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特表2023-551435B型肝炎ウイルス感染症の処置及び予防のためのN置換4-(1,3-アリールオキサゾロ-2-イル)フェニル化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(54)【発明の名称】B型肝炎ウイルス感染症の処置及び予防のためのN置換4-(1,3-アリールオキサゾロ-2-イル)フェニル化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 498/04 20060101AFI20231201BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20231201BHJP
   C07D 263/57 20060101ALI20231201BHJP
   C07D 493/08 20060101ALI20231201BHJP
   C07D 417/12 20060101ALI20231201BHJP
   A61K 31/423 20060101ALI20231201BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20231201BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20231201BHJP
   A61K 31/4245 20060101ALI20231201BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20231201BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20231201BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
C07D498/04 101
C07D413/12 CSP
C07D263/57
C07D493/08
C07D417/12
A61K31/423
A61K31/4439
A61K31/427
A61K31/4245
A61P1/16
A61P31/20
A61K31/437
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530526
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(85)【翻訳文提出日】2023-06-12
(86)【国際出願番号】 EP2021082237
(87)【国際公開番号】W WO2022106589
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/130578
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188374
【弁理士】
【氏名又は名称】一宮 維幸
(72)【発明者】
【氏名】リン,シエンフオン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ホーンイーン
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,ボー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,シウファーン
【テーマコード(参考)】
4C063
4C071
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB07
4C063BB09
4C063CC58
4C063CC62
4C063CC72
4C063CC73
4C063CC76
4C063CC78
4C063CC82
4C063CC91
4C063CC92
4C063CC95
4C063DD12
4C063DD52
4C063DD73
4C063EE01
4C071AA03
4C071BB01
4C071CC11
4C071EE05
4C071FF17
4C071HH28
4C071JJ01
4C071JJ04
4C071LL01
4C072AA01
4C072BB02
4C072CC02
4C072CC11
4C072EE03
4C072FF07
4C072GG01
4C072HH02
4C072HH05
4C072HH06
4C072UU01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC70
4C086BC82
4C086CA01
4C086CB22
4C086GA02
4C086GA04
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA10
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086ZB33
(57)【要約】
本発明は、一般式(I):
(式中、R~Rは本明細書に記載されるとおりである)を有する新規化合物、該化合物を含む組成物、及び該化合物を使用する方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
(式中、
は、テトラヒドロフラン-3-イル、1-ヒドロキシエチル、tert-ブチル、テトラヒドロチオピラン-4-イル、2-メチルテトラヒドロフラン-2-イル、プロピル、1,1-ジオキソチオラン-3-イル、3-フリル、3-メチルオキセタン-3-イル、1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル、1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、3-フルオロ-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、1,1-ジオキソチアン-4-イル、シクロプロピル、3-メチルテトラヒドロフラン-3-イル、8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、シクロブチル、4-アセトキシテトラヒドロピラン-4-イル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、テトラヒドロピラン-4-イル、オキセタン-3-イル、1,1-ジオキソチエタン-3-イル、1-メチルシクロプロピル、3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル、1-メチルシクロブチル、1-アセトキシシクロプロピル、テトラヒドロフラン-3-イルオキシ、3-メトキシカルボニル-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、3-エチルオキセタン-3-イル、オキサゾール-2-イル、5-メチルオキサゾール-2-イル、2-ピリジル、4-メチルオキサゾール-2-イル、チアゾール-2-イル、3-ピリジル、3-メチルオキセタン-3-イル、1-メチル-3-オキソ-シクロブチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、1-メトキシエチル、又は5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イルであり、
は、N又はCRであり、Rは、H又はハロゲンであり、ただし、Rが3-ピリジルである場合、AはCFであり、
は、N又はCRであり、Rは、H又はハロゲンであり、
は、N又はCRであり、Rは、H、ハロゲン、C1~6アルキル、又はC1~6アルコキシであり、
は、N又はCRであり、Rは、H又はハロゲンであり、ただし、RがC1~6アルキル又はC1~6アルコキシである場合、AはNであり、
ただし、A、A、A及びAは、同時にCHではない)
の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項2】
は、テトラヒドロフラン-3-イル、1-ヒドロキシエチル、tert-ブチル、テトラヒドロチオピラン-4-イル、2-メチルテトラヒドロフラン-2-イル、プロピル、1,1-ジオキソチオラン-3-イル、3-フリル、3-メチルオキセタン-3-イル、1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル、1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、3-フルオロ-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、1,1-ジオキソチアン-4-イル、シクロプロピル、3-メチルテトラヒドロフラン-3-イル、8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、シクロブチル、4-アセトキシテトラヒドロピラン-4-イル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、テトラヒドロピラン-4-イル、オキセタン-3-イル、1,1-ジオキソチエタン-3-イル、1-メチルシクロプロピル、3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル、1-メチルシクロブチル、1-アセトキシシクロプロピル、テトラヒドロフラン-3-イルオキシ、3-メトキシカルボニル-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、3-エチルオキセタン-3-イル、オキサゾール-2-イル、5-メチルオキサゾール-2-イル、2-ピリジル、4-メチルオキサゾール-2-イル、チアゾール-2-イル、3-ピリジル、3-メチルオキセタン-3-イル、1-メチル-3-オキソ-シクロブチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、1-メトキシエチル、又は5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イルであり、
は、CRであり、Rは、H又はFであり、ただし、Rが3-ピリジルである場合、AはCFであり、
は、CRであり、Rは、H、F又はClであり、
は、CRであり、Rは、H、F、Cl、メチル、又はメトキシであり、
は、N又はCRであり、Rは、H、F又はClであり、ただし、Rがメチル又はメトキシである場合、AはNであり、
ただし、A、A、A及びAは、同時にCHではない、
請求項1に記載の、化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項3】
が、CHである、請求項1若しくは2に記載の、化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項4】
が、CRであり、Rは、H又はハロゲンである、請求項1若しくは3に記載の、化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項5】
が、CRであり、Rは、H、F又はClである、請求項4に記載の、化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項6】
が、CRであり、Rは、H又はハロゲンである、請求項1、3及び4のいずれか一項に記載の、化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項7】
が、CRであり、式中、Rは、H又はFである、請求項6に記載の、化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項8】
が、テトラヒドロフラン-3-イル、3-メチルオキセタン-3-イル、1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル、1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、3-フルオロ-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、1,1-ジオキソチオラン-3-イル、1,1-ジオキソチアン-4-イル、tert-ブチル、シクロプロピル、3-メチルテトラヒドロフラン-3-イル、8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、1-ヒドロキシエチル、シクロブチル、テトラヒドロピラン-4-イル、オキサゾール-2-イル、5-メチルオキサゾール-2-イル、2-ピリジル又は4-メチルオキサゾール-2-イルである、請求項1、3、4及び6のいずれか一項に記載の、化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項9】
が、テトラヒドロフラン-3-イル、3-メチルオキセタン-3-イル、1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル、1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、3-フルオロ-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、1,1-ジオキソチオラン-3-イル、1,1-ジオキソチアン-4-イル、tert-ブチル、シクロプロピル、3-メチルテトラヒドロフラン-3-イル、8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、1-ヒドロキシエチル、シクロブチル、テトラヒドロピラン-4-イル、オキサゾール-2-イル、5-メチルオキサゾール-2-イル、2-ピリジル又は4-メチルオキサゾール-2-イルであり、
が、CRであり、Rは、H又はハロゲンであり、
が、CHであり、
が、CRであり、Rは、H又はハロゲンであり、
が、CRであり、Rは、H又はハロゲンであり、
ただし、A、A、A及びAが、同時にCHではない、
請求項1に記載の、化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項10】

が、テトラヒドロフラン-3-イル、3-メチルオキセタン-3-イル、1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル、1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、3-フルオロ-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、1,1-ジオキソチオラン-3-イル、1,1-ジオキソチアン-4-イル、tert-ブチル、シクロプロピル、3-メチルテトラヒドロフラン-3-イル、8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、1-ヒドロキシエチル、シクロブチル、テトラヒドロピラン-4-イル、オキサゾール-2-イル、5-メチルオキサゾール-2-イル、2-ピリジル又は4-メチルオキサゾール-2-イルであり、
が、CH又はCFであり、
が、CHであり、
が、CH、CF又はCClであり、
が、CH又はCFであり、
ただし、A、A、A及びAが、同時にCHではない、
請求項9に記載の、化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項11】
以下:
N-[4-(6-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(6-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-プロパンアミド;
N-[4-(6-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2,2-ジメチル-プロパンアミド;
N-[4-(6-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロチオピラン-4-カルボキサミド;
