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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(54)【発明の名称】撮像モジュール
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20231201BHJP
   H02N 2/12 20060101ALI20231201BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20231201BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20231201BHJP
【FI】
G03B5/00 J
H02N2/12
G02B7/02 Z
H04N23/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532328
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(85)【翻訳文提出日】2023-06-30
(86)【国際出願番号】 CN2021135631
(87)【国際公開番号】W WO2022121823
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】202011425602.3
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】牛 誌皓
(72)【発明者】
【氏名】成 東村
(72)【発明者】
【氏名】王 微
(72)【発明者】
【氏名】解 冬
【テーマコード(参考)】
2H044
2K005
5C122
5H681
【Fターム(参考)】
2H044AJ04
2H044AJ06
2K005CA04
2K005CA14
2K005CA23
2K005CA55
5C122EA41
5C122GE11
5C122HA82
5H681BB03
5H681BB14
5H681BB15
5H681BC01
5H681CC02
5H681DD23
5H681DD35
5H681DD55
5H681DD65
5H681DD67
(57)【要約】
本出願は、撮像モジュールを開示し、凹溝を有するブラケットと、前記ブラケットの第一側に設けられる駆動子と、前記凹溝の内壁に設置され、前記駆動子と電気的に接続される伝達部材と、レンズモジュールであって、少なくとも一部が前記凹溝内に設けられ、前記レンズモジュールが可動するように動かすための前記伝達部材と可動的に接続されるレンズモジュールとを含む。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像モジュールであって、
凹溝を有するブラケットと、
前記ブラケットの第一側に設けられる駆動子と、
前記凹溝の内壁に設置され、前記駆動子と電気的に接続される伝達部材と、
レンズモジュールであって、少なくとも一部が前記凹溝内に設けられ、前記レンズモジュールが可動するように動かすための前記伝達部材と可動的に接続されるレンズモジュールとを含む、撮像モジュール。
【請求項2】
前記伝達部材は、順に接続される第一のセグメントと、第二のセグメントとを含み、
前記第一のセグメントは、前記ブラケットの第一側に設けられ、前記駆動子は、前記ブラケットと前記第一のセグメントとの間に設けられ、
前記第二のセグメントは、前記凹溝の内壁に設置され、前記第二のセグメントの、前記第一のセグメントから離反する端は、前記レンズモジュールと可動的に接続される、請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項3】
前記第一のセグメントは、前記第二のセグメントと一体成形され、且つ前記第二のセグメントは、環状構造である、請求項2に記載の撮像モジュール。
【請求項4】
前記伝達部材の内周面には、前記伝達部材自体の周方向に沿って設置される突起アセンブリが設けられ、前記突起アセンブリは、複数の突起部を含み、複数の前記突起部は、前記伝達部材の周方向に沿って間隔をあけて分布し、各前記突起部は、それぞれ前記伝達部材の内面に対して内に突出し、各前記突起部の内面は、それぞれ前記レンズモジュールに当接する、請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項5】
前記突起アセンブリの数は、少なくとも二つであり、少なくとも二つの突起アセンブリは、前記凹溝の軸方向に沿って間隔をあけて分布する、請求項4に記載の撮像モジュール。
【請求項6】
前記突起部は、前記伝達部材の軸方向に沿って延びる長尺状であり、隣接する二つの前記突起アセンブリの複数の前記突起部の前記伝達部材の軸方向における位置は、1対1に対応する、請求項4又は5に記載の撮像モジュール。
【請求項7】
