(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(54)【発明の名称】ブルシンゲルプラスター、その製造方法および使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/475 20060101AFI20231201BHJP
A61K 9/70 20060101ALI20231201BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20231201BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20231201BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20231201BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20231201BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20231201BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20231201BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20231201BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20231201BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20231201BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20231201BHJP
A61K 47/16 20060101ALI20231201BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20231201BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20231201BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20231201BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
A61K31/475
A61K9/70
A61P19/02
A61P29/00 101
A61K47/32
A61K47/36
A61K47/42
A61K47/38
A61K47/10
A61K47/34
A61K47/26
A61K47/44
A61K47/16
A61K47/20
A61K47/02
A61K47/12
A61K47/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023529039
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(85)【翻訳文提出日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 CN2021131901
(87)【国際公開番号】W WO2022105891
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】202011305433.X
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523322313
【氏名又は名称】セーリング ファーマシューティカル テクノロジー グループ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】フー ジエ
(72)【発明者】
【氏名】シュエ チュンメイ
(72)【発明者】
【氏名】チャオ チアン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ミーフェン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA72
4C076BB31
4C076CC04
4C076DD21
4C076DD24
4C076DD28
4C076DD29
4C076DD38
4C076DD42
4C076DD55
4C076DD59
4C076EE06
4C076EE09
4C076EE16
4C076EE23
4C076EE30
4C076EE32
4C076EE36
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4C076EE42
4C076EE53A
4C076FF34
4C076FF51
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB24