N-[4-(6-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-メチル-テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド;
N-[4-(5-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2,2-ジメチル-プロパンアミド;
N-[4-(5-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロチオピラン-4-カルボキサミド;
N-[4-(6-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(6-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ブタンアミド;
N-[4-(6-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]フラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-オキセタン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロパンアミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
3-フルオロ-N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チアン-4-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2,2-ジメチル-プロパンアミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-プロパンアミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]シクロブタンカルボキサミド;
[4-[[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]カルバモイル]テトラヒドロピラン-4-イル]アセテート;
2,2-ジフルオロ-N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロピラン-4-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]オキセタン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロチオピラン-4-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チエタン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1-メチル-シクロプロパンカルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1-メチル-シクロブタンカルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-メチル-テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド;
[1-[[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]カルバモイル]シクロプロピル]アセテート;
テトラヒドロフラン-3-イル N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]カルバメート;
メチル 3-[[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]カルバモイル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシレート;
3-エチル-N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]オキセタン-3-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-5-メチル-オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ピリジン-2-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-4-メチル-オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]チアゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-メチル-オキサゾール-5-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ピリジン-3-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキサミド;
3-フルオロ-N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロパンアミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-オキセタン-3-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-プロパンアミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2,2-ジメチル-プロパンアミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チアン-4-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1-メチル-3-オキソ-シクロブタンカルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チエタン-3-カルボキサミド;
メチル N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]カルバメート;
エチル N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]カルバメート;
イソプロピル N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]カルバメート;
2,2-ジメチル-N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)プロパンアミド;
2-メトキシ-N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)プロパンアミド;
N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド;
3-メチル-N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
3-メチル-N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)オキセタン-3-カルボキサミド;
N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)-1,1-ジオキソ-チアン-4-カルボキサミド;
N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)オキセタン-3-カルボキサミド;
N-[4-(4,5-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(5,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(5-メチルオキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(5-メトキシオキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(5-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(5-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ピリジン-2-カルボキサミド;
N-[4-(5-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(5-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキサミド;
N-[4-(5-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-プロパンアミド;
N-[4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-5-メチル-オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-4-メチル-オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-メチル-オキサゾール-5-カルボキサミド;
N-[4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(4,6-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド;
(3R)-N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド;
(3S)-N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド;
(3R)-N-[4-(5-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;及び
(3S)-N-[4-(5-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
から選択される、請求項1~2のいずれか一項に記載の、化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項12】
以下:
N-[4-(6-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(6-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-オキセタン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロパンアミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
3-フルオロ-N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チアン-4-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2,2-ジメチル-プロパンアミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-プロパンアミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]シクロブタンカルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロピラン-4-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-5-メチル-オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ピリジン-2-カルボキサミド;
3-フルオロ-N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロパンアミド;
N-[4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-5-メチル-オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-4-メチル-オキサゾール-2-カルボキサミド;及び
N-[4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の、化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物を調製するための方法であって、以下、
(a)式(IX)
【化2】
の化合物と、式(X)
【化3】
の化合物とを、塩基の存在下、及び任意にカップリング試薬の存在下で、反応させる工程と、
式(IX)の化合物と式(X)の化合物とを加熱により反応させる工程と、
の少なくとも1つを含み、LGは、OH又はハロゲンである、方法。
【請求項14】
治療活性物質としての使用のための、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物と、治療不活性担体とを含む、医薬組成物。
【請求項16】
HBV感染症を処置又は予防するための、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項17】
HBV感染症を処置又は予防するための医薬を調製するための、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項18】
HBeAgを阻害するための、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項19】
HBsAgを阻害するための、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項20】
HBV DNAを阻害するための、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項21】
HBV感染症の処置又は予防において使用するための、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
請求項13に記載の方法に従って製造された場合の、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
HBV感染症を処置又は予防するための方法であって、有効量の請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳動物におけるHBV感染症の治療及び/又は予防に有用な有機化合物、特にHBV感染症を処置するのに有用なHBsAg(HBV表面抗原)及びHBeAg(HBV e抗原)阻害剤に関する。
【0002】
技術分野
本発明は、抗ウイルス活性を有するN-substituted4-(1,3-アリールオキサゾロ-2-イル)フェニル化合物及びそれらの対応する誘導体、並びにそれらの製造、それらを含有する医薬組成物及び医薬としてのそれらの潜在的な使用に関する。
【0003】
本発明は、式(I)
【化1】
(式中、A~A、及びRは以下に記載されるとおりである)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩に関する。
【背景技術】
【0004】
B型肝炎ウイルス(HBV)は、最も危険なヒト病原体のうちの1つである。安全で効果的なワクチンは、20年以上にわたって利用可能であったが、WHOは、およそ2億5700万人がHBVに慢性的に感染していると推定した。慢性B型肝炎(CHB)感染症は、処置せずに放置すると、その宿主は肝硬変及び肝細胞癌腫を含む重度の肝臓疾患にかかりやすくなる。HBV感染症は、世界で満たされていない医学的ニーズの上位にランク付けされている。現在承認されている薬物は、CHB処置における大きな進歩に寄与しているが、治癒率は10%未満のままである。
【0005】
