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特表2023-551502トリ種における腸炎症状態を分類する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(54)【発明の名称】トリ種における腸炎症状態を分類する方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/68 20180101AFI20231201BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALI20231201BHJP
   C12Q 1/6883 20180101ALN20231201BHJP
【FI】
C12Q1/68
C12Q1/6869 Z
C12Q1/6883 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532521
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 EP2021082444
(87)【国際公開番号】W WO2022117382
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】20211764.4
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519414848
【氏名又は名称】エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Evonik Operations GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1-11, 45128 Essen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン ボウル
(72)【発明者】
【氏名】フランク リッコー
(72)【発明者】
【氏名】ウォルター フェファルル
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス カッペル
(72)【発明者】
【氏名】ローズ ウェラン
(72)【発明者】
【氏名】グンテル ラダッズ
(72)【発明者】
【氏名】モニカ フルーゲル
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ペルゼル
(72)【発明者】
【氏名】アチム マークス
(72)【発明者】
【氏名】エメリー ステファンズ
(72)【発明者】
【氏名】フランク シーマン
(72)【発明者】
【氏名】エメカ イグナチウス イグーウ
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA13
4B063QA19
4B063QQ02
4B063QQ08
4B063QQ42
4B063QR32
4B063QR72
4B063QS25
4B063QS36
4B063QX02
(57)【要約】
本発明は、トリ対象又は試験されるトリ対象の群の腸炎症状態を分類する方法であって、個々のトリ対象又は試験されるトリ対象の群に由来する腸試料材料から単離されたゲノムDNA中の予め選択されたLMRのパネル内の平均メチル化レベルと、陰性の腸炎症状態を有する1つ又は複数の参照試料に関するゲノムDNA中のLMRの同じパネルの平均メチル化レベルとの比較を含む方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリ対象又は試験されるトリ対象の群、トリ試験対象の腸炎症状態を分類するための方法であって、前記方法が、
a.前記トリ試験対象に由来する腸試験試料から単離されたゲノムDNA中の予め選択された低メチル化領域(Low-Methylated Regions、LMR)のパネルの試験平均メチル化レベルを決定することと、
b.ステップ(a)で得られた試験平均メチル化レベルを、腸炎症状態が陰性である少なくとも1つのトリ腸試料から単離されたゲノムDNA中のLMRの同じパネルの参照平均メチル化レベルと比較することと、を含み、
前記試験平均メチル化レベルが、前記参照平均メチル化レベルと実質的に同様である場合、前記試験対象が陰性の腸炎症状態を有し、前記試験平均メチル化レベルが、前記参照平均メチル化レベルと異なる場合、前記試験対象が、陽性の腸炎症状態を有する、方法。
【請求項2】
前記ゲノムDNA中の前記LMRが、
‐10%~50%の範囲の平均メチル化を有し、
‐低CG密度の領域であり、
‐リジン4でモノメチル化されたヒストンH3(H3K4me1)、DNase I高感受性部位(DHS)及び転写コアクチベーターCREB結合タンパク質(CPB)及びp300が濃縮されており、
‐主に、遺伝子間領域又はイントロン領域のプロモーターの遠位に位置し、かつ
