IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケミカル アンド バイオファーマシューティカル ラボラトリーズ オブ パトラ エス.エー.の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(54)【発明の名称】EGFの生産方法
(51)【国際特許分類】
   C07K 1/10 20060101AFI20231201BHJP
【FI】
C07K1/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530177
(86)(22)【出願日】2021-11-05
(85)【翻訳文提出日】2023-07-18
(86)【国際出願番号】 IB2021060271
(87)【国際公開番号】W WO2022106951
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】20200100690
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513042676
【氏名又は名称】ケミカル アンド バイオファーマシューティカル ラボラトリーズ オブ パトラ エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】クレオメニス バルロス
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンティノス バルロス
【テーマコード(参考)】
4H045
【Fターム(参考)】
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA09
4H045BA10
4H045BA16
4H045BA20
4H045BA40
4H045DA20
4H045EA20
4H045FA20
4H045FA33
(57)【要約】
本発明は、上皮成長因子様ペプチド(EGF様ペプチド)を調製する方法であって、
前記ペプチドは、以下のアミノ酸配列C(X)(X)4-5(X)10-13(X)C(X)[配列番号49]を有し、前記C-Cはそれぞれシステインであって、そして、前記各Xは、独立に、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸であり、そして、前記EGF様ペプチドは3つの分子内ジスルフィド結合を有し、前記方法は以下のステップを有する:
(I)N末端のアミノ酸が、保護基PGにより、保護されており、それが、Boc及びFmocから選択される第1のペプチド断片を調製し;
(II)C末端のアミノ酸が、保護基PGにより、保護されており、それが、トリチル、クロロトリチル及びt-ブチルから選択される第2のペプチド断片を調製し、そして、前記第1のペプチド断片及び第2のペプチド断片中のアミノ酸側鎖は任意に保護されており;
(III)溶液中で、前記第1のペプチド断片のC末端アミノ酸と、前記第2のペプチド断片のN末端アミノ酸をカップリングし、直鎖状の保護されたEGF様ペプチドを形成し;
(IV)(a)
(i)ステップ(III)で形成された直鎖状の保護されたEGF様ペプチドをヨウ素で処理し、酸化混合物を形成し;
(ii)トリフルオロ酢酸(TFA)で処理し、ステップ(IV)(a)(i)で得られた前記酸化混合物を全体的に脱保護し、
(iii)ステップ(IV)(a)(ii)で得られた前記脱保護された酸化混合物をDMSO/DTTで処理し、未精製のEGF様ペプチドを形成する;又は
(IV)(b)
(i)トリフルオロ酢酸(TFA)で処理し、ステップ(III)で得られた直鎖状の保護されたEGF様ペプチドを全体的に脱保護し;
(ii)ステップ(IV)(b)(i)で得られた脱保護された混合物をDMSOで処理し、未精製のEGF様ペプチドを形成する;そして、
(V)任意に前記未精製のEGF様ペプチドを精製する。
さらに、本発明の態様は、様々な断片縮合を用いた、EGF様ペプチド調製の過程に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のアミノ酸配列を含む上皮増殖因子様ペプチド(EGF様ペプチド)を調製する方法であって、
(X)(X)4-5(X)10-13(X)C(X)[配列番号49]
前記C-Cはそれぞれシステインであって、そして、前記各Xは、独立に、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸であり、そして、前記EGF様ペプチドは3つの分子内ジスルフィド結合を有し、前記方法は以下のステップを有する:
(I)N末端のアミノ酸が、Boc及びFmocから選択される保護基PGにより、保護されている第1のペプチド断片を調製し;
(II)C末端のアミノ酸が、トリチル、クロロトリチル及びt-ブチルから選択される保護基PG2により、保護されている第2のペプチド断片を調製し、そして、前記第1のペプチド断片及び第2のペプチド断片中のアミノ酸側鎖は任意に保護されており;
(III)溶液中で、前記第1のペプチド断片のC末端アミノ酸と、前記第2のペプチド断片のN末端アミノ酸をカップリングし、直鎖状の保護されたEGF様ペプチドを形成し;
(IV)(a)
(i)ステップ(III)で形成された直鎖状の保護されたEGF様ペプチドをヨウ素で処理して、酸化混合物を形成し;
(ii)トリフルオロ酢酸(TFA)で処理することにより、ステップ(IV)(a)(i)で得られた前記酸化混合物を全体的に脱保護し、
(iii)ステップ(IV)(a)(ii)で得られた前記脱保護された酸化混合物をDMSO/DTTで処理して、未精製のEGF様ペプチドを形成するか;又は
(IV)(b)
(i)トリフルオロ酢酸(TFA)で処理することにより、ステップ(III)で得られた直鎖状の保護されたEGF様ペプチドを全体的に脱保護し;
(ii)ステップ (IV)(b)(i)で得られた脱保護された混合物をDMSOで処理して、未精製のEGF様ペプチドを形成する;そして、
(V)任意に前記未精製のEGF様ペプチドを精製する、調製方法。
【請求項2】
前記第1のペプチド断片が、2又はそれよりも多いペプチドサブ断片のカップリングにより調製される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のペプチド断片が、固相ペプチド合成により調製される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のペプチド断片が、2又はそれよりも多いペプチドサブ断片のカップリングにより調製される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のペプチド断片が、固相ペプチド合成により調製される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記EGF様ペプチドが、EGF又はそのアナログ又はEGFのバリアントである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記EGF様ペプチドが、マウスのEGF又はそのアナログ又はEGFのバリアントである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記EGF様ペプチドが、ヒトのEGF又はそのアナログ又はEGFのバリアントである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のペプチド断片のC末端アミノ酸がグリシンである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記EGF様ペプチドが、以下の配列を有するペプチド:
H-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-Ser-His10-Asp11-Gly12-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-OH [配列番号1]
又はそのバリアントであって、
かつ、前記方法は以下の過程を有する;
以下の配列を有する第1のペプチド断片;PG-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-Ser-His10-Asp11-Gly12-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-OH [配列番号2]
又はそのバリアントであって、PGが、Boc及びFmocから選択されるN末端保護基であって、そして、前記C末端アミノ酸が、任意に、活性化されたカルボン酸誘導体の形態であって、
以下の配列を有する第2のペプチド断片;H-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-O-PG [配列番号3]
又はそのバリアントであって、PGが、クロロトリチル及びt-ブチルから選択される保護基であって、そして、前記第1の及び第2のペプチド断片における1または複数のアミノ酸残基が、好ましくは、酸開裂性保護基で任意に保護されている、前記第1のペプチド断片と、前記第2のペプチド断片を、溶液中でカップリングする方法を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記EGF様ペプチドが、以下の配列を有するペプチド;H-Asn(P)-Ser(P)-Asp(P)-ΨSer-Glu(P)-Cys(P)-Pro-Leu-ΨSer-His10(P)-Asp11(P)-Gly12-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-OH [配列番号9]
又はそのバリアントであって、
前記第1のペプチド断片が、以下の配列を有するペプチド断片;PG-Asn(P)-Ser(P)-Asp(P)-ΨSer-Glu(P)-Cys(P)-Pro-Leu-ΨSer-His10(P)-Asp11(P)-Gly12-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-OH [配列番号10]
又はそのバリアントであって、
そして、前記第2のペプチド断片が、以下の配列を有するペプチド断片;H-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号11]
又はそのバリアントであって、
それぞれのPが、同じ又は異なっていてもよい側鎖保護基を表している、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記EGF様ペプチドが、以下の配列を有するペプチド;H-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Asp(tBu)-ΨSer-Glu(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Leu-ΨSer-His10(Trt)-Asp11(tBu)-Gly12-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-OH [配列番号12]
又はそのバリアントであって、
そして、前記第1のペプチド断片が、以下の配列を有するペプチド断片;PG-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Asp(tBu)-ΨSer-Glu(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Leu-ΨSer-His10(Trt)-Asp11(tBu)-Gly12-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-OH [配列番号13]
又はそのバリアントであって、
そして、前記第2のペプチド断片が、以下の配列を有するペプチド断片;H-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-ALys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号14]
又はそのバリアントである、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
配列;PG-Asn(P)-Ser(P)-Asp(P)- ΨSer-Glu(P)-Cys(P)-Pro-Leu-ΨSer-His10(P)-Asp11(P)-Gly12-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-OH [配列番号10]又は配列;PG-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Asp(tBu)-ΨSer-Glu(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Leu-ΨSer-His10(Trt)-Asp11(tBu)-Gly12-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-OH [配列番号13]を有する第1のペプチド断片が、Fmoc-Gly-OHから開始する固相合成によって調製される、請求項11又は請求項12に記載の方法。
【請求項14】
配列;PG-Asn(P)-Ser(P)-Asp(P)-ΨSer-Glu(P)-Cys(P)-Pro-Leu-ΨSer-His10(P)-Asp11(P)-Gly12-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-OH [配列番号15]を有する第1のペプチド断片が、PG-Asn(P)-Ser(P)-Asp(P)-ΨSer-Glu(P)-Cys(P)-Pro-Leu-ΨSer-His10(P)-Asp11(P)-Gly12-OH [配列番号20]と H-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-O-PG [配列番号17]との断片縮合、その後の保護基PGの除去により調製される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
配列;PG-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Asp(tBu)-ΨSer-Glu(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Leu-ΨSer-His10(Trt)-Asp11(tBu)-Gly12-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-OH [配列番号13]を有する第1のペプチド断片が、PG-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Asp(tBu)-ΨSer-Glu(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Leu-ΨSer-His10(Trt)-Asp11(tBu)-Gly12-OH [配列番号18]とH-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-O-PG [配列番号19]との断片縮合、その後の保護基PGの除去により調製される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
配列;PG-Asn(P)-Ser(P)-Asp(P)-ΨSer-Glu(P)-Cys(P)-Pro-Leu-ΨSer-His10(P)-Asp11(P)-Gly12-OH [配列番号20]又はPG-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Asp(tBu)-ΨSer-Glu(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Leu-ΨSer-His10(Trt) -Asp11(tBu)-Gly12-OH [配列番号21]を有する第1のペプチド断片が、Fmoc-Gly-OHから開始する固相合成によって調製される、請求項14又は請求項15に記載の方法。
【請求項17】
配列;H-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-O-PG [配列番号17]又は配列;H-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-O-PG [配列番号19]を有するペプチド断片が、Fmoc-Gly-OHから開始する固相合成によって調製される、請求項14又は請求項15に記載の方法。
【請求項18】
配列; H-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号11]を有する第2のペプチドが、PG-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-OH [配列番号22]とH-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号23]との断片縮合、その後の保護基PGの除去により調製される、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
配列;H-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号14]を有する第2のペプチド断片が、PG-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-OH [配列番号24]とH-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号25]との断片縮合、その後の保護基PGの除去により調製される、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
配列; H-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号11]を有する第2のペプチド断片が、PG-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-OH [配列番号26]と、H-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号27]との断片縮合、その後の保護基PGの除去により調製される、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
配列;H-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号14]を有する第2のペプチド断片が、PG-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39--OH [配列番号28]とH-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号29]との断片縮合、その後の保護基PGの除去により調製される、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
配列;H-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号23]を有するペプチド断片が、PG-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-OH [配列番号30]と、H-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号27]との断片縮合、その後の保護基PGの除去により調製される、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
配列;H-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号25] を有するペプチド断片が、PG-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-OH [配列番号31]とH-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号29]との断片縮合、その後の保護基PGの除去により調製される、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記ペプチド断片; PG-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-OH [配列番号22]又はCys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-OH [配列番号24]が、Fmoc-Gly-OHから開始する固相ペプチド合成により調製される、請求項18又は請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記ペプチド断片; H-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号23]又はH-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号25]が、Fmoc-Arg(P) 又は Fmoc-Arg(Pbf)から開始する固相ペプチド合成により調製される、請求項18又は請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記ペプチド断片; PG-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-OH [配列番号26]又はPG-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39 -OH [配列番号28]が、Fmoc-Gly-OHから開始する固相ペプチド合成により調製される、請求項20又は請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記ペプチド断片; H-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号27]又はH-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号29]が、Fmoc-Arg(P)又はFmoc-Arg(Pbf)を使用している固相ペプチド合成により調製される、請求項20又は請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記EGF様ペプチドが、以下の配列を有するペプチド;H-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-Ser-His10-Asp11-Gly12-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-OH [配列番号1]