ウイルス感染症の制御には、効果的な免疫監視が必要である。ウイルス感染症を認識すると、宿主の自然免疫系は数分以内に応答してウイルス複製を妨げ、慢性及び持続感染の発生を制限することができる。感染した肝細胞及び肝内免疫細胞からの抗ウイルスサイトカインの分泌は、ウイルス感染症のクリアランスにとって極めて重要である。しかしながら、慢性感染症患者は、宿主の細胞認識系及びその後の抗ウイルス応答に対抗するようにウイルスが採用している様々なエスケープ戦略のために、弱い免疫応答しか示さない。
【0006】
多くの観察は、いくつかのHBVウイルスタンパク質が、ウイルス認識シグナル伝達系及びその後のインターフェロン(IFN)抗ウイルス活性を妨害することによって最初の宿主細胞応答を打ち消すことができることを示した。これらの中で、HBV空サブウイルス粒子(SVP、HBsAg)の過剰分泌は、CHB患者で観察される免疫寛容状態に寄与する場合がある。HBsAg及び他のウイルス抗原への持続的曝露は、HBV特異的T細胞の機能障害及び枯渇をもたらし得る(Kondo et al.Journal of Immunology(1993),150,4659-4671;Kondo et al.Journal of Medical Virology(2004),74,425-433;Fisicaro et al.Gastroenterology,(2010),138,682-693;)。さらに、HBsAgは、単球、樹状細胞(DC)及びナチュラルキラー(NK)細胞を含む免疫細胞機能を抑制することが報告されている(Op den Brouw et al.Immunology,(2009b),126,280-289;Woltman et al.PLoS One,(2011),6,e15324;Shi et al.J Viral Hepat.(2012),19,e26-33;Kondo et al.ISRN Gasteroenterology,(2013),Article ID 935295)。
【0007】
HBsAgは、CHBにおける予後及び処置応答の重要なバイオマーカーである。しかしながら、HBsAgの喪失及びセロコンバージョンの達成は、CHB患者ではめったに達成されない。抗HBsAgセロコンバージョンを伴う又は伴わないHBsAgの喪失は、依然として理想的な臨床的処置のエンドポイントである。ヌクレオシ(チ)ドアナログ等の現在の療法は、HBV DNAを抑制することに有効であるが、HBsAgレベルを低下させることには有効でない。ヌクレオシド(ヌクレオチド)類似体は、長期間の治療であっても、天然に観察されるものに匹敵するHBsAgクリアランス速度を示した(Janssen et al.Lancet,(2005),365,123-129;Marcellin et al.N.Engl.J.Med.,(2004),351,1206-1217;Buster et al.Hepatology,(2007),46,388-394)。したがって、HBsAgを効率的に低減することができる新規治療薬の開発が緊急に必要とされている。(Wieland,S.F.&F.V.Chisari.J Virol,(2005),79,9369-9380;Kumar et al.J Virol,(2011),85,987-995;Woltman et al.PLoS One,(2011),6,e15324;Op den Brouw et al.Immunology,(2009b),126,280-289)。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、式(I)の新規化合物、その製造、本発明による化合物に基づく医薬及びその生産、並びにHBV阻害剤として及びHBV感染症を処置又は予防するための式(I)の化合物の使用である。式(I)の化合物は、優れた抗HBV活性を示す。さらに、式(I)の化合物はまた、良好な安全性及び良好なPKプロファイルを示す。
【0009】
本発明は、式(I)
【化2】
(式中、
は、テトラヒドロフラン-3-イル、1-ヒドロキシエチル、tert-ブチル、テトラヒドロチオピラン-4-イル、2-メチルテトラヒドロフラン-2-イル、プロピル、1,1-ジオキソチオラン-3-イル、3-フリル、3-メチルオキセタン-3-イル、1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル、1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、3-フルオロ-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、1,1-ジオキソチアン-4-イル、シクロプロピル、3-メチルテトラヒドロフラン-3-イル、8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、シクロブチル、4-アセトキシテトラヒドロピラン-4-イル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、テトラヒドロピラン-4-イル、オキセタン-3-イル、1,1-ジオキソチエタン-3-イル、1-メチルシクロプロピル、3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル、1-メチルシクロブチル、1-アセトキシシクロプロピル、テトラヒドロフラン-3-イルオキシ、3-メトキシカルボニル-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、3-エチルオキセタン-3-イル、オキサゾール-2-イル、5-メチルオキサゾール-2-イル、2-ピリジル、4-メチルオキサゾール-2-イル、チアゾール-2-イル、3-ピリジル、3-メチルオキセタン-3-イル、1-メチル3-オキソ-シクロブチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、1-メトキシエチル、又は5-メチル1,3,4-オキサジアゾール-2-イルであり、
は、N又はCRであり(式中、Rは、H又はハロゲンである)、ただし、Rが3-ピリジルである場合、AはCFであり、
は、N又はCRであり(式中、Rは、H又はハロゲンである)、
は、N又はCRであり(式中、Rは、H又はハロゲン、C1~6アルキル、又はC1~6アルコキシである)、
は、N又はCRであり(式中、RはH又はハロゲンである)、ただし、RがC1~6アルキル又はC1~6アルコキシである場合、AはNであり、
ただし、A、A、A及びAは、同時にCHではない)
の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩に関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
定義
本明細書で使用される場合、「C1~6アルキル」という用語は、単独で又は組み合わせて、1~6個、特に2~6個又は1~4個の炭素原子を含む飽和、直鎖又は分岐鎖アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル等を意味する。特定の「C1~6アルキル」基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル及びtert-ブチルである。
【0011】
「C1~6アルコキシ」という用語は、単独で又は組み合わせて、「C1~6アルキル」が上に定義されるとおりであるC1~6アルキル-O-基、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、2-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシ等を意味する。特定の「C1~6アルコキシ」基は、メトキシ、エトキシ及びプロポキシである。
【0012】
「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを表す。
【0013】
本発明による化合物は、その薬学的に許容され得る塩の形態で存在してもよい。「薬学的に許容され得る塩」という用語は、式(I)の化合物の生物学的有効性及び特性を保持し、好適な非毒性の有機若しくは無機酸又は有機若しくは無機塩基から形成される従来の酸付加塩又は塩基付加塩を指す。酸付加塩には、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸及び硝酸等の無機酸に由来するもの、並びにp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸等の有機酸に由来するもの等が含まれる。塩基付加塩としては、アンモニウム、カリウム、ナトリウム及び第四級アンモニウムヒドロキシド、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドに由来するものが挙げられる。薬学的化合物の塩への化学的改変は、化合物の改善された物理的及び化学的安定性、吸湿性、流動性並びに溶解度を得るための、薬学系化学者に周知の技法である。これは、例えば、Bastin R.J.,et al.,Organic Process Research&Development 2000,4,427-435に記載されている。特に、式(I)の化合物のナトリウム塩である。
HBV阻害剤
【0014】
本発明は、(i)一般式(I):
【化3】
(式中、
は、テトラヒドロフラン-3-イル、1-ヒドロキシエチル、tert-ブチル、テトラヒドロチオピラン-4-イル、2-メチルテトラヒドロフラン-2-イル、プロピル、1,1-ジオキソチオラン-3-イル、3-フリル、3-メチルオキセタン-3-イル、1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル、1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、3-フルオロ-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、1,1-ジオキソチアン-4-イル、シクロプロピル、3-メチルテトラヒドロフラン-3-イル、8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、シクロブチル、4-アセトキシテトラヒドロピラン-4-イル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、テトラヒドロピラン-4-イル、オキセタン-3-イル、1,1-ジオキソチエタン-3-イル、1-メチルシクロプロピル、3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル、1-メチルシクロブチル、1-アセトキシシクロプロピル、テトラヒドロフラン-3-イルオキシ、3-メトキシカルボニル-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、3-エチルオキセタン-3-イル、オキサゾール-2-イル、5-メチルオキサゾール-2-イル、2-ピリジル、4-メチルオキサゾール-2-イル、チアゾール-2-イル、3-ピリジル、3-メチルオキセタン-3-イル、1-メチル3-オキソ-シクロブチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、1-メトキシエチル、又は5-メチル1,3,4-オキサジアゾール-2-イルであり、
は、N又はCRであり(式中、Rは、H又はハロゲンである)、ただし、Rが3-ピリジルである場合、AはCFであり、
は、N又はCRであり(式中、Rは、H又はハロゲンである)、
は、N又はCRであり(式中、Rは、H、ハロゲン、C1~6アルキル、又はC1~6アルコキシである)、
は、N又はCRであり(式中、RはH又はハロゲンである)、ただし、RがC1~6アルキル又はC1~6アルコキシである場合、AはNであり、
ただし、A、A、A及びAは、同時にCHではない)
の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0015】
本発明の更なる実施形態は、(ii)(i)に記載の式(I)、(式中
は、テトラヒドロフラン-3-イル、1-ヒドロキシエチル、tert-ブチル、テトラヒドロチオピラン-4-イル、2-メチルテトラヒドロフラン-2-イル、プロピル、1,1-ジオキソチオラン-3-イル、3-フリル、3-メチルオキセタン-3-イル、1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル、1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、3-フルオロ-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、1,1-ジオキソチアン-4-イル、シクロプロピル、3-メチルテトラヒドロフラン-3-イル、8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、シクロブチル、4-アセトキシテトラヒドロピラン-4-イル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、テトラヒドロピラン-4-イル、オキセタン-3-イル、1,1-ジオキソチエタン-3-イル、1-メチルシクロプロピル、3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル、1-メチルシクロブチル、1-アセトキシシクロプロピル、テトラヒドロフラン-3-イルオキシ、3-メトキシカルボニル-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、3-エチルオキセタン-3-イル、オキサゾール-2-イル、5-メチルオキサゾール-2-イル、2-ピリジル、4-メチルオキサゾール-2-イル、チアゾール-2-イル、3-ピリジル、3-メチルオキセタン-3-イル、1-メチル3-オキソ-シクロブチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、1-メトキシエチル、又は5-メチル1,3,4-オキサジアゾール-2-イルであり、
は、CRであり(式中、Rは、H又はFである)、ただし、Rが3-ピリジルである場合、AはCFであり、
は、CRであり(式中、Rは、H、F又はClである)、
は、CRであり(式中、Rは、H、F、Cl、メチル、又はメトキシである)、
は、N又はCRであり(式中、Rは、H、F又はClである)、ただし、Rがメチル又はメトキシである場合、AはNであり、
ただし、A、A、A及びAは、同時にCHではない)
の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩である。
【0016】
本発明の更なる実施形態は、(iii)(i)に記載の式(I)の化合物であって、式中、AがCHである化合物、又はその薬学的に許容され得る塩である。
【0017】
本発明の更なる実施形態は、(iv)(i)に記載の式(I)の化合物であって、式中、AがCRであり、RがH若しくはハロゲンである化合物、又はその薬学的に許容され得る塩である。
【0018】
本発明の更なる実施形態は、(v)(i)に記載の式(I)の化合物であって、式中、AがCRであり、RがH、F若しくはClである化合物、又はその薬学的に許容され得る塩である。
【0019】
本発明の更なる実施形態は、(vi)(i)に記載の式(I)の化合物であって、式中、AがCRであり、RがH若しくはハロゲンである化合物、又はその薬学的に許容され得る塩である。
【0020】
本発明の更なる実施形態は、(vii)(i)に記載の式(I)の化合物であって、式中、AがCRであり、RがH若しくはFである化合物、又はその薬学的に許容され得る塩である。
【0021】