‐CpG位置のいずれにも一塩基多型(SNP)がない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記陽性の腸炎症状態が、前記平均メチル化レベルに基づいて、重度に炎症を起こした、中程度に炎症を起こした、又は弱く炎症を起こしたクラスに更に分類される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記LMRの予め選択されたパネルが、少なくとも1つの機械学習技術を使用して同定され得る、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記LMRの予め選択されたパネルが、ランダムフォレスト解析と呼ばれる少なくとも1つの機械学習技術を使用して同定される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記予め選択されたLMRのパネルが、LMR1~LMR15のLMRの以下のリストから選択される少なくとも5つのLMRである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記予め選択されたLMRのパネルが、LMR16~LMR30のLMRの以下のリストから選択される少なくとも5つのLMRである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記予め選択されたLMRのパネルの平均メチル化レベルが、バイサルファイトシーケンシングを使用して決定される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記試験されるトリ対象又はトリ対象の群が、ニワトリ又はニワトリの群である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記腸試料及び腸試験試料が腸組織であり、前記腸組織が好ましくは回腸又は空腸である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記腸試験試料が、試験されるトリ対象の群に由来するプール試料である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
トリの腸試料の腸炎症状態を分類するための試験システムを開発するための方法であって、前記方法が、
a.既知の腸炎症状態を有するトリ対象又はトリ対象の群から得られた腸試料中のゲノムDNA中の低メチル化領域(LMR)を検出することと、
b.LMRの選択されたパネルの分類信頼性が前記既知の腸炎症状態の割り当てのために最適化されるように、各既知の腸炎症状態に適したステップ(a)の前記LMRからLMRのパネルを選択することと、
c.前記各既知の腸炎症状態について前記LMRの選択されたパネルの平均メチル化レベルを測定することと、
d.それぞれの既知の腸炎症状態について、前記LMRの選択されたパネルの異なる参照平均メチル化レベルのライブラリーを生成することと、を含み、
腸試験試料から得られた平均メチル化レベルと前記LMRの前記選択されたパネルの前記参照平均メチル化レベルとの比較により、前記腸試験試料の前記腸炎症状態を分類することが可能になる、方法。
【請求項13】
前記ゲノムDNA中の前記LMRが、
‐10%~50%の範囲の平均メチル化を有し、
‐低CG密度の領域であり、
‐リジン4でモノメチル化されたヒストンH3(H3K4me1)、DNase I高感受性部位(DHS)及び転写コアクチベーターCREB結合タンパク質(CPB)及びp300が濃縮されており、
‐主に、遺伝子間領域又はイントロン領域のプロモーターの遠位に位置し、かつ
‐CpG位置のいずれにも一塩基多型(SNP)がない、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記LMRの選択されたパネルが、LMR1~LMR15のLMRの以下のリストから選択される少なくとも5つのLMRである、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記LMRの選択されたパネルが、LMR16~LMR30のLMRの以下のリストから選択される少なくとも5つのLMRである、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腸炎症状態を分類するためのエピジェネティクスベースの方法、及びトリ腸試料の腸炎症状態をそれぞれ分類するための試験システムを開発するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
腸の健康は、家畜動物、特に家禽/ニワトリなどのトリ種の福祉及び性能にとって極めて重要である。胃腸管(GIT)の構造的完全性に影響を及ぼす腸内疾患及び炎症過程は、体重増加の減少、飼料変換効率の低下、死亡率の増加及び薬剤費の増加による高い経済的損失をもたらす。
【0003】
無傷の腸バリアは、栄養素の消化及び吸収、宿主の代謝及びエネルギー生成、安定な微生物叢、粘液層の発達、バリア機能、及び粘膜免疫応答を含む多くの生理学的及び機能的特徴を提供する。体内の最大の器官として、腸は、望ましくない分子及び病原体を排除しながら、栄養素及び流体を体内に取り込むための選択的バリアとして機能する。したがって、適切な腸機能は、最適な健康状態及び身体全体のバランスを維持するために不可欠であり、環境からの外来抗原に対する防御の重要なラインを表す。
