(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(54)【発明の名称】テープ・ライブラリの最適化再インベントリ
(51)【国際特許分類】
G11B 15/68 20060101AFI20231201BHJP
G11B 23/40 20060101ALI20231201BHJP
G11B 23/28 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
G11B15/68
G11B23/40
G11B23/28 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532145
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 EP2021082515
(87)【国際公開番号】W WO2022122365
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】安部 敦
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 和弘
(57)【要約】
テープ・ライブラリ管理のための装置を提供する。装置は、ストレージ・スロット内に段状の向きに格納された複数のテープ・カートリッジのそれぞれに付けられたバーコードを読み取るためにストレージ・スロットに組み込まれた複数のミラーを含む、ストレージ・スロットを含む。複数のミラーのそれぞれは、ストレージ・スロットに格納された複数のテープ・カートリッジのそれぞれに付けられたバーコードの直下に位置する。複数のミラーのそれぞれは、複数のテープ・カートリッジのそれぞれに付けられたバーコードの反射をストレージ・スロットの前面に向かって外側に投射する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ・ライブラリ管理のための装置であって、
ストレージ・スロット内に段状の向きに格納された複数のテープ・カートリッジのそれぞれに付けられたバーコードを読み取るために前記ストレージ・スロットの内面に組み込まれた複数のミラーを含む前記ストレージ・スロットを含む、装置。
【請求項2】
前記複数のミラーが、前記ストレージ・スロット内の段2位置から始まり、前記ストレージ・スロット内の最後の段位置で終わるように前記ストレージ・スロットの前記内面に組み込まれている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数のミラーのうちのミラーの数が前記ストレージ・スロットの段の数から1を引いた数に等しい、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記複数のミラーのそれぞれが、前記ストレージ・スロットに格納されている前記複数のテープ・カートリッジのそれぞれに付けられた前記バーコードを反射するように、前記ストレージ・スロット内の位置に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記複数のミラーのそれぞれが、前記ストレージ・スロットの前記内面に対して鈍角をなす向きとされ、前記複数のミラーのそれぞれの第1の部分が前記ストレージ・スロットの深さ側に向かって後方にずらされ、前記複数のミラーのそれぞれの第2の部分が前記ストレージ・スロットの前面に向かって前方にずらされている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記複数のミラーのそれぞれが、前記複数のテープ・カートリッジのそれぞれに付けられた前記バーコードの反射を前記ストレージ・スロットの前面に向かって外側に投射する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のテープ・カートリッジのそれぞれに付けられた前記バーコードが、前記複数のテープ・カートリッジのそれぞれのテープ・カートリッジの前部に付けられ、前記複数のテープ・カートリッジのそれぞれのテープ・カートリッジのさらなる部分まで延びている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記複数のテープ・カートリッジのそれぞれの前記さらなる部分まで延びている前記バーコードが、前記複数のテープ・カートリッジのそれぞれの前記前部に付けられた前記バーコードから縮小形式で、前記ストレージ・スロットの段の数から1を引いた数に等しい回数だけコピーされる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記複数のテープ・カートリッジのそれぞれのテープ・カートリッジの前記さらなる部分まで延びている前記バーコードの各コピーが、前記複数のテープ・カートリッジのそれぞれの前記ストレージ・スロットの左側に隣接する部分から始まり、前記複数のテープ・カートリッジのそれぞれの前記ストレージ・スロットの右側に隣接する部分で終わるように横方向に配列されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記複数のミラーのそれぞれが、前記複数のテープ・カートリッジのそれぞれの前記さらなる部分まで延びる前記バーコードの各コピーとは反対の位置から始まる互い違いの横方向レイアウトで配列されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記複数のテープ・カートリッジのそれぞれの前記さらなる部分まで延びる前記バーコードが、前記複数のテープ・カートリッジのうちの前記それぞれのテープ・カートリッジに関する情報を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項12】
テープ・ライブラリ管理方法であって、
再インベントリ要求の検出に応答して、1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、テープ・ライブラリ・フレーム内のストレージ・スロットにテープ・グリッパを位置づけることであって、前記テープ・グリッパが赤外線バーコード・リーダーを含み、前記ストレージ・スロットが、複数のテープ・カートリッジと、前記ストレージ・スロットの表面に組み込まれた複数のミラーとを含み、前記複数のテープ・カートリッジが、前記複数のテープ・カートリッジのそれぞれの一部に付けられた複数のバーコードを含む、前記テープ・グリッパを位置づけることと、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記テープ・グリッパに、前記ストレージ・スロットの段1位置に格納された第1のテープ・カートリッジの前部に付けられたバーコードを読み取るように指示することと、
前記第1のテープ・カートリッジの前記前部に付けられた前記バーコードが前記ストレージ・スロットの前記段1位置の最終保存バーコードと異なるとの判定に応答して、前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記テープ・グリッパに対して前記ストレージ・スロットの前記表面に組み込まれた前記複数のミラーを使用して前記ストレージ・スロットの深さ側の後続の段位置に格納されている1つまたは複数の追加のテープ・カートリッジの1つまたは複数の可視バーコード反射を読み取るように指示することとを含む、方法。
【請求項13】
前記1つまたは複数の可視バーコード反射が、前記ストレージ・スロット内の前記後続の段位置に格納されている前記1つまたは複数の追加のテープ・カートリッジのそれぞれの一部に付けられた前記複数のバーコードの反射であり、
前記複数のバーコードの前記反射が、前記ストレージ・スロットの前記表面に組み込まれた前記複数のミラーを介して前記ストレージ・スロットの前面における前記テープ・グリッパに向かって外側に投射される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つまたは複数の追加のテープ・カートリッジが前記ストレージ・スロット内の前記後続の段位置に格納されている状態で、前記1つまたは複数の可視バーコード反射のそれぞれが前記テープ・グリッパの前記赤外線バーコード・リーダーに可視である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記1つまたは複数の追加のテープ・カートリッジの前記1つまたは複数の最終保存バーコードの更新に応答して、前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記テープ・ライブラリ・フレームの再インベントリ動作が完了するまでバーコードを読み取るために、前記テープ・グリッパを1つまたは複数の追加のストレージ・スロットまで移動することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
テープ・ライブラリ管理のためのコンピュータ・プログラム製品であって、
1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体と、前記1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラム命令とを含み、