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA32
4C086MA63
4C086NA11
4C086ZA96
4C086ZB15
(57)【要約】
ブルシンゲルプラスター及びその製造方法である。上記ブルシンゲルプラスターは、重量%で、0.3%~2%のブルシンと、3%~10%の骨格材料と、20%~50%の保湿剤及び溶解助剤と、0.1%~2%の架橋剤及び架橋調整剤とを含み、残部が水であり、バッキング層及び粘着防止層を含む。経皮吸収促進剤を使用することなく、簡単な薬用補助材を使用することで、皮膚との親和性がよく、通気・保湿し、皮膚及び粘膜への刺激性がなく、薬物負荷が大きく、繰り返し貼付けが可能である。このプラスターは、変形性関節症、関節リウマチ、リウマチ様関節炎など、消炎止痛を必要とする関連疾患を治療又は改善するために用いられる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量%で、0.3%~2%のブルシンと、3%~10%の骨格材料と、20%~50%の保湿剤及び溶解助剤と、0.1%~2%の架橋剤及び架橋調整剤とを含み、残部が水であり、
バッキング層及び粘着防止層を含み、
好ましくは、0.3%~1%のブルシンと、4%~8%の骨格材料と、25%~40%の保湿剤及び溶解助剤と、0.3%~1%の架橋剤及び架橋調整剤とを含み、残部が水であり、
バッキング層及び粘着防止層を含む、ことを特徴とするブルシンゲルプラスター。
【請求項2】
前記骨格材料が、カルボマー、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、トラガカントガム、ゼラチン、デンプン、キサンタンガム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポビドンK90、ポビドンK30、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、HPMC、アルギン酸及びそのナトリウム塩、ポリアクリル酸架橋樹脂、ポリアクリル酸部分中和物から選択される1種又は複数種の組み合わせであり、
好ましくは、前記骨格材料が、ポリアクリル酸部分中和物、ポリアクリル酸ナトリウム、ポビドンK90、カルボキシメチルセルロースナトリウムから選択される1種又は複数種であることを特徴とする、請求項1に記載のブルシンゲルプラスター。
【請求項3】
前記保湿剤が、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール400、ソルビトールから選択される1種又は複数種の組み合わせであり、
前記溶解助剤が、エタノール、尿素、オリーブ油、ポリソルベート80、ポリソルベート60、プロピレングリコール、DMSO、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール400、ユーカリ油、シクロデキストリンから選択される1種又は複数種の組み合わせであり、
好ましくは、前記保湿剤が、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトールから選択される1種又は2種又は複数種の組み合わせであり、前記溶解助剤が、DMSO、ポリソルベート80、ポリエチレングリコール400およびシクロデキストリンから選択される1種又は2種又は複数種の組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載のブルシンゲルプラスター。
【請求項4】
前記架橋剤が、水酸化アルミニウム、アルミニウムグリシネート、三塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ミョウバン、複合アルミニウム塩から選択される1種又は複数種の組み合わせであり、
前記架橋調整剤が、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、エデチン酸及びそのナトリウム塩から選択される1種又は複数種の組合せであり、
好ましくは、前記架橋剤が、アルミニウムグリシネート、水酸化アルミニウムから選択される1種又は2種の組み合わせであり、前記架橋調整剤が、酒石酸、クエン酸、エデチン酸およびそのナトリウム塩から選択される1種又は複数種の組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載のブルシンゲルプラスター。
【請求項5】
前記バッキング層が、不織布、レーヨン布から選択され、前記粘着防止層が、ポリプロピレンエンボスフィルム、ポリエチレンフィルム、粘着防止紙、プラスチックフィルム、硬質ガーゼから選択されることを特徴とする、請求項1に記載のブルシンゲルプラスター。
【請求項6】