【0004】
最近、ニワトリにおける腸透過性に関する研究への関心が高まっており、小腸炎及び付随する腸バリア不全を測定するための異なる戦略がもたらされている。しかしながら、提案された戦略はいずれも、現場条件下で適用できないか、又は小腸炎に非特異的であるため、ブロイラー産業にとって良好なマーカーとはならない。
【0005】
したがって、トリ種における小腸炎及び付随する腸の完全性の乱れを正確に検出することができるマーカー又はマーカーのセットが非常に望ましいであろう。
【0006】
「エピジェネティック変化」、すなわちDNAメチル化パターンの変化は、自然に起こるが、年齢、環境/生活様式、及び疾患状態を含むいくつかの因子によっても影響され得る。DNAメチル化は、遺伝子型の変化なしに遺伝子発現を調節し、したがって基礎となるDNA配列の変化を伴わない表現型の遺伝的変化であるが、代わりに、CpGジヌクレオチド(5’-C-リン酸-G-3’)、すなわち、その5’→3’方向に沿った塩基の線形配列においてシトシンヌクレオチドの後にグアニンヌクレオチドが続くDNAの領域のメチル化によるDNAの化学修飾を介して作用する。年齢及び/又は環境に応じて、多くの生物は、CpGアイランド及びキャニオン(低メチル化/メチル化なし、多くの場合プロモーター領域に関連する)及び低メチル化領域(LMR)によって中断された組織特異的メチル化パターンを発症する。LMRは、動的メチロームの重要な特徴を表し、通常、転写因子結合の領域又は部位と一致し、これは環境因子に応答して占有されてもされなくてもよい。エピジェネティックパターンを変化させる環境の影響は、例えば、食事、疾患、微生物叢、温度、ストレスである。したがって、これらのメチル化パターンは、身体/組織とその環境との相互作用を示し、したがって、試験対象vs.対照群の年齢又は健康状態を分子レベルで評価するのに適した読み出しである。
【0007】
上記を考慮して、本発明の目的は、トリ対象又は対象群における小腸炎を正確かつ確実に検出することを可能にするエピジェネティックマーカーを提供することであった。
【発明の概要】
【0008】
上記の目的は、本発明による方法によって解決された。より具体的には、本発明は、トリ対象又は試験されるトリ対象の群の腸炎症状態を分類する方法に関し、個々のトリ対象又は試験されるトリ対象の群に由来している/由来する腸試料材料から単離されたゲノムDNA中の予め選択されたLMRのパネル内の平均メチル化レベルと、陰性の腸炎症状態を有する1つ又は複数の参照試料に関するゲノムDNA中のLMRの同じパネルの平均メチル化レベルとの比較を含む。
【0009】
本発明の別の態様では、提供されるのは、トリ対象又は試験されるトリ対象の群、トリ試験対象の腸炎症状態を分類するための方法であって、方法が、
a.トリ試験対象に由来する腸試験試料から単離されたゲノムDNA中の予め選択された低メチル化領域(Low-Methylated Regions、LMR)のパネルの試験平均メチル化レベルを決定することと、
b.ステップ(a)で得られた試験平均メチル化レベルを、腸炎症状態が陰性である少なくとも1つのトリ腸試料から単離されたゲノムDNA中のLMRの同じパネルの参照平均メチル化レベルと比較することと、を含み、
試験平均メチル化レベルが、参照平均メチル化レベルと実質的に同様である場合、試験対象が陰性の腸炎症状態を有し、試験平均メチル化レベルが、参照平均メチル化レベルと異なる場合、試験対象が、陽性の腸炎症状態を有する、方法である。
【0010】
本開示の文脈における「有意に類似する」という用語は、統計的手段(すなわち、バイオインフォマティクス)又は経験的観察のいずれかによって観察される類似性である。
【0011】
本発明の別の態様では、トリ腸試料の腸炎症状態を分類するための試験システム(「分類器」)を開発するための方法が提供される。特に、本方法は、
a.既知の腸炎症状態を有するトリ対象又はトリ対象の群から得られた腸試料中のゲノムDNA中の低メチル化領域(LMR)を検出することと、
b.LMRの選択されたパネルの分類信頼性が既知の腸炎症状態の割り当てのために最適化されるように、各既知の腸炎症状態に適したステップ(a)のLMRからLMRのパネルを選択するステップと、
c.各既知の腸炎症状態についてLMRの選択されたパネルの平均メチル化レベルを測定するステップと、
d.それぞれの既知の腸炎症状態について、LMRの選択されたパネルの異なる参照平均メチル化レベルのライブラリーを生成するステップと、
を含み、
腸試験試料から得られた平均メチル化レベルとLMRの選択されたパネルの参照平均メチル化レベルとの比較により、腸試験試料の腸炎症状態を分類することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の要素を説明する。本明細書で使用される「[本]発明の」、「本発明に従って」、「本発明による」などの用語は、本明細書に記載及び/又は特許請求される本発明のすべての態様及び実施形態を指すことを意図している。本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」及び「からなる(consisting of)」の両方を包含すると解釈されるべきであり、両方の意味は具体的に意図されており、したがって本発明による個々に開示された実施形態である。
