(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(54)【発明の名称】位置決定方法、装置及び通信機器
(51)【国際特許分類】
H04W 64/00 20090101AFI20231201BHJP
G01S 5/14 20060101ALI20231201BHJP
G01S 13/74 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
H04W64/00 140
H04W64/00 120
H04W64/00 171
G01S5/14
G01S13/74
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532427
(86)(22)【出願日】2020-11-30
(85)【翻訳文提出日】2023-05-26
(86)【国際出願番号】 CN2020132921
(87)【国際公開番号】W WO2022110206
(87)【国際公開日】2022-06-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ユウ,レイ
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ヤン
【テーマコード(参考)】
5J062
5J070
5K067
【Fターム(参考)】
5J062BB05
5J062CC13
5J062FF01
5J070AC01
5J070AC02
5J070AE03
5J070BC05
5K067EE02
5K067EE07
5K067EE10
5K067EE16
5K067JJ52
5K067JJ56
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】本開示の実施例は、位置決定方法、装置及び通信機器に関し、少なくとも3つの異なる時刻におけるユーザ機器(UE)と前記UEの非地上ネットワーク(NTN)サービス衛星との間の距離、及び前記少なくとも3つの異なる時刻において、前記UEのNTNサービス衛星の位置情報に基づいて、前記UEの位置情報を決定し、前記少なくとも3つの異なる時刻において、前記UEのNTNサービス衛星の軌道位置は異なり、かつ前記UEのNTNサービス衛星の軌道位置は、少なくとも2つの異なる衛星軌道に属する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置決定方法において、
前記方法は、
少なくとも3つの異なる時刻におけるユーザ機器(UE)と前記UEのNTNサービス衛星との間の距離と、前記少なくとも3つの異なる時刻における前記UEのNTNサービス衛星の位置情報とに基づいて、前記UEの位置情報を決定するステップを含み、前記少なくとも3つの異なる時刻において、前記UEのNTNサービス衛星の軌道位置は異なり、かつ前記UEのNTNサービス衛星の軌道位置は、少なくとも2つの異なる衛星軌道に属する、
ことを特徴とする位置決定方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記UEと前記NTNサービス衛星との間の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置決定方法。
【請求項3】
前記UEと前記NTNサービス衛星との間の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定するステップは、
前記NTNサービス衛星が前記UEに第1の測位信号を送信する第1の時刻と、前記NTNサービス衛星が前記UEによって送信された第2の測位信号を受信する第2の時刻との間の第1の間隔期間から、前記UEの第1の送信応答期間を差し引いて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の第1の往復信号の信号飛行時間として決定するステップであって、前記第2の測位信号は、前記UEが前記第1の測位信号を受信したことに応答して送信し、前記第1の送信応答期間は、前記UEが前記第1の測位信号を受信してから前記第2の測位信号を送信するまでの時間間隔を含むステップと、
前記第1の往復信号の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の位置決定方法。
【請求項4】
前記NTNサービス衛星が前記第1の往復信号の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定することに応答して、前記方法は、前記NTNサービス衛星が前記UEによって送信された前記第1の送信応答期間を指示する指示情報を受信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の位置決定方法。
【請求項5】
前記UEと前記NTNサービス衛星との間の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定するステップは、
前記UEが前記NTNサービス衛星に第3の測位信号を送信する第3の時刻と、前記UEが前記NTNサービス衛星によって送信された第4の測位信号を受信する第4の時刻との間の第2の間隔期間から、前記NTNサービス衛星の第2の送信応答期間を差し引いて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の第2の往復信号の信号飛行時間として決定するステップであって、前記第4の測位信号は、前記NTNサービス衛星が前記第3の測位信号が受信されたことに応答して送信するものであり、前記第2の送信応答期間は、前記NTNサービス衛星が前記第3の測位信号を受信してから前記第4の測位信号を送信するまでの時間間隔を含むステップと、
前記第2の往復信号の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の位置決定方法。
【請求項6】
前記UEが前記第2の往復信号の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定することに応答して、前記方法は、前記UEが前記NTNサービス衛星によって送信された前記第3の時刻と前記第4の時刻とを指示する指示情報を受信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の位置決定方法。
【請求項7】
前記少なくとも3つの異なる時刻において、前記UEのNTNサービス衛星は、異なる衛星軌道を有する少なくとも2つの衛星を含む、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の位置決定方法。
【請求項8】
位置決定装置であって、
前記装置は、第1の決定モジュールを含み、