さらに、重量%で、無水亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、tert-ブチル-p-ヒドロキシアニソール、ジブチルフェノール、ビタミンC、ビタミンCパルミタート、エデチン酸及びそのナトリウム塩から選択される1種又は複数種の組み合わせである酸化防止剤を0.05~0.075%含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載のブルシンゲルプラスター。
【請求項7】
さらに、重量%で、トリクロロ-tert-ブチルアルコール、エチルパラベン、ベンジルアルコール、メチルパラベン、ブチルパラベン、ソルビン酸及びそのカリウム塩、メントール、安息香酸及びそのナトリウム塩から選択される1種又は複数種の組み合わせである制菌剤を、0.01~0.3%、好ましくは0.1~0.2%含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載のブルシンゲルプラスター。
【請求項8】
さらに、重量%で、充填剤を0.1~10%、好ましくは0.1~5%を含み、
前記充填剤が、カオリン、珪藻土、ベントナイト、酸化亜鉛、酸化チタン、微粉シリカゲルから選択される1種又は複数種の組み合わせであり、好ましくは、カオリン、酸化チタン、微粉シリカゲルから選択される1種又は複数種の組み合わせであることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のブルシンゲルプラスター。
【請求項9】
(1)保湿剤及び溶解助剤、骨格材料、架橋剤及び架橋調整剤、並びに処方量の水を含み、所望により制菌剤、酸化防止剤を含むブランク基質を調製する工程と、
(2)ブルシンを溶解助剤に溶解させ、ブランク基質と混合して、ブルシン膏体を得る工程と、
(3)ブルシン膏体をバッキング層に塗布し、粘着防止層を付着させて、ブルシンゲルプラスターを得る工程と、を含む
方法一、
(1)保湿剤及び溶解助剤、ブルシン、骨格材料、架橋剤及び架橋調整剤を含み、所望により制菌剤、酸化防止剤を含むブルシン有機相を調製する工程と、
(2)架橋剤及び架橋調整剤と水とを含む水相基質を調製する工程と、
(3)ブルシン有機相と水相基質とを混合して、ブルシン膏体を得る工程と、
(4)ブルシン膏体をバッキング層に塗布し、粘着防止層を付着させて、ブルシンゲルプラスターを得る工程と、を含む
方法二、
(1)保湿剤、骨格材料、架橋剤および架橋調整剤を含み、所望により制菌剤、酸化防止剤を含む有機相基質を調製する工程と、
(2)ブルシン、架橋剤及び架橋調整剤、溶解助剤、並びに水を含むブルシン水相を調製する工程と、
(3)有機相基質とブルシン水相とを混合して、ブルシン膏体を得る工程と、
(4)ブルシン膏体をバッキング層に塗布し、粘着防止層を付着させて、ブルシンゲルプラスターを得る工程と、を含む
方法三、
(1)保湿剤、骨格材料、架橋剤及び架橋調整剤を含み、所望により制菌剤、酸化防止剤を含む有機相基質を調製する工程と、
(2)ブルシン、架橋調整剤及び水を含むブルシン水相を調製する工程と、
(3)有機相基質とブルシン水相とを混合して、ブルシン膏体を得る工程と、
(4)ブルシン膏体をバッキング層に塗布し、粘着防止層を付着させて、ブルシンゲルプラスターを得る工程と、を含む
方法四、
から選択される方法であることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載のブルシンゲルプラスターの製造方法。
【請求項10】
消炎止痛を必要とする変形性関節症、関節リウマチ(Rheumatic Arthritis)、リウマチ様関節炎(Rheumatoid Arthritis)などの疾患を治療又は改善するための請求項1~5のいずれかに記載のブルシンゲルプラスターの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤の分野に属し、具体的には、ブルシンゲルプラスター、その製造方法および使用に関する。
【背景技術】
【0002】
変形性関節症(OA)とは、臨床症状として、関節の痛み、腫れ、こわばりなどがあらわれる関節退行性疾患である。関節炎は関節の腫れや痛みを主な症状とするものであり、変形性関節症の最も重要な病理学的特徴としては、関節軟骨の損傷がある。マチンは、性味が苦く温かく、大毒があり、活絡、止痛や散結、消腫の効果を有し、打ち身、骨折腫痛、リウマチ麻痺、麻木麻痺などのために用いられる。マチン薬材は、散結、消腫、活絡、止痛が可能であるため、関節炎の治療には数千年の歴史があり、臨床的には、複合応用することが多い。マチンの主な有効成分は、ブルシン(brucine)、ストリキニーネ(strychnine)、ボミシン(vomicine)、ノバシン(novacine)、ロガニン(loganin)、イカジン(icajine)などを含む総アルカロイドである。ブルシンは、関節炎を治療する漢方薬のマチンの薬効成分である。現代薬理学の研究により、ブルシンは、抗炎・止痛活性を有するのみならず、軟骨細胞の増殖を促進して軟骨細胞の早期アポトーシスを抑制できることが明らかとなった。ストリキニーネは、抗炎・止痛作用がほとんどないどころか、むしろマチンの主要な毒性成分である。