記憶された前記プログラム命令が、
再インベントリ要求の検出に応答して、テープ・ライブラリ・フレーム内のストレージ・スロットにテープ・グリッパを位置づけるプログラム命令であって、前記テープ・グリッパが赤外線バーコード・リーダーを含み、前記ストレージ・スロットが、複数のテープ・カートリッジと、前記ストレージ・スロットの表面に組み込まれた複数のミラーとを含み、前記複数のテープ・カートリッジが、前記複数のテープ・カートリッジのそれぞれの一部に付けられた複数のバーコードを含む、前記テープ・グリッパを位置づけるプログラム命令と、
前記テープ・グリッパに、前記ストレージ・スロットの段1位置に格納された第1のテープ・カートリッジの前部に付けられたバーコードを読み取るように指示するプログラム命令と、
前記第1のテープ・カートリッジの前記前部に付けられた前記バーコードが前記ストレージ・スロットの前記段1位置の最終保存バーコードと異なるとの判定に応答して、前記テープ・グリッパに対して前記ストレージ・スロットの前記表面に組み込まれた前記複数のミラーを使用して前記ストレージ・スロットの深さ側の後続の段位置に格納されている1つまたは複数の追加のテープ・カートリッジの1つまたは複数の可視バーコード反射を読み取るように指示するプログラム命令とを含む、コンピュータ・プログラム製品。
【請求項17】
前記1つまたは複数の可視バーコード反射が、前記ストレージ・スロット内の前記後続の段位置に格納されている前記1つまたは複数の追加のテープ・カートリッジのそれぞれの一部に付けられた前記複数のバーコードの反射であり、
前記複数のバーコードの前記反射が、前記ストレージ・スロットの前記表面に組み込まれた前記複数のミラーを介して前記ストレージ・スロットの前面における前記テープ・グリッパに向かって外側に投射される、請求項16に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項18】
前記1つまたは複数の追加のテープ・カートリッジが前記ストレージ・スロット内の前記後続の段位置に格納されている状態で、前記1つまたは複数の可視バーコード反射のそれぞれが前記テープ・グリッパの前記赤外線バーコード・リーダーに可視である、請求項17に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項19】
前記1つまたは複数の追加のテープ・カートリッジの前記1つまたは複数の最終保存バーコードの更新に応答して、前記テープ・ライブラリ・フレームの再インベントリ動作が完了するまでバーコードを読み取るために、前記テープ・グリッパを1つまたは複数の追加のストレージ・スロットまで移動させるプログラム命令をさらに含む、請求項16に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項20】
テープ・ライブラリ管理のためのコンピュータ・システムであって、
1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサと、
1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体と、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサのうちの少なくとも1つによる実行のために前記1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体のうちの少なくとも1つに記憶されたプログラム命令とを含み、
記憶された前記プログラム命令が、
再インベントリ要求の検出に応答して、テープ・ライブラリ・フレーム内のストレージ・スロットにテープ・グリッパを位置づけるプログラム命令であって、前記テープ・グリッパが赤外線バーコード・リーダーを含み、前記ストレージ・スロットが、複数のテープ・カートリッジと、前記ストレージ・スロットの表面に組み込まれた複数のミラーとを含み、前記複数のテープ・カートリッジが、前記複数のテープ・カートリッジのそれぞれの一部に付けられた複数のバーコードを含む、前記テープ・グリッパを位置づけるプログラム命令と、
前記テープ・グリッパに、前記ストレージ・スロットの段1位置に格納された第1のテープ・カートリッジの前部に付けられたバーコードを読み取るように指示するプログラム命令と、
前記第1のテープ・カートリッジの前記前部に付けられた前記バーコードが前記ストレージ・スロットの前記段1位置の最終保存バーコードと異なるとの判定に応答して、前記テープ・グリッパに対して前記ストレージ・スロットの前記表面に組み込まれた前記複数のミラーを使用して前記ストレージ・スロットの深さ側の後続の段位置に格納されている1つまたは複数の追加のテープ・カートリッジの1つまたは複数の可視バーコード反射を読み取るように指示するプログラム命令とを含む、コンピュータ・システム。
【請求項21】
前記1つまたは複数の可視バーコード反射が、前記ストレージ・スロット内の前記後続の段位置に格納されている前記1つまたは複数の追加のテープ・カートリッジのそれぞれの一部に付けられた前記複数のバーコードの反射であり、
前記複数のバーコードの前記反射が、前記ストレージ・スロットの前記表面に組み込まれた前記複数のミラーを介して前記ストレージ・スロットの前面における前記テープ・グリッパに向かって外側に投射される、請求項20に記載のコンピュータ・システム。
【請求項22】
前記1つまたは複数の追加のテープ・カートリッジが前記ストレージ・スロット内の前記後続の段位置に格納されている状態で、前記1つまたは複数の可視バーコード反射のそれぞれが前記テープ・グリッパの前記赤外線バーコード・リーダーに可視である、請求項21に記載のコンピュータ・システム。
【請求項23】
テープ・ライブラリ管理のためのコンピュータ実装方法であって、
バーコード・リーダーによって、テープ・ライブラリ・フレームのストレージ・スロットに格納された第1のテープ・カートリッジに付けられたバーコードを、前記ストレージ・スロットの第1の表面の第1の位置に付けられたミラーから投射された前記バーコードの反射を前記バーコード・リーダーが読み取ることに少なくとも部分的に基づいて識別することを含む、コンピュータ実装方法。
【請求項24】
前記第1のテープ・カートリッジが、前記テープ・ライブラリの前記ストレージ・スロットの開口部を基準にしてZ軸に沿って第2のテープ・カートリッジの後に位置づけられている、請求項23に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項25】
前記バーコード・リーダーが前記テープ・ライブラリの前記ストレージ・スロットの外部に位置づけられたテープ・グリッパに取り付けられ、
前記バーコード・リーダーが赤外線バーコード・リーダーである、請求項23に記載のコンピュータ実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にはテープ・ライブラリ管理に関し、より詳細にはテープ・ライブラリ・フレームにおける再インベントリ動作に関する。
【背景技術】
【0002】
データ量が増大し、情報技術に対応するための記憶容量が近年、増大している。ストレージ戦略の立案に影響を与える重要なその他の傾向には、クラウド・サービスへのデータ移行とストレージ仮想化がある。
【0003】
テープ・カートリッジは従来、ビデオ・アーカイブ、バックアップ・ファイル、障害復旧のための複製、およびオン・プレミスでの情報の保持のために使用されてきたが、業界はクラウドにおけるオフ・プレミス用途にまでも拡大している。
【0004】
テープ・カートリッジは、通常、大規模なエンタープライズ・テープ・ライブラリに格納される。このようなテープ・カートリッジを保管するために、1つのストレージ・スロットに単一のテープではなく、単一の高密度(HD)テープ・カートリッジ・ストレージ・スロットが、一列に重ねられた最大5本のテープ・カートリッジを保持することができるHDテープ・カートリッジ・ストレージ・スロットを収容する高密度テープ・ライブラリ・フレームが使用される。HDテープ・カートリッジ・ストレージ・スロット内の各テープ・カートリッジは、HDテープ・カートリッジ・ストレージ・スロット内の位置を示す段番号で参照され、段番号はHDテープ・カートリッジ・ストレージ・スロットにより多くのテープ・カートリッジが追加されるにつれて深さ方向に大きくなる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一実施形態の態様は、テープ・ライブラリ管理のための装置、方法、コンピュータ・プログラム製品およびコンピュータ・システムを開示する。
【0006】
本発明の一実施形態の態様は、テープ・ライブラリ管理のための装置を開示する。装置は、高密度ストレージ・スロット内に段状の向きに格納された複数のテープ・カートリッジのそれぞれに付けられたバーコードを読み取るために高密度ストレージ・スロットに組み込まれた複数のミラーを含む、高密度ストレージ・スロットを含む。
【0007】