又はそのバリアントであって、
そして、前記方法は、以下を含んでいる;
第1のペプチド断片が、以下の配列を有するペプチド断片;PG-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-Ser-His10-Asp11-Gly12-OH [配列番号4]
又はそのバリアントであって;
PGがBoc及びFmocから選択されたN末端保護基であり;そして、当該C末端アミノ酸は、任意に、活性化されたカルボン酸誘導体の形態であり;
第2のペプチド断片が、以下の配列を有するペプチド断片;H-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-O-PG [配列番号5]又はそのバリアントであって;PGが、クロロトリチル及びt-ブチルから選択される保護基であって、;そして、前記第1の及び第2のペプチド断片における1または複数のアミノ酸残基が、好ましくは、酸開裂性保護基で任意に保護されている、前記第1のペプチド断片と、前記第2のペプチド断片を、溶液中でカップリングする方法を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記EGF様ペプチドが、以下の配列を有するペプチド;H-Asn(P)-Ser(P)-Asp(P)-ΨSer-Glu(P)-Cys(P)-Pro-Leu-ΨSer-His10(P)-Asp11(P)-Gly12-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-OH [配列番号9]
又はそのバリアントであって、
前記第1のペプチド断片が、以下の配列を有するペプチド断片;PG-Asn(P)-Ser(P)-Asp(P)-ΨSer-Glu(P)-Cys(P)-Pro-Leu-ΨSer-His10(P)-Asp11(P)-Gly12-OH [配列番号34]
又はそのバリアントであって、
そして、前記第2のペプチド断片が、以下の配列を有するペプチド断片;H-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号32]又はそのバリアントであって、
それぞれのPが、同じ又は異なっていてもよい側鎖保護基を表している、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記EGF様ペプチドが、以下の配列を有するペプチド断片;H-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Asp(tBu)-ΨSer-Glu(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Leu-ΨSer-His10(Trt)-Asp11(tBu)-Gly12-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-OH [配列番号12]
又はそのバリアントであって;
そして、前記第1のペプチド断片が、以下の配列を有するペプチド断片;PG-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Asp(tBu)-ΨSer-Glu(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Leu-ΨSer-His10(Trt)-Asp11(tBu)-Gly12-OH [配列番号18]
又はそのバリアントであって;
そして、前記第2のペプチド断片が以下の配列を有するペプチド断片;H-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号33]
又はそのバリアントである、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のペプチド断片;PG-Asn(P)-Ser(P)-Asp(P)-ΨSer-Glu(P)-Cys(P)-Pro-Leu-ΨSer-His10(P)-Asp11(P)-Gly12-OH [配列番号34]又はPG-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Asp(tBu)-ΨSer-Glu(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Leu-ΨSer-His10(Trt)-Asp11(tBu)-Gly12-OH [配列番号18]が、Fmoc-Gly-OHから開始する固相ペプチド合成により調製される、請求項29又は請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第2のペプチド断片; H-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号32]又はH-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号33]が、Fmoc-Arg(P)又はFmoc-Arg(Pbf)から開始する固相ペプチド合成により調製される、請求項29又は請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記第2のペプチド断片;H-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号32]が、PG-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-OH [配列番号35]と、H-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号23]との断片縮合、その後の保護基PGの除去により調製される、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記第2のペプチド断片又はH-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号33]が、PG-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-OH [配列番号36]とH-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号25]との断片縮合、その後の保護基PGの除去により調製される、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記ペプチド断片;PG-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-OH [配列番号35]又はPG-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-OH [配列番号36]が、Fmoc-Gly-OHから開始する固相ペプチド合成により調製される、請求項33又は請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記ペプチド断片;H-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号23]又はH-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号25]が、Fmoc-Arg(P)又はFmoc-Arg(Pbf)から開始する固相ペプチド合成により調製される、請求項33又は請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記EGF様ペプチドが、トランスフォーミング増殖因子α(TGF-α)又そのアナログ又はTGFのバリアントである、請求項1に記載の方法。
【請求項38】
前記EGF様ペプチドが、ヒトトランスフォーミング増殖因子α(hTGF-α)又はそのアナログ又はhTGF-αのバリアントである、請求項37に記載の発明。
【請求項39】
前記EGF様ペプチドが以下の配列を有するペプチド断片;H-Val-Val-Ser-His-Phe-Asn-Asp-Cys-Pro-Asp10-Ser11-His12-Thr13-Gln14-Phe15-Cys16-Phe17-His18-Gly19-Thr20-Cys21-Arg22-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27-Asp28-Lys29-Pro30-Ala31-Cys32-Val33-Cys34-His35-Ser36-Gly37-Tyr38-Val39-Gly40-Ala41-Arg42-Cys43-Glu44-His45-Ala46-Asp47-Leu48-Leu49-Ala50-OH [配列番号6]
又はそのバリアントであり;
そして、前記方法は、以下のステップを含んでいる;
以下の配列を有する第1のペプチド断片;PG-Val-Val-Ser-His-Phe-Asn-Asp-Cys-Pro-Asp10-Ser11-His12-Thr13-Gln14-Phe15-Cys16-Phe17-His18-Gly19-OH [配列番号7]
又はそのバリアントであって;
PGがBoc及びFmocから選択されたN末端保護基であり;そして、当該C末端アミノ酸は、任意に、活性化されたカルボン酸誘導体の形態であり;
第2のペプチド断片が、以下の配列を有するペプチド断片;H-Thr20-Cys21-Arg22-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27-Asp28-Lys29-Pro30-Ala31-Cys32-Val33-Cys34-His35-Ser36-Gly37-Tyr38-Val39-Gly40-Ala41-Arg42-Cys43-Glu44-His45-Ala46-Asp47-Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号8]又はそのバリアントであって;PGが、クロロトリチル及びt-ブチルから選択される保護基であって、;そして、前記第1の及び第2のペプチド断片における1または複数のアミノ酸残基が、好ましくは、酸開裂性保護基で任意に保護されている、前記第1のペプチド断片と、前記第2のペプチド断片とを、溶液中でカップリングする方法を有する、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記EGF様ペプチドが、以下の配列を有するペプチド;H-Val-Val-Ser(P)-His(P)-Phe-Asn(P)-Asp(P)-Cys(P)-Pro-Asp10(P)-ΨSer11-His12(P)-Thr13(P)-Gln14(P)-Phe15-Cys16(P)-Phe17-His18(P)-Gly19-Thr20(P)-Cys21(P)-Arg22(P)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(P)-Asp28(P)-Lys29(P)-Pro30-Ala31-Cys32(P)-Val33-Cys34(P)-His35-Ser36(P)-Gly37-Tyr38(P)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(P)-Cys43(P)-Glu44(P)-His45(P)-Ala46-Asp47(P)- Leu48-Leu49-Ala50-OH [配列番号50]
又はそのバリアントであって、
前記第1のペプチド断片が、以下の配列を有するペプチド断片;PG-Val-Val-Ser(P)-His(P)-Phe-Asn(P)-Asp(P)-Cys(P)-Pro-Asp10(P)-ΨSer11-His12(P)-Thr13(P)-Gln14(P)-Phe15-Cys16(P)-Phe17-His18(P)-Gly19-OH [配列番号38]
又はそのバリアントであって、
そして、前記第2のペプチド断片が、以下の配列を有するペプチド断片;H-Thr20(P)-Cys21(P)-Arg22(P)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(P)-Asp28(P)-Lys29(P)-Pro30-Ala31-Cys32(P)-Val33-Cys34(P)-His35-Ser36(P)-Gly37-Tyr38(P)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(P)-Cys43(P)-Glu44(P)-His45(P)-Ala46-Asp47(P)- Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号39]
又はそのバリアントであって、
それぞれのPが、同じ又は異なっていてもよい側鎖保護基を表している、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記EGF様ペプチドが、以下の配列を有するペプチド;H-Val-Val-Ser(tBu)-His(Trt)-Phe-Asn(Trt)-Asp(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Asp10(tBu)-ΨSer11-His12(Trt)-Thr13(tBu)-Gln14(Trt)-Phe15-Cys16(Trt)-Phe17-His18(Trt)-Gly19-Thr20(tBu)-Cys21(Trt)-Arg22(Pbf)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(tBu)-Asp28(tBu)-Lys29(Boc)-Pro30-Ala31-Cys32(Trt)-Val33-Cys34(Trt)-His35-Ser36(tBu)-Gly37-Tyr38(tBu)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(Pbf)-Cys43(Trt)-Glu44(tBu)-His45(Trt)-Ala46-Asp47(tBu)- Leu48-Leu49-Ala50-OH [配列番号51]
又はそのバリアントであって、
前記第1のペプチド断片が、以下の配列を有するペプチド断片;
PG-Val-Val-Ser(tBu)-His(Trt)-Phe-Asn(Trt)-Asp(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Asp10(tBu)-ΨSer11-His12(Trt)-Thr13(tBu)-Gln14(Trt)-Phe15-Cys16(Trt)-Phe17-His18(Trt)-Gly19-OH [配列番号41]
又はそのバリアントであって、
そして、前記第2のペプチド断片が、以下の配列を有するペプチド断片;H-Thr20(tBu)-Cys21(Trt)-Arg22(Pbf)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(tBu)-Asp28(tBu)-Lys29(Boc)-Pro30-Ala31-Cys32(Trt)-Val33-Cys34(Trt)-His35-Ser36(tBu)-Gly37-Tyr38(tBu)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(Pbf)-Cys43(Trt)-Glu44(tBu)-His45(Trt)-Ala46-Asp47(tBu)-Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号42]
又はそのバリアントである、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記第1のペプチド断片;PG-Val-Val-Ser(P)-His(P)-Phe-Asn(P)-Asp(P)-Cys(P)-Pro-Asp10(P)-ΨSer11-His12(P)-Thr13(P)-Gln14(P)-Phe15-Cys16(P)-Phe17-His18(P)-Gly19-OH [配列番号38]又はPG-Val-Val-Ser(tBu)-His(Trt)-Phe-Asn(Trt)-Asp(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Asp10(tBu)-ΨSer11-His12(Trt)-Thr13(tBu)-Gln14(Trt)-Phe15-Cys16(Trt)-Phe17-His18(Trt)-Gly19-OH [配列番号41]が、Fmoc-Gly-OHから開始する固相ペプチド合成により調製される、請求項40又は請求項41に記載の方法。
【請求項43】
配列;H-Thr20(P)-Cys21(P)-Arg22(P)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(P)-Asp28(P)-Lys29(P)-Pro30-Ala31-Cys32(P)-Val33-Cys34(P)-His35-Ser36(P)-Gly37-Tyr38(P)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(P)-Cys43(P)-Glu44(P)-His45(P)-Ala46-Asp47(P)- Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号39]を有する前記第2のペプチド断片が、PG-Thr20(P)-Cys21(P)-Arg22(P)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(P)-Asp28(P)-Lys29(P)-Pro30-Ala31-Cys32(P)-Val33-Cys34(P)-His35-Ser36(P)-Gly37-OH [配列番号43]と、H-Tyr38(P)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(P)-Cys43(P)-Glu44(P)-His45(P)-Ala46-Asp47(P)- Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号44]との断片縮合、その後の保護基PGの除去により調製される、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
配列; H-Thr20(tBu)-Cys21(Trt)-Arg22(Pbf)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(tBu)-Asp28(tBu)-Lys29(Boc)-Pro30-Ala31-Cys32(Trt)-Val33-Cys34(Trt)-His35-Ser36(tBu)-Gly37-Tyr38(tBu)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(Pbf)-Cys43(Trt)-Glu44(tBu)-His45(Trt)-Ala46-Asp47(tBu)-Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号45]を有する前記第2のペプチド断片が、PG-Thr20(tBu)-Cys21(Trt)-Arg22(Pbf)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(tBu)-Asp28(tBu)-Lys29(Boc)-Pro30-Ala31-Cys32(Trt)-Val33-Cys34(Trt)-His35-Ser36(tBu)-Gly37-OH [配列番号46]と、H-Tyr38(tBu)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(Pbf)-Cys43(Trt)-Glu44(tBu)-His45(Trt)-Ala46-Asp47(tBu)- Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号47]との断片縮合、その後の保護基PGの除去により調製される、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記ペプチド断片H-Tyr38(P)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(P)-Cys43(P)-Glu44(P)-His45(P)-Ala46-Asp47(P)-Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号48]又はH-Tyr38(tBu)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(Pbf)-Cys43(Trt)-Glu44(tBu)-His45(Trt)-Ala46-Asp47(tBu)- Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号47]が、Fmoc-Ala-OHから開始する固相ペプチド合成により調製される、請求項43又は請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記ペプチド断片PG-Thr20(P)-Cys21(P)-Arg22(P)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(P)-Asp28(P)-Lys29(P)-Pro30-Ala31-Cys32(P)-Val33-Cys34(P)-His35-Ser36(P)-Gly37-OH [配列番号43]又はPG-Thr20(tBu)-Cys21(Trt)-Arg22(Pbf)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(tBu)-Asp28(tBu)-Lys29(Boc)-Pro30-Ala31-Cys32(Trt)-Val33-Cys34(Trt)-His35-Ser36(tBu)-Gly37-OH [配列番号46]が、Fmoc-Gly-OHを用いて開始する固相ペプチド合成により調製される、請求項43又は請求項44に記載の方法。