【0003】
市販されているブルシン含有製剤は、全て複合製剤であり、ストリキニーネを含むため、治療濃度域が狭い。現在、ブルシンモノマーに関する製剤はまだ現れていない。
【0004】
ブルシンは、油水分配係数(logP)が1~2であり、経皮吸収が比較的良いため、現在、ブルシンから、例えばゲル剤やゲル貼付剤、粘着剤を用いた貼付剤などの外用配合製剤を開発した従来技術はあるが、有効成分の皮膚透過効果を高めるためには、強い浸透促進作用を有するアゾンなどの経皮吸収促進剤を処方に添加しなければならない。アゾンは、極めて強い皮膚浸透促進作用を有するが、高い親油性を有するため、長期間使用する場合、皮膚に長期間蓄積し角質層を破壊して、皮膚の不可逆な損傷を招き、強い刺激性を有する。
【0005】
本発明は、経皮吸収促進剤を使用することなく優れた皮膚透過効果を有し、変形性関節症や関節リウマチの治療に有用であり、臨床応用の安全性を大幅に高めることができるブルシンゲルプラスター及びその製造方法を提供する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、従来技術の欠陥に対して、安全で、徐放し、皮膚透過効果に優れる新規なブルシンゲルプラスター、その製造方法及び使用を提供することである。また、本発明で提供されるブルシンゲルプラスターは、良好な消炎止痛効果を有し、製造工程が簡単で作業性が高く、工業生産を実現することが薬効試験によって明らかとなっている。
【0007】
本発明の第1の側面は、重量%で、0.3%~2%のブルシンと、3%~10%の骨格材料と、20%~50%の保湿剤及び溶解助剤と、0.1%~2%の架橋剤及び架橋調整剤とを含み、残部が水であり、バッキング層及び粘着防止層を含むブルシンゲルプラスターを提供する。
【0008】
好ましくは、前記ブルシンゲルプラスターは、重量%で、0.3%~1%のブルシンと、4%~8%の骨格材料と、25%~40%の保湿剤及び溶解助剤と、0.3%~1%の架橋剤及び架橋調整剤とを含み、残部が水であり、バッキング層及び粘着防止層を含む。
【0009】
前記ブルシンゲルプラスターにおいて、前記骨格材料は、カルボマー、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、トラガカントガム、ゼラチン、デンプン、キサンタンガム、ポリアクリル酸(ナトリウム)、ポリビニルアルコール、ポビドンK90、ポビドンK30、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、HPMC、アルギン酸及びそのナトリウム塩、ポリアクリル酸架橋樹脂、ポリアクリル酸部分中和物(NP-600、NP-700、NP-800)から選択される1種又は複数種の組み合わせである。好ましくは、前記骨格材料は、ポリアクリル酸部分中和物(NP-600、NP-700、NP-800)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポビドンK90、カルボキシメチルセルロースナトリウムから選択される1種又は複数種である。
【0010】
前記ブルシンゲルプラスターにおいて、前記保湿剤及び溶解助剤は、エタノール、尿素、オリーブ油、ポリソルベート80、ポリソルベート60、プロピレングリコール、グリセリン、DMSO、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール400、ユーカリ油、シクロデキストリン、ソルビトールから選択される1種又は複数種の組み合わせである。好ましくは、前記保湿剤及び溶解助剤は、グリセリン、プロピレングリコール、DMSO、ポリソルベート80、ポリエチレングリコール400及びシクロデキストリンから選択される1種又は2種又は複数種の組み合わせである。
【0011】
前記ブルシンゲルプラスターにおいて、前記架橋剤及び架橋調整剤は、水酸化アルミニウム、アルミニウムグリシネート、三塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ミョウバン、複合アルミニウム塩、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、エデチン酸及びそのナトリウム塩から選択される1種又は複数種の組み合わせである。好ましくは、前記架橋剤及び架橋調整剤は、アルミニウムグリシネート、水酸化アルミニウム、酒石酸、クエン酸、エデチン酸及びそのナトリウム塩から選択される1種又は複数種の組み合わせである。
【0012】
前記ブルシンゲルプラスターにおいて、前記バッキング層は、例えば不織布やレーヨン布など、当業者の公知の材料から選択される。
【0013】
前記ブルシンゲルプラスターにおいて、前記粘着防止層は、例えばポリプロピレンエンボスフィルム、ポリエチレンフィルム、粘着防止紙、プラスチックフィルム、硬質ガーゼなど、当業者の公知の材料から選択される。
【0014】