本発明の一実施形態の態様は、テープ・ライブラリ管理方法を開示する。再インベントリ要求の検出に応答して、方法は、1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、テープ・ライブラリ・フレーム内の高密度ストレージ・スロットにテープ・グリッパを位置づけることを含み、テープ・グリッパは赤外線バーコード・リーダーを含み、高密度ストレージ・スロットは、複数のテープ・カートリッジと高密度ストレージ・スロットの底面に組み込まれた複数のミラーとを含み、複数のテープ・カートリッジは、複数のテープ・カートリッジのそれぞれの底部に付けられた複数の縮小形式バーコードを含む。方法は、1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、テープ・グリッパに、高密度ストレージ・スロットの段1位置に格納されている第1のテープ・カートリッジの前部に付けられたバーコードを読み取るように指示することを含む。第1のテープ・カートリッジの前部に付けられたバーコードが高密度ストレージ・スロットの段1位置の最終保存バーコードと異なるとの判定に応答して、方法は、1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、テープ・グリッパに、高密度ストレージ・スロット内に組み込まれた複数のミラーを使用して高密度ストレージ・スロットの深さ側の後続の段位置に格納された1つまたは複数の追加のテープ・カートリッジの1つまたは複数の可視バーコード反射を読み取るように指示することを含む。方法は、1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、高密度ストレージ・スロットの段1位置の最終保存バーコードと、後続の段位置に格納された1つまたは複数の追加のテープ・カートリッジの1つまたは複数の最終保存バーコードとを更新することを含む。
【0008】
本発明の一実施形態の態様は、テープ・ライブラリ管理のためのコンピュータ・プログラム製品を開示する。コンピュータ・プログラム製品は、再インベントリ要求の検出に応答して、テープ・ライブラリ・フレーム内の高密度ストレージ・スロットにテープ・グリッパを位置づけるプログラム命令を含み、テープ・グリッパは赤外線バーコード・リーダーを含み、高密度ストレージ・スロットは複数のテープ・カートリッジと高密度ストレージ・スロットの底面に組み込まれた複数のミラーとを含み、複数のテープ・カートリッジは、複数のテープ・カートリッジのそれぞれの底部に付けられた複数の縮小形式バーコードを含む。コンピュータ・プログラム製品は、テープ・グリッパに、高密度ストレージ・スロットの段1位置に格納された第1のテープ・カートリッジの前部に付けられたバーコードを読み取るように指示するプログラム命令を含む。コンピュータ・プログラム製品は、第1のテープ・カートリッジの前部に付けられたバーコードが高密度ストレージ・スロットの段1位置の最終保存バーコードと異なるとの判定に応答して、テープ・グリッパに、高密度ストレージ・スロット内に組み込まれた複数のミラーを使用して高密度ストレージ・スロットの深さ側の後続の段位置に格納された1つまたは複数の追加のテープ・カートリッジの1つまたは複数の可視バーコード反射を読み取るように指示するプログラム命令を含む。コンピュータ・プログラム製品は、高密度ストレージ・スロットの段1位置の最終保存バーコードと、後続の段位置に格納された1つまたは複数の追加のテープ・カートリッジの1つまたは複数の最終保存バーコードとを更新するプログラム命令を含む。
【0009】
本発明の一実施形態の態様は、テープ・ライブラリ管理のためのコンピュータ・システムを開示する。コンピュータ・システムは、再インベントリ要求の検出に応答して、テープ・ライブラリ・フレーム内の高密度ストレージ・スロットにテープ・グリッパを位置づけるプログラム命令を含み、テープ・グリッパは赤外線バーコード・リーダーを含み、高密度ストレージ・スロットは、複数のテープ・カートリッジと高密度ストレージ・スロットの底面に組み込まれた複数のミラーとを含み、複数のテープ・カートリッジは複数のテープ・カートリッジのそれぞれの底部に付けられた複数の縮小形式バーコードを含む。コンピュータ・システムは、テープ・グリッパに、高密度ストレージ・スロットの段1位置に格納された第1のテープ・カートリッジの前部に付けられたバーコードを読み取るように指示するプログラム命令を含む。コンピュータ・システムは、第1のテープ・カートリッジの前部に付けられたバーコードが高密度ストレージ・スロットの段1位置の最終保存バーコードと異なるとの判定に応答して、テープ・グリッパに、高密度ストレージ・スロット内に組み込まれた複数のミラーを使用して高密度ストレージ・スロットの深さ側の後続の段位置に格納された1つまたは複数の追加のテープ・カートリッジの1つまたは複数の可視バーコード反射を読み取るように指示するプログラム命令を含む。コンピュータ・システムは、高密度ストレージ・スロットの段1位置の最終保存バーコードと、後続の段位置に格納された1つまたは複数の追加のテープ・カートリッジの1つまたは複数の最終保存バーコードとを更新するプログラム命令を含む。
【0010】
本発明の一実施形態の態様は、テープ・ライブラリ管理のコンピュータ実装方法を開示する。コンピュータ実装方法は、バーコード・リーダーによって、バーコード・リーダーがストレージ・スロットの第1の表面の第1の位置に付けられたミラーから投射されたバーコードの反射を読み取ることに少なくとも部分的に基づいて、テープ・ライブラリ・フレームのストレージ・スロットに格納された第1のテープ・カートリッジに付けられたバーコードを識別することを含む。
【0011】
以下、本発明の実施形態について例示のみのために、添付図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態によるテープ・ライブラリ管理環境を示す図である。
【
図2A】本発明の一実施形態による、テープ・ライブラリ・フレーム内の高密度テープ・カートリッジ・ストレージ・スロットを示す構成図である。
【
図2B】本発明の一実施形態による、テープ・ライブラリ・フレームの高密度テープ・カートリッジ・ストレージ・スロットの下面を示す構成図である。
【
図2C】本発明の一実施形態による、テープ・ライブラリ・フレームの高密度テープ・カートリッジ・ストレージ・スロット内のテープ・カートリッジを示す構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるデータ処理システムのコンポーネントを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態は、1つまたは複数の相互接続されたテープ・ライブラリ・フレームを含むテープ・ライブラリが、高密度(HD)スロットに複数のテープ・カートリッジを格納することができることを認識している。本発明の実施形態は、高密度ストレージ・スロット内のテープ・カートリッジが、高密度ストレージ・スロットの開口部を基準にして最前部のテープが段1に位置すると言われ、次の深さ側のテープ・カートリッジが段2に位置すると言われるように、深さ方向に増大する段番号で参照されることを認識している。高密度ストレージ・スロットに第1のテープ・カートリッジのみが格納されている場合、段1のみにテープが存在する。この高密度ストレージ・スロットに第2のテープ・カートリッジが追加されると、追加のテープ・カートリッジを追加するために前面のテープ・カートリッジが深さ方向に押されるため、段1にある第1のテープ・カートリッジは段2に移動され、代わりに第2のテープ・カートリッジが段1に配置される。
【0014】
本発明の実施形態は、大規模テープ・ライブラリが、複数のテープ・カートリッジを挿入し、排出するための専用スロットである挿入および取り出し(I/E)スロットを含むことを認識している。テープ・カートリッジを挿入する場合、I/Eスロットを通して最大16本のテープが挿入され、次に、テープ・ライブラリによって自動的に選択された特定の物理位置まで移動させられる。したがって、テープ・ライブラリは、テープ・カートリッジがI/Eスロットを通して追加される限り、各段の各高密度ストレージ・スロットに位置する特定のテープ・カートリッジがわかっている。しかし、本発明の実施形態は、場合によっては大規模テープ・ライブラリに(たとえば100を超える)多数のテープ・カートリッジを追加することが望ましい場合があることを認識している。この場合、オペレータがテープ・ライブラリ・フレームの扉を開き、多数のテープを追加し、その後、扉を閉める。扉を閉めると、テープ・グリッパをそのテープ・ライブラリ・フレームまで移動させ、テープ・ライブラリ・フレーム内の各高密度ストレージ・スロット内の段1にある各テープ・カートリッジのバーコードを読み取るための、テープ・ライブラリの再インベントリ動作がトリガされる。
【0015】
