(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(54)【発明の名称】ソーティングシステムにおける車両の効率的なルート計画の方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20231201BHJP
【FI】
G05D1/02 S
G05D1/02 G
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023527366
(86)(22)【出願日】2021-11-05
(85)【翻訳文提出日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 EP2021080790
(87)【国際公開番号】W WO2022096655
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】102020214005.7
(32)【優先日】2020-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100133411
【氏名又は名称】山本 龍郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067677
【氏名又は名称】山本 彰司
(72)【発明者】
【氏名】ロイドル,モリツ
(72)【発明者】
【氏名】エメリヒ,ヤン ゼーレン
(72)【発明者】
【氏名】ベンケンステイン,レオニー
(72)【発明者】
【氏名】クロコフスキー,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ハマーマイスター,クリスティアン
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA09
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301DD07
5H301DD15
5H301EE02
5H301EE12
5H301FF11
5H301KK08
5H301LL04
5H301LL08
5H301LL11
5H301LL12
(57)【要約】
本発明は、軌道に沿ってソーティングシステム内を移動するように設計された複数の車両を備えるソーティングシステムに関する。ソーティングシステムは、第1の数の始点と第2の数の終点との間で第3の数の軌道を計算するための計算デバイスを備え、各軌道には、軌道に沿った車両の速度仕様が割り当てられる。ソーティングシステムは、複数の車両に進行割り当てを送信するように設計された調整デバイスを備え、各進行割り当ては、軌道のうちの1つに沿った始点のうちの1つから終点のうちの1つへの行程を含む。ソーティングシステムは、衝突回避装置を更に備え、衝突回避装置は、新たな進行割り当てのために、ソーティングシステムの更なる車両との潜在的な衝突について軌道を検査して、潜在的な衝突を示す衝突情報を取得し、衝突情報に基づいて軌道に割り当てられた速度仕様を変更して、変更された速度仕様を取得し、潜在的な衝突を回避するように設計される。ソーティングシステムは、軌道及び変更された速度仕様を含む命令を含む新たな進行割り当てを車両に送信するように設計される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーティングシステムであって、
前記ソーティングシステム内の軌道(14)に沿って移動するように構成された複数の車両(12)と、
第1の数の始点(16)と第2の数の終点(18)との間の第3の数の軌道(14)を計算するように構成された計算手段(24)であって、前記軌道(14)に沿った車両(12)の速度仕様(22)が、各軌道(14)に割り振られる、計算手段(24)と、
前記複数の車両(12)に走行要求を送信するように構成された調整手段(28)であって、各走行要求が、前記軌道(14)のうちの1つに沿った前記始点のうちの1つから前記終点のうちの1つへの走行を含む、調整手段(28)と、
新たな走行要求について、前記ソーティングシステムの更なる車両(12)との起こり得る衝突について軌道(14)を検査して、起こり得る衝突を示す衝突情報を取得し、前記衝突情報に基づいて前記軌道(14)に割り振られた前記速度仕様(22)を修正して、修正された速度仕様(22’)を取得し、前記起こり得る衝突を防止するように構成された衝突回避手段(32)と、
を備え、
前記ソーティングシステムは、前記軌道(14)と前記修正された速度仕様(22’)とを含む命令を含む前記新たな走行要求を車両(12)の制御部に送信するように構成される、ソーティングシステム。
【請求項2】
前記計算手段(24)は、前記第1の数の始点のうちの始点と前記第2の数の終点のうちの終点との間の複数の軌道候補(38)を計算するように構成され、
前記調整手段(28)は、前記軌道候補(38)のうちの1つを前記新たな走行要求についての軌道(14)として選択するように構成される、請求項1に記載のソーティングシステム。
【請求項3】
前記計算手段(24)は、軌道曲率を考慮することによって前記複数の軌道候補(38)を計算するように構成され、前記計算手段(24)は、最小曲率の所定数の軌道候補(38)及び/又は最大で所定の曲率閾値の軌道曲率を含む或る数の軌道候補(38)を決定するように構成される、請求項2に記載のソーティングシステム。
【請求項4】
前記計算手段(24)は、スプラインに基づいて前記軌道(14)を計算するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のソーティングシステム。
【請求項5】
前記計算手段(24)は、前記軌道(14)の前記始点と前記終点との間の制御点についての隣接する軌道候補(38)の距離を示す間隔を決定するように構成される、請求項4に記載のソーティングシステム。
【請求項6】
前記計算手段(24)は、前記速度仕様(22)を、時間最適化された速度仕様(22)として運動力学的に計算するように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のソーティングシステム。
【請求項7】
前記軌道(14)は、複数の軌道部分を含み、前記計算手段(24)は、各軌道部分について部分速度仕様を計算し、前記部分速度仕様の組み合わせに基づいて前記速度仕様(22)を計算するように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のソーティングシステム。
【請求項8】
前記計算手段(24)は、各軌道部分の曲率と車両(12)の最大加速度とに基づいて前記軌道部分の最大速度を計算し、最大速度と、前記軌道部分の前記開始点における速度仕様(22)と、前記軌道部分の終了点における速度仕様(22)とに基づいて前記部分速度仕様(22)を計算するように構成される、請求項7に記載のソーティングシステム。
【請求項9】
前記調整手段(24)は、前記新たな走行要求について、複数の軌道候補(38)から前記軌道(14)を選択するように構成され、前記複数の軌道候補(38)は、既存の走行要求において車両(12)に既に割り振られた軌道(14)を考慮する、請求項1~8のいずれか一項に記載のソーティングシステム。
【請求項10】
前記衝突回避手段(32)は、既存の走行要求の既に割り振られた軌道(14)に対して前記速度仕様(22)を適合させないように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載のソーティングシステム。
【請求項11】
前記調整手段(28)は、既に割り振られた軌道(14)上の車両(12)を、前記軌道(14)の前記選択のための潜在的な障害物としてみなすように構成される、請求項9又は10に記載のソーティングシステム。
【請求項12】
前記衝突回避手段(32)は、複数の新たな走行要求について、複数の対応する軌道(14)を、前記軌道(14)を通過するためのそれぞれの時間最適速度仕様(22)として取得し、前記複数の前記新たな軌道(14)に対して、前記車両(12)間の起こり得る衝突を判定し、前記速度仕様(22)のうちの少なくとも1つを適合させることによって、前記新たな走行要求内の前記起こり得る衝突を防止するように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載のソーティングシステム。
【請求項13】
修正された速度仕様によって、全体的に時間最適化された無衝突走行要求が前記複数の車両(12)に対してグローバルに取得される、請求項12に記載のソーティングシステム。
【請求項14】
前記衝突回避手段(32)は、前記起こり得る衝突に関与する前記車両(12)のうちのどれに対して前記速度仕様(22)が適合されるかを判定するように構成される、請求項12又は13に記載のソーティングシステム。
【請求項15】
前記衝突回避手段(32)は、
所定の優先度、
全数探索法、
所定の優先度と全数探索法との組み合わせ、
のうちの少なくとも1つを使用して前記起こり得る衝突に関与する前記車両のうちのどれに対して前記速度仕様(22)が適合されるかを判定するように構成される、請求項14に記載のソーティングシステム。
【請求項16】
前記衝突回避手段(32)は、複数の新たな走行要求について起こり得る衝突を判定し、前記調整手段(28)によって前記走行要求に割り振られた前記速度プロファイルの前記速度仕様を一致させるように構成され、既に送信された速度プロファイルが、未修正のままである、請求項1~15のいずれか一項に記載のソーティングシステム。
【請求項17】
前記衝突回避手段(32)は、前記割り振られた軌道(14)上の前記走行要求が終了するまで、既に修正された速度仕様(22’)を修正不可能として扱うように構成される、請求項1~16のいずれか一項に記載のソーティングシステム。
【請求項18】
始点及び/又は終点が、前記ソーティングシステム内の静止領域であるか、又は前記軌道(14)に基づく、請求項1~17のいずれか一項に記載のソーティングシステム。
【請求項19】
前記複数の車両(12)は、ホロノミック車両(12)を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載のソーティングシステム。
【請求項20】
前記調整手段(28)は、前記軌道(14)に沿った共通の走行のために、前記新しい走行要求を共通の走行要求として車両グループ又は車両隊列に送信するように構成される、請求項1~19のいずれか一項に記載のソーティングシステム。
【請求項21】
ソーティングシステム制御手段であって、
