(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20231201BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20231201BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20231201BHJP
B60K 37/02 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G08G1/16 C
B60K35/00 Z
B60K37/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526613
(86)(22)【出願日】2021-10-22
(85)【翻訳文提出日】2023-05-01
(86)【国際出願番号】 DE2021200162
(87)【国際公開番号】W WO2022089696
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】102020213770.6
(32)【優先日】2020-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522388073
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ テクロノジーズ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive Technologies GmbH
【住所又は居所原語表記】Vahrenwalder Str. 9, 30165 Hannover, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】コンラート ローテンホイスラー
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン シャーフェンベアガー
【テーマコード(参考)】
3D344
5E555
5H181
【Fターム(参考)】
3D344AA14
3D344AA20
3D344AA21
3D344AA26
3D344AB01
3D344AC22
3D344AD01
3D344AD02
3D344AD13
5E555AA22
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC17
5E555CA42
5E555CB65
5E555DA23
5E555DB41
5E555DC26
5E555DC72
5H181AA01
5H181LL01
5H181LL04
(57)【要約】
電気光学表示(100)と、車両の運転者の目(E)の位置を特定するために用いることができる位置検出装置とを有し、複数の異なる情報項目(101、1010、102、103、1030、1031、1032、104、105)を、電気光学表示(100)によって表示することができ、車両の運転者が知覚することができる、車両用表示装置において、様々な情報項目(101、1010、102、103、1030、1031、1032、104、105)のうちのどの情報(101、1010、102、103、1030、1031、1032、104、105)を運転者が知覚することができるかを特定するために用いることができる、運転者の視線方向を特定するための視線方向検出器(200)が存在し、知覚された情報(101、1010、102、103、1030、1031、1032、104、105)に応じて、知覚された情報(103)を拡大することが可能であるか、及び/又は知覚された情報(103)に関する追加情報(104、105)を表示することが可能であることを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学表示(100)と、車両の運転者の目(E)の位置を特定するために用いることができる位置検出装置とを有し、複数の異なる情報項目(101、1010、102、103、1030、1031、1032、104、105)を、前記電気光学表示(100)によって表示することができ、前記車両の前記運転者が知覚することができる、車両用表示装置であって、様々な前記情報項目(101、1010、102、103、1030、1031、1032、104、105)のうちのどの情報(101、1010、102、103、1030、1031、1032、104、105)を前記運転者が知覚することができるかを特定するために用いることができる、前記運転者の視線方向を特定するための視線方向検出器(200)が存在し、前記知覚された情報(101、1010、102、103、1030、1031、1032、104、105)に応じて、前記知覚された情報(103)を拡大することができるか、及び/又は前記知覚された情報(103)に関する追加情報(104、105)を表示することができることを特徴とする、車両用表示装置。
【請求項2】
前記情報(101、1010、102、103、1030、1031、1032、104、105)の前記表示は、前記情報(101、1010、102、103、1030、1031、1032、104、105)が前記車両のコンポーネント(500)によって前記運転者から隠されないように、移動及び/又はサイズ変更することができることを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