【請求項47】
PGがクロロトリチルである、請求項1~請求項46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
PGがBocである、請求項1~請求項47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
以下の配列を有するEGF様ペプチド;H-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-Ser-His10-Asp11-Gly12-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-OH [配列番号1]又はそのバリアントを調製する方法であって、
前記方法は、以下のステップを含んでいる;
以下の配列を有する第1のペプチド断片;PG-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-Ser-His10-Asp11-Gly12-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-OH [配列番号2]
又はそのバリアントであって、PGが、好ましくは、Boc及びFmocから選択されるN末端保護基であり;そして、当該C末端アミノ酸は、任意に、活性化されたカルボン酸誘導体の形態であり;
第2のペプチド断片が、以下の配列を有するペプチド断片;H-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-O-PG [配列番号3]
又はそのバリアントであって;
PGが、クロロトリチル及びt-ブチルから選択される保護基であって、;そして、前記第1の及び第2のペプチド断片における1または複数のアミノ酸残基が、好ましくは、酸開裂性保護基で任意に保護されており、そして、任意に保護基PG及びPGを除去している、前記第1のペプチド断片と、前記第2のペプチド断片とを、溶液中でカップリングする方法を有する、調製方法。
【請求項50】
以下の配列を有するEGF様ペプチド;H-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-Ser-His10-Asp11-Gly12-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-OH [配列番号1]
又はそのバリアントを調製する方法であって、
前記方法は、以下のステップを含んでいる;
以下の配列を有する第1のペプチド断片;PG-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-ΨSer-His10-Asp11-Gly12-OH [配列番号4]
又はそのバリアントであって、PGが、好ましくは、Boc及びFmocから選択されるN末端保護基であり;そして、当該C末端アミノ酸は、任意に、活性化されたカルボン酸誘導体の形態であり;
第2のペプチド断片が、以下の配列を有するペプチド断片;H-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-O-PG [配列番号5]
又はそのバリアントであって;
PGが、クロロトリチル及びt-ブチルから選択される保護基であって、;そして、前記第1の及び第2のペプチド断片における1または複数のアミノ酸残基が、好ましくは、酸開裂性保護基で任意に保護されており、そして、任意に保護基PG及びPGを除去している、前記第1のペプチド断片と、前記第2のペプチド断片とを、溶液中でカップリングする方法を有する、調製方法。
【請求項51】
以下の配列を有するEGF様ペプチド;H-Val-Val-Ser-His-Phe-Asn-Asp-Cys-Pro-Asp10-Ser11-His12-Thr13-Gln14-Phe15-Cys16-Phe17-His18-Gly19-Thr20-Cys21-Arg22-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27-Asp28-Lys29-Pro30-Ala31-Cys32-Val33-Cys34-His35-Ser36-Gly37-Tyr38-Val39-Gly40-Ala41-Arg42-Cys43-Glu44-His45-Ala46-Asp47-Leu48-Leu49-Ala50-OH [配列番号6]
又はそのバリアントを調製する方法であって、
前記方法は、以下のステップを含んでいる;
以下の配列を有する第1のペプチド断片;PG-Val-Val-Ser-His-Phe-Asn-Asp-Cys-Pro-Asp10-Ser11-His12-Thr13-Gln14-Phe15-Cys16-Phe17-His18-Gly19-OH [配列番号7]
又はそのバリアントであって、PGが、好ましくは、Boc及びFmocから選択されるN末端保護基であり;そして、当該C末端アミノ酸は、任意に、活性化されたカルボン酸誘導体の形態であり;
第2のペプチド断片が、以下の配列を有するペプチド断片;H-Thr20-Cys21-Arg22-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27-Asp28-Lys29-Pro30-Ala31-Cys32-Val33-Cys34-His35-Ser36-Gly37-Tyr38-Val39-Gly40-Ala41-Arg42-Cys43-Glu44-His45-Ala46-Asp47-Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号8]
又はそのバリアントであって;
PGが、クロロトリチル及びt-ブチルから選択される保護基であって、;そして、前記第1の及び第2のペプチド断片における1または複数のアミノ酸残基が、好ましくは、酸開裂性保護基で任意に保護されており、そして、任意に保護基PG 及びPGを除去している、前記第1のペプチド断片と、前記第2のペプチド断片とを、溶液中でカップリングする方法を有する、調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EGF及びトランスフォーミング増殖因子α(TGF-α)を含むがこれに限定されない、上皮成長因子様ペプチド(EGF様ペプチド)およびそのアナログおよびそのバリアントの化学合成のための方法について記述する。
【背景技術】
【0002】
上皮成長因子(EGF)は、EGFファミリータンパク質の初期メンバーである。このタンパク質ファミリーのメンバーは、非常に類似した構造特性及び機能特性を有している。EGF自体の他に、他のファミリーメンバーは、ヘパリン結合性EGF様増殖因子(HB-EGF)、トランスフォーミング増殖因子α(TGF-α)、アンフィレギュリン(AR)、エピレグリン(EPR)、エピジェン、ベータセルリン(BTC)、ニューレグリン1(NRG1)、ニューレグリン2(NRG2)、ニューレグリン3(NRG3)、及びニューレグリン4(NRG4)を含む。
【0003】
すべてのファミリーメンバーは、保存されたアミノ酸配列の1又は複数の繰り返しを含んでいる:
(X)(X)4-5(X)10-13(X)C(X) [配列番号49]
ここで、C-Cはそれぞれシステインであり、そして、各Xは独立してアミノ酸である(HarrisR.C., Chung E., Coffey, R.J., Experimental Cell Research 284 (2003) 2-13)。この配列には、3つの分子内ジスルフィド結合(C-C, C-C 及びC-C)を形成する6つのシステイン残基が含んでいる。ジスルフィド結合の形成は、EGFファミリーメンバーとその細胞表面受容体の間の高親和性結合に不可欠な3つの構造ループをもたらす。
【0004】
EGFは、その受容体であるEGFRと結合することにより、細胞の増殖や分化を刺激するタンパク質である。ヒト上皮成長因子(hEGF)は、53個のアミノ酸と3つの分子内ジスルフィド結合を含んでいる機能的に多用途の6kDaのポリペプチドであり、以下の配列を有する:
H-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-Ser-His10-Asp11-Gly12-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-OH [配列番号1]
前記3つの分子内ジスルフィド結合は、CysとCys20、Cys14とCys31、そして、Cys33とCys42の間である。
【0005】
上皮成長因子受容体(EGFR)は、抗がん剤及び抗がん剤開発のメインターゲットの1つである。ヒト上皮成長因子(hEGF)は、治療活性のある抗がん性の抗体又は抗がん剤をhEGFRに選択的に輸送するためのビヒクルとして、これらの治療アプローチの多くで、使用されている。加えて、蛍光標識されたEGF様ペプチドなど、いくつかのEGFコンジュゲートが診断薬として使用されている。EGF様ペプチド、特にhEGF、及びヒトトランスフォーミング増殖因子(hTGF)は、化粧品、スキンケア、及び薬、例えば糖尿病性足潰瘍(DFU)の治療にいくつかの用途を見出している。
【0006】
EGF様ドメインの1または複数のコピーが、以下の多種多様な機能性タンパク質に含まれている:
脂肪細胞分化抑制剤(遺伝子PREF-1)、アグリン、アンフィレギュリン、βセルリン(βcellulin)、胞胚タンパク質BP10、BM86、骨形成タンパク質1 (BMP-1) 、ショウジョウバエ(背側・腹側パターニングタンパク質トロイド)(Drosophila (the dorsal-ventral patterning protein tolloid))、線虫発生タンパク質 lin-12 及びglp-1 、線虫 apx-1タンパク質、 カルシウム依存性セリンプロテアーゼ(CASP)、軟骨マトリックスタンパク質CMP、軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質COMP、細胞表面抗原114/A10、細胞表面糖タンパク質複合体膜貫通サブユニットASGP-2 凝固関連タンパク質C、Z、及びS、凝固因子VII、IX、X、及びXII、補体C1r、補体C1s、Ra反応性因子(RARF)の補体活性化成分、補体成分C6、C7、C8α鎖およびβ鎖、およびC9、クラム(Crumbs)、上皮成長因子前駆体、外腸胚誘導ペプチドA、C、DおよびX、脂肪タンパク質、胎児抗原1、フィブリリン1およびフィブリリン2、フィブロペリンIA、IB.IC、IIおよびIII、フィブリン-1およびフィブリン-2、Giant-lensタンパク質(Argosタンパク質)、様々なポックスウイルス由来の成長因子関連タンパク質、Gurkenタンパク質、ヘパリン結合性EGF様増殖因子(HB-EGF)、トランスフォーミング増殖因子α(TGF-α)、成長因子Lin-3とSpitz、肝細胞成長因子(HGF)活性化物質、LDLおよびVLDL受容体、LDL受容体関連タンパク質(LRP)、白血球抗原CD97、細胞表面糖タンパク質EMR1および細胞表面糖タンパク質F4/80、リムルス凝固因子C、メプリンAαサブユニット、乳脂肪球-EGF因子8(MFG-E8)、ニューレグリンGGF-IおよびGGF-II、ニューレキシン、神経性タンパク質ノッチ、ナイドジェン、オーキネート表面タンパク質(24Kd、25Kd、28Kd)、膵臓分泌顆粒膜主要糖タンパク質GP2、パーフォリン、プロテオグリカンアグレカン、バーシカン、パーレカン、ブレビカン及びコンドロイチン硫酸プロテオグリカン、プロスタグランジンG/Hシンターゼ1および2、リーリン、S1-5、シュワン腫由来成長因子(SDGF)、 セレクチン、セリン/スレオニンプロテインキナーゼホモログ(遺伝子Pro25)、精子卵融合タンパク質PH-30αおよびβ、精子べん毛膜タンパク質、間質細胞由来タンパク質-1(SCP-1)、TDGF-1、ヒト奇形癌由来成長因子1、テネイシン(またはニューロンネクチン)、トロンボモジュリン(フェトモジュリン)、 トロンボスポンジン1、2、3、及び4、甲状腺ペルオキシダーゼ1、トランスフォーミング増殖因子β-1結合タンパク質(TGF-B1-BP)、チロシン-タンパク質キナーゼ受容体TekおよびTie、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子および組織プラスミノーゲン(TPA)ウロモジュリン、ビタミンK依存性の抗凝血剤タンパク質Cおよびタンパク質S及びタンパク質Z。
【0007】
EGF様ペプチドは、一般的に組換えDNA技術によって製造される。EGF様ペプチドを調製するための化学的方法は、一般的に、低収量及び/又は低純度の材料を生成し、非常に手間がかかり、及び/又は非常に有毒で、かつ非常に腐食性のHFを使用することを必要とする。
【0008】
ウロガストロン(h-EGF)の最初の全合成は、アミノ保護基としてBoc、チオール保護基としてAcm、及びカルボキシ保護基としてPacを用いて合成された10の小さな断片の断片縮合によって行われた(Neya M., Hagiwara D., Miyazaki Y., Nakamura T., Hemmi K. and Hashimoto M., Journal of the Chemical Society, Perkin Transactions 1, 1989, Issue: 12, 2187-2198)。その後、得られた直鎖状の保護されたEGFペプチドは、毒性があり、かつ非常に腐食性のある液体のHFを用いて脱保護された。HFの使用は、特にTrp、Tyr、Met、及びCysのような感受性の求核性アミノ酸を含むペプチド(hEGFはその配列中に1つのMet残基、2つのTrp残基、5つのTyr残基、及び6つのCys残基を含む)の場合、いくつかの副反応の原因である。HFを使用することに加え、この方法は、非常に手間がかかり、そして、医薬用ペプチドの大量生産には不向きである。
【0009】
同様に、EGFの合成も9つの保護された断片の断片縮合によって行われている(Shin S.Y., Kaburaki Y., Watanabe M., and Munekata E., Biosci. Biotech. Biochem.、56 (3), 404-408, 1992; Neya M., Hagiwara D., Hemmi K., and Hashimoto M., J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 1989, 2199-2205)。これらの断片は、溶液中で順次縮合されたBoc/Benzylアミノ酸を使用して、溶液中で調製された。その後、得られた直鎖状の保護されたEGFペプチドは、液体HFで脱保護された。
【0010】
固相ペプチド合成による断片のEGFの合成は文献に記載されている(Gell A.L., Groysbeck N., Becker C.F.W., Conibear A.C., J Pept Sci. 2017 Dec;23(12):871-879. doi: 10.1002/psc.3051. Epub 2017 Nov 6)。 C1rのEGF様モジュールの構造を決定し、そして、カルシウム結合へのその寄与を評価する目的で、Boc/ベンジル戦略を用いた自動固相法により、C1r(123-175)が合成された。(Hernandez J.F., Bersch B., Petillot Y., Arlaud G.J., J Pept Res. 1997, 49(3), 221-31)。40アミノ酸の上皮成長因子様ヒトクリプトドメイン(ヒト奇形癌由来成長因子1、TDGF-1としても知られている)の合成も記載されている(Lohmeyer M., Harrison P.M., Kannan S., DeSantis M., O’Reilly N.J., Sternberg M.J.E., Salomon D.S., and Gullick W.J., Biochemistry, 1997, 36 (13), pp 3837-3845)。
【0011】
トランスフォーミング増殖因子α(TGF-α)は、EGFファミリーのもう一つのメンバーである。TGF-αはヒトではTGFA遺伝子によってコードされているタンパク質である。TGF-αは上皮成長因子受容体のリガンドであり、そして、それは、細胞の増殖、分化、及び発達のためのシグナル伝達経路を活性化する。このタンパク質は、膜貫通結合リガンドとしても、又は可溶性リガンドとしても機能する可能性がある。TGF-αは、一部のヒトのがんで上方制御される。TGF-αは、マクロファージ、脳細胞、及びケラチノサイトで産生され、そして、上皮の発達を誘導する。
【0012】
TGF-αは、160(ヒト)または159(ラット)アミノ酸の膜貫通前駆体の一部として内部で合成される(Ferrer I., Alcantara S., Ballabriga J., Olive M., Blanco R., Rivera R., Carmona M., Berruezo M., Pitarch S., Planas A.; Prog. Neurobiol. 1996, 49(2), 99-123). 当該前駆体は疎水性の膜貫通ドメインを含む細胞外ドメイン、50アミノ酸のTGF-α、35残基長の細胞質ドメインで構成されている。その最も小さな形態において、TGF-αは、3つのジスルフィド結合を通じて、互いに結合された6つのシステインを持っている。全体として、EGF/TGF-αファミリーのすべてのメンバーが、この構造を共有している。
【0013】
TGF-αの直鎖状50アミノ酸残基の段階的な固相合成は、Boc/ベンジルアミノ酸を用いて行われた(Tam J.P., Sheikh M.A., Solomon D.S., and Ossowski L., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83(21), 8082-8086, 1986)。ペプチドはレジンから切り離され、そして、液体HFで脱保護された。また、HFを使用するため、この方法はスケールアップには不向きである。さらに、長いペプチドの段階的な合成は、通常、制御し、かつ、所望の製品から分離することが非常に困難な非常に類似した多数の欠失及び付加ペプチドとの混合物をもたらす。したがって、このような方法は、医薬用ペプチドの大規模合成には不向きである。
【0014】
現在までのところ、EGF様ペプチドの大量生産のための既存の方法は、完全に満足できるものではない。したがって、本発明は、EGF様ペプチドの合成のための代替方法、理想的には、より効率的で、そして、改善された収率及び/又は純度をもたらす方法を提供しようとする。特に、工業的なスケールアップに適し、そして、毒性またはその他の望ましくない試薬の使用を回避する方法を提供するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0015】
本発明の第1の態様は、以下のアミノ酸配列を有する上皮成長因子様ペプチド(EGF様ペプチド)を調製する方法に関し;
(X)(X)4-5(X)10-13(X)C(X) [配列番号49]
-Cはそれぞれシステインであって、そして、各Xは、独立に、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸であり、そして、前記EGF様ペプチドは3つの分子内ジスルフィド結合を有し;
前記方法は以下のステップを有する:
(I)N末端のアミノ酸が、保護基PGにより、保護されており、それが、Boc及びFmocから選択される第1のペプチド断片を調製し;
(II)C末端のアミノ酸が、保護基PGにより、保護されており、それが、トリチル、クロロトリチル及びt-ブチルから選択される第2のペプチド断片を調製し、そして、前記第1のペプチド断片及び第2のペプチド断片中のアミノ酸側鎖は任意に保護されており;
(III)溶液中で、前記第1のペプチド断片のC末端アミノ酸と、前記第2のペプチド断片のN末端アミノ酸をカップリングし、直鎖状の保護されたEGF様ペプチドを形成し;
(IV)(a)
(i)ステップ(III)で形成された直鎖状の保護されたEGF様ペプチドをヨウ素で処理し、酸化混合物を形成し;
(ii)トリフルオロ酢酸(TFA)で処理し、ステップ(IV)(a)(i)で得られた前記酸化混合物を全体的に脱保護し、
(iii)ステップ(IV)(a)(ii)で得られた前記脱保護された酸化混合物をDMSO/DTTで処理し、未精製のEGF様ペプチドを形成する;又は
(IV)(b)
(i)トリフルオロ酢酸(TFA)で処理し、ステップ(III)で得られた直鎖状の保護されたEGF様ペプチドを全体的に脱保護し;
(ii)ステップ(IV)(b)(i)で得られた脱保護された混合物をDMSOで処理し、未精製のEGF様ペプチドを形成する;そして、
(V)任意に前記未精製のEGF様ペプチドを精製する、調製方法に関する。
【0016】
有利なことに、本発明の方法は、優れた収率と純度で、断片縮合による、ヒトEGF様ペプチドおよびマウスEGF様ペプチドの化学合成を可能にする。さらに、本発明の方法は、極めて毒性が高く腐食性の高い試薬であるHFの使用を避け、それによって、医薬用ペプチドの大規模製造により適した方法とする。