本発明の更なる実施形態は、(viii)(i)に記載の式(I)の化合物であって、式中、Rは、テトラヒドロフラン-3-イル、3-メチルオキセタン-3-イル、1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル、1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、3-フルオロ-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、1,1-ジオキソチオラン-3-イル、1,1-ジオキソチアン-4-イル、tert-ブチル、シクロプロピル、3-メチルテトラヒドロフラン-3-イル、8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、1-ヒドロキシエチル、シクロブチル、テトラヒドロピラン-4-イル、オキサゾール-2-イル、5-メチルオキサゾール-2-イル、2-ピリジル若しくは4-メチルオキサゾール-2-イルである化合物、又はその薬学的に許容され得る塩である。
【0022】
本発明の更なる実施形態は、(ix)(i)に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩であって、式中、
は、テトラヒドロフラン-3-イル、3-メチルオキセタン-3-イル、1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル、1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、3-フルオロ-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、1,1-ジオキソチオラン-3-イル、1,1-ジオキソチアン-4-イル、tert-ブチル、シクロプロピル、3-メチルテトラヒドロフラン-3-イル、8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、1-ヒドロキシエチル、シクロブチル、テトラヒドロピラン-4-イル、オキサゾール-2-イル、5-メチルオキサゾール-2-イル、2-ピリジル又は4-メチルオキサゾール-2-イルであり、
は、CRであり(式中、Rは、H又はハロゲンである)、
は、CHであり、
は、CRであり(式中、Rは、H又はハロゲンである)、
は、CRであり(式中、Rは、H又はハロゲンである)、
ただし、A、A、A及びAは、同時にCHではない。
【0023】
本発明の更なる実施形態は、(x)(i)に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩であって、式中、
は、テトラヒドロフラン-3-イル、3-メチルオキセタン-3-イル、1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル、1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、3-フルオロ-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、1,1-ジオキソチオラン-3-イル、1,1-ジオキソチアン-4-イル、tert-ブチル、シクロプロピル、3-メチルテトラヒドロフラン-3-イル、8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、1-ヒドロキシエチル、シクロブチル、テトラヒドロピラン-4-イル、オキサゾール-2-イル、5-メチルオキサゾール-2-イル、2-ピリジル又は4-メチルオキサゾール-2-イルであり、
は、CH又はCFであり、
は、CHであり、
は、CH、CF又はCClであり、
は、CH又はCFであり、
ただし、A、A、A及びAは、同時にCHではない。
【0024】
本発明の別の実施形態(xi)では、本発明の特定の化合物は、以下から選択される:
N-[4-(6-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(6-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-プロパンアミド;
N-[4-(6-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2,2-ジメチル-プロパンアミド;
N-[4-(6-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロチオピラン-4-カルボキサミド;
N-[4-(6-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-メチル-テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド;
N-[4-(5-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2,2-ジメチル-プロパンアミド;
N-[4-(5-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロチオピラン-4-カルボキサミド;
N-[4-(6-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(6-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ブタンアミド;
N-[4-(6-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]フラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-オキセタン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロパンアミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
3-フルオロ-N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チアン-4-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2,2-ジメチル-プロパンアミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-プロパンアミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]シクロブタンカルボキサミド;
[4-[[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]カルバモイル]テトラヒドロピラン-4-イル]アセテート;
2,2-ジフルオロ-N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロピラン-4-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]オキセタン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロチオピラン-4-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チエタン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1-メチル-シクロプロパンカルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1-メチル-シクロブタンカルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-メチル-テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド;
[1-[[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]カルバモイル]シクロプロピル]アセテート;
テトラヒドロフラン-3-イル N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]カルバメート;
メチル 3-[[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]カルバモイル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシレート;
3-エチル-N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]オキセタン-3-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-5-メチル-オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ピリジン-2-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-4-メチル-オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]チアゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-メチル-オキサゾール-5-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ピリジン-3-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキサミド;
3-フルオロ-N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロパンアミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-オキセタン-3-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-プロパンアミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2,2-ジメチル-プロパンアミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チアン-4-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1-メチル-3-オキソ-シクロブタンカルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チエタン-3-カルボキサミド;
メチル N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]カルバメート;
エチル N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]カルバメート;
イソプロピル N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]カルバメート;
2,2-ジメチル-N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)プロパンアミド;
2-メトキシ-N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)プロパンアミド;
N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド;
3-メチル-N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
3-メチル-N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)オキセタン-3-カルボキサミド;
N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)-1,1-ジオキソ-チアン-4-カルボキサミド;
N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)オキセタン-3-カルボキサミド;
N-[4-(4,5-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(5,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(5-メチルオキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(5-メトキシオキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(5-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(5-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ピリジン-2-カルボキサミド;
N-[4-(5-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(5-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキサミド;
N-[4-(5-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-プロパンアミド;
N-[4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-5-メチル-オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-4-メチル-オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-メチル-オキサゾール-5-カルボキサミド;
N-[4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(4,6-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド;
(3R)-N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド;
(3S)-N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド;
(3R)-N-[4-(5-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;及び
(3S)-N-[4-(5-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
又はその薬学的に許容され得る塩。
【0025】
本発明の別の実施形態(xii)では、本発明の特定の化合物は、以下から選択される:
N-[4-(6-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(6-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-オキセタン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロパンアミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
3-フルオロ-N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,1-ジオキソ-チアン-4-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2,2-ジメチル-プロパンアミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-1,4-ジオキサン-2-カルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-プロパンアミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]シクロブタンカルボキサミド;
N-[4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロピラン-4-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-5-メチル-オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ピリジン-2-カルボキサミド;