本発明の実施形態は、再インベントリ動作において、フレームの扉が開かれる前の高密度ストレージ・スロットの段1位置におけるテープ・カートリッジのバーコードと、扉が閉じられた後の高密度ストレージ・スロットの段1位置におけるテープ・カートリッジのバーコードとの間で変化が検出されると、テープ・ライブラリはテープ・グリッパを使用して高密度ストレージ・スロットの前面のテープ・カートリッジを取り出し、次に、高密度ストレージ・スロットから各後続テープを除去することによって高密度ストレージ・スロット内のすべての後続の段に位置するすべての後続テープ・カートリッジのバーコードを読み取ることを認識している。テープ・グリッパは有限数のテープを保持することができる。リニア・テープ・オープン(LTO)テープの場合、高密度ストレージ・スロットは、最大5本のテープ・カートリッジを収容する。そのような場合、テープ・ライブラリは、テープ・グリッパによって把持されているテープ・カートリッジを周辺スロットに一時的に排出し、バーコードを読み取るために深さ側のすべてのテープ・カートリッジを取り出す。本発明の実施形態は、多数のテープ・カートリッジが追加されると、再インベントリ動作は完了するのに数十分から数時間かかる場合があることを認識している。
【0016】
本発明の実施形態は、カートリッジを実際に取り出さずに高密度ストレージ・スロットを基準にして深さ方向に位置するテープ・カートリッジのバーコードの読み出しを容易にする物理的改良をテープ・ライブラリ・フレームに加え、それによって再インベントリ動作を完了するのに要する時間を大幅に短縮する。本発明の実施形態は、高密度ストレージ・スロットの底面に配列された複数のミラーを含むテープ・ライブラリ・フレーム内の改良型高密度ストレージ・スロットを使用することによって、再インベントリ動作を行うのに要する時間を短縮する。本発明の実施形態は、テープ・カートリッジの底面まで延びるテープ・カートリッジのラベル面(前面)に付けられたバーコード・ラベルを含む。本発明の実施形態は、複数の深さ側テープ・カートリッジ(高密度ストレージ・スロット内の段2~段5位置に格納されたテープ・カートリッジ)の底面に付けられ、それらのテープ・カートリッジを取り出さずに高密度カートリッジ・ストレージ・スロットの底面に配列されたミラーによって反射された拡大バーコードを読み取るために、テープ・ライブラリ再インベントリ動作時に複数のミラーを使用する。
【0017】
このような実施形態の実装は様々な形態をとることができ、例示の実装の詳細については図面を参照しながら後述する。
【0018】
次に本発明の様々な実施形態をさらに詳細に参照すると、
図1は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、テープ・ライブラリ管理を提供するのに適した、全体が100として示されたテープ・ライブラリ管理環境の一部を示す機能ブロック図である。一実施形態では、テープ・ライブラリ管理環境100は、テープ・ライブラリ・フレーム102などのテープ・ライブラリ・フレームを含む。一実施形態では、テープ・ライブラリ・フレーム102などの複数のテープ・ライブラリ・フレームが、1つまたは複数のテープ・ライブラリを形成するように相互接続可能である。1つまたは複数のテープ・ライブラリは、フロア空間内(すなわち、たとえば建物、倉庫の中などの指定空間内)で均一に間隔を空けた複数の縦列に編成可能である。別の実施形態では、テープ・ライブラリ・フレーム102などの1つまたは複数のテープ・ライブラリ・フレームが、外側に増設するのではなく効果的に積み上げることによって、既存のフロア空間内でビッグ・データ・テープ管理の将来の成長によって課される要求を満たすように、複数の縦列に編成された1つまたは複数のテープ・ライブラリの上に重ねられてもよい。一実施形態では、テープ・ライブラリ・フレーム102は、テープ・グリッパ104と、XYアクセス機構106と、テープ・ドライブ108などの1つまたは複数のテープ・ドライブと、Xレール110と、高密度(HD)スロット112などの1つまたは複数のHDストレージ・スロットとを含むがこれらには限定されない、1つまたは複数のコンポーネントを含む。
図1は、一実装形態の例を示すに過ぎず、異なる実施形態を実装可能な環境に関するいかなる限定も含意しない。図の環境には、特許請求の範囲によって記載されている本発明の範囲から逸脱することなく当業者によって多くの変更を加えることができる。
【0019】
一実施形態では、テープ・グリッパ104は、テープ・ライブラリ内またはテープ・ライブラリ・フレーム102に類似した1つまたは複数の相互接続されたテープ・ライブラリ・フレーム内の複数のテープ・カートリッジ・ストレージ・スロットから1つまたは複数のテープ・カートリッジを取り出すための、テープ・ライブラリ・フレーム102などのテープ・ライブラリ・フレーム内のアセンブリである。一実施形態では、テープ・グリッパ104は、テープ・ライブラリまたはテープ・ライブラリ・フレーム102に類似した1つまたは複数の相互接続されたテープ・ライブラリ・フレーム内(すなわちテープ・ストレージ専用の1つまたは複数の相互接続されたテープ・ライブラリ・フレーム内)のHDスロット112などの複数の高密度テープ・カートリッジ・ストレージ・スロットから1つまたは複数のテープ・カートリッジを取り出し、その1つまたは複数のテープ・カートリッジを読み出しまたは書き込み実行のためにテープ・ドライブ108に移送するための、テープ・ライブラリ・フレーム102内のアセンブリである。一実施形態では、テープ・グリッパ104などの、組み込みバーコード・リーダーを含むテープ・グリッパが、高密度ストレージ・スロットからテープ・カートリッジのいずれも取り出さずに、高密度ストレージ・スロット(たとえば段2~段5)の深さ側(すなわちZ軸に沿って)に格納された複数のテープ・カートリッジのバーコードを読み取る機能を提供する。一実施形態では、テープ・グリッパ104は、テープ・カートリッジのバーコードを読み取ることができる赤外線バーコード・リーダーを含む。別の実施形態では、テープ・グリッパ104は、テープ・カートリッジのバーコードを読み取ることができる電荷結合素子(CCD)カメラを含む。
【0020】
一実施形態では、XYアクセス機構106は、テープ・ライブラリ内のテープ・ライブラリ・フレーム102および複数の相互接続されたテープ・ライブラリ・フレームなどのテープ・ライブラリ・フレーム内でテープ・グリッパ104を操作するためのアセンブリである。一実施形態では、XYアクセス機構106は、テープ・グリッパ104をY軸上で上下に、X軸上で左右に、およびZ軸上で斜めに移動させることができる。XYアクセス機構106は、テープ・ライブラリ・フレーム102などのテープ・ライブラリ・フレーム内でのアセンブリの移動を容易にする、電子モータ(図示せず)または任意のその他の適切な機構を含む。たとえば、XYアクセス機構106は、テープ・グリッパ104がテープ・ドライブ108などのテープ・ドライブ、HDスロット112などの高密度テープ・カートリッジ・ストレージ・スロット、またはテープ・ライブラリ・フレーム102に類似した相互接続されたテープ・ライブラリ・フレームなどの目標位置に到達するまで、テープ・ライブラリ・フレーム102などのテープ・ライブラリ・フレームまたは1つまたは複数の相互接続されたテープ・ライブラリ・フレームを通して、テープ・ライブラリ・フレーム102内のテープ・グリッパ104が上下左右および斜めに移動することができるようにする。そのテープ・ライブラリ・フレーム内で、XYアクセス機構106は、テープ・グリッパ104がそのテープ・ライブラリ・フレーム内のHDスロット112などの1つまたは複数の高密度テープ・カートリッジ・ストレージ・スロットから複数のテープ・カートリッジを取り出すために、格納されているテープ・カートリッジの縦列を上に移動することができるようにする。テープ・カートリッジが取り出された後は、XYアクセス機構106は、テープ・グリッパ104が複数の取り出されたテープ・カートリッジとともにテープ・ライブラリ・フレーム102に戻り(相互接続されたテープ・ライブラリ・フレームに移動させた場合)、情報の読み出しまたは書き込みを実行するためにテープをテープ・ドライブ108などの1つまたは複数のテープ・ドライブに挿入することができるようにする。一実施形態では、XYアクセス機構106は、高密度テープ・カートリッジ・ストレージ・スロット内の段1位置に格納されたテープ・カートリッジの前面のバーコードを読み取るために、再インベントリ動作時に、テープ・グリッパ104などの組み込みバーコード・リーダーを含むテープ・グリッパが、HDスロット112などの高密度テープ・カートリッジ・ストレージ・スロットに移動することができるようにする。
【0021】
一実施形態では、テープ・ドライブ108は、1つまたは複数のテープ・カートリッジ上の情報の読み出しおよび書き込みを実行するためのデータ・ストレージ・デバイスである。一実施形態では、テープ・ドライブ108は、テープ・ライブラリ・フレーム102内で縦列に配列される。一実施形態では、テープ・ドライブ108と1つまたは複数のテープ・カートリッジとがテープ・ライブラリ・フレーム102内、またはテープ・ライブラリ・フレーム102などの1つまたは複数のテープ・ライブラリ・フレームを含むテープ・ライブラリ内で、別々に格納される(すなわち、テープは、テープ・ストレージ専用の1つまたは複数のテープ・ライブラリ・フレーム内でテープ・ドライブ108とは別個に格納される)。
【0022】
一実施形態では、Xレール110は、テープ・ライブラリ内でXYアクセス機構106が、テープ・ライブラリ・フレーム102に類似した1つまたは複数の相互接続されたテープ・ライブラリ・フレームまで左右に(すなわちX軸に沿って)移動することができるようにするレール・アセンブリである。一実施形態では、XYアクセス機構106は、ホイール・オン・レール・アセンブリ、または、X軸に沿った1つまたは複数の相互接続テープ・ライブラリ・フレーム間のテープ・グリッパ104などのテープ・グリッパの移動を容易にするようにレールにアクセス機構アセンブリを取り付けるための任意のその他の適切な機構によって、Xレール110に取り付けられる。