複数の車両(12)に走行要求を送信するように構成された調整手段(28)であって、各走行要求が、それぞれの軌道(14)に沿った始点から終点までの走行を含み、前記軌道(14)に沿った車両(12)の速度仕様(22)が、各軌道(14)に割り振られる、調整手段(28)と、
新たな走行要求について、走行要求との起こり得る衝突について割り振られた軌道(14)を検査して、起こり得る衝突を示す衝突情報を取得し、衝突情報に基づいて前記軌道(14)に割り振られた前記速度仕様(22)を修正して、修正された速度仕様(22’)を取得し、前記起こり得る衝突を防止するように構成された衝突回避手段(32)と、
前記軌道(14)及び前記修正された速度仕様(22’)を含む命令を含む前記新たな走行要求を出力するためのインターフェイスと、
を備える、ソーティングシステム制御手段。
【請求項22】
第1の数の始点と第2の数の終点との間の第3の数の軌道(14)を決定するように構成された計算手段(24)を備え、前記調整手段(28)は、前記軌道(14)に走行要求を割り振るように構成される、請求項21に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項23】
ソーティングシステムを動作させて、前記ソーティングシステム内の軌道(14)に沿って複数の車両(12)を移動させる方法であって、
前記軌道(14)に沿った車両(12)の速度仕様(22)が各軌道(14)に割り振られるように、第1の数の始点と第2の数の終点との間の第3の数の軌道(14)を計算することと、
各走行要求が前記軌道(14)のうちの1つに沿った前記始点のうちの1つから前記終点のうちの1つまでの走行を含むように、前記複数の車両(12)に走行要求を送信することと、
新たな走行要求について、前記ソーティングシステムの更なる車両(12)との起こり得る衝突について軌道(14)を検査して、起こり得る衝突を示す衝突情報を取得することと、
前記衝突情報に基づいて、前記軌道(14)に割り振られた前記速度仕様(22)を修正して、修正された速度仕様(22)を取得し、前記起こり得る衝突を防止することと、
前記軌道(14)と前記修正された速度仕様(22’)とを含む命令を含む前記新たな走行要求を車両(12)に送信することと、
を含む、方法。
【請求項24】
ソーティングシステム制御手段を動作させる方法であって、
複数の車両(12)に走行要求を送信することであって、各走行要求が、それぞれの軌道(14)に沿った始点から終点までの走行を含み、前記軌道(14)に沿った車両(12)の速度仕様(22)が、各軌道(14)に割り振られることと、
新たな走行要求について、走行要求との起こり得る衝突について割り振られた軌道(14)を検査して、起こり得る衝突を示す衝突情報を取得し、前記衝突情報に基づいて前記軌道(14)に割り振られた前記速度仕様(22)を修正して、修正された速度仕様(22’)を取得し、前記起こり得る衝突を防止することと、
前記軌道(14)及び前記修正された速度仕様(22’)を含む命令を含む前記新たな走行要求を出力することと、
を含む、方法。
【請求項25】
コンピュータープログラムであって、前記プログラムがコンピューター上で実行されるとき、請求項23又は24のいずれかに記載の方法を実行するためのプログラムコードを有する、コンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーティングシステム、ソーティングシステム制御手段、及びその動作方法に関する。特に、本発明は、ソーティングシステムにおける車両の効率的なルート計画の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に基づくソーティングシステムでは、十分な全体的なシステム性能を提供するために、限られた空間内を高速かつ高加速で進行する多数の車両によって輸送性能を提供する必要がある。各個々の車両は、ゆっくりと走行しながら集荷先において輸送物品をピックアップし、事前に計算された軌道に沿って、最大速度に近い高加速及び制動挙動で配送先まで走行し、そこでゆっくりと走行しながら物品を払い出す。
【0003】
ソーティングシステム、特に
図4a~
図4fに示すマルチロボットシステムでは、複数の異なるタイプの障害物が発生する可能性がある。
【0004】
図4aは、2台の車両120
1及び120
2が軌道140に沿って、例えば反対の進行方向に沿って互いに向かって移動し、いわゆる正面衝突につながる可能性がある例示的なシナリオを示している。
【0005】
図4bは、車両120
1及び120
2が同じ軌道140上を同じ方向に沿って進行しているが、車両120
2の後方を走行している車両120
1が速度V
2よりも速い速度V
1で走行しており、その結果、車両120
2が追いついたときに頭尾衝突が発生し得るシナリオを示している。したがって、
図4a及び
図4bは、起こり得る衝突のシナリオを示している。
【0006】
図4cは、車両120
1及び120
2並びに120
3及び120
4がそれぞれ異なる軌道140
1及び140
2上を進行しているシナリオを示しているが、軌道は合流点160で互いに接続して1つの軌道140
gを形成し、その結果、例えば、合流点160では、一度に1台の車両しか進行することができないが、軌道140
1及び140
2からより多くの車両が到着するため、仕分け中に渋滞が発生する可能性がある。この結果、待ち行列が形成され得る。
【0007】
図4dは、軌道140
1上の車両120
1及び120
2が、既に車両120
3~120
6が進行している軌道140
2上に自らを仕分けするため、仕分けのための空間が不十分となるシナリオを示している。通行権(right-of-way)の規則に基づいて、軌道14
1上の車両は、軌道140
2からの車両の流れが合流点160の前に十分な距離を有するか、又は停止するまで、待機しなければならない場合がある。したがって、
図4bは、部分的又は局所的な車両停止、いわゆるライブロック(livelock)を示している。
【0008】
一方、
図4e及び
図4fは、
図4eでは非局所的デッドロックを示し、
図4fでは局所的デッドロックを示している。
【0009】
これらのシナリオのそれぞれは、円滑な動作を維持するために、問題の解決又はシナリオの回避を必要とする。
【0010】
コンベヤベルト又は傾斜トレイを備えた従来のソーティングシステムでは、物品は、それぞれコンベヤベルト又は傾斜トレイ上を高速で輸送されている。カーブでの転倒は、適切なガードレールによって防止される。技術的に複雑な供給口では、輸送物品は、仕分け回路の主速度まで加速され、自由な位置又はトレイに運ばれる。単に払い落とすか又はトレイを傾けることによって、配送先において排出が行われる。回路が固定され、入出力の対象が絞られているため、輸送物品間に障害物はない。
【0011】
自律車両及び自由な可動性を有する既存のソーティングシステムは、例えば、毎秒最大3メートルの低速で、かつ長い安全距離で動作する。代替的に、車両がブロックベースの予約による固定ルート又は市松模様のグリッド上を走行することで、多数の車両を調整するアルゴリズムの複雑さが大幅に簡略化される。ここで、既存のアルゴリズムのほぼ全ては、複数の車両に対する経路の同時最適化を可能にするA*アルゴリズムの変更に基づいている。この問題は、「マルチエージェント経路探索(multi-agent pathfinding)」、すなわち、複数の参加者の経路探索とも称されている。
【0012】
このため、物品を高速で輸送することができる柔軟なソーティングシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、ソーティングシステム内の物品を柔軟なルートに沿って高速で移動させることを可能にする、ソーティングシステム、ソーティングシステム制御手段、それらを動作させる方法、及びかかる方法を実装するためのコンピュータープログラム製品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、独立請求項の主題によって解決される。
【0015】
本発明の中心的な着想は、それぞれの関連する速度プロファイル又は速度仕様を有する始点と終点との間の軌道の事前決定が、走行要求を調整するために、複数の軌道間の起こり得る衝突を回避するように、必要に応じて後で修正することができるという発見である。これは、走行要求を適合させるための計算労力が低くなり、例えば、該計算労力をまだ走行していない車両に限定することができるため、走行中の車両が高速で走行することができるように、異なる軌道を使用してソーティングシステムにおいて高い柔軟性を獲得し、更に高速化を実装することが可能となる。
【0016】
一実施の形態によれば、ソーティングシステムは、ソーティングシステム内の軌道に沿って移動するように構成された複数の車両を備える。ソーティングシステムは、第1の数の始点と第2の数の終点との間の第3の数の軌道を決定するように構成された計算手段を備え、各軌道は、軌道に沿った車両の速度仕様に関連付けられる。ソーティングシステムは、複数の車両に走行要求を送信するように構成された調整手段を備え、各走行要求は、軌道のうちの1つに沿った始点のうちの1つから終点のうちの1つへの走行を含む。ソーティングシステムは、新しい走行要求について、ソーティングシステムの別の車両との起こり得る衝突について軌道を検査して、起こり得る衝突を示す衝突情報を取得するように構成された衝突回避手段を備え、衝突回避手段は、衝突情報に基づいて軌道に関連付けられた速度仕様を変更して、修正された速度仕様を取得し、起こり得る衝突を回避する。ソーティングシステムは、軌道及び修正された速度仕様を含む命令を含む新たな走行要求を車両又は車両制御部に送信するように構成される。
【0017】
一実施の形態によれば、計算手段は、第1の数の始点のうちの始点と第2の数の終点のうちの終点との間の複数の軌道候補を決定するように構成され、調整手段は、新しい走行要求のための軌道として軌道候補のうちの1つを選択するように構成される。これにより、複数の可能な経路が考慮されるため、高い柔軟性が可能になる。
【0018】
一実施の形態によれば、計算手段は、軌道曲率を考慮して複数の軌道候補を決定するように構成される。計算手段は、最小曲率の所定数の軌道候補及び/又は最大で所定の曲率閾値の軌道曲率を有する或る数の軌道候補を決定するように構成される。これにより、計算労力を事前決定された限度内に保つことが可能になる。
【0019】
一実施の形態によれば、計算手段は、スプラインに基づいて軌道を計算するように構成される。これにより、高い計算効率が可能になる。
【0020】
一実施の形態によれば、計算手段は、隣接する軌道候補の距離を示す、軌道の始点と終点との間の制御点の距離を決定するように構成される。このようにして、後で実現することができない軌道の計算を回避することができ、又は追加の安全面を考慮に入れることができる。