【0013】
文脈上別段の指示がない限り、上記の特徴の説明及び定義は、本発明の特定の態様又は実施形態に限定されず、記載されているすべての態様及び実施形態に等しく適用される。
「メチル化レベル」という用語は、0(=非メチル化)~1(=完全メチル化)の範囲であり得る特定のメチル化部位のレベルを指す。したがって、1つ又は複数のメチル化部位のメチル化レベルに基づいて、メチル化プロファイルを決定することができる。したがって、「メチル化」プロファイル」又は「メチル化パターン」という用語は、生物学的試料中の残基の任意の特定のストレッチにおけるメチル化C又は非メチル化Cの相対濃度又は絶対濃度を指す。例えば、DNA配列内で典型的にメチル化されていないシトシン(C)残基が試料中でよりメチル化されている場合、それは「過剰メチル化」と呼ばれ得る。一方、DNA配列内で典型的にメチル化されたシトシン(C)残基があまりメチル化されていない場合、「低メチル化」と呼ぶことができる。同様に、DNA配列(例えば、試料核酸)内のシトシン(C)残基が、異なる領域又は異なる個体(例えば、正常な核酸と比較して)由来の別の配列と比較した場合、よりメチル化されている場合、その配列は、他の配列と比較して過剰メチル化されていると考えられる。あるいは、DNA配列内のシトシン(C)残基が、異なる領域又は異なる個体に由来する別の配列と比較してメチル化が少ない場合、その配列は、他の配列と比較して低メチル化されていると考えられる。これらの配列は、「差次的にメチル化された」と言われる。例えば、炎症組織と非炎症組織との間でメチル化状態が異なる場合、配列は「差次的にメチル化されている」と考えられる。差次的メチル化のレベルの測定は、当業者に既知の様々な方法によって行われ得る。1つの方法は、非限定的な例として、バイサルファイトシーケンシング法によって決定された個々の調査されたCpG部位のメチル化レベルを測定することである。
【0014】
本明細書で使用される場合、「メチル化ヌクレオチド」又は「メチル化ヌクレオチド塩基」は、ヌクレオチド塩基上のメチル部分の存在を指し、メチル部分は、認識された典型的なヌクレオチド塩基には存在しない。例えば、シトシンは、そのピリミジン環にメチル部分を含有しないが、5-メチルシトシンは、そのピリミジン環の5位にメチル部分を含有する。したがって、シトシンはメチル化ヌクレオチドではなく、5-メチルシトシンはメチル化ヌクレオチドである。別の例では、チミンはそのピリミジン環の5位にメチル部分を含有するが、本明細書の目的では、チミンはDNAの典型的なヌクレオチド塩基であるので、チミンはDNA中に存在する場合メチル化ヌクレオチドとは見なされない。DNAの典型的なヌクレオシド塩基は、チミン、アデニン、シトシン及びグアニンである。RNAの典型的な塩基は、ウラシル、アデニン、シトシン及びグアニンである。これに対応して、「メチル化部位」は、メチル化が起こる可能性がある標的遺伝子核酸領域内の位置である。例えば、CpGを含む位置は、シトシンがメチル化されていてもよいか、又はされていなくてもよいメチル化部位である。
【0015】
本明細書で使用される場合、「CpG部位」又は「メチル化部位」は、インビボでの自然発生事象又はインビトロでヌクレオチドを化学的にメチル化するように開始された事象のいずれかによってメチル化されやすい核酸内のヌクレオチド又はヌクレオチドの配列である。
【0016】
本明細書で使用される場合、「メチル化核酸分子」は、メチル化されている/メチル化されている1つ又は複数のヌクレオチドを含む核酸分子を指す。
【0017】
本明細書で使用される「CpGアイランド」は、CpG密度が上昇したDNA配列のセグメントを表す。例えば、Yamadaらは、CpGアイランドを決定するための一連の基準を記載している。それは少なくとも400ヌクレオチド長でなければならず、50%を超えるGC含有量及び0.6を超えるOCF/ECF比を有する(Yamada他、2004、Genome Research、14、247~266)。他のものは、50%を超えるGC含有量及び0.6を超えるOCF/ECF比を有する、少なくとも200ヌクレオチド長の配列としてあまり厳密でないCpGアイランドを定義している(Takaiら、2002、Proc.Natl.Acad.Sci.米国、99、3740~3745)。
【0018】