【0017】
本発明の第2の態様は、以下の配列を有する(又はより好ましくはからなる)EGF様ペプチド又はそのバリアントを調製する方法に関し:
H-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-Ser-His10-Asp11-Gly12-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-OH [配列番号1]
そして、前記方法は以下のステップを有し:
以下の配列を有する(又はより好ましくはからなる)第1のペプチド断片:
PG-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-Ser-His10-Asp11-Gly12-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-OH [配列番号2]
又はそのバリアントであって、
PGが、Boc及びFmocから選択されるN末端保護基であって、そして、前記C末端アミノ酸が、任意に、活性化されたカルボン酸誘導体の形態であって、
以下の配列を有する(又はより好ましくはからなる)第2のペプチド断片:
H-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-O-PG [配列番号3]
又はそのバリアントであって、
PGが、クロロトリチル及びt-ブチルから選択される保護基であって、そして、前記第1の及び第2のペプチド断片における1または複数のアミノ酸残基が、好ましくは、酸開裂性保護基で任意に保護されており;そして、任意に保護基PG及びPGを取り除き、前記第1のペプチド断片と、前記第2のペプチド断片を、溶液中でカップリングする方法を有する、調製方法に関する。
【0018】
本発明の3つ目の態様は、以下の配列を有する(又はより好ましくはからなる)EGF様ペプチド又はそのバリアントを調製する方法に関し:
H-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-Ser-His10-Asp11-Gly12-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-OH [配列番号1]
そして、前記方法は以下のステップを有し:
以下の配列を有する(又はより好ましくはからなる)第1のペプチド断片:
PG-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-ΨSer-His10-Asp11-Gly12-OH [配列番号4]
又はそのバリアントであって、
PGが、Boc及びFmocから選択されるN末端保護基であって、そして、前記C末端アミノ酸が、任意に、活性化されたカルボン酸誘導体の形態であって、
以下の配列を有する(又はより好ましくはからなる)第2のペプチド断片:
H-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-O-PG [配列番号5]
又はそのバリアントであって、
PGが、クロロトリチル及びt-ブチルから選択される保護基であって、そして、前記第1の及び第2のペプチド断片における1または複数のアミノ酸残基が、好ましくは、酸開裂性保護基で任意に保護されており;そして、任意に保護基PG及びPGを取り除き、前記第1のペプチド断片と、前記第2のペプチド断片を、溶液中でカップリングする方法を有する、調製方法に関する。
【0019】
本発明の4つ目の態様は、以下の配列を有する(又はより好ましくはからなる)EGF様ペプチド又はそのバリアントを調製する方法に関し:
H-Val-Val-Ser-His-Phe-Asn-Asp-Cys-Pro-Asp10-Ser11-His12-Thr13-Gln14-Phe15-Cys16-Phe17-His18-Gly19-Thr20-Cys21-Arg22-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27-Asp28-Lys29-Pro30-Ala31-Cys32-Val33-Cys34-His35-Ser36-Gly37-Tyr38-Val39-Gly40-Ala41-Arg42-Cys43-Glu44-His45-Ala46-Asp47-Leu48-Leu49-Ala50-OH [配列番号6]
そして、前記方法は以下のステップを有し:
以下の配列を有する(又はより好ましくはからなる)第1のペプチド断片:
PG-Val-Val-Ser-His-Phe-Asn-Asp-Cys-Pro-Asp10-Ser11-His12-Thr13-Gln14-Phe15-Cys16-Phe17-His18-Gly19-OH [配列番号7]
又はそのバリアントであって、
PGが、Boc及びFmocから選択されるN末端保護基であって、そして、前記C末端アミノ酸が、任意に、活性化されたカルボン酸誘導体の形態であって、
以下の配列を有する(又はより好ましくはからなる)第2のペプチド断片:
H-Thr20-Cys21-Arg22-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27-Asp28-Lys29-Pro30-Ala31-Cys32-Val33-Cys34-His35-Ser36-Gly37-Tyr38-Val39-Gly40-Ala41-Arg42-Cys43-Glu44-His45-Ala46-Asp47-Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号8]
又はそのバリアントであって、
PGが、クロロトリチル及びt-ブチルから選択される保護基であって、そして、前記第1の及び第2のペプチド断片における1または複数のアミノ酸残基が、好ましくは、酸開裂性保護基で任意に保護されており;そして、任意に保護基PG及びPGを取り除き、前記第1のペプチド断片と、前記第2のペプチド断片を、溶液中でカップリングする方法を有する、調製方法に関する。
【0020】
(発明の詳細な説明)
EGF様ペプチド調製の一般的な方法
本発明の第1の態様は、上述した、以下のアミノ酸配列を有する上皮成長因子様ペプチド(EGF様ペプチド)の調製方法に関し;
(X)(X)4-5(X)10-13(X)C(X) [配列番号49]
-Cはそれぞれシステインであって、そして、各Xは、独立に、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸であり、そして、前記EGF様ペプチドは、CとC、CとC、及びCとCの間の3つの分子内ジスルフィド結合を有する。
【0021】
好ましい一実施形態では、EGF様ペプチドは、[配列番号49]のN末端に、1~20、又は好ましくは2~15、又はより好ましくは5~10の追加の天然アミノ酸または非天然アミノ酸を含んでいる。特に好ましい一実施形態では、当該EGF様ペプチドは、N末端に5の追加の天然アミノ酸を含んでいる。別の特に好ましい実施形態では、当該EGF様ペプチドは、N末端に7の追加の天然アミノ酸を含んでいる。好ましい一実施形態では、当該EGF様ペプチドは、[配列番号49]のC末端に、1~20、又は好ましくは2~15、又はより好ましくは5~12または5~10の追加の天然または非天然アミノ酸を含んでいる。特に好ましい一実施形態では、当該EGF様ペプチドは、C末端に11の追加の天然アミノ酸を含んでいる。別の特に好ましい実施形態では、当該EGF様ペプチドは、C末端に7の追加の天然アミノ酸を含んでいる。
【0022】
好ましい一実施形態では、当該EGF様ペプチドは、[配列番号49]のN末端に1~20、又は好ましくは2~15、又はより好ましくは5~10の追加の天然アミノ酸または非天然アミノ酸を含み、かつ、[配列番号49]のC末端に1~20、又は好ましくは2~15、又はより好ましくは54~12または5~10の追加の天然アミノ酸または非天然アミノ酸を含む。特に好ましい一実施形態では、当該EGF様ペプチドは、N末端に5の追加の天然アミノ酸を含み、かつ、C末端に11の追加の天然アミノ酸を含んでいる。別の特に好ましい実施形態では、当該EGF様ペプチドは、N末端に7の追加の天然アミノ酸を含み、かつ、C末端に追加の天然アミノ酸を含む。
【0023】
本明細書で使用されるように、用語「非天然アミノ酸(non-natural amino acid)」又は「非天然アミノ酸(unnatural amino acid)」は、αおよびα-二置換アミノ酸、N-アルキルアミノ酸、乳酸、トリフルオロチロシン等の天然アミノ酸のハロゲン誘導体、p-Cl-フェニルアラニン、p-F-フェニルアラニン、p-Br-フェニルアラニン、p-NO-フェニルアラニン、フェニルグリシン、サルコシン、ペニシラミン、D-2-メチルトリプトファン、ホスホセリン、ホスホトレオニン、ホスホチロシン、 p-I-フェニルアラニン、L-アリルグリシン、β-アラニン、β-アスパラギン酸、β-シクロヘキシルアラニン、シトルリン、ホモセリン、ホモシステイン、ピログルタミン酸、L-α-アミノ酪酸、 L-γ-アミノ酪酸、L-α-アミノイソ酪酸、α-シクロヘキシルグリシン、ジアミノ酪酸、ジアミノピメリン酸、N-ε-ジニトロフェニル-リシン、L-1-ナフチルアラニン、 L-2-ナフチルアラニン、3-(2-ピリジル)-L-アラニン、3-(3-ピリジル)-L-アラニン、3-(4-ピリジル)-L-アラニン、N-ε-メチル-リジン、N,N-ε-ジメチル-リジン、N,N,N -ε-トリメチル-リジン、 3-メルカプトプロピオン酸、L-ε-アミノカプロン酸、7-アミノヘプタン酸、6-アミノヘキサン酸L-メチオニンスルホン、オルニチン、L-ノルロイシン、L-ノルバリン、 p-ニトロ-L-フェニルアラニン、L-ヒドロキシプロリン、γ-グルタミン酸、γ-アミノ酪酸L-チオプロリン、4-メチルPhe、ペンタメチル-Phe、L-Phe(4-アミノ)、L-Tyr(メチル)、L-Phe(4-イソプロピル)、L-Tic(1,2,3,4テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸)、L-ジアミンプロピオン酸、及びL-Phe(4-ベンジル)などのフェニルアラニン(Phe)のメチル誘導体を含んでいる。好ましい一実施形態では、各Xは、独立に、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンから選択される天然アミノ酸である。
【0024】
好ましい一実施形態では、当該EGF様タンパク質は、下記から選択される:
EGF、ヘパリン結合性EGF様増殖因子(HB-EGF)、トランスフォーミング増殖因子α(TGF-α)、アンフィレギュリン(AR)、エピレグリン(EPR)、エピジェン、ベータセルリン(BTC)、ニューレグリン1(NRG1)、ニューレグリン2(NRG2)、ニューレグリン3(NRG3)、及びニューレグリン4(NRG4)。より好ましくは、当該EGF様タンパク質は、EGF及びトランスフォーミング増殖因子α(TGF-α)から選択される。
【0025】
特に好ましい一実施形態では、当該EGF様タンパク質はEGFであり、より好ましくはヒトEGFまたはマウスEGFであり、よりいっそう好ましくは、ヒトEGFである。
【0026】
別の特に好ましい実施形態では、当該EGF様タンパク質は、トランスフォーミング増殖因子α(TGF-α)、より好ましくはヒトTGF-αである。
【0027】
本明細書で言及した特定のペプチドに加えて、本発明は、そのバリアント、誘導体、アナログ、ホモログおよび断片も包含する。
【0028】
本明細書で使用される場合、任意の与えられた配列の「バリアント」とは、アミノ酸残基の特定の配列が、問題のペプチドがその内因性機能の少なくとも1つを保持するような方法で変更されている配列である。バリアント配列は、天然に存在するペプチドに存在する少なくとも1つの残基の付加、欠失、置換(substitution)、修飾、置換(replacement)および/または変動によって得ることができる。
【0029】
本明細書に記載されるペプチドに関連して本明細書で使用される用語「誘導体」は、結果として生じるペプチドがその内因性機能の少なくとも1つを保持することを条件として、配列からまたは配列への1つ(または複数)のアミノ酸残基の置換(substitution)、変動、修飾、置換(replacement)、欠失および/または付加のいずれかを含む。
【0030】
ペプチドに関連して本明細書で使用される「アナログ」という用語は、任意の模倣物、すなわち、それが模倣するペプチドの内因性機能の少なくとも1つを保有する化学化合物を含む。典型的には、修飾された配列が必要な活性または能力を保持することを条件として、アミノ酸置換は、例えば、1、2または3から10または20の置換がなされてもよい。アミノ酸置換は、非天然に存在するアナログの使用を含んでいてもよい。
【0031】
本明細書に記載のペプチドは、サイレントチェンジを生じ、そして、機能的に同等のペプチドをもたらすアミノ酸残基の欠失、挿入または置換を有することもできる。内因性機能が維持される限り、当該残基の極性、電荷、溶解性、疎水性、親水性、及び/又は両親媒性の類似性に基づいて、意図的なアミノ酸置換が行われてもよい。例えば、負に帯電したアミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸を含み、正に帯電したアミノ酸は、リジン、アルギニンを含み、そして、類似の親水性の値を示す非荷電の極性頭部基を持つアミノ酸は、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、及びチロシンを含んでいる。
【0032】
保守的な置換は、例えば、以下の表に従って行われてもよい。第2列の同じブロック、及び好ましくは第3列の同じ行にあるアミノ酸は、互いに置換されてもよい:
【表1】
【0033】
本明細書で使用される「ホモログ」という用語は、野生型アミノ酸配列と一定の相同性を有する実体を意味する。用語「ホモログ」は、「同一性」と同一視されてもよい。
【0034】
本文脈において、ホモログ配列は、対象配列と少なくとも50%、55%、65%、75%、85%または90%、好ましくは少なくとも95%、96%または97%または98%または99%同一であり得るアミノ酸配列を含むものと理解される。典型的には、ホモログは、対象のアミノ酸配列と同じ活性部位等を含んでいるだろう。ホモログは、類似性(すなわち、同様の化学的特性/機能を有するアミノ酸残基)の観点からも考えられてもよいが、本発明の文脈では、配列同一性の観点でホモログを表現することが好ましいとされる。
【0035】
好ましくは、本明細書で詳述する配列番号のいずれか1つと同一性パーセントを有する配列への言及は、言及された配列番号の全長にわたって記載の同一性パーセントを有する配列のことを指す。
【0036】
相同性比較は、目視で行われてもよい、又は、より通常には、容易に入手できる配列比較プログラムを用いて行う。これらの市販のコンピュータプログラムは、2又はそれ以上の配列の間の相同性または同一性のパーセントを計算することができる。
【0037】
相同性パーセントは、連続した配列にわたって計算されていることができる。つまり、一方の配列を他方の配列と整列させ、そして、一方の配列の各アミノ酸を、一度に1残基ずつ、他方の配列の対応するアミノ酸と直接比較される。これはアンギャップアライメント(“ungapped” alignment)と呼ばれる。通常、このようなアンギャップアラインメントは、比較的短い残基数に対してのみ実行される。
【0038】
これは非常にシンプルで一貫性のある方法であるが、例えば、他の点では同一である配列ペアにおいて、アミノ酸配列の1の挿入または欠失により、次の残基またはコドンがアライメントから外れてしまい、従って、全体的なアライメントを行った際に、相同性パーセントが大きく低下する可能性を考慮することができない。そのため、ほとんどの配列比較手法は、全体的な相同性スコアに過度のペナルティを与えることなく、挿入や欠失の可能性を考慮した最適なアラインメントを生成するように設計されている。これは、局所的な相同性を最大化するために、配列アライメントに「ギャップ」を挿入することで達成される。しかし、これらのより複雑な方法では、アラインメントに発生する各ギャップに「ギャップペナルティ」を設定し、そのため、同じ数の同一アミノ酸やヌクレオチドでは、できるだけギャップの少ない配列アラインメントは、2つの比較された配列の間でより高い関連性を反映し、ギャップの多い配列よりも高いスコアになるだろう。ギャップの存在に対して比較的高いコストを課し、そして、ギャップ内の後続の各残基に対してより小さなペナルティを課す「アフィンギャップコスト(Affine gap costs)」が一般的に使用されている。これは、最も一般的に使用されているギャップスコアリング方式である。もちろん、高いギャップペナルティは、よりギャップの少ない最適化されたアラインメントを生み出すだろう。ほとんどのアライメントプログラムでは、ギャップペナルティは変更されることが可能である。しかし、このようなソフトウェアを配列比較に使用する場合は、デフォルト値を使用することが好ましい。例えば、GCG Wisconsin Bestfitパッケージを使用する場合、アミノ酸配列のデフォルトのギャップペナルティは、ギャップに対しては-12、各エクステンションに対しては-4である。
【0039】
したがって、最大相同性パーセントの計算は、まず、ギャップペナルティを考慮した最適なアライメントを作成することを必要とする。このようなアライメントを実施するための適切なコンピュータプログラムは、GCG Wisconsin Bestfitパッケージ(University of Wisconsin, USA; Devereux et al. (1984) Nucleic Acids Research 12: 387)である。配列比較を行うことができる他のソフトウェアの例としては、比較ツールのBLAST package(Ausubelら(1999)同上-Ch.18参照)、FASTA(Atschulら(1990)J. Mol. Biol.403-410)およびGENEWORKS suiteが挙げられるが、これには限定されない。BLASTとFASTAの両方は、オフラインおよびオンライン検索に利用可能である(Ausubelら(1999)同書、7-58~7-60頁を参照)。しかし、用途によっては、GCG Bestfitプログラムを使用することが好ましい。また、タンパク質とヌクレオチド配列を比較するための別のツール、BLAST 2 Sequencesも利用可能である(FEMS Microbiol. Lett. (1999) 174(2):247-50; FEMS Microbiol. Lett. (1999) 177(1):187-8)。
【0040】
最終的な相同性パーセントは同一性の観点から測定されることができるが、アライメントプロセス自体は、通常、オール・オア・ナッシングのペア比較(all-or-nothing pair comparison)に基づくものではない。その代わりに、化学的類似性又は進化的距離に基づいて各一対の比較にスコアを割り当てる、スケール付き類似性スコアマトリックスが一般的に使用される。一般に使用されるそのようなマトリックスの例は、BLOSUM62マトリックス(BLAST suite プログラムのデフォルトマトリックス)である。GCG Wisconsin プログラムは通常、公開されているデフォルト値または提供されている場合はカスタムシンボル比較テーブルを使用する(詳細はユーザーマニュアルを参照)。いくつかの用途では、GCGパッケージの公開デフォルト値または他のソフトウェアの場合はBLOSUM62のようなデフォルトマトリックスを使用することが好ましい。
【0041】
いったん前記ソフトウェアが最適なアライメントを生成したら、相同性パーセント、好ましくは配列同一性パーセントを計算することが可能である。前記ソフトウェアは通常、配列比較の一部としてこれを行い、そして、数値結果を生成する。
【0042】
断片は、またバリアントであり、そして、当該用語は、一般に、機能的にまたは、例えば、アッセイのいずれかにおいて関心のあるペプチドの選択された領域を指す。したがって、「断片」は、全長ペプチドの一部であるアミノ酸配列のことを指す。
【0043】
より好ましくは、「バリアント」という用語は、任意の変異、(a)1または複数のアミノ酸残基が天然または非天然に存在するアミノ酸残基で置換されている、(b)2以上のアミノ酸残基の順序が逆になっている、(c)1、2または3のアミノ酸が欠失されている、 (d)任意の2つのアミノ酸残基の間にスペーサー基が存在する、(e)1または複数のアミノ酸残基がペプトイド形態である、(f)ペプチドの1または複数のアミノ酸残基の(N-C-C)骨格が改変されている、(g)1または複数の追加のアミノ酸がN末端および/またはC末端に存在する、または(a)~(g)のいずれかが組み合わせを含んでいる。 好ましくは、バリアントは、(a)、(b)または(c)のうちの1から生じる。
【0044】
本発明は、1又は複数のシュードプロリン(Ψと表記)の組み込みによって修飾されたアミノ酸配列も包含する。シュードプロリンは、ペプチドのFMOC固相合成中の凝集を最小化する人工的に作られたジペプチドである。シュードプロリンは、セリン-(Oxa)またはスレオニン由来のオキサゾリジン[Oxa(5-Me)]とシステイン由来のチアゾリジン(THz)からなり、プロリン様環構造を有する(下記参照)。
【化1】
C2置換シュードプロリンの先行残基とのシスアミド結合が優先されるため、これらを組み込むとペプチド骨格がねじれ構造になり、それにより、ペプチドの凝集、自己会合、又はβ構造の形成を妨げる。すなわち、シュードプロリンは2つの機能を同時に実現する:第一に、それらは、Ser、Thr、及びCysの一時的な側鎖保護として機能し、そして、第二に、それらは、可溶化ビルディングブロック(solubilizing building blocks)として機能し、ペプチド合成の間およびその後の鎖の組み立てにおいて、溶媒和およびカップリング速度を高める。
【0045】