【0021】
一実施の形態によれば、計算手段は、速度仕様を時間最適化された速度仕様として運動力学的に計算するように構成される。一方では、これにより、車両の高速~最大速度までを利用することが可能になると同時に、計算労力を少なくすることができるため、速度仕様の調整を高速の低下に限定することができる。
【0022】
一実施の形態によれば、軌道は、複数の軌道部分を含むように構成される。計算手段は、各軌道部分について部分速度仕様を計算し、部分速度仕様の組み合わせに基づいて速度仕様を計算するように構成される。これにより、時間変化する速度プロファイルが可能になる。
【0023】
一実施の形態によれば、計算手段は、各軌道部分について、軌道部分の曲率に基づいて、かつ車両の最大加速度に基づいて、それぞれの車両タイプに関連付けられ得る最大速度を計算するように構成される。最大速度、軌道部分の開始時における速度仕様、及び軌道部分の終了点における速度仕様に基づいて、部分速度仕様は、計算手段によって計算することができる。これにより、可能な最大加速度をうまく利用して、部分的に可能な限り高い速度、更には最大速度を取得することができる。
【0024】
一実施の形態によれば、調整手段は、複数の軌道候補から新たな走行要求についての軌道を選択するように構成される。複数の軌道候補は、既存の走行要求において車両に既に割り当てられた軌道を考慮に入れる。これにより、例えば、既に走行しているか又はまもなく発進する車両を考慮に入れて、軌道の過負荷を回避することによって、阻害物の効率的な回避が可能になる。
【0025】
一実施の形態によれば、衝突回避手段は、既存の走行要求の既に割り当てられた軌道に対して速度仕様を適合させないように構成される。これにより、実行可能な計算量が大幅に削減され、結果を迅速に取得することができる。
【0026】
一実施の形態によれば、調整手段は、既に割り当てられた軌道上の車両を、軌道の選択のための潜在的な障害物とみなすように構成される。これにより、更なる決定のための選択空間が削減されるため、計算労力を少なくすることができる。
【0027】
一実施の形態によれば、衝突回避手段は、複数の新たな走行要求について、複数の対応する軌道を、軌道を通過するためのそれぞれの時間最適速度仕様として取得し、複数の新たな軌道に対して、車両間の起こり得る衝突を判定し、速度仕様のうちの少なくとも1つを適合させることによって、新たな走行要求内の起こり得る衝突を回避するように構成される。これにより、新しい走行要求を互いに調整することができるため、新しい走行要求は、互いを考慮に入れることができる。
【0028】
一実施の形態によれば、時間最適化された無衝突走行要求は、修正された速度仕様によって複数の車両に対してグローバルに取得される。これにより、個々の車両だけでなく、ソーティングシステムの全体的なスループットも最適化される。
【0029】
一実施の形態によれば、衝突回避手段は、起こり得る衝突に関与する車両のうちのどれに対して速度仕様が適合されるかを判定するように構成される。その結果、個々の車両がより減速される場合であっても、ソーティングシステムの全体的なスループットを高く維持することが可能になる。
【0030】
一実施の形態によれば、衝突回避手段は、所定の優先度、全数探索法、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを使用して、潜在的な衝突に関与する車両のうちのどれに対して速度仕様が適合されるかを判定するように構成される。これにより、全体のスループットが高いことが望まれる場合であっても、好ましい輸送要求が存在し得るため、適切な基準に基づいて全体のスループットを最適化することができる。
【0031】
一実施の形態によれば、衝突回避手段は、複数の新しい走行要求について起こり得る衝突を判定し、速度仕様を、調整手段によって走行要求に割り当てられた速度プロファイルに一致させるように構成される。既に送信された速度プロファイルは、未修正のままである。これにより、新しい走行を既存の走行又は一致した走行に適合させることができる。
【0032】
一実施の形態によれば、衝突回避手段は、割り当てられた軌道上の走行要求が完了するまで、車両に対して既に決定され、既に修正された速度仕様を変更不可能として扱うように構成される。
【0033】
一実施の形態によれば、始点及び/又は終点は、ソーティングシステム内の静止領域である。代替的又は追加的に、始点のうちの1つ及び/又は終点のうちの1つは、軌道に基づくことができ、したがって、異なる軌道にわたって可変とすることができる。これにより、計画の高度な柔軟性が可能になる。
【0034】
一実施の形態によれば、複数の車両はホロノミック車両であるか、又は少なくともかかる車両を含む。ホロノミック車両は、説明された実施形態で可能な柔軟な軌道及び高速走行に特に適している。
【0035】
一実施の形態によれば、調整手段は、軌道に沿った複数の車両の共通の走行のために、新しい走行要求を合同の走行要求として車両グループ又は車両隊列に送信するように構成される。これにより、大きな物体及び/又は重い物体の輸送が可能になる。
【0036】
本発明の別の実施の形態は、ソーティングシステム制御手段を提供する。該ソーティングシステム制御手段は、例えば、本明細書に記載の調整手段及び衝突回避手段と、新たな走行要求を出力するためのインターフェイスとを備える。
【0037】
更なる実施の形態は、ソーティングシステム又はソーティングシステム制御手段を動作させる方法に関する。
【0038】
更なる有利な実施の形態は、従属請求項の主題である。
【0039】
添付の図面を参照して、特に好ましい実施形態を以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】一実施形態によるソーティングシステムの概略ブロック図である。
【
図2】一実施形態によるソーティングシステムの一部の概略図であり、軌道の始点及び/又は終点として使用することができる例示的な領域が示されている。
【
図3a】一実施形態による軌道の速度仕様の決定を説明する概略的なグラフである。
【
図3b】一実施形態による軌道の速度仕様の決定を説明する概略的なグラフである。
【
図3c】一実施形態による軌道の速度仕様の決定を説明する概略的なグラフである。
【
図4a】ソーティングシステムにおける既知の障害物の概略図である。
【
図4b】ソーティングシステムにおける既知の障害物の概略図である。
【
図4c】ソーティングシステムにおける既知の障害物の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の実施形態が図面を参照して以下に詳細に説明される前に、同一の、機能的に等しい、又は等しい要素、物体、及び/又は構造は、異なる図において同じ参照番号を与えられ、その結果、異なる実施形態に示されるこれらの要素の説明は、交換可能又は相互適用可能であることを指摘しておく。
【0042】
以下で説明される実施形態は、複数の詳細の文脈で説明される。しかしながら、実施形態は、これらの詳細な特徴なしに実装することができる。さらに、明確にするために、実施形態は、詳細な表現の代わりにブロック図を使用して説明される。さらに、個々の実施形態の詳細及び/又は特徴は、反対のことが明示的に記載されていない限り、互いに組み合わせることができる。
【0043】
本明細書に記載される実施形態は、軌道に沿った車両の移動に関する。本明細書に記載される実施形態のうちのいくつかにおいては、かかる軌道は、例えば、輸送物品が始点でピックアップされ、終点で払い出され得るように、始点から終点まで記述される。しかし、本明細書に記載される実施形態はこれに限定されない。むしろ、始点又は終点は、ソーティングシステム内の別様に構成された地点又は領域、例えば、ソーティングシステムの別の空間領域への変更が行われる経路、例えば、輸送物品ホール又は倉庫の出口又は入口とすることもできる。また、始点若しくは終点又は開始領域若しくは終了領域は、力学的に考慮することができ、例えば、輸送材料ピックアップ地点から輸送材料払い出し地点までの経路上の部分的な軌道の開始点又は終了点であり得て、その結果、かかる始点又は終点は、空間内で軌道に沿って任意に分散させることができる。
【0044】
実施形態及び本発明の中心的な着想は、車両ベースのソーティングシステムにおいて運動力学的経路計画を使用するという考察に基づいている。すなわち、軌道及び速度を計算するための本明細書に記載される実施形態のうちのいくつかにおいては、運動力学的経路計画が使用される。従来の方法と比較して、運動力学的経路計画は、障害物を有する環境を通る無衝突経路を決定する(運動学的境界条件を意味する)だけでなく、この経路に沿って、物理的に最大可能な速度及び加速度、すなわち力学的境界条件も考慮に入れる。特に、可能な限り最小の進行時間での速度及び軌道の組み合わせにより、車両が制御不可能な状態で離脱しないような対象を解決することが意図されている。運動力学的経路計画は、オフラインで行うことができる計画構成要素(予測経路計画)と、実行中の車両運動の安定性の制御を可能にするために動作中にオンラインで行うことができる反応構成要素とを含む。つまり、決定されたルートが無衝突ものでなければならず、ルートに沿った車両の軌道が力学的境界条件を満たさなければならないため、使用されるアルゴリズム及び搭載コンピューターの性能に高い要求が課される。加えて、決定されたルートは、最適である、例えば、目的地までの最短ルートを有する必要がある。かかる計算を確実にリアルタイムで提供することが1つの要件である。
【0045】
実施形態は、
図4a~
図4fに関連して説明したように、車両間に障害物が発生せず、同時に、1時間当たりの輸送されるパッケージの必要な物流性能が達成されるように、多くの車両をそれらの複雑な運動力学的経路計画、すなわち軌道及び速度プロファイルと協調させるという技術的課題を解決することを目的とする。この点に関する更なる課題は、例えば、より大きな輸送要求又は嵩張る物品の輸送を一緒に実行するために、複数の車両のグループが隊列を組んで走行することによってもたらされる。
【0046】
図1は、一実施形態によるソーティングシステム10の概略ブロック図を示している。ソーティングシステム10は、軌道14
1及び14
2に沿ってソーティングシステム10内を移動するように構成された複数の車両12
1及び12
2を備える。車両12
1及び12
2の数は任意であり、2台以上、5台以上、10台以上、20台以上、更には100台以上であり得る。
図1には2つの軌道14
1及び14
2しか示されていないが、軌道14の数はこれとは無関係である。これらは、軌道14
1が始点16
1と終点18
2とを接続し、点16
1と18