本明細書で使用される「バイサルファイト」という用語は、亜硫酸水素ナトリウムなどの任意の適切な種類のバイサルファイト、又はメチル化シトシンを化学的に修飾することなくシトシン(C)をウラシル(U)に化学的に変換することができ、したがってDNAのメチル化状態に基づいてDNA配列を差次的に修飾するために使用することができる他の化学薬剤を包含する、例えば、米国特許出願公開第2010/0112595号明細書(Menchenら)。本明細書で使用される場合、メチル化DNA又は非メチル化DNAを「差次的に修飾する」試薬は、識別可能な生成物がメチル化DNA及び非メチル化DNAから生じるプロセスにおいてメチル化DNA及び/又は非メチル化DNAを修飾し、それによってDNAメチル化状態の同定を可能にする任意の試薬を包含する。そのようなプロセスには、化学反応(例えば、バイサルファイトによるCからUへの変換)及び酵素処理(例えば、メチル化依存性エンドヌクレアーゼによる切断)が含まれ得るが、これらに限定されない。したがって、メチル化DNAを優先的に切断又は消化する酵素は、DNAがメチル化されている場合、DNA分子をはるかに高い効率で切断又は消化することができる酵素であり、一方、非メチル化DNAを優先的に切断又は消化する酵素は、DNAがメチル化されていない場合、著しく高い効率を示す。
【0019】
任意の所与のメチル化部位におけるメチル化状態について試験するという文脈において、本発明はまた、任意の「非バイサルファイトベースの方法」及び「非バイサルファイトベースの定量的方法」を含む。そのような用語は、バイサルファイトの使用を必要としないメチル化又は非メチル化核酸を定量するための任意の方法を指す。この用語はまた、バイサルファイト処理を必要としない定量される核酸を調製するための方法を指す。非バイサルファイトベースの方法の例には、1つ又は複数のメチル化感受性酵素を使用して核酸を消化する方法、及びメチル化状態に基づいて核酸に結合する薬剤を使用して核酸を分離する方法が含まれるが、これらに限定されない。「メチル感受性酵素」及び「メチル化感受性制限酵素」という用語は、活性についてそれらのDNA認識部位のメチル化状態に依存するDNA制限エンドヌクレアーゼである。例えば、メチル化されていない場合にのみDNA認識配列で切断又は消化するメチル感受性酵素がある。したがって、非メチル化DNA試料は、メチル化DNA試料よりも小さな断片にカットされる。同様に、過剰メチル化DNA試料は切断されない。対照的に、メチル化されている場合にのみDNA認識配列で切断するメチル感受性酵素が存在する。本明細書で使用される場合、「切断する」、「カットする」及び「消化する」という用語は互換的に使用される。
【0020】
本発明者らは、予想外にも、試験腸試料から単離されたゲノムDNA中の予め選択されたLMRのパネル内の平均メチル化レベルを、陰性の腸炎症状態を有する1つ又は複数の参照試料に属するLMRの同じパネルの平均メチル化レベルと比較することによって、トリ腸物質の炎症状態をうまく分類できることを見出した。「陰性の腸炎症状態」という用語は、炎症過程の徴候を含まない腸物質を指す。
【0021】
本発明の文脈において、「腸炎症」及び「小腸炎」という用語は互換的に使用され、同一の意味を有する。「腸炎症状態を分類する」という表現は、進行中の炎症過程があるか否かの分類(YES/NO)、並びに異なる炎症グレード(例えば、重度、中程度又は弱い炎症)への分類の両方を指す。特に、陽性の腸炎症状態は、平均メチル化レベルに基づいて、重度に炎症を起こした、中程度に炎症を起こした、又は弱く炎症を起こしたクラスに更に分類される。
【0022】
本発明の特定の態様では、方法は、
a.試験される対象又はトリ集団の腸試料からゲノムDNAを単離するステップと、
b.ステップ(a)で得られたゲノムDNA中の予め選択されたLMRのパネルの平均メチル化レベルを決定するステップと、
c.ステップ(b)で得られた予め選択されたLMRのパネルの平均メチル化レベルを、陰性の腸炎症状態を有する1つ又は複数の参照試料に属するゲノムDNA内のLMRの同じパネルの平均メチル化レベルと比較するステップと、を含み、
試験試料のパネルLMRの平均メチル化レベルが、1つ又は複数の所定の参照試料のうちの1つと有意に類似している場合、トリ対象又は試験されるトリ集団の腸炎症状態が、それぞれの参照試料の炎症状態と類似している。
【0023】
特に、方法は、
a.トリ試験対象に由来する腸試験試料から単離されたゲノムDNA中の予め選択された低メチル化領域(Low-Methylated Regions、LMR)のパネルの試験平均メチル化レベルを決定するステップと、
b.ステップ(a)で得られた試験平均メチル化レベルを、腸炎症状態が陰性である少なくとも1つのトリ腸試料から単離されたゲノムDNA中のLMRの同じパネルの参照平均メチル化レベルと比較するステップと、を含み、
試験平均メチル化レベルが、参照平均メチル化レベルと実質的に同様である場合、試験対象が陰性の腸炎症状態を有し、試験平均メチル化レベルが、参照平均メチル化レベルと異なる場合、試験対象が、陽性の腸炎症状態を有する。
【0024】