前記駆動子は、圧電素子である、請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項8】
前記圧電素子は、複数であり、複数の前記圧電素子は、順に首尾接続されて、前記伝達部材の形状に対応する環状を形成する、請求項7に記載の撮像モジュール。
【請求項9】
前記凹溝の側壁と前記伝達部材の内周面は、それぞれ前記レンズモジュールの軸方向に沿って延びる円弧面であり、前記レンズモジュールは、
レンズブラケットであって、前記レンズブラケットの一部の外周面が、前記伝達部材の内周面と密着する円弧状の摩擦面であるレンズブラケットと、
前記レンズブラケット内に設けられるレンズとを含む、請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項10】
固定ブラケットをさらに含み、前記固定ブラケットは、前記ブラケットの第一側に設けられ、前記固定ブラケットは、スルーホールを有し、前記レンズモジュールは、前記スルーホールに向く、請求項1に記載の撮像モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年12月08日に提案された中国特許出願202011425602.3の優先権を主張しており、この出願のすべての内容は、援用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、電子機器技術分野に属し、具体的には、撮像モジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
電子製品が絶えずに更新され、アップグレードされるにつれて、カメラモジュールは、ますます重要な役割を果たしており、カメラモジュールの撮影性能の良し悪しは、電子製品性能全体に影響を与える大切な要素となる。写真を撮ったり、又は動画を撮ったりする場合、カメラモジュールに振れが発生することは避けられず、防振効果を有するカメラモジュールの開発が急がれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、少なくとも背景技術の問題のうちの一つを解決する撮像モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の実施例は、撮像モジュールを提案し、前記撮像モジュールは、凹溝を有するブラケットと、前記ブラケットの第一側に設けられる駆動子と、前記凹溝の内壁に設置され、前記駆動子と電気的に接続される伝達部材と、レンズモジュールであって、少なくとも一部が前記凹溝内に設けられ、前記レンズモジュールが可動するように動かすための前記伝達部材と可動的に接続されるレンズモジュールとを含む。
【発明の効果】
【0006】
本出願の実施例では、伝達部材と係合するために駆動子を採用し、撮像モジュールが揺れた時、駆動子は、伝達部材によって撮像モジュールの揺れ方向と逆の運動を行うようにレンズモジュールを駆動し、振動による揺れを相殺し、撮像モジュールに防振機能を持たせることができる。
【0007】
本出願の実施例の付加態様と利点は、以下の記述において部分的に示され、一部は、以下の記述において明らかになるか、又は本出願の実施例の実践によって理解される。
本出願の上記及び/又は付加される態様と利点は、以下の図面を結びつけた実施例の記述から明らかになり、容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本出願による撮像モジュールの実施例の概略図である。
図2図1におけるA-A線に沿う断面図である。
図3図2における丸印で示されるB部の拡大図である。
図4】本出願の実施例による撮像モジュールの伝達部材と圧電素子との間の組み立ての一つの角度の概略図である。
図5】本出願の実施例による撮像モジュールの伝達部材と圧電素子との間の組み立てのまた別の角度の概略図である。
図6図4におけるC-C線に沿う局所断面図である。
図7】本出願の実施例による撮像モジュールのレンズモジュールの構造概略図である。
図8】本出願の実施例による撮像モジュールのレンズモジュールがX軸又はY軸方向に沿って回転する概略図である。
図9】本出願の一実施例による撮像モジュールの4つの圧電素子の組み立て概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下は、本出願の実施例を詳細に記述し、前記実施例の例は、図面において示されており、ここで、最初から最後まで同じ又は類似している記号は、同じ又は類似している素子又は同じ又は類似の機能を有する素子を表す。以下、図面を参照することによって記述される実施例は、例示的なものであり、本出願を解釈するためだけに使用されるが、本出願に対する制限と理解されるべきではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で、他の実施例を得ることもでき、これらの実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0010】