【0023】
一実施形態では、HDスロット112は、テープ・ライブラリ・フレーム内の単一のスロット空間内で一列に積み重ねられた最大5本のテープ・カートリッジ(5×)を格納することができるテープ・ライブラリ・フレーム102などのテープ・ライブラリ・フレーム内の高密度ストレージ・スロットである。たとえば、HDスロット112などの高密度ストレージ・スロットは、段状の向きに最大5本のテープ・カートリッジを格納することができ、この場合、リニア・テープ・オープン(LTO)テープ・カートリッジ上の段5位置がスロットに装填される最初のテープ・カートリッジ(テープ・ライブラリ・フレームの深さ側の最も後ろのテープ・カートリッジ)であり、段1位置がスロットに装填される最後のテープ・カートリッジ(テープ・ライブラリ・フレームの前面の最も前のテープ・カートリッジ)である。段5位置LTOテープ・カートリッジが要求される場合、要求されたLTOテープ・カートリッジにアクセスするためにそれより前方のLTOテープ・カートリッジ(最大4本のカートリッジ)が除去される必要がある。別の実施形態では、HDスロット112などの高密度ストレージ・スロットが、段状の向きに最大4本のテープ・カートリッジを格納することができ、エンタープライズ・テープ・カートリッジ上の段4位置がスロットに装填される最初のテープ・カートリッジ(最も後方のテープ・カートリッジ)であり、段1位置がスロットに装填される最後のテープ・カートリッジ(最も前方のテープ・カートリッジ)である。段4位置のエンタープライズ・テープ・カートリッジが要求される場合、要求されたエンタープライズ・テープ・カートリッジにアクセスするためにそれより前方のエンタープライズ・テープ・カートリッジ(最大3本のカートリッジ)が除去される必要がある。しかし、本発明の実施形態は、ストレージ・スロット内の任意の数の段状位置を有するテープ・ライブラリ・フレームを使用して実施されてもよいことを理解されたい。
【0024】
一実施形態では、HDスロット112は、高密度ストレージ・スロットから複数のテープ・カートリッジのいずれも除去または取り出しすることなく、HDスロット112の深さ側に格納された複数のテープ・カートリッジのそれぞれのバーコードを読み取る機能を提供する、HDスロット112の筐体に組み込まれた物理的改良を含む。一実施形態では、HDスロット112は、HDスロット112の筐体に組み込まれた複数のミラーを含む。一実施形態では、HDスロット112は、高密度ストレージ・スロットのそれぞれの構造体(すなわち筐体)の内部底面に組み込まれた複数のミラーを含み、複数のミラーのうちのミラーの数は高密度ストレージ・スロット内の段の数から1を引いた数に等しい。たとえば、LTOテープ・カートリッジを格納する高密度ストレージ・スロットにおいて、高密度ストレージ・スロットの内部底面に組み込まれたミラーの数は4個であり、1つのミラーが段2に配置され、1つのミラーが段3に配置され、1つのミラーが段4に配置され、1つのミラーが段5に配置されている。別の実施例では、エンタープライズ・テープ・カートリッジを格納する高密度ストレージ・スロットにおいて、高密度ストレージ・スロットの内部底面に組み込まれたミラーの数は3個であり、1つのミラーが段2に配置され、1つのミラーが段3に配置され、1つのミラーが段4に配置されている。一実施形態では、HDスロット112などの高密度ストレージ・スロット内の複数のミラーは、テープ・グリッパ104などの組み込みバーコード・リーダーを含むテープ・グリッパが、テープ・カートリッジを取り出さずにバーコードの反射を読み取ることができるように、高密度ストレージ・スロット内の各段に格納されたテープ・カートリッジの底部に組み込まれたバーコードの反射を高密度ストレージ・スロットの前面に向けて前方に投射する機能を提供する。HDスロット112については、
図2A、
図2Bおよび
図2Cに関連して以下で詳述する。
【0025】
図2Aは、本発明の一実施形態による、テープ・ライブラリ・フレーム102のHDスロット112などの、テープ・ライブラリ・フレームの高密度ストレージ・スロットの構成図である。
【0026】
一実施形態では、HDスロット112などの高密度ストレージ・スロットが、再インベントリ動作時に時間を短縮するように複数のテープ・カートリッジのいずれも物理的に取り出さずに、高密度ストレージ・スロットの深さ側に格納された複数のテープ・カートリッジのそれぞれからバーコードを読み取る機能を提供する、高密度ストレージ・スロットの筐体に加えられた物理的改良を含む。
図2Aに、テープ・グリッパ104と、XYアクセス機構106と、Xレール110と、HDスロット112などの高密度ストレージ・スロットとを含むテープ・ライブラリ・フレーム102の側面図を示す。一実施形態では、HDスロット112はテープ・ライブラリ・フレーム102内で、HDスロット前面226がテープ・ライブラリ・フレーム前面222に対向し、HDスロット深さ側228がZ軸に沿ってテープ・ライブラリ・フレーム深さ側224に対向するような向きとされている。
【0027】
一実施形態では、HDスロット112などの高密度ストレージ・スロットが、それぞれがHDスロット前面226の段1位置に位置する段1テープ202から始まってHDスロット深さ側228(すなわちZ軸に沿って)の段5位置に位置する段5テープ210で終わる段状の向きに格納された、段1テープ202、段2テープ204、段3テープ206、段4テープ208および段5テープ210などの複数のテープ・カートリッジを含む。一実施形態では、段1テープ202、段2テープ204、段3テープ206、段4テープ208、および段5テープ210のそれぞれが、それぞれ段1テープ・バーコード212、段2テープ・バーコード214、段3テープ・バーコード216、段4テープ・バーコード218、および段5テープ・バーコード220などのバーコードを含む。一実施形態では、各バーコードが、それぞれのテープ・カートリッジを一意に識別する特定の情報を含む。一実施形態では、段1テープ・バーコード212、段2テープ・バーコード214、段3テープ・バーコード216、段4テープ・バーコード218、および段5テープ・バーコード220のそれぞれが、それぞれ段1テープ202、段2テープ204、段3テープ206、段4テープ208および段5テープ210の前部に付けられ(たとえば接着され、貼付され、エッチングされ、彫られるなどし)、大文字「L」に似た形状に、それぞれ段1テープ202、段2テープ204、段3テープ206、段4テープ208および段5テープ210の底部まで延びている(すなわち巻いて付けられている)。別の実施形態では、段1テープ・バーコード212、段2テープ・バーコード214、段3テープ・バーコード216、段4テープ・バーコード218、および段5テープ・バーコード220のそれぞれが、HDスロット底面232の反対の上部(図示せず)と、それぞれ段1テープ202、段2テープ204、段3テープ206、段4テープ208および段5テープ210のHDスロット前面226に隣接する1つまたは複数の側面(図示せず)とにまでさらに延びることができる。
【0028】
一実施形態では、HDスロット112などの高密度ストレージ・スロットが、高密度ストレージ・スロット内の段2位置から始まり高密度ストレージ・スロット内の段5位置で終わる(すなわちZ軸に沿った)高密度ストレージ・スロットのHDスロット底面232などの内部底面に組み込まれ、それぞれ段2テープ・バーコード214、段3テープ・バーコード216、段4テープ・バーコード218、および段5テープ・バーコード220の直下に位置する、段2ミラー234、段3ミラー236、段4ミラー238および段5ミラー240などの複数のミラーを含む。一実施形態では、段2ミラー234、段3ミラー236、段4ミラー238および段5ミラー240のそれぞれが、HDスロット底面232と鈍角をなすような向きとなっており、各ミラーの上部がHDスロット深さ側228に向かって後方にずらされ、各ミラーの底部がHDスロット前面226に向かって前方にずらされ、それによって各ミラーの前向きの面をHDスロット上面230に向かって上向きの鈍角に位置づけている。一実施形態では、段2ミラー234、段3ミラー236、段4ミラー238および段5ミラー240のそれぞれが、組み込み赤外線バーコード・リーダーを使用してテープ・グリッパ104によって読み取られるHDスロット前面226に向かって外側に(すなわちZ軸に沿って)投射される、それぞれ段2テープ・バーコード214、段3テープ・バーコード216、段4テープ・バーコード218、および段5テープ・バーコード220のそれぞれの反射をもたらす任意の角度の向きとされる。
【0029】