前記第1の決定モジュールは、少なくとも3つの異なる時刻におけるユーザ機器(UE)と前記UEのNTNサービス衛星との間の距離と、前記少なくとも3つの異なる時刻における前記UEのNTNサービス衛星の位置情報とに基づいて、前記UEの位置情報を決定するように構成され、前記少なくとも3つの異なる時刻において、前記UEのNTNサービス衛星の軌道位置は異なり、かつ前記UEのNTNサービス衛星の軌道位置は、少なくとも2つの異なる衛星軌道に属する、
ことを特徴とする位置決定装置。
【請求項9】
前記装置は、
前記UEと前記NTNサービス衛星との間の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定するように構成される第2の決定モジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の位置決定装置。
【請求項10】
前記第2の決定モジュールは、
前記NTNサービス衛星が前記UEに第1の測位信号を送信する第1の時刻と、前記NTNサービス衛星が前記UEによって送信された第2の測位信号を受信する第2の時刻との間の第1の間隔期間から、前記UEの第1の送信応答期間を差し引いて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の第1の往復信号の信号飛行時間として決定するように構成される第1の決定サブモジュールであって、前記第2の測位信号は、前記UEが前記第1の測位信号が受信されたことに応答して送信するものであり、前記第1の送信応答期間は、前記UEが前記第1の測位信号を受信してから前記第2の測位信号を送信するまでの時間間隔を含む第1の決定サブモジュールと、
前記第1の往復信号の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定するように構成される第2の決定サブモジュールと、を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の位置決定装置。
【請求項11】
前記装置は、第1の受信モジュールをさらに含み、前記第1の受信モジュールは、前記NTNサービス衛星が前記第1の往復信号の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定することに応答して、前記UEによって送信された前記第1の送信応答期間を指示する指示情報を受信するように構成される、
ことを特徴とする請求項10に記載の位置決定装置。
【請求項12】
前記第2の決定モジュールは、
前記UEが前記NTNサービス衛星に第3の測位信号を送信する第3の時刻と、前記UEが前記NTNサービス衛星によって送信された第4の測位信号を受信する第4の時刻との間の第2の間隔期間から、前記NTNサービス衛星の第2の送信応答期間を差し引いて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の第2の往復信号の信号飛行時間として決定するように構成される第3の決定サブモジュールであって、前記第4の測位信号は、前記NTNサービス衛星が前記第3の測位信号が受信されたことに応答して送信するものであり、前記第2の送信応答期間は、前記NTNサービス衛星が前記第3の測位信号を受信してから前記第4の測位信号を送信するまでの時間間隔を含む第3の決定サブモジュールと、
前記第2の往復信号の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定するように構成される第4の決定サブモジュールと、を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の位置決定装置。
【請求項13】
前記装置は、第2の受信モジュールをさらに含み、前記第2の受信モジュールは、前記UEが前記第2の往復信号の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定し、前記NTNサービス衛星によって送信された前記第3の時刻と前記第4の時刻とを指示する指示情報を受信するように構成される、
ことを特徴とする請求項12に記載の位置決定装置。
【請求項14】
前記少なくとも3つの異なる時刻において、前記UEのNTNサービス衛星は、異なる衛星軌道を有する少なくとも2つの衛星を含む 、
ことを特徴とする請求項8~13のいずれかに記載の位置決定装置。
【請求項15】
通信機器であって、
プロセッサと、メモリと、メモリに記憶され、前記プロセッサによって実行される実行可能なプログラムとを含み、前記プロセッサが前記実行可能なプログラムを実行する場合、請求項1~7のいずれかに記載の位置決定方法のステップを実行する、
ことを特徴とする通信機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、無線通信技術の分野に関するが、無線通信技術の分野に限定されず、特に、位置決定方法、装置及び通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
衛星通信はカバー範囲が広く、信頼性が高いという特性があるため、衛星通信は、遠隔地、災害救援などの分野で広く応用されている。衛星通信技術は、将来のセルラー移動通信の重要な構成要素とされている。衛星を使用してセルラー移動通信を行う場合、ネットワークは、災害救援の過程でUE位置を知る必要があるなど、ユーザ機器(UE、User Equipment)の実際の信頼できる位置を知る必要があり、さらに救助を行うことができ、また、ネットワークはUE位置を取得して、UEが国境線内にあるか否かどうかを判断して、許可などを行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本開示の実施例は、位置決定方法、装置及び通信機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例の第1の態様によれば、位置決定方法を提供し、前記方法は、少なくとも3つの異なる時刻におけるユーザ機器(UE)と前記UEの非地上ネットワーク(NTN、Non-Terrestrial Networks)サービス衛星との間の距離と、前記少なくとも3つの異なる時刻における前記UEのNTNサービス衛星の位置情報とに基づいて、前記UEの位置情報を決定するステップを含み、前記少なくとも3つの異なる時刻において、前記UEのNTNサービス衛星の軌道位置は異なり、かつ前記UEのNTNサービス衛星の軌道位置は、少なくとも2つの異なる衛星軌道に属する。
【0005】
本開示の実施例の第2の態様によれば、位置決定装置を提供し、前記装置は、第1の決定モジュールを含み、前記第1の決定モジュールは、少なくとも3つの異なる時刻におけるユーザ機器(UE)と前記UEのNTNサービス衛星との間の距離と、前記少なくとも3つの異なる時刻における前記UEのNTNサービス衛星の位置情報とに基づいて、前記UEの位置情報を決定するように構成され、前記少なくとも3つの異なる時刻において、前記UEのNTNサービス衛星の軌道位置は異なり、かつ前記UEのNTNサービス衛星の軌道位置は、少なくとも2つの異なる衛星軌道に属する。