2との間のルートを記述するように例示的に選択される。同様に、軌道14
2は、始点16
2と終点18
1との間の経路又はルートを記述する。始点及び終点は、所望に応じて、ソーティングシステム内で互いに隣接して配置されるか、又は互いに分散され得る。他の可能な軌道として、例えば、始点16
2と終点18
2との間、及び/又は始点16
1と終点18
1との間の接続が挙げられる。とはいえ、軌道が各始点と各終点との間でソーティングシステム10に提供されることは必要ではなく、1つのみの軌道が始点の特定の対と終点との間で可能であることも必要ではなく、むしろ、後に詳細に説明されるように、複数又は多数の軌道候補が可能であり得る。
【0047】
各軌道141及び142には、速度プロファイルとも称され得る速度仕様221及び222をそれぞれ割り当てることができる。速度仕様221及び/又は222は、速度vの仕様を有することができ、速度vは、それぞれ、軌道141及び142の経路xにわたって一定であり得るが、可変でもあり得る。速度仕様221及び222は、軌道又はその一部に沿って調整又は達成又は走行される速度に関する車両への命令を含み得る。
【0048】
ソーティングシステム10は、始点16と終点18との間の或る数の軌道14を計算するように構成された計算手段24を含む。軌道のそれぞれには、軌道14に沿ったソーティングシステムの車両12の速度仕様22が割り当てられる。ここで、例えば、速度、輸送量、輸送重量、エネルギー消費等に関して異なる、異なる車両の使用のために、異なる車両がソーティングシステム10において使用されることが可能であり、その結果、同じ経路に対して、特に、運動力学的経路計画としての任意の設計に関して、異なる車両に依存して、異なる速度仕様が存在し得る。
【0049】
ソーティングシステム10は、ソーティングシステム制御手段26を更に備え、該ソーティングシステム制御手段26は、調整手段28及び衝突回避手段32を備え得る。調整手段28及び衝突回避手段32は、ソーティングシステム制御手段26とは独立して、例えば、個々の構成要素として及び/又は車両の構成要素として実装することもできる。代替的又は追加的に、計算手段24は、ソーティングシステム制御手段の一部であり得るが、これは、軌道及び/又は速度仕様に関する情報が、場合によっては遠隔に位置するコンピューティングシステムから取得される実施形態を除外することを意図するものではなく、この目的のために、場合によっては遠隔に位置するサービスプロバイダーのコンピューティングユニットも、分散コンピューティングサービス、例えばいわゆるクラウドサービスと同様に考慮することができる。軌道の計算が外部コンピューティングユニット上で部分的に実行される場合であっても、実施形態において、対応する計算結果を既存のソーティングシステムに適合させる計算手段を有するソーティングシステムに関係なく言及している。
【0050】
調整手段28は、車両121及び122に走行要求341及び342を送信するように構成される。走行要求341及び342のそれぞれは、軌道14kのうちの1つに沿った始点16iのうちの1つから終点18jのうちの1つまでの走行を記述し、定義し、又は含む。輸送要求とも称され得る走行要求34の一部として、速度仕様221及び222も車両に送信され得る。あるいは、ルート及び/又は速度プロファイルが既に車両に予め記憶されており、例えば、車両内の走行要求34を使用するインジケーター、識別子、又は他の指示子を使用して選択されるように、車両に予め記憶された情報を識別するように適合された情報を車両に送信することもできる。代替的又は追加的に、車両は、利用可能なルートに関する事前情報を含むこともでき、その結果、走行要求34は、事前に知られている情報からの可能な走行又は軌道の選択として理解することができる。走行のための速度仕様は、車両のメモリに、例えば、可能な走行も記憶されるのと同じメモリに予め記憶することができる。代替的に、走行要求、すなわち軌道及び/又は速度仕様は、例えば無線技術を使用して車両に送信することができる。
【0051】
衝突回避手段32は、プロセッサ、マイクロコントローラー、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等を備える等、少なくとも部分的にソーティングシステム制御の一部として、及び/又は少なくとも部分的に、1つ以上の車両内に実装することができる。少なくとも部分的に車両に実装される場合、それぞれの車両のそれぞれは、例えば、それ自体の走行要求について衝突を回避し、必要に応じて、対応する検査を実行し、及び/又は他の車両に指示を提供するように構成することができる。
【0052】
衝突回避手段32は、新たな走行要求、すなわち追加される走行要求の軌道を、ソーティングシステムの別の車両との起こり得る衝突について検査するように構成される。この更なる車両は、走行要求又は走行計画も実施されている車両であり得て、あるいは既に走行している車両であり得る。例えば、車両12
1は、その軌道の計画を既に完了している可能性があり、走行要求34
2は、このシナリオでは新しい走行要求とみなすことができる。衝突回避手段は、走行要求34
2と走行要求34
1との起こり得る衝突を示す衝突情報を取得するように構成され、この目的のための衝突は、任意の可能なタイプの相互ブロックとして理解され、その例が
図4a~
図4fに示されている。
【0053】
ここで、衝突回避手段32は、新しい走行要求342の軌道に関連付けられた速度仕様222を衝突情報に基づいて変更して、修正された速度仕様22’2を取得し、起こり得る衝突を回避するように構成される。速度仕様を変更することは、例えば、速度仕様222を少なくとも一時的に増加又は減少させることを意味し得る。各ケースで最大加速度を実装することが試みられる運動力学的ルート計画の場合、その変更は加速度及び/又は速度の低下を意味することができる。このことから、速度仕様22は、必ずしも実際の速度の指定を対象とするものではなく、加速度、駆動装置に供給されるエネルギー、又は他の制御変数等の他のパラメーターを参照することもできることが分かる。
【0054】
いずれの場合も、実施形態は、衝突回避手段32が、速度仕様222を調整することの代替として、又はそれに加えて、速度仕様22’1を変更することによって、速度仕様221を適合させることを提供する。原則として、衝突に関与する車両の1つ以上の速度仕様を変更することによって、衝突情報によって表される検出された衝突を回避することが可能である。
【0055】
衝突回避手段等のソーティングシステムは、142等の軌道及び修正された速度仕様22’2を含む命令を含む新しい走行要求342を、車両122又はその制御部若しくは車両制御部に送信するように構成される。この目的のために、例えば、5G、WLAN(無線ローカルエリアネットワーク)等の無線送信技術を使用することができるが、必要に応じて、有線又は他の送信方法も使用することができる。ここで、車両への送信又はその制御に関する差異について、実施形態の異なる構成を挙げることができ、それらは、例えば、衝突回避手段32がどのように及びどの位置で実装されるか、及び/又は衝突回避若しくは優先度付けのためのどの概念若しくは戦略が実装されるかに基づいている。
【0056】
多くの場合、更新された速度プロファイルの車両への遠隔送信は、衝突回避手段32が遠隔地に実装されている場合等に行うことができる。しかしながら、車両に実装された場合であっても、車両内での送信、車両へのその制御を行うことができる。
【0057】
例えば、衝突回避手段32が車両自体に実装され、優先度付けに関連してより詳細に説明されるラウンドロビン(round-robin)スケジューリングが使用され、より低い優先度の車両が対応する衝突をチェックし、更に2台の車両のみが衝突に関与する場合、このステップは省略することもできる。しかしながら、かかる知識が事前に入手できることは稀であるため、検査及び/又は送信は依然として実行することができる。多くの又は全ての他の変形例において、特に優先度付け戦略としての全数探索法の場合に、修正された速度プロファイルが必要な車両が正確に1台だけであることは保証できず、同時にこの車両が依然として検査される車両であることを保証することはできない。したがって、衝突回避手段32及び車両制御手段の別個の実施態様の一部として、対応する信号が車両の外部から来ることを必要としない場合であっても、車両/車両制御手段への対応する送信を提供することが意図される。例えば、衝突回避手段32が、車両内で実行されるソフトウェアで少なくとも部分的に実装される場合であっても、これは、ロボット/車両の制御/移動手段に対して別個のソフトウェア部分を表すものであるため、その後送信が車両内でこれら2つのソフトウェア部分の間で行われる場合でも、情報はそこで「送信」されなければならない。
【0058】
このことから、ソーティングシステム10は、事前にルート及び速度を計算し、衝突の可能性がある場合にのみ、新たに追加された走行要求が衝突を引き起こさないことをその速度仕様を適宜設定して確実にすることによって、これらの衝突を回避するように構成されることが分かる。これは、例えば、車両が途中で一度、その輸送物品を配達するまで所定の速度仕様で走行し続ける構成にもつながり得るが、始点16及び/又は終点18を、これらが例えば一定の時間間隔に基づくように、及び/又は特定の距離と、輸送物品を配達する前であっても既に走行している1台以上の又は全ての車両についての速度プロファイルの再決定(場合によっては大域的最適化基準を考慮に入れる)とに基づくように設定することも可能である。これは、輸送物品がピックアップされる地点から輸送物品が払い出される地点まで複数の軌道が通過されることを意味するとも理解できる。
【0059】
軌道の始点と終点との間の区別がソーティングシステム10において実装されるが、対応する地点は、例えば異なる軌道に対して、始点及び終点の両方として使用され得ることに更に留意されたい。
【0060】
以下では、軌道が決定される計画段階を参照する。例えば、計算手段24は、可能な数の始点のうちの始点と可能な数の終点のうちの終点との間の複数の軌道候補を計算するように構成することができる。
【0061】
この点に関して、一実施形態によるソーティングシステム20の一部の概略図を示す
図2を参照する。例示的に、領域36
1~36
lが示されており、これらの領域の一部又は全部は、軌道の始点及び終点の両方とみなすことができる。
【0062】
領域36は、始点及び/又は終点としてソーティングシステム内の静止領域を記述することができ、或いは、軌道に基づくことができる。領域の全体的なセットはまた、組み合わせ構造であり得て、一部の領域が静止しており、他の領域が、全体的なルートの一部の開始点及び/又は終了点、ホール入口、ホール出口等の軌道に基づいている。
【0063】