シュードプロリンは、遊離アミノ酸をアルデヒドまたはケトンと反応させることにより得られる。シュードプロリンジペプチドは、他のアミノ酸誘導体と同じ方法で導入することができる。好ましくは、シュードプロリンは、Ser-X、Thr-XまたはCys-X基から誘導され、ここでXは、天然または非天然アミノ酸である。セリンやスレオニンを含むペプチドのFMOC固相ペプチド合成(SPPS)において、シュードプロリン(オキサゾリジン)ジペプチドをルーチンに使用することにより、未精製生成物の品質と収率が大幅に改善をもたらす。いったん、前記ペプチドが脱保護されると、前記シュードプロリンはX-Ser、X-ThrまたはX-Cysの形の従来のジペプチドとなり、ここでXは天然または非天然アミノ酸である。
【0046】
より好ましくは、当該バリアントは、1または複数の他のアミノ酸残基によって置換された1~5、または1~4、または1~3のアミノ酸残基を有する。さらに好ましくは、2のアミノ酸残基が別のアミノ酸残基によって置換されている。よりいっそう好ましくは、1のアミノ酸残基が別のアミノ酸残基によって置換されている。好ましくは、当該置換はホモログである。
【0047】
ホモログ置換(置換(substitution)と置換(replacement)はともに本明細書で使用されており、既存のアミノ酸残基を代替残基と交換することを意味する)は行われてもよく、すなわち、塩基性と塩基性、酸性と酸性、極性と極性などの同種交換の置換である。非ホモログ置換はまた行われてもよい。すなわち、あるクラスの残基から別のクラスの残基へ、あるいは代わりに、オルニチン、ジアミノ酪酸オルニチン、ノルロイシンオルニチン、ピリジルアラニン、チエニルアラニン、ナフチルアラニン、及びフェニルグリシンなどの非天然アミノ酸の包含を伴い、その詳細なリストは以下の通りである。一度に、1超のアミノ酸残基が修飾されてもよい。
【0048】
キャリア部分の任意の2のアミノ酸残基の間に挿入され得る適切なスペーサー基は、グリシンまたはβ-アラニン残基などのアミノ酸スペーサーに加えて、メチル基、エチル基またはプロピル基などのアルキル基を含んでいる。ペプトイド形態の1又は複数のアミノ酸残基の存在を伴う、さらなるバリエーションの形態であるタイプ(e)は、当業者にはよく理解されるであろう。誤解を避けるために、「ペプトイド形態」は、α-炭素の置換基が、α-炭素というよりはむしろ、残基の窒素原子上にあるバリアントアミノ酸残基を指すために使用される。ペプトイド形態のペプチドを調製するためのプロセスは当技術分野で知られており、例えば、Simon RJら、PNAS(1992)89(20)、9367-9371 and Horwell DC, Trends Biotechnol. (1995) 13(4), 132-134である。タイプ(f)の修飾は、国際出願PCT/GB99/01855(WO 99/64574)に記載されているような方法によって行ってもよい。
【0049】
アミノ酸のバリアント、好ましくは(a)型または(b)型が、任意の位置で独立して起こることが好ましい。上記のように、1超のホモログ置換または非ホモログ置換が同時に発生してもよい。さらなる変異は、配列内のいくつかのアミノ酸残基の配列を逆転させることによっても起こり得る。
【0050】
一実施形態では、置換アミノ酸残基は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンの残基から選ばれた天然アミノ酸である。置換アミノ酸残基は、さらに、非天然アミノ酸から選ばれてもよい。
【0051】
本発明の方法は、以下のステップを含んでいる:
(I)N末端のアミノ酸が、保護基PGにより、保護されており、それが、Boc及びFmocから選択される第1のペプチド断片を調製し;
(II)C末端のアミノ酸が、保護基PGにより、保護されており、それが、トリチル、クロロトリチル及びt-ブチルから選択される第2のペプチド断片を調製し、そして、前記第1のペプチド断片及び第2のペプチド断片中のアミノ酸側鎖は任意に保護されており;
(III)溶液中で、前記第1のペプチド断片のC末端アミノ酸と、前記第2のペプチド断片のN末端アミノ酸をカップリングし、直鎖状の保護されたEGF様ペプチドを形成し;
(IV)(a)
(i)ステップ(III)で形成された直鎖状の保護されたEGF様ペプチドをヨウ素で処理し、酸化混合物を形成し;
(ii)トリフルオロ酢酸(TFA)で処理し、ステップ(IV)(a)(i)で得られた前記酸化混合物を全体的に脱保護し、
(iii)ステップ(IV)(a)(ii)で得られた前記脱保護された酸化混合物をDMSO/DTTで処理し、未精製のEGF様ペプチドを形成する;又は
(IV)(b)
(i)トリフルオロ酢酸(TFA)で処理し、ステップ(III)で得られた直鎖状の保護されたEGF様ペプチドを全体的に脱保護し;
(ii)ステップ (IV)(b)(i)で得られた脱保護された混合物をDMSOで処理し、未精製のEGF様ペプチドを形成する;そして、
(V)任意に前記未精製のEGF様ペプチドを精製する。
【0052】
前記方法のステップ(I)は、N末端のアミノ酸が、保護基PGにより、保護されており、それが、Boc及びFmocから選択される第1のペプチド断片を調製することを含んでいる。
【0053】
一の好ましい実施形態では、前記第1のペプチド断片は、2又はそれ以上のペプチドサブ断片をカップリングすることで、調製される。
【0054】
別の好ましい実施形態では、前記第1のペプチド断片は、固相ペプチド合成によって調製される。
【0055】
前記方法のステップ(II)は、C末端のアミノ酸が、保護基PGにより、保護されており、それが、クロロトリチル及びt-ブチルから選択される第2のペプチド断片を調製することを含んでいる。
【0056】
一の好ましい実施形態では、前記第2のペプチド断片は、2又はそれ以上のペプチドサブ断片をカップリングすることで、調製される。
【0057】
一の好ましい実施形態では、前記第2のペプチド断片は、固相ペプチド合成によって調製される。
【0058】
前記方法のステップ(III)は、溶液中で、前記第1のペプチド断片のC末端アミノ酸と、前記第2のペプチド断片のN末端アミノ酸をカップリングし、保護されたEGF様ペプチドを形成することを含んでいる。第1のペプチド断片および第2のペプチド断片のそれぞれの配列は、ステップ(III)におけるそれらのカップリングにより、保護された直鎖状である配列C(X)(X)4-5(X)10-13(X)C(X) [配列番号49]のペプチドを生じさせるようになっている。この直鎖状の保護されたペプチドは、その後脱保護され、そして、再編成を受けて、分子内ジスルフィド結合の正しい配置を有する最終的なEGF様ペプチドを形成する(ステップ(IV)(a)または(IV)(b)参照)。例えば、前記EGF様ペプチドがEGF(以下参照)の場合、CysとCys20、Cys14とCys31、及びCys33とCys42の間に3つの分子内ジスルフィド結合が形成される。
【0059】
好ましくは、前記第1のペプチド断片は、例えばHOBt.HOで処理することによって活性化され、その後、カップリング試薬および溶媒の存在下で前記第2のペプチド断片とカップリングされる。好ましくは、酸活性化(例えば、HOBt.HOによる)は、COOH基で終結する第1のペプチド断片が第2のペプチド断片の遊離NH基とカップリングされる、本明細書に記載のすべての断片縮合反応に適用する。
【0060】
活性化エステルを生成するため、HOBtは使用される。得られたエステルは、次に前記第2のペプチド断片のアミン基と反応し、アミド結合を形成する。他のベンゾトリアゾール活性化剤も使用されることができ、そして、当業者にはよく知られているであろう。適当な代替品は、クロロベンゾトリアゾールおよびアザベンゾトリアゾールを含んでいるが、これらに限定されない。また、活性化及びカップリングは、HBTU、TBTU等のウラン塩を用いて、行われてもよい。適切なカップリング試薬は当業者にはよく知られているであろうし、例えば、DIC(N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド)、DCC(N,N′-ジシクロヘキシルカルボジイミド)およびEDAC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)といったカルボジイミドカップリング試薬などを含んでいる。好ましくは、カップリング試薬はEDACであり、より好ましくは、そのHCl塩の形態である。
【0061】
カップリングステップのための適切な溶媒は、当業者にはよく知られているだろう。 好ましくは、溶媒は、N-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジクロロメタン(DCM)およびこれらの混合物から選択される。より好ましくは、当該溶媒はNMPである。
【0062】
本発明の方法は、以下で記述する通り、その後、ステップ(IV)(a)又はステップ(IV)(b)を介して進行する。
【0063】
一の好ましい実施形態では、前記プロセスはステップ(IV)(a)を介して進行する。ステップ(IV)(a)は、ステップ(i)~(iii)を含んでいる。ステップ(IV)(a)(i)は、ステップ(III)で形成された保護されたEGF様ペプチドをヨウ素で処理し、酸化混合物を形成することを含んでいる。前記ヨウ素は同時にシステイン側鎖の保護基を除去し、さらにその後、システインを酸化してジスルフィドを形成する。これは、システイン残基が互いに架橋した広範囲の異なる製品をもたらす。好ましくは、前記ヨウ素酸化ステップ(IV)(a)(i)は、適切な有機溶媒中で行われる。 適切な溶媒は、当業者にはよく知られているであろうし、例えば、ジクロロメタンを含んでいる。 好ましくは、前記ヨウ素酸化ステップは、TFA/ジクロロメタン中のヨウ素の溶液、より好ましくはTFA/ジクロロメタン中のヨウ素の1%溶液を使用して行われる。
【0064】
本方法のステップ(IV)(a)(ii)は、トリフルオロ酢酸(TFA)で処理し、ステップ(IV)(a)(i)で得られた前記酸化混合物を全体的に脱保護することを含んでいる。このステップは、前記ペプチドから残りの保護基をすべて除去する。好ましくは、このステップは、ステップ(IV)(a)(i)で得られた酸化混合物を、TFA/HO/DTTを含んでいる混合物、より好ましくは94:3:3の比率で処理することを含んでいる。前記DTTはスカベンジャーとして機能し、そして、起こり得る早期の酸化を回避する。
【0065】
本方法のステップ(IV)(a)(iii)は、ステップ(IV)(a)(ii)で得られた前記脱保護された酸化混合物をジチオスレイトール(DTT)及びDMSOで処理し、未精製のEGF様ペプチドを形成することを含んでいる。DTTはジスルフィド結合の還元剤であり、DMSOは穏やかな酸化剤である。DMSOとDTTで処理すると、ジスルフィド結合が平衡化(または「リシャッフル」)し、熱力学的に最も有利な生成物を形成する。この方法は酸化的フォールディングとして知られており、そして、EGFRによる認識に不可欠なループ構造を形成するための正しいジスルフィド結合配置を持つEGF様ペプチドをもたらす。好ましくは、このステップは、水/DMSO中で行う。より好ましくは、このステップは、DMSO及びTrisと塩酸グアニジンを含む水溶液で行われ、後者はカオトロープとして機能する。他の実施形態では、本方法のステップ(IV)(a)(iii)は、ステップ(IV)(a)(ii)で得られた前記脱保護された酸化混合物を、DMSO及びTrisと塩酸グアニジンを含む水溶液で処理し、未精製のEGF様ペプチドを形成することを含んでいる。代わりの好ましい実施形態では、本方法は、ステップ(IV)(b)を介して進行する。ステップ(IV)(b)はステップ(i)-(ii)を含んでいる。ステップ(IV)(b)は、トリフルオロ酢酸(TFA)で処理し、ステップ(III)で得られた直鎖状の保護されたEGF様ペプチドを全体的に脱保護することを含んでいる。このステップは、前記ペプチドから残りの保護基をすべて除去する。好ましくは、このステップは、ステップ(III)で得られた酸化混合物を、TFA/HO/DTTを含む混 合物、より好ましくは94:3:3の比率で処理することを含む。前記DTTはスカベンジャーとして機能し、そして、起こり得る早期の酸化を回避する。
【0066】
ステップ(IV)(b)(ii)は、ステップ (IV)(b)(i)で得られた脱保護された混合物をDMSOで処理し、未精製のEGF様ペプチドを形成することを含んでいる。好ましい実施形態では、本方法のステップ(IV)(b)(ii)は、ステップ(IV)(b)(i)で得られた脱保護された酸化混合物を、DMSO及びTrisと塩酸グアニジンを含む水溶液で処理し、未精製のEGF様ペプチドを形成することを含んでいる。
【0067】
本方法のステップ(V)は、任意に前記未精製のEGF様ペプチドを精製することを含んでいる。適切な精製方法は当技術分野で一般的に知られており、そして、例えばHPLCを含んでいる。当業者は、ペプチドのHPLC精製に適した溶媒およびカラム材料に精通しているであろう。精製のための適切な溶媒、カラム材料および条件は、添付の実施例に例示されている。
【0068】
一の好ましい実施形態では、前記第1のペプチド断片は、2又はそれ以上のペプチドサブ断片をカップリングすることで、調製される。
【0069】
一の好ましい実施形態では、前記第1のペプチド断片は、固相ペプチド合成によって調製される。
【0070】
一の好ましい実施形態では、前記第2のペプチド断片は、2又はそれ以上のペプチドサブ断片をカップリングすることで、調製される。
【0071】
一の好ましい実施形態では、前記第2のペプチド断片は、固相ペプチド合成によって調製される。
【0072】
上皮成長因子(EGF)を調製するための方法
一の好ましい実施形態では、前記EGF様ペプチドは、EGF、又はそのアナログ又はそのバリアントである。
【0073】
一の好ましい実施形態では、前記EGF様ペプチドは、マウスEGF、又はそのアナログ又はそのバリアントである。
【0074】
一の好ましい実施形態では、前記EGF様ペプチドは、ヒトEGF、又はそのアナログ又はそのバリアントである。
【0075】
一の好ましい実施形態では、前記第1のペプチド断片のC末端アミノ酸はグリシンである。
【0076】
一の好ましい実施形態では、前記EGF様ペプチドは以下の配列:
H-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-Ser-His10-Asp11-Gly12-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-OH [配列番号1]
又はそのバリアントを有する(またはより好ましくは、からなる);
そして、前記方法は、以下のステップを含んでいる:
以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)第1のペプチド断片:
PG-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-Ser-His10-Asp11-Gly12-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-OH [配列番号2]
又はそのバリアントであって、
PGが、Boc及びFmocから選択されるN末端保護基であって、そして、前記C末端アミノ酸が、任意に、活性化されたカルボン酸誘導体の形態であって、
以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)第2のペプチド断片:
H-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-O-PG [配列番号3]
又はそのバリアントであって、
PGが、クロロトリチル及びt-ブチルから選択される保護基であって;
そして、前記第1の及び第2のペプチド断片における1または複数のアミノ酸残基が、好ましくは、酸開裂性保護基で任意に保護されており、前記第1のペプチド断片と、前記第2のペプチド断片を、溶液中でカップリングする方法を有する。
【0077】
酸開裂性保護基は、Bu、Boc、Acm、OBu、Trt、Mmt、Mtt 及びPbfを含んでいるが、これには限定されない。一の好ましい実施形態では、第1のペプチド断片及び第2のペプチド断片中の1又は複数のアミノ酸残基のアミノ酸側鎖は、Bu, Ttr,Pbf及びBocから選択される酸開裂性保護基で任意に保護されている。
【0078】
一の好ましい実施形態では、前記EGF様ペプチドは以下の配列:
H-Asn(P)-Ser(P)-Asp(P)- ΨSer-Glu(P)-Cys(P)-Pro-Leu-ΨSer-His10(P)-Asp11(P)-Gly12-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-OH [配列番号9]
又はそのバリアントを有し(またはより好ましくは、からなる);
ここで、以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)第1のペプチド断片:
PG-Asn(P)-Ser(P)-Asp(P)- ΨSer-Glu(P)-Cys(P)-Pro-Leu-ΨSer-His10(P)-Asp11(P)-Gly12-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-OH [配列番号10]
またはそのバリアントであって;
以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)第2のペプチド断片:
H-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号11]
またはそのバリアントであって;
それぞれのPが、同じ又は異なっていてもよい側鎖保護基を表している。
【0079】
一の好ましい実施形態では、前記EGF様ペプチドは以下の配列:
H-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Asp(tBu)-ΨSer-Glu(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Leu-ΨSer-His10(Trt)-Asp11(tBu)-Gly12-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-OH [配列番号12]
又はそのバリアントを有し(またはより好ましくは、からなる);
そして、ここで、以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)前記第1のペプチド断片:
PG-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Asp(tBu)-ΨSer-Glu(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Leu-ΨSer-His10(Trt)-Asp11(tBu)-Gly12-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-OH [配列番号13]
またはそのバリアントであって、
そして、以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)第2のペプチド断片:
H-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号14]
またはそのバリアントである。
【0080】
一の好ましい実施形態では、前記第1のペプチド断片PG-Asn(P)-Ser(P)-Asp(P)- ΨSer-Glu(P)-Cys(P)-Pro-Leu-ΨSer-His10(P)-Asp11(P)-Gly12-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-OH [配列番号10]又はPG-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Asp(tBu)-ΨSer-Glu(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Leu-ΨSer-His10(Trt)-Asp11(tBu)-Gly12-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-OH [配列番号13]は、Fmoc-Gly-OHから開始する固相合成により、調製される。
【0081】
一の好ましい実施形態では、前記第1のペプチド断片PG-Asn(P)-Ser(P)-Asp(P)-ΨSer-Glu(P)-Cys(P)-Pro-Leu-ΨSer-His10(P)-Asp11(P)-Gly12-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-OH [配列番号15]は、PG-Asn(P)-Ser(P)-Asp(P)-ΨSer-Glu(P)-Cys(P)-Pro-Leu-ΨSer-His10 (P)-Asp11(P)-Gly12-OH [配列番号16]とH-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-O-PG [配列番号17]の断片縮合により調製される。好ましくは、前記保護基PGは、その後除去される。
【0082】
一の好ましい実施形態では、前記第1のペプチド断片PG-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Asp(tBu)-ΨSer-Glu(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Leu-ΨSer-His10(Trt)-Asp11(tBu)-Gly12-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-OH [配列番号13]は、PG-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Asp(tBu)-ΨSer-Glu(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Leu-ΨSer-His10(Trt)-Asp11(tBu)-Gly12-OH [配列番号18]とH-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-O-PG [配列番号19]の断片縮合により調製される。好ましくは、前記保護基PGは、その後除去される。