【0006】
本開示の実施例の第3の態様によれば、通信機器を提供し、プロセッサと、メモリと、メモリに記憶され、前記プロセッサによって実行される実行可能なプログラムとを含み、前記プロセッサが前記実行可能なプログラムを実行する場合、第1の態様の位置決定方法のステップを実行する。
【0007】
本開示の実施例により提供される位置決定方法、装置及び通信機器では、UE又はNTNサービス衛星は、少なくとも3つの異なる時刻におけるユーザ機器(UE)と前記UEのNTNサービス衛星との間の距離と、前記少なくとも3つの異なる時刻における前記UEのNTNサービス衛星の位置情報とに基づいて、前記UEの位置情報を決定し、前記少なくとも3つの異なる時刻において、前記UEのNTNサービス衛星の軌道位置は異なり、かつ前記UEのNTNサービス衛星の軌道位置は、少なくとも2つの異なる衛星軌道に属する。このように、3つの時刻のNTNサービス衛星によって、UEの位置を決定する。一方、UEがGPSなどの測位能力を備えていないために生じる測位ができない状況を低減し、UEの測位を実現する。一方、NTNサービス衛星がUEに対して測位を行うため、UEの位置情報伝達の中間段階を低減し、NTNサービス衛星によって取得されたUEの位置情報の信頼性を向上させる。
【0008】
なお、上記一般的な説明及び後文の詳細な説明は、単なる例示的及び解釈的なものであり、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
ここの図面は、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、本開示に適した実施例を示しており、明細書と共に、本開示の原理を説明するのに用いられる。
【
図1】一例示的な実施例による無線通信システムの構成概略図である。
【
図2】一例示的な実施例による位置決定方法のフローチャートである。
【
図3】一例示的な実施例によるNTNサービス衛星とUE位置の概略図である。
【
図4】一例示的な実施例による別のNTNサービス衛星とUE位置の概略図である。
【
図5】一例示的な実施例によるまた1つのNTNサービス衛星とUE位置の概略図である。
【
図6】一例示的な実施例によるまた1つのNTNサービス衛星とUE位置の概略図である。
【
図7】一例示的な実施例による別の位置決定方法のフローチャートである。
【
図8】一例示的な実施例による別の位置決定装置のブロック図である。
【
図9】一例示的な実施例による位置決定のために使用される装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、例示的な実施例を詳細に説明し、その例を図面に示す。以下の説明が図面に関連する場合、別段の表現がない限り、異なる図面の同じ数字は同じまたは類似の要素を表す。以下の例示的な実施例に記載された実施形態は、本発明と一致する全ての実施形態を表すものではない。むしろ、それらは、添付の特許請求の範囲に詳細に記載された、本発明のいくつかの態様に一致する装置及び方法の例にすぎない。
【0011】
本開示で使用される用語は特定の実施形態を説明する目的のためだけのものであり、本開示を限定することを意図するものではない。本開示および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「1種類」、「1つ」および「当該」はまた、文脈が他の意味を明確に示す場合を除き、複数形を含むことを意図する。本明細書で使用される用語「及び/又は」は1つまたは複数の関連する列挙された項目の任意のまたはすべての可能な組み合わせを指し、包含することも理解されるべきである。
【0012】
なお、本開示の実施例において、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は様々な情報を記述するために用いられているが、これらの用語はこれらの用語に限定されるものではない。これらの用語は同じ種類の情報を互いに区別するために用いられているに過ぎない。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の情報は第2の情報とも称され、同様に、第2の情報は第1の情報とも称されてもよい。文脈に応じて、本明細書で用いられる「もし」及び「ば」という用語は「際に」または「の時点で」または「決定に応じて」と解釈されてもよい。
【0013】
図1を参照すると、それは本開示の実施例によって提供される無線通信システムの概略構成図である。
図1に示すように、無線通信システムはセルラー移動通信技術ベースの通信システムであり、当該無線通信システムは、いくつかの端末11及びいくつかの基地局12を含むことができる。
【0014】
ここで、端末11は、ユーザに音声及び/又はデータ接続を提供する機器を指し得る。端末11は、無線アクセスネットワーク(Radio Access Network、RAN)を介して1つまたは複数のコアネットワークと通信することができ、端末11はモノのインターネット端末であってもよく、例えば、センサ機器、携帯電話(または「セルラー」電話と呼ぶ)及びモノのインターネット端末を有するコンピュータであってもよく、例えば、固定式、携帯式、ポケット式、ハンドヘルド、コンピュータ内蔵または車載の装置であってもよい。例えば、ステーション(Station、STA)、加入者ユニット(subscriber unit)、加入者局(subscriber station)、モバイルステーション(mobile station)、モバイル(mobile)、リモートステーション(remote station)、アクセスポイント、リモート端末(remote terminal)、アクセス端末(access terminal)、ユーザ装置(user terminal)、ユーザエージェント(user agent)、ユーザ機器(user device)、またはユーザ端末(user equipment、UE)である。または、端末11は無人航空機の機器であってもよい。または、端末11は車載機器であってもよく、例えば、無線通信機能を備えるトリップコンピュータであってもよく、またはトリップコンピュータに接続される無線端末であってもよい。または、端末11は路側機器、例えば、無線通信機能を有する街灯、信号灯、または他の路側機器などであってもよい。
【0015】
基地局12は、無線通信システムにおけるネットワーク側デバイスであってもよい。ここで、当該無線通信システムは第4世代の移動通信技術(the 4th generation mobile communication、4G)システムであってもよく、長期進化(Long Term Evolution、LTE)システムとも呼ぶ。または、当該無線通信システムは5Gシステムであってもよく、新しい無線(new radio、NR)システムまたは5GNRシステムとも呼ぶ。または、当該無線通信システムは5Gシステムの次世代のシステムであってもよい。ここで、5GシステムにおけるアクセスネットワークはNG-RAN(New Generation-Radio Access Network、新しい世代無線アクセスネットワーク)と呼ぶことができる。または、MTCシステムである。