本明細書で使用される場合、「予め選択されたLMRのパネル」という用語は、5以上の鎖特異的カバレッジを示すCpGを有するLMRのパネルを指す。更に、一塩基多型(SNP)として既知のCpG部位を除外することができる。特に、当技術分野で既知の任意の方法を使用して、ゲノムDNA中のLMRを同定又は検出することができる。周知の方法には、MethylSeekRなどのプログラムを使用することが含まれる。特に、ゲノムDNA中のLMRは、少なくとも3つの連続するCpGを有し、CpG位置のいずれにも一塩基多型(SNP)を有さない。更に、LMRは、その領域中のCpGの60%未満がメチル化されているゲノムの領域である。より具体的には、LMR中のCpGの50%、40%、30%、20%又は10%未満がメチル化されている。更により具体的には、ゲノムDNA中のLMRは、少なくともBurger,L.、(2013)Nucleic Acids Research、41(16):e155及び/又はStadler,M.、(2011)Nature 480、490-495に開示されている方法に基づいて同定される。LMRは、10%~50%の範囲の平均メチル化を有することが既知であり、低CG密度の領域であり、H3K4me1、DHS及びp300/CBPが濃縮される傾向があり、かつ/又は主として遺伝子間領域又はイントロン領域のプロモーターの遠位に位置する。特に、LMRは
・10%~50%の範囲の平均メチル化を有し、
・低CG密度の領域であり、
・リジン4でモノメチル化されたヒストンH3(H3K4me1)、DNase I高感受性部位(DHS)及び転写コアクチベーターCREB結合タンパク質(CPB)及びp300が濃縮されており、
・主に、遺伝子間領域又はイントロン領域のプロモーターの遠位に位置し、かつ/又は
・CpG位置のいずれにも一塩基多型(SNP)がない。
【0025】
ゲノムDNAのLMRが同定されると、LMRのパネルが選択され得る。LMRのパネルは、当技術分野で既知の任意の方法を使用して選択され得る。特に、LMRの同じパネルを使用してトリ腸炎症を分類することができる。すなわち、LMRの同じパネルの平均メチル化レベルを使用して、試験試料が陽性又は陰性の腸炎症を有するかどうかを分類し、陽性に炎症を起こした腸が重度、中程度又は弱に炎症を起こしているかどうかを更に分類することができる。
【0026】
一例では、本発明の任意の態様に従って使用されるLMRのパネルは、ランダムフォレスト(Breiman L(2001).「Random Forests」.Machine Learning.45(1):5-32.doi:10.1023/A:1010933404324)などの機械学習技術を使用して最終的に選択され得る。有利にはランダムフォレスト予測器である機械学習システムは、ゲノムLMR内の平均メチル化値に基づいて、個別化された動物の腸炎症状態を学習する。前記プロセスは、例示的なセクションに更に示されている。
【0027】
LMRのパネルは、有利には、分類信頼性が異なる炎症状態クラスの割り当てのために最適化されるように予め選択される。
【0028】
予め選択されたLMRのパネルは、ランダムフォレスト解析のような機械学習技術を使用して精度を最適化することができる。特に、予め選択されたLMRのパネルは、LMR1~LMR15のLMRの以下のリストから選択される少なくとも2つのLMRである。
【0029】
【表0-1】
【0030】
より具体的には、予め選択されたLMRのパネルは、LMR1~LMR15のLMRのリストから選択された少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15個のLMRである。更により具体的には、予め選択されたLMRのパネルは少なくとも12個であり、LMRはLMR1~LMR15のLMRのリストから選択される。
【0031】
別の例では、LMRのパネルは、陰性の腸炎症状態を有する少なくとも1つのトリ腸試料由来のゲノムDNA由来のLMRと、陽性の腸炎症状態を有する少なくとも1つのトリ腸試料由来のゲノムDNA由来のLMRとの間の最大メチル化差などの他の方法に基づいて選択され得る。これらの方法を実施することは、十分に当業者の一般的な知識の範囲内である。特に、予め選択されたLMRのパネルは、LMR16~LMR30のLMRの以下のリストから選択される少なくとも2つのLMRである。
【0032】
【表0-2】
【0033】
より具体的には、予め選択されたLMRのパネルは、LMR16~LMR30のLMRのリストから選択された少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15個のLMRである。更により具体的には、予め選択されたLMRのパネルは少なくとも12個であり、LMRはLMR16~LMR30のLMRのリストから選択される。
試験される個々のトリ対象又はトリ対象の群に由来する腸試料材料から単離されたゲノムDNA中の予め選択されたLMRのパネル内の平均メチル化レベルを決定するステップは、バイサルファイト変換プロセスを含み得る。ここで、ゲノムDNA中のシトシン残基はウラシルに変換され、ゲノムDNA中の5-メチルシトシン残基はウラシルに変換されない。
【0034】
全ゲノムバイサルファイトシーケンシングは、ゲノムDNAの亜硫酸水素ナトリウム変換に基づくDNAメチル化のゲノムワイド分析であり、次いで次世代シーケンシングプラットフォームでシーケンシングされる。次いで、配列を参照ゲノムにアラインメントして、非メチル化シトシンのウラシルへの変換から生じるミスマッチに基づいてCpGジヌクレオチドのメチル化状態を決定する。