【0083】
一の好ましい実施形態では、前記ペプチド断片PG-Asn(P)-Ser(P)-Asp(P)-ΨSer-Glu(P)-Cys(P)-Pro-Leu-ΨSer-His10(P)-Asp11(P)-Gly12-OH [配列番号20]又はPG-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Asp(tBu)-ΨSer-Glu(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Leu-ΨSer-His10(Trt) -Asp11(tBu)-Gly12-OH [配列番号21]は、Fmoc-Gly-OHから開始する固相合成により、調製される。
【0084】
一の好ましい実施形態では、前記ペプチド断片H-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-O-PG [配列番号17]又はH-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-O-PG [配列番号19]は、Fmoc-Gly-OHから開始する固相合成により、調製される。
【0085】
一の好ましい実施形態では、前記第2のペプチド断片H-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号11]は、PG-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-OH [配列番号22]と、H-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号23]との断片縮合により、調製される。好ましくは、前記保護基PGは、その後除去される。
【0086】
一の好ましい実施形態では、前記第2のペプチド断片H-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号14]は、PG-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-OH [配列番号24]と、H-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号25]との断片縮合により、調製される。好ましくは、前記保護基PGは、その後除去される。
【0087】
一の好ましい実施形態では、前記第2のペプチド断片H-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号11]は、PG-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-OH [配列番号26]と、H-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号27]との断片縮合により、調製される。好ましくは、前記保護基PGは、その後除去される。
【0088】
一の好ましい実施形態では、前記第2のペプチド断片H-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号14]は、PG-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39--OH [配列番号28]と、H-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号29]との断片縮合により、調製される。好ましくは、前記保護基PGは、その後除去される。
【0089】
一の好ましい実施形態では、前記ペプチド断片H-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号23]は、PG-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-OH [配列番号30]と、H-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号27]との断片縮合により、調製される。好ましくは、前記保護基PGは、その後除去される。
【0090】
一の好ましい実施形態では、前記ペプチド断片H-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号25]は、PG-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-OH [配列番号31]と、H-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号29]との断片縮合により、調製される。好ましくは、前記保護基PGは、その後除去される。
【0091】
一の好ましい実施形態では、前記ペプチド断片PG-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-OH [配列番号22]又はPG-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-OH [配列番号24]は、Fmoc-Gly-OHから開始する固相ペプチド合成により、調製される。
【0092】
一の好ましい実施形態では、前記ペプチド断片H-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号23]又はH-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号25]は、Fmoc-Arg(P)又はFmoc-Arg(Pbf)から開始する固相ペプチド合成により、調製される。
【0093】
一の好ましい実施形態では、前記ペプチド断片PG-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-OH [配列番号26]又はPG-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39 -OH [配列番号28]は、Fmoc-Gly-OHから開始する固相ペプチド合成により、調製される。
【0094】
一の好ましい実施形態では、前記ペプチド断片H-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号27]又はH-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号29]は、Fmoc-Arg(P)又はFmoc-Arg(Pbf)を使用する固相ペプチド合成により、調製される。
【0095】
一の好ましい実施形態では、前記EGF様ペプチドは以下の配列:
H-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-Ser-His10-Asp11-Gly12-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-OH [配列番号1]
又はそのバリアントを有し(またはより好ましくは、からなる)、
そして、前記方法は、以下のステップを含んでいる:
以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)第1のペプチド断片:
PG-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-ΨSer-His10-Asp11-Gly12-OH [配列番号4]
又はそのバリアントであって、
PGが、Boc及びFmocから選択されるN末端保護基であって;そして、前記C末端アミノ酸が、任意に、活性化されたカルボン酸誘導体の形態であって;
以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)第2のペプチド断片:
H-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-O-PG [配列番号5]
又はそのバリアントであって、
PGが、クロロトリチル及びt-ブチルから選択される保護基であって;
そして、前記第1の及び第2のペプチド断片における1または複数のアミノ酸残基が、好ましくは、酸開裂性保護基で任意に保護されており、前記第1のペプチド断片と、前記第2のペプチド断片を、溶液中でカップリングする方法を有する。
【0096】
一の好ましい実施形態では、前記EGF様ペプチドは以下の配列:
H-Asn(P)-Ser(P)-Asp(P)- ΨSer-Glu(P)-Cys(P)-Pro-Leu-ΨSer-His10(P)-Asp11(P)-Gly12-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-OH [配列番号9]
又はそのバリアントを有し(またはより好ましくは、からなる)、
ここで、以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)第1のペプチド断片:
PG-Asn(P)-Ser(P)-Asp(P)-ΨSer-Glu(P)-Cys(P)-Pro-Leu-ΨSer-His10(P)-Asp11(P)-Gly12-OH [配列番号20]
またはそのバリアントであって;
そして、以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)第2のペプチド断片:
H-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号32]
またはそのバリアントであって;
それぞれのPが、同じ又は異なっていてもよい側鎖保護基を表している。
【0097】
一の好ましい実施形態では、前記EGF様ペプチドは以下の配列:
H-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Asp(tBu)-ΨSer-Glu(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Leu-ΨSer-His10(Trt)-Asp11(tBu)-Gly12-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-OH [配列番号12]
又はそのバリアントを有し(またはより好ましくは、からなる)、
そして、ここで、以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)第1のペプチド断片:
PG-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Asp(tBu)-ΨSer-Glu(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Leu-ΨSer-His10(Trt)-Asp11(tBu)-Gly12-OH [配列番号18]
またはそのバリアントであって、
そして、以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)第2のペプチド断片:
H-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号33]
またはそのバリアントである。
【0098】
一の好ましい実施形態では、前記第1のペプチド断片PG-Asn(P)-Ser(P)-Asp(P)- ΨSer-Glu(P)-Cys(P)-Pro-Leu-ΨSer-His10(P)-Asp11(P)-Gly12-OH [配列番号34]又はPG-Asn(Trt)-Ser(tBu)-Asp(tBu)-ΨSer-Glu(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Leu-ΨSer-His10(Trt)-Asp11(tBu)-Gly12-OH [配列番号18]は、Fmoc-Gly-OHから開始する固相ペプチド合成により、調製される。
【0099】
一の好ましい実施形態では、前記第2のペプチド断片H-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号32]又はH-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号33]は、Fmoc-Arg(P)又はFmoc-Arg(Pbf)から開始する固相ペプチド合成により、調製される。
【0100】
一の好ましい実施形態では、前記第2のペプチド断片H-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号32]は、PG-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-OH [配列番号35]と、H-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号23]との断片縮合により、調製される。好ましくは、前記保護基PGは、その後除去される。
【0101】
一の好ましい実施形態では、前記第2のペプチド断片H-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号33]は、PG-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-OH [配列番号36]と、H-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号25]との断片縮合により、調製される。好ましくは、前記保護基PGは、その後除去される。
【0102】
一の好ましい実施形態では、前記ペプチド断片PG-Tyr13(P)-Cys14(P)-Leu15-His16(P)-Asp17(P)-Gly18-Val19-Cys20(P)-Met21-Tyr22(P)-Ile23-Glu24(P)-Ala25-Leu26-Asp27(P)-Lys28(P)-Tyr29(P)-Ala30-Cys31(P)-Asn32(P)-Cys33(P)-Val34-Val35-Gly36-OH [配列番号35]又はPG-Tyr13(tBu)-Cys14(Trt)-Leu15-His16(Trt)-Asp17(tBu)-Gly18-Val19-Cys20(Trt)-Met21-Tyr22(tBu)-Ile23-Glu24(tBu)-Ala25-Leu26-Asp27(tBu)-Lys28(Boc)-Tyr29(tBu)-Ala30-Cys31(Trt)-Asn32(Trt)-Cys33(Trt)-Val34-Val35-Gly36-OH [配列番号36]は、Fmoc-Gly-OHから開始する固相ペプチド合成により、調製される。
【0103】
一の好ましい実施形態では、前記ペプチド断片H-Tyr37(P)-Ile38-Gly39-Glu40(P)-Arg41(P)-Cys42(P)-Gln43(P)-Tyr44(P)-Arg45(P)-Asp46(P)-Leu47-Lys48(P)-Trp49(P)-Trp50(P)-Glu51(P)-Leu52-Arg53(P)-O-PG [配列番号23]又はH-Tyr37(tBu)-Ile38-Gly39-Glu(tBu)40-Arg41(Pbf)-Cys42(Trt)-Gln43(Trt)-Tyr44(tBu)-Arg45(Pbf)-Asp46(tBu)-Leu47-Lys48(Boc)-Trp49(Boc)-Trp50(Boc)-Glu51(tBu)-Leu52-Arg53(Pbf)-O-PG [配列番号25]は、Fmoc-Arg(P)又はFmoc-Arg(Pbf)から開始する固相ペプチド合成により、調製される。
【0104】
一の好ましい実施形態では、本発明は、EGF(1-53)を調製する方法に関し、前記方法は、
以下のステップを含んでいる:
(a) Fmoc-EGF(19-36)-OH断片と、H-EGF(37-53)-OClt断片とをカップリングし、Fmoc-EGF(19-53)-OCltを形成し;
(b) Fmoc-EGF(19-53)-OClt断片からFmoc基を除去し、H-EGF(19-53)-OCltを形成し;
(c) 前記H-EGF(19-53)-OClt断片と、Boc-EGF(1-18)-OH断片とをカップリングし、保護された直鎖上ペプチドBoc-EGF(1-53)-OCltを形成し;
(d) 前記保護された直鎖上ペプチドBoc-EGF(1-53)-OCltを、TFA/ジクロロメタン中でヨウ素溶液処理をし;
(e) TFA/H2O/DTTで処理し、ステップ(d)の生成物を全体的に脱保護し、未精製の直鎖ペプチドEGF(1-53)を形成し;
(f) ステップ(e)の生成物をDMSO及びTrisと塩酸グアニジンを含む水溶液で処理し、
(g) 任意に、HPLCで、ステップ(f)の生成物を精製する。
好ましくは、ステップ(a)のFmoc-EGF(19-36)-OH断片は、例えば、HOBt.HOで処理することで、活性化される。
【0105】
トランスフォーミング増殖因子-α (TGF-α)を調製する方法
一の好ましい実施形態では、前記EGF様ペプチドは、トランスフォーミング増殖因子-α(TGF-α)、又はそのアナログ又はそのバリアントである。
【0106】
一の好ましい実施形態では、前記EGF様ペプチドは、ヒトトランスフォーミング増殖因子-α(hTGF-α)、又はそのアナログ又はそのバリアントである。
【0107】
一の好ましい実施形態では、前記EGF様ペプチドは以下の配列:
H-Val-Val-Ser-His-Phe-Asn-Asp-Cys-Pro-Asp10-Ser11-His12-Thr13-Gln14-Phe15-Cys16-Phe17-His18-Gly19-Thr20-Cys21-Arg22-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27-Asp28-Lys29-Pro30-Ala31-Cys32-Val33-Cys34-His35-Ser36-Gly37-Tyr38-Val39-Gly40-Ala41-Arg42-Cys43-Glu44-His45-Ala46-Asp47-Leu48-Leu49-Ala50-OH [配列番号6]
又はそのバリアントを有し(またはより好ましくは、からなる)、
そして、前記方法は、以下のステップを含んでいる:
以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)第1のペプチド断片:
PG-Val-Val-Ser-His-Phe-Asn-Asp-Cys-Pro-Asp10-Ser11-His12-Thr13-Gln14-Phe15-Cys16-Phe17-His18-Gly19-OH [配列番号7]
又はそのバリアントであって、
PGが、Boc及びFmocから選択されるN末端保護基であって;そして、前記C末端アミノ酸が、任意に、活性化されたカルボン酸誘導体の形態であって;
以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)第2のペプチド断片:
H-Thr20-Cys21-Arg22-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27-Asp28-Lys29-Pro30-Ala31-Cys32-Val33-Cys34-His35-Ser36-Gly37-Tyr38-Val39-Gly40-Ala41-Arg42-Cys43-Glu44-His45-Ala46-Asp47-Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号8]
又はそのバリアントであって、
PGが、クロロトリチル及びt-ブチルから選択される保護基であって;
そして、前記第1の及び第2のペプチド断片における1または複数のアミノ酸残基が、好ましくは、酸開裂性保護基で任意に保護されており、前記第1のペプチド断片と、前記第2のペプチド断片を、溶液中でカップリングする方法を有する。
【0108】
一の好ましい実施形態では、前記EGF様ペプチドは以下の配列:
PG-Val-Val-Ser(P)-His(P)-Phe-Asn(P)-Asp(P)-Cys(P)-Pro-Asp10(P)-ΨSer11-His12(P)-Thr13(P)-Gln14(P)-Phe15-Cys16(P)-Phe17-His18(P)-Gly19-Thr20(P)-Cys21(P)-Arg22(P)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(P)-Asp28(P)-Lys29(P)-Pro30-Ala31-Cys32(P)-Val33-Cys34(P)-His35-Ser36(P)-Gly37-Tyr38(P)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(P)-Cys43(P)-Glu44(P)-His45(P)-Ala46-Asp47(P)- Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号37]
又はそのバリアントを有し(またはより好ましくは、からなる)、
ここで、前記第1のペプチド断片は以下の配列:
PG-Val-Val-Ser(P)-His(P)-Phe-Asn(P)-Asp(P)-Cys(P)-Pro-Asp10(P)-ΨSer11-His12(P)-Thr13(P)-Gln14(P)-Phe15-Cys16(P)-Phe17-His18(P)-Gly19-OH [配列番号38]
又はそのバリアントを有し(またはより好ましくは、からなる)、
そして、前記第2のペプチド断片は以下の配列:
H-Thr20(P)-Cys21(P)-Arg22(P)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(P)-Asp28(P)-Lys29(P)-Pro30-Ala31-Cys32(P)-Val33-Cys34(P)-His35-Ser36(P)-Gly37-Tyr38(P)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(P)-Cys43(P)-Glu44(P)-His45(P)-Ala46-Asp47(P)-Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号39]