【0016】
ここで、基地局12は、4Gシステムに用いられる進化型基地局(eNB)であってもよい。または、基地局12は、5Gシステムにおける集中分散アーキテクチャを採用した基地局(gNB)であってもよい。基地局12が集中分散アーキテクチャを採用する場合、通常、集中ユニット(central unit、CU)と少なくとも2つの分散ユニット(distributed unit、DU)を含む。集中ユニットには、パケットデータ集約プロトコル(Packet Data Convergence Protocol、PDCP)層、無線リンク層制御プロトコル(Radio Link Control、RLC)層、メディアアクセス制御(Media Access Control、MAC)層のプロトコルスタックが設けられている。分散ユニットには、物理(Physical、PHY)層のプロトコルスタックが設けられており、本開示の実施例は基地局12の具体的な実現形態を限定しない。
【0017】
基地局12と端末11との間は、無線エアインターフェースを介して無線接続を確立することができる。異なる実施形態では、当該無線エアインターフェースは、第4世代の移動通信ネットワーク技術(4G)規格に基づく無線エアインターフェースである。または、当該無線エアインターフェースは、第5世代の移動通信ネットワーク技術(5G)規格に基づく無線エアインターフェースであり、例えば、当該無線エアインターフェースは新しい無線エアインターフェースである。または、当該無線エアインターフェースは5Gの次世代の移動通信ネットワーク技術の規格に基づく無線エアインターフェースであってもよい。
【0018】
いくつかの実施例では、端末11間はE2E(End to End、エンドツーエンド)接続を確立することもできる。例えばクルマのインターネット通信(vehicle to everything、V2X)におけるV2V(vehicle to vehicle、車対車)通信、V2I(vehicle to Infrastructure、車対路側機器)通信及びV2P(vehicle to pedestrian、車対歩行者)通信などのシーンである。
【0019】
いくつかの実施例では、上記無線通信システムは、ネットワーク管理機器130をさらに含むことができる。
【0020】
いくつかの基地局12はそれぞれネットワーク管理装置13に接続される。ここで、ネットワーク管理装置13は、無線通信システムにおけるコアネットワーク機器であってもよく、例えば、当該ネットワーク管理装置13は、進化したパケットコアネットワーク(Evolved Packet Core、EPC)における移動管理エンティティ(Mobility Management Entity、MME)であってもよい。または、当該ネットワーク管理機器は、他のコアネットワーク機器、例えばサービスゲートウェイ(Serving GateWay、SGW)、パブリックデータネットワークゲートウェイ(Public Data Network GateWay、PGW)、戦略及び課金ルール機能ユニット(Policy and Charging Rules Function、PCRF)またはホームサブスクライバーサーバ(Home Subscriber Server、HSS)などであってもよい。ネットワーク管理機器13の実現形態について、本開示の実施例では限定しない。
【0021】
本開示の実施例に係る実行主体は、NTNセルラー移動通信をサポートする携帯電話端末などのUE、及び衛星などを含むが、これらに限定されない。
【0022】
本開示の実施例の1つの応用シーンでは、通常、非地上ネットワークNTNネットワークは、以下の2つの方式でUEの位置情報を取得することができ、第1の方式:UEはネットワークにUE自身の位置を通知し、当該方法は以下の問題が存在し、
1. UEは自身の位置を取得する能力がない可能性がある。
【0023】
2. UEの位置が真実ではない可能性があり、UEが許可区域にあるか否かを判断する必要がある場合、UEは誤った位置を報告する可能性がある。
【0024】
3. UEの位置情報が傍受され、改ざんされる可能性がある。
【0025】
第2の方式:基地局を介してUEに対して測位を行うことは、以下の問題が存在し
1. 非地上ネットワークを使用してNTN衛星と通信するUEは、同じ時刻に、通常、1つの衛星しか接続できず、地上移動通信に使用されるマルチ基地局測位技術を使用することができない。
【0026】
2. 1つの非地上ネットワークNTN衛星のカバー範囲は広く、使用される衛星に基づいてUEの具体的な位置を確認することができない。
【0027】
図2に示すように、本例示的な実施例は位置決定方法を提供し、ステップ201を含み、ステップ201:少なくとも3つの異なる時刻におけるユーザ機器(UE)と前記UEのNTNサービス衛星との間の距離と、前記少なくとも3つの異なる時刻における前記UEのNTNサービス衛星の位置情報とに基づいて、前記UEの位置情報を決定し、前記少なくとも3つの異なる時刻において、前記UEのNTNサービス衛星の軌道位置は異なり、かつ前記UEのNTNサービス衛星の軌道位置は、少なくとも2つの異なる衛星軌道に属する。
【0028】
ここで、NTNセルラー移動通信のUE、又はNTNセルラー移動通信システム内の衛星などによって本実施例により提供される位置決定方法を実行することができる。
【0029】
UEは、衛星などの高空プラットフォームとゲートウェイ(GW)などの衛星地上局との間のフィード接続を通じて、サービス基地局と通信接続を構築することができる。NTNサービス衛星は、UEとサービス基地局との間のフィード接続における衛星であってもよい。UEは、同じ時間に1つのNTNサービス衛星によってサービス基地局と接続を構築することができる。異なる時刻のUEのNTNサービス衛星は、同じであっても異なっていてもよい。
【0030】
ここで、UE又はNTNサービス衛星は、少なくとも3つの異なる時刻にUEとNTNサービス衛星との間の距離を測定することができる。UE又はNTNサービス衛星は、UEとNTNサービス衛星との間の信号飛行時間などに基づいて、UEとNTNサービス衛星との間の距離を決定することができる。
【0031】
3つの異なる時刻のNTNサービス衛星の軌道位置はエフェメリスなどによって決定することができる。NTNサービス衛星の軌道位置に基づいてNTNサービス衛星の軌道位置の地上での投影位置、及びNTNサービス衛星の高さなどの位置情報を決定することができる。UEとNTNサービス衛星との間の距離、及びNTNサービス衛星の高さに基づいて、UEとNTNサービス衛星地上投影との間の距離を決定することができる。少なくとも3つの異なる時刻のNTNサービス衛星の地上投影位置、及び上記の3つの異なる時刻における各時刻UEとNTNサービス衛星地上投影との間の距離に基づいて、三角測位方法によってUEの位置を決定することができる。ここで、3つの異なる時刻のNTNサービス衛星は、同じ衛星であってもよく、異なる衛星であってもよい。3つの異なる時刻のNTNサービス衛星の地上投影位置は、三角形を呈する必要がある。