第2の電気光学表示(400)を有し、前記第2の電気光学表示(400)上に追加情報を表示することができることを特徴とする、請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2の電気光学表示(400)は、前記車両のAピラー(300)上に配置されることを特徴とする、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記車両の前記Aピラー(300)の背後の環境を、前記第2の電気光学表示(400)上に表示することができることを特徴とする、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記視線方向検出器(200)は、前記車両の前記Aピラー、Bピラー、又はルーフライナに配置されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
音声出力ユニットを有するか、又は音声出力ユニットに接続されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記運転者による特定の注視ジェスチャを検出することができる場合に、音声メッセージを生成し、出力することができることを特徴とする、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
車両内の表示装置上に情報を表示するための方法であり、前記表示装置が、電気光学表示(100、400)と、視線方向検出器(200)とを有し、前記車両の運転者の目(E)の位置が、前記視線方向検出器によって特定され、複数の異なる情報項目(101、1010、102、103、1030、1031、1032、104、105)が、前記車両の前記運転者が知覚することができるように前記電気光学表示装置(100)によって表示される方法であって、前記運転者の視線方向を特定し、様々な前記情報項目(101、1010、102、103、1030、1031、1032、104、105)のうちのどの情報が前記運転者によって知覚されるかを特定することと、前記知覚された情報(103)に応じて、前記知覚された情報(103)が拡大されるか、及び/又は前記知覚された情報に関する追加情報(104、105)が表示されることとを特徴とする、方法。
【請求項10】
燃料計(103、1031、1032)が表示される場合に、現在の運転スタイルに対する燃料レベル(104)の航続可能距離が表示されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの代替の運転スタイルのための燃料レベル(105)の航続可能距離が表示されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記情報(101、1010、102、103、1030、1031、1032、104、105)の表示は、情報が前記車両のコンポーネント(500)によって前記運転者から隠されないように、移動及び/又はサイズ変更されることを特徴とする、請求項9、10、又は11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学表示と、車両の運転者の目の位置を特定するために用いることができる位置検出装置とを有する車両用の表示装置であって、多数の異なる情報項目を、電気光学表示装置によって表示することができ、且つ車両の運転者が知覚することができる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の動作パラメータ及び他の情報等の多数の情報項目を表示するかかる電気光学表示は、先行技術から公知である。車両の運転者の目の位置を特定するために用いることができる位置検出装置は、例えば、車両の運転者の状態を監視するために用いられ、例えば、居眠りする前に運転者に警告することができる。多数の情報項目は、運転者が情報を把握する能力を制限する可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の目的は、従って、電気光学表示上に表示される情報の知覚性を向上させることにある。この目的は、請求項1に記載の表示装置及び請求項9に記載の方法によって達成される。本発明の有利な構成は、従属請求項において見出すことができる。
【0004】
運転者によって知覚される情報を拡大することができるか、及び/又は知覚された情報に関連する追加情報を、知覚された情報に応じて、本発明による表示装置によって表示することができ、本発明による方法が、運転者の視線方向を特定することと、様々な情報項目のうちのどの情報が運転者によって知覚されるかを特定することとを含み、知覚された情報に応じて、知覚された情報が拡大されるか、及び/又は知覚された情報に関する追加情報が表示されるという事実の結果として、運転者にとって主に関心のある情報は、運転者にとってより知覚可能な方法で表示される。例えば、燃料計への一瞥が検出されると、燃料計を拡大することができる。アナログ指針表示からデジタル表示に切り替えることも可能である。しかし、表示を単に拡大して、例えば表示装置の中央領域に表示することも可能である。表示された情報に関する追加情報を表示することも可能である。例えば、燃料計を見る場合に、燃料計を拡大することができ、車両の達成可能な航続可能距離を現在のタンク残量と共に表示することができる。ここで、車両が現在の速度で動作し続けるかどうかを識別することもできるか、又は、変更された速度に対する現在の速度又は航続可能距離を追加的に示すこともできる。また、最も近いガソリンスタンドに関する情報があれば、この情報を表示することができる。例えば、速度計を見る場合に、現在走行している道路の区間に対して許容される最高速度の指示も表示することができ、許容される最高速度を超えた場合に警告を出力することができる。
【0005】