又はそのバリアントを有し(またはより好ましくは、からなる)、
それぞれのPが、同じ又は異なっていてもよい側鎖保護基を表している。
【0109】
一の好ましい実施形態では、前記EGF様ペプチドは以下の配列:
PG-Val-Val-Ser(tBu)-His(Trt)-Phe-Asn(Trt)-Asp(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Asp10(tBu)-ΨSer11-His12(Trt)-Thr13(tBu)-Gln14(Trt)-Phe15-Cys16(Trt)-Phe17-His18(Trt)-Gly19-Thr20(tBu)-Cys21(Trt)-Arg22(Pbf)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(tBu)-Asp28(tBu)-Lys29(Boc)-Pro30-Ala31-Cys32(Trt)-Val33-Cys34(Trt)-His35-Ser36(tBu)-Gly37-Tyr38(tBu)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(Pbf)-Cys43(Trt)-Glu44(tBu)-His45(Trt)-Ala46-Asp47(tBu)-Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号40]
又はそのバリアントを有し(またはより好ましくは、からなる)、
ここで、前記第1のペプチド断片は以下の配列:
PG-Val-Val-Ser(tBu)-His(Trt)-Phe-Asn(Trt)-Asp(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Asp10(tBu)-ΨSer11-His12(Trt)-Thr13(tBu)-Gln14(Trt)-Phe15-Cys16(Trt)-Phe17-His18(Trt)-Gly19-OH [配列番号41]
又はそのバリアントを有し(またはより好ましくは、からなる)、
そして、前記第2のペプチド断片は以下の配列:
H-Thr20(tBu)-Cys21(Trt)-Arg22(Pbf)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(tBu)-Asp28(tBu)-Lys29(Boc)-Pro30-Ala31-Cys32(Trt)-Val33-Cys34(Trt)-His35-Ser36(tBu)-Gly37-Tyr38(tBu)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(Pbf)-Cys43(Trt)-Glu44(tBu)-His45(Trt)-Ala46-Asp47(tBu)-Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号42]
又はそのバリアントを有する(またはより好ましくは、からなる)。
【0110】
一の好ましい実施形態では、前記第1のペプチド断片PG-Val-Val-Ser(P)-His(P)-Phe-Asn(P)-Asp(P)-Cys(P)-Pro-Asp10(P)-ΨSer11-His12(P)-Thr13(P)-Gln14(P)-Phe15-Cys16(P)-Phe17-His18(P)-Gly19-OH [配列番号38]又はPG-Val-Val-Ser(tBu)-His(Trt)-Phe-Asn(Trt)-Asp(tBu)-Cys(Trt)-Pro-Asp10(tBu)-ΨSer11-His12(Trt)-Thr13(tBu)-Gln14(Trt)-Phe15-Cys16(Trt)-Phe17-His18(Trt)-Gly19-OH [配列番号41]は、Fmoc-Gly-OHから開始する固相ペプチド合成により、調製される。
【0111】
一の好ましい実施形態では、配列H-Thr20(P)-Cys21(P)-Arg22(P)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(P)-Asp28(P)-Lys29(P)-Pro30-Ala31-Cys32(P)-Val33-Cys34(P)-His35-Ser36(P)-Gly37-Tyr38(P)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(P)-Cys43(P)-Glu44(P)-His45(P)-Ala46-Asp47(P)- Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号39]を有する(またはより好ましくは、からなる)前記第2のペプチド断片は、PG-Thr20(P)-Cys21(P)-Arg22(P)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(P)-Asp28(P)-Lys29(P)-Pro30-Ala31-Cys32(P)-Val33-Cys34(P)-His35-Ser36(P)-Gly37-OH [配列番号43]及びH-Tyr38(P)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(P)-Cys43(P)-Glu44(P)-His45(P)-Ala46-Asp47(P)- Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号44]との断片縮合により、調製される。好ましくは、前記保護基PGは、その後除去される。
【0112】
一の好ましい実施形態では、配列H-Thr20(tBu)-Cys21(Trt)-Arg22(Pbf)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(tBu)-Asp28(tBu)-Lys29(Boc)-Pro30-Ala31-Cys32(Trt)-Val33-Cys34(Trt)-His35-Ser36(tBu)-Gly37-Tyr38(tBu)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(Pbf)-Cys43(Trt)-Glu44(tBu)-His45(Trt)-Ala46-Asp47(tBu)-Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号45]を有する(またはより好ましくは、からなる)前記第2のペプチド断片は、PG-Thr20(tBu)-Cys21(Trt)-Arg22(Pbf)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(tBu)-Asp28(tBu)-Lys29(Boc)-Pro30-Ala31-Cys32(Trt)-Val33-Cys34(Trt)-His35-Ser36(tBu)-Gly37-OH [配列番号46]とH-Tyr38(tBu)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(Pbf)-Cys43(Trt)-Glu44(tBu)-His45(Trt)-Ala46-Asp47(tBu)- Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号47]との断片縮合により、調製される。好ましくは、前記保護基PGは、その後除去される。
【0113】
一の好ましい実施形態では、前記ペプチド断片H-Tyr38(P)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(P)-Cys43(P)-Glu44(P)-His45(P)-Ala46-Asp47(P)-Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号48]又はH-Tyr38(tBu)-Val39-Gly40-Ala41-Arg42(Pbf)-Cys43(Trt)-Glu44(tBu)-His45(Trt)-Ala46-Asp47(tBu)- Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号47]は、Fmoc-Gly-OHから開始する固相ペプチド合成により、調製される。
【0114】
一の好ましい実施形態では、前記第2のペプチド断片PG-Thr20(P)-Cys21(P)-Arg22(P)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(P)-Asp28(P)-Lys29(P)-Pro30-Ala31-Cys32(P)-Val33-Cys34(P)-His35-Ser36(P)-Gly37-OH [配列番号43]又はPG-Thr20(tBu)-Cys21(Trt)-Arg22(Pbf)-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27(tBu)-Asp28(tBu)-Lys29(Boc)-Pro30-Ala31-Cys32(Trt)-Val33-Cys34(Trt)-His35-Ser36(tBu)-Gly37-OH [配列番号46]は、Fmoc-Gly-OHから開始する固相ペプチド合成により、調製される。
【0115】
一の好ましい実施形態では、本発明は、TGF(1-50)を調製する方法に関し、前記方法は、以下のステップを含んでいる:
(a) Fmoc-TGF(20-37)-OH断片と、H-TGF(38-50)-OClt断片とをカップリングし、Fmoc-EGF(20-50)-OCltを形成し;
(b) Fmoc-TGF(20-50)-OClt断片からFmoc基を除去し、H-TGF(20-50)-OCltを形成し;
(c) 前記H-TGF(20-50)-OClt断片と、Boc-TGF(1-19)-OH断片とをカップリングし、保護された直鎖上ペプチドBoc-TGF(1-50)-OCltを形成し;
(d) 前記保護された直鎖上ペプチドBoc-TGF(1-50)-OCltを、TFA/ジクロロメタン中でヨウ素溶液処理をし;
(e) TFA/H2O/DTTで処理し、ステップ(d)の生成物を全体的に脱保護し、未精製の直鎖ペプチドTGF(1-50)を形成し;
(f) ステップ(e)の生成物をDMSO及びTrisと塩酸グアニジンを含む水溶液で処理し、
(g) 任意に、HPLCで、ステップ(f)の生成物を精製する。
好ましくは、ステップ(a)のFmoc-TGF(20-37)-OH断片は、例えば、HOBt.HOで処理することで、活性化される。
【0116】
本明細書に記載されるすべての実施形態について、好ましくは、PGは、クロロトリチル又はトリチルであり、より好ましくは、クロロトリチルである。有利には、前記合成においてクロロトリチル保護基を使用すると、前記全収率が優位に増加する。例えば、いくつかの事例では、クロロトリチル保護基を使用することで、所望のペプチドの収率が全体として25%程度向上することがある。
【0117】
一の好ましい実施形態では、PGはBoc(ブチルオキシカルボニル)である。
【0118】
本明細書に記載されるすべての実施形態について、好ましくは、前記第1の断片は、固相または溶液中で調製される。前記第1の断片が、固相上で調製される場合、溶液中で前記第2の断片とカップリングする前に、第1の断片はレジンから切断される。
【0119】
本明細書に記載されるすべての実施形態について、好ましくは、前記第2の断片は、固相または溶液中で調製される。前記第2の断片が、固相上で調製される場合、溶液中で前記第1の断片とカップリングする前に、第2の断片はレジンから切断される。
【0120】
本明細書に記載されるすべての実施形態について、好ましくは、前記第第2の断片は、2又はそれ以上のサブ断片をカップリングすることによって調製される。
【0121】
一の好ましい実施形態では、前記未精製のEGF様ペプチドは、水/アセトニトリル又は水/メタノール中の種々の緩衝液を用いた分取HPLCにより精製される。
【0122】
本発明の他の態様は、EGF様ペプチド又はそのアナログ又はそのバリアント、より好ましくは、EGF又はTGF-αの合成における、本明細書で記載された1又は複数のペプチド断片に関する。
【0123】
特有断片組み合わせによるEGFの合成。
本発明の第2の態様は、以下の配列を有するEGF様ペプチド;
H-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-Ser-His10-Asp11-Gly12-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-OH [配列番号1]
又はそのバリアントを調製する方法に関し、
前記方法は、以下のステップを含んでいる;
以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)第1のペプチド断片;
PG-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-Ser-His10-Asp11-Gly12-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-OH [配列番号2]
又はそのバリアントであって、
PGが、好ましくは、Boc及びFmocから選択されるN末端保護基であり;そして、当該C末端アミノ酸は、任意に、活性化されたカルボン酸誘導体の形態であり;
第2のペプチド断片が、以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)ペプチド断片;
H-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-O-PG [配列番号3]
又はそのバリアントであって;
PGが、好ましくは、クロロトリチル及びt-ブチルから選択されるC末端保護基であって、;そして、前記第1の及び第2のペプチド断片における1または複数のアミノ酸残基が、好ましくは、酸開裂性保護基で任意に保護されており、そして、任意に保護基PG 及びPGを除去している、前記第1のペプチド断片と、前記第2のペプチド断片とを、溶液中でカップリングする方法を有する。
【0124】
本発明の第3の態様は、以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)EGF様ペプチド;
H-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-Ser-His10-Asp11-Gly12-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-OH [配列番号1]
又はそのバリアントを調製する方法に関し、
前記方法は、以下のステップを含んでいる;
以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)第1のペプチド断片;
PG-Asn-Ser-Asp-Ser-Glu-Cys-Pro-Leu-ΨSer-His10-Asp11-Gly12-OH [配列番号4]
又はそのバリアントであって、
PGが、好ましくは、Boc及びFmocから選択されるN末端保護基であり;そして、当該C末端アミノ酸は、任意に、活性化されたカルボン酸誘導体の形態であり;
第2のペプチド断片が、以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)ペプチド断片;
H-Tyr13-Cys14-Leu15-His16-Asp17-Gly18-Val19-Cys20-Met21-Tyr22-Ile23-Glu24-Ala25-Leu26-Asp27-Lys28-Tyr29-Ala30-Cys31-Asn32-Cys33-Val34-Val35-Gly36-Tyr37-Ile38-Gly39-Glu40-Arg41-Cys42-Gln43-Tyr44-Arg45-Asp46-Leu47-Lys48-Trp49-Trp50-Glu51-Leu52-Arg53-O-PG [配列番号5]
又はそのバリアントであって;
PGが、好ましくは、クロロトリチル及びt-ブチルから選択されるC末端保護基であって、;そして、前記第1の及び第2のペプチド断片における1または複数のアミノ酸残基が、好ましくは、酸開裂性保護基で任意に保護されており、そして、任意に保護基PG及びPGを除去している、前記第1のペプチド断片と、前記第2のペプチド断片とを、溶液中でカップリングする方法を有する。
【0125】
特有断片組み合わせによるTGF-αの合成。
本発明の第4の態様は、以下の配列を有する(またはより好ましくは、からなる)EGF様ペプチド;
H-Val-Val-Ser-His-Phe-Asn-Asp-Cys-Pro-Asp10-Ser11-His12-Thr13-Gln14-Phe15-Cys16-Phe17-His18-Gly19-Thr20-Cys21-Arg22-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27-Asp28-Lys29-Pro30-Ala31-Cys32-Val33-Cys34-His35-Ser36-Gly37-Tyr38-Val39-Gly40-Ala41-Arg42-Cys43-Glu44-His45-Ala46-Asp47-Leu48-Leu49-Ala50-OH [配列番号6]
又はそのバリアントを調製する方法に関し、
前記方法は、以下のステップを含んでいる;
以下の配列を有する第1のペプチド断片;
PG-Val-Val-Ser-His-Phe-Asn-Asp-Cys-Pro-Asp10-Ser11-His12-Thr13-Gln14-Phe15-Cys16-Phe17-His18-Gly19-OH [配列番号7]
又はそのバリアントであって、
PGが、好ましくは、Boc及びFmocから選択されるN末端保護基であり;そして、当該C末端アミノ酸は、任意に、活性化されたカルボン酸誘導体の形態であり;
第2のペプチド断片が、以下の配列を有するペプチド断片;
H-Thr20-Cys21-Arg22-Phe23-Leu24-Val25-Gln26-Glu27-Asp28-Lys29-Pro30-Ala31-Cys32-Val33-Cys34-His35-Ser36-Gly37-Tyr38-Val39-Gly40-Ala41-Arg42-Cys43-Glu44-His45-Ala46-Asp47-Leu48-Leu49-Ala50-O-PG [配列番号8]
又はそのバリアントであって;
PGが、好ましくは、クロロトリチル及びt-ブチルから選択されるC末端保護基であって、;そして、前記第1の及び第2のペプチド断片における1または複数のアミノ酸残基が、好ましくは、酸開裂性保護基で任意に保護されており、そして、任意に保護基PG及びPGを除去している、前記第1のペプチド断片と、前記第2のペプチド断片とを、溶液中でカップリングする方法を有する。
【0126】
本発明の上述した第2、第3及び第4の態様について、好ましくは、それぞれの場合において前記方法は、断片縮合により形成された前記保護された又は保護されていない直鎖EGF様ペプチドを、ある条件にかけて、前記EGF様ペプチドの三次構造を形成することをさらに含んでいる。好ましい条件は、前記第1の態様に示したステップ(IV)(a)、(IV)(b)及び(V)を含む。
【0127】
従って、1つの実施形態では、上述した本発明の2番目、第3及び4番目の態様について、好ましくは、前記方法は、以下のステップを含む:
(III)溶液中で、前記第1のペプチド断片のC末端アミノ酸と、前記第2のペプチド断片のN末端アミノ酸をカップリングし、直鎖状の保護されたEGF様ペプチドを形成し;
(IV)(a)
(i)ステップ(III)で形成された直鎖状の保護されたEGF様ペプチドをヨウ素で処理し、酸化混合物を形成し;
(ii)トリフルオロ酢酸(TFA)で処理し、ステップ(IV)(a)(i)で得られた前記酸化混合物を全体的に脱保護し、
(iii)ステップ(IV)(a)(ii)で得られた前記脱保護された酸化混合物をDMSO/DTTで処理し、未精製のEGF様ペプチドを形成する;又は
(IV)(b)
(i)トリフルオロ酢酸(TFA)で処理し、ステップ(III)で得られた直鎖状の保護されたEGF様ペプチドを全体的に脱保護し;
(ii)ステップ (IV)(b)(i)で得られた脱保護された混合物をDMSOで処理し、未精製のEGF様ペプチドを形成する;そして、
(V)任意に前記未精製のEGF様ペプチドを精製する。
【0128】
一の特に好ましい実施形態では、本方法は、以下のステップを含む:
溶液中で、前記第1のペプチド断片のC末端アミノ酸と、前記第2のペプチド断片のN末端アミノ酸をカップリングし、保護されたEGF様ペプチドを形成し;
ステップ(a)で形成された前記保護されたEGE様ペプチドをヨウ素で処理し、酸化混合物を形成し;
ステップ(iv)で得られた前記酸化混合物を、トリフルオロ酢酸(TFA)で処理することで、全体的に脱保護し;
ステップ(v)で得られた前記脱保護された酸化混合物を、ジチオスレイトール(DTT)及びDMSOで処理し、未精製のEGE様ペプチドを形成し;そして
任意に前記未精製のEGF様ペプチドを精製する。
【0129】
上述した本発明の第2、第3および第4の態様について、各方法ステップの好ましい実施形態は、本発明の第1の態様について上述したとおりである。
【0130】
本発明の上記第2、第3および第4の態様について、アミノ酸のための適切なN末端保護基およびC末端保護基は、当業者に周知であろう。例は、T.W. Greene & P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis (2nd edition) J. Wiley & Sons, 1991; 及びP. J. Kocienski, Protecting Groups, Georg Thieme Verlag, 1994で見つけられてもよい。