3-フルオロ-N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキサミド;
N-[4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロパンアミド;
N-[4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-5-メチル-オキサゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]-4-メチル-オキサゾール-2-カルボキサミド;及び
N-[4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
又はその薬学的に許容され得る塩。
【0026】
合成
本発明の化合物は、任意の従来の手段によって調製することができる。これらの化合物並びにそれらの出発物質を合成するための好適なプロセスは、以下のスキーム及び実施例で提供されている。全ての置換基、特にA~A、及びRは、特に指示しない限り、上で定義したとおりである。さらに、別段の明示的な記述がない限り、全ての反応、反応条件、略語及び記号は、有機化学の当業者に周知の意味を有する。
【0027】
スキーム1:
【化4】
(式中、RはOH又はハロゲンであり、LGはOH又はハロゲンである)。
【0028】
式IVの化合物は、THF等の溶媒中、DIPEA等の塩基の存在下で塩化アシルVと反応して、式VIの化合物をもたらす。式VIの化合物を、ピリジン等の溶媒の存在下で加熱して形成することもできる。式VIの化合物とPOClとの環化により、式VIIの化合物が得られる。式VIIの化合物を、1,4-ジオキサン等の適切な溶媒中、CuI、N,N’-ジメチルエチレンジアミン及びCsCO等の塩基の存在下で形成することもできる。MeOH、又はTHFとEtOHの混合溶液等の適切な溶媒中、水素雰囲気下、パラジウム炭素等の触媒の存在下での式VIIの化合物の水素化により、式IXの化合物を得る。式IXの化合物を、ポリリン酸等の酸の存在下で、式IVの化合物とカルボン酸VIIIの反応によって調製することもできる。次いで、式IXの化合物を、DMF又はDCM等の溶媒中、HATU、EDCI又はTP等のカップリング試薬、及びTEA又はDIPEA等の塩基の存在下で式Xの化合物と反応させて、式Iの化合物を得る。式Iの化合物は、適切な溶媒、例えばDCM又はピリジン中、塩基、例えばTEA又はDIPEAの存在下で、式IXの化合物と式Xの化合物とを反応させることによって調製することもできる。式Iの化合物は、ニート(neat)条件下で加熱することによる式IXの化合物と式Xの化合物との反応によって調製することもできる。
【0029】
本発明はまた、式(I)の化合物の調製のための方法であって、以下、
(a)式(IX)
【化5】
の化合物と、式(X)
【化6】
とを、塩基の存在下、及び任意にカップリング試薬の存在下で、反応させる工程と、
(b)式(IX)の化合物と式(X)の化合物とを加熱により反応させる工程と、
のうちの1つを含み、LGがOH又はハロゲンである、方法に関する。
【0030】
工程(a)における塩基は、例えば、TEA又はDIPEAであり得る。
【0031】
工程(a)におけるカップリング試薬は、例えば、HATU、EDCI又はTPであり得る。
【0032】
上記のプロセスによって製造された場合の、式(I)の化合物も、本発明の目的である。
【0033】
本発明の化合物は、良好な安全性及びPKプロファイルもまた示す。
医薬組成物及び投与
【0034】
本発明はまた、治療活性物質としての使用のための、式(I)の化合物に関する。別の実施形態は、本発明の化合物、及び治療上不活性な担体、希釈剤若しくは賦形剤を含有する医薬組成物又は医薬、並びにこのような組成物及び医薬を調製するために本発明の化合物を使用する方法を提供する。一例では、式(I)の化合物が、周囲温度で、適切なpHで、及び所望の程度の純度で、生理学的に許容され得る担体、すなわち、使用される投与量及び濃度においてレシピエントに対して非毒性である担体と混合することによって、生薬投与形態に製剤化され得る。製剤のpHは、特定の用途及び化合物の濃度に主に依存するが、好ましくは約3~約8の範囲のいずれかである。一例では、式(I)の化合物は、pH5の酢酸緩衝液で製剤化される。別の実施形態では、式(I)の化合物は無菌である。化合物は、例えば、固体又は非晶質組成物として、凍結乾燥製剤として、又は水溶液として保存され得る。
【0035】
組成物は、良好な医療行為と一致した様式で製剤化、投薬、及び投与される。この文脈において考慮すべき要因には、処置される特定の障害、処置される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床的症状、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与スケジューリング、及び医師に公知な他の要因が含まれる。投与される化合物の「有効量」は、このような考慮事項によって管理され、HBV患者におけるHBsAg及びHBeAgの減少に必要な最小量である。例えば、そのような量は、正常な細胞、又は全体としての哺乳動物に毒性である量を下回り得る。
【0036】
一例では、1回の投薬あたり非経口投与される本発明の化合物の薬学的有効量は、1日あたり約0.1~100mg/患者体重kg、あるいは約0.1~50mg/患者体重kgの範囲となり、使用される化合物の典型的な初期範囲は、0.3~15mg/kg/日となり得る。別の実施形態では、錠剤及びカプセル剤等の経口単位剤形は、好ましくは、約25~約1000mgの本発明の化合物を含有する。
【0037】
本発明の化合物は、経口、局所(頬側及び舌下を含む)、直腸、膣内、経皮、非経口、皮下、腹腔内、肺内、皮内、くも膜下及び硬膜外及び鼻腔内、並びに局所処置が所望される場合、病巣内投与を含む任意の適切な手段によって投与され得る。非経口注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与が含まれる。
【0038】
本発明の化合物は、任意の好都合な投与形態、例えば、錠剤、散剤、カプセル、液剤、分散剤、懸濁剤、シロップ、スプレー、坐剤、ゲル、エマルジョン、パッチ等で投与され得る。そのような組成物は、医薬品の調製における従来の構成成分、例えば希釈剤、担体、pH調整剤、甘味料、充填剤及び更なる活性剤を含有することができる。
【0039】
典型的な製剤は、本発明の化合物及び担体又は賦形剤を混合することによって調製される。適切な担体及び添加物は当業者に周知であり、例えば、Ansel,Howard C.,ら.,Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems.Philadelphia:Lippincott,Williams&Wilkins,2004;Gennaro,Alfonso R.,et al.Remington:The Science and Practice of Pharmacy.Philadelphia:Lippincott,Williams&Wilkins,2000;及びRowe,Raymond C.Handbook of Pharmaceutical Excipients.Chicago,Pharmaceutical Press,2005に詳細に記載されている。製剤はまた、薬物(すなわち、本発明の化合物又はその薬学的組成物)の的確な提示を提供する、又は医薬組成物(すなわち、医薬)の製造を補助するために、1種以上の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、防腐剤、抗酸化剤、乳白剤(opaquing agent)、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、香味剤、希釈剤及び他の既知の添加剤も含み得る。
【0040】
好適な経口剤形の例は、約90~30mgの無水ラクトース、約5~40mgのクロスカルメロースナトリウム、約5~30mgのポリビニルピロリドン(PVP)K30、及び約1~10mgのステアリン酸マグネシウムと配合された約25~500mgの本発明の化合物を含有する錠剤である。粉末成分をまず一緒に混合し、次いで、PVPの溶液と混合する。得られた組成物を、乾燥させ、顆粒化し、ステアリン酸マグネシウムと混合して、従来の機器を使用して錠剤形態に圧縮することができる。エアゾール製剤の例は、例えば5~400mgの本発明の化合物を好適な緩衝溶液、例えば、リン酸緩衝液に溶解し、所望の場合、等張化剤、例えば塩化ナトリウム等の塩を添加することによって調製され得る。溶液を、例えば、0.2ミクロンのフィルタを使用してフィルタにかけて、不純物及び夾雑物を除去してもよい。
【0041】
したがって、ある実施形態は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物を含む。
【0042】
更なる実施形態は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を、薬学的に許容され得る担体又は賦形剤と一緒に含む医薬組成物を含む。
【0043】
別の実施形態は、HBV感染症の処置における使用のための、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物を含む。
【0044】
適応症及び処置方法
本発明の化合物は、抗HBV活性を有する。したがって、本発明の化合物は、HBV感染症の処置又は予防に有用である。
【0045】
本発明はまた、HBeAgを阻害するための、式(I)の化合物の使用に関する。
【0046】
本発明は更に、HBsAgを阻害するための式(I)の化合物の使用に関する。
【0047】
本発明は、HBV DNAを阻害するための、式(I)の化合物の使用に関する。
【0048】
本発明は、HBV感染症の処置又は予防において使用するための式(I)の化合物の使用に関する。
【0049】
HBV感染症に関連する疾患の処置又は予防に有用な医薬を調製するための式(I)の化合物の使用が、本発明の目的である。
【0050】
本発明は、特に、HBV感染症の処置又は予防のための医薬を調製するための、式(I)の化合物の使用に関する。
【0051】
別の実施形態は、HBV感染症を処置又は予防する方法を含み、この方法は、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む。
【0052】
本発明は、特に、HBV感染症の処置又は予防に使用するための式(I)の化合物に関する。
【実施例
【0053】
本発明は、以下の実施例を参照することによってより十分に理解される。しかしながら、これらは、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
略語
【0054】
ACN:アセトニトリル
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン
DMSO-d:重水素化ジメチルスルホキシド
DCM:ジクロロメタン
EC50:アゴニストの最大可能応答の50%を生成するアゴニストのモル濃度
EDCI:N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
EtOAc:酢酸エチル
FBS:ウシ胎仔血清
h:時間
HATU O-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
IC50:半量最大阻害濃度
LC/MS:液体クロマトグラフィ/質量分析
LDA リチウムジイソプロピルアミド
MeOH:メタノール
MHz:メガヘルツ
min:分
mL:ミリリットル
mmol:ミリモル
MMTrCl:4-メトキシトリフェニルメチルクロリド
MS(ESI):質量分析(エレクトロスプレーイオン化)
MTBE:メチルtert-ブチルエーテル
N:mol/L
NaHCO:重炭酸ナトリウム
NaSO:硫酸ナトリウム
NMR:核磁気共鳴
obsd.:実測値
Pd/C:パラジウム炭素
PE:石油エーテル
psi:ポンド/平方インチ
SFC:超臨界流体クロマトグラフィー
TBAF:テトラブチルアンモニウムフルオリド
TMSOTf:トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル
THF:テトラヒドロフラン
TLC:薄層クロマトグラフィー
P:2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド
μL:マイクロリットル
v/v:体積比
δ:化学シフト
一般的な実験条件
中間体及び最終化合物を、以下の装置のうちの1つを使用したフラッシュクロマトグラフィーによって精製した:i)Biotage SP1システム及びQuad12/25カートリッジモジュール、ii)ISCOコンビフラッシュクロマトグラフィー装置。シリカゲルのブランド及び細孔径:i)KP-SIL 60Å、粒径:40~60μm;ii)CAS登録番号:シリカゲル:63231-67-4、粒径:47~60ミクロン シリカゲル;iii)Qingdao Haiyang Chemical Co.,Ltd製のZCX、細孔:200~300又は300~400。
【0055】
中間体及び最終化合物を、X Bridge(商標)Perp C18(5μm、OBD(商標)30×100mm)カラム又はSunFire(商標)Perp C18(5μm、OBD(商標)30×100mm)カラムを使用して逆相カラムで分取HPLCによって精製した。
【0056】
キラル分離は、ChiralPak AD-10μ(200×50mm I.D.)を使用し、COに移動相A及びエタノールに移動相Bを使用して、Thar 350分取SFCで実施した。LC/MSスペクトルは、Waters UPLC-SQD Massを使用して取得した。Standard LC/MS条件は、以下のとおりであった(実行時間:3分間):
酸性条件:A:HO中の0.1%ギ酸及び1%アセトニトリル;B:アセトニトリル中の0.1%ギ酸;
塩基性条件:A:H中0.05%NH・HO;B:アセトニトリル;
質量スペクトル(MS):一般的に、親質量を示すイオンのみを報告し、特に明記しない限り、引用される質量イオンは正の質量イオン(M+H)である。
【0057】
NMRスペクトルは、Bruker Avance 400MHzを使用して取得した。
【0058】
空気感受性試薬を含む全ての反応は、アルゴン雰囲気下で行った。試薬は、特に明記しない限り、更に精製することなく、商業的な供給元から受け取ったまま使用した。
【0059】
調製実施例
中間体1
4-(6-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)アニリン
【化7】
4-(6-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)アニリンの調製
【化8】
110CのPPA(10g、3.15mmol)に、2-アミノ-5-フルオロフェノール(0.40g、3.15mmol)及び4-アミノ安息香酸(0.43g、3.15mmol)を同時に添加した。次いで、得られた混合物を180Cに3時間加熱した。次いで、溶液を水に注いだ。得られた沈殿物を濾過によって回収し、水(20mL)、メタノールと水の混合溶液(40mL、メタノール/水=1/3)及び飽和NaHCO水溶液(40mL)で洗浄した。濾過ケークを回収し、DCMからDCM/MeOH=40/1で溶出するシリカゲルカラムにより精製して、4-(6-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)アニリン(496mg)を淡黄色固体として得た。
MS obsd.(ESI)[(M+H)]:229.3.H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ:7.80-7.86(m,2 H),7.64-7.69(m,2 H),7.19(ddd,J=10.0,8.8,2.5 Hz,1 H),6.66-6.72(m,2 H),6.01(s,2 H).