本出願の明細書と特許請求の範囲における用語である「第一の」、「第二の」の特徴は、一つ又は複数のこの特徴を明示的又は非明示的に含んでもよい。本出願の記述において、特に断りのない限り、「複数」の意味は、二つ以上である。なお、明細書及び請求項における「及び/又は」は、接続される対象のうちの少なくとも一つを表し、文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0011】
本出願の記述において、理解すべきこととして、用語である「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などにより指示される方位又は位置関係は、図面に基づいて示される方位又は位置関係であり、本出願の記述の便宜上、及び記述の簡略化のためのものに過ぎず、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成して操作しなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本出願に対する制限と理解されるべきではない。
【0012】
本出願の記述において、説明すべきこととして、特に明確に規定、限定されていない限り、用語である「取り付け」、「繋がり」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば固定的な接続であってもよく、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接的な繋がりであってもよく、中間媒体による間接的な繋がりであってもよく、二つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0013】
以下、図1から図9を結びつけながら本出願の実施例による撮像モジュール100を記述する。
【0014】
図1から図4に示すように、本出願の実施例による撮像モジュール100は、ブラケット10と、駆動子20と、伝達部材30と、レンズモジュール40とを含む。
【0015】
具体的には、ブラケット10は、凹溝11を有し、駆動子20は、ブラケット10の第一側に設けられ、伝達部材は、凹溝11の内壁に設置され、伝達部材30は、駆動子20と電気的に接続される。レンズモジュール40の少なくとも一部は、凹溝11内に設けられ、レンズモジュール40は、伝達部材30と可動的に接続され、伝達部材30は、レンズモジュール40が可動するように動かすために用いられる。
【0016】
言い換えれば、本出願の実施例による撮像モジュール100は、主に支持役割を果たすことができるブラケット10と、駆動力を発生させることができる駆動子20と、駆動子20と繋がり、且つ駆動力を伝達することができる伝達部材30と、伝達部材30と繋がり、且つ駆動力の作用で可動できるレンズモジュール40とによって構成される。
【0017】
具体的には、ブラケット10は、凹溝11を有し、レンズモジュール40の少なくとも一部は、凹溝11内に設けられ、レンズモジュール40は、凹溝11から伸び出して周囲の環境を撮影することができる。駆動子20は、ブラケット10の第一側に設けられ、且つ伝達部材30によって駆動力を伝達することで、ブラケット10に対して可動するようにレンズモジュール40を駆動することができる。伝達部材30は、駆動子20と電気的に接続され、伝達部材30は、レンズモジュール40が可動するように動かすことができる。
【0018】
ここで、説明すべきこととして、伝達部材30とブラケット10との取り付け方式は、以下の場合を含むが、それらに限らない。
【0019】
一つの実施例では、伝達部材30は、凹溝11の内壁面を一周するように設置され、伝達部材30とレンズモジュール40との間の接触領域は、環状領域を構成することができ、レンズモジュール40の外側面を駆動することができる。
【0020】
別の実施例では、伝達部材30は、凹溝11の内壁面の複数の取り付け位置に設けられ、複数の取り付け位置は、レンズモジュール40に対して対称又は非対称に設計されてもよい。複数の取り付け位置がレンズモジュール40に対して対称である場合、複数の取り付け位置の数は、二つ又は四つであってもよい。記述の便宜上、ブラケット10がxy平面に沿って伸び、凹溝11がz方向に沿って伸びるように設定する。
【0021】
取り付け位置が二つである場合、二つの取り付け位置のうちの一つは、x軸に位置してもよく、二つの取り付け位置のうちのもう一つは、y軸に位置してもよく、レンズモジュール40のx方向周りとy方向周りの可動を実現することができる。
【0022】