例示的に、複数の軌道候補38m,nが示されており、mは、本実施形態においては1又は2である軌道識別子を表し、nは、選択される軌道又はルート接続内のそれぞれの軌道候補のインデックスを表す。例えば、計算手段24は、候補381,nに対して領域3619を始点として使用し、領域3631を終点として使用し、軌道候補382,mに対して領域3631を始点として使用し、領域36Iを終点として使用するように構成することができる。ここで、本例における異なるルート領域の軌道候補の数nは同じであるが、互いに異なってもよく、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも10、又は少なくとも20以上の数であり得ることに留意されたい。
【0064】
調整手段28は、軌道候補のうちの1つを新たな走行要求についての軌道として選択するように構成することができる。すなわち、調整手段は、複数の可能なルートのうちの1つを選択することができる。例えば、1つのルート38mの候補が異なれば、前後ではなく横並びで進行できるため、複数の車両が短い時間間隔で走行することが可能になる。
【0065】
計算手段は、軌道曲率を考慮に入れながら複数の軌道候補38m,nを計算するように構成することができる。例えば、計算手段24は、場合によっては軌道間の距離等の追加の境界条件を考慮に入れて、最小曲率を有する所定数の軌道候補を決定するように構成することができる。事前決定された数の最も適切な軌道候補を決定することにより、複数の異なる軌道候補に関して或る程度の余裕を持つことができ、すなわち、常に利用可能な特定の数のオプションが存在することになる。代替的に又は追加的に、計算手段24は、最大で所定の曲率閾値の軌道曲率を有する或る数の軌道候補を決定するように構成することができる。すなわち、過度の曲率は潜在的に低加速度及び/又は低速度をもたらす可能性があるため、或る特定の曲率閾値境界条件を満たす全ての軌道候補を決定することが可能であり得る。この観点から、例えば、領域3631と領域36Iとの間のルートについて、領域3619と領域3631との間の経路とは異なる数の軌道候補を取得することができる。両方の基準を容易に組み合わせることもでき、その結果、例えば、或る特定の曲率条件を満たす一定数の軌道候補が計算される。他の又は追加の境界パラメーター、例えば、或る特定のルート長、他の物体までの距離等も考慮することができる。曲率に関して、特に車両の最大加速度、すなわち車両の可能加速度が重要な寄与を提供し得ることに留意されたい。曲率に関連する最大可能加速度は、経路に沿った物理的な最大可能速度に関連し得るか、又は経路に沿った物理的な最大可能速度を決定し得る。
【0066】
一実施形態によれば、計算手段は、スプラインに基づいて軌道を計算するように構成される。任意選択で、計算手段24は、隣接する軌道候補の距離を示す、始点と終点との間の制御点、例えば隣接する頂点421及び422の距離44を決定するように構成することができる。この距離は、必ずしも軌道全体にわたって維持される必要はなく、例えば、始点及び/又は終点の領域において異なるように選択され得るか、又は省略され得る。
【0067】
軌道候補の決定には、原則として高い自由度がある。軌道候補によって、ソーティングシステム10内の既存の自由空間を良好~最大限という範囲で使用することができるため、例えば、並行して走行可能なより広い通路内に複数のレーンを形成することができる。加えて、2つの領域を接続するための複数の候補により、阻害物又は衝突が検出された場合に他の候補に切り替える能力が得られる。
【0068】
候補38
m,nのそれぞれについて、速度プロファイル、すなわち速度仕様が、例えば時間最適速度プロファイルの形態で計算され得る。これは、
図3a~
図3cを参照して一例として説明される。
【0069】
例えば、
図3aは、
図2の候補38
m,nのうちの1つの位置x
6における総ルート長が、それぞれがルート長Δx
1~Δx
6を有する複数の軌道部分に分割される概略的なグラフを示している。場合によっては、軌道部分Δx
1~Δx
6は等距離であり、それらが等しいルート長を含むことを意味するが、必ずしもその必要はない。
【0070】
数が少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも10、又はそれ以上であり得る軌道部分Δx
1~Δx
6のそれぞれについて、計算手段は、部分速度仕様を計算して、部分速度仕様の組み合わせに基づいて速度仕様22を計算することができる。さらに、
図3aに示すように、各部分について最大速度が計算される。速度V1~V7は、それぞれのウェイポイントにおける最大速度に相当する。この目的のために、例えば、それぞれの部分における曲率が考慮され、又は考慮に入れられ、そこから最大速度V1~V7が計算される。
【0071】
換言すれば、
図3aは、軌道の部分における最大速度の決定を示している。
【0072】
図3bは、速度仕様を決定するための更なるステップを示している。この目的のために、部分Δx
1~Δx
6は、例えばルート0から開始して終了点x
6まで、例えば車両の加速度を考慮に入れて、順次反復される。これは、例えば、直線46として例示的に表される加速度が実際の速度から開始して適用されるという点で、走行の開始時(x=0)における偏差をもたらす。ルートの開始点(x=0)では、速度は例えば0であるが、これは他の実施形態においては必須ではない。他の開始点及びルートでは、速度は0に等しくなくてもよい。直線46の勾配は、位置x
1においてどの最大速度V2’が実際に達成され得るかを判定し、その結果、ここで補正が行われ、x
2における速度V3’の場合も同様である。さらに、一定の加速度46の勾配に基づいて、x
5において補正が行われ、その結果、適合した速度V
6’がここで取得される。加速度46は、直線として表すことができるが、他の車両は、曲線軌道等の異なる加速度プロファイルを有し得ることが理解される。
【0073】
換言すれば、該部分は開始から終了まで反復され、最大速度は加速度に基づいて計算される。
図3bは、実際の達成可能な最大速度の計算を示している。
【0074】
図3cは、さらに、x
6において目標速度、本例では0に到達するために、同様にどのように負の加速度、すなわち減速が考慮されるかを示している。他の例では、最終速度は、例えば、或る領域から別の領域に走行し、新しい領域内で新しい軌道を開始する場合、ゼロに等しくなくてもよい。
【0075】
したがって、例えば、x6からx0に向かって、可能な最大の負の加速度48を考慮に入れ、対応する例示的だが車両に依存する直線をプロットすることで制動能力を考慮に入れることができ、そこでも反復が行われる。このようにして、速度仕様22は、軌道の個々の部分及び全体において組み合わせて決定することができる。
【0076】
換言すれば、最後に、
図3cに示すように、達成可能な最大速度が制動操作も考慮に入れるように、該部分は逆向きに通過される。それによって、各軌道部分に対して、軌道部分の曲率、正及び負の両方の加速度としての車両の最大加速度が、最大速度を計算するために計算手段によって使用される。最大速度、軌道部分の開始時における速度仕様(
図3b)、及び軌道部分の終了点における速度仕様(
図3c)に基づいて、達成可能な又は所望の最大速度を
図3aの元の仕様に適合させることによって、部分速度仕様を計算することができる。
図3cは、制動操作を考慮に入れた最大達成可能速度の計算を示している。
【0077】
一実施形態によれば、計算手段は、速度仕様を時間最適化された速度仕様として運動力学的に計算するように構成することができる。これは、各軌道に対して、軌道を通過するのに必要な時間が可能な限り短くなるように速度仕様が決定されることを意味する。
【0078】
一実施形態によれば、調整手段は、特定のルートに対するn個の候補のうちの1つ等の、複数の軌道候補から新しい走行要求に対する軌道を選択するように構成される。複数の軌道候補は、既存の走行要求において車両に既に割り当てられた軌道を考慮に入れることができる。これは、発進しようとしている車両又は既に走行している車両が既に軌道候補を占有している可能性があることを意味し、調整手段はこれを考慮に入れる。
【0079】
一実施形態によれば、衝突回避手段32は、既存の走行要求の既に割り当てられた軌道に対して速度仕様を適合させないように構成され、その結果、例えば、
図3cの結果として取得される速度仕様の低下は、ハンドオーバー部分において追加又は更新される新たな速度仕様に対してのみ実行される。
【0080】
一実施形態によれば、調整手段28は、既に割り当てられた軌道上の車両を、軌道の選択のための潜在的な障害物としてみなすように構成される。これらは、潜在的に移動している障害物を通過する対応する軌道を選択することによって、及び/又は速度仕様を適合させることによって考慮に入れることができる。
【0081】
一実施形態によれば、衝突回避手段は、複数の新たな走行要求に対して軌道を通過するためのそれぞれの時間最適速度仕様として、複数の対応する軌道を取得するように構成される。すなわち、複数の車両に走行要求が提供される。複数の新たな軌道に対して、衝突回避手段32は、新たな走行要求内での車両間の起こり得る衝突を判定し、速度仕様のうちの少なくとも1つを適合させることによって、新たな走行要求内での起こり得る衝突を回避することができる。これにより、既存の走行要求が依然として手付かずのままであることを可能にしながら、互いに対する走行要求を相互に考慮することが可能になる。ここでの目的は、個々の車両を時間的に最適に制御するだけでなく、他の車両との衝突を回避することである。むしろ、本明細書に記載の実施形態の目的は、衝突がないという境界条件を考慮に入れながら、全ての車両について時間を最適化することである。新しい速度プロファイル/要求が既存の要求について互いに適合される場合であっても、更新された計算が実行される次のルート部分又は次の時間部分等の次の反復において、既存の要求を依然として適合させることができる。
図3b及び
図3cを参照すると、これは、例えば、初期速度及び/又は最終速度が0でない軌道の場合に可能である。
【0082】
したがって、一実施形態によれば、時間最適化された無衝突走行要求のセットは、修正された速度仕様によって、複数の車両に対してグローバルに取得される。
【0083】
この場合、衝突回避手段32は、起こり得る衝突に関与する車両のうちのどれに対して速度仕様が適合されるかを判定するように構成され得る。この場合、新たな走行要求に関与する2台の車両のうちの1台に対して、又は関与する車両の両方に対して、速度仕様を適合させることができ、例えば、部分的に低下させることができ、それによって、潜在的な衝突に関与し得る3台以上の車両に対しても制限なく可能となる。