【0032】
1つの実施例では、前記少なくとも3つの異なる時刻において、前記UEのNTNサービス衛星は、異なる衛星軌道を有する少なくとも2つの衛星を含む。
【0033】
1つの軌道上の2つの異なる軌道位置の同じNTNサービス衛星、及び別の軌道上の1つのNTNサービス衛星を使用して測位を行う。
【0034】
少なくとも3つの軌道上の少なくとも3つのNTNサービス衛星を使用して測位を行うこともでき、ここで、少なくとも3つのNTNサービス衛星は距離測定を行う際に同じ直線上にない。
【0035】
例示的には、移動通信のための衛星は、通常、地上から600km以上離れた軌道に位置し、NTNサービス衛星と地上との間の高さ距離は、エフェメリスなどによって決定することができる。
図3に示すように、NTNサービス衛星とUEとの間の距離を既に知って、かつNTNサービス衛星と地上との間の高さ距離を知っている場合、勾股定理に基づいてNTNサービス衛星投影とUEとの間の地上距離を取得することができる。
【0036】
図4~
図6は、UEに対するNTNサービス衛星の相対位置の平面図である。
図4に示すように、NTNサービス衛星は位置1にある場合、NTNサービス衛星の地上投影位置とUEとの間の距離L1を決定することができ、さらに、UEは、位置1のNTNサービス衛星の地上投影位置を中心とし、L1を半径とする円周A上に分布されることを知ることができる。
【0037】
図5に示すように、NTNサービス衛星は位置2にあり、NTNサービス衛星の地上投影位置とUEとの間の距離L2を決定することができ、さらに、UEは、位置2のNTNサービス衛星の地上投影位置を中心とし、L2を半径とする円周B上に分布されることを知ることができる。円周Aと円周Bは2点で交わり、1点はUEの実際の位置であり、1点は「ゴースト」である。
【0038】
図6に示すように、NTNサービス衛星は位置3にあり、NTNサービス衛星の地上投影位置とUEとの間の距離L3を決定することができ、さらに、UEは、位置3のNTNサービス衛星の地上投影位置を中心とし、L3を半径とする円周Cに分布されることを知ることができる。円周A、円周B、及び円周Cは1点で交わり、すなわちUEの実際の位置である。
【0039】
ここで、位置1、位置2、及び位置3は、同じ衛星軌道に属していなくてもよい。3つの位置のNTNサービス衛星は、同じ衛星であってもよいし、同じ衛星でなくてもよい。
【0040】
このように、3つの時刻のNTNサービス衛星によって、UEの位置を決定する。一方、UEがGPSなどの測位能力を備えていないために生じる測位ができない状況を低減し、UEの測位を実現する。他方、NTNサービス衛星がUEに対して測位を行うため、UEの位置情報伝達の中間段階を低減し、NTNサービス衛星によって取得されたUEの位置情報の信頼性を向上させる。
【0041】
1つの実施例では、
図7に示すように、前記方法は、ステップ202をさらに含み、ステップ202:前記UEと前記NTNサービス衛星との間の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定する。
【0042】
ここで、UEとNTNサービス衛星との間の信号の伝送時間に基づいてUEとNTNサービス衛星との間の距離を決定することができる。
【0043】
UEとNTNサービス衛星との間の信号の伝播速度は光速に近似し、光速とUEとNTNサービス衛星との間の信号の伝送時間を乗算した積をサービス衛星とUEとの間の距離として決定することができる。
【0044】
1つの実施例では、前記UEと前記NTNサービス衛星との間の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定するステップは、前記NTNサービス衛星が前記UEに第1の測位信号を送信する第1の時刻と、前記NTNサービス衛星が前記UEによって送信された第2の測位信号を受信する第2の時刻との間の第1の間隔期間から、前記UEの第1の送信応答期間を差し引いて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の第1の往復信号の信号飛行時間として決定するステップであって、前記第2の測位信号は、前記UEが前記第1の測位信号が受信されたことに応答して送信するものであり、前記第1の送信応答期間は、前記UEが前記第1の測位信号を受信してから前記第2の測位信号を送信するまでの時間間隔を含むステップと、前記第1の往復信号の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定するステップと、を含む。
【0045】
第1の測位信号と第2の測位信号は、特定に定義された距離測定を行うための信号であってもよく、UEとNTNサービス衛星との間で伝送された既存の信号であってもよい。
【0046】
ここで、NTNサービス衛星が距離測定を開始することができ、NTNサービス衛星は、UEに第1の測位信号を送信し、第1の測位信号の送信時間を記録することができる。
【0047】
UEが第1の測位信号を受信した後、NTNサービス衛星に第2の測位信号を返すことができる。UEが第1の測位信号に対して解析、復号化などを行う必要があるため、UEが第1の測位信号を受信してから第2の測位信号を送信するまでの間に第1の送信応答期間が存在する。
【0048】
NTNサービス衛星が第2の測位信号を受信した後、第2の測位信号を受信する受信時間を記録することができる。NTNサービス衛星は、第1の測位信号の送信時間、第2の測位信号の受信時間、及び第1の送信応答期間に基づいて、NTNサービス衛星とUEとの間の信号の往復期間を決定する。さらに、NTNサービス衛星とUEとの間の距離を決定することができる。
【0049】
1つの実施例では、前記NTNサービス衛星が前記第1の往復信号の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定することに応答して、前記方法は、前記NTNサービス衛星が前記UEによって送信された前記第1の送信応答期間を指示する指示情報を受信するステップをさらに含む。
【0050】
ここで、UEは、第1の測位信号を受信した時間、及び第2の測位信号を送信した時間を記録し、さらに、第1の送信応答期間を決定することができる。UEは、第1の送信応答期間を指示する指示情報をNTNサービス衛星に送信し、NTNサービス衛星は、受信された指示情報が指示する第1の送信応答期間に基づいて第1の往復信号の信号飛行時間を決定することができる。
【0051】
