを得るために交絡パラメータをさらに選択する、請求項95~98のいずれか1項に記載
の方法。
【請求項100】
前記複合不織テキスタイルを使用して前記衣料物品を製造するとき、前記衣料物品の最内向き面の上に前記第2繊維ウェブを配置するステップ、をさらに含む、請求項95~99のいずれか1項に記載
の方法。
【請求項101】
少なくとも部分的に第1交絡繊維ウェブによって形成され、第1色特性と、前記第1色特性とは異なる第2色特性とを有する第1面と;少なくとも部分的に第2交絡繊維ウェブによって形成され、前記第1色特性と前記第2色特性とを有する対向する第2面であって、前記第2色特性を有する繊維が、対向する面と比較して、前記第1面又は前記第2面のうちの一方の単位面積当たりにより多く存在する、第2面と;前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡しており、前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、前記第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡しているエラストマー層と;を含む、非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項102】
前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブをさらに含む、請求項101に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項103】
前記第3交絡繊維ウェブは前記第2交絡繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する、請求項102に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項104】
前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は前記エラストマー層を通って延び、前記第2交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、請求項102又は103に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項105】
前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部は、前記第1交絡繊維ウェブの繊維と交絡している、請求項102~104のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項106】
前記エラストマー層は第1色特性を含む、請求項101~105のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項107】
少なくとも部分的に第1交絡繊維ウェブによって形成され、第1色特性と、前記第1色特性とは異なる第2色特性とを有する第1面と;少なくとも部分的に第2交絡繊維ウェブによって形成され、前記第1色特性と前記第2色特性とを有する対向する第2面であって、前記第2色特性を有する繊維が、対向する面と比較して、前記第1面又は前記第2面のうちの一方の単位面積当たりにより多く存在する、第2面と;前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置する第3交絡繊維ウェブと;前記第1交絡繊維ウェブと前記第2交絡繊維ウェブとの間に位置するエラストマー層であって、前記第1交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部、前記第2交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部、及び前記第3交絡繊維ウェブの繊維の少なくとも一部が前記エラストマー層を通って延び、それぞれの他の交絡ウェブの繊維と交絡している、エラストマー層と;を含む、非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項108】
前記第3交絡繊維ウェブは前記第2交絡繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する、請求項107に記載の非対称面複合不織テキスタイル。
【請求項109】
非対称面複合不織テキスタイルの製造方法であって:第1色特性を有する第1繊維ウェブと、前記第1色特性を有する第2繊維ウェブとの間に、第2色特性を有する第3繊維ウェブを配置するステップと;前記第1繊維ウェブと前記第2繊維ウェブとの間に前記第1色特性を有するエラストマー層を配置するステップと;前記第3繊維ウェブの第1数の繊維を、前記第1繊維ウェブの繊維の少なくとも一部に機械的に交絡させ、前記第3繊維ウェブの第2数の繊維を、前記第2繊維ウェブの繊維の少なくとも一部に機械的に交絡させるステップと;を含む、非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項110】
前記第3繊維ウェブは前記第2繊維ウェブと前記エラストマー層との間に位置する、請求項109に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項111】
前記第3繊維ウェブの繊維は、約1.2D~約3.5Dのデニールを有する、請求項109又は110に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項112】
前記第1繊維ウェブの繊維は、約1.2D~約3.5Dのデニールを有する、請求項109~111のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項113】
前記第2繊維ウェブの繊維は、約0.6D~約1Dのデニールを有する、請求項109~112のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項114】
前記第1繊維ウェブの繊維が前記第1色特性を有し、前記第2繊維ウェブの繊維が前記第1色特性を有し、前記第3繊維ウェブの繊維が前記第2色特性を有するように、前記第1繊維ウェブ、前記第2繊維ウェブ及び前記第3繊維ウェブの各々の繊維が原液染めされている、請求項109~113のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項115】
前記第1繊維ウェブ、前記第2繊維ウェブ及び前記第3繊維ウェブの各々の繊維はポリエチレンテレフタレート(PET)繊維である、請求項109~114のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項116】
前記非対称面複合不織テキスタイルは後染めされていない、請求項109~115のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項117】
前記の機械的交絡はニードルパンチを含む、請求項109~116のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項118】
前記の機械的交絡ステップの後に、前記第1繊維ウェブは第1ステッチ密度を有する第1交絡繊維ウェブとなり、前記第2繊維ウェブは前記第1ステッチ密度よりも小さい第2ステッチ密度を有する第2交絡繊維ウェブとなる、請求項109~117のいずれか1項に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項119】
前記第1交絡繊維ウェブは前記非対称面複合不織テキスタイルの第1面を少なくとも部分的に形成し、前記第2交絡繊維ウェブは前記非対称面複合不織テキスタイルの第2面を少なくとも部分的に形成する、請求項118に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【請求項120】
前記の機械的交絡ステップの後に、前記第1面は前記第1色特性と前記第2色特性を有し、前記第2面は前記第1色特性と前記第2色特性を有し、前記第2色特性を有する繊維が、対向する面と比較して、前記第1面又は前記第2面のうちの一方の単位面積当たりにより多く存在する、請求項119に記載の非対称面複合不織テキスタイルの製造方法。
【国際調査報告】