【0084】
衝突回避手段32は、所定の優先度、全数探索法、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを実装するように構成することができる。例えば、優先度は、物品の優先度を考慮に入れることができ、及び/又は優先度は、車両に割り当てることができる。これにより、ランキング又は順序を固定することが可能となり、その結果、その順序に基づいて、どの車両の走行要求について適合を行うかが常に明確になる。この情報は、車両に知られることができ、少なくとも中央調整点である衝突回避手段に知られることになる。かかる所定の優先度付けの一例は、いわゆるラウンドロビンスケジューリングである。
【0085】
一実施形態によれば、衝突回避手段は、複数の新たな走行要求について起こり得る衝突を判定し、調整手段によって走行要求に割り当てられた速度プロファイルの速度仕様を一致させ、任意選択的に、既に送信された速度プロファイル又は適合された速度プロファイルを未修正のままにするように構成される。
【0086】
一実施形態によれば、衝突回避手段32は、割り当てられた軌道の走行要求が完了するまで、既に修正された速度仕様を変更不可能として扱うように構成される。いくつかの実施形態においては、これはまた、進行する総距離の部分ルートのみを指すこともできる。
【0087】
一実施形態によれば、調整手段28は、新しい走行要求を、特に重い物品及び/又は特に嵩張る物品等の、軌道に沿った共通の走行のための車両グループ又は車両隊列への共通の走行要求として決定するように構成される。軌道は、隊列の車両が、隊列に基づいて軌道に対して千鳥状になるように、例えば、1台の車両がそのわずかに左側に、1台の車両がそのわずかに右側になるように、又は車両が互いに不変の距離で軌道に沿って又は平行に移動するように選択することができる。
【0088】
本明細書に記載の実施形態は、その走行手段が、例えば、いわゆる「オムニホイール(omni-wheel)」を備えるホロノミック車両に特に適している。特に、時間最適化された速度仕様を得るために、速度仕様の計算を運動力学的計算として組み合わせることで、著しい利点が得られる。
【0089】
再び
図1を参照すると、実施形態はまた、例えば、走行要求を複数の車両に送信するように構成された調整手段28等の調整手段を含むソーティングシステム制御手段の実施態様を提供し、各走行要求は、それぞれの軌道に沿った始点から終点までの走行を含む。ここで、軌道に沿った車両の速度仕様は、各軌道に関連付けられている。さらに、ソーティングシステム手段26は、衝突回避手段36等の衝突回避手段を含み、該衝突回避手段36は、新たな走行要求について、走行要求との起こり得る衝突に関連する軌道を検査して、起こり得る衝突を示す衝突情報を取得し、衝突情報に基づいて軌道に関連する速度仕様を変更して、起こり得る衝突を防止するために修正された速度仕様を取得するように構成される。ソーティングシステム制御手段は、軌道及び修正された速度仕様を含む命令を含む新しい走行要求を出力するためのインターフェイスを含む。これは、ソーティング制御手段26が、ソーティングシステム10の更なる構成要素から独立して実装又は送達されることも可能であり、後になって初めてシステム全体に結合されることが可能であることを意味する。
【0090】
一実施形態によれば、ソーティングシステム制御手段26は、第1の数の始点と第2の数の終点との間の第3の数の軌道、例えば、それぞれ複数の軌道候補又は単に1つの軌道を決定するように構成された計算手段24等の計算手段を含み、調整手段は、軌道に走行要求を割り当てるように構成される。
【0091】
本明細書に記載される実施形態に関する考察は、特定の実施形態を参照して、表現を変えて再び説明される。これらの説明の背景として、LoadRunnerとも称される本明細書に記載される車両及びそれぞれの使用分野に関して、以下の状況が想定される。
【0092】
車両、すなわちLoadRunnerは、高速並びに高加速を実現することができる。例えば、車両は、10m/秒以上の最大速度及び4m/s2~5m/s2以上の加速度を有することができる。
【0093】
そのため、これらの車両では、最大速度において約10m~12m又はそれ以上の制動距離が生じ得るため、動的に発生する障害物、例えばその領域を通って又は車線を横断して歩行している人に反応することができないか、又はほとんど反応しないという欠点を有する。
【0094】
この結果、車両をリアクティブに、「スウォームヒューリスティクス(swarm heuristics)」を用いて操作することは容易ではなく、予め計画された軌道で操作することが望ましいとされている。
【0095】
オムニホイールの使用により、LoadRunnerは、いわゆる「ホロノミックロボット」である。これは、制御可能な自由度の数が、システム全体に存在する自由度の数に等しいことを意味する。ホロノミックロボットは、いわゆる構成空間、すなわち、加速度の境界条件が維持される限り、事実上、位置X、Y及び回転を有する3つの自由度から形成される空間において任意の軌道を通過できる手段を意味し得る。飛行手段の場合、z成分も考慮することができる。自動車等の駐車空間に横向きに進入して走行することができない車両は、それに反している。この場合、例えば自動車は2つの制御可能な自由度しか有していないため、車両を2m側方に移動させるためには、極めて複雑な軌道を選択しなければならない。ここで、地上を走行する車両のシステムは、位置X,Yについて2自由度、回転について1自由度の合計3自由度を有するものとする。
【0096】
ソーティングシステムにおいて車両を使用するためには、とりわけ、供給地点、すなわち新しいパケットが受け取られる位置と終了位置との間の軌道が最適であることが重要である。通常、地点を事前決定できる仕分け回路のみが重要であるため、室内の任意の地点から、及び任意の地点への最適な軌道は必要とされない。また、ソーティングシステムのレイアウトに大きな自由走行領域を設けることができる。この点は、実施形態によれば、軌道を一定時間の間に静的に事前計算する必要があるという大きな欠点を解消するため、非常に重要であり得る。解決方法の中心的な着想の1つは、2つの条件が使用され、特に運動力学的ルート計画については、基本的に解決するのが非常に困難であるマルチエージェント経路探索問題が、計算手段及び調整手段等によって、最初に運動力学的境界条件に従ってルート計画を配置することによって緩和され、車両の実際の衝突回避が、衝突回避手段等によりこれらの経路に沿った速度プロファイルを介して実現されることである。
【0097】
本発明の方法は、基本的に以下の3つのステップに分けることができる。
【0098】
1.期間Tの間、次のステップで使用され得る全ての経路が決定される。仕分けシナリオに関して、これは、具体的には、例えば充電ステーション又はバッファゾーンへの車両の返却を含め、期間Tにおいて使用される全ての集荷先から期間Tにおいて使用される全ての配送先への経路を意味する。通常、より多くの回避オプションを提供するために、接続に対して複数の候補を生成することができる(
図2の説明を参照)。期間Tは比較的長く、例えば、1分、少なくとも5分、又は少なくとも10分とすることができる。
【0099】
2.車両への輸送要求の割り振り。ここで、どの車両が「どこからどこへ」走行しなければならないかが決定される。各車両は、その走行要求について全ての現在の候補をチェックする。したがって、候補としての軌道候補の選択は、集中的又は分散的に実装することができ、これは、ソーティングシステム制御手段26又は調整手段28を車両内で局所的に実装することもできることを意味する。かかる場合には、ソーティングシステム制御手段に選択を戻したり、また、衝突回避を行ったりすることができる。
【0100】
3.起こり得る衝突候補に速度プロファイルを適合させることによる衝突回避。このステップは、好ましくは、車両が発進する前、又は現在の軌道が開始する前に行われる。
【0101】
第1のステップである軌道候補決定において、可能な限り低い曲率を有する複数の経路候補38
m,nが、各集荷先/配送先の組み合わせについて計算され、その結果、可能な限り高い加速度及びそれに関連する速度を得ることができる。例えば、曲線経路上の軌跡に留まるためには、遠心力に対抗しなければならない。これは、車両がその最大可能加速度の一部を軌跡に留まるためだけに使用し、経路に沿って加速するために使用しないことを意味する。したがって、経路に沿った最大加速のためには、可能な限り低い曲率を有する全ての経路が望ましい又は好ましい。経路を生成する際には、例えば、スプラインが使用され、開始点及び終了点の制御点は常に固定される。開始点と終了点との間の制御点については、長さに応じて、間隔が定義され、個々の候補の制御点が、例えば距離44だけ、互いにどの程度離れているかが決定される。このようにして、例えば
図2に示したように、配達位置及び払い出し位置における必要な地点が常に正確に通過され、自由領域上の自由空間が均一に又は他の規制に従って使用されることを確実にすることができる。
【0102】
各候補について、時間最適速度プロファイルを計算することができる。ここで、軌道の部分は等距離に分割され、各部分に対して曲率及び結果として生じる最大速度が計算される(
図3a参照)。続いて、これらの部分が開始から終了まで反復され、最大速度が加速度に基づいて計算される(
図3b参照)。次に、これらの部分は、最大達成可能速度が制動操作も考慮するように、逆向きに通過される(
図3c参照)。
【0103】
さらに、輸送要求が車両に割り当てられる。これは、どの車両がどこからどこへ走行しなければならないかを判定する。各車両は、全ての既存の候補又はその走行要求に対する選択のために決定された候補を検査する。
【0104】
第2のステップでは、輸送要求が現在の車両に割り当てられ、どの走行候補が車両に利用可能であるかが判定される。全ての輸送要求及び関連する軌道の一部は常に固定されており、すなわち修正不可能であるが、別の部分は計画中であることに留意されたい。これは、例えば、車両が現在通過しているか又は間もなく開始する軌道が、他の参加者の衝突回避(ポイント3を参照)によってもはや修正することができない固定速度プロファイルを有することを意味する。これは、一方では、長い制動距離から生じるが、最適なプロファイルを計算するための通信及び処理時間からも生じる。現在のステップでは、これらの車両は静的障害物とみなされ、経路候補を選択する際に考慮される。現在の要求について、可能な限り障害物の少ない経路が選択される。
【0105】