1つの実施例では、前記UEと前記NTNサービス衛星との間の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定するステップは、前記UEが前記NTNサービス衛星に第3の測位信号を送信する第3の時刻と、前記UEが前記NTNサービス衛星によって送信された第4の測位信号を受信する第4の時刻との間の第2の間隔期間から、前記NTNサービス衛星の第2の送信応答期間を差し引いて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の第2の往復信号の信号飛行時間として決定するステップであって、前記第4の測位信号は、前記NTNサービス衛星が前記第3の測位信号が受信されたことに応答して送信するものであり、前記第2の送信応答期間は、前記NTNサービス衛星が前記第3の測位信号を受信してから前記第4の測位信号を送信するまでの時間間隔を含むステップと、前記第2の往復信号の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定するステップと、を含む。
【0052】
第3の測位信号と第4の測位信号は、特定に定義された距離測定を行うための信号であってもよく、UEとNTNサービス衛星との間で伝送された既存の信号であってもよい。
【0053】
ここで、UEが距離測定を開始することができ、UEは、第1の測位信号をNTNサービス衛星に送信し、第3の測位信号の送信時間を記録することができる。
【0054】
NTNサービス衛星が第3の測位信号を受信した後、UEに第4の測位信号を返すことができる。NTNサービス衛星は第3の測位信号に対して解析、復号化などを行う必要があるため、NTNサービス衛星は、第3の測位信号を受信してから第4の測位信号を送信するまでの間に第2の送信応答期間が存在する。
【0055】
UEが第4の測位信号を受信した後、第4の測位信号を受信した受信時間を記録することができる。UEは、第3の測位信号の送信時間、第4の測位信号の受信時間、及び第2の送信応答期間に基づいて、NTNサービス衛星とUEとの間の信号の往復期間を決定することができる。さらに、NTNサービス衛星とUEとの間の距離を決定することができる。
【0056】
1つの実施例では、前記UEが前記第2の往復信号の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定することに応答して、前記方法は、前記NTNサービス衛星によって送信された前記第3の時刻と前記第4の時刻とを指示する指示情報を受信するステップをさらに含む。
【0057】
ここで、NTNサービス衛星は、第3の測位信号を受信した時間、及び第4の測位信号を送信した時間を記録し、第2の送信応答期間をさらに決定することができる。NTNサービス衛星は、第2の送信応答期間を指示する指示情報をUEに送信し、UEは、受信された指示情報が指示する第2の送信応答期間に基づいて第2の往復信号の信号飛行時間を決定することができる。
【0058】
以下は上記の任意の実施例を組み合わせて1つの具体的な例を提供し、通常、移動通信のための衛星は低軌道衛星であり、地上に対する飛行速度が非常に速い。衛星の速度と比較して、地上に対するUEの速度は、相対的に静止していると見なすことができる。
【0059】
通常、移動通信のための衛星は地上から600km以上離れた軌道に位置し、衛星通信カバー面積の地上起伏は、極端な条件でのみ1kmを超えるため、地上は平らなものと見なすことができ、衛星と地上との間の距離は、既知である。したがって、
図3に示すように、衛星がUEとの間の距離を測定できれば、勾股定理に基づいて衛星投影とUEとの間の距離を取得することができる。
【0060】
本実施例は、衛星を使用して異なる時刻に衛星とUEの距離を測定すると、異なる位置でそれとUEとの間の距離を測定することに相当し、UEの実際の位置を最終的に取得することができる。
【0061】
具体的な解決策は以下のようになり、
1、通信衛星又はUEは相手に測位信号を送信し、当該信号の送信時間t1を記録する。
【0062】
2、UE又は衛星は、測位信号を受信した後、直ちに相手に測位信号を送信し、信号を受信してから信号を送信するまでの時間差Δtを記録する。
【0063】
3、衛星又はUEは、相手によって送信された信号を受信した後、信号を受信した時間t2を記録する。
【0064】
4、信号の飛行時間を取得し、さらに、通信衛星とUEとの間の距離を算出することができる。
【0065】
5、
図4に示すように、衛星1が位置1にあると、衛星とUEとの間の距離を検知することができ、衛星の地上投影とUEの直接の距離L1を取得することができ、さらに、UEが衛星の地上投影からL1を離れた円周上に分布されることを知ることができる。
【0066】
6、同様に、
図5に示すように、衛星1が位置2にあると、衛星の地上投影とUEとの間の距離L2を決定することができ、さらに、UEが衛星の地上投影からL2を離れた円周上に分布されることを知ることができ、2つの位置の測定によって、UEの可能な位置を決定することができ、その中、1つはUEの実際の位置であり、1つはUEの可能な位置、すなわち「ゴースト」である。
【0067】
7、
図6に示すように、衛星2が位置3にあると、衛星の地上投影とUEとの間の距離L3を決定することができ、さらに、UEが衛星の地上投影からL3を離れた円周上に分布されることを知ることができ、3回測定によって取得された円周の交点は、UEの実際の位置である。
【0068】
本発明の実施例は、位置決定装置をさらに提供し、無線通信のNTN通信機器に適用され、
図8に示すように、前記位置決定装置100は、第1の決定モジュール110を含み、前記第1の決定モジュール110は、少なくとも3つの異なる時刻におけるユーザ機器(UE)と前記UEのNTNサービス衛星との間の距離と、前記少なくとも3つの異なる時刻における前記UEのNTNサービス衛星の位置情報とに基づいて、前記UEの位置情報を決定するように構成され、前記少なくとも3つの異なる時刻において、前記UEのNTNサービス衛星の軌道位置は異なり、かつ前記UEのNTNサービス衛星の軌道位置は、少なくとも2つの異なる衛星軌道に属する。
【0069】
1つの実施例では、前記装置100は、第2の決定モジュール120をさらに含み、前記第2の決定モジュール120、前記UEと前記NTNサービス衛星との間の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定するように構成される。
【0070】
1つの実施例では、前記第2の決定モジュール120は、前記NTNサービス衛星が前記UEに第1の測位信号を送信する第1の時刻と、前記NTNサービス衛星が前記UEによって送信された第2の測位信号を受信する第2の時刻との間の第1の間隔期間から、前記UEの第1の送信応答期間を差し引いて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の第1の往復信号の信号飛行時間として決定するように構成される第1の決定サブモジュール121であって、前記第2の測位信号は、前記UEが前記第1の測位信号が受信されたことに応答して送信するものであり、前記第1の送信応答期間は、前記UEが前記第1の測位信号を受信してから前記第2の測位信号を送信するまでの時間間隔を含む第1の決定サブモジュール121と、前記第1の往復信号の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定するように構成される第2の決定サブモジュール122と、含む。