取り付け位置が四つである場合、四つの取り付け位置のうちの二つの取り付け位置は、x軸に位置してもよく、四つの取り付け位置のうちのもう二つの取り付け位置は、y軸に位置してもよい。そして四つの取り付け位置は、レンズモジュール40に対して対称に設置されてもよい。説明すべきこととして、対称に設置される取り付け位置を偶数個設置することによって、レンズモジュール40がある方向に沿って回転する場合、レンズモジュール40の揺動幅を正確に制御できることに有利である。
【0023】
なお、本出願の実施例による撮像モジュール100の伝達部材30は、凹溝11の内壁に設置されることに限定されず、凹溝11の内壁面の延長線に設置されてもよい。例えば、図2に示すように、レンズモジュール40の下部は、凹溝11内に位置し、伝達部材30は、ブラケット10の上部に設けられ、且つ凹溝11の内壁面の延長線に位置し、レンズモジュール40の中部と接続してレンズモジュール40が可動するように動かすことができる。
【0024】
それによって、本出願の実施例による撮像モジュール100は、駆動子20と伝達部材30との係合構造を採用し、撮像モジュール100が揺れた時、駆動子20は、伝達部材30によって撮像モジュール100の揺れ方向と逆の運動を行うようにレンズモジュール40を駆動し、振動による揺れを相殺し、撮像モジュール100に防振機能を持たせることができる。
【0025】
本出願の一つの実施例によれば、伝達部材30は、順に接続される第一のセグメント32と、第二のセグメント33とを含み、第一のセグメント32は、ブラケット10の第一側に設けられ、駆動子20は、ブラケット10と第一のセグメント32との間に設けられる。第二のセグメント33は、凹溝11の内壁に設置され、第二のセグメント33の、前記第一のセグメントから離反する端は、レンズモジュール40と可動的に接続される。ここで、説明すべきこととして、第二のセグメント33は、凹溝11の内壁に設置されてもよく、凹溝11の内壁の延長線に設置されてもよく、ここで限定しない。
【0026】
本実施例では、伝達部材30を第一のセグメント32と第二のセグメント33が係合する構造に設計することによって、第一のセグメント32と駆動子20との間の接触面積を保証できるだけでなく、第二のセグメント33とレンズモジュール40との間の有効な接触も保証でき、それによってレンズモジュール40の防振の安定性と精度を向上させた。
【0027】
さらに、第一のセグメント32と第二のセグメント33は、一体成形され、一体成形される構造を採用することで加工生産が容易になる利点を有する。なお、第二のセグメント33は、環状構造であり、レンズモジュール40に対する支持力の均衡性を向上させることができるだけでなく、伝達部材30とレンズモジュール40との間の接触面積を拡大することもでき、レンズモジュール40の多自由度と多角度の可動の実現に有利である。
【0028】
選択的に、ブラケット10を伝達部材30と同軸に設置される環状部材に設置することによって、伝達部材30に対して支持役割を果たすことができるだけでなく、ブラケット10によるレンズモジュール40の可動の阻害を回避した。
【0029】
記述の便宜上、以下は、伝達部材30とブラケット10を水平方向に沿って伸びるように定義する。
【0030】
ブラケット10の上部に凹溝11と駆動子20が設けられ、駆動子20の上部に駆動子20と接触する第一のセグメント32が設けられ、駆動子20は、第一のセグメント32、第二のセグメント33によって駆動力をレンズモジュール40に伝達することができ、摩擦力によってレンズモジュール40が可動するように駆動することができる。説明すべきこととして、第二のセグメント33は、駆動子20と直接に接触してもよく、ここで限定しない。
【0031】
本出願のいくつかの具体的な実施の形態では、図4から図6に示すように、伝達部材30の内周面には、その自体の周方向に沿って設置される突起アセンブリ50が設けられ、突起アセンブリ50を設置することによって伝達部材30とレンズモジュール40との間の摩擦力を向上させることができる。突起アセンブリ50は、複数の突起部51を含み、複数の突起部51は、伝達部材30の周方向に沿って間隔をあけて分布し、各突起部51は、それぞれ伝達部材30の内面に対して内に突出し、各突起部51の内面は、それぞれレンズモジュール40に当接する。駆動子は、駆動力を突起部51に伝達することができ、例えば、駆動力が振動力である場合、対応する突起部51も振動できる。つまり、突起部51を設置することによって、伝達部材30の変形度を拡大することができるだけでなく、伝達部材30とレンズモジュール40との間の摩擦力を区分することによって、レンズモジュール40の可動角度と可動範囲に対する制御精度を向上させることもできる。
【0032】
説明すべきこととして、各突起部51をレンズモジュール40に当接させることによって、一方で、伝達部材30とレンズモジュール40との間の摩擦力をさらに向上させることができ、レンズモジュール40が可動するように駆動することに有利であり、他方では、伝達部材30がレンズモジュール40に駆動力を伝達する場合、レンズモジュール40の運行安定性を保証することができる。