本発明の第1の側面におけるいくつかの態様では、前記ブルシンゲルプラスターはさらに、重量%で、酸化防止剤を0.05~0.075%含んでいてもよい。前記酸化防止剤は、無水亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、tert-ブチル-p-ヒドロキシアニソール、ジブチルフェノール、ビタミンC、ビタミンCパルミタート、エデチン酸及びそのナトリウム塩から選択される1種又は複数種の組み合わせである。
【0015】
前記ブルシンゲルプラスターはさらに、重量%で、制菌剤を0.01~0.3%、好ましくは0.1~0.2%含んでいてもよい。前記制菌剤は、トリクロロ-tert-ブチルアルコール、エチルパラベン、ベンジルアルコール、メチルパラベン、ブチルパラベン、ソルビン酸及びそのカリウム塩、メントール、安息香酸及びそのナトリウム塩から選択される1種又は複数種の組み合わせである。
【0016】
前記ブルシンゲルプラスターはさらに、重量%で、充填剤を0.1~10%、好ましくは0.1~5%含んでいてもよい。前記充填剤は、カオリン、珪藻土、ベントナイト、酸化亜鉛、酸化チタン、微粉シリカゲルから選択される1種又は複数種の組み合わせである。好ましくは、前記充填剤は、カオリン、酸化チタン、微粉シリカゲルから選択される1種又は複数種の組み合わせである。
【0017】
本発明は、ブルシンゲルプラスターの製造方法を提供する。方法一~方法三のいずれかによって製造することができる。
【0018】
方法一は、
(1)保湿剤及び溶解助剤、制菌剤、骨格材料、架橋剤及び架橋調整剤、酸化防止剤、並びに処方量の水を含むブランク基質を調製する工程と、
(2)ブルシンを溶解助剤に溶解させ、ブランク基質と混合して、ブルシン膏体を得る工程と、
(3)ブルシン膏体をバッキング層に塗布し、粘着防止層を付着させて、ブルシンゲルプラスターを得る工程と、を含む。
【0019】
方法二は、
(1)保湿剤及び溶解助剤、ブルシン、制菌剤、骨格材料、架橋剤及び架橋調整剤、酸化防止剤を含むブルシン有機相を調製する工程と、
(2)架橋剤及び架橋調整剤と水とを含む水相基質を調製する工程と、
(3)ブルシン有機相と水相基質とを混合して、ブルシン膏体を得る工程と、
(4)ブルシン膏体をバッキング層に塗布し、粘着防止層を付着させて、ブルシンゲルプラスターを得る工程と、を含む。
【0020】
方法三は、
(1)保湿剤、制菌剤、骨格材料、架橋剤および架橋調整剤、酸化防止剤を含む有機相基質を調製する工程と、
(2)ブルシン、架橋剤及び架橋調整剤、溶解助剤、並びに水を含むブルシン水相を調製する工程と、
(3)有機相基質とブルシン水相とを混合して、ブルシン膏体を得る工程と、
(4)ブルシン膏体をバッキング層に塗布し、粘着防止層を付着させて、ブルシンゲルプラスターを得る工程と、を含む。
【0021】
方法四は、
(1)保湿剤、骨格材料、架橋剤及び架橋調整剤を含む有機相基質を調製する工程と、
(2)ブルシン、架橋調整剤及び水を含むブルシン水相を調製する工程と、
(3)有機相基質とブルシン水相とを混合して、ブルシン膏体を得る工程と、
(4)ブルシン膏体をバッキング層に塗布し、粘着防止層を付着させて、ブルシンゲルプラスターを得る工程と、を含む。
なお、工程(1)の有機相基質は、所望により制菌剤、酸化防止剤をさらに含んでいてもよい。
【0022】
上記方法において、全ての補助材は実際の処方量及び種類に合わせて調整する。
【0023】
本発明は、変形性膝関節症への医薬品を製造するためのブルシンゲルプラスターの使用を提供する。
【0024】
本発明において、特に説明がない限り、
用語「ブランク基質」とは、ブルシン膏体中のブルシン以外の全ての組成をいう。
用語「有機相」とは、水と相溶せず、有機化合物を主体とする部分をいう。
用語「水相」とは、水を主体とする部分をいう。
用語「骨格材料」とは、製品の骨格支持、医薬品の貯蔵、粘性付与、保水保湿といった作用を有するものをいう。
用語「溶解助剤」とは、主薬の溶解及び放出に寄与するものをいう。
用語「保湿剤」とは、水分損失を遅らせ、製品安定性を高めるものをいう。
用語「架橋剤」とは、製品に微細な立体構造を与えて製品安定性を高めるものをいう。
用語「架橋調整剤」とは、製品安定性を高め、医薬品を最適な溶出状態とするものをいう。
【0025】
本発明は、従来技術と比較して、以下の有利な効果を有する。
1.ブルシンの経口投与により関節炎を治療する場合は毒性・副作用が大きいが、ブルシンの局所外用プラスターを開発することにより、経口投与の毒性を避け、医薬品のバイオアベイラビリティを高め、治療効果を向上させる。
2.調製したブルシンゲルプラスターは、アゾンなどの強い刺激性を有する経皮吸収促進剤を使用することなく、簡単な薬用補助材を使用するが、皮膚透過効果に優れ、皮膚との親和性がよく、通気・保湿し、皮膚及び粘膜への刺激性がなく、薬物負荷が大きく、繰り返し貼付けが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を実施例に基づいて詳述する。以下の実施例は本発明を説明するものであり、本発明の範囲を限定するものではないことは、当業者であれば理解できる。実施例において具体的な条件が明記されない場合、一般的な条件やメーカーで勧められた条件に従って行う。用いられた試薬や機器についてメーカーが明記されない場合、市販で入手可能な通常品であるとよい。本発明者は、創意工夫を重ねて処方や工程をスクリーニングすることで、本発明を得た。