【0071】
1つの実施例では、前記装置100は、前記NTNサービス衛星が前記第1の往復信号の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定することに応答して、前記UEによって送信された前記第1の送信応答期間を指示する指示情報を受信するように構成される第1の受信モジュール130をさらに含む。
【0072】
1つの実施例では、前記第2の決定モジュール120は、前記UEが前記NTNサービス衛星に第3の測位信号を送信する第3の時刻と、前記UEが前記NTNサービス衛星によって送信された第4の測位信号を受信する第4の時刻との間の第2の間隔期間から、前記NTNサービス衛星の第2の送信応答期間を差し引いて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の第2の往復信号の信号飛行時間として決定するように構成される第3の決定サブモジュール123であって、前記第4の測位信号は、前記NTNサービス衛星が前記第3の測位信号が受信されたことに応答して送信するものであり、前記第2の送信応答期間は、前記NTNサービス衛星が前記第3の測位信号を受信してから前記第4の測位信号を送信するまでの時間間隔を含む第3の決定サブモジュール123と、前記第2の往復信号の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定するように構成される第4の決定サブモジュール124と、を含む。
【0073】
1つの実施例では、前記装置100は、前記UEが前記第2の往復信号の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定し、前記NTNサービス衛星によって送信された前記第3の時刻と前記第4の時刻とを指示する指示情報を受信するように構成される第2の受信モジュール140をさらに含む。
【0074】
1つの実施例では、前記少なくとも3つの異なる時刻において、前記UEのNTNサービス衛星は、異なる衛星軌道を有する少なくとも2つの衛星を含む。
【0075】
例示的な実施例では、第1の決定モジュール110、第2の決定モジュール120、第1の受信モジュール130、及び第2の受信モジュール140などは、上記方法を実行するために、1つまたは複数の中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)、グラフィックプロセッサ(GPU、Graphics Processing Unit)、ベースバンドプロセッサ(BP、baseband processor)、アプリケーション専用集積回路(ASIC、Application Specific Integrated Circuit)、DSP、プログラマブルロジックデバイス(PLD、Programmable Logic Device)、複雑プログラマブルロジックデバイス(CPLD、Complex Programmable Logic Device)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA、Field-Programmable Gate Array)、汎用プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラユニット(MCU、Micro Controller Unit)、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、またはその他の電子部品によって実現されてもよい。
【0076】
図9は、例示的な一実施例による位置決定のために使用される装置3000のブロック図である。例えば、装置3000は、携帯電話、コンピュータ、デジタル放送端末、メッセージング機器、ゲームコンソール、タブレットデバイス、医療機器、フィットネス機器、携帯情報端末などであってもよい。
【0077】
図9を参照し、装置3000は、処理コンポーネント3002、メモリ3004、電源コンポーネント3006、マルチメディアコンポーネント3008、オーディオコンポーネント3010、入力/出力(I/O)インターフェイス3012、センサコンポーネント3014、及び通信コンポーネント3016のうちの1つ又は複数のコンポーネントを含むことができる。
【0078】
処理コンポーネント3002は、通常、装置3000の全体の操作、例えば、表示、電話の呼び出し、データ通信、カメラ操作、及び記録操作に関連する操作を制御する。処理コンポーネント3002は、上記方法の実施例における全部又は一部のステップを完成するために、命令を実行する1つ又は複数のプロセッサ820を含むことができる。また、処理コンポーネント3002は、処理コンポーネント3002と他のコンポーネントとの間のインタラクションを容易にするように、1つ又は複数のモジュールを含むことができる。例えば、処理コンポーネント3002は、マルチメディアコンポーネント3008と処理コンポーネント3002との間のインタラクションを容易にするように、マルチメディアモジュールを含むことができる。
【0079】
メモリ3004は、装置3000での操作をサポートするように、さまざまな種類のデータを記憶するように構成される。これらのデータの例は、装置3000で操作するためのあらゆるアプリケーションプログラム又は方法の命令、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ、画像、及びビデオなどを含む。メモリ3004は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、プログラム可能な読み出し専用メモリ(PROM)、読み出し専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク又は光ディスクのような、あらゆる種類の揮発性又は不揮発性記憶装置又はそれらの組合せによって実現することができる。
【0080】
電源コンポーネント3006は、装置3000の各種類のコンポーネントに電力を提供する。電源コンポーネント3006は、電源管理システムと、1つ又は複数の電源と、装置3000の電力の生成、管理及び配分に関連する他のコンポーネントとを含んでもよい。
【0081】