【0033】
言い換えれば、図4に示すように、伝達部材30が環状部材である場合、環状部材の環状中空領域は、取り付けチャンネル31として形成され、環状部材の内壁面には、取り付けチャンネル31の中心軸線方向に向かって延びる突起部51が設けられ、突起部51は、環状部材の内壁面から伸び出す。突起部51の数は、複数であり、複数の突起部51は、環状部材の内壁面に沿って間隔をあけて分布してもよく、複数の突起部51は、環状に囲んでもよい。伝達部材30の高辺が上下方向に沿って伸びる場合、隣接する二つの突起部51間の隙間は、上下方向に沿って伸びるように設置されてもよく、伝達部材30が、Z軸方向に沿って回転するようにレンズモジュール40を駆動することに有利である。
【0034】
説明すべきこととして、伝達部材30が駆動子20の上部に位置する場合、駆動子20の一部の位置が振動した時、伝達部材30上の、駆動子上の振動位置に対応する突起部51は、同期して可動する。
【0035】
さらに、突起アセンブリ50の数は、少なくとも二つであり、突起アセンブリ50の数は、奇数又は偶数であってもよく、突起アセンブリ50の数に対しても限定しない。少なくとも二つの突起アセンブリ50は、凹溝11の軸方向に沿って間隔をあけて分布する。図2図4から図6に示すように、突起アセンブリ50の数が二つであり、伝達部材30の高辺が上下方向に沿って伸びる場合、二つの突起アセンブリ50は、上下方向に沿って間隔をあけて分布してもよく、二つの突起アセンブリ50間の隙間は、水平方向に沿って伸び、伝達部材30が、X軸、Y軸方向に沿って可動するようにレンズモジュール40を駆動することに有利である。
【0036】
選択的に、図4から図6に示すように、突起部51は、伝達部材30の軸方向に沿って延びる長尺状、例えば台形又は長方形などである。隣接する二つの突起アセンブリ50の複数の突起部51の、伝達部材30の軸方向における位置は、1対1に対応し、駆動子20によって伝達部材30がレンズモジュール40に加える付勢力の方向を正確に制御することに有利であり、二つの突起アセンブリ50同士の干渉を防止する。
【0037】
本出願のいくつかの具体的な実施の形態では、駆動子20は、圧電素子である。
【0038】
以下では、図面を結び付けながら本出願の実施例による圧電素子を詳細に説明する。
【0039】
図2に示すように、ブラケット10の上部をブラケット10の第一側として定義することができる。つまり、ブラケット10の上部に圧電素子が設けられ、伝達部材30を圧電素子の上部に設けてもよい。伝達部材30が環状部材である場合、伝達部材30内には、取り付けチャンネル31が形成されてもよく、レンズモジュール40の少なくとも一部は、取り付けチャンネル31内に設けられてもよく、レンズモジュール40の外周面は、伝達部材30の内周面と接続されてもよい。それによって、圧電素子に通電し、圧電素子は、振動によって駆動力を発生させることができ、伝達部材30は、圧電素子と繋がることができ、且つ駆動力を伝達することができ、それによってレンズモジュール40が駆動力の作用で可動することができる。ここで、ブラケット10は、選択的に金属部材であってもよく、振動幅を向上させることができる。
【0040】
説明すべきこととして、圧電素子は、圧電効果を有する圧電振動材料を含み、圧電振動材料は、機械エネルギーと電気エネルギーを相互に変換することができる。圧電振動材料は、主に圧電セラミックスと圧電繊維などを含む。説明すべきこととして、圧電効果とは、いくつかの結晶が、機械応力の作用で比例的に電荷を発生させ、又は外部電界の作用で比例的に幾何学的変形を発生させることを指し、圧電効果は、正圧電効果と逆圧電効果に分けられてもよい。ここで、逆圧電効果とは、外力がない場合、ある電界が圧電結晶に印加されると、その内部の正負電荷の中心の変位が生じるとともに、材料の機械的変形を招き、変形の大きさが電界の強度に比例することを指す。
【0041】
つまり、本出願の実施例による撮像モジュール100の圧電素子に作動電圧を入力する場合、圧電素子は、変形することによって振動し、さらに圧電素子と繋がる伝達部材30の少なくとも一部が超音波の周波数範囲内で振動するように動かすことができる。説明すべきこととして、圧電素子の作動位置及び圧電素子に入力した作動電圧を制御することによって、圧電素子の異なる位置に異なる程度の変形を発生させ、例えば環状進行波を発生させることができる。
【0042】