【0035】
例えば、メチル化レベルは、市販のIllumina(商標)シーケンシング又はアレイプラットフォームを使用して測定することができる。
【0036】
試験されるトリ対象又はトリ対象の群は、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル及びガチョウなどの家禽であり得る。好ましくは、試験されるトリ対象又はトリ対象の群は、ニワトリである。
【0037】
腸試料材料は、腸組織であってよく、前記腸組織は好ましくは回腸又は空腸である。あるいは、腸試料材料は、糞便などの腸粘膜を含む試料材料であり得る。
【0038】
特定の例では、腸試料材料は、試験されるトリ対象の群に由来するプール試料である。
【0039】
本発明の別の態様によれば、トリ腸試料の腸炎症状態を分類するための試験システムを開発するための方法が提供され、
方法は、
a.既知の腸炎症状態を有するトリ対象又はトリ対象の群から得られた1つ又は複数の腸試料を提供するステップと、
b.ステップ(a)で得られた1つ又は複数の腸試料のそれぞれに含まれるゲノムDNA内の1つ又は複数のLMRの平均メチル化レベルを決定するステップと、
c.ステップ(b)の1つ又は複数のLMRから、LMRのパネルの分類信頼性が各既知の炎症状態の割り当てのために最適化されるように、LMRのパネルを選択するステップと、
d.各既知の腸炎症状態についてパネルLMR参照メチル化プロファイルを割り当てるステップと、を含み、
腸試験試料から得られた平均メチル化レベルとパネルLMR参照メチル化プロファイルとの比較が、腸試験試料の腸炎症状態を分類することを可能にする。
特に、提供されるのは、トリの腸試料の腸炎症状態を分類するための試験システムを開発するための方法であって、方法が、
a.既知の腸炎症状態を有するトリ対象又はトリ対象の群から得られた腸試料中のゲノムDNA中の低メチル化領域(LMR)を検出することと、
b.LMRの選択されたパネルの分類信頼性が既知の腸炎症状態の割り当てのために最適化されるように、各既知の腸炎症状態に適したステップ(a)のLMRからLMRのパネルを選択することと、
c.各既知の腸炎症状態についてLMRの選択されたパネルの平均メチル化レベルを測定することと、
d.それぞれの既知の腸炎症状態について、LMRの選択されたパネルの異なる参照平均メチル化レベルのライブラリーを生成することと、を含み、
腸試験試料から得られた平均メチル化レベルとLMRの選択されたパネルの参照平均メチル化レベルとの比較により、腸試験試料の腸炎症状態を分類することが可能になる、方法である。
【0040】
特に、異なる参照平均メチル化レベルのライブラリーは、参照試料が陽性又は陰性の腸炎症を有したかどうか、更に陽性の腸炎症が重度、中程度又は弱いかどうかに応じて、異なる参照平均メチル化レベルを有するLMRの単一パネルに基づく。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】Rパッケージランダムフォレストのコマンドrfcvを適用した、100個のLMRを開始入力とする反復ランダムフォレスト3倍交差検証の分類誤差。この図は、誤差が13個のLMRから始まって非常に小さくなることを示している。6個のLMRでは、予測電力が減少し、誤差が大幅に増加する。
図2】例示的なセクションで記載されるような腸炎症状態のニワトリDNAメチル化ランダムフォレスト分類器の確立。
【実施例
【0042】
本発明の特定の態様及び実施形態を、例として、本明細書に記載の説明、図及び表を参照して説明する。本発明の方法、使用及び他の態様のそのような例は、代表的なものにすぎず、本発明の範囲をそのような代表的な例のみに限定するものと解釈されるべきではない。
方法
【0043】
ブロイラー研究を、業界標準の三相トウモロコシ-ダイズミール食餌を与えたRoss 308雄ブロイラーを用いて、1-35日目からのすべての栄養要求を満たすように配合して行った(表1)。
【0044】
【表1】
【0045】
DNA抽出(Invitrogen PureLinkゲノムDNA単離キット)及びバイサルファイトシーケンシングのために、生理学的に健康な3羽の鳥を、それぞれ3、15及び35日目に安楽死させて脾臓、腸(回腸)及び筋肉(大胸筋)試料を切除した。
試料
【0046】
動物を2つの群(それぞれ3つの時点で炎症あり及び非炎症あり)に層別化した。これらの2つの群のそれぞれから、9匹の独立した動物からDNAを調製し、18個のゲノムDNA試料を得た。
全ゲノムバイサルファイトシーケンシング
【0047】
ライブラリーは、Swift Biosciences製のAccel-NGSメチル-Seq DNAライブラリーキットを使用して調製した。2つのシーケンシングライブラリーを1つのシーケンシングレーンにバーコード化した。シーケンシングを、105ヌクレオチドのリード長を有する標準的なペアエンドシーケンシングプロトコルを使用してIllumina HiSeq Xプラットフォームで行った。