【0027】
処方スクリーニングの予備実験
【0028】
数多くの処方スクリーニング及びプロセス研究により、本発明の最適な処方及びプロセスを決定した。一部の処方スクリーニング過程を表1に示す。
【0029】
【0030】
処方において、残部が水である。上記処方から明らかなように、ポリアクリル酸ナトリウム部分中和物の代わりにCMC-Naやゼラチンなどを用いて得られた膏体は、性状が安定していないのに対し、ポリアクリル酸ナトリウム部分中和物、架橋剤及び架橋調整剤を主体としたうえで適切な溶解助剤、保湿剤及び残りの骨格材料を配合する場合は、安定している性状のゲルプラスターが得られた。製造方法は補助材の種類に合わせて適宜選択することができる。3つの方法で得られたゲルプラスターは性状が安定で良好であった。
【0031】
実施例1
【0032】
【0033】
製造方法:
(1)エチルパラベンをプロピレングリコールに溶解させ後、グリセリン、NP-700、エデチン酸二ナトリウム、アルミニウムグリシネートを加えて均一に混合して、有機相基質を得た。
(2)酒石酸、水、ブルシンを加えて均一に混合し溶解させてブルシン水相を得た。それを有機相基質に加えて均一に撹拌して、ブルシン膏体を調製した。
(3)ブルシン膏体をバッキング層に塗布し、粘着防止層を付着させて、ブルシンゲルプラスターを得た。
【0034】
実施例2
【0035】
【0036】
製造方法:
(1)メントールをエタノールに溶解させた後、プロピレングリコール、グリセリン、NP-600、CMC-Na、エデチン酸二ナトリウム、アルミニウムグリシネートを加えて均一に混合して、有機相基質を得た。
(2)ブルシン、酒石酸、水を加えて均一に混合し溶解させてブルシン溶液を得た。それを有機相基質に加えて均一に撹拌して、ブルシン膏体を調製した。
(3)ブルシン膏体をバッキング層に塗布し、粘着防止層を付着させて、ブルシンゲルプラスターを得た。
【0037】
実施例3
【0038】
【0039】
製造方法:
(1)ブルシンをPEG400とエタノールの混合溶液に溶解させ、プロピレングリコール、グリセリン、ポリアクリル酸ナトリウム、エデチン酸二ナトリウム、アルミニウムグリシネートを加えて均一に混合して、ブルシン有機相を得た。
(2)酒石酸、水を加えて均一に混合し溶解させて水相溶液を得た。それをブルシン有機相に加えて均一に撹拌して、ブルシン膏体を調製した。
(3)ブルシン膏体をバッキング層に塗布し、粘着防止層を付着させて、ブルシンゲルプラスターを得た。
【0040】
実施例4
【0041】
【0042】
製造方法:
(1)ブルシンをDMSOに溶解させた後、プロピレングリコール、グリセリン、NP-800、CMC-Na、カオリン、エデチン酸二ナトリウム、アルミニウムグリシネートを加えて均一に混合して、ブルシン有機相を得た。
(2)酒石酸、水を加えて均一に混合し溶解させて水相溶液を得た。それをブルシン有機相に加えて均一に撹拌して、ブルシン膏体を調製した。
(3)ブルシン膏体をバッキング層に塗布し、粘着防止層を付着させて、ブルシンゲルプラスターを得た。
【0043】
実施例5
【0044】
【0045】
製造方法:
(1)エチルパラベンをプロピレングリコールに溶解させた後、グリセリン、NP-700、エデチン酸二ナトリウム、アルミニウムグリシネート、ポビドンK90を加えて均一に混合して、有機相基質を得た。
(2)ブルシン、酒石酸、ポリソルベート80、水を加えて均一に混合し溶解させて、ブルシン水相溶液を調製した。それを有機相基質に加えて均一に撹拌して、ブルシン膏体を調製した。
(3)ブルシン膏体をバッキング層に塗布し、粘着防止層を付着させて、ブルシンゲルプラスターを得た。
【0046】
実施例6
【0047】
【0048】
製造方法:
(1)エチルパラベンをプロピレングリコールに溶解させ、グリセリン、ユーカリ油、NP-700、エデチン酸二ナトリウム、水酸化アルミニウム、ポリビニルアルコールを加えて均一に混合して、有機相基質を得た。
(2)ブルシン、酒石酸、水を加えて均一に混合し溶解させてブルシン水相溶液を得た。それを有機相基質に加えて均一に撹拌して、ブルシン膏体を調製した。
(3)ブルシン膏体をバッキング層に塗布し、粘着防止層を付着させて、ブルシンゲルプラスターを得た。
【0049】
実施例7
【0050】
【0051】
製造方法:
(1)エチルパラベンをプロピレングリコールに溶解させ、グリセリン、ポリアクリル酸ナトリウム、エデチン酸二ナトリウム、HPMC、アルミニウムグリシネートを加えて均一に混合して、有機相基質を得た。
(2)ブルシン、酒石酸、ポリソルベート60、水を加えて均一に混合し溶解させてブルシン水相溶液を得た。それを有機相基質に加えて均一に撹拌して、ブルシン膏体を調製した。