なお、図4に示すように、組み立てる場合、レンズモジュール40の下端を取り付けチャンネル31内に取り付け、レンズモジュール40の上端と取り付けチャンネル31の上端との間の相対的な位置関係に対して限定しない。圧電素子に通電すると、圧電素子は、変形し、振動が生じることができる。一方では、伝達部材30がそれぞれ圧電素子とレンズモジュール40と繋がるため、伝達部材30は、圧電素子により発生した駆動力をレンズモジュール40に伝達することができ、レンズモジュール40は、可動することができる。他方では、レンズモジュール40の外周面が伝達部材30の内周面と繋がるため、伝達部材30は、レンズモジュール40に対して支持及びストッパーの役割を果たすことができ、伝達部材30は、振動中にレンズモジュール40との間に摩擦力が発生し、摩擦力は、駆動力としてレンズモジュール40が取り付けチャンネル31内で可動するように動かすことができる。
【0043】
説明すべきこととして、本出願の実施例による撮像モジュール100は、電子機器に用いられてもよく、電子機器は、携帯電話を含むが、それらに限らない。本出願の実施例による撮像モジュール100は、撮影中又は動画撮影中に、防振の効果を有することもできる。選択的に、本出願の実施例による撮像モジュール100は、ジャイロと、プロセッサとをさらに含み、まず、ジャイロによってレンズモジュール40の振れ方向及び振れ角度を検出することができ、その後、プロセッサは、ジャイロにより送信されたデータを受信することができ、振れ角度に基づいて圧電素子に入力される必要のある作動電圧を計算することができ、振れ方向に基づいて圧電素子の作動位置を選択することができ、続いて、プロセッサは、圧電素子に作動電圧を入力し、圧電素子の異なる位置に異なる程度の変形を発生させ、さらに伝達部材30の異なる位置に変形と振動を発生させ、摩擦によってレンズモジュール40が予め設定される角度で可動するように動かすことによって、レンズモジュール40の振動が発生した光路に対して変位又は回転補正を行い、写真のボケを軽減する効果を実現する。
【0044】
本実施例によれば、伝達部材30によって逆圧電効果を有する圧電素子をレンズモジュール40と間接的に繋がり、圧電素子に入力した作動電圧を制御することによって、伝達部材30を振動させ、振動状態にある伝達部材30は、摩擦によってレンズモジュール40が可動するように動かすことができる。従来の技術と比べて、一方では、本出願の実施例による撮像モジュール100は、防振効果を有し、変位/回転補正を行うようにレンズモジュール40を駆動することができ、他方では、本出願の実施例による撮像モジュール100において圧電素子と繋がるフレキシブル配線板70は、比較的に大きく引っ張られることなく、レンズモジュール40の一方側に、S形に配置されるフレキシブル配線板70を収納できるワイヤボックスが別に設置される必要がなく、空間を節約する利点を有することによって、本出願の実施例の撮像モジュール100が取り付けられる電子機器の内部空間の利用率を高くする。さらなる一方では、圧電素子と伝達部材30との係合構造を採用するため、伝達部材30は、超音波の周波数範囲内の振動を発生させることができ、レンズモジュール40の可動範囲、例えば回転角度範囲を拡大することができる。
【0045】
さらに、圧電素子は、片状であり、圧電素子の第一側は、ブラケット10に当接し、圧電素子の第二側は、伝達部材30に当接する。図2図3に示すように、圧電素子の下部を第一側として定義し、上部を第二側として定義する場合、圧電素子は、片状構造であり、圧電素子の下部にブラケット10が設けられ、上部に伝達部材30が設けられる。圧電素子の上端面は、伝達部材30に当接することができ、圧電素子の下端面は、ブラケット10に当接することができる。ここで、圧電素子と伝達部材30との間の接続方式は、圧着、接着又は溶接などを含んでもよい。
【0046】
選択的に、圧電素子は、複数であり、例えば図5における4つである。複数の圧電素子は、順に首尾接続されて、ブラケット10と伝達部材30の形状に対応する環状を形成し、少なくとも二つの圧電素子の係合によって対応する伝達部材30とレンズモジュール40との間の摩擦力方向を制御し、駆動力の伝達効率を向上させる。説明すべきこととして、圧電素子の数は、4つを含むが、それらに限らず、例えば6つである。そして圧電素子の数は、奇数又は偶数であってもよく、ここで限定しない。
【0047】
以下では、図面を結び付けながら圧電素子の数を4つとして撮像モジュール100の可動を説明する。
【0048】
図9に示すように、4つの圧電素子を第一の圧電素子21、第二の圧電素子22、第三の圧電素子23と第四の圧電素子24に分け、4つの圧電素子は、いずれもXY平面に設置され、伝達部材30は、圧電素子の上部に位置し、レンズモジュール40と伝達部材30は、Z軸方向に沿って分布する。ここで、第一の圧電素子21と第二の圧電素子22は、Y軸方向に沿って設置され、且つX軸に対して対称であり、第二の圧電素子22と第三の圧電素子23は、X軸方向に沿って設置され、且つY軸に対して対称であり、第三の圧電素子23と第四の圧電素子24は、Y軸方向に沿って設置され、且つX軸に対して対称であり、第四の圧電素子24と第一の圧電素子21は、X軸方向に沿って設置され、且つY軸に対して対称である。
【0049】