【0060】
中間体2
4-(5-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)アニリン
【化9】
2-アミノ-5-フルオロフェノールに代え、2-アミノ-4-フルオロフェノールを使用することによってInt-1の調製について記載される手順と同様に、表題化合物を調製した。生成物を分取HPLCによって精製し、Int-2を淡黄色固体として得た。
MS obsd.(ESI)[(M+H)]:229.6.H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ:7.85(d,J=7.6 Hz,2 H),7.62-7.77(m,1 H),7.52(d,J=7.6 Hz,1 H),7.15(s,1 H),6.69(d,J=7.3 Hz,2 H),6.06(br,2 H).
【0061】
中間体3
4-(6-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)アニリン
【化10】
2-アミノ-5-フルオロフェノールに代え、2-アミノ-5-クロロフェノールを使用することによってInt-1の調製について記載される手順と同様に、表題化合物を調製した。生成物を分取HPLCによって精製し、Int-3を淡黄色固体として得た。
MS obsd.(ESI)[(M+H)]:245.9.H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ:7.82-7.87(m,3 H),7.66(d,J=8.4 Hz,1 H),7.37(dd,J=8.4,2.1 Hz,1 H),6.69(d,J=8.1 Hz,2 H),6.06(s,2 H).
【0062】
中間体4
4-(7-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)アニリン
【化11】
2-アミノ-5-フルオロフェノールに代え、2-アミノ-6-フルオロフェノールを使用することによってInt-1の調製について記載される手順と同様に、表題化合物を調製した。生成物をシリカゲルカラムによって精製して、淡黄色の固体としてInt-4を得た。
MS obsd.(ESI)[(M+H)]:229.3.H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ:7.86-7.91(m,2 H),7.51(dd,J=7.9,0.9 Hz,1 H),7.21-7.36(m,2 H),6.68-6.73(m,2 H),6.10(s,2 H).
【0063】
中間体5
4-(4-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)アニリン
【化12】
2-アミノ-5-フルオロフェノールに代え、2-アミノ-3-フルオロフェノールを使用することによってInt-1の調製について記載される手順と同様に、表題化合物を調製した。生成物をシリカゲルカラムによって精製して、ピンク色の固体としてInt-5を得た。
MS obsd.(ESI)[(M+H)]:229.3.H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ:7.85-7.91(m,2 H),7.55(dd,J=8.1,0.7 Hz,1 H),7.32(td,J=8.2,5.1 Hz,1 H),7.21(t,J=9.3 Hz,1 H),6.68-6.73(m,2 H),6.07(s,2 H).
【0064】
中間体6
4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルアニリン
【化13】
N-(2-ヒドロキシ-3-ピリジル)-4-ニトロ-ベンズアミドの調製
【化14】
THF(30mL)中の4-ニトロ安息香酸クロリド(3.71g、20.0mmol)及びDIPEA(7.04g、54.5mmol)の溶液に、3-アミノ-2-ヒドロキシピリジン(2.0g、18.2mmol)を添加した。混合物を25Cで12時間撹拌した。次いで、得られた混合物をフィルタにかけ、MTBE(50mL)で洗浄して、N-(2-ヒドロキシ-3-ピリジル)-4-ニトロ-ベンズアミド(1.50g)を薄い灰色の固体として得た。
MS obsd.(ESI)[(M+H)]:260.1
【0065】
2-(4-ニトロフェニル)オキサゾロ[5,4-b]ピリジンの調製
【化15】
POCl(10.0mL)中のN-(2-ヒドロキシ-3-ピリジル)-4-ニトロ-ベンズアミド(600.0mg、2.31mmol)の混合物を120Cに12時間加熱した。混合物を濃縮し、次いで、氷冷飽和NaHCO水溶液に注いだ。得られた沈殿物を濾過によって回収し、ACN(40mL)で洗浄した。固体を回収して、2-(4-ニトロフェニル)オキサゾロ[5,4-b]ピリジン(320mg)を薄い灰色の固体として得た。
MS obsd(ESI)[(M+H)]:242.2
【0066】
4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルアニリンの調製
【化16】
THF(10mL)及びエタノール(10mL)中の2-(4-ニトロフェニル)オキサゾロ[5,4-b]ピリジン(150.0mg、0.620mmol)の溶液に、Pd/C(6.6mg、0.060mmol)を窒素雰囲気下で添加した。懸濁液を減圧下で脱気し、Hで数回パージした。混合物をHバルーン下、25Cで12時間撹拌した。次いで、混合物をフィルタにかけてPd/Cを除去し、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLCによって精製して、4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルアニリン(Int-6)(29.6mg)を白色固体として得た。
MS obsd(ESI)[(M+H)]:211.9.H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ:8.24(dd,J=4.9,1.4 Hz,1 H),8.08(dd,J=7.8,1.4 Hz,1 H),7.89(d,J=8.7 Hz,2 H),7.41(dd,J=7.7,4.9 Hz,1 H),6.71(d,J=8.7 Hz,2 H),6.14(s,1 H),6.21-6.06(m,1 H).
【0067】
中間体7
4-(4,5-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)アニリン
【化17】
N-(6-ブロモ-2,3-ジフルオロ-フェニル)-4-ニトロ-ベンズアミドの調製
【化18】
ピリジン(20mL)中の4-ニトロ安息香酸クロリド(1.78g、9.62mmol)の溶液に、6-ブロモ-2,3-ジフルオロアニリン(1.0g、4.81mmol)を一度に添加した。反応混合物を120Cで16時間撹拌し、濃縮した。残渣をDCM(50mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(10mL×2)で洗浄した。有機層を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラム(PE/EtOAc=5/1)により精製して、N-(6-ブロモ-2,3-ジフルオロフェニル)-4-ニトロ-ベンズアミド(540mg)を白色固体として得た。
MS obsd.(ESI)[(M+H)]:367.0.
【0068】
4,5-ジフルオロ-2-(4-ニトロフェニル)-1,3-ベンゾオキサゾールeの調製
【化19】
1,4-ジオキサン(60mL)中のN-(6-ブロモ-2,3-ジフルオロフェニル)-4-ニトロ-ベンズアミド(300.0mg、0.840mmol)、N,N’-ジメチルエチレンジアミン(14.8mg、0.170mmol)及びCsCO(547.4mg、1.68mmol)の溶液に、ヨウ化銅(I)(32.0mg、0.170mmol)を窒素雰囲気下で一度に添加した。反応混合物を80Cで16時間撹拌し、フィルタにかけた。濾液を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラム(PE/EtOAc=15/1)により精製して、4,5-ジフルオロ-2-(4-ニトロフェニル)-1,3-ベンゾオキサゾール(240mg)を白色固体として得た。
MS obsd.(ESI)[(M+H)]:277.1.