【0131】
アミノ酸の好ましいN末端保護基の例は、Boc(tert-ブトキシカルボニル)およびFmoc(9-フルオレニルメチルオキシ-カルボニル)を含むが、これらに限定されない。その不安定さは、不可逆的なデカップリングステップのためにCO2を容易に放出するカルバメート基によるものである。 カルバメート基をベースにした別の適切な基はベンジルオキシカルボニル(ZまたはCbz)基で、これはより過酷な条件下で除去される。BocおよびFmocが特に好ましい。
【0132】
アミノ酸のC末端保護基の例は、クロロトリチルおよびt-ブチルを含んでいる。クロロトリチルが特に好ましい。
【0133】
本発明の上記第2、第3および第4の態様について、好ましくは、一実施形態において、前記第1のペプチド断片は、2又はそれ以上のペプチドサブ断片をカップリングすることにより調製される。好ましくは、前記サブ断片は、本発明の第1の態様について上述した通りである。
【0134】
本発明の上記第2、第3および第4の態様について、好ましくは、一実施形態において、前記第1のペプチド断片は、固相ペプチド合成により調製される。
【0135】
本発明の上記第2、第3および第4の態様について、好ましくは、一実施形態において、前記第2のペプチド断片は、2又はそれ以上のペプチドサブ断片をカップリングすることにより調製される。好ましくは、前記サブ断片は、本発明の第1の態様について上述した通りである。
【0136】
本発明の上記第2、第3および第4の態様について、好ましくは、一実施形態において、前記第2のペプチド断片は、固相ペプチド合成により調製される。
【0137】
上記の各カップリング反応について、好ましくは、例えばHOBt.HOで処理することにより、COOH基は活性化されている。
【0138】
本発明の上記第2、第3および第4の態様について、好ましい第1のペプチド断片及び第2のペプチド断片およびそのサブ断片は、その調製方法と共に、本発明の第1の態様について上述した通りである。
【0139】
本発明は、以下の非限定的な例によってさらに説明される。
【実施例
【0140】
略語
Acm アセトアミドメチル(acetamidomethyl)
AIB (又はAib) 2-アミノイソ酪酸(2-aminoisobutyric acid)又はα-アミノイソ酪酸(α-aminoisobutyric acid)
Boc又はt-Boc t-ブチルオキシカルボニル(t-butyloxycarbonyl)
Bt ベンゾトリアゾール(benzotriazole)
Bz ベンジル(benzyl)
Dde 1-(4,4-ジメチル -2,6-ジオキソシクロヘキ -1-イリデン)エチル(1-(4,4-Dimethyl-2,6-dioxocyclohex-1-ylidene)ethyl)
EDC.HCl 1-エチル -3-(3 ’-ジメチル -アミノ
プロピルカルボジイミドハイドロクロライド#(1-ethyl-3-(3 ’-dimethyl-aminopropyl)carbodiimide hydrochloride#)
DMAC ジメチルアセトアミド(dimethyl acetamide)
DMF ジメチルホルムアルデヒド(dimethyl fomamide)
DPM ジフェニルメチル(diphenylmethyl)
DCM ジクロロメタン(dichloromethane)
DMSO ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide)
DIC N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド (N,N’-Diisopropylcarbodiimide)
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン(N,N-diisopropylethylamine)
HBTU (2-(1H-ベンゾトリアゾール -1-イル)-1,1,
3,3-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロ ホスフェート,
(ヘキサフルオロホスフェートベンゾトリアゾールTテトラメチルウロニウム)
(2-(1H-benzotriazol-1-yl)-1,1,3,3-tetramethyluronium hexafluoro phosphate, (Hexafluorophosphate Benzotriazole Tetramethyl Uronium)
MeDPM メチルージフェニルメチル(methyl-diphenylmethyl)
MeODPM メトキシージフェニルメチル(methoxy-diphenylmethyl)
MeOH メタノール(methanol)
ivDde 1-(4,4-ジメチル -2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)-3-メチルブチル(1-(4,4-Dimethyl-2,6-dioxocyclohexylidene)-3-methylbutyl)
Fmoc 9-フルオレニルメトキシカルボニル(9-fluorenylmethoxycarbonyl)
HPLC 高速液体クロマトグラフィー(High
Performance Liquid Chromatography)
HOBt ヒドロキシベンゾトリアゾール(Hydroxybenzotriazole)
Mmt モノメトキシトリチル[(4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル](monomethoxytrityl [(4-methoxyphenyl)diphenylmethyl])
Mtt 4-メチルトリチル(4-methyltrityl)
NMP N-メチルピロリドン(N-methylpyrrolidone)
Pfp ペンタフルオロフェニル(pentafluorophenyl)
Su サクシンイミド(succinimide)
tBu t-ブチル(tert-butyl)
Pal パルミトイル(palmitoyl)
Pbf 2,2,4,6,7-ペンタメチル -ジヒドロベンゾフラン -5-スルホニル (2,2,4,6,7-pentamethyl-dihydrobenzofuran-5-sulfonyl)
TBTU N,N,N′,N′-テトラメチル -O-(ベンゾトリアゾール -1-イル)ウロニウムテトラフルオロボレート(N,N,N′,N′-Tetramethyl-O-(benzotriazol-1-yl)uronium tetrafluoroborate)
TFA トリフルオロ酢酸(trifluoroacetic acid)
Tris トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(tris(hydroxymethyl)aminomethane)
Trt トリチル(trityl)
Clt クロロトリチル(chlorotrityl)
【0141】
実験セクション:
Fmoc-EGF(37-53)-OHの合成:
96gの2-クロロトリチルクロリドレジンを700mlのDCMで膨潤する。56mlのDIPEAと25.2gのFmoc-Arg(Pbf)-OHを加える。前記反応を3時間放置し、そして、28mlのメタノールを加える。前記レジンを濾過し、そして、288mlのDCM/MeOH/DIPEAで中和する。Fmoc-開裂は、384mlのピペリジン/NMP(15%)の混合物の添加で行う。全てのカップリングは、NMP(0.5M)中の2.5mmol過剰のFmoc-アミノ酸/HOBt/DIC(1:1.2:1.1)で実施した。前記保護されたペプチドを、1344mlのTFA/DCM(2%)の混合物でレジンから開裂した。TFAを水(3300ml)で抽出し、そして、縮合後、ヘキサン(800ml)を加えてペプチドを沈殿した。最終収量 104g(72%)。
【0142】
Fmoc-EGF(37-53)-OHのクロロトリチル保護:
前記保護されたペプチド80gを296mlのDCMで溶解し、そして、32gの2-クロロトリチルクロリドと36mlのDIPEAを添加する。前記反応は2時間放置し、そして、HPLCでモニターする。DIPEAをジクロロメタン混合物から592mlの0.1N塩酸で抽出し、Fmoc-EGF(37-53)-OCltを1600mlのヘキサンで縮合後沈殿させ、そして、真空下で乾燥する。NMP(168ml)中6mmol過剰のピペリジンを用いてFmoc開裂を行う。反応混合物中に504mlのDCMを加え、そして、ピペリジンを504mlの0.01N塩酸でジクロロメタン溶液から抽出する。H-EGF(37-53)-OCltを1056mlのヘキサンで縮合した後に沈殿させ、392mlのジエチルエーテルで6回洗浄し、そして、真空下で乾燥する。最終収量 78g(92%)
【0143】
Fmoc-EGF(19-36)-OHの合成:
42gの2-クロロトリチルクロリドレジンを232mlのDCMで膨潤する。26mlのDIPEAと5gのFmoc-Gly-OHを加える。前記反応を3時間放置し、そして、14mlのメタノールを添加する。前記レジンを濾過し、そして、126mlのDCM/MeOH/DIPEAで中和する。Fmoc-開裂は、192mlのピペリジン/NMP(15%)の混合物の添加で行う。すべてのカップリングは、NMP(0.5M)中の2.5mmol過剰のFmoc-アミノ酸/HOBt/DIC(1:1.2:1.1)で行った。前記保護されたペプチドを、588mlのTFA/DCM(2%)の混合物でレジンから開裂する。TFAを水(1450ml)で抽出し、そして、縮合後、ヘキサン(400ml)を加えてペプチドを沈殿する。最終収量 42g(82%)。
【0144】
Boc-EGF(1-18)-OHの合成:
42gの2-クロロトリチルクロリドレジンを232mlのDCMで膨潤する。26mlのDIPEAと5gのFmoc-Gly-OHを加える。前記反応を3時間放置し、そして、14mlのメタノールを添加する。前記レジンを濾過し、そして、6.3mlのDCM/MeOH/DIPEAで中和する。Fmoc-開裂は、192mlのピペリジン/NMP(15%)の混合物の添加で行う。すべてのカップリングは、NMP(0.5M)中の2.5mmol過剰のFmoc-アミノ酸/HOBt/DIC(1:1.2:1.1)で行った。前記保護されたペプチドを、588mlのTFA/DCM(2%)の混合物でレジンから開裂する。TFAを水(1450ml)で抽出し、そして、縮合後、ヘキサン(400ml)を加えペプチドを沈殿する。最終収量 42g(80%)
【0145】
保護されたEGF(1-53)の合成:
40gのFmoc-EGF(19-36)-OHを140mlのNMP中のHOBt.H2O(2.1g)とEDAC.HCl(2.4g)で活性化し、H-EGF(37-53)-OCl(52g)を活性化した保護ペプチド中に添加する。前記反応の完了は、HPLCでモニターする。Fmoc-EGF(19-36)-OHが対応するFmoc-EGF(19-53)-OCltと比較して面積で<0.5%であるとき、Fmoc-開裂のためにピペリジン7mlを添加する。反応混合物中に432mlのDCMを加え、そして、ピペリジンを432mlの0.01N塩酸でジクロロメタン溶液から抽出する。H-EGF(19-53)-OCltを1850mlのヘキサンで縮合した後に沈殿させ、460mlのジエチルエーテルで6回洗浄し、そして、真空下で乾燥する。最終収量 84.6g(94%)
【0146】
420mlのNMPに溶解した保護された84gのH-EGF(19-53)-OCltに、310mlのNMPに溶解した活性化Boc-EGF(1-18)-OH(40g)、HOBt.HO(1.9g)、EDAC.HCl(2.3g)を添加する。前記反応はHPLCでモニターする。H-EGF(19-53)-OCltが未精製EGFと比較して面積で<1%であるとき、前記反応は7.3Ltの水の添加によって停止し、そして濾過する。最終的に保護されたペプチドを水(400ml)で3回洗浄し、そして、水分含有量が<3%になるまで真空下で乾燥する。最終収量 115.2g(96%)
【0147】
同様の合成戦略は、Fmoc-EGF(13-36)-OHを調製し、そして、H-EGF(37-53)-OCltとカップリングし、Fmoc-EGF(13-53)-OCltを形成し、その後、Fmoc基を除去してH-EGF(13-53)-OCltを形成することで、使用してもよい。その後、H-EGF(13-53)-OCltをBoc-EGF(1-12)-OHとカップリングし、保護された直鎖EGFペプチドを形成することができる。
【0148】
保護されたEGF(1-53)のヨウ素酸化:
前記保護されたペプチド(110g)を800mlのDCMに溶解し、そして、800mlの1%TFA/DCM中のヨウ素溶液(3.7g)を添加する。前記反応を1時間放置し、そして、硫酸ナトリウム五水和物(7.3g)の水溶液(1.6Lt)を加える。前記DCM/ペプチド溶液を水1.6Ltでさらに2回抽出し、真空下で濃縮し、ヘキサン(1.2Lt)で沈殿させ、そして、ジエチルエーテル(500ml)で3回洗浄する。最終収量 95.7g(99%)
【0149】
全体的な脱保護:
95gのBoc-EGF(1-53)-OCltは、TFA/HO/DTT(94:3:3)からなる混合物を5.6Lt加え、2.5時間RTで保護基を脱保護する。前記DTTはスカベンジャーとして機能し、そして、起こり得る早期の酸化を回避する。前記反応を真空下で濃縮し、そして、未精製の直鎖状EGFを940mlのジエチルエーテルの添加により沈殿させ、そして、ジエチルエーテル(240ml)で3回洗浄する。最終収量47.2g(100%)。
【0150】
DMSO/DTT酸化:
未精製の直鎖EGF(40g)を5.28Lt DMSOに溶解し、そして、Tris(200g)と塩酸グアニジン(260g)を含む水溶液(21.4Lt)をRTで添加する。塩酸グアニジンはカオトロープとして機能する。前記反応は24時間放置し、そして、その完了をHPLCでモニターする。最終収率15%。
【0151】
HPLC精製:
0.2%TFAで酸性化した後、前記未精製の直鎖EGF溶液をKromasil C-18, 100A, 13μmを充填した分取HPLCカラムに直接ロードする。未精製のネイティブh-EGFは、2段階の精製プロセスで精製され、1回目は0.1%TFAで、そして、2回目は重炭酸アンモニウム(pH7.8)で精製する。有機修飾剤にはアセトニトリルを使用する。純度98%以上のネイティブEGFを含むフラクションをさらに凍結乾燥する。最終収量 1.04g(70%)
【0152】
Fmoc-TGF(38-50)-OHの合成:
70gの2-クロロトリチルクロリドレジンを350mlのDCMで膨潤する。48mlのDIPEAと10gのFmoc-Ala-OHを加える。前記反応を3時間放置し、そして、21mlのメタノールを加える。前記レジンを濾過し、そして、250mlのDCM/MeOH/DIPEAで中和する。Fmoc-開裂は、230mlのピペリジン/NMP(15%)の混合物の添加で行われる。すべてのカップリングは、NMP(0.5M)中の2.5mmol過剰のFmoc-アミノ酸/HOBt/DIC(1:1.2:1.1)で行った。前記保護されたペプチドを、490mlのTFA/DCM(2%)の混合物でレジンから開裂する。TFAを水(490ml)で抽出し、そして、縮合後、ヘキサン(1400ml)を加えて、ペプチドを沈殿する。最終収量 59g(83%)。
【0153】
Fmoc-TGF(38-50)-OHのクロロトリチル保護:
65gの前記保護されたペプチドを1300mlのDCMに溶解し、そして、16gの2-クロロトリチルクロライドと17.5mlのDIPEAを添加する。前記反応は2時間放置し、そして、HPLCでモニターする。DIPEAをジクロロメタン混合物から1300mlの0.1N塩酸で抽出し、そして、Fmoc-TGF(38-50)-OCltを1400mlのヘキサンで縮合した後に沈殿させ、そして、真空下で乾燥させる。Fmoc開裂は、NMP(15ml)中の6mmol過剰のピペリジンで行う。480mlのDCMを前記反応混合物中に加え、そして、ピペリジンを480mlの0.01N塩酸でジクロロメタン溶液から抽出する。H-TGF(38-50)-OCltを1400mlのヘキサンで縮合した後に沈殿させ、400mlのジエチルエーテルで6回洗浄し、そして、真空下で乾燥する。最終収量 56g(95%)
【0154】
Fmoc-TGF(20-37)-OHの合成:
70gの2-クロロトリチルクロライドレジンを350mlのDCMで膨潤する。48 mlのDIPEAと8.4gのFmoc-Gly-OHを加える。前記反応を3時間放置し、そして、21mlのメタノールを添加する。前記レジンを濾過し、そして、250mlのDCM/MeOH/DIPEAで中和する。Fmoc-開裂は、230mlのピペリジン/NMP(15%)の混合物の添加で行う。全てのカップリングは、NMP(0.5M)中の2.5mmol過剰のFmoc-アミノ酸/HOBt/DIC(1:1.2:1.1)で行った。前記保護されたペプチドを、490mlのTFA/DCM(2%)の混合物でレジンから開裂する。TFAを水(490ml)で抽出し、そして、縮合後、ヘキサン(1400ml)を加えて、ペプチドを沈殿する。最終収量 69g(6%)。
【0155】
Boc-TGF(1-19)-OHの合成:
70gの2-クロロトリチルクロライドレジンを350mlのDCMで膨潤する。48 mlのDIPEAと8.4gのFmoc-Gly-OHを加える。前記反応を3時間放置し、そして、21mlのメタノールを添加する。前記レジンを濾過し、そして、250mlのDCM/MeOH/DIPEAで中和する。Fmoc-開裂は、230mlのピペリジン/NMP(15%)の混合物の添加で行う。全てのカップリングは、NMP(0.5M)中の2.5mmol過剰のFmoc-アミノ酸/HOBt/DIC(1:1.2:1.1)で行った。保護されたペプチドを、490mlのTFA/DCM(2%)の混合物で樹脂から開裂させる。TFAを水(490ml)で抽出し、縮合後、ヘキサン(2000ml)を加えて、ペプチドを沈殿させる。最終収量83g(80%)。
【0156】
保護されたTGF(1-50)の合成:
65gのFmoc-TGF(20-37)-OHを120mlのNMP中のHOBt.HO(2.5g)とEDAC.HCl(2.83g)で活性化し、そして、H-TGF(38-50)-OCT(37g)を、前記活性化保護されたペプチド中に加える。前記反応の完了は、HPLCでモニターする。Fmoc-TGF(20-37)-OHが対応するFmoc-TGF(20-50)-OCltと比較して面積で<0.5%であるとき、Fmoc-開裂のためにピペリジン8mlを添加する。反応混合物中に360mlのDCMを加え、そして、ピペリジンを360mlの0.01N塩酸でジクロロメタン溶液から抽出する。H-TGF(20-50)-OCltを1700mlのヘキサンで縮合した後に沈殿させ、420mlのジエチルエーテルで6回洗浄し、そして、真空下で乾燥する。最終収量 80.2g (95%)
【0157】
400mlのNMPに溶解した保護された78gのH-TGF(20-50)-OCltに、280mlのNMPに溶解した前記活性化Boc-TGF(1-19)-OH (55g), HOBt.HO (2.4g), EDAC.HCl(2.73g)を加える。前記反応はHPLCでモニターする。H-TGF(20-50)-OCltが未精製のEGFと比較して面積で<1%の時、3.2Ltの水を加えて反応を停止させ、そして、濾過する。最終的に保護されたペプチドを水(800ml)で3回洗浄し、そして、水分含有量が<3%になるまで真空下で乾燥する。最終収量 121g(98%)
【0158】
保護されたTGF(1-50)ヨウ素酸化:
前記保護されたペプチド(110g)を1000mlのDCMに溶解し、そして、600mlの1%TFA/DCM中のヨウ素溶液(5.4g)を添加する。前記反応を1時間放置し、そして、硫酸ナトリウム五水和物(9.6g)の水溶液(1.6Lt)を加える。DCM/ ペプチド溶液を1.6Ltの水でさらに2回抽出し、真空下で濃縮し、ヘキサン(1.2Lt)で沈殿させ、そして、ジエチルエーテル(440ml)で3回洗浄する。最終収量 86g(97%)
【0159】
全体的な脱保護:
80gのBoc-ΤGF(1-50)-OCltを、TFA/HO/DTT(94:3:3)からなる混合物5.3Ltの添加により、2.5時間RTで、その保護基から脱保護する。前記DTTはスカベンジャーとして機能し、そして、起こり得る早期の酸化を回避する。前記反応を真空下で濃縮し、そして、未精製の直鎖状EGFを1000mlのジエチルエーテルの添加により沈殿させ、そして、ジエチルエーテル(250ml)で3回洗浄する。最終収量48.6g(97%)
【0160】
DMSO/DTT酸化:
未精製の直鎖上TGF(45g)を6LtのDMSOに溶解し、そして、Tris(220g)と塩酸グアニジン(280g)を含む水溶液(24Lt)をRTで添加する。塩酸グアニジンはカオトロープとして機能する。前記反応は24時間放置し、そして、その完了をHPLCでモニターする。最終収率22%。
【0161】
HPLC精製:
0.2%TFAで酸性化した後、前記未精製の直鎖TGF溶液をKromasil C-18, 100A, 13μmを充填した分取HPLCカラムに直接ロードする。未精製のネイティブh-TGFは、2段階の精製プロセスで精製され、1回目は0.1%TFAで、そして、2回目は重炭酸アンモニウム(pH6)で精製する。アセトニトリルを有機修飾剤として使用する。純度97%以上のネイティブTGFを含むフラクションをさらに凍結乾燥する。最終収量 2.1g(78%)
【0162】
本発明の説明された態様の様々な修正および変形は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者に明らかであろう。本発明は、特定の好ましい実施形態に関連して説明されてきたが、請求される本発明は、そのような特定の実施形態に不当に制限されるべきではないと理解されるべきである。実際、関連分野の当業者に明らかな、本発明を実施するための記載された態様の様々な修正は、以下の請求項の範囲内にあることを意図されている。
【配列表】
2023551431000001.app
【国際調査報告】