第一の圧電素子21と第三の圧電素子23に二相の位相差が90°である正弦波励起電気信号をそれぞれ印加すると、第二の圧電素子22と第四の圧電素子24は、作動せず、伝達部材30は、振動し、伝達部材30は、摩擦力によって、Z軸を対称軸として且つX軸方向に沿って揺動するようにレンズモジュール40を駆動する。第一の圧電素子21と第三の圧電素子23に印加した励起信号を交換することによって、レンズモジュール40の運動方向を変えることができる。
【0050】
同様に、第二の圧電素子22と第四の圧電素子24に二相の位相差が90°である正弦波励起電気信号をそれぞれ印加すると、第一の圧電素子21と第三の圧電素子23は、作動せず、レンズモジュール40は、Z軸を対称軸として且つY軸方向に沿って揺動することができる。第二の圧電素子22と第四の圧電素子24に印加した励起信号を交換することによって、レンズモジュール40の運動方向を変えることができる。
【0051】
第一の圧電素子21と第二の圧電素子22、又は第二の圧電素子22と第三の圧電素子23、又は第三の圧電素子23と第四の圧電素子24、又は第四の圧電素子24と第一の圧電素子21に二相の位相差が90°である正弦波励起電気信号などの信号をそれぞれ印加すると、レンズモジュール40は、Z軸を対称軸としてZ軸方向を回って回転する。
【0052】
この上で、写真を撮ったり、動画を撮ったりするプロセスにおいて、プロセッサは、ジャイロが検出したカメラモジュールの振れ角度に基づいて圧電素子に入力される必要のある作動電圧を計算することができ、振れ方向のデータに基づいて振れ方向と逆の位置の圧電素子を作動圧電素子として選択することができ、即ち異なる振れ角度に基づいて、四つの圧電素子は、係合する。その後、プロセッサは、作動圧電素子に作動電圧を入力し、作動圧電素子を変形させ、さらに伝達部材30の異なる位置に変形と振動を発生させる。摩擦によって、レンズモジュール40がいずれかの角度(X軸方向、Y軸方向、又はZ軸方向)に回転するように動かし、さらにレンズモジュール40に対する変位/回転補正を実現する。
【0053】
これで分かるように、複数の圧電素子の係合によって、レンズモジュール40がX軸、Y軸とZ軸方向に沿って大きな角度で回転するように動かし、防振機能を実現することができる。
【0054】
説明すべきこととして、他のタイプの励起電気信号を入力することによってレンズモジュール40の可動方向と可動角度を制御してもよく、ここで限定しない。
【0055】
本出願の一つの実施例によれば、図2図8に示すように、凹溝11の側壁と伝達部材30の内周面は、それぞれレンズモジュール40の軸方向に沿って延びる円弧面であり、レンズモジュール40は、レンズブラケット41と、レンズ42とを含み、レンズブラケット41は、円柱状であってもよく、レンズブラケット41の一部の外周面は、円弧状の摩擦面であり、円弧状の摩擦面は、ブラケット10と伝達部材30の内周面に密着することができる。説明すべきこととして、円弧状の摩擦面は、単独で伝達部材30の円弧面と繋がり、又は同時にブラケット10の円弧面と伝達部材30の円弧面と繋がることができ、ここで限定しない。レンズ42は、レンズブラケット41内に設けられ、レンズブラケット41によってレンズ42に対して支持と位置決めの役割を果たすことができ、レンズ42は、レンズブラケット41と同期して運動することができる。
【0056】
説明すべきこととして、レンズブラケット41の外周面に円弧状の摩擦面を設置することによって、従来の技術の矩形レンズブラケットにとって、レンズブラケット41のサイズを小さくすることができるだけでなく、多自由度運動を行い、例えばX軸、Y軸とZ軸に沿って可動するようにレンズブラケット41がレンズ42を動かすことに有利であり、レンズブラケット41が可動中、ブラケット10、伝達部材30などの他の部材との間の干渉を効果的に防止することができる。同時に、ブラケット10と伝達部材30の内周面を円弧面に設置し、突起部51の、レンズブラケット41に向かう側も円弧面に設置することによって、突起部51とレンズブラケット41との間の密着性を向上させることができ、さらにレンズモジュール40の運動中の安定性を向上させることができる。なお、撮像モジュール100の全体的なサイズを小さくすることもでき、それによって撮像モジュール100が取り付けられる電子機器の内部空間の利用率を高くする。
【0057】
また、図1図2に示すように、伝達部材30の上部に固定ブラケット60がさらに設けられ、固定ブラケット60は、ブラケット10の第一側に設けられ、固定ブラケット60は、スルーホールを有する。つまり、固定ブラケット60は、中空環状部材として形成されてもよく、レンズモジュール40は、スルーホールに向かってスルーホールを通して構図する。選択的に、伝達部材30は、ねじを介して固定ブラケット60に固定されてもよい。固定ブラケット60の内壁面は、円弧面として形成され、且つ固定ブラケット60の円弧面と、伝達部材30の円弧面とブラケット10の円弧面との間にそれぞれスムーズに遷移することができ、三者間で構成される円弧面全体の形状は、レンズブラケット41の円弧状の摩擦面の形状とほぼ同じであってもよく、レンズブラケット41の回転に有利である。