一実施形態では、HDスロット112内の段2ミラー234、段3ミラー236、段4ミラー238および段5ミラー240などの高密度ストレージ・スロット内の複数のミラーの組み込みに対応するために、テープ・ライブラリ・フレーム102などのテープ・ライブラリ・フレーム内で高密度ストレージ・スロットの高さ寸法を(たとえば高密度ストレージ・スロット1つ当たり5ミリメートル(5mm)だけ)増加させる。したがって、テープ・ライブラリ・フレームがテープ・ライブラリ・フレーム内のストレージ・スロットの1縦列当たり44個の高密度ストレージ・スロットを含む場合、テープ・ライブラリ・フレーム102などのテープ・ライブラリ・フレーム内の縦列の高さ寸法は、合計で220ミリメートル(220mm)だけ増加する。しかし、テープ・ライブラリ・フレーム102などのテープ・ライブラリ・フレームが内部の未使用空間を含むため、220mmの縦列の高さ寸法の増加は、テープ・ライブラリ・フレーム内の使用可能なHDスロット112などの高密度ストレージ・スロットの数には影響を与えない。
【0030】
図2Bは、本発明の一実施形態による、テープ・ライブラリ・フレーム102のHDスロット112などのテープ・ライブラリ・フレームの高密度ストレージ・スロットの下面を示す構成図である。
【0031】
一実施形態では、HDスロット112などの高密度ストレージ・スロットが、段1テープ202、段2テープ204、段3テープ206、段4テープ208および段5テープ210などの複数のテープ・カートリッジを含み、それぞれが、HDスロット前面226の段1位置に位置する段1テープ202から始まりHDスロット深さ側228の段5位置に位置する段5テープ210で終わる(すなわちZ軸方向に沿った)段状の向きに格納される。一実施形態では、段1テープ202、段2テープ204、段3テープ206、段4テープ208および段5テープ210のそれぞれが、それぞれ段1テープ・バーコード212、段2テープ・バーコード214、段3テープ・バーコード216、段4テープ・バーコード218、および段5テープ・バーコード220などのバーコードを含む。一実施形態では、段1テープ・バーコード212、段2テープ・バーコード214、段3テープ・バーコード216、段4テープ・バーコード218、および段5テープ・バーコード220のそれぞれが、それぞれ段1テープ202、段2テープ204、段3テープ206、段4テープ208および段5テープ210の底部まで延びるように示されている。
【0032】
一実施形態では、それぞれ段1テープ202、段2テープ204、段3テープ206、段4テープ208および段5テープ210の底部まで延びる段1テープ・バーコード212、段2テープ・バーコード214、段3テープ・バーコード216、段4テープ・バーコード218、および段5テープ・バーコード220のそれぞれが、(
図2Aに示す)それぞれのテープの前部に付けられたバーコードから縮小形式でコピーされ、それぞれのテープの前部に付けられたバーコードと同じ情報を含む。一実施形態では、それぞれ段1テープ202、段2テープ204、段3テープ206、段4テープ208および段5テープ210の底部まで延びる段1テープ・バーコード212、段2テープ・バーコード214、段3テープ・バーコード216、段4テープ・バーコード218、および段5テープ・バーコード220のそれぞれが、HDスロット左側244に隣接するそれぞれのテープ・カートリッジの部分から始まりHDスロット右側242に隣接するそれぞれのテープ・カートリッジの部分で終わる、横方向に(すなわちX軸に沿って横方向に)縮小形式で4回配列されている。一実施形態では、段1テープ202、段2テープ204、段3テープ206、段4テープ208および段5テープ210のそれぞれが、それぞれ段1テープ・バーコード212、段2テープ・バーコード214、段3テープ・バーコード216、段4テープ・バーコード218、および段5テープ・バーコード220のそれぞれの、第1のインスタンス、第2のインスタンス、第3のインスタンス、および第4のインスタンスを含むことになり、第1のインスタンスがHDスロット112のHDスロット左側244に最も近く、第4のインスタンスがHDスロット112のHDスロット右側242に最も近い。
【0033】
一実施形態では、段2ミラー234、段3ミラー236、段4ミラー238および段5ミラー240のそれぞれが、HDスロット左側244に隣接する段2テープ204の底部まで延びる段2テープ・バーコード214の縮小形式の第1のインスタンスの下の位置から始まり、HDスロット右側242に隣接する段5テープ210の底部まで延びる段5テープ・バーコード220の縮小形式の第4のインスタンスの下の位置で終わる(すなわちX軸に沿った)互い違いの横方向レイアウトで配列される。一実施形態では、段2ミラー234、段3ミラー236、段4ミラー238および段5ミラー240のそれぞれの互い違いの横方向レイアウトは、複数のテープ・カートリッジのいずれも取り出す必要なしに、テープ・グリッパ104などのテープ・グリッパが、段2テープ・バーコード214、段3テープ・バーコード216、段4テープ・バーコード218、および段5テープ・バーコード220のそれぞれを同時に読み取ることができる機能を提供する。一実施形態では、テープ・グリッパ104などのテープ・グリッパが、テープ・ライブラリ・フレーム内で移動および最配置する必要なしに、段2ミラー234、段3ミラー236、段4ミラー238および段5ミラー240のそれぞれを利用して、高密度ストレージ・スロットの前面からHDスロット112内に格納されている各テープ・カートリッジのすべてのバーコードを瞬時に、同時に読み取ることができる。
【0034】
図2Cは、本発明の一実施形態による、テープ・ライブラリ・フレーム102のHDスロット112などの、テープ・ライブラリ・フレームの高密度ストレージ・スロットの前面を示す構成図である。
【0035】
図2Cに、テープ・ライブラリ・フレーム102のテープ・グリッパ104などの、テープ・ライブラリ・フレーム内のテープ・グリッパから見た(すなわち、Z軸に沿って深さ方向にHDスロット112の中を見た)HDスロット112などの高密度ストレージ・スロットの前面図を示す。一実施形態では、段1テープ202および段1テープ・バーコード212がHDスロット上面230に最も近く、HDスロット112の前面から見える唯一のテープ・カートリッジに相当する。一実施形態では、HDスロット左側244に最も近い位置から始まって、段2ミラー234、段3ミラー236、段4ミラー238および段5ミラー240が、互い違いの横方向レイアウトでHDスロット底面232に組み込まれ、HDスロット右側242に最も近い位置で終わっている(すなわちX軸に沿っている)ように示されている。一実施形態では、段2ミラー234、段3ミラー236、段4ミラー238および段5ミラー240のそれぞれが、HDスロット112の前面から見え、HDスロット112の深さ側の段1に続くそれぞれの段に格納されたテープ・カートリッジの底部に付けられた縮小形式バーコード・インスタンス(
図2B参照)のそれぞれ段2テープ・バーコード反射246、段3テープ・バーコード反射248、段4テープ・バーコード反射250、および段5テープ・バーコード反射252などのバーコード反射を、外側に向かってHDスロット112の前面に(すなわちZ軸に沿って)投射する。一実施形態において、
図2Cに示すHDスロット112の前面図が、テープ・グリッパ104などのテープ・グリッパが、段1位置と、高密度ストレージ・スロットの底部内に組み込まれた複数のミラーによってもたらされる段2、段3、段4および段5位置からの可視バーコード反射とを読み取ることによって、高密度ストレージ・スロット内の任意の位置に格納されているすべてのテープ・カートリッジのすべてのバーコードを識別するのを容易にすることができ、それによってそれらのテープ・カートリッジを識別するために高密度スロットの深さ側に位置するテープ・カートリッジを取り出す必要がなくなる、HDスロット112の機能を強調して示している。
【0036】
たとえば、再インベントリ動作のシナリオに基づいて
図2A、
図2Bおよび
図2Cに関して上述したようなテープ・ライブラリ・フレーム102などのテープ・ライブラリ・フレームのコンポーネントによって提供される機能は、テープ・ライブラリ・システムが再インベントリ要求を検出することに依存することになる。テープ・ライブラリ・フレームへの扉が閉じられるのを検出すること(または複数の高密度ストレージ・スロット内の複数のテープ・カートリッジのインベントリを行うことを必要とすることになる任意のその他の考えられる要求)に応答して、テープ・ライブラリ・システムは、XYアクセス機構106などのアクセス機構に、テープ・グリッパ104などの赤外線バーコード・リーダーを含むテープ・グリッパを、段1テープ202などの段1位置におけるテープ・カートリッジを収容するHDスロット112などの高密度ストレージ・スロットに位置づけるように指示する。テープ・ライブラリ・システムはテープ・グリッパ104に対して、段1テープ202の段1テープ・バーコード212などの高密度ストレージ・スロット内の段1位置に格納されたテープ・カートリッジのバーコードの読み取りを開始するように指示する。段1位置に格納されたテープ・カートリッジのバーコードが、高密度ストレージ・スロット内の段1位置の最後に記憶されたバーコードと異なるとの判定に応答して、テープ・ライブラリ・システムはテープ・グリッパ104に、高密度ストレージ・スロット内の段2位置、段3位置、段4位置および段5位置のそれぞれに格納された、段2テープ204の段2テープ・バーコード214、段3テープ206の段3テープ・バーコード216、段4テープ208の段4テープ・バーコード218、および段5テープ210の段5テープ・バーコード220などの追加のテープ・カートリッジのバーコードの読み取りを開始するように指示する。