(3)ブルシン膏体をバッキング層に塗布し、粘着防止層を付着させて、ブルシンゲルプラスターを得た。
【0052】
実施例8
【0053】
【0054】
製造方法:
(1)エチルパラベンをプロピレングリコールに溶解させ、DMSO、グリセリン、NP-800、ポビドンK90、カオリン、アルミニウムグリシネート、エデチン酸二ナトリウムを加えて均一に混合して、有機相基質を得た。
(2)ブルシン、酒石酸、β-シクロデキストリン、水を加えて均一に混合し溶解させてブルシン水相溶液を調製した。それを有機相基質に加えて均一に撹拌して、ブルシン膏体を調製した。
(3)ブルシン膏体をバッキング層に塗布し、粘着防止層を付着させて、ブルシンゲルプラスターを得た。
【0055】
実施例9
【0056】
【0057】
製造方法:
(1)エチルパラベンをプロピレングリコールに溶解させ、グリセリン、NP-700、エデチン酸二ナトリウム、アルミニウムグリシネート、微粉シリカゲル、酸化チタンを加えて均一に混合して、有機相基質を得た。
(2)ブルシン、酒石酸、尿素、水を均一に混合し溶解させてブルシン水相溶液を得た。それを有機相基質に加えて均一に撹拌して、ブルシン膏体を調製した。
(3)ブルシン膏体をバッキング層に塗布し、粘着防止層を付着させて、ブルシンゲルプラスターを得た。
【0058】
実施例10
【0059】
【0060】
製造方法:
(1)エチルパラベンをプロピレングリコールに溶解させ、グリセリン、オレイン酸、NP-600、CMC-Na、アルギン酸ナトリウム、カオリン、エデチン酸二ナトリウム、酸化チタン、アルミニウムグリシネートを加えて均一に混合して、有機相基質を得た。
(2)ブルシン、クエン酸、水を均一に混合してブルシン水相溶液を得た。それを有機相基質に加えて均一に撹拌して、ブルシン膏体を得た。
(3)ブルシン膏体をバッキング層に塗布し、粘着防止層を付着させて、ブルシンゲルプラスターを得た。
【0061】
試験例1:本発明のブルシンゲルプラスター製剤の性状の検討
実施例1~10のゲルプラスター製剤の物理的性状を目視にて観察したところ、外観が滑らかかつ均一で整えており、成形性、初期粘着力及びフィルム残存量がすべて要求に合っていることがわかった。
【0062】
試験例2:本発明のブルシンゲルプラスター製剤の放出性の検討
パドルオーバーディスク法により、「中国薬典」2015第4部の通則「0931:溶出及び放出度の測定方法」の第4の方法であるディパドルオーバーディスク法における第二法に従う。具体的な方法は以下のとおりである。
溶出媒体(4%塩化ナトリウム溶液)900mlをそれぞれ量り取って溶出カップ内に入れ、32℃±0.5℃に予め加温した。実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例9、実施例10のものを、溶出面を上にしてネットディッシュに固定させ、できるだけ平らとした。そして、ネットディッシュを、25mm±2mmの間隔でスラリー底回転面と平行になるように溶出カップの下部に水平に置いた。50回転/分とし、指定のタイミングでサンプリングし、溶出液を適量吸上げ、同体積の32℃±0.5℃の溶出媒体をタイムリーに追加した。結果を表2に示す。
【0063】
【0064】
本発明で提供されるブルシンゲルプラスターについてin vitro放出性実験を行った場合、放出性は、やや低くなった実施例1及び実施例10を除き、他の実施例において顕著な差異がみられず、本発明の全ての実施例において、8時間の累積放出結果が90%を超え、優れた効果を有した。
【0065】
試験例3:本発明のブルシンゲルプラスター製剤のin vitro放出の検討
【0066】
Franz拡散セル法により、ラット単離腹部皮膚をバリアーとし、試験サンプルを実施例2、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例9、および比較例の市販インドメタシンパップ剤(製造元:ニプロ薬品株式会社、輸入医薬品登録番号H20181060)とした。具体的な方法は以下のとおりである。
【0067】
ラットを頸椎脱臼にて死亡させ、腹部及び周りの毛をシェーバーで丁寧に剃り、除毛部位のラット皮膚を解剖ハサミで全塊剥離し洗浄した後、皮膚の表面が給薬室に面し、皮膚の裏面がちょうど受取液と接触するように、改良されたFranz拡散セルに自然に固定させ、粘着防止層を剥がしたゲルプラスターを皮膚表面に貼付した。受取液は、37℃に予め加温したpH7.4のPBS緩衝液とした。
受取室の水浴温度を37℃、マグネチックスターラー回転数を500rpmとし、それぞれ1、2、4、6、8、24hでサンプリングし、受取液を全て取り出し、同量の新鮮な受取液を追加した。結果を表3に示す。
【0068】
【0069】
本発明で提供されるブルシンゲルプラスターは、活性成分の皮膚透過効果を高めるために、浸透促進作用の強いアゾンなどの経皮吸収促進剤を用いるものではない。これに対し、比較例の市販インドメタシンパップ剤がアゾンを含むため、in vitro経皮吸収実験を行った結果、本発明実施例における24時間の累積経皮吸収質量はいずれも比較例医薬品よりも高かった。