【0048】
【表2】
【0049】
リードをトリミングし、参照配列としてGallus gallusゲノムアセンブリバージョン5.0(https://www.ebi.ac.uk/ena/data/view/GCA_000002315.3)を使用して、BSMAP 2.5(Xi Y,Li W.2009.BSMAP:全ゲノムバイサルファイト配列MAPpingプログラム.BMC Bioinformatics 10:232.doi:10.1186/1471-2105-10-232.)でマッピングした。Picardツール(http://broadinstitute.github.io/picard)を用いて重複物を除去した。メチル化レベルは、BSMAPパッケージと共に配布されるPythonスクリプト(methratio.py)を使用して、あるゲノム位置にメチル化CpGを有するリードの数をこの位置をカバーする全リードの数で割ることによって決定した。
メチル化データのSNPフィルタリング
【0050】
Gallus gallusゲノムについてデータベースdbSNPにSNPとして列挙されているすべてのCpGを除外した。LMRベースのランダムフォレストについては、分析を低メチル化領域内のCpGに限定し、シーケンシングされた試料のいずれにおいても5を超える鎖特異的カバレッジを示し、67,651個のLMRのセットを得た。
腸炎症状態のニワトリDNAメチル化ランダムフォレスト分類器の確立
ランダムフォレスト予測値(Rパッケージランダムフォレスト[https://cran.r-project.org/web/packages/randomForest/]に実装)を適用して、LMRの平均メチル化値に基づいて動物の腸炎症状態を学習した。これは、LMRのセット全体を10.000個のLMRのチャンクに分割し、各分割で250個の候補特徴(LMR)を使用して100の木を適合させることによって、各チャンクをアルゴリズムの入力として使用することによって行われた。可変重要度「減少_精度」について0より大きい値を示した各チャンクからのすべてのLMRをプールした。これを10回繰り返し、各LMRについて、これらの10回の繰り返しのプールされたセットにおいてそれが見出された頻度をカウントした。最も多く発生した100個のLMRを保持した。次に、入力として使用される特徴の数を段階的に減少させるパッケージランダムフォレストのコマンドrfcvを適用して、これらの100個のLMRを入力とする反復ランダムフォレスト3倍交差検証を実行した。得られた分類誤差を記録し、非ゼロの分類誤差をもたらしたLMRの数を評価した。この値は13個のLMRであることが分かった。本発明者らは、ゼロに近い分類には15個のLMRで十分であると判断した。「減少_精度」の値が最も高い15個のLMRが、結果として得られた特徴セットであると考えられる(表3)。
第2のステップでは、対照と炎症試料との間の全LMRの平均メチル化差を評価し、最も高い平均メチル化差を示す15個のLMRを保持した(表4)。
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
表5は、Rパッケージランダムフォレストのコマンド「ランダムフォレスト」で構築された、表3からの15個のLMRを使用する訓練されたランダムフォレストの一例である。入力データとして、9つのcon(対照)試料及び9つのinfl(炎症)試料の15個のLMRのメチル化値を使用し、各値をLMR全体の平均として計算した。森は、100本の木を含み、分割ごとに4個のLMRを使用した(パラメータmtry)。この森は、OOB(out-of-bag)データを使用した内部検証に基づいて、18個すべての試料を対照又は炎症として正しく分類したため選択された。
【0054】
各試料のLMRメチル化値に応じて、終端ノードに到達するまで木が移動される。この終端ノードは、「con」(対照)又は「infl」(炎症)のいずれかに割り当てられ、このようにして分類が実行される。その結果、非終端ノードは、「予測」列に「NA」(適用できない)を含み、これは、終端ノードに到達したときにのみ可能である、この時点での試料の分類を可能にしないためである。表の各行には以下が適用される。
フィールド1(left_daughter):左娘ノードの数;値が0であり、存在しない場合
フィールド2(right_daughter):右娘ノードの数;存在しない場合、値が0である
フィールド3(split_var):どの娘ノードが選択されるかを決定するために使用されるLMR;
終端ノードに適用できない(NA)
フィールド4(split_point):必ず下回るべき「split_var」の数値
(左娘ノードを選択するため)又はそれを超える(右娘ノードを選択するため)。
フィールド5(状態):終端ノード(-1)又は非終端ノード(1)
フィールド6:(予測):終端ノードの対照(con)又は炎症(infl)における分類;ノードが終端でない場合、NA
【0055】
【表5-1】
【0056】
【表5-2】
【0057】
【表5-3】
【0058】
【表5-4】
図1
図2
【国際調査報告】