車両のコンポーネントによって情報が運転者から隠されないように、表示装置によって表示される情報を移動し、サイズ変更することができるという事実の結果として、運転者は、頭部位置を変更することなく、全ての必須情報を知覚することができ、従って、必要以上に車両を運転することから注意を逸らすことがない。従って、表示される情報の位置は、例えば、車両のステアリングホイールがいかなる情報も運転者から隠さないように選択することができる。
【0006】
表示装置が第2の電気光学表示を有し、追加情報を第2の電気光学表示に表示することができる場合、車両の安全性を高めることができる。
【0007】
第2の電気光学表示が車両のAピラー上に配置される場合、それは、道路からあまり長く目をそらさなくても、特に容易に知覚することができる。
【0008】
車両のAピラーの背後の環境を、車両のAピラー上に配置される第2の電気光学表示に表示することができる場合、車両に隣接するより小さな生き物及び物体も容易に知覚することができる。
【0009】
視線方向検出器が車両のAピラー、Bピラー、又はルーフライナに配置される場合、運転者の視線方向を容易に特定することができる。
【0010】
表示装置が音声出力ユニットを有するか、又は音声出力ユニットに接続されている場合、情報をより安全に運転者に伝達することができる。
【0011】
この音声出力は、例えば、運転者による注視ジェスチャによってオン及び/又はオフに切り替えることができる。
【0012】
燃料計が表示される際に、現在の運転スタイルに対する燃料レベルの航続可能距離が表示される場合、運転者は、タンク残量のみが運転者に表示される場合よりも、より意味のある情報を有する。
【0013】
少なくとも1つの代替の運転スタイルに対する燃料レベルの航続可能距離が表示される場合、運転者は、どの運転スタイルを選択するかをより良好に決定することができる。
【0014】
表示された情報が車両のコンポーネントによって運転者から隠されないように、情報の表示を移動させ、サイズ変更すれば、情報を特に良好に知覚することができる。
【0015】
本発明を、特に好ましい例示的な実施形態のための図を参照して以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明による表示装置の例示的な実施形態を有する車両の室内及び車両の運転者の図を示す。
【
図2】表示された情報の複数の項目を有する電気光学表示上の表示の図を示す。
【
図3】運転者が燃料計を見ている場合の電気光学表示上の表示の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、車両からの、電気光学表示100上に表示される速度計101及び回転数カウンタ102を有する電気光学表示100と、視線方向検出器200と、Aピラー300と、第2の電気光学表示400と、ステアリングホイール500と、フロントガラス501とを示している。車両の運転者の目Eを有する頭部K及び2つの手Hを見て取ることができる。視線方向検出器200は、運転者の目Eの視線方向及び位置を検出し、それに応じて電気光学表示100及び第2の電気光学表示400上の表示を制御する。車両の環境は、これ以上詳細には説明しない装置を用いて記録され、運転者のための第2の電気光学表示400の背後にある環境の一区間は、運転者がAピラーを通して仮想的に見ることができるように、電気光学表示400上に表示される。この合致表現は、視線方向検出器200による目の位置及び視線方向の検出により可能である。図示する例示的な実施形態において、視線方向検出器200は、電気光学表示200の凹部又は透明領域内に配置されるが、電気光学表示100からある距離を置いて配置することもできる。
【0018】
図2は、運転者が電気光学表示100を見ていない場合に表示される複数の情報項目を有する、電気光学表示100上の表示の図を示している。速度計101及び回転数カウンタ102はアナログ指針計器として示されており、ピクトグラム1030及びアナログ燃料計1031を有する燃料計103はアナログ指針計器として示されている。提示される情報は、網羅的なものではなく、単なる一実施例として見るべきである。電気光学表示100を有する実際の表示装置において、車両の更なる動作パラメータ及び/又は環境条件等の更なる情報を同時に表示することができる。ここで、運転者が燃料計103を見ていることを視線方向検出器200が検出した場合、電気光学表示100の表示は、
図3に示すように変更される。
【0019】
デジタル速度計1010、デジタル燃料計1032、デジタルの現在の航続可能距離104、及び変更した速度でのデジタル航続可能距離105を、
図3において見ることができる。デジタル速度計1010が表示されるのは、速度表示が常に提示されることが法律によって要求されているためである。現在の航続可能距離104は、燃料補給なしに現在の速度で車両がまだ走行することができる距離に関する情報を提供し、120km/hでの航続可能距離105は、燃料補給なしに対応する速度で車両が走行することができる距離に関する情報を提供する。最も近いガソリンスタンド及び/又は目的地までの距離を追加として示すことも可能である。
図3における燃料計の表示は、一定時間後に、又は運転者が視線方向を変えた場合に、
図2による表示に自動的に戻すことができる。
【符号の説明】
【0020】
100 電気光学表示
101 速度計
1010 デジタル速度計
102 回転数カウンタ
103 燃料計
1030 燃料計ピクトグラム
1031 アナログ燃料計
1032 デジタル燃料計
104 現在の航続可能距離
105 120km/hでの航続可能距離
200 視線方向検出器
300 車両のAピラー
400 第2の電気光学表示
500 ステアリングホイール
501 フロントガラス
E 運転者の目
K 運転者の頭部
H 運転者の手
【国際調査報告】