【0070】
試験例4 薬効試験
【0071】
表3の処方について、変形性関節症薬効予備試験によりスクリーニング検討を行ったところ、実施例2、実施例5、実施例7では変形性関節症の治療効果が優れていたため、実施例2、実施例5、実施例7について、変形性関節症の正式な薬効学研究を行った。具体的な試験方法および結果を以下に示す。
【0072】
4.1 実験動物及び医薬品
【0073】
4.1.1 実験動物及び医薬品
SDラット、SPFレベル(特定病原体なし実験動物):体重210~220g、全てオス、アスベロープ(北京)バイオテクノロジー有限公司より購入。
【0074】
4.1.2 医薬品
パパイン:716M022、Solarbio。
フルルビプロフェンゲルプラスター:製造企業:MIKASA SEIYAKU CO.,LTD KAKEGAWA FACTORY;分取企業:北京泰徳製薬股分有限公司;ロット番号:103023-01
L-システアミン:WXBDO897V、SIGMA
【0075】
4.2 実験方法
【0076】
4.2.1 グループの設定
本試験では、正常比較群、モデル群、フルルビプロフェンゲルプラスター群(陽性薬群)、実施例2、実施例5、実施例7の6群に分け、それぞれ10匹のラットとした。
正常比較群、モデル群ではともに、膝関節にブルシンゲルプラスター製剤のブランクを貼付した。
【0077】
4.2.2 投与期間
1日1回、14日間連続投与した。
【0078】
4.2.3 モデル作成
モデリング部位は、右膝関節の片側でモデル作成した。
ラットの関節腔に、4%パパイン、0.03mol/L L-システィン酸(体積2:1で混合)を注射し、モデル作成した。
【0079】
4.3 実験結果
動物行動学的評価の結果に示すように、モデル群と比べて、実施例群及びフルルビプロフェンゲルプラスター群では、動物行動学の採点が明らかに低くなり(p<0.01、p<0.05)、ラットの不快感を軽減させ、ラットの歩行時の足震え挙動を改善させることができた。
X線像の結果に示すように、モデル群と比べて、実施例群及びフルルビプロフェンゲルプラスター群では、X線採点が明らかに低くなり(p<0.001、p<0.01、p<0.05)、モデルラットの膝関節の関節腔狭窄、骨棘及び骨質硬化などの退行性病変を明らかに軽減させ、変形性膝関節症への著しい治療作用が認められた。
痛覚閾値の結果に示すように、モデル群と比べて、実施例群及びフルルビプロフェンゲルプラスター群では、痛覚閾値が明らかに高くなり(p<0.001)、明らかな止痛が可能であった。
関節軟骨の大まかな観察の採点結果に示すように、モデル群と比べて、実施例群及びフルルビプロフェンゲルプラスター群では、関節軟骨の大まかな観察の採点が著しく低下し(p<0.01、p<0.05)、いずれも軟骨保護作用があった。
病理組織鏡下検査の結果に示すように、モデル群と比べて、実施例群では病変の進行が明らかに遅延し、フルルビプロフェンゲルプラスター群では病変進行の遅延において特に変化がなかった。
実験データの結果を以下の表に示す。
【0080】
【0081】
動物行動学の採点、X線像の採点、痛覚閾値および関節軟骨の大まかな観察の採点の評価基準は、以下の通りである。
【0082】
(1)動物行動学の採点
測定時間:グループに分かれる前、投与終了。
測定方法:長さ1m、A4紙幅のコースでラットを走らせ、2つの後足に朱肉につけた。そして、足全体に占めるモデルの足の朱肉から採点する。
採点基準:0点:左足の裏と右足の裏における朱肉色が一致する。
1点:左足の裏の<25%が右足の裏よりも色が濃い。
2点:左足の裏の25~50%が右足の裏よりも色が濃い。
3点:左足の裏の50~75%が右足の裏よりも色が濃い。
4点:左足の裏の>75%が右足の裏よりも色が濃い。
【0083】
(2)X線像の採点
測定時間:グループに分かれる前、投与終了。
測定方法:高周波X線機にて測定し、K-L分画システムにより評価を行った。
採点基準:0点、変化がみられない。
1点:疑わしい関節腔狭小化(JSN)及び唇様骨増殖が認められる。
2点:明確な骨棘(OP)形成および可能なJSNが認められる。
3点:明確なJSN、骨硬化及び可能な形態変化が見られる。
4点:大きなOP、明確なJSN、重篤な骨硬化、骨奇形が認められる。
【0084】
(3)機械による痛値の測定
測定時間:投与終了。
測定方法:VonFrey疼痛法。
【0085】
(4)関節軟骨の大まかな観察
測定時間:試験終了。
測定方法:ラットを安楽死させ、膝関節及び軟骨を観察し、Pelletier採点を行った。
採点基準:0点:関節面が光滑で、色が普段と変わらない。
1点:関節面が荒く、小さな裂け目があり、色が暗い。
2点:軟骨欠損が軟骨中層にまで及んだ。
3点:軟骨面に潰瘍が形成し、軟骨欠損が軟骨深層まで進行した。
4点:軟骨が軟骨がすり減り、軟骨下の骨質が露出した。
【国際調査報告】