第2のステップの後に実行される第3のステップでは、経路の速度プロファイルが決定され、最初に各車両が時間最適プロファイルで発進する。ステップ1における経路は、時間最適軌道として計画されているため、経路から逸脱することなく、最大可能速度で経路を通過することが常に可能である。したがって、この実施形態においては、衝突回避により、車両が単に減速し、加速することはない。これにより、加速に影響を及ぼす遠心力も小さくなるため、常に正確に減速して経路を通過できることが確実となる。まず、現在の速度プロファイルにおいて発生し得る全ての衝突が判定される。ステップ1により全ての経路が事前に分かっているため、各車両について、理論的にどの車両と衝突する可能性があるかが分かる。これにより、考慮されるシナリオがそれに限定され得るため、計算時間を大幅に短縮することができる。車両がその速度プロファイルをインテリジェントに適合させることによって、衝突が回避される。
【0106】
速度プロファイルを適合させるために、実施形態は、種々の戦略を提供する。
【0107】
a)例えばラウンドロビンスケジューリングのような固定された優先度付けの使用。これは簡単かつ迅速な変形例である。ここで、衝突の場合に対して、どの車両がその速度を適合させるかが事前に決定される。これは、固定された順序(車両Aが常に車両Bよりも優先される等)によって、衝突が検査される任意の順序(車両Aの車両Bとの衝突が検査される前に車両Bの車両Aとの衝突が検査され、これが車両Bが優先される理由である)によって、例えば、先に開始する車両Aが要求の優先度によって後に開始する車両Bよりも優先されるような輸送要求のタイムスタンプによって(車両Aは車両Bよりも先に到着しなければならず、したがって車両Aが優先される)、又は任意の選択方法によって決定することができる。ここでは、両方の車両が、一致した順序を知り、検出し、又は決定するための全ての情報を含んでいることに関連するだけである。この概念は、2台の車両のうちの1台のみが、その速度プロファイルを適合させ、他の車両との衝突についてそれを再び検査する必要があり、それにより、迅速な解決策を見出すことが可能になるという利点を有する。しかし、車両Aが常に車両Bに対して優先度を有するが、車両Aが車両Bを待つ場合には両方がより速くなるという点で、発見された解決策がソーティングシステム全体に対して最適ではないことは、場合によっては不利となる。
【0108】
b)全数探索:この変形例では、競合回避又は衝突回避の複数のオプションがシミュレートされる。例えば、車両Aが車両Bと衝突した場合、両方の回避オプション(車両Aが車両Bに対してブレーキをかける、又は車両Bが車両Aに対してブレーキをかける)がシミュレートされる。これは、現在計画されている他の候補との新たな衝突をもたらす可能性がある。これら全てのオプションは、ツリー構造に仕分けされる。ツリーの葉は、関与する全ての車両の無衝突軌道を表す。これにより、衝突回避のための真に最適な解が全ての参加者に対して決定される。しかし、この方法は、探索されるツリーが非常に大きく複雑である可能性があるため、実行時間を犠牲にして実行される。
【0109】
c)その組み合わせ、すなわち、両方の方法A及びBの最良のものを組み合わせる試みがなされる。衝突の可能性がある場合には、可能性ツリーが再び構築されるが、或る特定の深度までしか構築されず、すなわち探索には時間制限がある。最適解が十分に速く見つけられない場合、システムは、オプションa)に従って所定の順序に戻る。
【0110】
例えば、計画段階は、候補に対して最適解又は準最適解が発見されるとすぐに終了する。この時点以降、軌道は固定され、すなわち、車両のその後の計画は、例えば、もはや同じように影響を及ぼすことはできず、又は、単に事前決定された優先度若しくは他の所定の例外的な状況に達したときに影響を及ぼすことができる。
【0111】
ステップ2及び3である、輸送要求の割り振り及び速度プロファイルの適合は、再び各車両に対して連続的に実行される。店舗内の状況が新しいルートネットワークを必要とするようになると、プロセスは、ステップ1における軌道の決定から再び開始される。
【0112】
ホロノミック車両の特定の使用分野では、複数の個々の車両が、単一のより大きな車両のように挙動する隊列を形成することができる。かかる隊列走行は、上述した解決策によっても実現することができる。このために、第1のステップにおいて、全隊列に対して軌道が生成され、この軌道から、個々の車両の軌道が、隊列中心からの各車両の既知のオフセットを介して形成される。ステップ2及び3、すなわち走行要求の割り振り及び速度適合は、全ての隊列車両の速度プロファイルが常に一緒に適合され、軌道が同時に開始するという制限又は追加の境界条件により、全ての他の参加者と同様に実行することができる。
【0113】
本明細書に記載された実施形態によって、ホロノミック車両の特定の技術的利点を使用することができ、その結果、運動力学的ルート計画によって高い加速度及び速度で走行することができる。既知の方法とは対照的に、リアクティブな回避及び大きな安全距離を省略することができるため、多数の車両が同時に輸送要求を実行することができる。
【0114】
実施形態は、特に、自律的に走行する輸送車両を有する仕分け設備又はソーティングシステムを実現する際に使用することができる。
【0115】
実施形態はまた、ソーティングシステムを動作させる、及びソーティングシステム制御手段を動作させる方法を提供する。
【0116】
軌道に沿ってソーティングシステム内の複数の車両を移動させるためにソーティングシステムを動作させる方法は、第1の数の始点と第2の数の終点との間の或る数の軌道を計算することを含み、その結果、速度仕様が、軌道に沿った車両のための各軌道に割り振られる。さらに、各走行要求が軌道のうちの1つに沿った始点のうちの1つから終点のうちの1つへの走行を含むように、走行要求が複数の車両に送信される。さらに、新たな走行要求について、ソーティングシステムの更なる車両との起こり得る衝突について軌道を検査して、起こり得る衝突を示す衝突情報を取得することが行われる。本方法は、衝突情報に基づいて軌道に割り振られた速度仕様を修正して、修正された速度仕様を取得し、起こり得る衝突を防止することを含む。さらに、軌道と修正された速度仕様とを含む命令を含む新たな走行要求が車両に送信される。
【0117】
ソーティングシステム制御手段を動作させる方法は、複数の車両に走行要求を送信することを含み、各走行要求は、それぞれの軌道に沿った始点から終点までの走行を含み、軌道に沿った車両の速度仕様が各軌道に割り振られる。本方法は、新たな走行要求について、走行要求との起こり得る衝突について割り振られた軌道を検査して、起こり得る衝突を示す衝突情報を取得することを含む。さらに、軌道に割り振られた速度仕様は、衝突情報に基づいて修正され、修正された速度仕様を取得し、起こり得る衝突が防止される。軌道と修正された速度仕様とを含む命令を含む新しい走行要求が出力される。
【0118】
いくつかの態様が装置の文脈で説明されてきたが、これらの態様は、装置のブロック又はデバイスがそれぞれの方法ステップ又は方法ステップの特徴にも対応するように、対応する方法の説明も表すことは明らかである。同様に、方法ステップの文脈で説明される態様は、対応する装置の対応するブロック又は詳細又は特徴の説明も表す。
【0119】
或る特定の実施態様の要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェア又はソフトウェアで実装することができる。実施態様は、デジタル記憶媒体、例えばフロッピーディスク、DVD、Blu-Rayディスク、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM又はフラッシュメモリ、電子的に可読制御信号を記憶したハードドライブ又は別の磁気若しくは光メモリを使用して実行することができ、これらは、それぞれの方法が実行されるようにプログラマブルコンピューターシステムと協働するか、又は協働することができる。したがって、デジタル記憶媒体はコンピューター可読であり得る。
【0120】
概して、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータープログラム製品として実装することができ、プログラムコードは、コンピュータープログラム製品がコンピューター上で実行されるときに方法のうちの1つを実行するように動作可能である。プログラムコードは、例えば、機械可読キャリアに記憶され得る。
【0121】
他の実施形態は、本明細書に記載される方法のうちの1つを実行するためのコンピュータープログラムを含み、コンピュータープログラムは、機械可読キャリアに記憶される。
【0122】
換言すれば、本発明の方法の一実施形態は、したがって、コンピュータープログラムがコンピューター上で実行されるときに、本明細書に記載される方法のうちの1つを実行するためのプログラムコードを含むコンピュータープログラムである。したがって、本発明の方法の更なる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためのコンピュータープログラムが記録されたデータキャリア(又はデジタル記憶媒体若しくはコンピューター可読媒体)である。
【0123】
したがって、本発明の方法の更なる実施形態は、本明細書に記載される方法のうちの1つを実行するためのコンピュータープログラムを表すデータストリーム又は信号のシーケンスである。データストリーム又は信号のシーケンスは、例えば、データ通信接続を介して、例えばインターネットを介して転送されるように構成され得る。
【0124】
更なる実施形態は、本明細書に記載された方法のうちの1つを実行するように構成又は適合された処理手段、例えばコンピューター、又はプログラマブル論理デバイスを含む。
【0125】
更なる実施形態は、本明細書に記載される方法のうちの1つを実行するためのコンピュータープログラムがインストールされたコンピューターを含む。
【0126】
いくつかの実施形態においては、プログラマブル論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ、FPGA)が、本明細書に説明される方法の機能性の一部又は全部を行うために使用され得る。いくつかの実施形態においては、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に説明される方法のうちの1つを実行するために、マイクロプロセッサと協働することができる。概して、方法は、任意のハードウェア装置によって実行されることが好ましい。これは、コンピュータープロセッサ(CPU)等の普遍的に適用可能なハードウェア、又はASIC等の方法に特有のハードウェアであり得る。
【0127】