【0069】
4-(4,5-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)アニリンの調製
【化20】
メタノール(50mL)中の4,5-ジフルオロ-2-(4-ニトロフェニル)-1,3-ベンゾオキサゾール(480.0mg、1.74mmol)の溶液に、パラジウム炭素(184.9mg、0.170mmol)を窒素雰囲気下で一度に添加した。反応系を脱気し、H(15psi)でパージし、20Cで16時間撹拌した。反応混合物をフィルタにかけ、濾液を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLCによって精製して、4-(4,5-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)アニリン(Int-7)(185mg)を白色固体として得た。
MS obsd.(ESI)[(M+H)]:247.1.H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ:7.87(d,J=8.7 Hz,2 H),7.53(ddd,J=1.1,3.4,8.9 Hz,1 H),7.36(ddd,J=7.8,8.8,11.5 Hz,1 H),6.70(d,J=8.8 Hz,2 H),6.14(s,2 H).
【0070】
中間体8
4-(5,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)アニリン
【化21】
Int-8
2,4-ジフルオロ-6-ニトロ-フェノールの調製
【化22】
DCM(20mL)中の2,4-ジフルオロフェノール(5.0g、38.4mmol)の溶液に、窒素雰囲気下にて0Cで硝酸(5.0mL)を滴下して加えた。添加後、得られた反応物を0Cで2時間撹拌した。混合物を氷水(20mL)に注ぎ、DCM(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製して、2,4-ジフルオロ-6-ニトロ-フェノール(3.4g)を黄色固体として得た。
【0071】
2-アミノ-4,6-ジフルオロ-フェノールの調製
【化23】
エタノール(50mL)中の2,4-ジフルオロ-6-ニトロ-フェノール(3.4g、19.4mmol)及びPd/C(0.34g)の混合物を、H雰囲気下(1520mmHg)にて20Cで16時間撹拌した。混合物をフィルタにかけ、濾液を濃縮して、2-アミノ-4,6-ジフルオロ-フェノール(2.7g)を淡黄色固体として得た。
【0072】
4-(5,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)アニリンの調製
【化24】
2-アミノ-5-フルオロフェノールに代え、2-アミノ-4,6-ジフルオロ-フェノールを使用することによってInt-1の調製について記載される手順と同様に、表題化合物を調製した。生成物を分取HPLCによって精製し、Int-8を灰白色固体として得た。
MS obsd.(ESI)[(M+H)]:247.0.H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ:7.87(d,J=8.6 Hz,2 H),7.44(dd,J=8.6,2.07 Hz,1 H),7.31(td,J=10.3,2.26 Hz,1 H),6.70(d,J=8.8 Hz,2 H),6.16(s,2 H).
【0073】
中間体9
4-(5-メチルオキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イル)アニリン
【化25】
6-ブロモ-2,3-ジフルオロ-アニリンに代え、3-アミノ-2-クロロ-6-ピコリンを使用することによって、Int-7の調製について記載される手順と同様に、表題化合物を調製した。生成物をシリカゲルカラムによって精製して、黄色の固体としてInt-9を得た。
MS obsd.(ESI)[(M+H)]:226.0.H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ:7.95(d,J=7.9 Hz,1 H),7.85(d,J=8.7 Hz,2 H),7.26(d,J=8.0 Hz,1 H),6.70(d,J=8.7 Hz,2 H),6.07(s,2 H),2.55(s,3 H).
【0074】
中間体10
4-(5-メトキシオキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イル)アニリン
【化26】
2-クロロ-6-メトキシ-ピリジン-3-アミンの調製
【化27】
エタノール(100mL)及び水(20mL)中の2-クロロ-6-メトキシ-3-ニトロピリジン(4.0g、21.2mmol)及び塩化アンモニウム(5.67g、106.1mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で鉄(5.92g、106.1mmol)を一度に添加した。反応混合物を70Cで3時間撹拌した。反応混合物をフィルタにかけ、濾液をDCM(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムによって精製して、2-クロロ-6-メトキシ-ピリジン-3-アミン(2.95g)を黄色油状物として得た。
MS obsd.(ESI)[(M+H)]:159.1.
【0075】
4-(5-メトキシオキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イル)アニリンの調製
【化28】
6-ブロモ-2,3-ジフルオロ-アニリンに代え、2-クロロ-6-メトキシ-ピリジン-3-アミンを使用することによって、Int-7の調製について記載される手順と同様に、表題化合物を調製した。生成物を分取HPLCによって精製し、Int-10を黄色固体として得た。
MS obsd.(ESI)[(M+H)]:242.1.H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ:8.02(d,J=8.5 Hz,1 H),7.81(d,J=8.7 Hz,2 H),6.83(d,J=8.5 Hz,1 H),6.69(d,J=8.7 Hz,2 H),5.99(s,2 H),3.91(s,3 H).
【0076】
中間体11
4-(5-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)アニリン
【化29】
2-アミノ-5-フルオロフェノールに代え、2-アミノ-4-クロロフェノールを使用することによってInt-1の調製について記載される手順と同様に、表題化合物を調製した。生成物をトリチュレーションによって精製して、淡褐色の固体としてInt-11を得た。
MS obsd.(ESI)[(M+H)]:245.9.H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ:7.82-7.90(m,J=8.7 Hz,2 H),7.74(d,J=2.1 Hz,1 H),7.70(d,J=8.6 Hz,1 H),7.34(dd,J=8.6,2.1 Hz,1 H),6.66-6.74(m,J=8.7 Hz,2 H),6.07(s,2 H).
【0077】
中間体12
4-(6,7-ジフルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)アニリン
【化30】
表題化合物を、2-アミノ-5-フルオロフェノールに代え、6-アミノ-2,3-ジフルオロ-フェノール.を使用することによって、Int-1の調製について記載される手順と同様に調製した。生成物を濾過によって回収して、黒色固体としてInt-12を得た。
MS obsd.(ESI)[(M+H)]:247.0.H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ:7.84(d,J=8.7 Hz,2 H),7.35-7.50(m,2 H),6.69(d,J=8.7 Hz,2 H),6.10(s,2 H).
【0078】
中間体13
4-(5-メチルオキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イル)アニリン
【化31】
6-ブロモ-2,3-ジフルオロ-アニリンに代え、2-ブロモ-4,6-ジフルオロ-アニリンを使用することによって、Int-7の調製について記載される手順と同様に、表題化合物を調製した。生成物をシリカゲルカラムによって精製して、黄色の固体としてInt-13を得た。
MS obsd.(ESI)[(M+H)]:247.0.H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ:7.81-7.87(m,2 H),7.59(dd,J=8.2,2.0 Hz,1 H),7.29(td,J=10.5,2.3 Hz,1 H),6.67-6.73(m,2 H),6.10(s,2 H).
【0079】
中間体14
4-(5-メチルオキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イル)アニリン
【化32】
2-アミノ-5-フルオロフェノールに代え、2-アミノ-6-クロロフェノールを使用することによってInt-1の調製について記載される手順と同様に、表題化合物を調製した。生成物をシリカゲルカラムによって精製して、黄色の固体としてInt-14を得た。
MS obsd.(ESI)[(M+H)]:246.0.H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ:7.84-7.90(m,2 H),7.64(dd,J=7.7,1.1 Hz,1 H),7.31-7.42(m,2 H),6.68-6.73(m,2 H),6.10(s,2 H).
【0080】
中間体15
4-アセトキシテトラヒドロピラン-4-カルボン酸
【化33】
4-アセトキシテトラヒドロピラン-4-カルボン酸の調製
【化34】
4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボン酸(300.0mg、2.05mmol)の溶液をピリジン(195.0mg、199μL、2.46mmol)及びDCM(10mL)と混合した。0C冷却した後、塩化アセチル(177.0mg、161μL、2.26mmol)を混合物に滴下して加えた。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。反応物をDCM(15mL)で希釈し、飽和NHCl水溶液(5mL)及びブライン(5mL)で洗浄した。有機相をNaSOで乾燥させ、真空で濃縮した。粗生成物(Int-15)を、更に精製することなく、次の工程で使用した。
MS obsd.(ESI)[(M-H)]:187.0.