マルチメディアコンポーネント3008は、装置3000とユーザとの間に1つの出力インターフェースを提供するスクリーンを含む。一部の実施例において、スクリーンは、液晶ディスプレイ(LCD)とタッチパネル(TP)とを含んでもよい。スクリーンがタッチパネルを含む場合、スクリーンは、ユーザからの入力信号を受信するように、タッチスクリーンとして実現することができる。タッチパネルは、タッチ、スライド、及びタッチパネルにおけるジェスチャを感知するように、1つ又は複数のタッチセンサを含む。タッチセンサは、タッチ又はスライド動作の境界を感知するだけでなく、タッチ又はスライド操作に関する継続時間及び圧力を感知することができる。一部の実施例において、マルチメディアコンポーネント3008は、フロントカメラ及び/又はリアカメラを含む。装置3000が操作モードにあり、例えば、撮影モード又はビデオモードにある場合、フロントカメラ及び/又はリアカメラは、外部のマルチメディアのデータを受信することができる。各フロントカメラ及びリアカメラは、1つの固定的な光学レンズシステムであってもよく、又は焦点距離と光学ズーム機能を備えてもよい。
【0082】
オーディオコンポーネント3010は、オーディオ信号を出力及び/又は入力するように構成される。例えば、オーディオコンポーネント3010は、1つのマイク(MIC)を含む。装置3000が操作モード、例えば、呼び出しモード、記録モード及び音声認識モードにある場合、マイクは、外部のオーディオ信号を受信するように構成される。受信されたオーディオ信号は、さらにメモリ3004に記憶されるか、又は通信コンポーネント3016を介して送信される。一部の実施例において、オーディオコンポーネント3010は、オーディオ信号を出力するための1つのスピーカをさらに含む。
【0083】
I/Oインターフェース3012は、処理コンポーネント3002と周辺インターフェースモジュールとの間にインターフェースを提供する。上記周辺インターフェースモジュールは、キーボード、クリックホイール、ボタンなどであってもよい。これらのボタンは、ホームボタン、音量ボタン、開始ボタン、及びロックボタンなどを含むが、これらに限定されない。
【0084】
センサコンポーネント3014は、各側面の状態評価を装置3000に提供するように、1つ又は複数のセンサを含む。例えば、センサコンポーネント3014は、装置3000のオン/オフ状態、及びコンポーネントの相対的位置を検出することができ、例えば、コンポーネントが装置3000のディスプレイ及びキーパッドである。センサコンポーネント3014は、さらに、装置3000又は装置3000の1つのコンポーネントの位置変化、ユーザと装置3000との接触が存在するか否か、装置3000の向きと位置又は加速/減速、及び装置3000の温度変化を検出することができる。センサコンポーネント3014は、いずれの物理的接触がない時に近くの物体の存在を検出するように構成される近接センサを含むことができる。センサコンポーネント3014は、光センサ、例えば、イメージングアプリケーションに使用されるCMOS又はCCD画像センサをさらに含むことができる。一部の実施例において、該センサコンポーネント3014は、加速度センサ、ジャイロセンサ、磁気センサ、圧力センサ、又は温度センサを含むことができる。
【0085】
通信コンポーネント3016は、装置3000と他の装置との間の有線又は無線通信を容易にするように構成される。装置3000は、例えば、WiFi、2G又は3G、又はそれらの組み合わせなどの通信規格に基づいた無線ネットワークにアクセスすることができる。例示的な一実施例において、通信コンポーネント3016は、ブロードキャストチャネルを介して外部ブロードキャスト管理システムからのブロードキャスト信号又はブロードキャスト関連情報を受信する。例示的な一実施例において、通信コンポーネント3016は、近距離通信を促進するように、近距離通信(NFC)モジュールをさらに含む。例えば、NFCモジュールは、無線周波数認識(RFID)技術、赤外線データ協会(IrDA)技術、超広帯域無線(UWB)技術、ブルートゥース(登録商標)(BT)技術、及び他の技術に基づいて、実現することができる。
【0086】
例示的な実施例において、装置3000は、上記方法を実行するように、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又は他の電子部品によって具現化することができる。
【0087】
例示的な実施例では、命令を含む非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えば命令を含むメモリ3004をさらに提供し、上記命令は、上記方法を完了するように装置3000のプロセッサ3020によって実行することができる。例えば、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、及び光データ記憶装置などであってもよい。
【0088】
当業者は明細書を考慮し、および明細書に開示された内容を実施すると、本開示の他の実施形態に容易に想到し得る。本開示は本開示のあらゆる変形、用途または適応的変化をカバーすることを意図しており、これらの変形、用途または適応的変化は本開示の一般原則に従い、本開示に開示されていない本技術分野における周知技術または慣用されている技術手段を含む。明細書および実施例は例示のみとして見なされ、本開示の真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲によって示される。
【0089】
なお、本開示は、上記に記載されかつ図面において示されている正確な構造に限定されず、その範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができることを理解されたい。本開示の範囲は添付の特許請求の範囲のみによって限定される。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
1つの実施例では、前記装置100は、前記UEが前記第2の往復信号の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定することに応答して、前記NTNサービス衛星によって送信された前記第3の時刻と前記第4の時刻とを指示する指示情報を受信するように構成される第2の受信モジュール140をさらに含む。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項7】
前記少なくとも3つの異なる時刻において、前記UEのNTNサービス衛星は、異なる衛星軌道を有する少なくとも2つの衛星を含む、
ことを特徴とする請求項
1に記載の位置決定方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項13
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項13】
前記装置は、第2の受信モジュールをさらに含み、前記第2の受信モジュールは、前記UEが前記第2の往復信号の信号飛行時間に基づいて、前記NTNサービス衛星と前記UEとの間の距離を決定
することに応答して、前記NTNサービス衛星によって送信された前記第3の時刻と前記第4の時刻とを指示する指示情報を受信するように構成される、
ことを特徴とする請求項12に記載の位置決定装置。
【国際調査報告】