上述の実施形態は、本発明の原理を単に例示するものである。本明細書に記載された構成及び詳細の修正及び変形は、当業者には明らかであることが理解される。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、本明細書の実施形態の記述及び説明によって提示される特定の詳細によって限定されないことが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーティングシステム制御手段であって、
複数の車両(12)に走行要求を送信するように構成された調整手段(28)であって、各走行要求が、それぞれの軌道(14)に沿った始点から終点までの走行を含み、前記軌道(14)に沿った車両(12)の速度仕様(22)が、各軌道(14)に割り振られる、調整手段(28)と、
新たな走行要求について、走行要求との起こり得る衝突について割り振られた軌道(14)を検査して、起こり得る衝突を示す衝突情報を取得し、衝突情報に基づいて前記軌道(14)に割り振られた前記速度仕様(22)を修正して、修正された速度仕様(22’)を取得し、前記起こり得る衝突を防止するように構成された衝突回避手段(32)と、
前記軌道(14)及び前記修正された速度仕様(22’)を含む命令を含む前記新たな走行要求を出力するためのインターフェイスと、
を備える、ソーティングシステム制御手段。
【請求項2】
前記軌道に関連付けられた前記速度仕様は、事前決定に基づく速度仕様であり、前記軌道(14)の経路(x)にわたる速度(v)についての速度プロファイルを含み、前記衝突回避手段(32)は、前記修正された速度仕様(22’)による前記走行要求の送信の後及び前に前記速度仕様を適合させて、前記起こり得る衝突を回避するように構成される、請求項1に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項3】
前記調整手段(24)は、前記新たな走行要求について、複数の軌道候補(38)から前記軌道(14)を選択するように構成され、前記複数の軌道候補(38)は、既存の走行要求において車両(12)に既に割り振られた軌道(14)を考慮する、請求項1又は2に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項4】
前記衝突回避手段(32)は、既存の走行要求の既に割り振られた軌道(14)に対して前記速度仕様(22)を適合させないように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項5】
前記調整手段(28)は、既に割り振られた軌道(14)上の車両(12)を、前記軌道(14)の前記選択のための潜在的な障害物としてみなすように構成される、請求項3又は4に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項6】
前記衝突回避手段(32)は、複数の新たな走行要求について、複数の対応する軌道(14)を、前記軌道(14)を通過するためのそれぞれの時間最適速度仕様(22)として取得し、前記複数の前記新たな軌道(14)に対して、前記車両(12)間の起こり得る衝突を判定し、前記速度仕様(22)のうちの少なくとも1つを適合させることによって、前記新たな走行要求内の前記起こり得る衝突を防止するように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項7】
修正された速度仕様によって、全体的に時間最適化された無衝突走行要求が前記複数の車両(12)に対してグローバルに取得される、請求項6に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項8】
前記衝突回避手段(32)は、前記起こり得る衝突に関与する前記車両(12)のうちのどれに対して前記速度仕様(22)が適合されるかを判定するように構成される、請求項6又は7に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項9】
前記衝突回避手段(32)は、
所定の優先度、
全数探索法、
所定の優先度と全数探索法との組み合わせ、
のうちの少なくとも1つを使用して前記起こり得る衝突に関与する前記車両のうちのどれに対して前記速度仕様(22)が適合されるかを判定するように構成される、請求項8に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項10】
前記衝突回避手段(32)は、複数の新たな走行要求について起こり得る衝突を判定し、前記調整手段(28)によって前記走行要求に割り振られた前記速度プロファイルの前記速度仕様を一致させるように構成され、既に送信された速度プロファイルが、未修正のままである、請求項1~9のいずれか一項に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項11】
前記衝突回避手段(32)は、前記割り振られた軌道(14)上の前記走行要求が終了するまで、既に修正された速度仕様(22’)を修正不可能として扱うように構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項12】
第1の数の始点と第2の数の終点との間の第3の数の軌道(14)を決定するように構成された計算手段(24)を備え、前記調整手段(28)は、前記軌道(14)に走行要求を割り振るように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項13】
前記計算手段(24)は、前記第1の数の始点のうちの始点と前記第2の数の終点のうちの終点との間の複数の軌道候補(38)を計算するように構成され、
前記調整手段(28)は、前記軌道候補(38)のうちの1つを前記新たな走行要求についての軌道(14)として選択するように構成される、請求項12に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項14】
前記計算手段(24)は、軌道曲率を考慮することによって前記複数の軌道候補(38)を計算するように構成され、前記計算手段(24)は、最小曲率の所定数の軌道候補(38)及び/又は最大で所定の曲率閾値の軌道曲率を含む或る数の軌道候補(38)を決定するように構成される、請求項13に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項15】
前記計算手段(24)は、スプラインに基づいて前記軌道(14)を計算するように構成される、請求項12~14のいずれか一項に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項16】
前記計算手段(24)は、前記軌道(14)の前記始点と前記終点との間の制御点についての隣接する軌道候補(38)の距離を示す間隔を決定するように構成される、請求項15に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項17】
前記計算手段(24)は、空間内の任意の始点と任意の終点との間の前記軌道(14)を計算するように構成される、請求項15又は16に記載のソーティングシステム。
【請求項18】
前記計算手段(24)は、前記速度仕様(22)を、時間最適化された速度仕様(22)として運動力学的に計算するように構成される、請求項12~17のいずれか一項に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項19】
前記軌道(14)は、始点と終点との間の連続的な経路又は連続的なルートを描く、請求項1~18のいずれか一項に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項20】
前記軌道(14)は、複数の軌道部分を含み、前記計算手段(24)は、各軌道部分について部分速度仕様を計算し、前記部分速度仕様の組み合わせに基づいて前記速度仕様(22)を計算するように構成される、請求項1~19のいずれか一項に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項21】
前記計算手段(24)は、各軌道部分の曲率と車両(12)の最大加速度とに基づいて前記軌道部分の最大速度を計算し、前記最大速度と、前記軌道部分の前記開始点における速度仕様(22)と、前記軌道部分の終了点における速度仕様(22)とに基づいて前記部分速度仕様(22)を計算するように構成される、請求項20に記載のソーティングシステム制御手段。
【請求項22】
ソーティングシステムであって、
前記ソーティングシステム内の軌道(14)に沿って移動するように構成された複数の車両(12)と、
第1の数の始点(16)と第2の数の終点(18)との間の第3の数の軌道(14)を計算するように構成された計算手段(24)を含み、前記軌道(14)に沿った車両(12)の速度仕様(22)が、各軌道(14)に割り振られる、請求項1~21のいずれか一項に記載のソーティングシステム制御手段と、
を備え、
前記ソーティングシステムは、前記インターフェイスによって、前記軌道(14)と前記修正された速度仕様(22’)とを含む前記命令を含む前記新たな走行要求を車両(12)の制御部に送信するように構成される、ソーティングシステム。
【請求項23】
始点及び/又は終点が、前記ソーティングシステム内の静止領域であるか、又は前記軌道(14)に基づく、請求項22に記載のソーティングシステム。
【請求項24】
前記複数の車両(12)は、ホロノミック車両(12)を含む、請求項22又は23に記載のソーティングシステム。
【請求項25】
前記調整手段(28)は、前記軌道(14)に沿った共通の走行のために、前記新しい走行要求を共通の走行要求として車両グループ又は車両隊列に送信するように構成される、請求項22~24のいずれか一項に記載のソーティングシステム。
【請求項26】
ソーティングシステム制御手段を動作させる方法であって、
複数の車両(12)に走行要求を送信することであって、各走行要求が、それぞれの軌道(14)に沿った始点から終点までの走行を含み、前記軌道(14)に沿った車両(12)の速度仕様(22)が、各軌道(14)に割り振られることと、
新たな走行要求について、走行要求との起こり得る衝突について割り振られた軌道(14)を検査して、起こり得る衝突を示す衝突情報を取得し、前記衝突情報に基づいて前記軌道(14)に割り振られた前記速度仕様(22)を修正して、修正された速度仕様(22’)を取得し、前記起こり得る衝突を防止することと、
前記軌道(14)及び前記修正された速度仕様(22’)を含む命令を含む前記新たな走行要求を出力することと、
を含む、方法。
【請求項27】
コンピュータープログラムであって、前記プログラムがコンピューター上で実行されるとき、請求項26に記載の方法を実行するためのプログラムコードを有する、コンピュータープログラム。
【国際調査報告】