【0058】
選択的に、図7に示すように、レンズブラケット41は、レンズブラケット本体411と、フリクションプレート413とを含み、レンズブラケット本体411は、円柱状であり、レンズブラケット41の外周面には、その自体の周方向に沿って延びる環状凹溝412が設けられ、フリクションプレート413は、環状凹溝412内に設けられ、ここで、フリクションプレート413の取り付け方式は、係止、接着などを含むが、それらに限らない。さらに、摩擦件の外周面は、円弧状の摩擦面である。説明すべきこととして、図2に示すように、突起アセンブリ50の数が二つであり、且つ上下方向に沿って間隔をあけて分布する場合、フリクションプレート413の上下方向に沿う少なくとも一部は、二つの突起アセンブリ50の間に位置し、摩擦性能を増やすことができるだけでなく、撮像モジュール100の可動時の安定性を向上させることもできる。
【0059】
本出願のいくつかの具体的な実施の形態では、図7に示すように、フリクションプレート413の形状は、環状凹溝412の形状に対応し、フリクションプレート413の取り付けを容易にするだけでなく、フリクションプレート413のエッジとレンズブラケット本体411との間の円弧遷移にも有利である。図7に示すように、伝達部材30の軸方向に、フリクションプレート413の外周面の長さは、伝達部材30の内周面の長さよりも大きい。つまり、レンズモジュール40が可動する時、フリクションプレート413の、上下方向に沿う両端の少なくとも一端は、伝達部材30の端部を超えることができ、レンズモジュール40の回転角度を大きくすることができるだけでなく、レンズモジュール40と伝達部材30との間の離脱を防止し、レンズモジュール40が復帰できないことを回避することもできる。
【0060】
要するに、本出願の実施例による撮像モジュール100は、駆動子20と伝達部材30との係合によって、駆動力をレンズモジュール40に伝達し、レンズモジュール40が可動するように動かす。駆動子20が逆圧電効果を有する圧電素子を採用する場合、圧電素子は、伝達部材30に超音波の周波数範囲内の振動を発生させ、振動する伝達部材30が摩擦によってレンズモジュール40が可動するように駆動することができる。本出願の実施例による撮像モジュール100は、動力が大きく、効率が高く、且つレンズモジュール40の可動の安定性がよいなどの利点を有するだけでなく、レンズモジュール40のX軸方向、Y軸方向とZ軸方向での大きな角度の回転による防振効果を実現し、撮影品質を向上させることができるとともに、占有空間が小さいという利点を有し、本出願の実施例の撮像モジュール100が電子機器に応用される場合、電子機器内部の空間利用率を向上させることができる。
【0061】
本出願の実施例による電子機器は、撮像モジュール100を含むことに適する任意の電子機器、例えば携帯電話、ノートパソコン、タブレットパソコン又はウェアラブルデバイスなどであってもよい。
【0062】
本明細書の記述において、用語である「一つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」などを参照した記述は、この実施例又は例を結びつけて記述される具体的な特徴、構造、材料又は特徴が本出願の少なくとも一つの実施例又は例に含まれることを意味している。本明細書において、上記用語に対する例示的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を意味するわけではない。そして、記述される具体的な特徴、構造、材料又は特徴は、任意の一つ又は複数の実施例又は例に適切な方式で結び付けられてもよい。
【0063】
本出願の実施例をすでに示して記述したが、当業者であれば理解できるように、本出願の原理と趣旨を逸脱することなく、これらの実施例に対して様々な変化、修正、置き換えと変形を行ってもよく、本出願の範囲は、請求項及びその同等物によって限定される。
【符号の説明】
【0064】
100 撮像モジュール、
10 ブラケット、11 凹溝、
20 駆動子、21 第一の圧電素子、22 第二の圧電素子、23 第三の圧電素子、24 第四の圧電素子、
30 伝達部材、31 取り付けチャンネル、32 第一のセグメント、33 第二のセグメント、
40 レンズモジュール、
41 レンズブラケット、411 レンズブラケット本体、412 環状凹溝412、413 フリクションプレート、
42 レンズ、
50 突起アセンブリ、51 突起部、
60 固定ブラケット、70 フレキシブル配線板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】