【0081】
中間体16
1-アセトキシシクロプロパンカルボン酸
【化35】
4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボン酸に代え、1-ヒドロキシシクロプロパンカルボン酸を使用することによって、Int-15の調製について記載される手順と同様に、表題化合物を調製した。生成物Int-16を、更に精製することなく、次の工程で使用した。
【0082】
中間体17
テトラヒドロフラン-3-イルカルボノクロリデート
【化36】
テトラヒドロフラン-3-イルカルボノクロリデートの調製
【化37】
DCM(2.5mL)中のトリホスゲン(842.0mg、2.84mmol)の溶液に、DCM(2.5mL)中のテトラヒドロフラン-3-オール(500.0mg、5.68mmol)及びピリジン(978.0mg、1mL、12.4mmol)の溶液を0Cで滴下して加えた。混合物は橙色になり、黄色沈殿物が現れた。混合物を室温まで温め、1時間撹拌した。HCl水溶液(0.1N、10mL)を添加し、有機層を分離した。有機層を0.1N HCl(3×5mL)、ブライン(5mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空で濃縮して、淡褐色油状物を得て、これを冷凍庫中で24時間放置すると固体になった。粗生成物Int-17を、更に精製することなく、次の工程で使用した。
【0083】
実施例1
N-[4-(6-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド
【化38】
N-[4-(6-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミドの調製
【化39】
DCM(2mL)中の4-(6-フルオロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)アニリン(Int-1、表1の「アミン」として)(50.0mg、0.219mmol)及びテトラヒドロフラン-3-カルボン酸(30.5mg、0.263mmol、表1の「酸」又は「塩化アシル」として)の溶液に、HATU(100.0mg、0.263mmol)及びDIPEA(56.6mg、76.5μL、0.438mmol)を添加した。次いで、混合物を50Cで18時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、残渣を水(5mL)中でトリチュレートした。得られた混合物をフィルタにかけ、濾過ケークを水(10mL)とメタノール(10mL)の混合溶液で洗浄した。ケークを回収し、真空で乾燥させることにより、N-[4-(6-フルオロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド(実施例1)(69mg)をピンク色固体として得た。
MS obsd.(ESI)[(M+H)]:327.3.H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ:10.40(s,1 H),8.12(d,J=8.2 Hz,2 H),7.75-7.87(m,4 H),7.28(ddd,J=10.0,8.7,2.6 Hz,1 H),3.96(t,J=8.2 Hz,1 H),3.70-3.83(m,3 H),3.16-3.30(m,1 H),2.05-2.17(m,2 H).
【0084】
以下の実施例2~実施例85を、実施例1の調製について記載される手順と同様に調製し、4-(6-フルオロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)アニリン(Int-1)を「アミン」に、テトラヒドロフラン-3-カルボン酸を「酸」又は「塩化アシル」に置き換えた。「アミン」、「酸」及び「塩化アシル」は、表1に示す試薬である。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【表1-19】
【0085】
実施例86-a、実施例86-b
(3R)-N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド
【化40】
(3S)-N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド
【化41】
2つのエナンチオマー(実施例86-a、実施例86-b)を、N-(4-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルフェニル)-1,1-ジオキソ-チオラン-3-カルボキサミド(実施例63)のSFC[機器:Thar 200分取SFC(SFC-7)、Phenomenex Lux Cellulose-2、300×50 mm I.D.、10μm;移動相:COの場合はA、MEOHの場合はB;勾配:B 50%;流速:200mL/分;背圧:100bar;カラム温度:38C;溶出順序は実施例86-a、実施例86-bであった]キラル分離によって得た。
【0086】
実施例86-a:MS obsd.(ESI)[(M+H)]:358.1.H NMR(DMSO-d,400MHz)δ:10.60(s,1 H),8.36(d,J=5.0 Hz,1 H),8.18-8.26(m,3 H),7.87(d,J=8.7 Hz,2 H),7.47-7.52(m,1 H),3.39-3.52(m,2 H),3.12-3.33(m,3 H),2.44-2.48(m,1 H),2.19-2.31(m,1 H).
【0087】
実施例86-b:MS obsd.(ESI)[(M+H)]:358.1.H NMR(DMSO-d,400MHz)δ:10.60(s,1 H),8.36(d,J=5.0 Hz,1 H),8.18-8.26(m,3 H),7.87(d,J=8.1 Hz,2 H),7.50(dd,J=7.8,5.0 Hz,1 H),3.39-3.52(m,2 H),3.12-3.32(m,3 H),2.44-2.48(m,1 H),2.19-2.31(m,1 H).
【0088】
実施例87-a、実施例87-b
(3R)-N-[4-(5-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド
【化42】
(3S)-N-[4-(5-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド
【化43】
2つのエナンチオマー(実施例87-a、実施例87b)を、N-[4-(5-クロロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]テトラヒドロフラン-3-カルボキサミドのSFC[機器:SFC 80、カラム:ChiralCel OJ、250×20mm I.D.、5μm;移動相:COの場合はA、メタノールの場合はB(0.1%NHOH);勾配:B 40%;流速:50mL/分;背圧:100bar;カラム温度:35C;溶出順序は実施例87-a、実施例87-bであった]キラル分離によって得た(実施例75)。
【0089】
実施例87-a:MS obsd.(ESI)[(M+H)]:343.2.H NMR(DMSO-d,400MHz)δ:10.43(s,1 H),8.15(d,J=8.1 Hz,2 H),7.79-7.90(m,4 H),7.45(d,J=8.7 Hz,1 H),3.96(t,J=8.3 Hz,1 H),3.70-3.83(m,3 H),3.21(quin,J=7.5 Hz,1 H),2.07-2.17(m,2 H).
【0090】
実施例87-b:MS obsd.(ESI)[(M+H)]:343.2.H NMR(DMSO-d,400MHz)δ:10.43(s,1 H),8.15(d,J=8.1 Hz,2 H),7.79-7.90(m,4 H),7.45(d,J=8.7 Hz,1 H),3.96(t,J=8.2 Hz,1 H),3.69-3.83(m,3 H),3.16-3.25(m,1 H),2.05-2.17(m,2 H).
【0091】
実施例88
PHH自然感染アッセイ
初代ヒト肝細胞(PHH)のHBV自然感染アッセイに関する詳細な手順を以下に記載する。凍結PHHの一方のチューブ(1000万個の細胞)を37Cの水浴中で解凍し、次いで穏やかに混合しながらPHH解凍培地(Sigma、InVitroGRO HT培地、カタログS03319)20mLに移す。次いで、細胞を80g/分で5分間遠心分離し、上清を廃棄し、チューブに25mLのPHHプレーティング培地(Sigma、InVitroGRO CP培地、Cat.S03317)を再充填した。チューブを非常に穏やかに振盪して全ての細胞を再懸濁し、次いで50μLの細胞を適切な液体処理機器、例えばIntegra VIAFLO384又はAgilent Bravoを用いて各ウェル384ウェルコラーゲンIコーティングプレートに移した。次いで、細胞を細胞インキュベーターで24時間培養した。HBV感染のために、培養プレート上にPHHを付着させた後、プレーティング培地を除去し、HBVウイルスを含有するPHH培養培地で満たした。PHH培養培地は、10%ウシ胎児血清(Gibco、Cat.10099141)、5ng/mLのヒト上皮増殖因子(Gibco、Cat.PHG0311L)、20ng/mLのデキサメタゾン(Sigma、Cat.D4902-100mg)、250ng/mLのヒト組換えインスリン(Gibco、Cat.41400045)及び100U/mLのペニシリンを含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)/F12(体積比で1:1)を用いて調製した。感染のために、4%PEG8000(Sigma、Cat.P1458)を含む培養培地を用いて、細胞あたり200ゲノム当量(GE)のHBVウイルスを、PHH培養培地に添加した。次いで、細胞を細胞インキュベーターで24時間培養した。次いで、細胞培養上清を除去した。HBV感染したPHHを、1%DMSO及び0.25mg/mLのマトリックスゲルを含有するPHH培養培地を用いてサンドイッチ培養法により72時間培養した。次いで、上清を、異なる濃度の試験化合物を含有するPHH培養培地を用いて72時間間隔で2回リフレッシュした。処置の最後に、上清を、HBsAg、HBeAg、HBV DNA及び細胞毒性を含むウイルスマーカー測定のために回収した。HBsAg及びHBeAgは、それらの特異的抗体を用いたalphalisa法を使用して検出した。HBV DNA検出のために、製造業者のプロトコルに従ってHBV DNA Quantitative Fluorescence Diagnostic Kit(Sansure Biotech Inc.)を使用した。細胞毒性を、Cell Counting Kit-8(CCK8、Dojindo Molecular Technologies,Inc.)を使用して決定した。
【0092】
本発明の化合物を、本明細書に記載されるように、HBsAg及びHBeAgを阻害するその能力について試験した。実施例を上記アッセイで試験し、10μM未満のIC50を有することが見出された。PHHアッセイの結果を表1に示す。
【0093】
【表2-1】
【0094】
【表2-2】
【0095】
【表2-3】
【国際調査報告】