テープ・グリッパ104は、高密度ストレージ・スロット内の段2位置、段3位置、段4位置および段5位置に格納された追加のテープ・カートリッジのそれぞれのバーコードの、段2テープ・バーコード反射246、段3テープ・バーコード反射248、段4テープ・バーコード反射250および段5テープ・バーコード反射252などのバーコード反射をもたらす、段2ミラー234、段3ミラー236、段4ミラー238および段5ミラー240などの高密度ストレージ・スロットの内部底面内に組み込まれた複数のミラーを使用して、高密度ストレージ・スロットから追加のテープ・カートリッジのいずれも取り出さずに、後続の段位置に格納された追加のテープ・カートリッジのバーコードを読み取ることができる。テープ・ライブラリ・システムは、高密度ストレージ・スロット内の段1位置、段2位置、段3位置、段4位置および段5位置の最後に記憶されたバーコードが、読み取られたバーコードのそれぞれによって更新されるように指示する。高密度ストレージ・スロット内の各位置の最後に記憶されたバーコードの更新に応答して、テープ・ライブラリ・システムは、再インベントリ動作が完了するまでバーコードの読み取りを続けるために、XYアクセス機構106にテープ・グリッパ104を次の高密度ストレージ・スロットに移動させるように指示する。
【0037】
図3は、本発明の一実施形態による、全体が300として示されているテープ・ライブラリ管理環境100のテープ・ライブラリ・フレーム102などの、テープ・ライブラリ管理環境のコンポーネントを示すブロック図である。
図3は、一実装形態の一例を示すに過ぎず、異なる実施形態が実装されてもよいという点で環境に関するいかなる限定も含意しないことに留意されたい。図の環境には多くの変更が加えられてもよい。
【0038】
例示の実施形態では、テープ・ライブラリ管理環境100におけるテープ・ライブラリ・フレーム102が、コンピュータ・システム310などの汎用コンピューティング・デバイスの形態で示されている。コンピュータ・システム310のコンポーネントには、1つまたは複数のプロセッサまたは処理ユニット314と、メモリ324と、メモリ324を含む様々なシステム・コンポーネントを処理ユニット314に結合するバス316とが含まれるが、これらには限定されない。
【0039】
バス316は、様々なアーキテクチャのいずれかを使用する、メモリ・バスまたはメモリ・コントローラ、ペリフェラル・バス、アクセラレーテッド・グラフィックス・ポート、およびプロセッサ・バスまたはローカル・バスを含む、数種類のバス構造のいずれかのうちの1つまたは複数に相当する。例として、限定ではなく、そのようなアーキテクチャには、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、マイクロ・チャネル・アーキテクチャ(MCA)バス、拡張ISA(EISA)バス、ビデオ・エレクトロニクス・スタンダーズ・アソシエーション(VESA)ローカル・バスおよびペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト(PCI)バスが含まれる。
【0040】
コンピュータ・システム310は、典型的には様々なコンピュータ・システム可読媒体を含む。そのような媒体は、コンピュータ・システム310によってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってよく、揮発性と不揮発性の両方の媒体、取り外し型と非取り外し型の媒体を含む。
【0041】
メモリ324は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)326またはキャッシュ・メモリ328あるいはその両方などの揮発性メモリの形態のコンピュータ・システム可読媒体を含み得る。コンピュータ・システム310は、他の取り外し型/非取り外し型、揮発性/不揮発性コンピュータ・システム記憶媒体をさらに含むことができる。例示に過ぎないが、非取り外し型不揮発性磁気媒体(図示されておらず、一般には「ハード・ドライブ」と呼ばれる)の読み書きのために、ストレージ・システム330を設けることができる。図示されていないが、取り外し可能型不揮発性磁気ディスク(たとえば「フロッピィ・ディスク」)の読み書きのための磁気ディスク・ドライブと、CD-ROM、DVD-ROMまたはその他の光媒体などの取り外し型不揮発性光ディスクの読み出しまたは書き込みのための光ディスク・ドライブを備えることができる。そのような場合、それぞれが1つまたは複数のデータ・メディア・インターフェースによってバス316に接続可能である。以下で詳述するように、メモリ324は、本発明の実施形態の機能を実施するように構成された1組(たとえば少なくとも1つ)のプログラム・モジュールを有する少なくとも1つのコンピュータ・プログラム製品を含み得る。
【0042】
1つまたは複数のプログラム・モジュール334のセットを有するプログラム/ユーティリティ332が、オペレーティング・システム、1つまたは複数のアプリケーション・プログラム、その他のプログラム・モジュール、およびプログラム・データとともに、例として、限定ではなく、メモリ324に記憶されてもよい。オペレーティング・システム、1つまたは複数のアプリケーション・プログラム、その他のプログラム・モジュール、およびプログラム・データまたはこれらの何らかの組合せのそれぞれが、ネットワーキング環境の実装形態を含むことができる。プログラム・モジュール334は、本明細書に記載のように、本発明の実施形態の機能または方法あるいはその両方を全般的に実施する。コンピュータ・システム310は、キーボード、ポインティング・デバイス、ディスプレイ322などの1つまたは複数の外部デバイス312、または、ユーザがコンピュータ・システム310と対話することを可能にする1つまたは複数のデバイス、および、コンピュータ・システム310が1つまたは複数の他のコンピューティング・デバイスと通信することを可能にする任意のデバイス(たとえばネットワーク・カード、モデムなど)と通信することも可能である。このような通信は入力/出力(I/O)インターフェース320を介して行うことができる。さらに、コンピュータ・システム310は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、汎用ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、またはパブリック・ネットワーク(たとえばインターネット)あるいはこれらの組合せなどの1つまたは複数のネットワークと、ネットワーク・アダプタ318を介して通信することができる。図のように、ネットワーク・アダプタ318は、コンピュータ・システム310の他のコンポーネントとバス316を介して通信する。図示されていないが、マイクロコード、デバイス・ドライバ、冗長処理ユニット、外部ディスク・ドライブ・アレイ、RAIDシステム、テープ・ドライブおよびデータ・アーカイブ・ストレージ・システムなど他のハードウェア・コンポーネントおよびソフトウェア・コンポーネントが、コンピュータ・システム310とともに使用されてもよいことを理解されたい。
【0043】
本発明は、システム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品あるいはこれらの組合せとすることができる。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実施させるためのコンピュータ可読プログラム命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体(または複数の媒体)を含み得る。一実施形態では、コンピュータ可読プログラム命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体は、テープ・ライブラリ・フレーム102などのテープ・ライブラリ・フレームの内部にあってもよい。他の実施形態では、コンピュータ可読プログラム命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体は、サーバ・コンピュータがテープ・ライブラリ・フレーム102上のコンピュータ可読プログラム命令を実行するためにネットワーク接続を介してテープ・ライブラリ・フレーム102と通信するように、テープ・ライブラリ・フレーム102などのテープ・ライブラリ・フレームの外部に格納されてもよい。
【0044】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用される命令を保持し、記憶することができる有形デバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、電子ストレージ・デバイス、磁気ストレージ・デバイス、光学式ストレージ・デバイス、電磁ストレージ・デバイス、半導体ストレージ・デバイス、またはこれらの任意の適切な組合せであってよいが、これらには限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストには、可搬コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、可搬コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピィ・ディスク、パンチカードまたは命令が録音された溝内の隆起構造などの機械的に符号化されたデバイス、およびこれらの任意の適切な組合せが含まれる。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体とは、電波またはその他の自由に伝播する電磁波、導波路またはその他の伝送媒体を伝播する電磁波(たとえば光ファイバ・ケーブルを通る光パルス)、またはワイヤを介して伝送される電気信号などの、一過性の信号自体であると解釈されるべきではない。
【0045】
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、またはネットワーク、たとえばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、または無線ネットワークあるいはこれらの組合せを介して外部コンピュータまたは外部ストレージ・デバイスにダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバあるいはこれらの組合せを含んでもよい。各コンピューティング/処理デバイスにおけるネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースが、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それらのコンピュータ可読プログラム命令を、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体への記憶のために転送する。
【0046】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、インストラクション・セット・アーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、または、Smalltalk(R)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語、または同様のプログラム言語などの従来型の手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれたソース・コードまたはオブジェクト・コードとすることができる。コンピュータ可読プログラム命令は、スタンドアロン・ソフトウェア・パッケージとして全体がユーザのコンピュータ上でまたは一部がユーザのコンピュータ上で、または一部がユーザのコンピュータ上で一部がリモート・コンピュータ上で、または全体がリモート・コンピュータまたはサーバ上で実行されてもよい。後者の場合、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)またはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む、任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができ、または接続は(たとえば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに対して行ってもよい。一部の実施形態では、本発明の態様を実行するために、たとえばプログラマブル論理回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)を含む電子回路が、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を使用して電子回路をパーソナライズすることにより、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0047】
本発明の態様について、本明細書では、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品を示すフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照しながら説明している。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の図の各ブロックおよび、フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の図のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装可能であることを理解されたい。
【0048】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサにより実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックで指定されている機能/動作を実装する手段を形成するように、汎用コンピュータ、専用コンピュータまたはその他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに供給されてマシンを実現するものであってよい。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックで指定されている機能/動作の態様を実装する命令を含む製造品を含むように、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、コンピュータ、プログラマブル・データ処理装置、またはその他のデバイスあるいはこれらの組合せに対して特定の方式で機能するように指示することができるものであってもよい。
【0049】
コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、その他のプログラマブル装置またはその他のデバイス上で実行される命令がフローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックで指定されている機能/動作を実装するように、コンピュータ実装プロセスを実現すべく、コンピュータ、その他のプログラマブル・データ処理装置、またはその他のデバイスにロードされ、コンピュータ、その他のプログラマブル装置、またはその他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させるものであってもよい。
【0050】
図面中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能および動作を示す。これに関連して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定されている論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含む、命令のモジュール、セグメント、または部分を表し得る。一部の別の実装形態では、ブロックに記載されている機能は、図に記載されている順序とは異なる順序で行われてもよい。たとえば、連続して示されている2つのブロックは、関与する機能に応じて、実際には、実質的に並行して実行されてもよく、またはブロックは場合によっては逆の順序で実行されてもよい。また、ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の図の各ブロック、およびブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の図のブロックの組合せは、指定されている機能または動作を実行する、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組合せを実施する、専用ハードウェア・ベースのシステムによって実装可能であることにも留意されたい。
【0051】
本発明の様々な実施形態の説明を例示のために示したが、網羅的であることを意図しておらず、開示している実施形態に限定されることも意図していない。本発明の範囲および思想から逸脱することなく多くの変更および変形が当業者には明らかであろう。本明細書で使用されている用語は、実施形態の原理、実際の適用、または市場に見られる技術の技術的改良を最もよく説明するため、または当業者が本明細書で開示されている実施形態を理解することができるようにするために選択されている。
【0052】
本明細書で使用されている用語は、特定の実施形態について説明することのみを目的としており、本発明を限定することは意図されていない。本明細書のいずれの特定の表記も単に便宜上使用されているに過ぎず、したがって、本発明はそのような表記によって識別されているかまたは含意されているかあるいはその両方であるいかなる特定の機能における使用のみに限定されるべきではないことを理解されたい。また、本明細書で使用されている単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに別の解釈を示していない限り、複数形も含むことが意図されている。
【国際調査報告】